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1968/12/17 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 社会労働委員会 第2号
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1968/12/17 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第060回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時三十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         加瀬  完君
    理 事
                鹿島 俊雄君
                丸茂 重貞君
                大橋 和孝君
                上林繁次郎君
    委 員
                上原 正吉君
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                山本  杉君
                横山 フク君
                上田  哲君
                小野  明君
                中村 英男君
                藤原 道子君
                渋谷 邦彦君
                中沢伊登子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  斎藤  昇君
       労 働 大 臣  原 健三郎君
   政府委員
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       厚生政務次官   粟山  秀君
       厚生大臣官房長  戸澤 政方君
       厚生省環境衛生
       局長       金光 克己君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       労働省労働政務
       次官       小山 省二君
       労働省労働大臣
       官房長      岡部 實夫君
       労働省労政局長  松永 正男君
       労働省労働基準
       局長       和田 勝美君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
  事務局側
      常任委員会専門員  中原 武夫君
  説明員
      人事院給与局次
      長         渡辺 哲利君
      大蔵省主計局主
      計官        辻  敬一君
      文部省大学学術
      局大学病院課長   吉田 寿雄君
      厚生省児童家庭
      局長        渥美 節夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○労働問題に関する調査
 (公務員の給与に関する件)
 (聯合紙器株式会社の労働問題に関する件)
 (労働省の機構問題に関する件)
○社会保障制度等に関する調査
 (米ぬか油中毒事件に関する件)
 (保育所対策に関する件)
 (看護婦の充足に関する件)
 (心身障害児の保護者負担に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(加瀬完君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 この際、原労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。原労働大臣。
#3
○国務大臣(原健三郎君) このたび労働省を担当することになりました原健三郎でございます。
 労働問題がますます重要性を加えております今日、私は誠意と熱意をもって労働行政の推進につとめていきたい所存でございますので、どうぞ委員各位の御指導と御鞭撻のほどを切にお願い申し上げます。
 私は、今後の労働行政の基本的な課題は労働力不足時代への移行に的確に対処し、労働力の面から経済の安定的な成長を確保することと、さらにあわせて労働者の豊かな生活を実現することにあると信じております。そのためには、何よりもまず話し合いの中から愛情のこもった労働行政を進めてまいりたい所存でございます。
 そういう観点に立って、第一には労使関係の安定でございます。
 これまでの経済発展をささえてきた要因の一つとして、労使関係が比較的安定していた事実を見のがすことはできないのでございまして、今後のきびしい内外諸情勢を考えるとき、労使関係の安定は一そう望まれるのでございます。私は、労使と胸襟を開いて話し合い、労使が国民経済の発展と国民生活の向上という共通の目標に向かって労使間の諸問題を自主的かつ平和的に解決する機運を醸成することにつとめていきたい所存でございます。
 第二は、積極的な雇用政策の展開でございます。
 近年の経済成長に伴って、わが国は、労働力不足という、いまだ経験したことのない事態に直面いたしておるのでございます。しかし、わが国の労働生産性は、欧米諸国に比較すれば、きわめて低い現状であります。したがって、今後は、中高年齢者、婦人、身体障害者等、いまだ能力を有効に発揮し得ない人々に雇用の機会を確保することとともに、国民経済的見地から見て不要不急の産業から重要産業へ労働力の誘導をはかり、労働者一人一人の生産性を高めることが重要であると考えております。
 また、技能労働者の養成確保も急務でございます。このため、職業訓練制度を刷新整備するほか、技能を尊重する気風を高めるため、企業内における技能労働者の昇進制度の確立、技能労働者の表彰制度の充実等、実効ある措置を講じていきたいと存じております。
 第三は、労働条件の向上と労働者福祉の増進であります。
 最近は、賃金の上昇などから、労働者の生活は著しく改善されたのでございますが、いまなお、経済発展の成果にあずかることの少ない、恵まれない労働者もかなり残されておる実情でございます。また、技術革新の急速な進展、人口の都市集中などから、労働者の職業環境や生活環境をめぐって解決を要する新たな問題も生じてまいりました。私は、このような事態に対処するため、改正法に基づく最低賃金制の推進、総合的な家内労働対策の樹立、零細企業への労働保険の適用拡大、科学的な労働災害防止対策の推進をはかるほか、特に持ち家制度を中心とする勤労者財産形成政策の拡充を進めたいと考えておる次第でございます。
 労働行政には、なお多くの重要な問題があると存じます。しかし、労働行政は、他の経済社会行政と密接な連携をはかることによって、はじめて円滑に推進し得るものであり、その意味で、労働政策を他の経済社会政策へ反映させることが必要であると考えます。このような見地から、今後の労働行政の重要性に対応するため、労働行政全体の総合的一体的な運営を期すべく、行政機構改革についても積極的かつ慎重に検討いたしていきたい考えております。
 今後、私は、委員各位の御意見を十分拝聴しながら、以上の考えを実行に移し、わが国の労働行政を一歩でも前進させ、国民の期待にこたえたいと存じますので、委員各位の御協力のほどを切にお願い申し上げる次第でございます。
#4
○委員長(加瀬完君) 労働政務次官からも発言の申し出がありますので、これを許します。小山労働政務次官。
#5
○政府委員(小山省二君) このたびはからずも労働政務次官を拝命いたしました小山でございます。
 ただいま大臣がごあいさつの中に申し上げましたとおり、労働者の地位の向上、労使関係の正常化等、今後労働行政を前進させるためにできるだけ、微力でございますが努力をいたす決意でございます。
 どうか委員の各位におかれましては、今後とも御協力、御鞭撻のほどをこの機会にお願い申し上げましてごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(加瀬完君) 次に、労働問題に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○小野明君 大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、いまの所信表明といいますか、就任のあいさっというようなものをお聞きいたしておりますというと、第一番に労使関係の安定ということをおっしゃられたように伺ったのであります。私がお尋ねをいたしますのは、人事院の勧告についてであります。人事院の勧告というのは、大臣も御承知のように、公務員からスト権を取り上げましたその代償機能を果たすべく設けられた制度なんであります。労使関係の安定ということをあげられますというと、政府におきましても、統治という機能もありましょうし、あるいは公務員を使います使用者という機能もあるわけですが、使用者としての政府が、人事院勧告をサボるといいますか、これを値切るということによって、むしろ労使関係の不安定ということを招いているのであります。まあ他の企業にも経営者と労働者という立場がありますけれども、大臣が特に労使関係の安定ということをおっしゃる以上は、まず、政府が、使用者としての役割りを十分に果たしてもらわなければならぬと思うのであります。その政府が、過去十数回にわたりまして人事院の勧告を値切ってまいった。しかも毎年毎年、来年はどうだ、やれ来年はどうするということでやってきておるのであります。原労働大臣も前の小川さんからいろいろ引き継ぎがあっておると思うのでありますが、もちろん当面の重要な問題は人事院勧告でありますから、この問題について、どういった経過といいますか、そういうものを踏まえて、どう処置をされようとしておるのか、まず冒頭にお尋ねをいたしたいと思います。
#8
○国務大臣(原健三郎君) ただいま小野先生から御質問とまた御意見もございましたが、労使関係を安定いたしていくことが私の労働大臣としての使命でございまして、そういう方向に向かって力をいたしたいと思っております。ただいまお尋ねのございました、公務員の給与を人事院の勧告のとおり実施すべきものであるという御趣旨は、私も全然同感でございまして、人事院勧告のとおり実施することが非常に望ましいものである、こういうふうに考えております。それが、また、ひいて労使関係を安定化するゆえんであると思っております。
 それで、そういう趣旨でございますが、いままで経過はどうかということでございますが、経過を調べてみますと、本年の人事院勧告については、すでに前内閣において、八月の三十日に、人事院勧告は八月実施とする、ただし通勤手当は五月実施とするという閣議の決定を行なっております。それから佐藤内閣が改造後の現内閣においても、今月の十三日、給与関係閣僚会議――七人閣僚が出席しましてその会議を開きまして協議いたしました結果、今年の人事院勧告については、前内閣の方針に基づき処理するとの確認を行なったような次第でございます。これは、総合予算主義のたてまえからやむを得ないとの判断によるものでございまして、前の閣僚の時代にすでに閣議決定をいたしたものでございます。したがって、今年度については御了承願いたいのですが、およそ、人事院勧告は、その制度の趣旨及び公務員労働関係の安定化の見地から、あとう限りこれを尊重すべきものであり、完全実施することが望ましいものであるということは、いま申したとおりであります。
 それで、本年はそうなっておりますが、今後の問題でございますが、明年以降の公務員給与の取り扱いについては、改善を加えるべくいま関係閣僚の会議を進めておる最中でございまして、御期待に沿うようにこれから奮闘いたしたいと、こう思っております。私としては、人事院勧告制度の趣旨が達成されるよう、今後最善の努力をいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#9
○小野明君 いまおっしゃられたのは、いまの内閣では、公務員の給与の関係については前内閣の方針のとおりに処理をするということが一つでありまして、いま一つの理由というのは、総合予算主義のたてまえからと、こういう二つの理由でもって――明年度のことはこれはまたあとからお尋ねをいたすつもりなんでありますけれども、今年度についてはそういうまあ処理をするという、このようにお聞きをいたしたのであります。前の理由については、前内閣において閣議できめられておるからそのとおりにやっていきたいということは、一応わかるような気もするわけであります。しかし、あとの総合予算主義のたてまえから云々ということになりますと、完全実施をするのがたてまえであるから、むしろ完全実施をしないために総合予算主義というものを振り回しておるような感じを持つのであります。これは話が逆ではないか、このように考えるのでありますが、これでは、今日、多くの公務員を納得させる理由にならぬのではないか、このように考えのであります。いま少しこの二つの理由について掘り下げた中身を示していただきたいと思います。
#10
○国務大臣(原健三郎君) 最初の閣議決定は、前の小川労働大臣からも、閣議でも決定しておるという報告を受けまして、もしそれをいろいろな理由から変えるような、閣議決定をもう一度くつがえさにやならぬことになると事重大でございまして、それが変更しにくいという点、いま小野委員からもお話がありましたが、それが非常に基礎をなしております。それからそれでも政府においてあらためてやるかというところまで踏み切るためには、さらに財政事情、あるいは総合予算主義、その他諸政策とのいろいろなバランス等々、大蔵当局とも相談した結果、本年は閣議決定のとおりにやるよりどうもやむを得ない。将来のことについては、これから昭和四十四年度中予算を決定する時点までのうちに、四十四年以降のことについては、これも関係閣僚協議会できめようじゃないかと こういうようなところまで来ておるような次第であります。まことに十分でないことは私もよく存じておる次第でございますが、そういう経過をたどって今日に至っております。
#11
○小野明君 まあ前とあまり変わらないような御答弁でありますが、原大臣は閣内でも実力者ということを自他ともに許しておる、こういうお話であります。閣議決定があるからこれはひっくり返すことできぬというようなことを言われるのでありますが閣議決定をひっくり返すといいますか、変更するといいますか、そういう前例はかつてないのでありますか。むずかしいというのは、どういうことでむずかしいのか、そういう点を閣議決定に大臣はこだわられるようですから、ひとつ実力者の大臣にお尋ねします。
#12
○国務大臣(原健三郎君) 私の聞いているところでは、閣議が決定した場合には、たとえば佐藤内閣じゃなくて社会党の内閣にかわったような場合でも、前の内閣の決定はずっと引き継いでいくというのが原則だそうでございまして、同じ内閣だし、閣僚はかわりましたけれども、変更するということは、私の聞いた限りでは、前例皆無かどうかは私は知りませんが、まずないのが原則であるし普通である、こういうふうに聞いておりますが……。
#13
○小野明君 その辺は、大臣もやはり閣僚協議会へ出られるわけですから、閣議決定を変更されぬというならば、閣議決定を変更したことがないのかあるのか、その辺をきちっと調べた上で言ってもらいたいと思う。閣議決定を変更したことはないよと、こういうことを言われて、はい、そうですかで黙って引っ込んでもらったんじゃ困るわけです。その点を再度お尋ねしておきます。
#14
○国務大臣(原健三郎君) もう少しよく調査いたしたいと思っております。私の申し上げますのは、一、二例外があったかもしれませんが、原則として大体そういう方針で進んでおるということはよく承っておるような次第でございます。
#15
○小野明君 そういうことは、大臣も中でものを言われるわけですから、そういう例があるかないかきちっとここへ出せということの上に立って閣議でもがんばってもらいたい、こう思うのであります。
 それから二点目の、財政上総合予算主義のたてまえに立ってというようなことが理由になっておるのでありますが、これは私がお聞きをしたのでは、前内閣の財政の閣僚協議会ですかの中では、大蔵省の主計局に引き回されて、ことしはおろか、来年のことまでどうもあやふやになってきたというようなことをお聞きいたしております。小川労相はこれを否定されたのであります。そこで、閣議の問題と同じように第二の理由になっております財政上という問題であります。財政上云々と言われるのだが、大臣の理解といいますか、握られておる財政上の理由、しかるべき理由があると思うのでありますが、その点はいかがですか。
#16
○国務大臣(原健三郎君) 関係閣僚会議におきましても以前からの引き継ぎの報告がございましたが、総合予算主義のたてまえから、それによる予備費において非常に少なくなっておるので、これをもって前の閣議決定のとおりきめようと、こういうことに話が落ちついたような次第でございます。
#17
○小野明君 予備費は、千二百億ですか、その中に壁はないというような答弁もあっておるわけであります。そういたしますと、これも、大蔵大臣がこれこれこういうふうに使うようになっておるというようなことをうのみにされたんでは、これまた前の問題と同じように、大蔵が一方的に閣僚協議会でも引っぱり回すという印象を与えるわけなんですね。この点も、いまの御答弁では、大臣の突っ込みが足りないと思う。財政上あるいは予備費の上からというようなことをいろいろあげられるならば、大臣もひとつさらにこの点を大蔵と納得のいくまで突っ込んでもらいたい、こう思うわけです。私どもがこの十月八日までにそれぞれの前内閣でありますが大臣にお会いをした結果では、税の自然増収という問題がかなり論議となって出ております。自然増収がどれくらいかということは、ことしはほぼ二千億近いもの、来年は一兆二、三千億というのが銀行筋でも出ておる。しかも、ことしの自然増収については、すでに一千億国債減額というものに使っておるわけですね。そうしますと、一千億をこえるということは明らかです。こういう自然増収というものが見込まれる、それも十月八日の時点でそういうことがあるにもかかわらず、なおかつ財政上あるいは総合予算主義とは、一体何かと、こうお尋ねをしたいわけですが、財政上ということが問題になっておるというのは、これまた私ども理解に苦しむところなんです。大臣は、いままで努力してきたと言われる以上は、その辺もやはり突っ込まれておるし、私どもを納得させるだけの理由をお持ちだろうと思う。御説明をいただきたい。
#18
○政府委員(松永正男君) 予備費関係でございますので、私から補足して御説明を申し上げたいと存じます。
 私どもが、給与閣僚会議等、それから予算委員会におきます大蔵大臣答弁等によって理解をいたしておりますことは、御承知のように、予備費を充実いたしまして、千二百億――昨年七百億でございましたので、充実をして、これによって公務員給与に対処をしようということで当初予算が組まれたわけでございますが、八月実施におきまして当初大蔵省で見込みを立てましたところによりますと六百一億円かかるということであったのでありますが、その後さらに内容を精査いたしましたところ、給与関係といたしましては五百五十六億円の財源で済む。これは、所要額がやや減りまして五百九十五億円で済む、それに給与費、人件費の不用の見込みが三十九億ございますので、差し引き五百五十六億円で済むことになったというふうに伺っておるのでございますが、全体といたしまして、災害関係その他義務的経費の負担等の積算をいたしますと、そのように給与費の見込みにおいてやや有利になったわけでございますけれども、全般として約四十億程度予備費がまだ不足をするという説明でございます。ただいま先生御指摘のごとく、内容につきまして私どももできるだけ把握をいたしたいと思っておるのでございますが、予備費は大蔵省所管でございまして、具体的には災害関係その他義務経費等につきましても各省からの見込みをとりまして大蔵省において積算をして見込み額を出すということになっておりますので、ほんとうの具体的な詳細な内容につきましては私どももその内容について正確には知識がないのでございますが、結果におきまして千二百億をちょっと上回る、四十億程度上回る見込みで、まだ予備費としては余裕が――前よりはやや好転しておるけれども、余裕がない、むしろ赤字である、こういう御説明でございます。
 それから自然増収等につきましても、私ども門外漢でございますので、正確な情報はわかりませんが、予算委員会における大蔵大臣の御答弁によりますというと、一千億をある程度上回るという御答弁をなさっておられます。
#19
○小野明君 給与関係閣僚が、大蔵省の手元所管だからわからぬというようなことでは困ると思うのですね。いまお聞きをいたしますと、給与関係閣僚会議において、金のことは全部大蔵省で、しかもカーテンの向こうにあると。それをのけて、一体、給与関係閣僚会議なんというものが成り立つものかどうか。意味ないじゃないですか。七人おられるというが、大蔵大臣がその六人の上におるので、命令する関係になって、何も対等の関係になっておらぬと私はいまの御説明で理解をせざるを得ぬのであります。それで、これをもし一カ月ことしの分を前に戻す、七月実施にするという、こういった場合には、金はどのくらい要るのですか。
#20
○政府委員(松永正男君) 私ども承知いたしておりますところでは、五十数億円というふうに聞いております。
#21
○小野明君 五十数億円というと、もうわずかなものですね。いまの御説明でも、正規の委員会の答弁でも、自然増収というのは一千億をこえるだけのものはある、こういう答弁です。そうしますと、大臣、どうですか、財源上という理由は全くごまかしだという以外にないとお考えになりませんか。大臣の見解をいただきたいと思います。
#22
○国務大臣(原健三郎君) 初めのこれを決定したときの閣僚の話し合いでは、予備費をもってこれを処理すると、こういうことになっておりますので、その関係から八月実施が適当であろう、こういう断定を下しておるわけであります。
#23
○小野明君 いまのは、大臣、答弁になっておらぬですよ。答弁になっておらぬ。自然増収の関係は、労政局長、これはあなたは大蔵当局でないからあれだけれども、法的にはどういう扱いになるのですか。
#24
○政府委員(松永正男君) 私の理解しておりますところでは、本年度四十三年度の予算につきましては、年度当初におきまして年度内に起こり得る財政需要につきまして総ざらいをして予算に組むということで総合予算主義であると。したがいまして、別のことばで言いますというと、毎年、たとえば公務員給与等につきましては、人事院勧告に対処するために、自然増収等の財源を充てまして補正を組むということをやってまいったわけでございますが、本年度につきましては、そのような補正を組まないでやっていく。そのために、従来七百億でありました予備費を千二百億に充実をいたしまして、先ほど先生から御指摘がございましたように、その中には、ここからここが公務員給与、これが災害というような障子は立てないけれども、災害、公務員給与、その他義務的経費の予見すべからざる支出というようなものに千二百億で対処をしようということでやってまいったのであります。したがいまして、当初予算編成におきましては、景気の動向その他からいたしまして、従来のような補正財源はそんなになかろうという見込みに基づいたものの考え方であるというふうに私は理解をするのでございます。したがいまして、自然増収が相当に出てくるということは、当初のものの考え方におきましてはなかったのではないかというふうに考えられるのでございます。ただ、大蔵大臣の御答弁等にもございましたところによりますというと、国債を相当多額に発行していろいろな需要に対処をするということから言いますというと、それはいわば借金経営である。したがいまして、もし増収が出てきた場合には、まず借金を払って財政の健全化をはかるという御答弁でございました。国債減額一千億ということはそのような見地からなされた。したがって、当初予想されますいろいろな財政需要につきましては、総合予算主義の見地から、充実した予備費をもって対処をいたしまして、補正等は行なわない、こういう基本方針はやはり貫いていかれるというふうに伺っておりますので、その予算編成の基本的な態度から言いますというと、公務員給与につきましても、千二百億の充実された予備費の中でどのようにまかなっていけるかと。われわれといたしましても、八月実施が望ましいとは決して考えていないのでありまして、できる限り完全実施という線に近づきたいということで、前内閣の給与閣僚会議におきましても労働大臣は非常に御努力をされたのでございますが、千二百億という予備費のワクから見ますというと、やむを得ず、不本意ではありますが、八月実施にせざるを得なかったということでございます。今後におきましても、公務員給与の取り扱いにつきましては千二百億の中におきましてやりくりをして対処をしていくという方針が変わらないということになりますというと、前進するということはたいへんむずかしい。先ほど閣議決定の性格論が出ましたけれども、財政上の取り扱いにつきましても残念ながら非常にむずかしいということにならざるを得ないと思う次第でございます。
#25
○小野明君 私の質問に答えておらぬわけですよ、正確に。これはもうすでに大蔵省は国債減額に一千億使ってしまっておるのです。ところがそれをこえると言われる。これは人事院勧告というのはもちろん予見すべからざる支出というふうに説明をされておるのであります。自然増収というのは、そうすると、全部繰り越しになっていくわけで、予備費は予備費でいまの予算というのは全部かん詰めであって、一手もこの中には触れてはいけないと。自然増収ということになれば、あることは明確だということは大蔵大臣も言っておるわけですから、これは全部かん詰めになって翌年に繰り越していくのだ、こういう扱いになるわけですか。その点をお尋ねしておるわけです。
#26
○政府委員(松永正男君) どれくらい自然増収が出るかということは、私どもも正確に推測はできないわけでございます。したがいまして、大蔵大臣の御答弁あるいは事務当局の説明等によりまして理解をいたしておるのでありますが、一千億をある程度上回るという御答弁がございまして、そううち一千億は国債減額に充てるということになりますと、どのくらい残りますか、残った場合にはやはりいまおっしゃいましたようなことになってくるのではないかというふうに考えております。
#27
○委員長(加瀬完君) 委員長から質問いたしますが、いまの労政局長の御答弁を、大臣もそのとおりだとお認めになりますか。
#28
○国務大臣(原健三郎君) おおむねそのとおりでございます。
#29
