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1949/05/19 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第22号
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1949/05/19 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 農林委員会 第22号

#1
第005回国会 農林委員会 第22号
昭和二十四年五月十九日(木曜日)
   午前十一時十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○食糧確保臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○農地調整法の一部を改正する等の法
 律案(内閣提出・衆議院送付)
○土地改良法案(内閣提出・衆議院送
 付)
○土地改良法施行法案(内閣提出・衆
 議院送付)
○請願及び陳情の取扱いに関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(楠見義男君) 只今より委員会を開きます。先ず食糧確保臨時措置法の一部を改正する法律案及び農地調整法の一部を改正する等の法律案の質疑を行います。速記を止めて。
   午前十一時十二分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時二十二分速記開始
#3
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。これにて休憩いたします。
   午後零時二十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十五分開会
#4
○委員長(楠見義男君) それでは休憩前に引続いて農林委員会を開会いたします。最初に土地改良法案及び土地改良法施行法案を議題にいたしまして、先般來留保しておりました質疑をこれから続行いたしたいと思います。先般來各委員から、安本長官農林大臣、大藏大臣にいろいろ質したい事項についての御発言がございましたが、大体各委員とも聞くところはほぼ一致しておつたように思いますので、議事の進行上委員長の方から取りまとめて伺うことにいたしたいと思いますが、若し漏れておるところがございましたら、更に補充して各委員から御質問願いたいと思います。で農林大臣と安本長官のお二人にお伺いします。
 実は今回御提案になりました土地改良法案及び土地改良法施行法案を当委員会で審議するに当りまして、法案の内容に入る前に是非政府の意向を質して置きたい事項があるということで、今お聞き及びのように各委員からこもごも御質疑があつたのであります。今まで政府委員、特に事務當局の意向につきまして、伺つておつたのでありますが、その間必ずしも統一したお答えが、伺えなかつたり、或いはむしろ非常に不満な、憂慮すべきようなお答えがあつたので、そういうようなことでは到底この土地改良法の審議には入れないという結論になりましたので、この問題はむしろ大臣から直接御意見を伺つた方がいいという結論になつたのであります。そのことはどういうことかと申しますと、結局政府において、いろいろ御盡力になつたにも拘わらず、誠に我々としては遺憾であり、不満なことながら、本年の公共事業費において、土地改良の費用が大幅に削減せられた、特に農業増産が必要なる際に、災害の場合における工事復旧については、縣営或いは國営のものは継続されたけれども、併しながら個人経営のものについては認められなかつた。或いは又土地改良についても同樣のことであつた。從つてこれについては御承知のように参議院といたしましては、食糧増産確保に関する決議案まで出したような状態であります。この問題に関連して、食糧確保臨時措置法が、これ亦本院に付託されておるのでありますが、この食糧確保臨時措置法は、これも御存じのようにスキャピンに基いて立案された法律である。而もそのスキャピンは從來の農業増産を最大限度可能ならしめるごとく、継続して從來の施設を実施すべきことが、一方に謳われておるにも拘わらず、その一方の政府の義務としてやらなければならん食糧増産の関係は、只今の公共事業費の問題にも現れたように、実行されておらない。そこでそういうような情勢の下において、食糧確保臨時措置法を我々農林委員会としては審議するに当つても、そして又土地改良法案を審議するに当つても、そういうような前提の下においては到底これらの法案は審議できないのじやないか、煎じ詰めればそういうことであります。更に今問題になつておる土地改良法について申しますと、この法案は土地改良について一つの從來の法律を総合して、そうして土地改良事業というものを將來延ばして行こうと考えており、その場合に必要な補助金を交付することができるような規定が法律の中に盛られております。併し法律の規定を見れば、その百二十六條においては予算の範囲内において補助金を交付することができるというだけの規定で、それでは具体的に本年の予算において、或は又予算が不十分である場合には、その補充としての資金の融通の面において何らかの措置が講ぜられておるかというと、現在のところでは何ら措置が講ぜられておらない。又安定本部の建設局當局の意向を先般伺いますと、この点については前途眞暗のような御答弁があり、又大藏省の主計局長の意向を聞きましてもこの点ははつきりしない、こういうことであります。從つてこういうような状態の下においては、その裏付のない土地改良法というものを作ることは徒らに農民にとつては煩雜な法令のみができる。又場合によつてはこの法制ができたことによつて却つて政府の方が氣がゆるむと申しますか、安心することによつて、結局又何ら役に立たない法令になつてしまう。從つてむしろ具体的に補助金等の予算的の裏打ち、或は資金的の裏打ちというものが講ぜられてから、初めてこの法案を出した方がいいのじやないかというような意見が起つておるのであります。勿論政府は、政府と申しますか事務当局としては、こういう法案が出て來たことによつて予計を獲得し、或いは又資金を確保することによつて非常に便宜になると思う、こういうような御意見もあつたのでありますが、一面今申しますように、却つてこれは安堵感を与えるだけで、むしろ害があつても益がないような虞れがあると思います。こういうことであります。そこで更に先般來事務当局の意向等を徴した場合に、これは安本の方の一政府委員からの意見でありましたが、要するにこの増産の問題、土地改良の問題については関係方面においては、尚十分な御認識がない点があるようだ、併しこれも大体の筋として申しますと、煎じ詰れば政府の今後の非常な努力を必要とすることと同時に、これは一安本の問題のみに限らず、又一農林省の問題に限らず、政府が本当に相協力して、そうしてこの問題の食糧増産の重要性を十分に認識して、そうしてそれについての最善の努力を盡さなければ、この問題の解決は非常に困難であると同時に、若し最善の努力が盡されるならば、この程度の途も開き得るような趣旨のお話があつたのであります。以上のようなことが大体各委員から出た意見であり、又質疑のありました点を要約いたした点でありますが、そこでそれらの問題について特に土地改良の事業についての政府のこれに対する補助についての心構え、或いは又資金融通に関しての政府のこれに対する措置、又今後とられんとする措置、こういうような点について農林大臣及び安定本部長官から率直に御意見を伺いたい、こういう趣旨であります。どうぞそういうふうにお願いいたします。尚委員長が申しましたことにつきまして、足りなかつた点、或いは申落した点がありますれば、簡單にこの際委員の方から御発言を頂きたいと思います。……それでは……。
#5
○國務大臣(森幸太郎君) それじや私から一応お答えいたします。話が土地改良とは別になりまするが、今委員長よりいろいろお話になりましたその原則ともなるべきものは、今回臨時食糧確保の調整法を強化するということは向うの指令によつて発しているのである、その指令によれば、その指令の後半にあるところの集荷ということについては法制化して強化いている、その前半に先方から食糧増産についてはできるだけの措置を取れという意味があるにも拘わらず、何らの措置をしておらないではないか、それでは片手落ではないか、一方だけ強めて一方だけ義務を怠つているということになるではないかというお話でありました。それに関連いたしまして、土地改良の費用を非常に減らしておる、殊に土地改良法を施行しながら、その法文には耕地に対する災害復旧、新規に行う小用排水、機械揚水、暗渠排水、客土、農道などの土地改良に要する経費、或いは区画整理の補助、交換分合等に要する経費の補助をいろいろと法制化しながら、何ら予算措置を持つておらないことは、却つて農民を混乱に陥れるようなことになりはしないかという意味の御質問であつたと考えるのであります。これは本会議で御決議になりました当時もお答えいたしました通り、今日の公共事業費が当初計画いたしましたことが実現し得なかつた事情をまあ御了承願つておつたわけでありまするが、殊にそういう事情の下にありまする公共事業費でありますので、縣、或いは道において行いまする事業すら、從來と打つて変つて新規というものはこの際暫らく延期して貰つて、重点主義にもう一年、二年で完成する、或いはこうなれば今年完成するという最も重点主義に耕地の確保のできるところを重点としまして助成をするという途を取らざるを得なかつたような次第であります。それで二年、三年と継続いたしております事業でありましても、それが尚三年、五年と前途長きものに対しては、暫らく從來注ぎ込んだところの経費が無駄のように考えられますけれども、一時中止をしなければならんというような情勢も一部にはあるような有様で、これは全く今申しました当初計画したしました事業費が予算の面に確保することができ得なかつた事情であるのであります。でそういう関係でありますために、府縣以下の土地改良に対しましては、殊に新規に行うような土地改良、或いは災害復旧、区画整理というものが法文の中には補助するということをあげつらつておりますが、予算の範井内においてということは、これは普通の法文の文句でありますが、そういうような情勢があるので、今これを現段階において論及せられますと、肝腎の國が当然助成せなければならないところの道府縣等の事業すら補助をし得ないのであります。