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1949/05/10 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第15号
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1949/05/10 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第15号

#1
第005回国会 農林委員会 第15号
昭和二十四年五月十日(火曜日)
   午後三時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○食糧管理法の一部を改正する法律案
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それでは開会いたします。商工政務次官よりの御説明を承わることにいたします。
#3
○政府委員(有田二郎君) 農業用の衣料品の配給方法について御質問がありましたので、答弁をいたしたいと思います。
 農業用衣料品の配給について、小賣商と農業協同組合との問題は、約十年前からの問題でありまして、從來曲りなりにも調整が取れて來たのでありますが、最近又大きな問題として取上げられて参つたのでありますが、至急実情に即して円満に解決すべく関係方面とも連絡して、鋭意研究中であります。尚、昭和二十四年度麦、馬鈴薯の報奬用衣料品は、ゴム製品及び煙草等と共に、総合点数切符によつて配給される予定でありますので、この新らしい配給方法とも関連して、末端配給の問題を檢討しなければならないと考えておるのであります。小賣業者の登録更新については、時期は未定でありまするけれども、この問題についても関係方面と目下交渉をいたしておるのであります。商人と農業協同組合との差別扱いは、商工省としてはいたさない方針で進んでおるのであります。
#4
○委員長(楠見義男君) ちよつと伺いますが、今の関係方面と折衝というお話なんですが、実は衣料品の問題については安定本部で基本的のことを決めて、後は実施官廳である商工省が自由にお決めになる。こういうふうに我々承知しておるんですが、関係方面に御折衝中というのはどこの方面ですか。それでは速記を止めて……
   〔速記中止〕
#5
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて……
#6
○藤野繁雄君 只今のお話を承わりますというと、全く差別待遇はしていないという御言明を得まして、安心したのであります。又そうなくてはならないのであります。然るに先般の登録の更新の際には、過去におけるところの既得権を楯にして、何割は從來のものだ、その残りのものを登録を改めるのだというようなことは、ここに差別待遇があると思うのであります。その他の登録の場合においては一切すべてのものを平等にして登録させるのに、衣料品の登録に限つて、過去に実績があるからということでやるということは、これが差別待遇でなくて何であろうかと考えるのであります。
 又極東委員会から、司令部に対して、十六原則として、差別待遇はすることができないというようなことになつておるのでありますから、私などは、次に改められる場合においては、そういうふうな過去の條件はすべてなくなしてしまつて、消費者が希望する予約制を取られる方がよくはないかと、こう考えるのであります。そういうふうなことをされる意思があるかどうか、先ずこの点をお伺いしたいのであります。
#7
○説明員(加藤政一君) 今の御質問は二つの問題があると思いますが、一つは、登録の更改に際しては一部の更改をやらないで、全面的な更改をやれということと、もう一つは、この登録された店から消費者が商品を買入れる場合には予約制でやつて貰いたいという意味だろうと思いますが、それでよろしうございますか……第一の問題につきましては、昨年の九月に一部実施いたしまして、一部はそのままということにいたしましたが、その理由につきましては、さつき御説明申上げました通り、全面的な更改は非常に衣料の配給上困難が起るということから、もう一つは、從來相当な販賣実績を持つておるものは、衣料品の登録商として資格があるというふうに考えられるというような点から、一應七割のところに線を引きまして、実績が七割まであるものにつきましてはそのままにいたしまして、残りの三割のものにつきまして一應やりたいということにいたしたのであります。今後登録の更改をやるに際してどうやるかという問題につきましては、現在のところまだはつきりした案を持つておりませんけれども、できるだけ公平に、そうして配給に支障のない限り廣くやりたいというふうには考えております。それから予約制の問題につきましては、これはさつき政務次官からも答弁がありました通りに、いろいろな條件、小賣商と商協等の條件の差異もございまして、そのままやると、結果的に見まして、殆んど報奬用の衣料品は商協、農協側に奪われるというような結果になる虞れもありまするので、我々としましても、どういうふうなところで調整をしたらいいかというような点につきまして、研究いたしております。それからさつきちよつと申上げましたが、関係方面にも連絡いたしましてこの問題は決定いたしたいと思うふうに考えております。と申しますのは、さつきも申上げましたが、農村用の報奬物資につきましては、供出との関連がございまして、司令部で特に関心を持つておられますし、それから同時に現在の商業機構をどうするかというふうな問題とも関連いたしておりますので、関係方面とも連絡して、早急に調整案を作りたいというふうに考えております。
