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1968/12/20 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
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1968/12/20 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号

#1
第060回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第2号
昭和四十三年十二月二十日(金曜日)
   午後一時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月二十日
    辞任         補欠選任
     瀬谷 英行君     大和 与一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柳田桃太郎君
    理 事
                高橋文五郎君
                平島 敏夫君
                松本 賢一君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                後藤 義隆君
                中山 太郎君
                宮崎 正雄君
                山本敬三郎君
                安永 英雄君
                大和 与一君
                横川 正市君
                多田 省吾君
                岩間 正男君
   国務大臣
       自 治 大 臣  野田 武夫君
   政府委員
       自治政務次官   砂田 重民君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部長      皆川 迪夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査
 (選挙制度に関する当面の諸問題に関する
 件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柳田桃太郎君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日は、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として大和与一君が選任されました。
#3
○委員長(柳田桃太郎君) 野田自治大臣及び砂田自治政務次官から発言を求められておりますので、この際これを許します。野田自治大臣。
#4
○国務大臣(野田武夫君) 私は、先般内閣改造にあたりまして、自治大臣兼北海道開発庁長官に就任いたしたのでありますが、選挙制度の問題につきましては、かねてから格別の御高配にあずかり厚くお礼申し上げます。
 御承知のように、今日、選挙制度につきましては各方面から金のかかる選挙の実態に対して強い批判があるところであります。
 国民の政治に対する信頼を確保するためには、政党の近代化、組織化及び国民の政治意識の高揚につとめるとともに、個人本位の選挙から政党本位、政策本位の選挙に転換することが必要であると考えております。
 政府は、昭和三十六年以来、選挙制度審議会に対して、選挙及び投票制度に関する重要事項並びに選挙区制その他選挙制度の根本的改善をはかるための方策について諮問し、同審議会は逐次、審議の結果を答申されております。
 政府といたしましては、これら答申の趣旨を尊重しつつ、その具体化につとめてきたところでありますが、なお、残されている案件につきましては、すみやかに成案を得て、御審議を願う所存であります。
 また、制度の改善合理化と相まって国民一人一人が主権者としての自覚を持ち、高い選挙道義を身につけることが、選挙を明るく正しいものにするためには、欠くことのできないものであります。
 政府といたしましては、このため、選挙の浄化運動を今後一層広く深く国民の中に浸透させていく目標のもとに、民間における各種推進団体との提携強化をはかり、国、地方公共団体と民間団体が、力を合わせて効果的な啓発方策を講じてまいる所存であります。
 何とぞ、今後ともよろしくお願い申し上げる次第でございます。
#5
