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1949/03/29 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第3号
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1949/03/29 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第3号

#1
第005回国会 農林委員会 第3号
昭和二十四年三月二十九日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食料品配給公團法の一部を改正する
 等の法律案(内閣提出)
○調査承認要求の件
○小委員会設置の件
○蔬菜の價格統制及び配給統制に関す
 る件
○農林行政に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時五十六分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それではこれから農林委員会を開会いたします。本日は昨日に引続きまして食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案を議題にいたします。昨日ちよつと御報告いたしておきました公團の職員について、國家公務員法との関係の点でございますが、人事院及び参議院の人事委員会において関係方面と折衝いたしました結果は、この國家公務員法は他の法律で改正せられることは困る、それ自体の改正法律案ならば考慮してもいいと、こういう結論になつたようであります。從つて人事委員会からの発議で公團関係の特別職に関する法律改正が私らの方に掛つております。この法律案と相前後して掛ることになります。從つて昨日石川委員から御質問のありました、又私からも御報告を申上げた点は、一應この法案とは切り離して処理することになりますので、その点御了承願いたいと思います。尚この法律案は明日の本会議に掛け、そして直ちに衆議院に送り、参議院で同じく明日の本会議に掛けませんと公團が続かないことになりますので、從つて今日はこの委員会におきましても採決に附したいと思つておりますので、その辺お含みおきの上で尚残つております質疑を続けて頂きたいと思います。これから質疑に入ります。
#3
○岡村文四郎君 管理局長官にお尋ねしたいと存じますが。各公團とも掛賣りはしないということになつておりますし、しないということは会計法にあるんだということになつておると思いますが、非常に金融の円滑如何の関係で掛賣りを承知してやるわけじやなくとも掛賣りにならざるを得ないような形になることが出ると思うのですが、この際どういうふうに一体お考えになつておるか一應承りたいと思います。
#4
○政府委員(安孫子藤吉君) 現在の制度の下におきましては、掛賣りはできないことになつておりますが、実際上掛賣りせざるを得ないような状況に立ち至つた場合にどうするのかというお尋ねでありますが、やはりこの原則は通して参りたい、かように存じます。具体的にそうした事例が出ました場合には結果的にいろいろ処理をせなければならんこともあり得るかと思いますから、やはり掛賣はしない、こういうことで参りたいと思います。
#5
○岡村文四郎君 現金の代金授受が即時行われなくてもその取引は成立するわけでありますが、手形取引をするようなことが最早起きておる、その交渉は大体できておるのではないかという節があるわけであります。そこで片手落ちのことはやつて貰いたくないし、やりますと大いに國民の士氣を害するから、私は決して掛賣を認めたことが惡いと断ずる者ではないのでありますが、片手落ちにならないように、公團が全部揃つて形でやることが適当であり、そうあるべきだと思いますのでお尋ねするわけであります。そこで先刻お伺いしたように炭鉱に食糧の掛賣がいつも相当あるようですが、これは食糧ですから、食うものがないから貰つた、貰つたら金がないということになる、止を得ずそういうことになつておる部分もあると思いますが、一体掛賣を建前にしておらんことは承知しておりますが、不公平にならないようにやつて貰いますことが國民に対する義務であるから、その点を十分に考慮されて、若しそういう事態が起きた場合には片手落ちにならないようにおやり願いたいと思います。
 それから昨日國井委員からいろいろ公團の機構に対する御質問があつて、その終りに馬鈴薯のお話がありましたが、馬鈴薯会社から通じて來て、そうして「いも類局」ができて仕事をいたしておりますが、局長は今のところ「いも類局」で何ら不都合なこともないと思うし、われわれの考えておりますることと反するようなことになりはしないかというような、これは危惧かも知れませんが、御答弁があつたのでありますが「いも類局」を廃して、そうしてどういう部面ができないかということが、若しここでお話ができるんならお話し願いたい。それによつてわれわれも大いに善処して、今後の道を拓いて行く上に材料になると考えておりますから……。
#6
○政府委員(安孫子藤吉君) 実は経過的にいろいろ問題はあるわけでありますが、現在芋類は米と同じように全面統制をやつておりまして、政府が一手買入をするような建前を取つております。併しながら政府の手では到底できませんので、從來の関係経過もありますから、現在は買入に関する事務を「いも類局」に委託してやつておる状況でございます。お話の筋を推測いたしますれば、或いはこれが農業協同組合等においてその事務はやる得るのではないかというようなことも考えられるのでありまして、この点についてはわれわれ只今のところはまだ十分の自信を持つておりません。又その外の点もありますが、そうした点を考えまして「いも類局」が全然只今のところ意味のないものであるというふうには私どもは考えておらない。やはりそれ相当の機能を発揮しておる。この点についてはいろいろ改善をすべき点もあろうかと思います。そうした点についてはこの際十分檢討を加えて参りたい、かように考えておる次第であります。
#7
○委員長(楠見義男君) 外に食糧長官に御質問のある方は御質問願います。
#8
○門田定藏君 芋についてお尋ねしたいと思います。最近全國の需要者の声として芋の配給を非常に嫌つておる。これはなんであるかというと、東京、大阪その他六大都市を調査した結果ですが、非常にこの芋の配給が手間取るために半ば腐敗したようなものが配給されておる。殊に農村においても貨物積出時期に際して輸送が実に緩漫である。そのために農村においても芋を大変腐らかして、折角でき上つたこの甘藷を生産地においても非常に出廻りが遲いために腐らかしておる。こういう事実が全國各地にあるのであります。これに対して当局はこの芋の輸送について、もつとこれまでより敏速に配給して貰わなければならん。そうして一時に米を甘藷の時期に出すために、生務地においても非常に今申しましたように腐らかす。これらに対して甘藷の防腐対策というようなことも当局において考えておられるか、若しそれが考えていられないとすれば將來この点について十分注意して貰いたいと考えます。これについて御意見が伺いたいと思います。
#9
○政府委員(安孫子藤吉君) 昨年秋の甘藷異変、昨年は例年に比較いたしまして、甘藷の出廻りが非常に惡くて不正賣込が多かつたのであります。貨車の点については予め十分手配いたしておつたのでありますが、非常に出荷が敏速に又多量に出ましたために、いろいろの事態を惹起いたしまして、消費地方におきましてもいろいろ問題が起きたのは御指摘の通りであります。この点に鑑みまして、今年の甘藷につきましては計画出荷をし得るような態勢を各方面において取つて参りたい。勿論併せて輸送力の確保については万全の措置を取りたいと思います。それと併行いたしまして、やはり甘藷が相当貯藏性を持つことになれば、この点操作が非常に樂になる。最近各方面において研究をされましたキュアリングの方法による貯藏、この点についても私共といたしましては十分取上げまして、これを食糧操作面に活かして行きたいと、かように考えております。これらに対しましては相当の予算を必要とするわけであります。從來の経過を申上げますれば、当初公共事業費等におきましてこの予算を編成しようと思つたのでありますが、御承知のような公共事業費の状況でありまするので、これを盛り得なかつたのであります。最後のと申しますか、窮余の一策といたしまして、特別会計の負担においてこの問題を解決しようと只今作案中でございます。若しそれが成案いたしましたならば、御審議を願わなければならんと考えて折角努力をいたしております。
#10
