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1968/12/19 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 逓信委員会 第3号
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1968/12/19 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 逓信委員会 第3号

#1
第060回国会 逓信委員会 第3号
昭和四十三年十二月十九日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         久保  等君
    理 事
                新谷寅三郎君
                西村 尚治君
                松平 勇雄君
                森  勝治君
    委 員
                植竹 春彦君
                長田 裕二君
                古池 信三君
                郡  祐一君
                迫水 久常君
                白井  勇君
                寺尾  豊君
                平井 太郎君
                鈴木  強君
                永岡 光治君
                松本 賢一君
                白木義一郎君
                北條  浩君
                村尾 重雄君
                青島 幸雄君
   国務大臣
       郵 政 大 臣  河本 敏夫君
   政府委員
       郵政大臣官房長  溝呂木 繁君
   事務局側
       常任委員会専門  倉沢 岩雄君
       員
   説明員
       電気通信監理官  柏木 輝彦君
       郵政省電波監理
       局放送部長    左藤  恵君
       会計検査院事務
       局第五局長    小熊 孝次君
       日本電信電話公
       社総裁      米沢  滋君
       日本電信電話公
       社営業局長    武田 輝雄君
       日本電信電話公
       社計画局長    井上 俊雄君
       日本電信電話公
       社経理局長    中山 公平君
   参考人
       日本放送協会会
       長        前田 義徳君
       日本放送協会副
       会長       小野 吉郎君
       日本放送協会技
       師長、専務理事  野村 達治君
       日本放送協会専
       務理事      川上 行蔵君
       日本放送協会専
       務理事      志賀 正信君
       日本放送協会専
       務理事      佐野 弘吉君
       日本放送協会経
       理局長      池田 直和君
       日本放送協会経
       営企画室経営主
       幹        野村 忠夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本放送協会の財産目録、貸借対照表及び損益
 計算書並びにこれに関する説明書の議決方式に
 関する件
○日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照
 表及び損益計算書並びにこれに関する説明書
 (第五十五回国会提出)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に
 関する調査(日本電信電話公社の運営に関する
 件)
○簡易郵便局法改正に関する請願(第一九九号)
○電信電話公社管轄区域変更に関する請願(第三
 二〇号)
○継続調査要求に関する件
○継続審査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 この際おはかりいたします。
 日本放送協会の財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書の議決の方式につきましては、昭和二十五年度分が初めて提出されて以来、その性格に照らし、国の決算に準ずる取り扱いをいたしてまいりましたが、国の決算が昭和四十年度決算から議決方式を改めた経緯もあり、本委員会におきましても、本件の議決の方式について理事会において協議いたしました結果、お手元に配付してあります案のように改めることに意見が一致いたしました。
 すなわち従来は、異議の有無を議決することとし、もし本件について異議がある場合には、異議のある事項について具体的にこれを指摘して警告し、その他の事項については、異議がないと議決していたのでありますが、今回はこれを改めまして、本件を是認するかいなかを議決することとし、警告する事項がある場合には、次に警告する事項について議決を行なうこととして、これらの二つを分割して採決できるように改めようとするものであります。
 本件につきまして、ただいま御報告いたしましたとおり議決の方式を改めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(久保等君) これより日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。本件に関し質疑のある方は順次御発言を願います。
#5
○森勝治君 時間がなさそうでありますから、私は、ごくかいつまんで二、三質問をしてみたいと思うのであります。
 まず、郵政大臣にお伺いをしたいのでありますが、一昨日の当委員会におきまして、鈴木委員から大臣としての抱負ということで、あなたに御質問申し上げた際、あなたは、ただ抽象的に精一ぱいやるというような、こういう平面的なお答えをされたようでありますが、御承知のように、放送関係は前大臣のころからたくさんの懸案事項を持っております。たとえば、放送法の改正の意図を前大臣は明らかにしているわけであります。そういう観点からいたしまして、新たに就任されました郵政大臣も当然この問題について深い関心がおありだと私は率直に承っておるのでありますが、ただ、当面する重要な問題のたくさん内蔵する中で、精一ぱいやるというだけでは、何としても私どもは合点がいかない、こんな気がしてならぬわけであります。したがって、漏れ承るところによりますと、大臣は選挙区にお帰りのときには、非常に詳細にかつ具体的に積極的な郵政大臣としての抱負をお述べになったように新聞報道では承っておるのであります。なれば、権威ある当委員会におきまして、新任大臣として当然抱負がおありのことと思うのでありますが、この点について、ひとつお考えを具体的にお聞かせいただきたい。
#6
○国務大臣(河本敏夫君) まず、放送法についての考え方でございますが、これはぜひ改正をしたいと考えております。私自身は、個々の具体的な内容につきましては、まだ白紙の立場にありまして研究中でございますが、これまでの経過、答申の内容、こういうものを当然に参考にする所存でございます。
#7
○森勝治君 参考にするということは、前大臣がかねてから対外的に発言された問題については踏襲される、基本的な問題についても踏襲される、こういうふうに理解してよろしいんですか。
#8
○国務大臣(河本敏夫君) 前大臣が、どういう発言を対外的にされたかということにつきましては、詳細存じませんが、よくその発言の内容を検討してみたいと思います。
#9
○森勝治君 それでは、たとえば言論の統制の問題については、あなたはどうお考えですか。これは私は世間のいわゆる常識の質問をしているわけですから、あなたから専門的にどうのこうのという御答弁をいただこうとは私は考えておりません。ですから、あなたが大臣としてNHKに対する言論統制とかその他、私は前大臣時代も当委員会で、この点を若干質問したことを記憶するわけでありますが、こういう問題についてあなたはどうお考えですか。
#10
○国務大臣(河本敏夫君) 過去の経過はよく知りませんが、しかし、言論の統制などということは、これはもう民主主義にとってたいへんなことでございます。ですから、これはできるだけやらない、こういう基本方針をとるべきではないか、かようにいま考えます。
#11
○森勝治君 それでは、さらに具体的に聞きますが、日本放送協会のいわゆる経営委員というものは現在十二名でありますね。ところが、これを五名程度あるいはまた八名程度に削減をするというような話も私どもは聞いておるわけであります。こういう点については、それではあなたはどうお考えですか。
#12
○国務大臣(河本敏夫君) 十二名の定員を五名ないし八名に削減するという問題につきましては全然関知しておりません。
#13
○森勝治君 それでは、新大臣としてそういう問題については全く新しい角度で取り組まれるということですね。
#14
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、五名とか八名あるいは十二名という数に問題があるのではなくして、むしろ経営委員をどう選ぶか、経営委員はどういう人がなるべきか、こういう点こそ一番大事な点ではなかろうかと思います。
#15
○森勝治君 いま大臣から率直に、経営委員はいかにあるべきか、いかなる人にさせるべきか、こういう御発言がありましたから、私はこれからもっと具体的に質問してみたいと思うのでありますが、NHKにおける経営というものの使命、重−要性というのは放送法におのずから明文化されているのであります。ならば、郵政省のこれに対する取り組み方というのはどういうことですか。どういう考え方で取り組もうとされておるわけですか。
#16
○国務大臣(河本敏夫君) 経営委員の選び方につきましては、放送法できまっておるようでございますが、しかし、原則的にいいますと、この放送事業というものが公共的な性格を持っておるという観点から、そして非常に大きな影響力を持っておるという観点から考えまして、それにふさわしい人を選ばなければならないということが放送法に詳細に規定されてあるわけでございます。
#17
○森勝治君 なるほどおっしゃるとおりでありますね。それにふさわしい人、三十九年の答申案もそうなっておりますね。ならば、NHKの経営委員の任命については放送法で定められたとおり、答申案の趣旨に沿って従来行なわれてきたでしょうか。
#18
○国務大臣(河本敏夫君) 必ずしも理想的にいっておるとは思いませんが、若干の問題点はあるかと思いますが、しかし、まあまあうまくいっておるのではないか、かように考えます。
#19
○森勝治君 まあまあとおっしゃるならば、たとえばこの放送法の中では「教育、文化、科学、産業、その他」とありますが、三十七年に大臣が諮問後答申されたこの答申案の内容を見ますと、労働界の代表もと、こういうふうに具体的に入っておりますけれども、なるほど先般藤田たきさんが補充ということで任命された。これはおそらく女性の代表を意味するでありましょう。こういう問題については女性の声を反映するということで非常にけっこうだと思うのでありますが、答申案や放送法の中の各界の有識者を網羅するということからいうならば、またわれわれやはり聴視者側から見ますと、労働者階級が一番テレビ等を見ておるのであります。こういう観点から、われわれはかねてから労働界の代表も加えるべきではないかという主張を多年にわたってやってきましたが、政府は一向にこの点変えてみようとしないで、あなたの言を借りてくるならば、若干何か問題がありそうだけれども、大筋としては大体よかろうということだけれども、われわれの立場からみると、全くこういうやはり大衆の声というものがじゅうりんされておると思うのでありますが、あなたはこの点どういうふうにお考えですか。
#20
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまのところ教育、文化、科学、産業、この代表から一応選ぶということになっておりまして、そういう選考方針をとっております。
#21
○森勝治君 現行の委員は産業界四名入れているでしょう。十二名のうち産業界四名、教育界が言論も兼ねて二名いま出ておるでしょう、労働者側は全然入っていない。そういう問題は、今後十分お考え願えると思う。このあとでこの問題は具体的に質問をいたします。
 角度を変えてあなたに申し上げたい。NHKにおける経営委員の任務、使命というものは放送法でさだかになっております。したがって、これは重要なポストであることは言を待ちません。しかし、政府のこれに対する取り組み方というのは一体何ですか、たとえば経営委員長以下四名の委員がすでにもう十二月十六日に任期が切れておるではありませんか、なるほど藤田たきさん等先般二名、十二月十一日の本会議で事後承認の形で、前任者の後任ということで十月一日政府任命のものを私どもは参議院の本会議で承認はいたしました。なるほどこれは閉会中ということでありますから、放送法の定むるところでそれはよろしかろうと思う。しかし、いま国会がたとい臨時という名称は付されておるにせよ、国会開会中でありますぞ、この国会の開会中に任期が満了し、それをほうっておくということは一体どういうことですか。言論統制、あるいは放送法の改正をし法制化しようという、こういう政府の権限の拡張、あるいは圧力――放送というものの本来中正であるべき姿というものをややもするとじゅうりんせんかのごとく一般大衆は受け取っておる。こういう中で、片一方で、放送は重要な使命を帯びている、われわれ前向きの姿でこの問題に取り組んでいる、国民の放送をたださなければならぬ、歴代大臣はかようにまっ先に言うし、重要なこの経営委員の任命というものをなぜ怠っておるのか。
#22
○国務大臣(河本敏夫君) いま手続をしておるところでございます。
#23
○森勝治君 手続をしているということはどういう意味ですか。昭和四十三年十二月十六日に四名の諸君の任期が切れた、切れてもほうっておくのですか、どういうわけですか。
#24
○国務大臣(河本敏夫君) 数日前から国会に対して必要な手続をいたしましておるところでございます。
#25
○森勝治君 必要な手続というけれども、国会は二十一日で終了しようとしておる、十六日で任期が切れるならば当然その手続というものは事前にとられてしかるべきではないですか、これが正しい郵政省の取り組み方ではないですか。それを後任がきまらぬうちは、現在の委員をいつまでも留任させることができるというただし書きがありますけれども、これは本来あるべき姿ではないのではないですか。職務怠慢というべき、そういうそしりをあなたは甘んじて受けるつもりですか。
#26
○国務大臣(河本敏夫君) 仰せのように、十二月の十六日で期限が切れたことは事実でございます。そこで、その二、三日前に後任を決定いたしまして、そうして手続をいたしております。
#27
○森勝治君 あなたのあげ足をとるようなつもりで私は本問題について発言をしておるわけではありませんから誤解のないようにしていただきたいのでありますが、十月一日任命の本経営委員について事後承諾の形で、閉会中の任命でありますから、十二月十日の参議院本会議で了承を私どもは与えた。しかし、十二月十日の参議院本会議で了承を与えたときには、それらの諸君を含め、また他の諸君もあわせて都合四名の諸君が一週間後には任期の切れることは当然明々白々の事実ではなかったでしょうか。ならば、その時点において、当然とるべき措置があったのではないでしょうか。ややともすれば、この種の問題は、こういう法のただし書き等を盛んに適用する傾きがあるわけでありまして、先ほど申し上げたように、そういうことは本来あるべき姿ではない。こういうところに私は郵政の独善性というものがどうもあらわれておるような気がしてならない。あなたは今後こういう問題について、新しい大臣としてせっかく胸を張って新しい郵政事業の推進をはからんとして就任されたそのやさきにけちをつけたようなかっこうで、もうまことに恐縮でありますけれども、しかし、現実というものはやはりきびしいということを十分認識していただきたい。あなたが、大臣として就任された後におけるいわゆるあなたの責任として果たすべきこと、措置すべきことの問題だと私は思うのであります。十六日に任期が切れて、あとで手続きをとったから、それでよいというものではないでしょう。NHKの持てる使命というものが重要なればなるほど、NHKに国民が期待することが大なればなるほど郵政はもっと真剣に取り組んでいかなければならぬと私は思うのであります。監督やその他は厳重にする、NHKが言うことを聞かなければ会長等は政府の任命制にするなどと言って、ある大臣はほざいたことがある。そういうざれ言はさておきまして、もう少し真剣にこの問題を措置してもらいたい。ただ、十六日で任期が切れていま国会会期中であるから会期の末にそれを出せばよろしい。それではあまりにも投げやり的な姿ではないでしょうか。私は、大臣に注文をつけようとは思わない、ただ御注意を促すだけです。ほんとうにあなたが国民のための放送を考え、国民のための逓信事業というものを前向きの姿勢でこれから処理され、運行されようとするならば、特にNHKの最高のスタッフであるこの経営委員については、いわゆる放送法のただし書きにあるからということで任期切れの者をほうっておくなんということは、かりそめにもただいま国会開会中でありますから、形としては私は許さるべきことではない。手続上とれないというならば、たとえば閉会中であるならばやむを得ません。しかし、くどいようでありますが、もう一ぺん付言いたしますが、現在開会中でありまするから、これはかねてからその手配を整えておればできるはずであります。十月一日に政府の責任で一方的に任命され――私は一方的と申し上げる。なぜか、われわれが主張する労働界の諸君を入れてないから、私はあえてそういう発言をするけれども、政府の一方的な任命をした十月一日の時点では、かねて今日のことは予期されていたことである。にもかかわらずほうっておくなんということは全くけしからぬと思うのであります。この点について、今後はこのようなことがあってはならぬと私は考えるのでありますが、重ねてあなたの所感を伺いたい。
#28
○国務大臣(河本敏夫君) 後任の選考決定がおくれたことはまことに遺憾でございます。今後はかようなことのないように、できるだけ早くきめたいと思います。
#29
○森勝治君 あなたの御答弁を私は率直に、すなおに、正直に受け取ります。したがって、私は先ほど若干触れました、答申案にも見られるように、今回は当然労働界の代表をも加えられてしかるべきものと素朴に理解するのでありますが、この点について、ひとつ具体的に御答弁をいただきたい。
#30
○国務大臣(河本敏夫君) その問題につきましては、今後御趣旨を尊重いたしまして十分検討いたします。
#31
○森勝治君 今後ということは、去る十六日に任期が切れた四名の諸君の後任を含めて措置するということでありますから、労働界の代表をこの四名の後任の中に少なくとも加えていただける御答弁というふうに、そういうお答えをいただいたというふうに理解してよろしいですか。
#32
○国務大臣(河本敏夫君) さような意味ではございません。
#33
○森勝治君 それでは角度を変えてあなたに聞きましょう。政府は、重要な案件やあるいは画期的な計画等をする場合には、関係の審議会あるいは対策会議その他特別委員会等に諮問をするわけであります。放送法のあり方についても諮問をいたしました。政府が諮問をしたこれらの審議会あるいは各種の委員会等の答申案というものは、その措置というものをどうすればいいのか、あなたにお伺いしたい。
#34
○国務大臣(河本敏夫君) 尊重をする所存でございます。
#35
○森勝治君 尊重をするという――すなおでけっこうでありますが、だから、私は具体的に申し上げた。答申案には明らかにこの放送法では言論界、産業界、教育界、文化関係等の代表その他というふうにありますが、答申案の中ではさらにそれにつけ加えて労働界ということをはっきり明記しておるわけであります。あなたが尊重されるならば、全国の働く大衆の皆さんは、特に自分たちの代表が――聴視者として一番の多くの人口を持つこれらの階層の諸君が、自分たちの代表が、自分たちを代理する人がその一員として加えられることを期待し、これを願っておるというこの現実の姿、答申案もこれを是なりとして答申案に書き、明記し、これを大臣に答申をしておる。あなたはいまいみじくも答申案を尊重するというならば、多年のこれらの希望というものは当然入れてしかるべきだと私は思うが、将来考えるといっても、近き将来と遠き将来というのがあります。刻下当面の問題と国家百年の大計というように、将来の問題も、その時々刻々によって移り変わるのがいまの世相であります。将来将来といってもなかなからちがあきません。答申案を政府が率直に重要視し、その答申案どおり事が運ぶというのが当然の仕儀であります。ならば、私が申し上げた問題についても、経営委員の中に労働界の代表を入れることもこれは当然ではないでしょうか、あなたの御答弁からいただいても。あなたは、これをいつごろそういうのを入れようとお考えですか。
#36
○国務大臣(河本敏夫君) 御趣旨はよくわかりましたが、いつから具体的にそういうふうな措置をするかというふうなことにつきましては、よく検討さしていただきたいと思います。
#37
○森勝治君 あなたの御答弁から、じゃこれだけお約束はいただけますね。十二月十六日すでに任期の切れた経営委員長以下四名の諸君の後任として労働界の代表を入れるということは時間的に間に合わないけれども、自後における委員の選考等については十分労働界の代表を入れるように考える、こういうふうにあなたの答弁から私は理解をしたわけでありますが、よろしいですか。
#38
○国務大臣(河本敏夫君) そういうふうに決定をしたというふうに御理解をいただくと困るのです。そういう意味ではございませんで、答申案に盛られておる趣旨等もございますし、ただいまの御質問の趣旨もよくわかっておりますので、そういうことを尊重しながら、今後検討をしていきたい、こういう意味でございまして、それをきめたということではございません。
#39
