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1949/03/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第1号
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1949/03/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第1号

#1
第005回国会 人事委員会 第1号
昭和二十四年三月二十二日(火曜日)
   午後一時三十六分開会
  ―――――――――――――
 委員氏名
   委員長     中井 光次君
   理事      木下 源吾君
   理事      小串 清一君
   理事      宇都宮 登君
           赤松 常子君
           北村 一男君
           小林 英三君
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○調査承認要求の件
○派遣議員の報告
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) それではこれより開会いたします。
 本日は調査承認の件並びに先般御苦労願いました各地方にお出掛けを願つて御調査を願つた報告を願うことになつております。專門員より調査承認に関する問題を御説明申上げます。
#3
○專門員(川島孝彦君) この前の國会で人事委員会の調査といたしましては、公務員の能率増進に関する調査と福利施設に関する調査を、承認の要求をいたして継続いたしておりましたのですが、閉会の関係で、それは全部そこで立消えということに解釈が決まりました。でありますから改めて今会期で別の承認を要求しなければなりませんのでありますが、私共で考えたところでは、この公務員制度につきまして、福利施設であるとか、或いは能率という方面は、まだ各官廳とも余り整備がされておりませんので、そういう一つの角度からだけ調査をいたしましても、なかなか十分な結果が得られないように思われます。この二つの調査をも包含いたしまして、廣く公務員制度全般に亘る調査をすることに承認を要求したら如何かと存ずるわけでございます、と申しますのは、実際に各官廳の状況を見ますると、公務員の事柄につきましては、事柄それ自体が國家公務員あり、地方公務員あり、或いは教職員もあり、或いは特別職である裁判所の職員等につきましてもお互いに関連する問題が多いのでありますが、現在全部を通じての全体的の観点から見て行くというところがどこにもございません。從つて各官廳ばらばらに公務員の制度について状況を知つておるというようなわけでありまするから、將來國家公務員制度につきましていろいろな問題が出て参りまして、この委員会がその審議をいたしまする際には、どうしても全部総合的に一貫した予備知識を或る程度蓄えて置くことが必要ではなかろうか、殊に各官廳に実地に調査に参りますときには、そこでいろいろな角度から一遍に材料を取つておきまして、それらを各項目に分類して、項目ごとに各種の官廳の状況を見て行くというような整理をいたしましてならば、全体的のいわば鳥瞰図のような予備知識ができるのではなかろうか、そういうような考えから廣く國家公務員制度に関する一般的な調査ということで承認の要求をいたしたいと存ずるのであります。そういう案を立てましたので、御審議を願いたいと存じますが、一應議長の方へ差出します要求書の内容を読上げます。
 國家公務員制度に関する一般調査承認要求書
 一、事件の名称 國家公務員制度に関する一般調査
 一、調査の目的 國家公務員制度についての各般の根本基準を確立するため人事に関する一般基本的諸問題を調査研究する。
 一、利益 國家公務員制度の完全なる施行及び公務の民主的、能率的運営に寄與する。
 一、方法 政府及び國家公務員、民間関係者より説明及び意見を聽取し、資料を要求し、必要に應じ実情を実地調査する。
 一、期間 本國会開会中
右本委員会の決議を経て参議院規則第三十四條第二項により要求する。
  昭和二十四年三月二十二日
     人事委員長 中井 光次
   参議院議長松平恒雄殿
#4
○委員長(中井光次君) 以上御説明申上げましたような意味における調査承認要求書を提出することに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中井光次君) 御異議がないようでありますからさように決定いたします。
 次にそれでは御報告を頂くことにいたします。東北、北海道の方面の木下さんは今日御出席ございませんが、九州、中國方面にお出でになつて岩男さんにお願いたします。
#6
○岩男仁藏君 それでは私から御報告申上げますが、実はいろいろ事情がありまして、福岡、熊本、大分、山口、廣島と、この五縣の視察を命ぜられたのでありますが、そのうちで山口と廣島だけは中止いたしました。調査の方法といたしましては、各縣廳にそれぞれ各種の出先機関の関係者を集め、懇談形式によつて、実情、要望事項等の聽取をいたしました。主なる意見聽取先は左の通りであります。門司鉄道局、それから鉄道局の各縣の管理部、それから経済調査廳福岡管区各縣出先機関、各縣財務局及び税務署、各縣主要郵便局、それから商工局及びその出張所、專賣局、縣廳、以上の当局者側及び労働組合側の代表各縣とも三、四十名ずつ出席があつたのであります。大体五つの調査項目に分けて申上げます。実は簡單にやろうと思いましたが、速記がありますので大体朗読いたします。