#8
○藤野繁雄君 只今のお言葉を聽いておりますというと、從來の商業者が今までの既得権を奪われるという言葉を使われたのであります。この奪われるという言葉を使われるそれ自体が、公平な取扱いをせないという証明であると私は信ずるのであります。私などは食糧の増産に対してあらゆる犠牲を拂わされておるのであります。その食糧増産に必要な報奬物資を、食糧増産に努めておるところの者が希望するような方法で配給して貰いたいというのに、商工省が奪われるから何とか考えなくちやできないというようなことを考えておられたならば、これは取も直さず商工省の商人偏頗の処置であると考えるのであります。この点について、更に御説明をお願いします。
#9
○委員長(楠見義男君) その問題に関連して、私からも政務次官にお答えを願いたいのですが、実は只今の衣料課長の御説明を伺いますと、昨日も随分この問題については論議を重ねたのであります。それで大臣から御答弁を貰うということで、わざわざ本日に延した意味が全然ないのです。と申しますことは、今も前半においてお述べになつたように、配給については原則として差別しない建前であると、ただ昨日繊維局次長は、農業協同組合の方が商人に比して力が強まるという懸念があるので、その懸念の点について部内でいろいろ相談をしておるのだ、從つて本日は返事はできないが、併し明日大臣からお答えを願う、こういうことであつたのです。それと同じような言葉が、今衣料課長からお話があつたのですが、実はこの委員会としてやりますことは、農業協同組合が特別に有利な立場に立ちたいとか、在いは不利を免かれたいとかいう、農業協同組合だけの立場を考えておるのではなくて、問題は、物資需給調整法に基いて登録制度を取つておる場合に、これは法律の狙うところは消費者の便益ということが一番中心になるのではないか。そこで商人が強くなることを虞れるとか、或いは農業協同組合が強くなることを虞れるとかいう、そのために特別な行政措置を講ずるというのは昔の行政措置であつて、現在は消費者本位に、そうして又登録制度ということでこの取扱業者の競爭は全くフリーの立場に置くと、こういうことであれば從來と同じような考え方で、その考え方を以て行政措置をするということは行政権の濫用ではないか、飽くまで消費者本位に考え、又取扱業者の間の自由競爭に任せるのが建前ではないか、この点については一部にはそういう誤解があり、私共は必ずしもそう思つておりませんが、事務当局はそういう点については、やはり從事同樣の囚われた考えをお持ちになつておるのではないか、そうではなくて、その配給制度本來の立場から、又その目的、精神に副つた方法で講ぜられるべきものと思うので、その点について農林大臣と商工大臣とよく御協議の上でお返事を頂きたいと、こういうことであつたわけであります。從つて、今のような御答弁であると、勿論不満であると同時に、本日わざわざこのために御出席を願つた意味が私はないと思うのであります。その点は特に有田政務次官は商工部内でも、いろいろ強力に物を進められておると聞いておりますが、政治的と言いますか、首脳部の意向に反する者は直ちに首を切るということまで常に公言をせられておるそうでありますので、その強い立場から、又政治的の重要な立場からはつきり御返事を頂きたいと思います。
#10
○政府委員(有田二郎君) 只今のお話の中にいろいろありましたが、今日実は農業協同組合の方々の陳情も午前中承わつておつたのであります。以前から私の所属いたしております民主自由党では、政關会長の名前におきまして、この問題で商工大臣に申入が出ておるのであります。大体そういつた線において最善の努力をいたして行きたい。勿論商工省の事務当局といたしましては、今説明がありました通りに、或いは昨日纎維局次長から話がありましたが、どうしても商工省は商人の方に肩を持つという傾向が絶対にないとは私は言えんと思うのであります。併しながら私共はそういう考えに囚われていないのであります。どこまでも公平に、何とか円滑に解決を付けたいと、大臣ともその点で先般來から話をしておるところでありまして、而もこの問題は先刻申しましたように、十年前から、岸商工次官当時からの問題でありまして、長い間の関係のあります問題でありますが、併しながら今日の食糧事情から考えまして、十分檢討して、そして速かにこの解決をやるべきである。こういう見解を取りまして、今その方向に向つて努力をいたしておるのでありますが、然らばどういうふうな方向に決定するかということを今直ちにここで私から答弁をする段階にまで達していないのであります。併しながら今までの事務当局の考えておつた、取つて來たやり方ではいけないと、こう私は考えておるのであります。そしてその線で一日も早く円満に解決への努力をいたしたい。かような考えを持つております。
