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1949/05/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第21号
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1949/05/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第21号

#1
第005回国会 農林委員会 第21号
昭和二十四年五月十八日(水曜日)
   午後一時二十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○競馬法の一部を改正する法律案(内
 閣送付)
○特殊勝馬投票券に関する法律案(内
 閣送付)
○農地調整法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) それではこれから農林委員会を開会いたします。
 本日は最初にかねて板野さんから御要求のありました文部大臣が御出席になつておりますので、競馬関係の質疑を最初にやつて頂きまして、その後で農地調整法の一部を改正する法律案に入りたいと思います。
#3
○板野勝次君 文部大臣にお伺いいたします。その第一点は、終戰後におきます國民の経済が極めて窮乏して参りましたために、賭博行爲等が非常に横行して來ております。最近の新聞紙に報道されているところによりましても、食糧公團が掛賣り等をしないために、婦人連中でさえも米代を稼ぐために、賭博が流行して來ておる。こういう憂うべき状態は、單に主婦の方々だけでなくして、兒童の教育の上にも憂慮すべき事態が起つて來ておると思う。これに対して文部当局はどのような対策を持つておられるかということが第一点であります。第二点は今当委員会におきまして、審議されております競馬法の、勝馬投票法による競馬法の改正案が上提されておるわけでありますが、この勝馬投票法における單勝式、複勝式等、いずれもこれは賭博行爲であり、このような法律が昨年國会を通過しまして、一ケ年後において改廃すべきものとして、條件が附せられておつたわけであります。これは明らかにそういう賭博的な性格をもつているので、敗戰において我國がこのような賭博奨励の國になる、こういうことに対する懸念から、或いは一ケ年というふうな條件も設けられたことかと思うのでありますが、今丁度その改廃の機会でありまして、我々はもとよりスポーツとしての競馬を排撃するものでもなければ、馬匹の改良の立場からいたしまする競馬等を奨励すべきことは、無條件で賛成するのでありますけれども、競馬に名をかりて賭博的な行爲が行われて参りますことは、現下の客観的な條件、経済的な諸條件から見まして、他の賭博行爲と相待ちまして、日本が悲しむべき賭博の國になるのではなかろうかということを、非常に憂うるのであります。文部大臣は、この勝馬式投票法が賭博行爲であるかどうか、而して又賭博行爲であるとするならば、競馬の上において、そういう賭博行爲でない方法によつてやる方がいいかどうか、そういう方面についての見解を併せて御質問いたしたい。以上二点について、文部大臣の御見解を伺つて置きたいと思います。
#4
○國務大臣(高瀬荘太郎君) お答えいたします。第一点は、終戰後賭博行爲が非常に盛んになつて來ております。社会的に一應これが少年兒童に対して惡い影響を與えるんじやないか。それについてどういうことを文部省は考えておるか。こういう御質問だと思います。無論終戰後のいろいろ人心の頽廃とか、道義の低下というような事柄も関連いたしまして、自然賭博等も又盛んに行われるようになつて來たと考えます。それでまあ元來は賭博行爲は大人が普通やつておる。それが少年、兒童等に眞似られて惡い影響を持つて來るということになつておるかと思います。それでこれを根本的に直して行くためには、先ず大人の方の賭博的な風潮というものをなくさないと、子供の方に対する教育その他の施策をやりましただけでは、根本的には私はやはり直すわけにはいかないかと思います。ですから子供だけでなく、大人の方面に対する社会道義の昂揚にいての対策を考えて行くことが先ず第一に必要でありますが、だからと言つて、子供に対する直接の対策をしないでいいというわけには参りません。從いまして学校教育なり、社会教育の方面なり、家庭教育の方面においてできるだけそういう惡風に染まらないように、子供に対する施策をやつて行かなければならないということを文部省では考えておるわけでありまして、無論これは文部省が考えるまでもなく、学校の教師達も無論考えておりましようし、家庭の両親も考えておるところでありますが、文部省としてはそういう事実があることを認めまして、社会教育を通し、学校教育を通し、或いは家庭教育を通しまして、そういう弊害の起きないようにできるだけの努力をするというより他ないと思います。併し少年達のそういう行爲につきましては、一方においてやはり健全なスポーツを奨励いたしましたり、健全な娯樂を奨励いたしましたり、そういうようなことによつて、そういう不健全な行爲を防止して行くということも必要だろうと思います。そういういろいろな手段を文部省は考えて、できるだけの方法を講じて行くということをやつておるわけであります。
