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1949/03/25 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第3号
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1949/03/25 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第3号

#1
第005回国会 水産委員会 第3号
昭和二十四年三月二十五日(金曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産関係の予算、金融、資材、統制
 等に関する件
  ―――――――――――――
   午後一時十九分開会
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から水産委員会を開会いたします。ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#3
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。農林大臣からちよつとお話があります。
#4
○国務大臣(森幸太郎君) 委員各位に一言御挨拶を申上げたいと思います。御承知下さつておる通り、この度農林大臣の重職を受けまして農林行政に携わらして頂くことになつたのでありますが、誠に微力な者でありまして、偏えに皆樣の御支援をお願いいたしたいのであります。殊に経済九原則の実施に伴いまして、我が各種産業に影響するところ殊に重大であるのであります。殊に食糧問題におきまして水産関係の受持つ部面は特に重大性を加えて來ると存ずるのであります。從つて水産行政の上におきましては、一段の施設を要するわけでありまするが、誠に微力の者でありまして、この難局を突破するにつきましては、偏えに議員各位の格別なる御指導をお願いいたしたいと存じます。どうぞ何分よろしく御指導下さることを一言御挨拶を申上げます。
#5
○委員長(木下辰雄君) 一昨日の委員会におきまして、水産に関する法令、それから金融統制或いは又いろいろ金融機関の設置その他について農林並びに安本の当局から御説明がありました。それに対して委員の質問がまだほんの僅かでありまして、本日丁度農林大臣もお見えになつておりますし、皆さんの御質問をお願いします。農林大臣は二時頃から衆議院の方へ委員会に行かなければならんから、或るべく早く御質問願いたいと思います。
#6
○青山正一君 劈頭に一つ御質問いたします。歴代の農林大臣の中で最も水産に御認識のあるこの大臣の御就任中に、この水産関係のいろいろな懸案事項を解決しなければ、これはいつまで経つても非常にむずかしいと、こういうふうに私は考えておりますが、そういうような氣持で、反対党でありますが、私さえも絶大なる信頼を農林大臣に持つておるのであります。そういつた信頼の氣持で二、三の問題についてお聞きいたしたいと思いますが、先ず第一にお聞きしたいとこは、経済九原則と水産金融の関係についてであります。昨年の暮、経済九原則が発表されましてから、この金融の関係は殆んどゼロに等しいというような状態で、生産の上におきましても、或いは出荷の面におきましても、或いは荷受の面におきましても、殆んどゼロに等しい。いろいろな面に齟齬を來しておりまして復金の融資額も、先頃の第四四半期の分では、これは皆さんも御承知のように、僅か五億四千二百万円、或いは中金の方でも例年は一四半期ごとに大体二十億円から三十億円程度の融資があつたわけでありますが、昨年度は十四億九千万円、それでその中の二割ぐらいしか水産の方面に認められていないのであります。その復金融資というのも、今後は、或いはストツプの状態に陷りやせんかというようなことにもなつておるらしいようにも伺つておるのでありますが、この経済九原則というものは國家財政の自立というところに主眼点があるかも知れませんが、國家財政のこの自立も結局は産業の生産の増強というところにその意味合があるのじやなかろうか、こういうふうに思いのであります。ところがこういつた産業の生産の増強というものは、殆んどこの経済九原則には顧みられていないようなふうにも思われておるのであります。その点はここにおられる大臣も十分にお考えになつておると思いますが、例えば二月十五日から先に施行されましたこの協同組合法が実施されるわけでありますし、又漁業法の改正法も本國会に上程を見ようとしておるような状態であります。この漁業協同組合法でも漁業法でも、金融資金の裏付がない限り價値のないものだと、そういつた関係からして、お聞きいたしたいのでありますが、第一に、水産業協同組合に対しまして、信用事業を行うことを全面的に認めるかどうか、これは第一にお聞したい点であります。
 第二に、歴代内閣の農林省側の既定方針通り、農林漁業復興金融金庫というものを設けるかどうか、そういうふうな問題。それから第三に、漁業金融を保証する信用保証協会的な性格を持つた、つまり災害補償制度とか、或いは信用保証制度というふうな制度を設けるかどうか、これが第三の問題であります。それから第四の問題は、こういつたことがどうしてもできないのであるならば、せめてものこの水産金融の資金源といたしまして、中金の資金について相当額増額するよう日銀より積極的な援助を行うようできるかどうか。それから第五に、漁業手形を只今のところ関東北漁業、揚操漁業のみに実施しておりますが、例えば以西底曳とか、或いは「かつを」、「まぐろ」とか、或いは以東底曳とか、定置といつたような漁業、つまり全面的に全漁業に実施できるかどうか。又それを実施するとすればいつ頃になるか。こういつた点につきましてお聞きいたしたいのであります。
 それから第二の問題として漁業法の問題ですが、漁業法の改正の疑点についてお聞きするわけではありませんが、つまり漁業法の改正法案について、農林当局はこれはもう三年來、或いは四年來熱心にその筋と折衝しておりまして、第一次案から第二次案といろいろの案がいろいろ折衝の結果生れておるようなわけであります。そういうふうなことで、これは先般來いろいろ長官にも御意見を聞いたわけであります。こういつたことでは今後第四次案、第五次案、或いは第六次案と、恐らく第十次案ができましても、結局この法案が出る端緒を得るということは、なかなかむずかしいであろうと思うのであります。それでいつそのことこれは立法府に全部お委せ願つて、参衆両院の方で公聽会とか、或いは現地に公聽会その他生産地へ参りましていろいろ調査をするというふうなことで、万全を期してやるつもりでおりますが、つまりその筋でもそういうふうな意向があるようにも思うておるのでありますが、そういつた漁業法の問題を全部立法府にお委せする氣持があるかないか。そういつたことと、それと同時に、協同組合法の改正の上程の問題も、これはその当時希望條件になつておりましたのですが、つまり協同組合りに非常に改正すべき点があるが、そういつたものも今國会に上程していいんじやなかろうかと思いますが、それに対するお氣持、そういつた面について一つお聽きしたいと思います。