○門田定藏君 芋の防腐対策についての予算の問題について御説明を伺いましたが、その予算なるものが、若しこれが実現したならばというようなお言葉がありましたが、若し実現したらばというようなことでなくて、折角全國の農民が作り上げたものである、これを腐敗させるということはこれは國家の重大な問題でありますから、若しというようなことでなくて、是非農林当局として、この予算を実現してやつて頂きたいと思います。
#11
○岡村文四郎君 多分長官御承知だと思いますが、「いも類局」の外郭團体として一つの会社を作つて、そうして恐らく復金から九千万円だと思いまするが、資金を借入れて各地に倉庫を建設して、今やつと終つたような形だと思いまするが、それは元、芋会社におつた人間が中核になつて仕事をいたしておりまするから、「いも類局」とは丸で親子の関係で仕事をしておるようであります。それが各地で非常に問題になつておりますが、我々がとやこう申しますのは、そういうことをするから非常に地方で困難をするので、いろいろな方面で小言を言われるからここにお聽きしておるわけでありますが、そのことをお認めになつて、指示はいたしますまいが、そういうことをやるのだということにお考えになつておるかどうか、お聽きしたいと思います。
#12
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今のお話、私まだ実は不明で、十分その問題を知悉いたしておりません。十分調査いたしまして、次の機会にお答え申上げます。
#13
○池田恒雄君 米の供出のことでお伺いしたいのですが、最近米の供出が相当嚴しく督励されておりますようですが、その過程において、大体農林省の方針をお伺いしますと、一部保育農家というようなものには供出は割当しないのだという工合に承知しておるのでありますが、この一部保有農家に対して供出を割当して、どんどん取つておるというのが相当廣範囲に見られるのであります。それから一部保有農家に拘わらず、兎に角飯米を切つて供出させるというような方法が相当廣範囲に行われて、そうしてそれに対して調整米とか或いは還元米とかいうものを、何時から出すとか出さないとかいうようなことでやつておるようなのでありますが、こういうことは私は非常に良くないと、こういうふうに考えておるのでありますが、農林省ではそういうことはやらないというような工合に、文書による質問を私がいたしましたときは答弁があつたのであります。事実は行われておるのでありますから、この際長官の御意見を拜聽したいと思います。
#14
○政府委員(安孫子藤吉君) 制度の建前から申しますと、一部保有農家と申しますものには供出割当が行くことがないという建前であり、又そういう方針でやつておるわけであります。実際問題といたしまして、末端に参りますると、與えられました割当数量を、恐らく全部が納得の参りますような公正な割当ができますならば、全部とは申しませんが、例えば一部保有農家にもかかつておるというような事態が相当改善せられるのではないかと思います。併し実情は必ずしも末端割当が公正に行つておりませんことは、皆様も御承知の通りだと思います。從つて或る地方におきましては、多数の一部保有農家に対しまして、割当が行つておる事情も承知いたしております。この点は今後割当を指示する際に、行政的にもそういうことがないように、又末端割当が公正に参りますように、各種の督励指導を加えて改善をして行きたいと、かように思つております。制度といたしましてはそういうことにはならないわけであります。現実の上においてそういうことがあるということは十分承知いたしております。この点を指導の面から改善して参りたいと、かように考えております。
#15
○池田恒雄君 そうしますと、そういうふうに一部保有農家等に対してまで、相当強い割当が行つておるということは、末端における割当が公正に行つておらないという解釈になるわけでございますね。
#16
○政府委員(安孫子藤吉君) それも大きな一つの原因だと考えております。
#17
○池田恒雄君 原因にはいろいろあると思うのですが、私共も観点は長官の観点と同じなんです。これは大体において空氣を見ますと、上からの割当が重いから止むを得ず、農林省の府縣割当が重いから止むを得ずというような話で、末端では上からの命令のやつを下の方にそういう形で押付けておるという傾向が見えるのでありますが、私は農林省が年々割当てる府縣割当の総数量がそれほど重いものだという感じを持つておらないのであります。でありますから、今日末端においてそういうことが行われておるのは、これは割当が公正に行つておらないという理由が非常に大きい理由になつておる、こう思うのであります。若しそうであるということを政府においても認められるならば、今供米を督励するに当つては、そういう点を考えながら督励しなければならないのではないかと思います。ところが割当が公正でないということが分つておりながら、その公正でない割当による割当を非常に強力的に採り上げて行くということは、これはどうも、我々として納得できないのであります。これはどういうわけでしようか。
#18
○政府委員(安孫子藤吉君) 具体的の農家の個々につきまして、その割当が不公正な結果そういう割当になつたかどうか、こういう判定は非常に困難でありますし、又中央におきましてその一々の判定はできかねるわけであります。從いましてこの供出の責任につきましては、大体府縣知事に大綱を示しまして、これを遂行して貰つておるわけであります。私が先程申しましたのは、そういう実情にあるところがあるということを私共は承知いたしておりまするが、一應推定といたしましては、表面的には公正に行つておる、こういう前提の下に供米の完遂を期しておるわけであります。併し実情から申しまして、どうしてもその完遂が物理的にできないという農家もあろうかと思います。この点につきましては、二十三年産米の補正会議をいたしたときに、附帶決議といたしまして、誠に止むを得ない事情によりまして完遂ができないという農家については、いろいろ調査の上適当な措置を講ずるという附帶決議がございまして、そうした趣旨に基いてその問題は個別的に処理して行きたい、又処理しておるところがあるわけであります。そうした方向において問題を解決して行こうとしておるわけであります。
#19
○池田恒雄君 長官のお話を伺いますと、非常に納得の行く答弁なんでありますけれども、実際の問題を見ますと、そういうような農家について一つ一つ処理されておるかどうかということは、私はまだ見ておるわけでありませんから分りませんが、大体の傾向を見ますと、相当ひどい供出を、これを無理押しに押しておるということは明らかなんです。尚且つそれが公正妥当な割当であつたかどうかということを判定するということは、これはなかなかむずかしい問題であるということは同感でありますけれども、併し非常に細かな部分についてまでどうこうと言うことはむずかしくても、大体においては縣廳なり地方事務所の方々は、農林省の場合と違つて、しよつちゆう村あたりを見て歩いておるのでありますし、供米ということは今年だけの問題ではないのであります。もう十年くらいこの方、供米ということをやりまして、供米督励というのは殆んどもう同じような縣廳の役人やなんかがずつとやつて來ておるのであります。これは分らないということは私はないと思いのです。現実に分つておりながら、まあ、とにかくというような工合に押し通しておる。そういう場合、法律とか経済というようなことは拔きにして、何か戰爭当時と同じような工合に供米に協力しろとか何とか言つて押しつけておる状態だと思うのであります。併しこれは農林省としてはなかなか分らないことだというふうに言われるかも知れませんが、農林省の方でもつとこういう縣廳なり、地方事務所も縣廳の一部分でありますが、こういうものを強力に只今長官の説明のような方針によつて監督するということはできないのでしようか。
 それからもう一つは、農業調整委員とか町村長、こういう人々を本当に供米の法律を理解するとか、或いは技術を理解して仕事をやつて行くというような工合に指導するなり、或いは自分の権限というものを濫用して無茶な割当をやつて行つたというような場合、これを嚴重に監督するとか、或いは方法によつては賞罰を明らかにするというようなことは一体できないものでしようか。
#20
○政府委員(安孫子藤吉君) 行政上の指導としてはできると思います。又私どもといたしましてもそうした点について十分努力をして行かなければならん、かように考えております。
#21
