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#1
第061回国会 本会議 第68号
昭和四十四年七月二十八日(月曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第五十九号
  昭和四十四年七月二十八日
   午前十時開議
 第一 文教委員長大坪保雄君解任決議案(柳田
  秀一君外五名提出)     (前会の続)
 第二 昭和四十二年度及び昭和四十三年度にお
  ける地方公務員等共済組合法の規定による年
  金の額の改定等に関する法律等の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第三 大学の運営に関する臨時措置法案(内閣
  提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 文教委員長大坪保雄君解任決議案
  (柳田秀一君外五名提出)  (前会の続)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
   (日程第一について)
 議院運営委員長久野忠治君辞任の件
 議院運営委員長の選挙
 文部大臣坂田道太君不信任決議案(柳田秀一君
  外五名提出)
   午前十時二十四分開議
#2
○議長(松田竹千代君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 文教委員長大坪保雄君解任決議案
  (柳田秀一君外五名提出)   (前会の続)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
#3
○議長(松田竹千代君) 日程第一、文教委員長大坪保雄君解任決議案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 園田直君外二十六名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#4
○議長(松田竹千代君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#5
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#6
○議長(松田竹千代君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#7
○議長(松田竹千代君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百四十八
  可とする者(白票)       二百七
  否とする者(青票)      百四十一
#8
○議長(松田竹千代君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 園田直君外二十六名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内海 英男君
      浦野 幸男君    遠藤 三郎君
      小川 平二君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      桂木 鉄夫君    金丸  信君
      金子 一平君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    川崎 秀二君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    菊池 義郎君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    鯨岡 兵輔君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      小宮山重四郎君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 文生君    齋藤 邦吉君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫/塩谷 一夫君    重政 誠之君
      島村 一郎君    正示啓次郎君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中尾 栄一君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中村庸一郎君    中山 榮一君
      永田 亮一君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    南條 徳男君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    羽田武嗣郎君
      葉梨 信行君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    早川  崇君
      原 健三郎君    原田  憲君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      船田  中君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松野 頼三君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森下 國雄君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    山口シヅエ君
      山口 敏夫君    山下 元利君
      山田 久就君    山中 貞則君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      石川 次夫君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      兒玉 末男君    後藤 俊男君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      武部  文君    只松 祐治君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      内藤 良平君    中澤 茂一君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      中村 重光君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野間千代三君
      芳賀  貢君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    原   茂君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山中 吾郎君    山花 秀雄君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 惣蔵君    渡辺 芳男君
      浅井 美幸君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
#9
○議長(松田竹千代君) 園田直君外二十六名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#10
○議長(松田竹千代君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#11
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#12
○議長(松田竹千代君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#13
○議長(松田竹千代君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百十二
  可とする者(白票)       百八十五
    〔拍手〕
  否とする者(青票)       百二十七
    〔拍手〕
#14
○議長(松田竹千代君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
  園田直君外二十六名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      石田 博英君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      小笠 公韶君    小川 平二君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大橋 武夫君
      大村 襄治君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 岩三君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 俊夫君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      小宮山重四郎君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 文生君    齋藤 邦吉君
      坂田 道太君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      志賀健次郎君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田川 誠一君    田澤 吉郎君
      田中伊三次君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村 良平君    高橋清一郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      塚田  徹君    辻  寛一君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中川 一郎君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      永田 亮一君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    葉梨 信行君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱野 清吾君
      早川  崇君    原 健三郎君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      船田  中君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松野 頼三君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      石川 次夫君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      神近 市子君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      後藤 俊男君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島本 虎三君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      武部  文君    只松 祐治君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森  義視君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      山内  広君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米内山義一郎君    米田 東吾君
