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1968/12/12 第60回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第060回国会 本会議 第3号
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1968/12/12 第60回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第060回国会 本会議 第3号

#1
第060回国会 本会議 第3号
昭和四十三年十二月十二日(木曜日)
    ―――――――――――――
議事日程 第三号
  昭和四十三年十二月十二日
   午後一時開議
 第一 永年在職議員の表彰の件
    …………………………………
  一 国務大臣の演説に対する質疑
     ――――◇―――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 永年在職議員の表彰の件
 国務大臣の演説に対する質疑
   午後一時二分開議
#2
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 永年在職議員の表彰の件
#3
○議長(石井光次郎君) 日程第一につきおはかりいたします。
 本院議員として在職二十五年に達せられました松浦周太郎君及び小泉純也君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。表彰文は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 ここに議長の手元において起草いたしました文案があります。これを朗読いたします。
 議員松浦周太郎君は衆議院議員に当選すること十回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められたよって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する
    〔拍手〕
    …………………………………
 議員小泉純也君は衆議院議員に当選すること九回在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の伸張に努められたよって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院議をもつてこれを表彰する
    〔拍手〕
 この贈呈方は、議長において取り計らいます。
 この際、松浦周太郎君及び小泉純也君から発言を求められております。順次これを許します。松浦周太郎君。
    〔松浦周太郎君登壇〕
#5
○松浦周太郎君 つつしんで一言ごあいさつを申し上げます。
 ただいまは、私の本院在職二十五年に及びましたことに対し、御丁寧なる表彰の御決議を賜わりまして、まことに感謝にたえません。厚くお礼を申し上げます。(拍手)この御決議に対して、私は心から感激をいたしますとともに、同時に、新たなる決意がわき起こるのを覚えるのでございます。(拍手)
 顧みますと、この二十五年間はわが国の歴史上かつてない変転盛衰の時期であり、混乱の時代であったと思います。このことは、私自身がこの目で見、このからだで経験をしてまいりました。
 昭和に入りてより、次第に政党不信の声が高まり、ついに軍の横暴を押えることができず、わが国をして敗戦のうき目に導いてしまいました。その後、占領行政のもとにおける圧迫、混乱の中において誕生した政党は、先輩、同僚諸君の努力によって順調に伸びてまいりましたが、しかしながら、近来特に国民のきびしい注視を浴びており、今日ほど政党の信頼を高め、議会政治の健全化をはかるべき必要に迫られているときはないと考えます。ここに、私は、きっすいの政党人として、一日も早く民主的な政党政治本来の面目を十分に発揮することを切に望んでやまない次第であります。(拍手)
 私は、北海道開拓者の子として生まれ、幼時より開拓に従事いたしましたために、小学校も満足に卒業することができなかったのであります。昭和十二年、林内閣解散後の総選挙において衆議院議員に初当選して以来、先輩諸氏の御懇篤なる御指導のもと、議会人として今日に至るまで最善を尽くしてきたつもりであります。しかしながら、顧みまして、常に微力にして力足らず、祖国のため、なし得なかったことを恥ずるものであります。
 ここに、今日の栄誉をお与えくださいました皆さまや、私を二十五年間支持してくださった国民各位の御好意に報いるためにも、今後一そう、従来の得がたい体験を生かし、国民の信頼にこたえるに足る政党と健全な議会政治確立のため、献身努力をいたす所存でございます。
 何とぞ、従来に変わらぬ御支援を賜わりますよう切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
#6
○議長(石井光次郎君) 小泉純也君。
    〔小泉純也君登壇〕
#7
○小泉純也君 ただいま、私が本院在職二十五年になりましたことに対し、院議をもって丁重なる表彰の御決議を賜わりましたことは、身に余る光栄であり、ただただ感謝と感激あるのみでございます。(拍手)
 顧みれば、少年のころから政治家たらんと志し、私が念願の衆議院議員に初の当選を得ましたのは、二・二六事件後、国情騒然たる昭和十二年四月でございまして、間もなく日支事変が勃発いたしました。軍の独裁は日に月に強まり、国民の自由は抑圧せられ、政治家の言論と行動は封ぜられ、国をあげて陰惨なる時期に入りました。政党解消の名のもとに議会政治はどん底におちいり、やがて日本は敗戦となり、占領下に置かれました。
 公職追放によって政治から退けられたことは、政治を生命とした私の人生にとっては、耐えがたい長い暗い六年間でありました。
 追放解除され、昭和二十七年晴れて待望の選挙戦に臨み、幸いにして当選の栄を得、政界に復帰がかない、自来連続当選、今日の栄誉をになうに至ったのであります。(拍手)このことは、ひとえに同僚各位の御厚情と選挙区皆さまの長年一貫して変わらざる御支援のたまものでありまして、ただただありがたく、胸ふさがるの思いでございます。
 思えば、多事多難な二十五年でありました。日本と日本の議会政治が一たびは滅びんといたしましたが、戦禍の中から新生日本と民主政治がたくましく誕生いたしました。戦後復興の政治に、おくればせながら私も参加できましたことは、この上ない喜びと満足を感ずるところでございます。(拍手)
 政治家として、終始一貫私が信条としたものは、清廉潔白をもって政治信念を貫くということでございました。(拍手)日常の政治生活において、また選挙の戦いにおいて、いささかもこの信条を曲ぐることなく、ただ一筋に正義の道を直進したことは、みずから省みてひそかに誇りとするところでございます。(拍手)
 私は、微力ではございまするが、今後とも皆さまの変わらざる御支援のもと、議会政治の健全なる発展に生涯をささげたいと、ここに決意を新たにいたしております。(拍手)このことが、今日栄誉をお与えくださいました皆さまと、長年にわたって私を支援してくださった国民各位の御好意にこたうる道であることを痛感いたす次第でございます。
 皆さまの御健康を祈り、ここに、つつしんで御礼のごあいさつにかえます。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑
#8
○議長(石井光次郎君) これより国務大臣の演説に対する質疑に入ります。柳田秀一君。
    〔柳田秀一君登壇〕
#9
○柳田秀一君 私は、日本社会党を代表して、当面する内外の諸問題につき、佐藤総理大臣にその所見をたださんとするものであります。
 佐藤さんは、過日の自由民主党大会において、三たび総裁に選ばれ、引き続き総理大臣として政局を担当されることになりました。御苦労さまでございます。御自身、さぞ御満足のこととお察ししますが、はたして国民の何%があなたとその喜びをともにし、あなたを祝福しておるでありましょう。それは、最近の新聞に報ぜられた世論調査を見ても、とくとおわかりのはずであります。国民からは歓迎せられざる総理、国会においては約半数近くの与党及び全野党から祝福せられざる総理大臣として国政に当たられるわけであります。この認識こそが、新政権出発の心がまえでなければならぬと思うのでありまするが、総理にそのお考えがおありでしょうか、承りたいと思います。(拍手)
 総理大臣という権力の座に長くすわっていると三つのめくらになる。一つは金が見えなくなる。二つは人が見えなくなる。三つは世間が見えなくなる。これは、かつてのある総理大臣の戒めのことばでありますが、殷鑑遠からず、このよきサンプルをわが佐藤榮作君に見出すのであります。
 すなわち、その第一は、党にあっては幹事長、内閣にあっては外務大臣の要職を歴任し、総裁を補佐し、あるいは総理と一体となってわが国外交の推進に当たってきた人に対して、「このような人物を外務大臣にしたのは私の不明であった」と総理自身おっしゃったそうであります。およそ閣僚の人選は天下国家の公事であり、外交上意見を異にする人を任命しておいて、自分の不明をかこって事済む問題ではないのであります。(拍手)国家に対し、国民に対する責任感が総理の発言には片りんだに見えないのは、まことに遺憾にたえないのであります。天皇治下ならば内閣総辞職に値したでありましょう。主権在民の今日においては、当然主権者たる国民に陳謝すべきであり、あの発言の時点において、すでに佐藤さんは内閣の首班たる資格のないことをみずから天下、国民の前に暴露したといってもあえて過言ではないと思うのであります。(拍手)
 その第二は、今回の沖繩主席公選で屋良朝苗氏の当選にあたり、「子弟の関係を重んずる沖繩住民の純風美俗のあらわれであって、本土政府の沖繩施策に対する批判とは思わない」旨、総理は語られたのであります。そもそもこの選挙は、戦後二十三年にわたる米軍支配とこれに追随する本土政策を肯定するのか、さもなくば否定するのか、はたまた佐藤政府の一体化政策か、さもなくば即時無条件全面返還かの二者択一の、いわば住民投票による領土帰属決定にも似た選挙であったことをわきまえるべきであります。(拍手)しかも、軍事占領下の多くの制約を受けながらの選挙にもかかわらず、また福田前幹事長のいわゆる「イモ、はだし論」のごとき沖繩をばかにした低俗なるまやかしにも迷うことなく、屋良氏を圧倒的に支持した沖繩県民の決定に対して、ことさらに目をおおい、顧みて他を言うがごときは、百万県民の意思を無視し、愚弄したものといわなければなりません。(拍手)これが一国の総理大臣のことばとは常識をもってしてはとうてい考えられないところであり、戦後いまに至るも日本国の憲法の適用も受けず、異民族の支配下に呻吟してきた沖繩同胞の悲痛の叫びが何ら理解できない冷酷無情なる態度というべきであります。(拍手)また、選挙の結果を故意に歪曲するがごとき、まさに民主主義の根本に対する挑戦ともいうべきであり、権力思想に取りつかれた佐藤総理その人の本質をまざまざと示したものといわざるを得ません。このことは、野党のわれわれが指摘するまでもなく、与党自由民主党の内部においてさえ挑発と対決の政治として、きびしく批判されている事実が雄弁に立証しているのであります。(拍手)私は、新内閣の発足にあたり、これら佐藤政権に対するもろもろの批判に、総理みずからどれほどの謙虚さをもって自覚と反省の上に、今後真に国民に奉仕する政治を行なわんとするのか注目しておりましたが、昨日の演説を承り、あまりにも陳腐にして空疎なるその内容に全く失望したのであります。佐藤内閣の前途推して知るべしというべきであります。(拍手)
 まず、国際問題をお尋ねします。
 今日、激動する世界情勢のさなかにあって、いまわが国は重要なる選択の岐路に立っておるのであります。すなわち、ジョンソン米国大統領の北爆停止とパリにおける和平会談によって、それが平和解決の道をたどるか、あるいはまた戦争にあと戻りするか、その帰趨は単にベトナム民族の問題だけでなく、平和を希求する全世界諸国民共通の関心事であります。ことにアジア社会の一員たる日本としては、進んで平和解決への機運を推し進める役割りをになうべきであります。問題の所在はきわめて明白であります。すなわち、安保を強めるか弱めるか、軍備を拡大するか縮小するか、このいずれをとるかであります。前の道は核安保への道、核大国への道であり、あとの道はアジア諸国との友好連帯を深める平和、中立、非武装化への道であります。しかしながら、佐藤政府の外交は、平和の大道を歩む日本の進路を内外に明らかにすることもなく、誠意ある努力を払うこともなく、口では平和を唱えながら逆にアメリカの侵略的アジア政策の一翼をにない、ベトナム戦争に協力、加担してきたことは、まことに遺憾のきわみと申さなければなりません。(拍手)
 佐藤総理、あなたは自由民主党総裁の最後の任期にあたって、世界に冠たる日本国憲法の精神に沿うて外交姿勢を転換し、せめても佐藤内閣としての最後の花を飾ったらと思うのでありますが、見解を承りたいのであります。(拍手)
 この際、日本の果たすべき役割りは、最小限戦争に協力しないこと、すなわち、沖繩を含めて在日米軍基地のベトナム戦争への使用をやめさせること、一切の補給を中止すること、これであります。
 去る七日上京した屋良新主席は、「B52爆発事故で、基地周辺の婦人たちは、子供たちの命が危険にさらされていると涙を流して訴えている」と現地の状況を語り、また嘉手納の村長も、「まるで戦争の再現だ、村民は恐怖のどん底に突き落とされた」と、こもごもその撤去を要求しているのであります。元来、B52戦略爆撃機は、台風を避ける理由でグアム島から臨時に配置されたものであります。グアム島に一年じゅう台風が吹いているわけではないでしょう。しかも、それが核兵器貯蔵庫の近くに墜落、爆発するに至っては、われ人ともに、はだえにアワの立つ思いがするのであります。にもかかわらず、木村前官房長官の談でも明らかなように、政府は、撤去はおろか、アメリカ政府に対する申し入れすら行なわなかったのであります。このような卑屈きわまる態度では、これからの沖繩返還交渉も思いやられるのでありまして、当面、政府は、B52撤去、原潜寄港拒否くらいは、返還交渉に先立ってなすべき緊急の課題と考えますが、総理の見解を伺います。(拍手)
 総理は、また、「返還交渉に初めから本土並みを要求することは返還をむずかしくする」とか、あるいは「沖繩同胞が本土並みを望んでいるというのは認識不足だ」と言っていますが、沖繩の選挙が如実に示したように、認識不足は佐藤さん御自身であり、三木さんではありませんが、このことばは総理に返上しなければなりません。(拍手)同時に、総理のことばは、本土並み以外の基地の態様、すなわち、核つきもしくは自由使用を暗に言外ににおわしたものとして、国民はきわめて重大に受け取っています。この点につき、総理の真意を明らかにされる大いなる責任があると思うのであります。
 また、総理は、記者会見で述べられたとおり、百万県民の願望を十分にくみ取るというならば、たとえいかなる困難があろうとも、その道は、冒頭にも述べたとおり、即時無条件全面返還以外にはあり得ないのであります。また、それに政治生命をかけるというならば、それは核つきでもなければ自由使用でもないはずです。はたまた、どろをかぶってもというならば、そのどろはあなたを取り巻く財界やアメリカからのどろであるべきと思いますが、総理いかがですか。それだけの信念がありますか。あなたのことだから、核安保と沖繩の固定化に政治生命をかけるのではないかと一般に危惧されているので、お尋ねしたわけであります。(拍手)
 最近、総理は、白紙から一歩前進のときが来たと思うと語られたそうでありますが、それは具体的には何を意味するのですか。察するところ、核つき返還もしくは核抜き自由使用、あるいは非核三原則の沖繩除外などを考えておられるやに受け取れますが、国会のこの場で、はっきりと承りましょう。(拍手)
 時たまたま、これと符合するかのように、外務省は戦術核兵器を認め、事実上の自由使用を早期返還のための現実的な案と称して、その態度を固めたと報ぜられております。これによると、一、ナイキ、ホークなど純防御用の戦術核兵器及び核弾頭の残置、貯蔵、二、沖繩からの戦闘作戦行動、三、ポラリス原子力潜水艦の寄港などを例外として、事前協議の対象からはずすこととなっております。
 このことは、核兵器に戦術用、戦略用あるいは防御用、攻撃用など、区別ができるわけがなく、明らかにさきの国会での非核三原則の言明に反するものであります。その上、事前協議の例外措置を認めることは、ことばをかえていえば、自由使用そのものを意味し、そうでなくてさえ、ざる法といわれた事前協議事項はいよいよあってなきにひとしく、従来の国会を通しての政府見解は、根本から画餅に帰するのであります。かくて、われわれが最もおそれた安保条約あるがゆえにかえって戦争に巻き込まれる可能性ますます濃厚になると思うのでありますが、事は重大です。総理の口から政府の見解を求める次第であります。(拍手)
 ここでわれわれが注目するのは、ニクソン氏の沖繩政策は、長期的、究極的に沖繩を返すことであるといい、総理の言う両三年とはだいぶ趣を異にしておることであります。したがって、佐藤総理の約束も、ニクソン政権になっては御破算になるのではないかと国民の多くは心配するのであります。相手がジョンソンであろうとニクソンであろうと、国民に対する公約に二言はないはずでありますし、昨日の所信表明でも、「決意を新たにした」と述べられたからには、この点、しかと確かめておきたいのであります。
 次に、中国問題に移りますが、ベトナム戦争の和平への動きに関連して、アジアに平和を打ち立てるための大きな課題は、まさに、古くして新しい日中国交回復の問題であります。かつて、ドゴール・フランス大統領は、中国を度外視してアジアを語ることはできないと、中国との国交を樹立しましたが、ベトナム戦争の解決にしても、その後におけるインドシナ地域の平和についても、中国を除外して実現はとうてい不可能でありましょう。ましてや、歴史的、文化的にも因縁浅からぬ一衣帯水の国、しかも、第二次大戦のあと始末すら果たしていない日本にとって、日中友好と国交回復は、緊急にして不可欠であります。にもかかわらず、台湾を全中国の代表政権として認めてきたことは、長年にわたり、中国の国家主権と七億の人民に対する重大なる内政干渉、侮辱的行為を続けてきたというべきであります。
 総理は、日本は大国なりと自負していますが、一体世界の大国で日本ほど中国にかたくなな国があるでしょうか。フランス、イギリスは言うに及ばず、アメリカですら風穴はあけているのであります。すなわち、将来への布石としてワルシャワでの米中会談を続行する意図を固めているではありませんか。
 わが佐藤政府に至っては、ただアメリカのしり馬に乗り、中国封じ込め政策に追随し、佐藤・ジョンソン共同声明にも明らかなように、核開発を進めている中国に影響されない状況をつくると称し、いよいよ敵視政策を強め、国連においては、中国代表権阻止のため、重要事項決議に指導的役割りを果たしておるのであります。おそらく後世史家をして、大戦後の日本外交の最大汚点たるのらく印を押されること必定と思うのであります。(拍手)
 現にきのうの演説でも、「中国が柔軟な態度を出すのを期待する」と触れられただけであります。こちらは中国に背中を向けていて、どうして相手から握手ができますか。佐藤さん、あなたもアジア人でしょう。アジア大陸に面を向けなさい。この際、アジアと世界の大きな歴史的流れに活眼を開き、日本の責務を自覚し、これこそ勇断をもって日中外交の一大転換をはかるべきときであると思いますが、総理の所信を伺います。
 もしそれ、依然として政経分離一本やりのお答えなら、チンコム、ココムあるいは吉田書簡等の制限措置は、その政経分離のたてまえとしてとられているのか、あわせてお答え願いたいのであります。
