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1968/12/18 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 物価等対策特別委員会 第2号
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1968/12/18 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 物価等対策特別委員会 第2号

#1
第060回国会 物価等対策特別委員会 第2号
昭和四十三年十二月十八日(水曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十三日
    辞任         補欠選任
     佐藤 一郎君     櫻井 志郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大森 久司君
    理 事
                林田悠紀夫君
                吉江 勝保君
                佐野 芳雄君
                阿部 憲一君
                中沢伊登子君
    委 員
                上原 正吉君
                櫻井 志郎君
                鈴木 省吾君
                高田 浩運君
                西村 尚治君
                山本  杉君
                木村美智男君
                鈴木  強君
                竹田 四郎君
                田代富士男君
   国務大臣
       農 林 大 臣  長谷川四郎君
       国 務 大 臣  菅野和太郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      山田 精一君
       経済企画政務次
       官        登坂重次郎君
       経済企画庁国民
       生活局長     八塚 陽介君
       経済企画庁総合
       計画局長     鹿野 義夫君
       農林省畜産局長  太田 康二君
       通商産業政務次
       官        植木 光教君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       防衛施設庁施設
       部長       鶴崎  敏君
       日本国有鉄道施
       設局長      北沢 秀勝君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (食肉及び牛乳等の価格安定対策に関する件)
 (再販売価格制度及び大企業の合併問題に関す
 る件)
 (横浜中央青果市場周辺の交通事情に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大森久司君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十二月十三日、佐藤一郎君が委員を辞任され、その補欠として櫻井志郎君が選任せられました。
#3
○委員長(大森久司君) 菅野経済企画庁長官、登坂経済企画政務次官から発言を求められております。これを許します。
 菅野経済企画庁長官。
#4
○国務大臣(菅野和太郎君) 今回の内閣改造にあたりまして、再度経済企画庁長官を仰せつかったのでありますが、私にとっては荷の重い気がするのでありますが、幸い皆さん方とはおなじみ深い方々が大ぜいおられますので、皆さん方の御支援御協力を得て任務を全うしたいと、こう存じております。物価の問題につきましてはあとで所信表明をいたしますが、私といたしましては、経済企画庁長官としては、物価というものに取り組んでいきたいという考えでおりますので、この点につきましては特にひとつ委員の方々から御鞭撻また御教示をお願いしたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#5
○委員長(大森久司君) 登坂経済企画政務次官。
#6
○政府委員(登坂重次郎君) このたびの内閣改造にあたりまして経済企画政務次官を拝命いたしました。物価問題はまことに重要な問題で、わが国民生活に及ぼす影響が大きいので、不肖ではありますが、皆さま方の御協力御鞭撻をいただいて、熱心に勉強してまいりたいと思います。どうぞ今後ともよろしく御指導願います。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(大森久司君) 当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、物価対策の基本方針について政府当局より説明を聴取いたします。菅野企画庁長官。
#8
○国務大臣(菅野和太郎君) 本年度の消費者物価は、四十二年度後半から持ち込まれた騰勢の結果、年度当初から比較的高い水準にあったため、八月以降、生鮮食料品等の値上がりなども加わって、上半期には前年の同期に比し五・七%の上昇となりました。その後十月には前年同月に比し四・七%の上昇と、やや騰勢は鈍化しましたが、年度間を通じ政府見通しの四・八%の上昇の範囲内におさめることは、かなり困難であると思われます。
 また、卸売り物価につきましては、本年度上半期には前年の同期に比し一%の上昇となっており、年度間を通じ政府見通しの一%上昇の範囲内におさまるものと見込まれます。
 来年度の見通しにつきましては、経済見通し、予算編成作業の進展に伴い、今後政府部内で慎重に検討してまいりますが、物価の上昇基調には根強いものがあり、楽観を許しません。
 現在の物価上昇の要因は、基本的には、急激な経済成長に伴う経済の構造的変化によるところが大きいものと考えられます。
 したがって、物価安定のためには、財政金融政策の適時適切な運営をはかるとともに、農業、中小企業等、生産性の低い部門の近代化、競争条件の整備、労働力の流動化、輸入政策の活用等の各般の施策を総合的かつ着実に積み重ねていくことが必要であります。
 政府は、従来からこのような施策を推進してまいりましたが、今後とも、物価の安定を第一義とし、総力を結集して強力かつ有効な物価安定対策に取り組んでまいる所存であります。
 次に、物価問題と並んで国民生活に密接な関連を有する消費者行政について申し上げます。
 本年五月、本委員会の御尽力により、消費者保護基本法が制定され、消費者保護に関する施策の基本的方向が明示されましたことは、わが国の消費者行政にとってまことに大きな意義があると存じます。
 今後、政府といたしましては、消費者保護会議を中心として、消費者保護に関連する法令の改善、消費者教育の拡充強化、苦情処理体制の整備等の施策を強力に促進するとともに、地域住民に密着した地方公共団体の消費者行政を一そう推進してまいる所存であります。
 本委員会におかれましても、このような政府の考え方を御理解いただき、今後ともよろしく御支援と御鞭撻を賜わりますようお願いいたします。
#9
○委員長(大森久司君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(大森久司君) 起こしてください。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。鈴木君。
#11
○鈴木強君 きょうは、新大臣、新政務次官を迎えて初めての委員会でもあります。私は、菅野大臣、登坂政務次官の御就任に心から敬意を表しますと同時に、内閣として、国内問題では一番重点に考えられております物価政策、それと取っ組んで、国民生活安定のためにお二人とも御健闘くださいますように心から期待いたします。
 きょうは非常に時間が少のうございますから、もう前置きは抜きにして簡単に私はお伺いいたしますから、御答弁のほうも、わかりやすく、ひとつ要領よくいただきたいと思います。
 いま菅野大臣からの所管事項の御説明を拝聴いたしますと、今年度の政府見通しの消費者物価四・八%は非常にむずかしくなったという御判断のようですが、先般来の長官の予算委員会等の御発言を総体的に考えてみますと、経済社会発展計画そのものが、もうすでに現状にそぐわなくなってきたという考え方が出ていると思います。したがって、長官としては、新しく来年度の経済見通し、こういったものも当然早晩おつくりになると思いますけれども、とりあえず私はここで聞いておきたいのは、この見通しの四・八%というものが、もうこれは決定的にこの中にはおさまらないと、こういう御判断に立って、ここに所信を述べられたのかどうか、その点はどうでしょう。
#12
○国務大臣(菅野和太郎君) お尋ねのとおり、ことしは四・八%を保持することは困難でございます。そういう前提のもとで来年度の見通しを立てたいと、こう考えております。
#13
○鈴木強君 そうすると、この経済社会発展計画は四十六年までの見通しになっておりますが、その問題を前提にして、要するに、いまの経済社会発展計画は、もう時代に即応しないものになってしまった。だから、新しくそれをつくって、その一環として来年度の経済見通しというものをおつくりになるのか、それとも、とりあえず来年度の経済見通しを立てて、一応来年度のものはつくって、それからその次に経済社会発展計画を直そうとするのか、それはどうなんですか。
#14
○国務大臣(菅野和太郎君) 来年度につきましては、この経済社会発展計画とは別に見通しをつくりたいとこう考えております。経済社会発展計画そのものにつきましては、初めの予定とは違った実績が出ておりますので、これは当時、昭和四十年の不景気なときの数字を基本としてこの計画を立てておりますから、したがって、すべてが控え目な基礎によってこの計画はでき上がっております。ところが、その後、御承知のとおり、日本の経済が非常な発展を遂げてきたので、したがって、この初めの計画と実績とは違っております。しかし、これについては、やはりこれだけ実勢が変わってきたのでありますから、新しい実勢に基づいて私は計画を立てるべきじゃないかというような考えをいたしておりますから、経済社会発展計画の基本である物価の安定、あるいは経済の効率化、社会開発の推進という、この三大重点政策はそのままとるといたしまして、その基礎の数字が変わってきておりますから、その変わってきた数字に基づいてこれを補正したいと考えておるのであります。これを補正するためには、これはあるいは一年ぐらいかかるのじゃないかと、こう考えております。
#15
○鈴木強君 だから、ほんとうは、経済社会発展計画が実情にそぐわなくなったのですから、新しい見地に立っての長期の経済政策を立てて、その一環として来年度の経済政策をきめていく、それが筋だと思うのですけれども、おそらく時間的にそれができないので、いまおっしゃるような逆の形になると思うんですが、それだけに、非常にこれからの長期の経済見通しというのはむずかしいと思うんですよ。まあ私は、時間的な制約があるわけでありますから、論議も長くやっておれません。
 そこで、それならば、来年度の経済見通しについては、その成長率とか、あるいは物価をそれによってどの程度におさめようとするのか、そこらの腹がまえはできておるのですか。
#16
○国務大臣(菅野和太郎君) 来年度の経済見通しについては目下策定中でありまして、これは予算編成までには大体でき上がると思います。でありますからして、今日はっきり、来年度の成長率は何ぼとか、消費者物価は幾らになるとかというようなことは、今日まだ確言するところまでいっておりません。したがいまして、来年度は、とにかくいままでの実績に基づいて計画を立てるより、見通しを立てるよりしかたがない、こう考えております。
 それから、先ほどお話しのとおり、経済社会発展計画そのものについては、これはやはり数字の入れかえをやらなければいけませんからして、短時日でできるものではありませんので、もう少し基本的にいろいろ計算をやりたいと、こう考えておる次第であります。
#17
○鈴木強君 あなたが就任された直後に、考え方を述べられた中で、たとえば、来年度の経済成長は大体一四・四%――これは名目だと思うのですがね。あるいは、物価は五%以内に押えるとかというような記事を見たのですが、きょうまで福田さんのお考えを新聞で拝見しますと、来年度の消費者物価の上昇は大体五・二%くらいに押えようというような記事も出ておるわけですけれども、どうも、国会が始まると言ってくれない。外ではこういうふうな意見を述べられておりますけれども、要するに、統一した政府の見解というものをまとめてからやってもらわぬと、非常に国民は迷惑するのですよ。だから、その点は、あなたが言われて記事になって、その記事を持っておりますけれども、そういうものの考え方はあなたとしては持っているわけでしょう、いままでも。だから、それは、もう決定は二十八日かいっか知りませんが、いずれきめられるでしょうけれども、長官としては、いまどういうふうに……。経済企画庁としてはどうするかということは、もっと所信があるはずです。
#18
○国務大臣(菅野和太郎君) 私は、お話の、国民総生産が一四・五%と言った覚えがないのですが……。そうして、消費者物価は五%以下にしたいという私の希望を述べたのであります。このままでいけば、あるいはもっと五%以上になるかしらぬ。しかし、できれば五%以内くらいに消費者物価は押えるようにしたいという希望を申し述べたのであります。これをはっきり私は言っております。
 そこで、お話のとおりに、経済企画庁でいまいろいろ策定中なんですが、同時に、大蔵省その他とも相談して、それで最後にきめることでありますからして、きまればこれは公表しますから、それが確定したものである。それ以外の発表というものは、一四・五%、私ははっきりそんなことを言うたこともないと思いますし、何かこれは間違いではないかと思っておりますが、そういう意味で、やはり政府として確定すれば、公表するという手続になると思います。
#19
○鈴木強君 そうすると、経済企画庁としては、まああなたのところが本家本元ですから、だから経済企画庁長官として、来年度の経済成長なり物価はどうあるべきかという最終的な結論はまだ出ていない、こういうことですか。
#20
○国務大臣(菅野和太郎君) それは、いろいろの材料をいま集めて、いろいろ策定中でありますからして、何ぼにしなければならぬというようなことは、まだ決定しておりません。私のほうは、私の希望を、私の経済的な観点からして五%以内に押えたいということを言ったにすぎないのであります。
#21
○鈴木強君 では、その五%に押えたいという考え方はわかりました。しかし、それには、日本の経済が一体どの程度、名目的に、実質的に、伸びているのだ、要するに、経済の成長と物価というのは、これは切っても切れない関係にあるわけです。ですから、一四%か一二%か、いずれにしても、経済成長の見通しのない限り、ただ観念的に物価は五%にしたいなんて、そんな話はないわけですよ。だから、よって来たる原因があるから結果が出てくるのだから、そういうふうに考えれば、五%に押えたいということは、一体来年の経済はどの程度成長するかということを総体的にあなたが考えておらなければ言えないはずですよ。そうでしょう。
