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1968/12/26 第60回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第060回国会 石炭対策特別委員会 第4号
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1968/12/26 第60回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第060回国会 石炭対策特別委員会 第4号

#1
第060回国会 石炭対策特別委員会 第4号
昭和四十三年十二月二十六日(木曜日)
   午後一時四十分開議
 出席委員
  委員長 堂森 芳夫君
   理事 大坪 保雄君 理事 鹿野 彦吉君
   理事 神田  博君 理事 三原 朝雄君
   理事 岡田 利春君 理事 池田 禎治君
      佐々木秀世君    篠田 弘作君
      進藤 一馬君    菅波  茂君
      西岡 武夫君    多賀谷真稔君
      中村 重光君    渡辺 惣蔵君
      田畑 金光君    大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  大平 正芳君
        労 働 大 臣 原 健三郎君
 委員外の出席者
        通商産業政務次
        官       藤尾 正行君
        通商産業省鉱山
        石炭局長    中川理一郎君
        通商産業省鉱山
        石炭局石炭部長 長橋  尚君
        通商産業省鉱山
        保安局長    橋本 徳男君
        労働政務次官  小山 省二君
        労働省労働基準
        局長      和田 勝美君
        労働省職業安定
        局失業対策部長 上原誠之輔君
    ―――――――――――――
十二月二十日
 一、石炭対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 石炭対策に関する件(石炭鉱業審議会の答申及
 び中央鉱山保安協議会の答申に関する問題)派
 遣委員からの報告聴取
     ――――◇―――――
#2
○堂森委員長 これより会議を開きます。
 去る二十四日、二十五日九州、二十三日、二十四旧北海道に石炭鉱山の実情等調査のため委員派遣をいたしましたので、派遣委員よりそれぞれ報告を聴取することといたします。
 まず九州班の岡田利春君。
#3
○岡田(利)委員 本委員会から派遣されました九州班の調査について御報告を申し上げます。
 当調査に参加いたしました派遣委員は委員長堂森芳夫君、大坪保夫君、田畑金光君及び私、岡田利春の四名でありますが、このほか現地におきまして、三原朝雄委員及び田中昭二議員が参加されました。
 今回の調査の目的は、石炭産業再建に対する最後の抜本策といわれております石炭鉱業審議会の第四次答申につきましての同審議会政策懇談会小委員会の答申骨子が出され、間もなく同審議会の答申が出されるという時期にあたり、今後当委員会がその具体化のための予算措置並びにその立法措置に直面しての審査の万全を期するため、現地における関係者の率直な意見を聴取することを目的として調査を行なったのであります。
 私ども一行は、十二月二十四日早朝羽田を出発、八時四十五分板付空港に到着、直ちに会場のあります福岡通商産業局に直行し、同日と翌二十五日の両日にわたりまして現地の関係者の熱心な意見を聴取いたしたのであります。
 調査は、二十四日が地方公共団体、大手・中小の石炭企業及び関連企業の代表から、翌二十五日は各労働組合及び鉱害被害者の代表から意見及び要望を聴取いたしたのでありますが、いずれの代表の意見からも、石炭鉱業再建に関する具体的施策のいかんが、石炭鉱業のみならず産炭地域全体の死命を制するものであると理解し、また今度こそ石炭産業を救済する最後の機会であるという関係者のなみなみならぬ決意がうかがわれますと同時に、われわれ石炭対策特別委員会に寄せられる期待もまた非常に大きなものであることを痛感させられたのであります。
 次に、各関係者の意見、要望のうち、おもなものについて以下その概要を簡単に御報告申し上げます。
 一、まず、地方公共団体関係者でありますが、地方公共団体につきましては、福岡、長崎、佐賀、熊本の四県の県当局及びこれら四県の県議会、福岡、佐賀、長崎三県の鉱業市町村連盟または連合会、福岡県及び佐賀県の鉱業市町村議会並びに四県の教育委員会からそれぞれの意見を聴取いたしましたところ、いずれも今次答申が各地方公共団体にとっては非常にきびしいものであるとして
 (1)石炭生産については現行規模程度の位置づ
   けを明確にし、安定的出炭体制の確立と需要
   の確保をはかるとともに流通機構の合理化を
   はかること。特に石炭産業の長期ビジョンを
   確立すること。
 (2)原料炭中心主義に偏重しないこと。
 (3) 安定補給金の増額に留意すること。
 (4)鉱区調整を強力に推進すること。
 (5)炭鉱労働力の確保と坑内保安対策の充実強
   化をはかること。
 (6)終閉山が集中しないよう特別措置を講ずる
   こと。
 (7)鉱害復旧については、残存鉱害量の正確な
   把握を行なうとともに、長期計画の早急な策
   定を行なうこと。
    石炭鉱害復旧規模の拡大、石炭鉱業合理化
   事業団買収鉱区の鉱害復旧の促進及び鉱害認
   定制度を整備すること。
 (8)離職者の地域内雇用と生活安定が得られる
   よう雇用対策について強力な措置を講ずるこ
   と。
 (9)産炭地域振興については、中核企業の誘
   致、一元的実施体制の確立、地方財政に対す
   る援助措置の強化(たとえば離島振興方式の
   導入等)、閉山炭鉱住宅の改良等、社会環境
   整備の充実をはかること。
    また、文教対策については学級編成率の改
   善、養護教員、事務職員の拡充を行なうこ
   と。等の意見や要望が述べられました。
 二、石炭企業につきましては、大手炭鉱の代表といたしまして日本石炭協会九州支部、中小炭鉱の代表といたしまして九州石炭鉱業会からそれぞれ意見、要望を聴取いたしましたところ
 (1)石炭協会からは、今次答申の内容はおおむ
   ね適切妥当なものであるが、他方最終的対策
   となり得ないのではないかという懸念もある
   ので、経過金融措置については特に配慮する
   こと。また金融上の担保解除措置を弾力的に
   運用すること。企業合理化のための統合分割
   に法制、税制の特別の措置を講ずること。
 (2)九州石炭鉱業会からは、公平適正な中小企
   業対策を行なうべきであるとして、今次答申
   の安定補給金制度では従来の経緯にかんが
   み、中小炭鉱に対して著しく不均衡であるの
   で、現行安定補給金を基盤として新安定補給
   金制度を上積みすること。閉山交付金はさら
   に増額すること。中小炭鉱金融措置に特段の
   配慮をすること。電力用炭価の大手、中小別
   格差を是正すること。等の意見、要望が述べられました。
 三、関連企業といたしましては、九州石炭商連合会、九州産炭地域進出企業連合会及びさきに述べました四県の各商工会議所連合会から意見を聴取いたしましたところ(1)石炭商連合会からは、政策転換に伴う商権
  の擁護、石炭の需要に見合う石油代替納入措
  置、石炭会社に対する債務の優先的取り扱い
  等について(2)産炭地域進出企業連合会からは、設備資金
  ワクの拡大、長期運転資金の増額、不動産取
  得税及び固定資産税の減免措置等について(3)商工会議所連合会からは、中核企業の誘
  致促進、産炭地域振興事業団の出資ワクの拡
  大、閉山交付金制度における一般債務の取り
  扱い優遇、転廃業者に対する金融対策の改善
  等についてそれぞれの代表から要望が述べられました。
 四、労働組合関係といたしましては、日本炭鉱労働組合九州地方本部、全国石炭鉱業労働組合西日本事務局、全国炭鉱職員組合協議会九州地方本部、福岡県、佐賀県の日本教職員組合並びに全日本自治体労働組合福岡、佐賀及び長崎の各県本部の代表から意見聴取いたしましたところ(1)炭労からは、今次答申はさきの答申の一部
  手直しにすぎず、将来のビジョンがない。また、
  これは今後五カ年間に四千億円余の国家資金
  を注ぎ込み、私企業体制を基礎とした個別企
  業救済のための負債の肩がわり、安定補給金
  の増額等を行なおうとするものであり、出炭
  規模も原料炭を中心として昭和四十八年まで
  に三千五百万トン体制に移行し、今後なお一
  千万トンの閉山を見込んだものである。この
  政策が強行されると、九州の一般炭の炭鉱の
  ほとんどが壊滅することになり、労働者の生
  活は崩壊し、産炭地の惨状は一そう深刻なも
  のとなる。石炭産業は国有公社化によっての
  み総合的な運営管理ができるものであるの
  で、今次答申には反対であるとの立場に立つ
  て、出炭規模については現状程度の出炭規模
  を維持すること、保安管理体制については経
  営者の責任を明確にすること、労務者対策に
  ついての具体策が示されていない、労働力確
  保の点からも労働条件、福利厚生面について
  の改善に努力すべきである等の意見、要望が
  述べられた。(2)全炭鉱からは、今次答申については、当面
  の危機を打開し、再建の努力のささえとして
  の意義は認められるが、日本石炭産業のビ
  ジョンがない、また石炭の位置づけ、労務政
  策、体制整備促進等の重要事項についても明
  確な表現がない等から、今次答申については
  反対であるとして、出炭規模については、石炭
  産業界の体制とかみ合わせて、将来にわたっ
  ても現状程度の出炭規模を維持するよう措置
  すること、中央鉱山保安協議会の答申を確実
  に実施すること、労務者対策については、炭鉱
  労働者賃金及び年金制度の改善、炭鉱労働者
  住宅の改善等の労働条件が向上するよう措置
  すること、その他離職者対策、閉山炭鉱の買
  い上げ、産業民主主義体制の確立、石炭産業
  体制整備の促進についての意見要望が述べら
  れました。(3)炭職協からは、今次答申には石炭の位置づ
  けがない、経済原則が確立されていない、労
  働力の確保に対して十分でないとして反対意
  見が述べられ、なお閉山対策については、入
  口整理等強制的閉山ではなく、炭量枯渇、保
  安不良を原則として労使の共同決定事項とす
  ること、大手、中小の均衡のとれた助成等を
  とること、職員の雇用対策等について一般炭
  鉱労務者と同等の処遇が職員に適用されるこ
  と、市中銀行の融資が閉ざされているのでこ
  れをゆるめてほしい、閉山した場合の離職者
  対策等、職業転換対策を講じてほしい等の意
  見要望がされました。(4)教職員組合からは、産炭地域の閉廃山に伴
  う児童の急減、生活環境の激変、市町村財政
  の疲弊等により産炭地域教育が非常に困難で
  あるということから、学級編制基準を学級児
  童生徒三十名以下とすること、事務職員及び
  養護教員の複数配置、小規模校の未配置校へ
  の配置を行なうこと、生活指導、学習指導の
  推進教員、給食従業員、栄養士等の基準外配
  置について配慮すること、就学援助の補助
  金、教材、教具に対する補助金の増額、教育
  費の国庫負担、小学校区ごとの幼稚園、保育
  所の設置等について要望がなされました。(5)自治労からは、今次答申は金融資本対策で
  あり、地方自治、地域住民対策がない、また
  これが実施されると九州の炭鉱は壊滅する等
  の点から反対意見が述べられました。
 五、最後に、鉱害被害者の代表といたしまして、福岡、佐賀両県の鉱害対策連絡協議会及び長崎県産炭地域開発促進協議会より意見、要望を聴取いたしましたが、鉱害被害者からは、残存鉱害量の確実な把握と総合的な復旧計画の策定を行なうこと、今次答申の実施により、ますます無資力炭鉱が激増すると思われるので、鉱害事業団の強化をはかること、鉱害認定制度を整備すること等について要望がありました。
 以上が九州におきます石炭鉱業関係者のおもな意見、要望の概要でございます。
 簡単でございますが、派遣委員の報告を終わります。(拍手)
#4
○堂森委員長 次に北海道班の鹿野彦吉君。
#5
○鹿野委員 石炭対策特別委員会委員派遣北海道班について御報告申し上げます。
 北海道班の派遣委員は、多賀谷真稔君、池田禎治君、大橋敏雄君及び私の四名であり、現地から篠田弘作君が参加いたしました。
 私ども北海道班の一行は、去る十二月二十三日夜、札幌市に到着、翌二十四日、札幌市において石炭関係者との懇談会を行ない、北海道、北海道議会、北海道教育委員会、北海道商工会議所連合会、北海道産炭地域振興事業団融資企業連合会、北海道産炭地域振興対策協議会、北海道石炭同業会、日本石炭協会北海道支部、北海道石炭鉱業協会、日本炭鉱労働組合北海道地方本部、全北海道労働組合協議会、全国石炭鉱業労働組合北海道事務局及び全国炭鉱職員労働組合協議会北海道地方本部よりそれぞれ意見並びに要望を聴取いたし、同日夜東京に帰着、派遣日程を終了いたしたのでございます。
 懇談会におきましては、各関係者とも、石炭鉱業審議会政策懇談会小委員会の答申原案を中心といたしまして、終始真剣かつ率直に意見並びに要望が述べられました。
 以下、若干重複する点もございますが、主要事項についてその概要を申し上げたいと存じます。
 まず、北海道、北海道議会及び北海道教育委員会からは、答申原案がきびしい内容のものと伝えられており、関係道民に大きな不安を与えているので、できるだけ高い水準の出炭規模が維持されるよう配慮すること、北海道の石炭鉱業は炭量、炭質など有利な条件に恵まれておるので、現行出炭規模が維持されるよう配慮すること、労働力の確保、定着及び保安確保について積極的対策を講ずること、北海道の産炭地域が積雪寒冷にして内陸山間部にあるという実態から、これに応じた産業振興対策、地方財政対策、私鉄対策、教育対策など、産炭地域振興対策を強化すること、今次答申に基づく対策実施までの間、閉山などの事態が発生しないよう配慮することなどについて要望がございました。
 次いで北海道商工会議所連合会からは、石炭鉱業の安定対策として、出炭規模のできるだけ高水準の維持、労働力の確保、定着及び保安の確保について、産炭地域振興対策として産業基盤の整備促進、来年度事業団設備資金融資ワク百億円の確保と融資条件の緩和、事業団造成地の譲渡価格の引き下げと賦払い期間の延長、産炭地域進出企業に対する助成、優遇措置の強化、石炭鉱山整理促進交付金の大幅増額による産炭地域中小商工業者の売り掛け金債権の保全、来年三月末までの限時法である産炭地域中小企業者についての中小企業信用保険特別措置法の延長、終閉山の影響を受ける産炭地域中小商工業者に対する中小企業金融公庫及び国民金融公庫特別融資限度額の引き上げ、終閉山の影響による中小商工業者の固定資産の売買価格の急落に対する補償などについて要望がございました。
