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1949/05/09 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第14号
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1949/05/09 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第14号

#1
第005回国会 農林委員会 第14号
昭和二十四年五月九日(月曜日)
   午後一時五十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○食糧管理法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今より委員会を開会いたします。速記を止めて下さい。
   午後一時五十七分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十三分速記開始
#3
○委員長(楠見義男君) それでは速記を始めて下さい。
#4
○岡村文四郎君 衣料の問題がやかましく要求されておつたのでありますが、どうも議会中に決まらなくて、そうして我々が閉会になりますと、その間に商工省の方で我々の意思に反するようなことに仕事をされておるのであります。そこで先程お話がありました、方法が付かなくて知事に一任して、知事では五五ということでやつたらどうかということであつたのでありますが、それによつての地方の混乱というものは実に非常なものであります。自由を原則としておる世の中に、農業者の方で、こういうところから是非配給を受けたい、こういう機構の下にあるにも拘わらず、それは行くとか行かんとかということ自体が全然間違つておるのでありますが、農家というものの立場を十分に御理解にならんということと、商人を余りにも擁護し過ぎる、こういうことであります。私自身が聞いたのでありますが、先刻我々の方の関係者が商工省へ行つていろいろ話をしましたところ、それは商人が困るということでありますが、商人が困るということより何より、ここから配給を受けたいという予約をするのに、何もそれを拒む人はないので、商人が困るということについては利益が相伴うが、その利益たるや実に微々たるものであります。農村に配給する衣料から割り出して見ますと、日本にありまする小賣配給店から言いますと、一店一万円くらいしかありません。そんなとこで経済が成るとか成らんとかいうものではないのでありますが、單なる面目によつてそういうことになると思うのでありますが、私去年の國会で局長がおいでになりまして、その局長に向つて相当きついことも申上げましたが、これは非常に商工省の、殊に纎維局はいかんということは、実に見逃すべからざるものがあると思うのであります。断じて我々は見逃がせません。併しながらそういつておるうちに尚問題が起きて、そうして局長がひつぱり込まれるというわけであります。それでいずれにしても、纎維局の入口には自動車が五台も、六台も、十台も乘り付けて、商人が騒ぎ廻つて突つつくものですから、結局それに釣られていろいろなことをする。それで農民が迷惑を蒙むる。農村に衣料品を配給することにならない。小賣店に廻つたものも距離の遠い消費者には絶対に手に入らない。それはそこの附近の消費地でよい加減に通知してやつて行くものですから……。私の家は山奥ですが、村では一度も入つて來ん。全部札幌へ行つて札幌市で買つて貰う。そういうわけで協同組合へ廻して貰うならば絶対そういうことはない。必ずその配分を公平に行き亘るように予告をし、通知をし、回覧板を出してでも何でも完全に配給できる、どうしてもこの少い衣料を公平に配給するのには、自分らの作つておる團体で、自分らが配給をして貰うというのでなければ駄目だというので、恐らく登録を取れば全部が協同組合にして貰いたいという投票が出ると思うのであります。これが商工省の方へこだわつて、そうしてとやかくいつておるから何年経つても解決が付かん、そんな世の中ではないのであります。これは今日は実は大臣においでになつて貰おうと思つて頼んでおりましたが、農林省の方からも強く、このことが実現しませんと、大事な食糧の生産に支障があるということは、こういうふうにもしてやる、こういうふうにもしてやるという金の問題でなくて、生産意欲を昂揚するように仕向けることが政府の義務でありますが、商工省と言いましても政府の一環であつて、農林省がそこまで持つて行つて、どうしてもそれは持つて行つて進めるべきでありますが、遺憾ながら商工省と農林省と比べると非常に農林省が弱い。こういうわけで今日まで來ておりまして、農林省の方でも是非そうして貰いたいというのだが、その点は十分行われておらない。大体先刻そういうふうになりそうだというので喜んでおつたようでありますが、そうすると今度業者の方からわいわいと横槍を入れて、又商工省がぐらぐらになりそうだという話を聞いておるのでありますが、今度は若しそれが実現をしませんと、この大事な食糧確保臨時措置法が決まつても潰す、通さんという決心を持つております。これは政府の責任なんで、私は國会の方ではそういうふうにするなら通さんという考を持つております。農林省の方から商工省の方に十分申入れをして、農業者の満足の行くようにして貰わんといかんと思います。それでよく申上げて置きますが、どうもいつでも商工省は農村に対して非常に冷淡な立場にあつたということぎ通例である。こんなことも許して置けません。そのつもりで万事仕事をやつて貰わんといかんと思います。そういう意思があるかないか。どうも責任者でないからはつきりしないということを言われておりますが、今日は責任者に來て貰つて、ここでなるとかならんとか、行くとか行かんとかというお返事を貰おうと思つておつたのでありますが、そうではないようでありますから、これは又大臣がおいでになりましたら……。このことが実現にならないと、我々の方ではそれくらいのことができないようではこれは通さん、こういうふうに考えるのでありますから、十分この点はここでは言えんでありましようが、あとで十分交渉して、完全にそういうことが行われるようにお願いして置きます。
#5
