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#1
第061回国会 内閣委員会 第12号
昭和四十四年四月四日(金曜日)
    午前十時二十六分開議
 出席委員
   委員長 藤田 義光君
   理事 伊能繁次郎君 理事 佐藤 文生君
   理事 塩谷 一夫君 理事 塚田  徹君
   理事 三原 朝雄君 理事 大出  俊君
   理事 浜田 光人君 理事 小沢 貞孝君
      赤城 宗徳君    井出一太郎君
      内海 英男君    菊池 義郎君
      田中 龍夫君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    三池  信君
     三ツ林弥太郎君    山口 敏夫君
      淡谷 悠藏君    角屋堅次郎君
      川崎 寛治君    木原  実君
      楢崎弥之助君    華山 親義君
      山中 吾郎君    吉田 之久君
      伊藤惣助丸君    鈴切 康雄君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 坂田 道太君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        農 林 大 臣 長谷川四郎君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      保利  茂君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      床次 徳二君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      田中 康民君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務総局
        給与局長    尾崎 朝夷君
        行政管理政務次
        官       熊谷 義雄君
        行政管理庁行政
        管理局長    河合 三良君
        行政管理庁行政
        監察局長    岡内  豊君
        法務省民事局長 新谷 正夫君
        文部大臣官房長 安嶋  彌君
        文部省大学学術
        局長      村山 松雄君
        厚生省医務局長 松尾 正雄君
        農林大臣官房長 大和田啓気君
        食糧庁長官   桧垣徳太郎君
        運輸省港湾局長 宮崎 茂一君
        気象庁次長   坂本 勁介君
        自治政務次官  砂田 重民君
        自治大臣官房長 宮澤  弘君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        職員局職員課長 後藤 敏夫君
        大蔵省主計局総
        務課長     嶋崎  均君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
四日四日
 委員麻生良方君及び受田新吉君辞任につき、そ
 の補欠とし吉田之久君及び小沢貞孝君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 理事受田新吉君同日委員辞任につき、その補欠
 として小沢貞孝君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 行政機関の職員の定員に関する法律案(内閣提
 出第一号)
     ――――◇―――――
#2
○藤田委員長 これより会議を開きます。
 理事の補欠選任の件についておはかりいたします。
 本日、理事受田新吉君の委員辞任により、理事が一名欠員になりました。この補欠選任につきましては、先例により委員長において指名することに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、小沢貞孝君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#4
○藤田委員長 行政機関の職員の定員に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊能繁次郎君。
#5
○伊能委員 ただいま委員長からお話のありました行政機関の職員の定員に関する法律案でございますが、本件については多年の懸案であり、本委員会においては、去る三月二十日に荒木行政管理庁長官から法案の内容について提案理由の説明がございましたが、提案理由の御説明はきわめて簡単でありました。もちろん法律案自体も、形式的には法三条できわめて簡素なものでありますが、そのよってきたるところは、わが国の行政機関の職員の定員の実態に触れたきわめて重大な法律案であり、政府においても行政の簡素合理化、いわゆる行政機構の改革として多年取り上げてこられた問題でもあり、かたがた世論もこの点については、各新聞ほとんどあげて社説においてこれがすみやかなる実施を主張しておるように私ども拝見をいたしております。しかし、広く国民全般にはまだこの内容が十分に理解されていないうらみがございます。現に私どものところへも、おそらく多くの国会議員諸公のところへも、あるいは賛成、すみやかに実施すべしという手紙、あるいは法案の内容を十分に理解せられずして、この法案によって首切り、なま首が切られるのであるとか、あるいは乱暴な配置転換が行なわるのであるというような危惧にかられた手紙もまいっております。
 したがいまして、ぜひ先般の法案の提案理由のほかに、国民に対して今回政府が提案せられた行政機関の職員の定員に関する法律案の実体をひとつ御説明を願って、国民の理解を得られるように、長官から提案理由について詳細にお話を承りたい、かように考えます。
#6
○荒木国務大臣 お答え申し上げます。
 伊能さん御指摘のように、この問題はずいぶん以前からの懸案でございまして、ようやくいわゆる総定員法案を三度目に御審議願う機会に恵まれたような次第でございます。
 もともと御案内のとおり、先年国会において御決定をいただきました臨時行政調査会設置法のときにさかのぼって申し上げる必要があろうかと思いますが、蛇足ながら申し上げさしていただきます。
 すなわち行政改革を断行して変転する諸条件に対応する行政需要にマッチした行政サービスを提供すべきであるという見地に立ちまして、その行政改革の案を練っていただくために客観的な立場で臨時行政調査会というものを設けようというので、設置法の御審議をいただきましたことは御承知のとおりであります。この法案を通過さしていただいて、そのときに衆参両院与野党一致した附帯決議をちょうだいしておることも御承知のとおりでありまして、すなわち行政改革は断行すべし、しかしながらあくまでも配置転換を念頭に置いて出血人員整理を伴うようなやり方はいけないのだという御趣旨の附帯決議をちょうだいしております。そうしまして臨時行政調査会が発足し、二年にわたる慎重審議の結果の御答申を内閣総理大臣にいただきまして、政府はこれを尊重しなければならないという設置法の趣旨に従って検討を加えつつ今日に至っておるわけでございます。
 ところで、その臨調の御答申の中に、行政改革を行なっていくにあたって配置転換を可能にするような制度づけを必要とするであろうという項目がございまして、その御答申を尊重しつついかなる具体案がよかろうかというので、私の前任者の数代にわたっての御検討をいただいた結果が、前の通常国会に御提案申し上げ、臨時国会にさらに再提案をし、この通常国会に三たび御提案申し上げた通称総定員法であることは申し上げるまでもなく御承知のとおりでございます。
 経過を蛇足ながら申し上げれば以上のとおりでございまして、いろいろと私のところにも投書等をちょうだいいたしております。御指摘のようなことが指摘されておることですが、それは結局国会を、衆参両院を通じて超党派でともかくその必要性はお認めいただき、その実施にあたっては、総定員法というがごときものをつくるとしても、出血人員整理はやっちゃいけないという絶対的な御要望の線に沿っておるのでありまして、したがってその点だけを先に申し上げれば、出血人員整理などはあるべきはずがない、あっちゃならないという心がまえでおるわけでございます。
 そこで提案理由ではごく簡潔に申し上げましたことも御指摘のとおりでございますので、補足的に幾らか冗長にわたるかしれませんが、お許しをいただいて二、三申し上げたいと存じます。
 行政の能率を高めるということば、一面におきましては、俗にいえば安上がり、行政コストを節減するということも、これは国民の声であると存ずのでありまして、臨調の御答申の中にも数多くそういう見地からの御意見が発表されておるのも御案内のとおりであります。
 さらに公務員の数について申し上げれば、行政の簡素能率化を進めて、必要最小限度の人数で行政を遂行すること、いわば少数精鋭の人数でもって行政サービスを国民のために能率よく、実質的にも国民のための行政サービスを提供しろということも御要望の一端であろうと思います。その求めにも応じなければならない。
 さらに、行政需要は諸条件の変動に応じまして流動的なものであろうとも思うわけでありますが、それに必要な人員を確保することは当然でありまして、比較的必要でなくなった部門が当然出てくるわけでございます。そういう方面では定員を減らせるように、弾力的にかつまた機動的な運営ができるようにするという必要性があろうかと思うのであります。すなわち、簡単に申し上げれば、行政需要の消長に伴って定員の能率的、合理的な配置転換を行なうとともに、総数もできる限りこれを縮減するという考え方に立って運営されていくべきものと思うのであり冒す。
 政府としましては、御承知のとおり、四十二年の十月十五日に閣議決定をいたしましたいわゆる三年間五%の定員削減措置というものを実施いたしつつあります。それは国民に対する使命を果たし、かつまた公務員側に立って見ましても、無理のいかないようにいかに考えるかということを念頭に置いて案画されました事柄でございますことも御承知のとおりでございます。
 しかるに、定員管理の現行制度を見てみますと、設置法で各行政機関別に定員を定めることとなっておりまして、たとえばわずか一名の増減をなすというときも、一々法律そのものの改正が必要であるということに相なっておるわけでございますために、国会の御審議を通じて国民の立場からの国会審議の重要性はむろん万々申すまでもなくわかっておることでございますけれども、一面いわゆるとかくなわ張り根性というかセクショナリズムというふうなことも世論を通じてもおりに触れて指摘されるということがございます。たった一人の増減でも一々独立した法律を御審議願うというその機会があることは、半面セクショナリズムを温存し、もしくは助長するという弊害もなきにしもあらず。それこれをあわせ考えますると、やはり定員の配置についてもっと弾力的な定員管理を考える必要があるということも、また本法案を御審議願う理由の一つでもございます。したがいまして、このような硬直化した制度を改める必要があるわけでございますが、毎年度の定員は、もちろん予算をもって国会の御審議を仰ぐということは現行どおりといたしまして、さらに法律という形で国会審議を願っている点を政令で定めることに置きかえますために、予算審議の機会に、国権の最高機関としてのお立場からの慎重な御審議をお願いするという立て方にいたしておる次第であります。
 具体的に申し上げれば、毎年度の予算の範囲内において政令で定員を定めることにいたしまして、弾力的、機動的な運用がはかれるようにいたしたいということであるわけであります。
 なお、定員を予算で明らかにし、政令で具体的な内容を定めるという制度に改めました場合、公務員数の増加を必要の限度に抑制していくという趣旨からいたしまして、定員の総数の最高限度について具体的に国会の御審議を仰いで、それに基づいて、御決定の線内におきまして、政府はこれを越えないように運用してまいる、それが適当であることは申し上げるまでもないわけでありまして、提案理由御説明のおりに触れ得ませんでした点を主としまして概要を補足的に申し上げれば、以上のとおりに考えておる次第でございます。
#7
○伊能委員 ただいまの御説明で、多年の懸案である行政機関の職員の定員に関する法律案の制定の基本的な理由が明らかにせられたわけでありますが、各省内の定員の管理につきましては、これは主管の行政管理庁長官、あるいはただいま御説明のあった、予算によって内容が審議せられる大蔵省の関係と各省大臣との間において比較的円滑に処理せられ得ると思うのでありますが、各省間の定員の管理の問題につきましては、御承知のように、本委員会におきましては、通産省の特許事務、あるいは法務省の登記事務等、年々業務量の異常な増大等によって増員が予定せられておりますが、なかなか各省間の定員の管理等については今日までは不可能である。ただいま政令による予算との関連については明快な御説明がありましたが、各省間のアンバランスと申しますか、仕事の繁閑に応じた定員の配置がえ等については相当の困難が予想せられると思いますが、これらの点について、どういう考え方で各省間にまで及ぼすかというような点を御説明を承りたいと思います。
#8
○荒木国務大臣 お答え申し上げます。
 今回の制度改正におきましては、定員の定め方の変更を予定しておりますのは、国家公務員約百十八万人のうち約五十万人を対象といたしております。他の六十八万人につきましては、従来どおり法律で定めることになっておりますのは、むろんそのとおり、従来といえども政令に譲っておるものがありとしますれば、ともに従来どおりといたしまして、御審議をお願いしておる本法案につきましては、いま申し上げたとおりの五十万人見当を対象といたしておりますことを申し上げます。
 今後におきましても、従来どおり、定員について予算をもって国会の御審議を仰ぐというのは、さっき申し上げたとおりでございますが、このことにつきましては、外国でも、たとえばイギリス、フランス、イタリア、西ドイツなどの制度を見ましても、定員につきましては予算で国会の御審議を仰ぐこととして、別個に法律をもって定めている例はあまりないとか承知をいたしております。しかし、外国がそうであるから当然そのまま引き写しをすればよろしいという意味ではございませんけれども、先刻申し上げましたとおり、国会では予算を通じまして十分に、具体的に御審議願う機会はあるわけでございますから、くどいようですが、先刻申し上げたことを繰り返させていただきます。
 また、今回の制度改正におきましても、定員の総数の最高限度は法定して、これを越えないように各省別定員を定めるということといたしておるのでありまして、かりに最高限度を越えるような事態がもし生ずることがありとすれば、当然法律改正が必要であることは申し上げるまでもございません。各機関ごとに配置するということですけれども、この実行方法としましては、最初の問題にお答え申し上げたときにちょっと触れましたとおり、前年度から三カ年間に無理のいかないような定員の抑制措置、定員の不補充措置を講じまして、抑制定員が積み重ねられてまいります。その抑制されました定員の範囲内において、今後にわたっては各省庁の行政需要に応ずる緩急軽重に従って、予算そのものとの相関関係ももちろんございますけれども、十分各省庁と相談をしながら、大蔵省及び行政管理庁がいわば調整役になりまして、結論を得て、閣議を経て、政府全体としての立場に立った考慮のもとに、今後の配置転換ないしは行政需要に応ずる適時適切な措置が講ぜられていくという考え方でございますので、そこに格別事新しく無理が生じましたり、各省庁問の繁閑常ならざる状態のような不当な状況はあらしめないように努力をしていく、こういう考え方によって、御質問の点には対処しておるかと存じております。
#9
○伊能委員 実は、かような問題を特に私がお尋ねをいたしましたのは、本委員会においては超党派と申し上げても過言ではないように、行政機関の各定員の増員については、政府の、行政管理庁と申し上げて差しつかえないと思うのですが、等々に対する協力をもって極力増員を押えてきた。また一方においては、行政事務の実態的な簡素合理化、許認可のできるだけの廃止あるいは不用な調査統計等の撤廃、その他年に一、二回しか開かれないような審議会等についての再検討、廃止等、これらの問題について、本委員会では超党派的に協力をしてまいりましたが、また一面、政府の強い要請の部局の設置については、これまた論議がありまして、必要最小限度のものは認めてきたわけであります。先般の一局削減の際においては、はしなくもこの問題について従来の政府のやり方が必ずしも適当でなかった。率直に例を申し上げますと、内閣における中央青少年局、労働省における安全衛生局、外務省における中南米移住局というような最も新しく設置せられた部局、政府側からきわめて必要であると主張をせられて法律改正をしたものまでが、一局削減の際にはそういうものがいち早く姿を消すという奇現象を呈したわけでございます。したがって、かようなことが今後万ないように、各省間の定員の管理について重ねて行政管理庁長官の強い決意を伺っておきたいと思うわけでございます。
#10
○荒木国務大臣 御指摘のように、一省一局削減そのものは一体何のためのものであるかということをことさら問題にしますれば論議の余地はあろうかと思いますが、当時の事情は私は閣内においてはむろん承知はいたしませんけれども、今後の一種の行政改革、すなわち臨調答申を尊重しながら国民の御要望に沿っていく行政改革の第一着手として一省一局削減、いわば起爆薬だということが通称されておりましたが、そういうことで政府としての一つの決意を表明されたのが当時の事情であったと思います。その間、厳密にいえばおのずから国民的立場からの要望に完全に沿い得たかどうかの批判の余地はあろうかと思いますが、そのことはいま申し上げましたような意味合いにおいて、伊能さん御自身も万々御承知いただけるものと思いますから、それ以上申し上げません。今後にわたりましては、先刻にも触れましたように、御指摘のようなことがないように、あくまでも国会の御審議を通じまして出しますことの客観妥当性が国民に十分理解していただけるような線を発見すべく、ベストを尽くして良心的に運営をしていかねばならないということを申し上げることによって、お答えにさせていただきます。
#11
○伊能委員 以上の荒木大臣の御説明で、今回提出せられた行政機関の職員の定員に関する法律案の基本的な問題は一応解明されたわけですが、ここで、はなはだ遺憾なことでございますが、本委員会の努力にもかかわらず、本日は四月の四日でございます。昭和四十三年度に本法案が国会の通過を見なかったために、政府が政令を制定せられました。その政令は、申し上げるまでもなく、法律の定むるところによって一年でございますので、これに関連して文部省、自治省あるいは運輸省等において、この問題の影響を受けておる事態がすでに発生をしておる。その事態の実情について、各関係省から一応どういう状態になっておるかを伺いたい。
#12
○安嶋政府委員 文部省における実情を申し上げたいと思います。
 国立学校の定員でございますが、四十二年度の定員は十万一千五百六十三名でございまして、昨年六月、いわゆる緊急政令によりまして二千百五十二名の増員が行なわれたわけであります。その結果、昨年度における国立学校の定員は十万三千七百十五名ということになったわけでございますが、その緊急政令が三月三十一日をもって失効いたしました結果、本年度におきまする当初の定員が四十二年度の定員でございまする十万一千五百六十三人に返ったわけでございます。そこで、文部省では去る三月十八日に調査をいたしまして、三月末現在の見込みを調べたわけでございます。その結果、五十三の国立学校におきまして五百四十四人の定数オーバー、つまり過員を生じておるという実態が、三月三十一日現在におきまして一応見込まれておるということでございます。
#13
○宮澤(弘)政府委員 自治省関係は小笠原の総合事務所の関係でございます。御承知のように、小笠原諸島は昨年の六月に復帰をいたしたわけでございますが、小笠原諸島の復帰に伴う村の設置及び現地における行政機関の設置等に関する政令、この政令によりまして、昨年の六月に自治本省の定員に十四人付加されたわけでございます。その期限が先ほどお示しのように、ことしの三月三十一日に切れたわけでございます。そこで、私どもといたしましてはいろいろくふうをいたしたわけでございますが、三月三十一日現在で小笠原総合事務所に十三人職員が勤務をいたしております。そのうち自治本省から参りました者、それから現地で採用いたした者六人、この六人につきましては、自治省の定員をやりくりいたしましてとりあえず処置をしたわけでございます。それからあとの七人は、厚生省でございますとか労働省でございますとか、そういう関係各省から出向してきております職員でございますが、関係各省と協議をいたしまして、一応身分を関係各省に移しまして、その上で小笠原事務所にさらに出向させてもらう、こういうような措置をいたしたわけでございます。そのように一応措置をいたしましたけれども、何ぶんいろいろな面で無理をいたしておりますので、そのような事態がなるべく早く解消されますように、格別の御配慮を願いたいと思います。
#14
○坂本(勁)政府委員 お答え申し上げます。
 気象庁は、小笠原の父島と南鳥島で気象観測をやることになっております。それで、政令定員で二十三名をいただいておりますが、現在気象庁の法律定員は全体を合わせまして六千百十三名でございますが、この総定員法が通過いたしたといたしますれば六千百五十七名、四名不足いたします。四名といえども、気象庁といたしましてはゆるがせにできない数字でございますが、何しろ南方洋上の重要な観測拠点でもございますので、欠員等の操作によりまして、小笠原の父島それから南鳥島の観測を従来どおり実施していきたいとは思っておりますけれども、できるだけ、なるべく早くそういう操作のむずかしさのないようにしていただければありがたいと思います。
#15
○藤田委員長 佐藤文生君より関連質問の申し出があります。これを許します。佐藤文生君。
#16
○佐藤(文)委員 荒木長官に質問します。
 先ほど総定員法の内容の説明で、少数精鋭でやっていくという御説明がありましたが、この総定員法で五十万六千五百七十一名という法定のワクをつくっていくということはけっこうだと思うのでありますが、精鋭ということはどういうことでございますか。
#17
○荒木国務大臣 現在の国家公務員も精鋭者ぞろいであることは疑いません。疑いませんが、終戦以来、今日まで二十四年目を迎えておるわけでありますが、この行政需要に応ずる必要行政であったものも、比較的その重要度が少なくなったということがありましても、従来はそのままにして積み重ね、積み重ねで、設置法の御審議を願うのは増員のときだけというのが通例であるということは、裏を返しますれば、いわば国民の側から見れび不急なところに人がおって、必要なところに人が少ないというアンバランスが指摘されるかと思います。そのことが、一面行政改革をやれという、国会を含めましての国民的な世論の志向するところの一点であろうかと思うのでありまして、そういう趣旨に応ずるためには、なるべく少数でめちゃに押えつけるだけが能では、むろんございませんが、あくまでも国民的立場からの要請に応じ得るということを主眼としまして、緩急軽重を考えて、なるべく一人でも少ない人員で、よりよき行政サービスが提供されることが、国民の要望であると信じますので、その線に沿いたいということであります。少数精鋭というのは、繰り返し申し上げますが、なま首を切って数さえ減らせば、それでよろしいということではございませんので、誤解がもしあるとしますれば、誤解を解いていただきたいと思います。
 以上でお答えにいたします。
#18
○佐藤(文)委員 ちょっと私の質問するのと長官の御返答の内容が違うのですが、この精鋭というワクをきめて、そしてよい官僚を、役人をつくっていく。その中で行政が行なわれていくというのですが、その精鋭なる役人をとういう方法で――どういうお役人が実は精鋭なのか、それをひとつ長官としてお答えいただきたい。
#19
○荒木国務大臣 これは人事院総裁ないしは床次長官からお答えしていただくのが適切かと思いますが、あくまでも全国民に奉仕する立場が、国家公務員に憲法上も要請されておるということに尽きると思います。いかなる者が精鋭か、そういう定義を設けてどうしようというのじゃございません。一人で行政サービスができるわけじゃない。それぞれの所管の大臣、長官をはじめ、あるいは幹部の者も末端の一人一人に至りますまでが、全国民に奉仕するという考えに燃えて、公正なる行政サービスを提供する、抽象的にいえばそういうものが精鋭だと思います。さっきも申し上げましたように、現在おる者が精鋭でないということを言わんとしておるのではございません。すべて精鋭であろうけれども、緩急軽重に応じていない面がある。それが本法案によって是正されることが、国民の要望にかなうことであろうということを申し上げようという意味で、申し上げたことを御理解いただきたいと思います。
#20
○佐藤(文)委員 昨日、この委員会で民社党の麻生委員から質問があり、また非常に私ども傾聴する意見が出ましたのですが、非常に汚職が多い。その汚職も、第一線の仕事をやっているそういう役人の中から汚職が非常に出る。その理由は、やはり幹部になればなるほど、非常に人事移動なり渡り鳥的なところが多いです。その代表が大臣である。そのときそのときによって、短期間に大臣が交代していくというようなところに、結論的に持っていったのですけれども、その任期中には、それぞれのポストにおいて最高の能力を発揮して、自分の職責を果たしていく、部下を統括していくというようなことが大切だと思うのですけれども、大体汚職ができるその原因も、そういう行政機構の中の一つの大きな欠点であろうと思いますけれども、いま一つは、精鋭というか、非常に優秀な官僚をたくさん養成していくというその養成機関も必要であるだろうし、採用方法も必要であるだろうし、私はそこで具体的にお聞きしたいのですけれども、外務官僚を採用する、大学の新卒を採用する場合、どういう方法でどういう時期に採用するのか、これは人事院総裁にお聞きいたします。
#21
○佐藤(達)政府委員 これは一般的に申し上げてよろしいと思いますが、普通の場合は上級職の公務員試験というものを通らなければ公務員の上級職にはなれぬというたてまえでございますが、このたてまえは大学卒その他の学歴は全然条件にしておりません。ただ試験の内容が大学卒程度の実力を持っておるかどうかをためす試験であるということでございますから、公務員になるについて大学を出たとか、高校を出たとかいうことは、われわれは表の問題として扱っておらない。要するに試験を通ったかどうかということだけでやっております。現にことしも東大を出た人で、もう東大の卒業はおくれましたから、中途退学で公務員になるというのがきのうもおりました。
#22
○佐藤(文)委員 それではことしの東大卒の学力とみなされて採用した者は何名おりますか。特に外務官僚……。
#23
○佐藤(達)政府委員 外交官、領事官の試験は、これは従来沿革的に非常に特殊なものとしておりますために、主として外務省に大体はお預けしてやっていただいておるわけです。したがいまして、その中からどういう人間が何人採用されましたか、いずれこれは報告はきますけれども、ただいまのところはまだ承知しておりません。しかし何ぶん合格者の数は非常に毎年限られております。そうしてごく優秀な人が入るわけでありますから、採用者は毎年の例のとおりの形ではあるまいかということは推測してよろしいかと思います。
#24
○佐藤(文)委員 いま一つ。そこでいま人事院総裁の言われた、ことしの外交官試験をパスした東大の採用予定者ですが、採用予定者の数のはっきりしたものを聞きませんでしたけれども、先般九月、大河内前東大総長と座談会を開いたときに、東大に入って、そうして五月ころから五月病にかかる。そのかかる原因はいろいろあるでしょうけれども、要するに高校から東大に入る。その間におけるところの猛烈なる試験勉強の結果、解放感にひたった情緒不安定な人間をさしているのだと思うのですが、この五月病にかかって秋風が吹くころには大体病気はなおるんだが、卒業するときまで東大生の一二%がなおらないで済んでいってしまう。頭だけは東大型になって、精神的には幼稚園型の東大生が出ちゃう。私はそういったような実態を前東大総長から聞いたときに、外交官試験の採用の内容というものが、一、二年が教養コースで、三年で専門コースに初めて入って、三年の終わりから四年の四月初めにかけて外交官試験をパスして、そうしてニューヨーク、ワシントンの外交官補になっていって、将来は事務次官にまでなっていく。そういう外交官の一つの例をとっても、採用の方法を、ただ学力というものだけで見ていくのか、その人間が神精的にほんとうに日本の国益のために、将来外務官僚のバックボーンになっていく人間であるのか、その点に私は非常に不安を持ったわけです。ですから、総定員法という一つのワクをきめることもけっこうであるけれども、少数精鋭というならば、精鋭なる官僚をつくっていくという、そういう考え方が人事院総裁の中にあるかどうかということをお聞きしたかったわけです。
 戦前、われわれの同じ旧制中学の同士が外交官の試験を通って、かつての中国なら中国の外交官になっていくということは、その当時の青年のエリートコースであった。ところが、そういったようなわれわれの同僚で、ほんとうにアジアの民衆から尊敬され、愛せられた人が私は何人あっただろうと考えてみたときに、同じようなことをまたやっているのじゃないかという危惧を非常に受けたわけです。したがって私は、荒木長官にもお願いしたいし、総務長官にもお願いしたいし、あるいは人事院総裁にもお願いしたいのですけれども、総定員法で国家の役人のワクをきめるということはけっこうだと思うのですが、法令でもって官僚機構のボルトの締め直しをやって少数精鋭主義でやっていくという趣旨はけっこうだと思いますが、国の官僚をつくる内容の採用コースにおいて、あるいは養成機関において、ほんとうに将来国家を背負って立つだけの官僚をつくっていく気概がこの法案の中に盛られているかどうか、これは私は行政に属すると思うのです。私はそういう点を特に留意していってもらいたいということをお願い申し上げまして関連質問を終わります。
#25
○伊能委員 さいぜん、四月四日の時点で、今回のいわゆる総定員法に関連して、私どもの努力、本委員会の努力も足りなかったのですが、ただいま各省から明らかにされました過員等の実態が判明したわけでありますが、この状態を法律的に政府としてはどう見ておられるかということを総務長官からお伺いをいたしたい。
#26
○床次国務大臣 この一局削減、また総定員法等によりますところの公務員の管理の問題に関しましては、先ほど行管長官からもお話しがありましたように各個人個人が十分な認識を持ちましてその能力を発揮するようにいたしたいと思うのであります。今日、各部局におきまして多少ずつの不足を生じ、やむを得ず政令をもって補っておりますが、しかし一日もすみやかにこれが本来の定員の扱いとなって処理されることを私どもも要望している次第であります。
#27
○伊能委員 いや私が伺っておるのは、すでに、法律が残念ながら通らないために、三月三十一日をもって政令が失効する。そうすると、さいぜん、三月十八日の調査の段階においては一応五百四十数名自治省においては最善の努力をして何とか処理ができそうだ、気象庁においてもややそれに近い御回答があったのですが、この過員になっておるという事態の法律的見解、あるいはこの点は人事院総裁に伺ったほうがいいのか、御説明をいただきたい。
#28
○荒木国務大臣 実態的には人事院総裁等からの御答弁が適切かと思いますが、行政管理庁といたしましての考え方は、従来各省庁の設置法で国会の御承認を得て定員を定めていただいておりました。先刻来申し上げまするような趣旨に基づいて御審議中の本法案で処理することが、全国民的には適切であるということで御審議をお願いしつつあるわけでございますけれども、仰せのとおり四月四日の今日の時点に立って概念的にはどうなるか――法律概念的なことでありましょうけれどもどうなるかというのが御質問の主眼点かと存じますが、それは組織法に基づまして設置法が通らないあるいは設置法として処理しないということになりました。しかし、行政需要に応ずるためには予算は御決定いただいておるので、その範囲内において増員の定員を決定しなければならぬという必要に迫られまして、緊急政令と通称しますやり方によって先ほど来御答弁がありましたような省庁への応急措置ができておるわけでありますが、これはなるべくすみやかに国会の御承認を得て――従来の制度でいきますれば設置法としての御審議を願うということが制度論としましては当然のことでございますけれども、それを含めていわゆる総定員法の御決定を得ますれば、何らそこに支障はなくなるという考え方に立って今日に至っておるわけでありまして、だから、その点だけを組織法との関連で申し上げますれば、三月十一日を限度として四月以降いわば違法状態にあるということが指摘されると思います。通例十五、六日までに俸給の支払い等が行なわれると承知しております。したがいまして、この俸給そのものを支払うことがどうなんだということになりますと、私の守備範囲からは当然には法律解釈を申し上げ得ませんけれども、少なくとも概念的には適切ではないのじゃなかろうか、かように思っておる次第であります。
#29
○佐藤(達)政府委員 私どもの立場から一番心配しますのは、御承知のように国家公務員法の七十八条に定員をオーバーする人員があればそれは首を切ってよろしいという条文があるわけです。したがいまして、従来政令で設けられておった定員がその政令の失効のためにオーバーした形になる。そうすると国家公務員法七十八条によってそのオーバーした人がみな首を切られてしまうじゃないか、これはまともにいけばそういうことになりますので、私はこの定員法がおくれたことによって首切りが出やしないかということを一番心配したわけであります。しかし、いま各省当局のお話を伺っておりますと、まずまず無事に何とかおさまっておるようなお話のように伺いますので、ここのところはまだとにかく現に首切りは行なわれていない。かろうじて安心をしておるわけであります。そのほうの問題が先決問題でありまして、さて今度は定員をオーバーしてよけいに人をかかえた場合に給与上の問題がどうなるかということが第二にくるわけであります。これは事務当局として各省とせっかく研究中でございます。
#30
○伊能委員 ただいま荒木長官並びに人事院総裁から御説明がございました。これについては本委員会においても野党側からは各省設置法を出して当面の処理をすべきであるというような意見がありましたが、私どもはそれに反対で、それに逆行することは基本の行政の簡素合理化を妨げるものである、したがって、本法案によってできるだけ早く処理すべきものである、かように考えて各党の御協力をいただいておるわけでございます。したがって、でき得る限り早くこの法案の処理をし、当委員会における法案成立の際には、いま荒木長官から御指摘ありましたが、四月一日に遡及をして処理するという形に直してこの正当性を確認したい、かような考え方を持っております。
 そこで人事院総裁に伺いたのは、給与の関係がさいぜん触れられましたが、われわれが若いころ役所におったときは、俸給支給日は大体二十一日に統一をされておったように記憶をいたしておりますが、最近は省によってきわめて区々であるというように、私ども人事院の規則を見ますと書いてありますが、この点については、各省に自由にさした根拠について一応お伺いしておきたい。
#31
○尾崎政府委員 現在、給与の支払い日につきましては、法律に、人事院規則をもちまして明定をするように書いてございます。その意味で、現在各月の十六、十七、十八日の三日間につきまして各省が各省別にその三日間のうちの一日をもって支払い日とするということにきまっているわけでございます。三日間に分けておりますのは、金融関係の業務上三つに分けておるということでございます。
#32
○伊能委員 そこで、事務的なお話はわかりましたが、法制局に伺いたいのですが、いま荒木長官からは、現時点における過員の状況は正常な状態でない、しかし一方において労働法規、人事院規則等別個の法律で、あるいは予算ですでに認められておるということになりますと、この過員の人々に対しては給与は当然支払うべきものであるかどうかという点について、法制局の見解を伺いたい。
#33
○田中(康)政府委員 ただいま行管の長官、それから人事院の総裁がお触れになりましたように、定員法上は、もし過員が四月一日以後あるとすれば違法状態になっておることは明らかでございます。そこで、その違法状態にある場合に給与の支払いはできるのかどうかということでございますが、これは二つの面から考えなければいけないと思います。一つは、会計法令に基づいて国がいろいろ規制を負わされておりますので、その規制についてどうなっておるかを考えなければいけないと思います。それからもう一つは、職員と国との関係、過員でありましても、国家公務員として仕事をいたした方々でございますので、その人たちに対して給与を支払わないということは、これは絶対にできないことであるとも考えなければならないかもしれません。その二つのことを両方考えなければいけないと思いますので、われわれといたしましては、会計法規及び国家公務員法、この両面にわたりまして目下事務当局を糾合いたしまして検討中でございます。
#34
○伊能委員 本法案の基本に関する問題については、法案の提案理由並びに四月四日現在における実情についておおむね明らかになりましたので、同僚議員あとに数多く質問者が控えておりますので、私は結論的なお尋ねをして質問を終わりたいと思います。
 さいぜん荒木長官から本提案の趣旨について明快な御説明がありましたが、これは国家公務員のうち六十数万についてははずしておる、こういう趣旨でありまするが、これは別途の法令によって規制をせられる。ただ公に奉仕するという意味においては、国家公務員も地方公務員もおおむね同様であろう、かように考えますので、このいわゆる総定員法の趣旨、これは中央地方を通じてこの趣旨で当然行なわるべきものと私は解釈をするわけですが、本法案提出に際して、政府としては地方公務員について同様な考え方を持っておられたのか、あるいはそれについて何らかの論議をせられたかどうかという点についてお伺いをいたしたい。
