くにさくロゴ
【PR】姉妹サイト
 
#1
第061回国会 本会議 第51号
昭和四十四年六月二十四日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四十二号
  昭和四十四年六月二十四日
   午後二時開議
 第一 地方自治法の一部を改正する法律案(地
  方行政委員長提出)
 第二 農林省設置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第三 昭和四十四年度における私立学校教職員
  共済組合法の規定による年金の額の改定に関
  する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 地方自治法の一部を改正する法律案
  (地方行政委員長提出)
 日程第二 農林省設置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
 日程第三 昭和四十四年度における私立学校教
  職員共済組合法の規定による年金の額の改定
  に関する法律案(内閣提出)
 大学の運営に関する臨時措置法案(内閣提出)
  及び大学基本法案(曽祢益君外三名提出)の
  趣旨説明及び質疑
    午後二時六分開議
#2
○副議長(小平久雄君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 地方自治法の一部を改正する法律
  案(地方行政委員長提出)
#3
○副議長(小平久雄君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#5
○副議長(小平久雄君) 委員長の趣旨弁明を許します。地方行政委員長鹿野彦吉君。
    〔鹿野彦吉君登壇〕
#6
○鹿野彦吉君 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明いたします。
 本案は、各党の合意に基づき成案を得、国会法第五十条の二の規定により、地方行政委員会の提出にかかる法律案として提出されたものであります。
 以下、その提案の理由並びに内容の概要につきまして御説明申し上げますと、現行の地方自治法のもとにおける全国の市の人口の実態は、五百六十四市のうち人口五万未満のものが二百六十五市であり、しかも、三万未満で市を称しているところが二十六を数えております。
 他方、最近の人口の都市集中などにより、人口三万以上であって都市的形態を備えた数多くの町村の出現を見るに至っております。そして、これらの町村におきましては、人口五万以上の要件を満たすことはできないとしても、市を称して都市的施策の充実につとめていきたいとの期待を強く持っているのであります。
 この法律案は、この際、最近の市町村の人口の実態や、過去における特例措置の経過などを考慮し、特に市街地的要素の強い町村について、市となるべき普通地方公共団体の人口要件などにつき特例を設けようとするものであります。
 次に、本案の内容について御説明申し上げます。
 その第一は、人口が五万未満であっても、三万をこえ、かつ、特に都市的要件の備わっている町村については、市と町村の別に関する制度の改正が行なわれるまでの間、政令で定める期間中に申請がなされた場合は、暫定措置としてこれを市とすることができるものとすることであります。
 その第二は、この人口は、最近に行なわれた統計法の規定による指定統計調査の結果による人口とすることであります。
 なお、本法の施行にあたりましては、本法制定の趣旨にかんがみ、都市的要件について、実情に即し適切な配慮を行なうとともに、当該町村の人口の増加傾向に特に留意するよう要望いたしております。
 以上が本案提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞすみやかに御可決あらんことをお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 農林省設置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
#9
○副議長(小平久雄君) 日程第二、農林省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#10
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長藤田義光君。
    ―――――――――――――
    〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤田義光君登壇〕
#11
○藤田義光君 ただいま議題となりました農林省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、本省の附属機関として熱帯農業研究センター及び農業者大学校を設置すること、地方農政局を地方農林局に改組し、新たに民有林野に関する事務を所掌させることとするとともに、統計調査事務所の組織を吸収統合すること等であります。
 本案は、二月十九日本委員会に付託、二月二十日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、六月十九日、質疑を終了、討論もなく、直ちに採決の結果、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#12
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#13
○副議長(小平久雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 昭和四十四年度における私立学校
  教職員共済組合法の規定による年金の額の
  改定に関する法律案(内閣提出)
#14
○副議長(小平久雄君) 日程第三、昭和四十四年度における私立学校教職員共済組合法の規定による年金の額の改定に関する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#15
○副議長(小平久雄君) 委員長の報告を求めます。文教委員会理事河野洋平君。
    ―――――――――――――
〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔河野洋平君登壇〕
#16
○河野洋平君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。
 本案は、私立学校教職員共済組合が行なう長期給付を改善して、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保とうとするものであります。
 その内容の第一は、既裁定の年金額を改定することであります。これに伴って旧私学恩給財団の年金額の引き上げを行ない、また、既裁定の退職年金及び廃疾年金の最低保障額を六万円から九万六千円に、遺族年金の最低保障額を三万円から四万八千円に、それぞれ改めることとしております。
 第二は、旧長期組合員期間にかかる給付額の改善をはかることであります。
 第三は、掛け金及び給付の算定の基礎となる標準給与の月額について、下限を一万二千円から一万八千円に、上限を十一万円から十五万円に、それぞれ引き上げることであります。
 次に、この法律の施行期日は、既裁定年金額の引き上げ及び旧長期組合員期間にかかる給付額の改善については本年十一月一日とし、既裁定年金の最低保障額の引き上げ及び標準給与の引き上げ等は十月一日としております。
 本案は、去る二月二十日当委員会に付託となり、同二十六日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。六月十八日には、参考人私立学校教職員共済組合総務部長清水辛君から本案について意見を聴取するなど、慎重に審査をいたしましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて、六月十八日、本案に対する質疑を終了、二十日、討論の通告がないため、直ちに採決に入りましたが、本案は全会一致をもって原案のとおり可決いたしました。
 次いで、自由民主党谷川和穗君外三名から、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党、公明党の共同提案にかかる附帯決議案が提出され、採決の結果、異議なく可決されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○副議長(小平久雄君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○副議長(小平久雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 大学の運営に関する臨時措置法案(内閣提出)
  及び大学基本法案(曽祢益君外三名提出)の
  趣旨説明
#19
○副議長(小平久雄君) 内閣提出、大学の運営に関する臨時措置法案、及び曽祢益君外三名提出、大学基本法案について、趣旨の説明を順次求めます。文部大臣坂田道太君。
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#20
○国務大臣(坂田道太君) 大学の運営に関する臨時措置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 社会の発展と文化の向上は、教育の普及と学問研究の進歩にまつところがきわめて大きいことは申すまでもないところであります。
 大学は、最高の学府として、学問の教授及び研究を行なうことを使命とし、その使命を果たすには学問の自由が保障され、そのためにいわゆる大学の自治が認められているところであります。
 しかるに、最近、大学を中心として学生運動が激化し、大学当局者をはじめ関係者の懸命の努力にもかかわらず、単なる大学改革の運動の域を越えて一切の体制を否定しようとする暴力的活動にまで拡大してきております。そのために、大学の使命とする教育と研究の機能が麻痺し、学問の自由を守るための大学の自治が脅かされ、いまや大学の存立そのものまでが危ぶまれるに至っていることは、わが国の将来にとってまことに憂慮にたえないところであります。
