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1968/12/18 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
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1968/12/18 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号

#1
第060回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第2号
昭和四十三年十二月十八日(水曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         伊藤 五郎君
    理 事
                源田  実君
                内藤誉三郎君
                鶴園 哲夫君
                松下 正寿君
    委 員
                石原慎太郎君
                河口 陽一君
                大松 博文君
                中村喜四郎君
                永野 鎮雄君
                長屋  茂君
                増原 恵吉君
                山本 利壽君
                川村 清一君
                達田 龍彦君
                吉田忠三郎君
                上林繁次郎君
                春日 正一君
   国務大臣
       外 務 大 臣  愛知 揆一君
       国 務 大 臣  床次 徳二君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        鯨岡 兵輔君
       総理府特別地域
       連絡局長     山野 幸吉君
       科学技術庁原子
       力局長      梅澤 邦臣君
       外務省アメリカ
       局長       東郷 文彦君
       外務省条約局長  佐藤 正二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瓜生 復男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査
 (当面の沖繩問題等に関する件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤五郎君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、床次総理府総務長官から発言を求められております。この際、これを許します。床次総理府総務長官。
#3
○国務大臣(床次徳二君) このたび総理府総務長官に就任いたしました床次でございます。一言ごあいさつを申し上げます。
 私は、従来、政治生活を通じ、沖繩問題解決に特に深い関心と期待を持ち続けてまいり、かつ、微力を尽くしてきました者の一人であります。就任後間もないただいまでありまして、多くを今後の勉強にまたなければならないところでありますが、この際沖繩問題等についての私の所信の一端を申し述べさせていただきたいと存じます。
 沖繩の施政権返還問題は、わが国が当面する日米外交上の最大の課題であると存じます。このような重要な時期に総務長官に就任いたしましたことの責任の重大さを痛感するものであります。
 まず、沖繩に対する政府の施策の基本方針につきましては、昨年十一月の佐藤総理・ジョンソン大統領の共同声明において述べられているところでありまして、同共同声明は、「日米両国政府が、沖繩の施政権を日本に返還するとの方針の下に、かつ、沖繩問題に関する両首脳の討議を考慮しつつ、沖繩の地位について共同かつ継続的な検討を行なうこと」に両首脳が合意したことを明らかにしております。
 申すまでもなく、沖繩の祖国復帰は百万沖繩住民はもとより、一億日本国民の強い念願であります。そして、佐藤総理大臣が所信表明演説において、沖繩の早期返還を実現するとの決意を新たにすると強く述べられたところであります。
 私は、近い将来返還の時期についてめどをつけるため、日米間の外交折衝が進められ、まず復帰の時期について明確な合意に達することこそが全国民の総意に沿いうる道であると確信いたすものであります。しこうして、復帰の時期を迎えるまでの間、復帰の際の摩擦を最小限にするため、引き続き、沖繩の住民とその制度の本土との一体化を進め、沖繩住民の経済的、社会的福祉を増進するための措置を強く推進していく所存であります。
 これまで政府は、本土と沖繩の一体化をはかるための措置として、沖繩援助費を逐年増大してまいっており、本年度におきましては、百五十三億円余と、前年度の百三億円余に比べ大幅に増額いたしております。このほか、沖繩籍船舶の日の丸相当旗の併揚、沖繩住民の本土及び海外渡航の際の渡航文書を日本政府が発給するとともに、海外における沖繩住民の保護及び海外移住の事務の責任を日本政府が第一義的に行なうこととされたこと、沖繩及び本土間の渡航手続の簡素化、輸出入手続の改善、失業保険金の相互給付等々の施策をとってまいりました。しこうして、昨秋の日米首脳会談を契機として、沖繩と本土との一体化は日米間の合意として、沖繩の本土復帰に備え、強力に推進さるべきものとなったわけであります。そして、この目的達成のために去る三月一日那覇に日米琉三政府の代表によって構成される高等弁務官に対する諮問委員会が発足したのでありますが、同委員会は、発足以来今日まできわめて精力的に活動し、一体化のための必要な措置について数多くの勧告を行なって来ております。
 政府としては、これらの勧告及び日本政府一体化調査団の調査結果等を踏まえながら、今後における一体化施策を総合的計画的に推進するため、去る十一月五日「本土と沖繩との一体化に関する基本方針」を閣議決定したのであります。今後はこの方針のもとに、明年度以降おおむね三カ年をもって、行政各般にわたり、本土と沖繩との間に横たわる諸種の障害を着実に取り除くためのきめのこまかい財政上、制度上の一体化施策を総合的計画的に実行に移しつつ、沖繩の住民とその制度の日本本土との一体化を完了し、本土復帰の準備体制を整えていく所存であります。そしてさしあたり、明年度の沖繩援助費につきましては、一体化推進の線に沿って、日米琉諮問委員会の勧告、日本政府一体化調査団の調査結果及び従来の財政援助の推移、効果等を勘案しながら、行政各般にわたり一体化施策推進に必要な経費、特に教育、社会福祉、産業基盤整備、市町村行財政等の面について重点を置きながら従前に比し大幅に拡充する方向でその財政援助計画を策定して、国会の審議をいただきたいと存じます。
 次に、沖繩住民の国政参加問題につきましては、去る十月二十五日に開催された当委員会において田中前総務長官から報告されたとおり、十月九日の第十五回日米協議委員会において日米双方は「一体化関係施策を含む日本本土の沖繩施策に沖繩住民の民意を反映させるため、選挙により選ばれた沖繩の代表が日本本土の国会の審議に参加することが望ましく、かつ、有益である」旨合意しました。
 よって、政府といたしましては、去る十二月十日付書簡をもって内閣総理大臣から衆、参両院議長に対し、この旨を通知するとともに、本件実施のために必要な立法上の措置につき検討を御依頼いたしたところであります。今後国会において慎重御審議の上一日も早く成案を得られ、国政参加の実現を見ることを期待いたすものであります。
 また、先般実施されました沖繩の主席公選は、沖繩の歴史上画期的なできごとでありました。政府は、かねて施政権の早期返還に努力してまいりましたが、さらにこの主席公選を通じて表明されました沖繩住民の意思をも考慮して今後の沖繩問題に対処してまいりたいと考えておりますが、同時にまた、新しく公選主席に選ばれました屋良主席を中心とする琉球政府と協力しつつ、沖繩の諸懸案の解決について努力いたす所存でありますので、琉球政府においても格段の努力をされるよう期待するものであります。
  一方、北方領土返還問題の解決は容易ならぬ困難が予想されます。しかし、沖繩問題の解決に対する国民的熱意と努力は、同時に北方領土問題の解決にも注がれなければなりません。私は、沖繩問題と同様に北方問題解決を目標に北方領土問題に対する国民世論の喚起につとめるとともに、引き揚げ旧島民の生活の安定、産業活動に対する助成及び漁船の安全操業等の諸問題解決のために努力してまいる所存であります。
#4
○委員長(伊藤五郎君) 次に、沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。達田君。
#5
○達田龍彦君 まず、私が長官にお尋ねをいたしたいのは、昨年の佐藤・ジョンソン会談におきまして沖繩の一体化政策というものが政策の重点として取り上げられ、いま御説明になったように進められてまいっておるのであります。声明の内容によりますと、一体化政策というのは、復帰の際の摩擦を最小限にするためということが大きな一体化推進の目的になっておるようであります。
 そこで、私がまずお尋ねをいたしたいのは、沖繩の援助費の問題でございますけれども、確かに、一体化政策が進められて援助は大幅に増額をされておることは事実であるのです。しかし、まだ沖繩の経済的あるいは制度的状態の中には、相当本土との格差があることもこれまた事実であろうと思うのであります。そこで、まず来年度予算の中で一体化政策の重点をどういう方向に置かれて進めようとされておるのかお尋ねをしておきたいと思うのであります。
#6
○国務大臣(床次徳二君) お答え申し上げます。
 ただいま御意見がありましたごとく、一体化ということの成就につきましては、現在沖繩と本土との格差が大きいのでありまして、これでは復帰いたします際に非常に摩擦が大きい。したがって、内容的に申しますると、制度そのものを本土と同じ内容を持った制度をつくり上げること、並びに、それを実施することのできるような財政力をつけてまいりたい。なお、一般の経済基盤自体におきましてもかなり格差がある。言いかえますれば、基地経済に依存しておるとともに、この形に対しまして、本土に返りました際におきましても現地の経済が影響を受けないようにする、大体そういうようなことを中心にして考えておるのであります。政府におきましても、過般、一体化政策の基本政策を実施いたしたいという意味におきまして三年計画、大体三年を目標としてこれを実施してまいりたいつもりであります。しこうして緊要なものから、必要なものは立法準備からまず始めていくというわけでありまするが、対象といたしましては教育、社会福祉、産業基盤の整備、それから市町村行財政の問題、特に本土と比べますと、市町村の事務、また能力というもの、経済力というものが弱いのでありまして、この点を重視するようにしてまいりたいと思っておるわけであります。したがって、四十三年度予算におきましては、ただいまの重点ということを目標にいたしまして必要なものから急速に取り上げるように予算の要求を今日いたして折衝中でございます。なお、本土との一体化を行ないまする場合におきまして、たとえば制度を同じにいたします際におきましては、沖繩の経済に影響を与える場合も少なくないのでありまして、その際におきましては、できるだけ経済に激変を与えないような意味におきまして、必要な暫定的な措置もとらざるを得ないと考えておりまして、とるつもりでございます。
 なお、特に一体化といたしまして、私ども戦前の問題がいろいろ――と申しますか、大きく残されておりますものは、戦前の郵便貯金の問題が残っておりまするが、まあ、これはひとつ、古い問題で懸案でありますのでぜひ片づけたい、そうして一体化政策と同時に今後に備えることのできるようにいたしたい、かように考えておる次第であります。
#7
