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1949/05/17 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第7号
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1949/05/17 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第7号

#1
第005回国会 水産委員会 第7号
昭和二十四年五月十七日(火曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水産物増産対策に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。本日は安本長官がお見えになる筈でございますけれども、閣議中ですから、閣議が済み次第ここに見えることになつております。
 本日は先づ第一番に水産物増産対策に関する件を議題に供します。水産の設備資金、漁業手形資金の状況、輸入資材の補給金の問題、それからそれに対する魚の統制に関する問題。そういうものを議題に供しますから、只今見えておりますのは水産廳の次長と、復興金融課長の杉山さん、物價廳第二部長の長谷川さんが來ておられますから、各委員の御質問をお願いします。
#3
○矢野酉雄君 それに直接関係がありませんが、非常に急を要しますから、私は一言藤田次長に対して要望を申上げて置きます。どうもこの水産廳のやり方は非常に親切で、そしていろいろ丁寧で、非常に感謝しておるわけですが、非常に遺憾に堪えないのは何か時間的に敏速を欠く点が沢山あります。時間の関係上一々申上げませんが、最近こういうような問題が小さいような問題ですけれども、全國的に見て、これに類するものが可なりあるようですから、乏しいもの、力弱きものは殆んど立ち上ることができないというようなことから考えますというと、大きい社会政策上の問題にもなりますので、次長にお願いを申上げて置きますが、千葉縣の七浦に全く着の身着のままで引揚げておるところの沖繩の漁民諸君が、僅かに二十名近くでありますが、もぐりで、「あわび」、「さざえ」等の漁獲をやつております。非常にまじめで、そして闇に流さなければ余りひどいじやないかというその土地の漁業会で言つてくれるような人があるにも拘わらず、まじめにマル公で獲つて來たものをそのままその陸場地に全部渡して、そして本当に正直な経営をやつておる。だから非常に各村民からも、村長からも、漁業会からも信頼を受けておる。而も板の間に筵を敷いて生活をするような悲惨な実は生活状態であります。それがやつとこの水産委員会の專門部の諸君が、何んとかして立ち上らしてやりたいという全く打算を超えての友愛の精神からお世話をして頂いて、追込漁業の資材の配給をいわゆる漁業会、村長並びに縣の水産課長並びに農林省の資材調整所のそれぞれの副申を得て、結局その最後は本省に來たわけです。そうして本省はちやんと委員会によつて割当てをしてこれを返えして、そうして千葉縣にある農林省の資材調整所の方に切符は返つている。その一切の了解、手続を終つて、然る後にそれを申告している。ところが僅かに百五十玉か二百玉か存じませんが、その生命の綱と頼んでいる資材の切符が又逆戻りしている。許可漁業でも何でもない一つの追込漁業、而も実際においてその七浦における漁業会の了解の下にお届けをお願いしているのに、又そういう書類を作つて來なければ切符を渡さないというようなことは、一地方の一事件であるけれども、殊に沖繩の諸君のごときは、國はどうなるかというような状態に全く放置されてしまつて、戰爭犠牲者でも、私は一番公正を欠くような負担をさせられているのは、沖繩の諸君と朝鮮の諸君であると思う。全然自分の自由意思でやつているのじやない。然るに両方とも国がどうなるか分らない。これらの諸君が板の間で浦圃も敷かないで生活をし、而もまじめな漁獲の方法をとりながら、そうして日本の建設に少しずつでも援助をしている諸君に対しては、我々は一段と友愛の精神を以て、その仕事が立ち上るように助長して行くことが、私は本來の精神でなければならないと思う。だから私は一地方の一問題ではないと思う。例えば鹿兒島縣におけるところの沖繩の諸君の漁業団体は七ケ所か、八ケ所がある。その水揚高、これはすぐお調べになると分る。かなりの成績を挙げて、而も二十三年度の第三四半期の第二次分の割当の中には、明確に引揚者の資材としての枠を作つて與えられているに拘わらず、何の理由か知らないが、一玉の割当も沖繩の漁業民に対してやつていない。而も特別に、沖繩漁業民のために、曾てのごとき福岡縣知事に依託して、そうしてその割当をやつていたというような、特殊な制度があるとするならば、これを認容することも当然でなければならないが、何らの制度がないとするならば、これは一般の漁民と同樣の方法によつて考えなければならない。だから引揚者としての特殊の一つの枠を設けたならば、その引揚者の枠内に沖繩の諸君のは喜んでこれを入れて、そうして適当な妥当と思われる程度の割当をすべきと私は思う。だから次長は是非一つ千葉の農林省の資材調整所長に対して、早く正規の手続きを以つて決定したその割当のものは、その当事者にこれを直ちに渡すように督促をして頂きたい。又沖繩のその問題についても、鹿兒島の問題についても、是非実情を調査して、何回も何回も、実際非常な苦心をして、金の工夫をして上京をしておりますが、まだ一玉も頂いておりませんから、この方も何か特別の御加護を私は願つております。速かに適当な措置をして頂きたい。御返答を頂戴いたします。
#4
