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1949/04/06 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第4号
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1949/04/06 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第4号

#1
第005回国会 厚生委員会 第4号
昭和二十四年四月六日(水曜日)
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  委員の異動
三月三十一日(木曜日)委員藤田芳雄
君辞任につき、その補欠として黒川武雄
君を議長において選定した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○遺族救済諸対策に関する陳情(第百
 三十六号)
○調査承認要求の件
  ―――――――――――――
   午前十時二十八分開会
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。今日は日程に上して置きました陳情第百三十六号遺族救済諸対策に関する陳情を議題に供します。專門員から説明をいたします。
#3
○專門員(木村盛君) 陳情文書表第百三十六号、遺族救済諸対策に関する陳情、本件は山梨縣東山梨郡内藤勝三郎外一万三千百七十九名の連署陳情に係るものであります。陳情の趣旨は、戰爭によりました最大の犠牲を蒙むつた者は、貴い命を捧げた人々とその遺家族であることは申すまでもないのであります。これら遺家族は戰爭中は勿論戰後殊に生活難が深刻になるにつれまして、誠にみじめな生活の内情を持ち、恐らく現在において最も深刻な生活の苦に悩んでおる者はこれら遺族の者である。而して將來に亘つてこれら遺族の活計の道については、殆んど絶望とも言うべき現状に沈淪しており、平和國家建設のために誠に余念もなく働きたい念願を持ちながら、これが誠に困難を來しておる。勿論生活保護法やその他の関係社会諸立法があつて、これによつてそれぞれの保護援護はなされておるようなものの、一應一律平等の諸原則に從うという建前から、却つてこうした人々がハンディキャップを食つ付け得られるような保護の実情にあることも事実であります、かようなことから見まして、どうかこれらの遺族の現状及び將來について格段の御方策を煩わしたい。特に左記の各項について御審議の上速かにこれが実現について最善の方途を講ぜられたいとして三つ挙げてございます。その第一点は、店産物供出割当に当りましては、老親、未亡人等の遺族世帶については適当に軽減して欲しい。第二は、生活困窮せる遺族に対しては將來でき得る限り次の各項について実現方を考慮せられたい。次の各項を五つ挙げてございます。一つは、免税又は減税の特別措置を講ぜられたい。二が、未復員者、留守宅に類する手当の支給、三が、應召の故を以て小作に任せた土地は、遺族に対しては反還方農地法実施に当つて特例を設けられたい。四が、生業扶助の限定外支出を認められたい。五が、老親及び未亡人に対しては遺族扶助料の支給を復活せられたい。これがこの五つの項目であります。第三は、遺兒の学資、給與又は貸與の方策を講ぜられたい。第四は、未亡人の生産施設について資材の補給、配給について格段の御考慮を願いたい。第五は、戰災者としての特殊物件配給については格段の御考慮を煩わしたい。以上が本陳情の概要の趣旨であります。
#4
○委員長(塚本重藏君) 本陳情に対しまして取扱上におきまして、先ず当局のこの問題に対しまするこれまでの施策並びに現状、今後の対策等について承わりたいと思います。
#5
○政府委員(木村忠二郎君) 只今の陳情に対しまする厚生省におきまする見解を申上げます。最初の、第一の遺族の救済につきましては、この方々の経済的並びに精神的に受けられました御痛苦に対しましては非常にお氣の毒に存ずる次第でありまして、政府の行いまするあらゆる施策を実施するに当りましては、よくその氣持を汲んで、本当の遺族の方々の氣持になつて対策を、すべての施策をやつて行かなければならんと、かように存ずる次第であります。只今陳情にありましたような事項につきましては、十分これらの事項を処理する上におきまして、温い氣持を持つてみんが処して行くようにしなければならんと存じまして、そのように関係方面を指導して参りたい。かように考えておる次第であります。陳情の各項目につきまして申上げますと、第一の生産物の供出割当の問題、それから第三番目の最初の免税又は減税の問題、それから未復員者の留守宅の手当、それから農地法の関係の問題、それから未亡人に対する遺族扶助料の復活の問題、これらは厚生省の所管でございません。私の方から如何にしたらいいかということにつきましての見解はいたしかねるのでありますが、できるだけ御趣旨に副うように、而も税などにつきましての原則並びに供出等その他につきましての諸原則につきまして、融通のつきまする限り適切な措置を講ずるように関係方面にお願いいたすようにいたしたい、かように考えておりまするが、これにつきましては又必要がございますれば、関係の部課長の方に御見解をお述べ願わなければならんかと思います。当面の社会局の関係といたしましては、生活に困られます妻子の人や、その生活が維持できまする最低のことだけは十分にいたさなければならんのじやなかろうか。現在の生活保護法の実施に当りまして漏救がありまして、そのために特別に取扱われる、又年を取つた方とか、又未亡人で遺兒を抱えておられる方々がそのために精神的のみならず、更に物質的にいろいろな苦痛を受けることのないように法の運営に留意して行かなければならない、かように考えておるのであります。生産扶助の限度外の支出につきましては、生産扶助は実際にその人に必要な状況、実情に合せるようにいたしましは、現在の生業扶助の限度は非常に低いのであります。当局におきましてその必要を認めました場合におきましては、本省と協議の上におきまして適宜処理いたしたい、かように考えております。それから遺兒の学資の給與対策、これは主として義務教育以上、つまり新制の高等学校以上のことであろうと存ずるのでありまするが、この点につきましては、現在の状況としましては一般の文部省で実施しておりまするところの育英の制度以外には方法がないのでありまして、これにつきましても十分今後文部省方面とも連絡いたしまして考究いたして参りたいと、かように考えております。只今具体的な施策を持つていないのは非常に遺憾に存ずるのであります。それから未亡人の生産施設に対する資材につきましては、当局といたしましては未亡人の方々に働いて頂いております授産所の施設の拡充と申しますか、現在の授産所を特に未亡人の方々に働いて頂けるようなふうに持つて参りたい。つまり授産所をこういう方々のための施設であめというふうに我々は考えておるのでありまして、現在の実情が必ずしもその状況に合つていないという点もなきにしもあらずと考えられますので、今後の授産所の運営に対しましては、これらの方々が生産に寄與できまするようにいたし、尚この方面につきましては資材の斡旋等につきまして十分な措置を取つて参りたい、かように考えております。それから戰災者に対しまする特殊物件の配給と同じように、遺族につきましても考慮するようにという御意見、これも誠に御尤もでありまして、我々といたしましては生活困窮者に対しまする特殊物件の配給につきましては、特に從來からこのことにつきまして遺憾ないように考えておるのでありまして、現在までにおきまして必ずしも十分に参つていない憾みもあるかと存じますが、今後十分この点につきましては、実際のその衝に当りまする諸機関を指導いたしまして、遺憾ないように措置して参りたい、かように考えております。
#6