○委員長(加瀬完君) おおむねということばははなはだあいまいなことばですが、私は前に予算委員会と所属しておったわけでございますが、政府は、この予備費の千二百億の内容について、労政局長のようなお答えはいたしておりませんよ。私どもは、予備費で人事院勧告の給与をまかなうというのは一つの所得政策ではないかと。人事院勧告が千二百億のワクの中にとどまるという予想はこれは予見できないことなんで、上回ったときはどうするんだと。そうしたら、ことしの経済情勢からすれば、物価の値上がりというものもそうないと思われるので、人事院勧告はこの予備費の中でも十分まかなえると、所得政策という形ではないんだということを、繰り返して総理大臣も大蔵大臣も答弁しておるわけですよ。閣僚協議会は、しかし、人事院勧告は尊重するけれども、財源の裏づけというものに非常に困難であるから、やむを得ず八月に実施をせざるを得ないと、こういう決定ですね。ところが、結局、千二百億の中ではまかない切れない、ほかの財源もないからということであった。ところが、財源が出てきた、ここに。前の水田さんは私と同郷でありますから、いろいろこまかいことを伺ったら、国債の償還に一千億ぐらい充てたところで、まだ余ってしまうのだ、財源はあるんだよと、結論から言えばそういうお話なんですね。財源のあることを認めておるわけですよ、政府も。それならば、人事院勧告を尊重するというならば、予備費では足りないけれども、新しい財源が出てきたのだから、そのうちの適当な部分というものを給与に回すということは考えられていいことですね。大蔵省は、労働大臣がおっしゃるように、総合予算主義だから総合予算主義だからとおっしゃっていますが、それならば、総合予算主義で補正予算は年度末までに絶対に組まないかということになりますと、一体、あの余っている米を買わなくて済みますか。米を買う補正予算というものは必ず組まなければならなくなる。米はうるさいから補正予算を組む、公務員はおどかしておけばそれで済むから補正予算は組まないということになれば、総合予算主義というのはなくなっちゃうですね、そこで。だから、人事院勧告を尊重するというならば、人事院勧告の尊重の姿を財源の許す姿で認めていくという方法をここでなぜとれないか。総合予算主義でも何でもない。今度総合予算主義がくずれるんですから。三月までには必ず補正予算を組むんですから。そのときに、一体、あなた方は何と答弁するんですか。答弁のしようがなくなるんじゃないですか。前提では、政府の答弁は労政局長のお答えになったこととは違っております、総合予算主義の扱い方というものが。財源があるという現実で、その新しい財源というものを、人事院勧告を尊重するというなら、なぜそこに振り向けていけないか、小野委員の指摘するように。だから、大臣は、実力者であるというならば、そういう観点からもっと主張をしなければおかしいじゃないかということを繰り返し申し述べておるわけでありますが、それに対してのお答えがないので、議論が堂々めくりをしているわけです。――これは労政局長の答える筋でありません。大臣からひとつお答えをいただきます。端的に言うならば、補正予算を組まないという筋が年度一ぱい通るかどうかということです。そのときに、給与の問題というものを考えなくていいかどうかというと、そうなればここで考えたっていいじゃないか。できるできないはともかく、給与関係の担当大臣としては主張をすべきじゃないかと、そういうことなんですよ、私の伺いたいことは、小野君の伺っていることも。
#30
○国務大臣(原健三郎君) 小野先生並びに委員長からのお話、よく御趣旨の点はわかりましたですが、大蔵大臣が衆議院、参議院の予算委員会で繰り返しているのを私も聞いておりますが、既存の中で組みかえをやってこれをやるかもしらぬが、いわゆる補正予算は組まぬというようなことも言っておりますし、また、先のことでございますので、われわれは予備費だけでいまの段階ではどうもやむを得ないんじゃないかと、こういうところなんでございまして……。
#31
○委員長(加瀬完君) 一歩下がって、組みかえでいいんですよ。じゃ、なぜ、一体米を買うときに組みかえするというならば、給与の場合に組みかえができないか。それを主張すべきじゃないか、担当大臣としては。まあ、御注文だけ申し上げておきます。
#32
○小野明君 そういうふうで、財源という理由はもうなくなっておると思うんですよ、大臣ね。それで、閣議決定も変更した前例がある、財源も理由がない、こういうことになりますと、結局は、ことし一カ月でも前向きに対処してやろう、しなければならぬという意欲が不足をしておるということにしか相ならぬわけです。これでは、大臣がせっかくきょう労使関係の安定というようなことを第一にあげられた、その労使関係の安定に対処する大臣のほうが決意不足だと、こう申し上げざるを得ないし、多くの公務員を今日納得させる理由がなくなっておるんです、政府においてはですね。そのように私は申し上げざるを得ないと思うんです。ですから、大臣も、給与閣僚である限りにおいては、大蔵大臣その他の説明にだまされることなく、ことしでも一カ月前向きに対処する、こういう姿勢であってほしいと思うんですが、その辺の御決意のほどを承りたい。
#33
○国務大臣(原健三郎君) 私といたしましては、もう本年はきまりましたので、人事院勧告全面実施、こういうことをこれから努力は先ほども申しますようにいたしますが、それは四十四年以降ですよ。いま、早急に、四十四年度の予算が、決定する時点までに、来年度以降のことをどうするかということをきめるという申し合わせになっております。だから、私のほうの閣僚会議では、来年度以降どうするかということに取り組んで会議をいま開いてせっかく奮闘中でございます。
#34
○小野明君 いや、いままでの何回か開かれた閣議においても大臣の努力不足ということを私は申し上げておる。来年度のそれなら約束はどうなるかといいますと、総理の答弁でも、完全実施できるように努力をすると、必ず努力ということばが入って、来年度は完全に実施をするから今年度は八月でがまんしてくれと、こういう話にはなっておらぬわけですよ。ですから、ことしもだめなら来年もまた同じようにやられるというのが、まあこれは私どもの見方で、多くの公務員も、あしたまたストライキやるようですが、こう見ておるわけです。ですから、ことし努力して、はじめて来年の完全実施に努力するというものも実るのであって、ことしの努力もないのに来年のことを言っても、それは公務員が納得しない。その辺の関係をお尋ねしておきます。
#35
○国務大臣(原健三郎君) たびたび申し上げておるのですが、ことしは、まことにはなはだ不本意でございましたが、さいぜんからるる申し上げておるわけで、前大臣のときからきまっておったし、まあはなはだ努力の足らぬといえば足らないかもしれませんが、そういうことになりましたが、来年以降においてはこれを完全実施すべく、しかも四十四年度の予算がきまるまでに決定するというのですから、日もあまりございませんし、正月も休みますから、いま全力をあげて完全実施に向かってせっかく努力中でございます。それで、総理大臣その他でも完全実施ということを言明できないのは、関係閣僚会議でそれまでに話を煮詰めてやるということになっておりますから、完全実施を来年からやるということは、その閣僚会議で検討して、大体その線にいくようにまあやりたいというので、こういうのでいまやっておる最中でございますから、いまの段階で完全実施という言明は、ちょっと時期的にそういう関係があるのでしないのであろうと思います。
#36
○小野明君 この問題は、最後に再度お尋ねなり要望をしておきたいと思うのですが、先ほどからの質疑で明らかになりましたように、財源上という理由はもうなくなっておるわけですよ、ほぼ。ですから、ことしはもう当てにならぬのだ、ことしはもうだめだと、こういうふうにおっしゃるのでなくて、財源の点はさらに給与閣僚会議でも詰めていただいて、余裕が出てまいりますならば――私はきっと出ると思うのですが、さらに少しでも前進するように、私どもは、一カ月でもいいから、こう申し上げておるのですから、この問題について努力をすると、がんばってみるぞと、こういうふうにおっしゃっていただかぬと、私はたいへん不満であります。再度承っておきます。
#37
○国務大臣(原健三郎君) 御説の点は、よくお聞きいたしました。
#38
○委員長(加瀬完君) 委員長からたびたび発言して悪いのですけれども、引き継ぎが十分でないですね。これは労政局長も十分進達をすべきですね。前の閣僚協議会で、もう八月実施できまっているんだから、あとはかまわないと、そういう決定ではなかったですね。十月の八日の前に協議会を二回も臨時に開いていますね。たとえば、何とか一カ月でも繰り上げるとか、〇・一とか、あるいは通勤費なり、その他の方法で幾らかでもアルファがつけられまいかと閣僚はみんな苦慮したわけですね。大蔵大臣は病気静養中でございましたが、大蔵大臣を除いて、他の閣僚は、みんな、財源があるというならば、幾らかでも上乗せをしよう、上積みをしようということでやりましたけれども、結局、大蔵省の、総合予算主義というものを閣議できめておいてそれをくずすんですかということで、これではどうにもならないという報告を前の官房長官から承ったわけです。ですから、前の関係者は、財源があるのだから何とかこの財源を給与に振り向けようと努力してくれたわけです。できませんという決定ではなかったわけです。きめたけれども、何とか上積みをしようと努力してくれたわけです。財源はさらにはっきりしたわけですから、来年からではなくて、いまの問題をもう少し詰めてもらわなければならない。そういう引き継ぎがあってしかるべきだと思うですね。ですから、大臣も、その点の引き継ぎがないというなら、前の大臣からよく聞いてください。
#39
○政府委員(松永正男君) ちょっと、事実関係でございますので……
#40
○委員長(加瀬完君) 事実関係は、私が申し述べたとおりで間違いありません。だから、原さんのお考えを承りたい。労政局長はあとでよく説明しておいてください。私の言ったことは間違いないです。
#41
○政府委員(松永正男君) 引き継ぎにつきまして労政局長も責任があるというようなおことばがございましたので、たいへん恐縮でございますが、補足をさせていただきたいと思いますが、十月八日を控えまして、御指摘のございましたように、七人委員会を開きまして、何とか対処をしたいということで御相談をお願いをいたしましたことは事実でございますが、その際に協議を願いました内容といたしましては、閣議決定の範囲内で何とかいろいろな知恵がないだろうか、こういうことでございまして、これは私も終始七人委員会には陪席をずっといたしておりますので、その辺は、ほかに財源があったらたとえば一カ月前進というような議論ではございませんでしたので、その点は補足させていただきたいと思います。
#42
○委員長(加瀬完君) そういうことを言うと、またこっちから言い返さなきゃならないけれども、そういういろいろの話が官房長官からの話では出ておりましたけれども、何とか閣議の決定があったばかりだからこのワクの中で操作をしようというので、いま十月八日を控えて、それ以外にはできないので困っているのだ、時期がないのだということであったわけです。時期が新しくできた、別に。年度末までまだ長いんです。その間に、米は組みかえ予算で払います、給与は組みかえはできませんという理由は成り立たないだろうから、その辺も、大臣としては、何とか改善をしたいという意思は前の閣僚協議会においてあったのだから、それを引き継いで具体的にもっと練っていただかなければ困るのじゃないか。ことしはできませんという決定ではなかった。前の閣僚協議会は何とかしたいということであったのだから、それをくふうしていただきたいということです。それを要望申し上げておきます。
#43
○小野明君 先ほどの答弁では、大臣、不足ですよ。もう少しがんばるような答弁をしなきゃいかんですよ。
#44
○国務大臣(原健三郎君) 御要望の点は、私、よくわかりました。
#45
○小野明君 御要望の点はよくわかりましたじゃ、さっぱり困るじゃないですか。委員長がたびたび言われておるように、ことしみたいなことはないんですよ。財源上の理由がなくなったんだというようなそういった状態の中で、御要望はわかりましたと。少しでも上乗せをするように努力をいたしますぐらいの答弁がなければ、これは私どもは下がれませんよ。
#46
○国務大臣(原健三郎君) 御要望の点は十分わかりました。それを実現するについては、私はさいぜんから申し上げておるように、来年度四十四年度のそれがいま進行中でございますので、来年度に御希望を実現するように全力を傾けたい。しかも、その閣僚会議が進行中でございますので、来年度から実施するようにいたしたい。この点でひとつ御了承を願いたいと思います。
#47
○小野明君 それは了承できませんよ。労政局長がまた要らぬことばっかりそこで言うから……。大臣の決意は、大臣で言ってもらわぬと。ことし財源上の理由がなくなっておるということは、大臣にもおわかりだと思うんです。その辺を耳をふさいでもらっちゃ困るわけです。ですから、来年完全実施をするように努力することは、これは総理でも言うておるわけですから、給与の閣僚としては、ことしにおいてもやっぱり財源上の理由がなければがんばります、米だけはこれは重視をしてどうだということではない、公務員の問題ですから私もがんばります、こういう御答弁でなければ私どもとしては困るわけです。大臣、いかがですか。
#48
○国務大臣(原健三郎君) これはさいぜんちょっと話しましたが、関係閣僚会議できまって、それから正式の閣議においても本年度はそれで行くというふうに再確認いたしておる、そういうような関係でございますので、御希望の点はよくわかりますが、それは四十四年度で実現すべくいまそれが進行中なんで、それも非常に先の長い話で一年もたってからきまるのではなはだ申しわけないんですが、この話はいま進行しておる最中でございますので、御希望の点はごく近いうちに結論が出る運びになっておりますので、ひとつよろしく御了承のほどをお願いしたいと思います。
#49
○小野明君 そうすると、四十四年度だけで、本年度についてはもう私は投げましたということですか、何もいたしませんと。それならそれでそのような御答弁をいただきたい。
#50
○国務大臣(原健三郎君) いま、参議院社会労働委員会において、委員長はじめ小野さん等から、四十三年度本年度においても、一カ月ぐらい、たとえば七月から実施するような線に向かってやるべしということを強く仰せられた、その点は閣僚会議にお伝え申し上げます。どういう反応がありますか、お伝えして善処いたします。
#51
○委員長(加瀬完君) 大臣、閣議の決定というのは、一番大きな歯どめは総合予算主義ということでしょう。総合予算主義ですから、予備費のうちで解決するというんですね。ところが、予備費の中に入れるはずだった米は予備費からはみ出して、最低限組みかえ予算で処理せざるを得ないというふうに、総合予算主義はく、ずれておる。それならば、給与の問題だって、組みかえでも何でも財源の許す範囲において労働大臣としては米と同様に主張をしてもよろしいではないか、そういう御努力をいただきたいというのが小野君や私どもの要望なんです。
#52
○国務大臣(原健三郎君) 御要望の点は、よくわかりました。
    ―――――――――――――
#53
○小野明君 それでは、次の問題に移ります。
 先般来、労政局に、聯合紙器株式会社、所長が細野浩司といいますが、これの不当労働行為について調査をしておいてもらいたい、こういう要請をしておったのであります。この点について、その調査をされておるですね。若干はきのうお聞きをしたのですけれども、
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
 ひとつ簡潔に御説明をいただきたい。
#54
○政府委員(松永正男君) 聯合紙器株式会社の主として小倉営業所におきます紛争に関してでございますが、これは昨年の年末手当をめぐりまして労使紛争がございまして、組合のほうは経営者の態度不当に対抗をいたしまして八回にわたりましてストライキを行なったのでございますが、さらに、本年の夏の手当、それから本年の年末手当をめぐりましてやはり紛争があありまして、その間に、組合側から、会社の不当労働行為があったということで福岡の地労委に提訴をするというようなこともありましたし、さらに団体交渉の促進についてのあっせん申請等も行なわれたのでありますが、これらの労使紛争を通じまして労働組合のほうにおきましても組合分裂が起こりまして、現在はいわゆる旧労と新労と二つの組合が対立をしておるというような現状でございます。そうして、その間におきまして、労働組合におきましてもトラブルが起こるというような事態があったようでございます。
 労働委員会におきましては、提訴をされました不当労働行為事件につきまして現在審理中でございますので、これにつきましては、事実審査を行ないました上におきまして白黒の結論が出るのではないかというふうに期待をいたしておるのでございますが、現在そのような関係でございますので、率直に申しまして、聯合紙器におきましては、労使関係というものがきわめて不安定な、そうして紛争が相当重い状態になっておるのでございます。具体的詳細な事実につきましては、私どもまだこれから調査をいたしたいと考えておりますが、御承知のように、府県に労政課、労政事務所等の労政機関もございますので、必要に応じまして地労委の活動等とあわせまして一日も早く円満な解決ができるような必要な措置をとりたいと考えておる次第でございますが、現在のところそのような状況でございまして、地労委における審理が進行することによりまして不当労働行為問題は決着がつくのではないかと考えておりますが、なおそういう紛争に満ちた状態でございますので、今後ともあるいはいろいろな事件が起こってくるかもしれないという危惧感は持っておる次第でございます。
#55
○小野明君 期間もありませんでしたので、まだ十分な調査ができていないと思うのですが、私のほうで非常に問題だと思われる点を数点申し上げてみたいと思います。
 これは全国に工場があるわけですね。それで、まず、昭和四十二年の八月十二日、大阪地裁第一民事部で仮処分の決定がされておる。ありますが、資料は。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
これは、申請人が聯合紙器労働組合の尾上重喜、被申請人が聯合紙器株式会社の山野種松です。この決定は、「申請人の上部団体加入に関する組合運営に介入する一切の行為をしてはならない。」と、こういう仮処分の決定がされておるわけです。これは不当労働行為があるということは明らかです。
 それからこれは、四十三年の十二月十一日、まだ一週間ほど前ですが、聯合紙器KKの小倉営業所の所長細野浩司名によって通告書が出されています。あて先は聯合紙器労働組合小倉支部支部長室園孝治ですね。この通告書は、「小倉営業所内各職場休憩室に貴組合所有の掲示板が設置されていれば、昭和四十三年十二月十四日限りで撤去するよう要請する。従って、昭和四十三年十二月十五日から各職場休憩室には組合掲示板の設置は許可しません。尚、食堂内掲示板の内、会社と折半の上利用させていた掲示板についても、昭和四十三年十二月十五日から会社が利用するので、組合の利用は許可しません。上記の通り通告します。」と、当然利便を与えなければならぬ組合の掲示板を撤去せよ、こういう通告がなされておる。
 それから第三は、昭和四十三年の十一月八日、同じく大阪地方裁判所第一民事部で仮処分の決定が出された。これは、申請人がもちろん尾上重喜、被申請人は山野種松、こういう関係になっております。要旨は、「開門時間中(午前六時三〇分から午後一〇時三〇分まで)に淀川工場正門を閉鎖したり、その従業員又は第三者に命じて立ち塞がらせたり等して妨害してはならない。」と、こういうことです。
 次は、同じく仮処分の決定なんですが、昭和四十三年十月二十一日、京都地裁裁判官山田常雄、申請人は聯合紙器労働組合京都支部支部長の森――名前は理という字が書いてありますね。何といいますか。被申請人は聯合紙器株式会社山野種松。この仮処分は、「被申請人は、別紙表示の建物のうち、赤斜線部分に対する申請人の占有を実力で排除し、もしくは、申請人がその建物内でなす労働組合の業務を実力で妨害してはならない。」という決定です。組合業務を京都の工場においても実力で妨害をしておる、こういうことですね。
 大体以上ですが、これだけの仮処分がなされておるのを見ましても、明らかに不当労働行為がある、こういうことが予測されるわけであります。
 次に、これは基準法関係ですが、「仕事中“便所”へ行ったと処分」というこの記事を読みますと、「Y君は機械のセット間を利用して便所に行き、帰って来たところ所長にバッタリ会いました。“どこに行っていた?”“便所へ行っていた”“時間中は我慢しろ、電車の中では我慢するだろう、俺も朝から我慢しているのだ” “我慢していた、だからセット間を利用して行った” “いかん、皆行ったらいかんじゃないか”“なるだけ休憩中に行く”そして、始末書を出せと強要されました。Y君は、便所に行くのは生理的現象で、そのことで処罰とは基本的人権問題だと考えて、始末書など出す筋合いはないと拒絶しました。ところが出勤停止一日の処分を受け、その日は実力で入門を阻止されました。」と、これは聯合紙器淀川工場です。それから「“無言”だからと処分」ということで、「十月三十日、聯合組合員五名が木工休憩室で休んでいたところ、工場長が「なぜよその職場で休むのか」とどなりつけてきました。A組合員ら三人が「休憩時間に、休憩室で休んでなぜ悪いのか」と反問したところ、「上司に反抗した」といって直ちに出勤停止二日の不当処分を命じてきました。他の二名の組合員はだまってうつむいていたところ、「無言の反抗をした」といって始末書の提出を強要されました。十月三十一日、青婦部員三名が門前でビラを配布したところ、「虚偽の内容を流し、会社を中傷ひぼうした」として出勤停止処分にし、青婦部長には責任者として「始末書を書け」と強要してきました。」と、これが小倉支部の支部長室園という人から私のところへ来ておるのですが、聯合紙器株式会社では、こういうことをやっておる。ですから、基準法違反それから不当労働行為というものがかなり予想されますから、この点について手きびしく調査をしていただきたい。再度、別の機会にこの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
#56
○政府委員(松永正男君) ただいま御指摘がございましたように、お伺いいたしました範囲内でも労使関係そのものが非常に望ましくない状態になっておるということがわかりますので、私どもといたしましても、仮処分等も、情報は得ておりますが、詳しい内容をまだ存じておりませんので、さらに調査をいたしまして、必要な処置を講じたいと考えております。
    ―――――――――――――
#57
○藤原道子君 私は、この際、労働省の機構改革についてお伺いしたいと思いますが、前の委員会でいろいろお伺いしておりますので、時間の関係上、ごく要点だけをお伺いしたいと思います。
 今回の労働省の機構改革については、世上いろいろと論議を呼んでおりすまし、相当の反対もあるようでございますが、その後どのようになっておるか。私どもが陳情に参りましたときに、自民党の総裁選を前にして、その前日に、急遽、労働大臣、自治大臣、さらに処政管理庁長官と、三者の覚え書きを確定して、これが内閣に提出された、こういうふうに伺っておりますが、その後どのようになっておるか、その点についてお伺いしたいと思います。
#58
○国務大臣(原健三郎君) いまの藤原先生の御質問でございますが、いろいろ機構改革のことが世間にも出ておりまして、その改革は本質的にはむろん閣議でもきまっていないし、法律制定までにまだだいぶ期間がございますが、一応三閣僚――自治大臣、労働大臣、行政管理庁長官の間で大筋な話し合いはさまって、三閣僚の間の了解事項のようなことで私も引き継ぎを受けました。まだこれからこれを法律につくり直すにはいろいろほうぼうの意見も聞かなければならぬし、世論も聞かなければならぬ等々で、だんだん固めていこうかというところまでいま来ておるところでございます。
#59
○藤原道子君 そのおもな改革点をこの際ちょっと明らかにしてください。
#60
○国務大臣(原健三郎君) これは、ただ改革するということでなく、第一は、ことしの二月に、いわゆる行政改革三カ年計画について閣議が決定いたしております。これに伴いまして、労働省としても行政改革三カ年計画の一環としてひとつやろうじゃないか、こういうことで話が始まったわけでございます。
 第一は、各都道府県にある労働基準局と婦人少年室を廃止し、その扱っていた事務は原則として都道府県知事に委任して、すべての都道府県に労働部というのを新たにつくってもらう。そして、この場合にも、労働基準監督官制度はあくまでも堅持するとともに、婦人少年行政については、都道府県の労働部の中に課ないしは室というのを設けるようにする。
 次には、広域的な労働行政をつかさどる機関として地方労働局というのをブロック別と申しますかに新設して、都道府県では処理できない広域的な雇用対策、全国的な統一公正を要する労働基準法上の司法処分事務などをここで取り扱わせて、地方労働局と都道府県の労働部とが重複したり二重行政にならないようにいたしたい。
 さらに、第一線の機関である労働基準監督署というのがございますが、監督署及び公共職業安定所は、ILO条約の趣旨に従い、国の機関として存置し、労災保険及び失業保険の五人未満事業所への適用拡大に伴い、適用徴収事務を完全に一体化するため、国の第一線機関として労働保険徴収事務所を新設する。
 こういうのがおおよそのアウトラインになっております。
#61
○藤原道子君 かつては、労働安全をつかさどるところが廃止になりましたね。今度、労働者の不当労働行為等に対する監督機関がこういうふうに改正される。さらに、いまますます重要化してきた婦人労働、年少労働の問題について、国の機関できょうまで仕事をしてきたその婦人少年室が廃止になって県へ移管される。なぜこんなことが急速に出てきたのか。私は、あくまで、労働省は、繰り返し申し上げますけれども、労働者のサービス省として発足したと考えております。最近、地方におきましては、監督がきつい、監督がきびし過ぎる、もっとゆるめてほしい、婦人の危険作業とかあるいは深夜労働の制限を撤廃してもらいたい、こういうことがわんさと起こっております。そういう要望書も労働本省へも来ていると思います。こういうときに、こうした大事なことを地方に移した場合に、地方の県知事、県議会、地方の行政等を勘案いたしますと、本来の使命がゆがめられてくる危険をひしひしと感じております。こういうときにこれをおやりになることは非常に危険であると考えますが、時間の関係できょうは婦人少年室に限ってお伺いをしたいと思います。
 地方の労働局を、労働部ですか、県につくらせて、その中へ婦人少年室を置くというんでしょう。置くといっても、それは本省の考え方であって、地方の県が全部四十六都道府県がオーケーとして受け入れるでしょうか、その点をこの際ここで明確にしてほしいと思います。
#62
○国務大臣(原健三郎君) まず、最初の、婦人及び少年労働者等についていろいろ御心配のようでございますが、婦人とか少年労働者の保護福祉、それから婦人の地位の向上等に対して、この上ともわれわれがその重要性を認識して尽力することは、もう言うまでもございません。それで、地方の労働部へ婦人少年課とかあるいは室というのを新設さしましても、労働省の監督は、地方の労働局もありますし、本省もありますし、地方の労働部に対しても十分指導監督をいたしていく考えでありますから、決してそれを放任したり、その行政が弱くなろうとは思っておりません。私どもも強化に向かうというためにやっておるのでありますから、御了承のほどをお願いしたいと思います。
 第二の、これがそんな話をしても、私の調べたところでは、私なんか兵庫県ですから、どこにでも労働部があるのかと思っておったところが、全国で……
#63
○藤原道子君 七つしかない。
#64
○国務大臣(原健三郎君) 七つだそうですね、労働部が。だから労働部が非常に少ないんでびっくりしたんですが、これを全国の都道府県に全部置かすことはやっぱり非常に意義がある。これから労働行政をやらぬような地方の府県があるということは困る。それで、これをほんとうに置かすということで、これは地方自治法の一部を改正いたします。その了解は自治大臣が与えておりますから、地方自治法の改正をやって、これは都道府県によって部というのは七つとか八つとか九つとか人口によって規定いたしておりますが、労働部に限って人口によらず一部を新たに設置すべしというような文句を入れて地方自治法を改正いたしたい。それで、その了解はできておりますから、そのようになろうと思います。そうしないと、置くところがあったり置かないところがあったりしては困りますから、その了解がちゃんと法律的にできない間はこの法律は提出いたしませんから、そういう完全に話ができてからこの改正法案を提出いたしたい。
 それから婦人少年課というのは、課というのは県の条例か規則できめるそうですからこれは了解を取りつけていきたいと思っております。
#65
○藤原道子君 そこが問題なんですよ。七つしか労働部はないんです、全国的に見て。ほかのところでは、商工労働部とか、いろいろくっつけて労働という名前だけは置いてある。今度、労働部を必置として自治法の改正で置かせる、それはできるかもしれない。ところが、ここに婦人少年室を置くということは条例できめるんで、このあいだから、労働省では、大臣はじめ次官その他そろって、必ず置かせるだけの約束は取りつけてある、こう言うんですが、私は二、三の県を回ってみました。県知事だって、まだそんな約束を取りつけられているということは聞いちゃおらぬと。自治省の事務次官も、婦人少年室には婦人の地位の向上ということがあるんですが、労働部へ婦人の地位の向上を含めたそういうことがはたして置けるかどうか困難性がある、こういうことを言っております。必ず置かせるという法的根拠を私は伺いたい。えらいことになると思う。地方から非常な陳情が参っております。
#66
