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1949/05/26 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第8号
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1949/05/26 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 水産委員会 第8号

#1
第005回国会 水産委員会 第8号
昭和二十四年五月二十六日(水曜日)
   午後一時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○漁業法案(内閣送付)
○漁業法施行法案(内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木下辰雄君) 只今から委員会を開会いたします。本日は、漁業法案並びに施行法案を議題に供します。逐條審議に移る前に青山委員から全般的質問の通告がありましたから、この際許します。
#3
○青山正一君 今日は長官がお出でにならなくて、この立案の当局者である松本技官にお出で願つたわけなんですが、先般の委員会に私の質問に対しまして、水産長官なり或いは次長、組合課長、それぞれの立場で御回答があつたわけで、それと同じような問題でありますが、どうしても私には納得が行き兼ねますので、左に御質問申上げたいと存じます。
 先般の農林大臣の提案理由の説明に、この漁業権制度を改革するという一片の法律によつて、直ぐに生産力が増大したり、或いは漁業の民主化が達成されるものではない。政府としてはこれを改革することによつて、漁業経営の安定と漁民生活の確保に関する施策を総合的に推進せしめる所以であるが、漁村の封建性の根強さを思うと、この改革に対する全國漁民の積極的なる関心が切望される。漁業権制度改革の成否も亦こういうことによつて決まる。こういうことをおつしやつておるのであります。誠にこれは農林大臣の説明の通りで、私共もそう考えておるのであります。で在來の漁業権制度を、これはどうしても直さなければならんということは、理窟は分り過ぎる程分つていますが、併しその改革の根本理念において、漁村民主化の眼目というものは、零細漁民や多数の中小漁業者の生活向上というものを伴わなければ、何にもならないじやないかと思うのであります。海にのさばつている資本家の独占、或いはボスの跳梁を排斥して、今までの関係を御破算にする。そうして新らしくやり直す、古い習慣とか或いは情実で権利を持つていた者を除き、漁民でない羽織漁師はできないようにする。働く漁民が十分に漁場を活用して生産を向上する。暮しをよくして行く。こういつた事柄が大臣の説明の中に、いわゆる言外の意味として十分に含まれておるだろうと思うのであります。そういつた漁業者を対象としていると思うのでありますから、それ以外の漁業者というものは比較的資本漁業であるから、そういつたものはこれは違つた、適用外に置いておく。こういうふうに私は解釈いたしたいのであります。で、先般の長官なり、或いは次長なり、或いは課長も、恐らくそういつた氣持をお持ちになるものと私は確信している。ところが、その筋の折衝過程におきまして、いろいろお氣持が変化される。併し商港と漁港とは私は違うだろうと思います。又商船と漁船とは違います。そういつたことまで恐らく説明しなければならんお立場を思うとき、誠にお氣の毒でなりません。併し漁業協同組合に関する限り、これはどういう性質のものか、十分にその筋へ了解を飽くまで言つて頂きたいと思うのであります。浮魚をこの專用漁業権より外すというのは一体どういうわけか。それは漁業協同組合という漁業者全部の寄り集まりの生活の破綻を意味するものであろうと思うのであります。幾ら漁業が能率的になりましても、或いは生産高が上つても、それが全部資本家のものになりまして、貧乏な漁民がますます生活が苦しくなる、或いは舟子從業員が安い歩合で働くのでは、これは何にもならない。それでは資本家だけの民主化であり、或いは漁民を犠牲にしたやり方である。漁業権の開放というものは働く漁民への開放であつて、決して資本家への開放ではないのであります。資本家の漁業はこれは特別の枠を設けてやらせばそれで沢山だろうと思うのであります。民主的な連合國の方針は決して漁民を奴隷化することではないと固く信じております。商港と漁港との区別、或いは商船と漁船との区別を納得せしめられるように、漁業協同組合とは如何なるものか、今一層その筋に折衝する必要を認めないかどうか。と同時に、すべての漁業権を働く漁民の総結集であるところの協同組合に與える必要はないかどうか。その本心の程は、本日若し出席しておれば長官に伺いたいのでありましたのですが、一つ松本技官より承わりたいのであります。
#4
○説明員(松元威雄君) それは速記を止めてお話いたしましようか、それともオフイシアルに申上げましようか。
#5
○委員長(木下辰雄君) それはオフイシアルにやつて貰いたい。
#6
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今青山委員の御質問で漁業制度の改革は、新らしく漁民に漁場を開放する。單に資本家の生産力だけでなくて、漁民生活の安定、向上ということが狙いであるべき筈である。そうであるならば漁業協同組合、これの全國團体の組織化を更にその筋へ陳情いたしまして、又漁業権を協同組合に全面的に與える。これに対する水産当局の意見は如何という御質問でありました。これにつきまして根本の狙いにおきましては正しく同じでございます。併しながらこれを実現する方式におきましては、必らずしも一致いたしておりません。漁場を働く漁民へ開放しろ、このことを協同組合へ漁業権を與えるという方式によつて実現するか、それとも別の方式によつて実現するかは一應檢討すべき問題であろう。そうして水産当局においてはいろいろの事情を勘案いたしまして、漁業権を協同組合に持たせるという方式を止めて、その代りに漁業調整委員会によつて調整をして行くという方式を採つたわけであります。從つて只今御指摘になりました浮魚を共同漁業権の範囲から外したということにつきましても、これも零細漁民の権利を奪うという趣旨ではなくて、浮魚のように移動性の多い魚については、これを漁業協同組合の地区單位の小さなものに固定的に障壁を設けないで、むしろ一應は自由にする。併しながら自由と申しましても決して資本の自由な発展を認めるという意味ではございません。調整委員会がそこを調整して行く。それによつて固定的な障壁は設けないで一應自由に発展させる。併しながらその発展の組織は調整委員会が決めて行く、こういう方式を採つたわけであります。從つてこの委員会による調整という方式が、漁場を漁民の手から奪つて資本家に與えることとは思つておりません。但しこの方式につきましては、これが成功するか否かは一に委員会の運営如何にかかるわけであります。これにつきましては現状を見ますれば、必ずしも委員会が全面的に理想通りに運用されるとは言われない節もあるわけであります。併しながらこれにつきましては、今後漁業権の再分配のあるまで二年間の準備期間があるわけであります。これから法案が議会を通過いたし、而もこれが施行になるまで相当期間ございます。問題は漁民に対する法案の内容の普及徹底であろうと思つております。若し漁民がこの法案の趣旨を理解しなかつたならば、只今青山委員の御指摘の通り漁業権は漁民の手から奪われて資本家の手に入るということは十分予想されるのであります。例えばこの法案では、定置漁業権は第一次的に協同組合に免許されることになつております。併しながらこれの裏付になる資金、資材の面は実質的に手を打つていない。從つてこの法案のままで立法者の主観的意図が、漁場は働く漁民に開放するというのであつても、現実の問題としては只今青山委員の御指摘の通り、漁業権を漁民から奪つて資本家に與える結果になるだろうということは十分予測されるわけであります。これにつきましては水産当局といたしましては、この委員会による調整方式を十分に漁民に認識徹底せしめて、漁場を漁民が使うようにいたして行きたいと、こう思つております。勿論水産当局といたしましても、漁業権を協同組合に與えた方が現在の漁民の意思には即應いたしておるということは認めるわけでありますが、これは種々の事情からとれなかつたのであります。從つてこの点につきまして、これをその筋へどう持つて行くか。むしろ議会で十分決めて頂きたいと、こう思つております。
#7
○青山正一君 これに対していろいろなまだまだ私共から見て質問すべき事項が相当あろうと思うのでありますが、いろいろ継続審議に関して非常に差迫つておるので、その面は一應後に延ばすことにいたします。
#8
○委員長(木下辰雄君) それでは逐條審議に入ります。漁業法案の第一章は極めて簡單でありますからして、第一章を一括して御説明願います。
#9
○説明員(松元威雄君) では第一章の御説明をいたします。第一條は、この法律の目的でございます。そうして第二條は、この法律で使つておりまする用語の説明、三條、四條は、この法律の適用範囲を規定いたしております。第五條は、これは技術的な規定で手続規定でございます。從つてこの章で一番問題になりまするのは、第一條の目的でございますが、これにつきましては提案理由その他漁業法の全体の説明におきまして、すでに大臣、長官並びに次長から御説明があつたと思いますから、ここでは省略いたします。二條、三條につきましても、内容的にそう問題がございませんので、御質問があればお答えいたしたいと思います。
#10
○委員長(木下辰雄君) 第一章の第一條、第二條、第三條、第四條、第五條、これは極めて簡單でございますが、御質問があればこの際お願いいたします。問題は、第四條の権利の保障を十分することというGHQのサビスチヨンがあるということを一つ頭に入れて置いて頂きたい。別に質問もなければ第二章に移ります。第二章から逐條審議いたします。ちよつと一遍読んでからやつて下さい。第六條を御説明下さい。
#11
○説明員(松元威雄君) 「この法律において「漁業権」とは、定置漁業権、区画漁業権及び共同漁業権をいう。
 2 「定置漁業権」とは、定置漁業を営む権利をいい、「区画漁業権」とは、区画漁業を営む権利をいい、「共同漁業権」とは、共同漁業を営む権利をいう。
 3 「定置漁業」とは、漁具を定置して営む漁業であつて左に掲げるものをいう。
