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1949/05/11 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第16号
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1949/05/11 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第16号

#1
第005回国会 農林委員会 第16号
昭和二十四年五月十一日(水曜日)
   午後二時三十分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) これより委員会を開会いたします。速記を止めて。
   午後二時三十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後二時五十五分速記開始
#3
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。本会議の定足数の関係で、これで一旦休憩いたします。
   午後二時五十六分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時十五分開会
#4
○委員長(楠見義男君) これより再開いたします。速記を止めて。
   午後三時十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時五十七分速記開始
#5
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて。昨日、一昨日に引続いて商工当局から御説明を伺うことにいたしておりまして、漸く商工大臣に本日御都合をつけて頂きましてお見えになりましたから、衣料問題について商工大臣から御答弁を頂くことにいたしたいと思います。
#6
○國務大臣(稻垣平太郎君) 衣料の配給問題についての御質問がありましたそうでありまするが、衣料の配給につきましては、原則的に申しまして商工省といたしましては、農林協同組合並びに小賣業者との間に何ら配給の点について差別を設けない、こういう考え方を持つております。取扱いについて全然差別を設ける意思はありませんし、又差別いたすつもりでもありません。尚御質問がありましたそうでありますが、この登録制の更新につきましては、これは近く時期を見ましてこれを更新いたしたいと考えておるのであります。ただその時期その他については只今まだ確定いたしておりませんので申上げかねるのでありまするけれども、併しながら配給のこういつた登録制の更新については近く実行いたしたいと、かように考えております。その際におきましても、勿論農業協同組合と小賣業者との間に区別は設けない、何ら差別はいたさない、かように考えておる次第であります。
#7
○藤野繁雄君 只今大臣から明確に答弁して頂いて、私など安心いたしたのであります。どうか一つ今後の運用について一層の御善処をお願いしたいのであります。ただ昨日政務次官のお話によつて見まするというと、騙されないようにして行けというふうなことのお話があつたのであります。これはちよつとおかしい言葉じやないかと考えるのであります。日本國憲法の第十五條によつてすべて公務員は、全体の奉仕者であり一部の奉仕者ではないというようなことを書いてあるのであつて、公務員は騙すようなことはないと考えるのであります。果してそういうふうなことがあるのであるかどうであるか、これをお尋ねしたいと思うのであります。(笑声)
 二番目には若しそういうことがあると仮定いたしましたならば、戰時中の國家総動員法以上の力を持つておるところの物調法の活用になると考えるのであります。物調法ではあらゆる統制の規則を國会の承認を経ずして、運営ができるようになつておるのでありますから、如何にこういうふうな委員会で話をされていても、その後にいろいろの統制規則を作られる場合において、自分の方に都合のいいような規則を作ることがあるから、そういうふうなときが騙されたのだと、こういうふうに言われたのじやないかとも考えられるのであります。そういたしましたならば、私などはこの物調法というものを以て、すべての統制規則を勝手に政府が作るようなことができないように改めなければならないと思うのであります。この点について物調法の運営についてどういうふうに商工大臣はお考えになるか、お伺いしたいのであります。
#8
