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#1
第061回国会 本会議 第7号
昭和四十四年二月二十日(木曜日)
    ―――――――――――――
  昭和四十四年二月二十日
   午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和四十三年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和四十三年度特別会計補正予算(特第1号)
    午後三時三十四分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 昭和四十三年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和四十三年度特別会計補正予算(特第1号)
#3
○西岡武夫君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 この際、昭和四十三年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十三年度特別会計補正予算(特第1号)、右両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(石井光次郎君) 西岡武夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。
 昭和四十三年度一般会計補正予算(第1号)、昭和四十三年度特別会計補正予算(特第1号)、右両件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#6
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。予算委員長荒舩清十郎君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔荒舩清十郎君登壇〕
#7
○荒舩清十郎君 ただいま議題となりました昭和四十三年度一般会計補正予算(第1号)、及び昭和四十三年度特別会計補正予算(特第1号)の二案につきまして、予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この補正予算二案は、二月十八日に予算委員会に付託され、昨十九日に政府の提案理由の説明聴取後、質疑に入り、本日質疑を終了して、討論採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要と予算審議の概要につきまして、簡単に申し上げます。
 一般会計は、歳入歳出ともそれぞれ九百八十七億円を追加するものでありまして、歳出におきましては、食糧管理特別会計への繰り入れ三百七十億円、地方交付税交付金七百三十五億円等総額千二百八十億円を計上する一方、既定経費の節減により二百九十三億円を減少することとし、歳入におきましては、租税及び印紙収入等の増加二千六百十億円を計上する一方、公債金千六百二十三億円を減少することとしているものであります。
 また、特別会計は、一般会計予算の補正に関連して、交付税及び譲与税配付金特別会計に所要の補正を加えるものであります。
 次に、質疑は、補正予算に関連して国政の各般にわたりきわめて熱心に行なわれましたが、詳細は会議録をごらん願うことといたしまして、ここではその一、二について申し上げます。
 まず、総合予算主義につきまして、「今回の補正予算提出により総合予算主義は崩壊したものと考えるから、今後総合予算主義を放棄したらどうか」という趣旨の質疑がありました。これに対して政府から、「総合予算主義は、予算編成に際し、予見できるあらゆる歳出要因を検討して、これに対する財源措置を講じ、補正の必要がないことを期するものであって、この方針は従来よりも進歩したものであると考えているから、政府は今後ともこの方針を堅持していきたい。しかし、必要に応じ、組みかえ補正を行なうこともあるし、また、異常の事態、非常の場合には増額補正もあり得る」という趣旨の答弁がありました。
 次に、食糧管理特別会計の補正につきまして、「一般会計から食管会計に三百七十億円を繰り入れることとしているが、繰り入れを受ける食管会計においても、補正の措置を講ずべきではないか」という趣旨の質疑があり、これに対し政府から、「食管会計については、本年度は特に予備費及び食糧証券発行限度額を増額してあり、また、弾力条項によって対処したため、歳出面の追加を必要としない。三百七十億円は赤字補てんのため繰り入れるもので、同会計としては、歳入だけに関するものであるから、法解釈からも、また、先例によっても補正を講ずる必要はないと認めた」という趣旨の答弁がありましたが、補正措置を講ずべきであるとの強い意向が表明されました。その結果、政府からあらためて、「今回の補正予算の取り扱いは前例としない。今後の補正予算の扱いについては、この意向を十分尊重し、検討する」との発言がありました。
