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1949/04/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第7号
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1949/04/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第7号

#1
第005回国会 農林委員会 第7号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○馬籍法を廃止する法律案(内閣提
 出)
○農業災害補償法第十二條第三項の規
 定の適用を除外する法律案(内閣提
 出)
  ―――――――――――――
   午後一時四十一分開会
#2
○委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を開会いたします。本日は最初に前回に引続きまして、馬籍法を廃止する法律案を議題にいたします。一昨日の委員会で委員の方から御照会せられましたこの家畜のセンサスについての内容、それから家畜の登録協会の状況及びその登録協会に対する家畜の登録数等の資料をこの委員会に間に合うように御要求がございました。お手許にその参考資料が配付されておりますから、御覧置きを頂きたいと思います。前回に引続きましてこの法律案についての質疑を継続いたしたいと思います。若しできますれば質疑終了後、本日討論、採決に入りたいと思いますから、そういうようなお心組みで御審議をお願いいたしたいと思います。
#3
○藤野繁雄君 前回加賀委員が質問された点でありますが、このセンサスによつて現在数は分るのでありますが、その後の移動というものがセンサスだけでは分らないのでありますが、飼料の配給をやる場合においては、搾乳牛であるとか、或いは挽牛馬であるとか、種畜、種禽というようなものに飼料をやらなくてはできないのであるが、そういうふうなものは何を基準にして、どんな調査方法によつて飼料の配給計画をやられるのであるか、その点お伺いしたいと思うのであります。
#4
○政府委員(伊藤嘉彦君) 飼料の配給につきましては、現在の規則によりますと、切符制でやつておるのでありまして、消費者に切符を貰いまして飼料を購入するわけでありまして、この場合切符制というようなことになつておりますので、それから又現在の状況におきましては、極く重点的な配給をしております関係上、この末端の配給機関及びその地方的な統制機関であります縣におきましては、十分に個々の家畜の状況を掴んで切符を発給しなければならん、こういうふうにやつておりますので、特に飼料の配給のための調査、家畜の移動の調査は特に決めてやつてはおりませんけれども、大体において今申しましたように、配給自体が消費者のところまで具体的に切符制になつておりますので、誤りなくやり得る、尚配給機関といたしましては、飼料の場合におきましては、公團の支部、それから縣の支所、支所のその又配給機関といたしまして小賣業者がそれぞれ登録をせられておる関係からいたしまして、そうして又その小賣業者は消費者の選挙によつて登録をされておるというふうに、総じて申上げますと、消費者まで、個々の飼料を消費するところまで具体的になつて運営されておりますので、大体誤りなく、特にそのための調査はないのでありまするけれども、なし得ておると思つております。
#5
○藤野繁雄君 そういたしますというと、そういうふうな関係の家畜というものは登録によつて頭数が分るのであつて、その他の方法によつて知る方法はない、又農林省は知る必要はないとお考えでありますか、その点伺いたいと思います。
#6
○政府委員(伊藤嘉彦君) 配給の場合におきまして、消費者の対象を確実に掴むといいますことは極めて大事なことでありまするので、これを確実に掴むためには確かに常に必要でありますが、從來から、この切符制になる前からも飼料は配給をやつておりまして、そうして大体において掴んでおりまするので、非常におかしなところが出て参りますると、これが直ぐ分ることができるのでありまして、この点で特にこのために制度的なものを必要とするということは現在のところではないと思つておりまするが、これを確実に掴んで、幽霊配給その他の配給がないようにするためには、十分に私共の方は勿論のこと、配給機関を通じまして、これを常に注意をして行かなければならない、又注意をしておるつもりでございます。
#7
○委員長(楠見義男君) 外に御質疑はございませんか……。御質疑がなければこれで質疑は打切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(楠見義男君) それでは質疑はこれで終了したものといたしまして、直ちに討論、採決に入りたいと思いますが、別に御意見もなければ、直ちにこれから採決に入りたいと思います。政府提案の原案通り御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#9
