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1947/08/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第3号
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1947/08/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第3号

#1
第001回国会 予算委員会 第3号
  付託事件
○昭和二十二年度一般會計豫算補正
 (第一號)(内閣提出、衆議送付)
  ―――――――――――――
  委員の異動
八月十五日委員出淵勝次君辞任につ
き、その補缺として渡邊甚吉君を議長
において選任した。
  ―――――――――――――
昭和二十二年八月二十日(水曜日)
   午後二時四十六分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○昭和二十二年度一般會計豫算補正
 (第一號)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) 只今より委員會を開會いたします。すでに議題となつておりまする昭和二十二年度一般會計豫算補正第一號につきまして、通告順によりまして質疑を許します。中西功君。
#3
○中西功君 私の質疑は實は物件費竝びに人件費の單價、特に千八百圓基準の内容について。それから最近安本から發歳されました十二月に至れば、三百九十圓内外の黒字になるというふうな見通しの基礎について質問をしたいわけでありますが、そうなりますと、主として大藏大臣竝びに安本長官に聽かなければいけないのであります。ところがその兩大臣がお見えていないわけでありまして、その中の一部について米窪國務大臣にお聽きしたいと思いますが、…大藏大臣が見えたようでありますから、大藏大臣に最初少し質問いたします。それは第一はこの補正第一號の我我に提出されたものの中では、物件費竝びに人件費がどういうふうになつているかということは、これは分らないのであります。一體この中の物件費或いは人件費がどういうふうな勘定になつているかということを先ずお聽きしたい。
 それから序でにもう一つの點を質疑いたします。それは物件費竝びに人件費の單價を大體どういうふうな時期において立てているか、この二點について少し説明を願います。
#4
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。只今提出されております豫算につきまして、人件費、物件費の割合はまだ正確な集計に至つておりません。大體官廳の從來の豫算について見ますと、大體人件費が一に對して物件費が四の程度の割合になつております。それから單價の問題でありますが、これは御承知のように給料につきましては千八百圓基準というものを取つております。物件費につきましては最近の單價になつております。
#5
○中西功君 二十二年度の豫算のときには確か十月竝びに十一月を基準にしたと思いますが、それからどの程度の補正が加えられておりますか。
#6
○政府委員(野田卯一君) 二十二年度の本豫算でございますが、これは昨年の十一月から十二月までの物價を基準としてできております、その後非常に物價が昂騰いたしましたし、それから給與の方も千六百圓基準が千八百圓基準になつたりしてこういうような關係で人件費につきましても、非常に不足を生じましたので、そういうものを取纒めまして補正豫算の第二號として國会の御審議を願う、こういうことになつております。
#7
○中西功君 そうするとこれには書いてないわけですね。
#8
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。追加豫算につきましては、勞働省關係の中には取入れるのは取入れております。
#9
○中西功君 今の説明では結局この第一號にはそれが全面的に出ていなくて、第二號として出ておるという話で一應問題がこの場合外れるわけでありますが、そのときの基準ぐらいは今分るわけですか。
#10
○政府委員(野田卯一君) 御趣旨が、今度の今出ております、勞働省關係の豫算の基準という意味でございますれば、人件費は千八百圓基準、物件費は最近の單價においてやつておる、こういうことでございます。
#11
○中西功君 私の聽いておるのは最近の單價と、本豫算の十一月、十二月當時の單價の間にどのくらいの差が見込んであるかということを聽いておるわけであります。
#12
○政府委員(野田卯一君) お答えいたしますが、今空には覚えておりませんが、大體官廳の消費のものにつきましては主として公定價格によつておりますので、公定價格のあるものにつきましては、十一月乃至十二月の公定價格、それから最近の公定價格の切上つたその割合によつて算出しておるのでございます。
#13
○中西功君 實は人件費の千八百圓基準ということについては、私は非常に詳とくお尋ねしたいわけなんです。これは非常に細かいことを問題にするので、安本長官に是非出て貰いたいわけですが、その前にちよつと、この普通官廳の豫算では出張旅費だとか、或いは委員會手當だとか或いは會議費だとかいうのは、普通はどんな項目に入れて組み、又その總額や單價をどの程度見込んでおるかというような、單價はどうなりますか。
#14
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。旅費等につきましては、議會の議定科目ではございませんが、部、疑、項、その下に目がございまして、目の中に旅費がございます。これは本當の書類ができますと、各項目につきまして旅費が幾らということが出て参りますので、お知り願えると思いますが、その基準につきましては、各役人がどのくらい旅行する必要があるか、例えば勞働省關係の仕事で、或る擔當官が勞政の仕事をいたしておる、それに非常にいろいろな仕事があれば、年に何囘出張するか、又一囘の日數は何日くらいかという具體的の事實を調べまして、それに當時の決まつております日當、宿泊料、旅行のどのくらいの距離に行くという平均を取りまして、汽車賃を加えるというふうにして出しております。又委員會につきましては、委員會科目一本にするだけでなくて、いろいろとそれに使うものがあります。委員會の書記を何人使うとか、それにどれだけ拂うとか、何人の委員でその手當はいくらだとか、委員會の鉛筆、紙はどの程度使うとか、或いはその他飲物を出す。それはどのくらい出すかというようなことを一々詳しく當りまして、それを各自の當該のところに割振つて計上するというふうにしております。
#15
○中西功君 私のお聽きしておるのは、そういう組み方でなくして、現實に、例えば俸給に對してどの程度の金額をどの程ぐらいに見込んでおるかということを、一般の標準としてお聽きしておるわけです。實際は我々に出された第一號は非常に大まかで、そういうふうな詳しいところは全然出ていないわけです。我々に對して審議しろというふうに出される場合に、こんな大まかなものを出されてもよく分らない、これで賛否を採れと言つたつて、中がどういうふうに使われておるのかということにたいしては、先きの政府側の説明においても、極めて不明瞭であるわけなんです。こういうふうな問題を不明瞭にしておいて審議しろという、政府側の態度は、實に了解に苦しむわけです。だからもつとはつきりと自分自身にも分るように、我々にも分るようにして貰いたいという點が、私の要求なんです。
