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1949/04/20 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第8号
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1949/04/20 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第8号

#1
第005回国会 農林委員会 第8号
昭和二十四年四月二十日(水曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○農業災害補償法第十二條第三項の規
 定の適用を除外する法律案(内閣提
 出)
○獸医師法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) これより開会いたします。
#3
○板野勝次君 農林大臣にお尋ねしますが、この「農業災害補償法第十二條第三項の規定の適用を除外する法律案」を出される以前に、農業災害の現状についてこの補償法が不十分であるからというのでいろいろ檢討された点があるかどうかという点を先ず最初にお尋ねしたいのです。農業災害補償について再檢討されたかどうか、そうして再檢討されたのならばどういう部分について考慮されたかという点を先ず明らかにして頂きたい。
#4
○國務大臣(森幸太郎君) この災害保險制度につきましては余程いろいろ見方がありますので、この新らしい災害保險法を決めました当時におきましても、尚災害事項に対しまして病虫害の問題であるとか、或いは凍害の問題であるとか、或いは雪害の問題であるとか、いろいろ保險條件が研究され、又希望されておるのでありまして、現在の制度必ずしも完全なものとは考えておらないのであります。殊にこの改正法律案を出しましたように、当時はこういう食糧なり重要物資を生産する農業に対しましては、ただ單に生産者のみならず消費者も当然この保險の責任を背負うべきものであるという氣持で立法されたのでありましたが、やはり消費者にこれを負担さすことはいけないというので、今回改正をせなければならんことになつたわけでありますが、現在の保險制度におきましては、まだこれに保險の條件を加入すべきものが相当あるのではないか、殊に雪害等の問題につきましても尚考えて行かなければならん、かように考えておるわけであります。
#5
○板野勝次君 今の大臣の説明から言いますと、消費者負担の問題なんですが、この消費者の負担するという問題は、今日の國家のいろいろなやり方から見ても当然消費者負担は避くべきで、こういうふうな、ただ適用を除外して一時逃れの方法を採るよりも、消費者の負担を、この際思い切つてこの第三項を削除される。そうして消費者の負担を軽くされるのが当然だと思うのですが、それに対する見解が一つと、それから災害補償法によりますと、共済組合が組合員に対する災害防止のために、特に必要な措置をすることを指示する事ができるというふうに、これは災害防止に対して組合員が強制されておるという形があるのに拘わらず、一方においては災害復旧その他がサボられてしまつて、もう不慮の災害によつて起る損失の補填というよりも、もう当然毎年々々災害が起きるということは予期されておる。こういうことに対して政府は何ら対策をとつていないし、そうしてこの災害の掛金さえも依然として農民負担になつておる。更に一方においては農民は重税に喘いで來て、今日のこの掛金にも苦しんで來ておるというような状態なのである。こういう点の打開なしには農業の災害補償法案というものも大して意味を持たないので、そういう点に十分配慮がなされ、そういう点の改正をこういうおざなりのやり方でなく根本的な問題をとらるべきであつたと思います。そういう点に対する見解も併せて伺つて置きたいと思います。
#6
○國務大臣(森幸太郎君) 板野委員のお話のように今日の農業者経営の上におきましてはあらゆる角度から非常に苦しい立場に置かれております。殊に年々歳々災害が勃発いたしますので、加入者たる農業者といたしましては非常に負担を深くいたしておるのでありますが、こういうような今日の農業生産が國家的であるという点から考えましても、農業者のこの保險に対する負担の率をできるだけ軽くいたしまして、國家ができるだけ責任を持つてこの共済の制度を進めて行くのが妥当ではないかと、かように考えるのであります。國家の予算等の考えもありますが將來この農業者の負担をできるだけ軽くするような方針を以て行きたいとかように考えておるわけであります。