○達田龍彦君 来年度の沖繩援助の予算規模ですね、どの程度にお考えになっておりますか。そして重点はどこに置いて考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
#8
○国務大臣(床次徳二君) 地元の御要望といたしましては、大体三百億ぐらいを要求しておりまするが、地元の要求に対しまして米国政府等との折衝もありますので、こちらに要求してまいりましたのが二百六十二億という形になっております。しかし、この内容を総理府において検討いたしました結果、大体二百七十億ぐらいは必要でないかというので概算要求を出しておる次第であります。なお、今日この点大蔵省と折衝中であります。したがって、金額等におきましては十分確定したものとは申し上げることができないと思います。
#9
○達田龍彦君 ぜひ来年度の予算要求については、沖繩の、琉球政府の要求をいれて実現をはかられるように御努力をお願いしておきたいと思うのであります。
 そこでこの一体化政策の中で、まあ言うなれば終戦処理的なものがまだ郵便貯金の取り扱い以外にも私はあると考えておるのであります。まあ、特に基地との関係が非常に強いわけでありますけれども、この一体化政策の中で基地の取り扱いを
 一体どういうふうに位置づけ、方針をお立てになっておるのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。
#10
○国務大臣(床次徳二君) 来年度予算につきまして琉球政府の要求を十分にいれろという御要求、まことにごもっともでありまして、現在の概算要求はいわゆる選挙前の旧松岡主席政府の要求であります。したがって、新政府になりましていかがであろうかという点を懸念いたしたのでありますが、その意味におきまして政府から特連局長を地元にも派遣いたしまして、詳細に従来の予算の経過等を説明させてまいったのでありまして、大体新政府におきましても内容は了解してまいったのであります。なお、地元として追加したい希望もあるようでありますので、今後大蔵省の予算折衝等におきましては、必要なものにつきましてはこれをいれるように努力いたしたいと思っております。
 それから第二のお尋ねの基地の問題でありますが、これは一体化政策とはむしろ別個の問題といたしまして、返還の際におけるところの基本的な問題として私ども考えておるわけでありますが、しかし、いずれにいたしましても、現在の沖繩というものが非常に基地に依存をしておるわけでありまして、漸次基地が縮小しているということは当然のことと考えるのであります。基地の住民に対する重圧というものを軽くすると同時に、基地依存経済から一般の経済へできるだけ移行して、そうして地元の経済の力をつけるようにしたほうが安定したものになりますので、さような方針で考えてまいりたい。したがって、今度の一体化政策等におきましても、産業基盤の整備ということ、今日かなり農林業その他におきましても発展はしてまいりましたけれども、十分な資本も導入してございませんし、技術その他におきましてもなお改善を要するものがあるし、将来の政策といたしましても、基本的にいままでおくれておりました事柄等につきまして充実をしてまいりたい、かような意味におきまして基地の将来を考慮しながら一体化政策におきまして将来の目標の予算を要求して実現したい、今日まで毎年いろいろ少しずつ努力してまいりましたが、さらに一そうこれを充実したいと思っております。
#11
○達田龍彦君 先ほどの長官の所信表明の中で、一体化の一応のめどを三カ年ということにお立てになりましてお進めになっているわけですね。今回の臨時国会における予算委員会の中で首相は、来年の秋に返還のめどをつけたい、返還の実現が可能かどうかということはその上に立ってきまることである、こういうことを言っておるのでありまして、そこで、この三年という一体化政策の基本方針というものは返還の時期の一応の目安を立ててやはり進めていかなければならぬと思うのです。それは、なぜなれば、先ほどから返還の際における摩擦を少なくするために一体化が進められておるとするならば、返還のおおよそのめどというものはそういうところに置いていかなければならぬ。したがって、いま総理府としてお考えになっているのは、もちろん最終的に返還の時期がきまるのは外交交渉によってきまるわけでありますけれども、三年の計画の中で進めていけば、一体化政策というものは、かりにこれが三年できちんと返還がきまればいいんでありますけれども、二年になるとかあるいは一年半になるとかいうことになりますと、一体この三年計画というものをどういうふうに進めていこうとされるのか、そこら辺の考え方を長官としてどうお持ちになっているのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。
#12
○国務大臣(床次徳二君) 施政権の返還ということにつきましては、これはできるだけ早いほうがよろしい、三年を待たなくても、実は早ければ早いほどよろしいという気持ちで私ども考えておりまして、またこれが住民の願望でありまするとともにわれわれ国民の願望であると思います。しかし、いずれにいたしましても、本土と同じ水準にまで早く上げたいということは必要なことでございまして、大体今日の沖繩の制度また状況を見ますと、一生懸命努力いたしましても、これを円満に解決するのはどうも三年くらいかかる、三年でもなかなかやりおおせることが相当むずかしい仕事かと考えておるわけであります。たとえて申し上げますると、まず立法しなければならぬものがある。それからこれを実施に移さなければならぬという段階があるのでありまして、なお琉球政府の能力というものも考えてみますると、いままでいろいろ検討いたしました結果、まず三年を目標といたしまして水準を引き上げる、本土並みということに努力するということを考えておるわけであります。したがって、その途中にありまして返還されましても、それに対しまして適当に対処いたしまして、その摩擦というものを軽くするようにはもちろんいたすことができる、可能であると考えております。趣旨におきましては、私は返還はできるだけ早いほうが望ましいと思いますが、一体化は、さような返還ということを考慮に入れましてできるだけの早さで進めてまいりたい、かようなわけであります。
#13
○達田龍彦君 時間がないようでありますから、最後に一点だけ長官にお尋ねをいたしておきますけれども、その一体化政策は分離返還に通ずるという御意見があるのであります。一体化政策を進めていって、最終的に基地の態様がきまらなければ一応基地は現在固定のままで施政権の返還を先にやってしまう、こういう意見もあって、一体化政策について疑問を持つ向きもあるのであります。一体、それに対し長官はどういう見解をお持ちであるのか、お尋ねをしておきたいと思うのであります。
#14
○国務大臣(床次徳二君) 今日本土において念願しておりますのは、基地の性格というもの、これと別個の問題ではないと思うのであります。施政権そのものができるだけ早く返ってくるということが望ましいわけでありまして、その施政権が返ってまいります際におきます摩擦というものが少なくなるため、本土との格差の引き上げであるとか是正であるとか、制度を同一にするという形になっておるのでありまして、基地の問題は基地の問題として、その意味においては別に考えられるというふうに考えております。
    ―――――――――――――
#15
○委員長(伊藤五郎君) この際、愛知外務大臣から発言を求められております。この際、これを許します。愛知外務大臣。
#16
○国務大臣(愛知揆一君) 一言ごあいさつ申し上げます。
 過般の内閣の改造によりまして、不肖私外務大臣を仰せつかりました。まことに微力でございますが、特によろしくお引き回しのほどお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#17
○達田龍彦君 では、外務大臣がお見えでございますから大臣にお尋ねしたいと思うのであります。
 まず大臣にお尋ねをいたしたいのは、臨時国会の衆参の予算委員会の中で、いろいろ沖繩問題が今日の政治の重要問題としてだいぶ時間をこれにさいて論議がかわされてまいっておるのであります。時間の関係もありまして必ずしも完全な国会論議がなされたと言うことではないと私は考えておるのでありますけれども、この際、特に私は明確にしてもらいたい内容があるわけであります。参議院の予算委員会においてわが党の秋山委員の質問に答えて首相は、返還のめどづけは来年の秋訪米をしてその上できめたい、そのことは必ずしも返還が実現することではない、こういうことを言われておるのであります。私は、このめどづけは来年の秋にする、しかしそれは必ずしも返還が実現するものではない、こう言われておる、そういう回答をしておるのでありますけれども、昨日の衆議院の外務委員会において外務大臣はわが党の戸叶委員の質問に答えて、これまたいろいろ回答をなされておるわけでありますけれども、その際に、来年の秋にめどをつける交渉を行なうにあたって、一体日本の政府の立場として基地の態様について確固たる方針を持ってその交渉に当たられる御方針であるのかどうか。昨日の外務委員会の回答によると、基地の態様、返還の時期その他の問題について、すべてを含んで日本の方針をきめ交渉に当たる、こういうことを言われておるようでありますけれども、一体そこら辺の考え方は外務大臣としてどうでありますか、まずお尋ねをしておきたいと思うのであります。
#18
○国務大臣(愛知揆一君) 沖繩の返還の問題につきましては、今国会におきましても衆参両院の本会議をはじめ外務委員会等におきまして佐藤総理もいろいろ見解を表明いたしておりますが、その中でお聞き取りのように、私どもの希望といいますか計画といたしましては、来年秋ごろ総理が渡米をいたしまして、いまお話のようなめどをつけるというような話を詰めていきたい。この一つの目標に向かいまして、これもよく申し上げておりますように、今後の国際情勢の推移を見きわめていく。あるいは科学技術の発達ということも十分検討していく。一方国内の世論の動向にもかんがみまして、真剣に、慎重に検討して、かたわら、アメリカとのそれまでの事前のいろいろの話し合いをもいろいろ進めてまいりたい、まあ、こう考えておるわけでございます。その間におきまして、沖繩の早期の返還、それから日本、沖繩の安全、また、これと不可欠な関係にある日本を含む極東の安全、これをどうやって確保していったらいいだろうかというようなことが基地の問題と関連をいたしますので、それらについてだんだんに考え方を固めてまいりたい、こういうふうな考えでいまいろいろと考究いたしておるところでございます。
#19
○達田龍彦君 私が特に聞きたいのは、来年の秋にアメリカと交渉をされる際に、日本の政府の方針として、基地の態様を、いまいろいろと言われておるいろいろな態様がございますけれども、この基地の態様についても、日本政府としては方針をきめて秋の交渉に臨まれるという方針であるかどうか、この点を明確に御説明いただきたいのであります。
#20
○国務大臣(愛知揆一君) これらの点につきましては、よく言われますように、現在白紙の態度でいるわけでございまして、どういうふうな姿でどういうふうな構想をつくり上げていって最終の総理と大統領の交渉に持ち込むかということにつきましては、こういう形にしたいというようなことについては、まだ申し上げる段階には至っておりません。
#21
○達田龍彦君 基地の態様をどうするかということを具体的にきめる段階ではないということは、予算委員会等における首相の発言でも明確であります。ただ、交渉される際に基地の態様をどうするかということをきめて交渉に当たられるのかどうか、それを私は聞いているのであります。ですから、いまいろいろ検討されておる内容というのはわかるのでありますけれども、交渉されるときの時点における態度として、基地問題は日本の政府としては結論を持って行かれるという方針なのか。そうではなくて、先ほど来から言われておる国際情勢の問題だとか、あるいは科学技術の問題だとか、あるいは国内世論の問題等を勘案をしてきめるということであるので、その時点ではまだはっきりしないということなのか、そこを明確にお答えをいただきたいのであります。