#22
○国務大臣(菅野和太郎君) それは、日本の経済が今後発展するについては、物価というものはどういうふうな物価であるべきかという観点から、私の経済視点からお話ししたことであって、いろいろな数字に基づいて考えたわけではありません。日本の経済を発展せしめるためには五%以上に消費者物価をしちゃいかぬという、私はかねがねそういう考えを持っておりますから、それを私は言ったのであります。
#23
○鈴木強君 そうしますと、そこはいつごろに大体――来年度予算の編成とも関係があると思いますから、最終的な政府としての結論が出るのか。
#24
○国務大臣(菅野和太郎君) それは年内にぜひつくらなきゃならぬと思っております。予算の編成の関係もありますから、年内にできるようにいろいろといま準備をいたしておる次第でございます。
#25
○鈴木強君 これは大事なところで、少しやりたいんですけれども、時間がありませんから、それでは、少しばくとした中でお尋ねするわけで恐縮ですけれども、まあ、物価をつり上げていくのはやはり公共料金ですね。政府みずからが押え得るこの公共料金を押えていくという考え方がなければ、やはりこれは一般物価がぐんぐん上がっていくわけですよ。来年度いま予想をされるものには、国鉄運賃とか、電電料金とか、ガソリン税とか、小麦価格の問題とか、私大の授業料とか、私鉄ほかを含めた運賃ですね、私鉄運賃。それからしかも、こういった一連の公共費というものが料金が上がっていくように伝えられているんですけれども、経済企画庁としては公共料金の扱い方については基本的にどういうふうに考えておられるのか。
#26
○国務大臣(菅野和太郎君) 公共料金は、平素であれば、値上げしてもそれほど影響はありませんが、いまのように物価が上昇しておる情勢のもとにおいては、公共料金を上げることによって、他の物価に、諸物価に影響いたしますからして、したがって、その点はわれわれとしても慎重に考えなきゃならぬというように考えております。とにかく、これが公共性を帯びておる料金でありますからして、やはり日本全体の経済の発展というようなこともあわせ考えてきめたいと、こう考えておりますので、そこで、先ほどからもお話しのとおり、いまの物価が上昇しておる情勢でありますからして、公共料金については、これはきびしくわれわれは判断したいと、こう考えております。
#27
○鈴木強君 きょうの新聞を見ますと、大体大蔵省としての公共料金に対する考え方がずっと出ていますわね。ごらんになったでしょう。あれは私はちょっと本末転倒のような気がするんですよ。本来、この経済企画庁というものが設置されたゆえんのものは私が申し上げるまでもないわけでして、あなたが宣伝部の広告課長じゃないかと言われるような発言が出るようなことになるのは、経済企画庁の存在価値というものに対するやっぱり疑義があるんですよ。これはいろいろ制度的にまずい点があるから、必ずしも長官のおっしゃるようにいかぬのですけれども、基本的には、この公共物価に対して経済企画庁としてはどうするかという、本尊がやっぱり方向をきめて、そのきまるまでに大蔵省とか農林とか通産とか厚生省とか関係各省がいろいろ相談をなさることはいいんですけれども、どうも大蔵省がああいうふうに、ぱっと、やれるもの、やや似通ったようなもの、やれないもの、というふうに選択をして、そうして一斉にやるということについては、そこらにやはり政府の姿勢についてわれわれはちょっと疑義を持つんですよ、率直に言って。あれを見て、あなた腹がたたぬですかね。もう少し長官らしい、経済企画庁の存在価値ここにありという、やはり立場に立ってこの問題について対処してもらいたいと私は思うんですが、どうですか。
#28
○国務大臣(菅野和太郎君) 私も、けさ新聞を見て不快の念を持っておるわけですが、しかし、この問題につきましては、大蔵大臣と臨時国会が終われば公共料金の問題については話し合うということになっておりますので、したがって、まだおそらく大蔵大臣もああいうような考えは持ってないと私は思うんですが、とにかく、どういうわけか、ああいう記事が出ているので、私としては不快な念を持ったわけです。
#29
○鈴木強君 不快だ、不快だといっても、これは私もそう思います。あなた、おこる、腹立っていると思いますね。それは私は同感だと、こう思っておる。そこで、経済企画庁ここにありというような、菅野さん実力家だから、われわれはそれを期待しますけれども、経済企画庁はほかの省に振り回されちゃって、ちっとも経済企画庁らしくないじゃないか、そういうあれがあるわけですから……。それでは、個々のところは、料金をどうするかということについて、いま態度がきまってないわけですね。だから、質問をやっても、検討しますということではむだですから、きょうはやめます。だけれども、とにかく公共料金というものを基本的に押えて、政府主導型の物価引き上げというようなことをやめてもらって、できるだけその面から、たとえ〇・何%でも物価というものを押えていくようにしてもらいたいと思います。
 それから、せんだって、改造後の経済閣僚協議会で、佐藤さんが、お正月の品物を中心にして年末年始の物価対策を考えろ、こういう特別のきつい指示をやられたそうですね。私たちは新聞で拝見しましたが、この佐藤さんの指示に基づいて一体経済企画庁は具体的にどういうふうな物価安定政策をやっていただいているのですか。農林省、通産省出てこないから、だからあなたが代表してやってください。
#30
○国務大臣(菅野和太郎君) それは局長から具体的なお話をいたします。
#31
○政府委員(八塚陽介君) 先般、佐藤総理からそういうお話があったわけでございますが、まあ物価でございますから、急にあわてて何かできるという性質のものでもございませんので、私どもも、九月ごろから関係各省と例年年末の物価対策というものにつきまして下打ち合わせをいたしておりましたが、まあ、物価担当官会議というような制度もやっておりますので、そのもとで大体態勢を整えてやっておるわけでございます。
 たとえば、具体的には、農林省関係でありますと、野菜等につきましては指定産地協議会というようなもので年末の出荷の促進をやるとか、あるいは畜産物についても牛肉の輸入割り当てを行なうとか、水産物につきましては大消費地にあります冷蔵庫の冷凍魚を放出する手配をするとか、まあしかし、いずれにいたしましても、急に生産をふやすということは、これはできないわけでございますが、流通のチャンネルがいろんな形でつつかえるということは、これは非常に困るわけでございまして、そういう点については、運輸省あるいは国鉄等と御相談申しまして、貨物列車の増発とか、いろいろなことをやっておるわけでございます。一方、通産省におきましては、やはり年末の取引、特に消費者の方が買われる量が多いわけでありますから、たとえば、そういう機会をつかまえて量目の一斉点検というようなこともやっておるわけであります。まあ、そういうことで、根本はやはり供給あるいは流通の疎通ということでありますから、どろなわ式に何かやれるということではございません。年末物価の騰貴に対応いたしまして、できるだけの策を関係各省に講じてもらうという態勢になっておるわけでございます。
#32
○鈴木強君 もう一つ……。これで最後にしますから。
 どうも、局長の説明を聞いても、抽象的なお話で、よくわからないのですけれども、要は、物価を安定して、国民が正月の品物を買うのに不便のないように、そして安いものを買えるように、こういうところにねらいがあるわけですから、その目的に沿ってやっていただいていると思いますけれども、時間もありませんから具体的に伺うことができないで非常に残念ですけれども、一つだけお尋ねしたいのです。あとできっと、肉の問題は木村委員が専門にやっておられるから、やると思いますが、私はノリのことで……。
 この前も言った、韓国ノリの一億枚の追加割り当てですね。これは、いろいろわれわれがここでも質問をし、政府のほうも、やっと放出をするということになったようですけれども、新聞にも出ておりますように、輸入にあたってノリ協会の代表の一部の者が取引商社から約六千六百万円のリベートを取っていた、これが事実が明るみに出てきたわけです。そして、あわててこのリベートの分を差し引いて安い販売価格で売りますよと、こう言っているようですね。しかし、はたしてそれがそうなるかどうかということは、これはわかりませんよ、実際ね。だから、その辺の追及を、ほんとうに通産省なりあるいは農林省なり、やってもらえるかどうかということを私は確かめておきたいのですよ。われわれ消費者はよくわかりませんからね。まあどうも、輸入食品について、バナナとかノリとかコンニャクとかで過去にも政界に政治資金が流れたとかなんとかいううわさが出ているわけです。国民は非常に疑惑を持って見ているわけです。たまたまノリの問題が出てきたけれども、これがもしなかったら、六千六百万円というものを消費者は損をして買わされたと思うのです。幸いこれが明らかになったものですから、一応それは戻すということになっているようですから、そこいらに対して、もっと徹底的な追及をしてもらいたい。やはりこういった輸入品については、特に利権のからむものについては、機構の整備とか、やり方とか、そういったものを私は抜本的に変えていかなきゃだめだと思うのですよ。それはまたあとへ譲りますけれども、量目の一斉点検をはじめ、品質の検査、これは通産あるいは厚生のほうでやっていただけるようですが、それを強く期待いたしますけれども、とりあえずノリの追及をやはり徹底的にやってもらいたいということを私は考えるんですけれども、これ、やってもらえますか。――それじゃ後日明らかにしてください。
#33
○政府委員(八塚陽介君) ノリにつきましては、私どもも実は、豊作であるにもかかわらず値段が上がっておる。いろんな形で問題が多いというふうに考えております。やはり、生産の対策もさることながら、ノリの流通に関しては、もっといろんな点で改善すべき点があるんではないだろうかというふうに考えております。したがいまして、たとえば、今度の六千万円の割り戻しが十分有効に消費者のところへきくかどうかということも、やはり流通業界の体制いかんによるんではないか。まあそういう意味で、水産庁に対しまして、幸いに今度は水産庁のほうで見つけていただいたわけですが、単にそれにとどまらず、今後業界のいわば合理化、豊作であれば安くなる、不作のときはある程度やむを得ないというようなメカニズムが合理的にきくような、したがって、かりに六千万円のリベートと申しますか、安くなれば、それはそれなりに響くような体制をつくってもらうということを申し入れしているわけでございます。今回の六千万円について云々は、また水産庁のほうによく伝えたいと思います。
#34
○鈴木強君 大臣にこれは答弁しておいてもらいたいんですが、私はこの次に結果の説明を求めますから、大臣にね。そのあとの処理をちゃんとするように、ノリの問題、それは大臣からちゃんと答えてもらいたい。
#35
○国務大臣(菅野和太郎君) ノリの問題は、これは農林大臣の所管ですから、農林大臣からひとつ……。農林大臣に伝えておきます。
 なお、もう一つ、先ほどちょっとことばに言われたバナナの問題ですが、私の通産大臣のときに、バナナの問題について、輸入の問題についてとやかくのうわさがあったので、そこで、あのときに思い切って整理をいたしました。その後バナナの値段も安くなったはずです。やはりこの流通の問題、取引者の問題、そういう点についてはやはりてこ入れしなきゃならぬ問題もあると思いますからして、そういう点は政府といたしましては、やりやすく輸入のできるような方法を講じたいと、こう考えております。
#36
○委員長(大森久司君) 阿部君。
#37
○阿部憲一君 佐藤内閣は、国際通貨不安など、激動する国際経済の情勢下に、国内的にもまた物価問題など難題をかかえておりますので、経済政策の新課題に取り組まなければならないと思うのでございますが、当面、来年度の予算編成も非常に注目されておりますが、最も国民生活に影響を与えまする物価問題、これは重要な関心事でございます。総合経済官庁であります企画庁がこれらの重要な問題にどういうふうに取り組んでいかれますか、新長官に二、三御質問申し上げたいと思います。
 まず、第一には、日本経済は、三十年代の高度成長のあとを受けまして、四十年代の経済はいわゆるなだらかな成長をしていく、これを頭に描いておられると思います。また、そのような方針でおやりになると思いますが、四十一年以来実質一二%以上の成長を遂げております。来年度もまた一〇%以上、これをこえるような見通しで、都市銀行等その他発表しております。これに対しまして、長官は四十年代の経済をどのように展望していくかということについて、また、三十年代の経済と本質的な相違があるとお認めならば、これはどのように認識されておりますか。これをお伺いします。
#38
○国務大臣(菅野和太郎君) 佐藤内閣は、池田内閣のときの高度成長政策の是正をすると申しますか、そういう意味で、物価の安定ということを考えられておるのであります。そこで、この間本会議でも御質問があったんですが、池田内閣のときの成長率が高かったが、佐藤内閣になっても成長率は高いじゃないかというような御質問があったのでありますが、なるほど高くなっておりますけれども、しかし、池田内閣のときから比較すると、やはりそう高くないのであります、数字的に成長率は。そこで、三十年と四十年とは日本の経済は変わっております。これは阿部さんも財界人だからよく御存じのとおり、経済は変わっております。かりに、三十年代の成長率が一五%、四十年代も一五%、成長率が同じ一五%でも、これの影響するところは違うと思います。というのは、三十年代は日本の経済はまだそれほど伸びていないときでありますからして、したがって、一五%という成長というものは、これは各方面に影響するところが多いと思います。四十年代になりますと、日本の経済は伸びておりますからして、したがって、同じ一五%の成長率でも、その影響するところは三十年に比べてはそれほど影響が多くないということが考えられると思うのでありまして、これは、俗なことばで申し上げれば、子供のときの、まだ十分成長していないときの十五%、にわかに大きくなったときと、からだが成長した後に一五%大きくなったときとは、それはだいぶ影響が違うと思うのでありまして、そういう意味で、私は、佐藤内閣が池田内閣のときの高度成長政策を是正するということは、まあ一応目的を達成したのではないかと思うのであります。がしかし、今日成長率は高いです。私は、成長率が高いこと自体は、それをもって喜ぶべきことではない、成長することはいいことでありますけれども、それが同時に、ほかにひずみを生ずるような成長であれば、これは考えなければならぬ、こう考えておるのでありまして、今日の消費者物価が高いのも、やはりそのひずみのあらわれだと考えておりますからして、したがって、非常に成長率が高いから、もってすぐ喜ぶべき現象だというように私は考えていないので、やはり経済の成長というものは各方面が並行して成長していくこと、それがひずみをなくし、所得の格差をなくする、そうして国民全体が経済発展の利益を均てんして受けるというような経済の発展策を講ずべきではないか、こう考えておる次第であります。
