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1949/05/10 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第4号
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1949/05/10 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 人事委員会 第4号

#1
第005回国会 人事委員会 第4号
昭和二十四年五月十日(火曜日)
   午前十一時五十七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月十九日(火曜日)委員佐々木鹿藏
君辞任につき、その補欠として稻垣平
太郎君を議長において選定した。
五月七日(土曜日)委員小串清一君辞
任につき、その補欠として鎌田逸郎君
を議長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國家公務員制度に関する一般調査の
 件
○福島縣赤井村の地域給を乙地に指定
 の請願(第百十九号)
○新庄市官公吏に地域給支給の請願
 (第七百七十五号)
○佐賀縣山代地区官公吏勤務地手当引
 上げに関する請願(第九百十二号)
○宮崎縣富島地区官公吏勤務地手当引
 上げに関する陳情(第二百六十一
 号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中井光次君) それではこれより委員会を始めます。本田大臣がお見えになりましたから、これから昨日の行政整理に関する問題についての質疑を続行して頂きたいと存じます。
#3
○宇都宮登君 本田大臣にお伺いしたいのですが、昨日お見えになるかと思つておりましたが、丁度お差支があつたので……。本國会も余すところ余程時間も切迫して、定員法をお出しになる時期はいつ頃でしよう。或いはお出しにならない方針ですか。その点を一つ伺いたいと思います。
#4
○國務大臣(本多市郎君) 昨日來、再三お呼びがありましたのに、止むを得ざる差支のためにお伺いすることができませんで、誠に御迷惑をかけたことと存じます。この点深くお詫びをいたします。定員法につきましてはすでに御承知のごとく閣議で内定いたしまして、関係方面に提出しその承認方を求めるために折衝中でありますが、この折衝の今日までの経緯から判断いたしますと、結論に達するのが今明日ぐらいのうちだろうと考えております。私は明日ぐらいには結果に如何に拘わらず提案になる状況にあると考えております。
#5
○羽仁五郎君 今のお答えなんですが、昨日からこの委員会で問題になつておりました定員法をやられるのについて、当然生じて來る行政整理の問題ですが、第一は行政整理に伴う退職、その退職金についての法律上の問題というのは、やはり必ずしも今明日中には解決することは我々としては考えられないのです。
 それから第二には二仮に法律上の問題が何とか折合がついたとしても、これはやはり第二に予算の点で必ずしも政府と関係方面との了解がおつきにならないとしても、國会がそれを了解するかどうかということは随分疑問と思います。と申しますのは御承知のように参議院はこの間の予算におきまして、随分重要な問題について修正の希望が参議院としてあつたわけなんです。そういう重大な問題についての修正も、予算をいじらない、とにかく今度の予算の本質的な線をどうしたいという政府の御希望と、我々もそれを了承して全然無修正ということを言つておつたのですから、そういう退職金の問題も非常に重要ですが、併しもつと一層重要なことは、退職金の問題はいわば消極的意味しか持たないが、この間の参議院で修正しようとした場合随分積極的意味を持つた修正が希望された際に、予算をいじらないということでやつて來たのに、今ここで退職金でいじるということをなさるならば、この間の参議院の了解ということはこれはある意味で踏みにじられるということになるので、そういう意味でこれは第一の法律上の相当問題がある。
 第二に予算上の重要な問題がある。仮に退職金の問題について予算をおいじりになると、我々はこの間まで予算をいじらないということで了解されたいろいろの方々が、それじや了解できないということになるから、そうすると参議院として、從つて國会としてはおのずからみずからを軽くするということになつてしまうので、これは非常に重要な問題だと私は思うのです。
 而ももつと第三に根本的な問題としては、定員法というふうにおつしやるけれども、いわゆる職階制もできないで定員法というものは我々理論上どうも納得することができない。何を根拠に定員法というものをお出しになるのか。職階制もまだできないうちに定員法をお作りになるということは理論上納得ができない。それから又事務量というふうなものについて確乎たる科学的計算もないのに、定員法をお作りになるということは納得できない。そうして今度は行政整理の面からいえば、昨日も我々は人事院総裁と討論したように、いわゆる人事記録というものもできていないのに首を切るということになれば、どうしても何らの基準のない首切りをやるということになれば、そうすれば世間で盛に言われておるように、その部局の長が殆んど主観的な標準で以て整理をやるということになれば、從つて非常な苦情が起つて來るということにならざるを得ない。そういうような、つまりものであることが第三です。
 第四には而もその職階制なりなんなりというものが非常に先にならなければできないというのなら、財政上の必要というようなことから今ある程度のことをおやりになる、こういうことは或る程度世論が納得するかも知れないと思うのですが、この間から人事院総裁がたびたび言明されましたように、この日本で職階制を作るということは容易ならざる事情であるのに、非常なる努力を傾けてこの二、三ケ月或は、一、二ケ月中に職階制というものができるということを言明しておられる。この國会にはできないかも知れないが、次の國会に必ず職階制を間に合せるというふうに言つておられます。それだからこれも私はこの委員会ですでに申上げましたような、参議院としては今の政府がやろうとしておる定員法なり或は行政整理なりというものに対しては、実際何らの理論的な根拠はない。從つて若し政府が財政上の必要で現在是非ともやらなければならんと考えられるならば、これはいわゆる普通にいうストリーム・ラインという行政整理でなくして、本当のナシヨナリゼーシヨンというか、今までは非常な不合理がある、その不合理な面だけに今手を着けられるというところに止めて、本質的に行政機構を合理化するという意味の行政整理で大規模なものは、この國会で直接おやりになるということは私は無理なのじやないか。で今の点についての本多さんのお考えを伺いたいと思いますが、どうでしようか。
#6