○委員長(楠見義男君) 岡村さんに申上げますが、今お見えになつておるのは纎維局の次長で、纎維局の最高幹部ですから、どうぞそのおつもりで……
#6
○岡村文四郎君 私はよく相談をせんと分らんという返事をきつとするだろうと思つたから申上げなかつたが、局長がいなくて次長で返事ができると思いますが、ここでできます、やりますということを速記に載せて頂きます。それで我々は承知して、それでやるということをお答え願います。
#7
○説明員(佐久洋君) 先程ちよつと委員長とお話申上げたときに話しましたが、今直ぐここでやれるということを申上げるのは、時期がまだそこまでに達しておりません。もう暫らく御猶予を願いたいと思います。
#8
○委員長(楠見義男君) その意味は原則について……
#9
○説明員(佐久洋君) 原則は変えません。
#10
○委員長(楠見義男君) その点をちよつとお述べ願つたら如何ですか。
#11
○説明員(佐久洋君) 原則的には差別待遇をする意思はないということを申上げて置きます。
#12
○岡村文四郎君 何にも面倒じやないと思うのであります。原則と言つても、原則も何もない、作らなければできないのであつて、一應はやるという原則を作ればこれはオーライなのであつて、法律を作つて取締るというものではないと思いますし、又物調法にも関係ない。何もそういうことでなしにやれるということは返事ができると思いますが、そこに我々が、そういうふうになつているわだかましいものがあると思いますが、どうですか。
#13
○説明員(佐久洋君) どうもいろいろ御想像なされば、御想像できると思いますが、度々申しまするように、これはなかなか困難な問題が附随しますので、商工省の内部でも大臣と、政務次官と相談しているところでありますから、私だけがここで明言することはできません。
#14
○委員長(楠見義男君) 委員長から伺いますが、明言ができないと言うのは、どの点が明言できないのですか。原則ははつきりおつしやつたのだから、明言できないと言うのはどの点が明言できないかということをお述べ願いたいと思います。
#15
○説明員(佐久洋君) それはつまりこのフランクに自由競爭を直ぐ実施するというようなはつきりしたお答えができないというような意味でありまして、それについてはこのやり方の問題、関係方面とも相談もありますし、それから一般の商業者の登録制度をどういうふうに変えて行くかという問題もありますので、今ここでそういう具体的の問題を直ぐにお答えするということはできない。こういう意味であります。
#16
○委員長(楠見義男君) そのことにちよつと関連して安本に伺いますが、物調法に基く配給というのは消費者を主にして、そうして消費者の自由選択の意思に任せるということに重点があるように思うのですが、フリーに取引をさせることについて考えるということについての安本の御意見を伺つて置きたいと思います。
#17
○政府委員(前谷重夫君) 物調法につきましては、それぞれの統制の方式がいろいろあるのでございます。或る物によりましては消費者の自由選択制度を取つておりますものもありまするし、又或る物資につきましては工場におきまする能率、その他のいろいろの要素からして割当をいたしている。こういういろいろの方式があると思います。大体現在の考え方といたしましては、消費者選択制によりまする自由競爭を以て原則といたすという考え方で進んでおりまするが、物によりますると必ずしもそう参らん場合があろうかと思います。例えば或る自由選択をいたしますると大企業に集中いたしまして、中小企業が相当に痛められるというふうなものもございまするので、これは業態におきまするそれぞれの事情を考えまして、その原則は消費者選択ということが最も望ましいのでありますが、これを急速に実施するか漸進的に実施するかというような点につきましては、それぞれの業態によつて考えて行かなければならないことだと思います。
#18
○委員長(楠見義男君) いや、その点は分つておるのですが、繊維について登録制度を取つておる。この繊維の配給については私先程も申上げたように、自由競爭ということが建前になつておるんじやないか、こういうふうに理解しておつたのですが、商工省の繊維局次長は、それについてはまだ決まつておらんようなお話なんだけれども、安本としてはそれについてどういうふうにお考えになつておるか、その点をお伺いいたしたいと思います。
#19
○政府委員(前谷重夫君) 繊維につきましては、先ず今のお話のように、原則的に消費者の選択ということが主眼かと思うのでありますが、尚この点につきましては実施の具体的な問題でございますので、まだ現在の新らしい現行の制度をどう直すかということにつきまして、関係者ともまだ協議はしておりません。
#20
○藤野繁雄君 さつきも申上げましたように、農民に対する十六原則は極東委員会からマッカーサー元帥に出されたものであつて、日本政府にはまだ通知がないというようなことでありますが、私などが今後の民主的に仕事をして行くのにつきましては、十六原則の趣旨に從いまして、平等の位置に立たせて衣料の登録というようなものはやらすべきものである、又安本も商工省も農林省もそうせられるのが民主的の方法であると信ずるから研究する必要があるということでありますが、今直ちにそういうふうなことは決定されても差支ないんじやなかろうかと思うのであります。衣料品については毎國会ごとにいろいろの話をしておりますのですけれども、未だ曾て私などの意思が通らないのであります。それはいろいろの点からして、一方の方からは反対があるから何とかしなくちやできないというようなことでありますけれども、実際にその品物を購入するところの者が希望するのであつたならば、その希望に任せてやるのが本当の善良なる政治であると考えるのでありますから、速かにそういうふうなことにせられるように、すでに今断言しても憚らないと思うのでありますが、それについても協議しなくちやできないとおつしやるのであるかどうかお伺いしたいのであります。
#21
○説明員(佐久洋君) 問題は大分前から省内閣関係者の間で協議を進めておりますので、私だけの一存でここでいつから実施するということも申兼ねるのであります。尚口頭ではありますが、二十三年度の麦、馬鈴薯の供出報奬物資について総合点数切符制を実施しろということを関係方面から言われておりまして、そういう問題も絡んでおりますので、省内で尚協議を進めまして速かに決めたい、こういうふうに考えております。
