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1968/12/17 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 建設委員会 第2号
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1968/12/17 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 建設委員会 第2号

#1
第060回国会 建設委員会 第2号
昭和四十三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十一日
    辞任         補欠選任
     村上 春藏君     平泉  渉君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         岡  三郎君
    理 事
                内田 芳郎君
                山内 一郎君
                米田 正文君
                沢田 政治君
    委 員
                上田  稔君
                奥村 悦造君
                小山邦太郎君
                高橋文五郎君
                中津井 真君
                林田悠紀夫君
                田中  一君
                松永 忠二君
                松本 英一君
                藤原 房雄君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  坪川 信三君
   政府委員
       建設政務次官   渡辺 栄一君
       建設大臣官房長  志村 清一君
       建設省計画局長  川島  博君
       建設省都市局長  竹内 藤男君
       建設省河川局長  坂野 重信君
       建設省道路局長  蓑輪健二郎君
       建設省住宅局長  大津留 温君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        林  敬三君
       日本住宅公団理
       事        稗田  治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (次期通常国会における建設省関係提出予定法
 律案に関する件)
 (高速道路の通行料等に関する件)
 (住宅行政に関する件)
 (古都の保存問題等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(岡三郎君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。去る十二月十一日、村上春藏君が委員を辞任され、その補欠として平泉渉君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(岡三郎君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認めます。
 なお、人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(岡三郎君) 建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題といたします。
 まず、坪川建設大臣及び渡辺建設政務次官から発言を求められていますのでこれを許します。坪川建設大臣。
#7
○国務大臣(坪川信三君) 御審議を願うに先立ちまして、一言委員長並びに委員の皆さまにお願いのごあいさつを申し上げたいと存じます。
 このたび、不肖私建設大臣の重職を仰せつけられました。まことに身の責任の重きを痛感いたしているような次第でございますが、幸いにいたしまして委員長はじめ委員の皆さまのありがたい御協力とまた御指導、御叱正などを十分ちょうだいいたしまして、その職責の万全を期したいと思う次第でございますとともに、御案内のごとく、私といたしましては建設行政につきましては、全くふなれといいますか、また何の経験も持ち合わせませず、委員の皆さまにいろいろと今後御迷惑やら御期待に反する点も多かろうと思いますが、この点何とぞ御寛容をいただきまして、皆さまの御指導を仰ぎながら、ひとつ格別なる御協力をいただきながらその職責の万全を果たさしていただきたいと思いますので、どうか委員長はじめ御理解深い委員皆さまの御指導、御鞭撻を切に賜わりたいと思います。
 さて、建設行政の所懐の一端を申し上げますならば、大幅な国土改造期に臨みまして建設行政の衝に当たることになりましたが、建設行政の使命は、国民生活の安定と向上をはかるため、住宅、都市、河川、道路等に関する各般の施策を通じて、社会資本を充実させ、住みよい国土を建設することにあります。このためには、国民の要望に十分こたえる施策が講じられなければならないと考えております。
 まず、住宅に困窮する国民の要望にこたえまして、一世帯一住宅の実現を目標に住宅建設五カ年計画の積極的な推進をはかっておりますが、特に、都市においては、職住近接を原則といたしまして、土地の合理的利用と環境の改善をはかるため、住宅の高層化等を促進する考えであります。
 また、低所得者に対する公営住宅の建設の促進と管理の適正化をはかるため、公営住宅法の改正を考えております。
 次に、都市の健全な発展と秩序ある整備をはかるため、先の国会において御審議をお願いし、成立を見ました都市計画法の適正な運用によりまして、道路、下水道、公園、河川等の主要な都市施設の計画的かつ先行的な整備をはかる所存でございます。
 また、既成市街地の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とをはかるため、都市再開発法案を、次の国会において御審議をお願いいたしたいと存じます。
 いまや国民的課題であります土地問題につきましては、公共優先の観点から、総合的な徹底した土地対策が強力に・実施されなければならないことはいうまでもありません。
 異常な地価の高騰を抑制いたしまして土地の有効利用をはかるため、去る十一月二十六日地価対策閣僚協議会において決定され、同日閣議了承されました地価対策の新しい方針に従いまして、地価公示制度の確立、土地税制の改善、宅地の大量かつ計画的供給等一連の土地対策を強力に推進してまいる所存であります。
 次に、国土の保全と河川流域の開発等をはかるため、本年新治水事業五カ年計画が発足しましたので、新たな目標に即して、事業量を伸ばし、積極的な推進をはかる所存であります。
 なお、第五十八回国会より引き続き御審議をお願いいたしております急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律案の成立をまちまして、人命財産の保全措置の強化をはかりたいと存じます。
 最後に、交通需要の増大に対処しまして、国土の均衡ある発展をはかるため、道路整備五カ年計画を積極的に推進し、特に、国土開発幹線自動車道建設事業、一般国道及び地方道の整備を強力に促進する考えであります。
 さらに、交通事故の多発にかんがみまして、交通安全施設の整備をはかるための新三カ年計画を定めまして強力に推進する所存であります。
 以上、建設行政の各般にわたりまして所信の一端を申し上げましたような次第であります。全く建設行政の大きな問題といたしまして、大きな国土の開発の重要な改造期を控えておるような気持ちもいたしておりますので、これら総合的なる政策に全身をささげて、倫理感に満ちあふれた建設行政を推進してまいりたいと思いますので、何とぞよろしく御指導をお願い申し上げまして私のごあいさつ並びに所信の一端を申し上げた次第であります。どうかよろしくお願いします。
#8
○委員長(岡三郎君) 渡辺政務次官。
#9
○政府委員(渡辺栄一君) 今回建設政務次官を拝命いたしました渡辺栄一でございます。まことに非才でございますが、皆さんの御指導を賜わりまして、この責務を果たしたいと考えております。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○委員長(岡三郎君) 次に、次期通常国会における建設省関係提出予定法案に関する件について質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次発言を願います。田中君。
#11
○田中一君 最近しばしば新聞等で、次国会で提案される法律案の要綱が発表になっております。それを全体に、いま大臣の建設行政の方針について、というあいさつの中にも触れておりますが、どういうものが出るか、順次説明してほしい。
#12
○国務大臣(坪川信三君) それぞれ目下事務当局におきまして御審議をわずらわしたい通常国会の案件等につきまして、ただいま検討いたしておる次第でございますが、一応お願いを申し上げたいという案件の具体的な問題を申し上げたいと思いますが、第五十八回国会で廃案となりました都市再開発法の再提出をお願い申し上げたいほか、公営住宅法、地価公示法、建設基準法、建設業法等のそれぞれの審議会から答申を得ておりますものや、予算関係法案の提出を予定してもおりますが、予算要求等の関連その他により現在その準備を進めておる段階でございます。またこれらの具体的な点につきましては、官房長からお答えさせていただきたいと思います。
#13
○政府委員(志村清一君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたようないろいろな法案についてただいま審議をいたしておりますが、まず予算関係の法案から申し上げますと、その主要なものを申し上げます。
 まず地価公示法といったようなものを考えております。この法律は、かねて地価の公示をしたらどうかという御意見等も。ございましたし、また住宅宅地審議会におきましても、地価公示をしたらどうかというような御答申もございましたので、それらを内容といたしまして法案の制定にただいま努めておる次第でございます。中身といたしましては標準地につきまして正常価格を公示する。それによりまして一般の土地の取引価格の目安を与える。同時に公共事業の施行とか、あるいは収用委員会における裁決等にあたりましても、これらの公示価格に準拠いたしまして定めるようにするというようなことでございます。同時にこの公示を行なう機関といたしまして、土地鑑定委員会といったような機関を設置したらどうかということでございます。
 次に、中央土地基金法といったようなものを考えております。この法案は前国会で御承認いただきました新しい都市計画法の中に土地基金を活用するという条文が議員修正で加えられたわけでございますが、その中身は都市計画によりましていろいろな規制が行なわれる、それに対応した土地の買い取りなり、あるいは主要な都市計画事業予定地の買い取り、あるいは工場跡地の買い取り、といったようなことを大いに進めるべきであるというようなことでございます。それらの買い取りを行なうために、地方に土地基金を設けると同時に中央から資金のパイプを流さねばならぬ。現在、制度といたしまして都市開発のための特別会計があるわけでございますが、これでは資金量が若干足らぬ、民間の資金も導入するような制度を考えたらどうかということでございます。そのために中央土地基金という制度を新たに設けたらどうか、という内容の法案で。ございます。それにつきましても、ただいま検討を進めているような状況でございます。
 次に、公営住宅法の一部改正でございます。公営住宅法につきましては現在公営住宅の用地費につきましていろいろな問題がございます。それらをカバーするために特別な長期低利資金による融資を行なうということにしたらいかがかという問題と、また町中に二戸建ての小さな公営住宅、低層の公営住宅の団地が相当ございますが、それらにつきまして公営住宅の建てかえを促進して、いわば再開発的なものを進めていくというための建てかえに関する規定の整備、さらには公営住宅の本来の趣旨でございます低額所得者のための公営住宅という趣旨に多少相反する収入超過者に対しての処置といったようなものを内容といたしまして、公営住宅法の一部を改正する法律案を検討いたしております。これにつきましても、住宅宅地審議会におきまして御答申がこざいましたので、この趣旨に沿って案を考えておる次第でございます。
 次に、予算と直接関係ございません法案の二、三につきまして御説明申し上げますと、まず五十八国会におきまして、当委員会で七回ないし八回にわたりまして御審議をいただきました都市再開発法、これは廃案になったわけでございますが、これにつきましては当委員会の御審議の過程等もよく考えあわせまして、原案に修正を加え、再提出をいたしたい、その準備をいたしておる次第でございます。
 また建設業法の一部を改正する法律案を考えております。これにつきましては、すでに中央建設業審議会におきまして本年当初答申がございました。その答申に沿って原案の作成を急いでおるわけでございますが、中身といたしましては、現在の建設業者の資質の向上をはかるために登録制度の合理化をはかるということが一点。第二点はとかく建設業界における下請契約の状況が明確でないので、その適正化をはかって下請の保護をはかっていく。第三点は、発注者と元請のあいだにおきます契約の適正化をはかっていくという三つの内容が主たる内容でございまして、ただいま法案を検討いたしておる次第でございます。
 さらに建築基準法の一部を改正する法律案を現在検討いたしておりますが、これは建築審議会におきましてすでに御答中をいただいておりますが、その御答申の趣旨に沿いまして執行体制の整備強化、さらには現在の建物の防火なり避難等に関する基準の整備、第三には、地域地区制の所要の整備というような三つのおもな点を内容といたしました改正案をただいま検討しておる次第でございます。
 なお、積み立て式宅地建物割賦販売に関する法律案につきましては、前国会におきましても不動産関係についてぜひ早急に立法をしたらどうかという国会における御意見もございましたので、これらにつきましても、ただいま検討を進めておるような状況でございます。