○國務大臣(本多市郎君) この行政整理に関連するすべての問題を定員法の提案までに解決して提案するということになりますると、只今御指摘のようにいろいろな問題がありまして、最後的解決まで待つて出すとなりますと容易なことではなかろうと存じます。殊に退職手当等につきまして本当の実施できる点まで盛り込んだものを出すといたしますと、相当予算の関係もありましてまだ日時を要することと存じますが、或る一つの方針のようなものを定めまして、そういう問題を分離して解決するような方法を講じませんならば、又定員に関する部分だけを先に御審議を願うということもできよう。これはまだ政府として決定したところじやございませんが、そういう見通しも含めて、明日くらいまでにはそういう段階になるのじやないかということを申上げた次第でございます。
 それから職階制で事務量と定員とが正確に掴めない今日、定員法を出すということも、政行整理をやることも、これは誠に無謀ではないかという御意味の御議論でございますが、全く職階制は事務量に從つて定めて行くという今の公務員法の精神から行きますと、そういう見方も起きて來ようと存じます。ただ私共現在の官廳の機構、人員のどちらにしてももう尨大過ぎている。その職階制の基く定員というものの決まるまでに、一應今ここで適当な程度の整理をやつておくことが、経費の節減の上から是非必要ではないかという観点に立つて今度やつておるのでありまして、一應の整理をやりましても、そのあとに職階制が制定されましたら更に事務の統合なども研究いたしまして、引続いて整理は行われて行くものと考えております。今回やりまする行政整理は取敢ずやる行政整理でありまして、そのためにあとの事務に非常に支障を來すようなことがあつてはいけませんが、この程度ならばあとも支障なくやつて行けるであろうというところを目安に、でき得る限り実情に副うように研究してやつておるわけでございます。
 整理の基準につきましても、人事院に考課表みたようなものができまして、すべてのものが、総合された点数でも盛込まれたカードの準備がある時代になりますと、極めて簡單でありますが、そういうものが今日作られておりませんので、お話のように主観的に陷る場合も起きて來ようと思います。そういうことにつきましては偏頗なことのないようにでき得る限り注意をしてやつて行かなければならんと思いますが、一應の基準については人事院規則を以て制定されるものではなかろうかと考えております。一應の整理を基準につきましてですね。
 退職金の支給基準につきましてこれを法律化するか否かということは、実は関係方面と今折衝中の重要なる点の一つになつておるのでありまして、この問題がつまり決定すれば大体定員法の提出が見通しがつくようになると考えております。
#7
○羽仁五郎君 今のお答えでまあ一應退職金と切離して定員法を出される、切離してというような、結論としては……。見通しというふうにおつしやいますけれども、政府としては見通しを持つているというふうにおつしやるかも知れないが、國会としてはどういう見通しを政府がお持ちになつているか、それがはつきりしないのですから、それで本多さんが非常な御苦心をなすつて関係方面と交渉されている、或いは今の政府がいろいろ苦心をされているということはあるでしようが、併し新憲法の時代ですからやはり國会がすべてのことを十分な材料を持つてしなければならないので、大体そういう方針だから任せてくれというて政行府にお任せすることはできないと思います。立法府は十分の根拠に基いて審議しなければ結局立法府の責任を空しくすることになる。だから方針がそういうふうになつているから、その方針で定員法を通してくれと言われることは、私はやはり世論を結得させることはできないと思うのです。而も今言われたように財政上の必要とか、或いは大体の見当で官吏の数が多すぎるとかというようなことでおやりになるというのは、さつき私が申上げたように行政整理というものではないのです。事実行政機構を流線化するということを國民が希望しているのであつて、そういう本格的なものをやることが、つまり國民が希望し又我々が十分愼重に考えなければならないので、だから今言われている程度のものならば、いわゆる行政整理、或いは行政機構の流線化というようなものとはつきり分けて、そうして技術的に、事務的にやれる程度のものを今おやになつて置くというならば、或いはそれは別の考えようもあるかと思うのですが、今政府が頻りと言われ或いは新聞に発表されておるようなことは、その点が非常に曖昧なんですね。ですから行政整理として可なり大規模なものをやろうというならば、定員法もそれと睨み合せて行かなければならないし、從つてそうなれば退職金の問題もそうだし、又今言つた職階制の問題にしても本格的な行政機構の流線化ということになれば、そうならなければならないと思うのですが、そこをはつきり二つに分けてお考えになるということはできないのですか。
#8
○國務大臣(本多市郎君) それは今やる行政整理と、將來職階制ができてそれに基いてやる整理との違いだろうと思いますが、現在の行政整理も國費の緊縮ということ、更にこのままに放置いたしますと、非常な尨大化してしまうというようなこと、そういうことを考えまして事務的にやる行政整理でありまして、ただ職階制に基く行政整理の場合のように、一人々々の成績或いは事務量というものがはつきりしないという点はありますけれども、これはこのままにして置きましてはどうしても負担の重圧になるから、これを仰えるという意味において、あと支障のない程度の整理をやつて行く。只今お話の二つの分け方によると仰せられましたが、これは今やる行政整理と職階制に基く將來の行政整理との、区別に当嵌ることではないかと考えております。
#9
○羽仁五郎君 そうするとさつき私が申上げたように、職階制と関連のある行政整理というものだと、定員法はそれに関連して來るわけです。ですから今おやりになるのに、定員法を結び付けるということはおやりにならないというように了解してよろしいですか。
#10
○國務大臣(本多市郎君) 職階制ができたあとでなければ定員法を制定できないということにもなつておりません。又この定員法の意義を考えて見ますと、今日まで議会で法案を通す、その結果役人がいくら殖えるのかということもなかなか正確には分りにくかつたのであります。一つは役人が尨大化して行くのを仰え又その数を明瞭ならしむる上におきましても、一日も早く各省各廳の定員というものをここで定めまして、それを目安としてすべての議案の審議或いは職員の増減ということを考えて行くことが、この場合には最も必要じやないかと思うのでありまして、そういう見地から今回職階制はできませんけれども、定員を明確にして置くという意味において、これは將來の行政整理の亦基礎にもなることと思いますので、國家の公務員はいくらおるかということをはつきりして行くことは、この際ぜひやる方が適当であると、こう考えて提案したいと思つておるのでございます。
#11