 大学紛争のよってきたる背景には、現代社会に根ざす複雑かつ深刻な要因がからんでおります。また、今日の大学紛争は、ひとりわが国のみならず、世界の先進諸国にも共通して見られる現象であります。したがって、これを根本的に解決することは、決して容易なことではございません。
 戦後の大学は、新制度のもとに再発足し、産業経済の発展、科学技術の進歩、国民の進学率の上昇等の事情により、戦後二十数年の間に急激に膨張しました。また、これに伴って多様な資質能力を持つ学生が入学することとなり、加えて、大学教育に対する社会の要請も時代に応じて変動し、単に大学教育の対象が拡大したのみならず、その内容においても質的に変化をしてまいりました。それにもかかわらず、これらの変化に即応した大学の体制がとられないままに今日に至ったところに大学問題の大きな原因があるものと考えております。
 このようになったことについては、それなりの理由もあり、また、改革の企ても一再ならずあったのでありますが、実現を見ないままに推移し、本来、社会の指導的役割りを果たすべき大学が社会の進展に立ちおくれることとなったのは、はなはだ遺憾なことであります。
 大学は、もはや社会から隔離されたかつての象牙の塔として存在することは許されないのであります。学問研究を通じて社会に貢献するとともに、社会の教育に対する要請にこたえる、いわば「開かれた大学」とも申すべきものでなければならないと考えるのであります。
 このように変貌する社会に即応して大学制度を改革することは、今日最も緊急を要する課題であります。政府としては、近い将来、中央教育審議会の大学制度の基本的事項に関する答申を得た上で、広く各界の意見も聞きつつ、大学制度について抜本的な改革をはかる考えであります。
 このような観点に立って、今後大学改革を進めるにしましても、まずもって暴力と破壊の横行する紛争状態を収拾し、大学の使命である教育と研究の正常な実施をはかることが、何よりも先決問題であると考えております。従来、政府は、大学の自治を尊重する立場から、大学の紛争解決への自主的な努力を期待し、適時適切な方法により指導と助言につとめてきたところでありますが、これ以上紛争が長期化することは、大学の使命と社会的責務にかんがみ、もはや許されないところであります。
 そこで、政府としては、現行制度のもとにおいてできる限りの行政措置を講ずることとするとともに、行政措置のみによって十分効果ある処理を期待し得ない事項については、最小限必要な立法措置を講ずることといたしました。すなわち、去る四月に行なわれました中央教育審議会の「当面する大学教育の課題に対応するための方策について」の答申の趣旨に沿い、各方面の意見も聞いて、当面の紛争を収拾するための大学の自主的な努力を助けることを主眼として立案をいたした次第であります。
 次に、この法案の内容を申し上げますと、大学紛争が生じておる大学における教育及び研究の正常な実施をはかるため、大学による自主的な紛争収拾のための努力を助ける措置等、大学の運営に関し、緊急に講ずべき措置について所要の規定を設けております。
 すなわち、第一に、国立大学の学長は、大学紛争の収拾等のため必要があると認められるときは、学長補佐機関、審議機関等必要な機関を設け、また、学長に権限を集中する等、事態に応じて迅速かつ適切な措置を講じ縛るようにいたしました。さらにまた、大学紛争が生じている学部等における教育及び研究に関する機能の全部または一部を、必要に応じて休止することができることといたしております。
 第二に、大学紛争が生じた後九カ月以上を経過してもなおその収拾が困難であると認められるときは、文部大臣は、学長の意見を聞いた上、臨時大学問題審議会の議に基づき、当該学部における教育及び研究に関する機能を停止することができることといたしました。この措置がとられたときは、当該学部等の職員は、特定の業務に従事している者を除き休職になる等の効果が生ずることといたしております。
 第三に、文部大臣の停止措置がとられた後三カ月以上の期間を経過してもなお大学紛争の収拾が著しく困難であり、大学または学部等の設置の目的を達成することができないと認められるに至ったときは、その事態に応じて、国立学校設置法の改正等の必要な措置が講ぜられなければならないことといたしております。
 第四に、公立または私立の大学については、国立大学に対して適用される規定を一部準用することといたしました。
 第五に、停止措置その他文部大臣の講ずる措置の適正を期するため、文部省に臨時大学問題審議会を置いて調査審議することといたしております。また、学長の申請により、学部等の間の紛争についてあっせんを行なうことになっております。
 なお、この法律は、五年以内に廃止するものとしております。
 以上が大学の運営に関する臨時措置法案の趣旨でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#21
○副議長(小平久雄君) 提出者鈴木一君。
    〔鈴木一君登壇〕
#22
○鈴木一君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました大学基本法案の提案理由の説明をいたします。
 まず、本法案の基礎となっておる基本的な考え方について申し上げたいと思います。
 現在、日本及び世界の各所に起きておる大学紛争は、表面の現象としては、個々の学生集団の大学並びに現体制に対する反抗であり、形態といたしましては、通常の集団暴力行為と何ら異なるところはありませんが、その本質は、近世以来、人類が築き上げました近代文明の根底に対する挑戦であり、同時に、新しい文明の生みの悩みであり、したがって、その本質に対する認識を誤っては、事態の処理が不可能であることはもとより、かえって人類の不幸を招くおそれがあります。それゆえにわれわれは、まず次の二つの政策には反対でございます。
 第一は、現在の大学紛争を単なる不祥事件と見て、紛争処理という観点から大学の正常化をはかろうという企てであります。
 この立場の人たちは、新しい大学像を描くことや大学の根本的改革をなすのはけっこうであるが、それには時を要することであるから、この際、とりあえず問題を紛争の処理にしぼり、大学を正常化するのが先決要件であるという考えを持っておるようであります。
 この考え方は、一応常識的には聞こえますが、実は間違っていると思います。大学紛争が通常の不祥事件であれば、一応紛争を処理し、おもむろに根本対策を考えるということで可能でありましょうが、現在の大学紛争のように根の深いものに対する対策としては、紛争処理としての効果を期待できないだけではなく、かえって事態を悪化させ、危機を一そう重大化させる危険があります。
 現に、政府が大学の運営に関する臨時措置法案を発表して以来、大学紛争は一そう激化をしているのであります。現在の大学紛争は、新時代への生みの悩みであるという歴史的意義を没却し、大学紛争を処理することにあせるのは危険なことであり、われわれは絶対に反対であります。(拍手)
 第二に、われわれは、大学自治の美名に隠れ、大学を事実上治外法権の場としようとする思想並びにそのような思想を前提とする政策にも反対であります。(拍手)
 ゲバ棒と称されておる学生集団は、単に大学に反抗しているだけではなく、日本國憲法の規定しておる秩序の破壊を企て、それを堂々と公言しております。理性を基礎として話し合うというのではなく、一方的に力を行使し、現体制を破壊しようとしておるのでありますから、これに対し大学自治を云々して公権の発動を妨げるのは、破壊行為を扇動し、国民に迷惑をかけるだけであります。(拍手)
 大学自治の美名に隠れて、学生の集団暴力を大目に見る人たちは、主観的には進歩的かあるいは革新的か知りませんが、実は古い特権を固守しようとする保守反動の勢力だと思います。(拍手)
 憲法のもと、国民はすべて平等であります。学生を例外とすべきではありません。秩序を破壊しようとする者は、学生であるなしにかかわらず、法によって処置すべきは当然であります。したがって、われわれは、違法行為に対しては現行法を十分に励行するとともに、どうしても現行法で不十分な場合には、最小限度の治安立法はまたやむを得ないと考えておるものでございます。(拍手)ただし、これは現在政府が考えておるように、大学を特に対象としたものではなく、国民一般の違法行為を対象とするものであり、大学や学生を特別扱いすることは厳に避けなければなりません。(拍手)
 以上、二つの立場を拒否し、われわれの基本的な考え方を申し述べたいと思いますが、まず、われわれは、大学を人間形成の場、すなわち、もっぱら教育の機関とすることであります。
 現行の学校教育法は、戦前の大学令に比べると、やや実情に近づいてはおりますが、やはり大学を学芸の中心とすると規定し、大学の主たる目的を学問の研究に置いております。これは明治、大正時代のように、大学がエリート教育の場であり、大学の目的が少数の指導者を養成することにあった時代ならともかく、今日のように、同一年齢層二〇%、理想としては一〇〇%に進行しつつある大学の実情に即しないのは当然であります。深く専門の学芸を研究することに適した者は、ごく少数であるのが当然であります。一方、大多数の者は、適当に教えれば高等教育を受ける能力は十分にありますが、深く専門の学芸を研究するのには不適当であります。
 文化の程度が一般的に低かった時代に、知的エリートが特に尊重されたのはやむを得なかったのでありますが、文化の水準が著しく向上した今日においては、大学の使命は、広く人間の能力並びに人間性の開発にかかるべきは当然であります。もちろん、社会は高度の専門的学芸の研究を要請しております。したがって、われわれは、その要請にこたえるために、それに適した者を収容し、深く専門的学芸の研究をさせるために、大学とは別に、大学院大学を設置すべきであると思います。(拍手)
 換言すれば、大学は広く国民大衆に高等教育を授け、人間性を開発する教育機関とし、大学院大学は、深く専門の学芸を研究するところとし、両者の機能を分ける必要があると思います。(拍手)
