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#1
第061回国会 本会議 第69号
昭和四十四年七月二十九日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第六十号
  昭和四十四年七月二十九日
   午前零時十五分開議
 第一 文部大臣坂田道太君不信任決議案(柳田
  秀一君外五名提出)     (前会の続)
 第二 昭和四十二年度及び昭和四十三年度にお
  ける地方公務員等共済組合法の規定による年
  金の額の改定等に関する法律等の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第三 大学の運営に関する臨時措置法案(内閣
  提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 文部大臣坂田道太君不信任決議案
  (柳田秀一君外五名提出)  (前会の続)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
   (日程第一について)
 日程第二 昭和四十二年度及び昭和四十三年度
  における地方公務員等共済組合法の規定によ
  る年金の額の改定等に関する法律等の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 大学の運営に関する臨時措置法案
  (内閣提出)
  大学の運営に関する臨時措置法案を文教委員
   会に再付託すべしとの動議(柳田秀一君外
   四名提出)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
 佐藤内閣不信任決議案(成田知巳君外十一名提
  出)
    午前零時十九分開議
#2
○副議長(藤枝泉介君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 文部大臣坂田道太君不信任決議案
  (柳田秀一君外五名提出)   (前会の続)
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
#3
○副議長(藤枝泉介君) 日程第一、文部大臣坂田道太君不信任決議案を議題とし、前会の議事を継続いたします。
 園田直君外二十六名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#4
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#5
○副議長(藤枝泉介君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#6
○副議長(藤枝泉介君) できるだけ早く投票してください。
  〔投票継続〕
#7
○副議長(藤枝泉介君) いまだ投票されない方は、なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔発言する者多し〕
#8
○副議長(藤枝泉介君) 御静粛に願います。――御静粛に願います。
  〔投票継続〕
#9
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#10
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#11
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百三十七
  可とする者(白票)        二百四
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百三十三
  〔拍手〕
#12
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
  園田直君外二十六名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井原 岸高君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    石田 博英君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金子 一平君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      菊池 義郎君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 文生君    坂村 吉正君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    澁谷 直藏君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      世耕 政隆君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷川 和穗君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中曽根康弘君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      永田 亮一君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野原 正勝君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 健司君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      船田  中君    古井 喜實君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      古屋  亨君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀川 恭平君    本名  武君
      前尾繁三郎君    増岡 博之君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三池  信君    三木 武夫君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    山口シヅエ君
      山口 敏夫君    山下 元利君
      山田 久就君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    工藤 良平君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      兒玉 末男君    後藤 俊男君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    西風  勲君
      野口 忠夫君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    平等 文成君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山中 吾郎君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米内山義一郎君    米田 東吾君
      依田 圭五君    渡辺 芳男君
      浅井 美幸君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#13
○副議長(藤枝泉介君) この際、十五分間休憩いたします。
   午前二時十四分休憩
     ――――◇―――――
   午前二時三十四分開議
#14
○副議長(藤枝泉介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(園田直君外二十六名提出)
#15
○副議長(藤枝泉介君) 園田直君外二十六名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#16
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#17
○副議長(藤枝泉介君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#18
○副議長(藤枝泉介君) すみやかに投票願います。
  〔投票継続〕
#19
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#20
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#21
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百十八
  可とする者(白票)       百八十四
  否とする者(青票)       百三十四
#22
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。
    ―――――――――――――
  園田直君外二十六名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井原 岸高君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金子 一平君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川島正次郎君    川野 芳滿君
      菅  太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      北澤 直吉君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    鯨岡 兵輔君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    四宮 久吉君
      始関 伊平君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷川 和穗君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中山 榮一君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    西村 直己君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      広川シズエ君    廣瀬 正雄君
      福家 俊一君    福井  勇君
      福田 篤泰君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      古屋  亨君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三池  信君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水野  清君    湊  徹郎君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      森山 欽司君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    山口シヅエ君
      山口 敏夫君    山下 元利君
      山田 久就君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      石川 次夫君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡田 春夫君    岡本 隆一君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      工藤 良平君    黒田 寿男君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      後藤 俊男君    神門至馬夫君
      佐々栄三郎君    佐々木更三君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    實川 清之君
      柴田 健治君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平岡忠次郎君
      平林  剛君    平等 文成君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    三宅 正一君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米内山義一郎君    米田 東吾君
      依田 圭五君    渡辺 芳男君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――
#23
○副議長(藤枝泉介君) 日程第一につき討論の通告があります。順次これを許します。坂本三十次君。
  〔坂本三十次君登壇〕
#24
○坂本三十次君 私は、自由民主党を代表して、ただいま上程されました文部大臣坂田道太君不信任決議案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 本決議案の正体は、単なる反対のための議事引き延ばしの手段にすぎず、理由なき反抗とは、またもや少数野党なるがゆえのお家芸かと、私は、寛容と忍耐ある自由民主党の一員として、心中一片の同情すら禁じ得ないものがあります。(拍手)
 しかしながら、少数党の議事引き延ばしにはおのずから節度と限界があるべきであります。負けっぷりの悪い子は将来偉くなれません。(拍手)むしろ、直ちに堂々と大学法案の審議と討論に精力を傾注されたほうが、より国民の期待に沿われるゆえんでありましょう。
 さらに残念なことは、いやがらせとも思われる不信任案を出すよりも、子を思う親心や民族の将来を憂うる国民的願望にすなおに耳を傾け、自民党にまさるとも劣らぬ大学紛争収拾の具体案をみずから進んで本院に上程されないのは、いかなる理由でありましょうか。(拍手)自信に満ちた代案なくして不信任とは、国民に真に責任を持つ政党と言えるでありましょうか。特に野党第一党たる社会党のために、来たるべき試練まで好漢すべからく自重されよ、名もなき道を行くなかれと惜しむものであります。(拍手)
 不信任のおもな理由として、坂田文相が心血を注いで政府より提案された大学の運営に関する臨時措置法案は、文部大臣が大学側と協力して収拾に乗り出すことは、国家権力によって大学の自治と学問の自由を侵すものであり、かえって大学人の反発を招き、紛争を助長するものだということのようであります。しかし、国民の常識として、政府が大学の自治を侵していると考える者はたれ一人としてないでありましょう。(拍手)大学の自治とは、大学における学問研究の自由を守るための自主的慣行であります。今日の大学紛争で、だれの目から見ても、目的たる学問の自由と、手段たる大学の自治とを、ともに侵しているものは、国家権力にあらずして、大学内の親方日の丸的無責任と暴力であることは明白であります。(拍手)大学は、もともと暴力に無縁の場所であります。ゆえに、大学人が暴力に適切に対処することにふえてであったことは、わからぬでもありません。ちょうど源氏物語と有職故実の優雅な生活の中の平安末期の公家政治が、比叡山の学僧とは名ばかりの荒法師に乱暴されて、ろうばいしている姿に似ております。このとき、法然も親鸞も、荒々しい山を見捨てて、大衆の中に不滅の法灯を掲げました。ここで歴史は、若き源平の北面の武士を登場させたのであります。日本じゅう大学紛争の拡大を見た今日、もはや国民も政府も黙って見過ごすことができましょうか。このとき、自由党と坂田文相の決断ある登場こそ、まさに国民の期待にこたえたものといわなければなりません。(拍手)
 大学は、もはやフンボルトの象牙の塔の自治外は、その変化に対応できません。現在の大学は、国民のための、国民に開かれた大学として、その公共の利益に奉仕すべき使命があるのは当然であります。その自由も、自治も、使命も侵害されているこの危機にあたり、政府は、暴力は現行法できびしく取り締まるとともに、別に新しい大学像へのワンステップを念じながら、この大学法案を提出いたしました。政府は、この法案の中に、国民の心と声を盛り込んで、大学の自立を助けつつ、国民への責任の重大さを警告したのであります。(拍手)すなわち、国民は、政府をして、みずから助くる大学を助けよう。しかし、自由なくして自治もない。独立の気力なき者は学ぶべからずと、まさに懦夫をして立たしめんと、国民の願いを込めて激励しておるのであります。(拍手)権力による大学自治と学問の自由の侵害などとの非難は、まさに時代錯誤の政府アレルギー以外の何ものでもありません。(拍手)
 私は、大学紛争は、古い密閉された象牙の塔に、少しずつ気づかぬ間にガス漏れがたまり、おりあしく暴力の火花で爆発したように思われます。大学も、政府も、暴力に厳然たる態度を堅持することは、法治国家として当然の責任であります。(拍手)しかし、政治家としてもっと大切なことは、新しい大学像を確立して、新風を吹き込み、充満したガスを一掃しなくてはなりません。
 さらに、現代への反逆といわれる大学紛争は、世界的な現代先進社会共通の現象であります。その原因は根深く、幅広く、これが解決のためには、教育制度の根本的改革はもとより、さらに未来をになう若者が人間疎外、人間性喪失からの欲求不満に悩む現代の文明史的病根深くレントゲンを当てなければなりません。
 特に正すべきは政治の姿勢であります。ここに、国民的合意と純粋なる青年からも信頼される政治とは、金もうけよりは、金で買えぬもの、人生の生きがいともなる価値観を大切にする政治、経済第一主義から人間教育第一主義への理想とビジョンに輝くものを秘めたものでなければなりません。(拍手)
 国民に信なくんば、政治も教育も一日といえども成り立ちません。若者はわれわれ自身の未来であります。問題は、国民が何よりも愛すべき若者に対し、たれが先見性にすぐれ、国民に対して責任感を重んじ、具体的解決により情熱を燃やすかであります。
 私は、学生の節度ある参加を含めて、大学人の奮起を望むとともに、唯一の政権担当能力あるわが自民党の国民に対する責任の重大さを痛感するとともに、新しい大学のビジョンはもとより、具体的対策さえ国民の前に明示する気魄も能力もなき一部野党諸君の怠慢に対し、国民の名において厳に糾弾するものであります。(拍手)
 それに引きかえ、文部大臣坂田道太君は、一日も早く紛争を収拾して大学を再開せよとの国民の憂いを憂いとして、大学の紛争処理に誠心誠意体当たりしてまいりました。さらには、今後、奮起せる大学人とともに、直ちに新しい大学のビジョンやその根底となる六・三・三制の根本的改革に、国民的合意を求めつつ、意欲的に着手せんとしております。まさに、フランスならばフォール教育相の見識と、マルロー文化相の知性を兼備した文人政治家であります。かかる坂田文相に対して、いわれなき不信任案を出す者には、やがては国民からいわれある不信任を受けて、因果はめぐるでありましょう。(拍手)
 最後に、教育に関する民族的政策を、古き硬直したイデオロギーや党利党略によって政争の具とするなかれと、ここに国民世論を代弁して、文部大臣坂田道太君不信任決議案に対し、断固反対の意思を表明して、私の討論を終わります。(拍手)
#25
○副議長(藤枝泉介君) 長谷川正三君。
  〔長谷川正三君登壇〕
#26
○長谷川正三君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました文部大臣坂田道太君不信任決議案につきまして、坂田君に対しては心中まことに忍びがたい愛憐の情と、その深さにもまさる大きな憤りを覚えつつ、不信任決議案に賛成の討論をいたさんとするものであります。(拍手)
 提案者からも簡単な御紹介がありましたが、文部大臣坂田道太君は、肥後熊本において素封家として知られた家柄に生まれ、祖父は貴族院議員、厳父道男氏は、五高教授、衆議院議員、八代市長等を歴任され、この道男氏の長男として生まれた坂田道太君は、あのきびしい戦争中にも何一つ不自由のない青春を過ごされ、東京帝国大学独文科に進み、昭和十七年同校を卒業するや、厚生省嘱託、八代市文書課長を経て、戦後間もない昭和二十一年四月、二十九歳の若さで衆議院議員に初当選されて以来、連続当選十回に及んでおられると伺っております。この間、運輸政務次官、自民党文教部長、同じく文教調査会長、同じく政務調査会副会長、本院文教常任委員長、第二次岸内閣の厚生大臣等を歴任されましたが、中でも文教問題に最も深い関心と情熱を注がれ、自民党の文教政策推進の立て役者であることは、自他ともに許すところでありました。そして、ついにその宿願がかなって、昨昭和四十三年十一月の佐藤内閣改造の際、文部大臣のいすにつかれたのであります。
 ときあたかも、大学紛争は世界的傾向を帯びるに至り、わが国におきましても、東大や日大をはじめ全国的に広がり、大学の存立にかかわる深刻な様相を深めているおりから、文部大臣の重責はまことに容易ならぬものがあり、与党内切っての文教通をもって任ずる坂田道太君の登場は、まさに宿命的な成り行きであったと言えましょう。
 しかし、坂田道太君は、はたしてよくこの重責をにない得たでありましょうか。若き日にドイツ文学に心を傾けた坂田君には、いまだに文学青年のような若さと感受性が見られ、現代を生きる若い学徒の悩みや苦しみに対して深い理解があるかのように感じられ、最近の政府・自民党が、悪貨は良貨を追うというグレシャムの法則さながらに、保守党内の進歩的良識が、ともすれば片すみに追いやられ、金の力や鉄面皮な心臓の強い権力亡者が横行するかに見える中で、ともかく自民党には珍しく文化、教育に知識のある、理解のある学究的政治家として、当面の大学問題についても、まさか無知もうまいな暴挙は行なうまい、長期展望に立つ慎重な配慮を示してくれるのではなかろうかと、一るの望みを抱いたのは、私ばかりではなかったと思うのであります。(拍手)
 事実、坂田道太君は、東大の加藤学長とは同期生の仲であり、かつては学問の自由と大学の自治を語り合い、協力を誓い合ったと聞いておりますし、また、加藤学長が大河内学長退陣の後、教職員、学生の多数と力を合わせ、紛争解決に努力し、話し合いを通じて一定の解決点を見出そうとしたとき、坂田文相は、最初これを現代の英雄などと最大級のことばで称賛し、支持を表明したのであります。ところが、一たび自民党の文教部会を中心にウルトラ反動派が批判し始め、権力的強硬論が台頭いたしますと、多少の抵抗を示したやにも伝えられておりますが、結局これに盲従し、加藤東大学長に対しても手の裏を返すように入試中止を押しつけ、また、世紀の悪法大学の運営に関する臨時措置法を提案するに至ったのであります。その豹変ぶりは、まことに驚くべきものがあります。
 この間、世論の動向、自民党内の複雑怪奇な動きのまにまに、風にそよぐアシのごとく、右に左にゆれ動く坂田文相のたよりない姿は、はたで見る目にも気の毒で、非難よりも同情が先に立つほどでありまして、世上この姿を善意に解して、現代のハムレットになぞらえる向きもありましたが、はたして坂田道太君は、ハムレットが人生の真実を求めて命をかけて悩んだごとく、次の世代をになう若人たちの深い現代への懐疑に答え、学問の自由と真の大学の自治を守る道をとるべきか、あるいは党内にはびこる治安対策への傾斜と大学の権力支配を志向する誤れる野望に従うべきかと、ほんとうにまじめに悩んでいたのでありましょうか。残念ながら、文部大臣就任以来の坂田道太君の大学紛争に対する対処のしかたを見、今回の大学の運営に関する臨時措置法の審議のおりの答弁を伺うにつけ、私は深い失望を覚えたのでございます。
 冒頭に申し上げた坂田文相の育ちのよさも、ひっきょう、温室育ちの優柔不断な性格をつくり上げたにすぎず、その教養も、結局外面を飾るアクセサリーの域を出ず、その本質は、過去十数年にわたる自民党の憲法と教育基本法をじゅうりんする反動文教政策の推進者であった正体を暴露し、佐藤反動内閣に忠誠を誓い、大臣という権力の座にしがみにつき、その責任の重さを忘れ、知ってか知らずでか、今日の大学紛争が現体制の包蔵する矛盾と為政者の責任を最も鋭く問うていることに耳をおおい、目をつむって、差し迫る変革の足音におびえるかのように、しゃにむに国家権力による大学の支配を確立しようと狂奔しているとしか考えられないのであります。(拍手)一九七〇年の安保改定を前に、日とともにファッショ的傾向を露骨にしてきておる反動的な佐藤内閣と自民党の中にあって、真実と良心の前に悩むハムレット的一閣僚の姿は、残念ながら、坂田道太君のいずこにも見出すことができないのであります。(拍手)
 今回、坂田道太君が文部大臣としてみずから提案された大学の運営に関する臨時措置法案は、すでに多くの同僚議員から指摘されましたように、日本国憲法が厳粛に宣言した学問の自由の保障に基づき、文化の発展と社会進歩のための批判の主体としての大学の創造を時の権力によって圧殺し、歴史の流れに逆行し、民主主義と文明に挑戦して国民の未来にはかり知れない打撃と損害を与えるものでありまして、文部大臣坂田道太君の罪はとうてい許すことができないのでございます。(拍手)もし文部大臣坂田道太君に、現代に生きる一人の人間として、また、政治家の一人として一片の良心と誠意が残っているならば、すみやかに進退を決し、長く歴史の嘲笑と批判を浴びることのないよう、本決議を待つまでもなく身を処すべきであります。
 大学立法反対の声は、いまや全国の国公私立各大学において、学長はじめ教職員、学生一丸となった運動に発展し、大学紛争に新たな火を点じつつあります。
#27
○副議長(藤枝泉介君) 長谷川君、時間ですから、結論を急いでください。
#28
○長谷川正三君(続) このためのストライキは、燎原の火のように広がりました。これこそまさに天の声、地の声、民の声であります。
 私は、ここに、学問と教育の自由と民主主義の名において、本決議案に全面的な賛意を表しまして、討論を終わります。(拍手)
#29
○副議長(藤枝泉介君) 山田太郎君。
  〔山田太郎君登壇〕
#30
○山田太郎君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題になっております坂田文部大臣不信任決議案に対しまして、賛成の意を表するものであります。(拍手)
 第六十一国会は、冒頭より、国民大衆の声を無視した法案審議が連続し、ついに政府は、前代未聞の七十二日間という大幅な会期延長を断行したのであります。その会期延長にあたっては、議院運営委員会で、提案理由の説明も明確になされないままに強行採決を行ない、国会史上空前の異常事態が続いているのであります。
 佐藤内閣並びに自民党の傲慢な政治姿勢は、さらに健保特例法修正案等に見られるがごとく、全く話し合いを拒否し、多数の暴力によって強行採決を繰り返したこの事実は、まさに言論の自由を侵害し、憲法を踏みにじるものであります。これは大政党の誇りも自覚も一瞬のうちに泥土にまみれさせ、みずからの手で、国民の前に事実上の議会政治否定の姿をさらけ出したものであり、国民大衆の名のもとに断固弾劾追及するものであります。(拍手)
 さらに加えて、今国会の最高の悪法案といわれる大学の運営に関する臨時措置法案に至っては、良識者の集まりである文教委員会として、真剣にして誠実な審議を重ねていたにもかかわらず、政府・自民党は、強行採決魔にとりつかれたかのように、本会議後、委員のそろう間もあらばこそ、理不尽にも、質疑者多数を残したまま強行採決を行ない、ついに今国会十四回目の暴挙に出たのであります。これでは、議会制民主政治は全く地に落ち、政治不信の元凶は、狂人じみた政府・自民党の多数を頼む一党独裁と、思い上がった政治姿勢に全責任があると断定せざるを得ないのであります。(拍手)
 昨年六月、東大に起こった紛争を契機として、全国に起きた大学紛争は、政府の文教政策が無為無策のために暴力行為を伴うまでに発展し、大きな社会問題になってきたのであります。これは全く政府並びに文教当局の怠慢の責任であります。しかるに、政府並びに文部当局は、大学紛争の根本的な本質にはあえて目をそむけ、もっぱら治安対策にのみ終始したのであります。これは政治権力で学問の自由並びに大学の自治を侵すものであります。そのために、この大学運営に関する臨時措置法案が上程されて以来、各大学の関係者の激しい立法反対の運動が起こり、紛争大学がますます増加してきたのであります。
 特に申し上げたいことは、提案者である坂田文部大臣は、この法案が成立しても現在の大学紛争が解決するとは思っていない、この法案が一つのきっかけとなり、新たな解決の糸口となるはずである、私はそれを期待している、と申しておりますが、そのことばとうらはらに、現実には同法案上程に伴って紛争校は激増し、国立大学七十五校のうち五六%に至ったのであります。このように紛争解決に少しも役立たないのみか、紛争を増大するような法案を、あなたはなぜあえて国会に提出しなければならなかったのか、私は理解に苦しむものであります。今回の法案提出が、かつて池田内閣当時、教育を政治に従属させ、教育の官僚統制を行なおうとした策動が、大学管理法の提案という形をとってあらわれたことをほうふつさせるものを感じるのであります。
 およそ文部大臣たるものは、国の教育行政をつかさどり、一切の責任と使命を自覚し、道理と知性に満ちた、任務を全うする人物でなくてはなりません。また、教育のかなめにふさわしく、自己の全精魂を傾けて、次代をになう青少年育成に力を注ぐ人物でなければ、文部大臣たるの資格はないのであります。坂田文部大臣は、老化硬直した自党本位の考えを他人に押しつける傾向の強い自民党の中にあって、柔軟な、比較的弾力性のある思想の持ち主であります。しかしその反面、確固不抜の確信に欠け、教育行政の左右を決する問題解決に大きな手違いを生じたものと思われるのであります。たとえば、公明党提唱の学園民主協議会等を含む大学問題への提言に対して、十分傾聴に値するものであります、必ず審議の過程で十分反映していきたい、と申していたのであります。しかるに、政府・自民党からきびしい叱声がかかると、それになびいてしまうのであります。全くふがいのない限りであります。
