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#1
第061回国会 本会議 第10号
昭和四十四年二月二十八日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第七号
  昭和四十四年二月二十八日
   午後一時開議
 第一 外務省設置法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
 第二 在外公館に勤務する外務公務員の給与に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
    …………………………………
 一 公営住宅法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)の趣旨説明
 二 地方税法等の一部を改正する法律案(内
  閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 議員請暇の件
 裁判官訴追委員の予備員辞職の件
 裁判官訴追委員の予備員の選挙
 東北開発審議会委員の選挙
 九州地方開発審議会委員の選挙
 中国地方開発審議会委員の選挙
 首都圏整備審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 日程第一 外務省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第二 在外公館に勤務する外務公務員の給
  与に関する法律の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 昭和四十三年産米穀についての所得税及び法人
  税の臨時特例に関する法律案(大蔵委員長提
  出)
 公営住宅法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明及び質疑
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時九分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議員請暇の件
#3
○議長(石井光次郎君) おはかりいたします。
 議員三宅正一君から、海外旅行のため、三月九日から二十一日まで十三日間請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 裁判官訴追委員の予備員辞職の件
#5
○議長(石井光次郎君) おはかりいたします。
 裁判官訴追委員の予備員齋藤邦吉君から、予備員を辞職いたしたいとの申し出があります。右申し出を許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 裁判官訴追委員の予備員の選挙
 東北開発審議会委員の選挙
 九州地方開発審議会委員の選挙
 中国地方開発審議会委員の選挙
 首都圏整備審議会委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
#7
○議長(石井光次郎君) つきましては、裁判官訴追委員の予備員の選挙を行なうのでありますが、これとあわせて、東北開発審議会委員、九州地方開発審議会委員、中国地方開発審議会委員、首都圏整備審議会委員及び北海道開発審議会委員の選挙を行ないます。
#8
○西岡武夫君 裁判官訴追委員の予備員の選挙及び東北開発審議会委員外四委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名せられ、裁判官訴追委員の予備員の職務を行なう順序については、議長において定められんことを望みます。
#9
○議長(石井光次郎君) 西岡武夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 議長は、裁判官訴追委員の予備員に大村襄治君を指名いたします。
 なお、その職務を行なう順序は第二順位といたします。
 次に、東北開発審議会委員に湊徹郎君を指名いたします。
 次に、九州地方開発審議会委員に吉田重延君を指名いたします。
 次に、中国地方開発審議会委員に谷川和穗君を指名いたします。
 次に、首都圏整備審議会委員に野田卯一君を指名いたします。
 次に、北海道開発審議会委員に箕輪登君を指名いたします。
#11
○議長(石井光次郎君) 日程第一、外務省設置法の一部を改正する法律案、日程第二、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
#12
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長藤田義光君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤田義光君登壇〕
#13
○藤田義光君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 外務省設置法の一部を改正する法律案は、
 第一に、国賓、公賓の接遇等の外交上の儀礼に関する事務が激増しておりますので、これらの事務を総括整理させるため、外務省に儀典長一人を置くこと。
 第二に、在外公館の名称及び位置を外務省設置法で定めることとし、現行の在外公館の名称及び位置を定める法律を廃止すること。
 第三に、在南イエメン及び在モーリシァスの各大使館並びに在アンカレッジ領事館を新設することであります。
 次に、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、
 第一に、従来の在勤俸及び加俸の性格を明確にするため、これらを一括して在勤手当とすること。
 第二に、従来の在勤俸に相当するものを在勤手当と住居手当とに分けること。
 第三に、外務職員で、外国において研修を命ぜられた者に対しては、在勤手当にかわり、研修員手当を支給すること。
 第四に、昭和四十一年度の在勤俸改正後の諸外国における物価の上昇、地域間の格差等を勘案して、在外職員の給与の支給額を全体として平均約九%改善すること。ただし、大使については、必要最小限度の調整のみを行なうことなどであります。
 右二法案は、それぞれ二月十二日、十三日本委員会に付託、十八日、政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、二十七日、質疑を終了、討論もなく、直ちに採決の結果、右二法案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#14
○議長(石井光次郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#16
○西岡武夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、大蔵委員長提出、昭和四十三年産米穀についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案は、委員会の審査を省略してこの際とれを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#17
○議長(石井光次郎君) 西岡武夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 昭和四十三年産米穀についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#19
○議長(石井光次郎君) 委員長の趣旨弁明を許します。大蔵委員長田中正巳君。
    〔田中正巳君登壇〕
#20