○森勝治君 私は、仮定について質問をしているわけです。将来についての質問でありますから、仮定でありましょう、未来のことでありますから。だから未来にわたって決定したとあなたからそれを言質をとろうとは夢にも考えていないのです。ただ、あなたが十分尊重しますというようなことをいまもいみじくも御発言があったが、尊重するということはどういうことですか。あなたの意見がもっともだからそのとおりいたしましょう、あなたの御意見を用いましょう、そういうことではありませんか、日本語から推察すると。尊重するというのは、あなたの意見をいれる、あなたの意見を用いる、採用する、実現する、はかる、こういうことじゃないですか。それならば、当然将来労働界の代表を入れるということを約束をすることではないですか。ただ何月何日の時点で入れると、こういう約束はできないけれども、将来は入れることにすると、そう言うことは当然できるじゃないですか、約束事として。あなたと私の質疑答弁の内容からいたしましても、将来にわたるその約束事は当然自然の成り行きではないでありましょうか。ことばのやりとりの過程からいたしましても、そうじゃないでしょうか。
#40
○国務大臣(河本敏夫君) 答申案を尊重して、それを重要な参考意見にしたいということと、答申案をそのまま採用し、決定するということはおのずから違うのではないかと思います。
#41
○森勝治君 おのずから違うでしょうな。答申案どおり実施することは答申案を尊重し、実現すること、これは政府の言うこと。答申案に盛られていることを実行しないということは政府の公約をはがすことだ。そうでしょう。佐藤総理以下、あなたがさっきも御答弁いただいたように、政府は答申案を尊重する。できるだけ答申案の線に沿って公共的な施設あるいは行政というのを見てきた。各省大臣は異口同音にこういう答弁をする。私はだから申し上げる。それならば、答申案にも具体的に労働界の代表等を入れよとあるならば、あなたが答申案を尊重するというならば、放送法の精神にのっとって各界の代表を網羅するということだ。私どもの立場から言えば、各界の代表を完全に網羅していないから労働界を一名加えたらどうですかと、こう申し上げているわけです。国民各層のそれぞれの意見を放送行政の上に反映しようと思わないのですか、あなたは。どうですか、この点は。
#42
○国務大臣(河本敏夫君) 審議会に対する諮問というものは、大臣が参考意見にするためにお願いするわけですね。ですからいろいろな審議会からいろいろな答申が出されます。しかし、それを全部そのまま採用するというものではないと思うのです。やはり重大な参考にはするけれども、その中でやれるものとやれないものがある。おのずからよく検討してやると、これが基本原則であろうと思います。しかし御質問の点に関しましては、答申案の趣旨であるとか、そういうことをよく尊重いたしまして、これからの課題として検討していきたいと思います。
#43
○森勝治君 あなた産業界の代表、私が、先ほどことあげいたしましたように、十二名中四名ですよ。いずれも会社の経営者でございますよ。いいですか。テレビ放送等の聴視者のほとんどは勤労大衆ですよ。働く労働者ですよ。ことばをかえますならば、テレビのお客さまは全部みんな働く人たちですよ。放送法の精神にのっとって、各界各層の代表の頭脳を網羅すると、こう書いてあるじゃありませんか、ここにちゃんと明らかに。経営者の諸君は産業界の代表という美名のもとに四名も入れておって、国民の多数を占める労働界の代表を一人も入れない。これでNHKの中立性という立場を貫こうとされておるのですか。なるほど今日の社会情勢は資本主義の経済でありますから、経営者の諸君のほうから入れるのは時の権力のなせるしわざとして、私は認めませんけれども、現実にはやむを得ないものとする。しかし、放送法の精神にのっとるならば、額に汗して働く諸君。言論界の諸君を入れるのもいいでしょう。学識経験者として教育界から入れるのもいいでしょう。文化関係の代表を入れるのもいいでしょう。しかし、聴視者の大多数の層を占める労働者階級の諸君の声もその中で反映せしめるようにするのが正しいあり方じゃないですか。放送法制定の趣旨にのっとりましても、当然かくあるべき姿が最も自然な姿じゃないでしょうか。あなたが参考にする、尊重すると。さっきは尊重すると言い、今度は参考にすると言っておる。なるほど新大臣でありますから、言質をとられまいとする慎重な御発言、それはわかります。わかりますけれども、理論的にあなたは認めておるじゃありませんか。各界、各層を網羅することは賛成――具体的にあなたは言わないが、あなたの答弁の態度からしても国民各層の代表を入れる、これは認める。産業界の代表と銘を打って経営者だけ入れる。産業界の代表というものはすべて経営者だけではないのです。戦後日本を荒廃の中から復興させたのは縁の下の力の労働者階級の復興の熱意がそうさせたのです。もちろん経営者の諸君の熱意もありましょう。労使が一体となって日本の産業を興隆し、今日世界一流の日本産業に復興させたんじゃないですか。このこういう経過を見ても当然わかりますように、当然われわれが言うように、労働者の代表を入れるのがあたりまえじゃないですか。それは過去にいろいろな経緯があったでありましょう。しかし、今日なお労働者階級を入れないと、かたくなに門戸を閉ざしておるということは新大臣らしくもないではないですか。新しい抱負と、そしてその経綸を実行に移さんとする大臣でありますから、当然すべて前向きの姿勢で、過去の大臣のやれなかったこと、国民の念願とすることを実現することは私はあたりまえのことだと思う。あたりまえのことを今までの大臣がやらなかった。だから、新しい期待をもって迎えられたあなたが当然これは行なう一つの仕事ではないですか、大臣、どうです。
#44
○国務大臣(河本敏夫君) 繰り返して恐縮でございますが、答申案の趣旨を尊重いたしまして、これから十分検討させていただきたいと思います。
#45
○森勝治君 ですから、私は善意に、こういうふうに受け取ります。あなたも大臣に就任早々でありますので、あまりふろしきも広げたくないということでありますから、私もそれを理解いたします。しかし、答申案の趣旨を十分尊重するということは、新大臣として、多年にわたってこの問題を主張し続けた私どもの立場も当然御理解くださっているわけですから、労働界を入れるという問題についても十分検討して善処する、こういうお答えというふうに私は承りましてよろしいですね、大臣、そういうふうに承って……。それで、私が言ったとおりだそうでありますから、御異論がないそうでありますから、次に移ります。
 私の時間がありませんから、私は一点だけ、NHKの職員の給与の問題について、質問をしてみたいと思うのであります。NHKの職員に国民が要求するもの、それは豊かな知性と高い技術だと思うのであります。NHKの職員が国民に向かって誇り得るもの、それは放送法の精神に照らして、いわゆる放送の中立性という立場を今日まで堅持し、今後もこれを堅持し、国民に高い知性というものを持ってもらうために、文化の面に今後とも、より一そう寄与する、こういう一つのNHKの諸君の誇りがあるだろうと思うのであります。そこで、私は聞きたいのでありますが、何と申しましても、国民のNHKに対す期待というものは非常に大きなものがあること、これはNHKの皆さんが十分自信と誇りを持って考えておられるはずだと私は思うのでありますが、この高い知性を要求され、しかも技術というものが日を追って、いわゆる技術革新の世の中でありますから、技術の研さんも開発も怠るわけにはまいらぬ。そうであれば、NHKの従業員の諸君は現在約一万五千だそうでありますが、一万五千の諸君が国民のためのNHKなるべく、日夜奮闘されていることについて、私は敬意を表するわけでありますが、だからといって、NHKの諸君がいわゆる低賃金でよろしい、社会一般の水準に達しない賃金でよろしいということであってはならぬと思うのであります。もちろん、人それぞれこれは力量、抱負、経綸というものが違いますから、多少の差異はあることは、現在の日本の制度下ではやむを得ないかもしれません。しかし、たとえばNHKのここ数年来の姿を見ましても、事業の規模というものが、ここに四十年から四十二年までの事業と職員の趨勢の資料がきておりますが、これを見ましても、三年間で事業は約三〇%程度伸びておりますが、さて職員の充足率というものは五%程度にすぎないのであります。もちろん、今日は機械化オートメーションというものが、われわれの想像以上にわれわれの生活の中に食い込んでまいりましたから、オートメーション化による省力――力を省くという問題が出てまいるでありましょう。だから、企業の規模の増高に正比例して人員がそれだけふえるということには必ずしも、頭の中ではそう考えますけれども、現実ではそのとおりふえないかもしらぬ。そういう多少の問題はさておきまして、たとえば四十年の予算のときに私どもは附帯決議をしております。いわゆる、生産が上がった場合には職員にこれを還元する。たぶん、予算総則の第何条ですか、七条の二項あたりだと思いましたが、出ておるわけであります。四十年の場合でも若干出ておるわけであります。しかし、こういう姿を見ても、他の報道関係、たとえば新聞社あるいはまた民放等の例に比較いたしましても、なるほどものによっては初任給は報道関係、新聞関係でも若干上がっておるかもしらぬが、しかしやはり係長クラス、幹部クラスになりかかると、新聞社の平均給与というものは上回っておる。民放ははるかにNHKをしのいでおる。こういう姿を見ると、先般、鈴木委員が会長以下理事者側の皆さん方の俸給の問題でも若干触れられましたが、それらの諸君の俸給の是非はさておきまして、今日まで、期待されるNHK、将来にさらに伸びんとする、飛躍せんとするNHKのこの事業に熱心な諸君に対して遇する道としては、若干私は冷ややかなものがあるのではないか、こう考えるのであります。さらに私は、たとえば給与総額の中で十分見てあげることができるものにいたしましても一これは時間がないから私はすべてまぜて話をしておるわけでありますが、四十年も四十一年も四十二年も、給与総額の中でいずれも巨額の金を残しておるというこの現実の姿。なるほどそれは労使双方がそれぞれの立場で話し合って適切な額をきめるのでありますから、あるいは残る場合もあり得るでありましょう。しかし、何もこんなに巨額な金を残さんでも、十分予算総額の中で、さっき申し上げた、生産の上がった場合と同様に、職員の待遇改善ということがはかられてしかるべきものと私は考えておるわけであります。赤字でどうにもやっていけないというならばまだしも、企業の成績があがり、特に先般テレビの聴取料等についての改正のときにも私が若干申し上げたような気がするのでありますが、あの中にはやはり職員の待遇改善というこの項目が、あの値上げの一項目が、その根底に私は流れておったと思うのであります。少なくとも他の民放の諸君の待遇に数段劣るがごときこの待遇であるとするならば、いかに賢明なNHKの一万五千の諸君が日夜ししとして放送事業の発展のために努力しても、やはりそういう問題について理事者諸君がなおざりにするならば、極言ではありますけれども、次から次と、いわゆる民放に移りかねない。これは適切な表現ではありませんけれども、そういう現象も生まれるのではないかと私は考えるわけであります。優秀な頭脳を持つNHKの諸君でありますから、その頭脳を育てること、その頭脳を縦横に理事者諸君が駆使すること、放送事業に貢献させること、これまた当然な私は姿だろうと思うのであります。そういう面からいたしましても、職員の待遇改善という問題については、私は夢忘れてはならぬし、怠ってはならぬし、これは始終適切な措置があってしかるべきだと考えております。時間がありませんから、私はこの一点のみにしぼって、NHKの諸君にひとつ善処方をお願いすると同時に、NHKの会長のこの点についての御意見をひとつ承っておきたい。
#46
○参考人(前田義徳君) お説のとおりでありまして、私どもも予算審議の際、決議事項として附帯されておる項目のうち待遇改善については鋭意その御趣旨を体して改善するという方針を従来からもとっております。御指摘の中で、多少人件費が残った年度があるということでございますが、これは事実でございまして、との部分はたとえば非常に明白な理由は、きのうも、おとといも御質問をいただきましたが、建設事業の繰り越し等によって、建設工事に必要な人員の給与が、したがって、残るという形になる場合もあるわけであります。私といたしましては、かねがね申し上げておりますように、少数高給与主義ということを念願といたしまして、私はいろいろな意味で、この目標に到達することに努力いたしているわけでございます。社会的水準から申しましても、当然NHKの職員は社会的水準以下であってはならないということは、かねがねここでも私どもの見解も申し述べている次第でありますが、そういう点につきましては、今後も一そう努力してまいりたい。
 それからもう一つ、給与は、いわゆる職員の待遇については、単に給与の部面だけでなく、これと関連するいろいろな施設、あるいは社会生活と関連して、快適な生活をなし得るようなあらゆる施策を総合して考えているわけでもございます。いずれにいたしましても、御趣旨については、私どもは全く同感でありまして、そういう形においての理想が到達するように、今後も一そう努力してまいりたいと、このように考えております。
#47
○北條浩君 私は、四十年度の決算表につきまして、若干伺いたいと思うんでありますが、いままでいろいろな委員の方からもお尋ねになったように、非常に見にくいし、それから資料が手元に不足でありますので、一々伺わなければなりません。そんなことで、いままで、この審議の過程にのぼりました問題に関連して、二、三お伺いしたいと思っております。なお、今後こうした提出書類を改めるように伺っておりますので、四十一年度以降につきましては、またさらにいろいろな点につきましてお伺いをしたい、このように思っております。
 最初に伺いたいのは、この財算目録のほうの上のほうで、銀行預金三十六億六千二十六万とございますね。銀行預金と、一括して計上されておりますけれども、この内訳、普通預金、通知預金、定期預金、この期末の残高の内訳並びに期首の残高、これをお伺いしたいと思います。
#48
○参考人(志賀正信君) 四十年度の銀行預金につきましては、総額三十六億九千四百万円でございます。これの内訳につきまして、ただいま御質問があったわけでございますが、そのうちで、普通預金が八十三億二千九百万円でございます。それから当座預金の、年度末で当座借り越しになっておりましたものが九十四億二千三百万ございます。通知預金が四十七億五千五百万でございます。これは相殺いたしまして、銀行預金の年度末の残高といたしましては、三十六億六千万円でございます。なお、年度当初の残高につきましては、四十二億三千五百万円でございます。
#49
○北條浩君 いまの期首の四十二億の内訳もちょっと伺いたい。
#50
○参考人(志賀正信君) 四十二億三千五百万円の内訳につきましては、普通預金が六十三億六千八百万円でございます。それから当座の借り越し残高でございますが、五十二億八千二百万円でございます。それから通知預金が三十一億五千万円でございます。
 以上、相殺いたしまして、四十二億三千五百万円でございます。
#51
○北條浩君 それに関しまして、銀行預金の利息ですね。予算中に計上されました銀行預金に関する利息の収入は幾らになっておるのでしょうか。できましたならば、普通預金に関するものと、通知預金、定期預金と種類別にわかりましたらお願いいたします。わからなければ、総括的にひとつ。
#52
○参考人(志賀正信君) 預金の種類別には、ただいま出ておりませんが、総額といたしましては、三億二千二百万円の受け入れ利息がございます。なお、種類別にただいま資料がございましたので、そのうちで普通預金につきましては三千百七十九万円でございます。それから通知預金につきましては、一億三百十二万円でございます。それから定期預金の利息が一億八千七百万円でございます。なお、そのほかに振替預金関係が十万六千円ございます。
 以上でございます。
#53
○北條浩君 それに関連して、雑収入の内訳でありますけれども、雑収入が特に当時の予算よりも決算の金額で約四億七千万円ふえておることが報告になっております。この中で受け入れ利息の増額があったというようにありますけれども、この雑収入の増加した金額並びにその内訳ですね。これにつきましてお伺いいたします。
#54
○参考人(志賀正信君) 昭和四十年度の雑収入につきましては、当初の予算が六億五百万でございましたが、決算額は十億七千七百万でございます。ただいまお説のとおりに、四億七千二百万の増収になっております。これのうちで、受け入れ利息の分につきましては三億八千七百万円の増収になっております。それから雑入金の面で九千百万円の予算を予定をいたしましたが、一億七千六百万の収入がございまして、八千五百万の増収となっております。合わせまして四億七千二百万の増収となっております。
#55
○北條浩君 状に当初の予算より受け入れ利息が増額になった理由についてお伺いいたします。
#56
○参考人(志賀正信君) 受け入れ利息につきまして、相当大幅な増収がございました。これは年間の資金の動きが大きく変わりまして、当時、四十年度は建設費等にも相当年間増加がございまして、年度初頭に予算で予定いたしました初頭の残高がすでに当初から手持ち資金を持っておりました。これの今度は年間の運用につきましても、予算ではおおむね普通預金でこれを保有するという程度に考えておりましたものを、できるだけ保有資金を利息を有効に保有すべきであるという考え方に改めまして、普通預金に約一六%、通知預金に四四%、定期預金に四〇%という程度に振り分けて、それぞれの時点の資金の需要に応じまして、できるだけ手元の資金を有利な利息のほうへ回すように努力をいたしました関係から、受け入れ利息の面で三億八千万ばかりの増収を得ることができましたわけでございます。
#57
○北條浩君 そういたしますと、いまのお話ですと、受け入れ利息で三億ふえたということは、前期までには普通預金であったものを通知預金ないしは定期預金に振りかえた。要するにこの利率のいいほうに、効率のいいほうにこの手元資金を運用したので、その結果当初の予算よりも三億に近い、それだけの高額の雑収入が計上されておる、こういうことですか。
#58
○参考人(志賀正信君) ただいま御説明をいたしましたのは、お説のとおりでございますが、なおこの資金の手持ち資金が相当当初予定をいたしましたよりも余裕を生じました理由といたしましては、四十年度ごろから受信料の前納制度というものに力を入れまして、運用面で大いにそのほうの努力をいたしました結果、相当受信料の前納というものが入ってまいりまして、約十五億円ばかりの前納がございます。それから先ほどもちょっと触れましたが、建設工事につきまして、四十年度はいろいろ先般も御審議いただきましたとおりに、相当多額の繰り越しを四十一年度に持ち越したというような状況にございまして、年度中の工事の進捗状況が相当遅延をいたしておりまして、年度中に予定をいたしました手持ちの資金が年度中に相当余裕を生じたというような状況でございまして、これらの資金につきまして、できるだけ有効に運用をしようということをいろいろ考えまして、利息の増収をはかりました次第でございます。
#59
○北條浩君 どうもわからないんですけど、いまの三億の増収ということにつきましては、普通預金等から、定期預金に振りかえたのが一つと、それから手元の資金量が増加したものと二つの要素があるわけですね、いまのお話ですと。
#60
○参考人(志賀正信君) 手元の資金量が増加いたしましたのが主たる理由でございます。この手元の資金量の利用のしかたといたしまして、当初は手元資金を約十五億程度というふうに見込んでおりましたので相当資金の動きが活発でございますので、普通預金程度にして常時回転をさせていくというふうに考えておりましたものを、ある程度年度後半期までに建設の支払いが出ないというような見通しもございまして、そういう動向につきましては、手元資金の運用のしかたとして、定期預金あるいは据置預金というふうな利息の比較的高いほうへ一時保留をしたというのが利息収入の増加の理由でございます。
#61
○北條浩君 そうしますと、手元資金量の増額による分と、それから普通預金から定期預金等へ振りかえた、その二つに分けまして三億の内訳を言ってください。
#62
○参考人(志賀正信君) 両方相殺した面もございますので、はっきり分けかねると思いますが、おおよそ試算をいたしましたものがございますので申し上げますと、一般の資金運用利息につきまして、三億八千七百万というように先ほど増収を申し上げましたが、これは一般の資金の運用利息がこのうち三億二百万でございます。それから放送債券の償還積み立て金の運用のほうで八千二百万の増収を得ております。ただいまお話がございました三億二百万の内容につきましては、運用利率の改善によりまして増収になったと思われるものが約一億二千万でございまして、それから手持ち資金の増加によってあわせて利息の増加になったと思われますものが一億八千万というふうに思われます。
#63
○北條浩君 だんだん聞いていると、わかってくるんですが、いまのお話によりますと、普通預金から定期預金等に振りかえる、すなわち効率のいいように運用した、それによって増収した分は一億二千万と、このように理解してよろしいわけですね。
 そうしますと、四十二年の七月、衆議院の逓信委員会でやはりこの問題が審議されているわけでありますが、そのときに志賀専務理事がお答えになっておりますのは、「普通預金という形で預金をいたしたものを、できるだけ集めまして、通知預金または定期預金にするということで、従来普通預金の非常に低率な利息しかついておらなかったものをできるだけ効率的な利息をつけるように努力をするということをいたしてございます。」こういうお話があり、それから、また小澤委員がこれに対して質問をして、「預金のしかたをちょっと変えただけで年間五億浮いておるわけです。」云々と、これに対してさらに前田会長は、こうしたことについては「この指示をしたのは私でございます。理事会を通じてそれまでの資金運用の効率測定というようなことをいたしまして、いわゆる世俗的にいえば毎月の運転資金のミニマムはどれだけあればいいかという研究をいたしまして、そのあとの問題については効率をあげ得る運用をなすべきであるという指示を私自身がいたしました。」このようなお話があり、さらに志賀専務理事が続いて、「雑収入が超過をいたしましたのは四億七千二百万でございますが、そのうちで約三億が、いま先生からお話がございました、私も御説明申し上げました利息関係の増収でございます。この内容につきましては、まず手持ち資金の運用の利息関係といたしまして、従来普通預金等にとどめておりましたものをできるだけ年間の資金の計画を立てまして、通知預金ないしは定期預金という高率の預金のしかたにかえたわけでございますが、この面で三億二百九十二万七千円の増収がございました。」こういう一貫した答弁があるわけですね。これをこのまま伺っておりますと、とにかく前期に、まあ期間中を通して普通預金から定期預金等に振りかえたと、そうして三億の増収がなされておる。ということは、これを逆算してみますと、普通預金と定期預金の、これは一年ものと仮定して考えましても、約年間で三分二厘の利息の差があるわけですね。これを逆算しますと、約三億でありますから、合計すれば八十億ですかね、これらの普通預金から定期預金に振りかえなければ、この結果は出てこないわけですね。またこの話を聞いていますと、確かに預金のしかたを変えて、それで三億増収がなされたと、こうはっきり答えておられる。ところがいまの説明を伺いますと、必ずしもそうではない。確かに運用利率の増によるものは一億二千万である、そのほかは運転資金、手元資金が増加した分が一億八千万、こういう答えをいま伺いましたわけでありますが、少なくとも衆議院の逓信委員会においてお答えになったこととは事実に反すると思うんですね。この点はいかがですか。