#22
○岡村文四郎君 どうも聞けば聞く程氣に食わんのでありますが、実は安本の次長にお伺いします。私は先程どうも安本は甚だ氣に食わんということを申上げて置きましたが、この問題は今始まつたことではありません。そこで安本の方はすつかり御計画になつて御研究を済まして、こうあるべきだということはそうむずかしいことじやないと思います。そこであなたは農林省からおいでになつていらつしやつてこのことをよく知つておる。非常によくうまく行つておるというお話でありますが、さつぱりうまく行つておらん。それは安本が農業に対して非常に冷淡だから駄目だということを先程申上げたが、そのことなのであります。こういうふうにして安本自体がそうすべき立場であるにも拘わらず、そうして又あれだこれだと言つておるものだから商工省もその氣になり、我々から見ると安本も商工省も一つになつて我々に反対しておる、こう思うより外にないが、安本の方で、やります、やつて貰います。こう言つたらやれないのですか、それは何も面倒なことじやない。これは物調法があつてもこのことには物調法の影響は少くてできると思います。向うに相手方があつて、向うに相談をするかも知れないが、向うに相談をしてもいかんことはいかん。ここで数字は申上げませんが、若し協同組合をやることになつて、これらに対する影響は、数字は出ておりますが、それはあなた方も知つておると思いますから申しません。それは安本がさつぱり余計なことばかり突つ張つて威張つてばかりおつて、そうしてすべきことをしない。そうして我々に苦労させてはいかん。どうするかはつきり話しなさい。
#23
○説明員(佐久洋君) 大変お叱りを受けておりますが、この問題は登録の配給実施の問題でございますが、これは安本といたしましても、全体の方針といたしましては、物調法に基きまして、いろいろ訓令を出しております。実施の方法は、それは責任の省がございます。それは農林省と商工省と、御承知のように長年の問題なんであります。でございますからして、これをできるだけ平和な方法において解決したいと思いますが、これはやはり國民全体にも関係する問題でございますから、今直ちに私の一存で以てやる、やれるということでなく、よく関係省とも相談して決めるべきものだと思います。
#24
○岡村文四郎君 農林省と商工省はよく相談をしてするのが当然なんです。ところが決まらんのです。御承知のように、そこで安本が、そういうものにどういう立場にあるかということをお考えになればよく分るでしよう。國民の全体に影響があるというが、國民全体に影響があるとは思いません。農業者に配釈する衣料を、それをお互いが作つた團体から配給して貰いたいというだけなんです。東京都に影響はありませんが、そういうことでなしに、何とかしてこの食糧の足らんときに、金どなしに、何かの方法によつて食糧生産意欲を昂揚するようにしなければいかんという安本の正しい立揚に立てばよく分ると思うが、それの大部分を安本が握つておるのですから、それをうまく捌いて行くのが安本なんです。それがそういうことをしないで置いて、そうして國民全体に影響があると言うのでは我々は聽くことができない。それを我々の希望通りにやれるというのか、やれないというのか、あつちこつちと言うが、それをそうでなしにやつて貰いたい。それはやれますよ。我々が行つて捌いていいという約束ができれば十分捌いて見せる。私はくどいことを申しますが、まだ安本や商工省に頼みたいことはあるのですが、ところが私は百姓ですから……百姓ですからこういうことを言えるのです。要求することは要求するし、註文することは註文する。これは余りにも百姓を虐げようとするものです。これは我々はどこまでも防ぐ、是非一つそれをやつて貰わなければいかんと思う。安本は弱いとか小さいということは申上げません。併しながら安本は相当の権限を握つて支配しておるのだから、このくらいのことはできないことはない。是非食糧が必要だと思うならば当然できなければならんと思うが、これはどうですか。
#25
○政府委員(前谷重夫君) 御趣旨の点はよく從來からの御意見も承わつておるわけです。ただ、今商工省の纖維局次長が言われるように、これは商工省といたしましても商工大臣の御意見によつて商工省自身の見解が決まるのであり、又農林省としては、農林大臣の御意向によつて農林省としての見解が決まつて來るだろうと思います。その両者の御意見の下に、安本長官が更にこれを全体の立場からどう決めるべきかということを決める建前になりますので、目下その段階でございますから、さよう御了承を願いたいと思います。
#26
○委員長(楠見義男君) ちよつと纖維局次長にお伺いいたしますが、登録店を消費者が決める場合に、その登録店は登録店としての資格があるとかないとかということは、何を基準にしてお決めになつておるのですか、その点を伺いたいと思います。
#27
○説明員(佐久洋君) その辺は、御賣業者については一定の審議会というものを作りまして、その審議会で以て過去の経驗とか、店補とか、私は詳しく知りませんが、資本能力とか、九項目ぐらい掲げまして、その要件を充した者が一應審議会にかける業者になるのであります。そうして審議会にかかつた中から審議委員が更に審査をしまして、そうして残つた者が結局商工大臣から指定されて登録御賣業者になる。地方の方は選挙でやるそうです。
#28
○委員長(楠見義男君) この問題ばかりやつておりますと時間がかかりますし、それから大体これ以上は進展せんと思いますから、又明日もこの委員会がありますから、その際に商工大臣なり、或いは御相談になつた結果を農林大臣なりからお伺いすることにしたらどうでしよう。
#29
○藤野繁雄君 私などがこの際強く要求しておるのは、農民に対して事前割当後は再割当をしないという法を作つて、農民に生産意欲を増して貰つて今日に來ておるのでありますが、この方針を改めて追加割当をするという強い政府の意思を発表されるのであるから、それだけまで農民に責任を負わせらけるということであれば、この際政府はこれだけの責任を農民に強いるのであるから、農民の希望通りに自由登録にして行かなくちやできないというところの堅い決心を述べられる絶好の機会であると存ずるから、強く要求いたしております。この点を十分御留意の上、速かに解決して頂くようにお願いいたします。