○政府委員(砂田重民君) このたび自治政務次官を命ぜられました砂田重民でございます。当委員会御所管の問題、たいへん重要な段階でありますだけに、その責任の重さを肝に銘じております。懸命になって大臣を補佐いたしてまいります決意をいたしておりますので、先生方の御指導、御協力のほどを心からお願いを申し上げましてごあいさつといたします。
#6
○委員長(柳田桃太郎君) 野田自治大臣のただいまの発言に対し、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○横川正市君 実は時間がないので、ずばりそのもので聞くのですが、さきの赤澤大臣は、公職選挙法並びに政治資金規正法を、党内のチャンピオンでこいつをつぶして、そうしてその論功行賞で自治大臣になったかのごとくに、私どもは一般国民とともに印象づけられました。だから今度の自治大臣は、その意味で、所信の中におそらく、はからずもではなくて、自治大臣になったことに対して、いわば意義を感じて就任をされたと思うのでありますけれども、残念ながらこの所信表明の中に、政治資金規制の問題について一言も触れておらないあいさつを出しております。単に形式的に三十六年以降の選挙制度審議会の云々ということだけでは、実は私ども、これからおそらく起こるであろう事態に対して、少なくとも民主政治の土台である選挙を、公正に、しかも金のかからないそういう選挙をやるのに必要な法律案件の成立、これに一体どの程度の熱意を持っているかについての具体的な内容をお伺いすることができませんので、これはもっと具体的に現状をどういうふうに認識をされて、どう対処されようとするのか。ことにあなたは自由民主党の代議士として、これは政務次官も同じですけれども、恩赦には賛成したのですか、賛成しなかったのですか。少なくともいま、ある裁判官が裁判の中に係属――選挙違反として取り扱い中に恩赦というものが出されたために、その公正な裁判を行なうことに対して、これはどうもいかがわしい結果ではあるけれども、従わざるを得ないといって、裁判上では事実上これは無罪の判決をくだしたという、そういう事態が出てきております。一体この公職選挙法という法律があり、それに違反したという者のいわゆる取り扱いについて、どういう態度をとっていかれるのか。少なくとも私どもは、この点でずいぶん長い時間かけてこの委員会では論議したわけですけれども、そういう点から、所信の中にはもう少し、自治大臣になったということの意義を十分知っておられる立場に立って、今日の選挙法あるいは政治資金規正法、これは一体どうしますというくらいなことは言うべきではないかと思うのであります。自治大臣としての任期が一体いつまでなのか。まだよくその任期がどうだということははかり知れないかもしれないけれども、少なくとも任期中にはこれはやりますと、しかもやらなければならないという問題をかかえているのがこの公職選挙法なんじゃないか。しかもその中で与党の責任きわめて大なるものがある。さきの国会でも、つぶす先頭に立ったというのが与党側の立場でありますから、そうすれば、そういう立場をたてまえにして、まあここでは公正厳正なと、あるいは金のかからないなんというが、ではそのことはどういう気持ちでこれからやっていかれるのか。これはもう就任のときですから、別に私のほうで大臣のしりをたたくつもりはありませんけれども、決意をもう少し具体的に聞きたい、そう思っておるわけであります。ことにさきの大臣は、答弁をするときに、実は私どもの考え方はもう皆さんの考え方と同じなんでありますけれども、自由民主党の中に実は反対があってどうしようもないのですと、これがもうその就任から退任のときの直前までのこの委員会でのあいさつなんであります。これはたいへん私は、まあ苦衷のほどはわかっても、いただけない態度じゃないかと思っております。あなたはだいぶ気骨があるということを聞いておりますし、気骨の面では党内随一というわけですから、ぜひひとつこの際に、まあ腹を切れとまでは言いませんがね。これはやらなければ日本の政治というものにもう百年の悔いを残しますというやつを、だれかがやらなければこいつはできない問題だと私は思いますので、ひとつ二点、明確にしながら御答弁をいただきたいと思います。
#8
○国務大臣(野田武夫君) 恩赦の問題から先に申し上げます、順序として二点のうち。
 これはもう党とか何とかでありませんで、これはもう政府のやったことですが、これは明治百年を記念して、国家的な意義にかんがみて行なったと、つまり基本的には、その当時の意見として、大赦とか政令による減刑というようなこともありましたが、やはりいろいろな情勢にかんがみて、政府といたしましては、政令による復権を個別恩赦によりこれを行なう、こういうつまり諸般の情勢にかんがみてなされたものと思うのであります。したがって、今回の恩赦が直ちに国民の間に選挙違反というものを軽々に考えている、そういう風潮があると、こういうようなことは、これはいろいろもちろん私も見方があると思いますが、今回の恩赦自体は、やはり順法精神と申しますか、及び法秩序の維持の必要性、刑事政策、こういうものから考えて今回の恩赦の挙に出たものと思うのでありまして、決して選挙違反というものを軽く見た結果でもってこの恩赦が行なわれたと、こう私は考えてはおりません。