○委員長(楠見義男君) 全会一致で馬籍法を廃止する法律案は原案通り可決することにいたしました。尚例によりまして多数御賛成者の御署名をお願いいたしますと同時に、本会議の委員長報告はこれも亦例によつてお任せ頂きたいと思います。尚委員長報告におきましては、先日藤野さん、加賀さんからお述べになりました馬についてのいろいろの行政面の法を簡略化することは賛成であるけれども、併し特に馬の傳染性貧血或いは脳炎、こういつた家畜の衞生上の研究或いはその他の施設が非常に減少して減額されており、又單に衞生的の施設のみならず、家畜全体についての増産に関する施設が非常に削減されておるということ等につきましては、特に委員長報告の中に入れて御披露することにいたしますから、御参考までに申上げておきます。
 多数意見者署名
    平沼彌太郎  石川 準吉
    赤澤 與仁  加賀  操
    藤野 繁雄  羽生 三七
    門田 定藏  板野 勝次
    徳川 宗敬  北村 一男
    山崎  恒
#10
○委員長(楠見義男君) それでは次に農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案を議題にいたしたいと思います。審議の便宜上一應提案理由だけ伺いまして、それから参考書も間に合いますれば、引続いてやつて頂きます。若しそれまでの時間がありますれば、畜産局関係の陳情請願がございますので、これを機会に一括してやつて頂いたら結構だと思います。
 それではこれから農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案を議題にいたします。先ず池田農林政務次官から提案理由の御説明を伺うことにいたします。
#11
○政務次官(池田宇右衞門君) 農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案につきまして、その提出理由を御説明申上げます。
 この法律案の内容は、農業災害補償法第十二條によりますと、食糧管理特別会計は、水稻、陸稻、麦の農作物共済の共済掛金の一部を農業共済再保險特別会計に繰入れて負担いたしますと共に、この負担金を食糧の賣渡價格の中に織込みまして、消費者に負担させるように定めているのでありますが、昭和二十三、二十四の両年度におきましては、食糧管理特別会計は、負担金を消費者價格に織込まずに、負担するようにいたしたのであります。而して食糧管理特別会計から農業共済再保險特別会計に繰入れます金額につきましては、その財源を一般会計から食糧管理特別会計に繰入れることにいたしておりまして、即ち昭和二十三年度の食糧管理特別会計負担金約十億六千万円のうち五億円につきましては、その財源は一般会計からの繰入金によることといたし、即ち第四國会におきまして予算上並びに法律上の措置が講ぜられたのであります。同樣にいたしまして、食糧管理特別会計負担金の二十三年度分残高約五億六千万円と、二十四年度分約二十三億三千万円との合計約二十八億九千万円につきましても、その財源は一般会計からの繰入金によることといたし、これに伴う予算並びに法律案が今國会に提出せられているのであります。
 以上の通りでありまして、何とぞ愼重審議の上、速かに御賛同あらんことを切望いたす次第であります。
#12
○委員長(楠見義男君) それではこれから質疑に入ります。
#13
○山崎恒君 只今農林政務次官は第四國会において、予算上並びに法律上の措置が講ぜられたというような御説明をされたのでありますが、第四國会においてどういう措置が講ぜられたのでありますか、その点を一つ御説明願いたいと思います。
#14
○委員長(楠見義男君) ちよつと申上げますが、政務次官が提案理由を述べられた最後に予算並びに法律案を本國会に提出されておるということを言われましたが、それは参考としてお手許にお配りしてあると思います。大藏省預金部特別会計外二特別会計の昭和二十四年度における歳入不足補てんのための一般会計からする繰入金に関する法律案という法律案がこの國会に出ておるようであります。
#15
○政府委員(山添利作君) これは追加予算で五億円食糧管理特別会計に繰入れまして、食糧管理特別会計から又農業共済再保險特別会計に繰入れることになつております。
#16
○山崎恒君 その点はよく分るのですが、次官の説明に、第四國会において予算上並びに法律上の措置が講ぜられたということを只今説明されたのだが、どういう法律上、予算上の措置が講ぜられたか、その点を一つお聽きしたいと思います。
#17
○政府委員(山添利作君) これはこの前の二十三年度分についてはそういう措置が講ぜられました。而して二十四年度分につきましては、これに関する予算案並びに法律案が提出してありますと、こういう意味なのであります。
