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1968/12/11 第60回国会 参議院 参議院会議録情報 第060回国会 本会議 第2号
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1968/12/11 第60回国会 参議院

参議院会議録情報 第060回国会 本会議 第2号

#1
第060回国会 本会議 第2号
昭和四十三年十二月十一日(水曜日)
   ○開 会 式
 午前十時五十八分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、常任委員長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣及び最高裁判所長官は、式場に入り、所定の位置に着いた。
 午前十一時 天皇陛下は衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。
   〔一同敬礼〕
 午前十一時一分 衆議院議長石井光次郎君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。
   式 辞
  天皇陛下の御臨席をいただき、第六十回国会の開会式をあげるにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。
  最近における多端な内外諸情勢の推移にかんがみ、われわれは、当面する幾多の重要問題に対処して、すみやかに適切な施策を講じ、民生の安定と国運の伸長に一段の努力をいたさなければなりません。
  ここに開会式を行なうにあたり、われわれに負荷された使命達成のために最善をつくし、もつて国民の委託にこたえようとするものであります。
 次いで、天皇陛下から次のおことばを賜わった。
   おことば
  本日、第六十回国会の開会式に臨み、全国民を代表する諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの喜びとするところであります。
  現下の国際情勢は、きわめて多端でありますが、この間に処して、わが国が諸外国とますます友好親善を深め、もつて世界平和の達成に貢献していることは、まことに喜びに堪えません。また、内にあっては、全国民が相協力して、憲法の理想とする民主主義の本義を守り、民生の安定と経済の発展とに不断の努力を続けていることは、深く多とするところであります。
  ここに、国会が、当面の諸問題を審議するにあたり、国権の最高機関として、その使命を遺憾なく果たし、国民の信託にこたえることを切に望みます。
   〔一同敬礼〕
 衆議院議長はおことば書をお受けした。
 天皇陛下は参議院議長の前行で式場を出られた。
 次いで、一同は式場を出た。
   午前十一時七分式を終わる
     ─────・─────
昭和四十三年十二月十一日(水曜日)
   午後二時四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第二号
  昭和四十三年十二月十一日
   午後二時開議
 第一 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一
 一、国家公務員等の任命に関する件
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、国務大臣の演説に関する件。
 内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。佐藤内閣総理大臣。
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(佐藤榮作君) 第六十回臨時国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べたいと思います。
 世界は、いま多くの分野で転換期を迎えていますが、特にわが国は、社会構造の急激な変化に伴って、大学問題をはじめ、数々の困難な問題に直面しております。これらはいずれも、わが国近代化百年の歴史の中で、われわれが初めて当面した新しい試練であります。これを乗り越えて、十年先、二十年先、さらに二十一世紀へ向かって賢明に対処することこそ、政治の使命であると確信いたします。私は、国民各位の御協力を得つつ、最も適切な解決をはかってまいる決意であります。
 最近の国際情勢は、新たな局面を迎えつつあります。
 米国においては、共和党のニクソン氏が次期大統領に選ばれました。政府は、引き続き、日米友好関係を維持し、世界の平和とアジアの安定という共通の目標に向かって協力してまいります。
 ベトナムにおける北爆の全面停止が実現し、政治交渉の糸口が開かれたことは、過去数年間アジアにおける最も大きな不安定要因であったベトナム戦争が、ようやく終息の時期に入ったことを示すものであります。われわれは、和平の機運が動きつつあることを心から歓迎し、今後とも、わが国独自の役割りを果たしてまいりたいと考えます。特に、和平実現に備え、政府は、インドシナ地域の復興と繁栄に寄与する方策を鋭意検討しております。
 中共の文化大革命も、収拾段階にあるものと認められます。われわれは、国際緊張緩和のため、中共が柔軟な態度を打ち出すことを期待するものであります。
 一方、去る八月に起こったチェコ問題は東西関係に大きな刺激を与えました。この影響は、今後の世界情勢に長く尾を引くことが予想されます。
 この間にあって、わが国は、自由を守り、平和に徹し、政治的安定の上に経済的繁栄を達成しつつあります。それだけに、わが国に対する国際的な信頼と期待はますます強まり、わが国の使命と責任はさらに重きを加えるものと考えます。