 次に競馬の問題でありますが、勝馬投票の方法が賭博行爲であかるどうかというような御質問もありましたが、これは賭博行爲というものがどう定義されるのかということによつて違つて來る解釈でありまして、むずかしいのでありますが、私は正しい規律の下に行われます競馬、その競馬における勝馬の投票でありましたならば、決して賭博行爲でないと考えておるのであります。ただ併しその正しいやり方と関連して、それが濫用されて、街では賭博に類似するような方法で以ていろいろなことが行われておるということはあるかも知れませんけれども、ちやんと規律を持つた競馬を行いまして、そうして一定の規則によつて、勝馬投票が行われるということであれば、これは賭博じやないだろうと私は解釈しておるわけであります。であるからその辺で濫用されるような点があるならば、これは無論なんとかしなくちやならん。併したとえ賭博行爲でないといたしましても、射利的行爲であるということは事実であります。ですからそれが青少年に対しまして、惡い影響を與えるという虞れがないとは言えないと思います。これはまあ青少年だけの問題でなく、一般の社会人に対しても同じように考えられるわけであります。で社会教育とか、精神的な方面から申しますれば、決してこういう勝馬投票というようなことが、積極的にいい効果をもたらす筈はないのでありまして、もたらすとすれば消極的な効果しか現さないものでございます。決してそう好ましいものとは言えないと私は思います。けれども一方におきまして、先程板野委員からもお話がありましたように、積極的なプラスの面もいろいろあるわけであります。ですから、そのプラスの面のためにこれを実行いたしまして、マイナスの面はできるだけ防いで行くというような方法で行くべきであろうと思います。そういう点から青少年に対しましては、この勝馬投票券は賣ることが禁止されておるわけであります。競馬場においては賣らないわけであります。又街の中でこれを賣る場合も、賣らないことになつております。街の中の場合には取締が十分に行かないために、多少そういうことを逃れている場合もあるかも知れませんが、賣れないことになつておりまして、その点は相当防いでおるかと思います。それとやはり青少年のスポーツなり、健全娯樂なり、読書なりそういう面での教育施設を十分にやりまして、こういう競馬等によつて青少年の精神的な弊害が起きないようにして行かなければならない。そういうことは文部省も考えまして、極力やつておるわけであります。
#5
○板野勝次君 今この規律正しく、それから規則が嚴重にやられれば、そういう行爲でもかまわないように聞いたんですが、或いは間違いであつたかも知れませんけれども……文部大臣も申されましたように、青少年には街でも馬券を賣らない。こういう制限が設けられておるということは、青少年がそういう競馬に近付いて行くということに対する危險を感じておればこそ、そいう発賣が禁止されておる。そうすると勝馬投票の方法そのものが決していいものではない。いいものではないから、近付けないようにさせておる。ところが先日小畑委員も言つていましたが、どうしても子供が最近そういうものに近付いて行く、非常に困つたものだ、こう言つておられましたが、それは單に競馬だけではなくして他の賭博の場合においても、法律で或る程度賭博を許して行く、そういう規律の範囲内においてやるのなら一向差支えないという議論が起きて來るわけでして、これが廣くそういう射倖心をそそつて行く方法になつて行く危險があるので、プラスの面があると言われましたが、果してこれに対するプラスの面があるかどうか、プラスの面があるとすれば、それは今の税金の問題を中心にして國庫の收入ができて來る、これ以外には私はプラスの面はないと思う。若しそれ以外にプラスの面があると大臣が言われるのならば、それを伺つて置きたいと思います。
 それから今一つ、社会道義の問題でありますが、これはすでに戰爭中における精神運動が失敗しておるのでありまして、どうしても経済的な條件を改善して行く、今以上に國民に耐乏の生活を強要するというのでは、如何に百の説法をしましても、これはどうにもならないので、社会道義の改善というものは、一に掛つてその根底を流れておるものは、経済條件の改善ではなかろうか、そういう方面に大臣がもう少し心を注がれる意思があるかどうか、そしてそれと関連いたしまして、先日も新聞紙に出ておりましたおかみさん連中が、その中の米が買えないために賭博をやつてる。これは最近各所におきまして、公團で掛賣をやらないために、何日も米を取りに行かずにおるということは、これは生理的にもできないことなので、その日の米代を稼ぐために賭博行爲が行われて來ておるということが新聞紙に報道されておつて、実に悲しむべき状態でありますが、そういう方面での道義的に廃頽して現れた賭博行爲というものは、これは姑息な方法ではありますけれども、若し公團が一時的な掛賣をやるということによつて、そういう賭博行爲をも幾らか防いで行ける、こういうことになるかと思うのでありますが、それに対するお考えを伺つて置きたいと思います。
#6
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 私が先程申しました競馬及び競馬と関連いたします勝馬投票券によるプラスの面ということについてのお尋ねでありますが、それについては、今板野さんがおつしやいました財政上の收入というものも一つの面であります。それからその外、やはり先程板野委員がおつしやいましたスポーツとしての競馬というようなものを盛んにして行くについては、一つの手段にはなるだろうと私は考えております。又私は畜産とか、農業方面は全く素人でありますけれども、素人として考えますというと、馬種の改良でありますとか、畜産方面から言つてもプラスになる面もあるのじやないのだろうかと考えておるわけであります。