 それから第三の問題は、これは非常に簡單に申上げますが、統制の問題です。これは九原則によりまして、統制の撤廃、こういうことは恐らくこれは絶対に願われないことだろうと思います。或いはいろいろな周囲の事情、例えば連合軍からいろいろな資材を受けておる、そういつた関係から、なかなか統制の撤廃ということはむずかしいだろうと思いますが、それならば、撤廃できないならば、せめて統制方式を極端に何か改善する方法でも講じておられるかどうか。そういつた面について一つお聽きしたいと思うのであります。
#7
○國務大臣(森幸太郎君) 青山委員の御質問にお答えいたしたいと思います。お話の通り、経済九原則の実施に当りましては、生産の増強という面よりも、むしろ経済の安定ということに重点が置かれておるように考えます。併しながら我々といたしましては、今日日本の食糧事情から申しましても、是非重点を生産増強という方面に持つて行きたいと、かように考えておるのであります。從つて窮屈な九原則の下においてやる仕事でありまするから、十分な政策を行い得ないかとも存ぜられますが、できるだけその私共の考えておる氣持を実現いたしたいと存じておるのであります。
 御質問の水産の金融問題でありますが、水産業協同組合に対して、信用事業を行うことを全面的に認めるかどうかという御質問でありますが、私は協同組合本來の目的といたしまして、信用事業を行うことを全面的に認めるということが妥当であると考えるのでありますけれども、尚この問題につきましてはいろいろの事情がありまして、はつきりこれを全面的に認めるということを言明する段階に達しておらないことを御承知を願いたいのであります。尚農林漁業復興金融金庫を設けるかどうか、こういう問題でありますが、御承知の通り、甚だ皆様には申訳がないのでありますが、二十四年度の金予算の項目に亘つて御説明申上げる機会をまだ持たないような情勢にありまして、政府出資金に対しましても、その内容において尚檢討を加えなければならないような情勢になつておるのであります。当初この農林漁業復興金融金庫の問題につきましては、いろいろ中小企業に対する金融機関、或いは住宅建設、或いは農林水産個々別な金庫を設けることが妥当ではないかというお氣持は前國会にも表現されてありまするので、成るべくそういう方面に努力をいたして参つたのであります。併しながら今日は他の復興金融金庫が整理をしなければならんような段階に立つております。又尚この農林水産漁業復興に対して金融金庫を独立して設けるということは少し困難のような情勢にあるのであります。昨年は御承知の通り、中央金庫を通じまして、農林漁業復興金融の資金を融通したのでありまするが、この手続によりまして、二十四年度には相当額の資金を設けたい。かように今財務当局と折衝を重ねておるのでありまするが、然らばどの程度に額を持つて來るかという点につきましては、尚今はつきりいたしておらんのでありますが、昨年は御承知の通り、二十一億に切り詰められまして、誠に貧弱なものであつたのでありますが、それではどうしても今日の物價の状況から見まして、又事業の分量から見ましても十分ではないのでありまして、この点については、農林当局といたしまして折角努力を続けておりますので、御期待に副うようにいたしたいと考えておるわけであります。最後の手形の全面的実施をするか、どうかという御質問でありますが、今日一部にこの手形の実施を認めておるのでありますが、その成績を見まして、全面的にこれを行うことができれば、全面的にこれをやつて行きたい、かように現在考えておるのであります。
 漁業法改正法案につきましては、たびたび皆様の御審議を頂いておりまして、一応こちらの氣持も申上げて、皆様の御意見も十分に檢討いたしまして、今成案を急いでおるのでありまするが、今回協同組合法の改正も是非皆様の御希望に副うようにいたしたいという氣持で、原案を策定いたしておるのでありまして、近く御審議をお願いすることになろうと存ずるのであります。
 尚統制問題につきましては、御説の通り、成るべくならば、全面的にこれを撤廃いたしたいのであります。併し原料であるとか、資材であるところの油を、或いは漁網などを海外から輸入して、連合軍のお世話になつている関係から、考えなければならん事情もあります。又今日の漁獲の状況から見ましても、一般大衆に是非とも必要である、食生活の上に是非とも必要であるというような、いわゆる多く獲れて、これは殊に大衆向であるというようなものは、成るべく價格を安くいたして、一般大衆にこれを利用するようなことを、これを考えなければなりません。一部高級魚類につきましては、すでに統制も外しておるのでありますが、尚今日の統制が余りにも多岐に瓦つておりまするから、お話のように数段階にこれを区画いたしまして、統制を緩和するように考えて行きたい、かように考えておるわけであります。大体お答えをいたしたような氣持がするわけですが、尚不足の分は政府委員からお答えいたさせます。
#8
○矢野酉雄君 青山委員からの金融措置についての質問に対して万全を期して、農林当局としては力をいたすというようなお答えで結構でありますが、これは釈迦に説法でありますので、この一部行政官の中には、自然淘汰的に亡びるものは亡びても仕方がないではないかというような放言をさえ僕は聞いたのでありますが、これは非常に無責任極まる放言であつて、是非立法府と御協力を願つて、現在事業を行いつつある諸君が少くてもとにかく勇躍希望に燃えてその事業を継続して行くことができるような、その限度においては是非金融措置を何らかの方法で具現するということに全力を傾注して頂きたいと思います。
 それから第二の問題は、これは行政機構の問題でありますが、これは大臣みずから水産行政についても、水産業そのものについても十分の見識と御体驗をお持ちと思いますので、これ又敢えてくどくどしく申上げませんが、その金融の問題にせよ、或いはその他近く講和会議も開かれるであろうが、その講和会議を敢えて待つまでもなく、少い國民の蛋白源供給の根源になるこの水産業を盛んにするためには、いわゆる現在のマツカーサーラインを更に拡大して頂くという、これは強力なる一つの外交的、その他の方策を今のうちから十分に立てて置かなければならんと思います。それらの重大な問題、或いは今申上げた金融の措置、更には戰前に殆んど全部の資材面を同列に引上げるため輸入の懇請をするというような立場から考えて見ても、私はやはり水産行政をただ一つの所管事項とするところのそこに独立したる行政官廳を是非ここに実現したいと思うのであります。これは第一回國会の際も我が参議院の水産常任委員会は先ず小委員会において論議を重ねて水産省設置を実は可決したのでありまして、いろいろな状態から一応水産廳という機構を作るということに同調したのでありまして、果してこの水産省独立がこの現内閣によつて、而もこの特別議会において果して構想されつつあるかどうか。又今回の特別議会においてこれが実現ができない。提案を見合せるというならば、更に第二善の策として次の議会において提案する意思があるかどうか。これが第二点。