#7
○板野勝次君 予算等の措置とおつしやいましたが、今の予算の問題から参りますと、今度の予算におきましても、安定帶物資に対する價格差の補給金はうんと出しておられるが、これに対してやはり農政を担当しておられる大臣としては、このような重大な農業の再生産の保障というような問題に対して十分檢討され、こういう方面への予算を取るために努力されるべきであつたと思いますが、少しもそのような努力の跡が見えていないということは、口に農業の重要性を説かれながらも、依然としてただ口先だけで放置されておるというふうにしか思えないが、大臣はその價格差の補給金が、安定帶物資の補給金一千億以上出されておるのに、農業の災害に対してもつとその方面を削つてもこの方面へ廻してくれという努力はされなかつたのですか。
#8
○國務大臣(森幸太郎君) 安定帶物資に対する見解は、御承知の通りここ数年來統制経済の下に重点主義として考えられた問題でありまするが、それとこの農業政策に対する問題とは恐らくその考え方を予算の上においては変えて行かなければならんと思います。口に大きく農村の重大性を説きながら、予算に対する努力は一向現れていないじやないかとお叱りでありますが、農林当局といたしまして、又農林行政を担当しておるものといたしましては、できるだけ農林行政のために努力いたしたのでありますが、あえて努力しない、或いは努力の結果が現れていないという御批判は受けることは、これはこちらの努力の足らない結果であつて止むを得ないと思いますが、決してただ口頭ばかり農業の重大性を説き、そうして予算面においては、何ら考慮を拂わないという御見解は少し当らぬのではないかとかように考えます。我々といたしましてはどこまでも重要性を考えまするから、できるだけ窮屈な予算の上において、又農林行政の各般の問題について、できるだけの努力を傾倒して参つたつもりであります。
#9
○板野勝次君 安定帶物資の問題とは別だということですが、安定帶物資の現下の計算の場合においては非常に長谷川第二部長も、第三國会の終りに非常に恣意的な要素が入つておる、我がままな要素が入つておると、こういう答弁があつたのですが、現在でも尚この安定帶物資の價格の計算の場合においては、非常な恣意的な要素が多分に盛られておる、その上に價格差の補給金が更に盛られておる。ところが一方においては農民の米價等においてはパリテイ計算、而もインチキな内容を沢山盛つておる。標準農家についても一町以上のような、日本の平均数以上のようなものが標準として選ばれて來て、その計算の中に織込まれて來ておる。そういうふうに一方においては手厚い援助がなされ、一方においては農民のやることだからどんな無理でも、どんなやり方でもさして行くと、こういうふうな状態があることは事実であつて、もつとこの安定帶物資に対する價格差の補給金を出す場合について、農林大臣がこの問題を本当に眞劍に考えられるならば、突き進んで行つて、そういう不当な出し方よりも、若しそういう金の出し方があるならば、農産物價の改訂の問題についてももつと努力を拂われるべきでありましようし、農業の災害を補償するという方面にそれを持つて來たら、決して持つて來られないという性質のものじやないから、努力如何によつては私は持つて來られる。ところが農民はいつも何か蔭ではぐずぐず言つておるけれども、大きな運動として、若しくは政府に強くぶつかつて行くというところが足りないから、まあまあというのでいい加減に放任されておる。こういうふうな状態が今度の農業災害補償の場合にも現われておるのでありまして、今度のようにただ二十三年度と四年度の消費者負担を軽減するというだけで、私はこういうお座なりの法律案が出されて來たということは、本当に深く農民の現状を考えられていない結果に外ならないと思うのです。それから又一方においては、消費者の負担をするという問題につきましても、現状においてはあらゆる農産物の場合の政府の損失やいろいろな損失が一切消費者に転嫁されて來ておる。こういう面から見て、消費者負担に織込まないという意図は非常によいんですけれども、これを將來にまでも消費者に負担させないということをこの機会に明らかにされ、そうして災害補償法の中からこれを削つてしまう。そうして一方において政府がいろんな方面に援助しておるその方を、價格差の補給金等を削つて來ても、將來これを消費者の負担にはしないのだというぐらいになさるべきであつたと思う。ところが今尚大臣の方ではこの消費者負担が正当でというふうにお考えになつておるとしか思えないのですが、それに対する見解も併せて伺つて置きたい。
