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#1
第061回国会 本会議 第26号
昭和四十四年四月十五日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十九号
  昭和四十四年四月十五日
   午後二時開議
 第一 公職選挙法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第二 公営住宅法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 第三 国立学校設置法の一部を改正する等の法
  律案(内閣提出)
    …………………………………
 一 ガス事業法の一部を改正する法律案(内
   閣提出)の趣旨説明
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第二 公営住宅法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第三 国立学校設置法の一部を改正する等
  の法律案(内閣提出)
 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 の趣旨説明及び質疑
   午後二時十四分開議
#2
○副議長(小平久雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 公職選挙法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
#3
○副議長(小平久雄君) 日程第一、公職選挙法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#4
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。公職選挙法改正に関する調査特別委員長齋藤邦吉君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔齋藤邦吉君登壇〕
#5
○齋藤邦吉君 ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、公職選挙法改正に関する調査特別委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本案は、選挙人名簿の登録を、住民基本台帳に記録されている者で選挙権を有する者について行なうこととするほか、登録方法の合理化をはかろうとするものでありまして、そのおもな内容は次のとおりであります。
 第一に、選挙人名簿の登録は、市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民で、その者の住民票が作成された日から三カ月以上、また、転入者については、住民基本台帳法に基づく転入届けをした日から三カ月以上、その市町村の住民基本台帳に記録されている者について行なおうとするものであります。
 第二に、選挙人名簿の登録の時期につきましては、現行の公職選挙法では、三月、六月、九月及び十二月の、年に四回定時の登録を行なうことになっておりますが、これを選挙が行なわれる際に登録を行なうこととするとともに、年一回、九月に定時の登録を行なおうとするものであります。
 第三に、選挙人名簿の登録は、市町村の選挙管理委員会が職権で行なうものとし、選挙人の責めに帰し得ない理由で登録の脱漏が生じた場合には、救済できる旨の規定を設けようとするものであります。
 このほか、転出者等の選挙人名簿の登録の抹消手続の改正、船員選挙人名簿の廃止、詐偽登録に関する罰則の明確化等について、規定の整備をはかろうとするものであります。
 なお、この法律は、昭和四十四年七月二十日から施行することといたしております。
 以上が本案のおもな内容であります。
 本案は、三月三日本特別委員会に付託され、同月十九日野田自治大臣より提案理由の説明を聴取し、質疑に入り、四月十一日、質疑を終了し、採択の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党共同提案にかかる附帯決議を付することに決しました。
 その内容は、選挙人名簿の登録制度を十分住民に周知徹底すること。選挙人名簿の正確性の確保のため、住民の実態調査を励行すること。また、選挙人名簿の登録、整理等については、実態調査に要する経費をも含めて十分な財源措置を講ずること等であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#6
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#7
○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 公営住宅法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
#8
○副議長(小平久雄君) 日程第二、公営住宅法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#9
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。建設委員会理事金丸信君。
    ―――――――――――――
〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔金丸信君登壇〕
#10
○金丸信君 ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、公営住宅建設の促進をはかるため、土地の取得を容易にし、及び公営住宅の管理の適正化をはかることを目的とするもので、おもな内容は次のとおりであります。