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の御質問はどのような御返事を昨日政務次官がお答えしたか、私存じないのでありますけれども、併しながら苟も商工省の官僚の中で騙すとか、今お話に騙すということがありましたが、そのような者は絶対おらんことを、私ここではつきり申上げておきたいと思います。公務員の服務規定そういつたことも勿論でありますが、そういう問題を除きまして、いわゆる商工省の取扱のそれぞれの官吏におきまして騙すといつたような問題があり得ないということをはつきりと申上げておきたいと思います。
 次に物調法との関係でありますが、これは安本の関係にも亘りますけれども、無論新らしいデレクティブが出まして、新らしいデレクティブによつてどうこうしろという問題が起りますれば別でありますけれども、殊更に物調法の、いわゆる省内から物調法に名を藉りて、そうして今申上げたところとは違つた考えを実行して行くというようなことは、これは許されざることでもありますし、又私はそういうことをさせる意思は全然ないことを申上げておきます。
#9
○藤野繁雄君 今衣料品の問題については右答弁を得たのでありますが、更に地下足袋、石油というようなものの配給についても農民に対する十六原則に基いて自由な立場において登録がされて、且つ主要食糧の生産農民に不利にならないようにして貰いたいと考えるのでありますが、これに対する商工大臣のお考えを伺いたいと思うのであります。
#10
○國務大臣(稻垣平太郎君) 無論御希望にはできるだけ添うようにいたしたいと思うのでありますけれども、石油につきましては尚從來の関係筋との経緯がありまして、尚それがまだはつきり確定までに至つていないことは御承知だろうと思うのでありますが、若し御承知でなければ係官をして御説明いたさせますけれども、その間の事情があることは御承知置き願いたいとかように存じます。又地下足袋ですが、私地下足袋のことははつきり記憶いたしておりませんので、或いは間違つておるかも知れませんが、大体同じ登録制でやつておることと存じますけれども、これは尚研究いたします。
#11
○山崎恒君 只今ゴム製品について政府は一部統制の枠をこの十月頃緩めるという計画があるように仄聞するのですが、そうしたことについて多少の見通しでもありますか、どうですか、この点をおききして置きたい。
#12
○國務大臣(稻垣平太郎君) 政府といたしましてはできるだけ統制の枠を外したい、これはゴム製品に限りませず、すべての点について大体自給の折れ合がつき、或いはこれをやつておつても意味をなさないものについてはできるだけ外したいと思つております。ただゴム製品につきましては御承知の通りゴムの原料を輸入しておるという大きな問題がありますので、この一つの事実がゴム製品の統制の枠を外すという上におきまして大きな障害になつておると存じておるのでありまして、十月頃に外せるか、外せないかということを、私はつきりここで申上げるわけに参りません。むしろ私は困難じやないかと、かような見通しを付けております。
  ―――――――――――――
#13
○委員長(楠見義男君) それでは食糧確保臨時措置法の質疑をお願いします。
#14
○藤野繁雄君 先つきのお話によつて私などは超過供出のものについては倍数率をこの法律によつて定めた方がいいと考えるのであります。それは研究の余地があるという長官からのお話であります。現在の倍数率はこの食糧確保臨時措置法の第三條の第二項の奬励措置でやつておられるのであるが、倍数率を決めておられるところの法律上の根拠をお尋ねしたいと思うのであります。次には第三條第四項に「主務大臣は、農業計画に定められた肥料、農藥及び農機具その他主要食糧農産物の生産に必要な物の生産、配給又は輸送の業務を営む者に対し、これらの物の供給を確保するため必要な事項を指示することができる。」こう書いてある、第二十九條に「第三條第四項又は第十條第一項の規定に違反した者は、これを二万円以下の罰金に処する。」と、こう書いてありますが、現在農家に対しては強権発動をされておるが、二十九條の規定が適用されたところの件数はどのくらいあつたか、この罰金の金額はどのくらいであるかお尋ねしたいと思うのであります。
#15
