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#1
第061回国会 内閣委員会 第22号
昭和四十四年五月八日(木曜日)
    午前十時十五分開議
 出席委員
   委員長 藤田 義光君
   理事 伊能繁次郎君 理事 佐藤 文生君
   理事 塩谷 一夫君 理事 塚田  徹君
   理事 三原 朝雄君 理事 大出  俊君
   理事 浜田 光人君 理事 永末 英一君
      足立 篤郎君    赤城 宗徳君
      井出一太郎君    内海 英男君
      菊池 義郎君    田中 龍夫君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      古内 広雄君    松澤 雄藏君
      三池  信君    山口 敏夫君
      淡谷 悠藏君    稻村 隆一君
      小川 三男君    木原  実君
      安井 吉典君    伊藤惣助丸君
      鈴切 康雄君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      床次 徳二君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        宮内庁次長   瓜生 順良君
        皇室経済主管  並木 四郎君
        行政管理庁行政
        監察局長    岡内  豊君
 委員外の出席者
        大蔵省理財局国
        有財産第二課長 市川広太郎君
        参  考  人
        (新東京国際空
        港公団総裁)  今井 栄文君
        専  門  員 茨木 純一君
    ―――――――――――――
五月七日
 委員華山親義君辞任につき、その補欠として八
 木昇君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員八木昇君辞任につき、その補欠として華山
 親義君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員三池信君及び岡田春夫君辞任につき、その
 補欠として古内広雄君及び小川三男君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員古内広雄君及び小川三男君辞任につき、そ
 の補欠として三池信君及び岡田春夫君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月七日
 靖国神社国家管理反対に関する請願(岡田春夫
 君紹介)(第五八〇九号)
 同(黒田寿男君紹介)(第五八一〇号)
 同(田代文久君紹介)(第五八一一号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第五八一二号)
 同(戸叶里子君紹介)(第五八一三号)
 同(永井勝次郎君紹介)(第五八一四号)
 同(林百郎君紹介)(第五八一五号)
 同(松本善明君紹介)(第五八一六号)
 同(山花秀雄君紹介)(第五八一七号)
 同(岡田春夫君紹介)(第五九七一号)
 同(黒田寿男君紹介)(第五九七二号)
 同(田代文久君紹介)(第五九七三号)
 同(谷口善太郎君紹介)(第五九七四号)
 同(永井勝次郎君紹介)(第五九七五号)
 同(林百郎君紹介)(第五九七六号)
 同(松本善明君紹介)(第五九七七号)
 同(山花秀雄君紹介)(第五九七八号)
 靖国神社国家護持の立法化反対に関する請願
 (八百板正君紹介)(第五八一八号)
 同(戸叶里子君紹介)(第五九七九号)
 靖国神社国家護持に関する請願(相川勝六君紹
 介)(第五八一九号)
 同外三十六件(小山長規君紹介)(第五八二〇
 号)
 同外七十八件(河野洋平君紹介)(第五八二一
 号)
 同外十四件(田中龍夫君紹介)(第五八二二
 号)
 同外十六件(永山忠則君紹介)(第五八二三
 号)
 同外一件(原健三郎君紹介)(第五八二四号)
 同(粟山秀君紹介)(第五八二五号)
 同(相川勝六君紹介)(第五九〇五号)
 同(浦野幸男君紹介)(第五九〇六号)
 同外二十一件(小澤太郎君紹介)(第五九〇七
 号)
 同外七件(佐々木義武君紹介)(第五九〇八
 号)
 同外二十九件(田中龍夫君紹介)(第五九〇九
 号)
 同(千葉三郎君紹介)(第五九一〇号)
 同外六件(羽田武嗣郎君紹介)(第五九一一
 号)
 同(廣瀬正雄君紹介)(第五九一二号)
 同外三十五件(伊藤宗一郎君紹介)(第五九六
 五号)
 同外十九件(臼井莊一君紹介)(第五九六六
 号)
 同外八件(世耕政隆君紹介)(第五九六七号)
 同(登坂重次郎君紹介)(第五九六八号)
 同(中垣國男君紹介)(第五九六九号)
 同外七件(増田甲子七君紹介)(第五九七〇
 号)
 一世一元制の法制化に関する請願(赤城宗徳君
 紹介)(第五八二六号)
 同外一件(河野洋平君紹介)(第五八二七号)
 同外五件(砂田重民君紹介)(第五八二八号)
 同外四件(永田亮一君紹介)(第五八二九号)
 同(松野幸泰君紹介)(第五八三〇号)
 同(粟山ひで君紹介)(第五八三一号)
 同外四十一件(渡辺美智雄君紹介)(第五八三
 二号)
 同外四十三件(奧野誠亮君紹介)(第五九一三
 号)
 同外九件(小山長規君紹介)(第五九一四号)
 同外十件(瀬戸山三男君紹介)(第五九一五
 号)
 同(田村良平君紹介)(第五九一六号)
 同外三百二十九件(湊徹郎君紹介)(第五九一
 七号)
 同(三原朝雄君紹介)(第五九八二号)
 元満鉄職員であつた公務員等の恩給等通算に関
 する請願外一件(佐々木義武君紹介)(第五九
 八〇号)
 同外一件(田中六助君紹介)(第五九八一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 許可、認可等の整理に関する法律案(内閣提出
 第八二号)
 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一六号)
     ――――◇―――――
#2
○藤田委員長 これより会議を開きます。
 許可、認可等の整理に関する法律案を議題といたします。
#3
○藤田委員長 まず、趣旨の説明を求めます。荒木行政管理庁長官。
#4
○荒木国務大臣 ただいま議題となりました許可、認可等の整理に関する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 政府は、行政の簡素化及び合理化を促進するために許可、認可等の整理をはかってまいりましたが、さらにその推進をはかるため、さきに政府において決定いたしました行政改革三カ年計画に基づき、計画的に許認可及び報告等の整理を行なうこととし、この法律案を提出することとした次第であります。
 法律案の内容について御説明申し上げますと、第一に、許可、認可等による規制を継続する必要性が認められないものにつきましてはこれは廃止し、第二に、規制の方法または手続の簡素化をはかることが適当と認められるものにつきましては規制を緩和し、第三に、下部機関において迅速かつ能率的に処理することを要するものにつきましては処分権限を下部機関に委譲し、第四に、統一的に処理することが適当と認められるものにつきましてはこれを統合することとしております。
 以上により廃止するもの十二、規制を緩和するもの十、権限を委譲するもの十四、統合をはかるもの一、計三十七について、十九法律にわたり所要の改正を行なうことといたしました。
 以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
     ――――◇―――――
#5
○藤田委員長 次に、宮内庁法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 この際、おはかりいたします。
 本案に関して、新東京国際空港公団総裁今井栄文君を参考人とし、意見を聴取したいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、御意見は質疑をもって聴取することといたします。
    ―――――――――――――
#7
○藤田委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。木原実君。
#8
○木原(実)委員 公団の総裁がお見えになっておりますので、最初に少し総裁の意見を聞きたいのですが、いま三里塚の空港の準備が進められているわけなんですが、具体的にこの工事の進捗の現況を聞きたいのです。かねて公団の意見として、大体工事にかかる日時あるいはまた供用開始の時限、それまでに事業を上げるのだ、こういう話を承っておるわけなんですけれども、現況はどうなんですか。
#9
○今井参考人 現況につきましては、現在資材の輸送に重点を置きまして、資材の輸送計画並びにそれに必要な道路あるいは鉄道輸送、それから成田からの資材のための専用鉄道、資材置き場並びに資材の搬入道路の建設の計画を進めております。
#10
○木原(実)委員 資材輸送や道路、そういう関連のほうから手をつけている、こういうことですが、実際に四千メートルのある滑走路の工事にかかるめどはどのくらいに置いているのですか。
#11
○今井参考人 敷地内の滑走路等の造成工事につきましては、早ければことしの秋から、おそくてもことしじゅうには始めたい、かように考えております。
#12
○木原(実)委員 現在の買収状況はどうですか。
#13
○今井参考人 買収状況につきましては、現在私の手元には四月十五日までのデータが出てまいっておりますが、大体におきまして、現在御承知のように民有地は全敷地千六十ヘクタールの中で六百七十ヘクタールでございますが、その中で全体の約六十数%の買収を終わりまして、特に私どもが第一期工事と称しております西側の五百ヘクタールにつきましては、民有地が約二百八十ヘクタールございますが、その中で二百四十ヘタクールの買収を終わっております。
#14
○木原(実)委員 二百四十ヘクタールの買収が終わったということは、これはもう完了したということですか。
#15
○今井参考人 完全に所有者の方々との契約調印を了しましたものが二百四十ヘクタールでございます。その中で書類の整理のつき次第逐次支払いをいたしておるわけでございまして、支払いの大体の状況は、全体で五割以上はすでにもう支払いを完了しておる。書類が整理次第逐次上がってまいりまして、決裁をいたしまして支払いをいたしておるわけであります。ですから、いま申しました約二百四十ヘクタールというものにつきましては、すべて地主の方々と完全に契約の調印を終わったものでございます。
#16
○木原(実)委員 では、残余の未契約の分、この見通しはどうですか。
#17
○今井参考人 現在第一期工事区間約五百ヘクタールの中で、残余は約四十ヘクタールございますが、これにつきましては大体五月、六月をもって大部分のものは完了いたしたい。ただ、御承知のように、反対同盟に所属しておられる方々の所有地も若干ございます。また、一坪運動というようなもので、面積的にはごくわずかでございますが、そういったものも若干ございます。こういったものにつきましては、特に反対同盟に所属しておられる方々の所有地については、目下極力説得あるいはまたこの仕事の意義を了解していただくということに全力をあげております。
#18
○木原(実)委員 五月、六月段階で残余の大部分を買収をする、こういうことですが、おくれておる理由は何ですか。見通しはどうですか。反対同盟の人たちはたいへん強硬な意見を持っておるわけですけれども、他の条件つきで賛成をしておる人たちが何かかなりおくれておるわけですね、それはどうですか、見通しは。
#19
○今井参考人 ただいま申し上げましたまだ未買収の第一期工事の四十ヘクタールにつきまして、おくれております条件派の方々の主たる理由は、まず第一には相続関係その他の手続関係が非常に多いのでございまして、おじいさんの名前でまだ登記をいたしておるものをお孫さんの名前にこれを変えなければならないというふうな問題もございますし、それからまた、何人かの方々で共有しておられる土地がございます。こういった共有地につきましては、各地主さん方の関係を全部整理をしなければいけない。それからまたもう一つは、最近特に印旛の干拓水田、こういったものに入るというふうなことについて県からの確証が得られたら調印しましょう、こういうようなことで若干渋っておられる、そういうふうな向きもございます。
#20
○木原(実)委員 所有関係や手続のおくれているのはわかるのですが、代替地の関係で渋っている人たちはいるわけですか。
#21
○今井参考人 代替地につきましては、御料牧場の残地で代替地に予定しておる部分が、まだ代替地としての造成ができない状況になっております。これは条件派の中で、対策連絡協議会、この方々が主として入るのでございますが、この方々もほとんど大部分はすでに調印を終わっております。中で、一部まだ調印をしておられない方々もございますが、特に代替地ができないからということで調印を渋るというふうな大きな動きはございません。ただ非常に強く、早く代替地をつくってほしいという希望は持っておられます。
#22