 ついでに千八百圓の問題について少し質問をいたします。これは衆議院の豫算總會におきましても、我々が黨の野坂參三氏が述べましたところであります。この千八百圓基準の問題は、實に澤山な問題があります。私たちよく考えて見ますと、又實際の働いておる人々の實情をよく見ました時に、これで到底やつて行けないということは、非常にはつきりしておるわけだと思います。例えば八月十一日に安本の、物價廳の新聞記者に發表いたしましたいろいろの数字がありますが。この發表の中で、あの働いておる人々の一日の必要なるカロリーを平均一五五〇カロリーと見込んであるわけであります。而もその發間の數字は四・二人の家族であります。念のために言えば、その中には五〇カロリーの家族菜園の收入が見込んであります。ところがこの一五五〇カロリーによつて、本當に働いておる人々が生きて行けるかどうかという點であります。これは同じく安本の生活物資局の發表いたしました數字とも矛盾しておるのであります。同時に又經済白書の四十七頁の數字とも實際は矛盾しております。それらの資料によりますれば、平均一人当り二一四〇カロリーが要る。同時に蛋白質は七十五グラムが必要である。こういうことをはつきり言つております。その數字と前の數字との間には六〇〇カロリーの開きがあるわけであります。從つてこの六〇〇カロリーはどうしても最低のものだと思いますが、この最低の量をとにかく闇で買わなければならないということになるわけでありますが、委員長すみませんが、速記を止めて……。
#16
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて……
#18
○中西功君 それでこういう一五〇〇カロリーという數字を出す政府の意團が果してこれで食えると考えておるのか、それとも或る事情に基ずいてわざとこういう數字に出しておるのか、その點を先ず最初にお聽きしたいと思います。これはどなたがいいのか、ともかく……。
#19
○國務大臣(米窪滿亮君) お答えします。結論から申上げますと、中西さんの今のお尋ねの一五五〇カロリーで食えるかということですが、これは人によつてそれが私はイエスであり又ノーである、こう申上げます。政府は千八百圓ベースで二合五勺という配給を基礎として一五五〇カロリーということを算出しておるのでありまして、勞働者に對しては御承知の通り勞務加配米がありますから、こまによつて相當なカロリーが加わつて來るということは大體御了解ができると思います。
 次に、一五五〇カロリーというものは何らお尋ねのような政治的意味があつて決めたわけでは毛頭ございません。これは正直にいわゆる千八百圓ベース、二合五勺を基準とすれば、そういうカロリーが出るということを申上げたので、何ら御指摘のような、そういつた特別な政治的意圖はないのであります。詳しいことは經済安定本部長官がいませんから、私は極く概略だけを申上げて置きます。
#20
○中西功君 そうすると米窪国務大臣の意見では、この一五五〇カロリーで以て、同時に千八百圓ベースで以て食えるというはつきりした基礎からこれを出したということになりますね。
#21
○國務大臣(米窪滿亮君) 一五五〇カロリーで食える食えないということは先程申上げた通り、その人のいわゆる生活環境その他の生活上のいろいろの條件によつて、食える人もありますし食えない人もあるという工合になります。
#22
○中西功君 そうするとお尋ねいたしますが、食えない人はどうするのでありますか。
#23
○國務大臣(米窪滿亮君) 配給量で食えない人はこれは止むを得ない。これを補給する途を講ずるより他に方法がないこういう工合になります。
#24
○中西功君 そうすると、その補給する量は大體どの程度に見込んでおるわけでありますか、そうしなければ千八百圓ベースというものは出て來ないと思いますが……。
#25
○國務大臣(米窪滿亮君) これは千八百圓ベースを決めた經過を申上げた方がよいと思います。御承知の通り新物価體系をどの邊で可えるかということは、人によつていろいろ意見があると思いまするが、今日のインフレーションを抑壓して、一日も早く主食糧を初め生活必需品を配給の物によつて大部分を占めさせるためには、どうしてもこの際いわゆる闇伏伐する。我々の生活をして少しでも多く闇部面をなくするということが政府の方針でございまして、従つて昭和十年、十一年の時の平均物價水準の大體六十倍乃至七十倍にセーフテイ・バンドをはめることが、いわゆる賃銀と物價との惡循環を斷ち切ることになるだろう。こう考えて、そこでいわゆる企業費の原價計算をして參りますと、人件費が企業費のフアクターの中の非常に大きな部面を占めておる。大體ひどいところは七割、少いところでも六割から五割五分位になるのであります、従つてこの六十五倍にしたために、やはる賃金も六十五倍にすべきであるという勤勞者側の意見もありましたが、賃銀の占める企業費の分野が非常に大きいのでありまして、止むを得ず賃金は千六百圓、こういうような決めたわけであります。その千六百圓は五月の初めにおけるところの鑛工業の三十五の重要なる職業別の賃金を平均したものが大體千五百何十圓ということになる。それに當時の官公廳の平均給料は大體千六百圓と見て千六百圓と押えたのでありますが、六十五倍にセーフテイ・バンドをはめることはその撥ねかえりが相當ある。それで少いだろうが、撥ねかえりのために二百円を増加して千八百圓、こうしたのであります。もしも勞働者の要求通り二千六百圓にした場合においてはどうなるかというと、昭和十年、十一年当時の平均紹價水準の約百三十倍になる。こういう新物價で行けば當然これはインフレーシヨンを抑止することはできない。こういう關係において政府は止むを得ず新物價は六十五倍、そうして賃金は千八百円ベース、こういうことを算出したのでございます。そもそもこの千八百圓はあくまで新物價體系を立てるための算出基礎としての名目賃金であつて、これが決して實質賃金の標準にはならない。實質賃金については、これは各企業ごとにおいて、團體交渉によつてこれよりも上を取ることは、何ら政府はこれを抑えようとするものではないのであります。但しそれによつていわゆる決められた新物價體系が賃金の暴騰によつて、これが根本から崩れるということになれば、これは元も子もなくなりのであつて、政府はその點においてはこういうこのないように考えておるのでございます。從つて只今のお尋ねの點についても、そういういわゆる制約の下に行われるのでございまするから、ここで一五五〇カロリーで食ベられない者はどうするかというお尋ねに對しては、各人がやはりその家計費を節約する等のことによつてやつて頂くより外に方法はない。即ち二千六百圓と千八百圓の相違の八百圓というものはどうするかということについては、政府としてはいわゆる流通秩序を確立して、闇を撲滅して、それによつていわゆる闇によつて買うところの物を少くして、そうして實質賃金に近付ける、それからして勤勞所得税の基礎控除は約千三百圓各人について上げる。そこで大體國庫の税の收入減が約五十億圓ということになるのであるが、國家はそれをさえ耐え忍んで、いわゆる基礎控除額を上げよう。それから新物價によつて闇物價は下る、こういうことで大體八百圓のうち六百五十圓くらいは吸收し得るだろう。残りの百何十圓はどうしても國の力に依つて、政策によつては吸收し切れないので、これは先程申し上げた通りに、一人々々がその生計費の家計の節約によつてやつて頂きたい。こういうことを先ず申上げましたならば、大體お尋ねの点について御囘答したことになるだらうと思います。