○羽仁五郎君 さつき御説明下さつたことと矛盾しておるようなんですが、やはり定員法という以上は、どれだけの仕事があるからどれだけの人間が必要だ、それからどういう種類の仕事があるからどういう種類の人間が必要だという、その仕事の量と質とがはつきり把握できなければ定員というものは出て來ないのです。でこれはもうどなたがお考えになつたつてそうだと思います。で人事院も恐らくそうだというふうに考えられればこそ、今回の行政整理に人事院はタツチしないという態度を執られておるのだろうと思う。又それに対して人事院としては、非常な責任を感ぜられて職階制を非常に急いでやつておられるのだろうと思うのです。だからそれはこの間から、今丁度見えられた人事院総裁がしばしば我々に向つて言明せられておる通り、非常な困難を冒して、その職階制をできるだけ最短の期間にそれを作り上げられようとしておるのですから、可なり先の話ならば、それは今國費の節約という点から政府がやられるということは、我々が参議院で或いは了解されるということもできるかも知れないと思うのですが、今申上げたように仕事の質と量についても確乎たる根拠がなくてそれで定員法を作られるということは、実際三歳の童子を納得させることもむずかしいのです。だから政府は、殊にそういうふうな見通しというふうなものでおやりになつておるということは、私としても別に疑うわけではありませんが、併し我々國会議員として世論に向つてそれを説明する根拠がなければならない。而もその説明する根拠が、二三ケ月後くらいにはできるというのだから、そういう意味のさつき申上げた、今本多大臣が認められた技術的な單に不合理なものを直すという以上に、行政整理として定員法というものと結び付いたものは、この第五國会でおやりになるということを、そうして今明日々々々ということを、甚だ失礼な言い種ではあるけれども繰返しておいでになるということは、どうも國会に対する政府の態度として、端的に申上げて私は釈然としないのです。而も技術的な行政整理というものはすでに行なつておいでになるのではありませんか。今年の初の頃から、実は各省において御承知でしようけれどもそういうことをおやりになつておる。だから現実にはそういうことを行われておるのだから、その行政機構をストリーム・ライン化して、はつきり職階制、事務量、そういうものに基いた立派な行政整理をおやりになることに努力をされて、今何のために非常に曖昧な根拠のない、そうして何といいますか、政府といわゆる関係方面との間に了解さえつけば、國会はそれにゴムのスタンプでも捺すというふうな態度でおやりになつておることですね。それに私は、殊に参議院では納得されないのじやないか。だからさつき申上げたように政府としては、本格的な行政整理というものをもつと確乎たる根拠に基いて次の國会なり何なりでおやりになる。この國会ではおやりにならないということをお考えになる御決心はないか。その方が次におやりになる定員法なり行政整理なりについても十分の根拠があつて、國民を納得さして行くことができるのです。今いい加減な定員法をお出しになつて、或いは與党の多数を以て参議院をお通しになるということはそれはできないことはないでしよう。できないことはないでしようが、併し世論に與える影響はどういうものかということを十分お考えにならなければならん。大した根拠のない定員法というものを作つて、つまり定員法というものが結局尊重されないということになつて、又そういうものを通すところの國会というものの権威をますます落すということになる。そういう意味で政府としても確たる根拠のない定員法、いわゆる單に公約を果たすというふうな面子だけで以て一種の定員法というものを、急いで通すということをなさるよりも、もう数ケ月すればもつと根拠のある定員法というものができるのだから、それまでお持ちになるお考えはないか。又そうでなく、依然として今明日々々々というふうに言つて、それで会期を延長するかしないか。これは國会だけの問題ですが、実際國家公務員に対して我々は非常な責任を感じておるのです。國家公務員は今明日々々々と言われて、いつ首を切られるか分らないから、実際落著いて仕事しておる人はありはしない。ありはしないと言つては過言かも知れないが、皆非常な不安です。又その不安が國民にも波及して、今明日今明日と言つて、この数ケ月というものの実際の能率はぐんぐん落ちておる。だから貧乏人の節約みたいなもので、カを節約しようということばかりして、実際の國家経済の損失の方が遥かに大きいのじやないか。そういう不安、而もその不安を最後に持つて行つて、大した根拠もない定員法を通すというようなことで、この世の中が治まつて行くというふうにお考えになるのか、賢明なり國務省が……それよりも今、一應もう第五國会でこういうことはやらない、十分人事院が職階制を作られる。その協力を得られてそうしてやつて行く。この間から、新聞で見ても行政整理ということに人事院はタツチしない。政府の方は人事院の協力を得てやる。あんな何というか内輪割れみたいなことでやつて行く。それを國会に通せといわれることは國会を何とお考えになつておるのか。そういうことよりも第五國会でもうできないのだから、実質上できないですよ。二三日でおやりになれというのかどういうのか。今明日というが、仮に明日ということになりましてもあと数日しかない、それでやる、而もそういう根拠もない。それよりももうこの際はつきりやらない、そうして次に十分の根拠を以てやるという御決意はないかどうか。なければ國会としては殊に参議院としては別に考えざるを得ないのではないかと思う。
#12
○國務大臣(本多市郎君) 繰返して答弁をするようになりますが、職階制の伴わないうちに定員法を制定するのは無意味であるということが、重要な点のようでありましたが、これは職階制のできないうちに定員法を定めるということは別に矛盾しないと考えております。この職階制がないからというて、各省各廳の定員を明らかにしておくということは、政府としても國民としても納得のできることであると考えております。更に定員法の提出が遅れる結果審議期間がどうかというお話でありましたが、でき得る限りこれは一つ御協力を願いたいと思いますが、会期の問題は、國会の方の問題でありますので、どうということは申上げかねますが、成るべく早く御審議をお願いしたいと考えております。
#13
○赤松常子君 私ちよつと本多大臣にお尋ねしたいのでございますが、今度の定員法とそれに附随いたします行政整理に対しましては、今羽仁委員のおつしやいました根拠に私も賛成いたしまして、実は非常に腑に落ちないかずかずの点を感じているわけでございます。私政府のおつしやいますことは財政的な面からということを主として御主張なさつていらつしやるようでございますが、仮にそれを國会が承認いたすといたしましても、私その次に質しておきたいことは、すでに法律が古く制定されておるますようなものは軌道に乘つておりますけれども、新らしく制定されました諸法律、殊に労働関係の諸法律などはまだその軌道にも乘つておらない状態でございます。こういふうに法律自体がまだその効果を挙げ得ないような、その行政廳に対しても、或いはすでに軌道に乘つておりますそういう行政廳に対しても、一律に原始的な三割行政整理というふうなことをなさつていらつしやるようにいろいろの御発表で感じておるのでございますが、そういう点の矛盾、又不合理というものは私は指摘したいのでございます。例えば労働基準監督官を含む婦人少年局にいたしましても、すでに二十三年度の行政整理で二割の非現業の整理を見ているところもございまして、殊に終戰後できた法律でございますので、軌道に乘つておらない、そのところですら二割を削減されている。その上に又今度三割天引整理というふうな、実に原始的なやり方をやろうとなさつていらつしやいます。その結果どういうことが起きるかということを現実に見ますならば、今労働基準監着行政は小使さんまで入れて二千百人そこそこでございますが、全國的に職場は七十万以上ございます。こういう厖大な、職場を基準監督官が廻つて指導なさらなければならないのでございますが、この人員で計算してみますと、四年目に一回しか職場が廻れないというような実に労働基準法が施行されておりましても、実質的には基準法の効果を発揮し得ない。基準法の低下を來たすような現実に追い込まれるわけでございますが、こういふうなことがさしずめ起ることが予想さめるのでございます。今私のお尋ねしたいことは、そういう軌道に乘つているところ、或いはまだまだこれからもつと殖やしたいくらいなところですらも、一律に原始的な三割削減ということでおやりになるのでしようか。その辺の御考慮をなさつているかどうかということをお尋ねしたいと思います。
