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1949/03/29 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第2号
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1949/03/29 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第2号

#1
第005回国会 人事委員会 第2号
昭和二十四年三月二十九日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員法の一部を改正する法律
 案(寺尾博君外十三名発議)
○派遣議員の報告
  ―――――――――――――
   午前十時四十五分開会
#2
○委員長(中井光次君) これから委員会を開会いたします。只今打合会でお打合せいたしましたように、本日の委員会には緊急に本委員会の各委員全員を以て提出いたしました國家公務員法の一部を改正する法律案を議題といたしたいと存じます。法案の全文は
  國家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)の一部を次のように改正する。
 第二條第三項第四号中「三月三十一日限り」を「七月一日に」に改める。
  第三次改正法律附則
 この法律は、公布の日から施行する。
   理 由
  各公団の存続期間がそれぞれ三箇月間延長されるに伴つて、公団職員の特別職に関する規定の有効期間もそれだけ延長する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
 これは皆さん御承知のように前國会において本院が公団の職員に一般職であつたのを、特別職に入るる改正をやつたのであります。その後十四号の人事院が指定する公団の職員、その指定を食糧公団に対して人事院規則を以ていたしたのであります。然るに一方各公団に対しまする存続期間が三月三十一日で切れることになつておりまするが、政府は大藏関係、商工関係に除きまして、これについては申上げませんが、農林省関係におきましては、食糧配給公団、食料品配給公団、肥料配給公団、飼料配給公団、油糧配給公団のそれぞれの存続期間を六月三十日迄に延ばしたのであります。その法案が提出されておりまするので、それと関連いたしまして我々が前回調査いたしました結果指定いたしました食糧配給公団が本法をそのままにいたして置きまするというと、又その職員が、一般職に変るというような状態に立ち至りまするので、これを防止するためにこの延長を公団の存続期間だけ延ばしたい、こういう趣旨の法案であります。質疑及び討論を省畧して、直ちに採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(中井光次君) 御異議ないと認め、採決に入ります。本案全部を問題に供します。原案通り決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(中井光次君) 御異議がなければ原案の通り可決すべきものと決定いたします。尚、本会議におきまする委員長の口頭報告につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(中井光次君) 御異議ないと認めます。それでは多数意見者の御署名を願います。
 多数意見者署名
  木下源吾、寺尾博、大山安、小串清一、宇都宮登、岩男仁藏、羽仁五郎、佐々木鹿藏、木檜三四郎
  ―――――――――――――
#6
○委員長(中井光次君) それでは次に議員の御報告をお願い申上げます。
#7
○木下源吾君 それでは大山議員と私とが先般東北、北海道地方における公務員の勤務の状況並びにその他経済的事情等を調査に参つたのでありまして、私から代表いたしまして御報告を申上げます。二月十六日から三月三日に至る十六日間であります。調査いたしましたところは、宮城縣、青森縣、岩手縣、秋田縣及び北海道の函館、札幌、旭川、小樽、以上縣廳所在地並びに各市八ケ所であります。そうして主として調査の具体的な事項として掲げましたことは、國家公務員法の改正に伴なつて、その後どういうような実情にあるか、なかんずくこの改正に対する公務員の考えておる状況、次にはその後人事院から四十八時間という勤務を画一的にいたしましたのでありますが、これがいわゆる寒冷地在勤公務員に及ぼす影響がどうであるかということ、次には寒冷地手当の実情について、その他の給与及び厚生面におけるところの状況、以上五項目に重きをおいて大体調査をいたしたのであります。