#26
○中西功君 そうすると千八百圓基準というのは、あくまでも計算上の基準であつて、實質的なものではない。だから民間企業において非常に豐かな所においては勞働者が團體交渉によつて取つてよろしい。そういうことになるわけでありますか。そして又政府の意圓としてもそういう運動を決して抑えようと思つていない。これは今まで國會においてもたびたび言われたことだと思いますが、そういう計算上の、形式的なものが、實はさつき説明になりましたようにこの豫算の中では基準になつておるわけであります。それで實はこの千八百圓で實際食えるか食えないかという點を我々がはつきりさせることが必要と思います。その対に私たちはその千八百圓基準の本當の資料、基礎資料を我々ははつきり政府が出することを要求するわけでありますか、そうでないと、ただ計算上の基礎として作つたものを、官公廳の職員諸君に鐵してだけは一つの實質的の賃金として與えるということになるわけであります。或いは若しこれが單に計算上のものであつて、必ずしも實情を現わしていないというふうなことになるならば、政府としてはそれが實情に合つていないということが非常にはつきりする。そういうことが團體交渉によつて、官公廳の勞働者諸君によつて要求されるというときには、それは喜んで引上げる用意があるわけですね。
#27
○國務大臣(米窪滿亮君) 官公廳についてはその餘地はないということをはつきり申上げます。いわゆる私企業においては千八百圓以上のものもあれば千八百圓以下のものもある。官公廳においてはその幅がないのでありまして、從つて千八百圓ベース一本でございますから、こま番上げることは政府の意圖し、計畫しておるところの各種の緊急經濟政策の根源が崩れて來る。即ち新物價體系は官公廳の千八百圓ベース以上に給料を上げるということによつて崩れて來るのですから、政府はどうして今日においては官公廳については千八百圓ベースを堅持したいと思つております。それから一五五〇カロリーで食えるかという政府の計算についてのお尋ねでございましたのですが、これは大人も子供も婦人も込めての計算が一五五〇カロリーでありますから、大人、特に働く人に對しては二一〇〇、二二〇〇カロリーくらいになるという計算と考えるのであります。
#28
○中西功君 それで問題の中心點は、即ち一、五五〇カロリー竝びに千八百圓によつて喰えるかどうかという問題に歸著すると思うのです。これについてはもつと詳しい問題、個々の問題について我々は質疑したいと思うのです。それで私といたしましては、私の概括的な意見を言えば、先き申しましたように安本の生活物資局自體が必要だと言つておるそのカロリー量は、平均二一四〇カロリー、これも實に内輪に見積つての話であります。一五五〇カロリーというのは、これはもう幾ら平均いたしましても非常に衰れな、殆んどこれでは働けないものになつておるわけであります。勞務者加配米があると言いますけれども、一體加配米のカロリー量をどれだけに計算しておるかということも問題であります。これは恐らく非常に少く見積られておるのであります。それでこういう計算をいたしますと、とにかくどうしても最少六五〇カロリーというものを闇で買わなければならん。この六五〇カロリーという數字は、これは四・二人の世帶では二五二〇カロリーになるわけであります。この二五二〇カロリーというのは、結局四・二人の世帶において大人一人が斷食をしておるか、或いは又乳幼兒ならば、二人の子供が斷食をしておるか、そういうふうな數字なんです。こういうふうな點を基礎として考えて行きますと、政府は安本が最近發表いたしましたあの十一月になれば四百圓近くの黒字が出るというふうなあの發表は、實に人を馬鹿にしておると思うのです。私はあの新聞記者に配られた表から、いろいろ推算して計算して見ますと、その足りない部分、政府の言う通り二五二〇カロリーというこの足りない部分、その足りない部分を十一月頃の状態に換算いたしますと、これは一人當り闇費として、これは飲食費だけでありますが、その部分は九圓六十錢になります。一ケ月約二百八十八圓、これは四・二人に直しますと一日四十圓三十二錢、一ケ月千二百九圓六十錢というふうな數字になります。この計算の基礎は非常にややこしいので申上げませんが、あの渡された表を勘案して推定して出しますと、闇で買うべき一カロリー當りが大體一錢六厘くらいになります。それで計算したわけでありますが、こうなりますと三百九十幾らかの黒字は愚か、實際は赤字が八百圓に達するのであります。これは簡單な計算でありまして、これだけではまだ問題の眞相ははつきりしないと思うのです。こういうふうな杜撰なと言いますか、非常にインチキな基礎の數字で以て、實は現に食えない、非常に食えないでおる多くの人々の不滿をそらそうとしておるところが非常に明瞭なのでありますが、併しこの基礎數字の問題に關しては、實は米窪國務大臣に當りましても十分でないと思いますので、私の質疑を次囘に保留いたしまして、和田安本長官の御出席を求めて、その節はつきりと細部に亙つて討議したいと思います。
 それから資料を要求したいのですが、非常に澤山ありますが、實は政府の發表では、一日五〇カロリーというふうなものが家庭菜園から入ることになつております。こういう家庭菜園は可なり大きな菜園でありますが、そうした場合に、政府はその種子代でありますとか、農機具でありますとか、そういうものを果して見込んでおるかどうか、又どういうふうに見込んでおるかという點が一つの問題であります。それから蛋白質、これも實際の量が一日一人どれくらい、これは量でありますとか、それから金額、そうしたものをドけだけに見込んでおるか。それから副食費でありますが、これも單に副食費というふうな概括的なことにせずに、豆、魚、肉、野菜、それから鹽干魚、油その他というふうに分けて、はつきりと量、金額というものを出して貰いたいと思います。調味料の味噌、醤油、鹽、これも量と金額。酒、煙草においても同じであります。それから住居費は、あの表によりますと八十九圓十五錢ということになつておりますが、その中で家賃が幾らであつて、一人當りの坪數をどのくらいにしておるかということもはつきりと聞きたいと思います。非常に細かいことを言うようでありますが、大體電球は何燭光を豫定しておるのか、それから先熱費、この中には、電氣料、瓦斯代、木炭、薪、煉炭、マツチその他がありますが、こうしたことも一世帶一日當り、一ケ月當りのその量竝びに價格をはつきりと出して頂きたい。衣服においても同じであります。單に衣服とせずに、肌着やタオルそうしたもの、即ち布帛品、それも量と金額。それから履物、石鹸、入浴代、理髪代、通勤代、この通勤代は被通費の中に一括されておるだろうと思いますが、一體この交通費の中の通勤代、我々働く者が通勤する場合に、何キロくらいのことを豫定されておるか、何キロ通勤すると豫定しておるか、その金額。或いは又實際に家族が、この中でもはつきり出ておりますよすに、闇購入物のために闇買いに行かなければならん、その場合に政府は闇部分があるということを豫定しておられる、それは相當の量に達しております。そうした場合に、その交通量を一体どの位のキロに見積つておるのか、更に葉書、切手、電報代、これも葉書は幾らでありますというのでなくて、一ケ月大體何枚、切手においてもそうでありますが、そういうようなふうにすべて非常に詳しく出して貰いたい。その他相當ありますが、これはこの次の質疑の時まで保留いたしたいと思います。一應これで終ります。