○政府委員(安孫子藤吉君) 先程倍数率を法制化するということはどうかというお尋ねに対しましては、現在の情況におきましては法制化することは妥当ではないと私は御返事申上げておつたわけであります。この点はつきりさせて置きたいと思います。それで二十九條の罰金を適用した件数と金額如何と、こういうお尋ねでありますが、只今手許にこの資料を持つておりません。恐らくそう沢山ないのではないかと私は思つております。調査をいたしますについても、なかなかこれは面倒だと思いますので、若し纒りましたならば御報告いたしますが、ちよつとむずかしいと思います。倍率の法律上の根拠は、只今お話のありました、報奬措置に関する規定に基きまして行政上やつておるということであります、失礼しました。報奬規定に基くものではなくして、價格の措置をとつておりまするので、物價統制令の方に根拠を持つておるわけであります。
#16
○板野勝次君 今回の改正については、これは相当質疑が沢山あります。併し、又沢山やりますと独占禁止法であるということでやられますから、少しずつやりますが、第一には、何よりも先ず、先程ちよつと申しましたが、第五條の問題なんです。第五條につきましては、通牒が出まして、これは蒸し返すようになりますけれども、通牒の中で、生産者の意見を聞くについては、部落集会などを開いて生産者の意見を聞くようにしなければならんということが述べられておるのでありますけれども、実際は、地方に帰つて聞いて見ましても、生産者の意見などはてんで聞いていない、地方調査さえも完全に行わないで決めておる場合が殆んどだと思うのです。そこでこの第五條を活かすということは非常に大切なことで、農業計画の最もこれは根拠をなすものだと思うのです。この場合に、今も罰則の問題が問題になりましたが、市町村が怠慢でありましても、怠慢な農業計画を農民に押付けましても、これに付して農民はどのように措置も、ただ異議の申請ができるという程度で、何もないわけなんですが、何かこの通牒を出して、それの通りにやらないというふうな場合に何らかの措置を講ずるということが必要だと思うのですが、例えば地方自治法が決めております市町村長のリコールの請求権等を引用できるようにして、そうしてこの第五條を活かし得る途を講ずる必要があるのではないかと思う、そうしないと、ただ單に第五條に決められておるだけであつて、何ら励行されない、こういう点に対する当局の考え方を伺いたいわけなんです。
#17
○政府委員(安孫子藤吉君) 食糧関係のいろいろな問題が、やはりこの第五條の適正な運営が基本的であることは、私共もその通りであろうと思います。現状におきましてこれが未だ満足な状態にないことも、一部首肯せざるを得ないこと存じます。行政指導といたしまして、この第五條の十分なる活用について努力をして見たいと存じまするし、又そういう努力もいたしておるのでありまするが、怠慢によつてこれによらずしてやつた場合には、罰則か何か説けたらどうかというお話でありまするが、これは罰則ということは余り適当ではないのではないか。今もお話がございましたように、自治法に基く市町村長に対する一種の罷免権の規定はありますが、まあ精々考えましてもそういうところでありまして、罰則というようなことは適当ではないと、こう考えております。又罷免権というものも、余りにはつきりし過ぎておりまするので、これはやはり根氣よく、我々といたしまして、又関係者一同が、この五條の趣旨によつて農業計画が立てられるように努力して行くということが、最も適当ではないかと思つております。そのためには各種の予算も必要であろうと思つておりますが、そんな点につきましては、農林省といたしましてできるだけ努力して行きたいと存じております。
#18
○板野勝次君 これは先程岡村委員から質問された点なんですが、中央農業調整審議会を議決機関にしたらどうかという質問に対して、長官は、現状の下においては諮問機関の方がよいのだということを答弁されたわけなんですが、そうしますと、我々は現状の下においてこれを決議機関にして農林大臣を牽制するという形の方がよい、というのは、飽くまで中央の農業調整審議会の構成が問題であつて、そうして消費者の意見、あらゆる者の意見が総合されて來ればよいので、中央農業調整審議会というものが、何も生産者が我まま勝手なことを決めるということにはならないと思うのです。諮問機関というものは、民主的なような形をとつておるけれども、依然として現状の下では独裁は止むを得ない、つまり独裁の途を切り開いて行くというふうに聞えたわけなんですが。それでは結局、審議会というものができたけれども、これはもう何ら意味をなさない、民主的な仮面を被つておるだけだということになるので、諮問機関であつてよいという意味は、成るべく農林大臣が独裁的な意思を発動できる、こういう形体を存置したいと、いわば極端に申しまするならば、独裁権を振つて行くけれども、独裁権の振い方も何か民主的な方法をとつておつた方が外見上も便利がよいからと、こういうふうに理解されたわけなんですが、これは飽くまで審議会を尊重し大臣を或る程度拘束し得るような形においてやるのか、それとももう單なる諮問で一應聞き置くとこういうものかどうか、その点を一つ明らかにして置いて貰いたい。
