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1968/12/17 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 文教委員会 第2号
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1968/12/17 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 文教委員会 第2号

#1
第060回国会 文教委員会 第2号
昭和四十三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         中村喜四郎君
    理 事
                久保 勘一君
                楠  正俊君
                川村 清一君
                小林  武君
    委 員
                伊藤 五郎君
                北畠 教真君
                大松 博文君
                内藤誉三郎君
                永野 鎮雄君
                吉江 勝保君
                鈴木  力君
                成瀬 幡治君
                安永 英雄君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        鯨岡 兵輔君
       大蔵政務次官   沢田 一精君
       文部政務次官   久保田藤麿君
       文部省初等中等  天城  勲君
       教育局長
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       総理府人事局次
       長        宮内 通雄君
       大蔵省主計局
       給与課長     相原 三郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (教職員の給与等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(中村喜四郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 坂田文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。坂田文部大臣。
#3
○国務大臣(坂田道太君) 私は大学問題等、重要な課題の解決を迫られているこの時期に、文部大臣の重責をになうこととなり、身の引き締まる思いがいたすのでございます。この上は、文教委員の各位の御協力を得まして、今日までの実績の上に新たな発展をはかるよう、最善の努力をいたす所存であります。
 今後の学校教育の総合的な拡充整備のための基本的施策につきましては、現在、中央教育審議会で検討を願っており、また、社会教育審議会においても、急激な社会構造の変化に対応する社会教育のあり方について検討中であります。これらの課題は、長期的視野に立って慎重に研究を進めてまいらなければならないと考えております。このようなじみちな検討と努力を重ねながら、当面解決すべき文教行政上の諸課題につきましても、常にそれぞれの問題の本質を見きわめ、着実に施策を進めてまいりたいと考えておりますが、特にこの機会に、大学問題について日ごろ考えておりますことの一端を申し述べまして、各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 最近、一部の大学におきまして紛争が生じ、大学当局の努力にもかかわりませず、いよいよ深刻な様相を呈し、一部学生の行動は、学外にあっては、社会の秩序を乱し、公共施設を破壊し、ときには市民生活に損害を加え、社会不安をすら招くに至っており、また、学内にあっては、本来理性の場であるべき学園が、暴力のために正常な機能を阻害され、大学本来の使命である教育研究の場にふさわしい雰囲気は失われ、新入生の受け入れすら危ぶまれ、大学に寄せる国民の期待と信頼がそこなわれようとしていることは、まことに憂慮にたえないところであり、文教行政を担当する者として、その責任を痛感するものであります。
 もとより、大学の自治は、本来、大学における学問の自由のために認められてきたものであり、理由のいかんにかかわらず、法を無視し、秩序を破壊する暴力行為は、学問の自由と大学の自治を否定し、民主主義の基盤をそこなう反社会的行為として、容認すべきものでないことは言うまでもありません。
 このような大学の混乱した事態のよってきたるところは、広く現代社会における諸般の問題とも深い関連があると思われますが、大学における教育及び管理運営等大学のあり方について、社会の変動と大学の質量両面にわたる変貌に即応して検討すべき多くの問題があることを率直に認めなければならないと考えております。
 現在、われわれが当面している学生問題や大学のあり方に関する課題は、ひとりわが国だけの問題ではなく、欧米諸国にも通ずる課題であり、各国それぞれの伝統と現実の中で問題解決のために努力しているところであります。
 今日見られるような大学紛争を解決し、大学の運営を正常に復して大学の使命を果たすためには、種々の方策が講ぜられなければなりませんが、何よりもまず大学自体のくふうと努力にまつべきものであると考えます。しかし、同時に文教行政を担当する私といたしましては、大学当局の手による努力を支援するため、当面の問題のみでなく、長期的視野に立って国民の大学としてあるべき姿を検討し、改善してまいりたいと考えております。
 以上、当面する大学問題を中心として日ごろ感じていることを申し述べたのでありますが、文教委員各位におかれても、何とぞ格別の御指導、御協力を賜わりますことをお願い申し上げて、就任のあいさっといたします。
 ちょっと御報告申し上げておきたいと思います。
 それは、南極地域観測第九次越冬隊内陸調査旅行隊の南極点到達についての報告でございます。
 参議院の文教委員会の皆さま方から非常な御支援を得て、九月の二十八日に出発した村山雅美越冬隊長を長とする十一名の内陸調査旅行隊は、十二月の十六日夕刻南極点から約二十キロメートルの地点に到着したという報告がございました。同調査隊は、日本時間十九日朝同地点を出発いたしまして、午前十一時に、南極点に到着する予定でございます。 この調査旅行が成功いたしますと、史上第八回目の極点到着となり、またその走行距離は往復五千数百キロメートル、片道二千二百五十二キロメートルでございます。日数五ヵ月にのぼる史上最長の一大壮挙となるわけでございます。
 今回の調査旅行にあたりまして、関係者の間で事前に長期にわたって周到緻密な計画が立てられ、また各参加隊員も慎重な行動と不屈の勇気、相互の和により幾多の困難を克服したのでございまして、その労苦に対しましては深く敬意を表するものでございます。この調査の結果、従来十分研究踏査の行なわれていなかった東南極大陸の究明のための貴重な資料が得られるものと期待され、科学的な意義もきわめて大きいものがあると考え、私は国民の皆さんと心からこの壮挙を祝福するものでございますが、南極点到達により、同調査旅行隊はその宿願を果たすことになるわけでございますが、さらに帰路におきましてもいままで以上に慎重な行動をとり、安全第一を旨とし、無事所期の目的を果たすことを祈っておる次第でございます。
 右、御報告を申し上げます。 (拍手)
#4
○委員長(中村喜四郎君) 文部大臣の御発言は終わりました。
 次に、久保田文部政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。久保田文部政務次官。
#5
○政府委員(久保田藤麿君) このたび、はからずも坂田大臣に従いまして文部政務次官を拝命いたしました。
 この教育、文教関係の仕事は、私一生の仕事とも心得ておりますが、何しろ及びませんので、皆さん方からどうぞ格別なるお引き回しをいただきますように、あらためてお願いを申し上げまして、あいさつにかえます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
#6
○委員長(中村喜四郎君) 久保田文部政務次官の御発言は終りました。
 次に、鯨岡総理府総務副長官から発言を求められておりますので、これを許します。鯨岡総理府総務副長官。
#7
○政府委員(鯨岡兵輔君) 総理府総務副長官に任命されました鯨岡兵輔でございます。
 まことに至りませんが、きょうは給与の問題で参議院の文教委員の先生方に呼び出しをいただいたわけでございます。どうぞひとつよろしくお願いいたします。
#8
○委員長(中村喜四郎君) 鯨岡総理府総務副長官の御発言は終わりました。
#9
○委員長(中村喜四郎君) 教育、文化及び学術に関する調査をして、教職員の給与等に関する件を議題といたします。
 政府側から、坂田文部大臣、久保田文部政務次官、鯨岡総理府総務副長官、天城初等中等教育局長、宮内総理府人事局次長、西沢人事局参事官、相原大蔵省主計局給与課長、以上の方々が出席いたしております。
 本件について質疑の申し出がございますので、これを許します。川村君。
#10
○川村清一君 私は公務員給与の問題について質問をいたします。
 私は、この問題について、すでに八月二十七日、九月十一日、十月五日の三回にわたって当委員会で質問をいたしましても、本日またこの問題について質問しなければならないことは、はなはだ遺憾にたえない次第でございます。
 人事院勧告は、政府並びに国会に対して勧告されておるのでありまして、私どもは勧告を完全に実施すべきであると、こういう立場から、いままで政府の不誠意を追及してまいりました。人事院設置の趣旨から考えましても、勧告を完全に実施することは、政府の政治的にも道義的にも当然の責任、義務であると考えております。この点を主張してまいったのであります。しかもことしは財政的にも完全に実施し得る余裕のあることを指摘いたしまして、完全実施を要求してまいりました。しかし頑迷なる政府は八月三十日の閣議決定の線をあくまでも固守して態度を変えないで今日に至っております。はなはだ遺憾にたえません。この間内閣改造が行なわれ、給与担当大臣の総務長官、教育関係職員の責任大臣である文部大臣がかわりました。
 そこで、この際両新大臣のこの問題に対する基本的な考え方をまずお聞かせいただきたいと思います。
#11
○国務大臣(坂田道太君) 川村先生にお答えを申し上げたいと思います。この人事院勧告の完全実施を目ざしまして、何とかひとつその方向でやりたいということは関係閣僚の切なる気持ちでございましたけれども、今日のところ何回か給与関係閣僚会議を開きまして、努力をいたしたわけでございますけれども、本年度は政府といたしましては、八月三十日の閣議決定どおりということに相なったわけでございます。しかしながら私といたしましては、教職員の給与の責任者といたしまして、今後在任中あらゆる努力をはかりまして、この完全実施につとめたいということを申し上げ、御了承を賜わりたいと思います。
#12
○政府委員(鯨岡兵輔君) 川村先生の御質問にお答えいたしますが、人事院の勧告を完全に実施するという基本の方針には変わりはございません。これまでの人事院の勧告は御承知のとおり八月に出されまして、五月にさかのぼってこれを実施するという内容になっておりますために、財政上多大の困難が伴うことは先生御承知のとおりであります。そこで政府といたしましては、種々の検討を行なってまいったのでございますが、本年度の公務員の給与改定に関する閣議決定を機会にいたしまして、従来からの人事院勧告の完全実施の基本方針に即しまして、公務員給与の取り扱いに合理的改善を加えたいと考えまして、数次にわたって給与関係の閣僚会議を開いて検討を重ねたことも先生御承知のとおりであります。今後とも明年度予算編成期を目途にいたしまして非常な熱意を持ってこれまでの討議の成果を踏まえて引き続き検討してまいりたい、こういう考えでおるわけであります。また本年度につきましては、諸般の情勢を勘案いたしまして最大限の努力を払いました結果、八月実施の結論に達したものであります。通勤手当につきましては職員側の実情も考慮いたしまして、勧告どおり五月に実施したいというふうに考えておりますことを御了承願いたいと思います。
#13
○川村清一君 政府はこれまで人事院勧告は尊重する尊重するということを毎年言い続けてまいっておるわけであります。ことしもそう言っておるわけであります。すでに九年を経過してきておるこの間一度も完全に実施したことがないわけです。これで一体、尊重する尊重すると言ったところで尊重しているとは、これは言えないと思うんです。また、そんなことを言ってもだれも信用しないと思うんです。私はここではっきりお聞きしたいんでありますが、人事院勧告を完全に実施するということは人事院を設置した趣旨、すなわち公務員労働者から労働基本権である団交権あるいは争議権を剥奪いたしまして、そのかわり公務員の給与については心配しなくても政府はめんどうをみる、人事院の勧告のあった場合において完全にこれを実施して民間労働者との給与の格差というものを是正し、均衡を保って公務員労働者の生活を守る、心配するなと、こういうたてまえで設置されておるのであります。したがって人事院勧告を完全実施するということは、これは政府の政治的な道義的な義務でもあり責任であると私は考えておるのでありますが、これに対して文部大臣、総務副長官はどうお考えでありますか。これはそういうような責任はないのだ、義務はないのだと、こういうふうにお考えになられますかどうですか。はっきりひとつお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#14
○国務大臣(坂田道太君) 川村先生おっしゃるとおりに私は責任を感ずるものでございます。したがいまして、何とかしてひとつ完全実施に努力をいたしたいということを申し上げた次第でございます。
#15
○政府委員(鯨岡兵輔君) 川村先生のおっしゃったように、人事院の勧告は守らないでもいいんだというふうに考えているかということでございますが、そんなことは全然考えておりません。これは人事院勧告の趣旨に沿って当然守らなければならぬと十分に考えておるわけでございますので、先ほどもお答え申し上げましたように、何回も検討を重ねてまいったわけで、お話のように、いままで一回も守られていないではないか、もうそんなことを信用できないではないかとおっしゃられる気持ちは十分われわれもよくわかっております。何とかして、ことしはどんなことがあってもきめたいということで熱意を傾けていることをひとつ御了承をいただきたいと思うわけでございます。ただ人事院の勧告が八月に出されまして、これを五月にさかのぼってやれというところに財政上しばしばいろいろな問題が起こってくることも御了察をいただきたいと思うわけでありまして、それらについても検討していかなければならないと、こう考えておるわけでございます。御了承願います。
#16