○田中正巳君 ただいま議題となりました昭和四十三年産米穀についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案につきまして、提案の趣旨とその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、本二十八日、大蔵委員会において全会一致をもって起草、提出いたしたものであります。
 いわゆる予約米減税については、昭和三十年以来、毎年単独の特例法を制定して、これを実施してきたところでありますが、昨今の米をめぐる情勢は著しい変化を遂げ、配給米確保の心配の消滅したことはもちろんのこと、余剰米対策が真剣に議論されることとなり、米麦中心から脱却した総合農政の新しい展開を検討せざるを得ない事態に立ち至ったのであります。したがって、予約米減税は、今後はこれを打ち切らざるを得ないものと思われますが、当面、昭和四十三年産米については、経過的に農業所得者の負担の激変を緩和して、農村の動揺と不安を不必要にもたらすことがないよう配慮を加える必要があると考えますので、次のような法的措置を講じようとするものであります。
 すなわち、第一に、出荷調整対策の円滑な実施に資するため、いわゆるおそ出し奨励金について、その支給対象となる米穀の生産者に対して、奨励金の額に見合う所得を非課税とする特例を設けることといたしております。なお、この特例は、いわゆるおそ出し奨励期間中に政府に売り渡した米穀の全部について、予約の有無にかかわらず適用されることになっております。
 第二に、税負担の激変を緩和するため、昭和四十三年産米穀について、個人及び農業生産法人が、事前売り渡し申し込みに基づいて、生産区域の別に応じ一定時期までに政府に売り渡した場合、その米穀にかかる所得税及び法人税について百五十キログラム当たり、すなわち、一石当たり七百円を非課税とする経過的特例を設けることといたしております。
 なお、本案による国税の減収額は約十四億円と見積もられるのでありまして、大蔵委員会におきましては、本案の提案を決定するに際しまして、政府に対して意見を求めましたところ、福田大蔵大臣より、直ちに賛成しがたいが、負担の激変を緩和するための昭和四十三年産米の特例的経過措置であるとして、あえて反対しない旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨とその概要であります。
 何とぞ御審議の上、御賛成あらんことを要望いたす次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
#23
○議長(石井光次郎君) 内閣提出、公営住宅法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。建設大臣坪川信三君。
    〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#24
○国務大臣(坪川信三君) 公営住宅法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 住宅事情を改善し、国民のすべてが健全で明るい住生活を営むことができるようにすることは、政府に課せられた重大な使命であり、政府としては、鋭意住宅対策の拡充強化につとめておりますが、特に政府施策住宅の建設は、低額所得者向けの賃貸住宅に最も重点を置いて進めてまいっております。
 公営住宅法は、昭和二十六年に制定され、以来この法律に基づく公営住宅の供給がわが国の住宅対策の上で最も重要な役割りを果たしてまいりましたことは、御承知のとおりであります。しかしながら、法制定以来すでに二十年近くを経過し、現在におきましては、制度上幾多の問題が生じてきましたが、中でも、次の事項は当面改善措置を講ずる必要があるものと考えます。
 その第一は、公営住宅の建設に要する費用に関する国の援助の方式についてであります。
 現在、国は、公営住宅の建設にあたって、その用地費についても地方公共団体に対して補助することとしておりますが、用地費の増大に伴い、補助額が地価の実勢とかけ離れ、地方公共団体の財政負担の増高を来たしております。現行の用地費に対する補助制度のままで補助単価を適正化し、公営住宅の建設の伸長をはかることは、現在の財政事情のもとにおいては相当困難と考えられます。したがって、用地費については補助制度を実額に沿った融資制度に切りかえることが適切と考えられます。
 第二は、高額の収入のある入居者の取り扱いについてであります。
 公営住宅は、低額所得者のための低家賃住宅でありますが、入居後所得が上昇し、相当な高額の収入を得るに至った者が引き続き入居している現状であります。このようなことは、住宅に困窮する低額所得者が多数公営住宅に入居を希望している現状より見て著しく公平を欠くのみならず、公営住宅法の本来の趣旨に沿わないものといわねばなりません。したがって、このような高額の収入を得るに至った者に対して、一定の要件のもとに明け渡しを請求することができるようにする必要があります。
 第三は、公営住宅の建てかえに関する制度についてであります。
 最近の公営住宅の建設地は、用地取得難のため、ややもすれば市街地から遠隔化する事例が見受けられます。一方、相当以前に建設された公営住宅は市街地に建設されたものが多く、その大部分は木造住宅で、現在ではかなり老朽化しており、これらを建てかえてその土地を高度に利用し、近代的な高層または中層の公営住宅を大量に供給することが刻下の急務となってまいりました。したがって、公営住宅の建てかえに関する規定を整備して、事業の円滑な推進をはかる必要があります。
 以上がこの法律案を提案いたしました趣旨でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
 まず第一に、公営住宅または共同施設を建設するための土地の取得造成に要する費用についての国の援助の方式を改めまして、従来の補助を地方債による融資に切りかえることとし、国は、事業主体がこれらの費用に充てるために起こす地方債について適切な配慮をすることといたしました。
 第二に、ただいま申し上げました国の援助方式を改めたことに伴う家賃の変動を避けるため、国は、毎年度、事業主体に対して家賃収入補助を行なうことといたしました。
 第三に、公営住宅に五年以上入居し、一定の高額の収入を得るに至った者に対する明け渡しの請求に関する規定を設けました。この場合、事業主体は、入居者の明け渡しを容易にするように他の公的資金による住宅への入居等について特別の配慮をするとともに、請求を受けた者が病気で出費が多いこと等特別の事情がある場合においては、明け渡しの期限を延長することができることといたしております。なお、現在公営住宅に入居している者に対しては、法改正後二年間は明け渡しの請求ができないものとし、また、明け渡しの基準については相当の配慮をすることとしております。
 第四に、公営住宅建てかえ事業に関する規定を整備いたしました。
 すなわち、建てかえ事業を施行できる場合の要件を定めるとともに、建てかえ事業の施行にあたりましては、事業主体は、あらかじめ建てかえ計画について建設大臣の承認を得た後、事業の施行に伴い必要があると認めるときは、一定の期限を定めて入居者に明け渡しを請求することができることといたしました。
 第五に、この明け渡し請求を受けた者の住生活の安定を確保するため、事業主体は、必要な仮住居を提供するとともに、新たに建設される公営住宅への入居を申し出た者については、その公営住宅に入居させなければならないものといたしました。
 また、事業主体は、建てかえ事業の施行に伴い入居者がその住居を移転した場合においては、通常必要な移転料を支払うべき旨を定めました。
 第六に、建てかえ事業を円滑に施行するため、事業主体は、事業の概要について説明会を開催する等、事業の施行について入居者の協力が得られるようつとめるべきことといたしました。