○池田恒雄君 長官が忙しいのだそうですから私は遠慮しながら質問しておるのですが。ですから私詳しいことも言わないで質問しておるのです。だから長官の答弁も非常に抽象的になりまして不便なんでございますが、長官がもう少し親切に答弁して頂くといいと思うのですが、それは私が材料を上げるまでもなく農林省にも相当あるのだろうと思うのです。だから、もつとはつきりして貰うといいのですが、一つの例として三月の十三日の東京新聞に千葉縣の東葛飾でしようか、あの辺の郡の何とかいう村で労務加配工を供米の方に充てて、そうして供米を一應完了したとこういうのです。ところがこの例も、昨年の今時分茨城縣の猿島郡にも、これは一般消費者用の藷の配給の割当をその儘供出に入れたという例があるのです。これは尤も私が先程指摘した関係を露骨に現わしたものなんです。これは農家に対する割当じやなくて、非農家に対する供米の割当をやつた、ですからこういうことをどういう解釈でやつておるか。これは國に対する義務だから皆でやろうというような戰爭中のあの日の丸の鉢巻ですね。あの式でやつているわけです。私はこういう行爲は嚴重にこれを処罰されていいと思うのです。だから指導上どうとかこうとかいうのじやなくて、私は最近これを出さない百姓を処罰するとかなんとか言つていますが、出さない百姓より出さした役人を処罰すべきものだと思うのです。こういうことを私は聞いているのです。
#22
○政府委員(安孫子藤吉君) 千葉縣についてはいろいろの問題がございまして從來とも供出の成績は相当惡いのです。これは非常に同情的に私共見ておるわけでありますガ、東京都というような大都市を近郊に控えておりまして、又非常に長い海岸線を持つておる、そんな点でいろいろ取締りの方の関係から申しますと横流れをするものも相当多い地帯でございます。これは地勢の上から申しましても相当肯けるところであります。生産高その他の関係からいたしますと必ずしも非常に重い割当をあすこにかけておるというふうには考えてはおりません。ただ問題といたしましては、いつも問題になりまする繩延びの問題があるわけであります。この点についてはいろいろ問題は起ると思いますけれども、併し公正に言いまして外の縣よりも特に千葉縣が非常に重い割当を受けておるというふうには実は考えておらんのであります。それが併し末端の割当になりますと、只今御指摘がありましたように、或いは非農家というようなものにまで割当が行つておるというようなことでありまするならば、これは実は私ども只今まで一部保有農家等に割当が行つておるということまでは承知いたしておるのであります。全然の非農家に対してまで割当が行つておるというようなことでありますれば、これは相当の問題であろうかと思います。その点は縣の方とも十分打合せをして調査をいたして、若しそういうような事実がありまするならば適当な方法で縣の方を指導して參りたいと、かように存じます。
#23
○池田恒雄君 その千葉縣の場合は、これは新聞では非農家とは書いておらないのです。百二十戸くらいの東京都内から流れて行つておる自由疎開者であります。これは私は新聞面には非農家というような工合に解釈したいのです。勿論疎開者でございますから確かに一段歩や一段五畝くらいの農耕地は作つておるに違いないのです。ですから仮にそういう農耕地を耕しておる疎開者を非農家でないというふうに見た場合でも、私は一斗なり二どなりの供出を命ずるということは、これはあり得ないことだと思います。ところが一斗、二斗ぐらい供出を割当てておるという、これは、まあともあれ非農家或いはそういう飯米農家も、自家のためだから、一斗なり二斗なりお付合いに出せという考え方の下に、いわゆる日の丸の鉢巻式に割当をやつていると思う。こういうことは道義上非常に美しいように見えますが、こういう割当の仕方がどういうことをするかいというと、結局負担能力のない者の方に多少でも押付けて來るということは、供米の能率を非常に惡くする。供米の負担能力の多い者の方に押付ければいいものを、ない者の方に押付けるから、非常に能率が惡くなる。こういうように私は考えるのであります。一斗や二斗だから、出したつて出さなくても、その人個人の経済関係というものは大した問題ではない、こういう工合になりますれば、事実上からいうと、こういうふうに押付けるということは非常にまずいと思うのであります。
 それから昨年の茨城におけさつま芋の供出割当の場合、完全に消費者に配給されたものを又出しているわけです、この場合の問題はどういう問題かというと、三月頃になつて、さつま芋の供出はこれが出ないのだ、七十%ぐらいで頭を打つておる、だから強権発動でするのだ、こういうような威しを言つているわけです。そうして芋穴まで調べ拔くというような強硬な督励方策を取つたわけです。ところが私が地方事務所、及び町村などにおいてよく調べて見ますと、大体において反別の平均割当をやつた、及び部落割当をやつたところが、割当の供出成績が惡かつた。こういうようにそこの地方事務所の課長、技師諸君が言つている。こういうことになりますと、はつきりと供出割当が惡かつたということは、供出の成績が惡かつたという結果になつておるのです。だから私はその場合、出さなかつた農家が惡かつたということにならないと思う。ところが出さなかつた農家だけがうんといじめられている。こういうことは私は非常にひどいと思うのです。つまり何の罪もない。ところが罪あるかのごとく警察に引張られるとか、ぶたれるとか、そういうふうに威かされる。それで一方つまらん割当をやりまして、そうして今度は結果において供出が完遂できないような状態に陥れた、当の割当の責任者はただ上の方で威張つて自動車に乗つて、そうして人を威かす。そういうことになると、これは一体何だか分らない。だから私はこういう場合、出さない農家がいる。完遂できない農家がいるということは、一方においては、割当のやり方を問違えた役人でとか、いろいろなものがおるのだ、そういう奴が指導するどころの騷ぎではない。個人の権利の問題にかかるのですから、これを嚴重に処罰する必要があると思う。それを一体どうして下さるかと言うのです。
#24
○政府委員(安孫子藤吉君) お答えにはならんかと思いますが末端割当の公正化の問題につきましては、御承知のように戰爭中は大体官僚統制でありまして、ずつと経過して参つたわけであります。終戰になりまして、この割当はこれを民主化しなければならん、それが最も公正に行く所以である。こういうような考え方の下に食糧調整委員制度というものを設けまして、そうしてここ数年來これが実行して参つたのであります。それでも尚且つ末端割当の公正化が全体的にうまくいかんということになつておるのでありまして、この良につきまして、私共は何かしら割切れんものを感ずるのであります。やはり客観的な標準を定めまして、それに基いて、やつて行くというような方向にどうしても持つて行かなければならんと思います。そのための努力を私共といたしましてはやつて参るのでありますが、現実の問題といたしまして、そういう割当をした責任者を一体処罰すべきではないか、そういう不公平な割当を受けた者が苦しんで、そういう決定をいたした者が、何ら処罰を受けていないというのは非常に適当ではないのではないか、これが実体的には御意見の通りであります。併し只今これを処罰するというような考えはいたしておりません。この点は飽くまで是正する方針で改善策を講じて参りたいと考えております。
#25
○池田恒雄君 どうも私は処罰するのが当然だというふうに考えるのですが、今日は不用意にそういう材料を沢山揃えて來ませんから、ただもう一度詳しい具体的な事案についてあとでお伺いしたいと思いますが、もう一つの例を申しますと、これも茨城新聞に出ておつたものでありますが、或る村の者が、これは五十名か、何でも百名以内の数でありますが、地力調査や供米の割当が非常に凸凹があるからそれを是正して貰わねばならんというような意味合いで署名を取つて官廳の方に陳情したというのです。ところが、これが供米阻害だと称して眞壁郡の下館警察に引つ張られた、これは非常に重大な問題だと思う。こういうことは新聞の通りだとするならば憲法に違反する行爲だ、これは我々が如何なる問題についても、裁判所の判決に対してさえも陳情するという自由を持つておるわけです。從つて供米に対して縣廳に陳情する、これは縣廳が直接督励に來たりなんかしておるから勝手な話だと思う。やることは少しも処罰される理由も何もないと思う。ところがそれを供米阻害だと言つて警察に引張るということになるとこれは大問題だと思う。而もこういうことが新聞に出ますと正当な権利を主張し得る農家が権利を主張することができなくなつて來る、恐ろしくて……。こういうような状況があるわけでありまして、まあこのことを私は申上げてこの茨城縣の下館警察署の引張られたのは新聞で書いてある通りのものが、或いは犯罪行爲を含んでおるかどうかということをあとで調査して出して貰いたいと思うのであります、それを中心にして一つそういう惡い役人が供米割当なんかやつた責任者を処罰すべきものか処罰すべからざるものか、或いは警察官なんかをどういうふうに処分すべきものかということの意見をお伺いしたいと思います。今日はこれは注文して置きます。これは一つの例でありますが、併しこういうことが廣範に行われて大分泣いておる百姓があるのでありますから。……尚民主化ということを言われたのでありますが、この供米の不公平という問題は農村の民主化を非常に惡くしております。このことも私はこの次に長官に対していろいろ訴えたいと思いますが、これは地主制度があつたときよりも今日の供米の不公平ということが遥かに農村を封建的なもの、いや封建的以上の古い農村にしております、飛んでもない問題が発生しております。泥棒や何かが農村にうんと殖えたのも、これに原因しております、これも一つこういうことを申上げまして、この次に下館のやつを何なら調べにおいて出して貰いたいと思います。