#29
○委員長(櫻内辰郎君) それではできるだけの資料を御提供願うことにいたしまして、次は通告順によりまして石坂豊一君。
#30
○石坂豊一君 私は本案について二、三質疑をしたいと存ずるのでありまするが、先ず豫算の本筋を頼つてお聽きする方がよかろうかと思うのでありますが、我々に示されましたる豫算は、いかにも大雜把にできております。各局別になつておることはおりますが、往年軍事費の協贊を求めた折に、陸軍も海軍も軍事費何百何億というふうに要求した、それ程ではありませんけれども、内輪がさつぱり分らない。中西君の仰せられるように、極めて微に入り細に入りこれが資料を要求するということは、中西君の要求によつて出て來ると思いますけれども、せめて各自の明細、人件費、物件費、或いは新規の役所でありまするから、特別な施設、そういうふうな項目に分けた資料を極めて早い期間にお廻し下さることができるのでありましようか、その點を伺つて置きたいと思います。
#31
○國務大臣(栗栖赳夫君) 御答辨いたします。實は二十二年度の本豫算に關聯する問題もございますし、本豫算の場合も強加豫算として計上いたす關係上、そういう點にも檢討を、加えておるのでございます。ところが何分にもまだこれが決まりかけておるような次第でございます。殊にこの追加豫算の第一號は大變急ぐような関係がございまして、そこまで檢討し、はつきり皆樣のお手許に差上げることができない次第でございまして、その點はお許しを願いたいと思つております。いずれ追加豫算の場合に一つ十分御檢討を願いまして、又資料その他も提出いたしたいと思つております。
#32
○石坂豊一君 一應了解いたしましたが、大體におきまして豫算審議上に必要なる科目明細書は、今後原則としてお出しになる方針であるか、それは出さないで、只今のようなやり方でおやりになるのであるか、それを伺つて置きたい。
 それからもう一つ、追加豫算は餘程お急ぎになるということでありまするが、まだ法律としての労働省設置が通過もしておらんようであります。而して我々が最も國務の遂行上必要であろうと考えられます追加豫算がまだ出ておりませんが、これは追加豫算よりも先に補正豫算としてこれを審議しなければならんのでありましようか。追加豫算はむしろ我々としては先決に早く審議して、これはその後に廻つても差支えないようにも考えておりますが、その點大藏大臣のお考えを伺いたい。
#33
○國務大臣(栗栖赳夫君) 只今御要求の明細の書類は、校正をいたしておるのでございますが、何分こういう時期でございまして、印刷その他が遅れるものでございますから、でき次第お手許に配付いたしたいと思う次第でございます。
 それから勞働省の設置につきましては、これは勞働基準法を九月に實施するという關係がございますので、少くとも勞働省は八月一ぱいに設置する必要がございます。それで誠に相濟みませんけれども、かように書類も十分整わないにも拘わらず御審議をお願いするような次第でございます。
#34
○石坂豊一君 私はこれは全體の關係で總理にお伺いしたいと思いますが、お忙しいことでありましようから、どなたでも御答え願いたいのでありますが、政府は勞働省以外の各省の廢合及び新設をいかにお考えになつておりますか、當分これだけで止めて他に手を觸れないというお考えか、但しは法律に基ずいて急ぐ分からこれを提出したいというお考えか、先ず以てそれを伺いたい。
#35
○國務大臣(栗栖赳夫君) 石坂さんにお答えいたします。政府には行政調査部もございまして、そこで行政機構の各般については研究をしておるのでございまするが、勞働省だけは、この行政調査部において一般の行政機構を綜合調整して改廢するというその計畫の中に入つておらん、そのわけは昨年の吉田内閣當時からすでに勞働省を設置せよということは、貴衆兩院においても相當その要望があり、且つ勞働關係の法律については、附帶決議となつておるような關係で、これは昨年において、勞働省を設置すべきことは大體において非公式ながら確定されて、併しながら関係筋との交渉によつて、これが本年に持越され、それから吉田内閣からして片山内閣に引繼がれた。こういう歴史的經過があるのでありまして、この點において勞働省を設置することは行政調査部の計畫の中に入つておらない、勞働省以外においてのお尋ねでございまするが、これは目下行政調査部において内務省が解體した後はどうするか、いろいろのそういつた問題については目下調査研究中でございまするから、絶對に新省ができないとも断言できない。この點御了承願います。
#36
○石坂豊一君 私がお伺いするのは、勞働省は前内閣の引繼ぎの問題であるということもうすうす聞いておりましたし、只今國務大臣の御言明によつても、さようなことであつたかと確信を得たのでありますが、併し昨年の議會の決議をいたしました時と、今日とは非常に日本の時勢は變つておると私は信じております。で、勞働省設置の目的は私は只今ここで申上げる必要はないのでありますが、歸するところは勞働者の幸福を増進して、生産に邁進させるということが狙いでなければならんと存じます。勞働運動を取締つたり、又いろいろな窮屈な法律を設けて、そうして勞働者の勞働運動等に妨げのあることをやられる考えは、少しもなかろうし、又勞働基準法においてもやる方法は決まつておるけれども、大體の目的は勞働省の幸福を増進するということでなければならん。ところが私ども見たところによりますと、これは勞働者ばかりでありませんけれども、勞働者の一番困つておるものは今日は住宅です。その住宅の基本は、勿論食生活も關係ありまするけれども、その住宅の問題については、今において二年前に設けた戰災復興院を、實に開店休業の状態に置いて傍觀されておる状態である。で、參議院におきましても先々自由討議の時におきまして住宅問題を審議したのでありまするが、誰とてこの問題に反對の意見を述べておる者はないのである。又政府もそのものも非常な不足を感じておるのでありまするが、私は不敏ながらこの問題について非常な關心を持ちまして、戰後第一次世界大戰及び今次の世界大戰に對する住宅の施設が、各國においてどういうようなことをやつたものであるかということを、誠に貧弱なる資料の集め方でありまするけれども、調べておるのでありますが、どうも先例として模範とするようなものはないのであります。何故そうかというと、我が國におけるような大なる破壞を受けたものはないのでありまするから、取つて以て範とすることが少いのは當然である。併しあべこべに米國であるとか、英國においては住宅建築を怠つたり、或いは又住宅に多少の被害を來たしたというような關係で、あべこべに米國とか、英國においては、戰後における住宅の問題は非常にやかましく叫ばれておるように私は聞いておる。政府はこの點においてこれは問題外でありますが、豫算の劵働者の審議の際に強い關聯を持たん問題でもないのでありますから、どういうふうにお考えになつておるか。私はその点において實は總理の御意見を伺つた見たかつたのでありますが、御繁激なる總理はいずれ他の機會において答辯願うとして國務大臣の御所見を伺つて置きたい。