 それから第二の道義の改善と経済條件の問題でありますが、私は経済條件だけで道義が決定されるとは考えておりません、これも一つの重要な條件に違いないと思つておりますが、併し一面において、やはり精神が経済を決定する面もあると思います。賭博行爲が盛んに行われておるのが、経済的な窮乏なり、経済的な不便等から起きておる面が非常に多いのじやないか、こういうように御質問であつたと思いますが、そういう面も確に全然ないとは言えないと思いますが、多く賭博を盛んにやるというような場合、或いは青少年で以て賭博を盛んにやりたがるという場合、或いはそれよりもむしろ金を相当持つておつて、そうして生活にそれほど困つてるわけじやない、ただ精神的に非常に思わしくない状態にある、こういう人が多いのじやないかと思う。そういう場合には、無論経済的條件の影響なしとは言えませんけれども、むしろ精神的影響の方が強いと私は考えます。
#7
○委員長(楠見義男君) 文部大臣は、衆議院の本会議から要求されておりますので、文部大臣に対する御質疑は、まだありますれば、別の機会にして、本日はこの程度にいたしたいと思います。御了承頂きます。
 それじやこれから「農地調整法の一部を改正する等の法律案」の御審議を煩わしたいと思いますが、政府当局が見えますまでちよつと休憩いたします。
   午後一時四十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時四十九分開会
#8
○委員長(楠見義男君) それでは再開いたします。
 先ず最初に池田農林政務次官から農地調整法の一部を改正する等の法律案の提案の理由について御質明を伺います。
#9
○政府委員(池田宇右衞門君) 農地調整法の一部を改正する等の法律案の提出理由を御説明いたします。
 農地改革も幸に各関係者の努力によりまして好成績を以て一段落いたしました。これにより農村は、九割以上が自作農となり、現下いろいろと困難な事情はございますが、ともかくも一應安定した基礎の上に農業経営を行なつて行くことができるようになりましたことは誠に同慶に存ずる次第であります。
 農地問題は、もとよりこれを以てことごとく解決いたしたとは言へません。今後土地改良や農地の交換分合等に充分の努力を傾けなければなりませんし、又農地改革の成果を永久に確保いたしますために、農地調整法と自作農創設特別措置法の二つの法律を存置いたすことも必要であります。今回の改正法律案は右二つの法律、即ち農地調整法及び自作農創設特別措置法の今後における運用を考えまして、農地改革後の新しい農村の姿に照し合わせて、これに適合するように所要の修正を加えたいと存ずるのであります。
 即ちその第一点は、農地委員会の構成の問題であります。現行法では地主三、自作二、小作五という定数になつておりますが、農地改革後の農村の実情から見て、これが妥当でないことは極めて明かでありまして、仮りに現行法の通りとしますれば、全体の九割をも占める自作農の代表が二名ということになるわけであります。農地委員の任期は、第四回國会において本年の六月三十日までとされましたので、近く第二回の総選挙を行わなければならないのでありますが、これに先立ちまして農地委員会の構成をぜひとも改めなければならないのであります。農地委員会の新しい構成につきましては、種々の條件を考慮いたしまして愼重に研究いたしました結果、自作的な人が非常に多い現状に鑑みまして、これを六とし、ある程度農地を小作している人を二、ある程度農地を貸付けている人を二といたしたのであります。
 第二は、不在地主の定義についての問題であります。改正案におきましては、農業を営んでいた者が他の職業につくためなどの事情によつて離村いたしましても、その配偶者なり親子兄弟が依然として農業を続けており、且つ本人も將來帰村する見込があります場合には、これを在村地主として処理いたすこととし、以て職業上の理由等による移轉に支障を與えないように取扱いたいと思うのであります。
 今回の改正法律案の内容は以上二点の外、農地移動統制の基準の明確化、小作調停制度の改善等の内容を含んでおりますが、御参考に供するため、お手許に法律案の要綱をお配りいたしておりますので、詳細はそれによつて御覽頂きたいと存じます。何とぞ愼重御審議の上速に御可決あられんことをお願いいたします。
#10
○委員長(楠見義男君) 暫時休憩いたします。
   午後一時五十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時二十分開会
#11
○委員長(楠見義男君) それでは休憩前に引続きまして、委員会を再開いたします。農地調整法の一部を改正する等の法律案につきましては、後程、お手許に配付されております法律案要綱について具体的にその内容に関する説明を伺うことといたしたいと思いますが、その前に法案審議に入るに先立ちまして、総括的なことについての御質問があればこの際御質疑をお願いいたします。
#12
○板野勝次君 先程の提案理由の中にも、すでに農地改革は終つておる、こういう説明がありましたが、私は先般の極東委員会の指令に対すめ緊急質問の際に、農林大臣に約五点を挙げまして、從來の農地改革がなされたうち取残されておる部分について指摘して、農林大臣の答弁を求めたのでありますけれども、それに対する答弁がなかつたので、この機会に農林大臣に重ねて答弁を求めますよりも、直接これに当つておられる農地部長から説明を伺つて、明らかにして貰う方が適当かと思うのであります。