#39
○阿部憲一君 いまの長官の御説明、三十年代においては非常に成長率が大きく影響を与えたが、四十年代になったらば、その同じような幅で、率で行っても、それほど大きな影響を与えないとおっしゃるわけですが、大臣自身もお認めになるように、その間に生じたひずみというものは決して三十年代と変わらない。四十年代も相変わらず大きなひずみを起こしておるわけでございます。ことに、物価騰貴などにつきましては、これは一向是正されておりませんで、もっと成長率についての考え方を改めていくべきではないか、こう思います。
 私、もう一つ御質問申し上げたいのは、これに関連しまして、国際通貨不安の影響など、去年のちょうどいまごろでしたか、貿易収支が非常に心配されておりました。企画庁でおつくりになった発展計画の中にも、むしろ赤字というような推定がなされておりましたが、これは、現在におきましては、予想が、いわばいい意味でございましょうが、狂いまして、日本の輸出がすこぶる好調である。このことは、御承知のように、わが国の国際競争力が非常に強まった証拠であると思います。昨年の見通しというものに対して政府は国際収支の見通しを誤ったと私は思いますが、これは、今後の見通しをどのようにお立てになっておるか。また、経済の急速な拡大で、政府の発展計画のズレというものが生じておりますが、これは改訂してくださる――先ほど大臣は改訂の必要性をお認めになった御発言がありましたが、これは一体どこに重点をお置きになるのか、これをちょっと伺いたいと思います。
#40
○国務大臣(菅野和太郎君) 国際通貨の不安の問題は、これは幸い海外に起こった問題でありますが、しかし、これもまたおのずから日本にも波及してくると思いますが、いまのところは、御承知のとおり、まず落ちついております。で、結局、ドル不安あるいはポンド不安というものは、私から言うと、英国などは経済自体が下火になっておるということ、アメリカのドル不安は、これはアメリカのいままで持っておった経済力というものが総体的に減じてきたと、こういうことが、EECなり日本の経済力が伸びてきたということで、その点において、いままでのような威力は発揮しないというところが原因だと、こう考えておるのであります。しかし、幸いいまのところ落ちついておりますからして、これがどのように今後いろいろ発展してくるか、予測はできませんが、国際通貨の不安ということについては、日本にとってはそれほど心配することはない、いまの日本の経済の伸び方であれば不安はない、こう私自身は考えておる次第であります。先般のフランスのフランの問題があったのでありますが、結局これも、スペキュレーションでフランがあのように動揺したのでありますけれども、私から言うと、やはりフランスの経済自体に世界の人々が不安を持っておったというところからフランに対するスペキュレーションが盛んになってきたと、こう思うのであります。
 それで、今後の経済発展計画ですが、これは、私ども、と言うとなんですが、私がこの前経済企画庁の長官を仰せつかったときに所得倍増計画を立てまして、そこで所得の格差をなくするという目標で倍増計画を立てたのでありまして、所得の倍増ということだけで考えれば、それは、工業生産だけ伸ばしたら、もうたちどころに倍増できます。それでは、農業とかあるいは中小企業というものはひずみを生じますから、それではいかぬ、各産業ともに同じように伸びるような倍増計画を立てたいということで、昭和三十五年に所得倍増計画を立てたのでありますが、それと同じ意味で、やはり今後の日本の経済の発展計画も、特にこの前は社会開発ということばを使ったのは、そのひずみを直すという意味で社会ということばを特に佐藤内閣は入れられたと思うので、それでなければ、経済発展計画でいいわけでありますが、いままでのひずみを直すという目的で立てられたのであります。しかし、その後、急激な日本の経済の発展というところからひずみができて、消費者物価が予想以上に高くなったということは、そういうひずみのあらわれだと考えております。で、どういう目標で立てるかと言えば、所得の格差をなくす、ひずみをなくすという目的で発展計画を立てたいと考えておる次第であります。
#41
○阿部憲一君 結局、問題は、高度発展計画によるひずみの問題、いわゆる物価高の問題でありますが、大臣、この物価対策をどのように分析なさっておりますか。それからまた、農業など低生産性の部門と、それからいまの高生産性部門との間の構造問題、あるいはまた所得の平準化作用に対する政策的な措置の導入につきまして、どのようにお考えになっておるか、簡単にお考えをお伺いしたいと思います。
#42
○国務大臣(菅野和太郎君) ひずみをなくするという政策については、これは基本的な構造的な理由があると思います。先ほど私が所信表明の中にちょっと書いておきましたが、まあ、この生産性の高い低いによって変わってまいります。それから、急激に工業生産が発展しましたために、たとえば労務者がみな成長発展した工業へ集まってくるということで、農村には労力が不足してくるというような問題、また、そういう産業では特に労賃を高くしなければ労務者が集まらぬというようないろいろの問題、そういうような問題がありますので、まず構造的な問題については、にわかにそれを改善するということは困難でありますが、考えていきたい。流通過程の問題でもそうだと思います。日本の流通過程は非常に複雑です。したがって、生産者の価格と、消費者が買うところの価格とは非常に開きがある。これは外国にも例にないほど開きがあると思いますが、流通過程が複雑であるということ、この点においても、流通過程の単純化と申しますか、簡素化ということも考えていかなければいかぬ、そういう基本的なこと。当面の問題としては、公共料金の問題だと思います。この問題についても考えていかなければならぬと、こう考えておる次第でありまして、そういう点で、このひずみをなくするということ、消費者物価を上げないということについて今後全力を尽くしたいと存じております。
 それからもう一つ何か御質問が……。
#43
○阿部憲一君 所得の平準化作用です。
#44
○国務大臣(菅野和太郎君) 所得の平準化は、漸次私は所得は平準化していくと思います。漸次ですよ。いま平準化しておるとは言いません。漸次平準化していくと思います。しかし、町の例を申し上げてもわかりますが、もう今日、町の中には、こじきがいないということ、戦後あのくらいたくさんおったこじきが一人もいなくなったということ、それは、われわれがだんだん相当な所得をあげることができたから、こじきをする必要がなくなったというようなことでありまして、そういうことで、戦前に比べて富の分配というものはだいぶ平準化してきておる、こう考えております。がしかし、決して今日平準化しておるとは言いません。今後やはり所得については平準化するような政策をとるべきだと、こう考えております。
#45
○阿部憲一君 いまの御答弁の中で戦後のこじきの問題も出ましたが、なるほど二十何年もたつので、当然、これは日本だけじゃない、各国とも生活水準が上がったと思いますし、また、所得の平準化が行なわれたということまでは、これは判断できませんが、しかし、まだわが国の経済におきましても、年末二兆円ボーナスが出た、こういうイザナギ景気というようなものが表面には出ておりますけれども、現実に国民大衆は、決して、二兆円のボーナスが出て、もう何といいますか、昭和元禄を謳歌している、こんな状態にないことは大臣も御承知だと思いますが、そんな意味におきまして、所得の平準化ということにつきましては、なおこれを促進していかなければならぬ、こう思います。
 時間もございませんので、いまの御答弁にありました公共料金の問題。これは、御承知のように、公共料金の値上がりということも非常に大きな物価騰貴の原因をなしております。これはもう長官がお認めになったと思いまするが、それならばこそ、いまの物価騰貴自体を政府主導型と言われるゆえんであろうと思いますが、これにつきまして、公共料金の改定問題、いま鉄道料金その他郵便あるいは電信料なんかでありますが、これについて、受益者負担というような原則ですか、を打ち出されております。それから財政負担にするというようないろいろな論議がかわされておりますが、大臣は、それについて、どのような観点から、どちらをお選びになるか、ひとつお答え願いたいと思います。
 それからもう一つ、公共料金の問題で、背景には公共投資の立ちおくれというものが非常に指摘されますですが、今後のこの労働力不足経済の到来のもとでは、どのようにこれを推進していかれるか、御答弁願いたいと思います。
#46
○国務大臣(菅野和太郎君) 公共料金のきめ方ですが、これはまあ、公共事業を利用した人が相当なそれに対する対価を払わなければならぬ、あるいは運賃とか、あるいは電話料金とかというものだと思いますが、それが受益者負担という意味を持っていると思うのでございます。利用しておる人がそれだけの対価を払わなければならない。そこで、だんだん鉄道などでも赤字が出てくれば運賃を上げたい、汽車に乗る人はそれだけ高い運賃を出してもらいたいという気持ちを持つのは、これは当然のことだと思います。がしかし、公共料金でありますからして、したがって、単にそれだけでこの公共料金をきめられるべきものではないと考えております。公共事業によって生ずるところの価格でありますからして、したがって、その公共料金が日本全体の経済にどう影響するかということもあわせて考えなければならない。たとえば、国鉄の運賃でも、生鮮食料品は安くするとかいうようなこと、それはやはり、国民生活を安定させるという意味で、ほかの貨物より安い運賃にしておるということは、国全体の経済、国民生活の安定ということから考え出されておると思うのであります。同時に、公共料金は、平素でありますと、少々値上げをしても問題ありません。しかし、いまのように物価上昇のときに公共料金を上げることは他の物価に影響する、これは非常に影響力が大きのでありますからして、いま、物価を上げるべきでないという時代において、国民生活を安定せしめるというときに、公共料金を上げること自体がいいかどうかということは、その点から特に考えなければならぬ、こう考えておるのであって、その意味においてこれは慎重にいま考慮中であります。
 それから公共投資の問題ですが、公共投資は、来年度警戒的な予算にしたいという大蔵大臣の言でありますが、公共投資の中にもいろいろあります。将来経済的な付加価値を生ずるような公共投資、たとえば、道路をつくれば、それによって運賃が安くなるとかというような問題、そういうような公共投資は、これは公債をもってやってもいいじゃないかという、私自身はそういう考えを持っております。これは大蔵大臣とは意見が違いますが、そういうような公共投資、あるいは治山治水――毎年多大な損害をこうむっておるのでありますからして、そういう損害を生じないような公共投資というようなものは、やはり引き続いて大きくやるべきではないかというふうに私自身は考えております。
#47
○阿部憲一君 お答えの中で、公共投資を促進していくというお考えは、ひとつぜひそのような考えで公共投資を促進していただきたいと思います。
 なお、公共料金の問題は、いまのように物価が非常に騰勢にある時期において公共料金を上げるということは、物価の値上げをますます促進することになります。それに対しては慎重な態度をとっておられるようでありますが、しかし、これはやっぱり、物価を安定させるという強い施策を行なう上においては、あいまいな、どっちも立てていこうと、いわゆる国家財政も考えなければいかぬ、あれも考えなければいかぬ、だから公共料金も多少上げてもいいんだ、結論的にそういうふうなお考えではなくて、公共料金をまずとめてしまう、それによって物価の安定のきざしが見えたときにいろいろな施策その他の財政計画なりをお立てになればいいのであります。長官は、ぜひ大いに勇気をふるって、勇断ですが、ふるってもらって、公共料金をまずストップして、物価を安定させてみせる、そういう決意で進んでいただきたい、これを特にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#48
○委員長(大森久司君) 次に、木村美智男君。
#49
○木村美智男君 長官、初めてだし、時間のこともよく考えておりますから、一つだけ……。
 いま質問のあった問題ですが、経済企画庁として、これからの物価対策の基本的な考え方を実は聞きたいんです。それはどういうことかというと、先ほども御指摘がありましたように、けさの新聞にも出ておりますが、大蔵省が、この四十四年度予算編成にあたって、公共料金その他を含めて、こういうものについては大体この年度中に引き上げを認めるという方針を出しましたね。これは、言ってみれば財政主導型の物価引き上げ政策、こういうふうに私は考える。経済企画庁長官は不快だと言ったけれども、不快だと言うだけにとどまらずして、あなたはやっぱりちゃんとした方針を立ててほしい。それは何かといったら、結局、この財政主導型の物価対策に対して、国民生活重視の物価抑制政策、これを経済企画庁の基本方針とするんだ、こういうことをきちっと、この際大臣にやっぱり持ってもらいたい。で、私は前の宮澤長官に多少いやらしいことを言ったんですが、最初は要領のいいことばかり答えておったんだけれども、だんだんぼろが出てきた。経済企画庁、やることがなくなったものですから、たとえばビールの問題に口を出した。ビールに口を出したけれども、大型合併については、あとで認めてからでも変更できるなんて、えらそうなことを言って、ビールの三円値上げすら押えることができないというのが、いまの経済企画庁の力であるということを国民の前に暴露した。そういうよけいなことは、ぼくはやらなくてもいいと言う。それから大型合併について一生懸命通産省と経済企画庁が推進役をして、途中からおきゅうをすえられて、おとなしくなったけれども、ああいうようなことは、国民生活の立場に立つ経済企画庁としては私はどうしても納得できない。だから、いま基本方針として、あなたがこれから経済企画庁長官としてやっていく考え方の基本を、一体財政主導型の物価引き上げ政策に置くのか、それとも国民生活を重視する物価抑制政策に置くのか、これをきちっとしてもらえば、したがって、あとどれくらいの物価に押えるがいいかということはよくわかると思う。大臣、これはあなた、五%以上にしては絶対いけない、こういま言われたけれども、ほんとうにそれを守ってくれなければ困る。なぜかというと、この五%以上に物価がなるということ、ことしのように六%近くなれば、銀行の定期でも預金しているやつはばかだということになる。したがって、郵便貯金はもちろんだし、当座預金なんというのはあたりまえの話。これは余裕のあるほうの側。だけれども、もっと困るのは、年金だ恩給だで食っている人たちです。そうでしょう。その物価の値上がり分だけスライドをどんどんやってくれるかといったら、やってくれない。これらの人たちは、どんどんいま生活が苦しくなってくる。さらに、ボーダーラインといわれておる、低賃金、低所得層の人たちはどうなのかといえば――これは大臣、あなたわかっているけれども、おれはあえて言うんだ。なぜかというと、えらくなると、そういうことは案外わかっていてもすっすっといっちゃうからだめなんで、だから言うんだけれども、大臣がかりに――大臣でなくてもいいが、月五十万の所得をもらう人間でも、二万円しかもらっていない者でも、一升百八十円の米は百八十円なんです。五十万円の百八十円と、二万円の百八十円、大臣、ここに物価問題というものの一番重要なかなめがあるんですよ。そこのところを、あなたきちっとつかんでもらえば……。おそらく、これは米の問題だけじゃない。運賃だってそうですよ。かりに、長官、大阪まで新幹線で一等で行くときに、あなたえらいから三万円の運賃を出しなさいと言われませんでしょう。どんなに所得が低かろうが、あなただろうが、ぼくだろうが、同じ料金です。ここに問題がある。だから、そういう意味で、もう五%以上といったようなことは絶対いかぬので、あなた方も四十六年は三%という目標を掲げているんだから、それがすでに六%というと、これはたいへんなところへ来ているので、きょうは初めてだからこの辺にしておきますが、これから、長官、にやにやしていたってだめです、きびしくこれはやりますから。そのいまの基本方針だけ、長官、時間がないだろうから、それだけ伺っておきます。