○川村清一君 人事院勧告を守らなければならない、守ることは義務であり責任であるということはよく痛感しておる、そのために努力をしてきた、しかしそれが実現できなかった、と言って九回投げ飛ばしてきたわけであります。これで一体信用せいといったって信用できないでしょう。それは財政上の理由だと、こう言われます。財政上の理由等についてはあとでまた私が質問をいたしますが、そこで私は教職員の責任大臣である文部大臣にお尋ねしたいのですが、人事院勧告完全実施を要求いたしまして闘争を行なって、昨年の一〇・二六闘争まで処分を受けた教職員の数は全国で二十五万からいるということを聞いているわけであります。その次の一〇・八の闘争でまた何万という処分者が出るんではないかと、かように考えておりますが、ことしは一体どのくらいの処分者が出る見込みなのか、昨年までのと累計するというと、一体政府が人事院勧告を完全に実施しないために犠牲者が何十万名、何十万の教職員が処分を受けることになるのか、これをひとつお聞かせいただきたいと思います。
#17
○国務大臣(坂田道太君) 政府委員からこの数字について説明いたさせます。
#18
○政府委員(天城勲君) 四十三年の十月八日の一斉休暇闘争におきますその後の各府県の処分の実態を、というお話でございますが、現在まで私たちが承知しております数字で申しますと、懲戒処分を受けた者が一万七千九百七十二名でございます。もちろん全部の道府県がこの措置をすでに済ませたわけではございませんで、現在までのところ五、六県の状況でございます。
#19
○川村清一君 五、六県だけでもって一万七千名以上の処分じゃ、昨年までの二十五万、あわせますと、おそらくことしの十月八日の実力行使までを総計するというと、三十万こすことはこれは確実でないかと思うのでありますが、どうでしょう。
#20
○政府委員(天城勲君) ちょっと過去の数字でございますが、御指摘の四十一年のケースで申しますと、各府県で懲戒処分を受けた者が六万五千四百六十三名でございますし、四十二年の場合には二万八千三百四十二名でございます。したがいまして、いま先生のおっしゃった数字は、そのほかに、もちろん文書訓告とか、頭訓告等の者がありますので、それを含めましても若干数字は違うと思います。懲戒処分を受けた者はいま申し上げた数字でございます。
#21
○川村清一君 私は懲戒処分だけを言っているのでなくて、とにかく処分と名のつくもの、戒告から全部入れてです。それを申し上げている。
 そこで文部大臣、政府が当然なさなければならぬことをサボって、しかも一回や二回ではないのであります。実に九回も無責任な行為を続けてまいって、そうして教職員に対して実質的な損害を与えておきながら、これに抗議して実力行使を行なった教職員に対しては、直ちに公務員法違反と称して、一方的に一刀両断処分することはあまりにも非情なやり方ではないかと私は思うのであります。権力を持つ行政庁のほうでやることをやらないで、そうしてそれに抗議して実力行使を行なった者に対しましては権力を行使して処分をする、それで一体行政の筋が通っていると思いますかどうか。文部行政の責任者としてあなたはどう思いますか。やはり行政庁の責任者として行政の筋というものがあるでしょう。その筋を通すべきかあなたの責任ではないかと私は思うんです。どうですか。文部大臣の率直な御意見を私は承りたいと思う。
#22
○国務大臣(坂田道太君) 私たち政府といたしまして、人事院の勧告というものを守らなければならないということは、当然なことだと心得ておりますし、また、政府といたしましても、財政を考えつつ今日まで努力を続けてきたことはお認めいただきたいと思うのでございます。その効果がいまもって、十年になるけれども完全実施に至っていないということも事実でございますが、政府といたしましては、御案内のとおりに、三十五、三十六、三十七、三十八年は十月一日でございましたけれども、その翌年の三十九年には九月実施、一カ月早く実施をする。そうして三十九、四十、四十一年と努力いたしましたけれども、その間政府として九月実施でございましたけれども、さらに四十二年、九月を一カ月早めまして、八月一日実施というふうにいたしたわけでございます。こういうところで申し上げていかがかと思いますけれども、私も野にありましたときにも、この問題については、何とかひとつ完全、実施の方向へ向かって政府もやらなければいかぬという気持ちで、この九月から八月に一カ月向かうというときには努力をいたした一人でございまして、その気持ちは今日も実は変わっておりません。本年は遂に八月実施ということに相なったわけでございますが、今後とも私たちは教職員の給与の問題について何とか前向きで検討したいと思っているところでございますから、今後とも努力をいたしたいと思っているわけでございます。ではございますけれども、この要求が完全に認められないからといって、生徒児童の教育を受ける権利を無視して違法行為に出るということは、これはまた許されることでもないと思います。やはりそれは公務員給与の問題とは別に、違法行為がございますならば、法に従いまして当局におきまして厳正な措置をとらなければならないのじゃないかというふうに思います。そういうふうに指導いたしているわけでございます。そういうふうに考えている次第でございます。
#23
○川村清一君 それではお伺いしますが、三公社五現業のいわゆる公労協の職員に対する措置と公務員に対する措置、これは違うのでありますか。三公社五現業の職員に対する給与の問題につきましては、仲裁裁定が出ますというと、これを完全に実施しているではありませんか。そうでしょう。もちろんその過程におきましては、数度にわたって、これまた禁じられているところのストライキを打って、そうしてたくさんの処分者を出した。それにもめげず、公労協の諸君は戦い続けてきた。遂に政府は仲裁裁定を実施せざるを得ない羽目に追い込まれた。それ以後毎年完全に仲裁裁定を守って実施しているではありませんか。同じ政府の職員、そうして公務員法によってストライキが禁止されているこの公務員に対する措置はどうですか。一回や二回ならいいですよ。九回です、ことしで九回。人事院の勧告を完全に実施しなければならないことは責任であると、政府の義務であるとあなた方いま両大臣はさように御答弁されておる。それまで承知しておる政府がなぜ行なわないのですか。そうしてそれに抗議して実力行使を行なった公務員は公務員法違反である、厳正に法は守らなければならないということで、情け容赦もなく一刀両断にこれ々処分してきておる。同じ政府職員である三公社五現業に対する措置とあなた方の責任下にある公務員に対する措置は完全に違うではありませんか。私のお聞きしたいのは、それで行政の筋が通るのかということをお聞きしたいのです。どうだこうだというそういう弁解がましいところの御答弁でなく、行政庁の長としての立場で行政の筋が通るかどうか。何万何十万という職員の生活を守っておるあなた方責任者だ。部下職員に対してそれで行政的に筋を通せるのかどうか、このことをお聞きしたいのです。文部大臣と総務副長官からもう一度明確な御答弁を願いたい。
#24
○国務大臣(坂田道太君) 三公社五現業についての御指摘そのとおりだと思いますし、また、そういうようなことも考え合わせまして、われわれとしては完全実施の方向で努力をしてきたわけでございますけれども、本年度は、先に申し述べましたとおりに八月実施の閣議決定のとおりといたしたわけでございます。行政の筋というお問いでございますけれども、その行政の筋を通すべき努力を続けておるというふうに御了承をいただきたいと思います。
#25
○政府委員(鯨岡兵輔君) 三公社五現業のほうは仲裁裁定を守っているではないか、ところが公務員のほうはそうはいっていないという川村先生の御指摘、まことにわれわれも遺憾に思うわけでありますが、三公社五現業は、先生もすでに御案内のように、独立採算制の企業体であり、一般公務員とはその給与財源の調達方法並びに給与決定方式を異にいたしておりまする結果、両者が必ずしも同じように取り扱われていないことも御案内のとおりであります。したがいまして、私どもといたしましては最善の最大の努力を払いましていろいろ検討いたしました結果、八月実施、通勤手当については、前申し上げましたとおり勧告どおり五月実施、こういうことに決定を見た次第でございますので、三公社五現業のほうとの対比の問題につきましては、まことに舌定らずでございますが、これで御了解をいただきたいと思う次第であります。
#26
○川村清一君 三公社五現業とはもちろん行政の構造上からいっても、また職員の身分の上からいっても違うことは十分承知しております。しかしながら、政府の職員であるということについては同じである。もちろん、それに適応される法律は違いますけれども、しかしながら、法律はすべての職員に対して公平でなければならぬと私は考えております。ですから、そういう立場から言うならば、ただいまの鯨岡総理府副長官の御答弁は、あなたが御みずからおっしゃったようにまことに舌足らずだと思う。はなはだ遺憾であります。これ以上追及してもしようがありません。
 そこで、私は立場をかえて大蔵当局にお尋ねしたいのであります。
 ただいま総理府並びに文部大臣の御答弁によりますれば、今年度は人勧を完全に実施するようにずいぶん努力した、しかしながら、財政上の問題つまり勧告は八月に出ておる、そして五月にさかのぼって実施せい、こういう勧告である、予算上からいって財政的にこれを完全に実施することはできない、こういうような答弁でございました。そこで大蔵省にお尋ねしたいのですが、ことしの予算執行、財政上の立場からいって完全に実施できない理由をここで明確にしていただきたい、こう思います。
#27
○政府委員(沢田一精君) 御答弁いたします前に、先般大蔵政務次官を拝命いたしました沢田でございます。どうぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願いしておきます。
 ただいまの川村委員のお尋ねでございますが、いままでも当委員会におきましていろいろと論議をされた問題でもあろうかと存じますが、御案内のように、本年度は総合予算主義というたてまえをとりまして、公務員給与の改定というようなことをあらかじめ予測をいたしまして、予備費を充実いたしまして、千二百億の予備費を計上いたしたことは御承知のとおりでございます。現在までにおきまする予備費の使用状況あるいは税収の伸びの動向、そういった点から考えますと、必ずしも、端的に申しますが、幾らかでも人事院勧告に近づける給与改定という線が財政的にそう困難ではないのじゃなかろうかというお尋ねの趣旨も私はわからぬではないわけでございます。しかしながら、今年度予算が、これも私がいまさら申し上げるまでもございませんけれども、六千四百億という国債を当てにいたしまして収支のつじつまを合わせておる、そういった、点もございます。ことしは幸いに経済の好況を反映いたしまして税収の伸びも相当なものになると思うわけでございますが、一たんわが国の経済が不況に際会いたしました際には、かつて四十年度に見込みよりも税収が二千数百億も落ち込んだという事態も近々あるわけでございます。そういった不況に対するわが国の財政力を健全にもってまいりますためにも、やはり相当好況のときにはできるだけ国債を減らさなければならぬという課題もあろうかと思いますし、また、公務員給与の完全実施ということは、もちろん先ほど来文部大臣はじめお答えがありましたように、たてまえとしてそうすべきであることは重々わかっておりますけれども、ほかの諸政策との均衡というようなことも考え合わせますと、遺憾ながら八月実施ということを決定せざるを得なかった、かような事情にあることを御了察いただきたいと思うわけでございます。
#28
○川村清一君 そういう抽象的な御答弁――具体的に的確にお話しいただけなければ了解していただきたいと言っても了解はできないわけであります。
 そこで、もっと具体的に私お尋ねしたいと思うのでありますが、今度の臨時国会が始まりまして、大蔵大臣は、参議院の本会議におきましても、あるいは昨日の予算委員会におきましても税の自然増収が一千億をかなり上回るということを言っておるのであります。われわれのこれは推計でありますが、一千億をかなり上回るという、このかなりでございますが、むしろかなりのほうが多いんではないかとさえ考えておるのであります。
 そこで、福田大蔵大臣が言っておるかなりというのは一体幾らをさしているのか、これをひとつお答えいただきたいと思います。
#29
○政府委員(沢田一精君) 大臣が申しましたように、また、ただいまお話がございましたように、今年度の税収は相当に増収になるであろうということは確実でございます。事務当局的な言い方をいたしますれば、一千億を相当大幅に上回るであろうと、いまの段階ではそう申し上げておくよりほかはないかと思います。具体的に申し上げますと、十月末におきまする国税の収入の率が昨年度の同期に比しまして約二・三%上回っております。昨年同期におきましては大体五〇・五でありました収入の率が、五二・八と約二・三%上回っております。税目によりまして非常に伸びております税目と必ずしもそうでない税目とはございますが、いま申し上げましたのは、全体として一般会計分におきまして二・三%上がっておる。この傾向を年度末まで延ばしてまいりますと相当自然増収は多額にのぼるのではなかろうかと予測はされます。しかしながら、大法人の九月末決算がまだ全国的に集計が終わっておりませんし、年末賞与の額あるいは来年度の確定申告の状況等をにらみ合わせなければ確定的な増収の幅というものはわからないわけでございますけれども、先ほど結論的に申し上げましたように、一千億を上回りまして相当大幅な伸びを示すのではなかろうかと予測をされておるわけでございます。
#30
○川村清一君 政務次官、冒頭申し上げましたように、公務員給与の問題は、これは現在の大きな政治問題です。今回の臨時国会が召集された目的は、この公務員給与の関係法案を審議するのが、これが目的なんですね。ですから、臨時国会の最大の課題は公務員給与の問題なんです。しかも人事院勧告というのは政府にだけ出されておるのではないのです。国会にも出されておる。ですから、国会に席を置くわれわれといたしましては、政府の皆さん方と同じ立場でこれを心配しているわけです。しかも、御承知のように、国会の意思は出されておるわけであります。すでに衆参両院の内閣委員会におきましては、与党、自民党をも含めて満場一致完全に実施すべきであるという決議がなされておるのですよ。ですから、私どもは何とか完全に実施しなければならない、こういう立場でこの国会に臨んでおるのです。こういう立場で議論しておるわけです。ところが、どうして完全に実施できないのかということをお尋ねすれば、完全に実施しなければならないということはわかっておる。そういう立場でわれわれはずいぶん努力をしてきた。しかしながら、財政上の問題でできないと、こう言っておる。だから完全に実施できない最大のネックである財政問題がどうであるかということをお尋ねしておる。ところが大蔵大臣の説明によれば、今年度の税の自然増収は一千億をかなり上回るということを御答弁されておる。そこで、かなりということは幾らかということを聞いておる。私どもは、公務員給与だけ上がれば、国の財政はどうなってもいいなんということは毛頭考えてない。だから国債減額に充てることを何も反対しておらないではありませんか。四十三年度の予算規模が五兆八千億円、それに見合う財源といたしまして一〇%をこえる国債六千四百億を発行しておるということは、これはやはりけっこうなことではない。だから、かりに一千億程度は国債減額に向けることも、自然増収が多ければ、これもやむを得ないだろうと私は考えておる。そうすると、予算規模の一〇%を割るわけでありますから、ある程度、健全財政になるわけです。そこで、一千億をかなり上回るというから、かなりとは幾らぐらいだということをお尋ねしておる。当然でしょう。ところが、ただいま沢田政務次官の御答弁によると、今度は、かなりでなくて相当上回る、こう言うのです。相当大幅に出るだろうと、こう言う。かなりと相当大幅とどう違うか、その相当大幅を具体的に聞きたいのです。ところがそれはわからないと言う。なぜわからないかというと、九月末における大法人のまだ決算の状況がわからない、年末のボーナスのはね返りがまだ不明確だ、そんなことはわからないわけはないでしょう、大蔵省の事務当局が。それこそ東大閥のエリート官僚が集まっておるところの大蔵官僚がそんなことがわからないことはないでしょう。そんな言いのがれの……、われわれが真剣になって、このために教職員だけで何十万の処分者が出ておるのですよ。こういうことを避けたいために真剣になってわれわれは議論しておるのです。それを言いのがれようとする、そういう言いのがれ答弁はやめて、私どもと同じ土俵の中でひとつ議論しようではありませんか。ほんとうに金がないのかどうか。どうでしょう。相当大幅ということは一体幾らなのか。