#64
○参考人(志賀正信君) 一貫した説明のしかたを申し上げておるつもりでございましたが、あるいは誤解を招くような御説明を当時したことかと思います。先ほど申し述べましたように、年間の運用のしかたを結果的に見ますと、普通預金で約一六%、それから通知預金に四四%、定期預金に四〇%というような割合で運用をしたことになります。それから生じましたものが、当初普通預金程度で利息を予算で予定いたしておりましたので、年間の運用の過程におきまして、普通預金もございますが、通知預金あるいは定期預金というふうに一部高利のものに振りかえまして、全体として利息の運用をはかったわけでございます。また手持ち資金は常時――当時は約十五億円程度だと思いますが、日常の支払いに充てるものが全国の局所にばらまかれておりますので、これらにつきましては、常時普通預金で保有をしておる必要があるわけでございますが、一時普通預金でなくとも間に合うというものについては、できるだけこの中から通知預金ないしは定期預金という形をとったのが原因でございます。
#65
○北條浩君 ですから、私の伺っておりますのは、このときに少なくとも志賀専務理事が答えられておることは、そういう話はしておらないわけですね。非常に質問も大ざっぱな質問ですが、これは資料を要求しておるのに資料が間に合ってないわけです。資料がなくて、こういう質問になっておるわけですね。それに対して、そのお答えがきわめてまた大ざっぱな答え方をしているわけです。質問は「預金のしかたをちょっと変えただけで年間五億浮いておる。」と、このように質問者は受け取っておるわけですね。それに対する回答も、普通預金に従来とどめておったものは、通知預金ないしは定期預金と高率の預金にしかたを変えて三億二百万と、こういう答えを言っているわけですね。ところが、いまずっと聞いていますと、明らかに事実は違っているわけです。ですから、私はこういう答弁はよくないと思うのですね、その点どうですか。これはひとつ前田会長にお伺いしておきます。
#66
○参考人(前田義徳君) その数字の基礎となっている点については御質問のとおりであり、また志賀専務の答え方も事実そのものであると私は考えます。はっきり申し上げまして、この昭和三十八年度ぐらいまでは、まだ機械化による全国集計というものができませんでして、率直に申しまして、大体第二次六カ年計画の第二年度ないし第三年度の間で全国集計の機械化にまず着手しまして、そして、それが従来ですと、たとえば鹿児島の、まあさらに奄美大島というようなところからの集計が到着するのは四十日以上を要したわけです。ところが、機械化によりまして全国の手持ち高がわかるようになったのは、大体昭和四十年度ないし四十一年度にはさらに正確にわかるようになりまして、それまでの毎月の手持ち高というのは、御指摘のとおり約、最底が八十億という状態でございました。それらをすべて検討いたしまして、運用資金としては八十億は少し多いじゃないかということも理事会等で検討いたしまして、その機械化の集計の促進化に基づいてこれから資金の運用を変えようという決議を理事会でしたわけでございます。で、この中には先ほど志賀専務からお答え申し上げました、いわゆる何と申しますか、年間契約ないし半年契約という問題を同時に促進させました。それから銀行を通じての支払いという形もその後発足さしたわけであります。そういう見地に立ちまして、手持ち資金のまず調整と申しますか、それを始めたことにより、また同時に、四十年度におきましては、約三十数億の事業の繰り延べがざいごました。その中で一番大きいものは、まとまったものは約十六億円に達する放送センターの第二期工事の遅延でございます。これは四十年度の予算御審議の際に承認をいただきましたが、その後経営委員会等において検討されて、少し設計を模様がえするということになって、第二期工事に着手したのはほぼ十二月でございます。したがいまして、八カ月分の工事が停滞いたしまして、その結果として十六億円の第二期工事に対する支出が繰り延べになったわけであります。先ほど申し上げました一般経営の施策と、特に四十年度においては工事繰り延べ残高がかなり大きくなったという点で、資金の運営をさらに厳密にやろうということで、御指摘のとおりの結果になったわけでありまして、先生が逆算された、当時八十億ぐらいの手持ちがあったじゃないかということについては、全くそのとおりでございます。
#67
○北條浩君 問題が二つあるんです。私がいまお伺いしている点は、少なくともこの委員会のときに、小澤委員は資料要求をされておるんですね。ところが、その当時間に合ってないわけです。ですから、小澤委員はこまかな資料をお持ちにならないで、それでこの大ざっぱな数字から、それじゃあ年間五億も浮いたのかと、こういう質問をされているわけです。とにかく資料がないから、こうなっているわけですね。ところが、それを受けられてのお答えがまたきわめて大ざっぱな答えである。それが私は、しばしばいままでも論議されたと思いますが、財務諸表等のつくり方が非常に見にくいとか、それからもう一つはこまかな資料がほしいがわからないとか、これはもうしばしば問題になっているわけですが、それをなさらないで、しかもその当時要求されているにもかかわらず、その当時提出されておらない。それで質問されているにもかかわらず大ざっぱな答えをされている。こっちは資料がありませんから言われたことをそのまま聞く以外にない。これでは実質的な審議にならないと思います。少なくともNHKはとにかく国民のものだと、その国民のものは、やはり少なくとも予算、決算等について審議をするのは、国民の代表であるこの国会しかないわけであります。したがいまして、こちらが必要なものはやっばし出していただくべきだし、それに対しては正確に答えていただかなければ、私は審議にならない、こう思うのですね。ですから、まずその点につきまして、ひとつはっきりお答え願いたいと思うのです。この点は私は間違っておると思うんですね、この時点におけるこの答弁は、私は明らかにこれは間違いだと思うんですよ、この点いかがですか。
#68
○参考人(前田義徳君) 先ほど申し上げましたように、私どもの立場から申し上げますと、別に故意に御質問の要点、焦点をはぐらかそうとも思っておりません。それから間違いだとも考えておりません。ただ先生がおっしゃたように、資料の提出がきわめて不備であるという点につきましては、先日鈴木委員の御質問と関連しまして、私は今後資料をそろえることが必要であると、私自身も感じているということを申し上げたわけでありまして、今後は御期待に沿う資料を万事そろえたいと、このように考えております。
#69
○北條浩君 私は説明が、このときのこれを見まして、最初はとにかく年間五億浮いたと、いま聞いてみますと、これは三億だと、それからとにかく八十億の普通預金を、とにかく前田会長が気がついて、これはよくないと、もっと利率のいいところへ回せとこうおっしゃって、それでそれが定期預金に回ってこれだけ浮いたのだと、こう私は受け取られる答弁なんですね。それじゃ八十億も普通預金なぜしておいたのかと、これはもう当然に出てくるわけです。いままで、じゃなぜ気がつかなかったかとも聞きたくなるわけですね。よもや、そんなばかなことはなさるわけがない。ですから、どうしてもこの疑問が残るわけですね、この答弁では。ところが、このときはそれで済んでいるわけです。私は実質的なこうしたものの審議におきましてきわめて大ざっぱな、そんなことで質問を済ますこと自体が私は問題である。ですから、そういった意味でこのお答えになっていることは正確じゃない、少なくともこの小澤委員に対しましての正確なお答えになってないはずですね。ですから、私ほかに資料ありませんので、たまたまあった資料から伺っているわけですけどね。こういうやり方をすることは、私はよくないということを申し上げておく。その点重ねていかがですか。
#70
○委員長(久保等君) 委員長のほうからもこの際要請をしておきたいと思うのですが、それは、郵政当局、郵政大臣はじめ政府に対してもそれからNHKに対しても、当委員会で決算の審査にあたっての資料として、従来と違った形で十分にひとつその方法等についてはなお研究を願うとして、詳細な資料等をやはり逓信委員会に審議の資料としてひとつ提出を願いたいと思うのです。先般来当委員会で各委員からも要望が出ておりますが、同時に、実は理事会の中でも、その点について相談をしたことがございますが、やはりこの際ひとつ十分に資料を整えて、従来と違った形で今後審査を進めていこうという意向もあるわけでございまして、委員長のほうから当委員会の意思として政府並びにNHKに要請をしておきたいと思います。したがって、そのことを含めてひとつ郵政大臣並びにNHK会長のほうから御答弁を願いたいと思います。
#71
○国務大臣(河本敏夫君) これまでの資料は確かに不備であったと思います。十分の資料を整えるようにいたします。
#72
○参考人(前田義徳君) NHKといたしましても、まことに不備であったと思います。したがいまして、今後はできるだけ完全な資料を添えて御審議をお願い申し上げたい、このように考えます。
#73
○北條浩君 その点は了解です。
 次の問題は、先ほどの御答弁でも、なお私は納得できない点があるのです。といいますのは、運用を変えて一億二千万、それから手元資金が増加になって一億八千万、こう言われましたが、これは予算と決算との関係であって、必ずしも普通預金から定期預金に変えたということじゃないんじゃないですか。当初予算に組まれたときに、はたして年間の利息収入というものはどういうふうにして計算されたか、これを伺いたいのです。
#74
○参考人(志賀正信君) 予算の編成の際に予定をいたしましたものは、年度当初の資金のあり高を五億円と置きまして、また年度末の残高を九億二千万というふうに想定をいたしまして、これの年間運用利回りと申しますか、運用利率を年二二九%というふうに予定をいたしまして、利息の予算を編成いたしましたものでございます。
#75
○北條浩君 そういたしますと、年にして二二九%といいますと、普通預金の利息ですね。そうすると、全部の預金につきまして普通預金で計算して利息を出したと……。
#76
○参考人(志賀正信君) 一般の資金運用利息でございますので、手元の支払い資金でございますので、当時は普通預金で保有をするという考え方で予算を編成いたしましたものでございます。
#77
○北條浩君 そうすると、確かに当初予算を組んだときには普通預金の利息で計算しますから、雑収入の中の利息の部分は非常に低額なはずです。したがいまして、先ほどおっしゃった資金の運用ですね、普通預金から定期預金に変えて一億二千万とおっしゃいますけれども、これはそもそもの基礎が違うんじゃないですか。最初の予算と決算との差でもって論じておられるのであって、予算を組まれたときには普通預金として計算をされた金額、それとそれから決算時における利息との差を出されたんじゃないですか。ですから、私は先ほどの説明が違うと思う。その点を説明してください。
#78
○参考人(志賀正信君) 御説明がおわかりにくかったかと思いますが、予算を組みましたときには、ただいま申し上げましたように普通預金で利息の計算をいたしてございます。その後年間の資金のあり高が、建設費の工事の繰り延べ等で手持ち資金のあり高がふえてまいりましたので、その手元の余剰資金につきましては、その後通知預金ないし定期預金に一部振りかえてございます。その結果利息収入が普通預金からも出ましたが、通知、定期預金にいたしました分から相当多額な増収がはかられたわけでございまして、この年間の
 一般資金運用利息といたしましては三億二百万の収入があったわけでございます。この三億二百万を、運用利息、利用のしかた、すなわち通知や定期に一部かえた面からどれだけ出ておるだろうか、それから手元資金が増加したという要素からはどれだけ出ておるだろうか、こういうふうにおよそ考えまして、正確ではないかと思いますけれども、両方相乗いたしておりますので、先ほど申し上げましたように三億二百万、これは実数でございますが、それの内容として、種類分けをいたしますと、運用の面で一億二千万、それから資金が増加したというような要素で一億八千万、こういうふうに御説明を申し上げたわけでございます。
#79
○北條浩君 大体了解しましたが、非常に説明がわかりにくかったとだけつけ加えておきます。
 確かに予算の面では普通預金で計算をして金額を出し、決算面との総体を差し引いてその内訳を説明した、こういうことですね。非常にその点、先ほどのに関連いたしまするが、今後資料を出していただければ実質的に審議ができると思いますので、これはこの点でとどめておきます。
 次に伺いたい点は、財産目録の次の下にいきますと受信料の未収金というのがございます。未収金のことはおとといの委員会でも、鈴木委員のほうから質問がございましたから、その点には触れませんが、受信料の未収につきましてのむしろ処置を伺いたいんです。ここに表示されております五億四千万の金額、これは四十一年三月三十一日現在、要するに期末におけるトータルの未収金でしょうか。それとも前期末に繰り越された未収金、それを期間中に回収した残額に計上されているんでしょうか、どちらでしょうか。
#80
○参考人(志賀正信君) 四十一年三月三十一日現在に予定をいたしましたもので収入に至らなかった未収の総額でございます。
#81
○北條浩君 そうしますと、この五億四千万というものが要するに来期に繰り越されて、そうして来期中にもこれは回収されるわけですね。そうして、来期に繰り越されたものが来期中に回収されて一体どのような結末になっておりますか。
#82
○参考人(志賀正信君) 四十年度末に五億四千万の未収金を生じましたが、その後鋭意回収に努力をいたしまして、翌年中に一億七千二百万円の回収を見ております。
 受信料の経理のしかたといたしまして、翌年一年間会計上未収の回収をはかりまして、一方貸し倒れ準備金というような形で未収受信料欠損償却金を四十年度に立ててございますので、これと相殺をいたしまして、四十一年度末に決済をするわけでございます。なお未収につきましては、さらに翌々年度以降にわたりましても、回収の努力をいたすわけでございます。四十二年度に至りまして約千五百三十六万ばかりの未収金からの収入を回収を見ております。
#83
○北條浩君 そういたしますと、これは欠損処理ですね、損金処理はいつの時点でなさるんでしょうか。
#84
○参考人(志賀正信君) 損金処理は一年経過後の四十年度につきましては、四十一年度の末におきまして、決算期におきまして、この四十年度に予定をいたしました欠損償却金をもとにしまして欠損処理をいたします。
#85
○北條浩君 そうしますと、いわゆるこげつきでありますが、一年たってなおかつ未回収のものについては、要するに債権放棄をされるわけでありますけれども、その間の手続は個々に債権放棄の通知をされるのでしょうか。それともそのまま帳面上落としてしまうのでしょうか。その手続のやり方を聞かしてください。
#86
○参考人(志賀正信君) 会計上は四十一年度末をもちまして、すなわち一年経過後に一応欠損の処理をいたします。これは、会計の処理をいたしまして欠損の処理をいたしますが、一方営業の面におきましては、やはり未収金の残額でございますので、さらにいろいろな角度からとる努力を継続をいたしたわけでございまして、欠損処理後も先ほど申し述べましたように、さらにその翌年になりまして約一千五百万程度の回収を見ておるような状況になっております。
#87
○北條浩君 そうすると、ずっと帳面上は未収金というのは残っているわけですね。それならば、少なくとも四十一年三月末には前期の分もあるでしょうし、前々期もあるでしょうし、未収金の残高は何らかの形で表示をしておかなければいかぬと思いますが、その点いかがでしょうか。
#88
○参考人(志賀正信君) 会計処理上の方法といたしましては四十年度につきましては、四十一年経過後の四十一年度の末をもって欠損処理をいたしますので、これは会計面からは、それで一応切れるわけでございますが、なお協会としては、受信者との間の業務といたしまして、さらにその未収の解決に努力をしてまいるわけでございます。したがいまして、帳簿上は四十一年度末までという処理をいたしております。
#89
○北條浩君 少なくとも帳簿上はよくわかりますけれども、繰り越された分の結末はやはりわかるようにしていただかなければいけないと思います。なおまた非常に件数が多いことでありますので、集金途上における事故もままあるのではないかと思いますが、この未回収の中にはそうした集金途上の事故、使い込みとか、紛失とか、そういった事故がどのくらい入っておりますか。それともそういうことは全然ありませんか。
#90
○参考人(佐野弘吉君) 何ぶんにも膨大な件数でございますので、集金途上の一部着服というようなことが絶無とは申せません。しかし、経験的に申しまして二年に一回ぐらいその種の事故が発生いたしますが、しかし、私どもといたしましては、何ぶんにも受信者からいただきます大切なお金でございますので、集金取り扱い者には二名の保証人をたてておりまして、そのような事故の発生の際にはすべて保証人による完済をいたしておりますので、協会の処理上には、迷惑をかけないというたてまえが貫かれております。
#91
○北條浩君 未収金の始末につきましては、厳格にやっておられることを伺いましたが、なお本来ならば、やはり個々における債権放棄の手続もしなければこれはならないのじゃないかと思うわけであります。税務署の監査等につきましては、これはやはり損金処理の認定が非常に大きな問題になりまして、これはやはり裏づけの資料がなければ売り上げ金の記帳漏れということが一番こういった記帳につきましてはっきものでありまして、紛失とかの事故はやむを得ない場合もあるかもしれませんけれども、こうした記帳上のシステムはよほど厳格にしておきませんと、ままそうしたことも起こり得るのじゃないかと私は思って質問しているわけです。したがいまして、未収金の処理の手続、それからその後の、一たん損金処理になりますと、入金されたものがはたしてどのような形で計上されているか、一たん損金処理なんだから、あと入ったものは別の形で行理をするというようなことがあってはならない問題であります。その間どのような経理をされているか、念のために伺っておきたいと思います。
#92
○参考人(志賀正信君) ただいまお話しのように、損金処理をいたしましたあとで、さらに受信者との折衝をいたしまして徴収をいたしました受信料につきましては、すでに損金処理をいたしておりますので、これは雑収入に計上いたしまして収入といたしております。
#93
○北條浩君 それでは雑収入の話が出ましたからそちらに移りますが、雑収入――損益計算書で雑収入という項目にくくられておりますが、約十億にのぼる金額ですね。普通一般の会社の経理では雑収入がこんなたいへんな金額になることはあまりありませんけれども、この雑収入の内訳ですね、これをお知らせください。
#94
○参考人(志賀正信君) 雑収入の収入総額は十億七千七百七十一万円でございます。このうちで先ほどお話の出ましたまず受け入れ利息が九億百三十三万円が総額でございます。そのほかに雑入金一億七千六百万でございます。その雑入金の中で過年度の受信料につきましても処理をいたしております。
#95
○北條浩君 その雑入金の内訳はおわかりでしょうか。
#96
○参考人(志賀正信君) 雑入金の内訳といたしましては、番組を他の企業に提供いたしましての提供料の千七百万円でございます。それから不用品の売却代金が千二百万円でございます。それから建物の賃貸料、職員の社宅等も入りますが、賃貸料が三千二百万円でございます。そのほか委託修理費の収入三百九十万円、技術協力の費用が五百二十万円、テキストの原稿料として回収いたしましたものが千四百万円、それからスラブ歌劇を、当時スラブ歌劇を招聘いたしましたが、これの公演関係の収入が九百八十万円、それから当時静岡の放送局のございました静岡県民会館を退去いたしまして別に局舎を設けましたので、これの退去に伴いまして補償金が七百万円、それからイタリア賞の国際コンクールに入賞いたしましてこれの賞金を受領いたしましたが、これを雑収入に入れまして二百二十万円、それから発注をいたしました業者の機械類の契約上の遅怠金が四百五十万円、それから自動車事故保険の収入が百五十万円、及び固定資産の前納報奨金等が五千八百万円ばかりでございますが、これはこまがいものを相殺いたしまして五千八百万ばかりでございます。過年度の受信料収入も千五百万円ばかりでございます。以上でございます。
#97
○北條浩君 過年度の受信料未収金の回収、これは千五百万円ですか。
#98
○説明員(志賀正信君) 先ほど千五百万と申し上げましたが、多少感違いいたしましたが、四十年度の未収金につきまして、その後の処置をどうしたかというお尋ねのときに、四十一年度を経過いたしまして欠損処理をしまして四十二年度に入りましたものが千五百万円でございます。いま多少混乱した説明を申し上げましてたいへん恐縮でありますが、四十年度に、この雑入金の中に過年度受信料分として入っておりますのは三十八年度に徴収すべきものの未収金の分でございまして、これは四百二十三万円でございます。
#99
○北條浩君 四百二十三万円ですか。一応それは了解しておきます。
 そうしますと、この雑入金の中で固定資産税の前納報奨金というのがございますね。先ほどおっしゃった約五千八百万ですか、これは大体どういうことですか、この内訳をお願いします。
#100
○参考人(志賀正信君) 固定資産税前納報奨金等で五千八百万円、その中には前受け受信料等入れまして、いま手元の資料では一括して五千八百万円と申し上げましたが、その中で固定資産税の前納報奨金は千百六十四万三千円でございます。
#101
○北條浩君 そうしますと、固定資産税の前納は千百万ですか、それならばわかります。これは了解しました。