 このほか、法定の限度額以内の家賃の変更については建設大臣の承認を要しないこととする等、所要の改正を行なうことといたしました。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#25
○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。島上善五郎君。
    〔島上善五郎君登壇〕
#26
○島上善五郎君 ただいま提案されまして、趣旨説明がございました公営住宅法の一部を改正する法律案に関し、私は、日本社会党を代表して、重要な数点につきまして、私どもの考えを明らかにしつつ、総理並びに関係大臣にその所信を伺おうとするものであります。
 まず最初に、政府の住宅政策の基本について、総理大臣にお伺いいたします。
 総理大臣は、昭和四十一年一月二十八日、住宅建設五カ年計画の発足の際、施政演説で次のとおり申されました。「社会開発のうち、第一の急務は、経済の発展に著しく立ちおくれている生活の場の改善であり、特に住宅政策の拡充であります。住生活の安定なくして国民生活の安定はありません。私は、住宅の整備を国民生活安定の基本と考え、これを強力に推進する決意であります。」たいへんけっこうなことをおっしゃっております。しかし、問題は、抽象的なことばではなくて、いかなる政策をどのように実行するかにあります。総理大臣が後段で述べておりまする、昭和四十五年までに一世帯一住宅の目標を実現するためのやや具体的な政策は、重大な認識の誤りをおかし、その誤りからくる具体策のさか立ちが、今日致命的な欠陥を露呈しております。
 私がこう申したら、あるいは、五カ年計画は四年目で七〇%以上達成、ほぼ順調に進んでいますと言われるかもしれません。五カ年計画の最終年度があと一年、もし山登りにたとえて言うならば八合目、もう一息で頂上をきわめるはずでありまするが、住宅難の現状はいかがでしょうか。もう一息で解消されるどころか、ますます深刻の度を加え、一世帯一住宅の手形は、明年は完全に不渡りとなることは明らかでございます。最近伝えられるところによりますれば、政府は、さらに次の五カ年計画の構想を審議会に諮問したとのことでありまするが、もし、いまの計画の延長のようなものであるならば、その最終年度にも一世帯一住宅は実現されず、再び国民を失望させることになるに違いありません。
 総理大臣、私は、あなたの公約違反の責任を追及するだけでは問題の解決にならないことを知っておりますので、ここでは、むしろ一世帯一住宅がなぜ偽りの看板に終わったのか、その原因を指摘し、政府の住宅政策を根本から転換するように要求するものであります。(拍手)
 近来の住宅不足の主たる原因は、政府の経済成長政策による労働人口の著しい都市集中にあることは明白で、したがって、住宅に一番困窮しているのは勤労者であることも明らかであります。しかるに、政府の住宅政策は、この住宅難に一番悩まされている勤労者に重点を置かないところに致命的な欠陥があるのであります。
 これを政府の五カ年計画の数字で立証しましょう。
 五カ年で六百七十万戸建てる計画、そのうち六〇%が民間自力建設、残り四〇%、二百七十万戸の政府施策住宅のうち、勤労者が最も望んでいる公営住宅はわずか五十二五尺総戸数六百七十万戸に比例するならば、驚くなかれ、七・七%にすぎないのであります。私が、あえて政府の政策がさか立ちしていると言うのは、ここにあるのです。マイホームなどというのは、いまの低賃金の労働者にとっては手の届かない高ねの花、バラ色の幻想でしかありません。住宅難をほんとうに解決しようとするならば、政府が現在七・七%と軽視している公営住宅建設を、政策の最重点に置きかえることです。
 私たち日本社会党は、いま、社会化住宅建設緊急措置法案を準備中でありますが、今後五カ年間に七百六十万戸を建設し、このうち六〇%を政府施策住宅とし、さらに、そのうちの六〇%、二百七十四万戸を公営住宅にしようとするものであります。これは政府の公営住宅建設量のほぼ五倍半に当たるもので、現在の住宅難解消のためにぜひとも必要とされる最低の量であります。これはやろうという熱意さえあれば、保守党政府のもとにおいてでも実行可能の現実案であります。総理大臣、住宅政策の重点をこのように転換する考えはないかどうか、お伺いいたします。
 もう一つ総理にお伺いしたい点は、宅地対策であります。
 今日、住宅建設の最大の障害は天井知らずの宅地の暴騰にあり、これに対して思い切った抑制措置を講じなければ住宅問題の解決が至難であることは、もはや議論の余地がありません。政府においても、昨年十一月の閣議で地価対策を取り上げたようでありますが、その結論たるや、土地の有効利用の促進、国有、公有地の活用、地価公示制度の確立、土地税制の改善、土地需給の緩和というような、土地所有者や大手不動産業者に遠慮をしながらつくったおざなりの案で、これさえも自民党内の異論で、たとえば地価公示制度がいままさにくずれ去ろうとしているのであります。総理大臣、新都市計画法によって、ことしの夏から市街化区域が設定されますれば、宅地暴騰はさらに拍車を加えられようとしている現在、こんななまやさしい対策で宅地の暴騰が防げるとお思いですか。総理大臣、土地は国土です。国土は国民の福祉のために優先して利用さるべきものであります。
 社会党は、目下、宅地管理法案を立案中ですが、さしあたって、新都市計画法によって設定される市街化区域内で、所有者が使用しない宅地を地方公共団体によって買い取り、あるいは借り受け、これを住宅を建てようとする者に低廉な価格で貸し与えようとするものであります。総理大臣、このような思い切った宅地対策を断行する意思があるかどうか、お伺いいたします。
 次に、所管大臣に対して、改正法案の内容に関連してお伺いいたします。
 第一の改正点、従来与えていた公営住宅の宅地に対する国の補助を打ち切り、そのかわり地方債でまかなわせようとすることは、要するに、公営住宅建設についての政府負担を軽減し、地方公共団体に肩がわりしようとするものであります。家賃補助の形で地価相当分の二%ないし三%の補助をすることによって、家賃へのはね返りをさしあたっては防げるといたしましても、結局は地方債は毎年雪だるまのように太り、そうでなくてさえ超過負担に悩んでいる地方公共団体に過大な財政負担を負わせ、やがて家賃へのはね返り、さらに公営住宅建設とその補修義務の減退となり、さらには、交通地獄を招来する遠隔地への住宅建設となることは必至であります。明らかにこれは政府の公営住宅政策の後退的変質であり、政府の責任回避であります。
 日本社会党は、むしろ政府の財政負担を現在より多くすること、すなわち、一種、二種を問わず、宅地費、建築費を含めて、実際に必要とする経費の三分の二の補助を与え、地方公共団体の超過負担をなくし、公営住宅大量建設の道を開くべきだと考えます。ところが政府は、宅地費の補助を打ち切るだけではなく、ことしもまた標準建築費を実際よりもはるかに低く押えて、超過負担解消の公約を裏切ろうとしているのであります。従来、財政の面から常に公営住宅建設にブレーキをかけてきた大蔵大臣に、このブレーキを緩めることを要求して、御答弁をいただきたいと思います。
 第二点は、いわゆる高額所得者の強制立ちのきの問題であります。
 この改正には多くの問題点がありまするが、まずその第一として、政府は、高額所得者として、四人家族で、家族収入をも含めて年収百五十万円以上とした理由は、一体何を根拠としているかという点であります。今日、理論生計費として、五人家族で年額百七十七万円以上が定説となっているのに、四人家族で、家族収入の三分の二を合算しての百五十万円は、決して高額所得とは申せないと思います。特に、二年先になりますれば、貨幣価値がさらに低下して、いまの百五十万が百三十万程度になるでしょう。私は、この高額所得の根拠を科学的に明白にしていただきたいと思います。