○山下義信君 この陳情に関連いたしまして、特に未亡人の救済に関して私は申上げたいのであります。未亡人の救済問題が当面の急務であるということはもはや絮説の要がございません。官民共にこの問題に当面いたしますと、何とかしなければならん、何とかしたいと思う。これはもう異口同音でございます。そこで今日はその何とかしなければならんという何とかの策を我々が必至に努力いたしまして、発見をしなければならん段階であると私は思うのであります。当委員会も特に未亡人の対策を取上げまして、同僚諸君も一段の力をお注ぎ下さるということに相成つて参りまして、やがて正式の調査要求が承認されますれば、改めて進むことであろうと思うのであります。たまたま関連いたしました陳情が上程されてあります機会に一言いたす次第でございます。つきましては、同僚の草葉委員も非常に熱心でありますので、この御出席を待つておるのであります。時間の関係上私が先に口を切りますわけです。いろいろ厚生省なり、或いは労働省の関係局におかれて大変御心配下さつて、その実態調査に非常に御努力下さつた。それらの調査の結果も非常に貴重な資料でございますから、殊に根本的な実情の把握が必要でございますから、その調査の結果に対しまする御所見も承わりたいと思うのでございまするが、それよりか別に、どういうことを未亡人の対策について、労働省の婦人少年局でもこれをお扱いになつておるのか、お考えになつておるのか、どういうことをなさろうとしておいでになるか、労働省の婦人少年局の方からも承わりたい。又社会局長からもたびたびこれに関連いたしましてのお考えも我々承わつておりまして、諒といたしておるのでありますが、何か將來未亡人の対策を十分大きく取上げられまして、御盡力下さいまするお考えがありますかどうか、こういう点も今は政府としての御見解を承わるというよりは、進みまして、一歩前進いたしまして御協議申上げたい。こういう考えを持つておるのであります。又兒童局は母子という建前からこの問題も関連がありますので、又兒童局長のお考えもあろうかと思うのです。場合によりましては速記を止めましてでも、フリーに御懇談を申上げたい、かように考えております。そして本員はただここで質疑應答の形式で同じようなことを蒸し返して、繰返すだけでなくいたしまして、一、二回の協議を持ちました結果、何らか具体的な対策を考えて、よく廣く百数十万の未亡人たちに明るい光明を與えて上げなければならんもう段階に参つておると私は思うのであります。又私供の考えを申上げる前に、政府がいろいろ当面の方々が御心配下されておりますから、只今どういう程度に御心配下されておりまするか、又將來のお考えを一つ承わつて行きたいと思つております。それでこれはもう言までもなく、生活保護法の大部分が今日それらの人を保護しておるわけでありますけれども、一般的に見るというと、それはそれで、未亡人が恰も捨て置かれておるがごとき印象を國民が持つておるのであります。で、生活保護法の面で相当大きく救助がなされてあるという点もはつきり國民に示す必要があるのでございます。又兒童局関係の母子対策の点でもいろいろ苦心をされておいでなり、將來の計画もあると思うのであります。そういう点も私は一つ政府の方を先に尊重いたしましてお考えを承わつて、それから我々の意見も申したいと思う。例えばこの未亡人の会を各府縣が作りつつある。これも政府のいろいろ御心配の結果と思うのでありますが、それらがすでに成立して全國的一つの大同團結の機運がもうあるように見えておる。これらはこういうこの非常に大きな民間團体、外郭團体の活用を待たなければならんことは、今日の國家財政その他から行きまして言うまでもございません。そういうような点、いろいろあると思うのであります。尚、先般これは平等の原則から、特に未亡人に対して云々ということはできないというような御意見が一部にはあるかのようでございますが、併し特殊の対象に対する特殊の対策は決して平等の原則には反しないのでありまして、むしろ特殊の対象に対して特殊の施策をすることが平等の原則に合致するわけであります。取上げまして特別の対策を講じても差支ないのみならず、そうすべきであると私は思うのであります。先ず政府の方のこの未亡人に関しまするいろいろ御心配下され、又今後心配してやろうと考えておられまする御計画等を、この席で厚生省関係の社会局長、兒童局長から承わり、又労働省の婦人少年局においてもこの問題にお触れになるならば承わりたい。ただ調査だけして対策は講じないというようなことならば、調査も止めて頂きたい。そういう調査をするところでは必ず何か対策を具体的に講ずるものであろうと國民は見ておる。しないのならば止めて、婦人少年局はただ婦人少年の労働問題に局限する範囲内でおやりになるがよろしい。未亡人の実態調査なぞをするならば、その救済策をどうするかという具体策を立て、それを政治の上に現わして行こうということを婦人少年局がするのかしないのか。そういうこともはつきりいたして置かなければならない。関係の各位から一應承わりたいと思うのであります。
#7
○委員長(塚本重藏君) 蛇足を加える必要は……今の山下委員の述べられましたことでお酌み取り願つておると思いますが、今取上げておる問題は、遺族の援護対策でありますけれども、この機会に山下委員のお述べになりましたように、戰歿未亡人だけに限らず、廣く戰災未亡人、引揚未亡人その他一般未亡人並びにその子供といつたようなことに関して今山下委員からお述べになつたと思うのでありますから、その意味においてお述べ下さることを希望いたします。
#8
○政府委員(木村忠二郎君) 未亡人の問題につきましては、只今山下議員からお話がございましたように、これは非常に重要な問題であると存ずるのであります。現在の生活保護法の実際の状況から見ましても、只今山下議員から御指摘になりましたように、これは少し古い統計になりまするけれども、これは昨年の調査でございますが、保護世帶が六十四万世帶のうちで、女子が世帶主である世帶がその中の七割に近い四十二万世帶余りを占めております。而もその中で子供或いは老人を抱えて、その他に全然誰も働き手のいないといつた世帶が十八万四千世帶というふうに相成つております。本年調査いたしておりまする調査の、今までに分りましたものにおきましても大体その状況は同様であるようであります。從いまして、生活保護法の運用といたしましても、この未亡人世帶というものにつきまして適正にやつて行くということは特に重要であると考えるのでありまして、今後生活保護法の扶助の際における生活費の基準でございますが、これを決めまする場合におきましても、特に未亡人世帶というものにつきまして、遺憾のないように措置する途が講ぜられなければならんのじやなかろうか、かように考えるのであります。特に小さい子供を抱えておりまする未亡人の世帶におきましては、その子供の仕合せといつた面から見ましても、從來生活保護法で主として考えておりまするのは、働ける者は先ず働く、働くことが原則になつておりまして、働いた上で初めてその足りない收入、足りない部面を生活保護法で補つて行くという建前でやつておるのでございますが、子供を抱えている未亡人の世帶につきましては、この原則は若干変更されなければならんのじやないかというふうに我々は考えておりまして、この点につきましては早急に何らかの対策を立てたい、かように考えているのであります。又実際に働きまする未亡人の世帶におきまして、その働くことによりまして、その生活の基準というものが、働かない場合でも同様であるといつたような状態であることは必ずしも適正でない、特に働きます場合におきましては、それに必要なる諸経費も掛かるわけでありまして、これらにつきましても現在の基準を更に適正なものに改めて行く必要があるのではなかろうか、今後の生活保護法におきまする最低生活費の基準を定めます際におきましては、この点を十分考慮いたして参りたい、かように考えているのであります。尚、先程も陳情にございました遺族に対しまする、未亡人に対します年金の問題、又その遺兒に対しますところの学資の問題、こういつたような問題、これは特に早急に解決されなければならん問題ではなかろうかと考えまして、この方面につきましてできるだけ速かに必要なる手を打つようにいたして参りたいという所存でおる次第であります。未亡人会の問題につきましては只今山下議員からお話がありましたように、地方におきましては具体的なる事業を行いまする会というものの結成につきましては、できるだけの便宜を図るようにいたしておる次第でありまして、実際に授産をやり或いは生活相談をやるというような面につきましては、できるだけ健全なる発達をいたして参るようにいたしたいと考えておるのであります。尚、未亡人におきまして実際に働きまして、その勤労によつて実際に收入を得まして、その生活を安定させるといつた趣旨におきまして、先程申上げましたように、授産所は主としてこういつた一般の産業に働き得ない、家庭的なその他の境遇にありまする未亡人を優先的に扱うような趣旨を以ちまして授産所の整備をいたして参りたい、かように考えておるのであります。現在の授産所をその方面に持つて行きますると同時に、尚それらの実態に應じまして、授産所はこの要求に應じまするように拡充をいたして参りたい、かように考えて運用いたして参つておるのでございます。