十分に出し得ないような予算を持ちながらこういうふうな法文を書くことは甚だ不都合ではないかという叱りを蒙るのは御尤もな次第と思うのであります、併しいつかも本会議でもお答えいたしました通り、本年の予算の進行過程におきまして、私は今から予言を申上げるわけにはいかないのでありますが、行政整理の或る程度進行に伴いまして、予算の補正等も行なわなければならない段階に入るのではないかと思うのであります。そういう場合におきまして、私は責任上この約束いたしておるところの補助費等に対しまして、或いは公共事業費に漏れました点に対しましては、相当の考慮を政府として拂わなければならないという考え方を持つておるのであります。然らばそのことが必ずできるかというと、本会議でも打ち出の小槌という名前が使われましたが、千七百五十億円という一つの対日物資見反資金の中でもこれは九億五千万ドルの輸入が大概予定される。或いはそれ以上に輸入されるかも知れませんが、そういう関係を予想しての千七百五十億円でありますから、この使用方につきましては、御承知の通り、日本政府の一方的行爲によつてなし得ないのであります。けれども大体この数字はこれ以上に予算せられ、又國民の貯金等の考えから資金の確保も相当考慮を拂つておるのでありまするから、今政府におきましては、そういう資金をどういう方面に重点的に持つて行くかということに考慮を拂つておるのであります。併し大体の順位を考慮いたしましても、然らばこれに向つてこれだけの金を当てにする、この事業にはこういう助成をするとか、具体的な点まで入ることは、先程申しました資金の性質が性質でありますために、我々の一方行爲でなし得ない事情がありますので、確然と今申上げることはでき得ないのであります、併しながら先程申しました二十四年度の予算進行の途中におきましては、相当の私はよき機会が來るのではないかと、かように考えるのであります。そういうことを予測しておつては甚だ無責任ではないか、こういうお叱りも蒙ると思いまするが、同日予算の現状から、法に定められておりますけれども、これに範囲内ということを書きながら、その予算を持たないために、助成することはでき得ません。でき得ませんけれども、この法制をお決め下すつた以上は、政府はあらゆる努力をいたしまして、この法の執行に対して忠実に努力を拂つて行きたい、かように考えておるわけであります。尚経済安定本部からも御答弁があろうと思います。今日はこの土地改良法を出しまするにつきましての予算との関連性につきまして、今日の事情をお答えいたした次第であります。
#6
○國務大臣(青木孝義君) 本委員会において土地改良法案の御審議中、特に予算的措置の問題が極めて重要に取扱われ、これが一体どうなるか、公共事業費の予定はこの点において遅れておる、そこで何とか予算措置を考えなければならんではないかというようなことの過般の御質問に対しまして、経済安定本部の関係の建設局の次長が何かちよつと誤解をいたしておつたというようなことから、多少答弁について皆様の何か疑義があつたというふうに承知をいたしておりますので、本日私から改めてその点について御答弁申上げたいと存じます。
 御承知の通り公共事業費におきまして、土地改良費が削限された。これは我々のよく存じておるところでありますが、現在の日本における土地改良なり、食糧増産ということは、正に一日も欠くことのできない重要な問題であります。これにつきましても、今回の土地改良について予算的措置が拂われていないということについては、我々も重大な関心を持つておるものでございますが、特にそれにつきまして、先ず第一に金融的措置として考えまするのは、対日援助見返勘定に属する千七百五十億の中で、何とかこれを考えなければならんということでありまして、この点につきましては、経済安定本部はかねてからいろいろと計画を立てて参つておるのでありますが、なかんずくこの土地改良等の費用につきましても、重要な関心事でありまするので、先方ともいろいろと折衝をいたしておる段階でございます。
#7
○委員長(楠見義男君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#8
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
#9
○板野勝次君 只今両大臣からお答弁がありましたが、これによりますと、ひとえに大藏省預金部の活用の問題もありますけれども、対日援助見返資金に期待がかけられておる、こういうことでありますが、農林大臣も説明されましたように、千七百五十億円の会計というものは初めからこれだけの金があるのでなくて、貿易会計の運用によつて、二十四年度の貿易計画が運用通りに行くという前提で初めてこれが実現される。ところが今度の計画というのは過大に水増しされておるので到底あの通りに実行でき得ないのではないかという見通しもあると思います。從つて予算措置ができなかつたということもひとえに対日援助見返資金に期待をかけさせておるということでは望みが薄いのじやないか。或る程度までこれに対して可能性があるかどうか。そうでないと徒らに何でもかんでも打ち出の小槌だというので、これに期待をかけても、それがどの程度のものが資金融通の措置として見通しがあるかという点を承りたいと思います。
 それから特に農林大臣にお尋ねしたい点は、予算措置が伴なわない土地改良では、現実の零細農家が徒らに困難するだけでありますことは申すまでもない点でありますが、今あのような土地改良法案のごときものを出さなければならない状態がどうしても腑に落ちないので、從來の耕地整理組合その他の組合を以てしてはもはや何らかの障碍があつて到底やつて行けないという積極的な理由があるのかどうか。それから若し理由があるといたしましても、予算措置が伴う土地改良の計画、土地の交換分合等も或る程度の計画の見通しというものが立つた上で土地改良法案をお出しになつても決して遅くはない。むしろああいうものをお出しにならずに從來のそのままでやつて來られて、そうして農林当局が十分予算措置がやり得る、そういう努力をされて、その結果として土地改良法案というものが上程されて來る方が今の農村の実情にむしろ適しておるのではないだろうかというふうに考えられるので、その点について併せて御見解を承りたいと思います。
#10
○國務大臣(青木孝義君) 只今、それならば具体的にどういうふうな措置を取るかというような御質問であつたと存じますが、これは御承知の通り対日援助見返資金というものが全体としてまだ決定をいたしておりませんし、又おつしやる通りにこれが順次決つて來るということでありますので、そういうことでなかなか我々は信頼しにくいというようにお考えと思いまするが、これは大体我々としては……ちよつと速記を止めて頂きたい。
#11
○委員長(楠見義男君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#12
○委員長(楠見義男君) 速記を始めて下さい。
#13
○國務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。予算措置がはつきりしないで慌ててこんな法律を出すべきじやない、この予算見込が付いてから出した方がいいじやないか、今までの耕地整理組合法、水利組合法、北海道土功組合法によつてやつてもいいじやないかという御質問でありましたが、御承知の通り農地改革によりまして、耕地所有者の事情が非常に変つて参つて來たのであります。從來耕地整理は御承知の通り地主がすべて組合を作りまして、そうしてこの事業を執行いたしておつたのでありますが、途中この耕地整理組合の事業進行中に、この農地が解放されましたために從來の組合に混乱を來たしたのもできておるのであります。今後この土地改良区を設けまして、そして、只今沢山の地主ができておるわけでありますが、その大多数の人が耕地整理をやろう、土地改良をやろうという決意をいたした場合におきましては、その間に多少の異議者がありましても、これを敢て行い得るという法制をいたしまして、そしてこの土地改良組合を強固なものにしたいと思います。從來の組合はもう基礎が変つてしまつておりまして、殆んど組合の構成分子がちりちりばらばらになつておるのであります。それでありますから、この際、新らしく基礎の強固な組合を作つて事業を行う。そうしなければこの組合事業に対する資金の融通なんか全然でき得ない。それでありますから、予算措置もできないのに慌ててこんなものは要らんじやないかという御質問は一応は聞えるのでありますが、実際におきましては、今までの耕地整理組合や水利組合では、地主が変つておりますのと、組合の組織が変つておりますので、でき得ない情勢にありますので、ここに新らしく土地改良法によつて組合を組織し、現実に即したるところの基礎の固い組合を作つて、そして事業を行うより途がないのでありまして、一応予算措置のないのに、こういう法を急ぐ必要はないじやないかということも一応の御議論と存じますが、実際はそういう情勢にありますので、この際これらの組合を整理いたしまして、新らしく現状に即した組合の設立ができるような法制を作り出さんとするわけであります。
#14
○板野勝次君 それではもう一点お尋ねしますが、予算措置を成るべく講ずるという話が前にありましたが、一応この土地改良法が通過した後において、次の國会等において必ず予算措置ができ得る見通しがあるのかどうか。若しないのだつたら、安易な途を選んだ結果は、零細耕作農民に土地改良の全負担が押掛つて來、そうして事実上土地改良が行き悩んで來るという形になると思う。そういふ具体的の見通しというものは先程の御説明にもありましたが、どうもお先き眞暗で、あると言えばある、ないと言えばないというような形になつておると思いますがために、もう少しはつきりした努力目標と申しますか、そういうものをもう少し出して貰いたいと思うのであります。
#15