 そこで第一点は、政府発表によりましても、農地の買收は三月二日現在で百六十九万町歩、これに財産物納その他管理替を合せて百八十七万町歩となつておるのでありまするが、これに対して、賣渡しは二月末日現在が百七十七万町歩、或いは数字において違う部分があるかも知れんと思いますが、とにかく差引十万町歩が残されておるわけであります。尚牧野につきましても十二万町歩程度のものが残されておる。これは決して農地改革が完了したものということを認めるわけには行かはい。如何なる事情でそういうふうなものが残つておるかどうかということと、又当初政府が解放を見込んだ小作地の面積は二百万町歩であつたわけでありますが、その後この面積が隠されて來た。これはどうしても徹底的に究明されなければならないのに、全く隠されて來ておる。これはどういうわけか、これが第一点であります。
 第二の点は、主として経理事務でありますが、地主からの買收農地の百七十万町歩の代價であります百八億円の中、現金拂が二十三億、証券拂が八十四億円と推定されるのでありますが、三月二日現在で実際支拂われたのは、現金はその四八%の十一億円、証券は七五%の六十五億円に過ぎないような状態でありますし、又中小地主の報償金の十八億円も未拂となつておる現状でありまして、これは如何なる事情によつて未拂いとなつておるのか。少くとも中小地主に支拂うべきものは速やかに支拂わなければならないのに、このような経理事務が澁滯しておる。又登記事務の場合におきましても、都道府縣において、僅かの都道府縣しか登記事務に著手していないということは、農地事務局の発表の資料によりまして明らかにされておるのでありますが、これは明らかに怠慢も甚だしいものと言わざるを得ないのでありまして、事務完了の見通しはいつ頃つくのかという点が第二の点であります。
 第三の点は、農地の交換分合でありますが、農地の交換分合は農地改革の重要なる部分を占めるのでありまして、それが未だに実施計画がなされておらない、部分的にはできておる所もあるのでございますけれども、それは新潟縣のような場合がその例であろうかと思いますが、これは地主による良田の掻き集めとなつておるような実情でありまして、どうしてもこのような状態で放置して参るわけにはいかないので、その実施計画を立てられようとしておるか、若し実施計画があればこの機会に示して貰いたい。
 第四点は、今年以降新たに不在地主となり、或いは自作農法の基準を超えた貸付地を保有するようになつた地主からの土地の買收、賣渡しの仕事ができておると思うのでありますが、それらに対する事情。
 第五の点は、終戰後の地主の土地の取上げは、正式に農地委員会を通じて申請したものだけでも終戰のときから昨年六月末までに十二万六千八百余件、四万七千七百町歩となつております。その内五万件が取上げを許可されておる。これは農林時報の昭和二十四年三月号の、これは中江技官が指摘しておるのでありますが、終戰以來土地取上げ要求の件数が六十万件を超えるものだとされておる。これらの殆んどは非合法的なものであり、昭和二十二年中に農調法違反として摘発されたものの七千件中四千件以上は不法土地取上げであつたが、これらはほんの一部に過ぎない、こういうことを中江技官は指摘しておるのであります。恐らく終戰後今日までの土地取上げは百万件以上に及ぶものではないかというふうに推定されるわけでありますが、こういうふうな状態で歴代の内閣が土地取上げを放置して來ておる。この放置された状態で、決して土地改革が終了しておる、完了しておるということは言えない。從つてこれらの不法の土地取上けに対して如何なる処置を取ろうとしておるか。
 それから第六の点は共同経営、請負小作の形を取つた擬制分割等の事例は、随所に見られておるのでありますが、これに対する当局の措置。以上七点は決して只今の農地改革が完了しておると説明されたにも拘わらず完了されていないということの証明になると思うのであります。この七点に対して当局はどのような処置、態度を取られようとしておるか、これを明確に一つ示して頂きたい。
 それから第八の点は、これは農林省の農地事務局が本年度経費として四十七億計上して、そうしてこれを請求したのに対しまして、僅かに三十三億となつておる。而もこの三十三億は、これを昭和二十三年度に比較しますと、二十三年度の地方廳、各地方事務局の経費を除きましても四十一億であつたのに、このような状態になつて來ておる。而も農地改革の実務機関でありますところの農地委員会の経費は、昨年の三十三億九千万円から二十一億円に縮小されて來ておる、これは申すまでもなく賃金や物價指数の変動を考慮に入れました実務價格において見ますると、もう大きなる削減となつておるのでありまして、こうした予算の削減で市町村の農地委員会の書記は從來の三名に減らされておる、これでは農地改革を徹底いたして行くところの事務の澁滯は免れないと思うのでありますが、これに対する農地部当局の見解、果してこのような予算でやれて行くのかどうか、殊に今度の行政整理の面から考えて見ましても、重要な農地改革を担当する部門、若しくは事前割当等に重大な関係のある統計調査局等が縮小されて行く。いずれも大切な農村の改革を推進して行く方面に直接、間接役立つものに対しては縮小し、例えばそれ程大きな世帶を持つ必要のない畜産局の競馬部のごときが依然として大きな幅を利かして來ておる。これでは農林行政自体が全く等閑に附せられ、農村が荒廃に任かされる方向に追いやられて行くのではないかという、非常な心配がある。この第八番目の点につきましては、農地の事務がやつて行けるかどうかという点は農地部長の説明を聞きたいと思いますし、機構全体に対する農地改革の推進の面を縮小して、そうでない部分が厖大な残されて行つておる、こういうふうな不合理なやり方をしておる面については政務次官からの答弁を求めたいと思います。