○国務大臣(原健三郎君) 私のところへも、いろいろ陳情のはがきなんかたくさんいただいております。やはり、藤原先生同様、心配の向きが非常にございますから、これを法律改正として出しますときには、労働部と婦人少年課あるいは室、これはひもつき一本にしてやるということを必ず了解さしてからいたしますから、まず心配のないようにしてから進めたいと思っております。
#67
○藤原道子君 たよりないんです、それは。確信は持てません。どう考えても確信が持てません。大臣、いまでも地方の圧力は相当あるんですよ。地方県議会には企業ボスがたくさんいるんです。ひもつきがたくさんいるんですよ。いまでも、婦人少年室が国家機関であって調査に行きましても、拒否する。どうも婦人少年室は出過ぎて困る、こういう抗議が出ているんです。ことに、労働力が不足しまして、もうたいへんなことでございますから、パートタイマーがどんどんふえております。このあいだも労働省の方にちょっと申し上げましたけれども、すでに深夜業をさしているところがあるんですよ。一体、これをどうして監督しているんですか、労働省は。さらに、最近は、労働婦人の中に流産がふえる、異常産がふえる。たいへんな問題ですよ。これからがほんとうに婦人の保護ということを真剣に考えなきゃならないときなんです。
 繰り返し申しますけれども、最近の婦人の中には、せっかく献血しても、とても輸血に役に立たない低比重の血液がふえております。こういうときに、婦人の保護に手抜きが起こる心配がある今回の改正には、私はどうしても納得がいかない。だから、国の機関に置いたらどうしていけないのか。まあわずかな人数だからと、こういうことをいつもおっしゃる。それならば、これからいよいよ重要になる婦人問題年少労働者の問題をもっと拡大強化したらいいじゃないですか。これは一体どうなんです、大臣。
#68
○国務大臣(原健三郎君) 大体、私どもの見当といたしましては、都道府県に労働部を新設すること、それでその中に婦人少年課というものを置くこと、さらにその上にブロックに労働局がある、それから中央が監督する。だから、婦人、少年の労働問題等についても、非常に監督もよくなるし、強化していくという見通しでございます。御心配の点はよく了承しまして、決して御心配がないように、もっと煮詰めて話もよくつけて、御期待に沿うようにいたしたいと思っております。
#69
○藤原道子君 あなた方の机上のぺ−パープランですよ。できませんよ、そんなこと。わずかな人数で、わずかな予算で、どれだけ婦人少年室の諸君が苦労しておるかということを考えてみたことがありますか。二十何年前、吉田内閣当時に、婦人少年局の廃止問題が大きく打ち出された。労働省はこれを強行しようとしたんです。けれども、婦人の声を聞いて、当時の吉田総理はツルの一声でこれを押えてきた経過があるんです。いつも、機構改革とかなんとかいうと、婦人少年局、婦人少年室等が爼上に上がるんですよ。私はぜひお考え願いたいのは、婦人少年局ができたときにどういう評価を外国でされたか。日本の民主化の中で最重要なポストである、これをつくったということにわれわれは大いに将来注目しなければならない、こういうふうな評価がされております。最近、私は、外国の友人から手紙をもらいました。今日まで苦労してきた婦人少年局の仕事を高く評価すると同時に、今度婦人少年室が地方移管になったならば、手足をもがれたカニのような存在になって――これは文句は違いますよ。そういう文句じゃない。英語を翻訳してもらったんですからね。結局、将来婦人少年局が廃止になる前提ではなかろうか。これは日本の国際的に高められつつある現時点において大きなマイナスになるんじゃないか、こういうふうな手紙をいただきました。国内での問題だけではないのです。日本の評価という面においても、日本の民主主義という問題においても、これは大きな問題だと思うのです。――原さん、そこで大臣にこそこそ言わぬでもいい。吉田さんがツルの一声でこういうことをやっているんだから、原健三郎、この際あなたひとつ勇気をふるってやってみたらどうですか。婦人労働問題は非常に大切なんです。婦人の地位の向上ということもある。こういうときに、これを地方へ回して、ああ、そうですかといって労働部へ入れるというけれども、その入れるということは困難だと私たちは考えている。かりに入ったとしても、地方政治はなかなか――あなただって知っているでしょう、地方の政治、地方議会というものがどういうものか。ということになれば、きっと原さん個人の胞には心配だなあという気はあると思うのですよ。こういう点から、まだこれからだんだんに煮詰めてくるというけれども、この点も十分考慮して、婦人少年室の存置を強く要望したいと思うのです。そもそも、婦人少年局が発足したときのその使命というものはどういうものであったかということを、この際ここでもう一ぺんあなたの口から聞かしてください。婦人少年局が発足したこの理由。
#70
○国務大臣(原健三郎君) いま藤原先生のおっしゃったように、日本の婦人少年局ができたときには日本の民主化の中で最重要なものであったということを言われたそうですが、私も同感でございまして、婦人少年行政の重大性は痛感いたしております。今回のような最近の経済社会の事情に大きな変化が見られておるときに、特に婦人労働問題勤労青年対策など、行政の需要が増大しているときでございますから、従来から実施しておる保護福祉行政の充実に加えて、新しい情勢に即応した婦人少年行政の一そうの発展、充実をはかりたい、これが根本趣旨でございますが、そこで、具体的になると、地方の都道府県労働部の中に婦人少年室とか課が設置される。完全に廃止されてしまうのを非常に御心配でございますが、私も全然心配ないとは申し上げませんが、必ず設置するということが確定しなければ法律に賛成いたしませんから、この点は私も強く主張する考えであります。
 地方の都道府県なんかに行きまして婦人少年課が重要視されないおそれがあるとおっしゃいますが、私も、このあいだ、兵庫県から県会議員が来ましたので、いろいろ聞いてみた。その県会議員いわく、その人は、非常に古い県会議員で、議長もやった男ですが、今日の時代において、選挙その他を考えると、婦人を重要視することはきわめて大事なので、そんなことをわれわれは考えるものではない。与野党を問わず、議員たる者、選挙をやる者においては、婦人の地位の重大性、そういうことを考えてやることは当然であると、非常に力強いことを聞いて、これは保守党の議員ですが、やはり同じ認識であろうと思います。そういう考えですから、労働部ができて婦人少年課を置くということを大体めどをつけてやっていきたい、こう思っておりますので、よろしく御了承を願います。
#71
○小野明君 関連して。地方の政治の実態というのは大臣もいまおっしゃっておったのですが、これに非常に問題があるのは、県の労働部長というのは、これは国家公務員ですけれども、体質的には地方公務員で、知事がきめたりなんかすることが多いわけですけれども、そうしますというと、基準法違反でもそうですけれども、県会議員の中には有力者が多い。自民党の県会議員がみなそういうことをやると言うのじゃないですけれども、やっぱり、地方におろしてしまいますと、年々累増している基準法違反、あるいは年少労働者、婦人労働の問題が、全く権威のないものに、突っ込みになってしまうおそれがあるんですよ。大臣はその点をよく考えませんと、この行政需要はふえておる、しかもそれが婦人少年行政については全然日が当たらない、こういうような結果を必ず招くと思うのです。これはよく考えてもらわないと……。
#72
○国務大臣(原健三郎君) その点は、非常に重要な点で、われわれも心配しているのですが、都道府県労働部の部課長等のうち労働基準関係のものは労働基準監督官をどうするという申し合わせもできております。それから第一線のほうで御心配の点では、労働基準監督をやっているものというのは、第一線の機関としては労働基準監督署及び公共職業安定所、こういうのはいずれも労働省直轄の機関としてそのまま置いていくわけでございますから、これは中央の指揮監督のもとにやりますから、都道府県に労働部ができたら、労働行政全般について、都道府県ごとに、いま設置されていない小さい県なんかには、労働行政を浸透させるには非常に効果があると思う。ほかのものを併置しているものよりもはるかによろしい。実際の基準監督行政とか職安行政は労働省直轄である。だから、両々相まってそういう労働行政の推進に役立つのじゃないか、私はこう思っております。
#73
○小野明君 それは大臣の間違いであって、いまの七つしかないという労働部でさえも問題がある。私の福岡県はもちろん労働部はありますけれども、それでも私のところは社会党が県政を握っておりますから中身はわかるのですけれども、そのときはどうであったということは言いたくないのですけれども、いまの七部あるものをそのままの形で広げていく、こういう方向に努力をするのがオーソドックスであって、なしくずしに県に移管してしまうということは必ず失敗すると思うんですよ。大臣は、その点を、これも引き継ぎというようなことで受け取りになるのでなくして、再度ここで検討をしていただきたい。そのほうが将来に大きい禍根を残さない。これからの婦人少年行政、婦人労働者は一千万をこえるほどいるというのですが、年少労働者にも問題がありますが、その元締めなり違反摘発なりは国家公務員でありませんとやはり問題が生ずるということを、委員会の答弁ではなくて、じっくり大臣もこの行政効果というようなものを考えていただきたい。私からもお願いしておきたいと思います。
#74
○国務大臣(原健三郎君) いまの御説、よくわかりました。これはいま閣議決定に至っておりませんが、一応大筋がまとまってきたという程度でございますから、御趣旨の点はよく勘案して、自治省とも相談して、万遺漏なきを期したい、こう思っておりますから、よろしくお願いいたします。
#75
○藤原道子君 大臣は新しく交代されたわけですが、それまでの経過はまあ引き継ぎで御承知だろうと思いますけれども、今度の機構改革で納得のいかない点は、秘密主義でやったことです。本省で大体案ができてから地方を呼んだのは、決定する三日ぐらい前に地方の代表を呼んで申し渡しをしたじゃありませんか。来た人からも内容を聞きました。申し渡しなんですよ。有無を言わせず押しつけちゃう。部内の人たちに話したのはそのあくる日、労働組合と話し合ったのはその当日なんです。私たちは、与野党を問わず、婦人議員団で交渉に参りました。ところが、もうそのときにはてんやわんや。こういうことをしてまで秘密主義できめなきゃならなかった非民主的なやり方に対して、私たちはよけい疑わざるを得ない。不安になる。
 そこで、大臣に申し上げたいことがあります。先ほどの国家公務員の人事院の給与の問題、これに対しての御答弁を聞いておると、ちょっと情けないような気がしたんです。そういうふうな態度でなく、労働省はあなたが握っているんだ、こういう強い意思で、給与の問題並びに今度の機構改革についても、ほんとうに労働者の味方であるという立場から真剣に取っ組んでいただきたい。いみじくも先ほど大臣が言われました、婦人が有権者の過半数だから、女のことを忘れたらえらいことになると。私は票に結びつけてお考えになることには文句がございますが、きょうはそれはともかくといたしましても、だんだん反対が盛り上がりまして、地方婦人少年宮の反対だけじゃなくて、協助員が――協助員というのは、あなたも知っているとおり、地方の有力者の婦人がほとんどなっております。協助員が立ち上がったようでございます。地域婦人団体も立ち上がったようでございます。ということになると、全婦人の問題になりますから、こういうこともひとつお考えいただきたい。このことについては、先日、佐藤総理にもお目にかかりました。そのときに、佐藤さんいわく、婦人尊重で善処したいと。婦人尊重が票かせぎだけじゃ困りますけれども、その票にしぼってもどえらいことになります。そういう点で、婦人少年室に対しましては特段の大臣の御努力を私は強く主張するわけでございます。
 と同時に、労働事務の簡素化というようなことも伺うのでございますが、今度労働局をブロックに設けると言いましたね。ブロックは幾つ設けるんですか。
#76
○国務大臣(原健三郎君) さいぜんの急にきめたというようなこと、及びいまの局設置を幾らにするか、政府委員から答弁いたさせます。
 それで、さいぜんからの御趣旨の点は、よく体してこれから時間もありますからやりますから、よろしく御了解願います。
#77
○政府委員(岡部實夫君) 最後に御質問でございました地方労働局の数でございますが、これは、現在のところ、どこに幾つ置くかということは決定いたしておりません。今後関係省の間で話し合いをする。ただ、設置するということにつきましては関係大臣の間で確認をしたという段階でございます。
#78
○藤原道子君 秘密主義はどうしたんです。
#79
○政府委員(岡部實夫君) 御指摘の点につきましては、実は、改革の取り扱いにつきましては、政府部内におきましては、先ほど大臣のお話にもございましたように、行政機構改革の政府の一連の施策と関連いたしまして進めてまいったのでございます。ただ、何ぶんにも、ここにございますような各点につきましては、労働省だけできめられる問題でもございません。そこで、関係各省との間でいろいろ話を進めてまいった、これが現実にはいろいろ手間どってきたわけでございます。一方、前内閣のときの大臣ベースにおきまする改革をどこまで前内閣の手でやっていくかというようなタイミングの問題もからみまして、前内閣における最後の段階が、いままで話し合ってきた点について了解点に達した点につきましては前内閣のときにその段階で確認をして新内閣に引き継ぐ、こういう内閣の御方針が三大臣の間できめられまして、それとの関係で、タイミングが、各地方にそれのきまりました、ほとんど了解点に達した点を提示することが若干おくれまして、その点は、御指摘のように、やや早急の間に移りましたんですが、決して秘密主義ということではなくて、事実上なかなか了解点に達することが手間どったこともございます。その後、しかしながら、私どもといたしましては、三大臣でともかく前内閣の最後の段階で大筋についても確認できる点は確認したいということがございましたので、急遽その前にはっきりした点については地方にこれを提示するという措置をとりました。その間、若干早急ではございますが、そのような実情がありましたので、御了承願います。
#80
○藤原道子君 地方の意見を十分に聞いたとこの前おっしゃった。意見を聞くのじゃなくて、申し渡しだったんですね。意見を聞くといったって、聞いたあくる日はきまったんですからね。本部の方針を押しつけたということはいなめない。
 それからもう一つは、あした自民党大会が開かれるという、その前夜に申し渡しをした。なぜそんなに急がねばならなかったか、ここに私たちは一つの疑問が残っております。それと同時に、労働省のある人が執念でねばってこういう改革になったんだということも聞いている。若干これに対し疑義を持つ人もあるやに聞いているけれども、その実力者の執念でこの機構改革がここまで来たんだということも聞いている。私は、その執念を、労働者の福祉になり労働者の利益になる点で生かしてもらいたいと思うんです。
 結局、押し問答でございますからあれですけれども、婦人少年室の問題、基準監督の問題、これにしても、ブロックに設ける。そうすると、異議の申し立てとか不服申し立てば各県でできるんですか。もとは、基準監督署ですか、そこへやっていたんですね。今度は、ブロックになると、そこへ一々行かなければならないんですか。この構想はどのようになっていますか。
#81
○政府委員(和田勝美君) 私からお答えを申し上げます。
 異議の申し立て、不服審査の問題は、まだ具体的にきまったものはございませんが、いま考えている地方労働局と府県の労働部、監督署、そういうのを見てみますと、審査機能は、はっきりはいたしませんが、一応いまのところでは労働局のほうがやることになるのではないか。したがいまして、ブロックのほうが審査機能を持っている、こういうことになろうかと思います。
#82
○藤原道子君 ということになると、ブロックまで出かけなければできないんですね。
#83
○政府委員(和田勝美君) いま申しましたように、まだ確定的ではございませんが、もしそういうようなことになりますと、労働者の皆さんから見ると、たいへん不便な問題が出てまいります。審査官――たとえは労災の問題なんか審査官かおりますが、こういうものを地方のしかるべきところに駐在させる、件数の多いようなところに。たとえば福岡県なんか多うございますから、そういうところには地方労働局にいる審査官を駐在させるというような方法も考えなければならないのではないか、かように考えております。
#84
○藤原道子君 不当労働行為なんかでやるときに非常に不便になれば、利するのはだれだというと、悪徳業者のほうが助かるわけですね、それだけ。労働者は旅費を使って出かけなければならない。おつとめしていれば、なかなかそういう余裕はない。そういうことまで煮詰まっていないのに、こういうことを強行しようとする労働省の真意が私にはわからない。私は、これはぜひ再考を強く要望いたしまして、時間もあれですから、終わります。
#85
○小野明君 関連。大臣、私も、この機構改革の問題は、この休会中に帰りまして、地元のほうでいろんな御婦人から話を聞かされたわけなんです。あなたはどこの委員会に所属しておりますかと言うから、社会労働委員でございます。それで、労働省所管ですかというから、そうだと。私は全然知らぬわけですよ。それは、法律上はどうなっておるかわからぬが、われわれ社労の委員に全然知らせないで、これだけ自治省との協議を要する問題を処理したり、要するに、機構改革についてこういう腹案でございますということを全然知らさぬ、これはちっと不届きじゃないかと私は考えておるわけです。これは知らせる必要ないから知らせなかったと言ってしまえばそれまでだが、われわれ少なくとも労働問題に関与しておる限りは、われわれのところまではこういう構想であるぐらいは話をしてしかるべきではないかと思うんです、この点を大臣にお尋ねしておきます。
#86
○国務大臣(原健三郎君) さいぜんからいろいろお話がありましたように、これが、急に、私がなる直前に三大臣できまった。それからまた新任早々でございますが、御趣旨のように、これからまだ時間がございますから、社労の委員諸先生その他一般の人にももう少しPRして、よく実情を知っていただく、われわれもまた御意見をよく参酌して善処する等々、進めてみたいと思っております。
#87
○小野明君 われわれをつんぼさじきに置かぬように……。
#88
○国務大臣(原健三郎君) はい。
#89
○藤原道子君 それからもう一つ、婦人少年室は確かに置きますと言うけれども、置くだけの法的根拠はないんですよね、私が安心するようなものが。それをさらに検討してみていただきたい、次にはっきりした御答弁を聞きたいので。
#90
○国務大臣(原健三郎君) 承知しました。
#91
○委員長(加瀬完君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時三十分より再開いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時二十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十分開会
#92
○委員長(加瀬完君) 休憩前に引き続き、社会労働委員会を再開いたします。
 この際、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
#93
○国務大臣(斎藤昇君) この際、お許しを得て、一言ごあいさつを申し述べたいと存じます。
 このたび、はからずも厚生大臣を拝命いたしまして、今後当委員会において格別の御支援、御協力をお願いしなければならないと思う次第でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 私は、厚生行政が各般にわたって国民生活と直結し、一日たりともゆるがせにできない行政であることに思いをいたしまして、新たな決意をもってその推進に努力をいたしたい、かように考えておるのでございまして、委員各位の深い御見識と御熱意にまつところがまことに大であると存じます。どうぞよろしく御援助のほどをお願い申し上げたいと存じます。
 御承知のように、わが国の社会保障は、一応その体系を整えたとは申しますものの、なお総体といたしましては低い水準にございまして、さらに改善充実をはかってまいらなければならぬ点が多々あると存ずるのでございます。この場合におきましても、私は、今後における人口構造の変化等を十分に考慮に入れまして、その改善充実をはかってまいる所存でございます。
 当面する懸案事項につきましては、次のような方針によって対処いたしたいと考えております。
 まず、医療保険の問題につきましては、保険財政の健全化をはかりますると同時に、将来にわたる国民医療の確保のために制度の抜本的改革を行なうべく、目下鋭意その検討を進めているところでございますが、関係方面との意見調整の上、国民の各層の賛意を得られる方向で早急に政府案を作成いたしたいと存じております。
 次に、年金制度についてでございますが、すでに国民年金、厚生年金ともに一万円年金の水準を実現いたしたところでございますが、明年は両制度ともその後の物価、生活水準の上昇等を勘案いたしまして、給付水準の向上をはかりたいと考えております。
 次に公害対策についてでございますが、公害対策基本法の趣旨にかんがみまして、今後は環境基準の早期設定、公害にかかる紛争処理と被害者救済の制度の確立等を期してまいりたいと存じます。
 そのほか、社会福祉、児童福祉、保健衛生等の面でも、一そうの進展をはかるべき分野が少なくございませんが、私は、国民生活の安定と向上を願い厚生行政の一そうの発展を期して、誠心誠意努力をいたす所存でございます。
 あらためてここに各位の格段の御支援をさらにお願い申し上げる次第でございます。
#94
○委員長(加瀬完君) 厚生政務次官からも発言を求められておりますので、これを許します。粟山厚生政務次官。
#95
○政府委員(粟山秀君) 私、このたび厚生政務次官に就任いたしました粟山でございます。
 力足らざることはもう皆さま御承知のとおりでございますが、私に課せられたこの重責を懸命の努力をいたして果たす覚悟でございますので、どうぞ委員皆さま方の御指導と御協力とを切にお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#96
○委員長(加瀬完君) 次に社会保障制度等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#97
○小野明君 大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 北九州市の小倉にありますカネミのライスオイルの問題なんであります。この問題は、園田前厚生大臣の際に起こった事件なんでありますが、まだ営業停止の問題なり補償の問題については結論が出ておりません。これからというところなんであります。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
 どうこの問題に食品公害としてはきわめて重要な事件でありますから対処をされようとしておるのか、最初に基本的な問題についてお尋ねをいたしておきます。
#98
○国務大臣(斎藤昇君) この問題につきましては、私、就任前の問題でございましたが、そのときからも非常に関心を持っておった次第でございます。この問題の発生した経緯等にかんがみまして、今後こういうことの起こらないように監視監督をもっと厳重にやり、しかも、もしそれにもかかわらず起こったとした場合におきましても、早急に治療指針等も立てられるように各医療機関、保健衛生機関等の充実をはかりたい、かように考えるわけでございます。中毒をせられた患者の方々にはまことにお気の毒にたえない次第でございますが、これらの治療また慰謝等の方法につきましてもカネミの会社においてできるだけのことをしたという誠意はあるようでございまするので、厚生省も中毒せられた方々との御相談相手になりながらできるだけ御満足のいくような解決方法をとれればいいのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#99
○小野明君 これだけの患者の数を出しておる事件であります。原因もほぼ明らかになっておる段階であります。これの原因追及の中で厚生行政不在ということが大きく問題になったと思うのでありますが、当然この補償につきましても厚生省としては指導方針を出すべきではないか、このように考えているわけであります。現在、北九州市なり県の衛生部では、いろいろごちゃごちゃ協議なりをやっておるようでありますけれども、一向に厚生省がどういう指導をしたという話を承らぬのであります。それで、これは全く無責任な厚生行政のあり方ではなかろうか。世界で初めての奇病だ、治療方法もない、このようにいわれているのでありますが、この際こそ積極的な治療の方法を見つけることはもちろんでありますけれども、補償についても指針を出すべきではないか、このように考えるわけであります。もし現在検討されているものがあれば、それをひとつお示しをいただきたい。
#100
○政府委員(金光克己君) 補償についても厚生省として指針を出すべきではないかという御質問でございますが、補償につきましては国としましても決して無関心であってはならないことであると思います。しかし、とりあえずは、何と申しましても治療を完全に早く行なうということが一番問題でございますので、そういう意味におきまして治療につきまして研究費を助成いたしまして研究を行なっていくということにいたしまして、現地で研究を進めていただいておるわけでございます。また、治療方針につきましても、関係県にも参考として通知をいたしている、かような措置をとっております。
 また、医療費の問題につきましては、これはかねがね問題になっておるわけでございます。早急に患者の治療に遺憾のないようにしなければいかんということで、国といたしましても地元行政当局と協議はいたしておったわけでございます。そういうことでございますが、原因の判明に従いまして、カネミのほうにおきましても、責任の程度はどうあろうとも、医療費についてはまず責任を持つからというような申し出も地元の県あるいは市に対しましてかねがねあったわけでございますが、最近におきましてそれが具体化してまいりまして、医療費についても積極的に支払うということにつきまして国のほうにも申し入れをするということでございまして、今明日中にその連絡があることになっておるわけでございます。さようなことでございまして、今後、患者の治療費につきましては、カネミから医療機関に支払う方法につきまして、社会保険との関係がございますので、社会保険においてはたとえば求償という立場でカネミに保険者から医療費の請求をする、自己負担分についてはこれもカネミが一括支払うというような方法でいま協議が進められているわけでございます。ここ一両日中に大体話し合いは決定するだろうと思うのでございます。そういう方向でございまして、補償の中でとりあえず医療という面につきましては、これは急ぐことで、必要があることでございますので、そういった面につきまして現在地元の行政当局におきまして、また国においても、努力をしてまいっておるというような実情でございます。
 その他の補償の問題につきましては、今後の問題としまして、地元に第一義的にはやはり患者と原因者との話し合いという問題もございましょうし、また、地元行政当局がこれに相談を受けていろいろと協議を進めてまいるというようなことになろうかと思うのでございますが、国といたしましては必要に応じましてできるだけのお世話をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#101
○小野明君 地元とその当事者との協議というものがいつも先行いたしておりまして、事件の発生以来この問題はそうなんです。また、補償につきましても、いまお聞きをいたしておりますと、協議の中には加わっておるけれども、何ら厚生省の積極的な指導という態度がうかがわれないわけですね。地元とそれから当事者との協議である、これでは私は問題がある。こういう地元の市当局、あるいは県衛生部、カネミと当事者でがたがたやっておる。当然起こる問題でありますから、初めからこの補償の問題についてはどうだと的確な基本方針を示してもらいたかったと思う。非常に消極的な対処のしかたであって、きわめて不満であります。
 具体的にお尋ねしていきますが、保険の適用というのは、これはどこの病院でも使えるようになっておりますか。
#102