#31
○政府委員(沢田一精君) 私は、冒頭申し上げましたように、自然増収の状況あるいは予備費の使用状況そのほか勘案して、金がないからだめですというふうには、なかなか言えないと思うわけでございます。そういうことを申し上げました。ただ、本年のわが国の予算、財政が持っております、いわゆる公債を六千四百億もかかえた予算であるということ、そこに問題があろうかと冒頭に申し上げたわけでございます。自然増収の見込みにつきましては、かなりと大幅とはどう違うかという重ねてのお尋ねで恐縮をいたしておるわけでございますが、何も自然増収が非常に少ないということを私は強調しておるわけではございませんで、これは先ほど来繰り返し申し上げますように、大臣は千億をかなり上回るという表現を使っております。かなりというのが、三百億であるか四百億であるか、それは大臣の気持ちはわかりませんけれども、私はむしろそれよりももっと伸びるのではなかろうか、そういう感じがいたしますので、大幅という表現を使ったわけでございます。大法人の九月末決算につきましては、これは十一月末までの申告でございます。大体におきまして三月末決算に対しまして平均して一五%の伸びを示しておるものと事務当局から説明を聞いておるわけでございます。しかしながら、それでは千億が千七百億になるのか、あるいは千八百億になるのか、二千億まで達するのかということにつきましては、なお最終の確定的な数字につきましては、いましばらくひとつ御猶予を願いたい、そういう意味でございます。したがいまして、重ねてのお尋ねでございますけれども、九月末決算が明確になり、厳密に申しますと年末賞与のはね返りが幾らになるか、あるいは来年度の確定申告の状況がどういう状況になるかというようなことがはっきりしませんと、確定的な数字は申し上げかねるという意味でございまして、別に自然増収がそんなにたくさんは期待できないという趣旨では決してございませんので、御了承いただきたいと思います。
#32
○川村清一君 私どもも議員でございますから、財政法を何も知らないでこんなことを言っておるのではないのでありまして、もちろんそれは年度末にならなければ確定しないことは、こんなことはっきりしている。しかし現時点で推定ができるでしょう。頭のいい、そして経験の豊かな大蔵事務当局がおそろいなんだから、中で一千億をかなり上回るとか一千億よりも相当大幅に伸びるとか、そういうことを言っている以上は、大体においてどのくらい伸びるのか、しかもこのことは、新聞等に出ておる経済評論者、そういう方々の説によるというと、今年度は二千億を上回るだろうという、そういう説さえ出ておるではありませんか。
 そこで、方向を変えてお尋ねしますが、大蔵大臣は国債の償還ではなくて国債の減額であると、こういう御答弁をされております。そこで今年度は、六千四百億の予算国債発行額のうち、すでに発行されておる国債は幾らありますか。
#33
○政府委員(沢田一精君) 本年度の財政状況を見まして先般一千億国債の減額をいたしたことは御承知だろうと思うわけでございます。毎月、月ごとに順次発行をいたしておりますので、この五千四百億の全体の国債発行の計画が現在までどのような消化状況、発行状況になっておるかということにつきましては、ただいま資料を取り寄せまして後刻御答弁いたしたいと思います。
#34
○川村清一君 そうしますと、六千四百億の予算国債のうち一千億を減額したと。そうすると五千四百億は発行すると、あるいはすでに発行した、こういうことでございますね。
#35
○政府委員(沢田一精君) 本年度の現在の時点におきまする国債発行のワクを、一応千億減らしまして五千四百億としたということでございまして、先ほど申し上げますように、この方針に従いまして月々発行計画を立ててやっておるわけでございますので、現在の時点で五千四百億がまるまる発行されたわけではございません。その点につきましては、いま幾ら残っておるかということにつきましては、後刻お答えいたしたいと思います。
#36
○川村清一君 そうしますと、六千四百億の国債のうち一千億減額いたしました。したがって、一千億に見合う財源は自然増の中から向けられるものと判断いたします。そうしますと、一千億をかなり上回る、一千億を相当大幅に伸びる、このかなりの部分、相当大幅の部分、これは何に向けられるのか御答弁いただきたい。
#37
○政府委員(沢田一精君) 先ほどお尋ねでまだ御答弁できておりませんけれども、今年度の発行予定の中で残っております国債の、公債の減にまず振り向けられなければならぬと考えております。それをどの程度の額にするかというようなことにつきましては、一切まだ未定でございます。たてまえとしましてそういうことを考えておるわけでございます。
#38
○川村清一君 どうもいまの御答弁はわからないんですが、まだ国債に向けられるわけですか。
#39
○政府委員(沢田一精君) 公債の発行の減に振り向けられるわけでございます。
#40
○川村清一君 そこで先ほどお聞きしているわけですが、一千億は減額したと、そうするとかなりの部分、なお相当大幅の部分、この部分も国債の減に向けるということでございますか。そうすると一体ことしの国債の発行額は幾らになりますか。
#41
○政府委員(沢田一精君) 先ほど申し上げましたように、自然増収の確定的な数字がまだ固まっておりませんし、それを踏まえまして今後どういった最終的な本年度の財政計画を立てていくかという問題につきましては、まだ未定なわけでございます。
#42
○川村清一君 どうも次官のおっしゃっていること、何言っているのか私にはよくつかめないんですが、とにもかくにも一千億減額いたしましてもなおかつ金はあるということだけは、これは次官確認されることできますね。
#43
○政府委員(沢田一精君) 先ほど申し上げましたように、ことしは幸い経済の好況を反映いたしまして税収も相当伸びておりますし、予備費の使用状況等を考えました場合に、必ずしも余裕がないということではないと思います。
#44
○川村清一君 総務副長官どうですか。大臣ではないですけれども、あなたきょうは大臣のかわりなんですから、だから大臣として考えて私は御質問しているんですから、大臣と同じ責任を持ってしっかり御答弁願わなければならないと思うんです。いいですか。あなたは給与担当大臣、給与関係閣僚会議の主宰者なんです。責任者なんです。その大臣が七人いるそうですが、その七人委員会の主宰者はあなたなんです。そこであなたは一番責任がある。どうして完全実施できないのかということを再三再四お尋ねしておる。ネックはやはり財政問題、金はないということに尽きる。ところがいま大蔵当局と私と議論をしたこの結果、国債減額に一千億向けても、なおかつ相当、かなり――これはわかっておっても言わないのですから、おそらく一千億あるでしょう。これだけの金があってもなお行なわない。おそらくこの七人委員会では大蔵大臣はそれを主張なさっておるだろうと思うのですが、あとの六人の大臣は一体何を聞いているのですか。大蔵大臣にそう言われますとあと一音半句も文句を言えないのですか。御無理ごもっともなんですか。私のようなしろうとでさえ、議論していったら金があることが明確になっている。それでもあなた方は財政問題のために完全実施できないと、こう言っておる。どうなんですか、はっきりしていただきたい。それで総務副長官、はい、そうでございますかということでお下がりになるようじゃあまりに無責任じゃございませんか。無能のそしりを受けてもやむを得ないですよ、そういうことであれば。どうですか、この際ひとつ責任ある御答弁を願いたいと思います。
#45
○政府委員(鯨岡兵輔君) 川村先生の大蔵省とのやりとりを拝聴しておりまして、きわめて理論的であると敬服する次第でございます。しかしながら、その点につきましては、川村先生御指摘の七人委員会、しばしばにわたって大蔵当局とも交渉を重ねてきたところであります。しかしながら、大蔵当局といたしましては、やはりまあことばは適当でないかもしれませんが、バランスのとれた財政上の諸施策、いま政務次官はやはり底の浅い日本経済、財政、これのために国債の減額などを考えていくことが日本の将来のために必要だというので、そういう方面にも金を振り向けなければならない、これが大事だというような御発言の趣旨のように聞き取れたのですが、それらを含めてバランスのとれた諸施策ということについて、大蔵当局のお話を承れば、私どもも全然それは必要のないことだ、この際何でもかんでも人事院勧告を守れということがなかなか言いにくい。それはちょうど川村先生が先ほど、公務員給与さえ上がればほかはどうでもいいのだと、われわれは考えているのじゃないのだという御理解あるお話がありましたが、それと同じようなことでございます。せっかく努力をいたして、もう無能とお叱りをいただけばしかたがありませんが、せっかく努力をいたしました結果、八月実施の結論に達したものでありまして、通勤手当については職員側の実情も考慮して勧告どおりこれは五月にやろうというようなことになりましたことを御了承いただきたいと思うのであります。
#46
○川村清一君 とてもそれじゃ了承できないのですよ、そんな総務副長官、じゃ。今度はバランスをとるためと、こう言う。そのことは大蔵大臣は口を開くと言うのです。総合予算とは何だ、こういう質問をしますと、財政需要はたくさんある、そこでバランスのとれた予算を組む、この予算が総合予算だ、こう言うのです。前回の委員会で大蔵省の海堀主計局次長のおことばによると、斉合性という何だかわれわれしろうとにはわからないことばを使って表現されておりますが、そうしますと、私はさらにこれはもうはっきり総務副長官にお尋ねしておかなければならない。もろもろの財政需要がある、それをバランス、つまり斉合性の上に立って予算を組んだ、これが総合予算である。そこの予算をくずさない、補正は組まない、これが総合予算主義を貫くものである、こういう御説明なんです。そうしますと、斉合性の上に立ったバランスのとれた予算を組んだということは、もう当初から公務員給与については人事院勧告を完全に実施しない、どんな勧告が出てきてもこれ以上一歩も上げはしないのだと、こういう考えの上に立って予算編成をした。その予算編成を、大蔵原案を閣議が了承し決定しておる。その閣議に公務員の給与責任大臣である総務長官も列席して、そうして決定しておる。そうしますと、総務副長官、あなたはいかにうまいことを言ったって、人事院勧告を尊重します。人事院勧告は完全に実施することはわれわれの責任であり義務であると、こういうことをここで御答弁されても、もう予算編成の当初から人事院勧告を完全実施するなんという考え方はないのですよ。要するに金が出てこようが出てこまいが、財政的に余裕ができても、結論的に言えばこういうことになるでしょう、どうですか。最初あなたは、どうしても財政的に完全実施できないのだ、これは何とか完全実施について努力したけれどもできなかったのだ、その理由は財政上の理由であるということをるる説明された。私と大蔵省と議論していって、金があるということがはっきりわかったら、今度は財政上のそのほうの問題は、お金のあるなしの問題は別のほうにたな上げして、今度は、財政のバランスの上から、財政需要の斉合性の上からいってできないのだ、こういう御答弁で、大蔵大臣のおっしゃることと同じことを言われておる。だから総務長官の主体性はないのではないかということを申し上げておるのです。そういう点でもしも無能であると言われてもやむを得ないのではないかということを申し上げているのです。しかし、無能ということばはちょっと表現がきついので、これは取り消してもけっこうでございます。どうかもう一度はっきりお答え願いたい。
#47
○政府委員(鯨岡兵輔君) 財政上の事情と私言ったかなとも思うのですが、財政上の事情とかりに言ったとしても、川村先生御指摘のように、それはお金がないということを言うているのではございません。お金があるかないか、税の伸びがあったかなかったか、それは七人委員会でしばしばにわたって大蔵省を追及したところであります。ただ、その税収の伸びがあったとしても、日本の財政を、先生方も御心配のように、より健全にもっていくために大蔵省がこれに使いたいのだ、こういうふうにやるのだということを言えば、これからのことも考えて、それでも何でも私どもの所管のことだけをやってくれればいいのだというふうには言えなかったことは、先ほど先生も言われたとおりでございまして、そのことを申し上げたわけでございます。ただ、申し上げたいことは、せっかく七人委員会で数次にわたって会合を開きました結果、最大限の努力を払って、そうしてその結果八月実施ということに結論がなったことでございますので、この点は御了承いただきたいと思うのであります。
#48
○川村清一君 副長官は、まあ私が公務員給与さえ上がればほかはどうでもいいんだ、そんなことは考えておらないのだということをさっき申し上げた、そのことばを、ことばじりをとらえられて反論されますが、私は一千億の国債減額、五兆八千億の予算規模の中で六千四百億の国債を発行するということは当初予算の審議の中で社会党は反対してきたのです。そういう立場から国債を減額することに対して反対するものではないということを申し上げておる。だから一千億そちらのほうに向けた、なおかつ残りがあるでしょう。その残りを何に向けるのですかということをお尋ねしておるのです。ところがそれについてはちっとも明確にされないで、何に一体使うのかわからない。いまここに公務員給与完全実施するかしないかという重大問題がある。その法律案をこの臨時国会は審議しているのですよ。われわれは完全に実施すべきだという立場に立って議論しているのですよ。しかしながら、金がないならば幾らわれわれが主張してもないそでは振られないのだからこれはやむを得ないのですよ。しかしお金があるのだ。お金があるのだからこれに向けたっていいじゃないかということを申し上げている。しかし、それに向けるよりももっともっと大事なものがあるならばあげてもらいたいということを言っているのです。だから何に使うのかということを聞いているのです。それを一つも明確に言わないでしょう。どうですか、私の言ってることに何か間違いがありますか。そういうことを申し上げますと、総務副長官は大蔵大臣のおっしゃることと同じことを言って、大蔵省の側に立ってあなたは申されてる。あなたは大蔵大臣と議論をし、大蔵大臣のおっしゃっていることをこれを反駁して納得せしめて、そして人事院勧告を完全に実施せしめるために努力するあなたは立場じゃありませんか。それが大蔵大臣と同じことをおっしゃっているのでは話にならぬですよ。どうですか、もう一度はっきり答えてください。
#49