 以上、主要な点につきまして御説明申し上げました。
#14
○田中一君 どうも新聞等に要綱を発表して、そうしてそのためにいろいろ懸案の問題がある。いろいろわれわれのところにも質問がくるわけです。与党で、一応自民党でオーケーしたから今度新聞に発表するんだという考え方でなく、スムーズな審議、いま大臣が言っておるような慎重な用一意があるならば、それこそ野党に理解を深めるということ、問題点を指摘されてそれを検討するという態度が望ましいのです。佐藤三選総理大臣もしばしばそれを口にしておるが、相変わらず官僚諸君がそういうことを独断的にやる。そういう習慣はよくない。したがって率先してこの委員会に草案でも何でもいい、理解を深めると、これを急速にやるような方法をひとつ大臣とっていただきたいと思います。
#15
○国務大臣(坪川信三君) お答えいたします。
 ただいまの御指摘は、十分われわれといたしましても心得ながら、議会の審議の尊重という点におきましては、十分ひとつその線に沿うように、これからも御審議をわずらわす前提の上に立って配慮も申しあげていきたいと、こう思っておりますので、御了承をいただきたいと思います。
#16
○田中一君 そこでもう一つの問題は、御承知のように中央縦貫道は八王子までオープンしております。それから年内には東名道路が松田までオープンするということを聞いております。それから三月末、五月末といって、大体いままで所期の計画された問題は一応東名道についても全部貫通するわけです。そこで料金作定の問題について、料金といいますか、使用料、通行料……これは通行料ではなく、これはどういうことになるのですか、税金ではない1通行料ですか、これがどうも建設省あるいは道路公団、首都高速道路公団あるいは阪神と大蔵省との間にどうもいろいろな意見があって、まだ決定されない面も多々あるように聞いておるのです。これは一体だれのものかということを考えてほしい。料率の問題については一つの方針を持っておると思う。それを、この際明確にしてもらいたいということが一つ。どういう方針でいくか。キロ当たり幾らでいくかという方針があると思う。あるいは貫通した場合と、途中で部分的なものとの差というものがあるはずなんです。その点に対する料金の作定の考え方ですね、それから現状、これを説明してほしいと思います。
#17
○国務大臣(坪川信三君) 料金の問題は、国民生活に関連いたしまして、非常に大事な問題でありまして、いま御指摘になりました点など、全く私も感をともにする次第でございますが、一般的には道路の整備は公共事業費をもって行なわれるものでありますけれども、巨額の費用を要するために、早急に整備をはかる必要がある場合は、有料制をもって行なわざるを得ないのであります。その場合、料金は建設費等を補い得るように設定さるべきものでありますが、他面、道路は有効的に利用されなければならないので、有料道路の料金の設定にはいろいろの条件がからみ、複雑な問題点もあることは委員の皆さまも御高承のとおりでございますが、これらの問題点の中に立ちまして、昭和四十二年八月、道路審議会に対して、有料道路の建設を促進するにあたり、その合理的な運営及び効率的な利用をはかるための料金制度がいかにあるべきかについて諮問をいたしました。審議会におきましてはこれを受けまして、料金制度部会を設置し詳細に審議してまいったのでございますが、昭和四十三年十月三日、東名高速道路及び中央高速道路の供用開始を目前に控えていたことから、それまでの審議に基づき、緊急に措置すべき高速自動車国道に対する事項について中間答申を行なった次第であります。また、有料道路の料金制度全体については、審議会はなお慎重に検討を行ない、近い将来にその答申を行なう予定であります。なお、現在は都市高速道路の均一料金圏の範囲等についても審議中であることを御了承いただきたいと思います。
#18
○田中一君 現状はどうなっているんですか。
#19
○国務大臣(坪川信三君) 道路局長からひとつ答弁させます。
#20
○政府委員(蓑輪健二郎君) いま大臣の言われたようなことで進んでおりますが、これを具体的に、現在の中央道及び東名高速について申し上げます。
 中央道につきましては、これも御承知かと思いますが、今月の二十日に現在調布−八王子間が開通いたしておりますが、八王子−相模湖間約これが二十キロ弱でございます。
 これを開通させる予定でございます。さらに、相模湖−河口湖の間が明年三月に開通させるという予定にしております。
 また、東名高速につきましては、現在東京−厚木間、冨士−静岡間、岡崎−小牧間の三カ所が開通になっておりまして、これのわれわれの計画といたしましては、来年一月末から二月の初めごろに、小牧と岡崎間が開通しておりますが、岡崎と静岡間を開通させたいと思います。これによりまして、現在開通しております富士からずっと小牧を通りまして大阪に行くのが全線通ることになるかと思います。次に、これも明年三月終わりから四月初めにかけまして富士から沼津を通りまして御殿場間、及び厚木と松田間を三月の終わりくらいまでに開通させたいと思います。一番おくれますのが松田−御殿場間の山の中でございまして、これにつきましては、いまの目標は来年の五月末を予定しております。あるいはそれより多少半月ばかり延びるかと思いますが、五月末から六月ぐらいまでに松田−御殿揚間を開通させたいと思っております。これによりまして全部、東名高速は開通するわけでございます。その中で料金につきましては、ただいま大臣から言われました道路審議会の中間答申に基づきまして、この十二月の二十日、中央道八王子−相模湖間の開通と同時に、八王子−河口湖の料金をきめたいと思います。これは答申によりまして料金をきめるわけでございますが、その内容をちょっと申し上げますと、現在、調布−八王子間が開通されておりますが、その料金と多少変わってくるところだけをおもな点を申し上げたいと思います。現在のところは軽自動車と小型自動車、これは一二百六十CC以下のもので、ございますが、これと軽乗用車−軽自動車でございますが、これは料金が多少軽自動車のほうが安くなっておったのでございます。これを軽自動車、小型自動車全部同率にするということでございます。もう一つは普通トラックにつきましては、現在二軸であろうと三軸であろうと、これは一本になっておりましたが、二軸をそのままにして、三軸については多少もう一つ上の段階の料金にしたいということでございます。さらに牽引車につきましても、現在三軸と四軸以上と二つに分けておりますのを、このたびは三軸、四軸を一緒にいたしまして、五軸以上をさらに高い料金にするというようなことで、料金の調整を行ないたいというふうに考えております。また東名高速につきましては、これは審議会の答申にもありますように、遠距離、百キロ以上の場合は二五%の料金の逓減をするという答申もございます。これにつきましては全線開通するときにやったほうが、料金徴収上便利なんでございますが、全線開通といいましても来年の五月以降になりますので、大体私たちのいまの考え方といたしましては、東名高速につきましては来年の三月末松田−御殿場間を除いて全部開通するという時期をもって、この答申の線に全部切りかえたいというふうに考えております。
#21
○田中一君 それじゃ首都高速道路公団の一号線と横浜との連繋はどうなりますか。
#22
○政府委員(蓑輪健二郎君) 現在、道路審議会に料金の分け方についてかけておりますが、料金の問題について一番大きく分けますと、高速道路、名神、東名みたいな高速道路のものと都市の高速道路の料金、さらに一般有料道路の料金のこの三つに分かれるかと思います。都市高速道路の料金につきましては、現在審議会で検討していただいておる次第でございます。先般、羽田から横浜までの一号線が全線開通いたしました。その間の料金をとりあえずきめておかなければいかぬというわけで、現在環状八号線がございます、あそこに高速一号線から乗り降りできるわけでございます。あそこを横浜側の料金圏、それから東京側の料金圏の境といたしまして、そういう関係で現在環状八号線より横浜側の川崎の大師から乗るような場合は横浜の料金として金を取られる。また東京側に入りますと東京側の料金圏として料金を取られるというような形になっておりまして、これについては私たちも実際の問題を考えますと、大師から乗りましたときに百五十円取られる――普通の乗用車でございますが、百五十円取られる。さらに平和島の料金所でまた金を取られるというようなことになりまして、非常にこれは利用者のために不便であるし、また料金の問題について非常にこれは妥当かどうか疑問がございます。この辺、いま首都公団、東京都合わせまして改善策を検討しておる状況でございます。
#23
○田中一君 いつきまりますか。
#24
○政府委員(蓑輪健二郎君) 都市高速の料金につきましては、やはり首都公団を入れまして、私どもの建設省関係だけできまるものでございませんで、やはり道路管理者である東京都の同意を求めなきゃならないわけでございまして、私たち、この改善につきましては、なるべく今月終わりぐらいでも、ある結論を見つけたいと思います。いろいろそれに伴って施設を伴うようになりますと、また施設もつくるような時間もかかりますし、できるだけ早く解決していきたいと、こういうふうに考えております。
#25
○田中一君 これは大体、四車線ならばキロ当たり幾らという料金の基準があるんでしょう。それに長さを乗じて一応の基礎料金をきめるわけなんでしょう。そうすると、キロ当たり幾らというようなきめ方をした場合に端数が出る。そういう場合には切り下げるんですか、切り上げるんですか、いつも。
#26
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは首都高速の場合はちょと違いますが、一般のいまの名神、東名につきましては、大体キロ当たり幾らという料金がございまして、それによって長さをかけまして料金をきめるわけでございます。実はこれは大体いままで切り上げのほうが多かったのでございます。やはり端数が出ます場合、これを五十円単位にいたしますと、たとえば一例言いますと、五百五円というものは五百五十円に切り上げても一割ぐらい。百五円が百五十円といいますと非常な高い切り上げになると思います。そういうことで、大体われわれのいまの基準は、切り上げによって大体四割以上上がるようなものは切り下げようという形を考えております。といいますのは、大体百七、八円ぐらいのものは切り下げようというような考えております。これは、短距離のときに非常に問題になりまして、遠距離のときはそう問題にならないのでございます。短距離についていまそういうような考えでいろいろ検討しております。
#27
○田中一君 それは建設省が独断できめていいんですか。やっぱり金を心配する大蔵省のほうにも合議しなきゃならぬでしょう。
#28
○政府委員(蓑輪健二郎君) これは法律的には運輸省との協議になっておりまして、大蔵省とは別に法律的には協議は要らないことになっております。
#29
○田中一君 その切り下げるという方針で立っているというならば、いままでのものは全部、臨時の、何というか、貫通しない部分供用の場合、この場合にはいつも切り下げていますか、切り上げている例もあるのでしょう。
#30
○政府委員(蓑輪健二郎君) いままでは大体切り上げている例が多いと思っております。
#31
○田中一君 これは一体、高速道路というものはだれのものなんですか。道路公団の企業じゃないわけですよ。これは国民のものなんです、国民のためにつくっているもの、それがどのぐらいになるか。たとえばワンマン道路にしても、予定された償却というものが早く行なわれている。むろんこれは無料公開になったからいいようなものですが、何といってもそういう国民の利便のためにというところに中心があるのだから、これはそういうところは議論する余地がないと思うのです。原則をきめていれば全部切り下げるべきですよ。こういう点については年内に話をきめたいという、その中にある、内在する問題点はどこなんです、何なんですか。どこにそのネックがあるのですか。
#32
○政府委員(蓑輪健二郎君) いまのお話は、首都高速の一号線に例をとって見ますと、一号線がああいうような東京都内の一つの料金圏、それから横浜という料金圏を持っております。これは料金圏という問題はほかの東名高速とか、一般の有料道路にはあまりないのでございまして、やはり首都高速みたいになりますと、一々利用した延長によりまして料金を取るということは、料金の徴収上非常に不可能なことでございますので、ある一定の区域については均一料金を採用しておる次第でございます。じゃ、その均一料金を採用いたしますと、現実にやはり利用者から言いますと、短距離を利用した者は非常に割り高の料金を払う。長距離を利用した者は非常に割り安の料金を払うということになろうかと思います。その辺がいわゆる都市高速の一つの均一料金圏の範囲をどこまでにすべきか、これが一つの問題かと思います。
 またもう一つの考えは、もう一つの考えというより、それから出てきますのは、一つの均一料金圏の中で東京から羽田を通って横浜に来ますと、この辺はやはり一つの均一料金圏ではなくて、区間制でやったらいいじゃないかというような考え方がございます。この利点は、やはり区間制になりますと、遠距離の利用者ばかりが有利ということにならないわけでございまして、そういうような利点がございます。区間制にいたしますと、これは料金の徴収の問題が非常にやっかいになってくるかと思います。それともう一つは、そういうような均一料金圏がやむを得ないとなれば、じゃ均一料金圏と料金圏の境についてどういう操作をするか。境をある程度ダブらせてやるかとかという案もございます。そういうようなこともダブらせることになりますと、やはり一つの料金圏から乗った者が次の料金圏でただ通れるような通行票みたいなものを出さなければならぬ。これが非常に出し方によっては悪用もされるし、不公平を生むということでございますので、そういう通行票をどうやったらうまく出せるか。この辺の徴収上の技術もございまして、いろいろ通行票も理屈はいいのですが、なかなか料金の徴収から難点がございまして、その辺をいま詰めておる次第でございます。
#33
○松永忠二君 関連で、数項目一度に聞きますので、お答えをいただきます。