#9
○山下義信君 只今社会局長の御説明で、今まで承わることのできなかつた新らしいこと二つがはつきりしました。これは非常に重大でありまして、私は期待いたします。即ち生活保護法の扱いの上におきまして、子供を持つておるところの未亡人への扶助料算定の基準について十分考慮する考えがあるということは重大な言明であつたと思う。それから授産所の活用について十分又未亡人向きの授産所といつたような、未亡人を優先的な扱い方で考慮する、これは非常に力強い当局の言明であると私は拜聽いたしました。これらのお考えを具体的にいろいろと固めて参ることにつきましては、改めて他の機会において又承わりたいと思いますので、そのつもりでいて頂きたいと思います。尚一人の未亡人を助けることは、言うまでもなく同時に数人の子供を助けることになり、或いはいろいろな問題の発生を防止することにもなるのであります。その意味におきまして兒童局でも重大に考えておられると思いますので、兒童局長の御説明を続いて承わりたいと思います。
#10
○政府委員(小島徳雄君) 只今社会局長から御説明がありましたように、この未亡人という問題は非常に大きな問題で、今日までこれが政府といたしましても生活保護法等において非常な保護を加えておるのでありますが、今日の問題は一つは生活保護法に該当するいわゆる家庭の未亡人と、生活保護法には現在は該当しないけれども、今一歩すれば生活保護法に該当する虞れがある者を未然に防止するという問題、今一つは生活保護法によつて得られておるところのいわゆる母子家庭の援護に更に一層経済的な援護を更に加えた方がよいというような御意見、もう一つは未亡人というものが結局精神的な支柱を失つたというような関係で、そういう未亡人を指導する精神的な指導面について強力に考えなければならない、もう一つはそういうような小さな子供を抱えた未亡人につきまして、更に積極的な子供の面から見た未亡人の保護対策を考えなければならない、いろいろな面から未亡人のこと、その外或いはこの陳情の趣旨にも出ておりますように、税の問題とか、土地の問題とか、各省に関係したところの問題が、未亡人なるが故に特別に保護対策を加えて欲しいというような考え方から進んであるのであります。從いましてこれらの未亡人母子の保護の問題というものは、厚生省にも無論一番関係深いわけでありますが、同時に関係省にも相当関係するところが多い。これらのものを総合的に未亡人保護対策として一つの纏まつた見解で行なつたらどうかというように考えるのであります。この問題につきましては、御承知のように、誰しも考えておつて今日まででき得なかつた事情も考慮に入れまして、如何にしたならばこの問題がスムーズに而も強力に推し進められるかという問題につきましても皆さんと共に考慮しなければならん問題であると思うのであります。この問題につきましては我々といたしましても研究を重ねまして、更に皆樣の十二分なる御意見を拜承いたしまして善処いたしたい、かように考えております。
#11
○山下義信君 兒童局長に伺いますが、保育所、つまり通常託兒所というここで、未亡人の子供に対して十分保護の手が加えられるということは非常に大きな救済の一面であろうかと思うのでありますが、そういう点に対しまして兒童局長としてのお考えはどうなつておりますか。
#12
○政府委員(小島徳雄君) 最近東京都におきまして、殊に三多摩の各町村の生活保護の精密な実態調査をいたしました結果の報告にもありますが、我々も働きに行きたいのだけども子供がおるから困るのだという声が非常に多い。これは農村地帶の実態調査でありまするが、かような意味におきまして、これはたまたま一例ではございますけれども、全國的にそういうような実情が非常に多いのであります。この点につきまして我々といたしましてはできる限り保育所の増設というものを考えまして予算の編成をもいたしたのでありますが、遺憾ながら公共事業費というものが非常に困難な実情にありまして、それが思うように本年度におきましても進捗し得ないような情勢にあるのでありまして、この点は非常に遺憾に考えておるのであります。そこで我々といたしましては、然らば新らしくできない保育所に代つて打つべき手はないかというと、相当まだ手はあると思うのであります。この点は全國に、例えば仮に例を挙げて見ますれば、宗教團体におきましても相当の何万の寺院があり、教会があり或いは又神社等の施設があるわけでございまして、これらの民間の施設というものに協力を求めるような強い線を考えなければならん。こういうことで施設の増設も考えるし、同時にそういうような既存の施設を十分活用する方策を徹底的に本年度は実施したい。こういうことで、最近におきましてはそういう各方面の協力を得るように最大の努力をいたしたいと考えておるのであります。建物につきましては今は新設が非常にむすかしいのでありますが、委託費という問題につきましては、政府といたしましてはできる限り出すということに決定いたしておるのでありますから、こういう部面に施設の増設がむずかしければ民間の施設を或る程度協力を得まして、そうして施設の必要な子供につきましては、そういう施設に協力して貰つて委託する。委託するにつましてはそういう困つた者について委託費を出す、こういうような線で相当強力に府縣市町村関係の宗教團体の方面の協力を得ますように、又この点は特に皆樣方の御協力を得まして、予算がなかなか実現困難な場合に如何なる手を打つべきかという問題につきまして、殊に國会でそういう方面を民間の方にも強く働いて頂きまして、こういう時代に即應した一つの保護対策というものを作つて参りたい、かように考えております。
#13
○山下義信君 今一つ関連して兒童局長に伺いたいのですが、あなたの方で先般來非常に苦心して頂いて、我々も全面的に賛意を表しておるのでありますが、里親制度でありますが、この里親制度を一つうんと活用して貰つて、里親になる者、即ち未亡人をできるだけ里親に誘うようにして、例えばこれは一例でございますが、甲の未亡人の子供を乙の未亡人に託し、乙の未亡人の子供を甲の未亡人に仮に託すと、三百代言的な言い方になりますと、双方がこの里親になつてお互いの子供を預かれば、あなたの方の法律上の里子としての委託費は当然受けられる、つまり多数の兒童を預りまする保育所というものができなくても、この里親制度が未亡人の間に徹底するということになりますれば、この法律によつても未亡人、母子の救済も相当できる問題があろうかと思いますので、そういう未亡人の間に里親を大いに委託して、その面から救済してやろうというようなお考があるかどうか、その点を一つ承わつて置きたいと思います。
#14
○政府委員(小島徳雄君) 最近参議院の方々が栃木縣方面の状況、いわゆる身賣関係の御調査を願つたわけでありますが、そういう身賣りしなければならぬ家庭の中に母子家庭というものが非常に多かつたという実例を見ましても、母子家庭でその子供関係の保育所に困つているという実状というものも分ると思うのであります。從いまして今山下委員がおつしやいましたように、里親制度によつてこの点を大いにやりたいということは、我々としましても具体的な事件を通じ更に強く考えておるのであります。この点は本年におきましては、五月から兒童福祉週間というものが行われますが、この際におきまする最も大きな宣傳指導の面といたしまして、廣く里親というものを全國的に呼びかけるという猛運動を皆樣の御協力を得て実施したいという考えを持つております。御説の通り里親制度というものが徹底的に本年度において普及する施設というものが、今日においてなかなか増設が困難の場合におきまする方策といたしまして最も適当な方策を以ちまして、そういう方面で大いに実施して参りたいと、かように考えております。