 具体的には、進んで閣僚会議の提唱、郵便、航空、漁業あるいは当面問題の食肉輸入等の協定を締結するなど、日中の文化、経済の交流を進め、平和共存の原則に立って、国交回復、アジアの平和に貢献すべきことこそ、今次佐藤内閣に課せられた最重要課題であると思うのでありますが、総理、肯定されますかどうですか。(拍手)
 中国との関連において、ここで触れる必要のあるのは、アメリカにおけるニクソン次期大統領の登場によって、そのアジア戦略が一段と強化され、軍事面における日本の役割りにさらに大きな圧力がかかってくることであります。
 ニクソン氏は、すでに再三の声明、公約の中で、アジアの新しい現実を反映したアジア人自身の安全保障体制、すなわち、中国をねらっての軍事同盟機構の結成を提唱しており、その踏み台としてASPACの軍事同盟化が必要であると、構想を発表しておるのであります。ASPACの構成員が、いずれもアメリカと軍事同盟を結び、直接間接的にベトナム参戦国である事実から見て、また、反共アジア軍事同盟をつくるべしとのこれら諸国年来の主張から見て、ASPACがこういった方向に発展する危険性の多分にあることを深く憂慮するものであります。
 従来、政府は、ASPACはアジア諸国の文化、経済の協力機構であると説明してきたその公約どおり、軍事同盟化にはたとえアメリカからの圧力があっても断固反対であること、同時に、アジアの地域的軍事同盟には将来といえども絶対に参加しないこと、この二点をこの国会を通じて国民にはっきり約束することができますかどうですか、その決意を披瀝していただきたいのであります。(拍手)
 なおまた、ニクソン氏の構想の中で特に不安にたえないのは、「経済的実力の上昇に伴い、日本は、アジアにおける勢力のバランスを維持するために、外交及び軍事面で一そう大きな役割りを演ずるであろう」と言い、また、「アジアの安全保障は日本の参加なしには考えられない、このためには、憲法第九条の修正も必要となるであろう」との見解を表明していることであります。この発言こそは、日本に対する重大なる内政干渉であり、許しがたい挑発的行為であり、国民として断じて看過できない問題であります。政府としてどのように対処されるか、お答え願いたいのであります。(拍手)
 ここで、内政問題に移りますが、その多くは同僚小林議員にゆだね、私は、二、三の点について質問いたします。
 佐藤内閣は、最初の発足に際して、池田前内閣の高度経済成長によるひずみと格差を是正するという課題を大きく掲げました。すなわち、人間尊重と社会開発がこれであります。ところが、政府の経済計画や経済見通しは、野放しの民間設備投資のため、つくる端からほご同然、今年度にしても、当初民間設備投資七兆九千億円が最近では九兆円前後にふくれ上がり、国民総生産においても、当初一二・一%が一六ないし一七%と、たいへんな伸び率を見せているのであります。
 かかる状況を、国の経済が拡大したとか、工業生産力が世界で二位あるいは三位と手放しで喜んでいいものでしょうか。このしわ寄せは大きく物価にはね返り、勤労者は日々家計のやりくりに悲鳴をあげておるのが現状であります。消費者物価の上昇率も、年度当初の四・八%の見込みを大幅にオーバーして六%前後になると見込まれ、その上さらに政府は、電信電話、交通などの公共料金の値上げをもくろんでいるのであります。
 しわ寄せは物価だけではなく、高度経済成長は全国至るところ暗いマイナス面を露呈し、一日二千人をこえる交通事故の死傷者、小中学だけでも二万三千人にも達する交通遺児の存在、亜硫酸ガス、排気ガスによる大気汚染、工場廃液による人命損傷、これが総理の言われる人間尊重であり、社会開発だったのでありましょうか。総理、いま省みて恥ずかしいと思いませんか。事志と違い、なぜこのような結果になったと反省されますか、お答えください。
 このように、あなたの一枚看板が看板倒れに終わったのでは、佐藤内閣は野たれ死にの汚名をこうむるだけではありませんか。人間尊重、社会開発、大いにけっこうです。しからば、あなたの当初考えられた人間尊重、社会開発とは一体どんな構想であったのか。それが思いつきでなかったとするならば、それをひとつ具体的に明確に示してほしいのであります。
 大学問題の紛糾も、突き詰めれば、今日の社会環境に基づく人間疎外の問題に突き当たるのであります。また、人間の価値が試験制度によって量的に測定される社会、一流大学出身が社会へのパスポートとなるような社会的風潮に対する学生の敏感なる反応でもありましょう。大学問題は、当事者にとどまらず、国民的課題としても重大であります。われわれ、もとより一部の学生諸君の行動を容認するわけにはまいりませんが、所信演説のように、単に現象面だけをとらえてみても問題解決への前進にはなりません。この問題がどうして現在のように壁にぶつかったのか。そのよって来たるところをどう受けとめているのか、お尋ねします。
 さらに、この不幸なる事態にかんがみ、災いを転じて福となすため、明治以来の旧態依然たる大学制度そのものを根本的に改めるチャンスと思うのでありますが、その見解を承ります。また、問題の根の深さ、広さから見て、治安対策とからめて、力による収拾など見当はずれもはなはだしいと思うのでありますが、総理の所信を伺いたいのであります。
 次に、予算編成に対する政府の基本的態度について質問します。
 四十三年度予算から、政府は総合予算主義をとって、年度途中における補正をやめたのでありますが、しかし、これも現に事実上崩壊しているというべきであります。さしあたりの問題として、追加補正を要するものがすでに予備費のワクをこえておるのであります。今年度の米の買い入れにしても、当初見込みの八百五万トンを上回り、食管会計への繰り入れが必要であり、その他国民健康保険、生活保護、失対等義務的諸経費、加えて人事院勧告についても、その勧告どおり五月実施の予算を計上すべきであります。これを要するに、すみやかに補正予算が必要と考えられますが、見解を承ります。
 このように補正要因がある一方、経済成長率が政府見通しを大きく上回ったため、税の自然増収は優に三千億円に達するものと見込まれるのであります。さらば政府としても、何もむきになって補正なし予算、総合予算主義をばかの一つ覚えのように固執する必要などないわけであります。それをあえて押し通すのは、それなりの魂胆が政府にあると考えざるを得ません。端的にいえば、公務員労働者や生産農家の所得を押えようということであります。他方、受益者負担という大衆負担をふやして国庫支出を減らそうということであります。平和憲法に反する軍備拡大や大企業の利益には奉仕しながら、勤労国民の所得を抑制する所得政策、これこそが総合予算主義なるものの一皮むいた実体であります。(拍手)そこで、四十四年度予算案の編成にあたっては、依然としてこのような総合予算主義を貫くのか、また大衆犠牲、大衆負担の原則をとるのか、佐藤総理の所信を伺います。
 総合予算主義と関連して、米の問題についてお尋ねします。
 従来政府は、総合農政として米とともに果樹、畜産を奨励してきたはずであります。ところが、価格保障もなければ生産奨励、流通機構の整備等につき、ろくすっぽ施策らしきものをとってきておりません。結局、農民は安定作物たる米にたよらざるを得ないのが現状であります。あまつさえ、数年来の豊作続きにもかかわらず、食糧政策とは関連なしに輸入米操作を続けてきたのが今日の米穀事情の根本原因であります。これをいまごろ米作農民と食管制度にすりかえ、転嫁しようとする前に、政府の怠慢と無能をみずから反省してしかるべであります。(拍手)政府のいう総合農政のもとで、食管制度をどのようにして守っていくのか、今後の食糧対策をどうするのか、特に、米の買い入れ制限をするのかしないのか、総理の口からお答えください。
 最後に、同和対策であります。今年は明治満百年に当たります。この歴史の一区切りに際して、いたずらに過去を謳歌し、賛美するのでなく、次の百年へのスタートとしての展望と反省がなければならぬと思うのであります。この意味においても、同和対策審議会の答申以来すでに三年、この基本となる同和対策特別措置法は、従来の総理の言明からするならば、おそくとも次の通常国会では制定されるものと理解しますが、いつ提案されるか、総理の考えを聞きたいのであります。
 以上、質問を終わるにあたり、端的に申します。
 佐藤内閣発足以来ここに四年、あなたとしては全力投球を続けてきたとおっしゃるでありましょう。その御労苦は多とします。にもかかわらず、社会一般、あなたを見る目が決して芳しいものではないことを、賢明なるあなたにして十分御承知のことと存じます。佐藤さん、それは一体何に基因するか、とくとお考えになってしかるべきでありますが、私をして忌憚なく言わしていただくならば、論語にいうところの「巧言令色すくなし仁」であります。(拍手)あなたはこの壇上から国民に対して、幾たびかうそを言われました。人間尊重しかり、政治資金規正法しかり、恩赦しかりであります。これでは国民があなたを信頼しないのも当然ではないですか。佐藤さん、あなたの政治は、バイブルの句をかりるならば、「初めにことばありき、されど終わりに行ないなかりき」と言っていいでありましょう。(拍手)切に猛省を促したいのであります。
 言、歯に衣を着せず、非礼の段はお許し願い、国家、国民のため一そうの御精進を要望する次第であります。
 なお、答弁にわが世の春とばかり出番を待っておられる閣僚諸公も、やがては佐藤総理をして第二、第三の不明を恥じさせないとの保証はないのでありますから、あえて私のほうから御遠慮申し上げ、答弁はあげて総理お一人をわずらわすことといたします。
 御清聴を感謝し、これをもって終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#10
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 柳田君にお答えいたします。
 私に対していろいろの御批判をいただき、同時にまた激励を賜わりましたことについて、厚く御礼を申し上げます。
 私は、政局を担当いたしまして、なかなか十分の効果があがらない、そういう点については、なぜあがらないか、絶えずみずからも反省し、また、謙虚に各方面の御意見を拝聴しておるつもりであります。ことに、最近は、私が申し上げるまでもなく、たいへんむずかしい事態に当面しております。こういう際にこそ、身を粉にすることはもちろんでありますが、謙虚に各方面の御意見を伺って、そうして国政の伸展に尽くすべきが私の当然の責務だと、かように考えます。そういう意味で、ただいまのお話についても、私は謙虚に伺ったつもりであります。
 ただ、一言申し上げておきたいのは、私がつくりました内閣、その内閣は、今日までいわゆる重要なる施策につきまして閣内不統一、そういうことはなかったのであります。こういう点では私はいささか国民にも弁解がつくのではないか、かように思っておりますので、先ほどの御批判は十分私参考にはいたしますが、ただいままで内閣不統一、そういうようなことのなかったことだけ、この機会にはっきりしておきます。
 次に、沖繩問題についてお答えいたします。
 一日も早く祖国に復帰したいという沖繩同胞の心情は、私にもよくわかっております。またそのつもりであります。このような沖繩同胞の願望を背景に早期返還の実現を期するつもりでありますから、国民各位の御支持、御声援をこの上ともよろしくお願いいたしたいと思います。この祖国復帰が実現するまで、それまでは、私どもは祖国との一体化、これについて力をいたすつもりであります。一体化と祖国復帰とは選択的な問題だと、かようには私は考えておりません。この二つを同時に並行して、そうして一日も早く祖国復帰が実現するようにいたしたい、かように私は考えております。
 次に、国際政治につきましてのお尋ねがありました。わが国の政治的安定と経済的発展に伴って、世界各国のわが国に対する期待と信頼はますます強まっております。このことは、わが国の国際的な責任が重くなっていることを示すものであります。この国力を背景にして、世界の平和に対して積極的に発言し、貢献していくことこそわれわれの使命でもあります。自主外交を貫き、和平の機運が動きつつあるアジアで、独自の役割り――これは戦争協力ではありません、平和の建設への協力であります。この独自の役割りを果たして国際情勢の変化に対処してまいり、柔軟に対応し、国益の増進をはかってまいりたいと考えます。
 先般、屋良新主席からもB52の問題につきまして切々たる訴えを聞きました。沖繩県民の福祉を守ることは、沖繩が現在わが国の施政権下にないだけに、一そう大事なことだと考えております。住民の不安をなくするために、この上ともしんぼう強くこの問題が解決するまで、私は一そうの努力を払うつもりでございます。(「B52についてはどうするのだ」と呼ぶ者あり)B52はアメリカに対して交渉すると、はっきり申しました。何を聞いているんですか、よく聞いてください。
 米国の新政権は来年一月に発足いたします。したがって、できるだけ早い機会に沖繩問題についての具体的な話し合いに入る考えであります。この交渉を通じて基地のあり方の問題についても逐次話を詰めていく考えで、いわゆる白紙から一歩進めることになりますが、返還後の基地の態様につきましては、今後の国際情勢の推移や軍事技術の進歩及び世論の動向等を考慮しつつ、わが国及びわが国を含む極東の安全をそこなうことのなき解決をはかることが、最も現実的にしてかつ最善の策であり、同時に、わが国の長期的国益に対する道であると考えます。したがいまして、沖繩を含む本土の安全確保につきましては、さらに慎重に検討し、自主的な立場に立って米国政府と話し合ってまいります。また、一部新聞に報じられているような構想を外務省ないし日本政府が固めた、さような事実はございません。はっきりお答えしておきます。
 米国の政権交代によりまして、佐藤・ジョンソン会談で合意したことが変わるのではないか、かような御心配があるようでありますが、その点は変わることはありません。
 なお、御承知のように、ニクソン次期大統領は、朝日新聞の質問に答え、「沖繩問題については、一九六七年十一月の日米合意に完全に同意する」との見解を公にしていることは御承知のとおりであります。御存じの方がないようですが、この機会にはっきり御承知願います。(拍手)
 また、ASPACについては、これを軍事機構の母体にするようなことはしないというのが三カ国の一致した考え方なので、ASPACが今後そのような変質を遂げることはない、かように考えております。
 また、ニクソン次期大統領の在野中の種々の発言につきましては、この際私は論評すべきではない、かように考えております。いずれにいたしましても、世界の平和を守り、アジアの安定に寄与するという日米間の共通した目標に向かって、新政権と緊密な連絡をとる所存であります。(拍手)
 中国問題の重要さは十分認識しております。中共の文化大革命もようやく収拾段階に入ったと認められますので、今後中共が柔軟な態度を打ち出し、国際的な理解を基礎とする新たな国際関係の打開に乗り出してくることを期待しているわけであります。政府が中共に対していままでとってきた政経分離政策は、極東の現実に即し、国益に合致した妥当な政策であると確信しております。(拍手)個々の問題に関する政府間協定は現状では時期尚早であり、民間当事者間の話し合いによることが適当であると、政府はこれに支持と協力を与える考えでございます。
 内政問題についてお答えいたします。
 人間尊重は私の理念であり、社会開発は政策の基調であります。所信表明演説でも明らかにしたとおり、社会構造の急激な変化に伴って、われわれは新たな試練に直面しています。これに対応するため、心を新たにして社会開発を進めていき、公害や住宅や交通問題や物価のことに取り組んでいく決意でございます。
 大学問題につきましては、多くの点で柳田君と意見が一致していると思います。学生問題は、わが国だけの現象ではなく、世界の先進諸国がおしなべて直面している共通の問題であります。政府としては、大学の自治能力の回復と大学自身の手による紛争の収拾に期待しつつ、一方において制度その他大学教育の改善に真剣に取り組む決意であります。もとより、学外における一部学生の暴力行為に対しては強い態度で臨みますが、現代の教育という観点から見た場合、大学の内外、立場の相違を越えまして、この社会を形成するすべての人間が、この問題に取り組み、真剣に考えるべきだと思います。私が今度の所信表明演説で、父兄の心情を思い、学生諸君に特に訴えたその訴え、その自覚を促したのも、このような気持ちからであります。
 次に、総合予算について申します。去る八月の国会におきまして、予備費ではとうてい対処できないような異常な災害が発生したような場合には、組みかえ等によって補正をすることはあり得る、かように申しましたが、今日まで、幸いにしてさようなことは起こりませんでした。総合予算のたてまえを堅持し得るということは、私は、財政運営のあるべき姿といたしまして、まことに喜ばしいことだと思っております。当面、本年産米の豊作から政府買い入れ数量が増加し、総合予算主義が崩壊のやむなきに至るのではないかとの御懸念かとも思いますが、今後不用額の発生等によりまして、一般会計にある程度の財源が生ずることも十分予想されますので、いま直ちに食管会計の追加組み入れのため、補正予算を組むという考えはございません。また、総合予算主義は、従来の恒例的な予算編成の慣行を打破して、財政体質改善の契機とすべく、四十三年度予算編成方針の支柱として打ち出されたものであり、その理念は今後とも生かすべきだと思います。来年度予算編成におきましても、当然守られるべきものだ、かように思っております。
 次に、食管会計についてでございますが、食管制度につきましては、農家の所得確保と一般消費者の家計の安定、この二つの要請を踏まえつつ、慎重に検討いたしております。米の買い入れ制限も、考え方としては、米の需給関係の改善及び市場機能の回復の見地から有効な方法とも考えられますが、その具体的方法なり影響なり、なお検討すべき事項が多いので、政府としての考え方をただいま申し上げる段階ではございません。この点を御了承いただきます。
 最後に、同和対策につきまして御意見がございました。私も、この問題が今日なお解決を見ないこと、まことに残念に思っております。本年の五月以来、四党の間で鋭意協議が進められているところでありますし、その結論を待ちまして善処することをここにお約束いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(石井光次郎君) 小林信一君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔小林信一君登壇〕
#12
○小林信一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、さきの柳田議員に引き続き、佐藤総理並びに各大臣に質問いたします。
 昨日の佐藤総理の所信表明は、わが国が国内外に多難な問題を多くかかえ、高い次元の政治が要求されていることを強調されたことは、私も同感するものであります。それだけに私は、佐藤総理の政治姿勢を検討いたしまして、なぜよい政治が生まれないのか、その最大の欠陥はどこにあるか考えてみたのでありますが、結論として、教育的考察というものが乏しいという指摘をしなければならなくなったわけであります。以下、二、三の点を申し上げまして、佐藤総理の御意見を承りたいと思います。
