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#1
第061回国会 本会議 第35号
昭和四十四年五月九日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十七号
  昭和四十四年五月九日
   午後二時開議
 第一 宮内庁法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 第二 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関す
  る法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 簡易生命保険法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第四 宇宙開発事業団法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関
  する決議案(小宮山重四郎君外三名提出)
 米国の繊維品輸入制限に関する決議案(大久保
  武雄君外九名提出)
 日程第一 宮内庁法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第二 原子爆弾被爆者に対する特別措置に
  関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
  出)
 日程第三 簡易生命保険法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第四 宇宙開発事業団法案(内閣提出)
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明及び質疑
   午後二時八分開議
#2
○副議長(小平久雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議案(小宮山重四郎君外三名提出)
          (委員会審査省略要求案件)
#3
○西岡武夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、小宮山重四郎君外三名提出、わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#4
○副議長(小平久雄君) 西岡武夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#6
○副議長(小平久雄君) 提出者の趣旨弁明を許します。小宮山重四郎君。
    〔小宮山重四郎君登壇〕
#7
○小宮山重四郎君 ただいま議題になりました自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党共同提案にかかるわが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議案について、四党を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議案
  わが国における地球上の大気圏の主要部分を超える宇宙に打ち上げられる物体及びその打上げ用ロケットの開発及び利用は、平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資するためこれを行なうものとする。
   右決議する。
以上であります。
 次に、この決議案の趣旨を御説明申し上げます。
 米ソ両国をはじめとする先進諸国における宇宙の開発及び利用は、近年特に目ざましいものがあり、月着陸をめざす有人衛星をはじめ、気象観測、通信、航行、測地等の各種人工衛星の実用化が飛躍的に進展しつつあります。このような情勢にかんがみ、高度工業国としてのわが国においても、国の総力をあげて宇宙開発を強力かつ効率的に推進し、もって新技術の開発及び科学技術水準の向上をはかることは申すまでもありません。
 その際、わが国における宇宙の開発及び利用は、日本国憲法のもとにおいて平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉をはかり、あわせて産業技術の発展に寄与するとともに、進んで国際協力に資する方針のもとに行なうことを基本とすべきものと考えます。このことは、わが国がさきに批准した宇宙天体条約の趣旨を生かすゆえんでもありますので、政府は、今後の宇宙の開発及び利用の推進にあたっては、この決議案の趣旨を体し、これを行なうべきであると考えます。
 以上がこの決議案を提案する趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 米国の繊維品輸入制限に関する決議案(大久保武雄君外九名提出)
          (委員会審査省略要求案件)
#10
○西岡武夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、大久保武雄君外九名提出、米国の繊維品輸入制限に関する決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#11
○副議長(小平久雄君) 西岡武夫君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 米国の繊維品輸入制限に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#13