#26
○政府委員(安孫子藤吉君) 下館の問題は具体的に詳細調査いたしまして材料を提出することにいたします。
#27
○委員長(楠見義男君) 食糧長官に対する質問はようございますな。それでは他の公團関係の主管の局長も見えておりますから、御質疑をお願いいたします。
#28
○岡村文四郎君 農政局長にお尋ねして置きたいと思いますが、化学肥料の價格が各工場で各々違つておりまして、それをプールする関係で價格調整金を出しておるのでありますが、今までどういうふうに出しておられるか、先ず一應お聞きしたいと思います。
#29
○政府委員(山添利作君) 低い工場生産費と、高い所では丁度倍近いと思います。これを農民の方に供給いたします場合には、できるだけ低い一本價格で、そこでその場合にはいわゆる安定帶物資としまして、一番低いやつよりも低い價格一本にして出しておるわけであります。
#30
○岡村文四郎君 私がお話を申上げるまでもなく、農業者は化学肥料のみによつて作物を裁培いたしますることは非常に農業経営上困ることでもあるし、農地に対しましても、非常に困ることなんでございます。併しながらやむを得ずして今年の作を今年とりたいというような考え、又國としてもとに角とつて貰わなければならんので、化学肥料の数量を増してそうしてやつておるのでありますが、そこで現在――今までも日本に化学肥料以外に肥料はないかというのに、そうではないのであります。ここで先ず日本で一番切実に考えられるのは、動物質の魚粕であります。魚粕がなかなか円滑にいかなくて、困つております。それで年々表面に出て採ります魚粕の数量と、実際の生産高は大きな開きがあるのであります。これはあらゆる方面で困つておりまして、殊に水田をお作りになります農家の如きは非常な重要な肥料のために、あらゆる手段を講じて入手しようと画策いたしております。ところが生産者の方では、非常に價格が安いので、なかなか表面公定價格のみで販賣することは経営が成立たんような状況で、又いかん手段を講じておるのが現実の姿であります。化学肥料をそういうふうにして政府がやつておりますることを考えてみますると、一体何故魚粕にそういうことが考えられないか、とかく今の世の中も左樣でありますし、今までもそうでありまするが、農民漁民、中小商工業者、労働者というものは実に國家から見落され勝ちであります。大企業家は政府さえも動かす力を持つておりますから、これは我々が何にも援助も援護もする必要はないとは言いませんが、そういう事態にあることにつけ込んで、そうして魚粕の生産に対する事柄を考えてやらないということが一体当然であるかどうだろうか、増加することによつて百姓も喜ぶし、漁民も安んじて漁業に專念し、生産をした数量は全額ルートに乘せて公定價格で販賣してもいいと思うのでありますが、当然今の姿では公定價格で賣つたのでは経営が成立ちませんから、やむを得ずして闇で賣つて、闇のものを買つて経営をいたしておるようなわけで、これは甚だ手落の策でありますが、農民とか漁民とかいうものは実に力の弱いもので、政府その他官僚から言われればまあ止むを得ないと承知をしてやつてはおりまするが、その半面やむを得ずして現在のような姿でやつております。これはここまで考えるわけに行くかどうかわかりませんが、考えることができなくても、是非そう考えてやることが当然であつて、そうなれば非常に有利な肥料が生産をされて、あらゆる面に助かることが多いと思いまするし、これは非常に重要な問題であると存じますが、殊に農林省は、日本の農業の大方針をお立てになつて、それに即應して日本の農業をやつて行くべきであると考えておりますのに、なかなかそういうわけには参りません。それなら我々の方で、日本農業の大方針を立てて行けばよいのではないか、そういう議論も出ましようが、今のところ從來のしきたりがあつて材料が十分でない、調査も十分でなくてそこまで参つておりません。どうしても農林省の方で、そうやらなければならんのであります。日本の現在の農業から申しますと、あの魚粕を喜んで増産し、喜んで公定價格で出すような案を講ずることが当然であり、そうでなければならないと思うのですが、どうお考えになつておりますか、伺いたいと思います。
#31
○政府委員(山添利作君) 正直に申しますと、魚粕の問題は、肥料配給公團ができます前から日本肥料配給統制会社の方で統制をする形にはなつておりましたけれども、事実問題として集荷ができずにそのままになつておりました。そこで現在公團に切り替えますときに、只今の問題を相当檢討いたしたのであります。價格を引上げればできないことはなかろう。併し一方又價値から申しましても、これはおのずからそこに價格の上に制限を受けなければならんと考えております。從つて公定價格は設定される、併し集荷を完全に統制をすることは不可能であるというので今うやむやになつておりますが、今公團の取り扱う品目には加えない。現状におきまして、統制的と申しまするか、そのような形で配給せられておりますものは、御承知の通り食糧管理局でやつております米とのバーターだけであります。併しこれは現状のままでも困る、やはり餌の方、肥料の方と併せて何か主要産地については、これをクーポンシステムによるところの配給統制をやつたらどうか、こういうことでありまして、その要網を決定いたしまして、將來そういう方向で行くことにはなつておりますが、併しこれを只今御議論のありましたような徹底した方策を講ずる事柄は、これは各般の事情から見て困難だと思います。
#32
○岡村文四郎君 魚粕は「いわし」粕、「にしん粕」が主なるものになつておりますが、数量等の関係もありまして、いろいろ面倒なことがあると思います。きよう日になつて参りますと、魚粕として生産される限りは、肥料に製造しても日本の國民の栄養には何ら支障がなくなつておるのではないかと私は考えております。実は大方針と申しましたが、農林省は是非今局長の御答弁になつたお考えでなしに、どうしても作物の増産のため、耕地の保存のために、魚粕は当然取り上げて、そう無理なことをしないでもいいと思いますが、第一番に考えるのは價格であります。化学肥料はこつちは高くなるから困る。こつちの價格は安いからということで價格を是正する考えがあるならば、これは魚粕だからできないということはないと思います。それを今お伺いしておるのであります。そうして貰うと、耕地の保存もよし、作物の増産もできる。両々相俟つているわけであります。そういうことをして貰わないで、化学肥料のみを使つておりますと、自分の身を削るようなことで年々やつて行くので、五年、五年経ちますと、それがはつきりして來ることが恐ろしい訳なのであります。緑肥とか、堆肥をそれに調合させて行けば結構であります。又やりませんと、日本の農業そのものの根本を危くすることが多いのでありますから、是非農林省で魚粕の増産することを大いに取り上げて、これと公定價格は今の物價から考えて、到底増産に適当なる價格を決めたことは、これは認められない。仕方がないから、こういう金を出すというふうにでもお考えになることが、ちつとも不都合がないじやないかと考えますが、その点どうでありますか。
#33
○政府委員(山添利作君) 自給肥料が大切なることは申すまでもないのでありますが、これは單に魚粕がないのみならず、大豆粕がない。或いは油を搾るいろいろな粕がない。いろいろな点で詰つているのであります。魚粕の問題も実は「いわし」等の魚獲が非常に少い。併し少い中でも肥料に向けられるものは実際作られているわけであります。その行き先きが然るべきところへ行つていない。むしろ果樹園等に行つている場合が多いのじやないか、こういうところに非常に問題があるわけであります。價格問題は非常にすべての人が満足して出荷し得るような高い價格をつけて、そうしてこれを配給するときは肥料價格相應に安い價格ということになりますと、これは余程そこに財政上の問題も生ずるわけでありまして、尚又こういうことは單に魚粕だけでなく、いろいろな点に極端に言いますればいろいろな物資についてそういう場合があり得るのであります。これは矢張りそういうところまで手を拡げて参るということは、これは非常に問題じやないかということで、問題は價格についても自ら限度がある、その限度があります中で、主要産地における生産についてはその配給をできるだけ合理的ならしめたい。こういう現在の方針を以て進む外はなかろうかと考えております。
#34