 所信の冒頭に、「いま世界は転換期にある、だから大学問題のような社会混乱が起きておるのだ、これは共通のものであって、社会構造の急激な変化が起きておる日本には、当然起きるものであるという」ような発言をされましたが、私は、決してそうではないと思うのであります。政治の欠陥と特に教育行政が不足をしておったところに、かかる現象が起きておるのだ、こう考えるわけであります。われわれは、常にこの点を指摘しておりまして、高度の経済成長を企画する場合には、これに伴う人間形成の施策を、社会全般にわたって推進すべきであることを政府に要求してきたはずであります。残念ながら、これを怠った結果は、繁栄とは申しますけれども、不安と恐怖、不平と不満の充満した黒い繁栄であります。大量生産は大量消費を強要し、人間の物欲だけを増長させまして、利害得失のみに拘泥する社会となっております。一方、経済成長のための人的資源の確保は無計画に行なわれまして、本来、完全な人間形成の場でなければならなかった学校が、企業社会に技術と労力を送るベルトコンベヤーになってしまったということが、大学問題をはじめ社会に混乱を起こしておるのであります。(拍手)この重大な政治の過失が確認できない政治は、まことに危険というべきであります。
 さらに、総理は、「ベトナムの北爆が全面停止になったことを心から歓迎する」と言っております。国民の反対を押し切り、世界の世論にさからって北爆に賛成したのは、一体だれであったでしょうか。その白々しい、旧態依然たる政治姿勢が、敏感な学生諸君には何を感じさせますか。ここにも教育的識見の評価がなされなければならぬと思うのであります。(拍手)
 さらに、一昨日、総理府で開催されました青少年問題全国会議で、「全学連と日教組の活動とは関連がある」と発言されております。青少年に対し、現在の教師に懐疑心を抱かせる、父兄に警戒心を持たせる、つまり、日本の教育を破壊する無責任きわまることばだと、私はいわなければなりません。(拍手)
 あなたは、自民党内部から挑戦と対決の人と批判されましたが、いままさに、あなたは、全国の教師に挑戦するつもりだと私は考えます七教師である以上、手塩にかけた教え子に対しては、その将来を見守って、常に責任を感じております。暴力をふるう学生が教え子であった場合は、きっと悲しむでしょう。それは美しい師弟の情であって、必ずしも責任を追及されるものではないと私は思うのであります。一体、それら一切を含めて責任を負わなければならないのは、ほかでもない、総理大臣、あなたでなければならぬと思うのであります。(拍手)みずからの責任を自覚するところなく、全国の教師に責任を転嫁しようとするにおいては、私は、その資格を疑わねばならぬのであります。もし、かかる論理を許すならば、一昨日の三億円強奪の犯人も教師の責任であり、汚職をした議員もまた教師の罪であるといわなければならない。総理、この際、発言の内容とその理由を明確にしていただきたい。単なる推測や判断であなたが発言をすれば、ますます社会は混乱するばかりであります。かかる判定を下す以上は、教育委員会のあり方、教科書の検定のあり方、あるいは指導要領、そうした一切の教育行政を検討した中で、教師のここに欠陥があるという指摘ならば私は承りますが、単なる思いつきでもって全国五十万の教師を敵に回すようなことをすることは、教育の破壊以外に私はないと思うのであります。(拍手)
 さらに、政治の姿勢についてお尋ねいたしますが、第三次防衛力整備計画の一環としてのFX、次期戦闘機の機種決定にまつわる問題であります。
 総理は、すでに、防衛庁の報告に沿って、FXについてF4Eファントムの採用に断を下したのであります。一機二十億円、合計で一千億円にも達する血税の乱費について、国防会議にはかることもなく、独断専行されたことは、自民党総裁選にからみ、かつてのグラマンかロッキードかのように、今回もまた黒いうわさが広まっております。総理が国民中心の政治を目ざすのであれば、この疑惑に答える義務があると考えるのでありますが、総理の明快な答弁を賜わりたいのであります。ここにも、青少年に影響するものまた私は大きいと思うのであります。
 さらに関連いたしまして、F4Eファントムは、戦闘状態においては、最大速度マッハ二・四、上昇限度二万キロ、航続距離三千七百キロでありまして、しかも、空対空、空対地ミサイル・ブルパップを装着し、かつ、原爆搭載可能の機種であります。したがいまして、ファントムが千歳から発進すれば、ソ連のハバロフスクからアムール川流域、板付基地から発進すれば、朝鮮半島全域が攻撃可能となるのであります。かつて増田前防衛庁長官は、わが党議員の質問に対しまして、「足の長い戦闘爆撃機は保有しない」と答弁いたしております。しかるに、F4Eファントムを採用することは、政府が言うところの自衛の範囲すらも逸脱したものと考えざるを得ないのであります。総理並びに防衛庁長官は、この点について、明確に答弁をしていただきます。(拍手)
 以上で総理の政治理念についての質問は終わりまして、政策の具体的な問題についてお尋ねしてまいります。
 最初に、大学問題についてお伺いいたします。
 総理は、閣僚懇談会の席上、治安対策として大学問題処理を強調されたことがあります。自民党内部にはすでに、問答無用、断固戦うのみという強硬な御意見も生まれたことを私は聞いております。これに呼応するかのように、前文部大臣も「大学の二つや三つつぶしてもかまわぬ」と、父兄の心胆を寒からしめたこともございます。自民党文教調査会の中間報告の中にも、警官の介入を拒むべきではないと、治安問題として処理する傾向が多分にうかがわれておるのでありますが、現在総理はいかなる心意をお持ちになっておられますか、お伺いいたします。
 われわれもまた、目に余る学生の行為を認めるものではありません。文教委員会を通じまして、治安問題として処理することは紛争を一そう深刻にするものであることを警告し、新宿事件に見られるような計画的に騒乱罪適用の措置などをとることは最も危険であると考え、まず、大学問題の生まれる要因を冷静に検討し、対策を講ずべきだと主張してまいりました。
 三畳の部屋に寝起きして、高い部屋代を払い、ラーメンをすすりながらアルバイトをする味けない生活環境に置かれ、高い授業料、入学金を取られながら、マスプロ講義を受け、大衆大学に変わっておりながら、エリート意識の封建的な学校運営の中で、給与の少ない教授は研究に専念して、大学には教育はなくなっておる。大学の自治とはいっても、教授の自治でありまして、民主化を訴える学生の意見は取り上げられない。利益を追求する企業の技術、労力として送り出される矛盾が、学生の不平不満となってあらわれるのは当然であって、政治の無責任こそ最大の要因であるといわなければならぬのであります。総理並びに文部大臣は、大学問題の要因をどうとらえておいでになるか、この際、はっきり御説明願いたいと思います。
 こうして放置した大学制度は、この機会に根本的に改革し、画一でなくとも、それぞれの大学の特性に応じた学生参加の自治を認めるべきだと思いますが、政府はどのように考えておられますか。と同時に、総理が昨日述べられた、すぐれた教育環境をつくるというお話、これをこの際、具体的に示していただきたいのであります。(拍手)
 全国の父兄が心配しております入学試験は、いかなる状態であろうとも実施すべきであると私どもは考えておりますが、政府はどう考えておられるか。また、全学連的思潮は高校生にまで波及するおそれがあるといわれておりますが、その実情と対策をどうとらえておるか、文部大臣に述べていただきたいと思うのであります。
 次に、私が取り上げたい問題は、高度経済成長のもとで、しわ寄せされておりますところの所得格差の拡大、生活不安、不公平の拡大の問題であります。これはいわば、佐藤総理の看板の一つであります社会開発の吟味にかかわることであります。
 佐藤総理は、池田高度成長政策の批判者として、安定成長の旗を掲げ、高度成長がもたらしたひずみ是正と社会開発を公約して登場したはずであります。そして昨年春に決定されました経済社会発展計画は、まさに佐藤内閣の経済政策の基本ともいうべき位置づけがなされたはずであります。
 しかるに、その後の推移を見ますと、計画の中でも、特に民間設備投資は、年々三〇%をこえる大幅な伸びを示したのでありますが、これは本年だけでも五百八十億円にのぼる利子配当所得に対する減税措置をはじめとする租税特別措置に負うところが大きく、大企業、大資本に対しましては、過去十年間に二兆円にのぼる巨額の減税措置がはかられたのであります。また、国家財政の面から見ましても、年々経済成長率を上回る景気刺激の大型予算が組まれるとともに、国債政策の導入によって、国債発行額はすでに二兆二千億円の巨額に達しようとしておるのであります。しかも、発行国債の八割がすでに日本銀行に回っており、実質上の日銀引き受けとなり、日銀信用の膨張による通貨増発、インフレを招いておるのであります。
 こうした池田政策をしのぐ高度成長の中で、各企業は、今秋で六期連続の増収増益を続け、さらに成長の波に乗って、企業本位に安い土地を買いあさり、地価の高騰をはかっているのが現状であります。こうした政府の手厚い保護のもとに、過大な設備投資と利潤が保証されているところに、経済社会発展計画の実体があらわれているといわざるを得ないのであります。
 しかるに他方では、総理の社会開発の基本ともいうべき社会資本が不足を来たし、住宅や生活環境の著しい立ちおくれ、大企業優先による公害、交通災害、自然災害などが増大しております。経済社会発展計画の中で、計画水準を下回っておりますのは政府の公共投資であります。これは、まさに社会資本の立ちおくれと貧困を示す以外の何ものでもありません。さらに、高度成長の中で、物価騰貴はとどまるところを知らず、今年度の政府見通しの四・八%を大きく上回って、六%以上になることが確定的であり、来年度の見通しでは六%に達するというのが常識であります。しかも、このような物価上昇の背景には、消費者米価、国鉄運賃、酒、たばこなど公共料金の引き上げに負うところが大きいことは、政府の責任甚大といわざるを得ないのであります。のみならず、過去数年間横ばいでありました卸売り物価は、四十一年に二・七%、昨年は一・五%、さらにことしも、下がるべき物価が依然として上昇を続けている状態であります。これは、経済白書でも指摘したごとく、独占物価の下方硬直性と、それをささえる財政金融政策の帰結であり、まさにインフレの本格化といって差しつかえないと思います。したがって、経済社会発展計画の最終年次である四十六年に三%程度下げるという目標はもはや不可能となり、計画は完全にくずれ去ったのであります。
 総理は、このような事態に立ち至った以上、政治的責任を負うべきであります。二年連続で六%も物価が上昇するということは、まさに内閣総辞職に値するといわざるを得ないのであります。(拍手)
 総理並びに経済企画庁長官は、経済社会発展計画を廃棄するのか廃棄しないのか、またひずみ是正と社会開発をどのように推し進める所存なのか、明確な答弁を賜わりたいのであります。(拍手)
 格差是正にかかわります第二の問題は、公務員給与の問題であります。
 私がいまさら申し上げるまでもなく、公務員給与に関する人事院勧告制度は、公務員労働者の労働基本権の制限に対する代償措置であります。公務員といえども労働者である以上、憲法が保障する労働基本権を制限されることは、本来誤っておるのであります。しかるに政府は、この制限の正当性を主張しながら、代償措置を完全に履行せず今日まできております。つまり、人事院勧告は、制度の趣旨から見まして、勧告の完全実施が政府に義務づけられていると理解すべきであります。しかるに政府は、制度発足以来、一度として完全実施したことはなく、まして本年度においては総合予算主義と称して、給与財源を当初予算の予備費に組み込んで、不測の自然災害と変わらない扱いをしていることは、人事院勧告制度の趣旨を根底から侵害しておると私は思うのであります。(拍手)
 さらに、人事院勧告は、政府と国会に対してなされたものであるにかかわらず、政府が国会の審議を経ないまま閣議決定を行ない、かつ、衆参両院における勧告の完全実施決議を無視したことは、国会軽視もはなはだしいといわざるを得ないのであります。(拍手)
 こうした政府の法律無視のあり方に対しまして、すでに公務員労働者は、去る十月にストライキを行ないました。また今月十八日にも抗議の大衆行動をとろうとしておるのであります。もしこれが実施されましても、私は、その責任はあげて政府にあるといわざるを得ません。(拍手)
 賢明な労働大臣は、「人事院勧告は完全に実施すべきだ」と新聞に述べております。この際、この場所におきましても、労働大臣の所信を明確にしていただきたいのであります。もちろん総理大臣におきましても、人事院勧告完全実施の義務を果たす決意があるかどうか、この際、憲法に基づいた法律を守るべき立場から、答弁を賜わりたいのであります。
 格差是正にかかわる第三の問題は、食管制度並びに総合農政に関する問題であります。
 政府は、古米在庫の増加、食管財政の赤字を理由として、食管制度の改廃につながる自由米構想や、米の買い入れ制限、作付制限を進めるとともに、他方では、消費者米価を引き上げた上、生産者米価の抑制をはかる予算米価方式をとろうとしていることが明らかにされております。これは、農基法農政の根本的な欠陥によってもたらされた食管制度の矛盾を、生産者と消費者大衆の犠牲によって解決しようとするものであることは、わが党が再三にわたって指摘したところであります。今日の食管問題は、食管制度そのものにあるのでなく、農民が米作以外の農作物を安心して生産できる保障がないことであります。これが農基法農政の根本的な欠陥でありますが、現在政府に求められていることは、農基法農政の失敗をきびしく反省し、農政の根本的転換をはかり、国民の食糧確保という観点に立って、米以外の主要農産物についての価格支持政策の確立が急務であると私は考えるのであります。総理並びに農相の見解を承りたいのであります。(拍手)
 さらに関連いたしまして、政府が考えておりますところの予算米価方式は、予算米価決定時に生産者米価を固定化することになり、その後の物価上昇、生産コストの上昇を生産費に反映させる保証がないなど、再生産確保を旨とする食管法の精神にもとるものがあります。また、伝、えられるところによりますと、反当二万円程度の奨励金で休耕や作付転換をはかろうと考えておるようでありますが、そのようなこそくな手段で今日の食管問題が解決できるはずはありません。政府自身がよく知っておるところでございます。これらの諸点につきまして、農相はいかなる考えを持っておいでになるか、この際明確にしていただきたいのであります。
 以上二点と関連いたしまして、当面しております補正予算について御質問申し上げます。
 政府は、総合予算主義と称して、今年度は補正予算を組まないとの方針をとっているようでありますが、総合予算主義は完全に破綻したと断定せざるを得ないのであります。
 第一に、わが党が当初予算の審議において強く主張いたしましたように、今年度の米の政府買い入れ予定量は八百五万トンであり、これは昨年の実績であります九百五十万トンに比較して、あまりにも低過ぎることは明確であったはずであります。今年度産米の買い入れは一千万トンに達すると予想され、この結果、一般会計からの繰り入れも数百億円を必要としておるのであります。これは、政府が総合予算主義という命題に拘泥して、当初から見通しを誤らせたのであり、したがって、当然に予算補正を行なうべきであります。
 公務員給与についても同様でありまして、本来、人事院勧告によっての、国会独自の立場から、財政審議を経て、勧告の実施がきめられるべきであります。したがいまして、政府は、憲法及び財政法の規定に沿って、補正予算を今国会に提出する義務があると私は考えるのでありますが、総理並びに大蔵大臣の率直な答弁をいただきたいと思うのであります。
 さらに、関連いたしまして、政府は、来年度予算編成にあたりまして、地方交付税率を一・五%引き下げようとしております。高度成長の過程で、都市と地方の格差がますます拡大し、住民に対する行政サービスが低下している現在、全くの逆行といわざるを得ないのであります。本来、地方交付税制度は格差是正を目的として設定されたものであり、格差拡大が続いておる今日においてこそ、本格的に展開されなければならないと考えるのであります。(拍手)大蔵大臣の答弁を承りたいのであります。
 最後に、わが国の石炭問題は、この十年来一向に進展を見せておらないのでありますが、現在伝えられるところの政府の石炭鉱業の再建構想は、依然として私企業体制に固執している観があるのであります。今日の石炭鉱業の実態を見るならば、鉱区の統合、流通機構の一元化に触れずして、石炭鉱業の近代化も、抜本的再建もあり得ないのであります。にもかかわらず、政府が私企業保護に没頭していることはきわめて遺憾といわざるを得ないのであります。
 国の重要なエネルギー源の一つである石炭鉱業を再建し、壊滅的な打撃を受けている産炭地域の経済を救うためには、もはや事の善悪を問わず、国有化以外にあり得ないと私は考えるのであります。(拍手)西欧諸国におきましては、石炭はもとより、電力を含めて国有、国管の事例が多いのでありますが、一体、政府は、石炭鉱業の再建とその長期的展望を持つのかどうか、明らかにされたいのであります。総理並びに通産大臣に明確なお答えをお願いいたします。
 次に私が取り上げたい質問は、佐藤総理の施政の基本であります人間尊重にかかる問題であります。
 言うまでもなく、今月は人権月間となって一おり、特に本年は国連において世界人権宣言が採択されてから満二十年に当たり、国連は本年を国際人権年に指定しております。わが国においても、佐藤総理の人間尊重という大目標のもとに、人権擁護が推進されてきたはずでありますが、一体その実態はどうであったでしょうか。
 まず第一に、高度経済成長の中で、今日至るところで公害が発生し、国民の生命、身体がむしばまれ、過般のカネミ油事件や阿賀野川の水俣病、富山のイタイイタイ病、四日市の工場公害をはじめ、排気ガス、水質汚濁、騒音など、至るところに公害は拡大しております。こうした公害に対処するために、第五十五国会におきまして、公害対策基本法が成立したにもかかわらず、この行政における実施過程において、産業界や大企業の横やりが入り、今日に至るも、国民の生命と健康を十分に守るに足る環境基準の設定さえも困難になっておるのが現状であります。これでは仏つくって魂入れずで、佐藤総理の人間尊重が泣くことになるのではないかと私は憂えるものであります。(拍手)
 さきの国連総会におきまして、スウェーデン代表は、「人類は核戦争による滅亡から免れるかもしれない、しかし、公害による滅亡からは免れることができないかもしれぬ」と、まことに重大な発言をし、世界に訴えておるのであります。さらにまた、法務省人権擁護局が発表しました人権擁護の概況によりますと、旧態依然たる人権侵犯に加えて、公害、交通事故など、新しいタイプの人権侵犯が累増しておる事実を報告しております。このことは、公害、住宅、交通事故などの政治的貧困を物語る以外の何ものでもありません。
 しかるに、政府は、環境基準についての審議会答申すらも満足に実施できず、大企業の横暴を許しておるのであります。政府は、生産力の世界第三位は事ごとに強調いたしますが、今日の政府の公害行政では、公害発生も世界三位になりかねないと私は思います。人間尊重の総理の勇断と、厚生大臣の明確な答弁をお願いいたします。
 人間尊重にかかる第二点は、交通戦争に関する問題であります。
 四十三年版の犯罪白書によりますと、四十三年における自動車運転による業務上過失致死傷の検挙人員は四十万を突破し、全検挙人員総数の五〇・一%を占めるに至っております。他方、交通事故による四十三年中の死亡者はすでに一万三千人をこえ、傷害事故も含めて戦後最高を記録しようとしておるのであります。これは、政府の交通安全対策がいかに貧困であるかを物語るものであります。
 わが党は、ここ数年来、今日の交通事故に対処する提案を行なってまいったのでありますが、特に四十一年来、交通安全基本法並びに関連諸法案を国会に提案し、その成立に努力してまいったところであります。しかるに、政府はその責任を放棄して、交通安全対策を怠った結果、さきのように交通事故の増大となってあらわれていると断定せざるを得ないのであります。今日、交通事故は、それをおかした者も、また被害者もともに苦しんでいるのが実情であります。したがいまして、交通安全基本法の制定と安全施設の拡充、交通災害補償の抜本的改正などは急務の政治課題となっておるのでありまして、総理並びに運輸大臣は、この事態の打開にいかなる所信を持っておられるか、国民の前に明確にされたいのであります。
