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1949/03/23 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第2号
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1949/03/23 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第2号

#1
第005回国会 水産委員会 第2号
昭和二十四年三月二十三日(水曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○漁業法改正及び水産関係の予算、金
 融、資材及び統制等に関する件
○かき養殖業者の加配米及びその養殖
 に要する針金並び油に関する陳情の
 件
  ―――――――――――――
   午前十時四十七分開会
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。再開後初めての委員会でありまして、いろいろな委員各位の御意見もありましようし、又漁業法の改正法案、それから漁業災害補償法案、漁業信用保証法案というように、この前の議会で決議になりました問題の経緯とか、又この前の決議で水産金融問題が決議されまして、その後の経過並びに次の年における金融状態その他について当局の説明を承わり、又議員各位の御質問なり御意見なりを遺憾なく拜聽いたしたいと思いまして、委員会を開いた次第であります。咄嗟の場合で、いろいろ手続上遺憾の点もありましたけれども、悪しからず御了承願います。
 それでは水産廳から一つ経過の御説明をお願いいたします。
#3
○政府委員(飯山太平君) 只今委員長から、前國会における懸案として御要望のありましたこれらの点並びにその後の水産行政一般に関しまする概況を御報告申上げたいと思います。
 最初に漁業法改正の問題でございます。これは前國会におきましても、この第五特別國会には是非出せと、こういうことでございまして、その用意を整えつつあるわけであります。ところがこの漁業法は昨年の十月に公表いたしまして、一般の批判を求めた原案があるのですが、その案は幾多不備な点がありまして、衆議院における公聽会、或いはその後協同組合法の普及宣傳に当局として各ブロックごとに講演会を開催したのでありますが、その際における地方の一般漁民の要望も多々あるのであります。それらの点を勘案して修正を加えて実は出したい。かようなことで目下関係方面と折衝しておるのであります。その大体修正を加えようとしておる点を簡單に申上げたいと思います。一番大事なことは漁業権の内容の問題であります。原案には協同組合には根付漁業権だけを團体に與える。それ以外の漁業権は協同組合には與えない。こういう建前になつておつたのでありますが、その後公聽会における全般の要望並びに各漁村における実情に即しない点も多々あるのでありまするので、この点を先ず第一に修正を加えようというので、例えば小型定置であります枡網であるとか、或いは角網であるとかいうような極めて小規模の定置漁業、こういうふうな漁業権はこれを專用漁業権として協同組合に與える。それから地曳、船曳、飼付、しいら付、築磯、こういうふうな漁業も團体とは密接な関係がありまするので、これを協同組合に與えよう。それから寄魚、或いは鳥付、濃釣、こういうふうな特別なもの、これは瀬戸内辺りにあるのでありますが、こういう漁業権、それから第五には封鎖水面で行うところの漁業、前に申上げたような根付漁業と共に四つの種類以外の漁業、更にやな立養殖業、或いは「かき」養殖業、それから内水面において営むところの養殖業、こういうものを新たに設けまして、その権利を協同組合に與える。こういう点なのであります。大体これらの点を修正いたしますれば、公聽会における要望、或いは現地における各漁村の実態に即したものになり得る。こういう大体見通しの下に、この修正を加えた案を、実は御手許に差上げてあるのは前國会において確か差上げたかと思うのでありますが、原案に修正を加えられる点を拔萃てあるのであります。これが漁業権の内容において修正を加えようとする点であります。
 それから優先順位の点であります。これが第一次の優先には全村的な組合、或る地区の全体の組合が関係する、そうして自営するというようなものは、これは第一次優先にする。それから第二次優先には漁業生産組合をする。こういうことになつておるのでありますが、ただこういう第二次優先に対しましては、北海道は多少内地と事情が相違しまするので、北海道は御承知の通り大体地元の漁区の從業員というものは少くて、殆んど大半出稼ぎ漁夫なのであります。そういう関係上、これは生産組合は優先させない、こういう考え方を改めることにいたしました。
 それから第三には漁業権の補償の問題であります。あれは御承知の通り二年の後に全部國家が買上げるという場合の補償額の問題であります。これは原案におきましては二十年、二十一年、二十二年、二十三年、こういうふうな戰後極めて混乱しておる時代の大体漁獲を基準にしてそれに基くという考え方であつたのでありますが、その正確な資料が得にくいということと、もう一つは実際において魚價の関係なんかが変化しておりまするので、二十二年の七月一日から二十三年の六月三十日までの間における実態経営というものを水産廳において調査いたしまして、その資料が幸に完結いたしましたので、これに基くのが最も実情に即しておるのではないか、こういう考えの下に二十二年の七月一日から二十三年の六月三十日までの間における統計資料に基いて補償の基準とする、この点が変つております。
 第四には市町村漁業調整委員というものが原案には上げてあるのでありますが、これはいろいろ諸種の事情で、市町村漁業調整委員というものは取止めることになりました。これは協同組合が実施されて以來又漁業法改正が近く実施されるだろうというようなことの予想の下にいろいろな事情が起る傾向もありましたので、特にこれを取止める。又漁場の関係上一市町村ということでは解決がしにくい場合が非常に多いという関係もありますので、海区委員においてこれを行うというようなことにしまして、市町村漁業調整委員という構成を止めるということになりました。それから第四國会で協同組合法案が通過しまする際に、大体漁業法が根本法であるから、それとマツチしない協同組合法の内容については、これを改正しろということは水産常任委員会における御要望であつたのであります。今度協同組合と関連する点については、協同組合法も一部漁業権に伴つた点は修正を加える。大体こういうことで今度の修正案を檢討いたしまして、目下関係方面と折衝を進めておるのであります。経過を申上げますと、実は当初修正を加えたものではどうも司令部への折衝もむずかしかろう、むしろ原案で出したらどうかというようなサゼツシヨンもあつたのでありまするが、併し先程申上げましたように、それでは実情に即しないという点が多々ありますので、いろいろ折衝しましたところが、幸いに我々の要望を容れまして、目下それでは修正案について相談を進めようというようなことに相成つたのであります。できるだけ早く関係方面との連絡をつけまして、一日も早く國会に提出いたしたい、かように考えておるのであります。大体漁業法につきましては、簡單でありますが、以上の経過であります。