#19
○政府委員(池田宇右衞門君) 今板野さんの御指摘のような点が、審議会においては力がないではないかというようなお言葉でございましたが、やはり若し審議会で決めるときにも、審議会の方々が、必ずしもそれが民主的で公平なる決定だということは言えないので、一利一害があるのであろうと思います。現段階においては、御承知のごとく、委員会としての機能を十分に発揮するために十五人を二十人以内に増員するという建前と、委員の選出においては全國を九つの地区に分けて、各都道府縣農業調整委員会の推薦する者の中から、地域につき一名づつ適当な者を農林大臣が推薦するということに相成つておりますが、実質においてはやはり民主的に選出された、推薦を受けたその人からこれらの人々を推薦して委員といたしまして、その委員によりましてよく作柄実態を調整して頂きまして、案を決定するに当りましてどこまでも公平妥当ないわゆる委員会としての委員の権限を相当尊重して決定するというような方針を採り、運営においても極めて地方的の実質を把握してこれを行わんとしているのであります。今の御指摘のような独断專行を決してすべきものでもなし、又するような考えはないと思う次第であります。尚委員会のあらゆる空氣、あらゆる実情を長官から重ねて詳細に御説明申上げることにいたしたいと思います。
#20
○板野勝次君 つまり現状の下においては、簡單に言えば諮問機関の方がよい、議決機関であつては困るというのですか、その現状ですね、議決機関にしてどういう支障があるかということなんです。本当にうまく生産者の声も、消費者の声も代表されるなら、議決機関であつても、農林大臣の職務執行の上にも、民主的に反映された意思を代表してやるんだから毫も差支えないと思う、それを諮問機関の方がいいというその事情、この点を主として聞きたかつたわけであります。
#21
○政府委員(安孫子藤吉君) 現在の中央食糧審議会の運営の点から申しまして、我々は何と申しますか、民主主義の仮面を被つて独裁的な大臣の権能を保持したい、こういうような考えから調整審議会の権能を諮問機関にした方がいい、こういうことを言つているのではございません。審議会の運営につきましては、いろいろ改善を要する点もありますし、又我々としても相当運営について尊重し、これが機能の拡充についても考えて行かなければならん点は多々あると思いますし、又その方向に向つて努力はいたしているわけであります。併し端的に申しますと、相当大量の食糧を外國から入れざるを得ない現下の情勢におきましては、この権能はやはり諮問機関ということにして置いた方が適当ではなかろうかという私の感じでございます。そうかと言いまして、この委員会の意見を無視いたしまして、農林大臣なりが独裁を発揮する、そういうわけではございません。十分この意見を尊重し、議決機関であると同樣な尊重さを持ちまして運営はして参りたい、かように思います。
#22
○板野勝次君 次に第八條ですが、これは他の方が私のいないときに質問されたかとも思います。私も先程雜談のときにちよつと申しましたのですが、第八條第一項の変更の内容を見ますと、今までは「災害その他眞にやむを得ない事由に因つて」農業計画が下から変えられなければならん。そうすると下から供出数量の変更を請求することができると、こういうふうに飽くまでもその変更の請求権を末端の生産者が握つておつた、ところが今度の改正で参りますと、下からの請求権というものはないので、一方的に上から変更された数字が指示されて來た、こういう場合、同時に変更の事情が公表されたときでないと、この請求権が、つまりこれに対する異議の申立ができないということになりますと、非常に減産その他の事情で、当時その減額の請求をして置くことがいろいろの面において便利な場合がある。いろいろな事情を見て貰つて置く、知つて置く、そうしてそういう上に立つて國家に請求をするということは極めて便利なんです。或いはこれは生産者がそういうことをしなくても、中央においても地方においても、よく実情を平素見ておいて、そうして実行するから心配はないと言われましても、今までのいろいろな割当の不当な実情から見ても、むしろこれは今までの通りに、供出数量の変更も請求することができる、しかも亦減額することができる、こういうふうに両方からの請求権があつて、初めて生産者も不安なしにやり得ると思う、それに対する局長の見解を伺いたい。
