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1949/05/07 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第13号
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1949/05/07 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第13号

#1
第005回国会 農林委員会 第13号
昭和二十四年五月七日(土曜日)
   午前十一時五十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○酪農業調整法を廃止する法律案(内
 閣提出)
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○食糧管理法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) これより農林委員会を開会いたします。先ず酪農業調整法を廃止する法律案を議題といたします。政務次官より提案理由の説明を聽取することにいたします。
#3
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今議題となりました酪農業調整法を廃止する法律案の提出理由を御説明致します。
 酪農業調整法は、牛乳生産者と製酪業者との取引関係、製酪業者相互の競爭関係等を調整する事を内容とするものでありまして、昭和十四年に制定されて以來我國酪農の安定と発達に資する所があつたのでありますが、同法第二條乃至第五條に関する牛乳の販賣統制、牛乳取引條件の許可、製酪企業の許可等についての統制規定は、行政廳がその権限を行う場合の基準が不明瞭で妥当を欠く点があり、又第六條乃至第十七條は、製酪業の統制團体である製酪業組合の組織に関する規定でありますが、同組合が昭和二十三年二月閉鎖機関に指定されたためすでに空文となつておりますので、同法は、廃止するを適当と認め、本案を提出する次第であります。何とぞ充分御審議の上速に御可決あらんことを切望致します。
#4
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて。
   午後零時速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時三十五分速記開始
#5
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。では酪農業調整法を廃止する法律案に関する質疑も、大体これで終了したように思いますから、これから直ちに討論採決に入りたいと思います。別に御意見もないようでありますから、直ちに本案を議題にいたしまして採決いたします。政府提案の通りに可決することに賛成の方の御起立をお願いいたします。
   〔総員起立〕
#6
○委員長(楠見義男君) 総員起立。よつて提案通り可決することに決定いたしました。尚多数賛成者の署名を願います。
  多数意見者署名
    石川 準吉  國井 淳一
    岡村文四郎  門田 定藏
    徳川 宗敬  加賀  操
    北村 一男  星   一
    板野 勝次
#7
○委員長(楠見義男君) 尚本会議における委員長報告は例によつて然るべくお任せをお願いいたします。ではこれで休憩いたします。
   午後零時三十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時四十一分開会
#8
○委員長(楠見義男君) それでは只今から農林委員会を再開いたします。昨日に引続いて、食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案について、質疑を続行いたしたいと思いますので、どうぞ御質疑をお始め願います。
#9
○池田恒雄君 あの農家の保有米の問題ですがね、これは私この前文書で一度轉落農家の保有米について質問いたしたら、文書の回答があつたんですが、私は轉落農家の場合でも、完全保有農家と同じように、四合なら四合の保有を取らせるのが、本当じやないかとこういうふうに考えておつたんです。ところが政府からの答弁書を見ますと、轉落農家というのはまあ生産者でもあるが、一面消費者なんだ、だから四合じやなくて三、一五合ということになつておると、こういう答弁であつたわけです。一應轉落農家は、一面消費者であるということは、これは疑もない事実でありますが、併し農村の現代のいろいろなことは農林省当局でもいろいろ御調査でお調べになつて分つておる通りで、食糧というものが、その労働というものと睨み合せてですね、配給するものであるとするならば、私は現状においては、若しこういう完全保有農家が四合であるならば、轉落農家の方は四合以上でなければならないということになるんじやないかと思うのです、というのは、一面消費者だと申しますが、轉落農家というものは、多くの場合は、大きい農家に対して労働に出ているのです。それに轉落農家の人々は、決して百姓以外の事務とかそういう外の副業をやつているのではないのです。大概は大きい農家に行つて田植であるとか、稻刈をやるとか、そういう重労働に從事しているので、相当大きな農家の主人公よりも遥かに酷い労働をさせられる、從つて腹も余計減るわけですね。大体轉落農家即ち零細農家の兼業、副業は何であるかということは農林省のいろいろな調査に現われていると思うのです。ですから、当局はどういうふうに考えておるんですか、そういう面は考慮されないでしようかね。
#10
○政府委員(安孫子藤吉君) お答え申上げます。一部保有農家の保有量は完全保有農家と同樣に考えるべきであろうじやないかというお尋ねですが、これは私も御尤もだと思います。大体常識から申しましても、それから一部保有農家の現在の実状から申しましても、完全保有農家と原則的に一致させて考えるのが、一つの道筋だと存じます。経過的なことを申しまして甚だ恐縮でありますが、二、三年前と記憶をいたしますが、非常に食糧需給の均衡を失しまして、深刻な問題が起きた時代があつたのであります。その際にどこかを切詰めなければどうしてもやつて行けんという情勢にありましたために、書面で以て御回答申上げたような一つの考え方をいたしまして、生産完全保有農家よりも、一部保有農家については、多少現状からいたしまして、実状からいたしまして、引下げて我慢して貰うより外はなかろうという趣旨から三合一勺五という線に決まつたんです。併しながら私共はこれは完全保有農家と同樣に考えて行くのが適当であろうと、こういうふうに考えておりますので、これが引上げ方についてはいろいろと交渉もいたしておるようなわけであります。ただ全体の需給の状況からいたしまして、まだその実現を見ていないのは非常に遺憾でありますが、そういうような経過で三合一勺五になつておる、これで私はいいのであるというふうには考えておらんというふうに御了解願います。
#11
○池田恒雄君 そうしますと、それはいつ頃から対等な取扱いになるわけなんでしようね、いつ頃になりましようか。
#12
○政府委員(安孫子藤吉君) 二十三年の、アメリカの会計年度で申しますと、一九四九年の会計年度においても、この点はいろいろ交渉をいたしたのでありますが、全体の関係からいたしまして、その実現を見なかつたわけであります。一九五〇年におきましても、いろいろ只今折衝中でありますが、完全保有農家と同じような程度に見るという段階にまだ達しておりません。今後日本の輸出力が相当伸びまして、日本の自力によつて相当食糧が入り得るというような段階が來ますれば、ある程度の解決ができるのではないか、從つて差当りいつ頃からこれが同等になるというようなお答えはできないような状況にあるのであります。
#13
○池田恒雄君 そうしますと、これはまあ農林省だけの努力ではなく、対外的な関係もあるでしようから、急速にどうこうということはできないにしてもですね、これは日本の農業の事情というものがそうであるならば、よく分つて頂くようにしなければなるまいと思うのですね。つまり今私は非常に供出が出澁るというのは、そういうところにも一つの原因があると思う、というのは私達が村を歩いておりますと、轉落農家の人々が外に行つて働く場合、金よりも物が欲しいとこう言うのです。金は要らないから米で賃金を貰いたい、こういうようなわけなんですね、今度は金の方はどうかというと、やはり飯も食わしてやらなければならんし、金を拂うより米を呉れてやつた方がよく働くというような考え方から、多く人を雇うような農家は成るべくならば供出をごまかすということはおかしいが、余分に取つて置こうというような作戰をとるわけです。こういうようなことで轉落農家の米を多少減らしたということは、逆に供出の方ではマイナスになつて來るということにもなると思うのです。それで大変いいようでありますが、節約をさせて逆の効果が甚だしい、逆の効果が発展して來ると思う、もう一つはこれは供出の方の利益であるかどうかという問題ですが、その外に今度は何と言いますか、土地制度の改革なんかをやつて、農村では貧乏人も貧乏でない人も対等になつたという状態に一應來たわけですが、最近では米を持つている農家と米を持たない農家との間には、やはり昔の地主、小作制度というような暗い関係が発生しつつあるわけです。ですからやはりこれは食物には勝てませんから、ぺこぺこしてしまつて、多少とも米の裕福や家に対して頭を下げる、そして支配される、そうして非常にきたない支配のされ方が出て來るというような状態になつているわけですから、こういう点は連合國の方々もよく説明すればお分りになると思うのです。だからこれはそういう点については、農林省には非常に詳しい統計も調査もあるのですから、それを活用なすつたらいいじやないかと思うのです。