#18
○委員長(楠見義男君) ちよつと分りかねますが、二十三年度の食糧管理特別会計負担金約十億六千万円のうち、五億円については、今山崎さんからお聞きになつておるように、提案理由では、すでに予算上並びに法律上の措置が講ぜられた。そこで予算上の措置については、今お話のように追加予算でおやりになつたと、こういうことなのですが、法律上の措置というものは講ぜられなかつたのではないかと思います。
#19
○山崎恒君 予算上の措置は、それは特別会計、一般予算から出たのですから分るが、法律上の措置は講ぜられないと、こう思うのですが。
#20
○委員長(楠見義男君) 実はこの委員会で問題にしておつたのは、法律では消費者に食糧管理特別会計で負担して、そしてそれを消費者の價格に轉嫁するということに法律上なつておるのに、それをやつておらんから法律違反ではないか、ということを前々農林委員会ではやかましく言つておつた問題なのであります。それについては、どうせ昭和二十四年度に入つてから、負担の問題はその年度へ入つてからの問題になるから、その際に改めて予算上の措置並びに法律上の措置を講ずるということを前の周東農林大臣当時から言つておつて、我々は又その問題についてはいろいろの意見もあり、注目しておつた問題なのであります。從つて只今の山崎さんからの御質問が出たのでございます。
#21
○政府委員(山添利作君) よく分りました。それにつきましては、すでに政府の方で消費者負担にしないという方針を決めたときに、早期にこれと同樣の法律を出したらいいではないかという一つの意見があるわけでありますが、併しこの内容を考えて見ますと、これはいつの時期にどれだけ、いつの米價にはどういうふうにするかというその支出の面と、それから消費者にかける面とが必ずしも明確になつていないのでありまして、從つて食糧年度から申しますと、これは両会計年度に跨つておる。そこで法律の方といたしましては、消費者の方に轉嫁をしないという事柄につきましては、大体その食糧年度くらいに法律的な措置をすれば間に合うではないかと、こういう見解も成立つのでありまして、今年は成程米價が四月から変りましたけれども、今までの考え方でございましたら、米價の追拂いの関係もありまして、七月頃変るのではないかという考えを持つておりました。そういうような時期までに措置をすればいいではないかと、こういう考え方をもいたしておるし、その要旨は成程特別会計と、食糧管理特別会計が保險の方の特別会計に繰入れます金額の年度所属、これは明確でありますけれども、それはいつの賣拂いの米に対してかけるかということは必ずしも明確でないと、こういうわけなんでございます。
#22
○委員長(楠見義男君) 今の話はこうなのです。全体で三十三億九千万円要るのですよ、ところがそのうちの五億円については、もうすでに前回処理済みだから、今回は二十八億九千万円だけを出していると、こういうことなのです。その五億円については、法律上の措置がなければ、仮に五億円を前年度の追加予算に計上したとしても、その五億円を計上した法律的のその根拠というものは解決されていない、こういうことなのです。
#23
○山崎恒君 局長の今の御説明は、局長は非常に細かく考えておられるようですが、簡單なんです。私の質問したのは、次官が、予算上並びに法律上し処置が前議会においてされたという説明をしましたから、何ら法律上の処置は講じてないじやないか。要するにあのときは、一般予算から、特別会計から、一應金を持つて來て支拂うというような処置を講じただけであつて、法律上の手続は何らしてないじやないか、こういうような点で私はその点を質問したのです。ですから法律上の手続は、今回のこの議会に只今出したのが法律上の手続だろうと思う。その点をお聽きすればいいのであります。
#24
○政府委員(池田宇右衞門君) 今お尋ねの点でありますが、五億円を一般会計から出すときに、一般会計から五億円を支出するという大藏省案として、その出す手続の法律を提案して、そうして賛同を得て出した、こういう内容であるというのであります。その点をここに明記したというようなことでありまして、御了承を頂きたいと思います。
#25
○委員長(楠見義男君) それでは大藏省から昭和二十三年度において出たという法律案を一つ参考に配付して頂きたい。
#26
○板野勝次君 この農業災害補償の問題は極めて重要なる問題ですが、今度のこの十二條を改正されるに当つて、全体として災害補償のいろいろな面について不十分な点があると思うのですが、政府の方では、そういう問題については檢討されたかどうかという点と、それからもうこの消費者負担にさせないようにすればそれで十分だとお考えになつておられるかどうか。この補償法全体に対するこの改正案を出される以前の、政府のいろいろな檢討されたことがあれば知らして貰いたいと思います。