 現在起きている大学紛争の大きな原因の一つは、学生生活がおもしろくないからであります。おもしろくないのは、現体制が古い大学の理念にとらわれ、古い大学の理念を学生に押しつけ、学生もまたその理念に感染され、その結果、理念と現実の間に矛盾を生じ、劣等感、欲求不満、疎外感、絶望感となり、その不調和があるいは無力感となったり、狂暴な反抗となったりするのであって、大学紛争解決の近道は、大学を改造することにあります。
 ただいま上程されました大学基本法は、以上述べた新しい大学の目的を達成するために、次の事項を織り込みました。
 第一は、大学教育の内容をなす教育課程であります。
 従来の大学が、深く学芸の研究をしなくてはならないという思想にとらわれていた結果、一般教育という名のもとに必要以上に準備教育に時間を空費して、学生を退屈にし、学習意欲を減殺した事実にかんがみ、入学のときから直ちに専門課程を教えて、学生に専門教育による自信をつけさせるとともに、専門教育をみずから総合し、批判するために、四カ年を通じ一般教育を授けること。従来軽視された体育を重要視し、ただに体位の向上をはかるだけでなく、体育を通じ人間の社会性を開発すること。最後に、従来無視されていた情操教育を達成するため、芸術科目または芸能科目を設置し、新時代における生活態度を教えること等を内容としております。
 第二は、大学の管理運営であります。
 従来、大学は社会に対して閉ざされ、社会に対して閉ざされていることを誇りとする傾向がございましたが、本大学基本法はそれを改め、大学の管理運営の決定権を理事会にゆだね、その構成要素を、学長、教授代表、職員代表のほか、卒業者代表並びに社会代表とし、大学管理運営の責任と権限を大学の教職員以外の人にも与え、大学が社会に対して開かれていることを制度として認めることにいたしました。(拍手)しかし、管理運営における合議制度の欠陥を補うために、学長の実質権限を強化することが意図されております。
 第三に、従来不明確であった学生の地位を明確化し、学生を、教授、職員とともに大学の正式な構成員とし、学長選挙並びに学生協議会を通し、大学管理運営に参加させることにいたしました。
 第四に、現在の国、公、私立の区別を廃止し、一切の大学を大学法人立とし、国家はその公共性を認め、財政的負担をすることにいたしました。もちろん、この規定の趣意は、現在の大学、ことに伝統ある私学の特徴を無視する意味ではなく、かえって現在の国、公、私立の特徴を生かし、財政的理由により大学の質が低下するのを防ぐことを目的としたものであります。
 大学基本法の概要は、以上の説明でほぼ尽くされていると思うのでありますが、ここに明瞭に御理解願いたいことは、本法案はあくまでも大学基本法でありまして、新しい時代における大学の基本的原則を規定したのでございます。したがって、その詳細、たとえば教育課程、管理運営の方法その他は、別の法律、政令、省令等に譲ることにいたし、わが党におきましては、すでにその研究を進め、近く成案を得る予定であります。
 大学紛争は、多くの人たちの楽観的予想を裏切り、ますます激化、拡大の道をたどっております。これは国民全体として、ことに現在の父兄、及び近い将来に子弟を大学に送ろうとする方々にとっては、重大な関心事でもあります。したがって、私は、大学が一日も早く正常化することを願うことにおいて、人後に落ちるものではございません。しかし、冒頭に述べましたとおり、現在の大学紛争は、偶然発生した単なる不祥事件ではございません。したがって、紛争処理に重点を置いて解決をあせることは、紛争処理の効果をあげ得ないだけではなく、かえって紛争を拡大、激化させ、重大な危機を招くおそれがあります。
 現在の大学紛争は、現象として見れば不幸な事件の連続でありますが、近世以来人類がつくり上げた、いわゆる近代文明そのものが重大な欠陥を露呈しておる証拠であり、大学紛争は近代文明の根底に対する挑戦であります。したがって、われわれの問題は、いかにして最小限の犠牲により近代文明を超克し、新しい人類の文明を創造するかであり、右に述べた大学基本法は、新文明創造への一つの提案であります。(拍手)
 ゆえに、私は、本院が政党政派を超越し、高い立場から本案を御審議くださることをお願いいたしまして、私の本法案の趣旨説明を終わりたいと思います。
 最後に、大学紛争の重要性にかんがみ、わが党の大学基本法案の提案理由の説明をこの本会議で認めた各党に対しまして心から敬意を表し、お礼を申し上げたいと思います。(拍手)
#23
○副議長(小平久雄君) この際、このまま暫時お待ちを願います。
     ――――◇―――――
 大学の運営に関する臨時措置法案(内閣提出)
  及び大学基本法案(曽祢益君外三名提出)の
  趣旨説明に対する質疑
#24
○副議長(小平久雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。長谷川正三君。
    〔長谷川正三君登壇〕
#25
○長谷川正三君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま説明のありました大学の運営に関する臨時措置法案について、国民ひとしく憂慮する大学問題の真に正しい解決を願いつつ、政府の見解をたださんとするものであります。(拍手)
 戦後の学生運動を顧みますと、当初はレッドパージ反対、大学管理法反対、六〇年安保反対など、一般的な政治闘争として広がったのであります。それが個々の大学自身の問題で紛争が起こるようになったのは、昭和三十六、七年ごろからであります。それは授業料値上げや学生会館の改善や管理の問題など、個別的な問題をめぐる紛争で、原因が解決すれば紛争もおのずからおさまったのであります。ところが、昭和四十年ごろから、学生は個別的な問題を大学全体のあり方の問題としてとらえ、全面的な改革を求めるようになってきたのであります。大学はいかにあるべきかが直接問われるようになり、昨年から本年にかけて大学紛争は急激に拡大し、憂うべき状態に立ち至ったのであります。
 そこで私は、まず第一に総理並びに文部大臣に伺いたいのは、今日の大学問題の本質あるいは原因をどのようにとらえ、どのような新しい大学像のもとに問題を解決していこうとなさっているのかということであります。また、本法案が、ほんとうに大学紛争の解決策となり得るとまじめにお考えになっているのかどうかということであります。(拍手)
 残念ながら、いままでのところ、政府はそのような根本的解決策を全く国民に示していないのであります。それどころか、大学問題を治安対策としてとらえ、学生の暴力のみを一面的にとらえて、それを理由にして世論を操作して、この際、一挙に学生だけでなく、大学当局をも含めてその掌握下に置こうとしている意図が、あまりにも歴然としているのであります。(拍手)私があらためてここに述べるまでもなく、今日の大学紛争が深刻に問うているのは、大学のあり方あるいは大学と国家、社会との関係、また同時に政治のあり方そのものなのであります。
 佐藤総理、あなたが池田前首相のあとを受けて総理大臣の重責をになわれてから足かけ五年になりますが、故意か偶然か、ふしぎにも、あなたの政治施策が進むにつれて大学紛争が本格化し、昭和三十八年には九件、三十九年には十六件であったのが、四十年に至ると四十九件にはね上がり、昨年は六十五件、現在、すなわち六月十日の調査によりますと、四年制大学総数三百七十九校中実に百九校に及び、なお拡大の傾向にあるのであります。このうち国立大学は七十五校中六十校に及び、実に八〇%に達しているのであります。
 佐藤総理、あなたは総理大臣就任の前提である自民党の総裁選挙において、池田さんの人間を忘れた経済成長政策を批判し、人間を尊重し、平和に徹し、均衡のとれた経済の発展と社会開発を説かれ、国民にも公約されたことは、よもやお忘れではありますまい。しかるに、総理に就任してからあなたのなさったことは何ですか。池田さんさえ財界の要求を押えて遠慮していた独占資本擁護の租税特別措置を行ない、日韓条約を強行し、健保特例法を国民に押しつけたばかりか、二年間の時限とする約束を破ろうとし、政治資金規正法の提案を再三の公約をほごにして怠り、私学の振興や文化財の保護や大学の研究費には冷淡で、産学協同をすすめ、公害のはんらんには目をおおうて、防衛力の増強や軍需産業の育成に狂奔し、核安保体制の長期固定化をはかろうとする一連の政策を推進してきたのであります。(拍手)
 いまや、人間尊重や平和に徹するというあなたのことばを国民だれ一人として信用する者はいなくなったと思うのですが、このような政治が、純粋にして正義感に燃えた青年たちにどんな影響を与えているか。当面の大学紛争にどのような関連があるととらえておいでになるか。それに対してどのような反省をお持ちになっているか、率直にお尋ねしたいのであります。(拍手)
 わが国は、世界に誇り得るすぐれた平和憲法を持っているのであります。この憲法の精神に立って、学問研究の自由が完全に保障され、世界の平和と福祉の増進に貢献し、真の教育の機会均等を実現する国民大衆のための大学、社会進歩のための批判の主体としての大学を創造することこそ、私どもの共通の課題であり、大学問題解決のただ一つの道であります。しかるに今日、大学が激しい紛争のちまたと化し、荒廃のふちに立たされているのは、一体だれが一番その責任を負わなければならないのでしょうか。私は、この国家百年の大事に臨み、いたずらに政府・与党を攻撃して快しとするものではありませんが、何と申しましても、憲法を空洞化し、憲法違反の政治を露骨に進めている自民党政府の責任は大きいのであります。(拍手)
 大学紛争の激化した今日、政府・自民党は、にわかに国民のための大学、開かれた大学といったことを打ち出しておりますが、これまでの歴代保守政府、なかんずく佐藤内閣の政治と文教行政を振り返るならば、それがだれのための大学か、だれに開かれた大学であるかは一目りょう然としているのであります。
 政府がこれまで一貫してきた大学政策は何であったか。社会の要請に名をかりた資本のための大学づくりであり、大学に根強く巣くう徒弟制度にも似た封建性を温存し、巧みに利用しながら大学の自治を形骸化し、資本のための研究教育体制をつくり上げてきたのであります。ここで行なわれる人づくり政策は、マスプロ授業等の教育内容や諸条件の劣悪さと相まって、学生の疎外感を生み出し、真理探求の情熱を失わしめ、今日の紛争をもたらした最大の原因となっているのであります。(拍手)