 次に、北海道産炭地域振興事業団融資企業連合会からは、北海道産炭地域の地理的、気象的条件に即した施策の推進、特に進出企業に対する越冬資金として二億円の特別運転資金制度の新設、事業団北海道支所の支部への昇格、既存企業の安定育成に資するための運転資金融資の拡大と条件緩和などについての要望がございました。
 続いて北海道産炭地域振興対策協議会からは、全国出炭規模のできるだけ高水準の位置づけ、現行北海道出炭規模の維持、国内原料炭開発の推進、今次対策実施までの過渡的措置、万全の保安確保対策とともに労働力の確保、定着対策として住宅の改良、国立の勤労青年総合センターの建設、市町村財政、産炭地振興対策として産炭地交付金制度の新設、現行補助金かさ上げ制度の改善などについて要望がございました。
 次いで北海道石炭同業会からは、暖房炭取り扱い数量の減少、人件費の上昇などによる苦境が伝えられ、不需要期の貯炭に対する低利融資、貯炭場等販売設備に対する合理化事業団近代化資金の利用、国鉄運賃の軽減などについて配慮されたい旨の要望がございました。
 次に日本石炭協会北海道支部からは、今次対策実施までの緊急経過金融措置の確保、担保解除による市中融資、開銀融資など今後の資金対策の確立、新鉱開発、石炭利用技術開発などの助成及び融資、坑道掘進補助率並びに安定補給金の引き上げ、鉱産税の軽減、若年労働力確保のため鉱員養成に対する助成として、各社の養成所ないし学校生徒に対する一人月一万円の学費補助、炭鉱住宅改善工事に対する助成、炭鉱離職者の炭鉱再就職に対する手当の支給、老朽化している炭鉱病院の施設改善に対する助成などについて要望がございました。
 次に北海道石炭鉱業協会からは、今次答申に対する最低限の要望として、中小炭鉱の安定補給金を三百円上積みし公平な措置を講ずること、閉山交付金を五千円に引き上げ、生産数量を乗じた金額とし、四十三年十月以降の申請について適用すること、再建交付金の準備並びに使途については、中小炭鉱の特殊事情を考慮することなどについて要望がございました。
 続いて、日本炭鉱労働組合北海道地方本部からは、答申原案が、石炭産業を今日の状態に至らしめた根本問題に触れてはおらないとし、経営体制について、莫大な国家資金を投入する以上、国の産業政策の視点から国民の納得のいく体制を確立し、管理、運営について監督指導機構を設置すべきこと、生産規模については五千万トンを確保し、特に北海道においては現行出炭規模を維持するよう配慮すること、流通機構の整理統合、一元化と、石炭需給の実態に即した価格体系を確立すること、保安については、監督行政の労働省移管、採掘の深部移行、炭鉱機械化の現状などに即応した保安法規の抜本的改正、中央鉱山保安協議会答申の具体的実施をはかること、労働者対策については、まずもって石炭産業に対する将来展望を明らかにし、賃金はじめ労働条件を少なくとも鉄鋼産業並みとすることなどについての要望がございました。
 次いで、全北海道労働組合協議会からは、総括的に答申原案について不満が述べられ、傘下の自治労北海道本部から、産炭地域に対する中核的公営企業の進出促進、山間部産炭地域における国有林、道有林の開放、地方自治体、職員の労働条件低下の防止などについて要望があり、北海道教職員組合から、産炭地域における児童非行化の急増に対処するところの教職員定数の増加、就学援助費の拡大と市町村に対する補助率の増加などについて要望があり、私鉄総連北海道本部から炭鉱終閉山の影響により廃止する鉄道の補償立法、鉄道労働者の賃金、退職金などの完全補償等について、それぞれ要望がありました。
 次に、全国石炭鉱業労働組合北海道事務局からは、答申原案においては、対策の根幹となるところの労務対策が十分でないとし、賃金は全産業中最高位になるよう措置すること、五カ年計画をもって全炭鉱住宅を最低三間、内水道、内便所に近代化すること、炭鉱離職者は炭鉱に再雇用するよう計画並びに奨励措置を講ずること、石炭産業会議を設置し、労使共同決定方式により重要事項を検討すること、石炭業界の体制整備促進のため、公的管理機構を設置することなどについて要望がございました。
 最後に、全国炭鉱職員労働組合協議会北海道地方本部からは、石炭生産規模は少なくとも現行規模程度を将来とも維持すること、石炭産業の体制整備は、本委員会の第五十五国会における決議を基本とし、強力に推進すること、新石炭対策の樹立に際し、安定のための裏づけと条件を明確化すること、職員層の離職については、都市所在職場勤務の職員にも炭鉱離職者証明書を交付することなどについて要望がございました。
 以上が主要な要望事項の概要でございます。
 私たちは、各関係者の意見並びに要望を聴取いたしまして、いずれもその根底に、最終の石炭対策とされる今次答申の原案について、少なからぬ不安感を持っており、国会段階におけるところの石炭対策の審議に多大の期待をかけていることを痛感してまいりました。こうした現地の実情にかんがみ、昨日答申が正式に提出されました現在、今次石炭対策の審議にあたっては、本委員会はもとより、関係政府機関においても、以上の要望の諸点を十分検討し、適切な方策を講ずるよう強く要請いたしまして、北海道班の報告を終わります。
#6
○堂森委員長 これにて派遣委員の報告は終わりました。
     ――――◇―――――
#7
○堂森委員長 石炭対策に関する件について調査を進めます。
 まず、石炭鉱業審議会の答申について政府より説明を聴取いたします。中川鉱山石炭局長。
#8
○中川説明員 昨日午前十時から二時まで相当の審議がございまして、石炭鉱業審議会の答申が通産大臣に出されたわけでございます。実はきのうの総会におきましても、かなり真剣な議論がございまして、文章の修正等がございましたので間に合いませんでしたので、訂正表を加えましてお手元にお届けしたはずでございまするが、正誤表と申しますか、訂正表が入っておりますかどうか、ひとつ御確認いただきたいと思います。
 答申の主体部は、前回当委員会で政策懇談会の小委員会の答申案骨子ということで御説明いたしましたものをもとにいたしまして、まず「はしがき」という条項で経緯等についての記載がございます。
 三ページをごらんいただきますと「基本方針」ということで、大体従来の小委員会案骨子にございました四つの事項が記載されております。前回以来御説明いたしましたことと若干変わっておりますのは、3、の「石炭鉱業の合理化と関係者の協力」というところでございまして、ここでは石炭鉱業に対して、「政府から他の産業に類例をみない多大の助成を受けざるをえない事情にあるだけに、各企業は、あくまで」経営の刷新に全力をあげることは当然のこととして、「石炭鉱業の再建を真に可能にするため個別企業の利害をこえて全体の合理化のため、生産・流通各面について共同行為、統合等の体制整備に全力を尽すべきである。」という文章が入っておりまして、若干いままで御説明してきたことよりも前向き、体制整備については積極的な記載と相なっております。
 4、は前回以来御説明しておりますこととほとんど変更はございません。
 九ページをお開きいただきますと、従来御説明しておりました段階では、この九ページ以降のところは次の一六ページ以降の「各論」と一緒にいたしまして「施策の概要」というふうに記載をいたしておったのでございますが、「各論」が本答申におきましてはかなり詳細な記載に相なりましたことにかんがみまして、「各論」の各施策のおもなものにつきまして、その施策のねらいと申しますか、これを解説しておるのが特徴でございます。
 そこで、従来から御説明しておりましたことと若干審議経過におきまして変わりましたところを申しますならば、一一ページの「体制の整備」の項の下のほうをごらんいただきますと、「政府においても、石炭鉱業審議会の中に合理化体制部会を設けてこれらの問題を審議し、必要な場合には、勧告を行なうべきである。」ということで、審議会の中に特別の部会を設けて体制問題を審議するということをしるしております。
 それから次の十二ページの三行目でございますが、従来、「労働環境」ということで記載しておりましたところに「労働条件」ということばを加えまして、十分とは言いがたい状況にあることをしるしております。これは後ほど二六ページにおきまして、「労働対策の推進」というところに、「賃金その他の労働条件の向上に努め、ますます近代化が進んでいる他の産業とのバランスを可及的速やかにとりうるよう労使が協力するとともに、当面、とくに次のような対策を行なうべきである。」ということで、賃金問題についての一つの判断をつけ加えております。
 保安その他は文章の意味合いと趣旨をはっきりするために強く表現しておるという状況でございます。
 「各論」は、大体いままで御説明しましたことと特別に変わりはございませんで、従来骨子だけを記載しておりましたのを詳説いたしまして、御一読いただければ大体わかるように記載してあるというていさいに相なっております。
 簡単でございますが、答申文の御説明をいたしました。
#9
○堂森委員長 次に、中央鉱山保安協議会の答申について政府より説明を求めます。橋本鉱山保安局長。
#10
○橋本説明員 中央鉱山保安協議会の答申につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 この保安協議会の答申につきましては、十二月の九日、保安協議会を開催いたしまして答申を受けたわけでございます。この保安の答申は、もちろん、石炭産業全体の答申の一環でもございますし、かつまたその前提ともなるべき問題でございますので、全体の答申の一足先にこの考え方を打ち出していただきまして、この石炭答申の中にその骨子を織り込んでいただいたというふうな実は経緯になっているわけでございます。
 答申文といたしまして十二枚の印刷物が配付されておりますが、長文でございますので、むしろ要約という三枚とじりの点につきまして、ごく簡単に御説明申し上げます。
 第一ページは、保安の最近の状況でございますが、これは御承知のように重大災害が頻発いたしまして、真に人命尊重の見地からまことに憂慮すべき問題である。それだけでなく、経済的側面から見ましても、これが石炭鉱業の安定存立に非常に大きく制約となっておるということをうたっております。
 しからば、こういった災害の背景といいますか、要因といいますか、こういったものがどこにあるかということが第二の点でございます。
 これは、この一ページに書いてございますように、二つの大きな問題がある。
 第一点は、石炭産業を取り巻く諸条件、すなわち一つには、経済的な条件、それからもう一つは自然的な条件、この二つの条件があるというのが第一点でございます。
 それから第二の問題といたしまして、経営者の、この保安に取り組む体制に問題があるのではないかという点を指摘してございます。
 したがいまして、三ページへまいりまして、保安対策の基本的な方向といたしましては、いま言いましたようなこういった背景をなす基本的な問題につきまして、これを取り除くということに根本的なメスを入れる必要がある。石炭の経済的な問題につきましては、石炭政策全般の立場において答申が出ておりますので、このサイドから解決していただく。
 次に、問題は、一番困難な問題ではございますが、経営者のこの保安に取り組む態度、これが非常に大きな問題であろうというふうに感ずるわけでございます。この点については、この答申自体といたしまして具体的な対策は載ってはおりませんが、行政的にこれについての何らかの考え方を今後われわれとしては検討してまいりたいというふうに考えております。その行政措置の考え方といたしましては、やはり経営者が保安と経営というものを分離したものの考え方に立っておるところに問題があるのではないか。その経営の中に保安を組み込むといったような考え方で、いろいろ経営サイドから保安の強化をはかるような考え方を打ち出していきたいということで、今後具体的な行政措置として、この点をわれわれは研究してまいり、近く実施したいというふうに考えております。
 それから、こういった二つの要因の上にいろいろな諸問題がからみ合ってこの災害を生じておるということで、それは三ページの下にございますように、坑内におけるいろいろな構造上の欠陥があるとか、あるいは坑内の施設とか保安機器についても必ずしも十分でない面もある。それから、保安技術の開発にまた欠ける点もある。それから、保安教育も若干徹底を欠いておる点があるのではないか。それからさらに、退避あるいは救護体制の整備強化も必要である。それから企業全体といたしましての保安管理体制の問題もある。それから振り返って役所サイドといたしましても、監督指導の面でさらに強化すべき点がある。特に法規等の違反に対しましては、従来もそういう態度では臨んでおりますが、なお一そう厳正な態度で臨むべきであるというふうなことがうたってあります。
 それからさらに鉱害の問題につきましても、たとえばボタ山とかあるいは休廃止坑口の問願とか、こういったよう問題があるので、これについても十分な指導監督を行なうべきであるというふうなことがうたわれておるわけでございます。
 こういった考え方に基づきまして、とりあえず、緊急を要する問題につきましては、別にお配りしておりますように、すでに石炭鉱山保安規則の改正をいたしまして、その間周知期間がございますので、一月十日からの施行ということで、これはすでに保安協議会を通過し、規則改正をいたしたわけでございます。
 その第一点は、退避訓練等、現在六カ月に一回やっているのを三カ月に一回以上やる、また同時に、その退避訓練の基本ともなるべき指導教育というものを月一回やるといったような形においての規則改正を行ないました。
 それからさらに、鉱山救護隊の強化の問題、これも規則改正したわけでございます。
 それから、警報連絡装置につきましても、無線誘導装置の設置を義務づけたということもいたしております。
 それから、これはちょっと別の問題にはなりますが、騒音の問題、これが騒音防止法の施行に伴いまして関連的な規定を設けたわけでございます。
 さしあたっては、こういう規則改正をいたしておりますが、先ほどの保安協議会の答申につきましては、一つにはこういった規則によって義務づける問題、一つは行政指導によって監督指導強化をやっていく問題、一つは予算によりましてその実行を確保する問題、こういう三つのサイドから現在アプローチしております。したがいまして、この規則の改正は今回が終わりではございません。今後さらに保安協議会において連続審議していただきまして、これは行政指導によるべきか、あるいは保安規則によるべきかというようなことを十分審議した上で、必要なものはどしどし保安規則の改正へ持っていきたいというふうに考えております。
 さらに、予算につきましても、こういう答申を受けましたからには、できるだけがんばってたくさんの予算を取りたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
 簡単でございますが、説明を終わります。
#11
○堂森委員長 これにて政府の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#12
○堂森委員長 ちょっと速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#13
○堂森委員長 速記を始めて。
 石炭対策の基本施策について質疑の通告がありますので、これを許します。渡辺惣蔵君。
#14