#27
○政府委員(山添利作君) 消費者負担にすることの可否につきましては、これは当初災害補償法を國会に提案いたしましたときにもいろいろ議論がありましたので、板野さんはそれを反対であろうと思うのでありますが、私はそれは合理性があるということを今まで言つておつたわけです。又そういうことが認められるならば、現在のような事情におきましては、私はそれでいいと思うのです。併しこれは関係方面でいろいろ議論がありまして、二十三年度も消費者轉嫁をしない、二十四年度も消費者轉嫁をしない。それから先はそれではどうするかということにつきましては、これは目下関係方面で実は檢討をされておるのでして、從つて多分この二十三年度、二十四年度の例を追つて行くことになるのではないかと想像しておりまするけれども、まだ明確な結論に達しておらないのであります。その外保險共済事業を拡張するというようなことにつきましては、いろいろ考究をいたしております。事故の中に虫害を入れますとか、それから農家の生活保障をやつて行きますためには、現在の対象だけでは狹い。從つて法律上他の作物にも及ぼし得る。尤もこれは強制ではございません。更に農家の生活安定という意味から申しますれば、家屋でありますとか、或いは農業上の機具、機械等の増産につきましても、共済制度をおし拡げるという、こういうような点につきましても考慮をいたしておるものであります。これらの事柄につきましては予算を伴いますことがございますので、幸い追加予算も出し得るという建前になりますれば、次の臨時國会に提案いたしたいというので、研究をいたしております。
#28
○板野勝次君 今度の災害の復旧なんかでも少しもなされていない、殆んど問題にならない。殆に天災地変の多い日本の農業場合に、一方においては公共事業費が削減をされて來る。そうすると自然に起つて來るいろいろな農業の災害というものは、今までよりももつと今年はひどくなつて來ると思う。そういうことに対する補償はもつと政府において積極的に考えらるべきであつたと思うのですが、その点がむしろ聞きたかつたわけです。それに対しては何らお考えがなかつたというわけなんですか。
#29
○政府委員(山添利作君) 考えがあるにもないにも、大体お話のように災害の復旧を怠つておれば毎年同じようなところが害を及ぼすのが当り前のことでありまして、これはその方面の手当をやるのが当然なんであります。これは保險の強化だけで考えるよりは、これはもつと根本的に考えて行かなければならないというわけであります。
#30
○北村一男君 この問題がこの委員会で相当やかましく取り上げられましたときの一つの理由としまして、一般会計から繰入れるということになれば結局農家が間接ではございますが、やはり負担を増すということも一つの論難された点であつたのではないかと思いますが、それに対して農家がバランスが取れるように何かお考えになつておるかどうか、その点を一つ伺いたいと思います。
#31
○政府委員(山添利作君) 一般会計から出しますことによつて、特別に農家負担は増さないのでありまして、これは一般税金の中から出るわけです。そうすれば自然農家の負担も殖えるじやないか、こういうことは理窟としては言えますけれども、これはおのずから意味が違うのでありまして、税金としてのそれは農業、商業、その他勤労所得等を通じて合理化され、それから農家負担が非常に、今の米價その他の事情から見まして、又保險料が地域によつて非常に違うという事情からいたしまして、半額程度のものを政府負担とするとこういうことでありまして、只今お話になりましたようなことにはならないと思つております。
#32
○委員長(楠見義男君) 一般会計の負担の問題は当時大分やかましく論ぜられた問題で、大体大多数の委員の方は引続いて委員をやつておりますから、御承知の通りなんでありますが、新らしくなられた委員の方もありますので、御参考までにその当時の状況を概略だけ申上げますと、問題は一般会当で負担するのがいいかどうか。この問題は、特に農業災害における超非常災害のような大きな災害については、むしろこれは消費者が負担するということでなくて、國家みずからがそういうような方向に出、國家みずからが負担するような方向で行かなければならないのじやないか、從つてあの確か第二國会だと思いますが、そのとき出た場合に、消費者負担にするということは一時、財政上の余裕がないために万止むを得ざる措置としてそういうことをやるので、本來は國家財政さえ許せば一般会計において負担すべきじやないか、こういうことでありました。それに対して消費者が負担した方がいいというよりもむしろ負担しても惡くない、こういう議論は、非常に大きな災害があつた場合に、普通の自由経済当時であれば、米の値段は当然上ることなんだから、從つてそういうようなことから考えて見ても消費者が負担するということは必ずしも理論上不適当とは思わん、こういうことでありました。併しできれば國家財政において負担した方がいいことはこれは間違ないということは、大衆の消費物資であり、從つてこれは一般の税の方から負担する方がむしろ負担の均衡という観点から行けばいいのでないかということでありました。その当時まあ結論としては、農政局長はまあ当時も農政局長でありましたが、結論としては、國家財政が許さないのが、こういうことに落ちたようでありましたけれども、大体そういうような経過を経て來たことを記憶を新たにして頂くと同時に、新らしい委員の方に御披露申上げて置きます。
