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1968/12/17 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 逓信委員会 第2号
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1968/12/17 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 逓信委員会 第2号

#1
第060回国会 逓信委員会 第2号
昭和四十三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保  等君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                森  勝治君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                白井  勇君
                寺尾  豊君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                白木義一郎君
                北條  浩君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政政務次官   木村 睦男君
       郵政省電波監理
       局長       石川 忠夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        倉沢 岩雄君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第五局長   小熊 孝次君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長専務理事   野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行蔵君
       日本放送協会専
       務理事      志賀 正信君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会監
       事        長浜 道夫君
       日本放送協会経
       理局長      池田 直和君
       日本放送協会経
       営企画室経営主
       幹        野村 忠夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照
 表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第五十五回国会提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(久保等君) この際、河本郵政大臣及び木村郵政政務次官から発言を求められております。これを許します。河本郵政大臣。
#6
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、このたび郵政大臣に任命されました河本敏夫でございます。
 郵政行政につきましては、全くのしろうとでございますが、郵政行政が非常に重大であること、ことに文化、経済、国民生活、各般にわたりまして、非常に重大な役割りを果しているということを考えますと、その任務の重大なことを痛感をしております。懸命に努力をする所存でございますので、どうか各位の御指導と御協力のほどを切にお願い申し上げまして、簡単でございますが、ごあいさつにかえます。(拍手)
#7
○委員長(久保等君) 木村郵政政務次官。
#8
○政府委員(木村睦男君) このたび郵政政務次官を仰せつかりました木村睦男でございます。
 私もしろうとでございますので、大臣御同様御指導のほどをよろしくお願いいたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#9
○委員長(久保等君) これより日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 まず、本件に関し郵政大臣から説明を聴取いたします。
#10
○国務大臣(河本敏夫君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれらに関する説明書の国会提出につきまして概略御説明申し上げます。
 これらの書類は、放送法第四十条第三項の規定により、会計検査院の検査を経まして国会に提出いたすものであります。
 日本放送協会から提出されました昭和四十年度の貸借対照表等によりますと、昭和四十一年三月三十一日現在における資産総額は、九百三億六百万円で、前年度に比し、百億九千三百万円の増加となっており、これに照応する負債総額は、三百四十九億六千二百万円で、前年度に比し、三億六千八百万円の減少。資本総額は、五百五十三億四千四百万円で、前年度に比し、百四億六千二百万円の増加となっております。
 資産の内容をみますと、流動資産は、八十二億一千五百万円、固定資産は、七百三十三億二千六百万円、特定資産は、八十五億三千二百万円、繰延勘定は、二億三千三百万円、となっております。
 また、負債の内容は、流動負債は、二十五億一千六百万円、固定負債は、三百二十四億四千六百万円であり、固定負債の内容は、放送債券二百五十九億八千万円、長期借り入れ金五十一億六千六百万円、退職手当引当金十三億円となっております。資本の内容につきましては、資本四百億円、積立金四十七億三千七百万円、当期資産充当金八十七億八千七百万円、当期剰余金十八億二千万円となっております。
 次に損益につきましては、事業収入は、七百十三億百万円で、前年度に比し、四十六億六千六百万円の増加であり、事業支出は、六百六億九千四百万円で、前年度に比し、四十二億七千八百万円の増加、資本支出充当は、八十七億八千七百万円で、前年度に比し、七千万円の減となっております。
 したがいまして、当期剰余金は、十八億二千万円となっております。
 以上のとおりでございますが、何とぞよろしく御審議のほどをお願いいたします。
#11
○委員長(久保等君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。前田日本放送協会会長。
#12
○参考人(前田義徳君) ただいま、郵政大臣から一日本放送協会の昭和四十年度財産目録、・貸借対照、表及び損益計算書の概要につきまして御説明がございましたが、委員長の御指名によりまして、補足説明を申し上げることといたします。
 まず、当年度末現在の資産総額は、九百三億六百万円で、この内訳は、流動資産八十二億一千五百万円、固定資産七百三十三億二千六百万円、特定資産八十五億三千二百万円、繰り延べ勘定二億三千三百万円でございます。
 この資産総額を、前年度末に比較いたしますと、百億九千三百万円の増加となっております。
 これは主として、当年度の建設計画に基づき前橋ほか百四十四局の総合テレビジョン局、前橋ほか百四十一局の教育テレビジョン局、北九州・甲府ほかの放送会館の建設、その他放送設備関係機器の整備、局舎、宿舎の増改築等を行なったことによる固定資産七十六億六千七百万円の増加及び放送債券の新規発行増に伴う特定資産十三億三千万円の増加によるものでございます。
  一方、これに対します負債総額は三百四十九億六千二百万円で、この内訳は、流動負債二十五億一千六百万円、固定負債三百二十四億四千六百万円でございまして、固定負債の内容は、放送債券二百五十九億八千万円、長期借り入れ金五十一億六千六百万円、退職手当引き当て金十三億円となっております。
 この負債総額を前年度末に比較いたしますと、三億六千八百万円の減少となっておりますが、これは主として、当年度放送債券を新規に三十億円発行し、長期借り入れ金を五億円借り入れましたほか、退職手当引き当て金として四億円追加計上しました一方、放送債券を十六億二千二百万円償還し、長期借り入れ金を三十一億三千五百万円返済しました結果、固定負債が八億五千七百万円減少したことによるものでございます。
 また、資本総額は、五百五十三億四千四百万円で、この内訳は、資本四百億円、積み立て金四十七億三千七百万円、当期資産充当金八十七億八千七百万円及び当期剰余金十八億二千万円となっております。
 この資本総額を前年度末に比較いたしますと百四億六千二百万円の増加となっております。このうち資本につきましては、前年度末に比較して百億円の増加となっておりますが、これは、積み立て金から三十九年度に固定資産化したものに相当する額百億円を資本に組み入れたためでございます。
 次に、損益計算書により事業収支についてみますと、まず受信料等の事業収入は七百十三億百万円で、前年度に比較しまして、四十六億六千六百万円の増加となりましたが、これは主として、総合、教育両テレビジョン放送網の建設によりサービスニリアの拡大をはかりますとともに、放送番組の拡充、刷新及び事業の周知につとめました結果、受信契約甲におきまして、当年度内に百六万の増加を示し、当年度末一千八百十二万となったためでございます。
 一方、契約乙の受信契約者数につきましては、契約甲受信者の増加に伴い当年度内三十四万の減少をみ、当年度末百四十八万となりました。
 次に、事業支出は、六百六億九千四百万円で、前年度に比較しまして、四十二億七千八百万円の増加となりましたが、この主な内訳としまして、事業費は四百九十四億六千四百万円となり、前年度に比較しまして三十六億八千五百万円増加、減価償却費は八十三億六千七百万円で、前年度に比較しまして十七億四千六百万円増加しております。
 事業費の増加は、テレビジョン・ラジオ放送番組の充実刷新、教育テレビジョン放送時間の延長、報道取材体制の強化、国際放送の充実、受信者の維持・増加対策の推進、放送技術、放送文化の両分野にわたる研究活動の強化及びこれらの事業規模拡大に伴う維持運用費等の増加によるものであります。
 減価償却費の増加は、建設工事の急速な進展に伴う償却資産の増加によるものであります。
 また、資本支出充当として、八十七億八千七百万円計上いたしました。
 これは、固定資産充当、放送債券償還積み立て金の繰り入れ分及び長期借り入れ金の返還等資本支出として計理した金額を表示したもので、貸借対照表に記載されている当期資産充当金に対応するものでございます。
 以上の結果、当期剰余金は十八億二千万円となりました。
 これをもちまして、協会の昭和四十年度末における財政状態及び当年度の事業成績につきましての補足説明を終わらせていただきますが、今後の事業運営にあたりましても、公共放送としての使命と責務を銘記し、一そう放送事業の発展に努力してまいりたい所存でございます。
 何とぞよろしく御審議のほどお願いする次第でございます。
#13
○委員長(久保等君) 次に、会計検査院当局一から、検査結果について説明を聴取いたします。
#14
○説明員(小熊孝次君) 日本放送協会の四十年度の決算につきまして、書面検査及び実地検査をいたしました結果、質問を発したり、あるいは違法等として指摘した事項はございません。
 以上でございます。
#15
○委員長(久保等君) これより本件に関し質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#16
○鈴木強君 きょうは新大臣を迎えての初の委員会でございます。河本大臣、木村政務次官の御就任を私も心からお喜び申し上げます。同時にひとつ今後ごあいさつにもありましたように、きわめて重要な事業でありますから、せいぜい御精励くださいますように心から期待いたします。
 で、実は私はきょう大臣のごあいさつの中に一般的な形式的なごあいさつじゃなくて、ある程度所管事項に対する御所信等が承れるのではないかと考えておったんでありますが、そのことがございません。いま議題は、四十年度の協会決算の審査でありますが、この際、私はひとつ協会にもちろん当然関連いたしますが、日本の電波行政について基本的な問題をこの審査に入ります前に、大臣にお伺いしたいと思います。
 そこで小林郵政大臣から引き継ぎがございましたと思いますが、昭和三十九年に臨時放送関係法制調査会からの答申に基づいて、電波法・放送法の改正はこれは政府に課せられた使命であったわけです。ところがいこれが残念ながらこの前の通・常国会にも提案をされないままに今日にきている。しかもその間において、きわめて重要なUHFのチャンネルプラン免許等が国会のわれわれの意思にそぐわず、しかもみずから一度述べた方針をくつがえして、強引にしかも独善的にやられた傾向がある。われわれは昭和二十五年につくられたこの電波法・放送法は現状にそぐわない。しかるがゆえに臨時放送関係法制調査会もこの答申を出しておる。したがって、まず電波行政の基礎を確立して、あるべき姿に整備して、その上でUHFをはじめFM放送等の基本的な電波行政をおやりになっていただきたい。こういう気持ちでおるわけです。小林大臣もそういう考え方を認めておきながら、Uの第二次、しかも第三次までやろうと委員会を一月に二回も開かれて、まことにわれわれにとっては納得できない形で強引にやった。ですから私は新大臣が、すみやかにこの両法案を国会に提案されて、そうして本来の姿に戻した中で重要な電波行政をやってほしい、こう思うわけです。しかるがゆえに、次の通常国会には必ずこの電波法・放送法案を国会に提案してほしい、こういうふうに思いますが、旅先で何か白紙に戻してやると、記者会見の報道として伝えておりますので、この際、大臣のはっきりした考え方を承っておきたいと思います。
#17
○国務大臣(河本敏夫君) 放送法・電波法の改正につきましては、これはぜひ急いでやりたいと思っております。この問題につきます私自身の考え方は、いまは白紙でございます。しかし、これまでのいきさつ等がございますので、これまでのいきさつを十分参考といたしまして、できるだけ早く結論を出したい、かように存じております。
#18
○鈴木強君 それから、白紙で対処したい、けっこうでございます。その際に、私は民間放送の諸君の考え方や、あるいはNHKの考え方や、あるいは一般国民の考え方や、いろいろあると思います。ですから、そういう意見を十分にひとつおくみ取りいただくと同時に、特に郵政大臣が諮問をした臨時放送関係法制調査会という、この答申が出ておりますので、この答申をひとつ尊重されてやってほしいと思うんです。特に、この中にあります放送行政委員会ですね、これは要するに、大臣から免許の権限というものを第三者に移してやってもよろしいと、こういうのが内容でございますが、これはまあ、田中角榮大臣の、テレビを初めて日本に免許した当時のいきさつがありまして、どうも大臣が許可権を持つということは、とかく問題が起きる。したがって、第三者的な性格の放送行政委員会というものをつくりまして、そこに免許許可権を与えたほうがよかろうと、こういうふうなことです。これは前回の改正案の中には、諮問機関的な性格が入っておりましたために、われわれが猛烈に反対しました。まあそれは、しかし、表現と実際とは違うのですと、内容的には。これは諮問するというが、実際の決定権は委員会に持たすようにするんだ、という答弁を大臣がするということだったので、そのことを前提にして、法案を出すことに一応納得したんですけれども、まあその機会がなく廃案になったんです。ですから、そこのところが一番私は問題になります。
 それから参考のために伺いますが、小林郵政大臣が、たとえばNHKの会長はこれを任命制にするとか、受信料も政府の認可制にするとかというような考え方ですね。それから、たとえば経営委、員会の組織を改正する。そして、委員の手当も政府がやるようにするとか、そういう一連の動きがありました。その中で、会長の任命制については、一応、大臣は最初の意見を撤回されたようですが、料金の認可制、それから経営委員会の改組については、かなり執念を持っておったようですね。その点が引き継がれたかどうかわかりませんが、これらは、やはり政府が放送に介入するという、そういうことを極力避けるということが放送法の精神です。だから、政府自体に直接的な監督権というものはないはずです。それだけやはり公共放送に対する中立性というものを与えていると思うんです。だから、特に最近、放送に対する介入が云々されるということですが、私は党の放送番組不当介入調査特別委員長をしておりますが、たくさんの事例があります一これは、また機会を見て大臣にもぜひ知っていただきたいんですが、そういうわけですから、私は、経営委員の手当を政府が支給するなどというようなことはまずいと思うのですよ、これは。そういう点、まだ考え方がお固まりになっているかどうかわかりませんけれども、まあひとつ、そういうふうなことが小林郵政大臣から引き継ぎ事項があったかどうか。あったとすれば、そこらは考え直してもらいたい。そういう二点を含めてお伺いします。
#19
○国務大臣(河本敏夫君) 放送法改正の原案をつくります際に、もちろん、ただいま御指摘の、前回の答申及び審議の経過、こういうものを十分参考といたします。
 それからお尋ねのNHKに関する一連の問題につきましてはこういうふうな問題がある程度議論されたということは聞いておりますが、結論に達したということは聞いておりません。これからよく検討してみたいと思います。
#20
○鈴木強君 そうすると、まだ大臣としては、この問題について引き継ぎ事項としては、正式に受けておらぬのですか。
#21
○国務大臣(河本敏夫君) そのとおりであります。
#22
○鈴木強君 そうすると、では、ひとつ、いまの私の意見を参考にして、検討する際にやってもらいたいと思います。
 それから、これに関連しまして、NHKの予算と非常に関連してくるわけですが――予算というよりか、NHKの経営、FM放送の第一波の、第一次のチャンネルプランというのが練られましたね。そこで、免許の方針というものをどうやるか、これが残された一つの課題だと思うのですが、それらの構想について、大臣の考え方ございますか。
 それからまた、大臣としては、大体、いつごろに、どういう方針で許可するのか。小林郵政大臣が、東京、大阪、名古屋、福岡、そこら辺に音楽局を一局設けるということも言われておりますが、それとの関連でNHKのほうは、全国的に認可されると思うのですが、そういうところはどうなりますか。
#23
○国務大臣(河本敏夫君) FM放送についてのチャンネルプランは、先月二十九日に決定をいたしましたわけでございますが、そのうち民間四社の認可の方針につきましては、いま検討中でございます。ただしかし、放送事業は非常に重大であるというその公共性にかんがみまして、実際に認可のときの条件が確実に実行できる、こういうところに当然、認可しなければならぬ、さように考えまして、目下、作業中でございます。
#24
○鈴木強君 そうすると、いりごろを大体、めどにしておるのでしょうか。
#25
○国務大臣(河本敏夫君) できるだけ早くしたいと思っておりますが、まだ時期につきましては、はっきりしたことを申し上げる段階ではございません。
#26
○鈴木強君 それからもう一つ。小林郵政大臣が、いまの中波を大電力に切りかえて広域放送に使う、行く行くはFMに切りかえるということを言われましたが、その方針は大臣としては認められますか。
#27
○国務大臣(河本敏夫君) この方針は引き継いでいきたいと思います。
#28
○鈴木強君 そうすると、これも時期は――大体どういうふうに組み立てられておりますか、構想は。
#29
○国務大臣(河本敏夫君) 特に中波の再編成の問題につきましては、非常に重大でございまして、これも最終の基本方針は出ておりません。
#30
○鈴木強君 これは電波監理局長でもいいですが、具体的な方針は、いま一応検討するとしても、おおよそ、めどというものはどういうところに置いてやるのですか。
#31
○政府委員(石川忠夫君) 大体、五十一年ごろをめどに考えておりますが、これはあくまでめどでございまして、はっきりそのときにできるということではもちろん、ございません。
#32
○鈴木強君 それから、いまの局長でいいですが、大臣の第一番に言われたFMのチャンネルプランと免許方針についてですが、なるべく早くやられると大臣がおっしゃられるのですが、これは歴史を振り返っていただければわかるように、郵政省にFMの電波行政ありやというふうにわれわれは非常に疑義を持っているわけです。疑義というか、やり方に対する不満があるわけですよ。三年も四年も前に、櫻の花が咲くころにはやるといっておきながら、今日まだやっておらない。しかも、実際は放送はやっているわけです。こんなばかげた話はない。だから、もうFMに対する実験も済んだでしょう。だからこれはすみやかにやるべきですよ。やらないのは怠慢ですよ、これは。一体こんなゆうちょうなことは許されぬと思うんです。もう少してきぱきとした仕事をしてもらいたい。大臣は就任早々ですからまだよくいきさつについて御了承いただいているかどうかわかりませんけれども、もしいただいているとすれば、これはもうとんでもない。いままでのやり方というのはなっておらぬのですよ。なるべく早くというのは、一体いつごろをめどにやるのですか。これも一緒にお聞きしたいわけです。
#33
○政府委員(石川忠夫君) 大体のめどといたしましては、本年度中にやりたい、こういうことで考えております。
#34
○鈴木強君 ひとつ、ぜひピッチを上げてやってもらいたいと思います。
 それからUV混在方式は、御承知のように一年くらい前から切りかえてやっておるんですけれども、小林郵政大臣が将来Uに切りかえていくと、全面的に。しかも十年計画だと、こういう方針を立てられておりますが、これに対してはまだ具体的な、もちろんここで考え方を私は聞こうとは思いませんけれども、民放側からはそのやり方について非常に慎重を期していただかないと問題があるということもいわれていると思います。ですから、新大臣としては、この御構想はひとつわれわれとしても決して否定をするものではないんです。やり方について、この切りかえの方法ですね、こういったものをごく慎重にしてやらないといけませんので、諸外国の例等、たとえばイギリスやアメリカのやった経過もあるわけですから、それをもとに、日本の国内情勢、それから聴視者の立場、それから放送者の立場、こういうものを十分勘案をして、ひとつ慎重にやってほしいと思うんですけれども、この点は小林さんからも引き継ぎがございましたか。そして、大臣としても賛成であるとすれば、大体どういう構想でこの認可をしていこうとするのか、これをお聞きしたいんです。
#35
○国務大臣(河本敏夫君) この点につきましては、これまでの計画どおりやっていきたいと思います。ただ御指摘のように非常に重大な問題でございますので、その具体的な進め方につきましては、関係者の意見もよく聞きまして、慎重に進めてまいります。
#36
○鈴木強君 これは、きょうは時間がありませんから、また、本題ではありませんから、次の機会に譲ります。
 次に、小笠原諸島に対する放送対策ですが、現在小笠原は日本に返りまして、日本の領土であるし、名実ともに日本の国土、国民であるわけです。したがって、NHK側としても放送法に基づいて、これらの方々がどういう方法によろうとも公平にラジオやテレビを見るような施設をしてやらなきゃならぬ義務があるわけです。しかし、現在はラジオは聞こえるようですが、テレビについては、これはだめですね、したがって、一体返ってきた小笠原を将来電波についてどうやっていくか、これはわれわれがどうしても放置できない問題であります。かつて沖繩に対するいろいろな援助もありましたが、この際、ひとつ積極的に政府としてもあるいは協会としても、小笠原の島民の皆さんにラジオ、テレビを聞いていただく、こういうような方向に向かって積極的な施策をやるべきだと思いますが、現在どうやっておりますか、将来どうしようとするのか、これをお聞きしたいと思います。
#37