 それからもう一つ、これは質問ですが、関連しまして、今年の超過供出はすでに百三十万石を出された、これはまあ新潟のような特殊な地帶もありますし、そういう方面からの奮発で完了したのだと思うのですが、そうでないところ……私が千葉縣と茨城縣について四、五日前に聞き漁つて見たのですが、どうもこの二つの縣なんかで行われた超過供出というのは超過供出じやない、單なる追加割当ですね、決して超過生産のあつた人に対して割当てたのではなく、超過供出の二万石とかいう割当を、これを段別割で誰彼の差別なくやつちやつたらしい、これは現在配給を受けている農家にも三升なり五升なり割当をしている。結局そういう農家も配給米を出したのか何か分らんが、出しているらしい、量も三升とか五升とかで少いですから、これは千葉、茨城だけじやない、相当廣範囲に超過供出という意味とは全く違つた單なる保有米から割いて出す、或いは保有米がない場合は配給米から割いて出すというような出させ方をしているのじやないか、こういうふうに私は考えているのでございます。これは私が二つの縣について大雜把に見ました結果なんですが、若しこういうことがこの二つの縣について行われたとしてもですね、或いはその他にもつと廣く行われておつたにしても、相当重大な問題じやないかと思うのです。その量は少いけれども、併しやり方としては、これは超過供出というものとは全然違うのですから、問題だと思うのですが、この点は管理局の方ではお分りになつているんですか、或いは分らないのですか。
#14
○政府委員(安孫子藤吉君) 今回の百三十万四千石の超過供出の目標の指示に際しまして、いろいろな点から檢討いたしたのでありますが、縣別に作報の実收高調査と補正当時の関係から見ますと、端的に申上げますれば、縣ベースにおきまして超過供出の目標を示すことが適当でない縣が数多あつたのであります。今御指摘の茨城、千葉については、その数多の縣には該当しないのであります。この点については作報の実收高調査等についていろいろと議論にあるところは御承知の通りであります。この実收高と補正当時の推定收穫高との関係から申しまして、超過供出の目標を示すことが縣ベースとしては適当ではないというふうに思われる縣に対しましても、二千石とか三千石とかの率は目標を指示しておるのであります。それは縣ベースにおいてはそうであろうが、縣内においてやはり事前割当よりも余計に取れました地方なり或いは農家もあるといういろいろの実情往び聽取り、縣の見方というようなものも参酌いたしまして、そういう決定をいたしたわけであります。それで只今お話のようにそれが眞実に超過生産の行われました農家に行きますれば、問題はないのでありまするが、地方によりましていろいろな末端割当の不均衡不合理と同じように、目標の指示につきましても同じような事例が地方において相当行われたということは私共も了承いたしております。又縣によりましてはそういう考え方でなく、要するに日本全体の食糧需給の観点から、縣全体としては非常に超過供出のできる農家が少いけれども、一つの精神運動といたしまして、一と握り運動というようなものを起しましてこれをやつたところもあると思います。併し超過供出目標の指示をいたしました趣旨から申しますと、かような措置では適当でないと私共は考えております。この末端割当の公正化につきましては、いろいろと問題がありまするので、この方面の是正については池田さんからいろいろ前以て御意見も拜聽いたしておりまするので、できるだけ努力をいたしまして、そういうような措置がないように指導して参りたい、かように考えております。
#15
○池田恒雄君 まあこれは取つてしまつたのですから、今更どうこう言つても仕方がないのですが、(笑声)ただここで一つ相当大きい不平が起るのです。と言うのはこういうことなのです。出さなくてもいい米を出した、それで又配給を受けるわけです。そうすると今度は値段が高いから、一升二升の人はいいのですが、岡村さんの方なんかのように相当大きい農家になりますと、相当大量に出しまして、そうして又配給を受けるわけです。受けますと價格差が非常に大きいのです。これは轉落農家で当然配給を受けるべき米が高いと言うのなら、これは構わないのですが、自分が保有米を出して置いて、又配給米を受けるには今度はえらく高い米を買わんければならん、こういうことになつておるわけなのです。これはやはり取つちやつちのですから、今更返えそうと言つてもしようがないですが、併しただ値段の点は何とか政府の方で考えて呉れなければならんのではないでしようか、大したことでもないと思うのですが、併し出して貰わんと苦しいです。
#16
○政府委員(安孫子藤吉君) 還元米について常に價格の問題がありますと共に、從來還元米という慣例の下に操作をいたしました米については、御承知のように生産者價格にその地方の保管料その他の実費を加えたもので出しておるわけなのです。本年からこの還元米という考え方を相当きつく締めて來ております。食糧管理法の一部改正の趣旨でありますが、農家用等について相当きついと申しますと語弊がありますが、理論的な操作をやつて行かなくちやならんような状況にあります。從いまして今後はこの問題を円滑に処理いたしますためには、どうしても逆の方向ではありまするが、供出の末端割当の公正化というものを大きく取上げざるを得ないと思つております。それをやらない限り、只今御指摘のありましたような還元米的な性質の食糧の数量が相当多額に上る、それが全体の情勢から申しましてなかなか出しにくいということがありまするので、一つの行き方としては邪道ではあろうかと思いまするけれども、末端割当の公正という点については今までのようなゆとりのある考え方でなく、もつと切実な問題として取上げて参らなければならん、こういう工合に考えております。差当りの問題として價格をどうするかという問題でありますが、還元米としてこれを取扱いますのならば、從來と同様に生産者價格は、保管料その他のものをプラスした上で出すということになると思います。
#17
○池田恒雄君 安くするわけですか。
#18
○政府委員(安孫子藤吉君) 還元米という考え方でこれを操作いたしますればそういう價格になります。
#19
○池田恒雄君 若しそうだといますと、これは私は一つの郡について非常に詳しい調査をして來たので、地方事務所がはつきり出したものなのですが、これは読み上げるのは面倒ですから申しませんが、あとで差上げてもよろしいのですが、それによりますと、これは或る地方事務所の所長及び食糧課長等がはつきり申しておりますし、町村長その他の方々も私に対してはつきり言つておるのですが、そういう方々が、供米をさせるに当つて必ずこれは返すからこの際出して貰いたいといつて出さしたわけなんです。縣廳の方でも、知事もそれはとにかく出してさえ貰えば何とか処置する、殺すようなことはない、必ず配給する、こういうようなことで一應一〇〇%供出ということにしておるわけなんですね、ところが最近になつて、それじやさつそく出して呉れる、米を配給して呉れる、こうなつたら町村長は弱つておるらしい、縣廳の方でも米が貰えないというようなわけで……、そうしてどうも何ら農林省なり縣廳の方でも米が貰えるか何とかいうお見通しが何もなくて、人を瞞すためにそういう約束をしたのではないかというような話に今なつて來ておるわけです。それからもう一つは値段の問題があります。還元米ですからこれははつきりしておるのですよ数字が……、一戸々々調査して……、これらのものが配給を受けたときは、生産者價格と供出した値段と若干手数をプラスしたものですね。それでよろしいのかどうかということをこの際長官からはつきりして置いて貰わないとうまくないのですね、もう一つは保有から出したということは明瞭になつておるのですから、調査で……、從つてこれだけの米は又還元して貰えるかどうか、それだけの用意をしてあるかどうか、つまり農林省が裏付けをしてそういう約束を町村長や府縣知事に対してやつたのかどうか、この点もはつきりして貰わんと、非常に五、六月から大問題になるのです。この際長官の腹をはつきりさして置いて貰いたいと思います。
#20
○政府委員(安孫子藤吉君) 二十三年産米の供出に関連しての還元米の問題は、補正当時からいろいろ問題があつたわけです。その点については始終本省といたしましては明瞭な態度をとつて参りました。それは率直に申上げますと、還元米というものは、本年は考えないということを知事会議の席上でも、或いはその他の機外においても実は言明して來とおるわけであります。併しながら実状から申しますると、必ずしも割当が公正に行つておらん部門もあるし、又その他の原因からいたしまして、農繁期等において農家が非常に飯米に苦労をする。翌年度の再生産に非常な支障を來たすという事態も絶無とは申せないような状態にありますので、その点については何とか我々としては責任を以て善処して参りたい、こういうことを言つておりますし、又今のところそういう考え方で進んでおります。從つて御質問の点をはつきり申上げまするならば、今年は還元米という形においての米は操作はいたさないという考え方であります。併しながら農繁期等におきまするいろいろな農作業上必要な食糧については善処して参りたい、かように考えております。
#21