 一、この國家公務員法の実施に関する意見その他國家公務員法の実施されたことについて、各縣において組合側は勿論、当局側からも本法は公務員に対する義務規定が相当強化されたのに拘わらず保護規定が十分でないとの意見が多く、労働組合側としては、組合の運用については考える必要があるが、本法によると組合は單なる親睦團体に過ぎず、組合について法的根拠が何ら與えられていない、組合としては労働三法から考えて見ても、最小限、團体交渉軽は認めらるべき、ここが大事であります、團体交渉権は認めらるべきであるとの意見が強く、又一番この点で本法を改正されたいとの要望が強くあつたのであります。又本法の基いて出す人事院の規則、指令には各組合の意向を十分参酌すべきであるとの意見もあり、各縣の地方自治体には地方公務員法を早急に制定されたい、現在地方公務員については、國家公務員法が準用され、又一方労働三法の適用される部分もあり、両法間において生ずる矛盾について困惑することが多いとの意見が多かつたのであります。
 その二、給與に関する問題であります。今回の政府職員の新給與実施に関する法律の一部改正により、六千三百七円ベースとなつたことについて、本ベースでも実際に公務員の給與としては満足すべきものではないということは各縣とも自明のこととしており、本問題について一番問題となつたのは、ベースの切替えに際して一般的に号俸が下つたことである。問題は從來の闇昇給が一應認められなくなつたことが一番根本原因であるが、実際上から見て、平均二号俸より三号の切下げは通常のことであり、門司鉄道局熊本管理部においては、四号から五号平均下つたとのことである、又その細部についても、中以下の給與所得についてその下り方が甚だしく、これは一昨年における昇給が主として下級職員の給與改善を目標としたのに対して、今回これが認められなくなつたためである。四十八時間制と伴つて、むしろ実質賃金は旧ベースよりも下つたくらいであるとの意見が強かつたのであります。本問題については各官廰間及び根本的には民間給與との凸凹を是正する何らかの手段が早急にとらるべきであるとの要望が強かつたのであります。又給與問題が政治政策の具に供せられることは絶対に反対との意見がありました。
 その三、四十八時間制の問題、通勤問題、事務能率の問題、去る一月一日人事院規則で定められた公務員の勤務時間の四十八時間制については反対意見が総てであつたのであります。先ず第一に実際公務員の勤務状況その他の諸事情について十分の調査もなく、又意見を尋ねることもなく、一方的に四十八時間と決定したことについて、各労働組合より強く反対意見があり、四十八時間制の実施に当つては通勤列車のダイヤの改正も行われておらず、一方実際の勤務者は都市の戰災等の関係より、近郊及び遠隔地よりの通勤者が相当数を占める現状下、最大通勤所要時間は二時間半の者も熊本縣にはあり、出勤時間には例外が認められないので、事実遠距離からの通勤者は退職せざるを得ないような状況であるのであります。又本問題を事務能率の面から見た場合、大分縣廰職員組合の輿論調査によれば、全組合員中三名を除きすべては却つて能率は低下したとみなしておるのであります。超過勤務手当の減少、余暇を利用しての経済上の補助等が不可能となり、実質賃金の低下を來たすとの意見が強く、又青年層の勉強時間の消滅、女子職員にあつては、家庭にあつての家事手傳いその他の不可能と、公務員の生活に與える影響が大であり、早急に適当な改正を要望する声が多かつたのであります。又当局者側の意見としても、事務能率の低下は勿論、事務費、例えば電燈料、木炭等の支出が多くなり、むしろ逆効果を招いているとのことである。又午前午後の十五分の休憩時間についても、実際事務の都合上、完全に休憩できるものではなく、むしろこれを廃止して土曜日の半トンを復活させて貰いたいとの要望が甚だ強くあつたのであります。現実に見て年二十日の休暇を土曜日に取る者が段々多くなるとのことでありました。又今回とられた昇給制度にあつては、上司に信賞必罰権がないため、却つて職場における事務に対する熱意を消失せしめたとのことであります。
 第四副利厚生施設、公務員に対する副利厚生施設として、第一に各縣において要望されておるのは住宅の問題であります。本問題については福岡縣廰において本年の三千万円の予算で職員住宅二百戸を建設する予定がある外は、二三小規模な独身寮を有するところもあるが、大部分はこの点の施設は殆んど零であります。その他の要望としては遠距離通勤者の増加した点より交通費の補助の要望、結婚資金の補助の要望等がありました。從來組合において消費組合を設けて或る程度これを活用していたところが二、三あつたが、これも組合における專從職員が認められなくなり、人件費の問題から十分な活躍をしているところがなく、生活協同組合のごときものの設設、小口金融機関の設置、セツツルメント式医療機関の設置等が要望されておりました。