調査の方法は、各縣におけるところの理事者則と、他面においては労組側、地方出先の政府機関の労組並びに地方自治体の公務員等の労組の首脳部の集まつて貰いまして、極めてプライベートに懇談をしたようなわけであります。そうしてまあ地方に出かけて公廳会を開くというような氣持で皆やつたわけでありますが、主に集まつて來たところの人々は、建設省関係の土木労組、食糧公団労組、全逓の労組、全農林関係の労組、國鉄労組、縣廳の職員組合、市役所等の職員組合。その他或るところでは一般労組の幹部諸君の集まつて來たところがあります。この八ケ所におけるところの動員の数は約四百名に上りました。又場所においては理事者側だけの会同をも持つたところがあるのであります。そこで公務員法改正に対する意見でありますが、概して公務員法改正については不満の意を持つております。殊に公務員法において公務員の活動が制限せられておるにも拘わらず、一方において給与の面について実質的に何ら恩恵が今行き渡つておらないということであります。この点につきましては後で給与の点で調査の実情を申上げたいと思うのでありますが、とにかくにも給与の裏付けは全然改正前よりもよくなつておらないという、このために一般の公務員は公務員法改正それ自体に対するいわゆる反対といいますか、そういう考え方よりも、改正後における給与の実情が伴なつておらない、惡くなつたということに非常に不満を持つておるのであります。なかんずく一部においてはこの公務員法改正というのは誠に労働者を奴隷の地位に再び突き落したんである、我々は絶対反対だという、ただこういう一遂にそういうような主張をする一部の者もございます。併しながら大部分は何とかしてこの國会を通じて自分たちの待遇の漸次改善を望むといす、そういう風潮が大部分を占めておりますことが注目に値すると考えます。なかんずく公務員法によつて公務員の政治活動が制約されておりまするために、今度こそは政治の面に、端的にいうならば政党の力によつて自分たちのいろいろの主張を貫徹しなければならないというような意欲が顕著に現われておることを申上げて置きます。
 次に四十八時間の勤務の状態でありますが、これは法のいわゆる許されておる最大限でありまして、人事院が突如としてこういうような最大限の勤務時間を押し付けたというように受取つておりまして、この点については人事院に対する不満を持つております。殊にこの四十八時間が全國画一的に行われるという点においてはいろいろの実情について意見がありまして、我々も又この点は非常に考えなければならんことと思つて参りました。即ち東北地方における冬期間の日の出の遅い、日沒の早いというような事情、殊に北海道のごときは冬季間において最も早く日の暮れる時間は三時半であるというような事実、そういう関係上実情に時間ばかり引延ばしてもそれぞれの仕事においては全くこの仕事の用をなさない、例えて言うならば、農産物檢査というような仕事はこれは暗くてはできないのであるし、又仮に今日のような電氣事情が惡くなくてもそういうようなことで檢査はなかなかできないのであるというような事情、又港湾における現場等において、從來は普通の勤務者が出て來るまでの間に蒸氣の温度を数時間前から少数の者で上げて、そうして皆んなが出て來たときに直ぐいろいろ仕事ができる、つまり船などの場合、それが画一的にそういうように決まつたために、皆んなが出て來てもその蒸氣が上るまでは何も仕事がないというような実例、いろいろ現地においては却つて能率が下つているような場合がしばしば実際にあるということであります。殊にこの四十八時間のいろいろの規定は、一分でも遅れれば給料の差引になるというこの面でありますが、從來の慣例によりまして、概ね各都市の汽車の発着時間というものが決められておつたのでありますが、この改正によつてこの汽車時間等が同時に直つておりません。そのために汽車通勤しておる者などの困難が非常なものであります。殊に戰災を受けた都市などでは、例えば青森のごときは二時間以上も先から相当数の者が通つているのでありますが、この人々の苦しみは誠に想像以上であります。凡そこういうような時間改正をせられる場合には、特殊的の地域を十分に調査をし且ついろいろの條件をできるだけ勘案してやらないというと、末端においては却つてそのために非常に勤務の意欲が低下して、逆に政府当局を恨むというような感情が非常に強くなり、この点は我々も十分政府当局に対して考慮を促さなければならんことと考えて参りました。