#10
○國務大臣(森幸太郎君) この農業災害補償法が立法された当時においては、こういう國家的の事業に対しては、生産者も勿論保險制度を設けるであろうが、消費者の面においてもその災害が及ぼすところが重大であるから、共にこれは消費者としての立場として、相当の負担をすべきものであるという理念の下に当時立法されたのであります。これは板野議員も御承知のことと思うのでありますが、その後米價の生産等の関係上取敢ずこの二十三年、四年においては、この消費者に対し負担をささずして、國家がこれを一般会計並びに特別会計よりこれを処理すべきものであるということにいたした方がいいということによつて、かような法律案を出したわけでありまするが、そもそもこの災害補償法のできました当時の氣持は、やはりこれは消費者も当然その災害保險に対して責任を持ち援助すべきものであるという氣持で、この当時は立法されたことは御承知の通りでありますが、その後いろいろな事情、関係等もありまして、取敢ず二十三年、四年においては消費者にこれを負担ささないようにした方がいいということを考えまして、取敢ずこの改正法を出したようなわけであります。
#11
○板野勝次君 先程も言つたのですが、今の災害がもう殆んど復旧されずにそのままに任されておる現状からしては、当然それをもう予知されておるものを消費者の負担として將來までも置いておくということには何ら合理性がない、政府が誠心、誠意毎年々々頻発しておる災害の復旧にも誠意を持つてやつておられるという場合においても、勿論我々は消費者に負担すべきではないと思いますけれども、特にそれが等閑に付せられておる際であればこそこういう現状に対しても、消費者負担は國家の無責任なやり方からしても申訳ないから取るのだ。こういう見解を明らかにされるのが当然でありましようし、又災害復旧につきましても、今度の予算の面から見てももう何らやらない、こういう状態にその負担を農民に掛けて行くというのは大きな國家の責任だと思う。そういう責任を一体痛感されておるのかどうか。若しその責任を痛感されておるのならば次の機会において、この農業災害の補償というものは、もはや今日の段階では共済のような手温い段階ではないので、どうしても社会保障的な性格を持つたものに変えない限り、もう農業の再生産が保階されないのみか、農民自身が毎年起つて來る災害のために参つてしまう。どうしても私はこの際農業災害補償がその名の示すごとく國家が補償して行く。殊に災害復旧に対して全く無責任な態度を執つておるのだから、それならばこそ私は根本的にこの補償法が改正さるべきだと思うのですが、政府は災害復旧に対しても等閑に付しておる。その無責任な態度を何らかの形で表明される意思があるのかないのか。今まで聽いておると、ただ共済保險の内容につきまして妥当であるかないかというだけであつて、この現状についての嚴格なる反省が少しも大臣にはないように窺われるが、その点に対してもう少し誠意のある態度を農民の前に披瀝して貰いたいと思う。
#12
○國務大臣(森幸太郎君) 災害に対する國家の責任が甚だ盡しようが足らない、無責任であるというお叱りでありますが、決して災害がありました場合に、政府はこれは仕方がない、天災地変だというので、無責任に考えておるわけではありません。できるだけこれの復旧等については努力いたしておるのでありますが、そういういわゆる災害とこの農業災害補償ということとは、おのずから意味が違うと私は考えておるのであります。或いは大洪水のために堤防が決潰した、或いは家が流れた、こういう特殊の場合における災害は、國家の責任として一日も早くこれを復旧しなければならんのは当然で、國家が責任を負つておるわけであります。ただそういう天災地変という意味でなしに、普通の氣候の下に或いは病虫書が起り、或いは氣候の変化によつて從來繰返しているような災害が起つて來た場合に、これを相互の力により、又國家がこれを援助して、保險を以て災害救済の途を講じて行くという氣持と二つに考えられるのであります。決して我々は天災地変による國土の荒廃に対して無責任で放つて置くというようなことは到底考えておらないのであります。これ以上はあなたとの見解の相違もありますが、決して政府といたしましては、無責任に天災をそのままに見逃して置くというような考えは毛頭持つておりません。できるだけの経費のやり繰りをいたしまして、そうして災害の復旧に努力を傾けて行きたい。かように考えておるわけであります。