○岡村文四郎君 これは前にもそういうことを、私はお聽きしませんが、脇から聽いた人があると思いますが、重ねて御答弁を願いたいと思います。実は政府が農民に対して食糧の計画生産を要求いたしております。肥料の配給が正確であるようであるが、実情はこれと異つております。昨年の如きは麦の肥料の配給中に翌年の稻の肥料が配給になつたことがあつて、現地においては翌年の肥料が今年の麦に間違つて使用されるというようなことで非常に混乱を來たしております。これは主食の計画生産に支障を生じて農村の金詰りと俟つて非常に支障を來たしているということであります。この実情をどういうふうにお考えになつているか伺いたいと思います。
 それから次にこれらの混乱の支障を防ぐため需要地の公團にストック・ポイントを設置するか、何等かの方法によつて、これらに関する措置を十分に講ずる考えはあるかどうか。それからもう一つは、政府は昭和二十四年度の春肥の配給に当つて相当に前渡し肥料を農家に対して本年一月末までに完了しようとしているようでありますが、目下の輸送事情から前輸送の措置は諒とするのでありますが、政府の責任においてなすべき行爲を農家の資金負担の上において行うことは妥当でないと思うのであります。前渡しの肥料については、その実需期までの金利及び保管料は政府が負担すべきものだろうと思うのでありますが、御意見はどうであるか、尚その対策は考えておられるかどうかということであります。
 それからもう一つは、都道府県地方事務所及び市町村等におきまして肥料の割当及び帳簿事務が遅延いたしまして、肥料の配給が澁滯を來しているようでありますが、事実そうなつておりますか、又これに対しまする善後策について政府の所見及び対策はどうであるかということをお聞きしたいと思います。
#35
○政府委員(山添利作君) 第一点の問題は肥料のいわゆる平渡しの問題であります。これは申すまでもございませんが、秋になりますると肥料が余るというとおかしいのでありますが、結局春使うものが秋にできる、從つて公團としては非常にそこに肥料を抱いているための金がかかるわけでありまするけれども、その調達し得る資金にもおのずから限度がございます。御承知のように從來までは肥料配給公團……、まあ肥料配給公團に限らず公団はすべて復金から金を借りなければならん、それ以外からは借りられない、ところが復金の資金もないということで、どうしてもこれを早く農家に引取つて貰わなければならん、こういう事情に相成るわけでありまして、從つて昨年の秋に約二十万トンと記憶しておりまするが、春肥に相当しまするものを早く引取つて貰い、この春につきましても春肥の分を早く引取つて貰うとこういう尊置をとつたのであります。そういたしますると、これは金利、倉敷を少くとも何と言いますか指定配給業者まで割戻すということは当然必要でございまするので、そういう措置を講じたのであります。今後ともやはりこの肥料の生産は月々同じような調子で行き、需要の方から見ますると秋肥はどうしてもその期の生産の一部を当てるわけでありまするからそこに厖大なストックができます。これを公團のみの力を以てストックしているということになりますると、これはどうしても金融上やりきれない、どうしても指定業者等におきまして引取つて貰う必要がありまするので、本年とりましたような措置は今後といえども繰返してそういう措置に出でざるを得んと思います。そこでそういうことをいたしますためにはどうしても又金利、倉敷等について割戻しをすると言いまするか、助成をすると言いまするか、そういう措置を併せて講ずる必要があるのでありす。そういう方式を以てやつて行きたいと考えております。政府が負担する……政府とおつしやいましたのは結局公團でありますが、いずれにいたしましても公團としては肥料をストックする金利、倉敷というものは公團のマージンの中に含まれているわけでありまして、これを引取つて貰います場合には、その割戻しをするという措置をとらなければならない、又農民諸君の負担から申しましてもいずれそういう金はどこかに要るので、全体のマージンとしてはそこに差引はないのであります。でありまするからその全体のマージンの中で円滑に資金繰りもできる程度にはやはり前廣に肥料を引取つて貰う、こういうことにならざるを得ませんし、これを一層計画的にやつて行きたいという考えを持つております。それから肥料の購入手帳を発行しておりまして、それに一々記載をいたしまして肥料を配給いたしておるのでありまして、これは一番当初は非常に記載事項が煩雜でありますので、最近はこれを非常に簡略なものにいたしております。いたしておりますけれども、それだけの事務は必要なわけでありまして、事務をいたします責任は市町村にある。併し市町村といいましても、なかなか人手が足りないというようなことのために、協同組合でありますとか、或いは指定業者の方へ若干手傳をお願いしておるというような場合もあろうと思います。手続といたしましては現在相当簡略化しておりますので、これ以上考えますことは余地が少いと思います。市町村に対しましては新しい予算からは極く僅かでございますけれども、若干の経費を計上いたしまして、市町村の農業調整委員会の方に交付するということを考えておるのでありまして、通帳制の煩雜なところは現在は直しまして簡單なものにいたしておりますので、これは市町村の方で非常に忙しいとは思いまするけれども、やはりやつて頂きたいとこういう考えを持つております。
#36
○岡村文四郎君 金利、倉敷のことで御答弁がありましたが、実は右手で出して左手で取るようになるなら同じことであります。政府と言つたのは公團からというのじやないので実は私は非常に不合理なことを稔念に考えておりますが、局長よく御承知のように、肥料というものはこんなものじやない、ところが統制をするからそういう結果になつているのだから、この金利、倉敷というものは公團の経費から出すならこれは公團の経済になることなので、どつちかこつちか使うから、そうでなしに政府の一般会計から出すこの金は、どうしてもそうするのでなければ同じことだから、そういう方法が考えられなければ頼んでも何にもならんわけでありますから、そういうつもりでお聽きしたわけです。三つ続けて申上げたから聽きますが、麦肥と翌年の稻肥料と非常に混淆して間違つて混乱しておる。そういうことでなしに町村まで輸送の関係でやらなければならんということは分るが、そこでストックして置いてそうして正規にやるということは一体できないのか、そこでその收容する場所がないというなら別ですが、まんざらないとは思いません。例えば協同組合の倉庫にいたしましても、だんだん食糧も出したりいろいろにして漸次余裕ができて参つておりますから、これはできないことでないと思いますが、そういう御意思があるならば……なくてもそういうことにお考え願うと非常に混乱をしなくてよろしいということに考えております。そこで百姓が間違つておるのではない、分らんのです。実際何で送つて貰つたか分らん。まあまあというわけで年中貰つておるわけですから、非常に有難さが薄くなつて参りますから、その点をお考えになつたらということを考えております。それから配給通帳を渡しておるから何らか事務を簡素化するようにしてそう澁滯のないように考えておる、そこでこの仕事は市町村にお願いをしておるということでありますが、これはお願いは市町村でありますが、全部事務は協同組合でやつておるのであります。そんなものを町村に頼んでも、とてもできんから、そういうふうに食い違つておる。実は協同組合をいろいろなものに使いながら協同組合は使わん形にしておることが、現在の実情に合わんことでありまして、局長は在らゆる方面の協同組合の大なる担当者であつて、その実情は御承知だと思いますが、そういうわけでありますから、その点をこのことによらず半面にその実情を考慮してお考えになつて貰うことが、非常にいいと思うのですが、どうお考えでしようか。
#37
○政府委員(山添利作君) 肥料を貯藏します場所は、そう不足しておるとは考えておりません。それから政府が持つたらどうかということにつきましては、昨年は実はそういう予算も相当考えた次第であります。併しこれは現在の財政事情としまして、なかなかできないことであります。從つて肥料公團の倉敷の中から操作いたしたのでありまして、將來とも、それ以外に大藏省に要求しましても、実現は至難であるという見通しであります。それから協同組合に通帳の記入等を手傳つて貰つておることが多いのでありますが、併し協同組合は飽くまでも公けの仕事には使わないのだという建前は、これを言葉を濁さずにはつきり申しまして、そういう観念でなければならんというふうに考えておるわけであります。
#38
○岡村文四郎君 協同組合を公けの仕事に使わんということはよく分る。併しながら使つているのはどうなんです。それはいけないから処罰するというのかどうか、それを一つ聞きたいと思うが、実際に使つている人間がやつている、それが一つ。
 それからもう一つは金利、倉敷は分も非常に困難で、そういうわけにいかんが、將來もだめだろうというお話なんです。そうすると正規で貰わんということを言うのか、正規に貰うのか、百姓は受け取らん。そんなものを貰つても、金利も倉敷も拂わんのだから、こんなものは貰わん。そんなことじや困るから國家の責任においてやれ。こういうふうになつたらどうなさるか。