○国務大臣(河本敏夫君) 御質問の御趣旨は全く賛成でございまして、小笠原でテレビ、ラジオがよく見えるように万全の措置を講じたいと考えております。具体的な進め方につきましては、関係者から答弁をいたします。
#38
○政府委員(石川忠夫君) 御承知のとおり、小笠原は千キロをこえる遠距離にございますので、放送波中継にいたしましてもあるいはマイクロウェーブにしても届きませんので、結局ビデオテープ−VTRを持っていってテレビをやるという以外に、現在の技術の段階では、そういうことしかできないかと思います。できるだけ早い機会に、そういう方法によりまして解決をしてまいらなければならない、こういうふうに考えております。
#39
○鈴木強君 これは、NHK側はどうですか、何か具体的に現地調査とか何かそういうふうな研究はされていますか。
#40
○参考人(野村達治君) NHKといたしましては、この前に調査団を出しまして、あちらにおきますラジオ並びにテレビジョンの聴視状況を調べてまいったわけでございますか、ラジオにつきましては、おっしゃいましたように昼間も夜間も一応評価三くらいのところで聞えるような状態になっておりまして、一応あまり問題はないかと思っております。テレビジコンにつきましては、夏のごく短い期間を除きますと、ほとんど見えないのが現状でございまして、これに対しましては中継回線を設けるということは非常に困難な条件にあります。が、ただし、あちらで電波を出します際の地形でございますとかあるいは世帯の動きとか、あるいは島と島の間をどうやって結ぶかといった問題等もある程度検討いたしまして、小笠原につきましては本島に土地を入手して、そこに送信所を設置するといったようなことで関係機関のほうに土地入手のことをお願いしております。当面中継ができないという状況でございますので、フィルムないしはビデオテープを輸送して放送をしたいということを考えておりますが、さしあたりは電波を出すというよりか、むしろ直接あちらの方々にビデオテープなりあるいは放送されましたフィルムになったものをごらんに入れるといったようなことがまず第一であろうかと思いますが、録音テープなりフィルム教材といったものはあちらの学校に提供して国語や理科の教育等に利用してもらっておりますが、さらに学校に対しましても、市販のビデオテープレコーダーを持っておりますので、これに対しましても市販のビデオテープレコーダーに適しましたビデオテープをつくりましてこれを提供することも考えておるような状況でございます。
#41
○鈴木強君 まあ、協会のほうではかなり積極的に調査研究をされておりますから、この点は敬意を表します。しかし、結局いまお話のように、送信所をつくる、いわゆる置局しないといけないわけですね。どうかすると、まあ小笠原の人たちが人が少ないじゃないかと、そういった意見もあるかもしれませんけれども、たとえそれが百人であろうとやらなければならないわけですから、この点はひとつ協会のほうとしても、一そう積極的にしかも時期を早めて送信所がつくれるようにしてほしいと思うのですけれども、そういう終着についての構想というのをお持ちになってやっていただかないと、ただ計画が延び延びになってしまうと思うのです。だから大体いつごろに置局しようとするのか、それに対して郵政省は割り当て周波数もちゃんと確保してやる、こういうことも一体になってやっていただかなければいけないと思うのです。ですから、これはNHKが本体になっておやりになるのでしょうけれども、できるだけ政府としても協力していただく、そういう相互援助の気持ちがないとできませんので、この際協会側からは終着駅、大体どのくらいには置局したいと考えておられるのか。郵政省としては、それに対して積極的に協力できるかどうか、これをひとつ伺っておきたい。
#42
○参考人(野村達治君) 現在のところ、小笠原の島におきます土地の問題がまだ片づいておりませんので、すぐいつと申し上げることはできませんですが、現在あちらにおられます方々の世帯数がほぼ四十世帯ということでございまして、おそらくこれが逐次増大していくと考えております。おそらく百世帯になりますのも二、三年以内、だろうと考えております。したがいまして、そういった時期にぜひ間に合わせていくように考えていかなければならないかと思います。
#43
○政府委員(石川忠夫君) 周波数は問題ございませんので、NHKの準備ができ次第すぐわれわれのほうでは免許する方針でございます。
#44
○鈴木強君 それからもう一つ、沖繩テレビのことで伺っておきたいのですが、例のOHKが法律に基づく公共放送として設立されたようですが、それに対して例の援助法で積極的に支援をするわけですが、これは大体明年の初めごろには放送開始ができるのでございましょうか。それから私たちか聞きますと、この周波数も日本のものが使えないわけですね。したがって米軍下の、施政権下の周波数を使うということになりますと、現在見ておる受像機というものが改造を要するということを聞いているわけです。そういう改造の準備というものが進んでまいりませんと、かりに一月早々に放送開始しましても見えないわけですから、それらの準備体制といいますか、修理体制といいますか、改造体制、そういうものは順調に進んで、切りかえ時には百パーセント見えるようになるのでしょうか。その点ちょっと心配ですから、伺っておきたいのです。
#45
○参考人(前田義徳君) 御質問の点に関しましては、送信設備は特別法に基づくNHKからの三億五千万円の援助によりましてほぼ完成に近づいております。大体、実験電波はすでに出ておりまして、今月の二十二日から一部の実験的放送を開始する予定でおるようでございます。
 ただいま御質問の第二点の受像機との関係におきましても、私どもは沖繩放送協会の御相談にのりまして、これも計画的にかなりの費用を注ぎ込んで聴視者の全部に対して現有の受像機を改造することに協力するというたてまえで進行中でございますので、年度内におそらく本放送が始まると考えられますが、それらの点についても、支障のない状態で本放送が開始されるものと、このように考えております。
#46
○鈴木強君 本放送は年内ですか、年改まりますか、その明確な日はいつになりますか。
#47
○参考人(前田義徳君) 実験的放送は年内十二月二十二日を予定しているようでありますが、本放送は年度内になるかと思っております。したがって、明年でございます。
#48
○鈴木強君 日はまだきまってないですか。
#49
○参考人(前田義徳君) まだ確定の日取りは聞いておりません。
#50
○鈴木強君 じゃ、なお積極的に支援をしていただいて万全の体制をひとつつくっていただくようにお願いしておきます。
 それからいよいよ四十年度のNHKの決算に入りますが、最初にこれは郵政省のほうにも伺いたいし、それからNHKにも伺いたいのですが、実は御提出をいただきました財産目録、貸借対照表及び損益計算書等の説明書ですね、これを拝見しまして毎年のことですけれども、たとえば郵政大臣の意見書にしても、あるいは業務報告書にしても、要点だけを述べざるを得ないということはわかりますけれども、業務報告書のほうはまだ一応要点の説明がなされておりますからいいんですけれども、たとえば財産目録、貸借対照表、損益計算書に関する説明書というのがあるわけですよ。これを拝見しますと、たとえばわれわれが予算審議の際に了承を与えております事業支出の給与、国内放送費、国際放送費、業務費、管理費、調査研究費、減価償却費、関連経費、こういうふうに費目別に見るとわかれておるわけですが、科目というのかな、科目の説明についても、たとえば損益計算書の二十ページをごらんいただいても、そこのところに(2)事業支出とありますね。一方私が読み上げましたように事業支出は八つあるわけですね。ところがここにはア事業費というふうに書いてありますね。それから次に減価償却費、関連経費、これしか説明がないんですよ。だからわれわれはせめて事業支出の八つの科目別くらいには、一体これはどういうふうに使われたかの説明はほしいわけです。大臣からも会長からも説明がございましたが、そういうことについても、全然触れておらない。ですから、われわれが審議をする場合にも非常に資料がなくて審査しにくいんですよ。これは、ことし始まったわけではないですが、しかし、従来からもそういう意見は出ておったわけです。もう少しわれわれがわかりやすいような説明ができないものでしょうか。せめて科目別くらいの、この金を使ったのはどういうものかという概要だけでも説明していただくというわけにはいかないものでしょうか。これは、次の予算編成の際の参考にもしてもらいたいと思いますから、この際考え方を伺っておきたいのです。放送法は、これとこれを出しなさいということになっておりませんから、内容まで触れておらないから、どういうふうにしたらいいのかはっきりした解釈というものはないんですが、要は国会でわれわれが審査をするときの便宜のために私はほしいと思うんです。たまたま私はNHKの協会の性格やその他についての法律を提案された二十五年当時の議事録を読んでみたんですが、当時電波監理長官をやっておった網島さん、この方の提案理由の説明の中に、「協会は公的な性格を持つ特殊法人であり、全国民の受信料によってまかなっていることにかんがみ、全国民が国会を通じてその業務の運営、財務等について必要な監督を行なうという精神でできあがっております。」ただし、これは政府に対してはきびしい直接介入、監督の排除をうたっておりますけれど、結局国会が予算の審議あるいは決算の審議を通じて協会の業務あるいは財務について国民にかわって詳細に検討をする、そういう性格だと思うんですね。われわれはその承認を与えた予算についてどうお使いになるか、これは放送法や経営委員会等もあるわけですから、そこで十分に御相談をして使っていただいて、使ったことについて、われわれは一体それが適切であったかどうかということを十分に審査する、こういう性格にあると思うのです。これ以外にチェックするところはないです。これはやはり法律の精神がそうなっているのですね。ですから、もう少しわれわれが審査しやすいような説明資料というものをほしいと思うのですよ。われわれがまた個人的に協会のほうにお願いするのも、やはり正式には委員会の承認がないとできないことですから、そういうことをやるのもあまりいいことじゃないと思いますし、結局委員会を開いたときに、膨大な資料を要求して、それをまたつくってもらうということになれば同じことですから。ですから、そういう手数を省くためにも、もう少し親切なわかりやすい説明の方法というものを考えてほしいと思いますが、どうでしょう。
#51
○政府委員(石川忠夫君) この点については、御指摘のとおり前々からこういう御批判がございまして、郵政省といたしましても放送法施行規則を改正いたしまして、新たに無形固定資産という科目を新設したり、あるいは事業費の科目を詳細にする。あるいはそれに添付してお出ししている説明書等につきましても、各科目の内訳を具体的に記載するというようなことで内容を詳細にするように措置しておるところでございますが、この改正は四十二年度からと、こういうことになっておりまして、四十年度の決算につきましては、従来の形のままになっておりまして、御指摘の点がいまだに直っておらないような状況でございまして、御審議を通じて、あるいは資料を提出するなり、何なりすることによって措置さしていただきたいと存じます。
#52
○鈴木強君 何か細則を、規則を変えたというのだけれども、変えたやつを見たって全くだめなんだ。これはもう少しやってもらわなければ……。だから、それを含めて私は言っているのですよ。検討してみてください。
#53
○政府委員(石川忠夫君) 検討いたします。
#54
○鈴木強君 それから次に、未収金の問題で少し伺いたいのですけれども、四十一年三月三十一日現在で、受信料の未収金が一億七千四百八十一万六千百五十四円。この財産目録に掲載されておりますが、その内容を見ますと、受信料の未収金が五億四千三十一万六千百五十四円、こうあるのですが、そのうち未収受信料の欠損引き当て金、これは受信料が徴収不能であるということからして、三億六千五百五十万円を欠損金として落とそうとするわけですね、全部。これは、非常に受信料を徴収することに対して協会側が苦労されていることはよくわかります。これは毎年毎年われわれもよく聞いておりますからわかりますが、私はもう少し未収金を欠損金として処理するまでの協会のやり方について、この機会に少し聞きたいのです。で、一体どうでしょうか、この未収金がここに五億四千三十一万六千百五十四円あると、こうなっておりますが、いままでに大体協会側が欠損金として未収金を落としていったその額というのはどの程度になっておるのでしょうか。いまそれがにわかにわからなければ、私はこの五億四千三十一万六千百五十四円のうちの三億六千五百五十万というものについて、なぜ欠損金として引き当てなければならないか、そういうことを少し伺いたいんですけれど、この未収金の徴収については、どういうふうな四十年度努力をされてこられましたでしょうか。
#55
○参考人(志賀正信君) 志賀でございます。
 ただいまお話がございましたように、当年度は受信料の収入を予定いたしました総額が七百二億ございましたが、その中でいまお話がございましたように、当年度末までに収入に至りませんでしたものが五億四千万ございましたので、それを一応未収金に計上いたしましたのでございます。これに対しまして一応従来の慣例から、年度末までに収入を予定いたしましたものの中で、実際に集金にまいりましてすでに廃止をしておるとか、いろんな事故ものがございまして、その比率を従来の慣例にとりまして、なお、この四十年度には特にこれの整理に力を入れまして、従来の比率よりもやや強めのと申しますか、低めの〇・五二%に当たりますが、三億六千五百万円を欠損の引き当て金として予定をいたしたものでございます。なお、この翌年になりましてから、この未収の中で一億七千二百万円が翌年にすでに収納になっております。最終的にはこの予定をいたしました欠損金が若干増加をいたしまして、四億一千百万円の欠損を四十一年度末に欠損として処理をいたして
 おるというふうな状況でございます。
#56
○鈴木強君 前年度から未収金として繰り越されるものがありますね。そうしてそれが幾らであって、そうしてこの三月三十一日現在で締める場合に、その未収金が幾らその年度に出たかですね、そうして、それは当然四十一年度の予算に繰り越されていくわけでしょう、この未収金というものは、そういう処理になるはずですね。処理はどうなっておりますか。
#57
○参考人(志賀正信君) 御説明がちょっとおわかりにくかったと思いますが、四十年度に例をとりますと、四十年度で未収になりましたものの中で、一応一年を経過いたしましても、四十一年度中にいろいろとこれを取る努力をいたすわけでございます。なおかつ、いろいろ事故ものの見込みがございますので、その分につきまして、この四十年度の決算にまず取れないものという予定のものを損費に計上いたしましたものが三億六千五百万でございます。その後一年の間に十分取る努力をいたしまして、ただいま申し上げましたように一億七千二百万が収納になっております。それで一年経過いたしました四十一年度の末におきまして、この四十年度の未収金の中で残りました分につきまして、この欠損金の引き当て金と相殺をして整理をするという形になっております。なお、四十一年度末にも欠損として整理をいたしましたが、なお協会の債権として残っておるわけでございますので、営業部門におきましては、さらに二年後におきましても努力を重ねまして、この面につきまして約千五百万くらいな回収を四十一年度に見ておるような状況でございます。
#58
○鈴木強君 それで未収金になるのは、大体どういう人が多いのでしょうか。
#59
○参考人(佐野弘吉君) これを二つに分けまして未払いあるいは不払い、未収を二つに分け得ると思います。不払いは事実上、たとえば航空騒音その他の理由をもちまして支払う意思のない範囲に属するもの、未払いは、経済上の理由でしばらく待ってほしいとか、あるいは最近の社会生活の中で、非常に不在という率が多くなってまいりまして、これはあとから追っかけていただく。またそれぞれの該当の月には支払いを受け得ないというような範疇に属するもので、私どもは未収を以上、ただいま申し上げたような二つに分けておる状況でございます。
#60
○鈴木強君 この二つに分けているのはわかりましたが、そうするとあれですか、不払いと未払いですか、その率はどんなふうですか。
#61
○参考人(佐野弘吉君) 四十三年度のただいま現在で申し上げますれば……
#62
○鈴木強君 いや、この四十年度で聞いているんです。
#63
○参考人(佐野弘吉君) 四十年度におきましては、未払いが大かた一万でございます。先ほど申し上げましたが、経済的な理由あるいは不在という理由によりますものが四十年度末におきまして大かた一万でございます。で、もう一つの不払いというほうが、まあいろいろ理由はございますが、先ほどあげました航空騒音もその一つの理由になっておりますし、また、NHKの事業そのものに対する理解度の乏しさというようなことが理由になりましてお支払い願えないというのが大かた四万ということでございます。
#64
○鈴木強君 そうすると、四対一の大体まあ割合だと思いますが、この不払いの中で、たとえばNHKの放送はおれは見ていないから払う必要ないとか、あるいは番組がどうもうまくないから払わぬとか、そういうふうな理由をつけて払わない人たちというのもいるわけでしょう。そういうのはどの程度おりますか。要するにイデオロギー的な立場から払わないでおこうというような、そういう人がどのくらいいますか。
#65
○参考人(佐野弘吉君) まさにおっしゃるとおりでございまして、番組の偏向というようなことを理由に不払いをされる方、あるいは無理解ということも実は同じような精神的な状況かと思いますが、そういう層を含めまして三万強でございます。
#66
○鈴木強君 たとえば基地周辺でテレビが見えない、よく見えないですね。一部減免してますけど、それでも不満だと、全部免除しろと、こういうことで払わない層もいると思う。これは基地周辺ですね。それから、たとえば問題になってる国際空港、あるいは飛行場周辺の方とかですね、一時は新幹線なんかも問題になりましたけれども、これは解決したと思うんですが、それから最近は都市をはじめ、例のビル陰の障害による難視聴者がそういうことを言い出すかもしらぬ。まあこういうふうな、電波がよく見えないから、見えても鮮明でないから、おれはどうも払えないという人と、それから、何がなんでももうおれは払わないんだという層があるんですか。そこいらの分析はやられておるでしょうか。やられておるとすれば、そういうところに対して一体協会はどういうふうな認識を得るような努力を、対策を払っていただいたか。――まあ、そのビル陰やなんかのことは一緒にいま申し上げておるわけですけれども、特に私は、何がなんでもおれはいやだと、こういうふうな人たちに対する説得工作といいますか、了解工作というか、そういうものについては、どういうふうな努力をされてますか。
#67
○参考人(佐野弘吉君) 航空騒音についてお答えいたしますと、四十年度末におきまして大かた一万二千、この理由に基づきます未収がございます。これは大別いたしまして、航空基地、御承知のように横田なり小牧なりというような航空基地の周辺におりますものが大体九千ぐらいでございます。もう一つ御承知のような伊丹の国際空港の騒音に基づきますものが大かた三千内外という当時の数字でございました。これらにつきましては、御承知のように、たとえば伊丹につきましては、最近におきまして航空騒音防止協会を設立することによりまして対受信者関係の改善をはかっております。それからもう一つ、ただいまお触れになりましたいわゆる難視聴というような理由に基づきます不払いの発生が四千弱ぐらいございます。これは御承知のように、協会が受信サービス活動をいろいろな形でいたしまして、全国の各局所に受信相談室を設ける、あるいはサービスカーを出動せしめて受信相談に応ずるというようなことで、特に一般的な活動の中でもこのような難視聴を理由といたします地区には重点的に出動をいたしまして、これが難視聴の改善、解決に当たるという形で努力を重ねて今日までまいっておるわけでございます。
#68
○鈴木強君 あの国際空港ですね、民間の。これを中心とする難視聴の方々がやっぱり減免をしてくれという話がこの前ございましたね。これはわれわれが考えてみても、公害そのものがNHKがつくったというものではないわけで、これは国際空港があるということは国の政策上あることであって、そこで飛行機の離着陸をすれば当然電波の妨害を受けるわけですから、そういうことから考えると、それをただ単にNHKに減免のすべてを負担させるということは問題があるわけですから、これは運輸省なり関係のところとも十分に相談をして、できるだけ御趣旨に沿う方法を考えたらどうかという意見もわれわれは述べておったのですけれども、その後大体いい方向に進んだという話を聞いてはいたのだが、若干時期が問題だからということで延び延びになってきたと思うのですよ。一体その問題は今日どういうような決着になっているのですか。
#69
○参考人(佐野弘吉君) ただいま御発言の御趣旨に基づきまして、また国会での既往の御趣旨に基づきまして、私どもといたしましては、安易にこの航空騒音というものを協会側の負担において解決をいたすという態度は一貫してとってまいりませんでした。これは航空基地とは若干趣旨を異にいたしまして、明らかにこれらの国際空港では商業航空としての利潤の行為が行なわれまして、したがってこの国際空港を利用いたしております航空会社がその騒音の発生者であるというたてまえを大きく貫きまして、この夏に運輸省のごあっせんで先ほど申し上げた航空騒音防止協会が設立をされまして、この騒音に基づく周辺の受信者の受信上の改善を全般的にはかるのはもちろん、何といたしましても社会的には受信の障害が発生しておるという事実に基づきまして、航空会社等の負担で事実上受信料の半分を減額するという事業が行なわれまして、これに対しまして協会は先ほど申し上げたような趣旨を貫きながらも、しかし社会的な解決をはかるということに協力を申し上げる意味で、この半額の受信料のまたその半分を事実上協会がこの防止協会に助成するという形で拠出をいたしております。これによりまして実は羽田の周辺の一万四千の受信者の家庭には、まことに全く問題がなく、そのまま円滑に進んでおりますが、伊丹におきましては二キロ、一キロの範囲の中で発生しております二千余の受信者の不払いを今日その後解消するという努力をいたして、大かたただいま千に近い不払いが解消しつつある。ただしこの区域外にも不払いという状況が千数百ございまして、これらは今回の防止協会の事業の適用外の地域になっておりますので、残念ながらまだそうした状況が継続いたしておるということでございます。
#70
○鈴木強君 この二キロ、一キロの範囲について、これは米軍の軍事工場ですね、そこの場合は四キロ、二キロでしたか、二キロ、一キロでしたか、それといまの協会の一キロ、二キロというのは違いますね。
#71
○参考人(佐野弘吉君) 二キロ、一キロは同じでございますが、ただ航空基地は飛行場の境界線から外縁に二キロ、一キロでございまして、伊丹の場合並びに羽田の場合には着陸帯から二キロ、一キロ、その差はございます。
#72
○鈴木強君 そうすると、具体的には横田とか立川の飛行場の米軍のさくがありますね、外側に。その周辺の、横田基地なんか長いところですけれどもね。二キロ、一キロというのはどこからはかっているんですか。
#73
○参考人(佐野弘吉君) 飛行場の周辺から外へニキロ、一キロでございます。
#74