 もう一つの問題は、政治資金規正法改正の問題でございますが、これはもう十分御承知のとおり、二回にわたって廃案となっている、新大臣はどう考えるかという非常な強い、迫った御質問でございますが、私は率直に申します。この選挙の非常な公正、合理性、こういうものから見れば、私はただ政治資金規正法を改正すればそれが成り立つと思っておりません。これは選挙法全体、制度、区制その他にも触れてやることが私は現在の選挙法から見まして当然必要なことじゃないかと思っております。しかし、この政治資金規正法というものも非常に重大な意義を持っているということも知っております。したがって、私といたしましては、今日までの経緯にかんがみて、これをなおざりにするということは、これは国会における御質疑また御意見も相当出ておりますし、また、国民の世論と申しますか、これも相当な影響を持っておりまして、私は必ず政治資金規正法は通常国会に提出しまして、そうしてその実現をはかりたいという心がまえでもってこの法案に対処したいと、こう思っております。
#9
○横川正市君 まあこの問題に関する限り、どうも政治の立場を異にしているんだと思うんですね。たとえば安全保障条約を締結するときに、あなたたちは、全面講和か片面講和かというような基盤から安保へのずっと論理を発展させて、これはいわば段階論もありますし、よりベターな問題もありますし、いわばとらえ方としては、そのときに最も現実に具体的に適応したとらえ方が政治だと、こういうふうに言うわけなんです。ところがこの選挙法に関する限り、もう制度、たとえばこれはまあ一人一区制の制度の確立がどうだとか、あるいは政党法がどうだとか、いろいろなことを言って、それをやらないから今日選挙法やら政治資金規正法ができないんだと言う。いわば、普通の政治論議をするときには私たちに防波堤になるような論議を、今度は逆に、選挙法や政治資金規正法のときには逆手に使って、これに理由――説明書きを書いてくるという、その態度が実際私は納得しないわけなんですよ。たとえば、こんなものはおそらく与野党でもってやりましょうといえば、二十四時間、これはいいこと、だからやりましょうといえばたちまち国会も、法律になることは私は受け合いだと思う。前の赤澤自治大臣も話してまいりました。イギリスのあの過酷なと言われるほどにあなたたちから見れば考えられるであろうあの選挙法が出てきたのも、政党が全体的に反対をしたが、一人の正義を尊重する議員の手によってあの選挙法が確立された。まあそういう先訓もあるんで、私はあまり、全体を見ながら――これはもう大切だけれども、まあまあというかっこうでの制限ということはとるべきじゃない。これはだれかがどろをかぶって、だれかがやらないと日本の政治ってものはよくならぬですよ。そうは思わぬですか。私はこの席上に刑事局長を呼んで、実はもうたくさんの資料を見せたかった、あの袋の中に入れた。何々でございますという、タオルも配ってる、マッチも配ってる、それから重箱も配ってる、げたも配ってる、いろいろなことをやってる。ちゃんとそれには――自分の名前を入れないと宣伝にならないから、自分の名前で配ってるやつを、ぼくは現実に刑事局長に見せようと思ったら、刑事局長は事前に、いや、実はそれはあっちこっちでやってる問題ですから、ぜひ委員会では出してくれるな、と言う。私たちは法律をつくってる側なんだけれども、いまのやつは、三島県令ですか、あれが言うんじゃないけれども、私の目の黒いうちは、自由党と強盗とはこれは頭を持ち上げ申しそうろう、とかいう、これにならったかっこうの選挙法が生きてるわけですよ、いま事実上は。だから警察官のこの選挙に対する異常な関心というのは、いわばこれは今日の法律の持っている私は性格だと思っている。それでいいということでは、私どもはやはり今日の民主政治の土台というものは築けないだろうと思っているわけですよ。どういうかっこうでどろをかぶってくれますかという私の質問は、いわば大局論だけでなしに、できるものであったらやろうじゃないかと、きょうはたまたまあなたのほうへ財界から直言、党へ直言したというのは開聞以来初めてのことだという同友会の木川田さんの文書がありますね。これはごらんになったと思う。その中に明確に、選挙資金の問題についてはこれは具体化しなさいと書かれている。私は、本来、私たちから見れば財界というのはあなたたちからずいぶん利益をこうむっている。財政インフレ政策でもって、どんどん物をたくさんつくるけれども少しも物は安くならない。