      依田 圭五君    渡辺 芳男君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#15
○議長(松田竹千代君) この際、午後二時まで休憩いたします。
    午後零時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時五分開議
#16
○副議長(藤枝泉介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一につき討論の通告があります。順次これを許します。藤波孝生君。
    〔藤波孝生君登壇〕
#17
○藤波孝生君 私は、ただいま議題となっております文教委員長大坪保雄君解任決議案に対し、自由民主党を代表して反対討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 本決議案提出の理由は、内閣から提出された大学の運営に関する臨時措置法案を審議する文教委員会において、大坪委員長の委員会運営が適当でなかったということにあるようであります。しかし、私は、残念ながら提案者とは全く見解を異にするものでありまして、大坪委員長に対しては、その職務執行ぶりに心からの賛辞を呈したいと思うのであります。(拍手)
 大坪委員長は終始、委員会に付託された各法案については十分に審議を尽くすという態度をとってこられました。大学の運営に関する臨時措置法案の審議におきましても、特にこの点に配慮せられ、与野党の各委員に対してできる限り発言の機会と時間を許し、また、公聴会も開いて、広くこの法律案に対する各界の意見を求めたのであります。この結果、社会党の山中吾郎君八時間四十三分をはじめとして、与野党委員の審議は実に約三十七時間に達したのであります。(拍手)この数字は、最近の重要法案といわれております日韓条約関係法案に要した約三十二時間、今国会の内閣委員会における防衛二法の三十三時間二分を上回る数字となっておるのであります。(拍手)この間、与党の各委員からは、定例日にこだわらずに連日審議しようとの強い要望が出されたのでありますが、社会党、公明党の強い反対にあい、その間、委員会の開会を公報に記載しながら会議を開くに至らなかった回数は五回を数えましたが、大坪委員長はあくまでも無理な開会を行なわず、審議に十分な日数を費やしたのであります。この法案に関する大坪委員長の慎重な委員会運営は他に例を見ないところであり、理事会、理事懇談会、委員会を根気よく開催して、誠心誠意審議に当たった大坪委員長を横暴、独善であるとする提案者の態度は、法案の絶対阻止をねらってみずからの立場のみを貫かんとする、まさに少数の暴力以外の何ものでもないと断言いたしたいのであります。(拍手)
 大学の運営に関する臨時措置法案は、大学紛争の現状を憂えている国民世論の期待にこたえるきわめて重要な法案であります。現在、国公私立合わせて六十九校に及ぶ大学が施設の占拠、封鎖あるいは授業放棄等によって、教育、研究の機能が麻痺している状態にあります。もとより、このような紛争には複雑な要因があることは承知しておりますが、暴力と破壊からは何ものも生まれず、学問の自由と学園の自治は踏みにじられて、大学の荒廃を招くことは必至であります。(拍手)大学の使命である教育と研究は一日も早く再開されなければならず、また、そのために大学の自主的な努力を助けるための緊急の措置を講ずることは、政治に課せられた義務であり、大きな責任であると考えるのであります。(拍手)
 なお、決議案の趣旨弁明のうち、大坪委員長の名誉のために明確にしておきたいことがございます。
 一つは、大坪委員長が委員会室におられた事実についてであります。
 当日の委員会は、午後二時前に、本会議の時間が迫っていることを理由に一たん休憩に入りましたが、その時点において本会議の開会が相当時間おくれる見込みもありましたので、委員長は休憩を宣する際に特に発言し、本会議の開会がおくれるようであれば、三時ごろを目途として委員会を再開すると宣告して休憩したものでありまして、そのあと委員長は委員会控室にあって、本会議の開会とにらみ合わせて委員会の開会を検討しておったのであります。(拍手)また、委員会控室におった委員長は、午後四時ごろ議長に呼ばれて議長室におもむきましたが、この事実も、当日の本会議の開会そのものが文教委員会の審議の模様と直接に結びついていることを示すものであり、委員長は委員会運営の責任を果たすために委員会室を中心にして活動しておったのでありまして、むしろ委員長として当然のことであります。(拍手)
 第二に、委員長が開会の前に委員長席に着いたということを提案者は非難しておりますが、去る七月八日、委員長が会議を開こうとした際、本解任決議案の趣旨弁明者である文教委員会理事唐橋東君が委員長席を占拠して審議に入れなかった事実があり、当日もそういった事態が起こるのではないかという心配が暗雲のごとくたれ込めて、委員長は心をくだいておられた事実を申し上げておきたいと思うのであります。(拍手)
 さらにまた、何の抵抗もしなかったと申されますが、採決の際、委員長席のマイクが引きちぎられ、机がひっくり返り、大坪委員長が左手にけがをした事実は何を物語るか、多言を要しないのであります。会期末であるにもかかわらず、どこまで審議を進めても、話し合いによる円満な採決がとうてい考えられなかった当時の状況を考えるならば、むしろ非は多数決の原理を認めようとしない一部野党の硬直化した考え方の中にあると申さなければならないと思うのであります。(拍手)
 審議の促進に苦心を重ねてこられた文教委員長は、七月二十四日、質疑終局の動議を適当と判断され、委員会の審議に終止符を打ち、全く合法的に可決せられたのであります。(拍手)冷静かつ慎重に法案の審議を進めた大坪委員長の委員会運営については、以上のとおり、非難すべき何ものをも見出すことができないのでありまして、解任決議案の趣旨は、事実を曲げて論をかまえ、もっぱら党利党略のための議論としか考えようがないのであります。(拍手)
 私は、ここに文教委員長大坪保雄君を強く信任するものであり、解任決議案に対し絶対反対の意思を表明いたしまして、反対の討論を終わる次第であります。(拍手)
#18
○副議長(藤枝泉介君) 小林信一君。
    〔小林信一君登壇〕
#19
○小林信一君 私は、ただいま議題となっております文教委員長大坪保雄君の解任決議案に対し、日本社会党を代表いたしまして賛成の意を表するものであります。(拍手)
 大坪保雄君は九州佐賀の出身であります。佐賀県は、日本武士道の中に固有の名をもって誇ります葉隠れ武士道の育ったところであります。大坪君は小柄でありますが、一見して古武士を思わせる風格を持っております。佐賀に生まれて古武士の風格がありとせば、葉隠れの伝統を受け、死ぬことは生きることと見つけたりの葉隠れの精神が生きているのではないかと見るのは私だけではないと思います。ことに、私は、国会から派遣をされまして、外国の政治事情視察の名で大坪君と外遊し、寝起きを共にした関係から、表面的ではありますが、大坪君の人物評価をしておったものであります。きわめて謹厳で、腹がすわっていて、ものに動じない、観察力が鋭く、決して妥協しない、実にきちょうめん、多少冷たい感じのある人でありますが、私は、そう把握しておったわけであります。ですから、大坪君が、もし性善であれば、まれに見るすぐれた人材になり得る、もし、逆に性悪であるならば、こんな危険な人物はないと思うのであります。(拍手)しかし、私は、先ほど申しましたように、その心底に葉隠れの精神がある、こう考えておりましたので、一つの期待をこの大坪君に持っておったわけであります。
 と申しますのは、大学の運営に関する臨時措置法案は、学園の紛争を何とか解決しなければならない政府・与党が、何の対策もないままに、責任のがれに出したこの提案に対しまして、文部省でさえも迷惑がっております。与党議員の中にも、必ずしも意見の一致はありません。全国の大学は、学問の自由を守るために絶対反対を叫んで、一斉に立ち上がっております。公聴会の長洲教授のことばを借りれば、安政の大獄である、こうまで極論をしておるわけであります。(拍手)もちろん、与野党の意見は、先ほど藤波君がおっしゃるように対立をしております。決して妥協できるような状態ではありません。しかし、学生の紛争を処理する法案が、混乱を起こして処理されるとあっては、国民に申しわけない。われわれはどうしたらよいか、お互いに悩んだわけであります。皆さんは御存じないかもしれませんが、文教委員会の各委員は、与野党あげてこの心配をしておったわけです。しかし、そう悩んでおりましても、先ほど申しましたように、腹のすわった委員長大坪保雄君がいる以上、最後は党派を越えてこの情勢に応ずる正しい決断を下す、いわゆる正義に殉ずる葉隠れ精神の発動ありと私は信じておったわけであります。
 ことしの二月十四日、国連社会開発局は、青年に関する調査報告書を出しております。若者は、他の世代より変動をおそれておらない、若者たちの要求は変革のための触媒であり、改善のための刺激剤であると述べております。その四日前に、ローマ法王は、「若者たちが激しい暴力で否定しようとする問題の多くが真に問題であるという事実は否定できない」と、世界共通の問題に、こう発表しております。日本の世論も、学生の暴力は否定しながら、若者の要求や提議に対し、おとなは進んでこたえるべきだと唱えておったのであります。この法案の取り扱いこそ、若者の提議に対する国会の回答となるわけであります。絶対に軽率な処置は許されなかったのであります。(拍手)
 残念ながら、委員長の下した決断は何であったか。教授や学生の意に反するだけでなく、野党のあき巣をねらう卑劣な作戦で、暴力をふるい、国会を混乱におとしいれて、国民に回答したわけであります。(拍手)私は、大坪君の罪、まことに大なりといわなければならぬのであります。
 この強行のあった直後、直ちに美しいカラーテレビでこの情景は全国放送されました。私は控、え室でもって見たのでありますが、大学法強行採決用につくったといってもいい広い新館十六委員室は、正面に豪華なつい立てを背に一段高く委員長席があります。そこに一人ぽつんと大坪委員長がすわって写っております。先ほど藤波君が、何かこれをいろいろと弁解をしましたけれども、あまりにこの問題については国会全体がきびしく自民党を批判するから、ああいう説明をしたのでありますが、結局藤波君は、語るに落ちた説明をしたと私はいわなければならぬ。盗人たけだけしいということばが、私はこれに的中すると思うのであります。(拍手)本会議場で記名採決が行なわれておるにもかかわらず、強行作戦の戦闘配置についている光景は、知事をした大坪君とも思えないいじらしさを私は感じました。そうして、さもしい自民党の根性がうかがわれます。と同時に、こうまでして国会を侮辱する自民党と、大坪君を中心とする自民党の文教委員に対しまして、激しい憤りを私は感じたのであります。(拍手)
 私は、この状況は、富士川をはさんで源氏と対峙した平家が水鳥に驚いたようなものは想像いたしましたが、佐賀を象徴する誇り高い葉隠れ武士のイメージというものは、残念ながら、わいてこなかったのであります。それよりも佐賀には、葉隠れと対比することばがあります。佐賀もんの歩いたあとには草も生えぬということばであります。(拍手)それを表現する意味は、大坪君に失礼でございますから私は申しませんが、大坪君には、葉隠れ武士よりも、このことばのほうが最も的中しておると思われます。(拍手)つまり、大坪君が文教委員長として歩いた道は、若い者のエネルギー、その若い芽をつんでいる。学問の自由を奪って、日本の将来に暗黒をもたらす結果を招来しようとしているからであります。
 もう一つ、私はこの法案にかけた問題があります。それは、委員会の運営を根本的に改善することであります。
 あの時代的な、委員部から紙をもらって、それを読んで終わるような委員長で、ほんとうに委員会の使命が達せられるかという考えから、しかも、大学法案に対してそういう点を痛感したから、このことを何回も私は委員長に提案をしました。現在の政党のあり方では、審議以前に法案に対するところの態度はきめております。しかし、われわれよりも自民党が先にきめてくる、そこに問題があるわけであります。しかし委員長が、党からつけられておりますひもを意識することなく、英知をもって運営にくふうと努力を重ねるならば、何らかの妥協が見出せるはずであります。しかし与党議員は、議席を埋めることが任務で、単行本を持ち込んで読書にふけっておるような状態が最近は多くなってきております。これには一片の注意を与えることなく、野党の質問に対しましては、その内容は問題とせずに、アポロが出発するときに、きびしく秒読みをいたします、あれと同じで、先ほど藤波君が問題にしましたが、思想の問題、学問の問題、これほど関心を持っておる大学法に対して、時間で計量して審議がどうだというふうなことは、私は法案の性格を知らない、政治の責任を忘れておる与党諸君の発言だといわざるを得ないのであります。(拍手)そういう秒読みの中で強行採決の理由をつくって、その時間を待つのがせいぜい委員長の任務だとするならば、私は大坪君を無能だとは申しません、しかし、委員会の権威を保持することのできない委員長だとは申し上げなければならぬのであります。(拍手)