○鈴木強君 そうすると、この二キロ、一キロで、まあ羽田のほうは大体OKになった。ところが伊丹のほうは少しまだ問題が残っておる、残っておるのは一体どういうことなのか。それからもう一つは、御承知のように、航空基地周辺の方々から、二キロ、一キロでは非常に困る、だからこれを二キロ、四キロにしてくれとか、そういう要求が出ていますね。これは長いことやっているわけですよ。それが未解決のために、そんならわしらのほうでは料金は払わんというので、受信料を払わないでいる現実があるんです。そこいらはこれはまあ航空基地になれば当然政府との関係が出てくると思うのですよ。しかし、これはいままでNHKが半額を全部負担してきたわけですね。それをふやされると、またNHKの負担がふえるから、できるだけ協会ではふやさないようにしようとするんだが、それが一方周辺の人から見ると気に食わんわけですよ。何ぼ陳情をしても協会はやってくれぬ、こう言って、われわれにも不満が出てきているし、不払いが続いている。そういう現状を幾つか私は現地で見ているわけです。だからもちろん航空基地の場合でもあるいは民間の基地の場合でも、営業局長がおっしゃるように、協会側の責任ではこれはないですね。ですから、原則として騒音防止の協会ができて、その対策協会がおやりになったような方法をとることも一つの方法だと思うのだが、これから二キロ、一キロになった場合に、あわせてそういうことも政府当局とも話し合いをするならして、もう少しそういう面からの不払いというものをなくしてもらいたいと思うのです、私は。きょうは大臣もいらっしゃいますから、民間航空基地とも距離の関係は当然出てくると思いますから、両方合わせてもう少し検討をしてもらって、とにかく他動的なそういう原因のためにチラチラするとか、よく見えないとか、これは基地へ行ってみると腹が立ちますよ、見ていると。ほとんどそのときにはガーッといって、騒音とともにテレビの画面もくずれちゃうんですから、そんなものまともに払えないという気持ちになるのもこれはわかるわけですよ。ですからそれを技術的に解決しようとしても不可能なんです。そうであれば、やはり料金の面で何とかそういうハンディキャップを補償してやるほかはないと思うのですよ。ですからこれはひとつ大臣も、前大臣も、その前大臣も、たとえばこの民間航空の飛行場のことなんかについてはかなり協力をしていただいたんですけれども、ひとつもう一歩、基地周辺の問題について、新大臣としてぜひ御協力をいただいて、そういう面からの国民の不安というものをなくしてもらいたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
#75
○国務大臣(河本敏夫君) ごもっともでございますので、御趣旨の線について検討いたします。
#76
○鈴木強君 それからもう一つ、佐野さん、イデオロギー的というと、ちょっと発言するのはどうかおかしいかもしらんが、私の言うのは何が何でもわしゃ払わんというのがおると思うのですよ。その人が、実際にNHKのダイヤルを回しているかいないかなんていうことは、それはわかりませんね。わしゃ見ない、民間放送しか見てないんだから払わないんだという、そういう人が何人かおると思いますがね。その対策というのは、これはもうむずかしいと思いますよ、これは確かに。むずかしいと思うけれども、結局皆のその受信料によって協会を運営しているわけですから、そういう一部の人たちが非協力をするということは、生じめに払っている人たちから見ればたいへんな不満なことであるし、おかしなことなんですね。ですから、もう協会としては万難を排して説得工作というか、理解工作というものをしなくちゃいかぬと思うのですね。そういうことをやっていただいているとは思うのだが、この機会にどういうふうにこの四十年間、最近でもいいでしょうから、対策はどういうふうに系統的に、組織的にやっておられるのか、それを一つ聞きたいのです。
#77
○参考人(佐野弘吉君) ただいま御質問の、何といいますか、イデオロギー的な考えで支払いを拒否されるというような方は、率直に申しまして全国に、ただいまで二千くらいございます。その他まあおれは見とらぬのだというようなことで支払いたくない、支払わないということで言を左右にされる方も相当数にのぼっていることは先ほど御報告いたしたとおりであります。これに対しまして、協会ではただいま御発言ございましたように、説得をもちましてひんぱんに協会の事業、使命の趣旨を理解していただくというようなことで、現場の集金取り扱い者はもとより、その上と申しますか、経験の多く持っております外務監査という一群の練達な外務職員、あるいはさらに係長、課長、部長というような、協会のいわば中の職制をも随時その問題地区なりあるいは困難集金該当者に出動いたして説得を行ない、訪問の回数をふやすという形で、先ほども志賀専務からお答えいたしましたように、当該年度中には相当の受信料未払いが残りましても、翌年度、翌々年度と続けてこれらの回収につとめるという行為を行なっております。さらに多少付言させていただきますれば、御承知のように最近は特に銀行口座等の開発によりまして、あるいは前納制度の拡大ということによりまして、個々の労働を伴う訪問集金を節約いたしまして、こういう社会情勢の変転に応じて困難なる集金を発生いたしておる地域なりあるいは集団なりに多くその労働力を差し向けるというふうに、外務体制の切りかえをいませっかくいたしているという状況でございます。
#78
○鈴木強君 これはNHKには外務の、料金集めに苦労しておる方が何人くらいおられるのでしょうか。そしてまずその方が第一線で御苦労されるわけですね。そうしてどうしてもこの人はまずいということが上にいくわけですね。そして今度は係長なり課長なり部長なり行くと思うのですけれども、私が聞きたいのは、たとえば係長が行く、あるいは課長が行く、部長が行かれる、いろいろ説得されるのでしょうけれども、そのときの説得のやり方についても、ぼくらは多少協会が最初おどかしみたいなことを言って上から大上段にかぶせてくる、そういう連中の態度が気に食わぬということをたまたま聞くことがあるわけです。それはまあどこまでそのとおりに信用していいのかどうかわかりません、現場におりませんから。もともと考え方が少し違うような人ですからわかりませんけれども、そういう批判も耳に聞くのです。ですからそのやり方というのはどうなんでしょうか。係長が行く、課長が行く、部長が行くなんという、そんな三段がまえも四段がまえもとらないで、そういう場合には、ある程度そういう法律も心得て、そうして社会的な常識的なことも十分わきまえて、あまり何か権力的に放送法によって払うことになっているのだ、何言っているのだというようなことじゃなくて、やはり親切、丁寧にやるほうがいいのじゃないでしょうか、かえって。私は係長なり課長が不適格だというふうな趣旨を言うわけじゃないのですけれども、やり方としてそんなに、係長が行ってだめで課長が行く、課長がだめだから部長が行くというようなことではなくして、もう少し統一的にそういう対策班というか、班をつくって、そうしてそこでもって専門的に研究をした人たちが出ていかれるような方法をとったらどうかと思うのですが、そういうことは一考に値しないですか。
#79
○参考人(佐野弘吉君) 私のお答えが一部誤解を招きましたようでございますが、私が申し上げましたのは、そういう段階的に上部にいくというのでなしに、その対象によって係長でも行くし、部長でも行く。たとえは立川の航空基地の関係で村山地帯にかなり集団的に大きく不払いというような事態が発生いたしますれば、上位の責任者が身を挺して出勤する、そういう意味でお答えいたしたんで、別に上へ上へ上げて高圧的にいたすということではございません。その点をあらためて訂正して御説明申し上げます。
 総体的には、原則的には出先の外務職員が自分の担当いたすところで、たとえば不在であるとか、いまちょうどさいふが苦しいというような御事情によりましても、私どもはその集金担当者が、五回までは同じ駅をお訪ねをするというたてまえをとらしております。それらがさらにいわゆる五回まで、木回りと申しますか、そのあとのほうでもお支払いを願えないというような際には、やはり専門的にそのほうを担当しておるものが出向くというようなことでございますし、また同時に全国に、先ほど私が触れました外務監査、一般の集金取り扱い舌をいろいろの意味で指導いたしておる経験者が全国に二百二、三十名おりますが、これらがそれぞれの受信者の数に応じて各局に配分されておりますが、こうした者がやはり日常的に困難な場合には、行ってお話を申し上げる。それをまた私どもとしては決して放送法上の立場ということで個々の受信片に接遇をするんでなしに、協会の事業の役割なり氏名ということも理を尽くしておわかり願えるという、いわゆる営業努力、企業努力としてこの未収の回収にあたっておるわけでございまして、決して強権的にはやっておらないつもりでございます。ただ、御指摘のように、何ぶんにも全国に数多くの集金取り扱い者がおりますので、先ほど御指摘がございましたような、一部こちら側の態度についての御意見も絶無ではないと思いますが、近年、中央、地方におきまして職員、なかんずく集金取り扱い者等の渉外上の節度なり、あるいは資質向上ということで一段と研修等にも努力をいたして、そのような社会的批判の発生することを大きく防止するように努力をいたしておるつもりでございます。
#80
○鈴木強君 まあ、いろいろ苦労されていることはよくわかりましたし、私も理解をしているつもりですけれども、なお依然としてこういう事態が毎年毎年続いているわけです。ですから、私がおそれるのは、何回も申し上げますように、受信料によって経営しているNHK、みんなが平等に負担していこうという、そのまじめな受信者ですね、そういう人たちから見ると、何としても納得のできないことです。ですから、あらゆる方策を講じても、私はこの未収金を回収するために最大の努力をしてほしいと思うんです。まあ、いままでずっと質疑をしてまいりましたが、これはことし始まったわけでなくて、十二、三年私も参画してきているんですけれども、いろいろと苦労されて、いろいろといい方向にはいってると思いますけれども、もう一段と、なるほどこれはりっぱにやってくれたとわれわれが推賞できるような方策を講じてくれませんか。米収金が一億や何ぼだということで、まさか手を抜いているとは私はごうも思いませんけれども、もう少し未収金に対する対策体制というものをつくって、そして取っ組んでいただくようなことはできませんでしょうか。それをしないと、毎年同じことです。もう少し思い切った未収金町山対策部とか、部でもないですが、班というか、何かそれくらいのものをつくってやるようなことはできませんでしょうか。そういうところに金を使ったっていいじゃないですか。これは私の提案なんですが、もう少し対策を一段と強化してやってほしいと思うのです。これはイデオロギーなんかでやっている連中は、相当理論闘争できないと負けてしまいます。気の弱い人はだめだ。そういう向き向きのやはり人を抜てきして、そしてひとつつくったらどうですか。
#81
○参考人(前田義徳君) お説のとおりでありまして、私どもも御意見の方向で全力を注いでいるわけでございます。単に営業局の問題としてではなく、NHK全体の本質に関する問題として総合的な施策をいたしております。聴視者懇談会あるいは相談会あるいは経営懇談会等も、また最近では御承知のように初めてNHKの経営内容を明らかにした冊子も発行しているという状態でございます。これらの努力の結果を考えてみますと、御指摘のとおりいまのところまだ不十分の印象を与えるわけでございますが、しかし、年々改善の方向に進んでいるということが数字の上でもかなり顕著になってまいっております。これらの問題については、人間感情の問題が、あるいは生活の信念の問題とも関連いたしますので、これを一挙にゼロにするということは、事実上の問題として不可能かと考えておりますが、しかし、私どもとしてはNHKのよって立つ基盤、放送法の精神、それらを体しまして、万全の集中的な努力をいたしまして、逐次これを減少さしていくという努力を目下しているというのが実情でございます。御趣旨の点は、私どももまことによく理解できるわけであり、年々このような問題で同じような御意見を伺うことについては、私どもといたしましても、まことに、何と申しますか、申しわけないような気分でおることは事実でありますが、しかし、これに対する努力は、今後も積極的に、さらに皆さんの御意見も承りながら、よりよい措置を万全の力を、体制を整えて前進さしてまいりたい、このように考えております。
#82
○鈴木強君 長田委員の御質問があるようですから、私は、ここから会計検査院に質問をし、さらに監事に質問、さらに支出の面で質問するわけですが、長田委員の御質問があるようですから、一端、私の質問は中段して長田委員にバトンを渡します。
#83
○長田裕二君 NHKの昭和四十年度の財務諸表等に関連いたしまして質問をいたします。最初に会計検査院にお尋ねいたします。
 NHKの財政は、国民の大部分と受信契約結ぶということによって得られる受信料、これを財源として経営がなされているという非常に財政的に特殊な存在だと思いますし、したがって、国民的な関心も相当強い公的な存在というふうに見られる。財政的に見ました場合に特にそういうふうに思うわけです。しかも、行政権に対しては放送法上かなり強い独立性が与えられております。そういうことからしまして、会計検査院によって行なわれます検査というものは非常に重要だというふうに私は考えるのですが、現在検査院はNHKに対してどういう検査のやり方をやっておられるか、概略を御説明願います。
#84
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 ただいま先生のおっしゃいましたように、NHKの運営の基盤というものは、放送料金によって成り立っておるわけでございます。もちろんこの予算につきましては、国会の承認を得て行なわれるのでございますので、その予算というものにつきまして、その実効がどうなっておるかということを検査するわけでございますが、その検査の方法といたしましては、書面検査と実地検査に大きく分けられるわけです。書面検査といたしましては、毎月総合合計残高試算表を提出していただきまして、この中には証拠書類を添付していただきます。それから、収支予算書とか、事業計画書、資金計画書その他決算諸表等の内容も検査をいたしておるわけでございます。以上は書面検査でございますが、書面検査のほかに実地に検査をする、こういうこともやっておるわけでございます。これは人手の問題、経費の問題等もございますので、そう悉皆的な検査というものはできないわけでございますが、書面検査を補完する意味におきまして、さらに現地に出張いたしまして検査をする、こういうような方式でやっておるような次第でございます。大まかに申しますと、ただいま申し上げたとおりでございますが、なお御質問によりまして、お答えいたします。
#85
○長田裕二君 どのくらいの要員により、どういう組織によってやっておられるかもあわせてお尋ねしたい。
#86
○説明員(小熊孝次君) 現在の機構は、会計検査院の第五局の上席第三部門で担当いたしております。で、要員といたしましては、課長以下四名の調査官で担当しておりますが、もちろんこの第三部門は放送協会だけではございませんので、そのほか十幾つかの団体を担当しておるような状況でございます。で、毎年度その各種団体につきまして、検査計画を立てまして、そしてもちろん書面検査は毎月出てまいりますような証拠書類というようなものを検査するわけでございますが、証拠書類につきましては、工事などにつきましては、一千万円以上の契約の工事の契約書、あるいはその設計書とか、あるいは積算資料というようなものを徴しまして検査をしております。工事以外の物件の購入とか、そういうものにつきましては、一件五百万円以上のものにつきまして、これを提出していただきまして、そうして検査する、こういうような状況でございます。以上でございます。
#87
○長田裕二君 検査を終えて内閣総理大臣に回付するにあたりまして、検査の結果記述すべき意見はないという、これは意見ですが、そういう表現になっておりますが、こういう例は最近非常に長く続いておりますか。
#88
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 日本放送協会につきまして、特に記述する意見はないということで、検査院がそういう記述で提出しております例は、正確なことはいまちょっとわかりませんが、ここしばらく続いておるように私は考えております。
#89
○長田裕二君 回付の文書に公式に記録するほどのことはないにしても、実地検査あるいはその他の検査を通じまして、NHK側との折衝を通じて、こういう点をもっと前にこうしたらどうかとか、あるいはまた先ほど話題になりました―― 先ほどほかの委員からも質問がありましたように、放送法施行規則に定められている様式が妥当かどうか、ああいう形での財務諸表のつくり方がいいかどうかとか、そういうような意見がかなり出て、それによって改善が―― 事実上の改善進歩がされたという例はあまりないわけですか。それとも、やはりそう大げさに取り上げなくても、かなりあると考えてよろしいわけですか。
#90
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 検査の実行上の問題としていろいろ考えてみました場合に、最終的には違法とか、不当事項がございますれば、先生おっしゃいますように検査報告に出るわけですが、その前に、文書によって質問を発するということがございますが、四十年度につきましては質問を発したり、あるいは検査報告に掲記した事項はございません。ただ、木部検査とかあるいは地方の中央放送局の検査とか、こういうふうに現地検査へ行きました場合に、係官の間で担当者――われわれのほうの検査に伺いました者と、あるいは現地の担当者の間でいろいろな打ち合わせとか、そういうような検討、研究というような問題でございましょうが、そういうことがあるということはままあることでございますが、しかしそれは検査院として正式に質問したりあるいは検査報告に掲記することはございません。正確な記録としては別に残っておりません。ただわれわれとして、日本放送協会というものの検査に当たりましては、先ほど来諸先生方その他のお話にございますように、貴重な国民の聴取料で成り立つものでございますので、できるだけ合理的に使用していくというような見地に立って努力しておるような次第でございます。
#91
○長田裕二君 NHKの会計経理のやり方は、これはもう当然のことながら、財政法とか会計法とか、その内部規程に従ってなされるわけですが、先ほど申しましたような特殊性からしまして、非常にわかりやすい、国民に信頼されるような経理、実質的にそれがそういう経理であることは当然ですが、形の上でも国民からわかりやすく、信頼ができるというようなことになっていることも一つの望ましい姿、あるべき姿という感じがするわけですが、現在のやり方、会計経理のやり方のあらましをNHKのほうからとくと御説明願えませんでしょうか。
#92
○参考人(志賀正信君) ただいまお話がございましたように、NHKの会計経理につきましては、すでに放送法に定められております諸規程並びに施行令、施行規則等にそれぞれ条項があるわけでございます。また、これを受けましてNHKの定款におきましても、この会計の米、本原則につきましては定めておりまして、これは郵政大臣の認定事項になっております。で、これをもとにいたしまして、部内におきましては、ただいまお話がございましたように、部内の経理規程というものを作成をいたしまして使用いたしております。この経理規程は前後九十三条からなっておりますが、あわせてこれの事務処理規程というものがございまして、この二つから経理全体が成り立っております。この事務処理規程はそれぞれ、本部は東京でございますが、本部及び各中央局、及び各放送局、それぞれ仕事のスケールが違ってまいりますので、それぞれの段階に分けまして、事務処理の手続というものを定めまして、これをもちまして各現場での会計の基準にいたしておるものでございます。この経理規程全体といたしましては、予算及び貸借対照表並びに損益計算書の科目をこの施行規則に従って定めております。また固定資産の区分につきましても、この経理規程の中で定めております。それから減価償却の会計につきまして、及び物品の区分につきまして、あわせてこの経理規程で定めております。この仕事のしかたといたしましては、実行に当たりましては、毎年予算を御審議いただきまして、御承認いただきますと、予算には予算総則がついておりますので、これが当年度の予算経理の会計の大きな当年度の原則にいたしておるわけでございます。さらに郵政大臣の意見書並びに衆参両院からいただいておりますところの附帯決議、こういうものにつきましても、当年度の会計の実行の基本として、これを全国に付託をするという形をとっておるわけでございます。具体的な会計のやり方といたしましては、現地で収入をいたしましたものはすべて現地で入金をいたすことは当然のことでございますが、入金をいたしまして、別に予算制度を全国にしいておりまして、東京からそれぞれの局に予算を配賦いたしまして、その予算の基準に従いまして収入をした金額の中から使用をする。常時その収入を使用をいたしております。金額に余剰を生じた場合には、上位の局にすみやかに回金をするというようなことで、資金計画なども立ててやつておるような状況でございます。一応全国的にさらに細部に分けました部局別の予算制度をとって実行いたしております。
#93
○長田裕二君 内部監査はどういうふうにやっておりますか。
#94
○参考人(志賀正信君) 内部監査につきましては、会計を担当いたしております経理局が常時全国の臨局指導を行なっておりまして、そのほかに監査室という機構がございまして、ここが全国の局をそれぞれ臨局いたしまして、ここで業務全般にわたる監査を行なっておりまして、あわせてその一環として会計につきましても監査を行なっておるわけでございます。
#95
○長田裕二君 減価償却のやり方、減価償却費の占める比重が年々かなり高くなってきているようですが、減価償却のやり方につきまして簡単でけっこうでございますが、御説明を願います。
#96
○参考人(志賀正信君) 減価償却につきましては、年々建設をやっておりますその関係から、年々金額が膨張いたしております。このやり方といたしましては、まず有形固定資産と無形固定資産と二つに分けまして、有形固定資産といたしましては、通常の建物、構築物、機械、器具什器とこの四種類に分けて資産の整理をいたしております。建物につきましては、おおむね一坪以上の物件につきましてはすべて資産に計上いたしております。それから構築物と申しますのは、土地などに定着いたしておりますところの土木設備その他の工作物でございます。NHKの場合には空中線等がございます。また、機械につきましては放送機あるいはVTR装置、そういうもの一切がこれに入る。また器具什器といたしましは、大型の家具及び楽器類が全部器具什器として整理をされておる。また、一方無形固定資産といたしまして、これは昭和四十二年度の決算から正式に財産化することを定めましたものでございまして、御審議をいただいております四十年度当時におきましては、この分につきましては、付着する固定資産のほうへ建物あるいは機械などと一括して整理をいたしておりましたが、四十二年度からこれを分計いたしましてはっきりさせたわけでございます。協会の場合には、無形固定資産と申しますものは、施設の利用権たとえば受電設備とかあるいは電信電話専用設備、ガス、水道等設備等がこれに当たります。そのほか土地の賃貸の地上権等もこの無形固定資産として整理をいたしております。
 で、償却の方法につきましては、一般の有形固定資産につきましては定率法で実行いたしております。これはできるだけ協会の会計を社会的な基準を持たせるという意味から、一般の会社等に適用されておりますところの法人税法に定められました基準に従いまして、現在はこれに全く一致した減価償却率をもちまして定率法で実行いたしております。それから無形固定資産のほうにつきましては、定額法で実行いたしております。
 以上がNHKの減価償却のあらましでございます。
#97