 次に、総括しまして、もう一つその前に伺っておきたいことは、最後のところでありますが、損益計算書の最後の部分で、普通の会社でありますと利益金に該当するものですね、この資本支出の充当と当期剰余金、二本立てに表示されております。なかんずく資本支出の充当八十七億何がしというものが計上されておりますが、この内容はどのようになっておりますか。
#102
○参考人(志賀正信君) 四十年度におきまして、資本支出に受信料から充当いたしましたものは八十七億八千七百万円でございます。その内訳は、放送債券の償還積み立て金繰り入れという制度が法律に定められておりまして、これは年度末残高の十分の一を償還準備金として積み立てる制度でございまして、この分に二十五億九千八百万円ほど積み立てをいたしております。それから放送債券の償還金に直接回しましたものが三億五千四百万円でございます。それから長期借り入れ金の返済金に十八億三千五百万円でございます。それから当年度予算に予定をいたしまして受信料から固定資産の取得に、すなわち建設費に充当いたしましたものが四十億ございます。合わせまして八十七億八千七百万円でございます。
#103
○北條浩君 全体的に見まして、非常に四十年度の決算は内容は非常にいい数字が出ているわけであります。損益の点におきましても百六億、売り上げ利益率一五%というふうに非常に優秀な数字が出ております。また資金面におきましても、放債の予定か、四十億のところが三十億で済んでおりますし、長期借入金も二十二億のところが五億で済んでいる。それからまた固定負債の返還が二十七億のところ四十七億、二十億もよけい返している。非常に期間を通じて優秀な成績になっておりますが、今期決算のころには、特によかった点につきまして前田会長にお伺いしたいのですが、どのようにお考えでございましょうか。
#104
○参考人(前田義徳君) 総じて申し上げますと、先ほどの御質問をいただいたようなこまかい点にまで配慮いたしまして、それから第二次六カ年計画が軌道に乗った年でもあり、職員の企業意欲が非常に活発になった年でもございます。一方において経営の合理化としての、たとえば人事、営業等についての機械化が発足した一年目でございまして、これらいろいろな要因が私はこの結果をもたらしていると考えております。それから同時に、借入金等の返還その他につきましては、私どもといたしましても極力努力いたしまして、附帯決議の精神に沿うということを完全に遂行した結果だと思っております。今後も私どもとしてはさらに一そうこの方向を強めてまいりたい、このように考えております。
#105
○北條浩君 ここでまあ四十年度を論じておりますのと、若干時点がずれておりますが、その後の推移ですね。四十一年、四十二年、もうすでに経過しておるものでございます。さらに今後の問題に関連してお伺いしたいわけでありますが、特に今後はカラーテレビジョンということに時代が移行してまいります。先般いろいろな審議の過程がありまして、結論として、普通の白黒が三百十五円、それからカラーの付加料金が百五十円と御決定になったわけでありますが、今後のこのカラーテレビの契約の見通しですね。現在、四十年度あたりは内容は非常によくなっておりますので、こうしたことから考えますと、はたしてこの金額が妥当かどうか、今後相当見通しもいいのじゃないかというように考えるわけであります。さしあたってお考えになっております今後のカラーテレビの契約に対する見通し等をお聞かせ願いたいと思うわけであります。
#106
○参考人(佐野弘吉君) 御承知のように四十三年度新しい料金体制を設定いたしましてカラーの契約を設けることになったのでございます。この四十三年一年を通じまして、カラー契約百四十万という契約目標を持っておりますが、十月末でこの数字が九十九万四千に達しております。したがいまして百四十万に対比いたしますと七一%に達しておりますので、このカラー契約設定の推移と目標とは順調に推移をいたしていると、このように考えております。
#107
○北條浩君 今後の見通しはいかがですか。
#108
○参考人(佐野弘吉君) 以上の経過をたどっておりますので、ことしの百四十万の目標に対しまして営業の現場といたしましては、少なくとも十万以上を突破し得ると、百五十万には、来年三月末十万以上これに上積みできるような見通しを持っております。
#109
○北條浩君 長期の見通しにつきましてお伺いしておるわけでありますが、おそらく今後の推移はNHKのほうでお立てになっておる数字よりもたぶんに上回るのじゃないかと、このようにいままでの過去の実績から押しましても考えられるわけであります。今後そうした予定以上にカラー契約が順調に進んで、収入が予想以上に上回った場合には、この契約料金を値下げをするということのお考えはおありでしょうか。
#110
○参考人(前田義徳君) ただいま佐野さんからはカラーの動向について申し上げたわけでありますが、今年度からは、御承知のように一方においてラジオ単独料金を廃止いたしております。同時にテレビジョン放送の白黒については十五円の値下げをいたしております。したがいまして、先ほど御説明の中であった今年度計画百四十万のカラーの予定については、カラー自体ではおそらく十万内外に、これはかなり厳格な、率直に申しましてノルマを課してありますので、その程度の増収はあり得ると考えておりますが、もちろん全体から見ますと、カラー部分というものはまだまだ僅少でございます。そういう観点からいたしまして、私どもが今年度から実施したカラー料金の問題と関連して五カ年間の一応見通しを皆さまに御説明申し上げてあるわけでありますが、この見通しによりますと、大体五年後の年度末のカラーの契約状況はただいまのような努力をしてまいりましても、おそらく五、六十万のプラスができれば最高ではないかという考え方でございます。したがいまして、料金体系の中でラジオ単独その他を廃止し、白黒を値下げしたというその初年度における実績をもって直ちに将来を断ずることは私としては危険だと考えております。五カ年間の構想によりますと、四十二年度までの方式をやめたことによる方式を継続したとすれば、合計約二百億のプラスになったと思いますが、それを逆に二百億を実は比較の方法で申しますと、五年間欠損という形になっております。しかも、第二次六カ年計画からは、この今年度を初年度とする五カ年構想の中でも、私ども計算しました物価の値上がりは大体四・三%という計算をいたしております。しかし、社会保障の関係その他基幹産業の物価の動向等を考えますと、また同時にこれと関連する、先ほども御質問いただきました職員の待遇の問題、あるいは技術の革新に伴う施設の革新という点を考えますと、現段階で御質問に答え得ないという気持ちでございます。しかし、私どもとしては、経営全体に近代化と合理化を促進してまいりまして、できれば将来御期待に沿うような段階まで経営を固めてまいりたいというのが考え方でございます。
#111
○北條浩君 もうすでにテレビは生活必需品になっておりますので、どうか今後十分経営努力をされまして、そして内容に応じて十分値下げのことにつきましても、御考慮をお願いしたいと申し上げておきます。
 時間も経過いたしましたので、決算書につきましては以上で打ち切りまして、一、二点郵政大臣にお伺いしたいと思うのでありますが、過般来問題になっておりますFM東海の問題でありますけれども、先般の委員会におきましてもFMの問題につきましては、今後の大臣の免計方針、その他につきまして質問が取りかわされております。具体的な問題といたしまして、このFM東海は十一月中におきまして告訴を取り下げまして一応解決したということになっておりますが、具体的な内容等につきまして、どういう形で解決したのか、今後どういうようにしようとするのか、きわめて重大な影響を持ちますが、その点についてお伺いしておきたいと思います。
#112
○国務大臣(河本敏夫君) FM東海との多年にわたるいろいろな関係が先般一応解決点に達したことは事実でございます。その詳細な内容につきましては政府委員から答弁させます。
#113
○説明員(左藤恵君) FM放送につきまして、そのチャンネル・プランを郵政省といたしまして十月三十日に公表を行ないました。その後十一月の二十九日にチャンネル・プランを決定いたしまして、省の周波数割り当ての方針を明確にいたしましたために、東海大学といたしまして、この問題で省と訴えを起こしてこれ以上争うということは無意味であるというふうに考えて、自発的に訴えを取り下げてきたものでございます。別に何ら裏取引したと、そういうことはございません。
#114
○北條浩君 少なくともあの問題の経過を追ってみますと、きわめて郵政行政が一貫性を欠いておった。あんな大きなFM東海は被害を受けたのでありまして、そういう訴訟の経過を追っかけてみますと、急転直下に解決をみたということは解せない面がある。したがいまして、ただいま御答弁になったようなことだけではちょっと納得できないのであります。その辺のいきさつをもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
#115
○説明員(左藤恵君) FM放送につきましては、チャンネル・プランを活用して実用に移すというような、いろいろと技術的な問題がたくさんございました。もう超短波放送、音声放送全体のあり方から考えまして、どういうふうに位置づけるかという問題がありますために、そのチャンネル・プランの決定自体に非常に長期の検討を要したのでありまして、この間に東海大学からFM放送の試験的運用を行ないたいという希望に対しまして、これを郵政省として長期にわたって認めてまいりましたために、本放送を実施しようという段階におきまして、東海大学との間に若干トラブルが起きたものと考えております。しかしながら、このFM放送の本格的な実施に当たりまして、免許を公正に行なうために、すべての申請者を平等の立場に立たせてやる必要がございますので、このためにFM東海を打ち切るという必要があったものであるというふうに考えております。
#116
○北條浩君 まあ事の経過につきましてはもう少し詳しくお聞きしたいと思いますが、私は、大臣に申し上げておきたいのは、前任大臣の任期中の問題でございますが、今後FMの免許その他のことに関しましては非常に影響の大きい問題でありまして、少なくともこうしたものを、大臣の権限が非常に大きいわけでありますが、こうしたもののあやまちを繰り返されないように今後は慎重に取組んでいただきたいことをこの問題につきましては要望いたしておきます。もう一点、大臣に伺っておきたいことは、例のジョンソン・メモの問題でございます。通信衛星につきましては今後大きな課題でございますが、この間明らかになりましたジョンソン・メモによりまして、アメリカが特定国をあげまして機密保持という条件をつけておった。今後こうした技術開発につきましては大きな問題を投げかけたわけでありますが、これに対する大臣の所見を伺っておきたいと思います。
#117
○国務大臣(河本敏夫君) アメリカ側との技術援助協力についての交渉は外務省及び科学技術庁、これが窓口となって行なってまいったのでございますが、もちろん郵政省もこの両省と十分緊密な連絡をとりながらやっております。これからいろいろ問題が出てくると思いますが、十分わが国の立場を考えながらやっていくつもりでございます。
#118
○北條浩君 どうかこの問題は将来ともどもに日本の宇宙開発というきわめて大きな問題に関連することでございますので、十分慎重な態度をもって取り組んでいただきたい、このことを要望いたしておきます。時間もたちましたので、以上で終わります。
#119
○鈴木強君 時間が少ないようですから、問題はたくさん持っておりますけれども、調整をして質問をいたしたいと思います。おととい私が要求しました資料については、提出をいただきまして非常に参考になりました。おおよそ質問をしたい点が出ておりますから、この中ではほんの若干の点だけを質問したいと思いますが、まずおとといも御質問申し上げましたように、受信料の中に占める放送費の割合、これについては資料等もちょっと拝見しますと、大体BBCに負けておらん、こういうようなことがわかりました。要するに中身の取り方についての点が異なっておったようでありますから、その点を了解いたしました。
 そこで具体的に四十年度の「紅白歌合戦」の作製経費の内訳をひとつ資料をいただきましたけれども、この中でひとつぜひ聞いておきたいのは、出演者五十四名に対して三百一万五千円の謝礼をすることになっておるわけですが、これは何かランクか何かできておりまして、A、B、Cとかいうふうにできておりまして、それによって最低最高というものはきめておるのでしょうか。これはどこでそういう基準をきめられるのか、だれがきめられるのか。
#120
○参考人(川上行蔵君) 「紅白歌合戦」に出られる方は、歌謡曲の方とそれから楽団の両方でございます。その中で歌謡曲のほうはランクがございまして、これはテレビ、ラジオの出演料につきまして、それぞれ最低二千円から最高三万円から四万円、そういうランクがございまして、その方々のそれぞれのランクづけをNHKの中でいたしております。そのランクづけは、NHKの中で、関係部局の局長が集まりまして、それでこの仕事を専門的に扱っております放送業務局の局長が委員長という形で、この事務的な案をつくりまして、最後的には私の責任において決定する、そういう形になっております。なおこのランクづけをつくります際においては、社会的な相場とかあるいはその方の持っておられる芸格と申しますか、あるいは実力と申しますか、そういうものを両方あわせて勘案してランクを定めております。
#121
○鈴木強君 そうすると、最低は二千円ですか。最高は幾らになりますか。ちょっと声が小さくてわからないのですが……。
#122
○参考人(川上行蔵君) ラジオ・テレビの出演者につきましては、最低二千円から最高三万円、そのほかに特別ランクとしまして四万円から十万円、そういうランクをつけております。
#123
○鈴木強君 四万から幾らですか。
#124
○参考人(川上行蔵君) 四万円から十万円は特別ランクという形で、これは数が少なうございます。それからいま申し上げた二万円から大体三万円というのが多数の方のランクになっております。
#125
○鈴木強君 特別ランクの四万から十万というのは、これはどういう人が該当するのですか。
#126
○参考人(川上行蔵君) たとえば歌手で美空ひばりとか、そういうような方々であります。
#127
○鈴木強君 落語家ではだれですか。
#128
○参考人(川上行蔵君) 落語家ではございません。
#129
○鈴木強君 そこはわかりました。
 それから楽団は、大体おもにどこの楽団がこれをやるのですか。NHK交響楽団じゃないですか。
#130
○参考人(川上行蔵君) この四十年度の「紅白歌合戦」におきましては、有馬徹とノーチェクバーナ、それから原信夫とシャープス・アンド・フラッツ、この二つの楽団にお願いしております。
#131
○鈴木強君 それから審査員というのは、昔は郵政大臣は出なかったかな――何人これは審査人は選ばれましたか。
#132
○参考人(川上行蔵君) 二十四名、四十年にはお願いいたしております。
#133
○鈴木強君 この審査員を依頼するのは、これは会長がやるのですか。やっぱり川上さんのところでやるのですか。
#134
○参考人(川上行蔵君) 私がいたしております。
#135
○鈴木強君 審査員の選び方については、まあ担当の局でやるようですけれども、たとえばさっきの出演料のランクのきめ方についても、ちょっともう少し幅の広いところでみんなの意見を聞いてきめるようなことはできないものでしょうか。民放との比較もございますね。かねて薄謝協会といわれたNHKが、今日そうでなくなっていると思いますけれどもね。ですから、民放で出されている出演料よりもNHKが少ないということでは、いい放送番組がつくれないということにもなりますから、そういう点も勘案してやると思いますけれども、そういう比較検討、ランクのきめ方、審査員の選び方、こういうものについてはもう少しくふうする方法はないのでしょうか。
#136
○参考人(川上行蔵君) そういう点につきましては十分に配慮いたしまして、もちろんその芸界の方々、専門家の御意見あるいは出演者の直接のマネージャーというような方々、そういう方々の反響も十分に伺いまして出しております。もちろん問題がございましたら、今後とも改善、充実していって世間の評価にこたえるという形をとっていきたいと思います。
#137
○鈴木強君 それで四十三年度の予算を見ると、千百七十一万八千円ことしの暮れの「紅白歌合戦」に作製費にかかるようですけれども、三年、四年前になりますか、四十年度で比べてみると三百四十八万六千円額として多くなっているのですけれども、当時、さっき私が聞きましたね、ランク、最低二千円からまあ普通三万円。それから特別ランクとして四万から十万、これは今年度上がっているのですか、少しはふやしておるわけですか。
#138
○参考人(川上行蔵君) ランクそのものは四十年と今年と変わっていないと思いますが、その出演者の個人個人につきましては、その当時よりも上がっておられる方もあります。たとえば四十年度に初めて出られた方は、新人という形でまだ低かったのでありますけれども、その後非常に世間的にも評価を高められあるいは本人の技量も向上されたという場合にはかなり上がっておる、そういうことはございます。
#139
○鈴木強君 それから舞台装置とか衣装、化粧料等として百七十一万あるのですけれども、NHKには美術センターというのがございまして、こういうものをこういうときには使ってやらせるわけですか。
#140
○参考人(川上行蔵君) 東宝劇場を借りてやっておりますので、東宝劇場に東宝専属の東宝何とかという舞台専門の装置をつくるところがございまして、そこに委嘱してつくらせておるということをいたしております。
#141
○鈴木強君 そういう方法が約束になっているわけですか。美術センターというものがあれば、その美術センターを活用していったほうがより安く多少でもいけるということは考えられないものでしょうか。
#142
○参考人(川上行蔵君) できるだけそうしたほうがいいかと思いますけれども、ただこれは東宝劇場でほとんど前の日までいろいろな舞台を使っておりまして、そこに入っていきまして、よそから入ってまいりまして新しくつくるということはいろいろ支障がございます。やっぱりその内部でやっておられる方ですと経験もありますし、時間のひまを利用して大体見当をつけるということもできますので、どうしてもそういう形をとっておるわけであります。
#143
○鈴木強君 その点わかりました。
 それから総合技術研究所に対する予算十億二千百十一万三千円、まあ四十年度これだけの受信料を投入して技術開発のためにいろいろ御苦労いただいたんですけれど、いまも北條委員からも質問いたしましたように、ここで協会が研究をした成果、あるいはパテントとしてやられたものもありましょうし、その他いろいろの成果があると思いますが、これはもちろん放送法に基づいて広くわが国の放送発展のために提供をし、利用していると思いますけれどもが、たとえばいまのカラーテレビなんかでもそうですけれども、何かおたくのほうの研究所で技術的な開発をして、そしてもう少しこう安くするような方法を何かとれないものでしょうか。これは、これからカラーをどんどん放送しようとする、それに従ってみんなに見てもらわなければならぬですけれど、まだちょっと高いですから、物品税もかかっておるし、ここらは郵政大臣も少し考えていただいて、できるだけ安く買えるような道を開かぬと、なかなかカラーの普及ということはむずかしいように思うわけです。まあ時間があれば私はこのパテントの使用その他いろいろお聞きしたいんですけれど、ちょっと北條委員の質問と関連をして、特にカラーなんかについては、何か研究所のほうで研究をされて、メーカーとタイアップして少しでも安くできるというような、そういうことはできないものでしょうか。それと、郵政大臣には、白黒もあるんですけれども、物品税というものがかかっておりますから、そういうものをひとつ抜本的になくしていくという方向に努力ができないものでしょうか。これは長いことこの委員会でも問題になっておるんですけれど。
#144
○国務大臣(河本敏夫君) カラーテレビの価格の問題につきましては、最近爆発的に普及しつつありまして、それに対応する量産体制とられておりますから、当然大幅に下がってくるものと思います。
#145
○参考人(野村達治君) NHKといたしましては、技術研究所におきましてカラーテレビジョンの受像機のこともひっくるめ、ほかのカラーの問題も扱っておりますが、受像機の生産の中におきまするコスト――販売価格の中におきます製造コストといいますものはかなり低いところにございますけれども、できるだけこれを助力いたしまして下げるようにということで、受像管にいたしましても、受像回路のやりようにいたしましても、両者研究につとめております。これにつきましては、メーカーにいろいろ資料は提供いたしまして、価格形成の上にできるだけ役立ててもらうようにいたしております。
#146
○鈴木強君 郵政大臣、爆発的につくっておるから安くなるだろうというお話で、われわれはそれを期待するわけですけれど、実は外国に輸出する場合の価格と、それから国内で販売している価格とはたいへんな差が出ているわけですね。ですから、われわれとしては、いままでもカラーの受像機が少なくとも六万ないし七万――それは何か安く売っているところもあるようですけれど、何か特別に割り引きをして、しかしもっと、言うならば白黒と同じくらいのレベルまで早く下げてほしいと、こういう希望を持っているわけですね。ですからなかなかまだ一般的にはカラーというものは家庭の中に入ってこれぬのですよ。しかし、御承知のように、電電公社のほうでもカラー専門の特別な規格のマイクロウエーブを全国にめぐらして、これを設置、建設しました。NHKもその体制に基づいてやっておられるわけですけれど、なかなかそういう設備に相当な資金を導入しても、見る人がいなかったのでは、これはもうほんとうに価値がないことですから、意味のないことですから、できるだけ受像機を安くするという、そういうことでわれわれは意見を出しているわけです。これは、直接は物品税の減免なんかは通産大臣の所管ですけれど、担当の大臣としてぜひ通産大臣等ともひとつ緊密な連絡をとっていただいて、そういうようなものをなくすような方向に持っていっていただきたい、こういうことを私は言っているわけですから、その点のお答えをいただきたいと思います。
#147
○国務大臣(河本敏夫君) さっそく実情をよく調べまして、関係大臣とも話し合っていきたいと思います。
#148