 坂田文部大臣、文部行政はあなたにまかされているのです。あなたは、他の干渉を排し、自主的に、国家百年の大計から学問の自由と学園の自治を保障し、大学のあり方、教育、研究、目的、使命等、国民大衆の真に意図するところを掌握し、教育の尊厳維持のための教育制度を確立すべきであります。遺憾ながら、このまま坂田君が文部大臣の席にある限り、日本の文部行政は暗黒教育のどろ沼におちいり、憎悪と不信に満ちた大学紛争はとうてい解決し得ないのであります。同時に、わが国の行くえを深く憂慮し、国民とともに悲しむものであります。
 教育とは、申すまでもなく人間形成であり、人材の育成であります。すなわち、次代の国民と文化、そして英知と人間性の開発であり、社会のにない手としての望ましい人材を育成することにあります。ところが、政府・自民党は、そして坂田文部大臣は、事もあろうに、最高の教育の場である大学に、その学問、教育に最も好ましからざる国家の権力を介入せしめ、教育並びに研究の自由と学園の自治を破壊しようとしているのであります。
 七月二十七日の新聞報道によりますと、国立大学協会会長奥田京都大学総長は次のような声明を出しております。原文のまま申し上げると、「大学運営措置法案に対しては国立大学協会は、かねてから反対の意向を明らかにしてきた。そして、いまや反対の意思を表明した大学がますますふえ、紛争がかえって激化しているのに、衆議院では文教委員会で採決が行なわれ、本会議でも強行可決されようとしていることは、はなはだ遺憾である。このような状態は国会と政府が国民に不信感を与え、学生の過激な運動を助長することになる。かりに法案が衆院で可決されるとしても、参院では理性の府にふさわしく、誠意をもって慎重に審議され、採決を強行しないよう強く要望する。」と言っております。ちなみに、現在では、反対声明を出していなかった四校も反対運動が起き、文部省発表の全学反対十八校というのはまっかなうそになり、国立大学七十五校全部の反対態度が確認されたのであります。(拍手)国民大衆も、公明党と同じく暴力には反対であるが、この大学運営臨時措置法案には大反対であることを見ても、国家権力の介入の結果が重大事態を引き起こす明白な証拠ではありませんか。(拍手)
 この法案が国会に提出されたとき、わが公明党は、このような立法がなされるならば、学問、言論、思想の自由を国家の権力で圧迫することであり、憲法違反であるとともに、かえって逆効果になると警告し続けてきたのであります。それを、ついに一顧だにしなかったのみならず、政府・自民党は多数の横暴をもって報いてきたのであります。このような暴挙は、自民党あって議会なく、議事堂あって言論なき姿であるといっても決して過言ではないと思うのであります。(拍手)政治権力に支配された教育はゆがんだへんぱな教育を生み、国の進路を誤らしめることは、歴史の事実が証明するところであります。それにもかかわらず、教育への国家権力の介入を不当にも策謀する坂田文部大臣は、教育行政をゆがめ、国家並びに青年の将来を誤らしめるものであります。
#31
○副議長(藤枝泉介君) 山田君、時間ですから、結論を急いでください。
#32
○山田太郎君(続) したがって、本不信任決議案に対し、賛意を心より表明するものであります。
 以上をもって賛成討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(園田直君外二十六名提出)
#33
○副議長(藤枝泉介君) 園田直君外二十六名から、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#34
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#35
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#36
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#37
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百八
  可とする者(白票)        百八十
  否とする者(青票)       百二十八
#38
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、討論は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 園田直君外二十六名提出討論終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    秋田 大助君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井原 岸高君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大野  明君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      金丸  信君    神田  博君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      仮谷 忠男君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      木部 佳昭君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 文生君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      四宮 久吉君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    澁谷 直藏君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷川 和穗君
      地崎宇三郎君    塚田  徹君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中山 榮一君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    西岡 武夫君
      西村 英一君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野呂 恭一君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      濱野 清吾君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    船田  中君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      古屋  亨君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松野 幸泰君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      湊  徹郎君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      工藤 良平君    黒田 寿男君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      後藤 俊男君    神門至馬夫君
      佐々栄三郎君    佐々木更三君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    實川 清之君
      柴田 健治君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    三木 喜夫君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 芳男君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    石田幸四郎君
      小川新一郎君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      岡本 富夫君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      中野  明君    樋上 新一君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      林  百郎君    松本 善明君
     ――――◇―――――
#39
○副議長(藤枝泉介君) この際、午前九時まで休憩いたします。
   午前五時五十分休憩
     ――――◇―――――
   午前九時十三分開議
#40
○議長(松田竹千代君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#41
○議長(松田竹千代君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#42
○議長(松田竹千代君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#43
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#44
○議長(松田竹千代君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#45
○議長(松田竹千代君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百三十六
  可とする者(白票)        百十八
  否とする者(青票)       二百十八
  〔拍手〕
#46
○議長(松田竹千代君) 右の結果、文部大臣坂田道太君不信任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 柳田秀一君外五名提出文部大臣坂田道太君不信任決議案を可とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井上  泉君    井上 普方君
      石川 次夫君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡本 隆一君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      唐橋  東君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      工藤 良平君    黒田 寿男君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      神門至馬夫君    佐々木更三君
      佐野  進君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田邊  誠君    多賀谷真稔君
      武部  文君    楯 兼次郎君
      戸叶 里子君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    西風  勲君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      畑   和君    華山 親義君
      浜田 光人君    原   茂君
      平林  剛君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    美濃 政市君
      村山 喜一君    森  義視君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山中 吾郎君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 芳男君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      田代 文久君    谷口善太郎君
      林  百郎君    松本 善明君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      愛知 揆一君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    赤澤 正道君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      石井光次郎君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      宇野 宗佑君    上村千一郎君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      川崎 秀二君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村 俊夫君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 長規君
      小山 省二君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤 文生君    齋藤 邦吉君
      斎藤 寿夫君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      志賀健次郎君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      砂原  格君    世耕 政隆君
      瀬戸山三男君    園田  直君
      田川 誠一君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    塚田  徹君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中山 榮一君    永田 亮一君
      永山 忠則君    灘尾 弘吉君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田武嗣郎君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      早川  崇君    原 健三郎君
      原田  憲君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田 赳夫君
      福田  一君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      船田  中君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松澤 雄藏君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三池  信君    三木 武夫君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口 敏夫君    山下 元利君
      山田 久就君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    關谷 勝利君
     ――――◇―――――
 日程第二 昭和四十二年度及び昭和四十三年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#47
○議長(松田竹千代君) 日程第二、昭和四十二年度及び昭和四十三年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
#48
○議長(松田竹千代君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長鹿野彦吉君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔鹿野彦吉君登壇〕
#49
○鹿野彦吉君 ただいま議題となりました昭和四十二年度及び昭和四十三年度における地方公務員等共済組合法の規定による年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、昭和四十三年に実施した地方公務員共済組合の年金の額の改定について、恩給法等の改正内容に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方団体関係団体職員共済組合が支給する年金の額を、地方公務員にかかる年金の額の改定措置に準じて改定するほか、掛け金及び給付の算定の基礎となっている給料の最高限度額を引き上げること等を内容とするものであります。
 本案は、三月二十四日当委員会に付託され、六月十日野田自治大臣より提案理由の説明を聴取し、審査に入りましたが、七月二十二日、質疑を終了いたしました。
 同二十四日、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案により、増加退隠料等の受給権の基礎となった期間、外国政府等の雇用人期間及び国民健康保険組合の職員であった期間について、それぞれ組合員期間への通算措置並びに団体共済組合が支給する特例年金についての制限の撤廃を内容とする修正案が提出せられ、自由民主党の古屋委員より提案理由の説明が行なわれた後、討論の申し出もなく、採決の結果、本案は全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案による、スライド制の早急な実施、遺族の範囲の拡大、短期給付にかかる組合員の掛け金率についての上限措置の設定などを内容とする附帯決議案が提出せられ、これまた全会一致をもって附帯決議を付することに決定した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#50
○議長(松田竹千代君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○議長(松田竹千代君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 日程第三 大学の運営に関する臨時措置法案
  (内閣提出)
#52
○議長(松田竹千代君) 日程第三、大学の運営に関する臨時措置法案を議題といたします。
#53
○議長(松田竹千代君) 委員長の報告を求めます。文教委員長大坪保雄君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔大坪保雄君登壇〕
#54
○大坪保雄君 ただいま議題となりました大学の運営に関する臨時措置法案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、大学紛争が生じている大学における教育及び研究の正常な実施をはかるため、大学による自主的な紛争収拾のための努力を助けることを主眼として、大学の運営に関し緊急に講ずべき措置を定めようとするものであります。
 すなわち、まず、大学の学長その他の教職員は、当該大学の正常な運営とその改善のため意を用い、大学紛争が生じたときは、全員協力してそのすみやかな収拾をはかるようつとめ、さらに、その紛争にかかる問題に関して、その大学の学生の希望、意見等を適切な方法によって聞くようにつとめ、その希望、意見等で紛争の収拾や大学の運営の改善に資すると認められるものについては、大学の講ずべき措置に反映させるように配慮するなど、大学紛争の自主的解決に全学をあげて努力すべきことをうたい、自主的解決の困難なる場合に処する道として、
 第一に、国立大学の学長は、大学紛争が生じたときは、直ちに文部大臣にその状況を報告しなければならないこととし、文部大臣は、紛争国立大学の学長に対し、臨時大学問題審議会にはかって、必要な勧告をすることができること。
 第二は、紛争国立大学の学長は、大学紛争の収拾等のため必要があるときは、学長補佐機関等必要な機関を設け、また、学長に権限を集中する等、事態に応じて迅速かつ適切な措置をとることができることとし、さらにまた、大学紛争が生じている学部等における教育及び研究の機能の全部または一部を一定期間休止することができること。
 第三は、大学紛争が生じた後九カ月以上を経過してもなおその収拾が困難な場合には、文部大臣は、当該大学の学長の意見を聞いた上、臨時大学問題審議会の議に基づき、当該学部等の教育及び研究の機能を停止することができることとし、この停止措置がとられた学部等の職員は、特定の者を除き、休職になる等の効果が生ずること。
 第四は、文部大臣の停止措置がとられた後三カ月以上を経過してもなお大学紛争が収拾せず、大学または学部等の設置の目的を達成することができないと認められる場合には、国立学校設置法の改正等必要な措置が講ぜられなければならないこと。
 第五は、紛争国立大学の学長は、入学者の選抜または学生の卒業に関し、文部大臣に協議しなければならないこと。
 第六は、公立または私立の大学については、国立大学に対して適用される規定の一部を準用すること。
 第七は、文部省に臨時大学問題審議会を置くこととし、同審議会は、文部大臣の講ずる停止措置等について調査審議し、学部等の間の紛争についてあっせんを行なうこと。
 この法律は五年以内に廃止するものとすること。その他所要の経過措置及び関係法律の改正について定めること等であります。
 本案は、去る五月二十四日内閣から提出され、六月二十四日本会議において趣旨の説明があり、同日当委員会に付託、翌二十五日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。次いで、同月二十七日から本案に対する質疑に入り、七月十四日には公聴会を開いて全国高等学校PTA協議会副会長鈴木弥七君外七名の公述人より意見を徴しました。この間、委員会を開くこと十回に及び、三十六時間余の質疑が行なわれましたが、それらの詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 なお、七月十一日文教委員打合会において東京大学医学部長中井準之助君外一名から意見を聴取して、本案審査の一助といたしましたことを参考のため申し添えます。
 かくて、七月二十四日本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
  大学の運営に関する臨時措置法案を文教委
   員会に再付託すべしとの動議(柳田秀一
   君外四名提出)
#55
○議長(松田竹千代君) 柳田秀一君外四名から、大学の運営に関する臨時措置法案を文教委員会に再付託すべしとの動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#56
○議長(松田竹千代君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#57
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
 投票を計算いたさせます。
  〔発言する者多し〕
#58
○議長(松田竹千代君) 開鎖を取り消します。――取り消します。いまの開鎖を取り消します。
  〔発言する者多し〕
#59
○議長(松田竹千代君) 議長の間違いであります。取り消します。
  〔発言する者、離席する者多し〕
#60
○議長(松田竹千代君) 後刻あらためて投票を行なうこととし、この際、十五分間休憩いたします。
   午前十一時九分休憩
     ――――◇―――――
   午前十一時二十八分開議
#61
○議長(松田竹千代君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先刻、柳田秀一君外四名提出、大学の運営に関する臨時措置法案を文教委員会に再付託すべしとの動議の採決中休憩となりましたので、あらためて、本動議につき記名投票をもって採決いたします。(拍手)
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#62
○議長(松田竹千代君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#63
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。
  〔投票継続〕
#64
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。
  〔投票継続〕
#65
○議長(松田竹千代君) なるべくすみやかに投票せられんことを望みます。
  〔投票継続〕
#66
○議長(松田竹千代君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#67
○議長(松田竹千代君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#68
○議長(松田竹千代君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百五十一
  可とする者(白票)        百四十
  否とする者(青票)       二百十一
  〔拍手〕
#69
○議長(松田竹千代君) 右の結果、柳田秀一君外四名提出の動議は否決されました。
    ―――――――――――――
 柳田秀一君外四名提出大学の運営に関する臨時措置法案を文教委員会に再付託すべしとの動議を可とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    猪俣 浩三君
      石川 次夫君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      金丸 徳重君    神近 市子君
      唐橋  東君    川崎 寛治君
      川村 継義君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保田鶴松君    工藤 良平君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      後藤 俊男君    河野  密君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      阪上安太郎君    實川 清之君
      柴田 健治君    島上善五郎君
      島本 虎三君    下平 正一君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      高田 富之君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      内藤 良平君    中澤 茂一君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      中村 重光君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平林  剛君
      平等 文成君    広沢 賢一君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      古川 喜一君    帆足  計君
      穗積 七郎君    細谷 治嘉君
      堀  昌雄君    三木 喜夫君
      美濃 政市君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森  義視君
      八百板 正君    八木 一男君
      八木  昇君    安井 吉典君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口 鶴男君    山中 吾郎君
      山本 幸一君    山本 政弘君
      山本弥之助君    米内山義一郎君
      米田 東吾君    依田 圭五君
      渡辺 惣蔵君    渡辺 芳男君
      中村 時雄君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      林  百郎君    松本 善明君
 否とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    有田 喜一君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      石井光次郎君    稻葉  修君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      植木庚子郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      遠藤 三郎君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大石 武一君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      奥野 誠亮君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 彦吉君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 一平君
      金子 岩三君    上林山榮吉君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      菊池 義郎君    吉川 久衛君
      久野 忠治君    久保田円次君