何せ四十八時間のために、殆んど寒地帶における公務員の実情は家庭の、つまり主婦にまで相当の、朝早く起きるとかそういう面では非常に負担を掛け、更にもつと寒い所になりますというと燃料の費用等が相当に余計掛かるのであります、というような経済的面の影響も相当考慮しなければならんものと考えて参つた次第であります。いずれにいたしましても東北、北海道地方における勤務時間は全國画一的であつてはならんということを痛切に考えて参りました。次に寒冷地の手当の問題でありますが、寒冷地手当は別に制度化しておるわけではありません。併しながら実際には北海道における石炭手当その他内地の担当の各縣においての寒冷地手当の支給は一昨年來実際には支給されておるのであります。即ち北海道においては、一昨年は一世帶に三千円、昨年は政府の予算が約一世帶五千八百円、独身者には千八百円というような予めの案を立てておつたのでありますが、これが遂に実行に移されなかつたけれども、実質には十数億の國費がこの石炭手当と寒冷地手当に支給されておるのであります。この点につきましては、この寒冷地に勤務しておる者はただ燃料ばかりでなく衣料においても更に又食糧等の点においてもいろいろ寒冷地なるが故に経済的の負担、又は労務負担、例えば屋根の雪降しとかいうような些末な点にまでいろいろ負担が重いのであつて、これはどうしても制度化して貰いたい、年々いろいろ懇願し要請をしておりまするが、非常に不定期であり、そして不安を感じておるのであるからして制度化して貰いたいということの要請は全部の声であります。このことについて公務員側の方では統計資料をも蒐集し更に法案等の準備もしておるやに聞いておりました。いずれにしても國会がこのことを採り上げて一日も早くこの公務員に安心をさせるということが急務であると考えられるのであります。
 次に給与の問題でありますが、先程法改正後におけるところの給与の裏付が実質には伴なつておらんと申上げましたことは実は六千三百七円ベースに相成りまして、皆さんは十二月一日からこのベースがそのまま完全にその公務員の手に入つておることとお考えになつておると思うのでありますが、実際においてはそうではありません。例えば全逓信労働組合、いわゆる逓信省関係の労働者等はいわゆる闇昇給等の再計算、並びに年末調整等の影響を受けまして一月の上期におけるところの俸給袋が却つて赤字になつておるというような実例を我々が各地でこれを聞き、且つそれが実際であることを見て参りました。闇昇給の再計算というようなことが今回の私共の視察調査において驚くべ事実として見て参つたのでありまして、このことはすでに先般新聞にもございましたようなフーバー氏から人事院宛の書簡の内容にも一端を伺われるのでありますが、公務員のこの再調整その他再計算等における結果としての俸給袋が空になつておる、少くなつておるということについては政府はいつの間にか、こういうようなことをやつたのだというように、非常に政府に対する一つの不信といいますか、そういう項目を我々が見るのでありますが、私共國会でもこの点については政府からペテンにかけられたというような感じを私共未だにこれを拂拭するわけには参らない、このような事情にあつて数十万の政府職員が、誠に私共、公務員法改正の結果、公務員の給与、福利、厚生というものが完全によくなるのであると考えましたが、逆の結果を現地においてまざまざと見せつけられて参つたのでありまして、これは取りもなおさずこのような條件が公務員法改正は人権の極端な束縛であり、その結果としてこのような給与状態というものがある以上、公務員が國家に対する不平不満の度合は察するに余りあるのでありまして、從つて公務員の今日の勤務の状況は時間は或る程四十八時間に延長いたしましたけれども、勤務の能率、その他精神的原因による一つのサボとでも申しますか、そのために能率は上つておりません。逆に時間延長をいたしておりますけれども、能率が逆に低下しておるような状態は各所において見られたのであります。
 次にこの厚生の部門でありますが、これは最早、私は申上げるまでもなく誠に不完全、不備というよりも、全くこれは関心が持たれておらない、政府によつてこの点は関心が持たれておらないということであります。