○渡辺(惣)委員 内閣改造が行なわれて、両大臣が新任された直後に石炭答申という重大な問題が出てまいりました。私の後にも岡田利春君をはじめ、専門家の諸君がそれぞれ質疑をいたしますので、私は、特に今度の答申を中心とする政府の姿勢、態度等の基本的な問題について質問したいと思うわけです。
 今度の第四次答申は、過去の政府のとってきた石炭政策の集約として出てまいりましたので、したがって、いままでの経過について考えてみますと、石炭の答申が第一次の原案が提出されていますのは、三十七年の十月十三日、第二次は三十九年の十二月十六日、第三次の答申が四十一年七月二十五日、そして第四次が昨日ということに相なるわけです。こういたして、あらためて第一次から第四次まで展望してみますと、大体この間一つの答申が平均一年半で目まぐるしく変転をしておるわけです。そしてこの四回にわたる答申の中で、事態はいよいよ深刻化し、そして政府の石炭政策は、いよいよ後退から崩壊をしている。石炭産業が崩壊しているというよりも、政府自身の石炭対策自身が崩壊をしている、こう考えるわけです。
 ことに私考えますのは、第三次答申から第四次答申の間に、これで調べてみてたいへんびっくりしたのですが、大臣が四人かわっておられるわけですね。第三次答申を受けていますのは三木通産大臣ですね。それから菅野さんにかわり、そして椎名さんにかわって、第四次をあなたの立場で提出をされる。第三次から第四次のわずかの間に大臣が前後四人もかわられて、そして石炭政策に対しては一つも具体的な前進を見ていない。あなたは通産大臣になられます前は、政調会の会長として政策的な立場から石炭政策全般を展望し、指導してこられたし、公私ともに石炭には深いつながりをお持ちなので、特段の理解があると私は判断しておるわけですが、一体こういう石炭政策をめぐる第一次から第四次にわたる答申、第三次から第四次にわたります答申の間には、昨年の六月九日に本院を通過しました石炭再建に関する基本的な法案、特に一千億の金を支出する重要な法案のときには、特にこの提案説明で、椎名通産大臣は、この第三次答申に基づく再建というものは抜本的な方針であり、最終的な提案であるということを力説をいたしたわけです。
 実は六月の九日に本院を通過いたしますときに、各党それぞれ討論をいたしましたときに、私は社会党を代表して反対討論をいたしました。反対の表明をいたしましたのは、私どもだけでございました。しかしこの再建法案が最終的であり、抜本的であるという立場で提案をされました一千億の金額が、十月の段階になりまして、支出の段階になりますと直ちに崩壊をしてしまったという問題をわれわれは身近に実は痛感をしておるわけです。したがいまして、いま私どもがここで第四次の答申を迎えた心境、きょうここで報告が行なわれましたのに対しては、期待感よりも、不安、不満、絶望に近い気持ちでこの答申を迎えなければならないのを非常に残念に思うわけです。
    〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕
中川局長の先ほどの発言の中で、前向きの姿勢であるというお話がございましたが、この答申の中からは一つも前向きの問題をわれわれは受け取ることができない。石炭政策の一番基本であります石炭の位置づけについてもついに逃避してしまった。機構の問題も逃避してしまった。それから鉱区調整の問題、流通機構の整備もことばだけで何も具体がない。あとの技術的な問題やそれから保安の問題その他は、これは従来繰り返したことをここでもう一ぺん整理をして羅列をし直しただけであって、この答申が崩壊の危機にある石炭産業の前進の方向を打ち出したものだということは、どこからも受け取ることができないと考えるのです。この点につきまして、われわれは第四次答申後昭和四十八年までの次の五カ年間における展望について、一体どこに自信を期待することができるのか、どういうことでこれが前向きであり、そして石炭政策の前進の施策だと言われるのか、その基本的な姿勢、将来展望に対する責任をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#15
○大平国務大臣 ただいま私どもの立場は、昨日石炭審議会の御答申をちょうだいしたという立場でございまして、この答申を基礎といたしまして、これからなるべく早い機会に基本の方針について政府で閣議御決定を仰がなければならぬ、それから予算案、法律案の作案を急がなければならぬわけでございます。そういうことでございますので、いま私が申し上げますることは、審議会の御答申をちょうだいした瞬間において、渡辺委員が御指摘の問題についてどういう考えでおるかということとしてお聞き取りをいただきたいと思います。
 過去の石炭政策が、累次にわたりまして政府並びに関係者の努力にもかかわりませず、成功裏に実ることがなかったということは、たいへん残念でございます。
    〔岡田(利)委員長代理退席、委員長着席〕
これはおそらく案ずるに、石炭産業に内在する問題といたしまして、生産性をどのように展望してみるか、それから賃金その他諸経費が、言いかえれば炭価がどのような趨勢をとっていくであろうかというようなことを打ち立てて政策の立案にかかったわけでございまするが、そういった基礎がくずれたということ、それが一つであろうと思います。
 それから第二は、環境的に競合エネルギー、主として石油の攻勢が激しかった。しかも石油の値段が漸次大型輸送その他の輸送効率の向上等によりまして、だんだん下がってきたというような客観情勢もございまして、政策の基調がくずれ去ったということに大きな原因があろうと思うのでございます。
 そこで、今度椎名前任者がいわれるような、抜本的でしかも最終的なものにするという以上は、政府でもいろいろ慎重に考えられたことと思います。また、四月の二十六日から政府が審議をお願いいたしました審議会におきましても、御指摘の問題についてはずいぶんと熟議がかわされたことと推察するのでございます。この答申を拝見する限りにおきまして、考え方の基調は、初めに一つの出炭の目標を置き、石炭というものの位置づけを考えて出発するということよりは、まず危機に瀕しております石炭産業について、これが自力で更生できないことはだれが見ても明らかでございますから、まず政府がどういう助成策を用意できるか、助成策の限界を大胆にお示しして、そうしてそれを踏まえた上で石炭産業労使関係者がこれからどのような努力をお願いするかというところに第四次の政策の視点を置いたほうが堅実かつ正直なやり方ではないかという考え方によったと推察するのでありまして、私はそういう考え方がいま置かれておる状況のもとにおきまして無理からぬ考え方であろう、それよりほかに選択の道が考えられますけれども、いまとっておる方向がまず妥当じゃないかというお尋ねでございますれば、そうお答え申し上げるところでございます。したがいまして、これからの石炭産業の展望はどうなるかということでございますが、どうなるかという問題の設定ではなくて、どうするかという問題が私どもの前面にあるのではないかと思うのでございます。われわれは、与えられた限られた財源をもちまして、最大限の努力をすると同時に、金融機関その他関係方面の積極的な御協力を全力をあげてお願いするという、労使におきましてはそういう状況のもとにおいて産業平和の状態をつくり出していただいて、再建への意欲を燃やしていただくということによって未来を切り開いていただくということが、この答申のねらいではなかろうか、そのように理解しておるのでございまして、今日与えられた状態におきましては、そういう行き方が妥当な行き方ではないかと私は考えております。
#16
○渡辺(惣)委員 私はこの石炭答申の過程で、ここにしばしば石炭審議会の植村会長をはじめ関係者団体の人々においでを願って意見を徴しておるわけです。この間、この石炭答申の中で盛り込まるべき体制の問題としていろいろな意見が各層から出されてまいりました。ここで概括的に代表的意見と思われるものを指摘すれば、私ども日本社会党は現に石炭国有化に関する法律案を提出をいたしておるわけです。現に今日全国で炭鉱労働者は、朝から答申に反対して国有化政策の実現のためにストライキを実施しておる状態であることは御了承のとおりであります。
 先ほど報告された北海道及び福岡等における本院の石炭対策特別委員会の現地での会談の中でも、やはりこれからの石炭政策の危機を乗り切るには体制の整備がより重要だということがもっぱら論議に出てきておるわけです。ところが、石炭問題の打開をする道として出した案は、御了承のように、第一には、石炭専業第二会社の分離独立、第二には、第二会社を管理するために、政府、需要業界、金融機関の株式保有による半官半民の管理会社の設立をする、第三には、親会社の第二会社に対する資産の無償譲渡、第四には、その見返りとして親会社に対する累積赤字の肩がわりをする、これが植村会長が試案として提出をした審議会の論議の柱であったはずなんですね。ところが、この植村会長が体制の問題で、私企業のワクであるとしても、従来のような機構では、すでに私企業としての一つ一つの石炭会社は危機を乗り切る気迫も用意も体制も持っていない、抜本的にこの際そういう体制を変えるべきだ――われわれの主張する国有化政策にはいけないとしても、その中で四千億円にも余るような膨大な国家資金が一産業に投入されるというのは、日本の経済体制にとってどこにもない。それほどの国民の税金を投入しておる産業が三井だ、三菱だ、住友だと、かってきままに私企業の段階でそれを援助し、そして銀行のしりぬぐいまでしてやって、とたんに撤退してしまうというような無責任、無能きわまる業界を一体なぜ企業別に救済の方針をなお続けていかなければならないのか。そういう体制になってまいりますと、私どもの主張する国有化政策に踏み切れないとすれば、資本の中で新たな道を切り開くというものの考え方が出てくるのは、その植村案の当否は別としても、そういうことの機構、体制の上における反省が出てくるのは必然的であったと思う。その論議をわれわれは期待した。その論議の中で、これだけの大がかりな国費を投入しておる対象としての石炭というものをどういう形で位置づけるかということを問題として注目してきた。ところが、寄ってたかって、佐藤榮作さんではないが、これはもう細い骨は抜きませんということでなしに、あとかたなしに、どこにもないのです。一体何でことしの三月から半年以上もかかって答申だ答申だといってこの石炭政策を引き延ばしてきたのか、論争の柱はそこであったはずなんです。この提案には何も説明がないのです。一番肝心の石炭産業の体制づくりのために、何千億という国家投資に対する受け入れ体制を整備するということが最大の問題点であったのにどこにもかけらもない。植村案なんてかけらもない。そして、この案は実際は政府案でもなく、通産省の案ですよ。熊谷次官案だとか中川局長案だとか、かってにしばしば流し、あるいは骨抜きにするためにPR戦術で小出しに出して、この審議会の審議をこういうふうに振り向けていく、世間の目を振りかえるためにあれは承知の上でおやりになったのかもしらぬと思うくらいですが、一体この論議の中で、社会党や植村氏の提案だけではなしに、あるいは資本の側からでも、北炭の萩原会長のように、全国一社案、あるいは全国三社案というのをまじめに論議を積み重ねてきた、あるいは北海道の石炭鉱業協会の会長の舟橋さんのように、国有民営論を経営自身の側からこの席で発言をしておるのです。そういう問題を、それぞれの意見を尊重して、審議会で並行討議をするというはずだったのだが、石炭産業のこの危機を切り抜けていくための体制についてどういう論議を積み重ねて、どうして一体大骨も小骨も、元も子もなくしてしまった、全く当初の提案と別個に、すりかえた提案がここに出てきたのか。これで一体石炭会社を救済し、石炭会社は個々に救済できるかもしれぬが、石炭産業を救済できるという自信と展望を持っておられるのかどうか。いかなる理由でこういうような骨抜きの答申を出されたのかという点について御答弁を願いたいと思うのです。
#17
○大平国務大臣 それは私がお答えするよりも、植村会長にお願いしたほうがよろしいと思いますが、私が承っておるところにおきましては、この答申につきまして必ずしも自分は満足はしていないけれども、運用よろしきを得れば、石炭産業の再建は可能であるという考えでまとめたという御報告でございましたことを渡辺さんに御報告申し上げておきます。
 ただ、体制の問題は、この答申にかけらもないじゃないかという御指摘でございますが、そうではなくて、体制の整備につきましては相当のページ数をさいて言及はいたしております。もっとも、御指摘のように、伝えられた審議の過程におきまして、植村案なるものがどこにもかけらも残していないじゃないかという御指摘ではないかと思いまするけれども、この体制問題についていろいろな論議がありましたことは私も仄聞をいたしております。そして、あなたが御指摘のように、体制の問題が今後の再処にとりまして重大なかぎであるということも私なりに理解はいたしておるつもりでございます。さればこそ答申の中でも、再建について言及するばかりか、答申を御提出に相なりました以後におきましても、審議会に体制部会を置きまして実態に即して、鉱区の再編、調整のための企業の統合、その他流通の機構問題等について十分御意見を御提出願う場合もありましょうし、われわれのほうで進んで勧告をする場合もあるというようにしてくれという今度の答申の表現になっておることは渡辺委員も御承知のとおりでございます。この問題を軽視したというわけではなく、私どもといたしましては、山々の実態に即しまして、どうして実のある合理性を追求していくかということにつきまして、これを解体するどころか、そういう道がございますならば進んでその実現をはかっていくような石炭行政でなければならぬと心得ております。
#18