本来経済の原則からいえば、たくさんつくれば安くなるのに安くならない。それはなぜかといったら、インフレ策を講じながらいまのことをやって、それで財界というものはもうけているのだから、どんどん自民党に金を出すのはいいじゃないかとわれわれは思っていた。ところがその財界が、今度は選挙資金問題については早くきめなさいと言われるほどに、今日はこの問題は大きくなっているのだと私は思うのですよ。だから、通り一ぺんの答弁なら、私はいまの大臣の答弁で納得しますが、この委員会が口をすっぱくして――そのとおりでございますと言ったことが実現しないできたのだから、これは就任のあなたに、一体これはどういうふうに取り組んで、しかも期間は通常国会が二十七日から百五十日間、この間にぜひひとつこれはやりたいとか、明確なことをひとつ言ってもらいたいと思うのですがね。言えないということになりゃそれは言えない原因があるのですから、その原因は何か。実は金をかけないと私は落選しますということを言うのか。そんなことなら、私どもはこの議会の立場としては納得しない立場だと思うのですよ。
#10
○国務大臣(野田武夫君) これは横川さんに別に議論しようなんで毛頭思っておりません。私は再再話が出ましたからざっくばらんに申し上げます。この政治資金規正法もその一つですが、まあいまの選挙は、お話のとおり非常に欠陥があると思うのです。これは本格的にひとつやはり、これは決して与党とか野党でなくて、少なくとも直接関係のある国会全体において……。私は従来から非常に不満に思っております。いまのお話のとおり、いまの法体制では、何かしらんこの選挙というものは窮屈で、それからやかましくて、それから取り締まりの対象になって、何かしらん陰うつな気分を持っている。これは全体の感じです。だから、こういう選挙のやり方というものは私は非常に間違っている。選挙というものは、やはりみんなが自由活発に、これはひとり資金の問題でなくて、ことに演説会何回やっちゃいかぬとか、文書はどうだという、こういう制限も私はおかしいと思う。私も終戦後、選挙制度委員になったことありますが、そのときは社会党の方もおられまして、結論は、そのときはいろんなことが出まして、いまの規正の問題でも、そのときは私はいろいろ異論がありましたけれども、社会党さんも相当異論があったが、小選挙区に決定した。そのときの委員会でございましたが、別に小選挙区でなければならぬということを私は言っているのではございません。区制なんかどうすべきかということは、最も合理的に、大選挙区がいいか、中選挙区がいいか、小選挙区制にするか、比例代表制にすべきか、もう少し私は論議を尽くすべき問題が残っている。中途はんぱだと思います。それから選挙全体に、いまいろいろお話がありましたが、金のかかる選挙、それをどうかというと、実態、あるいは選挙費の関係でもはたしてととのっているかどうか。これは別に金をよけい使うというのではなくて、もう少し選挙というものが明るく、ガラス張りで公明正大にやれる方法を考えるのが基本じゃないか。私は、おこられるかもしれませんが、政治資金規正法が出ましたときに、党内で、これは非常に必要だと、これは一つは社会情勢からしても、国民のつまり選挙に対する考え方としてこれも必要だと、同時に私は根本的なこともやるべきだ、やらないのはどうも、これは政治資金規正法でもって選挙がりっぱになるとは思えない、もう少し基本的なことをやるべきだと、こういう考えを持っておりました。しかし、政治資金規正法に反対だということではなくて、同時にやるべきだ、そこまでやらなければどうも、私は決して選挙制度審議会の方にかれこれ言うのではありませんが、もう少し結論をつくっていただきたいという非常に希望を持っておりましたが、御存じのとおりであります。そこで、いま御指摘のありました、それはいろんな議論になりますから避けますが、政治資金規正法につきましてももう二回も廃案になるなんということは、これは国会の信義といいますか、国民に対する信頼といいますか、そういう意味においてもこれはあまり好ましいことではない。何も経済界からそう言ってきたからどうこうというのではございませんで、少なくとももうすでに二回も出した政治資金規正法であるから、これだけはひとつ日の目を見せたい、実現させたい、こういう私自身の意欲を持っているということは、はっきり申し上げておきます。
#11
○横川正市君 私の時間がないから、あとはひとつ、これから通常国会に入って当然この委員会で論議をされる問題として、第六次選挙制度審議会への政府の態度の問題とかなんとか、これは後日に譲って質問いたしますが、できるだけひとつ初心――年をとられている人に初心というのはどうもおかしいですけれども、自治大臣になられたひとつ意義を十分お考えいただいて、選挙制度の前向きな取り組みをしていただくように、きょうは私の質問は以上で終わりといたします。