#22
○国務大臣(愛知揆一君) いま私といたしまして、検討、研究を始めておりますのは、沖繩返還問題について全般的にどういうふうな考え方でいくべきかということについて研究、探究中でございますから、総理の最終的な話し合いのときにどういうもので交渉を開始するかということについては、まだまだ考えもまとまりませんし、したがって申し上げることもできない状態にございます。
#23
○鶴園哲夫君 関連いたしまして伺いたいんですけれども、総理の答弁を聞いていますと、返還のめどをつけるのが先であって、基地の問題についてはあとだという印象を非常に強く受けているんですが、返還と基地の問題は同時に態度をきめるんではなく、めどが先であって基地はあと回しだという印象を強く受けているわけです。ところが外務大臣が、先ほど達田委員から質問がありましたように、衆議院の外務委員会での答弁は、同時
 のような――同時のようではない、同時のきめ方をするんだ、こういう答弁になっているんですね。そこの点をはっきりさしてもらいたいということだと思うんですけれども。
#24
○国務大臣(愛知揆一君) これはただいまも申し上げたつもりなんでありますけれども、いまの時点におきまして、これからわれわれがいろいろと考えていきます場合には、返還の問題、それからその後における基地の態様はいかがあるべきかというようなことを合わせていろいろと探究していくのが私は当然なことかと思っておりますが、ただ、これが対米正式の交渉の場合にどういう進め方をするかということは、いま申しましたように、未決定と申しますか、白紙でございまして、あるいはただいま御指摘がございましたように、総理の言われること、いろいろの印象をお受けになるかと思いますけれども、そこのところになりますと、確たるどういう態度あるいはどういう案で進めていくかということは、現在のところは、何と申しましても、まだ白紙でございます。
#25
○達田龍彦君 どうも、いま外務大臣のお話によりますと、委員会ごとで回答の態度が違っているように思うのでありまして、きわめて私は遺憾に思うのであります。これは昨日の新聞の伝えるところによりましても、大臣は、基地の態様の問題と返還の問題についてはセットとして交渉に当たりたい、その方針を確立をしていきたいと、こういうことを言われておるわけでありますから、その意味においては、当然めどづけの交渉にあたっては、一番重要な基地の問題、基地の態様をきめて日本の政府として行かれるのは当然であろうと私は思うのであります。であるにもかかわらず、それに対する態度はきわめてあいまいであって、きわめて私は遺憾であると考えるのであります。
 さらに私は御質問をいたしておきますけれども、新聞のこれまた伝えるところによると、来年の秋の佐藤訪米の時期までに外務省として返還のためのいわゆる具体的な交渉の準備としてのスケジュールが組まれているようであります。これは国会ではなかなか大臣ははっきりしたことを言っておりませんけれども、国会外の場にはきわめて具体的な行動計画が報道されております。これも私は非常に遺憾だと思うのでありまして、そういう具体的なスケジュールがあるならば、なぜ予算委員会や外務委員会やその他の委員会で具体的に説明をされないのか。新聞その他の国会以外の場にこれが先に出て、国会では知らないというような状態は、国会軽視に私は通ずると思うのであります。この点は非常に遺憾だと思いますが、この来年秋までに予定をされている外交スケジュールといいますか、沖繩返還に関する外交スケジュールにつきまして、この機会に明確に御説明をいただきたいと思うのであります。
#26
○国務大臣(愛知揆一君) まず第一点のお尋ねでございますが、私は、こういう重要な問題についてわれわれの考え方を固めていきます場合には、返還と基地のあり方というものがやはり一つの一体として十分検討していかなければならない、かように考えておりますが、交渉の当たり方、たとえば総理と大統領との話し合いをどういうふうに進めていくかということの交渉の当たり方というか、始め方等につきましては、まだ基本の考え方もきまっておりませんから、これらについては、どういう案をどういう姿で持っていくかということについては私はまだ全然考えておらない、これが私の気持ちでございます。
 それから第二のスケジュールの問題でございますが、この点につきましては、私はすでに他の委員会でも申し上げているとおりでございますが、まず昨年の秋の佐藤・ジョンソン会談、それは返還ということを前提にして継続的に協議を進めるということになっておりますことは御承知のとおりでございまして、それに基づきまして、三木前大臣が一回、まあ、いわば正式のというか形式的なと申しますか、協議を開かれたわけであります。その後そういう形の姿はございませんで、私が就任早々、十二月に入りましてからジョンソン大使を招きまして、いろいろ本件につきましても、今後の進め方等の打ち合わせをいたしたわけでございますから、しいて言えば、これが第二回目ということも言えるかと思います。しかし同時に、この第一回の三木・ジョンソン会談でもはっきりいたしており、当時これは公表もされておりますように、こういう姿だけではなくて、いわゆるディプロマティック・チャンネルと申しますか、そういうことで話を随時やっていこうということにもなっておりますので、私としましても、今後そういう形の協議、必ずしも私は出席しない場合もございましょうし、また当局間の話し合いもございましょうが、一方、先ほどから申しておりすように、全体の扱い方としては考えなければならんことが国内の世論ということでもあり、また世界的な情勢の分析ということも必要である。われわれとしての自主的な考え方をだんだんに積み上げていくというようなことで努力を重ねていかなければならない点もございますが、それらを総合的にといいますか、だんだんにまとめながら腹づもりをつくりまして、そうして、場合によりましては、国会の関係もございますけれども、ある時期にお許しをいただき、あるいは国会がございませんようなときに私自身もアメリカに出かける必要もあろうかと思っておりますけれども、まだそこの、どういう時期にどういうふうに出かけるかというふうなことについても、確たる予定はいたしておりません。要するに、総理が言っておられますような、来秋のしかるべきときに自分が行きたい、こういうことが一つの希望としてきまっておりますので、できるだけこの趣旨を体しまして、それまでにレールを敷いていく。こういうことで、私としては今後問題の研究の度合い、今後の話し合いの度合い等によってスケジュールもおのずからきめていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思っておりますので、先ほど御指摘がございましたけれども、もちろん、そういったような日程がきまりますればこれを明らかにしていきたいと思いますが、これもまだそこまでは参っておらないような状態でございますから、御了承いただきたいと思います。
#27
○達田龍彦君 そこで、いま大体のスケジュールに対する考え方が述べられたわけでありますけれども、この秋の訪米にあたって外務省で一応レールを敷かれるわけでありますね。その敷かれる内容の中に、一体基地の態様を日本政府の態度としてきめて持っていかれるのかどうか、これが私は問題だと思うのです。予算委員会の佐藤総理の御説明によりますと、一応返還のめどはつけたい。これを裏返すと、基地の態様については必ずしもきまらないままに返還のめどをつけるというふうにもとれるのであります。ところが、昨日の外務委員会においてあなたはわが党の戸叶さんの質問に答えて、基地の問題も含めて日本の方針としてきめて交渉に当たりたいということを言われているわけであります。そういうように確認をしていいかどうかということを私は先ほどからお尋ねをいたしている。その点もう一回、明確に大臣の考え方をお尋ねをしておきたいと思うのであります。
#28
○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましては、私としては、この返還の問題とそれからこれに関連する基地のあり方の問題、あるいは施政その他の一体化の問題というようなことをやはり総括的にとくと検討いたしまして、その検討の段階におきましては、あくまでこれは全部を相関関係におきまして検討していかなければならない、こういう気持ちを戸叶委員にもお答えをいたしたつもりでございます。これを、その結果というか、その中からどういうふうなアメリカに対するアプローチのしかたをするか、特に佐藤・ニクソン会談をどういうふうな開始のしかたをし、どういうふうな案にしていくかというようなことにつきましてはまだまだこれからのことでございまして、どういうふうな形の案をつくって持っていくか、その中にはどういうことが考えられるかということについては、私はまだ考えておりません。
#29
○達田龍彦君 大臣からこれ以上の確とした回答は出ないようでありますから、次に進みたいと思いますけれども、いま沖繩のアメリカ軍の基地の中に一体どういう核兵器が持ち込まれておるのか、外務省で把握している面があれば、お答えをいただきたいと思うのであります。
#30
○国務大臣(愛知揆一君) 私としては、その点については現在何も承知しておりません。
#31
○達田龍彦君 何も承知してないというのは、きわめてまたとぼけたお話でございますけれども、沖繩が核基地であるということは常識でございます。ただ、外務大臣の立場として、アメリカが言っておるように、核基地があるあるいは核基地がないということを言うこと自体が抑止力の効果を少なくすることだと言われておるので、その方針でもっていまそういう立場からの御回答をなされておるというふうに私は考えるわけでありますけれども、たとえばメースBあるいはナイキ・ハーキュリーズあるいはB52、こういうものは明らかに核兵器であります。それが戦略核兵器であるか戦術核兵器であるかは、これは時の戦略配置によってきまることでありますけれども、核兵器であることは間違いないのであります。これが沖繩の基地に配備、配置されておることも、これ間違いがないのであります。この点をお認めになりませんか、どうですか。
#32
○国務大臣(愛知揆一君) これは申すまでもないところでございますが、現在はアメリカの施政権下にある、そしてそこにおいていわゆる自由使用ができておるわけでございますが、その内容について現在のところ私としては知り得る立場にない。どういう戦略配備が行なわれているか、これは私としては知りませんし、したがってお答えができないのであります。
#33
○達田龍彦君 大臣ね、とぼけるのもいいかげんしてもらわなければ困ると思うのです。佐藤総理は、過去の予算委員会やその他の国会での答弁の中でも、日本の自衛隊が及ばない範囲の軍事力あるいは日本の安全を守るためにはアメリカの核抑止力に待つのだということを言われておるのであります。これが日本の防衛の、あるいは日本の安全を守るための基本だと、こう言われておる。今日沖繩が極東におけるかなめ石といわれのも、核基地であり核の抑止力によって自由陣営を極東において守っておるというところにその位置づけと役割りがあるということは、これは常識であります。であってみれば、今日沖繩が、核基地があり核の抑止力の重要なる役割りを果たしているということは、これまた間違いがないところであります。そういう私は位置づけに立ったときに、今日この核の問題について、核兵器の問題について、日本の外務大臣がそんなものは知りませんということで一体日本の安全と平和があなた守れると思いますか。そういうことで外務大臣としての責任が果たせると思いますか。明確にこの点について御答弁をいただきたいと思うのであります。
#34
○国務大臣(愛知揆一君) お話しのように、抑止力というものにたよっておりますこと、また、これに期待しておりますことはそのとおりでございます。しかし、その抑止力を持っておるアメリカ軍が、その施政権を持っておる沖繩の地域に、いかなる戦略配備といいますか、体制をとっておるかということについては、私の立場といたしまして承知いたしませんし、したがって御説明ができない、こういうようにお答えいたしたわけでございます。