○長田裕二君 三十九年度に行なわれましたオリン。ヒックに際しまして、まあいわば非常に異常な年でもありましたし、機材などの必要性が、ずいぶん高まったと思うわけでありますが、そういう際に、特別に買い入れた機材などにつきましては、特別の償却を何かやるとか、あるいは損費でやるとか、まあできるだけ借り入れとかいろいろくふうはされていると思いますが、償却について特別な事態はありませんでしたか。
#98
○参考人(志賀正信君) ただいまお話のように三十九年にオリンピックがございまして、これにNHKは放送の部門を全面的に担当いたしまして、設備の面に非常に力を入れましたわけでありますが、およそ二十一億円の設備をこれに利用いたしております。これにつきましては、取得の翌年度から償却を開始するという方法をとっておりますので、四十年度には、この影響が相当出ております。三十九年度にオリンピックの設備を中心にいたしまして、またそのほかに地方の放送局に対しましてテレビのローカル放送を強化しようというようなことを考えまして、特に三十九度には、三十八年度から持ち越しました若干の剰余金をもとにいたしまして設備の増強をはかっております。この関係で、実は四十年度にその償却が予定以上に行なわれまして、若干四十年度には予算が不足するというような状態になっております。
#99
○長田裕二君 四十年度の予算決算対照表の事業支出の減価償却費のところを見ますと、当初予算で八十一億円組んでおりましたのが、さらに二億六千七百万円ほど予算総則の四条の流用でまかなっておりますが、その事柄、いまの御説明と関係あるかもしれませんが、もう少し説明していただきたい。
#100
○参考人(志賀正信君) ただいまちょっと触れましたが、四十年度のお手元の資料には減価償却費といたしましては予算に不足を生じております。その不足額は二億六千七百万円でございまして、関連経費のほうから流用をいたしております。この原因になりましたのは、ただいま申し述べましたように三十九年度に前の年から持ち越しました剰余金をもとにいたしまして設備の増強をはかっております。これは予算総則の定めに従いました範囲で実行いたしたものでありますが、三十九年度に三十二億円の費用を設備関係に臨時に投下いたしております。この中には先ほど申し述べましたようにローカルのテレビ放送を増強いたしますための設備等が中心になっております。この三十二億円は三十九年度の建設費に予算を振り当てました関係から、これで取得をいたしました機械類が四十年度から償却が始まるということになりまして、この三十二億円につきましては、三十九年度の当初の御承認いただいた予算のほかに前年度からの持ち越し金をもって振り当てた予算でございますので、この分の減価償却費につきましては、四十年度予算では見込んでいなかったのであります。この影響が出てまいりまして、四十年度には総額八十三億六千七百万円の減価償却を必要とするということに相なったわけであります。一方、関連経費におきましては、借り入れ金の繰り延べ等によりまして若干支払い利息に余剰を生じてまいりまして、十分減価償却費の不足分をこの関連経費でまかなえる見通しがつきましたので、年度末までに所定の手続をいたしまして、関連経費から減価償却へ流用をいたしまして、減価償却につきましては、予定どおり百パーセントの償却を行なっております。
 以上でございます。
#101
○長田裕二君 三十九年度中に非常に聴視者が増加したというようなことから収入もかなり増加したんじゃないかと思いますが、その面は予算総則のこれは七条のほうの関係になろうかと思いますが、予算総則七条の一項のほうで収入が増加したときは「借入金の返還または設備の新設、改善に充てることができる。」という規定があり、同じく予算総則の八条にも借り入れ金の返還または設備の新設、改善に充てることができると書いてありますが、これの使い分けは大体どういうふうに考えて運用しておられますか。
#102
○参考人(志賀正信君) 四十年度におきましては、ただいまお説のとおりに、若干の受信者の増加がございます。これに基づきまして年間八億五千五百万の受信料の増収が生じております。これを予算総則に従いまして、まず借り入れ金の返還に七億円を充てまして、借り入れ金は百九億の予定のところを十六億にいたしてございます。それから設備の改善に三千九百万円充てました。さらに一億一千五百万円につきましては、職員の企業努力ということで、これも総則の規定に従いまし−て、特別の給与の支給に充てております。以上のような使用状況でございます。
#103
○長田裕二君 私が、実はお尋ねしましたのは、この償却二億六千七百万に関連してお尋ねしましたので、三十九年度の増収分あるいは三十九年度へ三十八年度から持ち越されたもの、そういうことにつきましてお尋ねしたわけでございますが、この総則の七条の関係は償却資産の購入などには充てられない、もっぱら八条がそれの対象になるというふうに考えていいわけですか。
#104
○参考人(志賀正信君) 七条につきましては、事業量の増加等によって収入が増加いたしましたときにも、借り入れ金の返還及び設備の新設、改善に充てることができるということがございますので、ここでも建設費に、すなわち資産の購入に充てることが可能だというふうに考えております。
 それから八条におきましては、これは前年度に、たとえば増収があったとか、あるいは事業支出の予算の使い残しがあったという、節約があったというようなことで翌年に繰り越しました場合には、収支剰余金という形で翌年度に繰り越しいたしますが、この分につきまして、前年度に事業収支から出ましたものでも、翌年度には資本支出に充てて使用し得るというのが、八条の考え方でありまして、この収支剰余金として持ち越しましたものは、ここにございますように、まず借り入れ金の返還、それから設備の新設、改善、この二種類のものに充てるというふうに限定されておりますので、そういう趣旨に解釈いたしております。
#105
○長田裕二君 それでは重ねて伺いますが、七条、八条とも償却対象の資産の購入に充て得る、そういうような考え方ですね。
#106
○参考人(志賀正信君) さようでございます。
#107
○長田裕二君 先ほどの償却への流用二億六千七百万は、これは時間的に見ますと、八条の関係では昭和三十八年度から三十九年度への繰り越しということになろうかと思いますから、六月か七月ごろにはほぼ金額ははっきりする。七条の増収のほうは、これは年度相当たってみないとわからないということになると思います。それから四十年度の減価償却費当初予算八十一億、これをきめました時期は、これは予算編成の時期、いつごろになりますか、十二月ごろでございますか、そのころの時点ということになりますから、ほぼ八条関係の償却は金額も六月か七月ごろにもう固まっているということで、どういう使い道をするかということが予定されるのじゃないかという感じがいたしますので、三十八年度からの繰り越しは当初予算にあらかじめほぼ計上ができそうだというような考え方がされますけれども、その点いかがでしょう。
#108
○参考人(志賀正信君) 三十八年度から九年度に持ち越しました剰余金につきまして、四十年度の予算編成までの秋口までにそれの使用について決定をいたしておけば、またその中から設備にこれだけ充てるということをきめておりますれば、ただいま先生から御指摘のように、当然減価償却費もそれによって計算いたしまして、四十年度に計上すべきであると思います。たまたまこの三十八年度の剰余金につきましては、年度当初に必ずそれを振り当てて使用してしまうという考え方をとっておりませんで、できれば年度途中なるべく使わないようにということで、そしてその使わないで持ち越しましたものは翌年度に、四十年度なり四十一年度なりに、あるいは当初にこれを予算化するという方式をとるのが妥当ではないかと、最近はそういうふうに考えて、ここ一両年実行いたしております。実際四十年度の例におきましては、三十九年初頭に三十八年から持ち越しましたものにつきましては、すぐに使用することをきめずに予算編成の後に使用の振り当てをきめたというのが実情でございまして、先ほどのような予算と決算上の損が生じたわけでございます。
#109
○長田裕二君 三十九年度というのは、オリンピックもあり収入も増加する、あるいは施設費も非常にふえるという異常な年に引き続いた年のことですからこれはやむを得ないというふうにも考えられますが、一般論として申しますと、増収なり繰り越しがあった金額が固定資産に相当多額に向けられるということは、事実上予算の変更ということにもなるわけですから、もっとも、状況の変化によって直接収入がふえたりするそれに関連した経費というようなものは、いろいろな会計で弾力条項として認められておりますから当然のことだと思いますが、同定資産を大量に、予定以上に買ったりいたしますと、ここの表にも出ておりますように、次の年の経理を減価償却という形でかなり圧迫する。この年はたまたまほかに不用額がかなりあったわけですけれども、一ぱい一ぱいのきびしい予算をつくったりいたします際には、そういうことがかなり問題になるわけでして、七条、八条の固定資産設備の新設、改善に充てることができるという規定そのものは、私はまだ必要性があると思いますけれども、ここのところにあまり多額の金が使われるということは、先ほど申しましたような予算の実質的な変更という面からも、あるいはまた次の年の損益勘定、そういう面に大きな影響を及ぼすという点からも相当検討に値する事柄ではないか。特に運用について検討に値する事柄ではないかというふうに考えるわけですが、御意見ありましたら伺いたい。
#110
○参考人(志賀正信君) お説ごもっともでございまして、前年度からの繰り越し等が生じました場合には、できるだけ借り入れ金の返還等に充てることがまず第一であるかと思います。また、設備の特別な理由によりまして、先ほどもちょっと申し述べましたように、ローカル放送を特に充実をしたいというような特別な場合にも、やはり翌年度の予算に減価償却等の面で影響を及ぼすようなことのないような振り当て措置をするのが妥当かと思いますので、今後ともそういう点を検討いたしたいと思います。
#111
○長田裕二君 四十年度の建設費が三十三億円余り次年度に繰り越されておりますが、その事情について伺いたい。
#112
○参考人(志賀正信君) 四十年度から四十一年度に対しまして建設費の繰り越しが三十三億六百万円生じております。この内容といたしましては、総合テレビの建設関係で四億三千九百万円でございまして、これは着工をいたしました四十九局にわたっております。それから教育テレビジョンの建設によりまして繰り越しとなりましたものが四億三千百万円でございまして、これは勝浦等十六局にわたっております。それからFMの放送局の建設関係で繰り越しになりましたものは二億三千四百万でございます。そのほか放送センターの建設関係で第二期工事を着工いたしました年度でございましたが、この第二期工事の内容につきましてこの年度に再検討いたしました関係から、若干着工がおくれまして、この年には放送センターの予算として予定いたしましたものの中から十四億四千万円を翌年に繰り越しをいたしております。そのほか、大阪の大電力工事及び松山等十五局の演奏所の建設工事及び技術研究所付属の放送科学基礎研究所の建物の工事、それから名古屋局の放送機の取りかえ等のこまかい工事等が繰り越しの対象になりまして、総額で三十三億を四十一年度に繰り越しをいたしております。
#113
○長田裕二君 いまの繰り越しにも関連いたしますが、テレビジョン放送局を相当精力的に建設しておられるわけですが、その進捗状況につきまして、これは簡単でけっこうですが、承りたい。特に、周波数の第二次割り当て計画表に定められた地区で、四十年度末にまだ免許申請が行なわれていない地区が十三カ所あるようでございますが、これのその後の取り運び模様をお聞きしたいと思います。
#114
○参考人(野村達治君) お答え申し上げます。
 第二次六カ年計画のテレビ放送網の建設計画といたしましては、三十六年度末には総合テレビジョンが九十三局、教育テレビジョン局が二十四局でございましたが、これに第二次チャンネルプランの局を加えまして、双方とも四百六十一局にするということを計画いたして進めてまいったわけでございますが、非常にテレビジョンの地方におきます要望が強いということ、あるいはオリンピックを契機としまして、なおそういったものが拍車をかけられたということから、かなり促進をいたしまして、最終の四十二年度におきましては、四百六十一に対しまして六百五十四局をつくったというような状況になっております。この中には、全部第一次チャンネルプランの局が完成しておりますし、それ以外に、当初一地区として考えましたところも二局ないしは三局設けたというようなこともありますし、それから、場所によりましては二地区でありましたものを一つの局でカバーするというところもごく少なくございますが、そういうことから数が非常にふえております。それからさらに四十二年度までのこの六カ年計画におきましては、第二次チャンネルプランの局はもちろんのこと、それ以外に微小電力局といったものもかなりたくさん地方の要望に応じて一つくってまいったわけでございます。四十年度の際には、たまたまこの十三局はほとんどがUHFの割り当てに近かったと思いますが、そういった点から地元におきます置局の要望といいますものがほかの地区と比べまして比較的少なかった点も多少ありますが、その意味でおくれましたけれども、四十二年度末までには全部終わっております。
#115
○長田裕二君 そのことに関連いたしまして、難視聴の解消対策についてお伺いしたいと思いますが、現在難視聴の未解消地域は全国でどのくらいありますか。またそれに対する今後の置局の方針などにつきまして伺いたい。
#116
○参考人(佐野弘吉君) お答えいたします。
 御承知のように、NHKは全国あまねく難視聴の改善の解決をはかるということが放送法の定めでもございますし、逐年その努力を重ねてまいっておりますが、なお、御承知のように、九五・五%というのが本年度の全国カバレージの数字でございまして、したがいまして、四・五%の未カバレージ地帯が残されておるという数字上の状況になっております。で、四十七年度までに九八%までに全国カバレージを増大したいという長期的な構想を持っておりますが、現在のような全国的にかなりこの方面のカバレージが進捗いたしております今日では、かりに〇・一を上げますにもたいへんな努力が要るということは御想像がつくところでございます。したがいまして、こういうような状況になってまいりまして、従来置局に至るまでの地域に対して、協会が三分の一の助成をもちまして地方の難視に共同受信施設の設立にお手伝いをいたすというようなやり方をいたしてまいっております。ただ、ただいま申し上げたような段階にまいりますれば、旧来の方式によります置局となるものとかみ合わせまして、地域なり電波の到来状況なりあるいは世帯の分布状況というようなことを勘案いたしますれば、やはり地方の難視は置局一点ばりということでなしに、あるいに共聴と関連して共聴の積極的活用という形と置局との関連をして考えるべき段階に至っているのではないかというのが一点でございます。
 もう一点、特に最近におきます大きな特徴は、都市におきます高層ビルの林立等あるいは電力線、動力線等の敷設によりますゴーストの発生、それから都市内を走っております国鉄ないし私鉄の路面の上の走行を高架にいたすというようなことで、非常に都市の構造が変わってまいりまして、いわゆる原因者――単純に一つのピルが建って、そのビル陰になったものが見にくいということじゃなしに以上申し上げたようなことで、都市の一種の公害的な形で電波の障害が発生すると、あるいは都市の飛躍的拡大で都市内においてもいわゆる地域難視というような状態も発生しておるというようなものがもう一つ大きな状況になってきております。
 この際NHKにおきましては、ただいま申し上げた双方を協会自身の積極的な努力で改善解決に当たりたいという考え方を最近持ち始めております。ただいませっかくこの辺の検討を事務的にも進めておるわけでございます。大体以上のような形で地方の難視におきます、特に置局と共聴の積極的な活用というかみ合わせを考えていきたいという状況になっておることを申し上げたいわけでございます。
#117
○長田裕二君 ただいまの御答弁にもありましたように、難視聴地域、これはビル陰、山陰と申しますか、そういうような地域の解消には微小電力局をつくっていく、第二次チャンネルプランを完成してあと、さらに電力を小さいほうを使っていくという方法と、今度は受けるほうの共同聴視施設をどうしていくか、二つの方法があると思うのですが電波監理局のほうでは波の送る方と中継所に対しての方針というようなものは、特別何か固まった考え方をお持ちですか。
#118
○政府委員(石川忠夫君) いままでのところは相当大規模な難聴視地域に対しましては、第二次チャンネルプランで大体のものをカバーしてしまう、それでもこぼれるところは微小電力局で大体何%になるか、九十何%になるかこまかくは計算してございませんが、大部分はいくのではないか、さらにそれでこぼれた十数世帯あるいは数世帯なりは、山の中はやはり共聴施設でやっていかざるを得ない、こういうふうに考えております。
#119
○長田裕二君 共同聴視施設につきましては、NHKは従来三分の一ですか助成をしていたと思いますが、今後さらにこれは何といいますか、テレビが見えないということに関連して、もうこの土地に住みたくないというような風潮も時世のせいですか、だんだん出てきているような感じもするわけですが、今後も従来のような方針で何世帯以上まとまって難視聴のところがあるものについてはやっていくというふうなお考えでおられますか。
#120
○参考人(佐野弘吉君) 先ほども触れましたように全国の置局計画の中で微小電力局の地域で、かりに百世帯なら百世帯というような世帯の分布のところで、やはり商業放送等の進出がないといいますれば、あるいは受信者感情といたしましては、NHKのみの置局では満足しないというような状態がありといたしますれば、あるいはこの地域においては、共聴施設によりまして地元の閥業放送並びに民放と、双方が見えるというようなことも考え得る地域がございます。そういうようなところではあるいは従来かりに置局という形で進んでまいりましたこの種の状況につきまして、あるいは共聴施設をもってこれに充てるということのほうがはるかに実際上の効用が高いということもあり得るように思いますので、その辺の点を十分勘案して共聴施設の一部積極的な活用をはかりたいと、そのような節には、あるいは置局に代替すべきものという考え方から、旧来の助成方針を一歩進んで協会のたとえば幹線部分等の設置によります、あるいはその部面における貸与という形で三分の一の助成から、事実上の協会が置局に代替する一部共同施設の設立、設置と申しますか、その方向にも進め得るんではないかと、そのような考えを最近において持ち始めておるわけでございます。
#121
○長田裕二君 具体的に個々の地況に応じて、地形あるいは民放の状況、あるいはどちらのやり方がどういうふうに経費がかかるのか、そういうようなことをからみ合わせて、いわばピッチャー側からやっていくか、キャッチャー側からやっていくかというような、そういう方法を具体的に個別に検討して進めていくと、しかも状況によってはある程度積極的な意欲を込めてこの問題に取り組んでいく、そういうふうに承ったのですが、そういう御答弁の趣旨ですか。
#122
○参考人(佐野弘吉君) 幸いにいたしまして、関係機関等の御了承も得ますれば、その方向に進むことが協会の、全国あまねく放送を受信する状況を地域のすみずみまで行ない得るという確信のもとに、そうした方向に進みたいと、こういうふうに考えております。
#123
○長田裕二君 所要経費との関連もありましょうから、そこらはひとつよく検討願いたいと思うわけでございます。あるいはその他の事情もあるかもわかりませんが、なお三十八年のチャンネルプランの修正以来、多くのUHFテレビ中継局が開設されましたが、コンバーターとかあるいはオールチャンネル受像機の普及などはそういうUHFのテレビ中継局の設置にほぼ即応した形で進んでおりましょうか。そこらについてのデータをお持ちでしたらお答え願いたいと思います。
#124
○参考人(佐野弘吉君) いま必ずしも数字的に詳細に御報告いたす数字を持ち合わせておりませんが、全国的にコンバーターの普及の度合いは今日UHFの置局関係の地域で全体の四〇%に到達いたしております。で、まだ非常にその普及の度合いが悪いものですから、この夏以来、全国に東京はじめ、UHF普及推進会議というものを、NHKをはじめ関係機関等の御協力で設置をいたしまして、各府県別にコンバーターあるいはオールチャンネルの普及のもろもろの運動をただいませっかく開始をいたしておるところでございます。
#125
○長田裕二君 最近、先ほども一般論としてお触れになりましたが、最近、新宿駅前の都市有線テレビが問題になっておりますが、ビル陰等の高層建造物による難視聴の解消対策についていま一度といいますか、あるいはもう少し御説明を願います。
#126
○参考人(佐野弘吉君) 先ほど来地方の難視地帯あるいは都市におきます都市のいろいろの条件の複雑化に伴います公害的な電波障害につきましては協会が、NHKが相当の努力を傾けたいと、こう申し上げたわけでございますが、ただ、従来都市内におきますいわゆるビル陰という問題につきましては従来の方針も、ただいまでも変更はございません。単純にビルができまして、そこで何世帯か何十世帯かのビル陰によります電波の障害が発生いたしました場合には、協会はあくまでも建築主と被害を受けます側との話し合いによりまして、この障害除去は発生者責任主義と申しますか、原因者で自主的に解決をする。したがいまして、これに要する費用は原則として原因者が負担をすると、こうあってほしいということで、NHKといたしましては、従来この問題に仲介の労をとり、あるいは現場的には技術指導を行ないまして、これらの問題を解決してまいっておるのが従来のたてまえでございます。若干数字的に申し上げますれば、この一年間に取り扱いました件数としては、昭和四十年度で二百十件、ビル陰の問題を協会が取り扱いまして、これによります改善世帯は七千七百ほどでございました。しかし、先ほど来申しますように、都市構造の急激な変化によりまして、四十二年におきましては九百九十二件という取り扱い件数に、非常に大きくふえております。世帯といたしましては一万一千七、八百というのが改善世帯の数字になっております。このような形で協会といたしましては、従来からの方針のように原因者主義という形で解決をお願いをいたしておりますが、しかし、この建造物の障害ではあくまでもやはり効率的なひとつの規制と申しますか、そうした関係が必要かと思いまして、雑音防止協議会の一員といたしまして関係各官庁とともにこの問題を検討いたしておるというような状況もございますし、また別途大口建築主でございます住宅公団なり電電公社なり地方自治体というような方面には、この趣旨で折衝をして各地域ごとの自主的な解決を求める、さらに協会といたしましては、できましたら来年度の予算面におきましても、これらを現在以上に積極的に手がけ得るような多少の財政的の補強も試みたい、このようにただいま考えておるところでございます。
#127
○長田裕二君 この財政的な補強の問題は、公害的な部分あるいは個別の原因者というものがわかっている部分、双方についてある程度共通して言えることでございますか。
#128
○参考人(佐野弘吉君) 前者については、もとよりそうでございますが、後者につきましても原因者主義だというだけでなしに、協会が全国のあらゆるこの問題に遅疑することなく出動し得るような所要の経費をやはり若干増強する必要がある、そういう意味で申し上げたわけでございます。
#129
○長田裕二君 郵政省側としては、だんだんこれから増してくる都会の電波障害といいますか、聴視障害につきまして、どういう考え方でおられますか。
#130