 このほか、日本近海におけるソ連船の操業に対する対策、税制、大学問題、食管制度、石炭対策、核基地問題等についても質疑が盛んに行なわれました。
 かくて、本日、質疑終了後、討論に入り、政府原案に対しまして、日本社会党は反対、自由民主党は賛成、民主社会党は反対、公明党は反対の討論を行ない、採決の結果、多数をもってこの補正予算二案は政府原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(石井光次郎君) 両件につき討論の通告があります。順次これを許します。山内広君。
    〔山内広君登壇〕
#9
○山内広君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案されました昭和四十三年度補正予算(第1号)及び(特第1号)に対し強く反対を表明するとともに、以下その理由を明らかにしてまいりたいと存じます。
 今回の補正予算の提出は、政府のいう総合予算主義が完全にくずれ去ったことを示すものであるとともに、補正予算を組まざるを得ないところに追い込まれた政府の重大な政治の誤りとその政治責任を、私は、国民とともにきびしく糾弾しなければならないのであります。(拍手)今回の補正予算の提出に追い込まれました最大の原因は、何より佐藤内閣の重なる失政が、もはやいかなる言辞を弄しようとも、国民の前に隠すことができなくなったということであります。
 佐藤内閣の数々の政治の罪悪は、すでにわが党の成田委員長が鋭くこの席において指摘いたしましたとおり、その決定的なものだけを取り上げましても、数え切れなくなっておるのであります。
 佐藤内閣の罪悪は、第一に、口で憲法尊重、非核三原則を唱えながら、核兵器持ち込み、軍備増強を強行しようとする憲法べつ視の罪であります。第二に、財界と結託して金力、権力の政治を推し進めている政治腐敗の罪。第三に、沖繩返還への国民の願望を無視して、アメリカの下請化の道をとりつつある対米追従の罪。第四に、国民を苦しめているインフレ、物価引き上げの罪。第五に、金持ち優遇、大衆重税の罪。第六に、中小企業倒産の罪。第七に、農村破壊の罪。第八に、事故、公害、人間の生命軽視の罪。第九に、社会保障怠慢の罪。第十に、民主教育破壊の罪。どの一つを取り上げましても、佐藤内閣の罪悪は、まさに、万死に値するものであると断じなければなりません。(拍手)
 しかも、私は、この十の罪悪のほかに、さらに十一番目の重大な罪悪として、国会軽視の罪をあげなければならないのであります。
 昭和四十三年度当初予算編成にあたって、政府は、総合予算主義なるものを打ち出し、財政法のたてまえである本来の総合予算主義の原則を自分かってにねじ曲げて解釈し、補正予算を組まないのだという口実で、あらゆる形で国民生活に犠牲を押しつけようとしたのであります。もともと、見込み得る限りの歳入歳出を当初予算に組むという、真の意味の総合予算主義は財政法の原則でありますが、佐藤内閣のいわゆる補正なし総合予算主義なるものはにせものの総合予算主義であり、ひとりよがりの総合予算主義にすぎないのであります。
 問題は、何ゆえことさらに総合予算主義ということばを乱用してきたかという点であります。政府は、生産者米価や公務員給与を押え、医療費や鉄道運賃を国民負担にしわ寄せすることを目的とし、このにせものの総合予算主義を唱え、国民をごまかしてまいりましたが、政府の見通しの誤りによって補正予算を組まなければならないところに追い込まれると、今度は、国家非常の際には高度の政治判断で補正を組むのは当然だというように、言を左右にして再びごまかそうとしていることは、その底に流れるきわめて悪質な議会軽視、国民無視の政治姿勢を見ないわけにはいかないのであります。このような政治の姿勢は、国民とともにきびしく糾弾されなければならないと信ずるものであります。
 このような立場から、この補正予算に反対する第一の理由は、特に補正予算審議の冒頭において指摘いたしましたとおり、総合予算が事実上くずれ去り、補正予算を編成せざるを得ないところに追い込まれた責任を忘れ、さらに、食糧管理特別会計への繰り入れに伴う食糧管理特別会計の補正を行わず、財政の原則を踏みにじって、しゃにむに押し通そうとしていることであります。
 食糧管理特別会計の補正は、三十五年以降必ず取り上げられてきたのであります。それを、今回正当な理由なく、ほおかむりで通そうとしている決定的な動機は、国会にその実態を報告することを避け、大蔵省官僚だけで予算を運用しようとする国会軽視、国民無視に根ざしているものでありまして、断じて許すわけにはまいりません。(拍手)
 反対の第二の理由は、この補正予算は、まさに、大衆収奪の予算そのものであるということであります。