○説明員(藤田巖君) この千葉縣七浦に対する資材配給のことは実は私詳細に聞いておりません。早速調べまして迅速に解決するように措置いたしたいと考えております。
#5
○矢野酉雄君 お願いいたします。鹿兒島の方は……。
#6
○説明員(藤田巖君) 鹿兒島の問題につきましては、この前矢野委員から伺いまして、実際問題といたしましては第三四半期の第二次分は、特にああいうふうに紐付きで特別にあれを出しておるわけであります。各縣まちまちでありますが、相当その趣旨通り出ておるところもあると思います。なぜ鹿兒島縣が具体的な問題として一玉も出なかつたという実情は、私共も了解に苦しむわけであります。至急調べてくれということで、今調べさしておりますから、これも分り次第御報告いたします。
#7
○矢野酉雄君 了承いたしました。
#8
○青山正一君 昨日の朝日新聞とか或いは読賣新聞などに、農林省の方で融資法案というものを準備しておる、こういうふうなことを発表しておるのであります。その内容は大体中央金庫を対象としておるわけでありますが、これは先般委員会におきまして確か大藏省の銀行局長からも説明があり、そういうふうな角度で進んで行きたいいうふうな御意見もあつたようにも思われるのでありますが、その内容を見ますと大体農林、水産業の長期資金は対日援助資金六十五億円、その外に大藏省の預金部資金が四十三億円、その合計が百八億円となつておつて、農林債券の引受けによつて確保するものとして、そのために現在の農林中央金庫の発行の限度は、現在の拂込み資本の十倍で、大体四十億円になつておるものを八十億円程度に引上げようと、こういうふうなことを発表しておるのでありますが、これはこの見出しには農林水産用と、こういうふうなことでなつておりますけれども、その内容を見ますと、殆んど農家を対象としておりまして、水産の方がその対象になつていないようにも見受けられるのでありますが、これは先程も申上げた通り、先般の銀行局長がはつきりこういつた行き方で進んで行つたらよかろうというふうなことで、大体この委員会においても言明があつたわけであります。ところが昨日の新聞に農林省案として出ておるわけなんです。期せずして一致しておるものとして、私共が考えておるわけでありますが、これに対して水産廳にそういつた話合があるものかどうか、それから又百八億円の中に、いわゆる水産関係のものがどういう中に含まれておるかどうか、ただ單に新聞に発表になつておることはG・H・Qに対するヂエスチエアーとか、或いはただそういつた噂に過ぎないという程度のものか、この際一つ発表して頂きたいと思います。
#9
○説明員(藤田巖君) 私昨日融資法案としてなにか農林省で審議中であるという新聞記事を実は直接見ておりませんので、内容はよく分りませんが、農林中央金庫の改組案というようなお話でございますれば、これは農林、水産業全体を通じての長期金融の関係といたしまして、恐らく事務局で現在研究しております案が事前に漏れたのだろうと思います。それで勿論これは農業、水産、林業全部を通じましての施策であると考えております。まだ恐らく農林省の部内で審議しておる程度でございまして、実は私まだその内容については聞いておりませんわけでありますから、そう具体的に固まつておる案であるとは考えておりません、それから水産廳で現在考えておりますのは、この長期の融資の問題、これを法制化する問題が一つございますが、それは先程申しましたように総務局の方とよく連絡してやらなければならんと考えております。水産廳独自で今考えておりますのは、漁業手形を拡充するという方向で、漁業共済積立金制度というようなものを具体的に研究いたしたいというので、この方は事務的に各方面といろいろ現在連絡をいたしております。それからなお今度のエイド資金の中で、水産業に対してどういうようなものを認めて貰つたかということについて、これは安本を通じまして司令部方面ともいろいろ折衝をして貰つており、私共も側面からいろいろ交渉しております。この点はできるだけ水産方面にもエイド、フアンドの資金が出るように努力しております。
#10
○矢野酉雄君 これは大体愛知銀行局長から水産の金融問題について、大藏当局の構想を語られてからたしかすでに四十日ぐらい経過しておると思います。然らばその間、日本の水産業はいわゆる休業しておるかというと、毎日水産業をやつておる。現在において、一体いわゆる漁業組合等の組合金融は、農林中央金庫によつてその途は開かれておるけれども、農林中央金庫と雖も國家の根本の基金となるものが割当られない限りにおいとは絶対これは不可能である。漁業手形の決済に対し、これをバツクする資金がなければできない。或いは各水産会社の企業体が沿岸漁業、遠洋漁業をやるにも、もうこれは現在銀行からの金融の途は不可能であるといつて決してこれは極端な表現ではない。然るに現在の情況は一体どこまで一歩進んだのであるか、僕が調査したところによると殆んど金融の途がない。これは実に重大な問題であつて、勿論占領下にあるという特殊事情があるということぐらいは分つておる。大体千七百五十億の中でどれだけ水産に資金を使われる途が開かれておるか、次長は折角各方面と交渉中だとお話があつたが、だとしたらいつの日に途が開かれる見込が付くかどうか、早く実情をこの四百万漁民大衆に対して実体を知らしめて置かなければ、それだけ政府を信頼せず、國会を信頼せずして、結局それがあらゆる危險思想を作つて行くところの温床たらざるを得ないのである。だから本日出席して頂いております方々の官職名をはつきりここで御披露して頂いて、そして水産廳としては、どこまで進んでいる。どこにぶつかつている。安本としてはどれだけの計画の下にこういう交渉を続けているが、この点とこの点は妥結したけれども、この点はぶつかつてまだどうしても解決できない点だ、又商工省においてもこれに関連するところのものは御返答願うというふうにですね。