 次に伺いたいのは、政府は、公営住宅入居者に対して、一時しのぎの仮住まいを提供し、次々と回転入居させるつもりであるのか、それとも、永住の住宅を提供する方針であるのかという点であります。私は、もちろんその後者であるべきだと存じます。なぜかと申しますと、公営住宅法第一条の目的には、「国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を建設し」云々と明白に規定しておりますのは、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」との憲法第二十五条を受けた、国の義務を明らかにしたものであり、したがいまして、快適な永住の住宅を提供するのが公営住宅法本来の目的であります。しかるに、収入が少しばかりふえたからといって強制的に立ちのかせることは、この本旨に反するのではないかと思います。それとも政府は、高額所得者ががんばっているから住宅難が解消しない、これを追い出して回転させることによって解決するとでもお考えでしょうか。あとで数字で明らかにいたしまするが、これは問題の所在をたくみにすりかえたごまかしであります。
 次に大きな問題点として明らかにしたいのは、わが国の住宅の貸し借りは、本来、私法上の貸借関係であって、公営住宅といえども、その例外ではないはずであります。これを公民館や公会堂など、一時的に使用する公共建造物の貸し借りのごとき公法上の関係に置きかえようとすることは、公営住宅入居者から国民固有の権限を剥奪しようとするものであり、かつて昭和三十四年、この法改正の際に、憲法違反の疑いから、今日の明け渡しの努力義務というふうになったいきさつを思い合わせますならば、今回の改正は不当な行き過ぎではないかと思います。また、かりに百歩を譲って、このような問題はないとしましても、この改正によってどのような実効があがり、反面どのような悪影響があるかを考えてみる必要があります。政府の調査によっても、この改正によって強制立ちのきの対象となる世帯は、二年先に二千六百世帯であります。全公営住宅入居者百四万に比べてわずか〇・二五%にすぎないのに、現に毎年自発的に公営住宅から転出していく者は、東京都の例で見るならば、三%前後あるのです。その大部分が所得の比較的多い者であることを考えますならば、現行法にある収入超過者の明け渡し努力義務の規定の運用と適切な行政指導によって所期の目的を達成することができるのであります。実態がこのようであるのに、もし法改正がなされるとしますれば、全入居者に対して、きょうは人の身あすはわが身というような不安感を抱かせることになり、永住の安定した住宅を提供しようとする本旨を全く矛盾することになります。この改正は、したがって、不必要で無用有害な改悪と申さねばなりません。かりに、この法改正によって年間二千六百世帯を立ちのかせたといたしましても、当面の住宅難解消にはスズメの涙ほども役に立たないことを知らなければなりません。住宅不足の本質は、あくまでも公営住宅の大量建設によらなければ解決できないことを重ねて強調し、大臣の所信をお伺いいたします。
 最後に、第三の改正点でありまする、建てかえの際の三カ月後の強制立ちのきの法制化であります。今日の宅地事情のもとにおいて、われわれは木造などの老朽住宅の建てかえそのものを否定するものではありませんが、それはあくまでも話し合いによる合意を前提とすべきであり、仮住まいをあっせんするにしても、通学や通勤の問題もあり、また、一挙に家賃が数倍にはね上がる経済上の負担、その他入居者の事情や都合に十分配慮を加えるのが当然であります。しかるに、この法改正は、三カ月の猶予で強制立ちのきを求めることになっており、あまりにも一方的な押しつけといわざるを得ません。住めば都といわれまするが、長年住みなれた住宅に、三カ月たったら待ったなしの強制立ちのきでは、もしあなた方が入居者であったとしても、絶対に承服できないでしょう。現に、このように、私の手元には数多くの切々たる陳情や請願が参っております。
 大臣、とくとこのことを御記憶願いまして、今回の改正案を考え直し、政府の方針を転換するよう求めて、所信をお伺いいたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#27
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 島上君にお答えいたします。
 まず、政府の住宅建設五カ年計画につきましていろいろ御批判があったのでありますが、当初見込んだ建設計画の戸数につきましては、御指摘にもありましたように、おおむね計画の線に従って順調に進捗しております。政府は、その目的の達成のために、なお一段と努力する決意であります。しかしながら、国民の生活水準が向上するにつれて、国民の住宅に対する希望は、必要な量の確保とともに質の向上という点に向けられております。また、御指摘になりましたように、都市への人口集中、これは単に労働人口の移動ばかりではありません。全人口の集中によりまして、国民の住宅に対する需要はますます高まってくるものと、かように考えております。政府としては、今後も、引き続き住宅対策を強力に進めてまいりたいと、かように考えております。
 なお、民間による建設を公営住宅に置きかえろとの御意見でありますが、私どもは、両者相補いながら、国民のすべてが適正な居住水準を確保できるようにすることが、政府の果たすべき役割りであると、かように考えております。
 次に、宅地についての御意見がいろいろ述べられました。
 宅地取得の問題は、政府施策の住宅及び民間建設の住宅に共通の悩みとなっております。このため、住宅金融公庫及び住宅公団の宅地開発のための事業費を充実し、公営住宅用地確保のためには、用地費を起債から融資に切りかえて、円滑な事業の推進に寄与することといたしました。また、民間の宅地造成事業についても、区画整理事業進展のための各種の手当てをするとともに、住宅金融公庫からの助成を積極的に充実させております。
 このような新規宅地の開発のほか、既成市街地の再開発と、高層化による宅地の高度利用のため、都市再開発法の制定、都市開発資金の拡充等をはかっております。なおまた、土地税制を改正しようとしていることも、すでに御承知のところと思います。このほか、国有地、公有地の活用をはかるなど、各般の施策を、総合的かつ強力に推進することによって、宅地問題の解決をはかってまいりたいと考えております。
 御意見では、宅地は国土である、したがって、その取得については、私が誤解でなければ、特別な強権を発動してでも取ったらどうか、かような御意見のようでございましたが、この点につきましては、私は簡単には賛成いたしかねます。(拍手)
    〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#28
○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。
 御質問の第一点であります公営住宅建設事業につきましては、公営住宅建設五カ年事業量の達成、地方公共団体の持ち出しの解消、公営住宅の高層、不燃化などの質の向上をはかることが必要でありますので、この際、用地費に対する補助を地方債による融資に切りかえることにいたしました。これによって、昭和四十四年度予算案においては、用地費の単価を大幅に引き上げ、地方公共団体の持ち出しの解消をはかることといたしておりますほか、別途、家賃収入補助を新たに行なうこととしておりますので、総合的に見まして、地方公共団体の負担は著しく軽減され、公営住宅の建設が促進されるものと考えられます。
 また、公営住宅の家賃については、制度の切りかえによって変動しないように、事業主体に対しまして、家賃収入補助を交付することとしておりますので、家賃が高くなるということは考えられない次第であります。