#33
○板野勝次君 今農政局長は、災害の復旧は復旧なんだ、これは別個なんだと言われますけれども、今のように等閑にされておるからこし、それ以上に今の再生産が保障されるような補償額があるのならこれは又辛抱できるでしようけれども、今の額も一つ聽きたいのですが、額も極めて低いし、そうして毎年々々水害にさらされて來ておる、そうして再生産は保障されて來ん。こういう形では、名は災害補償法なつておるけれども、実際は本当の意味での災害補償法にはなつていないと思うのです。そういう点を私は政府の方で十分考慮されてやられる、今度の改正の場合にそういう方面についてもつと社会保障的な面をこれに出して來られる必要があつたのじやないか、こういうことを尋ねたかつたわけなんです。そういう点に対しては何ら考慮を拂われておられんかどうか、ここなんです。
#34
○政府委員(山添利作君) これは原則といたしまして、災害の限度は半分ということになつておるわけでありますが、これはやはり共済金を受取る側から見ますると、無論多い程いいわけでありますが、一面共済が強制になつておりまして、一方から見ると共済掛金を負担しなければならんというわけでありまして、且つ共済掛金は農家の負担としては実は相当重いのでありまして、そういう点から見ますると、やはり現在程度の半分というところで落着くのがやはり落着き所ではなかろうか、かように考えておるのであります。尤も当初半額というふうになりましたのは、支出する現金とか、或いは道徳危險というような点を考えてのそれでありますが、現在モーラル・リスクというような点から見ますると、大分金額が上つておりまするから、半分でなくてもいいと思うのですが、併し一面強制しておりまする点から、農家の災害の比較的少い地方等におきましていろいろ負担すること等を考えますとまあ現状程度で必ずしも惡いということではないのだろう、こういう考え方をいたしておるわけであります。
#35
○板野勝次君 そうしますと、これは農家の掛金の面から見られるからで、現状からするなら、つまり政府の負担額というものを一般会計から出して行くというふうな方法はあると思うのです。殊に價格調整費なんというものは随分組んでおる。ああいうものを削つて來て政府の負担額の額を増して、そうして実質上農業の再生産に支障のない程度のものが補償される、こういう形で農林当局がもつと熱意のある態度を示されたならば、そういう方向に行くんだけれども、今局長の話を聞くと、実は積極性のないように見えるが、そこまで積極的に再生産の補償のできるような形に進めて行く、そうして政府の負担額をもつと殖やして行くと、こういう方向に対するお考えはないわけですか。
#36
○政府委員(山添利作君) これは他の予算につきましても、私共もいろいろ予算を要求しておるのですが、熱心にやればうまく行くとか、一方に大きな財源があるからうまく行くとかいうふうには、実際問題としてなかなか行かないのでありまして、この共済制度が元七十五円の共済金でありましたのが、やつとこれがインフレによるところの新らしい價格水準で行われるようになりましたのも、実はその消費者負担ということが條件だつたからこそできたのであります。財政上から申しますと、これを一般から出せということではなかなか実行がむずかしてかと思いますが、この問題だけでも一年近く話をして、ようやつとできたのです。できた後で今度は一般の財源の負担ということでありましたから、これは今更いやというわけに行かんからできておるというような事情でありまして、お話のよなう点は私共も非常に希望はいたしており、又國全体の頭を変えれば、そういう考え方も無論あると思いますけれども、現在の財政事情といたしましては、お話のようなところまで更に進んで行くということは至難な状況にあるわけであります。
#37