○木原(実)委員 特に強硬に反対しておる人たちですね、これは極力説得をするという努力を続けておる、こういうわけなんですけれども、これはどうですか、見通しは。
#23
○今井参考人 私ども、見通しは、これは非常にむずかしい問題だとは思いますが、私どもが県と協力をいたしましてしんぼう強く説得をしていきますれば、徐々にやはり気持ちを変えていただける方が相当あるのではないかという見通しでございます。
#24
○木原(実)委員 土地の買収が完全に終わったあとで工事にかかるのですか。それとも、部分的に残っても工事を始めるおつもりですか。
#25
○今井参考人 部分的に残っても工事は始めるつもりでおります。
#26
○木原(実)委員 そうしますと、残ったにしても、いずれは買収をしなくちゃならぬ、そういう段階になりますと、強制的な措置、法的な措置、説得が不調に終わった場合には、最後にそういうことになるわけですね。
#27
○今井参考人 現在のところでは、農民の方々の所有土地につきまして、強制収用をするというふうな考えは持っておりません。先ほど申し上げましたように、粘り強く説得していく。ただ、五百ヘクタールの第一期工事区間につきましては、御承知のように反対同盟に所属する地主の方々はごくわずかでございます。特に強いのは、芝山町の岩山地区でございまして、これは滑走路の南端に所属しております。こういうようなところでは、いま直ちに買わなくても、さしあたって滑走路、誘導路等の工事には支障はない、かように考えております。
#28
○木原(実)委員 そうしますと、南端に部分的に残っても工事を進めていって既成事実をだんだんつくっていく。それで周囲から詰めていくわけでしょうが、しかし、南端に残っておる部分の人たちは、そういう地区ですから、最後には法的措置に結局たよらざるを得ないということですね。交渉の見通しは、いまどうですか。
#29
○今井参考人 私どもは、地主の方々で現に土地を持っておられる方々は、私どもや県の今後の説得のいかんによりまして相当お気持ちを変えていただけるのではないか。特に芝山町は、従来は反対同盟の非常に大きな根拠地でございましたけれども、芝山町におきましても、やはり今後の町政の将来というものからいろいろ考えていただける向きがだいぶ出てきたようでございます。私どもはそういった芝山町におけるところの人々の説得も期待いたしておるわけでございます。私どもが現在どうしてもやはり収用にかけなければいかぬと考えられますのは、どうしても論理上話し合いが不可能だ、一坪運動、こういった人たちを主たる対象に考えておるわけでございます。
#30
○木原(実)委員 一坪持ちだとか、立ち木、そういうものはいろいろあるわけですが、これはもう話になりませんわね。これは収用をする。しかし収用を――どうですか、かなり数もあるわけですが……。
#31
○今井参考人 現在第一期工事区間につきまして、一坪運動の全面積は約〇・五ヘクタール程度でございまして、四千メートル滑走路の先端の駒井野地区に特に工事上支障があると認められたところが三ないし四カ所ございます。これだけがいま問題になっておるわけでございまして、この全面積が、推定では約〇・三ヘクタール程度ではないか、かように考えております。
#32
○木原(実)委員 件数にしてどうですか。
#33
○今井参考人 件数にして三ないし四件でござい
#34
○木原(実)委員 そうしますと、それぐらいだとやむを得ない、強制措置で処置をする、こういうわけですね。
 もう一つお伺いをしておきますけれども、そういうことで工事を始めるわけですけれども、工事計画等はすでにお持ちでございますか。
#35
○今井参考人 工事計画につきましては、現在土工を中心に考えておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、資材の輸送、特に専用の鉄道並びに資材置き場、それから専用道路、これを考えておるわけでございまして、成田から東のほうへ、これは成田市の土屋地先でございますが、約二・九キロの専用鉄道を敷きまして、約十万平米程度の資材置き場を、すでに地主さんの御了解を大体において得ました。大多数の方々の御了承をいただきました。これは借地でございます。これにつきましては、すでに測量を現在やっておるという段階で、工事につきましても、すでに入札を終わりまして、資材置き場の並びに鉄道に委託する専用鉄道の部分を除く面につきましては、入札を完了いたしておるわけで、さらにその資材置き場から成田の駒井野付近に入る専用道路につきましては、区間を分けまして、それぞれ設計を進め、あるいはまた現実に測量をやり、それからまた地主さん方との交渉に入っておる、こういう段階でございます。
 それからなお資材の輸送につきましては、砕石、盛り土砂というようなものが最初は主たる材料になるわけでございますが、これにつきましては、すでに千葉県道、茨城県道の改修を昨年の秋からやっております。鉄道輸送につきましてのダイヤの編成についても、大体鉄道当局との間に話がついておるというのが現状でございます。
#36
○木原(実)委員 問題は四千メートルの滑走路の問題なんですけれども、工事に秋ごろからかかるということでございますね。そうなりますと、いまのいろんな労働事情その他がありますけれども、工事計画をお持ちなんでしょうが、私どもの考えでは、御案内のように、土質その他の面からいいましてかなりいろいろ問題があるんじゃないかと思うのです。実際問題として、供用開始までに、はたして工事がやれるのかやれないのか。きちんとした見通しをお持ちでございますか。
#37
○今井参考人 私どもは、公団発足当時、政府から建設の具体的な方針の指示を得ておりまして、昭和四十六年度の初期にこれを特に第一期区間四千メートル滑走路を完成するということでいま進んでおるわけでございまして、先ほど私が申し上げましたこの秋あるいはまたおそくても本年じゅうには工事を開始すると申し上げましたのは、敷地内の伐木あるいは整地というものから始めまして、それからあとは設計ももうすでにでき上がっておりますので、滑走路あるいは誘導路あるいはその他の基幹設備につきましての建設を集中的にやっていきたい。かように考えて、私どもとしては政府の指示どおり何としても四十六年度の初期には四千メートル滑走路を完成したい、かように考えております。
#38
○木原(実)委員 これはいずれ別の機会に工事計画なるものを示してもらいまして、少し討議をしたいと思うのですけれども、御案内のように土木関係は万博関係等の例を見ましても、人手の問題あるいは工事量、他との関連その他でやはりなかなか困難な面もあるだろう。それから、あの辺の土質その他の関係から見まして、実際に――工事計画を別の機会に検討したいと思うのですけれども、一つのめどがあるなら供用開始までに工事をあげる。何が何でもやるんだ、こういうことなんですけれども、実際に裏づけがあるかどうか、この際お尋ねをしておきたい。こういうことなんですが、どうでしょう。
#39
○今井参考人 いま先生のおっしゃいました土質その他の関係につきましては、すでに公団発足以来、敷地内につきましてもある程度の土質の調査をやっております。それから空港周辺につきましては、相当詳細な土質調査を行なっております。それからまた、土質関係の学界にお願いいたしまして、土質の調査、それに基づくわれわれとしての今後の工事のやり方というふうな面についての答申を得ておるわけでございまして、技術的には十分検討を終わっておるというのが現状でございます。
#40
○木原(実)委員 もうこれで終わりますけれども、最後に、これはそういう形で、第一期工事ということで四千メートルを中心に建設するわけですが、第二期の工事の見通しなりあるいは四千メートル一本ではたして国際空港としての当初の機能が果たせるのかどうか。どういう性格の飛行場がそういうことででき上がるのか。依然として疑問が残るわけなんですが、その点のお見通しはどうですか。
#41
○今井参考人 私どもは、四千メートルの滑走路、それに付帯する誘導路あるいはまたエプロン、それからターミナルビルディング、それから貨物ターミナルあるいはまた若干の整備施設あるいはまた必要な保安施設、こういうふうなものを含めまして、第一期工事だけで昭和五十一年度までは十分耐え得るというふうなものをつくる計算でおります。四千メートル一本滑走路がございますれば、それまでには十分間に合うのではないか。しかも御承知のように、国際線のみを扱うというたてまえでおりますから、現在羽田が十二、三万回の離発着に対して、国際線は二万回ないし三万回程度だと思いますが、成田で四十六年にかりに国際線が飛び出すといたしましても、全部が参りましても三万五千回程度ではないかというふうに私ども考えておりまして、五十一年度までの需要は十分満たし得るのではないか。それ以前に、第二期工事は当然完成される、かように考えておるわけでございます。
#42
○木原(実)委員 これで最後にいたしますけれども、そうなりますと四千メートルができた段階の成田の飛行場というものは、羽田の補助港的な意味合いを持つわけですか。
#43
○今井参考人 これは当委員会でも航空局長がしばしば答弁いたしておりますが、成田は国際線オンリー、国際の定期ライナーということでスタートするわけでございます。おそらく将来も国際線に専用されると思います。したがいまして、羽田の補助空港というよりは、羽田は主として国内線のライナーの空港になり、成田は国際線のライナーになる、かように考えております。
#44
○藤田委員長 小川三男君。
#45
○小川(三)委員 先に瓜生次長に伺いたいと思いますが、瓜生次長、この三里塚空港の問題が起こってから約三年間、数十回にわたって宮内庁に陳情に行かれておる事実は御承知ですね。その際、地元の農民の皆さんとも円満な話し合いがつかない限り、宮内庁の御料牧場については、公団といえども手を入れさせないということをあなたは何回か言明されておる。その見解はいまも変わらないのですか。
#46
○瓜生政府委員 地元の方がいろいろ陳情というような形でおいでになった際、私から申し上げていますのは、最初から変わってないわけですが、この新しい東京国際空港をあそこへつくるということが政府としてきめられた。宮内庁としては、どちらかといえば被害者の立場なんでございますが、しかしながら国の大きな方針でそういうふうにきまった以上は、一応国民のためにそれが必要だというようなことでありましょうから、これに協力はしないわけにはいかない。しかし協力をするにしても、また地元の反対の方もあるわけだから、地元の方の大勢がこれに賛成をしてこられる――大勢ということを言っております。大勢がこれに賛成してこられなければ協力はできないというふうに申し上げているわけであります。したがって、率先して協力するというようなことは宮内庁はしない。地元の大勢で、一緒になって協力せざるを得ないというような立場だ。まず最初に御料牧場のところから手をつけるというようなことはさせないようにわれわれはつとめるというふうに申し上げております。
#47
○小川(三)委員 先日も瓜生次長にちょっと申し上げたのですが、地元では三百九十五名の老人行動隊が組織された。その中で九十三名の決死隊を新たに組織して、血盟の連判状をもって、これは親戚や家族の会議を開いた。六十歳以上の老人の男女です。先日も瓜生次長の言明を信じて、宮内庁が先に手をつけることだけはやめてもらいたいということで、宮内庁へすわり込みの決死の覚悟で陳情に来るということであったのですが、これは地元で一応押えた。この点はもし必要があれば、これは地元の警察にむしろ照会したほうが早い、こういうような実情にあるわけです。その点をひとつ御理解を願っておきたいと思います。
 次に今井総裁に伺いますが、いま瓜生次長は、地元周辺の農民の皆さんとの円満な解決がなければ、宮内庁が率先してこの事業に手をつけることはない、こう言われているのですが、あなたは地元の農民に対して、いままで具体的にどういうような説得の工作を続けたのか、その点を。
#48
○今井参考人 これは私どもとしては説得と申しますか、特に反対派の強いのは空港敷地の南側にある芝山町でございますが、芝山町の方々に対しましても、常にこれは千葉県当局と御協力しての上でございますが、今後の芝山町のいろいろな発展の方策であるとか、あるいはまた空港公団といたしましても、芝山町から空港の中を縦貫いたしまして、一般道路によって国道五十一号線なりあるいはまた東関東道路に通ずる道路をつくる。それからまた芝山町につきましては、県と協力して、今後その発展に公団としてでき得る限りの力を注ぎたいというふうなことで、数次にわたってパンフレットあるいはまたその他の方法によりまして説得を続けて今日に至っております。
#49
○小川(三)委員 あなたのほうで数次にわたってパンフレットを出したと言う。このパンフレットがそうです。ところがあなたのほうは詐術を用いているのですよ。表紙に婦人の人たちがいるでしょう。これはみんなぼくの住んでいる近所の女の人たちなんです。パンフレットを配られて驚いて初めて私のうちへ来た。この間、何か用があるからちょっと来てもらえないかと市役所の人に頼まれて公団に行った。写真を写して、そうしてようかん五本の包みを一つずつもらって、これで済んだのですから、どうもお世話さまでしたと言って帰された。ところがこれがみんな空港の問題について相談にきた――あなたがもし必要であれば、私のところのこの女の人を呼んでもいいですよ。出先はそういうようなことをやっているんだ。それが誠意ある説得だなどということがどうして言えますか。