#15
○小杉イ子君 戰災者、引揚者、未亡人援助につきましては、私も非常に痛感しておつた者の一人でございまして、この案の出る日を待つておつたのでございます。併しながら私は政府としてこの援助に対して無條件であつてはならないということを考えております。この援助については嚴密に調べた上でなければならんと思います。ちよつとその調べでございますが、三万五千人ぐらいの母子のことでありますが、ここで七百人程援助を受けております。この援助を受けている者の中には、病人の者もあり、或いは又病人でない者もあります。いつまでも子供は小さくございません。先日某引揚者の座談会で火鉢を囲んで七、八人の人が煙草を喫つておつた。これは一本が七円五十銭とか十五円だとか言つておつた。その中の最も顔色のよい人が、先生私は寢ても醒めても着のみ着のままである、洗濯一つすることもできない。洗濯すれば裸にならなければならん。政府は我々に財産を持たせず、このような有樣にして放つておいていいと思うのかということを申しまして、なじつたのでございます。そこで私は、幾ら煙草を喫つておるかと聞きましたところが、配給二人分だけだと申しておりました。そこで私は大変丈夫な身体のようであるし、八百屋でもあるのに着物が買えないとすれば、煙草は必需品ではない、嗜好品であるから、一つ大いに克己して一ケ月節約なさるならば古いズボンが一枚ぐらい買えましよう。三ケ月ぐらいなさるならばジヤンバーの一枚ぐらい買えましようと私は申したのでございます。その方法を考えて貰いたい。そうして先に申したところの三百五十人はどうかと申しますと、仕事を與えるけれどもしない。怠けておる。そうしていいものを食べておる有樣が調べられておるのでございます。これに対しては非常に憤慨に堪えないという者もあるのでございます。それで嚴密に調べて、そうして困る者だけを援助するということであつて、その援助費の残りは事業費に充てて貰いたい。こういうふうなことでございます。そうして調べる方法は、必ず婦人を入れなければ到底よく分らないということでございます。これを私は申上げて置きます。
#16
○中平常太郎君 未亡人、遺族の救援問題につきましては、山下委員から極めて適切な御質問があり、それに対して木村局長から御説明がありましたが、私その御説明の中に、今少しく立入つた質問をしたいと思うのであります。稼働、つまり働き得るか、つまり保護費を貰つておるところの未亡人などが稼働賃金が入るために、それで保護費をその土地の民生委員、或いはその市町村が保護費を削減する。それは法においてそうなつておるのではありますが、大体その保護費なるものが、適当な生活をし得るだけの最低限度のものが渡つておるなれば、或いはそれも論理が立つと思いますけれども、現在の保護費であつたなれば絶対に足りないからして働くのである。働けば働いただけの金が保護費から差引かれてはとてやり切れないというので、廃頽的氣分が非常に横溢しておるところの團体を幾ケ所も見たのであります。先月奈良、和歌山あたりにも参りまして、未亡人の働いておるところのミシン工場を見て参りましたが、それが働くと賃を引かれるので困ります。こう言つておりますが、それは余りに冷酷な法の執行振りであると思うのであります。私は先程木村局長が極めて含みのあるお考えを洩られましたので、こういう点が私は、実際において足りないから働くのでありまして、生活保護費を直ちに引くようなことをしない。その稼働賃金を加えてもまだまだ子供を連れておるところの未亡人は、子供に一枚の着物さえも買えないのでありますから、それを足りないがために一生縣命働こうと思えば、そういうふうに賃金を拘束を受けるということのないように、本当に市町村に向つて十分に指示を與えて頂きたいと思うのであります。末端へ行きますというと、法を冷酷に取扱う者が大分ありますし、又國の費用を成るべく少くしたい。或いは一割の市町村の経費を少くしたいために、どうも市町村におきましてはそういうふうに、あれはあの女は今頃よく働きよる、あれにはもう保護費を止めたらよかろうというふうに、直ちにあつさりと委員会などで削減されてしまうのでありますが、誠にかあいそうであつて、立ち行かんとする者の、立ち行きつつあるところの足を又掬うて轉ばすものであると思うのであります。それから又團体の生業資金でありますが、未亡人が互いに同憂の者が寄つて、そうして何かの仕事をしようというところの氣持というものは、これはどうしても助長してやらなければなりません。大体未亡人と言いますと、ややもするというと、戰爭は損なものだというような結論から、難儀するのは当り前だというふうに人にも取られる虞れがあり、又そういうことを公然と言つておる人があります。遺族の中には数限りもないいろいろな種類の遺族がありますが、例えば戰爭の遺族でありましても、遺族となつておる以上はもはや戰爭とは切り離した考を持たなければならない。して見るなれば、そういうふうにかあいそうな仲間になつた人に対しましては、特に國民は同情の立場を持つてやつて行かなければならないのでありますが、一つの團体が仕事をしますと、私設社会事業という形式になりますので、國家の補助が得られない、こうなつて來る。だからして一つの社会事業として拵えて上げるということは、共同募金のお金以外は國からの援助ができないようなことになつて参りますが、そういうふうになりないように、未亡人や何かの團体が何とかして浮び上ろうとするその努力に対しまする生業資金、團体的に必要な生業資金に対しましては、どういうふうに補助の考を具体的に持つておられますか。例えて見れば百人程の一つの未亡人の團体が一つの市町村にある、それがどうしても仕事をしなければならないといつて仕事をしようと、酪乳でも何でも、或いは澱粉工場でも何でもやろうという場合に生業資金というものをお出しになるお考えがあるのかどうか、そういうふうなことに対しまして御親切なお考えの裏に、そういうものに対してはそれは知らないと言われるのか、そういう方面に対してはこういう考を持つておるというところをお聽かせを願いたいと思います。
#17
○政府委員(木村忠二郎君) 未亡人が生活扶助費を受けておりまして、これが働きまして收入を得ました場合に、その收入を差引くことにつきましての御意見、誠に御尤もであると思います。先程申しましたように、やはり生活保護費の現在の基準が、我々といたしましてはこれを以て最低の生活ができる基準を立てなければならないと思いますると、基準は飽くまでその方え方で以て行つておりまする関係上、收入がありますればこれは差引くという建前を取らざるを得ないのでございます。從いまして我々としましては生活保護法の施行に当りましての最低生活の基準というものをできるだけ適正に持つて参りたい。現在の基準によりますれば、いろいろこれは意見もあろうと思いまするけれども、飲食物費におきましては、先ず相当の金額が考えられておるのでありまするが、その他の経費につきましては、現在の状況では極めて圧縮され過ぎておるというふうに考えられないでもないと思われるであります。尚働らきまする場合におきましては、特に女子の場合におきましては、現在の基準では飲食費が足りないというふうなことも考えられまするので、我々としましてはこれは厚生省限りで以てできることではないのでありまするが、財政方面とも十分連絡を取り、又必要なる基礎資料を以ちまして、勤労いたしまする未亡人のためには、それに必要なる、つまり勤労しない人とは異つた基準が立ち得るように努力したい。先程山下議員にお答えいたしましたときにも申上げたのでありまするが、そういうようなふうに基準を、何と申しますか、適正化いたして参りたい、こういたしますれば勤労いたしました場合に差引かれましても、総收入としましては勤続しない場合よりは殖えるというふうに相成るわけでありますから、できるだけそういうふうに今後の基準の改訂の際には持つて行くように努力いたしたい。そのためにはやはり必要なる資料が要りまするので、これにつきましてもできるだけ早急にその資料を取揃えまして、関係方面とも連絡を取りました上で、そういうふうな方に持つて行くように努力いたしたい。