○政府委員(鯨岡兵輔君) 川村先生が言われた公務員給与さえ上がればほかはどうなってもいいのだと考えているのではわれわれはない、だからこそ国債の減額についてはわれわれは賛成しているではないかといったそのことばじりをつかまえて鯨岡は云々するとおっしゃいましたが、まことに恐縮でございますが、決してそんな気持ちはございません、御了承いただきたいと思うわけでございます。しばしばにわたって七人委員会でこのことについては、川村先生のお考えと同じような考えで大蔵省と折衝を重ねてきたことを御了察願いたいと思うのであります。いま政務次官からやや詳細にお話がありましたが、六千四百億のうらで一千億は減額して五千四百億にした、さらに伸びがあった部分についてはまだ金額はわかっておらない。これは七人委員会においても明らかにされていないところであります。そこで、われわれとしてはその分についてどうこうというところまで議論を立ち入らせることができなかったことも御了承いただきたいと思うわけでございまして、あれこれ勘案いたしまして、日本の財政に責任を持つ大蔵省からきわめて熱心ないろいろ御意見の御開陳の結果、他の閣僚はこれを認めて八月実施に踏み切らざるを得なかったという実情でございます。このことは毎々しばしば申し上げているところでございます、御了承いただきたいと思います。
#50
○川村清一君 まあ私に端的に言わしていただけば、七人委員会なんというものは全く無意味でございます。もうそういうものをなくして、大蔵大臣一人におまかせになったらいかがですか、大蔵大臣のおっしゃっているとおりなんですから。いかにさいふを持っておるものが強いといっても、これほど強いものとは思わなかった。あとの六人束になってかかってもかなわないのじゃしょうがないです。
 それじゃ大蔵省にもう一度お尋ねします。予備費千二百億円についてお尋ねしますが、これはまあ九月にお聞きしたし、十月にもお聞きしたのですが、それから、十月にお聞きしてから二カ月たったので、また数字が変わってきたと思いますのでお尋ねします。すでに支出済みのものは一体幾らであるのか、それからこれから支出確定した分、これが幾ら、これらのものについて内訳もつけて御説明願いたい。
#51
○政府委員(沢田一精君) お答えいたします。予備費の額は千二百億でございます。現在まで使用いたしました額は、四百八十五億七千七百万円でございます。四百八十五億のうち、まず災害関係でございますが、災害関係が二百九十八億五千二百万円となっております。その他の一般経費、これが百八十七億二千五百万円、合わせまして四百八十五億何がしとなっております。その他の一般経費百八十七億の内訳でございますが、一番大口は、義務的経費の四十二年度分の精算不足をまかないましたものが百五十一億でございます。その次に大きなものは小笠原復帰関係の十二億三千八百万円となっております。そこで千二百億から差し引き使用残額は、現在におきまして七百十四億二千三百万円となっております。今後の使用見込み額でございますが、大ワクとして申し上げますと、閣議決定をいたしましたとおりに、公務員の給与改定をいたします場合に約五百五十六億円を必要といたします。災害関係が八十一億支出が見込まれております。その他の一般経費、これはいろいろとこまごましたものを積み重ねましていま使用見込みを立てております分が百十八億でございます。したがいまして、五百五十六億、八十一億、百十八億を合わせますと七百五十五億になるわけでございまして、先ほど使用残額が七百十四億何がしと申し上げましたが、差し引き四十一億当初の見積もりよりは不足をするという状況になっております。以上でございます。
#52
○川村清一君 これは先ほど申し上げましたように、十月の時点からまあ二ヵ月たっておりますから数字の動くのはやむを得ないと、こう思いますが、納得できない点が一つあります。それは、八月の十六日に人事院勧告が出まして、私は八月の二十七日の委員会で人事院勧告の内容につきましていろいろと御質問いたしました。それから九月の十一日には、この財源がおもに予備費から出るものでありますから、予備費の分についていろいろお尋ねし議論をいたしました。最終的には十月五日に主計局次長においでをいただきまして、そして詳細検討をいたしました。それでこの三回の委員会におきまして公務員給与八月三十日閣議決定どおり行なうに要する財源は六百一億、六百億必要である、こういうことを申されました。六百億というものを前提にしてわれわれは議論をしてきた。ところが昨日予算委員会において福田大蔵大臣の御答弁は、公務員給与に五百五十億という御答弁をされた。そうするといままでわれわれ委員会では六百億、六百億と言ってきておって、今度は五百五十億、五十億減ってきたわけです。で、ただいまの御説明によるというと、やはり五百五十六億、五百五十億ですね。そうすると、五十億減ってきているわけです。あなた方は五十億ぐらいとおっしゃるかもしれないけれども、この五十億というのはこれはまあ重大な問題をかかえていると、こう判断するのです。いままで委員会にあなた方虚偽の答弁をなさってきた。八月の委員会、九月の委員会、十月の委員会、六百億ということでずっと通してこられた。これが五百五十億になった理由は何なんですか。
#53
○説明員(相原三郎君) 数字の問題でございますので、私、給与課長でございますが答弁いたします。六百億と申しましたのは、前回の委員会でも海堀次長から詳細御説明いたしましたように、給与改善所要額を人事院勧告に基づきまして、人事院勧告の対象外の防衛職員とか補助職員とか、それらにつきましても全部一応積算いたしました数字でございます。それが六百一億、今回さらに詳細に積算し直しました結果、五百九十五億円、六億円減少しております。さらにその際にも再三申し上げましたが、人件費の不用額が例年ございます。これは昨年度三十億ございました。これも先般の委員会でお話をしましたが、昨年度は三十億人件費の不用がある。しかし今年度はまだその数字が未確定であるからそれもこめて将来検討したいということを申し上げておりますが、その人件費の不用額が三十九億円見込まれております。したがって、給与費の改善所要額が六億円、それから人件費の不用見込みとして三十九億円、合計四十五億円が当初の六百一億円より減少するわけです。そこでいま政務次官からお答えいたしましたように、五百五十六億円という数字なわけでございまして、当初の数字と違いましたのは、いまお話をしましたように、まず当初の推計と積算結果との差額が六億円。それから不用額が三十九億円ということでございまして、決して最初にいいかげんなことを申し上げたわけでは毛頭ございません。
#54
○川村清一君 いいかげんなことを申したわけでございませんとおっしゃいますけれども、結果的に言えば、いいかげんなことをおっしゃったことになっているわけなのです。そうでしょう。公務員給与費ベースアップ分はどこから出るのか。予備費に組んでありますと。予備費の総額は幾らか。千二百億円ですと。いいですか。そうしてその千二百億円のうち公務員給与に幾ら使うのか。六百億使います。完全に実施するためにはもう幾ら必要なのだ。二百億。そうすると八百億あれば完全に実施できますね。はい、そうです。そうすると、千二百億円から八百億引くと四百億円。そうすると、今度四百億円で災害その他、いわゆる財政法にいうところの予見できないものを相当額見積もった予備費というもの、これは主たるものは災害でしょう。それに充当するのに四百億では足りないのか。実は足りないと。災害のほかにその他義務的経費もあると。そこでどうしてもそれができないと。六百億以上にそれをふやすことはできないと。私どもはまるまる八百億出せないならば、せめてあと五十億も出せないのか。五十億出したならば八月実施を七月に一カ月繰り上げることができないじゃないか。百億出せばもう一カ月繰り上げることができるじゃないか。そういうようなことも考えて誠意をもって公務員労働団体といろいろと話し合ったらどうかということまで提言して今日に至っておるわけであります。ところが、今度は五百五十億になった。五十億減ったわけです。いままでは六百億ということで千二百億のつじつまを合わせてきた。今度は五百五十億にして千二百億のつじつまを合わしておる。こんなむちゃな話がありますか。さいふの中に入っておる額は千二百億、これは動かさない数字。その内訳は動いておる。当初どおり、あなた方が私どもに説明した六百億という線を守るならば、あと一カ月繰り上げることができるではありませんか、そうでしょう。どうなんです。そんないいかげんな説明はありませんよ。そんないいかげんな財政運営はありませんよ。ちっとも誠意がないじゃありませんか。
#55
○説明員(相原三郎君) まず最初に五十億近く減ったんじゃないかということですが、いまお話をしましたように、不用額が三十九億ある。これは当初昨年度は三十億ある。しかし今年度はまだわかりません。しかし、そういうものを含めて予備費が千三百十億になると百億オーバーしておる。それを人件費それかつ災害費の不用額、これを何とか努力してワク内におさめたいということで、人件費の不用が三十億あるということは申し上げておったはずでございます。さらに積算がふえたではないかということでございますが、これは六億減っておるわけです。これは過去四年間ほど数字を見ますと、四十年度では十九億、四十一年度十一億、昨年度は五億と、当初の見込みとの間に若干の差があります。ぴしゃっと出ればいいのですけれども、六億程度の数字が出るのは、当初の積算との間に六億程度出るというのはお認めいただかないとどうにもならないと思います。人件費についてはお話をしてありますし、この程度の積算の差についてはお認めいただきたいと思います。
#56
○川村清一君 そういう御答弁では承知できないのです。これは十月五日の私と海堀主計局次長との議論した会議録をあなたはよく読んでみてください。いいですか。千二百億の予備費のうちで、六百億は公務員給与に向けますと、そうして災害の見積もり額を取り、さらに二百五十億必要なんだと、この二百五十億の必要額というものを極力各省と話し合って減らすと、そしてなおいろんな不用額分、たとえば人件費等の不用額分等につきましてもその二百五十億必要なんだと。二百五十億出てこないのです、千二百億の中から。ですから二百五十億を減らすための努力とその財源に充当する部分はそのほうから向けるんだという答弁をされておるじゃありませんか。六百億という数字は動かしていないのですよ。かりにいまあなたのおっしゃったことを私が認めたといたしましても。いいですか、六百億という計算でやってきて、私どもはさらにもう五十億出ないのか、百億出ないのか、ここまで切り詰めた議論まで発展させていったのですよ。何とか前向きの姿勢でもって十月八日の実力行使をやめさせる、そういう誠意を示すべきじゃないかということまで申し上げたんですよ。ところが六百億、六百億といって計算してきたのが今度五百五十億になったのだから、当初の六百億という、そういう考え方に立つならば、五十億あるではありませんか。この五十億を使ったらどうですか。またあなたの御説明によると、五十億減った理由というのは、三十億という不用額から生じたものである。だとすれば同じ公務員の給与の予定額から三十億減ったのであるから、その減った三十億というものは、当然それでなくても少しでも上げなければならないという御誠意があるとするならば、当然公務員の給与のほうにそれを向けてしかるべきではないか、当然なさるべきではないですか、私はそう考える。どうですか、大蔵省。そんな御答弁では納得できませんよ。
#57
○説明員(相原三郎君) これはまた繰り返しになりますが、要するに前回お話をしましたのは、災害とか、一般経費とか、給与とか、合計しまして千三百十一億になる。これは予備費のワクの千二百億に対して百十億ほどオーバーしておる。これは人件費の不用とか、それから災害関係の減少とか、その他の圧縮とか、そういうもので何とか努力して千二百億の中に押し込めたいと答弁してきたわけであります。したがって、それが千二百四十一億になっておる。まだ四十億オーバーしておるわけです。
#58
○川村清一君 六百億を計算にしてそういうことを言われたのであって、そうしてそのことは、何も人件費の不用額からのみそちらのほうに回すということをおっしゃったのではなくして、各省の需要が合わせると二百五十億ある。それをできるだけ圧縮して、そうして千二百億のワクの中にそれを詰める、こういうお話であったのですよ。ですから、私が言いたいのは、その六百億を予定いたしました中で、給与費から不用額として出てきた三十億などというものは、当然ほかのほうに回すのではなくして、これだけ大きな問題になってきておるのであるから、完全実施できないとするならば、いいですか、せめて一カ月でも前進させたい、させてやるべきだという、そういうお気持ちがあるならば、その給与費から生まれてきたところの不用額というものは、当然これは現在残っておる方々の給与アップの分に向けるべきでないか、こういうことを申し上げておる。大蔵の事務当局はまあわかりました。あなたその以上のことは言われないでしょう。
 そこで総務副長官どうですか。私の言っておることはどうですか。大蔵のほうにばかり向かないで、公務員のほうに向いて御答弁してくださいい。
#59
○政府委員(鯨岡兵輔君) 決して大蔵省のほうばかり向いておるわけではないのであります。給与の問題は、私のほうで、先生からしばしば御指摘がありましたように、責任でございますから、十分検討もし、交渉もしてきたのでありますが、本年度は総合予算主義をとって、公務員給与の改定に備えてあらかじめ予備費の充実、先生御案内のように、七百億から千二百億というふうに充実をはかっておりまして、諸般の情勢を勘案して、七人委員会で最大限の努力を払いました絡果、いま先生の言われたこともよくわかります。初め六百億と見て、五百五十億となれば、五十億という不用は、それは人件費だったのだから、それを入れたらいいじゃないかというようなお話でございましたが、この件につきましては、大蔵省のほうと、ひとつ十分御納得のいくまで審議をしていただくことにして、現在までの予備費は、先ほどお話がございましたように七百十四億現在の時点で残っておる。これは大蔵省のいうことですが、それに対して八月一日から実施をすれば五百五十六億、災害が八十一億、その他が百十八億とすれば七百五十五億で、いま残っておる予備費でもまだ足りないというような説明が大蔵省からもあったわけでありまして、それらを勘案していきますと予備費には余裕がないのだという見込みが立つ。大蔵省の説明でもございました。そういう事情を勘案いたしまして、われわれのほうとしては最終決定をいたした事情を御了承いただきたいと思うのであります。
#60
○川村清一君 ちっとも御了承できないのですよ。それは。
 そこで、鯨岡副長官、ぜひひとつ財政事情を、大蔵側に立たないで公務員側に立って大蔵ともっと折衝してもらいたい。いいですか。ただいまの大蔵の御説明によると、その予備費の中に、もうすでに支出済みの中に四十二年度義務費の精算分として百五十五億が組んであるわけです。この四十二年度の義務費の精算分なんというものは、これはいままでの慣行といいますか、財政運用の中では、これは予備費の補正を組んでいるのですよ。四十二年度においても四十一年度においても、過年度分の義務費の精算分なるものは、予備費から支出いたしましても予備費の補正を組んでいる。
  〔委員長退席、理事楠正俊君着席〕