#35
○鶴園哲夫君 大臣、これは核基地があるのかどうかという点についても伺っておるんです。それを含めて御存じないと言う。そういう話では、これは何ともこの委員会では審議するわけにはいかないですよ。かつて下田外務次官は、核つきなら沖繩の返還は早いだろうということを言って問題になったことがある。それは沖繩が核つきだということをはっきり外務次官が認めている。これは常識だ。中の配置がどうだとか、どういうものがどうだとかいう問題ではなくして、核基地があるかどうかかということについて御存じないというような外務大臣の話では、審議できないですよ。
#36
○国務大臣(愛知揆一君) いま申しましたように、抑止力にたよっているということはもうそのとおりで、これは非常に大切なことですが、いわゆる核基地ということについてもいろいろの、何と申しますか、意味もあろうかと思いまするし、そういうことも含めまして、私の立場で、沖繩が、おっしゃるような核がそこに存在している、あるいはいないかというようなこと、これについては私は確たる御返事はできません。
#37
○達田龍彦君 沖繩は日本の領土ですよ。施政権がアメリカの軍政府のもとに置かれておる。こういうわけであります。してみれば、日本の平和を守るためにどうしていくかということについて、これは日本の国内では核の問題というものはきわめて重要な基本的な問題である。特に日本の平和憲法の立場から考えても、核をもって日本を防衛する、あるいは日本の安全を守るということは、これは憲法から考えても明らかに違反であり、また被爆国民の国民感情からいっても許せないことである。そういう立場から考えると、日本は進んで核をなくする方向で世界に対して態度をきめ、そういう方向で世界の平和を守るということは、日本の国民として私は果たすべき役割りだろうと思うのであります。そういうことになりますと、日本の国土の中にあるアメリカの基地の中で、たとえ施政権がアメリカに渡っておろうとも、そういう国の憲法でありそういう国民の一致した意見であるとするならば、核基地が沖繩にあるかどうかを日本の政府として十分に見きわめて、それに立って日本の立場を明確にしていくのが当然の私は日本政府のあり方だと思うのであります。今日、こういうものがあるということはアメリカでも議会の中でいろいろ言われておるのであります。核基地であるということが言われておりますし、これらの兵器がすでに配備をされているということが言われておるのであります。まさにこれは常識であるにもかかわらず、日本の政府だけがこれをわからない、認めないというのは一体どういうことでありますか。まことにもって私はお話にならぬと思うのであります。そういう認識に立って沖繩の基地の返還あるいは沖繩の基地の態様をきめんとする外務省の考え方は、一体どこの外務省かこれまた私はわからぬのであります。どうでございますか、その点に対しての大臣のお考えは。
#38
○国務大臣(愛知揆一君) これはこういうふうにお考えをいただきたいと思うのです。現在沖繩はアメリカの施政権下にある。そしてそのアメリカの核を含む戦争抑止力に全体としてわれわれは依存しておるといいますか、自主防衛の足らざる、及ばざるところを担当してもらっておる。これは、現在そういう意味におきましては、アメリカがいわば平たく言えば責任者だ。その責任者でやってもらっておるところの沖繩において、いま現にいかなる配備、装備をやっているかということについて、現在まだ私としては実情を知りませんし、したがって、大切なことでございますから、これがいわゆる核基地であるとかないとか、どういう装備があるとかいうことは、私は知らないんですから、お答えができません。今後のことはまた別でございますけれども、私は、これはもうそれ以上にはこの点については申し上げることはできないわけでございます。
#39
○達田龍彦君 それでは大臣、そういうふうにおとぼけになるのであるならば、そういうことが客観的にもあるいは主体的にも、私は、言われておるということは事実であります。またこれは核基地であるということは常識である。その中心である日本の外務省だけが知らないということも、これまた私は非常におかしなことだと思うのでありますが、大臣にその気持ちがあるならば、では、アメリカに対して一体どういうものが沖繩の基地の中に配備をされておるのか、核兵器と核はどういう状態になっておるのか、十分アメリカに交渉をされるなり要求をされて、内容を明らかにされるようにする態度を持たなきゃならぬと思いますが、そういう決意がありますか、どうですか。
#40
○国務大臣(愛知揆一君) これは、アメリカに要請するというふうな、私はとらえ方はしたくないんでございます。なぜかと申しますと、私どもは早期に沖繩の返還ということを非常に願望しておる。返還後どういうことになるか、私は、沖繩を含む日本がどういう体制で安全を確保しなければならないか、また、日本及び沖繩と不可欠な関係にあるところの極東の安全ということに対して、いままでアメリカがどういう考え方で、どういうかまえをしておったのかということを私どもは知らなければ、沖繩返還後の日本の防衛安全ということについて確たる心証を得ることはできないし、また計画もできないわけですから、そういう点が、私は今後この重大な問題を進めるにあたってほんとうに真剣に考慮しなければならない点である、かように私は考えておりますので、この私の考え方につきまして御理解をいただきたいと思います。
#41
○達田龍彦君 では、今後基地の返還の問題に関連して基地の態様をおきめになるわけですね。その基地の態様をおきめになる日本政府が、基地の中にどういう兵器があり、どういう施設があり、どういう役割りを果たしておるかということがわからないで一体基地の態様をきめることができるのですか。実態を明確に把握をして、その上に立って一体基地はどうなければならぬという結論を出すのが、私は当然の筋道だろうと思うのでございます。まして佐藤総理は、日本の安全を守るために、あるいは極東の安全を守るためには沖繩の基地は非常に重要だ、そのためには日本みずからも必要であるということを言っておるのであります。しかも、自衛隊の足らざるところはアメリカの核抑止力によって日本の安全を守ると、こう言っておるのであります。その抑止力のかなめが今日極東においては沖繩であるということは、戦略的に見ても明らかであります。その重要なかなめの沖繩に、今日核兵器があるないということを日本の外務省は知らないというのは、一体どういうことでございますか。私は、そういう観点に立ったときに、今日核の配置が沖繩にあるかどうかを知らないで、一体基地の態様をどうおきめになるのですか。また、佐藤総理が言うところの、日本の安全を守るための沖繩の果たす役割りというものをそれほど重要視されるとするならば、その内容は一体何が重要なのか。私の考えるところでは、核基地としての役割りを果たしているところに最重点があるからその必要性を認めていると私は思うのであります。そのことは単に日本の安全の問題ではなくて、韓国との関係、台湾との関係、あるいはフイリピンとの関係、その他自由陣営の防衛条約の関係からこの必要が認められておることは間違いないのであります。どうですか、大臣。いま申し上げたように、基地の態様をおきめになるのに、その基地に何があるかわからないというようなことでどうおきめになるのですか。どうですか、その点。
#42
○国務大臣(愛知揆一君) それは、ですから、いまの私御説明申し上げたことで私は御理解いただけるかと思うのでありますけれども、さらに申し上げれば、そういう点をも含めて、科学技術の進歩ということ、あるいは国際情勢の分析というようなことを十分に検討しなければならない、これが非常に重大なことであると私は考えております。
#43
○達田龍彦君 そういう科学技術の進歩、あるいは国際世論、国内世論の動向、それも確かに私は態様をきめる場合については必要でありましょう。しかし、今日の沖繩の基地の態様がどうなっているのかということを明確に把握することも、これまた必要であります。先ほど一体化政策の中で総務長官が御説明になり、また、かなり詳しい調査報告書をまとめて出されているのであります。これは、復帰の際の摩擦を少なくするために、経済的な側面、制度的な側面、あるいはその他の側面ということで出されております。その一つ一つの側面に対して具体的な予算を組み、そうして一体化政策を進めておると、それは三年間の一応想定で進めているということを言われているのであります。こういうふうに沖繩の今日の実態というものをきわめて克明に、調査団を派遣して、いまとらえておるのであります。その上に立って沖繩の施政権返還後のあり方というものを十分検討していくという立場をとられているのであります。これは外務省が基地の態様についておきめになるのについても、一体基地というものはどの程度あるのか、どういう兵員の配置がなされているのか、あるいは軍艦や飛行機やあるいはその他の兵器がどれだけ配置をされておるのか、しかも、その配置されている兵隊やあるいは軍艦あるいは兵器というものは核兵器なのか通常兵器なのか、核兵器であるとするならば、核戦略の一環としての役割りをどう果たされているのか、こういうことを私は理論的に解明をして、そうして沖繩の今日果たす基地としての役割りについて日本がどういう態度をきめるかということを出していくのが当然の筋道であり、理論的だと思うのであります。そういう理論的な科学的な分析の上に立ってこういう重要な問題をきめなければならぬと思います。単に沖繩の領土の問題、あるいは施政権の問題は、御承知のとおり、沖繩だけの問題ではありません。日本全体の国の基本の問題であり、同時に極東の安全につながる問題であります。そういう重大な日本の基本の問題に対して、施政権がアメリカにあるから、基地がアメリカの自由に使われているから外務省は全然知りませんでは、一体話になりません。責任のがれもはなはだしいのであります。そういうことが国会の中で通るとお思いですか。どうですか、大臣、その点について。国民が納得するような説明をしてください。幼稚園の子供でもこんなことでは納得しませんよ。どうですか。
#44
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、それだから、これからこの問題について日米間でできるだけ話し合いを進め、そうして説明を求むところは十分に求めながら、返還後においてわが国及びわが国を含む極東の安全に対してどうあったらいいかというような態度というものがだんだんに盛り上がってくるのだと思います。私は、常識と申しますか、ただ単に沖繩は核基地である、そう断定をして、そうして、これだから返還後はそれが残るだろうとかどうだろうとかというような一つの考え方をきめるのは、いま私は早計に過ぎてはいけない、責任を感ずればこそ、これから全力をあげてこの問題に取り組みたいと思っておるわけでございまして、いま私は、責任を感ずればこそ知らざることは知らざることとし、また、今後の覚悟あるいはスケジュールをいろいろと考えておるわけでございまして、しかるべき時期になりましたならば、またいろいろとお話を申し上げることができると思います。
#45
○川村清一君 関連して私もお尋ねしますが、大臣の御答弁、先ほどから何回も繰り返されておりますし聞いておりますが、きわめて論理が通っていないと思うわけであります。なぜかならば、あなたは施政権の返還とその場合の基地の問題はやはり相関的に検討研究しておると、対米折衝の場合に、どうも結果ということはこれはこれから研究してということで、現時点においては結論を出されておらないと思うわけであります。しかし、基地の問題とは何かということ、基地の問題とは、要すれば基地を全く撤去してしまう、廃止してしまうのか、本土並みにするのか核つきにするのか、具体的に内容があるはずでしょう。現に議論されているわけでしょう。ですから、施政権返還というものと基地の問題を相関的にいろいろ検討されていくということは、施政権が返還された後において基地の態様がどうなるか、その態様なるものを、具体的に言うならばですね、一体本土並みなのか核つきで返ってくるのか、全然基地がなくなるのか、こういう問題になってくるわけです。当然そうでしょう。そこで、達田委員の御質問はむずかしいことではないのです。沖繩には核兵器があるのか、あるとすればどういうような核兵器があるのか、こういう質問だろうと私は聞いておるのです。ところがあなたは何回もですね、繰り返して、核があるかどうかは私は知らない、こういう御答弁です。核があるかないか知らないで、それじゃ基地の問題を具体的にどう何を検討されておるのでしょうか。基地の態様をどうするかということを具体的に何を検討されておるのでしょうか。何を研究されておるのでしょうか。あなたの御答弁はほんとうにこれはもう論理が通っておりませんし、そういう御答弁では、達田委員ではありませんが、幼稚園の子供でも納得がいかないだろうと私は思います。