 それから只今委員長からも言われましたが、信用保証制度、災害補償制度、漁業保險制度、こういうことについて前國会におきまして、参議院においてこれを特に要望せられたのであります。爾來私共もこれらの制度について研究を加えておるのでありますが、新らしい制度であるのと、又その基準になるものがない、例えば農業のものを適用するというようなことは勿論できません。特殊事情が幾多ありますので、研究がなかなかはかばかしく行かないのであります。併し私共はできるだけその御要望に副うように努力をしておるのであります。実は申しにくいのでありますが、この國会に成案が出し得るかどうか、今のところはつきり申上げられないのでありますが、併し制度の立案については是非本國会中に上げて見たい。但しこれらの制度実施につきましては、財政予算の関係もありますので、その点も余程難関ではないかと思つております。これらの難関につきましては、委員各位の特別な御協力を仰ぎまして、そうしてできるだけ早い機会にこれが実施されるように運びたい、かように考えておるのであります。大体この法案、又制度の関係につきまして、以上で簡單でありますが、終らせて頂きまして、次に金融関係のことを申上げたいと思います。
 金融関係につきましては、第四國会におきまして、特に当常任委員会に非常なる御努力を願いまして、年末年頭にかけて、漁業手形が漸く実施されるというような運びになりました。これは全く当院の常任委員各位の特段なる御努力の結果と私は衷心から感謝感激しておるわけであります。その後の漁業手形の経過を簡單に申上げたいと思います。漁業手形は一月の十九日に、これが実施を見たのであります。その後期間も年度末までで非常に短いのでありますので、水産廳といたしましては、係員を関東、東北の各縣に派遣いたしまして、縣当局並びに金融業者の一致協力に俟ちまして割当を行い、そうしてそれが大体各縣とも地元銀行において割当額を引受ける、こういうようなことに相成つたのであります。そのうち、最も業者の苦痛を叫ばれておつた福島縣が四千六百万円に対して大体三千四百万円ぐらいしか見込がないというような報告であつたのでありますが、本朝の報告によりますると、大体明日にこれも決まるという報告を得たのであります。それから神奈川縣が千四百万円と思いましたが、これも最初は非常に滑り出しがよかつたのでありますが、途中でちよつと事情がありましたので、危ぶまれたのでありますが、この問題もこの程度に割当が決まつたのであります。青森、宮城、千葉縣はすでに割当額をそれぞれ引受けるというようなことになつておりますので、実は日もありませんので、その実施促進に、これが余程手続が遅れるというようなことになりますと、折角のこの重大な問題が水泡に帰するというようなことになりますので、水産廳としましても、年度末までには是非ともこれが全部活用をされるようなふうに努力する、又各業者に向つても要望いたしておるようなわけであります。お蔭で漁業保險についてはさような経過を辿つております。ところがこの漁業保險の制度に対しまして、全國各地におきまして、実は関東北のみに限つたということについていろいろ御批判があつたのでありますが、私共は勿論あの当時の事情として止むを得なかつた。さような施策に止まらなければならなかつたのでありますが、まあ取敢えず関東以北の揚繰網漁業が最も不況、不漁に悩んでおつたという点につきましては、これは他の業者よりも深刻であつたこと、これは間違いないのであります。私共としてもこれは先にしなければならないことは当然だと考えております。ただ保証額が非常に僅かで一億五千万円であるために、さような範囲に止められたのであります。その後是非ともあの当時問題になりました
 以西底曳網、それから「かつを」「まぐら」定置漁業、これらについても拡大強化をいたしたいというので、大藏当局とも実は折衝を進めておつたのであります。ところがあの漁業手形の資本は復金の支拂保証というのが主体になつておるのであります。この支拂保証の制度が拡大され、漁業手形の融資ということが確保できないとこういうことになりまするので、実は最近復金の問題が大分噂に上つておりまして、若し復金が廃されるというようなことになりました場合、若しくは復金が存在しましても、この政府出資が非常に少額になるというような場合に、果して保証が行われるかどうか、尚更に増額することが可能かどうかという点について、いろいろ檢討を加えました。ところが非常に危いのであります。それで実は先般も衆議院の委員長その他の金融関係の方々にいろいろ意見を求めて、一体保証制度のない場合に金融手形の実施はどうすればいいかと、こういう点も考えましたところが、やはり農業手形の方で馬鈴薯が新らしく加えられた。これは農業保險の対象になつておらん、そういう関係上、馬鈴薯に対する手形は業者のつまり農業者の團体と申しますか、連体と申しますもので積立金をして、それを保証に充てる、こういう制度でやつております。若し保証ができないということになりますれば、そういう積立制度の活用というようなことに行くべきじやないかというような意見もあつたようであります。併しただでさえ困つておる漁業者が積立金をして、そしてそれを保証するということも、これは非常に困難でありますが、尚その他にいろいろ復金の保証が継続できる場合は、これが強化拡大には困難でありますが、いわゆる復金、そういうような場合には、ここに改めて対策を立てなければならんという事態に只今なつております。漁業手形については大体これで……。
 それから昨年の二十三年度におきましては、一体どのくらいの資金が水産に融通されたかということを申上げますと、復金関係において総額で三十億であります。で、水産廳が最初計画いたしましたのは八十億、復金資金を八十億融資して欲しいというのが、水産廳の二十三年度における総額でありましたが、いろいろな事情で実際に融資されたものは三十億でありました。それでこれは三月の十二日現在でありました。それで尚あと一億ばかり殖やし得るのじやないかということで、いろいろ折衝しておりますが、まだ決定しておりませんが、若し一億加われば三十一億と、こういうことになります。
 復金融資の方は大体沿岸漁業関係はないのであります。南極捕鯨がそのうち十億入つております。特別、司令部の関係もありますので、これは優先的に、二十億があとの「かつを」「まぐろ」或いは底曳ということになつております。この点は國会にも沿岸漁業に対する融資の点については、種々御批判を受けておりますが、復金の、沿岸の漁業にはなかなか出し難い、沿岸の方には出ておりません。沿岸に対する金融は農林水産復興資金と、この方で賄うというような形になつております。この復興資金の方は実は二十三年度において、第三四半期と第四四半期に四十億を永江農林大臣当時出すということになつておりましたが、実際に出されたのは二十億であります。第四四半期まで入れてつまり半額になりました。最初四十億の場合、一億五千万を水産に出すという計画になつておりましたが、二十億になりました結果、水産の方には大体五億七千万円になつております。これがつまり沿岸漁業関係、つまり漁業協同施設、船だまりの新築というような方面にこれが使われております。これが沿岸漁業関係であります。九億五千万円の計画に対しましては、むしろ割合からいえば、水産の方は農林関係の方を食い込みまして、水産の方は少し率がよくなつたということであります。大体二十三年度の金融の計画はこんなものであります。