○政府委員(石川忠夫君) 都市におけるビル陰障害は、このところ高層鉄筋建築物が多くなってまいりますにしたがいまして、毎年非常な激増ぶりを示しておりまして、これに対処するために、NHKはどういう立場でどういうふうにされたかということはただいまも御説明がありましたとおり、大体仲介的な立場で技術的な指導をするということによりまして加害者と被害者の間で話し合いによりまして円満解決をしているという事例が相当多くやられてきているわけでございますが、先ほどちょっと最後にお話がありましたとおり、最近さらに積極的な姿勢を示そう、こういうお話がございましたが、まあ私どもはこのピル陰障害も、山の中の障害――山陰障害と同じようにテレビの受信障害ではございますけれども、やはりこの建物なかりせばNHKの波は順調にというか間違いなく各家庭に届けられたということを考えますと、加害者が明白な場合が相当多いわけでございまして、こういった場合についても、一般の大衆から集めた受信料でまかなわれているNHKの性格から考えて、そういったものをみずから所有してやるということがどうであろうかという問題がございましょうし、もう一つは、すでに御承知のとおり、都市における受信障害の問題は、今後有線テレビという方式で解決していく趨勢にございます。で、この有線テレビというものがただ単にNHKだけでなくして民放も、あるいはそのほかもっと今後技術が進歩すれば、あるいはデータ伝送にというような発展性を秘めておる問題でもございますので、やはり私どもは関係者が相寄りまして施設をつくることが望ましい、かように考えておる次第でございます。
#131
○長田裕二君 FM放送の関係に移ります。いままでNHKはFM放送の実用化試験局及び実験局を非常に精力的に建設してこられたと思いますが、最近、FM超短波の周波数割り当て表、割り当て計画がつくられたようですが、その内容を簡単に説明していただけますか、郵政省から。
#132
○政府委員(石川忠夫君) このたびの超短波放送のチャンネルプランの修正は、これは音声放送全体として考えまして、将来外国混信が非常に多い中波の放送をどうするかということと、FM放送をどうするかということを総体的に考えまして、中波放送の中波の波のうち、外国混信をあまり強く受けてない波を大電力によりまして数少ない波でできるだけ日本全体をおおうようにしたいということと、それから各県に中波の放送がございますが、これはFMに切りかえていくということ、それからもう一つは、FMには、中波にはない特質、すなわち非常にきれいな音を出すと、こういったFM放送の特色を生かした放送をやりたい、こういうことが柱になりまして今度のチャンネルプランの修正になったわけでございまして、NHKにつきましては、すでに全国に百七十地区に実験局並びに実用化試験局が置かれておりますので、これを本放送にするようにしたい、それから民間放送につきましては、FM放送の特色を生かした放送局をさしむき東京、大阪、名古屋、福岡において実施できるように修正したわけでございます。
#133
○長田裕二君 この割り当て計画の修正の少し具体的な内容をここで伺いたいんですが、たとえば関東地域は従来NHKの実用化試験局あるいは実験局、どちらでしたか、あるいは両方だったかもしれませんが、かなり広域的に行なわれていたんではないかと思いますが、今度の割り当て計画の修正では、各県別に割り当てられたわけですか。
#134
○政府委員(石川忠夫君) FM放送につきましては、府県単位を原則として考えております。
#135
○長田裕二君 そうしますと、関東地方をはじめ近畿などにおきましては、いままで中継波以外は出したことのなかったようなところまで親局になってFM放送を開始するという事態になるわけですね。
#136
○政府委員(石川忠夫君) そのとおりでございまして、関東あるいは近畿各県に一つずつ置く、こういう考え方でございます。
#137
○長田裕二君 NHKにおかれましては、そういう計画の修正を受けて今後本放送のほうに進まれると思いますが、いつごろを大体めどにしてやっておられますか。
#138
○参考人(野村達治君) ただいまの御質問でございますが、来年度にかなりな部分を行ないまして、新しく設置いたします局につきましては、関東地方あるいは名古屋近傍、それから近畿地方において十三地区でございますが、これに対しましては来年度かなりな部分を行ない、さらに引き続きまして、その次の年にみな行ないたいというように考えております。
 それからなおそれ以外に従来とも毎年四十局ずつ進めておりますもっと小さな地域でございますが、それに対しますものも同じようにして進めていきたいと思います。
#139
○長田裕二君 本放送にすっと切りかえて、いままでのあった実験局を切りかえるというか、新しく新設といいますか、設備なり機能の面から見まして、FM放送のカバレージはNHKでまあいわば全面展開をした場合に当面どのくらいまで上がる見込みでしょう。
#140
○参考人(野村達治君) 現在約八〇%でございますが、これが八六%ぐらいまでなろうかと思います。
#141
○長田裕二君 今後そのカバレージもう少し広めていく場合に、これは郵政省に伺いたいのですが、たとえば現在で中波放送程度にまで広めていく場合に、中継所が非常にふえるのじゃないかという感じがしますが、まあ先般、小林大臣のころ言われましたテレビのVからUへという問題はこの問題に関係してきますか。たとえば普及率を中波放送並みに上げる場合に、現在のテレビの波とある程度FMの波が競合しないようにずっとなっておるか。あるいはそういう問題も新しく起きてくる事態、そういう事態になるかどうか。そこらにつきましてのお考えをお聞きします。
#142
○政府委員(石川忠夫君) FM放送の波は実はいまのVのテレビの下でございますので、競合はいたしておりません。
#143
○長田裕二君 競合しない範囲で全部中波放送並みにカバーできるというお見通しですか。
#144
○政府委員(石川忠夫君) できる見通しでございます。
#145
○長田裕二君 先ほどもちょっと電波監理局長が触れましたが、結局NHKは今度はFM放送と中波放送二系統と合わせて三系統音声放送をやるわけですが、大臣、この三者につきまして、将来どういう役割を果たさせようとするのか、そこらにつきましての大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
#146
○政府委員(石川忠夫君) 前から、まあいまやっていることは第二放送を大電力にかえまして、これは全国同じ番組でございますので、全国一つの番組でやっていきたいと、まあ従来からやっておりますし、今後も全部一つの番組を放送していくと、それから第一放送は大体管内放送と申しますか、中部地方だとか中国地方だとか、地方単位ぐらいに一つの放送が行き渡るようにすると、それからFM放送は県内放送と申しますか、県域放送として県内のローカルをやっていただく。それからもう一つは先ほど申し上げましたようにFMの特色を生かした放送をやっていただくと、あるいは場合によれば、外国混信がある場合にはそれに対応した放送番組を放送していただく、こういうそれぞれの使命を果たさせる、こういう考え方でいままでやってまいっております。
#147
○長田裕二君 民間放送についてのFMの割り当て計画というものはもちろんまだできておりませんし、今後お考えになるわけですが、やはり府県別のものを大体考えていいわけですか。
#148
○政府委員(石川忠夫君) おっしゃるとおりでございます。
#149
○長田裕二君 その場合NHKのほうでは、県別は大体FMでいく、それから中波のほうは、かなり広域なものを考えてやっていく、民放のほうでは、県別はいままでの中波のものはそのままにそこに新たにFMが加わると、そういう形で予想されるわけですか。
#150
○政府委員(石川忠夫君) まだ具体的な案はできておりませんが、やはり中波は民間放送でも大電力を取り入れると、こういう方向で今後検討していくことになっております。
#151
○長田裕二君 私の質問はこれで終わります。
#152
○委員長(久保等君) それでは、午後二時まで休憩いたします。
  午後一時一分休憩
     ―――――・―――――
  午後二時十三分開会
#153
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題とし質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#154
○鈴木強君 中断いたしましたが引き続いてお尋ねをします。
 最初に、会計検査院のほうに先ほどの長田委員からここ数年間における会計検査院のNHK監査の結果については、先ほども御報告いただきましたような記述すべき意見はないという御報告を伺っておりまして、まことに喜ばしいことだと思いますが、これは文書上のことでありまして、このほか特に会計検査院として検査の結果、口頭指示ないしは執行上について何か改善すべきような事項が全くなかったのでございましょうか。
#155
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。先ほど来申し上げましたように、ここ数年間日本放送協会に対しまして検査報告の上で違法または不当として指摘したものはないのでございます。また四十年度につきましては、正式の文書による質問とかそういうものはございませんか、これは現地あるいは実地検査の際におきまして、本部検査なりあるいは地方の局なりそういうところの検査に行った際におきまして、われわれのほうの調査官と、それから検査を受検された方々の間で通例打合会というものをやるわけでありますが、その際検査の結果につきましていろいろ調査していただくとかあるいは今後の検討課題とかそういうものにつきましては申し上げることはございますけれども、これは具体的に相当大きな問題でございますれば、検査院に帰りましてからわれわれが検査した上で、それを質問書という形で正式に質問するわけでございますが、そういうものはございません。こういうことでございます。
#156
○鈴木強君 非常に少ない人員で広範な検査をするわけですからたいへんだと思います。一般、国の会計検査の執行状況を私どもが拝見しましても、痛切に感ずることは、会計検査院の陣容が非常に薄いということであります。ですからわれわれは旅費の面におきましても、職員の面におきましても、さらにこれを増強するような意見を毎年述べるのでございますけれども、なかなかその面の前進がないように思います。ですから、実際に検査なさる場合でも先ほどお話がありましたように、書面による検査とかいうのがほとんどじゃないでしょうか。実際に伝票を一つ一つくって検査をするということは非常に少ないと思うわけですね。ですからその辺の問題はいまここであなたにお尋ねしようとは思いませんけれども、実際にいまの要員の中で協会の業務の監査、財務の監査をやる場合に、書面による審査と、それから実際にやるこの検査ですね、こういうのはどの程度の比率になっておりますか、全体の。
#157
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 実績から申し上げますが、四十年度について申しますと、書面検査のほうは総合残高試算表が毎月出てまいりますが、これが十二冊ございますが、これは計算書でございますので、それに添付して参考書類がついてまいります。
 先ほどちょっとお話し申し上げましたように、工事につきましては、一千万円以上の契約金額でございますと、これについての証拠書類がついてまいります。それからその他の、財産の購入とかそういうものでございますと、五百万以上のものにつきましてはそういう証拠書類が添付されてまいりますが、その証拠書類が四百十六冊、枚数にいたしまして一万九千八百六十八枚、こういうことになっております。それにつきまして、担当課におきまして、書面上の検査をするわけでございます。
 それから実地検査につきましては、これはわれわれのほうで検査する必要があるであろう、それだけの価値があるであろうというような個所といたしまして、六十八カ所というものを考えておりますが、これは一年間に回りきれるわけじゃございません。四十年度について申しますと、そのうち六カ所、本部、それから大阪、名古屋、広島の各中央放送局とそれから管内の二つの管内放送局、これにつきまして七十五日の検査を実施をいたしております。書面検査につきましては、一応、そういう数量につきまして検査しますが、実地検査につきましては、先ほど申しましたように、人の関係あるいは旅費の関係、いろいろございまして、悉皆的な検査ということはできないわけでございます。
#158
○鈴木強君 そうしますと、四百十六冊、一万九千八百六十八枚というのですか。これについては全部書面の検査ですか。それから実地検査の場合は、書面検査の分について、さらに具体的に実際の調査をするということだと思いますが、その比率はおよそどうなるのですか。
#159
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 たとえば証拠書類で、工事につきましては契約金額なりあるいは積算の基礎を付した書類が出てまいります。しかし、これは実際問題として、現地に当たってみなければわからぬというわけで、そういうものにつきまして、現地へ行って調査をする。これは実地検査でございます。そういう意味から申し上げまして、書面検査と実地検査の比率というのは、ちょっとなかなかむずかしい問題でございまして、書面で審査する、検査する。しかし、その同じ案件につきまして、さらに補完的に出来高とか、その他現地でなければわからぬという実情について、さらに実地に行って検査をするというのが実地検査でございまして、それらを合わせてほんとうに一本の検査と、こういうふうにお考えいただいたほうがよろしいのじゃないか。ただ検査個所がたくさんございますので、書面で一応間に合わせて、それで終わりにしてしまう場合もございますし、それから旅費と人の都合のつく限り、これは現地へ行って確かめてくるというような検査をやる、こういう場合もあり得る、こういうことでございます。
#160
○鈴木強君 国家の監査の場合に、よくおたくで出していただきますね、国会に報告される。あの中に、本年度は書面審査は何パーセントで、実地審査は何パーセントという比率も書いてあるわけです。ですから、私の聞きたいのは、四十年度に六カ所、七十五日の実地検査をされておるというのですが、その七十五日、六カ所の検査の中で、証拠書類からいって一万九千八百六十八枚のうち、一体何枚の検査がなされたかということがわかれば、大体の比率はわかるわけです。
#161
○説明員(小熊孝次君) 実は、その辺のところ、書面検査のほうの証拠書類とか、あるいは証拠書類のほうの枚数といいますのは、これは全部トータルしたものでございますが、先ほど申しました実地検査の場合で、六十八カ所のうち、六カ所と申しましたのは、六十八カ所のうちには、六十八カ所分に関係する証拠書類なり何なりが、これはまた相当数あるわけでございます。またそのうちで六カ所の、個所におきますところの一証拠書類というものもあるわけでございまして、一般に言われております個所数といたしましては、数パーセントに達しないということをよく言われるわけでございますが、その場合は、六十八カ所に対して六カ所というような意味で一般に言われております。各個所によって証拠書類の枚数は全部違いますから、そういう意味において、われわれのほうで考えました六十八カ所に対して六カ所でございますので、約一割弱のものを検査しておりますと、こういうことになるわけでございます。
#162
○鈴木強君 もっとわかりやすく、その六カ所で何件を実際に検査したわけですか、実地検査をしたのですか。
#163
○説明員(小熊孝次君) お答えいたします。
 六カ所、これは具体的には本部、これはもちろんでございますが、三中央放送局、二放送局、計六カ所になっておりますが、こういうところに実地検査に参りました際に、具体的に個々の経過なり何なりを、もちろん突っ込んだ検査をするという場合もございまするし、それからその仕事の流れと申しますか、そういう経理検査的な意味の検査をいたすこともございます。ただいま具体的に、たとえば工事なら工事で何日に及んだという資料をちょっといま持ち合わしておりませんものですから、適切な御答弁ができないのは遺憾でございますけれども、実際のやり方といたしましては、個々の工事なら工事につきまして、その積算とか、それからその出来高というものを深く突っ込んで検査する場合もございまするし、それから基本的な経理の状況というものが厳正に行なわれておるかというような意味でのそういう検査、こういうものもございますし、業務関係との関連におきまして、それが適切に行なわれておるかどうかというような点も調査いたします。ですから、必ずしも全部が全部件数ではあらわせないという場合がございます。もちろん契約というようなものにつきまして、工事何件について幾ら検査したというようなことも、これは出てまいりますが、それだけではございません。そういう実情であるということを――いまただいま手元に資料がございませんので、そういう実情だけを申し上げます。
#164
○鈴木強君 これはいまお答えになれなければ、後ほどでいいのですから、その六十八カ所実地検査をしたいと患ったわけですね、ところが実際には六カ所しかできなかった。六十八カ所の実地検査をしようとした。それはどことどこと。どういうところに重点を置いてやろうとしたのかということと、もう一つは、六カ所について具体的に何件の工事関係とか、その他ありますね、証拠書類は一千万円以上、五百万円以上、まあいろいろあるわけでしょうから、そういうものをひとつ何件だったか、一千万円以上と五百万円以上ですね、これに分けてでいいですから、その数をひとつあとで出していただきたいと思います。
 それからもう一つ、いまおわかりにならなければ、あとでもけっこうですから、NHKの財政の規模というのは非常にふえておりまして、もう一千億近くなっているわけですから、だからなかなかたいへんだと思いますよ、これは。そこでね、もう少し、たとえば三十五、六年くらいからでいいですから、三十五年にしてまいりましょうか、実際にNHKを実地検査した、まあ先ほどのようなことでいいわけですからね。全体の証拠書類が何冊で、何万枚で、三十五年には実際に実地検査は幾つやろうとしたけれども、これだけやったという資料がわかりますね。それと計算日数ですね、何日やっておったかということを、あとでひとつ資料として御提出をいただきたいと思います。いいですか、その点。
#165
○説明員(小熊孝次君) 三十五年度以降のただいま先生のおっしゃいました資料、整備いたしまして提出いたしたいと思います。ただ、六十数カ所のうち、全部をやる予定のところが六カ所しかできなかったという意味ではございませんので、われわれとしましては、六十八カ所あるのでございますが、これは毎年毎年全部繰り返してやる意図は持っておりません。何年かに一回というような割合、もちろん本部は毎年調べますけれども、その他のところは何年間に一回くらいずつでいきたい、こういうふうに考えております。
 ただいま先生のおっしゃいました資料はさっそく調製してお届けいたします。
#166
○鈴木強君 もう一つ伺いたいのは、四十年度は、毎年大体重点目標を置いて検査をなさると思うのですけれども、四十年度においては一体どういうところを重点に考えていかれますか。
#167
○説明員(小熊孝次君) 四十年度の検査といたしましては、放送センターでございますが、これの検査、それから地方の放送会館の工事、それから経営機械化でございますが、その内容、そのほか予算関係といたしまして、弾力条項の適用状況とか、前年度の収支、剰余金の収支状況、こういうようなものにつきまして、特に注意して検査を行なっております。
#168
○鈴木強君 それでまあ、さっきのお話のように今度改善をすべきだと、こう思われるようなことはなかった。こういうようなことでございますね。
 それでは一たんこの会計検査院のほうはこれにしておきまして、次にNHKの監事の方においでをいただいておりますが、現在三名の――会長が経、宮委員会の了承を得て任命するという――監事が放送上置かれております。これは独立した機関として、独自の監査活動をやっておられますが、この新しく部外から任命をされている方が二名おります。したがって、その常勤の方の一名と非常勤が二名の方でタイアップしてやられると思うのですが、こういうやり方で一体その本来の放送法に明示された会長、副会長、技師長、あるいは専務理事、理事が行なう業務、この解釈についても会長なり、副会長なり、技師長なり、専務理事なり、理事がおやりになっていることは、すなわち協会全体の業務であるというふうに解釈できるわけですよ。この点は後ほどさらに御意見を承ることにいたしますが、いずれにしても、こういう大事な、しかもたいへん事業量がふえてまいる際の仕事として常勤、非常勤というものはそういうかっこうで十分にやれるものでございましょうか。その組織機構、要因等についてちょっとその運営の方法含めてお尋ねしたいと思います。これは監事の方に。
#169
○参考人(長浜道夫君) お答えいたします。
 御指摘のように常勤一名、非常勤二名でございますが、非常勤の中山先生、鈴木先生も私のほうから来ていただきたいときはいつも来ていただけるという体制にいたしておりますので、現在のところ常勤一名、非常勤二名の監事で十分であろうかと、かように考えております。
#170
○鈴木強君 実際に四十年度に、まあ、当時の監事の方といまの方とは違っていたと思いますけれども、大体一週間に何回かというようなことになるのでしょうか。あるいは理事会なり、あるいは役員会なり、そういうつど、あるいは経営委員会の開かれるつど監事は出てくるということになりますと、大体稼働日数としては一カ月どのくらい非常勤の方はおいでになりますか。
#171
○参考人(長浜道夫君) 大体月によって多少多い月、少ない月がございますが、一年間平均をいたしますと、非常勤の概算は局においでになる日数は三日ぐらいになろうかと思います。
#172
○鈴木強君 これは最近五、六年の御出席の状況は資料として出していただけますか。
#173
○参考人(長浜道夫君) 何年前からにいたしましょうか。
#174
○鈴木強君 三十五年にしてください。
#175
○参考人(長浜道夫君) ただいま持っておりませんので、調製いたします。
#176
○鈴木強君 この監事の方々の報酬ですね、これは常勤も非常勤も同じようになっているのでしょうか。これは監事の人に聞くのもあれでしょうから、ひとつ協会の方からお答えしていただきましょう。
#177
○参考人(小野吉郎君) 常勤と非常勤は差別を設けております。
#178
○鈴木強君 どうもそれじゃ常勤、ここで言ってくださいよ。常勤は幾らもらっているのですか、非常勤は幾らもらっているのですか。
#179
○参考人(小野吉郎君) 常勤の監事につきましては月額十九万円でございます。そのほかに、いわゆる役職手当と申しますか、そういうものが六万円、月合計をいたしますと二十五万円でございます。非常勤につきましては、月の報酬が十二万円、いわゆる役職手当と申しますものが四万八千円でございますので、合計いたしまして十七万円でございます。
#180
○鈴木強君 これは月に平均一二日来て、十二万円もらうという人と、一カ月働いて十九万円じゃ、これはずいぶんおかしいですね。これはどういう……。まあこれは監事の何と言うのか、給与は、経営委員会の議を経てやっていると思いますけれどもね。三日出て十二万円と四万円だから十六万円ですよ。ちょっとこれは常勤の人に気の毒だね。もう少し常勤のほうへ回すわけにいかぬですか。
#181
○参考人(長浜道夫君) 非常勤の先生、先ほど私のことばが足らなかったのですが、局にお見えになる日数は平均一カ月三回ぐらいかと思いますが、その他私ども、自宅のほうへ資料を送付いたしまして、検討をいただきまして、そうして、今度の何曜日に出てきていただきたいという連絡をとりまして、出てきていただくのは月三回前後かと思いますが、非常に真剣に検討を自宅でしていただいております。
#182