#35
○砂田政府委員 地方公共団体におきましては、従来からその行政機構及び行政運営の改善につきまして検討を続けてまいりました。できる限りの改革を実施をしているところでございますが、ただいま先生御指摘の閣議決定の趣旨に基づきまして、自治省といたしましては閣議が決定されました直後の四十二年十二月二十七日付で事務次官名をもって依命通達を地方公共団体に出しました。「地方公共団体における機構の改善と定員の管理について」ということでございます。この通達によりまして地方行政の改革を一そう推進するように要請をいたしました。その通達の内容は、地方公共団体の出先機関及び外郭団体の再検討の問題広域的事務の共同処理等の問題、こういうことに触れたわけでございます。通達を出しました後におきましてもあらゆる機会を通じて機構の改善、定員管理の適正化に努力してまいっておりますが、たとえば地方財政計画上もそれだけの措置をいたしておりまして、ちなみに四十四年度の地方財政計画におきましても、義務教育学校職員、高校の教員、幼稚園職員、警察官、消防職員、こういう職員等を除きまして、他の一般職員につきまして、八千六百六十六人の定員合理化をはかる、そういう財政計画上の人員縮減の措置を実施いたしております。これは四十三年度と大体同じ程度の措置でございまして、八千六百六十六人の定員合理化も首切りに直接つながるものではございません。ほぼ欠員補充で措置ができるもの、こういうふうに考えております。
#36
○伊能委員 ただいまの御説明で、今回の行政の簡素合理化が中央、地方を通じて政府が行なうという基本的な内容が解明せられたので、はなはだ満足でございますが、ここで最後にお伺いしたいことは、先般本法案の前提となるべき基本の問題について、社会党、民社党、公明党からお尋ねがあったわけですが、私もその点について一点お伺いいたしたいと思います。
 この総定員法の趣旨によって、少数精鋭の公務員によって行政がきわめて能率的に、しかも公に奉仕する人として十分な行政ができる、また今後も人員の簡素合理化、いわゆる縮減が続いて行なわれる、こういうことになりますときに、一方において給与の問題――今回の定員の問題は、人と金は一体であるというお話もございましたが、給与の点については、同僚議員から質問がありましたから、私はあえてここで人事院勧告の問題に触れるわけではございません。ございませんが、少数精鋭という趣旨からいって、給与はできるだけ改善をしていくべきものである、人員は少数で、しかも精鋭で、その反面それに対応した給与、これを十分に考えるべきである、かように存ずる次第でございますが、この点については、人と物とが一体であるという政府の御説明もございましたので、政府の見解、御所見を伺っておきたい。
#37
○床次国務大臣 ただいまの御所見、まことにごもっともなことだと思っております。政府といたしましても、やはり十二分に公務員の生活を安定せしむると同時に、その能率を発揮せしむるということが要諦であろうと思っております。したがって、給与に対しまして最も公平な中立機関であります人事院からの勧告を受けまして、この勧告を完全に実施するということを基本的な方針として今日まで努力をいたしておる次第でございまして、今後ともこの人事院勧告を完全に実施する、これに対して万全の努力をするということ、これを基本方針にいたしまして、将来の公務員の給与問題に対して対処いたしたいと思う次第であります。来年の勧告に対しましても、さような考えをもちまして善処いたす覚悟でございます。
#38
○伊能委員 以上をもって質問を終わります。
#39
○藤田委員長 浜田光人君。
#40
○浜田委員 ただいま上程になっております総定員法についてこれから質疑に入りたいと思うわけでありますが、官房長官、とかく法案の審議、さらに法案が法律となって、できてしまってからいろいろな問題が私たち、ひいては内閣も同じでしょうが、持ち込まれる例がたくさんあると思うのです。そういう意味で、きょうはできるだけ国民に向けて対話形式といいますか、わかりやすいように、わかっていただく、こういう意味の質疑をやってみたいと思うわけであります。その意味でひとつ答弁をいただきたいと思います。
 そこで官房長官、時間がないようでありますから先に問いますが、いわゆる法律ができて、しかる後に法律の内容がいいだ悪いだ、こういうようになるのです。そういう原因はたくさんあろうかと思いますが、特に内閣の大番頭としての官房長官、政治家としての官房長官、こういう観点からどこに原因があって、どうしたらそれが国民によく理解していただけるか、こういう点についてお伺いしたいのです。
#41
○保利国務大臣 どういう意味でございますか、浜田委員の御質問の趣意を私ちょっと捕捉いたしかねますけれども、とにかく立法府でもろもろの法案を策定され、それが国民の各層によく御理解をいただけるようなものでないと法律をつくった趣旨が生きないじゃないかという御意味であろう、こう思います。その点は私も全然同感に思います。
#42
○浜田委員 私の質問が悪いのかもしれませんよ。いわゆる法律ができて、そして国民からその法律がいいだ悪いだ、こういう声をよく聞きますね。それはどこに原因があるのでしょうか、そしてそれをなくするにはどうしたらいいのでしょうか、こういう質問なんです。わかりますか。
#43
○保利国務大臣 戦後国会に私どもも出てまいっておりまして、特に占領当時の諸立法を考えてみますと、国民の理解を得ることが非常に困難だというようなものでも、占領軍といいますか、司令部といいますか、そういうところからかなり大胆な変革的な諸制度を国会を通じて行なったわけであります。これは必ずしも国民の完全な理解を得るというところにはなかっただろうという事例は相当あるのじゃないかと率直に私は反省をいたしております。
#44
○浜田委員 確かに私たちも政治にタッチしてみまして、これじゃいけないという気持ちになるわけです。それでいろいろ行政の面、政治の面でガンがあると思うのです。ところが、いろいろ法律をつくって、その下で行政をやっていく、そういうときに、よく官僚政治、官僚ということをいわれるのですが、りっぱな官僚だったらいいのですけれども、いま民主政治というものは政党政治だ、なぜかというと、政党は国民から直接問題の要求を吸収するから、こうなっているのですね。ところがいまの内閣のあり方、自由民主党が法案をたくさん出してこられるが、役所の役人さんがいろいろつくられたものを法案として出される、おそらくそうやっておられると思うのです。だから与党と官僚、役人だけがディスカッションしているのですね。ほんとうは与党と野党が議論する。そのもとは、本来なら政党は国民に直結しておるからです。そこから国民の要求というものを吸い上げて、それを法案として出していく、こうなれば私は、ずいぶんと国民の要求やら要望がその案の中に出てきておるのですから、できた後にその法律がいいだ悪いだ、こういうことにならぬと思うのですよ。ところが実際には、役人さんが原案をつくってそれをやっていく。ここに問題があろうかと思うのです。したがって、りっぱな役人さんもおると思うのだけれども、いろいろ弊害が起きてきておる。むしろ政党政治でなくて、ときには官僚政治だ、だから官僚政治はいやだ、こういうことになるのですね。そういう点について、政治家、そして大番頭の官房長官として、どうしたら真の民主政治、そして民主的な行政が行なわれ、したがって、つくった法律が即国民に理解浸透していくか、お考えがあれば聞かしていただきたい。
#45
○保利国務大臣 私は、その感じ方といいますか考え方は、あなたと私は同じだと思っております。と申しますのは、国民の委託を受けて、国民を代表して諸立法に当たる。それを執行する者は行政官であり、行政府である。立法府の、国民の気持ちなりあるいは国民の利益なりを代表して集まっているお互いが立法して、それがその気持ちにはずれないように行政が行なわれるということでなくてはならない。これはもう全く同感で、私もかねがねそれを強く感じておる一人であります。
#46
○浜田委員 時間がないようですから官房長官にだけ――いまの答弁、ほんとうはその前かまだかみ合っておらぬのですよ。
 そこで、昨日いみじくも大平通産大臣が、いろいろ問題を指摘したところが、大臣が渡り鳥でほんとうに落ちついたものがやれない、こういう点があったのですがね。いま国民から――政治家もそうですよ、政治不信ということが、いわれておる。さらに行政に対しても国民が不信を抱いておる。それのきわめて率直な国民の反応というか、それはやはり汚職問題だと思うのです。これはきわめて敏感です。またたとえわずかであっても、われわれは血の出るような税金に対してはこまかい神経を使っておらなければならぬと思うのです。そこでこういう汚職が起きますと、口では綱紀粛正だ、どういうことをやる、こう言うのです。公務員のことはあと総務長官に聞きますが、実際一般公務員の頂点におられる人たちが、真にこれらを防ぎ、国民の期待にこたえ、国民の要望にこたえるために、そして行政や政治の不信を取り除くために、どうしたらいいと思われますか、官房長官。
#47
○保利国務大臣 私は、ときに行政末端等において指弾を受けるような事件が出ておりますこと、非常に残念に思っております。しかしこの一年数カ月、こういう任につきまして見ておりますところ、かなり行政官の規律はきびしいものがあるということを、私は認めておる一人でございます。往々にして不心得な方が出てくるということ非常に残念なことですけれども、全体としてはさすがにやはり日本の良識といいましょうか、そういうことに値するんじゃないか。しかし、一番大事なことは、やはり上にというては語弊があるかもしれませんけれども、責任を負う者がその態度をきびしく持つということ、各行政庁の長たる人がきびしい態度を持っておるということが一番大きく影響をしていくんではないかということを、私実感としてそう感じております。
#48
○浜田委員 きびしい態度を持つ、常に抽象的に、問題が起きたときには、あたかもきわめて厳粛な態度をとったようなんですが、ところがとかく役所はそれがさらっと流れてしまうのです。ですから、きびしい態度をとるという抽象的なことでなくして、具体的にこうするのだああするのだというものがあったらお知らせをいただきたい。そうせなければならぬという決意があれば知らしていただきたい。
#49
○保利国務大臣 とにかく末端さまつな事件といえども、やはり上に立つ者の責任であるというその感じ、かまえだろうと思います。それがずっと浸透していくべきものだ、私はそう考えております。
#50
○浜田委員 どうもかみ合わぬですね。私は、今回の汚職を見ましても、こまかい点は総務長官と議論しますが、みんなキャバレーとか料亭なんですね。これは悪質です。飲んだつけ、遊んだつけを会社等に回す。それは農政局の場合でもそうですね。これはきわめて悪質です。そういう素地が知らず知らずのうちに役所の中にできてきておるのではないか、こういうことも心配する。そこで少なくとも大臣から次官、局長クラスまではここらでひとつぴしっとワサビをきかす意味で、ほんとうに公の費用による宴会というものはぴしっと全部やめる、このぐらいの気慨なりを示して、そうして自分から全部やめて、その部下に対して指示するような決意はありませんか。
#51
○保利国務大臣 私はわれわれの住んでいる社会がきれいでありたいということを望むと同時に、あまりぎすぎすして味もそっけもないような社会は望みません。やはり人間の潤いといいますか、心の豊かさというのでありましょうけれども、そういう上で、いまおっしゃることにはちっとも異存はございませんけれども、きびしいきびしいでぎすぎすしたような社会をつくるということは、私個人としてはあまり好まない。やはりその中にゆとりというものはあってしかるべきじゃないかというように感じております。
#52
○浜田委員 人間が生活を楽しむとかエンジョイするとか、これはやはり身分相応にせなければならないのですよ。ゆとりを持つ、これは自分の金でゆとりがあったらけっこう遊べばいいのです。遊べるいわゆるかいしょうのある人は、これは幾らでも個人的な友だちづき合いはできるわけです。われわれも長い間そういうことはやってきた。公の金、税金等においてはやらないことはできるわけです。個人的なことでたいへん恐縮ですが、私は地方議員を通じて十九年目ですが、公の費用で料亭やらそういうところは行かぬです。ところが友だち同士――私も男ですから、東京でもミカドも知らぬこともありません。それは自分の範囲内で、自分のつき合いでやっていけば、けっこう人間として、余裕はないけれども、できるわけです。だが少なくとも役所で、大番頭である官房長官がこういう機会にこそそういう公の費用ではそういうことは断じてやってはいかぬ、やらない、こういうことをずっとやっていったら、ずいぶん姿勢が正してこられると思うのです。そうせぬから、たいてい汚職とかそういうものは、高級料亭、そういうところがスタートになっておるのですよ。だから私は言うのですよ。決してあなたが心配されるように、人間がそれをやめてしまってごつごつ――絶対そういうことをやってはいかぬと言うのじゃない。これはあくまでプライベートなこと、個人の範囲内ではそれはやれる。自分で余裕のある人はやっていけばいいのです。それを言っているのですが、どうですか。
#53
○保利国務大臣 これは、恥を知るということは東洋道徳の非常に大事な一つの教えだと私は思っております。恥を知らざる者は人にあらずということすら言うわけでございます。いまの浜田さんの御意見に対しては、敬意を表して、そうありたい、私もそう思う一人でございます。
#54
○浜田委員 私もそうありたいということでなく、実行に移してもらわなければいかぬのですよ。官房長官、ほんとうにこれは笑いごとじゃないのだ。そういうところから政治家も姿勢を正さなければ、そんなところしか実際自分でやれるところ、手のつけられるところはないのです、口で幾らりっぱなことを言っても。そうして国民にこたえていく。これはあとからまた荒木長官なんかにもお聞きするのですけれども、幾らりっぱなことを言っても、国民がそっぽを向くようなことじゃだめなんです。昔は「よらしむべく知らしむべからず」こういうことがあったのですが、今日の民主主義、民主政治、民主社会の中で、そういうことは考えてもおられぬでしょうが、とんでもないことなんですから、よく気をつけていただきたいと思います。
 官房長官は時間がないそうですから、あなたに質問する分は後日に残しておきますから、これでもうけっこうです。
 では次に、荒木長官に質問いたします。
 本来行政は、さっきも頂点の話をいたしましたが、国民のための行政でなくはならぬということはよくいわれておる。したがって、政府は国民に対し、行政の権能を常に明らかにすべき義務があるのです。また、主権者たる国民の意向が行政の具体的な方向となって実現されるためにも、立法や予算と同様、行政組織の規模ないし機構、機能について、国民がこれを客観的に把握できる制度にしておく義務があろうかと思うのですが、荒木長官どうお考えになりますか。
#55
○荒木国務大臣 御指摘のとおりだと私も思います。
#56
○浜田委員 そういたしますと、行政の機構と規模、機能を具体的に保障しておるのがいわゆる国家公務員の人員であり、質であり、配置であるのだ、こう思うのですが、どうですか。
#57
○荒木国務大臣 そういうことに相なると思います。
#58
○浜田委員 そういたしますと、第一に質問したことと、第二に質問したことから、当然この定員についても法律によって規定したほうがいいのではなかろうかと思うのですが、その点どうでしょうか。
#59
○荒木国務大臣 いまのお尋ねの点が問題の受けとめ方によって意見が分かれることでもあろうかと思いますが、先刻来伊能委員にお答え申し上げましたように、むろん国会を通じて国民は知るわけであることは当然でございますけれども、従来のように各省庁ごとに設置法を通じての国民が知るということも、むろん従来行なわれておったことを通じましても必要であり意義があることを否定できませんけれども、他面また国民はその役所の機構、定員等の一々のこともさることながら、全体としての国民のための行政サービスをするいわば手段として定員制度があり、組織その他がきめられておるわけでございますから、行政サービスの質的な向上、充実こそが国民の立場において望ましきことであろうと思います、目標は。したがって、いま申し上げたそういう意味において、いずれが適切であるかという選択問題として考えました場合、繰り返すことを避けますけれども、伊能委員にお答え申しましたような根拠に立ちましてベターじゃなかろうか、かように思っておるわけでございます。
#60
○浜田委員 私、第一と第二で、若干これは専門的になりましたが、もっと国民にわかりやすいことばで表現すれば、その組織、機構があって、そしてその組織や機構が機能を果たすために、いわゆる定員を定めて人員を配置しておるのですね。だから、それは第一に質問申し上げたような観点から、そう考えるとあなたは言われたのですが、そういたしますと、今度のように政令で定められる、こういうことになると、第一に質問してそうだと長官は言われた。客観的に把握できる制度としておく義務があると思うがどうか、そうだ、こう言われた。そうしますと、やはりこの機構や規模等については法律で、各省設置法できめるのですね。そこに配置する人間、しかも第一で質問して同じ考えだと言われるのならば、やはり法律によってきめていく、そしてそれは国民にこのような行政サービスをやっていくのです、こういうことを国会の審議を通じて知っていただく、あくまで行政は国民のための行政でありますから、これが最もいいと私は思うのです。それはいままでの質疑の中あるいは提案説明の中でも御説明なさってはおりますが、野党だから勘ぐるということでなくして、いま申し上げておる順序を踏んで、こういって、若干手間はかかってもそうすることが真の国民のための行政サービスになるのだと思えば、すぐ政令でやれるというような措置をとるべきじゃない。私はこういう見解で質問しているのですが、その見解が異なると言われますが、ずっと踏まえていくとこうならざるを得ないのですが、どうですか。
#61
○荒木国務大臣 さっきも申し上げましたように、問題のとらえ方によって意見が分かれると申しますか、感じ方が分かれる課題であろうと申し上げましたのは、組織そのものは従来どおり法律ないしは法律の委任に基づく政令等を通じまして国民の皆さまがよく承知していただけるはず。その組織、機構に配置さるべき定員を御審議願っておるこの法案を御決定願ったのちに、これによって運用します意味は、量の問題が主眼でありまして、なるべく少数の人で行政サービスの質を落とさないでやってくれることを国民は望んでおるという線に立って見ました場合に、むろん先ほども申し上げましたとおり、各省庁の設置法で定員も定めるということが一つの方法であったことは確かでありますけれども、国民として知りたいことは、いま申し上げました行政サービスそのものが主眼であろう。たとえば、十人でサービスをしてもらった、郵便局であれ、税務署であれ十人なら十人でサービスしてもらっておったのが、八人で同じサービスが提供できておるのならば、それを望ましとするであろうということを念頭において考えます場合、定員の配置を最も合理的に能率的に配置するという一つの目的に応ずるための手段として、従来よりはベターでなかろうか、かように存じまして御提案を申し上げておるわけであります。
 なお形式的に国民が知る、知らないということであれば、法律によってお定めいただいた政令で、定員の配置をするという政令そのものも官報を通じまして、形式論ですけれども、国民は知っていただく機会はある。へ理屈を申し上げればそういうことも申し上げられようかと思いますけれども、要は、繰り返しになりますが、一人でも少ない公務員の数でもって行政サービスそのものが従来と同じだ、もしくは願わくはそれ以上によりよきサービスが提供される。そのことを欲するであろうところの国民の御要望にこたえる方法論としましては、従来の制度よりも総定員法と通称される御審議願っておる法案の執行によって、より多く期待できるじゃなかろうか。かような考えを先ほど来申し述べておるわけでありまして、仰せのような国民が知る、知らないという意味だけでございますれば、知る方法はあるであろうということも申し添えまして、お答えにしたいと思います。
  〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
#62
○浜田委員 たいへん残念ですが、荒木長官、いまいみじくもあなたが人員の数くらいは官報によってみんな国民は知ってもらえるのだ。これが一番最初に私が官房長官と議論した、このガンを除かなければならない点なんですよ。官報で出たときには、農林省は五万六千八百二十七名ときまって出すのでしょう。だから法律ができて、国民があの法律はいいか悪いか、これと同じことになるのですよ。そういう思想がずっと流れてきておる。だから私たちは心配するのですよ。口では国民のための行政、国民に向けての行政だ、こう言われる。したがって、そういう行政規模なりそういう人員配置をするのだ、こう言われるけれども、思想としてはいわゆる知らしむべからずよらしむべしである。もっとえげつないことばでいえば問答無用だ、こういうことになる。だから一般に心配されるのです。少なくともそういう官報で員数だけを知らすというのではなくして、やはり国会のこの場で審議するということは、たとえばいま国立の病院には確かに看護婦さんは足らぬ。人命を扱うところの病院が、看護婦さんは四分の一くらいしか配置がないというたりしておる。いいところは二分の一くらいかもしれない。ところが、それでは政令――政令はけしからぬのですよ。だけれども、ほんとうに違法だ、こういう状態になってもやらなければならぬとするなら、そういう人の命を守るところへはむしろ勇気を持ってやられても国民は納得するのですよ。それはやっておられないのだ。だから設置法によってそういう数をこの国会で審議することによって、国民は、国会あるいは内閣は、真にわれわれ国民の命を守るためにこういうようにやってくれておるのだな、こう理解するわけですよ。その理解が行政あるいは政治に対して信頼されるゆえんだ。だから国会を通じてやったらどうでしょうか。一、二の質問からくるとそこに落ちつくわけですよ。それを見解の相違だと言われるのですが、そういたしますと、実際いままでは設置法でやりました。そして今度は定員法でやっていく、首は切らない一これはあとからまた議論しますが、強制配置転換をしないと言われるが、そうするとどこが異なるのです。ただ自然退職したのをプールして持っておって、あっちこっち人の要るところへ補えるのだ、機動性を持たせると言う。私たちは社会党といえども、ほんとうに要らない組織があったり機構があったりすると、そういうものに対してこれは絶対置くべきであるというような反国民的なことは決して言いませんよ。ほんとうによく検討してみて、これはなくしたほうがいい、だからいろいろ政府にも注文をつけておりますね。だから、そういうところをなくした分は、直ちに審議を通じて設置法を変えて必要なところへ持っていくこともできるわけです。ところが五十八国会から、皆さんは設置法でやればいとも簡単にできることをやらずして、政令を発動さして、それで政令の期間がきてどうにもなりません、だから国会はけしからぬのだ、こう持っていこうとしておる。逆なんですよ。これもまた国会審議を冒涜するものだと私は思う。当然設置法で出してきてやっておって、まだゆっくり審議してもいいのだ、それをやってからじゃないのだ、それはきのうやおとといのことじゃないのですから。そういう意味で、設置法と総定員法とどれだけ具体的に効果があるのだ。さらに実際そういう機動性を持ってやるのだ、行政の消長に伴ってと言われるが、それらはだれがどういうところで判定するのですか。いまですらも各省の把握もできぬ、いろいろな点があるから。さっきも聞いておりますと、答弁は矛盾だらけです。昨年やりました労働省の安全衛生局のごときは、これだけの労働災害を防がなければ経済的には何兆、何千億の損害です、だからこれは要るのですということであったが、それが一年足らずで廃止するのだと言う。ほんとうに必要ならば、そういうものを残して、そこに人員をやっていくというのがほんとうに定員法のねらいではないか。ところが、一律に一局削減によって、ほんとうに必要だからといってつくったものをぽかっとやめてしまった。ほんとうに国民のための行政がここにはどうしても必要なんだということはどこでだれが把握しておるのか、そういう点について。
#63
○荒木国務大臣 冒頭におっしゃいましたいわば心がまえにつきましては、官房長官とあなたの質疑応答を拝聴しておりまして、その趣旨に私も、いささかも違いのない理解を持っておるつもりでございます。そういう気持ちで拝聴しました。
 そこで、一体だれが総定員法決定後に定員の配置がえ等をどうしてやるのだということが御質問の主眼点かと心得ましたが、方法としましては、現にやりつつありますところの補充差しとめの定員を留保いたしまして、その限度内において配置転換もやる、そういうことが考えられておるわけであります。しからば緩急軽重、人員を減らしたりふやしたりということはどういう判断でいくかという点でありますが、これは一面当然に政策的な関係の諸法規によって行政需要に応じたことが国会で御論議されながら方向が示されるわけでございましょうし、さらに各関係省庁が十分おっしゃるような考え方に立って、予算の要求ないしは査定をめぐる折衝と同じような考え方に立って、あくまでも国民本位の行政サービスをよりよくするために、また流動的に諸条件が変動していくに応じての緩急軽重も双方あわせ考えながらの十分な審議、協議を経ましてプラス、マイナス等が行なわれるというやり方でありますことは、予算の問題を通じてお考えいただけば御推察願えるかと存ずるのでありまして、繰り返し申し上げますが、あくまでも国民本位に考えた定員の配置転換ということを目標に慎重に考慮を加えて運営されていくべきものと存じております。
#64
○浜田委員 私が質問しているのは、その余った人員をこっちへやるとか、その余るかどうかという行政の消長、それはどこでだれが把握しておるのですか、こういう質問なんです。
#65
○荒木国務大臣 総定員法の実施にあたりまして、方法論といたしましては、冒頭の伊能さんの御質問にお答えしましたとおり、出血人員整理を伴うことは一切やらないというたてまえに立って実施するといたしますれば、どうしても現在においてたまたま欠員ができた、それを補充すべきかいなかの判断は各省庁の責任者が判断するわけでございますけれども、三年間に五%の実定員の縮減ということを目ざしまして、一年間に三分の五%、平均ではございませんけれども、各省庁の実情に応じて、三年間五%を目標として定員不補充をしてもらいつつあります。そういう不補充が出てきますゆえんのものは、各省庁の責任において判断し、それを適当に調整し、相談しながら五%が生まれるわけでございます。そういうやり方でございますから、たとえば行政管理庁の立場において独断的にこうするということではございませんことを補足させていただきます。
#66
○浜田委員 長官、どうもそれでは質問の答弁になっておらぬですよ。三カ年間五%削減する、だから欠員不補充だ。欠員不補充は、今度の三カ年間五%削減でなくても、前からやっておられたのじゃございませんか。この点についてどうですか。
#67
○荒木国務大臣 四十三年度を第一年度といたしまして、四十四年度、五年度までの三年間に各省庁平均しますれば大体五%見当の――失礼しました。ずっと以前のことを私は承知しないままでお答えしておったようでございます。昭和三十九年以来不補充ということはやりつつありますけれども、三カ年間五%の欠員補充をしないでそれをためていこうという考え方はさっき申し上げたとおりに続いておるわけでございまして、その実員がいない補充定員そのものの運用によって、配置転換等を行政需要に応じて配分していくという考え方であることは先刻申し上げました。それをどうして配分するかもすでにお答え申し上げたと思いますから、省略さしていただきます。
#68
○浜田委員 どうも私の質問が悪いのかわからないのですけれども、全然かみ合っておらないのです。質問の答弁になっておらない。いま三カ年間五%削減を出されたが、それまでにも欠員不補充はやっておるのでしょう。やっておるとすれば何年からやっておるか。それの答弁をしないで、事務当局がメモ持ってきてそれで答弁しておる。欠員不補充ということがいまの設置法に基づいて、その法律精神に基づいて正しいことであるかどうか、この点について長官。
#69
○荒木国務大臣 欠員不補充という課題そのものは臨時行政調査会の答申の線を尊重するという立場に立って始められたことでございまして、具体的にさらにつながりを申し上げますれば、先刻申し上げたように、本法御決定いただいた後にもそれが役立つであろうということをあわせて御答弁申し上げたような次第であります。
#70
○浜田委員 設置法では農林省六万二千百三十九人とする、こうなっておるのですよ。しかし、いままでも欠員不補充で、あるいは六万人にしておられるかもわからない。それが欠員不補充なんですね。それがいまの設置法でずばり言いますれば、正しいことであるかどうですか。こう聞いているのですよ。長官どうお思いになりますか。ただ臨調の答申がこうであるからやっておる。それはそれで審議機関としての意見ですからいろいろ出てくるでしょう。そう言われますと、臨調の答申でもやっておられぬことはたくさんあるのですよ、かってなことだけ聞いておるということですから。それば別に置いておきますが、いまの点についてどうでしょうか。
#71
○荒木国務大臣 それは閣議でもって決定いたしまして、各省庁が責任をもって行政サービスを低下しない限度内において欠員不補充で今日までまいっておるとお答えすべきかと思います。
  〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕
#72
○浜田委員 それが正しいのかどうか、法律上……(「正しい」と呼ぶ者あり)正しいわけがない。それは法律では何人にするということを言っているのに、今日あなたたちは総定員法というものを出して最高だけを押えていこうとしているのじゃないか。だからその答弁を求めておるのに、一つも言っておらない。よそのものばかり答弁しておる。答弁がかみ合っておらぬのだ。行政の消長によって機動的に配置すべきものだ、それを各省の大臣が把握してやるのだ、こうなる。言われなくてもそうなるのですよ。ところが大臣は、さっきも申し上げたように、渡り鳥でほんとうは把握しておられないのですよ。そうすると、官房長、局長が把握しているからそれにやらしているのだ、こうなるのだろうと思う。ところが実際そういう人たちもほんとうは把握していない。いないからこれまたいみじくも、文句なしに総理の声がかりだというのでやっている。一局削減でもそうです。どこをやれと言わぬから、とにかく労働省なら労働省に一局なくせ、こうなってきている。ほんとうに把握しておられるのなら問題は煮詰まるはずなんですが、しておられぬから、こういう法律をつくってもほんとうに魂が入らない。私はそれを心配するからずっと質問するのですよ。
 強制配置転換はしないというのですか。ほんとうにしませんか。
#73
○荒木国務大臣 いたしません。
#74
○浜田委員 しないとするならば、ただ口で五十万六千五百七十一名ですか、この公務員の方に言っても、過去のいろいろな経過から見るといろいろな点が出てきているから信用されないのですよ。具体的に強制配置転換をせぬ歯どめ、そういうものがそれについてあるのですか。
#75
○荒木国務大臣 ほかのことを言うとしかられそうですけれども、また申さしていただきますが、先刻来申し上げますように、本法決定後の運用につきましての具体的な方法としましては、保留された定員の限度内で今後の増員をまかなっていこう、その配置については、行政需要の緩急軽重に応じて、あるいは社会的諸条件の変化等も考えて適正に配置するというやり方でやっていこう、こういうのが原則でございますから、絶対にとは申し上げ得ないかもしれませんけれども、具体人がいない保留定員の操作でございますから、原則としては強制配置転換などはあり得ないわけであります。だんだん年を経まして、あるいは急激に行政需要が高まりまして、保留定員だけでは操作ができないことがかりにありとしましたならば、理論的には具体人の配置転換ということもあり得ようかとも思いますが、そのときといたしましても、本人がいやであるという、家庭の条件その他もありましょうし、かつまたその人が配置転換さるべき転換先の仕事にいきなり取りつき得るかどうかということもございましょう。それらのことを十分に考えて、本人の考えをいつも十分尊重しながら運営さるべきものと考えているのでございまして、繰り返し申し上げます。原則として具体人を本人の意思に反してどうするということは起こらない。かりにそういうことがあるといたしましても、十分に人間的な関係に立ってあらゆる配慮をして配置転換をすべきである、こういうふうに考えていることを申し上げます。
#76
○浜田委員 そういう抽象的なことじゃ実際五十万何ぼの方は納得しない。いま理論的にはと言われたことを具体的にあとからでも提示しますが、あなたはいま臨調や行政監理委員会のことを盛んに言われましたが、行政監理委員会が今年の二月二十六日に声明を出しております。これは御承知だと思います。そこの中で「国家行政の現状は、各省庁のセクショナリズムによって既存の機構・定員が固定的に維持され、これを整理縮小するよりも、ともすれば無秩序な膨脹を来たす傾向が強く、このような弾力的・機動的な定員の再配置が困難である。これについて、臨時行政調査会意見(「公務員に関する改革意見」)は、『人員の効率的、機動的な配置を確保するための配置転換制度を早急に確立すべきである。配置転換制度が整備されない限り、合理的、計画的な人員配置の体制の確立は、ほとんど不可能といえるであろう。』と述べている。」こういっておるのです。ですから、強制配置転換をしないといわれる、そうして、それは欠員があったところ、こういわれるが、それではこの意見でも指摘しておりますように、さらに具体的に働いておる公務員の方たちも、これではほんとうに強制配置転換というものがないんだろうか、どうだろうか、ああはいわれても、まあ年とった自分たちがいままで農林事務をやっておったのが、大蔵事務のほうにかわらされるんじゃないだろうか。特に登記所などというものは今日どんどん人手が足らなくなっております。どうだろうか、こういう不安は払拭できないです。だから具体的に何かこういう制度をきちっと持って、こうするんですというものがなければならない。たとえば公企業体はぴしっとみんなありますよ、こういうものが。そういうようなことを、臨調自身がそうしなければだめだ、こういっておるのです。ところが先にできないといいながらも、合理的な計画や人員配置は、その体制が確立できぬとできないといわれるのに、先に総定員法だけでこうしようといわれるから、なおさら公務員の方は危険、危惧を感じておるのです。だから聞いておるのです。
#77
○荒木国務大臣 終戦後、たしか占領中でございますが、一ぺん行政整理と称されるものが行政改革の名において行なわれ、そのときには出血整理があったと記憶しておりますが、一面、いまお読み上げになりましたような経過を経て今日に来ております。各省庁の実態は、増員のときは設置法で御審議願っておりますけれども、行政需要がなくなったものについて減員するという設置法の改正はほとんどなかったと記憶いたし一まず。そして、いわゆるセクショナリズムの悪い面だけが出てきまして、すでにある定員はそのままにして、上積み上積みという方向を現実にはたどっております。今後といえどもたどらざるを得ないのが実態じゃなかろうかと推察されるわけでございまして、それもおのずから限度がございましょうし、その限度にきましたときに、あわてふためいて行政改革をやるとなれば、出血整備たらざるを得ない。国民の立場から見ましても、税金に限度があります限りそうなると思われます。したがって、そういうことを念頭に置いて、また臨調の答申を引っぱり出して申しわけありませんが、いまお読み上げになりましたような趣旨において、また伊能さんのお尋ねにもお答えしましたとおり、衆参両院の超党派的な附帯決議の御趣旨を念頭に置いて考えましても、出血行政整理を国民のためだと称してやることは望ましくない。出血しないで合理化、能率化をはかっていくとならば、何としても先ほど来申し上げましたような考え方に立って、通称総定員法という御審議願いつつあるこの法律を御決定いただいた上で、そのやり方をあわせ考え、運営していきますことのみが国民的な要望にこたえ、かつまた出血整理を伴わないで、徐々にではございますけれども、国民的要望にこたえるゆえんだ、かように考えておるような次第でございます。
#78
○浜田委員 そういう抽象的なことじゃ理解ができない、こう言うのですよ。それは与党の伊能さんならば、ああそれはけっこうです、こう言うかしらぬ。しかし、ほんとうに該当者は、これは強制配置転換があるのじゃなかろうか、それより、いまの各省設置法でもやれるのだからと言うのは当然でしょう。
#79
○荒木国務大臣 何か歯どめみたいなのがないと安心ならぬという疑念が起こる向きがある、だからどうするのだというお尋ねのようでありますが、この御審議願っておる法律を御決定いただきます過程において、浜田さんの御質問等ももちろん通じまして、そういう疑念を持っておる方々は疑念を氷解していただけるものと思います。繰り返して申し上げます。いわゆるパーキンソンの法則とかいうこともいわれますが、現実に上積み上積み以外には手がないようでございますから、そういうことでいきます限りにおいては、むしろ出血整理につながりはせぬかと心配している向きも含めまして、出血整理たらざるを得ない時期が当然到来する、そういう不用意なことであっては、公務員諸君にいたしましても、いたずらな不安感を将来にずっと持ち続けることになるのではなかろうか、そうでない、しかも行政需要に応ずるという両面の要望にこたえるためにこそ、この法案が提案されておるわけでございますから、これを御決定いただいたことによってその不安感がむしろなくなるのだ、また御決定いただけばそう運営しなければ、国会から政府はおしかりを受けることは当然の内容を持った法律であり、常時国会を通じて御監督いただくことによって、この法案の適正な運営をはかっていくという、良心的な要請を含めた内閣としての責任をこの法案は含んでおる、私はかように考えておるわけであります。
#80