○政府委員(金光克己君) これは、どこの病院でも適用されるように、どこの病院でもこの米ぬか油の患者については同じような方向で扱っていこうというようなことでいま協議を進めております。
#103
○小野明君 それから自己負担分については、会社は、おれは払わぬ、こう言っておるというんです、患者に言わせますとね。いま局長の説明ですと、自己分担分を含めて払うというようなことが説明の中にありました。地元のカネミのライスオイルの社長の言い方とあなたと違っておるわけです。この点はどうなんですか。
#104
○政府委員(金光克己君) 自己負担分につきましてカネミが支払わないというようなことは、こちらとしては聞いておりません。地元の……
#105
○小野明君 私は患者から聞いておるんです。
#106
○政府委員(金光克己君) 地元の行政当局からの説明によりますと、自己負担分も含めて支払いをすると、かように報告が来ております。
#107
○小野明君 そうすると、それは患者の言うことが間違いであって、自己負担分についても当然補償をすべきである、補償されると、こう理解してよろしゅうございますね。
#108
○政府委員(金光克己君) この支払い方法につきましては、先ほど申し上げましたように、方法をここ最近検討いたしておりまして、地元の医師会、あるいは病院、行政当局と協議いたしておる次第でございまして、そういうことで自己負担分も含めて支払うというカネミの考え方だという前提に立って協諸いたしておるわけでございます。まずは間違いないと私は考えております。
#109
○小野明君 その点は、あなたも現地の事情にうといようだが、よく確かめてもらいたい。だから、そういう点できちっと指導してもらいたいと、私はこう言っておるんです。
 いま一つの問題は、初めの保険適用の問題なんですが、これは地元では診療については公立病院を指定しておるわけです。あなた御存じかと思うが、門司、小倉、若松の市民病院のみで、他の病院にかかった場合には保険を使わせぬと、こういうことになっておるわけです。事実がそうなっておるんです。これも食い違いじゃありませんか、いかがです。
#110
○政府委員(金光克己君) 北九州市におきます公立病院におきましてカネミの米ぬか油による患者を扱うということは、前にはそういう方針で進めておりましたが、現在検討いたしております。協議の結果によりましては今後新しい方法に切りかえるということになると思います。
#111
○小野明君 そうしますと、従来は私が申し上げたようなことであったと、こういうことですね。それは改められたと。改めるに至った経緯というのは、あなたのほうの指導でそうなったわけですか、地元の協議で何となくそうなっていったわけですか。
#112
○政府委員(金光克己君) この問題につきましては、実は当初からいろいろと相談は受けておるわけでございまして、私どものほうも、とりあえずはやはりこういった患者につきましては公立病院でしっかりとお世話する必要があるんじゃないかというような考えに立ったわけでございます。したがいまして、国におきましても、医務局長通知で国立病院等にも十分お世話するようにという通知も出したわけでございます。それと関連しまして、北九州市におきまして、とりあえず公立病院でそういった暫定的な措置でお世話していこう、かような考えに立って行なわれたわけでございます。さような経過でございます。
#113
○小野明君 それから、この患者の中には、八幡製鉄で働いている人、あるいはその他の企業で働いている人があるわけです。この患者が入院加療をしなければならぬ。そうすると、会社からは欠勤扱いをされる。いわゆる休業補償をどうするのかという問題がある。
 それから婦人については、これは私直接お聞きをしたんだが、顔にあれだけのものができまして一向になおる模様がない。外にも出られない。したがって、電車、バスに乗れない。人の前に出られない。それは、あなたも見られているでしょうが、ものすごいですからね。そうすると、自然タクシーを使って病院に行かなければならぬ、こういう問題があるわけです。この休業補償に対する会社への指導措置、あるいは御婦人に対する措置なんというものはどのように考えられておるか。
#114
○政府委員(金光克己君) 休業補償あるいは婦人の方の障害を残すための補償といったような問題でございますが、こういった問題は当然問題にはなってくる一つの課題だと思うのでございますが、現在警察当局においても捜査も行なわれておりますし、さらに衛生関係当局におきましても引き続き調査は実施いたしておるわけでございます。その原因の所在と申しますか、それによりまして責任の程度というものもだんだんきまってくることと思いますが、そういうことともあわせましてこういったことは考えられる問題だと思うのでございます。そういうことでございますから、これはそういった中におきまして今後の研究課題として研究していくべきものだと、かように考えております。
#115
○小野明君 警察の手をまたなければこの問題については措置ができないというのですか。これは、カネミのライスオイル、その中に入っていた有機塩素剤カネクロールというものが原因であることははっきりしておる。そのために入院しておる。休業補償をしなければならない、してもらわなければならぬ。こういうときにこそ厚生省が指導方針を出さぬで、厚生省は何をしているのですか。警察のあなた下部組織じゃないでしょう。厚生行政というのはそういうときのためにあるのでしょう。どうですか。
#116
○政府委員(金光克己君) 民事的な補償というような問題は、捜査当局の捜査の結果をまたないうちに暫定的にいろいろと処理されるということは一つの慣例であろうかと思うのでございますが、衛生当局としましてももちろん警察当局の捜査をまってどうこうというわけではないわけでございますが、しかしながら、両面におきましての原因の調査ということによりまして故意とかあるいは過失の程度とかいったものがおのずから明らかになるわけでございます。そういったような実情に応じてやはり考えるべき問題と、かように考えております。
#117
○小野明君 それはおかしいですね。食品衛生法からいえば、森永のように故意とか過失とかということがあるでしょう。しかし、過失傷害という刑法上の問題もある。そういう問題の究明をまたないと休業補償等は問題にはならないと、これじゃ厚生省は一体何をするんですか。あなたのほうの調べでは、このカネミのライスオイルの原因というものははっきりしておるわけでしょう。はっきりしておる以上は、それによって入院をしておる、休業をした、これについてはどうすべきかという指導方針というのは当然あってしかるべきだ。それについて警察の捜査がどうだこうだというのは、私はいただけないと思う。
#118
○政府委員(金光克己君) 食品衛生法で告発いたしましたのは、その理由といたしましては、カネミで製造いたしました米ぬか油の中に塩化ジフェニールというものが含まれておった、それによって発病したということはこれは事実でございますが、その混入経路につきましても、脱臭タンクの中で六号管において小さい穴があいておったという事実から、それから漏れたものであろうということに推定したわけでございまして、告発の内容としましてはこの脱臭管において汚染された公算が非常に大きいという前提に立って告発したということでありまして、さようなことでございます。
 なお、この原因につきましては、塩化ジフェニールと発病との関係につきまして動物試験等もいたしております。また、製品につきましては、何月の製品が一番汚染されたかということにつきましては、従来、二月の初旬に製造した製品が汚染された、それによって発病したとおおむね推定されておりますが、調査の間におきまして若干他の日にちの製造製品につきましても問題があるものが出てまいっております。これはごく一部でございます。そういったことのほか、さらに疫学的に、あるいは分析検査におきまして調査を進めておるというような段階でございまして、さような経過でございます。
 補償につきましては、まずは何といっても医療が一番急ぐことであるということで、医療という雨におきましての補償ということの措置をとってきました。先ほど来お話の出ておりますような問題につきましては、原因の究明とともにその責任の所在というものも明らかになってまいると思いますし、いろいろの面におきます補償の面が出てくると思います。そういったものはそういったような経過とあわせまして考えていかなければならぬということでございまして、国としても決してそれを放置しておくというような意味ではないのであります。
#119
○小野明君 どうも、原因がまだわからぬようなことをおっしゃって、おもしろくない。
 大臣にお尋ねいたしますが、現に原因というものはもう明らかになっておる。しかも、医療という問題なんですけれども、実際は世界で初めての奇病で、治療方法がない、こういうふうにいわれておる。それで、会社で働かなければならぬのに現にこういうふうに病院に入っておる。一向にその休業補償という面についても明らかな態度が出ない。結局、会社からは全部欠勤扱いにされて勝手に措置をされる、こういうことになってくるわけですね。生活保障という面は一向に考えられておらぬ。これは厚生行政が足りないからこういう結果を招来しておるわけですから、大臣の御見解も、その辺に対する指導方針というか、それをお尋ねしておきたいと思います。
#120
○国務大臣(斎藤昇君) 私は、これは会社にそれだけ過失があったわけでありますから、したがって、その油によって中毒をしたということが明らかである人に対しましては、少なくとも実際に要った実費は会社が補償すべきだ、かように考えます。
 それから一般の損害賠償というような問題もあろうかと思います。ことに、御婦人に対して、慰謝料とかという問題も起こってくると思います。すべて民事事件ではありますが、それらについては良識的に会社がその責任を負担するように指導をしてまいるべきだと思いまするし、さような方向でやってまいりたいと思います。
#121
○小野明君 そういう御答弁ならば私も了解をするわけですよ。金光局長にそういう方面であなたのほうは指導をしなさいと私は言っておるわけですから、きちんとした指導方針を立てて措置をしていただきたいと思います。
 次の問題は、診断基準ですか、診断症状というのですか、診断基準によりますと、確症、疑症というふうに分かれている。これはどういう違いによって分けられたのか、これをお尋ねします。
#122
○政府委員(金光克己君) 診断につきましては、現地の油症研究班においてつくりました診断の臨床所見でございますが、これをもとにいたしまして各県におきましても診断の参考にいたしておるわけでございます。確症と疑症という問題でございますが、この診断の参考におきましていろいろと臨床所見が並べられておるわけでございますが、その臨床所見が十分満たされていないというものもあるわけでございます。そういう意味におきまして、疑症――疑い患者という立場で一つの診断をいたしまして経過を見ているという必要があるんじゃないかということで、定型的な患者につきましては確症といたしまして、そして決定はできないが疑いがあるという患者につきまして疑症という扱いをしていこう、かようなことになっているわけであります。
#123
○小野明君 疑症にしましても、確症まではいかないにしても、そういう症状がないと言えばうそになる。やっぱりあるわけですね。そして、この分け方が私は問題だと思う。というのは、会社が言っておるのは、これは現地の市が同意をしているのかどうか知りませんが、確症については補償するが疑症については補償しない、こう言っておるんです。ところが、患者等に会ってみますと、たとえば同一家族の中で同じものを食べておるわけですよ。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
その中で確症と疑症と分けられて、おやじは確症で適用された、子供は疑症で適用されない、そんなばかな分け方になっているわけですよね。ですから、これは診断基準というそのものが私は問題だと思う。同一家族で分けて、からだの抵抗力の差異というものはあるでしょうけれども、これを確症、疑症という分け方は問題だ。これは重症、軽症というような分け方ならばいいにしても、私は非常に問題があると思うんです。しかも、それが、補償の対象で、片や確症には補償するが、疑症には補償しないという、こういうえげつないやり方というものは、これは私は納得できぬと思うが、どうですか。
#124
○政府委員(金光克己君) 診断基準につきましては、これはもう初めての病気でございますので、あくまで暫定的なものでございます。したがいまして、やはり疑症――疑いの患者という診断をせざるを得ない、その率も多いということでございますが、この問題につきましては、現在この病気の本体あるいは症状等につきましての研究も進めておるわけでございますから、それの進展とともに患者の診断のしかたというものを若干は改定をせざるを得ないということもまた起きてこようかと思うのでございますが、そういう意味におきまして、疑症の患者につきましては、経過を観察しながら、ほんとうの患者であるか違った患者であるかという断定は最後にはするという方向に検討していかなければならぬということでございまして、地元におきましても、疑症患者につきましてはまた再検査をするということもやっているというような実情でございます。
#125
○小野明君 あなたのほうで指導するんだからあなたもお医者さんでしょう。あなたのほうで指導するんだから、きちっとした指導方針を出されたらどうかと私は言っておるんです。同じ家族で確症、疑症と分けられて、しかも片一方は補償する。確症、疑症、両方とも補償しますということならば、私は何も言わない。補償というものはいまの問題ですよね。だから、診断基準というものが仮のものであれば、なおのこと、この分け方というのは、軽症、重症と、こういう言い方にするか、再検討の余地というものが補償との関連において十分考えられるんじゃないか、このように、私は申し上げておるんですが、そのようにきちっとした指導をしてもらいたいと思うんです。
#126
○政府委員(金光克己君) 疑症につきましては、先ほど申し上げましたように、さらに経過を観察して、間違いのないように診断を下していただくように、十分行政当局とも連絡をしてそういう指導をしたいと思います。
 先ほど来お話が出ております、同一患者におきまして確症と疑症があるというのはおかしいという点につきましては、私どももさように考えるわけでございまして、もちろん同一家族内で確症とあるいは違った似たような患者があっても差しつかえないわけでございますが、大体においては同じようなものだと思いますが、こういった面につきましては、さらに突き詰めて十分検討をする、また、的確な診断を下すように指導いたしたいと思います。
#127
○大橋和孝君 関連して。いま話を聞いておりまして、疑症疑症と言われるんですが、一体、厚生省として、あなたも医者ですが、疑症というのは、どうしてそれを分けるしかたをあなたのほうでは見ておるんですか。なお一そう検査をしてとおっしゃるんですが、検査をしてということ自身が少なくともその経過においてその油を飲んでおるとすれば、それで似た症状が起こっておれば、これは当然その症状じゃないですか。疑症というのはどこをつかまえて疑症とするか、そこらのところを明確にしておかなければ、再調査とかなんとかいうことは、いままであった一つの法律とか慣例というものにむやみに流されているという感じであって、こうした原因のはっきりしたものについては、疑症という取り扱いをするにはもっと明確な立場が必要だと思いますが、あなたの見解はどうですか。
#128
○政府委員(金光克己君) 今回の米ぬか油中毒によります患者につきましては、初めての患者でございます。したがいまして、やはり診断も非常にむずかしいわけでございます。一般常識的に考えますと、定型的な愚者とそれから軽い患者というものがあってしかるべきだと思います。軽い患者というものがどこまでがほんとうの患者であるかということにつきましては、やはり学問的にもむずかしい面があるわけでございます、それで、暫定的に疑症ということばを使って、さらに観察をしていこうということにいたしておるわけでございます。そういう意味でございまして、国におきましてもこれを明確にする必要は十分考えておりますが、何と申しましても地元の九大を中心に患者の研究を進めていただいているわけでございますので、地元の研究の結果によって患者の診断というものは進展さしていきたい。また、ほかの県の大学等におきましても研究はいたしておるわけでございますが、やはり九大とも連絡をとりながら研究をしているわけでございまして、そういう意味で、この疑症というのは非常にまぎらわしい診断ではございますけれども、やむを得ずこういう形の診断をつけたということでございます。
 そういうことでございますので、御指摘のように、極力明確に診断されるように、また、ほんとうの患者が患者でないという診断があやまって下されるということのないように極力努力していきたいと思います。
#129
○大橋和孝君 疑症ということを診断の中に入れさしたのは一体だれですか。九大で患者をみて診断がつかぬから疑症だと言ったのは、大学側から言ったのですか。医者の立場からこれをみて疑症だという診断をつけることになれば、今度の場合はよほど原因が明瞭でなければちょっとおかしいと思う。医療機関でそういう診断をつけたとすれば、あるいは地元の衛生部のほうで指導して疑症ということを使うように指導したのかどうか。私はそのほうじゃないかと思うわけですが、医者の側から考えて、私も医者だから、原因のはっきりしたものを症状が重かったり軽かったり、変形したものがあっても、疑症ということをつけることは医者の良心的な立場からいえばちゅうちょするんじゃないかと私は思う。そういう観点から考えて、今度の問題の疑症というものを初めて問題にしたのは、どこの医療機関であって、どこのだれであるか、 ちょっとそれを知らしてもらいたい。
#130
○政府委員(金光克己君) 疑症ということばは、疑い患者ということでありまして……
#131
○大橋和孝君 伝染病とは違う。
#132
○政府委員(金光克己君) まあそういうことでありまして、初めての病気でなかなかわからないということで、暫定的地元の油症研究班においてそういう方針をとっておるわけでございます。そういうことでございまして、その参考資料を関係県にも通知して各県の参考に供しておるということでございます。なお、各県におきましても、これだけではなかなかわからないわけでございますので、福岡県のほうへ各県から関係者が出張をして、患者を実際にながめていろいろと意見を聞いて勉強をして診断いたしておるわけでございます。
#133
○小野明君 医学上の問題はいろいろあるかもしれませんよ。医学上の問題はいろいろあるかもしれませんが、補償にからんで、確症は補償するが疑症は補償せぬと、こうなっておるわけです。だから、これをどうしてくれるかと私は申し上げておるわけです。確症、疑症と同一家族で、私もお会いしたのですが、片一方は顔いっぱいできておるが、片一方の疑症と言われた方は十ぐらいしかできていない。しかも、同じ家族ですから、カネミ油を使っておる。それで、確症、疑症に分けられて、片一方は補償の対象、片や補償の対象にならない。医学上にも私は問題があるように思うのだけれども、補償の問題にからんでおるだけにこの分け方には問題がある。しかも、私のようなしろうとから見てもそういうことなんですよ。重症、軽症というやり方なら、これは私も納得ができる。だから、その辺をどうしてくれるかと、こう言うておるのです。
#134
○政府委員(金光克己君) 補償との関係につきましては、第一義的には、やはり間違いないというような患者と申しますか、現在確症と称しておるものがそれに該当するのだと思います。ただ、疑症というのは、この中毒患者であるかどうか、どららともつかないものでございます。疑いがあるというものでございますから、これを補償の対象に入れるかどうかは、今後の研究によりまして確実な診断を下すことができれば診断を下すように努力することが一つでございます。それから一つには、どちらともつかない疑いがあるという患者につきまして補償の対象にするかどうかは、これは今後の協議の対象だと思います。
#135
○小野明君 だから私は問題だと言うんです。あなたは、私ども議員の言うことを信用せぬのですか。信用しませんか。大臣、私は現に患者と会って、同一家族で、息子が確症であり、おやじは疑症である、こういう話まで聞いてきているわけです。子供はいっぱいできて、おやじは少ししかできていない。小さい子ほど反応が出るらしいですが、私どもの意見を信用してもらわなければ困る。診断基準というものがまだいまだ確定したものでない、こういうことになれば、あなたのほうは改めるのにやぶさかであっては困る。だから、同一家族の場合は、そういうふうに区別するというのはおかしい。米ぬか油が原因で、しかも補償対象から除外されるというのですから、その辺こそ厚生省がちゃんとして指導すべきじゃないですか。それを、あくまで確症、疑症で、確症が補償の対象でございますというのは、私どもの意見を信用していない。軽く見ておる。この点の再検討、再考慮の余地はないかと、こう言っておるのですよ。
#136
○政府委員(金光克己君) 家族内に同じような条件で発生し得るということは考えられるわけでございますが、さような疫学的なことは診断の一つの参考としては当然考えられることでございます。しかしながら、同一家族に出たから、ニキビ様のものが若干出た、これも同じだと全部言ってしまうことはできない面もあろうかと思います。したがいまして、これにつきまして、御指摘の面につきましては、十分調査し、また、遺憾のないように善処するように努力いたしたいと思います。
#137
○小野明君 どうも、善処するというのが、あなたのほうで善処したことはない。大臣も私もしろうとですが、大臣はお医者さんかどうか知りませんが、お聞きになっておっておかしいと思いませんか。これは大臣が当然お考えになって、先ほどから何回も申し上げておる問題について、出方が、私が言えば、ニキビかもしれぬというようなつまらぬことを言うのですが、どうですか、これは。
#138
○国務大臣(斎藤昇君) お話を伺っておりまして、この問題は民事補償の問題でございますから、したがって、医者がこれは確かにカネミ油からの中毒だと言えば、それは償するのがあたりまえだろうと、こういうふうに会社に言えると思います。医者は、何とも言えません、非常に疑問でございますと、こう言われたものに対して、なんぼ厚生省でも、おまえのところで払えと言うことはできないと思います。しかしながら、医者が診断する場合に、同じ家族であれば、これは疑症のようにも思うけれども油の中毒であろうという証言は医者はできるだろう。それはもっぱら医者の何といいますか、良識に基づく診断じゃなかろうか。先ほど政府委員から説明しておりましたように、こういった油の中毒というものは初めてのものですから、おそらく、医者としても、はたして油から来たものであるか、それに対してはどういう治療かというので、いろいろ大学の方、お医者さん、その他寄って専門的に研究をしてくださったものであり、また、研究を進めておられるものだと、ように思いますが、したがって、補償の問題になりますと、診断の場合には、疑症として診断をする、それから疑症じゃない確症として診断をするという、診断また治療のしかたはあるのかもしれません。私は専門じゃありませんから、医者じゃありませんからわかりませんが、したがって、それと補償とは必ずしも一致するものではないのじゃないか。ただ、疑症であっても、これは油から出たものだと、こういうように医者が判定をしてくれれば、これはやはり補償するのが当然であろうと、相談を受けたらそのように私はいたしたいと思います。
#139
○小野明君 どうも、いいような悪いような話で、はっきりせぬのですが、医者自身もわからぬのですよ。というのは、この辺も厚生省がうかつなところがあると思うのだが、患者が困っておるのは、Aの病院に行った。ここでも採血され、とにかく基礎検査から全部やられる。Bの病院に行った。ここも初めから採血から血圧から基礎検査を全部やられる。五つの病院に行けば五つの病院全部で基礎検査をやる。血がなくなってしまう。これは医者自身も判断に困っておると思う。診断基準そのものも再検討しなければならぬ、基準と言えるものではないと、こういわれておる。その中で確症、疑症とぴしっと補償の限界だけが分けられる、これが問題じゃないかと私は言うのですよ。この辺で、医者の診案のしかた自身も厚生省の指導方針なんていうのは全然なっておらぬが、したことはないでしょうが、そういうことで確症、疑症を分けるというのであれば、これは国民を完全にばかにしておる。患者をばかにしておる。そのことを私は言いたいのです。同一家族で分けられる。医者自身がわけのわからぬものを、世界で初めてだから治療方法もないというものを、しかも確症、疑症で分けられるなんて、これはでたらめじゃないかというんです。
#140
○政府委員(金光克己君) 確症と疑症とによりまして補償をはっきり分けるという問題でございますが、疑症につきましてはこれは愚者がどちらかわからないというものでございますから、やはり補償というものの関連におきましては慎重に診断をさらにするということが必要であろうと思います。
 それから検査の問題が出ましたが、検査は各医療機関でいろいろ検査いたしますが、この面につきまして医師として必要があるという立場で検査いたすことでございますので、それはやはりやむを得ないと申しますか、必要なことであろう、かように解釈しております。
#141
○小野明君 くどいようですが、そうしますと、同一家族であっても確症、疑症があり得るのは、これはあたりまえだと、同じ油を使ってもそういうことですか。
#142
○政府委員(金光克己君) 同一家族で同一条件で米ぬか油を摂取しておりますれば、やはり同じような患者と考えるのが普通だと思うのでございます。しかしながら、医学的な診断におきまして、確かな診断を下すまでの症状がそろっていないという場合に疑症となっておるわけでございます。そういうことでございますので、もちろん家族的な関係がある場合には症状が若干少なくてもおそらく確症にすると思うのでございますが、そういう場合に症状が相当欠けておりますと、やはり疑症ということで経過を見る、こういうことでございます。したがって、同一家族内に確症と疑症があり得ることもあると思うのでございますが、しかし、同一家族におきましてはやはり同じような患者であることが普通であろう、かように考えるわけでありまして、こういった同一家族で確症と疑症があるということにつきましては、先ほど申し上げましたように、さらに慎重に診断をするように指導してまいりたい、かように考えております。
#143
○大橋和孝君 関連して。いま話がだいぶ詰まりつつあるわけですが、私はそういう点でもどうしても納得がいかんですね。疑症というものをつくってそれをいわゆる補償の対象外にしようということが先行しているような感じがするのです。まだ、実際問題としては、医学の面からも明確な診断基準というのはできないわけでしょう。その前に疑症というようなものをつくること自身がおかしいじゃないですか。だから、そういう指導は厚生省で間違った指導をしているわけであるから、そういう取り扱いをしないで、もっと研究した上でこれは疑症なり何なりということを診断をつけるべきであって、疑症というような分けること自身のもう一歩前の問題が解決していない。こういう取り扱いをしているということ自体が厚生省としては非常に片手落ちじゃないか。もしやそこらの人が症状が軽くてなおってしまって疑症のままで葬られてしまうならば、片手落ちな行政というものが世の中にまかり通る気がするのですが、その点はもう少し明確にして指導すべきじゃないですか。私はそういうふうに思ったのですが、いかがですか、大臣のお気持ちをもう少し聞かしていただきたい。
#144
○国務大臣(斎藤昇君) ただいまも私が申し上げましたように、米ぬか油からの症状だということがはっきりすれば、また医者はできるだけそれをはっきりさして、そしてできるだけ補償の対象になし得るように指導いたしたい、かように考えております。
#145
○小野明君 いま大橋委員からも指摘がありましたように、この診断基準というスケールそのものがもとがあいまいなんです。いまのところ一応のものであって、これは当然世界で初めての奇病であるから再検討をしなければならぬ、そういわれておる中で、確症、疑症をきちっと分けていくものだから、なお話がこんがらがってくるわけです。だから、診断基準ですか診断症状ですか、どちらですか、基準もがっちりしておるわけですか。だから、このそのものをやっぱり再度検討をしていただいて、同一家族内にそういうものができるというようなものについては、十分に再考慮の余地があるし、その辺の指導をしてもらいたい。最終的に局長の答弁を……。