 いま田中委員からお話があったように、新聞などで非常に実は建設省の態度が、新しい考え方がどんどん出るわけです。これは一つは非常に歓迎するところであって、一般にこういうふうな施策が考えられているという点では非常にいいことだと思うのです。同時にまたいまお話のように法律案として出てくるものについては、まとまったものを出すならば意見を聞くのが当然だと、こういうことだと思うのです。そこで、そういう関連のことですが、二ページのはうの都市の問題について、ここに「先行的な整備をはかる所存であります。」と、「都市施設の計画的」というのはよくわかりますけれども、「先行的な整備をはかる」ということで、何か自治省あたりが先行的にこういう都市計画について、ある程度の二割とか三割余分に先行的に投資をしておいて、そしてできてしまったらば、これを土地を提供した者等に返す、提供するというような、そういうことが発表されたことがあるわけなんですが、ここの「先行的な整備をはかる所存であります。」というのは具体的にどういうことを計画を持っているのかということが一点です。
 それから地価対策の問題について。これについては前の建設大臣あるいは総理大臣の諮問機関等でも地価対策が発表されているわけですけれども、この中でも特にここに書いてあります「宅地の大量かつ計画的供給」ということばがあるわけです。これは具体的にどういうことを言っておるのか。ことに来年で非常に要望されている「宅地の大量かつ計画的供給」を具体的にどう一体実施をしようとしている腹案を持ってのことなのかということがもう一つの点なのであります。
 もう一つの点は、バイパス等について非常に強い要望が出ているが、事実上なかなか財源が乏しいので、非常な最低の料金でバイパスを有料化そうという、それによって早期に実施をしていきたいということが一部考えられておるように話を聞いておるのでありますけれども、この点について具体的にこれは推進する用意があるのかということがその次であります。
 最後に、特に大臣にお願いをしたいことは、もうすでに御承知のとおり住宅、道路、治水、下水道等について五カ年あるいは七カ年の計画が実施をされている途中であります。この進捗率等を前回の大臣が住宅等については非常な努力を払って計画以上のものを乗せてきたという面もあったわけであります。特に来年度予算においては、非常にこの計画実施がむずかしいのではないかという心配もあるし、一部に非常に治水等ではおくれているという現実の現象もあるので、特に大臣が予算折衝にあたって、これらの問題についてどんな御決意を持っておられるのか、この点をあわせてお聞きをしたいと思うのです。
#34
○国務大臣(坪川信三君) ただいまの御質問また御指摘になりました点、ことに住宅対策の五カ年計画の推移、見通し等について非常にありがたい御意見をいただきまして、私といたしましては建設大臣に就任いたしまして以来、国民の皆さん方からいろいろの要望のお手紙を拝見いたしておる中にあって、住宅問題に関する切な願いといいますか、そうした要望というものを数多く拝見いたしますと、ほんとうに私は新たな社会問題としての大きな問題はこの住宅対策にあると、こういうような気持ちを持っております。ことに人間尊重という立場からも、この切な願いにこたえ得る愛情のある住宅対策を打ち出してまいりたいというのが、私の基本的な気持ちである次第であります。したがいまして、御高承のとおりに、五カ年計画の最終目標である六百七十万戸の建設、これにつきましてぜひとも計画どおりの伸び率によって予算折衝をひとつ続けたいと福田大蔵大臣、ことに御承知のとおりに一世帯一住宅を発案されたといいますか、述べられましたのは、幸いにしましていまの大蔵大臣の福田大臣でございます。私はそうしたことを思うときに大蔵大臣にもいままでにおきましても、累次にわたりまして住宅対策を含めました建設省の五カ年計画に対して、予算の格別なる配慮をお願いもいたしておるのでございますが、いよいよ臨時国会が終了いたしました段階において、予算の本格的な事務折衝また政治折衝が開始されることを思うときに、私はこの気持ちを持ってひとつ五カ年計画の完成に得る予算折衝をぜひとも続けてまいりたいとこう考えておりますので、どうか委員長はじめ委員の皆さまの限りない御支援を賜わりたいと、こう思っておる次第でございます。
#35
○政府委員(竹内藤男君) 大臣の方針の中の先行的整備の点でございますが、従来、御承知のように、都市施設の整備というのは、市街地ができましてからその市街地の中にまだ未整備であります各種の施設を整備していくというのが端的に申しまして現状であろうかと思います。新しい都市計画法は、秩序ある市街地化をはかるということで、市街地化を抑制する調整区域と市街化区域をきめて、そうしてその市街化区域の中におきまして秩序ある市街地化をはかっていこうということでございます。そこでここに書いてございますのは、市街化区域の中でも大きく分けまして既成市街地と、これから市街地化されるという区域に分かれますが、それから市街化される区域につきましては、区画整理、たとえば区画整理のようなもの、面的に整備をしていく、道路も、下水道も公園も、あるいは河川も一度に整備するというような事業を積極的にやっていかなきゃならぬ。その場合に、当然公共で見るべきものは公共で負担していくという形で都市区画整理事業を整備していく。それ以外には、たとえば新住宅市街地開発事業でございますとか、あるいは公共団地整備事業で、ございますとか、あるいは民間の宅地開発というようなものもございます。そういうものにつきまして従来のようなあと追い的な投資ではなくて、宅地開発と並行して施設の整備をはかっていくという考え方でございまして、来年度の予算要求といたしまして端的にあらわれておりますのは、土地区画整理事業を周辺部につきまして大幅に実施したい。そのためには特に調査を先行させる必要があるということで、調査費のかなり大幅な要求を大蔵省にいたしてございます。そういうようなことがございますので、この方針にはこういうふうに書いたわけでございます。
#36
○政府委員(川島博君) 宅地の大量かつ計画的な供給でございますが、私ども、住宅建設五ヵ年計画、昭和四十一年から五年までの五カ年間でございますが、この間に必要な宅地の供給量は約五万三千ヘクタールと推定をいたしておりますし、また、六十年までの長期の見通しにおきましても、一応二十二万ヘクタール程度の宅地を供給する必要があるというふうに試算をいたしておるわけでございます。これらの宅地の供給は、もちろん公団、公庫等の公的機関によっても大いにやらなきゃいけませんが、大体半分程度は、やはり民間の大規模かつ優良な宅地造成事業に期待をかけざるを得ないということから、この民間の宅地造成事業にも一定の手を伸ばすべきじゃないかというふうに考えております。公的機関といたしましては、御案内のとおり、日本住宅公団がみずから宅地造成事業をいたしておりますし、また住宅金融公庫の宅地造成融資によりまして地方公共団体、あるいは日本住宅供給公社等が開発事業に当たっております。また、民間の宅地造成事業につきましても、たとえば一定の規格に合った大規模優良な業者が土地を買います場合の、土地を売り渡した者に対する譲渡所得税の軽減措置でありますとか、あるいは公庫の資金の融資の道も本年度から開いたわけでございます。しかしながら、この宅地の供給にあたりまして最大の問題になっておりますのは、いわゆる関連公共公益施設の整備の問題でございます。大都市近郊の町村におきましては、急増する人口に必要な学校とか、あるいは道路、下水道等の関連施設の整備に非常に頭を痛めているわけでございます。これにつきましてもこういった公共施設の管理者と、それから宅地のディベロッパーがその費用をいかに合理的に負担をするのかという、その負担区分が必ずしも明確でない面もございますので、これを明確にいたすとともに、地元の公共負担に対する財政上の措置も強化してまいりたい、かように考えているのでございます。
#37
○政府委員(蓑輪健二郎君) バイパスの有料制度の問題、いろいろいま検討しております。御承知のようにバイパスといいましても、非常に小さなものから大きなものがございます。御承知のように関東周辺及び東海道一号線になりますと、バイバスが単に五キロ、十キロ程度のバイパスではあまり交通緩和に役に立たない、二十キロとか長くなってまいりますので、そうなりますと非常に建設費もかかりまして、こういうものを促進するには、ある程度最低の料金を取ってもやむを得ないんじゃないかということでいろいろ検討しております。ただ有料制度にしたところで、これの建設資金をどう調達するか、こういう問題もございますので、現在来年度予算要求とからめまして大蔵省と折衝中でございます。
#38
○委員長(岡三郎君) ちょっと蓑輪さんに私のほうから一言だけ聞きたいが、東京−横浜線の高速道路ですね、先般事故があって二十五分か三十分で行けるところを一時間以上かかった。それで、この高速道路の事故の処理ということが非常にむずかしいんじゃないかという気がして、いまの構造的にいって問題か考えられなければならぬ。
 それともう一つは、首都高速道路の名に値しない、何かおそくなっても料金は返さない、これは新幹線あたりは料金を取ってもおそくなれば返しますが、これは、高速道路は幾らおそくなったって返しもしない。これは一体どう考えているのか。金を取った場合には高速道路になっていない場合は返さなければいかぬのじゃないか、これはどうです。事故があったとき処理がおくれているんですよ、適切な処理ができない。いまの構造的な問題もあるけれども、まず処理を早くする方法をどうするのか。それから、事故が起こった場合にその交通情報といいますか、そういうものを料金を取る場所で、いま行った場合にはこれはちょっとおくれますと、どのくらいおくれますというようなことを言わないと、これはやたら取るだけで、あと返しもしなければ取ることにのみ奔命これつとめているのはうまくないと思うんですが、これはどうか。
#39
○政府委員(蓑輪健二郎君) 事故の処理の問題でございますが、首都高速道路公団でレッカー車も備えまして、できるだけそういう事故の車の続発することを除去する体制も整えておるのでございますが、何ぶんにもその事故が起きまして、そういうレッカー車が出動するまでに、いまの肩がわり車線の道路とか、それがいっぱいになってしまうと、なかなかレッカー車もそこに入れないということもございまして、非常に時間がおそくなっておりますが、この辺はやはり事故をなるべく早く処理するということが交通の円滑を期する方法でございますので、さらにそういうような事故対策の方法は慎重に検討していきたいというふうに考えております。
 もう一つ、事故が起きて非常に時間がかかったときに料金を返すという問題でございますが、これも非常に列車だと何時何分という時間表がございましてはっきりするのでございますが、どうもいまの高速道路だとそういう入った時間、その他の記録がございませんし、非常にまあ返すといっても問題がござますので、やはりこういうような問題は、高速道路に入る前に交通の状況をよく知らせるということがまず第一必要ではないかと思います。やはりいまの高速道路のゲートのところに、現在どこが非常に込んでおるか、どういう状況になっているかこの辺の掲示板をまず先につくるということで、いま首都公団にもいろいろ検討さしておりまして、まず私たちそういうような高速道路の利用の状況、混雑の状況、こういうことを利用者に事前にゲートに入る前に知らせるという方策をまず第一にとりたいというふうに考えております。
#40
○委員長(岡三郎君) まだ質問先ありますけれども、きうはやめておきます。
    ―――――――――――――
#41
○委員長(岡三郎君) それでは、次に、住宅行政に関する件について、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#42
○藤原房雄君 先ほど大臣から今後の方針についてお話ございました。私もいま当面している重大な問題といたしまして住宅問題についてお伺いしたいと思います。
 先ほどもお話あったんでございますが、このたび第一次住宅建設五カ年計画、この問題がございますが、この達成率はいまや三年を過ぎようとしておるんでございますが、まだ五〇%しか達成していないという、こういう現状でございます。あと残された二年間でこの五〇%が達成できるかどうか非常に心配されるわけでございます。先ほど大臣の決意のほどは聞いたのでございますが、いずれにいたしましても、たいへんな予算の措置がなければならないときでございます。現在また予算措置の、予算編成の大事なときでもございますので、この点についてお伺いするわけでございますが、来年度の予算編成の概算要求によりますと、四十四年度は二二・五%の上昇率を見込んでおる、こういうことでございました。こういうことではたして大蔵省がこのままのむかどうかということも疑問でございます。例年のことでございますと、要求がだいぶ削られておる。こういうことから私どもが心配することは、この五カ年計画の達成がむずかしいんじゃないか、このように考えておるわけでございますが、この点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
#43
○国務大臣(坪川信三君) 藤原委員にお答えいたします。
 ほんとうに住宅建設五カ年計画は、国民生活の今後のしあわせに通ずる大きな問題でありますので、先ほど申し上げました方針を基本に置いて進めたいと考えておるのでございますが、住宅建設五カ年計画の中におきまして、公的資金による住宅はただいま二百七十万戸、民間自力による住宅を四百万戸、合計六百七十万戸を目標に置いておることでございますが、ところで公的資金による住宅につきましては昭和四十二年度末までには建設累計が百三十五万五百戸となる見込みであります。これは計画の五〇%の伸び率であります。公的資金による住宅については今後相当努力を必要といたすことと考えております。今後とも毎年建設戸数の増加をはかっていけば、四十五年度までにはおおむね二百七十万戸の建設目標が達成するということが可能であると考えております。次に、民間自力による住宅につきましては、おおむね予定どおりおかげで建設されております。これらにつきましても金融面、税制面からも助成いたしまして、さらに建設の促進をはかり、計画戸数を達成するよう、今後とも建設省並びに関係住宅公団、公庫等の格別な御努力によってその目標の達成に全力をそそぎたいと、こう考えておる次第であります。
#44