○山崎恒君 この際御質問をいたしたいと思いますが、今回のこの予算に政府は共済團体の從業員の賃金ベースにつきまして、國庫交付金が大体六千三百七円ベースの三分の二の國庫補助の予算が盛られておるのでありまはが、この問題につきましては、團体そのものの性質から考えましても、これは目下の食糧事情から考えましても、この共済團体の現状からいたしまして、当然政府の行うべき事業を、政府の一環の事業として共済團体がやつておられるのでありますので、この問題は以前の周東農林大臣当時の点から鑑がみましても、一般公務員と同様に、一つ全額を國庫で持つて貰いたいと、かように我々は思つておるのでありますが、現在予算の面におきましては、さような点には行かず、農政局長が非常に努力されて、三分の二の獲得に今成功されたということは、私共感謝はするのですが、尚一歩踏み込んで全額これを何とかする方法がないものかどうか、その点を一つお伺いしたい。それからもう一つは、一月から三月末までの前年度の職員の助成でありますが、これが三千七百円ベースでそのまま打切られておるのでありますが、これを何とか一つやり繰りが出來んものか。その点を一つできましたら六千七百万円くらいの費用だろうと思われるのですが、何とな大きな財政からいつて六千七百円くらいの費用ですから、捻出できんものかどうか、この点を一つお聽きしたいのであります。
 それから先程、來るべき臨時國会に一つ改善の案を出すべく目下研究中だということでありますが、当然六月には臨時國会が召集されるものと私共は考えておるのでありまするが、この際共済團体といたしましても、是非共災害によるところの農家経済の破綻を阻止する方途が強力に実行されなければならないというのが我々の念願であるます。それがためには現行の農作物或いは蚕繭及び家畜に限られた共済事故のみを以てしては到底不十分でありますので、更に農業災害補償法の対象を地方的の特殊農作物等の災害による農家の損失にも及ぼして、これを政府の指導の下に共済團体が何とかこれを運営しましたならば、農家の経営にも裨益する点が非常に大きいだろうと、かように思うのですが、そいうした点から行きまして、現行の法規を一歩進めまして、特殊農産物或いは農業用動産、不動産というようなものに及ぼす意思がないかどうか。それから虫害等を加えたものを災害の対象にする意思がないかどうか。現在では虫害は除かれておりますので、そうした問題をもう一歩進めて、虫害をこれに加えら貰つたらどうかというような問題について御意見をお聽きいたしたい、かように思うのであります。
 それから政府は、局長も随分陣頭に立つてお骨折り願つて、この改善のために防疫法でも作りたいというような御意見があつたようでありまするが、遂に関係方面の容れるところとならなかつたようでありまするが、それに代る防災方面の問題、いわゆる防疫関係についての何らかの対策がないかどうか。前以て例えば薬剤撤布を一回でもしますれば、ここに百万円の損害を十万円で喰い止めるというような、未然の防疫方法がここでどうしても必要だろうと思うのであります。農家にも年一回の收穫物でありますので、そうした手段をこの際講じまして食糧の確保をするということが、最も日本の現在の食糧事情から言つて必要である。かように思いますので、防疫法関係について從來お骨折り願つたことは我々よく承知しておるのでありますが、遂に関係方面の容るるところではありませんで残念であつたのですが、それに対処するところの方法をお考えがあるかどうか。この点を一つお聽きいたしたいと思います。
 それから災害保險金の支拂の問題でありますが、災害保險金の支拂いの問題は、非常に農業金融の面が円滑でありませんので、我々は中央金庫に頼つておりましては、決して農業災害保險金の支拂いを賄い得ない情勢でありますので、迅速に災害保險金を支拂うというためには、何らか災害金融の途を確立する必要があるだろうと、こう思うのですが、それに対しまして、政府においてお考えがあるかどうか、できましたならば私共は農業災害金庫のごときものが必要だ、かように思われるのですが、そうした点についての御意見、或いは政府の政府資金が急速に一時貸出しができるかどうか、かような点と、それから金融対策についての御意見、以上のような点を一つお聽きいたしたいと、こう思うのであります。
#38
○政府委員(山添利作君) 一月、三月分の六千三百円と、五千二百円とのベースの差額、これは当然政府の助成の対象にすべきではないか、私共もこれにつきましては、相当交渉をいたしたのでありまするけれども、何分追加予算が出るのか出ないのか、なかなか分らなかつた、それら財源の問題等、遂に二十三年度におきましてその処置がつかなかつたのでありまして、それではいわば借金になつておるのであるから、今後何らかこれに対して補助金を出す途があるかどうかということにつきましては、これはすでに過ぎ去つた問題でございまするので、非常に問題の解決が困難であります。併し何らか將來機会がございますれば、絶えずこういう事柄については念頭に置いておるわけでありまするので、努力はいたしたいと考えております。それから市町村の共済團体に対します助成が、三分の二になつておるのを全額助成するように、これは設置しまする職員と若干の事務費でありまして、これに対して三分の二助成するということは、全部の経費に対して、凡そ二分の一を助成するということに当たろうと考えております。これは是非全額補助にいたしたいということで、從來から要求はいたしております。未だ二十四年度予算にはその主張を貫徹しておりません。今後に継続してこれは実現するようにやつて行きたいと考えております。