できる、できない、両方とも一つ実相をここで明らかにするというようなふうに、委員長は然るべく進めて頂きたいと私は要請いたしますと共に、幸い今資材課長もお見えになりましたので、次長に千葉縣七浦問題で今要望しお願して置きましたから、これは即刻に解決のできますようにお願いしたい。殊にこの前に次長がお見えになつておりませんでしたが、いろんなこの漁業資材の切符が横流れをするということを、大臣自身が非常に事態を憂えていた。併し憂えた大臣自身の行政処置、政治処置ののろまのために、犯罪を作らざるを得ないような環境を却つて行政部自体が作るということについては、本当の國民の公僕たるものは反省しなければならんと思うのです。勿論横流し等をやることは、私は是認しようとは思わないけれども、切羽詰つて、銀行からも借りられない、外から借りる途はない、泥棒するか、資材の切符を闇流しするか以外に方法はないのであつて、社会思想がいろいろと險惡になるゆえんのものも、結局その行政処置の緩漫なるゆえんでありますから、この点今日ははつきりと知りたいと思うのであります。
#11
○青山正一君 その問題に因んでちよつとひと言……。
#12
○委員長(木下辰雄君) 前のあなたの御質問でもう一遍おやりになるのですか。
#13
○青山正一君 いや、そうじやありませんが、同しようなことなのですが、諄く言うようですけれども、先程私が申上げたことは朝日新聞にも、それから読賣新聞にも、時事新報にもそういつた事柄が載つているわけなのですが、先般から新聞にいろいろな農業とか、或いは水産に対する金融関係の要綱が出ておるわけです。少くともああいう大きい新聞に而も三つ四つ続けて出ておるというふうなことであるとすれば、何かこれは根拠あることに違いないと思うのであります。それでそういうことをいつも書いて、これはG・H・Qに対するジエスチユアだとか、或いはそういつたことは知らんとか、この辺がどうも私には腑に落ちないわけなんです。だからこの辺を早急に解決しないことには相当の問題があろうと思います。
#14
○委員長(木下辰雄君) 色部課長お話になつて下さい。
#15
○説明員(色部義明君) それでは私から、今お話がありました読賣新聞とかそういう新聞のことは存じませんけれども、先程援助資金に関する限りどういうふうな状況であるかということを話せというお話でございますから、私が知つている限りのことを率直に申上げたいと思います。実は向うの方の関係がありまして、我々も非常に苦境に立つておるわけなんです。と申しますのは、ちよつとそこの問題に関しては速記を止めて頂いた方がいいと思うのです。
#16
○委員長(木下辰雄君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#17
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#18
○説明員(色部義明君) 預金部の問題については、今私お答えするよりも、大藏省の当局がお見えになつておりますから、そちらから答えて頂いた方がいいと思います。
#19
○矢野酉雄君 その前に、どなたが出ておられるか、一應……。
#20
○委員長(木下辰雄君) 大藏省からは愛知局長がどうしてもお差支えで、復興金融課長の杉山知五郎君が出ております。安本では今の産業金融課長、それで復興金融課長から矢野君の質問に対して……。
#21
○矢野酉雄君 大体今のは率直に実情に対して御発表になつたのですが、そのことは大体私四十日前に愛知銀行局長から、実は大体ここで承つたのと大同小異である。ただ一週間ぐらいの後、ワシントンからお使いが來るというところまでのなには初めて聞いたのですが、いわゆる見返資金から幾ら、預金部資金から幾ら、それが設備に運轉にというような相当詳細な具体的な金融当局の計画は、すでに私達一ケ月か四十日前に承つておつたわけであります。併し全然それだけで進んでおらなければいたし方ないことですが、預金部資金についての実情を杉山課長から承つて置きたいと思います。
#22
○説明員(杉山知五郎君) 只今御質問になりました預金部資金の運用の件でございますが、大体一週間くらい前に司令部の方と打合せをいたしまして、その後も交渉を継続しておるわけでございますが、今知り得ましたところでは、金融債の消化、社債の消化、金融機関への貸付、これは預金部としてはやるべきでないという一應の返答があつたのでございます。そういたしますと、例えば興銀債の限度拡張の問題につきましても、目下外において審議答申中でありますが、たまたま限度が拡がつてもその消化に相当あれされることになりますし、又社債につきましては、電力その他の社債の引受を或る程度しておりましたが、これも或る程度金融機関への貸付もできないということになると、この面でも活動が制限される。こういうことになりますので、そうなると預金部としては地方債二百三十三億を引受けた後においても尚百八十億くらいの余裕が見込まれます。又將來見返資金において國債の償還をやるということになれば、預金部の持つておりまする國債も当然或る程度償還される。そうしますとその百八十億プラス何がしの余裕が出て來るわけでございまして、現在のような金融情勢においては預金部が復金債の引受等をやり、或程度産業金融に寄與するというふうに持つて参りたいと考えております関係上、向うの意見に拘わりませず、もう一度交渉するということで、まだ目下のところ案を練つておる最中でございます。それで預金部といたしましては、若し現在のままの向うの意見でやるとすれば、結局大藏省証券、食糧証券といつたような短期証券を持つことくらいしか考えられなくなつてしまうので、今のままではどうしても困る、何とかしなければいけないというふうに考えております。