      久保田藤麿君    熊谷 義雄君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 文生君    佐藤洋之助君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    塩川正十郎君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      世耕 政隆君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      田村 良平君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    高見 三郎君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      谷垣 專一君    谷川 和穗君
      千葉 三郎君    地崎宇三郎君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中川 俊思君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中村庸一郎君    中山榮一君
      永田 亮一君    灘尾 弘吉君
      南條 徳男君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    丹羽喬四郎君
      丹羽 兵助君    西岡 武夫君
      西村 英一君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      葉梨 信行君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      早川  崇君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田  一君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      藤山愛一郎君    船田  中君
      古井 喜實君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀川 恭平君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    三池  信君
      三木 武夫君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森山 欽司君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山口 敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      池田正之輔君
     ――――◇―――――
#70
○議長(松田竹千代君) この際、一時間休憩いたします。
   午後一時六分休憩
     ――――◇―――――
   午後二時十五分開議
#71
○副議長(藤枝泉介君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 先刻の本会議において、記名投票の際手違いのありました点について、この際、遺憾の意を表します。
     ――――◇―――――
#72
○副議長(藤枝泉介君) 日程第三につき質疑の通告があります。順次これを許します。川崎寛治君。
  〔川崎寛治君登壇〕
#73
○川崎寛治君 私は、日本社会党を代表して、文教委員長報告に対し、若干の質問を行ないたいと思います。
 まず第一に、大坪君は国会役員でありながら、なぜ本会議をボイコットしたのでありますか。
 第二、公聴会の会議録ができ上がり次第、それを見て審議の参考にすると委員会で言明をしておきながら、なぜ無視をしたのでありますか。公聴会は単なるセレモニーなのでありますか。国会役員として明確にお答えいただきたいのであります。
 第三、大学紛争の根本原因は何でありますか。
 第四、その根本原因を解決するために、自民党政府は具体的にこれまで何をやってきましたか。そして、その成果はどうであったかを明らかにしてほしいのであります。(拍手)
 第五、大学の運営に関する臨時措置法案が、大学紛争の自主解決に役立つものであるとなぜ判断できるのでありますか。
 以上五点について明確にお答えをいただきたいのであります。
 今日、国家権力による教育統制は、すでに高校にまで及んでいます。いまや、それを大学にまで及ぼそうとしているのが今回の大学立法であります。
 十一月の佐藤総理訪米と七〇年の安保条約固定期限終了のときを目の前に、佐藤自民党内閣は、いまや、なりふりかまわず、大学法の強行成立をはかろうといたしておるのであります。
 総理は、さきに、この本会議において、わが党の長谷川正三君の質問に対して、わが国の場合、学生運動の多くが安保、沖繩問題をテーマにしていることは事実であります、と答えておられるのであります。佐藤内閣の沖繩返還交渉が、本土の沖繩化、核安保、アジア安保への危険な道であることを、国民は、なかんずく若者は、鋭く見詰めておるのであります。沖繩における毒ガス事件も、その一つのあらわれではありませんか。本日から始まる第七回日米貿易経済合同委員会において、アメリカ側から戦闘作戦行動の自由の保障措置を求められるであろうと新聞等は報じておるのでありますが、この日米会議に臨む、沖繩問題、経済問題についての日本政府の基本的態度を明らかにしていただきたいのであります。
 国会の国政上の機能は、代表機能と審議機能であります。そして、議決機能は、この二つの機能が正しく果たされた程度、まさにその程度だけ、ものを言うのであります。自由民主党の諸君は、国会の多数を占めているがゆえに、審議機能も、議決機能も、一方的に左右し得ると思い上がっておるところに、強行採決に次ぐ強行採決の連発で、今日の議会制民主主義の危機を生んでいるのであります。すでに石井前議長をはじめ三人の人柱をつくったのでありますが、いまや四人目がささやかれるという状態にあります。与党の総裁である佐藤総理の重大なる責任を問わざるを得ないのであります。(拍手)
 大学紛争は、近代に発達をきわめたあまりに機械的、技術的な文明と、それに伴ってあまりに組織化され、硬直化された現代の管理社会の中にあって、人間が疎外せられ、その自由が窒息することに対する不満と反抗がその根本であります。四月三十日の中教審答申も指摘をいたしておるところであります。しかるに、予算編成の過程で、NHKや国鉄以下の隷属状態に大学を追い込み、学生数だけいたずらに増大をさせ、下から上まで試験地獄におとしいれ、大学自治を形骸化させた責任は、一体大学側にあるのでありましょうか。それとも、政府側にあるのでありましょうか。政府側がこの問題への政治責任のアリバイ工作のために大学側の解決能力の不足を強調し、権力による紛争解決をはかろうとしておること、それこそ最大の政治的無責任といわざるを得ないのであります。政治の責任を明らかにしていただきたいと思います。大学紛争の根本原因が何であるか。最近、哲学づいておるといわれる佐藤総理から、それこそ、まさに一国の総理にふさわしい深い洞察と、これからの大学改革についての展望を示していただきたいのであります。また、文教の責任者であります文部大臣の見解もあわせて伺いたいと思います。
 学問の自由を抑圧をし、大学の自治を破壊するものとして、この法案への反対運動は日増しに高まっております。七十五の全国の国立大学をはじめ、百三十にのぼる国公私立の大学人が、なぜかくもこの大学立法に反対しておると総理はお考えになりますか。文部大臣の見解もあわせて伺いたいのであります。
 学生集団あるいは労働者や一般民衆と警察機動隊との衝突がしばしば起こっていますが、荒木国家公安委員長にお尋ねをします。
 第一、戦後の警察の理念は、戦前のそれと大いに異なると思います。どこが違うのか、まず明らかにしてほしいのであります。
 第二は、民主警察の理念が最近失われつつあります。特に機動隊は、学生や労働者や一般大衆に対して初めから敵視をする態度が露骨であって、学生の暴力を誘発しております。いかなる隊員の訓練をしておるのか、いかなる方針で指導しておるのか、明らかにしてほしいのであります。新宿広場における機動隊には、行き過ぎありと非難があげられておるではありませんか。
 第三、六月十二日、都下国分寺市にある東京経済大学にゆえなくして警察機動隊が乱入をし、暴動をし、無抵抗の学生に数名の重軽傷者を出したのであります。その経過と処置を詳細に説明してほしいのであります。
 第四に、七月二十六日午後、大学立法に反対をする一部学生と機動隊が、国電四谷駅周辺で衝突をし、逃げ場を失った学生が高さ十メートルのがけから落ちて、五人が重軽傷を受けたのであります。目撃をした通行人や学生の話によれば、機動隊は、全員検挙の声とともに規制を始めたといわれております。いかなる法的根拠に基づいて、このような大量検挙、規制活動を行なったのであるか。新聞報道によれば、この大量検挙は、都公安条例ではなくて、道交法を適用したとも伝えられておりますが、真相はどうであるか。かりに、道交法だけを適用して全員検挙に乗り出したとすれば、これは初めてのことであり、無差別検挙のそしりを免れないのであります。(拍手)
 この法案は、さきに文部大臣不信任決議の趣旨説明、質疑、討論において明らかにされたごとく、学長の権限のみが一方的に強化をされ、文部大臣への無制限な権限の集中がなされ、大学への権力介入をはからんとするものであります。とにかく文部大臣は、大学を一たび紛争大学と認めるや、大学の管理運営はもとより、いわば生殺与奪の権を一手に掌握をするのであります。しかも、その権限は、非常に画一的、強権的で、すべての大学にわたります。その上に無制限に拡大が可能なのであります。まさに、大学戒厳令的非常大権が文部大臣に集中されるのであります。このことは、われわれ野党の者が指摘するのみではなく、多くの大学人の指摘するところでもあります。文部大臣はこのことを認められますか。この大学の運営に関する臨時措置法案の各条文に従って、この法律の機能のしかたを具体的に明らかにしていただきたいのであります。そうして、何ゆえにこの法律によって大学紛争の自主的収拾ができるかを明らかにしていただきたいのであります。
 法第八条の休職措置は、国家公務員法の現行制度にはない公務員制度における全く新しい問題であります。公務員が憲法二十八条にいう勤労者であることは、ILO審議の際の大橋労働大臣の言明のとおりであります。それゆえ、大学教職員にも二十八条の労働基本権が与えられていることは言うまでもありません。個人の事由によらない、大学の機能停止という客観的事実によって休職させられるということは、大学教職員という公務員の労働基本権にかかわり、憲法二十七条、二十八条そのものの重大な問題であります。それゆえ、公務員制度審議会にかけるのが当然であります。なぜそれを怠ったのか、かかる立法は、まさに瑕疵ある立法といわざるを得ないではありませんか。(拍手)本法案をすみやかに撤回せしめることが、政府の最高責任者としての総理の当然なすべき措置といわざるを得ません。
 かかる非常時の臨時立法という名分のもとに権限を集中する授権法案の典型は、ヒトラーに見ることができるのであります。一九三三年の三月二十四日、ヒトラーは、国民及び国家の危急を排除するための法律という四カ年の時限法をドイツの議会でしゃにむに成立せしめました。それはまさに議会を通してであります。非常時だから、臨時だから、国民及び国家の危急排除のために全権をヒトラー総統に委任せよというのであります。しかし、それは四年後の一九三七年には延長をされ、ナチス・ドイツ崩壊の日まで続いたのであります。かくして、当時最も民主的だといわれたワイマール憲法は、国会を通して完全に形骸化されました。ヒトラーの独裁政権はかくして確立をいたしてまいったのであります。
 今回のこの大学運営に関する臨時措置法は、大学に関するまさにその小型版といえるのであります。学問、思想、表現の自由を侵害し、大学の自治を破壊し、憲法と歴史に挑戦をする佐藤内閣の責任を追及して、私の質問を終わります。(拍手)
  〔大坪保雄君登壇〕
#74
○大坪保雄君 川崎君の私に対する御質問は、五項目であったようでございます。
 その第一は、二十四日、本会議が午後開かれたのであるが、どうして本会議をボイコットして委員長席におったか、こういうことでございます。
 御承知のように、その前日の二十三日は、朝から夜の十一時過ぎまで委員会を開きました。終始、私は委員長席にすわっておりました。その後、理事会を開きまして、それから二十四日になり、二十四日も午前中の会議に委員長席にすわっておりまして、いささか疲労を覚えました。委員会室のうしろの部屋で休んでおったのでありますが、そのうち議長のお呼び出しがあったりいたしまして、休んでおったのでありますが、ふと考えまして、去る七月八日、これは、本会議のある日の、本会議終了後に委員会を開催する予定にいたしておりましたので、私は投票を済まして、議長席のうしろから、許可を得て、早目に本会議場を出まして、委員会の部屋に参りましたところが、社会党の唐橋東君が……(「うそを言うな」と呼ぶ者あり)決してうそではございません。委員長席を占領をして、きわめて強くへばりついて、私からその席をのくようにずいぶん督促をいたしましたけれども、その他の十数人の社会党の議員諸君とともに非常な抵抗をして、ついに当日は委員会が開かれない状態にまでなったのでございます。(拍手)そのことを思い出しまして、衆議院としては会期末の段階でもあるし、委員長席を確保いたしたいと思って、委員長席におったようなことでございます。
  〔「うそを言うな」と呼び、その他発言する者多し〕
#75
○副議長(藤枝泉介君) 静粛に願います。
#76
○大坪保雄君(続) 全然うそではございません。
 第二項の、公聴会を単にセレモニーと考えておるようなことではないかという御質問でございますが、これはもちろん公聴会は法律で規定しておりますことでございますし、国民から希望者を募って、そして貴重なる意見を法案審議の参考にするために開くものでございますから……
  〔離席する者あり〕
#77
○副議長(藤枝泉介君) 自席にお戻りください。
#78
○大坪保雄君(続) これは委員会においても尊重するし、さらに、その意見のとるべきものは、法律の執行等にあたって政府がこれを採用するであろうと存じます。
 その他の項目は、これは委員長として私からお答えすべきことではないと存じます。政府のほうからお答えがあることと存じます。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#79
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 川崎君にお答えいたします。
 政府が本国会に提出いたしました大学の運営に関する臨時措置法案は、紛争によってそこなわれている大学本来の機能を回復し、教育と研究が正常に行なわれるよう、大学の自主的解決を助けるものであります。
 御承知のように、知識が現代社会の中心的資源となり、一国の経済力の決定的要因としての性格を強めている時代であります。紛争によって大学本来の機能が停滞している現状をただ黙認することが、責任ある政党として、はたして許されるでありましょうか。私は、この問題を、党派を越えて、真に国民的最重要な課題として取り扱っていただきたいと念願していたのでありますが、各党間の理解を得ることができず、審議が混乱したことを非常に残念に思っております。
 公聴会の反対意見が審議に少しも反映されていないのではないかとのお話でありますが、公聴会におきましては、賛成、反対、それぞれのお立場から参考人の意見が述べられております。政府としては、常にそれらの意見をも十分参考にしております。今回の大学法案の場合も何ら変わるところはありません。
 次に、大学紛争の原因は何か、紛争解決の展望を示せ、こういうお尋ねでありますが、大学紛争の原因は複雑であります。いろいろな角度からとらえることができますが、大学がいろいろな意味で進歩する社会に対応できなくなった点があげられると思います。紛争が長引くことによって、大学に対する国民の信頼が失われることは、国家的な損失であります。それだけに大学当局者は、きびしさをかみしめて、収拾に努力してもらいたいのであります。私は、本法案の成立によって、大学当局者の一そうの自覚を促し、自主的な解決がはかられることを期待しております。
 次に、御承知のように、学校はすでに夏休みに入っております。しかし、四月からの第一学期中、一度も授業を受けずに終わった新入生は一万九千七百人にのぼっております。これは新入生全体の六%に当たるのであります。川崎君は、本法案に対する大学人の反対が多いと言われますが、まじめな学徒の中には、これ以上学問研究の空白が続くことは、わが国の損失であるばかりでなく、わが国の国際的な責任をも果たせなくなることを憂えている人が多いと聞いております。政府は、大学問題を法律ですべて規制しようとしているのではないのであります。紛争を解決するため、当面必要な最小限度の立法であります。観念的な反対論に終始することなく、国民共通の課題として本法案を理解していただくよう心からお願いする次第であります。
 次に、本法案を撤回しろ、こういうお話がされました。すでに御承知のように、五日間も本会議を開いております。私どもは、この法案を成立させたいために、ただいまの法案の審議を願っておるのであります。この機会になってこの法案を撤回しろなど、私ども受けることはできません。これは、さような発言こそ撤回していただきたい。はっきり申し上げておきます。(拍手)
 最後に、今度の日米貿易経済合同委員会は、ニクソン政権が誕生してから初めての合同委員会でありますから、日米関係の一そうの緊密化をはかるよう努力したい、かように考え、ただいま会議を持っておる次第であります。
 以上、お答えいたします。(拍手)
  〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#80
○国務大臣(坂田道太君) 川崎君にお答えを申し上げたいと思います。
 先ほど、公聴会につきまして総理からもお答えがございましたが、私も、公聴会は朝から夕方までずっと聞いておりました。大体、いろいろ参考になるところは多うございました。しかし、二、三の大学人のお話は、学問の自由の目的を達成するために大学の自治というものが必要であるということを、観念的に、理想的にはお述べになるのでございまするが、それならば、一体現在、学問の自由が大学において侵されておるのかどうかという現実の問題に対する認識を欠いておられるように思いました。(拍手)
 教育基本法の十条には、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。」というふうにあります。いまや、大学は不当な支配に服し、つまり学生の暴力に服して、国民全体に対し直接責任を負っておらない状況にある。今日、私は、大学の自主解決のみにまかせるわけにはまいりません。国民に対する責任を感ずる者といたしましては、最小限必要な立法措置、この法案がぜひとも必要であるというふうに考えました。公聴会の話を聞きまして、いよいよますますこの立法の必要性を感じた次第でございます。(拍手)
 この法案が自主的に解決させるというが、紛争解決の過程と機能のしかたについて、具体的に説明をされたいということでございます。
 各委員会におきましてしばしば申し上げておりますとおり、紛争が起きました場合においては、まず、大学当局に第一次的に判断をしていただきまして、報告を求めます。それから収拾に必要な措置についての勧告を行ないます。それからまた、管理運営体制を、事態に応じて迅速適切な措置が講じられるように、場合によっては学長がリーダーシップをとるように、権限の集中を行なうようなこともきめてございます。また、どうしてもそれでも収拾ができないという場合におきましては、大学みずからが自主的に停止、つまり休校をやるということもできるようにしてあります。その次に、どうしてもどろ沼状態で、もはや教育、研究というものが、学生たちの暴力その他の暴力行為によって、もうにっちもさっちもいかなくなった状況におきましては、第三者機関の臨時大学問題審議会の議に基づきまして、文部大臣が休止を命ずることといたしておるわけでございまするが、これとても、最後のいわば自主解決と申しますか、重病人になった大学をやはり立ち上がらせる、回復をさせる、健康体に戻すための最後の手段であるわけでございます。私、文部大臣といたしましては、この七条のないことを望み、六条以下の、大学みずからの自主解決による努力を助けることに専念いたしたいと考えておる次第でございます。(拍手)
 大学紛争解決の展望を示されたいと申されましたが、私は、今日、象牙の塔でなくて、いわば閉ざされた大学自治から、国民のために開かれた大学という、大きな新しい大学の構想を描きつつ、当面の必要最小限度の立法措置によって、今日の大学紛争を解決いたしたいと考えておる次第でございます。(拍手)
 この法案になぜ大学人が反対をしておると思うか。先ほどの公聴会の際にも申し上げたとおりでございまして、どうもこの法案の趣旨や内容というものを、学者らしく十分理解しようとしておられないように思うのでございます。(拍手)そうして、戦前のごとき、政府に対するアレルギーがまだ解消しておりません。また、学生側におきましても、一部の学生の運動家たちに対して、無批判に追従する風潮があることも事実でございます。この際、私といたしましては、政府と大学当局とが、この非常時、大学の紛争というものにつきまして、この国民的課題に対しまして、一体となって秩序回復と、それからまた、教育の正常化をはからなければならないと考えておる次第でございます。(拍手)
 休職処分の問題でございまするが、公務員制度審議会の審議対象は、公務員の労働関係の基本に関する事項であり、政府としては、公務員の団結権、団体交渉権、その他の団体行動をする権利に関するものと解しております。本法案の休職に関する規定は、すでに設けられておりまする休職制度に休職事由を加えるもので、公務員の労働関係の基本に関する事項に含まれるものではなく、同審議会に付議する必要はないと思います。(拍手)
  〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
#81
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 川崎さんにお答え申し上げます。
 お尋ねは四項目であったかと思います。
 まず第一は、警察の理念について、戦前の警察と戦後の警察とどういうふうに違うのだというお尋ねでございました。
 現在の警察制度は、戦前における警察の反省の上に立って制定されたものでありまして、警察法第一条に規定されているように、民主的理念を基調とするものであります。その根本的精神は、人間の尊厳と自由の理想を保障するという、民主的理念を基調とするものであります。個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持する警察の職責の遂行は、国民のために、また、国民にかわって行なわれるものでありまして、その権威は、まさに国民に由来するものであると解します。(拍手)したがって、国民に付託された職務の遂行にあたりましては、もとより、不偏不党かつ公平中正を旨とし、いやしくも日本国憲法の保障する個人の権利及び自由の干渉にわたる等、その権限を乱用することがあってはならないとされていることは、御案内のごとくであります。私をはじめ十七万の全警察職員は、この警察法の精神にのっとりまして、職責を遂行しておるような次第であります。
 第二のお尋ねは、機動隊の行動が、新宿その他で行き過ぎているのではないかという話もあるようだが、どのような警察官、機動隊に対する指導、教育、訓練方針をもって臨んでおるか、こういうお尋ねであったと思います。
 機動隊の行ないます警備活動におきましては、何よりも冷静と忍耐と寛容が必要とされるのであります。機動隊員に対しては、精神面の教養にあたっても、実務の訓練にあたりましても、常に心のゆとりを持ち、一致団結のもと、与えられた任務を冷静かつ着実に遂行できるような心がまえの涵養と技術の練摩につとめている次第でございます。
 第三のお尋ねは、六月十二日、東京経済大学に機動隊が間違って入って行った、その経過及び措置について尋ねたいというお話でありました。
 このことは、新聞にも指摘されたところでありまして、警察官がいささかあわてまして、間違って他の大学に入りましたことは、これはまことに遺憾であると存じます。本件は、もともと、ある市民の窃盗犯の事件捜査のために武蔵野美術大学内に立ち入りました刑事係員が、学生に取り囲まれて、これを急報した刑事係の連絡の誤りから、出動した警察官が、関係のない東京経済大学におもむきまして、守衛の事務所で事情を尋ねているところを多数の学生に取り囲まれ、約一時間三十分にわたって校内に監禁状態となったため、やむなく警察部隊が学内に出動して救出した事案でございます。大学構内の立ち入りについては、従来、大学当局と密接な連絡のもとに行なってきているところでありますが、本件について連絡の手違いがありましたことは、いま申し上げたとおり遺憾に存じます。今後再びこのようなことが起こりませんよう、一そう慎重、適正に運用してまいる考えでございます。
 第四番目に、七月二十六日の四谷におけるデモ取り締まりについての経過、その適用法規について説明しろというお尋ねであったと思います。
 去る七月二十六日午後三時ごろから、都内千代田区神田駿河台の明大記念館で、大学立法に反対する反代々木系の全都全共闘連合による大学立法粉砕研究集会が開かれましたが、この集会のあと、午後十時二十分ごろ、ヘルメットをつけた学生約百三十名が、機動隊を突破して国会に突入しようと叫びながら、国電四谷駅四谷口前広場に集合した上、国会に向かって無届けデモを開始したのであります。このデモ隊は、四谷見附交差点に入るや、道路一ぱいの渦巻き行進を始め、そのまま赤坂見附方面に向かって、道路半分を占拠しつつデモ行進を行なったために、平日でも交通量の多いこの方面の道路は、土曜日の夜ということのため、一そうふくそういたしまして、多くの車両が渋滞するという混乱状態となったわけでございます。そこで、警察としましては、このような違法事態を放置することは、交通の混乱を一そう増大させる一方、国会侵入の暴挙を許すような結果ともなればたいへんだと存じまして、所要の警察部隊をもって規制、検挙活動に移ったわけであります。その結果、旧赤坂離宮医薬門前道路上で公安条例違反及び道路交通法違反の現行犯として六十名、うち、公安条例違反が二名、道路交通法六十七条違反が五十八名、合計六十名を検挙したわけでございます。その後、取り調べの上、無許可デモの指揮者二名を留置しまして、他の者は、軽微な事案でございましたから、釈放をいたしております。完全検挙などと申して検挙したわけではございません。無法は断じて許さない。(拍手)議会制民主主義の根底をないがしろにする意味におきまして、断じて許さない。(拍手)学生であろうとだれであろうと断じて許すべきでないという立場で、警察の使命を国民のために今後も履行してまいりたいと存じます。(拍手)
#82
○副議長(藤枝泉介君) 野口忠夫君。
  〔野口忠夫君登壇〕
#83
○野口忠夫君 私は、ただいま文教常任委員長大坪保雄君が報告されました大学の運営に関する臨時措置法案につきまして、若干の質問を申し上げたいと思います。
 大坪委員長は、厳粛な本議場を通じ、一見国会のルールを通し、十分な審議を尽くしたかのごとき態様を示しながら、教育を憂え、大学の将来に不安を持つ国民の願いを顧みず、ただ一つの意思を貫くため、そのかいらいと化し、議員としての守るべき良心の一片すら守ろうとしなかった文教委員会の報告をなさいましたが、全くこれは何をか言わんやであろうと思うわけであります。
 ただいまも質問に対してお答えになられましたが、七月八日のできごとは、私もその場所におりましたのでわかっておりますが、あれは午前中のできごとであったと私は思います。理事懇を開いていろいろ話し合いをしましたが、その話し合いはまとまらなかった。しかるにかかわらず、そのまとまらないままで委員長席に着いて委員会を進めようとする大坪委員長の態度に対して、唐橋東君がその委員長席を押えておったということでございまして、先ほどから……
  〔発言する者多し〕
#84
○副議長(藤枝泉介君) 御静粛に願います。
#85
○野口忠夫君(続) 何か大坪委員長の報告は、社会党の唐橋君が理由なくしてこれを押えつけているような報告であったのですけれども、理事懇談会でまだその意思はきまらず、あらためて理事会を開いて相談をするといいながら、委員長席に着いて議事を進めようとするこの態度こそ、そういうものを生み出した。(拍手)私も、全く何をか言わんやと思う委員長ではございますが、一つだけ御質問申し上げて、せめて本議場の中で、日本の存在する限り続くであろう国会の議事録の中に、あなたが悪行のすべてを残すだけではなくて、一つくらいいいことを残してもらいたいと思って御質問しますから、いまのようなことではなくて御答弁願いたいし、ただいまのことについても、もう一度思い出してもらって、あのときはどうであったかをよく思い出して、少なくとも国会議員が、この厳粛な議政壇上でうそを言わないようにだけはしていただきたいと思うのです。(拍手)