 最も遺憾だったのは、藤波君がいま公聴会の問題を出されましたが、われわれはいろいろな要求が実現しない中で、これだけはどうでもというのが公聴会開催の要求であったのですが、大坪委員長は何と答えたか、党の方針だから開催いたしませんと、言下にこれを退けたのであります。やむなくわれわれ野党が、私と民社の鈴木君が自民党の幹部をたずねて説得をした結果、あの公聴会は実現したわけであります。(拍手)藤波君が公聴会を開いた云々と言うけれども、あなた方は、これを言下に退けたんだ。(拍手)いかに非民主的であるか、いかに党というものにこだわる、権力に弱い官僚型の委員長であるか、私は追及しなければならぬと思うのであります。(拍手)
#20
○副議長(藤枝泉介君) 小林君、時間ですから、結論を急いでください。
#21
○小林信一君(続) 私は、この際、申し上げます。
 今後の委員会運営の条件は、委員の人間関係をいかに融和させるかが最も大きな秘訣だと思います。大坪君は、他人に好感を与えることはたいへん損をするように考えられ、自己の権威が何か失われるように考えておる。したがって、理事会、委員会における姿勢は、常時対決のかまえで、相手に悪感情を抱かせる、それが無上の御趣味であるように私はうかがったわけであります。藤波君のお話を聞けば、まことにこういう点についてはりっぱな委員長のように説明をされましたけれども、私は、それが大坪君の最も不適当な性格であるといわなければならぬのであります。(拍手)
 例をあげます。まことに私は残念でございますが、恒例であります委員長の招待に、野党委員が偶然ではありますが一人も出席しなかったのは、こうした委員長の人間性が影響したわけであります。
#22
○副議長(藤枝泉介君) 小林君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#23
○小林信一君(続) 私は、さらに申し上げたい。与党の委員の中には、南條前建設大臣、周東前農林大臣、増田前防衛庁長官、以上の三人はともかくといたしまして、有為の人材といわれる機内前通産大臣、臼井前総務長官、さらに自民党の中堅幹部として筆頭理事である高見氏をはじめ、稻葉、谷川、八木、久保田と、実に五人の前文部次官がこれに配置してあります。出藍の誉れあります西岡、河野、藤波、こういう精鋭をそろえながら、その英知の結集が、ただあき巣ねらいに終わったということは、この人たちも、私はみずから反省しなければならぬと思うのであります。(拍手)皆さん、権力で人を動かすことになれてまいりました大坪君には、みずからの人格によって人を動かす力がなかった。これほどたくさんなりっぱな与党委員を控えながら、あき巣ねらいに終わったということは、何と申しましても、大坪君のこうした人間性の欠除から出ておることを私は指摘しなければならぬのであります。
 公聴会で石川教授は、法案の学長への権限集中制を批判しておりまして、必要なのは学長の指導性、高度の人間性の発揮にある、そこで学長と教官が結びつき、教官と学生が接する、これが大学再建の基本的なものだということを強調しました。大坪君にこの思想が理解されるなら、与党委員の協力の中で強行採決は思いとどまり、新たな道の発見に努力されたのではないかと、いまさら残念でなりません。大坪君の人間性欠除がこうした混乱を起こしておることを、私は、大坪君自身が反省し、もろもろの罪を謙虚にわびると同時に、委員長の席を一日も早く下がり、御高齢のようでございますが、壮者をしのぐかくしゃくたるもののあることを私は見受けておりますので、郷土の誇り、葉隠れ精神にもう一度徹せられるような御精進を私はお願い申し上げて、賛成の討論といたすものでありますが、先ほど、大坪委員長がけがをしたとか、コードが切れたとかいうことをもって、大坪委員長がまさに天下から非難を受けている点を藤波君が弁解しようとしました。
#24
○副議長(藤枝泉介君) 小林君、制限時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
#25
○小林信一君(続) 私たち社会党は、絶対に手を触れておりません。コードは、大坪君を抱いた自民党の諸君が無理に引っぱったために、机についておったものが切れたわけです。そして、衛視に囲まれて、あの委員長席のうしろを通ろうとするときに、手にけがをしたかもしれませんけれども、私どもは、一指も触れておらない。文教委員として恥ずかしくない健闘をしようとして終始した。
 最後に、そんな汚点を残すようなことは、残念ながら野党はしなかったということを天下に明言いたしまして、私の賛成討論を終わらしていただきます。(拍手)
#26
○副議長(藤枝泉介君) 田中昭二君。
    〔田中昭二君登壇〕
#27
○田中昭二君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま提案のありました文教常任委員長大坪保雄君に対する解任決議案に賛成の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 去る七月二十四日の本会議開会中の大坪君の態度についてでありますが、当日大坪君は、午前から午後にかけて文教委員会を主宰しながら、本会議を欠席し、本会議における各法案の採決権をみずから放棄し、第十六委員室の委員長席を占拠し続けたのであります。委員長席を確保するために本会議をボイコットするなどということは、まさに前代未聞、範を示すべき国会役員として断じて許すことのできない行為であります。(拍手)その非常識な行為を国民の前に深く恥ずべきであります。
 次に指摘されることは、院の最高権威である議長の裁定並びにあっせんを全く無視したことであります。
 石井議長が辞職し、松田新議長のもと、一応国会審議は軌道に乗っていたのであります。審議が軌道に乗ったのは、あくまでも新議長の裁定を各党が尊重したからにほかならないのであります。すなわち、与党は強行採決はしない、野党は物理的抵抗はしないとの約束が守られたからであり、この約束によって文教委員会も再開されていたのであります。しかるに、この議長裁定、各党への公約を一方的に踏みにじった大坪君の行動は、国会を混乱におとしいれてしまったのであり、これまた許さるべきことではありません。特に議長の慎重審議の要請を一方的に無視した行為は、議会制民主主義をみずから踏みにじったもので、断じて許さるべきものではないのであります。大坪君は、野党の諸君が委員長席に詰めかけてきたではないかとの反論をされるかもしれませんが、そのようにしてしまったのは、大坪君が本会議をボイコットしたことが直接の原因であり、これらの議員を非難しようとしても、天につばする者は必ずみずからに返ってくると同じであり、全くの詭弁にすぎないことを自覚すべきでありましょう。大坪君は、かかる騒ぎをみずから招いただけでも、委員長の席にとどまる資格はありません。
 第三に、大坪君の言動はきわめて信頼できないことがあげられるのであります。
 当日、大坪君は、委員会の審議を進めるにあたり、できるだけ多くの人に質疑をさせたいとしばしば発言しておるのであります。質問通告は野党だけで十三名、一応質疑を終わらした者四名にすぎません。質疑時間は三十時間を経過しているとの反論もありますが、かかる問題点の多い重要法案が三十時間程度で質疑が十分と考えるのは、非常識きわまりないといわざるを得ません。(拍手)この大学運営に関する臨時措置法案を、十分な質疑、討論もなく一方的に採決したことは、大坪君の言に全く信頼がおけない証拠であり、委員長の資格に欠けるものといわざるを得ません。
 いまさら申すまでもなく、大学運営に関する臨時措置法案は、広く国民の注視を集め、関心を寄せてその成り行きを見守っていた重要法案であります。国民はひとしく国会において十分な審議の行なわれることを期待し、問題の本質的解決を強く要望していたのであります。しかも、大学の運営に関する臨時措置法案に対する反対の声は、いまや、大学関係者のみならず、全国民的規模にまで高まっており、さらに法案を成文化する文部省ですら、全く消極的態度を示していたのであります。すなわち、坂田文部大臣みずから、このたびの法案で真の大学改革ができるとは思わない、大学紛争は一片の法律で収拾に向かうほど簡単ではないなどと発言しており、立法推進者側の内部からさえも疑問視されておるのであります。また、東大の加藤学長をはじめ大学側からも、この法案は紛争の解決をますます困難にするだけだという強い反撃を受けており、数ある紛争校の中で、立法に賛成する大学はただの一校もないという実情なのであります。
 過日、朝日新聞が行なった大学紛争についての全国世論調査の結果を見ると、この大学の運営に関する臨時措置法案に賛成する者はわずかに二五%にすぎず、立法の内容の一つである、政府の命令で休校、閉鎖できるという点では、反対する者が賛成の数を圧倒し、また、この法案が解決策にならないと考える者が半数を占めているのであります。これに対して、立法で解決できると見る人は一五%にすぎず、さらに、大学紛争をどうするのがよいかという点については、大学にまかせるというのが一一%、政府にまかせるというのはわずか四%という少数であります。わずか四%。したがって、今回の文教委員会における強行採決は、わずかにこの四%の支持に基づいて行なわれたといっても決して過言ではないのであります。(拍手)
 政府・自民党は、慎重審議をという国民の期待を踏みにじり、大衆の声を完全に無視し去ったのであります。そして、そのお先棒をかついだのが大坪委員長だったのであります。これは多数暴力による独裁にひとしく、議会制民主主義を破壊した国会運営の実態を見て、国民ははたして何を感じているでありましょうか。国民をして深い失望と一そうの政治不信にかり立てたことは間違いない事実であると思うものであります。(拍手)もはや国民は、憤りを通り越して、政治に対する抜きがたい絶望感を持ったことでありましょう。その罪こそ大とすべきであります。これひとえに、大坪委員長の委員会運営の無能と人間性欠除からきた重大なる過失であり、断じて許すことのできないものであります。
#28
○副議長(藤枝泉介君) 田中君、時間ですから、結論を急いでください。
#29
○田中昭二君(続) 健康保険法の改悪が政府・自民党の手によって強行採決されたのは、つい先日のことでありますが、そのお先棒をかついだ石井前議長と小平前副議長は、きびしい世論の追及の前には、ともにみずからの非をわびて、責任を感じて辞職していったではありませんか。しかるに一大坪君は、これほど国民の非難を浴びながら、いまだ何らの反省の色を認めることができないとするならば、大坪君の解任は当然であります。
 以上、解任決議案に賛成して、討論を終わるものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
   (日程第一について)
#30
○副議長(藤枝泉介君) 園田直君外二十六名から、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#31
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#32
○副議長(藤枝泉介君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
    〔投票継続〕
#33
○副議長(藤枝泉介君) すみやかに投票ぜられんことを望みます。
    〔投票継続〕
#34
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#35
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#36
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百三十七
  可とする者(白票)        二百七
  否とする者(青票)        百三十
#37