 第一に、土地取得等に要する費用を国の補助から融資に改め、国は、事業主体がこれらの費用に充てるために起こす地方債について適切な配慮をするとともに、土地取得等に要する費用の切りかえに伴う家賃の変動を避けるため、事業主体である地方公共団体に対し家賃収入補助を行なうこと。
 第二に、公営住宅に五年以上入居し、一定の高額収入を得るに至った者に対し、明け渡しの請求に関する規定を設けるとともに、事業主体は、入居者の明け渡しを容易にするように、他の公的資金による住宅への入居等について特別の配慮をすること。
 第三に、明け渡しの請求を受けた者が病気その他特別の事情がある場合は、明け渡しの期限を延長することができることとし、現に公営住宅に入居している者は、法改正後二年間は明け渡しの請求ができないこととするほか、明け渡しの基準について相当の配慮をすること。
 第四に、公営住宅の建てかえ事業を施行できる場合の要件を定めるとともに、事業を施行しようとするときは、事業主体はあらかじめ建てかえ計画について建設大臣の承認を得た後、事業の施行に伴い必要があるときは、一定の期限を定めて入居者に明け渡しを請求することができること。
 第五に、建てかえ事業の施行に伴い、明け渡し請求を受けた者に対し事業主体は必要な仮住居を提供するとともに、新たに建設される公営住宅へ入居の申し出をした者には、その公営住宅に入居させなければならないこととするほか、事業の施行に伴い入居者がその住所を移転した場合は、通常必要な移転料を支払わなければならないこととすることであります。
 本案は、二月二十八日本委員会に付託され、三月五日提案理由の説明を聴取し、また、三月二十五日には公聴会を開会し、その間熱心かつ慎重に審議いたしたのでありますが、その詳細につきましては会議録に譲ることにいたします。
 かくて、四月十一日、本案に対する質疑を終了しましたが、自由民主党を代表して大野明君より、施行日を公布の日に改める修正案が提出され、提出者より趣旨の説明を聴取した後、討論を行ないましたところ、日本社会党を代表して岡本隆一君より、本案及び修正案に反対の意見が述べられました。
 次いで、採決を行ないましたところ、本案及び修正案は賛成多数をもって可決、よって、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対して、自由民主党を代表して田村良平君より提案の附帯決議が付されましたが、その内容は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 右、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○副議長(小平久雄君) 討論の通告があります。これを許します。福岡義登君。
    〔福岡義登君登壇〕
#12
○福岡義登君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公営住宅法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行なわんとするものであります。
 まず第一に指摘しなければなりませんのは、佐藤内閣の住宅政策に対する基本的な姿勢についてであります。
 御承知のとおり、今日のわが国の住宅事情はきわめて深刻であります。現在、わが国の人口は一億二百万人であり、これが世帯数は二千七百万世帯にのぼっています。一世帯の平均は約三・八人でありますが、最近の世帯の分極化傾向は一そう住宅難に拍車をかけています。若い青年男女諸君が希望に燃え、新生活を営もうといたしましても、住むに家がないという状態であります。戦後の住宅難はひとりわが国だけではなく、西独、フランス、イタリアなどもわが国以上の住宅難でありましたが、政府の適切な施策によってそれをりっぱに克服いたしておるのであります。しかるに、経済の高度成長を誇るわが国においてこの住宅問題が解決しないのは、歴代自民党内閣が大企業に奉仕して国民生活を顧みなかったところにその原因があるのであります。
 政府は昭和四十一年度を初年度とする住宅五カ年計画を策定しました。これは六百七十万戸を五カ年間に建設するというものでありました。当時、私たちは七百六十万戸を要求したのでありますが、政府はこれを拒み、六百七十万戸の計画を強行したのであります。しかも、この六百七十万戸の建設計画のうち、公的資金による政府施策住宅はわずかに四〇%の二百七十万戸という計画で、他は民間自力に期待するというあなたまかせの無責任なものでありました。そのように不十分な五カ年計画でありましたが、それすらも計画どおりに進行していないというのが現状であります。
 すなわち、昭和四十四年度は五カ年計画の第四年目に当たりますが、かりに今年度計画が予定どおりに遂行されたといたしましても、その達成率は、民間自力によるものが順調であるのに対し、公的資金による政府施策住宅はわずかに七一・八%でしかないのであります。つまり、公的資金による政府施策住宅は、五カ年計画の最終年度となる明年度において七十二万二千戸の建設を行なわなければ、国民に公約された住宅五カ年計画は完遂されないことになるのであります。ところが、今日までの政府施策の実績からすれば、このことはとうてい不可能だと考えられるのであります。したがって、今日重要なことは、政府提案のような制度の改正ではなく、深刻な住宅不足のもとで、いかにして一戸でも多くの住宅を建設するかということでなけらねばならないと思うのであります。この姿勢がなく、いたずらに、しかも、それが国民の反対する方向において制度が改正されるということは、本末転倒といわなければなりません。