#30
○岡村文四郎君 速かにとおつしやられるが、これは明日も明後日も速かなんですが、この会期はそうございません。そこでその返事がないようなことなら、先に申上げたように考えておるんです。明日か本後日にでも返事を貰わんとその影響は大きいと思います。そこで安本によく申上げて置きますが、そういうことをするのが安本の役目なのです。それができるかできないか安本ははつきりして貰いたい。こういうことなんです。それははつきりしたこの法律に基く権限ですから、それができないならできないとはつきり肚を据えて頂きたい。
#31
○委員長(楠見義男君) 先に私が申上げたのは、明日御返事を頂くようにしたらどうかということなのです。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#32
○板野勝次君 私も前から農林大臣に報奨措置の問題について、並びに主要食糧、農産物最大限増加に対する諸措置を継続するそれに対して、更に農民に対する報奨措置を含むというスキャピンの問題について先般お尋ねいたしましたところが、農林大臣はまだ詳細を発表する時期に至つていないということでありました。一昨日その参考資料を貰いました中に、いろいろの措置が、供出の報奨措置、その他が掲げられておるようでありますが、いろいろその参考資料を調べて見ましても、眞に農民の納得し得るような、昨年度に比較して著しく改善されておるという面が見当らない。政府当局に、どういう点がこういう諸措置について前年度よりは改善されたのかという点をお尋ねしたいわけであります。例えばリンク物資等の報奨について見ても、数量的には幾分改善の跡がありますけれども、例えば報奨措置であります以上は、その價格の面等についても、現在の農産物價に比して買得る値段でなければならない。又数量は増加されて参りましたけれども値上は高い上に、末端に参りますと、例えば綿織物等につきましても農家が要求する程度のものが來ないために、勢い抽籤その他で誰かが貰う。ところがそれだけでは行けないから更に追付いて幾らか闇値を出して報奨物資を貰つておる。こういうふうな状態さえ見えておるのです。これでは到底農家の生産の意欲を心から発露させるというふうなことは極めて困難だと思います。それから資金の措置につきましても、農業手形等のことがありますけれども、これは大体供出数量というものを限界点においておるし、或いは短期であり且つ一万円を限度として來ておるというふうな実情から、地方におきましては農業手形の利用もない。この農業手形が起つて参ります理由につきましては、私共が申上げなくても農林大臣自身がよく御存じのところであります。そうすればその以外に取られる方法というのは、貯金等の拂戻し等についての諸措置があるだけであつて、それ以外のものについては、食管法に決められておる必要な資金の融通の計画というものが、全くこの現われておる資金措置の中には何らもう無策である。これでは農民解放の指令の中にある長期、短期の資金の確保等の問題も全く無視されておる。更に食糧の増産運動にいたしましても、これも翼賛会式な運動であつて、徒らに農民に努力を強要するというだけで、これだけのものが與えられるから、これだけは増産でき得るのだ、励めばやる得るというようなところが少しもないわけであります。從つて前年度の諸措置に比較して、どういうふうに改善の跡があるのか。それからスキャピンの内容をどの程度まで活かして実際に処理をやられたのか、そういう点で納得し得るような御答弁が伺いたいと思います。
#33
○國務大臣(森幸太郎君) 供出の裏付けに対する政府の考えておりますことは、参考資料として差上げたのであります。尚それについていろいろ不十分であるという御不満の御意見でありますが、現在の物資の状況、物資の限度等を考えまして、参考資料としてお廻しいたしましたことが最高限度であるということを御承知を願いたいのであります。もつともつと十分にいたしたいのはやまやまでありますけれども、今日の現状としては、あれ以上でき得ないということを御承知願いたいと思います。資金等の面につきましては、成る程手形の利用も困難であり、少いという御意見でありましたが、今日農業手形の利用は相当に活用されておるのであります。併し一面において纒まつた金等の問題につきましては、まだ見返資金をどういうふうにこれが利用できますか、又これを利用いたします方法が中金等の世話を願わなければならんのでありますが、中金等にどれだけの資金が廻し得られるか、まだ今檢討を加えておるわけでありますが、何分公共事業費が十分に予定通り見積りができ得ませんから、資金の面においてでも、どうかしてできるだけの努力を拂つて、資金の充実に力を入れたい、かように考えておるわけであります。尚向うよりの指令書、そういうものに対して、どれだけのことを考えたかということは、先般來繰返し繰返しお答えいたしました通り、一面においては供出の強化ということが至上命令であり、それに伴つて生産のあらゆる角度に手配すべきであるという指令書の内容につきましては、今日考えておりまする農業増産に対する農林省の施設が最高限度であるということを御承知を願いたいと思います。
#34
○委員長(楠見義男君) ちよつとお諮りしますが、繊維局次長はもうお引取り願つていいですね。
#35
○門田定藏君 又明日もお出でになるのですか。
#36
○委員長(楠見義男君) 明日は先程の話合の結果を商工大臣なり或いは農林大臣から御披露願うようにしたいと思います。どうも有難うございます。
#37
○板野勝次君 只今農林大臣の答弁では、重出された参考資料の林の盡られておるものが最高限度である、そしてスキャピンの中で言われておる点では、勿論供出の法的な強制力というものが指摘されておるのでありますが、その強化をするという提前として報奬措置というものは最大限になされねばならない。今のは最大限度であると言われておるけれども、改善されて行きますならば、いろいろな面において改善される余地はあると思いますが、そういう改善の余地が頗る怠慢のように思われる。例えば報奬物資でなくても、肥料の増産の問題につきましても、先程安本の方に尋ねたのでありますが、例えばアルミの生産が昨年度に比して大体九二%、倍近く増産されるということになつて來たために、硫安に廻すべき肥料が、相当電力を削減されて來る。これはほんの一例でありますが、これらは農業用の再生産資材に最大限に必要な措置を講じたとは見えないので、むしろ飢餓輸出をするために相当これが重点だから、肥料等の生産を二次的に考えているということは、今度の法律の強化をするという法的な措置の強化、一方的に農民を苦しめることは強化するが、一方増産に必要なものについては、重点的な生産に廻されるならば、硫安の生産は第二次的になる。これでは最大限の努力を私は具体的になされてはいないように思うのですが、肥料等の事情について農林大臣の努力された内容について、若しありますならば御説明を願いたいと思う。