○渡辺(惣)委員 大臣がお話しになられますように、確かにこの答申の中の「体制の整備」という項目の中でこの問題に触れております。いわゆる触れておるのであって、解明をしていないのです。この中の中段からこういっています。「必要に応じ、鉱区の再編・調整等のための企業の統合、自立意識昂揚と地域および炭種別需給の確保のための炭鉱単位の企業の分割、需給の円滑化を確保するための共同行為などを行なうことにより、意欲をもって、体制の整備を推進する必要があり、政府においても、石炭工業審議会の中に合理化体制部会を設けてこれらの問題を審議し、必要な場合には、勧告を行なうべきである。」こうまことに持って歩いた、何を言わんとしたのかだれもわからないと思うのです。書いた人もわからないと思うのですよ。なぜもっとそのものずばりと、この問題をはっきりしてもらえないのか。大体いまの炭鉱の危機を救済するということになると、いろいろな問題点――あなた自身もおわかりのとおり、鉱区の調整の問題、流通機構の整備というものを全部はずしてしまって、これから勧告する場合もあるのですか。山をつぶしてしまっておいて、これから勧告してもどうしようもないですよ。勧告なんかどうでもいいですよ。ここでこれが最終であれば、勧告すべき意思があるなら、この場所にいはゆる鉱区の問題とか、流通機構の整備等の、いまの炭鉱が生き抜くための最大のロスになっている問題をなぜ解明しなかったのか。めんどうな手を焼きそうなやつは全部うしろに回してしまった。これに触れて、このことを明確にするとなると、どうしても体制の問題が、いま申し上げたような、たとえば国有化かあるいは全国一社化、全国三社化というような体制の問題がついてこないと、鉱区の統合の問題は出てきません。鉱業法の規定によって、当然鉱区は鉱業権の所有者が鉱区を所有するということになりますから、国有化されないまでも、かりに全国一社になれば、その全国一社がいわゆる鉱区権を持つことになるから、鉱区の整備統合は鉱業法を改正しなくても自動的にここでやるということです。たとえば、三社案がいいかわるいか別として、現にそういう提案が業界から出ているのだから、基盤の違う九州、常盤、北海道という地帯別にやるということになれば、その地帯別に鉱区は統合されるのです。そうすれば、御了承のように、私の地元などは、赤平市と歌志内市は、小さな山を、峠を一つ境にして、何十億円という金をかけて立て坑を四つも五つもつくっているのですが、それが全部炭価や労働賃金に加算されて、どうにも動きのとれないところにみな追い込まれていっている。これが鉱区が統合されれば、立て坑と立て坑の間が一キロから二キロとないですから、その地帯に何十億という金をかけた立て坑をわんさとつくる必要はなくなると思うのです。ということになると、こういう石炭産業を食いつぶしていっておる最大の原因がもう一つ解明されるのに、なぜ大臣、石炭産業を生かす基盤である鉱区の問題に手をつけなかったのか。その鉱区を解決するために、それを鉱区の整備調整なんというようなことは百年前から言っているんですよ。そんなことは出先機関の通産局長や石炭部長の言うことです。政治の場で言うことではないですよ。事務的手続ですよ。ここではもっと基本的に石炭産業の危機にぶつかって機能的に、構造的に変えなければいかぬ鉱区の問題、何百種類にも分かれているいわゆる銘柄の問題、交錯輸送している問題ですね。それを簡易化して企業の重荷を軽くしていく。労働者はどんどん三十万人から八万人に減ったが、重役だけは依然として同じだけいるんですよ。重役だけが残って、重役が食いつぶしているのです。労働者はしりをたたかれ、はたかれて、産炭地の市町村長、住民はその産炭地の公害だけを真に受けて、何もやってくれない。こういう状態の中にいるときに、問題はもっと深い、根のあることを反省し、それが答申の任務でなければならぬと思うのです。その問題を一つの例として申し上げると、鉱区の調整、流通機構の問題も何かスローガン的にここへ羅列しただけじゃないですか。今度大臣になられたはかりで、尊敬し、敬愛する大平さん個人に文句言っておるのではないのです。いままで作業をしてこれが前向きだとおっしゃる、どこが一体前向きだというのですか。この鉱区の調整、流通機構の整備、どこに具体的にあるのですか。その場合は勧告することがある。なるほどそうでしょう。勧告するときにはもうなくなっていますよ。なくなさせないためにこの答申を必要とするのでしょう。本末転倒もはなはだしいと思うのですが、大臣はこの現存の機能のままで炭鉱の危機を切り抜ける、炭があっても、経済炭量があっても人の鉱区だから手をつけられないから撤退しなければならぬという状態、時間がないから実例を申し上げませんが、至るところにあるのです。あなた自身が身をもって御存じだと思うのです。一体どこに基本問題がこの答申の中から解決される可能な条件があるのかどうか、承りたい。
#19
○大平国務大臣 冒頭にお答え申し上げましたように、いま私の立場はこの答申を受けた、これを基礎にいたしまして、新しい石炭政策の作案と実行にかからなければならぬという立場でございます。そこで、いま申し上げましたように、ここに体制の整備の問題についての審議会の意向が示されておるわけでございます。渡辺委員も御案内のように、いまの石炭企業は企業意識がまちまちでございますし、鉱区は錯雑して不経済が至るところにあるし、交錯輸送も目にあまるものがあるというようなことも、私も漏れ聞いておるわけでございます。政府がこれだけのお金を割愛して石炭政策に投入する以上は、企業管理が、従来の意識でわがままを押し通すのを黙視しておるわけにはいかぬと思うのでございまして、私どもはこれがほんとうの石炭政策になるように、いろいろの批判があるように、石炭企業改革というようなものに傾斜することのないようにためてまいりますのが、私の政治責任であろうと思うのでございまして、いまお示しのような方向に、石炭行政担当者といたしまして、鋭意努力してまいりたいと思いますので、渡辺委員におかれましても、相変わらず御協力をお願いいたします。
#20
○渡辺(惣)委員 相変らず御協力はいたしますけれども、ひとつ協力できるような体制がなければいかぬと思うのです。
 それではお伺いしたいのですが、いま全国で大手十六社といわれておりますね。この答申が実施をされて推進する場合、いろいろなうわさによれば、すでに大手の中で四社が脱落必至じゃないか、こういうように伝えられておる。私どもの北海道の場合は、すでに今度の答申の前の窓口整理で、古河鉱業が北海道から、撤退をしてしまいましたから、いま北海道で大手というのは七社だけです。そのうち大手の二社は、それぞれ重荷をしょっているわけですから、この不安の中で安定をしておるのは、いわば五社といわざるを得ない。大手でさえそういう状態ですから、いわんや中小炭鉱に至ってはみじめな状態です。そういう状態の中で、石炭産業の大手の連中が、どれだけ真剣に国内のエネルギー資源としての石炭を打開していくかという用意と熱意があるかということについて、われわれ非常に疑問に思うわけです。現実に石炭をやっておる会社が石油の採掘をやろうとしておる。私どもの回りの三井炭鉱などは……。いわばエネルギーとしては石炭も石油も同一ですから、企業的に見ると対立状態になっておる。食ったり食われたりする関係に置かれておるものが、いま石炭会社自身が石油の採掘をやろうとする。あるいはこの危機にある日本石炭協会の会長を出しておる三菱鉱業では、新聞の伝えるところでは、御本人から承っておりませんけれども、オーストラリアの現地に原料炭の会社をつくって、そして日本の原料炭の生産と輸入をやろうと考えておる。あるいは同じ三井系で、日本の貿易会社のトップをいく三井物産が、アメリカの資本と共同して、カナダで原料炭の開発をやる。同じコンツェルンの中に三井鉱山が存在するのに、同じコンツェルンの中の三井物産のほうは輸入会社として外から外炭を大量に持ってくるという、ああいう矛盾した政策がここに出てきておるわけです。それは私企業だからです。こういう声が出てくるのは、てんでんばらばらに自社だけがもうかればいい、なりふりかまわずに、自社だけが生き残ればいいという考え方がある。こういう危機のときに、ちょうどおやじが死にかかっているとき、親不孝の子供たちが集まってきて、おやじの死ぬ目の前で財産の分け取りを相談ずるのと同じですよ。自分だけが生き残ろう、日本の国内の石炭産業なんかどうでもいいんだ、何とかして自分の社だけが生き残ろう、中小炭鉱みんな片っ端からつぶしてしまう。生き残るものだけが政府と結びついて、財界と結びついて、金融資本を動かしてやっていこう。兼業には金を出してはいかぬ。政府の救済資金を出してはいかぬといっても、同じ石炭会社が石油の産業をやるのですから、どこへ金を使われても、それは監督します、監査します、そういうことは許しません、というが、同じ会社に入るのですから、時間的なズレで幾らでも経済行為はやれるのですから。石炭の対策ですね。膨大な国民の税金をぶち込んで、一つの会社の野心が、一つの会社が石炭を足場にして対外進出をしたり、石油を発掘したり、こういうようなてんでんばらばらなままで四千三百億という膨大な資金をこれからもかけていく、一体それでいいのですか。これだけの大がかりな国の資金を投ずる以上は、その対象物である私企業を、どうして一体私企業自身をきちっと制約できないのです。何で一体野放しにして、てんでんばらばらにやらせて――ここでは説教ですよ、答申案は訓示規定ですよ。すべきであるとか何とかという、そういう訓示規定を出していたって、そんな訓示規定などで、答申で一字入ったから、削除されたからつて、そんなことで感激して協力するような石炭会社の状況ではないですよ。それならとっくに立ち上がっているのです。だから、どうしてもそれはやはり機構的に整備をしていかなければいかぬ。一体こういうような危機にあるときに、まるで豚にハゲタカが集まってくるように、おやじの死にかけているときに財産の分配を考えるような、そういう炭鉱の資本家連中、いまの企業の指導者連中をどこまで信用して、この人々があなた方の投資を受けて立つ気概と責任感を持っているのかどうか。寄ってたかって植村案をぶちこわし、自分だけ生き残ろう、こういうような炭鉱の個々の企業体に対して、どういう信頼を置いているのです。そしてあとには公害を残し、産炭地を食い荒し、地域住民を枯渇におとしいれておいて自分たちだけが救済されて、労働者の退職手当まで――そんなことは使っている人が始末するのがあたりまえですよ。ろくに給与も出しておかないで、退職手当の始末まで政府にさせようなんという、そんな経営者が一体日本のどこの産業にあるのです。そういうばらばらな、不見識な、定見を持たない経済人を信用して、石炭再建をなさろうとするのか。社会党が主張している国有化政策というのは、自民党さんの反対討論によれば、それは社会主義政策である、石炭産業を国有化すれば、それはそれを足場にしてやがて鉄鋼であるとか電力であるとか金融であるとか、そういう国家管理、国有化政策に進む一つの橋頭堡になるから反対だ、こう理論的にはおっしゃる。共産党の諸君から言わせれば、社会党の国有化政策というものは、体制内に企業を結びつけ、労働者を拘束する、決して解放するものではない、そういうごまかし政策に乗ってはいかぬ、こうおっしゃる。われわれ自身もまた、われわれの主張する石炭国有化政策というものは体制を変えたり社会主義政策だなんてちっとも思ってないですよ。いまのままでこれだけの危機に対してこれだけの膨大な国家投資をし、一産業に十数も法律を数年のうちにつくって、これだけ助力をして、しかもなおかつ対象である私企業が全くでたらめであるということになれば、信頼できないにきまっている。一体どうしたらいいのか。どこに一体、対象である私企業を存続させる、私企業を保護するのだ、そしてこの石炭産業を私企業に預けていくのだ。その私企業の姿勢、土台がくずれていて、石炭産業を守れますか。
 そういう点について、私はこの答申が最後だと思っておりません。正月早々閣議で決定をやって初めて答申が政策になるわけです。まだこの段階では作文です。閣議決定が行なわれ、それで初めて答申案が正式に国策として登場する。したがって、私はその点については、その当面の石炭産業に対する予算などの緊急措置、暫定措置等をしなければならぬでしょう。十分わかります。が、基本問題を――四十四年の予算にすべり込むために、石炭政策ではなくて予算政策、予算対策で終わってはだめだ。もう一ぺん閣議で真剣に論議をして、そしてはたしてこの案で、これを実施する体制にある私企業が、いまのような私企業で可能であるのかどうかという諸問題について、もう一ぺん煮詰めていただきたい。そのことを特に要請します。
 同時にまた、大臣がそれについてどういう見解を持たれるか。このままでいいのだ、十分やれるのだ、信用できるのだ、そういう能力を持っているのだと、こうお考えなのかどうか。その問題について新たに大臣自身の意見を、高度の政治判断を加えて、閣議決定の際訂正され、閣議決定を急がずに、もっとこれを、この答申ではわれわれは問題にならないと思うので、御苦労をかけた審議会の委員さんたちには恐縮ですけれども、これでは抜本解決にならないし、一年半たたないでまた第五次答申をせざるを得ないということになってくるでしょうから、ここではっきりと御意見を、政治姿勢をお伺いいたしたいと思います。
#21
○大平国務大臣 まあ衣食足って礼節を知るということがありますが、この石炭企業が非常に危機におちいりまして、企業の中には付帯事業としていろいろなことを企てられ、また実行されたことがあるように伺っております。そういうことのよしあしは一応別といたしましても、これまでの企業家の態度がそのままであってよろしいかと問われますならば、そうであっては困ると思います。先ほども申しましたようにこれだけの国民の犠牲の上に再建をお願いするわけでございまするから、企業者と言わず労働者と言わず、関係者が再建についての責任と意識と創意と英知等を存分に働かせていただかなければならぬと思うのであります。そういう、いまから石炭政策を立てる場合に、いままでの企業者は信頼ができぬからということでいくのかと問われますならば、そうではなくて、信頼できるような企業家の企業意識と責任を踏まえた上で取り組んでいただくように、私どもは要請いたしまするし、先ほど指摘されました体制整備の問題につきましても、個々の企業のわがままは許さないつもりで政府が積極的に介入して指導し、再建の方向に引っぱっていくように、積極的な石炭行政をやってまいるという気がまえでもっていきたいと思います。
 それから海外資源の調査の問題が出ましたけれども、これはまた全然別の政策分野の問題になりまして、あなたも御案内のとおり、将来のエネルギー資源の需給の展望を見てみますと、早手回しにグローバルに新しい資源を用意しておかなければならぬから、先行的に石油や石炭やあるいはレアメタル等につきまして採鉱をしようという動きがまた別にございまして、既存の石炭会社でそういうスタッフを持っておる方々が、そういう関心を持たれておる方もあるのかもしれませんけれども、これはまた全然別な政策として、政府も民間も気をつけてまいらなければならない政策であろうと思いまするし、石炭会社にいたしましてもそれぞれ関心を持たれておることは、私は事実だろうと思っております。
#22
○渡辺(惣)委員 時間がございませんので、たいへん残念ですけれども、ひとつこれで終わります。
#23
○堂森委員長 岡田利春君。
#24
○岡田(利)委員 私は二、三点だけひとつこの機会にお聞きしますが、第一点は、先ほど来の答弁を聞いておりますと、通産大臣は、ほぼ一〇〇%この答申の方向で政策を具体化する、こういう前提に立たれておるのではないか、このように私は判断をいたしたわけです。そこで、この答申を通産大臣が受けて、政府自体として閣議決定をされると思うのですが、この閣議決定はいつなさるのですか。
#25
○大平国務大臣 年改まりましてできるだけ早い時期にお願いしょうと思っております。
#26
○岡田(利)委員 年改まって早い時期というのは、私の聞いておるところでは、初閣議は一月の六日と聞いておるのですが、いつでございますか。答申が出たわけですから、いつ閣議決定に大臣として持ち込まれるかということはもはや明らかでなければいかぬと思うのですが、いかがですか。
#27
○大平国務大臣 きのう答申を受けたばかりでございまして、閣議決定というのはこういう膨大なものでなくて基本の方針をうたったものでお願いしょうと思っておりまして、どういうようなものにしようかというのでいませっかく苦慮いたしておるところでございまして、一月六日ときめたわけではないのでございます。なるべく早くと思っておりますけれども、一応われわれのほうの腹がきまってからですが、あまり遷延するわけにもいきませんから、できるだけ早くと考えております。
#28