○委員長(楠見義男君) 板野さんの今の御質問の点はこういうことなんです。各委員が共通した思想なんであります。煎じ詰めて、少し、或いは言葉が適当でなかつたら、その点は御容赦願いたいのですが、結局この内閣といいますか、それから又大臣の皆さん方といいますか、口では食糧増産、食糧が大事だということを言われておるけれども、本当は大事ということがお分りにならないのではないか、眞から分つていないのではないかと、こういうことに帰着するのです。ということは実は御承知のようにこの委員会の委員の皆さんはですね、それこそ超党派的に、食糧増産の問題を経済的根本だということを特に考えておられる。そこでですね。恐らくこの内閣もですね、それから又大臣の皆さん方も同樣にお考えになつておられるのだろうと思うのですが、若し本当に我々が考えておると同じようにお考えになつておるとすれば、勿論我々としても國家財政の窮迫しておること、その他健全財政の建前であることも十分承知しておるけれども、一番大事な食糧ということに御認識があるならば、そこにはおのずから途が開け、又努力せられて然るべきじやないか。ところが現実にはそれが実現をされておらない。又只今も申上げたように、いろいろ関係方面なんかの意向をこう間接に聞いても、政府の或いは大臣の方々の御努力が或いは足りないのじやないかということを、実はこれは間違いであることと思いますが、そういうことを望みますけれども、そういうふうな結果としては現れて來る。そこで今の板野さんの御質問の点は端的に言えば、若しこういうことができなければ、改めて次の國会では皆さんには顔を合せない、これくらいの御決意があつて然るべきじやないか、こういうことに実は帰着するのです。言葉が不適当であれば御容赦を願いますが、これは皆委員が挙つて言いたいことであり、又そういう御決意の程を伺いたいと希望しておる点なんです。その点に関して特に安定本部は総合的に、この点を睨んでおられる。実は我々も基礎産業、基礎産業と言うけれども、石炭とか化学工業というものは基礎産業ではなくて実は農業が基礎産業じやないかというような考えておるのに、如何にも得々として安本の事務官らは石炭というものが一番大事であつて、農業なんか五番目か六番目だというようなことを得々として言われるようなことは、誠に遺憾と考えておるのですが、從つてさような点については大臣におかれても十分御承知のことと思うのでございますが、その決意の程を伺いたい。こういう点なんです。補足をして置きます。
#16
○國務大臣(森幸太郎君) 結論からお考え下されば成る程今回の予算に現われました事情から如何にも冷淡である。こんな重要な食糧問題に対して予算の編成もああいうふうな有様であり、又その後における努力に対しても一向冷淡を極めておる。口には食糧増産と大きなことを言いながら、政府は食糧問題を輕視しておるということを御批判を受けるのはこれはもういたし方がないと思いますが、実際は決して左程御批判を受ける程冷淡ではないのです。何とかしてこの問題を解決しなければ日本の独立は破壞する。何としても食糧問題だけは考えて行かなければならんという氣持でおつたのでありますが、然らばなぜ予算にそれを計上しなかつたかと、こういうことをお叱りになると思いますが予算編制ということは皆さんもよく御承知下さることと思います。政府の責任において提出いたしました予算です。勿論決して他から押しつけられた予算だとも政府としては考えておりません。政府の全責任を以て出しました予算であります。然るにその予算でなぜこれを計上しなかつたということになりますと、政府は今日の経済の事情から日本の國情から、予算を編成する一つの根本方針といたしまして、ああいうような予算を作るより余儀なかつた、どうしても健全財政という意味からあの予算の歳入歳出を考えるより外に途がなかつたのであります。然らば今後に対してどうかということについてでありますが、今後は今予測して必ずこれを遂行いたします、そして御期待に副いますということをはつきり申上げることができ得ないことは先程経済安定本部から長官が申された通りでありますが、政府は皆さんのお考えなすつて下されている以上に、この食糧問題を重大視いたしておるのでありますから、必ず我々の考えておりますことを予算の上に現わす機会も必ずあるとかように申上げていいと思うのであります。それがためにこの食糧確保につきましては、皆さんに御心配をかけていろいろ法案の審議をして頂いておるわけでありますが、今日の日本政府はどうも食糧確保に対する考え方が冷淡であるというようなことを関係方面から叱られておりますので、とにかく日本の今日の食糧がアメリカからの輸入食糧によつて一部賄われておるという、このなさけない立場にあります以上は、我々はどういう叱咤を受けましても、これは止むを得ないことでありますが、一日も早く食糧の需給のできるように、政府といたしましては努力をいたしたいという考えを持つておるのであります。どうか一つ冷淡である、一向食糧増産に対して考えておらないというお叱りだけはどうかお許しを思いたいと思います。
#17
○岡村文四郎君 いろいろお答を願つた程度は分るのでありますが、改良法を提出になつて審議いたしておりますが、これは恒久的な法律でありまして、今論議されておりますし、御心配を願つておりますことは、二十四年度の予算措置に盛つておらなかつたというので、融資の面でも努力しようというので援助物資の見返資金であるとか、又預金部の資金であるというものを振り向けてそれを便りにしようというお考えを持つておるわけであります。私はこれはそういう措置ではこの法律は非常に困る。そこで恒久的の措置を今からお考え願つて行きませんと、これは恒久措置に対するそのことが、そのつもりで考えて貰いませんと、日本の農業は食糧増産はこれは当然やらなければならない、嫌でもやられるのでありますので我々は今後これをやつて行くかということが問題でありまして、今年の援助物資の見返資金が入るとか入らんとか或いは預金部の資金を借りるのか借りないとかということのみを論議いたしておらんのであります。今後の処置がはつきりいたして、今後はこういうふうになるということが分れば、この法律は活きて來るのでありますが、今年だけのことを論じて見てもしようがないのであります。今年のことは予算は分つております。それから今年の借りる金も分つております。よく分りませんが、これは一年切りであります。そうでない恒久の措置を講じて行くのだという御意思を示して貰わんと、非常に法の審議の上に支障がある、この法は御承知のように相当むづかしい、法律にして百姓に実施しても、これを決定してこれによつて責任を追求する事業を執行したらその後どうなるのだ、政府が補助金を出すとか書いてあるが、できるとだけで、そうでなしに、いわば補助金を出すとこうはつきり書いて貰いたいのでありまするが、出すことができるというのが非常に残念なことであります。これは法の建前からそうすることがよいということでありますが、眞向うに掲けて目的のところに持つて行つて措置するということで、本法律にありますようにやるというと、日本の農業者は到底力が及ばんところであると思います。それでこれは今年や來年のことならば、議論していても仕方がないのでありまして、こういうふうにやつた際には、恒久的に活きるものを作るように、詳細に遺憾のないような今後の恒久的の措置を政府の方でお考えになつておらんと、非常に困りますから、その点を……。
#18
○國務大臣(森幸太郎君) 誠に御尤もな御質問でありまして、いろいろ現在の問題を彼是いたしまして、將來のことを忘れておつてはならないのでありまするが、私の構想を申上げたいのでございまするが、今回この公共事業費というものが極めてその我々の予想せざる解釈をしたためであります。公共事業費ということを英語に飜譯するというと、どうなるか知りませんけれども、公共のためにやる事業ということが一つの考え方となりまして、この府縣以下のものが公共の事業でないというような解釈を受けたようにも考えるのであります。道路の擴張であるとか、河川の改修であるとかいうようなこういう建設の経費と、そうして食糧増産、いわゆる農業のための事業とこれを一つの予算費目に纒めて置くということが不合理であり不自然であると考えるのであります。これは將來におきましては、こういう農業土木費である、どうであるというようなものはその使途がはつきりといたして、この使途でもはつきりいたしておりますが、局限されておる事実から考えまして、公共事業費というような空漠な、どちらへも融通の付くようなものでなしに、予算の編成を政府としては考えて行く方がいいのではないかとかように私は考えておるのであります。農林当局といたしましては、將來はそういう方面に努力いたしまして、國家の予算の編成に考慮を図るように実現いたしたいと考えておるわけであります。尚予算の範囲内において補助することを得ということを書いておるのは甚だ遺憾なことではないかというお説でありますが、これは過去におきまして、耕地整理組合事業に対して事業の三分の二を補助する或いは三分の一を補助するとかいうような予算の編成方式がありまして、それを当てにして耕地整理組合は收支予算を作つておる、そうして決算に至つて國家の予算がないと、三分の二が三分の一になつたりして非常に耕地整理組合も困つた実情を我々は体驗いたしておるのでありまするが、なる程何分の一を必ず助成するとはつきりいたしておりますれば、勿論心配なしに仕事が執行されるのでありますが、予算の編成ということは、その決定ということは政府の権限でなくして、いわゆる國会において予算というものが議決されるのでありまするから、その予算の編成を考えずして法に何分の一を約束する、固く約束するということは過去の実例から申しまして不便ではありまするが、実際この法の立場からどうかと、かように考えるのでありまするが、今日どうもこの公共事業費というふうに一束にされておるということは非常に私は遺憾な点と存じまして、將來私共といたしましてはそういう氣持で予算の編成方針に対して努力を傾けて行きたい、かように考えておるわけであります。
#19
○委員長(楠見義男君) 申上げますが、安定本部の長官に対しての御質問を先にやつて下さい。
#20
○岡村文四郎君 安本の長官にお願いをし、お尋ねをして置きます。実は長官のお話を承つておりましても、そうでないと思われるのでありますが、御承知のように、今は各省の予算が出ましても、何の計画ができましても、安本の方で取捨選択をし十分に檢討して、然る後に構成されるときでありまして、そこで今まで日本の國が決して食糧を粗末にしたわけではないことは事実でありまするが、政府の措置というものは農業をやるべき食糧にいたしましても、その措置はいつも後廻しになつておるのであります。これは徳川時代からそうなつておりまして、今俄かにこれを変えて貰うことは非常に困難でありましようが、今後政府当局、安本が中心になつて、各省とも、今の世の中は終戰処理費と皇族費がとにかく先で、その次に農業に対する政策を持つて行くというつもりでお進みになつて貰いませんと、今出ておりまする改良法案を決めても非常に心配が多いと思いますが、この点如何でしようか。