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、討論は終局するに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 園田直君外二十六名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      石田 博英君    一萬田尚登君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小笠 公韶君    小川 平二君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      菅野和太郎君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    齋藤 邦吉君
      斎藤 寿夫君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    四宮 久吉君
      志賀健次郎君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中尾 栄一君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中曽根康弘君
      中村 梅吉君    中山 榮一君
      中山 マサ君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      長谷川 峻君    八田 貞義君
      早川  崇君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 健司君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      藤山愛一郎君    船田  中君
      古井 喜實君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松野 幸泰君    三池  信君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    池田正之輔君
      關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      阿部 昭吾君    阿部 助哉君
      赤路 友藏君    淡谷 悠藏君
      井岡 大治君    井手 以誠君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      後藤 俊男君    河野  密君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      内藤 良平君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    原   茂君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 惣蔵君    渡辺 芳男君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――
#38
○副議長(藤枝泉介君) 日程第一につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#39
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#40
○副議長(藤枝泉介君) すみやかに投票せられんことを望みます。
    〔投票継続〕
#41
○副議長(藤枝泉介君) 投票をお急ぎ願います。
    〔投票継続〕
#42
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#43
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#44
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百四十五
  可とする者(白票)       百三十六
  否とする者(青票)        二百九
    〔拍手〕
#45
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、文教委員長大坪保雄君解任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 柳田秀一君外五名提出案教委員長大坪保雄君解任決議案を可とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      伊賀 定盛君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      兒玉 末男君    後藤 俊男君
      河野  密君    神門至馬夫君
      佐々栄三郎君    佐々木更三君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    實川 清之君
      柴田 健治君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    西風  勲君
      野口 忠夫君    野間千代三君
      芳賀  貢君    長谷川正三君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    原   茂君
      平岡忠次郎君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森  義視君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      安井 吉典君    柳田 秀一君
      山内  広君    山崎 始男君
      山中 吾郎君    山花 秀雄君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 芳男君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      林  百郎君    松本 善明君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    石井光次郎君
      石田 博英君    一萬田尚登君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      小笠 公韶君    小川 平二君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大久保武雄君
      大竹 太郎君    大野  明君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      桂木 鉄夫君    金丸  信君
      金子 一平君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川崎 秀二君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    鯨岡 兵輔君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小坂善太郎君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 文生君    佐藤洋之助君
      齋藤 邦吉君    斎藤 寿夫君
      坂田 道太君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    進藤 一馬君
      周東 英雄君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中曽根康弘君
      中村 梅吉君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱野 清吾君
      早川  崇君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      藤山愛一郎君    船田  中君
      古井 喜實君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      本名  武君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    三池  信君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森下 國雄君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      關谷 勝利君
     ――――◇―――――
#46
○副議長(藤枝泉介君) この際、一時間三十分休憩いたします。
    午後五時三十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後七時二十四分開議
#47
○議長(松田竹千代君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 議院運営委員長久野忠治君辞任の件
#48
○議長(松田竹千代君) おはかりいたします。
 議院運営委員長久野忠治君から、委員長を辞任いたしたいとの申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○議長(松田竹千代君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。
     ――――◇―――――
 議院運営委員長の選挙
#50
○議長(松田竹千代君) つきましては、この際、議院運営委員長の選挙を行ないます。
 選挙の手続につきましては議長の選挙の例によることとなっております。なお、念のため申し上げますと、投票は単記無名投票であります。諸君のお手元に配付してありますところの投票用紙に被選人の氏名を記載せられ、木札の名刺を添えて御持参あらんことを望みます。
 これより点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#51
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。
 これより名刺及び投票の計算を命じます。
    〔参事名刺及び投票を計算〕
#52
○議長(松田竹千代君) 投票総数三百七十。名刺の数もこれと符合いたしております。本投票の過半数は百八十六であります。
 これより投票の点検を命じます。
    〔参事投票を点検〕
#53
○議長(松田竹千代君) 投票中、「島上」と記載したものが四票あります。議院運営委員中、同姓の方がありませんから、先例により島上善五郎君に投票したものと認め、有効といたします。
 投票中、議員以外の者の氏名を記載したものが二票あります。これは当然無効であります。
    〔参事投票の点検を継続〕
#54
○議長(松田竹千代君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
         二百二十五点 塚原 俊郎君
    〔拍手〕
          百四十三点 島上善五郎君
    〔拍手〕
          ほかに無効 二
#55
○議長(松田竹千代君) 右の結果、塚原俊郎君が議院運営委員長に当選せられました。
    〔拍手〕
    ―――――――――――――
     ――――◇―――――
#56
○議長(松田竹千代君) この際、十五分間休憩いたします。
    午後九時十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後九時四十四分開議
#57
○副議長(藤枝泉介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 文部大臣坂田道太君不信任決議案(柳田秀一
  君外五名提出)
          (委員会審査省略要求案件)