 最後に、人権尊重の基底にかかわる社会保障問題についてであります。
 社会保障の拡充なくして人間尊重を語ることはできないのでありますが、過般の財政制度審議会の答申を見るまでもなく、社会保険の改悪が一そう進行されようとしておることは、寒心にたえないものがあります。こうした制度改悪について、政府はいまだ国民に明らかにしておらないのでありますが、現行の健保特例法が来年の八月三十一日までの時限立法であることにかんがみ、その後の措置が明示されてしかるべきではないかと思いますので、この際、総理、厚生大臣の御所見を承りたいのであります。
 さらにまた、総理並びに園田前厚相は、かつて四十三年度を期して児童手当制度を実施すると言明されたのでありますが、今日に至るまで構想すら明らかにされていないのは、まことに遺憾というべきであります。現在、わが国における年間妊娠数は三百六十万と推計されておりまするが、そのうち二百万人が人工中絶をはかるという驚くべき数字が明らかにされております。このことは、児童が出生しても生活窮乏のために成育できないという現状に大きく原因していることは明らかでありまして、児童憲章第一条で規定するところの「すべての児童は、心身ともに健やかにうまれ、育てられ、その生活を保障される。」という目的の達成が急務となっておるのであります。これこそ人間尊重の最たるものであるといわなければなりません。
 以上の諸項目に対し、総理並びに厚相の国民に対して心あたたかい答弁を期待いたしまして、私の代表質問を終わる次第であります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
 たいへん広範な、また具体的なお尋ねでありますので、その多くはそれぞれ担当大臣に譲りたいと思いますが、私から基本的な二、三の点についてお答えいたします。
 お尋ねがありましたように、わが国が平和国家として独自の歩みをするために、経済発展を重視した結果、精神的な面の豊かさ、この追求が十分でなかったのではないかという、かような御指摘でありますが、そのとおりであります。また、戦後の国民感情からいたしましても、精神的なものにことさら背を向けるというような傾向があったことも否定できません。たとえば、愛国心を説く、あるいは道徳心を説く、あるいは公共心を説く、あるいは自由と規律との関係を説くとか、こういうようなことがありますと、とかくそれは反動的な風潮とみなされたのであります。さようなこともわれわれの記憶に新しいところであります。このような時の流れが、人間形成という基本的な命題に大きな影響を与えている結果となったことを考えると、国民一人一人が、自分自分の問題としてこのことを考え直すべき時期に来ていることを痛感いたします。私は自分の責任を思い、今後この問題に真剣に対処する決意であります。
 柳田君の質問に対しましてもお答えしたのでありますが、今日の大学問題は、われわれ国民全部の問題でもあります。教師も、学生も、サラリーマンも、そして政治家も、(「総理大臣も」と呼ぶ者あり)総理大臣も、今日、社会を構成している一人一人が真剣に自分の問題として考えてもらいたいのであります。先ほど小林君は、私が教師を特に責めたと、かように言われますが、特に、教師諸君は、あすの日本をになう青少年の育成という、きわめて大事な仕事、その分野を担当しているのでありますから、私が教師に対して期待するのは、これは当然ではないでしょうか。その点をどうか御了承いただきたいと思います。(拍手)
 また、北爆全面停止につきまして、私が全面的に北爆を支持したと、かように言われますが、私はさようなことはございません。私は、この北爆全面停止、これに対しまして、もちろん北側からのこれに対応する対策が望ましいということも申しております。今日、いずれにいたしましても、平和の糸口が開けたのでありますから、これをひとつ盛り育てる、そうしてアジアに平和をもたらす、こういうようにいたしたいものだと思います。
 次に、いかなる国際条約にいたしましても、また政治にいたしましても、国民の支持がなければ、そのことを維持することはできないというのは当然であります。日米安全保障体制も、かくも長期にわたって堅持されてきたことは、国民自身がこれを賢明に選択し、これを支持した、かように私は考えております。また、沖繩問題の解決におきましても、国民的支持を背景にして初めて私も勇気ができるのでありますので、日米間の友好、信頼の基礎に基づいて、そうしてこれを解決できる、かように確信しております。
 次に、ファントムの決定方式についてのお尋ねがありました。戦闘機の機種の選定の方針は、これは昨年の三月、国防会議及び閣議におきまして決定したのでありまして、第三次防衛力整備計画の主要項目というものにおきまして定めているところでありますが、これを受けて、防衛庁長官が、防衛的、技術的良心に従い、慎重に検討の結果、F4Eファントムを採用するとの結論を得まして私に報告があり、その決定を私も了承したのであります。どうか皆さんの御了承もお願いいたします。
 次に、繁栄のもとにおける幾多のひずみ、社会開発の問題、これをどうも十分成績があがっていないじゃないかという御指摘がございます。確かにただいままでのところ、十分の効果をあげておりません。ことに、消費者物価等につきまして、あるいは住宅の問題についても、また交通の問題につきましても、十分の効果をあげていない。この点はまことに残念に思っております。国民の皆さまとともどもにこれらの問題と取り組むこと、私は施政所信表明で申し上げたとおりであります。この上とも御鞭撻のほど、お願いをしておきます。
 人事院の勧告について、最終的にはどうするかというお尋ねでありますが、私は、本年は通勤手当を五月から支給するということに実施いたしましたが、その他の点については、どうも、八月実施、これは予算上やむを得なかった、かように考えますが、しかし、来年度以降の問題といたしましては、できる限り完全実施の方向であらゆる努力をするつもりでございます。
 次に、食管会計あるいは補正問題、あるいは石炭問題等について、いろいろお尋ねがありました。これは、いずれ所管大臣から詳しくお答えいたさせます。
 また、国際人権年式典が昨日行なわれ、これは二十年になるのであります。その点を引かれまして、人間尊重にもっと徹底しろ、公害が最近たいへん被害がひどいじゃないか、しっかりやれ、こういう御鞭撻を受けました。これらの点につきましても、御鞭撻をそのまま受け取りまして、今後の施策の上にこれをつくっていきたい、かように考えます。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#14
○国務大臣(福田赳夫君) 補正予算を今臨時国会に提出をするか、せよというお話でございますが、結論から申し上げますと、さようなことは考えておりません。本年度の予算は、総合予算主義の毛とに編成されております。これについて、多少誤解があるようですが、社会は流動する、政治的の要請もだいぶ変わってきます。その要請に対しましては、予備金で対処するわけです。足りない場合には、既定経費を押えて、そして回すということで、補正なしで行きたい、こういうふうに考えておりますが、この組みかえ補正を否定するという考え方は持っておりません。
 また、国として非常の問題が起きた、異常な事態が起きたという際に、ワクをこえて補正を組むかどうか、これは高度の政治問題として、その時点において判断をする、さような問題と考えております。(拍手)
 なお、地方財政について、交付税率を引き下げるかというお話がありましたが、四十年度の地方財政が非常に悪かったので、その際に手厚い地方財政対策を講じたのです。ところがその後、地方財政は非常に改善された。ところが国の財政は借金財政である、そういうことで、いま中央と地方との財政上のバランスをどうとるかということが、一つの問題となるわけなんです。そういう際に、地方税率を引き下げるというような議論をする向きもある。また補助金をどうしようかというような問題も出てくる。いろいろ地方財政、・中央財政、錯綜しております。それらを総合的に勘案いたしまして、どういうふうにバランスをとっていくか、これから予算編成に臨みまして慎重に対処していきたいと存じております。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#15
○国務大臣(坂田道太君) 同じ教育問題で長い間取り組んでまいりまして、立場は違いますけれども、非常に尊敬しております小林君の質問に対してお答えをいたしたいと思います。
 第一には、大学紛争の背景となるものは何か、どう考えるかということだと思います。これにはいろいろあると思うのです。またいろいろのお考えもあると思います。私は三つ四つ、こういうふうに考えております。
 第二次大戦後に科学技術が異常な発展をした。あるいはまた、それに伴いまして著しい経済成長がもたらされた。そして社会構造の変化があった。さらに都市集中化、過密化というものがあった。柳田さんもおっしゃいましたように、そこに今日、機械文明の中における人間の尊厳というものは何であるかということが問われておるんじゃないだろうか、人間疎外の問題があるというふうに私は思います。
 しかも、戦前におきましては、高等教育機関に学ぶ学生というのは、大体七、八万だったと思うのですけれども、今日では百五十万に及んでおる。しかし、同様に質的な変化が出てきた。昔は一部エリート、一部富裕階級だけの高等教育機関であった。しかし、今日ではそうでなくて、農民の子供も総評傘下の子弟も多数入っておる。こういうふうに質的な変化がある。(発言する者あり)労働者の子弟の方々も多数入っておるということであります。そういう認識であります。いま一つは、入っておりまする学生の意識、学生のものの考え方、世界観というものが、われわれが育ちました時代と非常に違ってきておるということは、率直に認めなければならないと思うのであります。
 また、これはいろいろの影響がありましょう。六・三・三・四の問題、あるいは入学試験の制度の問題あるいはマル・バツ式の試験の問題、いろいろございましょうが、とにかく自律的人間形成ができておらぬということは、これは私たち認めなければならない。この点は小林さんもお認めのことだと思います。しかも、どうも自己コントロールができない。依存度が高い。いろいろの権利の主張はいたしまするけれども、同時に、その権利の主張をするに伴う義務であるとか責任というものが、大学生でありながらなかなかわかっておらない。そういう自律的人間の形成ができておらないというところにも問題がある。
 こういうような一つの変化に対しまして、今度は大学当局、教授、学長というものが、一体、社会の変化、学生の意識の変化に対して対応しておるかどうか、対応できておるかどうかということにつきまして、私はどうも対応しておらないのではないかと考えております。
 そういうような客観的な一つの事実認識に基づきまして、もう一つつけ加えておきたいことは、一部の政治的主張をいたしまする集団が、その主張を貫くためには暴力をも辞さないという考え方である。そういう考え方が大学の学生それ自体にも影響を及ぼしまして、自分の政治信条を貫くためには暴力をもあえて辞さないとしておる、またそういう行為をいたしておるというところに、大きな今日の大学の紛争のむずかしさがあると私は思っておるのであります。(拍手)したがいまして、これに対して、大学当局が、学問の真の意味における自由、大学の自治というものを守り得なくなってきておる。(発言する者あり)そこで、私がいまから申し上げたいと思うのです。いま第一に、大学紛争の要因についての質問でございましたから、まずそれをお答えいたしたのであります。
 大学制度の根本的改革を行なうべきと思うがどうかというお尋ねでございます。私は根本的に検討すべき時期にきておるというふうに考えております。
 それから、今日の事態の収拾策をどうしたらという御質問であります。私は、東京大学をはじめ一部の大学におきまして紛争が拡大激化して、かつ長期化しておる、このことに対しまして、責任がある文部大臣といたしましてまことに遺憾に思っております。と同時に、このことに深く憂慮し、また心配をしておられる国民の皆さま方や父兄の方々に対しまして申しわけなく思っております。そこで、私は、一日も早く紛争を収拾いたしまして、大学を正常化するためのあらゆる努力を払う決心でございます。大学当局といたしましても、この間種々解決に努力しており、特に東京大学におきましては、学長交代後の新執行部のもとで、積極的に紛争解決への意欲をもちまして努力を重ねてまいっております。
 このような状況において、文部省としては、大学当局の手による解決への努力に期待をし、その努力を支援するという考え方で今日まで臨んでおります。しかしながら、解決を急ぐあまり。大学当局が暴力を黙認したり、あるいは暴力に屈して安易な妥協的解決をはかることは、問題の根本的解決にはならないのであります。大学の将来にとって大きな禍根を残すことになり、大学当局としてとるべき措置ではないと私は考えるのでございます。
 それから、この大学紛争に関連いたしまして、高校の生徒の中に全学連の動きがあることは、私も非常に心配をいたしております。ただいま調べましたところ、五十四の組織がございまして、二千七百二十人の生徒がおるということでございます。
 いずれにいたしましても、今日の大学紛争というものは、国民が一番心配しておることでございますから、私といたしましてできるだけの誠意をもってこの収拾に当たりたいと考えておる次第でございます。
 これをもちましてお答えといたします。(拍手)
    〔国務大臣菅野和太郎君登壇〕
#16
○国務大臣(菅野和太郎君) 昨年の三月に決定いたしました経済社会発展計画が、その後実績において非常に違うじゃないか、これを廃棄する意思があるかどうかというお尋ねであったように思うのであります。
 お話しのとおり、池田内閣のときに高度成長政策をとりましたので、したがいまして、いろいろひずみが起こりましたことは、小林君が指摘されたとおりであります。そこでそのひずみを是正するために、佐藤内閣におきまして経済社会発展計画を立てまして、昨年の三月に決定いたしたのでありましたが、この経済社会発展計画の基礎となったものは、物価の安定、経済の効率化、社会の開発、この三つを目標として計画を立てたのであります。しかしながら、その後の実績がこの計画と違ってきておることは事実であります。しかしそれは目的が違っておったわけではないのであって、この計画の基礎となっておった基礎材料が変わってきておるということ、すなわち昭和四十年の不景気のときを基本として計画を立てておりますからして、したがって違ってきたのであります。そこで今回、今日までの実績を基本といたしまして、この昨年にきめました経済社会発展計画を補正したいという考えを持っております。したがいまして、今後、経済の発展に従いまして、その経済の発展が全国民に均てんするような社会開発を特に目標として計画を立てたいと存じておる次第であります。(拍手)
    〔国務大臣原健三郎君登壇〕
#17
○国務大臣(原健三郎君) 公務員給与に関して小林議員にお答え申し上げます。
 今年の人事院勧告についての取り扱いにつきましては、ただいま総理大臣からお答えのあったとおりでございますので、御了承願います。しかし、今後の取り扱いにつきましては、政府としては、合理的改善を加えるとの方針で、現在その方法について検討中でございます。よって、私といたしましては、その中で、人事院勧告制度の趣旨が達成されるよう最善の努力をいたしたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣長谷川四郎君登壇〕
#18
○国務大臣(長谷川四郎君) 小林君のお話にございました食管問題に関しましては、まさに御指摘のとおりでございまして、まず農民をいかに安定させるかという点が重点だと思いますので、私はこれを痛感をしております。したがって、目下、これに対しましては早急に何とか考えなければならぬということで検討を加えております。(拍手)
 さらに、予算米価の方式につきましては、これも検討しております。
 また、価格政策の点につきましては、大体七割ぐらいはやっております。しかし、価格政策だけでものの解決をつけようという考えは持っておりません。したがって、まず生産政策を考えなければならぬ、流通政策もあわせて考え、構造政策等々並行的に考えまして、これらの諸問題を考えていかなければならぬと思います。また、これまで申し上げましたとおり、さらに一般的な、総合的にこれらを講ずる考えでございます。
 作付転換の問題につきましては、ただ補助金を出すからこれで転換をしろというだけでものの解決をつけようとは考えておりません。したがって、それを転換させるのには、まずかくのごときもの、つまりこういうものに転換をする場合はこうする、そういうようなまず血の通った転換施策というものを考えてまいりたい、このように考えておりますので、御了承のほどを願います。(拍手)
    〔国務大臣斎藤昇君登壇〕
#19
○国務大臣(斎藤昇君) 小林君にお答え申し上げます。
 産業の発展に従ってますます増大をしてまいります公害対策に対する御所見は、私も全く同感でございます。産業の発展と科学技術の進歩は、人間のしあわせに奉仕しなければならないという考え方に立ちまして、先般成立いたしました公害対策基本法の理念に基づいて各施策を早急に進めたい、そして取り組んでまいりたいと存じます。
 大気汚染に対する環境基準をどうするかというお尋ねでございましたが、先日審議会から答申がございましたので、そのままできるだけ早い機会に、できるならば年内にこれを公示いたしまして実施をいたしたい、かように考えております。
 次に、人権擁護、人権尊重の見地から社会保障の制度に触れられまして、来年の八月に期限の切れる健保特例法、これとの関連において医療保険制度をどう考えるかという御質問でございますが、本問題はまことにむずかしいいろいろの問題がございますので、いませっかく与党の中に設けられました医療基本問題調査会とともどもに、厚生省も一緒になって、その結論の一日も早く出ますように努力をいたしております。その関係におきまして、この特例法にいかに善処するか、次の国会において皆さま方にお示しをいたしたい、かように考えます。
 児童手当制度の問題は、以前から総理あるいは前厚生大臣も述べておられたとおり、まことに必要な制度だと考えます。ことに妊娠中絶に触れてお述べになりました点は、私は日本の人口問題の将来の見地から考えましても、母子保健対策とあわせてこの児童手当と取り組んでまいりたい。かように考えます。厚生省に設けられました児童手当懇談会も、この二十日には最後の大体の方針を決定願えると思います。この答申に基づきまして、さらに検討を加えて、私は、少なくとも児童手当制度につきましては早急に目鼻をつけまして、皆さま方の御協力によって、そしてこの制度の一日も早い成立を期したい、かように考えて努力をいたしておる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣原田憲君登壇〕
#20
○国務大臣(原田憲君) 小林さんにお答えを申し上げます。
 あなたのおっしゃいました人権尊重に立脚する交通対策に対する御意見は、おおよそ同感でございます。交通事故の対策については、従来から政府は、国会の御協力を賜わりつつ鋭意努力してきたところでございますが、最近の交通事故の状況にかんがみまして、御質問の中にもございました自動車損害賠償責任保険の保険金限度額の引き上げの問題等を含めまして、人権尊重の立場に立って、今後も一そう努力をいたす所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣有田喜一君登壇〕