 今回の補正にあたって、四十三年度の税の自然増収を二千四百五億円計上しておるのでありますが、これは単に当然の税収の伸びがあったということではなくて、勤労大衆の強い減税要求にもかかわらず、当然やらなけばならぬ減税を行なわず、勤労所得税を中心とする大衆重税によって税金の取り過ぎが行なわれたからであります。その結果、四十三年度の自然増収は、当初予算見積もりの六千五百七十六億円から実に九千億円にものぼるに至っていることは、まさに、大衆に重い税金の実態をまざまざと示すものであるといわなければなりません。(拍手)九千億円もの税の取り過ぎは、納税者にとって実に二二%の増税となるのであります。さらに、昭和四十二年から四十四年までの三カ年に、税の自然増収は延べ五兆円をこしているのに、減税額は、たばこの増税分を除いても約四千五百億円にすぎず、自然増収の九%余りにすぎないのであります。大企業や資産所得者は巨大な税の特別減税を受けていることを考えますならば、勤労者にとっては、まさに、地獄の税制といわなければなりません。
 反対の理由の第三は、政府のいう国債発行の歯どめの政策が事実上しり抜けとなり、景気刺激のインフレ政策となっていることであります。
 今回の補正において千六百二十三億円の国債削減を行なうことができたのでありますが、これは、決して政府の国債発行政策が健全な財政運営の方向に向かって改善されていることを示すものではなく、物価高を一そう刺激しているということであります。この国債発行の削減は、実は短期的には、民間設備投資資金を求める金融界、産業界の要望にこたえて市中金融を緩和する結果となるものであります。また、長期的には、政府が市中消化とか日銀引き受けにはよらないと抗弁しようとも、実質的には、国債発行の全額が日銀引き受けの国債発行と同じ効果をもたらしているということであります。具体的には、四十三年度の国債発行額は、今回の削減により四千七百七十七億円となるのでありますが、四十三年度末までの一年間に、日銀による買いオペ額は約四千億円にものぼっており、これまで発行された国債のうち、買いオペ対象債となっているものの実に七〇%以上は、すでに日銀に買い取られているのであります。これでは、幾ら国債発行の歯どめ政策を口で言っても、四十三年度国債発行は、実質的には日銀引き受け発行といわなければならないのであります。
 反対の第四の理由は、地方交付税に対する政府の干渉は、地方自治法の趣旨を踏みにじり、地方自治を侵害するものであるという点であります。
 政府は、税の自然増収に見合って、地方交付税の伸びを七百三十五億円を追加しているのでありますが、これは総合予算のたてまえからいえば、当然、当初予算編成にあたって、正しい税収見積もりに見込むべきものであったのであります。ところが、いわゆる地方財政好転論を口実として、初めから地方財政を圧迫し、国の意のままに地方財源を制限しようとしてきた結果であり、単なる税収見積もりの狂いでは済まされない重大な問題を含んでいるのであります。地方財政は、表面的には黒字を増加させておりますが、実際は、具体的な事例をあげるまでもなく、危機的状況といわなければなりません。地方財政は、やりたいことも十分やれないのに、重い大衆負担と借金でようやくつじつまを合わせてきたにすぎないのであります。しかるに、政府は、このような実態を無視して、いたずらに地方財政好転論を振り回し、国の景気政策に従属させようとしていることは、地方自治の精神に逆行するものであります。特に、地方自治法にいう基金制度を設けるよう干渉し、自主財源としての交付税の使途を実質的に制限しようとしていることは、きわめて不当な措置といわざるを得ないのであります。
 第五に、今回の補正の内容が、きわめて国民生活軽視の実態を示していることであります。
 公務員給与については、もともと人事院勧告どおり実施すべきが当然であり、食管会計への繰り入れも実態に合わして追加すべきであり、また、生活保護、失対賃金の物価上昇や賃上げ補償に見合う予算の計上、及び公害対策、沖繩援助費など、国民の緊急課題にこたえるべきであるとともに、さらに、国民健保事務費等の完全補償と累積赤字の清算分を計上すべきであります。その財源は十分見込まれるにもかかわらず、これを実施しないことは、国民のとうてい納得できないところであります。
 以上、五点にわたって今回の補正予算の基本的な欠陥を指摘したところでありますが、予算審議を通じて、いまや、佐藤内閣の反動性が、外交面においても、内政面においても決定的となり、四十三年度予算は、まさに、増税による大衆収奪、計画的なインフレ予算であることが証明されたのであります。
 私は、いまや、政府が根本的にその政治姿勢を改め、責任を国民の前に明らかにすることを強く要求して、反対討論を終わりといたします。(拍手)
#10
○議長(石井光次郎君) 吉田之久君。
    〔吉田之久君登壇〕
#11
○吉田之久君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府より提案されました昭和四十三年度一般会計並びに特別会計補正予算案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 私が反対いたします第一の理由は、重要な国家の財政に対する政府の一貫性の欠除と無計画性であります。このことは、最近数年間における政府の財政に対する姿勢が明白に示しているのであります。すなわち、昭和四十一年度の予算編成にあたって、当時の福田大蔵大臣は、財政主導型の経済成長ということばを用いて本格的な公債政策を取り入れ、総花的な膨張予算を強行してその場を糊塗してきたのでありますが、昭和四十三年度の予算編成に際しましては、これが一転して、財政硬直化の打開という事務官僚的な発想、表現を用いてこれに当たってまいりました。しかも、その硬直化は、さきに正当化してきたところの公債の累積が最大の原因であるにもかかわらず、これを社会保障、公共事業等の民生的支出の抑制に利用して、総合予算主義を主張してきたのであります。しかるに、政府の財政運営に関する態度は一年を経ずしてまたもやくずれ去り、当初は、あれほど補正なし予算を強調されていたにもかかわらず、ここに突如として補正予算案を提出するがごときは、まさに、朝令暮改の典型といわなければなりません。(拍手)