○藤原房雄君 非常に高度経済成長また流動的な社会の中におきまして、一応立てた目標というものが目標どおり進めるということは、非常に困難な現況ということはわかるのでありますが、大臣も先ほどお話ししておりますとおり、何といいましても、現在は国民生活の中で住宅問題は非常に重大な問題でもございます。この五カ年計画の実施に全力を尽くすということとともに、さらにまた長期にわたる雄大な計画、またあくまでも国民の要望にこたえられる、そしてまた実現可能な計画というものを、実のある計画を立てて、着実に進めていくように進めていただきたい、このように思うのでございます。このような考え方に対しましてはどのようなお考えを持っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#45
○国務大臣(坪川信三君) いま御指摘になりました住宅の目標の年次計画はもちろんでございますが、これに加うるに長期な展望に立っての住宅対策もやはり考えなきゃならぬことは、お説のとおりであり、私もその気持ちを同一にいたしておるような次第であります。したがいまして住宅の需要及び供給に関する長期の見通しに即した施策を講ずべきことを規定しており、現行の住宅建設五カ年計画も、国土建設の基本構想の長期見通しに基づいて策定したものであります。現行の五カ年計画は、現在までのところは御高承のとおりに、公的資金による住宅については五〇%、民間の自力建設による住宅については五八%、合わせて五五・二%の伸び率であり、計画もおかげさまで順調とは申せませんが、ある程度順調に実施されておりますので、この基本に立って長期にわたる住宅政策を打ち立ててまいりたいと、こう考えております。
#46
○藤原房雄君 話は次に続きますが、ところで、日本住宅公団にお伺いしたいのでございますが、とかくに用地買収ということからいろいろ問題が起きておりますので、このことについてお伺いしたいのでございます。
 用地買収に関しましては、契約方法に一括代理契約と、こういう方法があるんだと私ども聞いておりますが、この方法について具体的な説明をお願いしたいと思います。
#47
○参考人(稗田治君) 用地の買収のしかたに一括代理契約というのは、具体的にどういうことかというお尋ねでございますが、これは地主が代理人に委任してしまう、契約の権限、金銭受け取りの権限というふうなことを委任していただきまして、大ぜいの地主さんが一人の代理人という方に全部権限を委託される。そういうことによって一人の代理人の方と公団が契約する、こういうことでございます。もっぱら任意買収で大きな地積にわたりまして権利者が非常に数が多いという場合に、こういうような地元で代理人を選びまして公団に申し入れてくると、こういうことがあるわけでございます。
#48
○藤原房雄君 具体的な話に入りたいと思いますが、茨城県の取手の井野団地の買収について、ここもやはり一括代理契約によって行なったと聞いておりますが、この買収の経過を詳細にお聞きしたいと思います。
#49
○参考人(稗田治君) お尋ねの取手の井野の用地買収でございますが、茨城県の北相馬郡の取手町の大字台宿というところでございます。面積は約二十万一千五百平方メートル、坪数に直しますと六万九百六十七坪でございます。地主数は九十名でございまして、契約代理人に木崎産業株式会社、代表取締役は木崎茂男氏でございますが、これがありまして、単価は全体の坪数に直しまして平方メートル当たり二千七百十円というので、五億四千六百十八万五千八百九十三円という総額で、公団が四十二年五月三十一日に契約をいたしたわけでございます。ただいま申し上げました平方メートル当たりの単価でございますけれども、公団はいずれの場合も買収する場合に鑑定不動産研究所あるいは他の日本不動産銀行とか、そういう鑑定機関の鑑定を頼んでおるわけでございますけれども、それらの鑑定価格から考えまして、妥当な額であるというので買収をいたしたわけであります。もちろんこの用地につきまして、最初のこの辺を公団として利用できないかという申し入れがございましたのはかなり古いわけでございます。昭和三十九年の八月五日に関東支所のほうにこういう地元からの申し入れがあったわけでございます。しかし利根川を越えて茨城県に公団が集団住宅の団地として進出するかどうかということは、当時なかなかわれわれとしても判断に迷ったわけでございます。その後、国鉄の第三次五カ年計画等が発表になりまして、常磐線が複々線化する、なお地下鉄九号線というのが綾瀬駅で連結する、そういうようなことがだんだんと固まりつつありましたので、それでは通勤距離としても通勤圏内に入ってくる、また、それらの施設が全部完成してしまったあとでは、公団としてもこれはまた地価が非常に高くなってしまい、手が出せないということにもなるというので、ようやくいよいよこれを候補地として取り上げるということを、公団としまして四十一年になって初めて理事会で審議した結果決意をしたわけであります。それからいろいろと値段の折衝とか時間がかかりまして、契約は四十二年の五月三十一日ということに相なったわけでございます。建設戸数は二千百七十三戸でございまして、四十三年の三月から着工をいたしておるわけでございます。四十四年の五月、来年の五月に入居が始まる、かような状態でございます。
#50
○藤原房雄君 詳細経過につきましてはお聞きしましたが、地主と一括代理人との問題でございますが、木崎産業というところのこの会社が中に入っておるようでございますが、木崎産業との間に調整金をめぐって非常に問題が起きておるというようなことを住宅公団としてお聞きかどうか、この点お伺いしたいと思います。
#51
○参考人(稗田治君) 木崎産業と地主間のいろいろの何と申しますか、意見の食い違いというようなことでわれわれのほうもその話は聞きましたので、それで地元のそういった御不満のある地主方と木崎産業と話し合いをさせまして、大体一応妥協が成立したということで、それを現在木崎産業のほうが実施しておるというように承っております。
#52
○藤原房雄君 木崎産業の土地の申し込み、一括代理人として地主との間に土地の申し込みをどのような方法で行なわれたか、いつごろ申し込みを受け付けたかという、こういう点について御存じならばお聞きしたいと思います。
#53
○参考人(稗田治君) 先ほど土地の売り渡しの申し込みは木崎産業という会社になっているけれども、三十九年の八月の五日に申し入ればあったわけでございます。ですから、そういう記帳はされておるわけでございますけれども、当時、なかなか利根川を渡って賃貸住宅の団地を茨城県に進出させるという踏み切りは公団としてつかなかったというので、その時点におきましては、公団としては候補地外と、こういうような扱いをしておったわけでございます。
#54
○藤原房雄君 木崎産業の会社の設立はいっか御存じでしょうか。
#55
○参考人(稗田治君) 木崎産業は四十一年の六月二十三日に設立されたわけでございます。なお、先ほど申しました、三十九年八月に申し入れをした会社は木崎物産でございまして、これは三十四年の十月十二日に設立された会社でございます。
#56
○藤原房雄君 木崎産業というのは四十一年の六月設立されたということでありますから、この話をしたのは木崎物産だということでありますが、いずれにしましても、木崎産業が一括代理人ということであれば、二年前からこの話があって、いまお話しのとおりいろいろな経過があって、次二年後にそれが受け継がれたようになるわけであります。ここでちょっとお聞きしたいのでありますが、土地取得業務の改善についてということにつきまして、昭和三十四年の二月二十七日の常務理事会、また三十四年三月五日の所長会議、また三十四年六月二十五日の土地課長会議に、土地取得取り扱い業務の改善についてという指示が出てございます。この中に、宅地建物取り継ぎ業者の業歴、信用を調査する、このようにこの中になっております。業歴及び信用の調査、これをしっかりした上で、代理人として委託するのである、こういうことでありますが、この木崎産業の業歴や信用調査、これはどのように行なったか、その内容等についてはっきりとお答え願いたいと思います。
#57
○参考人(稗田治君) 宅地建物取引業法の免許証の写しとか、登記簿謄本、あるいは定款、役員の略歴書、それから貸借対照表、印鑑証明書等を支所において提出をしまして、その内容を調査したわけでございます。
#58
○藤原房雄君 これはまあちょっと問題なんですけれども、昭和四十一年の六月二十三日に設立された会社であるということですね、木崎産業は。でありますと、業歴ということはほとんどないような現状であります。さらにまた、資本金はたったの二百万である。こういう信用状態のあやういような会社に対して、どういう理由があって一括代理人の選定をしたか。これは非常に疑問を持たれる点だと思うのでありますが、この点について。
#59
○参考人(稗田治君) 土地の買収をする場合に、この売却しようという地主が一人の宅地建物取引業者を選びまして、それであっせんの依頼をする。そういうことになりますると、なかなか買収するほうの側でこれを取りかえるというのは非常に困難な事情がございます。したがいまして、もちろん最初の申し込みは木崎物産でございましたが、代表者は同じ木崎さんでございますけれども、その時点におきましては、公団としては候補地として取り上げなかったわけでございます。それから交通関係等のいろいろの先行きの見通し等を考えまして、ようやく四十一年に踏み切った。その時点では木崎産業に変わっておった。こういうようなわけでございまして、実際に土地のたとえば売却のあっせん等をお頼みになるとよくわかるわけでございますけれども、なかなか地主さんが頼んでみると、頼まれた代理人を変えるというのはなかなかむずかしいことでございます。そういうようなことで、つまり地主と代理人との信頼関係、そういうようなことで公団は木崎産業のほうとそのまま交渉を始めた、こういう経過でございます。
#60
○藤原房雄君 どうもいまの答弁は納得いかないのであります。ただ土地の問題はなかなかむずかしい問題であります。でありますから、一がいには言えないことはよくわかるのでありますが、一括代理人というのは非常に誤解を生み、また今日までもいろいろな問題をはらんできた問題でございます。そういうことから、ここにあります業歴や信用を調査するという一項目がきちっとあるのじゃないかと思うのであります。私がここで述べるまでもなく御存じであろうと思うのでありますが、木崎産業の代表取締役は木崎茂男氏である。この方は元衆議院議員である。木崎物産――産業と物産がいま問題になっているわけでありますが、やり方等について云々ということではなくて、この会社に一つ問題があるのじゃないかと私は思うのであります。業歴や信用ということをうたっておりながら、木崎物産の代表取締役もやはり木崎茂男氏であったのであります。木崎物産は、公団が三十七年から三十八年にかけて買収いたしました茅ケ崎の浜見平の団地のときの一括代理人であった。木崎物産は、浜見平団地の買収においていろいろ問題がございました。調整金の問題がこじれて問題になった会社である。私ども調査したところ、そういう事実がわかったのでありますが、こういう会社がただ、先ほどの公団の方のお話ですと、会社が変わっておったという説明だけしかなっておりませんが、実はこういう浜見平団地の買収にあたってのいろいろな問題から会社に問題があった。それでどういう理由かわかりませんが、木崎物産という会社が木崎産業となっておったのであります。こういうことから、新しい会社を設立して、そうして発足したのじゃないか。このように、過去に公団とつながりがあるといっても、ただつながりだけではなくて、以前のこういう問題をはらんでいる会社である。こういう会社であるということは、公団は百も承知であろうと思うのであります。その会社と契約を、一括代理人にするということは非常に軽率である、このように思うのでありますが、この点について。
#61
○参考人(稗田治君) 木崎物産が以前に扱いました浜見平の団地の用地買収についてでございますけれども、非常に問題を起こしたというようなお話があったわけでございますが、浜見平の団地につきましては、地主さんと木崎氏との間にいろいろの口約束があった。おもにそれは結局代替地の問題であったようでございます。それが契約後におきまして、若干時期がおくれたというようなことでいろいろ両者の話し合いがありまして、結局その問題につきましては円満に解決しておるわけでございます。したがいまして、浜見平の団地の用地買収につきまして、公団としましては別に問題はなかったと、かように承知いたしておるわけでございます。
#62
○藤原房雄君 これは会社の問題でありますからここで云々するのはどうかと思いますけれども、木崎産業から木崎物産に会社を変えなければならなかったというところに、またそう変えておるというところに私どもは問題があると思います。しかも先ほど申し上げましたように、まあ新しい会社を立てたわけでありますから、社長はたとえ同じであったといたしましても、業歴ということ、それからまた信用ということにつきましては、これは新しいスタートに立って考えなければならないんじゃないか、こういうことから、木崎産業にそのまま引き継いだということは非常に軽率のそしりを免かれない、このように私どもは思うのであります。
 次は、公団と木崎産業との間に交換された売買契約書、これを見ますと、先ほどお話ございましたように、総額五億四千六百十八万五千八百九十三円、確かにこのようになっているのでありますが、各人別内訳には単価とか、また金額の欄がブランクになっている。完全な契約書とはなっていない。どうして単価や金額は入れてないのか。これはよくごらんになったと思いますけれども、この点をお伺いしたいと思います。
#63
○参考人(稗田治君) 一人の代理人が全部の土地所有者の代理人になっておるという場合、公団といたしまして、全体の面積を総額幾らということで契約をいたすわけでございます。で、この各地主地主それぞれ所有権を持っておるわけでございますけれども、売買契約につきましては、全部一人の代理人の人格に集結されておる。したがいまして、総体の面積、総体の価格ということで契約は成立する。なお、それぞれの地目がございますので、数量的には各地主の持ち分というようなものは、全部表にあげてあるわけであります。
#64
○藤原房雄君 それでは、いつの場合でも一括代理契約の場合にはこのような契約書で済ましているわけですか。
#65