#11
○藤野繁雄君 今政務次官の蘊蓄のある話を承わりまして喜びに堪えないのでありますが、そういうような事務当局の御意見を一方において考慮せられなくちやできないだろうと思いますけれども、今日の食糧事情及びすべてのものを平等の位置に置いてやるというようなことからすれば、さつきから繰返して申上げましたような按配に更新をする場合においては、すべてのものを自由の位置に付けて登録をするというようなふうに一つお取計らいを願いたいと思うのであります。又現在では單位組合はそれでありますけれども、農業協同組合連合会というようなものに対しては卸賣の機能を認めておらないのであります。この差別待遇をしておられるのであります。又いろいろの統制方式を定められる場合においてでも、主として從來の商人方面の者を大多数採用されて、消費者代表というような者を採用しておられないのであります。從つて根本的な方針を定められる場合においてでも、委員会その他にかけられたならば、商人の方が多数であるから、そういうふうな者にいいように自然決定されることに現在なつておるような状態であると信ずるのであります。でありますから、政務次官が政治的結論を與えられる場合においては、すべての協同組合は平等の位置に置く。又現在卸賣を認めていないところの農業協同組合連合会も卸賣についても平等の位置に置く。又消費者の代表をいろいろの委員会に入れて、決定の公平を期するように仕向けて頂くようにお願いしたいと思うのであります。これに対して政務次官の御意見を拜聽したいと思うのであります。
#12
○政府委員(有田二郎君) 御意見を拜聽いたしまして、誠にその線に沿うて一つできるだけの努力をいたしたいと考えております。
#13
○岡村文四郎君 委員長からお話がありましたように、昨日の御発言とは全然違つた形になつておりますことは遺憾であると考えております。併しながら有田政務次官のお話は、当然今の世の中の筋として取るべき手段をお考えになつておられるので、我々もその点を考えますと了承するのでありますが、余程御注意を願わなければならんことは、團体の方から民自党の調査会にお願いをして、党でいろいろと御審議を願つて、大体異議ない方向に向いつつあつたと承知いたしております。そこで業者の非常な反対があつたのでありますが、これはその反対も決して無理ではないと考えておりますが、困つたことには、商工省の纎維局というものは実に封建そのものであります。そこでこれは万全の御注意を願わんといかんと思いますが、今のお話にも、我々から言わせますと如何にも聞き取れない不都合な点がありますし、昨日の次長の話にも、どうもすつきりしない、誠に何か腹の底にあるような話をしておられましたが、今日の課長も同じであります。そこで我が國の政治は、立法府でありまする國会がまだ御承知のようなことで、それをそのままやつて行くことができないので、非常に誤まられた官僚によつてやられておることが事実であります。そこで非常に今支障があるのでありますが、我々はこの民主政治を打立てるために大いに努力しなければならんと心配しておるのでありますが、そのときに、農業者というものがどういう立場に一体今置かれているのか、どういうことについて仕事をしているかということを商工省でも安本でもその点をよくお考えを願わなければならんと思います。そこで次官はそういうことを十分に御承知になつておられるようなお話でありますが、昨日の次長のお話も大分進んで、要は農林大臣と商工大臣の二人のお話さえ付けば、大体纒まりが付くようなことまで聞かされたので、それではというので、速かにというお話を申上げましたが、速かではいかんというので、今日という日を切つてお願いしているわけでありますが、それも直ぐでないところを見ますと、これは次官が決して片手落ちにならないように、十分考えて一つしたいと言われておりますから、そうなるとは存じますが、それには余程の注意を願わなければ、なかなか問題は片付かんと思います。私共は毎年繰返してこれを言つておりますが、実は話が脇へそれますが、二十一年の國会の終り頃に、食糧管理法の一部を改正をして、そうして強権発動をする法を設けたのであります。そこでそれは議会が解散になつて、強権発動の規則の決めつ放しに議員がして置くものですから、百姓はこんなことになつたというのでありますが、私共は去年食糧確保臨時措置法を通過させております。今発動しておりますが、それにはあらゆる面に、政府の取るべき処置をどこまでも私共は自分の任期のあるうち、今以て元のようなことを繰返さんようにしようというのが念願であります。それで毎年々々必ず、これは法律が出ても出なくても、このことを繰返して、絶対に農家に対して、我々はこのことについて御迷惑をかけないように処置するのが我々の義務であり、仕事でありますから、そのつもりでやつておりますが、今まだ片付いておりません。大綱も片付かないのが衣料の問題で、農村の人としては実に遺憾に考えております。