○副議長(小平久雄君) 提出者の趣旨弁明を許します。大久保武雄君。
    〔大久保武雄君登壇〕
#14
○大久保武雄君 ただいま議題となりました米国の繊維品輸入制限に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    米国の繊維品輸入制限に関する決議案
 最近、米国は、繊維品の輸入制限への活発な動きを見せ、国際協定による輸出自主規制を国に求める意図を明らかにしたが、これは、一貫して自由貿易主義を主唱してきた米国が自ら世界の自由貿易体制に逆行する方策をとることになり、明らかにガットの精神に違反するものである。さらに、米国のかかる貿易制限的措置は、各国に自衛措置を余儀なくさせ、ひいては世界貿易の縮小をまねき国際協調をそこなうこととなる。また、米国繊維産業は、生産、販売、雇用とも好調を続けており、この現状からも米国のとらんとする措置はその根拠に乏しくきわめて遺憾とするところである。
 米国において新たに輸入制限が実現すれば、わが国の対米繊維品輸出に重大な影響を及ぼし、構造改善、設備近代化を推進しつつある中小企業を主体とするわが国繊維産業及び関連産業に深刻な打撃を与えることは必至である。
 よつて政府は、米国政府に対し、かかる輸入制限を企図せざるよう強く要請すべきである。
  右決議する。
以上であります。
 今回の米国における繊維品輸入制限の問題は、本年二月、ニクソン米国大統領が、全繊維品を対象として輸出国の自主規制を求めるため、主要国と協議を行なう旨の発言を行なったことに端を発したのであります。その後、スタンズ商務長官が全米繊維製造業者協会総会の席上、大統領の方針を実施に移す決意を明らかにしたのでありますが、同長官は、さらに本問題について、四月十一日より二十六日まで欧州諸国を歴訪して協議を重ね、五月十日、すなわち明日の夕刻には、本問題をひっさげて羽田に到着する予定となっている等、活発な動きを見せているのであります。もし、この米国の輸入制限が実現すれば、決議案中にありますごとく、わが国関係業界に広範かつ深刻な打撃を与えるものでありまして、わが国としては、全力をあげてこれを阻止しなければなりません。
 以下、その理由のおもなるものを申し上げますと、
 第一に、ガット及び綿製品国際貿易に関する長期取りきめとの関係についてであります。
 米国が、今回強引に、国際協定による繊維品の輸出の自主規制措置を各国に求めようとしていることは、まことに遺憾であり、一貫して自由貿易を主唱してきた米国が、みずからその看板をおろして、世界の自由貿易体制に逆行する方策をとるものといわねばなりません。いわんや、残存輸入制限の撤廃、自動車産業の資本の自由化等、わが国が真剣に自由化努力をしているものに対してさえ門戸開放を強く迫りながら、みずからは繊維について貿易の門戸をかたく閉さすということは、貿易政策の上からも著しい矛盾であるというべきであります。(拍手)
 また、綿製品以外の化合繊、毛等の繊維品についてまでも米国が輸出の自主規制を強要するということは、明らかに、自主規制を綿以外の他の繊維品に波及させないという綿製品長期取りきめの第一条に違反することとなるのであります。綿製品の自主規制を求めた取りきめ自身がガットの精神に反するといわれているのに、その協定の第一条にうたわれた、綿製品以外には波及させないという原則すら、これを破り捨てるということであったならば、今後、自主規制の要求が電気製品等他の産業品種に波及しないという保障はなく、日米間の貿易は非常な混乱におちいるおそれなしとしないのであります。
 第二に、繊維品貿易制限をめぐる日米間の経済事情の相違についてであります。
 今回、米国が制限の対象として考えているのは、化合繊、毛、混紡製品等であり、その対米輸出額は、これら製品の総輸出額の約四分の一を占めており、綿製品がすでに規制されている今日、さらにこれらについて自主規制が行なわれますならば、わが国の繊維品の輸出に深刻な影響を及ぼすことは明らかであります。
 一方、米国側からこれを見るならば、米国内消費に占める輸入繊維品の比率は、昨年、綿、毛、化合繊で約七%、合成繊維のみをとるならば、わずかに三%にすぎず、わが国からの輸入はそのまた何分の一かにすぎないのであります。このわずかなわが国の繊維品の輸入が、どうして米国の繊維産業を圧迫しているということになるのでありましょうか。われわれはその理解に苦しむところであります。いわんや、米国の繊維産業は、近年かつてない繁栄を誇り、生産、販売、雇用とも順調な伸びを示しているという現実を見るならば、わが国の繊維品輸入が、米国繊維産業の繁栄をそこなっているという論拠は何ら見当たらず、今回の米国のとらんとする政策にはひとしお深い矛盾を感ずるものであります。(拍手)
 第三に、わが国の繊維産業に及ぼす影響についてであります。
 わが国の繊維産業は、すそ野の広い産業であり、中小企業、零細家内労働者を含めますと、従業者百八十万人、その家族を含めますと、実に数百万人にものぼるものと考えられるのであります。この繊維産業は、最近、労務者不足、賃金の上昇、発展途上国からの追い上げ等、これをめぐる内外の環境はきわめてきびしいものがあり、これに対処して構造改善、設備近代化を進めていることは御承知のとおりであります。かかる際に、米国から、自主規制の名のもとに輸入制限の一撃を受けましたならば、中小企業を主とするわが国の繊維産業及び関連産業は、合理化の途上において深刻な打撃をこうむることは必至であり、わが国の産業並びに社会の安定の上からもわれわれの憂慮にたえないところであります。(拍手)