ただいまあなたがおっしゃったように、ことしは千二百億、昨年は七百億、当初予算五百億予備費はふやしましたよ。しかし、この五百億というものは公務員給与に大体見合っているのですよ。ですから、予備費というものは昨年並みにいうと七百億なんですよ。わかりますね。ところが、その七百億の予備費の中で、過年度の義務費の精算分というものは補正を組んでこれを支出しているわけです。ところがことしは、補正を組まない。総合予算主義を貫くということで補正を組まないで、その七百億、昨年どおりのその予備費の中で、当然補正を組むべきところの要因を七百億の中から出そうとするところに無理があるわけですよ。しかしながら、大蔵大臣はわれわれの追及に対しましては、絶対補正は組まない。しかし補正は組むとしてもそれは年度末に、要すれば組みかえ補正を組むということを言っておる。組みかえ補正だけでは済まないものが出てくる。時間がないからもっと詳しくやれませんけれども、大体自然増の一千億を国債減額に向けるとか、そこにかなりの伸び、あるいは相当大幅の伸びがある。この分をどうする。これも補正を組まないのか、歳入補正がどうなるのか、歳出補正にいたしましてもいわゆる米の買い入れ八百万トンが九百六十万トンにふえた。この程度ならば生産者米価八%上げたとしてやりくりがっくのだという大蔵大臣の説明でございますが、はたしてそうなのかどうか。かりに九百六十万トンまではやりくりがっくといたしましても、それをこえて一千万トンになったらどうなるのか、当然補正は組まないものなのでしょうか、それらのものはあげて年度末にやるのですよ。そこで、いま補正をやったら公務員給与とひっかかるものだから、公務員給与の問題については肩すかしを食わせたよう、これが現在の政府の作戦なんです。大蔵の作戦なんです。その作戦にまんまとあなた方もお乗りになっている。そうして大蔵側について、そうして公務員のほうには背中を向けて、公務員の切なる要求を拒否し続けて今日に至っておる。あした十二月十八日には公務員労働組合は第二波の実力行使をやろうとしておる。これを何とか誠意をもって話し合って食いとめるのがあなたの責任ではないかと私は思う。国鉄や労働組合等の三公社五現業のあの実力行使、当事者とのいろいろな団交の経緯をごらんになって御承知だと思う。ところが、事公務員の問題につきましてはまことに誠意がない。金がないなら、私は先ほど申し上げましたように、ないそでは振れないのですからやむを得ないと思いますが、完全に実施しようと思えば完全に実施することができる。金はある・そうして、もしも何としても補正予算は組まない、この予備費の中で操作していくのだ、こういうお考えを変えられないものとするならば、そのお考えの中でせめて一カ月ぐらいは前進できるだけの財政的な余裕があるではありませんか。いまの議論の中であるではありませんか。これさえもやらないとするならば、一体政府にはこの問題に対してどれほどの御熱意、御誠意があるのか、われわれとしてはまことに疑わざるを得ないのであります。冒頭申し上げましたように、この問題につきましては衆参両院の内閣委員会において、与党自民党を含めて満場一致完全実施することを決議しているのですよ。国会の意思ははっきりきまっているのですよ。しかもこの勧告はあなた方政府にだけ出されているのではない。国会にも出されているのですよ。国会の意思が決定しているではありませんか。この国会の意思を実施するどこに一体ネックがあるのか、絶対できない要素がどこにあるのです。やる気があるならばできるではありませんか。ぜひ私はやっていただきたいと思うのです。ぜひひとつ総務長官はこの七人委員会を招集されて、もう一度御論議願いたいと思う。私はそれをお願いしておきたいのです。時間がないので、私の時間が切れましたので、最後に続いて文部大臣に、私の考えを述べまして文部大臣の御意見を承りたい。
 きょう、坂田新文部大臣は、就任のごあいさつを当委員会でなされました。その内容は、大学問題についてあなたの重大な決意を披瀝された。それほど、現在の大学問題というものは、最大の政治的な課題にもなっておると、私は考えております。したがって、今臨時国会におきまして、この大学紛争発生の根本要因は何かという問題等をめぐって、いろいろと議論をされております。いろいろ問題がありますが、その大きな一つの要因といたしまして、大学において、人間疎外の教育が行なわれているということがあげられておるのであります。このことは、もっと具体的に言うならば、大学側と行政の間には、お互い信頼感というものが喪失している。教授と学生の間には、人間としての信頼感が失なわれておる。これではもはや教育という営みは存在しないと、こう思うのです。文部大臣は、言うまでもなく日本の文教の責任者であります。日本の教育をりっぱにしていくためには、教育を行なう教育者と、文教行政の責任者である文部大臣との間に、もっと緊密な、人間的な交流に基づく信頼感というものが深まってまいらなければ、日本の教育はうまくいくはずはないと、私は思っております。しかるに、総理大臣が、大学紛争は日教組のせいだと言ってみたり、歴代の文部大臣は、日教組とは話し合いをしないと、頑強な態度を固持し続けてきておる。物価はどんどんはね上がっておる。こういう経済状態の中で、給与のほうは人事院勧告さえ完全に行なわず、その反面、処罰だけは遠慮会釈もなく完全に行なっている。こんなことでは、文部大臣、全国何十万の教職員の皆さんが文部大臣を信頼いたしますか。文部大臣と教職員との間には心のつながりがないのです。信頼感がないのですよ。そういうようなことで一体日本の教育というものはどうなるんですか。日本の教育を考えるとき、私はまことに不幸なことだと思っております。文部大臣どうですか。せめて、人事院勧告、最低これだけでもひとつ完全実施、値切るようなことはしない。そうして、あなたは身をもって教職員の生活は守ってやる。こういう姿勢を示すことによって、文部大臣に対する全国五十万の教職員の信頼というものはかちえられる。その中から教育というものを、りっぱな教育というものを生み出していかなければならない。毎年毎年こんなことをやっておって、一体どういうことになるんですか。この点をひとつ文部大臣のお考えをお聞きしたいし、それから総務副長官、先ほど私の言ったことに対するお考えをお聞きいたしまして、私の時間が終わりましたので、私の質問を打ち切ります。
#61
○国務大臣(坂田道太君) お答えいたします。
 やはり、教育者というものが子供に接します場合、愛情をもって教壇に立たなければならないということは御指摘のとおりであります。そう私も考えております。また十数年にわたりまして日教組とわれわれ文部省といろいろ問題があったことは遺憾なことであると思うわけでございます。そうして、大事な国民教育にあたっておられる教職員の身分や、あるいはまた待遇というものを確保してあげるということが、教職員が毎日子供たちに誠意をもって、そうしてまた教職員たるにふさわしい態度で作用されるもとになるというふうに私も考えておるわけでございまして、私は今後とも、当面の人事院勧告の完全実施という方向で、今後努力を続けていきたいと考えておる次第でございます。
 また、御案内のとおりに、本年度におきましても、給与を改善する調査費を組みまして、そうして現在給与の実態というものを客観的に把握をいたしたいというふうなつもりでおるわけでございますが、この調査がおそらく来年の三月には出ることだろうと思います。そういうような資料を踏まえまして、私は今後とも教職員の給与改善のために努力をすることを申し上げまして、御答弁といたしたいと思います。
#62
○政府委員(鯨岡兵輔君) 本年度分の給与の問題につきましては、勧告の線に沿ってできるだけ実施いたしたいという考えのもとに、七人委員会において強く主張して、七、八回の検討を重ねてまいりましたことは、川村先生もすでに御承知のとおりであります。そこで、その委員会におきましては、完全実施の方向でわれわれがせっかくの努力を払ってきたところでございます。今後の取り扱いにつきましても、この完全実施の基本方針でせっかく努力し、対処することを先般も再確認をいたしたところでありまして、川村先生の御質問に対し再びこのことを確認をいたしまして、せっかくの努力を払うということを申し上げまして、御答弁にかえたいと思う次第でございます。
#63
○政府委員(沢田一精君) 先ほど川村委員のお尋ねの中で答弁を留保させていただきました今年度の国債の発行の実績等につきまして、補足してお答えさしていただきたいと思いますが、十一月末現存で額面にいたしまして発行いたしております額が四千百五十億円でございます。したがいまして、一千億減額いたしまして五千四百億という計画から見ますると、なお今後に発行しなければならない額が額面にいたしまして千三百五十億ということに相なります。
 なお、四十年度公債政策を取り入れましてから現在までの累積は一兆九千七百九十二億という額面に相なっております。これは手取りでございまして、一兆九千七百九十二億円となっております。
#64
○安永英雄君 文部大臣にお尋ねをいたします。先日の十三日の日に七人委員会、いわゆる給与担当大臣の会議が行なわれた。私は前の閣議で、八月実施を決定されて、そして新しい今度大臣がお出になりまして、特に文部大臣は先ほどもおっしゃったように、かつて九月実施というのを八月実施に繰り上げられたときには相当努力したということでありましたが、私もそれを存じております。存じておるだけに、十三日のこの七人委員会給与担当大臣のこの会議というものは、私は非常に期待をしておったわけです。ことに、かつて十月八日に実力行使を公務員の皆さんがやるといって、前の七日の日にこの七人委員会が開かれた。そのときの全部じゃありませんけれども、私が会った担当大臣の中で、何とかしたい、何かの情勢変化というものがあればこの閣議の決定、こういったものもさらに検討する必要が私はあると思うというふうなことも個人的に聞いたのです。私はそういった意味から、十三日というのは今度の閣僚の、新しいことしの公務員の給与については相当突っ込んだ論議もあろうし、それから結論も期待をいたしておったわけであります。ここには大臣としては文部大臣しかいらっしゃいませんけれども、私はまず第一番に、この七人委員会の結論について正確にひとつお伝えを願いたいと思う、正確に。これはなぜいいますかというと、たとえばきのうの予算委員会等におきましては、大蔵大臣は来年は上向くとか、あるいは完全実施をするのだとか、まちまちな言い方をしており、ことしの分についても私は非常にあいまいだと思う。そういうことで町頭に期待しておった、しかも様子から見ると期待がはずれたわけですけれども、ここでひとつ十三日の七人委員会の正確な結論、こういったものをお伝え願いたい。
#65
○国務大臣(坂田道太君) 私、文部大臣を拝命いたしましてから前灘尾大臣の事務を引き継ぎをいたしました際にも、特に前灘尾大臣から、給与の問題につきましては完全実施の方向で自分も閣議及び給与閣僚会議で言い続けてきておるんだと、この点はひとつあなたもその方針でやってもらいたいというお話がございまして、私もおことばにありましたように、昨年からその方向で努力をしてきた一人でございますがゆえに、何とかしてこれは一歩でも前進させなきゃならぬと考えておりますということを申し上げたわけでございます。で、新内閣になりましてから第一回の会合が十三日に行なわれました。まず、総務長官から経過の報告がございまして、いろいろの案の長所、短所等についてのお話がございました。しかしながら、結論といたしましては、今後の公務員給与の取り扱いにつきましては、人事院勧告を尊重し、その完全実施に努力するという基本方針の再確認ということが一でございます。二は、具体案につきましては種々の問題があり、結論を得るに至らなかった。三、しかしながら政治の姿勢として何らかの結論を出す必要があるので、今後も引き続き検討を重ねていきたい。近い機会にさらに閣僚会議を開くことになると、四番目が本年度の給与勧告につきましては、国の諸施策のバランスを考慮し、既定方針どおり処理するほかないというのが正確な結論でございます。
#66
○安永英雄君 私は一番後段の本年度についての、この十三日の会合の結果についていまもおっしゃったんですけれども、財政上のバランス、この前灘尾さんのときにお聞きしたときには財政の問題、そうしてバランスということもおっしゃったけれども、今度の本会議並びに予算委員会等も聞いておりますと、財政の問題についてはあとで触れますけれども、これはあまり、全然ないとは言わない、あるという。盛んに財政上のバランスという問題を言っているわけですが、先ほども総務長官のほうから案を出されたといわれるわけです。そして結果からいえば、八月の閣議の再確認をやったというふうな結果になっておりますが、この財政のバランスという問題について、腹の底から文部大臣としてはなるほどそうだという計数と説明と、あなたのお考えと、こういったものの真意と、こういったものを聞きたいんですがね。私はあなたに聞くわけですけれども、財政の問題については先ほど大蔵省から聞きましたけれども、この案に対する財政のバランスということから考えれば、やはり八月実施はやむを得ないと、こういう結論を出されたときのその会合における文部大臣の考えなり、発言、こういったものを私はお聞きしたいんです。
#67
○国務大臣(坂田道太君) 財政の問題については、いま大蔵当局から御説明がありましたような意味合いのことが大蔵大臣から説明されたわけでございますけれども、しかし、むしろここで申し述べましたように、国の諸施策のバランスということが重点になりまして、私といたしましては、その意味においても考えたらどうかというようなことは申したわけでございますが、結論といたしましては、こういうようなことで了承したということでございます。
#68
○安永英雄君 くどいようですけれども、バランスといった場合の、その会合の中で、予算の中でどういったものとの比較においてのバランスというものになるんでしょうか。この点、この前の委員会でも聞きましたけれども、私はそこらあたりをどういう財政上のバランスというものを考えられて、これはやはり八月実施はやむを得ないと、大胆が結論を御了解になったというところが非常にわからないんですよ。先ほどからの説明でも何とバランスをとるのか、この点をお願いしたいんですが………。
#69
○国務大臣(坂田道太君) 実を申しますと、私もあまり経済のことが十分勉強が足りませんので、あるいは私の言い方等において、大蔵大臣を説得するのに欠けたのではないかということは反省はいたしておりますけれども、とにかくいろいろ申し上げまして、結論としてはこういうふうなことになったということを御了解賜りたいと思います。
#70