#58
○副議長(藤枝泉介君) 柳田秀一君外正名から、文部大臣坂田道太君不信任決議案が提出されました。
 本決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略して議事日程に追加するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○副議長(藤枝泉介君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 文部大臣坂田道太君不信任決議案を議題といたします。
#60
○副議長(藤枝泉介君) 提出者の趣旨弁明を許します。斉藤正男君。
    〔斉藤正男君登壇〕
#61
○斉藤正男君 私は、日本社会党並びに公明党を代表し、文部大臣坂田道太君不信任決議案を提出せんとするものであります。
 まず、案文を朗読いたします。
    文部大臣坂田道太君不信任決議案
 本院は、文部大臣坂田道太君を信任せず。
 右決議する。
    〔拍手〕
      理 由
 文部大臣坂田道太君は、日本国憲法ならびに教育基本法を尊重し、その各条項を実現する重大なる責務を果たさず、今国会に「大学の運営に関する臨時措置法案」を提出し、国会を混乱せしめた。
 この法案は、学長への権限集中、文部大臣の監督権強化、教員人事への不当な干渉、一方的な休廃校認定など国家権力の介入によって、大学が自由的におしすすめようとしている民主的大学改革の努力を圧殺するものである。また、学問・思想・表現の自由を侵害し、大学の生命にひとしい大学の自治を破壊するものといわねばならない。
 したがって、世論のきびしい非難をあびている反動法案を提出し、なんら反省の色を示さない文部大臣の責任はきわめて重大であり、大臣の職責を果たすには不適格である。
これが本決議案を提出する理由であります。(拍手)
 以下、内容について説明を申し上げます。
 全国の学園紛争が提起した問題は複雑多岐にわたり、現体制における矛盾の縮図であると断言して誤りないと思うのであります。このような学園紛争を法律で規制しようとすることは、現象面にのみとらわれて本質を見失っているものであり、発想自体に大きな誤りがあると思うのであります。一部暴力行為を口実に、法律で大学を国家権力に従属させようとすることは、国家万能主義、法律万能主義の弊害におちいった十九世紀的国家観であり、支配者のための法律支配であるといわなければなりません。秩序の維持を標擁して、憲法秩序を無視した権力的秩序維持は、当然無効なのであります。
 今日の学園紛争が提起し、問われている問題は、大きく分けて二つあると思うのであります。それは大学内部の問題と、外部の問題であります。大学内部における問題は、学問の自由、大学の自治にふさわしくない現状、諸制度に対する批判、異議の申し立て、大学の自治に対する学生の権利の要求としてあらわれているのであります。外部に対しては、社会全般にわたる不満の表明、なかんずく、政治に対する抗議の姿勢なのであります。大学とは、学問とは、知識人、研究者の役割りとは、民主主義とは、議会制民主主義とは、これまであまりにも当然視されて、不問に付されていた問題がすべて疑問符をもって検討され始めているのであります。このような根深く複雑な問題をたな上げし、一部暴力行為を拡大して、文部大臣坂田道太君は次のように述べたのであります。「一部の学生によってまさにこの大学の自治が侵され、あるいは学問の自由が侵されようとしておるのではないかというふうに私は思っております。」と、ここに発想的に大きな誤りがあると思うのであります。大学紛争の病根は深く、大きく、多岐多様で複雑なのであります。
 今回問題となっている大学の運営に関する臨時措置法案は、大学による自主的収拾の努力を助けることを目的としているのでありますけれども、その目的とは全く逆に、紛争はますます激化し、大学関係人から総反撃を食っている悪法なのであります。(拍手)民主主義に立脚する法治主義を空洞化し、悪法も法なりの考えを貫くとすれば、悪法は国家権力を背景に重大な犯罪行為的罪悪を犯すことになるのであります。最近の国会に見られる民主主義、議会制民主主義を否定するような数々の立法手続、憲法違反手続による法律が法律として効力があるとするならば、国家の暴力機構化は、だれの目にも明白になってくるのであります。学生の暴力行為は司法裁判所でさばかれますが、立法プロセスの暴力、悪法の暴力をだれがさばくのでありましょうか。議院自律権のもとにこのことが不問にされることは、許されない暴挙といわなければなりません。国権の最高機関である国会において、悪法の実体を明らかにし、国民の名において政府のやり方を弾劾するのが私どもの責務でありましょう。
 大学の運営に関する臨時措置法案の提案理由の説明にあたり、坂田文部大臣は次のように述べております。「戦後の大学は、新制度のもとに再発足し、産業経済の発展、科学技術の進歩、国民の進学率の上昇等の事情により、戦後二十数年の間に急激に膨張しました。また、これに伴って多様な資質能力を持つ学生が入学することとなり、加えて大学教育に対する社会の要請も時代に応じて変動し、単に大学教育の対象が拡大したのみならず、その内容においても質的に変化してまいりました。それにもかかわらず、これらの変化に即応した大学の体制がとられないままに今日に至ったところに大学問題の大きな原因があるものと考えております。」と。このことばは、文教行政の最高責任者としての坂田文部大臣のことばでありますけれども、ここにあらわれている大臣の姿勢は、ただ単なる事実の羅列であり、紛争の原因をみずからの責任として提起しながら、人ごとのように見ている無責任さだけであります。文教行政の最高責任者としての反省も積極的な姿勢も全く見られないのであります。今日の大学紛争が、大臣みずから認めている政府、文部省の義務不履行にあることを思うとき、まず、その義務を履行すべきであり、立法による解決ということは、木によって魚を求めるたぐい以下の何ものでもありません。戦後の文教行政の誤りを不問にし、自己を省みて反省することなく、ただいたずらに一部暴力行為をあたかも学園紛争の全体であるかのように見ている偏向性は、文教行政の本質を見失ったものであり、その責めをのがれることはできないのであります。(拍手)戦後の文教行政の流れの中に現在の立法を位置づけてみれば、大学管理、国家権力の大学への介入、学問の国家権力による統制の意図は明白であります。
 国家権力の大学への介入は何もいまに始まったことではなく、新制大学の発足した昭和二十四年に、早くもCIE顧問イールズのバックアップによる大学管理二法案となって具体化したのであります。その後、昭和二十五年の学内デモ・集会についての文部次官通達、昭和二十六年の大学管理法案の国会上程、昭和二十七年の東大ポポロ事件、昭和三十一年の文部省の学生の政治スト禁止要望、昭和三十八年、大学管理法案提出の動き、それに最近の次官通達、今回の臨時措置法と続いているのであります。
 このように、戦後、大学立法に関する概観だけ見ましても、政府、権力側は、機会あるごとに大学に対する弾圧、介入をねらってきたのであります。昭和三十八年の大学管理法当時は、国大協路線による自主規制との妥協により、提案は見送られたのでありますが、この自主規制路線に乗って、昭和四十年、東大パンフに見られる大学の自治、すなわち、教授会の自治という見解となり、国家権力が大学に介入するかわりに、大学内に国家権力の代理人を置いて大学を支配しようとしたのであります。ところが、大学の自治は、教授会の自治であるとされていたテーゼがくずれると、権力はみずから大学に乗り込まなければならなくなってきたのであります。文部大臣のことばを借りれば、言うなれば、国立大学だけにはまかせておけないということが明瞭になってきたということになるのであり、いまや、権力はきばをむいて、直接大学に襲いかかろうとしているのであります。時の政府、権力側にとって都合の悪い学問、研究者、学生を弾圧し、権力に従順な人間を大学で養成しようとするものであり、このようなことがいかに重大な誤りをおかしたかは、歴史をひもとくまでもないのであります。
 ここでもう一度、学問の自由、そのコロラリーとしての大学の自治を考えてみる必要があります。
 憲法二十三条に、「学問の自由は、これを保障する。」と規定しています。戦前の帝国大学は、国家の須要に応ずる学術、技芸を教授する機関で、官僚養成機関でありました。ここに、戦前と戦後の学問、教育に対して大きな転換が見られるのであります。戦前の天皇制軍国主義教育の基礎であった帝国大学令、教育勅語は、戦後、民主主義、平和主義、基本的人権の保障を原理とする憲法二十三条の学問の自由の保障、教育基本法に取ってかわったのであります。
 憲法二十三条は、広く一般国民に、学問的研究の自由と、その研究結果の発表の自由とを保障するとともに、特に学術の中心として、深く真理を探求することを本質とする大学におけるそれらの自由を保障することを旨とするものであります。大学は、その使命からして、当然意見の対立が予想され、その中から新しい価値、新しい秩序が生まれてくるのであります。国家権力の介入によって国家権力に反対する意見を圧殺し、国家権力の秩序を大学に導入、貫徹させることは、大学そのものの否定であり、そこには、もはや憲法二十三条の保障する学問の自由はなく、学問、大学の荒廃と死滅があるだけでありましょう。(拍手)大学の自治は、学問の自由からの制度的保障であります。学問、研究の場としての大学における真理探求の自由の特殊的保障であります。大学の人事権についても、大学の自治が認められていることは論をまちません。これは教特法において法的にも保障されているのであります。しかるに、大学の人事権に文部省が干渉する事例は、最近においても数多くその実例を指摘することができるのであります。これは大学の自治に対する国家権力の介入であります。教育基本法十条は「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行なわれるべきものである。教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行なわれなければならない。」と述べております。
#62
○副議長(藤枝泉介君) 斉藤君、時間ですから、結論を急いでください。
#63
○斉藤正男君(続) この教育基本法十条は、歴史的反省に基づいて、教育のあるべき姿と、教育行政のあり方を述べているのであって、当時のアメリカ教育使節団も、「閉鎖的な官僚主義によって支配されている教育制度は、自然に進歩の手段を喪失するのである」と述べているのであります。
 教育は、不当な支配に服することなく、教育行政は、教育の目的を遂行するに必要な請条件の整備確立という本来の目的を果たすことこそ、文教行政の最高責任者としての文部大臣の任務であります。文教行政の任務は、サービス機関としての任務であり、文部省設置法第五条第十八号に、文部省の権限として、「大学、高等専門学校、研究機関その他の教育、学術又は文化に関する機関に対し、その運営に関して指導と助言を与えること。」と述べられています。このように、文部省は、文部省設置法に明記された本来の任務である指導、助言の任務に立ち帰るべきであります。
 坂田文部大臣は、本院議員に当選すること連続十回、文部大臣に就任することを唯一の悲願とし、まっしぐらに文教畑を歩み、文教関係には造詣深く、歴代文部大臣と違い、その指導性を国民とともに期待したのでありますけれども、その期待に反し、歴代文部大臣同様、いや、それ以上に文教行政の姿勢はかたくなであり、戦後二十三年にわたる反動文教行政の維持にとどまらず、世紀の悪法をあえて提案したのであります。われわれは、文部大臣の文教行政の転換、変更を求め、忍耐強く待ったのでありますけれども……。
#64
○副議長(藤枝泉介君) 斉藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#65
○斉藤正男君(続) いまや、そのきざしは全くなく、望みは断たれました。坂田文部大臣は、ただいちずに、悪法の成立を待ち望んでいることが明らかになったのであります。
 このような文部大臣を、文教行政の最高責任者としていただくことは、わが国の将来にとって大きな誤まりをおかすおそれが多いと断ぜざるを得ません。(拍手)情において忍びませんけれども、あえて不信任決議案を提出し、御賛同を得んとするものであります。
 以上で私の提案理由の説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#66