○岡田(利)委員 先ほど来渡辺委員が質問いたしておりましたけれども、この答申の内容を見ますと、北海道、九州の報告も先ほどしましたが、この方向で石炭が再建できる、こう思っている人はないわけです。経営者自身が、これは金が出たのだから、いわばこの案についてはおおむね賛成だということばを使いますけれども、しかし、こうこうこういう点が問題がある、このように出されてくるわけですね。経営者自身がこれではやれぬと言っているわけです。結局、せんじ詰めて聞いておりますと、九州、北海道でも、それぞれ中小及び大手の経営者から意見が出ておりますけれども、そういう内容です。まして炭鉱の労働者側がこれでできないと言っているのです。だからできるはずがないわけですよ。再建はできないわけですよ。できないということがはっきりしておるのに、なぜこの方向に固執をされるのか私にはわからないわけです。ほかの者が絶対これでやります――少なくとも経営者はこの答申で再建をやりますと明確に言うならばまだいいですよ。まだわかるのです。政府が幾ら言っても経営者自身からそういう確信に満ちた答えが出てきていないわけですね。結局総合部会でもそうであるし、最終的に一応賛成という態度はとったけれども、自信のない、やれないということを含みに持ちながら賛成をした、こういうことなんです。ですから大臣が幾ら言われてもこれは成り立つはずがないわけですよ。瓦解するわけです。この点を政治の次元でどう受け取めて、一体政府はこの答申を受けて最終的に政策をきめるのか、私はここが政治であると思うのです。大臣は、少なくとも経営者の諸君から、これで五年間やれます、こういうことを明確に聞いておりますか。われわれは少なくとも北海道、九州の調査をした結果でも明確には聞いていないわけです。この点はいかがですか。
#29
○大平国務大臣 審議会の論議も伺いましたし、きのうも総会の最終段階で二時間ばかり展開された議論もじきじき私は拝聴したのでございますが、仰せのようにどの委員も満足しておりません。全部不満だと言うのです。しかし、岡田委員がおっしゃるようにこれでりっぱに再建はできますと太鼓判を押した人もございませんが、同時に、これでできないと言った人もありません。したがって私は初めから、いま生み落とそうという子供に、もうこれは生み落としてみても鬼っ子で使い道にならぬからというのは多少非情じゃないか、これはやはりみなで気合いを出して育てようじゃないかというお気持ちが、与党にも野党にも労使の間にもあって、みなで押し立てていただくようにお願いするのが私の政治的な立場であると思います。
#30
○岡田(利)委員 少なくともこの答申を受けて政府は一歩前進をした政策をこの際立てるべきじゃないか。いままでの論争を通じても、いますぐ国有化、公社化という問題については、しばしば大臣も言明いたしておりますから一応そこまでは言わないにしても、もう一歩前進をさせるべきではないのか。ということは、私が言っているように、合理化事業団という膨大な事業団が今度は毎年出資をして百億の金まで貸すわけなのです。そうして今度は石炭局が九州、北海道にまで出先がある、こういう機構が必要なんですか。一体このままでいいんですか。九州と北海道の端々に炭鉱があって、そしてこの二つの炭鉱のために東京に膨大な本社かある、札幌、福岡には出先かある――政府の出先があるのだから当然出先を置かなければいかぬわけですよ。こういう体制がそのままでいいのでしょうか。こういう点については全然手を触れていないわけです。ですから大臣がいま言われるように、この子供を何とかひとつ育てようとするならば、やはり一歩進めて、これをある程度コントロールできるような、相談ができるような、せめてそういう管理体制といいますか、そういう面の一元化の方向を明らかにしないで石炭の抜本策ということには、私はもう絶対ならないと思うのです。このことはすべての合理化、簡素化につながっていくわけですから――公社が全部日本の炭鉱を直接かかえるということをいま私は言っているわけではないです。しかしながら、いろいろなお金が出ればそのために専門の人間を置かなければならない。そうすると政府に出して、政府が検討してお金の配分がある。一方においては合理化事業団で別のお金は貸す、近代化資金は貸す、合理化資金は貸す、今度無利子の新しい金も貸す、こういう機構が存在をしている。この点はやはり一歩前進をさせることによって各社の意思疎通を積極的にはかっていく、規制するのは規制をする、技術的な交流はどんどんやっていく、あらゆる協力をするという集中点がなくて、どうしてこのお金を四千億も出して各企業でやりなさいというのか、こういう考え方が私はわからないわけです。それと同時に結局は各社のそれぞれの状況を見ますと、あまりにも力の差というものもありますし、ですから私は、そういう意味では、そういう点の前進をぜひこの際はかるべきではないか。この政策がくずれるにしても、そういうものがほんとうに系統的に把握でき得るそういう体制というものが、一元化された体制というものが必要ではないか。しばしば私企業として競争原理を生かしてやっていくといいますけれども、石炭には競争の原理はいまないのです。あるのは、技術を革新して、いかに生産性を上げて石炭を掘るか、この競争はあるのです。これからは、掘った石炭を売る競争がないわけですよ。特に三千五百万トンにダウンしてまいりますと、原料炭は、需要なんというのは考えなくても大体消化はできる。あと電力がほとんど主力を占めるわけですから、そうなってまいりますと、そういう面の競争というものがないわけです。要するに、事故を起こさないで生産性を上げる、石炭をよけい掘る、このことで企業をささえる、この競争しかないわけなんです。こういう競争は、何も、それぞれの制度を考えればできるわけです。だから、こういう点の前進が、やはり政治の次元では少なくとも前進させるべきではないのか。そのくらいは前進をさして、政治の次元で受けとめて、問題を消化するという、こういう前向きの姿勢で大臣は、最終的に答申を私は検討すべきだ。その点は十分検討して、しかる後に大臣として、そういう面を受けとめて閣議に持ち出すべきではないのか、こう私は患うわけです。この点、いかがですか。
#31
○大平国務大臣 仰せのように、この審議会は、今後の石炭対策はいかにあるべきかという諮問に答えた答申でございまして、石炭産業を中心の対象として取り上げておられるようでございます。したがって、いま、管理行政部門を含めての全体としての機構について再検討を加えて、もっとチープで、そしてもっと機能的、効率的な仕組みが考えられないか、この答申に書いてありませんけれども、そういうことは考えられないか。それはもう、ずばり私どもが考えなければいかぬ課題であると思いますので、せっかくの御提言でございましたから、とくと検討さしていただきたいと思います。
#32
○堂森委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#33
○堂森委員長 速記を始めて。
 岡田利春君。
#34
○岡田(利)委員 この一点で私は終わりますけれども、経営者の自主性を尊重するという、これは常に一貫して答申にあるわけです。これまでめんどう見てきて、ただ単に自主性を尊重するというだけでは国民は納得しないのではないかと思うのです。私は、特にもう、石炭鉱業協会なんていうのは解散をして出直したらいいと思うのですよ。こういうものが古くあるから、大手、中小の格差、しかもまた、電力用炭でも大手、中小の格差が依然としてあるわけですよ。昔の産炭構造といまとは変わって、ほんとうにのぼるだけのぼってきたわけです。それでも、電力用炭でも大手、中小の格差がある。大手だ、中小だ、このことがみずからそういうとりでをつくっているわけです。こういうものはむしろ解放をして、政府のこれからの石炭政策の施行の面に立って、先ほど申し上げました、そういう中にこれらを積極的に――自主的にやれというんじゃなくて、積極的に協力しろ、協力しないものはこの政策で打ち出す政府の恩恵は打ち切る。――これは一言もないのです。ドイツだって、いま再建をやるのに、これに従わないものは政策を打ち切るということですよ。政府は恩恵を与えないというわけです。ですから、そういう問題がある場合には、政府は政策は打ち切るんだ、このくらいのものがないと、国民は納得しないと思うのですね。この点についてはいかがですか。
#35
○大平国務大臣 本来でございますれば、われわれわが党並びにわが党政府の立場は、自由企業体制を基礎にいたして政策を考える立場にありますから、自己責任というものをあくまでも柱にして考えるべきが筋でございますけれども、いま御指摘のように、この石炭産業につきましては、政府の助成がなければやっていけない、みずからの力で立ち直る力がないわけでございまするし、こういう時節に巨大な国費をもって助成しようという立場におるわけでございまするから、岡田委員が御指摘のように、企業責任の限界というようなものについて特別な判断をしなければならぬと思うております。したがいまして、ここに示唆されたいろいろな問題はもとよりでございますけれども、現実の石炭行政の推進に当たりまして、いま御指摘になったことは十分われわれ頭に置いてやらにゃならぬことであると心得ます。
#36
○堂森委員長 田畑金光君。
#37
○田畑委員 大臣にお尋ねしますが、第三次の答申が昭和四十一年の七月二十五日に出ております。これと四十三年十二月二十五日、昨日付のこの答申との関係は、これはどのように理解すればよろしいのか。すなわち前回の答申というものは、たな上げになったのか、あるいは前回の答申をさらに発展させたものが今回の答申と理解すればよろしいのか、その点を明らかにしていただきたい。
#38
○大平国務大臣 発展させたものと私は理解しております。
#39
○田畑委員 発展させたものであるとしますと、前回の答申と今度の答申を比べてただ一つ大きな違いは、要するに石炭の位置づけ、石炭の規模という点に今回の答申は全然触れていないわけです。前回の答申を発展させたというのであれば、今回の答申の中にもその精神は盛り込まれておるものと理解してよろしいのか。具体的に申しますと、石炭の需要の確保については、前回の答申では、昭和四十五年度九電力の需要が二千三百万トン、それから鉄鋼の原料炭が千百万トン、さらに電源開発会社の石炭専焼火力発電についても、現在つくっておる三基のほかにさらに二基ほど増強すべし、こういうようなことで、いわゆる政策需要の確保というものが前回の答申にうたわれておりますが、今度の答申と前回のそれとの関係はどうなるのか、この点をお示し願いたい。
#40
○中川説明員 前回の答申に引き続きました事態の変化に対応いたしまして、石炭政策をさらに推進するという意味で発展をさせたわけではございますけれども、この間の事態の変化は相当大きゅうございますので、この答申をお読みいただくとわかりますように、現状規模を維持することには困難があるということで、五千万トンという前回答申についてはこれを修正をいたしております。したがって、五千万トンを前提にしてなお増強しなければならないと考えておりました政策需要の追加というものは今回の考え方ではとっておりません。ただ継続中の電発の発電所はこれを完工させるというところでございます。この石炭鉱業の生産力から見まして、特別の需要対策を加えなければならないという事態にはないということでございます。
#41
○田畑委員 これは私は大臣に承っておるんですが、大事な、一番大きな問題ですから大臣みずからお答え願いたい。
 五千万トンというのは、これは拘泥しない、先般来の答弁でこれは理解しますが、そうではなくて、今後の需要については政策需要の確保という考え方を基本にしていくのかどうか、この点を明確にしていただきたい、こう思うのです。
 さらにまた第二点として承りたいことは、大臣の過般来の答弁、あるいは局長もそうですが、関係者の努力によって出炭できる体制であるならば大いに歓迎する、こういうお話をなさっておるわけです。現に私たち九州のほうを見てまいりましたが、九州のことしの上期の出炭の状況というものは昨年よりもふえておるわけです。そのように労使の自主的な努力によって出炭するということについては大いに歓迎だ、こういうお話があるわけです。ところが、方において、いまのごとく、出炭規模については五千万トン維持は困難であるとお答えになっておるわけです。してみると、結局先ほど大臣のお話のように、国の助成策の限度において確保できるということ、これが前提ということになりますならば、結局、今度の答申というものは、助成財源の限度においてカバーできる期間、石炭の維持をはかるということに通ずると考えるわけでありますが、そういう今回の答申であるか、政府もこの答申に乗ってそのような方向で政策決定をなされるのか、この点を明らかにしていただきたい。
#42
○大平国務大臣 政府の助成のぎりぎりの限界をきめまして、あとは自主的な努力にまつという基本の姿勢であることは、この問申し上げたとおりでございます。しかしながら、現にすでに電力等の需要に対しまして価格差の補給を石炭会計でいたしておるような政策は、今後とも踏襲していく考え方でございます。
#43
○田畑委員 大臣、私の質問の内容をよくのみ込んでいない、こう思うのです。今度のいろいろな政府の助成策によって平均トン当たり六百円ないし七百円前後、これは正確には局長からお示し願えばありがたいと思いますが、平均トン当たり六百円ないし七百円プラスになるであろうと私は見ておるわけです。もっと多いか、もっと少ないか、正確には後ほど御報告願いますが、結局それが政府の今後とり得る財政措置であり、石炭の助成策である、そういうことになってきますと、今回の策申の基礎には、毎年たとえば労働賃金については一〇%のベースアップを想定しておる、あるいは物価については二%の値上がりを想定しておる、さらにまた輸送費その他の値上がり、資材費その他の仕上がりもさらに新しい要素として加わるわけです。そうなってまいりますと、六百円ないし七一円分の助成策が今後これらのコスト値上がりについて何年分吸収できるか、こういうことが結局今回の答申が何年もつかもたぬか、こういうようなことに通ずるのではないか、その間にできないものは腹を切れ、こういうようなことが、言うならば今度の答申の骨子であると考えておりますが、そういうようなことを考えてみますと、結局この答申でもって何年やっていけるか、こういうことに尽きると思うのです。九州の中小炭鉱の代表者の諸君から聞くと、一年半もてばいい、こういうようなことです。大手の人方から言わすならば、三年もてばいいでしょう、腹を割って言うとそんなことを言うわけです。こういうようなことでは、これはせっかくこれだけの財政を投入して石炭の立て直しの最後の機会だというけれども、前途多難である。当面の危機を乗り切るためには、この再建措置そのものはそれだけのプラスがあることは当然でありまするが、今後将来にわたっての石炭の安定という面から見た場合に、やはりこれは考えねば問題があると考えておるわけで、この点について通産大臣としても十分御検討なさっておると考えておりまするが、御見解を承っておきたいと思います。
#44
○大平国務大臣 われわれの考え方は、四十四年から四十八年まで五カ年を通じましての財政計画を踏まえて石炭政策を立てようといたしておるわけでありますが、いま田畑委員の御指摘の年次別にどのような支出になって、どういう効果があがって、どういうカーブを描いて助成なくてやっていける状態なのか、そのあたりのテクニカルな展望につきましては石炭局長からお答えさせます。
#45