○参考人(稗田治君) 一括代理の契約の場合は、ただいまお尋ねのあったように、各めいめいの地主の価格は入れてないというほうが正式であります。ただ、それじゃ公団の場合に全部そうなっておるかと申しますと、つまりおのおのの持っておる、各地主の持っておる坪数を書きますので、そこへ総体の面積でもって総価格を割った平均の価格をそれぞれの数量に応じて書いたという例はございますけれども、これはかえって契約上から申しますと誤解を生ずるおそれがあるんじゃないかというので、各自のところはそれぞれの地積だけを書くというのが、一応の正式な扱いになっております。
#66
○藤原房雄君 各人別に幾ら補償が出されたということについては、公団は御存じなんでしょう。
#67
○参考人(稗田治君) 公団といたしましては、契約をいたしますと、それぞれの地主さんに全体の面積と全体の価格、これをこういう価格で買収いたしましたというのを各地主に全部発送しております。それから契約する場合には、代理人だけでなしに三名以上の現地の地主さんを立ち会いさせる、代金受領の際につきましても同様のことをいたしておるわけでございます。したがいまして、いろいろ御疑問があるのかとも思いますけれども、できるだけそういう疑惑の生じないように、また地主さんが不当にさやを取られるということができるだけ避けられるようにという、そういう手段は講じておるわけでございます。なお、こまかい内訳のことになりますると、公団として事実としてどうであったかということになりますると、代金受領もたいがいはその代理人に委任しておりますので、そこでもちろん地主は立ち会っておりますけれども、それでこちらが払い込みをするということになりますので、それから先のことにつきましては、公団は権限を持って立ち入るということはできないわけでございます。ただ、税法上の関係がございますので、公団といたしましては、それぞれその譲渡所得を得た方から実際はこれだけもらったのだ、そういう届け出を取りまして、それを集計いたしまして、所轄の税務署のほうにお届けする、税金の関係でそういうことはいたしております。
#68
○藤原房雄君 じゃ公団ではわかるわけですね。――おわかりになるならば、その資料を個人別の明細を提出願いたいと思いますが……。
#69
○参考人(稗田治君) この点につきましては、要するに免税なり、課税の関係でそういうようなことで、それぞれのその地主さんのをまとめて公団が一応表に作成してお届けするということでございますので、各個人の所得に関係するということでございますので、できればそれぞれの個人の御迷惑もあるかと思いますので、御容赦願いたい、かように考えておるわけでございます。
#70
○藤原房雄君 話を次に進めたいと思いますが、公団から提出願った資料によると、木崎産業と地主との間に取りかわされた土地の売り渡し承諾書があるのですが、これを見ますと、土地代金の欄がこれはブランクになっておるわけです。これで土地売り渡し承諾書の役割りを果たしているのかどうか、このような疑問が出てくるわけでありますが、この点はどうでしょう。
#71
○参考人(稗田治君) 売り渡し承諾書、そこに記載がございませんね。結局地主さんと代理人との間にはっきり意見がまとまっておるかどうかという一つの委任関係を証明するような形のものでございます。したがいまして、公団と契約いたします場合には、売り渡し承諾書というのではなしに、一人の木崎さんなら木崎さんに売買契約につきまして権限を委任する、そういう委任状が契約上必要なのでございます。おそらくそこに白紙になっておりますのは、そういう売り渡しの承諾書を出す時点と、実際にこれが候補地となって具体化してという間に相当の期間もかかります。御承知のように地価というものは都市の発展とともにいろいろと変わっていくものでございますから、もちろん地主さんと代理人との間にある黙契とした仕切り値というものはあったと思いますけれども、そこに書いてしまうとまた動きがつかないというような点もあったのかと思います。
#72
○藤原房雄君 木崎産業を一括代理人として契約を締結した。これは考えてみれば地主の一人一人の方々と直接公団が補償すべきところを木崎産業に買収行為を代行させていく、こういう意味になるわけであります。でありますから、地主の権利を尊重するならば、地主に対する木崎産業側の行為いかんによっては公団の名誉を大きく傷つける、こういうことも当然考えられるわけであります。委任者である公団は一人一人の配分が適切であるかどうか、こうことについてはこれは厳重な監督が必要ではないか。まかせてあるからという先ほどお話もございましたが、往々にしてこういうことから問題が起きておりますので、誤解を生まない、また問題を起こさないということから、また地主の方々は、あくまでもそのうしろにある公団というものを信頼して売買契約をするのでありますから、こういうことからいたしましてどうしても必要な指示を与えるといいますか、行政上の当然の処置がとられなければならぬのじゃないか。こういうことから、今日いまいろいろ話を進めてまいりましたけれども、会社選定のことにつきまして、また個人別の問題につきまして、こういうな点について公団側に手落ちがあったのではないか、また手続上に問題があるのじゃないか、このように私どもは考えるわけでありますが、この点については公団はどうお考えでしょうか。
#73
○参考人(稗田治君) 一括代理契約につきまして公団といたしましては以前から、先ほどお述べがありましたように、三十四年における理事会等におきましてもいろいろの方針をきめてございます。したがいまして一括代理契約を地主の意向にかかわらずこちらが押し進めていこう、という考えはとっていないわけでございます。毎年建てます住宅戸数に対応する用地買収にいたしましても、一括代理契約というものは、件数にいたしましても坪数にいたしましても、過半数にはなっていないわけで、ございます。公団といたしましては、原則として望ましいのは地主から直接買う、あるいは事情によっては、できない場合には地方公共団体等のあっせんをお願いする、あるいは場合によっては宅地建物取引業者等のあっせんによるものをやる。その場合はいろいろのチェックポイントを設けまして、できるだけ好ましくない事態を未然に防ぐようにというので、一括代理契約につきましてはたびたび改善策を研究しながら、次々と是正していく方向に手を打っておるわけでございます。ただ非常に短時日の間にたくさん用地を買収する、それから非常に飢餓感に近いような住宅何世帯というようなことを考えますと、われわれとすれば、その年に定められた戸数というものをどうしても早く供給したい、そういうようなこともございますので、一括代理契約そのもの自体を否定するというような立場ではなしに、その弊害を除去しつつこれを使っていく、そういう立場をとっておるわけでございます。
#74
○藤原房雄君 私も一括代理契約の制度が悪いというのでは決してありませんが、先ほど申し上げましたように、会社の選定の問題、それから書類上の問題、こういうことで非常に疑惑を持たれたり、それから誤解を生む余地が十分にある、こういうことをいまいろいろな観点から指摘したわけであります。今後もこれに類似した問題が起こると思われますので、一括代理契約の場合は各人別補償内訳の報告義務を課するような、そのぐらいの慎重さがあっていいのではないか、公団は一括代理契約のこの仲介の方々に全部まかせたんだ、うちのほうは一人々々の場合がどうなったかということは関係しないのだ、こういうことではなくして、その中間の中に入った一括代理契約の労をする方々が実際にどうなっているのか、あくまでも地主の方々は公団が買い取ってくれるのだ、こういう考えで信頼してやっているわけでありますから、もうその点は当然公団として考えるべきじゃないか、これはいろいろな補償問題のときに当然出てくることでございますので、そのぐらいの慎重さでものごとを進め、そしてまた疑惑の起こる余地のないような行政上の進め方が大事じゃないか、このように私は考えるのでございますが、今後の方針について総裁にお伺いしたいと思います。
#75
○参考人(林敬三君) 先ほど来、いろいろ公団の問題についてお尋ねがあり、また稗田理事からいろいろお答え申し上げた次第でございますが、このお尋ねの一括代理契約というもの、でき得れば、私どもはやはりできるだけ方針としては直接買収というものをたてまえとしてまいりたいと存じております。また事実そういう努力をいたしておりまして、さっき稗田理事からもお答え申し上げましたように、やはり件数にしましても、面積にしましても、一括代理契約のほうが少ないのでございます。しかしながらこれを全面的に廃止するかということになりますと、いま御質問の中にも含めていただきましたように、これはやはり必要な、またこれもあわせて行なわないと大量の土地を相当急速に、また公団としての、人手と用地の担当者としての限度もございまして、そういう能力の点からもこれまた必要な制度と存ずるのでございます。そこでいろいろ御質問にもありました、またお答えも申し上げましたが、一括代理契約というものを極力弊害のないように、また疑惑の生ずることのないようにということについてはたえず年々注意をし、補正をし、いろいろ改善を加えながら目的達成に努力をしている次第でございます。お話しのように公団は非常に大量の土地を手に入れなければならない、ほとんど仕事の八割は、苦労の八割というものは用地でありまして、これが解決できれば家が建つと、極端にいうと言えるくらいに公団では考えているのでありますが、しかし、いかに大量の土地が必要であり、またそれをやるということが大切であるといたしましても、やはりその基本にはお尋ねのように信用というものが一番大切でございますが、いかに急ぎましても信用をそこねるということは、こういう公共的な仕事をお預かりすのものとしては厳に慎んで、一番そこが大切と思って守ってまいりたいと存ずるのであります。
 それからこの一括代理契約者の選任あるいは地主代表という人の選任というものは、これは法律論になりますけれども、これは公団で選ぶのじゃなくて、地主が選ぶ、そしてちゃんと土地を持っている方が判を押してなさるのであります。そこでそれを代表として公団にこういう土地がこのくらいまとまりますからどうですか、ということを持ってこられるわけであります。その場合、しかし御質問にもございましたが、こちらでどんな人でも地主の代表といえば相手にするかといえば、そういうわけではございませんで、今後も一そう人柄とか、信用度合とか、そういうことについても単なる書面の上でなく、でき得る限りのこちらとしても調べをいたしまして、適当でない人はこちらとしてお相手にいたしませんという態度を、今後も引き続きもっとしっかりと慎重にとっていくべきであると、かように考えておるわけであります。しかしながら、同時に問題は、同じような土地について、ある者には、一括契約者という者には高く払い、ある者には低く払うという個人的なアンバランスの問題がある。これは明らかに土地の価格が違うわけです。ある人が道路に近いほうを売るというのなら当然でありますけれども、それをこえた違いがえらく出てくる、あるいはさっき申し上げましたような、一括代理人が取り過ぎるんじゃないか、そういうようなことは厳に戒めなければなりませんので、立ち会い人制度を励行いたしますし、それから全体として坪平均幾らでこれだけの全体のものを買ったという通知はいたしますし、それから全体の金額は幾らであるかという通知はいたします。かつそのほか、最後に税務署のほうから参考のために、こういうことでもありましょうが、個人の申告といいますか、そういうもののお取り次ぎもする。こういうことによりまして、極力不公正また疑惑ということのないように、人を選ぶこと、やり方をしっかりすることということでもって、今後も一そう慎重にこの問題を進めてまいるようにいたしたいと存じております。
#76
○藤原房雄君 大臣の先ほどの方針の中にもございましたように、「厳しい倫理感をもって建設行政に微力を尽くす」、こういうようなことがございました。最後にお聞きするのでございますが、ところで、住宅行政の推進にあたっては、とかくにそのようなうわさも聞かれるのでございますが、こういうことのないように、大臣がこういう点についてはどのようにお考えになっていらっしゃるか、決意のほどをお聞きいたしまして、私質問を終わりたいと思います。
#77
○国務大臣(坪川信三君) 先ほどから藤原委員の御指摘になりました大事な応答を、私も深く拝聴いたしたような次第でございます。冒頭に申し上げましたとおりでございますが、私が建設大臣の拝命をいたしましたとき直ちに記者団の皆さまとお会いをいたしましたときに、冒頭に申し上げましたことは、ほんとうに国民のとうとい税金によってわれらの建設行政を推進せなければならない立場に立ったときには、たとい十万円、一万円の金を予算行使する場合においても、国民の立場に立って、使命感にあふれながら、倫理感にあふれながら配慮をいたすべきであるということは、記者団の皆さまにもお約束を申し上げ、私の決意のほども申し上げたような次第であります。保利前建設大臣と事務引き継ぎをいたしまして、屋上で全職員の皆さまに初めてあいさつを述べましたときにも、その点を十分含めまして、職員の綱紀粛正等につきましてもお願いをいたしたような次第でありますので、私はこうした立場に立って使命感、倫理感に満ちあふれながら、きびしい厳粛な気持ちの上に立って、今後行政指導並びに予算配慮をいたしたいと思っておりますので、どうか御了承と、今後とも御協力をたまわりたいと、こう考えておる次第でございます。
#78
○委員長(岡三郎君) 委員長として一つ、二つ関連して聞きたいのですが、土地の問題は別にして、公団の住宅建設ですね、巷間聞くところによるというと、建築単価がどうも現状に見合わないのではないかといううわさがあるのですが、この点については――まあ住宅局長もここにおるわけですし、公団もたまたまおるわけですが、この点現状の単価でいいかどうか。まあ逐次改善されていることも聞いておりますが、この点はどういうふうに考えておられるのか。つまり、現行の坪単価でやっていった場合に、建物の場合は土地のほうにかなり金がとられるということもあるかしれませんが、窮屈だ、やはりもう少し坪単価が上がればよくなるのではないかという話がありますが、その点はどうですか。まず、公団側のほうはその点どうですか。
#79