#50
○今井参考人 「新空港だより」の表紙につきましては、私も記憶いたしておりますし、それからまた、事実その席に連なる方々に対しましては、御迷惑になってはいけないという配慮もございまして、私からも現地に、御了承を得て表紙にしたかというようなことを実は問い合わせたわけでございますが、これについては御了解を得ておるという返事でございます。
#51
○小川(三)委員 この人たちは空港と何ら関係なく生活の実体がつくられているんです。公団に相談にいくような理由は何もないのです。もしあなたが、現地がなおそういうことをやっているということならば、この三人の婦人と会われたらいい。ぼくの近所にいるのですから。あなたもあの近所へよく来られているはずですから。これは成田農協の近くの人たちです。何も空港と関係ないですよ。これは地元で問題になった。だれが相談に行ったんだろう、こういう人は空港の周辺にはいない。みんな見ればわかるでしょう。ぼくは気がつかなかった。そうしたら女の人たちがそろって来た。こういうことをやられましたと言ってきているのです。そういうようなことをやって地元を説得するなどというようなことを言っても地元の説得にはならないですよ。この問題が始まってもうすでに三年ですよ。公団が発足してからもそうですよ。一体やっている仕事というのは具体的に――これは地元の協力がなければこれだけの事業をやろうといってもできはしないのですよ。したがって、地元の協力こそが一切に先行すべき問題でなければならないはずなんです。ところがそうでなく、もう間もなく空港は着工するかのごとき、あらゆるものが完備したかのように言っているでしょう。いまあなたは木原委員の質問の中で、土屋地先の資材置き場は大体借りる契約ができた――借りる契約はできていますか。重要な中心地である農家の人たちはいまだって交渉に応じていないでしょう。中心地が応じていないで、周辺だけ借りる契約をしたからといって、それが資材置き場になりますか。その点はどうですか。
#52
○今井参考人 資材置き場につきましては、先生も御承知のように、土屋地先に空港公団との間の借地契約あるいはまた小作人の方々に対する離作補償等もございまして、大多数の方々がお集まりになって一つの協議会をつくって公団と折衝してまいったわけでございますが、ごく最近、四月の初旬でございますけれども、それぞれの話し合いが全部完全につきまして、もちろん個別的な契約についてはこれから調印をとるわけでございますけれども、全部署名された文書によりまして、公団との間に覚え書きの調印を完了いたしております。すでにわれわれとしてはその方々のところでは、先ほど申し上げましたように、測量を始めておるというふうに申し上げたのでございます。全部が全部話がついたと申し上げたのではございませんので、一部につきましてはもちろんまだ反対しておられる。事実田をすでに植えておられるというところもございますが、大部分につきましては作どめをしておられるというのが現状でございます。
#53
○小川(三)委員 これは公団の責任のみではなくて、政府が負わねばならない責任ですけれども、富里で反対にあってできなくて、そうして急遽三里塚に持ち込んだのですよ。これは佐藤首相と友納知事との会談できめて、ここに持ち込んできているのです。地元の意向などというものは何も徴していないのです。したがって、芝山町も成田の市も議会が一たん反対を議決した。これに対してあらゆる詐術を用いて、金銭の誘惑で、そうして芝山町の町議会が数キロ離れた栄町の料亭で開かれているということがあって、そうして金を動かして、その議決を白紙に返さしたのです。そういうようなことをやっている。全然準備というものがないのですよ。この間の、二月二十二日の運輸委員会で、ぼくが水の問題を聞いたら、あなたは一日一トンだと答えているでしょう。いやしくも新国際空港が一日一トンぐらいの水でできるわけはないでしょう。あなたのほう自体が具体的な明確な資料を持っていないのですよ。ですから手塚航空局長があわてて毎秒約七トンだと答えているのですよ。毎秒ですよ。毎秒七トンと答えている。正確に言えば六・五八トンと答えているのですよ。あなたは、一日一トンだ、こんなように公団自体がそうですよ。三年間何をしていたかというと、業績の報告をやられたが、まだ何もやっていないといっていいですよ。水の問題にしても道路の問題にしても、あらゆる問題が準備されていたいですよ。測量自体、測量するのはかってかもしれないけれども、この間も人の山へ入って無断で立ち木を切ったというので、また謝罪書を出させられた。そういうように測量は測量会社にまかせる。もう全くずさんですよ。このことは公団としては初期に返ってやり直すべきですよ、位置の決定から。位置の決定に誤りがあるのですから、そこからやり直さなければ、この問題は進行しませんよ。ですから、あなたは四千メートルの滑走路一本ということを言っているが、二千五百メートルの滑走路、三千二百メートルの横風用の滑走路はできませんよ。あそこにこそ決死隊の中心になっている反対同盟の主力があるのですよ。あなた芝山、芝山と言うけれども、芝山でなく、三千二百メートルの滑走路と二千五百メートルの滑走路にこそ決死隊を編成している主力があるわけなんです。こういうような障害、人の心をつかむことのできないこういう重大な障害を無視して、単に上手を築き、コンクリートを打つなどというようなことで飛行場はできるものじゃない。ですから、その点で再出発すべきだということを私は申し上げて、質問を終わります。
#54
○藤田委員長 淡谷悠藏君。
#55
○淡谷委員 たいへん私の質問が長くなりましたがいろいろその間やっかいな資料などの御提出を願って恐縮に存じております。ただ、この間公団から提出されました「国有財産売払い及び購入契約書」並びに立ち木の払い下げの状況をいろいろ見てまいりました。これによりますと、この間の御答弁と違っているようですね。宮内庁から払い下げた場合と、地元へ売り渡した場合の価格は、ともに二千万円くらいというお話がございましたが、この書類によりますとちょっと違っているようです。これは速記録の関係もございますので、この席上でひとつ違っておりましたら違っているように御訂正願いたいと思います。
#56
○今井参考人 先般先生が資料要求をなされましたおりには、手元にこまかい資料がございませんでしたので概略の数字を申し上げたのでございますが、根本名地区におきます立木は、私は約二千立米と申しましたが、正確に申しまして二千四百六十二立米でございます。
 それから公団が譲り受けた値段は、約二千万円と申しましたが、千九百四十四万一千四百円でございます。さように訂正をいたさせていただきます。
#57
○淡谷委員 それからほかに竹二十四束というのがありますが、これは五千六百円じゃないですか。これは速記録に残るのですから、ひとつ明確にお答え願いたい。
#58
○今井参考人 いま立木の問題だけ申し上げましたが、竹は先生のおっしゃるとおり、二十四束で五千六百円でございまして、合わせましてその値段は千九百四十四万七千円、こういうことでございます。
#59
○淡谷委員 地元へ払い下げた価格を御答弁願います。
#60
○今井参考人 これは公団が関東財務局から譲り受けた値段でございまして、これを入札に付しまして落札した値段が、先ほど申し上げました立木並びに竹を合わせまして二千三百五十七万一千円ということになっております。
#61
○淡谷委員 これは公入札でしょう。公入札で落札した人は三人ございますね。三人とも分けて落札したのですか。全体の合計しかありませんけれども、どこに幾らというふうにしないと公入札の資格要件が整わないと思うのですがね。
#62
○今井参考人 私どもはできるだけ早く立木の伐採をやるというふうな趣旨におきまして、根本名地区を三地区に分けまして、そのそれぞれの地区について入札を実施いたしたわけでございます。
#63
○淡谷委員 その各地区ごとの落札価格を御答弁願います。
#64
○今井参考人 A地区につきましては千葉県の県森連が落札いたしまして、これが五百万一千円。それからB地区につきましては地元の三里塚の材木業者の有限会社渡辺産業というのが落札いたしまして、千三百七十万円でございます。それからC地区はA地区と同じく千葉県の県森連、これが落札いたしまして、四百八十七万円、こういうことでございます。
#65
○淡谷委員 落札した価格と、それから払い下げを受けた価格との間に若干開きがあるようですが、この収入はどういうふうに処理されたのですか。
#66
○今井参考人 これは公団の収入になるわけでございますが、私どもは、関東財務局から譲り受けた値段に対しまして、ある程度の調査費その他の経費も使っておるわけでございます。落札した値段は二千三百余万円でございまして、その差額は、そういったものを差し引きますと公団の収入になる、こういうわけでございます。
#67
○淡谷委員 空港公団には立ち木の売買によって利益を得るような事業種目はないでしょうな。たとえ三百万円にしましても公団の収入になった、この立ち木の払い下げによって利益を得ておりますね。何と言われようが、まさか経費が三百万も要ったわけではないでしょう。公団は立ち木の売買を業としないでしょう。
#68
○今井参考人 これは私ども公団が年々いただく出資金なり、あるいはまた財投でお借りする金なりにしましても、預金をいたしましてその利子というものは公団の収入として、雑収入として上がってくるわけでございますが、こういった立木の払い下げを受けましても、私どもの予定価格と同じであれば当然私どもはお売り渡しをするわけでございますけれども、入札でございますので一番最高値で落札した方にお譲りするということで、これは自動的に公団の雑収入として入ってくる、これは当然ではないか、かように考えております。
#69
○淡谷委員 公団の営業種目か事業種目か知りませんが、その中に立ち木売買という項目は入っておりますか、入っておりませんかというのです。
#70
○今井参考人 公団法そのものにはそういうふうな規定はございません。
#71
○淡谷委員 そういうふうな規定がないならば、何もすぐに売ってしまう必要はないじゃないですか。すぐ払い下げをするならば、直接関東財務局から払い下げをしたらいいじゃないですか。その間に公団が入って、金三百万円であっても利ざやをかせぐということはどうかと思う。財務局、その点はどうですか。財務局のほうから御答弁願います。――いなければいいです。いなければあとにしますけれども、なぜ直接払い下げをしなかったか。公団は事情はおわかりでしょうか。すぐ払い下げをするような立ち木を、一たんトンネルみたいに公団を通して三百万の利益を得たということはどうも私には納得がいかない。
#72
○今井参考人 これは立ち木の売買そのものが目的ではございませんで、公団としては、先ほど木原先生の御質問にもございましたように、御料牧場の残地は代替地として造成するわけでございまして、代替地造成を敷地の中の方々が非常に強く望んでおるわけでございます。で、この地区につきましても、用途廃止をしていただきましたのは、できるだけ早く農民の方々のために代替地を造成するということで、公団といたしましては樹木の伐採に相当時間がかかりますから、ひとまず立ち木の払い下げを受けて、早期にこれを伐採するというところに主眼があったわけでございます。
#73
○淡谷委員 公団は立ち木の伐採が目的ではなくて、そのあと地を取得することが目的だった、そういうふうな御答弁でしたね。御料牧場のあと地をどういう権利があって公団は取得されますか。
#74
○今井参考人 これは当初から、御料牧場の残地につきましてはでき得る限り敷地内の農家の方々に代替地として提供するということで、政府並びに県並びに宮内庁の了解も得ておるわけでございまして、その線に沿って公団といたしましてはできるだけ早く代替地が造成できるようにということで、立木の払い下げを受けたわけでございます。
#75
○淡谷委員 県やあるいは財務局は、宮内庁が何と言おうと、農地の取得には農地法の規定が要るわけなんです。そのために農地法の規則も改正したわけでありましたが、この規則改正は何としてあります。第三条の七に「新東京国際空航公団が国の牧畜及びその付帯事業の用に供する施設で新東京国際空港の建設に伴い廃止されるものに代わるべきものの造成及び譲渡を行なうため当該施設の用に供する農地又は採草放牧地を取得する場合」こうなっていますがね。そうすると、その規則は旧下総の御料牧場に対しても権限が及びますか、それとも、その規則によって定められたものは、栃木県の新牧場だけに限る権限ですか。
  〔委員長退席、塚田委員長代理着席〕
#76
○今井参考人 ただいまの点は、新しい高根沢の新御料牧場についてのみの規定でございます。
#77
○淡谷委員 そのとおりでしょう。高根沢の牧場のための農地取得はこの規則によって許されていますけれども、旧牧場の農地に対する取得は許されていないじゃないですか。
#78
○今井参考人 したがって、根本名地区につきましては、立木の伐採につきましての払い下げを受けただけでございます。その地区は現在依然として国の所有でございます。
#79
○淡谷委員 あなたの答弁だと立木の売買をして利益を得るのが目的ではなくて、そのあと地の利用のために伐採したんだという答弁でしょう。あと地の利用の権利があなた方にないじゃないですか、この場合。
#80