#46
○鶴園哲夫君 これ外務大臣ね、あなた、その外務省の当局からはそういう話は聞いていらっしゃらない、まだ聞いてないというお話かもしれないが、しかし、そういうことでは通りませんですよ。それはどうも何か役人的な身がってな話のように聞こえるのですね。通らない、そういう答弁では。知らないことがこれから外務省のアメリカとの折衝の上でいいんだというお感じだろうと思うのですけれども、それは通用しないと思う。あまりにその辺は身がってなように私は思うのですがね。
#47
○国務大臣(愛知揆一君) 御批判はいろいろいただきますけれども、やはり私は、現在の立場、現在の状況においては、沖繩にいかなる態様の核があるかということを含んでどういう体制になっているのかということは私はほんとうに知りませんから、知らないことは知らないと申し上げておるわけでございます。
#48
○達田龍彦君 では、一つだけいま大臣の御答弁の中で前進したことがある。それは、いままでは、知らぬ、しかし返還を前にしていまからアメリカといろいろ資料をいただいたり交渉する中から明確にしていきたい、その上で、先ほど言われた三つの条件を含めて基地の態様をきめたいと、こう言われたのであります。そうすると、アメリカとのいわゆるレールを敷く折衝の中では、基地にどういうものが配置されておるのか、核兵器があるのかないのか、核の基地になっておるのかどうかということについても、十分アメリカから資料をいただく。あるいは同時に、アメリカと交渉して明確にしていくということになると思うのでありますけれども、そういう態度をおとりになったときに、その点が明確になったごとにあなたは国会で明確に御説明いただけますか。
#49
○国務大臣(愛知揆一君) これは今後の問題でございますから、確たることは申し上げにくいのでありますけれども、やはり先ほどから申しておりますとおり、私の根本的な考え方というものは、沖繩を返還してもらいたい、もらった以上は、沖繩を含み、まず第一義的には日本の絶対的安全をどうして確保していくかということを、つとめて検討して確信を得なければなりません。そのためには、いろいろの点を確かめるべきところは確かめ、また、わがほうとしてやれることは、これまたわがほうとしての確信を持った体制を整えなければなりますまい。その辺のところは、冒頭にも申し上げたとおり、今後のスケジュールとして、日米間で徹底してひとつ論議をかわし意見を交換していく中からそれらに対する考え方というものがだんだん固まってくる。また、そうしなければ、ほんとうに責任のある、国家の存亡というか、存立の基礎要件であるところの安全ということ、これを確立していくことは私はできないと思います。
#50
○達田龍彦君 では、いずれにしても、今後の交渉、折衝の経過の中で、基地の態様、とりわけ核兵器、核基地の問題をアメリカ側との折衝の中で明確にしていく時点で国会に対してその態様を明らかにする。確約できますかどうですか。
#51
○国務大臣(愛知揆一君) それは今後のいろいろのこれは対米関係だけではございません、日本国内のいろいろの問題もございますが、しかるべきときにおきまして、もちろん国会にも、私ども確信を得るに至りましたならば、当然お話を申し上げるわけでありましょうし、また、国会を通して国民のできるだけ一人でも多くの合意を求めるような努力は当然にしなければいかん、こういうふうに考えております。
#52
○達田龍彦君 私はこれは当然のことだと思います。この核の問題は、日本の基本になる問題であります。憲法との関係においても、これまた基本になる問題であります。そういう問題を、秘密である、特に、軍事上の問題であるということで国民の前に明らかにしないで基地の態様をきめるごときは、絶対にこれは許せないことでありますから、いま御回答がありましたように、ぜひ国会の中でもその時期で明確に御説明をいただいて、国民の前に明らかにする、こういうふうに積極的な御努力を期待をいたしたいと思うのであります。それで、私はいまこの外務大臣とのやりとりの中で非常に感じたことは、前の外務大臣と比較をしたときに、この核の問題あるいは基地の態様の問題等については、もう二年も三年も後退をしたような印象を受けてしようがないのであります。まあ、今回三木外務大臣がおやめになってあなたが外務大臣になられたんでありますけれども、どうしてあなたが外務大臣になったんだろうかということをいま考えてみると、いま申し上げたように、前の大臣は少し私見を交えて言い過ぎたんで、それじゃ困るので、ちっとも前進をしない、あまり私見を言わないあなたを選んだんではないかという気も私は実はいたすくらいに、いまの回答からは、核の問題にしても、基地の態様にしても、非常に後退した、うしろ向きな、国民の前に明らかにすることをむしろきらうような態度に対して、私は非常に不満を抱くのであります。
 そこで、さらにお尋ねをいたしておきますけれども、沖繩にB52が今日離着陸をしておる。すでに長い期間にわたって配備されておる。そうして戦闘行為、作戦行動を展開をしておる。このことを大臣はお認めになりますか。
#53
○国務大臣(愛知揆一君) B52が発着しておりまする事実は認めます。
#54
○達田龍彦君 では、このB52は、軍事兵器のたてまえから言えば、またアメリカの戦略体系から言えば、核戦略体系から言えば、いわゆる戦略核兵器であることは間違いございませんね。どうですか。
#55
○国務大臣(愛知揆一君) その辺も、私は正確には捕捉しておりません。しかし、これも先ほどのお話ではございませんが、アメリカ側の説明によりますれば、御承知のように、ベトナムにおきましても核兵器は使用しておりませんし、B52が先般事故を起こしましたときも、核弾頭の爆弾などは積んでいなかったことは事実において証明されているように思います。
#56
○達田龍彦君 B52が、それはアメリカが言うところの戦略爆撃機かあるいは戦術爆撃機かということは、作戦行動によって違ってまいりますけれども、B52そのものが核兵器を搭載できる、核弾頭を装てんできる飛行機であることは、これは間違いございませんね。この点について否定されるとするならば、これは一体どういうことを外務省、考えているのか、私、いよいよわかりません。どうですか、その点。
#57
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、軍事的なことはまだ十分勉強しておりませんから、何ともお答えできません。
#58
○達田龍彦君 外務大臣として、B52が今日どういう機能を持ち、どういう種類の、どういう性格の爆撃機であり、しかも、アメリカの核戦略の中でどう扱われているかということを知らないで日本の外務大臣としてつとまると思いますか。どうですか、その点。B52がどういう爆撃機かということを御存じなくって日本の外務施政をされるということは、私は非常に不安です。どうですか、その点。さらにお尋ねをいたします。
#59
○国務大臣(愛知揆一君) それですから、まことに微力でございまするが、これから大いに勉強をいたしまして、外務大臣をつとめさせていただきたいと思っております。
#60
○達田龍彦君 全くひとり芝居をしているようで、私も、この沖繩特別委員会で、私どもは情熱を傾けて、国民の中にいま一番問題になっていることを知ってもらいたいということで取り組んでおるわけでありますけれども、全くいまの大臣の御答弁では、これでもって日本の将来の根本的な方向と方針をきめる沖繩問題を担当する外務大臣として一体これでいいんだろうか、国民が一体こういう状態をどう思うと思いますか。まことに私はこういう状態を国民の前に明らかにすることもこれは一つの国会の役割りでありますけれども、きわめて情けない気持ちがするのであります。まあ、いずれにいたしましても、B52が核弾頭を搭載できる核兵器であることは、これ間違いありません。そのために、いま御承知のとおり、沖繩ではこのB52の持つ核兵器としての戦略的な問題、さらには最近事故を起こしたようでありまして、これに対する国民的な、あるいは県民的な不安と恐怖の今日状態にありまして、これの即時撤去ということをいま政府に対してアメリカと交渉するように強く働きかけておるようであります。
 そこで、このB52の撤去の問題について私はさらにお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、三木外務大臣当時は、そのB52はいまベトナム戦争がきわめて激化をしておるという情勢の中における撤去は非常に困難である。また、あの日本海におけるプエブロ事件に関連をして、核の抑止力でもって反共軍事同盟の一翼としてB52が沖繩にグアム島から配置をされたことも事実であります。ただ、恒久的にそういう状態が続くかどうかは別にいたしましても、今日そういう必要性に基づいて戦略の一環としてこれが配置をされてまいっておることも事実であります。今日、朝鮮問題もほぼ終結をいたしておりますし、また、ベトナム問題についても終結の方向であり、いまのところ私は戦術、戦略的に見ていっても、沖繩にB52を配置したときの条件や目的はほぼ達成をされ、その危険性というものが非常に少なくなっているのじゃないかと思うのであります。そういう観点から立てば、事故も起こし、恐怖と不安を今日持っている状態でありますから、日本政府としてはこれに対して沖繩県民のほんとうの気持ちをくんで、この際アメリカに対して早急にB52の撤去を要求すべきであると私は考えるのでありますけれども、外務大臣としてどうお考えになりますか。
#61
○国務大臣(愛知揆一君) B52の問題につきましては、先ほどの御意見や私の所見はともかくといたしまして、とにかくこれは沖繩の県民の気持ちを考えてみました場合には、ほんとうにこれはやりきれない思いがすると思います。私特に新しい主席の訴えも直接にも伺いまして、ますますその気持を強くしたわけでありますが、したがいまして、就任早々でございましたけれども、アメリカのジョンソン大使を招きましたときに、特に緊急な問題としてこれを取り上げまして、私としても、アメリカ側の、何と申しますか、われわれの気持ちを十分に理解して善処するように申し入れをいたしました。ジョンソン大使は、沖繩を恒久的なB52の基地にするつもりは毛頭ない、これはアメリカ政府の見解である。このことはすでは前大臣当時、あるいはもっと前からも事務的にも申しておったことではございますけれども、私自身といたしましても、きわめて緊要な最先の問題として取り上げて、とにかく公式に再確認をいたしたわけであります。取りつけたわけであります。
 それから第二は、いまもお触れになりましたけれども、国際情勢といいますか、極東の情勢がB52の発進を必要としなくなるような情勢をつくり上げることにお互いに最善の努力をしていきましょう、こういうことでございました。ともかくも就任早々でございました。これで決して私は満足しているわけではございませんけれども、日本政府の態度というものをあらためて明確にし、かつ、これは一ぺんの申し入れや一ぺんの会談で事足りるものではございません。その後の沖繩における状況等を私どもも十分、何といいますか、見詰めながら、できるだけの配慮をして少しでも早急に沖繩県民の不安、これを除去することにつとめたい、全力をあげて立ち向かってまいりたいと思っております。
#62
○達田龍彦君 このB52の即時撤去という問題については、大臣もこれに対してはきわめて熱意を持って当たりたいという決意のようでございますので、ぜひひとつ早急なる解決のために努力をお願いをしておきたいと思うのであります。