 一 身網の設置される場所の最深部が最高潮時において水深十五メートル以上であるもの
 二 北海道においてにしん、いわし、さけ又はます(陸封性のますを除く。)を主たる漁獲物とするもの
 4 「区画漁業」とは、左に掲げる漁業をいう。
 一 第一種区画漁業一定の区域内において石、かわら、竹、木等を敷設して営む養殖業
 二 第二種区画漁業土、石、竹、木等によつて囲まれた一定の区域内において営む養殖業
 三 第三種区画漁業一定の区域内において営む養殖業であつて前二号に掲げるもの以外のもの
 5 「共同漁業」とは、左に掲げる漁業であつて一定の水面を共同に利用して営むものをいう。
 一 第一種共同漁業海草貝類又は主務大臣の指定する定着性の水産動物を目的とする漁業
 二 第二種共同漁業網漁具(えりやな類を含む。)を移動しないように敷設して営む漁業であつて定置漁業以外のもの
 三 第三種共同漁業地びき網漁業、地こぎ網漁業、船びき網漁業、飼付漁業、しいらづけ漁業又はつきいそ漁業
 四 第四種共同漁業寄魚漁業又は鳥付こぎ釣漁業
 五 第五種共同漁業湖沼(主務大臣の指定するものを除く。)又は主務大臣の指定する湖沼に準ずる水面において営む漁業であつて前四号に掲げるもの以外のもの」
 では説明に入ります。この六條は、漁業権の定義でございます。この條文は内容的にはあとの第七條、第八條と一体となつて理解する、同時に第十四條の適格性の規定とも関連しなければ理解できない條文でございます。先ず漁業権の種類は現行法では定置、区画、特別及び專用の四つになつておりましたが、これを定置、区画、共同漁業権の三種にいたしたわけであります。先ず、定置漁業につきましては、從來の定置漁業権では、苟くも漁具を定置して営む漁業であればすべて定置漁業に入れておりましたが、今回の法案ではこれに経済的な價値の観点を入れまして、水深十五メートル以上のもの、これのみを定置漁業といたしております。從つて身網を設置される場所、その場所の一番深いところが最高潮時において水深十五メートル以上のもの、大体規模から申しますれば五、六人以上の規模のものというふうに予想いたしております。これが定置漁業の原則でございます。これに対しまして水深十五メートル以下であつても、網の規模、その移動性等は必ずしも水深のみでは言えないので、例えば北海道のごとき、水深は浅いが沖出距離が長いのもございますので、北海道については特に特例を設けまして、北海道において「にしん」、「いわし」、「さけ」又は「ます」を目的とする網は、これを定置漁業というふうにいたしたわけであります。これ以外のものはすべて次の第五項の第二種共同漁業に入るわけでありまして、これに入りますれば、すべて協同組合が持てるわけでございます。これに反しましてこの定置漁業は協同組合では持てない、直接経営しない限り協同組合は持てないということになつておりますので、むしろこの範囲を限定して、成るべくならば第二種共同漁業の中に入れるという考え方を取つております。次に、区画漁業、これは從來の区画漁業と同樣でございます。多少表現は変えておりますが、内容的には殆んど同じでございます。次に、共同漁業、これは今度の法案において新らしく用いた概念でございます。これは從來は專用漁業権と言つておりましたし、前に政府が発表しました案におきましては、根付漁業権と呼んでいたものでございます。それからこれを再檢討しまして、内容的に大分変えて新らしい共同漁業権というものを創設いたしたわけであります。この共同漁業権の本質は一定の水面を共同に利用して営む共同利用ということにございます。共同利用というのは漁民の團体が集團的に漁場を管理するということでございます。法律的にはこれは漁民の團体であるところの漁業協同組合が漁業権を持つて、そうしてその定款に從つて組合に漁業を営ませるということでございます。そうしてこの共同漁業権には原則として漁業協同組合並びにその連合会以外のものは持てないのでございます。そこで何を共同漁業権に入れるかという点が大問題でございますが、一應原案では第一種から第五種までといたしております。先ず第一種の共同漁業、これは「海草貝類又は主務大臣の指定する定着性の水産動物」、これは伊勢「えび」、「うに」、「なまこ」、「ほや」、「ひとで」、「えむし」、「かしぱん」、こういういわば海草、貝類に殆んど準ずるような動かないものでございます。こういう水産動物を目的とする漁業、これは第一種共同漁業で、前の政府案におきまして根付漁業と言つたものでございます。これは移動性がないために他の部落、他の漁業協同組合との間に特別な入会関係がないので、大体地元の漁業組合に管理させて先ず大丈夫だというために漁業権並みにしたわけでございます。次に、第二種共同漁業、これは「網漁具を移動しないように敷設して営む漁業であつて定置漁業以外のもの」、この網漁具を移動しないように敷設するという概念は、從來の定置の概念と違つております。定置網業の場合の定置でございますと、網を一漁期間は定置して動かさないということが原則になつております。併しこの場合にはこの一漁期間動かさないということは必ずしも要件でない。その敷設しておる間は動かさない。從つてこの漁期中に場所を変えてもよろしい。そういう意味で漁業中場所を轉々と変えることはあるけれども、敷設したその間は動かさないというふうな漁業、これを第二種共同漁業にしたわけであります。具体的な内容を申しますと、水深十五メートル以下の小型定置漁業、それから刺網の中で「いかりどめ」刺網、或いは又從來の特別漁業の中で一定の敷場を有してやる敷網漁業、それから一定の網場を持つておる嚢待網漁業、こういうふうなものが含まれるわけでございます。先ず大体これによりましていわゆる「いそ」魚と言われるものは相当漁業権内に入るのじやないか、こういう予想をいたしております。それから第三種の共同漁業、これは殆んど從來の特別漁業権をこれに入れたわけでございます。從來の特別漁業権の中でこの中に入つていないのは、第一種、第二種、第五種、第六種でございますが、このうち第五種の嚢待網漁業、第六種の敷網漁業はいずれも第二種共同漁業の中に含まれるわけでございます。第一種と第二種は鯨の追込みも、「いるか」の追込みも極めて数も少うございますし、敢えて漁業権利とするまでもないために、これを落したので、それ以外は全部第三種共同漁業として協同組合を持たせるというふうにいたしております。それからこの点は第三種共同漁業におきましても、第二種共同漁業におきましても同じでございますが、網の移動性は從來の定置のような移動性と違いまして、一定の区域内の移動性は認める。いわば從來の專用漁業中の桝網という扱いをいたしております。從つて例えば一定の区域で第二種共同漁業の免許を貰わなければならんという場合には、その中で以て小型定置を動かして行つてもよろしい。それを或る程度調節するために、例えば知事が免許する場合にその数を何ケ統にしろ、或いはこの範囲しか移動しちやいかんというような條件を付けるとか、或いは又免許した後に調整する、必要な場所の移動を或る程度定める、こういうふうに調整いたして行きたいと、こう思つております。第四種の共同漁業、これは寄魚漁業、或いは鳥付こぎ釣漁業でございますが、これはお手許にお配りいたしました印刷に書いてある筈でございます。これは特別に第三者の侵害を強く排除しなければ漁業は成立しない。例えば寄魚でございますと、冬になつて「ぼら」が一定の場所へ自然に集まつて來る。それを散らさないように獲る。その散らさないためには附近の船舶の航行も遮断する。釣をするのも止めて貰うというふうに第三者の侵害を全く排除しなければ漁業は成立しないために、特にこういう漁業権として、物権として保護したわけであります。鳥付漁業も同樣でございます。それから第五種共同漁業、これは湖沼、湖沼と申しましても、霞ケ浦、琵琶湖、こういう海に準ずるような指定湖沼、これは別でございますが、いわゆる普通の湖沼ではございませんが、京都府の與謝の内海でございますとか、或いは久美浜湾でありますとか、こういうふうに湾ではあつても極めて封鎖されておりまして、湖に近いような状態にある。こういう封鎖できる水面において第一種から第四種までの漁業権は勿論のこと、それ以外であつても漁業権として協同組合に持たせる。こういう趣旨でございます。從つて第一種から第五種までを通じまして全体の思想は、いわゆる浮漁を運用漁具で取る漁業は漁業権にしない。それ以外の漁業は漁業権なみにいたす。こういうようにいたしております。これは浮漁を運用漁具で取る漁業は、原則として漁場を自由に移動するのが原則でございます。從つてこれを村とか、部落單位の狹い固定した障壁を作るということは、自由の発展を阻害するという見地から、これだけは漁業権に入れない。その外を漁業権にする。こういうふうにいたしたのであります。以上で第六條の説明を終ります。
#12
○委員長(木下辰雄君) 第六條について質問があればお願いします。
#13
○江熊哲翁君 第六條は非常に重要な條文になつておりますし、私がこのことについてずつと質問を申上げると非常に繁雜になると思うのですが、併し一應申上げて私のお願いしたいことがあるのですが、それはあとで申上げますが、この水深十五メートル以上であるという、この「身網の設置される場所の最深部が最高潮時において水深十五メートル以上であるもの」、この十五メートルという数字の決定に当つてはいろいろ苦心されておりますが、これはどういう意味になるのですか。最高潮時というのは、これは誰が決定することになりますか、一体普通の観念で言うと、役所が決めると言えばそれまでですが、こういうむつかしい言葉で分りますのですか。そういう意味はどうなるのですか。これは從來私共は仕事をやつておつて非常に困つておつたのですが、それは私の意見ですからいいのですが、お答え願う必要はないのですが、それでこの第五種の共同漁業の中に「主務大臣の指定する湖沼に準ずる水面」というのは、どういう程度のものがあるのか、これを一つお願いしたいと思うのです。それから從來ある河川の專用漁業権というものはどういうふうに、この第六條の中のどの部分に入つておりますかということです。それだけを先ず御質問申上げるのですが、それで私ちよつと意見がましいのですがお願いしたいのです。この六條は、この法案全部の審議にも非常に重要なところでもあるし、私共が今度調査に行つた場合においても、この第六條の考え方というか、こういうふうな漁業はどうなるのか、ああいうふうな漁業はどうなるのかという質問が随分出て來ると思う。この新らしい考え方を今少しく、現在までに許可、免許を受けて取扱つておる漁業のすべてを、一体これに入る、これに入るということの一覧表でも早急に作つて頂けたら、余りそういう面に対する知識を持たない方の参考になるのじやないか。こういうふうに思うのです。私は比較的こういうことに馴れておりますが、この共同漁業権という言葉、その言葉を初めて聞いて、大変いい取扱い方だつたと、こう考えてはおるが、例えば第三種の共同漁業のときに、特別漁業権のこういうものが入る、特別漁業権中にこういうものを含んでおると言われただけでは、直ぐぴんと來ないので、從來の特別漁業権の種類を全部一應挙げて、その中のこれとこれとがこうであるという繋がりをはつきりして貰えたら大変いいのじやないかと思います。そういうような氣がいたします。これは私が意見を御参考に申上げるのですが、いずれにいたしましても、從來の專用漁業権がどういうところに入るか、それをお答え願いたいと思います。