○今井参考人 私どもとしては、土地を所有するとかしないとかということは必ずしも自主的な問題ではございませんので、でき得る限り早く代替地の造成をしていただくということでございます。したがいまして、根本名地区につきましても、私どもが所有権を取得する意図はございません。私どもは、立木の伐採をしたあと、かりに私どものほうにそれが来るという場合でも、直ちにそのまま県の所有にして県に造成をしていただく、こういうふうに考えております。
#81
○淡谷委員 取得するか取得しないかは第二として、少なくともこの立木伐採には用地の使用の目的があったでしょう。どこでやろうとこれは仮定じゃないですか。その上に生じておる立木の売買のできるのは、あくまでも仮定の上に立っているのでしょう。仮定の上に立って関東財務局が払い下げをする。仮定の上に立ってあなた方が利益を得る。しかもそのために三百万の利益をあげている。意地の悪い見方をしますと、権限につけ込んで利益を得るためにやったとしかこれはとれませんよ。これはいやでもおうでもおれのほうの自由になるのだという前提のもとに、仮定の事実を基礎にしてこの立木の売買を進めているのです。そうとるよりほかないじゃないですか。あくまでもこの土地をあなた方の取得にまかせるか、県がやるか、あるいは高根沢に移るような段階になるかならぬかは、今後に属することなんです。立木だけはさっさと伐採してしまって払い下げを受けて――払い下げの方法だって幾らも方法はあるでしょう。あなたのほうで必要がないものならば立木を直接取得する人にまっすぐに払い下げたほうがその人たちも得じゃないですか。それをどうしてあなたが中に入ったか私にはわからぬ。
#82
○今井参考人 それは先ほどからるる申し上げておりますように、公団は空港をつくることを政府から命ぜられておりまして、したがって、敷地の中の方々の代替地を早く造成するという点につきましては、土地を所有するといなとにかかわらず、これは公団としては当然地元の方々に対する道義上の責務であるというふうに考えております。したがいまして、どういう形になるか、これはもう当然現行法律の中で適法な方法で行なわなければならぬわけでございますが、私どもとしては一日も早く御料牧場残地につきましても代替地が造成されて、敷地の中の方々がお移りできるようにするということについて、できることなら何でもやるというようなことでやってまいっておるわけでございます。もちろん不当なこと、不法なことということじゃございません。本来の法律のたてまえによってやっておるというのが現状でございます。
#83
○淡谷委員 できることは何でもやるといったって、ちゃんと法律で縛られていますからね。なぜ、この立木を直接に地元に払い下げをしなかったんですか。直接必要とする人に払い下げをするのは国有財産の払い下げとしても当然じゃないですか。もしそれだけの落札額があるならば、あなたのほうに入るかわりに、国に入りましたね。本来国有になるべきもの、国有財産になるべきものが、途中で三百数万円が公団に入ったということは、見ようによっては一つの汚職ですよ。なぜ国有財産を直接払い下げをしなかったんですか。
#84
○今井参考人 直接の方法ももちろんあると思いますけれども、これはむしろ私どものほうからお願いをして、一日も早く代替地が造成できるようにということで、財務局のほうに立木の払い下げをお願いいたしたわけでございまして、もちろんそれによって利益を得るとかなんとかいうふうなことではなくて、三百万円の差が出たということは入札という制度からくる当然の帰結ではないか、かように考えております。
#85
○淡谷委員 即刻関東財務局、お呼び願います。私はあとの質問を続けていますから、休んでいません。こんな答弁では、財務局の責任も生じてきます。国有財産の売り払いに関する件ですからね。その間に三百万円の利益が生じているのです。ぜひお呼び願いたい。
 それでは、大蔵省の方が見えるまで、時間がたいへん延びますので、別なほうの質問をいたしますが、これはひとつ床次長官にお伺いしたいのですが、この間からも言っているとおり、この宮内庁法の一部改正なんてやってもやらぬでも事業は進むのじゃないですか。いまの答弁でもわかっているとおり、どんどん事業が進展していく。もう栃木県の牧場は完成に近いというし、地元は地元でまだ依頼もされていないのだが、どうせ依頼されるという安易な仮定の上に立ってどうせ売りさばくし、われわれは何も苦労して三日も四日もかかって質疑応答する必要はない。どんどんお仕事を進められたらいいんじゃないですか、法律は法律として。その点はいかがですか、この法律の性格です。
#86
○床次国務大臣 行政機関の仕事につきましては、建物と人とそれから設置法というものが一体になって初めて仕事ができるわけでありまして、したがって最終的な手続といたしまして宮内庁法の改正を必要とするわけでありまして、御審議を願っておるわけであります。ただ、御審議を願うに至りました経過的な立場から申しますと、すでに予算におきまして債務負担行為を御承認いただいて、そしてそのときにおきまして高根沢に移転するという計画につきましては御了解をいただいておるわけでありまして、その後の手続時間は相当長くかかりましたけれども、現実におきまして建物の完成等を近く見ますので、いよいよ最終的に移転を実行いたしたい、かような立場になっておるわけであります。
#87
○淡谷委員 私、この間からの長官の御答弁で、はなはだふに落ちないことが一つあるのですが、法に軽重の差はないはずですね。どんなに小さい法律でも、法の尊厳は法の尊厳として尊重しなければならないと私は思う。その場合に、予算がついたのだし、大体この構想は前にきまっているのだから、どんどん仕事は進められるというお考えなのか、やはり宮内庁法の一部改正というものはこの仕事をする上での必須要件になっているのか、ただ最後のだめ押しで判こをつくような気持ちでこの法案を通すのか、その見方ですね。この法案がなくても仕事が進むならば、完成してからでいいじゃないですか。まだ施行期日さえはっきりいえない。この後どういうことになるか、この問題はわからぬですよ。さっき小川さんも言われましたけれども、場合によっては非常に迷惑を宮内庁に及ぼすのじゃないかということも予想できます。そういうふうな前途に幾多の波乱をかかえている問題に対して、もし急がなくて済む、ただ最後に念のために判こを押せというくらいの法律ならば、何も無理やりここで通さなくても私はいいと思うのですが、その点の御認識はいかがですか。
#88
○床次国務大臣 行政機関といたしまして、新設あるいは移転でもって最後に活動いたします際におきましては、やはり法律を必要とするわけでありまして、その必要な手続を実は御審議をお願いしておるわけでございまして、どうしてもなければならない法律と考えております。
#89
○淡谷委員 それならば、なぜ当初おやりにならなかったのですか。それは予算をつける場合に、公団法を通す場合に、やはり必要な一つの法律として、そのときに審議して可決して、それからかかるのがこれは順当じゃないですか、必要なものならば。必要でなくても通すのならば、もうこれは審議をおやめになって、きれいにできたときに、さあ渡しますから判をついてくださいぐらいのことなら、これはやむを得ませんけれども、法というのはそういう性格のものじゃないと私は思うのですがね。
#90
○床次国務大臣 これは法律そのものの尊厳と申しますか、順守すべきことは当然でございますが、今日におきまして行政機関の建物を新築してそれに移転いたします場合の手続といたしましては、すでに予算が先行し、建物をつくり上げまして、そうして完成したときに、最後に法律によりまして、設置法の改正と申しますか、行なって、そうして新しく行政事務を開始するという手続になっておるのでありまして、これは今日までのすでに認められました手続だと思います。前にも申しましたが、たとえば最近の例から申し上げますと、国立教育会館は工事に着手いたしましたのは三十六年から三十九年、設置法ができましたのが三十九年、国立劇場は三十九年から四十一年まで工事をいたしまして、設置法ができて劇場を開始いたしましたのが四十一年であります。その他これに類似したものが数件ございます。したがって、手続的には従来から行なってまいりましたところの手続をそのまま踏襲しておるのでありまして、最後に宮内庁法の御審議をいただくという結果になっておる次第であります。
#91
○淡谷委員 その御答弁はこの間から二、三回御朗読願ったのですが、私は従来の手続がどうだったか知らぬけれども、この問題に面してこういうふうなちょっと困ったことが起こってきておるわけですな。どうしてもこの法律を通さなければあとの仕事が進まぬということになっているでしょう。それならば、過去の例がどうであろうとも、一切の必要な法律手続が完成した上で仕事に着手するのが万全の策じゃないのですか。いままでの慣例であったかもしれない。いままでの手続がそうであったかもしれない。けれども、少なくともこの法律が通らなければ仕事が完成されないというのであれば、今後のやり方で手続や規則が先行するという形、法律は最後に判こをつく認め印みたいに扱われるという方法は、一体正しいかどうか、これはひとつ長官としてこの際お考え直し願いたいと思うのですがね。
#92
○床次国務大臣 過去の例を数回御説明いたしましたが、すでにそういう手続をもってやっておりまして、今日まで実施されておりますことは、私は当初におきまして予算が計上されました際におきまして、国会におきましては今後そういう措置をとることにつきまして御承認を得ておるもの、そういう立場に立って今日までの手続が行なわれておったものと思いまして、今後御意見のように当初において設置法をこしらえてやっていくということは、実は実体がないのに行政機関につくる形になるわけでありまして、この点は手続的にもいかがかと思うので、御意見のあり方に対しましては十分研究さしていただきたいと思います。
#93
○淡谷委員 実体がないというなら、まだ実体がないでしょう。御料牧場の交換は、成田空港という実体が備わって初めてこれは実体ができるわけです。もしくは成田空港というものをつくるために支障なくこの御料牧場が使用される段階になって初めてこれは手がつくことなんです。しかも、公団の総裁に伺いますが、あなたのほうではこの法律なんか要らぬでしょう、もうどんどんお仕事を進めているのだから。法律なんか通さなくても、さっさともうやっちゃうのでしょう。どうですか、その点。
#94
○今井参考人 公団は、公団法にもございますように、空港を設置するためにつくられた法人でございまして、私どもとしては政府の指示に従いまして、いわば実施部隊とでも申しますか、空港をつくることを使命とする法人でございます。しかも羽田のいま非常に狭隘な国際空港というものを、時期的に四十六年までに新しい空港をつくらなければ新しい飛行機が飛んでこれないというふうな状況下において、私どもとしてはそういうふうな命令のもとに空港をつくるべく現在努力いたしておるわけでございます。したがいまして、私どもとしてはぜひひとつ関係の法律等につきましては国会で十分御審議をいただいてお通しいただいて、空港を一日も早くつくれるようにというのが念願でございます。
#95
○淡谷委員 これは運輸大臣の権限だろうと思いますが、それではあなたのほうとしては法律はどうでもいいわけですな。政府の命令さえあれば、どんどん仕事を進める、あとはおれたちのほうは責任はないのだ、こういう態度ですな。そうしたらなおさら、私はこれはやはり政府の責任だと思います。法律が通らなくても仕事がどんどん進行する、そういう性格になってしまうのです。公団はそうでしょう、政府のほうさえよしやれと言うならば、法律が通ろうが通るまいがどんどん仕事が進められるのだ、こういう態度をとられるのでしょう。
#96
○今井参考人 私どものほうとしては、ただ仕事を進めるということではございませんので、下総の御料牧場を含む地域が閣議で空港予定地として決定されまして、空港公団というものができたわけでございます。したがいまして、下総御料牧場を完全に新しい牧場にお移しいただくというととがやはり私どもの仕事を今後進めていく上においてぜひ必要な問題でございます。したがいまして、何とかこの法律はお通しいただきたい、かようにお願いする次第でございます。
#97
○淡谷委員 これは政府の命令があるからできるのじゃなくて、この法律が通って御料牧場の交換ができて初めて仕事ができるのでしょう。したがって、この法律、宮内庁法一部改正というものは、完成してない成田空港を完成させるためにどうしても通すことが必要なものじゃないですか、逆にお聞きしますがね。そうすると床次長官の言われた、予算がついたから、国庫債務負担ができたからということだけでこの仕事は進行すべきものじゃないのです。すでに交換という前提があるならば、交換のための必要要因としてこの宮内庁法の改正が当然なされていなければならぬ、私はそう思うのです。何か私の言ったことが間違っているようですから、先輩や当事者の皆さんのそれに敬意を表して、どんどんやったらどうですかと言っているのですがね。できないでしょう、ほんとうの話は。幾ら仮定の上に立っても、この法律が通らないうちは仕事ができない。どっちです。
#98