#37
○國務大臣(米窪滿亮君) 勞働省設置にいては、石坂さんのお説の通り昨年痛切に感じた程度よりも、もつともつと今年においては、その設置が痛切であることは御同感であります。勞働省設置の目的は、勞働省設置法案第一條にございまする通り、勞働者の福祉を圖り、その職業の確保を圖ると同時に、産業の興隆と國民生活の安定を圖る、これに盡きておるのでございます。然らば勞働者に對する住宅問題はどうかということでございますが、今日御承尚の通り原木が非常に足らない。或いは戰災によつて住宅が非常に燒失した、いろいろの關係で不足でございまするが、尚又政府は本年度約二十六億戸の住宅を作る計画を立つておりまして、その中、十一萬二千戸はこれを勤勞者に充てようと考えております。その十一萬二千戸の中、四萬五千戸は炭鑛におけるところの新築、一萬五千戸が改造。大體そういつたことで重點的に基礎産業に對にして使用されておる勞働者のために住宅問題を考えております。勿論これは非常に少いのでございまするが、非常にいろいろな惡條件がございまして、思い切つたことができないのでございますが、政府はともかくも非常な熱意を以て住宅問題を處理して見たいと思います。尚且つ政府としては大きな住宅、或いは寺院、そういつたもので勞働者の寮に使えるようなものは、これは修理してそういう方面に使いたい、そういう工合に考えております。
#38
○石坂豊一君 別に資料をお求めすることになつておりますが、終戰後厚生省において勞政局、保險局、勤勞局、それから勞働基準局、及びにこれに關聯するところの本省の支出額というものはどれ程になつておるか、又二十一年度の今後の支出すべき、この豫算實行までに支出すべき豫定額はいか程になつておるかということを要求して置きましたので、政府としてこの資料をお出し下さることと存じております。何故私はこの資料を要求するかと申しますと、とかく政府において新規の役所を設けられる場合においては十分の御權衡を取つておられると思いまするが、新なる役所は非常に厖大なるものを要求せられまして、舊來の既設のものは不自由ということになり勝ちになつておるのであります。それで勞働省新設を機會として、その權衡をどういうふうに御覧にたつておるか、その點を一つ參考にしたいと思うのであります。大藏當局の方の御説明があれば承わりたいと思います。
#39
○國務大臣(米窪滿亮君) お答えします。厚生省から勞働省ができるについて來る局は、勞政局と勞働基準局と職業安定局、新たにできるものは官房と勞働統計調査局と婦人少年局、新たにできる局のために新規に要求した豫算が四千萬圓でございます。厚生省から來る三局の豫算については、大藏當局からお話があると思いますが、これについて共通行政費等の補正があるのでございまして、詳しいことは大藏當局から御説明になると思います。
#40
○政府委員(野田卯一君) お答えいたします。厚生省の豫算から勞働省に移されますのが五千九百萬圓、それは豫算には載つておりますが、今囘の補正第一號には載つておりません金額で、今までは厚生省で使う豫定のもので、勞働省で使うことになりますものが、二億六千六百萬円でございます。
#41
○石坂豊一君 只今私共の受取つておりまするのは一億八百萬圓くらいになつておりますが、二億圓と仰せられた金額は、どこから來ておるのでありますか。
#42
○政府委員(野田卯一君) これは少し混み入つておりますので、もう少し詳しく申上げないとお分りにくいかも知れませんが、この前の二十二年度の本豫算で、厚生省の方に計上してあるもので、そのものが一括してそのまま勞働省の方に移管できるものは、補正豫算には載つていないのであります。それは一括厚生省から勞働省に移管できるものは、この前の本豫算の豫算總則というところにおきまして、官廳が變るとか、或いは權限の委讓があつた場合に、片方から片方へ移る場合は、別途に議會の議決でなくてもやれるという包括的な、何と申しますか權限を與えられておるのであります。この前の本豫算におきまして、それによりまして今まで厚生省の豫算に盛つてあつたのが、今度は勞働省ができたからというので一かたまりになつたものを全部移せるものは、今度の補正第一號に載つておりません。今までの一かたまりの一部分だけを分けて移すというものだけが、只今申上げました五千九百萬圓という厚生省から移すと申上げましたのは、固まつたものの一部分だけずつを割いて移すので、合計いたしますと五千九百萬圓であるのであります。まるまるぽつと一つの項目が移るものがある。それの合計が、二億六千六百萬圓。それで少しややこしいことになりますが、二億六千六百萬圓と五千九百萬圓とを合せたものが、厚生省所管から勞働省に移されるものであります。
#43
○石坂豊一君 衆議院等において審議されておることと思いますけれども、私共は衆議院における審査の模樣は、速記録などが以前のように早く廻つて來ませんから、私共も或いは重複の質問をするかも知れませんが、その點は御勘辨を願いたいのであります。これはどうも印刷の都合かどうか知りませんけれども、從來は衆議院の速記録は翌日見ることができたのでありますが、それを參考にして國務大臣に質疑することは、非常に便利であつたが、今はそういうことは一切ないので、分らないから、或いは重複することを聽くようになるかも知れませんが、只今の御説明によりますと、そうしますと我々の審議しないものが、厚生省に勞働省に行くべきものを若干殘してある。それを勝手に勞働省の方でお使いになることもあるから、その金を混ぜての御説明と伺つてよろしいのですか、ちよつと質問いたします。
#44
○政府委員(野田卯一君) 先程私が答辯申上げましたのに、少し補足をいたしたいと思います。一つの項目が、厚生省所管であつたものが、そのまま勞働省に移るものにどんなものがあるかと申しますと、それは例えて見ますと、大きなものでありますと、職業官署といいまして、職業安定所がございます。元の、職業紹介所、あの經費が一億三千三百萬円。これは今までは厚生者であつたのが、そのままぽつかり勞働省に移つた、こういうものは、只今お手許に差上げておる補正豫算には載つておりません。併しそれは本豫算において、そういう場合には移し得る權限がありますので、それに基ずいて移すということになるわけであります。