#12
○松本賢一君 時間がありませんので、私はいまの横川さんの質問を補足するような意味で一言だけお伺いしたいと思います。
 いま大臣の答弁を伺っておりますと、先ごろよく新聞に出ておりました車の両輪論というものにちょっと似通っているような気がするのでございます。ということは、政治資金の規制をやると同時に、根本的な問題も解決していかなければならない、そう考えておると大臣はおっしゃった。それと一方また大臣の、政治資金の規制の問題はああいう成り行きになっておるから、どうしても次の国会では自分はやりたいという決意を持っておるという御答弁と、何かちょっと矛盾したような御答弁のようにも聞こえるので、その点をひとつ確認しておきたいのですが、両輪論というものが一方にあるけれども、いまはそういうことでなしに、とにかく成り行きというものはこうなって、国民に対する政府の責任というものがあるわけだから、今度の通常国会では政治資金規正法だけは必ずやりたいという決意を持っておる、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
#13
○国務大臣(野田武夫君) 松本さんの、何かそこがあいまいだったという御懸念のようでありますが、私が言いましたのは、先ほど横川さんが、警察の取り締まりとか金がかかるというようなお話でありまして、それならば基本的にやるべきだ、これだけでは、つまりほんとうに公明正大な選挙、金のかからぬ選挙は、この政治資金規正法だけでは不備だ、これはふだん思っていることを、真意を申し上げたのです。しかし私は、いま御指摘になりました車の両輪論ですね、これでなければ政治資金規正法をやらぬという意味じゃなくて、少なくとも二回もこれが廃案になっておる。現実的に国民もこれを注目している。だから少なくとも、いま横川さんの御指摘もありましたが、現実的にいまのわれわれの今日の成り行きを見てみますと、いろいろ理想はありますけれども、なかなかすぐ第六次審議会をやりましても容易でないことも知っておりますし、少なくとも今日まで大きな政治問題になっておりました政治資金規正法の改正は、これは私やりたい、別に離してやりたい、決して、両輪論というのとは違います。基本的な考え方は、これだけじゃ不備だけれども、不備であっても、これは今日大きな政治問題になっておりますから、この解決をはかる必要がある、こう認めておりますから、少なくとも通常国会において、これを提案して御審議を願いたいと、こう考えております。
#14
○松本賢一君 それじゃいま答弁がありましたので、通常国会でぜひやるんだという御決意を確認して、私質問をきょうは終わります。
#15
○多田省吾君 まず初めにお聞きしたいと思いますのは、先ほどもお尋ねがあったようでございますが、政治資金規正法は先国会におきましても廃案になっております。しかし、第五次選挙制度審議会におきまして、緊急に措置すべき事項として答申案が出ているわけでございます。また、先ほどもお話があったように、経済同友会からも、自民党に直言ということで規制に踏み切るべしと、こういうお話もあったようでございます。やはり国民の世論というものも、佐藤内閣に、政治資金規正法はなぜ早くできないのか、こういう強い要望もございます。通常国会に出されるということでございますけれども、問題はその内容でございます。前自治大臣も一回出したあの骨抜き案を同じように出されるようなお話でございましたけれども、先ほどからお伺いしておりまして、野田新大臣は相当前進的なお考えもお持ちのようでございますから、たとえば公開の原則につきましても、三年後に公開の原則を貫くというようなものではなくて、やはりすぐさま公開の原則は貫くべきだ。現在の個人の会費なんというものは会費として全然届けられておらないわけでございます。そういった点は非常に不明朗であると思います。それで公開の原則を徹底するために、三年後と言わず、やはり法案の施行と同時に公開の原則に踏み切るべきであるとも思いますし、また総額の規制にしましても、青天井で全然上の限界がない。こんなことではやはり非常な後退でございまして、私たちは私たちの意見を持っておりますけれども、少なくとももう最高は二千万円ぐらいですとか、そういった天井は設けるべきじゃないか。こういう少なくとも一歩前進のいわゆる法案を期待しているわけでございます。大臣といたしましては、この前と同じ案を出されるおつもりなのか、また少しは前進した案を出そうと思っていらっしゃるのか、その辺のところをまずお伺いしたいと思います。
#16