#50
○国務大臣(菅野和太郎君) 物価問題について非常に心強いことばを拝して、私自身も非常に喜んでおります。物価問題につきましては、私が経済企画庁長官を引き受けたときに、私は物価問題に取り組んでやりますということを総理にも約束してあるのであります。いま、日本における国内の重要な問題は何かといえば、大学の問題と物価の問題です。この二つの重要な問題を解決しなければ、私は佐藤内閣というものの存在価値がないと考えておるのですが、そういう意味で、この物価問題は総理も取り組んでやるということでありますし、私も取り組んでおります。したがいまして、経済企画庁としては、各局総動員でこの物価の対策についてみな勉強してもらっております。何とか物価を安定さしてということでやっておりますし、お話のとおり、物価が五・五%以上になれば、いままでせっかく繁栄した日本の経済の発展を阻止することになるということは、もう御存じのとおりでありますから、したがいまして、私といたしましては、せめて五%以内で物価を押えたいという気持ちで、いませっかく経済企画庁でいろいろ腐心をして画策いたしておりますから、予算編成までには何とか目鼻をつけたい、こう思っておりますから、どうぞひとつ、そのときには一そう御声援していただいて、われわれの目的が達成できるように国会でも皆さまが御声援していただいて、無事に国会を通過できるように、ひとつ特に私からもお願いしておきます。
#51
○木村美智男君 大臣、たいへんそれこそ、あなた力強い回答をしてくれたのですが、とにかく忘れてもらって困るのは、佐藤内閣の価値を問われるのだと、あなたいまおっしゃったのだから、私も、これから一年になるか二年になるか半年になるかわからぬが、その立場で、これからみっちり物価の問題と取り組んでいきたいと思います。そして、そのときには声援してじゃなしに、いまから声援しますが、第一、最もいま物価の問題でいけないと思うのは、首相のもとに物価安定推進会議というのがありますね、中山さんが会長の。推進会議が提案を何回もしているわけですよ。これが一つも軌道に乗っていない。なぜ物価の問題と取り組んでいないのかということ、一つの大きな問題になっているのはここなんです。これをひとつあなたに考えてもらって、そうして、大蔵大臣が何を言おうと、総理が親方の安定推進会議なんだから、これを全面的にあなたは活用すべきである、これが一つ。二つは、消費者基本法ができて、ぼくらはこれをつくるためにとにかく一生懸命やってみたんですが、ここの中にある消費者保護会議というのは、一体今日何をやっているのだ。あの法律ができてからすでに半年近くになるけれども、消費者保護会議は一体何をやったかということについて、これはぜひ、国民生活局長、よく考えておいてもらいたい。そして、今度の案を立てる中で、ぜひ消費者保護会議を通して具体的な対策を打ち出してほしい。これが二つ目。三つ目は、経済企画庁には特に国民生活審議会というのがある。これも活用しなければいかぬ。ここには、有毒食品から、そういうこまかいものまで含めて、たいへん消費者保護の問題としては貴重な意見がいままでの会議の中でも出ているわけです。この三つの会議を、これをひんぱんに円滑に運用をしていきさえすれば、あとは、それこそ物価担当官会議をもって、大蔵だ、運輸だ、農林だ、それに経済企画庁の方針を通していけばいいんでしょう。そうすれば、この前のビールのように政府の不統一な方針なんということは出てこないはずです。これを、まず第一番に私は大臣に実行に移してもらいたい。
 とにかく、佐藤内閣の一番悪い点は、物価の問題については演説ばかりしている。演説はするが、具体的なものを一つもやらぬ。これが一番悪いのです。だから、あなたが言うように、今度は真価を問われるということは、これで十分きょうは了解をします。したがって、これからかりに、やったけれどもこうなんだということについては私は文句は言わぬつもりなんです。やらないで演説ばかりしているから文句を言う。ここのところをひとつ大臣よくお考えに入れていただいて、今度の経済企画庁長官としては、とにかく物価問題についてはまともに取り組んでいる、こういうことにぜひしていただきたい。これは要望であると同時に、大臣、もう一回、佐藤内閣の価値じゃなくて、菅野長官の価値を含めてお答えいただきたい。
#52
○国務大臣(菅野和太郎君) 今後の物価問題並び経済企画庁長官としてのあり方について非常に力強い御支持を得ましたことを感謝いたします。私も、力強くこの問題については取り組んでいくつもりでありますが、同時に、ひとつ議員各位もまた、御声援、御支援していただきまして、そうしてひとつ、物価問題は国民全体の問題だと私は考えておりますから、国民全部がこの物価問題には突っ込んでいくというムードで解決したい、こう存じておりますから、この上ともの御支援を特にお願いを申し上げて、ごあいさつといたします。
#53
○木村美智男君 農林大臣見えられましたので、ごあいさつも受けないうちから質問してたいへん恐縮ですが、実は十六日の朝日新聞と、それから十七日の読売新聞で、中国産の食肉の輸入問題について報道がなされているわけであります。これは、長谷川農林大臣が記者会見の席を通して語ったと、こういうことになっておって、中身を読んでみますと、大平通産大臣と長谷川農林大臣との間でいろいろ協議した結果、従来のいわば中国肉輸入を禁止しているという方針だけでは、今日の外交、外交貿易問題というか、あるいは国内の物価問題、こういったような関係からも考えて、そのままではうまくないだろう、したがって根本的に検討を加えねばなるまい、というような趣旨のことが新聞に実は載っているわけであります。これは、私ここで質問をする立場を明確にしておきますが、この問題は、物価委員会で木村が質問に立つと、また中国の肉かと、こう言われるほど私はやってきた問題なものですから、賛成の立場で実はお伺いをしているわけです。そういう意味で、新聞だけではよくわかりませんので、一体あの新聞記事というものは実際上政府側ではどういう話こなっているのかということを、ひとつ端的にお答えをいただきたい。
#54
○国務大臣(長谷川四郎君) どうも、拝命してわずかでございまして、まだ幼稚園の域まで達しません。なかなか皆さんにお答え申し上げるのが困難だと思いますが、御了承願いたいと思います。
 中国の肉の点につきましては、過日来、いままでどういうふうなことだったんだろうと、いろいろ話しをしてみ、聞いたところが、口蹄疫というのがありまして、その口蹄疫というものが完全に中共にはないんだ、疫がもうほんとうになくなってしまっているというような報告毛ないというようなお話でございます。しかし、何とか前向きにそれらを処理する方法はないのか、こういうことで前向きになって少し研究してみてはどうか、これとこれとこういうようなことでやらしていただけるならば私のほうにもぜひそれを輸入したいからというような話を求めたらどうなんだろうというようなことを申し上げて、そうして、先ほどもお話しの大平さんとも、前向きに、あなたのほうからと両方から出て、ひとつ検討をしてもらおうじゃありませんか、こういうことで、きょう局長が来ておりますが、お願いをして、ただいままで検討中だろうと、こう思うのでございます。
#55
○木村美智男君 大臣、これは、局長もかわられてまだそんなになってないし、大臣も新たに就任されたばっかりなんでねえ、実は私は、この問題については、いまの農林当局が、何というか、できるだけ白紙に近い立場で本腰を入れて検討してほしい問題だと、こう思っているんです。というのはね、いま申しました歴代の畜産局長は、私にも、お前なんかもう国会へ来ぬでもいいと、冷蔵庫へ入っとれと、ここまで言われているわけですね。それはなぜかというと、農林省はもうここ十年来一貫して、とにかく録音機回すと同じごとく、毎回同じことばっかり答えているわけです。そこで私、いまの、前向きで検討したいという、大臣のね、そういう話し合いをしたということについては、これは私自身もきわめていいことだと思うし、おそらくこの新聞を見た国民は、今日新しい、何次の佐藤内閣かわからぬけれども、とにかく長谷川農林大臣、大平通産大臣に大きな期待をしていることだけは間違いないです。そういう意味で私申し上げるんですが、いま大臣が言われたようなことで、実は大臣、この口蹄疫の問題でここで論争しようとは思わぬのですが、実際にはもう日本では三回も――第三回目は田中良男博士なんか行かれて、とにかく日本の権威者を網羅して向こうに調査に行っているわけですね。それで帰ってきて、確かに、何というか、いまの緊張した国際情勢の中で戦略的な関係もあって、ビールスの中身というものが明らかにできないという事情がどうもあるようなんです。だからといって、それならばどうなのかというと、大体一九六二年来口蹄疫は撲滅をされたというのが中共の言い分であって、そのために、その証拠に、実はイギリスにしろイタリアにしろフランスにしろ、中国から食肉を輸入しているわけです。このことについて農林省はいままではこういう答え方をしている。あれは汚染地域である、日本は処女地なんだ、だから汚染地域へ行くのはたいした心配ないけれども、処女地へ来るとたいへんなことになるんだと言って、国民をおどかし、あるいは畜産事業者をおどかしてきた、今日まで。私の言い方が間違いなら、これは訂正してもいいんですが、そういうことで、とにかくどこに意図があったかはわからぬが、そういう言い方で今日まで突っぱってきたことは聞違いないんですよ。ところが、それだけではもう済まされない国際環境が出てきたんじゃないか。あなたが非常に困っている古米の、四百六十万トンという古来をどうするかという頭の問題とも密接な関係を持ってきたわけですね。去年は十万トン中国から米を輸入した。これにかわるべきものがない限り、日中貿易は均衡貿易だから、したがって、もう何か肩がわりを見つけない限り、覚え書き協定というものは存続しないという、そういうせとぎわにいま立たされていることは私も承知しております。そういうことだけで、一切をパーにして無条件でやれとほんとうは言いたいところですけれども、しかし、なかなかいままでのいきさつがあって、あなた方そうもいかぬのだろうと思う。しかし、いま答えられている、たとえば前向きで研究をするというこの態度はいいのですが、前向きということは、基本的に中国食肉というものを輸入するという方針を一応持った上でどうするかという検討をするのかどうか、そのことは一切白紙であって、とにかく何だかしらぬけれど少しさわってみると、こういう程度のものなのか、ここをひとつ伺いたい。
#56
○国務大臣(長谷川四郎君) 今度のこの問題には、何ら政治的意図もなければ、何にもありません。ただ、そういうようなお話もあることを伺いましたから、それはもう、お話の中にもあったように、三回の報告が、絶対に菌がないという言明はしておらないのだそうであります。でありますから、なお一そうそういう心配があるとするならば、こちらからこういうことをやらせてくれないかという、これに乗って、それがやらせていただけるならばとにかく私のほうは輸入をいたしますと、こういう点と、もしそれができないというならば、他の方法に何かあるのならば他の方法を求めて、そして日本で輸入してもらう方法を考えてみたらどうなんだろう、まあここまで私は申し上げておるわけでございます。先ほどお話があったように、英国の話もございましたけれども、話を承りますと、英国では、六十万頭とか口蹄疫のために罹病し、そして六十万頭の牛豚というものを焼き捨てたということもまだ最近のことのように伺っております。もしそれ、日本にそのような疫が、菌が入ったということになりますと、こういう日本のような小さい国は、おそらくまたたく間に全地区にわたってたいへんなことになるであろう。とするならば、これは私の、農林大臣がやめたり農林省の局長が辞職したぐらいでもって解決をすべき問題ではない、おわびをすべき問題ではないから、そこは慎重にしながら進めてもらいたいと、こういうようなことを申し上げてあるわけでありまして、決して中国だからどうというような何の他意もありませんし、ただその問題だけ片づきさえすれば当然輸入をさせていただきたいと、こういうふうにまあ考えて、せっかく太田局長がいろいろ通産省のほうとも話し合い、また向こうのほうもいま手続をする段階になっておるんだろうと、こう考えております。
#57