○池田恒雄君 保有米を切つてという点ですよ、お伺いしておるのは……。保有米を出しておるわけなんです。その出した保有米だけで返して貰えるかどうか、こういうことなんですが……
#22
○政府委員(安孫子藤吉君) その点も詳細な御調査をお持ちのようでありまするが、実は保有米を切る、切つたという問題も相当これは收穫高の関係からいたしまして問題はあろうかと思います。併しこの調査をどうこう申上げるわけではありませんが、先程も申上げたことを繰返うことになりますけれども、末端においていろいろ供米督励の際に保有を切らなければ出せないのだ。これを一体どうして呉れるのか、こういうことを生産者の方から強く言われました際に、指導者なりの方といたしましては、供米を完遂するために保有米を切つたならば、それはあとで見てやるから差当りこの際は出せというようなことで督励をしている事例も聞いております。この点は非常に私も無理だと思いますが、そうしたものについては還元米という考え方でなく、やはり農家の農繁期における食糧の充実という考え方でそれを考えて参りたい、かように考えておる次第であります。
#23
○池田恒雄君 そうすると非常に数字が合わなくなるのですよ、で、私が調査したというのは、私がしたのでなくて、これは何か軍政部かどこかからの頼みで地方事務所が数字をはつきり出させておるわけです。且つ地方事務所が保有米を削つたということを確認しておるわけなんですよ、ですから農民が勝手に俺の家では足らないとか何とかいう数字じやないのです。でありますからつまり轉落は明瞭なんです。何月から轉落するということが……。だから結局これは還元さるべきものなんです。だからそれに対して還元する用意があつて縣廳なら縣廳がこういうことをやらしたのか、何の用意もなく取りさえすればよいと言つて瞞してふんだくつたのか、この点が明らかであるべきだと思う、もう一つこういうふうに出させたということははつきりしているのです。縣廳の方で受取書でも出せるわけですから……。従つてその見返り米の配給が受ける場合には安い生産者價格で配給が受けられるのかどうか、この点を甚だ申訳ないのですがもう一遍……
#24
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今のお話の点で、地方事務法等において調査をしたそういうものも私共拜見いたしております。それを從來のごとく還元米という考え方で考えて行くかどうかという点を繰返して申上げますが、今年は還元米という考え方は採らない、農作業に支障ない程度に農繁期の食糧を充実して行くという考え方で行きたいと思つております。從いまして價格は明瞭に申しますと從來のごとく安い値段ではなく一般の消費者價格で行くという考え方をいたしております。
#25
○池田恒雄君 それだけですね、どうにもなんないのですね、そうですか。
#26
○板野勝次君 局長のはつきり申されるのはいいんだけれども、やはり農村の生産のできるような状態を考慮して、ここでどうしてうまく答弁して行くかというような格好で成るべく、行かんようにして貰いたいと思う、で、それは今池田委員の言われたことと関連するので、僕は見方が惡いのだと思うのですけれども、二十四年産米の飯用保有数量の前には一日平均四合となつて來て、いろいろずつと書かれておるのだが、先程のように轉落農家が三合配給というようなことに明示されておらないのです。これはどういうわけなんです。農業計画の中の飯用保有数量というものが、いろいろ面積、人口、そういつたものの算出方法なんかが出されているわけです。そうして欠作物のある生産者についても今度はいろいろ措置したようなことが書かれているわけです。
#27
○政府委員(安孫子藤吉君) どの資料ですか、我々が保有計算をいたしまする場合にはやはり一部保有農家については三合一勺五才ということに保有高を産出いたしております。
#28
○板野勝次君 それで平均丁度四合になつているわけですか、この飯用保有数量の一日平均四合これは年齢別に差があるでしようが、それで丁度そういうことになるのですか。
#29
○政府委員(安孫子藤吉君) ここに書いてありますのは完全保有農家について書いてあるものなんです。
#30
○板野勝次君 のみですか。
#31
○政府委員(安孫子藤吉君) どの資料ですか。
#32
○板野勝次君 農業計画の算出基礎、昭和二十四年産米藷類農業計画算出基礎という、これはこの前貰つてあるのですけれども、それから行くとちつとも計算が……
#33
○政府委員(安孫子藤吉君) 多少混乱いたしましたので、訂正をいたしたいと思いますが、昭和二十四年産米藷類農業計画算出基礎といたしまして、三に飯用保有数量、一般生産者につきましては從來通り一日一人平均四合の保有基準により云々、建前かう申しますと一部保有農家、いわゆる三合一勺五才の基準になりますものは供出の対象にならんということに大体なるわけであります。完全保有農家については四合で、飯用保有量を計算して出しておる、こういうことなんです。
#34
○板野勝次君 そういう点なんかやはり農業計画の場合にもはつきりさして置いて貰う必要はあると思うのですがね、それに関連して今池田委員の関連した問題についてやはりこれは奈良縣でも、他の縣でもあるのですが、奈良縣から言つて來ておるのではこういうことを言つて來ておるのです。本縣は零細農家多く、從つて一年間の保有米を有せず、轉落農家として配給を要する者日毎に増加し、四月分でも最低必要量三千六百五十四石に対し政府よりの割当量は二千五百石にして、平均十日間の欠配を余儀なくしておると、こういうことを言つて來ておるのです。一般の消費者は配給を受けておるのに、一畝か二畝を耕作するだけで欠配されにやならんと、こういうので非常に困つて來ておる、これと同樣なことをやはり四月二十二日の毎日新聞が、農林省では轉落農家への主食配給の枠を思い切つて引締めたため配給米棚上げとなつて今明日の食糧に困る者が続出しておる、そうして耕作を放棄して消費者になる、耕作を放棄してしまつて消費者になつた方がいいのだというふうな申出での者が殖えて來たとこういうふうに傳えられておるのですがね、そういう状態について御存じない筈はないと思うのですが、その点の事情を一つ。
#35
○政府委員(安孫子藤吉君) 先程は還元米のお話でありましたが、これに関連いたしまして、つまり從來の農家用というものが非常に不明確なものであつたのであります。末端に参りますと市町村長は農家用につきましてはいろいろと供出の場合に約束をさせられる部分が多いのであります。それを併し正規の枠でなかなか認め得られませんので、一つの行政措置といたしまして一般消費者の枠において農家用を賄つておつたという面が相当あるのであります。併しそうした措置によりまして比較的從來は円滑に参つて來ておつたのでありますが、段々配給に関しまする制度並びに運用の強化を要求されるこの段階に参りまして、一般用と農家用の間を峻別をいたしまして、農家用について農家用の枠を設定し、これを越えて出すことはできんというような状況に相成つて來たのであります。これが当初からそうした状況でありまするならばいろいろ措置もあつたかと思われますが、と申しますのは供出関係の方の是正から問題が出ておる部分が多いのであります。併し少くとも現状においてはそういう措置をとることになりましたために、急にその切替が行われましたために、從來は適当にやつておつたのが適当にできなくなつたという事情のために、只今御質問のありましたような事態がそちらこちらに出て來たことは十分承知いたしております。一例を申上げまするならば、和歌山縣、只今のお話のありました奈良縣、靜岡、千葉、茨城、群馬、埼玉等において深刻な問題が出て來たのであります。我々といたしましてそうした状態を放置するわけに参りませんので、いろいろ善後措置を講じまして、この枠の或程度の増加等を考えまして、多少只今のところ小康を保つておる、一時よりは改善された状態にあると私は考えております。併しこれが改善につきましてはもつともつと努力して参りたい、かように思つております。
#36
○板野勝次君 改善の問題は考えられただけじや駄目なので、早速対策をとつて貰わないと、つまり耕作を抛棄して消費者になる、もう馬鹿々々しいじやないかということになつたのでは、一方では食糧の増産を確保しなきやならん、一方では轉落農家は一般消費者よりも非常に悲惨な状態にある、これじや抛棄してしまうということになると逆の現象が出て來る、單なる改善じやなくて速刻そういうことに対して應急の処置をとるというようなことをやれないものですか。
#37
○政府委員(安孫子藤吉君) 改善策について考えるという意味は、そう時間を置くという意味じやありませんで、奈良、和歌山その他の数府縣については我々としてできる範囲内の應急措置はとつたつもりでございます。現在もとりつつあるわけであります。そうした努力を今度とも継続して参りたい、こういうことであります。
#38
○板野勝次君 処置というのは若し具体的にお分りならどういう処置をおとりになつたか。
#39
○政府委員(安孫子藤吉君) 端的に申上げますれば、農家用の当該都道府縣に対します枠の増加であります。
#40
○板野勝次君 どの程度枠を増加されたわけですか。
#41
○政府委員(安孫子藤吉君) 只今その数字は持つておりませんが、府縣廳といろいろ折衝いたしまして事態を或程度緩和し得るだけのものは考慮して、現に実行しておる部分もあるわけであります。
#42
○委員長(楠見義男君) 今の板野さん御質問の奈良縣の分は私も陳情を受けたのですが、それで確か食糧長官、差当りのものとして二千石か何かを出して、それから更に第二回目のことを考慮中だとかというようなことじやなかつですか。