○参考人(稗田治君) 公団の実際に発注する場合の建設単価でございますけれども、一度きめたらそれを動かさないというのではなしに、たとえば四十三年度にしますと、九月にも改定いたしておりますし、十二月一日にもまた改定をいたしております。そういうようなことで、改定の資料は、例の物価版というそういうような一般に用いられている印刷した資料によりまして、労務費等の単価が変わるわけでございます。そういうことでやっておるわけでございますけれども、実際に実施してみると非常になかなか苦しいという話は、たびたび私たちも聞いておるところでございます。要するに、活字となって出てきた場合の労務費は、実際調査の段階でやはり数カ月かかっておるわけですから、数カ月おくれて出てくる。そういうような問題が根本的に一つございます。しかし、われわれとしますと、オーソライズされて出てきた労務費というものを先き行きの見通しまでわれわれだけの考えで延ばすということもいかがかということで、そういった一応世間に通用する、一応オーソライズされた価格をとって積算するわけでございます。もう一つは、実際に一つの建物を契約いたしますと、たとえば大工、左官という仕事が実際に始まりますのはこれは八カ月ぐらい先のことになります。今日のように常務費が非常に上がっておるというときは、実際に大工さんや左官を入れて工事をするというときは、契約時における単価ではなくなっておる、そういうような御不満があるようでございます。ですから、まあこれは請負という契約そのものの中に、今日のように経済の上昇カーブの非常に急激なときにはらんでおる問題だと思いますけれども、これは建設行政全体の問題として、たとえばスライド制を採用するかどうかといったような根本的な問題もございますけれども、そういうような点がございます。われわれとすれば、請負に出血を強制してまでしてやっていただくという考えは毛頭ございませんので、できるだけ世間に通用するそういったオーソライズされた資料に基づいて積算をしてはじいていくということでございます。
#80
○委員長(岡三郎君) 建設省のほうはどうですか。
#81
○政府委員(大津留温君) 公団住宅につきましても、公営住宅につきましても、また公庫融資によります公社の住宅につきましても、予算の建設単価が実際の工事費に追いつかないといいますか、及ばないという非常な悩みがございます。したがいまして、公営住宅につきましては、事業主体である公共団体が何がしかずつ持ち出しをしておるという状況で、これは大蔵省との約束で三年がかりで解消しようということになっております。公団、公庫につきましても同様の傾向がございまして、来年度の予算要求の主要な問題点の一つにしておるようなわけであります。工事費につきまして、公営住宅では七・四%、公団につきましては九・三%引き上げを要するということで要求しておるような状況でございます。
#82
○委員長(岡三郎君) これは、注文というか、一言申し上げたい点は、やはりこの公団にしてみても、確実な仕事だから苦しくてもやっぱり請け負っていきたい。ところが、かなり窮屈であるということになると、下請のほうに対する支払いというものが非常に苛酷になっていく。現行の景気のいい最中でも、会社によれば、もう六カ月ぐらいの手形がまだ出ている。三月、四月ぐらいはあたりまえのことです。だから、下のほうは現金払いでいかなきゃならぬというような業者自体が、元請のほうからそういう長期の手形で支払われているから非常に苦しいと、こう言っていますね。ですから、この点についての支払い方法というものについて、今後建設省として検討するということになっておりますので触れませんけれども、さらにたとえば、四十三年度の大体工事予定ですね、予算化されてきている。それがこう逐次計画的になされていっていると思いますけれども、大体その年度の予算は下半期にならないというと実際は仕事に着工していっていないのじゃないかという話があるのですが、その点どうですか。その年度の工事費が、下半期、だいぶおくれていかざるを得ないという状況になっているということを聞くのですが、これはどうですか。
#83
○参考人(稗田治君) 公団におきましては、御案内のごとく、ここ数年来、毎年非常にこの建設戸数が前年度より八千戸増というようなことで、急激な坂をのぼって、この事業費がふえるというようなことになっておりますので、前年度に買収して建てるべく用意しておる土地以外にさらにまた用意をしなくちゃならぬ。最近、地方公共団体との関連公共施設のいろいろの分担の問題がございまして、これまた非常に時間がかかるというようなことで、少しずつ――絶対の建設戸数は大体前年度同様でございますけれども、全体の着手率と申しますか、そういうことで申しますと、少しずつおくれぎみでございます。現在のところ、これは十一月末でございますけれども、今年度の着工いたしました戸数は三八%ということに十一月末でなっております。したがいまして、これから年度末までに残りを全部発注するというようなことで、まあ残念ながら下半期にぐっとしわ寄せになっておる。できれば、少し前送りにこういうふうな発注の進捗率をあげたい、かように努力しておるわけでございますけれども、なかなか思うようにいかないというようなのが実情でございます。
#84
○委員長(岡三郎君) だから、土地取得に非常に苦労されていることはわかるにしても、年度間における予算を執行する場合に、下半期に片寄るばかりでなくして、大体年度末に近く大量に発注しなければならない。そうするというと、年間を通しての工事費その他の積算で、結局労務費とかそういうものをかなりおくれて実施するということになると、実態に合っていかなくなってきているのじゃないか。つまり、四月から予算が執行されて、そうして逐次計画的にある程度いけば比較的工事のほうもそれだけしやすいわけですが、かなり物価が上がって、資材が上がって、労務費が上がって、そういうふうな中で、苦しくなった中でその大量の発注というものが行なわれていくということ、極端に言うと、その年度内で消化し切れなくなってくるのではないか。そうすると、四十三年度予算で実際には発注しても、その工事自体の着工は四十四年度に入らざるを得ない。だから、予算は四十三年度だけれども、実際の仕事は四十四年度に工事をしているという形になっていかざるを得なくなってきているのじゃないかということが言われるわけですがね。その点について、単価の問題と工事の発注の問題ですね、それを総合的に考えて、やっぱり適切な方法というものを建設省としても十分相談してやるべきである。これは、今後とも、地価公示法とかそういうものがつくられるようになれば、土地の取得、そういうものもある程度順調にいくのかもしらぬ、一つの参考になるかもしらぬ。そういうような面で、土地の問題もかなり深く関係しておることはわかりますけれども、そういうようなことで、結局大建築会社はある程度利益というものを見ていけるかしらないけれども、中間業者、下請業者は、ほとんど出血受注の形になっていってしまう。これは道路でもそうですね。大手はある程度マージンを取るけれども、先取りして、下へ請け負わせるという形をとる。そういうわけだから、下のほうはぎりぎりのところで、もうぎりぎりを越してしまう条件が非常に多くなってくる。ですから、大手だけの言うことを聞いて問題を処理するということじゃなくして、やっぱり中以下の下請業者のほうもある程度意見を聞かないと、ほんとうのものが出てこないのじゃないか。私はしかし、大手のほうが悪いことをしているということを言っているのじゃない。大手のほうも、いろいろとそれだけ経費がかかるわけだから、そういうことを総合的に判断して、単価の問題とか、着工の問題とか、そういうものの中から下のほうへしわがいかないようにひとつ指導を願いたい。そういうことです。
#85
○国務大臣(坪川信三君) ただいまの委員長が御指摘になりました問題は、ほんとうに私は重大な大事な問題として、われわれ行政指導に当たっておる建設省としては考えなければならぬと、こうほんとうに私は同感でございます。ことにその予算執行、工事の執行等を考えますときに、もう秋も終わりまして、雪は降る、雨は降るというような中から、道路工事が、あるいは建設工事が始まって、そうして、ぬかるみになった道で住民がどれだけ迷惑をするかわからぬというようなことを、私は、浅い経験でございますが、福井市長をやりましたときに、ほんとうにこれでは市民、住民が気の毒だ、こういうような気持ちを私はそのときほんとうに持ったわけでございます。いま御指摘になりました点は、私は大きな立場に立って、これからの建設行政の予算執行、工事の着工というような問題に対しましては、関係住民、またそうした自然現象なども、もう日は短くなる、雨は降る、雪は降るというようなことから、総合的に見ましても、私は非常にこれはきびしく考えなければならぬ問題であろうと思いますので、全く委員長の御指摘になりました点を重視いたしながら、これからの予算執行あるいは行政指導をいたしたいと、こう考えておる次第であります。
    ―――――――――――――
#86
○委員長(岡三郎君) それでは次に、古都の保存問題に関する件を議題にいたします。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#87
○春日正一君 私の質問のねらいといいますかね、それは古都における歴史的風土の保存ということと、保存地域における宅造事業、これとの関係で出てくる幾つかの問題についてお聞きしたいということです。
 最初に、古都保存法が施行されて二年数カ月になるわけですけれども、その間の地域指定その他の執行状況について、概略説明願いたいと思います。
#88
○政府委員(竹内藤男君) 古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法、昭和四十一年にできたわけでございますが、これの第四条に基づきまして、歴史的風土保存地域というものが定められております。これは、内閣総理大臣が、歴史的風土審議会に諮問をいたしまして、答申を得て指定をいたしておるわけであります。この区域が、神奈川県の鎌倉市、京都府の京都市及び奈良県の奈良市ほか五都市につきまして、合計二十二区域、一万二千七百七十七ヘクタールございます。この歴史的風土保存区域の中で、歴史的風土特別地区というものを建設大臣が都市計画の手続によりまして指定いたすわけでありますが、この特別地区の指定は、同じ鎌倉市、京都市及び奈良県の奈良市ほか五都市につきまして三十三地区、三千六百十ヘクタールございます。
 以上が地域指定の状況でございますが、四十一年以来、特別保存地区におきまして行為の規制がきびしくかけられておりますので、行為の規制がきびしいことと対応いたしまして、買い取りの規定が古都保存法にございますが、それに基づきまして買い取りました実績は、鎌倉市につきまして三百二十平方メートル、京都市につきまして十二万飛び八百二十四平方メートル、奈良県の各都市につきまして四万四千八百十五平方メートルでございまして、合計いたしまして十六万五千九百五十九平方メートルになっております。
#89
○春日正一君 そこで、そういう指定がされて、法に基づいて保存計画というものが決定されるわけですけれども、鎌倉市についての鎌倉市の歴史的風土の保存計画、これはどういうことになっておりますか。
#90
○政府委員(竹内藤男君) 昭和四十二年一月二十五日、総理府告示第七号によりまして、鎌倉市歴史的風土保存計画というのが決定されております。これは法律にございますように、第一に歴史的風土保存区域内における行為の規制その他歴史的風土の維持保存に関する事項というのがございまして、鎌倉市の歴史的風土保存区域の中でそれぞれの地区に分けまして、その地区別の歴史的風土の特性に応ずる行為の規制の大綱をきめております。
 第二番目におきましては、歴史的風土保存区域内におきまして、その歴史的風土の保存に関連して、必要とされる保存施設の整備に関する事項が書いてございまして、それぞれ必要な施設の整備をすべきであるということがうたってあるわけでございます。
 第三には、歴史的風土特別保存地区――先ほど申し上げました建設大臣が都市計画の手続で指定いたします、特別に規制の強い地区でございますが、その歴史的風土特別保存地区の指定の基準に関する事項が書いてございます。その基準といたしまして、第一は歴史的に重要な文化的資産とその周囲の自然的環境とが一体となって、歴史的風土の枢要部分を構成している地域である。二番目に、現に存する歴史的風土を保存するために、その地域における建築物の新築、宅地の造成等の行為の規制その他積極的に歴史的風土の維持、保存の対策を講ずる必要のある地域である。三番目に、都市計画区域内の地域であるというようなものを基準としているわけでございます。それから、大きな第四番目といたしましては、買い入れに関する事項がございまして、こういうような場合に買い入れを行なうんだという基準が書いてあるわけでございます。
#91
○春日正一君 そういう説明を聞いたのじゃなくて、内閣がきめた歴史的風土保存計画ですね。それを聞いたのですけれども、時間の節約上、私どもの手元に役所からもらったのがあるから読んでみます。「鎌倉市歴史的風土保存計画の決定」、四十二年一月二十五日。「八幡宮地区の歴史的風土の保存の主体は、鶴ケ岡八幡宮を中心とし、寿福寺、浄妙寺、永福寺跡、覚園寺等を含み、これらと一体となる源氏山、鷲峯山、大平山、天園、天台山等、北及び北西の外周に連なる山丘の自然景観の保存にあり、とくに背後山丘における建築物その他工作物の新築等、土地形質の変更、木竹の伐採等の規制に重点を置くものとする。」こうなっておる。これ大体間違いないですね。
#92
○政府委員(竹内藤男君) そのとおりでございます。
#93
○春日正一君 そこで、こういう地域指定がされますと、法律七条で、四条の地域においては宅地造成あるいは新増築、伐採、開墾等の行為を届け出にして歴史的風土の保存のために必要あるときは助言、勧告することができる、これは都道府県知事だと思いますけれども、そういう規定があるわけですね。つまり届け出だが、それに対して風土保存上必要があるものについてはいろいろ助言もするし、勧告もできる。それから第八条では、特別保存地区内での宅地の造成、新増築、伐採、開墾、色彩の変更、広告物等の表示等の行為は原則として禁示するというような形で、その場合には非常にきびしい許可の条件がついておると思うのです。そこで、この七条、八条に基づくこういう行為の規制と、この四条地区の中に許可される宅造事業との関係ですね、つまり宅造事業そのものは宅造法で許可されるわけですけれども、同時に四条地区でもある、あるいは六条地区にも隣接しておるということもある。そういう場合に当然古都保存法の七条ないし八条により規制行為の網がかけられなければならぬわけですけれども、そういう点を総合してやっていくための仕組みといいますか、つまり宅造の許可が出てきた、しかもこれは指定区域だ、両方から網をかける。その場合に、これが統一されて施行されていくような役所としての仕組みというものはどうなっておりますか。