#14
○説明員(松元威雄君) 答弁いたします。先ず第一の、第五項第五号の主務大臣の指定する湖沼に準ずに水面とは、如何なる所かという御質問でございますが、これは例で申しますと、京都府におきまする與謝の内海とか、或いは京都府と兵庫縣の境の久美浜という所がございますが、このような湾でありましても、実際上は湖に近いという場所を考えております。精神は從つて湖に準ずるような封鎖できる水面で、その地元の協同組合だけに管理さして間違いないと思われる、こういう地域でございます。第二の昭質問の、河川の專用漁業権はどうなるかという御質問ですが、これはあとの第八章の内水面漁業と関連するものでありまして、第百二十七條におきまして、「内水面においては、区画漁業以外の免許はしない。」とありまして、從つて河川におきましては、この協同漁業組合の免許もしないのです。從つて從來の專用漁業権というものは、河川では保護がなくなるというわけでございます。それから只今御意見のございました具体的な漁業種類、この漁業は何に当り、この漁業は何に当るかということについては、あとで印刷物で差上げたいと思います。
#15
○江熊哲翁君 河川の区画漁業ですね、それはお認めになつて行くお考えですか。
#16
○説明員(松元威雄君) この点はあとで御説明いたしますが、河川におきましては養殖をする、魚を殖やすということを新らしい漁業制度の根本の狙いとしております。従つて河川では、原則は國でやります國営増殖の面、國と申しましても、すべて國でやるわけでなく、実際問題は縣なり、地元の團体を使つて行きますが、そういう國営増殖が建前でございますが、これに対して地元で区画漁業権を貰つて養殖をする。そうして國がやる以上に効果を挙げるという場合は、区画漁業権を免許するつもりでございます。併し養殖しない以上は区画漁業権の免許をしないということにいたします。
#17
○青山正一君 この與謝の内海というのは天の橋立があつて、あの出ておるあの内部を與謝の内海と、こう言いますか。久美浜というのは久美浜の湾の中を言うのですか。
#18
○説明員(松元威雄君) そうです。
#19
○青山正一君 そうすると浜名湖はどうなりますか。
#20
○説明員(松元威雄君) お答えします。只今浜名湖についての御質問がございましたが、浜名湖は成る程地図で見ますと、一應封鎖されておるように見えますが、問題は、例えば浜名湖一円を單位とする組合ができて、その組合が浜名湖を管理できるかどうかという問題であります。そうした場合に、浜名湖のように組合が一つできても、その組合で管理して行くということはできないわけであります。それであれは第五項の中の指定湖沼の中には入れないつもりでございます。
#21
○青山正一君 そうすれば、石川縣の邑知潟のような一つの漁業組合でそういつたものをやつておる所はどういうふうに扱いされますか。
#22
○説明員(松元威雄君) お答えします。邑知潟は湖沼に入るわけでございます。
#23
○委員長(木下辰雄君) 外に御質問ありませんか。
#24
○尾形六郎兵衞君 さつき江熊委員からの御質問がありましたが、河川漁業権というのは全部今後は消滅してしまうというのですか。
#25
○説明員(松元威雄君) 河川の漁業権は、海の漁業権と同様に二年以内に全部御破算にしまして、その後は区画漁業権だけしか免許いたしません。いわゆる從來の專用漁業権は許さないわけでございます。
#26
○尾形六郎兵衞君 文字の上では区画漁業権ということを書きましても、実際河川の現場に行つて見て当嵌めた場合どうなるかということについて、もつと具体的に実はお聞きしたい。法律上の文字だけでは御説明の通りでありますが、それはちよつと松元君では工合が惡いとすれば、いずれ又適当な方にでも來て貰つたときにお聞きすることにいたしたいと、こう思います。尚できるだけ松元君が分つたらお願いいたします。
#27
○説明員(松元威雄君) 河川における漁業権の問題、これは確かに非常な問題になる点でございます。現在各地におきましても、河川では区画漁業権しか免許をしない、いわゆる從來の專用漁業権の免許はしないという点につきまして、非常な反対のある点もございます。それについて更に然らば今度は区画漁業権を免許するならば、免許する区画漁業権の範囲はどの程度のものか、從來の專用のような曖昧なものまで、そう大した増殖はしないで、消極的な増殖としているとか、いわば繁殖保護でありますとか、こういうような消極的な増殖をしているという範囲のものまで含むのか、或いはちよつとばかり区画をして区画漁業権と言えるのかどうかというふうな質問も非常にございます。これにつきましては水産廳の考えとしては、区画漁業権というのは嚴密な区画である、單に消極的に魚を殖すとか、或いは形式的に放流をするとか、そういう形のものでなくて、嚴密に種を放して魚を殖すというのに限るつもりであります。勿論現実問題につきまして、この問題はどつちかということはむずかしい問題でございますが、方針としては区画漁業権の範囲は曖昧にはしない、嚴密にするというつもりでございます。
#28
○江熊哲翁君 ちよつと今の尾形君の御質問から、更に私はそれが今問題になつたようですから重ねてお伺いしたいのですが、河川の場合の区画漁業権というものは一体どの規模というか、程度のものですか。どの程度のものを指すのか、例えば具体的に申しますというと、川全体が一区画と考えるということも、これは理論的にも私は実際的にも成立すると思います。それから又非常な違つた角度から堰堤なら、水力電氣などの堰堤から堰堤までとか、或いはこの堰堤からどこそこまでとかいつた意味におけるものも考えられる。ところがこれらのものはいずれも養殖ということを目的として施設したものじやない、養殖ということを目的とした施設じやなくちやいけないというお考えにあるのか、いや、そういう質問は甚だ愚問のようですが、これはいろいろな場合において問題が随分起るだろうと予想されるから、そこらあたりの、こういう大事な問題の決定の当初に当つて、そういうことが十分檢討されなくちやいけないと思うのです。どういうお考えでありますか。
#29
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。わざわざ養殖の目的のために施設を作つたものでなくして、天然の堰堤でありましても、又極端に申しますれば、川全体であつても区画漁業権の成立することも考え得るわけであります。但し堰堤の場合は区画漁業権を認めるつもりでありますが、一河川全体につきまして廣い区画漁業権は今のところ認めるつもりはありません。そういう廣い範囲の水面では養殖できる筈はないと思つております。從つて区画は割合狹く一組合、その組合も何十ケ村という廣い範囲ではないつもりであります。
#30
○委員長(木下辰雄君) 詳細は第八章に行つたときに御質問願います。御質問がなければ第七條に移ります。第七條の説明を願います。
#31
○説明員(松元威雄君) 第七條を先ず読みます、「(入漁権の定義)この法律において「入漁権」とは、設定行爲に基き、他人の共同漁業権又はひぴ建養殖業、かき養殖業若しくては第三種区画漁業たる貝類養殖業を内容とする区画漁業権に属する漁場においてその漁業権の内容たる漁業の全部又は一部を營む権利をいう。」この第七條の内容、これは今説明いたしました第六條から次の八條並びに後の第十四條二項、或いは第六項と全部一括して読まなければ理解できないのでございますが、一方御説明します。從來の入漁権は共同漁業権又は專用権に限つていたわけでございます。それを会度は拡げまして、共同漁業権、從來の專用権の外にひぴ建養殖業、かき養殖業、第三種区画漁業たる貝類養殖業を内容といたします区画漁業権につきましては、入漁権というのを認めたわけであります。これは丁度山林におきまして他人持ちの、他部落持ちの入会山に入り会うという考え方でございます。一部落が入会山を総有している、それに対して他の部落がやはり総有的にその入会山を利用する、むずかしく法律用語を使いますれば、そういうことでございますが、そういう他の部落の持つている入会山を利用するという権利、これを海におきましては入漁権といたしたわけであります。それで今度新たに特殊の区画漁業にも認めましたのは、これら漁業権は名前は共同でないけれども、共同漁業権と同じように部落民が、協同組合員が原則として平等に使う権利がある漁業権である、これは後の第八條と関連いたしますが、このように名前は專用権でなくても、内容的には共同権であるという理由で以て新らしく入漁権を認めたわけであります。同時に後の三十條におきまして新漁業権の賃貸を禁止しておる問題に関連しておるわけであります。今後は協同組合であつても漁業権を他に貸すことができないわけであります。そうなりますと「のり」の種場にいたしましても、例えば千葉縣の青堀の漁業会に対して、東京の大森の漁業会がその種場を借りておる、これに対して今度は賃貸禁止の規定でございますから、それもできないということになります。これを救済いたしますために、青堀の漁業組合の持つておる区画漁業権に対して大森の組合が入漁契約を結ぶ、そしてその組合員が組合に規約によつて青堀の漁場を使うと、こういうふうなことになるわけであります。説明を終ります。
#32