○国務大臣(野田武夫君) 私はこの前の案の内容も存じております。御指摘のような点も、各方面の御意見のあることも存じておりますが、まだ就任早々でございまして、案の内容の検討が進んでおりません。しかし、私の気持ちから申しますと、一歩でも二歩でも前進したものを出したいという気持ちはございますが、しかし今日の場合まだ深く検討いたしておりませんので、具体的にお答えする段階に入っておりません。
#17
○多田省吾君 この前も選挙の自由化については、やはり政治資金規正法改正案と一緒に出ているようでございますが、その自由化の問題も、テレビでやるとか、あるいはもっと演説会をふやすとか、それからチラシも配っていいじゃないかとか、いろいろ文書や演説の自由化、あるいはテレビの活用等も、これは答申案にも出ておりましたけれども、これはずいぶん望まれているわけでございますが、大臣として、同じように自由化の法律案も通常国会に提出できますかどうか。それも、この前よりも一歩前進したものを期待できるかどうかお伺いいたしたいと思います。
#18
○国務大臣(野田武夫君) 私も、実は選挙の自由化というのは非常に望ましいことだと思っております。ことに、いま一々申し上げなくても御存じですが、たとえば、もうテレビがここまで普及してきたら、テレビを使ったらどうだというぐらいのことはもう常識になっておりまして、先ほど申しましたように、言論、文書というものはもう少し自由にしたい、こう私自身考えておりますが、しかし、この前、前国会に提案されました法案が、第五次選挙制度審議会の答申に基づきまして、全部は一ぺんにやれぬから、さしあたり改善する必要があるものを盛り込んだ、こういう報告を聞いております。したがって、これも検討いたしまして――これも率直に申しますが、私個人の考えているような飛躍的なことができるか、またいろんな審議会の答申の内容をもう少し検討いたしまして、大体さしあたって改善する必要があるという観点に立ちますと、そうこの前の提案の内容よりも非常に進んだものが出るかどうかということはお約束いたせないのです。まだよく見てみなければなりませんし、あまりいいかげんなことを申し上げることは避けたいと思っております。また、その点も先ほど申しましたようにまだ検討しておりませんので、はっきりしたお答えができかねますが、いずれにしても、前国会に提案されました法案は、そういう趣旨は、さしあたって改善する必要のあるもの、こういうことだということを聞いておりますから、それを一ぺん検討してみたいと思っております。
#19
○多田省吾君 次に、おとといの衆議院の選挙法特別委員会でも質問があったそうでございますが、いわゆる参議院地方区の定数是正の問題で、総理大臣また前自治大臣は、次の参議院選挙から施行できるように定数是正を考えたいと、このように確言しているわけでございますが、いわゆるそのスケジュールでございます。昭和四十六年度の参議院選挙となりますと、もう四十四年度である来年の通常国会か、またその辺で当然改正案も提出されなければならないと思いますし、またスケジュールも立てなければならないと思います。さしあたりそういったスケジュールを、大綱でよろしいですから、考えておられるのかどうかお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(野田武夫君) ちょうど選挙制度審議会がいま中断していると申しますか、どうしてもできるだけ早く第六次の選挙制度審議会を開きたい。当然この選挙制度審議会にかけてその結論を得なければなりませんが、私のいまの考え方は、参議院の地方区の定員のアンバランス、これは全体申しますと全国的にも関連するかもしれませんが、少なくともいま御指摘になりました地方区については、これは従来の経過からかんがみまして、ぜひ次の参議院の選挙までに間に合わしたいというスケジュールをもって、選挙制度審議会なんかの審議を進めたい、こう考えております。
#21
○多田省吾君 大臣のきょうのごあいさつの中にも、選挙の浄化運動を今後一そう広く深く国民の中に浸透させていく目標である、このようにおっしゃっております。しかし、この前、明治百年の選挙恩赦で、選挙の啓発事業というものはただでさえたいへんなのに、なお一そうたいへんになったと思うわけでございます。しかも、前自治大臣は、閣議の席上でも全然それに対して反対の意思表示をされなかったように聞いております。こういった方針で、ほんとうに国民は今後の選挙の啓発事業をどうやっていかれるつもりかということで、やはり自治省に対して深い疑念を持って見守っているわけでございます。大臣として、今後そのような啓発事業に対してどういう基本方針を持って臨まれるか。また、選管も非常に一省一局削減で弱体になっているようにも思いますので、選管にもっと主体性を持たせて、指導主事というようなものを置くお考えはないかどうか、この二点をお伺いしたいと思います。
#22