#39
○政府委員(山添利作君) 結局肥料の配給統制をやつております場合におきましては、そのファイナンスにつきましても、究極におきましては、これは政府の責任だと思うのです。併し政府の責任とは申しながら、やはり金融市場の関係、要後金融市場に依存せられると、やはり早く受取つて貰わなければならん事態になることは、これはもう間違いないと思うのです。從つて只今お述べになりましたような事態が若しできまするとすれば、これはメーカーに賣ろうとする限りはそういう実情になりまして、ひとり配給のみならず、肥料生産全体に大きな影響を來たしますのであります。そういうことがないように一つ御協力をお願いをいたしたいと思つております。
#40
○岡村文四郎君 でも仕事をしているのはどうなります。
#41
○政府委員(山添利作君) これはそういうふうにお手傳いを事実お願いをいたしているだろうと思います。この事柄は義務のない事柄に対してお願いをいたしておりますので、甚だ恐縮でございまするが、やはりできる限りの御協力をお願いをいたしたいと思うのであります。この事柄は併し統制の方式若しくは上からの圧力ということで協同組合に事務を扱つて貰つているのではないので、どこまでも御好意によつて農民諸君のために協力をして頂く、こういうわけであります。
#42
○岡村文四郎君 大変今日はどうも局長お上手でどうも工合が惡いのですが、(笑声)好意でやつているのではない、できないからやつているんです。ですから若しこれがやらんということになりますと、市町村の負担というものは実に大きいのです。そこでこれを若しやらんとなりますと、又二人、三人の人を頼んで、それが年中あるのならいいんですが、そうではありません。そうかと言つて臨時の人では分りません。そのために協同組合が自分の仕事のようにしてやつておるのです。そこでそれが御好意でお手傳いをして貰つて相済まんというような局長のお考えでは困ります。局長のお考えは反映するのですから、そうでなくて、できるものにやらして置くということならば、それが反映して我々の理想通りに仕事が行くと思います。今のような御答弁では駄目だと思います。これは万事そうなのです。そこで話は違いますが、今度出ました復興資金でもそうです。復興資金でも協同組合が一切手を出せない。そのまま中央金庫から都道府縣廳、そうして中央金庫の各府縣出張所に行くことが当然なのでありますが、各府縣ではわいわい言つておりますが、私の方では全部一手に引受けて仕事をしておる。これは復興金庫に委して置けない、見ておれんから全部引受けてやつておるという実情である。やれる者にやらせないでやれぬ者にやらすという考えをしないで、決して惡いこともしなければ泥坊もしないのですから、やれる者にはやらすし、使える者は使う方式で行つた方が簡便であるし、仕事が官僚的にならなくてうまく行くから、そういうふうにお考え願つて置かなければいかん、そのことをお願い申上げます。
#43
○板野勝次君 肥料配給公團が農民から前渡し肥料の代金を回收した後の金利を稼いでいるという点ですね。こういう事実を御存じですか。
#44
○政府委員(山添利作君) そういう話を一度聞いたことがありまして、公團の当局者と話をして見たことがありますが、そういう事実はないと思うのです。それは、そこから末端から引上げる前に若干の時日がかかる。併し末端の方に留め置くことのできる金額については、嚴重な制限を当局者ができます限りにおいてする、そういうことにしております。
#45
○委員長(楠見義男君) 外に御質疑がございませんければ、食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案についての質疑をこれで打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(楠見義男君) 御異議ないようでありますから、それでは質疑はこれで終了いたします。次いで今申上げましたこの法律案につきまして討論に入りたいと思います。
#47
○藤野繁雄君 食料品配給公團等配給五公團の存立期間をそれぞれ三ヶ月間延長するということは、今日の情勢において止むを得ないものとして、賛成するものであります。併しこの際公團今後の問題について、若干の希望條件を申し述べたいと思うものであります。公團の存立期間については、その設立の当初において、すでに問題となつておつたのでありまして、この三月末を以てその期間が切れることは予め分つておつたにも拘らず、その措置について、政府の研究対策が十分でない。政府の言うところ、或いは民自党の言うところ、その他諸説紛々として定めらないために、職員の動搖を來たし、或いは末端配給に支障を來たす等の惧れを生じましたことは極めて遺憾であります。従いまして、この際政府は、國家経済、又民生安定の上における公團の重要性に鑑みまして、その今後の処置について、早急に具体的に、結論を得て、これを明確に示されるように要望するものであります。
 次に公團の整理統合としましては、徒らに形式に囚われず、事務能率を簡素化し、公團法本來の目的たる配給能率を増進し、消費者の利便を図るように考慮されたいのであります。尚公團の運営については、今後十分民意を尊重するような処置を講ぜられたいと思うのでありますが、食糧配給公團は、末端配給について、消費者の意見を聞き、都市においてはサービス向上、その他配給の円滑を図ると共に、農村等にあつては、代配制を拡充し、農協のごとき組織を活用せられるように希望するのであります。更に甘藷及び馬鈴薯の取扱については、能率の向上と、中間経費の軽減のために、藷類局を廃止し、農協のごとき民間團体に取扱わせられたいと思うのであります。食糧公團に対する炭鉱方面のこの賣掛金の放棄問題は、各方面に重大なるショツクを與えておるのでありますから、速かに対策を講ぜられたいと思うのであります。近く輸入補給金の削減によりまして、消費者價格が上るのは止むを得ないのであると思われるのでありますが、この際食糧管理特別会計の機構と、公團制度との二元性を簡素化することにより、中間の経費を極力圧縮いたしまして、消費者價格への影響を來すことがないようにするか、又はその影響を極力少からしめるように檢討せられたいと思うのであります。種子馬鈴薯及び種子甘藷の集荷配給は、公團の取扱を中止し、農民の希望する團体にこれが取扱を任せ、食糧増産の重要な種子の確保に遺憾なきを期せられたいと思うのであります。肥料配給については、末端の手続を簡素化し、配給能率の向上を図るように措置せられたいと思うのであります。肥料公團における緊急農藥の取扱は、恒久対策として考うべきことを、暫定的機関である肥料公團に取扱わせることは不合理であると思うのであります。公團が本來の肥料配給業務に專念し、能率を上げるために、將來適当なる機関に実行せしめるように考慮されたいと思うのであります。
#48
○板野勝次君 私は、今藤野委員が言われましたごとく、予め期限が予定されておりましたものを、どたん場まで持つて來て思うようにならないという從來のやり方には反対せざるを得ないのであります。凡そ今日まで追詰めて來た、そうして止むを得ず措置しなければならない状態を作り出したものは、言うまでもなく私は現内閣の責任であり、この責任所在を明らかにし、そうして遺憾ながらこれは措置として止むを得ないのでありますから、本改正案に賛成する者でありますが、希望いたしたい第一の点は、数日に亘つて農村委員の打合会で、公團の一應の説明が聽取されたのでありますけれども、実際に過去における運営の実体その他について、十分過去の弊害がどこに一体あるのか、そういうふうなことが檢討されるのには、極めて短い期間しかなかつたと思うのであります。從つてこの点については本農林委員会において決議を以てこの公團の調査承認要求を決定して貰つて、できるだけ速かにこの公團の問題をもつと堀り下げて研究するというような機会を作つて貰いたい。これは農林委員の各位にお願いする点であります。それから第二の点は、先日農林大臣が官僚化しておる公團の機構を民主化したい。こういう意見を述べておられたのでありますが、できるだけ速かに政府においては、公團法の民主化についての立案、そうした具体的な内容をできるだけ早い機会に示して貰つて、又しても三ヶ月間の、期間ぎりぎり一杯に來て十分愼重に審議する機会を與えずに政府の作つた案を鵜呑みにされるというようなところへ追い込まないように、この三ヶ月間にできるだけ早く立案をして提出して貰う。この以上の二つの点を希望いたしまして、極めて遺憾ではありますけれども、本案に賛成する次第であります。
#49