○江熊哲翁君 これはまあ非常な新らしい観念で從來の入漁権という言葉を使われて、どうもはつきりしない点があるのですが、この区画漁業の場合における入漁権という御説明に、今の「のり」の種の問題で種付の問題を例に取られて施され、なかなか適切な例で大変いいお考えと思うのですけれども、これはそういう説明を聞いて見ると成る程と思う点でありますが、この條文だけの文句で見ると、私はこれが或る一つの非常に大きな技術的な行き方がここに存在する可能性があるというふうに考えておるのですが、これは私は、この條文の解釈が間違つておつてそういうことを思うのか、或いは又この條文をお考えになるときにそういうことについてお考えになつたことがあるか、又それに対してはどういうような対策があるか、そういうようなことで、この條文の文字通りの解釈じやなくて、本質のところを一つお伺して置きたいと思う。
#33
○説明員(松元威雄君) よく聞えなかつたところがあるのですが……
#34
○江熊哲翁君 この区画漁業権の入漁という問題ですね。これが今の種取りの場合は非常にいい例だと思うのです。それはよく分る。ところが、これは單に漁業権の賃貸ということになつて、この行き方について、区画漁業権が非常に大きな資本家的なあり方に行く可能性が非常に多いと、そういう意味なんです。
#35
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今江熊委員から御指摘がございました、これが賃貸が脱法になるのではないか、從つて協同組合で漁業権を持つても、現実にそれが資本家的経営になる、そういう危險がないか、それに対する措置如何という御質問がございました。これに対しましては、立法者としてはこう考えております。この法文では、入漁権の主体を別に限定いたしておりません。つまり協同組合の個人でもいいわけでございます。從つてこの法文通り申しますれば、個人が協同組合と入漁権を結んでその漁場を利用する、從つて資本家的経営を伸ばすという危險性も考えられるわけでありますが、この点は実際の指導問題として、入漁権は協同組合の問題であると、法文には個人にはいかんとは書いてないけれども、入漁権の入会という本質からして、協同組合でなければいかんと、こういう指導をいたして行きたいと考えておるわけでございます。或いは法文にはつきり書いてないから疑義があるということでありますれば、入漁権の主体を協同組合に限ると、そういうふうに明確にいたしてもよろしいと思います。
#36
○青山正一君 大体縣に大島というところがあるのですが、ここでこういつた問題が將來起きて來やせんかということを私心配しておるわけでありますが、そういつた面はこの漁区においてやつて行けばいいと、こういうことになりはしないかと思うのですが、これは如何でしようか。
#37
○説明員(松元威雄君) 大分縣の大島の何の漁業権でございますか、定置でございますか。
#38
○青山正一君 第三種共同漁業というようなものの中に入るわけでしようが、そういつた一体の漁業権というものは、両方に結び付いておるわけですが、これは一つ後からお調べ願つて……
#39
○委員長(木下辰雄君) 外にありませんか。それでは第七條に非常に関連性の多い第八條に移ります。第七條に対して御質問がございましたら、その際に一緒にお願いいたします。
#40
○説明員(松元威雄君) 第八條を読みます。「漁業協同組合の組合員であつて漁民(漁業者又は漁業從業者たる個人をいう。以下同じ。)であるものは、定款の定めるところにより、当該漁業協同組合又は当該漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会の有する共同漁業権、区画漁業権(ひび建養殖業、かき養殖業、第六條第五項第五号の規定により主務大臣の指定する湖沼以外の内水面における魚類養殖業又は第三種区画漁業たる貝類養殖業を内容とするものに限る。)又は入漁権の範囲内において各自漁業を営む権利を有する。」、この第八條の「各自漁業を営む権利」という、これがいわゆる協同組合が第十四条第二項或いは第六項の規定に從つて自営しなくても、協同組合が持てると、そういう漁業権の本質でございます。つまりこれらの漁業権は、協同組合が自営しなくても持つ。そうしてそれを組合員に賃貸するのではなくして、形式上は組合が持つけれども、実際上は組合と組合員が一体化して持つ。これは少し法理的に申上げますれば、ゲルマン法におきまして、総有という観念がございます。現在の民法におきましては、入会権として規定しまして、その内容は全部款項を讓つておりますが、いわば海の入会権、部落民と組合と一体となつてその漁場を使う権利を持つ。組合員から離れた協同組合というものが権利を持つて、それを組合員に貸すのではない。そういう共同漁業権或いはこういう特定の区画漁業権の本質を規定した規定でございます。非常に掘下げて御説明申上げますれば、法律の最もむずかしい点に触れまして、非常にむずかしいのでございますが、内容的には、これは協同組合が自営しなくても持てる漁業権の本質である、こういうふうに理解して頂きたいと思います。これは後の第三十條の漁業権の貸付の禁止、これを絡む点であると、こういうふうに理解して頂きたいと思います。それから尚関連いたしまして、現行法でもこういう規定がございます。それは水産業團体法でございますが、その場合現行法では、專用漁業権と入漁権に限りまして漁業を営む権利を有するというように規定しております。それを今度新らしく多少食違えまして、これを共同漁業権と特定の区画漁業権に拡げました理由は、これらの漁業権は、名前は專用漁業権と言わず、共同漁業権というように違つておりますが、本質において協同組合の組合員たる漁民が組合の定款に從つて共同に利用する、共同に漁場を使うという点では同樣でございますので、同じような扱いをいたしたわけでございます。
#41
○江熊哲翁君 この区画漁業権というものを何故この共同漁業権の中に入れて当初この第六條で考えなかつたか。そうしてここにあるいわゆる区画漁業権というものは、無論その個人々々ができるということに、第八條の今の御説明の精神から見て、これは共同漁業権の中に入れて考えて一向差支えなかつたのではないかと、これは考え方がちよつと無理があるかも知れませんが、そう思うのですが、今の御説明は非常に私は結構だと思うのですが、その説明から判断するとどうもそういう結論が出そうなんですが、そこらあたりどうですか。
#42
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今の江熊委員の御質問、これは尤もと思つております。つまり内容から本質的に考えますれば、協同組合が持つて管理するのが適当である、こういう意味において共同漁業権の範疇に入れて然るべきものだと思つております。ただこの点は、從來の漁業権、現行漁業権のシステムに倣いまして、一應漁法から申しまして、定置、区画、共同と分けたのでありまして、これらの区画漁業権は、内容からは共同漁業権と同じであり、本質は同じでございますが、漁法が違つておるので一應別扱いにしました。
#43
○委員長(木下辰雄君) 外にありませんか……それでは第九條に移ります。
#44
○説明員(松元威雄君) 第九條「定置漁業及び区画漁業は、漁業権又は入漁権に基くのでなければ、営んではならない。」、これは現行法にもある規定でありますが、多少表現を変えております。この中で「基く」と申しますのは、みずから漁業権若しくは入漁権を持つておるか、或いは共同経営をするとか、こういう場合でございます。貸付は禁止されておりますから含みません。説明を終ります。
#45
○委員長(木下辰雄君) 第九條に対する御質問ありませんか……それでは第十條に移ります。
#46
○説明員(松元威雄君) 第十條「(漁業の免許)漁業権の設定を受けようとする者は、都道府縣知事に申請してその免許を受けなければならない。」、現行法では漁業権の免許官廳は專用漁業権は農林大臣、その他の漁業権は都道府縣知事といたしておりますが、今度の法案におきましては、全般都道府縣知事といたしたわけであります。尚これに関連いたしまして、知事が免許をする場合には、第十二條の規定に從いまして、必ず海区漁業調整委員会の意見を聞くと、こういうふうにいたしております。
#47
○委員長(木下辰雄君) 第十條に対する御質問ございませんか。
#48
○江熊哲翁君 ちよつとお尋ねいたします。これはなかなか事務的に常にいろいろ問題が起るわけになるのですが、これは或いは先に出ておるのじやないかと思うのですが、私まだ研究しておらないのでございますが、この海区という言葉で表現されておるだけではちよつと分りませんが、二縣三縣というものに重大な関係のある漁場というものが絶対考えられることもない場合がありやせんかと思いますがね。その場合における取扱い方はどこかに出ておりませんか。ちよつとそれを……
#49
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。漁場が二縣に跨がる場合、これは現実にございます。この場合の処置といたしましては、第百三十六條、ここに「(管轄の特例)」という規定がございます。「漁場が二以上の都道府縣知事の管轄に属し、又は漁場の管轄が明確でないときは、主務大臣は、これを管轄する都道府縣知事を指定し、又は自ら都道府縣知事の権限を行うことができる。」ということになつております。現実例としても、現在でも京都府に農林大臣免許の漁業がございます。
#50
○青山正一君 それはどこですか。
#51
○説明員(松元威雄君) 京都府と福井縣の境です。田井でございます。
#52
○委員長(木下辰雄君) 御質問はございませんね。それでは第十一條に移ります。
#53