 また、御質問の第二でございます公営住宅の利用関係については、私法の適用を受ける面もありますが、公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で賃貸するものであるという、本来かつ内在的な性格を有しておりますので、その趣旨、性格からして、公営住宅の入居者資格や入居者としての地位については、民間の借家の場合と異なり、一定の制限を設けることは必要やむを得ないことと考えます。
 また、あけ渡し基準収入は、公営住宅をあけ渡しました後に、他の適当な住宅に入居しても十分安定した生活を営むことができるような収入でなければならないとともに、現在の国民所得の水準をも考慮したものでなければなりません。かかる観点から見まして、現時点におきましては、新規入居者については、百五十万円程度が妥当な額と考えておる次第であります。
 次に、住宅は生活の本拠でありますので、居住の安定性については十分配慮しなければなりません。低額所得者のための低額な家賃住宅であるという公営住宅の趣旨、性格並びに正義、公平の観点から、今回、相当高額の収入のある者に対してあけ渡しを求め、入居を待ち望んでいる低額所得者を入居させることは、妥当な措置であると私は考えるのであります。
 なお、収入超過者で公営住宅を退去する者の大部分は、転勤その他の理由によるものでありまして、事業主体のあっせんによってあけ渡した者はその一割余にすぎません。また、あけ渡しの請求を受けるのは高額所得者に限られ、一般の入居者は安定して公営住宅に居住を継続できるものであり、決して一般の入居者に不安を与えるようなものではありません。
 次に、建てかえ事業の施行にあたっては、説明会を行なうなど、あらかじめ入居者に周知させるとともに、仮住まいの提供等も行ないまして、入居者のあけ渡しを容易にする措置を講ずるので、三カ月間の期間内に十分あけ渡しができるものと考えます。なお、建てかえ事業を行なう場合に、大多数の入居者の納得が得られても、ごく一部の入居者の賛同が得られないため事業が進捗しないのは、国民の期待に沿わないことにもなりますので、建てかえに関する規定を整備し、その円滑な推進をはかることとしたものであります。
 最後の御質問でございますが、政府は住宅対策を社会開発の中核として、その積極的な推進をはかっておりますが、世帯の細分化、建てかえ等による需要の予想を上回る増大のため、住宅難の解消には一そう努力を要します。今後、さらに住宅政策の拡充強化をはかってまいる所存であります。この場合、政府としましては、適正な居住水準を確保することのできない方々に対して必要な援助を与えることを基本といたしまして、特に低所得者に対する公営住宅の拡充強化を強く推し進めてまいる所存でありますので、御了承願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#29
○国務大臣(福田赳夫君) 公営住宅の用地費補助制度を融資制度に切りかえたのはいかがかという御批判でございました。
 これは、ただいま建設大臣からもお話がありましたが、いままでの補助制度では事業量が不足するのであります。また、超過負担問題が訴えられるというような状態であります。公営住宅に対しましては飛躍的な事業量の拡大をはからなければならぬ、そういう見地から、融資制度への切りかえをやったわけでございます。
 ただ、この切りかえによりますと、家賃にはね返るおそれがあるということでございまするが、これに対しましては、家賃収入補助を新設するということにいたしまして、所期の目的を達するということにいたしております。
 この制度をとりました結果、住宅予算は、全体といたしまして、四十三年度に比べて四十四年度は実に三四%と大幅の拡大になる。いかにその効用が大きいかという一端を示すものかと存じます。(拍手)
#30
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#31
○議長(石井光次郎君) 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣野田武夫君。
    〔国務大臣野田武夫君登壇〕
#32
○国務大臣(野田武夫君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨と内容の概略を御説明いたします。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、住民負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減、合理化をはかるとともに、市町村が宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用に充てるため、目的税として、宅地開発税を課することができる道を開くことにするほか、地方道路譲与税の譲与基準の合理化及び日本国有鉄道の納付する市町村納付金の軽減をはかることといたしたのであります。
 次に、順を追うてその概要について御説明申し上げます。
 第一は、地方税法の改正に関する事項であります。
 まず、個人の住民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除をそれぞれ一万円引き上げることといたしました。
 次に、個人の住民税及び個人の事業税を通じまして、中小事業者の負担の軽減をはかるために、青色申告者の専従者控除について、いわゆる完全給与制を実施するとともに、白色申告者の専従者控除額を四万円引き上げることといたしました。
 なお、土地税制の改善をはかるため国税において譲渡所得に対する課税の特例措置が設けられるのに対応し、土地等の譲渡所得に対する住民税の課税についても、これに準じ特例措置を設けることにいたしました。
 また、大都市近郊市町村における宅地開発の現況にかんがみまして、市町村が宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用に充てるため、目的税として宅地開発税を課することができる道を開くことといたしました。宅地開発税は、市街化区域のうち、公共施設の整備が必要とされる地域として条例で定める区域内で宅地開発を行なう者に対し、宅地の面積を課税標準として課するものとしております。なお、その税率は、宅地開発に伴い必要となる公共施設の整備に要する費用、当該公共施設による受益の状況等を考慮し、条例で定めることにいたしました。
 このほか、自動車取得税、料理飲食等消費税及び電気ガス税の免税点の引き上げ、料理飲食等消費税の税率の統一等の措置を講ずるとともに、不動産取得税、固定資産税等についても所要の改正を行なうことにいたしました。
 第二は、地方道路譲与税の改正に関する事項であります。
 大都市における税源の充実に資するため、地方道路譲与税の譲与基準として用いる道路の延長及び面積について、道路交通の実態を反映するよう補正を加えることができることにいたしました。
 第三は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正に関する事項であります。
 日本国有鉄道が通勤輸送、幹線輸送の増強のため実施する設備投資に伴う納付金の負担の増高を緩和するため、一定期間内に新設された線路設備等にかかる納付金について、所要の軽減措置を講ずることにいたしたのであります。
 以上の改正によりまして、昭和四十四年度においては、個人住民税について七百十四億円、個人事業税について六十五億円、自動車取得税その他について七十五億円、国鉄納付金について二十五億円、合計八百七十九億円の減税を行なうことになりますが、一方、宅地開発税の創設及び国税の改正に伴い九億円の増収が見込まれますので、地方税の減収総額は差し引き八百七十億円となります。