○安永英雄君 そこらが、文部大臣が先ほどから今後の問題としては非常に努力をする、こうおっしゃるけれども、それさえ私合わないんじゃないかというふうな気がするんですけれども、現在勧告が行なわれて、そして閣議で八月実施、それ以来公務員の皆さんは十月の八日、そしてまたもや明日、十八日に意思表示をし、行動に出る、こういったことは異例のことだと思うんです。処分を先ほど聞きますというと、私は数はおかしい、あとでお聞きしますけれども、今度の十月八日、こういった点においてもこれは相当な処分が出ておる。その処分を踏みこえて、さらに何とか完全実施をしていただきたいという行動に出ているんですね。私は、この公務員の皆さん、あなたが一番責任者であられる教職員というものが熱烈に何とかひとつ完全実施をしてもらいたい、できれば完全実施したいけれども、そういかなかったら、ひとつ文部大臣の誠意を示して、幾らかでもそこに努力をしたという結果をあらわしていたたきたいという、こういう非常に熱意があるわけです。これは異例なことですよ、十月の八日にやり、この十二月の十八日にまた同じことを――おそらく処分が出るでしょう。それを踏みこえて、そしてやらなきゃならぬように追い込まれておる公務員の気持ち、こういったものが私は大臣には響いているかどうかと思うんです。きのうも九州地方の地教委の代表の方が陳情にこられました。きょうもやってまいります。あしたもやるというのですよ。十八日に地元ではおそらくストライキがあるだろうけれども、私は帰らない。何となれば、もはやもう九回今度で値切られているという教職員に対して、もうがまんしなさいとは言えない。おそらくまた十八日こういった行動に出れば、文部省を通じ、県教委を通じ、地教委の私どもに処分せいと言ってくるであろう。賃金カットせいと言ってくるであろう。しかし、私どもはできませんと言っているのです。おそらく各県の県教委というのはその警告を出せの、前もって教職員に対して説得をしろの、指示は出ているのです。その指示を受けたくないというのです。受けたくないから東京に出てきたというのです。そうして、幾らでもいい。陳情してこの八月が幾らかでも延びていくということをやるのは私どもの仕事です。もう私は地元にはおりません。こういう校長なり地教委の立場にいま追い込まれている。先ほどもお話がありましたけれども、実際に値切られている金額は、この前もお話がありましたけれども、三十五年から計算しますと一人当たり十二万五千円、十二万五千円値切られた形になるわけです。累計しますと三十五カ月、二年十一カ月が値切られている。二年十一カ月、約三年は給与改定がなかった。値切られどうしだ。こういった状態をみなよく知っているのです。だから先ほど申しましたような抗議のためにも、あるいは要求貫徹のためにも行動に出る。どんなにいままで処分をされても行動に出るというところが、私は大臣としては十分考えてもらわなければならぬし、先ほどの大蔵省あるいは総務長官が出したといわれる来年度の構想なり、あるいはことしはもう八月実施、これを再確認しましょう。こ言ったときに、バランスといわれる限りにおいては、米が相手なのか、あるいは災害が相手なのか、あるいは去年の義務費の負担分についてのそういった金額が予備費の中におけるバランスの相手なのか、あるいは公債、国債という問題が相手なのか、そこらあたりはやはり文部大臣に期待しているこの五十万、六十万の教職員が、いまの答弁では納得しないじゃないでしょうか。わしらの大臣どうしてくれているのだろうか。十八日を前にして、きょうは大きく期待していると思うのです。その現在において、計数にうといと言われるけれども、いままだ研究してないと言われるけれども、どういう関係でバランスの上でどうしても自分としてはこれを認めざるを得なかった。そのために八月実施というものはどうしてもやむを得なかった、こういう私は説明はしていただかなければならぬのじゃなかろうか。この点を明らかにしていただきたいと思う。別に計数は何億何ぼではなくて、こことぶち当たった、ここがこういうもののためにこことの関連で、バランスの上でいけばどうしてもこれ以上われわれとしては主張できなかった、こういった点をひとつ理由を明らかにしていただきたい。こういう気持ちで申し上げているわけです。計数は要りません。
#71
○国務大臣(坂田道太君) 教職員の人たちが非常な切実な気持ちになっていることはわかるわけでございます。また、地教委の方々と、あるいは県の教育長や教育委員会の方々もこの完全実施をしてくれという決議等も行なわれていることも私は聞いております。そういうようなことがあるがゆえに、前文部大臣の灘尾先生も大いに努力をされてこられたのだろうと思うわけでございますけれども、私もまた、そのあとを受けまして、何とかいたしたいということで、微力ではございますけれども、努力をいたしましたが、遂にこういう結果になったことをほんとうに遺憾に考えている次第でございます。ただ、去年野にありましたときの経験から申しますと、相当長い時間、しかも根回しをあっちこっちにやって初めて一カ月短縮というような給論も実は出たわけでございまして、そういうような経験から考えて、今度なったばかりでございまして、率直のところ、しかも八月三十日閣議決定はある、何か方法ないのかと、ずいぶん乏しい頭で考えてみたわけでございますけれども、実を申しますと、少なくとも大蔵大臣を説得するだけのものが実は出てこなかったわけでございます。しかしながら、私の気持ちといたしましては、ことしはそうだけれども、ひとつ来年こそはという気持ちをもちまして、そのことを胸に秘めて実はこれを了承したというのが私の偽わらざる心境でございます。
#72
○安永英雄君 先ほど公務員の皆さんの気持ちを私は代弁して言ったつもりなんですけれども、大臣としてはなったばかりでという、これもわかります。わかりますけれども、私はやはり文部大臣のほうで教職員に対して警告を発するとか、何とかいう前に、やはり教職員が納得するような財政上の問題も、たとえばバランスという問題も私は伝えてほしい、これはきょうとは限らないと思います。そういった責任においてやっぱり警告とか、あるいは処分をせよとか、そう言う前に、自分としてはこう努力し、こうやっぱり努力したのだけれども、こういう理由でという形は、私は今後の問題としてもやっぱり出さるべきだと思う。
 それから先ほど総理府の副長官のほうで公労協との、いわゆる公共企業体に属する人々の賃金決定というものについては、公労委の仲裁というものを完全に実施をする。四月実施を内容的にも技術的にも完全に実施をする。ところが政府のほうは、この人事院の勧告については値切りどうし、こういうところでありまして、これについて給与の取り扱いが違うから、公労協の皆さんと公務員の皆さんは違うのだというふうな言い方をされて、いまはお帰りになったから、私は文部省の事務当局にお聞きしたいと思う。私はこれは変わらないと思う。何も給与体系のもとで独立採算制であろうとなかろうと、これについては全く同じ性格のものですから、公労協はああいったように四月完全実施をして、毎年値切らないで実施をしていくという姿勢というものに公務員が右へならえすることは当然だと思う。どこに理由がありますか、公労協と。独立採算であろうとなかろうと、ことに国鉄あたりは赤字をものすごくかかえておりながら、この仲裁裁定については完全に実施をする、こういった精神、こういったものは私は一切変わらないと思うのですよ。公労協のほうは独立採算制だから、国鉄は赤字が出てもそれはやるかもしれないけれども、うちのほうはやらないというような、そういったものではない。この点は私は認識を改めてもらいたいと思います。副長官はいらっしゃいませんけれども、ぜひおっしゃっていただきたいと思います、何か先ほどおっしゃったようですが。そこで、公共企業体に働いておる人々の初任給ですね、初任給と教職の初任給あるいは公務員でもいいですが、この初任給はどんな関係になっているか、お教え願いたいと思う。
#73
○説明員(宮内通雄君) あとのほうの御質問からお答えさせていただきます。公労協の関係、三公五現の初任給につきましては、御承知のように、二万二千円でございます。今回改正法案を出しております行(一)の高卒の初任給につきましては二万円でその間に二千円の格差が生ずるわけでございます。しかし、これにつきましては、人事院が標準生計費その他の関係を考慮いたしまして、八等級につきましては平均で二千円のアップを考慮いたしまして勧告をいたしましたので、これを受けまして、これの完全な実施という線で法案をお出ししたような次第でございます。
 それから、さきの三公五現と国家公務員の給与の決定の方式について違いがあるかどうか、これにつきましては先ほど私のほうの副長官が答弁いたしましたように、やはり片方は独立採算のたてまえをとっておりますし、一般公務員とはやはりその間に給与財源の調達方法その他の違いがございます。しかし、先生御指摘のように、公共部門、そういう意味では同じ範疇に属すると思いますが、やはり本年の給与の問題につきましては、御承知のとおり、総合予算主義をとりまして、改定に備えてあらかじめ予備費を組んでおる次第でございますので、その中で諸般の情勢を勘案して八月の実施を決定したような次第でございますので、よろしく御了承願います。
#74
○安永英雄君 いま標準生計費その他で、ことしの勧告で公労協と公務員との初任給の調整をやった、こう言っているけれども、これはこの前人事院から説明を受けたんですが、そういった明確なものじゃないんです。これはお聞きしてもいいと思う。初任給で二千円あるいは二千五百円、ひどいところでは三千円、こういった初任給の差があるのを、今度の勧告はそれがひっつくという形じゃないんです、差はあるんです。そういった意味でおっしゃったんだろうと思いますが、したがいまして、私は公労協に右へならえという意味は、先ほど申したように賃金決定、こういった問題について人事院の勧告があれば完全にそれに右へならえしてやるべきだという趣旨を言いましたが、私はまたもう一つ、初任給の問題については非常に問題があると思う。これは文部大臣もこの前もおっしゃったように、そうだろうと思いますけれども、いまやはり教員の質の問題、こういった問題で有能な人材をやはり教職に迎えるというためには、国鉄に働いておる人、あるいは全逓に働いておる人、こういった方々より以上の初任給、こういったものを相当つけなければ人材は得られないと思う。そうでなくても公務員のなり手がない、こういう状態ですから、人事院の勧告の趣旨もそういったことが含まれておる。五月実施とか、あるいは八月実施とか、この問題も大きな問題でありますけれども、私は給与の内容についてこの際、ことし――今後じゃありません、ことし文部省のほう、あるいは総理府のほうでそういった矛盾した問題として人事院の勧告もあることだし、そういった面のいわゆる改善策、こういったものはないかどうか、いまも盛んに五月だ、八月だ、こう言っておるけれども、それはそれで問題は重要ですけれども、給与表の内容の問題について、早急に私はこの問題を解決しないといけないような気がするんですよ。それについて何かお考えないですか。
#75
○国務大臣(坂田道太君) 私はやはり教職の給与の問題はほんとうに大事な問題だと考えております。したがいまして、現在四十三年度の予算におきましても、そういう給与改善の一歩を踏み出す前提といたしまして調査費を計上し、調査をさせておるというわけでございます。
#76
○安永英雄君 総合予算という主張を続けられておりますけれども、大蔵大臣は今度の本会議並びに予算委員会で、総合予算といえどもこれは組みかえということは十分考えられる、あるいは突発的な重大な問題があればこれは追加補正も考えなければならない。あるいはまた佐藤総理も八月のあの国会のときにも、必要な場合には補正を組む、こういうことも言っておられる。そこで、この前私は、先ほども話が出ましたけれども、この人件費の不用額、こういったものについて、これは大蔵省のほうにあのときに要望をして、これは去年のこの給与費の中に三十億程度の金額をつけて実施をしたということも明らかにされております。また、今後もこの不用額については願っておる、そうして不用額に限らずほかのそういった金額を十分検討していきたいということもおっしゃられた。先ほど三十億程度の不用額があるけれども、これは給与のほうにそのまま回わす、あるいは回わるかもしれないし、回わらない面もある、どっちの解釈もできる、放り込むから、予定されているから。こういったたとえば不用額、こういった問題あるいは予算全般について節減やらあるいは不用額になったもの、こういったものをこの際公務員に幾らでもいい、一月でも二月でも、七月実施あるいは六月実施でもいいから、その金額に充てるという検討はやろう、こういうことをおっしゃっておったが、その点のお考えと、その経過といいますか、見通し、こういったものについてお答え願いたいと思います。
#77
○政府委員(沢田一精君) 安永委員が御指摘のように、大臣は総合予算のことではあるが、予算の組みかえはあり得るかもしれないというようなことを言っておるわけであります。先ほど事務当局から御説明いたしましたように、本年度人件費に関しまする不用見込みは三十九億ございます。さらにその他の不用見込みを合算いたしますと、大体現在のところで予測されます不用額の総額は約百億円程度であろうと考えられるわけでございます。そのほか繰り越し明許以外で実際上手がつけられない仕事というものも年度末になるに従いましてあるいは出てくるかもわかりません。そういうものを予算の流用や移用でございませんで、明確にするかっこうにおきまして補正を組む、これが大臣の言っております予算組みかえという考え方であろうと思うわけでございます。先ほど来、川村委員のお尋ねにもお答えしてまいったところでございますけれども、今年度給与改定をいたします際にどうしても財源自体が乏しい、あるいは財源がないためにこれ以上はできないのだということでは実は必ずしもないと私は承知をいたしております。先ほど来、副長官あたりからお答えをいたしましたとおりに、やはり公債政策を重要な柱として取り入れております現在の日本の財政の健全化を将来の不況時に備えてはかっていこうという問題と、もう一つは、先ほど来御指摘ありましたように、最終的な閣議決定になっております国の諸施策とのバランスということを考慮して八月実施やむを得ないという方針がきまっておるものと私は判断をいたしておるわけでございます。したがいまして、いま御説明申し上げますように、本年度予算におきまする不用額あるいは大臣が言っております将来における予算組みかえというようなことは以上のとおりでございますけれども、それをもって直ちに公務員給与改定のさらに一歩前進というふうにはなかなか結論が出ておらないという状況でございます。
#78
○安永英雄君 そうすると、税収の伸び、こういったものが一千億以上大幅に上回るという予測がついておる。しかし、これは国債の減額に使うんだ、それから予備費の一千二百億、この内容をずっと計算すると、この公務員の給与に充てるどころか四十億ほどの赤字が出る、この二つで実際は金がないんだ、こういう言い方に終始されているわけですね。したがって私は、川村さんも先ほどおっしゃったけれども、予備費の問題で、この四十二年度の義務費の負担分、昨年の予算の予備費の追加あたりを見た場合に、総合予算と幾ら言っても、昨年、一昨年と続けてきて、途中で予備費の追加やっていくような金額が、この予備費の中に当然のように総合予算といった場合に入っているんだという考え方は改められないものか。また、この問題については国民の皆さんに、やっぱり去年方式にこれを追加をし補正をしていくという立場をとっても何らおかしいことはないし、公債の問題との関係も私は許される問題だと思う。この点について再度お尋ねしますが、あくまでも総合予算、千二百億、その中で四十二年度まで例年やってきたようなことじゃなくて、この予備費のワクづけをして、その中で去年のように義務負担分を出していくというその考え方は変えられないものかどうか、これをもう一回お聞きしておきたいと思います。
#79
○政府委員(沢田一精君) 先ほど来お答えいたしておりますように、財源が絶対に不足をしておるからこれ以上はだめなんだというわけでは私はなかろうと思うわけでございます。また、今年度は総合予算主義をとっておるんで、総合予算主義をとったからこれ以上はだめなんだということも私は必ずしもなかろうと思うわけでございます。先ほど来言っておりますように、しかしながら、わが国の現在の財政の構造を見ますると、国債政策を柱にいたしておりますので、こういう好況時におきましては将来の不況時におきまする税源落ち込み等を考慮いたしまして、できるだけ健全な体質にしておかなければならぬということが一つと、繰り返すようでございますが、閣議の了解事項にもありますように、国の諸政策とのバランスを考慮した、この二点が今回こういう措置をやむを得ざるものとして関係閣僚がおきめになりました原因ではなかろうか、お気持ちではなかろうか、そういうふうに考えておるわけでございます。
#80
○安永英雄君 非常にきびしい言い方をされるけれども、金はあるんだ、必ずしも総合予算にはこだわらぬのだ、こう言いつつ、最後はやはり国債のほうに逃げていかれるような気がするのですね。もうとにかく税収の伸び、こういったものがあれば、それは全額国債の減額に使用する、あたりまえだ。