#14
○國務大臣(本多市郎君) 今日、日本の再建のために、國家公務員に対しましても一層の努力を要請されているということは、これは止むを得ないと存じますが、それかといつて労働基準法に反してまでこれを過重ならしめるというようなことがあつてはならないと考えております。でありますからそういうことにはならないで処理して行けるという範囲を考えて、整理も行なつて行かなければならんと思うのでありますが、労働基準監督官の点につきましては、基準監督官の詳しい実情等は一つ労働大臣からでも聞いて頂いた方がよく実情が分るのじやなかろうかと思います。そういう点においてもそういう支障は來たさないように、これは政府において決定している筈でございますから、さよう御了承願いたいと思います。
#15
○赤松常子君 勿論今のは一つの例に過ぎません。けれども私のお伺いしたいのは、その主管をしていらつしやいます本多大臣の、そういう点に関するはつきりしたお考えをお聞きしたいのでございます。
#16
○國務大臣(本多市郎君) 労働基準監督行政に携わつている職員に対してどういう整理をやる……
#17
○赤松常子君 そうではございません。それは一例を申上げたのでございまして、そういう問題を……
#18
○國務大臣(本多市郎君) それでありますならば、一般的には特別会計二割、一般三割という目途を立てたのでございますが、只今お話の通りその職場職場によりまして、止むを得ざる例外等が生じて來るわけであります。ですから必ずしもその率にはやつておりません。從つて対象になつて人員にその比率を掛けたものと、今回提案する定員法の数とは、整理人員は相当違つて参ります。でき得る限り実情に副うような方針の下に、率を加減したり除外を設けたりして研究していつたものでございます。
#19
○大山安君 大臣にお伺いします。この定員法につきまして今まで種々の意見をお聞きしましたが、すべての事情を勘安してそうして定員を定めた。こういうようなことに聞きましたが、私はこの定員を定める場合に最も重点的に考えなければならんのは、能率関係、実際の事務を根拠として定員を定めなければならないというような考えを私は持つております。又今後の審議に対してもそういう考えを持つて審議もします。その場合に今までの御意見を聞いて見ますと、何等根拠がない、例えば退職金によつて定員を定めるとか、或はいろいろの他の多角的な方面から算定するというような、空想に近い、実際はその実情に根拠がなくてはならん。これはこれだけあればよろしいという或は又足りないとか或は余るとか、その根拠が、只今申されたところには、一つも現れていない。これは極めて不合理な御意見かと思います。その点は何を対象として定員を定めるか、そこをお尋ねしたい。
#20
○國務大臣(本多市郎君) 最前のお話のありました通り、職階制等が確立いたしますと、今日よりは一層その一人一人の事務量というものがはつきりして、從つてどこの役所には何人ぐらいという見通しが、今よりもよく分るようになると思いますし、併し官廳事務の性質上この事務量が、はつきりいくらが適当であるかという科学的な問題になりますと、非常にこれはむずかしい問題だろうと思います。現在までの職員は、それぞれその所要事務量を処理するために、これは大藏省においても年々審査を続けておりまするし、これだけは必要であるということを一應研究して定まつている人員が、今いるわけでございます。それが集積したものが今日の各省の役人の数となつておるのでありますから、その現状を見まして、その上にその状態から勘案いたしまして、大体において今少しく減らしても、今程度の仕事をやつて行けるんじやなかろうかという程度から研究を始めまして、結論に到達いたしたのが、今回の提案しようといたしておる定員でございます。
#21
○木下源吾君 定員法を定めた結果は、余る人間ができる、これを整理するということに対して基準の正確なものは今ない。だが併し実際に行う場合には、一應の基準を人事院規則で定めてやると、こういうようにお考えになつておるようですが、その点について人事院との連絡その他が進んでおいでになるのかどうか、これを一つお聞きしたい。
#22
○國務大臣(本多市郎君) 私は整理の基準について、人事院規則で定めてやると申上げたのじやございません。これは出るとすれば、人事院の所管事項でございますから、或は何かの基準を人事院規則でお出しになる場合がありはしないかと考えまして申上げただけでございまして、この点については人事院総裁からお聞き願いたいと思います。
#23
○木下源吾君 今大臣のお話では、結局首切りは必然的である、その結果としては、どうしても人事院の方にこれは関係が生じて來るということのお話があるんですが、この点について人事院はどういうようにお考えになつておりますか、又実際にはどういうことをせにやならんということを御研究になつておるかどうか、それを一つお聞きしたい。
#24
○政府委員(淺井清君) お答えを申上げますが、人事院の只今の立場といたしましては、訴願に関する規定というものが、この定員法で削除されておるという点について関心を持つております。
 それから基準を示す問題でございまするが、これは適当な基準が果して見つかるのか見つからないのか、非常に苦心をいたしておる点でございます。ただ若しここで示せと仰せられるならば、はつきりと二つのものを示すことができると思います。第一は昨日申しましたように平等取扱の原則、第二は組合活動のために不利益を受けないということ、この二つははつきりと、若し示せということならば、示すつもりでおります。
#25
○木下源吾君 この行政整理に関しては、歴代内閣がやはりこれを考えて今までやつて來たのです。現内閣の專賣特許でも何でもないと私は考えておる、ただ順序として、先程羽仁委員がいわれたように、納得のできる行政整理をせにやならんためにこそ人事院等を設けて今日まで参つたのだと思うのです。現在行おうとするその時期が、果して行政整理を今日やる段階に來ておるかどうかということについて、私共多少疑問を持つておるわけであります。というのは只今人事院総裁のいわるるように平等の原則、こういいますれば、その平等を如何にして平等にするかということが、これが檢討されなければならんと思うのでありまして、これは早急にそういうことが私はできようはずがないと思うのであります。何にいたしましても、人事院ができておりその任務を本格的に遂行して行く過程においては、必ず行政整理というものが必然的に生れて來るのであつて、政治的に今この行政整理を断行するということでは、これは矛盾があると思うのであります。尚併しこの矛盾をも解決することなくして、これを行おうとするところに非常な無理がある、かように考えます。この無理をどうしてもこの國会でやらなければならないという根拠が何か外にございますのかどうか、その点を一つざつくばらんに聞かして頂きたいと思う。