○木村美智男君 だいぶ大臣のお答え、わかってきたのですが、実は大臣ね、イギリスのその口蹄疫のやつは私も知っている。やっぱり百億を上回る国費を出して防疫体制をとったことは承知している。しかし、これは中共から持っていったやつではないのですからね。アルゼンチンから持っていったやつだったのです。で、問題は、現に発生しているアルゼンチンから持っていったやつがイギリスでああいう問題になった。ところが、日本はいま、口蹄疫がないと言われている中国のほうはシャットアウトしているが、アルゼンチンから煮沸肉だといって輸入しようとしているわけですね。これは、お役人の頭では理解できるかもしれないが、国民にとってはなかなか理解できない。そんなにおそろしい口蹄疫なら、なぜアルゼンチンから煮沸肉で持ってくるか。それは煮てあるからだいじょうぶだと、湯通ししているからだいじょうぶだと言うかもしらぬけれども、専門家の言うところによれば、まだまだあれは問題です。特にビールスというやつは、私も何回か行っているのだが、靴の裏であろうが、とにかくこういう服であろうが、みんなついてくるのだから、そんなにこわいビールスなら、羽田に防疫体制を完全にしがなければならないのですよ、今日すでに。そういうことは野放しにしておいて、それで口蹄疫はこわいのだ、こわいのだということばかりを言っているから、いままで農林省と私の間はけんかばかりしておった。だから、このことを繰り返そうとは思いませんけれども、実際問題として、いまそれならば、それは与党の内部だって、私が申し上げるまでもないのですよ、実際にもう、古井さんにしろ田川さんにしろ、向こうへ行ってこられた皆さんは、口蹄疫なんというものはないのだと、こう言っている。大臣、もっとね、大胆なことを言えば、戦争中青島牛を輸入してきた。口蹄疫が満々と発生しているときに青島牛を十九万トン年間日本に入れておったのですよ。そのときには、まだあそこに検疫所を置いておいたけれども、いまほど科学とか医学の発達していないときだから、あそこへまず置いておいて、よだれをたらすような関係さえなければ、こいつだいじょうぶだといって枝肉で持ってきた。こういう状態もあった時期もあり、みんな過去のことを知っているわけですよ。だから、いままで農林省が頑強にやっているのは政治的な意図ではなかろうかと言われてきたのであって、まさに大臣の言うように政治的意図はないということで私もそれは了解する。了解するが、ただ前向きで研究するのに、いままでの農林省の言っておった五項目というやつを、これを旗をかかげて相手と話をする限り、私は前途に悲観的ですね、これは。だから、この五項目について拘泥をするのかどうか。これは、あの病気を、そういうものをないものにして入れたいというこの精神は私も同感であります。しかし、五項目というものに固執をすれば、相手方には相手方のメンツもあるし、それから今日とにかく世界一といわれる一たとえば、蒙古の国境では、大体二十キロにわたって全部防疫体制をしいて北からの侵入を防いでいるわけですから、そういった体制を全部ここで述べる時間はありませんけれども、そういうことをやっている中国としては、そういう五項目もつけて、これについてどうだ、これについてどうだと言われれば、全くもってこれは不信感に通ずるやつだ。したがって、向こう側としては、そういうことではという話になってくることは明瞭なんです。だから、ぼくはこの点は、おそらくイギリスにしろイタリーにしろフランスにしろ、これは日本とは正常な国交関係にあるんだから、だから農林省が外務省を通して、そうして出先に、フランスなりイギリスなりイタリーに、中国から持ってきているものについての現状はどうなんだということを私は積極的に聞けと言っているにもかかわらず、一回もそんなこと聞いてくれない。で、いままだここで、これこれの状態ならばということについて私が心配しているのは、あの五項目にまだ固執をする気でやっているんじゃないかと、こう私は実は勘ぐるわけです。
 そこで、もしそれに固執をしてやるんだということになると、新聞にこれだけ出ちゃった以上は、あなた方また国民を裏切ることになる。なぜかというと、私らも宣伝しますよ。大体今度のこれでもって入れると、驚くなかれ、とにかく加工賃、目減りまで三〇%見て、百グラム大体四十一円で入るんですから、だから多少小売りのマージンを入れてみても五十円以下であることは間違いない。だから、私、前に、政府はこれに十円ぐらいプラスして六十円にしたって安いんだから、その十円を、十万トン輸入するか二十万トン輸入するかわからぬが、これは畜産の振興対策費に充てたらどうかという、そういう建設的な提言までやってきた、いままで。だから、この辺のことまで考えていくと、とにかくこれは新聞には出た、しかし中国の問題はペケになったということでは、ちょっと済まされない。もう一つ、もっと大きな立場から言えば、漁業協定の問題もあるでしょう。肥料業界は一体どういうことになるのか。アメリカが鉄鋼について保護貿易のたてまえをとって、日本からの輸入を百万トンぐらい制限すると言っておりますから、当然このはけ口も中共に求めなきゃならぬという問題にも発展してくるんですよ。したがって、いまや中国食肉の輸入問題というのは、単なる物価対策とか食肉対策だけじゃなしに、日本のいわば貿易、外交、産業の問題全体に関係をする、そういう問題だという、大きなやっぱり観点で、大臣ね、取り組んでもらわないと……。それは、農林官僚として太田さんは違うかもしらぬよ。太田さんは、おそらく檜垣畜産局長当時の参事官だと思うんだ。あなたは、いままでの畜産局長の中じゃ当時のいきさつを一番よく知っているはずだ。ところが、あなたより前の畜産局長というのは煮ても焼いても食えない。どれもこれもそういう観点は一つもなしに、どっかから頼まれたかなんかわかりゃせぬけれども、とにかく固陋頑迷というか、言語に絶するわけです。そういう意味で、私はこの点は太田さんに期待している。
 したがって、この五項目という問題は、大臣ね、これに拘泥をされる立場でやられたんでは、これはもう、いまから悲観的な見方をする以外にないんで、私、望むらくは、とにかく日本の中に口蹄疫を持ってこないという保証を、何らかの形で、いろいろのことを、この接触あるいは相手との折衝の過程を通してむしろやるべきであって、この五項目がいれられなければ輸入するかしないかはきめられないのだといった、向こうをかまえて、てめえが困っているくせに、いばっていたんではだめだ。こんなことは頭を下げる必要もないけれども、もっと対等の立場で、すなおに相手の言い分は言い分として受けいれる。こちらの心配も率直に話す。この問題を、相手との折衝の中で解決すべき問題、そういうふうに理解をして、そうしてやってもらわないと、これは私いまからいやなここを言うけれども、もしそれにこだわるということになれば、あなた方は断られたときの口実をここへ求めているというふうにいまから予言しておきますよ。それで、新聞に出したら、国民に申しわけないから、だめになったときは、いや、これだけのことを言ったが向こうがけったからだめになった、こう言おうと、そういうはかりごともあってやったのだと、そのときにはぼくはそう言いますよ。もしそういうことでないとするならば、いま私が言ったように微妙な国際関係なんですから、
  〔委員長退席、理事吉江勝保君着席〕
ひとつ折衝の中でお互いの気持をよく通じ合わして、そうして防疫体制がよくとれるように、そうして、いまの食肉問題も解決をし、物価対策の一助ということにもなるし、あわせて日中関係の、他の肥料や機械や鉄鋼の関係やら、こういう問題もあわせて解決をしていくという大きな問題で、大臣、その辺ひとつ……。これは基本的な問題だから、大臣から聞かせていただきたい。
#58
○国務大臣(長谷川四郎君) 先ほど申し上げたように、五項目の回答がもし得られない、いかに期待してもこれが得られないという場合がある、そういう場合には、その有効適切な方法もとるべきじゃないか。それが、先ほど申し上げた他の方法というのは、たとえばアルゼンチンという話も伺いましたけれども、それならその方法があるのではないか。なるべくそういう点について十分検討を加えて、これを前向きに進めてもらいたい、こういうことを私から局長に話したわけでございます。
#59
○木村美智男君 局長、そういうお話を受けて、何か多少でもやられておりますか。
#60
○政府委員(太田康二君) ただいま大臣が御答弁になりましたように、五項目の回答が一番われわれのほうとしては好ましいわけでございますが、こればかりにこだわっていては、あまりにも硬直的で話が進まないということも、これは事実としてあるわけでございますので、これにかわるべき有効適切な措置が考えられないかどうかを検討してみろという指示を受けたことは、いま大臣がおっしゃったとおりでございます。実は現在、先生お話しなさったようなことでやるのか、いろいろやり方はあろうかと思いますが、とにかくわれわれのほうとしては、入れても全然心配がないのだということを何らかの形でとにかく得ておきたい。その具体的な方法がどうかということにつきまして、実は現在せっかく検討中でございまして、純技術的な立場から検討しておるのでございまして、通産省とも話し合いまして、できる限り至急案をまとめて、事柄が事柄でございますから、さらに大臣等のお許しも得まして、至急確定をいたしたいということで、せっかく作業中でございます。
#61
○木村美智男君 だいぶわかってきたような気がするのですが、これがだめならばかわるべき適切なということについてアルゼンチンを持ち出したが、実は、冷凍にしょうが何にしょうが、まずなまの肉を入れるというところに意義があるので、私は、煮沸かなにかで肉を入れるなら、この問題をそうやらぬで、アルゼンチンからやったらいいだろうというくらいにしか実は考えていないので、だから問題は、アルゼンチンの関係のような、そういったような煮沸肉ではないように考えておりますけれども、そういうことでいいですか。
#62
○政府委員(太田康二君) 大臣がおっしゃった、アルゼンチンの場合に準じてと申しますのは、向こう側がたとえば煮沸肉でも輸出してもよいというようなことであれば、それも一つの方法であろうということでございまして、私ども検討いたしておりますのは、当然冷凍肉としての輸入という見地からの検討をいたしておるのでございます。
#63
○木村美智男君 わかりました。それじゃしばらく向こう側との、あるいは通産との調整なり、相手との折衝なり、まあこれを見守りたいと思うのですが、これは政府間の貿易じゃなくて、御承知のような友好商社相互間でやっている、つまり覚え書き、協定でやるわけですね。したがって、いま、もし政府がそういう解禁の方針というものをきめた場合にはこうしたいという、双方の商社間で広州の交易会でいろいろ相談をされたようですが、これにはつまびらかに、その輸入のしかた等について、いろいろ協議書ができ上がってるわけですね。これはまあ御存じかもしれません。で、まあ、これがそのままどうこうということじゃありませんが、いずれにしても、そのどういうやり方でやるかということについても、これはお考えがあろうかと思う、実際に取引をする場合に。
  〔理事吉江勝保君退席、理事林田悠紀夫君
  着席〕
その際はまだそこまで検討してないんだということであれば、またそれもお答えでしょうし、もしまたそれ以外に、やはりいずれにしても、政府自身が直接手を下すということでないから、まあよく中身を検討した上で、あるいは注文をつけた上で、いずれは商社にゆだねようと、こういうことなのか、そこら辺ちょっと……。
#64
○政府委員(太田康二君) 率直に申し上げて、実はまだ私のほうとして、実際に話が全部うまくいきまして輸入をするということになりました場合に、どういうふうに商社との関係をやるかということについての検討はいたしておりませんが、いずれにいたしましても、まず私のほうの案を固めまして、御決定をいただければ、それで相手方と話し合いを、とにかくどういうルートでやりますか、いずれにしてもやらなきゃいかぬわけでございまして、これらが全部話し合いがつきました上で、正式の輸入の、手続的に言えば、私のほうの家畜伝染病予防法の省令で禁止区域にしていることになっておりますので、それをどうするかというような問題が出てくるわけでございまして、御承知のとおり、現在、食肉、特に豚肉、牛肉等につきましてはIQ物資でございまして、IQ物資の場合の取り扱いにつきましては、従来ともいろいろ一定のルールがございまして、これらも勘案して将来検討しなければならぬ問題だと思いますが、現段階におきましては、まだそこまで、率直に申し上げて、検討いたしておらないという実情でございます。
#65
○木村美智男君 そこで、これは二つばかりにしぼって、大臣お忙しいようですから……。
 今度のやつは、とりあえず牛肉ということになってるけれども、実際問題として、豚肉はあるいは必らずしもそう……。日本よりは安いけれども、牛肉ほどの開き、物価対策的な要素はないと思うのです。しかし、マトンだって相当遠方から入れてきていますね。したがって、牛肉だけじゃなしに、これは安いということになれば、豚肉なりマトンでも、これは同じように考えていくのかどうかということが一つ。
 それからもう一つは、けさ新聞で多少心配になっているのは、自民党の国会議員さんが二十人ぐらい、いまのところ……。いまにどれくらいになるかわかりませんけれども、反対だという同盟を結んでやり出すような動きが新聞にちらっとあった。私は、佐藤内閣が今日の施策の最重点施策だという物価問題の一環としてのこの問題だから、それは自民党総裁としての佐藤さんがそのくらいのことは押えてくれるだろうとは思いますけれども、大臣、しかし、こういう問題こそ国民のほうを向いて、大局を見て処置をしてもらわないと、これは国会議員の十五人や二十人、そんなものは牛肉食わぬでもいいかもしれぬけれども、国民は待望しているのだから、そういうことについては十分ひとつ省内でも意見調整をしていただきたいとは思いますが、あまりそういうことにとらわれて、こういう問題で大局的な判断を誤りないように、ひとつこれは大臣に特にお願いをしておきたい。
 この二つをお伺いして、非常にお忙しいようですから、大臣に対する質問を終わります。
#66
○国務大臣(長谷川四郎君) 前段の件は、もうそれがきまりさえすれば当然なことでありまして、マトンであろうが、豚であろうが、それは当然なことだと考えます。
 それから後段については、まだ私も承っておりませんけれども、お互い日本の畜産奨励という立場もあって、いろいろの御意見もあるだろうけれども、一方、物価問題という見地に立ってなさなければならない問題については、私は私としての考え方で進んでいく考えでございます。
#67
○木村美智男君 いや、大臣、私言ったのは、そこのところを考えてほしいという意味は、あなたが農林大臣だから。ぼくも、あるいは日本社会党としても、今日の日本の酪農というものについて現状のままでいいとは思っていない。将来はこんな食肉なんというものは自給体制をとるべきだ、一面ではやはり草地造成をやり、どんどん飼育センターをつくって、国が安く子牛を配給するというようなことにも金を使って、そうして畜産事業というものの増産体制を確立する、これは一つ前提としてあるんですよ、私の言っていることの中に。だから、問題は、先ほど私が言うように、もし小売りのマージンまで入れて五十円以下というような段階が明確になってきたら、政府は多少商社に対しての関係を規制をして、国のほうに、たとえば道路を使う場合のガソリン税の目的税みたいなもので取りなさいと言っているのだ、ぼくは。そうして、それを国内の畜産事業振興に充てなさい、そうして、いつの日かやはりその畜産事業の自立体制をつくっていかなければいかぬというのが基本的な私の考え方なんです。そういう意味で、二十数人がどうだこうだと言うて、肥後牛がどうなるとか、あるいは神戸牛がどうとかということで騒ぐことだろうと思っておりますが、そういうことだけで近視眼的に問題をながめられては困るので、十分これは閣議の中でもひとつやってもらいたいし、農林省としても、そういうPRもぜひしてもらって、そうして、やる段階には、ひとつ国内の自給体制確立と、あわせて当面の物価対策なり生活水準向上に伴う食肉需要をまかなうことは、国際的にとにかく食肉というものは不足しているわけですから、今日の時点であそこへつながりができなかったら、もうこれは、あとで足らないから何とかしてくれと頭下げて頼んでもだめだという時期だって考えておかなければならないのですからね。そういうことを私どもも考えながら、自給体制を確立するというところに農林省は本腰を入れて一歩踏み出してもらう、これが側面に二つあるわけですから、ここを十分ひとつ考えて、大臣、大局的に通産大臣と十分協議をして、閣内でもあなた方の意見がスムーズにいくように、私は今後の大臣の健闘に期待をしまして、大臣に対する質問は終わります。