#146
○政府委員(金光克己君) 診断基準ということばになりますと非常に強い性格のものでありますが、これは臨床所見でございまして、臨床所見の参考としてこれを各関係県に通知いたしておる性格のものでございますから、これによらざればもう患者でないと、こういう意味では決してないわけであります。したがいまして、一応暫定的に臨床所見を参考として出しておるわけでございますので、これは診断方法等の進展をまちましてさらに改定をしていくということになろうかと思うのでございます。したがまして、疑症の問題につきましても、さような疫学的な問題と、その他のさらにこれからわかってまいりますいろいろな診断方法等も相まって、さらにはっきりさしていくという必要があろうと思います。
 なお、疑症ということと補償という問題とは、また別問題として考えなければならぬ面もあろうかと思います。
#147
○小野明君 最後に大臣にお尋ねをしたいのですが、あれは十一月十四日に営業停止の延長をやりましたね。その二、三日前に、前園田厚生大臣のところにカネミの社長と自民党のある代議士が行っておるわけです。園田さんは非常によくおやりになったが、こういう最終段階でそういう当事者と会うこと自体も私はどうかと思うのですが、お会いになってから態度が少し変わっておるわけです。カネミの会社が成り立つような範囲内で補償を考えるとか、非常に政治的な話になってきておる。それで、カネミの操業再開についてもいろいろ取りざたをされておる。いまのところ、こんな段階でカネミの操業再開をさせることを許すなんていう方針が出たら、これはとんでもないことでして、こういう営業停止の問題についてどのようにお考えであるか、これは局長と大臣とにお尋ねをしておきます。
#148
○政府委員(金光克己君) 営業停止の問題でございますが、十一月十五日から二カ月間営業停止の延長をいたしております。それで、いつこれをまた再開させるかという問題でございますが、こういった事件が現在警察当局で調査中でもございまするし、また、これが再開する段取り、手順といたしましては、施設を改善いたしまして再び同じような被害を起こさないような整備ができた上でないと営業許可ということにはならないと思うのでございます。したがいまして、そういう方向で進んでまいりたいと考えております。
#149
○国務大臣(斎藤昇君) おそらく、前大臣も、社長に会われてから態度がゆるくなったということは万々なかろう、私はかように信じております。前大臣とされては、あとう限りの補償は会社でやらせなければならぬ、会社が破産をしてしまったのでは補償が全然とれないのじゃないか、補償をできるだけ可能にさしたいという御配慮であろうかと私は思いますが、それは私もそのとおりだと考えます。会社が破産でもするというようなことをされたのじゃかないませんから、そうでないように会社を指導していかなければなりません。しかしながら、そうかといって、再開を急いで、そうしてまたかような事柄を繰り返すということに相なっては絶対相なりませんから、したがって、再開の時期等につきましては、そういう心配は全くないという確証を得た上でないと再開はさせない、かように考えております。御了承を願います。
#150
○小野明君 先ほど、局長は、確症、疑症の問題で、この補償の問題については疫学調査をまってというようなお話でしたよね。一応、六号管のパイプの穴漏れということははっきりしておるではないかという私も話をしたのですが、そういうものが直ったらもう営業再開を許すのだというふうに私は聞いた。ところが、黒い胎児の問題もある。いろいろ疫学調査をやっている経過もある。こういうものがはっきりしない段階で、パイプだけ直したらあなたは営業を再開させるというのですか。
#151
○政府委員(金光克己君) 調査も現在いたしておるわけでございますし、それからパイプだけ修理したならば再開するという考えでは現在ないわけでございまして、その製造方法と申しますか、パイプを直しましてもまたこのパイプがこわれるという場合もあり得るわけでございますから、そういった製造方法も改善させてから再開させるようにしたいと、現在の段階ではそう思っております。
#152
○小野明君 疫学調査の関係はどうなんですか。それは別ですか。
#153
○政府委員(金光克己君) 疫学調査につきましては、ここ近日中に大体の調査すべき資料は出てまいると考えております。営業の再開につきましてはまだかなりの日数がかかる、かように考えております。
#154
○小野明君 そうすると、黒い胎児の問題については、いま疫学調査をやっているわけでしょう。この問題とか、その他有機塩素剤については、それぞれ疫学調査をやっておるのですが、その結論をまたぬままに製造工程だけのチェックで再開を許すのですか、そのことをお尋ねしているのですよ。
#155
○政府委員(金光克己君) 疫学調査のうちで、ただいま御指摘の点は製品の検査の問題でございますが、これは現在やっております。したがいまして、この検査の結果が出ずに再開させるということはないわけでございます。この検査の結果が出ませんと、実際の汚染経過というものが全貌がはっきりしないわけでございますので、これをまった上でさらに必要な施設改善もさせた上で再開をさせると、かような考えでございます。
#156
○小野明君 いまいろいろな問題点を申し上げたのですが、大臣、厚生省の指導というのが、いま申し上げた若干の点だけでも非常におくれておるわけですよね。みな現地のほうで、北九州市衛生局、県衛生部の当事者の間で、まあまあでやっておる。それについて、厚生省から積極的な先手を打った指導なんというものは全然行なわれておらぬわけです。食品公害についても、ライスオイルだけの問題じゃない。添加物だけでも二百二十種からあろうという中で、一日われわれのとっている添加物だけでも九十種類ぐらいあると、こういわれているのですよ。たまたまこの問題をやったら、二度とこういう問題を起こさぬためにも、あるいは起こしたあとの補償についても、会社の責任についても、徹底的にこの際追及をしていただきたい。それができぬ間に操業再開とかなんとかという話をするのは、私はおかしいと思うのですよね。その辺を、大事な国民の命、健康を預かる厚生省ですから、今度は手おくれのないように、手落ちのないようにやってもらいたい。いま企業責任の問題だけ私は言っておるのですが、当然行政責任という問題もあるわけです。特に私はこの際は厚生省の行政責任というのはきわめて重大だと思うわけです。この辺で最後に御決意のほどを伺っておきたい。
#157
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま小野委員のおっしゃいましたことは、私も全く同様に感じます。今後もさらにそういうことのないように、また、この事件の処理につきましても、御意見のほどを十分体しまして善処をしてまいりたいと、かように思います。
    ―――――――――――――
#158
○藤原道子君 まず、斎藤厚生大臣にごあいさつを申し上げます。
 御苦労さまでございます。私はいつも大臣が交代するたびに申し上げますことは、厚生大臣よ強くなれ、強くなってほしい。厚生省は大切な国民の命を預かる省でございますが、とかく弱過ぎるという評判がございますので、ひとつ、大いに力一ぱい、国民の健康を守るためにがんばっていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 私は、時間もないそうでございますので、要点だけをお伺いいたしますけれども、そのものずばりで簡潔にしかも責任ある御答弁をお願いしたいと思います。
 しばしば本委員会でも問題になっておりますので多くは申し上げませんが、児童福祉法あるいは児童憲章の理念について、大臣はどのようにお考えになっておるか、まずその点からお伺いしたいと思います。
#159
○国務大臣(斎藤昇君) 私は、児童は次の世代をになっていくものである、したがいまして、児童の福祉というものは非常に大切なものだと、かように考えます。児童の肉体、精神、いずれもすくすくと育てていくということが児童の人権を保障するゆえんだとかように考えますので、この点は十分留意をしてまいりたいと思います。
#160
○藤原道子君 そこで、児童福祉法によって視定されております保育所の問題でございます。保育所の問題につきましては、いろいろ問題がありまして、当委員会でもいつも大きく取り上げられてまいりました。そこで、保母さんの充足の問題、あるいは保母の待遇の問題、保母の養成の問題等々につきまして、来年度の構想をまずお答えいただきたい。
#161
○国務大臣(斎藤昇君) 保育所の問題につきましても、まだ十分でない点が非常に多いと、私は前からも聞いております。こちらへ参りましてもそれを聞いております。来年度予算におきましてもできるだけの努力をいたしたい。現に予算を要求いたしておるわけでありますが、最初にお話がありましたように、厚生行政は何といってもまず金がなければなかなか目的を達成しないというわけでございますので、ひとつ委員の皆様方にも御協力をお願いを申し上げたいと存じますが、ただいまの予算の点につきましては、政政委員からお答えをさせます。
#162
○説明員(渥美節夫君) 大臣から御答弁申し上げましたように、保育所行政はさらに重要性を増してきております。したがいまして、来年度の予算におきましても、第一点といたしましては、保育所の設備の充実をはかる。これはある程度年次的な計画をもって実行しておりますので、その線に従いまして五百カ所の保育所の整備をはかりたい。その補助単価も改善をしたいという点が第一点でございます。
 第二点といたしましては、保育所の運営費でございますけれども、運営費も改善をいたしたい。その運営費の中の問題といたしましては、保母の定数の改善の問題もございます。あるいは乳児の保育というものも非常に重要な課題でございますので、進めてまいりたい。かようなような内容が幾つか含まれておるわけでございます。
 それから第三点といたしましては、本年度から実施しておりますところの、特に都会におきましての小視模保育所の制度をさらに拡充してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
 次に、第四点といたしましては、藤原先生御指摘の保母の確保あるいは養成の問題でございます。保母養成所に対する援助の問題、あるいは産休代替の保母の人数をさらにふやしたいという問題、あるいは保母の修学資金の制度をさらに拡充したいというふうな問題も含まれておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、施設の増強と、運営費の改善、さらに、保母の養成と確保の制度の拡充と、こういうふうな点を重点として進めていきたい、かように思うわけでございます。
#163
○藤原道子君 それでは、前の委員会でも御答弁がございました三歳児の保育所に対しては、二十五人に一人を今度は二十人に一人にする、零歳児は、いま六人に一人を三人に一人にする、それから保母の修学資金は、現在三千円でございますが、これを五千円に値上げをする、対象は、約五千人、四千九百人におふやしになる、こういうことをいま要求しておいでになるということでございますか。
#164
○説明員(渥美節夫君) 先生お話しのような点で要求をしておるわけでございます。
#165
○藤原道子君 そこで、お伺いいたしますが、前に五十八回通常国会で、本院の大橋委員、あるいは衆議院の華山委員の質問で、国の措置費の補助が非常におくれているんですね。二%ぐらいはまだ未払いなんです、四十一年度に。これを追及されて、四十二年度の予備費でこれを充足するということのように私は承知いたしておりますが、これに対してその後措置されておりますか、どうですか。
#166
○説明員(渥美節夫君) 事務的な問題もございますので、私から御答弁をいたします。
 昭和四十一年度あるいは昭和四十二年度分につきまして保育所の措置費の清算の問題でございますが、昭和四十一年度におきましては、当初予定しておりましたところよりも保育所に措置される児童が非常にふえまして、数でいきますと、三万五、六千名ばかりふえております。そういったこととか、あるいは三歳未満児の保育の必要が叫ばれておりましたが、そういった三歳未満児の収容がふえているというような状況によりまして、相当大幅な赤字が出てまいりましたので、四十二年度補正予算によりまして十一億二千万円近くの補正予算を計上いたしましてその処理をつけたところでございます。
 なお、昭和四十二年度分につきましては、これまた措置児童が当初予定よりも四万七千名ばかり増加する、あるいはまた、三歳未満児の増加が二万人程度も増加している、こういうふうな実際上の要求がございまして、その赤字も相当の巨額にのぼっておりましたわけでございます。したがいまして、昭和四十二年度分につきましては、すでに四十二年度末におきまして予備費におきまして十一億ばかりの流用をいたし、さらに各地方市町村からの申請の書類を検査いたしておったところでございますが、近々のうちに四十三年度の予備費におきまして赤字分の補てんを実施いたしたい、かように進めているところでございます。
#167
○藤原道子君 実施いたしたいと言われて、まだできないわけですか。見通しはついているんですか。
#168
○説明員(渥美節夫君) 市町村からの決算の清算の資料が参っておりまして、私どものほうにおきましてその取りまとめをほとんど完了いたしまして、予備費の流用額もきまっておりますので、昭和四十二年度におきまする保育所の清算もまさに近々のうらにつくということでございます。
#169
○藤原道子君 ところ、四十三年ですか、企画課長通達として出されていますね。これは、全額国庫負担を維持することは財政上非常に困難だということ、だから措置児童をもっと厳格に規定しろ、あるいは、「四十二年度分についても相当の不足額を生じ、これが財源措置について目下努力しつつあるが、四十三年度分についても相当額の不足が予測され、現在の如き行財政の運用を継続する場合には、本行政の全般的な危機を招くことが予測されるので、四十三年度分については、各般の事情を慎重に検討した結果、次のとおり各都道府県単位の交付予定額を定め、これを目標として四十三年度の行財政を推進することとしたので」云々と、こういうような通達が出ていることはどういう意味なんですか。児童の数を制限しろというんですか。どういうためにこういう通達が出されたのか。
#170
○説明員(渥美節夫君) 先生がお読みになりました昭和四十三年二月二十九日付の児童家庭局企画課長より都道府県民生主管部長あての通知でございますが、この時点におきまして、つまり今年の春におきまして、いま私が御答弁申し上げたような昭和四十二年度の保育所の措置費につきましても相当巨額な赤字が出るというふうな観点もございましたし、また、四十三年度にも新しい施策も講ずるというふうな段階におきましてこのような通知を出したのでございますけれども、先ほど御説明いたしましたように、四十二年度の保育所の赤字分につきましても、四十二年度中の予備費の流用と、四十三年度の予備費の流用で約十六億の赤字をカバーするというようなところまでまいりました。したがいまして、先ほどの通知に関連いたしまして、四十三年度分の措置費につきましても、一応のめどといたしまして、都道府県分の保育所措置費の大ワクを示したのでございますけれども、これはもとより一応のワクでございまして、各都道府県、市町村のいろいろな都合によりまして、このワクで収まらないというふうな施設あるいは地方も出てくるのでございます。また、この保育所措置費というのは、児童福祉法によります国庫負担の義務を持っているところでございますので、四十三年度におきましても、その点を十分精査いたしまして、義務費であるということで国の支出を考えていかなくてはいけない、かように思っております。
#171
○藤原道子君 措置児童がふえて云々と、措置すべき児童以外のものも措置しているらしいというようなことがやかましく言われるようでございますが、最近の経済の成長に伴って婦人がずいぶん工場に動員されております。家庭婦人が職場へ進出している率は非常なものでございます。そうすると、子供は一体だれが養うか、ここに問題がある。しかも、国がなかなかこういうことに熱意が足りないものですから、私立の保育所等がふえる。ところがここでも運営が困難になっている。無認可保育所に対しては、ワクを広げるというけれども、いまもお話がございましたが、なかなか基準がきびしくて、それに該当しがたい施設が多いと私は聞いております。ことに最近の無認可保育所を私見て回りましたけれども、これが一体日本の次代をになう子供たちの姿か、母にかわって保育する保母さんたちはどんなみじめな状態で働いているかということは、頭が下がる、情けなくて涙が出るような状態ばかりでございます。にもかかわらず、措置児童が予算以上にふえるから予算がふえる、だからそれに対しては云々というようなことは、私は納得がいかない。法で定められた問題をやらないで、そして子供が巷に放置される結果起こる幾多の弊害を、あなた方はどう考えていらっしゃるか。最近、情緒不安児がふえている。愛情に飢えているんですよ。それで、やっと保育所へ入れれば、二十五人に一人の保母さんで、休憩なんかできたものじゃないですよ。行って見れば、まことにお気の毒なんです。これらに対して、こういう通牒の持つ裏の意味を解するときに、私はそらおそろしい気がする。はたして、大臣が言われたように児童福祉法の精神を考えてやっておいでになるか、疑わざるを得ない。どうなんですか。これが一つ。
 それともう一つ、対象とする二十五人に一人を二十人に一人にするという御答弁でございますが、保母の充足はできるのでございますか、その現状もあわせてお伺いしたい。
 さらに、立て続けで恐縮でございますが、いまのような保母の足りない原因には、一つは待遇が悪い、労働過重である、こういうことに基因すると思いますが、この待遇改善についても、何かお考えになっている点がございましたら、お聞かせを願いたいと思います。
#172
○説明員(渥美節夫君) 第一点のお尋ねのことでございますけれども、たいへん保育所が足りないことは事実でございます。したがいまして、四十三年度におきまして、保育所に新たに六万人の子供さんを通わせるという予算を計上いたしまして、それに対応する施設の整備も実施しておるという現状でございますし、また、特に都会向けの小さなお子さんのためにも小規模保育所制度というものを起こしておるところでございます。したがいまして、今後ともそのような方針で進みたい、かように思うわけでございます。
 第二点の保母の充足対策でございます。この点につきましては、先生もよく御承知と思いますが、まず保母さんを養成するということが大きな問題でございます。養成に関しまして、現在の制度におきましては二つの方法がございます。第一点は、保母養成所をふやすということでございます。この点につきましては、保母養成所の保母養成施設の指定も、毎年三十カ所あるいは四十カ所というふうにふやしておるわけでございます。したがいまして、そういった保母養成指定校の学生定員というものも毎年七、八千人ずつふえてまいってきておるわけでございます。なお、もう一つの保母を養成するための方法といたしまして、都道府県の試験がございますけれども、この試験も、かつては、都道府県におきましては年一回しかやらなかったというふうな県もございましたんですが、最近におきましては年に二回やるようになっておりまして、そのことによりまして保母の資格をとることをやさしくするという努力もしてまいったのでございます。なお、そういった指定校に入りました学生に対しまするところの保母の修学資金という制度もございます。現在のところは、千六百名しか修学資金を貸与しておりませんけれども、こういった点も拡充していかなければならないと、かように思うわけでございます。
 それから第三の御質問でございますが、保母の待遇の問題でございますが、これも毎年、まあこれは当然のことではございますけれども、国家公務員に準じましてベースアップをするというほか、先ほどのお話にもありましたように、保母の定数といいますか、受け持ち児童数を減らしていく、そのことによりまして保母さんの処遇が改善されるという効果もございます。そういうふうなことで、定数の改善ということもやっていかなければならない、かように思います。また、大都会とそうでない都会あるいは農村との間のいわゆる地域差の問題がまだ残っておりますので、こういった地域差の改善もさらに進めていかななければならない、かように考えておるところでございます。
#173
○藤原道子君 お話を伺えばたいへんけっこうずくめのことですが、公務員並みに云々と言われますが、現在、保母さんの待遇は、六年働いて三十五歳で二万二千四百円です。高校を卒業して二年ですね、学校は。それから都道府県の試験を受けて保母になる。いま、中卒の初任給が幾らだとお考えになりますか。幼稚園の先生が二万四千円、看護婦さんが二万八千円、保健婦さんが三万四千円と、こういうふうになっておりますけれども、これで待遇がよくなったと言えるでしょうか。中卒の初任給は幾らだと思っておりますか、言ってごらんなさい。このごろの保育所はまことに多岐多難というところなんです。いろいろな性格の子供がいる。ことに、大体八時間とめどをつけているが、朝早く夜おそい。まことにお気の毒だと思いますが、この待遇でいいとお考えですか。いけないとするならば、どの程度のベースアップをお考えですか。
#174
○説明員(渥美節夫君) 保育所の保母さんの処遇につきましては、先ほど申し上げましたように毎年努力はしておりますが、御指摘のように他の職種に比べまして決していいということはないと思います。と同時に、保母さんの処遇につきましては、いわゆる市町村立のような公立の施設と民間の施設との間に相当の格差があるということも事実でございます。私ども国におきまして保育所の措置費といたしまして基準を設けているわけでございますが、その単価を申し上げますと、主任の保母さんにつきまして、甲地――大都会でございますが、本俸が三万二千二百二十六円、それから主任の保母さんでない普通の保母さんでございますが、この単価が二万七千七百二円というふうなことで、まあこれからさらに先ほど御説明しましたような点で努力をしていかなければならないと思うわけでございますが、また公私の格差も相当あるわけでございます。したがいまして、私の民間の保育所につきましては、民間経営調整費というふうな項目によりますところの措置費の補助を行なっておるところでございますが、やはり問題はさらにそういったいろいろな処遇の改善を考えていかなければならない、かように思います。
#175
○藤原道子君 保母の待遇は、よくなったと言っているけれども、もともと低いんだから、同じように追っかけていたらいつまでたっても追っつかない。この点もひとつしっかり腹に入れて対策を立てていただきたいと思います。
 それから措置費の問題はそれといたしまして、今度また保育料は上がるんですか。
#176
○説明員(渥美節夫君) その年の保育単価、つまり保育所におきまして児童一人に使われるべき単価を保育単価と申し上げますが、保育単価は毎年毎年の予算におきまして改善をはかってまいる。そういった関係で、保育単価が上がる。したがいまして、余裕のある方からの徴収金は少しずつ上がるということでございまして、その毎年とりますところの徴収基準はその年の四月にきめまして実施しておるわけでございますので、いま先生のお尋ねのいま高くなったというふうなことでございません。本年当初におきまして実施しておったわけでございます。
#177
○藤原道子君 来年は……。
#178
○説明員(渥美節夫君) 来年度におきましても、特に子供さんの保育に必要な経費が改善し増額になるということになりますれば、来年の保育料の徴収の金額もその時点におきまして考ええてあげなければいけないという状態が生ずると思います。
#179
○藤原道子君 次に、設置費の問題でございます。いま、国が大体半分で、地方が半分ずつですね。ところが、その基準を二百万円ですかに押えておる。国は百万円しか出していない。保育所がいま二百万円でできるでしょうか。 二、三日前に清水市に参りました。保育所を一カ所建てるのにどうしても千二百万円かかる。土地の購入を入れますと、三千万円はなければ保育所はできない。ところが、国からは百万円しか来ない。その百万円も、来たり来なかったり、とにかくひどい状態でございます。これで、一体法に基づく保育所の設置ということが言えるでしょうか、国会議員は何をしているんですか。こういうつるし上げを受けて来た。この二百万円という基準単価のきめ方はどこから来ているのかをお聞かせ願いたい。
#180
○説明員(渥美節夫君) これは、先生からいつもおしかりを受けるわけでございます。確かに、ただいま六十人以上の保育所を建てますと、一千万円近くかかることは事実でございます。その補助額が百万円と本年度予算にはなっております。しかし、これも実は昨年までは七十万円であったわけでございまして、四十三年度におきまして百万円に増額したのでございます。今後も、そのような地方の超過負担がなくなるように、補助単位につきましてこれを改善するように努力いたしたい、かように考えます。
#181
○藤原道子君 そこで、お伺いをしたいのでございますが、大蔵省の方は見えていますか。
#182
○委員長(加瀬完君) 政務次官と主計官がおいでになっております。
#183
○藤原道子君 私、漏れ聞くところによりますと、今度、大蔵省は、地方交付税がふえたので交付税率を引き下げようということでだいぶ折衝されたけれども、これが不成功に終わるらしい。そのために、切って返して、補助率を切り下げるとか打ち切るとかというようなことをお考えのように伺っておりますが、大体どういう構想で補助率を引き下げるあるいは打ち切るということになるのでございましょうか。大体、見ると、弱いところが対象になっておる。私の手元に入った資料によりますと、そのようになるのでございますが、この点をお聞かせ願いたい、こう思います。
#184
○政府委員(沢田一精君) 大蔵政務次官を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。
 ただいまの御質問にお答えをいたしますが、経済の好況を反映いたしまして国税の収入が相当になってまいると思われるわけでございます。一方、国におきましては公債政策を取り入れておりまして、公債に対する依存度が相当高い。また、毎年累増してまいります。当然増経費が相当にのぼっておるというようなことでございます。御案内のように、地方交付税というものは、国税三税の伸びに対応いたしまして一定の率で地方財政に繰り入れられるわけでございますので、来年度は、いま申し上げましたように、国のある程度硬直化した財政の現状と比べますと、地方財政はかなり改善されてくるものと考えなければならないわけでございます。したがいまして、国と地方を通ずる財源調整をいかにするかということが問題であるわけでございます。個々につきまして申し上げることは、御質問があればいたしたいと思いますが、ただいま問題になっております保育行政につきましても、その行政の必要性、あるいは保育行政が持っております現在非常に困難な幾つかの問題、これは十分認識をいたしておるわけでございまして、その内容を低下させるというようなことは厳に慎まなければならないと、かように考えております。ただ、先ほど申し上げますように、国と地方を通ずる財源調整をいかにするか、その一環といたしまして場合によりましては補助率の改訂を考えなければならぬのじゃなかろうかというような考え方でございます。これを言いかえますならば、保育所措置費に対します公費負担部分の中で国と地方公共団体の負担割合をどのように配分するかという問題に盛さるわけでございます。その内容を低下させるというような考え方は毛頭ございませんので、その点を御了承いただきたいと思います。
#185
○藤原道子君 補助金であった場合と、それから交付税に含めるという場合では、私は大きく相違が出てくるものと思うのです。交付税がふえたと言われれば、確かにふえたようでございます。と同時に、地方におきましては、小学校だ、中学校だと、どんどん建設が迫られまして、それに追いまくられて四苦八苦いたしておる県がたくさんございます。交付税がふえたから、それだけみんなが豊かになっておるのだと。ほんとうにそうでしょうか。私は、そういう点は、大蔵省のように何でも切ればいいというお考えじゃ困ると思うのです。ただいまは公債政策で財政硬直化と言われたけれども、公債政策で何をやったんです。社会保障のほうへお回しいただいたんでしょうか。そうじゃないと思います。かりにファントム買う金二十億があれば、身障児対策は二年分あるのです。こういうものはどんどん百三十機も買うとやら言うんです。そのほうには、金を出すのです。