○石川準吉君 今回の改正につきましては事情止むを得ざるものと思いまして賛成いたします。ただ一つだけ特に御要望申上げたいのは、今回の改正におきましては、関係公團を一應六月三十日まで延期するということになつておるわけでありますが、本國会の会期は二月十一日から一應七十日と定められておりますので、四月二十一日になりますると一應國会がなくなるわけであります。でありますから今後三ヶ月経ちますと政府はいろいろ措置しなければならぬわけでありますが、これらの点はこの時日と睨み合せまして、適当な遺憾なきを期せられんことを要望いたしまして賛成いたします。
#50
○山崎恒君 結論的に申しますと、まあ止むを得ず賛成をいたしますが、只今板野議員、藤野議員から希望意見がありましたように、私も希望を一二申上げて賛成いたしたいと思います。大体この公團は特に一ヶ年間期限付きでいずれも発足いたしたのでありますが、発足匆々この肥料公團はすでに先程來岡村君等から話がありましたように、大体において農業が特に基礎的仕事をしておるというような状況もありますし、いずれの公團を見ましても、公團を経営するための公團であつて、殆ど消費者の利益、或いは民生の安定というようなことを織り込んだところの経営方法は、やつておらないというようなのが実情に思われるのであります。殊にこの食糧公團のごときは代配給をやつておるところのいわゆる農業会系統、農業協同組合を使いましたところの代配給機関に対しましては、手数料方面が特に甚しい縣隔がある。何等商人がやつておる代配給と、直轄しておるところの配給所と異ならないところの施設を持つており、人的にもそうした素質を持つておる協同組合がやつておるものを、それを特に費用が三分の一ぐらいの経費しか農協に拂つておらないというような情勢があるのであります。さような点からいたしまして、過般來新潟縣下におけるところの代配給の機関に対して、全面的に新潟縣から特に要望事項があつたのでありますが、食糧公團の総裁は、これを何とか要望に應えたいような氣持を持つて引ずつておつたのでありますが、最後の土壇場でそれができませんというようなことで断つておる。いかにも食糧公團の総裁の代配給に対するやり方の手口は全く官僚的であつて、ちよつとも地方の実情を参酌しておらないというような点が、我々甚だ遺憾に思つておるわけであります。この点は特に政府においても調査されて、一つ食糧公團の総裁に対して、何とか一つ、私共は、一應この問題は、けじめを付けて貰いたい、こう思つておるわけであります。これは先般起りましたところの問題でありますが、さような状況で、まだまだ搗精方面におきましても……例えばこの政府機関の、政府職員であるから賃金ペースはいずれもそのペースによつて支給されておりまするが、その間、内容、実情を調査するというと、賃金ペースよりも倍ぐらいにならんとするところの賃金が支給されておるというような公團があるということを聞いておるのですが、こうした費用はどこから出ておるか、こういう問題を掘り下げて私共は研究しなければならんと思つておるわけです。特にこの搗精の問題でありまするが、特に米を搗く面におきまして非常に、例えば政府からは五十八キロ、或いは五十九キロという一定の基準率を示されて搗精を請負わしておるのでありますが、果してこれが、その搗精歩合によつて、精白状況によつて配給されておるかどうか、こうした問題が非常にマージン関係と密接不可分な関係があると思う。これを果して政府がそれだけ搗精の歩合率によつての檢査制度が行われておるかどうか。こうした問題が非常に費用問題と絡んでおるのじやなかろうかと、こう思われるのでありますが、殊に都会の直轄の精白所はともあれ、委託制度でやつておるところの精白所というようなものは非常に利益を貪つておる、こういう点があるのであります。何といたしましても公團は一部の者が利益を壟断しておるものも多いし、或いは又公團の経営のための経営というような面が非常に見られる点がありますので、そうした点を十分監督し、又指導する必要が政府においてはあるだろうと、こう思われるのであります。その他の公團についても尚そうした面が窮われるのでありますが、特にこの食糧公團においては、芋の問題が先程ありましたが、芋類の集荷の点については殆ど農業協同組合が芋の集荷をやつており、單に貨車の仕向け先の指図に過ぎない。さようなことのために一つの局を作つておりまするが、それは殆ど指図機関であつて、厖大な費用を取つておる、こういうような点があるのであります。そういう点を今後の、七月以降に起りますところの……、いかなり統制方式になるか分りませんが、とにかく米の配給にいたしましても、これは末端配給は登録制にすべきだ、こういうような考え方も私共は織り込んで行かなくちやならんと、こう存じておりますが、そういうような点を飽くまでも是正する必要があるだろうとこう存じます。とに角そういう意見を申上げまして一應賛成いたしたいと思います。
#51
○委員長(楠見義男君) 外に御意見ございませんければ、直ちにこれより食料品配給公團法の一部を改正する等の法律案を議題にいたしまして、採決に入りたいと思います。
 政府提案の原案通り御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#52
○委員長(楠見義男君) 全会一致で決定いたしました。例によりまして、多数意見者の御署名を願いますと同時に、本件は明日の本会議に掛ける予定にしておりますが、その場合の委員長報告等も例によりまして、大体この委員会の空氣等を傳えることにいたしますから、委員長において然るべく調製いたしますので、お委せを願いたいと思います。
 多数意見者署名
    星   一  山崎  恒
    藤野 繁雄  徳川 宗敬
    門田 定藏  柴田 政次
    池田 恒雄  岡村文四郎
    赤澤 與仁  加賀  操
    石川 準吉  板野 勝次
  ―――――――――――――
#53
○委員長(楠見義男君) それから只今討論に際して板野さんから御提案になりましたことは、これは私共も立法府として單に政府のみに委せることなく、我々自体もこの問題については檢討をして然るべき問題だと思いますので、いろいろ各委員におかれましても相異なつた御議論、御意見もございましようし、又相一致した点もあると思いますが、併し少くともこの委員会としましては小委員会等を設けて、そうしてこの問題を具体的に掘り下げて檢討いたしたいと思いますが、皆さんの御意見如何でございましようか。
   〔「同感」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(楠見義男君) 御賛成のようでありますから、この問題について特に調査承認を求めて、小委員会を設立することにいたしたいと思いますから、さように御了承願います。
 尚これも予めお断りして置きますが、小委員の指名は委員長において御指名申上げることに御賛成頂きたいと思います。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(楠見義男君) さように取計います。
  ―――――――――――――
#56
○委員長(楠見義男君) 尚、昨日御披露いたしておきました蔬菜の統制撤廃の問題について、この四月一日からいよいよ実行されるようでありまして、その具体的の内容について食品局長が見えておりますから、概略の御説明を伺うことにいたしたいと思います。
#57
○政府委員(三堀參郎君) それではお手許にお配りいたしてあります資料に基きまして簡單に御説明申上げたいと思います。
 蔬菜につきましては御承知の通り、現在價格につきましては公定價格制度があります。又配給につきましては物資需給調整法に基く配給統制規則と、それから輸送につきましては、輸送証明規則によりまして、輸送証明制度を取つておるのでありますが、これらの價格の統制、並に配給の統制、輸送証明の制度はいずれも四月一日以降廃止するということに本日閣議決定を見ました次第でございます。尚蔬菜の現状は終戰後今日まで非常に好轉をいたしては参りましたけれども、必ずしも戰前の状態そのままに復帰したとも思えませんし、特に端境期或いは品種の問題等につきまして若干の問題がございますので、統制を撤廃したあとにつきまして、別紙に書いてありますような処置を当分の間取つて参りたいと思つておるのであります。考え方といたしましては、現在行つております指定生産地制度を引続き実施して行くということを中心にいたしまして考えておるのでありまして、現在農林大臣の指定生産地が全國に約五百、それから知事の指定生産地が約千五百、両方で約二千あるわけでありますが、これが大体中都市、大都市の消費の多くの部分を賄つておるわけなのでありまして、この指定生産地が復活したということが、現在の蔬菜の需給事情の好轉いたしました非常に大きな原因をなしておるのであります。