 ここで予算関係をちよつと金融と合せて関連がありますから、予算関係を簡單に申上げたいと思います。勿論予算関係につきましては、まだ確定ではありません。併し大体昨日農林省におきまして、大体内定をいたしましたので、その内定した分を申上げたいと思います。從つてこれは國会に予算が提出されて変化があるかも知れませんが、現在の、省において内定した内容につきまして、水産廳が要求したのは総額において約十九億であります。二十四年度の水産廳の……。但し公共事業関係は除いております。それから漁船保險の特別会計の方も、これも除いておりす。一般のつまりその他の公共事業費と特別会計による漁船保險、これを除いたものを十九億要求したのでありますが、司令部並びに大藏省の査定の結果は、甚だ香しくないのでありますが、大体六億四千万円、二三%であります。この額については、私共としましても誠にこれは漁業界に対しまして相済まん。何とかして五〇%ぐらいの額を確保したいというような考えの下に相当の司令部の協力を仰ぐべく努力したのでありますが、遺憾ながらかような結果になりましたことは、これは誠に遺憾に堪えないと思います。六億四千万円の外に、公共事業費として、只今のところ七億八千万、つまり四百九十五万の公共費ということになつた場合には、水産の方には、七億八千万円ということになつております。これは御承知のように漁港又は船だまりという関係であります。それからその外に特別漁船の関係としまして、二億八千万円あるのでありますが、これは特別会計であります。但し漁船保險につきましては、司令部において、非常な特別会計であるということに対して意見があるのであります。これは現在のような漁船保險の制度は感心しない。何とかしてこれを分離して、つまり漁船保險組合に自営させるという方向に持つて行くということを言われております。併し漁船保險の設けられたのは、一般の保險会社では取扱いにくい漁船に対して、漁業者の経営を安定させようという考えからこれは生れたものでありまして、我々といたしましては、何とか比較的小型の漁船が多いのでありますから、これは何らかの手を以てやはり持続するようなことが絶対必要だと、かように考えております。これが対策について目下研究中であります。予算は大体さようでありますが、それでは資金関係はどうなつておるかということになりますが、ところが御承知のように資金の方は殆んど現在のところ目算が立つておりません。復金に対する、つまり政府の出資金というものはまだ決まつておりません。これは大体は復金は七百億くらいはなければならん。七百億の場合に水産に対して大体先程申上げましたように、現在要求しましたのは百億のうち八十二億を施設にして、運轉資金に十何億、こういうふうな要望をしたのでありますが、これは併し今のように殆んど資金計画は立つておりませんのと、それから復金の資金の政府出資が三百億になるというようなことの場合には、殆んど水産に対しましては余裕がない、こういうような実情なのであります。ところが貿易の繰入金を、今日の新聞にもありますように復金の資金に換える、貿易の黒字を一般会計に繰入れて資金にするというようなことを聞いております。我々といたしましては、いずれにしても昨年ですら八十億の要求を出したのでありますが、少くも今年も昨年程度の資金はどうしても必要だということは要望しておりますが、実際幾らにそれがなるかは今のところ見当がつきません。
 それからもう一つは農林復興資金の方でありますが、これは六十億ということになつて、六十億の場合には大体十六億五千万円くらいは水産の方へ持つて來るということになつておりますが、この六十億が果してこの通り行くかどうかということもまだ決まつておりません。でこれらの経過につきましては、又判明次第御報告もいたしますし、又一層我々も努力して、これが要求の六十億の場合、十六億というような程度のものは是非とも頂きたい。つまり二十三年度においても、僅かに第三、第四で約六億に近いものを出して貰つたのでありますが、それが非常に少額に過ぎたようなわけでありますので、少くも十五、六億は來年は貰う、かように考えております。大体資金計画としてはさようなところであります。
 それからその次には資材の問題でありますが、資材関係は御承知の通り單一爲替レートの設定によつて、非常にこれが円安と円高によつて相違がありますが、只今新聞に報道されているように、三百円乃至三百五十円の程度と、こう考えた場合に、三百円、三百三十円、三百五十円というようなふうに段階をつけて、水産の資材の値上りの場合を予想して見たのであります。それによりますると、御承知のように、綿糸は現在八十四円というような率になつております。それからマニラは七十八円、重油関係は三百三十円から三百九十円くらいになつております。大体主要なものはそれらでありますが、從つて燃油類は爲替レートの設定によつて必ずしも大きな影響はないのでありますが、綿糸、マニラにおいてはそこに三倍乃至四倍近い値上りというような事態が起るのであのます。仮にさような事態が起つた場合に、一体漁業者の負担がどういうことになるか、こういうことを考えて見ますると、漁業経営費の膨脹から行きますと、大体最低一割五分、最高三割というような程度であります。つまり現在の爲替レートの設定によつて漁業経営費の増額というものが、経営費の一割五分乃至三割程度のようであります。それで仮にそれだけの経営費が膨脹した場合に、漁獲が從來と同じだとすれば、一体魚價をどの程度に上げなきやならんかということを仮定して見ますると、やはり魚價もつまり以前と同じだけ、爲替レート設定後も同じというような前提の下に考えますると、これも一割乃至三割、つまり経営費の膨脹と大体同じような率です。ですから爲替レートによつて何らのそこに補給金なり、或いはその他の調整がなければ、少くも漁業界としては三割以内の犠牲になる、こういうことであります。で、資材はガリオア物資ということになつておりまして救済的な物資になつておるのでありますが、我々といたしましては、補給金によろうが、或いは救済物資によろうが、とにかく現在以上に負担を増さないような方法に一つ進みたい。これは安定本部におきましても、いろいろ相談しております。レート関係はそうでありますが、それから量的見通しはどうかということになるのでありますが、量的には大体燃油にしましても、絹糸にしましても、それからマニラにしましても、現在の需要量に約近いものになる。二十三年度におきましては、御承知のように燃油は約五十万キロ、それから綿糸は御承知のように八万梱、それからマニラは五千万ポンドということになつております。ところが綿糸は大体戰前でも一般の一年の消費は六万梱、昨年の八万梱は、特配があつたので八万梱になつたのでありますが、これは永い間不足をつげて來て、不足の蓄積がといいますか、不足の積み重なつたものがあつて、昨年はやはりそれぐらいのものを消費したのでありますが、本年は大体六万梱ぐらいの見込のようでありますが、これは一年間の需要を充たすのに大体足りるのであります。それからマニラの方は昨年五千万ポンド入れましたが、これも御承知のように一昨年は僅かに百八十万ポンド、一昨年までは殆んどマニラというものは入らなかつた状態であります。それで昨年五千万ポンドというように非常に入れたのでありますが、本年は大体三千万ポンド程度ではないか。三千万ポンド程度であれば、一年の需要額は大体充たし得る、こういう見当であります。從つて燃油の方も前年と増加はないようでありますが、これも減ることは大体ない。量的に見まするとまあ大体マニラ及び綿糸においては差はありますけれども、併し需要量においては大体九〇%以上のパーセンテージになつておる、こういう状態であります。資材関係は大体さようなわけであります。