○説明員(松元威雄君) 第十一條「(免許の内容等の事前決定)都道府縣知事は、漁業の免許について、海区漁業調整委員会の意見をきき、漁業種類、漁場の位置及び区域、漁業時期その他免許の内容たるべき事項、申請期間並びに共同漁業についてはその関係地区をあらかじめ定めなければならない。」第二項「都道府縣知事は、海区漁業調整委員会の意見をきいて、前項の規定により定めた免許の内容たるべき事項、申請期間又は関係地区を変更することができる。」第三項「前二項の規定により免許の内容たるべき事項、申請期間及び関係地区を定め、又はこれを変更したときは、都道府縣知事は、これを公示しなければならない。」、この規定は新らしい漁業法の免許方針のまあ一つの特色を示したわけでございますが、漁場を合理的に利用しますためには、從來の免許方法は申請者がこういう漁業権を免許して呉れといつて申請者に任したわけでございます。そうして行政官廳としましては、免許の申請が他の漁業権と衝突するとか、或いは公益上害があるというような特別の理由のない限り必ず免許をする義務があるのであります。從つて漁場の免許は個人の種々の希望によつて合理的にでき上つてないという、こういう弊害があるのであります。これは予め今度は免許する場合に、一旦申請した場合に合理的に漁場の位置以内に免許を決める、そうして免許を貰うときは自分はどういう漁業権を自分に免許して呉れということを申請しようとするわけであります。そうしてこの漁場の最も合理的な科学的な利用を図つて行くということであります。そこで知事は免許をする前に予め「漁業種類、漁場の位置及び区域、漁業時期その他の免許の内容たるべき事項」を決める、それからこの漁業権を欲しいものは、いつまでに申請しろという申請時期を決める、特に共同漁業権の場合につきましては、この漁業権の管轄地区はどこであるかということを、これを決めなければなりません。この地区ということは第十四條第六項に出て來るわけであります。関係地区内の三内の二以上の関係漁民、これを含んでおりまする協同組合がなければ共同漁業の免許を與えないわけであります。そういう特別の法律一項を持つております。併しこれは予め決めなければならんと考えまして、その場合には海区委員会の意見を聞く、知事の專断では決めないということにいたしております。第二項は一旦決めた漁場計画、漁区の計画でありましても、知事は海区委員会の意見を聞いて変更することができると、こういう規定であります。第三項は事務的事項でありますが、公示をするという規定でございます。今度の新免許につきましては、期日につきましては、漁場計画は予め事前に決めるという点がむずかしいところであろうと思います。若しころが從來のように縣知事が適当にやりますれば、生産力の発展という大きなことから言いましても、実際現状と対照して変りはないのじやないかということは生産力の観点、民主化の観点から行きましても非常に重要な規定であります。
#54
○委員長(木下辰雄君) 質問ありませんか。
#55
○江熊哲翁君 これは全く新らしい法で、いろいろなことが考えられますが、この第十一條の初めの方の漁場の地区を予め定めなければならんと書いてあるのでありますが、何と言いますかね、これの内容はちよつとここに書いてありますが、どういう形式をお取りになりますか、ちよつとどういう御予定でおられるのか、まだ決まつておらん点もありますので、事務的にどういう取扱方をなさいますか。
#56
○説明員(松元威雄君) これは実際問題としましては、免許する場合には、事前に各自の希望はどこどこで、どういう免許が欲しいか、事前に希望を取りまして、こちらでも二年の間に新らしい漁場計画というものを考えておりましたが、それと睨み合せまして、実際に決めて行く、それを委員会に言つて決めて、そうして置いて、そうなつてから、これを発表して申請者を又募り直すという方式を取るつもりであります。これは漁場の作り方の技術内容でございますから、今こうであるということははつきり申上兼ねる点でございますか。
#57
○江熊哲翁君 その程度で了承いたします。
#58
○委員長(木下辰雄君) ありませんか、それでは第十二條に移ります。
#59
○説明員(松元威雄君) 第十二條「(海区漁業調整委員会への諮問)」第十條の免許の申請があつたときは、都道府縣知事は、海区漁業調整委員会の意見をきかなければならない。」、從來のように知事の專断では決められないわけであります。そうして委員会の意見を聞かなければならん、この意見の聞き方でございますが、これは法律ではどういう聞き方をするかということを、それは言つておりません。この條文では知事がいずれにも決めてもいい、單にお座なりで以て意見はどうか、お座なりの意見を交す、或いは委員会の意見をはつきり申上げても、その意見と違つたときは自由だと、この條文では読めるかも知れませんが、事実問題としまして、先ず知事はいわゆる委員会の意見が決まつたら、それに反対することはできない、委員会は諮問機関に過ぎないけれども、事実上は決定機関に近いものであるというように了解しております。ただこの点を農地委員会でありますと、全く決定機関になつております。その点を漁業調整委員会について、決定機関にしなかつた点について、いろいろ賛否両論はあつた点でございますが、現段階としましては、一應は形式上は知事に決定権を持たせるというわけでございます。
#60
○矢野酉雄君 これは大体このアメリカ式の方式が、あながち農林、水産の問題でなくて、殆んど採られて來たのでありますが、例えば現在文部省においては、大学設置委員会というのがある。大学設置委員会の動いて來ておる実際を見ると、こういうような、ちよつと関係のないようだけれども、非常に関係がある。あらゆる方面から考えて見て当然この人は教授にならなければならないのに、大学設置委員会の或る部の委員長とか、或る委員の考え方によつて助教授に落されている。結局その大学設置委員会の委員の構成如何によつて、全く常識外れのような結論が出ておる。或いはこれは主としてソ連が占領ドイツ下において急速に実施した農地改革を、更に又占領下に置かれた日本が農地委員会によつてあらゆる改革を断行した。これらのものを顧みて見ますと、いよいよ水産問題にこの委員制度というものを実施する場合においては、すでにかかるこの種の委員会が果して來るところの業績というものを、大いに私は提案者たるものは研究して書かれたことと思うのです。これだけでは誰がこの委員に選ばれるか、それらの方法等は、第六章の八十二條から漁業調整委員会というものが出て來ておりますので、この機に或いはお尋ねすべきであるとも思いますが、これについて事前にこの立法者たる、立案者たるところの水産当局においては、何か今申上げたような、すでに我が國において、新憲法下において、これらの委員会制度によつて、いろいろと運用して見た功罪についての御檢討があつたと思いますが、その功罪両面を御勘考になつて、水産廳として海区漁業調整委員会、その他連合調整委員会というのがありますが、その実施前の何か政府当局としての陷り易い弊害とか、こういう点はこう更正しなければならんとかいうようなことの、打明けに御研究になつた点を一應この機会に御発配をして頂きたいと思います。
#61
○説明員(藤田巖君) 只今委員長からの御意見は非常に御尤もなところでありますが、新らしい憲法で、日本は民主主義の國家として進んで行くわけでありますけれども、実際問題といたしまして、これは一片の憲法なり、或いは一片の法律で全部のものが急に理想的なものになるということは、これはないのでありまして、やはり國民全体が漸次啓蒙されて民主化の本当の意味を理解して來なければそれはうまく行かない。却つて又逆な効果を及ぼすというようなこともあろうと思います。現在日本で各方面において起つております問題というものは、私は何と申しますか、理想と現在とのギャップというものが出て來ておる、これはそう思います。これはもうすべてのものにそういうものが出て來ておる。反動的に從來のものが惡い。新らしいものが逆のようなことでやつておるということで、從來はそういうことが反動的に出ておるように私共は思うのであります。併しながらよく考えて見ますと、やはり從來のような行政官廳が非常な権限を持つておりまして、役人のまあいわば浅い経驗、或いは一方的の経驗だけでこういう大きな処分をして行くということも、これは弊害も出ておるわけでありまして、これはやはり方向としては民主的な機構を取つておる。その機構が、果してどの程度民主的に運用されておるか、法の庶幾するような効果を挙げるかという問題は、やはり啓蒙運動もやつて、或る程度、時とそれに藉さなければ急速にできないと思います。從つて漸次それをやつて行かなければならんというふうに、これは日本の國というその全体がやはりそういう方向に向わざるを得ないのじやないかと私共は考えております。ただいろいろ委員会について前例もあるわけでありまして、例えば農地委員会というものが前例にございます。そういうふうな点についての何と申しますか、非常に行過ぎになつております点、或いはあとから考えまして、どうかと思われるような点というような点については、できるだけそういうふうな点と同じように、又失敗を繰返さないようにというふうな心構えで研究をいたしまして、そうして又漁業と農業との区別から來るところの問題についても、これは研究いたしまして、差別のありますところは変えておるつもりでございます。例えば漁業調整委員会が決定機関であるとか、諮問機関であるか、或いはその選挙の仕方をどうするかというふうな点、その外の点についてもいろいろ十分そういう点は研究をいたしまして、一應の案をして作つておるわけであります。
#62
○委員長(木下辰雄君) よろしうございますか。外に御質問ありませんか。この第十二條に対してはGHQから調整委員会の外に利益関係者の意見を聞く必要はあるかないかというような、サゼッションが來ておるようです。それをお含み願います。次に第十三條に入ります。
#63
○説明員(松元威雄君) 「(免許をしない場合)」、第十三條「左の各号の一に該当する場合は、都道府縣知事は、漁業の免許をしてはならない。
 一 申請者が第十四條に規定する適格性を有する者でない場合
 二 第十一條第三項の規定により公示した漁業の免許の内容と異なる申請があつた場合
 三 その申請に係る漁業と同種の漁業を内容とする漁業権の不当な集中に至る虞がある場合
 四 漁業調整その他公益上必要があると認める場合
 五 免許を受けようとする漁場の敷地が他人の所有に属する場合又は水面が他人の占有に係る場合において、その所有者又は占有者の同意がないとき
2 前項第五号の場合においてその者の住所又は居所が明らかでないため同意が得られないときは、最高裁判所の定めるところにより、裁判所の許可をもつてその者の同意に代えることができる。
3 前項の許可に対する裁判に関しては、最高裁判所の定めるところにより、上訴することができる。
4 第一項第五号の所有者又は占有者は、正当な事由がなければ、同意を拒むことができない。」