#26
○國務大臣(本多市郎君) これは根拠と申しましても政府の考えでありまして、今日の機構においても公務員の数においても厖大化しており経費も余計かかる、これを何とかして適正規模に直したい、そうして國民の負担のあまり重圧にならないような方向へ進むべきである、これがまあ根拠がありまして、何から他から強いられてやるという根拠はないのであります。
#27
○木下源吾君 そうしますと、これは必ず公平な取扱において人員整理等ができるという確信を以ておやりになつておるのかどうか。
#28
○國務大臣(本多市郎君) これは是非一つ國会の御協力を得まして、所期の目的を達したいと考えております。又この程度のことならば、必ず國民も納得してくれるものと考えております。
#29
○羽仁五郎君 今までいろいろ伺つたんですが、結局まあ結論としては現在政府が行おうとしている行政整理、或は定員法というものは、その理由とするところは、國民の負担を軽くする、或は國家経済の節約を図るという誰でも納得しなければならない根拠から來ているんですが、そこではつきり分けて考えなければならないのは、それを実現する方法が、誰でも納得する方法でなければ、いわゆる羊頭を掲げて狗肉を賣るということになつちやうんです。それで、今までたびたび伺つて來たところでは、その方法についてはつまりはつきりしたことがない、それから先つきから御説明になつておることは、木下委員もおつしやつた、或は宇都宮委員もいわれたように、別に今の政府が新にいわれたことじやない、歴代の内閣が言つておることであつて、又歴代の内閣ばかりじやなく、歴代の國会が問題にして來たところであつて、それがなぜできなかつたかということを考えなければならん。それは政治力の不足なんかという簡單なことじやない、先つきも赤松さんのいわれた原始的な原因じやないんですよ。もつとはつきりいえば、そういう野蛮な理由じやなくて、それに対するつまり科学的な、合理的な基準の発見ということが今までできなかつたからできなかつたんです。ただ政治力でできるということだけが民自党内閣のお得意ではないだろうと思います。從つてそれはおやりになるには、私はまだ十分の根拠がないんだから、今までの内閣と現在の内閣とがその点では少しも異なつたところはないのです。別に今までの内閣が立派だつたというわけじやありませんけれども、だから民自党内閣が今までの内閣ができなかつたことをなさるには、今までの内閣が持つていなかつた條件である、そのしなければならないという理由じやなくて、しなければならない理由というのは皆知つておるんですから、それをどういうふうにやるかという方法ですね、その方法上の根拠がなければならん。さつきまで伺つたところでは、その方法を我々は伺つておるのに、いつもそのしなければならんという理由の方の説明だけしかないので、その方法の方について一つも御説明がない。だから若しこれ以上の御説明がないとすれば、我我はその方法は即ち政治的方法、というのはつまり民自党の立場でなさる、從つて民自党の氣に入らない人間は皆首を切るということに、あつさり言えばそういうことになるでしよう。何らの外に基準がないんですから、上でそうだし、從つて下でも自分の氣に入らない者は首を切る、從つて今人事院総裁が言われたような公平の原則というものは全然蹂躪される。又恐らくは第二に言われた組合活動の理由を以て馘首されることがないという点も、恐らく現内閣は政治上組合活動というものに対する御理解が余り深いということは伺つておりませんから、從つてそういう点で蹂躪されるということになるのじやないか。そんなことをやつてますます現内閣が國民に信を失墜される、序でに國会まで巻添をさせられて、國民の信を失墜させるよりも、間もなく人事院が鋭意作成されようとしておる職階制でも待たれて考える……どうですか。
#30
○國務大臣(本多市郎君) この方法につきましては、各省、各廰等の実情を調査いたしまして、それぞれこの状態ならばどの程度の人員でやれるであろうという調査の結果がこの整理人員になつて來るのでありまして、こういう方法で行政整理をやるということは、これはもう普通のやり方であつて、今日職階制等のない現状におきましては公平の原則はどこまでも信念として持つてその仕事に当らなければなりませんけれども、こういう方法でやるのが当然な行き方であると考えております。
#31
○大山安君 先程の質問は納得しました。これは今後資料としてプリントにでもして提出して頂きたい、人員の関係ですな。それから理由はそれでよろしい。私としてここに確乎たる御意見を聞いて置きたいのは、人員の剩員、余つておる人員に対するつまり人的整理ですね。これはどういうお考えの下に減員されるか、今日の場合とにかく軍國時代の者も入つておるし、いろいろの思想上の関係も入つておる、これらの政府としての意見はどういうお考えを持つておるか、これが重大問題だろうと私は考えます。仮にこういう意見を述べますれば、或いはよく右の方とか左の方とか申しますが、実際に最高の指導者というものの氣持によつて建設上に重大影響を及ぼすという実情に実際には立至つておる。そういうところも私は整理しなければならんという考えを持つておるのであります。そういう考えでありますから、整理の対象とする人物、それに対する御意見がありましたらば、どうせ実行すれば分るんですから、大体の試案をお聞きしたいと思います。
 尚今までにいろいろの御意見を議員から聽きましたが、これは國情止むを得ない人員整理である、これは國民もひとしく納得しておると思います。その場合に最後の結論として國民の納得の行く行かないは、今の人物を如何にしてというのが重大問題になる。この場合に大臣がうんと國家的観念を持つて、今日まで歴史がそういうふうに整理することができなかつたという意見を持つている方もありますが、これは実際腐敗していた、これは新らしい國会が直ぐに整理してよかつたものであるというような私は考えを持つております。私が大臣ならば直ぐやつてしまいます。余り多角的に考えずに、國家的観念を持つて実行して貰いたい、材料を私は出します。こういう偉い者を首にしたらならんだろうというような氣持もあるときには私も材料を出します、これは國家のためにならんという材料を……。ですから大体の氣持をここで……、実行すればそれは現われるんですから、國務大臣ですから、ざつくばらんに一つお願いいたしたい。それで欠点があれば改める、私共は私共の方の意見を汲み入れて貰えるか貰えんか分らんが、主張します。大体でよろしうございますから……
#32
○國務大臣(本多市郎君) これは人員整理の基準の問題でありまして、最前人事院総裁から御答弁がありましたが一般的な人員整理について考慮されなければならんことは、能率の増進ということが必要でありますから、その整理の結果については能率の増進ということが目標にならなければならない。更に又離職する人達の立場も考慮しなければなりませんから、その人が社会に溶け込む難易等も或いは考慮されるんじやなかろうかと思います。更に又思想的或いは政党政派についてのお考えもあつての御質問のようでありましたが、今日そういう政党政派等の立場に偏した考えを持つて整理に当るという氣持はないのでありますけれども、ただそういう役所の中におつて、却つてその者がおるために仕事の一般的な能率が挙らないというような存在の人がありましたならば、そういう人は勿論整理の対象になる者じやないかと私は思つております。どこまでも只今申上げましたことが大体の目標になるのじやないかと考えておりますが、基準に関する事柄でありまして、私から一一その項目を挙げてお答えするということはこの際御遠慮申上げたいと思います。