 局長ね、この前、あなたの所管ではないから、あまり責任的な意味で申し上げるのではないのですが、例の畜産事業団が、昨年豚肉が暴落をした際に、大体一万何千トンか買い込んで、今年の六月か七月ごろまでに全部放出しましたね。その結果、いろいろ、保管料、何だかんだというようなことがかかって、実際には四十六億円からの赤字が出たという問題、これは一体どういう処理に現在なりつつあるのかということが一つと、もう一つ、放出する際の価格というやつ、つまり、畜産事業団が買い入れをする最低三百二十円、最高三百九十円になったら放出するという、この三百九十円で市場に出しているのか、あるいはもうちょっと保管料のことやなんかを考えて、もっと上の値段で出したのか、実は伺いたい。
#68
○政府委員(太田康二君) 前段の問題でございますが、私のほうは、四十二年度決算で明らかになった赤字部分につきましては、明年度予算でこれを補てんしてもらうべく、たしか二十億だと思いましたが、二十億で予算要求をいたしております。
 それから二番目の問題は、せりでやっていただいておりますので、三百九十円ということで放出いたしておるわけではございません。
#69
○木村美智男君 いや、三百九十円で放出しているんでないということは、六月ごろは四百五十円くらいしておったし、七月は四百七十円、九月は五百二十円と上がってきておるから、もし、その買い入れ、それから放出というあの価格でやっていれば、当然赤字が出てくるから、まあこれは事業団の運営の問題ですけれども、わかりました。その点はけっこうです。ただ、四十六億が二十億に減ったというのは、多少農林省内のやりくりをして減らしたということなんですね。実際の数字は二十億じゃないですよ。
#70
○政府委員(太田康二君) 先ほども申し上げたのですが、四十二年度決算で明らかになった赤字をとりあえず埋めてもらうということで二十億の赤字補てんを現在要求しておるわけでございまして、いずれ、私のほうといたしましては、四十三年度の決算でまた確定をいたしますれば、その分につきましても、将来の問題としてやはり財政支出を要求したい、かように考えておる次第でございます。
#71
○木村美智男君 そこで、大臣帰られちゃったんでね。牛乳問題で依然としてまだくすぶっておるんですよ。しかも全国的に波及しそうだ。しかし、小売りの三円値上げというやつが、最近はメーカーのほうが卸を二円上げますよという、そのこともあって、こんとんとしているわけです。これは一体、農林省としてはどういうふうにこれは扱っているのですか。
#72
○政府委員(太田康二君) 先生御指摘のとおり、本年の十月中旬ころ、東京の下町から始まりまして、従来と違った形で、小売りが主導をして、確かに従来一合二十円のものを二十三円にということで値上がりが広がっておることはおっしゃるとおりでございます。そこで、まあその理由といたしておりますところは、現在のところ、配達人の労賃がやっぱり上がっておるというようなこと、あるいはこれらの方々を恒久的に確保するためには、福利対策費あるいは施設費等をもっと整備しなければならねというようなことが理由になっておるようでございます。ただ、先生にも御理解いただけるかと思いますが、そういった事情は実は生産者の生産段階の経費にもあるわけでございまして、本年度の乳価の決定にあたりまして、まあ生産者が必ずしも満足しない価格で――まあ実は本年度は末端価格の引き上げが困難だというようなことで決着がついたことは御承知のとおりだろうと思います。そして、小売りが、先生も御承知のとおり、従来二十円の価格の中で、三五%、七円を取っておったわけでございますが、それが一挙に三円値上がりということになると、十円になろうかと思うのでございますが、現実の問題として、消費者が全部が全部これに応じて三円払っておるということでもございませんでしょうし、また、集団飲用の乳価につきましては、それだけ上げられないというようなこともございまして、現実的には必ずしも三円が実現しているというふうには考えておりませんが、いずれにしても、従来の価格ルールは、やはりこの牛乳価格の形成というものが、生産者とそれから乳業メーカー、小売りとの三者の話し合いによってきまってきているというような経緯もございまして、実は現在三者間でそれぞれの立場からの話し合いが行なわれている段階でございます。
 そこで、確かにそれぞれの理由はあろうかと思いますが、私のほうといたしましては、いま直ちにこれに介入して、たとえば指導価格等を設けて価格指導をするというようなことにつきましては、これも先生御承知のとおり、昨年の春の値上げの際に指導価格を撤廃したというような経緯もございまして、いま直ちに指導価格をつくって指導すべきであるかどうかというような点については、慎重にこれを配慮しなければいかぬと思っております。いましばらく三者間の話し合いの様子を見て、しかるべき段階で指導に当たりたい、こういう態度でいる次第でございます。
#73
○木村美智男君 その指導価格をつくれとはぼくも言ってないのですよ。言ってないけれども、いまのような話をしばらく続けさしておいて、そうしてそれから指導すると、こう言うのですね。問題は、指導する方針が問題なんです。大体ほんとうに指導しようという気があるなら、小売りが三円上げたときに、これはとにかく配達人等の最近の人手不足という理由一点ばりなんですが、それが不当だと言うべきなんです。これは全然言わないでおいて、いま三円を黙認しておいて、今度はこいつの分配相談をやっているのをいまながめているという、これじゃ全く指導性がない。だから、これはあとで三者間の話し合いを見て、とにかく三円というものを削るという立場で指導をするのでなければ意味がないと思う。そういう点で、とにかくビールも三円だけれども、牛乳も三円ですよ。なぜ小売りがそういうことを……。私は小売りの実情を知らぬわけじゃないから、全然ゼロでいいとは思いませんけれども、あれは、一人の配達人が大体一日三百本から三百五十本ぐらい担当している。そうすれば、三円上げてごらんなさい。大体千円でしょう。一日千円のベースアップになったら、二十五日間働いたって二万五千円のベースアップです。そんなべらぼうな話はないのだから、そこら辺をだまっておって、いま話をするのをしばらく静観をしていて、あとで指導するのだと、こういうことでは、ちょっと私は、やはり、農林省として指導性に問題がある。きょうは方針的なものは出していないようですから、これはまあその辺で。とにかく最小限度にあの値上げは食いとめる、こういう方針でやってもらえるのかどうかということ。
 それから、せっかく公取委員長が来ておりますから……。新聞によると、八王子の牛乳組合の立ち入り検査をされたようでございますけれども、調査の結果どういうことが出てきたのか。そうしてまた、そこには、小売り間の共同行為なり、あるいは事業者団体とある行為があったのかないのか、ここら辺をひとつお聞かせいただきたい。
#74
○政府委員(太田康二君) 先ほども申し上げましたように、確かに値上げの理由は、小売り段階での労務費のアップ、あるいは福利厚生費のアップ、あるいは宿舎施設の整備等の経費を理由に言っていることは事実でございますが、われわれがこれを、何と申しますか、調整指導いたします場合に、本年度の乳価決定の際における生産者の言い分、その後の生産者のやはり労賃の値上がり等に伴うコストのアップというような事情もございますので、これらを十分それぞれの立場からそれぞれ聞きまして、まあ三者間での話し合いということがつけば一番よろしいわけでございますが、最終的になかなか話がつかないということでありますれば、それぞれの立場を聞いた上で、われわれは調整、指導に当たりたい、かような姿勢で処してまいりたいと思っております。
#75
○政府委員(山田精一君) ただいま八王子の牛乳商業組合について御質問がございましたが、その具体的案件につきましては実はまだ調査は終わっておりませんので、その経過について申し上げることはひとつ御容赦をいただきたいと思うのでございます。ただ、一般論といたしまして、私どもといたしましては、価格協定なりあるいは事業者団体が価格を決定した事実があるかどうかということには十分な注意を持って監視をしておるわけでございます。ただいま御指摘のございました一つの組合だけではございませんで、全般にわたって監視をいたしております。ただ、これも一般論でございますが、具体的な証拠をつかむということにはかなりの困難が伴っておりますことを御理解をしていただきたいと思います。
#76
○木村美智男君 畜産局長ね。いまの最終的に調整をするというときに、話し合いがつかないから、小売りは三円、メーカーがいま小売りに向かって言っているように、そのうち二円よこせというのが、ワクの中から外へ出て、三円プラス二円、生産者も気の毒だから、では一円、合計六円というふうな話にはならぬだろうね。そういうようなことをやられたら因るので、三円もちょっと問題ですよ。そういう立場で今後の調整指導に当たるということでいいですか。
#77
○政府委員(太田康二君) 先生の御指摘のようなことには、われわれも絶対考えておりませんので、小売りが一方的に、先ほど申し上げましたように、いままでの七円のものを十円にするというようなことはおかしいというふうに考えております。したがって、たとえば乳業メーカーも、コストが上がったからその分三円の上に二円乗せるとか、生産者も、生産費が上がっているのでさらに一円その上に乗る、したがって、合計六円値上げというようなことをわれわれは決して考えているのではございません。そこで、それぞれの言い分を十分聞きまして、いませっかく話し合いをやっておるような段階でございますから、適正に処してまいりたい、かように考えております。
#78
○木村美智男君 局長ね。私は、率直に言えば、メーカーの分だけはゼロにしてもらいたいと思う。あなたも御存じのように、とにかく乳等省令というのがあるでしょう。あれを見ていくと、乳脂肪分が三%になっているわけですよ。いま牛から直接しぼってくる乳そのものは大体平均して三・二%くらいの乳脂肪分を持っているわけです。ところが、あらゆるメーカーを見ていると、クリーム分離機というのが、工場の中に、でかいのがあって、〇・二%実は脂肪をしぼって取っている。それをバターやチーズその他の製品に回して、こういう余剰のもうけをメーカーがやっているのだから、この際メーカーについては二円よこせというようなことは全く不届き千万、これは認める必要はない。生産者は、酪農の関係のいまの実情というものは、私も全部は知っておりませんが、多少見て、これはなかなか要員確保の面から、労働から、たいへんな状態になっていることは事実わかります。したがって、そこら辺を考えれば、三円ではなしに、もっと下げた形で、メーカーの分をあとで措置するくらいにちゃんとこの際取るべきだというのが、これは私の意見で、これについては答弁を求めませんから、大体そういう考え方で一応農林省のほうとしても対処をしてほしい。
 公取委員長、最後に一つだけお伺いしますが、実は再販の問題なんです。しばらく私は再販問題で、じっと静観と言ってはなんですが、静かにしておったわけですが、この再販の問題は、どうも公正取引委員会はちょっと腰がくだけたんじゃないかという気がする。しかも、腰がくだけようが何しようが、これが弊害として何も出ていなければ、これは委員長、私はそれで何も言わないでいいと思う。ところが、最近実はだんだん今度の洗い直しという問題が延び延びになってきた。こういうことが新しい条件を生んできまして、一段と再販に対する弊害がひどくなってきた。そういう意味で、実は公正取引委員会には、エスエス製薬からエスカップについては届け出があると思うのです、みんな再販指定商品ですから。これの卸原価と小売り、つまり販売価格というものを資料として実は提示をしてもらいたい。これが私の持っているのと同じかどうか、それによっては、これはたいへんなやはり問題があるわけなんです。
 それから、この際、再販指定品目について、原価、小売り価格等の届け出一覧表が公取として持たれているのじゃないかと思うのです。これは物価の委員会に資料として提示を願えるだろうか。どうせ、こういうものはないしょにしておくべき筋のものじゃないと思うので、これはぜひ出してもらいたい。
 なぜ私がそういうことを言うのかというと、弊害が一段と顕著になってきているという意味は、とにかく、最近の再販はいわゆるブランドのイメージアップ競争があっても、いわば自由な価格に対する競争がなくなっているんですよ。これが今日の再販制度の基本的な問題点なんです。しかも、末端の価格というものは、御承知のように拘束をされている。その価格の中で、非常に多額なマージンなりリベートが操作をされている。はなはだしきに至っては、実際は三九%くらい、あとの六一%というのは、これはもうマージン、リベートの部類に属する、こういうことが、再販の制度というものを設けた趣旨から許されるのだろうかということが、私これは、問題点の一つです。
 二番目には、再販制度を使って、やはり販売の系列化というものをどんどんいま進めています。言ってみれば、縦のカルテルというものが、きわめて、何というか、組織的になりまして、これはいまや、再販制度をとってしまおうが何しようが、びくともしないという体制にまで実は進んできておりますね。そこら辺について問題はないのか。最近、私見ておって、化粧品店が非常にきれいになった。ところが、店内改装の三分の二の経費というものは、みんなメーカー持ちですよ。しかも、入り口のほうは少し高い。奥になるほど少し安くなって、そういうことにして、もうそこの店主は三分の一持てば店内はきれいに改装される。これは何かといったら、再販から出てくる利潤によってこの店内改装をしている。こういう状態が、一体再販の本来の制度から言って、委員長、正しいのかどうかということ、これは一つどうしても問題だ。
 それから、確かに、小売りの実情を聞いてみれば、マージンなり、リベートというものが小売りを保護している一面ということを私は否定しません。否定しませんが、そういうことから考えてみると、本質的には、この再販制度というのは、メーカー擁護のこれは制度であることだけは間違いない。遺憾ながら、小売りその他は実際にはごまかされているのであって、今日の再販制度はメーカーを擁護していることだけは間違いがない。そうでなければ、あれほど膨大なリベートを出し、マージンを出し、店内改装の費用を出して、それで年間何十億という収益をあげるなんということはできっこない。これだけの重要な、実は再販問題が洗い直しということで延び延びになってきて、しかも、公正取引委員会が、わりあいにほかではき然たる態度を示しながら、この問題については、なぜかしら、とにかくぴしっとした態度をおとりになっていない。ここのところは、私、本年の終わりだから触れたわけですが、百円化粧品の進出と、外資がどんどん入ってくるという条件の中で、ほんとうに再販制度が小売りを擁護するものであるかどうかということについては、私は疑問を持っているし、いまにしてやはりこの問題についてある程度のメスを入れてやらなければ、小売りの近代化もできないし、外資に対抗することもできない。こういう意味を含めて、公正取引委員会が小売りを表向き近視眼的に擁護したことになったけれども、長い目で見れば、小売りに対してプラスにならなかったというそしりを受けないように……。私は実は心配しています。これは、年がかわってから本格的な再販論争を、私ぜひ委員長にも――論争というよりも、高邁な理論をお聞かせいただきたいと思っていますが、一応問題提起だけ、きょうはしておいて、大体一通りの見解を伺っておきまして、それであと最終的に、じゃ年内洗い直しの結果を告示として出すかどうか、それとも来年にこれは送られるのかどうか。聞くところによると、初めから再販に指定すべきものでないようなものを取りはずしたり、たとえば、要指示薬のようなものを、あんなものを取った程度で、言ってみれば、まことに失礼ですけれども、お茶を濁すという、こういうようなことに終わりそうな気がするので、予感がするので、これは委員長に、いまの基本的な問題を実はもう一回振り返っていただきたいという意味で申し上げたわけですが……。