○鈴木強君 それから放送番組のことですけれど、これは番組審議会で基本的な放送法に基づく方針に基づいて御決定になると思うのですけれど、まあわれわれがNHKのテレビやラジオを見ておって、たとえば氏名や固有名詞を誤って読むような場合ですね、それから、こう画面とそれから音声がうまくいかないような場合とか、ときどきこう見受けるわけです。で、私は少なくとも固有名詞の読み方等に対しての間違いというのは、これはアナウンスに従事する方々のやはり教養の点とか勉強の点になると思いますから、そういう点の訓練も絶えずやっていただいていると思うのですけれども、まあできるだけ見にくくないようにという努力はかなりやっていただいているのですけれども、なおかつ多少のそういう点も見えるわけですけれども、百パーセントなくすということは無理ですけれども、これはマイクロウエーブの故障の場合もあるでしょう、いろいろと技術的な問題ですから、一がいには言えませんけれども、もう一段とくふうしていただきたいという実は気持を持っているのですけれども、やはり現状と今後の考え方がありましたら、聞かしていただきたいと思います。
#149
○参考人(川上行蔵君) ニュースにつきましては、この八月からニュースセンターというのをつくりまして、そこで一元的に地方からのぼってまいりましたニュースも、あるいは東京でつくりましたニュースもやるように、非常に便利な施設もできました。その意味におきまして、いままでよりもはるかに間違いが少なくなったと思います。ただニュースは御承知のようにできるだけ新しいものを入れたいというので、まぎわまでみんなが努力いたしまして、新しい材料を入れますので、ときにフィルムの長さとアナウンスの原稿の長さと合わなかったりというようなこともございます。そういうようなことにつきましても、自動的に検出するというような装置もついておりますので、それらの分析を十分に熟練させて、今後とも御指摘のような点がないように努力してまいりたい、このように考えております。
#150
○鈴木強君 アナウンスをされる方はたいへんだと思いますけれども、いま言ったような、間髪を入れずやる仕事ですから、宿直のその次の朝やるとか、いろいろな御苦労があるのですから、御苦労はわかりますが、しかしアナウンスをやる担当の方々の日常の訓練といいますかね、そういうものはどうなっているのでしょうか。たとえばEDPSが入りまして、全面的に切りかえていくのですけれども、それらの再教育といいますかね、職員のそういうことについての万全の体制をとっていただかないといけないと思うのですが、私は労働問題で少し聞きたかったのですけれども、さっき森さんが待遇問題で触れておりますから、時間があれば触れたいと思いますけれども、ここのところでちょっと関連をして、職員の再訓練という中でちょっと伺いたいのですけれども……。
#151
○参考人(川上行蔵君) アナウンサーはやはり協会を代表して、いろいろな場合において発言をしておりますので、そういうことばの訓練ということにつきましては、特に注意をいたさせて、努力いたしております。採用の際はもちろんのこと、採用後も数カ月の訓練をいたします。あるいは年間数回やるとかあるいは日常的にもたえずアナウンス室長あるいは中心の幹部が一人一人を指導して、いま終わって部屋に帰ってきた際に、必ずそれを批評して注意を与えるというような形で努力いたしております。
 それから先ほどちょっと御指摘がありました固有名詞の読み違え、そういうことにつきましては、私どもの文化研究所で用語委員会というものを、外部の権威のある方にもお願いいたしまして、そこにはアナウンサーも多数参加いたしまして、そういう面の訓練をいたしております。そこでむずかしい用語の読み方、そういうパンフレットをつくりまして、関係の者の参考資料に回しております。
#152
○鈴木強君 EDPSのほうはどんなふうになっておりますか。
#153
○参考人(川上行蔵君) EDPSにつきましては、すでに営業関係あるいは経理関係には導入いたして実用化いたしております。放送関係につきましては、放送技術のシステムという方式によりまして、この八月から除々にそれを導入するという形で、この十一月ごろから本番に本格的な使用方法に近いような形で今日それを実用化いたしております。ただ、まだ機械がふなれとか、あるいはシステム全体につきましてもまだ幾つか問題ございますので、必ず全面的に機械によるのではなくて、人間的なバックアップをするとかいうことで、現在次第に実用化、本格的な使用に入るという過程にあるわけでございます。
#154
○鈴木強君 それからラジオのほうで、夜の八時からニュース特集というのをやっておられますね。この中に国会の動きというのが閉会中でもやっていただいています。これは非常に好評を博していると思うのです。とかく国会の審議というものが一般の――新聞紙しにおいても特殊な点だけしか出ませんですね。そういうときに、国民が国会の中で一体何がやられておるのだろうということを非常に関心持っていると思うのです。私はある病院に入院している患者の方々から手紙をいただいたのですけれども、そのときに、テレビも病院では見れないときに、せめてラジオだけをたよりにして療養生活を続けているのだが、そういうときに、国会の動きなんか出てくるのは非常にうれしいのだということを聞きましたけれども、そこでいま八時から九時の間で使っている時間というのはおそらく二、三十分じゃないですか。あとのが入ってきますね。ですから、ああいうのをもう少しくふうして、ただ一つの委員会でなく、やはり他の委員会でもできるだけ、録音とるのもたいへんでしょうけれども、録音とらなくても私は大体そこでもってアナウンサーの方が、きょうは委員会でこういうふうなことがあったということを報道することも一つの意義があると思うのです。ただニュースだけでなくて、そういうようなくふうをやはり公共放送としていただくことがいいんじゃないかとつくづく思うのですけれどもも、もう少し時間というものはとれないものでしょうか。そしてその内容等についてももう少し検討してもらえないものでしょうか。
#155
○参考人(川上行蔵君) いま御指摘の点につきまして、私たちも十分にやらなくちゃいけないという考え方をいたしております。そのためにおもな議題が行なわれております委員会につきましては、特に実況放送もお認めいただいてやるという形をとっておりますが、それ以外離れましても、いまお話がありましたように、常に国会全体の動きを国民に知らせる義務があると思いますので、御指摘の点につきましては、今後とも検討して充実していくように考えてみたいと思います。
#156
○鈴木強君 それからさっき制作費のところで伺えばよかったのですけれども、この前も私は「私たちのことば」というあの投書に対して謝礼を出しておるというから、幾ら出しておるかと言ったら、何か非常に少ない額だったものですから、少しふやしたらどうかということを申し上げた記憶があるのですけれども、たとえばきょうの「スタジオ102」ですか、それからきのう、おとといあたりのやつを聞いておりましても、たとえば公営住宅なら公営住宅、公団住宅なら住宅に住んでいる奥さま方が集まっておられる場面がありましたけれども、たとえば大阪から来ている方がいるわけですね。ああいう人たちは大阪のスタジオに来ていただいて、そして東京とこう三元放送というのですか、そういうこともできると思うのですけれども、ああいうのがわざわざ東京まで出てきておられるようにも思うのです。それから話の中で、けさも例の海外から引き揚げた方々の札のことで、当時の千円しかもらえなかったとか、税関に眠っている現物を見てやっておりましたけれども、そのときにNHKからこっちへ来いと言うから来たのだということをちょっと言っておりましたけれども、これは表現の点でしょうけれども、まあ「こんにちわ奥さん」なんかの場合もかなりの奥さんたちが毎日毎日出ておりますけれども、ああいう人たちはあれですか、謝礼というものは一体――「スタジオ102」もそうですけれども、ちょっと出演される、あるいは「こんにちわ奥さん」の場合かなりいますね、時間的に。あれはどの程度出しておりますか。それから「私たちのことば」のほうは少し上げたですか。
#157
○参考人(川上行蔵君) 「私たちのことば」につきましては、実はちょっと私調べておりませんので、あとでお部屋のほうにでも申し上げたいと思いますが、「こんにちわ奥さん」のほうは、たしかお一人東京の方ですと二千円程度謝礼として差し上げます。それから地方からおいでいただいた場合においては汽車賃はもちろんのこと、お弁当代を差し上げるという形になっております。
#158
○鈴木強君 「私たちのことば」はいま幾らやっているのですか。
#159
○参考人(川上行蔵君) 私の数年前の記憶で、たしかお一人千円だったかと思いますが、その後先生のお話もあってあるいは直しているか、それはあとで調べて申し上げることにしたいと思います。
#160
○鈴木強君 それからもう一つ、年末助け合い運動というのをNHKがやられておる。これは長い歴史があるようですから私もいいことだとは思いますけれども、しからば、年末助け合い運動というものをNHKがああいうふうにいろいろ報道されてやっておられるのだが、一体それに対して協会側が人的にあるいは具体的な予算の面で、経理の面でどの程度の支出をされているものかということを、ちょっとこう感ずるのですけれどもね。たとえば四十年度ではどの程度金が集まったものか、そうしてその配分等についても献金する一人一人の皆さんの意思に沿って、また募集するテーマによって出しているわけですから、これに対して協会側がそのことを中央募金会なら募金会に伝達をして、少なくとも献金した人たちの意思というものが反映できるようなやっぱり使い方をしないといけないと思うのですよ。ときどき赤い羽根なんかでも途中で飲んだり食ったりしてしまったとかいうようなことがあるものですから、会計検査院、行政管理庁の調査の結果は。だから、ことしあたりは東京は一番募金が集まらないといって、けちんぼな東京とか言っていましたけれども、けちんぼじゃなくて大体扱い方が不明朗だからみなが出さない。NHKはそんなことはないと思うが、趣旨を十分伝達して、その趣旨が生かせるようなことをやらなければ、せっかく苦労して集めても意義がないと思う。それから本来報道を放送法に基づいてやるわけですから、募金活動をするということは本来の仕事じゃないと思うのですよ。これは一回、この前も会長と質疑をやっておりまして趣旨はわかっているけれども、まあ歴史的な経過があるからなかなかやめることもむずかしかろうが、やめないならやめないでその方法について、われわれが納得できるような方法をとっていただくようにしていただきたいと思うのですけれども、四十年度の現状はどうだったでしょうかね。
#161
○参考人(川上行蔵君) 四十年度は六万七千件ほどの方々からお寄せいただきました総金額が三億三千二百十六万四千五百三十円に達しております。なお、この金の配分その他についてお触れがあったかと思いますけれども、それはNHKと中央共同募金委員会とかたい契約を結びまして、NHKはこういう助け合いの番組を実施いたしております。しかし金につきましては、一切共同募金委員会の責任において終始扱うという形をとっているわけでございます。その配分につきまして、NHKの局なんかへそういう方の御意見の申し出があれば、そういうような御趣旨でそういうような面に使ってほしいというお話があるからということをちゃんとお伝えしまして、この中央募金委員会の配分の際に、その希望も考慮いたしまして配分の比率をきめている、こういうことでございます。
#162
○鈴木強君 NHKでは放送をしてやりますから、その人が放送している時間の金というのはNHKで分担するのだが、特別にこの助け合い運動のために支出しているということはないのですか。
#163
○参考人(川上行蔵君) ごく少額でございますけれども、四十年度におきまして二百七十四万円の金をこの一つの仕事として支出いたしております。それはこの助け合いのポスターとかあるいは各放送局の前に置きます献金箱とか、あるいはその関係の事務の書類とかあるいは報告書、そういうもので二百七十四万円使っておる。これは本年度まで金額が変わっておりませんので、最低の事務費、このように考えております。
#164
○鈴木強君 二百七十四万とおっしゃるわけですから全体の予算から見たらそう大きな額ではないと思いますけれども、これは本来の仕事じゃないのでしょうね。これは会長にこの前私は伺っておるのですけれども、何とかこれは本来の、国のほうで貧しい人たちのためにもつと積極的な施策を組んでもらうとか、あるいはもっと中央募金会のほうに回すとか、そういうふうなことは考えておらないでしょうか。
#165
○参考人(前田義徳君) この問題は、今年度は第十八回目になります。歴史をたどりますと、非常に日本の社会状態が沈滞していたと申しますか、問題になる谷間が非常に多かったという時代から始まって、やはりNHKが国民のものであるという点から言えば、従来はしたがって番組に重点を置いて、そうして、その助け合い運動を始めてきたわけです。今日もこれをこの際切るかどうかという問題については、やはり番組編成の面から見ると、問題点は常に報道していかなければならないわけで、したがって、それに即応するNHKの事業としてではなく、ただいま川上専務から御説明申し上げましたように、中央共同募金会及び各関係、厚生省なりそういう政府御当局との関連においても、NHKとしてはいままでやってきた十八年の成果をさらに継続することについては、本来業務との間の重大な問題はないという考え方を持っており、さらに、御承知のとおり、数年前にはじめてNHKの厚生事業団、社会事業団という外郭団体もつくっておりまして、そういう点からいえばNHKは単に純粋の放送業務だけでなく、放送と関連する場において、私はやはり聴視者の利益になることをやるべきであるという考え方を持っているわけです。ただいま御報告のように、四十年度におきましては三億円をこえましたが、前回十七回においては四億円をこえております。これは純粋な聴視者の寄金に、寄付によるものでありまして、この部分でも国の施策その他と関連して、さらにプラスになることがあるならば、公共機関としてのNHKの性格からいっても、聴視者のためにもやるべきだという考え方を持っているわけでございます。
#166
○鈴木強君 これは依然として見解が違うのです。私は、聴視者のためだとおっしゃるけれども、聴視者のためじゃないですよ。これは貧しい人たちのためです。聴視者が必ずしも金を出しているとは限らぬと思うわけです。そういう意味では、私は二百七十四万円をよりいい番組のために使ってほしいと、「私たちのことば」の礼金を少しでもふやしてそして、いい国民の声が放送してもらえるようにということを私はむしろ願っている。だから、これはあなたと私と見解の相違ですから、これ以上私はあなたに見解を聞こうとは思いませんけれども、本来の筋からいってどうかという私は絶えず気持ちを持っているものですから、だからそれは中央募金会のほうがやることに対して、放送を通じてやるのはいいですけれども、少なくともポスターその他いわゆる二百七十四万円の金を使い、まあことしあたりもテレビを見ていると、募金を持って行ったところの写真が出ておりました。こうなれば職員も私はこれに対してある程度の仕事はやっていると思うんですけれどもね、こういうことがいいかどうかということに対する、これはまあ価値判断の問題ですから、私はこれは自分のいままで思っておった疑問ですから申し上げたわけです。
 それから、多少飛び飛びになって恐縮ですけれども、いまNHKは全国に中央放送局並びに放送局をたくさん持っておられますが、テレビの中継車というのは、配置状況はどんなになっておりますか。
#167
○参考人(川上行蔵君) 現在テレビの中継車の配置は各中央放送局はもちろんのこと、われわれのほうではED局と申しておりますけれども、県庁所在地局のところまで全部テレビの中継車は参っております。
 それからラジオのほうの中継車は、これはもう全部の局に同じように参っております。
#168
○鈴木強君 このテレビ、ラジオの各種の機械、機器ですね。こういうものはあれですか、写真材料等を含めていまどこからおもに買っておられのですか。
#169
○参考人(野村達治君) 主要な製造会社は約五社あると思いますが、五社からほぼどの社からも購入しております。
#170
○鈴木強君 この三友ですね、これはあれですか、年間どのくらい契約しておりますか。
#171
○参考人(志賀正信君) 三友商会のお尋ねのことかと思います。取引をいたしておりますが、フィルムの購入をいたしております。年間五、六億になるかと思います。
#172
○鈴木強君 このフィルムの購入は全体として年間幾らですか。
#173
○参考人(志賀正信君) ただいま資料がございませんけれども、なおこのほかに一億以上のものがあるかと思います。
#174
○鈴木強君 そうすればほとんどこの三友じゃないですか。で、この三友というのが三友プロダクションというものもこれは経営しているようですね。そこにNHKとして番組の作制などは頼んでないですか。
#175
○参考人(川上行蔵君) 頼んでおりません。
#176
○鈴木強君 この三友については、NHKの場合は会計検査院が検査をするわけですけれども、少なくともこのほとんどの契約をNHKにしておるこの三友社に対して、毎年会計検査院は検査はしておりますでしょうか。
#177
○説明員(小熊孝次君) 放送協会のそういう資材の購入につきましては、毎年本部におきまして会計検査を実施しております。
#178
○鈴木強君 いやその三友会社の検査はしましたかというのです。
#179
○説明員(小熊孝次君) まあ会計検査院といたしましては日本放送協会を検査いたしますが、原則的にはその購入先でありますところの会社とか商社とかそういうものにつきましては検査はいたしておりません。
#180
○鈴木強君 会計検査院の会計検査院法からいって、たとえばその協会のほとんどの仕事の契約をやっておるこのこういうところについては検査はできるわけでしょう。現にきのう私が資料を要求しました助成金を出しておる、あるいは出しておらない外郭団体的なものが幾つかあるのですけれどもね、その中で日本放送出版協会とか美術センター、こういうところは会計検査院は見ているのじゃないですか。検査しているでしょう。私はしているように聞いているのですがね、これは。
#181
○説明員(小熊孝次君) 会計検査院法の規定によりまして、第二十三条の第七号で、「国又は公社の工事の請負人及び国又は公社に対する物品の納入者のその契約に関する会計」というものにつきましては、これは特に指定をいたしまして検査することはございますが、日本放送協会の場合は、国あるいは公社、こういうところに該当いたしませんので、権限的にそういう権限は、商社そのものを検査するというわけにはまいらぬわけであります。したがいまして、日本放送協会の検査に際しまして、その契約内容、あるいは単価とか、そういうようなものにつきまして検査をする、こういうことだけにとどまっておるわけでございます。
#182
○鈴木強君 そうすると、私がさっき申し上げた日本放送出版協会とか、そういう美術センターとか、助成金なしの協会の仕事をほとんどやっておられるそういう会社については、これはやっておられないのですか。
#183
○説明員(小熊孝次君) 検査院法によりまして、あるいは放送法によりまして、日本放送協会について会計検査院の検査をすると、こういうことになっておりますので、われわれといたしましては、権限的には、検査といたしましては、放送協会の検査、したがって、放送協会の経営その他そういう経理内容につきまして検査いたします。その際に購入物品とか、そういうものの単価が適正であるかどうかというような点につきましては検査いたしますが、相手方にまいりまして検査をするということはございません。
#184
○鈴木強君 まあ相手方へ行く行かないは、これは別問題ですけれども、実際問題として特別にたくさんの契約をなされている、その会社の購入に対する調査というものは実質的にはやっているわけでしょう、これは。そして公正に書かれているか書かれていないかは見ることは見るのじゃないですか。
#185
○説明員(小熊孝次君) 検査そのものとしては、先ほど申し上げましたように相手方を検査することは権限的にできません。しかし、必要に応じまして、その会社のバランスシートとか、そういう参考資料として日本放送協会を通じまして出していただくと、こういうような場合は、これはまあ放送協会だけではございませんで、その他の検査の仕様として御協力を願って出していただくということはございます。
#186
○鈴木強君 これは協会の予算が国会の承認を得るというたてまえがあるわけですから、私はやはり国の予算、公社予算と大体同等のウエートがあると思うのですよ。だから、法律的な権限は一応まだ私も研究する余地があると思うのです。ですから、きょうは研究課題にしておきますが……。
 それからもう一つ最後に伺いたいのですが、まあ放送センターがあそこにでき上がりましたが、先般実はあそこを見さしてもらいました。行って見ると、あそこに食堂とか売店とかございますけれども、ああいうものは特定の会社がやっているものでしょうか。
#187
○参考人(志賀正信君) 職員その他の食堂に関しましては、全国五十八の局所で便宜のために行なっておりますが、これは共済会にその業務を協会から命じて委託をしてやらしております。
#188
○鈴木強君 そうすると、共済会が経営の主体になって、それはいま実際には何かこう民間の会社が入っているものでしょう。ですから、それは請負を協会からしているという趣旨ですか。
#189
○参考人(志賀正信君) 現状から申しますと、共済会業務の合理化、いろんな面から共済会が一般の業者にやらせておるという形になっておるものがほとんどでございます。
#190
○鈴木強君 これは、共済会が直接的に食堂とか売店を経営したほうが安くてうまいものが職員の方に提供できるのか、あるいはその共済会という組織じゃなくて、民間の会社にしたほうがよりベターというのか、その点私よくわかりませんからね、ちょっとこう感ずるのは、共済会が直接おやりになったほうがいいんじゃないだろうか。いずれ、共済会の運営等についても、いろいろと協会の発展のために寄与する組織だと思いますから、そういう意味では援助すべきものは援助して、助成すべきものは助成していくという協会側の態度があれば、私は直接やったほうがいいんじゃないかという気がするんですけど、その辺は経済効果の面で、経済比較の面でそうなっているのでしょうか。
#191
○参考人(志賀正信君) 経済比較の面もいろいろございますが、やはり共済会といたしましてもできるだけ専門の業者にやらせたほうがいいという考え方を持っておりますので、私どももそれに賛成をしておるわけでございます。全国的に見ますと、一部、共済会が自分で運営しておる例も一部残っておりますが、ほとんど外部の専門業者の中から優良なものを選んで委託をするという形式に切りかえているような状況でございます。