○副議長(藤枝泉介君) 質疑の通告があります。順次これを許します。加藤清二君。
    〔加藤清二君登壇〕
#67
○加藤清二君 私は、社会党を代表し、文部大臣坂田道太君不信任決議案につき、提案者斉藤正男君に質問をせんとするものであります。
 提案者斉藤正男君は、私の最も尊敬する議員の一人でございます。人生の振り出しをまず教職にとられました。三期県議に無事御当選、その県議時代も、衆議院に当選なさってからも、終始一貫、教育振興のために、至誠一路、これに努力してこられたのでございます。こいねがわくは、私はこの質疑が日本教育振興の礎石とならんことを願ってやみません。(拍手)
 質問に入る前に、私は、教育に対するいささかの所見を述べてみたいと存じます。
 このような天下の悪法を提出なさいました自民党の方々といえども、事、家庭の教育については、たいへん御熱心のようでございます。ごらんなさい。その教育の熱心さは、やがてその子供をりっぱに育て上げたのでございます。(発言する者あり)だんだん聞きなさい、ゆっくり説明しますからね。出藍の誉れ高いところの二世の諸君が、自民党の中にもずいぶんおられるようでございます。これは本人の努力もさることながら、その両親の教育の熱心さによるものでございまして、私は心から敬意を表するものでございます。しかし、文部大臣は、事、自分の子と他人の子とはだいぶ区別をなさっていらっしゃるようでございます。すなわち、今度の法案が通過すれば、警官の力や司法の力や文部大臣の力が、大学の自治、教育の自由を侵すことに相なります。警察の力にこれをゆだねることに相なります。
    〔発言する者多し〕
#68
○副議長(藤枝泉介君) 御静粛に願います。
#69
○加藤清二君(続) 教育に司法の力が介入する、文部大臣の力が介入する、それは他人の子だからそうでございましょう。もし自分の子供がそのような立場に立ったときに、みずから好んで自分の子を警察権に渡すばかな親がどこにあるでございましょうか。(拍手)
 質問の第一……
    〔発言する者多し〕
#70
○副議長(藤枝泉介君) 御静粛に願います。
#71
○加藤清二君(続) こういう時間は……
    〔発言する者多し〕
#72
○副議長(藤枝泉介君) 御静粛に願います。
#73
○加藤清二君(続) 質問の第一、社会党においては大学問題を深く憂慮し、学生の善導と大学問題の根本的解決をはかるため、いち早く党内に大学問題特別委員会を設け、江田書記長を陣頭に衆参ベテラン三十有余名を配して、鋭意検討努力されたのでございます。この際、その趣旨、機構、経過等とあわせて、坂田文部大臣は、この特別委員会の申し入れに耳を傾けられたか、それとも馬耳東風であったか、坂田君の態度を承りたいのでございます。
 第二、この法案が通過した場合、紛争は一体どうなるでございましょうか。ふえるであろうか、減るであろうか。それにつきまして、委員会においての文相のお考えは、どのような御答弁があったでございましょうか。同時に、提案者はどのように思われましょうか。
 思うに、この新大学管理法が上程されるや、東大、京大をはじめ……(「管理法じゃないよ」と呼ぶ者あり)わざと新管理法と言っておるのでございます。――東大、京大をはじめ、全国的に大学から反対運動がわき起こってまいりました。国立大学七十校、そのうち五十校が反対の連合運動を起こしたようでございます。過去に運動の起きていなかった学校にも、反対運動が連鎖的にわき起こっていると聞いております。その実態を承りたいのでございます。
 もし、しかりとすれば、暴力学生をなくするという目的とはうらはらに、暴力学生を増強する結果となる。坂田君は、暴力学生鎮圧者ではなく、まさに学園騒動挑発者といわなければなりません。(拍手)角をためて牛を殺す愚をおかす坂田さん、あなたは、自動車に危険車、欠陥車が発見されたら、全車両の販売を停止されましょうか。交通事故が多きがゆえに、自動車の運転を全部停止されましょうか。いまこそあなたは、まずオキュパイド・ジャパン時代のマッカーサーに学ぶべきであり、論語の為政篇を読み返すべきではないでございましょうか。右側通行を強要したマッカーサーの、事故多発にかんがみ、命令を撤回したこの故知にならい、法案を撤回すべきであると思います。
 強権発動、弾圧、挑発を行なう前に、まだまだ行なうべきことがあまたあるはずでございます。話し合い、対話、説得が第一であり、原因の解明、これが第二であり、研究の援助、増強、環境の整備、これが第三でございます。その一つも実行に移されていないとすれば、怠慢もはなはだしといわなければなりません。坂田さん、いまからでもおそくない。せめて学生諸君と話し合う勇気はありませんか。後輩を説得し得ない先輩が、どうして国民全体を説得し得ましょうか。なぜかならば、坂田さん、あなたも佐藤総理大臣も東大の先輩ではございませんか。提案者は、これについて何とお考えでございましょうか。(拍手)
 第三に、原因の除去のうち、環境の整備について承りたい。
 教育の効果をあげるにあたりまして、教育環境が重要であることは、専門の教育学をひもどくまでもなく、孟母三遷の教えがよく示すところでございます。しかるところ、今日の国立大学は一体どうなっているか。名古屋大学にその例をとってみましょう。教養学部学生三千四百六十九名、いす、机の数は二千個でございます。職員一人当たり学生の数が四十五・六名でございます。学生三・五人に対し机は二つしかございません。小学校、中学校をすし詰めで育ちました子供が、大学では机がない。通勤電車もすし詰め、料金だけは、電車、汽車賃も授業料も値上げ値上げでございます。これでは学生ならずとも、政治の矛盾に気のつくのは当然でございましょう。授業が行なわれても、机がないから廊下で立ち聞き、教師の顔はのぞき見、これでは傍観者になるのはあたりまえでございましょう。七分の三の生徒は、学校で罪もないのに立ちん坊でございます。晴れた日は野天で昼食だが、雨の日は、しかたがない、廊下に新聞紙を敷いて、弁当を食べるのが実情でございます。これはニコヨンの話ではありません。(「それと何の関係があるか」と呼ぶ者あり)関係が大ありです。日本の国立大学の実況放送でございます。(拍手)青年時代は苦労も修行の中と見る向きがございますが、しかし、この環境で女子の行儀の学習、男子の規律の訓練は、とうてい望み得ないところでございましょう。一人の職員に生徒数が四十五・六人、一人の教官に対して二十五・三人、あまりにも多量生産であり、あまりにもマスプロでございます。
 先進文化国家では、小中学校といえども一教室は二十人前後でございます。アポロを生んだアメリカの物理学教室、ジアスターゼを発見した当時の北里教室、明治の元勲を養成した松下村塾――佐藤総理がよく御存じのところでございます。ともに先生と生徒の数はせいぜいフィフティー・フィフティーでございます。先生の数が生徒の数を上回っていたところもございます。ほんとうの教育は、魂と魂、剥啄相和するところに生ずるものでございまして、磁石が砂鉄を引きつけるようなところ、火花はございません。プラスとマイナスの電気の触れ合うところ、火花が散ると同時に、エネルギーも発生することは、御案内のとおりでございます。すし詰め大学のあるところ、多量生産はあっても、意思の疎通はなく、不満はあっても、魂の触れ合いはない。敬愛のなきところ、真の教育はあり得ないのでございます。学生暴走の原因がここにあることは、心理学者ならずとも、良識者のよく指摘するところでございまして、提案者は何と考えられておられましょうや。一体大臣はわかっていたのか、いないのか、わかっていたとするならば、なぜこれに対して対策を立てられなかったのでございましょうか。原因を除去せずして、結果だけを権力で弾圧しても、問題の根本解決はできないと思います。
 これに、かてて加えて問題がございます。設備の不足、教官の不足のやさきに、文部大臣は国立大学の助手の定員を削減されたようでございます。その模様が次のように通告されたと聞きますが、はたしてこれはほんとうかと疑いたくなるほどの問題です。東大八十七名、京大五十七名、名大三十五名、新潟大二十名、以下略します。これはまさに首切りでございます。
#74
○副議長(藤枝泉介君) 加藤君、時間ですから、結論を急いでください。
#75
○加藤清二君(続) 防衛大臣は、定数が実員数より一万五千八百人もあり余っているその上に、なお切衛二法で七千有余人の定員増を要求されました。余っているワクを、なお要求する防衛大臣がまかり通る内閣でございます。なぜ、足りないのに、なお定員を削るのか。文部大臣、文部大臣は口を開けば解決を言いながら、大学紛争の火に油を注いでいるといわざるを得ないのでございます。(拍手)
 これを要するに、一つには、みずから選んだ公述人、国会が選んだ国民代表の声は聞かず、二つには、大学当事者の声も顧みず、三つには、公党野党第一党の声は聞き流し、四つには、足りない定員はなお切り捨てる、もはや自民党のもとには、国会法も憲法もその影を薄くいたしたようでございます。自民党あって国民なく、自民党あって国会なく、国民不在の上にあぐらをかく居直り政党であり、これは国民の名において糾弾されなければなりません。(拍手)おごる平家と同一政党と断ぜざるを得ないのでございます。
 最後に、坂田大臣は、この法案につき何を求め、何を得ようとしていらっしゃるのでございましょうか。一つには、当事者、師弟ともに反対の法案は、一そう大学の紛糾を呼び、心ある学者は学園を去り、学園は御用学者の牛耳るところとなり、荒廃の極に達するでございましょう。二つには、会期末衆参両院で審決を急いでいるあまたの法案、国民の希望する国民にとっての重要法案は、このおかげでダウンダウンに追い込まれております。三つ目には、打ち続く自民党の国会強行突破は、日本政治の品位を安売りし、民主主義不毛の印象を与え、あすから行なわれます……、
#76
○副議長(藤枝泉介君) 加藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#77
○加藤清二君(続) 日米経済会議にも、また万国博覧会にも、大きなハンディを与えるでございましょう。
 以上のような重大なマイナス、デメリットがあるのに、坂田君の得るものは一体何であるか。自民党のメリットは一体何であるか。それは大学の解決か、国民の賛辞か、彼の名誉か、はたまた勲章であるのか、いないな、三者ともいな、あらずあらず、さにあらず、得るは、今日国民怨嗟の声、後日歴史に残る汚名、悪名でございましょう。すなわち、政治への不信こそは、ここから始まるといわざるを得ません。それでもなお、彼、坂田君は因果応報でありましょうけれども、われわれ国会議員は深くこれを憂うるのでございます。罪なき学生、教師に罰の科せられることを、国会みずからがみずからの信を失墜することを、国会史上に、日本立法史の上に一大汚点を残すことを、心からこれを憂え、憤るものでございます。その元凶、責任者、罪まさに万死に値すると思うのでございます。(拍手)すべからく、みずから去って他に道を求むべきであると存じます。
#78
○副議長(藤枝泉介君) 加藤君、制限時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
#79
○加藤清二君(続) 最後に、一詩一首を申し上げます。
 曠日彌久既半歳
 堂々不巡偕困惑
 法案議案徒渋滞
 催民心離代議制ただおそる民心の代議制を離るることを。返歌一首
 議会主義ひびきをたてて潰えるを
 いまの現つに思わざらめや以上でございます。(拍手)
    〔斉藤正男君登壇〕
#80
○斉藤正男君 加藤議員の質問にお答えをするわけでありますけれども、質問がたいへん多岐にわたり、広範であり、十分な御答弁のできないことを心配するものであります。答弁漏れがありましたならば、また再質問をちょうだいいたしたいと思います。
 加藤議員の第一の質問は、日本社会党は、大学問題特別委員会において鋭意当面する大学対策につき検討をしたけれども、その審議の結果はどのようなものであったか、そしてまた、これを文部大臣坂田道太君に伝えたときに、どのようにお受け取りになったかという御質問でございます。
 御承知のように、わが党は、昨年十一月、大学問題特別委員会を発足させ、種々検討を進めてまいりました。大学問題の原因は、先ほど申し上げましたとおり、一握りの暴徒のせいや大学当局の管理能力の欠除にのみあるのではなく、むしろ、政府の大学への援助の不十分さや、教育政策の誤り、政治のあり方などに基因するものが多いということが、わが党の考え方の基本であります。