 福田大蔵大臣は、今国会冒頭の財政演説において、政府施策住宅の建設戸数を、前年度に対し七万六千戸余り増加し五十七万三千戸としたと大みえを切られましたが、これは国民を欺瞞するもはなはだしいといわなければなりません。表面上の建設戸数は五十七万三千戸となっておりましても、その内容は、居住者負担となる財政投融資によるものが全体の八四%で四千二百六十億円であるのに対し、一般会計ではわずかに七百九十四億円でしかないのであります。これは前年度予算に対し二二%の伸び率で、予算規模の一五・八%という伸び率にははるかに及んでいないのであります。また、一般会計予算総額に対する住宅予算は一・二%という低さであります。大蔵大臣は何をもって大みえを切られるのか、その理解に苦しむものであります。特に、国民の多くが希望し、ときには何百倍という競争率となっている公営住宅は、昨年の八万八千戸に対し一万二千戸しか増加していないのであります。佐藤内閣の社会開発、人間尊重の看板はどこへ行ったかと言いたいのであります。(拍手)
 冒頭申し述べましたとおり、深刻な住宅難の解決は、制度の改正でなくて、大幅予算の増額により大量の住宅を建設するということでなけらねばならないということでありまして、この根本問題を忘れた今回の法案には反対せざるを得ないというのが、私ども日本社会党の基本的な態度であります。
 以下、法律案の内容について、反対の理由を申し述べたいと思います。
 その第一は、宅地に対する従来の補助制度を廃止し、これを融資制度に切りかえようという点についてであります。
 宅地に対する現行制度では、第一種公営住宅の場合は二分の一、第二種公営住宅の場合は三分の二の国庫補助を行なっておるのであります。この補助制度を廃止し、今後はすべて起債による融資とするというのであります。この結果、はたしてどのようなことになるでしょうか。当然のこととして、事業主体である地方自治団体の財政を圧迫するということになるのであります。この結果、住宅建設の意欲が、地方自治団体にあっても、財政的事情からこれが推進をはかることが不可能となり、住宅は建設されず、住宅対策は後退するのであります。このような逆行的な方向は絶対に容認することができないのであります。また、融資によって宅地を取得し、そこに住宅を建てれば、それだけ家賃が高くなることもまた当然であります。家賃が高くなれば、入居者の家計を圧迫するばかりでなく、一般物価をも刺激するということになるのであります。この面からも、とうてい賛成することはできません。政府は、家賃の値上がりを防止するため、宅地補助打ち切りに見合う家賃収入補助を行なうと説明しているのであります。しかし、これは宅地取得の実勢価格に対してではなく、建設大臣の定める標準価格を限度とするというものでありますから、全面的な家賃対策とはならないおそれが多分にあるのであります。
 次の問題は、いわゆる高額所得者の入居制限、明け渡しの問題についてであります。
 政府は、一定以上の高額所得者には公営住宅を明け渡してもらい、低所得者に回したいと説明しているのでありますが、公営住宅総戸数百四万戸のうち、高額所得者としての対象者は二千数百名にしかすぎないのであります。政府は、このような事情であるにもかかわらず、あたかも高額所得者が多数入居しているから低所得者が入居できないのであるかのごとき印象を強く与える説明を行なっているのでありますが、これはみずからの政策の貧困を隠蔽し、問題をすりかえ、国民の対立感情をあおり、責任を回避しようとする、許すことのできない卑劣な態度といわなければなりません。(拍手)高額所得者といっても、収入調査の方法にも多くの問題を含んでおりますし、また、家族の収入の内容及びその取り扱いについて今後検討を必要としている現状にかんがみ、今日の段階では、一部少数の高額所得者問題を論ずるより、建設戸数の増加をこそ検討することが急務であると確信するのであります。また、たとえ今日高額所得者であっても、企業倒産による失業、交通事故などの不慮の事故による世帯主の死亡などが発生した場合を考えますならば、その所得の永久的保証がないわけでありますから、強制明け渡しなどの処置をとることは、人道上からも許されないと思うのであります。
 次の点は、建てかえについてであります。
 私たちも、一定の条件のもとに公営住宅の建てかえが行なわれ、住宅事情の改善が促進されるということに異論を持つものではありません。しかし、この問題につきましても、未解決の問題が多くあるのであります。その一つに、分譲の問題があります。一定年数以上の入居者には分譲するということが約束をされ、すでに分譲を受けた者もあります。このように、すでに分譲を受けた者と、分譲を受けようとしても受けられない者との均衡をどうするのかということがあります。この問題は、ただ単に均衡論だけではなく、入居者と管理者の問において行なわれた私法上の契約の不履行の要素もあるわけでありますから、問題は重大であるといわなければなりません。また、建てかえの基準をどうするのか、建てかえ対象となる住宅の未償却部分が地方財政を圧迫しないか、さらに、建てかえ事業の基準はどうするのか、その他仮設住宅の問題、立ちのき期間、再入居等々の問題があるのであります。
 以上、反対の理由を述べてまいりましたが、私たちは、ただ単に政府案に対して反対したばかりでなく、積極的、建設的な提案を行なってきたのであります。