 ところが今度のあなた方が考えておいでになるのを若干入手して見ますと、弱いところばっかり切っているじゃありませんか。弱いけれども、子供は次の時代のにない手なんです。ことに、最近は、 いろいろな問題児がふえて困っているんです。ことに、寝たつきりの老人が四十万人もいるんです。ところが、その老人のための費用さえ切っているじゃありませんか。私はこういう大蔵省のやり方が問題だと考えるのです。第一、児童館の運営費も切ります。わずかな金額でしょう。児童相談所の一時保護所というのですか、非常に問題児がいる、それも今度は切ってしまう。家庭児童相談室、これは五百七十カ所ですけれども、その金額はわずかでございます。その上、私がどうしても了承できないのは、措置費を十分の八から十分の五に減らすのですか、というような案だと聞いております。それから僻地の保育所あるいは季節保育所は交付税の対象にするというじゃありませんか。結局、僻地がいまどういう状態にあるか。農村はかせぎがふえて、農村の経営はほとんど主婦の肩にかかっておる。したがって、いまでこそ季節保育所を、もっと日数をふやしてほしい。僻地の保育所はもっとふやしてほしい。こう思っているところに、これはひどく下げられてしまう。公立保母養成所、これの人件費等が七千七百万ですか、これもやり玉に上がっている。こう
 いうことでいいでしょうか。
 さらに、国庫補助金の廃止です。これは重大だと思います。先ほど児童家庭局長が得々とおっしゃいましたけれども、産休代替保母費も廃止だそうです。保母の修学資金貸与費、これも、厚生省は五千円に上げて対象を約五千人にふやそうというのに、廃止のようになっておる。さらに問題は、妊娠中毒症の対策費、これも廃止になっておる。一体これはどうお考えになっているんでしょう。結局、大蔵省の方にぜひお考え願いたいのは、日本はいま妊産婦の死亡は世界一なんです。十六国家の中では第一位なんです。日本の倍もあったカナダとかオーストラリアは、いまや日本の三分の一に減っております、終戦後の対策で。しかも、妊産婦死亡の第一位が妊娠中毒症なんです。これはわれわれがやかましくやかましく言ってやっと目が出た妊娠中毒症対策費、これも廃止する。一体、何を考えているんでしょう。ことに、過日NHKでも放送しておりましたけれども、心身障害児が大きな問題になっております。ところが、この心身障害児の発生原因は、妊娠中が三〇%、周産期が六〇%、生まれた後に起こる原因はたった一〇%となっております。私は、生まれてからの心身障害児のみじめな様は何としても黙視するに忍びない状態で、この対策は強く要求しております。しかし、生まれて不幸な子供をかかえてから騒ぐよりも、一人でも生まれないようにするのがほんとうの政治じゃないでございましょうか。これが厚生行政じゃないでしょうか。ところが、やっと目の出た妊娠中毒症対策費、これも削ろうという。一体、大蔵省は血があるんですか、涙があるんですか。抵抗の少ない女と子供を対象に。いま、農村でも、生活改善普及員などは非常に大事な使命だと思うのに、これもやり玉に上がっている。あるいは、学校給食関係でも人件費がやり玉に上がっている。女、子供だけじゃありませんか。午前の委員会でも申し上げましたけれども、機構改革で労働省では婦人少年室を切っちまう。これで一体文化国家と言えるでしょうか。愛情ある政治と言えるでしょうか。一体、保育所の予算と関連いたしまして、生活保護の関係とか老人対策費までがやり玉に上がるとはどういうわけでございましょうか。老人クラブの育成費であるとか、ここにちょっと資料を忘れて来て困っているんですが、それも若干入っております。これはどういうお考えでお切りになる。交付税がふえたからこういう人にあたたかい手が回るとは違うんですよ。補助金なら、呼び水としても地方がやらざるを得ないということになる。交付税は補助金じゃございません。これを一体どういうふうにお考えになっておるか、大蔵省のお考えをまずお聞かせ願いたいと思う。困る人の身になって考えてください。
#186
○政府委員(沢田一精君) いろいろと重要な問題についてお話がございましたが、大ざっぱに申し上げますと、いまいろいろと例示をなさいましたけれども、一応補助金の整理対象として検討を加えておりますのは職員の設置費関係でございまして、そのほかのいろいろおあげになりました事柄につきましては、大蔵省といたしましても、これを切ってしまうというようなことはまだ考えておらないわけでございます。ただ、それでは、職員の設置費といえども非常に重要な要素ではないか、なぜ切るんだということになるわけでございますが、これはもう前々から重要な問題になっております補助金の整理という考え方がやはり底流としてはあるわけでございまして、御承知のように、あるいは臨時行政調査会、あるいは補助金等合理化審議会といったようなものからも答申を受けまして、地方公共団体の事務のうちで、各団体に普遍的に行なわれておって、そうして地方交付税等の増額によって財源が得られ、しかも一般的な財源に比較的なじむ経費と申しますか、そういったものにつきましては、 できるだけ整理をし、そうして地方公共団体の一般の財源によって処理するほうがいいのではなかろうか、こういう考え方が前々から一貫してあったわけでございます。したがいまして、いまお話がありましたように、厚生行政等につきましてこれは必要がないのだとか、あるいは内容を低下させてもいいんだという考え方に立っておるわけでは決してございませんで、先ほど申し上げましたように、地方財政が近年きわめて充実改善されてまいりましたこともございまして、実は、先ほど先生が冒頭におっしゃいましたように、三二%という交付税率を二%引き下げてくれないかという相談もいたしましたし、また、四十三年度予算におきましては、御承知のように、地方交付税合計から国が四百五十億の借金をいたしましたこともあるわけでございますし、そういったこともございまして、来年度さらに地方財政が改善されてまいります機会に、もしかりに交付税率の引き下げが不可能だといたしますれば、懸案になっております職員の設置費につきましては検討を加えてみようかと、こういうのが大蔵省の態度であるわけでございます。
#187
○藤原道子君 職員の人件費だとおっしゃいますけれども、それが重要じゃないんでしょうか。かりに今度保健所の人件費をはずす。いま、保健所は、ただでさえ人員が充足しなく、医者のいない保健所が多いんです。助産婦のいない保健所が多いんです。これらに対して、一生懸命厚生省もだらしがないけれども努力をしている。これが地方へ回された場合、一体どうなんでしょう。保健所は、ここで法律ができるたんびに保健所の事務量はふえている。ところが、 ちっともこの人員の充足はできない。それで、もう簡単に言えば麻痺状態と言ってもいいくらい保健所の機能が発揮できないでいるのが今日の状態です。医者の充足をどうするか、保婦婦は、助産婦は、一体どういうふうにあなたお考えになって、今度保健所運営費から五十四億ばかり削ろうとしておいでになるか。五十四億八千七百三十三万八千円ですか、これだけ削らなきゃ国がやれないのでしょうか。あるいは、精神衛生センターの運営補助費。気違いがふえて困っているんでしょう。アメリカが一番で、日本が二番だといいます、気違いは。精神病もだんだんふえる。こういうときに、こういうものの補助金がわずか三千七百六十二万九千円、こんなものまでやらなきゃならないのか。婦人相談所職員の設置費であるとか、児童一時保護所費であるとか、保母養成所の費用であるとか、国保の保健婦さんの補助金であるとか、こういうものが厚生省関係では問題になっている。また、農林省関係でもまことに納得のいかないものが対象になっております。弱いところを対象にしている。零細補助金と言うけれども、切ってあたりまえだと思うような補助金もございますけれども、事は人命に関し生活に関するこういう問題を補助金からはずして地方税の対象にしたら、はたしてうまくいくとお考えですか。そんな簡単なもんじゃございません。だからこそ、政府が補助金を出して地方にやるように進めてきたんじゃございませんか。私はいまの御答弁では納得がいきませんが、まだ煮詰まったもんじゃございません、そういうことも考えておりますとおっしゃるならば、また考え直す余地もあるんですね。どうなんです。私、心配でございますから、二、三日前から地方の県知事のところを二、三訪問してみました。ところが、これはたいへんですよ、こんなに大量に地方へ回したって、地方で手が回りはいたしません、義務教育の設置にすら追われている、こういうときに、こういう問題を地方へ回すと、それは藤原さんの御心配のようなことが起こりますよと、こう言っております。ただ、知事会なんかになると、交付税を減らされるのがいやだから、いやだいやだといってがんばるけれども、 これを持ってしまえば、さあ弱い面へは出てまいりません。これがいまの日本の悪い傾向でございますから、ぜひこの際お考え直しをいただきたい。いかがでございましょう。
#188
○政府委員(沢田一精君) 私も先ほどから申しておりますように、厚生関係の施策がいままで十分であったとも思っておりませんし、現在の時点で必要性がないとも申しておらないのでございまして、ますます福祉国家として充実強化していかなきゃならぬということは、御説のとおりだと思っております。ただ、先ほど来申し上げましたが、いま先生のお話でございますが、知事や市町村長、地方公共団体の長に一般財源をあてがっただけでは弱い面には非常に及ばないのではなかろうかという御心配でございます。私も、その点は、実情はある程度了解できる気持ちがいたすわけでございますが、本来やはり地方公共団体の事務でございますから、財政にゆとりがありさえすれば、それは知事といえども、市町村長といえども、必要な厚生行政の面には思い切って金を使うようなことでなければいけないし、私どももそれを信頼してかからなければ、どだい初めからいろいろと国と地方間の財源の調整とか事務の再配分というような問題はなかなか結論が得られない。国がやらなければ地方がやらないんだという考え方であれば、いまございますように、先生の御心配のようなことがこれからもずっと続いていきはせぬだろうかと、かように私も思うわけでございます。いま最後に先生が言われましたように、交付税として地方へやってしまったんでは一歩も二歩も厚生行政が後退するということは、できるだけそういうことがないようにしなければならないのではなかろうか、かように考えております。
 ただ、最後のお尋ねでございますけれども、交付税率の問題、あるいは先ほど来申し上げます補助金の整理の問題、ひっくるめまして、地方財政と国との間の問題は、今度の予算編成の最後まで残る重要問題だと、かように心得ております。御意見のありますところは、十分考慮をいたしまして、検討を加えていきたいと思っております。
#189
○藤原道子君 切りのない討論をもっとしたいのですけれども、私に与えられました時間もございます。ただ、この際申し上げておきますのは、弱い者いじめという感情を与えないようにしてください。大きいところへは予算はどんどん出して、小さいところを犠牲にする。よく言われますが、社会保障費を云々ということをこのあいだ何かの新聞で見ましたけれども、敗戦国だからそうはいかないというようなことも言われる。同じ敗戦国の西ドイツでは、国民所得に対する割合は社会保障費は二〇%出ております。イタリアは一六・三%出ておる。日本はたった六・三%です。これで大国だなんということが言えるでございましょうか。そういう点、大蔵省の厚生省に対するかたいきんちゃくのひもをぜひゆるめていただきたい、これを強く要求いたします。
 さらに、保育所の問題に対しましては、「ハンストも辞さずの気構え」「Z旗掲げた予算運動」と、全社協でも相当な決意をしておるようでございます。まず第一に保育所が犠牲になる。この前の予算査定のときも、施設の飲食物費も切り詰めようとしたんです。とにかく、あまり弱い者いじめはなさらないように、経済力世界三位なら、それにふさわしい社会保障を、幼い者、病める者、さらには年とった人たちに、もっと安心して生きられるような予算編成を強く要求いたしまして、保育所関係はこれで終わりたいと思います。――いいですね、わかったですね。決意のほどを聞かしてください。
#190
○政府委員(沢田一精君) よく拝聴いたしました。ただ、先ほどから申し上げますように、弱い者いじめをするとか、あるいは恵まれない人に冷淡であるとかということでは決してございませんので、その点はひとつ御了解をいただきたいと思います。いまお話がありました点につきましては、予算編成の段階で十分検討を加えてまいりたいと思います。
#191
○藤原道子君 厚生大臣に最後に申し上げます。あなたのほうではいろいろ予算要求を出しておりますけれども、大蔵省のそういうことが私たちの耳に入ったから、心配して厚生省に聞いても、まだきまったことじゃございませんと、大蔵省に気がねして何にも言えない。だらしがないと思う。とにかくこういう非常時でございますから、大蔵省がそういう方針で進んでおると、いま渥美さんの言われたような保母の修学資金だって保母の増員だって、全部御破算になります。こういう点で何かはかのものと取引しようなんて愚かな考えはやめていただきまして、子供を守り、貧しい人を守る、こういう立場で斎藤厚生大臣はうんとがんばってほしいと思いますが、御決意のほどを伺いたい。
#192
○国務大臣(斎藤昇君) ただいま藤原さんからいろいろ大蔵省の査定の情報みたいなものを伺わせていただきまして、私は驚いておる次第でございます。藤原さんの御意見のように、とにかく、日本の経済の成長、科学技術の進歩、これに伴って、人権を保障し、そして人間らしい生活を続けさしていく、また、そういったひずみから受けるところのいろいろな社会現象を除去していく費用は、非常にふえてまいりますし、また、まいらなければなりません。そうでないと、非常にちんばな社会になるわけでございます。しかも、そういう原因は、これは地方公共団体のやっている行政から来るわけではございません。したがって、これはできるだけ国費でまかなうべきものだ、かように私は考えます。中央と地方、国と公共団体との間の事務、それから経費の負担区分の問題は、昔からの問題でございまするし、まあ加瀬委員長もその点は非常によく御存じの問題だと思いますが、しかし、こういう際におけるいわゆる地方費と国費の区分というものは、平常の時代、平常の経済の発展や科学技術の状態において考えるのとは非常に違った考え方をしていかなければ、すなわち国が率先してやるという姿勢を示しませんと、地方のほうではなかなかそのほうには目が向かぬであろう。地方財政は、財政力はできてきたと思いますが、たとえば、地方における道一本つけるか、保育所の職員を増すか、保育所を建てるかということになりますと、それは道をつけてくれ、あるいはこの道を舗装してくれというような希望のほうが多くなって、ひもつき予算というものは私は財政上の面から言うと好ましいものとは思いませんが、過渡的な状態においてはぜひ必要なものだと、かように考えまするから、おそらく大蔵省もその点は御理解いただけるだろうと、かように考えておりますので、そのつもりで、そういう事態が起こりましたら最善を盛くしたいと、かように考えます。
#193
○藤原道子君 起こりましたらって、もう起こっているのですよ。いつも厚生省は善処します善処しますと言うが、一向善処していない。
    ―――――――――――――
#194
○藤原道子君 次に、私は、看護婦の問題とそれから医療の問題について若干お伺いをしていきたいと思います。
 最初に、最近看護婦さんの足りないのは全国的な問題でございますが、現在、看護婦の充足率については絶えず厚生省とやっているのですけれども、一向にまだ改善されない。非常に憂慮いたしておるのでございます。ところが、最近、東大病院で、看護婦の夜勤問題が契機となって問題が起こっておると伺いました。私は、天下の東大病院で夜勤が八日から二十間もなされておるということを伺いましてびっくりいたしましたが、一体どういう状況にあるのでしょうか。さらに、いまの問題点はどうなっておりましょうか。聞くところによると、新潟ではこの夜勤を八日以内にする、二人夜勤にするということで六日に妥結したと伺っておりますが、東大病院のその後はどういう状態でございますか。
#195
○説明員(吉田寿雄君) ただいまの御指摘でございますけれども、東大におきまして夜勤の状態がどうなっているかということでございます。それにつきまして最近の情勢を申し上げますと、準夜勤とそれから深夜夜勤、これを合わせまして、各診療科によりまして多少の格差はございますけれども、全診療科十九診療科ございますけれども、月平均十一・四日ということになっております。科によりましては、すでに月六日あるいは七日、八日というところもございますけれども、そのほかのたとえば産婦人科とかあるいは外科等におきましては、相当夜勤の回数は多くなっております。
 これにつきまして、当然関連いたしますのが、二人夜勤が実現しているかどうかということでございます。東大におきましては、大多数の診療科におきまして二人夜勤あるいは三人夜勤、診療科によりましては四人夜勤、五人夜勤のところもございますけれども、おおむね二人以上の複数夜勤が実現しております。しかしながら、月平均の夜勤回数からいたしますれば、先生御存じのとおり、昭和四十年十月に人事院から出されました判定の趣旨を完全に実施するにはまだ至っていない、こういう状況でございます。
#196
○藤原道子君 外来勤務の看護婦さんも含めて夜勤をさして、それでこの程度なんですね。
#197
○説明員(吉田寿雄君) 東大におきましては、一月交代で病棟勤務と外来勤務と全然分けております。したがいまして、外来勤務に当たりました者は、当該日におきましては夜勤のほうに回っておりません。もっぱら病棟の看護婦が夜勤をやり、お互いの間にローテートする、融通するということは、東大病院ではやっておりません。ほかの大学ではやっているところもございます。
#198
○藤原道子君 じゃ、外来勤務の看護婦さんは夜勤はやらしていないと、こうおっしゃるのですね。ところが、私が聞いたところによると、一月交代で外来へ行きますが、外来へ行った人も含めて大体八日から多い人は二十日間の準夜勤、深夜を含めて夜勤勤務になっている、こういうふうに伺っておりますが、これは食い違っちゃいけませんので……。
#199
○説明員(吉田寿雄君) ちょっと訂正さしていただきます。診療科によりましては、いま先生がおっしゃいましたように、外来勤務の看護婦さんも夜勤のダイヤの中に入るという場合もあるそうであります。
#200
○藤原道子君 じゃ、場合もあるというので、それが平均化されているというわけじゃないのですね。
#201
○説明員(吉田寿雄君) はい。
#202
○藤原道子君 わかりました。
 そこで、いま看護婦さんが二十九名欠員だと伺っておりますが、これの充足の見通しは立っているのですか。大学病院には、看護婦の養成――要するに高等看護学院があるはずでございます。それで、東京の大学病院で看護婦さんが二十九名も不足する、これはどういうことでございますか。
#203
○説明員(吉田寿雄君) 東大におきます看護婦の定員からいたしますれば、ただいま先生がおっしゃいましたように、三十名近くの者が欠けております。東大の医学部には附属の看護学校がございますけれども、これは最近の全国的な傾向でございますけれども、当該学校の卒業生がそのまま看護婦としてその大学病院に残るというようなことは必ずしも期待できなくなっております。全国平均で申しますと、五割をわずかこした者が他の病院等に就職する、当該大学の附属病院に残る者は四六%程度というふうに承知いたしているわけでございます。
#204
○藤原道子君 それにはどういう理由がありますか。おわかりでしょうが、待遇の問題とか、勤務の状態とか、魅力がないとか、いろいろあると思います。ちょっとそれを伺っておきたいと思います。
#205
○説明員(吉田寿雄君) その点でございますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたように、なぜ残らないかということでございますが、一つには、大学附属病院の特色といたしまして、単なる通常の診療の介助あるいは患者に対するいろいろなめんどうをみるというようなことのほかに、これは特に大学病院だけの特徴として留意しなければなりませんけれども、教育及び研究に対するいろいろな補助的な仕事が非常に多いということ、それからもう一つは、他の病院に対比いたしまして総体的に重症患者が多い、こういうようなことのために、勤務条件あるいはその態様が非常にきつい、過酷であるということのために、なかなかその附属の看護学校を卒業しても当該大学病院に残るということが最近次第に減っていくということではなかろうかと考えているわけでございます。
 なお、給与等につきましても、いわゆる国家公務員でございますので、正当な規定に基づく給与以外のものは出せません。それに対しまして、最近は、他の市中の病院等で相当いい処遇をしているというようこともあるようでございまして、そちらのほうに卒業した看護婦さんが出ていく。あるいはまた、宿舎その他のいわゆる厚生施設等におきましても、国立大学病院は必ずしも市中の病院等に比べて格段にいいというわけではございません。なお、計画の途中にある者につきましては、相当に落ちるという者も遺憾ながらあるわけでございます。
 そういういろいろな条件からして当該大学病院に残る者が減っていると、こういうふうに私ども認識しているわけでございます。
#206
○藤原道子君 ところが、東大病院の看護学院の定員は五十名じゃなかったですか。
#207
○説明員(吉田寿雄君) そうでございます。
#208
○藤原道子君 五十名ですね。ところが、五十名採っていないんですよね、生徒を。これはどういうわけなんでしょうか。定員が五十名、看護学院の生徒が。ところが、三十名くらいしか入学さしてない、採っていないと私は聞いている。間違ったら訂正してください。たださえ看護婦が足りないのに、五十名の定員がありながら、これをなぜ定員だけ採らないのか、その理由をお伺いしたい。
#209
○説明員(吉田寿雄君) いま、私、具体的な数字を持っておりませんで、たいへん申しわけございませんけれども、おそらく、試験の結果入学させるべきかどうかというような、そういう判断で、試験の結果等をもとにしてそういう定員よりも相当少ない数を入れているのではないかというふうに思います。なお、この点につきましては、詳細に資料で調べさしていただきます。
#210
○藤原道子君 きょうは病院関係の方だけで残念なんですが、とにかく、そうじゃなくて、設備が足りない。定員が五十名でありながら、設備がないために採らない、こういうふうに伺っている。第一、看護婦が足りないときに、しかも質が悪いから入学させないんだろうとあなたおっしゃったけれども、六倍からの競争率なんです。大学病院はもっと高かったんじゃないか。全国平均いたしまして看護婦の志望者は六倍の競争率なんです。ということになれば、そうこちらの弱い人ばかりじゃない。そうおっしゃらんで、ほんとうのことを率直に言ってください。たしか、東大病院では、五十名の生徒定員だけれども、設備が足りないために三十名しか採らないんだと私は聞いている。私も、看護婦の問題は少しは委員会でやっておりますので、ある程度は承知しているつもりです。いま、全国的に看護婦が足りない。ことに、東大では、今度、えらいりっぱな建物を、地下一階地上十一階だかを建てているんですけれども、一フロア全部が病室なんですってね。ということになれば、もっと看護婦はふえなきゃならないんじゃないですか。その建築にかかるときにすでに看護婦の数を想定しておやりにならなければ、このごろの傾向では、病院はできたけれども、あるいは重症身障児の施設はできたけれども、看護婦や保母さんが足りないから病室やあるいは施設を遊ばしているというところがふえてきた。天下の東大ともあろうものが、それだけりっぱな建物を建てているのに、看護婦の充足も考えない。設備が足りないからといって五十名定員のところを三十名しか採らなきゃ、足りないのがあたりまえです。それに対して、五十名採るような運動でもしていらっしゃるのですか。あなたの答弁は、質が悪いから採らないのだろうということになるので、ごまかさないでください。私は皆さんの担当ですから、皆さんの立場に立ってよりよい医療行政をと思ってやっているだけで、あなたを責めているのじゃない。どうなんでしょう
#211
○説明員(吉田寿雄君) 私は事実を知っていてごまかすようなつもりは毛頭ございませんで、その間の事情を的確にまだたいへん申しわけございませんけれどもつかんでおりませんでしたので、後ほど調べまして、その間の事情を正確にお答え申し上げたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
#212
○藤原道子君 私は、いまの問題は、根本的に考えなければ解決できないと思う。看護婦の処遇の問題もあるだろうし、寄宿舎が東大はあまりよくないというのはおかしいですよ。まあそういうことで、文部省の関係は次回にその責任者に来ていただいて、こういうことでいいのか、看護婦の処遇をということでやろうと思っております。
 そこで、厚生省にお伺いしたい。私は、このあいだいつかも、また看護婦問題ですかと同僚委員から言われたのですけれども、重大だから取り上げるのです。看護婦が足りない足りないといわれるけれども、看護婦の充足について厚生省は一体どのような計画を持っているのか、それをまずお聞かせを願いたい。努力いたしますじゃ、きょうは引き下がれません。
#213
○政府委員(松尾正雄君) 看護婦の需給につきましては、四十一年当時をスタートにいたしました一つの試算がございます。その当時の試算で約三万一千名ほど足らない、こういう計算になっております。
  〔委員長退席、理事大橋和孝君着席〕
 そのあと、すでにしばしば申し上げておりますように養成計画をできるだけ急いでまいりまして、大体三万一千名というものの不足が四十一年当時あったといたしましたならば、その数は四十八年にはほぼいまの養成計画のスピードが維持できてまいりましたならばカバーできるであろうという目標のもとに設定を進めてきているという、こういう計画がございます。
#214
○藤原道子君 ちょっと、もっと大きい声で答弁してください。いまの計画で、四十八年度までには看護婦が充足できる、こういうのですか
#215
○政府委員(松尾正雄君) 四十一年に立てられましたときの試算を申し上げたわけでございまして、その当時三万一千名程度の不足がある、こういうふうに計算をされまして、その後養成計画を伸ばしていく。一方、御承知のとおり、病床の増加等による需要の増加もあるわけでございますが、そういったものの推移をながめてまいりますと、大体四十八年度でバランスがとれる、こういう見通しのもとに進めているわけでございます。
#216
○藤原道子君 じゃ、四十一年に計画された、四十八年に充足できるという目標のもとにいまやっていらっしゃる、それで充足できますか。
#217
○政府委員(松尾正雄君) できますかと申されると、これは非常にむずかしい問題になるかと存じますが、まあ私自身、そういう当時立てられました計画というものについてもなおいま検討を続けておるような状況でございますが、いろいろな計算のしかたによりましても多少変動があると思います。たとえば、自然退職というような傾向というものも、従来の傾向を大体尊重いたしまして計算をしておるわけでございまして、こういったようなものもときによって異動がございます。そのほか、医療の面の変化というようなことで、むしろ看護婦さんの数を従来の計算よりも多くしていく、こういう要素がやはり出てくるかと思いますので、四十一年当時立てられました計画は、だたいまの養成計画、あるいはベッドの伸び方、そういうものの上で計算をいたしまして四十八年でというふうに一応立てられておりますけれども、これは四十八年であればすでにもうその計画どおりで十分だというふうに考えるべきものじゃない、なおやはり新しいファクターについては私どもは十分加えながら検討を続けなければならない、こういうつもりでおるわけでございます。
  〔理事大橋和孝君退席、委員長着席〕
#218