#94
○政府委員(竹内藤男君) 歴史的風土の保存法に基づきます届け出なり、届け出の受理なり、あるいは第八条の許可なりは神奈川県の土木部のぼうで行なっております。それから住宅地造成事業法の認可あるいは宅地造成関係の許可につきましては、神奈川県の建築部で行なっております。しかしながら案件が一つである場合には両方で相互に連絡をいたしまして、これについての取り扱いをきめるというふうにいたしておるはずでございます。
#95
○春日正一君 そこの連絡協議というものがうまくいっておるかどうかということの監督ですね、それは建設省、そこがなければ保証されないわけだけれども、どういうふうにやっておるのですか。
#96
○政府委員(竹内藤男君) これは本省におきましては、宅造のほうは計画局の宅地部で所管いたしております。古都保存法の関係は都市局で所管いたしておりまして、それぞれの所管部局におきまして他の所管のところと連絡をとれというような指導をいたしておる次第でございます。
#97
○春日正一君 そうすると、実際には六条地区というようなものは建設大臣が指定するわけです。しかし、実際にはそれを八条で規制したり許可したりするのは県知事がやるわけですか、それは。そうして、建設省のほうはどういうことなんですか、報告か何かがあるわけなんですか。
#98
○政府委員(竹内藤男君) 六条の地域の指定は、都市計画法の手続に基づきまして建設大臣が行なっております。それから、具体的なそれぞれの行為の制限がございますが、許可制になっておりますから、その許可権者は都道府県知事になっておりまして、それぞれ許可をいたしましたり、あるいは許可をしないというような行為をやっております。その結果は私どものほうに報告としてあがってまいっております。
#99
○春日正一君 それじゃ具体的に施行上の問題点お聞きしますけれども、具体的な例で鎌倉市の四条指定地域の中ですけれども、二階堂字西ヶ谷、字杉ヶ谷、字亀ヶ渕を含む馬渕建設の宅造計画の許可条件というのはどういうふうになっていますか。
#100
○政府委員(川島博君) 鎌倉市の二階堂地区におきまして馬渕建設株式会社が申請いたしました宅地造成事業は、ことしの春認可をされておりますが、この地区はお説もございましたように古都保存法の四条地区でございますが、区域内には砂防地区に指定をされました小さな川が流れております。一番心配になりますのは、その川との関係でございますが、神奈川県知事は認可にあたりまして、条件といたしまして「工事中は、区域外に土砂の流失しないように防護設備を設けること。」それから二番目といたしまして、工事に関連する交通災害を防止するために、区域外の道路を整備すること並びに二階堂川の改修工事について十分な措置を講ずること、以上二つの条件を付して許可した次第でございます。
#101
○春日正一君 これは宅造関係の法律に基づく許可だと思うのですけれども、この四条指定という地域ですね、そこの工事に対する古都保存法からの助言、勧告というようなものはどういうふうに出されておりますか。
#102
○政府委員(川島博君) この住宅地造成事業法に基づく認可の際に、古都保存法による保存区域とダブっているわけでございますので、知事は宅造の許可をするにあたりましては、もちろん庁内におきまして古都保存法の所管課であります土木部と十分協議をいたしまして、むろんそういった歴史的風土、景観の維持上支障がないかどうか、ということもあわせて検討いたしたはずでございます。
#103
○春日正一君 私は、検討いたしたはずでありますということを聞いているのじゃなくて、七条に基づく助言、勧告というものをしたのかどうか、しなければしない、したならどういう内容の助言、勧告をしたのかと、それをお聞きしているのです。
#104
○政府委員(竹内藤男君) 第七条に基づきます知事の助言、勧告はいたしておりません。
#105
○春日正一君 そうすると、そのほかに、この風致地区の規制として緑地を三万三千七百三十五平方メーターについて造成するとか、宅造計画の一部を、ここは待てといって削ったという事実は聞いておりますけれども、一番問題になるのは、この許可の条件の中で、先ほど非常に簡単に言われたのですけれども、「区域外道路の整備(待避所の設置及び一部道路の拡幅)」と、こういうことが入っているのですね。さらに「排水量の増加に伴い温水等による災害を防止するための河川改修工事」といって、「(二階堂川の自費工事)について、十分な措置を講じて」と、こういうような条件をつけているわけです。ところがこの二階堂川というのが流れているところ、あるいは宅造工事をやるための資材の運搬その他をやる取りつけ道路ですね、これがちょうど第六条の指定地区、さっき私の読んだ永福寺境内というところですね、永福寺あとというところですね、この六条の指定区域に隣接している。そういうところを通っている狭い道路ですね。この道路を広げるということと、待避所をつくれというようなことになっているわけです。それから二階堂川もそこを流れている。そこへ広げろということになっている。
 そこでこの問題に入る前に、県がこういう条件をつけて、そうしてもしこの条件が満たされなかったら、宅造工事は実際に進められない、そういうことになっているのですか。条件はついているけれども、許可になったら条件かまわずやってもいいということになっているのですか。その辺、どうです。
#106
○政府委員(川島博君) 宅地造成工事をやります際には、まあ防災工事として条件をつけたわけでございますので、当然これらの措置が完了してから本格的な工事にかかるべきだと思います。その点は特に文書で認可条件、うたってありませんが、口頭で必ず防災工事を完了してから本格工事にかかるようにという指導を、神奈川県当局がいたしているように報告を受けております。
#107
○春日正一君 その点をいま、ここに二つ問題があるので、先に分けて、その防災のほうの関係を聞きますけれども、あそこの地域というものは非常に狭いところで、山の迫った狭いところで、いつも山から、いままででも六十ミリぐらいの雨が降ると、こういう水出があるのですね。これは四十一年六月の四号台風、六十ミリ、これだけでもう一ぱいになっちゃっている。
  〔委員長退席、理事沢田政治君着席〕
この雨のために土砂が流れちゃって、永福寺の池もほとんど埋まってしまったような形で、これを復元しなければならないという状態になっているわけです。しかもその川は広げようのない川で、そうしてその道路の両側にも住宅が建っておって、それでこの道路も広げようがない。だからあそこの地元の人たちは、その狭い道路をトラックがどんどん通られては、震動もあるし、特に人が歩くにも非常に危険だ。それが困るという問題と、それからいままでさえ、現状でさえ六十ミリも降ればそういうあれが出るのですね。これ、大臣、見ていただきたいと思うけれども、こういう水が出るのですね。一ぱい水が出た状況です。そういうところなんだから、その上のほうの山をいじってあれすれば、工事をすれば、さらに多く水が出るだろうと、そのことを非常に心配して、そういう問題についての保証がなければ困るのだということで、そこの取りつけ道路のところを地元の人たちは反対している。ところが許可のほうのこの条件では、そこをいま言ったように二階堂川をだから改修し、拡幅しろと、あるいはそこの道路を広げろといっているけれども、これについては場所はこういうところです。こういうふうにもうこの川に沿ってすぐ急な山なんです。こっちはすぐ住宅地からはずれるから六条指定地域ですわ。この非常に狭い地域ですね。そこに川があり、道路がある。これを広げろ、待避所をつくれ、川を広げろという条件がついているものだから、実際にはそれできてないのですよ、できてない。そして馬渕組のほうは、地元の人に対してはこういう約束をしているのですね。こういうふうになっているのです。
  〔理事沢田政治君退席、委員長着席〕
昭和四十三年六月十日付で、馬渕組のほうは「昭和四十三年三月二十九日付第三十六号及び神奈川県指令第七百三十六号で許可になった標記工事は下記要領で実施する。」と、こういうふうに言って、その中で「待避所は八月三十日までに完了する。」、それから、「二階堂川改修工事は九月一日より着工する。」、つまりこういうことでやりますということを地元に説明している。ところが、それがいまだに着工もされてなければどうにもなってない、そのままになっている。しかもその間に工事はどんどん進んでおる。こういう場合どういうふうに規制することができますか。
#108
○政府委員(川島博君) 最近宅地造成工事にはいろいろ問題が多うございますので、最近はこれらの工事において、大府県ではパトロール隊を編成いたしまして、車で常時現場を巡回いたしております。神奈川県当局の報告によりますと、この当該二階堂地区の現場につきましても、二、三日前に監督指導に参ったという話を聞いておりますが、そういう約束をしておるわけでございますから、もしそれが事実でありますれば、厳重に注意をして従わせるということにすべきかと思います。
#109
○春日正一君 二、三日前に行かれた、それ以後この二、三日工事はとまっておるというふうに聞いております。前に説明聞いたのでは、この条件、取りつけ道路のこの条件ができるまでは工事に着手するなと、これをまず完備してから工事をやれということになっているようですけれども、実際には工事がどんどんやられているのですね、どんどん進められている。そういうふうなことをやはりやらせちゃいけないんじゃないか。やはり許可なら許可された条件の中に、その取りつけ道路に付随するいろいろなものがあって、それを完備しろと言われておるのだから、そうして会社のほうも当然先ほど言ったような日限でやるということを約束しておるのだから、そこができなければ工事を進めるということは許されちゃいけないのじゃないかと思うのだけれども、どうなんですか。それはやりっぱなしで手のつけようがないということになっているのですか、法律上。
#110
○政府委員(川島博君) 許可条件に違反をすれば、当然法律上是正措置が講ぜられることになっておりますし、御指摘のような事実があるとすれば非常に遺憾でございますから、重ねて県当局に現地指導を強化するように伝えたいと思います。
#111
○春日正一君 そこで、この許可条件そのものが、馬渕組は、いま言ったように八月三十日までにやる、あるいは川のほうは九月一日から着工するということですね。そういうことをきめたのだけれども、できないにはできないだけの事情があるわけですわ。そこで古都保存との問題ともからんでくる。というのは、あそこの地域は、これを。こらんになってください、この写真。これは私のへたな写真だからあまりはっきりしてないけれども、こういうことなんですね。見てください。こういう狭いところなんですね。しかもこの永福寺のあとというのは、こちら側に山があって、前のほうは鎌倉宮のあとなんです。そのうしろのほうになって、鎌倉宮とつながる山があって、そこに池があって、この川の――いまその写真で見たこの山ですね。相当高いものです。かなり急な、こうなっている山があって、これが対になって、そこに池を掘って頼朝が船を浮かべて月を楽しんだということになっているので、先ほど最初に私の読んだ、この内閣で決定した保存計画によれば、この地域の自然景観の保存ということがはっきり言われておる。そういう立場から見れば、こちらの山とこちらの山の対照の中で永福寺のあと、池というものが生きてくるのだし、実を言えば宅造でこわされているこっちの山も含めて、全体として永福寺あとというものの景観が保存されるのだ。ところが、こちらのほうの山は取りつけ道路をつくっていく中でかなり荒らされてこわされております。こわされていますよ、ずっとね。写真見せないと……。これが宅造でこわされている状況ですがね、これですよ、これを見てみなさい。県庁では、この上こわすのは私問題だと思うけれども、とにかくここまでは手をつけちゃいかぬと言って――このところですね、赤い旗立てて、その旗が折れて、やりっぱなしになって、下のほうもこんなにこわされている。全景を見ればこういうことですね。山がこれほど荒らされてしまっている。これは四条地区になっているのですけれども、その永福寺の池の周囲の景をなすところが、それほど荒されてしまっている。そうしてそこをそういうふうにするだけでなくて、いまの川を広げるというのはこの川ですよ。ところがこの川は御承知のように山が非常に急になっておりまして、しかもこれは地盤が弱く、砂防指定地域になっている。そういうところを許可の最初の条件で会社が提出し、県が許可しようとしたのでは、こういう形にやろうと、つまりこういうふうな形でですね。こちら側は道路のあるところで、こちらは川があるところで、いま言ったのは山、ここですね。山がこの赤い線のように垂直にこうなっているわけですわ。現在これをこういうふうに広げて、この山を削るというのですよ、この険しい山、しかもくずれやすい砂防地になっているこの山を削るというんです。そうしますと六条と対照していて永福寺の景観をなしている片一方の山が削られて裸になってしまう。一体内閣できめられた保存計画でいう、その自然景観を保存するということは、全く踏みにじられてしまうわけですわ。意味をなさなくなる。山一つだけある。片一方だけあって、両側の山みなくずしてしまって池だけある。池をこわしてしまうと、それじゃ昔の永福寺の景観はなくなるわけです。それをくずそうとする、しかもこれを県のほうは許可しようとしたんですね。山をくずすということを地元が反対して、実際説明してみて、これは無理だということになった。そうすると今度はこっちを広げるというんです。これじゃまずいから、これはいまのままにしておいて道路のほうに広げようと言っている。ところが道路のほうに広げようといったって、この写真で、ごらんになってわかるように、住宅はほとんどいっぱい、いっぱいに建っているわけですから、この住宅を立ち退かせなければ道路のほうにも広げられない。実際上できないことですよ。無理にやろうとすれば、古都の保存法の趣旨に反して、古都の自然をこわしてしまわなければならぬ、そういうような条件になっている。こういう点では県当局としても非常に調査が不徹底といいますか、おざなりになっている。だからその点については当時の新聞にこう出ていますよ。「業者の図面は誤り」「地元の訴えで県が測量」といってですね。これはもうやり直しにした。しかも業者の出しておる川の拡幅計画というのは、これは河川局長おいでになるからもの笑い、おかしくなると思いますけれども、この川の堤防の一番広いところの護岸の一番こっちまではかってこれだけの広さがあるということで県のほうへ届け出をしておる。ところが実際は、川はうんと狭くなっている。だから私も実際ものさしを当ててみましたけれども、狭いところは一メートル半くらいしかない。しかもこわせばこれはぽろりぽろりと欠ける岩ですから、むしろゆれるような形になっているわけです。そんなところは広げようがないわけです。安全に広げようとすれば、相当のりをとって広げなければならぬ。山は半分くらい削らなければならぬことになる。そんなことは宅造会社だってできっこないし、やることになれば非常な危険がそこにある。できない相談です。できない相談をやれという条件で許可をした県当局も県当局だけれども、それでやりますと言った会社も会社だ。だから実際にはそれをやらずにそのまま工事をしておるということなんです。一体こういうことが許可されていいのか。