○鈴木強君 私はそんな感じを受けましたが、率直に申し上げておきますが、それから、まだ、長浜さん一人で実際やっているようなものだと思うのですよ、聞いてみると、実際には。だから、御苦労だと思いますけれども、実際にさっきも私が申し上げましたように、われわれがこう資料をもらいましても、非常に不十分で、審査に苦労するわけですよ。あなたは監事として絶えず監査結果について経営委員会に報告をなさると思いますね。だから、そういうときには、こんな簡単なものじゃないでしょう。だから、そういうふうな報告をされるようなものを全部出してくれったって、それはとてもたいへんだと思いますけれどもね。ある程度収支決算に対するなんかというのは、そういうふうなあなたが経営委員会へお出しになる程度ぐらいのものは、こっちへほしいわけですよ。要は、あなたが現実にやっておられる、われわれのいま非常に苦労していることについて何か監事として感じたことないですか。そこまであなたの本分じゃないかもしらんが、その経営委員会に出す資料というのは違うでしょう、われわれのところへくるのとは。
#183
○参考人(長浜道夫君) 先ほどもちょっと監督官のほうからあったかと思いますが、四十二年度からはもっと詳しいものが国会のほうにも提出されることになっておりますので、御了承を得たいと思います。
#184
○鈴木強君 これはあながち監事のあなたにどうせいということじゃないのだけれども、あなたが経営委員会に出しているのと、われわれに出しているのと違うでしょう、明らかに。四十年度の場合にも違うでしょう。この点はどうですか。
#185
○参考人(長浜道夫君) 大体同じだと思いますが、その点につきましては、私ども研究さしていただきたいと思います。
#186
○鈴木強君 こういう程度で、経営委員会がやるのですか。それじゃ、あなた方の職務怠慢だな。そりゃぼくが経営委員だったら、これじゃとても審査のしようがないですよ。もう少し科目別に詳しい資料を添えて、ことしは予算ではこれだけ承認されまして、これだけの成績をあげ、これだけの金を使いましたという、そういうことは当然もう少し経営委員にわかりやすく説明していると思うのですが、こんな程度のものですか。
#187
○参考人(長浜道夫君) 経営委員会に監事として報告いたしますときは、口頭では要旨でございますが、経営委員の方々から御質問がありましたときに、さらに資料をつくるということもたびたびでございます。
#188
○鈴木強君 だから、それは、あなたのほうの出し方が悪いからそうなるんですよ。ぼくが経営委員だって、この程度のものでさあ審査をしてくれと言ったって、とてもできませんよ。だから、結局、これを出してくれ、あれを出してくれということになるのだから、その点は、もっと国会にも、経営委員会に出した程度のものを出す。で、もっとやっぱりわかりやすい審査の資料を委員会に提供することが先じゃないですか。やはり、そういうことが監事の任務、だと私は思いますよ。ところが、さっきも言ったように、三人任命されておっても、一月に三回では、あなたがしゃちこ立ってやってみたってなかなか手が回らぬ。 まあ、やっとこ監事室というのでしょうか、つくられたようですね。私は、何名の事務局員がそこにおるか、それは知りませんけれども、いずれにしても、スタッフとしては少ないように思うのです。
 ですから、ここで一つ私はあなたにお伺いするのは、幸いにというか、会長は、直属の内部組織としての監査室というものを持っているわけですよ。中央・地方にこれがおるわけです。これがもちろん業務全般に対する内部監査としての責務を持っておると思いますよ。これがかなり組織的にやっていくわけでしょう。だから、こういうものを監事室と直結することによって、監事としての職責というものが、これは十分までいくかどうかわからぬとしても、かなり鮮明になってくると思うのですよ。そうしたほうが、あなたとしても、やはり、やりいいのではないでしょうか。特に臨調の答申の中にもありますように、この点については、やっぱり、この監事のうち、一名は外部から選任ということになっておりますけれども、実際には二名が非常勤ということですから、この趣旨に沿っているかどうか、私はわかりませんけれども、実際ならば、やっぱり非常勤ということではなくて、監事も常勤の監事で  ただし、従来、長い間とりきたったようなNHK内部からの方法ですと、やっぱり問題があるでしょうから、外部からも起用して、監事という常勤的な立場に立ってぼくはやるべきだと思います。それが趣旨だと思いますよ。
 まあそれはとにかくとして、監事の監査事務に清新の気を注入するとともに、監事の監査活動をNHK業務の全般に及ぼし、その改善意見を提出させ、あるいは、委員会の使命及び任務を実効あらしめるようにと、こういう有機的な活動をやるべきだとここに書いてあるわけでありますから、そういう趣旨は、この前の国会にも提案された政府の、案中にも出ておりますね。会長、副会長、理事の業務ということを協会全体の業務というように修正しているのが出ておりますね。だから、そういうように、体制はもうそこまでいっているわけですからね。私は法律の解釈上、法律を変えなくても、業務全般についてやるということは現行法で可能だと見ているのですよ。だから、そういう意味からいっても、そのほうがやりいいし、非常に能率的だし、効果的ではないかとぼくは思うわけですよ。だから、実際に監事をやっているあなたが一番御存じでしょうからね、そういう点に不備があるかどうかは。まあ、現状でけっこうですという答弁は言えぬでしょうからね。それ、だったら――まあ、そう答弁をするかどうか、これは私が強制するわけにいかぬから、どうおっしゃるかわからぬけれども、やっぱり、そういう月並みなことではなくて、実際に、やっぱり協会が国民の受信料でやっているのだ、それをほんとうに適切に使っているのだということは間違いないわけですから、そういうことを裏づけるためには、やっぱり、そういう監査機構にしたほうがぼくはいいのではないかと思いますけれども、その点に対する御所見がありましたら、ひとつ聞きたい。
#189
○参考人(長浜道夫君) お答えいたします。
 御承知のとおりだと思いますが、NHKの監査機能には二つあろうかと思います。一つは、御承知のとおり放送法に定められました監事の監査とNHKの会長がいたします内部監査と、この二つに分かれようかと思います。いま先生のお話は会長が持っております監査室を監事にくっつけたほうがよくはないかという御趣旨かと思います。そういう考え方も私どもは研究いたしておりますが、現在の時点で私の考えを、恐縮でございますが、申し上げさしていただきますと、私は、二本立てになっておる――監事は経営委員会に直結いたしまして、会長以下執行役員が行ないます業務を監査する。もう一つは、会長が自分の責任を完遂するために、自分が命じた仕事が適正に行なわれているかどうか、会長の責任においてチェックする。これの二つのシステムがあることがNHKのような公共放送の場合には必要なのではないかと、かように考えます。もっとも会長に直属しております監査室の監査の結果報告書は膨大なものでございますが、これは刻々監事のほうに届けられてまいりますので、私どもにとっても、これは貴重な資料となっております。たてまえとして、やはり放送法にありますように監事は、経営委員会に直結して、会長以下の業務を監査する一方、会長は自分の責任完遂のために監査室を持って各部局を直接監査する、この二本立てによってNHKの監査が行なわれる。もちろん、先ほどからお話がありました会計検査院の検査も受けるわけでございます。こういうふうな形でNHKの業務を監査するというのが、私は、いい形ではないかと、かように考えております。
#190
○鈴木強君 あなたのお考えはわかりました。ただ、この監事室というものは、独立したやはり機関ですからね、執行部とは。だから、そこには内部監査と全然違うでしょう。趣きを異にすると思うのです。だから、私はあなたの意見を認めてもいいですよ。ただし、実際に三名の監事、しかも非常勤二人という中で数名の事務局員がおると思いますね、あなたのところに。それだけで独立した、いわゆる会長、副会長、役員から独立した立場に立っての、独立的なやはり法に基づく監事としての任務というものを果たすのには、あまりにも貧弱じゃないですか。あなたのおっしゃるように、内部牽制組織としての監査室ですね、そこから資料をたくさんもらっていると、こういうお話しなんだ。そこからもらっている、資料をいただくことも、これはいいですよ。私は、だから、内部の牽制組織をなくすることを前提にするということは、いま言った、一体の大きな流れとしての組織機構というものを考えれば、重複するからやらないでもいいと思うのですけれども、それは内部牽制組織としての監査制度というものがあってもいいと思うのです、私は。なおベターです、あれば。けっこうですけれども、屋上屋になるから、むしろ監事室というものを強化して、ほんとうに独自の立場に立ってやれるような――これは経営委員会にも言えるのですよ。経営委員会だって、実際独自の立場に立ってやれるかといったら、そうじゃないでしょう。実際には協会の執行部のいろいろな資料をもとにしてやらざるを得ないのですよ。だから、そういう意味において、経営委員会のやはりスタッフももっと強化して、そうしてそこで執行部に負けないようなある程度の調査研究も、あるいは資料の提出もできるようたものがやはりあって、お互いに牽制し合っていくのですよ。膨大な組織をつくってむだだというかもしれませんが、私はそうじゃないと思うのですよ。そういう意味において、経営委員会は経営委員会としての独自性というもの、監事は監事としての独自性に立ってやらなければ、これはだめなんです。だから、監事室がいま貧弱だということは、あなたも認めるでしょう、どうですか。
#191
○参考人(長浜道夫君) お答えいたします。
 監事室――私ども監事事務局と申しておりますが、局長以下五名で、すべて十年ないし二十年以上の経歴を持ったベテランを配しております。また監事は経一宮委員会、理事会あるいは主要な局長会議、全部臨席いたしておりまして、審議の状況を聴取いたしております。また、経営会員会、理事会、局長会議などの会議に出されます議案であるとか報告資料といったものは、すべて半面に監事の手元に配付されてまいります。また先ほど申し上げました会長の持っております部内監査の資料ももちろんでございますが、そのほか監事が必要と認めました場合は、関係役員あるいは関係局長からいろいろ事情を聞くことにいたしておりますので、監事事務局ができますまでとは変わりまして、監事事務局五名の有能なスタッフがおりますので、現在の時点では、私の考えでは、まず十分ではなかろうかと、かように考えております。
#192
○鈴木強君 会長は実際に自分のスタッフとして監査室を設け活動しているんですけれども、いま私が申し上げましたようなことからして、もう少しく監事室というものを強化するということについてはどういうお考えでしょうか。
#193
○参考人(前田義徳君) 能力とか外部からの御批判、それにこたえるために人数をふやせというような場合もあるかもしれませんが、ただいま長浜監事からお答えがありましたように、従来は主として会長、副会長、専務が一カ月に一回くらい直接に監事にお会いして、執行機関としての職務の遂行の状況、考え方その他御説明申し上げていたわけでありますが、その後これはかなり前からですが、監事さんにはあらゆる理事会あらゆる局長会議すべて出席していただいて、討議の過程まで何と申しますか検討していただいておる。それから理事会では、大体理事会ごとに監査室並びに考査室長の報告を受けることにしておる、これにも監事が出席しておられます。ですから私どもと考査、監査室長との質疑応答にもすべて参加しておられるわけで、さらにそのほか在京の経営委員は一週一回会議を開いておりまして、これには監事も出店し、それぞれの担当局部長から職務の内容、懸案等について毎週説明を聞いておられるようです。そういう観点からいたしまして、ことに事務局ができましてからは、われわれの執行機関の各部門の事務局と監事事務局とは密接な関係をとっておられるようですので、私としては、これ以上の必要があるかどうか御要求があれば、必要だということであればもちろん私としても人数をふやしたりする考え方に全く反対だということはございませんが、ただ、根本的に考えますと、放送法の精神は、監事の任務は経営委員会に対して監査報告をすることが主たる任務でありまして、そうして同時に経営委員会が監事に対して会長以下役員の事務執行を監査するようにという規定になっております。で、ただいま申し上げましたように内部機構としての私どもの監査機構があり、経営委員会としての監査機構があり、さらに放送法上会計検査院の検査をいただいており、また事実上の問題としては予算、決算その他について郵政事務当局とも密接な関係をとっているという点については、少なくとも私どもの側から見れば、かなり完全なやり方をしているのではないかと考えております。ただ一つ先生のような御議論が出てくるのは、この予算、決算の審議ないし審査にあたってNHKが出しているいろいろな資料がきわめて簡単であるということとの関連において、先生のような御意見が出るのかもしれないという印象を持って私は率直に聞いておりました。そういう意味では、この国会提出の資料が少ない、あるいははなはだ簡潔であるという点につきましては、私どもも執行機関として、ことに私は放送法上協会を代表する立場にございますので、その点では、今後は一そう整備した資料を差し上げたい、このように感じてお話を伺っておりました。
#194
○鈴木強君 これは会長の言われた私は両方があるのです。だから必ずしも資料が少ないから監事室をもっと強化したらいいだろうということではなくて、やっぱりこの監事の場合でも、さっき私が申し上げた経営委員会の場合でも、そうですが、独自性というものがはたして経営委員会に出す場合、みずからいろいろな資料を集めていくような、そういうようなものもあってもいいじゃないか。いろいろの内部監査としての資料とか、その他考査室とかたくさんのところからくるでしょう。ですから、それを見ればいいようなものだけれども、もう一回監事という独立的な立場に立った者がもう少し陣容を整備してもう少し手を広げていってみたらどうかということを私は申し上げているのでございまして、ですから、ここではあなたの、監事の監査の実際にやる分野といいますか、それは放送法に示されているというようなこともおっしゃっておりますが、会長、副会長、理事の業務は、われわれは、そのことは即協会全体の仕事であると、こういうふうにも解釈ができるものですから、当然会長、副会長の言ったことをやっていけばそうなるでしょう。だからわれわれはそういう移行をしたらどうかということを考えているわけです。せめて三名の監事が常勤的な立場に立っていただけばまだしも、二名が非常勤であるということになりますと、これは一名の人はたいへんだと思いますよ。理事会がある、さあ経営委員会がある、内部のあれがある、考査の関係の会合がある、そこへ出ていらっしゃるけれども一人の人がそこへ入っていくというのはたいへんでしょうし、また二名の人たちがはたしてそこまで行なっていられるかどうかそれもわからぬと思う。だから会長として全責任を持っておられるあなたが、この際基本的には監事室をこれ以上整備強化する必要はないとこうおっしゃるわけだから、私はここでは協会側の考え方として承わりました。私の希望はやはりもう少し検討に値することではないだろうか、そのことのほうがなおベターではないだろうか、こういう強い希望を持っておりますから、さらにひとついろんな角度から監事制度のあり方について御検討をいただきたいと思います。法律的には三名ですから、これはあるいは四名にするということも、当然規模が大きくなれば考えられると思います。その点は、私の希望意見としてぜひ再検討をしていただきたい。そうして万般の監事の任務が遂行できるようにしてほしい、こういうふうに私は希望を申し上げておきますから、その点、会長としてまあひとつ参考にしてもらいたいと思うんですが。
#195
○参考人(前田義徳君) ただいまの御意見につきましては、私も検討いたしたいと思います。ただ、この際申し上げておきたいことは、現行の放送法の精神から申しましても、私としてはまた経営の――そうするとまたおしかりをいただくかもわかりませんが――経営の、何と申しますか、合理的な経営と、それから各種牽制機関の独立性という点から申しまして、私としてはできるだけ二重機構は避けたいという考え方を持っております。私を長とする執行機関は同時に経営委員会全体の事務局そのものであるという考え方を持っているわけでございまして、しかし私の考え方が正しいと、全く正しいんだということもございませんので、ただいまの御意見に対しては慎重に検討をいたしたいと思います。
#196
○鈴木強君 じゃ、それはこの程度にして次に移らしていただきたいと思いますが、まず、さっき長田委員からもお話しがありましたが、三十三億の四十一年への建設費の繰り越しのことですが、お話を聞きますと、何かテレビ局の建設かなんかで金が使えなかったということですけれども、三十三億も次年度に繰り越さなければならぬということは、さっき言われたことと、趣旨がちょっとわからなかったのですが、総合テレビがどうとか、もう一回これはどういうわけで工事ができなかったのかですね、そういうことを少し含めて説明してほしいんですが。
#197
○参考人(志賀正信君) 四十年度から四十一年度へ繰り越しました建設工事の総額は三十三億六古万円でございまして、先ほど御説明申し上げましたとおりでございます。そのうちで、まず総合テレビジョンの建設工事につきまして、この三十一億のうちで四十一年度へ繰り越しになりましたものは四億三千九百万円でございます。これは四十年度中に着工を予定いたしましたもので、その送信所の場所の決定等が遅延をいたしましたために、工事の繰り延べになりましたものが全部で四十二局ございます。それから四十年度中に完成を予定をいたしましたもので、同じように送信所の場所の決定等が遅延いたしましたために工事がおくれまして、四十一年度になりましてから完成いたしましたものが七局ございまして、これらの分といたしまして、三十三億のうちで、四億三千九百万円でございます。それから同じような理由によりまして、教育テレビジョン局につきましての工事の繰り越し分は四億三千百万円でございまして、これは四十年度の完成の予定でございましたものが、四十一年度に工事が繰り延べになったもの七局の分でございます。それからFMの工事がございまして、これが四十年度中に完成いたしませんで、四十一年度に完成がまたがりましたものが二億三千四百万円、これは十局分でございます。それから大阪の中波の大電力の工事をやっておりましたが、この分としまして、四十一年度に繰り越しましたものが敷地の移転用地の確保等の遅延のために四千九百万円でございます。それから先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、放送センターの第二期工事をこの年から始めておりますから、それにつきまして予定をいたしましたが、内容の規模等につきまして、再検討を加えました結果着工が秋口になりましたので、この分といたしまして十四億四千六百万円を四十一年度に繰り越しをいたしております。そのほか松山の演秦所の工事の繰り越し分が全部で四億八千五百万円ございます。それから技術研究所に付設いたしております放送科学基礎研究所の建物の工事が五千万円ございます、これの繰り越し分が五千万円でございます。それから名古屋の中央局の放送所施設の放送機具の取りかえ、その他こまごましたものでございますが、四十年度中に完成に至らなかったものが一億六千八百万円でございまして、これらを全部合わせまして、四十年度の末までに工事が完了しなかったもので、四十一年度になってから完成いたしましたものが合わせまして三十三億円でございます。以上でございます。
#198
○鈴木強君 この「予算の残額となった理由」というところに、「建設工事に伴う経費の支出が少かったこと等による」と、こう書いてありました。ですから予定した積算が、案外やってみたら安くいったというふうにぼくは思っておったのですね。これだけの経費が節約できたと思ったのですが、そうじゃなくて、実際に工事が繰り延べになったもののようですね。これは予算総則上のこともありまして、同一科目の場合には、繰り越せるということになっておりますから、これは予算総則上は別に何でもないのですか、そこでそうなりますと、たとえば設置場所等の関係で着工がおくれて、そしてそのことが四十年度に完成すべきものが、四十一年度に繰り越したということになると、そこのところの理由を聞きたいのですね。たとえば総合の場合でもそうですし、教育の場合でもそうですが、一体どういう理由で四十年度完成のものができなかったのか、あるいはNHK側では工事を進めたのだが、たとえば電波の割り当てがおくれてできなかったということもあるかもしれませんし、いずれにしても、その理由をもう少しはっきりしてもらいたいのです。三十九年度から四十年度へこれは当然いろいろと繰り延べということはあると思います、工事には。あると思いますけれども、あまりにも三十三億というのは、これは多過ぎますから、私は聞いているわけです。
#199
○委員長(久保等君) ちょっと速記をとめてくだ
 さい。
  〔速記中止〕
#200
○委員長(久保等君) 速記を起こしてください。
#201
○参考人(野村達治君) 先ほどの御質問にお答えいたします。
 繰り越しいたしましたテレビジョンの設置局の中には、高松並びに徳島を予定いたしまして、これの設置が、割り当てが行なわれませんことによりまして繰り延べになりましたものがございますし、それ以外では勝浦等のサテライト局でございますが、これが道路、そのほかの民放局との話し合いといったような問題がございまして、多少工事の着工がおくれまして、そのために次年度に繰り越されたものがございます。そういった事情でございます。
#202
○鈴木強君 まあ、建物を建てるわけですから、いろいろと地元の御了解やいろいろなことがあるでしょうから、必ずしも予定どおりにはいかないと思いますが、やはり予算のたてまえからすれば、われわれが承認を与えたのは、この年度において完成をしてほしいということを前提にしておるわけですから、いずれにしても遺憾に思います、私は。特に高松と徳島は周波数の割り当てがおくれたのですか、その点ひとつはっきりしてもらいたい。
#203
○参考人(野村達治君) この二局につきましては、まだ郵政省の側の周波数の割り当てがございませんので、実施することができなかったわけでございます。
#204
○鈴木強君 これは、大臣にも伺いたいのですけれども、われわれはいつもNHKの予算を審議する際に、提案されるときにおいて積極的にか消極的にかは別にして、郵政省当局とも十分に、特にこの新しい局の開局、周波数の割り当て等については御相談を願って、おおよそその見通しが立ったときに、ことしはこことこことこここに置局したいということで予算を了承していると思うんです。そういう事務的な連絡はやっているはずなんです。しかるに、実際には周波数の割り当てが徳島と高松の場合にはやれなかったということが繰り延べの理由だと、そうなると、どうもわれわれはあの予算の審議の際のいきさつからしても了承ができないわけですよ。何で周波数を割り当てなかったのか。おそらくUの大電力の問題なんかもあったと思いますけれども、いずれにしても――まあ一応理由を聞きましょう。どういうわけで周波数の割り当てがおくれたのか。
#205
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまの御質問は事実問題でございますので、あとで局長からお答え申し上げますが、先ほどの私は質疑応答を聞いておりまして、この資料は、規則はどうあれ、やはりもう少し整備したものでないとどうも審査がしにくいと、こういう感じがいたしますので、私たちもそのように取り運ぶようにひとつしたいと、かように存じます。
#206
○政府委員(石川忠夫君) 徳島につきましては、Uの大電力の問題がいまだ解決をしておりませんでしたので、実際に割り当てたくても割り当てられなかったということ。
 それからもう一つは、高松につきましては、十分にまだ、岡山、高松地区と、こういうふうになっておりましたものをどういうふうにするかという処理方針がきまっておらなかったわけでございます。