○中川説明員 五千万トンの前回の規模をそのまま推持することは困難と思われるという前提でございますのは、どの会社も今回の助成で全部健全な経営がやっていけるであろうという想定にはならないから、審議会もそういっておるわけです。これはそれぞれの企業が相当の力を出していただきますならばいろいろ状況も変わってくると思いますけれども、一応の仮定に従いまして計算をいたしてみまして、若干の判断は持っておるわけでございます。たとえば大手について申しますと、兼業会社は金属部門等々の関係がございますから、若干赤字であっても他部門収益でやっていけるという状況もありましょうけれども、これはひとつはずして考えます。それから再建会社の中にはなおやっていけると私どもも判断しておるものもございますが、非常に苦しい会社もございますので、これも若干ノーマルなものという判断で見るのは問題がございますので、これらを除きました大手についての試算をひとつやってみております。これを御指摘のように人件費のアップ率を年率一〇%と見る、資材費その他のアップ率を二%と見る。そこで若干の能率を前提にいたしまして、今回の助成費、これも最終的には予算をセットいたしませんとわからないのでございますけれども、一応審議会が考えている助成手段というものを念頭において考えますと、四十四年でトン当たり五十四円の赤、四十五年でトン当たり十一円の黒、四十六年でトン当たり四十一円の黒、四十七年、四十八年でトン当たり五円の赤、五年間通計いたしましてトン当たり二円の赤、こういうようなおおよそのめどを持っておるわけであります。
#46
○田畑委員 大臣の時間の関係もありますから、大臣に対する質問は、大臣の立場も了解しますし、まだ公明党の大橋委員も質問がありますので、私はこの一問だけでなにして、ほかの問題は局長に、尋ねたいと思いますが、金融の面について、私はこの間も触れましたが、今度の問題で一番の問題は今後の金融をどうするか、こういう問題であろうと思います。特に今度いろいろ助成措置を講じて、名前は再建交付金ということになっておりますが、市中銀行からそれ相当の見合いの担保をはずさせて今後の資金の金繰りの担保に充当せしめる、こういうような金融指導です。これは、私はいまの銀行経営の立場から見たときにはたしてできるかどうかという問題が出てこようかと思うのです。それからまた、今後の長期の設備資金等については開銀をやめて合理化事業団中心という考え方に立っておりますが、開銀が炭鉱を見放したということになれば、はたして市中銀行が協力をするものだろうか、開銀法の第一条の「目的」を見た場合に、開銀というのは市中銀行の補完銀行である、長期資金を貸し付ける使命をになっている金融機関である、政府機関である、こういうことを考えたならば、こういう面について政府は確たる方針を立てなければ経過金融繰りで倒産がばたばたと出てくる心配があると見ておるわけです。これも一に大臣の手腕にまたなければならないと考えておりますが、こういう問題について大臣はどのように考えておられるか。
 大臣にもう一つ申し上げておきたいことは、安定補給金とかあるいは坑道掘進補助金とかあるいは増加坑内水揚排水費補給金であるとか、これらはすべて前年度の実績に基づいて支給をされることになるわけです。ではその間どのような金融措置をとるのか、こういう問題等について大臣としても十分検討されたのかどうか、私はこういう問題について、今度の政策決定に当たっては金融をどうするかという問題を政府責任において処理されることを強く希望したいと思うのですが、この点について大臣のお考え方のほどをまず承って、御答弁が納得いくならば、やむを得ませんから大臣に対する質問はこれで終わることにいたしましょう。
#47
○大平国務大臣 金融は微妙な信用の問題でございますから、まず第一は、実際に政策が打ち立てられて実行に移されるであろうという内外の信頼、かなければ、金融は動かぬと思うのでございます。したがいまして、小委員会から総会に至るまで非常にお急ぎをいただきましたゆえんのものも、答申はなるべく早くちょうだいしたいというゆえんのものも、早く一区切りをつけて、政策の作案が非常なテンポで進んでおるという状況をつくり出すために、開銀のほうに一通り急いで取りまとめをお願いしたわけでございます。きのう幸いに御答申をちょうだいいたしましたので、私どもは、これを基礎にして石炭政策を立てますということを内外に宣明いたしましたゆえんのものも、いまあなたが御指摘のように、これがいよいよ実行に移された段階におきますまでの経過的な金融について心配があるからでございます。政府はおおむねこの線に沿ってやりますぞ、こういうことを申し上げたのでございます。
 それから、金融機関の協力でございますが、これは通産省ばかりでなく、大蔵省も日銀も御協力をいただき、経団連当局も御協力をいただきまして、金融機関に精力的に働きかけてまいりますことは当然と思います。それから開銀の問題でございますが、仰せのように、開銀の融資がなくなるというような事態、これが即座に合理化事業団のほうに移行をしまして、何らそこに落差がないという状態であればよろしいわけでございますけれども、やはりなかなか軽率に、金融の問題はそうもまいりませんので、開銀の貸し付け予算については、われわれも補正を考えまして、応急のことは配慮してまいらなければならぬと考えております。
#48
○田畑委員 終わります。
#49
○多賀谷委員 議事進行について、委員長に要請をしたいと思います。
 本答申は、きわめて重大な抜本策といわれる答申であります。しかるに、本日しか本委員会はないのです。大臣への質問が一時間有余で終わるということは、非常に残念でありますから、これはひとつ緊急に理事会を開いてもらって、大臣は、緊急な所用があるそうですから、続いて、後刻、本日中に大臣の出席を願う、こういう手はずをしないと、あとの質問者にも迷惑をかけますし、またこれだけの大きな問題か一時間有余で、そうして閣議決定に乗せられるということは、われわれとしてきわめて遺憾であります。ですから、そう処置を願いたい。直ちに休憩をして、理事会を開いて、そうして大臣は所要の仕事を終えて、ここへ来てもらう。(「異議なし」と呼ぶ者あり)それで与野党、どういうふうに今後これを運ぶかをぜひ協議したい、かように思います。
#50
○堂森委員長 暫時休憩します。
    午後四時二十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後六時八分開議
#51
○堂森委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。大橋敏雄君。
#52
○大橋(敏)委員 通産大臣にまずお尋ねいたしますが、今度の石炭鉱業審議会の総合部会において答申案の決定を見て、大臣がそれを受け取られたわけでございますが、決定にあたりまして労働者の代表の発言がほとんど無視された立場で答申案が決定されているということを、今度北海道に参りましたときに聞きました。そういう労働者の意見が反映されていないような答申案は、これは全く抜けがらだと思うのです。そういう答申案に対して、大臣はそのことをお知りであるかどうかということが一つと、もし御存じならば、そういう答申案に対してどうお考えになっているか、まずそれをお尋ねいたしたいと思います。
#53
○大平国務大臣 総合部会の会合は二回開かれたと存じておりますけれども、その会合におきましても、労働側の委員の方々からいろいろな御注文が出ておりましたことも承知いたしておりますが、昨日の総会におきまして、私も出席をしておりましたが、労働側の委員の方から活発な御意見が出まして、きょう委員の各位に差し上げました答申案の修正部分は、ほとんど全部が労働側委員の御発言で修文されたものと承知しておるわけでございます。したがいまして、本答申が労働側の意向を無視したものであるという御理解をもし大橋先生がお持ちでございますならば、それは御訂正を賜わりたいと思います。全部が全部というわけにはまいりませんでしたけれども、相当大幅に取り入れられておると承知いたしております。
#54
○大橋(敏)委員 それではお尋ねいたしますが、炭鉱労働者が一番気にしていましたことは出炭規模の問題であります。一体今後その規模がどの程度のものになるのだろうかと非常に懸念していたわけですね。いろいろと審議過程の様子からそれぞれ推察しておりましたことは、やはり昭和四十八年には三千五百万トンに大体縮小されていくのではないかというようなことでものすごく心配をしていたわけです。おそらく今度の総合部会等でも出炭規模の問題について労働者代表から強力な意見があったと思うのですが、それに対しては、確かにまだ答申の中には具体的にはその内容は浮かんでおりません。出ていないです。それならばそれはどういうふうに理解したらよろしいのでしょうか。
#55
○大平国務大臣 それは今度の答申の作案のしかたが、出炭規模をまずきめて、それを踏まえた上で打ち立ててまいるという方法ではなくて、たびたび私が本委員会を通じまして御説明申し上げておるとおり、出炭は結果として出てくるものでございまして、本答申の思想は政府の助成の限界と構造、そういうものを石炭産業にお示しをいたしまして、それによって労使が出炭に丹精を出していただきますならば、相当の出炭が期待できるということを期待しているわけでございます。したがいまして、この答申の中には三千五百万トンとか四千万トンとかいう数字は一切載っていないのでございます。言うところの三千五百万トンという数字は、政府が助成策を考える場合の一応の試算の場合に援用した数字でございまして、それを出炭の目標という意味のものとして踏まえてとらえた数字ではないわけでございますので、その点は曲々から私なり石炭局長から御説明申し上げておるとおりでございます。
#56
○大橋(敏)委員 私は今度の公聴会では、北海道だったのですが、北海道のいろいろな方々の意見を総合しますと、出炭というものは現在四千七百万トンないしは四千四百万トンぐらいかもしれないけれども、このぐらいはやる気になれば幾らでも出るのだというようなお話を聞いて印象的に耳に残っているわけでございますが、いまのお話では、試算の目安であって、必ずしも三千五百万トンにするというのではないというお話でございますけれども、まあ試算そのものがそういう時点をとらえたということは、労働者の立場からいくと、いずれはそうなるのではないかという見通しのもとになっておるというふうに、おそらく感ずると思うのです。ということは、そのまま労働意欲に影響するのではないか。最近難山ムードが非常にはびこっております。想像以上のものでございます。現在労務倒産ということが深刻な問題になっておりますけれども、要するに、今度答申が出て政府がどう決定なさっていくかは今後の問題でありますけれども、どのような対策を打ち立てようとも、とにかく労働者がいなかったり、あるいはいても意欲がなくて炭が出なかったならば、これはどうにもならぬわけですね。問題は、労働者の意欲をいかにして盛り立てていくかというところに私はあると思うのです。
 そこで、いままでの質問と変わった立場でお尋ねいたしますが、大臣は今度の答申の内容についていろいろと意見をお持ちでしょうけれども、かなり批判を受けた内容でございますので、大幅な修正をするという勇断といいますか、その決断はお持ちでしょうか。
#57
○大平国務大臣 私ども政府が審議を依頼して、八カ月にわたりましての精力的な討議を経てでき上がりました答申でございますので、たびたび申し上げておりますように、政府してはこれを尊重してまいるという基本的な態度でございます。したがいまして、これを大幅に修正する、そういう考えはございません。ただこれは、このとおり寸分の狂いもなく実行するというのでございますならば、政府の役割りは果たせないわけでございますので、この前の委員会でも申し上げましたとおり、各党の御意見その他建設的な御意見は十分吸収いたしまして、これにできるだけの肉づけをいたしまして、大橋委員が御指摘のように、労働者にも魅力があるようなものにしたいという念願で一ぱいでございます。ただ一つそれに大きな制約がございますことを御了承いただきたいのは、財源として考えられておるものは、石炭特別会計がこれまで享受してまいりました財源調達方式、それを四十五年で終わるところを四十八年まで延長することによって得られるであろう財源が限度でございまして、その範囲内での配慮でございます。もし一般会計が非常に――非常にと申しますか、相当ゆとりがあるとかあるいはその一般会計の資源配分におきまして使われる金よりは、石炭特別会計に繰り入れたほうがいいじゃないかというような大きな政策的な判断がとれるようなゆとりがある環境でありますれば話はまた別でございますけれども、正直に申しまして、いまの財政状況から申しまして石炭特別会計を延長さしていただくというところが精一ぱいじゃないかと思うのでございまして、それの範囲内においての配慮でございますから、おのずから財源的な制約があるということだけは、申すまでもないことでございますけれども、御了承をいただきたいと思います。
#58
○大橋(敏)委員 その点は了解できますが、先ほど申し上げましたように、今度の答申内容に対しては会社側も反対しておるんですね。あまり賛成していません。それから労働者はもちろん猛反対です。それから産炭地域の自治体も反対なんですね。関係者がみんな反対している。それを修正もなく運ばれたんではこれはたいへんなことだ。最終的な石炭対策だというわけでございますので、財源面のほうは了解いたしましたが、その範囲の中で、いわゆる手直しのできるところは徹底的に手直しをする、こういう意思がおありかどうか、もう一回この辺答弁願います。
#59
○大平国務大臣 与えられた財源の中で効率が高いように、政策効果が上がるように配慮すべきであると存じますところにおきましては、答申に必ずしも忠実でないところがでてくるかもしれませんけれども、そういうところは踏み切りたいと存じます。
#60
○大橋(敏)委員 労働省のほうにお尋ねいたしますが、今度の答申の方向から、地元産炭地域の関係者はそれぞれにその姿をキャッチしているわけです。というのは、いずれにしましても縮小撤退の方向である。案外、入り口整理ではないとかいわれているけれども、集中閉山が起こるのではないかという懸念が濃いわけであります。こういう実情といいますか実態といいますか、そのような環境になっている石炭産業の労働対策といいますか、これについて特別に何かお考えになっているかどうかということですけれども……。
#61
○小山説明員 私どもは、今回の答申が、少なくとも石炭産業に関する限り、魅力ある職場に育成をしていかなければならぬ、こういう考え方がこの答申に盛られておると考えております。したがいまして、まずその経営基盤を安定させる、こういうことが最も大事な問題点だろうと思います。同時に労働諸条件というものをできるだけ魅力のあるものにいたしまして、そして雇用条件の改善等に対しては一そう留意を払ってまいりたい。ことに住宅でありますとか、その他福祉対策につきましては、今回の答申を機会に一そうそれらの施策を充実いたしまして、喜んで炭鉱という職場で生活の安定がはかれるように、そういう労働条件の改善に鋭意努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
#62
○大橋(敏)委員 自信ありますか。
#63
○小山説明員 私どもはその考え方をもって今後も十分その職責に当たりたいと考えております。
#64
○大橋(敏)委員 実は福岡県の地元のほうから、すでに労働省にも届いていると思いますけれども、産炭地域雇用安定法案なるものが届けられていると思いますが、その内容についてどのようなお考えでいまお進みになっているかその、点お尋ねいたします。