#112
○政府委員(坂野重信君) 先生の御指摘のとおり、その地域は砂防の指定地でございまして昭和三十六年に砂防の指定をいたしております。それで宅造のほうの許可条件にいろいろうたってあるのと同時に、砂防指定地内の行為の許可という手続を四十二年の十一月に行なっておりまして、その際にいま先生のお話を私聞きますと、測量する際に二十メートル置きに測量しておる。ちょうどその間に、先生のおっしゃっておる出っぱったところが入る。それが図面上出ておらなかったものだから、それは別に悪意があってやったんじゃなくて、一つの区切りに従って二十メートル置きにやったから断面が入ったというわけです。その後先生のおっしゃいましたように、おそらく地元のほうからいろいろな異論が出て、せっかくの景観をこわしちゃいかぬというようなことがございまして、そういうことであろうと思いますが、四十三年の十一月に至りまして砂防指定地内の行為の許可の変更の申請が出ております。それによりますというと、そういった出っぱったところは避けまして、さっき先生のお話がありましたけれども、民地に非常に近接しておるようでございますが、そういうようなところは最近の話では現地で地主との話し合いができたという、ごく最近の話でございますが、私の耳に入っております。そういうことで、ずさんといえばずさんでございますけれども、できるだけ地元の要望をいれながら、川幅の全体的な広がりも、いま聞きますと、大体五十センチから一メートルぐらい現状の川幅に対して広がるということでございますので、その辺を今後的確にやるように私どももこれは十分、直接は県の管理区間でございまして、二級河川から離れた一般河川のいわゆる県の管理の区間ですけれども、ひとつ今後とも技術的に十分指導を行なって、タイミングのほうもひとつできるだけ早目に事業を施行して、上流川の宅造による影響は私どもの計算ではきわめてわずかでございますけれども、まあしかし影響があることは確かでございますので、量的には少ないけれども、できるだけひとつ早目にその砂防の工事ができ上がるように督励してまいりたい、こう考えております。
#113
○春日正一君 そういうことで、先ほど言ったこっちの宅造の取りつけ口に入っていくところの山もくずされて、途中までは宅道にされる、そうしてそこに赤い旗が立っておるところがあって、これから上はということになっておるんですけれども、そういうところを削って、こういう石でこう土どめをやっていくわけですね。しかしそういうふうなものでもかなり急なもので、雨水がたまればくずれるおそれがある。もしそれがくずれたら、下の民家は一たまりもないというようなことで、非常に地元の人たちは心配しているし、それからあそこへ埋める、川へ持ってくる管ですね、九十センチですか、それでもいままでの雨量のあれから見ると、とてもじゃないけれども間に合わないんじゃないかというような心配もしておる。だから地元の人たちの安全、災害を防ぐという点から見ても、少なくともそういう点については十分に監督をして災害のないようにやらなければならぬ、そうやってほしいと思うんですけれども、ただ問題はいまのような形でいったとしても、古都の保存という立場から見れば、これは非常に大きな破壊がされて、政府がきめておる保存計画そのものが全くだめにされてしまうというような結果になるわけですね。そこで古都の保存という場合、私があの保存法が出るときにも言ったんですが、六条地区とか四条地区とかきまれば、その境界の外はかってほうだいということでこわされてしまって、そのことで保存の目的が果たせなくなるだろうということを、私はあのとき質問でも言ったんですけれども、歩いて見ますと、まさにそうなっているんですね。ここなんかでも、六条の保存されているところは池のところとこっち側の山だと、こっち側の山は四条と、ところがこの山とこの山とはこの宅造でこわされておる。この山とが対になってあそこの景観をなしておるし、池をつくった意味もできてきておるんだということになれば、四条だから届け出があれば許可していいということではなくて、六条との関係において、ここをくずしたら六条の本来の意味がなくなるんだからということなら、そこをくずしちゃまずいというような助言、勧告というようなものは当然やるべきだと思うんですけれども、その点はどうなんですか。六条地域、私が行ってみたら、柱が立っている、柱の上からずっと道路がつくられておるといったようにこわされているのですね。六条の区域の外ならもう届け出さえあればどうしてもいいんだということになるということになれば、六条地域は相当広く指定しておかなければ保存できないことになるけれども、その辺の関係どうなっています。
#114
○政府委員(竹内藤男君) 古都保存法で四条地区と六条地区というふうになっておりまして、四条地区につきましては、先生おっしゃいましたように届け出だけ、しかも助言、勧告で規制するしかないということは、確かにその法律――これは議員立法でできた法律でございますけれども、そういう点があろうかと思いまして、私ども運用といたしましては、この四条地区には必ず風致地区をかけるということを運用としていきたい。風致地区をかけます場合には、六条地区のような絶対禁止的な規制はできませんけれども、その風致を保存しつつある程度の開発を許すということになりますけれども、風致地区の運用によりまして、枢要な緑地なりあるいは風致なりを保存していくという形で四条地区のぼうを伸ばしていきたいということで、現在、古都保存法の四条地区におきましては、例外なく風致地区をかけるという方針でおりまして、ほとんど全部が風致地区がかかっておる。したがいまして、先ほど御指摘の二階堂地区におきましても、先生おっしゃいましたように、風致地区の運用によりまして申請面積を減らさしたり、あるいは開発区域の中でございますけれども、そのうちの四割ぐらいのところを公園や緑地にさせるというようなことによりまして、永福寺あとの背景となる丘陵の斜面を緑地で確保するというような指導をいたしておる次第でございます。
#115
○春日正一君 そこで具体的な問題として、いま局長が説明したような形がうまくいっていればいいけれども、実際見るとそうなっていない。そしてこういうものは一度こわされてしまったらもうおしまいなんですね。だから、まだこわされないうちに一度建設省のほうから人をやってよく実情を調べて、地元の言い伝えとか、そういう人たちがいますから、そういうのを聞いてこの六条と四条の関係で、どういうふうにして指定された地域の景観を保存するかというようなことについて検討をして、県のほうにも指導をるというようなことをやっていただきたいと思うのですよ。川のほうは、あれは削らぬことになったのですね。なったからいいけれども……。
 もう一つ問題なのは、馬渕建設といえば、一つの私企業でしょう。それに道路を広げること、川を広げることという条件をつけてみても、いま言ったように、こっちへ広げていけばそういうものにひっかかってくる。反対側に広げようとすれば、住宅の立ちのきというような問題が出てくるわけですよ、狭いところですから。道路でもそうです。そういうことになると、馬渕建設という私企業に対して道路を広げろ川を広げろという義務づけても、それでは馬渕建設が住宅の立ちのきを強制執行でできるかということになると、そういうわけにはいかぬでしょう。だから、そういう点はもっと地元の人と話し合った結論を見た上で許可をしていくというようなことにしませんと、許可をしてしまったけれども実際できないと、建設会社だって計画が狂うし、地元の人たちだって非常にそれで迷惑をこうむるということになるわけですから、そういう点はもっと親切にやるように指導する必要があるんじゃないか、そう思います。
 そこで、もう一つ大臣にぜひ見ていただきたい写真があるのですわ。これをひとつ見ていただきたいと思います。これは保存計画にも出ております天園という地区の切り取った山のところですね。そこまでが鎌倉市です。切り取ったその下は横浜市です。横浜市が許可したと思うのですけれども、ゴルフ場がずっとできています。そうすると、まさに保存地域の鎌倉市と横浜市の境をさっと切ってしまっておる。そうしてこのへりについている鉄さくが、これが市の境、四条地区の境になっているわけです。これがくずれて、私歩いてみましたけれども、この辺はもう鉄さくが宙に浮いているようなかっこうになっている。この下から見ると景観はいいのですけれども、こういう形でふわっと切ってしまっている。こういうことが、まあ横浜市と鎌倉市の境だからということでやったのだと思いますけれども、許されるとしたらこれは危険でもあるし、同時にこの風致、景観というような点から見れば、至るところに殺風景なぶちこわしが出てしまう。私、鎌倉の中を歩いてみましたけれども、それに似たようなものがたくさんあって、裏山から見るとこわされてずっと宅造になっているのだけれども、別のところから見れば一応山のかっこうに見えるというような形になって、稜線の上からさっと切るような、こういうことが許されていいのか。そういう意味ではこの四条地区のように六条地区の境はそれはきめなければなりませんけれども、きめる場合にもう少しゆとりをとってこの稜線の外まできめるとか、あるいはそこまできめたけれどもこの間は一定の規制をするとかして緩衝地帯をつくりませんと、境がすっとそういうことになってしまったら、これはぶちこわしですわ。そういう点についてどういう処置をとる方法があるか。とられるつもりか。これは全国に起こる重要な問題だと思うのです。至るところでこれが起こっている。
 それからもう一つ、ついでですから言っておきますけれども、これは建設省の関係じゃありませんけれどもね。宅造としては関係ありますけれども、あの金沢の称名寺というお寺があります。ここに有名な金沢文庫がある。そこの場合でも、最初お寺の境内一ぱい一ぱいにこうさくを立ててそのすぐ外まで山をくずして、あれは三井でしたか、どこか不動産会社が宅造をやろうということで、地元が反対して山のずっと上のほうまで史跡指定をしてもらって指定が出るようですけれども、それ聞いてみますとあそこの文庫の館長が言っていましたけれども、海側の山がそれでも二十五メートル削られた。そのために海の風が入ってきて、金沢文庫に保存してある建物ですね、あそこに非常にたくさんの古文書があるのですけれども、そこのいたみが早くなっているということを訴えているのですね。だからそういうことを考えてみましても、昔の人たちが自然の景観の中で湿気とか海風とかいろいろ考えてものを建てているのに、それをくずしたために、その条件みんなこわされてしまうというようなことがあるのですね。だから、こういう点についてはやはりもっと広く指定するなり、あるいはそういう緩衝地帯を設けるようにしてこういうような状態は出さないようにしなければいけないのじゃないか。そこらの辺何とか処置をとってほしい、方法を変えるなりあるいは政令なり何なりでするなり、創意くふうありそうなものだと思うのですけれども。何とかこういう点は防いでもらいたい。宅造業者だって困ると思うのです、こんなことを自分でやっておったら。だからぜひやってほしいと思うのですが、その点の考えを聞かしていただきたい。
#116
○政府委員(竹内藤男君) 二階堂地区につきまして、私どもといたしましても係官を派遣いたしまして、現地を十分見た上で実は鎌倉の古都保存の特別地区につきましては、指定当時にもいろいろ問題がありましたものを整理いたしまして、現在のような形にいたしております。そういう実況を見まして、真に歴史的な記念建造物その他と一体として指定すべき地区であるということであれば、私どもも特別保存地域の拡大ということについて検討してまいりたい、こう思います。
 それから境界線の問題ですが、私どもは一般的には稜線の一番高いところから裏山の二十メートル低いところまでというのを原則にいたしまして、稜線そのものではございませんで、その裏の、高さでいえば二十メートル低いところまでを一応境界線にするという原則でやっておりますが、この天園のところがどうなっているのか、私どもも実際現在調べておりませんが、そういうことでございますが、現地の実情によりまして、もう少し広げて指定しておけばそういう事態が起こらないということであれば、これもさらに再検討してみたいというふうに考えております。
#117
○春日正一君 それじゃ最後に大臣に、これをお聞きになってどういう感想をお持ちになったか、大臣のお考えをお聞きしたいのですが。
#118
○国務大臣(坪川信三君) 春日委員にお答えいたします。
 ただいまかわされております御指摘、御不審の内容につきまして、いろいろと私もお聞きいたしておるようなわけでございます。事務当局といたしましても、これに対しましていろいろと苦慮いたしておる点もひとつ御賢察いただくとともに、これらの点には、さらにまた配慮を持ちながら行政指導もいたしたい、こう考えておるような次第でございます。
#119
○委員長(岡三郎君) 本日は、これにて散会をいたします。
   午後一時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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