 それから第三点は、私は由來日本の水産業開発のためには結局最高の学を作ることと、一面には漁民諸君に科学的な水産の知識を普及滲透せしめるという二つの途を取らなければならんという主張をこの三十年來して來たつもりであります。そういうような観点に立つて私は是非今の大臣の際に水産大学をここに実現して頂きたいが、これは文部省と可なり折衝中であつたが、只今の段階においてはいわゆる文部省所管として水産大学を経営せしめるようになるか、或いは何か他の特別の方法で文部農林の両省においてこれを管理して行くか、どういうような形体になつておるか。その三点について、一番初めのものは希望でありましたが、その希望は大臣自身肚に入れて置いて頂くだけで結構であります。二、三点については御答弁を願いたいと思います。
#9
○國務大臣(森幸太郎君) 水産行政の拡充の点でありまするが、これは日本の國民性から見まして、水産業の重大なことは申上げるまでもないのであります。曾て私もこの水産省の設置を要望した事実もあります。併しながら漸くにして、水産廳というものが実現いたしまして、一応農林省の外局として独立の形を取つたのであります。今回行政整理の問題が提唱されまして、各外局もこれを内局にせなければならんというような意見も決してないではないのであります。併しながら私は水産廳におきましては、これを水産省に独立せしめるということは今回の各省設置法の設定の上におきましても責任を以てお引受はできないような情勢にあるのであります。むしろ水産廳といたしまして、その内容の充実強化を図る、そうして水産省と同じようにその行政の面におきまして、成績を挙げるように内容の拡充等に力を入れて行きたいとかように考えておるわけであります。尚水産学校の問題でありますが、これは昨年來いろいろ文部省に移管すべきものである。或いは農林省の所管に行くべきものであるという御議論も相当私も承つておるのであります。併し今日幸いに水産大学としてこれを認められるということになりましたことは水産教育の方におきまして、誠に喜びに堪えないのでありますが、まだこれが文部省の直轄として監督するか、或いは農林省の方においてこれを監督するか、まだその点がはつきりしておらないのであります。教育行政から申しますれば、当然文部省の所管に移すべきものでありますが、この水産大臣の性質から申しまして、これは農林省が所管をいたしましても差支ないのでありまするが、技術以外の教育をするという点から申しまして、文部省がこれを所管すべきであるという主張もいたすのであります。又いずれに單独に所管されるか、帰属するかはつきりいたしておりませんが、恐らくは両省におきまして、教育部面は文部省、そうして技術の方面におきましては農林省が責任を持つというふうになるのではないかと考えるのでありますがゐこれはまだ大学の審査委員会におきましてもはつきりいたしておりませんので、そのうちにこの問題は早く決定をいたしたいと考えておるわけであります。
#10
○千田正君 簡單に四つばかり御質問を申上げます。現在潮流異変によるところの不漁対策というようなものがしばしば現地からの誠に苦しい陳情が参つておりますが、これに対して、農林当局において何らの手を打つておらない。先般辛うじて「いわし」網の漁業手形が一応テスト・ケースという形においてなされただけであつて、その後定置或いは「かつを」、「まぐろ」、最も困つておるのは根付磯付の零細漁民、これが明日の生活に困つてどうしたらいいかという誠にその方途に迷つておるわけであります。毎日のように水産廳及び我々國会に対して不漁の土地から陳情が参つておるのでありますが、地方の当局としてはどうにも手をいたしようがない。どうかして農林当局その他において、何らかの方法において一面応援してやらなければならない情勢にあるのでありますが、これに対しては農林省として、何かの御方策があるかどうか、この問題。もう一つは、公共事業費が今度の経済原則によつて削られて、新らしい漁港、船だまりその他の漁村に対する設備ができない。ところがどうしてもそれがなければ増産もできなければ、増産どころではない、漁業が全然破滅に帰すというような漁場が少くない。これに対しては何ら新らしい施策が講ぜられておるようでもないのでありますが、これに対する將來どういうふうな御施策があるかどうか、この点。第三点としましては、資金関係が先般來問題にされておりますので、不漁対策につきましても結局資金がどうにかなればどうにかできる。ところが現実において復金の融資が正に停頓しておる状態である、或いは農林中央金庫の金融の枠もない。恐らく二十四年度の水産廳側として、全水産業を見渡して総合的に考えて、最低において復金から八十億ぐらいどうしても欲しい。或いは農林中央金庫関係からは、十三億乃至十五億の金融がなければ今後の漁業の継続が成立たない。而もこうした漁業というものは單なるどうにかしようということでは待つていられない。毎日の潮流の異変、或いは魚がどんどん逃げて行く。明日にも仕込資金がなければ成立たないというような事情でありますので、これに対しては先程非常に御都合のいいようなお言葉で、何とかし得るというお言葉で、青山君の御質問に対してお影えがあつたようでありますが、至急これに対する施策を考えなければならないと思いますが、どういう方法でこれを解決して行くか。第四は、資材関係であります。爲替関係がはつきりレートが決まつて参りますというと、大体想像されるところのものは、綿糸、ロープ或いは燃料その他の資材関係において、数倍の値上りを來すと我々は推測できますが、或いは値上りによつて生ずるところの魚價の改正を必要とするかどうか、或いは魚價を改正しなかつた場合においては、價格差の補給金はどういう方向において出せるか、魚價を改正せずに價格差補給金、全面的にこの値上りを補充するだけの價格差補給金を取れる見込があるかどうか、ないとするならば魚價において改正するかどうか、こういう問題におきまして、大臣としてのお考えを承わりたいと思うのであります。
#11
○國務大臣(森幸太郎君) 潮流異変によつて漁業に非常な惡影響を及ぼす場合が多いというお話、これは御尤もの次第であります。その問題を如何に対処するかという御質問であつたと存じまするが、大資本的な漁業に対しましては、相当金融の信用もつくと存じまするが、今お話のような根付磯付というような漁業につきましては、どうしても個人に対しまして金融を考えるということよりも、これらの協同組合の設置によりまして、そうして協同組合というものに向つての金融の途を講ずるように考えて行きたいと存ずるのであります。尚公共事業費の問題でありまするが、これは新聞等には凡そ発表されておるようでありまするが、まだ確定したものでないのであります。何分農業関係、或いは水産業関係、こういうふうな事業に対する助成、若しくは資金が公共事業というような一本の枠に定められてあることは非常に予算執行の上において不便を感じておるのであります。併しながらもともとこういうふうな予算整理の費目になつておるのでありまするから、今直ちにこれを分割して行くようなことはでき得ないのでありまするが、この水産に対する公共事業費の内訳でありまするが、これは今尚どれだけということは申上げられないのでありますが、この漁港の設備、或いは船だまりであるとか、そういうふうな特に長期の資金を要する面につきましては、できるだけ継続いたしてこれを執行いたしたいと考えておるのであります。