○浜田委員 いみじくも言われたのだけれども、国会の審議を通じ、あるいは国会が監督しと、いろいろ言われる。それならいままである設置法でやってこそ、よりきめこまかく国会がタッチできるのですよ。今度は国会でえらく審議してもらわなくてもいいのだ、それは予算表を見てもらえば、二六〇ページに書いて、これこれしてあります、こう言いたいのだろうけれども、ところが予算委員の方たちは大きな問題を主として論議されて、こまかい数字的なことは、やはり一般の予算関係の法律によっていろいろやっていくのが通例でしょう。ですから、国民はそういうものを通じて――さらに国民が予算表を見られるような状態ではございません。これは地方の議会でもそうなんです。地方の住民から予算というものをもっとわれわれにわかるような方法を講じてもらえぬか、いろいろ苦情処理等を聞きますとよく聞かれます。ましてや、国の予算が一般の国民にわかるような状態ではございません。だから、予算の中でこう書いてあるから、それで国会に審議してもらうんだ、こう言われること自体がぼくは一つの回避だと思うのです。ですから、口では国会を通じてと言われるが、それならいままでの設置法でやっていくことのほうが国民に知らしめることであり、知ってもらうことであり、そして国会を尊重するゆえんだと思うのです。口では言われるけれども、やることは国会の審議はできるだけ省略して、政令でやっていこう、こういう底意が見える。りっぱな荒木さんですから、悪いこと考えてはおられぬと私は思うんだが、ところが該当者はそうは思わぬですよ。つまらないわれわれ国会議員かもしれませんけれども、十八人の閣僚でやられるよりか、たくさんの国会議員が国民代表として出ておるのだから、そこで審議してもらったほうがよほど民主的で、もしそれで悪いなら、しかたない、がまんしようと、こう思われる。だから口で言われることとすることとが違っておりますよ、荒木さん、どうでしょう。
#81
○荒木国務大臣 違っていないと私は思います。国会は、予算委員会等を例にとってお述べになりましたが、本内閣委員会をはじめ関連の委員会もあまたございます。と同時に、俗にいわれることでございますが、国会は男女の性別を変えることはできないけれども、それ以外は何でもできるという、国権の最高の機関としての機能が憲法上与えられておると私は理解いたします。行政調査権限もお持ちであります。法律の形をとらなければ、国会が国民にかわっての御審議ないしは行政の監督ができないというものではなかろう。したがいまして、国民にかわっての実態の監督なり監査というものは常時できると申し上げても過言ではなかろうと思われる。そのことを念頭に置きまして申し上げておるのでございます。むろん法律という形で御審議願うことが厳粛な方式であることを否定するものではございませんけれども、それを戦後今日までやってきましたけれども、変転する内外の諸情勢に影響される国民生活を中心とする、その立場からの行政需要に応ずるということがなかなか容易ではない。口で言いましても実際上できない。おまけに一面にはセクショナリズムという病気はなかなか急になおらないという前提に立ちます限り、この法案を御決定いただくことによって、ほんとうの意味の行政改革が出血を伴わないでできるであろうし、かつまたそのときに応じての行政需要に対する行政サービスが適当であるかどうかを、国会を通じて国民的お立場から御監督もできるであろうし、監察してよければいいで、国民にお知らせもいただけるであろう、そういうやり方が最も適切じゃなかろうか、かように信じておることに基づいていろいろ申し上げているわけでございます。
#82
○浜田委員 それは主観的であり抽象的ですから納得いかぬです。やはり強制配置転換はせぬというなら――これは現実にあるのですからね。配置転換というものは、それをするときには、こういう機関で、こういう事前協議をして、こういうようにするのだとか、そういうものがないと該当者としてはやはり不安です。これは問題として、残しておきますよ。伊能先生のように抽象的なことでもよろしいとは決して言わぬから……。
 そこで、盛んに政令の問題がさっきからの質疑の中で出ておりましたね。総務長官にも言っておかぬと、あとで逃げちゃったら困るんだけれども、総務長官は本会議後にしますが、国家行政組織法十九条の二項を持ってきて、そしてあたかも、今日は期限切れであるからすみやかにこの法案を通さないと、その人たちには給与は支払われぬとか、逆な議論をしておられる。私たちは五十八国会のときから指摘いたしておった、本来十九条二項というものはどういうときにこれを適用されるのですか、長官。
#83
○荒木国務大臣 緊急やむを得ない理由がありますときに、国会を通じて御審議願って、設置法の改正ということでは間に合わないというようなときには、緊急政令と通称されるやり方が許されておりますので、それによって行政需要に応じよう、そういう場合だと存じます。
#84
○浜田委員 そういたしますと、五十八国会のときに、むろん今日大学――当時から紛争はありましたが、これらが特にわが大出委員のほうから指摘があったのですが、鳥取の場合あるいは九州の場合、そういうのに今日十九条の二項を適用したことが、さっきのあなたの見解から正しいと思われますか。
#85
○荒木国務大臣 御指摘のような場合もございましょうが、現実にいま課題になっておりますことに関して申し上げますれば、総定員法のたてまえで政府としましては国会の御審議を願い、その線に立って処理していこうという前提でございましたために、各省設置法の改正という形で御提案申し上げていませんでしたが、不幸にして不成立、審議未了に終わりました。そういうことでございますために、予算は御決定いただいておる、行政需要に応ずべき課題は緊急のものがそこにあるということからいたしまして、緊急政令で応急措置を講じて今日に至っておる、こういうことだと理解しております。
#86
○浜田委員 はかり知れないときに、二項は発動するのだ、こういうことでしょう。事務当局はいまうなずいておる。そういたしますと、鳥取の場合はすでにずっと国立に移管されて、三カ年計画で、一カ年間に何名というのは国に移譲するということがきまっておるでしょう。きまっておるのですよ。そういうのがなぜ各省設置法によってずっと定員の中に入れられないのですか。わかっておるのだよ、国立へ移管されて、さらに三カ年に分けてずっと移譲するということは。どうしてできないのか。
#87
○荒木国務大臣 政府としましては、さっき申し上げたように、総定員法が適当であると信じて、行政府としては立法府の御審議をわずらわしておる。希望するところは慎重御審議の上、間に合うように御決定いただきたいという気持ちをもって御審議を願いつつ、この前の国会におきましても推移しておる、今日といえどもそういうことである。そういうたてまえをもって国会の御審議を願うことそれ自体が不当であるといえば別ですけれども、それを是なりとする限りにおいては、その御審議願うであろうところの法案と矛盾したことを同時に御提案申し上げることは、これは理論上不可能だと存じます。したがいまして、天災地変の場合と同日の談ではむろんございませんけれども、法案を御審議願い、あるいは法律の改正案を出す出さないということの関連におきましては、やはり予測し得ない事態であることは当然でございます。そういう意味からおしかりを受ける筋合いのものではなかろうと私は存じております。
#88
○浜田委員 長官、かつて三井鉱山でああいう災害が起きて、確かに天災地変ではかり知れないから、保安要員として通産省の役人をふやす、これは確かに十九条二項を発動して政令でやる、ぼくはそういう性格のものだと思うのですよ。ところがただいま申し上げましたように、国立に移管されてさらに三カ年間で、一カ年間何名ときめて、毎年こう移譲するのでしょう。これが予測できませんか。あなたはあくまでこの定員法が国会で審議して通るんだから、通らなければならないんだから、これでやるんだからそれはやらぬでもいい、こういうことですよ。これこそたいへんなことなんです。そんなこと文句を言われる筋合いはない、こういうことを言われるが、とんでもないことですよ。国会は、提案されても、これが真に国家国民のための法律であるかどうかということを慎重審議して、その暁でなければ通りませんよ。したがって、それを五十八国会で繰り返して、そこで通らなかった。そして六月政令で発動した。その次は何をやるのですか。あなたたちは、次の臨時国会に形式的には出してきた。しかしほんとうはその前にもう一つ特別国会があるんだね。むろん参議院選挙が終わった直後だからそれは出せんと言うかもわからぬ。しかしほんとういうなら、その臨時国会のときには各省設置法で出し直してくるのが妥当ですよ。総定員法だけを無謀に提出してこういうことを追及されまいとする、こういうずるい考え方なんだ。だから五十八国会の終わりには、少なくとも公の政党同士が、この総定員法については次の臨時国会には出さない、各省設置法で出し直す、これまで約束し合っているのでしょう。だから、いまあなたが言われることは、実際われわれの国会の審議権をあたかも軽視――そんな筋合いはないと言われるけれども、とんでもないことですよ。筋を追うていけばそうなるでしょう。どうです。
#89
○荒木国務大臣 与野党のお話し合いがあるべかりしものかどうか、それは別問題でありまするから、私のかれこれ申し上げる筋合いじゃないと思います。ただ、先刻も申し上げましたように、総定員法案を提案申し上げるとならば、それと矛盾することを、二者択一、こっちができなければこっち、こっちができなければこっちなどという不謹慎な態度で御審議願うべきじゃないということを申し上げたにすぎないのでありまして、国会の審議を軽視したの、そんなことが毛頭あろうはずがございません。行政府として一貫してこのやり方のほうが、先刻来るる申し上げますようなことを含めまして、国民のためにも適当である、こう信じております考え方を臨時国会にも表明し、今度の通常国会にも表明申し上げておるということを出ないことを御了承いただきたいと思います。
#90
○浜田委員 そういたしますと、あなたたちが一貫して総定員法でやらなければならぬのだ。途中で、政令定員は今日まで追いやらなくてもできる法はあったけれども、あくまで片意地に総定員法でやっていくんだ。いま御説明なさったとおりだね。だから今日の事態を招来しておるのですよ。さっきのように、あたかも政令定員がこれこれだというようなことであれば、いま長官が説明された、片意地にこれしかない、われわれはこれを出したんだからこれでいくんだと言って、私たちの立場から言わせれば、あやまちを三たびおかしておるのであります。だから今日、政令定員の人たちの給与が支払えない、こういうことになっておる、その点どうでしょう。
#91
○荒木国務大臣 繰り返し申し上げますが、私一個の立場ではむろんございませず、政府全体としての考え方に立って立法府の御審議を願うという態度で一貫しております。またそういう態度で政府として考えましたゆえんのものは、先刻来のお尋ねに対してお答え申し上げましたとおり、国会の御意向も、国民のための行政改革の必要であることは御支持をいただいておると信じておりますが、同時に臨調設置法についての与野党一致の附帯決議の御趣旨、それを受けての臨調の答申の各項目を実施するについても、配置転換を主眼とするところの何らかの制度をつくるべしという結論を添えての御答申でございますから、国会の御意思、それに基づいて設置された臨調の答申、それらを尊重することが国会の御意思に沿うゆえんでもあるということも一面念頭に置きながら、是と信じたことを一貫して御審議をわずらわしているにすぎないということであると御理解をちょうだいしたいと存じます。
#92
○浜田委員 そういうことと、総定員法ということが方針として正しいのだからそれできたんだ、こう言われる。その結果が、この十九条二項の人たちが、今日、四月一日から宙に浮くという状態が起きたと思うのですが、それをどうお思いになりますかという質問でございます。どうなりますか。
#93
○荒木国務大臣 まあ率直に申し上げて、慎重御審議の上に御決定ちょうだいすれば、万事が解決するんだがなという願望を内心持っております。
#94
○浜田委員 議事録に残るからといって、これは与党も質問されたんだから、やっぱりかみ合わしておかなければいかぬですよ。皆さんたちはそうして笑っておるが、みずから国会議員の審議の状態を自分たちで卑下していることなんだよ。それはおかしいと私は思う。それは与党の立場はわからぬことはないですよ。それであっても、確かに法案というものは審議の過程でいろいろ回るのですから、それを何月何日までにこれが通る。それは一つの想定としては持っておられても、それも三度目ですね。一回ぐらいならともかくも、五十八国会で流れたときに次の手当てをしておかなければこんなになるなということは、これまた当然想定できるのですから、これさえやっておったら、これが十五日、二十日延びたとしても、伊能先生が言われるあたかも大ごとのような、大げさなことを言わなんでも済むのです。問題がすらっといくのです。それをやっておられないからこういうことになったんですからね。本来、さっきの欠員不補充の問題と一緒です。私は、法律があって、その法律にのっとってものをやるという、当然のことですが、どうもこれが欠けている。結局それがあるから、法律の体面として政令でやっていこうという気持ちがあると思うのですが、本来そういうところから姿勢を直してもらわぬと、幾ら口では国会審議を尊重いたしますと言っておっても、しない。これから給与の問題に入るけれども、この委員会で完全実施ということを超党派で何回決議しても、政府はやっていない。口で言うこととすることが違う。これは政治家として荒木長官考えなければ、特に佐藤総理などは本音とたてまえの違うようなことをときどきやられる。これが国民の政治不信を招く最大の原因なんだから、こうして国民にわかってもらう。審議している中では、ほんとうにたとえあなたが出されても、そういう経過をたどって、ここでこれでやり直しておったら、この問題というものは、一応今日の状態は起きなかったのだ。こういう点はやはりすなおに認めて、しかしこの総定員法を早く通してもらえばこんなになります、こうならなければいけないと思うのです。質問に対して一つも答弁しないで、ほかのほうのことだけ言うておるからかみ合わないんだ。そこで、この政令定員の人々が――さっき法制局は非常にデリケートな発言をしておられましたが、これも想定ですが、内閣委員会で通し、本会議で通して参議院へ行ったとしても、相当の日程はかかります。そうしたときに、ほんとにどうされるのですか、長官、この人たちは。さっきは与党の伊能さんですからいろいろ答弁しておられましたが、実際そういった事態はすでにもう想定できます。それでどうされるのですか、その人たちは。
#95
○荒木国務大臣 せっかくのお尋ねでございますが、吉田茂さんじゃございませんけれども、そうなったと仮定すればどうするんだというお尋ねに対してはお答えのしようがございません。願わくは、なるべくすみやかに御審議願いまして、御決定をちょうだいすればありがたいがなあ、と思っておることを申し上げる以上のことは、この段階において私はかれこれ申し上ぐべきじゃないと思いますから、ごかんべんいただきたいと思います。
#96
○浜田委員 いや、まだかんべんしませんよ荒木長官。では次へ入りましょう。総務長官ですが、いま上程になっているこの法律案の対象となる一般職の国家公務員は、われわれの立場からいえば、たび重なるいろいろな改悪によって、労働者でありながらも労働基本権が剥奪されておるわけですね。そのような状態の中で今度この定員法が通りますと、そこに、さっきから議論いたしておりますように免職とか配置転換――これはいまの公務員法にありますが、それに対する救済、どのような手段でそれらに対処したらいいか、あるいは憲法二十五条や二十八条に保障されている労働者の権利や国民の権利をどういう形で主張したり確保したらいいのか、そういう点について総務長官どうですか。
#97
○床次国務大臣 先ほども行管長官がお答えになりましたように、今回の定員法におきましては、いわゆる出血整理はしないというたてまえになっております。したがって、本人の意思に反して配置転換されるということはないわけであります。なお、個々の人につきましては、常に本人の希望と申しますか、配置転換の希望があります者等につきましては、毎年毎年いわゆる職員申告制等によりまして意向も聞いております。だから、個々の者につきましてはそういう形で配置転換が行なわれるわけでありますから、今回の定員法によるところの積極的な、強制的な配置転換といいますか、意思に反して配置転換を行なわないということを申し上げたことによりまして、私は公務員の立場というものは十分に尊重されるものと考えております。
#98
○浜田委員 ただ抽象的に守られるのだと言うが、実際いまでも守られていないのですよ。あなたは直接やらないかもしれないけれども、各役所の中で、あなたはもうやめたらどうでしょうというて、地方公務員の肩たたきということが行なわれているとよくいわれるのですが、国家公務員でもやはりやられているのですよ、役所の中で。これらの方々はストライキ権もない、団体交渉権もない、さらに中には団結権もいろいろ制約されておる人々です。それに、いままではこうして各省設置法でやるから、国会でいろいろ審議する過程において、そういう公務員の方たちは国会の中でもいろいろと訴えられたでしょう。審議の中でそれを浸透、消化さすこともできたでしょう。しかし、今度は五十万六千五百七十何名というふうにブールしておいて、そして十八人の閣僚は、今度は何ぼ何ぼといってきめるんでしょう。ですからどうしたってその該当する公務員の方たちは、いまの設置法でやられるよりか、よほど自分たちの立場を訴えるところが少なくなってきていることは事実ですよ。(「そんなことない」と呼ぶ者あり)そんなことないと言う。だから国会議員が国民のほうを向いておらぬことになるんだ。そうでないなら、何もことさらに政令で全部まとめようとする必要はないじゃないですか。いままでどおり設置法でやればいいじゃないか。役人とわれわれと議論するのではなくて、与野党が議論するような真の国会のあり方、そうせぬから国民に密着した政治や行政ができぬようになるんだ。
 そこで、そういうふうに総務長官が抽象的に言われましても、給与の問題あるいは身分上の問題につきましては、本来本質的には当事者同士がきめるべきなんです。これはうなずけると思うのです。どうですか。
#99
○床次国務大臣 給与の問題に対しましては、公務員のそれぞれの性格に応じまして今日の制度が行なわれておるのでありまして、したがってその限度におきましてそれぞれの保障が与えられておる。いま政府におきましても、その趣旨を十分尊重して実行しておると考えております。いまお話しの定員法そのものによりますところの首切りということは、私どもは現実はかような意味の首切り等はしないし、またする必要がないのだというふうに考えておるのでありまして、御心配はないものと思っております。
#100
○浜田委員 心配はないと言っても、本来この人たちに当然争議権や団体交渉権を与えるべきを、あなたたちはそれをもぎ取って、剥奪しておって、そうしてこの人たちにはもう文句なしにおまえたちに賃金何ぼやるぞ、こうやる。その代償機関が人事院であるのでしょう。その人事院が代償としてやられることをあなたらはすなおに受けておられますか。
#101
○床次国務大臣 政府におきましては、人事の問題につきましては、常に人事院というものは、公務員の身分上非常に重要な職責を果たしておるということを考えまして、これを尊重いたしておる次第であります。
#102
○浜田委員 尊重しておるなら、具体的にどのように尊重しておるか、示していただきたい。
#103
○床次国務大臣 たぶん給与の問題だと推察いたしまするが、給与の問題に対しましては、過去数年来の政府のとっております措置を見ますと、常に人事院勧告というものを尊重する方針に向かって努力してまいっておるのであります。従来からいうと、翌年度実施というところから始まりまして、七月実施、特に昨年は国会の御意見によりまして行なわれたのでありますが、かような形になっております。
 なお、政府自体におきましても、この勧告というものに最善を尽くして沿い得るように、予算の編成方針等も改めたわけでありまして、昨年以来はいわゆる予備費に計上し、さらに本年度におきましては給与費と予備費と両方で勧告を考慮いたしまして措置をしているというような点でありまして、この点十二分に努力いたしておる次第であります。
  〔「十二分なんて、二分多いじゃないか」と呼ぶ者あり〕
#104
○浜田委員 二分どころじゃないんだ。十から三分ぐらい引いて七分ぐらいしか考慮しておらない。十二分どころじゃない。そこで昨年も七月にわれわれは尊重してやったと言うが、これはあなた方がやられぬからしかたがない。国会が始まって初めて国会が一カ月前進さしたのでしょう、修正したのでしょう。だから、あなたが口で言われるように尊重しておりはせぬのだ、十二分どころか八分も尊重しておらない。口ではそう言われるが、議事録を読んでみると――田中さんに証人になってもらおうと思ったのだが、田中さんはここに来ておられないな。これは昨年のときにきちっと答弁しておられる。表裏一体ですからね。そして翌年からは完全実施する、その詰めばやっております、こう言っておるのだ。実にすぱっとした答弁をしておられる。ところが長官がかわられちゃって、口では十二分だと言っても七分ぐらいしかやってない。だから、口では心配はない、こうします、十二分にやっておりますというなら、そういう給与関係をきちっとして、そしてその裏づけとして表裏一体というのだから、こういうことをやっても心配はないのです、こうならなければならないと思うのです。その点どうお思いになりますか。
#105
○床次国務大臣 先ほど十二分にと申し上げたのは行き過ぎで、最善の努力をしておるということを申したのであります。できるだけのことを私どもいたしておる考えであります。なお今後におきましても、やはりこれは人事院の勧告――勧告という字を使ってありますが、しかしこれを完全に実施していきますように努力をいたしてまいりたいということを申し上げておるわけでありまして、前回の国会の御採決の際におきましても、私はかような政府の決意を申し上げた次第であります。四十四年度におきましても、勧告がありました際におきましてはその趣旨にのっとりまして最善の努力をいたす考えであります。
#106
○浜田委員 最善の努力をされたといって、一昨年のときには金がないということを言われた、昨年のときには金がないということは露骨に言わなかったけれども、それは当然一兆二千億からの自然増収があるのですから、金がないとは言えなかった。ところが今度は総合予算主義だからというようなことを言われた。そういたしますと、今回はほんとうに積極的にやられる意思があり、さらに総定員法というような公務員の非常に心配する法律を出されるなら、そのうらはらの――うらはらだということを答弁しておられるのだから、そういう公務員の給与に対しては予算では少なくともきちっとやる、こういうことにならなければならぬと思うのです。そういう点についての具体的な対策、たとえば五月実施が想定できるわけですね、昨年あったわけですから。それには予算がこんなになってくる。そういうような具体的な提示を願いたい。
#107
○床次国務大臣 給与の具体的な措置でありますが、四十四年度計上いたしました予算措置が私は具体的な政府の努力のあらわれであると思っておりますが、さらに具体的と申しますると、人事院勧告のありました時点の問題であろうかと思います。その時点におきまして、やはり政府といたしましては最善を尽くすと申し上げるよりいたしかたがない。これは仮定の問題でありまするが、いずれ人事院の勧告があろうと思います。その時点におきまして努力をいたしたいと思っております。
#108
○浜田委員 そうすると、今年こそは人事院の勧告が出たら完全に実施する、こういう決意ですか。
#109
○床次国務大臣 政府の基本的な方針といたしまして、完全実施をするという目標のもとに努力をいたしたいと思います。引き続き、その努力をいたしていく決意であります。
#110
○浜田委員 どうも抽象的で、努力する決意です、こうなる。この努力ということばは抜いてもらっていいのだ。私の質問は、いまあなたが答弁してこられたように、確かにそういうことがあるから公務員についてはやらなければならぬ、こう思っていると言われるのだから、今年こそはひとつ完全実施をする、あなた個人でもいいからその決意を聞かしてもらいたい、こう言っているのです。
#111
○床次国務大臣 本人といたしましては、やはり決意を申し上げる以外にないと思います。これは将来の問題でありますので、いつも努力という字をつけて申し上げている次第であります。勧告のありました際において努力いたしたい。しかし、いつまでもこれが不完全な状態であるということは、先ほども話がありました公務員本来の姿ではないのでありまして、やはり可及的すみやかに完全実施をする、これはもう当然政府としてのあるべき姿であるし、またこれに対して努力をいたししておる次第であります。
#112
○浜田委員 役人さんが、大臣もそうですが、努力とか考慮しましょう、研究しましょう、配慮しましょうというのは常套語なんですよ。そうしてあとから逃げる。これだから国民が信頼しないのだ。きょうは最初申し上げたように、この国会を通じて国民にわかりやすい議論をひとつしましょう、こう言ってスタートしたのですからね。そういうことを言うから、国民はまただまされるのじゃないだろうか、まだ逃げられるのじゃないだろうか、こういうことになるのですよ。そういう意味で、かりにそれだからといってあなたが大臣を首になっても、選挙区へ帰ってみなさい。もう長官はほんとうに国民のためにやっているということになる。しかも筋の通っていることですからね。これはたびたび完全実施をこの委員会で決議することがナンセンスなんですよ。あたりまえのことなんです。公共企業体を見てみなさい。予算を組んだあとでもみんな裁定が出たらそのまま実行しているじゃありませんか。それが代償機関であるところの人事院が勧告した、それを実施されない。これじゃ皆さんが公務員に、あれはけしからぬ、こうじゃと言う資格はないと思うのです。どうですか。
#113
○床次国務大臣 公共企業体と公務員とはかなり性格に差があるのであります。したがって、特に公務員に対しましては人事院勧告という制度を採用しておることはもうおわかりのことであります。特にこの勧告という字を使っておりますことは、私はこの点非常に意味があるのだと思うのです。なお、この点につきましてもっと一般にわかりやすい方法を端的にとるべきではないか、私どももまことにさように考えておるのであります。過去において人事院勧告というものがいつもああいう時期に出されること、これは完全実施をいたします際に、予算編成等も考えましてずいぶんむずかしい状態であるわけです。したがって、できるだけこういう困難さを少なくしたいという意味におきまして、いろいろと政府におきましても人事院と検討を加え、昨年まで検討を加えてまいったわけです。その検討いたしました結論といたしまして、先ほど申し上げましたように、四十四年度の予算計上におきまして従来にない新しい方式を採用しておる、これも私はその完全実施に近づこうとする一つの大きな努力のあらわれであると考えておるのでありまして、この政府の努力というものは御了承賜わりたいと思います。
#114
○浜田委員 そこで荒木長官、かつて私たちが、昨年の八月二十二日にこの委員会で議論いたしたのですが、給与問題を議論したときに木村国務大臣が「行政改革の実施と給与改善の完全実施と並行して進みたい、」こう言っているのです。したがって、並行して行ないたいという前の木村さんの答弁とあなたのいまの考えとは同じですか、どうですか。
#115
○荒木国務大臣 給与の関係は私の守備範囲外でございます。木村長官のときも守備範囲外であったと思います。そしてそういう速記録をお読み上げになったようなことを言われたとすれば個人的な気持ちを言われたと思いますが、その意味において私も同感であります。
#116
○浜田委員 そうしたしますと、少なくともこの総定員法を出される、これがやはり一局削減、さらに三カ年間五%削減、さらにこの総定員法、いろいろ一局削減の議論をしたときに、これだけではほんとうの効果は発揮しません、しかし、次のこの総定員法と一連の問題でせいぜい効果を発揮いたしますからもう少し長い目で見ていただきたい、こういうことをしばしば言っておられのです。そうしますと、ただいま同感だと言われると給与とこの総定員法、こういうものが表裏一体になっているわけですから、あなたが総定員法を出されるときには、さっき総務長官が答弁されたのですが、ああいうように努力するとかいうのでなくして、これと、このほかにも内容も問題があるのですが、少なくとも完全実施するとびしゃっとくっついていなければならぬ。一体だというのだから、そういう意味で、さっき総務長官の言われた努力するとかいうことでなくして、きちっと、やりますならやりますということでないと、総定員法といまの給与の関係、完全に実施する、これがかみ合わないのです。ですから、ときにはこういうように一体である、ときには離してもいいのだ、こうなったのでは、私たちは国民のために審議しておるのですから申しわけなくなってくるわけです。ですから、やはりいまの佐藤内閣における一貫した方針でものを処理してもらわなければなりません。そういう意味で一体だとするなら、この完全実施というものをぴしっと取りつけておいてもらわなければならぬ。だからこの総定員法の提案説明に入る前に、あるいは提案説明をされた後でも、審議に入る前にその前提となるものを与野党でひとつ見解をきちっと聞こうじゃないか、そうしないと審議に入れぬ、こういうことも話し合ったわけですから、そういう点で今度は一体だと言われると、総務長官、もう一回、この法律と一体なら、必ずやるのだ、こうならなければならないのです。そうすると、前回の答弁はうそだということになる。しかしうそじゃないのだ、そのとおりだ、そのとおりだとこう言われる。こうなると総務長官どうですか。
#117
○床次国務大臣 先ほど来御答弁申し上げましたように、給与の完全実施、これは政府の基本的態度であります。最善を尽くして実現をするという考えでございます。しかしできなかった場合どうするか、いつまでも待たせるのではないかというような御意見もあろうかと思いますが、この点につきましては、政府はおそくとも四十五年には実現する、こういう態度で努力をしておるのであります。来年の勧告を待ちまして最善を尽くしたいと思います。
#118
○浜田委員 去年も審議するときに来年には、こう言ってずいぶんやられたのです。この時点になりますと四十五年には、こうなる。そういたしますと、それも追及したいのだが、そういたしますと総務長官、何ですか、四十五年には完全実施、時期とすればいままでのような慣例でいけば五月、こういうことになる。そうすると今年、四十四年度は六月、こういう構想を持っておられるのですか。
#119
○床次国務大臣 四十四年度におきましては、人事院勧告を承ってみなければ、内容もそれによって確定しなければならない。政府の態度といたしましてはこれを完全実施するという基本的態度を持っておりますけれども、しかし勧告がどうなりますか、これは今後の問題でございます。それを得ました時期におきまして検討したい。しかし改善すべくこの予算的措置におきましては、先ほども申し上げましたように、編成当時から従来に異なったところの改善措置を講じておることをあわせて申し上げます。
#120
○浜田委員 ですから、勧告が出たら完全実施する、これも問題があるのです。四十五年から完全実施をする、そうすると、裏返せば四十四年は完全実施をせぬということになる、これは問題があるのですよ。しかし、総務長官は正直のようですから、私は正直に受け取るが、そうすると、四十四年は当然勧告というものが出てこなければわからぬけれども、予算措置としては六月実施という予算措置をしておるのですか、こう言うのです。
#121
○床次国務大臣 予算措置は七月から五%というものと並びに調整費として予備費を計上しておるわけであります。これが何月から実施するかということにつきましては、勧告を見ましてその時点において完全実施へ努力すると申し上げる次第であります。
#122
○浜田委員 そうなると、さっき四十五年から完全実施をするつもりです、こう言われたのはどういうことです。
#123
○床次国務大臣 先ほどもお答え申し上げたのでありますが、万一できなかった場合にはどうかというお尋ねだと私は拝聴したわけであります。政府はいままで毎年毎年完全実施すると言いながら延ばしておるじゃないか、いつ完全実施ということを考えておるかというおことばでありましたが、いまの政府の態度といたしましては、おそくとも四十五年には完全実施をするという態度である、そういう基本的態度は持っておるわけでございますけれども、しかし本年度におきまして勧告を承りましてその際において完全実施へ努力する、これが今日の態度であります。
#124
○浜田委員 やはり何というか非常に正直な答弁をされておるようですが、それは今年でもほんとうなら完全実施を努力します、こうなるでしょう。四十五年から完全実施をします、これではおかしいのだけれども、それはあなたの善意あるなにと受け取りましょう。しかし確かにおかしい。しかしいま言ったように、やはりこの法案を通さなければならぬ、こう思われるとするなら、この表裏一体であるべき人事院勧告、給与問題というものはやはりそれとうらはらでくっついて完全実施する、こういうことでなくては、おそらく与党の諸君もこれは賛成できないと思う。なぜかならば、過去何回となくこの委員会では決議しておるのだ、しかもそういう答弁が出ておるのだから。この点については官房長官に聞くのが一番いいのですが、両大臣おられますから、ひとつ肝に銘じてもらわなければいかぬのですが、どうですか、この二つは表裏一体としてくっついておるということについて。
#125
○荒木国務大臣 先ほど来床次長官からお答え申し上げておることにつきましては、行管長官としては当然には言えませんけれども、国務大臣の一人としては全面的に支持したいと思っております。
#126
○床次国務大臣 給与の完全実施はもうすでに長い間これは目標でありまして、政府は常に完全実施を実現するように万全の努力をすることをずっと数年来言い続けておるのであります。したがって、この完全実施に対しましては、私は二つか、一体かということ以上に大きな目標であると考えております。
#127
○浜田委員 国家公務員の天下り人事の問題につきまして、それから綱紀粛正の問題について、総務長官の担当だろうと思いますからお聞きするのですが、私は昨日も通産大臣に聞きました。いろいろ当時の新聞にも大きく見出しにも出ております。天下りをねらっておるのか、こういうようなことがたくさん出ております。それからいろいろな公団へ転出したような人たち、それがまた非常に、何といいますか、国民の批判の的になっておるわけですね。私は先々週いなかへ行って演説会をやって、あとから質疑をやったのですが、第一に出たのは、浜田議員さん、あんなに政府の高級官僚がどんどん天下って、退職金が二千万円、こっちでは千五百万円ともらったりしているが、ああいうべらぼうなことは国会でどうなんですか、取り上げられないのですか、追及されないのですか、こういう指摘を受けたのです。国民は、幾ら皆さんが口をすっぱくしていろいろ言われても、具体的にこういう問題を処理しなければ絶対に政治や行政を信頼しなくなりますよ。その結果はどういうことになるか。昔の二・二六事件とか、ああいういろいろな事件が起こったらたいへんです。日本の国の方向としては、非常に危険な方向へ行くのだ。そういう意味で、私はこういう問題を一つの重要な政治課題、こういうことで取り上げてみたい。
 そこで、昨年までには、各新聞にもたくさん出ておりますね。各省何名何名と出ておりますが、今年どのくらいそういう天下り的な行き方をしておるのか。これは事務当局でもいいです。
#128
○床次国務大臣 天下り人事の問題につきましては、これは人事院がその責任において統轄しておりますので、人事院のほうからお答え申し上げるのが適当かと思います。
 なお、汚職の問題につきましては、私ども今日の汚職、最近出ました汚職の特色から申しまして、生活難から出た汚職というものはむしろなくして、特定な立場にありました者、その人に権限が集中している、長年固定していることによりまして民間との因縁ができて、そうして汚職になったという事例が著しい特色ではないか、かような意味におきまして、政府におきましてはさきに依命通達を出しまして、人事の管理、一人に権限が集中することがないように十分これをチェックするように、業界との不自然なというか、関係を持つことのないように、汚職の原因となることのないように、それぞれ措置を講ずるよう指示いたしまして、それぞれ各省庁において対策を講じ、その結果を近く得まして基本的な措置をさらに考慮いたしたいと思います。
#129
○後藤説明員 お答え申し上げます。
 国家公務員法の規定によりまして、毎年人事院が行ないました天下りの審査の結果につきまして内閣及び国会に対しまして御報告を申し上げておりますが、いわゆる営利企業への就職につきまして、人事院が昨年中に御承認申し上げた件数は百三十七件、百三十六人となっております。
#130
○浜田委員 今年はと聞いている。
#131
○後藤説明員 毎年一回御報告を申し上げておりますので、ただいまのところ昨年中の件数しか持ち合わせておりません。
#132
○浜田委員 そうすると、報告をする段階にも至らないかもわかりませんが、大体今年すでにいろいろ審査の要求なんかあったと思うのですが、そういうのはどのくらいありますか、今年。
#133
○後藤説明員 正確な数字は持ち合わせておりませんが、約二十数件進めていると思います。
#134
○浜田委員 この問題は決算委員会等でもずいぶんやっていると思うのですが、昨年の三月佐藤総理は「天下りは絶対に防止するという政府のはっきりした態度を申し上げておきます。」こう言っているのだ。三月十二日に本会議で答弁をしている。その後は繰り返してはいません、こう言っている。どうですか。いまも二十名出ているのですが、総務長官、官房長官がおらないから、どう思われますか。
#135
○床次国務大臣 天下りの人事の問題に対しましては、人事院規則にありますとおり、人事院規則は厳格に人事院が実施しておるということを確信いたしております。
#136
○浜田委員 それはいろいろ審査の結果、ああでもないこうでもないと言われるでしょうけれども、少なくとも総理が本会議で答弁しておるのは、その後は繰り返してはいません、こう言っておるのです。「天下りは絶対に防止するという政府のはっきりした態度を申し上げておきます。」こう言っておる。これは議事録を読んでみなさい。昨年の三月十二日です。