#65
○小山説明員 雇用失業情勢が長期にわたり停滞的に推移しております産炭地につきましては、新たなる炭鉱合理化の進展に伴い、さらに深刻な影響を受けるものと私どもは考えておるわけであります。したがいまして、これらの地域につきましては、地域の再開発のビジョンをまず打ち立てまして、公共事業の拡大と産炭地振興対策を強化して、広く地域内における雇用の増大をはかることを基本的に私どもは必要だと考えております。したがいまして、これに即応した産炭地域の雇用計画を策定いたしまして、雇用対策の連絡会議等の設置、あるいは産炭地域の開発と就労のための事業を実施、地域内労働者の福祉対策を推進する等、雇用安定対策の強化につとめてまいりたいというふうに考えております。
#66
○大橋(敏)委員 私が聞いているのは、福岡県から出されている雇用安定法案に対して、労働省は積極的な立場でこれをくみ取っているかどうか、あるいは単なる参考的に見ているのか、こういうことなんです。時間があればこまかいことをずっとやっていきたいのですけれども、時間がありませんからまとめてやっているわけです。
#67
○小山説明員 ただいまその件につきましては、慎重に庁内で検討をいたしておる段階でございます。
#68
○大橋(敏)委員 慎重はわかりますが、前向きの方向なのか、それとも後退的なのかという……。
#69
○小山説明員 もちろん慎重に検討いたしておりますが、積極的にこれに応ずる体制のもとに検討をいたしております。
#70
○大橋(敏)委員 通産大臣にお願いしますが、労働省でいかにこのような雇用対策の法案をひねくり回してみても、最終的にはやはりお金がかかると思うのです。お金がかかるような内容が盛り込んであると私は感ずるのですが、そういうことにつきまして、通産大臣のほうも、雇用対策ということは、ほんとうは石炭対策と別に切り離してでも考えなければならぬほどの重要問題ですので、福岡県から出ている内容に対しても、十分内容を察知されて、極力応援をしてもらいたい、こういうふうに要望するのですけれども、その点お願いします。
#71
○大平国務大臣 私のほうからも労働省にお願いいたしまして、いませっかく協議いたしております。
#72
○大橋(敏)委員 それでは労働省のほうでけっこうですが、今度北海道で聞いたことですけれども、何といいましても、現在炭鉱坑内の作業員の平均年齢が、とにかく四〇・三歳とか何歳とかいう話でした。非常に高齢化しているというのです。もう若手はほとんどいないということです。今後魅力ある労働対策を立てるとおっしゃいますけれども、現実に若手労働者を確保できる何ものかありますか。たとえば北海道のほうでは、鉱員養成所というのがあるのです。いわゆる鉱業学校ですよ。そういう学校の生徒の訓練あるいは教育に助成をしていただきたい。たとえば一人に一万円ぐらいの助成をお願いしたいというような話があったんですが、これは私は確かに石炭産業をなくしてしまうなら別ですけれども、国内唯一の石炭産業ですから、これは何としてもやはり保っていきたい、いかねばならぬと考えております。そういう立場からいきまして、これは非常に重大な私は問題ではないか。若い者を養成していくという、こういうことについて、どうお考えになりますか。
#73
○小山説明員 ただいま大橋先生の御指摘の事項については、私もまだ初めてでございますが、十分ひとつそれらの要望事項につきましては、現地の事情等も承りまして、将来の労働省の施策として考えていきたいというふうに考えております。
#74
○大橋(敏)委員 北海道では――北海道のことばかり言ってあれですけれども、これは現地から聞いたなまの声ですからね。現在九つのそういう鉱山の学校があるそうです。九校の定員が一千六十五名になっているのですけれども、実際にはその約半分、五百五十四名だというのです。それもだんだん減っていく傾向にあるというのですね。ですからいま言ったような助成策を必ずお願いしたいという強い要望でした。これはほんとうに検討していただきたいと思います。
 それからもう一つは、炭鉱再就職手当というのを出してもらいたい、こういうことです。これは通産大臣も深い関係になると思いますけれども、やむなく終閉山をする、そうした場合、他産業に流れないように炭鉱再就職手当というものを考えてほしいという要望があったわけです。炭鉱から炭鉱に移る場合、企業内配転もそれは含むのですよ。よその炭鉱に限らず自分の炭鉱の中でもというわけです。その要望がありましたけれども、一カ月未満に再就職する者には十万ぐらい与えろ、それから一カ月以上三カ月未満の者には七万五千円ぐらい、三カ月以上一年未満の者には五万円ぐらい、このような具体的な要望が出ておりましたが、私はこういうのを聞きながら、確かにこのぐらいの手を打たなければ炭鉱労働者を食いとめることはできないな、そういうふうに感じて帰ってきたわけです。こういう地元のなまの声ですけれども、要望に対してはどのようなお考えで進まれるか。いま私の説明ではまだ不十分でありますけれども、以上説明した範囲から受けられる大臣の所信といいますか、それを聞かしていただきたいと思います。
#75
○大平国務大臣 労働力の確保、雇用の安定ということが基本になりますことは御指摘のとおりでございまして、また、若年労働、若い労働力、若い血液を導入していくという必要も御指摘のとおりだと思います。そこで、遠くを離れたところから炭鉱に就職を御依頼するというようなことには相当の経費もかかりまするし、いま御指摘のように再就職という形において熟練労働が得られるということは炭鉱経営にとりまして望ましいことであると思います。その場合に、それじゃどういう助成措置をやることが実効的かということにつきましては、十分検討の余地があるのじゃないかと思いまするが、そういう技術的なことにつきましては事務当局のほうから説明させます。
#76
○中川説明員 いまの再就職の件につきましては、主として労働省が主体になって考えていただくべき事柄だと思っておりますが 実態は他産業への就職よりも石炭鉱業内で就職してもらわなければならないほど労働力の確保というものに問題があるわけでございます。私どもといたしましては従来も、労働対策の上でも十分に、いま御指摘のようなところは配慮していただきたいという気持ちは持っております。
#77
○大橋(敏)委員 それでは話は変わりますが安定補給金の問題に入ります。今度の答申内容を見ますと、再建交付金を受ける企業――受ける受けたいというところに一つまた問題がありますけれどもこれは別としまして、まず再建交付金を受ける企業は、原料炭はトン当たり三百五十円、一般炭は百五十円だというふうに見ましたけれども、この金額は間違いありませんかね。ちょっとそこをまず確認しておきます。
#78
○中川説明員 そのとおりでございます。
#79
○大橋(敏)委員 実はこれもやっぱり現地の声でございますが、前回の一千億円の肩がわり措置のときにとられたいわゆる安定補給金が、大手炭鉱にはトン当たり四百二十七円、中小炭鉱の場合はトン当たり百八十八円だった。そこに二百三十九円の格差が出ていた。ところが、百五十円の安定補給金で償われたわけですけれども、今回も先ほど言いますように二百円ぐらいの差がもうすでについているわけですね。したがいまして、特に中小炭鉱の方々の要望でしたけれども、今度の安定補給金を少なくとも三百円に上げてほしい、百五十円上積みをしてほしいというわけです。そうでないと、三百円にしてもらってもなおかつ大企業、大手炭鉱と中小炭鉱は二百八十九円の格差がつくわけです。これに対してどのようにお考えになるか、お尋ねします。
#80
○中川説明員 ただいまおっしゃいました大手に四百二十七円、中小に百八十八円というのは、私にはちょっとこの数字については何をさしておるのかわからないのでございますが、中小炭鉱側の主張といたしまして、石炭政策での結果としての助成費の受け方に大手と中小に差があるという主張がございます。しかし、この中には、たとえば坑道掘進費の補助のように、どれだけの坑道を掘るか、それに見合って補助をするというものがございますから、大きく坑道を展開しておれば助成が厚く、ほんのわずかしか坑道を掘進なさらなければこれに対する補助は少ないという、これは制度として当然のことがございますので、そういった結果としての助成費の割り振りをもって機械的にここに格差があるということは言えないと思います。ただしかしながら、中小側の主張の中に、前の一千億円の肩がわりのときに、大きな肩がわりは実態として大手がこれを受益したはずであるから、中小にも安定補給金について考慮してもらいたいという主張があって、それはそれだけの理屈ではございませんけれども、いろんなことを最終的に勘案いたしまして現行の百五十円の安定補給金というものが中小と再建会社について適用されておるわけでございますが、今回の答申では再建交付金を受ける企業と受けない企業という区別の上に立って百五十円の格差を設けたのが、これでは少な過ぎる、もっと中小炭鉱に配慮すべきである、こういう議論があることは承知しております。
#81
○大橋(敏)委員 私もまだ勉強不足で申しわけないのですけれども、要するに安定補給金を三百円に上積みしてほしい、こういうふうなことでございます。これも閣議決定なさる前にこういう点はまずはっきりした上でなさっていただきたいということであります。
 もう一つお尋ねいたしますが、企業ぐるみ閉山する場合は、いままで炭層価値率というものがあって、そこに差がついておったそうですけれども、企業ぐるみの閉山にはそうした炭層価値率というものはもう撤廃してほしい、これは徹底した要望でございましたが、これに対してどうでしょうか。
#82
○中川説明員 一般閉山交付金制度におきましては、御承知のように残っております鉱量でございますとか坑道だとかという客観的基準によって計算をいたしております。しかしながら、今回の答申で提唱されております企業ぐるみの場合の閉山という場合には、そういう基準とかかわりなく、当該企業が支払い得ない債務につきましてそれの一定率を閉山交付金として支給すべきである、こういうことでございますから、そこには山の評価というものは出ておりません。ただあらゆる債務につきまして一定の充足率にするという場合に、一般債務等につきましては技術的に把握が困難な問題がございますので、こういうものはおのずと別個の基準、たとえば当該炭鉱の出炭量といったようなものであるいはリミットを付さなければならないかとも思っておりますが、原理原則といたしましては、いまおっしゃったようなこととはかかわりなく、回復不能の債務について措置をとるということでございますので、大体おっしゃるとおりの思想になっておるはずでございます。
#83
○大橋(敏)委員 それではもう一つお尋ねしますが、閉山交付金が今度三千三百円になったわけですね。現地の声ですけれども、これもやはり実際にはトン当たり五千円以上の資金が必要だ。二千四百円から三千三百円に上げてもらったことに対してはみんな感謝しているけれども、現実問題はそれ以上に要るのだ。そういうわけで、表向きは三千三百円であっても、現実にはその山その山の実情、内容というものが一つ一つまた違うわけですから、その閉山交付金ももっと弾力的な配慮がなされるものであるかどうかということですね。この三千三百円ぽっきりということじゃなくて、山次第ではもっとほかにも配慮がなされるのかどうか。してほしいという声が強いのですよ。これに対してはどうでしょう。
#84
○中川説明員 中小炭鉱の代表者とは私も話し合っておりますので、ただいまのような主張があったことは承知しておりますけれども、いまその主張については、十分私どもの考え方を理解されておると私は思っております。と申しますのは、三千三百円の場合でございましても、これは平均額を示しておるだけでございまして、先ほど申しましたような残存鉱量とか坑道を基準にしてつけるわけでございます。ただ著しい超過債務があります場合は、中小炭鉱といえども企業ぐるみの閉山交付金という制度に均てんし得る仕組みで考えておりますので、もし三千三百円で足りないという事態のありますものには、この制度の適用で処置ができるはずでございます。三千三百円の一般制度では、どれぐらいの債務があるかということの挙証を実は必要としないという制度でございますので、もし著しい超過債務があるということであり、かつそれが明瞭でありますならば、企業ぐるみの特別措置の適用を受けていただけばよろしいわけでございます。
#85
○大橋(敏)委員 時間もだいぶたちましたので、もう一、二点で終わりたいと思います。
 いまの閉山交付金の問題でございますが、今後の答申がいろいろと内容的には修正されて、いずれは決定すると思いますけれども、その実施前にもうすでに閉山のやむなき立場に立つ山も何ぼか出てくるだろうということから、その閉山交付金の今度の考え方は、昭和四十三年の十月以降の申請のものについても、今度の新しい単価でやっていただきたい、こういう要望ですが、これはどうでしょうか。
#86
○中川説明員 答申は考え方を提案しておりますので、具体的にどういう期日から適用するかということについては、これから行政ベースで考えることでございます。ただ制度発足にあたりまして、あまりに前にさかのぼるというようなことは必ずしも適当ではないと考えております。
#87
○大橋(敏)委員 今度も経過措置の問題が非常に論議されておりました。いろいろと事情はありましょうけれども、炭鉱の実態に即した配慮のもとに手を打ってもらいたい。
 それから話はまた変わりますけれども、出炭規模が明瞭に示されなかったことは、いわゆる長期展望の自信のなさをあらわしているのだという声もあちこちにあがっております。これも現実に山を掘っている人々から聞いた話でございますが、大体石炭は北海道、常磐、そして九州、大体この三つの地域から出るわけでございますが、どの地域からどういう炭がどれぐらい出るのか、まずこれがはっきりしていないのではないか。またかりにそれがはっきりしてみても、どの山の炭をどこに売る、あるいはどこに配置する、このような需給のバランスといいますか、その策定がまだ十分ではないのではないかという話が出ておったわけです。今度答申の中にも「体制の整備」というのがうたわれまして、鉱区の再編だとか調整等のための企業の統合あるいは共同行為などを行なって云々ということがありますが、確かにいままでのように経済的な援助だけあるいは金融措置だけでは、これはどうにもならぬ問題なんです。この前の一千億円の肩がわりが失敗したのも、実は体制整備ができなかった、やらなかった、私はここに大きな問題があると思うのですね。今度は合理化体制部会というものを石炭鉱業審議会の中でつくって、こういう問題に対してどしどしと手を打っていくというような表現があるのですけれども、この合理化体制部会というものについて通産大臣からその内容とその方向、そういうのをお話し願いたいと思います。
#88
○大平国務大臣 この合理化体制部会を置いて体制問題の審議をしようということがきまっておるように承っておるだけでございまして、その構成をどういうものにするかは審議会内部でまだきまっていないようでございます。きのうの総会におきましても、その点についての御質疑があったようでございまして、流通部門の方々からも、自分たちも入って審議に参加したいというような希望もあったようであります。そういった要望もありますが、これは審議会内部におきまして、その規模、構成、機能、そういったものがきめられることと思うのでございます。私どもは、それはそれとして、審議会で御審議いただくこともけっこうでございますけれども、通産省といたしましては、体制問題は、いま大橋委員が御指摘のように、政策の成否にかかる重要な問題でございますので、石炭行政の推進の上から申しまして、力点を置いて慎重な配慮をしてみたいと考えております。