#43
○政府委員(安孫子藤吉君) 奈良縣についてはそうです。
#44
○板野勝次君 ですから私の問いたい点は、消費者と比較してみてそれを枠を拡げたためにもう消費者になつた方がいいというふうな傾向がなくなつて來る状態にあるかどうか、そういう点なんですね、そうして消費者よりも欠配等の起る状態が依然として枠を拡げたけれどもまだ続いておるだろうとかいないとか、そういう面なんです。いくらか増してみたけれども依然としてやはり欠配状態にあるというのでは、耕作抛棄して消費者になつて行くというふうな方向を助長しますから、そういう点で或程度まで安心する枠の拡げ方ができたかどうか、こういう点なんです。
#45
○政府委員(安孫子藤吉君) 耕作抛棄の問題は主として、最も緊急的な問題として、新聞等にも出ましたのが埼玉縣の一部なのであります。私の方からも実情調査にやりまして、まだ十分なる報告は得ておりませんが、只今御質問のように至るところに耕作放棄の傾向がある、それの原因は農家への配給が原因だということに集約されておると思いますが、やはり耕作放棄の原因といたしまして、その他いろいろあるかと思います。併し少くともその農家への米が非常に足りないために、耕作放棄をするというようなことのないように、我々は努力して参らなければならんと思つておりますが、和歌山、奈良等については、大体そうした事態が改善されておるというふうに聞いております。埼玉については詳細又報告もあるのでありますから、別に調査した結果を申上げたいと思います。
#46
○板野勝次君 埼玉についてもそうでありますが、私はこの前やはり千葉縣の問題について、質問した時に、長官はできるだけ努力しておる、状態も調査してみるということであつたので、その事情も一つ今日は無理でしようが、お知らせ願いたいのです。
#47
○岡村文四郎君 どうも考えれば、考えるほど日が経てば経つほど分らなくなつてしまうということは、第一國会にこれを出されて、到頭審議未了になつて、第二國会に出されてやつと論議の末できた、食糧確保臨時措置法が、今度の改正でどうなるのか分らなくなつた、そこで心配になることは、超過供出ではなくて、あるだけ出せという、こういうのならば分るのでありますが、そうでもないし、その肚底がどこかにあるだろうと思うのですが、そこでこういうことになるということを懸念して、非常に論議されて、その時は農村からも非常に人が出て來まして百姓というものは作れば作るほど、多く穫れば穫るほど供出させられて、方法がつかんから、何とかその点を決めて貰いたいというのが、全体的の希望で、公聽会は開かなかつたのですが、政府の方でも我々の方でも大体それを諒として、この線を引いて來たわけでありますが、そこまで行かん先に、又改正される、その趣旨がいろいろ書いてあるが、主たる狙いは司令部が示されたように、大体年によつて非常に收穫が上下いたしまするが、あるものだけ出せ、こういのだと思うのです。そこで穫りましたものを出すことは、結構でありますが、場合によりますと、價格が変つて、超過供出で三倍價格で買つて貰うのなら、保有量を出して、その代り作業時期にどうしても食うものがないということになれば、どうしても何とか食管の方で考えて呉れれば、これは儲かるから結構ですが、そうも行かんと思うのです。そこで何ぼ考えてみても、考えれば考えるほど、今度の改正が非常に肚の黒いところがあるのじやないかと思う、これはあるのならばざつくばらんにあるようにして貰わんと、我々が百姓に向つて示す時分に、どうもそら見たかということになるような氣分が多分にいたします。いろいろ心配する点があるのですが、この肚が黒いのか、黒くないか、はつきり示して貰わなければ、超過供出は非常にむずかしい、見方によつて穫れたと申し、穫れんと申す、この数字を市町村に割当てると甲乙があつて、万遍なく供出ができないで、非常に無理が行くという心配が多分にあると思います。これは本当は何とか潰したいと思うのですが、潰せるかどうか分りませんが、この法律を決めると相当後で波瀾が起きると思う、これは前に言つて置かんと分らんことですから、今のうちに愼重も愼重、大愼重を期して決めなければならん、この法律はなかなかそう簡單に決められるものではないと思う、この点どう考えておりますか。
 それから法律にも入つておるし、説明にもありますが、蔭樹を伐採することを法律に規定してあります。これは農林省の方でも、その調べはしておると思うのですが、私の見るところでは、関東平野は、木一本もなく伐つてしまつてはいかんと思う、あの林は必要でない、これは決してどこへ行つてもそういうことはありません。北海道には相当大きいのがある、十勝平野に幅百間の防風林があつたのですが、防風林は百間なくても防げるというので、八十間は今何か作つておる、そういう関係で、関東平野くらい、東京の膝で悠長なことを言つておるのはないと思う、これはどういうお考えか、軽い意味で伐るつもりですか、そこらも聽きたいと思います。
#48
○政府委員(安孫子藤吉君) 肚黒いところがあるんじやないかというお尋ねでありますが、私共食糧管理局といたしましては、この法案を扱うに際しまして、そうした肚黒い意図は全然持つておりません。又運用についてもそういうことは考えておるわけではありません。事前割当制度の本旨から申しますならば、こうした制度はその意味を殆んど沒却するゆえんになるのではないかということは、先程お話もありました通りだろうと思います。併し全然ゼロになるのではなく、やはり農業生産資材の獲得等を考えますと、こうした事前割当制度というものが、農業資材、或いは農業資金の獲得の上において、相当有利な役割を占めておると思います。それから超過供出につきましても、生産されたものを根こそぎ取つてしまうというような運用の仕方は、私共としてはいたさないつもりでおるのであります。例えばこれは法律的な基礎はございませんでしたが、今年の百三十万四千石の超過供出目標を設定いたします際におきましても、やはり増産量全部というような考え方をいたしませんで、相当のゆとりを持つてその目標を示したのであります。將來の運用といたしましては、是非そうしたことで行きたいと考えておるわけであります。それからやはり一つの事実的な約束になると思いますが、報償金ということについて議論があると思いますが、やはり事前割当制度というものがなければ、報償金は甚だ出しにくいと思うのであります。その辺から申して全然事前割当制度を根抵から覆えしてしまうというものではない、要するに今後の運用に、我々といたしましては相当愼重を期さなければならんという点が、残るであろうと思います。その点につきまして十分法律の精神並びに事前割当制度の考え方を尊重いたして、運用いたして参りたいと思つております。それからこの追加供出と申しますかについては、非常に例外的な現象になるかどうかという点は、私共といたしましてはやはりそう例外的な措置ではなく、やはりその年々の状況にもよります。減額補正の方は恐らく今後も毎年やらざるを得なかろうと思います。やはりそれと睨み合せまして、相当作のいい地帶については、或る程度の追加供出をお願いしなければならんという事態は予想されると思います。運用については非常に肚黒いということは考えておりません。
 それから蔭樹の問題でありますが、これの法文化については、いろいろ問題もあつたのでございますが、特に山林の擁護なり、或いは樹木の耕作地に対する非常な大きな役割という観点からいたしまして、これの実は濫に流れないようにやつて参りたいと、かように考えております。
#49
○岡村文四郎君 腹が黒くないかというお話をしたら、黒くないという話でした。これは奇麗だと思つております。(笑声)ところが心配します点は、今やつております政府の方で生産意欲を昂揚もしたり、又そうすることが農家に対して必要であるというので、超過供出というものを初めて拵えて、價格も三倍にしておつた、ところが司令部の方では非常に嫌つておる、こうなると、今年は認めたが、駄目だとこうなると、これと同じように又その供出が駄目になつたと、こうなつたら一体どうなるのだ、そこまで考えないと、いろいろな資金であるとか、或いは農業生産物に相当影響があつて、これが役に立つておるというお話でしたが、それはそうだろうと思います。併しながら向うさんがそれだけ嫌うものを農林省がそれだけの力があるかないかを実は私は非常な疑問を持つております。そこで言わんとすることは大臣がお出でになつておりませんから申上げませんが、日本のあらゆる職業の中で農業程大事な職業はないと私は考えております、と申上げますことは、食糧がなければ一日として生きて行くことのできない動物が、食う物をいわゆる生産する者が何より大事なものであると考えておるに拘わらず、日本の政府も、又一般の人も今は少しはいいが、どん百姓と称して非常に軽視して來た、今でも軽視しつつあるのであります。これが根本的に直らん以上は駄目だと思いまするが、なぜ一体この強い民自党の政府が若し今の農林大臣が百姓であるということを、幸いに百姓第一主義に持つて行けるかどうか、米は食うことができんと思いますが、食うことはできんが、それでこのまま行つておりますと、農林省がいたために向うから言われる、スキャップでは今は仕方がないと言つている、やはり法律の改正をするのじやないかという心配があります。これはどんなことがあつても、將來にかけても背負わせんという言明があれば、これは別ですが、今度の指令では、我々が決めたのでなくて政府が決めたのでありますから、決議をしようと、否決をしようと自由でありますが、なかなかそこまで持つて行けんと思います。お前らでくのぼう何をしておると、こういうことを百姓は懸念する人もあります。そこで今こそそういうことを言われておるが、きつとこれは輸入食糧が外國の方で相当作柄が良くて、そうして日本に廻す、融通する時期が來ると、そんなものはいかんじやないか、こういうことを又言い始めることは余り間違いないことじやないか知らんという氣がいたします。そう思うので、何とかもう少し先も考えて、いかにも議会毎に大事な法律を変えなければならんようなことにならないようにすることが、これは職場を賭しての考えでなければ私はできんと思います。それが保証できるならば結構でありますが、長官どうお考えになつておりますか。