#207
○鈴木強君 それは、石川さんわかりますよ。しかし、きまっておらなかったという答弁はちょっと私には解せないんだけれども、少なくともこの周波数の割り当てについては、何といったって郵政省のほうがその権限を持っているわけですから、その割り当てがない限りはNHKのほうはどうにもならぬということです。それだけに予算を組む場合に事前に十分に打ち合わせをして、ことしは大丈夫かどうかということを見通しを立ててやるべきなんですよ。Uの大電力にするかどうかということは、予算の編成当時わかっておったわけです。高松か岡山か、そのことだってわかっておったはずですよ。それを予算を通してその間に煮詰めてやるということでわれわれは予算を了承したわけです。それが結果的に見ると、翌年度に繰り延べられたということについては、われわれとしてはちょっと納得できないのです。こういうことだから、予算と実行が合わなくなっちゃうわけですね、どうですか。
#208
○政府委員(石川忠夫君) この問題につきましては、郵政大臣の意見書におきまして、周波数の割り当ての関係で変更することがある、こういうことで具体的に高松がどうとか徳島がどうとかということは確かに言っておらなかったと思いますけれども、抽象的にはそういう字句でこういうことも含ましておったはずでございます。
#209
○鈴木強君 それは、どうも役人さんの責任のがれのような答弁なんです。やったことについて少なくともあなたのほうである程度の確信がなければNHKだって予算を組むはずないのです。われわれだってもう十何年もやっておりますからわかります、それは。だから、できなければどういうわけでできなかったか、したがって、これはたいへんに国会にも審議をわずらわして承認していただいたものについては、それができなかったのはまことに申しわけないという反省の気持ちがあってほしいのです。それでなければ政治というものは進歩しない、行政も進歩しない。それは人間のやることですから、あやまちもあるしできないこともあると思います。だけども、私はどうも役人さんの答弁が気にくわぬのは、何か責任を転稼しょうというような、そういう――四十億になるほど変更があるかもしらぬ、それは書いてあるでしょう。しかし、そういうことをたてにとって、できなかったということに対する回答としては、ちょっと……。どうです石川さん、これ大臣どう思いますか、あなた。実際にNHKだって、あとから聞きますけれども、おそらく見通しがなければそんなことを組むはずないです、そうでしょう。
#210
○国務大臣(河本敏夫君) 具体的な問題につきましては、私は事情がよくわかりませんが、しかし原則的にはおっしゃるとおりだと思います。
#211
○参考人(小野吉郎君) ただいまの問題につきまして、郵政御当局をお責めになるのも、私どもの立場といたしましても、予算編成の事情からいたしまして非常にこれは困るわけでございます。と申しますのは、この点に関しましては、はっきり年度内に高松には免許しよう、徳島にも免許しようということには話が詰まっていなかったわけでございます。そういうような事情からNHKとしては、年来県別単位の放送を主張しておりますし、そういう面から高松市にはぜひほしいという意欲は非常に多分にあったわけで、徳島につきましても、教育放送の拠点を得たい、こういう強い願望がございましたけれども、予算提出の段階までにおきまして、はっきり年度内に割り当てがもらえるという確たる見通しは実はなかったわけで、それが大臣の意見書の中には、周波数の事情等によって変更があるかもわからないということで表現されておる。と申しますことは、なるほど筋としては、先生のおっしゃるとおりでありたいわけですけれども、NHKには予算編成の自主性がございます。大臣は、それに対して意見書をつけられることになっておりまして、その間に食い違いがあれば、国会においてこれを審議をしていただくのがたてまえでございます。とはいえ、事前にやはり話を詰めまして、予算に組んだ以上は、支障なしに実行できるような予算でやることが好ましいわけでございますけれども、その点はかりを重視してまいりますと、これはNHKの予算の自主性の問題について重大な問題があろうかと思います。その年度においては、かりにいただけないようなことがありましても、NHKの将来にわたる計画の一環といたしまして、できればその年度に割当をいただくことが好ましいのでありますけれども、そうでない予算も組む必要もあるわけでありまして、この点は国会にも御迷惑をおかけするかもわかりませんが、御了承を得たい、このように考えております。
#212
○鈴木強君 副会長からそんな話を聞こうとは思わんですよ。これは少し国会を侮辱しております。少なくとも皆さんがわれわれに予算を提出して承認した予算が実施できなくて、繰り越しになったことに対して反省がないのですか。いいかげんのものを、見通しのあいまいなものを出したということになるじゃないですか。そんな権威のないものを国会に出したのですか。私はそういう答弁を副会長から聞くことは心外ですよ。われわれは少なくともたてまえとしてこれこれこういう理由によってできませんでしたという――、それはわかります、あとのことですから。しかし、たてまえとしては、四十年度にやるのだといって組んだのでしょう。そんなどっち向くかわからないものを組んだということになると、これはちょっとおかしいですよ。その辺の予算に対する考え方、弾力性について自主性がどうとかということを言われますが、どういう意味か私はわかりませんけれども、それはあなた、建設資金の繰り越し等についても、設備の改善その他に回せる金も当然あるわけでして、ですから、何かまあ郵政省を弁護するような話にとれてしかたないのですけれども、そういうあいまいなものを予算に組んで国会に出すことについては、これからは改めてもらいたい。もしそうであったら、少なくともその年度に完成してやろう、ぼくらはそうくみ取っております。郵政大臣の意見書があるから、それでやってもあたりまえのことだ、そういう態度の答弁というものは納得できない。もしそうであれば反省してもらいたい、これは。
#213
○参考人(小野吉郎君) もちろん予算に組みます以上は、われわれ努力をいたしまして波の割り当てを受け得るような最善の努力をいたすわけでございますけれども、この予算を編成いたしました時点におきましては、割り当てが確定して年度内に必ず出すというところまでは、話が詰まっておらなかったということを申し上げておるわけであります。
#214
○鈴木強君 それは会長ね、ここでやってみたって済んだことですから、私はどうにもならぬことだと思いますけれども、しかしこれは重大だと思います。ですから私は特に周波数の割り当てについてもいままでうるさく言っておる。周波数の割り当てがなければどうにもなりませんから、そのことを郵政省はぜひ考えてできるだけ計画を実行するようにしてほしい。またできれば、郵政省が本年度はこことここを認めますというはっきりした確証があるものを出してもらいたい。そうしてそんなあいまいなものを予算に組むことについては、これは非常にわれわれから見たって不審に思うわけですから、今後はそういうふうにひとつ改めてもらいたい、どうですか。
#215
○参考人(前田義徳君) 副会長の説明のしかたに多少不備な点があったかもしれませんが、この問題については当年度予算を御審議された際の参議院の議事録並びに衆議院の議事録を私は一度見たいと思っております。大体私どもとしては、内部的な連絡の上で確信をもって予算を編成しているというたてまえでございます。その過程においては、郵政省との間でもかなり議論をかわす場合もございますし、その意味における予算の自主性でございまして、成案として郵政大臣を経過して閣議を経てここに内閣から提出せられるわけでありますから、全く異なった見解のものが出てくることは私自身も常識的には考えられないと思います。ただ、いろいろな答弁の中で表現がきわめて不備の点があったということについては、私も反省いたしたいと思いますが、たてまえは、それほど食い違ってはいないではないか。それからまた特に今後の問題については、そういう点を厳重に注意しながら予算を郵政大臣を通じて国会に提出いたしたい、このように考えております。
#216
○鈴木強君 わかりました。会長の答弁で了解しました。そういうようにしてもらいたいと思います。
 それからその次にお聞きしたいのは、管理費というのが総則第六条による予備金から振り当てられております。
 それからもう一つは、総則第七条に増収額の振り当てから三千九百八十四万七千円、合計予算総則上の都合による増額が三億六千四百九十五万一千円ございます。これはなるほど予備金からの振り当ては経営委員会の承認を得れば可能でありますが、一体ここに管理費というものを特別に予備費より三億二千五百十万円増額をしたというのは、振りかえた点は、どういう理由によるものでございましょうか。
#217
○参考人(志賀正信君) 予備金から管理費に振り当てましたもものの内容は、当時台風がございまして、その台風の被害によりまして、台風の内容といたしましては、西日本地方、東北地方おのおの相当数ございますが、この被害を受けました局舎の改修が主たるものでございまして、これは管理費の中で処理をすることになっておりますので、予備金から管理費に振り当てたものでございます。
 それから増収から一部管理費に振り当てましたものも、局舎の大改修の費用といたしまして、管理費の社屋関係に振り当てましたものでございます。
#218
○鈴木強君 その協会の予算の立て方、また当然決算のやり方についてちょっとお尋ねしますけれども、この管理費というのは、台風の被害だけによって予備金から支出したのではないんじゃないか、ほかに何かございませんか。
#219
○参考人(志賀正信君) 申し落としましたが、四十年度に予備金から管理費に振り当てたものには、台風の被害関係のもの及び厚生年金保険法の改正に伴っての特別の経費及び経営委員並びに役員の退任に伴う慰労金並びに標準放送の周波数の周波の割り当て変更に伴いまして、これらの変更工事の経費、これらが入っております。
#220
○鈴木強君 役員の慰労金というのはあれでしょうか、管理費の中の役員の給与については含まれているのですね。
#221
○参考人(志賀正信君) 役員関係の経費につきましては、管理費の中の法人費で支弁をすることにいたしておりますので、管理費の法人費に振り当てたものでございます。
#222
○鈴木強君 役員の方の場合は、退職手当というものはないわけですか、慰労金といいますか、いまおっしゃった慰労金ということで退職手当にかわっているのですか。それはおそらく経営委員会の承認を得てきまっていることだと思いますが、それはどうなんでしょうか。
#223
○参考人(志賀正信君) 役員の場合には、職員の場合と区別がございまして、全く違いまして、退職手当というものはございません。すべて退任慰労金という形で処理をいたしております。
#224
○鈴木強君 それにしても予備金から慰労金を振り当てなければならなかったということは一体どういうことでしょうか。当然、役員は任期もございますし、二年なり三年なりたつ場合には一応はおやめになるという筋で、そういう必要の慰労金については当初予算を計上しておくのが筋じゃないでしょうか、一般の職員の皆さんには退職引当金がありまして、そこで処理されているようですから、特別に予備金まで使って慰労金に回さなければなければならなかったということはちょっと合点がいきません、どうしてそういうことになったか。
#225
○参考人(志賀正信君) 役員の場合には一応任期というものがございますけれども、任期終了いたしました場合には、必ずしもそこで退任ということに限らない場合もございまして、そのまま任期が引き続き継続するということもございますので、あらかじめ退任かどうかということを予定することが困難な場合がございますので、一応役員につきましては、その年度の予備金から支出するということにいたしております。
#226
○鈴木強君 この業務報告書を拝見しますと、この年は技師長専務理事の田辺さんが四月二十一日に辞任されております。専務理事の赤城さんと春日さんと栃沢さんと、理事島浦さん、松井さん、須藤さん、三熊さん、この方々も同日任期満了になっている。そのうち赤城さんと松井さん三熊さんが二十二日理事に再任をされて、新しく川上さんと長浜さん、志賀さん、長沢さん、それに佐野さんが任命された。あとは専務理事の方ですが、――そのほか監事がおかわりになっているようですね。監事が荘さんと中山伊知郎さんが新しく任命されている。門田さんが再任され、杉本さんと吉川さんがおやめになった。だから監事が二名、専務理事が二名、理事が二名合計六名ですかの方々が大量にやめられたわけですね。そういうことで特別に予備金から出したということでしょうか。普通まあ常識として再任は妨げないわけですから、もちろんおやめになったものの、さらに続けられる方もあると思いますが、一応予算のたて方として従来この程度の人がおかわりになるか、一つの統計上は出てくると思いますが、たてまえとしては全員が任期満了したらかわるかもしれぬということの中であらかじめ予算に組んでおくという方法はこれはとれないものでしょうか。それとも一般職員と同じように、慰労金といっても、これは退職手当のようですから、退職手当の引き当て金というような形で長期間にわたって、そういうものを積み立てていくというような方法で考えられないもんなんでしょうか。従来は全部とにかく理事の退職する場合の慰労金というのは、そのつど予備費からずっと出してきたものなんでしょうか。そこのとこらをちょっと伺っておきたいのです。
#227
○参考人(志賀正信君) 実は、役員の退任に伴いましての慰労金につきましては、従来ともずっと予備金から支出をいたしておりました。いま御指摘の、この年には経営委員が三名と、それから専務理事、理事が合わせまして五名、監事が二名の退任がございますが、この中には二期を終了いたしました者、三期を終了いたしました者等がございます。必ずしも任期が終わりまして、そのまま継続する場合としない場合といろいろございますので、あらかじめ予算を編成いたします際には、その辺ははかりかねる場合もございますので、一応予備金という慣例にいたしております。
#228
○鈴木強君 これは、いろいろ意見もあるのですけれども、たとえばいま言われた経営委員ですね、経営委員にもこれは慰労金というものは出しているわけですか。
#229
○参考人(志賀正信君) 経営委員にも慰労金が出ております。
#230
○鈴木強君 これは、法的にはどういうことになっているのでしょうか。お宅の退任慰労金支給内規というものがあるようですが、これは予算のときにいただいて、これを見ると、役員退任慰労金支給内規というものでは経営委員というのは役員の中に入っていないと思うのですね。そうしますと、この経営委員会の議決する中に、第十四条の十号に「その他経営委員会が特に必要と認めた事項」というところできめるものでしょうか。それとも九の「役員の報酬、退職金及び交際費(いかなる名目によるかを問わずこれに類するものを含む。)」これは経営委員会の承認がない限り出さないというたてまえになっているわけですね。この九号を適用して経営委員を役員に準ずるということでお出しになっているのでしょうか。それとも十号のその他経営委員会が特に必要と認めるということで経営委員会が経営委員に出しているようにしているのでしょうか。この辺の法的根拠はどうなっているのですか。
#231
○参考人(志賀正信君) 経営委員につきましては、放送法の第二十四条によりまして、役員として――一般の会長、副会長、理事及び監事等と同じように役員ということになっておりますので、そういう取り扱いをいたしております。
#232
○鈴木強君 これは、放送法の中で経営委員は役員ですか。これは法的にはそうなっていないでしょう。役員ではありませんよ。
#233
○参考人(前田義徳君) この放送法は昭和三十四年に一部改正されまして、自来、経営委員はただいま志賀専務から御説明申し上げましたように、第二十四条によって役員という形になっております。
#234
○鈴木強君 これは、ちょっと私の不勉強でございました。そうすると、経営委員の場合には、役員に準じて従来ともずっと慰労金というものは支払っておったのでしょうか。たとえば一年で中途でやめるような方もいらっしゃったかもしれませんね。二年、三年、四年、五年と再任をされておる方もおるのですけれども、そういう勤続年数とか、そういうものをやっぱり基礎にして役員と同じ規程を準用しているわけですか。
#235
○参考人(前田義徳君) 昭和三十四年の二部改正までは、経営委員は役員とは別な地位にあったかと考えられます。したがって、会長も同時に経営委員になるということになっておりました。しかし、この三十四年の改正によりまして、会長は経営委員にあらずということになりまして、役員として経営委員が含まれたわけでございます。したがいまして、三十四年以降は、経営委員についても一定の基準がありまして、それによって経営委員にも慰労金を出すという慣習になったわけでございます。
#236
○鈴木強君 そうすると、この第二十四条の改正に伴って「協会に、役員として、経営委員会の委員の外、会長一人、副会長一人、」と、こういうふうに変わったわけですね。そのときまでは、そうするとそういう慰労金というものは出さなかった。そのときから、三十四年以降は経営委員会の委員も、役員の報酬というところに法的にはあてはまりますからね、そういうことで役員と同じように扱っておる。法的には役員ですね、ですから同様に扱っておるわけなんだが、ただ問題は、われわれがちょっと思うのは、経営委員の人たちに、たいへん御苦労でしょうけれども、はたして役員と同じ内規によって退職手当というものが支給されていいのかどうなのか、その合理性についてちょっと疑義というとおかしいのですが、やはり納得できないような気がするのですね。それを一緒にしているわけですよ、役員ということで、経営委員というものを。その辺は矛盾はないでしょうか。
#237
○参考人(前田義徳君) 役員というたてまえでは矛盾はないと思います。ただ支給の額であるとか、基準については執行機関の役員と経営委員会の委員とはおのずから異なると思っており、同時に現実にもそのような制度になっております。
#238
○鈴木強君 そうですか。そうすると、この役員の退任慰労金支給内規というのはこれは経営委員の方は含まれていないわけですか。経営委員の方はどうなっておりますか。
#239
○参考人(志賀正信君) 経営委員の場合にもこの規程を準用するということになっております。
#240
○鈴木強君 そうすると、役員だからそうでしょう、が、そこにぼくが言ったようにちょっと矛盾を実は感ずるわけですね。何かそこに、慰労金というのですから退職手当ですね、常勤と非常勤と全く同じ手当を支給づけるというのも何か通りが悪くないですかね。これは一考する余地はないでしょうかね。
#241
○参考人(志賀正信君) ただいま答弁を間違えてお答えいたしましたので御訂正いたします。四十年当時は役員の支給内規を経営委員にも準用するということになっております。その後いろいろ諸先生方から御意見がございまして、現在は執行機関の役員と経営委員とは区別した内規名もってやっております。
#242
○鈴木強君 それはどういうことでしょうか。二の報酬額に在職年数を乗じた五分の三が幾らか変わっているわけですか。
#243
○参考人(志賀正信君) 経営委員の場合にはその期間中の報酬の五分の三を二分の一にしてございます。
#244
○鈴木強君 そこはわかりました。
 それで、そうすると、会長とか副会長とか理事の役員の給与というのは、いわゆるここにある科目の給与ではなくして、管理費の中からこれは全部出ているのですか。
#245
○参考人(志賀正信君) 役員の報酬の場合には、管理費の法人費の中から出ておりまして給与の中には入っておりません。
#246
○鈴木強君 これは決算の段階ですから、自分たちがやってきたことだから、おかしな質問をするようになるんだけれども、これは歴史的に何か役員の給与というものは、いわゆる給与の中に入れないで、管理費の中の法人費というところに費目を入れたというのは、何か理由が特別あったのでしょうか。ほかの会社なんかでも、そういうような方法の処理がやられているものでしょうか、役員給与というものは。ちょっと不勉強だから教えてください。
#247
○参考人(志賀正信君) 一般の会社の場合にも、そういうようになっているかというように思いますけれども、特に協会の場合には、法人に要する経費というものを管理費で支弁をするということで、役員の場合の報酬も、法人にかかわる経費であるという解釈から、管理費で出すようにいたしております。
#248
○鈴木強君 一般の普通会社の場合もそうですが。
#249
○参考人(志賀正信君) 一般の会社の場合には、あまりつまびらかにいたしませんが、おおよそそういうふうになっているのじゃないかというように思います。
#250
○鈴木強君 これは後ほどまたひとつ検討してもらいたいと思います、費目のあれについて。やっぱ給与には間違いないでしょうからね。ですから、まとめて給与費の中に入れたほうがいいんじゃないかと思うのですが、特に法人費として計上するということについても、大した理由はないようですね。給与費にするか、管理費にするか、まあ従来のそういういきさつ等からと思いますけれども、一応ほかの公社関係も私も調べてみますけれども。
 そこで、役員さんの給与、待遇のことですけれども、ここ数年間これは役員の給料は上がっていないですか。いつ上がって、いま幾らになっているのですかね。
#251
○参考人(志賀正信君) 役員の報酬につきましては、昭和三十八年度から変更いたしておりません。
#252
○鈴木強君 そうすると、物価が上がったり、いろいろ諸雑費が上がっても五年間据え置いているわけですね。初めから高かったからそうなっているのですか。
#253
○参考人(前田義徳君) 初めから安かったわけでありますが、まあ国民の機関としてみずから上げるべきでないという気持ちで……。しかし、どうやらもう限界にきたようでもございます。
#254
○鈴木強君 私は、幾らが適切かということはわかりませんけれども、まあ三十万円会長がとるから、これは一同過ぎるという人もおるでしょうし、いや、協会の会長だからもう少しやってもいいという人もおると思いますけれどもね。これは、会長がおっしゃるように、受信料によってまかなうのですから、会長以下五年間も手をつけなかったということは、これは私はりっぱなことだと思いますよ。少しでも上げたいという欲が大体光にくるものですからね。しかし、手当は多少上がったのですか、給料は上げなくても。どうなんですか。
#255
○参考人(志賀正信君) 手当に関しましても変更はいたしておりません。
 なお、先ほど額について申し落としましたので申し上げます。
 会長は、報酬は月額三十万円でございます。そのほかに、職務関係の手当が十万円ございます。副会長は、二十五万円でございまして、役職手当が九万円でございます。それから、技師長は、二十三万円の月額報酬でございまして、役職手当が八万円でございます。専務理事は二十二万円で、役職手当が八万円でございます。理事は、二十一万円で、役職手当が七万円でございます。先ほどお話の出ました常勤の監事につきましては、報酬が十九万円で役職手当が五万円でございます。非常勤につきましては、十二万円と四万円でございます。
#256
○鈴木強君 この、まあ暮れにくるとボーナス、お盆になればまたボーナス、これは常識ですね。いま公務員が四・五ヵ月くらいですか、七ヵ月くらいですか、その程度と思いますが、役員さんには賞与というものはないんですか。
#257
○参考人(志賀正信君) 役員には賞与がございます。年間八ヵ月を予算に計上いたしております。
#258
○鈴木強君 そうすると、年間の総体の金として、およそどのくらいになるわけですか。
#259
○参考人(志賀正信君) 理事関係の報酬、手当につきましては、六千八百七十八万円でございます。
#260