#21
○国務大臣(有田喜一君) 新戦闘機ファントムに対するお尋ねでございましたが、防衛庁におきましては、この選定にあたりまして、あくまでも防衛的、技術的良心に基づいてなしたのでありまして、まず海外資料収集班を派遣いたしまして、九つの機種を考えたのであります。それを慎重に検討いたしました結果、アメリカのF4E、すなわちファントム、そうしてCL0112型、そしてフランスのミラージュFlC、この三つを候補といたしまして、この三つの機種につきまして、さらに慎重に考えまして、調査団を海外に派遣いたしまして、いろいろの角度から研究、調査いたしました。その研究成果に基づきまして、総合的な評価を行なったのでありまして、その飛行性能、戦闘能力、安全性、航法関係等につきまして、専門的に比較検討を行なったところ、F4Eファントムが、他の二種類に比べまして、総合的にすぐれている、こういう結論を得たのであります。
 もう一点、F4Eは足の長い戦闘爆撃機に当たるのではないかとのお尋ねでございましたが、今回選定いたしましたF4Eファントムは、すぐれた防空要撃能力を有する戦闘機でありまして、これには爆撃戦闘装置を施しておりません。また、対地戦闘に際しての行動半径は二百五十ないし四百海里程度でありまして、他国に脅威を与えるような、いわゆる足の長い戦闘爆撃機に当たらないのであります。このことを御了承願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#22
○国務大臣(大平正芳君) 私にお尋ねがありました石炭政策につきましてお答えいたします。
 御指摘のように、現在の石炭鉱業が、関係者の努力にかかわらず、経営が極度に悪化いたしまして、このまま放置できない状態にありますことはたいへん残念でございます。
 その再建策といたしまして、国有化以外にはないでないかという御提案でございますが、私どもといたしましては、遺憾ながら賛成いたしかねます。と申しますのは、石炭産業の実態は、生産、財務、賃金、鉱害、その他まことにその格差が千姿万態ございまして、国有化、その他画一的な方式をそのまま当てはめていくには相当な無理がありますのみならず、行政の公正を期すことも困難ではないかと思いますと同時に、そういうことによって必ずしも能率が保障されるとは限らないと考えるからでございます。したがいまして、自由企業を基本にいたしまして、その上にできる限り思い切った財政支援を与えまして、何とかこの際再建の目安をつけたいと念願しておる次第でございます。
 将来の展望についてのお尋ねでございましたが、現在のような水準の出炭をずっと続けてまいるという自信は必ずしもありません。しかしながら、石炭は日本の固有の大事なエネルギー源でございますから、これを長期にわたって安定供給するような基礎をつくらなければなりませんし、また、御指摘のように、そこにありまする雇用の安定も保障してまいらなければなりませんので、いま石炭鉱業審議会でせっかく御答申をお願いしておるわけでございまして、ここ近い時点において御答申がいただけると思いますので、それを基本にいたしまして、法律案、予算案を作案いたしまして、近く御審議をお願いする予定にいたしております。(拍手)
#23
○副議長(小平久雄君) 受田新吉君。
    〔受田新吉君登壇〕
#24
○受田新吉君 私は、民主社会党を代表いたしまして、昨日の総理大臣の本議場における所信表明に対し、重要なる問題点を取り上げまして、質問を試みんとするものでございます。
 まず私は、私と郷里を同じゅうする佐藤総理大臣が、自民党大会におきまして三たび総裁の重任を負われたことに対し、かつ引き続き国政の中核となられたことに対しまして、深く敬意を表し、その御労苦を多とするものでございます。(拍手)
 さて、まず質問の冒頭に、米国の新大統領ニクソンの誕生、佐藤総裁三選という、日本及び米国の新しい政治体制に入ったこの重大な時期におきまして、今後、日本と米国の新しい路線に何か大きな変動が見られるのではないかという疑念の持たれる節があるのでございます。それはすなわち、過ぐる十一月二十一日、佐藤総理大臣が外人記者団に語られたことばの中に、「アジアにおける安全体制の中にわが日本は軍事的協力をすることは、憲法九条においても不可能である」という言明をされていることでございます。これは、フォーリン・アフェアーズ誌にニクソン次期大統領の極東政策に対する見解が出ていることに対する御所見だと思うのでございますけれども、この問題につきまして、佐藤総理大臣は、少なくとも独立国家の日本の総理である。いやしくも外国の支配を受くるような形の印象を受けないこの発言に対しては、一応敬意を表するものでございますけれども、この信念をあくまでも持ち続けて、わが祖国日本の堂々たる外交を推進していただきたいと念願するものでございます。(拍手)
 この機会に、いま一つ、ニクソン次期大統領は、その選挙中における発言におきまして、鉄鋼、自動車、繊維等に対する経済保護政策を提唱しておるのであります。この問題に関連深いわが国が、一カ月有余にして就任するニクソン大統領に対処して、わが国の経済、貿易政策の上にいかなる用意をされつつあるかにつきましても、御答弁を仰ぎたいと思っております。
 次に、沖繩を中心といたしました新しい事態に対処する外交、防衛のお尋ねを申し上げます。
 総理、昨日のあなたの演説は、まことに言簡にして意足らざるものがございました。総裁三選後の新しい決意を示されるにしては、いま少し親切な国民への声をお聞きしたかったのでございます。(拍手)私は、この御発言の中に、日本の重大な安全保障に関連する沖繩の早期返還の所信表明を伺ったのでございますが、これらにいずれも関連する問題を逐次お尋ねを続けていきたいと思います。
 さて、沖繩の祖国復帰は、百万沖繩県民の切なる要望であるだけでなく、一億本土人の寸時も忘れ得ない願いであります。サンフランシスコ平和条約におきまして、思いもかけぬ異民族の支配を受くることになった悲劇の沖繩県民のことを思うとき、まことに感慨無量なものがあります。戦後二十三年、よく忍苦に耐えてくださった沖繩県民に対し、深く感謝申し上げたいと思います。(拍手)
 申しわけない気持ちで一ぱいの私たちに、主席公選という民意の表明の機会を与えられたそのお答えが、私たちの推す革新陣営の屋良朝苗氏、その当選であったことであります。そして県民が沖繩の黎明を祝福しておること、まことに意義深いものがございます。
 屋良主席はすでに総理と会談をいたされまして、その要望を沖繩県民の総意としてあたたかく受け入れてくださることを要求されておると思うのでございまするが、総理、今後の沖繩に対するあなたの忠実なる御意思を御表明願いたいのであります。
 佐藤総理大臣、あなたは昨年十一月アメリカを訪問されたとき、ジョンソン米国大統領と会談をされました。まだわれわれに記憶の新しいところでございますが、当時の共同コミュニケの中に、沖繩返還のめどを両三年以内につけるという翻訳文があるのでございます。両という字は二つ、二でございまして、漢和辞典に明記してございます。
 承るところによると、来秋は総理みずから訪米のスケジュールをお持ちのようでありまするし、事前に愛知外務大臣も御準備のため訪米されるように承っております。このことは確かな御計画でございまするか、そして、その時期はいつごろであるか、御明示をいただきたいと思います。
 来秋は、御存じのように、ジョンソン会談から満二カ年たっておって、両三年の両の字のほうに当たります。そこで、三のほうの再来年は安保の年であり、また万博の年でありまするがゆえに、来年の訪米は、必ずこの両三年の両の線において、沖繩の返還方式についてはっきりしたお答えをいただく訪問であると存ずるのであります。
 しかるがゆえに、沖繩返還のめどに対して一つ問題が起こることは、ニクソン新政権下においてジョンソン大統領との間に、アメリカの路線は変わらないと御判断をもしされるとするならば――そこで、両三年の英文の原文のほうにおきまして、ア・フュー・イヤーズというこのことばは、あちらさんの数カ年、五、六カ年という解釈にごまかされるような危険は断じてないという確信があるかどうかも御答弁を願いたいのであります。
 次に、その返還方式についてお伺いいたします。
 このことにつきましては、先日総理は、わが党の委員長に対しまして、白紙で臨むというそのことより一歩前進、筆をまさにおろさんとする段階であるという対談をされたことを承っております。このことは、どのような方式をお考えであるか、昨日の御演説にはうかがい知ることができませんでした。
 返還方式には、核つき、また核抜き自由使用、われわれの多年にわたって主張する本土並み、非武装中立の四方式が考えられます。核つきは、非核三原則の宣言違反であり、核抜きといえども自由使用は安保に基づく事前協議事項に反するものであり、現実的に国民の合意を得る方式は、本土並み基地つきが最良の方式ではありますまいか。(拍手)三木前外務大臣は、この方式を総裁選挙で宣言せられ、愛知外務大臣も過ぐる日、すなわち大臣就任前、評論家今井久夫氏との対談で、本土並みは望ましい方式であろうがとおっしゃっております。特に三木さんの場合、直接の外交交渉の担当者として、深く米国の高官及び世論にも直接触れて声を聞いておる良心的な発言であると確信をしておるのであります。かつてのライシャワー駐日米大使をはじめ、ハーバード大学、コロンビア大学等の教授たち、また、米国高官の中にもそうした見解を持つ者の多いことはよく知っております。私も、昨年、あなたの訪米直前に米国に十日間訪問した際、同様の体験をいたしておるのであります。民社党の提唱するこの本土並み返還方式を、願わくは各党の意見を調整して、国論を統一して、国民合意の結論として最大公約数の答えを出し、これを採択することはまことに当を得たものではないかと思うのであります。(拍手)米国も世論尊重の民主主義の国家であります。総理がこの現実的な、まとめやすい、良識の答えを用意して交渉に当たられますならば、必ず成功するものと確信いたします。(拍手)総理御自身、現にあなたも愛知さんや三木さんと同じく、心の中では本土並みというところをお考えではないか、御答弁を願いたいと思います。
 なお、B52については、墜落事件以来、沖繩県民はもちろん、わが国民感情全体の上にも、一日もすみやかな撤去が要請されております。政府は、対米交渉を一そう強力に推進し、この問題の解決を早急にはかるべきでありましょう。
 次に、安保問題に関しお尋ねをいたします。
 わが国は、一九七〇年で日米安保条約をどう取り扱うかについて、国民世論を統一すべき重大な時期を迎えております。いまわが国では、一九七
○年に向かって、日米安保条約の取り扱い方を、自動延長論、即時廃棄論、そして改定論の三つの意見が対立しようとしておるのでございますが、これらの意見のうち、国民の大多数はどの主張を支持するかを、明年の段階では明らかにしなければなりません。日米安保の取り扱いに対する国論の集約のしかたとしては、いろいろの方法が考えられましょうが、議会政治の常道からいうならば、解散によって民意を問うことが最善の方法であると確信をいたします。(拍手)あなたのおにいさん、岸総理大臣、当時、国民の声を聞くことなくしてこれを強行されたがゆえに、あのような混乱が起こったのでございましょう。佐藤さんは、願わくは、安保政策は国民に聞くという立場から、明年の適当な機会をとらえて、解散の時期につきわが党の西村委員長が宣言されたごとくに、通常国会が事実上終了する時点で、話し合いによる解散ということの扱いはいかがであるか、御意見を承ってみたいと思うのであります。(拍手)
 私はいま一つ、国民の前にも、わが党の駐留なき安保の論点を明らかにしておかなければならないと思います。
 それは、われわれの改定の具体的内容につきましては、すでに御理解のとおり、従来主張しております米軍の常時駐留を排除いたしまして、全国百四十六カ所にのぼる米軍基地の原則的な撤廃を実現することであります。この基地条項は、世界の条約中、日、韓、台湾のこの三カ国に対する変則的な条項でございまして、占領政策の遺産を一掃するためにも、これを削除する必要があるのであります。第二は極東条項の廃止、これも世界の条約に例を見ない、この異例のものの排除をすることは当然でございますので、わが国をして、これによりまして他国の紛争に巻き込まれることを一切国民の前から一掃しなければならない、不安を一掃するための最も適切な方式であると考えておるのでございます。
 さて、私はここに一言だけ国政参加に触れておかなければなりません。いよいよわが国における沖繩の同胞の国政参加の機会が到来した感じを受けます。その方式に本土並み方式、オブザーバー方式がございますけれども、われわれは、憲法論から、また国内法上の諸問題を解決して本土並み参加方式を採択し、すみやかにこれを実現せしめて、沖繩同胞が直接国政にわれわれ同様に参加していただく日を一日もすみやかに迎えたい。総理のみずからの御手による御尽力も願わなければならぬと思っております。
 私は、次に、目下内政の最も重大な問題である大学問題に質問の重点を移します。
 この大学紛争事件は、いまやその数、紛争に巻き込まれたものと、また現にストライキをやり、あるいはどこかで不安な状況にあるものを加えると、五十校をこえておりまして、学問の府としての学園は、すでにその機能を失い、あるいは障害を受けて、これに学ぶ学生の父兄、校友、一般国民がこの事態の重大さを嘆いておるのでございます。
 私は、まず、この原因を究明していかなければならぬと思います。その根本原因は、技術革新に伴う社会の急激な進歩と現行大学度制との間における矛盾、不調和がありますとともに、マルクス・レーニン主義を順奉する学生意識の転換等、そこには多くの要因が包蔵されておるのであります。加うるに、戦後長きにわたる偏向教育の影響力も決してゆるがせにできないものと思っております。(拍手)見方によれば、産業、経済の発展の陰に精神文化の向上が隠されてきた結果とも言えるのではありますまいか。米、英、フランス、ドイツあるいはイタリア等、欧米の先進諸国家においても、数年前から同様に学生の活動が展開されてまいりましたが、しかし、本年春のフランス政界をゆさぶったところの、解散、総選挙に導いた学生の行動のほかは、おおむね革命というより改革という形の建設的な学生運動が多いのでございます。これに反して、わが国のそれはまさに規模において、範囲において、世界に冠たるの様相を呈していることは、まことに嘆かわしい特徴といわなければなりません。
 この深刻な事態を招くに至った理由の一つに、加速度に進行してきた大学問題に対して、拱手傍観をしてきた政府の文教政策の貧困をあげざるを得ないことをまことに遺憾に思います。(拍手)私は、先ほど文部大臣の御答弁を聞いたとき、この腹がまえでは当面する紛争の処理の担当責任は果たせないと感じました。
 以下、私は、この問題につきまして、当面する留年のタイムリミットを越えようとする大学が相次ぐ段階に至った今日、えりを正して、前途ある学生のその個人のためにも、また大学の権威のためにも、この解決のために国民的規模により、まず政府自身が、同時に、政治的には可能の範囲内において協力関係による超党派的な各党の努力によって、問題の処理をすみやかならしめる必要があると思うのであります。総理及び文部大臣は、以上私の述べました見解を是認されますか、いかがでございますか。
 次に、解決策として、紛争のない大学の将来もあわせ考えた上で、具体的な提案をいたします。
 まず、大学自治と憲法及び教育基本法との関係であります。憲法二十三条には、学園すなわち学問の自由の保障を掲げております。教育基本法第二条には、「教育の目的は、あらゆる機会に、あらゆる場所において実現されなければならない。」と書いてあります。さらに、第十条には、「教育行政」の項を置きまして、「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対して、直接責任を負わなければならない」と書いてあり、さらに、「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標としなければならない」と書いてあります。教育憲法ともいうべきこの基本法がかく明記してある教育行政責任者は文部大臣ではありませんか。文部省は、この法規に基づき教育行政機関として、大学の自治との関係をいかに考えておるか。大学の自治の尊重の名のもとに拱手傍観をして、そして今日を迎えた文部省は、教育基本法による教育行政機関としての責任を果たしていない。大学及び学生に対して指揮、監督する権利の行使ということは私も否定します。しかし、助言してその環境を整備する使命をあなたは怠っておられる、歴代の文部大臣、怠っておられる。大学無視、国民無視の態度、そしてこの基本法無視の態度を、総理、文部大臣いかがお考えになられるか、まず御答弁を願いたいのであります。(拍手)
 さらに教育基本法第六条に、「法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、その職責の遂行に努めなければならない。教員の身分は、尊重され、その待遇の適正が、期せられなければならない。」かく書いてございます。このことは、大学を含めて、教師の自覚と、そしてその処遇改善が明記されておるのでございまするが、文部省は、大学から小学に至るまでの教師に対して、責任を追求するとともに、待遇を改善しておりますか。先般の特別手当法による新しい事態を迎えたこの時点において、専門職としての処遇改善をどうするか。大学の教授の中に休講が多いという原因等をあわせ考えて、総理及び文部省の責任は、教職員処遇改善という点に施策の欠けたものがあると思うのでございまするが、御所見を承りたいのでございます。
 この機会に、私は、新時代に対処する新しい大学像を具体化せしめる必要はないかと思うのであります。大学紛争の原因を十分検討し、そして学生白書のごときものをつくって、国民に対し広く理解と協力を求あるべきではございますまいか。わが党も先般、大学問題に関する中間報告を発表いたしまして、大学院大学の設置とこれに伴う学校制度改革、大学の自治と学生の参加問題、カリキュラム等、大衆大学の新形態とその新使命をうたったのであります。政府は、少なくとも大学制度や大学の管理運営に関する新形態の具体的検討を急ぐとともに、これが実施に踏み切るべきであると思うのでございまするが、御所見を承ります。(拍手)
 さらに、緊急な問題は、自治能力を失った大学の問題でございます。特にタイムリミットの大学に対する対策であります。これらの大学では学生の留年、就職等、切実な事情をかかえております。大学の自治にのみ期待して、そして、それ々待ちわびておるようでは、きっと悲劇を迎えようとするでしょう。政府は、いまこそ心して、直接、教育基本法の精神に基づいて、この対策に飛び込むべきではありませんか。私はは、この対策として、少なくとも一般大学生を強力に立ち上がらせること、そのためには、学内のみでなく、学外の校友、父兄、そして一般国民等、幅広い英知と協力を求め、また、法規的には、現行の学校教育法及び大学設置基準、これらの規定を十分幅々広げて考えることによって、法律的措置ができるのではないかという点も存在すると思うのであります。これらを考え合わせ、特に、東大等の大学に新しい事態が発生しないように行政責任を果たしていただきたい。しかし、やむを得ずこれらの大学に最悪の状態が来たときは、いかなる方法で解決の道があるのか、その方法について、文部省の考える幾つかを明示していただきたいのであります。(拍手)
 いま一つ、私立大学の処置でございます。
 最近における私立大学の数は、短大を含めて六百六十九、学生数は百十万をこえております。粗製乱造のものもかなりに及ぶと思いますが、この国立の七倍に近い私立大学に対して、国の直接の助成金は七十五億円であります。国立の百分の一にも及ばない援助でありますが、私学の紛争は、国立と性質を異にして、授業料値上げ反対のような経済要求が大半でございます。このことを考え、私学振興方策調査会の答申の処理も十分でない政府は、この私学経営に思い切った大幅の国の助成措置を講じて、同時に、苦労する学園に新しい希望を持たすべきであると考えまするが、具体策を御明示願いたい。