 それからその次には統制の問題、一番問題でありまする水産物の統制の問題でありますが、統制に関して簡單に申上げますが、統制の問題につきましては、すでに野菜のごときは四月一日から実施されるような状況になつております。水産の方も、その後統制が必ずしも完全に行われ、又統制の結果が、一般民衆生活に非常に貢献をしているとは考えておりません。從つて我我といたしましては、何とか統制が廃止することができないならば、少くも現在の統制方式内でできるだけこれが弊を矯めて、そうして撤廃の方向に進めたい。かような考えで、実は一般にクーポン制といつて呼ばれたのでありますが、あの案で進めたい。実は昨年來あの案を実施すべくいろいろ努力したのでありますが、その当時の情勢は必ずしもこれを許さなかつたのでありますが、併し今日は、すでにどうしても行わなければならないような時期に到達していると考えているのであります。從つて正式にこの問題を取上げて行きたい。是非ともこれが実現を期したい。若しあの統制方式の改善ができますならば、生産方面におきましては、價格が相当幅を持つということになつて、生産者に或る程度の生産意欲の向上を來たす、或いは経費の負担を多少とも軽くみることができる、又生産も増強できる。それから消費の面においては、御承知のように、自由にどの店からでも買えるようになる制度でありますので、現在の制度の欠陥である小賣商が生産者のものを荷受機関に対する引取りを拒否しておるような極めて不自然な欠陥が生れて來る。又これによつて生産者はマル公を二割も三割も、甚だしいのは四、五割も下廻るというような実情である。これは全く現在の制度の弊から來ておるのであつて、こういう弊を除いて、そうしていわゆる消費者にその選択の自由を移すというような建前で、必要なときに、必要な店から必要な量を買える。こういう形に持つて行きたい。これが統制方式の改善に対する大体の方針であります。
 その他総合……つまり鮮魚、それから代替品である水産加工物というようなものをできるだけその枠を縮小して行く。現在すでに豊富になつたもの、或いは中には過剩になつたものというものもあるのであつて、例えば「こんぶ」とか、佃煮のようなものはできるだけ外して行く。どうしても資材の関係上、外すことのできない、或いは大衆に最も関係の深いもの、そういうものにできるだけ少数に限る。こういう考え方で進みたい、かように考えております。
 大体統制については以上のような考え方であるということに御了承を願います。その他輸出のこととかまだありますが、大体の概況はこの程度で、若し御質問があればお答えいたしたいと思います。
#4
○委員長(木下辰雄君) 次いで中川安本政務次官から、只今水産廳長官から大体の御説明がありまして、公共事業費の問題が七百五十億から五百億に減つた。その場合に水産の公共事業費として十億六千万円から七億七千万円に減つたというようなお話がありましたが、その当時失業救済の方にたしか百五十億と聞きましたが、その場合において水産の方面の失業救済にどのくらい充てられるかというような問題、又安本から見られた生鮮食料品の統制の問題、或いは水産物に対する取引高税の問題というようなものが、分りましたら御説明願いたい。又爲替レートを設定した場合に、今長官のお話がありましたように、資材の輸入が非常に膨脹しますが、即時するものであるか、或いは決定して一年なり、一年半なり余裕を置いてやるものであるか、その点も分りましたら御説明を願いたい。
#5
○政府委員(中川以良君) 最初に公共事業費の問題でありますが、これは只今長官から詳細に亘つて御説明がありましたので、重複する部分は抜かして頂きますが、当初政府といたしましても、公共事業費は少くとも九百億ぐらいは是非確保いたしたいものと念願をいたしておつた次第でありますが、只今の情勢では関係方面において五百億程度より増額し得ないというような誠に遺憾な事態に直面いたしておりまする次第でございます。これに関連いたしまして、予算全体の問題が只今非常な難航を続けておりまする次第でございまして、私共が当初考えましたことは、日本経済の復興のもつて行き方でございまするが、これは経済復興五ケ年計画を立てまして、日本の戰後におきまするところの、このインフレの姿を漸次スローダウンして参りまして、昨年は御承知の通り一昨年より非常に好轉して來た。本年は昨年より更にこれを好轉させ、昭和二十五年におきましてこのインフレを終熄せしめると、併しその間において、復興においてもできるだけの復興はこれに並行をして続ける、即ち済し崩しのインフレ終熄、その間に復興も徐々に続けて行くという考え方を持つたのであります。計画から申しますると、昭和二十八年には日本の鉱工業生産を昭和五年―九年の水準に返しまして、一三五%までもつて行く。又日本の水産の生産を一〇六%までもつて行く。これに伴いまするところの輸出を十六億五千万ドル、輸入を十七億五千万ドルを見込みまして、國民の生活水準は当初一〇〇%を見たのでありますが、種々の関係から八〇%にこれをもつて行くという考え方の構想を以て進んで参つたのであります。ところが御承知のごとく、過般ロイヤル長官が参りまして、同行して参りましたドツジ公使が日本に滯在いたしまして、あらゆる面から日本の経済状態、財政金融の関係を檢討いたしました結果、新聞にでもすでに皆樣方御承知のごとく、非常に強い意向が出て参りまして、即ち今日日本の復興は生産が増強をしているけれども、その陰には全部國の財政の赤字で以てこれを補つているじやないか。その赤字は國民の嫌がる税金を以て負担をしているではないか。而もそれをカヴァーするものはアメリカ國民の嫌がる税金を以てカヴァーしているのだ。かような状態においては、ここに爲替の單一レートを決定するにしても、これの維持が困難である。又外資導入を期して待つべきではない。先ず第一に通貨の安定をやり、財政の健全なる均衡に邁進をして、安定第一主義で進まなければならんということを強調したのであります。そこで非常に構想が変つて参りました。ただ私共はこの理論は全く敬服すべき点もございまして、從來の日本の産業事情、殊に傾斜生産を以て行われましたところの重点産業におきますところの経営の放漫ぶり、いわゆる企業の合理化、経済界に対しますところの努力の極めて足りない点、又これに伴いまして、労働者側の熱意のまだまだ不足しております点等が全くドツジ公使が指摘したその通りでございまして、私共大いにお互いが反省をしなければならんと存じております。ただ急激にここでこの安定政策を実行した場合には、いわゆる安定恐慌がここに起りまして、各企業の倒産が続出し、國民の家計にも非常に大きな影響を與え、而も國民思想上に及ばしますところの種々の影響等を考えますときに誠に寒心に堪えないものがあると存じまして、この点はいろいろ実情を披瀝いたしまして、関係方面の了解にも努めて参つた次第でございます。ところが予算面におきまして、如何な工合にこれが反映をして参るかという点でございますが、大体……。速記を止めて。
#6
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#7
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#8