これを以ちまして、実際に働きました者につきましては働くに必要なる、現在におきましても働く場合におきまする諸経費等は当然プラスされることになつておりますが、その外にもそういつた眼に見えない経費といつたものが考えられるように研究いたして参りたい。かように思つております。これはできるだけ早急にその措置を取るようにいたしたいと考えているところであります。尚、極めて軽微な又不定なる收入につきましては、これは現在においては差引かないことになつております。それから生業資金の問題でございますが、現在の生業資金の運用は極めて不良でありまして、これは生業資金の限度が極めて低いことにもその原因があろうかとも存ぜられるのでありますが、尚、実際にどういう場合にどの程度の生業資金を出せば一番よいか、これは一般の事業に対する資金ではありませんで、零細なる生業なり生活保護を要しまするものが、その保護の費用を少くて済ませるといつたような意味におきまする生業資金、これを生活保護法で考えているわけでありまするが、これにつきましてはどういうような形で、どういうような者に出せばよろしいかということにつきましての具体的な基準が今立つておらないのであります。それにつきましては先般來実際のその仕事に当つておりまする地方の当局と連絡を取りまして、どういう場合にどういう資金をどの程度貸したらよいかということにつきまして具体的な基準を定めるように努力いたしているのであります。これは現在では基準は低うござゐますけれども、実際の実情を具しまして基準外、限度外の支出もいたすようにいたしているのであります。それにつきまして現在まで地方から本省に協議いたして参りましたものに余り適当なものが、つまり実際の具体的な基準として採用できる程適正なものが余りないようでありまして、実際の実情に應じまして具体的な適正な基準を作るようにして参りたい。かように考えております。尚、團体等を以ちまして相当規模を大きくいたしまする生業資金としましては、又別途庶民に対する金融の方法といたしまして別の方法を講じなければならんのじやないか、今回お考えになつておりまするところの國民金融公社、これは当然その方面の金融を優先的にいたすべきではなかろうかというふうに私は考えているような次第であります。將來は十分その方面に金融できるようにいたして参りたいというふうに考えているのであります。
#18
○中平常太郎君 只今の御説明で幾分分りましたが、只今稼働賃金について、その所要の費用は差引くというふうな方法を以て同情のあるやり方をするというお話でありまするが、働くということは樣々な家庭の苦しい状態から拔け出でんとする努力から働くのでありますから、盛んにそういう方面に働くについては、何か前の負債があるとか或いは又子供に病氣の者があるとか、もう余儀ないことのためによく働く人がございますが、それを働く賃金はこんなものだ、それにはこれくらいの経費が要るというだけで差引かれるのではとても生活保護費に頼りましては生活ができない。だからやはりこれは十分会社局といたしましては地方へ十分な指示を與えて頂きまして、本当の家庭の苦しい状態の内容に対しては、ただ基準によらずして、実際の生活面にタッチして見て、その働きぶりが、それを働いてもここはこういうふうに特別の経費が要る家庭であると言えば、やはりそれだけ十分に見てやるというような余力、そういうことは大体生活保護法にもありますので、知事の決裁或いは本省の決裁というもので増額もでき得ることになつているけれども、これは極めて手数が困難でありますから、実情に即した問題としてその場で又市町村において考えてやつた方がいいのでありますからして、多少とも收入を取つている者に対してはそういう冷酷な処置にならないように、その家庭の実情に即した方法で十分にその收入が懷ろへ入るように……私の考ではできるだけ働いて一部分は貯金にして、そうして必要なものを出たときにそれを買うという程度の貯金になつて行つて差支えないと思う。貯金というものは不時の用という訳ではないと思う。買おうと思う物がないから貯金しておるのでありますから、必要な物を買いたいがために貯金するのでありますから、貯金というものは必ずしも余裕があるというわけではない。だからして一部貯金ができるようになつて参りますと、未亡人も大変に興味を持つて又前途に光明を認めて極めて明るい生活に立返つて行くことができるのでありますから、いつもいつも生殺しのような方法でこれなら食えるか、食えるためには足らなければこれをやる。ちつと働けば余つた、取つてやる、こういうふうにいつもいつも生殺しになることがいけないと私は言うのであります。どうか更生し得るような余力のある方法に、彼らをして安心して生業に就かしむるということにお考を持つて頂きたいと思います。それからもう一つは、生業に対してはどの場合におきましても物資の不足を言うておりますが、社会的におきましては物資課もありまして、その生活困窮者の生業のために必要な物資というものは、一種の枠を作つて商工省へ十分な連絡を取つて貰うことになつておりますから、それをミシン工場がありましても縫う材料がないということになつており、又縫おうと思つても糸がないとか、樣々な隘路があるのでありますが、そういうような物資というものは商工省の方へ一纏めにして、相当各縣から所要数量が出ておるのでありますから、それによつて一纏めにして、商工省の方では一つの枠を取つと貰つておるにも拘わらず、いつ調べて見ましてもその枠の十分の一も貰つておらない。どうしても所要のものが各授産所或いは生業体の方へ行つておりません。これを十分にやつて貰うならば、小さい生業体がそれぞれ息を吹返して來て仕事に取付くのでありますが、どこへ行つても物の不足のために難儀をしておりますから、社会局はこの授産所などを生かして、そうして十分にこういう階級に一つの光明を認めしめるというように考えるならば、先ずその物資の割当の方法に対して十分積極的に働いて貰いたいと思うのであります。それで万一社会局の方で商工課の方が言うことをきかんとなれば、我々はここへ商工課を呼んで來て、この問題にどんな考を持つておるかを突込んで調査して見たいと思つておるのであります。どうかこの点に対しましても、もつと社会局はしつかりした考を持つて商工省に当つて貰いたいと、こう考えておるのであります。國会金融金庫ができましたなれば、それは纏まつたものに対してはそこでやれると思つておりますが、何樣それについては樣々な煩鎖な手続が要るのでありまして、先ず未亡人あたりが二十人、三十人が團体を組んでやるということになりますと、先ず生業資金が第一番に困るのでありますから、杓予定規によらず、こういう方面に十分一つ同情のある方法を以て金融面の打開策を取つて頂くことを切にお願いして置きます。
#19
○岡元義人君 社会局長にお伺いします前に、この未亡人調査表は、これはどこから出たのですか。
#20
○委員長(塚本重藏君) 只今の手許にお配りしたのですか。
#21
○岡元義人君 昭和二十年五月末日現在という全國の未亡人の調査表の二、今ちよつと見ますと非常に数字が違つているのです。約半分くらいしかないところもありまして、もつと正確な資料をお配り願いたいと思います。社会局は是非再調査を願います。
#22
○政府委員(木村忠二郎君) 只今の調査表はどういう関係で出ましたのか、ちよつと氣が付かなかつたのですが、これは一昨年五月の調べです。これは私の方の目で見ましても、未亡人の数がこんな数である筈がないのであります。
#23
○岡元義人君 私の持つておる名簿の半分しかないわけであります。
#24
○政府委員(木村忠二郎君) 実際にこういう数字である筈がないということは、確か昨年國会にこれを出しましたときも、この数字は使えないと申上げまして、現在ではこの数字を私共も実際に使つておらないのです。
#25
○岡元義人君 委員長、これはすぐ回收して下さい。
#26
○政府委員(木村忠二郎君) その後、これに対する調査はいたしてございません。生活保護法の保護を受けておりまする者の中で、未亡人がどのくらいあるかという調査、生活保護を受けております未亡人の調査は別途今いたしておりますから、その数字はそのうち出て來ると思います。