○国務大臣(野田武夫君) 御指摘のように、やはり国民の選挙に対する認識、それからこれに対する理解というものは非常に必要であることは当然であります。それにはやはり啓蒙運動を行なわなければならぬのでございますが、これは民間の推進諸団体ができておりますし、また非常に熱心にやっていただいておりますが、民間団体との密接な連絡をとりまして、強力なひとつ運動を展開するようにはかりたいと思っております。同時に、役所の選挙事務関係でございますが、これはもう一局廃止ということでありましたけれども、今日、陣容は何ら局のあるときと変わっておりませんし、またさらに充実する必要があると思いますから、指導主事の問題その他につきましては、十分検討してみたいと思っております。
#23
○多田省吾君 実は前自治大臣が、この前委員会におきまして、公明党はどうも集団移動しておる疑いがあるので調査してみたいという放言をなさいまして、この委員会でも追及したのでございますけれども、そういう発言がもし許されるならば、だれだれ氏は汚職の疑いがあるから、公明党として追及する考えだなんていうことを、そのうわさに乗じて発表したならば一体どうなるか、こういうことを考えますと、非常に前自治大臣の発言というものは公明党の名誉を傷つけたと、このように言わざるを得ないと思っております。前々から、永久選挙人名簿になっても、あたかも集団移動をなしているがごとき、またなさんとしているがごとき、あるいはなしたごとき発言をする方が間々ありますけれども、私たちは、少しも証拠がないのに、またやってもいないのに、そういったようなことをおっしゃるのだったならば、今度告訴しようじゃないかというような強行論も出ているわけでございます。どうかひとつ自治大臣としましては、前自治大臣のようなお考えはないと思いますけれども、そういった点を実情を把握されて、集団移動というようなごときものは行なわれ得るものであるか、また行なわれていたことが少しでもあったのかどうか、そういったことを調査されて、ひとつよく認識していただきたい、これが一点。
 それから委員会の席上でも、総理大臣も、代々の自治大臣も、そんなことはあり得ない、そういうことを確言されているようですので、その点も、きょうは無理でしょうけれども、調査の上、御検討いただきたいと思います。
 それから、来年の七月までに住民基本台帳と選挙人名簿の照合が行なわれなければなりませんけれども、スムーズに移行できるものかどうか。現在問い合わせて調べた結果でも、人口二十五万一千、有権者十六万三千、ところがそのうちの二万五千人、一割五分は台帳か名簿のどちらにも載っておりません。一般的にはこの人口の二、三割にも及んでいる。これで住民基本台帳と選挙人名簿の照合の正確性が期せられるものかどうか、これをお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(野田武夫君) 私は、多田さんの御指摘になりました点は、そのようなことがあってはならないし、あることは好みませんし、いま多田さんからそういうことはないのだということでございます。重ねてそういうことはないことを望むものでございます。いま実態調査に入っておりますし、そういう調査の明年七月以降の選挙人名簿の登録は、住民の基本台帳の記録に基づいて行なう。したがって、これらにつきましては政府委員から詳しく御説明申し上げます。
#25
○説明員(皆川迪夫君) 来年の七月までに選挙人名簿の調製を住民基本台帳に基づいて行なう、こういう制度に移るわけでございます。私たちもその事務の移行が円満にいきますように、かねてから各市町村の選挙管理委員会に対して、現在の選挙人名簿と住民台帳の登録がどの程度合致しておるか、もし不一致の点があるならばどういう理由によってそれがなされておるのか、またどちらに間違いがあるのか、その正しいほうに合わせるように調査をすることを口やかましく依頼をしておるわけであります。いまおっしゃいましたように、豊橋の例を御指摘になりましたけれども、確かにそういう事情はあるようでございます。ただその中には、法律の仕組みが違うために、たとえば名簿に載っておる人がよその市町村に移動しますと、名簿のほうは抹消しませんけれども、住民台帳は抹消されるというような、当然起こる食い違いも含まれておるようでございますので、十分調査して円滑な移行に移りたいと思っております。
#26
○渋谷邦彦君 一点だけ。きょうは大臣が拘束されておりますので、非常に残念でありますが、また後日にいろいろ御質問申し上げたい。
 ただ一点、数日前、大臣は、第六次選挙制度審議会の発足にあたって、三月ごろをめどとしてやりたい。ただし、現状としては委員の選考が非常に難航しておる、こういう表明のようでございました。一体いつごろをめどとして発足されるのか、またなぜその人選が難航しているのかという問題これは答申尊重という上からも非常に重要な意味を持つものでございますので、その点をきょうは明らかにしていただいて、私の質問とさしていただきます。