 以上が地方税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#33
○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。依田圭五君。
    〔依田圭五君登壇〕
#34
○依田圭五君 私は、日本社会党を代表して、ただいま提案になりました地方税法等の一部を改正する法律案に対し、以下、数点にわたりまして、政府の所信をたださんとするものであります。
 質問の第一点は、地方自治の尊重と自主財源の強化に関連し、現在の地方税制は抜本的な改正をすべき時期に来ているのではないかという点についてであります。
 現在の税制の基本的な性格が、シャウプ勧告にありましたことは言うまでもありませんが、このシャウプ税制は、戦後の日本経済の復興期にありまして、応益原則をにしきの御旗に、大衆課税強化の性格を内包しながら、高額所得階層の減税をはかることによりまして投資貯蓄を促進し、企業の資金確保をはかるなど、総じて、資本蓄積を加速化することを目的とするものにほかならなかったのであります。しかし、他方では、それまでの戦時財政下の公債依存からの脱皮や間接税の合理化、さらには地方自治確立のための地方財源の確保など、いわば近代財政としての注目すべき一定の財政原則の確立をはかったものであります。
 その後、産業基盤強化本位の高度成長、多額の公債発行、過密過疎の深化、地方財政の動態化などに伴いまする財政需要の急増などによりまして、日本の社会経済情勢は大きな変化を遂げたにもかかわらず、税制につきましては継ぎはぎの糊塗策が講ぜられたにとどまり、資本蓄積のみはむしろ強化されたものの、新事態に対応すべき断固たる改正を怠ったために、この財政上の原則は至るところで破綻し、一言でいえば、全く地方の中央依存、大衆収奪の混乱した税制度となってまいったのであります。
 これを地方財政の立場から見れば、今日、地方税源は、歳入の四〇%程度の低位にあり、その多くは交付税、国庫支出金、地方債等の中央依存財源によって占められている現状であり、特に、地方税の中にあっても、市町村の税収が都道府県のそれを下回る結果となり、シャウプ勧告当時と完全に逆転しているのであります。現に過疎地域等におきましては、極度の財源難から、住民税、固定資産税等の超過課税を余儀なくされておる市町村は、全国で三分の一の多きにのぼっておる現状であります。一方、物価の上昇、社会保障の立ちおくれ等によりまして、住民、特に低所得層の税負担は、相対的に過重の度を加えつつあるのであります。
 しかるに、政府は、このような事態に目をつぶり、一例を申せば、後に述べまするように、高級料理飲食税に対しまする減税を行ない、大衆負担は放置するという反国民的税制を決定し、大衆の怒りによりまして、最後にわずかの免税点の引き上げを行なってごまかすなど、税に対しまする一貫性を欠き、党利党略に終始いたしましたことは、許しがたいことと申さなければなりません。その点につきまして総理の所信を承りたいのであります。
 このような事態に対処するために、わが党は、個人住民税の課税最低限を所得税並みに引き上げること、所得税と重複する個人事業税を撤廃すること、大企業優遇の租税特別措置を撤廃すること等を申し入れてまいっておるのでありますが、地方自治を尊重し、いかにして地方財源の確保をはかり、自主財源をふやしていこうとするか、総理並びに大蔵、自治大臣の御所見を承りたいのであります。
 質問の第二点は、税制改正と減税の規模についてであります。
 五千八百五十三億の自然増収が見込まれまするにもかかわらず、わずかに八百七十億の減税ということでは、あまりに少額に失するものであり、とうてい理解に苦しむのであります。今回の改正案によりますれば、住民税の課税最低限は九万円引き上げられることになっておりまするが、なお所得税との比較では一〇対六・六となり、所得税の失格者で地方税の納税者は、実に一千万人をこすのであります。現在の課税最低限は、生活費課税どころか、生活保護の水準にまで課税しておるといったほうが適当なくらいに低く、生活保護を受けておる人以外なら、多少とも所得があれば、たとえむち打ち症でがまんして働いていましょうが、公害病に痛めつけられておりましょうが、容赦なく住民税が徴収されるのであります。この結果、住民税の納税人口は、昭和三十五年二千六百万人でありましたものが、四十二年には三千万人をこえてまいったのであります。日本人三・五人に一人は住民税を取られておるという勘定に相なるのであります。その結果、個人の都道府県民税は、昭和三十五年の二百八億円から、四十三年には千六百八十八億円と約八倍、市町村民税は七百八十七億円から二千七百八十一億円と、実に四倍近くの実質上の大増税が行なわれておるのであります。しかも、都道府県民税の税率はたった二段階、また、市町村民税は十三段階であるとはいうものの、最高税率は一四%ときわめて低く、応能の役割りを十分に果たしているとはいえないのであります。
 このことは、納税人口の大部分を占めまする労働者の肩に大きな負担となってのしかかっており、物価上昇との関連において実質的な減税とはなり得ないのであり、所信を承りたいのであります。
 また、給与所得者の重税感を緩和するため、現行の十回分割払いの源泉徴収方式を十二回分割払いに改めることにいたしておりますが、これは税制調査会の答申にないものであり、こんな小手先の細工で重税感がぬぐえるものではなく、徴収事務をいたずらに複雑化するだけだといわざるを得ないのであります。
 質問の第三点は、改正案の具体的問題点についてであります。
 その一は、自治大臣にお伺いをいたしたい。
 住民税課税最低限の引き上げの目標と期限を一体どの程度に設定されようといたしておりますか。所得税につきましては、昭和四十五年度百万円を目安としているようでありますが、住民税は、三カ年計画で所得税課税最低限と一致させるべきである、こう思いますが、どのような計画を持っているのかを明らかにしていただきたいのであります。
 その二は、土地税制と開発税の新設についてであります。
 最近、相次いで発表されております一連の土地税制につきましての改正は、この程度の内容で一体実効があがるのかということを、まず第一に承りたいと思います。
 社会党の従来主張いたしてまいっておりまするところの空閑地あるいは未利用地に対する各種の課税のごとく、土地の保有過程に対する課税に何らのメスを入れないで、流通過程のみに微温的な制度を立てましても、しり抜けの対策とならざるを得ないのであります。
 さらに、宅地開発税の新設は、小規模住宅に対しまする減税制度を並行的に実施しない限り、住宅政策に逆行するおそれがあるのであります。この点をどうお考えになっておりますか。
 宅地開発税の納税義務者は、それが開発業者でありました場合でも、現今の宅地の需給関係からして、この税額相当分が開発されました宅地の購入者個人に転嫁されるでありましょうことは、だれの目にも明らかであります。ときには、この税の相当分以上の負担を購入者にかぶせようとする傾向さえ否定できないのでありまして、これは物価対策の面からも軽視することを許されません。また、都市計画税との重複を一体どう説明なさるのか。宅地開発税を現行地方税の税体系の中でどう位置づけようとするのかという点につきましても、明らかにしていただきたいのであります。
 次は、いわゆる筋を通すというような立場からの問題として、地価を安定させるための税制はいかにあるべきかで関係者が知恵を出し合って苦労いたしておりまするときに、自治省は、宅地開発税の構想を情勢不利と見たのか、全く伏せており、地価安定のための土地税制の方向がほぼ固まってから宅地開発税を出してまいったのでありまして、自治省の行き方にはなわ張り的なものが感じられて、感心できないのであります。しかし、本来この種の税の新設は、土地税制全体の中で考えるのが正しいと思いまするが、これらの諸点に対しまする自治大臣の所信を承りたいと思います。