 それから今度は第八條がこのように改正されたならば、その機会にこれは非常に抽象的だろうと思うのですが、「災害その他眞にやむを得ない事由に因つて」という意味ですが、こういう点では眞に止むを得ない事由、何も事由がない場合には言わないので、むしろ今度は災害その他の事由というふうにする方がいいのではないか。やはり「眞にやむを得ない」ということがついていないとどうしても困るというふうにお考えになるのは、どういうわけか、むしろこれは削つて、災害その他の事情があつてこれは本当に止むを得ないのかどうかということはそのとき判定をなさるので、こういう点はむしろ削つて、生産者に安心を與えるということが必要なのではないかと思いますが、そういう点に対する範囲の問題について一つ伺つておきたい。
#23
○政府委員(安孫子藤吉君) 改正法案でない前の法案におきましては、生産者が災害がありますればそれを届け出まして、それで補正を受けるという下から盛上つて來た方法を採つておるのであります。今度の改正ではそれを止めまして、上からこれを下して行くというやり方を採るのであります。現状におきましてこれはいろいろ御意見もあろうかと思いまするが、これは何日でしたか、或いは十日間以内に災害がありますと、下からその都度その状況等を持出しまして、補正を受けるような手続を採るのであります。この手続は実情から申しますると、現在の生産者の立場におきましてはなかなか困難であろうということが一應想定されるわけであります。法文上は如何にも立派にその手続きがとり得るような形になつておりまするけれども、現実にはなかなかそういうわけには動きにくいというのが実情ではないかと思います。生産者の災害等による補正を十分やつて行きますことは、上から下ろして行きました方が現状においてはむしろいいのじやないかという考えもありまして、かような法案にいたしたわけであります。然らば上からも來る、下からも來るというように二本建にしたらどうか、これは法文上かような上から行くような方法を採りましても、実際問題といたしましては、どこの農家がどの程度の災害を受けておるかということを十分に認識しましてこれを各農家への補正にしてやらなければなりませんので、それを一々届け出主義のような措置をとらなくとも、各町村には技術者もあり、農業調整委員もおりますし、又いろいろこの割当に関する関係者もおりまするので、十分その辺を見当をつけておりまするならば、上から下りました補正を公正に割当てることができるのじやなかろうか、敢て法制的に二本建をする必要はなかろうじやないかというような見解を持つているわけでございます。いろいろ末端におきまする割当或いは補正等について問題があるのでありまして、この点は、今後とも十分関係者といたしましては実情を認識いたしまして、補正なり割当の適正化を図つて行かなければならん。その点についての努力は勿論拂うのでありますが、大体の行き方といたしましては、さような行き方で御指摘のような点も救われるのではないかと、かように考えている次第でございます。それから「眞にやむを得ない事由に因つて」というのは、まあ災害その他の事由によつて云々ということだけでいいのであつて、「眞にやむを得ない事由」ということを書く必要はないのじやないか、これはいろいろ氣持の問題であると思いますので、どうしてもこれを書かなければいかんのだという理窟もないと思います。
#24
○板野勝次君 それではこの質問が通るか通らんかは別といたしまして、第八條が若しそのまま通つた場合に心配になるのは、何か通牒でも出されて、そうして下からその当時災害その他いろいろな事由のあつた場合には、よくその減額の理由の生じた生産者との間に、何らかの方法でその当時の実情その他のことが把握ができるとか何とかつていうふうなものがないと、このままぽかんと行つてしまうと、將來何ら請求権がない、後から公表されたときだけ請求権が発生するために、その当時のいろいろな事情が分らなくなつたために、非常に生産者が困るという場合があると思うのですが、そういう点について伺いたいと思います。
#25
○政府委員(安孫子藤吉君) その辺の本年度から採ろうといたしております措置を申上げますと、大体縣なり郡なりの全体の災害その他による減收等につきましては、作物報告事務所において調査をいたすことになりますが、これを町村等の個人別に、誰がどの程度の災害を受け、どの程度の減收があるかというような調査を、一人々々について食糧事務所がやるというような方針を採つて進めている次第でございます。