#13
○委員長(楠見義男君) 政府委員ではございませんが、説明員として田邊農地部長の発言を許したいと思いますから、御了承を頂きたいと思います。
#14
○説明員(田邊勝正君) 第一におきまして、三月二日現在の統計資料によりまして、農地買收の経過に鑑みまして、尚買收すべき農地が残つておるではないか。買收は完了したと言うけれども完了したのではない、こういう面から言つても完了したのでないという御質問もあつたようでありますが、勿論農地改革は現在完了しておりません。現在尚継続中であります。ただこの間に面積のみからこれを申上げまするというと、初めに農地改革をやる当時におきましては、百万戸の地主から二百万町歩の小作地を買收いたしまして、三百万戸の小作人に賣渡すというのが一番初めの計画であつたのでありますが、併しこの資料は相当古い資料を使つたのでありまして、その後敗戰後のいろいろの状況によりまして、農村の相貌が非常に変つて参りまして、特にその間におきまして、農地の所有権の細分というもの、それからいろいろの小作地が減少するというような現状でありまして、実際の農地の小作地が幾らあるかということについての数字を捉えるわけに行かないのであります。それ故に我々は農地法に規定してあるところの規定を嚴格に行うということによりまして、推進をして参つたのであります。併しながら初めにおきまして、予め現在の状況によつて一体どれくらい小作地がこの法律の規定によつて買えるものであろうかということを地方廳によつて我々は照会をして取つたのでありますが、その間におきまして、控え目に言つて來たのもあるし、或は相当過大に言つて來たものもありますが、大体初めの予定以上に買收をいたしまして、一〇六%であるとか、或いは一一〇%であるとかいうように予想以上に買つたようなものもあるのであります。そういうようなことで三月末日までの大体の合計が約百八十五万町歩に達しておるのでありますから、後へ十万町残つておるとか何とかいうことは、これはちよつと標準にならないのでありまして、今のところ統計が不完全でありますから、できるだけやつてみたならばどれくらいできるかということより外に初めの計画と実施結果との比較はちよつとできんような状態にあるのであります。併しながら現在やつておりまする中には、すでに買收した後に、先程もお話がありましたように、小作地の返還等につきまして、いろいろ脱法的な行爲等もありますので、それは引続いてできるだけ嚴格にこういうものを探して現在やりつつあるのであります。それによりまして尚現在やつておる都度に何万町歩かの土地が多少ずつできておるというような状況にあるのであります。
 これがいつまで経つたならば、かつきりと本当の規定にはまつた通り全部が買い得るかどうかということはなかなか困難でありまして、或る程度相当のところでけじめを付けなければならんのじやないかと実は考えておるのであります。併し現在のところは決して怠慢じやないのでありまして、できるだけ嚴格にやつた結果があの通りになつておるのでありますから、その点は一つ御了承を願いたいと思うのであります。
 その次に経理の関係でありますが、経理の関係につきましては今もおつしやられた通りに、これは農地の買收、賣渡を一生懸命にやりました関係上、その後に処理しましたるものでありますから、多少手遅れの感があることは率直に言明したいと思うのであります。併しこれの金の方の支拂につきましては、御承知の通り勧銀がこの中に入りまして委任状というものを勧銀へ出して、勧銀で纏めたものを上へ持つて來て勧銀で金を出して支拂うこと、こういうことになつておるのでありますが、なかなかこの買收計画も初めに立てたものが段々後になりますると、間違いがありましたりして、買收計画の変更ということが相当沢山ありまするので、その変更ということを直すために調整ということをやつておりますが、それは各人からもう一度買收したものを集めまして、その統計を、不在地主等あつちこつち持つておりますから一括をして、そうして改めて支拂額を支拂わなければならんという手数もありますし、それから又委任状をなかなか出して呉れない。これは非常に僅かばかりの金のが沢山ありまして、そうしてこれは面倒くさいという感じもあるのでありますが、なかなか委任状を出して呉れないというので、現在支拂が非常に遅れておるというようなことになつておるのでありますが、これにつきましては、現在委員会を督励いたしまして、直接行つて委任状を貰つて來るとか、特別の処置を講じ、できるだけ早く委任状を取纏めて支拂をやるべく処置を今講じておるのであります。そうしてこの支拂はいつできるかと申しまするというと、大体本年中にはとにかく全部証券拂いのものと現金拂のものと全部やる段取りに進んでおります。それから統計事務でありますが、これはまあ一番後に來るのでありますが、先程申しましたように、買收計画のやり直しでありますとか、いろいろの多少無理をして買つておる、それから分筆ですが、一括して、買つたやつに、北海道辺が非常に多いのですが、土地の分筆をしていないのも沢山あります。それから前提登記と申しまして、いろいろの前の保存登記その他が一切していないというやつを新たに登記をし直して、新たに移轉登記をやるというようにやつていますというと、現在の登記法におきましても、非常に面倒な手数が実はかかる、それを今一生懸命やつておりますが、これは大体本年の末までにはこの登記を全部完了するつもりで鋭意今のところは一般の経理の事務の一部のものを割きまして、その方へ振向けてやつておるというような関係になつております。