 当面の最も大きな外交課題は、沖繩の祖国復帰であります。先般の琉球政府主席選挙においても、一日も早く祖国に復帰したいという沖繩同胞の願望が強く示されました。祖国を離れて二十余年、いまだに外国の施政権下に暮らす同胞の心情を思うとき、私は、沖繩の早期返還を実現するとの決意を新たにした次第であります。
 私は、今後とも、米国との相互信頼の基礎に立って、安全保障上の要請を踏まえつつ、沖繩の早期返還実現のため全力を尽くす考えであります。同時に、沖繩と本土との一体化政策を強力に推進してまいります。
 他方、北方領土に対する国民的関心もまた急速に高まっております。北方領土の回復を実現するため、私は、国民の願望を背景として忍耐強く取り組む決意であります。
 自由に恵まれたわが国の民主主義体制を守ることは、国民の総意であると確信いたします。しかるに、最近における大学紛争の実態を見ると、戦後国民の努力によってかち得たこの自由を危うくするおそれすらあり、まことに憂慮にたえません。
 学内にあっては、紛争を長期化して教育と研究の自由を奪い、学内にあっては、社会の秩序を乱し公共の施設を破壊し、ときには市民生活に不安を与えるなどきわめて遺憾であります。
 個々の大学内における紛争の解決は、大学当局の手によるすみやかな収拾に期待し、政府は、その努力を支持するとともに、進歩する社会に適応し得るよう大学自体のあり方について真剣に検討を進め、大学教育の改善と正常化をはかってまいりたいと考えます。
 特に、私は、父兄の心情に思いをいたし、学問が真に人間の形成に役立ち、青少年が次の時代のすぐれたにない手となることができるような教育環境をつくる決意であります。
 学生諸君は、過激な行動によるみずからの学園の荒廃を座視することなく、その秩序維持のため、進んで建設的な意見を述べ、諸君みずから新しい大学を創造していく責任を分かつものであることを自覚するよう、強く訴えるものであります。(拍手)
 最近の経済の動きを見ますと、国内経済活動は依然として拡大基調にあり、国際収支も、輸出の好調と長期外国資本の流入によって、引き続き好調に推移しております。特に、不安定かつ流動的な国際通貨情勢の中にあって、外貨保有も着実に充実を見、円価値の安定を堅持し得ていることは、国民各層の努力を背景としたわが国経済力の反映であり、心強い次第であります。
 しかしながら、国内経済においては、物価の上昇基調は依然として根強く、海外経済においても、米国景気の見通し、複雑なる国際金融情勢の推移など、なお警戒を要する動きも少なくありません。政府は、これら内外の経済情勢の動きを見きわめつつ、慎重に政策を運営し、わが国経済の均衡のとれた持続的成長をはかってまいりたいと考えます。
 特に、消費者物価の安定については、国民生活を守るため、最重点施策として力を注いでまいります。年末を控え、国民の台所に直結する生鮮食料品等については、安定した価格で供給し、家計に不安を与えないよう努力いたします。
 昭和四十四年度の予算の編成にあたっては、景気を刺激しないよう、その規模の適正化をはかり、国債依存度の引き下げなど財政体質の健全化につとめ、あわせて国民税負担の軽減について一そうの努力をいたします。
 政府は、公務員給与の改善に関する法律案を今国会に提出しました。御審議をお願いいたします。
 明治改元百年の意義ある年を終え、激動する次の百年を迎えるに際し、私は、当面する内外の難局に処して、国民諸君とともに、自由と平和に輝く繁栄の世紀をわが国にもたらすべく、全力を傾倒することを誓うものであります。
 国民諸君の理解と協力をお願いいたします。(拍手)
#6
○議長(重宗雄三君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) この際、国家公務員等の任命に関する件につきおはかりいたします。
 内閣から、検査官に白石正雄君を、
 公正取引委員会委員に菊池淳一君を、
 行政監理委員会委員に、安西正夫君、犬丸實君、太田薫君、佐藤功君、寺尾一郎君、吉武信君を、
 公安審査委員会委員長に大山菊治君、同委員に、櫻田武君、富田喜作君、平林タイ君を、
 運輸審議会委員に、荒船清一君、佐野廣君を、
 日本電信電話公社経営委員会委員に、谷口孟君、土井正治君を、
 労働保険審査会委員に猿渡信一君を任命したことについて本院の承認を、
 また、日本放送協会経営委員会委員に木村四郎七君、藤田たき君を任命したことについて本院の同意を求めて参りました。
 まず、公安審査委員会委員長、同委員、運輸審議会委員、日本電信電話公社経営委員会委員、日本放送協会経営委員会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも承認または同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#9
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、いずれも承認または同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) 次に、検査官、公正取引委員会委員、行政監理委員会委員、労働保険審査会委員の任命について採決をいたします。
 内閣申し出のとおり、いずれも承認することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもっていずれも承認することに決しました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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