○今井参考人 私どもとしては、これは政府のほうから御答弁を願う筋だろうと思いますが、空港公団は、先ほども申し上げましたように新空港をつくるために生まれた法人でございまして、したがって、でき得る限りの努力をして、空港を時期的に完成を間に合わせるというほうに全力を注いでいくわけでございます。もちろん下総御料牧場を新しいところにお移りいただくというために、現在高根沢の御料牧場も実は私どもは全力をあげてつくっているわけでありまして、やはり何としてもこの法律はお通しをいただきたい、かように思います。
#99
○淡谷委員 幾ら公団は政府の命令を受けて成田空港をつくるといっても、それは下請の土建屋さんにはいろいろな人があるだろうけれども、今井総裁のような英邁な総裁をいただいている公団ですからね。何が何でも持っていけることはやるよいう態度じゃこれはだめなんです。したがって、必要な法律事項があればあなたのほうから請求してこれを要求するでしょう。規則改正が必要であれば、農地法はいじらなくても規則改正で高根沢の農地を取得しているでしょう。これは交換ということが前提に立つ以上はどうしてもこの法律が必要になってくるのですね。一番困るのは、交換ができないからそれで困っているんでしょう、ほんとうの話は。長官もあらかじめ御承知のように、この御料牧場に滑走路を設けるということは初めからきまったことなんですから、交換段階にどうしてもこの法律が必要なことははっきりしているじゃないですか。
  〔塚田委員長代理退席、委員長着席〕
これはつまり仕事をする上においての要件なんですね、この法律を通すことが。ただ認め印を押すというだけの軽い法律じゃないと私は思う。その点長官の御答弁をひとつ願いたいと思う。
#100
○床次国務大臣 ただいま提案しておりまする法律は、御料牧場の移転のためにどうしても必要な法律でございます。なお、移転が完成しなければ公団のほうにおいて仕事に差しつかえがある、この点は明らかな点であります。しかし、私どものほうといたしましては、現在御料牧場自体がすでに新築もできておりますので、一日もすみやかに移転をいたしたいという意味におきまして、この事業を開始いたしたいわけであります。そうしてこの改正法案を提案した次第であります。しかし、あわせて政府の立場から申しますると、これによって公団の工事が進行できるものと考えております。
#101
○淡谷委員 そういう御答弁になれば私も同感なんです。しかし、その同感の上に立つと、この法律案はむしろ出すのがおそかった。高根沢の牧場に手をつける前に、この交換の場合の法律的要件になる宮内庁法一部改正が出てくるのが常識なんですね。いままではそうはやってなかった。これは習慣でどんどん仕事を進めてきたときは、ただ法律を通すんだということになってくれば、当初私が質問したとおりこれは認め印程度の法律案になります。法律というものは重要であればあるほど、資格要件として工事にかかる当初にこの法案が当委員会で審議されているのが私は至当だったと思うのです。深くは触れる必要はありませんけれども、その点はいかがですか。
#102
○床次国務大臣 ただいま淡谷委員は、この法律が当初に提出されるべきものではないか、議決されておるべきではないかという御意見のようでありまするが、政府の今日までの取り扱いから申しまして、解釈から申しましても御意見とは異なっておるのでありまして、今日までの手続等におきましては、各種の準備を全部完了いたしまして、そうして最終的に法律を出す、しかし法律を出す趣旨におきましては、すでに当初予算を計上いたしました際におきまして十二分な御了解を得ておって、そうしてその趣旨に従って完成されて法律ができるというふうに考えておるのでありまして、十分に国会の御趣旨を尊重しつつ新しい行政機関をつくっておる、その手続によったものと考えております。手続的には私は正しい扱いだと考えております。
#103
○淡谷委員 これは専門家のあなたの御答弁ですけれども、いままではそうであったかもしれないが、そうやった結果、事実上いま一つのネックにぶつかっているんでしょう。予算を幾ら通しても予算関係の法案が全部通らなければ予算の執行はできないんです。だから、その予算を取ったんだから、それでどんどん執行できるならばこの法律案がなくても執行できるはずなんです。予算をつくった当初にやはりすべての法律資格要件が完備していないと、決して完全な予算執行とは言えないと私は思う。でも逆に言えば、いまこういうネックを生ずるような立場において使われた二十二億というこの予算措置は、非常に誤っていたと思わざるを得ない。現在までの習慣がそうであったから、現在までの政府がそうやってきたんだからこれは正しいということは、国会答弁では言えないでしょう。そんなものやってごらんなさい、こっちはもう判をつきませんよといったらこれはどうなるんですか。そんなことは初めから予想されてしかるべきだと私は思う。予想されておったんですか、されてなかったんですか。もう仕事がどんどん実行されてしまえば仕事があまり……(発言する者あり)雑音出すと通しませんからね、静かにしてくださいよ。事業が進行しさえすれば、事実が進行しさえすれば、それであとはもうどうせこの法律案は義理ずくめで通さなければならないだろうという観点に立ってやることはいやなんです。私はそうすべきものじゃないと思う。もう明らかにネックが生じているじゃないですか、仕事の進行がとめられているじゃないですか。それならばやはりこの法律案というものは予算をつくる際に当然提案されてしかるべきものだ。幾ら宮内庁法の一部改正といったような名前をつけましても、成田空港というものを完成させる上にはどうしても必要な法律の一つであるというふうに私は考えるのですが、その点は一致しているでしょう、大事な法律案だということは。そうじゃなくて、その仕事によってやるというならば、公団はいますぐ仕事にかかれるのですか。御料牧場に手をつけなければもうこれから一歩も空港公団は仕事ができないというんですか。さっきちゃんと宮内庁の瓜生次長が、あとのほうができたときに最後に私たちはかかってもらいたいということを言っているでしょう。あなたはこの宮内庁を矢面に立てて、地元反対者を防ぐためのバリケードにして、幾らあなたは背が低いといっても瓜生次長のうしろからのこのこついていくつもりはないでしょう。迷惑を及ぼさぬようにしてやるのがほんとうじゃないですか。ただどうしてもあとのほうは困難だからまず一番義理ずくめにしやすいような宮内庁に手をつけようという魂胆があるからいま急ぐのです。それがなかったら何も急いでこの法律案を通せ通せという必要はない、私はそう思う。
#104
○床次国務大臣 多少話が空港の工事の問題と宮内庁の御料牧場の問題と一緒に御論議になっておるようでありますが、宮内庁の関係の御料牧場の完成並びに設置法の改正によるところの業務開始ということにつきましては、今日まで適法にこれを行なってまいりました。そうしてすでに完成いたしましたものですから事業を開始いたしたい、かような意味におきまして本法の御承認を願っておるのでありまして、この御承認を願うまでの経過におきましては、私は、間違いはないと確信いたしておるのでありまして、ただこの宮内庁の御料牧場が移転いたしませんと空港の公団の事業に差しつかえがあるという点は、公団総裁の御説明申し上げましたとおりであります。しかし公団は公団といたしまして、宮内庁自体におきましても、今日の状態におきましてはすでに完成いたしましたところの新築へ移転いたしたい。これはきわめて急ぐべきときになっておる、したがって手続は御承認をいただきたいと思うのでありまして、今日御承認を願うまでの宮内庁法関係の手続におきましては、これは間違ったことはないと確信いたしております。
#105
○淡谷委員 この段階で設置法の一部改正をしなければならないことは、初めから予定されておったんですか。それともいま気がつかれたんですか。なるほど設置法の一部改正をしなければ御料牧場の交換ができないのだなということを、いつごろお気づきになったのですか。
#106
○床次国務大臣 宮内庁設置法の改正をいたしますことは、もう当然当初におきまして移転の計画を立てまして新築、いわゆる交換移転という形式になっておりますから、当然その際におきまして設置法の改正をするということはもう当然でありまして、先ほども数例を申し上げましたとおり、今日まであらゆる政府の機関が新築移転をいたしますときに同じ手続をもってやっておりますので、当然これは当初からわかっておりますことは、申し上げるまでもないのでございます。
#107
○淡谷委員 この御料牧場の問題では、公団との間に契約書が入っていますね。この契約書の中に、いま言われたような要件がございますか、ございませんか。
#108
○床次国務大臣 宮内庁といたしましては、この御料牧場の手続におきまして「国有財産売払い及び購入契約書」におきまして、宮内庁の主計課長が参加しておりますので、手続につきましては十分承知しております。しかし、この財産そのものは、宮内庁の財産から国有財産としての取り扱いにいたしております。大蔵省におきまして責任をもってやっております。
#109
○淡谷委員 これはそうじゃなくて「支出負担行為担当官宮内庁長官官房主計課長(以下「甲」という。)契約担当官関東財務局長(以下「乙」という。)及び新東京国際空港公団契約担当役総裁(以下「丙」という。)」といっているんです。これはやっぱり宮内庁と国と公団との、三者の国有財産の売り払い及び購入の契約書に違いがない。これはもうすでに交換の前提に立った契約書ですけれども、この中には法に縛られるものは一つもないじゃないですか。法に縛られるというなら、いまの設置法が通らない場合はこれができないんだという一項がどこにかありますか。この法律が通らなくても、どんどん移転事務が進行するような契約書ですよ。
#110
○床次国務大臣 この契約によりまして新しい牧場を新築いたしますことは可能である、ただできましたものがいわゆる宮内庁の法案によるところの御料牧場になるということにつきましては、別個のものであります。
#111
○淡谷委員 私はこの間総裁からこれをもらって一生懸命勉強をしたのですよ。長官、まだごらんになっていないのでしょう。よく見ましたらびっくりしますよ。そういうことを答弁されるなら私は指摘しますが、この五条を見てください。第五条は、「甲は、完成期限前において必要があると認める場合は、そのつど購入物件の建設が完成したと認められる部分について検査を行ない、検査に合格したときは、その旨を書面をもつて丙に通知するとともに、丙の書面による同意を得て無償で使用することができる。」これは一つの交換の条件じゃないですか。どうです。無償で使用することができるのですよ。この間に一つも設置法のなにがないのです。ただこの三者が契約をして同意すればどんどん使ってよろしいのです。
#112
○瓜生政府委員 いまの点はこういうふうに私は理解いたしております。これは現実に高根沢の新しい牧場が国の財産として移りますのは全部が完成したときですから、ことしの十二月くらいになるわけであります。しかし、それは牧場として普通使う部分はこの八月末くらいまでにはできるので、残っているのは貴賓館とかそのあたりの庭園とか、そういうようなものが残っている。しかし、国のほうへこの交換契約によって移す時期は十二月になるわけです。しかし牧場としては八月末くらいからそこが使えるものですから、そういう時期においては、その部分についてはまだ国の財産にははっきり移っていないが、この公団の同意を得て宮内庁が無償で使用できるというようなことであります。
#113
○淡谷委員 総裁、あなたは丙ですが――これは成績が丙というわけではないのですよ、この契約書の上での丙ということですが、この「丙の書面による同意を得て無償で使用することができる。」というのですから、宮内庁がいまあの牧場を使いたいんだがといってきた場合に、あなたはこの法律案の通る通らないにかかわらず同意を与えますか。この契約では縛られませんよ、法の云々はない。丙はどう考えますか。
#114
○今井参考人 私どもとしては当然この「国有財産売払い及び購入契約書」の各条項は順守いたさなければならないと考えております。
#115
○淡谷委員 それではこの法律案が通らなくてもあなたは同意を与える、こうなんですな。いま通っていませんよ。いまあなたは同意を与えますか。
#116
○瓜生政府委員 この第五条は、甲というのは宮内庁です。宮内庁がこの書面を公団に出すわけでありますが、宮内庁はこの三里塚の御料牧場を行政組織として高根沢のほうに移すことが宮内庁法の改正によって可能にならなければ、行政組織としてはそこへ移れません。ですから、したがって、この公団のほうに対して同意を求めるというようなこともまずなかろうと思います。
#117
○淡谷委員 それじゃ宮内庁としては、この法律が通った段階で求めるならば同意を求める、法律が通らない段階では絶対に同意は求めない、こういうことですね。したがって、これは現在使っていないのですね。無償で使用していることはないのですね。
#118
○瓜生政府委員 この法律が通りませんと、牧場を栃木県に置くということが行政組織として法に合うようになりませんから、したがって、牧場そのものが全部移っていってそこを使うということはないということであります。あるいはその準備のために一部分使うというようなことは場合によっては考えられることがあるかもしれません。現在でも種まきをしたり一応やっておりますけれども、しかし牧場自体、行政組織としてそこへ移っていくというような前提のもとに公団に同意を求めるというようなことはないわけであります。
#119