 それからもう一点は、沖繩の那覇港においてコバルト60が検出をされておるのであります。これは長崎県の佐世保においてもいま調査をし、ではないかという疑いを持たれているわけでありますけれども、このコバルト60が検出をされた原因、何に基因をしているのか、原子力局長がおいでのようでありますから、お答えをいただきたいと思うのであります。
#63
○政府委員(梅澤邦臣君) 当庁といたしましてもこの件に関しましては特に直接調査したわけではございませんが、私たちがとりましたいままでの実情からいたしますと、琉球政府及び米民政府が共同で八月七日から十一日まで那覇港を調査したわけであります。そのときに調査しました分析データの情報をとりますと、コバルト60は水の中にはございません。それからどろの中に一九四プラスマイナス二一ピコキューリー――ピコキューリーといいますと、ゼロがマイナス十二つくわけでございますが――という人体には全く影響ない程度のコバルト60が検出されたということの情報を伺っております。
#64
○達田龍彦君 原因は何ですか。
#65
○政府委員(梅澤邦臣君) これは情報をとりましたので、私たちは原因はどうかとここで申されますとあれでございますが、コバルト60の一般的利用といいますか、いまの用途関係から見れば疑いがあるということを考えておられる専門家の方々もいらっしゃるというのが現状の考え方だと思います。
#66
○達田龍彦君 いま原子力局長から言われたように、どろの中から検出をされておる。これは御承知のとおり、那覇港は原子力潜水艦の基地になっておるのであります。数次にわたる原子力潜水艦のいわゆる第一次冷却水、排出しますところの冷却水がもとでこのコバルト60が検出をされておると実は私は認識をいたしておるのであります。これに対してこれまた沖繩の住民の皆さんは自分の生命にかかわることであるということでたいへん不安と恐怖を持っておるのが今日の県民の偽らざる気持であると思うのであります。そこで私は日本政府として、こういう状態でありますから、これに対して日米でもってこの原因究明をまず共同でやるべきではないか、そうして沖繩県民の不安をこの際除去すべきではないか、こう思うのでありますけれども、大臣はどうお考えになりますか。
  〔委員長退席、理事内藤誉三郎君着席〕
#67
○国務大臣(愛知揆一君) この問題につきましても、実は先ほど申しましたB52と同様に早速取り上げまして、米側に早速申し入れもいたしました。で、私の考え方といたしましては、アメリカ側の言い分としては、十分米琉共同調査をやっておるし、それから海底のどろその他のサンプル調査にいたしましても、わざわざアラバマ州にある研究所まで送って、そしてその結果は公表しているのであって、科学的に人畜に対しては全く無害であると、向こうの言い分としてはこう言っているわけです。しかし、私の考え方といたしましては、それはそうかもしれないけれども、沖繩の県民の、ことばは練れませんけれども、素朴な皮膚に触れる感じとして納得していないのです、実際問題として。ですから、安全なら安全性というものがそれらの人にほんとうに納得ができるように最善の努力をすべきではないか、何かきめのこまかい方法はないだろうかと、とりあえずのところ。たとえば日本側が、本土側が何らかの形で参加をするとか、あるいは現場においてもっと早く調査の内容その他を的確に公表し、科学的知識の乏しい人たちにもわかりやすいような説明ができるとかいうような何かよい方法はないだろうか。これはとりあえずの措置でございますよ。とりあえずの措置であってもそういうことが必要である、こういう趣旨のことを申しまして、先方もそういう点についてはとくと早急に検討をするということを約束いたしております。これも先ほど申しましたように、その程度のことで私はとうてい満足はできませんので、なお今後の状況等も十分見詰めならがらこの沖繩県民の方々のとりあえず不安というものをできるだけ少なくするように最善の努力を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#68
○達田龍彦君 このコバルト60が人体に及ぼす影響というのは、これは専門的に科学的に見ていけば非常におそろしい被害を出しておるわけでございますから、特に私は、この日本の佐世保の港の場合については、五月の状態から、監視体制、調査体制の強化をはかる、一面では、覚書によって、緊急の場合を除いて第一冷却水は放出をしない、こういうことになったようであります。これに対しても私は、原因の究明がなされないままにそういう措置をとられたことについてはきわめて不満であります。したがって、沖繩の問題については、一番いい方法は、原子力潜水艦が那覇港に寄港しないということが一番いいんでありますけれども、いまの日本政府の立場ではそういうことはできないというのが常識だろうと思うのでありますけれども、そういう立場から考えたときに、今後沖繩におけるこの問題に対しては、これは人道上の立場です。法制上の問題だとか、あるいは条約上の問題、あるいは政治上の問題じゃないのです。イデオロギーの問題でもないのです。あくまでもこれはそれ以前の人道上の問題でありますから、早急にひとつ監視体制の強化をするとか調査を的確に行なって、そうして監視体制、あるいは調査体制を確立をしてそういう県民の不安がないようにつとめるような最善のこれまた努力をしてもらいたい、こう思いますが、どうですか。
#69
○国務大臣(愛知揆一君) この点については、昨日衆議院の外務委員会でも話が出ましたのですが、十月二十二日のいわゆる覚書でございますが、
  〔理事内藤誉三郎退席、委員長着席〕
これは法制的に言えば、そのままずばり沖繩に適用されるかどうかといえば問題ございますかもしれませんが、アメリカ側としても、あるいは日米間で合意に達しました覚書はこのまま実質的に沖繩にも、何といいますか、アプライされる、こういう確言を得ております。したがいまして、この点についてはとにかく一応の考え方は合意ができておるわけでございますが、今後、先ほど申しましたように、具体的なきめのこまかい措置等につきましてなお一そう考えてみたいと思っております。
#70
○達田龍彦君 ちょっと聞き取れなかったのですが、この前佐世保の原子力潜水艦の汚染の問題のときに、外務省が日米間で協議をなされた覚書を交換されておりますね。この覚書を交換された内容は沖繩にもいわゆる援用されるといいますか、適用されるというか、こういう確約がなされておる、こういうことでございますか、そういう理解でいいですか。
#71
○国務大臣(愛知揆一君) そのとおりでございます。
#72
○委員長(伊藤五郎君) 上林君。
#73
○上林繁次郎君 最初に一言大臣に申し上げておきたいのですが、先ほどから聞いておりますと、大臣は、責任を感ずればこそ慎重にと、こういうことを言っております。私に言わせれば、慎重だからいわゆる答えられないのだ、おくれているのだ、こういう考え方は私は間違っている。逆に言えば、ほんとうに重大なこういう時期、問題にあたって、大臣としてやはりどれだけかのものを持っていなければ、私はこれは交渉に臨む資格はないのじゃないか、こう思うのですが、そういう意味で、いままでの、責任ある立場であるから答えられない、またおくれているのだ、こういうことはかえって、逆に言えば怠慢である。ほんとうに激動している、流動性の早いそういう国際情勢の中にあって、あなたがやはりそれに対処するだけの姿勢というもの、こういうものを持っていなければならぬ立場じゃないか、こういうことを強く感じたわけであります。そういったことを一言申し上げまして質問に入らしていただきたい、こう思います。多少ダブる点があるかもしれませんが、ひとつその点は御了承いただきまして、めんどうがらないでひとつお答え願いたい、こう思います。
 御承知のように、日米共同声明以来、佐藤総理は沖繩返還ということについてはその当時、両三年、こういうふうに言っておりました。そのうちにめどをつけるのだ、こういうふうに言ってきたわけでありますけれども、すでに一年間を経過したわけであります。一昨日の予算委員会におきましては、この両三年がしたがって一両年、こういう間にめどをつける、こういうような発言があったわけであります。この沖繩返還の問題については、何といいましても返還という問題が一つの大きな問題点であります。そこで、この返還ということ、このめどということについては、日本国民はその全体がと言っていいくらいにこの一両年の間に返還されるのではないか、こういうような考え方を持っている傾向が強いと思うのであります。この点やはり、むずかしい論議は別として、端的にこういうことであるという点を私は国民の前に明らかにしてもらいたい、こういうふうに思うわけでありますが、その点、ひとつお答え願いたいと思います。
#74
○国務大臣(愛知揆一君) 端的にお答えいたしますと、双方の合意ができまして来年の秋ごろ佐藤・ニクソン会談ができますれば、そのときにいわゆるめどを煮詰めたい、これが佐藤総理の希望でもあり、また、そうしたい、どうかしてめどをつけるようにしたいということで進んでおるわけでございます。したがいまして、御指摘のとおり、あの当時の共同声明から言えば、両三年でめどをつける、これが一両年になった、そのとおりでございますが、ひとつできるだけそのめどということは来秋の佐藤・ニクソン会談で、何と申しますか、ほんとうにめどをつけるようにいたしたいと考えております。
#75
○上林繁次郎君 いまの大臣が答えられたことについてはまたあとでお尋ねするとしまして、そうしますと、この一両年の間にめどをつける、こういうことは、一両年たって、その間にアメリカといろいろ話し合った上で、その上でそれから後、三年後であるとか、あるいは五年後であるとかいうことが初めて明らかになるのだ、こういうふうに考えていいわけですか。
○国務大臣(愛知揆一君) 最終的な返還の時期がいつになるかということは、そのめどがつきましてから先のことになろうかと思いますが、そこがいわゆる早期返還を期待するところでございまして、なるべく早い機会に、しかし、いまお述べになりましたが、これを何年というふうに断定してかかることはまだ何とも申し上げにくいところでございます。
#76
○上林繁次郎君 私はそこが問題だと思うのですよ。いま先に申し上げたように、返還のめどは一両年の間につける、こういうことです。早期返還という立場、これは国民全体が望んでいる立場です。そういう立場から、錯覚を起こした、あるいはその錯覚を起こしているほうが悪いのかもしれない、一両年の間に返ってくるのじゃないか、こういう一つの大きな期待があるわけです。ですから、そういう点で、いつになるかわからないという考え方は私はまずいのじゃないか、やはり、こちらがどれだけかのものを持って、アメリカと話し合うにしてもそういうものがなければならぬと、私はこういうふうに思うわけです。そうなりますと、それから一両年たった後に返還の時期というものが話し合われる、こうなる。その場合、最悪の場合ですね、いろいろな問題が発生してくるかもしれない。これはアメリカのいろいろな諸情勢によって当分返還ができない、こういうようなこともあり得ると思うのですがね。そういう点ではどうですか。そういう考え方は、絶対そういう心配はないということになりますか。
#77
○国務大臣(愛知揆一君) そういう心配はないように持っていきたいというのがいまの私どもの願望であり、また、先ほど錯覚云々というお話がございましたが、実は錯覚じゃなくて、国民の希望というものが、ほんとうに一日も早く施政権が返還されるということではなかろうかと思いますが、そういう点を十分胸に入れ、また、その辺は総理自身もよく胸に入れてあると思いますので、なるべく早い機会にということで進めてまいりたいと思っております。
#78