#192
○鈴木強君 私は、あそこにはかなりの職員もおりますし、それから見学者もかなりおるわけですからね、こういうところではやはり共済会が直接やっても、私はその利益の点も考えていいんじゃないかと思うんですね。共済会が今度は下にまた下請をさせるということになると、おそらく幾らかのマージンというものも取らなきゃうそですね。ただ、あそこの光熱費どうなっているか、私はよく知りませんけれども、そういうようなことで、まさかあそこに家賃もただで入れていると思いませんけど、そうなってくると、やはり局舎全体、庁舎全体との運営ともからんできて、問題があるように思うんですね。だから、共済会というものは私どももよく理解しておりますから、そこがやはりやるような方法はとれないものでしょうかね。
#193
○参考人(志賀正信君) お説のような考え方もあるかと思いますが、職員の厚生施設を主にいたしておりますので、共済会が実際委託をいたしました一般の業者から若干のマージンをとっておると思いますが、それもすべて職員に別な形で還元をいたしておるわけでございまして、その他いろんな経済上の問題及び地方の局所等にまいりますと、非常に職員の数も少のうございますので、一々厨房施設を自前で持ってということも非常な不採算な面もございますので、そういうことも勘案いたしまして、優良な業者に委託をするということに賛成をいたしておる次第でございます。
#194
○鈴木強君 時間もありませんからきょうはこれ以上やりませんので、たいへん恐縮ですけれど、いまの委託している会社ですね、どういう会社か、ひとつ資本金や役員等どうなっているか、参考のために私はぜひほしいんですけど、そういう資料を後ほどお願いします。
 それからフィルム等の写真材料を購入しておる、さっき申し上げました株式会社三友ですね、こことあと――五社あるそうですからあとの四社はどういう会社なのか、それから契約高は一体どのくらいなのか、これはひとつ資料としてお出しをいただきたいと思います。
 では、私はこれで資料を確認していただいて終わります。
#195
○参考人(志賀正信君) ただいま御要望のございました資料につきましては、さっそく作成いたしまして御提出いたします。
#196
○委員長(久保等君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#197
○委員長(久保等君) 速記を起こして。
 他に御発言がなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#198
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#199
○委員長(久保等君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 日本放送協会昭和四十年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきまして、これを是認すべきものと議決することに賛成の方の挙手を求めます。
  〔賛成者挙手〕
#200
○委員長(久保等君) 全会一致と認めます。よって本件は全会一致をもって是認すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#201
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 それでは、二時まで休憩いたします。
   午後一時十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時二十六分開会
#202
○委員長(久保等君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。
 これより郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。
 本件に関し質疑のある方は順次御発言を願います。
#203
○鈴木強君 いま、政府は来年度の国家予算の基本的な方針をおきめになろうとしておりますが、その一番基本になるのはやはり国鉄とか電電さらにそのほか塩も上げる、いわゆる公共的な料金をどうするか、こういうことでぎりぎりのところにきていると思います。したがって、私はきょう電電公社の第四次五カ年計画、その二年度に当たる来年度の計画内容についてお尋ねしたいと思いますが、順序として大臣にお尋ねいたしますが、公社法四十一条に基づく電電公社の予算の作成と提出の手続に基づいて、おそらく来年度の予算概計が大臣のお手元にまいっていると思いますが、これはいつ大臣はお受け取りになりましたでしょうか。そして、この公社から出された予算概計については郵政大臣は、「大蔵大臣と協議して必要な調整を行い、閣議の決定を経なければならない。」と、こう書いてあるんですが、郵政省としては公社から出された概計を了承して、そしていつから大蔵大臣と協議をなされておりますか、手続上の問題ですが最初にそのことを承りたいと思います。
#204
○国務大臣(河本敏夫君) 書類は九月一日に受け取っておるようでございます。私は、就任以来直ちにその内容を詳細に検討をいたしました。なお、大蔵大臣との交渉はまだやっておりません。
#205
○鈴木強君 そうすると、郵政省に提出された公社の予算概計は、郵政省としては省議でよろしいというようにきまっているのでしょうか。
#206
○国務大臣(河本敏夫君) 私は、就任いたしましてから約半月ばかり、ほとんど連日のごとく内容を各方面から検討いたしまして、公社の要求は妥当なものである、ぜひ実現をしてやりたい、かように存じております。
#207
○鈴木強君 いやいや、そうでなくて、私の聞いているのは、郵政省として、この電電公社から提出された予算概計について省議でよろしいと、こういうふうに決定をしておりますかということを聞いたわけです。
#208
○国務大臣(河本敏夫君) 省議といいますか、正式の省議ではありませんが、大臣、次官、関係者、それに直接関係する者、その全員が集まりまして、よろしいと、支持しようと、こういうことを決定いたしました。
#209
○鈴木強君 これは、大臣に御質問するのは少し酷かと思うのでありますが、私はちょうど十三年国会に来てほとんどこの委員会で働かしていただいておりますが、公社発足以来、きわめて重要な問題として現行の公社法の改正ですね、これがもう命題になっておったわけであります。御承知のように、昭和二十九年の十一月四日臨時公共企業体合理化審議会の会長原安三郎さんから当時の吉田総理にあてた答申が一つあります。さらに三十二年の十二月二十五日公共企業体審議会の会長石坂泰三氏から当時の岸内閣総理大臣にあてた答申が出ております。これはいずれも公社形態に対する基本的な改正を要望している答申でございます。これ大臣はごらんいただいたと思いますが、私はこういう基本的なものについて、第四次五カ年計画を実施する場合ですね、その土台になる制度の不備欠陥を是正して電電公社の自主性をさらに広げ、監督権を弱めていくという、そうして思う存分公社経営者に仕事をさしていくという、この本来の公共企業体経営の方向にやはり制度を、一ぺんにいかなくても、前進さしていくべきだと私は信じているのです。ところが、十三年間私が毎年毎年歴代大臣あるいは総理に予算委員会や委員会を通じて質問いたしますと、ごもっともである、検討いたしますという、これは十何回聞いている。今日では、私は時期が少しおそいように思いますけれども、この四次計画の第二年度の計画を提案されるにあたっては、こういう問題をもう一度慎重に考えて、土台からやはりやり直してもらいたい、こういう気持ちを持って大事なものが郵政大臣のところで忘れられているのじゃないか、こう思うのであります。御就任早々たいへんなピッチでご勉強なされていることは新聞その他の情報で私ども伺っておりまして、この点は敬意を表しますが、そういう点があることを私は大臣にしかと知っておいていただきたい。これは当時大臣でおられなかったわけですから、監理官も来ておられるし、この四次計画を策定するにあたって、そういう基本的な問題について討議をしたかどうか、私はそれを承りたいんです。
#210
○国務大臣(河本敏夫君) 昭和二十九年と三十二年の答申につきましては承知しております。基本的な考え方は賛成でございまして、公社に独立採算制をとらしておりまする以上、自主性を与えまして、独立採算で企業の創意くふうによりまして、また合理化によりましてやっていくと、こういう体制にしていくということは当然のことであろうかと存じます。
#211
○鈴木強君 大臣のこの問題に対する考え方はよくわかりました。私は監理官にお尋ねしたいんですが、そういうせっかく諮問をして答申を得て十数年もこれを隠してそのまま放置しておくという私は政治姿勢に対して非常に疑義を持つし、不安を持つのですよ。だから、少なくともいま公社が非常に苦労する点もあるでしょうが、困難もあるでしょう、そういう中で全職員が一丸になってやっておるわけだから、そういう点くらいはやはり検討されて、直すべきところは直していくと、こういうやはり姿勢が前向きに出ていなければならぬと私は思うのですが、そういう点を前大臣のときにやりましたが、大臣はそのときにおられなかったんだからおそらくわからぬと思いますから、だから監理官に伺いたい。
#212
○説明員(柏木輝彦君) この問題につきましては、いろいろ私ども勉強いたしておりますが、具体的な問題、法案その他の形でこの問題を提出するというまでの動きはございませんでした。
#213
○鈴木強君 動きがございませんでしたでは、これは済まぬのですね。やはり積極的にそういう姿勢でこの法律改正の衝に当たる郵政省としてやはり作業を進め、それは政治的な情勢はあるでしょうね。しかし、やっぱり当局者としてはその姿を前向きにどんどん前進させていくということを考えなければ問題の解決にならぬのですよ。答申をしないならまだあれですけれども、二度の答申があってそれを放置しておくということはいかにも怠慢ですね。だからそういう点を私は聞いているので、大臣がその気になってくれなければ、柏木さんのところでうまく動けないかもしれぬが、やはり監理官として、そういう点はどんどんと大臣を突き上げていくくらいのやっぱり姿勢でやっていただかないと一つも解決しませんよ。おそらく大臣はこれはやっていないでしょうね。大臣の御所見わかりましたので、ひとつこの四次計画とあわせて十分な御検討をいただいて本来の姿に持っていっていただきたい、こう強く私はあなたにお願いするのですが、所信をひとつお聞かせいただきたい。
#214
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほど申し上げました経営指導に関する基本的な原則というものはあるいは法律を改正しなければできない部分があるかもしれませんが、しかし、私は何も法律を改正しなくてもそういう基本方針さえ確立をいたしまして、その気でみんながやればある程度は実行できるのじゃないか、またそういう形で実行するのでなければほんとうの公社の経営というものはできないとかように思いますので、御指摘の方向に持っていきたいと思います。
#215
○永岡光治君 関連。いま大臣がその決意であるということ、経営に非常に熱心な大臣でありますから、私はこの際大臣にもとくとひとつ御考慮いただきたいことがあるわけです。それは、経営委員の処遇の問題です。NHKの経営委員の処遇を見ましても、委員長さんが一日出れば三万円、普通の委員が二万円、公社の経営委員はこれほど大きな仕事をあずかっておいて審議会の会長さんですか、委員長が五千円か五千五百円だと記憶しております。間違っておれば訂正していただきたいと思いますが、とにかく非常に安い。国鉄の経営委員も二十二万とかいうような処遇をしておるわけですね。なぜ電電公社だけこれだけ大きな仕事を……、経営委員というものが片手間であってもいいような印象を受けるような処遇にしておるのか、ここに私は問題があるのじゃないかと思うのですが、大臣も就任早々でありますから、いろいろ勉強されるひまがないかと思いますけれども、これは当面の問題として早急に解決すべきだと思います。ひとり電電公社の経営委員のみが非常に低い処遇で、あたかも片手間でやってもいいような、そういうような印象を受けることは私はよくないと思いますので、ぜひ御検討をいただいて、早急にレベルを上げて均衡がとれるような経営委員の姿にひとつしてほしいと思います。
#216
○国務大臣(河本敏夫君) さっそく調査をいたします。
#217
○鈴木強君 大臣の先ほどの御所信、私もよくわかりますが、ただおっしゃるように、法律を改正しなくとも運用の妙味によって現在より以上にさらに自主性を与える、さらに運用の妙味を発揮させる、こういう点はあると思います。しかし、本質的には法改正をしなければならない部分がたくさんございます。いま永岡委員がお触れになりました経営委員の問題一つとりましても、経営委員は報酬を受けない、ただしその必要な旅費とかいうものは支給するという程度の処遇になっているわけです。「旅費その他業務の遂行に伴う実費を受けるものとする。」、NHKの場合は、今度たまたま四十三年度予算では、大臣もお聞きのとおり、経営委員も役員になって、その人々には役員並みに退職手当も支給しているというわけです。だから、これは法律の改正も必要でありますし、それから現在の経営委員会そのものに対して私たちは一つの意見を持っているわけであります。きょう、ここで詳細にわたって大臣に意見を申し上げることは時間的に許しませんから、後ほど私はわかりやすく大臣に私どもの考えている改正点についても文書を差し上げますので、ぜひひとつ大臣の決意を固められる参考にしていただければ非常に幸いだと思うわけでありますが、もう財務会計制度にいたしましても、やはりいまの制度ではだめなんです。ですから、ここのところは当然法律改正をしなければなりません。で、われわれは抽象論でなくて、その答申を政府がやってくれませんから、実は私が発議者になりましてすでにこの国会にも提案をし、さらに社会党としては二度、三度と提案をしているわけです。ところが、残念ながら議員立法でありますから、与党の諸君の同調を得られることがなくして今日まできているわけでありまして、そういう長い歴史的な経過を持ったものでありますから、ぜひひとつ九回の当選経歴を持ち、財界におきましても企業家としてきわめてすぐれた御経験を持っている大臣でありますから、むしろ官僚あたりから成り上がった大臣よりも、そういう党人としてむしろ官僚的な色に染まっていない大臣でこそできることだと、私は思います。ですからひとつ、要点についてはここで申し上げません。先ほど申し上げましたように文書で差し上げたいと思いますから、ぜひそういうところに、もうほとんどこれは八〇%から九〇%は法律改正にあるわけでありまして、しかも、これは電電だけのことではなくして、国鉄とか、あるいは専売公社とか、公社制度もございますから、そこいらとも関連を持ちながら、ひとつやってほしいのであります。いま職員はおそらく二十六万から二十七万に達しようとしていると思います。そこには、全電通という労働組合もございますが、きわめて民主的に運営をされ、しかもこの事業再建闘争という名のもとに、公社発足当時、いな、電気通信省に移行する当時からこの事業に積極的に協力してきております。そういう事業に協力する多数の諸君の成果がここに一千万台の電話架設を見た。そうして御承知のように日本の電話は、そう各国に負けないところまできていると思います。ところが、従業員に対する待遇を見ると、幾ら一生懸命やってみても、給与総額制度というものに縛られて、従業員は、合理化によって苦労をし、配転職転でずいぶん泣かされ、それを歯を食い縛ってがんばってがんばってがんばり抜いて事業を発展させてまいりましても、その労苦に報いることができないのであります。電電公社の経営者には当事者能力なし。図体交渉をしても幾ら上げるという回答すらできないというような、こんなことで一体この事業の本来の姿にいくかどうか、私は非常に疑義を持つわけであります。労働省が一生懸命やれば収益があがる、そのあがった収益をやはりみずからにも還元をしていただきたい。また、それを利用者の国民にも、あるいは経営者のほうにもお互いに分けあって、よりよい電信電話事業を建設したい、拡充したい、強化したいということでやってきているのですね。ところが、そういうところがないために、毎年々々労働問題でも紛争を起こしておるわけです。かつて池田さんが御健在の当時、総評の太田議長と当事者能力について確かにこれは問題がある、ひとつ考えようというところでお互いに了解事項を結んで、いま公務員制度審議会が動いておるような状態にあるわけでありまして、これはもうほんとうに全職員の願いであり、また私は国民が願っておることだと思います。そういう意味において、この答申の趣旨というものは非常に私は大事な意味を持っておると思うであります。ですから、私は大臣がおかわりになるつど、この公社の問題を取り上げて聞いていただいておるわけです。ところが、残念ながら何十人かの大臣がおられましたが、だれ一人として真剣に耳をかしてくれなかった。私は非常に不満であります。そのことを大臣に感情的に申し上げるわけではありません。どうかひとつ、いま私が言っていることに独善的なことがあればおしかりをいただきたい。しかし、私はあくまでも政府に答申されたその内容を骨子にしてものを考えておるわけでありますから、その点は御了承いただいて、少なくとも大臣御就任中にその方向に向かって芽を出していただくように私は心から訴えたいのであります。どうかもう一度おことばを承っておきたい。
#218
○国務大臣(河本敏夫君) 御趣旨はよくわかりました。検討いたします。
#219
○鈴木強君 そこで、最近の新聞を見ますと、すでに公共料金をどうするか、そういうことが報道されております。しかし、私どもはまだ今日まで私自体正確に公社の計画についての内容を委員会において承ったことはないのであります。したがって、新聞その他の報道によって今日知り得る情報は持っておりますが、きょうはひとつ電電公社のほうからも来年度の予算概計の、これはもう大まかなところでけっこうですから、そういう点のひとつ国会用の報告を願いたいとこう思います。
#220
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 電電公社といたしましては、ことしの八月の末に経営委員会を開きまして昭和四十四年度の予算概計をきめまして、八月末に郵政大臣のところに提出いたしました。これは公社の昭和四十三年から始まります、四十三年から四十七年に至ります第四次五カ年計画の二年目に該当いたします計画を持っておるのでありまして、基本的には政府の経済審議会、ここで答申がありました経済社会発展計画、これを受けております。しかし、経済社会発展計画は一年ずれておりまして、これは四十二年度から四十六年度に至る五カ年でございますので、その間、数字が若干変わっております。この経済社会発展計画の中では、電電公社に関しまして三つの基本的なことが答申になっておりまして、一つは、料金体系の合理化をはかるということ。それから第二は、受益者負担の原則を貫く。いわゆる独立採算として運営されている国の、あるいは公共企業におきましては、受益者負担の原則を貫くということ。それから第三は電話の需給を改善するということ、こういうことでございます。その数字等につきましては、経理局長からお答えいたさせます。
#221
○説明員(中山公平君) ただいま総裁のほうから基本方針についてお答えを申し上げましたが、予算といたしましては、第四次五カ年計画に基づきましてさらに料金体系の合理化を四十四年の十月一日から実施をすると、こういうことで積算をいたしました。
 概要を申し上げますと、収入におきましては九千二百五十三億円、支出におきましては九千四十九億円、収支の差額二百四億円を資本勘定のほうへ繰り入れまして、建設投資あるいは債務償還の財源に充てる、こういうふうにいたしております。これをかりに料金修正をしない場合には、現行料金のままの場合はどうであるかと申しますと、収入は八千七百六十八億円で、支出は九千八十七億円ということで三百十九億円の予算面における赤字が出てくる、こういう概計になっておりまして、したがいまして、料金修正による増収額は、四十四年度としては四百八十五億円、こういうことに相なっております。
 建設計画といたしましては、一般加入電話百六十五万、それに農村集団自動電話三十万、これの増設を中心といたしまして、それぞれ必要なサービス工事、基礎工事を行なうほか、同一行政区域内の加入区域の合併あるいははデータ通信あるいは海外特別回線、こういったものを含めまして、総投資規模で六千百二十億円を計上いたしております。これの資金調達計画でございますが、所要資金といたしましては、いま申し上げました建設投資の六千百二十億円に、さらに債務償還等で五百十三億円を必要といたしますので、合計六千六百三十三億円を必要とするわけでございますけれども、これを内部資金によって先ほど申し上げました損益勘定からの繰り入れ二百四億円も含めまして、内部資金で三千六百四十七億円を調達いたします。外部資金といたしましては、加入者債券一千九百七十三億円、設備料五百二十六億円、なお不足の四百八十七億円につきましては財政投融資等にお願いをするということにいたしまして、これを分けまして、公募債で二百八十七億円、縁故債で二百億円、縁故債の二百億円は、データ通信設備の中央装置につきまして必要な資金を縁故債をもって調達する、こういう予定でございます。現行料金のままでまいりました際には、この財政投融資等の額が九百六十九億円ということに相なりまして、料金の体系合理化を実施するときに比べまして、四百八十二億円の増加をきたす、こういうことに相なっております。
 以上、簡単でございますが、内容を御説明申し上げました。
#222
○鈴木強君 この内容について、郵政大臣としてはさっきお話のありましたように、妥当なものと認めたわけですか、適切と認めたわけですか。郵政省で寄り合いになりまして、関係者が集まってきめられた態度というのはどういう態度になっていますか。
#223
○国務大臣(河本敏夫君) 適切なものと認めたわけでございます。
#224