 文教委員会で強行採決された直後、自由民主党の園田国会対策委員長のテレビ放送がありました。「日本社会党山中吾郎君の質疑時間は九時間くらいの引き延ばし質問でありまして、私たちはそれをすら許してまいったのでありますが」云々の放送でございますが、これは全く聞き捨てにならない事実誤認の放送なのであります。山中君は、私も委員会室におりましたが、その質問の中で、何度か時間を空費いたしますので、その根拠を明らかにして、すみやかにお答え願いたいと再三時間の督促を求めていたのは山中君であったのであります。しかし、文部大臣は、先ほど自主的な姿におまかせできないみたいな姿でお力みになりましたが、文部大臣は、この法律案が通ってからの自己の権限について主張している。山中君の質問したのは、このただいま提案されている法律案以前における現行法律の中で、大学をそのようにできるような力がどこに文部大臣はあるのかという質問をしたわけでありますが、これに対する大学局長の答弁、文部大臣の答弁は、しばしば絶句をし、相談をし、繰り返しをし、その九時間という時間の空費の大部分は、全く答弁の側から費やされた空費であったということをいわざるを得ないのであります。(拍手)強行のやむない理由が日本社会党の引き延ばし作戦にありという印象をテレビを通じて国民に与え、そういう意図をもって行なわれましたこの放送は、許しがたいことであります。テレビの全国民に与える影響を考え合わせ、文教委員長としてこの間の事情は十分おわかりであったと思いますので、山中君の一つ一つの質疑の内容と、それに対する答弁とを具体的に御説明を願って、はたして引き延ばしであったかどうか、その真相を明らかにして、誤った認識をもって放送をした人に教えていただくという善根を私は一つだけ差し上げたいと思いまするから、うそを言わないで、ひとつ正直にあの九時間の内容を御説明願いたいと思います。(拍手)
 大学紛争が激発してから長い時間を経過しておりますが、現状はますます増大こそすれ、少しも減少のきざしを見せないまま放置されているのであります。わが国の最高責任者の総理大臣、文部大臣として、その拡大と国民の犠牲を放置して、何らなすすべのない姿は、まことに許さるべきではないと思います。この際、本国会を通じて、この大学の紛争解決策の具体的な方針、抱負をお示し願いたいと思うのでございます。
 佐藤総理は、混乱しつつある大学紛争処理のため、各党党首との会談を企画され、その方策の発見を、白紙をもって、超党派的公約数の上に求めると言われたのでありますが、ただいま審議中のこの大学運営臨時措置法が、世論工作としての一つにすぎなかったことは、今回の文教委員会強行採決のこの姿の中に明らかであろうと思うのであります。
 当時わが党は、本法律案に示されるような大学の自治の限界があると称し、権力介入によってなされる強圧的収拾策の強行は、大学の紛争の拡大にこそなれ、収拾策とはならないということを指摘し、その撤回と反対の態度を表明してまいったのでありますが、私どもがいま見る現状は、全くわが党の指摘のとおり、収拾どころではなく、逆の方向を示しているのであります。最近、全国大学の大学みずからによる請願手続の紹介要請が多くなっております。中には、直接的請願行動が多くなっております。文教委員会での、それぞれの立場を代表したと称する公述人の方々も、本法律案については否定の方向を示しております。日本学術会議は、その声明において、全く反対の意思を表明しております。
 さらに重要なことは、こうした政府の力による強行が、わが国の全学生諸君を過激的と称せられる思想と行動のほうへ押しやっているという、この事実であろうと思うのであります。大学紛争の解決に、教授を反対に回し、学生をますます行動的方向に押しやる方策しか持ち合わせない佐藤内閣に、大学紛争処理の能力は全くないものとの国民の判断の生まれることも当然なことであろうと思う次第であります。(拍手)
 総理並びに文部大臣は、(「でたらめを言うな」と呼ぶ者あり)でたらめとはどういうことですか。(「どうすればいいんだ」と呼ぶ者あり)どうすればではありません。それをきめるのは、総理並びに文部大臣が、今回提案の法律案等によって大学紛争の処理がほんとうにできるのだという確信を、この席上でお示し願えるかどうかにかかっていると思いまするから、お尋ねをしているわけであります。
 私たちは、こうした大学紛争をますます拡大することに終わる原因は、口を開けば暴力学生、暴力学生と、いたずらに大学紛争の原因を学生の暴力ときめつける考えを国民の中に定着させ、社会の要請に応ずる開かれた大学などと称して、新たな大学の資本への従属を権力の介入によって進めようとする政府・与党に根ざしていると断ぜざるを得ないわけであります。(拍手)
 わが国の全大学生諸君の青年の若さの中に、悪意があるはずはございません。日大経営者の二十四億円の着服や、汚職と買収や非合理性に対し、人間としての不満と要求を持つ善意こそが青年の心でありましょう。少なくとも、おとなは次の世代にこの信頼をもって呼びかける心なくして、おとなと青年の断絶を救う内面的触れ合いは生まれてこないのではないかと思います。日大経営者の悪業に対して根絶の課題を持つべきおとなが、学生の抵抗に敗北するなどと、その居すわりを激励したというがごとき悪意は、おとなの側にあるのではないかと思われます。
 大学紛争の真の解決は、この世代的転換の大きな歴史的流れに着目し、安んじて生活のできる社会建設へ出発しようとするおとなの反省の中に求められるべきであります。いたずらに経済成長のみを誇り、大企業中心の国家繁栄策のもとで、物価高、合理化、農業破壊、交通災害、犯罪激増に苦悶する国民を捨てて顧みず、権力介入の強化の中にさらに進めようとする産学協同、軍学協同の開かれた大学を追い求める姿の中に、大学紛争の解決の道はないと確信するものであります。(拍手)この際、総理並びに文部大臣に、謙虚な反省の上に立って、真に大学紛争解決の抱負をお示し願えるかどうかについてお尋ねいたしたいのであります。
 あわせて、至難にして重要な大学紛争問題解決のために、幾らでも協力を惜しまないわが党の考えに、すみやかに本法律案を撤回し、虚心をもって話し合うゆとりが残っているかどうかについてお示し願いたいのであります。
 最後に、去る二十四日付東京紙の報道するところでありますが、自由民主党幹事長田中角榮氏が、佐藤派会合に出席して、気合いを入れられた談話が載っていたのであります。延長国会においてぜひとも成立せしめなければならない重要法案は、安保七〇年の準備として絶対に通さねばならない、その重要法案は、防衛二法、健保特例法、大学運営臨時措置法の三本であることを明らかにいたしております。大学紛争に名をかり、大学の自治能力の限界を宣伝し、文部権力の介入を強めるただいま審議中の大学運営臨時措置法が、七〇年安保の準備的重要法案であるとの言明は、進められる大学の自治への権力介入は、単に学園の正常化のみを目的とするものではなく、七〇年安保という政治施策の実現のために、学園における学生の考え方や行動を規制する権力の介入であったと理解され、資本と結合する大学、軍隊と結合する大学……
#86
○副議長(藤枝泉介君) 野口君、時間ですから、結論を急いでください。
#87
○野口忠夫君(続) 社会に開かれた大学と称する大学支配への法律案と解せられるが、これはまさに憲法及び教育基本法の違憲、違法の措置といわざるを得ないのであります。田中幹事長は総裁と一体不可分の関係にあると考えるので、総裁としての総理の御所見を承りたいのであります。
 また、文部大臣の職責は、憲法、基本法、法規に明らかなように、日本の教育の不当な支配の排除とその物的条件の充実にあります。しかし、文部大臣は、自由民主党内閣の閣僚の一員でもあるのであります。田中幹事長に見る政策実現の与党閣僚の一員として、その政策実現に協力するのか、それとも、その自主独立の基本的立場を貫かれるのか、文部大臣の立場とそのあるべき姿を御明示願い、安保七〇年と大学運営臨時措置法の関連について御説明を願い、反省、猛省の上に、本法律案を総理は絶対撤回しないと言うのですけれども、撤回の上、あらためてわれわれと一緒に出直すことを願って、私の質問を終わる次第であります。(拍手)
  〔大坪保雄君登壇〕
#88
○大坪保雄君 野口君にお答えいたします。
 私に対する御質問は、二点であったかと存じます。
 第一点は、七月八日の唐橋東君の委員長席占拠の問題でございますが、これは先ほど私が答弁申し上げたとおりでございます。(拍手)大坪保雄は、うそとはったりは言わぬ男でございますから、十分御信用くだすってけっこうでございます。(拍手)
 第二点は、山中吾郎君の質問ぶりについてでございましたが、二十三日は私も記録をとっておりましたが、関連を入れまして六時間三十七分、その翌日二時間余、計八時間四十三分ということになっております。
 その文部大臣との質疑応答の中で、文部大臣が答弁に窮したというようなことは、私は認めておりません。事実はございません。
 以上をもってお答えといたします。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#89
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 野口君にお答えをいたします。
 大学立法が刺激をして、大学紛争が拡大しているとの御意見でありますが、はたしてそう言えるでありましょうか。現在の大学紛争を、文明の試練としてとらえるという考え方が識者の間に台頭しておりますが、少なくとも、この問題が単に政治や行政の問題にとどまらず、広く国民的課題であることは、御理解願わなければなりません。したがいまして、私は各党党首とも話し合ってまいりました。積極的な、建設的な意見があれば、私は謙虚にこれを聞くだけの心の用意がございます。(拍手)現象の皮相な観察だけでは、建設的な解決は導き出せない、私はかように考えるのであります。(拍手)もし大学人の多くが、教育を通じての人間形成という基本的な姿勢を堅持しているならば、国会の場でこれほどの問題となる前に、わが国の大学紛争は解決したでありましょう。(拍手)しかし、残念ながら、事実はそうでないのであります。教育者としての自信喪失が混乱に輪をかけている面があります。大学自治の精神に照らしても、大学人が、管理者であると同時に、教育者としての自信と熱意を持って紛争解決に当たってほしいというのが本法案の趣旨でありますから、もう一度冷静に判断していただくことを強く期待いたします。(拍手)
 今日、わが国には約百四十万人の大学生がおりますが、進学性向はますます高まる一方で、おそらく十年後には現在の約二倍になることが予想されます。大学は、青年の約半数が青年期を送る場所となるわけであります。このことは、大学というものに対する考え方を根本的に変えていかなければならないことを意味するものと私は考えます。
 現在の大学紛争について申せば、自我の確立を求める青年たちが、学ぶことよりも大衆行動によって青春のはけ口を見出している面があります。しかし、いかに変化の波が激しくとも、学校において、教師が教え、学生が学ぶという基本原則はいささかも変わらないのであります。(拍手)革命への幻想を抱く一部の扇動家は、いかなる形で大学改革を行なっても、満足することはないでありましょう。(拍手)一般教官、一般学生が、破壊だけを目的とすることの無意味さを認識し、新しい自覚を持った態度と行動をとることを確信しております。(拍手)
 最後に、田中幹事長の発言についてのお尋ねでありますが、御承知のように、政党の幹事長や書記長は、新聞やテレビ等いろいろな機会に、いろいろな発言をする機会が多いので、その一つ一つについて私も承知しているわけではありません。しかし、一般的にいって、事ごとに七〇年問題と結びつけるのは、むしろ野党の皆さんではないかと思うのであります。(拍手)皆さん方の発想法ではないかと私は思います。自民党総裁として申せば、田中幹事長はきわめて柔軟な思考の持ち主であり、長期的展望に立つがゆえに、今国会に提出した重要法案は今国会で成立させることに全力をあげているものと、かように考えております。
 右、お答えをいたします。(拍手)
  〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#90
○国務大臣(坂田道太君) 野口君にお答えを申し上げます。
 この法案で、エスカレートしておる大学紛争の処理ができるという確信があるかどうかということでございます。
 大学自体の自主的解決の努力を助けることを主眼としてこの法案が組まれておることは、たびたび私が申し上げておるとおりでございます。しかし、要は、何と申しましても、この法律ができました暁において、運用するその人にあると私は考えるわけでございます。大学関係者が、この法案が通過をいたしました場合におきましては、この趣旨を正しく理解をし、その意図するところを十分くみ取って、この法案に定められました諸措置を積極的に活用するといたしまするならば、つまり学問の自由を守り、国民に対する責任を果たすために積極的に活用するならば、大学紛争の収拾は必ず促進されるものと確信いたしておる次第でございます。(拍手)
 それから、この学生の不法不当という行動に対しまして、学生なるがゆえにこれを行なう、何と言いますか、甘やかして、き然たる態度でこれを排除するというようなことがないところに、今日の紛争がエスカレートしたところがあるかと私は考えるわけでございます。(拍手)大学の教官たるものは、真理を愛好し、そして正義を追求する、身をもって示すというのが学者でございまするがゆえに、私は、学生におもねる、そうして真理を曲げたり、学問を曲げたりするようなことがあっては、真の意味における大学の改革はできないと考えておる次第でございます。(拍手)
 それから、いかなる政党といえども、不当なる支配を排除して、国民に対して責任を持つということは当然なことでございます。しかしながら、今日の大学の現状は、残念ながら一部学生の暴力によって不当な支配が行なわれておる。そうして、学問の自由と大学の自治が侵され、学ばんとするところの学生、ほんとうに、真に研究をしようとしておる学者の自由というものが失われておるということを認識していただきたいと思う次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
  質疑終局の動議(園田直君外二十六名提出)
#91
○副議長(藤枝泉介君) 園田直君外二十六名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#92
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#93
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#94
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#95
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百七十四
  可とする者(白票)       二百十五
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百五十九
  〔拍手〕
#96
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
 園田直君外二十六名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊能繁次郎君
      池田 清志君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    小川 半次君
      小川 平二君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大坪 保雄君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大村 襄治君
      岡崎 英城君    岡本  茂君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      賀屋 興宣君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    桂木 鉄夫君
      金丸  信君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀山 孝一君    鴨田 宗一君
      川崎 秀二君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    木村 俊夫君
      菊池 義郎君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    齋藤 邦吉君
      斎藤 寿夫君    坂村 吉正君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    塩川正十郎君
      塩谷 一夫君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    周東 英雄君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    砂原  格君
      世耕 政隆君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 角榮君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田中 六助君
      田村  元君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      床次 徳二君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中川 一郎君
      中川 俊思君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      灘尾 弘吉君    南條 徳男君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 直己君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田 武夫君    野原 正勝君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川 峻君    早川  崇君
      廣瀬 正雄君    福井  勇君
      福田 篤泰君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      古屋  亨君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀川 恭平君    本名  武君
      増岡 博之君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    三池  信君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝雄君
      箕輪  登君    水田三喜男君
      水野  清君    湊  徹郎君
      村上  勇君    村上信二郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      粟山  秀君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山下 元利君
      山田 久就君    山中 貞則君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      早稻田柳右エ門君    渡辺 栄一君
      渡辺  肇君    渡辺美智雄君
      關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      猪俣 浩三君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稻村 隆一君
      江田 三郎君    枝村 要作君
      小川 三男君    大出  俊君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 利春君
      岡田 春夫君    岡本 隆一君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      神近 市子君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    河上 民雄君
      河野  正君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      工藤 良平君    栗林 三郎君
      黒田 寿男君    小林 信一君
      兒玉 末男君    後藤 俊男君
      河野  密君    神門至馬夫君
      佐々栄三郎君    佐々木更三君
      佐野 憲治君    佐野  進君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      田原 春次君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉 佳男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中澤 茂一君    中嶋 英夫君
      中谷 鉄也君    中村 重光君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      浜田 光人君    原   茂君
      平林  剛君    平等 文成君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森  義視君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      安井 吉典君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米内山義一郎君    米田 東吾君
      依田 圭五君    渡辺 惣蔵君
      渡辺 芳男君    池田 禎治君
      受田 新吉君    内海  清君
      小沢 貞孝君    岡沢 完治君
      神田 大作君    河村  勝君
      小平  忠君    曾禰  益君
      中村 時雄君    永末 英一君
      西尾 末廣君    西村 榮一君
      門司  亮君    山下 榮二君
      吉田 賢一君    吉田 泰造君
      吉田 之久君    和田 耕作君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      北側 義一君    小濱 新次君
      斎藤  実君    鈴切 康雄君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      中野  明君    樋上 新一君
      伏木 和雄君    正木 良明君
      松本 忠助君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      田代 文久君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#97
○副議長(藤枝泉介君) 討論の通告があります。順次これを許します。山中吾郎君。
  〔「定数がない」と呼び、その他発言する者多し〕
#98
○副議長(藤枝泉介君) 定足数はありますから、山中君、登壇して発言してください。
  〔山中吾郎君登壇〕
#99
○山中吾郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっている大学の運営に関する臨時措置法案に対して、心より反対し、討論を行なうものであります。(拍手)
 私の国会における法案審議の経験から、これほど愚かな法案はないと信じております。(拍手)この大学立法は、本来、大学の本質に反し、その発想において根本的に誤りがあります。私は、大学制度は、人類の考案した社会制度の中で最高の知恵であると信じております。大学制度は、時の権力から自由な制度とすることによって、古い学問を批判し、支配体制を乗り越えて、新しい学問と文化を創造することによって、人類と民族の進歩の窓としての役割りを果たすものであります。この大学の進歩の窓をささえるものは大学の自治であり、大学の自治の第一の柱は、大学人事の自主性でございます。真理を探求する大学は、本来、権力になじまない社会であり、大学社会の秩序の原理は、学問に裏づけられた権威に基づくべきものであります。
 私は、この大学の本質観に立って、以下、反対の理由を述べて、提案者たる政府とその共犯者、与党自民党に猛省を促すものであります。(拍手)
 この法案に対する反対の第一の理由は、その権力的構造にあります。
 この法案の第一条に、大学紛争の自主的収拾を主眼とすることを明示しておりながら、第三条以下、条項を追うに従い、文部大臣の大学に対する権力の介入の道を漸次広げ、第七条に至って、文部大臣の指揮権発動を許し、大学の研究、教育の停止措置、教職員に対する一括休職処分、学生の停学処分等々に及び、この法案は大学権力介入法案に変質しておるのであります。(拍手)いわば、この法案は、前半は自主解決の看板を掲げ、後半は権力介入の仕組みを織り込み、あたかも、上半身は人の顔、下半身はけものであるエジプトのスフィンクスに似た、妖怪変化に類する知能犯的法案であります。(拍手)ことに、第八条によって、紛争大学の全教職員を一括懲罰的に休職処分に付し、その給与を七割以下に減額することにした冷酷なる規定は、この法案の権力的本質を雄弁に表明するものであり、かつ、現行国家公務員法第一条の精神に違反し、新しい不利益処分制度を創設したのであり、憲法違反の疑いが濃厚であり、許すことのできないものであります。
 この法案に対する第二の反対の理由は、大学紛争の原因を無視した画一的な解決なき収拾法案であるからであります。
 今日の大学紛争の原因は、複雑多岐であり、かつ、根の深いものであり、一片の法律によって解決し得る性格のものでは断じてございません。戦後の大学制度は、戦前の旧制帝国大学、旧制高等専門学校、旧制高等学校、旧制府県師範学校に至るまで、雑多な学校を十ぱ一からげにして寄せ集めた、いわばごった煮大学であります。しかも、政府の無責任によって、新しい大学のための教授養成計画も立てず、施設設備充実計画もないままに今日に至っておるのであります。しかも、政府は、二十数年にわたり、経済成長政策にのみうき身をやつし、防衛費は無条件に増額してきたが、科学と思想の創造のための大学教育費は極力出し惜しみして今日に至りました。(拍手)さらにいけないことには、政府のふところを痛めない私立大学の乱設を黙認して、歯どめのない今日の大学の質の低下、大学の荒廃を生んだのであります。その結果、学生の欲求不満が極限に達して、自然発火したのが今日の大学紛争の実態であることを知れば、一片の法律によって威嚇することによりこの問題を収拾できる事態でないことは、三歳の童子といえども知ることができるのであります。(拍手)
 さらにまた、今日の大学紛争は、単に大学制度の改革ばかりでなく、核時代における社会の構造変化に即応して、学問のあり方が根源的に問われておることに思いをいたすべきであります。すなわち、平和と科学、科学と人間、文明と教育、新しい大学観等々、大学紛争の中で新しい学問と新しい大学のあり方を求めているのであります。しかるに、この大学立法は、大学紛争の否定的部面のみにとらわれ、ゲバ学生を召しとることだけを考えて、新しい学問と大学への積極的な問題提起を見のがしておるのであります。かりに、ある紛争大学が、この大学立法の力をかりて、中途はんぱな紛争収拾がなされたとしても、そのあとには、新しい学問と大学の創造は何も見られないでありましょう。政治は、法の力によって紛争の収拾を急ぐよりも、大学自身が紛争の中で徹底的に苦しみ、創造的な自主解決の道を発見するための後見役を果たすべきであると信じます。(拍手)
 特に私の強調したいこの法案に対する第三の反対の理由は、この法案は、大学営造物観に基づき、学生の地位を認めない時代錯誤の法案であるからであります。
 坂田文相のいわゆる開かれた大学も、権力と資本には開かれておりましても、学生に対しては窓を閉ざしておるのであります。この法案は、大学社会における学生の地位及び大学運営への参加を極力抑制しておるのであります。現に文部大臣は、北海道大学教育学部長をはじめ、数個の大学学部長の発令を故意に引き延ばしておるのでありますが、その理由は、学部長の選考過程に学生を参加せしめたことを理由にしておるのであります。すなわち、この法案は、大学は、図書館、博物館と同じく営造物であり、また、学生を営造物利用者として取り扱い、大学の構成員としての地位を認めないのであり、ここに時代錯誤の古い大学観がつきまとっておるために、学生を無権利の状態に押し込めて、大学に対する偏見、敵視をしておるのであります。世界各国の大学観は、研究と教育を目的とする共同体社会として、学生を大学社会の構成員とし、大学の運営に大幅な参加の地位を認めるとともに、責任を持たせることが常識となっておるのであり、この法案の発想は時代錯誤もはなはだしいといわなければなりません。(拍手)その結果、この法案は、数十億円の脱税によって汚職に問われている、たとえば日大の理事者の権限を強化して、この不正糾弾のために立ち上がった学生の行為を不正常として敵視する構造を持っておるのであります。(拍手)
 私は、青年は民族の希望であり、学生は民族の良心であるとかたく信じておるものであります。今日の紛争大学における学生諸君の要求は、大学制度の民主化と政治の改革を訴え、学問のあり方を問うているのであり、その要求に耳を傾けるべきものが少なくありません。静かな学生といえども、決して現在の大学のあり方に満足し、政治のあり方を肯定しているのではないのであります。政治のなすべきことは、解決のなき大学紛争の収拾を目的とするこの権力的法案の強行成立ではなく、大学の民主化の見取り図を示すことにこそあると思うのであります。
 第四のこの法案に対する反対の理由は、この法案は、すでに時期はずれであり、また逆効果のみを生ずることが明らかだからであります。
 最大の紛争大学である東京大学も東京教育大学も、すでに自主的解決の緒につきつつあり、おそらく、この法案のごやっかいになることはないと思います。また、最近の紛争大学の多くは、皮肉にも、この法案の国会提案に抗議をして、大学立法反対の授業放棄をいたしておるのであります。また、この法案が文教委員会で強行採決を行なった直後に、全国三十一国立大学の学長たちの大学立法に反対する全国大学学長の会の結成を見たことは、まことに皮肉でございます。これらの事実は、この法案がかりに成立しても、全国大学によって守られざる法律として、むなしくたなざらしになるのが落ちであり、天下のもの笑いになることが必定であると思います。(拍手)