○藤原道子君 簡単に済まそうと思っても、簡単に済まなくなる。いまの看護婦の定員をきめるときに、現在はベッドと看護婦の数を割って四対一でなければしかたがないからそうきめるのだと。ほんとうは二・五人に一人の看護婦が必要だ、理想を言えばそうしたい、だが数が足りないからこれでやるんだと。つい四、五年前の衆議院でも、この是正は早急に行なわなければならぬと言っていらっしゃる。ところが、一向にそれをやらない。それで、いまのあなたの答弁でも、四十八年までに充足できるという見通しは、四対一で考えていらっしゃる。いま、医療の内容も、非常に向上してまいりました。なかなかやっかいな病気もふえてまいりました。療養所のあるべき姿が変わってまいりました。これをいつまでも四対一で押し切っていこうということでやれるんでしょうか。ことに、基準看護などと言っておりながら、家族が行ってめんどうをみなければ看護婦さんの手が足りないんです。基準看護だから、ほんとうは付き添いや家族がいてはならないはずなんです。けれども、それが行かなければやれない。こういう実情を御承知でございましょうか。これでも四対一でよろしいとお考えになるかどうか。
#219
○政府委員(松尾正雄君) この点は、先生御指摘のとおりでございまして、先ほどの計画をややはしょって私申し上げておりましたが、御指摘のとおり、先ほどの四十八年度計画というものは、一般病床については入院患者について四人に一人、それから結核、精神については、現在医療法で六人に一人ということが認められておりますので、そういうことを当てはめまして病床の推移に照らして計算したものでございます。しかしながら、御指摘のような問題と、ことに、すでに新生児の看護というものを医療法上も新たにみてまいりました。そのほか、先ほど来の東大問題でも、お話しのような夜間勤務という問題についての改善、こういう要素を入れてまいりましたならば、もっと不足が大きくなる。そういう問題については、私の手元でいまいろいろ検討を急いでおるというような状況でございます。
#220
○藤原道子君 私は、国会で答弁したことは身をもって守ってもらいたいと思う。私は、特会制の審議のときの大臣の答弁集をここに持っております。看護婦の問題も、人事院の判定どおり、夜勤は八日以内、二人以上の勤務体制をとるために看護婦を至急に充足しなければならない、こういうことをはっきり言っておる。それから療養所も、決して特別会計、独立採算制はとりませんとはっきり言っている。それから差額徴収なども云々ということが全部これに入っているんです。ところが、現実になるとそうはまいりません。看護婦の充足充足といったって、手をこまねいていては充足できない。それで、あなた方は看護婦は何人卒業するというけれども、看護婦にも正看護婦と准看とございます。准看は毎年毎年ふえておる。正看のほうの率の倍以上准看がふえている。准看にはいわゆる勤務制限というものがあるはずだ。夜勤を二人にしても、准看が一人で夜勤をしてはならない。そうすると、あなた方は、婦長が夜勤婦長がおりますと言う。夜勤婦長なんて、はるかかなたで寝ている。それで、准看さんが、准看准看と言われながら一人で困難な勤務体制についている。それで、その准看はどうかというと、将来の昇進の道はふさがれている。これに対して希望がないからやめていく。普通の看護婦も過労であるからやめていく。いま、看護婦で、実働と、優秀看護力が巷に眠っている数が、半々くらいじゃないですか。半々くらいいるんですよ。それならば、眠れる優秀看護力をどう生かすかをお考えになったことがありますか。頭打ちになっている准看の進む道について、その道を開くということはこの委員会でやかましく言っておりますが、お考えになったことがございますか。ございましたら、この際明らかにしてほしい。
#221
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のように、日本の看護行政の計画におきまして、准看の養成が非常にウエートが高くなってまいり、ただいまぐらいの年で准看とそれから看護婦というのが就業者の中で半々を占めるというようなところまでになっておるわけでございます。ただいま御指摘の准看からの看護婦への昇格問題でございますけれども、これはすでに御案内のとおりでございますが、いわゆる進学課程というコースのものをふやしてまいりまして、現在百二十九校で約三千七百五十二名という一学年定数を持つに至りました。また、働きながら夜間課程に進んでいくという三年課程の夜間進学課程もすでに四十九校千六百十名という一学年定数までふえてまいりました。こういう面で、できるだけ看護婦へなりたい方々をそういうコースを充足いたしまして希望をかなえたい、こういう努力をしてまいっておるわけでございます。しかしながら、現在、まだまだその程度の若干の定数をもってしてもそういう希望を十分に満たすわけにはまいらないという状況でございますので、引き続いてそういう課程もふやしてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
 また、先ほど来のお話の中で、特会問題に関連した夜勤体制のための改善の措置というようなこともございまして、これも来年度以降そういうことをやりたいということで大幅な人員の要求をいたしておるという状況でございます。
#222
○藤原道子君 この問題についてはもっとあとで質問を続けますが、労働基準局長がほかの会議でお急ぎになるそうで、ちょっと間へはさみます。
 お聞きのとおり、看護婦は足りない。夜勤の場合、八時間だけれども、申し継ぎだの何だのやることになると八時間半から九時間かかる。ところが、その間の休憩時間がないのです。随時休むというけれども、一人夜勤で休めますか。てんてこ舞いしておる。そういう場合には労働基準法違反にはならないのかどうか。
#223
○政府委員(和田勝美君) 基準法では、休憩は一斉休憩というのが原則でございます。看護婦につきましては例外でございまして、一斉休憩でなくてもいいことになっております。したがいまして、随時与えられる、こういうかっこうでございますが、休憩は本来自由に使うことができるというものでございますので、そういう趣旨からいたしますと、休憩が自由に使えるような態様で与えられることが望ましいところでございますが、ただいま先生のお話しになりましたようなことを直ちに基準法違反と言うことは、なかなかむずかしい問題でございます。
#224
○藤原道子君 あやふやなんですね。随時与えられると。随時与えられるような勤務情勢であるかどうか、ここに問題があるんです。この前、たしか労働大臣は、予算委員会のときに、それは休憩を与えるようにしなければいけませんとはっきり言い切ったんです。ところが、あなたは、与えなくてもいいような御発言なんです。あなた、どうなんです、随時与えられていると認識をしておいでになるのか。看護婦の職場をごらんになったことがあるかどうか。
#225
○政府委員(和田勝美君) ことばが足りませんでしたのでたいへん申しわけございませんが、休憩時間は必ず与えていただかなければならない。ただ、それが全看護婦に一斉に与えられるというそういう制限はないということ――大臣か予算委員会で申し上げたように、必ず与えていただく。ただ、何時から何時まで一斉に与えるという時間限定がない、そういうことでございます。
#226
○藤原道子君 それならば、八時間労働と言われているけれども、ほんとは九時間くらいあるのよね、病院の看護婦さんは。その中で、三十分なら三十分はほんとうに休める時間を設定しなければならないわけです。時間を何時から何特までと切ることは、それは病院勤務だからできません。けれども、その勤務体制の中で、休憩時間はやはり設定しなければならない。それをしていないならば、違反であるということになります。それで、あなたは、病院のことは病院側にまかしておけばいいなんというような考えで、きっと見ていないだろうと思いますけれども、それは保母さんにしても、看護婦さんにしても、非常な過重労働で、休憩時間がございません。こういう点について、基準局長としてどうお考えになりますか。
#227
○政府委員(和田勝美君) 国立大学のほうは、私どもが監督をいたす権限がございませんので、そのほうは人事院のほうでおやりになっておりますが、それ以外に、一般の民間の病院につきまして監督を実施いたしますと、確かに時間、休憩等に対する違反がございます。そういう点につきましては、ぜひ病院側で守っていただいたり、守るためには、いま先生のお話しのように、一人の夜間勤務ではむずかしいというような場合がずいぶんございまして、二人夜勤がいいとか、いろいろ問題がございます。人事院のほうでも、夜勤については、二人制というようなことをお考えになっておりますが、私どもとしましても、休憩が正確にとり得るためには、二人制のほうが望ましい、こんなような考えでございます。
#228
○藤原道子君 大学病院のほうは別でいいんです。一般病院の実態は、国立よりも大学病院よりももっとひどいんですよ。あるいは、民間保育所は、これはもう公立の保育所よりももっとひどいんですから、もっとそういう点の監督を強化してもらいたい。特に、普通の看護婦、保健婦のみならず、婦人労働者で深夜勤、深夜業をさせられているところもあるんです。こういう点の基準監督を強化していただかなければ、婦人労働がだんだんふえてまいります今日、あなたに期待するところは大でございますから、ひとつしっかりお願いしたい。御苦労さんでございました。
 そこで、人事院で判定をお出しになりましてもう三年ばかりですが、実行されているところはほとんどないんですよね。ここにも国立のほうの資料がございますけれども、人事院の判定が出てからまだ大差はないんですね。先ほど来お聞き及びのとおり、給与も低いんです。休憩時間もないんです。それから準夜、深夜合わせまして国立あたりで十二、三日でしょうか、平均。大学病院は、お聞き及びのとおり、いま二十日なんてのもある。こういうことだから看護婦が住みつかなくなる。人事院でお出しになっておる看護婦の給与、これは低いですね。国立あたりの国家公務員の看護婦は、高校を出て、三年学校へ行って、国家試験を受けて、初任給があまりに低いと思うんですけれども、こういう点に対して、人事院では、女だからという考えで低く査定しておいでになるのでしょうか。あるいは、一人夜勤で、女の子が一人で病院の中をかけずり回っている。この精神的な不安といいますか、恐怖といいますか、過重といいますか、こういうことに対して一日も早く二人夜勤以上にしてもらいたいと私たちも言い、現場の看護婦さんたちも強く要望しておりますが、どうお考えですか、どういう指導がその後なされておりますか。
#229
○政府委員(島四男雄君) ただいま先生から御指摘のように、人事院の判定が出ましてからすでに三年たつわけでございますが、判定の内容が必ずしも、十分実現されていないということは、御指摘のとおりでございます。私ども、そのつど厚生省なり文部省から御報告をいただいておりますが、いままで若干改善のあとが見られるということは言えると思いますが、顕著な改善は必ずしも十分ないということを率直に認めざるを得ないのでございます。
 ところで、ちょっとお断わり申し上げたいのでございますが、私どもの出しました判定の法律的な性格といいますか、それをちょっと御説明さしていただきたいと思いますが、もともとこういった勤務条件に関する措置要求の判定というものは、勤務条件の改善でございますので、当然予算なり定員なりそういうものが伴う。伴わなければなかなか改善できないという性格のものが大部分でございます。したがいまして、この判定というものが、内容的にはまさに当該関係機関に勧告という形で出されるわけでございます。勧告でございますので、当然これは当該省庁によって尊重されるべきものであるというふうに考えておりますが、ただいま申しましたような事情がございますので、判定が出たらこれが直ちに実現できるかどうかということは、これは関係当局の御努力いかんによるところが大きいわけでございます。この看護婦の勤務条件に関する判定についても、ただいまるるお話のございましたような看護婦の絶対的な不足という大きな問題をかかえておりますので、なかなか私どもの判定の趣旨が十分実現できないということはございますが、ただ、私のほうは、しからば、判定を出して、出しつばなしでよろしいのかということになりますれば、私どものほうとしては、この判定が関係機関によって一日も早く実現されることを望み、また、そのように私どもも重大な関心を持っているわけでございます。したがいまして、この判定がその後どういうふうに各関係機関において努力がされておるかというあとづけを絶えず私どもは見守っているわけでございます。文部省なり厚生省からたびたび御報告をいただいておりますが、先生よく御承知のような実情でございまして、なかなか簡単にはいかないいろいろ大きな問題があるということで、私ども非常に苦慮しているわけでございますが、この問題については直接私どもでは指示権なり命令権等がございませんので、関係省庁において御努力を願うしかない。ただ、この判定そのものが、絵にかいたもちのような全く実現不可能な内容のものとは私どもは考えておりません。もちろんすぐ直ちに実現できる性格のものとも考えておりませんが、まあ何年か後には必ず実現されるべきものであり、また、されるものと信じておるわけでございます。
 非常に抽象的なお答えで申しわけございませんが、今後とも従来にも増してそのような努力を続けていきたい、このように考えております。
 給与の問題は、給与局次長から答弁いたします。
#230
○説明員(渡辺哲利君) 給与の御質問につきましてお答えを申し上げます。
 看護婦の仕事につきましては、一般行政事務と異なりまして、主として深夜の夜勤等を伴う非常に困難な仕事であると思います。そのような意味におきまして、人事院といたしましても、看護婦の処遇につきましてはいろいろ意を配ってまいっておりますけれども、たとえばいままで民間の給与水準を上回った改善を例年やっておりますし、また、夜勤手当等も支給する道を講じております。また、本年につきましては、大病院の総看護婦長につきまして、現在の一等級の上に特一等級を設けて優遇をはかることといたしておりますし、また、保健婦、助産婦等につきましては、学歴が一年長いというようなことも考えて優遇措置を講じていきたいというふうに考えている次第でございます。
 そういうような事情で、今後ともなお看護婦につきましてはいろいろと改善をはかっていきたいというふうに考えておる次第でございますが、先ほど御質問にございました初任給等でございますけれども、初任給につきましては、今回ことしの勧告におきまして二千五百円を上げまして、看護婦養成所を出ました場合の初任給は二万五千六百円というふうに、普通の大学卒のアップ率二千四百円を上回る改善をしたような次第でございます。
 なお、民間水準との関係でございますが、本年の調査によりますと、国家公務員のほうが八%高いという結果でございましたのですけれども、そのような事情もございまして、看護婦の俸給表につきましては八・六%の改善を加えたというような次第でございます。今後とも、改善につきましては、民間の実情等を十分研究いたしまして、改善に努力をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#231
○藤原道子君 初任給がこのくらいでも、だんだん低くなっちゃうのですよ。やはりあなた方の頭の中には女性ということがこびりついているんだろうと思うんだ。とにかく、看護婦の給料が安い、定着率が悪い、労働が過重である、これはよくお考えになっていただいて、看護婦の待遇が悪くて定着率が悪ければ一番だれが困るのか。いま看護婦の初任給が二万五千幾らですけれども、普通の職場へ行ったらどれだけになると思いますか、いま。労働力は引っぱりだこなんです。こういうことも定着率に影響しているのです。そういう点もこの際ぜひともお考えを願いたい。
 それから局長、えらい人事院の権限が弱いようなことをおっしゃいましたけれども、もっと強くなってほしい。強くなるように私たちも努力いたしますけれども、結局、休憩休息の取得状況は、明示どおりとれるというのが一六・一%、それから明示されてもとれない、これが四六・五%、これは国立でございます。それから明示なしが、人事院の勧告当時は明示なしが六〇%ございましたが、いまは明示なしというのが三〇・五%とやや半減で、明示されていないほうは少なくなってまいりました。だから、これからもっと強く、一ぺん勧告したら、それっきりじゃなしに、もっとそれが実現できるように今後も絶えず御配慮が願わしい、こう思います。
 それから今度は大臣にお伺いしたいと思います。お聞き及びのとおりなんです。年若い女性が、夜勤が月のうち十五日も二十日もあって、かけずり回らなければ仕事が間に合わないのです。看護学院で教わったことが実際に行なわれているかというと、半分も行なわれていない。おそらく三〇%だ。とにかくしなければならないと良心に悩みながらも、手抜きをしなければ仕事が間に合わない。これが現場の看護婦さんたちの最大の悩みだとこのあいだ訴えられた。こういう状態でございますから、ぜひとも今後は看護婦の定員に対してぜひ厚生省ではお考えを願いたい。
 それから先ほど来、進学コースをふやしましたと言うけれども、進学コースへ入るには職場を離れなければいけない人が多いのです。夜勤のほうへ行っても、勤務しながら夜勤があるでしょう。夜学にばかり通えないという悩みがある。行くために職場を離れれば、給与がないのでございます。それから山間僻地の療養所等がたくさんございます。こういうところでは出かけていくことが困難じゃございませんか。こうした准看護婦に対してはどういう考えを持っておいでになるのか。だから、私どもは、国家試験の立場はくずさないで、准看には絶えず通信教育なり現場教育をすることによって単位をとらして、それで現任訓練の上で看護婦の国家試験を受けて看護婦になる道を開く。こうしなければ、看護婦が足りないために病院が開かれないという点がたくさんあるじゃありませんか。
 同時に、将来は――いま、看護大学があり、短大がある。あるいは高等看護学院がある。准看の場合でも、准看護婦の養成所、さらに高等学校の看護科というふうなものがある。看護婦になる道が多岐多様なので、複雑になって、資格は、短大を出た人は、高等学校を出て二年、それで国家試験を受けられるのです。ほかへ就職するときには短大卒という名がつく。高等看護学院を卒業しても、就職するときの学歴は高等学校なんです。高等看護学院なんというのは学歴にならない。ほかへ就職するときには、こういう非常なアンバランスというよりか、矛盾が出ている。いま、一般でやっておられる看護学校は、療養費から払っている、看護婦の養成費を。国家が出しているのじゃございません。病院の療養費の中から看護学院が経営されているということになるから、たくさんの看護生徒をとりたがらないわけです。私は、この際、ぜひとも文部省とお話し合いになって、教育法によるところの看護学校、こういうものをひとつ検討していただきたい、これ強く要望しておきます。
 同時に、いま現実に看護婦が足りないのを一体どう切り抜けておいでになるつもりか。たとえて言えば、特会制の審議のときに、独立採算制はしないのだ、重心児を入れた場合には看護定員はふやします、いろいろ約束があるのです。ここに大臣の答弁書がございますけれども、お約束がございます。ところが、現在、療養所がどういう実態になっているかといいますと、かりに大湊なら大湊をとりますと、総数が百三十の中で、結核患者は九十で、脳卒中が十九、こういうふうになっております。あるいは、心身障害児、筋ジストロフィーというんですか、ああいう患者も入っております。これは一対一でなければ世話ができない。ところが、相変わらず療養所の定員になっている看護婦さんの手が回わらない。手が回わらないために、各地に事故が起きている。どういう事故が起きているかということになると、歩行困難な脳溢血の後遺症の方が、浴室で人に抱えられて入らなければならないのに、浴室で着物をぬがせる者、入浴させる者、おむつをかえる者、その他いろいろ要るのでございますけれども、看護婦がない。つい自分でやろうと思って、ころんで事故を起こした。あるいは、直接事故を起こしたのは、ここに幾つも例が出ております。「階段で倒れて骨折をした」「ころんで鎖骨の骨折をした」「個室がないために便所へ行く途中ころんで肋骨を骨折」「不適切な訓練により上腕骨折」、いろいろ事故が起きている。これはそもそも厚生省の無理をしての低医療政策の犠牲者であると思います。こういうような一対一でなければやれないようなところへは必ず定員をふやしますと、こう言いながら、何にもしていない。それで入れるのは患者をどんどん入れている。結核患者の入院したい人を入れないで、そうして結核は減りました減りましたということで、脳溢血であるとか重症心身障害児であるとかそういう人を入れている。入れるならよろしい。そこには適切な訓練士がいない。こういうことで、はたして国立療養所ということの名に値するでございましょうか。この対策はどうおとりになるおつもりかを伺いたい。
#232
○国務大臣(斎藤昇君) 先ほどから、藤原委員の御熱心な御意見、また、実情等を伺いまして、私もかねがね聞き、また、思っておったより以上たくさん教えていただくことが多くございました。感謝をいたします。少なくとも歴代大臣が国会において弁明をいたしております事柄は、必ず実行のできるようにいたしたいと存じます。それも非常に数多いように伺っておりますが、今後さらに勉強をいたしまして、なかなか完全な状態にするのに一年、二年ではできがたいかと思いますが、最善の努力をいたしまして、計画的に着実に実施に移して、そして歴代大臣がうそばかりついていると言われないように努力いたしたいと思います。
#233
○藤原道子君 きょうは、国立療養所、国立病院の特会制問題をやるつもりでございましたが、委員長にお約束した時間がもうまいりました。
 そこで、個条書きでお願いをいたしておきます。
 独立採算制はいたしませんということをはっきり答えておる。借金に対しては、足らざるは国の会計から繰り入れる、一般会計からということでございますのに、土地の買却代がばく大な金額にのぼっております。こういう点は一つ一つ数字をもってお示ししたいのでございますが、時間がございません。どうか、特別会計だといって独立採算制で無理を押しつけるのではなく、あのときのお約束どおり、一般会計から足らざるところは導入していただきたい。
 それから重症愚者が増しておりますが、ぜひ職員をふやしてもらいたい、これはぜひ至急にやっていただきたいと思います。
 それから国立病院・療養所の職員を大幅に増員して、待遇をふやしていただかなければ、運営困難になるんじゃないか、こういうことで、この点も特にお願いします。先ほど来も、看護婦の夜間勤務、これを八日以内にして、二人以上の勤務にしていただきたいこれを特にお願いをしておきたい。
 それから人事院からいま夜勤の手当は出しておりますとおっしゃいましたけれども、たった百円なんですよ。いま百円やっても、子供も喜ばない。これをひとつお考えになって、これを増額するように御配慮を願いたい。いま、百円なんて、普通の人ならおこりますよ。
 それから病院の運営にもいろいろ問題がございますが、きょうはその程度にいたしますけれども、問題は山積いたしております。
 そこで、最後にお願いしたいことは、看護婦の増員をどうするのかということをどうしても聞かしてもらいたい。いつも、善処いたします、努力しますと。一向ふえない。ですから、どうしてふやすのか、ふやす道はあるか。私の案に対しては、看護婦の質の低下になるといって看護協会等が反対して、今度の選挙でもかなり私は攻撃されている。国家試験がある。単位をとって受けるのだから、私は低下にはならないだろうと思います。と同時に、いま看護婦が足りなくて随所に障害が起こっていることに対して、政府はどう責任をおとりになるのか、この御所存を聞きたいと同一時に、ちょっとこれは何新聞だかで見たのですが指導准看制度というのをつくろうという案が厚生省にあるやに伺いましたが、この指導准看制度とはいかなるものであるか、この点もお聞かせを願いたい。
 それから私は前々から主張しております眠れる看護婦、これの掘り起こしの問題です。昔の看護婦は、いまは進歩しておりますから、どうしても再教育が必要だ。それから家庭の看護力を生かすには、病院内に保育所がなければやれない。これを前から要求しているが、政府がおやりにならないので、労働組合が保育所を経営してお互いの金を出し合ってやっているような状態でございますが、この保育所の問題については、園田厚生大臣がはっきり今後これをつくるべく努力すると言明しておいでになりますが、その辺のお考えをあわせはっきりお伺いしたいと思います。
#234
○政府委員(松尾正雄君) 看護婦の養成計画というものにつきましては、私どもも苦労はいたしているわけでございますが、特に、先生が御指摘になりましたけれども、先ほど来お話にございましたように、いわゆる進学コースというものに行かなくても、いろいろ経験年数並びに講習、国家試験ということで看護婦に准看からなれる、こういうことを考えていけというお話だと思います。この問題も、私どももずいぶんいろいろな研究会等を通じまして検討を続けております。先生が御指摘のように、端的にお話しのように、一部には質的な問題を心配するという面のあることは事実でございます。しかしながら、私医務局長になりまして以来は、その質的という問題を一体どう考えるのだということが必ずしも明確に詰められていないような気がいたしております。むしろそういうことばの上で質的云々というようなことをもてあそぶといっては恐縮でございますけれども、そういう形でなしに、ほんとうに実際の力としての問題としてそういうものを判断をいたしまして解決をはかりたい、こういうことで検討を続けているわけでございますけれども、同時に、この問題は、准看の養成計画――看護婦になってまいりますために准看から進学をしてくるわけでございます。准看から抜けて看護婦になっていかれる。看護力総体としては、その間にプラス・マイナスはない、こういうことがございますので、当然その一環といたしまして准看の養成計画というものもあわせて補充していかなければ全体の看護力の増強にならぬという問題がございます。しかし、この問題は、すでに御承知だと存じますけれども、ただいまの中学卒業後二年というような准看教育というレギュラーのやり方というものは、早晩これは改正しなければならぬようになると存じます。高等学校進学率というものは非常に高くなってまいりまして、中学だけでとどまっていくようなお子さんが非常に減りまして、急速に減ってくるだろうと予想いたしております。そういう就学率なり人口構造の変化というものにも早く対応いたしまして、そして新しい養成計画というものをどうしても打ち立てなきゃならぬ。それと見合いながらそういう進学のコースの問題を実際的に取り組んでまいりたいということで、私どもも真剣に実は検討を続けております。ただいま申し上げましたように、そのベースになりますような准看教育自体すらもやはりいま改めなきゃならないというふうに私は意識しております。もうしばらくお時間をおかしいただきたいと思うわけでございます。
 それから潜在看護婦の問題が御指摘でございました。先ほど、私、答弁を抜かしまして失礼いたしましたが、御指摘のとおり、免状を持ちまして職場を離れ家庭に入っておられる看護婦さんというものは、先生の御推定のように、ほぼ就業看護婦と同数であろうと思われます。この中には看護婦として働いていただける立場の方が相当おられると思いますが、それには、保育所の問題等もございましょうし、いろいろな家庭の理解その他もあると存じますので、私どもが四十二年から手をつけておりますのは、そういう方が長く職場を離れておられますと、もう一度看護業務に戻るときに一定のやはり不安があると思います。近代の新しい看護技術というものはどうなっているかというような御不安があってしりごみをされるということがあるというふうに聞いております。まだ四百名程度の対象人員ではございますが呼びかけをいたしまして、その方々に短い期間で最近の看護情勢あるいは看護技術というものを御理解いただき、そうして便利なところに入っていただく。何もこれはフルタイムでなくてもいいと思っております。特に外来のように、ある一定時間というふうに制限されて、その間だけやればいいというような職場におきましては、こういうパートタイム的な潜在看護婦の方が出ていただければ、これは非常に助かる問題ではないかということで、そのいわゆる再教育と申しますか、オリエンテーションに近いようなそういうような面から着手をいたしまして、一部歩どまりも得ておるような状態でございます。