 私は、国民の税金でまかなわれる国立学校の紛争は、同時に、大学側も学生側も、特に国民を強く考えていただかなければならない。同時に、暴力排除に対しても、国民の前に暴力によって問題の解決をはかろうという所存を改めて、暴力の大学自治を破壊する点につきましては、ポポロ事件の有罪判決を基準にするとともに、やむを得ぬこの警官の導入がなされるという事態には、暴力を排除するわれわれとしても、これを否定するものではありません。しかし、学園内に警官を導入するということは、願わくは避けていただきたい。学園外の一般学生と一般国民と、これを差別をつけることができない。この点にはわれわれは同様な扱いをしてもけっこうでございまするが、学園内警官導入については、特別の大学自治との関係を御配慮いただきたいと思うのでございまするが、国家公安委員長及び文部大臣の御所見を伺いたいのでございます。
 最後に、私は、これらの問題の禍根が少なくとも特定の学閥意識、そして学歴意識に基づくエリートの存在を背景にしているがゆえに、少なくとも新時代の人間関係は、この学歴尊重でなく、十分高い精神文化面の取り上げによって、社会情勢がこれを歓迎する方向に持っていくように政治の方向をしむけていただきたい。
 大学紛争につきましては、以上、諸問題を提示して、取り急ぎ年内に解決すべき重大な問題点について、総理大臣から直接私は所信を伺いたい。そして、坂田文部大臣は、願わくは、さっきの小林君に対する答弁とは変わった意味の、熱心なる、具体性を持った御答弁を願いたいと思うのであります。
 時間も進行しておりまするので、最後に、私は、経済問題、なかんずく物価安定を中心にした国民生活について、質問を展開してみたいと思います。
 さて、ことしもすでに消費者物価は、上半期で前年同期に比べ五・五%以上も上昇し、政府の当初見通し四・八%を大幅に上回っております。先ほど以来の御所見の開陳のこれらの点については、同感でございます。ただ、この機会に、政府が拱手傍観してこの物価の上昇を見送っている段階に、少なくとも公共料金のストップ措置は、わが党の本来の主張でもあるし、民間物価の上昇を抑止する基礎要件でもありまするがゆえに、絶対にこれを推進していかなければならぬと確信するものでございます。
 現在、値上げのうわさにのぼっている大学の授業料、電信電話料金、健康保険料等も、強い理由を発見することができない立場でかれこれ論議がかわされております。本日も国鉄料金の値上げの案が用意された報道を拝見しております。しかし、私は、政府の財政援助で押えることによって、たとえば国鉄は当面三百億程度の財政措置でこの値上げ方式を排除できる、これらの機関に対して、政府みずからが模範を示して、この公共料金ストップの基本路線をくずさない点についての御所見を仰ぎたいと思います。
 私は、佐藤内閣の内政の一枚看板とも思われる経済社会発展計画に対して、すでに経企庁長官が二年を経ずして紙くずとなり、歴史のかなたに葬り去られたことを言うておるのでございまするが、このような形のものになぜなってきたかというその原因は、大企業を中心とした無計画な設備投資の行き過ぎでございます。この点に対しまして、政府は、少なくともこの過剰な民間設備投資を抑止するとともに、設備投資計画会議を設置して、民間設備投資を計画的に実行するところの方策を講ずべきであると思うが、御所見を伺いたいのでございます。
 私は、物価政策に関連して、人事院勧告に対する補正予算の組み上げ方につきまして、一言伺ってみたいと思います。
 私の多年にわたる政府への要求である人事院勧告の完全実施については、ことしもまた八月になりました。しかし、この勧告の実施面において、少なくとも補正予算によってでも救われる機会があるならば救ってやりたいという政府の所見を伺ったことがあるのでございますけれども、この点につきましては、補正予算を組まないという基本線を依然としてお持ちであるかどうか、あわせて人事院は予備勧告制度その他の勧告方式に新しい道を見出しておるかどうか、来年四月からは完全にこの人事院勧告の実施を進めるというお約束をすることができるか、御答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、私は、特に政治の姿勢について一言触れなければなりません。総理の公約の一つに人間尊重の政治姿勢が掲げてありました。政治は、すべての人に行き届いた大衆愛の政治であります。住む場所と選ぶ職業、それによって個人のしあわせに差異をつけてはならない。このことは、全人類に及ぶべき先日の国連の世界人権宣言二十年式典における佐藤総理のごあいさつにも掲げてあるとおりでございます。
 そこで、この広大な目的を果たすために、個々の具体的な問題を掲げる余裕がありません。ただ一つ、東北岩手県のある僻村に赴任した熊谷という若い先生が、子供が弁当を食うその姿を見たら、ヒエの上に梅干あるいはラッキョウを置いて机の下へ隠れて食っていたという、この事実を見たとき、学校給食を少なくとも一〇%、もう一〇%でこれは補いがつくのだ。可憐な子供に対する愛情の政治を、つまみ金という意味でなくして、少なくとも財政の重点施策としてこれを取り上げていただかなければならない。河野雅子という身体障害の「はばたき」の会長さんからも、せめてわれわれ身体障害者の一行の出す出版物には、郵便料金は特別措置を講じてもらいたいという総理への四回にわたる手紙を出されたということでございまするが、心身障害の立場にある方々に、明るい希望を抱かすために、少なくとも政府の特別の御措置をお願いしておきたいと思うのでございます。
 以上申し上げました私の政治姿勢に対して、清潔で、そして公正で選挙違反などの全然ないような明るい政治をこいねがう形において、政治資金規正法も新しい形で御提出を願うべきであるとともに、国会正常化のために、政治姿勢についても昨年の申し合わせをすみやかに実行に移していただきたいのでございます。
 以上、政府の施策の重点的なものに対して民社党を代表し御質問を申し上げましたが、「天下の憂いに先んじて憂え、天下の楽しみにおくれて楽しむ」この政治家の大事な使命感に燃えまして、国民とともにある、日の当たらぬところにあたたかい愛の光を降り注ぐ美しい政治の実現のために、ともに手を携えてやっていきたい。ただ、自民党としては佐藤総理を中心にして、お尋ねしました問題点に対して堂々と信念をもって御答弁をお願い申し上げまして、私の質問を終わるものでございます。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#25
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 受田君にお答えいたします。
 沖繩につきましては、サンフランシスコ条約におきまして本土と異なる措置がとられたのは、当時わが国の置かれた状況下にありましてはやむを得なかったものではありますが、これに対する沖繩県民の心情はほんとに察するに余りあるものがあります。このたびの琉球政府主席選挙で屋良新主席が誕生し、屋良君は全島民的な立場に立ちまして、島民の福祉向上に努力するとの方針を明らかにしております。私は、屋良主席とも協議をし、政府の施策に沖繩県民の民意を反映さしていきたいと考えております。
 私とジョンソン米大統領との約束は、国と国との約束であり、政権がかわりましても何ら変更はありません。先ほどお答えしたとおりであります。したがいまして、日米共同コミュニケを再確認する必要はございません。
 また、私や外務大臣の訪米の時期はまだきまっておりませんが、先方の体制の整うのを待って、適当な時期に訪米することにいたしたいと、かように考えております。
 沖繩問題につきましては、米国の新政権発足直後にすみやかに具体的な話し合いに入る考えであります。今後この話し合いを通じて、逐次基地のあり方についても明らかにしていく方針でありますが、現時点におきましては、まだ国会に御報告する段階ではございません。国民世論の動向、国際情勢の推移、科学技術の進歩等を勘案しながら誤りなきを期していきたいと、かように考えております。
 なお、昨年の日米会談で両三年内に返還のめどをつけ得るという私の確信は、米国の政権交代によりましてもいささかもゆらいではおりません。御承知のように、別にセベラル・イヤーズ、かようには申しておりません。ア・フュー・イヤーズ、かように申しておりますので、そこでは誤解がないことをひとつ御了承いただきます。
 B52の問題につきましては、沖繩住民の不安を除くという立場から、すでに米側に対しまして申し入れを行なっております。もちろんこれが実現するまでは根気強く、さらにこの問題と取り組んでいくつもりであります。
 また、沖繩の国政参加問題につきましては、立法府におきましてすみやかな処置をとられるよう、すでに政府としては衆参両院に要請いたした次第であります。
 政府は、七〇年以降も日米安保条約を堅持する方針であります。その具体的な取り扱いにつきましては鋭意検討を進めており、慎重に決定いたしたいと思います。民社党の提唱する駐留なき安保につきましては、一つの見識とは思いますが、政府といたしましては、これにくみするわけにはまいりません。
 なお、解散は全然考えておりません。
 私は、機会あるごとに、生産性の向上が一般消費者に還元されるよう呼びかけてまいりましたが、競争条件を整備いたしまして、一そうその実があがるようにつとめていきたいと思います。大学問題につきまして、さすがに受田君は教育者であった関係からも、たいへん示唆に富んだ、私どもにも教えられるところもあり、御意見をほんとうにありがたく拝聴した次第であります。私の基本的な考え方は、先ほど来申し上げましたので、あるいはすでにおわかりかと思いますが、まず第一に、個々の学園紛争につきましては、それぞれの理由がありますので、大学当局の自主的な解決にまつということであります。そして政府は、大学自身の努力を支持し、大学そのもののあり方については、制度、運営、管理面等につきまして、時代の要請に見合った適切な改善をはかっていく考えであります。御質問の具体的な改善方法等につきましては、後ほど文部大臣からお答えすることだと思いますが、その中にも、教職員の待遇改善の問題であるとか、あるいは大学院制度であるとか、あるいはまた教育基本法やその他の法制の問題等、また、私学についての私学振興、それらの問題はいずれも重大なる関係を持つものでありますので、これから皆さん方の御意見も伺い、こういうものの改正につきましては善処していくつもりであります。
 次に、消費者物価につきましてのいろいろのお話がございましたが、先ほど来もお答えいたしましたように、本年の四・八%以内にとどめるということ、これはなかなか困難な状況になっております。まことに私は遺憾に思っております。物価の安定は、経済全体の安定的成長の中にその鎮静を考える必要がありますが、特に産業全般を通じて構造政策を推進し、競争条件の整備をはかるとともに低生産性部門の近代化を推進することが急務である、かように考えております。
 御指摘になりました公共料金の問題でありますが、公共料金の引き上げは影響するところがまことに大きいのでありますので、これと取り組む場合には、その態度はもちろん慎重でなければなりません。そうしてまず、企業努力によってできるだけこの問題と取り組んでいただきたいと思います。しかし、公共料金を無理に抑制することは、経済原則にも反し、国民負担の公平をそこなうことにもなりますので、真にやむを得ないものにつきましては、必要最小限度の引き上げを検討しなければならない、かようにも考えております。
 次に、人事院勧告につきましては、先ほどお答えいたしましたので、省略さしていただきます。
 そうして、人間性、人間尊重の政治をしろという、ただいまも給食の話で、まことに涙を催すようなお話がございました。私は、こういうようなこまかい数々の御注意に対しまして、これから政府も十分それらに対して善処し、日の当たらないところに光明をもたらすのが政治の使命である、かように考えて検討してまいるつもりでございます。
 政治資金規正法につきましても一言ございましたが、これも可能な範囲におきまして進めてまいりたい、かように考えております。(拍手)
    〔国務大臣愛知揆一君登壇〕
#26
○国務大臣(愛知揆一君) 総理からの御答弁ですべてカバーされているように思いますけれども、特に私に対しましての御質問として、かつての私の発言についてのお尋ねがございましたから、まずこの点について申し上げたいと思います。
 私は、施政権返還後の沖繩の基地の態様につきましては、将来いろいろの情勢が整い、またいろいろの条件が具備いたしますならば、最終的にはいわゆる本土並みということが理想であろうと考えております。その意味で、かつてある対談の席で、望むらくは本土並みという趣旨のことを述べたのでございます。しかしながら、現下の国際情勢のもとで、沖繩返還後のわが国及びわが国を含む極東の安全を確保するために沖繩の基地が現に果たしてきた重要性を思いますときに、問題はしかく簡単にはまいらぬと思うのでございます。ましてや沖繩の早期返還、この早期返還の実現ということがわれわれの熱願であり、また沖繩百万の県民の悲願にこたえるゆえんであると思います。これを考えますだけに、早期返還後の基地のあり方につきましては、一つの方法を早急に限定してかかるということは当を得ない、私はかように考えるわけでございますから、これからの国際情勢の推移や軍事技術の進歩等をも十分に洞察しながら、また一面、世論の動向を取り入れながら米国側との話し合いに入らなければならない。非常にこれは困難でむずかしい問題でございますが、あえて全力をあげてこのむずかしい話し合いに入ろうとしておるところでございます。したがって、現在のところは白紙であると申し上げざるを得ないのでございまして、いずれいましばらくの時をかしていただきたいと存じます。
 また、これからどうするかということについては、総理からお答えがございますから多くを申す必要はございませんが、実は昨十一日、在日の米国ジョンソン大使を招きまして、これらの問題を含み、また、先ほどお尋ねのございました沖繩におけるB52の問題についての沖繩県民の切々たる訴え、こういう問題も含めまして、今後の日米間の折衝について、問題の取り上げ方やあるいはどういうふうに進めていくかという日程の問題などにつきましても、打ち合わせを始めたわけでございます。もちろんこれはニクソン新政権になりましても、ただいま総理がお話しになりましたように、既定の方針は全然変わらない、これを前提にして、すべての話を進めつつあるわけでございます。どうか御了承願いたいと思います。(拍手)
    〔国務大臣坂田道太君登壇〕
#27
○国務大臣(坂田道太君) 受田さんにお答えいたします。
 大学問題につきましては、共通して相通ずる部面もあると思いますので、私も、超党派の解決ができるならば非常にけっこうだと思いますので、御協力をいただきたいと思います。
 それから二番目は、最近におきます大学の紛争について、一応事の性質上、まずは大学自体のくふうと努力にまつべきものと考え、そういう基本的態度で臨んでおります。しかし、政府といたしましては、いたずらに拱手傍観しているわけではなく、大学の努力を支援、助長するため、必要に応じ、国民の憂いをわが憂いといたしまして、随時適切な指導、助言を行なう考えでございます。
 それから、教育基本法の問題についての御質問でございますが、教員が国民全体の奉仕者として自己の使命を自覚し、その職責の遂行につとめなければならないことは申すまでもございません。特に大学にございましては、学問の自由を擁護するたてまえから、いわゆる大学の自治として、教員の任命、服務等に関し相当大幅の自治が認められております。したがいまして、大学に広範に認められておりまする自由に対応して、教員の個々の人がその責務を一そう自覚されまして、大学としての使命を遺憾なく果たし得るよう努力すべきものと考えております。しかしながら、このことに対応するためにも、大学の教員にふさわしいところの処遇の改善に鋭意努力いたしたいと考えておる次第でございます。
 それから、現在の大学制度の欠陥と申しますか、新しい国民の大学、これはやはり先ほど申し上げましたように、大衆社会における新しい大学像がみんなで考えられなければならないというふうに考えております。一方において、学園に学生の意思の反映、あるいは学生の意思をくみ取った大学運営が行なわるべきは当然でございますが、同時に、東大一つ取り上げましても、一学生に対して百二十六万円もの税金を払っておる国民の立場を考えますときには、やはり国民の意思を反映した大学自治、学問の自由の擁護に、大学当局がお考えいただかなければならぬのじゃないかと私は考える次第でございます。(拍手)私どもといたしましては、さきに中央教育審議会に諮問いたしまして、この大学のあり方についてのすみやかなる御答申をお願いいたしておるところでございまして、国民の大学というものは、お互いつくっていかなければならないというふうに考えております。
 学生の暴力を排除することにつきまして、学園内と学園外とでどうすべきであるか、どう考えるかというような御質問でございますが、大学内の秩序の維持につきましては、大学自治の一環として、従来から、第一次的には大学当局がこれに当たることをたてまえとし、大学の要請があった場合に、警察がこれに協力するという慣行が保たれております。このような慣行は今後とも続けてまいりたいと考えますが、大学が治外法権の場でないことは当然でございまして、学生による暴力行為が大学当局として阻止し得ない場合に、警察力の行使が及ぶことはやむを得ないと私は考えております。(拍手)
 また、学園外における学生の行動につきましては、学生も社会の一員である以上、一般国民と同様、社会秩序を守り、合法的な活動をすべきことは言うまでもございませんし、したがいまして、違法な暴力行為が行なわれた場合には、法治国家における社会秩序維持の観点から、一般社会人と区別して対処する理由はないと考えております。ただ、学生の学の内外における行動につきましては、社会の秩序、学内の秩序を破壊することのないよう、大学として常に学生に対する指導の徹底をはかり、そのような事態を未然に防ぐよう努力する必要があることは当然でございます。
 一番関心の深いところの留年、入試等のタイムリミットがまさに越えつつあることに対しまして、お尋ねでございました。すでに、紛争が長期化した数校の大学におきまして、年度内における在学生の進級や卒業が危ぶまれております。また、これらの大学では、新入生の受け入れにつきましても、きわめて困難な状況となっております。このような事態に至りましたことは、きわめて残念なことでございますが、大学は教育研究を行なう場ではございますし、紛争が続けば留年等の事態が生ずることはやむを得ず、安易に卒業、進級をさせるべきではないと私は考えます。(拍手)とりわけ、入試につきましては、入学志願者やその父兄の心情を思いまするとき、非常に切なるものもございますけれども、しかし、国民一般の動向を十分にしんしゃくしつつ、授業の再開の見通しのないのに、新入生を受け入れることは適当ではないとする意見もございますし、紛争解決の見通しなど、事態の推移を考慮しながら、慎重に決定すべきものであると考えております。この点につきまして、国民の願望にこたえて、一日も早く大学の紛争の収拾に当たりたいと考えておる次第でございます。
 私立大学について、わが国の大学教育におきまする私学の役割りの重要性につきまして、政府といたしましては、従来から、私立大学に対する助成措置の拡充につとめてきましたのでございますが、さきに行なわれました臨時私立学校振興方策調査会の答申の趣旨に沿いまして、四十三年度予算におきましては、従来から講じてきた助成措置について改善をはかったほか、私立大学の教育研究費補助金三十億円を新規に計上いたしました。今後もこの答申の趣旨に沿いまして、助成措置の拡充に努力いたしたいと考えておる次第でございます。