○政府委員(中川以良君) 統制の問題でございますが、これは今日各鉱山の整理、又官廳の行政整理等は一に只今の統制機構を如何に整備改善するかによつてこの限度が決められることと存ずるのであります。今日統制経済がプラスの面よりもマイナスの面が大きく出ておりまする点は誠に否めない事実でございまして、私共は統制せんがための統制を決してやつておるのではなく、統制する必要のない需給のバランスのできた物資は一刻も早くこれは統制を外す。更に一般國民の生活に直接たいした影響のない物資等につきましても、これは統制を整理して行く。尚又統制の極めて困難なる物資、今日の行政能力を以ちまして到底統制いたしましてもその効果の挙らないという物資に対しましては、これは統制を整理するというような考え方を持つておる次第でございます。さような意味におきまして、只今一部の價格統制のごときもできるだけこれを外しまして、今後の統制を残す物資におきましても、統制機構なり樣式の中に飽くまで自然の力、即ち競爭原理に置いた、その姿に改善して参りまして、今後想像されまするところのいろいろな企業整備におきましても、いわゆる本当の正しき自由なる競爭の下にこれがどこにも恨みつこのない整備の姿にもつて行くということは、即ちこの統制樣式の改善に俟つより外はないと考えております。從來戰爭中にやりましたような官廳が机上の計画を立てまして、企業整備をするというような一方的のやり方はいたしたくないと考えております。かような意味におきまして、只今長庁のお話のごとく水産面におきましても、幾多統制を改善整理し、これを簡素強力いたしまする点が多々あると存じます。かような面におきましては、水産廳と御協力をいたしまして、でき得る限りこれを明朗化せしめたいと念願をいたしております次第でございます。それから取引高税のお話がございましたが、この点は只今大藏省の方でいろいろ檢討を加えておりまして、私から明確なことを申上げる段階に達しておりませんので、さよう御了承を頂きたいと存じます。
 最後に漁業方面の融資の問題でございまするが、これは先程長官も非常に御心配になつたのでございますが、私共もこの点は非常に懸念をいたしております。殊に漁業の融資につきましては、一般産業の融資とは特別の事情にございまして、殊に一般市中銀行が容易し融資し得ない特殊事情を持つておりまする関係上、今後の漁業の融資については、格段の努力を拂わなければならんかと考えております。殊に從來は農林漁業復興資金融資暫定措置によりまして、これを賄つて参つたのでありますが、先程お話申しましたごとくこの予算の編成に伴いまして、恐らく今後は復金に対しまする政府の融資は全部これを打切られると存んずるのでございます。そこで然らば如何なる方面からこれを融資を仰ぐかということになるのでありますが、当初私共は日本の明年度の各産業関係の資金といたしましては、設備資金が千九百億、運轉資金二千億、三千九百億の資金は獲得しなければならんというふうに考えて、復金或いは公債、地方債等も考えておつたのでございまするが、復金債は全然駄目となり、更に長期公債にいたしましても、或いは地方債にいたしましても、相当これは嚴格なる査定が行われまして、当初考えたような十分なる額は望めないような状態に立ち至るのではないかと存んぜられるのであります。さようになりました場合に、先程お話いたしました復金債なり公債なりを貿易資金特別会計の黒字を以て償還をいたしますると、市中銀行の手許はそれだけ融資の額が殖えて参る恰好になると存じます。それを銀行自身は今後は銀行自体の責任によつて融資を実行し、又企業方面は企業自体の努力によつて銀行の信用をかち得て、この融資を図るというような姿に向つて行くと存んじます。但しこの間政府におきましては、銀行業務をできるだけこれを嚴重に監督、監査いたしまして、而もこの融資の方向が國の復興、産業の再建に最も必要なる面に流れるようにこの指導をするということに相成るのではないかと存んじます。併しながら水産業のごとき特別事情にございまする特殊関係の融資につきましては、やはり何んかの措置を講じまして、別個にこれを考慮すべきものであろうと只今私は考えている次第でございますが、こういうような面も漸次檢討を加えまして、今後の水産業の発展に対しまして遺憾のないように処置をいたしたいと考えておりますような次第でございます。大体只今のところは詳細に亘る御説明をいたし難き現状に置かれておりますので、以上の説明を以ちまして御了承を願いたいと存ずる次第であります。
#9
○矢野酉雄君 中川政務次官の誠意に満ちた御説明はそのままの條件において一應諒としますけれども、これは随分と、安本当局は水産業の、殊に金融措置問題については率直に言うと、今までは継子を誤れる継母が取扱つたように非常に冷淡極まるものがあつた。よし形容詞的な弁疏が如何に行われていようとも、事実の面においていわゆる復金のあの厖大なる資金の中から一体どれ程の金融をしたかという一事だけを以て見ても分るし、或いは農林漁業復興資金暫定措置の立場から考えて見ても、当初四十億の熱望が僅かにその半額の二十億になつたということは最前の飯山長官からの言明によつても昭々たるこれは事実であります。なかんずく沿岸漁業に対しての復金の融資のごときは、全く全額の復金の水産業に対するいわゆる金融措置が大体四%に対して、その中の三%強くらいの程度の金融であつて、そうして一面においては主食と同樣に魚介は蛋白源の補給に大切であるといいながら、傾斜生産面に立つているところのあらゆる生産に対しては加配米をどしどしやる、而も補給源としてどしどし政府みずからこれに注ぐ、だから一面増長慢になつたような企業者、経営者が出て、そうして結論においては如何に炭鉱國管をやつても当初の予定したところの石炭の増産ができないという実に矛盾極まる結論が出ているのであります。それらの誤つた措置に対してはこれを根本的に修正するのに吝かであつてはならない、だから傾斜生産面を特別に保護して、その結論が決して当初の予定のごとき生産増加ができなかつた場合においては、それに対しては断乎根本的方針を是正しなければならんけれども、水産業界に対しては何らこれに対して恩惠どころか、要望の何分の一というような、実に冷遇的措置をとつたのであります。中川政務次官がこの水産業の必要性と、又これに対する金融措置の必要性と、更に熱意を以てこれに今後善処するという、その良心的のお誓いに対しては、心から敬意を表するものであるけれども、現実に見せつけられたところのあらゆる行政的措置というのは、実に寒心せざるを得ない状態である。少くも年間十五億万貫の漁獲の高を挙げない限りにおいては、我が國民の絶対に必要とするところの、その必要量の二分の一にしか達しない。であるから國民保健が由々しき事態に達するということは馬鹿でない限りにおいて、如何なる國の人々と雖もこれを容認するに違いないのであります。でありますから、私はこれは行政当局に対しても、水産当局に対しても、特に要請しておきますし、殊に安本は或る意味において片山内閣時代の遺産であつて官廳の上の官廳のごとき、実は誤れる一つの観念が置かれておりますが、その誤れる観念は是正しなければならんが、事実の上においては相当各官廳の要望をコントロールするという立場に置かれておりまするので、今まであらゆる傾斜生産その他の生産事業に比較して、水産業が金融面においても、資材面においても非常に疎かに取扱われていたという立場からよく現実を認識して頂いて、復金の措置ができないとすれば、いわゆるこの農林漁業復興特別措置の方法の枠を、これを水産資金のために拡げるために万全の努力をして頂きたい。それでそこに或る程度の手掛りがあれば、橋頭堡というべき一つの予算的措置がなされておれば、國会は國会の独自の権限によつて修正増額の方法がとられるけれども、何ら予算的措置がない場合には、國会では予算の発案権がないので、予算の獲得ができないので、この点十分三十億よりも四十億、四十億よりも四十一億という足場をしつかりとるために、万全の措置をとつて頂きたい。現在はまだ全く全部が行政的措置であつて立法府が全然関係しておりませんので、立法府に持つて行くまでのうちにもつと私は水産業の現実を訴え、殊に海流の異変、アイオン颱風の被害その他各地各所におけるところの漁業異変という、この特殊の現実を水産当局は十分に、安本或いは更に進んでは安本と水産廳が一体となつてGHQの関係、水産当局に対して、一層の、最後の五分間まで努力を私は要望して止まないのであります。今のままでは殊に最前安本政務次官が杞憂せられたごとく、我が水産業界の、遠洋漁業としての捕鯨船團は相当莫大な補助を受けておるから、これは続けることができるかも知れませんが、殆んど漁獲の八五%を占めるところの我が沿岸漁業のごときは、恐らく金融の逼迫となり、金融の逼迫は当然漁船その他の必要な資材の逼迫となることは火を見るよりも明らかでありますので、私は本年末期に至るまでのうちに、大部分の者が破産に陥るであろうということを、これは推定ができるのでありますから、この点私は行政措置として格段の御奮発を願うように特に私を力をこめて水産業界の將來の正しい要望をここに代弁し、又國会議員としても当然その要望がなされなければならんということを認めながら、私みずから強くお思いをする次第であります。