#23
○矢野酉雄君 これも同じですが、実に低徊去るに忍びずというような状態で、然らばその間の継なぎ資金というような意味の、現在もう例の暫定予算は四月十五日までであつて、そうしてその後に本予算をやつて仕上げたわけですが、ずつと業界の諸君、組合の諸君というような諸君は現に毎日々々事業を、我々の蛋白源の補給をやつておられる。その諸君が絶対設備において、運轉において必要とするその資金を何か安本や、或いは大藏当局が將來相当見通しを付けて、中央銀行をバツクして関係金融の途を開いてやるような何か親心がありまするか、これは藤田次長、それから杉山課長両方にお尋ねして置きたいと思います。
#24
○説明員(杉山知五郎君) 今お話しの実はこういう継なぎの問題でございますが、先般來日本銀行を中心といたしまして、何とか継なぎの金を面倒見なければいけないというので相談はやつておるのでございますが、その際に市中金融機関の態度といたしましては、將來見返資金で必ず引受けてくれるということでないと結局自分の危險になる、自分の危險においてやることはどうも困るということで、なかなか資金の面倒は見ないというのが実情なのでございます。それで將來必ず見返資金で困つて來るということが分ればそれはやつてやれる。併しそれでなければ資金の回收性なり、相当金が長期に寢るというような観点から、短い預金を扱つておる市中金融機関としてはなかなか金が出せない、こういつた態度でございまして、私共もそれをなかなか打開できないで、実は弱つているのでございます。そういつた意味におきましても、何とか早く見返資金の方が決まつて、その金が出るのが例えば少し遅れましても、一、二、三ケ月先に出るということが分れば、その場合の継ぎは比較的簡單にできるのではないかというふうに考えております。問題の解決にならないことを申上げて甚だ恐縮でございますけれども、実情はそういうふうになつております。
#25
○説明員(藤田巖君) 私もお尋ね與つても、先程から申上げておるように、こういうものは必ず見返資金から出すということを早く言つて貰うと非常にやる方がやりいい、例えばこれは水産の面だけじやありませんけれども、外の産業についてもそういう問題がありまして、例えば從來継続事業として或る程度復金では金を出しておつた奴があるのですが、実際工場の建築なりダムの建設なり、そういう工事が途中でストツプするということに相成つております。これは非常に資金的なロスもあります。これは將來日本の経済復興に取つて基本的なものになるというものは、どうしてもやつて行かなければならんので、今どうしても資金的に長期資金にギヤツプが來ておる。御承知のように長期資金の金融機関というものがないのであります。そこで一番問題が長期資金については起らざるを得ない。その継なぎ資金というものは、どうしても市中銀行の性格から言つて若し出すとすれば、例えば危險がなくても長期であるということにもうす慎天問題があるわけなのです。特に農林水産につきましてはそういう問題が最も多いのじやないか。といいますのは、そういう原始産業はどうしても資金が長期になりますから、余計そういう問題が、少くとも長期資金、設備資金についてはあるというわけであります。そこで今度興業銀行が普通銀行になりましたけれども、あれは何と申しましても從來から工業を対象としておつた。水産業なり農業についての長期金融機関がないということに実は一番大きな問題があるのです。併しこれも恐らくしばしば大藏当局からも御説明があつたと思いますが、新らしい金融機関を作るということは非常に困難です。そこでどうしても見返資金に持つて行かなければならんという状況に今なつておりまして、我々としても一日も早くそういう行詰りを打開しようと焦つておるわけであります。
#26
○委員長(木下辰雄君) ちよつと私言いますから……。水産廳の藤田次長、物價廳の長谷川第二部長、それから物價廳生鮮食品課長の岡崎君、それから水産廳の協同組合課長の曾根君、事務官の内田君、漁業権課長の大沢君、商工省の綿業課長の佐橋君、それから馬越君、奧山君、それから安本水産課長の稻村君、水産廳資材課長の石川君、大藏省の復興金融課長の杉山君、安定本部の産業金融課長の色部君、これだけお見えになつております。第一線に御活躍の方々でありますので、いろいろな面において御質問願います。
#27
○千田正君 漁業用の原料資材が、いろいろ巷の風評その他、或いは事実においてもそういうことを認められておる人もあるのでありますが、生産過程において正当なルートに乘つておらないというようなことが、相当流布されており、且つ又現実に生産の面に入つて來ておらないというのがあるのであつて、この点は非常に水産業に対する生産に対して、大きな影響を及ぼすわけでありますので、この点を特に私は商工省並びに水産廳に伺いたいと思うのであります。
 先ず第一に商工省にお尋ねしたいのは、農林省、いわゆる水産局及び水産廳になつてから、昭和二十一年度から二十三年度に至る三ケ年間にこの年度計画に対しての生産用資材割当要求としての綿糸並びにマニラの原料、そういうようなものが水産廳の、農林省の要求に應じて各々商工省管下の製造業者に割当てられてからのちに、果して要求通りにそれが製品化したかどうか、この点をはつきり御報告を願いたい。それから水産廳に伺いたいのは、水産廳自体が計画を立てて商工省に要求したものが、果してそれが製品となつて、水産廳の行政管下にあるところの各漁業團体若しくは業者の手に、要求通りに入つて來ておるかどうか、受渡しが済んでおるかどうか、この点についてはつきり御報告を願いたい。これは昭和二十一年度、二十二年度二十三年度、三ケ年間におけるところの漁業用資材の生産過程の経過の御報告と、その結果の御報告をお願いする次第であります。