  〔理事楠正俊君退席、委員長着席〕
この前の話では、当然の措置だ、こう胸を張って言われたのです。これはやはり四十三年度の収支の中で、いろいろ必要経費を使用した、その残というものが出れば、それはそれに充てるべきだ。これは一家の家庭の経済だって同じだと思う。同じです。借金がある。しかし、要るものはやはり使う。そうしてそれ以上余ったもの、これを借金の返済を充てていく。先ほど大臣もおっしゃったように、実際国の行政をしていく場合に、公務員という立場の者に対する給与というのは、これは私は常に言っておるのですけれども、人件費じゃなくて、事業費じゃないかと思うのですよ。そういう性格だと思うのですよ。まあ人件費という項目はあまりますけれども、実際公務員の立場に立てば、そして行政をやっていくものの立場からいえば、これに給与関係その他を十分に支給をして、そしてやはり行政能力、意欲、こういったものを燃え上がらせていく、国民サービスを伸ばしていくという立場から言えば、ある種の事業費とも思われる。そういった重要なその金額、しかも政府の政策としては、どなたも完全実施はしなきゃならぬ、これは自民党にとっても、わが党の政策である、政府にとっても政策であると言っておる、これは。そうしてよくよくその面を聞いていけば、ないそでは振れぬということでは済まされない、これは重要な問題である。これに鋭意努力を今日までしてきた、今後もする、こういう決意まで表明されておいて、そうして税収が一千億以上大幅に伸びる、こういった金は国債に回すという言い方は、これは私はひどいと思うのですよ。そこに私は今度の問題解決のポイントがあると思う。何回やっても同じです、これは。先ほども私は不用額の問題言いましたけれども、これは小さな問題です。不用額さがしてもらいたい、それを給与に充ててくれぬかという考え方は、これは私は二の次だと思う。問題のポイントは、やはり公務員の皆さんの生活というものをどう考えるか。行政の立場に立つ者として、その腹一つで、国債に回すか、あるいはその一部を給与に回すか。先ほども川村さんが言ったように、一千億以上の増収があったら、それをまるまる給与に使えと言っておるのじゃないのですよ。それは一部でもいいからそれを持ってこれないものかと言っている。それで片や、繰り返すようですけれども、人事院勧告は値切っちゃいかぬ、完全に実施するというたてまえで私どもはやっているのだ。この間の矛盾というものをどうあなた方はお感じになるかです。それはもう八月以来私は言っておる論議なんですけれども、あまりに冷くありませんか。この問題は解決しませんよ、それじゃあ。そういう言い方をされれば、来年完全実施するとか、上向きでやるということばは私はそらぞらしいと思う。来年もそうなりやしませんか。先ほどのように、経済の底が浅い日本にとっては、そういった関係の非常に不安定な中で、来年完全実施をするというふうな言い方を、先ほどそれに近い意味を言われた。来年できるならば、ことしできるはずです。現に一千億以上、大幅にこういった金が出てくる。それの一部を、たとえば一カ月でもいい、八月実施を七月実施にしたらどうですか。一千億以上、二千億になるかもしれませんけれども、その金額における五十億か六十億の金額は、これは非常に私はとうとい。これを使えば行政にとってもとうといものじゃないですか。また、皆さん方の政治というものがそれで私はあらわれるし、そのことが行なわれてはじめて、ははあ来年は完全実施してくれるということをはじめて信用するのじゃないか。ことし大幅に一千億以上の金額が出ようというのに、みみっちい、それを全部公債のほうに回す、絶対に出しませんといって、来年は完全実施しますよといっても、だれがまともに受け取りますか、九年間だまされとおして。そのためにも、公務員の皆さんに報いるためにも、私は行政の能率を上げるためにも――私は五月実施とは言いませんよ、いまになったら――税収の伸びのわずかな金額を持ってきたらどうか。こういう私の考えについて、再度私は、もう大臣いらっしゃいませんから、文部大臣にお答えを願いたい。
#81
○国務大臣(坂田道太君) 安永先生のお考え方というものは、基本的に私どももそういうような気持ちを持っているわけでございますが、何とかしてひとつ今後これを実らせたいというふうに考えております。
#82
○安永英雄君 先ほど文部省当局のほうで、処分の問題について、数の問題が発表になったのですけれども、もう一回お聞きしますが、十月の八日の日に、この問題を処分をするということでやった県名と、それから懲戒――あなた方すぐに処分といえば懲戒だけおっしゃるけれども、訓告あるいは賃金カット、こういったものも含めてどうなっているか。賃金カットで吸い上げた金というのはどのくらいになったか、お聞かせを願いたいと思う。
#83
○政府委員(天城勲君) 私どものほうで報告を受けている状況を報告申し上げます。最初、総計で申し上げますが、停職、減給、戒告、懲戒処分を受けた者が四県一市におきまして一万七千九百七十二名でございます。それから文書訓告及び口頭訓告を受けた者が合計二万五千百二十五名でございます。それからもう一つの御質問の、賃金カットの関係でございますが、これはまだ報告がきておりません。
#84
○安永英雄君 もう重複しますから、私は簡単にお尋ねしますけれども、文部大臣のほうは、先ほど処分の問題について、まあ野にあるときは完全実施、こういったことで自分はやってきた。しかし要求が認められないということで違法行為というものについては厳重に措置をとるように考えている、こういうことで行政の筋といったものは、今後完全実施というものを完成させれば行政の筋というものは通るのだというふうな言い方をされたのですが、この点について、先ほども触れましたけれども、処分をされて、そうしてさらにそれを乗りこえて、そうしてまた明日これをやる、こういった考え方は、私はなにも政治的なものでもないし、ぜひとも完全に実施してほしい、自分たちの生活は苦しいのだ、こういった意思というものを表明する機会としてやっているのですがね。先ほどもさらにそういった問題については厳重な措置をするように考えているという大臣のお考えですが、これは間違いありませんか。
#85
○国務大臣(坂田道太君) やはり私は、教職員の方々が何とか完全実施のために自分たちの意思を表明したいというその表明の方法は、やっぱり教職員にふさわしい表明のしかたをしていただきたいというふうにお願いするわけなんでございまして、やっぱり法に触れないようにひとつお願いをいたしたいというふうに思うわけであります。
#86
○安永英雄君 これはあげ足をとるようですけれども、いまあなたがそうおっしゃれば、教職員としてのふさわしい――この完全実施かできないという不満あるいはこれが完全に実施されるような結果を生むためには、教職員にどうせよとおっしゃるのですか。おれにまかしておけ、おれが完全実施はとってやる、こういうたてまえでもっておっしゃっておるのか、教職員としてふさわしいこの完全実施ができる行動というものについては、どうあれとおっしゃるのですか。
#87
○国務大臣(坂田道太君) 私が申し上げた意味は、教職員の方々が何とかして完全実施をしてもらいたいということを全国の方々が考えておられるだろうと思います。それにはいろいろなやはり方法があると思います。陳情の方法もございましょうし。ですけれども、やはり授業を放棄することは、たとえ三十分でも一時間でも、これはやはりお考えいただかなければ、児童生徒に与える影響も多いんじゃなかろうかというふうに思いますし、そのためにわれわれとしても、一方完全実施の方向へ努力を重ねていくということを、これは重ねて申し上げておるわけでございます。
#88
○安永英雄君 これ以上は申しませんけれども、最後に私、要望しておきたいと思う。
 先ほども大臣のほうで力強い意思表示もございましたし、来年の問題は、これは必ず完全に実施されるだろうというふうに私は受け取ります。ただ問題は何といっても、ことし税収の伸びというのは一千億以上大幅にあるという発表もあり、そういう中でことしなぜできないだろうかという、しないという立場は、非常にこれは国民の皆さんも、特に当事者の公務員の皆さんも不可解に思うと思うのです。私はいろいろな言い方をしましたけれども、何らかの方法で、たとえば給与の内容の問題で改善をしていくとか、あるいは一ヵ月でもこれを前進さしていくとか、金の裏打ちはあるのだから、そこは公務員に対してこれを実施してやろうかやるまいかという基本的な腹の問題だと私は思うのです。そういった点を勘案されて、特にことしの分について何らかの私は成果が出るようにお願いをしたいというふうに考えます。
#89
○萩原幽香子君 お尋ね申し上げたいと思っておりましたことは、大体川村、安永両委員から出たわけでございますので、重複を避けさせていただきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 ところで、去る十月八日のストの犠牲者が実は四万三千九十七名の多きにわたっているということ、それがただ四県一市だけの調査でそれだけの犠牲者が出ておりますということ、このことにつきましては、教育を守り教育の前進をひたすら願っております私にとりましては、まことに胸の痛む思いでございます。そこできょうは、特に文教行政に御造詣の深い、しかも教職員をこよなく愛してくださっております坂田文相をお迎えいたしまして、人事院勧告に対しましての誠意のほど並びに給与に対するお考えを承りたいと考える次第でございます。
 人事院勧告が妥当というよりも、むしろ、教育基本法第六条にうたわれておりますような、教職員という専門職としての待遇としては低きに失するという意見が多く、完全実施は当然であるということが世論となっていまやほうはいとして高まってまいりましたことは大臣も御承知のとおりでございます。教職員はこの世論をバックにいたしまして強い立ち上がりの様子を示しておるわけでございます。教職員の今日の立場は決してないものねだりをしているのではないということは、先ほどの御答弁でも明らかになってまいったわけでございます。しかも税の増収は、先ほどから二千億とかといったようなお話もございましたが、私がひそかに漏れ承るところによりますと、三千億ないし四千億あるのではないかということでございます。そういたしますと、完全実施ということは、教職員に満足を与えようというあたたかいお気持ちになっていただけますならば、これは可能なことではなかろうかと存じますが、いかがでございましょうか。そうした点で、ひとつ大臣の御意見を承りとう存じます。
#90
○国務大臣(坂田道太君) 先ほどからお答えを申し上げておりますように、未来の日本を背負う青少年に対して、日ごろその教育に当たっておる教職員の給与という問題は、やはり一般の行政職とは異なる特殊な職務ではなかろうかというふうに私自身も思うのでございます。でございますから、その給与につきましても、むしろ現在の規定よりも、その職分にふさわしい何らかの体系、よい形があるんじゃないかと考えております。その点につきまして十分今後検討する必要があると思いますので、今後もなお一そうそういう皆さん方の強い願い、要求を考えながらなお研究を続けてまいりたいと思っておる次第でございます。
#91
○萩原幽香子君 先ほど教員の給与に対しても何らかの方法をぜひ考えていきたいと、こういうようなお話でございましたが、教員の給与に対しましてはどのような御研究がなされておりますのでございましょうか。私も前々のことはわからないわけでございますけれども、特に教員の給与の場合は年功序列型は適当ではない、こういったようなことも前々の大臣の構想の中にはあったやに漏れ承っておるわけでございます。したがいまして、こういった教員の給与体系というものについて、新しい文部大臣といたしましての構想をひとつお示しをいただきたいと考えるわけでございます。
#92
○国務大臣(坂田道太君) 実はまだ構想のところまで私はまいっておりません。前文部大臣がどういうような考えを述べられたか、これはひとつ事務当局からお答えを願いたいと思いますが、全国の国公私立の小中高の教職員の本俸の実態につきまして、本年度におきまして御案内のとおり悉皆調査を行なっておるわけでございます。現在若干の県におきましてまだ調査が進行中でございます。集計事務が若干おくれておるようでございますが、しかし、年度内には全体の集計が終わる見込みでございます。
 なお、教員給与問題の根本的な検討とその改善につきましては、今回の調査結果及び明年度予定をいたしております諸手当にかかわる実態調査と、さらに要すれば諸外国における教員給与制度等の調査を行なって、それらの結果をもとにいたしまして慎重に検討し、できるだけ早い機会に教員給与体系のあり方についての結論が得られるように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
#93
○萩原幽香子君 先ほど教職員給与の実態調査のお話が出たわけでございますが、約一千万の経費を計上されまして、ことしの秋ごろにはこの異計を出したいと、こういったようなことが出ておったわけでございますけれども、それがおくれているということでございます。私は、この教職員の給与の実態調査も非常に大切だと思うわけでございますけれども、あわせまして教職員の生活の実態調査、こうしたものも含めて今後御調査を願いたい。こうしたものがほんとうに文部大臣につかんでいただけますならば、いわゆる愛する教職員のためにこれではいけないというお考えが浮かんでまいるはずだと思うわけでございますが、そうした生活の実態についてお調べをいただく、御調査をいただくような御用意あるいはお考えはございませんでしょうか、あわせてお尋ねを申し上げます。
#94
○国務大臣(坂田道太君) 私の気持ちとしては、やはりそういうものを踏まえないとほんとうの意味の実態調査というものは出てこないのじゃないかという気はいたしますが、事務当局でどういうふうな処理をいたしておりますか、ちょっと局長から御答弁申し上げます。
#95
○政府委員(天城勲君) 教員の職務にふさわしい給与体系をつくるというためには、御指摘のようにかなり多角的な面から調査をしなければならぬわけでございます。本年も当初いろいろな構想を持っていたわけでございますけれども、何ぶんにも悉皆調査ということで、マーク・カードにいたしましても千六百万枚というような大量処理の調査でございますので、本年は基本給の実態について調べたわけでございます。
 おくれました理由は、いま申し上げました調査のいろいろな要素をどういうふうに機械集計の関係で処理するかということと、それから実際に調査の時期が、教員の悉皆調査でございますので八月、九月にしたほうがいいという意見もございましたので、時期をずらしたことと、なお集計のおくれている県がございまして、予定よりも全体の調査の結果が判明するのがおくれておるという事情でございます。
 なお、明年度引き続いていたしたいと思っておりますことは、まだはっきり中身はきめておりませんが、とにかく教員の給与を決定する上に最も参考になるポイントを検討して、それを加えていきたい。諸手当というものもその一つの例でございますし、また教員の場合には居住条件ということもかなり特殊でございます。したがって、給与の面でもこれが通勤手当という形で扱われてまいりました。そういういろんな要素がございますので、できるだけ調査可能な範囲で多角的に調べてまいりたいと思っておりまして、明年度も同様に調査費を要求したいと思っております。
#96
○委員長(中村喜四郎君) 初中局長、もう少し大きい声でしてください、聞こえないから。
#97