#10
○千田正君 時間がありませんから簡單に質問いたします。三つばかり……。一つは今度の九原則によつて非常に圧縮された予算内において水産廳の御苦労も察しますが、原則的には漁港、船だまりの新規計画は罷りならんというようなことで、二十四年度の漁港、船だまりの新規築造は抹殺されたようであります。この中で我々一番考えなければならないのは國庫の助成金が出ないので、即ち漁民或いはその地方民が是非必要とするためにおのおの自己資金を集めて、その何分の一かを積立てても自分らの生業のために出願し、昨年の我々の水産委員会においてもすでに採決したものが数十件に及んでおります。こういうような問題を本年はできないとしても、いつやるかというような問題に対しても、恐らく水産廳は考えておられると思いますが、これは何らか追加予算か何かで出して貰いたい。我々が國会で採決し、而も國民の声として我々がこの議場で採決したものを何ら手を持つことなく、そのまま抹殺することは、我々漁民代表として誠に遺憾に堪えない次第であります。この点については將來如何なる方法を取られるか、この点を一つ伺います。
 それから先程矢野委員からも要求されておりましたが、資金関係は全く予定がつかない。復金関係は八十億も欲しいのであるがそれも駄目、農林中央金庫も十三億ぐらい欲しい、これも予定がつかない。これは政府或いはそうした金融機械においてはプランがない、予定がつかないといつて、そのまま放置するわけには行かない。というのは漁業は今日においても漁業をしなければならん。明日にでも資金を必要とする現在である。而も一方においては不漁対策に悩んでおる。こうした実体を掴んで仕事をするにあらずんば何ら意味がないことであつて、予定がつかないから、これは政府の指示によるということでは、どんどん魚は逃げてしまう。こういうことではいつまで経つても水産の金融面というものは確立しない、この点については何らかの手を打たなければならないと思いますが、特殊なる金融機関を設置する意向ありや否や、その点を伺います。
 第三は資材関係であります。資材関係におきましては、爲替レートの設定において相当資材の値上りが予定されておる。綿糸、ロープ、燃料、こういう面において一割乃至三割の値上り、それに伴う魚價の変動というような問題が起きて來ます。それに対しては一体どちらがその價格差を補償するのか、政府が與えるのか、政府が與える場合においては水産廳関係で與えるのか、それとも商工省関係で與えるのか、というような行政措置においてこうした價格差の補給金というものが漁業者の手に戻つて行くかというような問題、こういうものが速刻解決するにあらずんば、恐らく漁業法の改正問題が提出されておつても、何らその裏付となるところの資金、資材、こうしたものの確立したところの制度がなかつたならば、我が漁業界というものは正に崩壞一歩手前である。これに伴うところの人心の動搖又然り。今日程左右両立の大衆の思想の混乱期において、而も何ら措置がない場合に、我々は何を漁民に要求し、何によつて漁民の協力を得ようとするか、これらを考えますときこれは根本の問題である。この三つの問題について私は今後におけるところの水産廳でお持ちになるところの成算があるとするならば、時間がありませんから、簡單でよろしうございますから、一言長官の、或いは関係係官の御説明を頂きたい。
#11
○政府委員(飯山太平君) 只今千田委員から金融対策の問題、特別金融金庫の設立の問題、更に爲替レートの設定による水産業資材の補給金の問題、この三つについて御質問があつたのであります。
 御意見は御尤もと思います。私共全く同感であります。從つてここに具体的にこれが対策を決めていないことは私共として非常に責任を感ずるものであります。併し御承知のように、復金の資金が先程も七百億ということを申上げたのでありますが、それが大体二十四年度における復金資金の予算である。それが三億円となることにおいては政府出資が限定されます。それから特別融資の方の農林水産復興資金、これらが先程も申上げたように、貿易若しくは大藏省の預金部、これらから六十億ぐらいを大体借り得るという計画であつたものに対して、先程申上げたように、十六億五千万程度は水産に持つて行く、この折衝は現在更に続けております。若しこの復興特別融資の資金が可能である場合には、これは盡く沿岸漁業になるのであります。この資金は遠洋漁業には向かないのです。私共としましては、この点をできるだけ強く要望し、現在も折衝を続けておるのでありますが、具体的案としては現在はこの特別融資による十六億五千万の要求を貫徹するということ以外には現在持つておりません。從つて先程の漁港の問題、つまり船だまりの問題、それもそこに関連して來るのでありますが、幸いにこの復興特別融資の方ができればこの船だまり共同施設ということが主体になつておりますので、それらに対してはできるじやないか。勘だおこがましいのでありますが、この貫徹については私共の微力のみでは非常に困難かと思いますので、これは一つ別な機会において又御協力を仰ぎたいと実は考えております。それから、これが対策として特別……いわゆる復興金融金庫的なものの設立に至るかどうかということでありますが、実は、昨年農林省において、この特別融資を講じた場合に、あの特別融資の生れたのは、農林復興金庫を作るということに対する暫定的な処置としてあれが行われたということであります。農林省としましては、この農林水産復興金庫というものを設立して、そうして長期の農林水産業に対する資金の対策を立てなければならんという考え方はこれは変つておらんと思います。私共水産当局者としましても、この案の是非とも設立するようにこれが努力を今しつつあるわけであります。併しこの案は少くも百億なりの政府出資を必要とするのでありまして、これが実現には我我だけの努力ではなかなか困難だと思うのであります。
 それから今の第三の爲替レートの設定による、つまり漁業の補給金の問題であります。この補給金の制度は、これは安本において決められるのでありまして、水産廳が直接これが補給金を取扱うというようなことにならんのであります。私共としましては、当初爲替レートの問題が出たときに、安本との話合いで、水産については魚價を上げるというような対策でなく、できるだけ補給金の方で行こうということの大体話合いになつておるのであります。私共実はこのことについては、漁業者の方からの質問を受けたときに、その通りに御返事をしておるわけであります。この補給金はどういう内容で出るかということは私共知りませんが、できるだけ内容は補給金の取扱いで進めて貰うと、こういう考えでおります。簡單でありますけれども……。
#12
○委員長(木下辰雄君) 今安本からの御話がありますから……千田さんの御質問に対して補給金の問題についてであります。
#13