#26
○岡村文四郎君 どうも何遍も繰返して聞くようで甚だ残念ですが、一部保有を認めることになつておりますが、その率を示したらいいのじやないかと言うと、適当でない、それから價格の点も率だけ示せばいいのじやないかと言うと、それも適当でないと言うのですが、法は、人の運用によつて、場合によればはつきりしないことが非常に使い易い、いいこともあると思いまするが、この場合は明記して置くのでなければならんと思うのですが、適当でないというお考えをもう少し聞かして貰いたい。
#27
○政府委員(安孫子藤吉君) これは私の考えでありますので、いろいろ御批判も受けなければならんと思いますが、この一部保有の率を決めるという点は、やはりその年の食糧の需給状況、作況等によりましていろいろ変ると思います。例えば五%残すと決めるか、一〇%残すと決めるか、一五%残すと決めるか、或いは年によりますれば、非常に全國の作況がいいために、非常に高いむしろそんなものをやらなくてもいいかもしれない場合がありましようし、やるにいたしましても、非常に高い率を決めることがいい場合があると思うのです。併し需給の状況が非常に窮迫しておりますときには、その率が低いのでありまして、これはやはり毎年々々の実情によつて決めるのが適当であるので、確定した保有率をここへ書くということは、そういう意味において適当ではないのじやないかということを申上げているわけであります。それから報奬金の倍率の問題にしても、まあ法律的にこれを義務付けてしまうことが、或いは結論的にはいい場合もあろうかと思います。併しながら、現在のいろいろな経済情勢が変轉しております状況におきまして、法律に決めることはなかなか困難でもあろうという意味におきまして適当ではないのじやないかと、こういうふうに考えます。
#28
○岡村文四郎君 見解の相違かも知れません。例えば保有の倍率を決めて置きましても、只今局長のお話のように、作況により食糧の需給関係において、非常にそれを守られるか守られないかということもあると思いますが、決めて置きましても、場合によりますと、その決められた数量を保有しないで供出をする場合もあると思います。併しながら安心をして、本当に努力をして余分に作つた分といいますか、まあ幸いに天候に惠まれて生産を多く穫つたときには多いように決めておるということを示す上に、非常に有効じやないかと思います。又價格の点は、経済情勢が非常に変つておりますことはお話の通りでありますが、変つておりますために、今までの考えを基準にして決めて置きますと、恐らくそれ以上不利になることはないと思います。そのために、決めて置くことは、生産者が非常に安心をするのではないかと思うのでありますが、半面考えて見ると、政府はそこにはなかなかちよつと話にくい点があると思いますが、却つて損をしやせんか、例えば今の三倍というものは、これは非常に極端には、政府は闇の價格を決めておるということは非常にいかんと思います。若しそれを買つてもお叱りを被むらん世の中なら、もう少し全面的に價格を改正して、そうして出し得る價格にして全部供出させるのが当然であるが、これは止むを得んことなので、そういうわけに行かんのだから、どうにか決められておるということになつておりますが、恐らく、今より変つて、例えば三倍といたしますと、この三倍の價格ということは、それによつても百姓が不利になるということは恐らくないと思います。併し若しそうなると大変ですから、日本の経済の実情は私はそうならんのだと考えております。そこでそれを懸念して適当でないということならこれは別でありますが……
#29
○政府委員(安孫子藤吉君) 又蒸し返しになるのでありますが、一部保有、増産した分の保有率についてであります。併しどうしてもこれは決めるのだということになれば最低を決めるより外ないと思います。これは非常にまずいのじやないかということを私は恐れます。結論的においてそういうことは非常にまずいのじやないかということをまあ虞れるわけであります。
 それから倍率の点でありますが、これはまあお話のようにいろいろな前に経緯があつて作られたものでありまして、或いはこの米價の問題が或る程度の解決を見れば、三倍というような價格でなくてもいいのかも知れませんが、その辺のところで三倍なら三倍ということを法律で決めてしまいますことは、いろいろ又今後の問題を根本的に掘下げる上において、やはり余り適当ではないだろう、こういう考えを持つておるわけなんです。その辺はまあ蒸し返しになりまして甚だ恐縮でありますが……