#33
○委員長(中井光次君) 大山さん、意見は述べないで質問だけにして下さい。
#34
○大山安君 それについて研究されておりますか、いるかいないかということについて一つ……
#35
○國務大臣(本多市郎君) これは基準のことでありますから、私の方からは実は御答弁を申上げ兼ねるのでございます。仮に整理の基準について人事院から発表がありましたならばそれに從つて各大臣は整理を行うことと思いますが、そうなりますと大臣といたしましても公平の原則、それから能率の増進というようなことを目標にやることと存じます。この基準については私の方から指示するものでありませんのでここではお示しいたしかねるのであります。
#36
○大山安君 只今の大臣の御意見は人事院の意見によつてとおつしやいましたが……、それは私聞違いましたので止めます。
#37
○羽仁五郎君 今大臣のおつしやるのはいよいよ我々としては納得できないのであります。なぜかといえば政府は定員法なり行政整理なりに、つまり何というかアルフアーをオメガという基準で示しておるのです。それがたびたびおつしやる非現業三割、現業二割というのです。それの基準は役所は我々に示さない。人事院の方ではお示しになるだろう、人事院はそれに対してさつきの御答弁があるが、二割三割というのはどういう基準によつて政府が作つたのか、それは人事院として二割三割ということに対する根拠を上げることはできないから、消極的な基準として公平の原則、それから組合活動によつて首を切られるというようなことはないという消極的な原則しか出せないといつておられるのである。政府は人事院をどういうふうにお考えになつておるのか、世間が見ても、新聞が見てもおかしいのです。國家公務員法という実に重大な法律を政府は何と考えておられるのか、三割か二割切れば能率が上るという論理しかお持ちになつていないのです。三割か二割を切つても必ずしも能率が上るとはいえないかも知れない。三割、二割を切るということを決めただけでは能率は上らないのです、その三割、二割を切る場合に、どうしたら能率が上るかという基準については、全然まだ人事院の研究が結論に到達していないのであります。政府は又何らの準備はないのであります。実際さつき赤松委員が言われたような事実が頻々として至るところにあるのです。能率を上げるとおつしやるが、今のところでは定員法を拵えて二割三割首切つて、郵便局が三つあるところが一つになつて能率が上らないのです。我々國民の負担が軽くなるというが、あべこべに重くなる、それでもうこれ以上大臣に質問しても仕方がないことであるから、たびたび伺つたところの結論は、人事院としては態度を決めて頂きたいと思う。皆さんにお願いするわけなんですが、こういうわけで第五國会で定員法を審議するということはできない。定員法は内閣委員会に掛つてこちらは連合委員会ということになるのかも知れませんけれども、今までのような経緯で、政府が今までのような説明しかなさらないとするならば、衆議院としてはこの國会で定員法を審議されるということはできないというふうに、人事院委員会としてはお考えになるのじやないかと思うのですが、そういう点を皆さんの御意向がそうであるならば人事委員会としての態度を明らかにして、政府に向つても人事院に向つても亦世論に向つても、我々の態度をはつきりすべきだと思うのですが、いままでも曖昧で以て事態を遷延してその間に事実問題として多くの人の生活に不安を導くことは、國会としてのなすべきことじやないので、どうか一つ人事委が会でそういう点を御決定願いたいというふうに、私は人事委員会の委員各位にお願いする次第であります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
#38
○木檜三四郎君 只今木下さんから賛成がありましたので……
#39
○委員長(中井光次君) 今は大臣に対する質問をやつておるのですから、その話は後で質問が済んでからして頂きたいと思います。
#40
○赤松常子君 私ちよつと人事院総裁、本多國務大臣に希望を申上げて置きますが、この前、行政機関の整理のときに直先に新聞に政府の意見としてちらちら出ましたのが、婦人少年局や兒童局の廃止ということで、私共誠に國際的にも恥かして思いをしたのでございます。文化國家を標榜する日本といたしまして、政府みずから婦人の問題、子供の問題を取扱つておる機関を犠牲にするということは、私は女であるという狹い意味で言うのでなく、日本が國際的にこれから本当に進んで行きます門出に、政府みずからこういう態度を取つたということについて、私共國民全体が非常に納得できないものを感じ、又非常に恥かしい思いをしたということをこの際申上げたいのでございます。それで今度の整理基準が曖昧では絶対に納得できない。今大臣及び人事院総裁は公平々々とおつしやておりますが、この公平という基準自体も実は納得行かないのでございますが、せめてこういう文化國家を標榜する立場に立ちまして、婦人子供の問題については特に深く御考慮に入れて頂きたいと思うことを申上げて置きます。
#41
○委員長(中井光次君) 他に御質問ございませんか……。大臣の御出席がなかなか得られませんから、私からも一應伺つて確かめて置きたいことがあります。前にお話を聞いて途中にそのままになつておるのであります。その間、政府の方でもいろいろお骨折になつて定員法というものも出て來るようでありますが、新聞を見ると現業二割、非現業三割という原則でやつておられるように思いますが、新聞では整理人員が初から見ると段々少くなつております。只今のところはどういう整理人員のお見込でありますか。その経過がどんなことであるかということが一つ。
 それから若し仮にそういうものが出た場合に、先程もお話がありましたが、退職金はいくらということになつておるかをお聞きして置きたい。
 もう一つは訴願の途を開くか開かないかということは、現在非常に問題になつておるようであります。この三点について明らかにして置きたい氣がします。
#42
○國務大臣(本多市郎君) 二割、三割はこれは最初に調査するに当つての目標でありまして、その目標を以て調査に当りましたけれども、実情に副うように人員を決めたいという考えから整理を緩和する面が生じ、更に止むを得ず整理の除外をしなければならんというものが出て來ましたために、最初に全体を対象として計算されたものが新聞に傳わつておりましたが、その数とは相当の開きを生じて來たのでございます。この整理の数は実は予算定員においてその数を算定しておりますが、整理人員は予算定員において二十六万ちよつと数千人です。それですでにその予算が計上されておりまする本年度の新規増員が二万六千、それを差引いたものがこの予算定員の方における減少人員と、こうなるわけでございます。
#43
○委員長(中井光次君) 私そういう予算定員を開いているわけじやないのですが……
#44