 学生諸君が大学紛争の中で告発しているのは、このような資本のしもべとなり下がっている大学、単に資本の要請する労働力再生産の場となっている大学のあり方に対してであります。しかるに政府は、その責任を少しも反省することなく、学生のゲバルトを口実に、この際、より一そう資本のための大学、権力に向かって開かれた大学にさらに再編しようとしていることに対し、大学人のみならず、広く国民が危惧しているのであります。
 すなわち、東京大学の入試をめぐる問題と前後して、さまざまな形で国家権力による介入をはかっていることを指摘せざるを得ません。大学の自主的判断を全く無視した文部次官通達、北海道大学、九州大学などに対する人事権への介入、国立大学紛争校の予算給与分の保留、あるいは紛争私大への補助金、助成金の停止、学生に対する懲罰的奨学金の停止等、どれ一つをとってみても大学問題解決の方途ではなく、逆に大学紛争激化の要因を生み出しているばかりではありませんか。(拍手)したがいまして、この法案は、これら一連の政府・自民党の大学に対する支配政策の現段階での法的集約であり、全面的な大学管理法制定のためのきわめて重大なワンステップであると考えざるを得ないのであります。このような国民の強い疑念に対して、大学紛争の根本的原因と本質をとらえ、どのように大学を改革するのか、その改革と本法案はどのように関係し、どう位置づけられているのか、問題注視の本議場において、総理及び文部大臣の真摯にして明確な御答弁をお願いしたいのであります。(拍手)
 次に、私は、本法案の内容について、詳しくは委員会の審議に譲るといたしまして、重要な点について質問いたします。
 第一は、この法案の目的と紛争の定義についてであります。
 政府は、「大学紛争が生じている大学によるその自主的な収拾のための努力をたすけることを主眼としてその運営に関し緊急に講ずべき措置を定め、もつて大学における教育及び研究の正常な実施を図ること」と目的にうたっているのであります。しかし、自主的収拾をいいながら、文部大臣に報告を求める権限を与える第四条、文部大臣の勧告権を規定する第五条、教育及び研究機能の停止を文部大臣が行ない得る第七条、入試と卒業に関して学長に対して文部大臣との協議を義務づけている第十一条、文部省に臨時大半問題審議会の設置を規定する第十三条などの諸規定の内容を検討いたしますと、大学の自主的収拾といいながら、実は権力の外からの介入によって紛争を収拾しようとする意図であると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)特に文部省に設置される臨時大学問題審議会が、あっせんや文部大臣に重要事項の建議を行なうということは、自主的解決に水をさし、圧力を加えるものであるといわなければなりません。しかもこの審議会たるや、文部大臣が一方的に任命するもので、全くの御用機関となるおそれが十分にあるのであります。
 次に、紛争の定義についてでありますが、私は、この定義がきわめて抽象的、包括的であることを指摘せねばなりません。このような広い定義によれば、今日紛争校でない学校のほうが珍しく、ここにも政府の姿勢、すなわち、できるだけ多くの大学に紛争校のレッテルを張り、介入していこうとする姿勢が露骨にあらわれているのであります。目的のうたい文句にかかわらず、本法案は自主解決を助けるどころか、それを阻害し、権力の介入をはかろうとするものであることはまぎれもない事実と思いますが、この矛盾について明快な御説明が願いたいのであります。(拍手)
 私は、本法案が大学紛争を激化させこそすれ、問題の正しい解決には有害無益であり、学問の自由、大学の自治を侵害する憲法違反の法案であると考えるのであります。現在、本法案に反対する声はますます強く、大きなものとなっております。幾多のとうとい犠牲の上にかちとられた学問の自由、大学の自治を真によみがえらせ、発展させることこそ、私どもに課せられた任務であります。
 本法案は、このとうとい遺産をむなしくし、紛争収拾の名によって、大学を荒廃、破壊させる以外の何ものでもありません。もし、このような法案を許すならば、私どもは歴史によって長く断罪されるでありましょう。願わくは、本案をすみやかに撤回されるよう、心から要求するものであります。
 なお、民社党提案の大学基本法案につきましては、その御熱意はともかく、教育基本法との関連、全般的な学制制度の検討の上になさるべきもので、国家百年の大計でありますから、拙速をとうとぶべきではないと考え、法案には未熟の点も感ぜられますので、再検討の御意思がないかどうか伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#26
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 長谷川君にお答えいたします。
 学生運動が政治と無関係でないことは、長谷川君の御指摘をまつまでもありません。わが国の場合、多くが安保、沖繩問題をテーマにしていることも事実であります。しかし、青年はいつの時代にも自我の確立を欲し、周囲の社会体制に反発してきました。それにもかかわらず、国際的視野が開け、人生を見る目が開けてくるにつれて、常に新しい時代のにない手として成長してきたのであります。それが歴史であります。わが国の大多数の青年たちがはっきりと時代認識に目ざめたとき、自由を守り、平和に徹し、民主主義体制を守り抜くという決意を固めるであろうことについて、私はいささかも疑問を持っていないことを申し上げておきます。(拍手)
 また、長谷川君は、政府の態度がいかにも権力的介入であるかのように印象づけようとされましたが、国の将来にかかわる教育と研究が一日も早く再開されなければならないという点については、御異論ないと思います。政府の立法措置は、当面の紛争終結に関する大学の自主的努力を助け、すみやかに紛争を収拾し、正常な教育的諸活動を行なうことのできるようにする、範囲のきわめて限定された法案であり、大学の自治機能を回復するための措置であります。あらためてこの機会に御理解を得たいと思います。
 なお、一部大学や学生の反対も、誤解に基づくものが多いと思われますので、今後一そう趣旨の徹底をはかってまいります。
 次に、紛争がさらに拡大した際、その際の責任について言及されましたが、私は、常にあらゆる問題について最終的な責任を負うものであり、この問題についても、他の場合と何ら変わることはありません。この点またはっきり申し上げておきます。
 次に、最後に、教育にしろ文化にしろ、国家や国民と無関係なものはあり得ないことを申し上げます。民族的試練を経、その伝統の上に今日の日本文化が存在するのであり、教育もその上に成り立っているのであります。私の発想は、全国民的基盤の上に立っておると自負しており、大多数の国民の支持を得られるものと確信しております。(拍手)せっかくの御忠告ではありますが、以上の確信に立っておりますから、絶対に本案を撤回などいたしません。はっきり申し上げておきます。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#27
○国務大臣(坂田道太君) 長谷川君にお答えをいたしたいと思います。
 長谷川君は、この法案は大学の自主的な努力を助けることを主眼としておるといっておるけれども、文部大臣、学長などの権限を強化して、外部から大学を統制しようとするもので、目的と全く背馳しておるのじゃないかというような御議論であります。ところがこの法案は、大学紛争が生じている大学における教育及び研究の正常な実施をはかるために、大学による自主的な紛争収拾のための努力を助けることを主眼としておるものでございまして、従来政府は、大学の自治を尊重する立場から、大学の紛争解決への自主的な努力に期待しておったのでございますが、今日、七十の国立大学のうち、三十二、三の大学が紛争状況にある、さらにこれが激化し、長期化する状況でございまして、これでは大学の使命と社会的責務ということから考えまして、これを大学だけにまかせておく、放置しておくということはできないのでございまして、このような観点から、最小限度に必要な立法措置を講ずることが、われわれ政府に与えられた責任であると私は考える次第でございます。(拍手)
 また、大学に対しまして、これからどういう大学でなければならぬか。象牙の塔のような閉ざされた大学自治から開かれた大学でなければならぬ。その内容はどうなんだということでございますが、開かれた大学という意味は、個人と社会の教育に対する要請に即応できる大学であり、社会からの批判とその建設的な協力に道を開いた大学であり、公費の大幅な支弁を受けるとともに、学問、研究を通じて社会に奉仕する大学であるということであると私は思うのであります。
 その制度的なあり方につきましては、さらに中央教育審議会の審議をわずらわしたいと考えております。
 しかし、今回の法案は、このような根本的な改革と別に、当面の紛争をすみやかに収拾し得るよう、大学の自主的努力を助けるために最小限必要な立法措置を行なうことといたしておることを、よく法案を見て慎重に御検討いただきたいと思うのでございます。
 また、本法案提出によって、大学の紛争をますます拡大しているが、政治責任はどうか、あるいは撤回してはどうかということでございますけれども、これはただいま総理大臣がお答えになったとおりでございまして、今日の多くの大学が日に日に荒廃していく現状におきまして、教職員や一般の学生が建設的な対応策もないままに、この法案について反対のための反対をし、一部学生の暴力のなすがままに手をこまねいておるときではない。紛争の生じておる大学の教職員が、この法律の趣旨やねらいを十分理解し、全学をあげて紛争収拾に真剣に取り組む努力を傾ける限り、私は、収拾されることを確信しておるものでございます。(拍手)
    〔鈴木一君登壇〕
#28
○鈴木一君 長谷川君にお答えいたします。
 わが党の案につきまして、教育基本法その他から見まして未熟な点もあるし、拙速を避けたらどうかという御忠告でございました。われわれといたしましては、十分そういうふうな点も考慮して、むしろ現在の大学紛争を解決するために、積極的にもろもろの法律を適用して、前向きに解決しようという立場から、この法案を出したわけでございますが、いまや、この大学問題は、単に批判のための批判であってはならず、みずから審議に参加するものは、それぞれの代案を持って審議に参加する義務があろうと私たち思うのでございます。(拍手)したがって、審議の過程におきまして、十分長谷川君の御意見も伺いまして前向きに検討する用意がございますので、すみやかに審議をともどもに開始していただきますことを、心からお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#29