○鈴木強君 まあ、これは予算のたて方については、私は一つは給与としてお組みになるほうが筋じゃないかと思いますが。なおこれはひとつ検討していただきたいと思います。
 それから役職員の報酬等については、経営委員会の了承を得てきめるわけでしょうけれども、最近手当の問題については、国会議員はじめ地方議員あるいは市役所の市長さんだとか助役さんだとか、理事者の給料等についても、とかく問題が起きてるんですけれども、まあ会長賢明でしょうから、そう国民に非難をされるようなことは、私はやらないと信じますけれど、まあやり方等については慎重を期すると同時に、五年間据え置いたということについても、まあ臥薪嘗胆したことだと思いますけれども、初めから安かったというんだけれども、それじゃもっと、もう少し上げなきゃできませんでしょう。だからそうも考えられないんですね。五年間も据え置いて、歯を食いしばって水を飲んでやれと言ったってできないことですからね。だから適当な報酬を差し上げるということは、これは私たちやぶさかでないですよ。だからそのやり方等については、非常に慎重を期さなきゃならぬと思いますから、経営委員会に付議する場合にも、全組合員が納得するような、そういうかっこうでの、やっぱり審査というものは、十分おやりになるようなことを――いままでもやっておられると思いますけれどね、これからもおやりになること、がいいんじゃないかと思うのですよ。われわれは遺憾ながら、たとえば会長が、手当十万円、基本給というかな、本俸というか、三十万円で、四十万円。税金半分引かれるかな。まあその程度でしょうが、そのほか、たとえは一体会長というのは、交際費というものは一体どの程度お使いになってるのかというようなことも私どもわからぬわけです。しかし、これは経営委員会の承認を得なきゃ出せないということになってますね、たてまえは。ですから、私はそこを信頼して、私はここで幾ら使ったからそれを説明しろなんていうこと言いませんけれどね。普通の国家予算と違いまして、非常にそういう点つかみにくいんですよ。一般の予算ですと、各省とも報償費とか交際費というのは科目に上がってますからわかりやすいのですけれど、その点がよく私たちつかめないから、これは会計検査院もきょうおられるわけですから、そういう事実についても、綿密に文書検査なり、実施検査をなさっていると思いますから、そういう総体的の中で、会長が最高責任者として恥ずかしくないだけの待遇をするということは、これは私は当然だと思うのですよ。ですからちょっと判断が、よくつかめませんものですから、ここでは意見が何とも申し上げられないのでございますけれども、たとえば今度今福さんが理事待遇になった。アナウンサーの長い経験を持った今福さんが、私は理事待遇になったということは非常に喜ばしいことだと思いまして、拍手を送っているところでございますけれども、たとえばこういうアナウンサーなるがゆえに、と言うと失礼かもしれませんが、たとえば理事になれないで済んでしまう。しかし、その人の持ってる特技というものは国民も高く評価しておる。そういう場合に、定年退職だからといってぽんとほっぽり出すのじゃなくて、そういうりっぱな人を、私はかかえていくということはいいことだと思うのですよ。しからば、こういう人に対して、経営委員の方とか、あるいは非常勤の監事の人たちと同じように慰労金というようなものを出しておるのですか、こういう人たちには出さないのでしょう、待遇だから。
#261
○参考人(前田義徳君) 待遇には、やはり金銭上の待遇も含まれているのでありまして理事そのものと全く同じではありませんが、それに近いという制度をとっております。
#262
○鈴木強君 そうすると、役員に準じて理事待遇の方々は一たんおやめになるわけですね、NHK職員としてはそこで退職手当をいただいたわけですね。今度役員になって一年なり二年なりいますね、そういう場合には、ここにある功労金の支給規程によって支給されるというように理解していいですか。
#263
○参考人(前田義徳君) 理事待遇になった場合には、同時に定年延長になるわけでございます。したがいまして、職員たるの身分は延長されて、その待遇は理事待遇であるということでございます。したがいまして、最終的におやめになるときには、職員としての年限に応じて、また制度による退職手当のほかに、理事待遇としてのプラスが加算されるわけであります。
#264
○鈴木強君 そうすると、延長されますから、五十五歳とすれば五十七歳までいったとしますと、二年間は理事と一般職員とだぶるようなかっこうになるわけですか、勤続年数は。そうすると一般職員として五十五歳までのものをもらう、今度理事としては五十五から二年間のそれがだぶって理事の手当として支給されるわけですか、そうなるわけですか。
#265
○参考人(前田義徳君) 現在NHKの定年は五十五歳が終わる日ですから実質上は五十六歳までになっております。したがいまして、理事待遇は第一期は二カ年ということになっております。したがいまして、第一期で理事待遇が終わるという場合には、実質五十八歳でやめることになります。その場合の計算は理事としての計算ではなくて、やはり定年が延長されたという形の職員としての基礎計算になります。それに対して二カ年間の理事待遇の加算がある、こういう制度になっております。
#266
○鈴木強君 そうですが、それは少しいいですね。普通の場合ですと、五十五歳で定年でしたらやめますね、そうすると、これは一般職員としての退職規定によって支給されるわけです。そこで切れるわけです。あとは役員として二年つとめるか四年つとめるか、また再任がありますね。そうすると、その間は二年間役員として慰労金、退職手当というものが支給されている、これが普通の場合だと思いますね。ですからよくなることを私は足を引っぱるわけではないですが、こういうケースはおそらく今回の理事待遇が初めてですか、前にあったかどうか知りませんが。そういうふうなことですから、いいのを私はやめろとは言わないが、一般的な通念からすると、そこのところが少しだぶるような気がするわけですから、ひとつ御考慮をいただいたらどうでしょうか。今福さんの場合は、いい人ですからこんなだぶるのはおかしいということは言いませんが、その規程というものは整理しておかなければいかぬでしょう。
#267
○参考人(前田義徳君) 制度の上から申しますと、御承知のように、理事は放送法によって定員がきまっております。したがいまして、放送法上の理事に準ずるという気持を明らかにしておりますけれども、理事そのものとは異なるわけでございます。それから今回の今福君の理事待遇が最初ではございません。ここ数年来二名ないし三名各部門から出ております。この場合にも理事待遇は職務としては専門家であります。経営全体にタッチするのが放送法上の理事でございますが、したがいまして、理事と理事待遇の間にはやはり多少の差があることは当然だと思っております。しかし、同時に本人の能力という点からいえば、一般の理事よりもその部門においてははるかに高い見識と能力を持っておることと思います。そういう方ですから、その最終段階において、われわれができ得る限りの待遇をするということは当然であり、したがって、先生の御趣旨は体したいと考えております。
#268
○鈴木強君 それから青木アナウンサーはこれは局長待遇ですか。これもやはり局長の数は少ないのでこれは理事でない、局長ですね。要するに局長これはどういうふうになるわけですか。
#269
○参考人(前田義徳君) この職員制度につきましては、六年前にはっきり申し上げて非常な改正をしたわけでございます。元来、経営と関連するいわゆる局長は、その道の専門家であると同時に経営者の一部でもあるわけでありますが、経営能力は別としても、その道の第一人者については、これを専門家として専門職として処遇するという方針を確立いたしております。したがいまして、プロデューサー、アナウンサーその他いろいろな仕事の分野で局長待遇という局長同等の処遇をしている人はかなりふえてきているわけでありまして、宮田アナウンサーとか青木アナウンサーなどもその一部でございまして、局の職員としては最高の待遇を受けているわけでございます。
#270
○鈴木強君 私は、過去、NHKの理事の皆さんがどういう部門からなられたか、一度資料をほしいのですけれども、やはりアナウンサーのほうの方々は比較的少ないのじゃないですか、協会の役員になるという人は。だから、やはりそういう点は特殊な技術ですしね、今福さんが理事待遇になってなおアナウンサーを続けている。私たちはあの人の放送を最近しみじみと聞くんですけれども、その私は姿というものはほんとうに尊いような気がするのですね。だれだってNHKへ入ったら会長になりたい。会長になれなければ、理事がもう職員としての最高だと、だれも合いことばでやっている。だれだってなりたいポストです。しかし、そのポストには制限がある。そういう場合に各部門、これは報道関係の人もあるいは事務系統の方々もあるいはアナウンサーの方々も技術系の方々もそういうふうに大体バランスをとってやっていただいておると思いますけれども、その比率については、多少問題があるような気もするわけです。だから適材適所主義、もちろん理事の任命はあなたが経営委員会の承認を得て任命されるわけですから、われわれがとやかく言うわけじゃないので、私は希望として申し上げることになるわけですけれども、そういう意味でもう少し、たとえば青木さんだとか、宮田さんなんかもアナウンサーとしては非常にりっぱな方じゃないでしょうか、そう思います。ですから、その辺のワイドというものも十分やってほしいという気がするのですけれどもね。
#271
○参考人(前田義徳君) ごもっともな意見だと思います。従来もたとえば皆さんがよく御存じの、また一般国民にも有名な島浦アナウンサーとか浅沼アナウンサーは理事、専務理事に任期中に就任しております。ですから管理能力も経営能力もかね備える場合には、当然アナウンサー出身であっても理事になるべきだし、またそれを考えるべきだということは当然だと思っております。各部門からそれぞれ管理能力を備え、経営能力を備える第一人者を理事に推選したいというのが私どもの念願でございますので、この際あらためて先生の御意向等もできるだけ反映さしてまいりたい、このように考えております。
#272
○鈴木強君 この点は、私はなぜこんなことをきょう質問しているかというと、たとえば会長の待遇がどの程度なのかわからぬとか、それは高過ぎるとかいろいろの意見を私たちは聞きます。したがって、一度私はこの点を明らかにして、そうして従来までの経過等も説明していただいて、国民が納得する上においての役員給、そして退職される方々に対する相当な報酬、こういうものをやはりガラス張りの中でやっているわけですけれども、なかなかそういう点がよく出ませんので、私はあえてきょう説明をお聞きしたわけです。予算の組み立て方の方法等についても、私は意見を申し上げましたし、皆さんの給料の決定その他の方法についても意見を申し上げましたが、参考にしていただければ幸いだと思います。それでまだまだ私は質問がたくさんありますが、次に受信料の中における放送費、これが一体どういうふうになっておるかということをちょっと私は伺いたいのですけれども、できたら最近の年度の中で、これは四十年ですから、三十九、四十、四十一年くらいの資料がいますぐおわかりでしょうか。受信料の中に占める放送費の割合。
#273
○参考人(志賀正信君) ただいま御質問の放送費の受信料の中に占める割合につきましては、手元にございませんので、後ほど説明にあがりたいと思います。
#274
○鈴木強君 これはたいへん大事なところで、私は、これから質問する参考にしたいのですけれども、たとえばアメリカの場合あるいはイギリスの場合等においても、実際受信料の中に占める放送費というものがかなりウエートを重く見て、そうしていい番組を国民のためにつくっておられるように思うのです。NHKの場合には、一体どうなっておるかということを、私はちょっと知りたいわけですけれども、どうでしょう、すぐわかりませんですか。
#275
○参考人(志賀正信君) ただいま的確な資料がございませんので、たいへん失礼でございますが、四十三年度におきましては、七百七十三億の受信料の中で、国内放送関係の制作、放送施設の維持運用に四百七億円でございます。大体七十七の中で四十というような割合になっております。
#276
○鈴木強君 それはどういうふうなとり方をしたのですか。私は自分なりにちょっと計算をしてみたんですけれども、三十七年度が三二二%、四十年度が二九・三%、四十一年度が二八・八%、だんだんと放送費の占める比率が下がっている。BBCのやつを見てみると、五〇%以上放送費に使っていますね。ですから、もう少し放送番組というものに対する金の使い方というものを考えて、要するに私の言うのは、金を使うというのはいい番組をつくることですから、そういう意味において、放送費というものがもう少し日本の場合に上げられないかという気がするのですが、これは私の計算が、ちょっと私のほうで絶対的な確信はないのですけれども、いま簡単にこうやってみたわけですから……。
#277
○参考人(志賀正信君) 説明がちょっと足りませんようでしたが、七百七十三億のうちの四百七億と申し上げましたこの四百七億には、・国内放送の番組及び技術施設を維持運用する経費及びこれに従事する職員の給与も含めましたものでございますから、BBCが出しております統計と同じような形にして出しておるわけであります。
#278
○鈴木強君 そうすると、たとえば四十一年度には二八・八%と思うのですが、これは違いますか。
#279
○参考人(前田義徳君) その当時の計算の方式は、放送送出に関する費用をその項に盛ったわけであります。したがいまして、人件費とかあるいは各種取材の機器あるいは運用技術というものは含まれておりませんでした。これが非常な誤解を生じますので、私ども検討いたしまして、今回の白書にも発表いたしましたが、人件費もその他一切含めて、ただいまの数字で換算いたしましても、BBCを多少上回る約七〇%の支出になっておると私は考えております。
#280
○鈴木強君 これはちょっと資料を見せていただかないと、とり方にもよりますから、これはひとつあとで専門的な方に説明をしていただきたい。
 まあ時間の関係から、きょうは、比率については一応置きますが、そこできょうはひとつ具体的にNHKの番組に対して国民がいろいろと注文をつけていると思うのですよ。これは国民の立場でぼくらはやるわけですから、決して放送番組に介入しようとか、そういうことでなくて、思うのですけれども、一面NHKは薄謝協会と言われて、かつてはNHKに出ても出演料が少ないし、いい役者は集まらぬという時代もあったわけですけれども、そういう過程を経て、今日りっぱな出演者がNHKの番組に喜んで参加しているように思うのです。そこで一体番組にはどの程度の金を注いでいるだろうか、こういう点を国民は非常に知りたがっておるわけですから、そこで四十年度の番組の中で、おもだったものを私こう拾ってみたんですけれども、たとえば「花の生涯」とか「赤穂浪士」、「太閤記」、「虹の設計」、「風雪」、「事件記者」こういうふうな番組が流されております。私は予算審議の際の資料なんかを見ますと、一回当たりの放送時間がたとえば四十五分間で、「花の生涯」の場合には二千百六十六万円かかって、る、こういう資料しかもらえないわけですね。じゃ一体「花の生涯」にはどういう役者が出て、その人たちに対してどういうふうな出演料といなものが払われているのか。間接、直接的な経費は一体どういうふうになっているか。たとえば会長がおっしゃるように、これにはこれに従事する職員の給与というようなものが入っているのかいへいのか、そういう点がばくとしてわからぬわけです。そういう経費の引かれた平均額が二百十六万六千円、「赤穂浪士」が二百三十一万四千円、「太閤記」が二百十三万六千円、これはいずれも四十五分間。五十分もので、「風雪」で百二十一万六千円、「虹の設計」百八十万、「事件記者」が百十万、これも五十分ものの一回当たり放送時間。これが一体何回放送されて、全体として「花の生涯」には幾らかかったのかということもよくわからないのですね。これはひとつ、これ全部を聞くわけにいきませんから、たとえば早い話が「紅白歌会戦」でもいいのですけれども、これは一体四十年度の暮れにやった紅白歌合戦で、全体として幾らかかって、それから出演料というものはどれだけで、作品の委嘱料とかあるいは録音中継とか、会場費とか、美術関係のお金だとか、あるいは諸経費とかいろいろあると思うのですが、そういうものは一体幾らかかっておったのか。ひとつ詰めて私は聞いてみたいのです。ほんとうは、時間があれば半日くらいかけて、そういうものの内容を詳細にこの委員会で見せていただければ非常にけっこうなんですけれども、そういう時間もありませんので、私は毎年そういうことを思いながり、できずにしまったんですけれどもね。だから、きょうはもう四時――時間が過ぎておりますし、何時ころまできょう委員会をやるのか、委員長にお尋ねしたいのですけれども、ちょっと質問がまだだいぶん残るわけなんです。まだ私は三分の一くらいしかやっていませんからね。だからまだこれからやっていきますが、何でしたら時間の関係で、きょうは中断するなりしてもらいたいのですけれども、どうでしょうか、議事進行について……。
#281
○委員長(久保等君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#282
○委員長(久保等君) 速記を始めてください。
#283
○鈴木強君 まず紅白歌合戦について幾らかかったのでしょう。
#284
○参考人(川上行蔵君) 「紅白歌合戦」につきまして、実は総金額が幾らかかったか、ちょっと私資料を持ってまいりませんでしたので申し上げかねますけれども、計算のしかただけをちょっと申し上げてみたいと思います。一つの番組につきましては、出演謝金と、それから特にテレビの場合におきましては美術費と、それからいろんなロケーションとか、そのほかにかかります場合には、そういう資材的な費用とその三つのもの、そのほかに原作あるいは脚色とか、そういう台本の関係、そういう四つが非常に大きな要素を占めております。それで、「紅白歌合戦」のようにある劇場を借りてつくります場合におきましては、そこの美術をつくるということが主で、その後にはそれほど高い金はかからないかと思います。ただ、出演謝金は現在NHKの場合には三十分基準で計算をいたしております。その三十分基準の中に約二十ランクがございますけれども、紅白へ出られるような一流の歌謡曲歌手ということになりますと、およそその中間のところの一人当たり一万二、三千円から三万円くらいという方が大部分でございますが、それはいま申し上げましたように三十分単位でございますので、それが二時間半の放送で拘束されるということになりますと、その三倍あるいは四倍という形になってまいります。そういうような形で総金額が出てまいります。さらに伴奏の費用とかあるいは「紅白歌合戦」の中に出てまいりますいろんな各種の応援団的な方の出演料、そういう形が出てまいりますので、およそ私が最低見積りまして、やはり七、八百万円くらいはかかるかと、このような気がいたします。詳しいことは数字が間違っておるといけませんので、あとで計算をいたしまして、わかるような資料をお手元に届けたい、このように考えております。
#285
○鈴木強君 それでは、たいへん恐縮ですが、的確のやはり数字でないとこれは論議ができないわけですから、きょうは私はここで資料の要求をして、次回に譲っておきます。
 それで、ひとつ「紅白歌合戦」については、いまお述べになりましたような総体として幾らで、出演謝金から、大体あなたがおっしゃったような点で幾らかかっておるのか、その中身は一体どういうものか。われわれが審査しやすいようにひとつ資料を出してもらいたいと思います。
 それからもう一つは、「花の生涯」と「赤穂浪士」と「太閤記」、「虹の設計」、「風雪」、「事件記者」これが一回当たりの放送時間で幾らということになっておりますが、これじゃわかりませんので、何回やって総体的に幾らだという、そうしてこれは「花の生涯」についてのほうで見れば大体わかりますが「花の生涯」でなくて、「紅白歌合戦」で見ればわかりますから、これはそれだけでいいのですが、あとできればあなたがおっしゃったような費目だけがどうなっておるかというひとつ内訳を書いていただけばいいです。「紅白歌合戦」のほうは、もう少しわかりやすい資料がほしいと思います。それが一つ。
 それから調査研究費というのがございますが、これはおそらく総合技術研究所ですか、そこの費用も入っていると思いますから、一体世田谷のあの技術研究所に四十年度どれだけの予算を投下したかということと、それからあすこで具体的に研究をされているいろんなテーマがあると思いますが、そういうテーマと、それからそこで完成した技術の成果ですね、特許権を取るのもあると思いますが、そういったふうなものをどういうふうに利用されているのか、そういうふうな資料が一つ。
 それからもう一つは、外郭団体と一応いわれております協会のNHK交響楽団、これは助成金を出している外郭団体ですが、それから社会福祉法人のNHK厚生文化事業団、これも助成金が出ていますね。それからあと日本放送協会の学園、これも助成金が出ています。それから健康保険組合、日本放送協会の共済会、これは委託費がそれぞれ出ております。それからあとはNHKサービス・センター、日本放送出版協会、NHK美術センター、これの収支計算書、できれば貸借対照表ですね、そういうようなものをほしいのですけれども、それをひとつぜひ十九日までにお出しを願いたいと思います。それはよろしいでしょうか。
#286
○参考人(川上行蔵君) 番組関係のほうは御指示のような資料を出したいと思います。
#287
○参考人(志賀正信君) いま御指摘の資料につきましては、十九日までにお出しできると思います。
#288
○鈴木強君 それからきょうは会計検査院の小熊局長さんにはたいへん長い間御出席をいただきましてありがとうございました。私は会計検査院が協会の財務について監査される場合に、なかなか一般の会計あるいは政府関係の予算の立て方とは違いますからね、これはもう原則として、大筋を国会は承認して、あとは経営者にまかしてその執行についてわれわれは厳密な検査をしていく、こういうたてまえですから、だから款項目節等の設定についても非常にほかの会計と違うのですね。ですから、検査する場合もたいへんな私は御苦心があると思うのですよ。しかし、やっぱり会計検査院の検査を得たか得ないかということは、これはもうここへ来てわれわれが審査する場合に絶対的な要素になるわけですから、ですからそれだけに会計検査院というものも国民の側から見ると、NHKの財務については格段のやはり関心を持っているところだと思うのですよ。ですから、やりにくい点もあるかもわかりませんけど、やっぱり国民の受信料でやられている経営ですからね。われわれは何としてもNHKがこの受信料を有効適切に使っていただいて、りっぱな放送をしてもらいたい。まあだんだんと一千億になり、財務、会計というものが膨張してまいりますと、とかく人間は放漫にも陥りやすいものですから、私はそういう点もいろんな場で言われていることですから、ひとつ体して今後とも検査に当たってほしいと、こう思います。きょう私はいろいろ費目の立て七等につきましても意見を申し上げましたが、局長もお聞きいただいておりますから、監査執行の晦にそれらの点についてどうなのか、まあひとつ油切な御検討をいただいてこの次のまた機会にそれらの点についてもまた私は質問したいと思いますから、たいへんきょうは長い間御出席をいただいたことを感謝しております。どうも、じゃきょうはこれで私の質問は終わります。
#289
○委員長(久保等君) 他に御発言がなければ、本件についての本日の質疑はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後四時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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