#137
○床次国務大臣 この点は先ほどお答え申し上げましたように、法律でもってきめられております処置につきまして十分励行してまいりたい。人事院におきまして私は完全にこの点は守っておることと思います。また政府におきましても、人事院の処置に期期待しておるわけでございます。
#138
○浜田委員 それでは、あとは午後に続けます。もうやめ、やめと言われますから、午後官房長官を呼んでからやります。
#139
○藤田委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時二十九分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時三十八分開議
#140
○藤田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山中吾郎君。
#141
○山中(吾)委員 私は、この法案をちょっと検討いたしてみますと、法律的な立場においても疑義がありますし、国会の審議権という立場、政策面から考えてみましても疑義があり、また、午前中の荒木大臣の提案理由説明を聞きましても、この法案の性格と非常にちぐはぐなところがあるように見受けられますので、その点についてまず荒木行管長官に御質疑をいたしたいと思うのです。
 けさほど伊能委員の質問に対する御答弁がありましたが、その第一に、行政改革が主たる目的であるとお答えになっているようでありますが、これは間違いないのでありますか。
#142
○荒木国務大臣 そのとおりでございます。
  〔委員長退席、三原委員長代理着席〕
#143
○山中(吾)委員 そうしますと、この政府の三カ年計画で五%削減といいますか、そういう具体的内容を持った行革でありますが、そういう行政改革というのは、その目的を果たせば一応それで完結する問題であろうと思うのです。したがって、それに対応する法的根拠が必要ならばそれに応じた特別措置法、完結をすればその法律は廃止になり、効力がそれで消滅するという性格のものでないと大臣の提案の理由の説明とはぴったりしない。それはどうお思いになりますか。
#144
○荒木国務大臣 行政改革ということばが法律用語そのものじゃないかとも思いますが、要は午前中お答え申し上げておりましたように、戦後二十数年を経過しました日本の行政機構ないしはその定員運用等万般にわたりまして、臨時行政調査会を設けて国民のための行政関係の諸問題を調査するということで、二年間にわたる調査の結果答申されました内容が、私が当初お答えしました行政改革というものと私なりには考えてお答えいたしたわけでありまして、ただ五%の削減をするというのは、御指摘のとおりそれだけとしては臨時的なことでもありましょうけれども、根本的には内閣の組織、行政組織法にも及ぶような広範な答申が出されておりますのが行政改革と申し上げた目標の内容でございます。したがって、部分的に臨時的に三年間五%削減ということだけを御指摘の上でのお話とすれば、それだけでいいじゃないかというかっこうになりますけれども、それはほんの一部分の、いわば本法案との関連において申し上げれば手段的なものでございまして、行政改革の安定した姿で今後に期待される行政効果というものそのものではないわけでございます。総合的な行政サービスの向上、充実、ときに応じて流動的な諸条件に応じ得るような行政制度なり行政サービスの内容の向上を進める、こういうことが目的でございます。
#145
○山中(吾)委員 そうしますと、そういう総合的な行政改革が目的であるならば、官吏の能率をあげるための教育訓練の事項であるとかあらゆるものがある。そういう総合法案ならばまた荒木大臣のいまお答えになったものと合うのですが、何かこの法案とは少しも結びつかない思いつきで答弁されておるように私は見る。そうならばその行政改革の総合的な答申の内容は何ですか。この法案とどこに関係があるのですか。
#146
○荒木国務大臣 これは膨大なものでございまして、一々申し上げ得ないくらいにあるわけでございますが、当初の御質問が三年間に五%削減する、そのための法案であるかのごとき関連での御質問かと思ったものですから……。臨調の答申の膨大な目的を果たす上にもいわば大前提とでも申しますか、必要な課題の一つであるという意味でお答えしたつもりでございまして、提案理由ないしは補足的な午前中のお答えで申しましたように、いろいろと流動的な諸情勢でもございますが、それに応ずる行政サービスを提供するについて、まずもって量的にもできるならば一人でも少なく人員を使って、行政サービスを低下せしめない、むしろ向上せしめていきたい。質的な面は、行管それ自体が考える問題じゃないといたしましても、要は再々申し上げるように、行政サービスの向上ということを一応念頭に置いて、もろもろの行政改革の基本条件を整備する一こまとしての課題だ、こういうふうに御理解いただけないものかと思うわけです。
#147
○山中(吾)委員 午前中聞いておりましたら、提案の理由の説明の中に、配置転換をやるためとかそういうことをやりやすい一つの便宜的なものだというふうな説明を盛んにされておられたので私お聞きしておるのですが、いまは少し答弁が違っております。その点について、大臣のほうではこの法案を提案するについてのほんとうの意味の提案の根拠は、いま取ってつけたように言われたけれども、まず当面の行政改革にあるということが頭にあるものだから、ちょっと矛盾のある答弁をしておられると思うのでありますが、それはくどくど申し上げませんけれども、この法案そのものには重要な制度の変革がある。国家行政組織法の基本的な規定の中で、各省における事務の範囲及び権限は法律に定め、それの表裏一体であるそういう事務の範囲に即応するところの各省の定員は法律で定める、これは国家行政組織法の現行法の基本的な骨組みであろうと思うのであります。その一つの、組織法の第四条に規定しておるところの各省の、正確に言えば各行政組織におけるところの事務の範囲及び権限は法律で定めること、これは残して、第十九条の各省、各行政組織におけるところの定員は法律で定めることをこの法案においてしかも附則において廃止をするという内容を持っておるわけです。これは私は重要な変革であって、また国会の審議権という立場からいっても重要なる変革であると思うのであります。そういう重要な法律の中身を十分認識されていないのではないか。だから午前中の説明の中に、今度の行政改革における三カ年計画、五%というものを中心に置きながら、くどくどと答弁をされておられるのであって、それならばわれわれの審議をしておるところの審議権、憲法に基づく国会の最高機関としての当然あるべき審議権を、重要な各省ごとの定員の削減を政令にゆだねて奪っていくという重要な法的変革があることを大臣はもっと深く認識すべきである。簡単にこの法案を審議をして簡単に通すような、一日二日で論議をして終わりにするような、そんな簡単な内容ではないと思うのです。
  〔三原委員長代理退席、塚田委員長代理着席〕
 そこで、私は大臣にお聞きいたしたいと思いますが、この国家行政組織法というのは、国家の行政の基本法であると私は思うのですが、いかがです。
#148
○荒木国務大臣 そのとおりだと存じます。
#149
○山中(吾)委員 基本法であるという御認識に立っておられることを私も正しいと思います。したがって、教育基本法、中小企業基本法、農業基本法という、最近国会においてその行政領域における基本的な原則を定めておる法律を基本法という名前において幾通りか設定をされておるのでありますが、その基本法という性格を持ったものは、この行政に関する基本法なら基本法、その法律の中核になるようなものを変更するについては、その基本法そのものを真正面から検討をして、行政基本法の内部を改正するなら行政基本法の一部改正という出し方において改正すべき性格のものではないかと私は思うのですが、その点はいかがです。
#150
○荒木国務大臣 行政組織法が行政組織に関する限りの基本的な性格を持っておるという意味においては、私もお説のとおりと思います。ただ、たとえば教育基本法というがごとき一種の憲法に次ぐ基本法ともいうべきものほどではあるまい。行政組織を定める基本的なものである、相当包括的基本的なものであるとはむろん私も思っておりますが、必ずしも基本法というものと同列に置いて厳密にお話しのように取り扱うべきものかどうかにつきましては、私は中間的なものじゃなかろうかと理解いたします。そこでこの法案の附則でもって、御指摘のように、第五項によりまして、国家行政組織法第十九条、第二十一条第二項、第二十二条の二を削っているのは御指摘のとおりであります。
  〔塚田委員長代理退席、三原委員長代理着席〕
したがいまして、組織法の体系としましては、内閣法のもと国家行政組織法と総定員法が並列的に位置するという姿になろうかと思います。
#151
○山中(吾)委員 それでは、最初の国家行政組織法は基本法であるという私の質問にお答えになったあなたの思想とは合わないと思う。並列的にただ評価できる基本法というような程度に考えておるのだというような言い方をつけ加えておられますけれども、国家機関の組織についての基本的な法律であるという認識をされておるならば、こういう重要な組織法の内容の中核に当たるものを改めるなら基本法そのものを改めるべきではないか。しかもこういう一部のあなたの言う行政改革という一時的目的のために出てくる法律であるというニュアンスを出しながら、その附則で改正するとは何事だ。そんな簡単に法律を出されて一しかも国の一番経常費の中核になる定員の審議権を半減するような法案なんですよ。もう少しその点はまじめな態度でこの法案を提案し、審議についても慎重審議すべきものである、そういう性格の法案であると思う。いかがでしょう、長官。
#152
○荒木国務大臣 もう慎重御審議をお願いすべきことは当然でございます。先ほども申し上げましたとおり、行政組織についての基本的なことを包括的に規定しておる性格は、私も御同感申し上げました。ただ、一般にいわれるような、教育面でいえば、山中さん一番よく御承知の、教育基本法とでもいうべき次元でとらえるべきものでは必ずしもないであろう。一般法との中間的な位置づけぐらいのところじゃなかろうかという意味において、包括的な規定を持っておる意味において申し上げたのであります。
 さらに、この国会の審議権を軽んずることにつながるのじゃないかという意味のお尋ねでございますが、私は必ずしもお説のようには考えません。午前中の御質問を通じましても、その基本的な気持ちは申し上げたような考えでおりますが、本法案を通じまして、組織法の関連においても調整をしつつ、国家的あるいは国民的な世論にこたえる行政改革の目的を達するための基本的な恒久的な方法としての行政職員の定員に関する法律、本法案でございまして、午前中申し上げた定員削減の問題と一緒にお取り扱いくださいますと、私の答弁の舌足らずのゆえとしか思えませんけれども、定員削減のごときはいわば本法案の実施上、運営上の手段としての問題でございまして、そういうことでお答えしたつもりでございます。この法律案御決定の暁は、ほっておけばただ上積み、上積みの定員の取り扱い方にしかならないであろうという、いわば裏を返せば国民的立場に立っては望ましくない事態が、あれよあれよという間に動いていくにすぎないおそれがある、それを、行政需要に応じるところの国民的な行政機構がサービス上遺憾なきを期し得るということにつながるところの恒久的な法案として、御審議願っておるわけでございます。臨時的なものではございませんことを申し添えます。
#153
○山中(吾)委員 午前中の答弁からだいぶ方向が変わってきた。結論的にはそういう臨時的なものではないという答弁でありますが、それならば内容に入ってもう少し吟味をいたしたいと思うのであります。
 いま御答弁の中で、行政の運営上改革をする方向で制度的に恒久化する法案だとおっしゃいましたが、国会議員として私はその点についてまず異議がある。各省の定員に国会がタッチをすることでは改革はできない、行政権にゆだね、政令にゆだねれば改革できるという認識は、国会議員である荒木大臣の答弁としては私は異議がある。なぜわれわれに、この予算の経常費の非常に大きい部分を占める定員を、現行法に基づいて独立して各行政庁における定員ごとに慎重審議をし、それを法律の裏づけによって運営していくというこの制度で改革ができないのか。それをその制度そのものを否定するような思想というものについては私は非常に異議がある。
 それはまああとで御意見があれば、なお反論してもらいたいと思いますが、それはそれとして、この法案の附則によって、国家行政組織法の第十九条を廃止すると規定されておる。ところがこの条文を廃止するということによって、他の国家行政組織法の中身について私はいろいろの矛盾が出てくるんではないかと思うのであります。
 まず第三条の国の行政機関の組織について、その設置、廃止その他について全体的に各省、各行政庁は法律で定めるという一つのたてまえがあり、第四条はこれを受けて、所掌事務の範囲及び権限は法律に定めるということになっております。ところがそういう事務の範囲というものの大きさあるいは狭さ、権限の大小、それに即応した定員というのがきまってくるので、その表裏一体の各省ごとの定員は法律で定めるという、すなわち国会がタッチをするということを第十九条に掲げておると思うのでありますが、第十九条だけを取って、そして第四条だけを残しますと、行政府のいわゆる権限である政令に基づいて間接的に各省の定員を少なくするというふうなことによって、法律でわれわれが認めた第四条の事務の範囲その他を空洞化して、事実上定員の裏づけのない事務の範囲、権限にすることもできると思うのです。そういう欠陥、危険というものをこれは含んでくる。時の行政庁長官の思想が悪ければ、総理大臣の思想に基づいて、事務の範囲は法律できめて国会がタッチしておるけれども、建設省なら建設省、文部省なら文部省、政令で定員を減らすことによって四条に基づいた法律を空洞化するという危険は出ないか、それはいかがでしょう。
#154
○荒木国務大臣 最初の、国会の審議をめんどうくさがってこんなことをするのじゃないかというふうな意味のお尋ねでございますが、そういうことはむろんあろうはずもございません。ただ、現実の問題を中心に申し上げざるを得ないことを遺憾としますが、確かに法律という厳粛な形で各省庁ごとの定員を定めることが、少なくとも形式的に国会につながる意味においての厳粛な態度であることはお説のとおりだと思います。でき得るならば、それを維持していくことも一つの考えであらねばならぬとむろん思います。ただ今度は、実質的に行政サービスということを国民本位に考えました場合、現実がなかなかおっしゃるとおりのやり方ではそれに即応いたしかねる、少なくとも非常な困難があるということが戦後今日まで痛感してきておる事実でございます。これはセクショナリズムを持ち出すことによって合理化しようという意図は持ちませんけれども、現実問題としては残念ながら、これはもう諸外国にも言われておるとおり、日本でも戦前を顧みましてもそうであり、憲法の基本が変わったから別だと言われればそれっきりでありますけれども、人間社会の一部であるところの公務員社会における必然的な宿命かとも思いますが、なかなかセクショナリズムの弊害の点だけを申し上げれば、何とも抜きがたいものがある。そのことのゆえに、概念的な理論は別といたしまして、実質的には国民全体の立場から見ました場合に、必ずしも行政サービスを通じての国民の期待には答えてないじゃないか、あるいは税金をもってまかなわれる国家公務員がほんとうの意味で活用されない、緩急軽重に応じ切れないでおるという現実は、年々歳々積み重ねられて今日に及んでおるのが実情だと思います。そのことに重点を置きまして国会でもむろん十分御審議を願い、それは形の上では予算をもって置きかえるという形の変化はございますけれども、この法律を通じまして政令で各省庁別の定員を定めることに国会でお許しを願いまする限りにおいては、国会審議を忌避するなどということは論外と御理解をいただいて、実質的には国民の期待にこたえ得るのだというところに評価の重点を置いて御理解をいただきたい、かように思うわけであります。
#155
○山中(吾)委員 どうも大臣のおっしゃることは矛盾が多いのですが、行政サービスの点から考えた、その理由はセクショナリズムというように、そういう各省のセクショナリズムを言われておると思うのだが、各省のセクショナリズムで不要定員になる、ある一定の目的を持った事務が完了して、その辺の定員は少なくしてもいいという場合に、各省がなわ張り根性でなかなか減らすことをがえんじないからということだと思うのです。だからこそ国会にかけるべきじゃないか。国会は各省の付属機関じゃない。各行政にゆだねてくれば、今度は行政のなわ張りの対立で争奪戦をやるだけになる。定員というものを審議する機構を行政に持っていったら行政のなわ張りが一体なぜなくなるか、大臣のお答えは全然逆なんです。私の主張に賛成をされておる答弁であると思うのです。おかしいじゃないですか。だから先ほど言ったように、国会に持ってくるとめんどうくさいからというのが本音で、こういう便宜主義法案が出たのではないかとぼくは推察しておるのだが、いまの答弁は全然逆ですよ、そう思いませんか。
#156
○荒木国務大臣 各省庁設置法で一々一人でも、たとえば増員であれ減員であれ同様ですけれども、御審議願うのがめんどうだ、だからこうするのだという意図はございません。ただ、さっき申し上げたところのセクショナリズムの存在を全然否定し得るものならば、いささか意味は違ってこようかと思いますけれども、現実は御承知のとおり政府提案で各省庁の設置法の改正等も提案されるのが今日までの慣例であります。議員立法等もあり得るとは思いますけれども、予算との関連等もございまして、現実は各省庁、政府から御提案申し上げるというその現実を踏まえました場合には、いまのセクショナリズムの悪弊が実際上は影響を持ってくるということは、率直に申し上げざるを得ないと思います。あえてセクショナリズムに言及いたしましたのはその意味において申し上げたのでありまして、だからといって、めんどうだからやめておこうということが主眼になって本法案が考えられたと断定していただくことは真意でないことを御理解いただきたい、かように思います。
#157
○山中(吾)委員 どうも納得いたしません。もしセクショナリズムをなくしていきたいというならば、こういう国家行政組織の定員法という総合法案を出された中で、各省のなわ張り根性の出るすきを与えないで、立法の中に建設省は何名、何は何名と一括国会にはかる法案ならいいじゃないですか。国会の審議をとってしまってなぜセクショナリズムをなくすことができるか。この法案は各省ごとの定員の中で部局の配置は各省大臣が自分の権限でするのですから、農林省の中においてはこのものが要らないというならほかに転換できるのです、それは政令でできるのですから。しかし、各省のいわゆる総合定員は現在国会にゆだねられてきておる。国会で審議してもらう、その点でむしろある程度のチェックをしていると思う。しかし各省ごとの設置法案でくるとなくならないというならば、この法案の中身に各省ごとの定員を入れて国会審議をはかれば、ずらっと全部やれるじゃないですか。われわれは建設省の付属機関でもなければ、文部省の付属機関でもない。立法機関の一議員でありますから、セクショナリズムにかかわることは一つもない。ところが、この法案の中身は、国家公務員の総定員だけを入れて、各省の関係は行政庁にゆだねるといっているのじゃないか。そんな矛盾な法案がどこにあります。なぜこの法案の中で各省の定員を定めるとなさらないのか。一つの法律でいいじゃないですか。私は荒木大臣がそういう主張をされるならば、その御希望に沿う法案なら、私のいま言ったような法案であろうと思うのですが、それはどうでしょう。
#158
○荒木国務大臣 おっしゃることも一つの考え方であろうとは思いますが、それは現行制度と実質的には大差がなかろうというふうな気がいたします。ただ、各省庁の内部における配置転換によって流動していく行政需要に応じるということももちろんねらいの一つでございますけれども、同時に、各省庁相互間の配置転換ということも国民的立場でねらわねばならない行政改革の一つの目標でなければならぬ、その両面を考えましての法案でございまして、それは閣議を通じて、行政府全体が国会を通じて国民に責任を負って最も妥当な運営をしていこう、こういう考えに立つわけでございます。
#159
○山中(吾)委員 各省内部において、行政庁の長官の自分の指揮権に基づいて、各部課長のセクショナリズムを排除して、そうしてその定員の中で配置転換をするというのは第二十条の三項において、各行政組織の「官房、局、部又は」云々の関係については政令で定めるということができておる。これはできなければ大臣が悪いのでしょう。大臣の識見がないからだ。各省ごとの配置転換その他については、それこそそういうものを含んだ法案を国会にお出しになるのが妥当じゃないのですか。それを内閣でかってにいじくり回されたらわれわれの審議権はどこへ飛んでいってしまうのですか。予算の提案は各省ごとの予算要求で大蔵大臣が査定をし、そして各省ごとの予算執行は各大臣が責任を持ち、ということが財政法のたてまえなんだ。だからわれわれはそれで審議をしてきているのじゃないですか。ところが審議をしたあとそういう関係のものを今度は行政権の中でこちらの審議した定員を他の省に持っていくことを国会に無関係でやれば、われわれの審議はどこへいってしまうのですか。そういう矛盾した法律案とお考えにならないのですか。お聞きします。
#160
○荒木国務大臣 むろん総合的には予算を通じて定員のことも御審議願うというたてまえではございますが、したがって現実の定員の配置状況は予算の範囲内であるべきことは当然でございまして、その意味においては、私は必ずしも国会の御審議と矛盾するということはあり得ない。各省庁相互間の配置転換等を通じまして、総合的にそのときの行政需要に応じることを通じて国民の期待にこたえるという目的を果たすための本法案の趣旨でございまして、従来の各省庁ごとの設置法を中心に形式的にだけ判断いたしますれば御指摘のような意味合いもなしとはしないともちろん思いますけれども、それを乗り越えまして一般職の定員を総合的に運営することこそが真の意味の行政サービスの現実の需要にも応じ、国民の期待にもこたえ得る制度をいわば新たにつくろうと、こういう趣旨でございますから、従来の考え方だけでもってその矛盾を御指摘に相なっておるとしますならば、私は必らずしもお説のようにならないのじゃなかろうかと、こう思います。
#161
○山中(吾)委員 予算編成の方式は各省ごとに要求をして、各省ごとに予算が編成されて、成立したものば各省の大臣が責任をもって執行する、そういうことをたてまえとしてわれわれは審議をして承認をしておるわけですね。そして各省ごとの定員の予算額というものはおそらく総予算の三割、一番大きい予算の内容だと私は思うのです。それを審議をして、この定員はこの事業に伴う定員で必要であるという確信をもってわれわれは審議をしている。ところがそのあとで、この法律ができることによって建設省のわれわれが審議した定員のうちの五百名を農林省に持っていく政令を出すことができる、これはそういう法思想ですよ。私は各省関係を機動的に運営をするということをやりたいなら、なおかつ国会にそういう総合法案をお出しになって――各設置法ことに出せばめんどうだ、内閣委員会にずらっと数種の設置法が並んで、重要法案を審議するのにそれが並んで押えられるためにできない、これでは困るという政治的動機が与党の方にあったことは私はわかる。それはわかる。それならば一つの法案にしたらいいじゃないですか。そして各省の最高の定員を定める。そうするといまの審議の方式、各省ごとの事業及び定員というものは表裏一体でありますから、われわれの審議権を空洞化することにはならない。この法案は、そういう各省設置法が十幾つ内閣委員会に並んでおる。そのために審議が滞るということから出た便宜主義である、思いつきである。それを直したければなぜ総合的な一つの国家行政組織、定員法をお出しにならないのか。そうして各省ごとの定員をおきめになれば、われわれの審議とも別にそごは来たさない。これは非常に悪質な法案であると私は思う。荒木大臣のいま熱望されておる機動的な運営、むだのない定員の使用その他というものは、この国会のいままでの審議というものにマッチをしながら、そういう出し方で一〇〇%目的を果たす問題であると思う。この法案はそういう意味においては私は悪法だと思う。聡明なる荒木元文部大臣はそれくらいなことばわからぬはずがない。あとでお聞きしますけれども、文部関係には最も矛盾が出てくる。そんな矛盾法案を、そして何か無理をしてやろうとしている。そんな法案をお出しになっては、あとに禍根を残すものだと私は思う。また変な総理大臣が出てきたならば、国会を無視してどんな定員のやり回しをすることも可能な法律になってくる。そのために最高機関としての国会があるのじゃないですか。こういう思いつきで悪例を残すべきでないと思う。私はこの主張をしておるのですが、荒木行政管理庁長官は矛盾をお感じにならないのですか。党できまったからやむを得ないといってやっておるのですか。
#162
○荒木国務大臣 必ずしも私は矛盾を感じません。おっしゃることも一つの御提案ではあろうと思います。それにまさるとも劣らない内容のものである。いわんや、国会の御審議をうるさがってそれを避けようなどという意図があろうはずもありませんし、そういうことにはならない。いついかなるときといえども、国権の最高機関としての鋭い目は行政府に注がれ得るわけでございますから、そういう意味におきまして従来の省庁ごとの設置法による定員の定めを、最高限度を定めるこの法案の運用に従って、政令で定めることになるわけですけれども、その政令を定めるについては政府全体として国会を通じて国民に責任を負うという良識に立って運営をしろという御命令をちょうだいした意味合いにおいて、この法案が成立しまするならば、行政需要に対し即応するところの完ぺきな運営が私はでき得る。もし御指摘のような誤りがあった場合においては、国会の権威にかけておしかりを受けるわけでありますから、軽率な運営の行なわれるはずがない、またしてはいけないことも当然である、こういう認識に立つ限りにおいては、御提案も一案ですけれども、私はこの法案で国民には申しわけが立ち得るのじゃなかろうか、かように思っております。
#163
○山中(吾)委員 開き直って答弁されたようですが、相当力んだ答弁だと思います。とにかくこういう問題の一番中核は、国税の重要な部分を占めておる、しかも各省事務範囲と表裏一体である定員審議を国会審議から奪うということ、これであることをお忘れなくまじめに考えてもらわなければ困る。私の案が一案であるか。そういうふうな、並列に論議をされておるようでありますが、国会の立場からいえば、そんな簡単なものじゃないですよ。たいへんな問題なんです。だから、いま行政庁長官の位置についているのですから、おやめになればまた国会に戻ってくる。そんな便宜主義の、行政庁の長に一時なっておるから行政的立場で国会の立場を十分にお考えにならない答弁はふまじめだと思う。これは永久にこういう制度が残るのじゃないですか。それで、荒木大臣の言われる機動的な運営あるいは各省関係の配置転換その他のことについては、私が提案しておる総合的な法案で各省ごとに定員を法律の中できめる、そういう国家職員定員法というのですか、そういうものならば、十分に解決できる問題、欠くるところは一点もない。したがってこの法律は最高機関である立法機関というものの権限をなるたけ少なくして、立法権より行政権を拡大する思想がここにひそんでおる。もってのほかだと思う。それを、ちょっとした思いつきで、そして、そういう立場で野党が反対しても強行していこうというような思想は、私は立法機関からいっては許すべからざる国会軽視だと思う。だから、こういう法案だけは慎重に論議をして、国会の中で修正する必要があるならばするくらいの、そういう気持ちでなければ、いつでも激突、強行採決、手をあげて万歳、そして理屈ならざる理屈をつけてそういう法案を通して、国民から政治信用をなくするようなことを積み重ねておる。そういう点については慎重に、この内閣委員会において、こういう法案についてはまじめに論議をしていただきたいと思うのであります。
 そこで、大蔵省関係についても私の疑問を解明したいのでお聞きしますが、財政法に基づいては、各省ごとに予算編成をして要求をされて、それを査定をし、そして国全体の予算が編成される、その予算が成立すれば、その予算の執行責任者は各省各行政組織の長である、これは間違いないですね。
 そこで、この現在の予算のわれわれの審議のしかたは、各省の予算ごとに審議をする、各分科会でするわけですが、そこの事務の量、事業の関係、権限の関係で、おのずからそこに定員が密着して出ておる。そういう立場でこの予算が、定員関係の予算も成立をしてくるわけですが、そのときに予算で裏づけされた定員というものは、一年の予算ですから一年ごとの裏づけの定員である。で、国会においてわれわれが予算審議をするときには、法律的根拠のあるものは義務支出をしてわれわれはそれは削減できないと思うのです。しかし、今度のこの法案が通ることによって政令にゆだねられた場合、これは国会の権限として各省の定員を削除することができるか、法律に基づいた定員でないから。それはどうですか。
#164
○嶋崎委員 お答えいたします。
 御承知のように、現在の予算制度は、すでに今国会で御議論願ったとおり、予算という形で国の施策のあらゆる事項を統一的に表現して御審議をいただいたわけでございます。
 そこで、この関係の定員はどういうことになっておるかと申しますと、国会で御決議いただくのは、たとえば四十四年度の場合には、四十四年度の一般会計予算の場合、それぞれ予算総則、それから甲号歳入歳出予算、乙号継続費、丙号繰越明許費、丁号国庫債務負担行為という項目につきまして、それぞれ予算書に掲げられてある事項につきまして、各項ごとに金額を明らかにして御決議をいただいておるわけでございます。その予算審議の際に、その根拠になったものを参考資料として添付しておるわけであります。その添付しておる資料の中に、一般会計の場合ですと、一般会計の予算参照書ということで、その中に、一般会計の各省各省の予定経費要求書というものが入っておるわけでございます。
 この予算書を開いていただきますと、予算書のページ数が六二八ページことしの場合あるわけでございますが、その中の約三分の一程度が定員表というような形になっております。これはどういうことかというと、予定経費要求書の中に算定されているところの人の定員数なり、あるいは各俸給表に該当する人が何等級で何人くらいいるということを明らかにして、そういうものを基礎として計算をした金額が入っておりますということで、予算の添付書類として御提出をし、それもあわせて御審議願っておるわけであります。そういう意味合いでございますので、予算がつくられるときには、その裏づけとしては、その事務に応じましてどういう定員の配置を考えておるかということを当然あわせて御審議いただいたものであると私思っております。この予算を御審議いただくときには、そういうことで通過するわけであります。
 御質問は、そういう場合に、その後の行政の特殊の需要によって予算の内容に変更があるというような場合をさしておられるのだろうと思います。御承知のように、予算の中には予備費というような制度がありまして、特殊な行政需要に応じて予備費の支出をする、たとえば四十三年度の予算の場合ならば、小笠原諸島の返還に伴う事例がありまして、具体的な行政事務が生じますと、それに応じて定員をどうするかという問題が生じた、そういうような事態もありましょう。それからまた、予算の金額で表示をされております一応の計算の基礎として考えられている定員なり職員の構成なりというようなものは、要求書に明らかなとおりでございますけれども、具体的な金額にゆとりがある場合、予算総則の規定によりますれば、その金額の範囲内においては、みだりには動かしてはいけませんけれども、その範囲内で弾力的に運用をはかることができるわけでございます。
 それからまた、予算には移流用の問題もあります。具体的に人件費予算が不足になったときには、それぞれ予算総則に定められた範囲内において移流用をするということも可能でございます。したがって、この予算書に掲げられてある要求書の内訳をなす定員表にできるだけ準拠して運用するということはもちろんでございますけれども、それは非常に窮屈に、少しも動かないというような性格のものではないというふうに思っております。
#165
○山中(吾)委員 半分くらいしか頭に入らなかったのですが、少し角度をかえてお聞きしますと、現行法に基づいて、各省設置法で定員を定めた場合は、各省の法律に基づいた定員については国会、したがって、査定の場合の大蔵省も義務支出、法律的根拠に基づいた定員であるから、その分は予算に計上しなければならぬという点において義務支出であると思うのです。ところが、この法律が通過をした場合に、国家全体の総定員だけが法定をされて、各省ごとの定員は政令によるという内容なわけですね。したがって、各省ごとの定員を、ことしはたとえば、ある省が二千名の定員を計上したが、来年は千五百名に査定をするということは、これは予算審議としてはできる。法律の根拠がないだけだ。これはできますか。私はできると思う。
#166
○嶋崎説明員 お答えいたします。
 御存じのように、予算をつくるときには、いま申し上げましたように、この予算の基礎になるところの定員、その人員構成、職員構成というようなものは、予算書の要求書にあるようなものを前提にしてできておるわけでございます。そういうことで御審議願った予算が通過して、その後行政需要の変動があって、具体的にどういう具合に予算を運用していくかという点につきましては、先ほど申しましたように、予算には予備費という制度もあるし、金額の範囲内では弾力的な運用はもちろんできる。もちろん、みだりに行なってはならぬと書いてありますが、弾力的な運用はできます。それから猶予の規定がありますので、それに対応していく。また、これは御承知のようにままあることでございますが、予算はこういう定員でできておる、しかし、定員法によるところの定員の改正がそのまま行なわれなかったというような場合におきましては、予算書で予算上の定員と、それから法律上の定員というのが乖離する場合があるわけです。そうした場合には、当然いずれか低いほうというので運用するのが慣例ということになっております。
#167
○山中(吾)委員 ただいまの主計局の答弁は、ぼくの質問に少しずれているのだ。法律的根拠に基づいた定員の場合は、その法律で規定した各省の定員分だけは予算は削減できない。義務支出として法律上支出することが義務づけられておる。しかし、法律的根拠によらない単なる予算定員は、財政上の都合によって、少なくも、予算の計上のしかたですけれども少なくすることはできる。そうでしょう。ぼくの質問がわからないですか。たとえばもっと具体的に、現在のように各省ごとの設置法で定員がきめられてある。そうすると、来年その定員は財政上困るからといって、その定員に応じた予算は、法律の規定の場合はやっぱり計上しなければならない。いわゆる法律の根拠に基づいておるので、予算というもののいわゆる義務支出に相当する。しかし、法律的根拠がなければ財政的に削ることもできるということでしょう、財政法では。そうじゃないですか。ずばりでいいのだ、法律的に言ってください。
#168
○嶋崎説明員 現行の法定員は、これは御存じのように、定員が現にありましても、たとえば翌年の予算をやるときに、現行法がある以上は、その現行法で予算を組んでおるのだということでございますけれども、予算で一応関係各省と協議をして、来年度の予算はどういう定員でいくかということについて協議が整いますと、その協議が整った範囲内でもし定員の削減をする、あるいは定員を増員するといったような場合には、それぞれ各省設置法において法律で定員を修正して、あわせて御審議を願うことになります。したがって、現行法令で定員が千人きまっておったら、必ずその現行定員で予算が編成されているかというと、そうじゃなくて、まず予算と合わせた法律案の御審議をお願いする、こういう形になるのです。したがって、現行定員をそのまま来年度の予算に義務的経費であるから計上するというようなことは必ずしもございません。
#169
○山中(吾)委員 どうも大蔵省の答弁は、ぼくの望んでおることとちょっとずれているのだ。予算に計上した分については、それに応ずる法律の設定があって、それは予算と法律は卵と鶏のような関係にあって、予算を計上すれば、予算の裏づけになる法律を早く通してくれという要望が出る。そのとおりなんです。そのとおりであるが、一つの予算に計上された事項――いま、定員ですから、定員の分が、法律の裏づけのある定員と裏づけのない定員がある場合ですね。法律で定めなければならないという根拠は、もっと具体的に言えば、国家組織法に基づいて、現行法では、十九条では、各省の定員は法律で定めなければならぬ。法定事項になっている。したがって法律で定める。法律で定めたときには、やはり一方に、それに応じて、予算関係においては、法律の定めた定員であるから予算は計上しなければならない、予算のその点については義務支出として計上しなければならないとぼくは考えているのだが、そうじゃないですか。そうであるかないかを簡単に言ってください。説明が長くなるとわからなくなる。
#170
○嶋崎説明員 要するに、四十四年度の予算の場合に例をとるならば、定員法上の裏づけのない定員というものは、予算上計上された人員というものには、これはないのです。ありません。これは必ず何か法的な根拠があって定員が定められる。したがって、四十四年度の予算書に掲げられている定員というのは、四十四年度に具体的に設定されるであろう定員とそれは一致しておるのです。ただ、それが、それじゃ年度がずれて翌年度にそれと同じ定員に見合う人件費が計上されるかといわれると、それは翌年度の行政需要にマッチした予算上の定員がきめられ、それに見合う法律的な定員がきめられる、こういうことになろうかと思います。
#171