○副議長(小平久雄君) 石田幸四郎君。
    〔石田幸四郎君登壇〕
#30
○石田幸四郎君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨の説明のありました大学の運営に関する臨時措置法案について、総理並びに関係閣僚に対し、若干の質疑を行ない、国民の疑念を晴らさんとするものでございます。
 政府が提案した本法案は、重大な社会問題と化した大学紛争を、可及的すみやかに収拾するという目的で仇案したと述べておりますが、その本質は、権力による大学自治への介入が明らかであり、断じて認めがたいといわざるを得ないのであります。私は、政府の意図するところについて、はなはだ疑問を抱かざるを得ません。
 その第一点は、今日の大学問題に対する政府の認識についてであります。
 すなわち、大学紛争が、一部学生の手によって、大学の内包するいろいろな矛盾点の指摘から反体制の政治運動へと展開されていったことに対し、政府は終始一貫、民主主義社会における暴力は許されないと、問題点をすりかえ、その対策のみに腐心して、大学問題の本質解明には全く手を触れてこなかったのであります。もとより、暴力は否定されなければなりません。わが公明党は、暴力を否定するゆえに、いかなる暴力事件が発生したときも、現行法できびしく対処すべきことを政府に訴えてまいりました。しかし、諸問題への解明も同時に行なわれなければ、行政的に片手落ちの感を免れず、暴力否定の実効は全く期待できないのであります。すなわち、講座制にまつわる徒弟的封建性、警官導入、大学移転、学長選挙を含む人事、カリキュラム、学生生活、不正入試、授業料等々の諸問題、さらにその根底にひそむ研究偏重、人間不在の教育、企業従属の研究体制、紛争の要因たるこれら諸問題に対し、反省がなされ、是正策が講ぜられてきたでありましょうか。これらの問題にメスを加えずして、単に暴力という現象面にとらわれた取り締まり方式だけでは、大学や学生を納得させることは絶対にできないのであります。(拍手)
 また、この大学立法には、学生に対する不信感、大学教官の自治能力への強い不信感が見受けられるのであります。教育は信頼を基本といたします。教育行政を進める政府が、不信感を基調とする対立的な態度をあらわにして、どうして大学問題の解決がありましょうか。今日の大学紛争について、何が大学当局の責任であり、何が社会全体、なかんずく政治の責任と考えておられるのか、総理並びに文部大臣の明快な御答弁を願いたいのであります。(拍手)
 また、業界に多くを依存している研究費問題、頭脳流出問題、多額の入学金を必要とする私学経営の問題等、大学の財政的援助を望む声は、社会の発展、大学の大衆化とともに、年を追って大きくなっております。私は、国家財政と高等教育予算との関係、国民総生産高と高等教育予算との関係について再検討し、高等教育に対する新たな財政的理論づけが必要な段階に立ち至っていると思うのでありますが、大蔵大臣はいかなるお考えを持っているか、所信を承りたい。
 また、ゲバルト対策に腐心しておられる国家公安委員長は、ゲバルトの起こってきた原因はどうお考えなのか、伺いたいのであります。
 また、学生処分のための議員立法の声がありますが、法務大臣は、現行諸法との関連において、その必要性をお認めになるのか、あるいは否定されるのか、御答弁を願いたいのであります。
 第二点は、紛争が九カ月を経過すれば、紛争処理は大学の手を離れ、一年を経過すれば、大学の存在に関する生殺与奪の権は文部大臣の手に握られてしまう点についてであります。
 紛争が起これば大学自治は終わりなのか、何ゆえ九カ月で大学自治は終えんを告げなければならないのか、だれが考えても理解に苦しむ論理であり、これは大学自治に対する明らかな権力介入であります。大学自治が尊重されるに至った歴史的経過を政府はどのように理解されておられるのか。過ぐる第二次大戦においては、国益追求の大義名分のもとに大学自治が侵され、学問の自由、思想の自由までが国家権力によって奪われてしまったではありませんか。その結果、多くの学徒を戦争という死のふちに追い込み、また、有能な思想家、政治家をも牢獄に追いやった事実を、いまこそわれわれは思い起こすべきであります。(拍手)平和憲法のもと、学問、思想の自由が確保されている今日、そのような心配は全くの杞憂にすぎないと言われるかもしれませんが、すでに憲法改定論も胎動していることを考えれば、どうして杞憂にすぎないと言うことができましょうか。もし、この大学立法が権力介入にあらずと否定されるのであれば、その明確な理由を国民の前にお示しいただきたいのであります。
 第三には、この特別立法のもたらす総体的な効果についてお伺いいたします。
 政府は、本法案によって紛争解決の道を探っておられるのでありましょうが、大学紛争は、政府案が発表されて以来、紛争解決への期待とは逆に、日増しに立法化反対の運動が激増しております。結果的に見れば、本法案は反体制を目ざす一部学生に好個の目標を与え、大学教官、一般学生をも立法化反対運動に追いやり、新たな紛争を引き起こしてしまっているといえるのであります。
 新聞発表によれば、現在全大学三百七十九校中百九校と、実に紛争校は二八・八%に達し、また、この百九校中、立法化反対は八十一校、しかも、本法案のために新たに紛争に入った大学は十六校にも及び、ますますこの傾向は拡大されつつあるのであります。大学紛争解決を目ざす本法案が、その意図とは全く逆に、紛争拡大の原因になっていることについて、総理はどのようなお考えなのか、所見を承りたいのであります。(拍手)
 また、文部大臣は、この法案だけで今日の大学紛争が解決するとは思わない、このように新聞紙上にも言っておられるようでございますが、紛争解決に役立たぬ法案をなぜ提出しなければならないのか。総理は本法案によって大学紛争は必ず解決可能と確信しておられるのか、お伺いをいたしたいのであります。
 もし、この特別立法によって紛争解決の効果なしとされるのであれば、国会提出の意味はないのでありますから、撤回すべきであります。また、効果ありとするならば、大学立法の意図について閣内不統一といわざるを得ないのでありますが、総理の明確な答弁を願いたいのであります。(拍手)
 第四には、紛争解決に対する政府の基本的な態度についてお伺いいたします。
 政府は、本法案作成にあたって、大学問題は各政党の意見も十分に聞き、国民的合意を得たいとして党首会談を持たれたのであります。わが党も、社会問題と化した大学問題について、単に大学の責任を問うだけではなく、真剣にその解決への努力を展開してきております。しかるに、でき上がった本法案を見ますれば、公明党が提唱した大学自治機能の回復を目標とする学生参加、行政指導を原則とする学園民主協議会方式はどこにも見当たらないのであります。それとも、法案の中にはないけれども、行政指導をもって、この提案した学園民主協議会の設置を推進しようとしておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
 そうでないならば、これでは党首会談は国民向けの政府の責任回避、野党への責任転嫁のための党首会談にすぎなかったと非難されてもいたし方ないではございませんか。政府は、解決のためにもつと謙虚な姿勢をもって、各野党はじめ各界、各大学教官の意見を取り入れるべきであると思いますが、総理の所信と決意のほどを承りたいのであります。
 政府の提出した特別立法第七条によりますれば、九カ月を経過して自主的解決ができず、紛争から一年を経過した場合、文部大臣に廃校、改組の権限が与えられるとしております。しかし、この廃校、改組問題は、国立学校設置法と不可分の関係にあり、この国立学校設置法の一部改正をしなければ、すなわち、国会の承認を得なければ廃校、改組はできないはずであります。この点について政府の見解を承りたい。
 公明党は、これらの措置には特別立法の必要はない、現行法で十分である旨をしばしば言明してまいりました。すなわち、学校教育法第十三条には、六カ月以上授業を行なわない場合は廃校できる旨が明記されております。学校教育法第十三条に廃校問題が明記されているにもかかわらず、重ねて立法化しなければならない理由について、明快な答弁を求めるものでございます。
 次に、教育及び研究の停止の問題についてお伺いをいたします。
 紛争問題に対処する一部の教職員を除き、また、日常のやむを得ざる管理業務に従事する者を除き、休職とし、給料を三〇%以上カットするということでございますが、大学紛争に対して小さな責任しか負っていない職員等に対しても減俸処分にしなければならない理由は一体どこにあるのか。もし老齢、病気等で紛争に直接タッチできない場合、給料カットは生活権を奪う結果を招くのでありますが、何ゆえかかる過酷な措置を講じなければならないのか、お答えをいただきたい。
 紛争に責任を持てという意味はわかるといたしましても、四面楚歌の状態の中で、かかる威圧的処置を受けて大学教官が反発もせず唯々諾々としてこれに従うでありましょうか。希望を失い、かえって大学を去ってしまう教官が続出するおそれはないのか、この効果にはなはだ疑問を抱かざるを得ないのであります。まして、暴力的な一部学生のために、まじめな学生までが奨学金を打ち切られ、犠牲をしいられる理由はどこにあるでしょうか。一体、政府は全大学生を敵にしようとするのでございましょうか。かかる措置は、善良な学生までも立法化反対運動に追いやる結果を招くことは必定であります。この危険性がないと政府は言われるのか、これに対する明快な答弁をいただきたいと思います。
 以上、何点かについてお尋ねをしたのでございますが、さらに私は、次のことを付言しておきたいと思います。