#28
○説明員(佐橋滋君) 只今の御質問に対しまして、一昨年の一九四七年の第三回分から本年の四回一、三までの割当に対しまして、それ以前のものは全部入つておりますが、割当が四千三百二十六万ポンドに対しまして資材の配給をしましたのが三千百五十三万ポンド、それから未出納が千九百七十三万ポンドであります。結局今年の第四まので割当に対しまして、二十三年度の七、九期が、非常に原糸の状況が惡かつたものですから、その以後の分がまだ入つておらないのであります。大体漁網業者に対しましては、七、九期の切符は二三%から二五%ぐらいの現物の状況でありますので、それがまだ入つていないという状況になつております。それ以前のものは大体フルに入つておるわけであります。
#29
○千田正君 私の質問に多少外れた点があると思います。私は、その原料の配給がうまく行つておるかどうかということよりも、商工省において配給した原料によて所定の製品ができたかどうか、若しできておらなかつたならば、何が故にできておらなかつたか、或いは例えば往々市中に言い傳えられておる通り爲替レートの設定を機として、それによつてその價格差においての不純なる利益を追及しようとするような不当なるところの業者が往々にしてメーの中にある、そういうことが市場に取沙汰されているのであつて、この際そういうことは明確にして置く必要があるから、だから商工省において配給した原棉及びマニラ麻が、本当に予定通りに製品化されておるか、どうかという点について私がお伺いしておるのであります。
   〔「その通り」と呼ぶ者あり〕
#30
○説明員(佐橋滋君) 去年は整品は七〇%までは入つておるのであります。
#31
○千田正君 二十一年度から二十二年度、二十三年度は……。
#32
○説明員(佐橋滋君) それは、私の方からのは結局漁網業者からの出荷報告を取つているわけであるのであります。これに対しては今言つたように二十一年度二十二年度は全部片付き、二十三年度が七〇%入つておる。こういう出荷報告が出ているわけであります。
#33
○千田正君 それではあなた方の方では製品を、例えば一万ポンドにおいてどれだけの目のものがどれだけ多く出るとという、あなた方の指示によるものに対しては間違いなくできておるということなんでありますか。
#34
○説明員(佐橋滋君) そうです。
#35
○矢野酉雄君 この問題はそれだけではどうも分りませんので、又即答もできない向きもあると思いますから、いわゆる商工省纖維局の責任ある一つの報告と、水産廳の方面で、当然それは商工省から割当てられたものが、自分の大事な水産業界に、それがどういうふうに実際に活かされておるかということについては、これは調ぶべきものでありますから、両方を書類にしてこの委員会に報告して頂きたい。委員長は然るべくこれを謄写に刷るか、適当に……、或いは先方から初めから謄写して送つて頂けば結構ですが、何かそういうような方法にして頂いて、これは問題を打ち切らずにその材料を頂載した上で更に研究するというようにしたいと思います。そこで丁度最前から折角金融の問題が話になつておりますから、この問題については私は私としての結論を出して見たいと思います。
#36
○千田正君 ちよつと待つて下さい。機構の問題についてお答えを出して……。
#37
○委員長(木下辰雄君) この前の委員会で千田君の動議がすでに成立しまして、委員長としては商工省及び農林省に対して報告書の提出を求めることに手続中であります。
#38
○説明員(藤田巖君) 千田委員から資材配給について水産廳に対して、漁業者に対して割当てられた切符が果してどのくらい現物化をして漁業者の手に渡つておるか、その資料を、その結果を報告して貰いたいということであります。これは詳細書類で提出をすることにいたしたいと思います。ただちよつと申上げて置きたいと思いますのは、二十一年度、二十二年度、二十三年度、こういうことでありますが、御承知の現在の規則、つまり還元切符……、切符を出しまして、その還元切符を調べるというような制度が開けましたのが二十二年の四・四であります。ですからその還元切符の制度が布かれましたあと、現物化しまして数量の切符は必らず水産廳の還つて來る。從つてそれ以後の数字はこれは水産廳に果して現実にこれだけ還つて來ると、こういうことが申せると思ます。ただそれが或いは現物が渡つておるに拘わらず、切符は相変らず残つておるというようなことが從來はございましたが、そういう点で確実な数字になるかどうか分りませんが、大体は揃つておる。それ以前の数字は率直に申しまして、私は商工省自体と雖もはつきりしたデーターはないと思います。これは水産廳にもございません。その当時は出しました割当の数量も極めて少なかつたのでありまして、非常に殖えたのは昨年からであります。非常に少なかつたものでありますし、又そういう制度もございませんから、恐らく割当てたものは大体において漁業者が取つておるだろうというふうに想像しております。
#39
○淺岡信夫君 想像でなくてはつきり言つて……。
#40
○説明員(藤田巖君) 中には非常にずれておりますから、そのずれがどのくらいであるか分りませんが、從つて私共といたしましても、できるだけ漁業業者からの調査はいたしますが、それ以前の数字についてはそういうふうな現物を調べる規則による調査の方針というものがはつきり取つておりませんので、その点は予め御了承置きを頂きたいと思います。
#41