#27
○国務大臣(野田武夫君) いま審議会が中断いたしておりまして、非常に遺憾でございます。しかも、こういう重要な選挙制度審議会でございますから、一日も早く発足したいと念じております。しかし、渋谷さんも御承知のとおり、内閣改造がありまして、就任早々でございまして、まあ委員を委嘱するには、一応前の委員の顔ぶれ、いろんなことも考慮に入れなくちゃなりません。その選考する時間が、実はもうすぐ臨時国会に入りまして、これはざっくばらんに申しますが、とてもこれは年末までに行なえない。そこで、重要な審議会委員の皆さまでございますから、ひとつ相当従来の経過から見て慎重に御委嘱をしなくちゃならぬ。大体のめどは、一月から始めることでございますから、一ヵ月でできれば非常にいい。おそくとも三月までにやらなくちゃならない。決してのんびりしておるわけじゃございませんし、なるべく早いうちと思いますが、まあ一月、二月くらいまでにできればと思ってやっております。しかし、なぜそう申し上げるかというと、一人でも二人でも、なかなかやかましくなりますとすぐ時間がかかりますから、どんなにおそくても三月までには第六次審議会が開かれるように段取りしたい、そういうことでございますから、これからこの国会が済みますと、これらについて検討をいたしたい、こう思っております。
#28
○委員長(柳田桃太郎君) 岩間君、時間がないので御協力を願います。
#29
○岩間正男君 大臣が就任された第一の仕事として、私はぜひこれは解決してほしいと思うのですが、それは東京都の都議会の定数の問題です。これはこの前も質問しましたが、東京都は、御承知のように人口がもう一千万をこえて一千百万、それなのに議員の定数は、自治法によりまして百二十人という定員がある。これは実情に合わないわけです。大体二十年後に七百万の人口になるだろうということできめたのが、当時百二十人の定員だったと思う。ところがもう倍近くになっておる。定数は押えられておりますから、三多摩のほうにどんどん人口がふえているので、どうしてもそのほうをふやさなければならない、旧市内の二十三区が人口がふえているのにかかわらず、定数を減らさなければならぬという問題が起きる。したがって、私はどうしてもこの問題を現実的に解決することが必要だし、また東京の都議会では、満場一致で超党派的に定数をふやしてもらいたいという要望書を出しているわけです。これについて、赤澤前自治大臣はこれを深刻に検討する、必ずしもそれに賛成できないけれども深刻にいま検討中だ、こういうことを言われた。それから、東京都出身の国会議員たちが事務次官と会合を持ったと思う、そこでは話し合いがなされていると思うのですが、この問題も来年の八月の問題ですから、それまでに解決しなければならないので、具体的に血の通った、そうして実情に合った、そしてまた東京都民の要望でもあると思いますから、これについて解決をぜひ新大臣によって行なっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#30
○国務大臣(野田武夫君) 私まさに率直にお答えいたします。東京都の定員が百二十名、それが上限である、お話のとおり千万をこえる都会というのは世界に幾つあるか、なかなか千万人以上の大都会というのはないのです。そこで、私はいろいろその問題のお話を受けましたが、これはなぜ率直に申し上げるかというと、都議会の方々が超党派的に私にお話がありました、ありましたが、私はすぐ感じたのは、これはもう超党派的にお話があるということは、これは都民の全部の意向だと判断してよろしい、これはそれだけの都民の御希望があればやるべきじゃないか、こう私自身判断をいたしまして、そうしていま準備中でございます。
#31
○委員長(柳田桃太郎君) 本件はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#32
○委員長(柳田桃太郎君) 次に継続調査要求についておはかりいたします。公職選挙法改正に関する調査ににつきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、その要求書の取り扱いにつきましては委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(柳田桃太郎君) 異議がないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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