○國務大臣(本多市郎君) 実人員ですか。
#45
○委員長(中井光次君) ええ。
#46
○國務大臣(本多市郎君) 実人員の点になりますと、この調査が非常に遅れておりまして、正確なところは掴み得ないのでございます。(笑声)これは全國の頒布されている実人員の報告が大分月遅れに來るものですから、正確なところ掴み得ませんが、でき得る限りそういうところを調査したものよつて、後から一つ御報告申上げたいと思います。
#47
○東浦庄治君 大体どのくらいですか。
#48
○國務大臣(本多市郎君) 十万近くの欠員があるのだろうと思います。今度の整理の対象になつている人員のうち、十万近くの欠員が悉く整理人員に含まれるかと言いますと、欠員は欠員になつていてもどうしてもいろいろ仕事が違うために、その穴埋をできないで、やはり切るものは切らなければならんという面もできて來るのです。そういう点は実にむずかしいので、大体の見通しで行く外今のところは数字がないのですが、約十万の欠員のうち七割くらいが整理人員のうちから出るのじやなかろうか、三割くらいは欠員のままで整理をやはりやらなければならんものが出て來るわけです。
#49
○東浦庄治君 七万くらいで行くというわけですね。
#50
○國務大臣(本多市郎君) ええそうです。つまり七万くらいは欠員を落して整理するということになるわけです。二万六千人の新規増員が定員が殖えたからそれだけそつくり退職をさせないが済むかと言いますと、これも同じくらいの割合でやはり二万六千人がそつくりそれだけの数を整理しなくて済むというわけには行かんのです。どうしても仕事々々專門的な面がありまして、やはり整理の数に含まれるものは七割くらいになつて來やしないかと思いますが、この辺は非常にむずかしいので正確なものがまだ出ておりません。
 それから更に退職手当の問題と諸関係の問題がお話があつたのでございますが、実はこの点が今政府においても向うと折衝中の問題でありまして、関係方面の意向等も最後的に判明しなければ政府においても決定いたしかねている問題でございますので、この際これをどうということは私からお話は今日申上げかねるのでございます。
#51
○東浦庄治君 ちよつと序でに、今の定員法が今度出ますと、定員法というと何か非常に固定的なもののように一般に観念されるのですが、これは毎年いろいろな事情で非常に変つて來ると思うのですが、そういう点についてはどういうお考えを持つておられますか。
#52
○國務大臣(本多市郎君) お話の通り、たとい一人の國家公務員の増加が必要であるという場合でも、この法律を変えなければなりません、実際に申しますと……ですからもう常に定員法の人数は改正されて行くものだと思います。直ぐにもどうしても止むを得ない人員の増加があれば変えて行かなければならん。ただ今日まではこれを國会にかけないで、幾ら國家公務員の増減があるのか分らんということで行つていたのが、必ず國会にかけて法律でなければ一人の定員の異動もできない、変更もできないというふうにして、國民の前にも國家公務員の数、増減を明らかにして行くというところに定員法の意義があるのだと思つております。
#53
○大山安君 さつき人物の整理について、これはよく人事院の意見によつてやるというふうに聞いておりましたが、とにかく人事院は人事院として意見がある。政府は政府としてやはりそういう方面も深く研究されて事を運ぶのが責任だと私は思います。又政府が考えられたところの意見が國情に副わなければ、人事院は人事院の意見だけで勧告もする。それですから、実際には執務に対する増減、それから第二には人物の制限、それらは政府が政府自身で研究されてやられるのが当然かと思われるのであります。又実際から言うと、いいことはいい、自分らがやつて、どうも國民の聞え、又周囲の事情如何ということが人事院に持つて行つてしまうというやり方は感心しないのです。仮に人事院の意向に拘わらず國情に副うところの仕事はどしどしやつていいわけです。そういう観念ですね。今提案された法案につきましても、他はいずれも政府以下の機関になつておられるのだから、最大の政府がこの方の意見が來たときには、この方の意見を掬み入れるものであるというような氣持でなく、行政関係から言いますればつまり最高の機関でありますから、政府は政府だけの、この次お呼びしてお聽きするかも知れませんが、政府の確乎たる意見をお聽きしたいと思います。又すべてが人事院関係につきましてもよく人事院々々々というようなことがあつては、やはり心証を残すということになりますから、双方意見を聽いて見なければ分らんということがあつてはならんように思いますから、政府の責任においてお願いします。
#54
○委員長(中井光次君) もう御質問がないようでありましたら……(「なし」と呼ぶ者あり)それでは本多大臣にはお帰り願うようにいたします。
#55
○國務大臣(本多市郎君) どうも失礼いたしました。
#56
○委員長(中井光次君) 先程羽仁委員からお申出でがありましたことにつきまして、木下さんから御賛成があつたようでありますが、懇談会にして御相談しましようか、どういうふうにしましようか。
#57
○羽仁五郎君 懇談会でなくこのままやつた方がいいと思いますね。
#58
○木下源吾君 羽仁君の動議といいますか、これは具体的に示されておらんのですが、これはまあ後で形が具体的に出るだろうと思いますが、大体政府の大臣の答弁を聞いておりましても、本來人事院のやるべきことをもうそつちのけにしてしまつて置いて、それで政府がやつて行こうとするところに非常な無理があります。殊に公平の原則といいますか、そういうことは行い得られない。現に各省の長に何人ぐらい首切つたらいいかということを申出でろということで出しておるのです。こういう無謀なことは到底これは國民も國会も納得できないと思うのです。定員法を定めれば必然的に整理が出て來るわけです。出て來るが方法等は人事院がやらなければできない。人事院がその権限を持つてそうして今日やることになつておるのであつて、公務員を殖やし能率を上げる、実際そういう方面を專門にやる人事院を無視して、そうして頭から定員法というようなものを作つて、そうしてどういう者をするか、そういうことは一切つまり属僚にでも任せるというようなそういう行き方になると思うのです。これは非常に危險であり無謀である。でありますから少くともやはり羽仁君が言われたように人事院が目標ができ、確信を持つてやり得るという時期までは、これは延ばすべしというこういうことの御示唆のように承つたのでありますが、私はそういう意味で賛成いたします。
#59