 その要点は、第一に、住宅建設の中心を公営住宅に置き、その補助率は、一種、二種の差を廃止し、一律に三分の二に引き上げること。第二は、家賃を合理的なものにするため、一定の基準に対し、一定の割合以内とすること。第三は、現行五カ年計画は今年度をもって打ち切り、新たに昭和四十五年度を初年度とする新五カ年計画を定め、建設総戸数七百六十万戸とし、そのうち、公的資金によるものを六〇%とし、さらに、この公的資金による戸数のうち、六〇%に相当する二百八十万戸を公営住宅として建設することによって住宅難の緊急解消をはかること。第四は、宅地対策についてであります。住宅対策の基本は宅地対策にあるといっても過言でありません。今日、宅地の円滑なる供給、宅地の高騰、これらに対する対策などを抜本的に行なうためには、どうしても宅地対策を立てなければなりません。この際、宅地の公的管理を行なうべきであるとの提案を行なったのであります。特に、今年六月施行される都市計画法によって市街化区域に指定される地域の地価は、予想できないほどの高騰を呼ぶものと思われます。また、公営住宅の適正立地、良好な環境、公共施設の整備、公共事業費の効率化等の実現のためにも、市街化区域の宅地は市町村管理とし、その権限のもとに住宅を建設すべきであるというものであります。
 以上を骨子とする建設的な提案を行なったのでありますが、その一部が附帯決議に取り入れられたのみで終わったことは、まことに残念にたえないところであります。しかし、私たち日本社会党の住宅政策は、同時に国民の声であることを確信し、将来にわたってその実現のため、一そう強力な活動を展開する決意をここに披瀝いたしまして、私の反対討論といたします。(拍手)
#13
○副議長(小平久雄君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 国立学校設置法の一部を改正する
  等の法律案(内閣提出)
#15
○副議長(小平久雄君) 日程第三、国立学校設置法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#16
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。文教委員会理事藤波孝生君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤波孝生君登壇〕
#17
○藤波孝生君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する等の法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、
 第一に、三重大学に工学部を、大阪外国語大学に大学院を設置すること。
 第二に、千葉大学養護教諭養成所を新設すること。
 第三に、臨時に設置した国立工業教員養成所を廃止すること。
 第四に、この法律は、昭和四十四年四月一日から施行することとし、施行に必要な経過措置を定めるとともに、その他関係法律の規定を整備することであります。
 本案は、去る二月八日当委員会に付託となり、同月十九日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。以来、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて、四月十一日、本案に対する質疑を終了、次いで、藤波孝生外三名から、本案に対し、この法律は、公布の日から施行し、昭和四十四年四月一日から適用することを趣旨とする自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる修正案が提出されました。
 本修正案及び原案については、討論の通告がないため、直ちに採決に入り、本修正案及び修正部分を除く原案は全会一致をもって可決、よって、本案は修正議決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明
#20
○副議長(小平久雄君) 内閣提出、ガス事業法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。通商産業大臣大平正芳君。
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#21
○国務大臣(大平正芳君) ガス事業法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 家庭用エネルギーの需要は逐年増加の一途をたどっており、ガスは国民の日常生活に不可欠なエネルギーとして今後とも一そうその地位を高めてまいるものと考えられます。その過程におきまして、主要な供給源である都市ガス及び液化石油ガスは、それぞれその特性に応じた機能を果たしていくことが期待されます。
 このうち、都市部において重要な役割りを果たす都市ガス事業につきましては、近時、石炭から石油への原料転換等に伴い、経済性の見地からガス発生設備等が高圧、大容量となりつつありますが、その反面において、事故発生の防止への配慮が要請されてきております。また、消費生活の向上とともに、各種のガス用品が広く普及いたしますとともに、家屋構造の変化と相まちまして、ガス用品による災害の発生の防止も重要な課題となってまいりました。さらに、近年、新しい家庭用ガス体エネルギーの供給方式として、いわゆる液化石油ガス等の小規模導管供給事業が目ざましい普及を見せております。これは、導管によりガスを供給するという点で都市ガス事業と類似の性格を持っておりますので、消費者の利益を確保するために、都市ガス事業と同様に公益事業としての規制を行ないますとともに、都市ガス事業との問に所要の調整を行なう必要がございます。
 このように、ガス事業を取り巻く環境は最近大幅に変化しております。政府におきましても、このような情勢に対処すべく、ガス体燃料の供給体制のあり方につき、総合エネルギー調査会の審議等を通じて検討を進めてまいりましたが、その結果、今般ガス事業法について所要の改正を行なうことといたしたものであります。
 次に、本法案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、一般ガス事業者に対する保安規制の強化であります。