折角今日までかかつておつたことが、今後この補助金の打切りのために、今まで投じました費用が無駄になるというようなことは、誠に経済上からも許されないのでありまして、そういうふうなものは重点的にこれを完成して行くということより、この経費の少い場合においては善処する途はないと考えるのであります。從つて生規にこういう公共事業費を使うものは、予算関係から第二位の点と考えて行くより仕方がないのではないかと、かように考えておるわけであります。尚資金問題につきましても、今日言明いたすことはでき得ませんが、私はこの農林漁業復興の資金といたしましては、昨年に与えられたような程度ではどうしても効果を挙げることができ得ませんので、これは相当額を昨年よりも増額して決定をいたして見たいと、かような大藏当局と折衝を重ねておるのであります。御希望のように八十億、或いは更に十二億というようなことをお引受することは今日の場合とうかと思いまするが、できるだけ巨額を求めまして、御期待に副うようにいたしたいと考えておるわけであります。
 尚この爲替レートの制定によりまして、資材の向上が予想される。これも誠に御尤もな次第でありまして、どの程度に爲替レートが決まりますか、今日まだはつきりいたしておりませんが、いずれにしましても、一本レートに決まりますれば、資材面において相当の値上りを余儀なくされることではないかと思いますが、それに対して魚價を上げるか、或いはその資材に対して補給するかと、こういう御質問でありましたが、輸出物資に対しましては、相当補給の途も考えられるのでありますが、併しこの資材が向上したがためにその業が持てない、経営ができないという場合におきましては、相当補給を要するのではないかと思うのであります。併し経済九原則の実施によつて、今日声明されておる点によりますると、補給金は一切ならんというようなことも話されておるのでありまして、その点に向つては非常に業者に対する打撃を考慮しなければならんのでありますが、輸入資材に対しましては、價格操作の点によつてできるだけ安くこれを供給いたすような途を講じまして、この打撃を幾らかでも少くいたしたいと考える次第であります。
#12
○江熊哲翁君 時間の関係上極めて簡單にお尋ねいたしますが、漁区の拡張問題の現在の状況と將來のお見通しについて大臣の御所見を承つて置きたいと思います。極めて重大な問題でありますし、関係業者はこのことに対しては一日も速かに拡張されんことを希望しておりますので、簡單でよろしうございますから、將來の見通しと現在どういう御方針で進んでおられるか、承わりたいと思います。
 それから漁船の建造が御承知のように全面的に一応停止の状態にある。尤も代船の場合はともかくといたしまして、一応停止状態にある。これは一例でありまするが、例えば水産業協同組合ができて、協同組合が仕事をする、つまり沿岸漁業の協同化を図ろうとする場合に、今ここに船を造ろうとする場合に、建造ができないというのが実情なのであります。これは非常に大きな支障になると思いますから、この漁船建造に対する今後の措置については如何なる御方針でおられるのか、このことを承つて置きたいと思います。
 それからその次に、これも非常に重要な問題で、或いは農林関係の方から大臣のお耳にはすでに入つておるかと思うのでありまするが、農林漁業用の燃油の問題であります。これは御承知のように、支給公団が月末を以て一応解散するわけでありまするが、一体水産用の燃油というものはどういうふうになさるおつもりであるか。つまりその配給ということ、需給についてはどういう方法を以てやろうとしておられるのか。これは非常に重大な問題であるが、縣によつては施設を持たない縣もあつて、余り関心を持たない県もあるのでありまするが、例えば宮城縣、或ひは宮崎縣、山口縣などもそうでありますが、相当水産業会においてタンカーの施設を持つておる縣などにおきましては、商人が如何にして配給をしようと思つても、それらの設備を彼らは持たないものでありますから、実質的には仕事のやりようはないのであります。我々は多年の苦心の結果、そういう施設を持つておるのでありまするが、その施設も、御承知のような措置によつて水産業会というものは一応その施設が死んだ恰好になつておることは御承知だと思います。そこに持つて來て今度公団がなくなるということによつて、更に具体的に申しますと、今後いろいろな会社が漁村に入り込んで來て、一応は競爭の形で漁民のためにサービスする点もあるかも知れませんが、いずれは元も子もなくしてしまうような羽目になることは分つておる。多年我々が協同組合を指導し、協同組合というものをやつて來たのでありますが、これは当然我々の機関である。つまり水産業協同組合法によつて新たに生れて來る縣漁連がその仕事をすべきであると考えておるのでありますが、この良について大臣はどういうふうに考えておられるか、そのことについてお伺いいたしたい。
 次に、終戰後四ケ年にもなるに拘わらず水産に対しては資源の培養ということについて何らの措置も講じない。これは私は重大な失態だと思う。資源培養については、法的措置を講じなければならん部門が非常に多いのであります。これを例えば飼料の問題、或いは人工孵化放流の問題、或いは工場排水の問題、或いは禁漁区の設定、或いは漁業の制限の問題、或いは資源の調査研究の問題、それから更に廣い意味で申しますと、海流異変というようなことが極めて一般的に唱えられておりますが、何ら科学的な調査研究はしないで放たらかしてある。こういつたようなことを考えますと、水産に関する限りにおいては、終戰後一向この資源というものに対する培養という方面からの関心が非常に薄い。ただもう獲ればよいのだ、獲ればよいのだと、こう言うだけで以て、政府は常に漁民の尻を叩いておるが、併し今基礎資源培養ということに対して早急に措置をとらなければいけない。私はそう信ずるが、一体農林大臣はこれに対して現在どういうお考えを持つておられるか。將來どういうことをなさろうとしておられるか、そのことについてお伺いいたしたい。
#13
○國務大臣(森幸太郎君) 大きい御質問でありますので、果して御満足な答弁ができるか危ぶむ者でありますが、この漁区の問題でありまするが、これは一日も早く拡張をして貰いたいのでありまするが、國際関係の事情から、そうこちらの望むように簡單に許されないような事情もあろうと察し得るのであります。併し、先般も連合軍から注意を受けましたようなことがあつたのでありまするが、許されたる漁区を忠実に稼ぐということを彼らに、あちらに認めて貰つて、成る程日本はこれだけの領域においては許して置くのだというこの許されたる領域に、忠実にこれを守つておる場合においては、余程連合軍といたしましても、これを拡張する区域に対しまして、考えを持つて呉れることだろうと思うのであります。併しながら許されない領域まで、ややもすれば入つて來るということを叱言を頂戴するような情勢でありましては、この点まで漁区の拡張を許してやつてもいいかと向うが考えられましても、更にそれ以上にこちらが侵して行くというようなことを向うから想像された場合において、甚だ不利な立場に陷るのではないか、こう思いますので、農林省といたしましては、許されたる区域を嚴守いたしまして、そうして一歩も区域外には出ない、眞面目に許されたる範囲において稼ぐ、稼働するということを認められて、そうして成る程日本の漁業者は忠実にこちらの指令に從うのだということを信用を受けるようにいたしましたならば、やがて漁区の拡張も承認されるのではないかと思うのであります。これは勿論一方的の考え方でありまするが、政府といたしましては、できるだけこの漁区の拡張をその方面に要請をいたしたいと考えておるわけであります。