#30
○山崎恒君 今超過供出の特別價格の價格制度を法文化するかどうかというような問題については、これはもういろいろ技術操作の問題があろうと思うのですが、ここで十分質して置きたいのは、この超過供出の代金を課税の対象に絶対しないというようなことが長官からはつきりとお聞かせできるかどうか、その点を一つお聞きして置きたい。
#31
○政府委員(安孫子藤吉君) これは私が申しましても何ともいたし方ないことで、日本政府といたしまして、農林大臣なり総理大臣からでも一つお答えを頂いて下さい。
#32
○板野勝次君 この市町村の農業調整委員会、これはつまり行政機関じやないわけですね。
#33
○政府委員(安孫子藤吉君) 行政機関です。
#34
○板野勝次君 そうすると從つて第十二條に、「都道府縣知事及び市町村長の監督」の下にある、こういうことが規定されておるのですから、大して農業調整委員というものは、権限がない、いわゆる下級官吏の状態に置かれておると解釈してよいのですか。監督の下に属しておるというのだから選ばれて行つたけれども上司の命令に從わなければならんという関係に置かれておるのでは、ちよつとおかしいと思うのです。
#35
○政府委員(安孫子藤吉君) 行政機関ではありまするが、つまり府縣知事その他から指揮命令を受けるという関係は全然ございません。
#36
○板野勝次君 監督というものの中に指揮命令権というようなもののない監督というものがあるというわけになるのでしよう。どうもそこらおかしいのですがちよつと十二條と今の解釈から見ますと……
#37
○委員長(楠見義男君) これは農地委員会の性格と大体似通つた何があるのですが、丁度その方の権威者の方の農政課長が見えておりますから……
#38
○説明員(小倉武一君) 農業調整委員会の性格の問題ですけれども、これは実際問題として例えば一体職員が公務員であるかどうか、或いは地方公務委員であるかどうかという問題と絡んでおりまして、なかなかむずかしい問題があると思うのです。併し一應関係官廳と相談した結果、これは行政官廳であるということ、從つて例えば市町村の農業調整委員会の籍は、地方公務員であるというふうになつておるわけです。監督の関係につきましては、市町村のそれは附属機関といたしまして、市町村に置くということになつておりますから、そうして又金も國が全部実質上負担しますけれども、直接には市町村が出すということになつておりますので、その意味において監督という言葉を使つておるわけでありまして、直接委員会にどういう決定をしろとか、どういう人を書記にしろとか、書記がどういうことをやれとか、市町村の吏員に対して村長が指揮命令をするということはできない、まして委員会に対する一般的な監督という文字から特別に指揮をする、或いは命令をするということはできないつもりでおります。
#39
○門田定藏君 第八條について、私は説明があつたそうですけれども、十分聞いておらんのですが、どうもちよつと分らんところがあるのですが、この「農林大臣は、災害その他眞に止むを得ない事由に因つて都道府縣別の農業計画において定められた数量の主要食糧農産物を供出することが困難になつたと認めるとき、又は主要食糧農産物の需給の均衡を保持するため特に必要があると認めるときは、作況等を考慮し、且つ、中央農業調整審議会及び都道府縣知事の意見に基き、都道府縣別の供出数量の変更及びその実施に関し必要な事項を定め、これを都道府縣知事に指示することができる。」これは何ですか、第一にこの問題について、中央農業調整委員会及び都道府縣知事の意見というのは、どつちの意見を聞いてもよいというのですか。両方聞かなければいかんというのですか、それを一つお伺いしたい、それから「第三條第一項又は本條第一項の規定により農林大臣の指示する都道府縣別の農業計画又はその実施に関し必要な事項に変更を來さない場合に限り、」このことですが、若し地方の災害その他によつて減收を來した場合、そうしてこれを市町村長なり知事に報告する場合は、「第三條項第一項又は本條第一項の規定により農林大臣の指示する都道府縣別の農業計画又はその実施に関し必要な事項に変更を來さない場合に限り、」ということは、これがはつきり分らんと思いますが、これについての御説明がちよつと聞きたいと思います。
#40
○政府委員(安孫子藤吉君) 前段のお話は両方の意見を聞くことであります。それから第三段の問題でありますが、これは例えば新潟縣が二百万石の、供出の方で申しますと、供出予定計画になつておるという場合に、この百万石どこか、新潟縣の一部では災害があつた、併しそれは新潟縣の作柄のよいところで埋め合せができて、二百万石なら二百万石出せる、こういう場合ということであります。