#79
○政府委員(山田精一君) ただいまのお尋ねの第一点でございますが、現在の再販制度がメーカーを擁護するものになっておると、こういう御指摘でございました。これは、そういう面も確かにございます。再販制度は、私の考えでは、メーカーのブランドを保護いたすという法益が第一でございまして、第二には、消費者の――これは順番を何も軽重で申し上げているわけではございませんが、消費者の利益を保護するという法益と、それから第三には、やはり流通段階における零細な小売り業者の保護をいたすという法益と、この三つがからみ合ったものであると、かように考えておるわけでございます。その時々の情勢によって、この法益のいずれかに多少のウェートがかかるということも当然あるかと存ずるのでございますが、現在の時点において考えまするというと、これは通産省のほうからお願いいたしたほうがよろしいのかもしれませんが、わが国の末端の消費財の流通段階、これにはかなりの問題があるように思います。現在、零細な小売り業者の数が非常に多いのでございまして、これには新規参入も始終ございますし、それから脱落していくものもあるわけでございます。一方、そこに専門店としての小売り業者のほかに、最近、スーパーマーケットなり、あるいは大型店なり、いろいろなものができてまいりまして、流通段階というものは、いま一つの激動期にあると申しては非常に誇張かもしれませんけれども、ある過渡期にあるということは少なくとも申せると思うのでございます。したがって、これが、国民経済の立場から申しまするならば、流通段階ができるだけ合理化されまして、能率のいいものになってほしいと、これはもう私ども衷心願うところなのでございますけれども、それは当然、御担当の役所において十分検討していただいておることでございますけれども、何ぶん、問題の根は深いものでございますから、それが解決するまでには、ある時間的の要素はどうしてもかかるのではないか。その辺の流通部門の合理化、効率化とにらみ合わせまして、この再販制度というものも逐次理想の方向に持ってまいりたい、これが私どもの根本的の考え方でございます。
 それから販売の系列化、ただいま御指摘のございました店舗の改装費の大部分を負担すると、まあこういうお話がございましたが、これは、直接再販制度と関係なくってもこういう問題が起こっておるのでございまして、いま具体的の商品名は申し上げることを差し控えさせていただきたいと存じますが、再販に乗っておりません商品で、さような、ほとんど同じようなことが行なわれておる例があるわけでございまして、これが不公正な取引に該当いたすかどうか、現在鋭意検討中でございまして、一部の調査も実行いたしておるわけでございます。これは早急にその辺の判断を下したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それから、ある製薬会社の特定の品目をお示しございましたが、これは私、いま再販に届け出されている品目でございますかどうでございますか、ちょっと記憶いたしておりませんので、これは取り調べた上であらためて御報告をさせていただきたいと、かように考えております。
 それから原価とリベートの表のことでございますが、何ぶんこれは品目の数が非常に多いのでございまして、これをお目にかけられるように整理をいたし、ある程度の時間はかかるかと思いますが、十分に前向きに検討いたしたい、かように考えておるのでございます。
#80
○木村美智男君 じゃもう一つで、これで終わります。
 それから、いまのやつは来年にどうせ持ち越しますから、私もただいまの答弁でけっこうだと思います。
 ただ、最後にもう一つお伺いしたいのは、ことしももうこれで終わりですから、それで、合併問題でやはり触れてきました関係でお伺いしたいのですが、非常に公正取引委員会の今日のとってこられた態度というものは、日本における、要するに産業経済の民主化というか、そういう上で、金融財政政策と並んで、独禁政策をきわめて有効にというか、公正に私は運営してきたと思うのです。その最終というか、まあいわば帰趨をきめるものが今日の大型合併の問題だと、それも、単に企業が合併をして大型化するという意味でのいわば合併の問題としては、私どうこうということは申し上げないのです。だから具体的に聞きたいのですけれども、具体的な問題になれば、目下審議中なのでと、こう言われるので実は困るわけなんですが、いま公取としても、新聞で見る限り、どうも鉄の問題等についても、議論の焦点が二つの筋にあるということが言われる。二つの筋というのは、意見が対立しているというのでなくて、分類的な意味でですね。たとえば、一つは、例のリーダー論というやつですね。したがって、鉄鋼産業にリーダー企業をつくるかどうかという問題が一つ。それからもう一つはシェア論というやつで、そこの企業が主要製品としてつくっているやっと、その他の関係の集中度が、どういう状態になっているかということから判断するという、これは特に公取委員会として、このリーダー論を警戒をしているようでありますが、私は、あとのシェア論のほうにもだいぶやはり問題がある、こういうふうに見ているわけです。
 というのは、たとえば、確かに、八幡・富士の合併の場合に、主要製品ではないが、レールであるとか、あるいはブリキであるとか、こういうものは、ものすごいこれは高いシェアを持つことになりますね。これは委員長御承知のとおり。で、やはりレールが高くなれば、いまの国鉄は、それでなくたって、民間の会社なら破産寸前ですから、これはやはり運賃値上げに響いてくるという関係に必ず発展してきます。それから、ブリキなんというものは、特に今日日本のかん詰めがなぜ高いか、かん詰めの中身はわずか三割だと、あとの七割はかんで、かんが高いのだという話も実は聞いている。これは極端な例かもしれませんが、そのかん詰めの高い理由というのはそういうところにあると言われているようなことを考えてみますと、シェア論をとって、これは主要製品でないから集中度が高くても独禁法としては許されるものなんだという見解がもし成り立つとするならば、これは非常に大きな問題だというふうに私考える。
 それから同時に、リーダー論の場合でも、これはもう文句なしに管理価格との関係が出てきますから、この点は、これはまあ私は、公正取引委員会がまさかリーダー論というものを無視して判断をするようなことはないと思うんです。これは信じておるわけなんです。シェア論をとったにしても、いま言ったような問題がある。
 したがって、要するに、あの十五条の、一定の取引分野における競争を制限する、そういう状態等の場合、やはりあすこのところが非常に判断としてはむずかしいかもしれませんけれども、これは私、よく例に霞が関ビルの話をするわけですが、とにかく、いままでの日本のビルは、八階、九階、十階、というビルの中に、こういうふうに、によきんと三十六階が建った。いみじくも、八幡・富士の合併が、粗鋼生産のシェアは三五・七といって、三十六階ですよ。あれがまさに象徴なんです。鉄の合併の象徴なんです、あの霞が関ビルが。これを認めたら、やっぱり、あのビルがへいげいしていると同じように、それは太刀打ちできないです、いろいろの面で。私は、寡占状態になることがいけないと言っているのじゃない。これは経済の趨勢であり、国際的な趨勢だから、寡占はいい。その寡占が競争的状態に置かれている限りは、私は、何ぼ合併しょうが、これは自然の成り行きで、いわば資本主義のもとにおけるこれは必然的なものだから、これは私は否定しない。しかし、一段ぬきん出て、霞が関ビルのように出る。今度のような鉄鋼の問題は、何と説明しようとも、前の宮澤さんなんか、鉄は紙と違うなんて、非常に大ざっぱなことを言っているけれども、あれはほんとうに独禁法わかってるのかどうかと思ったぐらい。
 だから、これは相当、独禁政策そのものについて、片方からは、公取委員長あまり独禁政策をきつくやるなら独禁法を改正するぞというおどかしも一面にあるけれども、あまりそういうことを心配せずに、やはり経済の民主化ということ、それから日本の今日の高度成長が競争によってやっぱりこれだけの発展をしてきているということ、あるいはUSスチールが今日すたれてきている原因が何にあるのかということを考えてくれば、産業界のためにも、あるいは国家国民のためにも、私は、鉄の合併という問題は簡単に認めるべき筋合いのものではないという、これは信念的なものを持っているのですが、きょうは時間がありませんから論争をしようとは思いませんが、ぜひ山田公取委員長が今日まで築き上げてきた業績を、最後のこの一つで欠くようなことだけは、あなたにぜひしてもらいたくない。これだけは特に私希望いたしまして、ことしの最後の公取委員長に対する質問にしたいと思うんです。感想でもありましたら、ひとつ承っておきたいと思います。
#81
○政府委員(山田精一君) 非常に有益な御示唆及び御激励をいただきまして、厚くお礼を申し上げます。リーダー論、シェア論というお話がございましたが、これは、言いかえれば、シェア論のほうは構造基準、それからリーダー論のほうは行動基準であるかと存じますが、公正取引委員会といたしましては、現在の独占禁止法を運用する機関でございますから、第十五条の「一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる」かどうか、この点からむろんこの二つの要因も十分考え合わせまして、この十五条に基づきまして判断をいたしたい、かように考えておる次第でございまして、目下慎重、またできるだけ鋭意急いで検討をいたしておる段階であることを御報告させていただきたいと存じます。
#82
○木村美智男君 植木さん、お答えいただく前に、ちょっとだけ……。
 植木さん、政務次官になって非常にいま張り切ってやっていられるところだと思うのですが、いままでの、名前はあげませんが、政務次官じゃなくて、事務次官のほうが少し先走ってどうこう言うと、やはり通産省は業界と一体だ、こう見られがちなんです。見られがちなところへもってきて、言うことが同じようなことを言うものだから、特にその疑惑を深めている。実は、この合併問題では、山本前次官、熊谷私案などといろいろ出まして、公正取引委員長は一向そういうことには圧力は感じないと言ったけれども、客観的に見て、こういうことはあまり政府として、官庁としてやるべきものじゃないと、こう思っているのです。あなたが次官に来られたので、今度そういう動きが出たときは、ひとつこれはあなたも責任の
 一半を背負ってもらわなければならぬ。そういう意味で、椎名前通産大臣にも一回そのことについて申し上げたら、それ以来非常に慎重な態度をとられました。今度の大平さんも、きのうの衆議院の答弁では、大体そういうことのようですが、ぜひひとつ、公正取引委員会に通産省出身の委員がいるからといって、あまり呼びつけたり、あるいは意向を押しつけたり、こういうことはひとつしないようにしてもらいたい。そうしてもらわないと、ほんとうに委員長の言う公正な、あるいは慎重な判断ということに、やはり狂いが出てくると思う。そういう意味で、せっかくおいでになったものだから、新次官として抱負の一端として、いまの問題についてお答えをいただきたいと思います。
#83
○政府委員(植木光教君) この間、通商産業政務次官になりました。どうぞよろしく御協力のほどお願いいたします。
 ただいまの木村先生のお説はごもっともでございます。大平大臣をはじめといたしまして、八幡・富士の合併問題については現在公取で審議中でありますので、通産省としての意向は、求められたときにはもちろん表明しなければなりませんが、現に通産省のほうから発言をするということは差し控えておりますし、今後もその予定でございます。
#84
○理事(林田悠紀夫君) 竹田君。
#85
○竹田四郎君 たいへん時間がおそくなりましたから、簡単に、横浜の中央卸売り市場の問題について二、三お聞きしたいと思います。
 ちょうどいま年末で、先ほども正月用品の問題についての物価規制の問題があったわけですが、横浜の中央卸売り市場は、御承知のように、計画が大体百万人の規模の中央卸売り市場ということですが、実際は、人間がふえちゃっていますから、いま二百万人の台所ということになっておりますが、特に最近は混雑がすごいということは、施設庁のほうも御存じであろうと思いますから、そういう点についてはあまり触れませんけれども、とにかく、小売りの八百屋さんにしてみると、もう朝の三時ごろから二人ぐらいで市場に乗りつけなければ早く荷は持ってこれない。持ってきた荷も、大体午後の三時ごろにならないと店に並べることができないというような形で、非常に自動車の混雑、そのために、特に生鮮食料品を扱っている市場としては、その鮮度も落ちるし、また経費というものも非常に増高をしてくる。幸い隣りに米軍のランドリーがある。このランドリーは、坪数にいたしまして二千二百坪くらいの坪数で、ちょうど適度なところなんですが、ここをひとつ開放してほしいという話でありますが、その話について施設庁のほうではすでに御存じですか、どうですか、その点をまず承りたいと思います。
#86
○説明員(鶴崎敏君) ただいま先生からお話のございました横浜ランドリーの返還の要望につきましては、局のほうからも、地元からそういう要望があるという報告をいただいております。なお、この横浜市の中央市場の現在の状況というものにつきましても、局のほうから概略の報告は受けております。
#87
○竹田四郎君 十月二十九日でしたか、おたくのほうだろうと思うのですが、西川さんという方がお見えになっているそうです。その御報告によると、持ち帰ってひとつ検討しようというようなおことばがあったように聞いておりますけれども、それに基づいて何か検討されたのかどうなのか、その検討の結果はどういう結果であったのか、さらに、もしランドリーの問題で日米合同委員会等において米軍と折衝された経過があるならば、そうした点について御報告いただきたいと思います。
#88
○説明員(鶴崎敏君) このランドリーの問題につきましては、これだけでなく、現在の基地問題の全般的な状況から見まして、今後の基地のあり方というものを全般的に現在検討しております。したがいまして、この横浜ランドリーの問題にいたしましても、そういった観点から、全体的な検討の一環として、現在検討しております。しかしながら、この問題について、まだ米側と直接的な折衝には至っておりません。内部的に検討を進めておるという状況でございます。
#89