 このように、財政政策が年ごとに変更されるというのも、政府に長期の財政計画がないところに起因するといわなければなりません。近代国家の財政は、まず政府が長期の財政計画を樹立し、広く国民に明示して、その理解を求めておくべきであります。そして、単年度予算は、長期財政計画の一環として運営されるべきであります。われわれは、このことについては過去何回となく政府に要求し、反省を求めてきたところでありますが、いまだ反省の徴候すらないのははなはだ遺憾であります。
 反対の第二点は、補正予算の内容そのものについてであります。
 まず、補正予算案の歳入で中心をなすものは、当初予算に比較して二千四百五億円の増収になっている租税及び印紙税収入でありまして、その内訳においても、所得税は実に千五百五十六億円と、大幅な自然増収を示しております。これは当初予算の編成において意図的に過小見積もりを行ない、これによって国民の切実な減税要求を押えてきた証拠であります。しかも、差し迫った補正予算で、しぶしぶこれを明らかにするといった態度では、国民は断じて承服いたしません。しかも、この千五百五十六億円は、すでに国民から取り上げたものでありまして、悪く言うならば、事後に議会の承認を求めようという性格のものであります。これこそ、重税に苦しむ国民に減税分として返還すべき性格のものでありまして、政府の無計画な財政運営の犠牲に供すべきものではありません。
 また、歳出においては、地方交付税交付金七百三十五億円を計上しておりますが、そのうち六百九十億円は、すでに政府が借り入れを行なうよう決定し、地方にはわずか四十億円程度しか回さないのであります。政府は、この根拠として、地方財政の好転をあげておりますが、これは地域住民の福祉向上を度外視した中央集権主義のあらわれであり、産業公害や地域的経済格差の是正、教育施設の充実あるいは割り高な住民税の引き下げ対策等々、多くの財政需要に苦慮している地方自治体の正常な活動を抑制するものといわざるを得ないのであります。本案に賛成できない最大の理由は、実にこれらの二点にあるのであります。
 最後に、私は、本補正予算案の提出が、このように押し詰まった段階で、突如として、しかも、議案書の配付が本会議提案の寸前に行なわれるということの醜態に言及いたしたいと思います。
 ここに提案されております補正予算案の内容からすれば、少なくとも、昨年十二月の臨時国会において提案すべきものであったといわなければなりません。政府は、当時補正予算を口の端にのぼせることもせず、あえてすまし込んでおきながら、今回突如として提案し、十分な審議の時間的余裕も与えないというやり方は、全くの国会軽視であり、国会に対する政府の事務的、形式的な態度のあらわれとしか受け取りようがないのであります。政府のこのような態度は、例年の当初予算案提出を見ても、一貫して示されているのであります。財政法第二十七条の定むるところによれば、「毎会計年度の予算を、前年度の十二月中に、国会に提出するのを常例とする。」となっていることからすれば、政府の国会軽視の態度は、まさしく財政法にも反するものというべきであります。
 また、提案された本補正予算案の取り扱いにおいても、昨日来問題にされているごとく、特別会計の取り扱いはまことに不誠実であり、きわめて遺憾とするところであります。
 重要な国家予算案を、いま申したような態度で取り扱わんとする政府に対し、きびしく反省を求めつつ、本補正予算案に対する反対の討論を終わるものであります。(拍手)
#12
○議長(石井光次郎君) 北側義一君。
    〔北側義一君登壇〕
#13
○北側義一君 私は、公明党を代表いたしまして、政府提案の昭和四十三年度補正予算二案について、反対の討論を行ないます。
 政府は、四十三年度予算編成にあたり、財政硬直化を打開し、財政の体質を改善することを理由に、従来続けてきた補正要因を当初予算に組み、適正な予算の配分をする、いわゆる総合予算主義を大きく打ち出したのでありますが、公明党は、旧来の制度、慣行に種々の問題があるのを解決せずして補正なし予算を編成することは、かえってその弊害を招き、ひいては、そのしわ寄せを国民に転嫁することになるため、補正の事由が出てくれば、実態に即応して補正を組むべきであると、再三指摘してまいったのであります。