#41
○門田定藏君 それでは例えば新潟縣の一部で二百万石の減收があつた、減收があつても片一方に二百万石を補填するだけの若し新潟縣において増産がなかつた場合にはどうなるのですか。
#42
○政府委員(安孫子藤吉君) その場合は第一項の減額補正をする。
#43
○門田定藏君 そうすると第一項はこれは全國的の供出が減つて來るわけですね。
#44
○政府委員(安孫子藤吉君) 大体筋道を立ててみますと、最初に全国の作況をみまして、災害があつて、例えば日本全体として三千万石の予定数量として、三百万石必要ということになりますと、まあ三百万石について各縣の災害の状況に應じて減額をすることになると思うのです。併し或る特定の縣においてはそれ以上に実は災害が思つたよりも酷いから自分の縣で一部超過もできるから補正をしたい、こういう場合があれば、第三項で知事が農林大臣の承認を受けて補正ができる、こういう段取りになろうかと思います。
#45
○門田定藏君 それからもう一つ第六項第二項に書いてある四十日とあるのは今度二十日ということになつたのですね、これは二十日の間に作況の報告をしなかつた場合にはその公告が役に立たん、採用されんというわけですが、第三項の場合にあつては二十日と読み換えるという意味は法律の解釈はどう解釈したらいいのですか。
#46
○政府委員(安孫子藤吉君) この四十日とありますのは、これは事前割当の生産計画を起した時からであります。併し補正の場合は、まあ大体実情も分つておりますし、決定を急がなけばならん事情も予想されまするので、これを短縮したものでございます。
#47
○門田定藏君 若しいろいろな補正の場合でも、実情を調査する上において時間も非常に要する場合があると思いますが、若しこの短縮の期間を長く経過した場合には、補正のつまり要求が出せないのか、多少これが期間が経過しても実情が悪くなつたならば農民の実情を採用するという、これは大体のお考えであるか、ここらが曖昧であつて、もう一旦で決めてしまつたならば、実際農民がこういうわけで損害があつて補正の要求が事実であつても、日にちが一日過ぎたから採用されないというようなことがあつて、これは後日農民の困るようなことがたびたびこれまでの法律によつてこれはあるんですが、このことをはつきり、これは一日過ぎてもできないのかというようなこともはつきりこれはして置きたい、そういうことならば我々としても、委員会としてもこれはもつと考えねばならんのです。この点についての法の趣旨が聞きたいのです。
#48
○政府委員(安孫子藤吉君) 異議の申立というような一定の手続を経て採決する日にちでありますので、これは嚴格に守つて参りたいとかように思います。
#49
○門田定藏君 分りました。
#50
○山崎恒君 第八條の最後ですが、先程藤野委員からも質問されたのですが、超過供出の場合に、食糧事情が許す限りは増産数量の、増加食糧の一部を保有させるというんですが。この場合に食糧事情が許さなかつたならば、増産数量は挙げて全部超過供出に出すのかどうか、この点を今一回一つお伺いしたい。
#51
○政府委員(安孫子藤吉君) 食糧事情が急迫しておりましても、増産部分の全部を取るということはやらんという考えであります。
#52
○岡村文四郎君 これは多分間違いだと思うんですが、六條の二項の「市町村長は、前項の申立を受けたときは、市町村農業調整委員会の議を経て、同項の期間満了後」三十日とあるが、これは二十日ですね。
#53
○政府委員(安孫子藤吉君) 二十日の間違いです。訂正したものをお配りしてあります。
#54
○委員長(楠見義男君) 外に御質疑がなければ本日はこの程度にいたします。これで散会いたします。
   午後四時五十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           平沼彌太郎君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  國務大臣
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
  説明員
   農林事務官
   (農政局農政課
   長)      小倉 武一君
ソース: 国立国会図書館
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