併しこれも非常に大藏省から申しますると、むずかしいのでありまして、あらゆる社会的な保險を通じて、農業保險が実は國家負担というような部面が一番手厚いというような、バランスから見ていけないのだ、財源の問題と同時にそういう均衡論もございますので、簡單に実現するとは存じませんけれども、飽くまでも私共はその方向に努力を継続して行くつもりであります。それから共済の対象を地方的な特殊農作物、農業家屋、及び農業用動産に拡張する意思なきやということにつきましては、その必要を認めておりますので、なし得れば次の臨時國会には、そういう改正案を作成して御審議を煩わしたいと考えております。それから虫害を入れる問題、具体的に申しますと、浮廛子でありますが、これは是非共済事故の中に入れたいと考えております。この共済事故を拡張すること及び共済物の対象を拡張いたしますことにつきましても、いずれもこれは予算を伴う問題でありまして、もとよりこれは一般会計に負担をかけるという考え方ではございませんけれども、併しとにかく形式上追加予算が先ず出せるという状況でないといかんのでありまして、そういう追加予算を出してよろしいということになりますれば、次の臨時國会に解決いたしたいと考えております。それから防疫の問題でありまするが、これは法律のお話がございましたが、成る程今までの病害虫予防駆除並びに輸出入植物檢疫法を合せました新らしい法案の研究をいたしております。これも併し予算を伴いますので、速急にこの法案を國会に提出するという運びにはならないと思いまするが、併しそれはそれといたしまして、近年病害虫が多くなつて参りまして、それに対して積極的に防除手段を取りますことは、極めて必要であります。昨年主要食糧一割増産運動をいたしました。その主なる内容にも病害虫の防除というところに実行の主力が注がれたような次第でありまして、これにつきましては、協同組合なり、農業保險組合法で、それぞれ適切な共同防除の施設を講ぜられるように奨励をいたしておるわけであります。これは法制でありまするとか、助成予算というようなものはございませんけれども、極力自主的な方法で防疫が徹底いたしまするように、努めておるわけであります。その次に金融に関する問題があるのでありまして、御質問の趣旨は極めて御尤もなことでありまして、私共もかねがねお話になりましたような件の解決いたしますことの緊急性を感じておるのでありまして、この事柄は政府の特別会計を運用して行きます上についても必要でございまするし、又府縣の保險組合が、災害が沢山起きました場合のファイナンスについても必要でございまして、これにつきましては農村金融協会等の團体並びに農林省におきまして研究を重ねました結果、一案を得ております。その骨子は、大体政府の特別会計におきましては、一般会計から大体六十数億くらいの金を数年間に亘つて募金として出して貰うということ、それから保險團体の金融といたしましては、手持の余裕金、積立金等を農林中金に対して、みんなが預ける。その勘定の中で相互融通して行く、その勘定で足りない部分は、政府の特別会計における先程申しました資金を融通して行くというようなことで、特別会計並びに保險団体の資金問題を通じて、何らか事業運営上支障を來さないような制度を確立いたしたい、こういう希望を持つているのであります。併しこれにつきまして、なかなか問題が問題でございまするので、今後相当の紆余曲折を経なければならんと考えているのであります。とにかく私共といたしましては、そういう案を中心といたしまして、できるだけ早い機会にこの問題を解決いたしますように、努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
#39
○委員長(楠見義男君) 甚だ恐縮なんですが、実は厚生委員会で証人を喚問しておりまして、速記の方をそちらの方へ廻したいと考えますので、速記をそちらと廻すことに御了承を得たいと思います。――では速記を止めます。
   午後二時四十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時十九分速記開始
#40
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。それではこれで散会いたします。
   午後三時二十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
           北村 一男君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (畜産局畜政課
   長)      伊藤 嘉彦君
   農 林 技 官
   (農業改良局
   長)      磯邊 秀俊君
ソース: 国立国会図書館
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