○淡谷委員 あそこで茂っているオーチャードクローバー等というのは宮内庁でお植えになったのでしょう。これは全体使用の規定じゃないですよ、部分についてです。「部分について検査を行ない、検査に合格したときは、その旨を書面をもって丙に通知するとともに、丙の書面による同意を得て無償で使用することができる。」これはやったのでしょう。どうですか。あなたのほうで使われているのは、公団総裁、同意を与えたのでしょう。
#120
○今井参考人 牧草につきましては先生非常にお詳しいのですが、まく時期がございまして、どうしてもやはり去年の九月十日から二十日くらいの間にまかなければことし刈り入れるということが非常にむずかしいというふうなことで、私どものほうからお願いをいたしまして、宮内庁のほうから種をいただきまして、幸いあそこの開畑をやっておりましたのが農業機械化公団でございまして、機械化公団にお願いをして牧草をまいた、こういうことでございます。
#121
○淡谷委員 これは宮内庁がまいたのですか、あなたのほうがまいたのですか。
#122
○今井参考人 種は三里塚の御料牧場のほうからいただきまして、私どものほうの公団でまいた、こういうことでございます。
#123
○淡谷委員 それでは宮内庁のほうではまだあれは使っていないことになるわけですね、さっきの御答弁と少し食い違うのですが。あくまでもこれは宮内庁じゃなくて、今度は空港公団があそこにまいた、そうすると、あの牧草が失敗すると、これは公団の責任ですな、宮内庁の責任じゃないですな。あれは成功するか不成功かということは刈り入れてみればわかりますが、これは公団の責任ですね。
#124
○今井参考人 当然まだお引き渡し――検査を受けて合格するというようなことになる以前でございますから、公団の責任になると思います。
#125
○淡谷委員 それではあくまでもこの契約は、この法案が通るまでは「丙の書面による同意を得て無償で使用することができる。」というのは、予備条件がございますね、前提条件がございますね。できるのだからやればいいのですよ、できないのは、なんでできないのですか。
#126
○瓜生政府委員 この牧場そのものが栃木県のほうへ移るということが法律によってきまりませんと、行政機関として高根沢のほうに牧場を持っていくことができませんから、この使用という関係もまず生じないというようなことで、したがって、公団に対して同意を求めることもやらない、法律との関連が出てくると思います。
 先ほどちょっと種まきのことで間違ったことを申しましたが、これは誤解を受けるといけませんが、私の言ったことが間違っておりました。
#127
○淡谷委員 これは役所同士の――公団は役所じゃありませんけれども、丙は役所じゃないけれども、半役所的のものだからいいけれども、民間の契約書でこれが通った場合、現在引き渡しを要請されて拒めますか、拒めないでしょう。法律の関係が一つも契約書にないじゃないですか、法律が通ったならばできるということはどこにもないですよ。契約の本質から見れば、宮内庁設置法なんか通す必要はないです。どこにありますか、あったらひとつ承りたい。
#128
○瓜生政府委員 これはあくまでも国有財産の交換の契約です。それと別個に行政組織をきめる法律の問題があるわけですが、この当事者が、甲は宮内庁であり、乙は大蔵省という国の機関でありますから、この法律に従わない、法律から見て適当じゃないようなことはやらないということがその裏にはあるということだと思います。
#129
○淡谷委員 幾ら役所関係のものでも、いいかげんな契約は許されるべきじゃないのです。民間の契約でも、土地に関しては農地法にちゃんとうたわれてますよ、宅地造成法にうたわれてますよ。民間の契約でもそうなのに、これじゃまるで役所は常識に従って法律なんかどうでもいいというような典型的なものじゃないですか。民間の契約書ならこれは問題が起こりますよ、どこに法律があるんだと。宮内庁から要求された場合、これはあなたのほうで拒み得るんですね。もしくは、拒んでいるようですが、拒む条件は何もないですよ。宮内庁はおとなしいから黙ってますが、これを無償で使うといった場合に、何と答えますか。まだ移転が終わってないといっても、法律によって移転が終わるまでという条項が一つもないですよ。この契約書自体が明らかに法律の軽視じゃないですか。これは全然うたってないですよ。これをたてにとられたら、公団は渡さなければだめなんです。宮内庁、下総の御料牧場を使用しないで、あっちばかり使ったってかまいませんよ。お使いなさいよ、一つもないじゃないですか。少なくとも国家の予算を二十二億使うのですから、関係書類ぐらいきちっと整えておくのがほんとうだと思う。こういうずさんな考えの上に立って立木の払い下げなんか行なわれるのです。三百万の利益が生ずるのですよ。あなたのような大きな予算を使っておるところは三百万は何ともないかもしれませんが、国民にとっては大金ですよ。この契約書はほかにもありませんか。どうですか。これには法律の点は一つもないでしょう。
#130
○今井参考人 これは私どもの立場からいたしますれば、空港公団としては政府から命ぜられた区域に空港をつくるということで、その中に下総の御料牧場が入っておるわけであります。したがって、そのかわりの牧場をつくれということで高根沢につくっておるわけでございます。したがいまして、その下総の御料牧場の中で空港敷き地に入る部分につきましては、政府から将来全部出資を受ける、それからまた主たる入らない部分については、下総の御料牧場と交換をいたしまして、代替地等を造成するというのが大体原則的なたてまえでございまして、私どもとしてはその趣旨に沿って高根沢の御料牧場を現在つくっておるわけでございます。したがいまして、そのつくるに従って宮内庁で御必要がある分について事実上お使いになるということであれば、私どもとしてはこの契約書によって同意をいたす、こういうかっこうになるわけでございます。
#131
○淡谷委員 宮内庁は非常に良心的でお上品ですから考えませんけれども、この第二項を読んでごらんなさい。「甲は、前項以外の場合についても必要があると認める場合は、丙の書面による同意を得て無償で使用することができる。」これはもっと大きな権限ですよ。これは幸い宮内庁が無償使用を要求しないからいいけれども、もしこれが民間契約で、この契約書をたてにして無償で使いますと言われたときに、この契約書の上では何と答えますか、拒む条件がありますか。
#132
○今井参考人 当然に条項に従って御同意をいたす次第でございます。
#133
○淡谷委員 それではいまの法律は要らないわけですね、あなたのほうでは。宮内庁法をもし無視した場合に瓜生次長のような方ではなくして、もっとがめつい次長がおられて契約書の不備につけ込んでやったらこれは渡さざるを得ないでしょう。国の契約書というのはやはり模範的でなければならないんですよ。まだありますよ。この契約書の不備を認めますか。この契約書の不備を補うような書類があったら提示しますか。これは明らかに不備な契約です。
#134
○今井参考人 ほかに何かあるかという御質問でございますが、下総の御料牧場並びに高根沢交換契約に関する書類は、「国有財産売払い及び購入契約書」のみでございます。
#135
○淡谷委員 この契約書の不備を認めますか。これで完全ですか。
#136
○今井参考人 空港公団といたしましては、この契約書自体については不備があるというようなことは現在まで全然考えておりません。
#137
○淡谷委員 これは長官いかがですか。この契約書はいままでの質疑応答の中で明らかにされたようなぐあいですが、この契約書の不備を認めますか、認めませんか。
#138
○床次国務大臣 この契約書を作成するにつきましては、三者の間におきまして十分審議いたしまして、作成いたしたものでありまして、なおいきさつといたしましては、空港を設置するために特に宮内庁のほうにおきましては、わざわざ移転をするということまで認めたような立場でありますので、私はその間の事情は十分関係者におきましても了解しているものと思うのであります。この趣旨におきましては、第一条におきまして「甲、乙及び丙の三者は信義を重んじ、誠実に本契約を履行しなければならない。」ということももちろん書いてありまするが、事情におきましては各関係者それぞれよく理解しておるところでございます。したがって、御料牧場の完成に対しましては私は十分な協力は得られるし、また公団におきましてもそのつもりでもって今日まで努力しておるものと信じます。したがって、建物が大体完成に近づいてまいりましたので、正式に行政機関といたしまして開始いたしたく思うわけであります。それで今回の法律案を提案したという経過になっておるわけです。
#139
○淡谷委員 これは瓜生次長であり、床次長官であり、今井総裁でございますから、いずれも人格円満な高潔な方ですから、この第一条の信義条項を確かに守られるでしょうが、こういうふうな契約書が他に出ていったら私はたいへん困ると思うのですよ。農地法その他の法律の規制も受けないで、契約三者間でどんどん何でもできるというような契約書をつくったら、国有財産の処理上に非常に大きな欠陥が生ずると思うのです。大蔵省の市川国有財産第二課長が御出席のようですからお伺いしたいのですが、三里塚の御料牧場の立木払い下げの事情を詳しく御説明願いたいと思います。
#140
○市川説明員 御指摘の立木は大体一応造成する予定地に入っておる立木でありまして、その代替地の所有権を公団側に移転しますより前の時点で立木の伐採といいますか、それにかかりませんと、伐採のために数カ月を要しますので、代替行政が円滑に進まないという事情もありまして、四十三年十一月三十日に立木だけ切り離しまして公団に売却したものでございます。
#141
○淡谷委員 いまの御答弁だとその土地の所有権も公団に持たせる御意思のようですね。いまの御答弁ではそう伺いましたがね。
#142
○市川説明員 土地の所有権はことしの三月三十一日の契約で、契約上の一定の条件が成就しました時点におきまして公団側に移転するというふうに決定しております。大蔵省といたしましては、この土地につきましても公団側に売り払い処分する契約でございます。
#143
○淡谷委員 一定の条件とは何をいうのですか。一定の条件が整いました場合ということを言っておるが、何が条件ですか。
#144
○市川説明員 農地法上の条件が成就した場合をさすのです。
#145
○淡谷委員 公団の総裁に申し上げますが、あの土地の取得については大蔵省はあなたのほうに所有権を移したいと言っている。しかしこれには一定の条件が要る、農地法上の制約だと言っている。劈頭私申し上げましたとおり、何らかの要件を備えなければあなたのほうで手がつけられないんですよ。きょうは私は引き延ばすつもりではありませんから農林省は呼びませんが、農林省にここで聞きたいのは、ほんとうはまだこの八条の改正をやるのかということです。いつでも事実が先行して、ぎりぎり追い込まれたところで改正をやるんです。これは明らかに国会審議、法律の軽視です。しかしまだその要件が整わないでしょう。大蔵省に聞きますが、これから農林省とも折衝しなければならぬでしょう。
#146
○市川説明員 農地法上の条件と申しましたが、内容は二つあろうと思います。一つは所有権を移転することにつきまして農地局のほうで許可をする、これが一つであろうと思います。第二の内容は、そのような許可が得られなかった場合にどうするかということでございますが、契約上所有権を公団あるいは公団の指定する第三者、この場合は県でございますが、県に直接私どもが移転をする、そのような、私どもが移転をしますことを公団側は国側に請求する権利を持っておる。その権利を三月三十一日の契約で公団側に付与したものであるという情勢になっておりますので、二つの内容のうちのいずれかが成立いたしますときに所有権が国側から離れて、第一の場合には公団に、第二の場合には直接県に移転することになろうと思います。
#147
○淡谷委員 あなたは契約書と申されるのですが、何の契約ですか。
#148
○市川説明員 昭和四十四年三月三十一日付をもちまして、関東財務局長と宮内庁長官官房主計課長、空港公団の契約担当役である総裁との間で締結されました契約でございます。
#149
○淡谷委員 この契約書に県がどこに介在しておりますか。
#150
○市川説明員 契約書の文言の上では県が介在しておりません。
#151
○淡谷委員 契約書の文言にないものを契約書のたてにとってあなたは答弁するのですか。それではこの契約書はプラスアルファと見ていいのですか。あったらお出しなさい。われわれはあくまでも契約書は契約書として見ていますよ。
#152
○市川説明員 契約書の第九条の第五項でございますが、「乙は、第1項の売払物件の所有権の移転を請求する地位を有する丙の請求」、これは公団でございます。「丙の請求により、その物件に係る所有権を丙が乙の同意を経て指定する者」、この者は県ということで私ども予定しております。その「者に移転することができる。」ということでございます。
#153
○淡谷委員 その場合は、乙の同意を得ればいいのですね。宮内庁のあれじゃないですね。この契約の前提条件は牧場の交換でしょう。そうじゃないですか。牧場の交換でしょう。したがって、二十二億で栃木県にやったものを同じ価格で公団が取得するんでしょう。そうすれば公団を差しおいて、他のほうにやれますか。またやるつもりですか。ちゃんときまっておるんじゃないですか、公団が取ることに。
#154