#21
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通りに我々もいろいろな計画なり、いろいろの研究等も、もとより日本経済全般として一応概念的には考えて、そうしてその中の最も重要なものを取上げまして、そうしてそういう点についてはできるだけ重点的にこの研究なり計画なりを押進めておるのでございまして、農業、殊にこの食糧増産ということは、今日の日本に取つてこれは誠に喉つ首の問題であります。決してこれを輕々に考えておるわけではございませんし、又我々としては農業に非常に大きな比重を持つておる次第でありまして、我々今後も一層これらの点について努力をいたして参りたいと考えております。
#22
○藤野繁雄君 只今安本長官から農業を非常に重大視しておるというお話を承つたのでありまするから、果して重大視しておられるということであつたらば、資金を融通されるような場合においても、鉄以上に重大視して資金融通の第一位に食糧増産の費用を持つて來られるお考があるかどうか、又対日援助資金によつて或る程度の資金の融通を考えておるというお話でありまするが、災害復旧その他の土地改良というものは非常に急がなくちやできないのであります。対日援助資金が廻つて來るということになれば、相当の期間を要するのではなかろうかと思うのであります。その空白な間におけるところの金融的措置を講じまして、今年割当てられておるところの食糧の供出が完全に行くように如何なる金融的措置を取られようとお考えになるか、その点をお伺いしたいのであります。
#23
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り我々は農業の問題について、特に肥料等について、或いは農機具なり、その他供出に対するリンク物資等につきましても、極めて重点的に考えておりますので、石炭とか電力、或いは肥料とか、こういうものは第一位に上げて努力をいたしておりますことは、御承知の通りだと存じます。從つてその点においては、我々は今後とも尚一層御意に副うように善処をいたしたいと存じておる次第でございます。又金融的措置につきましては、先程からも申上げましたように、我々はあらゆる方面から勘案をいたしまして、なかんずく今先程から申上げましたところは、対日援助意返資金の中から何とか考えたい、或いは又ここに大藏大臣がお見えになつておりますけれども、國民の貯金、これを中心とするところの大藏省預金部資金についても是非考えて貰いたいというふうに、我々はいろいろと努力をいたしておる最中でございますので、どうかそういう点において、決して疎かに考えていないということを十分御了承願いたいと存ずる次第でございます。
#24
○山崎恒君 大臣並びに安本長官の御意見で、農業が目下の日本の再建のために基礎産業であるというところの御認識については十分我々承知したのでありまするが、特に現在の日本のあり方は、終戰直後においては、鉱工業方面の状況は三割程度に低下いたしておる。然るに最近においては戰前の六割五分までとにかく上昇して、鉱工業の六割五分に上昇したというその半面には、とにかくいずれもこの農村の人達が、陰に見えないところの農家の供出、この食糧あつてこそかような鉱工業の部門が進捗したと思うのであります。殊に農家ではがんじがらめにからめられたところのいろいろの法律によつて最近出て來たところの超過供出のいわゆる法律案等を只今審議しておるのでありますが、そのような農民の主産意欲まで減退しようというような状況にある法律案まで作つて、農村を搾り上げようというような状況にあるのでありますが、農家はこれに対しても與うべきものを與えられれば喜んで供出する現状であるのであります。これは國を再建させるという考え方から、農民は黙々として供出には喜んで供出するのでありますが、ただ遺憾なことには、農村に与うべきものが完全に与えられておられないという点があるのでありますが、そうした問題について特にいわゆる報奬物資のごとき問題でありますが、この報奬物資を配給するに当りましても、農民の意思に反するような配給方法があるのであります。例えば報奬物資の衣料品の配給方法、そのような問題についても、先ず農民の現段階においては、農民の意思によつて、希望によつて配給する、又希望によつて登録する、そうして業者から配給するという制度に向けるべきであると思いますが、そうした点についての見解を一つ安本長官からお伺いいたしたいとこう思います。
#25
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り、食糧問題につきましては、我々がこれを重要視するということは、口でそう言うだけでなしに、御承知の通り我々は食前に臨む場合においては、先ず手を合せて食事を頂くというくらいに重視をいたしておるのであります。決して疎かに考えておるのではありません。我々自身と雖もそこらにこぼせば、これを拾つて丁寧に食べるというくらいにいたしておりますので、心の中における日本人の食糧に対する考え方はどなたもこの点については変りはないと存ずるのであります。殊に我々は農業地の出身であります議員といたしましても、よくそのことは分りまするので、今年度産の麥或いは馬鈴薯等の供出に対するリンクの衣料等の品物につきましても、これは大体登録されておりまする小賣業者の変動、或いは取扱い数量の割当というようなものにつきましても、今度の措置はできるだけ一つ農家の方々のよき御理解の上に、供出を或るべくよくやつて頂かんならんということで、今日のこの状態ではなかなか十分には参りませんけれども、何はともあれそのリンク配給物資を一応並べまして、その中から御自由に而も適宜適品を、この範囲内でお選び願うというような態度で選択して頂くということの考えで品目を調べ、而も予約的に一応これを出しまして、食糧増産のために御努力を願う。こういうことも考えておりまするし、この供出農民の方々の御意向を十分斟酌いたしまして、そうして地方長官においてもその意思の決定に從つて選択してこれを利用して頂く、用いて頂くというような考えで今日我々は一応臨んでおる次第でありまして、あらゆる点においてできるだけの努力を我々は拂いたいと存じておる次第でございます。
#26
○山崎恒君 只今長官から誠に同情ある、農民の意思に副うた御答弁を頂きまして、感謝するものであります。特に差当りまして麥の買取り、或いは馬鈴薯の植付けも終りまして、收穫時期に入りますので、衣料品等の農家に対する報奬用としてのリンク物資はさような線におきまして、農民の希望する店舗から農民の登録によつて一つ配給されますように、御配慮願いたい。こう思うのであります。
#27
○石川準吉君 先き程藤野委員から御質問があつた点に対しまして安本長官からお答えがあつたのでありますが、食糧の確保については非常によく考えておるので、肥料に対して非常に重点を置かれておるという思召しで、これは誠に有難いと思います。ところが幾ら肥料ができましても、その基本でありますところの土地の開墾ができなかつたり、或いは災害で流されたところの田畑の復旧ができなければ、実際の食糧の増産にならんのであります。或いは私の、これは間違いか知れませんが、今回の援助資金の順位につきましては、石炭、鉄鋼、電氣、造船、これが第一クラスであり、それから土地の問題につきましては第二クラスだという話を聞いたのでありますが、先程藤野委員からも鉄の先に食糧の問題を出すかという御質問があつたのでありますが……。それが事実であるかどうか。若し事実であるとすれば、どうして土地の問題を第二クラスにしたのかということを一つ……。
#28
○國務大臣(青木孝義君) その点は御承知の通り鉄であるとか、或いは石炭であるとか、造船とか、そういうものが取上げられておりますという順序は、これは今貿易を振興するとか、或いは日本國民経済全体としての赴く方向というような意味でそういう問題は取上げられておりまするけれども、それが一位であるとか二位であるとか、そういうふうに一々そのウエートを考えて、そうして始めからそれで決めて行こうというのではありませんので、取上げられて來る順序としては、それが額が大きいとか、或いはそれが現在当面している形においては先ず先に持つて行かれておるとか、或いは後ろの方になるとか、先の方になるとかいうようなことはありましようけれども、その点について決して我々がそれを初めから、これは低いものだ、これは高いものだからというようなことを、食糧問題、特に土地改良の問題というようなものを別に考えておるというような事実もございませんが、併し安定本部としての考え方としては、先ず大きな問題から取上げて行く、その重要性というものについては、ときによつて変つても參りましようし、今回のような我々の考え方からいたしますれば、例えば合理化を行なう。そういうことになれば、今までの重点的な傾斜生産方式というものを改めて、そうして大小の企業を公平に、例えば輸出振興に関しては援助をしなければならない。或いは合理化という線に沿つて能率をどうするとか、或いは消費者選択をどうするとか、いろいろな面から考えておりますので、当然見返資金の問題に影響して來ているのです。特に今日土地改良法案を問題にいたしまする場合においては、そういう特別な配慮というものをいたしながら、先方の考え方と我々の方の考え方との間の調整を図る。支も特別にその点について要請をするというような経過はいろいろ辿るものと御了承を願いたいのでありまして、決してその順位がどうであるとか、第一番に挙げてあるからどうというようなことは、いろいろな要素からそういうような順序は取られる場合もありますので、それは一つ広くお考えを願いたいと存じます。
#29
○政府委員(渡邊喜久造君) 今お話になりました第一順位、第二順位というのは、我々の方で一応考えておる考え方としては工業をも込めまして第一順位に考えております。ただ一応カテゴリーに分けまして、基幹的な産業で非常に大きな資金の要るものとか、或いは食糧増産のため必要なものであるとかいうふうに、五つばかりカテゴリーに分けておる、そのカテゴリーに分けておる順序が、金額の大きさから一番産業で特に資金が沢山要るものというように、一、二と柱が立つておりますが、それは特に重要性とか何とかいう考え方で、第一順位、第二順位というのは別にございますが、今我々の方で作つております案におきましては、両方とも第一順位になつておる。多少誤解があろうかと思いますので、補足して説明さして頂きます。
#30