 大学紛争をこのまま放置することは、いたずらに大学を廃墟に追い込むばかりでなく、一国の文化の興廃につながるゆゆしき問題であります。われわれは、やがてこの日本を、世界を受け継ぐべき青年に対し、現社会の矛盾をでき得る限り解決し、かつ正常なものにして次代に譲る義務があると考えます。大学を、いまこそ本来の姿に立ち返らせる努力が必要なのであります。大学は、それ自体、究極的には人間をつくる場所であり、現在及び未来の社会が切実に求めているのも、ほかならぬ人間のあり方に対する明確な教示でありましょう。教育は、次代の人間と文化を創造する厳粛な事業であります。したがって、時の政治権力によって左右されることのない確固たる自主性を確立する必要があります。
 私は、この機会に、これまでの立法、司法、行政の三権に、新たに教育を加えた四権分立について検討することを訴えるものであります。
 かつて十八世紀のフランスの思想家モンテスキューは、その著「法の精神」の中で、司法、立法、行政の三権分立を唱え、この思想がルソーに受け継がれ、フランス革命を経て、今日民主主義運営の基本条件となっているのであります。時代は移り、やがて迎える二十一世紀は、物質文明のひずみを正す人間教育の時代、生命の世紀ともいわれております。ここに、四権分立は時代の必然であり、絶対の要請であると確信をするものであります。(拍手)
 よろしく政府は、今日の大学紛争が新しい大学の建設、ひいては教育再建の陣痛であることに思いをいたし、一方的な権力による解決策を排除し、国家百年の大計から賢慮をめぐらすべきであることを訴えて、私の質疑を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#31
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 石田幸四郎君にお答えをいたします。
 今日の大学紛争の原因を一言で言えば、大学が進歩する社会に対応できなくなったためだと言えるかと思います。また、学生の一部が暴力に訴えてでも自己の主張を貫こうとする態度に出たにもかかわらず、大学当局者が観念論に終始して、時宜を得た処置をとらなかった点があげられます。(拍手)
 また、大学教育に対する予算措置につきましては、重点事項として年々充実しており、予算不足が紛争の原因とは考えません。
 私学の助成については、今後大幅助成を行なうよう配慮してまいりますが、人件費補助については、私学の性質から見て、なお検討を要する問題と考えます。
 前にもお答えしたとおり、今度の臨時措置法案は、すでに疎外されている教育、研究の機能をすみやかに回復することを主眼としたものであり、学問の自由あるいは思想の自由を侵害するようなものではないことは御理解いただけると私は思います。
 さらに、政府としては、国会の論議を通じ、法案の趣旨やねらいが、さらに国民に徹底することを期待しております。このために紛争が拡大することなどはないものだ、かように考えております。
 次に、学生暴力の原因についてお尋ねがありました。過激派学生集団の暴力的破壊活動が集まれてきた原因は、革命のためには手段を選ばないという過激派学生集団の指導理論自体に根ざすものと考えます。また、これら学生の暴力行為を是認しまたは支援するかのごとき言動が、大学教授をはじめ一部の人たちの閥に見られることも、ある程度の影響を及ぼしているものとも考えられ、このことは十分に検討され、かつ反省さるべきことと考えます。(拍手)
 また、本来の大学教育の目的は、ただいまもお話がありましたとおり、最終的に人間形成にあるというのは、私も同様の信念であります。
 また、大学において、先生は教える人であり、学生は学ぶのでありますから、この本質を見失わせないよう、したがって、教えない先生、学ばない学生があってはなりません。(拍手)
 また、学生処分に関する議員立法については、党内にそのような構想のあることは承知しておりますが、結論が出たとは聞いておりません。また、政府としては、暴力学生に対する大学当局の処分は、現行既定によって厳正に行なわれることを期待しております。
 今回の臨時措置法案は、大学をつぶすのが目的でなく、大学を蘇生させるのが目的であることは、すでに御理解を得たものと信じます。
 また、本法案の第九条においては、紛争が長引いたときの措置をきめておりますが、これは学校教育法第十三条の措置とは性格の異なるものであり、学部等の設置目的が達成されないと認められるときに設置者が講ずべき措置を定めたものであります。私立大学より国立大学のほうが紛争校の数が格段に多いところから見まして、国立大学にいま一歩の努力を期待するのは、政府も国民も同様であると私は思います。(拍手)
 奨学資金につきましては、学生の受けるべき教育が行なわれない以上、これらの措置がとられることはやむを得ませんが、さらに奨学資金本来の目的を達するよう努力する考えであります。
 最後に、公明党の提唱しておられる四権分立あるいは学園民主協議会の構想は、私は傾聴に値するものを多く含んでいると思います。このような方法は、事柄によりましては適当な場合もありますが、大学の管理運営等、本来学生にふさわしくない領域の問題につきましても、大幅に権限を認めているところに若干の問題があるようにも思われます。いずれにしても、公明党の大学問題に対する考え方は、今後の審議の過程で十分反映させていただき、この法案の成立に御協力いただくことを期待している次第であります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#32
○国務大臣(坂田道太君) 石田君にお答えをいたしたいと思います。
 大学立法は、学問の自由、思想の自由の侵害であり、権力の不当介入と思うがどうかということだと思うのでございますが、むしろ、紛争大学におきまして暴力等によって正常な教授、研究が行なわれていない、また教育も行なわれていない、ここに大学における学問の自由が侵害されておるわけでございまして、この学問の自由を回復するためにこの立法をしたということを、よく御了承を賜わりたいと思う次第でございます。(拍手)
 それから、本法案が紛争解決じゃなくて、かえって紛争拡大云々ということでございますが、これも、先ほどもお答えいたしましたとおりに、法案の趣旨やねらいがだんだん明らかにされてまいりますと、大学関係者も法案の意図を十分くみ取りまして、法案の成立により、大学がここに定められましたいろいろの手だて、諸措置というものを積極的に講じますことによって、紛争の収拾が促進されるものと期待をいたしておるわけでございまして、これらのことについて政府が不一致なんということは、とんでもないことでございまして、完全に一致しておるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、もう一つは、本法案だけでは解決ができないなんということを文部大臣は言っておるというわけでございますが、石田さんも御指摘になりましたように、今日の大学紛争というものの原因は非常に複雑多岐であり、あるいは文明史的問題もはらんでおる。そういう意味からいえば、単に学生だけで解決できるものでもなく、あるいはまた大学当局の自治能力を欠いておるという点だけを是正してもこれはできないので、やはりいろいろのことをやらなければならぬ。その意味において、現行法を駆使いたしますと同時に、私、文部大臣に与えられておりますところの指導、助言、行政措置を十二分に発揮いたしますと同時に、最小限度のこの立法は、やはりやらなければ解決の見込みはないと考えております。
 さらに、この紛争解決法案をやりますにつきましても、将来新しい国民のための開かれた大学というものについての構想を描きながら解決をはかっていかなければ、問題の本質をきわめたことにならないし、また大学紛争は解決しないというのが、政府の考え方であるわけでございます。
 それからまた、九カ月もたってなお解決をしないときのことでございますが、その場合は、やはり臨時大学問題審議会という第三者機関の議を経まして、そうして文部大臣が教育と研究を中止するということでございまして、それまでに十二分の自主的な解決というものを期待し、また、その諸措置についてわれわれは手助けをするわけであります。それだけ、六カ月もやり、三カ月をやっても、そしてまたその次には、大学みずからが休校措置ということも考えられるわけでございますが、それをやってすらなお解決しない場合には、学生たちは勉強ができないわけでございますから、これは当然、しばらく教官も学生も教職員もみんな頭を冷やす意味において、冷静に中止の措置をとりまして、大学再建を考える。たとえば上智大学等におきましては、こういうような措置によりまして、今日あの入学試験も回復し、あるいは教育の正常化もはかられておるということもお考えをいただきたいというふうに私は考える次第でございます。
 それから大学の最終的な廃校、改組には国立学校設置法の改正と密接不可分の関係にあり、国会の承認が必要であるが、その見解いかん。これはもうそのとおりでございます。
 学校教育法については総理からお答えいただきました。また、賃金カットについても総理からお答えになったわけでございます。(拍手)
    〔国務大臣西郷吉之助君登壇〕
#33
○国務大臣(西郷吉之助君) お尋ねの権力介入の問題につきましては、ただいま文部大臣からもお答えがありましたが、今回の大学立法は、大学の自主的な紛争収拾に際して必要最小限度においてこれを助けるというのは、手段でありますから、学問研究の自由あるいは思想の自由はもとより、大学の自治を侵す権力の介入というようなことはあり得ないと考えます。
 第二点の、学生処分の立法についてということでございますが、これは教育の目的達成の見地あるいは学内における教育環境の保持というような見地から考えまして、きわめて慎重に考慮すべき課題と考えます。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#34
○国務大臣(福田赳夫君) 教育予算と紛争との関連でありますが、いま総理からお話がありましたように、財政が紛争の原因であるとは考えておりません。そういう事情はありません。これは石田さんにもよく知っておいていただきたいのでありますが、わが国の教育投資というか、教育予算は非常に高い。国民所得でいいますると、これは五・二%、アメリカ、イギリスに次ぎまして世界第三位であります。また、予算中における教育費のシェア、これは二一・三%でありまして、アメリカが一五、イギリスが一五、フランスが一七、ドイツが二、日本は実に世界第一位であります。(拍手)