 現行法のうちで、守られないことが常識となり、守るものは非常識とされ、非常識が常識化している法律が二つあります。その一つは公職選挙法であり、その二つは未成年禁酒法であります。ともに、法軽視の悪風潮を助長しているのであるが、いままた守られざる第三の法律、大学の運営に関する臨時措置法が加えられようとしておりますが、ばかさかげんもほどほどにしたほうがよいと思います。この法案の提案を指示した佐藤首相の政治感覚もここまでずれておるとすれば、今後どんなあやまちをおかすかもしれず、寒心にたえないものがございます。(拍手)
 最後に、私は、提案をいたしたいと思います。
 大学問題は重大な民族問題であります。この愚かな法案をたな上げをして、あらためて、国会の名において大学紛争解決促進に関する決議を行なうべきであると信じます。国会は、全国大学に対して、第一に、大学の自治を保障することを表明し、第二に、各大学の苦心の自主解決にこたえる大学制度改革の決意を表明し、第三に、国立、私立大学の格差解消のための十分なる予算措置の決意を表明し、同時に、全国大学に対して、紛争を収拾すべき責任を強調して、すみやかなる解決を要望すべきであります。(拍手)
 政府及び与党は、この大学立法を強行成立せしめて大学自治抑圧の汚名を歴史に残すか、この大学立法をたな上げをして、その良識を歴史に残すか、民族の未来に責任を持つ聡明なる決断を切望いたしまして、私の大学運営に関する臨時措置法案に対する反対討論を終わるものであります。(拍手)
#100
○副議長(藤枝泉介君) 河野洋平君。
  〔河野洋平君登壇〕
#101
○河野洋平君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております大学の運営に関する臨時措置法案について、賛成の意見を表明いたさんとするものであります。(拍手)
 大学は、最高の学府として学問の教授及び研究を行なうことを使命とし、その使命を果たすために学問の自由が保障され、また、大学の自治が認められているのであります。(拍手)しかるに、最近、大学においては学生運動が激化の一途をたどり、暴力的活動にまで拡大してきております。そのために、大学の使命たる教育、研究の機能が麻痺し、学問の自由を守るための大学の自治が脅かされ、さらに、大学の存立そのものまでが危ぶまれております。また、一方では、一般市民の財産に多大の損害を与え、かつ、生命の危険さえ感じさせるに至っていることは、わが国の将来にとってまことに憂慮にたえません。(拍手)
 思うに、大学紛争の原因は根深く、社会的、政治的要因も加わって、きわめて複雑であります。それらを解決するためには、大学のあり方について根本的に検討を加え、抜本的改革を行なうことが必要であることは申すまでもありません。しかしながら、暴力と破壊からは、新しい大学を、また、新しい社会を創造することはできません。(拍手)大学紛争の現状にかんがみ、これらの事態の収拾は焦眉の急であり、大学制度の抜本的な改革が行なわれるまでいたずらに拱手傍観するだけでは、国民に対する政治の責任を果たしているとは申せないのであります。(拍手)大学の自治や学問の自由を脅かすものは、学生運動における暴力活動であり、本法案によってこそ、大学自治の確立と学問研究の自由、独立を確保する道が開けるものとかたく信じるものであります。(拍手)この意味において、大学制度が抜本的に改革されるまでの間、最小限度の立法措置としての本案は、まことに当然のことであると確信いたします。
 重ねて申し上げます。現在、国民は大学紛争の現状と暴力の横行に大きな不安を抱いております。(拍手)この国民の不安の解消に努力することこそ、政治の責任であると確信をいたします。(拍手)今日、宇宙への科学的挑戦が、単に科学者だけのものでないのと同様に、これからの教育研究は大学人だけのものではありません。しかし、当面する大学紛争の収拾のためにこの際最も重要なものは、大学の管理者をはじめ、すべての教職員、学生の自覚と努力であります。
 この観点に立って、本法案は、大学の自主的な努力を助けることを主眼として、と第一条に明記しているものであり、大学関係者もその立案の意図を十分認識され、国民の期待にこたえて、一日も早く正常な教育環境と自由な研究の場を取り戻すよう、一そうの努力を尽くされることを望むものであります。(拍手)
 また、政府においても、本法案の成立後は、これが慎重な運用と適時適切な措置をもって紛争収拾に最善の配慮を払われるよう強く希望するとともに、大学制度の抜本的な改革について真剣に取り組み、わが国の未来を開く新しい大学を創造されんことを切望いたします。
 以上、私は、大学の運営に関する臨時措置法案について賛成し、私の討論を終わります。(拍手)
#102
○副議長(藤枝泉介君) 岡沢完治君。
  〔岡沢完治君登壇〕
#103
○岡沢完治君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議題となっております大学の運営に関する臨時措置法案につきまして、以下申し述べます諸事由から、反対の立場を明らかにいたしたいと存じます。(拍手)
 いわゆる大学問題が、まさに現下最大の国内政治課題でありますことは、ここにちょうちょうすることを避けます。教育は国家百年の大計といわれ、また、政治が乱れても国の滅びることはまれであるが、教育と裁判が乱れるときは国家の滅亡に通ずるともいわれます。わが党が他党に先んじて大学問題と真剣に取り組み、あるべき大学像を示して大学基本法案を本国会に提出したゆえんであります。(拍手)
 ところで、本件法案でありますが、法案の中身に入ります前に、私は、まず、本法案に取り組まれた政府・与党の姿勢に触れてみたいと思います。
 この法案が今国会に提出されましたのは五月二十四日、すなわち、延長前の通常国会の会期終了日の前日であります。そして、法案提出までに伝えられました政府原案は二転、三転、その上、法案提出後も、与党議員から修正案が委員長の手元に提出されながら、提案理由の説明もなされないままで撤回されるという事実もありました。また、一時は、東京都議選にこの法案をからめまして、その投票日前に文教委員会の通過をはかるという動きも見られました。
 外交、防衛、治安等、国家の存立にかかわる基本的課題について国論の分裂していること、ことに、これらをめぐって政府・与党と野党第一党との間に不毛の対立、決定的な断絶のあることがわが国政治の最大の悲劇であると私は思うのでありますが、わけて、教育は、わが民族の将来を決する重大課題であり、政党政派をこえ、党利党略を離れて衆知を集め、英知を結集して、歴史の流れを踏まえながら、国際的視野のもとに、悔いを千載に残さない万全の制度を忍耐強く模索すべき課題であります。(拍手)しかるに、政府・与党、そして佐藤総理がこの法案に示された姿勢は、その提出時期、その内容の変遷、あるいはモデル大学構想に見られるごとく、単なる思いつき、きわめておざなり、かつ、短視眼的なものであり、また、すぐれて党略的でもあります。
 本法案に対しましては、政府・与党内部にも、その内容と効果について大いに異論と疑問があったことが公然と伝えられております。現に、与党の理事が文教委員会において、政府案よりも民社党案を高く評価するという趣旨を正式に発言されました。(拍手)党内をも納得させ得ない法案が、どうして野党を、そしてヒステリックな、病める当事者である大学を、学生を、国民を納得せしめることができるでありましょうか。(拍手)日本の学術についての最高の権威組織である日本学術会議や、全国百三十校の大学の学長、そして六十万をこえる学生が、ことに、わが国が誇りますノーベル賞学者の湯川、朝永両博士までが公式にこの法案に反対の声明を発表されているのも、またゆえなしとしないのであります。(拍手)
 次に、本法案の内容に触れることにいたします。
 言うまでもなく、本法案には、あるべき大学像を示された建設的な構想や積極的な提案は全くありません。学生が暴力に訴えてまで求めている大学の改造についての答えは、全然出されていないのであります。文部大臣は、「この法律は、大学の使命及び――最近における大学問題の状況にかんがみ、大学紛争が生じている大学によるその自主的な収拾のための努力をたすけることを主眼としてその運営に関し緊急に講ずべき措置を定め、もって大学における教育及び研究の正常な実施を図ることを目的とする。」と述べておられます。すなわち、火事の起こっている大学に対して火消しの役を演ずるのが、この法案のねらいであるというのであります。しかし、事実はどうでありましたでしょうか。火事を消すどころか、東京女子大学や学習院大学などに見られますごとく、いまだ火災を経験せず、従来火災などと全く無縁であった大学にまで新たに火をつけ、さらには、炎がようやく衰えを見せ始めておりました大学に新たに火種を与えて火勢を強くし、法案反対の名のもとに、学長からノンポリ学生までをゲバルト学生側に結集させ、暴力を学園によみがえらせる結果をもたらし、少なくとも、一時的には、法案の意図とは全く逆の効果を現出さしているではありませんか。(拍手)現に、この大学立法反対を理由に、新たに全学ストその他の学園紛争に突入した大学が全国で四十校をこえているのであります。すなわち、この法案は、所期の目的を達成し得ないばかりか、その目的、そのねらいと逆の機能を発揮するおそれがあることを、法案提出の過程を通じ、法案が成立する以前に事実をもって証明しているのであります。(拍手)わが党が本法案に反対する第一の理由がここにございます。
 次に、この法案の審議態様に目を移します。
 目的は手段を正当化せず、目的のために手段を選ばないことは許されない、革命のために手段を選ばない暴力学生の存在こそ、大学紛争エスカレートの大きな一因であるというのが、文部大臣並びに国家公安委員長の共通の答弁でありました。しかしながら、本月二十四日の文教委員会における本法案の採決こそ、まさに、目的のためには手段を選ばない姿であったのであります。(拍手)紛争を解決するための法案が、紛争状態で採決されたというのでは、まさに漫画でありますが、漫画として笑って済まされない問題であるところに、われわれ自身思いをいたさないわけにはまいりません。七月二十四日以来の本院の姿は、一体国民の前にいかに映っているでありましょうか。国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である国会が、みずからその権威を失墜し、議会制民主主義の墓穴を掘り急いでいる姿と言わずして何でありましょう。(拍手)大学紛争の大きな背景の一つに政治への不信がありますことは、すでに指摘されてきたところであります。議会制民主主義にあきたらず、政治の浄化と刷新を求めて直接行動に訴えているのがゲバルト学生の一つの行動原理であります。現在のこの異常な本院の姿は、まさに彼らに議会制民主政治への否定と政治への不信、直接民主主義への衝動を一きわ高くかき立てたことでありましょう。(拍手)因果関係的にこれを見ますならば、大学紛争の解決よりも、国会における与野党の不毛の対立の解消こそが先決であり、大学紛争は、むしろ国会紛争の反映、縮図と見るべきかもしれません。大学立法成って大学滅ぶ、これは七月十四日の公聴会に出席された東大加藤学長のことばの一節でありますが、本件法案のいけにえになって、国会の権威がいまや地に落ちんとしているのであります。この法案を通過させること、そのことに意義があると言われるのであれば何をか言わん。もしそれ、紛争を解決し、一日も早く教育と研究の場としての正常な姿に大学を取り戻すことにこの法案の意義と目的があるとされるのであれば、かかる問題法案を、審議も尽くさず、当事者である多数の大学人の理解と協力を得られないままに、数を頼み、一日を急いで強引に成立をはからんとされる政府・与党の態度は、わが党のどうしても理解に苦しむところであります。(拍手)
 教授があるのは教えるため、管理者があるのは管理のため、学生があるのは学ぶためとは、カリフォルニア大学のアーサー・ターナー教授の至言でありますが、われわれ国会議員は、審議を尽くすために国民から選ばれているのではありませんか。(拍手)われわれがみずからの責任を果たさないで、どうして大学の正常化を大学人に要求する資格がありましょうか。(拍手)
 われわれは、まず、みずからを正す意味において、この国会を国権の最高機関にふさわしい言論の府、理性と知性の支配する場所によみがえらせることが何よりも必要かつ先決かと存じます。国会がかかる姿で、かかる手続で、かりにこの法案を成立させ得たといたしましても、はたして、これで当事者である学生を、職員を、教官たちを納得せしめ得るでありましょうか。かかる法律に権威と実効を求めることが可能でありましょうか。制度とばかは使いようといわれます。しかし、これだけ関係者に忌みきらわれ、生みの親からも祝福されないで誕生するこの法案に、紛争解決の十分な機能の発揮を期待すること自体が無理ではありませんか。わが党がこの法案に反対する第二の理由がここにあります。
 佐藤総理は、党首会談で、暴力は現行法で対処できる、暴力排除のための治安的立法は行なわないと言明されました。一方、大学がいわゆる治外法権の場でないことは、坂田文部大臣、荒木国家公安委員長が繰り返し明らかにされたところであります。現在、大学の正常化を直接に阻害しているもの、学問の自由、大学の自治をみずから破壊しているものは、端的に申し上げて、暴力学生そのものでありましょう。そうだといたしますと、麻痺状態にある大学を正常化し、研究と教育の場としての静かな環境を大学に取り戻すために政治が第一になすべきことは、何よりも暴力の排除でなければなりません。現行法で暴力は排除できる、大学は治外法権の場ではないとおっしゃる政府が、なぜこの暴力排除に力を尽くされないのか。力にかわるに理性の支配、理性の表現としての法の支配が近代国家、民主主義国家の出発点であります。社会の進歩の象徴であるべき大学において、市民社会にも許されない暴力の横行、法律無視の状態をなぜ今日まで放置されてきたのでありますか。
 大学紛争の一つの背景に、権利は主張するが、義務は尽くさず、自由は求めるが、それに伴う責任は果たさない、顧みて他を言う戦後の社会風潮の存在が指摘されます。この片寄った風潮を改め、これを正すこともまた政治の責任であり、紛争解決の一つの道でもありましょう。いま政府がなすべきことは、大学の無責任、大学人のひきょうや憶病を責める前に、まず、みずからの責任と義務を果たすことではありませんか。(拍手)
 学問の自由を守り、国民の教育を受ける権利を確保するのは、憲法並びに教育基本法上の政府の使命であります。学生、教職員を含む国民の自由、生命、身体及び財産を守るのは、まさに政治の責任であります。政府には、その責任を果たすための組織と機能が与えられております。それに必要な法律にも不備はないと政府みずからが言明しておられます。しからば、なぜそれを活用されないのか。なぜみずからの責任を果たす努力をされないのか。なすべきをなさず、なすべからざるをなすものを放任する、これこそ無責任というのであります。(拍手)この姿勢が、大学紛争をエスカレートさせた別の一因ではないでしょうか。私は、この際、自由と民主主義の敵である暴力の排除について、かたい決意と、勇気ある行動を政府に強く求めるものであります。そして、政府がいまなすべきことは、守られない法律を国会の権威を地に落としてまで強引につくり上げることではなくて、現にある法律を厳正に忠実に履行して、まず学園の暴力を徹底的に排除することであると私は信ずるものであります。(拍手)わが党が本法案に反対する第三の理由がここにあります。
 われわれは、立法反対論者が言うように、この法案が直ちに大学の自治や学問の自由を否定するおそれがあるとは考えません。しかし、百害のあることが立法過程を通じて明らかにされ、一方、一利の存在をも疑わしいこの法案に、にわかに賛成することはとうていできないのであります。新しい時代には、それにふさわしい、国民のための開かれた大学がつくられなければならず、そのために大学の改造が必要であることは言うまでもありません。この新時代にふさわしい大学の理想像を求めて得た一つの成果が、冒頭述べましたわが党の大学基本法案であります。われわれは、わが党案にいささかの自負は持っておりますけれども、これに固執することはいたしません。謙虚な姿勢で、各界各党の建設的な提案は、積極的にこれを受け入れる用意がございます。
 総理は見えませんけれども、本日のこの本会議におきまして、社会党野口議員の質問に答えられて、積極的、建設的な提案には進んで耳をかすと御発言になりました。君子は豹変するということばもございます。あやまちを改むるにはばかることなかれであります。もし野口議員に対する御答弁が口先だけではなく、総理の真意でありますならば、この際、いさぎよくこの法案を撤回され、勇断をもって、わが党案を中心にした建設的な法案の成立に御協力あるべきであります。(拍手)
 以上をもって、私の反対討論を終わります。(拍手)
#104
○副議長(藤枝泉介君) 有島重武君。
  〔有島重武君登壇〕
#105
○有島重武君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題とされております大学の運営に関する臨時措置法案に対し、反対の討論を行なうとともに、本法案の背景にある、教育に対する政治介入、統制強化の意図を明らかにして、大学に対する懲罰的強圧の非を強く弾劾するものであります。
 わが党は、早くより大学問題の憂慮すべき事態に着目し、あすの日本をになう学生諸君に、学問の研究と健全な秩序ある教育の場を与えるために、学園民主協議会、授業形態と資格付与の多様化等を含む一連の提言を発表し、当面の紛争に対する解決策とともに、新しい世代をつくる教育の基本的かつ現実的な改革のための具体案を提唱してまいりました。
 佐藤総理は、本法案の提出にあたり、暴力に侵害された学問の自由を回復し、大学の自主的努力を助けるための立法であると述べ、立法にあたっては、関係者及び各党、各方面の意見をよく聞いた上でと言われておりましたが、現に提出された法案には、さらさら意見反映の形跡はなく、意見の聴取は、提案者たる政府に集中するであろう世間の非難をかわそうとする、こうかつなる責任回避の策以外の何ものでもなかったことが明らかになったのであります。(拍手)また、総理、文部大臣は、暴力により侵害された学問の自由を回復すると言われましたが、その実は、権力により痛めつけられた学問の自由をさらに追い打ちして抑圧し、政府の説明の大学の自主的努力を助ける措置は、逆に、大学の自主的努力を撹乱するとの立法の趣旨であったことを、いま認めざるを得ないのであります。(拍手)すなわち、去る十四日に行なわれました公聴会においても、紛争の当事者である各大学の学長、教官の大半が、本法案について、適用の懐疑性、効果の逆行性、大学自治への権力介入等の問題点を指摘しておりますし、まれに立法に賛意を示す一部の人も、いわば条件つきの賛成で、全面的な支持は全く得られなかったのであります。(拍手)また、六月十五日付某紙の世論調査及び紛争校の全国的な実態調査報告によりますと、全国の四年制大学三百七十九校中、三割に当たる百九校が紛争中で、その四分の三が本法案に反対、特に国立大学は八割が紛争校であり、そのほとんどが、本法案の国会提出とともに、新たなる立法化反対の紛争を引き起こしてしまったと報じております。さらにまた、去る二十四日には、九十六大学の学長が、大学立法反対の声明を発表し、立法反対の抗議集会が続き、学生を含む全大学人に立法阻止の声はいよいよ高くなっている現状であります。総理はじめ関係各閣僚は、なぜかかる反対の声に耳をかそうとしないのか、頑迷な政府首脳に厳に反省を促すものであります。(拍手)
 本法案第一条には、立法の目的として「この法律は、大学の使命及び社会的責務並びに最近における大学問題の状況にかんがみ、」ないし「大学における教育及び研究の正常な実施を図ることを目的とする。」旨を規定しておりますが、いましばらく最近における大学問題の状況について考えてみるならば、第一にあげなければならぬ問題は、戦後における大学急増の問題であります。すなわち、設備の不足はもとより、教授の不足、助教授以下教職員の不足、これに伴う教職員の過重労働と定員外職員の増加等、また、私立大学への大幅なしわ寄せ、産業への従属、人文哲学の貧困等、こうした状況を政府・与党は冷然と放置しておったのであります。すなわち、一部の文部官僚が大学の人事統制を画策し、当時最も必要であった財政措置を怠った結果が今日の大学の荒廃の原因であり、大学紛争、学生暴力の温床となっていることを見のがすことはできません。(拍手)
 いまや大学自体も、新たなる社会に対応し得る学問研究の場として、その制度と運営が再検討を迫られております。学園の自治のあり方、マンモス化する大学の運営等、変転著しい社会において新時代の開発と秩序を創造する人材を輩出すべき大学の使命、社会的責務並びに最近における大学問題の状況にかんがみて、旧来の感覚と教育理念をもってしては解決不可能な時点にきていることを、政府はきびしく認識すべきでありましょう。(拍手)本来、政治と学問の関係において、政治は広く学問研究の環境を整備し、国民の教育に対する要請を受け入れ、その発展を助長すべきであって、かりにも教育と学問研究の統制を画策すべきではありません。政府は、ここに過去の過失を反省し、新しい文教政策の基本について思いをいたし、識者にこれを求むべきであります。
 次に、具体的問題を指摘するならば、各条項に見られる相互矛盾、きわめて不明確な懐疑的条文、明らかな大学自治への介入、実効性どころか逆効果しか期待できない項目等、この法案は、戦後の政治史における典型的な悪法の一つにあげられるのであります。(拍手)
 その二、三の例をここにあげるならば、大学の自主的解決を助けるとうたいながら、第四条には、文部大臣の勧告権を強化し、その実施を強要し、第三条の補佐機関、執行機関の設置にあたっては、文部大臣の拒否権ともいえる任命権を設定することなどは、第一条にいう自主的解決の促進との矛盾がはなはだしいことが指摘されるのであります。
 しかも、大学の人事権尊重の基本である教特法第十条よりも、本法案における文部大臣の任命権が優先するとしたことは、大学自治への明らかな権力介入であり、いまや大学自治は、本法案によって崩壊の道をたどり、次に予想される教特法改廃の策動と相まって終えんの危機にあることを、私は、声を大にして訴えるものであります。(拍手)
 またさらに、第八条には、大学人の生活権を脅かす給料カットの規定を定めたことは、大学の意思統合を錯乱し、一般教職員と執行部の対立は必至であり、逆効果以外の何ものも期待できないことを指摘するものであります。これについて坂田文部大臣は、給料カットぐらいの措置で大学を去ってしまうような人は、大学の改革に参与する資格はないと反論されたのでありますが、まことに冷酷むざん、無慈悲きわまりない権力者の独善性を端的に浮き彫りにした言動であり、私は心からの怒りを覚えざるを得ないのであります。(拍手)紛争が長期にわたったときに、これら教職員の生活苦は必至であり、これら教職員は何によって家族を養えというのか。紛争収拾に手間どる大学人に責任を押しつけ、かかる処置は当然であるとして大学人を糾弾するならば、最初にかかる大学の荒廃を招いた政府の政治責任は一体どうなのか、あまりにも一方的、あまりにも権力的な大学法案ではありませんか。(拍手)
 さらに指摘しなければならぬ問題は、学生に対する休校中の育英資金の打ち切りであります。傍若無人に暴力をふるう学生についてはともかくとして、被害者である一般学生、紛争解決に協力を求めるべき学生に対して、何ゆえこのような過酷な処置をとらなければならないのか。また私立大学学生に対しては、休校中は授業料は払え、育英資金は打ち切るということは、不当きわまりない処置であります。この一項を見るだけでも、本法案が目ざす自主的解決とほど遠いことは、あまりにも明瞭ではありませんか。(拍手)
 また、大学が廃校になった場合、この法案によれば、学生はどこにも行くところがない。文部省は指導、助言によって対処すると言いわけしておりますが、この法律案を見る限りにおいて、廃校後の学生の学問研究への意思は一方的に切り捨てられ、大学から放逐されることになっております。憲法に保障された教育を受ける権利まで剥奪される危険にさらされているのであります。
 これらの問題点に対して、文部大臣は、第七条以下は最悪の事態に対処すべき措置を定めたもので、これらの規定があるからこそ、教職員も学生も奮起して暴力排除に立ち上がるであろうと答弁されておる。何たる不見識、何たる詭弁でありましょうか。これ、本法案がどうかつ法案、おどかし法案といわれるゆえんであります。(拍手)政府のどうかつによって教職員や学生が本法案に賛成し、紛争解決に努力するようになるとでも考えておられるのでありましょうか。愚劣もここにきわまれりというべきでありましょう。
 今日の大学紛争が指摘する問題点の一つは、明らかに政治並びに政府の政治姿勢への弾劾であります。金権政治、汚職、腐敗の横行、政治権力の横暴性、これら政治不信を招いた問題点に対し、今日の政府首脳はいかにこたえたでありましょうか。その答えとして、たとえば政治資金規正法改正に対する優柔不断、不明朗きわまりない佐藤総理のあの態度、また、たび重なる強行採決の姿、これらの学生の非難に対する、これが総理の回答の典型と見ることができるでありましょう。このような姿では、いかに策を弄しても、紛争は激増するばかりであり、その責任は一にかかって佐藤総理以下政府・与党にあることは明々白々であります。(拍手)
 この際、政府は、謙虚にいさぎよく本法案を撤回し、さきにあげたわれらの提案に従って、まじめに大学問題と取り組むべきであります。さなくして、政府がどこまでもこの法案の妥当性を言い張るのであるならば、解散によって国民にその信を問い、しかる後に本格的に大学問題に対処すべきであると主張するものであります。(拍手)
 以上、反対討論を終わります。(拍手)
#106
○副議長(藤枝泉介君) 田代文久君。
  〔田代文久君登壇〕
#107
○田代文久君 私は、日本共産党を代表して、大学の運営に関する臨時措置法案に反対の討論をするものであります。
 本法案が国会に提出されたのは、政府・自民党が七十二日という異例の大幅会期延長を強行したあとであります。いまだ国会に提出されてもいない法案の審議を理由に会期延長を強行するごときは、国会を政府・自民党が私物化し、国民を無視するもはなはだしいといわねばなりません。(拍手)
 本法案は、その提出の手続において、すでに議会制民主主義のルールを踏みにじったものであります。しかも、国鉄運賃値上げ法案をはじめ、今国会で衆参両院を通じて実に十九回に及ぶ強行採決を行ない、健保特例法改正案では公然と憲法に違反する採決を行ない、いま、またもや文教委員会で、委員長が本会議を欠席して委員長席に居すわり、わが党の議員の発言をはじめ、多数の質疑者の発言を封殺し、本法案の強行採決の暴挙を行なったことは、政府・自民党が議会制民主主義を破壊することに対し、一片の良心もなく、全国民にはだ寒さを覚えさせるものであります。また、このことは、強行採決を行なわないという、いわゆる新議長のあっせん案なるものが、いかに国民を愚弄し、欺瞞するものであるかを、またまた証明したものであります。真に民主主義を守り、国会を正常化し、国会の権威を確立する道は、言論を通じて政党が意見を戦わせ、国民に公平な判断を仰ぐところにこそその基礎があり、言論が保障されることがその前提であります。しかるに政府・自民党は、世論無視のたび重なる暴挙によって国会の権威を傷つけ、議会制民主主義だけではなく、民主主義そのものを根底から破壊せんとするものであり、国民の名において断じて許すことができません。(拍手)
 以下、本法案について反対の理由を明らかにいたします。
 第一に、本法案は、大学問題の根本原因の解決を困難にするばかりか、これをおおい隠し、紛争を口実に、政府の大学への干渉と統制を全面的に強化しようとするものであります。
 今日の大学問題の根本的原因は、歴代自民党政府の反動的文教政策と、その貧困な予算、大学の非民主的運営にあります。わが党の行なった国立大学の実態調査によっても、学生の当面の主要な要求は、学生寮の改善、大学の管理運営の民主化、勉学内容の向上など、学生の権利、勉学、生活条件の改善に関するものであって、このことは、政府が反動的文教政策をやめ、大学の自治と学生の民主的権利を尊重し、学生の勉学条件改善のために努力し、また、大学当局が現在の非民主的な管理運営を改めるところにこそ、問題解決の根本的な道があることを示しております。
 しかるに、本法案は、大学紛争なるものを口実に、学長、副学長などを文部大臣の統制下に置き、これに強大なる権限を与え、学内に専断体制を確立するものであり、文部大臣には大学学部の解体措置まで国会に提案する権限を与え、大学問題の正しい民主的解決の道を閉ざし、また、それを否定する大学管理解体法案ともいうべきものであります。
 反対理由の第二は、本法案が「大学紛争とは、大学の管理に属する施設の占拠又は封鎖、授業放棄その他の学生による正常でない行為」と定義して、一部トロツキスト、暴力学生の行為をさすかのように装いながら、実は、大学問題の自主的民主的解決を求める正当な学生の要求と行動を、授業放棄その他の正常でない行為の名のもとに無制限に抑圧できるようにしておることであります。正当な要求に基づく民主的な学生運動に対して紛争と断定し、弾圧せんとするのが本法案のねらいであり、わが党はこれに断固反対するものであります。
 第三の理由は、本案は紛争収拾の自主的な努力を助けるとうたいながら、大学の自治と学問研究の自由を根本的に破壊せんとするものであります。
 本法案は、いわゆる大学紛争の収拾について、文部大臣の報告要求権、勧告権を設け、学内には審議、執行の特別機関を設置して、評議会、教授会の権能の停止を行ない、同時に、これら特別機関の職務、権限の実施には、文部大臣との事前協議を義務づけております。
 さらに重大なことは、文部省に大臣任命の臨時大学問題審議会を設置し、財界の代弁者など学外者が大学問題に直接介入する道を開き、政府はこの第三者的機関を隠れみのとして、一方的に学部等の教育、研究機能の停止、教職員の休職、給料カット、学生に対する休学、育英資金貸与の停止などができるものとしております。これは大学の自主的な努力を助けるとして、学長など大学の管理機関を事実上文部大臣の強制的な指揮下に置くものであり、大学の自治をまっこうから否定し、踏みにじるものであります。