#50
○政府委員(安孫子藤吉君) 報奬金につきましては、これも御承知だと思いまするが、昨年これを設けます際にいろいろ議論があつたのでありまするが、ああした制度を置きましてやつておるわけであります。本年もこの点について只今いろいろ折衝いたしておりまするが、少くとも二十四年産米については報奬金はなくならんということだけは申上げることができると思います。二十五年、二十六年というようなこと、まあ少くとも二十五年なんかも私共の考え方といたしましてはそうした制度を崩れないと考えております。併し長い先々これがいつまでも保証できるかと、こういうことになりますれば、何とも申上げられませんが、少くともこうした制度に改正をいたします以上報奬金の問題でありますとか、或いはリンク物資の問題でありますとか、或いは生産資材の確保の問題でありますとか、そうしたことについて我々としてできるだけの努力を傾注して参る覚悟はいたしているわけであります。
#51
○岡村文四郎君 よくお肚は分りました。二十四年は間違いないと思う、二十五年も大体そうだろう、これはリンク物資でありますから、私は永久のことはそういうことは考えておりませんから、永久のことは御心配要りません。併しながら一番肝腎なことは細かになつて参りますけれども、これを決める以上はどうしても保有の率、それから恩典を受けるその率も、これも法文に書いて貰わなければいかんと思います。そうでないと速記録を読めとか、或いは言つたじやないかというお話は、これは今だけのことなんで恐らく通らんと思いますから、我々はこれをどうしても議決しなければならんことでありますならば、そこまで農林省は考えておられるかどうか、それができるかできないかをおききしたいと思います。
#52
○政府委員(安孫子藤吉君) この種類による報奬金の率等も法律に明記すべきではないかという点でありますが、この点は実際上なかなか困難じやなかろうかと思つております。やはり前年のいろいろな経驗を参酌いたしまして、いわる率を決める部分もあると思います。又そうしたことを決める時期において、それは直ちに國会を召集してやつたらいいではないかという御議論もあろうと思います。そうした点から申しましてもこの法律にその点を具体的に幾らということを明示いたしますことは、私共といたしましてはやはり不適当な措置ではないかというふうに一應考えている次第であります。
#53
○岡村文四郎君 これはよく分りました。これには非常にいろいろの事情があつて現わすことは困難だということは分ります。それを何かの形で我々が手形を貰つて置くのでなければ、この問題はいかんと思いますが、金額のことは、この率は法律に出しても差支えないと思うが如何ですか。例えば超過供出は何ぼする、供出後何ぼ保有するというその率くらいはここに示しても決して無駄ではないという御意思があるならば差支えないと思います。
#54
○政府委員(安孫子藤吉君) 率の点も、まあ非常に細かい議論になると思いますけれども、いろいろこの消費者米價の方の算定の関係もありますし、一率にここで何は幾らと、例えば米は三倍、馬鈴薯は二倍半、或いは切干は幾らというようなことを法律で決めてしまうということは適当ではないのじやないかというふうに私は考えております。
#55
○岡村文四郎君 保有量の率……
#56
○政府委員(安孫子藤吉君) 四合保有というような点……
#57
○岡村文四郎君 いやここに超過供出の分には一部保有を認めるということを書いてありますから、そこなんです。
#58
○政府委員(安孫子藤吉君) その点は超過供出について何パーセント程度を保有として認めるかという点でありますが、これはやはりその年々の実情なり、或いは食糧需給の状況によりましてこれは決め得ないと思います。一定の率を決めることは非常に困難だと思いまするので、やはり抽象的なそうした標準しか法律としては書けないと、かように考えております。
#59
○岡村文四郎君 そうしますと、保有を認めることができると書いてあるが、まあこれは單なる氣慰めに書いたので、実は認めることもあるかも知れんし、認めないこともあるかも知れないということですか。
#60
○政府委員(安孫子藤吉君) 全然認めないということは考えておりません。ただ詰り非常に作が良かつた場合にその保有量の、例えば一〇%を認める、二〇%を認める、或いは五〇%を認めるというようなことは、やはりその年の需給の状況にも関連いたしますので、その率を一定することは困難であるとこういうことを申上げて置きます。そうかといつて根こそぎそれを供出として割当をしてしまうということは絶対にいたさない、こういうことであります。
#61
○板野勝次君 前から食糧需給の見通しの問題を聞いておつたのですが、本米穀年度の食糧の大体の需給見通しです。
#62
○政府委員(安孫子藤吉君) これは來週の月曜日か火曜には詳細な計数を以て実はお示しをしたいと思つて只今準備をしておりますので、できればその際に詳しい説明を讓らして頂きたいと思います。大体本年度は百三十万石の、いわゆる超過供出もありましたし、今後アメリカの五〇年度の予算の関係もございますけれども、又米作の如何、或いは麦作の状況にもよるかと思いますけれども先ず先ず大過なく先ず行けるのではないか、時期的には相当際どい時期はあるとは思いますが、年間を通じまして、何んとかやつて行けるのではないかと大観はいたしております。それの需給の詳細な数字は月曜か火曜には出したいと思つております。
#63
○板野勝次君 昨日農林大臣が食糧の供給を大体百八十五万トン要請しておる、こういうふうに答弁されたのです。ところが四月二十九日附の各新聞が米國の日本に対する食糧の供給は二百五十五万五千トン、うち小麦が百八十万トンと、こういうふうに報道しておるわけなんです。それから本日の新聞のトルーマン大統領が対日援助資金について要請しておる、これらから想像すると、この二十九日の報道を裏付けておるように思うのです。そうすると二百五十五万五千トン向うから輸出しようとしておる、それから日本の政府は百八十五万トン要請しておる、そうするとここに開きがあると思う、これについて若し、そういう食違いですね……
#64
○政府委員(安孫子藤吉君) あれはAPでしたか、前の通信は……。それから今日の通信、それと百八十五万トンというものとの関連でありますが、まあ第一点は、この数量の違いは私共が百八十五万トンと申しておりますのは穀類だけを取上げておるわけであります。ところが輸入懇請数量でありますとか、ガリオア資金による物資の食糧という部分につきましては、主食の外に砂糖とか、大豆とか、或いは油脂原料でありますとか、又脱脂乳、そういうようなものも全部入つて來ますので、その間に食違いのあるのは当然であります。それからもう一点は金額の点なんかで非常に食違いもあるようでありますけれども、これはそういう物資が違つて参りますことと、それから運送費、船賃なんかの関係もありましてファンドの方が狂つて参ります。それからもう一点は年度違いであります。百八十五万トンと申しておりますのは、昨年の十一月から、本年の十月までの年度計画によるものであります。向うのいろいろ報道されておりますものは、本年の七月から來年の六月までというような年度の食違いもあります。從つて品目の関係と年度の区分の関係で数字がいろいろ違つて参るわけであります。
#65
○岡村文四郎君 どうもまだ腑に落ちないのでもう一遍お聞きしますが、今長官のお話によりますと、追加割当というようなものでなくて、緩やかなどこから見ても今年は豊作で、事前割当以上に穫れている、こういう観測の下でなければこそおやりにならん、こう考えて差支えありませんか。
#66
○政府委員(安孫子藤吉君) やはり追加供出をいたします場合には、大臣も申上げておりますように、追加供出と申しますか、尚額補正であります、こうした措置をとることはやはりいろいろな事情並びに全体観察からいたしまして、相当事前割当よりも余計穫れておるという事態に基いてやるという考えであります。
#67
○門田定藏君 簡單にお尋ねしたいと思いますが、先刻食糧長官は何と申しましても、供出の根本問題は割当の公平である、末端の割当の公正化について考えておるということをおつしやつたようですが、当局でお考えになつている方法はどういう方法をお考えになつておりますかということ、もう一つは今御返答がありましたが、事前割当よりか幾分收穫が多かつた時に割当をする、その反面において、若し事前割当より收穫が少かつたとお認めの場合は事前割当を補正し割当をされる方針であるかどうかということについて一つお尋ねしたいと思います。
#68