○千田正君 私の特に求めたいのは、その切符制度が設立する以前の問題が問題なんであります。殊に終戰後において雨後の筍のごとく漁網会社なるものが続出した。それで昨年も私は、今はおらないだろうけれども、鈴木纖維局長に向つて質問したのは、この雨後の筍のごとく出たところの漁網会社、或いは製綱会社に対してどういう割当をしたか、而も整理ができていないが、これは個々のあれははつきりしますが、そのときの纖維局長の答えとしては、商工省としてはこれを整理しなければならない。整理して確実に業を続けるものならば、改めてそれに対して確認した数量を割当てて行きたい。こういうような返答でありました。併しその後において、それが整理されたというような御報告を受けておりません。又整理以後において割当てる数量がどうなつているかということを私は一應聽きたいのであります。でありますから、この点においては商工省において、十分な私は御報告を頂きたい。
#42
○淺岡信夫君 只今商工省の答えにも、更に水産次長の答えにも、そうしたものに対しては殆んど製品化している。而も二十三年度以降においては、商工省の答えによつても七〇%は製品になつているということでありますが、それを一つ再確認して置いて頂きたい。又商工当局の御回答を願いたい。
#43
○説明員(奧山清四郎君) 私も最近の着任でありますので、今の切符制度の前は報告で以て、全部完了している、こういうことなんですが、今次長からもお話になりましたように、一昨年の三月からは還元切符になつておりますので、これで結局消費者に渡つた切符が、現物が來ておればこちらに帰つて來るわけでありますので、それを集計した数字が今申しましたような七〇%、こういうことになつているわけでありますので、この数字は水産業者と漁網会社との間で適当な話合いがあればいざ知らず、一應我々の方の数字からいいますと、品物を渡して引換えに貰うのは結果還元して來ているのがそれだけでありまして、七〇%は確実に現物が渡つている。纖維が渡つているこういうふうに考えられるのであります。
#44
○淺岡信夫君 そうしますと只今の説明によりますと、その七〇%というものは製品化したと見てよいのですか。網となり、綱となつたというふうに見てよいでしようか。
#45
○説明員(奧山清四郎君) そうです。
#46
○尾形六郎兵衞君 金融問題に入る前にちよつと資材のことで……。
#47
○淺岡信夫君 今のについて水産廳の答えも私は聽きたいのです。
#48
○説明員(藤田巖君) 先程申上げましたように、切符還元制度の布かれました以後の問題としては、はつきり分ります。それ以前の問題については、これは商工省で一つお調べ頂くより手がないというふうに私共は考えております。只今申上げましたのはそれ以前にはこの数量も沢山でございません。恐らく資材も窮屈な時期であつたと考えております。それで私共にそれを調べる規則の拠り所もたしかなかつたし、詳細なことははつきり申上げかねます。
#49
○淺岡信夫君 そうしますと、只今商工省の答えによりますると、水産廳において、調べるよりない。水産廳の答えによりますると、これは詳細の点は商工省によるざるを得ないということでありますならば、私はこれは委員長、各委員にお諮りを頂きたいと思います。この問題に対しましては、私共いろいろな点を聞き及んでおります。ですから委員会は委員会の独自の立場におきまして、この問題をどういうふうに今後取り上げて行くかということを各委員にお諮り頂きたいと思います。
#50
○委員長(木下辰雄君) 商工省鐵維課長の話によりますと、二十一年、二十二年は滯りなく製造配給している。二十三年度は七〇%配給した三〇%は目下ストツクであるということを言明されたのでありますが、水産廳においては二十二年の四半期は還元切符で帰つて來るからはつきりするが、それまではちよつと商工省でなければ分らん、農林省では分らんというようなお話でありますし、その間の事情がはつきりしないという点が淺岡君の御質問であろうと思います。それはいずれ委員会においてそのはつきりした報告書を入手いたしまして、その上で何分の御処置を願いたい。この辺で如何ですか。
#51
○矢野酉雄君 それでよいと思います。
#52
○千田正君 詳細なる御報告を…。
#53
○委員長(木下辰雄君) 出します。
#54
○尾形六郎兵衞君 資材に関連しましてちよつとお尋ねしたいのですが、爲替レートが三百六十円になつたために、漁業資材の値上りの負担が九十億になると聞いておつたのでありますが、大体この見当で間違がないかどうかということ。それから先般こういう印刷物を貰つたのですが、これによつて漁業用資材の輸入の数量と補給金額でありますが、それによると綿花が非常に少いのじやないか、三万三千俵しかないのであるが、実は聞くところによると、水産廳においては五万三千俵を要求したということを聞いておりますが、三万三千と非常に数が減少したのじやないか。現在でも綿糸は足らないのでありまして、むしろマニラは、どうかというと非常に多いのです。このマニラの方は殖えて、必要な綿花が減つたということはどういうことであるか。或いはこの綿花をもつと殖やす方法はないか。それからこの補給金の七十二億円というものは、全部これは水産の方に、漁業を廻わるのかどうか、先程の九十億円、七十二億円の差額十八億円というものは漁業家全額に対するこれからの負担になるわけだと思うが、如何でしようか。これについて安本と水産廳の資材係の方にお聽きしたい。
#55