 すなわち、ガス発生設備、主要な導管等一般ガス事業の遂行上重要なガス工作物につきまして、工事計画の認可及び使用前検査の制度を設けますとともに、このうち、一定のものは設置後も定期検査を行なうこととするほか、一般ガス事業者に対し、保安規程の届け出の義務を課する等、保安の確保と安定供給の達成等に万全を期することといたしております。
 第二は、ガス用品の取り締まりを行なうことであります。
 一般消費者等が使用する都市ガス用のガス用品について検定制及び製造事業者の登録制を採用し、指定検定機関または登録製造事業者が付した表示のないものは販売してはならないことといたしますとともに、ガス事業者は、一般消費者に対しガスの消費機器の設置及び使用に際して危険防止のための注意事項を周知させ、さらに、一定の事項については調査を行なう義務を課する等の規制を行なうこととしております。
 第三は、液化石油ガス等小規模導管供給事業に対する公益事業規制であります。
 液化石油ガス等小規模導管供給事業のうち、供給の相手方の数が五十以上のものについて、新たにガス事業法の中で簡易ガス事業として公益事業規制を行なうこととし、通商産業局長は、一般ガス事業者が適切かつ確実なガスの供給計画を有する地域にかかる簡易ガス事業の許可を行なうにあたっては、通商産業局ごとに学識経験者により構成する地方ガス事業調整協議会の意見を聞いて、一般ガス事業との調整をはかることといたしております。
 さらに、簡易ガス事業に対して、技術基準適合義務等を内容とする保安規制のほか、料金の認可等一般ガス事業に準じた規制を加えることといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明に対する質疑
#22
○副議長(小平久雄君) ただいまの趣旨の説明に対して、質疑の通告があります。これを許します。佐野進君。
    〔佐野進君登壇〕
#23
○佐野進君 ただいま趣旨説明のありましたガス事業法の改正案について、日本社会党を代表して、総理並びに関係大臣に質問し、政府の方針を伺うものであります。(拍手)
 本改正案は、都市政策不在の高度経済成長政策と利潤追求第一主義による企業活動によってもたらされた過密、過疎、住宅難、交通難、公害等、生活環境の悪化によって人間の生存権が侵害されている都市問題の一つとして、家庭燃料部門に起きた諸矛盾を解決する方法が、LPG小規模導管供給の一部を簡易ガス事業として法制化することによって当面を糊塗し、矛盾点をますます深化させることであります。このような法律改正が住宅建設、道路建設、上下水道建設をはじめとする関連公共施設の整備等、計画的な都市づくりがないまま行なわれることは、欧米先進国には見られない現象であり、その結果、都市地域における混乱、窮乏、無秩序、危険等をますます助長することになるが、都市問題に対する総理並びに建設大臣の所見をお伺いいたします。
 そもそも、ガス事業法は、消費者の利益を守り、保安を確保し、ガス事業の健全なる発展をはかることを目的としているのでありますが、この改正案は、佐藤内閣の産業政策の欠陥である大企業優先、中小零細企業切り捨てという基本的な姿勢を露呈し、かつ、消費者の利益を無視し、保安の確保を危うくするものであり、大企業保護の政策を具体的に示すものであります。
 まず第一に、この改正案は消費者の利益が疎外されていることであります。
 その一つは、家庭用エネルギーの需給計画がないことであります。昭和二十九年、ガス事業法制定当時ほとんど予測し得なかったプロパンガスは、その利便性と経済性のため飛躍的に需要を増大し、今日、都市ガス利用約八百万世帯に対し、一千四百万を数え、全国世帯数二千五百四十六万世帯に対しその販路が広がり、家庭燃料として、電気、灯油等とともに一大変革を起こしたのであります。しかるに、この改正案は、その現実に目をおおい、大都市ガス事業を守るあまり、消費者の利益を考えず提案されたものであります。この際、消費者の利益を守るため、将来の家庭用エネルギー需要措置をどのようにとるのか、また、長期的家庭用エネルギー供給体制の中で、都市ガスとプロパンガスをどのように位置づけようとするのか、総理並びに通産大臣にお伺いいたします。
 次は、料金について。
 今回の改正案では、その一部を簡易ガス事業として公益性を付与し、料金は認可制となるので、今日、都市ガスの値上がりを押えているLPGが簡易ガスとなることによって値上がりをもたらし、歯どめの効果を失えば、都市ガスの値上げを誘発するおそれがあり、いまや公共料金抑制政策は物価問題の中心であるが、料金決定はどのようにするのか、また、特に容器売り等、LPガスの販売価格が地域的に不均衡がある事態をどうするのか、通産大臣並びに経済企画庁長官にお伺いいたします。
 また、悪名高い電気ガス税撤廃についてであります。
 今回、地方税法の改正によりガス税の課税最低額が千円になったが、需要の伸びで、現実には大部分の使用量が千円以上となっているので減税の効果はあまりなく、さらに、この税が消費生活に必需のエネルギーに対して課する悪税であることは、総理みずから公の場所でたびたび認めているとおりであります。今回のガス事業法改正案提出を機会に、ガス税の撤廃は直ちに行なうべきだと思うが、総理並びに自治大臣の所見をお伺いいたします。
 さらに、公益性についてであります。
 この法律案は、エネルギー調査会が都市ガス業界の要望を一方的に受け入れ政府に答申し、その答申よりさらに後退した政府案は、公共性の名のもとに大企業保護に手をかし、消費者に犠牲を転嫁するものといわなければなりません。すなわち、五十戸から一千戸までを簡易ガス事業の対象として公益性を付与しておりますが、四十九戸以下は公益事業でないというのはなぜか。四十九戸と五十戸の一戸の差が、法律的に公益性を決定する基準とは何でありましょうか。さらに、この改正によって消費者はガス使用の選択権が奪われ、将来大きな損害を受ける危険性が懸念されるのであります。現在は都市ガスの供給区域内外にかかわらず、消費者はその利便性からプロパンを利用しているのであるが、今回の改正案によれば、都市ガス会社がこの面にも容易に進出し得ることになり、本来努力すべき導管事業を放置し、各地において簡易ガス事業を始め、ひいては需要家の独占という事態を招来し、消費者の選択権を必然的に制約することになると思うが、通産大臣の見解をお伺いします。