#27
○岡元義人君 社会局長にお尋ねしますが、いつも社会局長のお話を承わつておりますと、生活保護法一本槍で、何でもかんでも生活保護法一本でやつておられる感がするのでありまするが、先程各委員からお話が出ておりましたように、單に生活保護法によつて未亡人対策を円滑に処理して行くということは、当然これはでき得ないのです。だからここで局長の考え方を一歩飛躍して頂きたいと思う。そして先ず第一点を伺いたいことは、生活保護法の中に書いてありますところの住宅関係ですが、非常に未亡人も住宅に困つているのですが、実際住宅といふものは生活保護法の精神と、実際の今まで行われて來ております住宅というものが一致しておらん。こういう関係を持つておるのです。この点一つお答え願いたいと思います。少くとも生活保護による住宅というものは一戸々々のものじやなかつたかと思います。併しながら現在取られておる厚生省の処置は集團的に收容してやる放しであります。こういう感を深くするのでありますが、これは明らかに保護の精神に違反していると思う。局長さん等もこの生活保護法が生れて來るときにも関係されたと思いますが、実際そのときに時間的余裕はなかつたかも知れませんが、今生活保護法の目的自体が今においては再檢討を加えなければならんというような段階に來ておると思う。関係方面の指令に基きまして、すべてのものを一本に纏められたのですが、十分な纏まり方をしていない、こういう工合に見えておる。それが故に遺族の問題が起きて來た、或いは内地におけるところの戰災者の問題が起きて來た。いろいろな問題が複雜になつて來たのです。特に家の問題についてどういう考えを持つておるか、その点一つお答え願いたいのと、それから先程資料報告がありましたが、先ず第一番に、社会局が実際に未亡人の指導をやろうというようなお考を持つておられましたならば、生活保護法によらなければどうにもならない。又保護法以外には方法もない。こういうふうに一つの区分とそれから金さえ與えれば実際立上つて行けるのだ。それだけの健康体を持つておれば種々の環境もそういう状態になる、そういう資料を調査されておるのか、又お持つになつておれば、その点一つ伺つて見たいと思います。当然今私が申上げますように、そういうような区分の仕方があるのです。もう一つ区分しますと、遺家族で以て非常に富裕な家庭である。そういう人たちは問題にならないのですが、そういう者は別として、実際救済しなければならんのは生活保護法による外ない、働くこともできない、こういう人たち、それから実際金さえあれば立上がれる者、こういう区分をしなければならんと思うのです。そこで金融処置のことを金融公社等のお話を今局長ちよつと口にされたのですが、実際に局長がおやりになろうというならば、余程厚生省当局が事前に大藏省当局とも打合せをする必要があると思う。本日も在外同胞引揚の委員会では、午後三時から特別融資の特殊金融課長などと運営、貸付方法等について具体的の話をするわけですが、当然厚生省あたりから、この金融公社の運営について、未亡人というものに対する、いわゆるバンク・システムは非常に嚴格になつて來る。そこで或る程度まで未亡人の枠なり、そういうものをば考慮に入れた運営というものがなければならんと思う。そういう交渉があつて然るべきではないかと思う。又先程聞いておりますと、この生活保護の生業資金にお触れになつておりましたが、一般生業資金として本年度三億円と、償還によるものとを組んでおりますところの五億円の生業資金の使途でありますが、これらもとつくに、社会局長の方から何らかそういうような意思表示があつたならば、もつと私は未亡人等に円滑に運轉されたのではないかと考える。その一例を取つて申しますと、二十三年第五回目の放出の金の中で、熊本縣と鹿兒島縣が未亡人の枠として百万円受けております。これは非常なる好成績を示しておる。勿論地方自治体において、そういうような密接な連絡の下にこれは行わなければならんのですけれども、併しながらどうしてもやろう。而もここまで社会問題が起きて來ておるということになりますならば、一歩局長あたりが飛躍して頂いて、そこまで横の連絡を取つておやりになれば私は豊かにできると思う。そうして逐一國会で取上げるまでもなく、政府行政の処置の中でこういう問題が除々に解決が付いて行くことができると思う。勿論総合的な社会保障その他の問題が國会においても取上げられておるが、政府部内にも考えられるが、併しその前にこういう方法をお取りになることが賢明ではないか。こう考えますので、その点について局長からお伺いして見たいと思います。
#28
○政府委員(木村忠二郎君) 最初に生活保護法の住宅資金の関係と住宅との問題でございますが、生活保護におきましては、勿論住宅保護が原則でありまして、それぞれの住宅、或いはそれぞれの世帶に保護をするという建前になつております。從いまして実際に集團住宅のようなものに收容しまして、集團的に收容するにいたしましても、それはそれぞれ独立の世帶として扱うことになつておりました。現在住宅問題といたしましては非常にむずかしい関係となつておりまして、一般庶民住宅というものは厚生省が所管しておらないのであります。從來戰爭前におきましては一般庶民住宅に関する対策は厚生省において所管いたしておつた。ここに一貫した運営ができておつたわけであります。これが戰災後の住宅の復興という趣旨からいたしまして、住宅対策というものが挙げて戰災復興院の所管となり、引続きまして現在建設省の所管となつております。從いまして住宅建設という面のみを中心といたしまして、住宅対策が取られているやの感があるのでありまして、我々といたしまして、住宅対策そのものに対しまして何らの施す措置がなし得ないという遺憾なる状態に相成つているのであります。從いまして我々といたしましては、特に現果の実情に應じまして宿所提供施設といたしましての住宅対策ということを應急的にいたしているといつたような状況でありまして、これが万全の策ではないということは十分に承知いたしているわけであります。現在の生活保護法の程度からいたしますれば、やはりこの程度のことしかできないといつたような状況になつているのは誠に遺憾に存ずるのでありまするが、將來庶民住宅というものをどうするかということは、根本的に考えなければならんのじやないかというふうに私は考えているわけであります。それから生活保護法のみで以て一律、無差別平等に保護するという点につきましてのお話があつたのでありまするが、これは御承知の通りにスキヤップ・ゼブン・セブン・ファイブという指令が出ておりまして、その指令の範囲に拘束せられておりますし、厚生省の社会局といたしましては、無差別平等の原則に從つて保護をやつて行かなければならん。勿論現在の生活保護法がその後の運用によりまして、相当考究しなければならんという点があるとは存じております。從いましてこれが根本的なと申しまするか、基本的なと申しまするか、これはもう少し研究しなければならんのでありますが、この法の改正等も或いは研究しなければならんのじやないかというふうには考えられますけれども、やはりこのセブン・セブン・ファイブと申しますか、七百七十五号の指令というものの拘束は現在でもあるわけでありまして、これを逸脱することは我々といたしましては現在できないのであります。それから金融問題でございまするが、これは岡元委員のお尋ねの通りでありまして、我々といたしましても、関係方面とは十分連絡を取りまして、おつしやつたような処置を取つて参らなければならないと思つております。これにつきまして從來その点に遺憾の点がありましたことは御指摘になりました通りでありまして、今後において十分この点につきましては考慮いたして参りたいと思います。尚、生活保護法によりますところの生業扶助につきましては、先程申上げました通りに、これをどういうふうにやるか、これはどちらかと申しますると、必ずしも返つて來る金ではないのであります。扶助の仕方によりましては、時には返つて來るような仕方をいたしますし、扶助の実態によりましては返らなくてもいいというやり方でもやらなければならんといつた趣旨のものでありまして、一般の生業資金の貸付と申しますものとは……生業資金の貸付と申しますものは必ず返ることが建前になつておるのでありますが、生業扶助の場合におきましてはこれは必ずしも返ることが建前になつておりません。從いましてどういうふうにやつたら一番有効に使われるかということにつきまして、実際に具体的な基準というものを作りたいというふうに考えております。現在までに実施されましたものによりましていろいろと研究いたしておりまするが、未だに宇全にと申しまするか、十分なところの基準が得られないという状況にありますことは遺憾に思つております。今後できるだけ地方の実情をよく聽取いたしまして適正なる基準を立てたいと考えている次第であります。