 その三は、料理飲食税の税率の一本化についてであります。
 この料飲税改正ほど、佐藤内閣の性格をむき出しにし、国民の前にさらけ出した法改悪はないのであります。一人一回三千円以上の高額消費に対する税率一五%を、一〇%に引き下げる方針が打ち出されておりまするけれども、これは徴税の簡素化、税負担の軽減を口実にいたしました圧力減税、選挙対策減税でしかない。当然に撤回をすべきものであります。(拍手)一人一回三千円をこえる飲食というのは、一般庶民にはほとんど縁のない料亭とか、バー、キャバレーなどでありまして、ふだん利用するのは一部の政財界人か社用族であり、高級料亭対策とかお手盛り減税という非難が出るのは当然であります。自民党は、この非難を打ち消そうといたしまして、一般の飲食税につきまして、現行六百円の免税点を二百円だけの引き上げを打ち出しましたが、こんなことで不合理さや身がってさが消えるものではありません。
 もともと、料理飲食税は、出だしからして不明朗であります。政府の税制調査会の段階では全然議論にもならなかったものが、自民党の税制調査会の意向で突如つけ加えられたものであります。飲食免税点二百円の引き上げは、減収年間六十七億円にすぎないが、税率一本化によりまする減収は三十三億円であり、合わせれば百億円に達するのであります。この百億は、住民税の基礎控除を一万円引き上げるのにほぼ相当するのでありまして、もし、ほんとうにそれだけの余裕があるとするならば、政府はこれを住民税の減税に充てて、高級料亭の門など一生に一度もくぐることの許されない重税にあえぐたくさんの納税大衆に、何ゆえ報いることをしなかったのであるか、質問したいのであります。(拍手)
 その四は、電気ガス税についてであります。
 電気ガス税は、いわゆる生活必需品に対しまする大衆課税で、典型的な悪税であります。国に六百九十億円を貸すほどのゆとりがあるなら、電気ガス税に対しまする大企業優先の非課税措置の徹底的な整理を断行し、少なくとも、生活用電気ガスにつきましては完全に免税となる措置をすべきであると思いまするが、大臣の所信を承りたいと思います。
 最後に、大都市税制について御質問いたします。
 大阪市をはじめ指定都市は、軒並み赤字であり、交付団体に転落をしておりまする実情でありますが、これは住民に担税能力があるにもかかわらず、税源を与えないからであります。大阪市を例にとりまして申しますと、四十一年度決算では国へ七二%、府へ一六%を持っていかれ、市にはわずかに一二%しか残らない実情であります。衆参両院の地方行政委員会において毎年のごとく附帯決議を繰り返してまいっておりますが、特に昨年の四十三年度の附帯決議は、「大都市についてはその財政の実態にかんがみ、税源の充実を検討して明年度において具体化に努めること。」と、はっきり具体的な決議をいたしておるわけであります。にもかかわらず、改正案では、地方道路譲与税の配分基準について、ほんの若干の措置をするようでありまするけれども、その内容さえ明らかにされておらず、国会軽視もはなはだしいものと申さなければなりません。
 われわれは、住民税の法人税割りを強化することを中心として、都市的税源を強化し、あわせて道路財源の充実等の特別措置を講ずることを主張するものでありますが、これに対する答弁を要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#35
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 依田君にお答えいたします。
 まず、地方税法を根本的に検討し直せとの御意見でありました。私も、各界からそのような御意見があること、承知しております。その多くは、国税との関係なり、あるいは住民税あるいは固定資産税の問題なりにその焦点が当てられているように思います。私も、いずれ地方税法の総括的な見直しを必要とする時期が来るものと考えておりますが、これを掘り下げてまいりますと、国と地方団体、さらには、地方制度と地方自治というようなものをどう考えるかという問題にまでさかのぼってみなければ、税法は立たないのであります。そういう意味で、結論を得るまでには相当の時日を要する大きな研究課題になろうかと思います。したがいまして、当面は、手がけ得る改善案について逐次改正を見ていくことが大切かと、かように考えます。今回御審議をいただく地方税法の改正も、そのような意味におきまして、これは根本的な問題ではありませんが、まず可能なものからと、こういう意味で取り組んでおるのであります。
 次に、個々の問題についての御意見並びにお尋ねがございましたが、その二、三についてお答えして、他は所管大臣に譲りたいと思います。
 まず第一は、住民税でありますが、この住民税をもっと軽減しろ、こういう声はなかなか強いのであります。支払うほうから申せば、国税だろうが、地方税だろうが、同一の国民であります。その意味におきまして、やはり負担を軽減さす、こういう観点から、今回も、わずかではありますが、この住民税の軽減と取り組んだのでございます。
 また、土地税制の問題についてもいろいろお話がございました。これは掘り下げていけば、たいへん広範な問題だ、かように思います。ただ一つ、基本的な考え方をとってお答えをしてみたい、かように思いますが、主要な点について考えて、そうして具体的なものは自治大臣からお答えすることにいたしたいと思います。
 まず、土地対策としての効果でありますが、税が地価にどういうような影響を与えるかという問題であります。土地利用のための制度の確立を待たずして、税制上の施策によって土地問題の解決をはかることには、おのずから限界がある、私はかように考えております。しかしながら、現下の土地問題の深刻さを考え、少しでも土地政策の推進に役立つよう、土地税制の改善に乗り出したものであります。したがいまして、その意味において、十分ひとつ御検討いただきたいと思います。
 空閑地問題のことは、自治大臣から答えさせたいと思います。
 次に、料飲税の改正についてお触れになりました。ただいまの税制、これは私が説明するまでもなく、二段階の課税方式でございます。この二段階の課税方式は、必ずしも適正にこれが適用される課税が――税を取るという方面から見ますると、やや困難があるように私どもは考えております。その実態についての反省をしながら、今回のような改正を行なおうとするものであります。したがって、今回の改正は、これこそ、きわめて現実的な妥当性を持った改正でありまして、いま御指摘になりましたような、選挙の目的などというような批判は、絶対に当たらないのであります。
 次に、電気ガス税についての御指摘がありました。私は、これは確かに御指摘になりましたように、減税の方向へ進めという御意見であり、私もさようなことに賛成するものであります。しかしながら、この税は、市町村財政の上で最も重要な地位を占めていることも無視できませんので、その状態をも考慮しながら、可及的に軽減の努力を積み重ねてまいりたい、かように考えております。したがいまして、今後ともその方向で努力するつもりであります。
 その他の問題につきましては、それぞれの所管大臣から……。(拍手)
    〔国務大臣野田武夫君登壇〕
#36
○国務大臣(野田武夫君) お答えいたします。
 ただいま、二、三点について総理のお答えがございましたから、重複をなるべく避けたいと思っております。