○政府委員(安孫子藤吉君) 後段のいろいろ災害その他のために事前割当よりもずつと減つたという場合については補正を十分にいたしたい、こう思つております。この点も実はあるのでありまして、端的に申上げますと、事前割当数量が、常に災害が全然ない年というものはないのでありまして、必ず補正をせざるを得ない事態は毎年毎年あると思います。併しこれを十分やりませんと、そうした災害を受けた農家に対しましては、非常に酷な結果になる、我々といたしましては、これを十分補正をしてやりたいというふうに考えておるのであります。併し需給の観点から申しますと、必ずしもそういかない、それで全國がおしなべて凶作という場合、これは別問題といたしまして、本年のように、一方において非常にいい地帶がある、併し一方において実に惡い地帶がある、こういうような場合には、むしろ追加供出を公正化するということによつて、災害を受けまして地帶における減額補正がむしろ今までよりも十分活き得る可能性があるじやないか、こういうふうに思つております。
 それから前段の末端割当の公正化の具体策というのでありますが、これはやはりいろいろ関係者の良識と、又関係者におきまするいろいろな資料の整備というものがどうしても根本的なことになると思いますが、やはり客観的な標準というものを求めて、それに基いてやる、余りに主観を入れないような方向でいきたい、こう思つております。そのために作物報告事務所の機能を拡持いたしまして、只今のところでは縣全体の数字等については或る程度的確さを持つておりまするが、これを町村別等の資料を整備する段階に至つておりません。この点十分今後努力をいたして参つて、公正化を図つて参りたい、かように思つております。
#69
○星一君 私は生産者個人の生産意思と言いますか、意欲と言いますか、物を作るという意欲があると思います。それから供出するのにも、供出意欲というものがあると思います。それを別別に考えて、どうしたならば生産ができるか、生産意欲を盛んにすることができるかということをほかと沒交渉で考える、それから又供出意欲を考える、それを最初から妥協して考えては私は名案は出ないと思います。アメリカ人が來て見て、面白いというので竹馬のお話が出るようになります。それで白隠禪師が言うておりますが、恰も水の中にいて渇を叫ぶがごとくなりと同じことですから、我々は食い物が豊富にできる國におつて、そうして足らぬと言うと騒いでおることじやないかと私は思います。それだから別々に考え出す。この間中から私は段々と政府の言うことも何も聞いたのですが、昨日も計うたように、勇氣と無知の根本まで行つたならば面白い案が出る、農林省は日本経一番惡い役所だと今まで私は思つて來ました。なぜかと言いますと、百姓は無知だと言つて、百姓が自由に働く努力のチヤンスを與えることをしなかつた、この肥料はこう使つたらいかん、これはいかんと言つておりました。週期説を作つた大井上という人がありますけれども、それは惡いというので農林省であれを妨害したことがあります。あの人は曾て二十何年も前に農科大学を卒業して、そうして特殊に研究すると言うたときに、あの人は珍しい人だ、大学を卒業して田舍に入つて研究するなら、私は何かあの人に記念になる物を呉れたいから、何を呉れたらいいかと言つたならば、顯微鏡が欲しいと言う。初めて会つた人が顯微鏡が欲しいと言うから私がやつたならば、その顯微鏡を持つて伊豆の近所の山に行つて、そうして研究をした人であります。私は安達謙藏が内務大臣の時にそこへ連れて行つて見せてやつた、その結果内務省が藥草園を作ることにもなつた、そういう偉い人です。そういうふうに今まで農林省は百姓を駄目だというので、どんなにいい学者があつても農林省が自分の方で研究をやつた外には後はさせないようなことであり、私は文部省も余りいい役所じやないと思つたが、農林省ほど惡い役所はないと今も尚思つております。アメリカで言うのには、成功者の九割は田舍出だ、その九割は百姓の子だというのであります。私も百姓の子ですから、それでどうしても成功者になり得る資格の家に生れたと信じて私は努力して來ております。それで私はこの際農林省の中に調査機関というものを拵え、我々委員の中からもそれに入り、学者の雇い、GHQの人も入つて貰つてやる、この調査機関がどうしても必要だと思う、私は昨年藷の加工の学校を造ろうと思つて、初め農林省に行つたのです。各部まで、できるならば、各町村の藷のできる表を欲しいと言うたら、農林省曰く、それはないと言う、縣は分るけれども郡はないと言う、何だ、郡の農産の計算も分らんで割当なんということを言うておることは、それは無茶だというので、農林省に行つても分らんというので、仕方がないから私はGHQ農産課に行つて、農林省に行つたがこう言うので、私困るからあなたの方から取つて呉れと言つたならば、郡の方まで取つて呉れました。そういう惡い役所であつて呆れ返つた。統計も何も分らんでやつている、今割当などをすることも、分らんで割当をやつている、田舍の百姓曰く、割当をしたならばこの田には幾らできるというように田毎に正確にと言いますか、それを作ればいいと言うのです。そうしてこれは幾らと皆んなで相談して決める、それで作つた後は自由にさせる、それをこれ以上できないと決めて、そうして食うものはこれこれだ、こういろいろと余計なことを言つて生産意欲がないと言う、だから今度生産意欲は別だ、それから供出意欲とも違うから、だから今供出は惡いというならば感謝意欲でもいいから感謝供出でもいいから、先ずそういうふうに学問的に、そうして大学の人でもサイコロジーの方でも研究して掛からんと、これは農林省は落第だ、これは本当ですよ、農林省は落第です。農林省の今度の設置案によつては農林省は廃めてしまえと言うような人がありますよ、だからこの際に、言われる前に調査機関を造つて学者を雇つて、そうしてGHQの人も入つて貰つて一つ調査機関から始めて下さい、幸いに委員長初め皆んな熱心ですが、私はこの機会に農林省を改革しなければ、これは駄目だ、農林省は第一に物を作る人、百姓から落第と言われるようになる、それを農林省はよく自分で落第者だということを知つて欲しいところなんです。以上ざつくばらんに言いましたが、本当に眞劍なんです。なんと言つても農林省をよくする外にないのですから、どうぞ皆さんもそういうことに御賛成願います。
#70
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今星先生から農林省がどうも各省の中で一番しつかりしないというようなお話がございましたが、終戰後に食糧問題が國民の生活の基本になるというその時において、すべてのものが農林省に集中されておつたからであろうと思います。惡いところを見ればお言葉の通りでありますが、良いところを見れば漸次食糧事情が緩和され、二合四勺という配給を更に二合八勺から三合まで配給するように計画を着々と立てたということは、農林省が國民に対するその存在の最も大きい治績ではなかろうかと思います。時代に即應いたしまして作物報告事務所或いは改良局或いは更に專門員を置き、村々にそれぞれ指導員を置きまして、内より漸次農林省において國民生活上食糧の安定策を講ずる上において最も力強き出発をなしつつありますことは、この点を御了察願いたいのであります。併しながら農民はその日常の仕事に忙殺されまして、政治的方面におきましては、比較的知識が薄いのであります。その政治的方面におきましては、農家の方々、殊に立法府において農林省の存在と農民の安定政策を講ずることに、しくはないと思うのであります。かような見地に立ちまして、今回のあらゆる各省の改革において、農林省も相当改革はされるだろうと思いますけれども、生産省の建前から申しまして、農民に対して農民の安定策を講ずる方においては、行政整理の対象といたしましても、相当他省よりも廣く出発いたさなければならないと、かように確信を持つておるのであります。又食糧対策におきましては、只今各委員の申されるごとく、農民の食糧生産の意欲を減退しないように、飽くまでも農林行政を預る政府といたしましては、その徹底方、又農民に対して経営の上において不便なからしめるような政策をとりつつあり、又とることを強化して行く考えでございます。どうかこの点を御了承頂きたいと思います。
#71
○星一君 私は政務次官の今の話でちよつと失望しました。英國の議会は攻撃を受けることを樂しみとしておる、政府は攻撃を受けて今のように申訳をするなんということは民主主義でありませんよ、それで今の配給食糧が多くなつたということを威張るが、それは農林省の仕事でありません。これは竹馬の式で、アメリカがやつたので、農林省の努力によつてそこまで行つたとは私思いません。だからあれはあつちから貰つたものだ、助けられた乞食のようなものである、後は政府の方で竹馬式の供給であるのに、それを農林省のように言うことは私は少し控えて欲しい、私は昨日まではあなたに敬意を表しておりましたが、今になつて見ればどうもそういうことを……攻撃を受けるときに喜ぶのが、それが民主主義なんです。攻撃を少しも受けないなんという政府の役人があつては進歩はありません、どうぞそれを……
#72
○政府委員(池田宇右衞門君) 了承いたしました。
#73
○板野勝次君 輸入食糧の問題をもう一度やはり尋ねて置きたいと思うのですが、百八十五万トンというのは小麦だけですが。
#74
○政府委員(安孫子藤吉君) 小麦だけではございません。それは数字で申上げるといいと思うのですが、要するに昨年の十一月から今年の十月までの間に、國内供給力が幾らあるか、それから國内の需要量が幾らあるか、そうするとそこにどうしても足りない数字が出て來るわけです。それが主なものである、それは結局アメリカの方から申しますれば、一九四九年の輸入食糧、それがこの六月までに入るのです。七、八、九、十の四ケ月の一九五〇年に入る食糧、これが合計してその程度になるであろう、大体その見通しはできるだろう、こういう見方をしておるわけであります。その内容は小麦だけではありません。「とうもろこし」も入つております。その他穀類でございます。