 それからその次は、交換分合でありますが、交換分合で、今までやつた例によるというと、良田を一方の人間が集めて、或る人間に惡い土地ばかりをやるという御意見でありましたが、これは現在まだ交換分合の本当の指導はやつておりませんので、これは熱意のある府縣、その他で進んで、農民組合でありますとか、或いは進んだ方々が相当やつておるでありましようが、これについては別に指導はしておりません。おりませんが、今度できる土地改良法によりましての交換分合についての方針は如何ということについて聞かれまするというと、これは先程おつしやられたような、そういう不公平は決してないように、この法案の中には十分の規定を設けまして、水利であるとか、或いは土地の性質、或いは土地の良否であるとか、いろいろの点から見て、同じものを同じに換えるということを原則にしておりまして、万止むを得ない場合でも、それはこの土地の実際の値打の二割しかこれは認めない、二割以下しか認めない。その二割以下でどうにもならないものについては、これは金銭で差引きをする。勿論当時者の同意があれば別でありますが、そういうようにして、嚴格に同じように、良田と惡田と換えるようなことのないように操作する方針で進みたいと思つております。
 それから今後不在地主が非常にできて來て、それが不在地主ができるであろうし、それから在村地主でも、一町歩以上の土地の所有者ができましようが、それに対しては農地改革をやるつもりかというお話でありましたが、その中で不在地主ということにつきましては、この改正法律案の中で、從來の不在地主とは今度は定義を変えまして、不在地主の範囲を縮小しました。これは臨時法が恒久法の自作農特別法に変りまするので、余り不自由のないように、ゆとりを付けるようなふうの内容にしたのであります。それから一町歩以上の、超過した在村地主の分につきましては、これは自作農特別法が飽くまで現在継続してこれをやることになつておりまする以上は、これは毎年期日を決めまして、そうして一町歩を余るものは、飽くまでもこれは買收するということに、これは進んで行かねばならんと存じます。いろいろの点を想像できないようなふうに改正をやつて参つたのでありますが、結局それでも殖えるというので、これは御承知の通り、昭和二十年の十一月二十三日現在に、これが小作地であつたものは、現在地主が耕作しており、又第三者に貸しておろうとも、当時の小作地として政府が買收するという規定を決めておりますので、その規定によつて、今度その後取上げたものに対しては、飽くまでも、これは買收の対象にならんことになつておりますが、その規定によつてこれは救済せられることと思います。それからその中に返還地が相当あるじやないかということでありますが、これは現在は、市町村農地委員会の承認を得たり、在いは地方長官の許可を受けなければならんことになつておりまするので、これは中には変なのがありましようが、万止むを得ないものがその返還を認められたものであろうと推察するのであります。
 それから共同経営に対する処置如何ということでありますが、共同経営に対しましては、これは法律にも規定してありまする通り、共同経営が、実際において、いつも仮りの共同経営であつて、内容がこれが一つの小作関係にありと認められるものは、現在まで小作として処理して來ておるのでありますから、今後もそういう脱法的行爲に出るものは、飽くまでもこの法規に照して処置する考えであります。
 それからその次に予算でありますが、予算については非常に減つて來て、そうしてどうもこれでは仕事ができるかというお話であるのでありますが、これは率直に申しまするというと、我々は本年において最低限度を要求したのでありますが、併しながら國家財政上万止むを得ず、こういうように限定をされたのでありますから、私達はこの認められた予算の範囲内において、できるだけの仕事を我々はやつて行く、而も支障のないように、農地改革を完遂するためにやつて行くということで、この範囲内におきましてできるだけの操作を講じまして、農地改革の完遂を、これから残つておる残務を十分やるということに実はやつておるのであります。書記は初め三人おりましたが、昨年これは一名減らされまして、これは大体作報の方へ移つて貰いまして、作報で大体これを引受けて頂いたのでありますが、後は二名でありますが、二名の中一名又減らされるところを、二名を漸く確保したという状況に現在立ち至つておるのであります。併し書記諸君につきましては、これは例の労働基準法によりまして、これが定額の俸給を全部差上げることになつておるのでありまして、ただ今までのところ、一般の旅費でありますとか、その他特別の費用につきましては、多少減少せねばならんような状況に立ち至つておりますが、併し仕事の分量から申しまするというと、今までのところ、農地買收の大きな仕事の大部のものは、或る程度まで片が付いておるのでありますので、今は登記とか、今の何ですね、経理の事務と、そうしてこれからやつて行くという、残つておるところの買收、賣渡しの計画が残つておるのでありますが、これらのものをうまく睨み合せまして、そうしてこれだけ金が減つて能率の下らないように実はやつて行くつもりで現在進めておるような次第であります。
#15