 昭和三十年以降の大学生の急増は、この十年余りでおよそ二倍、百四十万になろうとしており、同世代の五分の一に達しております。戦前のようなエリート養成ではないのでありまして、それは、すでに破綻してしまった高度経済成長政策に対応したものであり、時を同じくして産学協同も打ち出されたという分析をすべきであります。
 一方、学生数の増大に反比例して、父兄負担がたいへんふえております。この十年余りで物価はおよそ二倍でありますが、学生納付金は、私大の場合、文科系で八・五倍、理科系で九倍、医歯科系で実に十三倍になっております。国公立では、産学協同によって財界から資金が投入されております。また、昭和三十九年二月の文部事務次官通達、いわゆる負担区分通達によって、学生寮で生活する貧しい学生からわずかな光熱費を徴収させ、これと、学生による寮の自治を剥奪しなければ新寮建設予算は出さないという脅迫をしたのであります。高度経済成長政策に見合って、文部省はその所管の分野で国民の負担を強化し、余剰を大企業に吸い上げさせているというのが、私ども社会党の分析であります。当然不満が起きるわけであります。しかし、文部省は、学生を中心としたさまざまの要求に対し、弾圧をもってこたえたのであります。学生に一切の発言権を認めないと言わないばかりであります。しかし、学生の自治は大幅に認めるべきであるというのが、わが党の基本的な態度であります。
 その理由の第一は、大学の目的が学問の研究と教育、真理の探求の場であるとすれば、対象である学生の自主的な判断による主体的なかかわりというものが必要不可欠であります。奴隷は真理を語ることができません。
 第二は、学生数が同世代の五分の一を占めている現在、学生は社会のさまざまの矛盾を反映し得るのであります。学問が社会と切り離しては存在し得ないのは自明の理でありますから、学問をする場である大学から、現代社会を反映し得る条件を持つ学生の発言権を排除するのは、明確な誤りであります。
 さらに、さきに述べましたように、学生の生活と権利を脅かす政策を取り続けている以上、学生の生活、研究、学習の保障を行なうための制度的保障として、学生の自治活動の保障がされなければならないことを決定したのであります。私ども社会党は、以上の観点から、いわゆる大衆団交とその決定の有効性を主張いたします。
 わが党は、大学紛争解決の道として、一つ、政府、文部省は、まず金を出すこと、二つ、大学の自主的判断の尊重をすること、そして三つとして、大学への締めつけをやめよということを主張しているのであります。
 ここで私は、党の態度を明らかにしなければなりませんけれども、いわゆる暴力学生の問題であります。
 私どもは、学生のゲバ棒を絶対容認するものではありません。問題を何ら解決するものでないからであります。なかんずく、いわゆる内ゲバは、学生運動を退廃させるものでしかありません。
 以上のような観点で、全国の大単にこの結論を送付いたしましたところ、数多くの大学の御賛同を得ております。また、東大や学術会議の結論も、私どもの主張とほぼ同じ趣旨であります。私どもが、この党の決定を大臣に伝えましたところ、加藤議員のお説にもありましたように、残念ながら坂田文部大臣は、聞く耳を持たない、それは対策ではないという一言で、むげにもこれを排除したというのが現状でございます。
 次の御質問は、もしこの法案が通った場合に、大学はどうなるのであろうか、そして立法の過程にどのような紛争が、どのような形で起こったかという御質問でありますけれども、私は、今日、この大学の運営に関する臨時措置法を先取りして、モデル的な大学経営をやり、また、やろうとしている二つの大学の事例をあげなければなりますまい。私立においては日本大学であり、国立においては東京教育大学をあげることができると思うのであります。
 私は、ここに、日本大学の再建案なるものを用意しておるのでありますけれども、日本大学学園協議会には、古田会頭が相変わらず君臨をし、その文章の中でこういうことを申しておるのであります。「第二次大戦以来、世界史的に見ても、全面講和は成立しなかった。国内的にも、各大学と全学連との間に話し合いはつかない。講和が成立しない以上、力のみが授業を守るかいなかを決定することになる」、この一条があるのであります。さらに、「処分をするにしても、処分でない処分が登場してもよいはずだが、それはどのような本のであるかを至急決定をする」、三番目に、「法の対策についても組織的推進をはかる」、こういうことが再建案の中に、重要なポイントとして明示をされているわけであります。特にこの三番目の、法の対策に対して組織的推進をはかるということは、日本大学自体が、この大学立法をあげて歓迎し、これを期待しているということに、言いかえればなると思うのであります。まさかと思いますが、以下、私は、たくさんの実例を日本大学に持つものでありますけれども、古田会頭の独断専行は、今日なお強くなっております。しかも、自殺者が出、蒸発者が出、司直の手にかかっている大学幹部の多い中で、特に日本大学の中には、右翼体育系学生集団、関東軍といわれる集団があるのであります。この集団は、以下、私が具体的な例を二、三申し上げますけれども、きわめて悪らつな方法で良心的な学生にリンチ、暴行を加えているのであります。このことは、大学が雇った学生だともいわれ、大学がこれを奨励しているともいわれているわけでございまして、このためにかたわになり、病院に入院をし、そして、そのために日本大学をやめなければならないというような羽目に立ち至った学生も多々あることであります。これらのことが行なわれる大学に対し、指導、助言しかできないということで、この場合に限り大学の態度を大目に見るというようなことが許されるのでありましょうか。私は絶対に許されないものだと思うわけであります。すなわち、二月二十七日、法学部二年のM君は、法学部二号館で行なわれたクラス討論会に出席して、午後三時ごろ法学部二号館前において、赤色のテープを巻いたヘルメットをかぶった五、六名の右翼関係者に取り囲まれて、腹部等を足でけり上げる等のリンチを受け、病院に入院した。法学部一年のO君とN君は……
#81
○副議長(藤枝泉介君) 斉藤君、時間でありますから、結論を急いでください。
#82
○斉藤正男君(続) 公園で行なわれておる法学部連絡会議の集会を聞きに行った際、五、六名の右翼系体育学生に取り囲まれ、これまたリンチを受け、O君は口の中に裂傷を受けるほどの傷を受け、病院に入院をした。こういうことが毎日のように今日繰り返されているというのが、日本大学の現状であります。
 東京教育大学につきましては、いまの学長代行が東京教育大学の筑波移転強行の腹でありますけれども、全教官のうちの四割がこれに批判的であり、反対をし、全学生の大部分がこれに反対しているにもかかわりませず、学長に非常大権が与えられて、すべての学部の自治は学長に集約をされ、学長がかって気ままに大学の運営をやっているというのが実態であります。
 私は、もしこのような法案が成立した場合には、この東京教育大学学長代行が持っている非常大権といったようなものが、紛争大学の学長に付与されるのではないかということを心配せざるを得ないわけであります。
#83
○副議長(藤枝泉介君) 斉藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#84
○斉藤正男君(続) 学生、院生に対する弾圧、教官に対する弾圧、職員及び職員組合に対する弾圧、これらが毎日のように繰り返されておる事態を考えましたときに、この法案が成立したときにどのような大学になるか、どのように大学の紛争が拡大をしていくかということを、東京教育大学の例を通して見ることができるわけであります。
 加藤議員の質問は、なお数点にわたっておりましたけれども、私の提案理由の説明の中である程度触れておりますので、御賢察をいただきたい。
 なお、冒頭申し上げましたように、御不満の点は再質問をいただければありがたいというように思って、以上、簡単でありますけれども、私の答弁にか、える次第であります。(拍手)
#85
○副議長(藤枝泉介君) 井上普方君。
    〔井上普方君登壇〕
#86
○井上普方君 私は、日本社会党を代表して、提案者斉藤正男君に対し、若干の質問をいたしたいと存ずるものであります。
 ただいま提案者から御説明のありましたとおり、坂田文部大臣がその適性を欠き、その責任を十分認識していないことは明白であり、許すべからざる事柄であります。しかも、学問の研究の自由を圧殺する悪法をしゃにむに押し通すことによって、ただいちずに自己の地位の保全にのみきゅうきゅうとしている姿は、まことに情けない次第でございます。提案者斉藤君の真意は、まさに日本の未来に挑戦し、日本の民主主義に挑戦しまうとする者への国民的怒りであり、それに加担しようとする者へのきびしい断罪であると信ずるのであります。(拍手)今日を誤ることは日本の未来を誤らせることであるという自覚と、その使命の重大さを認識せられたやむにやまれぬ至情から発したものであると存ずるのであります。
 私は、提案者に対し、以下質問申し上げます。
 質問の第一点は、坂田君は、大学問題の認識において、大学紛争の性格について誤った認識があり、この誤った認識の上に立ち、大学問題を処理しようとしている点であります。
 大学紛争は、古い大学体制と学問のあり方について、一世紀に近い積弊が一挙に爆発したことにあります。その背景には、社会の矛盾に対する批判、政治に対する抗議、これまで果たしてまいりました学問の役割りに対する疑問を指摘することができ、いままさに、その批判、抗議、疑問をどのように理解し、どのように現実を変革するかが問題なのであります。すなわち、若者は、大学の外では高度産業社会、管理社会の中の人間疎外に悩み、大学の中では研究、教育、学生生活の内容に精神の飢餓感を感じ、既成の権威、価値観に問いを発しているのであります。また、若者は、科学と人間の問題についても問題を提起しているのであります。人間の幸福と進歩に貢献すべき科学が、それに反して、人間の殺戮と破壊に使われている現実から目を離すことはできないのであります。若者の行動は、このような危機意識をもってますますエスカレートいたしておるのであります。しかし、彼らが直接ゲバルトで問題を提起しなければ、現実の諸問題に目を向けなかったことは大きな問題であります。この諸問題を解決し得なかった最大の責任は、政府・自民党にあることは言うまでもありません。
 若者は、議会制民主主義の形骸化に対し、直接民主主義を要求いたしております。議会制民主主義が空洞化し、その機能を停止したとき、直接民主主義原理に基づく参加の要求は必然的であります。「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」という憲法前文に述べられている人類普遍の原理に返らなければならないと存ずるのであります。(拍手)われわれ政治に携わる者は、若者の提起したこの問題に正面から目を向け、彼らとともに悩み、苦しみ、二十一世紀の人類の平和と幸福に貢献することができるよう、努力しなければならないと考えるものであります。(拍手)
 以上のような認識に立って初めて、大学紛争に対処することができるのでありますが、坂田文部大臣は正しくこの認識をお持ちになっておられるかどうか、私は疑問に思うのでありますが、提案者はいかにお考えになりますか、お伺いいたしたいのであります。
 質問の第二は、今日求められておる文部大臣の使命は、教育環境をいかに整備するか、そのため文部行政はいかにあるべきかということであります。
 大学における教育環境は、大学設置基準にも達していない大学がほとんどで、国立大学においても大きな格差を生じています。全体を見回しても、講座制のもと、助手、講師の人員が非常に不足いたしておりまして、大学院においては、自然科学分野では、教授数よりも助手の数が少ないという現象すらあらわれておるのであります。文部省の基礎研究のための科学研究費は、わずか六十五億であります。この額をもっていたしましても、政府が研究費に無関心であることがわかると思います。西欧諸国に比し問題にならない実態であります。なお、それにも増して、国民の高等教育の七五%を受け持っております私立大学に対する国の予算配分は、財投費を含めても二百五十億にすぎません。英国のオックスフォード、ケンブリッジ、アメリカのハーバード、エール、プリンストン等の私立大学の予算の八割近くまでが公費でまかなわれている現状と比べて、大きな差を私どもは見出すのであります。かくのごとく、教育環境の整備を怠っているのでありまして、まして今日の大学における紛争と荒廃をもたらした最大の責任者である政府が、干渉や弾圧をもって臨む介入は、許されるものではないと考えるものであります。(拍手)