 昨年の秋、大学問題が重大なる社会的、政治的問題となった時点で、自民党総務会では、大学紛争は大学改革の絶好の機会であると発言があったと報道されております。また、自民党の中曽根議員は、四月二十八日、沖繩デーにおける暴力学生の破壊活動直後のフジテレビで、佐藤内閣をささえておるものはあの乱暴な学生であると、いみじくも語っております。
 以上によっても明らかなように、政治権力の大学への干渉と統制は、一部トロツキスト、暴力学生による大学紛争の拡大と撹乱を理由として行なわれようとしておるのであります。
 本法案は、まさに学問の自由を保障した憲法第二十三条に違反し、教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対して直接責任を負って行なわるべきものと規定した教育基本法第十条をじゅうりんするものであります。政府・自民党がかかる反動立法を強行せんとする根本的な意図は、佐藤総理がモデル大学の設置を指示していることによっても明らかなように、現在の大学を解体し、政府や大資本に奉仕するいわゆる開かれたる大学、産学協同、軍学協同を実現し、軍国主義的思想教育を目途とするものであります。
 わが党は、当面する大学問題を真に解決する道は、政府・自民党が反動文教政策をやめ、大学予算を大幅に増額し、教育研究条件を改善し、大学が古い慣習を改め、学生、院生、教職員の意思を正しく反映して、その運営を民主化することにあると確信するものであります。現在、大学は問題の自主的解決に向かって前進いたしておるのであります。
 本法案に対して、いま国立大学協会、日本学術会議……
#108
○副議長(藤枝泉介君) 田代君、時間ですから、結論を急いでください。
#109
○田代文久君(続) 東大、京大総長をはじめ、百三十をこえる全国国公、私立大学長、広範なる学生、院生、教職員、労働組合、民主団体、学者、文化人など日本の良心が続々と反対に立ち上がりつつあり、これに抗議しております。
 政府・自民党は、本法案の提出そのものが大学紛争を激化させていることを反省し……
#110
○副議長(藤枝泉介君) 田代君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
#111
○田代文久君(続) 広範な国民の反対に謙虚に耳を傾け、議会制民主主義に対する重大なる侵犯を直ちにやめ、本法案をすみやかに撤回すべきであります。
 私は、このことを強く要求して、反対討論を終わるものであります。(拍手)
#112
○副議長(藤枝泉介君) これにて討論は終局いたしました。
 日程第三につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#113
○副議長(藤枝泉介君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#114
○副議長(藤枝泉介君) いまだ投票のお済みにならない方は、すみやかに投票されんことを望みます。
  〔投票継続〕
#115
○副議長(藤枝泉介君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#116
○副議長(藤枝泉介君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#117
○副議長(藤枝泉介君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 四百十三
  可とする者(白票)       二百四十
  〔拍手]
  否とする者(青票)       百七十三
  〔拍手〕
#118
○副議長(藤枝泉介君) 右の結果、大学の運営に関する臨時措置法案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 大学の運営に関する臨時措置法案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 喜元君    相川 勝六君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      赤澤 正道君    秋田 大助君
      天野 公義君    天野 光晴君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      石井光次郎君    石田 博英君
      一萬田尚登君    稻葉  修君
      稻村佐近四郎君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      臼井 莊一君    内田 常雄君
      内海 英男君    浦野 幸男君
      江崎 真澄君    遠藤 三郎君
      小笠 公韶君    小川 半次君
      小川 平二君    小澤 太郎君
      小沢 辰男君    小渕 恵三君
      大石 八治君    大石 武一君
      大久保武雄君    大竹 太郎君
      大坪 保雄君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大村 襄治君    岡崎 英城君
      岡本  茂君    奥野 誠亮君
      加藤常太郎君    加藤 六月君
      鹿野 彦吉君    賀屋 興宣君
      鍛冶 良作君    海部 俊樹君
      桂木 鉄夫君    金丸  信君
      金子 一平君    金子 岩三君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    仮谷 忠男君
      川崎 秀二君    川島正次郎君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      木野 晴夫君    木部 佳昭君
      木村 武雄君    木村 俊夫君
      岸  信介君    北澤 直吉君
      吉川 久衛君    久野 忠治君
      久保田円次君    久保田藤麿君
      鯨岡 兵輔君    熊谷 義雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      黒金 泰美君    小坂善太郎君
      小平 久雄君    小峯 柳多君
      小宮山重四郎君    小山 省二君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 文生君
      佐藤洋之助君    齋藤 邦吉君
      斎藤 寿夫君    坂田 道太君
      坂村 吉正君    坂本三十次君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      四宮 久吉君    始関 伊平君
      塩川正十郎君    塩谷 一夫君
      重政 誠之君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    菅波  茂君
      鈴木 善幸君    砂田 重民君
      砂原  格君    瀬戸山三男君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田村  元君    田村 良平君
      高橋 英吉君    高橋清一郎君
      高見 三郎君    竹内 黎一君
      竹下  登君    谷垣 專一君
      谷川 和穗君    千葉 三郎君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚田  徹君    塚原 俊郎君
      辻  寛一君    坪川 信三君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    中山 マサ君
      永田 亮一君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    南條 徳男君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 英一君
      西村 直己君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本登美三郎君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      八田 貞義君    濱野 清吾君
      早川  崇君    広川シズエ君
      廣瀬 正雄君    福家 俊一君
      福井  勇君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古内 広雄君    古川 丈吉君
      古屋  亨君    保利  茂君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀川 恭平君    本名  武君
      前尾繁三郎君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松浦周太郎君
      松澤 雄藏君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    三池  信君
      三木 武夫君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      水田三喜男君    水野  清君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    村上  勇君
      村上信二郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山  秀君
      森下 國雄君    森山 欽司君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      山口シヅエ君    山口敏夫君
      山下 元利君    山田 久就君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君    關谷 勝利君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    赤路 友藏君
      淡谷 悠藏君    井岡 大治君
      井手 以誠君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      猪俣 浩三君    石川 次夫君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    江田 三郎君
      枝村 要作君    小川 三男君
      大出  俊君    大柴 滋夫君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 清二君
      加藤 万吉君    勝澤 芳雄君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      神近 市子君    唐橋  東君
      川崎 寛治君    川村 継義君
      河上 民雄君    河野  正君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    工藤 良平君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    兒玉 末男君
      後藤 俊男君    河野  密君
      神門至馬夫君    佐々栄三郎君
      佐々木更三君    佐野 憲治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      實川 清之君    柴田 健治君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田邊  誠君    田原 春次君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      武部  文君    只松 祐治君
      楯 兼次郎君    千葉 佳男君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      内藤 良平君    中澤 茂一君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      中村 重光君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      西風  勲君    野口 忠夫君
      野間千代三君    芳賀  貢君
      長谷川正三君    畑   和君
      華山 親義君    浜田 光人君
      原   茂君    平林  剛君
      広沢 賢一君    広瀬 秀吉君
      福岡 義登君    古川 喜一君
      帆足  計君    穗積 七郎君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      三木 喜夫君    美濃 政市君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      森  義視君    八百板 正君
      八木 一男君    八木  昇君
      安井 吉典君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山中 吾郎君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      米内山義一郎君    米田 東吾君
      依田 圭五君    渡辺 惣蔵君
      渡辺 芳男君    麻生 良方君
      池田 禎治君    受田 新吉君
      内海  清君    小沢 貞孝君
      岡沢 完治君    折小野良一君
      春日 一幸君    神田 大作君
      河村  勝君    小平  忠君
      佐々木良作君    鈴木  一君
      曾禰  益君    田畑 金光君
      竹本 孫一君    玉置 一徳君
      塚本 三郎君    中村 時雄君
      永末 英一君    西尾 末廣君
      西村 榮一君    門司  亮君
      山下 榮二君    吉田 賢一君
      吉田 泰造君    吉田 之久君
      和田 耕作君    浅井 美幸君
      有島 重武君    伊藤惣助丸君
      石田幸四郎君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    北側 義一君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    田中 昭二君
      竹入 義勝君    中野  明君
      樋上 新一君    伏木 和雄君
      正木 良明君    松本 忠助君
      矢野 絢也君    山田 太郎君
      渡部 一郎君    田代 文久君
      谷口善太郎君    林  百郎君
      松本 善明君
     ――――◇―――――
#119
○副議長(藤枝泉介君) この際、午後九時三十分まで休憩いたします。
   午後七時四十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後九時四十四分開議
#120
○議長(松田竹千代君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
 佐藤内閣不信任決議案(成田知巳君外十一名
  提出)     (委員会審査省略要求案件)
#121
○議長(松田竹千代君) 成田知巳君外十一名から、佐藤内閣不信任決議案が提出されました。
 本決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略して議事日程に追加するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○議長(松田竹千代君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 佐藤内閣不信任決議案を議題といたします。
#123
○議長(松田竹千代君) 提出者の趣旨弁明を許します。三宅正一君。
  〔三宅正一君登壇〕
#124
○三宅正一君 私は、日本社会党、民主社会党、公明党、日本共産党の野党四党を代表して、ただいま議題となりました佐藤内閣の不信任決議案提案の趣旨を御説明申し上げ、同僚各位の全面的な御賛同を得て、本決議案を成立せしめたいと心から念願するものであります。(拍手)
 まず、決議案文を朗読いたします。
     佐藤内閣不信任決議案
  本院は、佐藤内閣を信任せず。
   右決議する。
  〔拍手〕
     理 由
 一、佐藤内閣は、組閣以来、政界浄化、人間尊重、社会開発など美辞麗句で政策を宣伝しながら、その公約はいつこうに実行せず、逆に汚職、人命の軽視、社会投資の不足によつて、国民の生活と権利を犠牲にしてきた。
   前回の総選挙の中心公約であった政治資金の規制はたな上げし、参議院選挙で約束した「食管制度の堅持」もへい履のごとく捨てさり、さらに大衆負担増を押しつける健保特例法案については、自民党と共謀して重大な公約違反を強行しようとしている。
   さらに佐藤内閣は、学問の自由と自治を破壊し、大学教育の権力支配をねらう大学立法を提出し、権力政治への傾斜をいつそう深めている。しかもこれらの相次ぐ悪法をことごとく「強行採決」によって成立させ、憲法違反の採決をあえてし、議会制民主主義を破滅にみちびこうとしている。われわれは、このような佐藤内閣の国民不在の行為を許すことはできない。
 二、佐藤内閣は、国民生活を圧迫しながら大企業優先の経済政策をほしいままにしてきた。佐藤内閣のもとで、消費者物価はとめどなく上昇し、貧富の格差、大企業と中小企業、都市と農村の格差はひろがり、災害、交通事故、公害が激化し、人間疎外の社会状況が深刻な広がりを示している。
   とくに今国会では、国鉄運賃を引き上げ、自主流通米の名のもとに配給米の一部を高いヤミ公認米とした。さらに、高度成長といわれる中で記録的な中小企業の倒産を放置し、社会保障をはなはだしく後退させている。このような国民生活を破壊する佐藤内閣の存在を一日も黙過することはできない。
 三、佐藤内閣は、安保条約を核安保、アジア安保にエスカレートし、アメリカのアジア支配を肩代わりし、その極東戦略の一翼をになう自主性を欠いた危険な対米追随の外交政策を行なおうとしている。
   佐藤首相は、わが国の国是ともいうべき「非核三原則」すら骨抜きにし、アメリカの核の傘に入り、国民の念願する沖繩返還の要求を逆手にとって「核抜き本土並み」と称しながら、実際には事前協議の弾力的運用によつて沖繩の米軍基地をアメリカの自由使用に任せ、ひいては本土の沖繩化を実現しようとしている。
   佐藤内閣は、ベトナム戦争に協力し、中国などに対する敵視政策を続けてきたが、その総仕上げとして日米安保条約の自動延長を図り、「七〇年安保」を強行しようとしている。われわれは、佐藤内閣の存在を断じて容認することができない。
   以上が、佐藤内閣不信任決議案を提出する理由である。
  〔拍手〕
 佐藤内閣は、成立以来、内閣の基本方針として、人間尊重、寛容と調和、社会開発、国際平和の達成など、まことに美しいことばをもって、国民にその政治的基本姿勢を公約いたしました。しかしながら、過去四年余の佐藤内閣の実績は、はたしてこの公約を裏切らなかったでありましょうか。これら、いささか近代的な響きを込めた政治的スローガンは、実は、戦後最悪の反動内閣との世評をかわし、そのイメージ転換をはかる擬装スローガンにすぎなかったことが、その後の施政によって明らかになったのであります。私は、今回ここに提案しました不信任案こそは、国民の名による佐藤内閣に対する告発状であり、民主政治の名による弾劾の論告であることを強調するものであります。(拍手)
 私が佐藤内閣を糾弾し、告発する第一の理由は、その人間尊重の公約にもかかわらず、人間無視、国民不在の政策を推進しつつあることであります。
 佐藤内閣は、その組閣当初において、池田前内閣の高度成長がもたらした経済のひずみを是正することを約束したはずであります。そのために、物価抑制を最重点政策とするといい、社会開発によって国民生活を豊かにすることを約束したのでありますが、現在の実情はいかがでありましょう。佐藤内閣は、池田内閣よりもさらに一そう輪をかけた人間無視の経済政策をとり続け、今日に至っているのであります。
 日本経済は、数字の上ではいかにも急成長を遂げ、国民総生産は自由主義国第二位に達した。しかし、一人当たりの国民所得が二十位であるという事実は、繰り返し指摘されたことであります。このことは、ただ単に、アメリカなどに比して労働生産性が低いということで片づけられるべき問題ではなく、その急速な成長が国民の中のだれを最も犠牲にして行なわれたかということに、政策担当者の関心は向けられなければなりません。(拍手)急速な経済成長を促したものが、設備投資を中心とする膨大な銀行資金の供給にあることは言うまでもありません。そのための銀行間の融資競争が経済成長を促進した大きな要素であることは、経済白書も認めているとおりであります。その資金はどこから生まれたか。国民の貯蓄率が世界一高いといわれるように、国民一人一人の貯金の集大成であります。国民は何ゆえそれほど多くの貯蓄をしなければならないか。一つは老後のためであり、一つは子弟の教育のためであり、一つは落ちつくべき住宅がほしいからである。これはいずれも政治の貧困に基づくものであって、不十分な社会保障と高い教育費と住宅難と地価の暴騰とが、国民の今日の生活に重圧を加えていることを物語るにほかなりません。(拍手)言いかえれば、一般国民に十分な社会保障を与えず、重い教育負担をかけ、住宅政策をないがしろにし、地価の暴騰をほしいままに許しているところに、高度成長のかぎの一つがあるのであります。すなわち、勤労国民の犠牲の上に高度成長を推し進めていることは明らかであります。
 また、政府の財政投融資が高度成長に一役買っていることも周知の事実でありますが、これまた、その大部分は国民の膏血による零細貯金や年金等の掛け金であり、その他、大企業と銀行との間にはさまってやりくり算段をせねばならぬ中小企業、高度成長推進のための労働力供給を一手に引き受けている農村、いずれも高度成長のための犠牲者という反面をになっており、中小企業の倒産、出かせぎによる農家の分散は、その端的なあらわれであります。(拍手)それに加えて、政府のインフレーション政策と物価騰貴がもたらす所得の実質的低下、大企業に対する租税特別措置と過酷なサラリーマン課税との対比によって示される大衆課税の現状を見れば、政府が大衆の負担による経済成長に拍車をかけていることは、抗弁の余地がありません。(拍手)これらは、資本主義経済の原則が完徹していく必然の成り行きであるかもしれません。しかし、それに手をかすだけで、それによって被害をこうむる国民に対して何ら補償の道を開くことなく、その福祉を守る手段を講ずることがないならば、いかに資本主義体制下の政府といえども、数十年の時代おくれではありませんか。(拍手)近代的に見えたスローガンとこの現実とのはなはだしい矛盾、遊離は、われわれに、奇異の念を越えて、憤りの念を抱かせずにはおきません。(拍手)
 その結果、政府を最大の責任者とする人間無視、人命軽視の徴候は、日に月にその数を加えつつあります。空を仰げばスモッグ、空気を吸えば一酸化炭素や亜硫酸ガス、道を歩けば交通事故、家でいこおうとすれば騒音、その他工場廃棄物による特殊疾病、有毒食品のはんらん、青少年犯罪の増加など、人間一たび家を出ずれば七つの公害にあうというのが、現在の公害発生の状況であります。(拍手)その間にあって、かつて佐藤首相が口にした社会開発はどこへ行ったのか。作文は行なわれたようであるが、実績はさらにない。すでに四年以上待ってやれないものを、国民はこれ以上待つわけにはいかないのであります。(拍手)
 次に、佐藤内閣のいわゆる人間尊重の中には、技術革新と情報化によって急激に変貌していく将来社会に役立つ人間能力の向上というねらいがあった。しかし、それだけでは人間尊重にはならない。その具体的提案も、実践の熱意もないままに、いま佐藤内閣は、大学問題を通じてその回答を迫られているのであります。
 要するところ、政府は、大学問題の根底に横たわる原因について、これを理解しようともせず、ただ権力をもって、治安問題としてこれを取り締まり、学問の自由、大学の自治を破壊せんとするものであります。(拍手)少なくとも、治安立法以外の何ものでもない臨時措置法をいきなり提案することによって、一そう紛争を拡大し、事態の解決をいよいよ困難にするぐらいの見通しは、政治家として当然あってしかるべきであった。しかも、あえて提出したことは、政府及び自民党に、今日の大学問題を、その根底にさかのぼって解決する抱負も確信もないことを物語るものであります。(拍手)これでは、大学生、大学当局はもとより、世間一般をも納得させることは不可能といわねばなりません。歴代自民党内閣の経済第一主義がもたらした精神的飢餓、現行教育制度が生んだ利己的な競争心理、その他、現代社会特有の人間疎外感情が、青年、学生のふんまんと抵抗を引き起こしていることは容易に想像されることであって、その最大の責任は、このような趨勢に拍車をかけてきた自民党政府にありといわねばなりません。(拍手)しかも、このことに十分思いを及ぼすことなくして、いたずらに学生を敵視することは、政府みずから渦中に飛び込み、紛争の火に油を注ぐものであります。まして、政府並びに与党は、この大学立法の審議にあたっても、また、一方的ながむしゃらの態度に出ているが、これまた、単に大学の問題にとどまらず、議会制度の根本にかかわるものであり、学生はもちろん、心ある国民の大半が抱く政治不信の念を一そう助長するものであることは明らかであります。
 さらに、私は、この際、佐藤内閣のいう国際平和の達成について、深い不信の意を表明せざるを得ないのであります。
 佐藤内閣のいう平和は、言うまでもなく、安保あっての平和であります。したがって、対米協力と自主防衛の強化とは、それぞれ、たての一面であります。それは、平和とはいいながら、アメリカの戦争政策に協力するという黒い影のつきまとった平和であり、真の平和として国際間に通用するものではありません。その結果、ベトナム戦争に加わっている米原子力艦隊の国内寄港を無条件に認め、B52の沖繩からのベトナム爆撃発進を容認し、さらにその上、核持ち込みも、核保有も、憲法上の制約は受けないという暴論まであえてするに至っているのであります。当面する沖繩返還の問題にしても、本土並みの美名のもとに、事実上の基地の自由使用と、ノーということばのない事前協議の弾力的運用を実現しようとしているのであります。(拍手)佐藤内閣がこのような対米追随の態度を改めぬ限り、先ごろの沖繩における毒ガス事故に見られるように、国際法違反の非人道的武器が、何びとの注意を引くこともなしに、平気で持ち込まれることも起こり得るのであって、佐藤内閣が千万言、米国を信頼するといっても、もはや国民はだれ一人としてこれを信用しないことは明らかであります。(拍手)
 一方、露骨な中国敵視政策は依然として続けられ、中国はもちろん、国内、いな、自民党内部からも激しい非難を浴びていることは周知のとおりでございます。(拍手)たとえば、中国の国連加入重要事項指定方式を、何ゆえ提案国の一つになってまで積極的に買って出なければならないのか。(拍手)中国向け輸銀融資を否定する吉田書簡に、なぜ、いまもって固執し続けなければならないのか。(拍手)米国の鼻息をうかがうこと以外、その理由を見出すに苦しむものであります。
 いまや、世界の平和を達成するには、国家体制の相違を越えて、平和共存の道を進む以外にないことは明らかであります。あなたの先輩である鳩山元首相は、日ソ間に平和宣言を取り結ぶことによって、すでにその先例を残しております。その結果、現在日ソ間には、体制の相違にもかかわらず、今日見るような友好的な関係を続けることができたのであって、ソ連より一そう文化的にも地理的にも密接な関係にある中国を無視しては、両国にとって不幸であることはもちろん、アジアの平和達成もおぼつかないといわなければなりません。(拍手)その意味において、佐藤内閣のとりつつある外交政策は、国民にとってまことに危険きわまりないものであります。
 さて、佐藤内閣は、その成立間もなく、日韓条約強行という暴挙を行なったが、今回の国会においては、大幅会期延長に次いで運賃値上げ法案を強行し、続いて、健保修正法案、防衛二法案、大学運営臨時措置法案等々、十指に余る強行採決を続け、ついには憲法違反の採決まで行なわせて、議長、副議長、議運委員長を辞任に追い込むという暴走ぶりを示したのであります。(拍手)これは、佐藤内閣と自由民主党の一貫した方針に基づくものであり、総理大臣として、また、与党の総裁として、その責任はきわめて重大であります。事は、ただに法案の成否ではなく、戦後、日本の政治がたどってきた議会制民主主義の死滅につながる問題であり、民主主義日本の存在にかかわる重大な危機を呼び起こしたものといわねばなりません。(拍手)
 かつて、昭和三十五年十月、日比谷公会堂で凶刃に倒れたわが党の元委員長浅沼稲次郎君は、倒れる瞬間、次のようにわが国の議会政治を守ることばを残しております。すなわち、「選挙の際は、国民に評判の悪いものは全部捨てておいて、選挙で多数を占めると……」まで述べて暴漢に刺され、そのまま絶命したのでありますが、壇上に残された原稿には、続いて「どんなむちゃなことでも、国会の多数にものをいわせて押し通すというのでは、一体何のために選挙をやり、何のために国会があるのかわかりません。これでは、多数派の政党が、みずから議会政治の墓穴を掘ることになります」と書かれていたのであります。(拍手)