 なお、石田さんから、GNPとの関連において教育予算の立場を確定したらどうだというお話がありましたが、これはそのときどきの財政事情、また教育のあり方等を勘案いたしまして弾力的にやっていけばいい。決してけちけちはいたしません。先ほど申し上げましたように、世界一の教育予算というような状態であることをとくと御理解願いたいのであります。
 私学の問題につきましては、私学の自主的な運営、独自の校風、そういうようなものを尊重するたてまえをもちまして、これに援助を加えていきたい、かように考えております。総理からもお話がありましたが、人件費援助、これは私学の本質に照らしまして相背馳するものじゃないか、これこそは授業料等でまかなっていくべきものじゃあるまいか、そういうふうに考えておりますので、直ちに賛成することはできません。(拍手)
    〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
#35
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 私に対するお尋ねは、ゲバルトの起こった原因は何かというお尋ねでございますが、これを社会思想史的に、あるいは戦後の二十数年の政治的あるいは経済的諸条件の変遷の中に生まれた理由などという立場からは、お答え申し上げることは私にはできません。おっしゃることは、通称ゲバルト、学生にあるまじきゲバ棒を持って人をなぐり回すというあの不届き者がどうして起こったかというお尋ねかと存じます。(拍手)過激派学生集団、いわゆるゲバルトの暴力的破壊活動が生まれてきたおもな原因を端的に申し上げれば、革命のためには手段を選ばないというような過激派学生集団の指導理念と実践行動を伴うその指導に応じて、暴力をふるうことにいささかの矛盾も抵抗も感じないような、いわば間違った未熟な意識を持った学生が次々に生まれ出てくるということであろうと思います。(拍手)また、議会制民主主義に反逆するところのこれらの学生の暴力行為を是認し、または支援するかのごとき言動が、大学教授をはじめ一部の進歩的文化人と称せられる人々の間に見られることも、見のがし得ない要因の一つであろうかと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#36
○副議長(小平久雄君) 谷川和穗君。
    〔谷川和穗君登壇〕
#37
○谷川和穗君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま説明のありました大学の運営に関する臨時措置法案に関し、政府の所信をただしたいと存じます。
 国の発展は、突き詰めれば教育の問題であると存じます。その教育は青少年に対する深い愛情から出発すべきでありながら、率直に言って、戦後の教育は、青少年なしの政治闘争であったり、労働問題であったりすることが多かったように思えるのであります。(拍手)
 教育をめぐる雰囲気をはつらつたるものに仕上げていくこと、これが国の発展につながることであり、そのために人材を集め、あるいは国費をつぎ込み、新しい指導理念を確立することなど、思い切った施策を必要とするときだと思うのであります。
 今日、国民の関心は、大学紛争に集中いたしております。大学の自主的努力を尊重すべきであるということは十分理解しながらも、国民の問には、できる限りの手段を尽くして学生の自覚と反省を促すという大学の努力は、はたしてどのくらいの効果があったものか、どのくらいの効果を期待できるものか、次第に不安と憂慮の念となって広がり始めてきております。その上、最近では、暴力化の傾向は高校生までに及んできておるのであります。このままにこの状態を放置することは許されないわけであります。
 今回の法案では、入試は協議事項となるとありますが、来年も自宅待機の入試があり得るのか、どういうときは入試中止になるのか、入試改善のために内申書を重視するというが、具体的にはどう考えておられるのか、お伺いいたしたいと存じます。
 全国民がこれほど学生暴力の問題に心を痛めているときに、大学の中に学生を扇動する教官がいる。暴力を許さないのは教育者として当然のモラル、見識だと思うのであります。
 最近の紛争の特徴は、建物あるいは貴重な研究資料が見るもむざんに破壊され尽くすところにあります。学生騒動は立法で押えるべきでない、押えようとしても押え切れるものではないという議論がありますが、これはある程度は正しいかもしれませんが、すべて正しいかどうか疑問であります。すなわち、学生運動は単なる社会的苦悩とは片づけられない、きわめて政治的様相を呈しているからであります。
 イタリアでは、大学の学長は、あらゆる手段を尽くして、国民の財産としての大学を守ることとし、アメリカでは、カリフォルニア州の法律で、学長に非常事態宣言の権限を付与し、これに基づいて、学長は、問題を起こすおそれのある人物を職権をもって締め出すことができることといたしました。わが国でも、大学が学内の暴力によって撹乱されたとき、かろうじて正常な姿を保てるのは、機動隊のおかげであることがほとんどであります。大学の自治と国との関係は、大学が内部から脅かされるようになって大いに変わってきておると判断すべきであると思うのであります。
 政府は、大学の基本にかかわる問題は中教審の最終答申待ちという、きわめて慎重な態度を貫いてきておられます。
 一月二十四日、東大法学部は、確認書の問題点について意見書を公表いたしました。その中で、教官人事が学生自治組織の団交の対象となることは、教官人事が、教官の政治的立場に対する学生側の見解によって左右される道を開くことになり、理論上はともかく、実際上は大衆団交が力による屈服の手段として用いられることも大いにあり得ると指摘いたしております。学問の内容は多数決できまるようなものでないはずの大学の中で、何かというとすぐ大衆団交が行なわれるということ自体、異様なことだと思っておるのでありますが、ここ数カ月の間にも、多くの学長が悪戦苦闘の末、ついに辞任、相次いで大学を去って行っております。学生の気に入らぬ教授はいつでも団交という力関係の場に引き出される。自分の書いたものについても自己批判を強制される。これでは憲法で保障された最低の人権すら守られていないのが現在の大学の実情なのであります。(拍手)
 大衆団交は、本来大学の中ではあるべからざる力関係の場をつくり上げ、それが、ひいては教授の間の信頼関係、教授と学生の間の関係を破滅へ導き、ついには、荒廃しきった大学へと、大学をかり立てていることになっておるのでありまして、紛争を終結する手段として、学生自治組織との大衆団交方式にたよることは、大学の本来の姿からいっても、多くの問題点を含んでいると思いますが、いかがお考えか、文部大臣にお伺いいたしたいと存じます。
 紛争が長引いている大学にも、勉強したい学生はたくさんいるのでありまして、暴力学生も処分されず、ある時期が来れば廃校というのでは、勉強したい一般学生やその親は納得がいかない。現に、六月に卒業、四月からの二カ月分の授業料を納めるようにという通達にも、勉強したくて待機していたものを、二カ月も卒業をおくらせた責任は管理者側にあるという反論が出てきております。大学紛争には年度という区切りがあることは、強く行政指導すべきであると思うのでありますが、同時に、現行法の不備からか、何かはかの理由からか、学生が処分されない場合が非常に多い。学内外で不法行為が公然と行なわれ、証拠も明らかであるのに、なぜ処分されないのか。国民はまことにふしぎに思っているばかりか、そんなことで教育が行なわれ得るものであろうかと、心配いたしておるのであります。学生暴力によって直接被害を受けた町の人々に至っては、ふんまんやる方ない思いで、政府の取り締まりの手ぬるさを責めさえいたしておるのであります。新宿事件が発生いたしましたときに、一部の心ない通行人が、学生と一緒になって石を投げたりいたしましたために、取り締まりにたいへん難渋をきわめた。それが事件を大きくした一つの理由でもあったといわれております。
 学生問題は、大学内部の問題ではない。特に、都市の警備ということになれば、集団暴力行動は、地域の住民に直接大きな被害を出すことになりかねない。つかまえてみたら、たまたま学生だったということは絶対ないのでありまして、そのうち、三人に一人は、前につかまえた学生だったというありさまで、どうやって社会の秩序が保たれるのか。これでは、暴力の再生産であります。
 国家公安委員長は、この状態の中で治安の維持に当たっておられるので、御苦心の多いことと存じますが、学生の所属している大学、その大学にも、国家公安委員長としておっしゃりたいお気持ちがおありかと存じます。学生暴力に対して、どんな角度から見ておられるのか、お伺いいたしたいと存じます。
 今回の臨時措置法は、罰則もなければ、警官出動もない。教育の対象として適格であるかどうかの問題であると思うのであります。
 大学は、常に未来に向かって目を開いていなければなりません。大学は、知的チャレンジの場であります。青年の心理は、未知のものへの不安と、同時に、未知なものへの挑戦から成り立っております。知的集積の場である大学の中で、知識への挑戦をぶっつけ合うことができれば、大学は無限にフロンティアを提供する最も期待できる場所でありましょうし、次の世代の指導者を養成する場所にもなりましょう。十年一日のごとく、同じ講義録によるような教授が、未来について教えることはできないのであります。ここに学生の不満が存在することもまた事実であります。みんなが共感し、みんなが納得するような新しい大学のあるべき姿を打ち立てるべきであり、特に、わが国のように経済の成長が激しい国では、激しく変貌する社会にあって未来を先取りするはつらつたる大学の理念を打ち出すことが、何にも増して必要だと存じます。この点について、すでに総理はお考えをお持ちのようでありますが、全く新しい発想による新しい大学を考えておられるのか、現在の大学を逐次改革していくことを考えておられるのか、その辺のところをお伺いいたしたいと存じます。(拍手)
 大学ばかりでなく、戦後の教育全般にわたって国民的再検討の時期であると存じます。若い世代にどんどん発言を求め、そして全国民が教育の討議に参加する新しい動きを期待すべきだと存じます。総理の基本的なお考えを承りまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#38