○政府委員(長谷川清君) 只今頂きましたこの数字でありますが、これは一應物價廳におきまして、司令部といろいろ話合いをしておる数字のようであります。ただ二、三の点において細かい点で違つているようでありますが、大体のところこういう線でお話が進んでいるとお考えになつていいと思います。御指摘の綿の数字は三万三千俵であつて、実際の輸入計画数量に比較して少いではないかという点は我々も承知しておるのであります。ただ実はこの数字の内容につきましてはいろいろ混み入つたと申しますか、デリケートな問題もありますので、そのことを承知しながら一應綿の数字を三万三千俵という数字で話が進んでいる状況でございます。これが具体的に実施されます場合におきましては、現実の綿がこれより沢山輸入されます場合におきましては、その輸入されましたものにつきましても、單價は同額の補給金が出るように考えたい。こういうふうに思つているのであります。それからこれが全額魚網用に行くものであるかという御指摘の点でありますが、大体に外はいいと思いますが、タンニンにつきましては、これは全輸入数字でありまして、このうち大体五〇%細かく申しますと五二%、六十二万七千ポンド程度のものが漁網用になる。從つてこれの補給金額も、九億円でなしに、四億七千万円というふうに考えております。それからタンニンとアツトルバークでありますが、これも全輸入数量についての計算でありまして、現実に漁網用の資材になるタンニン、アツトルバークは、大体この数字の半分程度ではないかと、こういうふうに考えております。
#56
○尾形六郎兵衞君 マニラは。
#57
○政府委員(長谷川清君) マニラもこれは全輸入数量でありまして、この中漁網用と考えられますものは、大体九〇%程度漁網用になるというふうに承知しております。併しマニラ、タンニン、アツトルバークにつきましては、今のところその用途先が漁網用であろうが、漁網用以外のものに使われましようが、いずれにいたしても、一應補給金を支出するという考え方に話が進んでおります。
#58
○尾形六郎兵衞君 長谷川部長に私尚要望したいのですが、この割当を受けた綿が何か不正事件で減るということも非常に大切でありますが、そもそも根本的には成るべく割当よりも余計入れるということが、水産官の全般としては最も大切であると思います。そこで予定よりも二万梱も少ないということは、重大問題でありますので、これは援助物資で入るのでありましようが、その外に回轉資金でも、綿花というものが御承知のように沢山入るのであります。何とかしましてこの綿花を予定通り確保できるように努力もして貰いたいが、見込みはないのですか、どうですか、もう一度お聞きしたいを思います。
#59
○政府委員(長谷川清君) この数字は、先程申上げましたように、例の八百三十三億の輸入補給金を、如何なる用途に如何なる程度に支出するかということを檢討する一つのデータとして作られたものでありまして、主として漁網用に出します一つの枠と申しますか、漁網用と申しますか、水産用資材に出します枠を一應この程度に考えるという線で考えたのであります。極く具体的の品目について、この輸入計画数量と必ずしも一致しておらない点があるのでありますが、これは実はざつくばらんに申しますと、安本の輸入計画数量というものが、最近まで余り確定しておらなかつたのでありまして、いろいろの数字があつたのでありますが、そのいろいろの数字に対して補給金の計算をしておつた。そのうちに補給金の方の関係が、いろいろな関係で非常に早く決めなければならないということで、補給金の金額の方を決めて行つた。從つて、輸入計画数量とどつかで調整しなければ結論が合つて來ないというような関係があつてこの数字はできたのでありまして、我々といたしましては、何もこの補給金がこれであるからこれだけのものだけを輸入するというふうには、考えたくもありませんし、又今のところ考えておるつもりもないのでありまして、輸入数量が殖えますれば、その殖えたものにつきましても、補給金を單價として同じに出すということで考えておりますし、又そういうことで努力もいたしたいと思つておる次第であります。
#60
○尾形六郎兵衞君 只今のお話によるとその品目よりも補給金に主を置いて割当の数字を決めたというようなお話でありますが、これを見ますと、一番必要のある綿の方は十五億円であつて、それよりもどうかというと多少品物が余るとは言わないが、相当余計ありまするマニラが四十一億円取つております。只今のように補給金を主にして考えるということから行きますると、何とか、このマニラに余計補給金を出すよりは、最も必要な綿の方にもつと額を廻すようにして、そうして現物を多くして貰いたいということを要求して置きます。
#61
○政府委員(長谷川清君) 大体お話のような方法も一つの方法ではないかというふうに考えておるのであります。重点的に実際に資材が輸入せられ、これが漁網用として配給される場合の実情に即して、この補給金を出しました趣旨を十分満足せしむるように一つ考えて行きたいと思つております。ただいろいろ関係方面との折衝につきましては、余り細かい点までまだ具体的に決めるという段階になつておりませんので、大きなところで話合を進めておると、こういう状況でありますので、一應御了承を願つて置きたいと思います。
#62
○尾形六郎兵衞君 もう一言お聞きしたいのは、そうしますと漁業用資材に対する補給金の総額というものは未だ決定しておりませんですか、どうですか。
#63
○政府委員(長谷川清君) 確定したという程のことではないと思いまするが、先程お話し申上げたような数字で一應我々と向うの担当官との間で話合はつけておるということは申上げてよいと思います。
#64
○尾形六郎兵衞君 七十二億ですか。
#65
○政府委員(長谷川清君) 僕の方の計算で行きますと、六十七億七千万円ということになります。ただこれは勿論係官同士の話合でありますから、これによつて正式に決定をしたというものではないことは御了承願つて置きたいと思います。
#66