 今日の佐藤内閣と自民党の国会運営は、まさに浅沼君の指摘しているとおり、日本の議会政治の墓穴を掘りつつあるのでなくて何でありましょうか。この一両年、国民の間に急速に高まりつつある政治不信を一そう大ならしめるものではありませんか。三十年前、国民の間に生じた議会への深い不信と絶望を再び現実のものとしてはなりません。歴史は繰り返すかいなか、それは人間の意思を離れた必然ではありません。人間の英知と勇気によって事は左右されるのであります。議会政治の転落を繰り返すかいなか、いま、この時点に立って、最大の責任を負うものは政府と自民党である。そのことの深い自覚ときびしい反省があなた方にあるとは、とうてい信じられません。
 最後に、最近の佐藤内閣及び自民党の驕慢にして天をおそれざる政治姿勢に対して一言いたします。
 佐藤君は、政治資金規正法の問題について、小骨一本抜かぬと豪語しながら、完全骨抜きの案を昨年の通常国会には審議未了を予定して提出し、今国会にはとうとう提案すらしなかったのであります。(拍手)「政治に信なくんば、立たず」のことばのとおり、総理みずからうそを言うて恥じず、公約を無視して平然たるがごときは、政治家としてはもとより、人間としての最低の資格すらも持たぬものといわねばなりません。(拍手)
 さらに、佐藤君の自民党は、本通常国会の終末に際して、九十八日間の会期延長を提示して天下をあ然とさせたのであります。多数の力で何でもできるというおごり、これこそ民主政治にとって最も危険な姿勢であります。さすがに、野党四党こぞって相手にせず、世論もこれに反発したので、間もなく七十二日の会期延長に切りかえ、単独決定したのであります。浅沼君最後の警告のように、これは、ほしいままに、いかなる法案も通す多数独裁を意味するものであって、慎みを知った党首はこれを押えるのが当然であります。この驕慢な態度が、さらに一会期十数回という強行採決となってあらわれたのは、決して偶然ではありません。
 また、大衆負担を増大する健保特例法案は、二年前、通常、臨時の両国会を通じて最大の問題となり、二年間の時限立法としてようやく成立し、政府は、この二年間に抜本的対策を立案して国会に提案することを公約した、いわくつきの法案であります。したがって、いやしくも普通の常識を持った政治家であるならば、即刻、真正面からこの問題に取り組み、抜本策をつくり上げて、本国会に提出することは当然の責任であります。しかるに佐藤君は、この二年間に厚生大臣の首をすげかえること五回、ついに真剣にこの大問題と取り組むことなく、党内派閥の操縦が天下万民の生活よりも重いという態度をとられたのであります。(拍手)党あって国なく、自己の権勢さえ維持できれば、天下への公約も顧みぬ破廉恥な行為といわねばなりません。この一事だけでも、進退を考えるべき政治的徳義の問題と信ずるものであります。佐藤君、いかがでございますか。(拍手)
 このいわくつきの健保特例法案修正案の委員会における採決について、当時の石井、小平正副議長が、あまりに不穏当であるからと差し戻しの意向を示したのを、強圧を加えてこれを押えつけ、議長の権威をじゅうりんして、議会制民主主義を圧殺に導いた元凶は、自民党総裁である佐藤君、あなたではありませんか。(拍手)それのみか、野党の抵抗が本会議場で続いている際、記名採決を起立採決に切りかえ、憲法五十七条違反の罪をすら犯さしめたのであります。まことに議会主義、民主主義の敵と申すほかはありません。石井議長が焼身自殺という表現をもって、自嘲の念とともに、佐藤君ら党指導部のゴリ押しに対する満腔のふんまんをあらわしておられますのも、さこそと思われるのであります。(拍手)
 佐藤君、石井君はあなたの先輩であります。金づくりや派閥操縦の手腕はあなたに及ばなくとも、その清潔な人格と政治閲歴など、すべてあなたの先輩であります。この先輩を焼身自殺に追い込んで、あなたは良心の痛みを感じませんか。(拍手)もし感じないとすれば、その無恥――無恥とは恥を知らぬことであります。また、事の重大性を知らぬとすれば、その無知――今度の無知は知性の欠如のことであります。まことに、知恵も足らぬが恥も知らぬといわねばなりません。(拍手)
 石井前議長に関しては、朝日新聞以来の親友であり、政友である緒方竹虎氏を思い起こすのであります。緒方氏は、かつて二・二六事件の際、朝日新聞社が反乱軍に襲撃された際、身に寸鉄を帯びずに、反乱軍を引き取らした実に剛直な国士であります。この緒方氏が、吉田茂氏に嘱望されて副総理の地位におられたときに、たまたま造船疑獄が勃発して、司直の手があなたの身辺に及んだとき、吉田茂氏は、犬養法相を強圧して、指揮権発動を行なわしめました。犬養氏は、この挙に出て後、直ちに法相の職を辞し、やがてさびしく死んでいかれました。指揮権発動以来半年、吉田総理は国内にほうはいと起こった政府非難と、ごうごうたる糾弾の声の中で国会の解散をはかり、みずからの延命を策されたが、緒方氏はこれに反対して解散詔書に署名せず、ついに吉田内閣を瓦解せしめたのであります。しかし、緒方氏のこの断が、吉田氏を権力のとりことなることから救い、後年、大磯の巨人として余生を全うさせることができたのであります。(拍手)その緒方氏も、その後しばらくして突然逝去され、その訃報に接して悔みに参上した節の石井氏の悲痛な表情は、いまなお脳裏にあざやかであります。(拍手)石井君は、佐藤首相、あなたに対して、かつて緒方氏が吉田氏に対して果たした役割りを果たすすべもなく、かえってあなたの強圧のもとに議長の職を去らねばならなかったのであります。このことは、残念しごくといわねばなりません。権力の地位が人を盲目にし、進退を誤らせる危険のあることは、歴史の教訓であります。権力への執着を去り、野にあって徳をみがき、新しい感覚を養い、他日を期するだけの余裕と謙虚さがあなたにあればと思うが、それを求めることは無理でありましょうか。(拍手)
 佐藤内閣が、人間無視の政策に終始し、議会政治の根本を破壊し、国際平和のステップを誤り、日本の国家と国民を混乱と不安の中におとしいれつつあることは、いまや明瞭であります。
 私は、国民の名において、ここに佐藤内閣の即時退陣を要求し、本不信任案の可決されんことを希望するものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#125
○議長(松田竹千代君) 討論の通告があります。順次これを許します。倉石忠雄君。
  〔倉石忠雄君登壇〕
#126
○倉石忠雄君 私は、ただいま上程されました内閣不信任決議案に対し、自由民主党を代表して、反対の意思を表明いたすものであります。(拍手)
 わが国の経済は、戦後驚異的に発展を遂げ、その国民総生産は世界第二位に上昇いたしたのであります。かくて、今日では、全国の道路には自動車がはんらんし、都市、農村を問わず、屋根の上にはテレビのアンテナが林立するという状態が出現いたしたのであります。粗鋼の生産量はアメリカに次ぎ、自動車の生産量もまた世界第二位であります。このようにして、わが国の経済は、労働力不足を訴える状態にまで立ち至ったのでありまして、過去五十年を顧みまするときに、今日の日本経済の伸展は、実に大きな歴史的成果であると申しても差しつかえないと思うのであります。(拍手)
 このような成功をおさめ得たゆえんのものは、申すまでもなく、新しい生産方法、新しい経営方式を採用して、国民一人一人の生産性とその能力を高めることに成功いたしたためでありまして、終戦以来の政府当局が、この環境を巧みに指導してまいったことの成果であると申しても、あえて過言でないと思うのであります。(拍手)
 しこうして、わが日本が、終戦以来、今日のごとき経済発展を見るに至りました大きな条件の一つは、世界の平和が保たれたことであります。わが国の工業その他の原材料の何一つを取り上げて考えてみましても、もし、世界の平和が維持されなかったならば、とうてい今日の繁栄はあり得なかっただろうし、将来にこれを継続させることも不可能であります。このことを考慮に入れますならば、佐藤内閣総理大臣が常に宣明せらるるとおり、わが国の外交方針の基調は、世界各国間の協調と平和にあるのであります。(拍手)
 現政府は、この世界平和に貢献することの趣旨から、まず、手近の東南アジアにおける開発途上国に対する技術及び資金の協力援助に積極的なる態度を示されておることは、われわれの最も賛意を表するところであります。われわれは、今日のわが国経済の繁栄と国力の発展とを見ますときに、われわれ自由民主党及びその政府の責任のきわめて重大なることを痛感いたすのであります。(拍手)そのことは、われわれの反対党のあまりにもたよりないということであります。われわれは、議会制民主主義の発達をこいねがう立場から、健全なる第二党の成長を待望いたすこと久しいのでありまするが、遺憾ながら、今日なお現状のていたらくであります。(拍手)
 およそ、議会制民主主義国家において、いつ何時でも政権交代の準備を持つ有力なる反対党の存在しないということは、議会政治にとってきわめて不幸なことであります。(拍手)日本社会党は、口にこそ議会制民主主義を唱えますけれども、その党の本質はマルクス・レーニン主義党であり、日本共産党とその本質において何らの相違はないのであります。(拍手)たとえば、第二十七回党大会で最終的に決定されましたる日本における社会主義への道は、明白にこれをわれわれに教えており、また、党の教育宣伝局長の解説によれば、社会党のこの道は、プロレタリア独裁の道であることを明確に説明しておられるのであります。(拍手)プロレタリア独裁の社会にあこがれる人々が、どうして議会制民主主義者であり得ましょうか。(拍手)レーニンは、議会などというものは、単なる茶番劇にすぎないと申しております。
 申すまでもなく、議会制民主主義とは、憲法にいう主権者たる国民の意思が最高のものであり、その国民の意思の自由なる選挙によってのみ表現されるのであります。かかるがゆえに、自由国家、民主主義国家においては、まず何よりも選挙の結果が尊重されるのであります。(拍手)しかるに、社共両党の活動方針の説明によれば、わが国の議会はブルジョア議会であり、このような議会は、政権奪取のために利用する一つの場としてのみ存在価値を認めているにすぎないのであります。(拍手)かくて、先日来、本議場における野党諸君の行動を見ておりますときに、まことにむべなるかなと理解されるのであります。(拍手)社会党内におられる識見高き良識派の諸君の御奮起を、私は切に祈念いたすものであります。(拍手)
 さらに、日本社会党、総評、共産党その他の左翼過激分子の行動日程によれば、本年十一月に予定されると伝えられる佐藤内閣総理大臣の訪米を実力をもって阻止する計画でありまするが、これほど筋の通らない行動はないと思うのであります。(拍手)終戦以来二十数年間、沖繩と北方領土の祖国復帰こそは一億国民の強い念願であり、ことに、政府のなみなみならぬ努力によって、小笠原群島の返還に成功した今日、当面沖繩問題の処理こそは、佐藤内閣総理大臣の長年の悲願であります。この全国民的輿望をになって相手国たる米国に使いせんとする総理大臣に拍手を送って、その成功を祈ることこそ日本人の道であろうと思われるのに、力をもってこれを阻止せんとするがごときは、その頭脳の健康状態を疑わざるを得ないのであります。(拍手)かくのごとくして、諸君はみずからの墓穴を掘りつつあるのであります。
 私は、この際、ただいまこの席において三宅正一君から不信任決議案の御説明がありましたので、そのことについて、ひとつ触れておきたいと思います。
 三宅君の御説明によれば、先般の国会における議長の措置、これが憲法違反の採決をあえてしということを述べておられますが、先般の本議場において議長のとられましたる措置について言及されたことは、内閣不信任案に際して、全く立場の異なる立法府自身の問題をもって政府批判の論点の一つとされたことで、思想の混乱であり、筋違いもはなはだしいことであると存ずるのであります。(拍手)
 この際、これに対するわれわれの見解を明らかにしておきたいと存じます。
 このことに関しては、当時、衆議院議長声明が発表されましたので、これを引用することをお許し願いたいのであります。議長声明にありますとおり、およそ記名投票の要求がある限り、いかなる場合にもこれに従わなければならないとすれば、とくに、みずから要求しながらみずからこれを実力阻止するという場合にも、これに従わなければならないとすれば、五分の一という少数者の意思によって大多数の意見がはばまれる結果となるであろう。すなわち、記名投票が憲法に由来するということのみに固執することは、他面において、さらに重大なる憲法の規定であり、また議会制民主主義の根幹である多数決原理を否認することとなることを知らなければならない。実力行使による少数の支配は、民主主義憲法の本旨に違背する反逆行為であることを忘れてはならない。議長の声明はきわめて明確であります。憲法第五十七条の第三項における記名投票を要求した項は、確かにこれはあります。しかし、この第三項の前に、憲法の五十六条は、多数決原理が国会における原理であるということを明らかに説明しておるわけであります。(拍手)
 われわれは、人格、閲歴ともにすぐれ……
  〔発言する者多し〕
#127
○議長(松田竹千代君) 静粛に願います。
#128
○倉石忠雄君(続) 近来まれに見る名正副議長を本院より失いましたことは、返す返すも遺憾しごくに存じますけれども、このたび、石井、小平両議長が勇退せられましたのは、本会議混乱に処して、そのとられたる措置に責任を感ぜられて退任せられたのではなく、あのことの結果、良識の乏しき一部の人々によって起こされるかもしれない国会審議の渋滞、そのことにより生ずる会期末の法案不成立による国民に対する迷惑等を考慮せられ、議長の、おのれを捨てて国家利益を優先せられたる堂々たる態度こそは、後世議会史上に特筆大書せらるべきごりっぱな出処進退であると、われわれは心から敬意を表する次第であります。(拍手)
 第二次大戦終了以来今日までの経過の中で、私は二つの大きな変化を感ずるのであります。その一つは、最近、米国及びソ連の二大国が、国際間においてその指導力がやや低下しつつあるということであり、もう一つは、日本人自身が自覚するといなとにかかわらず、わが国の国際社会における政治的、経済的立場が著しく上昇いたしたということであります。
 わが国は、いまや経済大国の実質を逐次具備しつつあるのであります。しかしなぎら、一方において、わが国今日の世相を静かに反省いたしまするときに、わが国が国家として世界の一流国に伍して活動するその条件が十分に備わっておるかどうかについて、多くの不安なきを得ないのであります。なるほど、わが国は経済的には確かに世界第一流の国に成長いたしました。しかし、その反面、精神面を忘れて物質偏重の傾向を助長いたしました。個人の権利を強調するのあまり、国民はあまりにも利己的ではないでありましょうか。社会公共の利益を無視して、自己をのみ主張する結果、反体制暴力が激発するようになってきたのであります。これらは、いずれも社会の指導的立場に立つ者の深く反省すべき事柄であり、政治の重大なる課題であります。
 私は、内閣総理大臣に訴えたいことは、およそ総理大臣は一世の指導者であります。国民は、あなたの一挙手一投足に強い関心を持って見守っておるのであります。内閣総理大臣は、よろしくそのステーツマンシップを発揮せられ、総理が日ごろ強調しておられるように、教育制度の根本的改革、道義の高揚等を含めて、日本国民に対し、そもそも人間の目的、日本民族の向こうべき進路、祖国への反省等々、国民的統合と民族としてのバックボーンを与えられてこそ、わが国は、その経済実力と相まって初めて世界第一流の国家として洋々たる前途が開けるのであります。(拍手)それなくして、いわゆる昭和元禄の物質面に酔いしれるだけの日本人であるならば、一朝事あるときには、わが国の今日の繁栄は砂上の楼閣とひとしく、たちまちにして崩壊し去るでありましょう。世界各国の興亡の歴史が、よくわれわれにこれを教えるところであります。過去における祖先の偉業を継承して現代に生きるわれわれ日本人は、さらに権威ある、誇るべき民族国家として、これを子孫に引き継ぐべき義務を負うているはずであります。
 内閣総理大臣は、その最高の義務者であり、責任の頂点に立っておられる人であります。総理大臣を中心とする内閣の閣僚諸君、諸君の政府は、あと数十分後には、国権の最高機関たるわが衆議院で、国民の名において、あらためてその信任を獲得せられるのであります。(拍手)政府及び閣僚諸君は、その責任の重大性をあらためて認識せられ、心を新たにして、国家、民族のために精進、努力せられんことを強く要望いたしまして、本案に反対の意思を表明する次第であります。(拍手)
#129
○議長(松田竹千代君) 矢尾喜三郎君。
  〔矢尾喜三郎君登壇〕
#130
○矢尾喜三郎君 私は、ただいま議題となりました佐藤内閣不信任決議案に対し、日本社会党を代表して、賛成の意思を表明するものであります。
 私は、本論に入ります前に、ただいま自由民主党を代表して倉石君が、日本の憲法に対して、また日本社会党に対するところのあられもない中傷を与えられたことに対しまして、私は社会党の代表として、これに一言報いておかなければならないと思うのでございます。
 前国会におきましては、倉石君は、輝ける農林大臣としてこの国会に臨まれたでのございます。しかしながら、なぜそれをやめられたかということを考えてみますならば、その根源は、今日の日本の憲法に照らして断じて許すことのできないような発言があり、状態があったからであると私は考えるのでございます。その倉石君が、日本の憲法に対して、現在これを批判するところのはたして資格があるかないかということでございます。倉石君のことばを聞きますならば、わが国の経済が驚異的に発展をした、これはあたかも自由民主党の経済政策がよかったから、施政がよかったからと、諸君はそう思っておるでしょう。しかしながら、それは日本の憲法が……
  〔発言する者多し〕
#131
○議長(松田竹千代君) 静粛に願います。
#132
○矢尾喜三郎君(続) 日本の憲法が――日本の国はかつて軍備のために大きな打撃を受け、軍備拡大のために国民生活はじゅうりんされた。それが新しい平和憲法は第九条によって軍備の拡大を禁止しておる。いまや世界各国が一番悩んでおる問題は何であるか。それは軍備ではないか。軍備にばく大な金が要るということが大きな悩みとされておるのであります。(拍手)そのときにおいて、わが国は最小限度の軍備しか持つことができない、軍備ということばを使うことさえも許されないという状態が、今日の経済を驚異的に成長せしめた大きな原因であるということを考えるならば、それは自民党の施政よろしきを得たのではない、日本の平和憲法が存在するからであるということを私たちは忘れてはならないのであります。(拍手)
 そうして、また、社会党はマルクス・レーニン主義の政党である――それは頭を洗い直して、百年前を振り返って、今日の現実を見て、はっきりとした認識の上に立って発言をしてもらいたいと思うのでございます。(拍手)私は、私の本論に入る前に、社会党の名誉のために一言申しておきます。(拍手)
 本論に入りまするが、佐藤内閣は、昭和三十九年の第一次発足の当初より……(発言する者あり)水を飲もうと何しようとほっとけ。おまえらの干渉受けぬわ。(拍手)今日に至るまで、反動といわれた池田内閣にさらに輪をかけた反動性を示してきました。
 すなわち、外交面においては、アメリカ追随外交以外の何ものでもないのであります。日中関係についても、アメリカの中国封じ込め政策に迎合し、国連においても、ひたすら中国の参加を妨害してきたり、その上、アメリカのベトナム侵略戦争を支持し、米軍の戦争基地の役割りを果たし、みずから南ベトナムを訪問するなど、池田内閣以上の対米一辺倒の追随外交をしてまいりました。
 内政面においては、国民不在の政治を貫き通してきました。佐藤政権が誇る経済成長も、あくなき利潤追求本位であり、至るところに格差とひずみを広げました。都市と農村、大企業と中小企業の格差、金持ちと勤労者との間の貧富の格差、かてて加えて、公害、交通事故の激増などによって、経済成長が人間の幸福とならない資本主義経済の矛盾を激化しております。
 このような反動と国民不在の佐藤内閣に対して、第五十一回国会と第五十六回国会と、すでに二回にわたり不信任決議が提出されていることは、けだし当然のことであります。(拍手)
 この第六十一回国会を迎えて、佐藤内閣、自民党の多数横暴の姿勢は一そう露骨となり、公約違反とごまかしの政治がますます激しくなってきました。佐藤内閣ほど、口で言うことと行なうこととの食い違い、言行不一致の政府は、いまだかつてありません。(拍手)佐藤内閣は、言ったことは必ず実行しないという虚言癖を持っております。同時に、国民の欲せざることは必ず強行するというサディズム的性格を持っているのであります。(拍手)
 佐藤総理は、何回となく、物価問題について真剣に取り組むと公約してきました。しかし、行なってきたことは、その逆であります。巨額の公債を発行し、地価の暴騰を放置し、さらに、みずから先頭に立って公共料金の値上げをやってきました。貧乏人は麦を食えと言った池田内閣のもとでも、四年間に消費者米価は一回しか上げなかった。しかも、当時は米不足で、外米を輸入する状態であったのに、消費者米価値上げは押えられたのであります。しかるに、佐藤内閣は、昭和四十年から昨年まで連続四回、消費者米価を引き上げました。米の消費が減退するのは、むしろ当然といわねばなりません。四十四年度も消費者米価の据え置きと称しながら、実は自主流通米というやみ米を公認することによって、実質上米価引き上げをやろうとしているのであります。
 国鉄運賃も、池田内閣では、昭和三十六年四月に一回しか値上げしなかったのに、佐藤内閣は、昭和四十一年、昭和四十三年に引き続き、また今年も連続して値上げしているのであります。さきに、総理は、本年度初頭において、国民は物価高に困っているから、本年度の物価上昇率は五%くらいにとどめるために努力したいと断言して、その舌の根もかわかないときに、物価上昇への元凶ともいうべき国鉄運賃の値上げを行なったことは、断じて許せないのであります。(拍手)佐藤総理のどこに物価と真剣に取り組む姿勢があるでしょう。むしろ、いかにして物価を値上げするかに真剣に取り組んできたとしか言いようがないのであります。(拍手)
 その他、佐藤内閣の公約違反は枚挙にいとまありませんが、その二、三をあげれば、前回の総選挙の中心題目であった政界の浄化、政治資金規正はどこへいってしまったのでしょう。選挙制度審議会の答申は大骨、小骨もすりつぶして、かまぼこにし、そのかまぼこが、たなの上で腐っているではありませんか。(拍手)
 次に、公約違反の第二は、二年前、医療保険の抜本的改正を条件にした健康保険制度の暫定措置は、御承知のとおり、政府がこの法案を国会に提出したとき、一党の総裁である佐藤総理が、本会議において、二年前の公約を実行しなかったことについて弁解、陳謝し、さらに二年間の延長を内容とする法案の成立を強く要望したことは、よもやお忘れではあるまいと思います。(拍手)それが、あなたの統率下にある自民党において、あなたの意に反した大修正が加えられ、一党の総裁のメンツはつぶされながら、平然たる姿こそ、あわれということば以外にないといわざるを得ないのであります。(拍手)この問題は、これでおさまることはできない。この法案を通過せしめるために、社会労働委員会において異例の強行採決を行ない、これが本会議に上程されるや、憲法五十七条の違反をあえて犯したことである。今日まで自民党が、自衛隊をはじめ、幾多の憲法違反を犯しておりながら、これに理屈をつけて強弁しているが、この健保採決に犯した違反は、一言の弁解も許されない歴然たる事実であります。(拍手)野党が投票のじゃまをしたというような子供のような言いわけは許されるものではなく、その罪は断じて許さるべきものではない。ましてや、国家最高の権威である憲法を犯した罪は断じて許されない。そのために、何と言おうと、石井、小平両正副議長の辞職したことは、どのような理由をつけようと、憲法違反の大罪を犯した結果にほかならず、その責任感に対しては、私は、石井、小平両氏に対しまして敬意を表するものでありまするが、しかし、石井、小平両君に責任を負わして終わるものではなく、総裁である佐藤総理の責任はなお重大であり、旧憲法時代ならば、断じて許さるべきものではなく、総辞職は当然とされていたものであり、これのみをもってしても、佐藤内閣不信任の理由は歴然たるものであります。(拍手)一片の良心があるならば、罪を負って辞職すべきである。
 また、公約違反の第三は、昨年の参議院選挙で農民に約束をした食管制度の堅持の公約は、生産者米価の据え置きと自主流通米によって、いともむぞうさに食管制度の根幹を破壊し去ったのであります。福田大蔵大臣は、だれよりもだれよりも農民を愛すと言われたが、そのアイスクリームのような甘いことばも、結局、農民の顔にアイスウォーターを浴びせかけたことになったのであります。(拍手)今日、農民の怒りの姿を見れば、よくわかることでございます。
 また、自民党の諸君や、あるいは総理が常に口に唱えられることは、防衛の問題でございます。さきの内閣委員会において審議、強行通過せしめられた防衛二法案を見るとき、これは第一次、第二次防を経て、第三次防と称する憲法に許されない軍備拡大計画の一端であるが、一体これは何の目的の増大であるのか、佐藤総理はいつも、みずからの国を守る気概と自主独立の精神であるなどと、あたかも外敵がいまにもわが国に攻めてくるようなことを訴え、防衛、防衛とやたらに叫ぶが、どこの国が何の目的で日本を攻めてくるというのでありますか。それほどまでに防衛ということばが好きでありますならば、それは国民生活防衛のほうへ回してもらいたいのであります。(拍手)サラリーマンが一生まじめに働いても自分の家さえ持てない希望を与えない政治、希望の持てない政治をやりながら、ひどい物価上昇でますます苦しくなる国民生活を眼前にしながら、防衛に名をかり、軍備拡大をすることは、まさしく、アメリカの極東軍事政策にこびを売る以外の何ものでもないということでございます。(拍手)まぼろしの敵を仮想した国民への訴えを、あたかも現実のごとく装い、いまにも攻めてくるように訴え、協力を求めるごときことは、断じて許さるべきものではありません。
 また、大学問題にいたしましても、ここにおいて自民党はゴリ押しにこれを通過せしめましたが、しかしながら、この大学問題解決のためには、一片の法律をこしらえ、治安的な法律をこしらえて解決するものではありません。教育制度の根本的病根を理解することなく、大学運営臨時措置法案に示されているとおり、上からの権力による管理によって教育に介入する反動政策を行ない、一そう民主教育破滅への道を進んでいるといわざるを得ないのであります。(拍手)
 その他、人間尊重、社会開発、歩行者優先、風格ある社会等々、佐藤総理は表に美辞麗句をもって飾りながら、これを実行する一片の真心を持たない、うそつき内閣であるといわねばなりません。昔から、「巧言令色少なし仁」ということばがありまするが、私は、そのような古いことばを引例しなくとも、いまそこらで歌われておるはやり歌の一つを見ますると、「どんなりっぱなそぶりより、人は心だ、心を捨ててどこへ行く」、こういう歌が歌われておるのであります。政治もまた、かっこいいことばで表を飾るより、ほんとうに国民を思う真心がなくてはなりません。私は、「政治は心だ真心だ、佐藤総理よどこへ行く」と歌わざるを得ないのであります。(拍手)また、「天に一つの日があるように、この世に道理がなくてはならぬ」とも歌っておりますが、まさに、政治こそ道理がなくてはならぬのであります。国民に対してうそを言い、だましたりすることなく、その意思、その要求に即して、真心をもって実行すること、これが議会政治の道理であります。単に国会の中での採決や審議のやり方だけが問題ではありません。われわれは、議会制民主主義ということばを政党対政党の次元で狭く考えることなく、議会と主権者たる国民との関係で深く考えるべきであります。議会内での処理がいかにかっこよくスムーズに能率的に運んだとしても、それが国民への公約に違反し、あるいは国民の切実なる願いを裏切っているならば、議会制民主主義の生命は失われるのであります。わが党は、政府が公約に違反し、あるいは多数国民の意思を無視して強行するやり方には徹底的に抵抗する、これが野党としての神聖な義務であり、議会制民主主義を守る道であると、かたく信ずるものであります。(拍手)
 私は、政治の真心を忘れ、道理にそむいた佐藤内閣こそ、議会政治の敵であり、国会と国民を結ぶ真の議会主義を冒涜するものとして、強く弾劾するものであります。(拍手)
 以上の趣旨によりまして、提案者の説明いたしました佐藤内閣不信任決議案に全面的に賛意を表する次第でございます。(拍手)
#133
○議長(松田竹千代君) 永江一夫君。
  〔永江一夫君登壇〕
#134
○永江一夫君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま上程されました佐藤内閣不信任決議案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
 私が佐藤内閣を信任せざる第一の理由は、その政治姿勢によるものであります。
 佐藤内閣の政治姿勢を一言で申し上げますならば、それはすべてを多数の力で押し切ろうとする権力主義以外の何ものでもないのであります。(拍手)現に佐藤内閣は、国鉄運賃改正法案、地方公務員定年制法案、防衛二法案、健保特例法改正案並びに大学運営臨時措置法案などの重要法案につきまして、野党の意見に全く耳を傾けることなく、これを数の暴力で押し切ってまいりました。(拍手)議会政治の要諦は、多数決原理に立脚しながらも、少数意見を最大限に尊重するところにございます。(拍手)
 顧みますれば、昭和十三年一月二十日、第七十三回帝国議会における国家総動員法案の審議の際に、私の先輩西尾末廣議員は、軍部に迎合する時の多数派によって、この議場で除名処分に付せられたのであります。今日、この議場には、私をはじめ、いま不信任案の提案説明に立たれました三宅正一君あるいは河野密君など、この除名処分に断固として反対した議員もおりますれば、あるいはまた逆に、この処分に賛成、狂奔されたところの議員もおられるのであります。(拍手)