 それから報奬のこと等につきましては、現在の飯米の保有等につきましても、鉱山労働者に比してその保有量が極めて少い。それから轉落農家につきましては、完全保有農家に比較して少い、こういうふうな差別待遇が行われておることが、決して報奬の措置を講じられたとは思えないと思う。農民は鉱山の労働者と、自分達重要なる食糧の増産に從事しておるものとにどれだけの差別があるだろうか。こういうことに対して政府に対する不信の念を抱いておることは明らかだ。こういう増産の熱意をそそる、而も飯米の保有問題は極めて日本の農民が要望しておる。こういう点の改善の跡が少しもなくて、昨年度を踏襲されておるばかりではなく、更に還元米等につきましても、一定の枠を縮めて作つて、埼玉縣における二合半領の問題を初め、千葉縣におきましても、和歌山縣におきましても、又その隣りの三重縣等におきましても、そういう問題を起して來ておる。こういう方面の改善をなされるには、別に法的に強化されておる一方的な法律の強化であるならば、徒らにファッショ時代に東條がやつておつた時代をそのままに再現して來る、こういう結果になると思う。そういう点に対する報奬措置の今一段の改善は果してできないものかどうか、こういう点について重ねて伺いたい。
#38
○國務大臣(森幸太郎君) こういう事象に対して批判はどちらからでもできます。肥料の増産に一向努力せんでないか。アルミなんか増産しておるに拘わらず、肥料の生産に力を入れてないということは、農業再生産に対する考え方が水臭いではないか、不親切ではないかということは御議論が向いておるようでありますが、肥料は決して軽んじているのではありません。重要物資といたしまして、特に肥料生産には政府といたしまして力を盡しておるのであります。幸いに電力等の資材も都合がうまく行きまして、本年は相当予想いたしておりますように肥料の増産もできまして、この度桑園等の追加肥料の配給もでき得るという程度までも余裕が生じて來ておるのであります。決して食糧の供出をやかましく言いながら肥料等に対してずぼらのようなことを考えているということは、毛頭考えておりませんことを御承知を願いたいと思います。又鉱山等には十分な食糧の増配をしながら、轉落農家に対しましては甚だ不親切であるというお叱りでありますが、我々は決して農村の、いわゆる轉落農家に対して不親切であるということは考えておりません。日本の産業で基礎をなすものは石炭、食糧であります。いずれが重し、いずれが軽しとは論じられません。石炭が増産されない場合においては、すべての産業基礎を危くすることでありますから、石炭は、政府の予定いたしております出炭を希つておるわけであります。それがために特に食糧も増配いたしておるのであります。然らば轉落農家に対しても食糧増産に対して相当の食糧を還元すべきではないかという御議論があるのでありまするが、炭鉱に活動せられる人と、農村のいわゆる轉落農家として考えられるものと、眞の窮極に達した場合を考えたときに、炭鉱業者は鍬一つ、鎌一丁持つておりません。食糧というものは全然他より給與されなければ得られない立場におられるのであります。農村におりますものは、この轉落農家として裸供出をさせらて誠に氣の毒な立場におられるのでありますが、この農村におきましては、麦の次に「さつまいも」ができ、その次に「じやがいも」もできて、その次に又米も取れるという、この食糧というものが自己の手によつて生産される一つの働きを持つていることを考えて頂かなければならんと思います。決して現在の供出制度が完全なものとは考えておりません。こういう轉落農家のできないように、そういう人が心配なしに一年の食糧再生産ができるように考えて行きたいという氣持を持つて今回策を練つているわけでありますが、今炭鉱業者には報奬食糧の増配をして、そうして農業生産の重大なものに対してはこれを敢て顧みないというような極端な御批判があつたわけでありますが、政府といたしましては、このいずれが重大性であるかということを比較することのできない程、石炭も食糧も重大性であります。それでありますから、その環境に鑑みまして、この轉落農家に対して、普通の配給とは幾らか少いような配給をいたしておりまするけれども、併しこれは年齢等の関係もありますし、できるだけ食糧再生産に差支えのないように考えて行きたいと、かように考えておるわけであります。
#39
○板野勝次君 私が尋ねましたのは、單に轉落農家だけの問題だけでなくして、一般の農家に対して大体平均四合、轉落農家に対しては三・一幾らですか、こういうふうな差別をされておる点と、それから平均四合になされておるが、炭鉱の労務者には六合、そういうふうな非常に開きがある。こういう点についての改善の跡がないという点を質問したわけであります。それから肥料については相当増産ができたということでありますけれども、それは計画でありまして、昨年に比較すると、私の聞いておるところによりますれば、電力は僅かに一%しか増配されていない。この一%というのは恐らく数字の上の計画であつて、果してそれが実現するかどうかということは分らないと思う。殊に私はアルミの増産がいけないというのでなくて、工場等やいろいろの関係から、硫安の生産に廻されるべき電力が削られてアルミの増産に廻された、硫安の生産を政府自身が重要視されていない、こういう点が現われておるので、その点に対する農林大臣の答弁をお願いしたわけであります。農林大臣の聽き方が惡かつたのか、私の言い方が惡かつたのか、少し答弁の内容が外れておつたように思います。それでは努力されて、幾らか増産されて、それを桑園等にも廻せるようになつた、そうすると昨年度に比較してどの程度の増産が実際に確保されているのか、そうしてその言われる数量は確実に二十四年度内の年間計画について適宜な配給がなされるかどうか、こういう点が明かにされないと、本当に農林行政が的確に食糧増産に熱意を持つておるという意思表示にはならない。