○上林繁次郎君 先ほどの質問の繰り返しのような形になるわけですけれども、やはり六月には外務大臣がアメリカに行かれるようなことも聞いておりますし、秋には総理が訪米すると、こういうことを聞いているわけです。そういう時点でこういうふうに思いますとか、ああ思いますという希望的な観測というのは、これはもう全然いわゆる主体性がない。こういう時期にあたって、もう少し明らかないわゆる姿勢というか、具体案というか、こういうものを私は練られておってもいいのじゃないか、こう考えるわけです。そうなりますと、早期返還、早期返還ということを、国民全体が早く返ってくるという考え方を持っていることだけは間違いないわけですから、にもかかわらず、いまのお話ですと、一両年たってそれから初めてこの返還の時期が決定されていく、そういう方向に向かっていくのだ、しかし、それもいつになるかわからないということは、いままでの、何となく一両年の間に、めどをつけるというそのことばがまやかしのような錯覚を起こさせてくる。ですから私は、そういう意味で、この辺のところを明らかにしていかないと国民をだますことになってしまうのじゃないか、こういうふうに言いたいわけです。そうなりますと、あれですか、一両年の間にいろいろ話し合いが済んで、そのめどということはそれから後に二年たつか、三年たつか、あるいは五年たつか、十年たつか、その返還の時期はわからない、こういうことになりますね。そういうふうに考えてよろしいわけですか。
#79
○国務大臣(愛知揆一君) これは、ただいま申しましたように、できるだけ早期ということで私どもは話を進めてまいりたいと思いますが、何しろこれは話し合い、交渉事でもございますから、その間いろいろまた議論もあろうかと思いますが、それを克服して、とにかく早期返還に取りつけることにしたい、こういう基本姿勢であるわけでございます。しかし、いま御意見のありましたところは、私はごもっともの点が非常に多いと思います。十分ひとつ胸に入れましてこれからの作業を進めたいと思います。
#80
○上林繁次郎君 私が言うまでもなくおわかりなんですが、きょう私は、希望的な観測、これは確実性がない、当てにならぬ、相手のあることですから。いままでのいわゆるアメリカとの関係性からいっても、できるだけ早く、早期に返還してもらおう、こういうふうに考えている、そういうふうに努力するということは、けっこうなことです。だけれども、そうなるという何ものもない。ですから、私は、このいまの時点でそれに臨む以上は、あと二年しかない、いずれにしましても、もっともっといわゆる日本政府として、こういうふうに交渉していくのだという、こういうものをもういまごろはどれだけかの具体案というものは練られていなければならぬ、こう申し上げたいのです。これは先ほどから申し上げているとおりなんです。で、もしそれがないとするならば、日本のそういう明らかな態度がないとするならば、それはアメリカと話し合っても何にもならぬ。結局はアメリカ追随外交であるとかなんとかということを言われるゆえんはそういうところにある。で、結局はこの沖繩返還もアメリカの言いなりになる以外にないのじゃないか、こういう感が深いわけです、あなたのいわゆる答弁によれば。ですから、そうでない、秋に臨む以上、あなたはまた六月に行く以上、もうこの辺のところまでいわゆる日本としてのこの沖繩返還に対する態度は固まってきているのだというものがなかったら私は国民は納得しない、もちろんわれわれも納得できない、そういう点を申し上げているわけであります。そうなると、なんですか、アメリカに行って、その時期が来たときにはアメリカの言いなりになる以外にはないのだ、こういうふうに解釈していいのででか。
#81
○国務大臣(愛知揆一君) アメリカの言いなりになるというのでは毛頭ございません。あくまで話し合いでこの処置をつけたい。それには向こうの考え方もございましょう。その妥当なるものはいれなければならないものもありましょうけれどそれも、あくまでこれは日本の立場としては主体的、自主的な立場、それがいわゆる世論の動向も十分洞察しながらということも含まってくるかと思います。その点は、私どもとしては一番大事な基本姿勢だと思います。言いなりになるのではなくて、こちらの考え方、また納得し得る考え方ならばアメリカ側の考え方もいれて話し合いのケリをつけなければならぬ、まあこういう考え方でございます。
#82
○上林繁次郎君 いま大臣がおっしゃったように、アメリカの考え方もあろうと思うしという、こういうことなんですね。じゃ日本の考え方はないのかと、その日本の考え方をさっきから聞いているわけです。あなたが、アメリカの考え方もあろうしと、アメリカの立場だけを考えているような発言なんですね。ですから、そうでなくて、日本の立場、日本の考え方は、どういう考え方をこれに対して持っているのかということを聞いているわけです。その時期的にいっても、もう早期返還、口では早期返還というけれども、その交渉する姿勢というものがこちらには何にもないのでは、これは何にもならないという、そういったことを言っておるわけでして、そういった点から、こんなことを議論していますと、堂々めぐりでいつまでたったってらちはあかない。もっと私は早急にそういう態度を、日本としての沖繩返還に対する態度というものをもっともっと明らかにしていくべきである、国民の前にそういった点をもっと明らかにすべきである、ごまかしのような姿じゃなくてですね、こう申し上げたいわけです。そうなってきますと、返還のめどめどと言うけれども、そのことば自体がいかにも早く返ってくるような感じを与えるわけです。返還のめどということは、それは話し合いをやるという、それだけのことなんですね。返還のめどということは、それから先のことは何にもわからない。だから結局は、秋ごろまでには総理もアメリカに行って、あるいはここ一両年の間にアメリカと話し合うのだと、何もいわゆるその返還の時期ということにはその話し合いということは関係がないことだ、語弊があるかもしれないが、そういうふうな感じを抱くわけですけれども、そういうふうに感じて、そういうような考え方でよろしいわけですか。めどということです。
#83
○国務大臣(愛知揆一君) めどということは、まああくまでめどでございまして、これにいろいろ解釈をつけることはいかがかと思いますが、同時に、先ほど鶴園さんの御質問にもお答えしたのですけれども、私は、その早期返還ということが、これはもう一致した願望であると、したがってそのめどをほんとうに裏打ちして実体的な回答を出すようにしなければならぬ、これが一つの大きなわれわれの使命であると思います。同時に私は、やはり日本の国の安全を確保するということがもう国家の存立の決定的要件だと思うのです。先ほどもいろいろ御議論がございましたけれども、私としては、沖繩を含む日本、そして日本と不可欠なる極東の安全ということが返還後においても安心のできるようなかまえにどうやったらなるであろうか、しなければなるまいかということを、ほんとうにとくと検討を一方において十分にしてかからなければならないと思うのでございまして、考えれば非常にこれはむずかしい問題である。それだけに、私は先ほどもしばしばおしかりを受けましたが、現在のところは白紙である。しかし、こうして国会の御論議を通じ、またいろいろの御意見を伺うということが、またわれわれのこれから交渉に臨む態度をつくり上げる上におきましては非常に有益である、私はそういうことで考えておるわけでございまして、いまこの時点で一つの案というものをきめてかかるということはいまの段階では当を得ないのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございまして、結局これを字にしてみれば、やはり国民世論の動向、そして国際情勢の変転、あるいは核を含む科学技術がどういうふうに今後見通されるであろうかということを掌握して、そして自主的な立場でわれわれはかくあるべきであるという態勢を固めながらアメリカとの話し合いに入る、同時にまたわれわれの考え方を固めていきます上にも、先ほど御指摘がございましたようなことも含めて、やはり向こうのアメリカの考え方あるいはわれわれの現在とっている措置というようなことも十分に参考にしていかなければなるまいかと、こういうわけでございます。そしてもう一つ大事なことは、われわれの態度は、一つの案を固定して、これでいくかこれでいかないかというような対決で事を処理すべき問題ではないんじゃないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#84
○上林繁次郎君 結論が出そうもありませんので、ただ一言だけ申し上げておきたいんですが、この返還のめどと言う以上は、いわゆるほんとうに返してもらうという、いつ返してもらうんだという、そういうものを含めたものであるというふうに、常識的に言っても、私はそういう考え方をだれしも持つと思うんです。何もわからないけれどもめどだけつけるという、その言い方というのは、考え方というのは、おかしいんじゃないかと、こう思うわけですがね、めどということについては。そういった点で、私はいままでずっとお話を申し上げてきたわけです。そこで、いま大臣のおっしゃったように、諸情勢、いろいろな点が重なっておる、ですから早急にこれをきめるということは非常にむずかしい問題である、こういうようなことをおっしゃいましたね。それでは、むずかしいむずかしいと言っていて、六月にはあなたが渡米すると言われている。十一月には首相が――秋には首相が渡米するという、そういう時期を現在迎えている。行くからには、何らかのものを持っていなければならぬと思う。日本の立場としてのいわゆる具体策というものを持っていなければならぬ。そういう具体策、具体案というものは、あなたはいつごろ――あなたが六月には行く、秋には総理が行く、それまでの間にそういった態度を、そういったどれだけかのものを持っていなければならぬわけですから、それをきめる時期はいつごろが適当だとあなたは考えているんですか。大体、その場になってあわててやったでは、これほどの大事な問題をそのときになってがたがたがたがたやるというその行き方はおかしいのであって、当然それ以前に日本の姿勢というものが固まってこなければならぬ。そういう意味で、あなたがそういうふうに言うならば、その時期に日本の態度を決定していく――決定まではいかないでしょうが、相当なところまで進んだ具体案というものをつくり上げていく、その時期は、また国民全体に発表できるその時期は、いつごろになるんですか。
#85
○国務大臣(愛知揆一君) これは、先ほど来申し上げておりますような私どもとしての問題の取り上げ方をいたしておりますから、いま確実に何月とか、あるいは、先ほど申しましたように、これだけが一つの案であって、これにイエスかノーかというようなアプローチのしかたをすることもいかがかと思う点もございますから、それらを含めてやはり現在のところは白紙だと申し上げざるを得ません。しかし、これも、先ほど申し上げましたように、一つの日程的な目標は、来秋総理が佐藤・ニクソン会談をやりたいと、こういうことを表明いたしておることは、御承知のとおりでございますので、それまでの時期に、もうあまり時日もございませんけれども、私どもとしてはいろいろのことを考えて誤りなき態度をとるようにしたいと思っているわけでございます。
#86
○上林繁次郎君 もういつまでこれを繰り返していても切りがなさそうですから、この辺で切り上げたいと思うんですが、で話題を変えまして、ここに日本本土と沖繩との一体化に関する基本方針について昭和四十三年十一月五日の閣議決定がございますが、この中で、「一体化の対象としては、とくに教育、社会福祉、産業基盤整備、市町村行財政などに重点をおく。」、こういうふうにあります。なかなか広範囲にわたる問題だと思いますね。先ほどからも話がありましたけれども、沖繩というところはあらゆる面でおくれておるところであるということは、われわれ周知のとおりであります。で、その前を見ますと、「沖繩の本土復帰に備え、本土と沖繩との一体化は来年度以降おおむね三カ年間で完了する。」、こうありますね。で、専門家筋の話を聞いても、経済の問題一つ考えても、沖繩経済を、これを本土並み、日本並みに持ってくる、日本の類似県、そういったところに持ってくるには、経済一つ考えてもおそらく十年はかかる、こういうふうに言われておる。そういう問題を、閣議では「おおむね三カ年間で完了する。」というふうに言っておるんです。これだけ大きな問題、経済一つ考えてもそうだ。そのほかいろいろな大きな問題をかかえて、ほんとうに三年間でこれが実現できるかどうか、その確信のほどを私は外務大臣からお伺いしたいと思います。