○鈴木強君 もう一つ、質問に人る前段として、実は私は昨日の新聞を拝見しましたら――これは各紙にも出ておりますけれども、「大蔵省は来年度予算編成に関して、各種公共料金値上げ問題の基本方針を固めたが、そのあらまし次の通り。」ここには値上げ必至と見込まれるものが、国鉄運賃、塩の家庭用一一・三%の値上げ、それから小麦の価格ですね。これが「米の代りにパンやウドンを食べるようになって、これが古米在庫累積の遠因ともなっている。パンの場合は、前回の小麦値上げに便乗して、かなりの大幅値上げをしたから、小麦を一五%程度値上げしても、パン業界は値上げしないでもやれるはずだ。」というので、この小麦の値上げ、それから日雇い健康保険料、それから厚生年金の掛け金、それからその次に「模様ながめ」というのがありますが、その中に、「電電公社は、まだ黒字経営だが、人件費などの経費がふえ一、二年のうちに赤字になるおそれがある。とくに電報の営業収支が悪い。しかし国鉄、専売とともに三公社がそろって値上げすることには経済企画庁が強く難色を示している。このため、電話の度数料金引上げ(七円から十円)は避け、当面は住宅用基本料金の引上げなど、料金体系の合理化にとどめる。」云々となっているのですね。このほか公営住宅の用地買収の補助金の問題とかいろいろありますけれども、これを私は拝見しました。それで一体われわれもいま来年度の公共料金をどうするかということについては、政府の来年度の予算編成の基本でありますから、どこかで考えをまとめるだろう、こういうことはわかっておりますが、きのうたまたま物価対策委員会がありまして、菅野長官の御出席をいただきました。あなたは経済企画庁長官として通産や厚生や農林や各省にまたがる物価の問題、これを総まとめする元締めだ、ところが経済企画庁というのは、一体何をしているのだ、だから本会議でもって営業部宣伝課長などというふうにやゆされるようなことになってしまうのだ。おそらく大蔵省がこういうふうに発表するからには、もちろん企画庁長官も一枚加わって相談した上だろう、したがって、きょうはわしはぜひあなたに質問したいのだ、こう投げかけた。ところが菅野さんは、いやそれは違いますよ。私はさっぱり相談を受けておらないし、新聞を見てびっくりしたので、実はああいう記事が出たことについては心外に思っているのだ、こういう実はお話を承ったのです。私はこの「模様ながめ」の電電公社の経営について、どっちつかず、わからぬ、こういうことでしょう。そういう意味のことだと思いますが、きょうあなたがここで支持するというお話を伺いましたが、その支持をするというのは、こういう内容の支持でございますか。あなたも菅野さんと同じように相談にあずかっていなかったのかどうなのか。あずかったとするならば、さっきのあなたの御所信は大蔵が言うような内容のものかどうか、これをひとつはっきり答えてもらいたい。
#225
○国務大臣(河本敏夫君) 私も新聞を見ましたが、これは大蔵大臣が言ったということは書いてないので、大蔵省の意向ということで書いてありまして、責任の所在がきわめて不明確である。大蔵省の何々局長が言ったとも書いてない。あるいは次官が言ったとも書いてない、そういうことでございますので、私は予算編成期になりますと、大蔵省がいろいろアドバルーンを上げますが、その一種であろう、こういうふうに見ておったのでございますが、もちろん相談はありません。
#226
○鈴木強君 われわれも直接電電公社の事業を担当する、所管する逓信委員会に所属しておりますから、どりも新聞記事等を見た場合に感ずることは、もしそうだとすれば、きわめて政府の内部における意識統一ということが欠けている。きょうもまた新聞を見ますと、きのう郵政大臣は夕方記者会見をいたしたのでありますか、あるいは米沢総裁とお会いになったか、ある新聞では記者会見だというように書いてあるし、一部には米沢電電公社総裁と会った結果というふうに報じておりますが、いずれにしても、予定どおり値上げをするのだ、こういうことで郵政相と電電公社総裁と意見が一致した、こういう記事が出るわけでありまして、その辺がどうもふかしぎなんですよ。だからそういう意味であなたがきのう夕方おれはそんなどころじゃないのだぞと、そういう意思表示をされたと、そう受け取っていいですか。
#227
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、私は就任以来連日にわたりまして、電電公社の値上げ問題を検討してまいったのでございますが、昨日、総裁以下首脳部と最終的にお目にかかりまして、どうしてもその値上げは必要である、こういう結論に達したわけでございます。
#228
○鈴木強君 それでは、そこでひとつ少しく基本的な問題を最初にお尋ねいたしますが、先ほども公社の総裁が申された中に、基本的には昭和四十二年二月二十七日、時の政府がつくりました経済社会発展計画、この経済五カ年間の計画に基づいて予算を組み計画を立てた、こうおっしゃるわけです。ところが、私はきのうこの問題について経済企画庁長官の意見を聞いてみた。もうすでに四・五%の物価上昇というものが六%近くなってきている。したがって、一三・五%名目経済成長率なんというものはどこかへ吹っ飛んでしまって、設備資金もだいぶ増大してくる、したがって、来年度の経済計画そのものももうくずれてきている。同時に、この経済社会発展計画なんというものは実質的にはこれはもう死んでしまっているのだ、いずれにしても、ことばはともかくとして、こういうことをお答えをいただいたわけです。したがって、それならばいっこの計画を立てるのだと言いましたら、なかなかむずかしいというわけですね。それだから結局来年度の経済見通しというものを先に考えて、つくって、それからこのほうに手をつけると言うから、そんなばかなことがあるか、長期的な計画をまずつくって、その上に来年度の経済計画というものをやはり打ち出さなければおかしいじゃないか、それは御趣旨はそうなんだけれども、時間的に間に合わないから、やむを得ず来年度の経済見通しというものを先にやって、その次にこれの数字の手直しをする、こういう御回答をいただいたのですけれども、いずれにしてもこれはもう現状に合わないものである、こういうことがはっきりしたわけです。
 そこで、この経済計画を見ますと、各部門別の投資額が一応定められておりまして、お話のように電電の場合は二兆六千六百億であります。しかし、これはかつて私が宮澤経済企画庁長官に予算委員会の質疑で確かめたところが、この二兆六千六百億については、電電公社に関する限り弾力的な考え方を持っているということを言われておりました。その幅がどこまでか私は知りませんよ、しかし、そういうお答えをいただいております。したがって、二兆六千六百億というのは、年度が一年、公社の五カ年計画とはずれておりますけれども、しかしこの五カ年間を見ますと、この四十年度価額による投資額というものはこれはもう現状にそぐわなくなってきていると思います。ですから、一体日本のこれからの経済というものはどうなっていくかという基本の問題がくずれているやさきにやらなければならぬという、こういうひとつ矛盾をお感じになると思うのであります。私は、もう少しそういう計画について政府もピッチをあげていただいて、もともとわれわれがこれをつくるときにも、中期経済計画がせっかくつくってみたのだけれども二年目になったらだめになってしまってあわててつくったのがこれなんです。だから、これは見通しだいじょうぶですかといったら、だいじょうぶだといってやってこられたのだが、もう今日この計画は絵に書いたもちみたいになってしまった。だから、なかなかこの経済の見通しというものは簡単ではないと思います。むずかしいと思いますけれども、しかしとにかくひどすぎるですな。だから、経済企画庁はじめ国民の非難を受けるのはここにあるのです。大体五年先の経済の見通しがつかないようなことで一体経済を論ずる資格があるかどうか、こういうところにも問題があると思います。いろいろ言いましたけれども、そういう段階で、しかも来年度は一体経済成長率を幾らにするかと管野さんに聞いてみたら、物価は五%くらいにしたい、消費者物価は。しかし成長率は言えないというのです。これもおかしな話で、一体五%に押えるならば名目実質成長率をどこに押えるかということをやはりちゃんと示さなければ物価は出てこない。経済成長というものの中で物価はやはり多少上がってくるというのは、これは経済の通念ですからそれはわかるわけです。だから最近特にこの公共料金というものが他の物価を誘発して上げている、ことしなんかは米価が上がったものですから、一ぺんに四・八%というのが六%こすかもしれないというところまで消費者物価がぐっと上がっていっておるわけです。ですから、その公共料金というものをどう押えていくか、そこに物価のめどがついてくることであって、管野さんに少しそういう答弁は受け取れないと私は言ったのですけれども、まあそこはむずかしいから言えないと言う、むずかしくて言えないことを、結論的に物価は幾らなんということはおこがましいじゃないかと言って、ちょっと論争しましたけれども、時間があまりなかったものですから、まだその点は明らかになっておりませんが、そういう中で、とにかく来年度の予算会計をきめられるわけであります。したがって、私はもう少しそういうふうな諸般の政府の経済計画というものをこさえた上でやりませんと、せっかくやりましてもまた実情とそぐわないものが出てきてしまうのじゃないだろうか、いま二百五十万に近い積滞がございますが、申し込んでもすぐつかない。私たちが全く苦情処理場みたいに電話がかかってくる。申し込んだけれどもつかないが、鈴木さん何とかできないか、私の力ではできませんから、だから実情を話ししてこうだ、こういう話はするのですけれども、確かに国民から見ると二年も三年も申し込んでつかない方々から見れば、何をしているのだという不満があると思うのです。ですから、そういうものを何とかして解決していこうという公社の考え方はわかるのですけれども、いまわれわれはこの物価高騰の中で一体これをどういうようにしたら、国民の期待に沿える計画が立てるのか、こういうことをお互いに真剣に考えていかなければならぬ段階にあると思う。だから私は、この経済計画というものがそういう観点にきておりますから、もう少し、それを研究する立場に立っていただいて、その上でこれをやったらどうかと、こう思うのですが、少し長くなりましたけれども、いかがですか。
#229
○国務大臣(河本敏夫君) 先ほどの電電公社の二兆六千億という計画は、これは一年電電公社の今度の四次五カ年計画とはずれております。四次のほうは御承知のように三兆数千億になっているわけでございます。それはそれといたしまして、御注意の点でございますが、もろもろの問題がございましたが、これは二十八日前後には政府の経済見通しも予算編成を前に発表されるといいますし、また予算の最終確定も来月中旬には終わるようでございます。電電の問題は重大問題でございますので、たぶん経済見通し、年末に発表される前には関係者が寄りましてどうするかという基本問題について、基本的な考え方について調整することになろうか、かように存じております。
#230
○鈴木強君 この公社の第四次計画、いま中山経理局長から伺いましたが、その内容の一番ポイントは、何といっても料金の引き上げですね。これは一二・五%の料金の引き上げをしてもらわなければこの三千億何ほかの赤字というものは埋められないということだと思うのですけれども、具体的にはまだこれは説明を聞かないのですけれども、たとえばいまの度数料を何ぼに上げるとかあるいは市外通話用についてどうするとかいうことはまだ明らかになっておりませんが、その点はどうですか。それからアップされる一二・五%のアップ率の中で度数料あるいは市外通話料が寄与している部面が何%になりますか、この点もひとつあわせてお答えいただきたい。
#231
○説明員(武田輝雄君) 現在の電信電話料金は加入者数が非常に少なく、利用度数の多い大都市の事務用電話が主体であった当時のものでありまして、またさらにそのきわめてサービスの劣悪であった時代のものであります。したがいまして、今日のように電話が普及しサービスが改善され、また世の中の生活環境あるいは経済情勢が変わった時代にそぐわないものとなっております。したがいまして、公社といたしましては、こういった古い料金体系を近代化して、そして受益者負担の原則にも近づけさして、そして負担の公平をはかる、こういう見地から基本料、度数料、市外通話料、電報、各種料金につきまして料金の合理化をはかりたいというのが今回のねらいでございます。したがいまして、一律に上げるということではございませんで、そういうふうに各種料金にわたって時代の趨勢に合うような体系の合理化をはかっていきたい、こういうふうに考えております。そこで結果といたしまして、一二・五をねらってるわけでございますが、その内訳を申し上げますと、基本料が約四%、度数料が五・五%、市外通話料が二・七%、電報料で〇・三%、計一二・五%、こういうふうになっております。
#232
○鈴木強君 そうしますと、この度数料の場合は現在七円ですね、これを十円に上げるということですか。それから市外通話料金ですね、これは距離別時間差法をわれわれが審議した経過もございますが、近距離、中距離、遠距離、いろいろなくふうをこらしておったと思いますけれども、この点は今度二・七%になるようですけれども、どうなりますか。
#233
○説明員(武田輝雄君) 基本料につきましては、現在総収入の中で基本料の占めております割合が一〇%強にしか過ぎません。そして基本料の平均収入が月七百円でございます。ところが一方資本費用と申しますか、利子と原価償却費だけでも月二千六百円要るといったような状態でございますし、大局と小局との間に経費はそれほどの差がないにかかわらず、基本料に非常に大きな差があるといったことがございます。またしたがいまして、基本料につきましては、現在十四段階に分かれておりますものを、昔のように百万といったような加入者数でございますとあれですが、いまは一年間でその倍もつけるといったような状態でございますので、現在の九局を統合いたしまして五段階にいたす、そして、事務、住宅の差をなくなすといったような合理化をはかってまいりたい。そして幾らかでも基本料水準を上げていく、そして固定的収入の占める比率をふやしていくというふうに考えております。それから度数料でございますが、度数料は現在七円でございますが、これは十円にいたしたい、こういうふうに考えております。その理由は、電話の経費を部門別にいたしますことは非常にむずかしいわけでございますが、市内と市外を比較いたしてみますと、市内の電話の経常収支というものは非常に悪化しておりまして、現在で大体四割程度の赤字ではないかというふうに考えられます。したがいまして、基本料を上げましても市内の収支というものは赤字額に大きく残るというふうに考えます。そういう意味におきまして、度数料は十円にさしていただきたいわけでございます。なお、従来から市町村合併促進法ができまして、また生活圏の広域化といったような社会現象もございまして、これらに寄与するために公社は加入区域の統合拡大を行なってまいりましたけれども、こういった生活権の拡大の趨勢は、今後ますます激しくなりますし、加入区域統合拡大の要望もふえてまいります。そういうふうな社会的な要請に対処してまいりますために、加入区域を広めます中継線増設のための経費あるいは市外通話だったものが市内通話になるための減収を生ずるといったようなこともございます。それからまた度数料十円は、昭和二十八年に公社が料金値上げをいたしましてから本日まで、十六年間値上げをやっておらないわけでございます。すでに昭和二十八年料金改定の際に、十円で国会に提案したという経緯もございますし、また基準年度と言われております昭和九年ないし十一年におきます他の交通通信料金と比較いたしましても現在の度数料は安い、諸外国と比較いたしましても、安いといったような理由がございますので、十円にさしていただきたいと思うわけでございます。
 それから市外通話料でございます。市外通話料につきましては、自動即時、手動即時それから待時通話というふうに大きくわけて三種類の通話になっておりますが、この三種類のものが、それぞれ距離段階で料金体系の違った状態でございます。また先ほど申し上げましたように、最近は加入区域をこえて生活圏が拡大しております。また地域格差の是正とかあるいは工場の分散、経済の高率化といったような意味で、遠距離の交流も非常に強く望まれておりますし、また電送技術も進歩いたしまして、電送費がコストダウしているということもございます。のみならず現在市外通話料が総収入の中で五五%を占めている状況でございます。アメリカにおきましても、月ぎめ料金が大体六割を占めております。あるいはイギリス、ドイツでも四割を占めている。日本は全くその逆で不安定な料金体系になっておりますし、いまのような経済現象あるいは技術の進歩を勘案いたしまして、市外通話料に手をつけていく。そうして自動、手動、待時の料金体系をこの際一致をいたしまして、料金体系の簡素化、合理化をはかるというふうにいたしたい。こういうふうに考えております。なお電報につきましては、現在たいへんな赤字でございます。これは料金修正によって赤字を解消するというわけにはまいりませんが、各種の合理化施策を講ずるとともに利用分野の適正化をはかると同時に収支の改善に若干資するというような意味におきまして、体系の合理化、利用制度の改正をはかっていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#234
○鈴木強君 そうしますと、簡単にお伺いしますと、全料金収入の五五%を占める市外通話料、この内容をよくまだ時間の関係できょうできませんけれども、簡単にいって従来の料金体系から見ると、中近距離はかなり値上げされていく。遠距離は逓減制をとっていく、こういうように理解していいわけですか。
#235
○説明員(武田輝雄君) おっしゃいますように、現在は御承知のように市外通話料は度数料、単位料で距離によりましてかけられる料金が違ういわゆる距離別時間差法をとっております。現在のタイマーのままでいきますれば、七円がかりに十円になれば、市外通話料もその倍率で上がるということになるわけでございますけれども、中距離につきましては、いま申し上げましたように地域が生活圏の広域化といったようなことに資するため、また度数料との格差の問題が非常に大きな社会的問題になっておりますので、それを避けますために、中距離近郊通話につきましては、安くするような措置をとりたい。また遠距離につきましては、経済的あるいは社会的理由と、もう一つは伝送路の技術の進歩というコスト的な意味の理由、この二つの理由によりまして、それほど上げないという措置をとりたい。したがいまして、中距離につきましては、結果としていま御指摘がございましたようなことになる。こういうことでございます。
#236
○鈴木強君 あの現行料金体系でいった場合に、御説明によりますと大体三千七十億の赤字が出る。こういう計算ですね。これは、従来の公社の料金収人のずっと統計的なものを見ればわかると思うんですけれど、これは、いつの時点を根拠にして積算をし、そしてこの五カ年間に引いて三千七十億の赤字が出るというふうに見積もったんでしょうか。
#237
○説明員(井上俊雄君) この収支差額、赤字三千七十億の見積もりはどうやって出るかというお尋ねでございますが、これは、収入と支出をそれぞれ五カ年間にわたりまして、つまり四十三年度から四十七年度までの期間収入と期間支出を見積もりまして、その差額として三千七十億出ている。こういうことなのでございます。しからば、まずその収入の予測をどうやってやるか、こういうことでございますが、この収入予測につきましては、個別に見積もられるものと、それからマクロに予測するものとがございます。個別に見積もられるものといたしますと、まずたとえば公衆電話料金とか、専用料金とかがあります。それから、非常に大部分を占めておりますところのいわゆる基本料あるいは定額料あるいは度数料、市外通話料、こういうものにつきましては、大体この収入の絶対量というものをマクロモデル式によって予測しております。すなわち、加入数がふえれば収入はふえる。いわゆる稼働加入数がふえればふえるほど、これはふえます。そこで、使用の実態が著しく違います事務用の加入者数、住宅用の加入者数の増加によりまして収入はふえ、それからそれ以外に、サービス改善の度合いとしての即時化率が大きくなれば、それで収入はふえる。それで、それらにいろいろな要素がたくさんからまって収入は変化します。で、これらの結果としての収入実積を、この三つのすなわち住宅電話稼働加入数、事務用電話稼働加入数、即時化率の変化にすべて帰納して、いわゆる三元相関の計量モデル式をつくりまして、そのモデル式によりまして、収入の大宗をなすいわゆる三科目収入を予測しまして、これに個別見積もりの収入を加えて全体の収入を予測いたします。それから支出につきましては、これはたとえば減価償却費でありますれば、これはルールによりまして、四十三年度の予算ベースで何ら作為を加えずそのまま機械的に計算ができます。それからそのほかのたとえば利子の負担だとか、あるいは人件費だとか、そのほかの物件費だとか、租税公課、そいったものはそれぞれ全部見積もられまして、前の収入との差をとりますと三千七十億円、こういうことに相なるわけでございます。なおこの三千七十億円は、現行料金のまま四次計画を実行したとした場合に生ずる赤字や、その他の不足資金も全部公募債ベースの利子負担を前提として借り入れ金によってまかなうとして場合のものであります。
#238
○鈴木強君 これは、しかし計画局長、いまの社会経済発展計画のここに示されている経済成長を基礎にして、その計算は出したわけですか。
#239
○説明員(井上俊雄君) 全くそれとは関係ないのでございます。と申しますのは、収入は確かにいま鈴木委員の御指摘のとおり、あるいはお尋ねのとおり、いろんな要因で収入は変わるわけでございます。公社が将来の収入を予測する場合には、公社として将来その予測し得る指数、指標とか、そういうものでその収入を予測しませんと、予測ができないわけです。たとえば公社の意思と無関係にいろんな数値が外部から出る。こういうようなものは公社だけでは予測はだきませんので、過去の収入はいろんなものに関連いたしますけれども、それを全部事務用、住宅用の加入者と、それから即時化率に全部帰納いたしまして、そして将来の予測をしておる。したがいまして、最近の経済の異常な伸びというものも、実際の収入の実績としてあがっておりますから、現在の収入の伸びというものが、そのまま延長されている状態において、将来を予測しているんだというふうにごらんになっていただきましても、大体間違いないところでございます。そういうことでございます。
#240