そこで公平にGHQの連合國の考えておりますように配給ができ、百姓というものが大事な業であるから、綿製品、靴のごときものは十分に公平に配給しろという指示でありますが、これは一体配給はどうなつておるか、小賣業者に登録さして、そうして取つて、それが一体どうなつているか御存じと思うから、その点お話願いたい。納得の行くように……どうしても無理にしろということもできないのでありまするから、できないならばできないようにやつて行かなければならんと考えておりますが、重ねて御注意申上げますが、纖維局に任したのでは駄目だ。これだけは私は強く断言します。去年もこの國会で、丁度この部屋で局長を呼んでいろいろ聽いたのですが、非常に横柄な、不都合な態度で答弁いたしておりますので、私は惡口を言つて、あの局長があの態度であんな答弁をしておつては駄目だと言つたところが、数日にして繩がかかつた。こういうことははつきりしておる。それだから今日の課長の態度も答弁も誠にどうも気に食わん。そして甚だ封建的で、これでは駄目なんだから、あなたの方で纖維局に対しては十分に力を入れて、そうして民主的な役所になるようにおやりになるお考えがあるかどうか、その点をお聽きしたいと思います。
#14
○政府委員(有田二郎君) 官吏に瞞されないように、大臣と相談して最善の努力をいたしたいと思います。これで一つ御了承を願いたいと思います。
#15
○藤野繁雄君 今までは衣料の問題をお話いたしておつたのでありますが、私共が農業をやるのについては地下足袋というようなものが又必要になつて來るのであります。この配給について政府は今どんな方法で配給しようと思つておられるか、又配給機構が決定していないとしたならば、いつそれを決定せられる意向であるか、この点お伺いして質問を続けたいと思います。
#16
○政府委員(有田二郎君) 地下足袋の問題につきましては、私が就任いたしまして以來、製造業者の方からいろいろな抗議があるのでありまするが、先般來委員の方々のお話にありまする通り、消費者に重点を置いて、消費者の声を聽いてやらなければならんという建前から、関係方面とも連絡を取りまして、切符で配給するという点を強硬に押しまして、衆議院の商工委員会におきまして業者の方々がゴム課長を呼んで相当なお叱りを蒙むつたのでありますが、私は消費者に重点を置いてやるべきであつて、そういうメーカーの声に左右せらるべきでないという観点を以ちまして、地下足袋を一般に配給をするということに関係方面の了承を得まして、その方向に進んでおるのであります。この問題もやはり纖維関係の問題と同じことでありますが、今ここにゴム課長が参つておりませんので、細かい御報告は私として申上げられませんが、大体の最初の方針は私としては消費者に重点を置いですべて物事を考えなければならん。消費者の声を聽いてやらなければならんという私の根本的な方針から、ゴム製造業者の意向を押切つて、そういう方向に進んでおりました。更に死この製品の配給についても、只今申しましたように官吏に瞞されないように、できるだけ我々の納得の行く線において解決いたしたいと、かように考えておる次第であります。
#17
○藤野繁雄君 そういたしますというと、私この方面については非常に疎いのでありますが、ゴム履き物の配給規則というものは現在出ておるのであるか、或いは改正しようとお考えであつたならば、どういうように改正しようとお考えであるか、又改正せられるとしたならば、しつから実施しようというお考えであるか、この点お伺いいたしたいと思うのであります。
#18
○政府委員(有田二郎君) 今日は私は細かいことを存じていないのでありますが、とにかく関係方面の了承を得て近く切符によつて出すとかというような方向に決りまして、これを縣に委讓して縣にやらせるか、或いはどういうような方法で行くかという点に最後の結論を私まだゴム課長から受けていないのでありますが、至急に調査いたしまして、当委員会に御報告申上げたいと思います。
#19
○委員長(楠見義男君) それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。明日は午後一時から開会いたします。
   午後四時九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           岡村文四郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   農林事務官
   (大臣官房会計
   課長)     伊藤 正義君
   農林事務官
   (総務局長)  平川  守君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
   商工政務次官  有田 二郎君
   商工事務官
   (鉱山局長)  長谷川輝彦君
  説明員
   商工事務官
   (纖維局衣料課
   長)      加藤 政一君
ソース: 国立国会図書館
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