 なお、それに関連いたしまして保育所の問題が出てまいりました。保育所の問題は、保育所として考えますときには、児童福祉法等のいろいろの制限等もございます。そこまでそういう形で本来理想的な形を考えるならば、やはり地域保育所というものにお預けできるということが一番理想だと思います。しかしながら、それができないというような実態も現実に起こっております。私ども、来年度、国立病院や療養所の中でそういうものを持ちたいという要望に対して、ある程度の援助をしてまいりたい、こういうことで予算もお願いしておるような次第であります。
 それから最後の指導准看の問題でございますが、これは先般こちらでもお答え申し上げたと存じますけれども、准看護婦が相当の長い経験があるにもかかわらず四等級のままで頭打ちであるということは、これはよくないじゃないかということで、私ども、看護婦の看護力の実態から見まして、相当の経験年数を持たれた准看というものは非常いい力を持っておるというふうに判断いたしておりますので、何とか三等級の道を開きたいといま交渉しているところでございます。それをどういう形に現象づけるかということはまだ決定されておりませんが、あくまで三等級というものを確保したいということの一端がそういうふうな意見であるというふうに御理解願いたいと思います。
#235
○藤原道子君 私は、もうよすつもりだったんです。元来、看護婦は、一本でなきゃいけないんですよね。同じ職場でいまのように看護婦と准看があることすら摩擦が起きているんです。そこへまた指導准看制度なんて、三本になる。こんなばかげたことはおやめください。いよいよ職場が円滑を欠くことになる。それならば、長年の経験があってりっぱな人ならば、なぜその人に単位をとらしてそれで国家試験を受けさせる道をとらないのか。それでいくと看護協会に反対される、だけれども優秀な人がある、看護婦は足りない、まあなんて、そんな考え方だから解決ができないのです。指導准看制度なんてことを起こせば、ますます職場が混乱する。それはおやめください。
 と同時に、「医療新聞」に石原信吾という人が書いている。「人手不足対策」という中で看護婦不足問題を取り上げているのです。ところが、その中で、「解決に打出の小槌はない」とかなんとか書いて、妥結したなんというのはなれ合いの芝居だと書いてある。こういうことを考えているのが、しかもこれは虎の門の先生ですか。看護婦さんが、よい職場をつくろうと思って、いまの勤務状況ではやれないから、一生懸命努力しておいでになる。それを、なれ合いだなんて、ないものはないのだと。こういう考えであられる限り、この問題の解決はないと思います。
 最後に、大蔵省の主計官、お待たせしてたいへん失礼いたしました。かように看護婦問題は深刻でございますので、いろいろ予算要求が出るのでございましょうけれども、看護婦の足りないことは即国民の悲劇だという立場から、ぜひとも厚生省予算に対しましては積極的なお考えをいただきたいと思いますが、 いかがでございましょうか。
#236
○説明員(辻敬一君) 看護婦確保対策につきましては、御承知のように、従来から、養成施設の整備の拡充でございますとか、あるいは修学資金の国庫補助でございますとか、そういう施策を行なっておりまして、予算額も四十三年度におきまして増額いたしておるわけでございます。四十四年度の予算につきましては、ただいま検討中の段階でございまして、具体的に申し上げるわけにまいらないのでございますけれども、他の施策との関連をも考慮しながら慎重に検討いたしてまいりたいと、かように考えております。
#237
○藤原道子君 どうか、他の方面とのかね合いもございましょうけれども、看護婦の問題は非常に重要でございますし、医療が進歩し、しかもこのごろいろいろな病気がふえると、こういうことでございますから、ぜひ特段の御配慮を特に政務次官にしっかりお願いしたい。最後に、大臣の御決意を伺いまして、私の質問をきょうは終わりたいと思います。
#238
○国務大臣(斎藤昇君) たびたび決意を表明いたしましたが、(笑声、「決意だけじゃだめですよ」と呼ぶ者あり)いや、笑いごとでなしに、ほんとうに私は心をこめてやるつもりでございますから、どうぞこの上とも御支援のほどをお願いいたします。
#239
○委員長(加瀬完君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#240
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#241
○中沢伊登子君 お急ぎのようでございますから、順序を追って質問したいのですけれども、ちょっと順序を変えて御質問いたします。
 それは、ことしの五月の二十五日に、厚生省の事務次官から、「児童福祉法による収容施設措置費国庫負担金の交付基準の一部改正について」、こういう通達が、各都道府県の知事さん、あるいは指定都市の市長さんあてに出ました。これのことについてきょうはおもに質問をいたしますけれども、先ほどから藤原先生も、そうして午前中の小野先生の御質問にもございましたけれども、とにかく婦人と子供の費用が相当削られる、こういうことで、私も政務次官に決意を伺いたかったわけでございます。と申しますのは、この問題につきましては、身障者あるいは精薄の人たちが施設に収容されておりますが、その父兄負担が今度は非常に増額になる。ひどいところでは三倍ぐらいになるわけですね。それで、何とかこれを取り下げてほしいと、こういうような陳情を非常にいただいておるわけです。このあいだから二へんも渥美児童家庭局長のところへおじやまいたしまして、渥美局長も心中まことにお察しして辛かったかと思います。しかし、これも、やっぱり大蔵省のほうから予算をしぼってまいりますので、何ともしかたがないようなことでございます。そこで、このような身障や精薄の人たちの施設に入っているその父兄負担をあんまり上げるようなことはやめてほしいと、こういうことになるわけでございますが、この問題につきましては、このあいだ佐藤総理大臣が三選されましてから、各野党の党首とお会いになりました。その節、私どもの西村委員長も、じきじきに佐藤総理大臣にこの次官通達を取り下げよ、こういうふうなことをお願いをしておったわけでございますが、その問題が皆さんのほうの耳に流れていらしたかどうか、それはわかりませんけれども、とにかく日本のいまの厚生行政は非常におくれております。諸外国に比べて非常におくれております。そういう中でまた婦人と子供の費用を削る、こういうようなことは何とか大蔵省ももう少し考えていただきたい、このことをお願いをしたいのでございます。新しく斎藤厚生大臣がおできになりましたので、もう二へんも渥美さんに伺ってはおりますけれども、あらためてこれをここに問題にしたわけです。
 けさほど原労働大臣に小野委員が質問をされましたのは、今度婦人少年室が地方移管になる、このことは、社労の委員でありながら、われわれはちっとも知らなかった。くにへ帰っていろいろ陳情を受けてみて初めてわかったのです。社労の委員であるのにそういうことが行なわれているということを知らなかったということは恥ずかしかった、こういうふうなことで原労働大臣に文句をおっしゃっておられたのですが、この次官通達も実は私ども全然知らなかったわけでございます。くにへ帰りまして、そして身障者の父兄たちに押しかけられまして、次官通達一本でこの父兄負担が非常にたくさん上がるのだ、それを社労の委員でありながら一体どうしてくれるのか、こういうことでびっくりしたわけですけれども、こういう大きな問題が次官通達一本で行なわれていいものかどうか、まずこの辺からお伺いをしたいのでございますが、私、先ほど、このことを取り下げてほしい、こう申し上げましたので、そこら辺についてひとつ政務次官のお考えを伺いたい、このように思います。
#242
○政府委員(沢田一精君) 私に御指名でございますが、この次官通達はおそらく厚生次官の出しました通達であろうかと思うわけでございます。厚生省は厚生省としてのお考えがあろうかと思いますが、私どもがお聞きしております範囲の事柄につきまして私からお答えをするわけでございますが、収容施設におきましてどれだけ父兄負担にまつかということにつきましては、従来、各都道府県の間で必ずしも統一的な基準があったわけではなかったかと思います。したがいまして、これを一応統一的な基準を流そうというお考えかと思うわけでございます。もう一つは、やはり低所得者層につきましては、これはそう負担をかけない。しかし、相当の所得のある家庭につきましては、弾力的に父兄負担を実施していこうという趣旨から出されたものだ、かように承知をいたしているわけでございます。先生御指摘のとおり、特にこういった収容施設につきましては、原則といたしましては、できるだけ父兄負担をかけないで、国や公共団体の責任において措置をするようにするのがたてまえかと思うわけでございますが、六月の次官通達につきましては、さような統一的な措置をとり、あるいは所得に応じた弾力的な配分というか徴収をする基準を一応つくろうとしておる、こういうふうに私どもは理解をいたしているわけでございます。
#243
○中沢伊登子君 よく御理解をいただいているようでございますので、あとは主計官に残っていただきまして、どうぞお引き取りをいただきます。
 それでは、厚生大臣に、いまの問題で次官通達を取り下げるわけにはいかないかどうか、その辺をひとつ御答弁いただきたい。
#244
○国務大臣(斎藤昇君) この問題は、私、率直に申し上げますと、けさほど中沢さんから御質問があるというので経緯を聞いたばかりでございます。したがいまして、これを出すについては事務当局は一応理由があったように説明をいたしておりますが、さらに検討をいたしまして、そういうことができるかどうか検討いたしたいと思います。ただ、各府県相当まちまちになっておったのを統一をするための基準を出したので、兵庫県はそれがきわめて低かったので、兵庫県の方々にとっては高くなったように思ったのは、これはごもっともだろうと思います。そこら辺を調整する余裕があるかどうか、検討してみたいと思っております。
#245
○中沢伊登子君 いま兵庫県のお話が出ましたけれども、基準の統一をするのが目的でこの次官通達を流されたはずでございますのに、兵庫県だけがもうすでにその次官通達をまともに受けて徴収票をもう出されたわけですね。そうすると、基準を統一するためにこれを出されたはずであるのに、兵庫県だけがまっ先にスタートしてしまった。むしろ兵庫県の負担が非常に大きくなってきた。いままで県のほうで相当かぶっていたんでしょうけれども、そういうことで兵庫県の父兄が非常に騒いでおるわけですけれども、そういうことで基準を統一すべきであったのに、むしろ兵庫県が飛び出してしまった、これがまた統一ができなくなってしまった、こういうようなことも考えられるわけでございますので、こういうむしろアンバランスになるのなら一回撤回したらどうか、このようなことを私きょうは質問をさせていただきたかったわけでございますけれども、今後これをお考えいただきたいと思います。
 それからとにかく財政硬直化ということが言われ出してから、何でもかんでも受益者負担だ、こういうことが言われておりますが、その受益者負担ということも事と次第によりけりで、日本のように社会保障がまだまだ貧弱で、そして問題が多い中で、繁栄の谷間に置かれているこれらの不幸な人たちの問題が一本の次官通達で受益者負担あるいは父兄負担、それが大幅の増加になるということは、私はどうしても納得がいかない。先ほど厚生大臣がごあいさつになりましたように、厚生行政は一日もゆるがせにできないのだ、あるいは改善充実をはかっていかなければならない、このように御決意を披歴されたわけですけれども、それに反して日本の厚生行政がむしろ逆行するのではないかということが非常に心配でございます。先ほど藤原委員からもいろいろ看護婦さんの問題なんかについてお話がございましたけれども、日本のほんとうの厚生行政というものが逆行しておるような感じに打たれて心配でならないのでございます。こういう身障児やあるいは精薄の人たちが施設に入れてもらっておるけれども、しかし、こんなに父兄負担が多くなるなら、子供をもう一ぺん家へ連れて帰ろう、こういうようなことも言われておるわけですね。一カ月や二カ月ならば無理してでも出すけれども、毎月二倍も三倍もなったならば、父兄負担でとてもやり切れないから、もう一ぺん家へ連れて帰ろうか、このように父兄は言っておるわけです。しかし、その中で、父兄たちも、施設にお願いをしていても家にいても要るような費用、たとえば食費のようなもの、それは払うことにはやぶさかではない。当然これは払うべきものだ。しかし、普通の五体健全な子供たちは、義務教育は無償であるということのために、学校へ行っておりますと、先生の費用だの、あるいは学校を経営するための経営費、運営費等、そういうものは絶対に払わなくてもいい。義務教育は国庫でやるから。それが、今度の父兄負担を考えてみると、食費だけではなくて、その施設に入っている施設の運営費、あるいはそこに働いてくださる先生の費用、そういうものまでも一切ひっかぶされている。そこに非常な矛盾を感ずる。そこに非常な不平があるわけです。こういうことをどうかお考えいただきたい、このように思うわけでございます。
 それから私のほうにも二三の例を持っているわけですけれども、非常に重度の精薄のお子さんを持っている方で、ほかにお子さんのないお母さんが、実は生活保護費をいただいて、そしてただひたすらにその子供のめんどうをみるのに明け暮れていた。しかし、そのお子さんをようやく施設に入れてもらったとたんにお母さんは手があいたものですから、生活保護費を御辞退をして、自分自身が自分の手で生活のかてを得に行っておる。こういう例が二つあるんです。一人は、大阪のある小さな店ですけれども、そこの炊事婦に入っておる。一人は、そのお子さんについてそういう施設で働いていれば一番よかったのですけれども、まだ老婆がいるからというので付近の養老院のお手伝いに入り込みました。おかげで二軒の家とも生活保護を打ち切ることができた、こういう例があるわけですね。それですから、施設に子供を預けておれば、それで相当な食費はかかるけれども、それがいいものか悪いものか、あるいは、生活保護費をもらって生活をするのがいいのか悪いのか。これは同じように地方自治体なりあるいは国庫からのお金だと思うのです。そうするならば、子供はやっぱり施設に入れられるものならば入れていただいて、そしてお母さんが自分の手で自分の生活のかてを得る、私はこのほうが人間として生きていく上には相当生きがいを感じるのじゃないか。こういうことを考えてまいりますと、父兄負担が相当に値上がりをしたためにまた子供を家へ連れて帰らなければならないということは、これはうしろ向きの姿勢じゃないか。こういうことを考えてまいりますと、大蔵省のほうでも、表からだけものを見て、算術計算で父兄負担を押しつけていくということはとんでもないことだ、もう少し厚生省に多くの予算を回してほしい、私はこのように考えます。どうか、その辺でひとつ御答弁をいただきたい。
#246
○国務大臣(斎藤昇君) おっしゃいますように、心身障害児の施設は非常に不十分でありますし、また、そういうお子さんをお持ちの父兄の負担も非常に重い、また、心労もはなはだしいものがある、できるだけ国が援助の手を差し伸べるべきだ、かように考えております。したがいまして、いまおっしゃいましたように、生活保護を受けておられる、あるいはそれに近いという方でない方におきましても、できるだけ安い経費で、こういう施設に入れるというようにするのが国あるいは公共団体の使命である、つとめであろうと、私はかように考えます。したがいまして、できるだけこういう経費が安くて済むように公費の負担を出してまいるように努力をいたしたいと思います。ことに、いまおっしゃいましたように、子供を施設に預けたそのために自分が働くことができるようになった、そして生活扶助も辞退をした、これはほんとうにあるべき姿であり、また、りっぱな考えであり、そういうようになっていくことを奨励してまいらなければならない、私はかように思いますので、そういう方向で努力をいたしてまいりたいと思います。
#247
○中沢伊登子君 主計官は、いまいろいろお聞きをいただいたと思います、次官がお帰りになりましたし、大蔵大臣も見えておりませんが、こういうようなことをひとつ十分お心にとめていただいて、あまり弱い者の予算を削らないでいただきたい、このように思います。特に、今度の予算を組むときに、物価の値上がりやいろいろな問題がございまして、どの省もどの省も二五%アップというような予算が大体目安として組まれているようでございますけれども、日本の厚生行政というのは非常におくれておりますから、一律に二五%アップということでは、厚生行政は、足踏みをするどころか、もっともっとやってもらわなくてはならないのに、むしろいま申し上げましたように逆行するのではないか、私はこういうふうに思います。そこで、何とか厚生省の予算をもう少しふやしてほしい、そうして社会保障の問題をもっと一生懸命でやっていただきたい、こういうふうに思います。先ほども藤原先生も、いろいろ厚生行政にハッパをかけておられましたけれども、とにかく厚生省ももう少し強い態度で予算要求をしていただいて、そしてこういうふうな父兄負担が多くなるということのないようにぜひお願いをしたい。特に児童家庭局ではいろいろな谷間の問題を取り扱われますから、ひとつ渥美局長も声を大にしていただきたい、このように思うわけでございます。そこで、大蔵省の主計官の方に、ひとつ大蔵大臣になったおつもりで決意を伺わしていただきたいと思います。
#248
○説明員(辻敬一君) 国民福祉の向上、あるいは社会保障の充実という問題につきましては、私ども財政当局といたしましても従来からいろいろと配慮を払ってきたところでございまして、その結果、社会保障関係費の予算額も年々増額いたしております。総予算に対します割合も、四十三年度の予算におきましては一四%程度になっておることは、御承知のとおりでございます。今後とも、いろいろ全体としての財源、あるいは他の政策とのバランス等もございますけれども、いま申し上げましたような従来の方針に従いまして対処してまいりたい、かように考えております。
#249
○中沢伊登子君 そこで、渥美局長にお尋ねをいたしますが、いま、厚生大臣は、まだ御就任して間がないことで、けさ初めてこのような質問があるということをお聞きになったというお話でございましたが、先ほど申し上げましたように、この次官通達を撤回することがいまさらできないのかどうか。もしもできないということであれば、あまり大きい父兄負担にならないようにこの次官通達をもう少し運用の面で弾力性をもってやっていただくように私は要望したいのですけれども、そこら辺はいかがでございましょうか。
#250
○説明員(渥美節夫君) 徴収基準の設定の問題につきまして御質問がございまして、このいきさつがややございますので、私から御答弁を先に申し上げなければいけなかったかと思います。先生御承知のように、徴収基準の設定につきましては、経済的に余裕のある方が児童福祉施設にお子さんを入れた場合には、必要に応じまして、現在私のほうは十五段階で収容施設の児童に必要な経費につきまして徴収をしておるわけでございます。そうして、この十五段階の段階を設けて徴収をし始めましたのが、実は昭和三十五年からでございます。そのときは肢体不自由児施設につきまして一つの基準を設けまして、他の児童福祉施設におきましてもその例によりましてこれに準じまして徴収をしていただくように都道府県のほうには通牒を出したわけでございます。それが昭和三十八年になりまして再度改定されたのでございます。ところが、都道府県におかれましては、その基準に即応して徴収をされておらない場合も相当あったわけでございます。したがいまして、都道府県の段階におきましてはややバランスを欠くような徴収基準になっておったことは事実でございます。そういった関係もございまして、本年五月に、先ほど先生がお示しの通牒によりまして、徴収基準の調整といいますか、統一といいますか、それをはかってこのように実施してほしいということを要請したのでございます。しかしながら、都道府県におきましては、そのように実際の取り扱いといたしましては非常にばらばらでございまして、したがって、この徴収基準どおり実施されないところも多くの県が出てまいったのでございます。また、幾つかの県におきましては、この徴収基準どおり徴収をされたというところもございます。したがいまして、以前から独自の徴収基準で徴収をされておりましたところにおきまして、新しい徴収基準を適用いたしますと、確かにおっしゃるように二倍になりそのくらい多額の徴収金を父兄がとられるというふうな県も生じたのでございます。
 そして、同時に、この徴収基準自体は、もう一つの別の性格を持っておるわけでございます。それは、この徴収基準の算定によりまして国が都道府県にお金を支払うというふうな、まあ言ってみますれば国と都道府県との間の決済基準というふうな性格も持っておるわけでございます。したがいまして、そういった決済基準というふうな性格からしてみれば、都道府県におかれまして弾力的な運営をしていただくことによりまして従来の徴収金に近い金額で押えられるというふうなこともあり得るわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、この徴収基準で実施いたしますれば、そうして従来の金額に近い金額で都道府県がやりますれば、そこには都道府県の超過負担というふうな問題も生ずることは事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、個々の家庭に応じまして、個々の保護者の状況に応じまして、ある程度弾力的な運営をして、あまりにも刺激的なことのないように、都道府県に対しましていろいろとその後も連絡をし始めたところでございます。
 したがいまして、今後の問題といたしましては、この徴収基準というのはそのような性格のものであるというふうなことで、都道府県の段階におきましても、必要に応じまして十分その保護者と御相談の上に、的確な、あるいは場合によっては弾力的な運営ができるように御指導をいただけるように連絡をしておるところでございます。したがって、この徴収基準を今後どうするかというふうなことにつきましては、そのようなことで都道府県を指導してまいりたい、かように思うわけでございます。ただ、しかし、やはり経済的に余裕のある方につきましては児童福祉法によりましても徴収をするというふうなたてまえになっておりますので、その間の調整の問題があるわけでございまして、運営はやはり都道府県において実情を把握した上でやっていただくことがまあよろしいというふうに思っておるわけでございます。
#251
○中沢伊登子君 ひとつよろしくお願いします。
 それから次には、身障者の扶養年金のことについてついでにお願いをしておきたいと思います。このような身障者あるいは精薄の人たちで自活のできない人がいま全国で五十三万五千人ぐらいいると、こういう記録を私読ましていただいたわけでございますけれども、こういう人たちが親が亡くなったあとでだれが一体扶養するのか、こういうことが親たちの非常に心配の種でございまして、むしろこれはそういう人たちの親の問題だけでなくて、もうすでに大きな社会問題になりつつあるような感じがいたします。そこで、最近、この扶養年金というものがクローズアップされてまいりまして、いろいろ新聞やなんかでも私どもちょろちょろ目に触れるわけでございますが、それが地方公共団体で実施しているところもあるし、また、来年度から実施しようというようなところもぽつぽつ出てきておりますが、これを地方自体にまかせるのでなくて、これを政府自体で国の予算で独自にやるお考えはございませんか、そのことを伺いたいと思います。
#252
○説明員(渥美節夫君) お尋ねのように、心身障害児を扶養しておりますところの親御さん方が、自分が死んでしまったあと、一体子供はどうなるのかというふうな御心配が非常に深刻でございます。この問題を解決いたしますために、父兄の方が、都道府県との関係におきましては都道府県に掛け金をいたしまして、都道府県は生命保険会社と生命保険契約をするとか、あるいは信託を利用いたしまして、もし万一子供を扶養する親御さんが亡くなったというふうな場合には、そのことを事故として入りますところの保険契約によりまして保険金をプールいたします。都道府県あるいは市町村にプールいたしまして、そのプールしたお金を、大体毎月二万円あるいはそれ以下の金額を新たに子供を扶養される方々に差し上げるというふうなことを考えられたのでございます。これは早くも実は神戸市におきまして昭和四十一年の九月から実施したのでございますが、その後、現在のところ、一つの県、十六の市、一つの町というふうな地方公共団体にだんだんと発展をしてまいりまして、そうしてこの制度の運用に対しましては非常な期待がかけられてきておるわけでございます。しかしながら、この制度自体は、御承知のように、公的な制度ではございません。子供さんを扶養する方と地方公共団体、あるいは地方公共団体と生命保険会社との間のいわば性格的には私的保険でございます。私的保険でございましても、こういった心身障害児者対策の大きな体系をなすような問題であると思いますので、私どもいろいろと検討して、特に厚生省におきましては本年四月から八月にわたりまして学識経験者によりましてこういった扶養保険制度に対しまして国は一体どうすべきかという点につきましていろいろと御検討いただいた結果、国におきましてもこの制度が全国的に普及できるように、そうしてこの制度が都道府県におきまして標準化されるよにう、こういうふうなためには国が援助すべきであるという結論が出されたのでございます。したがいまして、私ども厚生省におきましては、いろいろと検討いたしまして、単なる一つの公共団体において始めるというふうなことになりますれば、その公共団体に属しておりますところの心身障害児者の親の数が非常に少ない、したがいまして掛け金が非常に高くなるというふうな問題も大きな問題として出てまいりますし、それからまた、その扶養保険制度をやっている地方公共団体から他に転出をされるというふうな場合におきましては、保険掛け金が掛け捨てになるというふうなおそれもございます。そういうふうないろいろな問題が出てまいりましたので、中央に中央機構をつくりまして、実施しておりますところの地方公共団体は中央機構に掛け金をそのまま掛けていただく、そうして中央機構が一丸として生命保険会社との間に定期団体生命保険契約を一括して結ぶということになりますれば、それだけ子供を扶養しておる方々の数も全国的に多くなるわけでございますので、掛け金も非常に安くなるというふうなことも解決できます。それからまた、実施をしていない公共団体に親御さんが移られましても、その場合には暫定的経過的に中央機構が任意継続の保険契約をしてあげるというふうなこともできるわけでございます。したがいまして、そういった扶養保険制度が全国的に普及し標準化するということのためには、どうしても理論的に中央に中央機構をつくるということにして進めたい、かように思って現在予算を厚生省で要求いたしておりまして、大蔵省とその予算につきましての折衝を続けておるところでございます。
 なお、お尋ねのように、来年度におきましては、すでにこの国の体制に応じまして、都道府県におきましても二十都道府県ぐらいにおいてその準備が進められておるというふうに聞いておるところでございます。
#253
○中沢伊登子君 どうもありがとうございました。私どもも、厚生行政につきましては、一生懸命応援をさせていただきまして、厚生行政の前進をはかっていきたいと思いますので、ひとつがんばっていただきますようにお願いいたします。
 私の質問これで終わります。
#254
○国務大臣(斎藤昇君) 私からもう申し上げる必要はないと思うのでございますが、先般の衆議院、参議院の本会議あるいは予算委員会等におきましても、総理も大蔵大臣も、社会保障については大いに手厚く考えるというふうに答弁しておられますし、ことに衆議院の本会議では、大蔵大臣は心身障害児と心身障害者の施設その他対策については金に糸目をつけないというような答弁をしてもらっておりますから、大蔵省の主計官もそのつもりでおっていただきたいと思いまするし、私ども厚生省当局もそのつもりでやってまいりたい、ことに社会のほんとうに谷間におられる人たちに少しでも日の当たるようにしてまいりたい、かように思いますので、重ねて私から決意のほどを申し上げます。どうぞ御協力のほどをお願い申し上げます。
#255
○委員長(加瀬完君) 斎藤新大臣の御活躍を御期待をいたしまして、本日の調査はこの程度にとどめておきます。
 次回の委員会は十二月二十日午前十時から開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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