○岡村文四郎君 先程山崎委員の質問で安本長官のお答えの、生産意欲を増すようにあらゆる部面に配慮を拂いたいという答えに、大体それで了承ができるようでありますけれども、実は差別待遇をせられるということが問題なんでありますが、只今のお話で衣料問題の話が出ましたが、私共の念願とするところは差別待遇をしないで、外の業種と同じように自由選択による登録制にして貰いたい。決して協同組合とか或いは小賣商業者というのでなしに、どこでも結構ですから、そういう差別待遇をすることを止めて、奴隷扱いをすることを止める。安本長官にこれをお願いいたしますことは、何だか商工省の方でもやもやといたしまして、さつぱり埓が明かない。農林大臣にもお願いいたしたいと考えておりますが、公平な立場に立つて政策をされる安本長官のお考えで、自由選択による登録制配給をするようにお願いしたいと思うのですが、如何でしよう。
#31
○國務大臣(青木孝義君) おつしやるまでもなく、我々経済安定本部として極めて公平な立場からこれを処理して参りたいという念願を持つておるわけであります。この間の石炭の問題等につきましても御承知であろうかと存じますが、協同組合等の問題或いは商人商権といいますか、そういうような問題も世間ではいろいろ言われておりまするが、私共はそういう点には極めて合理的に公平に取扱つて参りたいという所存でこの仕事をやつて参る所存でございます。
#32
○板野勝次君 先程安本長官は食糧を非常に大切にするということを言われたのですけれども、併し事実の上において少しも食糧を大切にするということは、消費生活の上に大切にするというお考えは分るのですけれども、それを生産するという面に対して何ら具体的なものが現われて來ていない。先程安本長官は大きな比重を持つておると言つたけれども、具体的な比重はどこにもない。農業の生産の場合におけるのと基礎産業における場合の比重というものは毫もない。農業の生産に対しては食糧確保臨時措置法を初めとして、樣々な制約が來ている。ところが基礎産業に対しては思う存分儲け得るような態勢を作つておる。而も邪魔になる中小企業はぶつ潰してしまう。農業に対しては土地改良に対する資金の補助がないとこういうことになりますと、零細ではありますけれども、これを合計をすれば農業の生産は非常に比重が大きい。零細なものだから……先程も言われておつたように資金の順位等も大きさと零細というもので行われておるのですが、この零細農業も寄つたならば非常に大きな比重を持つ。零細であるというので放置して置けば、日本の農業というものは破壞されて來る。そうすると食糧は外國から余つたのがどんどん來たら無理に國内の食糧に依存しなくとも、足りない分を外國から輸入して來る。いわゆる食糧というものが輸入に依存しなければならなくなる。こういう方向に行くと思う。そういう政策を現におやりになつておられるし、このまま推移して行くなら日本の自給体制は破壞されてしまつて、こういうところから独立を失つて行くという方向にあると思う。從つて農業に対しては大きな比重を持つておると言われるなら、その零細農業を救済して拡大再生産ができるようにして行く、具体的に基礎産業と同樣に行なつて行かなければ……言えば議論になるから申しませんが、リンク物資につきましても、極めて高いパリテイ指数の問題につきましても、いわゆる課税の問題につきましても極めて困難な状態に置かれておる。これを打開して基礎産業と同じようにどの面から見ても比重が同じだという計画を出されてこそ、初めてあなたのおつしやる大きな比重を持つて來るということになると思うのです。それが少しもない。若しあると言われるならば、こういう点もあるのだということを示して貰いたいと思うのです。リンク物資というものは消費物資の形において当然これは農家に廻つて來なければならない。而もその廻つて來る状態が價格において本当のパリテイになつておるならばよいが、それ以外に農村に何でも彼でも高い物資を押付けて行く。比重が重いと言つて、基礎産業に対する援助と同樣のものがあるというならそれを示して貰いたいと思う。なければ答弁して頂かなくともよいです。
#33
○國務大臣(青木孝義君) これはおつしやる通り根本問題になりますればいろいろ意見もあろうかと存じます。私共が全体的な計画を立てるというこういう立場から何にも農民に対しては援助がないではないか、ただ日本の特に機械工業とか産業方面、そういう方面に援助がしてあるということをおつしやいますことは、少しその面に私は異論があるのでございます。何故ならば、今日御承知の通り協同組合の問題にいたしましても、或いは又今後に残つておることが沢山ございまするが、併しこれも農業を中心とされておりますことは御承知の通りと存じます。その外リンク物資にいたしましても、これが特に誰にでもリンクされて、働いておる者には全部リンクされておるというわけでもございませんので、やはり農業部面に対しましては農業に必要である物を重点にやつておるという我々の志も御承知になれるところだと思います。尚その外この肥料等にいたしましても、一定の制約を置いて、配給ということになりますれば、誰にでもほしいままに渡すのではございませんし、やはり農業を中心とする方々のために、こうなつております。その他殊に農業面に渡りまする農業具の問題でも高いものも安いものもございます。併し又お米についての、或いは主食についてのパリテイ計算というものの多少の不合理も私は認めるのであります。併しながらこれは今日の食糧が統制されておるという日本経済全体の立場からお考えを頂きまして、これが日本経済の立つておる最も重要な基盤である。而も我々は一勺でも多く増加されたことによつて我々の経済生活の安定が得られるということは、延いては日本経済の安定の基盤であるということはよく我々も承知いたしておるのでありまして、一々これについて何がどう何がどうと申上げましても、それが高いとか安いとかという問題はやはり價値論になると存じますので、そういうことについて今日は申上げませんけれども、ともかくもこれはやはり我々が一般的に考えるということに御不満があるということはよく分りますけれども、併しそれぞれ日本の経済が今後運営されて参ります途上におきまして、現に九原則の実施によつて中小企業が相当の圧迫を蒙るのではないかという一般的な杞憂が現在ございますと同樣に、又今日まで價格差補給金或いは價格調整金によつて援助せられたものも、今日の場合においてはこれが改められ、そうして漸次日本経済の推進に從つてその進む方向が改められて行くこともございますし、或いは又輸出入関係から、これについて輸入物資については國内の物資を安定せしめるために止むを得ず、補助金を出すけれども、輸出については実際單一爲替レートが比較的有利に決定したというような関係から、これについては援助しないというふうに方向が変つて参ることを御了承頂きまして、決して農業にだけ奴隷的になつておれ、或いはそういつた考えを以て特に我々がそういう処置をいたしておらんことを明白に御了承願いたいと思います。
#34
○委員長(楠見義男君) 農林大臣に御質問のある方は……。
#35
○岡村文四郎君 今度は自分の主管大臣に伺いますが、今お聞きのように、非常にもやもやしておる衣料の配給の問題について登録店の問題、これはここまで來ると局長や課長に任して置かれんと思うのです。そこでちと骨が折れても体裁が惡くても閣議に持ち出して、そうして農林大臣の責任において衣料の配給は登録制による自由によつて配給をする、こういうことにして貰わんと、全く八方から集中して來る問題がここへ閉じ籠つてここの審議にも非常に影響を來たしておる。それはいかんことですから、はつきりした一つお心持で解決して貰わなければいかんと思いますが、どうですか。
#36
○國務大臣(森幸太郎君) 今の問題は安本長官からもお答えいたしましたが、安本長官も少しはつきり申上げなかつたのでありまするが、從來はああいう場合に府縣知事に委任して、府縣知事の考え方によりまして、これを協同組合或いは普通の小賣業者に分けておつたのであります。それで農林省の考えといたしましては、すでに供出と同時に配給の点数が決まるのでありまするから、この配給の点数を農業者が小賣商人に指定して配給して貰うか、或いは農業協同組合へ申込むか、これを自由に処理しまして、その纏まつた数量において配給物資を割当てるということにいたせば、その配給を受ける者の自由意思によりまして商賣人から貰えば貰える、協同組合から貰えば貰えるということにするのが妥当と考えておるのであります。それで商工省なり農林省の方では、経済安定本部の裁量といたしましてこれを今日知事に委任するか、今回は特に報奬物資であるから農民の自由意思に従つて小賣業者、協同組合等に分配する分量について特に考慮を拂え、こういうまあ本文でありまして、これに附加えまして農業者が自由意思によつてこれを買い得られるような処置を取ること。將來は農業協同組合連合会が卸賣商としての責任を取るように、今後は、この次の登録をする場合においては処置するということを附加えて各府縣に通知をいたすことになつているわけであります。農林省におきましては今日そういう一連の通牒を受けたわけでありますが、閣議におきまして、今朝商工大臣にもこの問題について話をいたしましたところが、商工大臣は割合簡單に考えておつたのでありまするが、それはいけない。商工大臣の考えておりましたことは地方長官に任せれば今まで七、三であつたが、これが半分々々で行くのだからそれでいいのだ。今度の登録のときには又登録をし直すという極く事務的な簡單な考えを持つておられますからそれではいけない。我々は極端に言えば農業者が食糧を供出して、その見返物資として貰うのだから新らしい商業者のお世話にならなくてもいいから、これをすべて農業者の団体に呉れて差支えないではないかと極端に言われんこともない。併し物資の少いときに商業者も一つの存在である以上は、それを仇のように農業者は考えるわけではないのでありまするが、当然見返物資として与えられるものを、貰うものを、自分の意思において商業者から貰う、或いは農業協同組合から貰う、その自由意思に任して置けばいいのじやないか。そういうことでなければ、これだけしかやらない。これだけしか農業協同組合に分けないというようなその実際の農民の希望を考えずして、勝手に途中において分けるということはおかしいのである、ということを商工大臣にも申しまして、十分考慮する、尚詳しいことを聞いて置くという話でありましたので、今日は経済安定本部がこの問題を裁量いたしておりますので、次の閣議におきましてははつきりとこれを纏めて明らかにし、又これはひとり今回だけの問題でありませんから、將來の関連を及ぼす問題でありますので、農林省といたしましては、今岡村さんから御質問になりました御希望に副うように努力をいたしたいと考えるのであります。実はこの商工省におきましても、石油の問題、在いは農機具の問題等から、如何にも勝手なことを農林省がやるように事務当局では一部誤解をしておる者もあるようでありますので、或いはその他において皆樣方のお氣に障るようなことを申したかも知れませんが、政府といたしましては、そういう氣持でこの問題に処して行きたい、かように考えております。