#75
○板野勝次君 それではアメリカの方の二百五十五万五千トンというのはアメリカの会計年度の数字なんですか、それは日本の政府が大体この七月から來年の六月ぐらいまでにこの程度のものが輸入されなければ國内の需給体制はできないであろうというので、やはり事前に要請されておるのに應えて、向うからこの程度輸出しよう、こういうわけなんですか。
#76
○政府委員(安孫子藤吉君) この作業は大体安本で総合的にやつております。進み方といたしましては司令部と日本政府と折衝いたしまして、司令部としての一つの案を作りまして、これを陸軍省に要求し、國会に要求するという段になつておるわけであります。ちよつと速記を止めて頂きたいと思います。
#77
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#78
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
#79
○岡村文四郎君 長官の御答弁によりますと、長官はそういうことは余り自分の所管でないので詳しくは御存じないかと思いますが、実は関東平野の蔭樹といいますか、防風林と言いますか、耕地総面積に対してなんぼあるか、実際の林がなんぼあるか、その調査はできておらなければならんと思います。恐らくできていると思いますから、質問する必要はないと思います。そこでなぜそういうことを言うかと申しますと、引揚者、戰災者を受入れます地方では、関東平野のようなことをしておけません、私は決して坊主にしろとは申しません、大平野には必ず防風林は必要だと思いますから、或る程度必要だと思いますけれども、ああいうふうにしておいたのでは受け入れはできない、北海道は廣いけれども、一つもあんなものはありません。聞いて見ましても他にもないそうです、関東平野はそこにもここにもある、私は実際そうまで考えなかつたのですが、どうしてこういうことを政府の膝元において無関心なのか、是非ここで私は御答弁願いますが、関東平野の面積に対して防風林がなんぼあるか、これは調べて置かなけりやならん、調べがないというならば、それは農林省という所は怪しからん所で、これは駄目な所である。これがあると思いますから、それを一つ是非、農政局として持たなければならんことであるから、開拓事業を是非一つお願いしたいと思います。
#80
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今のお尋ねにつきましては、防風林の見地から、関東平野の非常な強風等におきまして、農作物の災害を來すというような見地も亦考えなければならないし、又関東平野が薪炭という今日のごとき理想の相当見通しを持つ時代は結構でありますが、そういう見解からも残されたようなことも考えなければなりません。併しながらお言葉のような仰せがございまするので、林野局に話をいたしまして、次の機会にこれに対する反別並びに御質問の趣旨に対してお答えをできるような方法を講じて置きたいとかように思います。
#81
○委員長(楠見義男君) 岡村さんの関東平野の平地林の問題は、戰爭中に、確か内田農商大臣のときに平地林の解放と言いますか、平地林の開墾によつて食糧増産を図ろうという計画を内閣が持つて、閣議で決まり、着手したことがあるのです。そのときに、農商省としては比較的正確な資料ができているのです。それは林野局にあるか、或いは総務局にあるか、農政局にあるか、私知りませんけれども、とにかく農林省にもございます。
#82
○池田恒雄君 肥料の輸入はあるのでしようか、ないのでしようか。
#83
○政府委員(池田宇右衞門君) 肥料の輸入はあります。
#84
○池田恒雄君 それは今分りませんか。なんぼあるかということは……。(「資料にあるよ」と呼ぶ者あり)それでは、肥料の点で、カリ肥料なんかは相当輸入する方法はとれないのでしようか、この間までのいろいろなことに、カリ肥料というものが非常に少いように思つたのですが。
#85
○委員長(楠見義男君) 池田さんにちよつと申しますが、カリ肥料についても、参考資料の中で、前年は殆んど問題にならない数量なんですが、本年は確か八万トン程度だつたと思いますが、相当多量のカリ肥料が入つて來る、それからもう一つは、一つ委員の他の方にもお願いしておきたいことは、私は実はこの間増産決議案のときにも撲したのですが、硫安の製造設備は百四十万トンある、それに対して今年の生産計画は百万トンしかやつてないのです。そこでその理由は硫化鉱の生産が非常に困難であるということと、それからもう一つは電力事情に支障を來しておるのです。実は硫安復興会議というのがありまして、その会には私も出ましたし、板野さんも出ておられたのですが、そこで問題は、今の輸入肥料の関係なんですけれども、百四十万トンの整造設備はフルに動かさずに、これは今申上げたような関係から、その不足分は結局硝安として入れるまあこういう計画を持つておるのです。ところが仔細に檢討しますと、硫化鉱の生産については非常に製造が困難があるというけれども、その解決についての政府の努力が足らないのじやないかという感じを私共は持つわけです。それから電力関係もこれもやりようによつては更に十万トン、二十万トンくらいは生産ができるのじやないか、実は一つの例ですけれども、まあ一番大きい昭和電工がこの近くにありますが、こういうものを電力需給の何と申しますか、安全バルブのようなふうに利用されて電力が困つて來ると、一番大口で切り易いから昭和電工の氣力を切れていうようなことで需給調整のバルブに使われておるような実情もあるのです。從つていずれ明後日資材関係について、各資材について当つて頂くわけなんですが、そういう点なんかも一つ池田さんや外の委員の方からもよく突ついて檢討を加えて頂きたい、こう思いますからどうぞお願いします。
#86
○池田恒雄君 私明後日は或いは欠席するかも知れないのですが、ただ私今日はまあ政務次官と長官だけですから、これに大臣が來ておると大変結構なんですが、大臣に質問すると妙な講義をされるものですから(笑声)……、この肥料のことで私のカリ肥料と申しましたのは、昨年増産運動をやりましたね、一割増産運動、私はあの増産運動を見ますと、政府の政明を聞くまでもなく、大体病害を防禦する、それで一割くらい増産するという工合に要綱や運動実績から見ているのですが、これは非常に当を得たものだつたと思うのです、その考えとしては……。併し実際としてこの病害の問題ですが、この病害の問題は、私はどうもいわゆる増産運動なんかで一生懸命藥品を撒布するということをやつたのでは片付かない問題があると思うのです。これは言わばどこからか病氣が傳染するのじやなくて、作物の栄養失調というか、そういう点から病氣が湧いて來るのですね、ですからこの間の予算委員会か何かのときの説明では、「じやがいも」の輪腐病ですね、あれが取出されて話になつて、そうしてそのことで磯部先生が私は素人ですから後で答弁しますとか何とかと言つておつたのですがね、これは大体からいつてカリ不足じやないか、で、輪腐病とかバイラス病とかこういうものを防禦する、病氣を駆逐するということだけ考える場合は、何だか増産とならないと思うのです。そうじやなくて、あれの病氣が発生して來ているのは昭和二十一年頃ですから、そうしますと昭和十七、八ですから、燐酸とカリが不足で來ているわけです。十九年、二十年ぐらいからカリは殆んど無肥料状態に入つておる、そうすると二十一年頃から完全に栄養失調症状が出て來まして、そういう病氣が出る筈なんです。ですから私は病氣が傳染して來たのじやなくて、湧いて來るのだと思うのです。バイラス病とか輪腐病の問題だけじやなくて、稻も毎年同じような病氣が発生しておる、殆んど誰に聞いてもです、分らんのですよ、麦でも今年は病氣が出しております、昨年も出ております。こういう病氣の出方がですね、恐らく肥料に原因しておると私はこう思つておる、これは私が素人的に長官に質問しても、今答弁して貰つてもしようがないことなんです。ただ私はいろいろな統計や何か見ましてね、ずつて肥料なら肥料の統計や耕種改善基準を見ましてね、そうしてこういう一つの統計的結論を出して來ておるわけなんですなあ、これは私としてもそれを断定できるわけじやありませんけれどもね、ただそこに根本的な病害の問題があつたのじやないかということを私はここで考えたわけです。これはそうであるかないかということはですね、今政務次官や何かから答弁して呉れたつて仕方がないことですから、誰かもつと試驗場の人なり、農林省の係員の人なども十分この点を研究して頂いて、そうして私は答弁して貰いたいと思います。それから肥料の問題ですがね、肥料は硫安が年年殖えて來ておるのです。殖えて來ておりますが、戰前のいろいろの統計から見ますと、もつて殖えておるわけなんです。硫安はいいが燐酸、殊にカリ肥料が現状のままでは足りない、硫安はこれ以上殖やすということは作物の成育上これは危險だと思う、だから或る地帶では硫安は沢山だ、余るというところまで或る部分は來ておると思います。全般的には硫安は不足だ欲しいと言つておりますがね、或るところではもう沢山だ、余る、要らないというところに來ておると思う、ですから、この際硫安なら何ぼでも取れるというので硫安を作つて見ましても、硫安を作るに從つて減産するという、これは極端な言い方ですがね、そういうことにならないとは言えない、それでですね、私はカリと燐酸のことを言うわけなんですが、だからいろいろなものを輸入する、こういうのでしたらね、私はカリなんか日本では取れないのですからこれの方を輸入してですね、肥料における病的症状をなくさなくちやいけないと思う、そうでないと一生懸命になつてこうやつてみると、藥剤を盛んに配給する計画を立てておりますが、百姓は馬鹿だから何も知らんと言つてね、藥剤に撒布法を教えておりますが、私は根本問題はそうじやないと思う、そういう意味で私はこのことを引出しておるわけですから、お互いに素人ですから、素人同志で質問し合つたつてもしようがないのですからね、注文して置きますから何か專門家から責任のある研究に基いて委員会に答弁して頂きたいこういうふうにお願いして置きたいと思います。