 以上申し上げましたような理由により、日米間の貿易の健全な発展を願うわれわれとしては、米国が現在とろうとしている繊維品に対する輸入制限の措置をすみやかに思いとどまるべきことを強く要望するとともに、政府が、本決議案の趣旨にのっとり、適切な措置をとられんことを期待して、本決議案を提出した次第であります。
 何とぞ満場の御賛同をお願い申し上げて、提案の趣旨の説明といたす次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#15
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 この際、外務大臣及び通商産業大臣から発言を求められております。順次これを許します。外務大臣愛知揆一君。
    〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#17
○国務大臣(愛知一君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べます。
 米国による繊維品の貿易規制の動きにつきましては、政府はこれまでも、米国繊維産業の現状から見て、このような規制を要求する根拠に乏しい旨を指摘するとともに、かかる規制を行なうことは、世界の自由貿易体制に逆行するものとして、反対である旨を明らかにしてまいりました。
 政府といたしましては、このような反対の意向を、米国政府に対し、種々の機会に繰り返し申し入れるとともに、繊維品輸出に関心を有するヨーロッパ及びアジアの諸国とも連絡をとりつつ、繊維品貿易の国際規制のごときことが実現しないよう努力してまいった次第でありますが、今後とも、ただいまの御決議の趣旨を十分尊重いたしまして、御要望に沿うべく最善の努力をいたす所存でございます。(拍手)
#18
○副議長(小平久雄君) 通商産業大臣大平正芳君。
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#19
○国務大臣(大平正芳君) 米国の繊維品輸入制限の動きは、わが国の繊維産業にとりましてまことに重大かつ深刻な問題でございます。したがいまして、今日まで、政府といたしましても、その阻止のため多大の努力を払ってまいりましたが、ただいま議決されました御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、今後とも、なお一そうの努力を傾けて、所期の目的を達成するようにいたしたいと考えております。(拍手)
    〔澁谷直藏君登壇〕
#20
○澁谷直藏君 ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、原子爆弾の被爆者がいまなお特別の状態に置かれている実情にかんがみ、これらの者の福祉をはかるため、特別被爆者が死亡したときは、葬祭を行なう者に対して葬祭料を支給しようとするものであります。
 本案は、去る二月十九日本委員会に付託となり、五月七日の委員会においては参考人の意見も聴取し、昨八日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、施行期日についての修正案が提出され、採決の結果、本案は修正議決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 簡易生命保険法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
#23
○副議長(小平久雄君) 日程第三、簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
#24
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。逓信委員長井原山岸高君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔井原岸高君登壇〕
#25
○井原岸高君 ただいま議題となりました簡易生命保険法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における保険需要の動向等にかんがみ、簡易生命保険に傷害特約の制度を新設するとともに、保険金額の最高制限額を引き上げる等の改正を行なおうとするものであります。
 まず、傷害特約は、簡易生命保険契約に特約として付することができるもので、被保険者が不慮の事故等により死亡したとき、身体障害となったとき、または治療のために入院したとき等について保険金を支払うこととなっております。
 次に、保険金の最高制限額については、現在、これが被保険者一人につき百五十万円となっているのを、生命保険契約、傷害特約の別に、それぞれ二百万円にしようとするものであります。
 その他、保険料計算の基礎及び積み立て金計算の方法について、これを法定事項からはずすこととするほか、若干の規定の整備を行なうこととしております。
 なお、この法律は、傷害特約にかかる規定は昭和四十四年九月一日から、その他は公布の日から施行することとなっております。