#37
○岡村文四郎君 農林大臣の話は我々と同じような氣持で話をされておるが、それが通れば大変結構なのでありますが、これは誤解をいたしてはならん。農業協同組合のみに配給されるように取つておるような向であります。そこで小賣商業者が盛んに陳情に來たりして騒いであります。そこで現在の政府に、即ち民主自由党には相当その途の人が多いと思います。一番有田次官なんかその先鋒らしいのです。そこでこれは余程大臣骨折りでもしつかり取纏めて貰わんと、又今までのような、そこまで行つたが、あとが駄目になつた。これでは我々が努力して、そのつもりでどうにかしようとしても氣力がなくなりますから、この点はよく一つやつて頂きたい。そのときに大臣のおつしやるように、百姓にリンク物資をやるのはこの際いかん、こう言つてはそれでは工合悪くて、向うのあれになつてはいけないから、自由にさせたというように協同組合から見られる。それを拘束する理由がないのじやないか、これで一つはつきりとやつて貰いたいと思う。
#38
○山崎恒君 今一つそれに関連いたしまして、大臣にお願い申上げて置きますが、先程安本長官は、はつきりと農民の意思によつた登録制によつて一つ配給するようにしたいというような御意見であつたのでありますが、この地方長官が大体決めるというあり方は、この間自由党の政務調査会で決つた案と思われるのでございまするが、本年度の変、馬鈴著供出リンク衣料品の登録、小賣業者別取扱数量の割合は、地方長官において、供出農民の意向を参酌の上、決定するものとするというようなことに打合せができたというようなことを聞いておるのでございまするが、この点について、先程大臣の御意見で、大臣も亦安本長官もよきはつきり分つたのでございまするが、地方長官において農民の意思を酌んでやるということはよく分るのですが、参酌するという文字はこれを削つて、飽くまでも農民の意思によつて決定するというようなことに御努力を願いたいと、こう思うのでございます。特に衣料問題について、前を辿つて申上げまするというと、大臣はもう十分御承知の通りでございまするが、衣料品の登録制はすでに更改されなければならないものを七割残しておつた、それが而も協同組合が生れる矢先に三割だけが選挙されたというような事情で、非常に混沌としておる実情であるのであります。これはすでに時期から行きますれば、全部小賣商も、御賣商も選挙登録制を実行すべき時期に相成つておろうと思うのであります。かような点を、更に現内閣においては早く綺麗にさつぱりと、一つ出直して、從來のこの七残した温存勢力というようなものを、一応現段階においては改廃して新らしい選挙制度にすべきである、かように思われるまするので、さような点も一つ考慮の上で、十分農村の配給物資等についての基本的あり方を明確に一つ願いたいと、こう思うのであります。
#39
○委員長(楠見義男君) それでは土地改良法案、土地改良法施行法案についての質疑を引続いてお願いします。
#40
○池田恒雄君 土地改良法という題目からというと、狭いような問題の質問でありますが、大臣にお聞きします。実は先程ここに農林大臣と大藏大臣と両方が揃われておつたのであります。農林委員会としては、こういう待遇を受けたのは少いのでございまして、私はその際実はそれだからお伺いしたいと、こう思つたんですが、大藏大臣が見えなくなりまして、甚だ遺憾なんであります。これは現大臣が在野時代に、一度茨城縣に開拓事業の御視察をお願いしたことがあるのでございます。それで大臣は一応お分りと思うのでありますが、出発するときは、土浦から皆で出発したのであります。その土浦の在に有名な予料練というものがあるのであります。それから谷田部という所にはこれ亦バツターの谷田部と構して全國で著名な飛行場があつたのであります。それから水戸の在に、これも海軍関係の通信関係の学校がございます。この三つの所が今日問題になつておるのであります。その問題は、農林大臣と大藏大臣との間の問題なのでございます、と申しますのは、私土浦の予料練の跡、その他の飛行場などを三年程前から地元の人が百姓に返して貰いたい、こういう要求をしておつたのであります。ところが今日に至りましても、依然としてそれは解決されておらない。それでいろいろ私が事情を調査して見ましたところが、それは大藏省の方にいろいろな問題があるわけであります。で縣廳の人の話を聞くと、水戸に管財部というものがあるのだそうでありますが、そこの人がなかなかその農林省に移管替えをすることを承知しない、どういう理由であるかということを聞きましたところが、大藏省が國の收入として茨城縣の方には何億何千万円という割当をやつておる。それで土地を、これを農林省に所管替をしますというと、ただになりますから、これはそういうことになると、大藏省では儲らない。だから所管替えができない。でそれじやどうするのかというと、これはずつとして置いて宅地に賣る、こういうのであります。宅地に賣るとべらぼうに高いわけであります。すると大藏省では儲る、こういうわけであります。私はその場合、その土地が大藏省のものであるならば、現在は大藏省のものという工合になつておりますが、本質的に大藏省のものであるならば、これは文句は言わないのであります。ところがこれらの土地は、これは御承知の通り、百姓が昔耕やしておつた土地なのであります。所有権のあつた土地なのであります。そけを戰爭中に無茶苦茶に飛行場の拡張をやりまして、そうして飛行場としてさえも十分に使用しなかつたわけであります。ただこの農耕部隊というものを県いて、ごちやごちやしておつた場所なのであります。そういう場所でありまして、これは要するに軍が強制買收をしたのであります。中には金を拂わない所もあります。そういうような事情で、現在は大藏省のものという形になつておるわけであります。從つてこれは戰爭で負けてしまつて、もう飛行場というものは必要がないのでありますから、だから直ちに、これは前の所有者、或いは耕作者に対して返還すべきものであると、我々は考えておるのであります。而もこういうことは、私が考えるだけでなく、恐らく民法の中に、緑故に関する拂下げかなんか、拂下げ得るというような解釈のできる條文があつたように私は記憶しておるのであります。勿論又慣行的には、やはり習慣としては緑故拂下げをやつておるわけであります。で又單に御法の成文上或いは條文上、そういうことが日本で行われて來たということだけでなく、これは終戰直後に、大藏次官と農林次官はこういう一つの法的根拠に基いて、百姓に返うというような通牒を出しておる筈なんであります。ところが一向これが捗らない。而もこれは土地問題の所管は農林大臣であります。だからこれは農林大臣の一存で直ちに所管替えをしてもいい筈だと思うのであります。それを單に大藏省の方の算盤がどうとか、こうとか言つて、そうしてこれが時間がかかるということは、何か國に二つの法律があるというような感じを受けるわけであります。而も食糧増産が非常にうるさいのでありますから、昭和二十二年においてすでに農民は成規の手続きを取つてお願いしてあるのであります。若し直ちにあのときに農林当局が法の定むるところによつて、きちんと処理して貰えば、恐らく百姓連中は、冬のうちに一生懸命になつて働いて昨年は立派な米をとつた筈であります。ところが昨年も米をとることができない。今年の農繁期こそ何とか解決をしようと考えておる、それもできない。今皆仕事ができなくておる。而もその地元の様子を見ますと、土地を取られたから皆平均四反五畝というような耕地面積しかありません。こういう状態になつておるのであります。米の配給を受けて皆食つておる。配給を受けない農家になりたい。こういう念願を持つておりますが、それが実際においては実行できておらないのであります。こういうようなわけであります。これは私が僅かに三つの問題、而も自分のこの地元の問題をここで申上げましたから、何か勝手なことを言う、こういうふうにお考えになるかも知れませんが、私はそうではない、こう考えるのであります。これは少くとも慣行的に処分の方では今まで認められて來たところの緑故拂下げという権利が否定されておるという一つの電大な問題であります。民事上の重要な問題であります。もう一つは政府がはつきりと約束しておるところの一つの政策を阻害しておるということになると思うのであります。もう一つ申上げますと、これは終戰直後にそういう民事上当然の権利のある百姓には何の相談もなく、予科練跡及びその他に宅地及び建物は体育大学、霞ケ浦農科大学というもののためには簡單に使用許可を与えておるのであります。ところが学校がそれらの土地を使つておるかというと使つていない。而も最近私は非常に惡い惡いと思つておつたが、併し何ら証拠を掴むことができないで默つておつた。今日でも証拠を掴まんで惡いとは言いかねますが、農科大学の会計係が喉を切つて死んだということが新聞に出ております。それから自体の方ではどうかというと、この間火事を起しまた。そういう國家に対する損害を与えた、その損害の関係は一体どうなつたか、こういう問題も発生しておる。又貸付けた貸付けたと言つておりながら、そこにある建物が次々にほごされてどこかに移轉されておる。学校として使用するのに必要だという宅地が次々に空地になつておる。管財部の人の話を聞くと、ああいうコンクリートの建物のある所は農地にならないでしよう、学校に貸してあるのだから簡單に返すことはできない、こういうことを言つておる。併し百姓は熱心だから石があろうとコンクリーであろうとどんな犠牲を拂つてもするので、大藏省がそんなことを心配する必要はない。もう一つは農民に民事上の優先的権利があるのに学校に貸付けた。大藏省の恰も学校側に優先的権利があるかのごとき民法の解釈は私はどうしても理解できないのであります。併し專ら農林大臣の考えと職権とを以てどうでもできる問題だと思うのであります。これに対して大藏省側は何も強硬に農林大臣のやることをとやかく言うべきものではないと考えるのであります。こういうことは実は茨城縣の農地部でもあれは常々問題になりまして、開拓局長あたりの肚で決まるものだということを言つておつたのですが、尚今日解決しませんで、そうしてコンクリートを毎日百姓は眺めて、而も轉落農家でありますが、最近米の配給もやらないというので、非常に困つておるのです。これは小さい問題ではなく、そういう法律上から見れば非常に重要な問題を含んでありますので、百姓も困つておりますので、この際農林大臣のお言葉を頂きますと同時に、農林大臣が農地改革の上におきまして、開拓事業の上におきまして、或いは土地改良の上においてなすべきことは断乎としてやつて頂きたいというお願いを含めながら質問のように申上げたのであります。