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 谷川君にお答えいたします。
 この点は文部大臣からお答えするのが筋かと思いますが、国民大部分の方々がたいへん心配しておられますので、まず、受験生を持つ父兄あるいはその受験生そのものが関心の深い入学試験の問題につきまして、お答えをしてみたいと思います。
 私は、できる限り入学試験を実施すべきこと、これはもう当然のことであります。そのためにも大学が一日も早く正常な姿に戻り、整然と授業が行なわれるようにすることが、何よりも肝心なことであります。各大学当局の自主的努力によって、逐次解決の方向に向かってはおりますが、いまなお多くの大学におきまして部分的休校、自宅待機の状態が続き、再開の見通しがまことに購いところもあるのであります。このことは、きわめて国民にとりまして、また、国家として遺憾なことであります。政府といたしましては、あくまで大学の自治を尊重するたてまえから、大学の自主的解決にまつ考えであり、当局者の正常化への努力を心から期待するものであります。
 次に、谷川君は、大学における大衆団交方式が教授同士の信頼関係、教授と学生の信頼関係を失わせ、大学の荒廃をもたらしていると指摘されました。私も同感であります。本来、大学における人間関係は、先ほども答えたとおり、先生は教える人であり、学生は学ぶ者であります。この本質を見失ってはならないと思います。社会生活における労使関係とは本質的に違うのでありますから、その本末を転倒することのないよう望みます。(拍手)
 また、大学が本来の機能を発揮するためには、学生参加など、近代的手法を導入しなければならないことは明らかであります。それはどこまでも限定され、節度を持ったものであるべきで、学校当局と学生の力関係によってきめられるべきものではありません。学校当局者が信念をもって行動することを期待し、学生の反省を求めるものであります。
 最後に、新しい大学像についての御意見とお尋ねがありました。
 大学ばかりでなく、教育制度全般について再検討すべきだとの国民的要望は、私も十分承知しております。わが国が戦争及び敗戦という動乱の時期を経たことと、他のいずれの国よりも社会変革のテンポが早かったことの結果、世代間の意識の断絶があり、それが今日の混迷につながっているともいえます。国際的教育競争の時代といわれる今日、わが国がいち早くこの混迷から抜け出すためには、思い切った教育制度の改革に踏み切り、同時に、新しい大学像をつくり上げなければならないと考えます。当面の対策のみに追われることなく、慎重に長期ビジョンを打ち立てるべきであると考えますので、国民各位の御理解と御協力を切望するものであります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#39
○国務大臣(坂田道太君) 谷川君にお答えをいたしたいと思います。
 自宅待機が長期にわたる場合、進学も危ぶまれ、新入生を受け入れられなくなることも考えられるわけでございまして、紛争が長期化している大学の来年度の入試につきましては、在学生の授業の実施状況や卒業及び進学の見通し、紛争の状況等を勘案し、大学当局と協議の上決定をいたしたいと思いますが、何を申しましても入学中止ということがないように、全力をふるいたいと考えておる次第でございます。
 また、昭和四十五年度の入試改善の措置の一つとして、大学は調査書をおもな資料とし判定する方法をとることができ、この方法による場合、調査書の内容を確認し、または補うために、面接または小論文を採用することが望ましいといたしましたが、これは現在一部の大学または研究所等で行なわれておる調査または研究の結果を勘案し、従来からとってきた調査書重視の方策を一歩前進させたものであり、大学紛争についての対処策として取り上げたものではございません。
 それから、民主社会におきましては、どんな場合でも暴力は一切許してはならないということは当然であります。ところが、御指摘のとおりに、その大学の中において、学生の暴力を支援するような教官がおるということはけしからぬではないかということでございまして、まことにそういうような非常識な教官がおるということが、やはり今日、大学の学生騒動につながっておるということを認めざるを得ないのでございます。学生の暴力を容認したり、さらにはそのような行為を教唆する、このような、民主主義の精神にもとるような言動を行なう教官に対しまして、私どもは指導助言をいたしますと同時に、やはり一般社会のそういうようなことに対する、暴力は絶対に許してはならない、特に大学においてはそういうことがあってはならないという、世論の形成ということも大事なことであるということを私は指摘しておきたいと考える次第でございます。
 また、学生処分の問題につきましてのお尋ねでございまするが、私どもといたしましては、学生処分に関する議員立法についてのお話も聞いておりますし、本案審議の過程におきまして十分検討いたしたいと考えております。暴力学生に対する処分につきましては、本法案においては、大学当局の管理運営体制を強化することによって厳正に行なわれるようになることを期待しておる次第でございますし、また、そのような指導助言をいたしてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 まず第一に、学生の暴力が街頭に進出して、一般市民にも被害を与えておるし、群衆が、いわばやじ馬が出てきて、それも取り締まりの上のじゃまになっておるようだが、どう考えるか、こういうことであったと思います。
 最近の過激派学生の破壊行動によりまして、店や住宅などが被害をこうむり、あるいは通行人が重軽傷を負うというような、まことに残念な事案が発生しておりますことは、御指摘のとおりでございます。警察は、このような暴力学生に対してはきびしい態度で取り締まりを行なうことで今日にきております。昨年一カ年間に検挙いたしました学生は五千五百四十七名、本年に入りましてからも、六月二十二日現在、すでに四千九百五名に達しているのであります。もとより、警察としては、善良な一般市民を、一切の不法行為はもちろんのこと、これら学生集団の暴力から守ることを基本として警察措置をとってまいるべきことは当然のことでございまして、従来同様、今後ともそういう考え方でいきますととを申し上げたいと思います。
 また、いわゆるやじ馬の問題につきましては、佐世保、王子、新宿騒擾、四・二八沖繩事件等の例にも見られるように、多数のやじ馬が暴力集団のかっこうの隠れみのとなりまして、警察取り締まり上大きな障害となったことは周知のとおりであります。したがいまして、警察としては、学生の過激な行動が予想される場合には、事前に、一般市民の方々が危険な場所に近寄ることのないように、協力方を要請しております。また、多くの場合、なお十分な協力が得られないのが現状であることは残念に存じます。今後におきましては、国民の問に、文部大臣からも申されましたとおり、暴力許すまじの決意が根強く定着するように、広報活動等を推進し、もって国民一人一人の積極的な協力が得られまするよう配意してまいりたいと存じております。
 第二点は、暴生学生が次々に出てくるんだ、暴力行為があったのを調べてみれば、三人に一人は学生だというような状態で、いわば暴力再生産の状態にあるが、それを何と考えるのか、さらに、今後どういうふうな考え方でいくのかというお尋ねであります。
 過激派の学生集団の暴走が目立ってまいりました一昨年秋の羽田事件以降、現在六月二十二日までの間に、警察としましては、殉職者が二名を含みます約一万一千名、入院約四百名の警察官の負傷というとうとい犠牲を払いながら、暴力学生一万二千六百八十四名を検挙してまいっているのでありますが、このような暴力学生に対しましては、大学当局が、教育的な見地から、当然しかるべき措置を講ぜられるものと期待しているところであります。
 また、最近においては、過激派学生らによる大学施設の不法占拠や泊まり込みが常態化して、そのために学内における石塊、角材、鉄パイプ、火災びん等の凶器類の準備、隠匿が行なわれ、これらを携行しまして行ないます学内外での違法行為が目立って多くなってきております。
 一例を申し上げますと、本年一月から六月十五日現在までに六十三大学について押収しました凶器類は、火災びん一千四十九本、あきびん三千六百五十四本、角材、丸太、鉄棒、鉄パイプ七千五十六本、石塊約三十八トン、このほかに、大学当局で廃棄しました石塊は実に約百七十トンに達している状況であります。
 このような傾向は、東京ばかりでなく、地方の各府県の大学においても同様の実情でございまして、いまや、大学施設がこれら過激派学生のかっこうの武器倉庫と化しているといっても過言ではない状況であります。
 このような学生及び大学側の現状にかんがみ、警察といたしましては、大学当局に対して、しばしば管理措置の善処方を要望してきているところでございます。しかし、残念ながら、その実効を見ない現状でございます。しかし、警察としましては、その動機、原因が何であれ、暴力行為は絶対に許しがたいという立場から、今後とも、学生の暴力についても、国民から負託されました秩序維持の責任を果たすために、学内外を問わず厳正な取り締まりを続けていくとともに、大学当局に対しましては、そのつど所要の暴力排除措置が講ぜられるよう、強く要望してまいりたい考えでございます。(拍手)
#41
○副議長(小平久雄君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#42
○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時五分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 西郷吉之助君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 坂田 道太君
        農 林 大 臣 長谷川四郎君
        自 治 大 臣 野田 武夫君
        国 務 大 臣 荒木萬壽夫君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正己君
ソース: 国立国会図書館
【PR】姉妹サイト