○説明員(佐藤哲彦君) 補給金の問題について申上げます。先程中川政務次官からお答え申上げましたように、予算関係において具体的な計数が我々に示されておりませんから、甚だ残念でありますが、我々もまだ新らしい予算案に盛られた資金によつて、産業資金をどういうふうにもつて行くかということにつきましての、具体的の数字というものを持つておりませんので、ここでお答えするわけに参らないのでありますが、極力水産関係、農林関係につきましても、やつて行きたいと考えております。今までたびたび水産長官からもお話もありましたし、政府出資が七百億であつた場合にはどうするとか、或いは出資が三百億になつた場合にはどうするとか、或いは農林漁業復興融資に百億ぐらいな政府出資が得られた場合にはどうするかというような腹案は只今まで立つておりましたけれども、新らしい事態につきましての腹案につきましては、まだ何もありませんので、只今一応懸命にやつておるところなんでありますが、現在持つて來ておりませんので、お答えできかねると思います。
#14
○委員長(木下辰雄君) どうですかね。大分御質問も多いようでありますし、大臣に対する御質問で、答弁できないような質問もあるようでありますからして、御差支がなければ二十五日、明後日の午後一時からゆつくり四時頃まで開いて、安本長官と農林大臣の出席を得て、本格的に一つ御質問願いたいと思いますがどうでしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○淺岡信夫君 私の方は、これは引揚問題に関しましての特別委員会ですから、ここで矢野、千田両委員に対しましても、この舞鶴のリンチ事件の問題で証人を二十数名喚問しておるのであります。それは二十四日と二十五日の両日に亘つてやるのですから、これはなかなか勿論水産金融の問題も重要でありますが、この点も地方の証人を喚問いたしておりまして、それに殆んど二十五日までかかるではないかとこう思います。
#16
○委員長(木下辰雄君) どうも空きませんか。
#17
○淺岡信夫君 四時までやると思います。
#18
○青山正一君 質問も大分あるようにも思われますし、これからずつと続けて頂けば結構でありますけれども、大分陳情者もお見えになつておりますから、その方もやつて頂いたらどうかと思います。若しこれの継続会を明日か二十五日の朝にして頂けば……明日できなければまあ併し近いうちに一つやつて頂くように希望いたします。
#19
○委員長(木下辰雄君) 二十四日の日が空きます。
#20
○淺岡信夫君 二十四、二十五と両日ございます。
#21
○委員長(木下辰雄君) 二十五日の午前十時からしませんか。
#22
○淺岡信夫君 これはちよつと私の見通しでは相当大きな問題ですから、なかなか困難ではないかと思うのですが……。
#23
○委員長(木下辰雄君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#24
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて、それでは二十五日午後一時から水産委員会を開きまして、農林大臣、安本長官の出席を求めまして、そしてこれに引続いて水産金融の問題、例の農林水産金庫設置の問題とかいう重要問題もありますからして、そういうものに対して皆さんの御質問をお願いいたしたいと思います。で日本はこれで大体終了しますが、廣島縣から淺岡委員の紹介で陳情いたしたいということでございますので、許可して構いませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(木下辰雄君) 御異議ないようでありますから、では簡單に陳情をお願いします。
#26
○淺岡信夫君 廣島縣の「かき」の養殖の組合の馬本、金森、中西、山下のこの四名の役員の方々が見えておられるのであります。この問題は「かぎ」に対する從業者の加配米の問題と、それからその養殖に要する針金並びに油の問題であります。過般これは委員会に私御報告申上げておりませんが、西山委員と共に廣島、愛媛、高知縣に國会から派遣されまして、その当時親しく廣島におきまして、この「かき」養殖の面を見たんであります。そのときにも縷々陳情があつたのでございまして、そうしたものを一括して廣島から見えたんであります。どうかその陳情を委員会におきまして掛けられ、その達成にお力を頂きたいということをこの委員会に要望いたしまして、非常に簡單でありますが。馬本さん簡單に御説明願います。
#27
○説明員(馬本庄一君) 各委員御政務誠に御多端に渡らせられております今日、我々に貴重なるところのお時間を拜借さして頂きまして、我々「かき」養殖業者を代表いたしまして、衷心より深く謹んでお礼を申上げる次第であります。御承知のごとく「かき」は今や全國的にその増産の一途を辿つておるような実情でありますので、又この養護價値はすでに皆さんに十分御承知して頂けるものと思うのであります。將又終戰後におきますところの進出方面はすでにマライ、上海、濠州或いはシンガポール、アメリカという各外國に、その輸出を今や活溌になさんとしておる情勢に入つておる次第なんであります。このときに当りまして、どうした行き違いか、考え違いか我々には分りませんのでありますけれども、この「かき」養殖業者に対しては、いわゆる加配米の制度がないのでございます。先般我々はこの実情を廣島縣の経済部長に陳情いたしまして、事実がそこに認むるのだからして、それでは何とかしてこの本縣で賄つてやろうということで、加配米を頂いておつたのでありますけれども、それは段々食糧事情の窮迫に鑑みまして、すでに姿を消しますと同時に、リンク制によりますところの、僅かなる加配米を貰つておつたのでありますけれども、「かき」は御承知の通り本年度より統制撤廃という方面に入りましたので、統制関係がないからリンク制度も廃止されまして、全然今では加配米制度を失つておる実情なんであります。恐らくこの加配米を頂いておりますところの重労働者は、その制度を考えて見ますときに、全國におきまするところの、最も重労働と認めておりますのは、炭鉱並びに浜仲仕という程度のものが、誰しも考えられる問題でありますけれども、この廣島におきます、全國におきますところの養「かき」業者のその労働範囲内では、いわゆる加配米を與えることのでき得ない経労働であるというふうに考えておられる向きも多々あるのではないかと、私は考えておるのであります。この我々の作業状態は御承知のごとく浜仲仕と炭鉱夫と相兼ねましたところの重労働を重ねております。いわゆるあの冬の寒空に、夜間眞夜中に沖合に出まして、下におりますところの「かき」を何百貫ということなく船に積込んで、それから帰りまして、夜が明けて船より陸揚げをするというのであります。そうして「むき子」という女たちも雇いまして終日それをむかせて、その捨てました殻はこれを全夜を通しまして種付け場に運んで行かなければならない状態であります。炭鉱夫は恐らく夜間にやりましても、晝は休ませて頂けると思いますし、どんな工場におきましても、夜業をやりますと必ず晝間は休ませて頂ける関係にありますけれども、我々は家庭におきますところの自家労働でございますので、自然我々は夜間働きましても、ぶつ通し晝間もそれを継続している状態なんであります。それが養殖なるが故に加配米を頂かれない。更に今一サラリーマンですから、本年度におきます新米穀年度におきますところの恩惠に浴しているという状態でありますのに、我々はこの過重なるところの労働をしておりますが、我々にそれがないということ、実際に情なく残念に考えておる次第なんであります。この業者は今や相当の増産をいたしまして、再建日本の一翼を担つて、この栄養價値をよりよく國民に供給しようとしておる実情でございますので、その点を十分御諒察願いまして、是非我々業者に対しまするところの、労働價値をよりよく増進をさして頂く意味合いで、到底この加配米がなければでき得ないのであつて、夜間におきまするところの一食は、当然我々もやらなければならない状態にありますので、この実情を十分御諒察を願いたいと思うのであります。それからこれにつきますところの、リンク制というものはなくなりまして、資材関係がなくなりましたといつて油……油のごときもお前らはすでに統制撤廃になつたという意味合いの上におきまして、油の配給がないということになりますと、自然我々は統制撤廃になつたが故に、油は必要がないのかということになりますので、よりよく只今申しましたところの「かき」の輸出面、あらゆる方面に増産をせんとしているときでありますので、より以上のこの熱望を必要とする状態に入つているような実情なのであります。