○山中(吾)委員 そういう説明のしかたは、現在の予算の査定の技術上の慣行の説明だと私は思うのですよ。現実には、来年度予算に、ある省において何名多くするとか、そういうときには一方に予算計上の約束をし、一方は法案を提出するというのが同時的にいま慣行として行なわれておるのだ、その説明として私はいま聞いたのです。しかしそうでなくて、かりに現行法において、法律で、ある省の定員は二千名なら二千名とある。この法律の効力は一年ごとじゃないですから、法律の存続する限りにおいては、定員二千名というのは法律的に置くことが認められている。しかし大蔵省で千五百名しか予算に計上しなかった。そのときに大蔵省は同時に法律を改正して、千五百名にしろという要求を予算の立場からされるだけの話なんです。しかし、にもかかわらず、法律を修正しないであくまでも二千名という法律を堅持する限りにおいては、予算定員は千五百名でも二千名はその省の長は採用できる。逆にいえば、そういう法律で定員を二千名まで置くことができるということになっておれば、そのあとにしても予算で追加をして、いわゆる義務支払として法律にこたえなければならない、それがたてまえではないかと聞いているのです。この話をしたら朝までかかるかもしらぬ。
  〔三原委員長代理退席、伊能委員長代理着席〕
 そこで、この法案との関連で、もしこの法律が通過をすれば、総定員だけがあって、各省ごとの定員はいわゆる法律の根拠のない定員になる、政令で定めた政令定員になると思うのです。ところが予算のほうは一年ごとであり、一方に法律根拠によらないということになってくると、その定員については非常に不安定なものになり、各年度ごとに予算によって幾らでも適当に左右することができるという性格に変わるのではないかとぼくは聞いているのです。質問が悪いのか答弁が悪いのが……。
#172
○嶋崎説明員 端的に申しますと、そういうことは全くないと思います。そういうことにはならないと思うのです。
#173
○山中(吾)委員 それじゃもう少し、ならない説明をしてください。
#174
○嶋崎説明員 少しまた答弁が長くなるかもしれませんけれども、先ほどかりに法律上の定員が二千名で予算上の定員が千五百名であると言われました。私の説明は、そういう場合には必ず法律定員も千五百名に直していただきたいという御審議をお願いする。その審議の法律的な表現をしたのが予算案でございますので、政府のあらゆる政策が矛盾なく盛られておる限り当然そういう手続がとられるであろう。したがって、もし予算上の定員が千五百名である、それに対応する人件費しか計上してない、法律上の定員が二千名でもし年度を走るということになったときに、必ず二千名分に見合う人件費は義務的な支出として各省は採用し、また金を出すであろうというような事態は想定できない事態であります。そういうふうに予算が下回っておるならば、それは当然予算の範囲内で事務を執行するというふうに考えております。
#175
○山中(吾)委員 大蔵省は国会の審議権を無視しているような答弁に聞こえてしようがない。法律を設定するのは国会の権限でしょう。法律の設定に応じて予算は出さなければならぬ義務支出であると私は解釈しておるのだが、あなたの言うことは、予算を計上しないのに法律などを設定する権限はないのだという言い方をしているじゃないですか。そんなばかなことはないでしょう。現実にはそれは合わしているでしょう。みんな合わして、良識に従ってやっているのだけれども、法律は予算が計上されなければ設定されないといったら、法律の設定権、国会なんというものは何の意味もないじゃないですか。この法案との関係は私は重要な問題だと思うのですが、荒木大臣はどう思いますか。
#176
○荒木国務大臣 予算に関する専門家の意見がもっともではないかと申し上げる以外はないわけでございます。しかしながら私が申し上げたいことは、本法案において法律上定めていただきます具体的数字は、五十万何千人という、各省庁別の政令で定められるであろうところの定員の総計の最高限度を法律できめていただいて、それをオーバーすることはもう絶対にかまりならぬということをおきめいただく。そしてその範囲内において、時に応じて増減もありましょうけれども、その範囲内においての機動的な運営によって行政需要に応じていきたいということでございまして、その最高限度をこえる事態もなしとはしませんが、それは最高限度を改定していただくという手続を経なければできないことは当然でございます。一人でも少ない簡素合理的な行政機構の定員によって行政サービスをすることが、国民的立場での行政の焦点であろうと思われる。したがって、毎年毎年予算の御審議を願うわけでございますが、年度の途中においての増減があり得るわけでございますから、次の年度の予算を御審議願うときには、ちょうどいま大蔵省で説明申しましたように、法律という形で、各省設置法で予算と合わせた内容のものを御審議を願うことが慣例でありますが、それが法律という形にならないだけであって、政令定員で変動が年度内に生じましたら、翌年度の予算を御審議願うときにはその実態に即した予算を御審議願う。したがって、午前中も申し上げましたように、予算を通じて国権の最高機関としての権威に立っての御審議は十分願えるということが含んでおりますから、定期的に申し上げましても御審議願う回数は少ないかもしれません、各省庁ごとの法案としての回数を申し上げれば回数は減るかもしれませんが、実質的には何ら従来と変わりのない国会の御審議を経て、しかもそれが機動的な運営を通じて行政サービスが向上していくというプラスが加わるだけであって、実質的に国会審議を省略しようとしているとかなんとかという御非難は当たらないんじゃないか、こういうふうに思っております。
#177
○山中(吾)委員 大臣は運営と制度をごっちゃにして答弁されるから、ずるいです。運営においてうまくいけば心配ないという答弁を私は聞いているのでは全然ない。これは制度に関する法律ですから、それに関連して意味をただしておるので、この法律に基づけば、五十何万ですか、国全体の定員だけが法定なんで、各省ごとの定員は政令にゆだねるのがこの法案の内容でしょう。現行法では、各自ごとの設置法に基づいているということは各省ごとの定員を法定しているのですから、そのワクをはずしてしまえば、行政権限によってせっかくわれわれが審議をした各省における事業量に応じて妥当と考えた定員は、国会の手から離れて行政によって増減が自由になる。国家定員全体のワクが動かない限りは、Aという省からBという省に、BからCという行政庁に行政権において幾らでも変更できる。そうすると、われわれの実質的審議の内容というものは空洞化されていく。それを私は問題にしておるのであって、セクショナリズムその他の問題を解決するならばこの法案の中で各省ごとの定員を定める法案を出しなさいというのだ。一本の法律で通るのだから強行採決で一本で終わりだ。各省だからめんどうくさいというならば、一本の法律で各省ごとの定員を法定するという、現行の国会の審議権を狭めない、そういう法を出しなさいと私は提案をしたのでありますが、いま大臣は各省ごとの法定定員といういままでの制度をはずして行政権に全部開放してしまっておいて、国会に対する関係について何ら無視してないとかなんとかいうことは詭弁だと思うのです。
 それで大蔵省のほうに戻りますけれども、法律を定めるのは国会の権限でしょう。予算を必要とする法律を定めたならば、大蔵省は拒否できるのですか。大蔵省はその法律に基づいて予算を計上する、いわゆる国ということばを使いましょう。国は計上する義務が出るのでしょう。あなたはそういう義務はないような、そんな法律ができるはずがないとか、大蔵省が国会を支配しているような答弁ですから、いま一度お伺いしておきます。
#178
○嶋崎説明員 あるいはことばが足らなかったのかもしれませんけれども、御承知のように国会の御審議をいただいているのは、予算についても同時に御審議いただいておるわけでございます。年々の予算につきましても予算総則に書いてありますように、各省の予算の一番最後のところでありますが、「俸給予算の執行にあたっては、予定経費要求書に掲げる各省各庁の職員予算定員及び俸給額表によるものとし、」云々、それから「当該定員の増加又は俸給額の増額をみだりに行なってはならない。」ということになっておるわけです。予算総則は予算執行上の形式を――法律の形式と予算の形式というものは、法令としての扱い方は国会の御審議を経たという意味ではわれわれ行政に携わる以上その御審議に従って適正にそれを執行する責任があるわけです。予算の御審議をいただいて、そして議決される、しかも総則にそういう規定があるということになれば当然その予算の範囲内で予算を執行する責任があるということを言っているわけでございます。もちろん法律定員が片方はあります。そうした場合に、法律定員がそれより多かったというときでも、実際は職務の内容をそのまま執行するのに必要な人員というものが予算に計上されているわけでございますので、その範囲内で運用する。先ほど申しましたように、法律定員が下の場合には、やはり予算定員が法律定員をオーバーしているから、これも院の御意思だからそれをオーバーして運用していい、こうは言えない。逆に、法律定員がオーバーしている、予算定員が下である、したがって、法律定員まで当然人を採用すべきであり、それに俸給を払うべきであるということはわれわれそういうぐあいには判断はできないのであります。したがって、従来はいずれか低いほうで運用するというのが最も院の御意思に沿うた考え方じゃなかろうかということでそういう線でやっておるわけでございます。
#179
○山中(吾)委員 納得できないですね。法律でなさなければならぬという、国会において国民の意思として決定した法律があればその法律を執行するに足るだけの予算を計上する義務が国にあって、それを義務支出というのではないのですか。あなたは、たとえ法律が規定されておっても予算は少なく計上したら法律はこれに従うべきであるという思想で先ほどから答弁されておるのですが、それでは法律なんというものは意味がないじゃないですか。たとえば、そういうことがあるからいろいろの法律の実例を調べてみると予算の範囲内において二分の一を補充するとか予算の範囲内においてどうだ、こうだとかいう予算の範囲内ということを法律自身で規定している。これはわれわれは法律を認めておるのですから、予算の範囲内ということばを法律が自身認めておるのだから、予算に計上されていないものはその法律自身が執行することをみずから免除しておると思うのです。法律という効力を予算によって、その予算の裏づけのない法律の部分が無効だという論議は私はどうしても承服ができない。それはどういうことなんです。
#180
○嶋崎説明員 御質問の点はどちらの場合にも、たとえば予算上認められて予算のほうがオーバーをしておる場合、逆に予算のほうが下回っておる場合と両方あるわけでございます。なるべくそれが一致することが非常に望ましいことであるというふうに私は思っております。現にまたそういう手続をお願いしておるということは事実であります。また法律の定員が二千人であるから二千人採らなければならないということならば、二千人の人を誘致させなければならないということではないのでありまして、それが真実必要な場合になれば、そのときに予算の修正措置というものを何らかの形でとらなければいかぬということだろうと思います。われわれは、たとえば、その年度の予算とたまたまその年度に適用される法律上の定員が乖離をしたという、そういうことがないのが通常でありますけれども、もしある場合にはいずれか低いほうの定員で運用するというのが妥当な考え方ではなかろうかということを申し上げておるわけであって、法律を無視しようというようなことを決して言っておるわけではありません。
#181
○山中(吾)委員 この問題は私納得するまで大蔵省と論議をしないとどうしてもかすが残る。いま答弁された中に、二つの場合があることを述べられたと思うのです。一つは、予算の裏づけがあるが、法律の裏づけのない予算、それから法律の裏づけがあるけれども予算の裏づけのないもの、そういう二つがあって、たとえば定員の場合、そこで私がこの法案の関連でなぜお聞きしておるかというと、現行法に基づいて各省の設置法で定めた定員の場合、法律根拠にあっては法定定員なんです。各省ごとの定員が法定定員である。そこでその法定定員まで各省の行政庁の長官は、法律に基づいて充足する義務はないけれども権利はあるのだ。義務はあると私は最初から言っていない。権利がある。その法律で定められた二千名なら二千名だけは定員として法律で定めたならばその省の長は二千名まで充足する権利がある、権限を与えられておる。その予算の裏づけのない定員がその中にかりに二百名あったとしても、行政庁の長の責任において二百名を充足したならば、それについて補正予算であろうが何であろうが国としては予算を計上する義務がある。それを義務支出というのではないかと聞いておるのです。ところがその法律の根拠がない場合については、かりにこの法律が成立をして、政令に基づいてある省の予算定員が二千名であるときに他の省から削って二千二百名にした、この二百名は法的根拠がない、政令の根拠があっても法的根拠がないので、その分については義務支出として解釈はできない、削るというようなこともあり得るのだということが将来は出てこないかということを盛んに聞いているわけです。で、そういうことをもう少し大蔵省とここで論議をしては、これだけでもずいぶん時間を要して、外が暗くなりそうに思うのですが、ただあなたのおっしゃっている思想は法律より予算が優先するという思想がどうしてもある。いま法律と予算は表裏一体で、だから予算に関係する法案は、予算が通れば法案を通さなければならぬとしてみな躍起になっておるし、われわれはこの法律は国家社会のためにならぬと思ったら反対して論議を重ねておるのですが、それは予算と法律が一つであることが一番望ましい。その望ましい形に努力をして審議していると思うのですが、それはそれとして法律というものが設定されたならば、法律で認めた仕事あるいは人員というものを充足するに必要な予算は、法律に予算が従うべきではないかということをたてまえとして認めるべきであると私たちは聞いているのですが、あなたはどうもその辺がぴったりしない答弁なので、どこかに違いがあると思う。その点は明確にしておかないと、国会という立法機関は一体何のためにあるか、わけがわからない。まず予算がこれだけあるからその範囲内で法律をつくりなさいという御指示によって国会が法律審議をしていることになる。それを私はあなたと論議をしておるのです。その点について、少なくとも私の質問の要旨はわかりましたか。
#182
○嶋崎説明員 質問の要旨はわかりました。
#183
○山中(吾)委員 私の質問の考え方については、これは財政法というのか、国の法律上のたてまえからいってどこか間違いがあるのですか。あなたと意見が違うところがあるのですか。運営の問題は別ですよ。
#184
○嶋崎説明員 現実の運用の場合は先ほど申し上げたとおりでございますが、何らか定員の増加なりを伴わなければならない立法がある。そして現にそういう行政需要をまかなうに不足している予算があるといった場合に、それをどうするかということにつきましては、それを予算上どういう扱いにするか。たとえば先ほどちょっと例に引きましたけれども、年度途中で、たとえば小笠原の場合、これはたまたま政令委任でございますけれども、そういうものができて、臨時国会等がありまして定員の増加を認めたという場合には、予算は当然それによって予備費なり何なりの支出をしなければならぬというような事態があるということは、これは否定しておるわけではない。ただ、年度当初に、予算上の定員と、それからアフターリミットとしての法律上の定員ですね。これをオーバーしてはならぬわけです。そういうのがたまたま不一致になった場合に、その院の御意思がどこにあるかということはなかなか判断に苦しむところでありまして、従来はそういう場合に、たとえば予算上の定員が――現に四十三年の場合には各省庁によって予算上の定員が法律上の定員をオーバーしている場合もあるわけです。そうした場合にも予算上の定員の範囲内で処理をするというのが慣例になっておるということを申し上げております。
#185
○山中(吾)委員 予算定員をオーバーしておる場合に二通りある。法律的根拠に基づいたものと行政措置でやった場合と二つある。法的根拠に基づいたときには、これは予備費にしても来年度の予算その他補充予算においても、これは国が義務支出として考えるべきものである。それが制度のたてまえではないか。それが立法権の実態ではないかということを私は先ほどから繰り返し繰り返し言っている。その予算定員をオーバーしたときに二通りあるじゃないか、法的根拠に基づいたものと行政措置に基づいたもの、そういう二つの分をけじめをつけないと、法律の効力というものはほとんど意味がなくなってくるので、私はしっこく聞いているわけです。この点についてはなおもっと私の気のつかない理論があったならばお聞きしなければならぬので保留しておきます。
 そこで文部大臣が来られたので、この法案に関連して大学定員のことについてお聞きしなければならぬと思うのです。昨年この法案が通ることを予想しておったが、通らなかった。一方において国立大学設置法に基づいて国立大学、学部学科の新設があった。それでそれに必要なる定員は政令に基づいて措置をされたはずでありますが、それは何名であり、いまどうなっておりますか。
#186
○安嶋政府委員 政令に基づいて措置いたしました増員は二千百五十二名でございます。この二千百五十二名は四十二年度の定員の約十万一千名に上積みをされまして、全体といたしまして十万三千七百十五名という定員になったわけでございますが、この政令が三月三十一日で失効いたしました関係上、現在の国立学校の定員は十万一千五百六十三名と、もとに返ったわけでございます。その結果三月十八日現在における三月末の見込みの数でございますが、五十三の国立学校におきまして五百四十四人の過員が生じている、そういう状況でございます。
#187
○山中(吾)委員 その五百四十四人の過員というのはいかなる根拠に基づいて存在しているのですか。
#188
○安嶋政府委員 緊急政令が失効いたしておりますので、この過員は現在法的根拠がございません。違法な状態になっております。
#189
○山中(吾)委員 そうするとこの幽霊教授、助教授に対する給与を支払う根拠は文部省としてはない。これはどうですか。
#190
○安嶋政府委員 その点につきましては、午前中法制局の部長から答弁があったとおりであると思います。
#191
○田中(康)政府委員 ただいまの大学の職員の過員五百四十四名につきましては、定員法違反がございます。
 そこで、この定員法違反に対する人員について今月の給与が支払い得るかどうかということでございますが、この点については二つの面から考えなければいけないと思います。一つは会計法規上、国が給与等を支払う場合に規制を加えられておりますので、その会計法規上、定員法違反というような事態に対して給与を支払うということが許されるかどうかということをまず究明してかからなければいけないかと思います。それからもう一点は、そういう過員でありましても、公務員として勤務いたしておりますわけでありますから、当然国家公務員法に基づきまして給与を支払わなければならない義務が国にあるわけでございます。
 そこで、国家公務員法上の観点、会計法上の観点、二つをあわせて検討して給与を支払うべきかどうかということを決定いたさなければいけないと思いますが、この点につきましては関係各省ございますので、また会計法規の問題は今後の給与支払いの問題に限らず非常に重大な問題でございますので、われわれとして目下各省糾合いたしまして検討しておる段階でございます。
#192
○山中(吾)委員 会計法上の解釈は法制局としてはどう解釈をされておりますか。
#193
○田中(康)政府委員 その点法制局といたしまして一番苦労いたしておるのでございまして、どちらかといいますと公務員法上の問題は非常に明らかな問題でございます。そこで会計法上の問題をいかに考えるかにつきましての検討が目下行なわれておるということでございます。
#194
○山中(吾)委員 検討が行なわれておるのではなくて、現在における法制局の意見はどうか。まだきまっていないというのですか。
#195
○田中(康)政府委員 目下法制局においてもきまっておりません。
#196
○山中(吾)委員 それは違法だということはそんなに研究しなくてもわかっておるじゃないですか。何か政治的に配慮して言わないのですか。だから違法であるというなら違法である、ないという理屈もある程度言えるなら言える、しろうとに対してもう少し詳しく説明してください。
#197
○田中(康)政府委員 会計法上の問題点を具体的に申し上げますと、およそ支出と申しますか、国の支出ば法令に従って――「法令又は予算」と書いてありますが、一応いま予算を別といたしますと、法今に従って支出しなければならないということになっております。ところが法令に従って支出するというのは、支出そのものについてその規制を加えておるのか、あるいは定員法違反といういわゆる支出に関しない部分、そのもととなる部分について違反があるのに支払ってはいけないのか、その点が実は非常に不明確でございまして、そういうような点につきましてわれわれ検討いたしておる、こういうことでございます。
#198
○山中(吾)委員 法制局の検討の中身はわかりました。文部大臣にお聞きしますが、緊急政令は、国家行政組織法の第十九条の第二項にその効力は一年以内ということを明確にしておるわけです。それを前提として昨年発令をされたのですが、その辞令は一年限りという辞令で出されておるのですか。どういう形式ですか。
#199
○安嶋政府委員 緊急政令は昨年の六月十二日に公布、施行されておりますが、四月一日からさっそく適用するという形になっておりまして、辞令はただいま山中先生がおっしゃいましたように一年以内ということではなくて正規の発令をいたしております。
#200
○山中(吾)委員 政令は一年しか有効でない、辞令は永久だ、非常におかしくないですか。その政令は一年しか有効でないのだから、政令に基づいた辞令は一年という期限を切って出さなければいけないのではないですか。それは法的に説明してください、わからぬですから。
#201
○安嶋政府委員 緊急政令によって上積みされました定員は、正規の定員として上積みをされているというふうに考えております。
   〔伊能委員長代理退席、委員長着席〕
正規の定員につきましては、ただいまお話しのように六カ以内であるとか、あるいは一年以内であるとか、そういった任用の期限をつけないわけです。したがいまして、正規の辞令を出しております。
#202
○山中(吾)委員 臨時雇いの辞令というのは別にあるんですから、いわゆる正規の任命であることは明らかなんだが、緊急政令に基づいた辞令であるから一年を区切った正式の任命である、そして一年ごとに政令を出す、そういう立場以外に文部省の辞令の出し方はないのじゃないですか。私は、緊急政令に基づいたものなんだから、その政令は一年間なんだから、だから正規の採用であっても一年ごとに更改をしていく辞令の出し方でなければおかしいと思うのです。これはどうなんですか。
#203
○田中(康)政府委員 ただいまの先生のおっしゃること、私も一部分につきましてはまことにごもっともだと思います。しかしながら組織法の十九条二項におきまして、政令で付加した定員は同条第三項によりまして一年をこえて置くべきものについてはあらためて法律上の手続をとらなければならないというふうに規定してございます。そのことを前提といたします限りは、今回文部省が出されました方針につきましては私は一応適法ではないかというように考えております。
#204
○山中(吾)委員 一年限りの緊急政令だから、一年を期限とした正式辞令を出すべきだ、それはもっともだと法制局は大体私の意見に賛意を表した。そのあとの第三の場合については法律を改正する措置をとらなければならぬ、これもそのとおりだと思う。しかし緊急なる状態が続けば、その一年の期限が切れればさらに政令を出せるのではないか、第二項に基づいて。
#205
○田中(康)政府委員 緊急政令は第三項によりまして、一年をこえて置くべきものについては、法律の改正がない限りは、新たな事態が生じない限りは次の年におきましては出せないというふうに考えております。その新たな事態に基づいて出すということがありますならばそれは別でございますけれども、従来出しました緊急政令をさらに二年も三年も続けるということになりますと、その点はできないというふうに考えております。
#206
○山中(吾)委員 緊急の状況が継続しておるので次の政令も一年限りですよ。昨年の一年は一年限りの緊急政令を出した、その期限が切れるが、まだ緊急の状況が続いておるのだから、さらに一年の第二項に基づいた政令を出せるでしょう。
#207
○田中(康)政府委員 やはり十九条三項の趣旨は、そういう場合にはあくまで法律によって一そもそも十九条二項及び三項が設けられました趣旨ば、同条第一項によりまして国家公務員の定数はすべて法律によらなければならないという原則がございまして、その原則のきわめて例外措置として設けられたものでございます。そのために、そういう例外措置を、緊急だ緊急だということによりましてじんぜんと二年も三年も延ばすということは同条の趣旨から私は出てこないのではないか、その場合にはやはり十九条三項で法律を改正すべきであるというふうに考えております。
#208
○山中(吾)委員 私は出せると思うのですが、法制局がそう言っておるならばまずそれはそれとして、そうすると再び政令が出せられないというならば、この緊急の状況というのは文部省関係の問題だけに限って緊急状況があるのですね、この法案が昨年出ないために。したがって、そういう特殊な事情に基づいて文部省設置法だけはこの法案とともに出すべきではないか。この法案が成立すればそのときに文部省設置法は廃案になる。いま何らの根拠もない数百名の教授をそのままにしておいた責任は、私は文部省は回避できないと思う。いまの法律論からいえば、第二項に基づいて緊急政令を出した、これは一年限り、だれだってわかっておることだ。その期限が切れたときに措置をしないことは明らかなんだ。一方にしかし総定員法というものを出しておる。他省についてはそういう緊急状況がない。文部省が国立大学を設置したことによってできたこの緊急状況について政令が出ておる。一年の期限が切れる。それなら現行法に基づいた文部省設置法、これは現行法です、この法律が成立するまでにおいては各省設置法というものが現行制度のたてまえなんだ。他の省においては緊急状況がないのであるから、いわゆる政府が国会に対してこういう法案を出しておって、同時に設置法を出すのは、どうも国会に対する誠意を欠くということを、先ほどからお尋ねしておる。文部省に関する限りはそんなことはないのであって、緊急状況に、この政令で幽霊の教授が出ようとするときに、同時に文部省関係の設置法を出して、一方の法律が通れば一方の法律はそれでそのときに廃案になるという措置をすべきである。それを何にもしないということは、文部大臣の責任じゃないか。何にもしていない……。
#209
○坂田国務大臣 いま五百四十四名の過員があるわけで、それは法的根拠を失っているわけです。そういうわけでございますから、ひとつできるだけ皆さん方にお願いをいたしまして、一日も早くこの総定員法を通していただきますると、そういうような違法状況というものがなくなるということになるかと思うわけでございます。
#210
○山中(吾)委員 文部大臣はお願いする資格がないのですよ。なぜ措置をしてお願いをしないのですか。何らの根拠がない幽霊の教授がおるのですから、現行の制度があるのだから、文部省設置法というものを出して一この法案の運命はまだきまっていない。措置をしてからお願いすべきじゃないですか。何の措置もしてない。お願いする資格がないのです。資格喪失ですね。どうするのですか。
#211
○坂田国務大臣 現にこれを出しておるわけです。総定員法を閣内といたしまして、政府といたしまして、これをもし皆さん方に御協力いただくならば、その違法状況というものはなくなる。ぞひともひとつ、一日も早くつくっていただきたい。そうしなければ、この五百四十四名の方々に対してまことに申しわけがない。したがいまして、また同時にこういう方々が大学の教育あるいは研究あるいは大学の運営等につきまして、支障を来たすということになるわけでございますから、伏してお願いを申し上げる次第であります。
#212
○山中(吾)委員 文部大臣の答弁は、それは国会に責任を転嫁するもはなはだしいものだ。政令の期限がもう切れたことが明確ならば、それを一日前でも二日前でも――その政令が切れて、そして違法状態のようなかっこうになってくる大学の先生に対する法的根拠を与える措置を、さっととってお願いするのが常識じゃないですか。いまのような答弁はこれはもう完全に国会に責任転嫁するものですよ。何を自分でやるべきことをやらないで、人にお願いする資格が出ますか。やることを早くやりなさい。きょうでもいいから出しなさい。
#213
○坂田国務大臣 出すとか出さないということじゃなくて、この総定員法そのものがそれに当たるものだと思います。
#214
○山中(吾)委員 この法案を出す、出さぬということは、われわれが、この法律が国家行政組織法の関係において非常に疑義がある。だから一生懸命論議をしておるので、あなたのほうの要求で、片一方の緊急政令が切れるからやってくれなんて、そんな簡単なものなら、国会なんてないほうがいいのですよ。目的は、この法律というものが、将来禍根を残すといういろいろな問題があるから、けさから論議しているんじゃないですか。
 先ほど大蔵省とも私はいろいろと論議をしておるですが、文部省の定員というものも、いままででは法的根拠に基づいて、その定員が法定定員として、そういうことが間接的に大学の先生その他の身分の保障になってきた制度であると思う。今度はそれを政令にまかしていくのです。しかも、文部省におけるところの教師については、専門性ということを盛んに強調しているではないですか。一般の行政官と同じように一つの政令にゆだねて、そうしてそのときの便宜主義でどうでもなるような中身を持っている法律、それで文部大臣はいいのですか。少なくとも大学自治の問題がある。大学の人事についての人事権の問題も大きな政治問題になっておる。そういうふうなことを考えたならば、文部省においては少なくともそういう教育定員関係については特別の法的根拠を持って保障してやるというような立場をもってやるのが当然である。この法案ならば、それはなくなってしまうのですよ。そうして一方ではこの姿勢に基づいて、だれが見ても措置しなければならないところの、いわゆる緊急政令の効力がなくなったときに、法律に基づいた設置法の提案の中で、一応この法案がどうなろうが、この空間というものを補う措置をとらないでおっしゃるということは、どうしてもわからない。教員の定員の特殊性についてどうお考えになっておるか伺いたい。
#215
○坂田国務大臣 総定員法の中においてこれを措置するということをわれわれ政府としてはきめて、そうして御提案を願い、御審議をわずらわしているわけでございます。前の段階と変わっておらないというふうに私は思うのでございます。
#216
○山中(吾)委員 前と変わっていないというのを説明してください。
#217
○安嶋政府委員 山中先生のお話は、教官の職務の特殊性ということにあろうかと思いますが、現行の文部省設置法第四十五条の定員の規定におきましても、これは教官とその他の職員の区別をいたしておらないのでございまして、そういう意味におきまして今回提出いたしております総定員法も、従来の文部省設置法の取り扱いと基本の考え方において相違をしていないということであります。
#218
○山中(吾)委員 教官の定員の算出の基礎は大学の学部、学生の数その他というふうなものが大体の基準になってきておると私は思うのです。一般の行政の場合については、事務量だけが大体目安になって、一定の授業の場合については、何カ年かの後にはそれを終わるなり、ある程度の変動というものも臨機応変に処置しなければならぬ性格もあるかもしれぬ。国立大学の教官については、そういうものでないはずなんです。したがって、その定員の決定の基準あるいは条件算出の基礎というものは、特殊性があると思うのです。そこでそういう根拠に基づいて、また大蔵省においては、教官定員については特別の立場に――私は皆さんの要求と査定があると思う。そういう意味における、いわゆる一方に教育という専門性を裏に含みながら、特殊な定員の設定のしかたがあるはずなんです。今度の法律に基づけば、そういうものが全然吹っ飛んでしまって、運営がうまくいかなければとうだ――運営論を私やっているのてはない。制度論として、みそもくそも一緒にするような、こういう法案の出し方、そうして法的根拠をなくして、政令で自由に動かせるという法案がいま出ようとしているのですよ。しかも政令の根拠をなくした幽霊の先生を出しながら、何らの措置もしないで、この法案を通してください、なんです、その態度は。どこに教育行政の自主性がある。見識のないのもはなはだしい話じゃないですか。
  〔発言する者あり〕
#219
○藤田委員長 静粛に願います。
#220
○山中(吾)委員 文部大臣の識見をお聞きしておきます。
#221
○安嶋政府委員 山中先生がおっしゃいますように、教官の定員の積算が他の一般の職員と違うということは御承知のとおりでございます。かつまた、その教官の増員につきましても、一般の職員につきましては極力制限されておるにもかかわらず、教官につきましては、学部、学科の増設あるいは学年進行等に必要なものは認めていただいておるわけでございます。かつまた、定員の削減の措置にいたしましても、教官の特殊性にかんがみまして特別な取り扱いが行なわれているわけでございまして、そういった積算上あるいは定員の運用上特別な扱いが現に行なわれておるわけでございまして、現行の教官とその他の職員とを区別しない制度のもとにおきましてもそうした扱いが行なわれ、また支障なくそれが運用されておるわけでございますから、新しい総定員法の提案にあたりましても、従来のそうした方式を特に変更する必要は私どもは認めなかった、こういうことでございます。
#222
○山中(吾)委員 国会の立場から言いますと、そういう特殊の事情の説明を聞き、教育職員の特殊な算定の基礎というものを是認をして、文部省の定員としてわれわれが承認をしてきた。ところが、一たび手を離れれば、これは国会の立場からいえば、政令において各省自由に総定員の範囲内において左右することができるという法案なんです。せっかくわれわれがそういうことを考えて法定した、法律上こうなければならぬという立場において国会が審議をして定めてきたわれわれの立場というものは全く軽視をされている。運営においては心配がありませんというあなたの答弁なんです。運営なんというのは人によってどうにもなるわけだ。教育に熱心な総理大臣が出るか出ないかによっても左右される。だから、国会の審議のあり方は、そういう特殊性に基づいて定員というものを承認をしてきておる。ところが、今度はそれを執行する場面になったら、国会の審議の方針から無関係になって、自由に行政権によって動かされるという法律をいま出そうとしている。それなら最初から審議の方法まで書いたらどうだ。総定員の論議だけにして、そういう各省の行政の特殊性に基づき、そういう定員の特殊性に基づいた審議をさせるべきではない。結果についてはわれわれの意見というものはどこへ吹っ飛んでもいいということなんだ。残っているのは運営の良識しかないじゃないですか。文部省の本心はそれでいいのですか。あなた、ほんとうのところを言いなさい、あちこち気がねしないで。
#223
○坂田国務大臣 それはやはりわれわれといたしましても従来の場合と変わりなく運営をしていくというわけでございますから、山中さん御心配になるようなことはいたさないつもりでございます。
#224
○山中(吾)委員 運営においてうまくやっていくというのは、人がかわればどんな運営でもできるのです。国会でそんな運営に期待して論議をするようなことは――これは制度ですよ。これは基本的制度の変革なんです。恒久的効力を持った法律なんです。それを運営において心配ないという答弁ではわれわれはどうにもならぬ。
#225
○坂田国務大臣 制度とか法律とかいうものの前提となりますものは、やはりその自主制なり特殊性というもののいままでの慣行というものが重視されるべきものだというふうに考えるわけでございます。そういうような考え方というものは、どなたが大臣になられようと、政府になられようと、変更するものではないと私たちは思っております。ですから、その限りにおきまして、これが総定員法に含まれておるから、変更があるかどうかという点については御心配になるようなことはないというふうに私どもは考えるわけでございます。
#226
○山中(吾)委員 運営において心配ないという答弁を繰り返しておっても、国会の立場なんというのをわからないで論議をしておるのでは困るのです。何となれば、あなたも国会議員なんだ。われわれは、各省各省の特殊性を考えて、その事業費及び定員を考え審議をしてきておる。あなたいなかったからいま一度言いますけれども、国家行政組織法に基づいて各行政組織における事務の範囲、権限は法律で定める、それの裏づけになるところの定員は法律で定めるという二つの柱があって、そうして国税の非常に大きい部分を占め、行政も人であるから、そういう点も考えて、これは行政権に委任すべきものでない、国会が審議すべきものであるという思想を貫徹をして、そうしてこの各省の定員というものが立法事項として論議をされてきた。それを立法事項から取って行政権に持っていくということなんですよ。これは、われわれが、そういう各省の権限事項その他というものを論議し、しかも予算の編成のしかたは各省ごとに出されて、出たものは各省の長官が責任を持ってやるときに、定員だけは政令にゆだねてくる、そういうたいへんな変革なんです。国会からいったならば、そういう意味の、審議権を空洞化するものであり、行政権というものがある意味において立法権よりも優位に立つような内容さえ持っていく危険性がある。そういうことを一般論として私は論議してきた。その上になおかつ文部省の定員というものは、学校の定員なので、学校の定員というものは、これは学校の生命体なんだから、事業と違って一定の期間になくなったり消えたりするものではないのだ。しかも大学の教官というものは、これは一つの長い学歴を積み重ねて他にかえることのできないような人員なんですから、これは文部大臣がこの点について絶対権限を持って定員を確保するという体制を当然主張しなければならぬと私は思うのです、制度的にですよ。あなたは、私のおる間はなんということではならないのです。そういうことを考えて、少なくとも文部省の定員についての特殊性を国会に訴えるだけの考え方、思想があなたにはないのですか。
#227
○坂田国務大臣 したがいまして、この総定員法というものを一日も早く通していただきますと、御心配のようなこともないし、また国会でこういうような御議論があったということは、行政当局においては十分に踏まえて運用をはかるというわけでございますから、いささかも前と変わりないというふうに御理解いただきたいと思います。