#13
○板野勝次君 ですから私は最初から言葉だけでは駄目だというので、その努力の跡を予算の上に示して貰いたい。それが予算の上に少しも示されていないということが、農林行政の上における大臣が少しも何も本当は考えていないのじやないかということが窺われる。それに対する努力をして貰いたい、こういうことを言つているわけです。
#14
○羽生三七君 今板野君の触れられたことと同じことでありますが、ちよつと御説明でわかりにくい点があるのでお尋ねしたいのですが、この適用の除外を二十三年度、二十四年度だけに限定されたという理由をもうちよつと明らかにして貰いたい。
#15
○政府委員(山添利作君) これは正直に申しますと、関係方面の中でデスカツシヨンになつている問題で、取敢ず二十三年、二十四年についての処置を取り、將來はまだ未定であるこういうふうに考えております。
#16
○羽生三七君 そういう特殊事情で將來は未定とされた場合ですが、將來も経続しておやりになるという意思はおありなんですか。
#17
○政府委員(山添利作君) どういう意味ですか。
#18
○羽生三七君 消費者負担にさせないかという意味です。
#19
○政府委員(山添利作君) これは結局財政事情にも関連する問題ですので、私共の事務当局としての、日本政府側の考え方としましては、災害いわゆる超異常に対するような部分は、これは一般会計で負担する。それから異常の部分を半分政府でもつております。これは消費者負担にしたらよいだろうといいますのは、その部分については、言換えて見れば米の生産費の中に入つてもいい性質でもある。こういうような考え方をもつているわけであります。
#20
○藤野繁雄君 災害補償は農作物、蚕繭、家畜の三つになつているのでありますが、農作物のようなものは強制加入の方法をとられ、家畜の方は任意に加入するということでやつておられるのでありますが、今後畜産の獎励をやり、且つ又いろいろの畜産をやつているもののことから考えて見ましても、やはり家畜保險の中の死亡廃用共済というようなものは強制加入というような方法をとられる方が適当であると考えるのでありますが、將來においても任意加入の方法をとられるのであるか、政府の方針を承わりたいと思うのであります。
#21
○國務大臣(森幸太郎君) 一般農業は御承知の通り災害防止等につきましても、協同の力を以てやらなければならないのでありますが、家畜の面においても現在強制の加入をやつておらないのでありまするが、御承知のように家畜の價格も非常に高くなつて参りまして、使用者の自由意思に任しておきましても、これは共済保險に加入するという氣持になつて來るのであろうと思うのでありますが、併し何分家畜の價格が高いのでありまするが、その價格の高いということに対しまして、これを強制加入せしむるということにつきましては、相当保險料の問題も関連して参るわけでありまするが、將來におきましては、そういう大きい價格でなしに、相当低い保險金によりまして、できるだけすべての家畜を加入するように、強制ということはあまりどうかと考えられますけれども、できるだけ加入せしめるというような処置をとつて行きたいと、かように考えるわけであります。
#22
○藤野繁雄君 それから農作物の超異常災害でありますが、今までの説明によつて大体了承したのでありますが、超異常災害を受けた場合においては、農家の收穫が全くなくなつたのみならず、再生産に必要なところのすべてのものをなくしてしまつたのであります。この点から考えて來ましたならば、超異常災害の場合においては、保險金を交付するのみでなく、再生産に必要なものを更に助成するような方法を講ぜなかつたならば、農家の再起は困難であり、食糧の増産には支障を來たすと思うのでありますが、そういうふうな手段方法を講じて超異常災害の救済の方法を講ぜられるお考えはないかあるか、政府の御意見を承わりたいと思うのであります。
#23
○國務大臣(森幸太郎君) 超災害と申しましても、程度問題でありまするが、これは要するに相当範囲が廣く予想され得ないのであります。そういう場合にはお話の通りとても保險金の全額を支給いたしまして、再起の方途に困るというような情勢も想像されます。そういう場合にはこれは特殊の場合と考えまして、中金等の金融機関によりまして、特別の処置をとつて農業再興の途を講じて行きたい、かように考えておるわけであります。