 第二に、保安の確保についてであります。
 ここ数年の都市ガス事故とLPGの事故は、それぞれの利用者に多大の不安を与えております。昨年度において都市ガスは死者六十二人、中毒者五十八人で、前年に比べ死者十四人、中毒者九人と激増し、住民の不安ははかり知れないのであります。特に、この際問題とすべきは、東京板橋におけるガス管爆発により五名のとうとい人命の失われたことに関し、東京瓦斯のとりつつある措置についてであります。今回の事件は、世界第一の規模を持つ東京瓦斯が、四十三年度上半期決算において四十億円の純益、年一割二分の配当を行ないながら、利用者に対し、老朽管取りかえ等の保安責任努力を怠り、保安確保に幾多の欠陥があることを露呈したのであります。改正案には一般ガス事業の保安規制の強化がうたわれていますが、過密都市における地下埋設物の錯綜は想像を絶するものがあり、この程度の規制強化では導管事故の防止は不可能と考えられるのであります。
 さらに問題なのは、その処理にあたり、会社側は、犠牲者を忘れ、反省なく、社長みずから責任のがれにきゅうきゅうとしている事実であり、片や、鹿島建設のごとき巨大土木会社の態度とともに、大企業の独善性は世の憤激を買いつつあるのであります。かかる行為はガス事業の公益性にもとることであり、そのことが結果的に共同溝への加入を拒み、地下一・五メートルの浅いところにずさんな埋め戻しを行なわせた原因があるのであります。かかる姿勢でガス事業が独占されるならば、消費者の危険はきわめて大なるものといわなければなりません。
 今後災害が発生した場合、政府はかかる大企業に対し、すみやかにその責任を明らかにさせるとともに、犠牲者に対する救済については、直ちに補償を行なわせる等きびしい指導をすべきと思うが、総理並びに通産、建設、自治各大臣にその見解を伺うとともに、保安の確保について政府の姿勢をただしたいと思います。
 さらに、この法案は、行政上の立場から中央集権化をはかる措置をとろうとしているものであり、このことは、簡易ガス事業を一般ガス業者だけに行なわせんとする意図のあらわれであります。現在、高圧ガス取締法並びにLPガス法において、通産大臣は都道府県知事に大幅な権限を委任しているのでありますが、簡易ガス事業については地方通産局長にその権限を集中させ、結果的に広範な地域を管理監督するために保安の確保を不可能ならしめるとともに、小零細企業の営業権を圧殺せんとしているのでありますが、この際、簡易ガス事業に関しても都道府県知事に委任すべきと思うが、通産大臣の所見をお伺いしたい。
 第三に、この法案は、中小零細企業の圧迫であり、切り捨てであります。
 今日わが国における全家庭の大部分が、二百二十九社の都市ガス業者と六万のプロパン業者が供給するガスを利用しております。しかるに都市ガスは、東京、大阪、名古屋の三社が全供給戸数の約七五%を占め、残りのわずかを二百二十余の中小都市ガス会社がまかなっているのであり、また、LP業界その他においても、そのほとんどが小零細企業であります。かかる状態のもとで行なわれる簡易ガス事業は、都市ガス、プロパンともに系列化が進められ、小零細企業の切り捨てが行なわれることは火を見るよりも明らかであります。試みに、昨年三月実施されたLPガス法によって転廃業を余儀なくされた事業所は二千にも及ぶということで、その深刻な状態は、簡易ガス事業の発足に伴い加速度的に増加することは間違いありませんが、これにより経営の基盤を失う業者の対策をどのように考えるか。これはこの問題だけでなく、当面する中小企業対策全体の課題でありますので、総理の御答弁を伺いたい。
 以上のごとく、この改正案は、エネルギー革命の実態を無視し、消費者の利益を阻害するのみならず、小都市ガス業者やLPG六万業者の生活権を脅かすものであると断ぜざるを得ません。現在の実態においては、法実施前に解決を要する幾多の課題があるのであり、むしろこの際、ガス事業法に対比すべきプロパンガス事業法を制定し、消費者の利益とガス事業の健全な発展をはかるべきであると思うが、総理にその決意をお伺いします。(拍手)
 第四は、あまりにも露骨な政府の大企業優遇についてであります。
 長い歴史を持つ大都市ガス事業は、発足以来、公益事業として保護を受け、この間事業は順調に伸びる状態にありながら、三大会社を中心に、飛躍的に増加する人口に対応できず、住民の不満を増加させる反面、おおむね公益事業として地域的独占に安住し、企業努力が不足していることはいなめない事実であります。これらに対し指導すべき立場にある通産当局は、高級官僚の電力会社をはじめとする各会社、公団への天下りや、堀田事件にあらわれた汚職に見られるように、大企業優遇に明け暮れておりますが、特に、ガス事業については、公益事業局を中心に会社と癒着し、料金、安全確保等に関し指導を怠り、過日のごときガス爆発に対しきわめて甘い判断を示し、きびしい追及を受けているのであり、これら大企業に寛大な通産官僚行政に対し、きびしく指導すべきと思うが、総理大臣に決意をお伺いいたします。(拍手)
 さらに一方、会社側は、公益事業における実績と利益を、系列会社の育成やガス事業法第十二条に基づく施行規則第八条の規定にない事業に投入し、その支配力を強めるとともに、政界に対しても政治献金を行ない、政治的発言を確保しつつあります。昨年上半期六カ月間における献金は、自治省調べによると、自由民主党関係へ四千五十一万円が出され、その大部分は東京瓦斯をはじめとする大手三社によるものと思われるのであります。このことは、過日のガス爆発の際に見られたように、社長が直ちに佐藤総理に陳情しているといわれることによっても明らかであります。このような実態の中で本案が成立するならば、ガス会社の供給区域内においては、その許認可権を持つ通産省の思いのままにガス会社に許可が集中し、供給区域外においても優先することは明らかであります。これらに対し、その横暴を防ぐ道は、ガス会社に本来の役割り以外に手を出させない義務を負わせるべきだと思うが、通産大臣の所見をお伺いいたします。(拍手)