#228
○山中(吾)委員 文部大臣の答弁は、もっと文教行政の専門家である文部大臣なるがゆえに、何か格調の高い識見でも出ると思ったが、少しもお出しにならない。いろいろの事情があるかもしれないけれども、そんなことで私は文教行政の自主性は確保できないと思うので、まことに遺憾である。それから何らの根拠もない、何らの措置もしない幽霊教授を数百名残しておって、そして国会の審議を期待をしておるということはまことに遺憾であります。そういうふうな態度をもってくるから、国会が自主的にこれを是々非々に理性的に判断をしてこの法律をどうするかということが、あとになって何でもかんでもむちゃでも通すというムードをつくってくるのです。先ほど言ったように、この法案の中で各省の定員を法定する、法律に切りかえることはいつでもできる。私は、そういう意味において、この法案についての文部省の責任を厳重に追及しておきたいと思うのであります。
 委員長に申し上げますが、委員長もお聞きになっておられたと思いますけれども、私は、何の偏見もなしに法律的立場とそれから政策の立場とこの法案の提案の動機と法律の性格の矛盾を、私なりに相当いろいろと考えて質疑をしたはずであります。政府においても、いろいろ答弁された中にずいぶん矛盾がある。その矛盾を解決するのには、まだまだ時間がかかりますが、そういうことで委員長も聞いておられたと思いますが、この法案というものは、やはり慎重に審議をして、欠点というものを国会議員としては十分に認識をして、そうしていたずらに強行採決をするとか、無理押しをするというふうなことをいつも頭に置いていまから準備をしておるようなことはおやめになって、やはり白紙になって審議をして、後世に悪例を残さないように――一たんこの法律ができると、必ず欠点が出るのです。また戻ってくるのですから、この組織法の関係の歴史を調べてもおわかりのように。それを私は、ここで時間がなかったから解明をしなかったのでありますが、慎重におやりを願いたい。委員長の御意見を聞いて、私の質問は終わります。御意見をお聞きします。
#229
○藤田委員長 山中吾郎委員から委員長の所見を聞かれましたので、端的に申し上げます。
 委員会の論議を通じて問題点を究明し、浜田委員にも申し上げましたとおり、全国民に納得いくような姿でこの法案を国会採決に持っていきたい。ただ、長年にわたる懸案でもありますし、時間の関連を念頭に置きながら、無理押しをしない体制で採決をしたい、これだけを申し上げておきます。(拍手)
#230
○山中(吾)委員 終わります。
#231
○藤田委員長 次に、角屋堅次郎君の質疑を許すわけでありますが、質疑者に申し上げます。長谷川農林大臣は、やむを得ない外交職務のために五時二十五分に退席をさせていただきたい。ひとつそれを念頭に置いて農林大臣の質疑を進めていただきたいと思います。角屋堅次郎君。
#232
○角屋委員 私は、同僚の浜田、山中両委員の質疑に次いで、総定員法の問題について質問をいたしたいと思います。
 いま委員長が言われましたように、長谷川農林大臣からも、日ソ漁業交渉の関係で、二時間の予定の質問の半ばで行かなければならぬという話を承りました。大体話からいくと、荒木さんや床次さんにやってから農林大臣と、こういかぬと回転のしにくい点があるのですが、これは外交の問題でもありますので、了承いたしまして、順序が逆転いたしますが、農林大臣から少しくお伺いしたいと思います。
 いずれ農林省設置法の一部改正が出た際に、農林省関係の機構が関連した問題について詳細に質問をいたしたいと思いますが、最初に日ソ漁業交渉の話が出ましたので、私、日ソの漁業交渉の問題で少しくお伺いをしたいと思います。
 御承知のように二月の六日から日ソのカニ交渉が行なわれましたが、非常に難航いたしまして、最近ようやく話し合いがついた。本来ならば、藤田首席代表以下の代表団で日本において行なわれる漁業委員会の交渉にも引き続き交渉してもらう、おそらく大臣はそういう腹案であったかと思いますが、私はことによったら、新しい代表団を選ばなければならぬのじゃないかというようなことを農林省の諸君にも言っておったのですけれども、やはりそういう事態になったわけですが、この日ソカニ交渉がどうしてこう難航したのか、そうしてあらましどういう結着になるのか、さらに数日来開会をされております日ソの漁業交渉に臨む農林大臣としての基本的な考え方、こういうものについて、まず簡潔に御答弁を願いたいと思います。
#233
○長谷川国務大臣 カニ交渉は、御指摘のとおり二日から始まっておるのでございますが、申し上げるまでもなく、大陸だな条約というものができまして以来、ソ連、アメリカが定着性のものはその中に入るのだ、こういうようなことで、鉱物資源あるいはコンブだとか貝類だとか、こういうようなものを指定し、その中にさらにカニも定着性のものであるから当然入るのだ、こういうことでアメリカ及びソ連が、これらを主張して、そうして日本の締め出しを考えていると私ははっきり申し上げなければならぬと思います。
 そういう中でありますので、本年は相当むずかしい問題でございますので、その意味も十分含めまして、藤田代表によくこらえてもらって、そうして何が何でもわがほうの主張するカニは定着性のものではないのだという主張を貫いてもらいたい、こういうようなことを申し上げておったわけでありますが、御指摘のように、なかなかこの問題の解決がつかずにおりまして、きょうあたり、新聞ではだいぶ交渉の結果が上向きというか、前向きに変わってきた、こういうようなお話もございますけれども、やや好転はしてまいりましたけれども、今日まだはっきりしたものとなっておらない。そこで、さらにまたこちらからぜひがんばってくれなければ困るということで、ぜひがんばってもらいたい、こういうようなことで、わがほうの主張は絶対曲げてくれるな、あくまでこれは主張は主張とし、それの貫徹を期してもらいたい。それがわがほうの言い分ばかりでなくて、御承知のような北海道の漁民というものも非常な心配をしておるときでございますので、その目的を貫くために、なかなか折り合いがついておらないのですが、何か幾ぶん目鼻がついたような感はありますけれども、これらはまだはっきりした通報をいただいておりません。
 でございますから、これからさらにその問題と、今度は御承知のように、私がこれから行かなければならない日ソ漁業交渉の問題等に対しましては、わがほうのその目的は、何が何でも貫きたい、そういうことで、おとといもお会いをいたしましたし、きょうもこれからお会いをして、そうして逐次その目的を達するために努力を傾けるつもりでございます。
#234
○角屋委員 詳細の問題は水産庁の長官も来ておりますから、後ほど関連をして、またお伺いをします。
 行政管理庁長官にひとつお伺いしたいのですが、各省設置法の中で経済企画庁、法務省、外務省、大蔵省、これらのところには、経済企画庁の場合には参与として五名、外務省の場合には顧問に十二名、参与に十名、法務省には特別顧問として三名、大蔵省の場合には顧問一人、参与一人、これが設置法の中で正式に認められておるというのを承知しておりますが、ほかのところは顧問、参与というものを特に設ける必要はない、いま申したようなところに特に設ける必要があるという特別の理由があるのかどうか。私はこういうものを設けることの是非というのは、議論がもちろんあると思いますけれども、しかしそれは別にして、たくさんの省の中で、こういう特定のところに特別顧問あるいは顧問、参与というものが設置法上認められておる。そういう点で、どういうふうに行政管理庁としてはお考えですか。
#235
○荒木国務大臣 お答えを申し上げます。
 例示されました顧問、参与というものは一般職の公務員ではございませんので、その省庁独自の見解に立って、その必要性を認め設置しているものと存じます。行政管理庁といたしましては、行政組織上の課題として受けとめておりませんことを御了承願いたいと思います。
  〔「委員長、定足数がない」と呼ぶ者あり〕
#236
○藤田委員長 ちょっとお待ちください。−荒木行管長官。
#237
○荒木国務大臣 先ほどお答え申しましたのは、ちょっと舌足らずでございましたから、補足させていただきます。
 例示しながら御指摘なさいました参与とか顧問等の問題は、さっき申し上げたように、常勤の一般職の公務員ではございませんので、定員管理の立場からの行政管理庁の関与事項ではございません、こう申し上ぐべきでございました。ただし、各省設置法に載せられるものもあるわけでございますから、そういう場合には協議を受けております。
 以上、補足お答え申し上げます。
#238
○角屋委員 私はいま例示しました各省の顧問あるいは参与、特別顧問、こういうものがそれぞれの省に必要であるとか、あるいは任命されておる人々が適任者であるとかという議論をしておるのではございません。農林省の関係とのことで私は思うのでございますが、日ソ漁業交渉とかあるいは日米加の漁業交渉とか、いろいろ国際漁業の関係では交渉が毎年行なわれている。そして通常民間の代表が首席に選ばれるというようなことがございます。それからFAOの国際会議というような場面にもやはり民間の人を起用しなければならぬというようなことも起こります。私はこういうものを農林省に何名設けるか、あるいは設けることの是非というものは議論としてあると思いますけれども、やはり通産省や農林省というものは経済外交的な性格を一面持っておる。しかもまた民間の、いわばそういうものに適したエキスパート等とも日ごろから接触を密にするということも必要であろうというふうなことを考えてまいりますと、各省にそういうものがなければ別ですけれども、経済企画庁、法務省、外務省あるいは大蔵省というところにそういうものが設けられるとするならば、農林省もすぐとは申しませんけれども、これからのやはり開放経済体制の中で、日本の国際漁業の面でのいろいろな問題を切り盛りする、あるいは農政面のいろいろな問題を切り盛りするという面で検討されてはいかがかというふうにも思うわけですが、農林大臣いかがでございますか。
#239
○長谷川国務大臣 ただいまモスクワに行っております外交を行なわれておる方々、これらの代表あるいは代理、随員のほかに顧問等も委嘱してありますが、これはあなたの前で申し上げるのはおかしな話ですが、言ってみれば一応顧問は解消されております。だからおっしゃるような学識経験者というのは常時そのような顧問を置いてもらうということもけっこうですけれども、非常にやはり幅が、たとえば漁業一つの問題につきましてもいろいろな種別があり、他に農産物一般にいたしましてもいろいろ果樹もあれば米穀もある、雑穀もあるというようなことになるわけですから、それに対するところの顧問を一々置くということもたいへんだと思います。しかし、そのつどそのつどそのような顧問団というものを一応つくりまして外交の折衝に当たっております。今後の問題とおっしゃいますが、今後もやはりそのような学識経験者等々は何といっても必要でございますので、いまのようなあり方をもって今後も進むことのほうがかえって効率的ではないだろうか、このようにも考えております。
#240
○角屋委員 大臣、必ずしも私の意味を的確にとられたかどうか。たとえば、日ソ漁業交渉では藤田さんがずっとやっておられる。次にだれを選ぶかということになると、すぐ浮かばない。もちろん業界にもあるのでしょうけれども、それで森沢君を首席代表に選ぶというようなこともあるわけです。私は果樹の野菜の、そんなことを言っているのじゃないのです。いわば国際の経済外交的な面あるいは総合的に日本のそういうものを大所高所から農林大臣に意見を言い得る立場というようなことで言ったつもりでございますが、これは各省の例にもあることでございますから、運営の実態を見て御検討願いたいと思います。
 それから、これはやはり農林省の行政機構を考える場合にも、定員を考える場合にも、農政上大きな問題として関係委員会でも議論をされております食管会計の問題について専門的に触れるつもりはありませんが、若干お伺いしておきたいと思うのです。大臣は私の予算委員会の質問のときに、米審の任命あるいは生産者米価の決定の時期については御答弁があったわけですけれども、その後一向に米審の任命もされない。先ほども幽霊定員の問題が出ましたが、現に問題のあったいわゆる中立米審と称する諸公は、もう任期は終わっているのですね。にもかかわらず、新しい委員の任命が新しい構成でなされないでそのままに遷延している。これは一体いっどうするつもりか。もちろん農林大臣としては国対委員長当時の経緯もございまして、生産者代表、消費者代表も含めて今年度は新しく構成をする、これは食管に対する新しい問題を提示した政府の責任からいっても、またこの問題については関係者に十分議論をしてもらうという姿勢が、民主政治の立場からも当然必要だと思うし、そういう心がまえだろうと思うのですが、それをいまだに任命されない。あるいは生産者米価の審議の問題についても五月中にはやりたい、六月にこえることはないという私に対する答弁がありました。米審任命がおくれておる経緯からいきましても、これは一体現時点でどう考えているのかということをあらためてお伺いせざるを得ないのですが、その点ひとつ大臣の所信を明確にお答え願いたい。
#241
○長谷川国務大臣 米審の委員の任命を早めなければならぬということはよくわかっております。しかし何といっても国会開会中でございますので、予算委員会に毎日朝から晩まで出席しておるのでほとんど余裕がなかったのです。したがって一日まで待って、やっと予算委員会が終わってまだ三日目でございますので、ぼちぼち本格的に始めなければならぬ。今後どう進めるかということでやっと省内で話が始まり、まとめ、これからの方向を進めたわけでございますが、御指摘のようになるべく早目にということでもございますし、大体五月じゆうには米価審議会の委員の任命も行ない、同時に米審を行なう考えでございます。
#242
○角屋委員 米審の任命は五月中にするのですか。四月はまだだいぶあるのですが、どうなんです。
#243
○長谷川国務大臣 でき得るならば四月中にはぜひ米審の任命を行ないたいと思ってはおりますけれども、また間違うとおしかりを受けるようなことがあるといけないので、少し延ばしたわけでございまして、気持ちは四月中に米価審議会の委員の任命は行ないたい、五月に米審を開きたいというのが気持ちでございますけれども、またはっきり言い過ぎてしまっておしかりを受けるようなことがあってはいけませんので、五月と申し上げたのであります。私の考え方はただいま申し上げたようなことでございます。
#244
○角屋委員 米審の任命は新しい構想でやるということは、大臣としても間違いございませんか。
#245
○長谷川国務大臣 昨年の経緯もございますので、十分これらを勘案いたしまして、そのような方向に向かって進みたいと考えております。
#246
○角屋委員 行政管理庁から昭和四十四年四月に、食糧管理行政に関する行政監察結果に基づく勧告というのが出されて、当時新聞でも批評が出たのですけれども、まず行政管理庁のほうに、大体どういう手順で結論をここへ持ってこられたのか、事務当局でけっこうですから、ひとつ御答弁願いたいと思います。
#247
○岡内政府委員 昨年の四月に食糧管理行政の改善をはかるということを目的にいたしまして監察を始めたわけでございます。その当時いろいろの項目を考えまして実施をいたしましたが、監察の実施途中におきまして、食糧庁のほうにおきまして非常に積極的に改善を進めてまいりましたので、したがいまして当初目的といたしました監察項目の中で改善が完了したというものがかなりございます。結局その残ったものをここにまとめて改善の勧告をした、こういういきさつになっております。
#248
○角屋委員 これは食糧庁長官でけっこうだと思いますが、今月早々ですからまだこれから検討の段階だと思いますけれども、すでに検討を開始されたのでございましょうか。この問題の処理について、まず事務当局から。
#249
○桧垣政府委員 行政管理庁の食糧管理行政に対する勧告の内容は、ごく最近私ども手元にちょうだいをいたしたのでございまして、ただいま検討に着手をいたしたばかりでございます。ただ拝読いたしますと、今回の勧告は一見米の集荷から消費者に至るまでの流通関係を中心に勧告をいただいたようでございます。現在の需給事情のもとで食糧管理の効率を高め、経費の節減をはかるべきであるという趣旨が貫かれておると私どもは受け取っております。中には、私どもとしては現段階において直ちに勧告の線を実現することには問題があるというようなところもございますけれども、総じて御指摘の点についての基本的な方向は、私どもも勧告の趣旨としてすなおに受け取るべきものであろうかというふうに思っておりますので、各項目にわたりまして、詳細に私どもとしてはどう考えるか、またどういうふうに進めていくかということを文書をもって行政管理庁のほうに回答を申し上げ、また誠実にその実行に当たりたいというふうに思っております。
#250
○角屋委員 食糧庁長官はうなずける点も相当あるという話でございましたが、私が実際内容を見てみると、行政管理庁というのは行政官庁ではあるけれども、実際に専門的な点については少しマスコミでも批判があったように、たとえば県間輸送における交錯輸送の北海道米その他を中心にした議論であるとか、あるいは買い入れにおけるところの抽出検査等の方法論の問題であるとか、あるいは等級区分についての等級整理の問題であるとか、あるいは銘柄というような新しい問題にこれまた食糧庁は取り組むわけですけれども、そういう全体の問題を専門家から見ると、いろいろ内容にしろうと議論があって、実態としてはこれをそのまま受けられぬ点が率直にいって相当にある。だけれども、大臣ずっと並んでおる中で桧垣さんそうは言えないので、いまごもっともな点が相当あると言われたのじゃないかと思うのですが、私は大臣がもうあわてていますからこの内容についてこまかく触れる気持ちはありませんけれども、取り得べき点はこれは率直に取り入れてけっこうだと思いますが、やはり実態に合わない点はこうこうこういう点で実態に合わない、こういうさばきをやられることが必要ではないか。やはり農政の根幹をなす食管の問題についてはそういう立場でこの問題の整理をすべきじゃないかと思うのですが、農林大臣いかがですか。
#251
○長谷川国務大臣 私もただいま来るときにこれを渡されて歩きながらいろいろお話を聞いただけでよくわかりませんけれども、このままうのみにはなかなかできないじゃないかといま言ったばかりで、まるっきりうのみにするだけの資料でもないじゃないか、はっきりこの点だけはしてそして説明をつけたほうがいいよ、こういうようなお話を申し上げておきました。ただいませっかくの勧告でございますので、十分に尊重はいたします。
#252
○角屋委員 食管の問題に関連して予算委員会でも取り上げた例の韓国への米の問題、あるいは沖繩への米の問題で総務長官は数日中に行かれるわけですが、総務長官、農林大臣、大蔵省等でいろいろ内々に大体こういう方針で沖繩に行って屋良主席にも話そうということが報道されておるわけですけれども、これはむしろ沖繩担当の総務長官のほうが適当かどうかわかりませんが、どういうような方針で沖繩の米問題を処理されるのか、お考えをひとつ出していただきたいと思います。
#253
○床次国務大臣 沖繩に米を出します点はその大綱だけ今日話し合っておる次第でありますが、御承知のごとく沖繩におきましては沖繩の自産米というものはきわめてわずかで、消費は全部で年九万トンでございますが、自産米は一万トンであります。あと八万トンはアメリカあるいはオーストラリアから輸入しておるのが現状であります。したがって、本土において余裕があります米を活用いたしましたならばこれは活用する余地があるのじゃないか。いわんや、その売り上げ代金というものを活用いたしまして将来の産業の開発基金に使い得ればなおよいのではないか、かような構想のもとに考えておるわけであります。ただ、私どもといたしましても、食管の米を活用するにつきましても、これをいわゆる沖繩援助費と一緒にいたしましてそれを出したから援助のほうを減らすというような考え方を持つべきじゃない。しかも、条件から申しまして、韓国と沖繩とは基本的に違うのであります。この点は沖繩の条件というものを十分考えて、韓国よりもより有利にと申しますか、親切な考え方を持つべきである、基本的にかような原則を考えておる次第であります。
 なお、先ほども申し上げましたように、現在、アメリカあるいはオーストラリアといわゆる商業ベースによって商売をいたしておるわけであります。いきなり切りかえるということにつきましても問題がありまして、現在の事情を聞いてみますと、来年の二月までは手当ては済んでおるようであります。いまからただいま申し上げましたような原則のもとに具体的に話し合って、将来の必要量と申しますかそういうもの等につきましても具体的な話をしてまいりたい。また手続的に申しましても、今日の食管会計並びに本土の予算のあり方等から見まして都合のいい方法を検討いたしたい。具体的な方法は今後において確定いたしたいと考えておる次第であります。
#254
○角屋委員 食糧庁の長官に、食管会計上の予算的な処理のしかたは韓国の米の問題、沖繩の米の問題はすでに検討が終わったわけですが、どういうふうに処理されるか。
#255
○桧垣政府委員 韓国への米の貸与につきましては、かねて御説明を申し上げましたとおり、すでに結論を得まして実行をいたしておるのであります。韓国の場合はわが国の米と等質の米の生産が行なわれる国でございますから、したがって食糧管理法七条の規定に基づく「貸付」という条項を援用いたしまして、政令整備の上現物貸与方式ということで処理をいたしておるところでございます。
 沖繩につきましては、総務長官からいまお話がありましたように、現物貸与方式ではいろいろ難点がどうも多過ぎる。その点はやや七条の援用に難点があるということでございますし、またこれは多少私としては言い過ぎになるかもしれませんが、韓国の場合は私どもとしては現在の日本の食糧管理制度における過剰米処理の自主調整方式の一つの方式という考え方をとったのでございますけれども、沖繩への米の供与についてはそれ以上の何がしかの意味を持っておるのではなかろうかということでございますので、私どもとしては韓国への現物貸し付け方式というものと違った何らかの手段をとる必要があるであろう。必要があれば立法措置を考えていくべきではなかろうかというふうに思っておるのでございます。
#256
○角屋委員 今度は農林大臣にお伺いしたいのです。
 御承知の四十三年八月三十日閣議決定ということで「各省庁別定員削減目標について」というのが、総定員法に関連してだと思いますが、一応閣議決定という形をとっておるわけです。この定員の中を見ますと、農林省はこの資料によれば定員六万二千百三十九名が五千八十七名の削減ということで、各省の中では実に気前よく削減を出しておられるのです。これからなかなかむずかしい農林行政を推進していくという立場で考えると、これは三カ年で五%というのに、農林省は八%以上の拠出の数字を出しておられますが、一体こういうことで農林行政のこれからの難局を打開してやっていけるということで一応これに応じておるわけですか。基本的な考え方をひとつ聞いておきたい。
#257
○大和田政府委員 三年に五%の定員の削減につきましては、御指摘のように農林省の場合には五%より高いわけであります。農林省の場合より高い省庁をほかに求めますと二、三ございますけれども、まあまあ高い。これは五%ということでございますが、職種によりましてウエートも現実に各省でつけておりまして、教員でございますとかあるいは船員でございますとか研究職等々削減のウエートが少ないものが農林省あたりでは少なかったというのが実情でございます。この問題につきましては、私ども行政管理庁と相当長いこと折衝をいたしましてこういう形に落ちつきまして、まずこの定員をもって今後の農政の推進につとめるという覚悟でございます。
#258
○角屋委員 農林大臣からひとつ……。
#259
○長谷川国務大臣 これから新たなる総合農政の推進にあたりまして、まさにそのとおりではございますけれども、これらの面を少なくとも動員し、そしてあらゆる努力を払って邁進をするつもりでございます。いまお話しのように、現業に携わっておる部面というものはそのパーセントは高いけれども少ないというようなお話でございますが、他と比較してみて、まさに数字はそうでありますけれども、それほどの大きな影響のないような方法で今後の推進を行なっていくように努力をいたしたいと考えます。
#260
○角屋委員 これは四十三年八月三十日閣議決定ということで、一応削減目標をきめられた形になっておるわけですが、これは総定員法の今後の議論の中で十分勘案をされると思いますけれども、しかもこういう総定員法という形式が通るかどうかそれ自身も、基本的にはわれわれは反対であるし、問題であるわけですが、行政管理庁長官にお伺いしたいのですが、行政管理庁としては各省庁別定員削減目標、こういうことできめられましたこの閣議決定の線で政令決定の基本は行こう、一応そういう腹案で、総定員法がもしかりに通る場合には考えておるわけですか。いかがです。
#261
○荒木国務大臣 今後の年度の推移によって具体的な変動はあるといたしましても、いま御指摘の線に沿って、それが基本になって動いていくということと御理解いただきたいと思います。
#262
○角屋委員 さらに農林大臣に、あと五分ぐらいで行かれるものだからいささか困るのですが、お伺いしておきたいのですけれども、農林大臣、食管の関係では、これからの大きな問題として、自主流通米が突破口になりますと、間接統制をやるのかどうかというふうなことが数年越しの、これからの大きな問題に予想されるわけです。農林大臣としては食管問題についてどういう考え方を持っておられるか伺いたい。
#263
○長谷川国務大臣 食管法というのはあくまで維持をしてまいります。ですからそれを変えようなどという考え方は毛頭持っておりません。
#264
○角屋委員 消費者米価の決定の問題で、物価統制令の点については、政府の管理にかかわる米については物統令をはずさないということをきめたわけですが、世上、これは過渡的なものであって、いずれ早晩政府の管理にかかわる米についても物統令をはずすんだ、こういうことが事務当局の構想として伝えられておるわけですが、大臣としてはどう考えておられますか伺っておきたい。
#265
○長谷川国務大臣 物統令ははずす考え方は毛頭持っておりません。
#266
○角屋委員 米の作付転換問題、例の一万ヘクタールの最近の段取りがどういうふうに進んでおるのか、あるいは土地改良の開田の抑制というふうなのはどういう手を打っているのか。いろいろ問題はございますが、それと関連して、例の土地改良長期計画というのを改定しなければならぬということがいわれておるわけです。どういう段取りで、いつそれらの改定の作業は終わるわけですか。
#267
○大和田政府委員 土地改良の長期計画につきましては、新しい事態に立ちまして圃場整備あるいは草地の改良、畑地の改良等々現在の計画よりもさらに推進すべきものがございます。一方、開田についての相当程度の抑制等、新しい事態がございますので、四十四年度におきましては改定の調査に関する予算も組んでございますので、四十四年度において相当この問題を前進させるつもりで現在やっておるわけでございます。
#268
○角屋委員 農林大臣非常に重要な外交折衝を控えられて落ちつかぬといけませんから、そのほうがまた一つの重要な任務だと思いますので、退席されてけっこうでございます。
 農林大臣が日ソ漁業交渉の関係で前後いたしましたが、もう一度行政管理庁長官以下に、行政機関の職員の定員に関する法律案に戻しましてお尋ねをいたしたいと思います。
 先ほど山中さんとの議論の中で、いま総定員法がかかっておるわけですけれども、文部省のいわゆる国家行政組織法十九条の二項、あれがいわば宙に浮いておる。違法状態にある。だからこそ総定員法と与党は言われますけれども、しかし、これはまた別個に取り扱う方法が当然できるわけであります。
 この際法制局にお伺いしたいのでありますが、総定員法がいま出されておる、こういう文部省の大学の教官等については、緊急事態も事実出ておる、違法状態である。そこで文部省設置法の一部改正という形で緊急事態を処理する法律案を提案をしてこれが処理をされるということは、国会の一事不再議とかいろいろな議論はございますけれども、これは別に国会でそういう処理のしかたをすれば問題はないということだと思いますが、法制局としての見解を承っておきたいと思います。
#269
○田中(康)政府委員 この問題は事務的な問題もございますが、大きくは内閣全体の問題だと思います。国会といいますか、こういう合議体におきましては当然原則として一事不再議というのがございまして、同一の会期内に同一の、同一のといいますか同じような法律案なり案件を出すことは一応できないというふうになっております。それを犯してまで、いま御提案の文部省設置法の一部改正というものを出さなければいけないといたしますと、少なくともただいま出しております総定員法を修正をするかあるいは撤回するかいたしまして、文部省設置法の一部改正を出さなければいけないという形に相なると思いますが、そうなりますと、少なくともそういう法律を提案いたしますことは、内閣の提案権としてなすべきでございますが、内閣の問題となりますので、われわれ事務当局だけではいかがにもなりません。しかして、そういうことになりました場合に、しからば事務的にどうであるかと仰せられますと、事務的にはいま言ったようなことは可能なものもございますし、不可能なものもございます。かようなことでございます。
#270
○角屋委員 先ほどもあなたにも、ちょっと法制局の見解を以前にもお伺いしたのだけれども、要するに、いま出しておる総定員法の関係の中身についてある程度の修正なり何なりをやり、別個に文部省設置法の一部改正を出せば提案としては可能であるし、そういう処理のしかたはできるというふうに話を伺っておったし、いまの後段の点はそういう意味のことを言われたものだと思いますが、そういうふうに理解していいわけですか。
#271
○田中(康)政府委員 全面的に撤回をいたしまして出し直しますればこれは一番いい道でございますけれども、それは不可能に近いと思います。そこで、ただいま御提案になりましたようなことがございますが、これはやはり内閣の法律提案権の権限に属することでございまして、われわれ事務当局がとやかく言うべきものではございません。かように考えておるわけでございます。
#272
○角屋委員 さっき山中さんが議論をしておった議論と関連をするのですが、これは行政管理庁の長官の関係ですが、御承知の最初は行政機関職員定員法という形で定員の問題を取り扱ってきた。それから各省設置法の中で、今度は個別に定員法問題を取り上げてきた。今度は総定員法という形で一本にして、しかも行政機関職員定員法のときは、これは大臣御承知のように、第二条で、さっき山中さんが言ったように、各行政機関の職員の定員ということで、第二条では、「各行政機関の職員の定員は、左に掲げる通りとする。」ということで、各省ずっと出てくるという形をとったわけです。そういうことがいわゆる政令決定を内閣にゆだねるより、国会のいわゆる各省別の議論の場もあって審議を尽くすという点で、従来の各省設置法の中で議論するというのが、われわれ一番望ましいと思うのです。一本の法律でやるという場合には、最少限そういう形式をとってやるべきではないかと山中さんは議論をされておるわけです。これは例がないわけであって、従来はそういう形式をとっておる。特に従来もとっておった行政機関職員定員法の第二条で、各省の定数をあらわすという形を避けて、そして総定員だけを最高きめて、あとは政令でやろうという、そういうことの特にねらいと目的は何なのですか。
#273
○荒木国務大臣 午前中来お答え申し続けておることの繰り返しになるかと思いますが、現実問題といたしまして、各省設置法ごとに定員を定めるという方式になりまして以来の今日までの実情は、行政の需要とサービスの関係が不均衡になっておりましても、ただ増員の必要なときだけが提案されるということを離れまして、現実がそういうことでございます。ところが国民的立場に立てば、要らなくなったものは、要るほうへ配置転換でもして活用したらどうだというのが、率直な気持ちかと推察するわけでございます。ふえるだけふえて、減らすべきほうが一つも減らないという積み重ねが、行政機構内の定員について、硬直化しておると指摘される課題がありますが、要は、ほんとうに国民のための行政の立場からする、サービス本位に定員を予算の範囲内で活用してまいるということが、行政改革の課題の第一歩としてぜひ必要であろう。その求めに応ずる意味におきまして、立案しましたのが、今度のいわゆる総定員法といわれる、御審議中の法案でございます。
#274
○角屋委員 ぼくは荒木さんの言うこと、わからないのですね。各省のセクショナリズムということを、先ほどの浜田委員や山中委員の中でも盛んに大臣言われたのです。これは現在の佐藤内閣ということで、大臣をそれぞれ同じパーティの中で選ばれてやっておるわけでしょう。われわれが閣内協力をしておるわけでも何でもない。いわゆるチーム・ワークをなしておる。各省設置法でやったら、総定員の関係がうまくいかぬ、同じ内閣、同じそのもとでの各省の高級官僚以下、役人がおって、政令でやればうまくいく、そういうふうな言い方をしているように受け取るのですけれども、私は率直に言えば、国会という関門というのをもうくぐらないという形で、内閣が総定員の中で、各省の割り振りが自由自在にといっては語弊があるけれども、要するに政令でできる。こういうところをほんとうはねらっておるのであって、各省のセクショナリズムとか、定員の全体的な国民的立場から運営が云々というのは、これは私はあとからつけた理屈じゃないかと思うのですね。どうなのですか。
#275
○荒木国務大臣 再々申し上げましたが、いまおっしゃるような考えは、一つもございません。現実問題にからんできますと、さっき申し上げたようなことになりますが、すなわち各省設置法でまいりますれば、要、不要、緩急の度合いに応じての措置が事実上困難であるというだけでありまして、何も国会の御審議をずらかろうなどという考えは毛頭ございません。と申しますのは、定員の最高限度を押えておきまして、実際は各省ごとに政令で定めますけれども、定員がきまることに相なるわけですが、行政需要の多いところにはプラスをするであろう、そうでないところにはマイナスするであろう。プラス、マイナスが同時に行なわれる。もしくはプラスだけのこともありましょうし、マイナスだけのこともあり得ると思いますけれども、そのプラスマイナスの関係の限度は、国会でおきめいただいた最高限度の定員をオーバーすべからずということにおきめいただいて、毎年毎年予算として御審議願いますので、政令で定めました定員は、前年度に定められました予算の範囲内において政令できまったもの、あるいはプラス、マイナスしましたもの、そのものが予算として御審議願うことに相なるということでございまして、プラス、マイナスしましたことそれ自体を、その瞬間に国会で御審議願わないで、予算として御審議願う。しかもそれをかってにやるわけにまいらない。最高限度これ以上に出るべからずというおきてを定めていただいて、国会で慎重に御批判をいただき、御審議をいただく。こういうことに相なるわけでございまして、毛頭各省設置法でいきますとめんどくさいからという考えは、制度面としては持っておりませんことを繰り返し申し上げさしていただきます。
#276
○角屋委員 この点は、大臣が百万べん言われても、そういうふうであるというふうに信用するわけにいかぬ。同時に、さっきいわゆる公務員の定員と給与とがうらはらと政府は言ったということで、うらはら議論がございましたが、私は機構と定員とが一体のうらはらの関係であって、農林省なら農林省、文部省なら文部省の設置法が出てくる、それと関連をして人員がこれで十分なのか、あるいはこちらへ回したほうがいいんじゃないかというのであって、給与というものは別個の問題ですね。だから、そういう認識のしかたを全大臣が持っていたとすれば、これもおかしいのであって、要するに一体論とかうらはら論をいうならば、機構と定員の問題がやはり一体論として議論をされるということなんでしょう。だから、各省設置法というものは依然としてあるのであって、本内閣委員会には、各省の設置法は機構の改変があれば出てくる。しかし一体それに対してどういう人員の裏づけをするのかということは、内閣が政令できめるんだという別個の状態になる。こういうことでは行政機構が、国会で機構を議論したことに基づいて運営されていくかどうかという、そういう一体化の議論にならないじゃないですか。むしろそういう点では、私はどう大臣が言われても、私もかつて内閣委員会におる当時に、経済企画庁だったと思いますが、技術アタシェの一名の増員の問題で、やはり経済企画庁からそれを出しておかなければならぬという手続上の問題がございました。しかし、それは議論をして賛成であれば、しかるべく処理をされるということであって、機構の改変が出てくるときに人員がどうなるかという点が一体として出てこないというところに、むしろ私は基本的に問題があると思う。だから総定員を、いわゆる総定員という形で内閣が握って、各省別にいわゆる行政権限として、自由自在に使えるんだというところが、私は基本的に問題である、こう思うわけですが、いかがですか。
#277
○荒木国務大臣 現行法のもとのこの制度は、動かすべからずというたてまえで御議論なさいますれば、むろんお説のようなことに相なると思います。それもいままでやってきました一つの考え方であることには間違いないのでございますが、元来予算で定まり、それが各省庁ごとの設置法で、定員の配分がいわば行なわれるというやり方では、実際問題としてぎこちなくなりまして、国民のために機動的なというか、軽重に応じ緩急に応じての定員の配置ということと結びつかない。これは今日までの経験から見まして事実でございまして、それならば何とかそれが増減――それぞれ良心的に考えなければならぬことは当然でございますけれども、個々の問題としてではなく政府全体として国会を通じて国民に責任を持つという考え方に立って、通称総定員法の考え方こそが、内外ともに変動します要素がそれぞれございますから、行政環境に影響を及ぼす諸条件がございますので、それを冷静に客観的に合理的に判断をいたしまして、政府全体がそれぞれの省庁のごとはもちろん、全体としましても国民の期待にこたえる、そういうことも一つの考えであり、むしろそれが国民本位に考えればいままでよりはベターではなかろうか。しかしそれは国会で一々の省庁ごとに御審議願わないことになるので、国会の審議が無視されたことになりはせぬかというお説もございますけれども、それは形の上で一見そう見えましょうけれども、全体から見ますればその配置転換等が合理的に妥当性のある転換が行なわれます限りは、従来の制度に基づいてやりますよりもより国民的なものになるであろうことがいま申し上げたようなことで御理解をちょうだいしたいと思います。そのことを予算という課題を通じて国会で御監督いただき御審議をちょうだいする、そういう制度が変わることを前提として申し上げますと、私が先ほど来申し上げておるようなことに相なろうかと思うのであります。御審議願う法案としての形は出てまいりませんけれども、国会の行政府に対する国民にかわっての御監督なり御調査というものにはいささかも影響のない結論が、より国民的にベターであるという点を御理解をお願いしましてすみやかに御決定願いたい、こういう考え方でございます。