 逓信委員会においては、二月二十日本案の付託を受けて以来、慎重審議を重ねたのでありますが、五月八日、質疑終了、討論を省略して直ちに採決しました結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 宇宙開発事業団法案(内閣提出)
#28
○副議長(小平久雄君) 日程第四、宇宙開発事業団法案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#29
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長石田幸四郎君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔石田幸四郎君登壇〕
#30
○石田幸四郎君 ただいま議題となりました宇宙開発事業団法案につきまして、本委員会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本案は、人工衛星及び人工衛星打ち上げ用ロケットの開発、打ち上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として、宇宙開発事業団を設立しようとするものであります。
 そのおもなる内容は、
 第一に、事業団は政府及び政府以外の者による出資の法人とし、その資本金は、設立に際して政府が出資する五億円と、科学技術庁宇宙開発推進本部及び郵政省電波研究所から承継する特定の財産の価額並びに、政府以外の者が出資する金額の合計額とし、必要に応じて増加することができるものといたしております。
 第二に、事業団の機構につきましては、役員として理事長一人、副理事長一人、理事五人以内及び監事二人以内を置くほか、非常勤理事及び顧問の制度を設けることといたしております。
 第三に、事業団の業務といたしましては、みずから、または委託に応じ、人工衛星及び人工衛星打ち上げ用ロケットの開発、打ち上げ及び追跡を行なうこととし、なお、事業団がその業務を行なうにあたっては、主務大臣の認可を受けて、定める基準に従って、その業務の一部を委託することができることといたしております。
 また、業務の運営につきましては、宇宙開発委員会の議決を経て内閣総理大臣が定める宇宙開発に関する基本計画に基づいて行なわれなければならないものといたしております。
 第四には、事業団の監督は、主務大臣がこれを行なうものとし、必要があると認めるときは、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができるものといたしております。
 本案は、去る三月十九日木内国務大臣より提案理由の説明を聴取した後、宇宙開発の目的、開発機構の一元化、宇宙開発に関する基本計画及び主務大臣等の諸問題を中心に質疑が行なわれ、また、逓信委員会との連合審査会を開く等、慎重なる審査を重ねたのでありますが、その詳細については会議録に譲ることといたします。
 かくして、昨八日、質疑を終了いたしましたところ、石川次夫君外三名より、事業団設立の目的について、平和の目的に限ることをつけ加えることを内容とする、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる修正案が提出され、次いで、採決の結果、全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案と密接な関係にある宇宙基本法案の起草につきましては、引き続き小委員会において成案を得べく努力をいたすこととなっておりますことを申し添えて、報告を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#32
○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明
#33
○副議長(小平久雄君) 内閣提出、建設業法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。建設大臣坪川信三君。
    〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#34
○国務大臣(坪川信三君) 建設業法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 近年におけるわが国の経済の発展と国民生活の向上に伴い、建設投資は国民総生産の約二割に達し、これを担当する建設業界も登録者数約十四万、従業者約三百五十万人を数えるに至り、いまや建設業はわが国における重要産業の一つに成長しました。さらに今後も建設投資に対する需要はますます増大することが予想され、建設業の重要性はいよいよ高まる趨勢にあります。しかるに、建設業界の現状を見ると、施工能力、資力、信用に問題のある建設業者が輩出して、粗雑粗漏工事、各種の労働災害、公衆災害等を発生させるとともに、公正な競争が阻害され、業者の倒産の著しい増加を招いております。加えて、近く予想されます全面的な資本の自由化に対処して国際競争力を強化するためにも、いかにして経営を近代化し、施工の合理化を達成するかは、今日の建設業界が緊急に解決しなければならない課題であります。