#45
○石坂豊一君 御提案になつた豫算の中から、地方廳に分割して交付すると申しましようか、又これを換えて言えば、地方廳に執行せしめる、そういうような金額はどれ程ございましようか、全部中央でお使いになるということになりますか。
#46
○政府委員(野田卯一君) 細かい問題ですから、厚生省の方から……。
#47
○政府委員(吉武惠市君) 甚だ申譯ございませんが、今ちよつと資料が間に合いませんので、あとで作りましてお届けすることにいたしたいと思います。
#48
○石坂豊一君 あるかないかということを伺つて置きます。これは全部中央の費用ですか。
#49
○政府委員(吉武惠市君) いいえ地方に若干ございます。
#50
○石坂豊一君 それではそれを一つお願いいたします。私の實際扱つたところによりますと、勞働基準法に關する處理については、地方廳において非常に多くの使命を持つておるのでありまして、むしろ政府の命令によつて働かなければならん。これらの經費は、勿論政府において配分になるものと思いますけれども、今その區分がどちらに含まれておるか分らなかつたからお伺いしたのであります。それでこれは中央から地方に支所を設け、或いは又何か特別に局を設けられる場合はありましようが、特に地方廳において執行する分に對しては、地方廳にこの金額を交付なさらなければならんと私は考えます。それで全部それは法律の上において、この經費は地方負擔によるというようなことはないと私は考えます。併しその點、實際の扱いはどういうふうになるのですか、一應念のために伺つて置きたいと思います。
#51
○政府委員(吉武惠市君) 只今のお尋ねでございますが、勞政政關係の費用、即ち爭議がありましたときの調停の問題でありますとか、或いは勞働組合關係の仕事とかというような關係の仕事につきましては、二分の一が國庫負擔、二分の一が地方費ということで、二分の一國庫補助をすることになつております。それから職業關係の仕事でございますが、これは全般國庫負擔になつております。
#52
○石坂豊一君 今職業の關係とおつしやいましたのは、職業安定局のことを指すのでありましようか。それから婦人少年局、こういうようなものについては、どういうことになるのでありますか。
#53
○政府委員(吉武惠市君) 只今申しました職業關係といいますのは、職業安定局の關係でございます。これは地方で申しますると、御承知のように民生部の中に職業課というものがございまして、そこでやつております。それからお尋の婦人少年の關係は、これは本省に皆經費を含んでおりまして、地方は地方の基準局で若干仕事をやるということで、府縣の方を通じないことになつております。ただ併し具體的な仕事につきましては府縣廳に豫算を出しまして、或いは依頼をすることがあり得るかと思います。一應は本省がやるという建前になつております。
#54
○石坂豊一君 この婦人少年局というものは勞働省の一局として現われて來るのでありますけれども、非常にこれは市町村との關係が多いと私は思います。直接この婦人少年等の面倒を見るというようなことは、中央から出張りましても、これは一面警察その他の關係もございましようし、又厚生省との關係も種々ありましようが、眞先にぶつかるとすれば地方廳じやないかと考えますので、全部その費用は中央で捌いて地方廳に仕事だけをさして、あとの經費を渡さんということになると、地方廳においては今日財政難の場合でありますから誠に迷惑するようなことがありはしないか、最後にその仕事が決定をしないことになりはしないか、これは想像だけでありますけれども、私はさように考えます。よつて勞働省におかれましてはこの邊についてどういうお考えでおられるのであるか、編成せられたるところの主たる取扱いの方からでもよろしうございます。又大臣から伺つてもどなたでもよろしうございます。
#55
○政府委員(吉武惠市君) お尋ねの點御尤もでございますが、實は婦人少年の關係の仕事は本省費に含んでございまして、地方には地方の基準局にその出先機關を置きましてやらせるつもりでございます。併しながら先程申しましたように、本省にありまする事業費の中で府縣に仕事を頼む場合があるかと思います。府縣廳でやつて頂いた方がいい仕事である。その場合には本省にある豫算を府縣廳に差上げまして、そうしてそれでやつて下さいと依頼をするという建前でございます。仕事だけを命じてやらせるというやり方はいたしませんのでございます。
#56
○石坂豊一君 只今の御説明でよく分りましたが、併し私共は地方の完全自治を要望しておる者でありまして、今日新憲法の治下におきましては知事公選も實行されておりますし、自治がすべて完全自治に近付いたのでありますけれども、とかく中だは、國務は地方廳においてやらせるということは不安である。或いは又情實因縁に囚われていかんというような観念で、この頃は非常に地方廳の信用を認めておられないような傾きが非常に多いのであります。これは私は間違いであろうと思いますので、若し勞働者におかれましても、この婦人少年の運動等は直接取上げて運動が十分に行くとお考えになつておると、これは大なる間違いである。又やつても本省の出先機關としておやりになるというようなことでありますと、何としましても地方廳はやはり地方の住民のためにお世話を燒かなければならん役所なんです。そのものはたとい基準局で本省の出先機關としてやられても、二重に又その地方廳が働かなければならんことになるのでありますから、こういうような運動はよろしく地方に任せられまして、これに對する指導監督は勿論十分になさることは必要でありまするが、地方で働かせる。これによつて運動が徹底するように行われる方が便宜ではないか、從つてこれに關する經費は成るたけ地方廳に面倒を見させるようにして仕事をやらせる。そういう御方針にして頂くわけには行かんでしようか、一應伺つて置きたいと思います。
#57
○政府委員(吉武惠市君) お尋ね御尤もでございますが、實は婦人少年局でやりまする仕事を大きく分けまするというと、一つは婦人の一般の地位の向上に關する問題でございます。それからもう一つは婦人の勞働に關する問題でございます。それからもう一つは少年の勞働に關する問題でございます。後者の二つの問題は勞働に直接關係のある仕事でございまするので、勞働省の出先機關でありまする基準局と、これは不可分の關係にあろうかと思います。從いまして府縣廳より基準局が獨立しておりまする今日といたしましては、基準局をしてやらせることが至當であろうかと思います。
 それから最初に申されました一般の婦人運動は、石坂さんがお話になりましたように、府縣廳にやらせる方がいい場合もあろうかと思います。これらにつきましてはそう劃一的に考えませんで、一應出先機關として基準局がございますが、先程申しましたように、事業の執行の上において府縣廳にやらせる場合がいいという問題につきましては、その事業費を府縣廳に流しまして仕事をやつて貰う。こういう考えでございます。
#58