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今板野さんから非常に農林行政の本省或いは支所をひつくるめたような重要な御質問があつたと、かように承るのであります。板野さんもお示しの通り、経済九原則によりまして、我が國のあらゆる官署において行政整理を断行しなければならない、農林省といたしましては、本省事務関係においては三割出先現場関係においては二割、或いは必要な林野方面の一部、或いは漁船方面の一部は一割、こういうような大体の整理目標を定めまして、それぞれ定員法の改定を今内閣、今事の両方面に瓦つて提案いたしておるような次第であります。從つて農地改革は、只今農地部長からも申された通り、九分通りの農地買收、賣渡しが済んでおるような事態におきまして、残された事務はいよいよこの農地の改革の実質、即ち日本農業における農地の運用によりまして、自作農の経営と、自作農を通じまして、農村経営の堅実化と同時に、農村の農産物の増産を目標として出発しなければならないという情勢に参つておることは同感の至りであります。併しながらそういう意味におきましても、行政整理の対象といたしまして、それぞれ着手し、相当できましたところの案、或いはこれを断行しなければならないのは今日の段階として止むを得ないことであろうと思うのであります。
 尚競馬部のごときものを置いて、かような必要なものに対して何故その部局を整理したかというようなお話でございますが、競馬部におきましては、特別会計としてすでに法案の御審議を願つて、よくその内容を知悉しておられることであろうと思います。併し残された各局、各外郭廳といたしましても、殊に農地改革ということは日本農業始まつて以來の大問題に処しまして、御指摘の通り地主に支拂うべき金は迅速に支拂わなければならんと思います。更に農地委員の機構改革によりました委員諸君の十分なる御自覚と又事務処理の連中に対した一層の修養と講習その他によりまして、そうしてこれが事務の欠陥のないように完璧を期して行きたいと、かように思つておる次第であります。
#16
○藤野繁雄君 昨年の十一月二十九日に市町村農地委員会及び都道府縣農地委員会の委員の選挙特例に関する法律案について、政務次官の説明によつて見まするというと、農地改革後において自作農が八〇%乃至九〇%にも及び、地主、小作がおのおの五%前後を占めておるに過ぎない現状となりましたので、現在の地主三、自作農二、小作五という階層別委員の定数が農村の実情に副わないことは当然であります云々、かかる措置は暫定的でありますので、できるだけ早い機会に農地委員会の機構を全面的に改めるため、農地調整法の改正法律案を國会に提出したいのであります。こういうふうに述べておられるのであります。
 そこで私は只今の説明にもあります通りに、殆んど全部が自作農となつておるのであるから、地主、自作、小作の階層別の選挙は止めて、農地委員を選挙する考えはないかと質問いたしましたのに対して、農政局長が、地主、自作、小作の階層別選挙は止めて、全村選挙にする考えであると答弁されたのであります。然るに只今提案せられました農地調整法の一部を改正する等の法律案によりまするというと、九〇%が自作農であるというようなことになつておるのであります。然るに十五條の二によつて見まするというと、「委員ハ左ノ各號ノ區分ノ一ニ屬シ被選擧權ヲ有スル者ニ就キ當該區分ニ屬シ選擧權ヲ有スル者ノ選擧シタル者ヲ以テ之ニ充ツ」ということで、小作、地主、自作というようなふうに区別し、小作については二、地主についても二、自作については六、こういうふうになつておるのであります。そこで第三國会で農政局長の答弁せられたのと大分違つておるのであります。そこで私のお尋ねしたいのは、第十五條ノ二の各号に該当しておるところの有権者の数は一体どのくらいあるのであるか、それから各号の委員の数は有権者に正比例して定めたのであるかどうか、第三國会に提案の理由の説明の通りであるとしたならば、地案、小作はおのおの五%くらいであるから、これらの階層に各二人ずつの委員を出すということは適当じやないのじやないか、階層別の選挙をしたならば却つて相互間に対立関係を誘致いたしまして、土地改革の円満なる発達に対して支障を來すような虞れはないか、こういうふうな点であります。
 次には地租の賃貸價格を百分の二百から百分の五百に引き上げた後では、田畑一反歩の負担は地租その他の公租公課で幾らくらいであるというお考えであるか、その内訳を示して貰いたいと思うのであります。又最近のいろいろの報告によつて見るというと、耕作を放棄したところの田畑が相当あるのでありますが、この放棄の原因はどこにあるかということをお尋ねしたいと思うのであります。私は農地調整法が出た当時から、如何に自作農の創設を奬励しても、最後の自作農を維持するところの対策を講じなくてはその効果を挙げることはできないんだと、いろいろの場合に述べていたのでありますが、現在において折角自作農になつたところのものが放棄をするというようなことだつたら、農地改革の効果を水泡に帰するという結果になつて來るのであります。でありますから、耕作放棄の原因はどこにあるのであるか、その原因に対して政府は如何なる対策を取つておられるのか、この点をお伺いしたいのであります。
#17