 ここに第一項に掲げました五つの事由、これ以外、これに該当しない場合には必ず知事は免許しなければならんわけであります。これらの事由がある場合には免許してはならない。ない場合に免許する。こういうことにいたしたのであります。先ず、第一点は適格性のない場合、適格性につきましては、次の第十四條で御説明いたします。二番目には前の第十一條におきましては、予め漁業計画を決めまして、免除の内容を決める、こういうような條文を置いたわけでありますが、予め決まつた免許の内容と違つた出願をした、それには免許を與えない。そういたしませんと予め漁業計画を決めたことが何にもならないわけでございます。第三号は、漁業権を不当に集中してはいけない。これにつきましてはいろいろ疑義があるようでございます。なぜ漁業権が不当に集中する場合に免許をしてはいけないと規定したかと申しますと、不当に集中する場合の不当なという意味は、独占禁止法、過度経済力集中排除法がございますが、これの立法の趣旨とは必ずしも一致しておりません。例えば独占禁止法の場合でございますと、独占して、その結果不当に取引を制限する、いわばあれは消費者を保護するという建前の規定でございます。それに対してこちらはそういう点ではなくて漁業権というものは、大体数が限られておる、從つて希望者が沢山ある。本質的に数が限られておるという点があるわけでございます。それを本來なら、成るべくならば希望者全部に免許してやりたい、それが数の限定でできないわけであります。それにもかかわらず、それが一人で沢山持つということは民主化という点から言いましてもいかんというために、不当に集中する場合には免許しないということになるのであります。但しその場合、不当な集中に至る虞れのある場合には沢山持つてはいかんということではありません。その意味は誤解を招くことが多いのでありますが、いわば経営の合理化、或いは多角経営をするということは当然あるべきことでありまして、又そういうようにして行きたいと思つております。経営の合理化というのでなく、ただ沢山持つておることを抑えるわけでございます。從つてこれらの不当の集中する虞れのある場合には、経営の内容、漁業権の数、或いは希望者の数、その他の具体的状見に應じて、具体的に判断しなければならん問題で、一律に第三号に該当するように不当の集中とは何であるかということについてはお答えしかねるわけでございます。考え方としてはそういうような考え方でございます。それから第四号は、「漁業調整その他公益上必要があると認める場合」と申しますのは、この本法第一條に書いてあります目的からも合せまして、漁場を総合的に利用する、こういう意味でございます。そういう漁場の総合的高度利用の観点から免許してはならないと思うのであります。「その地公益上必要があると認める場合」と申しますのは、船舶の航行上書があるとか、海底電線敷設上害があるとか、その他いろいろな害が考えられるわけであります。第五号は、ちよつとこれは理由が違いまして、これは現行法におきましても、こういうような漁場の敷地を他人が持つておる場合、水面を他人が占有しておる場合、こういう場合におきましては、所有者又は占有者の同意ということを謳つてございます。この規定と併せまして、こういう場合には免許しない、私有財産権を保護したわけでございます。併しながら私有財産と申しましても、絶対的に権利者の指示に任せるわけではない、從つて正当な理由がなければ同意を加えないということを第五号で規定しております。若し同意を拒んだ場合には裁判所に訴えて同意の判決を求めることができる。その判決があれば同意は要らないと、こういたしたわけであります。それから二項は漁場の敷地の所有者、又は水面の占有者の住所又は居所が明かでない場合についてでございますが、そのときには「裁判所の許可をもつてその者の同意に代えることができる。」、こういたしております。第二項と第三項の「最高裁判所の定めるところにより、」というのは、從來の規定で定めてございます。例えば現行法におきましても、勅令で裁判所の許可を求めることに関する件ということが規定されております。その手続的な規定を今度は最高裁判所の規則で決めておるわけでございます。説明を終ります。
#64
○矢野酉雄君 第三号の「不当の集中に至る虞がある」という場合、この不当なものという解釈が、これは実にいろいろ解釈ができると思うのです。殊に委員会の選挙の方法等よろしきを得ない場合には、世に言ういわゆるボスというものが委員の中に必らず相当数当選する。そうしていわゆる許可権というものを委員会が結局把握しておるのでありますから、それによつて結局左右される。まだ我々の兄弟は、少くとも、私が調査したところによつても五十万近く帰らないでおる。すでに帰つた者が六百三十万人おる。帰らない者も、又帰つた者の中にも、資材、資カというものが全然準備されなかつたために、優秀なるその水産に関する経驗と、それから見識と、又止むに止まれない熱意を持つておる諸君がこの中には相当数あります。ところがそれらの諸君が、この「不当な集中に至る虞がある」という場合で禁止規定を設けておつて、この運用そのよろしきを得なければ、殆んど全面的にシヤット・アウトされます。大体一升の中に一升五合水が入つておるような状態だと某議員などは日本の水産業界の実態を表現しておるのでありますから、必然的にこれは漁区拡張の問題も起つて來ますけれども、併しともかくも我々は生きなければならん。そういうような場合において、水産を通して生きたいというその力と熱とを持つておる諸君が、この濫用によつてその許可を得られないというような、免許も得られないというような不当な條件下に置かれるということは、私はこれは新憲法下の営業の自由権から言つても、基本的人権の尊重から言つても、実に悲しむべきことであるから、そういうような場合には何とか特別の考慮を拂うような規定を設ける必要はないかどうか。全然このままではこの解釈の仕方は結局委員会自体の自由裁量でありますから、そういうようなことなんかについて、果して立案者自身が考えられたことがありますか。率直な御意見をお聞きして置きたいと思います。
#65
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今御指摘のように「不当な集中」ということにつきましては、いろいろ問題がございます。特にまあ事実問題としまして、第一次的に判断するのは調整委員会であつて、從つて調整委員会というものを通して考える。これは頭から先ず決めて行くか、或いは理想的に決めて行くか、或いは妥当に運営されるかということは、委員会の、実際これは個人の考え方に左右されるわけであります。これによつて大分違うわけでありますが、実際問題として考えました場合には、漁業権者の不当集中というのはそうは多くないと思つております。今御指摘のありました何百人かの引揚者の問題でございますが、
   〔委員長退席、理事尾形六郎兵衞君委員長席に着く〕
それが拒まれるということはちよつと分らないのでございますが、むしろあいつは特過ぎているから、あいつは不当な集中だというふうな例はちよつと聞いていないのでございますが……
#66
○矢野酉雄君 今のは或いは僕の質問の仕方がその要を得なかつたかも知れないが、漁業権の不当な集中の虞れがある場合というのは、長崎なら長崎において漁業権を許可する場合に、現在の状態においてフルに達している、そういうようなフルの中に長崎に引揚げて來ておる人、或いはこれから引揚げて來る人は、この條件によつて結局シヤット・アウトされるんですよ、事実において。
#67
○説明員(松元威雄君) 今の点は実はそうでなく、この趣旨は一人が不当に持つていてはいかんという趣旨でございます。漁業権は数が限定されております。長崎縣では「いわし」揚繰は六百ケ統、長崎における「いわし」の定置漁業は百二十以上はいけないことになつているとする。それを百二十のうち大部分を一人が持つている、個人が独占する場合を言つているわけです。
#68
○矢野酉雄君 ああそう、了解。
#69
○江熊哲翁君 今の矢野委員の御質問に似たような点があるのですが、一体「同種の漁業」と、こういう言葉で言つているのですが、これは恐らく立案者の趣旨は、狭い意味の「同種の漁業」、こう言つているのではないかと思つております。併しこれは考え方によると、可なり漁業分類の上から言つて、少し中間的な程度まで拡げて考えるというようなことによつて、解釈がそういう解釈の結果においては、大変不当な集中という限界が移動して來るわけですが、この「同種の漁業」というのは全然極く下の微細な分類におけるところの漁業の同種という意味に、つまり漁種なら漁種、漁区の分類なら分類におけるその狭い意味における「同種の漁業」、こういう意味であるかどうかということをお伺いして置きたいのであります。それから「漁業調整その他公益上必要があると認める場合」、これは非常に抽象的な言葉ですから、矢野委員の言われたように、海区漁業調整委員会の構成如何によつては、これがあらゆる角度において漁業調整というような意味に絡んで來るというと、非常に、むしろ免許してはならない。つまり免許しないという方面に強く惡用される傾向もある。そういうようなことについてどういうふうにこの「漁業調整その他公益上必要がある」というような場合のことを適用して行くかどうかというようなことについて、殊に短時日のうちに厖大な漁業権処理をやる場合においては、この言葉が恐らく一番大きな問題となつて処理される危險性が多合にあるんですが、何かこの点についてお考えがありますか、お伺いします。
#70
○説明員(松元威雄君) 先ず第一点、「同種の漁業」と申しますのは、狹い意味の漁業分類ではございません。今度は、例えば定置漁業免許につきましても、從來のように細かく漁種に分ける、更にこれを告示に從つて何百に分けるという方法は採らないつもりでおります。いわゆる「いわし」定置網漁業というように主たる漁獲物によつて区別する。「いわし」を取るような漁法という意味でありますが、こういう免許をするわけです。從つてこの同種ということが、そういうような意味でございまして、漁業方法或いは規模ということを考え併せまして決めるわけでございます。現在の告示にあるような狹いものではありません。第二点の「漁業調整その他の公益上必要があると認める場合」という内容は非常に曖昧であるというのは御指順の通りであります。併しながらこの点は如何に法律に書きましても、最後の問題はすべて委員会の運営如何によるものだと思うわけであります。現行法では例えばこの場合には「既ニ免許ヲ與ヘタル漁業ト相容レスト認ムルトキハ亦前項ニ同シ」「水産動植物ノ蕃殖保護其ノ他公益上必要アリト認ムルトキ」と同じような表現を使つておるのでありますが、この場合がどうであるかというようなことは、委員会の具体判断にならざるを得ないと思つておるわけでございます。
#71