#41
○國務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。私も池田さんに見せて貰つたと思いますが、今政府といたしましては、國有財産の始末をできるだけするように各省所管を調べているのであります。そうして國家がこれを所有しなくてもいいというようなものはどしどしこれを民間に拂下げまして、國家の收入を増して行きたい。こういう考えで今各省が手を分けて調査しているのであります。今お述べになりました土地について私は考えますのに、御承知の戰爭に負けました当時、軍部関係のものは全部占領せられたのであります。これはいわゆる連合軍が所有いたしたのであります。そうして連合軍が所有いたしました後において、これを日本政府に返還と申しますか、交付せられたのであります。それで今お話のような土地を飛行場にするとか、或いは予科練にするとかというような場合におきましては、勿論戰爭当時でありまして、強き力によつて強制的の買收が行われました。又若しそれが廃止された場合においては当然地元にこれを返還するという特権も認められている筈でありますが、同じ國土の内でありますけれども、これは一応連合軍の所有に帰したのであります。それが日本政府に返還せられたのでありますから、この日本政府が連合軍より返還を受けました場合においては、これが國有財産を支配する特殊の財産以外の財産の所有は、一応これは大藏省の所有になるのが順序であるかも知れんと思うのであります。この場合に、これを処分することは農林省の所管であろうが、大藏省の所管であろうが、政府の責任においてこれを処分するのでありまするから、その処分の方法につきましては、これは宅地にした方がいいか、或いは学校校舍として認めた方がいいか、或いは耕地に復旧さしな方がいいかということは、その物件の実体につきまして十分考慮して、できるだけ有利にこれを民間に拂下げて國土の收入を考えて行くということが、國有財産処分に対する一応の考え方ではないかとかように思うのであります。そういう場合に土地開墾をしている時代でありますから、耕地になるものはこれは耕地として認めて行くということもこれは当然でありますが、そういうふうな手続によつて、現在のそういう戰爭によつてできました不用の物権を処分するということになるのではないか。かように考えるのであります。今池田さんがお述べになりましたようなものにつきましては、そういう場合におきましては、これが立派な耕地になるということであれば、政府といたしましてはこれを耕地になすということが当然であり、又その場合におきましては、一応日本の所有権から離れてしまつたのでありますけれども、地元の買收された当時の実情に鑑みまして、地元にこれを優先的に拂下げる。賣却をするという手続を取ることがこれは当然なことと考えております。よく沿革を存じませんが、尚詳しいことについては開拓局長もおりますから政府委員から一応御説明いたさせたいと思います。
#42
○政府委員(伊藤佐君) 只今農林大臣からお述べになりましたことに対し補足して申上げます。池田さんの仰せになりました茨城の三箇所、これは私よく存じているのであります。御承知のように終戰後一応旧軍用施設というものは占領軍の管轄下に入りまして、そのうち向うの要らないものを逐次日本政府の方へ返して來たのであります。その日本政府に返しました場合におきましては、大藏省の所管に相成るのでありますが、その中でそういつたような所は農耕優先という連合軍の方針もございまして、從來それに従つてやつて参つたのであります。昨年の十月までに大体全國的にそういう所を調べまして、問題のない所は全部昨年の十月末までに農林省の方に開拓財産として引継ぎましたものは約十余万町歩であります。そのうち賣拂いましたものが本年の三月末までに十万町歩になつているのであります。池田さんの仰せになりましたのは、これはそれに入らない部分でありまして、全國的に見ますとそういうようなのが、今残つておりますのは極めて稀であります。たまたま茨城縣で三箇所集中したようになるので、全國的に見ると非常に少いのであります。むしろ学校とか、そういつたものがなければ問題なく昨年の十月に当然こちらの方に所管換になつたのでございますが、そういつたような点がございますので、今交渉いたしておるのでありますが、現在までには解決はいたしておりません。できるだけ早く解決をして、農耕適地となり得るものは、無論農耕適地として所管替をして、元の地元に返すということにいたしたいと考えております。
#43
○山崎恒君 今回の土地改良法案に対しまして、日本の現在の農業の現段階といたしましては、勿論、土地改良法案のような法律案が必要になつて來ようと思うのであります。というのは、從來耕地整理組合、或いは水利組合等によつて農地の改良、交換、分合等の事業をしておつたのでありますが、一応現在におきましては日本農業の改変がせられたというようなことからいたしまして、從來の水利組合等の面から行きますれば、土地の所有者がその負担をするのが、一応かような状況になつたので、勿論これに対処する案が必要であり、現在その組合が閉鎖状態に相成りますので必要であると思いますが、その裏付に要するところの補助金或いは融資の面がなくしては、かような立派な法案ができましても、何ら運営はできないということは、これはもう申上げるまでもないのでありますが、それにつきまして、先般の委員会から議論されておる問題は、いわゆる融資の面で特にこの見返資金の問題が出ておるのでありますが、その見返資金の問題もGHQ内におきまして融資不可能でありはせんかというような消息があつたのでありますが、こうした問題につきましてその後の状況はどのようになつておるか、又これが融資がされて、実際に事業面に融資ができるのか、できるとしたならば、いつ頃かという見通しがあるかどうか。その辺を一つ御答弁願いたいとこう思うのであります。
#44
○國務大臣(森幸太郎君) これは先程経済安定本部長官も申しましたように、今千七百五十億円の中で確定いたしておりますのは、運輸と鉄道の方面に廻すだけでありまして、そのあとの問題は、まだ未解決になつておるのであります。併しこれが不安であるとは一概に考えられませんので、決してこれがいろいろ噂さもあるようでありますが、絶望というようなことは断じてないと考えるのであります。ただ御承知の通りに、この経費の内容が、この資金の活用が日本政府の一方的な考え方でいけないということに相成つておりますので、はつきりと先程來申上げられない現状にあるわけであります。併し事業は一日も早く考えて行かねばならんのでありまして、從つて資金の面につきましても、できるだけ早くこの問題のめどをつけまして、大体のめどがつけば融資面方の途も講じられますので、できるだけ急いでこの問題の処理方について関係方面との了解を得たく、経済安定本部なり、大藏省なりが折衝を重ねておるわけでありますから、その点御了承を願います。
#45
○岡村文四郎君 この法律の通過からいたしますると、説明の中にもありますように、北海道の土功組合はなくなるわけであります。現在のところ土功組合では、これは負担がかかつて困つておるのでありますが、支線は当然耕作農民に負担にして然るべきだと思うのでありますが、幹線は前々から國家が負担すべきだという御議論がありますが、これが実現いたしておらんのでありますが、これが通過いたしますると、國としての取扱は一体どういうふうになりますか。
#46
○政府委員(伊藤佐君) これは実際上の取扱いとしましては、從來と変らなくやるつもりであります。
#47
○藤野繁雄君 土地改良事業をやるのについて、連合会を組織することができるように法律はなつておるのでありますが、若しそういうふうな連合会があるといたしましたならば、現在では生産指導というようなものは連合会が取扱うのが適当であろうと考えるのでありますが、土地改良事業を行う連合会は政府においてはどういうふうな連合会に取扱わせられるお考であるか、この点お伺いしたいと思うのであります。
#48
○政府委員(伊藤佐君) この土地改良組合連合会というのは工事の面から見まして、一部なり全部なりの工事の場合につきまして、連合会を作るのであります。
#49
○藤野繁雄君 そういたしますと、現在の指導生産ということは連合会のようなものは、この仕事ができないのであるか、できるのであるか、この点お伺いしたいと存ずるのであります。
#50
○政府委員(伊藤佐君) これは現在の農業協同組合、主として生産協同組合と存じますが、その連合会におきまして、連合会としてできる仕事の範囲内であるならば、これに代る仕事はできます。
#51
○岡村文四郎君 改良法が通過をしたと假定して、あとの結果を考えてみますると、今までも、現在さえも非常に農村に対しまするあらゆる面の組織いたしたものについて、もう手数がかかり、金がかかつて困つております。これが通過するとなかなかこの法律は考えようによると、非常にむづかしくできておる法律でありますので、これは余程檢討をしませんと、仮に申し上げますと、罰則がついておりますが、農業者が組織して作ります団体に七年の体刑という罰則はまだないと思つております。それから二十五万円という罰金もないと思うのでありますが、沢山な罰則がついておりまするが、皆それは組織するその団体がやることによつて起きる問題でありまして、これはただよかれよかれというわけにはいかんのであつて、できた結果を考えなければいかんと思うのでありまするが、今考えますことは、北海道の土功組合が困つておりますが、今のお答では何も変らん、こういう御返事でありますが、現在の土功組合法でいきますと、これとは違いまして、もう少し緩やかで、自分のことでやつていけるのでありますが、今度は困る。この法律によつて土功組合をやつて参りますと、実に面倒なことが起きて、そうして金はない、人は足りない、組織は非常にうまくいかん、こうなると、非常に又余程お叱りを蒙つて、お前は何をした、こうことが起きると思うのでありますが、こういうふうな何らそのあとに方法を講ずる考がないかどうか、お聞きします。