○竹田四郎君 私どもがランドリーを見ますと、施設もすでに古いものだし、住宅関係の洗たくものが非常に多い、こういう話であります。まあ、洗たくの方法も、聞きますところによると、非常に古い形でやっているということで、非常におくれた洗たく工場ということになっているわけですが、いままでは地主との話し合いというものがあまりうまくいってなくて、そういう点であまり表へ出なかった問題ですが、最近は、地主のほうも、市のほうと土地の交換をしてよろしい、こういう快諾を得ているという点に発展してきておりまして、そうした観点から見ると、むしろ、いまの特に物価関係の立場から見ますと、非常に大きい役割りをこのランドリーのあと地が果たすのではないか、こういうように思うのですが、内部の検討は、一体いつごろその検討結果が出てくるのか、これは早急にやってもらわないと困る問題だと思うのですがね。その辺の見通しをひとつお聞かせ願いたいと思います。
#90
○説明員(鶴崎敏君) 先ほども申し上げましたように、全般的に基地の今後のあり方について検討をしております。この問題についても検討を現在進めておりますが、これを米側にいつ出すかということについては、なるべく早い機会に出したいとは考えますが、時期的にいつまでということは、現在この席ではちょっとお答えできかねると思いますが、よろしく御了承をお願いいたします。
#91
○竹田四郎君 そうすると、施設庁のほうは、このランドリーはとにかく解除してもらうという態度はきまっているんですか、きまってないんですか。
#92
○説明員(鶴崎敏君) まあ、この施設を米側から返還してもらう場合に、米側としては、このランドリーを無条件で廃止できるかどうかということが一つ、それから今後もどうしてもこういった施設を継続的に必要とするという場合には、当然、日本政府として代替の施設を提供しなければ米側との話がつかないわけですが、こういった問題について、今後国の内部としても検討しなければ、米側に具体的には話ができないということでございます。先ほども申し上げましたように、現在のいろんな基地問題というのは、そのほとんどが、その周辺の開発その他に関連があるわけでございますから、いまのような問題もそういったケースに該当するわけで、われわれ、できるならばひとつ何とか先生のおっしゃるような方向で解決できるように検討したい、こう思っております。
#93
○竹田四郎君 いまの部長のお話ですと、何かアメリカ側の意向を聞かなければこっちの態度もきめられない、こういうようなふうにとれるような御発言に受け取ったわけですがね。戦術的あるいは戦略的な意味から考えますと、それはなるほど、安保条約を否定しようがしまいが、一応非常に重要に考えなくちゃならぬと思うのですがね。私どもが承っている点では、この点は、住宅用のランドリーだ、住宅用のランドリーであるとすれば、これは私は、そう大きい戦略的な問題はなかろうと思うのです。しかも、施設そのものとして、きわめて古い施設だ。そうであるならば、日本国民のいまの一番悩んでいる物価高という観点からいけば、もっと私は、施設庁が自分の態度をきめて、そしてやり得る問題だと思うのです。戦略的な立場からの問題であるならば、私はこれはそう簡単には言えないと思うのですが、これを米軍に話をすれば、これは当然、自分のいままで持っているものですから、いやこれは継続をして必要でございますと言うにきまっていると思うのです。こんなものは、私は、簡単に言えば、あの付近におけるいまの洗たく工場というのは、どちらかと言うと、過剰ぎみなんですよ。だから、むしろそういう民間の洗たく工場に出しても、私はこれは一向に差しつかえないものだと思うのです。そういう点に何か差しさわりがあるなら、ひとつはっきりおっしゃっていただきたい。もしないとしたら、私は、まずこちら側の意見をまとめて、そしてそのまとまった意見に基づいて、むしろ米軍側と折衝する、こういう形でなければ、いつまでたっても返還というようなことは実現できないだろう、このように思うのですが、どうですか。
#94
○説明員(鶴崎敏君) 米軍に提供している施設は、いろいろと使用目的があるわけですが、現在、先生のおっしゃったように、ランドリーというようなものは、戦略そのものには直接関連がないというお話でございまして、その点はまさにそのとおりだと思います。しかしながら、米軍として、日本に駐留をしている以上は、やはり住宅も必要であろうし、あるいはそれに関連して、こういったものも従来は必要と認めて提供をしてきたわけでございます。そこで、まあこれを廃止するなり、あるいはどこかに移転してもらうということになれば、やはり、現在は少なくも安保条約に基づいて提供しているわけですから、米側に交渉してきめなければならないということになるわけですが、この問題につきましては、先ほども申し上げましたように、中央市場との関連で何とか返還してもらいたいという地元の御意向は、われわれよくわかっておりますので、その御意向に沿う方向で今後努力をしたい、こう思っております。
#95
○竹田四郎君 何か、聞いていますと、非常に末長いような感じがしますがね。もっと早くやってもらわないと、青果市場だけの問題じゃないわけですね。隣の魚市場との関係も出てきているわけですね。ほんとうに、もう人も通れないほど車が詰めかけているわけですよ。これは青果物ですから、いまの段階ならまだいいですが、これが夏になったら、もう全く私は困ると思うのです。そういう点で、施設庁として私はもっと早く態度をきめるべきだと思う。どうですか。どのくらいまでに施設庁の内部の意向を固めますか。
#96
○説明員(鶴崎敏君) 私の答弁から受けた御印象が、たいへんどうも、まだるいというようなお感じのようですが、そういうつもりで発言をしておらないつもりです。何とか、なるべく早くこの問題を解決するように努力したいということでございますが、先ほども申し上げましたように、いついつまでに解決するということは、相手のあることでもございますし、この席でそこまで申し上げることは御遠慮したいと、こう思います。
#97
○竹田四郎君 私は、米軍側との決定をいついつまでということを言っているのじゃないのですよ。防衛施設庁内部でこの問題に対する態度をいついつまでにきめるのかと、こういうことを聞いているのですよ。これは、おそらく施設庁が、合同委員会の、何と言うのですか、作業班の会議ですか、そういう施設関係の会合に出るときに白紙で臨んでいるわけじゃないと思うのですよね。返還してくれという態度で臨んでいると思うのです。それを、施設庁自体が、一体いついつごろまでに施設庁内部の意見を統一していくかということをまず示していただかなければ、おそらく米軍側としても、はいそうですか、それではすぐ返しましょうなんということは、なかなか言わないと思うのですよ。なるべく引張っていく、こういうのが実情ですね、どこの基地を見ても。だから、早く施設庁のほうが、あれは返還してほしいのだという態度を明確にきめてもらわなければ私は困ると思うのです。
 それからもう一点、施設庁はよく、それなら代替の場所をどこかにということをすぐ言われるのですが、私は、そういうことを言っていたら、いつまでたっても解決できないと思うのですよ。だから、日本の洗たく技術もたいへん進んできているのですから、ですから、むしろそういう古い施設でやっているよりも、新しい施設でやったほうが、質的にもまた量的にも、こなすことができると思うのですよ。そういう面で、施設庁内部で考えられて、具体的に、いけないとかいいとかいうような検討も、私は十分できるのじゃないかと思うのですよ。ですから、特に私は、そういう意味で、施設庁内部での結論を早く出してもらいたい。どうですか。
#98
○説明員(鶴崎敏君) 先ほども申し上げましたように、この返還につきましては、無条件に米側から返還してもらうという場合と、それから代替の施設を提供して返還してもらうという、二つの場合が一応考えられるわけですが、無条件に返還するということについては、米側が、先ほども先生からお話があったように、このランドリーを、日本の一般の民間の業者に発注するというような決定がなければ、そうならないわけですし、それから代替施設を提供して返還するということになりますと、わがほうとしては、移転先の問題、あるいは工事費の問題といったようなものが出てくるわけです。そこで、一体どこに持っていくのかというようなことにつきましては、それはもちろん、現在米軍に提供しておる施設区域の中ということになろうかと思いますが、具体的にどこかということも検討しなければなりませんし、それから予算的な問題も、これ、代替施設を提供する場合には当然解決しなければならないということでございますが、そういうようなことも兼ね、内部的に検討いたしまして、なるべく早く、一応米側の意向を打診するということは年内にでもやってみたい、こう思います。
#99
○竹田四郎君 年内にひとつ米軍に当たってもらうということも非常にけっこうですがね。ひとつ、そういう点では、とにかくそのまま置けば置くほど市場としての役割りもだんだん低下してしまうのですから、そうなればなるほど、生鮮食料品に対する問題ということも、さらに悪化の状況になるわけですから、これはかなり力を入れてやってもらわなければ困りますから、御返事は要りませんけれども、ひとつ一そう馬力をかけて、内部の意思統一と、それから米軍に折衝するように要求したいと思います。
 それから、国鉄の方、いらっしゃっておりますか。――いまお話し申し上げましたように、非常に車の混雑なことは御存じですか。
#100
○説明員(北沢秀勝君) 知っております。
#101
○竹田四郎君 一日にどのくらい出入りしているか。御存じですか。
#102
○説明員(北沢秀勝君) 存じません。
#103
○竹田四郎君 一日に四千台が出入りしているんですよ。それも、一本道で出入りしている。それで、横浜市は、少なくとも魚市場に入る車、これは一方通行にしようということで、四十二年、四十三年度の二カ年継続事業で、あそこの国鉄の貨物線をまたいで大野町のほうに出るような跨線橋をかける工事をやっていることは御存じですか。――それで、工期が来年の三月三十一日一ぱいですが、市が負担してやるべき部分については、ほとんど今年一ぱい、この十二月一ぱいででき上がってしまうわけですね。あと、わずか四十メートルの橋げたを載っける、それだけの工事が、すでに予納金を納めて、国鉄のほうに依頼してあるわけですね。それは御存じですね。
#104
○説明員(北沢秀勝君) ただいま、東高島−高島間の国鉄貨物線をまたぐ中央卸売市場から出る道路の立体交差の件のお話でございますが、工程がおくれているというお話でございますが、この工事は、横浜市から私どもは受託している工事でございまして、国鉄の上を通るところのけた架設だけ私のほうでやることになっております。これは先生よく御存じだと思いますが、それで、現在、工程は、私のほうとしては工事にかかっておりません。それで、横浜市でやっておられる工事ですが、大体私のほうで聞いておりますのは、アプローチ――国鉄のけた架設にくるところの坂でございますが、その工事の床板の打ち終わるのが大体三月中旬ぐらいであろうというふうに私は聞いております。また、かけますけたの製作でございますが、これが、現在横浜市で発注されまして、これの竣工予定が三月六日と聞いております。したがいまして、私どもは、その床板が打ち終わりましてから、その上でけたの組み立てをいたしまして架設するわけでございまして、市のほうの工事計画に伴いまして私どものほうではやりますが、市の工事が完了いたしましてから――完了というのは床板の部分でございますが、それができ上がりましてから約四カ月で竣工することになっております。したがいまして、私のほうは設計等はほとんど完了しておりまして、けたをいただく時期、それからアプローチの工事の状態によりまして、早急に工事に着工いたしたい、こう考えております。
#105
○竹田四郎君 古いことは言いたくないのですが、国鉄のほうでは、初めの設計からいろいろなものを当初に出さないで、途中からいろいろな注文を出しておる。こういうようなことが非常に工事のおくれている原因なんですね。そういうことを一々こまかく言ってもしようがありませんけれども、いつまでに国鉄はそういう点で工事が完了できるという見通しを持っていますか。
#106
○説明員(北沢秀勝君) ただいま申し上げましたように、三月の上旬に大体アプローチの部分の床板が打ち終わると聞いておりますので、けたの製作が三月六日、そういうことを仮定いたしまして、それから約四カ月の七月上旬には完了するというふうに考えております。
#107
○竹田四郎君 まあ、私も技術的なことはよくわかりませんから、あなたがそう言われれば、そうかなと思うのですが、実際にはもっと早くできるんですよ。国鉄がその点ではあまり文句をつけ過ぎている。たとえば、何といいますか、けたですか、けたの受け渡す場所も、わざわざ上でなければだめだとか、こういうような、一つ一つけちをつけているから問題がおそくなっていると私は思うのです。その辺、あなたはおそらく詳しく御存じないと思うのです。そういう点、もう少しよく下を精査していただきまして、もっと早くこの工事が終わるようにしてもらわなければ、七月なんて、のんびりしたことを言っておったのでは、実は困るわけです。あなた自体が、一体この中央市場に入る車はどのくらいあって、出る車はどのくらいあって、どの時期にどのくらいの交通量がどうあるかということを御存じないようですがね。それは、ここに資料がありますから、あとでごらんになっていただければ幸いだと思うんです。全く、そういう点では、車の混雑でどうにもならない。だから、一刻も早くその事業ができるように、国鉄としてやってもらわないと困るんですがね。ひとつその点、もう一回よく下のほうをお調べ願って、できる限り早く橋が使えるように、ひとつしてほしいんですが、どうですか。
#108
○説明員(北沢秀勝君) ただいまの前半の件でございますが、いままでの交渉経過においていろいろな問題があったというふうなお話でございますが、もしそういうことがありましたら、今後はできるだけ、これは協議事項でございますので、いろいろ協議の段階においてスムーズにいくような指導をいたしたいと思います。
 また、後半の工事の早期竣工でございますが、ただいま申し上げましたように、工事には段取りがございまして、また国鉄では、あそこは列車回数が非常に多いものですから、やはり安全ということを第一に考えてやりますが、しかしながら、この公共性から考えまして、できるだけ早く工事をやるように考えて指導したいとは思いますのですが、現在の段階では、先ほど申し上げましたように、大体四ヵ月という工程でございます。それを極力進めるように努力したい、そういうふうにお願いします。
#109
○竹田四郎君 ひとつ、過去のことにこだわらないで、工法のやり方も、これは、あそこは実際工事をやっているのは三井建設ですね。三井建設あたりの語によると、新しい工法によれば、そんなに時間かからぬと言っているのです。そういう工法のやり方も、ひとつよく検討して、早くできるようにしてほしいのです。これは要望にとどめておきます。
 以上で私の質問を終わります。
#110
○理事(林田悠紀夫君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめたいと存じます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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