 それといま一つは、廣島縣におきまするところの、この養「かき」は実に針金の必要を痛感している次第であります。針金は御承知のごとく、今や僅かばかりのものを安本関係から頂いておるのでありますけれども、これは公が相当に高い関係上、それは生産ができ得ない実情に入つておるのであります。我々の最も要望しているものは、古針金のワイヤー・ロープのごとき古いものでもよろしいのであります。正に捨てられんとしているところの古い針金を我々に頂けましたら、よりよく活用することができると思うのであります。さりとてもあの炭鉱等におけるところの、ワイヤーの廃りではでき得ない状態でありますので、ただ中古品、一端を挙げて申しますならば、鉄道におきまするケーブルのあの針金というようなものが我々に與えられましたならば、よりよい増産の一途を辿ることについての一大資源になると確信しておるような実情でございますので、各位におかれましては我々の熱情をもお酌み取り下さいまして、是非そうした資材並びに加配米等をお考え下さいましたならば仕合せと存ずる次第であります。詳しく御説明申上げたいと思うのでありますけれども、各位御政務多端の折柄でございますので、簡單に申述べまして、皆さんの御了承を得たいと存じます。
#28
○矢野酉雄君 水産長官にお尋ねしますが、例の沿岸漁業の加配米の問題は、これは養「かき」なんかには全然適用する御意思はないのですか。如何ですか。
#29
○政府委員(飯山太平君) それは今度は加配米には……ちよつとさつき述べましたけれども、漁業用米制度というものは漸く今度できたわけです。これは四月一日から実施するということになつておりますが、定置に対しては一部は先渡しするというようなことになつておりますが、その他の漁業には入つておりません。要するに我々の方としてはやらないのではなくて、一定の枠の現物がないのです。水産廳としてはあらゆる漁業に……先程の陳情にもありましたように、水産の労働というものは、一般の陸上の人には見えませんけれども、我々から考えてもお話の通りだと思います。敢えて「かき」漁業といわず、各種の漁業におきまして水産全般が相当の重労働だと思うのです。併し加配米の制度が行われたときには、非常に米の少いときであつたために、現在我々が要望しておるのに現物がないのです。現物がないということになると、これはどうも我々としては仕方がないのです。その他ということで入らないのは、今度の改正では必ずしも入らないことはありません。一一挙げるわけには行きませんが、要するに現物の問題なのです。
#30
○矢野酉雄君 現物というと主食という意味ですか。「かき」なら「かき」が廣島縣なら廣島縣だけで、年間五十万貫なら五十万貫出されたという、その現物がはつきりせんというわけですね。
#31
○政府委員(飯山太平君) そうではありません。米の問題、主食の問題です。
#32
○矢野酉雄君 主食が全然……。
#33
○政府委員(飯山太平君) 全然ないのです。
#34
○淺岡信夫君 昨年からこの漁業用米の問題は、沿岸漁業の巾着網或いは定量とかいう問題につきまして、非常に大きく取上げられて來た問題でありますが、同時にこの「かき」養殖というような面に対しましても、これは私甚だ迂闊でそうした面を強く要望申上げなかつたのでございますが、その点に対しまして、沿岸漁業のこの漁業用加配米の問題、そうした点に対しまして、この「かき」業者、こうした面に対しましては、どういうふうなお考えを持つておられるのでしようか。これは得られるものかどうかという点を一つ長官に伺いたいのですが。
#35
○政府委員(飯山太平君) 淺岡委員の御質問の問題でありますが、加配米のことは先程お話し申上げなかつたのでありますが、時間の都合がありましたので控えたのです。実は沿岸漁業に対する加配米の問題は、昨年來実際業者の要望もあり、又國会方面にも要望もあつたので、安本、食管等といろいろ折衝を重ねまして、漁業用米制度というものが、最近内定したのであります。その中には沿岸漁業の定置であるとか、揚繰とか底曳というようなものの外に、その他の漁業という項目を加えたのでありますが、併しやりたいのは非常に多くて、実際我々としましては、全部の漁種に亘つて、先程申上げましたように、重労働という点から言えば、甲乙が付けにくいのじやないかと私は思います。水産の労働は殆んど重労働に属していると言つても差支ない。從つて重労働である以上は、加配米は当然あるべきだということになります。そういう見地で我々は要望しておつたのですが、要するに、この加配米の問題は毎年五月に決定されるということで、その途中であつたために、折衝が非常に延びておつた。ところが今度漁業用米制度というものが俄かに三官廳の協力によつてできましたので、これに基いて我々としては各種の漁業に対して、加配米の要望をして行きたい、かように考えているのであります。現在の食管の手持ちの食糧においては、現在以上に枠を拡げることができないのだ。こういうことで私共も現物がない。ない袖は振れんのだ。そういうことで今のところ私共も急にこの要求の解決ができないような状態になつております。併し五月の改正の場合に十分考慮しようということに話が決まつております。水産廳としまして、養「かき」に対しまして、やる意思がないかどうか。これはお尋ねを受けるまでもなく、我々としては水産業者のためにある役所でありますから、これに努力するのは当然であります。併しやはり漁業の種類或いは從業人員、いろいろな数量との睨み合いが要るのであります。從つて、水産だけ、この養「かき」だけについて、今やるというようなことはちよつと申上げにくいのです。考えることはできますけれども、現在直ぐやるのかということは今ちよつとお答えできないのです。
#36
○委員長(木下辰雄君) 本日はこの程度で散会することに御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり)
#37
○委員長(木下辰雄君) それでは本日はこれで散会いたします。次回は二十五日の午後一時から開会いたしたいと思います。さよう御承知置きを願います。
   午後零時二十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           淺岡 信夫君
           西山 龜七君
           田中 信義君
           江熊 哲翁君
           矢野 酉雄君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   水産廳長官   飯山 太平君
  説明員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局産業
   金融課)    佐藤 哲彦君
   廣島縣牡蠣株式
   会社取締役   馬本 庄一君
ソース: 国立国会図書館
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