○市川説明員 交換ではございますけれども、契約の内容は、国有財産の宮内庁側の取得と、それから普通財産である大蔵省側の処分売り払い、この二つの内容からなっておるものと理解することができると思います。ただいま御指摘の部分は、普通財産の処分売り払いの部分に関する事項でございますので、必ずしも取得するほうの宮内庁側の、ここでいいますれば、甲の同意は必要でないという判断をいたしたものでございます。
#155
○淡谷委員 そうすれば、新牧場のほうに移る条件としては、この土地の取得ではないわけですね。この土地を公団が取得してもしなくても、宮内庁はそれじゃ当然栃木県のほうに移り得るわけですね。むずかしく考えないで下総の御料牧場と手続は違うだろうけれども、栃木の新牧場とが交換になるでしょう、同価格で。その中に大蔵省が入って財産を普通財産にするか何にするか知らないけれども、一本加わって、公有財産にするという実質をとっておるわけでしょう。実質は二十二億の栃木県の新牧場と同じ価格の下総の牧場が交換されることになるのじゃないですか。違いますか。
#156
○市川説明員 仰せのとおり実質は交換だと思います。
#157
○淡谷委員 そうすれば、県を入れたり、市町村を入れたりする必要はありませんね。何もはっきりしているのだから、はっきりさせるためには取得条件というのがまた出てくるのです、交換の前提として。いま審議しております宮内庁法の一部改正は、これが必要ですか、必要じゃありませんか。
#158
○市川説明員 契約の前提といたしまして、宮内庁法の改正が必要であろうという御質問でございますが、宮内庁が新しい牧場の予定地を栃木県に取得いたしますことにつきましては、すでに予算上、国会の承認を得まして、手続的には可能なわけでございまして、宮内庁の、何といいますか、そのような組織ができる予定になる。そのような物件を栃木県におきまして、取得しようとしているものでございます。これは予算をもちまして、そのような物件を取得することが宮内庁において認められているわけでございますので、私どもの契約も有効だ、法律に違反はしないと解釈いたしております。
#159
○淡谷委員 どうも大蔵省と総理府じゃ違うようですな。長官はどうもこの法律案が通らないと仕事が進まぬと言うし、大蔵省は予算が通ればあとはどうでもいい。いかにも金の番人みたいな御答弁ですが、予算が通っただけであとの法律案が通らなくても何ら差しつかえないとお考えですか。その考えなら私は大臣に来てもらいますよ。そんなでたらめな大蔵省ないでしょう。
#160
○市川説明員 私どもの解釈では、宮内庁法の一部改正によりまして定められる新しい御料牧場は、先般契約いたしましたその契約によって取得されることになります栃木県の施設でございますが、その施設を管理運営するための宮内庁の組織を定めるような、そのようなものであろうと解釈いたしまして、そのような組織の変更というものは、当該三月三十一日に済みました契約でございますが、契約によりまして、施設の整備状況を見ながら、現実に確かに整備ができる、牧場はこれによって作動することが可能であるという見きわめがついたところで、所要の立法措置をとるということも不可能ではないと思いまして、私どもはそのように解釈いたしまして、契約自体は宮内庁法の改正の前の時点で出すことは違法ではないと解釈いたした次第であります。
#161
○床次国務大臣 ただいま大蔵省から御説明申し上げましたのは、国有財産の移転の手続についての御説明でありまして、いわゆる行政組織としての移転は、やはり宮内庁法の改正は必要とする。それによって完全に名実ともに移転できるということと、またそれによって仕事が開始できるのだ、こういう解釈でございます。
#162
○淡谷委員 大蔵省にもう一ぺん確かめておきたいのですが、あなたの答弁だとこの契約書でもういいんだ、これには宮内庁法の一つもうたっていませんね。ですから宮内庁法などは行政組織法の一つなんだから、あとででき上がったところで、宮内庁法を国会はしゃにむに通して、判こを押せばいいという考え方ですね。したがって、この法律案が通っても通らなくても、仕事は進行するというお考えでしょう。できるだろうという予見の上に立って、予想の上に立って事実を先行さしてかまわぬというのでしょう。あんたあくまで金を預かっておるのですよ。二十二億という国の大きな予算を預かっておる人なんですよ。それがいま審議して非常に苦労して、われわれ本質を確かめております。宮内庁法というこの法律案が通らなくても、この契約書の実行ができるということなんですね。
#163
○市川説明員 栃木県にできます新しい牧場そのものを、私どもは現在つくることは可能だと考えておるわけではございませんで、新しい牧場になります予定のものを取得する、それを取得せしめるための売り払い契約をしたんだ、そのように解釈いたしておりますので、契約自体は現時点で有効であると解釈いたしております。
#164
○淡谷委員 それじゃこれは有効で、これからどんどん仕事を進めるわけですね。あなた何で困るのですか、あなたのほうでは無関係に、いまここで法律を審議しておるのですが、大蔵省はこんな法律を審議する必要はないからという予定の上に立ってどんどん仕事を進めるんだという解釈なら解釈でよろしい。
#165
○床次国務大臣 ただいま大蔵省から申し上げましたように、いわゆる新築交換という形によってものは大体完成に近づきつつあるというわけであります。ただしかし、そのものができたからといって、行政機関がそのまま仕事が行政機関として発足できるわけではないのであります。最後の手続といたしましては、宮内庁法の改正によりまして仕事ができるようになるわけであります。この手続につきましては、すでに先ほど申し上げましたように、国の行政組織がそれぞれ移転いたします際におきましては、全部かような処置をとっておるのでありまして、理論を申しますならば、当初に債務負担行為をお願いしたときに、国会に事情を御説明したことによって、その以後の手続を進行し得るものと私どもは解釈しておる次第であります。
#166
○淡谷委員 これは非常に重要な食い違いですから、なお、私は大蔵省を追及する気持ちではございませんが、お伺いしたいのですが、この栃木県の牧場というのは下総の御料牧場と交換されまして、宮内庁が移転しなければ、今後の成田空港の建設にたいへんな障害を来たすでしょう。つまり交換されなければ、――この交換の要件に宮内庁法の改正が一つあるのです。この宮内庁法の改正が動かなければ、下総の御料牧場の空港工事ができないのです。私たちそう思っているのです。大蔵省としてはどう考えておりますか。
#167
○市川説明員 先ほど申し上げましたように、宮内庁が新しい牧場を取得することにつきまして、すでに予算上の措置が講じられておりますので、その措置に従いまして、新しい施設の予定物を取得するための契約をする、かようなことは現段階でも有効かと考えております。
#168
○淡谷委員 それでは予定の上に立って、宮内庁が移転しなくても、予算がついたんだから、どんどん下総の御料牧場はあなたのほうでとってしまうというのですね。大事な点ですから、伺っておきますが、大蔵省はそうかってなことができますか。予見に基づいて、移転しようがしまいが、御料牧場はあなたのほうでとるのですね。
#169
○市川説明員 設置法が通りません場合には、かりにそういうことがあるといたしますれば、予定の施設が栃木県にできたといたしましても、それを牧場として管理し運営することは不可能かと思います。けれども、片一方で予算のほうの措置も済んでおりますので、そちらと設置法と並行して、いま手続が進められつつある、そのように解釈するほかはないと思いますが、私どもといたしましては、牧場をつくり、飛行場をつくる時間的な制約から、三月三十一日という時点をもちまして実質交換でございますが、交換契約をいたすほかはない、そのように判断いたした次第でございます。
#170
○淡谷委員 これは重大な答弁ですよ。三月三十一日で交換の実質的な手続は済んだというのですから、それではこの法律は必要ないのですよ、宮内庁の改正法は。ただ、あとから念のために判こを押すぐらいのものでしょう。事実は進行している。国会の意思がどうあろうとも、大蔵省は政府の方針に従って、仮定の事実の上に立って仕事を進め、財産を取得する権利を持っているのですね。
#171
○床次国務大臣 ただいま大蔵省から答弁いたしましたのは、その準備行為が進行しつつあるというだけのもので、宮内庁法の改正というものはどうしても必要であるという前提のもとに、大蔵省も答弁をいたしておるのであります。その最後的な法律手続を今日国会において御審議をお願いしておる次第であります。できるだけすみやかにこの点は採決あらんことをお願いいたします。
#172
○淡谷委員 床次長官はだいぶここで質疑応答しておりますから、なるべく逃げられるような答弁をしておりますが、大蔵省はそう思っていない。準備行動だからどんどんやってもいいと思っている。そんな考えの上に立っているから立木の払い下げをしたんでしょう。どういう根拠に基づいて立木の払い下げをしたのですか。
#173
○市川説明員 この処分は、財政法並びに会計法の規定に従いまして、随契時に適格を有する公団に対しまして売り払いをいたしたのであります。
#174
○淡谷委員 払い下げの要求があったのはどこからですか。
#175
○市川説明員 払い下げの要求をいたしましたのは空港公団でございます。
#176
○淡谷委員 払い下げ方法はどうしましたか。指名入札ですか公入札ですか。
#177
○市川説明員 随意契約でございます。
#178
○淡谷委員 国有財産の払い下げは公入札が原則じゃないですか。二千万の国有財産でしょう。公団といっても一つの民間団体ですよ。たとえば、政府がこれを支援したとしても、請求があれば、あなたのほうではかってに公入札をやめて随意契約をするのですか。どうして公団でなければならなかったのですか。まだこの土地は取得していないでしょう。土地の上の権利もまだ移っていないでしょう。予想の上に立って仕事を進められた、予想の上に立って宮内庁の財産の公団への移譲というのはできますか、常識として。
#179
○市川説明員 立木の売り払いでございますが、なるほど会計上は競争入札が一応の原則ということになってございますが、一定の条件の場合には随意契約にすることができるという規定も、予算決算会計令上会計法の規定を受けて規定されておりまして、それによりますと、空港公団の場合には随契の適格があるということにされておりますので、これは随意契約で売ることも不可能ではないわけでございます。第二点は、本件の立木の売り払いは非常に緊急を要するという公団側の説明でございます。これは代替地を造成する手順から申しまして非常に緊急性を要するという御説明でございまして、かりに私どもが一般競争入札でこれを処分するということになりますと、その短期間に処分することが可能であるか不可能であるか見通しが立たなかったわけでございます。したがいまして、以上の二つの点から、公団に随意契約をもって売り払った次第でございます。
#180
○淡谷委員 一定の条件というのは何ですか。公団に随契で二千万円の国有財産を取得させた一定の条件というのは何をいうのですか。
#181
○市川説明員 緊急に公団側がこれを譲り渡してほしいという要請がございまして、その要請を妥当であると判断いたしまして処分したものでございます。
#182
○淡谷委員 あなたのものじゃないですよ。国有財産ですよ。それじゃ、緊急に必要だからといえば、一公団の要望にこたえていつでも国有財産を払い下げしますか。その基礎には成田空港の建設ということがあったのでしょう。成田空港の建設があって、当然これは下総の牧場と交換になるものと予定して――あなたはさっき何べんも言ったように、その予定の上に立って払い下げをしたんでしょう。そうじゃないですか。
#183
○市川説明員 仰せのとおり、そのような予定に基づきまして払い下げいたしましたものでございます。
#184
○淡谷委員 この払い下げした立木が転売されておること御承知ですか。
#185
○市川説明員 承知いたしております。
#186
○淡谷委員 いつから承知いたしました。
#187
○市川説明員 正確な日付は存じませんが、約二週間ほど前に公団の担当の方から伺いました。
#188
○淡谷委員 価格、承知しておりますか。少なくとも随意契約をする人は価格の予定ぐらいは国に損を与えないように立てるのが、これは義務だと思いますが、転売した価格知っていますか。
#189
○市川説明員 私どもは公団から伺いましたところによりますと、二千三百五十七万一千円で入札によって処分をしたということでございます。
#190
○淡谷委員 公団総裁に伺いますが、この国から払い下げを受けたときと、これを地元に転売したときとの間に何日間の日がありますか。
#191
○今井参考人 先ほどお答え申し上げましたように、公団が譲り受けましたのは昭和四十三年十一月三十日でございます。それからまた実際に代金を支払い、またその立ち木を受領いたしましたのが同年の十二月の二日でございます。それから入札の年月日は十二月の十三日に行なっております。
#192
○淡谷委員 この間、代金支払いから転売までに十一日しかありませんよ。十一日の日があるだけで三百五十万円差があるのですよ。直接売れば三百五十万国へ入ったのですよ。どうせ公団が使う立ち木なことはわかっている。緊急を要するものならば公団でさえできるものを、これ専門にやっている財務局が、緊急を要するから一般入札にしないなんという話がありますか。国有財産の軽視じゃないですか。国損を与えたのじゃないですか。しかもそれが全部仮定の上に立っている。牧場移転の法律さえ通る前に、通るだろうという国会軽視の仮定の上に立って国有財産を処分する、しかも随意契約で三百五十万も安く払い下げしたなんということ、これは許せません。御答弁があれば伺います。