#278
○角屋委員 行政管理庁長官が百万べん言われても、そのほうがベターであるという考えは私は持ちませんね。
 そこで、総務長官にお伺いしたいのですが、御承知の総理府設置法の十四条の三に公務員制度審議会というのが設けられておりまして、これはジグザグはございましたけれどもとにかく設けられているわけですが、この「審議会は、内閣総理大臣の諮問に応じて、国家公務員、地方公務員及び公共企業体の職員の労働関係の基本に関する事項について調査審議し、及びこれらの事項に関して内閣総理大臣に建議する。」これは労働基本権その他いろいろな問題を含んでいるわけです。国家公務員ばかりでなしに地方公務員も公共企業体も――大体この総定員法問題というのは、野党側は最近の情勢からいえば全体として反対という空気だと私どもは判断をしております。また直接この対象になる公務員関係も、この法案には絶対反対である、そういう態勢にあるわけですが、公務員制度審議会というのはそういう問題も含めて本来議論をしている場だと思うのですが、最近のこの公務員制度審議会の運営、現状というのは、どういうふうに進んでおるか。
#279
○床次国務大臣 公務員制度審議会の現況についてのお尋ねでありまするが、昨年の十月の末に第二次公務員制度審議会が開催されました。今日まで九回の会議が行なわれました。五回までは従来のいわゆる在籍専従の問題について審議をしましたが、その後第六回からは本来の公務員等の労働関係の基本に関する事項、これが審議会の目標でありますがこの審議に入った次第であります。現在、この審議に入りましてから四回目になりまするが、今日原則として団結権に関する事項について検討が始まっております、しかも、きわめて重要な問題でありますので、毎月二回開会をするという審議会の委員の方の非常な御勉強をいただいておるわけであります。
 なおもう一つのお尋ねの、今度の総定員法の問題が審議会の対象になるかというお尋ねでありますが、この審議会におきましては、先ほども申し上げましたように、公務員の労働関係の基本問題に関する事項、これを審議することになっておりますので、ただいまも申し上げましたように、団結権等につきまして審議を始めておる次第であります。ただいまのお話のようなことは話題になっておりません。
#280
○角屋委員 私はこれは話題になってしかるべき重要問題だと思うのです。
 話題になってないということで、人事院総裁にお伺いをいたしたいのですが、総裁十分御承知のように国家公務員法の第三条、人事院のいわば役割りというところでは「人事院は、法律の定めるところに従い、給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告、職階制、試験及び任免、給与、研修、分限、懲戒、苦情の処理その他職員に関する人事行政の公正の確保及び職員の利益の保護等に関する事務をつかさどる。」こういうことになりますと、これはやはり総定員法の問題で各省の定員は内閣が実権を握るというこの新しい事態は、非常に大きな変革をしようと考えておるのですね。従来であれば各省設置法の中で機構と関連して人員の問題が出てくる。したがって国会の舞台で議論をされる。そこに反映の機会もあるということですが、今度は内閣がこの権限を握るということになりますと、公務員の場合には、いわば正式に団体交渉権とか罷業権とかいわゆる労働三権が奪われた代償として人事院が設けられておるという点から見て、この新しい変革に対して、人事院はいままでこの法律案の提案形式について意見を言ってこられたのか、あるいは意見を言わないまでも、どういう見解を持っておられるのかという点をまずお伺いしたいと思うのです。
#281
○佐藤(達)政府委員 ただいまおあげになりました条文の示しますように、私どもは人事行政の運営面をお預かりしておるわけであります。その前提になる公務員の定員をどうするかあるいはどういうふうに割り振るかということは、実は公務員法とは全然別世界の問題であります。したがいまして、この総定員法に関連して別段の意見は申しておりません。しかしながら、要するにこれが人事行政の運用上にどういう影響を持つかということについては、これは現在と同様にわれわれとしては十分そのことに関心を払ってまいりたい、そういう意味では関係があると思います。
#282
○角屋委員 私は人事院総裁のそういうとらまえ方については非常に不満なんです。そういう点については、総定員法を内閣が出されるこういう形式についても、いわゆるこの後段のところにも載っておる、職員の利益、保護等に関する事務をやる、あるいは苦情の処理やその他職員に関する人事行政の公正の確保というふうな条文の趣旨からいっても、これは内閣権限で人事院直接の問題でないかのようないまの人事院総裁の御答弁は非常に不満です。
 そこで、そういうことでは私は納得するわけにいきませんが、人事院規則の八−一二、職員の任免の条項、ここのところで、かりに政府の総定員法が強行突破をされるというふうな一つの仮定を置いて議論します場合に、今後の問題としてはそういうことにかりになった場合には、私は人事院の関係では第八十六条のいわゆる行政措置要求というふうなものが出てくる可能性というのが予想されると思います。私もかつて官庁におる時分に、行政措置要求の問題で人事院の行政措置の実態を承知しておる一人ですけれども、こういうものが強行されるというようなことになった場合には、そういう強制配転はやらない、出血はやらないなんというようなことを言っておりますけれども、これは法律ではありませんので、実際問題として八十六条の勤務条件に関する行政措置の要求というものが出てくる可能性というものは十分想定をされる。また国家公務員法第十六条によれば「人事院は、その所掌事務について、法律を実施するため、又は法律の委任に基づいて、人事院規則を制定し、」とあり、したがって、国家公務員法第三条人事院の役割りとも関連し、人事院規則をつくる等、人事院みずからの御意思に基づいても、こういう問題に対する対処のしかたというのは今後の問題としてはあり得る、私はこう考えるわけですけれども、そういう点は全然考えなくてもよろしいのでございますか、さらに総裁の御答弁をお願いしたいと思います。
#283
○佐藤(達)政府委員 お示しのような問題は実は現在の制度のもとにおいても十分あり得ることであり、また現にありつつあるといいますか、現に例があるわけです。したがいまして、その点においては同じなんであって、制度が変わったからといってどうという必然的な関係はないと思います。現在までの例で申しますと、たとえばいまおっしゃった不当配転であるとかあるいはその他の例は、いまの行政措置要求というよりも不利益処分の審査の形で参っております。その形は従来どおり今後もあり得る。またわれわれは厳正な態度をもってこれに臨んでまいりたい、こういう気持ちでおります。
#284
○角屋委員 行政管理庁の長官にお伺いしたいのですけれども、別に行政管理庁の長官がこの法律に基づく政令をきめる場合に全責任を持ってやるわけではございませんけれども、しかし行政管理庁の関係の設置法の中では新設の場合とか定員の場合とかいろいろな場合には中心的な責任を持っておられます。かりに、この法律の解釈として、実際に政令を施行する場合に職員団体というものの意見というのはどういう反映のしかたが考えられるわけですか。
#285
○荒木国務大臣 ある意味では職員団体の給与、勤務条件等、国家公務員法で掲げております課題と関連は持ち得ると私も推定をいたします。したがって、法律の定めるところに従っての意見を述べる団体協約をつくる意味はないと法できまっておると承知いたしますが、職員団体も意見を述べるということはあり得ると思います。またそのことを尊重すべきものは尊重するということも常識的に当然のことかと存じております。
#286
○角屋委員 いまのような人事院総裁あるいは行政管理庁長官の総務長官の御意見を聞くと、公務員に籍を置いておる者は、こういう総定員法に基づいた新しいやり方がやられる場合には、職員団体として一体どういうふうに歯どめなり意見を述べたらいいのかという点では、全部窓を閉ざされたという感じが率直に言ってするわけです。そういうことが明らかであればあるほど、これは非常に一方的であるというふうに私どもは判断せざるを得ないわけです。
 私は、この機会にさらに人事院にお伺いをしておきたいのでありますが、公務員の人材の問題あるいは頭脳の海外流出の問題というようなことが盛んによくいわれるわけですけれども、最近の大学卒の公務員試験の合格者は、せっかく通ったけれども実際には辞退をしていく、あるいは民間にいくという者が相当程度の人数にのぼっておるわけですけれども、これは一体どういう実態にあるのか、あるいは有能な人材を国家行政機構の中に集めるためにどういうふうに考えたらいいのかという点はいかがですか。
#287
○佐藤(達)政府委員 私どもとしてはありがたい質問でございます。われわれ、大体上級職の試験を受ける人、受験の希望者自身に対して一人でも多く受けていただくようにというわけで、手分けして求人開拓のようなことを各大学に手を伸ばしてやっておるわけであります。その応募者そのものの数が毎年大体七%ずつくらい減りつつある。その上にいまのお話が乗ってくるわけです。それで合格者の中から今度は流れていく人、これが四十三年度で申しますと、千三百十三人合格者がおりまして、そのうちで辞退者というものが二百二十八人おるわけです、合格したあとで、そしてそれがどこへ流れていったか、それから先のことば実は私どもとしては精密な調査はできませんけれども、しかしできる限りの追跡調査をして、辞退者のうちで民間会社へ就職したことが明らかな者は五十九人というような数字で、これは例年その辺のところを上がり下がりしております。これはまことに残念なことだと思います。したがって、公務員の給与について所得政策的なものをどうこうというお話が出ますけれども、こういうことをよく踏まえて給与問題を考えていただきたい。それを申し上げたいわけであります。
#288
○角屋委員 いま人事院総裁は四十三年だけ言われました。私資料をもらったのですけれども、三十九年では千四百三十四名の合格で四百七十九人の辞退ですね。四十年は千六百二十四人の合格で三百七十三人の辞退、四十一年は千五百七人の合格で四百二十人の辞退、四十二年は千三百六十四人の合格で三百二十九人からの有能な人が辞退をしておる。そして民間その他へ流れていく、こういうことなんですね。かつては官界というのはこれはエリートコースの最たるもの、とは言いませんけれども、大体中心だったと私どもの世代の者は考えておるわけですけれども、どんどん民間に流れていく。そこへもってきてこういう不安な条件というふうに私ども予想しておるような形でやってくると、はたして国家行政組織に有能な人材が――大学だけに限りませんけれども、どんどん集まってきて、研修制度その他の問題もございましょうが、安んじて国民に奉仕する公僕としてやっていける体制になるのかということを私どもは考えなければならぬのであって、単に国会のこの難関を乗り越えるのがたいへんだからあるいは各省設置法で個別に出すとなかなか山坂多いから、総定員法でがしゃっとやって最高をきめておけばあとは内閣の政令でやれる、こういうふうに安易な考え方で運用を望むと、こういう試験の結果は必ずしも一つのファクターで出ていると思いませんけれども、やはり国家行政組織全体の運営上大きな問題をはらむのではないかというふうににも考えるわけですね。人材流出の問題についてはおそらく人事院の所管でないということでお触れにならなかったと思いますが、これは大学関係の先生方に主として多いのかもしれませんけれども、試験研究機関その他にも相当あるのだろうと思います。そういうことまで含めて考えてまいりますと、これは党利党略とかなんとかいうことではなしに、お互いに謙虚に考えるべき点は謙虚に考えてやらなければならぬのじゃないか、率直にそういうふうに思うのです。行政管理庁の長官はタカ派と言われておりますけれども、話はよくわかる人だと思いますので、その辺どうですか。
#289
○荒木国務大臣 冷静に考えましてこのやり方がほんとうの意味での国会の御賛同を得られる案であろうし、国民も納得していただける案だと私は信じております。
#290
○角屋委員 やはりことばが少ないというときはこちらの主張に耳を傾けたということだろうと思うのですね。私は時間の関係もありますので、臨調の答申の公務員に関する改革意見に関連して行管長官に御質問申し上げたり、いろいろな人事院関係さらに国家公務員法に基づく各条項での御質問もございますけれども、私のきめられた時間がおおむね一時間半ということの予定のようでありますし、そういう点で本日の質問はひとまず終わらしていただきたいと思います。
#291
○藤田委員長 川崎寛治君。
#292
○川崎(寛)委員 私は、具体的な事実関係から入って、最後に総定員法案の本質論に触そてみたいと思います。
 厚生大臣、人事院総裁、文部大臣、それぞれの御都合があるようで、先にしてくれといういろいろな御要望がありますので、それらも考慮しながらいたしたいと思います。
 まず、人事院総裁にお尋ねをいたします。
 今日、社会問題にもなっておりますが、病院の看護婦さんが非常に不足しておる。そこで三年前、四十年の十月、人事院の総裁が、これらの国立病院や大学病院の医療労働者の長年にわたります措置要求に対して、看護婦は月八日、それから複数夜勤という判定を下されたわけでありますけれども、その理由並びに――議論を合理的に進める意味においてさらに次につけ加えてお尋ねをしますが、厚生大臣あるいは大学病院関係の文部大臣それらの、厚生省なり文部省がその判定に基づいたどのような措置をしていっておるか、実態をどう判断をしておるか、あわせてお尋ねをしたいと思います。
#293
○佐藤(達)政府委員 御指摘の判定を出しましたあと、申すまでもありませんが、われわれとしてはその実現を百方努力してまいったわけです。文部省あるいは厚生省にもしつこいくらいにその後の経過を聞き、あるいは場合によっては私どもの局長を現場の病院に派遣して、そうして看護婦さんと一緒に泊って実態を見てきたということでございますけれども、これがいま残念なことにわれわれの希望するとおりには実現しておらない。ただし、たとえば夜勤の回数が初め九・何日であったのが八・何日になりましたから、その間休養施設その他の施設はだいぶ改善をされておるということは申し上げられますけれども、まだもう少し一もう少しところではない、今後大いに努力をしていきたいという願望を持って、いまも厚生大臣にちょっとそのことを念を押してお願いしたところでございます。
#294
○川崎(寛)委員 厚生大臣のほうは、そういたしますと、具体的にお尋ねしますが、現在の国立病院の看護婦の定員、実人員、判定に基づいた増強すべき人員並びにその具体的な増強計画はどうなっておりますか。
#295
○斎藤国務大臣 ただいまの数字は、政府委員からお答えいたさせます。
#296
○松尾政府委員 ただいま国立病院関係の看護婦の充足率というものが九八%ないし九八・五%でございます。
#297
○川崎(寛)委員 ぼくの質問に答えてください、質問そのとおりに。あなた方に協力する意味で具体的に論理的に聞いているのだから、くだらぬことを言わないでまともに答弁しなさい。
#298
○松尾政府委員 四十四年の看護婦定数は一万八千四百九十四名でございます。これに対する先ほどの計画でございますが、四十四年度から人員といたしましては初めて二百六十一名がこの夜勤体制改善のために認められた、こういうことでございます。
#299
○川崎(寛)委員 それじゃ答弁にならないんだ。つまり一万八千四百九十四名、その定員に対して人事院総裁のほうから判定が出た、夜勤をそのようにしていくということになると何人ふやさなければいけないのか。まずそれが一つ。
#300
○松尾政府委員 私どもが病院の看護単位等から計算をいたしました必要数は二千百名と考えております。
#301
○川崎(寛)委員 人事院総裁のほうはどうですか。
#302
○佐藤(達)政府委員 そういう基礎のもとに少しでも看護婦の定数をふやしていただかぬことにはとてもたまらぬということで、われわれが厚生省あるいは行政管理庁それから大蔵省まで実は働きかけて定員をふやしていただくべく努力をしてまいった。ことしの場合は、御承知のようにわずかではありますけれども、まあふえたということは申し上げ得るわけであります。
#303
○川崎(寛)委員 だから勤務量を判定されて判定を出されたわけでしょう。そうすると、一万八千何がしでは足らぬわけですね。その場合に人事院総裁としては何人が妥当であるというふうに計算をされることになりますか。
#304
○佐藤(達)政府委員 われわれのほうは人数よりも、たとえば夜勤の回数が月に八日と、こうやってくださいということに尽きるわけであります。
#305
○川崎(寛)委員 それをきちんと守れば二千百人ふやせばよろしいというのが医務局長の答弁ですか。
#306
○松尾政府委員 一月八日という線に到達するためには、それだけあればひとまず可能だと考えております。
#307
○川崎(寛)委員 それは複数夜勤も含んでおりますか。複数夜勤じゃないといかぬという……。
#308
○松尾政府委員 ただいまでも必要なところの二人夜勤はある程度行なっておりますので、それは除外いたしまして八日というものを達成する、こういうための計算であります。
#309
○川崎(寛)委員 そうしますと、判定の複数というほうははずれておりますね。いまの答弁では八日と、こっちがまずあるのだからはずれておる。そうしますと、その八日勤務という点をやるのに二千百名。それじゃ二千百名というのを何カ年計画でやられるわけですか。
#310
○松尾政府委員 私どもの本年度予算を要求いたしましたときの考え方としては三カ年間で達成をしたいと考えたわけでございます。
#311
○川崎(寛)委員 二百六十人で三カ年だと、大体それくらいでいけば八百人くらいしかいかぬですね。
 行政管理庁長官、総定員法が成立したらこの問題は片づきますか。
#312
○荒木国務大臣 不急なところでセーブいたしまして必要なところに定員を配置がえをするというのがたてまえでございまして、それも午前にお答え申し上げましたように、実定員を配置がえするということがたてまえでなくて、留保定員、具体的に埋められていない留保定員の活用によりまして、緩急軽重に応じて行政サービスの向上をはかりたい、こういうことでございますから、看護婦さんの問題にいたしましても、いまお話が出ておるというようなことで絶対必要である限りは、いまの留保定員を活用して、御満足のいくようにしていくという考え方に立って運営したいと存じております。
#313
○川崎(寛)委員 それはあなたの精神論なんだ。人事院総裁のほうは、八日勤務、それから複数夜勤、こういうふうに言っているわけですが、厚生省のほうは、すでに複数夜勤はネグレクトしてなおかつ二千百人。あなたは留保定員と言うが、これはもう精神論を言っている。少しも具体的に数字では示されてこないわけです。具体的に措置も出てこないわけです。
 それでは厚生大臣、お尋ねしますが、総定員法が成立したら、三カ年で、人事院総裁が判定をしたことを実行できる、つまり複数夜勤も含めて実行できると考えになりますか。
#314
○斎藤国務大臣 総定員法が成立をいたしましたら、いまよりは非常にやりやすくなると思います。三カ年で必ずしも実行できるとは言明いたしかねますが、非常に実行いたしやすくなる、さように思います。
#315
○川崎(寛)委員 まず、いま八日勤務ですよね。複数のほうはネグレクトしているわけですね。しかし、やりやすくなる、こういうふうにいま御答弁になったんですが、何がゆえにやりやすくなりますか。
#316
○斎藤国務大臣 総定員法が成立をいたしますると、欠員の分はそのほうに回せるということになりますから、相当いまよりもやりやすくなる、かように思います。
#317
○川崎(寛)委員 それでは文部大臣にお尋ねしますが、人事院総裁のほうの判定に基づいて、大学病院の看護婦さんたちの問題については、四十三年度における定員、それから判定に基づいて増強すべき、つまり、いまの二つの条件を具備するための増強すべき人員、具体的な増強策を伺いたいと思います。
#318
○坂田国務大臣 政府委員より答弁いたさせます。
#319
○村山(松)政府委員 国立大学付属病院の看護婦の四十三年度定員は七千九百六十八人でございます。それから、夜勤制限を人事院の改善案のようにやるために必要な人員は、これは積み上げ計算をやる必要がございますので、正確な数はなかなかむずかしゅうございますが、一応千八百九十八人程度要るのではないかという算定をいたしまして、これを五年計画で要求いたしております。
 四十四年度につきましては、そのために三百八十名の増員が予算に計上されております。
#320
○川崎(寛)委員 それじゃ、東大の看護学校をお尋ねしたいと思いますが、入学定員が五十名ですね。ところが、教官が足りないために、現在採用しているのは三十名だ、こういうふうに聞いております。志願者が足りないんだという答弁をこれまでは厚生大臣のほうはちょいちょいしておりましたけれども、実際にはこの東大の看護学校に対しても十倍の志願者がおるのです。教官が足りないからできないんですね。そうしますと、いま五カ年計画で数字を合わせた答弁がありましたが、まず東大の看護学校の問題からも、定員五十名に対して三十名しか収容できないでおる、この事態はどういうことですか。
#321
○村山(松)政府委員 いろんな問題があろうかと思いますけれども、さしあたり一番障害になっておりますものは、寮の収容能力の関係で定員いぱいとれないということだろうと思います。
#322
○川崎(寛)委員 これは教官が足りない、こういうふうに言われているのですよ。教官のほうはどうですか。
#323
○村山(松)政府委員 看護学校の教育につきましては、専任の教官は比較的わずかでございますが、病院の教官が教育に協力することによってやるたてまえでございます。したがいまして、教官が足りないという問題よりは、やはり直接の障害といたしましては、寮の収容能力にあろうかと思います。
#324
○川崎(寛)委員 文部大臣、じゃ、お尋ねしますが、この寮ぐらいはできないんですか。人事院総裁のほうからそう言われて、やりましょうと言っておる。寮が足りない。学生寮でしょう。学生寮が足らぬということでしょう。それば答弁になりますか。文部大臣、いかがですか。
#325
○村山(松)政府委員 寮の建設は予算措置としては必ずしもそう困難な問題ではないと思います。ただ、まあ、寮をつくりますにつきましても、大学の場合は、大学のいろいろな施設計画の緩急順序に従がいまして、たとえば敷地の選定その他なかなか右から左にいかない面もございます。大学と協力いたしまして、その方向で努力をいたしたいと思います。
#326
○川崎(寛)委員 文部大臣、お尋ねしますが、それならば、いま寮一つが、定員の問題どころか、それ以前の、はるかもうもっとプリミティブな原因でつかえているのですよ。じゃ、文部大臣は、千九百人近くのこの不足を、五カ年計画でいま大学学術局長は補充していく、拡充していくと言いましたが、総定員法が通ったならば、これはスムーズにそういうふうにいくというふうにあなたはお考えですか。あなたしっかり言いなさいよ。あとで大学教官の問題もやりますからね。
#327
○坂田国務大臣 一応の計画は、五カ年計画でいたしておるわけでございますが、大学というところは御承知のようなところでございますので、やはり私たちがすぐ出しゃばっていろいろやるというわけにもまいりませんで、やはり大学当局の意思を確かめつつ、協力しまして、そういうようなことを運んでいかなければなりません。しかしながら、非常に困難ではあると思いますけれども、一応そういうような一つの計画のもとにこの看護婦の充実ということに対して積極的に努力をいたしたいというふうに思っておる次第でございます。
#328
○川崎(寛)委員 いまの答弁は私の質問には答えてないと思うのです。総定員法が成立をしたら――大学だからいろいろとむずかしい問題がある、そこはわかります。しかし、総定員法になれば、その五カ年計画で千九百人をふやしていくということは可能なんだ。五カ年間で可能なんだというふうにあなたはお考えになっておるのか。そうしてそのように行政管理庁長官と具体的に数字の上で、五十万というその数字の最高限度をはめた中で、そのことが可能だというふうにあなたは了解しておるのかどうか、伺いたいと思います。
#329
○坂田国務大臣 一応相談をいたしまして、可能だという見解で了解をしたわけでございます。
#330
○川崎(寛)委員 厚生大臣、どうですか。それは可能だというふうにあなたはしているのですか。
 それから、これは現場では、実際には、人事院総裁の判定に従って計算をしますと、約五千人必要だ、こういうふうに言っておるのです。その点の数字の食い違いもありますが、それは先ほど言ったように、複数夜勤というのが入ってないから数が落ちるわけですね。だから、それがさらに複数夜勤というのが入ってきますと、どうなるか。しかも、三カ年間、こういうふうに言われた。二千百名を三カ年と言われたが、四十四年度は二百六十名、こうなると、もういまから考えても、およそ達成できないであろうということはわかるのです。最高限度をはめて、この中でそのことが可能だ、三カ年間で可能だというふうにあなたは了解をしておられるのか、行管庁のほうとの間の関係はそういうふうに詰まったのか、いかがですか。
#331
○斎藤国務大臣 三カ年計画は行管庁との了解はまだ得ておりません。本年は三カ年計画ということで要求をいたしましたが、夜勤の関係では二百六十一名しか認められてなかったということでありますので、この三カ年計画は、もう一年ぐらいずれるだろう。来年はうんと要求をいたして折衝いたしたい、かように考えております。
 先ほどのお尋ねの、定員法ができれば、それが非常にやりやすくなるということでございます。
 なお、お尋ねではございませんが、昨年、四十三年度の看護婦の増四十五人は、定員法の関係でいまだ増員ができないという状況でありまするし、本年は、夜勤関係以外にも増員がございますので、看護婦といたしましては四百四十一人の増でありますから、これも総定員法を御承認いただきませんと置けないという実情にあるわけであります。
#332
○川崎(寛)委員 いまの両大臣の答弁を伺いますと、定員の最高限度を定めて合理化云々、こういわれておるけれども、国民の最も密接なところのサービスという面から見るならば、いま両大臣の答弁を通してみても、明らかにこれは達成できないという矛盾は露呈しているのです。ことばであなた方が何と言い、行管長官が精神的に力んでみても、具体的に裏づけのある、納得させる答弁にはなっていないですよ。行管長官どうですか。
#333
○荒木国務大臣 これは関係大臣から言われましたように、従来よりはやりやすくなる、計画が達成しやすくなるということだけは申し上げ得ると思います。最高限というのは国会で御承認いただいた最高限、実員はそれ以下である。三カ年で五%の留保定員をいわば拠出していただくというのが定員上の財源みたようなものでございますから、それがない状態に比べれば――その具体人を動かすのじゃない。留保定員を動かすことによって緊急のものにはどしどし配置がえをするというやり方でやるわけでございますから、関係大臣のお話しのとおり、いまよりはよりやりやすくなるということだけは断言できると存じます。
#334
○川崎(寛)委員 行管長官はいま明らかに、だから首切り法案であるという中身を言われたわけです。五%の留保定員を拠出してもらう、こういうことになったわけでしょう。これは結局具体的に実定員の首切りを行なわなければできなくなる、こういうことになります。
#335
○荒木国務大臣 ことばが足りませんでして、誤解を招いたと思いますが、留保定員と申し上げますのは、各省庁の独自の判断で、それぞれの範囲内において、この程度は緊急軽重を考えて、自然退職者の実員をあと埋めしなくてもやっていけるというふうな判断に立ちました定員が留保定員と申し上げるのでありまして、首切りをやって留保定員をつくるということではございません。そのことの注釈が足りませんでしたことを申し添えます。
#336
○川崎(寛)委員 各省庁の判断に基づいてというが、出てこなかったらどうしますか。
#337
○荒木国務大臣 それは統計上も立証できるかと思いますが、そういう考え方、立て方によってやろうじゃないかということを政府としては閣議決定をいたしまして、前年度から今年度、来年度とそのコースを歩いておるわけでございますから、五%の首切りを伴わない留保定員とでも申し上げるものが実現してまいります。それに応じまして、配置がえ等ができるわけですから、よりやりやすくなるということだけは申し上げ得ると申した次第であります。
#338
○川崎(寛)委員 後ほどこの法案自体の本質論をやりますが、いまの行管長官の答弁というのは、行政が動かない、つまり四十二年度末の定員ということで行政の業務量を考えていえば、あなたのそういう論理を論理的に貫こうとするということになろうと思う。しかし、実際には業務量というのは、科学技術の進歩あるいは社会、経済の構造の変化、こういう中で業務量の変化はあるわけです。これは後ほど最後のところで詰めますから、とっておきたいと思います。だから、あなたの言うのは、要するに留保定員の中から出してもらう、こういうことで、実質首切りが出てくるということは明らかだと思うのです。
 そこで次に、時間の関係もあろうと思いますから、私は文部大臣にお尋ねしたいと思います。
 先ほどの山中委員の質問に対して、政令付加定員の問題を御答弁になりました。これは法制局も法違反だということを明確に言っている。今日の措置すべき、つまり法違反の根拠はどれかといえば、申すまでもなく国家行政組織法が根拠法になる。だから国家行政組織法の十九条の三項で直ちに措置をするということが法のたてまえから当然のことなんですね。文部大臣どうですか。つまり国家行政組織法の十九条の三項でするならば、これは十九条の一項ということになりますか、これは国家行政組織法で措置するということが当然だ。そのことは文部省設置法で措置すべきだということは、この法のたてまえからいって明確だと思います。いかがですか。
#339
○安嶋政府委員 国家行政組織法十九条三項の措置が必要であるということはおっしゃるとおりだと思います。その措置といたしまして今回御審議願っておる総定員法が出ておる、そういうふうに理解いたしております。つまり、そういう措置を含めてこの総定員法がただいま議題になっておるということだと思います。
#340
○川崎(寛)委員 それは違うのです。それはかってだ。それは行政府のかってな解釈といわざるを得ない。現在の十九条の一項は各省の設置法で具体的に措置をされておるわけですね。だから十九条の三項は当然各省設置法でいくというのがこの国家行政組織法のたてまえであって、この国家行政組織法のほうが定員法よりも上位法ですよ。だから根拠法で違反をしておる。それを措置をするのに下位法をつくって、下位法のほうで措置していく、これは違反なんです。
#341
○河合政府委員 ただいま文部省官房長よりお答えになりましたとおりでございまして、国家行政組織法十九条三項の規定により法的措置が必要となるわけでありまして、現在提出いたして御審議いただいております行政機関の職員の定員に関する法律案の御審議によりまして、この措置をしていただくということに考えております。
#342
○川崎(寛)委員 それは違う。第二項で「一年以内の期間を限り、政令でこれを定めることができる。」と、政令のインチキの付加定員をやったわけですね。そしてそれが違反だという、現在違反をしておるのはこの国家行政組織法に違反をしておるのです。国家行政組織法の「第一項の規定に基づく法律、」これは当然文部省設置法です。現在従っている法律というのは、将来の成立するであろう法律を仮定してなんてどこにも書いてない。明らかに現行の文部省設置法で措置をするということがこの十九条の三項の適法の措置だ、こういうふうに私は思います。文部大臣いかがですか。
#343
○坂田国務大臣 ただいま官房長からお答えしたとおりだと考えております。
#344
○川崎(寛)委員 もう一ぺん……。
#345
○坂田国務大臣 ただいま官房長からお答えしたとおりだと考えております。
#346
○川崎(寛)委員 だから私がいま言ったように、この法律に将来成立するであろう法律というのはどこにありますか。「第一項の規定に基づく法律」でしょう。「第一項の規定に基づく法律を改正する措置がとられなければならない。」、「第一項の規定に基づく法律」というのは、今日においては文部省が措置をしたことは文部省設置法だ。だから当然文部省設置法の改正をやるべきだ。明らかじゃないですか。
#347
○河合政府委員 国家行政組織法十九条を、この現在提案しております行政機関の職員の定員に関する法律案によりまして削除をいたしておりますので、別途法的措置を講ずる必要はないと存じます。
#348
○川崎(寛)委員 これは十九条の二項で措置をしたことが現在違法の状態にあるわけですね。だから違法状態は正さなければいかぬわけでしょう。(「だから早く通過させたらいい」と呼ぶ者あり)いや、これは違う。これは違いますよ。当然文部省設置法でやるべきです。よもう一度……。
#349
○河合政府委員 十九条二項に基づく政令はすでに失効いたしておりまして、十九条そのものを削除いたしまして、新しい法律、現在御審議いただいております法律によりまして法的措置を講ずることで十分かと存じます。
#350
○川崎(寛)委員 これは国会軽視ですよ。そんなやり方は明らかに国会軽視ですよ。政令措置でやっておいて、そして都合が悪くなれば新しい法律でどんどんやっていくということができるのだったら、これはもう明らかに法違反じゃないですか。国会軽視です。明らかにそうです。どうですか。
#351
○河合政府委員 お答えいたします。
 第十九条を削除いたすことによりまして、この法律によりまして法的措置を講ずるということで十分だというふうに理解いたしております。
#352
○荒木国務大臣 御指摘の点は、概念論としては御指摘のとおりだと思います。しかしながら、政府はなるべくすみやかに御審議、御決定をいただきたいという考え方のもとに早期に御提案申し上げ、御審議を願っておるわけでありますが、その御審議願っておる法案は、いま管理局長から申し上げましたように、組織法の関係条項を削除することによって、お話のような文部省設置法の一部改正案を出さなくても無法状態にはならないはずであるという総合的な立て方で提案しました法案がいま御審議願っておるものであります。しかし、それはすでに四月一日を通り越しておりますから、不法状態であるという御指摘はそのとおりだと思います。そこで、なろうことならば、もしきょうでもかりに御決定いただくと仮定しますれば、数日間不法状態が続いたことは残念でございますけれども、一挙に問題は解決するという考え方に立って、なるべくすみやかに御決定をちょうだいしたいというお願いを申し上げておる段階でございます。
#353
○川崎(寛)委員 しかしいまの大臣の発言は、たいへん国会の審議を制約するような、けしからぬ発言ですよ。
 それでは、次にお尋ねします。
 いま定員外の無給医局員が約一万三千人おりますね。国立大学病院に九千人、それからあとがそれぞれの国立病院等におる、こういうふうに思いますが、この定員外無給医局員というものをどう措置をされますか。
#354
○斎藤国務大臣 国立病院には無給医局員は現在おりません。大学病院にだけおります。
#355
○川崎(寛)委員 文部大臣、国立大学にいまおるのは九千人ぐらいですか。
#356
○坂田国務大臣 正確に答弁させます。
#357
○村山(松)政府委員 いわゆる無給医局員というのは、文字どおり無給で、それぞれの医局の長の許可を受けて在籍をして診療並びに研究に従事する者でございますので、その正確な数はなかなかつかみにくいのでございますが、昨年六月に調査いたしたところによりますと、国立大学、付属病院を通じまして一万六百五十人という数字があがってございます。しかしこの者は実態は非常に区々にわたっておりまして、毎日出てきて研究、診療に従事するという者はかなり少なくて、大体他に本務を持って、一日あるいは二日、中には三日、それ以上大学に来て診療並びに研究に従事しておる者でありまして、文部省としてはこの者全部を有給にするという必要は必ずしもない。有給にする必要は、やはり大学病院の診療形態などを再検討いたしまして、診療に必要な人数は漸次有給にしていく。それまでは、少なくとも週に三日以上も来て実質的に診療要員を形成している者につきましては、その診療に見合うだけの謝金を出すということで措置いたしたいと考えております。
#358
○川崎(寛)委員 文部大臣にお尋ねしますが、文部省の三カ年で五%削減分は何人ですか。それからこの三カ年間に学年進行あるいは研究所の設置、そういうもの等による増員分、ふやさなければならない定数というのはどういうふうにお考えになっておりますか。
#359
○安嶋政府委員 文部省関係で三カ年に削減の対象になります定員は、三千百三名というふうに計画をいたしております。
 今後の増員計画につきましては大学局長から……。
#360
○村山(松)政府委員 学年進行による増員分は、四十四年度につきましては千八百二十三人ということになっております。四十五年以後につきましては、具体的な数字はきまっておりませんので、大蔵省と協議をして取りきめてまいるということになっております。
#361
○川崎(寛)委員 この三千百人の具体的な中身は、教官、職員分けてどういうことになりますか。
#362