○鈴木強君 ですから、純然たる公社の、あなたが言われるようなこの算定基礎に立ってやったとすれば、そこには、おのずから今後の経済の動向によってプラスになり、あるいはマイナスになる要素がたぶんに入ってくるとぼくは思うんですね。だから、そういう点がもし現在の上昇しつつある、ことしの、現在の――ことしといったって予算編成時ですから、あるいは昨年の何月か、ことしの四月か、九月かを基準にしてやっておられると思うんですが、必ずしも私は、その経済の予測がそのとおり平均化していくとは思わないわけですよ。ですから、経済がかなり好調になってまいりますれば、この業界の活動が活発になる。したがって、電話の使用はふえてくるということになりますし、また経済が下向きになりますれば、当然電話を使わないではがきにする、手紙にするという人もおるでしょう。そういうことですから、私は必ずしも四兆九千六百億というこの収入見込みというものは、神さまでない限り、これはだれがやりましても、絶対確実なものとは言えないだろうけれども、かなり不確定な要素がそのファクターとしては内在をしているのではないかというふうに思うのですけれどもね。これはたったあとでおれのほうが正しかったじゃないかとか、君のほうが少し不勉強じゃないか、そんなことは言わないとしても、ややその目標に到達するようなことをみんなで研究して数字を出さないと、計画全体に影響するわけです。それが即料金の引き上げに転嫁してくる、しかも電電公社の場合には、何といっても私は需要に対して供給が追いついていかない、ですから、言うならば設備投資をいまどんどんどんどんやらなければならない段階にあると思うのですよ。ですから、一般の利用者から見ると、その設備投資を全部電話料金にぶっかけられたのではかなわないということもあるでしょう。そうはいっても、電話がふえれば相手がふえてくるから、その投資効果は各人に戻ってくるという言い方もあると思うのです。そういう相互の利害関係の上に立ってものを考えませんといけませんだけに、この収入というものは、一体この四兆九千六百億、差し引き三千七十億というものが五年間で欠損金になるかどうかということが、そこのところがやはりポイントになると私思うんですよ。それによって料金値上げの幅がきまってくるわけでしょう。だから私は、ここのところを非常に重要視しているわけで、いまの御説明で一応わかりましたが、この不確定な要素というものはやはり中に内在をする、いま私が言いましたような経済の動向というのは、一応現在の上昇が、このかっこうで続いたというときをとらえておるわけですね、 これ以上よくなった場合には、また、これ以上悪くなったという場合には、当然この収入に響いてくるというふうに理解をしておいてよろしいですね。
#241
○説明員(井上俊雄君) 確かに将来の予測というものがむずかしいのでございます。あるいはたいへん恐縮かと思うのでございますけれども、大体公社の収入の基礎になるものは、加入者の数がかせぎの基本になるわけでございます。したがいまして、稼働加入数というものが非常に大きなウエートを占めている。そこに利用効果、そういうような面から加入数というものが非常に大きなウエート、そこに今度は外界の影響が加わる、これに経済のいろいろな変動が加わる、こういうことでございます。したがいまして、確かに今後の収入の変動ということはあり得る、しかし、私たちといたしましては最近の、特に実質一一%から一三%に近い急上昇、経済成長というものも実績の中に入っておりまして、それがそれぞれの間の稼働加入数及びその即時化率に帰納されておるわけでございますから、相当マクロ的に見ますと、むしろ過大ではなかろうかという気がするぐらいたっぷり見ているわけでございますが、しかしながら、やはり将来のことでございますから、変動要素は内在されておるということでございます。
#242
○鈴木強君 それから、この支出の中に当然債務償還の必要経費があげられてくると思うのですが、一体いまの拡充法が四十八年三月三十一日まで続くものとして債券負担をお願いするわけですが、それが償還をされ、最終的に四十七年度末に借金として残るのは幾らになるのでございましょうか。
#243
○説明員(井上俊雄君) 公社でお願いいたしております料金修正をそのままお認めいただくといたしまして、現在よりも約一兆円余り増加をいたすことになるかと思います。
#244
○鈴木強君 そうしたら、こう聞いたほうがわかりやすいと思うのですが、現在ある債務ですね。債券の債務、これは外債もありましたからね。それも加えてください。その債務の額と、それから、四十四、四十五、四十六、四十七と、四年間で幾らのさらに債券の債務が残っていくのですか。それを聞いて、そのあとの返済の額を聞きますが……。
#245
○説明員(井上俊雄君) 四十二年度末の固定負債、いわゆる債務でございますが、一兆三千二百八十八億円でございます。それで、料金修正をさしていただきまして、四十七年度末の債務は、債務残高二兆四千二百二十億と試算をいたしております。
#246
○鈴木強君 そうすると、この四年間に、一応これは四年間、四十三年度は済んだことにしまして、この四年間に債務償還する額は何ぼでございますか、合計。
#247
○説明員(井上俊雄君) 五千六百七十億債務償還をいたす予定でございます。四十三年度から四十七年度までの五カ年間、公社の四次計画期間中における債務償還が五千六百七十億でございます。
#248
○鈴木強君 そうすると、もう一つ私は聞いておきたいのは、申し込めばすぐつく電話、それが大体三カ月、きょう申し込んだら三カ月後につきますと、これは梶井初代総裁、二代大橋総裁、三代米沢総裁のスローガンとして国民に約束をし、掲げてきた重要なこれは計画であったと思うのですが、この思想は現在もこの計画の中に入っておるのかどうか。これは。
#249
○説明員(米沢滋君) お答えいたします。
 第二次五カ年計画をつくりまして、その後第二次五カ年計画を改定いたしました昭和三十四年の段階におきまして、四十七年度末においては申し込んだらすぐつくということを目標にしたわけでありまして、私は電話事業を経営している限り、申し込んだらすぐつけるということは理想として、当然目標として採用すべきものだと考えます。しかし、この第四次五カ年計画は投資規模におきまして三兆三千七百七十億という膨大な投資をいたしまして、その柱といたしましては、まず第一が経済の効率化をはかるということ、第二が地域開発と格差の是正をするということ、第三は生活の向上、近代化をはかるために三世帯に一つの電話をつけることを予想しております。それから第四は、同一市町村内の加入区域の合併、統合をはかる、この四つの柱を達成するのでありまして、投資規模は先ほど申し上げましたように、第三次五カ年計画が最初一兆八千億でありましたものに対しまして三兆三千七百七十億、規模といたしましてはきわめて大きなものだと思います。したがって、この投資を考えましたときに、現在約二百四十万の申し込みの積滞がございますが、大体この半分くらいにはなるのじゃないか。申し込んだらすぐつくというためには、まず線路なり機械にある程度設備の余裕が必要であると同時に、特にまた農村方面におきましては、自動改式が必要になってまいります。磁石式の局にどんどん機械を置くというわけにはいかないのでありまして、これは方式限度もございますし、あるいは建物の中に交換台が置けないというような問題もあります。あるいはまた現在は、もうほとんど公社の直轄局は全部自動化の段階にありまして、残っております郵政省に委託しております委託局の状態を考えますと、いろいろまた配置転換とか、そういう点についてむずかしさもありまして、それらを総合的に考えまして、四次計画において何局ぐらい自動改式をするのが妥当であるかという数字を郵政省のほうともいろいろお打ち合わせした次第であります。したがいまして、先ほど申し上げました、申し込んだらすぐつくということにはなりませんけれども、いわゆる都市化されている部分におきましては、大体四十七年度末においては申し込んだらすぐつく時代になるのではないか、しかし自動改式等ができていない場所におきましては、これは自動改式が済むまで、そういう状態にはならないというふうに思っております。
#250
○鈴木強君 そうすると、スローガンはおろされたわけですか、おろされないわけですか。
#251
○説明員(米沢滋君) スローガンは別におろさないとかおろしたという問題ではありませんで、理想といたしましては、これはおろしているわけではありません。ただ四十七年度末におきましては、都市化いたしました大府県、たとえば東京とか大阪、現に東京都におきましても都心の十一局は――申し込んだらすぐつく状態になっておりますのは大体東京区内全体とかそういうところ、それから地方におきましても、都市あるいはその都市の相当部分というものは申し込んだらすぐつくようになるのでありまして、したがって、正確にいって全国あまねくそういうふうになるかといわれれば、これはそうはなりませんけれども、大部分のところは、そういうことになるではないかというふうに考えております。
#252
○鈴木強君 そうすると、どういうふうに解釈していいのですかね。一%はおろした、九九%は掲げておる。旗がちぎれたというような気がするのです。私はなぜこういうことをいいますかと言いますと、われわれは当初から申し込んだらすぐつく電話、これは当然公社の使命ですよ。ですから公約、スローガンをおろすことはごうもないし、むしろそれをもっともっと高く掲げて目的に邁進していくというのが公社の態度であらねばならないし、またこれを支える政府の態度でなければならぬ。したがって簡単におろしてしまって、あと五年間先にいきますよということになれば、そのあんばいで計画を立てていけば、いま料金値上げをしてまで設備投資を確保しなければならぬというふうにはならぬし、どうしても四十七年末までの約束――国民に約束したことだから、公社としてはどんなことがあってもこれはやるんだということになれば、その決意を国民に訴えて、そして積滞解消の方向に努力しなければならぬでしょう。二百四十万積滞があって、何でつかないという理由は、これはだれ一人として否定することができないことです。国民の不満というものもそこにあるわけです。幾ら自動化が進んでみても、申し込んでつかないというのがごろごろしておったのじゃ、公社何しているんだ、それは即時化も必要かも知れぬけれども、これらの積滞をどうしてくれるんだという苦情が私はくると思う。そこが、公社の姿勢がやっぱりちゃんとしなければ、これは延ばすならもっと延ばしてゆっくりゆっくりペースをダウンしてやればいいんです。そうすれば料金値上げせずに済む。掲げたスローガンは実施する、実施する以上は国民も満足するように実施する、こういう態度であるならば、これは話は別なんですけれども、どうもその辺が、私ども従来からそのスローガンを支持してきた者から見れば、いまの総裁の発言というのは消極的だし、何かどこか、百分の一%ぐらいはおろしたような気がするから、私はこんなにしつつこく聞いているわけです。そして四十七年末になって、四十八年度になりますと、これまたいまの拡充法が切れてくる。最高十五万円の債券を負担していただいているのだけれども、一体、これを負担してもらえるのかどうなのか。国会の歴史的な経過から見ると、これはもう安保条約よりも長い長い十二年の延長をこの前したわけであります。したがって、一切、これによって申し込めばすぐつくという電話が、四十七年末までに需要供給がとれれば、この法案は当然これ以上延長しないという趣旨が院の意思ですよ。そうなってくると、一体、四十八年以降公社はどうするんだ、いまここで料金修正をしてまた三年後、五年後にはこれをお願いしなければならぬ、そういう羽目に私はおちいってくると思うのです。だから、そこのところが大事ですから聞いているのです。四十八年に一体、この予測でいきますと、なお積滞はどの程度生ずるようになりますか。
#253
○説明員(米沢滋君) 数字につきましては、計画局長からお答えさせますが、考え方といたしまして、第四次五カ年計画におきまして、三兆三千七百億を投資をするという計画でありますが、電話の数といたしましては、九百三十万個つけるということに考えております。ところで、最初に、いわゆる四十七年末におきまして申し込んだらすぐつけることを約束いたしました過程で、第三次五カ年計画をつくりましたときにおきましては、第四次計画は三百三十五万の電話をつけるという計画であったのでありまして、それから考えますと、この五カ年計画というのは九百三十万つけるというのでありまして、内容的には非常に大きいものでありますし、それからまた第三次五カ年計画におきましては農村集団自動電話を除きまして五百十一万つけたのでありますが、当初考えたときには、これは二百七十五万ということでございました。したがいまして、公社といたしましては、電話架設には過去におきまして、いろいろ努力したということはお認め願いたいと思う次第であります。
 なお、四十八年度につきましては、私たちは、計画そのものについてははっきりきめておるのでありますが、次の四十八年から至る五カ年の先につきましては、いわゆるビジョンといいますか、まだ少しく、あまり先のことでありますので、ビジョンとして考えているわけでありまして、四十八年以降につきまして、大体どんなふうな電話の申し込みがあるかということは、いろいろ主管局で検討はいたしておるのでありますが、明快に固まったものという段階にはまだいっておりません。公社といたしましても、いろいろ検討いたしまして、ビジョンとしての見通しといいますか、そういうものは持っておりますので、そういう点でよろしければ、主管局長から答えさせます。
#254
○委員長(久保等君) ちょっと速記やめて。
  〔速記中止〕
#255
○委員長(久保等君) 速記を起こしてください。
#256
○鈴木強君 そうすると、四十八年にこの年度の計画としては百何十万個残るのですか。
#257
○説明員(井上俊雄君) 現在の計算では、四十七末に積滞が百二十万程度残るものと思っておりますので、四十八年度以降逐年二百万個をこえる新規需要が出てまいろう、このように考えております。
#258
○鈴木強君 そうすると三百万こすわけですね、積滞が。
#259
○説明員(井上俊雄君) 対象需要といたしましては三百万をこえるというふうに考えます。
#260
○鈴木強君 そこで何か御都合が自民党さんがあるようですからね。時間がずっと制約されてきてしまって、聞けば事情もよくわかりますので、ちょっと私も質問が中途はんぱになって弱っているのですけれども、御協力を申し上げるようにいたしますが、自後そういうことのないように……。
 これは大臣ね、私たちはとかく抽象論でものを言いますといけませんので、私は、この現在の段階で、いま公社から御説明をいろいろ承りましたけれども、なるほどこの二百四十万の積滞があることは私たちも認めます。需要予測の、この五年間ですね、九百三十万、さらに公衆電話十五万、それから農村集団自動電話百三十万、これも大体予測としては私たちも認めていいと思うのですよ。ですからこれだけつけなければならぬということも一致するわけですよ。しかし、この際はっきり私は申し上げて参考にしてもらいたいのですけれども、私の掲げている申し込んだらすぐつく電話という、そのことはいまでも私は執念として持っているわけですよ。何としてもつけてあげたい。そこでわれわれはこういう方法をしたら料金を上げなくて済むだろう。というのは、公社のほうでも計画の中にあげておりますように、五カ年間に九百三十万個の加入電話の需要がありますが、そのうち事務用電話というのは三百六十万、それから住宅電話というものが五百七十万、ですから比率は住宅電話のほうが多くなってきているわけです。しかも、これの収入単金というものが非常に少ないということもわれわれは認めます、一般電話から比べて。そこでわれわれは需要を満たすという立場に立ったら、この際住宅用電話を二共同方式をとったらどうか、これを完全秘話式にしてそうしてやったらちゃんと四十七年末に申し込めばすぐつく電話の形態が出てくるわけです。もちろん七円の度数料はもう上げない、それから市外の中距離制についてもこれは上げないで現行を維持する、ただし、われわれも資金が多少足りなくなることは予想されますから、そこでこの電話の基本料等についても、たとえば公社は五段階に分けておられますけれども、これを一般電話と住宅用に分けて、住宅用についてはやはり格差をつけて安くしてやるというような点で、この二共同にしてもらう、こういうような方法をとりますれば、大体資金的には、二兆九千七百五十億くらいで、建設投資と災害補助対策と債務償還と、大体公社の言われているようなこういう項目別に分けても、三兆たらずで済むという計画を持っているわけですよ。これはひとつ大臣に参考に差し上げておきますからね。非常に責重な資料ですよ。いい資料です。これ一つ参考にあとで読んでください。これを点検してもらうと、私の言ったことがよくわかりますから。きょうは時間の都合であまり内容の説明ができませんけれども、そういうことにして、なお一部、われわれ、たとえば専用回線とか、こういうものについてはひとつもう少し上げてもいいのじゃないか。それから大代表、こういうものの基本料ですね、それからデータ通信がこれからいわゆる新しいサービスとして公社の中で大きなウェートを占めているようですけれども、こういうものは、われわれも既設の電話加入者にしわ寄せがいっては困る。またコンピューター・システムの情報通信がどんどん発展していくのだが、その際に、既設の加入者に少なくともおんぶしていくということは絶対いけないので、原則として、その企業から所要建設資金というものは、債券でとるか、とにかくとして、そういう方法でひとつ、郵政大臣の認可料金になると思いますが、やっていただいていけば、その面からも増収がはかられる。したがって、積滞は全部解消するし、七円とか市外料は据え置きできるし、なかなかこれは妙案だと思うのですよ。しかし、ひとりよがりだといけませんから、これは、ひとつ大臣も十分に検討していただいて、参考にしてもらいたい、こう私は思うのです。いよいよ物価に対する来年度の見通し等も、おっしゃるように二十八日ころには基本的な計画をきめられるようでありますから、公料共金のこれに及ぼす影響は、もう重ねて私は申し上げませんが、賢明な大臣ですから。その前にきょう幸いこの委員会がありましたので、私は、私の意見をまじえて御意見を伺ったわけでございますので、どうぞわれわれの意見のいいところはぜひ取り入れていただいて、御配慮してやっていただきたい、こう心からお願いいたします。最後に大臣の所信を伺って、私の質問を終わります。
#261
○国務大臣(河本敏夫君) ただいまいただきましたこの書類をよく拝見をいたしまして、検討させていただきます。特に、いろいろ電話をつける場合の技術的な問題についての御発言がございましたが、この点につきましては、技術者からよく聞きまして、電電公社の計画、三兆三千七百億と、ただいま御指摘の二兆九千七百五十億、その差約四千億というものがはたしてできるのかどうか、こういうことなどにつきまして、早急に検討してみたいと思います。
#262
○委員長(久保等君) 他に御発言がなければ、本件に関する本日の調査はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#263
○委員長(久保等君) 次に、請願の審査を行ないます。
 まず、第一九九号簡易郵便局法改正に関する請願を議題といたします。
 本件に関し、専門員から趣旨について説明を聴取いたします。
#264
○専門員(倉沢岩雄君) この請願の要旨は、簡易郵便局の受託範囲を適格の個人にまで拡大すること、福祉年金等の支払いを簡易郵便局の取り扱い事務に加えること等を実現させるため、簡易郵便局法を改正せられたいとの請願でございます。
#265
○委員長(久保等君) 本件に関し発言のある方は、順次御発言を願います。
#266
○森勝治君 これは、私のほうの立場から言うと、いろいろ議論もあるので、しかも議論は、一応いま言った制約された時間でありますので、これは一応保留というここにしていただきたいと思います。
#267
○委員長(久保等君) それでは、本請願は、保留と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#268
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次に、第三二〇号電信電話公社管轄区域変更に関する請願を議題といたします。
 本件に関し、専門員から趣旨について説明を聴取いたします。
#269
○専門員(倉沢岩雄君) この請願の要旨は、現在茨城県古河市外四カ町村が栃木電気通信部に、また同県鹿島郡波崎局は千葉電気通信部にそれぞれ所属しておりますが、県及び関係市町村行政の迅速効率化のため、これを茨城電気通信部に所属がえをし、行政区域と電信電話管理区域との一致をはかられたいとの請願でございます。
#270
○委員長(久保等君) 本件に関し発言のある方は、順次御発言を願います。
#271
○森勝治君 この点は、いま説明があったように三県に――いま説明があったのは二カ所でありますが、一カ所の前段の問題については、三県にまたがるところでありまして、やはりこれもそう簡単に請願を、おいそれといってわれわれがここで満場一致賛成するようなものと若干かけ離れた気配もある。しかし、きょうは時間の関係でやはり審議できませんから、ひとつ今回は保留ということにしたいと思います。
#272
○委員長(久保等君) それでは、本件につきましても、保留と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#273
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#274
○委員長(久保等君) 次に、継続調査要求についておはかりいたします。
 郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#275
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#276
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#277
○委員長(久保等君) 次に、継続審査要求についておはかりいたします。
 日本放送協会昭和四十一年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、本院規則第五十三条により本件の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#278
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#279
○委員長(久保等君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 別に、御発言がなければ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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