#87
○国務大臣(愛知揆一君) これは、御承知のごとく、主として総理府が担当を実際上はいたしておる問題でございますが、われわれももちろん一体となって進めてまいりつつあるし、また今後も努力を新たにしたいと思いますが、できるだけ早く格差の是正、それから福祉の安定、こういう点については、御案内の佐藤・ジョンソン会談で成立いたしました諮問委員会におきましても、一方においては三十一項目にわたる勧告もすでに出ておりますようなわけでございますから、日米琉協力して進めてまいりたい。具体的に申しますと、これは予算の問題もございますが、四十四年度におきましても、相当の額は確保しなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#88
○上林繁次郎君 私は、そういう抽象的な、努力するとかなんとかいうことを聞いておるわけではないんで、ここで動かすことのできないいわゆる閣議決定に基づいて、おおむね三年間でこれらの施策を完了するという、こういうふうにうたわれているんだ、それに対して、いま申し上げたように、専門筋でもこういうふうなことを言ってるんだ、そういうことを考えたときに、ほんとうにこういったことが実現できるかどうかということを私はお尋ねをしておるわけです。
#89
○国務大臣(愛知揆一君) いまも山野局長にも私ここでも確かめたわけでございますが、政府としては、三年間にここに盛られた大綱は完成する、こういうことを申し上げることができるようでございます。ただ制度的なものとかあるいは技術的な問題で多少あとに残るものもあろうかと思いますが、基本的な姿勢は完成をするということで推進をいたしております。
#90
○上林繁次郎君 そうなりますとね、本土並みだとか一体化ということからいうと、少しズレが出てくると、こういうふうに考えますね。そういうふうに考えてもよろしいですね、本土並みとは言えない。一体化というけれども、実際はそうではないんだ、こういったところが残ってるんだ、こういうことで本当の一体化はできないんだという、そういった考え方でこの点はよろしいわけですね。
#91
○国務大臣(愛知揆一君) まあ必ずしもそうも言えないのでございますが、若干の問題があとに残ることはあり得る。しかし、基本的には三年間で完成する。なお、これは相当具体的な問題でございますから、山野局長から御説明を補足して行ないたいと思います。
#92
○政府委員(山野幸吉君) いま外務大臣から御答弁いたしましたように、一体化の基本的な問題は全部三カ年で完了したい。これは要は、現在沖繩の置かれておる行政水準を本土の行政水準に合わしていく、それを大体三カ年でやりたい。もちんろ、いままで沖繩と本土で相当格差がございます。これも解消しなければいけない。これは返ってきたあとで、あるいはまた一体化が完了したあとで、奄美にとられましたような復興計画等によりまして、たとえば奄美復興五カ年計画がございました、あれと同じ考え方で、復興計画でやっていかなければいけません。それまでの間、とにかくこのおおむね三カ年の間に行政水準、福祉の水準をさしあたり本土と同じようにする、こういう考え方でございます。
#93
○上林繁次郎君 ちょっとそれは私はおかしいと思うのですが、ここに何と書いてあるのですか、「沖繩の本土復帰に備え」――「備え」ですよ。復興計画と言えばなるほどそうかもしれない。だけれども、返還された後に、という話がいま出てきた。ここではそんなことはうたってないのです。そして一体化ということは、先ほどから外務大臣が言ってるように、いまからやっていく問題ですよ。返還後の問題じゃない。そういったことを踏まえて見ると、あなたの言ったことは自語相異で、自語相異というか、閣議決定とちょっと筋が違うような感じがする。
#94
○政府委員(山野幸吉君) いや、先生が御指摘になられますことと私はあまり違ってないと思っております。要は、沖繩の本土復帰に備えまして、現在ある沖繩の水準――行政水準の低いのを一体化施策を通じて本土と同じようにしたい、これが基本でございます。それを三年でやりたい。
#95
○委員長(伊藤五郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#96
○委員長(伊藤五郎君) 速記を始めて。
 春日君。
#97
○春日正一君 時間があまりないから端的にお聞きしますけれども、さっきも問題になった、施政権の返還のめどをつけるときに基地の態様もきめる、この問題ですね。これは外相のきのうの発言では、ワン・パッケージだというようにお答えになった。これはあたりまえだと思うのですけれども、総理の予算委員会の答弁を聞いてみると、とにかく早く返すこと、早く返すことが大事だと、基地の態様はそのあとでもいい、そういうような印象を受けるわけですが、これは非常に大事な問題ですから、外相と総理との間に食い違いはないのか、外相の言われるのがほんとうなのか、この点お答え願いたいのです。
#98
○国務大臣(愛知揆一君) これは先ほどもお答えいたしましたように、問題の取り上げ方は、私どもの見当は、あくまで総合一体的に取り上げていきたい。しかしながら、いかなる態度で対米交渉を始めるかということになりますと、これはまだそこはどういう形でいくかということはきめておりませんけれども、総理の言われることと私の申しましたことには違いはないと思います。
#99
○春日正一君 そこで、なぜこういうことを心配するかといいますと、自民党総裁選挙のときに佐藤総理は、本土並みなんて言っておったらなかなか返ってこないのだというようなことを言われて、三木さんを外相にしておったのは不明の至り、というようなことまで言われて、あれ以後新聞なんかの報道を見ても、結局政府が国民に投げかけておる問題の立て方というのは、とにかく早期の返還か、それとも本土並みになればおそくなるかもしらんけれども本土並みにするか、どっちにするかという形の問題の扱い方が非常に強い。そこでお聞きしているわけですけれども、そうすると、基地の問題はワン・パッケージできまるのだけれども、しかし、これは現状のままでということもあり得るということですか。
#100
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、われわれの最も望ましき案といいますか構想を固めます場合には、どうしても関連する問題を総合的に一体的に考えていかなければならないと思いますが、それは多少私のことばが足りなかったかもしれませんが、それを何かこの対米折衝のときにそれでぶっつけていくのかというと、そういうことまでは私は考えているわけじゃございませんで、われわれの考え方をとりまとめるときのこちらのあれとしては、あくまでも総合一体的に取り上げていかなければならない、しかし、どういうふうに処理をするかということにつきましては、それはまだ今後の問題である、こういうふうに考えるわけでございます。
#101
○春日正一君 そこで、先ほど来、そういうことをきめる場合に、科学技術の進歩、それから極東の情勢、あるいは国民世論の動向というような三つの要素を勘案しておきめになるということをずっと総理も言われておるのですけれども、その場合、国民世論というものの中に、私どもは安保条約も反対だし、沖繩は軍事基地撤去して全面的に返せということを主張している。しかし、これは共産党だけでなくて、この間の参議院の選挙のときに新聞社の調査した東京と香川の世論調査を見ても、日本の本土には米軍基地は必要だというのが三六%、それから香川県で二五%。それから不必要だというのが東京で六〇%、香川県で五〇%。それからアメリカにたよるかたよらんかという問題では一九・六%たよる、香川県では一六・一%。中立を守るというのが東京で六六%、香川県で六五%なんですね。この中に「注」をして、自民党の支持者が、東京の場合は中立を守るというものが五一・二%、香川県で六一・四%というような数字が出ているのですね。だから、これは国民の間で非常に広い世論だ。これが厳密に正確なものかともかくは別として、広い世論の中にそういうものがあるということになれば、基地の態様をきめる場合、やはり沖繩県民の安保反対、基地反対、無条件即時全面返還、これが選挙の投票ではっきりしているわけですし、これが日本本土の国民の中でもやはりそれと方向を一にするものが多数だということになっておりますと、やはりこの動向も当然考慮されるのかどうか、あるいは自民党の方針に反するからこういうものは論外だということになるのかどうか、その点お聞きしたいと思います。
#102
○国務大臣(愛知揆一君) 短かい時間のときにいまの御質問に長々とお答えするのは省略いたしますけれども、まあ、簡単に申しますと、私の考えは、日本が憲法のもとにおきまして、徴兵なき、海外派兵なき体制、これはあくまで厳守していかなければならない。そうしてわれわれの認識によれば、それだけではまだ国際情勢が許しそうもないから、そこで安保の抑止力にたよっていると、いわば私はこれは混合方式とでも言うべきものじゃないかと思います。これはただいま世論調査にお触れになりましたけれども、私どもの考え方というのは、やはりこれが基本の、国家の存立を維持し、確立するゆえんであると、私はかように確信いたしております。したがいまして、沖繩の問題を扱います場合も、その体制の中で施政権が返還されていくことが望ましい、こういう考え方でいるわけでございます。
#103
○春日正一君 で、その問題、非常に大事ですけれども、時間がありませんからこの一つの質問だけで終わりたいと思うのですけれども、いまの外相の答弁を聞いていても、やはり国の安全ということを言われる。極東の安全ということを言われる。国民だって国の安全、極東の安全を考えないで中立を言い、あるいは基地撤去を言っているわけではないと思うのですよ。だから、そういう点で、あなた方の御答弁の中には、国民のこういう要望に対してどう判断するのかということがちっとも出てこない。そこ、非常に問題だと思うのです。この問題は、あとであれしますけれども、最後に、先ほど来繰り返し言われているのですけれども、基地の態様をきめて、大体対米交渉に臨む態度をはっきりきめて出す時期ですね、来秋総理が訪米されるその前に、外務省が中心になって準備をされる。これはほぼ訪米のときは準備完了のときだと思うのです。そうすると、少なくともこの次の通常国会の会期中まあ五月の中ごろまでですか――そのころまでには国会にちゃんと、政府としてはこういう態度で臨むんだというようなものを出して国会の論議に供するというようなお考えがあるのかどうか。国会済んでからさあっと行ってしまうということにするということは、非常に議会制民主主義の上からいってまずいと思うんです。その点どうですか。
#104
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申しましたように、日程それ自体をまだきめておるわけでもございませんしいたしますから、確たることは申し上げられませんが、御趣旨のありますところは私も十分胸に入れて対処いたしたいと思います。
#105
○春日正一君 終わります。
#106
○委員長(伊藤五郎君) 本調査に対する本日の質疑は、一応この程度といたします。
    ―――――――――――――
#107
○委員長(伊藤五郎君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#109
○委員長(伊藤五郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#110
○委員長(伊藤五郎君) 速記を起こして。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時三十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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