#40
○委員長(楠見義男君) お話の途中ではしよつて恐縮ですが、商工省の鉱山局長が大分前からお待ちになつておりますので、局長に対する御質問を願います。
#41
○藤野繁雄君 農業協同組合、漁業協同組合は農業及び漁業に必要な石油の配給をみずからしておつたのでありますが、聞くところによりますと、今回油の配給規則が変つて、從來からのこれらの團体には取扱わせないというようになつておるようであります。果してそうであるかどうか、又農業協同組合或いは漁業協同組合に取扱わせないとしたならば、如何なる理由によつて取扱わせないのであるか、この点お尋ねいたします。
#42
○政府委員(長谷川輝彦君) お答えいたします。從來農業会及び水産業会には石油の配給を扱わせてはいけないという先方のメモランダムがありまして、その結果目下の個人の名義で扱わせておる次第であります。この度協同組合ができましたにつきまして、その点が問題になつておるのでありますが、先方の先の覚書によりますと、これらの組合が実際に設立せられて事業が開始せられるまでは決定しないというので、目下その点については先方から決定して來ません。現在の配給規則によりますと、これは近く一部改正いたしたいと思いますが、実際タンクを持ち、或いは輸送設備を持つておるのでありまして、そうして元請業者からはつきりこれだけの油を供給すると契約ができておるものは平等に扱うというつもりであります。ただ問題は前來の組合の問題が司令部の覚書に引つ掛かつておるために、この点がまだ未解決であるためにはつきりしておらない、こういう状態であるのであります。
#43
○藤野繁雄君 若し今言まつていないといたしましたならば、それはいつ頃までのうちに決められる見込であるか、そういうふうな場合においては、從來同樣必らず今回できたところの農業協同組合或いは水産業協同組合に取扱うことができるように仕向けられる意思があるかどうか、この点お伺いしたいと思うのであります。
#44
○政府委員(長谷川輝彦君) 只今申上げました規則の改正は今週中に大体やるつもりであります。從いましてそれにつきまして先方からのアプローヴァルが來週参りますれば、その際先方から決定して來るものと思います。
#45
○板野勝次君 私の方は大臣の返答なしというわけですか。
#46
○委員長(楠見義男君) いいえ。
#47
○岡村文四郎君 石油の配給については今局長からお話があつて、大体今の日数は分つたのでありますが、戰爭前の、又戰爭中のような行き方に若しならんとすると非常な農村には不便と不都合が起きておりますから、輸送その他の設備を持たなければその線に沿わないということでありまして、実は若しなければその設備をしてでも配給さすようなことにお考えを願いませんと、非常な事態になつておりまして、水産業の石油も実に大事なものでありまするから、これが日本全國が全部農村が電化されますと、これも大分変つて参りまするが、よしんば電化されましても、配電その他の関係がありまして、石油がなくてはならんのでありまするから、局長の方ではそこまでお考えになつて、大した金はかからんのでありますから、非常に不便を感じておる所は、そのように設備をするようにお考えになつて善処をして貰いたいと思つております。そこで一例を申上げますと、私の村などは汽車に乘つて九里行かなければその卸がありません。卸から持つて來た小賣業者はまるで横着でどうにもならんわけですから、外にないのですから幾ら横領でも仕方なしに應じておるわけでありますが、これは実に遺憾なことでありまして、一則も早く直さなければならんことと思いますので、どうも農村の力が弱いので、言うがままになつておるのではありませんが、現状のままでは非常に増産に支障があり不都合な点がありますから、そういう点にお考えを願つて、その線に沿うようにして貰いたいと思つておりますから、よろしいお願いします。
#48
○藤野繁雄君 只今お話を承わつておりますけれど、向うからいろいろの指令が來ておる、それに対して大体の案があるということでありますから、どういうふうな指令が來て、どういうふうな案で交渉しようとしておられるか、或いは交渉しつつあられるのであるか、そういうふうな材料を明日御提出をお願いしたいと思うのであります。
#49
○政府委員(長谷川輝彦君) 資料と申しますのは、先方のメモランダムですか……承知しました。
#50
○藤野繁雄君 向うのそれと、鉱山局でいろいろこういうふうにしたいという案があつたらば、その案も明白お示しをお願いしたいと思います。
#51
○政府委員(長谷川輝彦君) その案は現在の規則の改正案のことですか、規則の改正案ではその問題は解決いたさない。やはり先方からそれに対して協同組合をどうするかというはつきりした回答がないとその問題は解決しないのであります。で、我々の案といたしましては、協同組合が若し差支ないということになれば、それも登録できるという案です。
#52
○岡村文四郎君 これは非常に大事なことなのでございますが、どうも農村というものの認識が非常に足らぬので、是非こうして貰わねばならん、こうあるべきだという監督局の方で御意思があるのとないのとは非常に差があると思います。そこで、こうあるべきだという意思をはつきりお示しになれば向うも考えて來ると思いますが、どうでもというお話になると又考えるので、若しそうすると不幸にして我々の希望通りに行かんと迷惑するし、又不幸でありますが、そういうふうに、こうあるべきだということを向うの方に交渉されるつもりならば、現在の法律を作られて、その法律にはそうあるべくやつておられるのか、そうでないのかお伺いしたい。
#53
○政府委員(長谷川輝彦君) ですから先程も申上げましたように、現在我々の法規自体といたしましては、協同組合だから特に優遇もしないし、又特に冷遇もしない、こういうことなんです。つまり農村に配給するのは必ずしも協同組合でなくてもよろしい、個々の業者からでも農村に対して別に差支なければそれでも構わないということであります。
#54