#29
○岡元義人君 もう一つお伺いしたいのですが、今の住宅問題は非常に重要な問題でありまして、そういうような一つの習慣になつてしまつて、当然生活保護法に謳つてあるところの住宅はあれでいいのだ、こういうふうな考を全國的に持たしていることは私大きな間違いだと思うのであります。ひどい所になりますと、一つの部屋に四世帶も五世帶も投込んでいる、そういう所が沢山ある。これで以て收容してしまつたのだ。法の精神に対してこれだけの措置がされたのだ。こういうふうになつてしまつてはお終いだと思う。だから厚生省当局が、いわゆる生活保護法の住宅というものはこういうものじやないのだ。これは便法でこうしているが、速かに生活保護法が制定されている以上は、確かな方法で処置しなければならんのだということを大藏省当局なりに主張されるという態度が私は欲しいと思う。それで法律で尻押しするということにならなければ、予算的措置もできませんし、又先程おつしやいましたように、今まで厚生省がひとりでやつておつたものを、こういう関係ができたからという御説明でありましたけれども、建設省との関係におきましても、私は生活保護法に謳つてあるところの住宅は全然別個のものだという考を持つておりますが、これは私一人の考であります。それと庶民住宅と申されましたが、庶民住宅と生活保護法に言うところの住宅とは違うと思います。その点一つ局長に研究して頂きたいと思います。それから尚もう一点だけ私金融関係で敷衍して置きたいことがあるのですが、それは只今全國で千数百社となつて非常に大藏省当局が困り拔いておるのですが、実際のところ手の施しようがないということになつておる。先日廣島の極惡な性質のものだけは中止を命じました。まあ山下議員も御承知の通り七名の一家心中があつたというあの金融措置でありますが、近くあの金融問題から関連しまして、特に金融機関というものを大藏省が現在起案しつつある。その金融機関は、未亡人等に縣單位ぐらいでそういう金融機関を作つてやつたならば、非常に未亡人等の今後の更生に大きな光明を見出すことができるのじやないかと思います。それは方法は徴税というような名前が書いてございますけれども、実際には毎日五十円なり、百円なりの掛金なんです。そういうふうにお互いに政府の補助金だけに頼らずに、実際の金は未亡人なら未亡人で、例えばその縣に五万人ありますならば、その五万人に寄り合つた金を有効に利用して貰うというような方法等が、今後の大藏省の起案しようとしておる何とマツチするのじやないか。特に申入れだけはして置きました。大藏省には未亡人等に対する縣單位のものを一つは許可す、こういうようなことを申入れておるのですが、参考までに局長にも申上げて置きます。
#30
○草葉隆圓君 未亡人の問題を中心にして各角度からこれを檢討して行くという立場から、今日御列席になつております政府関係の方へ伺いたいと思いますが、從來未亡人の問題を中心にして或いは兒童局、或いは社会局、或いは労働省婦人少年局というような、或いは大藏省その他というような方面で何か取上げながら相当のことを研究されたことがあるか、或いは研究される態度を取つておいでになるかということを一つ先ず伺いたいと思います。
#31
○山下義信君 ちよつと議事進行について……只今の草葉委員からの御質疑にもあつたのですが、同樣のことを一つ草葉君の見える前に私から質疑して、そうして社会局長と兒童局長の説明が済んでおります。そうして労働省の婦人少年局の説明を課長が出席しないので後廻しにして参つておつたところであります。この際どういうふうにお取扱いになりますか。
#32
○草葉隆圓君 それでは済んだのですね。それじや違うことを……。
#33
○山下義信君 婦人少年局の方はまだですか。
#34
○委員長(塚本重藏君) 一部答が済んで、一部残つております。丁度草葉委員のお尋になつた点、さつき山下委員のお尋ねになつた点ですが、そのうち労働省の婦人少年局の方から課長が今までお見えになりませんのでしたので……それではこの機会にその点を一つ。
#35
○説明員(新妻イト君) 私放送局の方へ行つておりましたので大変遅れて申訳ございませんでした。お尋ねの件はここに書いてございますのを拜見いたしましたのですが、婦人少年局といたしまして、この未亡人ばかりでございませんので、女の世界を対象といたしました調査をいたしております。なぜ未亡人ばかりでなしに女世帶を調査をいたしたかと申しますと、只今生活難に喘いでいる婦人たちが沢山あるのであります。例えば結婚年齢に達しましても相手の男子の方が食べさせられないというふうなことから共稼ぎをしなければならない。共稼ぎをいたしましようといたしましても、今日のところではなかなか職もないというような工合で以て、女一人で稼いでいらつしやる方が沢山ございますし、又若い身空で両親を養うとか、或いは弟や妹を学校にやつているというふうなことで、女世帶の方も沢山ございますので、私の方は厚生省だけを取扱つておりませんだけに、こうした一般の女世帶を対象といたしまして、調査をいたした次第でございます。その調査はまだ東京都だけしかいたしてございませんので、これから全國的にできるだけやりたいと思つております。これもなかなか予算の関係で以て、それだけの調査ができずにいることは非常に残念に思つております。それに対する具体策は如何というふうなお話でございますけれども、これは婦人少年局の婦人課、私婦人課でございますが、この婦人課でいたしております仕事について御理解を先ず先にお願いしなければならないと思つております。と申しますのは、婦人課の仕事は、婦人課と申しますよりも、婦人少年局自体の仕事でございますが、その仕事は例えば例を申しますならば、病理学的なものを婦人少年局はいたしております。從つて臨床的なものは厚生省なり、或いは又文部省なり、各官廳において行政面の方を持つていらつしやるところで以て、それをおやりになるというふうになつておりますので、專ら私の方の仕事といたしましては調査啓蒙に当つているわけでございます。從いましてこの調査ができましたら、どういう方面に重点を置いてやつて頂きたいか、ということをそれぞれの官廳へ向けまして、これを懇請する次第でございます。私の方には対策に当りまして費用もございませんので、こういう統計調査を專らにいたしております。尚これの細かい資料を皆樣のお手許に差上げれば大変よろしいのでございますが、まだこれが十分にできておりませんので、いずれできましたらばお手許に差上げたいと存じております。尚御質問がございましたならば、そのことについてお答え申上げたいと存じております。
#36