 このような問題に対処するため、建設業に関する重要事項についての諮問機関である中央建設業審議会において建設業法の改正に関する検討が二年有余にわたって行なわれ、公益代表、発注者代表及び建設業界各層代表の委員によって論議が尽くされました結果、昨年十一月二十六日、全会一致をもって建設大臣に答申がなされたのでありますが、今回この答申に基づき、建設業者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等をはかることによって建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発展を促進するため、本法律案を提案するに至ったものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、施工能力、資力、信用のない業者の輩出をもたらした原因の一つは、現行建設業法の軽易かつ画一的な登録制度にあることにかんがみ、これらを防止するとともに、職別業者の専門化を促進する等、建設業の近代化をはかるため、現行の登録制度を業種別の許可制度に改めることといたしました。また、下請業者の保護育成及び建設工事の施工の改善をはかるため、特に一定金額以上の工事を下請施工させる建設業者に対しては、特定建設業の許可制度をしくことといたしております。また、建設業の許可に際しましては、建設業者が建設業に関する経営経験、技術者の有無、誠実性、財産的基礎等の要件に該当しているかどうかを審査することといたしております。
 第二に、建設工事の注文者と請負人との間においていまなお見られる不合理な取引関係を改善するため、注文者が取引上の地位を利用して不当に低い請負代金を定めることを禁止する等、請負契約関係の適正化をはかることといたしております。
 第三に、建設工事の下請施工の実情にかんがみ、下請業者の経済的地位を強化するよう、元請業者に対して、工事目的物の受領や下請代金の支払いを遅延することを禁止する等の措置を講ずるとともに、特定建設業者に対しては、下請負人を保護するための特に重い義務を負わせることといたしております。
 以上の改正に関連して、監督処分の規定等について所要の改正を行なうことといたしておりますが、この法律が円滑に施行されるとともに、既存登録業者に混乱が起こらないよう、改正法の施行は公布の日から一年後とし、施行の日現在において現行法による登録を受けている建設業者は、改正法の施行後二年間は、現行法の登録制度により営業ができることといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
    ―――――――――――――
 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明に対する質疑
#35
○副議長(小平久雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。阿部昭吾君。
    〔阿部昭吾君登壇〕
#36
○阿部昭吾君 ただいま提案をされました建設業法の一部を改正する法律案に対し、私は、日本社会党を代表し、この改正案の政策的本質を追及し、政治的背景をえぐり出しながら、若干の質問を行なわんとするものであります。
 第一に、今回の改正案は、建設業を従来の登録制から許可制に切りかえようとする点であります。そのねらいは、一部の大手業者をさらに一段と優遇し、中小零細業者、地方業者、大工、左官、棟梁など、一人親方建設職人に対し大きな圧迫を加えようとする政策的意図が明瞭になっているのであります。建設職人、一人親方に対し、その事業的、経営的立場を否定し、単に賃かせぎ、日雇い職人の位置に囲い込もうとするものであり、中小零細業者を大手の下請、孫請として従属させることをより明確に体系づけようという、いわば大手の支配体制を一段と強化し、中小零細業者の数減らし合理化をやっていこうというものであります。まことに反動的な、佐藤内閣的なやり方だといわざるを得ないのであります。(拍手)
 本改正案は、中央建設業審議会の答申によって成案したというのでありますが、実はその中身は、大手建設業者のよりどころであります全建協会の考え方が、まるっきりそのまま出ているのであります。審議会答申に名をかりた大手業者の主張そのままであります。審議会の構成についても、中小零細業者の代表は全建総連代表一名だけで、あとの公益代表、発注者及び建設業者代表は、ほとんど零細業者の実態を知らないか、あるいは零細業者を下請にして、その犠牲の上に利益を得ている大手業者の立場に立つ者のみであります。現在、登録業者十四万人、無登録業者はその数倍といわれるのであります。これを今回の許可制によって体質改善をやっていこう、大手独占体制を一段と強化をしていこう、この政府の考え方は、たとえば、許可基準についてはたいへんゆるやかなように見せかけながら、許可を受けようという者は、財産的基礎または金銭的信用がなければならないなどと抽象的な言い回しをしながらも、大手業者本位の独占的本質が露骨にあらわれていると思うのであります。
 さらに、今回の改正で重大なことは、許可を受けた職種以外は請負工事ができなくなるという点であります。現行法も一応は職種別登録制であります。しかしながら、現在は営業制限はないのであります。今回の許可制は、職種別許可制を規定し、許可を受けない者は営業はできないとするのでありますから、たとえば大工工事業で許可を受けた者は他の仕事を引き受けてはならない。これを犯せば四十五条の罰則で懲役三年、罰金三十万円以内ということになるのであります。直営ならばいいではないかというものもあるのでありますが、改正案をしさいに検討してみますると、多くのわずらわしい制限が付されているのであります。
 このように、今次改正案は大手中心主義であり、中小零細業者、一人親方建設職人を徹底的に圧迫しようというねらいが浮き彫りになっているのであります。佐藤総理、坪川建設大臣の考えをただしたいと思うのであります。