 しかるに、文部大臣のやろうといたしておりますことは、大学のこの苦境につけ込んで、文部大臣に無制限に権限を集中し、今日の大学の自主的収拾を助けるという口実によって干渉を強化しようとする以外の何ものでもないのであります。坂田文部大臣は、ある新聞の座談会でこう述べております。すなわち、「文部省は、指導、助言もしてこなかったことを反省している。それに条件整備、たとえば教官の研究費、施設の整備なども十分でなかった」と述べています。坂田文部大臣としては、まず教育環境整備に全力を傾注すべきでありますが、提案者は坂田君の姿勢をいかに評価されますか、お伺いいたしたいのであります。
 大学紛争の根本的責任は、政府の文教政策にあることはすでに御承知のとおりでありますが、同時に、大学の責任もきびしく批判さるべきであると私は考えるものであります。終戦により政治、経済、社会構造は一応改造されましたが、依然として戦前の姿のまま維持されたのは大学制度であります。大学の目的等は学校教育法等で変わっておりますけれども、内容的に見て、根深く存在している教授会自治の硬直した思想や、その教授会自治の末端機構の講座制、旧態依然たる教育、研究体制に問題があると考えられるのであります。戦前においては教授会自治が権力介入の歯どめになったことを認めるものでありますが、それに安住し、教授会自治万能主義におちいり、講座制が人事、財政等を独占するボス支配となり、学閥、閨閥を生み、学問的にも近親交配の弊を生み、一専任教授の学問体系は他の学問体系の批判を免れ、若い研究者の研究の自由、発表の自由すら抑圧しておるのが現状であります。内外からの批判を押える学問に、いずこに進歩ありやと思考するものであります。
 しかし、この現存する教授会自治、その末端機構たる講座制にメスを加えず、いたずらに現在の矛盾を露呈した教育研究体制を保ち続けようとする現在の文部行政、坂田文教政策のもとでは、学問の進歩発展はあり得ないと思うのでありますが、提案者の御意見を承りたいと存ずるのであります。(拍手)
 質問の第四は、坂田文部大臣が盛んにお使いになる「開かれた大学」についてであります。
 坂田君は、大学における成果を社会に還元すると、耳ざわりのよいことを言っておりますが、彼の意図するところは、現代資本主義、産業界に開かれた大学と考えられるのであります。現在でも、産学協同路線が自主研究を阻害し、研究の自由をゆがめているのでありますが、坂田大臣の意図する方向は、日本の産業資本に奉仕する大学人の養成と、企業の要請に従順な人間形成を望み、批判精神の欠除した、学問、研究することに値しない大学を構想していることは明らかであります。去る公聴会において、東大加藤学長は、この法案は、「国民に向かって開かれた大学」でなく、「権力に向かって開かれた大学」であると嘱破いたしております。(拍手)この思想は、臨時措置法の中では、大学運営をめぐる文部大臣との事前協議の義務づけなど、まさに権力をもって大学に君臨しようとする露骨な意図があらわれております。さらに、公聴会において加藤学長がいみじくも述べておりますように、「大学立法成って大学滅ぶ」の道であり、わが国の大学教育、研究を根底から破壊するに至ることは明らかであります。
 真に「開かれた大学」とは、産業界、すなわち資本に癒着した大学ではなく、「国民大衆に開かれた大学」でなければならないと存じます。提案者の御所見を承りたいと存ずるのであります。
 質問の第五は、今回提出されております臨時措置法案は、臨時とは名のみで、明らかに恒久化をねらっているものであり、まやかしもはなはだしいといわなければならないと存ずるのであります。
#87
○副議長(藤枝泉介君) 井上君、時間ですから、結論を急いでください。
#88
○井上普方君(続) この大学法案が提出されましてより紛争大学は急速にふえ、これまで穏健な大学とされていた大学までが相次いで紛争校の仲間入りをしております。そのため、全国百三十大学の学長がこぞって反対声明を出し、その廃案を求めているのであります。この法案が成立するならば、もはや収拾できない混乱を招くことは明らかであります。いかにおどかしをかけ、治安対策を強化しようとも、問題の根本解決はあり得ないのであります。とりわけ、臨時措置法にいう「大学紛争」の定義はきわめてあいまいであり、その最終的認定権、解釈権が文部大臣にゆだねられていることによって、国家権力による大学支配が決定的なものになると見なければなりません。
 いま政府にきびしく要求しなければならないのは、「支持すれども支配せず」の原則でないかと思うのであります。提案者の意図するところをお聞かせ願いたいと存ずるのであります。
 最後に、今回の大学法案は、紛争の根本的原因に手をつけず提出されております。学生たちが暴力に至った理由さえ明確にされないうちに、教師の良識的行動すら暴力とみなされつつあるのが現状であります。紛争の原因の六〇%は金の問題だとさえいわれております。
#89
○副議長(藤枝泉介君) 井上君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#90
○井上普方君(続) このことは、何より政治の貧困に発するものであります丁自民党政府の政治の責任こそ問われなければならないと存ずるのであります。もちろん、学生の側のゲバルトなど、暴力行為によって問題の解決はあり得ません。しかし、考えていただきたい。多数党が党利党略をもって国会の法規も慣例も無視し、一切の話し合いを拒否して一瀉千里に法案を押し通そうとするがごとき多数暴力がまかり通り、それがあたりまえになってきているのであります。東大五月祭の広告に「とめてくれるなおっかさん、背中のイチョウが泣いている」というのがありましたが、このような政治の実態の中で、どうして学生の暴力を権力で弾圧する資格がありましょうか。ゲバルトをとどめることが、どうしてできましょうか。いま大学人によって告発されているのは、このような政治そのものであり、民主主義の危機であることを、議会自身が知らなければならないと存ずるのであります。(拍手)提案者の意図するところもまたこの点にあるのではないかと信ずるものであります。
 以上、要点のみを質問したのでありますが、提案者に、坂田文教政策の矛盾撞着をお聞かせいただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、質問を終わります。(拍手)
    〔斉藤正男君登壇〕
#91
○斉藤正男君 ただいま井上議員から、熱誠あふれ、しかも、真理と正義を探求する本格的な御質問をちょうだいいたしましたが、私も全く同感であり、まさにそのとおりであろうと存ずるものであります。本日の井上議員の御質問は、本質的な原理的な質問でございまして、井上議員の幅の広さ、個性の豊かさを端的に見せつけられ、感銘の至りであります。(拍手)
 井上議員の質問は五点にわたっております。いずれも今日の大学問題に対する根本的な問題を坂田文部大臣がどのように考えているかを指摘されておりますので、以下、不十分な点もあるかと存じますけれども、御答弁を申し上げたいと思うわけであります。
 まず御質問の第一点は、大学問題に対する問題把握と認識の問題であり、文部大臣の認識が間違っているのではないかとの御質問であったと思うわけであります。
 井上議員御指摘のように、今日の大学紛争は突如として起こったものではなく、積年の病弊が、あることをきっかけに一挙に噴出したものであると思います。学生の行動の中には、社会の矛盾に対する直接的な抗議、形骸化された民主主義に対する直接民主主義への回帰、学問の社会に果たしてきた役割りへの疑問など、現代社会における、井上議員のことばをかりれば、精神の飢餓感を見ることができると思うのであります。以上のような認識に立てば、おのずから回答は明らかであり、坂田文部大臣の果たさなければならないことは、立法措置ではなく、政治の姿勢の転換であります。坂田文部大臣みずからの責任を痛感すべきものだと考えるものでございます。
 御質問の第二点は、文部大臣はその任務を十分果たしているかどうかということでございました。
 坂田文部大臣は、本来その職務としてなすべきことをやらず、よけいなことをやっているといわなければならぬのであります。これは単に文部大臣としての責任を忘れたいわゆる職務怠慢ということにとどまらず、権力の地位を乱用し、上からの圧力で、悪質なおどかしによって大学紛争を表面的に収拾しようとしていることは、大学の苦境につけ込んだ知能犯的なやり方ということができると思うのであります。(拍手)大学に管理能力がないということがいわれておりますけれども、これは外から与えられるものではなく、大学の個々の具体的な紛争について大学自身が真剣な努力を行ない、苦悩の中から解決点を見出すべきものであります。政府や資本の干渉や弾圧によって支配することは、絶対許されないことであります。文部大臣は、これまでなされなければならなかった教育の条件整備の責任を怠っておきながら、その責任を忘れ、力づくで矛盾を隠蔽しようとしても、できるものではありません。むしろ、その反動のほうが大きいことを自覚しなければならぬと思うのであります。
 第三の質問は、大学内部の前近代的構造をどう考えるかということであります。
 井上議員御指摘のとおり、これまで、大学の自治は教授会自治とイコールであるというたてまえで、ある程度権力の直接介入を防いできたのでありますけれども、大学の自治は教授会の自治という考え方では、もはや機能しなくなってきたのであります。大学構成員は、それぞれ固有の権利を持って大学の自治に参加する権利があるといわなければなりません。大学内部における封建的身分秩序は、この教授会自治にあぐらをかくものであり、講座制のもとに、ボス教授を頂点として、身分的に隷属する助教授、講師、助手、学生の序列ができているところに問題があるのだと存じます。このような古い封建的身分制度に縛りつけられていて、自由な学問、新しい研究などあり得ないのであります。学問、研究から自由を奪ったら、何も残りません。この古い制度を変革することなくして、学問の進歩、ひいては人間の幸福、人類の進歩などはあり得ないのでありまして、まさに井上議員御指摘のとおりだと思うわけであります。
 質問の第四点は、「開かれた大学」についての御質問でございます。「開かれた大挙」とは、お説のとおり、国民に対して開かれている大学のことで、権力に対して開かれている大学でないことは、井上議員御指摘のとおりであります。大学はもはや象牙の塔ではなく、国民に開かれた大学でなければなりません。権力に都合のよい学問、研究、人間の養成は大学の使命でなく、真に人類に貢献し得る学問、研究、人間の養成がその使命でありましょう。権力、資本と学問の癒着からは、真に人類の平和と幸福に奉仕する学問、研究は生まれないのであります。大学は、新しい価値創造の場であり、学者は、研究にのみ没頭するのでなく、その研究成果に対しても社会的、政治的責任を負わなければならないと思うのであります。この点でも、坂田文部大臣の認識は、私は間違っていると考えております。
 質問の第五は、大学の形骸化と空洞化の責任についてでありますが、文部大臣は、その本来の任務である職責を果たさず、権力のほしいままになる大学を望んでいると推察できるのであります。文部大臣は、みずからも認めている文教行政の誤りを改め、学問の府大学を、真に大学らしい大学にすべきであり、権力の力によって弾圧し、それで秩序の維持だとするのでなく、現在の苦悩の中から新しい秩序が生まれてくることを助けなければならない使命があると存ずるわけであります。それには……
#92
○副議長(藤枝泉介君) 斉藤君、時間ですから、結論を急いでください。
#93
○斉藤正男君(続) 権力が使う最も安易な立法手段でなくて、みずからの姿勢を正すことがほんとうの文部大臣の姿であろうというように考えるわけであります。(拍手)
 以上、きわめて簡単でありましたけれども、井上議員の質問に対する答弁にかえる次第であります。(拍手)
     ――――◇―――――
#94
○副議長(藤枝泉介君) 本日は時間の関係上この程度にとどめ、明二十九日午前零時十五分より本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
    午後十一時七分延会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 坂田 道太君
ソース: 国立国会図書館
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