 尚漁船の問題についてでありますが、御承知の通り制約を受けておりまして、非常に漁業振興の上に支障を來しておるのでありますが、今回普通の船舶の建設につきましては、その型といい、或いはその速力といい、そのエンジンの種類といい、廣汎にこれを自由に解放されたのであります。もとよりこういう船舶と漁船とはその目的が違つておりまするが、日本の水産業の事情を先方も十分に了解しておつて呉れると存じますから、この漁船の建設問題につきましても、將來相当の努力を拂いましたならば、やがてはその建設に対してよき結果を、事情をもたらすのではないかと考えるのでありまして、この面につきましても政府といたしましては、極力懇請を続けて努力をいたしたいと考えるのであります。
 尚燃油問題についてでありますが、これはお話のように、各府縣の漁業組合連合会、或いは漁業会において、過去において相当の貯油設備をいたしておるのでありますが、それが今回廃止されるために、一部の業者が自由にこれを取扱つて、そうしてこの折角の設備を利用する機会も与えないというようなことがあつては残念である。何とかしてこの近くできるところの漁業協同組合等において、その既存の設備を利用し、そして一部商業者の横暴をなさしめないようにいたしたいというお氣持のように承つたのでありますが、これにつきましては、関係各省とも交渉いたしまして、今後できる漁業協同組合並びに連合会において、その割当てられたところの燃油に対しましては、取扱いをなし得るように、水産関係行政当局といたしましては、努力をいたしたいと存ずるのであります。
 尚次に水産資源の培養でありますが、これはなかなか一年二年の問題ではないのでありまして、持続して行わなければならないと思います。又從つて手段にもいろいろあろうかと思います。養殖放流ということもありましようし、或いは又料学的な障害を防除する、いわゆる汚水問題等というようなことも考えなければなりません。又漁田のその性質を改善して行くということも考えなければならんと思いまするが、これは簡單に小さい湖沼、河水に増殖の計画を立てるようなわけに參りませんので、何分大きい海に対する考え方でありまするから、そう短年月の間にその成果を挙げることは不可能でありますが、併し不可能であるというて、今日のような荒廃に委しておつてはならないのでありまして、築磯をする、或いは魚礁を設ける、或いは養殖放流をする、或いは外部からの障害を防除する。あらゆる面にこれは考えをいたさなければならんと思うのであります。併しこういう面に対しましては法的措置が必要であります。又從つて予算関係もこれは当然附纏うものでありますが、曾てこの汚水排除の問題が沿岸漁業を脅かした過去においては、相当叫ばれたのでありますが、戰爭が始まりまして以來工業が主となつて、こういう原始産業というものは犠牲に供されておつたという事実もありますので、今後これらの面につきましては十分考慮いたしまして、天然資源の涵養のために、十分な措置を図つて行きたいと思います。どうか一つ江熊委員におかれましても、永年の御研究を傾けられまして、御指導を下さらんことをお願いして止まない次第であります。
#14
○委員長(木下辰雄君) 大臣も衆議院の委員会の方にいつも一時半から約束されておるので、大分時間が過ぎましたので、この際農林大臣は退出されます。安本長官はお差支があつて出られませんが、中川次官と財政金融局長の内田常雄君、建設局次長の雨森常夫君がお見えになつておりますから、その方面に対する御質問がありましたならば……。
#15
○青山正一君 一つ次長にお伺いしたいのですが、先程矢野さんが水産大学の問題について、いろいろ御質問になつたのであります。それについて一つお聽きしたいのですが、この間新聞の発表によりますと、例の第一水産講習所は大体東京水産大学として発足を許されるようなことでありました。それがいろいろな関係上、大体一月五日に文部省で審査するというようなお話であつたんですが、聞くところが三月五日に審査が終つた。その審査の状況などを書いた書類なども私は預かつておりますのですが、その書類を見ますと、非常に適当である。適当であるというふうなことで、いわゆる極めつきのことで今度水産大学が発足するわけでありますが、ただ問題は管理の問題で、この管理が文部省の審査会あたりの書面を見ますと、設置者が農林省で、資産及び維持経営の方はやはり國庫支弁になつておりますのですが、これは建前は文部省というふうなことになつておりますが、どうなんですか。やはり教育の文部省、それから経営は農林省というふうなことで、共管の形になるものかどうか、そういう問題と、もう一つは下関の第二水産講習所、あれはペケになつておりますが、相変らず農林省の所管として、その費用は農林省から第二水産講習所にいろいろそれらの設備とか、或いは施設に利用されるような費用が、農林省から出すべき性質のものであるかどうか、その点について一つお聞きしたいのですが……。
#16
○説明員(藤田巖君) 第一水産講習所の方は、只今お話のございましたように、審査の結果、大学としてこれは資格十分であるという折紙をつけて頂いたのです。從つて東京水産大学として今後発足することには間違いありません。ただ所管をどうするかという問題でありますが、これについては水産廳長官と行の文部次官との話合いの上で、一応共管とする。大体人事或いは教育の問題、その方面は文部省で所管をする。それから予算でありますとか、そういうような点については、技術の点については、やはり從來通り水産廳でこれを面倒を見るというようなやり方で行つたらどうかと、こういうふうな大体の話があつたのでありますが、併しながらその後、これをいよいよ仔細に檢討をいたして参りますと、法律の案文としていよいよ書いて來るということになりますと、技術的に相当面倒な点が出て來ております。それから又行政管理廳の方の御意見も実は出て参つております。そこのところは初めの話の通りにも行かないような情勢がまた起つて來ておるようなわけであります。現在まあ最後の折衝をいたしておりますわけで、いずれにいたしましても私供といたしましては、是非とも予算方面において從來通り水産廳において、これを積極的に要求をするというふうなやり方の方が、この予算の獲得の面から行きますれば、実情から申しますれば、その方がよいのじやあるまいかと思います。要は水産教育がうまく行けばそれに越したことはないのでありますから、そういうような方面から私共といたしましては、この際尚捨て難い点がございますので、その点は今折衝をいたしております。多少初め相談をいたしました形とは変つた形で決定になるかも知れんというふうになつております。