○岡村文四郎君 そこで認識が足らんところで、又お伺いしますが、農村の配給品は石油その他も一緒でありますが、殊に石油のごときは輸送関係など非常に面倒な品物でありますから、是非現実に取扱う農業團体でなければ駄目だ、こういう観念でやつて貰いませんと、今おつしやるような考でやつて参りますと、これは恐らく駄目になるのではないかと思う。そこが大事なところで、農林の実状を実態をよく知つておらんとそんな結果になるので、十分に関係当局と御懇談になれば別でありますが、そうでなしに今の局長の御返答の立場で交渉されると大体駄目です。そうでなしに、どうしてもこうなければいかん、協同組合というものが農村に沢山あれば結構ですが、ない所は非常に迷惑をかけますから、そこでよく考えて、どう考えてどうしたらいいか、例えば石油の配給にしましてもいろいろな関係があつて、向うの計画も契約もあるようですが、是非農業團体の方からもそういう石油は契約のできるようにして置くことが大事でありますが、それができておるかおらんか存じませんが、是非農村で使う石油は農村に不都合なしに、苦労なしに手に入るように仕向けて貰うように監督局の方でして貰いませんと、普通にやつたら駄目だ、こういうような心配があると思いますが、そういう心持でやつておられれば結構ですが、その点どうですか。
#55
○政府委員(長谷川輝彦君) 農村に対しまして不都合のないような氣持でやりたいと思つております。ただそれが必らず協同組合を使わなければならんかどうかということは別の問題だと思います。
#56
○委員長(楠見義男君) 鉱山局長に対する質疑はいいですね。それでは板野さんの……
#57
○國務大臣(森幸太郎君) 議論になりますが……御意見ですから承わつて置きます。
#58
○板野勝次君 私は意見じやなくて質問なんですが、平均四合というのは、鉱山の労務者と非常に差がある。それを大臣は農村にはいろいろな季節の食糧があるからそれを食つていると言うのですが、それはいずれも供出の対象になつているので、自分が作つたからと言つて、思う存分食つた後で供出するのならばとにかくして、そうでないのですから、やはり鉱山と同樣に農村の作業というものは非常に重要であります。そういう点に対する改善をやられる必要があるのではないか。こういうことをただ單に轉落農家についてのみ言つたわけではない、それから轉落農家の問題については、これは昨日も食管の局長の方に行つて実状を調べるということでありましたが、現在一般消費者の方が却つて枠が決まつておつて、轉落農家に遅配、欠配の状態が起きて來る。そうしますと、そういう作付など放棄してしまつて食糧の生産には從事しない、こういうような傾向さえも起きて來ているのだつたら、逆に食糧の増産ということにはならないので、作付放棄を奨励するという方向になるであろうと思うのです。それに対する大臣の見解を伺いたいと思います。
#59
○政府委員(安孫子藤吉君) 数字のことも入つておりますので、私から一應昨日も申上げましたが、大体のことを申上げます。石炭労務者に対しましての加配と、それから農業者の保有との関係はいつも問題になるのであります。而も表面的に数字を申しますと、石炭労務者に対しましては六合、農家保有は四合という形でありまするので、如何にも石炭労務者の方が非常に高い水準を持つておるように見受けられるのであります。併し、実際はそうでございませんので、農家の方は生れたばかりの子供も全部四合で計算をいたしております。石炭労務者の方は働いている者だけが六合でありまして、これを平均家族構成を取りまして平均をいたして見まするならば、やはり農家保有の方が現在の各種の産業を見て、最も高い水準になつております。それが第一点であります。それから第二点は、轉落農家の問題でございますが、昨日もいろいろ申上げましたように、そうした事態が丁度配給統制の強化に伴う切換えにつれて、各所にそうした事態が出ておるのは十分了解いたしております。從つてこの事態を改善いたしまして、二十四年産の食糧生産に支障を來さないように、應急措置を取りたいということで、一部そうした手当もいたしておりますし、今後も時期を失しないようにその点の改善策を講じて参りたい。併せて耕作放棄の問題もございますが、これは茨城、千葉、埼玉についても調査もいたしておりまするので、明日か明後日には、大体私共の考え方を申上げられるんじやないかと、かように思つております。
#60
○板野勝次君 それでは大臣にもう一言だけ尋ねて置きたいのですが、それは今大臣が意見に亘るからというようなことでしたが、それは意見に亘る分は答弁がなくて差支えないと思いますが、今までに示されているのが最高の限度であつて、これ以上は改善の余地もない、改善の努力を拂おうとしても余地がない、こういうふうに解してもいいわけですね。今御答弁になつたのは報奨措置その他についてもこれが最高限度であるということは、もうこれ以上に改善する余地は現状としては残されていない。こういうふうに理解すればいいわけですか。
#61
○國務大臣(森幸太郎君) 只今皆樣に御審議を仰いでおる予算の範囲内におきましては、今日お示しいたしておる点を最高限度と御了承願いたいと思います。今後これで満足しておるのではないということを繰返し繰返し申上げましたから、あらゆる機会において、更に生産増強のために農民に報ゆる途を考えて行くことは言うまでもないのであります。
#62
○門田定藏君 肥料の問題と電氣の問題について大臣に一言お伺いたしいのですが、窒素肥料につきましては、本年は昨年よりは増額されております。大体日本の農業に使用する分はやや十分に來ておるようですが、最も日本の増産に対して欠乏しているものは加里肥料だと思います。私も全國ではないが、山陽道の方面を廻つて見ましても、どこを開きましても加里肥料が足りない、加里肥料の、つまり輸入について、本年のを示されたんですが、とても現在のような輸入では、この増産に対する加里肥料を満たすことはできんということは、大臣もよく御承知だろうと思いますが、この加里肥料の輸入又は今後の見通しについて、農林大臣のお考えを伺いたい。それから電氣の問題についてですが、私が申上げんです農村出身の大臣はよく御承知だろうと思つておりますが、あの收穫期の停電が、六時頃に停電されて、百姓は一日働いてそうして夜戻つて、七時から八時、九時、十時頃までに夜業によつて精米をする、そうして晝の間は一日も早く裏作の蒔付をしなければならんのである。それがあの一番大事な時期に停電が行われておる。我々の聞くところによれば、これは電灯会社が闇で流すというようなことも聞いておる、一方においては増産のために裏作の蒔付を奨励しておいて、あの重大な時期に停電させるということは、農村の作業について、どうお考えになつておるのであろうか、これは全國の農民の不平でありますから……。ただ若しあれを停電するのであれば、九時か十時か、農民が寢ておる間は差支えないですが、あの停電を九時か十時か先に廻して、六時、七時の間の停電は何とかしてこれは今後断じてやらんような方法を講じて頂きたい。これは全國の農民の声であろうと考えております。これについて大臣はどうお考えになつておるでしようか、お伺いいたします。