○安嶋政府委員 このうち教官は四百二十九名でございまして、残りがその他の職員ということになっております。
#363
○川崎(寛)委員 この四百二十九名の教官は定年の方々だけですか。
#364
○安嶋政府委員 これは定員でございまして、別に定年に達したという方ではございません。
#365
○川崎(寛)委員 そうしますと、先ほど文部大臣は、大学についてはたいへんいろいろとやかましい問題がある、こう言った。しかし予算の定員で四百二十九人減らすわけでしょう。四百二十九人減らすということになると、これは教育公務員特例法との関係も出てまいりますね。文部大臣いかがですか。
#366
○安嶋政府委員 これは、先ほど行政管理庁長官からもお話がありましたように、現にいる定員を整理するという趣旨のものではございません。欠員が生じました場合にそれを保留していきたい、そういう趣旨でございます。
#367
○川崎(寛)委員 それでは不完全講座の充実ということはどういうふうにお考えになりますか。不完全講座である、だからそいつは欠員だということで、つまり留保定員の中に入れていくのか。学術振興という面からすると、その点はどうですか。
#368
○村山(松)政府委員 いわゆる不完全講座と申しますものは、講座によりましてその定員配置の型がございます。たとえば、人文社会系統でありますれば、教授一、助教授一、助手一といったような形でありますし、これが自然科学系の、実験を伴うものでありますれば、助手一のところが二になる。それから医学部でありますれば、助手が三になるあるいは三以上になる。そういう定型的な形をとっておりまするが、個々の大学の講座につきまして、その定型の部分の一部を欠いておるもの、たとえば助教授が定員として欠けておったりあるいは人文系の講座であって助手一というものが欠けておって、教授一、助教授一からなっておるというようなものにつきまして、これを不完全講座といっておるわけであります。
 この不完全講座につきましては、大学の教育研究の充実という観点から鋭意充実につとめておりまして、現在ほぼその充足を見ておるわけでありますが、これが定員削減の対象になるというようなことではございませんので、五%削減というのは、一定の比率で教官の総定員に対しましてこれをかけて、それが欠員を生じた場合に補充をしないという形で落としていくということでございますので、不完全講座と欠員削減とは直接の関係がございません。
#369
○川崎(寛)委員 教育の長期計画という点について、定員との関係でお尋ねしたいと思います。
 日本学術会議が法律に従って設置されております。それで学問発展の将来計画ということがなされ、各大学は大学でこの将来計画をそれぞれの委員会でやっておられますね。そうすると、学術会議法の五条の精神からいいますならば、当然そのことは行政に反映をし、措置もされなければならぬ、こう思うのです。それにこたえるこたえ方と、五%の定員削減との関係はどういうことになりますか。
#370
○村山(松)政府委員 五%の定員削減というのは、全体的な国家公務員の、何と申しますか、縮減計画でございますが、必要な行政部面につきましては、審議の上増員の措置がとられることになっておりまして、定員削減計画があるから必要な部面の新規増員が一切押えられるという関係ではございません。現に先ほど来御説明申し上げておりますように、国立大学につきましては、先年来の大学志願者急増対策に基づくところの学部学科の設置に伴う定員の増は、これは認められておるわけでございます。それから今後の問題といたしましては、大学志願者急増対策のような具体的な数字を伴ったところの国立大学の拡充計画は、目下のところございませんが、御指摘のように学術会議その他学界等から、必要な部門につきましての研究所の設置でありますとか、あるいは必要な学科の設置というような要望はございます。こういうものにつきまして、これを全部こなして数字的な計画にするということは現時点においてできておりませんが、個々の問題につきましては、たとえば大学に付置の研究所でありますれば、当該大学の計画の申し出に基づきまして必要な措置をとっております。たとえば四十四年度につきましても、熔接工学の研究所をつくれという御要望がございまして、これが審議の結果、大阪大学につくる計画を立てました。これは諸般の事情から一挙に研究所ということに持っていけないので、工学部の研究施設としてとりあえず発足することにいたしました。
 過去にさかのぼりますと、たとえばアジア・アフリカ言語文化研究所でありますとか海洋研究所でありますとか、そういうものを学術会議その他学界の要望と、それからこれを付置すべき大学の検討とにらみ合わせて、予算措置、行政的措置を講じておるわけでありますが、今後ともそのような計画がありますれば、学術会議あるいは文部省に設置しておりますところの学術審議会といったようなところで全体的な検討を進めてまいる。個々の計画につきましては、たとえば付置研究所でありますれば、これを付置する大学の検討と相まちまして、必要な措置をとっていくつもりでございます。
#371
○川崎(寛)委員 ところが法律で設置されております日本学術会議というのと、文部大臣の諮問機関である任命制による学術審議会、いま学術奨励審議会の点も大学学術局長触れられたけれども、一方、日本学術会議法という法律に基づいておる学術会議が、科学教育の発展ということで、たとえば素粒子研究所のこれについても、五百億という提案をしたことに対しては、学術奨励審議会という任命制の審議会でそれを三分の一に削ってしまうという措置をやってきたわけですね。そうすると、今度は総定員法案で、頭が最高限度かぶせられてくるということになりますれば、これらの学術研究の体制の拡充ということについても、こういうふうな例というものは次から次とこれから出てくるということは明らかだと思うのです。その点いかがですか。これはほんとうは文部大臣が答弁すべきだがね。ちょっとさびしいがしかたがない。
#372
○村山(松)政府委員 その点私からお答え申し上げます。
 従来とも大きい研究所をつくるあるいは大学の学部をつくるということは決して容易なことではございませんので、関係者の十分な検討と意見の一致に基づきまして、文部省としても全力をあげて予算の要求説明を行ない、そこで認められたるものにつきまして法的措置を講ずる、こういうことをやっておるわけでありまして、総定員法ができましてもその関係は同じであろうかと思います。
 それからちょっと御訂正申し上げますが、学術奨励審議会と仰せられましたものは、四十二年に改組されまして、現在学術審議会というふうになっております。
#373
○川崎(寛)委員 それでは国立大学に定員外の臨時職員というのが約一万人おる、こういうふうにいわれております。そしてしかもそれが教官研究費というものから措置をされておりますね。この点いかがですか。こういう状態というのが望ましいのか。数年間にわたる仕事というものをやっているこういう人たちの状態から考えますならば、大学がこういう状態にあるということは望ましくないと思うのです。この解消策はどう考えておられますか。
#374
○村山(松)政府委員 大学の教育、研究というのは内容的にも非常に複雑でありまして、したがってその要員といたしましても、定員として任命された者だけでその仕事を十分こなせない面もございます。また予算的にも、大学の校費では時間を限って人を雇用することが認められております。そういった関係もありまして、御指摘のような定員外の職員が現在でも相当数おるのは事実でございます。これがいたずらにふえるということは決して望ましいことではございません。これは厳重に運営する必要があろうかと思いますけれども、最初に申し上げましたように、大学の教育研究という複雑な仕事を営むためには、若干の期間を限った臨時的な職員というものの根絶を期することはむずかしいのじゃなかろうかと思います。
#375
○川崎(寛)委員 法務省にお尋ねします。
 過密過疎あるいは経済構造の変化、こういう中で、特に登記事務というものはたいへんな繁忙を来たしておる。現在、法務局関係で定員は一万二百五十人ですね。そのうち登記従事者が八千人、この十年間における事件は六倍になっておると思います。ところが一方人員は一・一六倍くらい、こういう状態ですね。行管もこの登記事務については、繁忙庁として、増員対策庁になっておると思うのです。しかし私は、今日のこの登記事務の状態を見ますときに、各市町村回ってみて、人権擁護の法務省が、たとえば市町村やら公団やら土地改良区やら司法書士やらの補助員に無報酬で応援をさしておる。こういう状態というのは、人権擁護の法務省としては最も許されぬ行為だと思うのです。(「そのとおり」と呼ぶ者あり)そのとおりと言ったね。これについて具体的な拡充計画というのが立てられておるのかどうか。実際にこういういまの事態というものを考えますときに、四十四年度の予算ではわずかに純増六十三――時間が少しあれだから、もうぼくのほうから言いますけれども、純増六十三、定員削減と四十四年度の予算による百八十五の定員増というものをした場合にはわずかに六十三しかふえない。こういう状態で今日の業務内容というものを改善していくことが可能だというふうに法務省はお考えになりますか。どうですか。
#376
○新谷政府委員 お話しのとおり、登記所の現状は、ただいま非常に事件の激増に当面いたしておりまして、苦慮いたしておるのが現実でございます。これに対処します方法としましては、何と申しましても増員が必要なのでございます。年々二百人前後の増員をお認めいただいておりまして、何とか現在までやってきたわけでございます。しかしこの仕事は、ただ人の増加のみにたよっていいかどうかと申しますと、必ずしもそうでない面、われわれも反省しなければならない面が多分にあるように考えられます。
 昭和二十五年に規則が改正になりまして、固定資産税ができました。そのとき以来、土地台帳、家屋台帳事務までも登記所は引き受けました。その後の経済事情は、ますます登記所を窮状におとしいれたということになりますのと、さらに幸か不幸か、占領時代から、登記制度につきましては連合軍側からの指図が一切ございませんでした。いまになって考えますれば、もう少し早く何とか改善の余地もあったのじゃないかと思うのでございますけれども、私どもとしましては、昭和二十五年以来いろいろ計画いたしまして、その登記制度と土地台帳、家屋台帳の制度の合理化をはかっていこう、現在申します一元化という問題でございます。これは制度上の改革であります。さらに戦後のいろいろの悪質の紙を使っておりますために、複写器等の機械に乗らない登記簿が相当数あるわけでございます。こういう面も機械に乗るようにやはり改善をしていかなければならぬのではないか。また商業登記の面におきましては、大きな会社につきましては、登記所の窓口に事件が殺到するわけでございます。これが登記簿の利用度を高める一つの原因にもなっているわけであります。こういった点も改善いたしまして、できるだけそごのないようにいたしたいということを考えておるわけであります。
 さらにそういう制度の改善のほかに、機械化を極力推進いたしまして、登記所の特別のタイプライターを考案しましたり、また性能のいい複写器を入れたり、また測量車を入れたりいろいろの方途を講じまして、増員の措置と同時に、この仕事が別途スムーズにいくような方策も考えておるわけであります。これらをあわせまして、国民の皆さま方に御迷惑のかからないような方策を講じていくということを極力やっておるわけでございます。先ほどのお話でも、各方面にいろいろの御迷惑をおかけしておることも事実でございます。この点はまことに申しわけないと思っております。できるだけ早くそういった問題を解消しようというつもりで努力いたしておるわけであります。
#377
○川崎(寛)委員 法務省にも、定員外の臨時職員というのがおりますね。三十六年に行政機関職員定員法が改正されて、国家行政組織法になって、そのときに定員外の臨時職員はゼロになった、こういうふうに聞いております。しかしその年からまたすぐ臨時職員が出てきているでしょう。現在千五百人ぐらいの臨時職員があるのです。定員の一五%近い臨時職員がおるわけですね。これはどうして解消しますか。
 それから次に――答弁はもう少し要領よくやってもらいたいと思います。法務局が税務署の仕事も、国税庁から金をもらってやっておりますね。しかもこれは、臨時職員でやっておるという実態は、これは後ほど行管のほうにもお尋ねしますが、こういう状態というものを何カ年間で解消していこうとしておられるのか、お尋ねしたいと思います。
#378
○新谷政府委員 法務局で採用いたしております臨時職員は、定員の職員としてなじまない作業をやりますために、予算で認められた範囲内におきまして採用いたしておるわけでございます。昨年末現在で千百二十二名たしかいるはずでございます。これは先ほども申しましたが、登記所の改善の作業のために、それぞれの登記所を特定いたしまして、たとえば一元化の作業をやるとかあるいは粗悪用紙の移記の作業をやるとかということのために臨時に採用いたしておる職員でございます。したがいまして、この作業が続きます限りは、これはやはりどうしても予算をお認めいただいて採用せざるを得ない事情にあるのでございます。定員職員でやる筋合いのものじゃないというところからこれはきておるわけでございます。
 それから税務署の通知でございますが、これは昭和三十六年から国税庁のほうからの依頼がありまして、登記所で登記をいたします際に、その結果を税務署に通知してもらいたい、こういうお話でございます。当初は予算がありませんで、思うようにまいりませんでしたが、だんだん国税庁のほうでも予算を組み、支出の委任をいただきまして、私のほうでそのための臨時職員を採用してまいったというのが実情でございます。ただ、これにつきましては、確かに御指摘のような問題がございますので、もっと何かいい方法はあるまいかということを実は研究しなければならないと思っておるのでございます。さしあたっては、負担のかかっております登記所の職員になるべくこれ以上の負担をかけたくないという配慮もございますので、国税庁に計上された予算を使わせていただいて、その予算の範囲内での臨時職員を採用いたしておるというのが実情でございます。
#379
○川崎(寛)委員 次に、運輸省いますか。――これは定員との関係で死亡事故がありますので、これを私問題にしたい、こう思います。
 それは運輸省の港湾建設の関係で、鹿児島の港で材料運搬をやっておる。ところが、これが昭和三十二年に佐世保港にあるときには、乗務員は定員二名、こういうふうになっていた。それが三十八年に鹿児島にきましたときには、この定員二名がはりつけ定員一名、稼働時二名、こういうふうにいりの間にか変わっておった。そしてその結果、四十三年三月八日、にもかかわらず一人乗務で事故を起こし、これはあとでついに死亡してしまうのです。事故のけがの結果死亡してしまうということは、行政管理庁長官の好きな定員の合理化ということの結果、こういう死亡事故が起きておるわけです。そういう結果になったわけですね。だからこれは定員の置き方というものの結果、しかもそれが改正をされたにしても、そのことがなお実行されなかったということのためにこういう死亡事故が起きておるわけです。このことについて、具体的な経過並びにその後どう措置をされてきておるか、つまり定員の面も伺いたいと思います。
#380
○宮崎(茂)政府委員 お答えいたします。
 港湾建設局の死亡災害でございますが、過去四カ年間調べてみまして、現場の死亡は一年に一人とかあるいは二年に一人くらい。建設事業の平均で申しますと、一万人について六・六人でございますが、それの大体二割くらい。一万人につきまして一・五人くらい、こういうことになっております。これは統計でございます。
 お尋ねの鹿児島港の材料運搬船というものでございますが、船舶の定員につきましては、実は船舶法にのっとる分につきましては、これは定員がございます。ところが私どもがやっておりますところの作業船、こういうものは定員がございません。私が聞き及んでおりますところの事故を起こしました人が乗っておりました材料運搬船でございますが、これはかじがないわけでございます。したがいまして、その当時は、かじのないものは一人、かじのあるものはかじとりを加えて二人、かようにきめておったようでございます。その前のことは私存じませんが、ところが御承知のような事故、ウインチに巻き込まれたのでございますが、その事故がございまして、現場に安全管理の委員会をつくりまして、どうしたらいいかといろいろ安全対策をやりました結果。普通のときは定員は一人でよろしい、だが、いろいろやはり特殊な作業、いろんな作業に応じまして、忙しいときには二人にする、こういうふうにきめておるような次第でございます。
#381
○川崎(寛)委員 それは忙しいときに二人ですか。はりつけ定員は一名だが乗務は二名だ、こういうことですか。その辺たいへん違うと思うのです。
#382
○宮崎(茂)政府委員 作業の種類によりまして、特殊の作業、つまりその船は中デッキと申しまして、普通のデッキ船ですと一人ですが、中デッキですと、低いものを積みますと、大体引き船のほうが見えるわけでございます。したがいまして、そういうときは一人、それから先が見えないような大きなものが載っているときには二人、そういうことになっております。
#383
○川崎(寛)委員 局長から、統計で建設事業には事故がつきものだ、当然だというふうな意味にとれるようなあれがありましたけれども、統計は統計としても、こういう事故はないように、その点は十分やってもらいたい、こういうふうに思います。
 そこで、たいへん長い間行管庁長官にはお待たせをいたしましたので、これから総定員法案の本質論的なものにひとつ入りたいと思うのであります。
 行管庁長官がこの行政機関の職員の定員に関する法律案を御提案になられた理由を拝見いたしますと、合理的な定員管理制度を実現するんだ、こういうふうに言っておられますね。この法案ならば合理的な定員管理制度が実現できるという理由、それはあなたの精神論はけさほど来私は伺っておりましたが、具体的な科学的な合理的な定員管理制度がこれで実現できるんだという点についてもう一ぺんひとつ伺わしていただきたいと思います。
#384
○荒木国務大臣 端的に申し上げまして、先ほど来、午前中からの御質問にもお答えしてあることの繰り返しになりがちでございますが、お許しをいただきます。
 行政機関の定員というものが、毎度申し上げますように、戦後今日まで増員だけはなされますが、減員ということはなされないでまいっておると申しても過言ではなかろうと思います。税金を納める国民の側から見ますれば、国民に対する行政サービスはよりよくしてもらいたいという希望であると同時に、それは合理的であり効率的であってほしいという要望が率直な国民の声であると思うのであります。そういうことからいたしまして、――それのみではないといえましょうけれども、御案内の臨時行政調査会が国会の御承認を得て数年前に設置せられ、二年間の慎重検討の結論が答申として出されました。それは国会の御意思を受けまして、いま申し上げる定員の関係につきましては、行政の合理化、近代化は必要であるけれども、しかしながら、出血行政整理はまかりならぬ、定員の配置転換によって、その上に立って行政改革をやっていけという御趣旨でございました。臨調の答申も、その国会の御意思を受けまして、総理大臣に出しました答申の中身は、定員の配置転換のやり方で公務員の定員をフルに活用する線に立って行政改革を行なうような制度をつくってしかるべしという趣旨の御答申をちょうだいし、法律にもございますように、答申を尊重しなければならないという立場に立って、数年前から検討を加えつつ、前通常国会に御提案を申し上げて以来今日に至っておることは、くどく経過説明が長過ぎましておそれ入りますけれども、そういう基本線に立っております。そうして定員の総計の最高限度を定めまして、それを国会でお定めいただいて、その限度内で配置転換を活用しながら、緩急軽重を考えながら行政能率をあげていくというたてまえでございます。
 その具体的なやり方は、先刻の御質問に関連して申し上げましたように、予算定員と一致した各省庁の定員の配置、それは従来設置法に基づいて御審議願っておりましたものを政令で定めるという内容でございますが、そのことについてのいろいろな御論議もあり得るとは思いますけれども、そういうやり方でやりますことによって、そうしてまた先刻も触れました三年間五%の自然減耗定員と申しますか、それを補充しないでとっておきまして、そうしてその留保定員の有効な活用をはかりながら、出血整理をしないで緊急なところには定員を配置し、また行政サービスの使命を終わり、もしくは減少してもよろしいところは減らしまして、それにプラス、マイナスを活用しながら保留定員ともども合理化していこう、こういうことが具体的なねらいでございまして、従来ややもすれば予算折衝等を通じましても困難性でありました。というのは、先刻も触れましたように、不急のものがありましても、上へ上へと積み重ね方式であるがゆえに、限りある予算の活用ができないでおるという意味も含めまして、とかく必要なところに適正な定員増加のための予算措置も困難であったと思いますが、それらのことが非常に総合的にやりやすくなる。これは厚生大臣その他関係大臣がお答え申し上げましたとおりで、そこに何らのごまかしはございません。率直に申しまして、やりやすくなるであろう。お話しの看護婦さんにいたしましても、必要なところにできるだけすみやかに実現をはかり得るようにという課題につきましては、重点を置いて配置転換をしていく、定員配置をしていくというふうなことでございますから、この制度をお認めいただくことによって、行政能率の向上、国民に対する行政サービスの向上も期待し得るものと存じております。
#385
○川崎(寛)委員 臨調が三十六年の十一月設置されたわけです。それで、行政機関職員定員法が廃止をされて国家行政組織法の改正が出されましたのが三十六年の四月ですね。その三十六年の四月の法改正、行政機関職員定員法を廃止して国家行政組織法を改正しましたときの提案理由の説明を小澤国務大臣は明確に言っておるのです。いまのは前行管庁長官の答弁と違ってくるのですね。この定員規制方式を確立したい、こういうことで、国家行政組織法の一部改正を行なったわけです。これちょっと長くなりますけれども、私非常に大事だと思いますから、提案理由の説明を読んでみたいのです。「定員というものは、本来組織の規模を示す尺度であり、行政機関の規模は機構と職員の定員により規制されるべきものでありますから、従来のように定員のみを切り離して規定することは適当でないと思われますので、各省庁等の必要とする具体的な定員については、従来規制の対象としていなかった特別職の職員をあわせて、それぞれ当該省庁等の設置法に規定するようにいたしますとともに、行政機関職員定員法を廃止し、これに伴い関連法律に所要の改正を行なうものであります。」こういうふうに機構と定員、組織と定員というものを明確にしていこう、こういうことで昭和二十四年の首切り法であった行政機関職員定員法を廃止したわけですね。これに対するわが党の石橋委員の質問に対しましては、従来の定員管理制度の欠陥の是正ということで自信があるのか、この法案で自信があるのかということに対して、「今度の改正で自信を持っているかという点でありますが、これは自信を持ってやっていけると思います。」いまあなたもたいへん高い調子で自信をもって言っておられますが、この三十六年のときに、つまり臨調ができる年の四月に、こういうふうに言っておるのです。ここで行政管理局長が、政府委員が、答弁をしております。その答弁も、これは非常に大事だから私は読み上げてみたいと思いますけれども、「今回の規制では、従来国家行政組織法の十九条で、単に『職の定員』ということが書いてあるのでございますが、この内容が不明確でございましたので、この定員の一番もとになるべき国家行政組織の法律において、いかなるものを定員として規制すべきかということを明瞭にするという建前で、今度のような法律案を提案いたした次第でございます。」それから「そこで法律による規制が本質的に困難なものであるかどうかということでありますが、法律による規制は非常に弾力性のあるところまでを規制しようといたしますと、やはり法律というものの制定過程から申しまして、困難がございますけれども、しかしでき得る限り基本的な国の行政組織の規模というものは、国会で審議をしていただくというのが正しいのではないかという建前で、基幹となる定員につきましては、法で規制するということにいたしまして、非常に弾力的に、特別に必要が起こる例外の場合だけを一部政令でできる道を置いておるわけでございます。」非常に長いこと読み上げましたけれども、こういうふうに定員というものの考え方について、また行政組織の規模というものとの関連の中で、組織と定員、つまりこの法律でいいますならば、国家行政組織法の三条と十九条というものはまさに両立しなければならない、こういう考え方で、これは三十六年に法改正がなされておるわけです。その法改正をして、そうしてここで定員管理制度については自信をもってやっていくのだ、こういうことを当時の小澤国務大臣が答弁をいたしておるのでありますが、そのことをなぜ改正しなければならないのか。あなたの答弁からは少しもこれを具体的に変えなければならないという点については精神論以外何もないのです。具体的にひとつ御答弁願いたいと思います。
#386
○荒木国務大臣 お話しのとおりの経過を経て今日にきていることを承知いたしますが、足かけ十年ばかりの歳月の経過をたどりながら、さっき申し上げました国会でおきめいただいた臨時行政調査会で、客観的な立場から慎重な調査、審議をしていただいた結論が臨調答申となってあらわれましたことは先刻申し上げたとおりであり、申し上げるまでもなく、御承知のとおりであります。そのことを尊重し、さらに行政監理委員会も制度づけていただきましたが、行政監理委員会におきましてもその必要性を主張していただいております。新聞論調その他を見ましても、この考え方に対しては同調する傾向が顕著であると私は理解をいたします。さらに、午前中も申し上げましたが、なるほど小澤長官のときの提案理由の趣旨もそれなりによくわかります。当時としてはそれが一番よろしいと判断された立場に立っての提案理由の説明であったことを否定するものではございませんけれども、その後のあらゆる分野での検討の結果が、こういうふうな考え方でやらないと、しょせんただ古いものはそのままにしておいて積み重ね積み重ねでいけば、おのずからある時期には出血行政整理をしいられざるを得ないということも考慮に入れられまして、出血整理じゃないやり方で配置転換でいく、そういうことこそがほんとうの意味での国民の税金を有効に使い、しかも行政サービスが時と場合に応じて、行政需要とサービスがマッチするゆえんである、そういう考え方が大筋としては一貫して示唆され、流れておると理解するのであります。ですから、一番簡単に申し上げれば、首を切らないで国民の税金を最も有効に国民のために使っていくということで行政目的を達していきたい、そのためにはこういう考え方のほうが、今日の段階においての結論としましては適当であり、有効であろう、かように存じておるのであります。
#387
○川崎(寛)委員 三十六年と今日の変化をあなた、少しもそれじゃ説明になっていないのですよ。これは日本の行政のあり方というものを振り返ってみました場合に、国家行政組織法というのは戦前はないのですね。戦前は、大日本帝国憲法の第十条で、天皇の大権事項なんです。官制大権なんです。ですから、俸給にしても人員にしても、天皇ができるということになっておった。しかし、それは要するに法律によらないということで、人による政府、天皇という名前のもとにおける人による政府なんだ。ガバメント・バイ・メンなんですね。それが戦後の新しい憲法の中で――もっとも二十四年、これはまだ占領軍がおりましたから、その当時は占領軍の強権によって左右をされてまいりましたけれども、三十六年ようやくこれがそういう状態というものを脱却して、憲法に従った体制というものになってきたんです。つまりそこに、今日の日本国憲法による国会の優位、それから国民のための行政ということになり、法律による行政ということに変わってきたわけですね。だから、ガバメント・バイ・メンからガバメント・バイ・ローに移ってきておる。そのことが三十六年の国家行政組織法という法改正によってようやく一つの形ができてきたわけです。しかし戦後のこの二十四年の行政機関職員定員法ができます前の暫定措置、これは二十三年の十二月十八日に制定をされてきております。まさに首切り法案でやられてきておるわけです。国家行政組織法が公布をされたのは二十三年七月で、二十四年六月に施行されておる。この施行の直前に行政機関職員定員法が二十四年の五月に公布をされて、六月一日に施行されて、国家行政組織法と一緒に動き出してしまった。しかし、ここでは行政機関職員定員法ということで、当時のドッジ政策と相まって首切り法案だった。このことは三十六年の法改正の際にも認めておるわけですね。あなた方も認めておる。そうしますと、そういう変化の中で、人による政府と、それから三十六年の小澤大臣なり当時の政府委員が答弁をしております組織と定員、そういうものによってこれを審議してもらうことによって行政というものを国会が常に見ていくという形でいこう、つまり法律による政府、法律による行政、そういう方向にいくべきものを、今日なぜ最高限度だけをきめてあとは政令に委任をしていくかというところに問題がある。
 行管の資料によりますと、英国等は法律ではなくて政令だ、こういうことをいっておる。しかし英国はこれは委任立法をやっておって政令は国会がチェックをすることになっておるわけです。だからその点は、行管の資料というものは全然問題にならない。政令審査会というものがイギリスの国会の中にはあって、ちゃんと国会が政令をチェックしているわけです。だから組織と定員という問題を三十六年の法改正の際にやった。そのことによって国家行政組織法のあるべき姿というものを定めてきたものを、今日なぜ最高限度を定めて合理化をしようとするか。これは、この定員関係の法案の戦後というものをずっと振り返ってみますとき、今日的な意味というものがきわめて明らかに出てまいるわけです。行政の民主化というものから逆行しているということが今回の法改正で指摘せざるを得ないわけです。
 国家行政組織法、これは戦前はなかったですね。これは行政機関のあり方を示すものさし法ですよ。だから組織と定員と、なぜそれが国会で審議になるとぐあいが悪いのか、このことを明らかにしていただきたいと思います。
#388
○荒木国務大臣 先刻来申し上げていることをまた申し上げざるを得ない面もあろうかと思いますが、行政組織なりあるいは定員というものは、結局国会で御審議願い御決定いただいたその結果が全国民のためになるかどうかということのために考えらるべき課題と思います。法律の形式的な経過等は御指摘のとおりでございまして、おぼろげながら私も承知をいたしております。行政組織と定員が密着した姿で法案が審議せられるということも一つの望ましい形とは思いますけれども、しかし国会では従来といえども、予算に盛られました予算定員を各省庁設置法の改正案として出したものを予算をにらみながら御審議をいただいておる、実質的にいえばそうだと思います。
 先刻、大蔵省の説明員が申しておりましたように、予算の定員と違った設置法の一部改正というものは出されたためしがないと私は承知いたします。実質的には国民の税金で成り立つところの予算の定員そのものを中心に、総合的に国会で国民にかわって御審議願う、チェックしていただくという意味で、総括的な国会の機能を発揮していただくことに期待するということでございまして、ことさら国会の御審議をずらかろうとか、あるいは軽視しようなどとむろん考えもしませんし、あるべきはずでもむろんない。ただ結果が、ただ従来の定員に積み重ね、積み重ねということにしかならなかった実績から見まして、それで国民はよろしいと思っておるであろうかどうかということが判断の一つの基礎である、この法案の基礎を私はそこに求めたいと思うのであります。(「三十六年の経過はどうなる」と呼ぶ者あり)むろん御、指摘のように、行政組織のあり方について総括的なことを定めておりますのは行政組織法でございますけれども、しかしこれは絶対に動かすべからざるものとして定めたものではないと私は思うのであります。
 午前中の御質問にも出ておりましたが、基本法みたいなものだという御指摘でありました。私もそういうふうな意味はあるとは思いますけれども、教育の制度でたとえて申し上げるならば、教育基本法はまさに憲法に次ぐ教育の基本法であると思いますけれども、行政組織法的に移し植えて考えるとしますならば、学校教育法が教育に関する一種の行政組織法的な総合的法律であると思います。しかしそれとても、いかに実効をあげるかという見地に立てば改正さるべきことは当然であり、教育基本法の改正はほとんど考えられないがごときものでありますけれども、学校教育法というものは改正をされ続けて今日にきて教育面の行政需要に応じておる。それと同じような考え方に立って、私は今度御審議願っておりますこの法案を通じまして、行政組織法の基本的な国民のためにという角度から目ざしておるものにはよりよくマッチするような体制ができ上がる、かように思うのであります。
 繰り返し申し上げますが、行政組織法そのものの御説明のような、提案理由等をお読みになってのその当時としての趣旨は私もむろん疑うものじゃありませんが、ありとあらゆる方面の慎重審議の結論が指向しますところは、私はいま申し上げたような点にある、そのことを国民の世論と受けとめまして、御審議願うことによって国民の期待にこたえたい、かように思うのであります。
#389
○川崎(寛)委員 答弁になってないですね。三十六年当時は、つまり国家行政組織法というものの「制定過程から申しまして、困難がございますけれども、しかしでき得る限り基本的な国の行政組織の規模というものは、国会で審議をしていただくというのが正しいのではないかという建前で、基幹となる定員につきましては、法で規制するということにいたしまして、」こういうふうに言って例外の場合だけを政令定員というふうにしておるわけですよ。だから、いま大臣が答弁をしておられますことは、こうした国家行政組織法というものの制定過程というものをあなたは一面では認めながら、非常に苦しい答弁をしつつ都合のいい論理を展開しようとしておられるわけです。この国家行政組織法というものの位置づけを一応評価をするというか、高く評価をした答弁をいましておられる。
 ところが今回のこの法改正というのは、国家行政組織法そのものをいじるのではなくて、総定員法案で国家行政組織法を変えていく、行政組織の基本に関する法律というものそれ自体をいじるのではなくて、いわゆる下位法というか、国家行政組織法に基づいたというか、その下位法である定員法のほうで国家行政組織法自体もいじっていく、こういう法律の改正のしかたそれ自体にも、今日の佐藤内閣の非常な危険性というものが出ておるわけです。
 では自衛隊六千人、警察機動隊二千五百人、一般警察官千五百人、公安刑事千人、検事四十三人、公安調査庁二十人、裁判所判事四十三人といったこうした防衛、治安関係の増員ということは、行政の合理化という面からするならば望ましい、そちらのほうは望ましい、こういうふうにあなたはお考えになるのですか。
#390
○荒木国務大臣 公務員の増員は何のためにやるかというお尋ねと率直に受けとめますが、それは国民のためになるかならぬか、その角度から見て緊急性があるかどうか、重要であるか比較的重要でないかという判断に立ってきめらるべきものと思うのであります。むろんその考えに立って、政府としましては信ずるところを国会に御提案申し上げて御審議を通じて確定していただくことは、これは言わずもがなのことでありますけれども、ものの考え方としてはそういう点に着眼して取捨選択さるべきもの、そういう考え方に立っていまお示しのような増員等も行なっていただきたいということで御審議をお願い中でございます。
#391
○川崎(寛)委員 それでは今度の法案というものが、つまり国家行政組織法のほうを直接いじらぬで、こういうやり方というのは妥当だとあなたはお思いですか。
#392
○荒木国務大臣 法律の改正案の方式としましては幾多前例があると思います。先刻も申し上げたように、むろん総合的な行政組織を定めた法律であることに間違いはございませんけれども、たとえて申し上げました学校教育法も総合的な教育行政についての教育基本法に次ぐ立法だと思うのでございますが、これを改正しますときでも、他の部分的な改正法案にくっつけまして学校教育法の改正条項を一緒に御審議願う、こういう例は幾多ございます。そういう例に従って組織法に関連します十九条ないしは二十一条、二十二条等もその前例に従った改正手続、方法によったにすぎないのでありまして、そのことでもって行政組織法そのものの総合的な立法であることとの矛盾はないものと私は思います。
#393
○川崎(寛)委員 これはあなた、教育基本法に次ぐ大事な基本法だ、こういうふうに言われておる。しかし、それを今度の法改正についても矛盾しないんだということで最後は締めくくっておるわけであります。しかし、これはわれわれとしては絶対に納得いかぬことだし、三十六年におけるこの法改正というものを今回変えなければならないという根拠は何ら明らかにされていないのです。(「国民のためだ」と呼ぶ者あり)国民のためだという言い方をしながら、憲法なりそういうものがくずされていく過程というものを、あなたはもう少し国会の立場で考えられませんか。国会というものを行政府の事後承諾機関にするとか、あるいは政令等の問題もある。政令審査等についても、イギリスの国会は――イギリスの行政府は中立がきちんとされておる。そして政令についても政令審査が国会の中でチェックできるようになっているわけです。そういうことを考えずに、お先棒をかつぐようなものが国会の中で今日の事態をくずしていくことに対しては、たいへんな危険性というものを感ぜざるを得ないのです。だから私はこの点について大臣の答弁に対して納得できません。何ぼでもやりたいと思いますが、もう時間もあれだろうと思いますから、以上で終わりたいと思います。
#394
○藤田委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。
 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後七時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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