 最後に、佐藤総理は、過日の本会議で、事故防止に関しその決意を披瀝し、あるいはまた中小企業対策についてその見解を明らかにされましたが、その本心は大企業優先であり、中小企業の切り捨てはやむを得ない、事故発生もそれらに関連した必要悪であると考えていると思わざるを得ない幾多の事例を聞き、あるいは見ているのであります。
 消費者行政の中心になるこのような重要な法案を、頻発する災害や物価が高騰を続ける中で苦しむ消費者や中小零細業者の声を十分聞くことなく、安易に提出した真意をただし、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#24
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 まず、政府の都市政策の進め方についてでありますが、人口、産業の都市への集中に伴って、都市周辺部へ市街地が無秩序に拡大していくのを抑制するとともに、既成市街地については極力再開発を行なって都市機能を回復し、向上させることが都市政策の基本的課題であります。このため、昨年制定された新都市計画法と近く御審議を願う都市再開発法案の二つを軸にして、強力な都市政策を推進してまいります。また、都市の諸施設を整備する場合、関連工事の同時施行については、今後一そう努力いたしますが、特に、共同溝のように、将来にわたっての基本的な都市施設となるべきものにつきましては、関係事業者の理解と協力を得て、秩序ある発展をはかりたいと、かように考えております。
 次に、家庭用エネルギーの需要構造についての御質問は、通産大臣からお答え申し上げます。
 電気ガス税の免税点の引き上げの結果、ガスの全需要者数の半数以上が免税点の適用対象となる、かように私どもは見ておりまして、免税点引き上げの効果がないとの御批判は、当たらないものと考えます。なお、電気ガス税についての私の考え方には変わりはありませんが、一方において、市町村財政にとっては有力な自主財源の一つとなっている現実をも考慮しながら、特に少額消費者の負担の軽減のため、今後とも努力をしてまいる考えでございます。
 板橋のガス爆発事故は、沿道の一般住民に思わざる被害を与えたものであり、まことに遺憾にたえません。事故の原因につきましては、目下鋭意調査中であり、できるだけ早急に責任の所在を明確にしたいと考えております。被害者の方々に対する補償につきましても、十分な補償が行なわれるよう、関係者をきびしく指導してまいります。
 今回のガス事業法改正の主眼も、保安規制の強化にありますので、ガス事故の防止のために寄与するところ大である、かように考えております。何とぞ御賛成あらんことをお願いいたします。
 また、佐野君は、私の考えが大企業優先、中小企業切り捨てであると断じておられますが、何をもってそのように言われるのか、理解に苦しむ次第であります。政府は、一般消費者、特に中小零細業者の保護育成には、あらゆる観点から意を用いております。今回の改正は、都市ガス及びLPガスに対し、その特性に応じた役割りを期待し、中小企業を主体とする簡易ガス事業を含めて、ガス事業の円滑な発展をはかろうとするものでありますから、この点、特に御理解いただきたいと思います。
 行政官庁における不祥事件の発生はまことに遺憾であります。公務員としての基本的な心がまえ、すなわち、国民に奉仕するという気持ちを忘れないよう、今後十分注意してまいります。同時に、職務権限配分の是正、チェック機能の強化など、事務運営の改善をはかるとともに、適正な人事管理を行なって、再びこのような不祥事件が起こらないようにつとめてまいる決意でございます。
 その他の問題につきましては、それぞれの所管大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#25
○国務大臣(大平正芳君) 家庭用エネルギーの位置づけでございますが、まき、炭、石炭等の固体エネルギーから、御案内のように漸次流体エネルギーに移行いたしまして、現在はすでに八〇%が流体エネルギーに移っております。ただいまのところ、都市ガスがそのうち約一三%、LPガスが約一二%でございまするけれども、社会経済発展計画の見通しを機会といたしまして、今後の展望に立ちまして、将来の位置づけを現実に即して見直してみたいと考えているところでございます。
 それから第二は、簡易ガス事業を公益事業として位置づけてまいるのでございますが、その場合の料金規制についてのお尋ねでございます。五十軒以上に対する供給のために、一たん導管が布設されますと、消費者の選択がそれだけ制約をされますので、政府としては、原価主義によりましてその料金を規制する必要を感ずるのでございまして、今後順次政府の統制下に置きまして合理化を進めまして、低廉なガスの供給に協力させたいと考えております。
 びん売りのプロパンガス等の価格が地域的に不均衡であるという御指摘でございますが、これは過当競争のいたすところでございまして、私どもとしては、決してこれは歓迎すべき状況ではないと思うのでございます。
 それから、今度の簡易ガス事業が都市ガスの事業者に偏重するのではないか、都市ガス事業者にも簡易ガス事業が認められる結果、そういうことになりはしないかという御懸念でございますけれども、これは、将来都市ガスが供給されるという確実な場合だけに簡易ガス事業を認めるのでございますが、一方、都市ガスの供給地域内におきましても、一般のガス事業者以外の者が簡易ガス事業を営むことを許すのでございまして、そのような御懸念はないものと考えております。