○政府委員(天城勲君) なお、外国の制度と大臣が申されましたこともわれわれの頭にあることでございまして、これは教員の勤務のしかたと非常に関係がございますものですから、ただ一がいに給与だけを比較できませんけれども、外国におきます事情も可能な限り調べまして比較検討いたしたいと思っております。
#98
○萩原幽香子君 ありがとうございました。ぜひほんとうの教員の実態をしっかり把握していただきました上で、給与体系の矛盾その他につきましても十分な御研究をお願い申し上げたいというふうに考える次第でございます。
 さて、この人事院勧告の問題でございますが、来年度はぜひ完全実施に踏み切る、こういうはっきりしたお話がたびたび出されたわけでございますけれども、本年まで九回にわたって完全実施がなされなかった現状におきまして、来年度は完全に実施をする、こういうお話を承わりましても、私も先ほどの御質問の二人の議員と同じように、どこまで信じてよろしいのかといったような感じが出てまいるわけでございます。私は根っからの教員でございますので人を信じるということは一番大事なことであり、信ずるということをおいてほんとうの教育はあり得ないと、こう考えておりますので、先ほどの御回答に対しましては、全面的に私は信頼を申し上げたいと、このように考えておるわけでございますけれども、さてそれではことしまでやれなかったものが来年完全実施されるということになりますと、かなりの腹案とでも申しましょうか、いろいろ御検討がなされておるのではなかろうかと、このようなことも考えるわけでございます。ちらっと承わるところによりますと、給与勧告制度の改善について、たとえば、予備勧告制度といったようなものも考えていると、このようなお話も聞いたわけでございますけれども、この予備勧告制度の内容といったようなものがわかればお示しをいただきとうございます。
 そして来年はそれをどのような方式で採用して完全実施をなし遂げていただけますのか、御意見を承わりたいと考える次第でございます。
#99
○説明員(宮内通雄君) すでに何度も申し上げますように、本年度になりましてからもすでに七、八回この問題につきまして検討する会議が行なわれておるわけでありますが、いまの段階ではまだ具体的な案につきまして御披露申上げる段階までは至っておりません。ただこの問題が、すでに何回も答弁を申し上げましたが、四月現在の状況を――人事院が八月になりましてから五月にさかのぼって実施すべし、こういった勧告をいただいておりますので、そういったところがこの問題の検討の契機でございます。そういった点になりますと、いろいろ案が出ましたことは事実でございますが、いろいろ問題がございまして、なお具体的にこういったことを考えていると、こういった段階ではないわけであります。
#100
○萩原幽香子君 それでは完全実施を来年はやると、こうおっしゃっていただきましても、どうも私のような正直者でも何か非常に不安な感じがするわけでございます。そうしてこの人事院勧告の完全実施が行なわれないという時点におきまして、十月八日に、さらにはまたあすといったようにこの教職員たちがこうした問題を起こすことにつきましては、私としても耐えられない感じがするわけでございます。かりに八月の勧告であって、五月に遡及するということがむずかしいということでございましたら、現在の方式でどのように予算を組もうと考えていらっしゃるのでございましょうか、あるいはまた、この勧告が八月で、五月にさかのぼってむずかしいということなら、やはり予備勧告といったようなものをお考えになってそういう方式でもおとりになるわけでございましょうか。少しは具体的にこうしたものを考えているのだといったような御意見を承わりませんことには、私といたしましても納得がいきかねると、こういうわけでございますので、どうぞひとつその点よろしく腹案の腹案でもけっこうでございますが、こうしたものがあるから来年のことはまかしておきなさい、こう言っていただけるのなら、私はこれにこした喜びはない、このように考えるわけでございます。よろしくお願いを申し上げます。
#101
○説明員(宮内通雄君) この問題につきましては、三十七年でございますか、以来相当検討は進んでおったわけでございますが、特に本年は御承知の八月の閣議決定におきまして、今後の公務員給与の取り扱いについて合理的な改善をはかる必要がある、こういった観点から検討を始めたわけでございますので、それについて申し上げますと、私ごとき者がまことに口はばったいようでございますが、従来とも非常な努力を払われたわけであります。ただ現段階で具体的に煮詰めた案をというわけにはまいりませんので、来年度の予算編成の時期を目途として、こういった時間的なかせもこの決定にはかかっておりますので、いましばらくお待ちをいただきたいと思います。
#102
○萩原幽香子君 いまのおことばをたいへんありがたくちょうだいをいたしておきます。それでは来年の文教委員会のときにあらためて今日のような質問を申し上げなくても済みますように、ほんとうにありがとうございました、これで完全実施で教職員も救われますとお礼を申し上げられるような事態にどうぞひとつよろしく、一年の猶予もあることでございますから、お願いを申し上げる次第でございます。
 さらに、最後になりますわけでございますが、前の国会で教育公務員特例法の改正案が廃案になったわけでございます。そのときに四十四年の一月から支給されようとして本年度予算に計上されておりました教職特別手当十五億円の今後の取り扱いについてお尋ねを申し上げたいと存じます。
#103
○国務大臣(坂田道太君) 御承知のとおりに、教員の時間外勤務につきましては、教員の勤務の態様の特殊性にかんがみ、時間外勤務手当を支給せず、特別の手当を支給することが適当と考えまして、さきの通常国会において教育公務員特例法の一部を改正する法律案を提案いたし、また御審議を願ったところでございますが、種々の異論がございまして、結果といたしましては御承認を得るまでに至りませんでした。その後の取り扱いをどうするかということにつきましてまだ実はここでお答えできる結論を得ておりませんけれども、しかし、せっかく獲得いたしましたこの十五億、できることならば何とかこれならぬものかと、実は日夜心を痛めておるわけでございます。実は文教委員会のほうでも超党派的にこの問題について御相談もあっておるわけでございまして、もう少し、その御審議の経過もございますので、慎重にひとつ考えさせていただきたいと、かように思っておる次第でございます。
#104
○萩原幽香子君 たいへんもったいない十五億円と存じますので、この取り扱いにつきましてはできるだけ教職員が納得できますような形において御処理をお願い申し上げる次第でございます。
 さらに、教員の超過勤務は、その教職員の仕事の性格から超過勤務手当ということについてはむずかしいと、先ほど文部大臣のお話もございましたが、その教員の実際超過勤務ということになりますと、私も学校に奉職をいたしておりまして校長でございましたときには、ほんとうにおそくまで先生たちにいろいろなことをお願いをしたわけでございます。そういうときに先生たちが何も言わずにやってくださったので、私はその当時は何も思わないで、先生たちにほんとうにありがたいと、子供を愛する気持ちのあらわれだと思って私はお礼を言うのみにとどめてまいりましたが、それだけでは済まないような状態ではなかろうかと考えたわけでございます。そこで、これからあとの教員の超過勤務といったようなものの支払い問題についてどのようにお考えでございましょうか、御意見を承りとう存じます。
#105
○国務大臣(坂田道太君) この前の特例法で考えましたのも、実を申しますとやはり実態から考えて現場ではたしてその超過勤務手当としてやったほうがいいのか、そうでなくしてやはり勤務の態様から考えて別な方法はないものかと、いろいろ模索をいたしまして、得ました結論があの案であったわけでございます。いろいろの欠陥等もあるとは思いましたのですけれども、とにかくこれでもってひとつ、単に超過勤務をされた方だけではなくて、むしろ、大体あれは平均いたしまして二千円でございましたか、それを差し上げるというほうが現場ではかえっていいのじゃないかというふうにも思いまして、あれを前文部大臣はお出しになったわけでございますけれども、いろいろの問題がございまして、時間切れになったわけでございます。そういうわけでございまして、今後ともどういうふうにこれをやろうかと、実は国会でああいうことになったわけでございますから、行政府としても非常に悩んでおるというのが私のいつわらざる気持ちでございます。しかしながら、まだ今後とも検討していくようにしてまいりたい、かように考えております。
#106
○萩原幽香子君 できますならば、文部大臣の教職員に対するあたたかいお気持ちで、教職員がほんとうに喜んで自分の仕事に精進できますように御配慮を賜りたいと考えるわけでございます。
 前々から総理は人権尊重ということを非常におっしゃったわけでございますが、私はどうもこの公務員の給与の問題を考えましても、また教職員の給与の問題を考えましても、あるいは人事院勧告に対する処置を考えましても、それほど人権尊重のようには考えられないのがまことに残念なわけでございます。しかし私は、坂田文部大臣には非常な尊敬と、そしておそらくいろいろと私たちの望ましい方向に向いて御検討をいただけることを心から信じておりますがゆえに、やはりこれからもよろしくお願いを申し上げる次第でございますが、何と申しましても戦後物の面には非常に努力が払われてまいりました、その半面精神的なものにはやや欠けたものがあったのではなかろうか、しかしながら、国の発展は何といっても人にあるのではなかろうかと考えます。その人をつくるというのはやはり教育ではございませんでしょうか、そういう意味で私は文部大臣のこのごあいさつの中に、「急激な社会構造の変化に対応する社会教育のあり方について検討中であります。」とおっしゃっていただいたことはまことにありがたいことでございます。私はいっかのときにおきましてはいわゆる「社会教育のあり方」、いまの現状から望ましい「社会教育のあり方」についてとくと大臣の御構想を承りたく存じますし、私自身もまた考えておりますことをお聞きいただきまして、この社会教育が進展いたしまして、大学の紛争解決の一つの原因にもなりましょうかと思いますこの世論、正しい世論の喚起のためにもぜひこれはおやりいただきたいと、このように考えておりますわけでございます。そして政府はただいまのところ非常に教育は大事だ、文相もそのようにおっしゃいました。しかしながら私の見るところではあながち教育が大事にされているとも考えられない、これはまあ人事院勧告の例を一つとってみても、それは言えるのではなかろうかと考えるわけでございますが、今後の政治の姿が教育優先になりますように、文相もひとつ懸命な御努力をお願い申し上げる次第でございます。そしてさらに先ほどから、前々からの質問者の御意見の中にもございましたように、その大臣のあたたかいお気持ちが今度の問題についても何かの形で出されますように、ひたすらお願いを申し上げたいと考えるわけでございます。全部はやれなかった、しかし私もおまえたちを愛する真心からこれだけのことはやったと、こうしたものが教職員たちにしみじみとわかりますように、そうしたものをぜひお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと存じます。
#107
○国務大臣(坂田道太君) 非常に胸にこたえるお話でございます。私もとくと考えまして、皆さん方の信頼にこたえるようにいたしたいと思っております。特に社会教育の点にお触れいただきましたことは、私といたしましては非常にうれしいわけでございます。と申しますのは、この戦後の二十年の日本の変化というものは、おそらく人間がかつて経験したことのない変化ではないか。人間は大体は非常に社会の変化には対応できる性質を持っておると思います。しかしながら、かつて歴史を振り返ってみましても、五百年か、あるいは千年かのその変化というものが、二十年の変化、そういう激しい変化。それに対してなかなか人間が対応できなくなってきておるというところに、人間の疎外というものが出てきておるし、あるいはその一つの原因というものは今日の学生たちの紛争の原因にもなっておると、私はそういうふうに思うわけでございます。そう考えた場合に、ほんとうに国を興し、日本の将来というものを考えた場合は、教育こそそのすべてに優先すべきであるという考え方は、先生と私一緒でございます。そういうわけでございますが、特に今日の学生たち、あるいは子供たちがどうしてあのように人間疎外をしておるかということを考えました場合に、やはり私は、それはまずこの生れ落ちたその家庭、母親のときから始まる、あるいはまたこのお母さんのおなかの中にいるそのときから始まっているのではないかということすら、古いあれでございますけれども、そういう気持ちも持っておるわけです。まず第一に家庭教育だ、そしてそれから小中高の教育である。私は決してすべての今日の学生たちの行動やあやまちというものを、先生方の責任だとは考えておりません。しかしながら、やはり家庭教育、そして学校教育、こうしてやはり社会教育、そしてまた昭和六十年くらいになりますならば、おそらく労働時間というものが、四十八時間から四十時間くらいになっていくであろうと、今日日曜、土曜というものが、もう休みということになっていくであろう。現在このレジャーというものを、まあ何と申しますか、娯楽のため、あるいはいろいろの休養のためというようなことに使っておりますけれども、その時期になりますと、むしろそういう娯楽あるいは行楽ということだけではもう満足しない。むしろ目をそういう外のものじゃなくて、内面の充実と、精神的なものを身につけるという方向へ進むのじゃなかろうか、そういう場合において何らかの――学校は出た、大学は出た、しかしながら、また社会のこういう激しい変化に対しましてさらにもう一ぺん再教育を受けなければ、会社でも、あるいは官庁でも、研究者としてもできないという時代になってきておると思います。そうなった場合に、新しい大学国民のための大学というものは、それにこたえるところの、いわばソシアルインステイチュートの、何といいますか、働きというものを持たなければならないのではないか。そのために大学というものは一般国民に対して門は開かれなければならないのだ、こういうふうに私は考えるわけでございます。そう考えますと、生涯教育という形につながっていくというふうに思うわけでございまして、死ぬまで人間は自分を反省し、あるいは足りないところを教育を受けつつ、あるいは研究しつついくというところに真の生きがい、人間性というものが養われるのではなかろうか。もうおれは大学を出たから何でもかんでも知っているんだというのは不遜な考えだと思うのでございまして、死ぬまで私は人間というものは謙虚な気持ちで、そして日々反省をして、自分の行動あるいはことばというものがどういうふうに社会に影響を与えるか、あるいは小さい子供たちにどういう影響を与えるかということを考えつつ、やはり行動しなければならないというふうに思うわけでございまして、まあ先生のおっしゃるとおりいきますかどうかわかりませんが、私の気持ちといたしましては、そのようなことに万全の努力をする覚悟でございまして、また人事院勧告の給与の完全実施という問題につきましても、私は私なりに精一ぱい努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
#108
○委員長(中村喜四郎君) 本件に関する本日の質疑はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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