#87
○委員長(楠見義男君) 只今の問題は委員長からも申上げますが、例えば今のお話の輪腐病、これについては、この前の國会のときに、運腐病の問題が、問題として我々は取上げてやらないと、又バイラスのようになるという問題から、すでに國会で輪腐病の今までの状況なり、又試驗場の研究の経過を聞くことになつておつたところが、時間がなくて聞けずに、今國会も当初の打合会でその問題を取上げて聞こうということで、理事の方々の打合会においても一つの項目として挙がつておるのです。ところが実はまだ誠に申訳ないのですが、時機を得ておらないのですが、そういうふうに特別に試驗場にも連絡を予めしてあるのです。從つて時機を見まして、そういう問題を取上げてやつて行きたいと思います。遅れましたことをお詑び申上げます。
#88
○池田恒雄君 そうしますと、ここに研究の態度ですがね、私は注文したいのです。試驗場にあの輪腐病の問題を出しますと、試驗場の方々は單に珍らしい病氣だというふうにして、病理学的の檢討をして行くのではないかと思います。これでは私は政策にならない、政策として見るならば、私が先程注文しましたように、肥料とか、そういうものからです、起つて來たのではないかという見方をして行かなくちやいかんと思う、病理的な治療方法、それに対して考えるというのだつたら、これは私非常に簡單な解決点があると思うのです。そうでなくてもつと重大なる政策の上に掛かつておると、こういうふうに見て行かなければならんと思います。これは予算委員会の分科会の時にも私は輪腐病の話をしたのですが、それだけでなく、バイラスの話を取上げたのですが、バイラスで言いますと、岡山縣の兒島湾というのがあります。兒島湾のあすこに村が二つある、岡山の二化生を出す村がある、これは昭和十九年頃二、三回視察に行つて、試驗場や何から意見を聽いた、そうしたら兒島湾というのは地形が特異であつて、氣流か何かの関係であすこには病氣に絶対に罹からないと試驗場の方々がおつしやつている、殊に有名な和田先生なんかに何回か兒島湾について聽きましたが、そういう説明をしておるわけなんです。ところが最近兒島湾にバイラスが入つておる、バイラスが滅茶苦茶に入つて困つておる、そうしますと、日本の農業技術家の最高の方々が、あれは氣流のためだ、地形の関係だということをきちんと断定に近い程言つておつたのですが、この日本の技術者の規定の仕方が根本的に覆えされたということになる、これは日本の農業技術者としても重大なる問題である、今まですでに我々に言い傳えておつたものが、そうじやないということになつたものですから、病氣は兒島湾に対しても入るということになつたものですから、これはやはりこの際檢討して見なければならんと思うのです。その外に北海道、青森の例も挙げておる、高冷地の例を挙げておる、全面的に高冷地でもどこでもバイラス病が出て來ておる、そのために「じやがいも」の減産はひどい状態なんです。これは私先程申上げましたように、戰爭中から長年カリが不足しておつたためということになつておると思う、こういうふうに思うのですね、これは私もそうじやないかという疑問を持つておるのですから、その疑問を解けるような工合に、一應こういうものを檢討して貰わなければならんし、又そういう病害問題を扱うならば、我々の委員会という場所では單なる病理学的研究じや意味ないと思う、その点を委員長も一つ檢討して頂いて、私の言うことが病理学的研究じやいけないというところに若し委員長が承認できるならばですが、向うの方に対して注文するときに、そういう注文をして頂きたいと思います。
#89
○委員長(楠見義男君) そういうふうな注意をいたしときましよう。
#90
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今池田さんから非常な経驗とあらゆる見聞からの結構な御意見を拜聽いたしました、カリ肥料は昨年に比べまして、昨年の四万五千八百五十六トンに対して、今年は六万一千五百四十トンの増加輸入をする計画が樹つておりまして、順次輸入することに相成つております。尚政府といたしましても連合軍に要請いたしまして、何とかカリ肥料の世界における、一番生産されるところのドイツ方面から入手いたしたいと、かように目下それぞれ内交渉を進めておるような次第でございます。御指摘の通り稻作においても、麦作においても出穗期において、少々の風にも倒れまして、折角の稔りの秋を樂しむ農家に非常な收穫減を來たした、又來たしつつありというような現段階においては、カリ肥料の不足がここで現われておるということを我々が見、聞きし、政府としても何とかしなければならないと十分に考えておるような次第でございまして、只今の十分なる調査研究に対しては、委員長さんにもよく御要望された通り連絡を取りまして、目的を達成するように、何とか取計いたいと、かように思う次第であります。
#91
○板野勝次君 ちよつとですけれども、政務次官に別段何はないのですけれども、政務次官が星委員に、三合配給までやつて行くという……
#92
○政府委員(池田宇右衞門君) いや、やつて行きたいという希望です。
#93
○板野勝次君 希望ですが、今の食確法を改惡ですね、こういう形で改惡して行つて、一方では今度は輸入食糧が、大体新聞紙の報道からして見ても、來年度はもつと今年よりも多く輸入される、こういう形では、それはまあ他の方からどんどん持つて來て、そうして配給するということは一應考えられるでしようが、併し國内の増産計画というものができておらなかつたら、口に何合配給したい、何ぼしたいと言つても、結局はそれはいかないのじやないか、全体の問題については、農林大臣に質したいと思いますけれども、やはり余り希望だけで行かんようにして貰わんと、農民がそういう言葉を聞いて、成る程政務次官はよいと言うでありましようが、そういうことは一つ愼んで頂きたいと思います。
#94
○政府委員(池田宇右衞門君) 承知いたしました。
#95
○板野勝次君 それからもう一つ簡單なことでございますが、所官の局長に一つお尋ねしたいのですが、この前田舍へ廻つて見ましたが、農家が配給を受けるようになつて、精米されると百キロのものが九十六キロですか、そういう形では、糠とかいろいろなものが困るので、玄米で配給して貰いたいと言つて、現に交渉して玄米配給を受けておるのです。そうすると、やはり玄米で配給される場合には百キロのものは百キロで配給されるべきだと思うのです。ところが、営團がやはり百キロでなく九十六キロしか呉れないそうですが、これはやはりそうなつておるのでしようか、これは怪しからんと、地方の農家の人たちが言つておるわけです。
#96
○政府委員(安孫子藤吉君) ちよつと私はその点はつきりいたしておりませんので、調べましてお返事いたしたいと思います。
#97
○板野勝次君 玄米で配給して呉れと言つて、玄米で配給すれば、百キロは百キロで出さなければいかんのではないでしようか。
#98
○政府委員(安孫子藤吉君) それはそうだと思います。
#99
○板野勝次君 私が聞いたのは、岡山縣の吉備郡に総社という所があるのです。その総社の営團の支所がそうやつておるのです。つまり玄米で配給して貰うと、やはり白米にしたやつと同じ目方しか呉れないというのです。
#100
○政府委員(安孫子藤吉君) 玄米なら百キロということだろうと思います。それを玄米で九十六キロにしておると、こういうことですか。
#101
○板野勝次君 そうなんです。それは間違いでしようね。
#102
○政府委員(安孫子藤吉君) それは間違いだと思います。私は間違いじやないかと思いますけれども……
#103
○板野勝次君 それはやはり何しておる結果ではないかと思うのです。委託加工をさしたり何かしておる、いろいろな複雜した事情からそうやつておるのではないかと思うのです。それは一つ調べて下さい、玄米で百キロのものを目減りしたものではいけないと言うのなら、是正して頂きたいと思うのです。
#104
○委員長(楠見義男君) それでは、本日はこの程度にいたしまして、散会いたします。
   午後四時三十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
   委員
           門田 定藏君
           北村 一男君
           星   一君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   農林事務官
   (食品局長)  三堀 參郎君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
ソース: 国立国会図書館
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