#24
○赤澤與仁君 保險料の支拂につきまして、物納制を一定の條件の下に今日お認めになつていらつしやるわけでありますが、今後法的措置をお講じになるお考えであるかどうかお伺いいたします。
#25
○政府委員(山添利作君) 別に法的措置を作るつもりはないのであります。両方でやつて行きたいと思います。
#26
○赤澤與仁君 現在の手続の上におきましてはそれでいいと思うわけでございますが、農村経済の封建制の代表というような小作料の物納制を全納制にいたしまして、まだ日もない今日におきまして、一部暫定的の処置といいながら、物納を認めるということについて思想的に後退をしておるのじやないかという世間に一部そう見る向きがあるのでありますが、この点に対して明確にはつきりと、そうでないならば、そうでないということの見解をこの際明らかにしておいて頂くのがいいと思うのであります。
#27
○政府委員(山添利作君) これはそういう何といいまするか、物で支拂つた方が便利だという場合などもあり、特に現在超過供出について三倍になるということもありますので、そういういいところはなるべく廣く利用したい、こういうような考えもあるわけであります。
#28
○赤澤與仁君 それが思想的に後退していないということをはつきりして頂きたいと思います。今の御答弁は便宜上のようで、その点はぼやけておるのであります。
#29
○政府委員(山添利作君) 私共の考えといたしましては、別に後退しておるわけではございません。
#30
○委員長(楠見義男君) 他に質疑はございませんか。質疑がございませんければ、これで質疑を打ち切りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(楠見義男君) それでは質疑はこれで終了したものといたします。昨日も申上げましたようにできる限りこの法律案は早く成立せしめまして、農家に現金が一時も早く行くようにいたしたいと思いますから、その意味においてこれを只今から採決に付したいと存じます。これから討論に入りますが、もし御意見ございませんければ、直ちに採決に入りたいと思います。
#32
○羽生三七君 別に討論という程のこともありませんが、私は昭和二十三年度及び二十四年度だけに、これを適用除外を留めるということでなしに將來も積極的にこの撤廃に政府が努力を拂うということを條件として、この法案に賛成いたします。
#33
○板野勝次君 私も亦羽生委員と同様に当然消費者に負担さすべきではないと思いまするので、速かに政府はこの消費者負担の條項を削るという点と、それから現在の天降り的な供出制度の現状よりいたしましても、当然農業災害の保障については共済掛金等を農民から出さすべき問題ではないと思います。從つて、この凡ゆる農業の現状から見て、全額國庫負担をすべきが当然であり、又先程私が申しましたごとく、いろいろな大資本に対する援助等があります際、これらを削れば十分農業の共済を保障することを、政府がそれらのものを削つて全額負担をするという途がないわけではないので、政府はそういう方面に対して十分努力されて、農業災害保障法の全面的な一つ改正を企てて貰うということを希望いたしまして本案に賛成する次第であります。
#34
○委員長(楠見義男君) 外にございませんければ、それではこれから採決に入ります。政府提案の原案通り御賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#35
○委員長(楠見義男君) 総員起立であります。よつて本案は原案通り可決することに決定いたします。例によりまして多数賛成者の署名をお願いいたします。又委員会報告にもお委せを頂きます。
  多数意見者署名
    山崎  恒   石川 準吉
    赤澤 與仁   加賀  操
    藤野 繁雄   柴田 政次
    北村 一男   門田 定藏
    徳川 宗敬   星   一
    玉井 淳一   板野 勝次
    濱田 寅藏   羽生 三七
#36
○委員長(楠見義男君) それでは引続きまして当委員会に予備審査として付託されました獸医師法を議題にいたします。まずこの提案理由を御説明願います。池田政務次官。
#37
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今御審議を願います獸医師法案の提案理由を説明いたします。戰後諸般の状勢の大きな変化に伴い、獸医業務についてみましても、畜産の生産増殖の健全化は、國民経済上その重要性を倍加し、更に又最近公衆衞生の領域への関係も一層深くなり、獸医師の使命は一段と加重して参つたのであります。