 それから第二水講の問題は、これは調べましたが、御承知のように現在校舎も解決をしていないというふうな事情から、差当りこれは大学昇格の問題は本年早々というわけにも参らんということで、一応留保になつておる。從つてこれは大学ではなく、從來通りの資格そのままで、当分はやはり水産廳が面倒を見て行くと、こういうような形になるものと思うのであります。やがて校舎の方も片附けば私供といたしましては、第一水産講習所の例に準じて、同じような扱いでやりたいというふうな考えであります。
#17
○委員長(木下辰雄君) それでは先に千田委員の質問のありました爲替が一本レートとなつた場合における資材の價格差を拂うかどうか、或いは生産物の價格を上げるか、そういうことについて、何か安本の政務次官或いは局長の方で御答弁できましたら、お述べを願いたいと思います。
#18
○政府委員(中川以良君) 御承知の通り、一昨年來年度の予算の内示が行われたような次第でございまして、これによりまして、從來の構想と予算の編成方法が非常な相違がございまする次第でございまして、当初考えられておりました貿易資金の特別会計の黒字は、これを主といたしまして輸入物資の補給金に充当し、更に一部を輸出の助成金とし、残りを産業復興資金の方に廻したいというような考え方が強くあつたのでございますが、然るに輸入物資に対するところの補給金は、全部一般会計の支出からこれを出すというようなことに決められております次第でございます。そこで只今のところ、細部に亘りますところの点については、未だ申上げる段階に至つておらないのでございまするが、輸入物資につきましても、從來考えられておりましたごとく極めてルーズな考え方の補給金は、今回は出し得ないと存じます。できるだけ限定いたしまして、主といたしまして食糧、肥料、鉄鋼等の重要物資に重点を置きまして、これらに補給金が出されると存じます、而してこのレートの決定次第で補給金の從來との差額というものが出るのでございまするが、その差額全部がそのまま補給金とはなり得ないと存じます。これはこれを扱います企業面におきまして、できるだけ企業の合理化、経営の自立化に努力いたしまして、この補給金を少しでも節約をして行く。殊に予算面にありまするところの補給金を全部來年度内に使うということは、今後は考えられないのでございまして、これをできるだけ節約いたしまして剩余金を残すという建前が、強く関係方面からも言われておりますので、殊に補給金の額等につきましても、恐らく年間を通じて決定されるものでなく、その都度々々補給金を出して、その額も調整をして行くというようなことが強調されるのではないかと考えられるのであります。かような意味におきまして、当委員会に御関係の水産関係のいろいろな輸入物資につきましても、補給金が出まするものに対しましても、決して十分なる額は出ないのではないかと考えます。更に從來補給金を貰つておりました物資で、補給金を出さないという物資も相当に出て参りますと存じます。こういう物資に対しましては、一応價格の改訂等も考慮をされなければならんものもあると存じます。伴しこれを用いまする企業におきまして、企業努力で消化をし得るものは、できるだけ價格の改訂は避けたいというような考え方でございます。よしんば價格の改訂をいたしまして、第二次、第三次製品におきましてこれを吸收し、最終の物資においては價格の改訂はできるだけ避けるという考え方を持つておりますような次第でございます。これも只今一応私共が関係方面等の意向を想像いたしましての考え方でございまして、未だはつきりした問題はここに決定的なことを申上げ得ないことは誠に遺憾と存じますが、さような收態を一つ御了承頂きたいと存じます。
#19
○千田正君 中山次官のお話によりますと、なかなかむずかしい。農林大臣の御説明によると、貿易物資に対しては、こういう問題は何とか考えようという方向に向つておるという話でありますが、水産業におけるところの貿易産業と申しますると、大体のところ現在行われておるところの貿易は殆んど「まぐろ」のようなものは、こうした資材は当然要りますけれども、後は根付、磯付、或いは水産加工品というものが大部分であつて、現実に我々がこうした値上げによつて被むるところのものは、恐らく國民全般の食膳に上るところの蛋白源に対するところの影響が大なるものと感ずるのであります。これは何とかして頂かなければ、当然物價の改訂、若しくは企業の殆んど壊滅的な段階に陷るのではないかというふうに考えられるのでありまして、先程のお話によるというと、價格の改訂もなかなか容易じやない。こういうふうな状態にありますというと、今後の漁業というものは頗る悲観的な状況にある。こう申さねばならないのでありますが、もう一つこの点について、價格の改訂が全然不可能ではないと思うのでありまするが、その前に國民の蛋白源としての、いわゆる食糧政策として、價格改訂か、或いは価格差の補給金、若しくは助成金を出せるか、方法があるかないか、或いはそういう意図があるかどうかという点について再び重ねてお尋ねいたします。
#20
○政府委員(中川以良君) 只今の御指摘は全く御尤もなことでありまして、成る程農林関係、殊に水産関係におきまする各事業は全く特殊的な事情にございまして、他の生産企業とは非常な相違を見ておる次第でございまして、殊にこの漁獲の今後の確保ということは國民の食糧の蛋白資源を確保いたします上に極めて重要性を持つておりまする事業でございますので、これらに対しまする資材の輸入物資につきましては、只今お説の通り一般の産業とはなかなか両立し得ない点もあると存じます。この点は農林省におきましても、十分に御考慮になつておると存じますので、出來得る限りかような面におきましては、遺憾のないように、関係省とも連絡を緊密にいたしまして、御意向に副うべく今後努力いたしたいと考えております。
#21
○青山正一君 只今の千田さんの價格の問題に因んで私からも一つ御尋ね申上げたいと思いますが、昨日ですか一昨日の委員会の席上におきまして、水産廳長官から、この統制の方法を改変しなければいかん。つまり改善しなければいかん。又改善するのが必須の状態だと、こういうお話があつたように撲は承つておりますが、統制を改善するということになれば、勢い價格の問題に障つて來るのじやなかろうか。こういうふうに私考えるのであります。例えば統制種目を非常に少くする。場合によつて三種類か四種類にした場合におきましては、やはり等級も一級から三級というようなことで、今まで七級か八級になつていたものが、一級から三級にしなければいかん。場合によれば出荷経費、例えば氷代とか箱代とか運送料とかそういつたものも、その價格に折込んで、つまり政府の負担とか、或いは末端の方に切替えて行くというふうな問題も出て來るということも、これは必須の状態であります。又場合にわつては先頃から問題になつております荷受機関の手数料八分の問題も出て來ます。その荷受機関の八分の問題が、眞僞のことは分りませんが、八分が八分全部生産者に負担を掛ける。こういうことは以ての外でありまして、そういう場合におきましては、四分は生産者、後の四分は價格操作の方において操作して行かなければならんということにもなつておりますが、そういつた面について、水産廳次長あたりも、そういつた関係のことは十分御研究なさつておられるであろうと思いますが、一つ御返答願いたいと思います。