 しかし政府は、わが党の主張を無視して、総合予算主義の堅持をたてまえとして安易な財政運営を行なってきたため、人事院勧告の公務員給与改定も完全実施せず、かつまた、食管法を無視して生産者米価五・八%の値上がり分を消費者米価にスライドしたばかりでなく、さらに二・二%も上のせをして、消費者米価八%の大幅値上げを行なったのであります。このため、諸物価の値上がりを誘発し、国民生活を極度に圧迫したのであります。われわれの主張してきたごとく、税の自然増収二千四百億円は当初より予測されたところであり、公務員給与の完全実施と、食管法の精神を尊重し、消費者米価の据え置きを実施するために、大幅な増額をすべきであります。このように、一国の財政運営として、国民不在の政治姿勢の無責任さは、きびしく糾弾されねばなりません。
 さらに、佐藤総理は、物価安定は最重点施策であると国民に公約しながら、みずからこれを破り、政府主導型の物価上昇となったことは、政府の物価対策は名のみあって実なしといわざるを得ません。これは、明らかに食管特別会計の赤字にこと寄せ、総合予算主義に名をかり、国民生活を圧迫するものであります。
 次に、四十三年度においては、財政硬直化の打開をスローガンに、所得税の減税とすりかえ、酒、たばこなどの値上げをはかったことは、実価増税となっております。ところが、この一年間の税収は、見通しを大幅に上回り、さらに二千四百億円もの自然増収があったことは、国民生活を圧迫する不当な徴税であったことを証明するものであります。したがって、この分は大幅な所得税減税に向けるべきであります。
 第二に、国債については、当初予算において六千四百億円という膨大な国債を発行し、年度途中より大幅に減額するという操作を行なっている。もちろん、国債の減額については、われわれの主張するところであるが、当初より消化不能の額な計上し、わずか一年の間で一千六百億円にのぼる減額をするというやり方は、全く無定見な財政運用であるといわねばなりません。
 第三に、補正要因の一つである地方交付金についても、総合予算主義のたてまえからいえば、当初予算に組み込むべきであり、単なる予算見積もりの狂いで済まされる問題ではありません。しかも、交付税の増加分を、年度末にあわてて補正を組んだことは、四十四年度予算編成と関連して、国の景気政策に組み込もうとしたことであり、これは地方自治を侵害することになり、納得できないのであります。
 次に、今回の補正予算の最大の要因となった食管特別会計への繰り入れについて、一般会計から三百七十億円の繰り入れが行なわれたにもかかわらず、食管特別会計の補正予算書が提出されていないことは、一応特例が認められているとはいえ、三百七十億円の繰り入れの妥当性が国会で十分審議できないのであります。
 大蔵大臣は、今回の補正予算の扱いは先例としないと言明しましたが、予算審議を十分尽くす意味から、補正予算を容認することはできないのであります。
 以上述べてまいりましたように、今回の補正予算は、佐藤内閣の強調した総合予算主義をみずから破ったばかりでなく、補正予算の提出を故意におくらせ、公務員給与改定の人事院勧告無視、並びに食管法の精神に反して食管会計の赤字を国民に転嫁したことは、国民不在の政治といわざるを得ないのであります。
 なお、今回の補正は、昨年末の第六十回臨時国会において審議すべき重要な問題であったにもかかわらず、そのまま放置し、今回安易な措置をとったことは誤りであったのであります。
 以上の理由から、本補正予算二案について反対するものであります。(拍手)
#14
○議長(石井光次郎君) これにて討論は終局いたしました。
 両件を一括して採決いたします。
 両件の委員長の報告はいずれも可決であります。両件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#15
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#16
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時九分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
       内閣総理大臣  佐藤 榮作君
       法 務 大 臣 西郷吉之助君
       外 務 大 臣 愛知 揆一君
       大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
       文 部 大 臣 坂田 道太君
       厚 生 大 臣 斎藤  昇君
       農 林 大 臣 長谷川四郎君
       通商産業大臣  大平 正芳君
       運 輸 大 臣 原田  憲君
       郵 政 大 臣 河本 敏夫君
       労 働 大 臣 原 健三郎君
       建 設 大 臣 坪川 信三君
       自 治 大 臣 野田 武夫君
       国 務 大 臣 荒木萬壽夫君
       国 務 大 臣 有田 喜一君
       国 務 大 臣 菅野和太郎君
       国 務 大 臣 木内 四郎君
       国 務 大 臣 床次 徳二君
       国 務 大 臣 保利  茂君
ソース: 国立国会図書館
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