○木檜三四郎君 只今木下君から羽仁君の意見に賛成されたのでありますが、人事院の任務の重いことも存じておりますが、人事院の方が職階制を拵えるとか、いろいろの規定を拵えるのを待つて行政整理をやる、冗員淘汰をする。こういうまあ御意見でございますけれども、私はそれも結構であるけれども、今日日本が國民負担に苦しんでいる一部を、いわゆる冗員淘汰をして國民負担を軽くするということは國民の声です。ですから一日も早くこの行政整理をするということは、私は大切であると思うのです。学問的にいろいろ人事院から公平な案を拵えてやるというようなことを待つておる時代ではないと思います。できたならばできたとき又それに準拠してやればよろしいので、どの内閣でも冗員淘汰ということは口には申しますができないのです。戰爭中から戰時に便乘して無駄な役所ができ、それに伴うた役人がおるのですから、これはもう常識で言うのです。政治は決して……科学も尊重しなければならんが、実際問題ですから、常識から考えて今日冗員淘汰をするのは國民の声です。それですから定員法をこしらえて出したならば、大体これを受入れて我々は調査をして、妥当だと認めたならばこれに賛成する。職階制ができないからということは結構な御意見であるけれども、そういう規定を待つてやるという時代ではないと思う。一日も早く冗員を淘汰して、能率主義に役人をして行かなければならんと私はこう思うのです。それですから、今日はどの内閣も声ばかりの行政整理でできなかつたものを、今実際やろうとしておるのは結構である。私は職階制が今後できましたならば、更にそれに順應するのも結構だが、今政府が二割なり三割なり冗員を淘汰するならば、私共は五割でもいいくらいに思う。遊んでおる役人が沢山おる。理窟ばかり言つて遊んでおる役人にまで、我々國民は税を負担してはいかんのであります。ここは我々國会議員としても考えなければならん。役人亡國です。そうですから一日も早く冗員淘汰ができることを希望するのです。ですから私は今木下君が賛成された羽仁君の御意見には反対です。政府が定員法を出したならばこれを調査して、一日も早くこれを妥当と思つたならば実行させるということの考えを以て反対いたします。
#60
○羽仁五郎君 今木檜さんの御意見なんですけれども、第一に役人亡國というふうに言われたのですが、御承知のように、人件費なり何なりというものは予算全面の上では決して多額に上るものではないのです。今年度において節約額が六十億、來年度からは三百億というのですが、過去一ケ年間に見ても、それよりもずつと巨額なものが別の方面で、或いは昭和電工事件とか何とかそういう方面で使われておる。且つ今おつしやつたように、整理をするのに、さつきも人事院総裁と大多國務相との間に御意見の相違があるように、一人でも我々は國会議員として、一人の人権をも蹂躙してはならない。ところが何十万という人を整理する場合には、不当に整理される人もあるかも知れない。この訴願を取上るか取上げないかということ、それすら政府は決定していない。だから國民の負担を軽くするということは我々は賛成ですが、この際不当な整理をされる人が一人でもあつてはならない。その人の不当な整理の訴願を受付けるか受付けないかということについて、人事院総裁も苦慮されておる。政府はその点はつきりしておらない。この國会で会期が僅かなときに、木檜さんも調査をしてとおつしやつたのでございますけれども、調査をやるということはできない。少くとも職階制はあと一ケ月でできるというのですからそこでやるべきだという意味で、趣旨においては木檜さんも御賛成下さると思います。
   ―――――・―――――
#61
○委員長(中井光次君) 時間が大分移りましたから、この辺で一應休憩をいたしたいと思いますが、併しながら先程大臣出席のために議案を後廻しにしました請願三件陳情一件の問題です。これは議院の会議に付し内閣に…
   ―――――・―――――
#62
○羽仁五郎君 今の私のを動議として取上げて、採決して頂きたいと思いますが、どうですか。
#63
○委員長(中井光次君) 私は今後まだ続行するつもりです。もう少し御議論を鬪わした方がいいと思います。
#64
○木下源吾君 これ以上政府に聞いたところで仕樣がない。
#65
○委員長(中井光次君) 政府に聞くのではありません。こちらだけの話であります。
#66
○木下源吾君 ああそうですか。
#67
○委員長(中井光次君) そういうふうに思いますから……今の御議論につきましては、午後更に時間がありますれば……実は次の委員会が迫つておりますから、場所を変えて議長サロンで午後二時から開会いたしたいと思います。
#68
○大山安君 午後の開会について申上げます……
#69
○委員長(中井光次君) 若し開会について御異議がありますようでしたら、明日にいたしてもよろしうございます……では午後は工合が惡いようですから明日に持ち越してよろしうございますか。
#70
○羽仁五郎君 併し人事委員会としては根拠のない定員法などの審議をして、早く態度を明らかにしたいのですが、ねえ蓮見さん。
#71
○政府委員(蓮見太一君) ただ非常に審議するのに困るのですね。
#72
○木下源吾君 國務大臣の御意見は何遍聞いても同じで、取敢ずやるというようなことで、非常に審議するのに困る。今明日というのが何回聞いても続いておるが、今日もそういう状態で決らないかも知らない。果して上程されるものか、されないものかも分らないし、又会期が切迫して、從つて今日決定しなければならんという問題ではないから、今暫く休憩して、明日続行さして頂いたらどうですか。
#73
○委員長(中井光次君) では今日は工合が惡いから明日続行さして頂きたいと思います。
   ―――――・―――――
#74
○委員長(中井光次君) 請願陳情共に話がほぼ済んでおります。でありますからこれは御決定を願つたらどうかと思いますが、議院の会議に付し内閣に送付するということでよろしうございますね。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○委員長(中井光次君) それでは請願三件陳情一件は議院の会議に付し内閣に送付するということに御決定を願います。即決いたしました。
   ―――――・―――――
#76
○委員長(中井光次君) それから今羽仁さんの御提案についてのお話は明日更に委員会を開会いたしますから……
#77
○羽仁五郎君 又定足数が足りないと困るから……
#78
○委員長(中井光次君) いや出て貰います。各会派それぞれ……
#79
○木下源吾君 この問題はですね、大体もう人事院を無視しておる、そうして侮辱しておるんですよ、こういうことを許すことがあるものではありません。
#80
○委員長(中井光次君) 明日午前十時に開会いたすことにしてよろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(中井光次君) 十時は本会議があるそうですから本会議終了後にいたしますから、成るべく皆さん出るように願います。本日はこれで閉會いたします。
   午後零時二十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中井 光次君
   理事      木下 源吾君
           宇都宮 登君
   委員      赤松 常子君
           木檜三四郎君
           大山  安君
           東浦 庄治君
           羽仁 五郎君
           岩男 仁藏君
  國務大臣
   國 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   総理廳事務官
   (行政管理廳管
   理部長)    中川  融君
   人事院総裁   淺井  清君
   人事院事務官
   (給與部俸給課
   長)      蓮見 太一君
ソース: 国立国会図書館
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