 私は、建設業界において最大の問題点は、大手と中小零細業者との間における下請、孫請あるいはひこ請関係といった、これが大きな問題だと思うのであります。地方において、若干まとまった、億単位あるいは数千万円単位の工事は、ほとんどといっていいほど大手業者が指名されているのであります。これらの大手業者は、十億円くらいの工事の場合におきましても、工事中、その社員と称するような者はせいぜい二、三名程度現地に派遣するにすぎないのであります。あとはすべて現地の地元業者が、まことにいやなことばではありますが、ピンはねをされて下請をしいられているのであります。
 さらに、いま一つの実例を申しますならば、積年にわたる佐藤内閣の農民圧迫政策の結果、多くの季節出かせぎ者が出ていることは、佐藤総理も御存じでございましょう。中堅農家、政府の言う自立経営農家の皆さんまでが、農業だけでは人並みの生活がやっていけない、そこで、多くの出かせぎ者が出てまいったのであります。この皆さんが、出かせぎ先でどういう非人間的な、疎外された状態にあるか御存じでございましょうか。悲惨な労働災害は続発をし、賃金未払いや飯場の非人間的な生活環境、これはもうひどいものであります。私もずいぶんと建設業者との交渉、談判に当たってまいりましたが、政府や公団などの発注工事がほとんど元請、下請、孫請といった重層請負になっているのであります。元請は大手、下請は中小、そして孫請は零細または一人親方という形であります。一番末端の現場は、重層ピンはねの残りかすの中で悪戦苦闘いたしているのであります。孫請段階になりますると、私設職安を開設しなければとうていやっていけない実情にあるのであります。今回の改正で、元請の支払い責任を規定いたしましたことは、これはあたりまえのことであります。問題は、かつて建設業法創設の精神は、下請やピンはねの否定にあったと思うのであります。しかるに、今回の改正案は、大手を中心とするピンはね支配体制を決定的に強化確立をするという、いかに佐藤総理が弱きをくじき強きを助くる独占の奉仕者であるかということはよくよく承知をいたしているのでありますが、われわれの断じて許し得ないところであります。(拍手)総理のお考えをお聞きしたいのであります。
 次に、私は、政令で定める法適用除外の工事金額について、その影響するところきわめて大きいと思うのであります。大工、左官、棟梁、板金業など、一人親方建設職人は、一般の住宅建設、小工事については一括をして請負う、これは法規制以前から社会的慣習として地域に定着をし、育ってまいったのであります。今日の社会情勢、経済情勢のもとでは、法適用除外の工事金額を少なくとも三百万円以上とすることは、きわめて当然であると思うのであります。さらに物価等、情勢の変化に見合ってスライドをさせるべきであると考えるのであります。建設省内部には、五十万円説、百万円説、あるいは引き下げ説さえあるやに仄聞をするのでありますが、建設大臣の考えをお聞きいたしたいと思うのであります。
 今日、建設業界において指名競争入札が正当に行なわれている、よもや、建設大臣もそうは思っておられないでありましょう。今日、談合は公然となっているのであります。しかも、談合に応じなかった業者は、次からは指名からはずされてしまう。これでは行政当局が談合を奨励し、指導しているといった形であります。(拍手)予算と予定価格は、ほとんどの場合、大手業者は知っているというのであります。もうそこには、本来の指名競争入札は存在しないのであります。言うまでもなく、そこには、権力につながる保守党政治家が介在をし、重要な役割りを果たしているというのであります。
 また、建設業界においては、天の声があるというのであります。天の声というのは、発注者もしくは権力に連なる保守党政治家が、業者談合の席に、発注者の意思、権力政治家の意思を表明して、落札をさせたい特定業者を指名するというのであります。これが天の声というのだそうであります。佐藤総理は、かつて、造船汚職事件で追及をされ、たいへんに苦労なさったということを承っているのであります。この天の声について、いかがお考えになられるか、お尋ねをしたいのであります。(拍手)
 佐藤総理、今日の建設業界における談合、天の声、そして重層下請、重層ピンはね、このようであるとするならば、これは現代社会の許しがたい悪ではないでしょうか。これはまた、権力に安住する保守党政治の体質となり、利権政治、汚職政治のきわめて根深い温床の役割りを果たしているといわれるのであります。佐藤総理、あなたの親密なる友人だとみずから言われておりますある汚職に問われたる政治家が、こう言っているというのであります。いままで汚職で問題にされた政治家で大成をしなかった者は少ない、ポスト佐藤の至近距離にあり、いまをときめく大蔵大臣福田赳夫君しかり、わが国の宰相佐藤榮作君またそうではないか、こう言われたというのであります。また、選挙で政治家が金を使うのはあたりまえ、違反になったら警察で鼻薬をかがせるというような話をしているというのであります。
 利権、汚職、腐敗、その最たるものは、建設業界の談合、天の声、重層下請、ピンはね、ここにあると思うのであります。(拍手)業法改正は、ここにこそ焦点を向けられねばならぬと考えるのであります。選挙で選ばれたる者が政策を決定するという代議制民主主義の根底が、いま大きな動揺を来たしているのであります。私は、その震源は、このような乱れの中にあると思うのであります。(拍手)