 依田さんから、地方税制がシャウプ勧告に基づいて昭和二十五年に改正をした、今日は抜本的な改正を要するのではないかというお尋ねがございました。住民生活に密接した地方行政が、地方団体の責任において円滑に行なわれる、いわゆる住民の負託にこたえることができるようにするには、地方行政の遂行に必要な財源というものは、できるだけ住民が地方団体に対して直接負担する地方税によることが一番望ましいことは、言うまでもないことでございます。したがって、政府といたしましては、従来から住民負担の軽減、合理化をはかりながら、地方税の充実に意を用いてまいりました。最近における地方税収入の状況は、市町村税が非常に伸びてまいっておりますが、最近は鈍化の傾向にあるのも事実でございます。他面、都市、特に大都市においては、生活環境におきまして、都市施設の整備を推進するために、財政需要がきわめて高くなってまいっております。そういう状況からいたしまして、地方税の充実をはかるにあたりましては、当面、都市、特に大都市における税源の充実を検討することが必要であると考えております。したがって、このような観点からいたしまして、昭和四十三年度におきましては、市町村道にかかる道路目的財源として自動車取得税を創設し、市町村の税源の充実をはかることといたしましたが、今後とも、引き続いて積極的な検討を重ねてまいりたいと存じております。
 なお、地方税制の抜本的な改正を検討するにあたりましては、国、地方団体を通ずる税源配分についても、根本的な再検討を加える必要があります。この点につきましては、現在、地方制度調査会におきまして審議が行われているところでありますので、この審議の結果を待ちまして、国及び地方団体を通ずる税源配分について積極的に取り組んでまいりたいと存ずる次第でございます。
 住民税の問題でございますが、いわゆる住民税の課税最低限は、地方財政にも及ぼす影響が大きいのでございまして、これらを勘案して長期的な具体的目標を立てる、したがって、いまお話のありました所得税の関係、これは私も、できるだけ所得税と均衡のとれるような住民税の負担に持っていきたいと非常に希望いたしております。しかし、実情は、御承知のとおりのいまの財政事情であると同時に、特に税制調査会の答申におきましても、住民税は所得税とはおのずから質が変わって、住民は、自分の住んでいる地域のいわゆる行政水準を上げるために、できるだけ多くの人が自分の能力に応じてこれを負担していって、そうして自分の地域のいわゆる地域づくりをやったほうがいいという意味において、所得税とは住民税の内容と質が違うのだ、こういう答申を得ております。したがって、直ちに住民税を所得税と同様なまで負担を減免するとか、あるいはその他の均衡をとるということは、いま直ちにこれをやることは困難でございますが、しかし、目標としては、できるだけ早く負担の軽減をはかりたい、こう考えております。
 地方税の減税におきましてわずかに八百七十億、いろいろな事情からしては少ないじゃないか、こういうお気持ちが出ているようでございます。これは住民税の課税最低限を一応引き上げ、中小事業者の住民税及び事業税の減税を中心といたしまして、大体八百七十億程度にいたしましたが、いまの地方の財源から申しますと、相当大幅な減税をやることができたと思っております。御指摘のように、昭和四十四年度において、地方交付税の六百九十億円を減額してこれを繰り延べすることにいたしておりますが、これはたびたび申し上げておりますとおり、昭和四十三年度の自然増収を引き当てにいたしたものでございまして、昭和四十四年度の地方財政には影響を与えない、こういう範囲において行なわれた措置でございます。これをもって、直ちに明年度の地方財政が相当余裕があるということは言いがたいことでございます。
 なお、今回の地方税の改正で土地税制に関してとった態度でございますが、税制の土地政策において果たし得る役割りというものは、いわゆる補完的なものでございまして、土地問題の解決のためには、総合的な土地政策が確立されてまいることが望ましいことでございます。土地税制に対する期待はもちろん非常に強いのでございますが、したがって、この検討は、私どもますます深くこれを検討いたしまして、そうしてその対案を得ることにしなくちゃならぬと思っております。政府といたしましては、昨年の税制調査会の答申の趣旨に従いまして、四十五年度における固定資産税にかかる土地の評価がえをやりまして、その適正化につとめたい、こう考えております。
 なお、宅地開発税にお触れになりましたが、この宅地開発税は、宅地開発に伴う必要な身近な関連公共施設の整備に充てるための目的税でございます。したがって、大都市近郊市町村においては、現に宅地開発を行なうものに対しまして各種の負担を求めております。その負担の内容や求め方が区々でありますので、その負担の明確化、合理化をはかろうとするものでありまして、したがって、これは全市町村が一律に課税するものではございませんで、市町村が宅地開発に伴う公共施設の整備に要する費用の一部を宅地開発者に負担してもらうものでございますから、これは必ずしも全国の市町村が一斉に行なうということではございません。
 宅地開発税と都市計画税についてのお尋ねがございましたが、都市計画税は、もう御承知のとおり、都市計画街路の新設、改良のような都市計画事業を実施するためでございまして、これは都市計画区域内の土地と家屋との受益関係にかんがみて、区域内の土地、家屋に対して毎年度課税するものである。宅地開発税は、いま申し上げましたとおり、全然この都市計画街路に該当するということでなくて、自分たちの住む身近な道路、身のまわりの関連公共施設を整備する。しかも、これは一回限りでございまして、したがって、都市計画税とは何ら重複するものではございません。
 その他の、特に大都市の税源の充実ということがございましたが、これは、いま地方税改正において御審議を願っておりますとおり、道路譲与税の譲与基準を改めてこれに充当する。しかし、法人税割り、法人事業税等、幾多の問題がございますが、これは法人の税制のあり方その他につきましては、税制調査会において今日根本的な審議を続けております。だから、税制調査会の答申を待ちまして、自治省といたしましてもこれを検討して案をつくりたい、こう考えております。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#37
○国務大臣(福田赳夫君) 地方財政において自主財源を強化すべしという御意見でございます。私も、これはもう同感でございます。地方自治を伸ばしていくためには、どうしてもその財源に自主性を持たせなければならぬ。今日、地方税、交付税交付金、この二つが収入の大宗をなし、しかも、これが自主財源でありますが、安定的に伸びておる、私は御同慶に存ずる次第でございます。
 これを制度的にどうするかということは、先ほど総理からも話がありましたが、地方自治制度とも関連をいたしますので、これはそう簡単な問題じゃございません。しかし、常々心がけなければならぬ問題かと思います。
 この自主財源の大宗である地方税、交付税交付金、この両者ともが、これが経済変動、つまり、景気の動きと非常につながりが深い財源であります。したがいまして、制度がどうあろうと、問題は、景気成長政策がうまくいくかいかないか、これが地方財政の規模、性格をきめる、かように考えます。私どもは、安定的な経済成長につとめること、これが地方財政に最も貢献するゆえんである、かように思います。(拍手)
#38
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#39
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時四十一分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        建 設 大 臣 坪川 信三君
        自 治 大 臣 野田 武夫君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      荒井  勇君
        建設省住宅局長 大津留 温君
ソース: 国立国会図書館
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