 然るに現行獸医師法は大正十五年に制定され、その免許資格については、大学若しくは專門学校の卒業者、又は免許試驗の合格者等区々に瓦り、一般に水準が低く、新状勢に即應しない点が多々認められるに至りましたので、獸医師の水準を一層高め、その資質の向上をはかり、獸医業の健全な発達を期し、畜産業の発達と公衆衞生の向上に寄與させることが必要となつたのであります。一方学校教育制度の根本的改革も漸く達成されるに至りましたのでこれに対應いたしまして、左記要旨により、現行獸医師法を全面的に改正することとしたのであります。
 第一は免許に関する事項の改正でありまして、從來獸医教育を行う大学、專門学校の卒業者又は獸医師試驗に合格した者に、農林大臣は獸医師の免許を與えておつた点を改め、新制大学を卒業し、且つ獸医師國家試驗を受けて合格した者にのみ免許を與え、新制獸医師の称号を用いることを得ることとして、從前の獸医師との間に区別を設けることとしたのであります。又免許の欠格事由につきましても、從來精神病者、めくら、つんぼ又はおしの者等には免許を與えなかつたのを改め、これらの者にも獸医師免許審議会の議を経て與え得る途を講じ、免許の相対的欠格事由に廣い含みを持たしたのであります。
 第二は、獸医師国家試驗に関する事項でありまして、從來の獸医師試驗は農林大臣が行い、且つ学力檢定試驗の性質をもつておつたのを改め、今回は獸医教育を行う大学の卒業者並びに外國の獸医師又は外國の獸医学校卒業者であつて、審議会の承認した者に対して課する得業試驗の性質をもち、これが実施機関として新たに獸医師免許審議会をして試驗の執行に当らしめることとしたのであります。
 第三は、獸医師免許審議会設置に関する事項でありまして、その目的は獸医師國家試驗の執行機関となる外、免許に関する重要事項の諮問機関となるのでありまして、獸医師である委員二十五人を各方面の職域から農林大臣が民主的に詮衡委嘱し、斯界の高識練達の人を以て審議会を構成し、これらの事務の運営の実動を期することとしたのであります。
 第四は、獸医師の診療業務に関する事項の改正でありまして、從來の診療業務に関する制限家畜に新たに鶏を加え、又獸医師の就業の態樣を明かにするため、獸医師は毎年定期的に届出をなすこととし、家畜衞生の万全を図ると共に、獸医業の適正を期することとしたのであります。
 第五は、戰時特例として昭和十五年に設けられた獸医手制度及び昭和十七年未成年者に対する免許に関する臨時特例は、共に新状勢に即應しないので、これを廃止することとしたのであります。以上が獸医師法案の要旨の大要であります。何卒愼重御審議の上速かに御可決せられんことを希望する次第であります。
#38
○委員長(楠見義男君) これは提案理由は今伺いましたが、一應法律の大体の内容に亘る等について、それから又現在の獸医師の状況等について当局の方から御説明を伺い、そして法律はよく皆さん方の手許で御檢討願つて、この次の機会に質疑を始めるとこういうふうにいたしたいと思いますので、先ず今申上げましたような程度のことについて御説明を願います。速記を止めて。
   午前十一時二十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時四十九分速記開始
#39
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時五十分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           羽生 三七君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           門田 定藏君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           國井 淳一君
           濱田 寅藏君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (畜産局畜政課
   長)      伊藤 嘉彦君
ソース: 国立国会図書館
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