 大手を優遇し、中小零細、一人親方を圧迫せんとする本改正案は、これを撤回し、談合や天の声を根絶し、下請やピンはねをきびしく禁止をして、明朗なる建設行政実現のために出直されんことを求めまして、私の質問を終わらんとするものであります。(拍手)
#37
○副議長(小平久雄君) ただいまの阿部昭吾君の発言中、不穏当の言辞があるとの申し出があります。議長は、速記録を取り調べることといたします。(発言する者あり、拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#38
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 阿部君にお答えいたします。
 今回、登録制から許可制に改めようとする理由につきましては、先ほど建設大臣から提案趣旨説明において申し上げたとおりであります。現行の登録制度では、ややもすれば起こりがちな弊害を防止しようとするものであります。中小零細業者や一人親方といえども、従来から誠実かつ適正に工事を請け負ってきた方々は十分許可を受けることができるものであり、大手業者を優遇しようという意図のものでは全くありません。この点につきましては、誤解のないように御理解をいただき、政府のあたたかい思いやりの措置をひとつ理解していただきたいと思います。
 次に、建設工事は、各種の専門工事を組み合わせ、これを分担する各種の専門業者によりまして分業的に行なわれる特殊の性格を持っておりますので、下請施工がなされるのはやむを得ない場合があり、これを直ちに禁止することはできませんが、いわゆるピンはねを目的とした一括下請は許さるべきではありません。一括下請につきましては、現行法ですでに禁止されており、その違反につきましては、今後とも取り締まりを強化してまいります。
 なお、今回の改正案については、下請業者の経済的地位の強化や労働者の保護のための規定を整備しておりますので、下請関係や建設労働関係につきましては、従来に比し、大きな改善を見るものと考えております。
 次に、最後に、阿部君は、現在談合が公然と行なわれ、しかも、保守党の政治家の介在が横行していると言われましたが、いたずらに、確証なしに、憶測だけでそのような発言をされることは、絶対に慎んでいただきたいと思います。また、本改正案を撤回しろと言われましたが、私は、本改正案を撤回する考えはございません。ただいまのような発言こそ撤回されてしかるべきものだ、かように考えておることを明確にお答えいたします。(拍手、発言する者多し)
    〔国務大臣坪川信三君登壇〕
#39
○国務大臣(坪川信三君) 御質問の第一点にお答えいたしたいと思いますが、御承知のとおりに、実務者が一人おりましたならば、登録制度によって一切これを許されるというようなことから、年間三千件以上の中小零細な業者の方々が共倒れをしていくという、まことに不幸な現象を考えるときに、この零細なる中小企業者を育成保護するということがこの法案の最大の目標であるということを、よく御理解おき願いたいと思うのでございます。(拍手)また、建設業審議会におきましても、中小企業の零細な代表の方々もお加わりいただきまして、二年間にわたり慎重に審議していただき、これらの各位も全面的に御賛成をいただいたということも、御理解いただきたいと思うのであります。こうしたことを申し上げまして、いま総理が御答弁に相なりましたごとく、大手筋を育成するのではなくして、秩序ある、正常なる、零細なる中小企業を育成保護するととが本法の最大の目標であることを、重ねて申し上げておきたいと思います。
 また、御質問の第二点につきましては、政令で定める軽微な建設工事のみを請け負う者について許可制の適用を除外することといたしましたの一は、現行の登録制度の考え方を踏襲したもので、建設業は公共性があり、また、公共の福祉に影響することが大きい建設工事を請け負うものであります。その営業を行政庁の許可にかからしめることとしたのでありますが、公共性の少ない、または公共の福祉に影響することの少ない小額建設工事まで対象にして、小規模零細業者に過重な負担をかけることは妥当でないという趣旨によりまして、こうした措置をしたことを御了承願いたいと思います。したがって、この適用除外となる工事の金額を定めるにあたりましては、このような趣旨に沿うよう、中央建設業審議会の意見も十分聞きまして、慎重に定めたいと思う次第でありますとともに、一人親方に対しましても十分許可の与えられることを御了承おき願いたいと思います。以上。(拍手)
#40
○副議長(小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#41
○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時四十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        通商産業大臣  大平 正芳君
        郵 政 大 臣 河本 敏夫君
        建 設 大 臣 坪川 信三君
        国 務 大 臣 木内 四郎君
        国 務 大 臣 床次 徳次君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      田中 康民君
ソース: 国立国会図書館
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