 その五、行政整理に関する問題。行政整理については各労働組合側は絶対反対を表明し、具体的事例としては、熊本財務局においては、現在予算定員は充たされているが、從來税の徴收を市町村に依頼していたのを直接徴收することとなつたため、又納税について申告制度として余計な手数を必要とするようになつたため等で、実情としては尚人員不足であるとのことであります。又門司鉄道局熊本管理部においても、実務の多忙なため有給休暇を取つた人が三割四分に過ぎない現状であるとのことでありました。又各商工局の意見としても、九原則実行上、統制は或る程度強化する必要が生じているのに拘わらず、三割乃至四割を整理するということは少し考えなければならないことであるという話でありました。又整理に伴う職場の配置轉換については住宅問題その他により事実不可能であるという意見が多かつたのであります。以上簡單に要点についてのみ御報告いたした次第であります。詳細は後で委員長に御報告申上げますから、書類によつて御覧を願いたいと思うのであります。
#7
○委員長(中井光次君) 有難うございました。何かお尋ねがございますか。ない……。それでは小串さんも同方面にお出でになりましたが、又別に御行動なさつたので、その御報告を……。
#8
○小串清一君 只今岩男君の御報告で殆んど……。一緒に参つたので知つておりますが、例の四十八時間勤務については今のような意見、苦情がありましたが、殊に府縣の町村は皆んな四十二時間で從來の通りしかやつていない。府縣廰及び出先機関の方は、四十八時間というのだから、そこに食い違いがあつて非常に困る、無駄な時間を費すだけである、もう一つは今の、すでにお話がありましたが通勤者というものが非常に多いために、汽車の混雜というものが非常な問題であるのと同時に、汽車の時間がラツシユ・アワーの時間が狂つていて、今度それだけ早く出て遅く帰るということになると、電車の方はその数がないということで非常に迷惑しておつたというようなことを言うておりました。それから労働立法についてはやはり團体交渉だけは認めて貰いたいというような希望を述べておつたようであります。一体これは公務員法に関係あるかどうか分りませんが、鉄道あたりもいろいろ從業者や駅長あたりの意見を聽いて見ると、この公務員法の時間制度とか、或いは又これは労働法準法だけに関係あるのですが、ああいうことで非常に捉われて、一方時間があつても無論鉄道のごときは時間外勤務が多いのだが、その時間外勤務も婦人は夜やれないとか、或は男子でも四十八時間以上はやらせないということがあつて、而も彼らに仕事をさせておるときには、電車汽車のダイヤの都合によつてもう四時間半やつて貰おうと思つても、もう四時間來れば止めなければならん。そうすると特別の給與の人を置かなければならない、もう三十分やらせれば済むのに二人使わなければならんというようなことがあつて、或は婦人の勤務若しくは十八歳以下の者に対しては労務の規定があつて、それがちよつと触れても、ああいう職員の中にやはり共産系の人などがあつて、労働法規違反だというようなことが起つて來て、駅長、助役その他の係長辺りは非常に困つておる、鉄道が上に人を余計使うというのだけれども、そういうことが我々の職務執行上最も困つておるというようなことであると言つておりました。他は大体給與に関する問題あるいは副利施設の問題は今岩男君が言われたのと大同小異のことをあつちこつちで申しておりましたが、これはまだ先刻報告のありました公團の方の問題は、何も地方へ行つておりませんので、非常に不安の感を公團関係の者は持つておりました。第一に先般指定になりました食糧公團も特別職にするということがまだ九州あたりの府縣には通知が行つておりませんでした。それで食糧公團だけは、特別職になるのだということを言つておりましたが、それはまあ一部ですけれども、他の方はどうですと言うたら他の方は分らん、しかし食糧公團のことも余り知らない、これが若しも三月三十一日でお終いになると、そうすると直ぐあの規定がめいめいの將來の職業に及ぶことになるということで、公團関係の人が非常に苦労しておるというようなことを聞いておりました。本体岩男君から御説明がありましたから余り蛇足を添えないことにして、以上申上げて置きます。
#9
○委員長(中井光次君) 有難うございました。別にお尋ねがございませんか……。それでは報告はこれで終らして頂きます。東北、北海道の方はまだ追つて期日を選んで御報告をお願いいたすことにいたします。本日はこの程度で閉会いたします。
   午後二時三分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   理事
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員
           木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           東浦 庄治君
           岩男 仁藏君
   常任委員会專門
   員       川島 孝彦君
ソース: 国立国会図書館
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