#63
○國務大臣(森幸太郎君) 門田さんにお答えいたしますが、肥料の情勢はお説の通り非常に加里成分の少い日本の事情でありまして、而も雨量の多い國柄といたしましては、特に加里の何と申しますか、流出が甚だしいのでありまして、加里肥料の量は、三要素といたしましては、分量においては大したものではないのでありまするが、是非とも必要な要素なんでありますのに、日本にその原料がありませんので、戰爭中は全く加里というものは考えても駄目でありまして、もう家庭における藁灰、木灰を使うよりなかつたのでありまするが、その後連合軍も日本のこの土質等をよく理解いたして呉れまして、漸次原料の輸入が許容されて來ておるのであります。本年の配給量はお手許に渡しております通り、十一万三千トンの予定をいたしておるのでありまして、昨年よりは十万五千トンばかり増額いたしておるのであります。明年度は天然資源局等の了解を求めまして、少くとも十八万トン、二十万トン近くの量を配給いたしたい、かように懇請をいたしておるのであります。日本の食糧事情について、先方も非常に氣を痛めておりますので、こういう増産に対しましては格別な考慮を拂つて呉れることと思います。又政府といたしましてもの現状を訴えまして、できるだけこの加里原料の輸入に一層努力をいたして御趣旨に副いたい、かように考えております。
 次の田舎における電力の供給状況でありますが、これは実に同感いたします。お説の通り農村の薄暮と申しますか、六時、七時頃の忙しい時分に、外から帰つて來て家庭の仕事をしなければならん。足を洗つて御飯の仕度をしなければならん時に大概停電するのであります。大概六時から七時に停電するのでありますので、農村に我々もおりまして、ニュースの聽きたい時間にニュースが聞えず、誠に情ないことを非常に痛感いたしておるのであります。お話のように寢ている間に、十一時から翌朝の四時や五時までは、ともつたつて消えたつて文句はないのでありまするから、せめてその時に停電して、農家の必要な時に送電して貰いたいという希望を持つのでありますが、御承知のように、情ないことは日本の電燈会社の配電状況が、今公團になつておりますけれども、この動力線と、いわゆる夜間線と晝間線という二本の線を引く会社がない、一つの線で送電いたしておるのであります。この結果工場に送らなければならんというようなとき、或いは晝間と夜間との電力の切換等、或いは発電裝置の掃除をしなければならんというようなことができた場合において、需要者に迷惑を來すような現状でありますので、これは今日の日本の資材の状況から申しまして、誠に遺憾に存じますが、何とかしてお説のように夜中でも一つ消して、晝はせめて必要な時間だけはとぼして貰いたいという氣持がありますが、農村の工業状況は徹夜の工業が非常に少いのでありまして、三交代というような工場がないのであります。從つて送電の上におきましても、今申しました深夜に停電して必要な時期にやるというような切換えが困難ではないかと思うのであります。私は專門外でありまして分りませんけれども、併しこの増産を阻害するということは非常に夥しいのでありまして、こういう点につきましても、この事情を彼ら責債者が知らんのではないと思いますが、御意見等もありますし、この実情につきましてできるだけ配電会社で善処するように、農林省といたしましては善処いたしたいと、かように考えております。
#64
○國井淳一君 資材課と今の商工省に聽きたいと思いますが、電氣の問題なんですが……
#65
○委員長(楠見義男君) 商工省は電氣関係の局長じやなかつたものですから帰りました。
#66
○國井淳一君 農林省に伺いたいと思いますが、今夕方電氣が來ないで大変困るというような話がありまして、それも非常に困りますが、もつと困つたことが起きておると思います。それは二十四年の目標としまして、新らしい開墾とそれから水の不足を補うための給水のポンプ、これを高い金を出して買つて、それから場所によつては七十尺も井戸を掘つて水を出そうとしていたところに、突然三十日程前に配電会社から電氣を送らない。それから工事もしないという通知が來て、開墾の連中、給水の連中は困つてしまつた。これは全國的の問題となつておると思います。これがどうなつておるかは配電会社の関係は農林省の資材課の方で分つておると思います。その点お答え願いたいと思います。
#67
○委員長(楠見義男君) 今担当のものがありませんようですから……それでは大分時間も経ちましたから、本日はこの程度にして明日は十時から開きたいと思います。本日はこれにて散会します。
   午後四時五十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           星   一君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           板野 勝次君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   生産局次長)  前谷 重夫君
   経済安定本部生
   産局長     菅谷 重平君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
   商工事務官
   (鉱山局長)  長谷川輝彦君
  説明員
   商工事務官
   (繊維局次長) 佐久  洋君
ソース: 国立国会図書館
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