從つて、統制を撤廃いたした後におきましてもこの指定産地制度は引続き継続いたして行きたいと思うのでありまして、ただこれは別段指定産地制度と申しましても、法的な措置をするのでは勿論ございませんで、現在もやつておりますことは、御承知の通り肥料を先渡しいたしまして、そうしてその先渡しした肥料に基いて生産せられます蔬菜を知事なり或いは農林大臣の指図に基きまして、中都市、大都市に出荷をするという義務を負わせて、その全國的な計画によりまして、蔬菜が全國的に均分的な配給が行えるということを目標にしてやつておるわけなんでありまして、この制度を引続き実施して参る、こういう考え方なんであります。別段の法的な措置をやるのではないのであります。それに要します肥料それから尚若干の農薬等の生産資料につきましては、勿論今後も引続きでき得る限りの量を確保して行きたいと思つておりますし、尚出荷に必要な木材、釘等の包裝資材についても確保いたして参りたいと思つております。尚細かいことになりますけれども、蔬菜出荷の農家に対します衣料その他の労需物資につきましても、確保いたしたいと考えておるのであります。次に輸送の問題でありますが、輸送につきましては、先程申しましたように、証明制度は廃止いたしますけれども、蔬菜は非常に傷み易いものでありますので、これにつきましては、統制は撤廃いたしましても、できる限り輸送力の許す限度におきまして、できれば優先輸送をやつて行かなければならんということは、蔬菜が國民の必需食料であるというこの見地からも当然のことと思うのでありまして、先般果物の統制を撤廃いたしました際には、優先輸送から落されましたけれども、蔬菜につきましては、引続き優先輸送を実施して参りたい。鉄道輸送につきましても、船舶輸送につきましても、同樣に考えておるのであります。
 尚又大都市近郊から参ります出荷用のトラックに対するガソリンその他の代用燃料におきましても、一定数量の範囲内において出荷に対するリンク配給を継続する、かように考えておるのであります。それから今後は都市に入荷後におきます荷受機関については、勿論自由になるわけなのでありますが、これらが統制撤廃になりますと、金融の順位が御承知の通り内順位になるのでありますけれども、そういたしますと、相当金額が嵩んでおります現状におきましては、荷受機関いわゆる御賣人が金融面において相当に参るというようなことも考えられますので、統制撤廃後も当分の間從來通りの金融の順位を確保して参りたい、そういうことによりまして金融を與えて、そうして卸賣人が産地に対する支拂その他に不自由のないように考えて参りたい、かように考えております。これが大体統制撤廃後の措置として差当り採つて参りたいと考えておる考え方でございます。
#58
○委員長(楠見義男君) 何か御質問があつたらお述べを願います。
#59
○藤野繁雄君 今統制が撤廃されるというようなことで、東京市内における野菜の配給がおもしろくないような点があるのでありますが、これはやはり品が不足でありますか、或いはそういうふうな前提の下に出荷しないのでありましようか。
#60
○政府委員(三堀參郎君) 今御指摘の両方の理由によるものと考えられるのでありまして、今年は暖冬異変で、もともと四月は尚まだ端境の域を脱しません上に持つて來て、二月、三月頃に比較的葉物などが出廻つたというようなこともありまして、今年の四月は余り状態がよくないわけなんであります。そこへ持つて來て先般來新聞紙等に四月早々撤廃という氣構えが出て参りましたので、賣り惜しみをするというような氣分と両方で、現在のところ相当入荷は惡くなつております。ただこれは今後もこの統制撤廃ということで、産地も消費者もはつきり態度が落着きますれば、端境期という一種の若干の惡條件はありまするけれども、それ程ひどくならないのじやなかろうかと思つております。
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#61
○石川準吉君 蔬菜の問題でなくて、一種の緊急質問みたいになりますが、実は地方自治法改正に対して、政務次官がお出になりましたからお伺いいたします。今回の地方自治法の改正によりますというと、縣廳におきましては、從來は知事の権限によりまして、必要な部を設けておつたのでありますが、今回の改正によりますというと、総務部、民生衞生部、土木建築部、農林部、商工部、労働部、公共事業部、この七つに固定いたしまして、地方の特殊性による部の設置を止めてしておるようであります。ところが東北のように非常に林地の多いところにおきましては、どうしても林務部、いわゆる森林関係を專門に扱いますところの林務部の設置が必要なのでありまして、これは東北各方面からの猛烈な陳情が來ておるのであります。でありますからして、かような七つに固定することなく、地方の特殊性によりましては、更に必要な部を若干置けるような機動性をこの際持たして貰わなければならんと思うのでありますが、この点に関しまして、務政次官の御意見を承りたいと思います。
#62
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今石川さんの御指摘の点は、実に御尤もであると考えますが、閣議としては未だ決定しておらないように大臣からは聽いております。併し日本の現状から申しまして、七割は山であるという実情と、山林資源を得るに非ざれば日本の産業復興途上幾多の支障を來し、例えば治山治水に事欠いて災害を生ずるというような憂いと、今後住宅難を緩和するというあらゆる角度から、当然林政の重大性ということは御指摘の通りであります。而ういたしまして北海道初め岩手、秋田等十四五縣は、全く林政によつて相当縣の財政並びに地方関係民が安定と申しますか、経営上非常な緩和を得るところがあると思いまして、御指摘の御趣旨によりまして、関係の林野局ともよく協議し、大臣にこの趣旨を申上げまして、閣議等の催された節におきましては、以上の林政関係の主要縣には林政部をそのまま存置するように進言いたしたいと、かように思いまして、甚だ物足りない感がございますが、御趣旨を徹底させるということを申上げまして答弁といたす次第でございます。
#63
○委員長(楠見義男君) この点は委員長としましても、ちよつと政務次官に申上げておきますが、少し言葉は適当でないかも分りませんが、ここにも亦農林水産業を犠牲にして新らしい構想をやろうとするような、我々としては誠に遺憾な面が実は現われて來ておるのであります。例えば全國一律に農林部、商工部を設ける、如何なる廳においても商工部を設ける、これは現在は御承知のように経済部の一課の商工課というものが大体各縣にあるのですが、その一課の商工課を商工部にして全國一律に都道府縣に商工部を設ける、そうして農業土木関係、或いは農地関係、一般の農政関係、食糧関係、林産関係、水産関係、こういうような從來数部に分れておるようなものを一つの部に纒める。こういうようなことが今回の地方自治法の第百五十八條の改正において企図されているということを、私共実は非常に遺憾に思つておる。從つてこれは委員長といたしましても、この点については十分善処方努力したいと思つておりますが、各委員の方におかれましても、この点は特にお含み置きを願いたいと思う。又政府、特に農林御当局におかれましても、特にこの点は重視して頂きたいと思います。これをすべて一貫した思想と言いますか、やはり方と言いますか、誠に憂慮すべき事態だと考えまするが、ただ全体として憂慮しておる一端がここにも又現われたと、こういう点であります。どうかこの点を私からも申上げて置きます。
#64
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今委員長さんからのお言葉で、私もちよつと案を入手して見ましたところが、御指摘の通りで、これでは農林行政が極端に縮小される部面が展開するようなことでございまして、後刻委員の皆様方に大臣と面接をお願いいたす機会がございますから、十分にこの点を御指摘下さいまして、是正の力強い進言をして頂きたいと思います。私共内部からお言葉によりまして、一層御趣旨に副うように、強力に又進展する方途を講じたいと、かように思う次第でございます。
#65
○委員長(楠見義男君) それでは大分時間も経ちましたので、本日はこれで散会いたしたいと存じます。
   午後三時四十三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
          池田宇右衞門君
           柴田 政次君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           岡村文四郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   食糧管理局長管 安孫子藤吉君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (食品局長)  三堀 參郎君
ソース: 国立国会図書館
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