#89
○大橋(敏)委員 時間もあれですので、この辺で終わりたいと思いますが、いまの合理化体制部会の中には労働者側代表が入ることは間違いないですね。
#90
○中川説明員 答申に明記しておりますように、労使代表を加えた、ということであります。
#91
○大橋(敏)委員 今度の答申内容が抜本策ではない、最終案ではないという批判の声が非常に強いわけでございますので、そういう大衆の声といいますか真実の声を十分察知せられまして、今後の方向を、大英断をもってほんとうの意味の石炭対策を立てられることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#92
○堂森委員長 田畑金光君。
#93
○田畑委員 先ほど大臣から基本的なお話は承りましたが、岡田委員の質問にお答えになったようでございますけれども、この答申に基づく閣議決定は来春早々ということでありますが、予算編成の時期が、政府案をまとめるのがいつごろになるのか。それとの関連で当然その事前に本件の閣議決定ということになると思いますが、その辺の事情と、閣議決定ということになればその内容はどういう柱を内容とされる予定なのか、その辺ひとつお聞かせいただきたいと思います。
#94
○大平国務大臣 予算のほうは、政府側の段取りといたしましては、二十八日に編成方針をきめまして、それで年を越しまして一月の七日に大蔵原案の内示をいたしまして、おそくとも十四日までに仕上げるということがスケジュールとしてきまっております。これは一般会計、特別会計を含めてそうでございますから、予算がきまるタイミングは十四日と一応私どもは想定いたしております。で、そのほうの手順は進めておるわけでございます。
 それから閣議決定でございますが、私は自分の考えといたしましては、この答申に盛られた根本の思想、考え方、そういったものは盛らなければならぬと思いまするが、同時にこれからの石炭行政上の指針といたしまして、私どもが考えなければならぬことはもとより閣議決定でうたっておかなければいかぬのじゃないか。それは簡潔雄津なものにしたいと思っております。あまりこまかいことを書くつもりはないのでございます。それは実際の運用におきましてできるだけ弾力を持たせておいていただいたほうがいいのじゃないか、そう考えております。
#95
○田畑委員 おそらく簡潔であろうとは思いますが、雄渾な内容は期待できないと思いますね。そうしますと、その閣議決定のあとに石炭の財源というものもおのずから原重油輸入の関連で出てくるわけでありまするから、そのあとにこの答申に盛られたもろもろの内容についての配分なり予算の裏づけは閣議決定のあとなされるものと考えるわけでありまするが、したがって、先般、私大臣に特に念を押して、大臣もまたそれは確約されておりますが、この石炭予算の編成にあたっては、この委員会の意思なり国会の意思なりあるいは各党の意見なりを十分反映するようにする、こういうようなお話もございましたが、したがってわれわれといたしましても、この予算の編成についてはいろいろ注文もしたいし、意見もあるわけでありまするが、その閣議決定のあと、タイミングとしてはわれわれがそうすることによって意見の採用はできると見てよろしいかどうか、その辺ひとつ明らかにしていただきたい。
#96
○大平国務大臣 法律案のことを申し上げなかったのでございますけれども、予算案と法律案を御審議いただかなければならぬわけでございます。法律案御審議に関連いたしまして、運用上の指針について各党の委員の方々からいろいろな御意見が出ることも私どもは予想いたしておるわけでございます。そういった点を虚心に聞きまして、忠実に行政に反映さすように私としてはできるだけの配慮をする決意でおります。
#97
○田畑委員 個々の問題に入りますと議論もまた非常にこまかくなってきますので、また大臣の時間も七時までという制約もあるようでありまするから、こまかいところに触れることは私はきょうは避けますが、先ほど大臣に、特に私は金融の問題で質問かたがた意見を申し上げたわけです。
 今回のこの答申の内容を読みますと、開発銀行から合理化事業団に移行していくということでありますが、これは石炭の置かれておる立場からするならばやむを得ざるものありとも考えるわけでありますが、開銀が手を引いたということになった場合に、市中金融機関が協力することになるかどうかというと、これは石炭関係者から見ると非常な不安が出てきょうと思うのです。また開銀が手を引いたということになった場合に、一般の金融機関の協力を求めること自体がむずかしいのじゃないか、こういう感じがするわけです。さらにまた今後の施策の運営にあたりましては、いま大橋委員からもいろいろ指摘がございましたが、特に再建交付金なりあるいは安定補給金その他もろもろの助成金が出るわけでありまするが、大手と中小との公平の原則ということはやはり十分配慮される必要があろうと考えておるわけです。その内容については、そのような声があることは局長自体も十分御存じであると私は思いますので、その辺のことは省きます。
 さらに第二の問題として、聞くところによれば、補助金の合理化というようなことで、いままですでにこの国会の論議を通じ、たとえば坑内の増加排水の補助金等の問題についても一つの柱として出ておるわけであります。ところがこういう面等についても、今度の補助金の配分にあたっては大きく再編成するというようなこと等が不安を与えておるわけで、九州地区においてもそのような意見が出ておるわけでありまするが、そういう問題等についても十分配慮されることを希望いたします。
 さらにまた、いま大橋委員のお話がありましたように、体制整備という問題が今度の大きな柱になっておるわけであります。鉱区の再編統合の問題等々にそれがかかっておるわけでありますが、前回の答申を見ましても、より強い表現が鉱区の統合調整については出ておるわけであります。また同じことを申しておるわけであります。こういう面については今度合理化体制部会ができたということでありますが、ただそのような部会ができたことで所期の目的が達成するとは毛頭われわれは見ておりません。こういう問題についてはもっと立法的にあるいは財政的に行政の面から実効のあがる措置を特に配慮願いたい。このことを強く希望として申し上げておきます。この点を今後の予算編成なり運用に当たっては十分配慮されますことを強く希望申し上げて私は質問を終わります。
#98
○堂森委員長 岡田利春君。
#99
○岡田(利)委員 二点の質問だけにとどめたいと思います。一点は、今度の答申で分離統合、これは一つの絵ですね。絵を描いているのだと思います。しかし私ども先般九州で、九州での分離統合について経営者から意見が述べられたわけですけれども、どうもあの文章で、審議会のほうで一応描いた絵と経営者の受けとめて描いている絵とには相当ズレがあるのではないか、実はこういう感じがしましたから、私も率直にその点は石炭経営者にも指摘をいたしたのです。そこで分離統合の問題と相関連して、この分離統合の必要なものは単に鉱区の調整だけなのか、鉱区の調整のために分離統合が必要であるというだけに限っておるのか、相当これは雄渾な絵を描いたのか、特にこの面について基本的な考え方というものをお聞きいたしたいと思うわけです。
 それと同時に、通産大臣は原則として答申の方向で石炭政策を進める、こう言われておるわけです。ただ御承知のように大手ではいま再建会社というものがあります。この再建会社は、従来この政策でいけば中小と同じように安定補給金を出してきたわけですね。ところが今度の答申を見ますと、再建四社、及び中小炭鉱というものは全く同列に扱われておるわけです。たとえばいままでトン当たり百五十円の安定補給金をもらっていた明治とか杵島、麻生、貝島、日炭高松こういう会社がありますね。これが今度の場合は、一般炭は百五十円で、肩がわりを受ければもう百五十円ということですから、肩がわりだけの面は効果が出ておりますけれども、安定補給金としては変わらないわけです。先ほど議論の中で、中小炭鉱に対して同様であるから安定補給金の問題について考えるべきだとするならば、再建会社について当然そういう中小炭鉱と同じ視点で考えられるのかどうか。考えられなければならないのではないか、こういう問題が実はあるわけです。もうちょっと具体的に言いますと、国民経済の立場に立てば、たとえば貝島炭鉱というのは第二会社をつくって露天掘りをやっている。これは成績をあげておるわけです。しかし金が足らぬのでなかなか労働条件があがらない、こういう悩みがあるわけです。しかも露天掘りではまだ採掘区域があるわけですね。しかし企業としてはとにかくやっていけないというような状態で第二会社をつくった。あるいは明治のように五山も炭鉱がある。そうするとわれわれは、経済的にいいますと、地域経済あるいはまたいろいろな関連で考えますとこれまた非常に問題が多いわけです。北海道に一例をとりますと、たとえば昭和炭鉱という炭鉱がありますけれども、昭和は、再建明治の会社の炭鉱であり、隣の太刀別炭鉱はもう会社更生法の適用を受けている。しかもそれぞれ施設は別だけれども、坑内はちょっと掘ると統一的に採掘ができる、そういうからみ合わせを考える場合に、会社としては負債を整理しなければならないから企業ぐるみやめなければならない。炭鉱としては一体そういう問題はどう結びつけていくのかということが、われわれとしてはどうもわからないわけです。しかしそれは企業分離がすぽっといくならいいのですけれども、そうでもないような説明も私は聞いているわけです。あるいは先般局長が答弁いたしましたように、たとえば北空知の鉱区を調整して、そこだけを共同でやらせるというようなことも考えなければならない、こういう意見が実は述べられておるわけですけれども、そういう面についてもさらにこの肩がわりと安定補給金が出て、企業の分離というものはどういう形で行なわれているのか、この点が私どもとしては判断、理解に苦しむ面が非常に多いわけなんです。したがって、私は極端にいいますと、再建会社の問題をどう合理的に、どう乗り越えていくのか、政策をどう進めていくのか、これが立たないと、石炭政策というものはなかなかスムーズに進まないのではないか、こういう点が非常に問題点なわけです。大臣としてはこれらについては答申をどのように読まれて、どのように理解されておるのか、その受けられている感じについてひとつ見解を承りたいと思います。
#100
○大平国務大臣 私は正直に申し上げましてこれは石炭政策でなければいかぬと思っております。したがいまして、休憩前の答弁にも申し上げたように、私企業ベースで再建をはかりますけれども、国が介入いたしまして再建を助けてまいります以上は、私企業の限界というものを相当踏まえた上で、石炭政策らしいものにしなければならぬと考えております。
 いま田畑委員からもお話がありましたが、そういうことを実効的にするような仕組みがどうしたらできるか、そういった点がいま私の頭を去来しておる思想でございます。そういう考え方で、それでは再建会社あるいはさらに安定補給金とのからみ合い、そういったことにつきましては私はまだ十分消化できていませんので、それは局長のほうから答弁させます。
#101
○中川説明員 ただいま岡田委員からお話がございましたように、体制整備問題と助成策というものを考えてみますと、先生御自身おっしゃいましたように、なかなか適用のむずかしい問題があるわけでございます。したがって、審議会はそれらの方向づけについて意見を述べて具体的な提案をしておるわけでございますが、このような問題があるだけに、私どもは実はせっかちに体制問題をぴしっと絵を描いたからといって、いまの助成策とのからみ等が一刀両断に出てくるとは思わないわけでございまして、その辺はむしろ体制部会なり何なりで具体的に詰めていくということが現実的な接近のしかたではなかろうかと考えておるわけでございます。
#102
○岡田(利)委員 鉱区の問題とか分離統合については勧告ができる。これはおそらく法律的な根拠を持たせるのだと思うわけです。しかしこの勧告の裏づけについて考えられたのかどうか。勧告をしていかない場合について裏づけは考えられたのか、考えられなかったのか、この点はどうですか。
#103
○中川説明員 ここまで申し上げていいのかどうか私はわからないのでございますが、実は、いまの御指摘の点に関しまして審議会の小委員会段階では若干見解が分かれまして、具体的にはまだきまっておらないということでございます。これはまた大臣にも御相談いたしまして、行政面でひとつ考えていただきたい。審議会は両論ございまして……。
#104
○岡田(利)委員 では最後に。実はこの産炭地振興の問題は依然重要な問題であるわけです。ただ、いま通産省の産炭地域振興事業団があるわけなんですが、この計画は国土開発計画なり地域の総合的な開発計画なりこういう面とどうしても関連を持たせなければなかなか効果が出てこないわけです。たとえば地方に縦貫道路をつくる、これがある程度マッチしないと産炭地振興というものがうまく生まれてこないわけです。ところが建設省にすると自分たちの総合的な計画だけで、そういう産炭地振興計画はあまり考慮に入れていない。各省間の連絡が非常に不十分、ばらばらである、こういう問題があるわけです。実はこの石炭政策をやるときに非常にスクラップが多く出る、そのために各省の次官クラスでこれをどうするかという臨時の会議を政府は構成したことがあるわけですが、私はやはりこの産炭地振興についてはそれぞれ関係省を含めて計画を立てる、こういう機能的なものをつくらないと、結局産炭地振興というものは事業団だけでできるわけじゃないのですから、実効があがらないのではないかと思うわけです。この点は答申にも全然触れていないわけです。そういう装置、機能というものについては触れていないわけですね。私は、そういう機能を持たせなければならないし、そういう機能をつくらなければならぬのではないか、これは政府自体がやらなければならない事項だと思うわけです。したがって、通産省だけで考えると、いまの産炭地域振興事業団を中心にやるという考え方になるのですが、それでは地域開発はできないのでありますから、そういう機能をぜひ閣議決定の場合に検討してほしい、こう思うわけでありますが、この点だけ大臣の見解を承って終わりたいと思います。
#105
○大平国務大臣 いま御指摘の問題は、やはり石炭鉱業審議会の能力の限界を越えておる問題だと思います。したがいまして、いろいろぴんとくる答申の表現になっていないと思いますが、あなたが御指摘のように、これは政府全体で対処しなければならぬ課題だと思っておりまして、そういう角度から配慮していきたいと思います。
#106
○岡田(利)委員 終わります。
#107
○堂森委員長 他に質疑の通告もありますが、時間の都合もありますので、本日はこれにて散会いたします。
    午後七時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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