 大体それだけだったと思いますが、口の当たらないところに対して日の光を当てるような政策をやるべきである、私は全く同感でございまして、文部省で申しますと、僻地教育の振興の問題あるいは特殊教育は文部行政の中で一番おくれておる部門であると思いますので、この点につきましては私の在任中に一そうの努力を誓うものでございます。(拍手)
    〔国務大臣福田赳夫君登壇〕
#28
○国務大臣(福田赳夫君) 人事院勧告を実行するために補正予算を組むか、かようなお話でございますが、先ほど申し上げましたとおり、これを提案する考えは持っておりません。あくまでも、総合予算というたてまえを堅持し、総合予算の範囲内でやっていくという考えであります。
 また、公共料金政策につきましては、ただいま総理から詳細に申し上げておりますので、省略いたします。
 また、心身障害児等弱い階層に対する施策を徹底せよというお話でありますが、これは全面的に私も賛成でございます。昭和四十四年度の予算におきましても、十分配意いたしてまいる考えでございます。(拍手)
    〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇〕
#29
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 受田さんにお答え申し上げます。
 私がお答え申すべきことにつきまして、すでに総理大臣及び坂田文部大臣からお答えがございすして、私が申し上げることはなくなりました。ただ、お説のとおり、暴力は民主主義の敵だとも申されます。学外であろうと、学内であろうと、学生につきましても、暴力が基本的に否定さるべきことは当然と存じます。ただ、大学は、本来暴力をはじめ、無法状態が起こり得る場所ではないはずだ、そういうことを基本に、先刻来お話が出ましたように、警察当局としましても、大学自治を尊重し、要請がなければむやみに入るべき場所ではない、こういうことで運用してまいっておるのであります。今後といえども、そういう考え方で運用さるべきことは当然と心得ております。
 ただ、今月に入りましても、暴力ざたが駒場あたりでは三回行なわれ、昨日のごときは五十四名の重軽傷者を出しておるありさまであります。四名が重傷者、こういうことでは、本来大学内でさようなことが行なわれるはずがないというたてまえに立った、大学と警察当局との相互紳士協定的な慣行でございますが、かようなことが続きますれば、生命、身体に傷害を与える危険性があるたらば、よしんば要請がなくても、出かけねばならないこともあり得るであろうと存じております。(拍手)
    〔国務大臣河本敏夫君登壇〕
#30
○国務大臣(河本敏夫君) 身体障害者に郵便料金の特別措置を講ずべきである、こういう御意見でございました。
 現在、御承知のように点字の郵便物は全部無料でございます。これを全身体障害者に拡大いたしまして、郵便物を無料または特別料金にするということは、第一に実務の面から、つまり現場の仕事の面から非常に困難がございます。第二には、郵便が特別会計の独立採算制になっておるという面からも、若干の問題がございまして、現時点では、直ちにこれを実行するということはなかなかむずかしい問題でございます。しかし、傾聴すべき内容でございますので、今後とも検討を続けてまいりたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
#31
○副議長(小平久雄君) 矢野絢也君。
    〔矢野絢也君登壇〕
#32
○矢野絢也君 公明党を代表しまして、佐藤総理に御質問いたします。
 最初に、沖繩返還問題についてでありますが、身命を賭してとか、あるいは政治生命をかけてとか、総理の勇ましいことばを、ときたまお聞きしております。その決意ははなはだ多とするものでありますが、肝心の沖繩返還の構想について、白紙、白紙と、だんまりをきめ込んでおられるのであります。
 沖繩の主席公選において、即時祖国復帰、基地撤去を主張する屋良朝苗氏が新主席に選ばれました。この主席選挙の結果の意味することは、戦後二十数年間、今日までの異民族の統治支配に対し、さらに日本政府の不誠意きわまる沖繩政策に対し、沖繩県民がノーと意思表示をしたことであります。今日、佐藤さんが沖繩県民に押しつけようとする運命に対して、拒絶反応を明確に示したということであります。
 総理は、昨年のジョンソン大統領との共同声明で、日本と極東の平和と安全にとって、沖繩米軍基地が大切であると、その重要性を確認したのでありますが、このような前提に立つ総理の返還交渉は、いやおうなしにアメリカの核抑止力を維持するため、米国の求める核つき返還ないし自由使用をむげに断わり得ない方向に追い込まれることを、私どもはすでに強く指摘してきたのであります。
 総理は、いまや白紙に筆をおろそうとしているなど、もったいぶったことを言っておられますが、先ほど外務大臣は、「最終的には本土並み、望むらくは本土並み」ということを言っておられます。これは、最終的にはそうであっても、経過的にはあるいは過渡的には、本土並み以上がやむを得ないのか、あるいはまた、望むらくはと言われましたが、うまくいかなければ核つきもやむを得ないと総理は覚悟しておられるのか、このことを明確に御答弁を願いたいのであります。
 直接アメリカと交渉される総理の立場といたしまして、アメリカの意向を考える、これはまあやむを得ない面もあるでしょう。しかし、基地の撤廃、それはもう初めから無理ですよ、このように、いたずらにアメリカの意向にきゅうきゅうとするだけではお話しにならないのであります。総理は、あなたは単なる調停者ではありません。要求者であるべきであります。総理は、わが国民と沖繩県民百万の叫びを代弁しなければならない立場であります。
 日本国民は、総理の非核三原則がいささかのごまかしもなく実行されることを要求しております。総理は、あくまでも核を持ち込まない、非核原則を守り抜く決意がありますか。
 主席公選に示されたとおり、沖繩百万県民は、即時復帰、核基地撤廃、基地反対を強く要求しております。総理は、返還交渉に臨むにあたりまして、この日本国民の強い盛り上がりの力を、なぜみずからの背にして、大きなささえとして、勇気百倍して、アメリカに交渉しようとしないのでありますか。なぜ白紙、白紙と、いたずらに時日を遷延して、うろうろするのですか。
 今日わが国は、七〇年の安保再検討期を目前にしまして、わが国の将来、少なくとも七〇年代の国家方針を決定しなければならぬ、選択しなければならないときに差しかかっております。もし、沖繩の米軍基地に、核つきあるいは核抜きであっても、自由使用を万が一にも総理が認めようとするのであれば、それは国民に対する挑戦であります。非核原則をみずから放棄することになります。それは、日米安保体制に新しい難問題を持ち込むことになります。七〇年以降の安保体制は、現体制の単純な延長ではあり得ないのであります。それは、より平和的な、より民主的な、より自主的なわが国の進路を築こうとして、安保体制を即時であれ、また段階的にであれ、解消していこう、あるいはまた改定していきたい、このように願う国民に対して、沖繩に核を認めようとすることは、新しい挑戦を試みることになります。総理の見解を伺いたいのであります。
 また、B52撤去についての先ほどの総理の答弁は、きわめて抽象的あるいは逃避的なものでありまして、御存じのとおり、戦争への不安、墜落、爆発、このような不安の中で、沖繩県民の総意はB52の撤去を要求しております。明確な総理の答弁をお願いしたいのであります。
 次に、話はかわりますが、総理は、総裁三選後の記者会見におきまして、今後の重要課題として、まず治安対策、と言われました。非常にタカ派的な政治姿勢を強めておられるのであります。しかし、警察力などのそのような治安対策をお考えになる前に、はたして国民生活の実際に対して説得力のある政治的措置がとられてきたかどうか、このことを率直に反省する必要があるのではないでしょうか。昨日の所信表明演説にも、その反省の姿勢はあまり見られませんでした。現在のわが国には、さまざまな社会のゆがみと矛盾が累積されております。それが国民の欲求不満となって、たとえば大学紛争として暴発しておるのであります。なぜさまざまな不満や不信が社会の底流に渦を巻いているのか。世界第三位の工業生産力を誇るまことにりっぱな国に暮らしながら、私たちの生活は、たとえば貧弱な社会保障、あるいは経済の二重構造、中小企業の倒産、農漁村の疲弊、あるいはベトナム戦争の戦死者よりも多い交通事故の死者、あるいは排気ガスその他の公害、住宅難、それに高い高い物価、戦争への不安、そしてぬぐうことのできない政治不信、このような、これを要するに、富国貧民、国は豊かになったけれども、国民は貧しい。この富国貧民の現実の姿こそ、社会不安の原因であります。総理が対決しようとするもろもろの騒動、いろんな社会現象、これはこの富国貧民の不満、不信の声が結晶して、凝集したものだとあなたは知るべきであります。
 総理は、一徴な対決姿勢を捨てて、治安対策に頭を痛めるよりも、このような国民の声なき声に深くこうべをたれるべきだと私は思います。その反省の上に立つならば、社会不安を解消する道は、あなたのように硬直した治安対策ではなくして、国民本位の政治でなくてはならない。とりわけ強力な福祉行政こそ、あなたの言う治安対策でなくてはならないと思うのであります。(拍手)これについて、四十四年度予算編成における社会保障、特に児童手当など福祉関係予算、これについての方針をお示しいただきたい。
 さらに、ここで物価について特に伺っておきたいのでありますが、本年度の四月から九月までの上半期の消費者物価の上昇率は、昨年同期に比べまして五・七%上がっております。これは、一年ものの定期預金の金利が五・五%でありますから、貯金をしておいた利息よりも一年間の値上がりのほうが大きいということであります。また、この四年間を振り返ってみますと、物価上昇率は、四十年には六・四%上昇した。四十一年は四・七、四十二年は四・二、まあ物価は相変わらず上がっておりましたが、その上昇率は比較的落ちついてきた。しかし、この上半期は再び五・七と、物価上昇は新しい第二ラウンドに入ったのであります。このような実態を考えるとき、政府が従来口先だけで繰り返しておられた物価安定、物価対策、こういうことではなくして、真実に国民の求める強力な施策を考えるべきであります。実行すべきであります。どのような信念を持ち、どのような有効な施策を実施するお考えか、伺いたいのであります。
 次に、基地問題に入りたいと思います。
 日米安保条約あるいは地位協定によりまして、日本国内に米軍の常駐基地が設けられております。しかし、この基地は直接国民の日常生活上の利益を害するとともに、極東にアメリカが戦争行為を行なった場合、わが国の平和的な存立と中立的な立場を危うくする。わが国自身が、へたをすると攻撃の対象になる、そういう危険性も生ずるのであります。わが党は、わが国の平和的存立と自主性回復のために、究極的には日米安保体制は解消されねばならないと主張してまいりました。しかし、その解消の方途は、国際政治を直視して、わが国の経済、外交その他の安保解消の対応条件を現実的に判断しながら、かつまた、わが国の平和憲法の精神と規定に従って、段階的にその解消をはかっていきたい、それがわが党の主張であります。
 この観点に立って、われわれの主張する段階的解消の第一着手は、在日米軍基地の撤去であります。いわゆる七〇年問題に臨むにあたりまして、われわれは、ともすれば、いたずらに対決のみに終始して、現象面の混乱に目を奪われがちになります。そのために、問題の焦点を万が一にも見失うことがあってはならない。今後、われわれは、どのような国家目標を設定し、その目標達成のために具体的にどのように対処していくか、これは、むしろ全国民が考え、その意思を決定しなければならない大事な問題、これが七〇年問題であろうかと思います。しかし、ともすれば七〇年問題は、現実論よりも抽象論、具体論よりも観念論、対話より対決に流されがちでありまして、今日、最も大切なことは、戦後二十数年、占領時代の惰性が残るわが国の現実を、社会のあらゆる部門について具体的に総点検を行ない、その矛盾を正さねばならないことであると私どもは思うのであります。(拍手)
 さて、安保条約のかなめともいうべきこの在日米軍基地、いまどのようになっておりますか。今日まで、政府は基地の実態を国民の前に明らかにしようとする義務を怠ってまいりました。ことさら隠蔽してきたといわれてもしかたがありません。そこで、わが党は、基地の総点検を決意し、このほど、その実態調査が完了いたしました。もちろん、単なる一政党が、たとえ全党的な努力を傾け、力を注ぎましても、その能力と時間にも限界があります。限度があります。したがって、この総点検の結果を完ぺきだ、このように言うつもりはございません。しかし、この調査にあたって――これは佐藤さんにも答弁の関係がありますから、念頭に置いていただきたいのでありますが、この調査にあたって、私たちは、感情的な基地反対のための意図的な調査、こういうことはやりませんでした。それでは客観性を欠きます。国民的合意の資料にならないというわけで、主観的なそういう立場は極力排除して、ここに基地の総点検ができ上がった。このことをあらかじめ御記憶願いたい。
 そこで伺いたいのでありますが、国民の財産であるこれら米軍基地に十分の調査を行ない、そして、適切なる処理をしていく、これは国民に対する日本政府の当然の責務であります。しかし、この調査の結果、当該官庁である防衛施設庁が、十分実態を把握、掌握しておられない。このことを情けない思いで痛感をいたしました。まことに怠慢といわねばなりません。総理は、この事実をどうお考えになりますか。
 時間の制約がありますので、基地総点検の結果を百四十数基地のすべてについて全部申し上げることができない。個々については、今後、内閣委員会などでお尋ねしたいと思っておりますが、ここでは、かいつまんで若干の点をお尋ねすることにいたします。
 まず、この市町村や地元住民が返還を無条件で強く希望しておるのが、百四十カ基地の中で九十カ所もあります。残りの五十五カ所、これについて念のため申し上げますと、ほとんど無人に近い二十四カ所の通信施設あるいは事務所、倉庫などの施設で、地元住民が、そんなところに基地があるのを知らなかった、つまり、基地として意識していないため、特に返還希望があらわれなかったのにすぎないのであります。わが党の調査中、まあ佐藤総理はよけいなことをしたと言われるかわかりませんが、住民がそれを知りまして、そんなところにあるのなら、これはぜひ返してもらわなくちゃいかぬ、こういうような声も強くなってまいりました。が、しかし、調査の厳格を期するために、これは返還希望基地の分類には入れなかった。いずれにせよ、程度の差こそあれ、基地の全部について返還を希望しておる、このようにいっても過言ではありません。残念ながら、積極的にこの基地は残しておいてもらいたい、こういうようなことを言う市町村はありませんでした。現にこれらの基地の存在が、地元市町村にとって、開発計画の大きな障害となっております。きわめて強いこのような返還要求があるのに、これに対して総理は、どのようにこたえられるか、まず所信のほどを伺いたいのであります。
 日本の代表的な米軍基地は、板付、岩国、三沢、横田、立川、厚木、佐世保、横須賀あるいは山田弾薬庫、数え立てたらこれらの代表的な基地はたくさんあります。しかし、これらの基地は、もうすでに周知のとおり、あらゆる公害が発生して、市民に恐怖を与えており、マスコミに取り上げられる機会も比較的多かったのであります。しかし、この総点検の結果、それらいわゆる前科のある有名な基地、これも大問題であるけれども、比較的知られておらない、もっと知られていない基地に、いろいろな問題が山積しておる、このことをこのレポートは明らかにしてくれました。
 まず、基地公害につきまして申し上げたいのでありますが、公害が発生している、このように地元民が訴えているのは、五十一カ所の多くになっております。たったの五十一カ所か、このように総理、喜んではいけません。公害が発生していないとみなされる基地は、これは十六カ所の住宅地域、これはまあ、公害の発生のしょうがない。しかし、この住宅は、あとで説明しますが、一世帯当たり五百坪という、日本人をばかにした米人住宅、このようなものに対して、日本国民に屈辱と憎悪という精神的な公害が発生しておる。その住宅以外は、無人に近い三十四カ所の通信施設、これは山のてっぺんにあるだけでありますから、公害は出ないでしょう。それに十五カ所の倉庫、こういうものでありまして、いずれにしても先ほど申し上げた五十一カ所、ここにはもろもろの公害が発生しておる。ひとつ参考のために、この公害の内容を申し上げましょう。公害には、風紀の紊乱、騒音、墜落、あるいは会話、電話、ラジオ、テレビが聞こえない難聴、あるいは農耕労働ができない。農作物が非常に被害を受けておる。家畜の乳量や産卵が減少した。あるいは誤射、あやまって撃った、誤爆、あやまって爆撃をした、誤投下、あやまって投下した。あるいは漁獲量が、魚が減った。学童の授業ができなくなった。伝染病の不安がある。爆発の不安がある。あるいはそこに基地があるために、その辺の周辺開発が阻害されておる。交通阻害がある。建物の高さも制限されておる。米軍基地からの汚水や、あるいは米軍基地が水を使うために渇水が起こる。言えば切りがありませんが、さまざまな公害が、しかも多数組み合わさってその地域に発生しておるのであります。この公害をいつまでもあなたは放置しておくつもりか、総理のお考えを承りたいのであります。
 基地の使用状況について次に申し上げたいのでありますが、米軍基地の総面積は三億六千百万平方メートル、これは一億一千万坪のばく大な広さになります。一億一千万坪です。この面積は、たとえば東京の赤羽台団地、これは有名な団地でありますが、これは敷地面積が十五万平方メートル、ここにおる世帯数は三千四百戸であります。この赤羽台団地で一億一千万坪、かりに換算をいたしますと、この団地が二千四百四十カ所もできる土地です。八百二十九万世帯が収容可能な面積なんです。万博会場なら、これは百九つもできる。この米軍基地のうち、現在使用されていると思われるのは一億三千万平方メートル。これは全体の三六・一%です。残りの六三・九%、これは目的外に使用されたり、使用されていないもの、一部しか使用されていないと思われるもの、こういったものであります。いずれにしても、私たちが調べまして、使われていると思われたものは、この一億一千万坪のうちの約三分の一にすぎない。使われていないものについて、これはまあいろいろとありますけれども、参考のために申し上げておきましょう。
 たとえば、北海道のキャンプ千歳補助施設、これは使われておりません。六百万平方メートルの広い土地に鉄塔が三十三基しょんぼり立っておるだけです。現在。ペンペングサがはえて荒廃しきっております。九州大分の日出生台十文字原演習場、これは一千三百八十万平方メートルであります。朝鮮戦争のときには、ここに二万人の兵隊が結集して、実戦さながらの演習を繰り広げた、このようにいわれておりますが、いまは全く使われておらないのであります。地元では、この大草原を放牧地としてぜひ利用したい、このように希望しております。それから、北海道の支笏湖水上訓練所、ここは一ぺん総理に行ってもらったらわかるのでありますが、すばらしい観光地であります。ここの一万三千平方メートル、これは米軍人及び家族が専用の避暑地として夏の一カ月、二カ月、たまに使うだけでありまして、日本人はここから入ったらいかぬ、オフリミットになっておるのであります。東京の多摩弾薬庫、これは有名なところでありますが、三百四十二万平方メートル。いまは車の出入りもなく、ほとんど使っておらぬ。しかも御丁寧に、この昭島にある米軍ゴルフ場をこの多摩弾薬庫に移転するために、日本政府が四億五千万円のお金をかけまして、わざわざアメリカのために一生懸命ゴルフ場をこの中につくっておる。こういうよけいなことをしますと、よけいに返還が困難になるのではないか、私はそのように思うのであります。