○矢野酉雄君 教育方面においては教育委員会が設置されて、その教育廳の一つの行政機関として教育長や主事がある。教育委員会は結局決議機関と執行機関と両面あると思う。決議機関であると共に実際運営して行くのは、そのいろいろな事務担当その他決議機関たるその委員会にいろいろな資料を提供する、丁度我が水産委員会の運営を円滑ならしめるためには、有効ならしめるためには專門員その他の機関があるのです。だからこの委員会を運営して行くためには私は相当或る程度組織を必要とすると思うのです。そういうような点に立つて、教育委員会では教育長とか、主事等の講習をして盛んにその委員会の運営の実績を挙げるために結局努力しておるわけです。これは教育委員会に匹敵するような意味の海区漁業調整委員会というようなこの委員会そのものの運営のために、何かそうしたこれらの運営を有効ならしめるための関係者をして教育するような計画等がありますか。一種の決議機関たる委員会だけの委員をその委員会に送り込んで、それでやりさえすればよいということですか。これについての計画組織というようなものをお聞きして置きたい。
#72
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今の矢野委員の委員会の事務局が非常に重大であるという御指摘は御尤もと思つております。具体的にはこの法案におきましては「委員会には、書記又は補助員を置くことができる。」となつておりますが、残念ながら予算その他の関係で十分置けず、手当も十分でないという憾みがあるわけでございます。この書記又は補助員につきましては、御指摘の通り教育講習は十分やりたいと思つております。委員会の運営は実に事務局の良否如何にかかるわけでございまするから、教育はしたいが、只今法案が通つておりませんので、具体的なプランはやつておりませんが、やる計画があります。それともう一つは、委員会運営の大方針に関する問題だつたと思いますが、現行法では委員会は諮問機関であつて決定権は知事にあるという形を形式上取つておりますが、事実問題としては委員会が実質上働きをするということは先程申しました通りでございます。その場合に從つて將來の方向といたしましては段々縣の水産課、縣の役人自体が委員会の事務局になるというふうに持つて行きたい。これは現在の方式ではそこまで行つておりません。全くこれはこの委員会の運営のやり方を見て、徐々に持つて行く方法ですが、考え方としては県の水産課というものが委員会の事務局というものになるわけでございます。こういうふうに持つて行きたいと思つております。
#73
○矢野酉雄君 これは藤田次長にお伺いいたしますが、そういうようなためにどこで、今まで教育委員会等の文部省を主体としたる教育講習等のやり方を研究しているというようなのはどこでやつていますか。水産廳の……
#74
○説明員(藤田巖君) これはむしろ一般の教育というよりも、特殊な專門的な教育をしなければならんと考えます。これは例えば丁度漁船乘組員の素質の改善というふうなことで、現在水産廳で若干の経費を組んでやつております。講習会をやつております。何かそういうふうなやり方で、これはやはり何と申しますか、將來漁業調整委員会ができて、そうしてそれの例えば書記その他の事務当局が揃つて参りますれば、我々といたしましてはやりは講習会、そういうふうなことを目論見まして、そうしてそのうち或いは定期的に、或いは短期の講習であるとか、或いは長期の講習であるとかいうふうなことで、やはりいろいろ漁業法の趣旨をよく呑込ませ、又將來漁業調整委員会が過ちなく活動するに必要ないろいろの問題、そういうものをよく呑込ませる、そういうふうな施設を必要とする、私共としては、これは先程松元事務官からお話がございましたように、現在の予算ではまだ調整委員会ができておりませんから取つておりません。併しながら調整委員会ができて参りますれば、当然これは要求して、そういうふうな点については力を入れて行きたい。これは文部省がやるのではなくて、むしろ水産廳自身がやつて行く、こう思つております。
#75
○矢野酉雄君 僕の表現が十全でなかつたために藤田次長は大変誤解しておられますが、そういう意味じやない。例えば教育委員会における組織的、計画的な講習があつていいが、この委員会ができるに際しての水産廳の現在における構想如何、それを質問したゆえんのものは、やや意見にもなりますけれども、今までの日本のあり方は、それができてからでなければやらん。そんなことは実に泥棒を捕えて繩をなう式であつて、そんな近視眼的なやり方だから日本の水産業の躍進ができないのです。いよいよこうした委員会でも作つて民主的な運営を図ろうとするためには、全面的に水産業界の内容を革命的に一新して、そうして狹に漁区内においても十全の能率を発揮するような、私は本年の大計を立てるために、これらの問題について委員会を作つて、いよいよそれが動き出してからでは遅いのです。その関係官吏と申しますか、或いは自治体の役員と申しますか、これらの者を結局すでに養成して置かなければならん。教育行政の面においても、例えば私などは一番大事なのは設備よりも金よりも人であるというので、いわゆる縣立師範学校を官立專門学校にした、僕はその先頭を切つて働いた男であるが、併しながら学校は看板を塗替えたが、例えばこれを教育するところの教育者をどこで教育するかという、その教育機関は、師範学校のその教授達をどこで教育するかということ、この教育機関がない、だから看板の塗替えだけである。だから委員会というような民主的な一つの機構を作るためには、結局制度でも組織でもない、人でありますから、その委員会の運営に当る委員の選任の方法を考えると共に、私は水産廳において百尺竿頭一歩を進めて、教育委員会の教育長の主事等の教育講習という方法を水産廳においても調整委員会の役員の教育を実施するように計画すべきではないか、例えば今度の衆議院における醜態のごときも、議員たるもののいわゆる民主教育が不徹底のためである。実に悲しむべき國民にお詑びの申しようもない醜態をこの権威あるべき参議院自体が暴露しておる。決して議員であるからと言つて、委員であるからと言つて特権的存在のごとく考えておる、それらの委員の頭脳は粉碎すべきであると私は思つておるのであります。そういう意味において將來期待しておる我が水産業界の発展のために設けられる、この民主的な委員会というものは、あの水産委員会のあれを見よと言われるような実績を挙げて見たいと思う。それには委員自体の教育に対する構想がめぐらせられておらなければならないし、その委員会のいわゆる運営に当る、執務に当る執行機関たるところの関係者を教育するところの十全の計画を今のうちに立てて、この委員会が発生する前に、行政整理等のために水産廳等においても、或る程度の整理があるならば、その中から希望者を選んだり、或いはその他実際今地方の最前事務官から御説明の照りに、水産課を併合するというような構想があるならば、すでに水産課の希望者を集めてそうしてすでに教育に着手する。それには予算措置をしなければならんから、この法律を発足する前に、それらの計画と実行が行われなければならんと私は思います。そこの一切の行政の問題を、すでに來てしまつてから後にやつと予算を取り、いわゆるやれ講習会を開くとか、やれ訓練機関を設けるとかいう、そんなやり方は旧式の封建的時代である。だから思い切つた大きい構想と、本当の正しい新らしい構想のために一つの大きい覚悟を持つておられるかどうか、そこを私は今伺うためにその端緒として御質問を申上げたのであります。意見も含みましたが、根本は先ず問題であります。
#76
○説明員(藤田巖君) 只今お尋ねになりました矢野委員の御意見は誠に御尤もだと思います。率直に申上げまして、まだ私共にはそこまでの具体案は考えておりませんが、これは早急に私共といたしましても、そういうふうな点につきましても根本方針を立てて、そしてこれは財政の問題、その他いろいろむつかしい点があるかも知れんとは考えますけれども、できるだけ速かに只今矢野委員のおつしやいましたような方向に持つて行きたい、こう思います。
#77
○理事(尾形六郎兵衞君) 外に御質問もなければ、その次の第十四條に移りたいと思います。
#78
○説明員(松元威雄君) 第十四條(「免許についての適格性)定置漁業又は区画漁業の免許について適格性を有する者は、左の各号のいずれにも該当しない者とする。
 一 漁業に関する法令の惡質な違反者であること。
 二 労働に関する法令の惡質な違反者であること。
 三 海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によつて漁村の民主化を阻害すると認められた者であること。
 四 前三号の規定により適格性を有しない者が、どんな名目によるのであつても、実質上その申請に係る漁業の経営を支配するに至る虞があること。」
 第一項と第二項以下は内容が大分違つております。先ず第一項で切つて御説明申上げたいと思います。
 後の三十條で漁業権は貸付を禁止されておりますために、漁業権は原則として漁業をしなければ免許いたさないという、第一項は指令する者の適格性の規定であります。この場合に四つの事項がございまして、この四つの事項の一つに引つかかつた人間は適格性がないと、こういうふうにいたしております。適格性と申しますのは、いわば最小限度の資格審査と言いますか、最小限度の資格要件でございます。先ず一は「漁業に関する法令の惡質な違反者であること。」これにつきましては、表現が曖昧でありますために、いろいろ疑義、又問題が惹起することも予想されるわけでございます。この漁業に関する法令と申しますのは、漁業法並びに漁業法施行規則、その他漁業法に基きましていろいろの漁業取締規則、中央の取締規則でありますとか、縣の漁業取締規則、そういうものが出ております。これを言うわけであります。よく御質問があるわけでございますが、價格関係の統制法規、或いは配給関係の統制法規は漁業に関する法令には含まれません。惡質と申しますのは非常に曖昧な表現でございますが、若しこれをただ違反者であるというふうにいたしますと、これは漁業法自体非常に欠点がございまして、現行法の欠点が一々拾い上げればこれはきりがない話でございます。それから又違反をしてその後刑に処せられた者というふうにいたしますれば、むしろ運の惡い者が刑に処せられたということもございますし、又数も少うございます。從つてそういうふうに形式的に違反者とか、或いは形式的に刑に処せられたとか、形の上の要件ではなく、実体を判断をいたしまして、惡質であるかどうか判断する。惡質な場合には漁業権の免許の適格性がないというふうにいたしたのであります。併しながらこの惡質の判断ということは、條文では惡質と書きましても、実際判断としましては、どの程度が惡質かということは恐らく疑義の出る点であろうと思います。これは実際の委員会の運用、或いは現地の実際の状況判断によりまして大体見当が付く。例えば食糧管理法違反でありましても、惡質のものは檢事局へ送檢するという言葉も使つております。