○石坂豊一君 この婦人少年局というものは勞働方面からの關係で勞働省に收めておられることと考えますが、どうもこの點に至りますと、末端に行きますと、厚生省の方と多少噛み合うようなことになろうかと考えますが、その點の分岐點はどういうことになるのでありましようか、例えて言うと、婦人少年等について少しく不良な者に對して勞働義務を命ずるということが私は必要だと思います。現に上野あたりに行動している若い者を一ケ所に收容して置くと、逃げて行つて遊ぶ癖がついている。これらに對しては勞働義務を命じて働きをさせねばならん。今日は男ばかりでありません。女でも子供でもそういう者がおります。その點は厚生省と勞働省はどういう限界を置いておられるか、その點を伺います。
#59
○政府委員(吉武惠市君) 厚生省との關係でございますが、これは勞働省法案の中にもございまするように、婦人少年局の中の仕事を先程申しました婦人少年の勞働に關する各種の事項と、その外に一般の婦人の地位の向上に關する問題がございます。それで一般の婦人問題になりまするというと、或いは厚生省に關係するものもございますし、又教育關係になりますと文部省に關係するものも出て参ります。又法律の問題になりますと、民法上の地位などになりますと、司法省に關係するということがございます。そこでそれらの點はやはり法律の中で、多少法律を以つて權限が明記されている問題は、その方でやる。そうでない問題については勞働省が一般的にこれをやる。こういうふうになつておりまするから、この點は法律的には限界ができていると考えております。
#60
○石坂豊一君 一片の杞憂に終れば結構でありますけれども、とかくその受持の仕事が決まりませんので、地方廳は随分あつちからもこつちからも迷惑することがあるのであります。現に一例を擧げて見ますと、地方の小さな浴場等につきましても、これは現に私は厚生大臣の出席を求めて質問するつもりでありましたが、浴場を復興するのは復興院の仕事である。併し一般公衆衞生の上から見ると厚生省が所管すべきものであるというので、今日は厚生省の大臣の許可を要することになつております。田舍の一つの浴場すら中央の厚生省の許可を受けなければならんことになつておるのであります。その上更に戰災復興院が又口を入れるということになりますので、一番我々はそういうことを心配するのであります。勞働省が新生することは當然で、生れることは我々大歡迎いたすのでありますが、これが出ましたがために、各省間に仕事の擦れ合いが起り、或いは又取り合いが起るということになつては相成らんと思いますから、只今杞憂ながらお尋ねするのであります。私はまだ二、三質問が殘つておりますけれども、地方からいろいろの陳情團が參つておりますので、その質問を留保いたしまして、私の質問を一應止めて置きます。
#61
○委員長(櫻内辰郎君) 川上嘉君。
#62
○川上嘉君 私は豫算の歳入の面から大藏大臣に質問したいと思います。歳入の面におきまして、最も重大な役割を擔當しております税務行政についての政府の對策についてお伺いしたい。かように考えております。政府におかれては今日種々の増税とか新税というものを計畫しておられます。これと關聯して當然に税務行政に關する對策が樹立されておるものと考えまするが、その對策を發表して貰いたい。こういう希望であります。
#63
○國務大臣(栗栖赳夫君) この本豫算は、收入の面においては二十年度の剩餘金を使うのでございまして、税務には關係ございませんけれども、一般の問題についてお話がございましたから、ここで御答辯いたします。この税務機構の擴大強化ということは、健全財政が完全に遂行されるかどうかという上において、非常に重要な問題であるのでございます。すでに本會議においても述べましたところでございますが、今囘の追加豫算、本豫算、こういうものを通計いたしまして税の額は非常に大きいということも考えまして、すでに税務機構の擴大に政府は著手いたしておる次第でございます。即ちこの人員の増加、税務署の増置、そういうことをいたしております。そうして更に質的な點をも考えまして、税務官吏の養成、更に高等の養成、更に大學にも連絡を取りまして、研究勉強ができるようにもいたすつもりでございます。それと同時に、やはり國民全體に税の普及、或いは税の收入についてはつきり、つまりわかり易く納税の大事なことを國民にわかり易くするために、税務機構を簡素化し、これはすでにこの四月から實施された分類制の所得税の制度を廢止して、豫算申告の制度を取つております。わかり易くして、そうして國民運動としても税の大事なこと、更に税を納めるところの國民の義務としての大事なこと、こういうことをも十分徹底したいと考えたのであります。尚行政機構としての問題につきましては、只今いろいろ研究をいたしておりますけれども、諸般の機構の問題などとも關聯を持ちますので、十分の結論には到達いたしておりませんし、併しながら成るべく早い機會においてその擴充の實を擧げたいと考えております。
#64
○川上嘉君 人員の増加とか税務署の増設、或は質の向上は勿論必要な條件の一つであります。それは單なる必要なる條件の一つで、當面の問題を解決するためにはとても間に合はないのでありまして、勿論人員増加、或いは質の向上ということは二年後或いは三年後には間に合うかも知れませんが、全く素人が一萬人、二萬人と入つて來ましても間に合うものではありません。外の仕事におきましてもさようでありまして、未熟な人達が何人入つて來ましても何らの功をなさないと同じように、税務關係におきましても少くとも四、五年以上の熟練工が一人でも多く殖えることは最も望ましいのでありますが、新しい人達がすぐ税務を擔當できるかどうかということは申上げるまでもなく、これは當然できないことでありまして、かかる意味合からいたしましても、そういつた只今大藏大臣の言われた策では一時的の策で、當面の危機を解決すべき根本的の策でも何でもないと、こう申上げたいと思います。尚税務第一線の實情を全く知らないと、こういう工合に申上げたいのであります。申すまでもなく財産税も調査人員不足のため非常に不徹底で、調査不十分のままで一應決定したわけでありますが、決定した額も延納、物納で漸し解決した。それに戰時補償特別税においてどうにか解決したが、その中に更に増加所得税という新らしい法律が出まして、これの決定についても相當な非難もあり、そして不均衡であつた。このように次から次と新らしい仕事、つまらん仕事が殖えておる、こういうことから決定そのものも非常に不徹底である。更に決定したが、いざ徴收の面におきまして殆んど未納の状態である。更に二十二年から所得は申告納税ということになりまして、納税者においても申告漏が十分にあります。申告した人が却つて損をし、申告をしなかつた人が得をしたという結果になつております。税務署の仕事は次から次と山積しておる。その場合に増加所得税の脱税も五年以内に決定し、或いは財産税も申告漏、調査漏があるのであります。納税漏もあるのであります。そういつた決定も五年以内にやることになつております。次から次と新らしい仕事が出て參ります。そうした重點的な仕事が出ておりますのに、つまらん大衆課税の方に力を入れておる状態であります。今囘の二十二年度の所得の申告におきましても、只今申しましたよま申告漏もあり、その申告漏を發見するというような仕事も山積しておるのに、これに加えて更に今囘政府の計畫しておるところの非戰災者税というものも、非常に大衆的の課税で、殆んど國民の九〇%ぐらいは納税者の對象とならんければならんので、調査も非常に困難であるという状態である。こういうことが第一線における税務署の實情であるのであります。これに對する大藏省の對策はどうかということを質問します。