 それから、五十軒以上と五十軒未満の限界をどのように考えたかということでございますが、これは二重投資の不経済を除く意味と、消費者の選択の自由を制約する意味と、この二つの調和点をほぼ五十軒供給というようなところに設定いたしたのでございます。
 それから、保安の強化の問題でございますが、ただいままでは、技術基準をきめまして自主的な努力を業者に求めておったのでございますが、今度の法改正を通じまして、ガス工作物の事業計画の許可あるいは使用前の検査、あるいは定期検査等を通じまして、保安の一そうの強化につとめたいと考えております。
 それから、ガス会社の兼業の問題でございますが、われわれといたしましては、ガスの供給に必要な範囲にとどめておるのでございまして、決して野方図にガス供給事業者に兼業を認めておるものではございませんし、今後もそういうつもりはないのでございます。
 それから、この法律を施行いたしました結果、中小企業なんかの廃業を誘発するのではないかということでございますが、総理からお話がありましたとおり、そういう懸念はないものと思いまするし、そのようなことのないように十分配慮いたしたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#26
○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。
 御質問の第一の、人口、産業の都市への過度な集中によりまして、都市周辺部の市街化のスプロール化現象が非常に著しくなりましたことは、御指摘のとおりでございます。これが対策といたしましては、先ほど総理もお述べに相なりましたごとく、本年六月施行を予定いたしております都市計画法に基づき、計画的に市街化をはかるべき区域として市街化区域を定め、これ以外の区域のスプロールを原則として禁止するとともに、この市街化区域においては都市施設を計画的に整備することといたしておる次第でありますが、近く御審議を願う予定になっております都市再開発法の制定によりまして、秩序ある都市形成を鋭意はかってまいる所存でございます。
 御質問の第二につきましては、大都市における地下埋設物の増加は著しく、また、自動車交通量の増加と相まって事故が発生しております。その対策の一つとしましては、共同溝の整備を今後ともはかっていく方針であります。ただ、ガス管を共同溝に収容することにつきましては、保安上の技術的諸問題がありますので、現在、建設省及び通産省が協力して委員会を設置いたしまして、その設計等を検討中であります。なお、共同溝が整備されない道路の地下埋設物につきましては、埋設場所、工事方法等について、技術的に再検討していきたい考えであります。
 事故の原因につきましては、目下警察及び関係各省が調査中であり、現段階ではその責任の所在がまだ明らかになっておりませんが、被害者に対する救済は、東京都交通局、鹿島建設及び東京瓦斯の三者の責任において解決すべきものと考え、すみやかに処理するよう強力に指導をいたしておりますので、御了承願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣野田武夫君登壇〕
#27
○国務大臣(野田武夫君) 今回の改正案では、簡易ガス事業の許可は通産局長が行なうこととなっておりますが、これは、通産局長が所管しております一般ガス事業と簡易ガス事業との調整をはかるためにとられた措置でありまして、今後の運用にあたりましては、通産大臣と協議の上で地元市町村の意向を十分尊重するとともに、地方ガス事業調整協議会に必ず地元代表を入れる等、地方団体の意向が十分反映されるよう配意してまいりますので、特に中央集権化のおそれはないと思っております。
 過密化しました都市における地下埋没導管の事故防止の規制でございますが、これは消防上の見地からも大きな関心事であることはもとよりでございます。今回のガス事業法の改正を契機といたしまして、導管を含むガス工作物全般に対する保安の根幹をなします技術基準を通じまして、通産省とさらに緊密な連絡をとりつつ、消防としての必要な規制を行なってまいりたいと存じております。(拍手)
    〔国務大臣菅野和太郎君登壇〕
#28
○国務大臣(菅野和太郎君) 今回のガス事業法の改正によりまして、特に簡易ガス事業については、料金の値上げその他の不利益を来たしはしないかという御指摘があったのでありますが、経済企画庁といたしましてもその点を心配いたしまして、ガス使用者に不利益を来たさないように改正してもらいたいということで所管省と相談いたしまして、地方ガス事業調整協議会というものを設置してもらうことにいたしまして、これは中立的な人によって構成されまして、そこで料金その他の問題について協議し、その決定を通産省が尊重するということになっておりますから、御心配になるようなことは大体起こらないと考えておる次第であります。(拍手)
#29
○副議長(小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#30
○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        文 部 大 臣 坂田 道太君
        通商産業大臣  大平 正芳君
        建 設 大 臣 坪川 信三君
        自 治 大 臣 野田 武夫君
        国 務 大 臣 菅野和太郎君
 出席政府大臣
        通商産業省公益
        事業局長    本田 早苗君
ソース: 国立国会図書館
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