 以上概括申上げましたが、特に地方公務員の諸君に対する注意は住宅の問題、それから給与の問題については、只今申上げたような外に超過勤務の場合におけるところの手当、つまりオーバー、タイムの手当、こういうものは地方未端に行けば行く程予算が廻つて行つておりません、この点については十分に我々は関心を持つて中央におけるいろいろな特権と申しますか、そういうものを排除いたしまして、こういう超過勤務に対する手当等は、ともかくにも働いたならばこれはやるという建前になつておることを実行しない限りにおいては、いかに口先ばかりで善導をいたしましても、公務員の勤労意欲は挙がらないということを痛切に感ずるのであります。今回の調査の結果といたしましては、以上申上げるような実情であり、決してこれは公務員の代弁をしておるのではなくて、私共実際の具体的な実例をしばしば見せつけられて非常に驚いたような次第であります。詳細に亘りましては、別に報告書を印刷いたしまして皆樣にお渡しすることに相成つておりまするので、御高覧をお願いしたいと存じまするが、大体において、この六千三百七円というこのベースが公務員の生活を支えるには不十分である、今月の実情において公務員の生活を支えるには不十分である。そればかりでなく、今申上げるような非常に地域的の、特殊地域の関係方面においてはもう一段と十分な注意を拂つて考慮をしなければならないということであります。尚これは教員の場合の問題でありますが、教員の方では、御案内の通り一月中に國家公務員から地方公務員に移されたのでありますが、現在いまだにこのベースの切替が行われておらないということであります。そのために地方の、つまり多くの從來からの教員、公務員の諸君もやはり切替が行われないような実情にありますので、この点はやはり我々としても人事院をして早くこのことを行わせるように勧告しなければならないとかように考えております。尚教員の場合におけるところの職階制でありますが、現在のような級別では、教員には適しておらないように見受けて参つたのであります。例えば三級という面では、大体小使とか掃除婦とかというような者でありますが、地方における実情は助教などが三級になつておるというような実情でありまして、これはやはり教員に対するところの俸給の別表というものを作り、教員の実情に即するようにしなければならないのではないかというようなことが痛切に考えられるのであります。以上簡單でありますが、我々の視察の概要を御報告申上げる次第であります。
#8
○大山安君 只今木下委員から報告がありましたが、職員が六千三百円のベースでは不足であるというようなお言葉がありましたが、これについてちよつと補足したいと思います。この六千三百円で不足であるということは、寒冷地であるから……國家全体から申しまして一般的の六千三百円というときには、多角的の出費するものであるから不足である、こういうような意見でありました。これはただ單に六千三百円が不足だという意味ではなく、寒冷地であるからいろいろの特別の出費をするから同じ六千三百円では不足である、こういうことであります。
#9
○委員長(中井光次君) 尚先程御決定を願いました國家公務員法の一部を改正する法律案の中、「附則」とありまするところを、「第三次改正法律附則」、こういうように改めることが適当と思いまするのでさようにいたしますから御了承お願いいたします。
 それから実はこの法案は、只今渉外課長にお願いして大体の御了解を得ておりますが、正式の承認を得る手続をとつておりますから、この点も御了承願いたいと思います。
 それから、この法案が只今皆さんの御決定を得ましたので、本会議における説明その他は委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(中井光次君) それから衆議院の方に対しましては、昨日午後五時でありましたが、大体皆さんにお手配すると同時に、專門室の者を呼びまして連絡をとつております。そうして成るべく委員会で今日私の方が決定いたしたら、明日の本会議に上せて頂きたい、衆議院は公団の延期の法律案を明日中にやはり上げて頂きたいという希望を政府が持つておられます。この法案も同時に併行してやつて頂きたいと我々の方は希望を申出ております。尚只今の御報告につきまして何かお尋ねがございましたら……。
 それでは本委員会はこの程度において閉会いたします。
   午前十一時二十二分散会
 出席者は左の通り
   委員長     中井 光次君
   理事      木下 源吾君
           小串 清一君
           宇都宮 登君
   委員      木檜三四郎君
           佐々木鹿藏君
           大山  安君
           寺尾  博君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
ソース: 国立国会図書館
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