 ここで私があえて申し上げたいことは、あれから約三十年間、歴史の審判は、当時の多数派が決して正義の士ではなかったということであります。(拍手)すなわち、議会の極刑をもって不当に処分された西尾末廣議員は、当時のいう非国民でもなければ、また、その除名の際に反対討論に立たれた、いまはなき尾崎咢堂先生また非国民でなかったことは、歴史が審判するところでございます。(拍手)いな、むしろ当時の多数者こそが正義に背を向け、軍部に魂を売った人々であります。(拍手)この結果、軍部はますますその跳梁をほしいままにいたしまして、数千万の人々を太平洋戦争に追いやるという悲惨な歴史をつくり出したのであります。すなわち、この一例は、多数は決して常に正義ではなく、その運用を誤れば、重大な禍根をもたらすことを、われわれに厳として示したものと思うのであります。(拍手)佐藤総理は、この点、えりを正して反省すべきであります。
 今国会を通じて佐藤内閣は多数決原理を振りかざし、各種法案を問答無用とばかり強行採決してまいりましたが、それがはたして真の議会制民主主義を守ったゆえんでありましょうか。少数意見に耳を傾けない多数決原理は、むしろ民主主義の敵であることを深く銘記していただきたいのであります。(拍手)同時に、佐藤内閣は、最も重要な物価抑制政策や政治資金規正法の公約など、ことごとくこれを等閑に付し、もっぱら七〇年に備えて、みずからの権力強化に狂奔しておるのであります。今日のごとき政治不信を招いた原因は、まさに、佐藤内閣のこのような国民の立場を無視した権力的姿勢にあるといわざるを得ないのでございます。
 佐藤内閣不信任の第二の理由は、健保特例法改正案の無責任、無原則な取り扱いについてであります。(拍手)
 健保特例法案は、二年前の第五十六回臨時国会におきまして、同法をめぐる国会混乱を収拾するために、わが党の主張に基づき、議長あっせんによりまして、これを二年間の時限立法とし、この二年間の間に政府が責任をもって健康保険制度の抜本策を樹立することを公約したものであります。しかるに政府は、この二年間何らなすところなく、厚顔無恥にも再び健保特例法の二年間延長を国会に提案してまいったことは、御承知のとおりであります。かくのごときは、明らかに政治道義のじゅうりんでございます。さらに、本年五月八日の本会議におきまして、佐藤総理は異例の陳謝を行ない、国会はやむなく本案の審議に入ったのであります。しかるに自民党は、突如としてこの健保特例法案を実質上廃案とし、これに加えて健康保険法そのものの改悪を行ない、被保険者負担を恒久化する等、政策大転換の暴挙をあえて行なったのであります。(拍手)一度の提案説明も審議も行なわず、まさしく、文字どおり多数の暴力で押し切ったのであります。これは明らかに佐藤総理の意図に基づくものでありまして、佐藤総理の責任はきわめて重大であると申さねばなりません。(拍手)これが佐藤内閣を直ちに退陣せしめんとする第二の理由であります。(拍手)
 佐藤内閣不信任の第三の理由は、大学問題に対する政府の態度であります。
 周知のとおり、大学問題は、まさに、日本の政治と現代文明の根幹に触れる重大な問題でございます。(拍手)しかるに、これに対する政府の態度は、安易な現状糊塗策にきゅうきゅうとし、いたずらに治安対策だけに片寄り、文部大臣の権限強化等、上からの権力によってこれを解決する態度に終始しておるのであります。今日、全国の紛争校は七十校を数え、二万人に及ぶ新入生が、入学以来一度も授業を受けられぬという異常事態が続いておるのであります。さらに、新宿事件や銀座周辺の騒動で明らかなように、一般市民がこの学生の暴力行為によって生命と財産を脅かされるという事態が続出しておるのでございます。これが政府の積年の文教政策の貧困と総理の指導力の欠除でなくて一体何でありましょうか。(拍手)このような指導力と実行力のない政府は、この際、総辞職以外に局面打開の道はないのでございます。(拍手)大学の大衆化、民主化のあらしの中で、新しい時代に即応した新しい大学像を持たず、大学問題を臨時の措置として解決せんとする政府の態度は、単に時代錯誤であるばかりでなく、保守反動の自民党の体質そのものと言うても過言ではありません。(拍手)
 ドイツの哲人ニーチェは、「偉大なりとは方向を与えることだ」と述べております。政治の役割りは、まさにこの点にあります。われわれ民社党は、かかる見地より、大学問題につきまして、単に批判するだけでなく、新しい大学像を大学基本法案にまとめまして、すでに国会に提出しているのは周知のところでございます。(拍手)人類が月を征服する現代において、何ら未来に対するビジョンも新たなる大学像をも示さず、大学を今日のように混乱させた責任は、まことに重大であります。(拍手)われわれは、このような佐藤内閣の大学問題に対する無能と無責任をきびしく糾弾せんとするものであります。(拍手)
 佐藤内閣を不信任する最後の理由は、その自主性なき外交姿勢であります。
 特に七〇年問題の主題である安保、沖繩に対する政府の態度は、きわめて安易かつ危険といわねばなりません。第一に、この両問題に対する政府の態度は、国民の率直な声を無視しております。第二に、戦後二十四年を経ました今日、占領政策を完全に清算して、新しい時代に対応する日米関係を樹立すべきであるにかかわらず、それを政府は怠っております。(拍手)第三に、国家存立の基本問題であるわが国の安全保障のあり方について、その進路を誤りつつあるのであります。
 一九七〇年は、単に日本のみならず、アジア、そして世界全体が直面する戦後初めての歴史的転機であります。特にわが国におきましては、日米安保条約の是非をめぐり、政治、社会、思想の各面で激烈な対立が起ころうとしているのであります。このときにあたり、肝心かなめの政府自身が、安保に対する公式的態度をいまだに鮮明にしておりません。わずかに愛知外相の渡米に際して自動継続の方針をほのめかすにとどまっている状態は、政府みずからが七〇年の混乱を助長するものといわねばならぬのであります。(拍手)
 言うまでもなく、安保に対する答えは、理論的に三つしかないのであります。自動延長か、廃棄か、それとも改定かのいずれかであります。すでに各紙の世論調査でも明らかなように、廃棄論は多数国民の望むところではありません。(拍手)それは安全保障政策として危険だからであります。したがって、政府として選択すべきは自動延長か改定かであります。政府は、無責任にもその態度を今日なお伏せておりますが、そのねらいが自動延長にあることは、いまや公然の秘密であります。この政府の自動延長の意図は、次の諸点から、わが国の将来に重大な禍根を残すことは必然でございます。
 第一に、わが国は、自動延長することによって、独立国としての権威を失い、安全保障、外交の両面で対米自主性の喪失を余儀なくされるのであります。第二に、これによって反米感情をますます台頭させ、安全保障の基本である国論の統一をいよいよ困難にし、かつ、極左勢力に跳梁の機会を与え、日米友好の阻害を助長することに注意しなければならないのであります。第三に、このように安保を避けて通ることによって、一部陣営の安保廃棄闘争の口実を与え、これによって国内混乱を年中行事とする結果におちいるのであります。(拍手)まさに、安保の自動延長は、日米関係の正常化を誤り、国内の混乱を助長する態度といわねばなりません。このような方針をとりつつある佐藤内閣を、国家と国民に責任を負う政党として、どうして信任できるでありましょうか。(拍手)
 沖繩問題もまた同様であります。先般の愛知外相の渡米に際して、わが党の主張である本土並み返還が政府の態度として打ち出されたことは、われわれの主張の正しさが立証されたものとして歓迎すべき事柄でございます。(拍手)すでに沖繩の現地においては六八%の世論が、本土におきましては七七%の人々が本土並み返還を要求しておるのであります。問題は、政府の本土並み返還が本物であるか、あるいはうそであるか、残念ながら、われわれも、国民も、それが本物であるという確信を持っていないのでございます。その理由はきわめて明瞭であります。すなわち、愛知外相がさきの沖繩交渉で次の三つの言質を米国側に与えているということであります。第一は、この交渉に際して愛知外相は、沖繩基地の重要性を再確認しました。第二に、沖繩の基地機能は絶対変えないことを約束いたしました。第三に、その具体的裏づけとして、イエスの強調による事前協議の弾力的な運用をほのめかしておるのであります。この態度は、明らかに、名目は本土並み、その実は自由使用の道を切り開くものというべきであります。まさに、世論を欺き、沖繩返還の正しい解決を誤るものと断ぜざるを得ません。(拍手)
 いま一九七〇年に向かって重要な使命をにない、その巨歩を踏み出すべきわが国が、このような政治、国民生活、大学、外交、安全保障といった重要な各分野で失政と禍根を累積することは、断じて許しがたいところであります。一九七〇年を展望して、これに対処する能力なきものは去り、あすの日本に対して責任と能力あるものが政権の座にすわるべきであります。
 ここに、佐藤内閣の失格を宣伝し、不信任案に対する賛成討論とする次第であります。(拍手)
#135
○議長(松田竹千代君) 石田幸四郎君。
  〔石田幸四郎君登壇〕
#136
○石田幸四郎君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました佐藤内閣不信任決議案に対する賛成討論を行なうものであります。(拍手)
 まず、問題にしなければならないのは、政府・自民党による硬直した議会運営、議会制民主主義のなしくずし的破壊であります。すなわち、本国会における強行採決は、今日に至るまで十数件を数え、国会史上未曽有の新記録をつくったのであります。この議会制民主主義の破壊作業は、議会制民主主義を守るためにという理由のもとに行なわれました。何と厚顔無恥の白々しい言い抜けでありましょう。
 自民党の諸君は冷静に思い返していただきたい。前回の衆議院選挙あるいは参議院選挙においても、自民党の得票数は半数を割っているのであります。すなわち、自民党批判票が国民の半分以上あるというこの現実を、常に謙虚に反省すべきであります。しかるに、民意の尊重を忘れ、審議を尽くさず、議会制民主主義をじゅうりんし、少数意見を無視し、国会を多数の名のもとにほしいままにしようとする自民党の姿勢は、一党独裁の姿であり、独裁政治そのものの姿であると断ずるものであります。(拍手)
 新憲法施行から今日まで、自民党はもっぱら政権の座を占有し、そのために、いまや慢心は極点に達し、国民無視の傲慢な姿勢になれ、国民の政治的無関心を逆用し、この横暴な議会政治の破壊となったと見るべきであります。しかし、愚かなる独裁者の専横が、やがて国民の反撃に身を滅ぼし、国を滅ぼすがごとく、専横に酔う政府・自民党が、国民大衆の正義の怒りに、やがて身を滅ぼすことは、過去の歴史がこれを教えているのであります。しかしながら、政府・自民党は、みずからの非道を寸毫も省みず、世論の糾弾と野党の熾烈な攻撃にあうや、正副議長の辞任によって暴挙の代償とし、正副議長の入れかえをもって再びその野望を果たさんとし、再び糾弾のあらしにあうや、議院運営委員長の首を取って、その当面の非を糊塗しようとする卑劣きわまりない行為は、もはや国民に対する責任を有する政党としての資格を失ったというも過言ではないと信ずるものであります。(拍手)もはや国会には権威も威信もなく、発言の自由も運営のルールもない、そこには茶番劇があるのみとは、心ある国民の声であります。日本の政党とし、議会人として、これほどおそるべきことがありましょうか。
 このような自民党の姿勢は、今日の嘆かわしい風潮となりつつある狂暴な暴力とテロを助長するものであるといわなければなりません。暴力が横行し、さらにまたテロが横行したとき、自民党は何と国民に謝罪するのでありましょうか。それを救うために、断固政府・自民党の独裁、専横を粉砕し、国民と国家のために、議会制民主主義を名実ともに確立せんがために、国民の名において、佐藤内閣の退陣を要求するものであります。(拍手)また、国民の政治不信を一掃し、国民とともに新しく議会制民主主義を確立するために、本院は、直ちに解散をして、国民の厳粛な審判を受けるべきであります。(拍手)わが党は、内閣退陣、衆議院の解散を、声を大にして要求をするものであります。
 それでは、佐藤内閣の罪状の数々について、これから述べてみたいと思います。
 まず、第一にあげられることは、政界浄化に逆行する政治姿勢であります。
 佐藤総理は、国民の政界浄化の要求に対し、たびたび政治資金をガラス張りにすることを公約いたしましたが、政治資金規正法の改正をまたも握りつぶしてきました。その厚顔無恥の神経には、激しい怒りを覚えざるを得ないのであります。政府・自民党は、金権政治を推し進めるために、きわめて無責任な態度に終始してまいりました。わが公明党は、汚職事件に対し、かねてよりきびしくこれを追及してまいりましたが、国有財産の払い下げ事件、共和製糖事件、LPガス汚職事件、日通事件、京阪神土地事件等、次から次へと発覚した不正事件は、すべて佐藤内閣のときに起きたものであります。あるいはまた、みずからの失政を省みることなく、自民党の退潮、凋落を選挙制度の改悪によってカバーしようとする小選挙区制の陰謀、さらに憲法の精神をじゅうりんし、その改悪を目ざす露骨な野心など、佐藤内閣の民主主義に逆行する事例は、枚挙にいとまがないのであります。このように、政府・自民党は、ますますどす黒さを増しながら、政治に対する国民の期待を全く裏切り、国民との対話を怠り、民心を議会政治より遊離させており、その罪悪は徹底的に糾弾されなければなりません。(拍手)
 第二の理由は、大企業や一部特権階級の利益に奉仕し、まじめな、勤勉な庶民大衆の生活を圧迫する国民不在の姿であります。この実態こそ、不信任に値するものであります。
 佐藤総理は、就任早々、この問題に対して何と発言をしたか。内政面では、まず日本経済の安定成長をはかり、ひずみの是正につとめ、特に、国民生活を脅かす当面の消費者物価の上昇に対しては全力をあげて取り組むと、物価対策を金看板にあげたのであります。しかしながら、実際は、佐藤内閣の物価に対する考え方は、国鉄運賃値上げなどに見られるように、全く国民生活を無視したものであります。すなわち、国鉄運賃の値上げは、政府主導型物価値上げの先駆となり、国民生活を窮迫させるものとして、世論の強い反対にもかかわらず、三月七日の運輸委員会では単独審議を強行し、三月二十五日には、委員会の休憩中に法案の採決を強行し、三月二十八日の本会議を議長職権で強行して、国鉄運賃値上げ法案を可決する等の暴挙をあえてしたのであります。佐藤総理は、口に物価の安定を唱えながら、みずからの手で公共料金の値上げを強行しております。まさに、政府主導型の高物価、物価上昇の元凶は、佐藤内閣であると断ずるものであります。(拍手)
 近年の消費者物価の上昇は、国際的にも全く異常なものとなり、国民生活は破滅の様相を呈するに至っているのであります。物価上昇の原因は、第一に、佐藤内閣がインフレ助長的財政金融政策を意識的にとっているためであり、第二には、大企業のみの設備投資に優先権を与え、低生産性向上のための施策をサボタージュしているからであり、第三には、経済のあらゆる分野に競争を阻害するような制度や慣行が行なわれているのを、政府が陰に陽にこれをあと押ししているためであります。まさに、物価高は、天然現象でも、単純な経済現象でもなく、最大の政治公害であり、政治悪でなくて何でありましょうか。そして、佐藤内閣は、この政治公害の最大の加害者なのであります。
 次に、佐藤内閣の社会保障施策の実績を見るならば、口に人間尊重を唱えながら、老人、母子及び身障者に対する諸施策は、お恵みの程度を脱しておらず、真に人間性に立脚した、あたたかい血の通ったものとは認めがたい現状であります。
 ちなみに、日本経済は、表面的には大型になり、繁栄する経済社会を現出して、国民総生産ではついに世界第二位に成長し、経済成長も本年は一〇%を大きく上回っております。しかし、一方において、一人当たりの年間国民所得は第二十位、この富国貧民を象徴する大きな格差こそ、佐藤内閣の政治の貧困を如実に物語るものであります。
 政府が策定した経済社会発展計画によれば、昭和四十六年までに振替所得を二%引き上げ、七・七%程度までに到達させるというささやかな計画でありますが、今日ではそれすら絶望的である。その無責任さに強い憤りを感ずるものであります。昭和三十六年当時の西欧諸国の水準に到達するためには、四十五年度までに一〇%以上の振替所得の上昇が必要であったのであります。
 社会保障の国際比較を見るならば、西独では二〇%、フランスで一九・三%、イタリアで一六・四%と、主要諸国ではすでに二〇%台に達しているのであります。したがって、これでは、先進国との格差は、ますます拡大の方向にあるといわなければなりません。これ、すべて佐藤内閣の実行力の欠如であり、大失政であり、基本的に、佐藤内閣の大衆に背を向けた人間不在の姿勢にその原因があるといわなければならないのであります。(拍手)
 特に、われわれが指摘いたしたいことは、児童手当制度の問題であります。政府は、これまで国会答弁や選挙公約において、しばしば早期実現を国民に約束してきております。佐藤総理自身も、四十一年の国会において、四十三年度には実施したいと言明し、歴代厚生大臣も、就任の弁として、必ず児童手当の実現を公約しております。しかるに、今日に至るまで、国民の期待を何度裏切ったことでしょうか。実施の基盤すらなお整備されていない状態であることを憂うるものであります。これは重大な公約不履行であり、国民への裏切りではありませんか。
 また、延長国会の眼目となった健康保険法修正案は、これまた二年間に抜本改正を行なうという大前提で進んできたにもかかわらず、この公約を簡単に踏みにじりました。その政治的責任はきわめて重大であります。その間、いたずらに日時を浪費して、結局国民に負担を強要するばかりでなく、法案採決にあたっては、前代未聞の廊下採決という悪例を残したのであります。今日、政治的、社会的要因に基づく疾病の増加はきわめて顕著であり、国民医療は、制度的にも公費負担で行なうことが絶対の要諦となっているのであります。しかるに、都合よく受益者負担を振りかざし、みずからの失政を回避しようとすることは、国民に対する反逆であり、もはや政権担当の資格なし、こういわざるを得ないのであります。(拍手)
 第三に、佐藤内閣のファッショ化を象徴するものとして、学問の自由を侵害する危険性を内包する、かつ、憲法違反の疑いすら濃厚な大学法案の成立を強行して、社会秩序の混乱を助長していることであります。しかも、この法案自体の適用の懐疑性、効果の逆行性、大学自治への権力介入等、その実効性が全くないことは、もはや天下周知の事実であります。しかも、多数におごって謙虚に話し合う態度を捨て、ひたすら強圧的な姿勢をもって終始したことは、議会政治を混乱と破壊に導くものであり、民主主義政治の敵と断ずるものであります。
 さらに看過し得ないことは、大学紛争の要因が、暴力以前の問題、すなわち、物価、税金、庶民の生活を圧迫して恥ずるところもない佐藤内閣の偽善性であり、権力的、無責任な態度にあることは、国民の一致して認めるところであります。これをことさらおおい隠して、大学自治の名のもとに、治安強化をはかろうとする佐藤内閣の姿勢こそ、強く弾劾をしなければならないのであります。(拍手)
 第四に、佐藤内閣は、日本国民を対米追随、隷属の方針のもとに、戦争に巻き込まれる危険性をますます増大させていることであります。
 日本国民の悲願である沖繩の返還は、その交渉にあたって、いまや政府は、日米安保条約の事前協議事項を骨抜きとし、非核三原則を事実上空洞化し、安保体制から核安保体制へとエスカレートするに至ったのであります。日本国民にとっていま必要な外交方針は、平和憲法の精神に立ち戻り、しかも現実性を回復し、国民合意の外交を推進することであります。具体的には、安保体制の段階的解消であり、そのためには、日中友好平和条約の締結であります。これは今後、日本外交が最大の課題として取り組まなければならない命題であります。しかるに佐藤内閣は、中国敵視政策を強め、日中政府間貿易を陰に陽に妨げてまいりました。しかも佐藤総理は、すでに四年半以上も政権を担当していながら、日中国交回復に全く熱意を見せず、相変らず政経分離方式を金科玉条のごとく固執しているのであります。さらに、国連加盟問題では、旧態依然として重要事項指定方式に執着し、さらにその共同提案国から一歩も踏み出そうとしません。その上、始末の悪いことは、佐藤内閣は米国の対中国敵視政策の片棒をかつぎ、いたずらに中国を刺激し、アジアにおける国際緊張を激化しているのであります。外交方針は、高い理想を掲げつつも、長期的な観点に立って、合理的に、しかも現実的に検討し、推進されなくてはならないものであります。すべからく佐藤総理は、勇気をもって中国敵視を基本とした米国のアジア政策の変更を求め、わが国が米中和解のかけ橋となるよう努力を払うべきであります。(拍手)
 佐藤総理は、沖繩の祖国復帰が実現しない限り、わが国にとって戦後は終わらないとの名言を残しましたが、実際に沖繩に残されたものは、核基地、戦略爆撃機B52と、毒ガスをはじめとするBC兵器だったのであります。国民を欺瞞するのもいいかげんにせよと言いたいのであります。また、世界で唯一の平和憲法を有するわが国を、欲せざる戦争の渦中に巻き込む危険性にさらしてまで日米安保体制を堅持し、米国に追随すべき理由がどこにあるでありましょうか。このまま佐藤内閣の外交方針を黙認していたならば、日本は米国の従属的地位に固定化され、ついには属国と化することも考えなければならないのであります。(拍手)そのような意味から、佐藤内閣に日本の外交をおまかせするわけにはまいりません。日本にとっては第三の道、完全中立、平和友好の外交こそ、日本民族の進むべき道であり、そのためにも、アメリカ追随の政策をとる佐藤内閣は退陣すべきであります。
 以上申し述べましたとおり、佐藤内閣の犯した罪状の数々は、議会制民主主義の破局を招き、国民の政治不信はいまや最高潮に達しております。このような混乱した事態を解決するにはどうすればよいか、それはおのずから明らかであります。
 佐藤内閣は総辞職して、みずから招いた破局を深く国民にわびて、すみやかに衆議院を解散して国民の裁断を仰ぎ、人心の一新をはかり、議会制民主主義を取り戻すことが、せめてもの国民への償いになると訴えて、私の賛成討論を終わるものであります。(拍手)
#137
○議長(松田竹千代君) 谷口善太郎君。
  〔谷口善太郎君登壇〕
#138
○谷口善太郎君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました佐藤内閣不信任決議案に賛成するものであります。
 その理由の第一は、佐藤内閣と自民党が、この第六十一国会を通じて、わが国会史上前例のない数々の暴挙を重ね、議会制民主主義の根底を破壊していることにあります。
 今国会中、政府・自民党が衆参両院の委員会で行なった質疑打ち切り、強行採決はすでに十九回に及び、この結果、発言の権利を奪われた議員は、各党合わせて六十名をこえております。また、本会議におけるわが党代表に対する発言の拒否は、実に二十三回に及んでおります。この前例のない暴挙の繰り返しによって、佐藤内閣は、議員の主要な任務である審議権を、かつてなく乱暴に踏みにじったのであります。しかも、健保特例法修正案に至っては、社会労働委員会での廊下採決、本会議での憲法違反の起立採決、参議院本会議での国会法違反の中間報告など、あらゆる不法、不当の行為を重ね、自民党の議長、副議長の引責辞職の事態さえ引き起こしたのであります。しかも、国会正常化を言明した新議長のもとで、再び大学法案を強行採決するなど、政治道義を捨てて省みない厚顔無恥の限りを尽くしておるのであります。この暴挙の繰り返しこそ、政府・自民党が、いまや事実上、一党独裁の体制を固め、一路軍国主義の復活と政治反動のどろ沼に転落しつつあることを物語るものであります。(拍手)
 そもそも、今日の議会制民主主義は、戦前の天皇制の支配と侵略戦争の悲惨な体験に基づいて、日本国民の要望と戦いによってかちとられたものであります。この議会制民主主義を踏みにじり、日米軍事同盟体制の再編強化と軍国主義復活、アジア侵略への道を一段と狂暴に突き進もうとしている佐藤内閣こそ、憲法の精神と日本国民の歴史的体験に照らして、絶対にその存在を許してはならないのであります。(拍手)
 第二の理由は、政府・自民党が、大学運営臨時措置法の制定によって、大学の自治と学問研究の自由を踏みにじろうとしているところにあります。また、これを突破口として、教育の軍国主義化と反動化に道を開くだけでなく、政府自身も言明しているように、一九七〇年対策として、人民の民主的運動への弾圧体制を一そう強めようとしていることにあります。特に許しがたいことは、政府・自民党が、この危険な政策を強行する上で、一握りのトロツキスト暴力学生集団を泳がせ、いわゆる紛争を激化させ、あたかも大学問題がここにあるかのごとく世間を欺きながら、実は大学問題の自主的、民主的解決に努力している圧倒的多数の学生、院生、教職員及び一般民主勢力に対する全面的な攻撃を目ざしているということであります。(拍手)
 今日、全国百三十余の大学の学者の抗議声明や学術会議、国大協の反対声明が指摘しているとおり、政府・自民党のこの危険な政策と謀略こそ、大学問題の正しい解決を困難にする最大の原因であります。これはまた、わが国の民主主義に対する重大な挑戦でもあります。
 理由の第三は、政府・自民党が、沖繩の早期返還を口実に、日米安保条約の延長強化を強引に推し進めていることであります。
 本日から開かれております日米貿易経済合同会議の中心議題の一つは、現在アジア諸国を訪問中のニクソン米大統領が強調しているように、アジア集団安全保障構想の中での日本の果たすべき役割りについてであります。このことから明らかなように、現在佐藤内閣が核抜き本土並みと見せかけて進めている沖繩の返還とは、アメリカをかしらとするアジア集団安保体制の中で、日本に一そう積極的な役割りを果たさせるという、アメリカの基本戦略と結びついた沖繩の核つき自由使用返還にほかなりません。これは、沖繩県と本土の多数住民の心からの願いを踏みにじるものであり、すでにわが党がしばしば指摘しているように、本土そのものの沖繩化、すなわち、日米安保条約の核安保への再編強化にほかなりません。またそれは、アジア集団安保体制、特に、現在沖繩を中心として結ばれているアメリカ、日本、韓国、台湾などの間の軍事同盟体制強化の道でもあり、さらには、防衛二法が示しているとおり、沖繩返還と引きかえに強行されている自衛隊の飛躍的増強と核ミサイル化の道にほかなりません。しかも佐藤内閣は、今国会においても、このたくらみをひた隠しにして、広範な国民の反対を無視しながら対米交渉を進め、既成事実をつくり上げようと必死になっているのであります。わが党は、日本民族の運命と国の平和と独立の名において、佐藤内閣のこの危険な方針を絶対に許すことはできません。
 最後に、佐藤内閣が、日本とアメリカの独占的大企業の利益に奉仕し、人民の生活と経営に最も狂暴な攻撃を加えていることを、憤りをもって指摘せざるを得ません。
 今日、人民の生活が直面している困難の最大の原因が佐藤内閣の経済政策にあることは、隠れもない事実であります。佐藤内閣の六年間こそ、物価値上がり、住宅難、公害、交通事故など、また、労働強化、農民の離村や中小企業の破産などが最も激しくなった時期であります。しかも、今国会中だけでも、政府は、国鉄運賃を大幅に値上げし、総定員法によって労働強化と首切りの体制をつくり、自主流通米制度などによって、食管制度の破壊と農民の経営破綻の条件をつくりました。さらに、受益者負担の原則なるものを持ち出して、健康保険法の改悪、社会保障制度の根本的後退を企てるなど、人民の生活に一そう深刻な打撃を与えたのであります。しかもこの反面、日本とアメリカの大企業には、至れり尽くせりの保護政策を行なっているのであります。その結果、大企業は肥え太り、国民の生活と経営の困難は一そう増大しております。にもかかわらず、佐藤内閣は、安保繁栄論を振りかざして、この大企業の繁栄を謳歌し、人民の深刻な生活問題の解決には、一片の努力すら払おうとしておらないのであります。このような反人民的な佐藤内閣の政治を、一日も存続させることはできません。
 戦後二十四年、歴代の自民党政府の中で、佐藤内閣こそは、その最も最悪の内閣であります。日本共産党は、国の安全と独立、平和と民主主義、人民生活の安定の名において、佐藤内閣をきびしく糾弾するとともに、ここにその退陣を強く要求して、この決議案に賛成の意思を明らかにするものであります。(拍手)
#139
○議長(松田竹千代君) これにて討論は終局いたしました。
     ――――◇―――――
#140
○議長(松田竹千代君) 本日は時間の関係上この程度にとどめ、明三十日午前零時十五分より本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
   午後十一時五十四分延会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 西郷吉之助君
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 坂田 道太君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        農 林 大 臣 長谷川四郎君
        通商産業大臣  大平 正芳君
        運 輸 大 臣 原田  憲君
        郵 政 大 臣 河本 敏夫君
        労 働 大 臣 原 健三郎君
        建 設 大 臣 坪川 信三君
        自 治 大 臣 野田 武夫君
        国 務 大 臣 荒木萬壽夫君
        国 務 大 臣 有田 喜一君
        国 務 大 臣 菅野和太郎君
        国 務 大 臣 木内 四郎君
        国 務 大 臣 床次 徳二君
        国 務 大 臣 保利  茂君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        外務政務次官  田中 六助君
        文部省大学学術
        局長      村山 松雄君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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