#22
○説明員(藤田巖君) 新らしい統制方式の改善に関連をいたしまして、魚價の問題についても改正を加えなければならんと考えております。併しながらまだこの点は物價廳方面に相当御意見がございますので、私共といたしましては尚よく折衝を重ねたいとこう考えておりますが、大体私共の現在考えております方向は、余りにも魚の何と申しますか、値段の種類が多過ぎる。八級にも分れている。そうして末端において果してこの魚が幾らの値段のマル公かということについては誰もよく分らないというふうな点が非点に多いと考えます。それから又例えば加工品が、一塩物が加工品の從來の値段で非常に賣れて、ここまでは賣れるというふうな関係からいたしまして、鮮魚と加工品の値段の開きというものが非常に多い。そういうふうな点にいろいろ矛盾が出て來るわけであります。從つて私共の考え方といたしましては現在八段階に分れております。これをもつてずつと簡素化いたしまして、等級を少くする。而も末端の價格においては非常に分り易い値段にする、例えば上中下なら上中下に分けまして、上物は百匁が五十円なら五十円、中物は三十円なら三十円、一番下のものは二十五円なら二十五円、こういうふうに決めますならば、誰が見てる直く分る。そういうふうな工夫をする必要がある。それから又簡單な加工品が非常に高い。現在の加工品の値段が割高になつております。そういう値段で賣られるというような点を是正せしなきやならん。それから冷凍物と鮮魚との値段というものも、これも考うべき余地がある。果して差をつける必要があるかどうかということについても考うべき余地があると思います。從つてそういうふうな点をいろいろ勘案いたしまして、現在の賣格のやり方を変えるということに、相当実情に即して変えるということにいたしますれば、必ずしも全体的には値上にならずに、何と申しますか、いわゆる実効價格においては大体消費者は現在と同じようなもので買える。而もそれが取締も簡單につくし、実際的であるというふうな値段の決め方も、工夫によつてはできるのじやないか。私共は必ずしも値上をすることばかりが生産者に有利であるとは考えておりません。もう値上というのも相当の限界に達しております。從つて値上よりもむしろできるだけ安い資材が手に入るということが必要であろうと考えております。従つて價格の点についても先程申しましたような考え方をし、更にお話のございました荷受機関、或いは小賣機関のマージン、こういう問題についてもこれを釘付けにすることは非常に私共は無理であろうと思いますので、從つて私共の理想としては末端における價格一本、そういうふうな考え方で、あとは何と申しますか、そのときどきの取引の関係で決めて行くというふうなことでもいいのではあるまいか。こう段階をつけますから、例えば荷受機関のマージンは五分でやつてはいけない、六分でやつてはいけない、八分貰わなければならん、こういう問題が起つて來るわけであります。そこはむしろ末端價格一本という考え方の進め方ができないかというふうなことで今物價廳といろいろ御相談しておるわけであります。必ずしもこの案が果して通るかどうかは分りませんが、できるだけこういうふうな方向に考えて行きたいと私共は思つております。
#23
○江熊哲翁君 鮮魚の價格についていろいろ御答弁を承つたのでありますが、大分御研究になつておることはよく分りましたが、今日までの情勢殊に今日のような魚が相当出廻るようになつてからの統制というものは、今までの形式でやれば、私はやはり價格から失敗する結果になると思うのですが、それで質の問題と、品質が魚價に反映しない現在の價格統制というやり方を全面的に切替えて、商品價値に即応した取引のできるような統制方式というものを取入れるということが非常に必要だと思うんですが、尚この問題については、又非常な困難な面もあろうかと思うんでありますが、今度の措置について、末端の價格を一本に決めると、これによつてすべて解決するんじやないかという、今のお言葉を返すようでありますが、私の申上げた、この質によつて價格を考えるということについてお考えになつたことはございますかどうか。又この問題について、これは一部の人から強い陳情もあつたかと思うんですが、私共は野菜の統制が何でも近く解けるという話を聞いておるんですが、そういうような時期を睨み合して、こういつた質を取上げた措置というものがやれるんじやないかという氣もあるんでありますが、まあそこらあたり御研究になつた内容などについてお聞かせ頂きたい。
#24
○説明員(藤田巖君) これは先程も申上げます通り、物價廳においては非常に御意見がございますから、それが果して実行できるかどうかは疑問でありますが、私共の考え方としては、お話にございましたように、鮮度というものを重視しなければならない。殊に最近は非常に鮮度の惡いものが沢山出ております。從つて鮮度というものを重視さすためには、生産者はやはり鮮度のよいものを持つて來れば、それが有利に賣れる、こういうようなことにならない限り、如何にやかましく言つても鮮度は直るわけではない、こういうふうに思います。從つてこういう鮮度のよいものがやはり高く賣れる、鮮度の惡いものは叩かれても仕方がないと、こういう態勢に持つて行けるように、値を簡單に決めます場合に相当の値幅を持たせるというふうな考え方を私共は持てつおるので、勿論これは或る程度階級で簡單にいたしますれば、その点それが救われる魚種も出て参りましよう。併し全体的の考え方としては、やはり鮮度のよいものが高く賣れる、惡ければ叩かれる、一定の決めた値の範囲内で適当に落着くというような値の決め方、その値の決め方を私共といたしましてはいたしたい。こういうふうに思つております。
#25
○千田正君 これは中川次官が安本から見えておられますからお尋ねいたしますが、公共事業による漁港、船だまりの問題、先程農林大臣に質問いたしましたけれども、誠に不得要領であつたのであります。尤も経済九原則の嚴密なる実行ということになれば、止むを得ないということは万々承知しておりまするが、昨年來当委員会において陳情、請願、止むを得ざるものとして取上げた漁港、船だまりの修築、その他に対して相当の数があるのであります。併しながら経済九原則実行という立場から、殆んど今度は新規の漁港、船だまりの修築、或いは築造という面においては全然これは御破算で、こういうふうな状況でありまするが、現実において一つの地方においては、皆貧弱な中からでも、とにかく立ち上ろうという意識の下に、相当その地方々々の資金を集めて、そうして政府の施策と相対して受入態勢を整えて行つておるというのが、今度の九原則で殆んどゼロになつた。いつになるか分らない。この漁民の生産意欲というものは、すでにそこで挫かれてしまつた。こういうような状況のところが相当多数あるのでありまするが、どの大臣に質問しても、これは九原則であるから止むを得ないのだ。仕方がないのだ。默つておれというようなお言葉ばかり頂戴するのであつて、これは我々國民の代表として國会に來ておつて、誠に遺憾の極みであります。つきましてはこうした本当に立ち上ろうとして、一生懸命集めた資金さえも、折角の意図が空しくなるようになつては、日本の將來のこうした原始産業に対するところの施策というものはゼロになる。何とかしてこの際その中でも再調査して、或いは再險討して、多少でもこれを開始するところの意思があるかどうか、その点について一応承わりたいと思うのであります。