○矢野酉雄君 金融の問題を本日の委員會において或る程度の結びを出したいと私は希望するものでありますが、これは政府当局としても、こういう環境下にありますので、一人相撲は絶対できないと思うが、併は今日は殆んど各省における一番実際にお働きになつておられる本当のエキスパートの人方ばかりでありますから、その方々に、各省々々のそれぞれの責任の方々が、何とかして早くこの金融問題を解決するというように一段の働きをして頂くと共に、私は各省のこれらのエキスパートの方々が大いに氣持を一つにして頂きたいと思うのです。これは政府自体の問題でありますが、この委員会自体の問題として、委員長並びに各委員諸君に私はお諮りをしたいと思いますが、政府だけに、今どうなつておるか、又そういう実情だつたらもつとこれを早く解決するようにしつかりおやりなさいというような政府任せでなくて、立法府は立法府として、どうしてこの金融上の根本問題を早く解決するかということについては、一應或いはG・H・Qの水産部長その他各関係者にこちらから意見を申入れるというような方法を私は取るべきだと思う。或いは衆議院とこの問題だけを、單なる打合せ会でなくて、決議なら決議でこれを強く要請するか、何かの私は方法を参議院水産委員会自体が主導性を持つてやるべきであるということを私は一つの意見と申しますか、或いは動議と申しますか、むしろ或いは動議がよかろうと思います。このままで金融問題を打切つて、政府だけにお任せするというような態度ではできないと思う。私は政府と立法府が決して対立抗爭するというのでなくて、私はむしろこの立法府と行政府が、ありのままの実情をよく語り合つて、そして力を併せて一つの隘路を打開して行くというようにしたいのであります。この点然るべく委員長はお諮り願いたいと思います。
#67
○江熊哲翁君 今の矢野君の御意見に全面的に賛成であります。すでにこの問題については、先程その方向は大体決定されておつたかのように承知しておるのですが、会期も余りないのでありますし、この際今日のこの状態にその水産金融の問題を放任して置くということは、重大な問題であると考えますので、矢野君の動議といいますか、その方向に急速に取運ぶように委員長においてして頂きたいと思います。
#68
○委員長(木下辰雄君) 矢野君のは動議ですか。
#69
○矢野酉雄君 動議で結構です。動議なら尚更強くていい。
#70
○委員長(木下辰雄君) 矢野君の動議に対して江熊君の賛成がありましたので、動議は成立しましたが、お諮りしますが、どういう形式で金融問題について対策を講じますか、それについて御意見がありましたら……。
#71
○矢野酉雄君 僕としてはむしろ参議院の本会議において、水産金融の急速なる解決をなすべきだ、という緊急質問或いは決議文を出すか、或いはそういうような方法を取らなくて、参議院、衆議院の両委員会が合同して、先ず政府督励のためには、もつと、農林大臣、安本長官、大藏大臣、商工大臣……、商工大臣は除いてもよろしいが、これらの諸君と会見を申し込んで、この問題解決の政府の腹をしつかり持つて貰う。進んで言うならば、いよいよこういうことが遅滯するならば、内閣の総帥たる吉田総理自体が金融解決のために、マツカーサー元帥に面会を求めて、むしろ政府としてこの解決のために最善を盡すというぐらいの熱意を私は持つべきだと思う。そのために何も金の要する予算を取るというような必要があればともかく、熱意だにあればこれは解決のできる問題、これは條件なしに御賛同が願えると思う。
 それから第二の問題としては、参議院は参議院、衆議院は衆議院としていわゆる緊急質問か或いは決議文かを出す。或いはそれと並行して、G・H・Qの関係諸公と立法府が会見を申し込んで十分懇請をして、そうして我が國の金融の実情、非常に困つておることを、その衷情を訴えるというような方法、いろいろあると思いますが、これはあえて委員会で決定しなくても、或いは懇談会に移して十分意を盡して、最も良い方法を発見するという途もあろうかと思います。大変含みのある、或いは融通の効く意味に申上げた次第であります。
#72
○委員長(木下辰雄君) 外に御意見がなければ、私から御提案いたしますが、明日でも衆議院と合同打合せ会を開きまして、この金融の問題について、そこに農林、大藏、安本長官の出席を求めまして十分にこれを質してそうして高潮に達したときに、緊急質問なり決議を出すというふうに運んだら一番いいのじやないかと思いますが、如何でしようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#73
○委員長(木下辰雄君) それでは水産委員会はこれを以て散会いたします。
   午前十一時五十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
          尾形六郎兵衞君
           千田  正君
   委員
           青山 正一君
           松下松治郎君
           淺岡 信夫君
           田中 信儀君
           江熊 哲翁君
           矢野 酉雄君
  政府委員
   総理廳事務官
   (物價廳第二部
   長)      長谷川 清君
  説明員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局財政
   金融課長)   色部 義明君
   大藏事務官
   (大藏省銀行局
   復興金融課長) 杉山知五郎君
   農林事務官
   (水産廳次長) 藤田  巖君
   商工事務官
   (商工省綿業課
   長)      佐橋  滋君
   商工事務官
   (商工省綿業課
   勤務)     奧山清四郎君
ソース: 国立国会図書館
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