#193
○市川説明員 先ほど申し上げましたとおり、代替農地の造成の関連上、早急に立木を譲り渡してほしいという要請がございました。そのとき私どもも検討したわけでございますが、私どもの手で早急にこれが処分できる見込みがあればいいわけでございますが、かりに一般の公入札ということに仮定いたしましても、たとえば一ぺんで落札者、入札参加者が集まるかどうか。それからかりに集まったとしても、予定価格を上回るような札が入るかどうか、かりに入らない場合には入札方法を何通りかに分けて考えなければいけません。たとえていいますれば、初めに一つの区画として処分しようとしていたのを、次には五つ六つの区画に分けて処分しなければいけなくなるというようなこともございまして、とうていこれは公団でお考えになっているような速いテンポでは、処分することはできないだろうという予想を立てまして、その考えのもとに公団に処分いたしたわけでございます。公団が買い受けた場合には、このように入札いたしますればすぐに、これは結果的にはそのように処分されましたけれども、万一落札者が出ないというようなことがありましても、いろいろこれを有効に利用する方法はあるいはあったかと思うのです。で、公団に処分いたしますほうが結果的には早期にこれを切ってしまうということに役立つという判断をいたしまして、公団に売り払ったわけでございます。
#194
○淡谷委員 そういうふしだらなざまだから、行政管理庁がおこるのですよ。あなた、さっきからこの農地の問題でも契約書でも、予想予想と予想を非常に重大に考えていますが、立木の払い下げでも予想は狂っているじゃないですか。みごとに狂ったでしょう。現実に十日内外の日を経て十人も入札希望者があるのですよ。三百五十万も高く落札しているのですよ。予想がつかなかったというのは頭が悪いのじゃないですか。関東財務局というのは一体何をする役所です。仕事の内容を御答弁願います。そんなことさえできないならば、やめてしまいなさい。国有財産の処理を公団にかわってもらったほうがいい。御答弁願います。
#195
○市川説明員 私どもが直接処分した場合のほうがはるかに日数がよけいかかるだろう、そのように判断いたしました。その判断が、今日になってみますと適当でなかったということはそのとおりでございまして、私どもも不明を恥じるわけでございますが、契約いたします時点におきましては、そのように考えますほうがむしろ可能性としては大きいというふうに判断いたしたわけでございます。
#196
○淡谷委員 あなたは答弁していない。関東財務局は何をする役所ですかと聞いておるのです。あなたの不明がはっきりしておることはわかっております。ただ恥じただけです、あなたは。関東財務局は一体何をする役所かということを聞いておる。
#197
○市川説明員 関東財務局の管財事務系統のことを申し上げますと、国有財産に関します管理と処分、それから各省庁の行政財産に関します総括、それから管理、処分に伴う債権の管理というようなことをやっております。
#198
○淡谷委員 国有財産の管理、処分専門の役所じゃないですか。その予想がしろうとの公団よりもきかなかったでしょう。やりようによっては公団も入れて公入札もできた。その場合に、他の入札希望者がなかったら、なかったでよろしい。その手続も踏んでないでしょう。これは、ただそうだろうという、はなはだ恥ずべきあなたの予想の上に立ってなされた入札なんです。そのために国損を与えたのです。具体的な責任者はだれですか。
#199
○市川説明員 立木の売り払い価格は千九百四十四万七千円でございまして、これは私どもの評価基準に基づきまして慎重に時価額を評価いたしまして、その結果に基づいて算出いたし、売り払った価格でございまして、その売り払い行為自体が直ちに国損に結びつくということはないと判断いたしております。
#200
○淡谷委員 国損に基づかなければ中間で幾ら搾取してもいいわけですね。いい商売ですよ、あなた。十一日かかって三百五十万円もうけた。どこにそういう高く所得する人があります。やらしたのはあなたのほうじゃないですか。予想の間違いだ、恥ずべきものでありますとはっきり言っておるでしょう、あなた。その恥ずべき行為の責任者は一体だれかと聞いておるのですよ。あまりにもこれは乱暴な処分です。しかも、これが一民間の公団とはいえ、政府のちゃんとした監督のもとに、方針のもとにやっている公団ですよ。営利団体じゃないです。材木屋がこれを払い下げて売ったというならまだいい。ほしい人があるのに、三百五十万も高く買おうという人があるのに、営利団体でもない別な目的を持つ公団にこれを取得させるなんということは今後のためにも許しておけません。はっきり責任を明らかにしなさい。
#201
○市川説明員 結果から見ますと、そのように差額が出まして、公団側が利得したということになりますが、当時といたしましてはそのような結果になることもあろうし、そうでないことも予想されたわけでございます。かりに、そうでない場合といたしますとどういうことが考えられるかと申しますと、私どもが立木を公団側に売り払いをする、公団側は入札してもこれを落札する人がいない、したがいまして工事の架設物関係の用材として公団みずからこれを使用するというような事態もあるいはあり得る、そのように解釈いたしまして私ども売り払いいたしたわけでございまして、結果から言いますると、なるほど公団側が利得いたしましたけれども、契約時点で申しますとやはりそのような可能性があったわけでございますので、国損を来たしたということにはならないと判断いたしております。
#202
○淡谷委員 どうもあなたは妙な御答弁をしますね。公団がこの立木をどう処置するかわからぬで、あなたは払い下げをしたのですね。使うかもしらぬ、売るかもしらぬ。それでは払い下げの用途は何だったのです。
#203
○市川説明員 払い下げの用途は契約上は何も規定いたしておりません。公団側の申請事由はこれを伐採いたしたいということでございます。
#204
○淡谷委員 しかしあなたのさっきのお話では、これを建築物に使うかもしらぬ、あるいは競売に付してまた売るかもしらぬということを言っているでしょう。そうすればその伐採というだけの目的は欺いたのですね。公団はちゃんとこれをまた売る考えを持っておった、用途と違ったような目的でこれを売って利得をしているのですよ。私がこれを言うのは、これから公団はきっとたくさんの用地を取得するでしょう。反対する農民を押しのけて、しゃにむに機動隊を差し向けて用地を取得するでしょう。国有地もまた取るでしょう。その国有地を管理する役所に働く人間がこんなだらしのない様子ではまかせておけないですよ。しかも、国会に法律案が出されようが出されまいが、予想の上に立って、しかもこの一事をもってしても予想の上に立ってどんどん工事を進めるということではますます国損を大きくしますよ。国損を守るのはわれわれ議員の任務なんです。どうでもいいというくらい侮辱した話はありません。この契約書はほとんど牧場の移転については規定しておりませんけれども、大蔵省、この契約書はこれでいいと思っておるのですか。このとおり履行された場合にどうなります。いまのこの法律案の審議なんか要らぬことになるのです、この契約書どおりでいけば。そう思いませんか。明らかにあなたのおっしゃるとおり、予算さえ通ったのだから、あとは国会で法律案がどうなろうとこうなろうと、最終的には事実が先行して、通すには違いないからといって、非常に国会審議を軽視した契約書ができている。移転の要件を備えていないでしょう、どっかにありますか。
#205
○市川説明員 設置法の改正は、それ自体といたしまして絶対必要なことだと思います。先ほど来言及されております契約書は、そのような牧場の予定となる施設の取得のための契約でございますので、これはそれ自体として見ますれば有効であると解釈せざるを得ないと思います。
 それから立木の売り払いでございますが、立木はこれこれの用途に供しなさいということを義務づけて売り払いいたしたものではございませんで、伐採をいたしまして、そこから搬出する、外に運び出すということを義務づけまして、売り払いいたしたのでございます。
#206
○淡谷委員 これ以上あなたと押し問答したって始まりませんから、私の質問はこの法案に関してはこれで打ち切ります。非常に長い間与党の皆さんにも御迷惑をかけまして一人で質問いたしましたけれども、何ともないようなこの法律案の裏にこれくらいの欠陥がやはりあったのです。これくらいな間違いもあったのです。しかも、なお追及しようと思うと何日でも追及できるようなことがあります。私は、最近の法律を無視して規則や政令だけでどんどん事実を先行させるというこの形に、非常に大きな役所の問題点を感ずる。しかも、国有財産を処理すべき財務局が、このような疑わしい事実、しかも明らかに国損を招いた事実を招来したということははなはだ遺憾であります。遺憾以上憤りさえも感じます。
 今後の公団の仕事につきましても、われわれはもっと厳重にこれを監視し、またこれに対して抗議すべきものをたくさん持っております。しかも、御料牧場をつぶして工事の第一線に立たせようとしておる。いま、地元で百姓が決死の覚悟でもって立ち向かっていることはわかっておるでしょう。あの純朴な百姓たちが学生たちのゲバ棒さえ応援にほしいといっているこの気持ちが総裁のほうでわかりませんか。それくらい土地というものは大事なものなんです。しかもあなたは、国の命令があったのだから、政府が閣議決定したのだから、どんなに国民の反対があってもこの仕事を強行するのだ、時には機動隊を動員しても力づくでぶんなぐってもやってやろう、そんな間違った決心をするならば、私は、まさに宮内庁を先頭に立てて、宮内庁の石垣をゲバ棒と石の防壁にしたいという念願をあなたは持っているのだと思う。こんなことは許せません。しかも、やっていることは欠陥だらけ、契約書一つ完全じゃないじゃないですか。移転の法律さえこのとおり難航している。法律をばかにしてもらいたくない、国会を侮辱してもらいたくないのです、審議を軽視してもらいたくない。私は、この際いさぎよくこの案は一時撤回して、十分な準備を整えて提案されるほうがはるかに賢明であることをつけ加えまして、質問を終わります。
#207
○藤田委員長 これにて質疑は終了いたしました。
 今井参考人には長時間にわたり当委員会の審査に御協力いただきましてまことにありがとうございました。
    ―――――――――――――
#208
○藤田委員長 ただいま委員長の手元に、伊能繁次郎君外二名より、本案に対する修正案が提出されております。
#209
○藤田委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。伊能繁次郎君。
#210
○伊能委員 ただいま議題となりました宮内庁法の一部を改正する法律案に対する自民、民社、公明三党共同提案にかかる修正案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。
 案文はすでにお手元に配付してありますので、朗読は省略し、その要旨を申し上げますと、本改正案中臨時皇居造営部の廃止に関する改正につきましては昭和四十四年四月一日から施行することとなっておるのでありますが、すでにその日が経過しておりますので、これを公布の日に改めようとするものであります。
 よろしく御賛成をお願い申し上げます。
#211
○藤田委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に付するのでありまするが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 宮内庁法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、伊能繁次郎君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#212
○藤田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいまの修正部分を除いて原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#213
○藤田委員長 起立多数。よって、修正部分を除いては原案のとおり可決いたしました。
 これにて、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成については、委員長に御一任願いたいと存じますが、これは御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#214
○藤田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#215
○藤田委員長 この際、暫時休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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