#26
○政府委員(中川以良君) 千田委員の御質問でございますが、公共事業費関係が当初政府が考えておりましたものよりも非常に大幅に削減をされまして、到る所にいろいろな問題を惹起をいたしておりまする現状でございまして、殊に水産業関係の漁港に対しましては、最小限度のものは是非確保すべく懸命なる努力をいたして参つたわけであります。本日はここに建設局の次長も参つておりますので、後程詳細に亙りまして経過を御説明をいたさせますが、少くも七百億は確保いたしたいと考えておりましたことが、止むを得ない関係方面の事情によりまして、五百億に控えております。これを更に幾らかでも増加をすべく、いろいろ関係各省とも努力をいたしておる次第でありまして、只今のところまだ予算も決定的に示されておりませんので、ここにはつきりしたお答えをいたし難いのでございますが、農林大臣といたしましても、この公共事業費の増額を今日尚以て主張をいたしておられますので、どういうふうに変遷をいたしまするか分りませんが、決して今日尚これに対する努力を打切つておるわけではないのでございます。ただ最惡の場合、五百億になりました場合には、すでに水産当局から御説明のごとく、誠に貧弱なる予算となりまして、殊に起債関係も制約をされまするために、非常な支障が漁港方面にも参るのであろうと存じます。これに対しましては、尚いろいろな面から檢討を加えまして、先程申しました貿易資金特別勘定の黒字から出すという手もなきにしもあらずと存じまするが、これもまだ関係方面がはつきりこれを費途を明示しておりませんから分りませんが、そういう点の期待がこういう特殊的なものには幾分掛けられるのじやないかということを考えておりまする次第でございます。そういう点につきましても、決してぬかりなく、私共は懸命なる努力を傾倒いたしまする考えでございます。
#27
○江熊哲翁君 今の千田議員の質問と同工異曲のものですが、私は昨日漁港協会の臨時総会に出席しまして、いろいろ民間側の陳情も聞きますし、説明も詳しいことを聞いたのでありますが、今日の漁港、船だまり、船揚場、又漁村の共同施設といつたものは極めて貧困な実情にある。この方面の力というものは御承知のように極めて弱い力でありまして、政府に対して陳情するにしても、部分的な非常な苦痛を訴えるということはあつても、一向從來こういう方面の仕事が取上げられないのであります。殊にこの戰爭という長い間、こういつた方面には特に力が今まで入つておらないのであります。こういうふうな時代になつて大いに食糧の増産ということが叫ばれることになりますというと、先ず私共は水産方面の生産基地であるところの漁村のこういつた施設というものが、最も生産に重大な関係かあるということを痛感しているわけであります。併しこの方面からの声は極めて低調なんでありますから、特に安本の方におきましては、声が低調である、小さい、弱いということだけを以てないがしろにせず、十分御同情を以てこういつた苦しい財政の下においても、特段の御配慮を願いたい。いずれ関係者たちが二、三日中に安本の方にも陳情に参るのじやないかと予想しておりますが、十分陳情等につきましてもお聽き取り下さいまして、御同情して頂きたい。これをお願い申上げます。
#28
○政府委員(池田宇右衞門君) 只今千田さん、江熊さんから熱烈なる要求がありまして、実に感激に堪えない次第であります。農林省といたしましても、生産省の建前から十分に公共事業費に対しましては、安本その他連合國方面にも御了解を努めて、尚又決してこのまま推移するというような考えはなく、最後の最後まで努力いたしまして、増額を希うという方法を取りたいと思つております。尚省議においても更に皆さんの声をお伝えいたしまして、何とか漁村方面に対するところの、生産の対してあらゆる角度から多少でも安定と増産に対するお役立をしたいように、十分に力を入れると同時に、今後金融方面にそれぞれ打つべき手を打ちまして、御希望に副うようにしたいということをここに申上げる次第であります。
#29
○委員長(木下辰雄君) 雨森さんから建設の内部状態を御説明願います。
#30
○説明員(雨森常夫君) 先程政務次官からお話がありました点の事務的に取扱つておりました経過を概畧申上げます。我々が当初公共事業全体といたしまして、大体二十四年度においてはこのくらいが最小限度に忍べるものであろうという額を算出いたしましたのは公共事業全体といたしまして、八百五十億見当の國費を計上したらよかろうという案で進んで参りましたが、その後司令部との折衝をいろいろ重ねまして、最後に落着いております五百億の案では、司令部の方の案と我々の方の目論見が大部内容において食違いを生じておりますので、その点を極力又五百億の中での調整を交渉いたしまして漸く五百億であれば内容はこうだというところまで現在のところ参つておるのであります。その中で漁港、船だまり関係の費用を申上げますというと、八百五十億の公共事業の中に含みましたときより約三分の二程度の國費になつて参ります。又二十三年度と本年度の予算額と比較いたしますというと、約一億ばかり多いのでありますが、御承知のように今年度、二十四年度の物價その他労賃の関係等を勘案いたしますというと、今年度分といたしましては、二十三年度よりも仕事の分量が落ちざるを得ないということに考えられます。尚二十三年度におきまして継続しておつた仕事が、二十三年度に終了いたしますものが相当ございますので、新らしい仕事を取らないとすれば、事業個所数から言いましても大分減つて來るのであります。そういう点をいろいろ勘案いたしまして、農林省の方で御研究になりました結果、又我々の方へ打合せ願つて研究したいと思つております。事務的にはその程度に参つているのであります。簡單でございますが、お答え申上げます。
#31
○委員長(木下辰雄君) それでは外に発言もないようでございますから、本日はこれを以て閉会いたします。
   午後二時五十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           松下松治郎君
           西山 龜七君
           田中 信義君
           江熊 哲翁君
           矢野 酉雄君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
  農林政務次官  池田宇右衞門君
  説明員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   建設局次長)  雨森 常夫君
   農林事務官
   (水産廳次長) 藤田  巖君
ソース: 国立国会図書館
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