#65
○國務大臣(栗栖赳夫君) 只今の質問にお答えします。實は税務の官吏につきましても非常に戰爭中不熟練と、そうして手不足というようなために、非常に仕事に忙殺されておることは事實であります。その上にこの大きな税制の改革が行われまして、そうして更に財産税、或いは増加所得税等の事務が殺到して參つておるのであります。そこで税務官良の苦鬪ということは誠に私共側から見ておりまして、又それを監督化導する大藏大臣といたしましても、誠に同情に堪えないところがあるのでございます。併しながらこの健全財政を維持し、そうしてこの破局的な財政を維持し、更に經濟再建、その他諸般の困難なる事情の下に、この日本の經濟の建て直しをするという上におきましては、更にその上にこの大きな税の徴收、その他の收入をするということは、實に止むを得ない事情があるのであります。そこで政府は十分その點を考えまして、そうして先程申しましたように、質と量を充實し、そうしてこれをできる限り取り立てをいたし、一時税を免れんとする者がありましても、あくまでも追及をいたしまして、この收入の実行は完全を期したい次第であります。かような次第でありますので、誠に税務官吏の苦勞というものも大變なことでございますけれども、一つ尚押して更に重い仕事を課しておるような次第でございます。その點御了承願いたいと存じます。
#66
○川上嘉君 只今の大藏大臣の御答辯では、税務官吏に犠牲を強いておられるようでありますが、その犠牲によつてこれが解決できる問題であつたならば、勿論それに越したことはないのでありますが、實に次から次へと仕事を殖やすことによつて、全く税務行政というものが殆んど國民の信用を失墜することになるのではないかと心配する。例えば調査が不徹底のために均衡を缺く。更に中には情實的な課税もあるといつたような非難を受けるというように、税務行政の失墜ということが非常に心配されるであります。現在人が足りない、時間的にも足りない、更のに待遇の面は非常に惡い、そうして變な眼で見られておる、やこういつたさ中にあつて、仕事が次から次へと加重されて行く。前の仕事の解決しない内に新らしい仕事が次から次へと殖えて行く場合において、そこに非常に心配もあり、我々としても忍び難い点があるのでありますが、こういうようなことで税務行政が失墜して、租税制度が崩壞するということに相成つたならはどうするかということを考えるときに、ただ質の向上とか、量的な問題がこの場の當面の重要な問題を解決できるかどうかということを疑うのであります。質の向上については、財務或いは税務講習会が設置されておりますが、年に二百人か、三百人で、そういう僅かな數で、而かも卒業期間が一年か二年であります。尚只今申上げました通り、新たに入つて來る人員というものは全くの素人であつて、これが熟練するには少くとも二年、三年の期間を經なければならない、そのときに熟練工だけでやらなければならん。こういう結果になる場合に、又々そういつた新らしい税を施行して、そうして力を分散するということよりも、もつといわゆる重點的に力を盡した方が却つて效果的によいのではないか、かように考えます。尚いろいろと質問したいこともあるのでありますが、この問題は更に財政金融委員会の部門にも觸れるところが多いのでありまして、次囘に私の質問に譲ることといたしまして、更に大藏大臣に特に要望して置きたいことは、第一線の實情というものをよく御研究をして貰いたい、ただ今までのように、本省の空氣、實體さえ掴んでおれば、出先の機關というものはどうでもよいという考え方でなくて、少くとも第一線を充實しなければならん、この重大なる國家の役割を擔當しておるところの税務行政に大きく目を瞠つて實情をよく把握しなければ、絶對に日本の再建はできない。いわゆる健全財政の建て直し、確立ということはできないということを特に強調いたしたいのであります。以上私の質問を終ることにいたします。
#67
○國務大臣(栗栖赳夫君) 只今お話になりました第一線を擴大強化すること、こういう點は誠に御尤もでございまして、私共は、殊に私は民間の事業に長く携わつておりましたけれども、この預金その他の吸收ということは第一線が大事でございます。それと同じように、やはり國家の收入について、殊に税收入ということがこの健全財政を維持し得るや藪や、という上に誠に大きな重い意味を持つておりますので、第一線の擴充ということは極力いたしたいと存じておる次第でございます。
#68
○委員長(櫻内辰郎君) お諮りをいたします。本日はこの程度に止めまして、質疑は更に次會に質疑をするということにいたしたいと存じまするが、いかがでございましようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(櫻内辰郎君) 御異議なしと認めまして、本日はこれにて散會いたします。
   午後四時十七分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西郷吉之助君
           村上 義一君
           中西  功君
   委員
           カニエ邦彦君
           波多野 鼎君
           村尾 重雄君
           石坂 豊一君
           小串 清一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           鈴木 安孝君
           寺尾  豊君
           深水 六郎君
           稻垣平太郎君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           小畑 哲夫君
           田口政五郎君
           飯田精太郎君
           江熊 哲翁君
           岡部  常君
           川上 嘉市君
           島津 忠彦君
           島村 軍次君
           高田  寛君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           川上  嘉君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 栗栖 赳夫君
   國 務 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   大藏事務官
   (主計局長)  野田 卯一君
   厚生事務官
   (勞政局長)  吉武 惠市君
ソース: 国立国会図書館
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