○説明員(田邊勝正君) 先ず第一に委員の階層別の制度を採用したのでございますが、これは今おつしやられました通り、昨年ここで御説明申し上げましたときは階層別を取つて、そうしてこれは全体選挙にするということでありまして、而もそのときには農地委員会と、そうして農業調整委員会ですか、これを行く行くは一緒にしたいんだ、こういうような考えで実は進んでおつたのであります。ところがその後いろいろ研究をして参りまするというと、現在大体先程申しましたように、百八十五万町歩ばかり今やつておりますが、大体二百万町歩といたしましても、大体五十万町歩ばかりの小作地というものは、どうしてもこれは残つて、而もこれは各地方にやはりこれは分散をしておるということで、やはりこれが相当大きな問題になつて來るし、特に小作料その他いろいろな問題がこれから農地調整法の関係の処理が非常に多くなつて來るというような関係からいたしまして、ここに最小限度の地主側、小作側と申しまするか、それに似たようなものを入れる方がやはり妥当ではないか、その代り全部そういうことに重きを置くことはいけないから、その他の残りのものは、これは一般全体選挙の原理によりまして、その他六人という多くのものは、これは全部その他の残つた全般的のものから選んだ方がこれは両方共プラス、マイナス、丁度いいところへ行くんじやないかというような考えで実はそれを改めたのであります。そこで今御質問になりました、そんなら一体それに対しての選挙権者はどれくらい一体あるのか、これは全國的には調べたものはありませんが、適当な村なら村へ行つて農地改革をやつた状況を調べたのによりますと、大体第一号による、即ちこれは小作側委員でありますが、これは大体有権者の約二割程度を占めておると大体抑えたのでありますが、それから又地主側の方はどうかと申しますと、これは有権者の一割乃至一割五分という程度の抜き取り調査によりますというと、大体こういうものであるということになれば、十人のうち先ず二人ぐらいずつそれをやつて置いて、あとは全体的に選挙してやつて行けば、從來の趣旨に余り反せんのじやないかという点で、こういうふうにしたのであります。
 それから、その次に地租の引上げでありますが、地租の引上げによりまして、どれくらい金が高くなるかと、こういうのですか。
#18
○藤野繁雄君 それは地租の引上げによつて、一反歩は公租公課で幾らになる見当をしておられるかということです。
#19
○説明員(田邊勝正君) 現在は地租の價格は、御承知の通り、これは賃貸價格の百分の二百でありますが、これを五百に決めるわけであります。現在は日本全國の賃貸價格の平均によりますると、一反歩が約二十円であります。これが五倍になりまするから、平均的に申しますと、大体百円程度になろうと推定してよかろうと思います。
 それからその次に放棄地の原因でありますが、これは最近かなたこなたに想当出て参つて非常に心配をしておるわけでありますが、これは去年も調査しましたし、本年も大体調査いたしまして、私は最近問題の埼玉縣、徳島縣その他の地方へ行つて参つたのでありますが、その主なる原因はどうかと申しますると、地方の言うところによりますると、大体現在の割当供出が不公平であるということと、それから地租の課税のかけ方がやはり不公平であるということ、現在のところ例の供出のことにつきましては、大体反別割のものが相当地方によつては行われておる所がありまして、それが一点と、それから地租が、大体各村において平均的な土地の收入というものから、それに面積をかけて出すというような、極めてラフな方法でやつております関係上、而も農家におきましては、それを反駁するだけの簿記であるとか、いろいろな調査がないということで、結局惡い土地はやはり平均的にやられる、よい土地は平均以上に出すから余り叱言を言われんということで、惡い土地の負担が重くなつて來るので、こんなものは作らん方がましだということで放棄出が方々に見えると言つておるのが大部分でありました。これに対する対策は如何ということになりますると、これは原因が原因でありまするから、これに対しましては、供出割当の公正を期する対策を講ずる必要があると同時に、租税特に所得税のかけ方についての適当なる方策を講じなければならない。殊に現在耕作を放棄しようとしておるような傾向があるがどうかということを再三聞かれたのでありますが、これは臨時的なものであつて、今年が不公平になつておるから來年もやられるというものではないのであるから、これは土地を永久に放棄するというようなことは到底考えられない問題であるが、これはとにもかくにも皆が管理することによつて一時これを作らすというようなことをやつて見たらどうかということで私は廻つて來たのでありますが、これは農地改革と直接関係はないのでありまして、外から御答弁申上げた方がよいのかと思いますが、私の関知しておるところは、そういうことになつております。
#20
○委員長(楠見義男君) それでは速記の方は地方委員会の方に割愛いたしますから、御了承願います。速記を止めて。
   午後四時五分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時五十七分速記開始
#21
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて……。それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  國務大臣
   文 部 大 臣 高瀬荘太郎君
  政府委員
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
  説明員
   農林事務官
   (農地部長)  田邊 勝正君
ソース: 国立国会図書館
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