だから社会通念として、一應の修理は立つのじやないかと、こう思つているわけでございます。それからこれは、一旦惡いことをしたならば懲罰する意味で免許しない、こういう意味ではございません。よく一旦惡いことをしたら二度と免許を受けられないのかという御質問がございますが、そういう意味ではございません。若しこの男に免許したならば、將來漁業法令の惡質な違反をするだろう、そういうふうに予想される人間という意味でございます。ただその場合に、莫然と予想される点が非常に曖昧でございまして、その男が將來惡質な違反をするかどうかという意味でありますので、過去の実績を見て、この男は過去にこういう惡いことをした、而もその後改悛の情もないというような点を判断しまして、適格性があるかないかを決めるわけでございます。それから第二項の労働に関する法令と申しますと、労働組合法でありますとか、或いは労働基準法、或いは労働関係調整法とか、或いは職業安定法、それから三十トン以上の汽船につきましては船員法、船員保險法、それから船員職業安定法とか、いろいろ労働部面の規定が出ております。これに惡質に違反した者は適格性はないといたしたわけであります。これは現在の段階におきましては、労働法令は必ずしも漁民の間に浸透もいたしておりません。又労働法規自体が非常に現状とマッチしないので、直ちに機械的に云々することはできませんが、惡質なもの、例えば十一條に違反して組合運動をしたから首を切つたというようなもの、これは適格性がない、こういうふうにしたのであります。それから第三点、これも非常に問題になる点でございます。これは海区漁業の調整委員会で投票いたしまして、これは総委員はあとで大体原則として十名というふうにいたしておりますが、この十名の総委員の三分の二以上、つまり七名以上でございますが、これが投票いたしまして、このものは漁村の民主化を阻害する、こういうふうに投票をする場合には免許の適格性がないとしたわけであります。何が漁村の民主化を阻害するか、これは非常に問題でございます。これをもつてはつきりして呉れという希望がございますが、これを法律に具体的な事例で一々列挙するわけに参りませんので、むしろこの法案自体は委員会の運用に任かしたい、こう思つたわけであります。それから第四項は一項二項三項によりまして、適格性を有すかどうかを見まして、若し適格性を有しないものが、実質上うしろにありまして、協同経営でありますとか、又仕込みをするとかしまして、表面に立たないけれども、裏で経営を支配しておるという場合には免許の適格性がない、言わば脱法を防いだわけであります。一應第一項の御説明を終りまして、
   〔理事尾形六郎兵衞君退席、委員長着席〕
第二項以下は内容は大分違いますので、次に御説明いたしたいと思います。
#79
○委員長(木下辰雄君) 第一項に対して何か……
#80
○江熊哲翁君 これは御質問申上げると、必ず委員会の運営に任せるという言葉で逃げてしまうので甚だ困るのだが、併し第十四條の第一項の場合においては、これが惡用されるという嫌いが多分にあるということは、例えば一つの漁業に関する法令のいろいろ違反者だとか、こういう言葉の場合について考えて見ますと、惡質な違反者が違反をやつたということになると、何人か認めるといたします。その場合においてこれがこの條文の書き方で行けば、これは終身懲役になつてしまつて、結局まあ或る一人の委員から睨まれておれば永久に漁業はすることができないのだと、こういう結果になるのであります。これは漁村の場合は非常に封建的であり、旧慣を墨守しているだけに、一應親人から睨まれたらなかなかうだつが上らない。そこへ持つて來て委員会の運営に任せるのだというふうな書き方にしていると、非常に民主的であると言えば如何にも民主的であるが、日本が民主化されていない今日において民主的であるということは依然として旧勢力を温存するということになる。これは私はそう考えておるのですが、そのことについて何か防止のことをお考えになつておるかどうかということを聞きたい。これはどこにも、ここにもそういうふうな言葉が出て多分に心配されることでありますが、どうもちよつと委員が惡いと言うと終身懲役になりそうなのですが、そのところを一つ御説明願います。
#81
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今の終身懲役見たいになるのではないかという点は、これは解釈ではならないと、法律上は、そう思つております。と申しますのは、惡質な違反者であるというふうに規定いたしまして、惡質な違反をした者があると適格性がない。從つて法律上は終身懲役にならんわけでございます。実際上の運営といたしましては、一人の親から睨まれたら永久に浮かばれんということはあるのでございます。これはいつもの逃げ道というふうに取られるかも知れませんが、例えば現行法においてはこういう適格性を有すると見て一切書いていないわけでございます。そのものが親人の負担、こうなつております。又他の法令におきましても免許をする場合、許可をする場合に適格性でありますとか、優先でありますとかいう例、こういう例を決めた例はございません。なまじつかこういう例を決めるために問題が出て來る。若しこの第十四條の適格性、或いは十六條から二十條までの優先規定を置かないで、免許は知事が調整委員会の意見を聞いて免許をするという形式にした場合に却つて問題は出ないのではないか。こう書いたら却つて問題が出るわけでありまして、從つてここに大体書きましても、又問題は残るというわけでございますけれども、運営方針としましては、結局その委員会を通じまして、漁民を教育して行く以外方法はない。如何にこれを法文に定めまして、八十條か、二百條か作りましても、問題は残る。実際問題として運営方針につきまして、惡質とはどの程度のことかということは、指導と言いますか、指導と言いますと語弊がありますが、例えば定置の場合であつたらこういうふうに何回、或いは遠洋の場合だつたら何回というような基準を設けて運営するつもりであります。それでも尚あと残る問題がある。これは結局委員会を通じて運営する以外途はない。漁民の教育をします場合に、この委員会を通ずるという方式が立案者の主観的意思としましては最も効果的であると、こう思つております。形式的にいたしましては、若し委員会がうまく行かん場合には再議の規定もあるし、或いは解散命令の規定もある。又その委員会の会議は公開でやるということでありまして、それも形式的な要件という言葉もあるかと思いまするが、徐々に委員会の運用を通じて漁民の素質を昂揚せしめる以外に途はないと思つておるわけであります。併しながらそれは委員会の運営を決めるというのではなく、法文の曖昧な点の解釈は、細かな解釈は極力はつきりいたしたいと思つております。
#82
○矢野酉雄君 お尋ねいたしますが、第一、第二のこの違反者というのは、刑事上の処罰を受ける、例えば三年以上の禁錮に処せられた者とか、二年以上の懲役に処せられた者とか、そういうような意味でなくて、行政処罰の意味も含んでおるのですか。
#83
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。この違反者というのは刑に処せられた意味ではございません。又行政処罰を現に受けたかどうかも問題はございません。從つて仮に懲役にもならない、行政処罰も受けていなくても惡性違反をしたことがあれば含まれるわけでございます。
#84
○矢野酉雄君 それは最前の江熊委員の質問と同じようになるかも知らんが、それでこの言葉で大体一つの判定の標準になり得ますか。こんな抽象的な一つの表現の形式を取つて果してこれが物差になり得ますか。
#85
○委員長(木下辰雄君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#86
○委員長(木下辰雄君) 速記を始めて。
#87
○江熊哲翁君 今次長のいろいろの御説明を承わつて事情はよく了承いたしました。又その御説明を聞くまでもなく、私共はその点十分承知いたしておるのであります。そこで私はここで一つの提案的な御質問を申上げたいと思います。今後この第十四條の規定によつて漁業調整委員会というものが短時日のうちに非常に沢山な漁業権を処理して行こうという場合においては、いろいろな弊害が予想される。非常に長所もある代りに又非常に弊害が予想される。そこで調整委員会は運営と言いますか、こういつた順位による取扱い方について内規等を作つて、一律に或るスケールを以て処理して行くというようなことが考えられるのでありますが、そういつたようなことがこの十四條及び第十三條でありますか、この前の條文の処理の場合において、そういうようなことをやるということは別に差支えないのじやないか。
#88
○説明員(松元威雄君) お答えいたします。只今御指摘の点は、これは勿論差支えございません。実際問題としましても免許をしない場合の規定、或いは適格性の規定、或いは後の優先順位につきましても、委員会の運営に任せる部分が非常に多いわけで、実際は内規を作つて運営いたしたいと思つております。
#89
○委員長(木下辰雄君) 第十四條については、その筋から意味甚だ不明確、何とか明確にする方法はないかというサゼツションが來ておるそうですが、凡そそういう問題であろうと思います。いずれ御檢討願います。外に第一項についての御質問ありませんか。第十四條は非常に重要なる條文でありまして、非常に長いのでありますが、本日はこのくらいで閉会して如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(木下辰雄君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時二十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木下 辰雄君
   理事
          尾形六郎兵衞君
   委員
           青山 正一君
           西山 龜七君
           田中 信儀君
           江熊 哲翁君
           矢野 酉雄君
  説明員
   農林事務官
   (水産廳次長) 藤田  巖君
   農林事務官
   (水産廳漁政部
   経済課勤務)  松元 威雄君
ソース: 国立国会図書館
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