#52
○政府委員(伊藤佐君) 只今北海道士功組合の例をおひきになりましてお述べになりましたが、先程私のお答え申上げましたのは、御質問の御趣旨が現在のように幹線工事は國がやることになつておるが、それが今後はどうかというお問いに対してのお答でありまして、この罰則の点まで及んだとは考えておらなかつたのであります。これは全般的の問題といたしまして、只今お述べになりました二十五万円、或いは七年といつたようなのは、公共的な色彩を帶びたような事業におきまして、役員或いた議員等が不正を働いた、賄路をとつたとか、贈賄をしたとかいうような不正の場合でありますので、これは法務当局と十分に相談したのでございますが、この辺が適当かと考えるのであります。
#53
○岡村文四郎君 罰則の方法がここらが適当であろうということでありまするが、非常に私は惡いことをするということを別にして、どうしてこの法律のみそういう大きな罰則をつけなければならなかつたかということをお聞きしたい。
#54
○政府委員(伊藤佐君) これはどうもこの法律のみであるかどうかちよつと存んじませんのでありますが、それはこういう点は広く見ております司法省当局におきまして、相談の結果決りましたので、ただ金額の点につきましては現在の貨幣價値が下つておるという点があると思います。それから体刑の点につきましては、これは全般的な観点から見て、この辺に落付いたのでございます。
#55
○委員長(楠見義男君) 日本はこの程度で……。
#56
○藤野繁雄君 今までいろいろの法律を見て見ますけれども、事業年度を省令によるというのはこの法律が初めてであります。事業の年度を何故省令で決めなくちやできないのか。それから土地改良というようなものは計画者が責任を以て完遂しなくちやできないと思うのであります。責任者に仕事を完遂させるためには、その責任者はできるだけ変らないようにして仕事をして行かなくちやできないと思うのであります。そうするためには理事の任期が一年ということであるならば、土地改良事業を完遂することに支障があると考えるのでありますが、この点についてお伺いしたいと思うのであります。又土地改良区は区債を起すことができるのであるが、区債の引受けに対して制限を与えたというのは面白くないじやないか。区債を引受けるところのものがあつたら誰にも引受けさせて差支えないじやないか、それを國又は出資者、金融機関に限定された理由はどこにあるか、これをお伺いしたいのであります。
#57
○政府委員(伊藤佐君) 事業年度を省令に讓つたのはどうかというお尋ねでございますが、これは現在耕地整理法におきましても省令で規定しておりまするが、大体期間を一定したいという点でございます。現在では九月から翌年の八月一杯になつておりますが、さように考えておるのでございます。それからこういつたような事業をやる場合に役員の任期が一年というのは短いではないかというお話でございますが、この点は、これはまあいろいろ向うの方でも意見もございますのでありますが、一年にいたして置きまして、そうして再選は一向妨げないのであります。本当にいい人がおられれば、終いまでせられるわけであります。それから区債の点でございますが、これは何ら制限がございませんが、國又は云云というのは、そういつた金をこれに注ぎ込むことがでぎるという公共事業性を強調したのでございます。
#58
○板野勝次君 先程大臣が言われてそのまま遠慮しておつたのですが、この水利組合と、それから耕地整理組合との関連についてその必要があることは認められます。併しその必要のあることは何か三つの組合を一本に纒められたというので、あの法案の中を見ても初めから進歩性は認められないと思います。言葉は変つたが認められない。結局國庫補助金は都道府縣以下は削られてない。而もあの法案を見ますと、受益者負担という制度が設けられて來ておりますから、それの設定によつて結局は農民に負担を押し付けて來る。こういう形になるのであつて、土地改良法の全体としての法案の性格を見れば、農民の負担になつてしまう。こういう意図が現われて來ているので、一方における補助金の予算が削られているのと、あれこれ睨み合わせて見ると、結局は農民の負担、こういう方向に進むより外はないのじやないか、こういう点を一番心配するわけでありますけれども、それに対する懸念の有無について伺います。
#59
○國務大臣(森幸太郎君) これは先程岡村さんのお述べになりましたように、現在段において論議しますと、予算の裏付もないのに、こんな法律を出してどうか、こういう御議論が出るわけであります。併しこの問題につきましては、政府としては更に善処をお誓いしているわけでありますが、公共性のある法律として、將來又予算が……來年も再來年もないというのじやないのでありまして、これは單に公共事業費という空漠なる予算費目でなく、確実性のある予算を農林省としては將來、独立して助成のできるような方向に努力したいということをお誓いいたしているわけであります。これは今年度の予算で以て、そうして今法律を決めるときに予算の裏付けがない、こういう御議論が出ますが、これは先程繰返えした通りなので御承知を願いたいのであります。今日水利組合なり、從來の耕地整理組合を一緒にしてしまつて、この法律の下に一緒にしてしまうというのでは変りはないではないかというお話でありますが、普通水利組合というものは從來耕作者も幾分か分担している分もありますが、主に土地所有者が水利組合を作つて來たのであります。又耕地整理組合も土地の所有者が、耕作者というものを置かずして所有者によつて耕地整理組合というものが作り上げられて來たのであります。ところがこの農地改革によりまして、土地の所有者が根本的に変更して参りまして、どうしてもここで從來の耕地整理組合というものを解散し、水利組合というものを解散して、現段階における農地の実態に副うような組合を作るということでなければ仕事もできなければ、第三者に対する権威もない、そういう資格もない、こういう立場からこの土地改良法を設けまして、北海道の土功組合並びに耕地整理組合或いは普通水利組合というものを、これを廃止して、一本の下に纏めて行こう、こういう考え方であります。
#60
○板野勝次君 その点はおつしやる通りなんです。農地改革の必然の結果として当然やらなければならない。併しその中に進歩性が盛られていないという点を私は指摘したのであります。もう一つは受益者負担の制度の設定によつて、一応補助金が出て來ても、その負担の制度で結局事業費が農民に轉嫁されて來る、こういう強い方向に行くのじやないか、結局土地改良というものが農民負担に追込んで行くというふうな法律の性格じやないかどうか。この点をちよつと聞いたわけなんであります。
#61
○國務大臣(森幸太郎君) 本來からいえば受益者の負担としてやるべきが当然であります。併し農業ということ、土地改良ということが國家的立場を持つているというので、これを助成するのであります。この点は御了承願いたいと思います。
#62
○委員長(楠見義男君) 大体質問もつきたようでございますから、これで質疑は打切りたいと思いますが……。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○板野勝次君 法案全体の質疑ですか。
#64
○委員長(楠見義男君) ええ。
#65
○板野勝次君 逐條審議に入つていないのじやないですか。
#66
○北村一男君 これは逐條をやつたらたまつたもんじやありませんよ。異議なし。
#67
○板野勝次君 今度されるときには二、三殘つている問題があるのでございます。例えば税務署に何とかしなければなんとか……。
#68
○委員長(楠見義男君) そういう細い問題は尚残ると思いますが、大体の質問は終了したものと思います。御異議ないようですから、さようにいたします。それから実は陳情、請願が相当ありまして、それで一応現在我々が審議しておりまする法案に関係のある例えば競馬関係の陳情請願とか、外の災害復旧に関する陳情請願等については、一応審議だけをいたしまして、結論はまだ得ておらないのですが、大部迫つて参りましたので、これは一つ並行的に取扱いたいと思うのです。そこで甚だ御迷惑なんですが、林業等の関係につきましては、一つお諮りするわけですが、石川理事と徳川さんに一つやつて頂く、それから一般農業については藤野さんと北村さんに一つ下審査をして頂いて御委任をすることがいいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○委員長(楠見義男君) それでは御迷惑ですが、一つお願いいたします。本日はこれにて敢会いたします。
   午後五時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     楠見 義男君
   理事
           平沼彌太郎君
           石川 準吉君
           藤野 繁雄君
   委員
           大畠農夫雄君
           門田 定藏君
           北村 一男君
           柴田 政次君
           高橋  啓君
           星   一君
           赤澤 與仁君
           加賀  操君
           徳川 宗敬君
           山崎  恒君
           板野 勝次君
           池田 恒雄君
           國井 淳一君
           岡村文四郎君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   國 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   総理庁事務官
   (経済安定本部
   財政金融局次
   長)      渡邊喜久造君
   農林事務官
   (農政局長)  山添 利作君
   農林事務官
   (開拓局長)  伊藤  佐君
   食糧管理局長官 安孫子藤吉君
  説明員
   農林事務官
   (農地部長)  田邊 勝正君
ソース: 国立国会図書館
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