 それから、これは分類が変わりますが、アメリカ軍が使ってなくて自衛隊がちゃっかりこれに便乗して使っておる、こういうところもたくさんあります。木更津飛行場、これは二百十二万平方メートル。あるいは名寄演習場、百八十万平方メートル。この名寄はたまにアメリカの軍人さんがスキーに来る、それだけでありますが、そういったものが十二件、四百七十八万平方メートルあります。
 あるいはアメリカ軍と自衛隊が共同使用しておる、こういうものは、東富士演習場、座間小銃射撃揚、三沢対地射爆撃場など六件、九千三百万平方メートルある。聞くところによりますと、自衛隊の幹部は、特に射爆場などの音がしたり危険なところ、こういうものは、アメリカ軍基地のまま、それをそのまま自衛隊がちょっと拝借するだけのほうが文句がこちらに来なくてよろしい、米軍に行くからこちらは助かる、こんなことを言っておるようでありますけれども、私どもは決して自衛隊にそのまま返せ、こういうことを言うわけではありませんが、米軍が使っていないのであれば、とにかく返還してもらったらどうか、私はそのように思います。(拍手)
 さらに、われわれの国民感情から見てどうしても納得がいかないのがある。これは米軍専用のゴルフ場であります。たとえば東京と埼玉にまたがっておりますキャンプ朝霞、ここは三百九十五万平方メートルもあるけれども、三百万平方メートルが芝生になっておりまして、ほとんどそれがゴルフ場に使われております。三百万平方メートルといえば、これは約百万坪です。東京都の中にある先ほど引用した東京の赤羽台団地、これは三千四百戸入っておりますが、十五万平方メートル。このキャンプ朝霞が返還されたならば、二十七の赤羽台団地ができます。九万世帯の東京都民を収容することができる。このようなゴルフ場が何と全国に十カ所、四千二百万平方メートルもあります。この四千二百万平方メートル、先ほどの赤羽台団地で換算いたしますと、この団地が二百八十九カ所できる。九十八万世帯が収容できる。全部を団地にせいと言っているわけじゃありませんが、御理解をしていただきたいために、このようなたとえで申し上げておるわけです。赤羽台団地クラスが二百八十九、九十八万世帯、これがゴルフ場を撤去するだけでできるのであります。
 東京周辺の土地不足で悩んでいるところでも、朝霞、昭島、根岸、座間、厚木、五カ所ある。千三百万平方メートルの広大な面積にゴルフ場がある。まあ日本の中にはたくさんの民間ゴルフ場があるのであります。政府のいう日本防衛のために米軍基地がある、どういうわけで米軍専用のゴルフ場が日本防衛のために必要なんだ、このようなゴルフ場をどうされるつもりか、総理のお考えを伺いたいのであります。
 念のため総理に申し上げておきたいのでありますが、この米軍のゴルフ場使用については、東京地裁で行政協定違反の判決が出ております。これは原告は昭和飛行機であります。被告の日本政府は敗訴しております。判決理由は、ゴルフ場に使うことは、安保条約第一条の米軍駐留の目的にのっとるものとは言いがたい、このように東京地裁は判決をしておる。これでもまだゴルフ場をそのままにしておく、このようにおっしゃるのですか。この点について明確に伺いたいと思います。(拍手)
 数多くの通信連絡所、これについても問題があります。一ぺん見に行ってもらいたい。広大な基地面積を含む山がある。その山のてっぺんに鉄塔が一本立っておる。なぜ鉄塔一本のために何万坪の米軍基地が必要なのか、われわれは理解に苦しみます。どうしても通信鉄塔が必要だ、このように言うのであれば、もっと縮小したらどうですか。何万坪も要らない。
 米軍の住宅地域、これについても腹が立つのでありますが、これも聞いておいてもらいたい。東京のグラントハイツ住宅地区というのがある。これは百八十一万平方メートルある。そこにアメリカ人世帯がたったの千二百八十四戸、百八十一万平方メートルに千二百八十四戸です。一戸当たり千四百十平方メートル、四百二十四坪です。しかもゴルフ練習場がある。夜間照明の野球場もある。非常に優雅な生活をエンジョイしておるのであります。日本人の目に見えないところならまだがまんもできる。そのすぐ近くに密集した私たち日本人の小さな家がひしめき合っておる。そして、グラントハイツの汚水で住民が悩んでおります。交通は遮断されておる。住民は憎悪の目でにらんでおるのであります。こういうのを言いますと腹が立ってきますので、どうもいけませんけれども、横須賀の長井住宅は、一戸当たり四千四百平方メートル、千三百坪、一世帯当たりですよ。全くこれは別天地の生活。横須賀です。その他春日原、相模原、こういうような人をばかにしたような住宅がたくさんある。住宅事情に苦しんでおるわが国の一般庶民の生活のことを考えたときに、総理ははたしてこれでもやむを得ないと国民に説明されますか、これをはっきりしてもらいたいと思います。(拍手)
 あまり腹の立つ話もあれでございますから、ちょっと変わった話を申し上げたいと思いますが、横浜にミルクプラントというのがある。牛乳のプラントであります。約一万一千平方メートル。アメリカ陸軍のミルクやアイスクリームをつくっておる。どうも日本人のあれは飲めないとおっしゃるらしい。そしてそのまわりが、もう広大な地域があいておる。全然使っていません。あるいは横浜べ−カリー、パン屋さん、これも横浜ですよ。市内です。四千五百平方メートル。アメリカ軍人やその家族のための特別のパンをつくっておられるらしいけれども、横浜駅の近くにあって、横羽線が通れなくなっておる。しかも土地がたくさんあいておる。あるいは横浜ランドリー、これはアメリカ人専用の洗たく施設、横浜市内で一万平方メートルを占領しております。この近くには中央卸売り市場があって、アメリカのトラックのために交通は麻痺しておる。群馬県の太田小泉飛行場、百六十四万平方メートル、全く使っていない。しかも一部にゴルフ場があります。鶴見の野積み場一・七万平方メートル、からのドラムかんがぱらぱらぱらと散らばっているだけであります。大島通信所、七万平方メートルです。これはアメリカ人さま御専用のレクリエーションの場所です。日本人オフリミット。ベビープールやゴルフ場がありまして、非常にけっこうなところです。昭島住宅地区に九十二万平方メートル、住宅は二十棟ほどです。ここにもゴルフ場があります。相模原の米陸軍医療センター、二十万平方メートル、ここはベトナム負傷兵が利用しておりまして、毒ガスや細菌戦の研究で有名なフォートデリック研究所の出先機関がここにあるといわれております。羽田空港でサソリが積み荷から出てきた。この積み荷の発注者はこのセンターです。雁ノ巣空軍施設、五百三十万平方メートル、大部分の地域が放置されて、荒廃しておる。またここにもゴルフ場がある。こんなところはたくさんありまして、もう言えば切りがありませんから、しかも時間がありませんので、これぐらいにしておきます。
 ここでよく聞いてもらいたい。鶏が卵を生まなくなった。農作もできない。学生は勉強ができない。飛行機が墜落する。ジェット騒音で話もできない。こういうような公害を遠慮なくまき散らして、しかも自分がゴルフ場をたくさん持って――行政協定違反の判決が出ておるのです。このゴルフ場をたくさん持って、一世帯当たりで五百坪、こういうりっぱな家に住んで、優雅な生活を楽しんでおる。しかもたくさんの基地にはペンペングサがはえておる。使っていない。しかも日本人はそれを指をくわえて見ておるのであります。その実態はこの中にいやになるほどありますから、よく読んでいただきたい。あなたは、狭い住宅でひしめき合って暮らしておる日本国民の総理です。この基地の実態をよく読んでいただいて、国民の納得する方策を尽くしてもらいたい。
 われわれは、最初に申し上げましたとおり、日米安保条約がわが国を戦争に巻き込む危険な条約である、そのゆえにその解消を強く要求しております。したがって、われわれは使っていないところだけ返せと言っているわけではありません。全部返してもらいたい。基地全廃がわれわれの要求であります。そのためにも、その実態を明らかにして、強力な施策を推進してもらわなくちゃならぬ、要求をしなくちゃならぬ、こういうわけでお尋ねしておるわけであります。しかし、従来からの自民党政府の答弁を見ておりますと、この基地は日本の平和と安全のためにアメリカ軍がわざわざ日本に来て守ってくださっておるありがたい基地であると、顔色も変えないで言うでしょう。しかし、百歩譲ってそうであったとしても、なぜ日本の安全のために一戸当たり五百坪の住宅が要るのか、ゴルフ場が要るのか。私は百歩譲って言っておるのです。ペンペングサのはえておる使用されていないものが、なぜそのままにしておかなくてはならないか。なぜ日本国民は公害を耐え忍ばなくちゃならないか。私は、自民党の立場に立って考えましても、これは理解できません。どうですか自民党の諸君、特にヤングパワーといわれておる諸君、私の言っておることが間違っておるでしょうか。
#33
○副議長(小平久雄君) 矢野君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#34
○矢野絢也君(続) 地位協定第二条第三項に「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない。合衆国は、施設及び区域の必要性を前記の返還を目的としてたえず検討することに同意する。」とあります。返還を検討し、要求する権利が当然あるではありませんか。なぜ、基地の実態を調べないのです。なぜ要求しないのです。(拍手)あなたは、終戦後たくさんの基地が返ってきております、そうやかましく言うもんじゃないと言うかもしれませんが、よく調べていただきたい。占領下においてそれらの基地はほとんど返ってきたので、この十年間、面積はほとんど減少しておらないのです。こちらが調べてあります。
 われわれはアメリカを単に敵視して言っているわけじゃない。安保条約を問答無用式に廃棄する、オール・オア・ナッシングという立場よりも、将来のわが国の経済、外交その他、責任ある見通しと慎重な配慮をもって、段階的にこの安保条約を解消したい、このように私たちは主張しておるのであります。(拍手)しかし、基地問題に見られるような、いま申し上げたような民族の自尊心を傷つけるような、このような状態をいつまでも放置し続けるのであれば、幾ら良識ある公明党といいましても、その根源である条約そのものの即時廃棄を、われわれはその全力をあげて要求することになるかもわかりません。(拍手)これはこの場をかりて警告しておきます。(拍手)
 以上、いろいろと申し上げましたが、総理の誠意ある、具体的な答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#35
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 矢野君にお答えいたします。
 まず沖繩問題につきましてお答えいたします。しばしばお答えいたしましたように、一日も早く祖国に復帰したいという沖繩同胞の願望を達成することは、私に課せられた、私の最も大きな政治的課題だ、かように私は考えております。
 戦争で失った領土を平和時に話し合いで回復するということは、日米間の友好と信頼関係あってこそ初めてこれが可能なのであります。(拍手)政府は米国との間に継続的な協議を行なっておりますが、沖繩の基地のあり方については、先ほど来しばしば申し上げましたように、わが国の長期的な安全保障上の要請をも考慮しながら解決していく方針であります。米国の新政権がスタートし次第、これと早急に接触して、具体的に話を詰めていく考えであります。たいへん態度が弱いというような御批判もありますが、このことは容易ではございません。国民の皆さん方の御声援、御協力を切にお願いいたします。(拍手)また、対米交渉にあたりましては、沖繩同胞の切なる気持ちを十分反映してまいるつもりでございます。ただいま申しますように、御声援、御協力のほどを心からお願いいたします。
 B52の駐留によりまして、沖繩県民が多くの不安を感じていることは、私も十分承知しております。屋良主席も切々と私に訴えました。私はすでに米側に対しまして、率直にこの住民の不安を伝えて、そうしてこの問題の解決に乗り出しておる次第であります。御了承願いたいと思います。
 次に、福祉の問題についてお話がありました。私の態度があるいは対決ムードだとか、あるいは強力な力だけでやるというようにおとりのようですが、私は、民主的な、まことに穏やかな政治家でございます。誤解のないように願います。
 そこでお話にありましたように、社会不安というようなものが起こると、これは治安だけによりまして、これを片づけることのできるものではありません。基本的には、ただいまお話しになりましたような強力な福祉行政、こういうようなものももちろん必要であります。こういう意味では、私も矢野君の御意見に賛成であります。
 来年度予算の編成にあたりましては、社会保障の充実に、先ほども大蔵大臣からお答えしておりますので、十分留意いたしまして、そして有効に予算を編成していくつもりであります。きめこまかな配慮もいたさなければならないと思います。社会保障制度が確立されるよう努力してまいります。
 また、公明党が児童手当につきましてはたいへん御熱心でありまして、私もかねてから公明党のこの熱意にはほだされておるような関係であります。先ほども厚生大臣がお答えをいたしましたように、政府におきましても鋭意検討中でございますから、その御意見を尊重しながら努力してまいるつもりであります。
 次に、先ほど物価問題についてお話がありました。これは受田議員に対しまして私お答えしたとおりであります。特にただいまは、利子が五分五厘だ、それをこす物価上昇、これはたいへんじゃないか、かような御指摘であります。私どもも、最近の物価の動向につきましてはたいへん心を痛めておりますし、こと消費者物価を安定するようにと、これを特に注意しておるような次第であります。しかし、物価問題は政府ばかりではありません。何と申しましても国民の協力なければ、このことは目的を達するわけではございませんので、私は問題を転嫁するつもりは毛頭ございませんが、この点におきまして、国民の御協力を切にお願いする次第であります。
 次に、最も重大な問題として、ただいま御指摘になりましたわが国における米軍の基地の問題であります。この問題につきましては、基地の問題、同時にわが国安全確保の問題、言いかえるならば、日米安全保障の問題、そういうことと関連してこの問題を考えていきたいと思います。お話のうちにも、確かにその点を一方的に言うだけではないんだというお話がございました。そこはさすがに公明党の良識ある主張だと私は思うのであります。
 ところで、御承知のように、わが国の戦後における目ざましい発展、これは国民が享受している平和な生活、そういうことも、国の長期的な安全保障なくしては達成できなかったことは明らかであります。今日、安全保障の問題につきましては幾多の議論がありますが、いま私どもが享受しているこの自由を守り抜くという見地から、自衛力を整備し、その足らざるところを日米安保条約によって補うという、国民の選択は賢明であったと私は確信しております。(拍手)いたずらに自衛力、みずからの国をみずからの力で守れ、かように唱えましても、国力、それはなかなかそこまでは戦後のあの退廃した日本ではできなかったことであります。したがいまして、私どもが社会党のような無防備中立論は別として、わが国をみずからの力で守ろうというその考え方で、足らざるところを日米安全保障条約で補うというこの状態、この点は、賢明な国民の選択であった、間違いなかった、かように私は確信しております。この確信の上に立って、安全保障問題における国民的合意を達成したいというのが私の念願でもあります。
 そこで、ただいまお話しになりました基地の問題でございますが、基地に対する公明党の総点検という、たいへん熱意と努力を払われたことにつきましては、私は心から敬意を表します。(「政府の怠慢だ」と呼ぶ者あり)政府の怠慢だと言われますが、政府は必らずしも怠慢ではありませんから、これからお話しいたしますので、よくお聞き取りをいただきたい。この基地は、日本の安全に直接寄与し、同時に日本の安全に不可分な極東の平和、安全に重要な役割りを果たしているのであります。この事実を無視して、単に地元の利害や感情だけで、基地問題にずる結論を引き出そうとするには問題があります。ただ、いわゆる基地そのものが、あるいは都市の付近にありまして、急激な都市化が行なわれ、社会構造の変化に伴いまして、都市近郊の基地周辺では、住民に非常な不便、不安を与えているような事実があることは、これはいなめません。そのとおりであります。また見たところ全然使用していないじゃないか、こういうものもあります。しかしながら、それは必要が、平時において、現在においてないということでもあります。したがいまして、これらの点につきまして、その基地を十分性格的にも理解してもらわないと、この基地の問題とは取り組めないのであります。政府といたしましては、この基地周辺住民の生活上の不安や不便、こういうことを取り除くことを第一義的に考えまして、万全の措置をとる考えであります。
 現に政府におきましては、すでに米側と具体的な話し合いに入っております。これを特に皆さま方にも御披露したいのです。具体的に入っております。したがいまして、どの程度整理ができますか、また今回一度でできないにいたしましても、引き続いてこれらの問題は整理をしていかなければならない問題だと思います。(「当然」と呼ぶ者あり)当然のことでございます。またそういう意味で、政府を御鞭撻願いたいと思います。私は、この機会に、公明党の方が総点検をして、政府にもその資料を提出され、ただいまのような、政府が米側と交渉することについても、政府を力づけてくだすったことについて厚くお礼を申し上げます。個々の問題、個々の基地につきましては、関係閣僚あるいは他の機会に譲らしていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
#36
○副議長(小平久雄君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#37
○副議長(小平久雄君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 西郷吉之助君
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
        大 蔵 大 臣 福田 赴夫君
        文 部 大 臣 坂田 道太君
        厚 生 大 臣 斎藤  昇君
        農 林 大 臣 長谷川四郎君
        通商産業大臣  大平 正芳君
        運 輸 大 臣 原田  憲君
        郵 政 大 臣 河本 敏夫君
        労 働 大 臣 原 健三郎君
        建 設 大 臣 坪川 信三君
        自 治 大 臣 野田 武夫君
        国 務 大 臣 荒木萬壽夫君
        国 務 大 臣 有田 喜一君
        国 務 大 臣 菅野和太郎君
        国 務 大 臣 木内 四郎君
        国 務 大 臣 床次 徳二君
        国 務 大 臣 保利  茂君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        防衛施設庁長官 山上 信重君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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