○山下義信君 別に質問はありません。今婦人課長の説明では、我々が今取扱つております未亡人の対策問題については全然問題になりません。これは労働省設置のときに、本院は労働省設置法の審議に関與したのでありますが、その場合になぜ労働省に婦人少年局を置くのか、どういうことを取扱うのか、婦人少年の労働問題に限定するのか、こういうことを質問いたしましたときに、当局は婦人少年の問題の一般的問題を皆取扱うのだ、かように言う。それは非常に範囲が廣いじやないかと申しましたところが、いや廣くてもここに一元的にやるんだ、例えば文部省で扱つているいろいろの婦人問題などもやるのかと言いましたら、そうだと文部大臣が参りまして、そのことを申します。調査だけやるのか、いや一般対策までもここで考究するのだ。かように発生当時は申しておつたのです。これは当時の速記録を見たならば分るのでありますが、今のような調査だけをやつておるというのでは本件には関係はございません。それでただ婦人少年局の調査が、例えば安本の基本調査のごときものになつて、その資料によつて兒童局がやり、社会局もやり、何局がやり、他省がやる。一体政府の婦人少年問題に対するところのブレインになる病理学の基本調査に過ぎないということは、その調査を待たなければ政府は一体具体的の対策はできないというようなことになる。そういうようなことまでもやるというようなことになりまして、婦人少年局の仕事ができるのかできないのか、今課長も微弱であつて、なかなかまだ統計もできておらんということを言つたのでありますが、本件については只今の御説明では関係がございません。併しながら婦人少年局で取扱う範囲内におきまして、未亡人の救済的対策は病理学でやるので、具体策は考えないと言えばそれきりでありますが、労働省としてはいろいろ打つべき手があろうと思うのであります。失業救済の面から行きましても、或いは就職斡旋の面から行きましても、未亡人に対しての特別な思いやりの手はあろうと思います。これは別に正式の調査要求の承認を頂きましたならば、労働大臣その他の出席を求めて、その責任者といろいろ質疑いたしたいと思いますから、本日は婦人少年局に関します私の質疑は、只今の程度で聞き置く程度に止めたいと思います。
#37
○姫井伊介君 今のお話のように、労働省の婦人少年局でただ調査といつたようなことならば話になりませんが、この遺族若しくは未亡人に対して、厚生関係では授産事業をやつておることと、授産をいたしましたものが今度は社会的に働く場合には、どうしても労働省の職業関係と結び付かなければなりませんが、そのときにこれは職業安定局ではないのでありますが、未亡人、婦人に関する問題ですから婦人少年局の方に伺うのですが、ただそういう場合には、一般的の勤労者としてそれを扱うのみですか、若しくは現実に困つておる遺族若しくは未亡人に対して、折角厚生方面で授産事業に努力して相当の結果を得たとするならば、それを受入れるために特にこの方面に重点的に考慮を拂つて、十分にその職業の分野を開くように斡旋するだけの親切なり、或いはそれに対する対策などが講じられておりますかどうか、それを一應お尋ねしたいと思います。
#38
○説明員(新妻イト君) お答え申上げます。先程も申しましたように、私の方は厚生方面だけでございませんので、教育方面にいたしましても、労働方面にいたしましても、法務廳の方の関係にしても関係いたしますので、特別に厚生方面だけをするということでございませんが、この未亡人の問題は非常に大切なことでございますので、私の方といたしましては、勿論調査と同時にあらゆる方面に啓蒙宣傳、或いは又例えば労働省内におきましても授産事業の方或いは安定方面の方におきまして申入をいたしまして、できるだけその方面に婦人のものを取入れて貰うように交渉いたしております。それから尚婦人團体その他の関係が非常に私たちの方にございますので、そういうところも直接に参りまして、こういう事業であるからできるだけやつて欲しい。或いは例えば都の授産場にいたしましても、絶えず連絡を取つて私の方ではやつております。それだけでございます。
#39
○草葉隆圓君 私先に申上げたのは、実はそういう観点を政府が今まで取つたかどうか、又今度は各社会局、或いは兒童局、或いは労働省というようなものが、その未亡人という観点から、社会局は生活保護というのをどういうふうに考えておられるか、生活保護法の具体的の問題については、段々お話がありましたが、全体の現実に、敗戰後の日本の特異的状態においての未亡人というのが沢山出ている、その沢山出ているのを社会局は生活保護法というものを執行する上において、未亡人という観点から研究され取扱つているか、或いはおられたか、又今後についてどういう態度を取つておられるかということを一度伺いたいと思います。
#40
○委員長(塚本重藏君) 木村局長は衆議院の方に行かれましたために……保護課長がおりますから……。
#41
○説明員(小山進次郎君) 先程山下委員に局長からお答え申上げましたことを、私から反復して申上げるようなことになりますが、簡單に御説明申上げます。
#42
○草葉隆圓君 反復は結構です。
#43
○説明員(小山進次郎君) 社会局としてこの問題を種々檢討いたしました結果、今日到達いたしました結論として、未亡人対策は特に次に申上げる三点に集中しなければいかん、こういう結論にほぼ達しております。第一は、でき得るならば寡婦年金、若しくは遺族年金の創設ということを目標にして研究を進める、これが一つであります。それから第二が、育英のために何らかの特別の措置を考えて行かなくちやいけないということ、これが第二点であります。それから第三点は、生業について何らか特殊の対策を考慮すべきである。以上の三つの事項のうち、特に社会局及び兒童局も含めまして厚生省として担当すべき分野としましては、最初に年金制の創設についての研究、並びにでき得ればその促進の問題及び最後の生業の問題、これを掘下げて進めて行こう、こういうようなことで、今日研究を進めている、こういつた状況でございます。
#44
○草葉隆圓君 段々はつきりして参りましたが、そうすると現在の生活保護法に対しての実際の実施上の各種の統計はまだできていないというようなお話でしたが、生活保護法の実施において、未亡人の現状から考えて、生活保護法は大変さつきいろいろお話がありましたが、不十分である。未亡人の問題を解決するためには生活保護法の、この点をこういうふうにせねばならんという点を御研究になつたかどうか、この点を伺いたい。
#45
○説明員(小山進次郎君) この問題について御説明申上げます前に、社会局が考えました考え方のあら筋を申上げますと、未亡人問題を処理する方策として、生活保護法には非常に低い限界がある。從つて生活保護法で未亡人問題を解決しようという考え方は取るまい。ただできるだけ生活保護法のいわば枠内で未亡人の対策に貢献し得るだけは貢献するように考えて行こうじやないか、こういう考え方なり、態度を現在取つているわけであります。そういつた対策に副つて現在考えておりますことのアウトラインを先程局長がお話を申上げたわけであります。
#46
○草葉隆圓君 次に、もう一つ社会局に伺いたいのは、今の観点から、むしろ生活保護法だけでは不十分であつて、從來の母子保護法というようなものの復活がむしろ進歩的じやないかというような点については、どういうお考えをお持ちになつておるか、この点も一つお伺いいたします。
#47
○説明員(小山進次郎君) 只今の問題になりますと多少私見に亘る嫌いがありますので、そういう含みでお聽取り願いたいと思いますが、現在事務をやつておりまする者の態勢としましては、終戰直後無差別平等という原則を余りに機械的に考え、而も機械的に実施し過ぎて來たという考え方なり反省をしております。從つて全般的な保護救済制度の健全な成長を図るためには、この考えにゆとりを持たせる必要があろう。こういつたような考え方を少くとも事務関係者の間では持つております。こういつた考え方に沿つて日常接触をしておりまする関係方面とも懇談的に話をしておる。こういつた考え方の一つの現われが、今日まだはつきりした日の目を見ておりませんが、例えば身体障害者の福祉法といつたようなものに現われつつあるわけであります。
#48
○草葉隆圓君 それから兒童局長に伺いたいのですが、兒童福祉法の中に母子寮というのを、これはこちらで入れたわけでありますが、これはどこにもなかつたので結局兒童福祉法の中に母子寮というのが入つたが、本質において考えると、兒童福祉法の中に母子寮というのを入れるのは間違いじやないか。從つて母子寮というのはむしろ未亡人を中心にしたものであつて、從つてそういう点から、母子寮に対する問題は何か兒童福祉法とは別にお考えになるというようなことを御研究になつたか、この点を一つ伺いたい。
#49
○政府委員(小島徳雄君) これは本当の研究の段階でありまして、本当の私見でございますから、政府としての考え方という意味でお取りになられたくないと思いますが、今おつしやいました母子寮という問題について、この國会において修正されまして、これは母の保護であると共に兒童の福祉になるという考え方から、兒童福祉施設の一部としてこれに入つたわけであります。無論母子寮というものは子供の福祉であると同時に母の福祉であるというふうな両方の面を持つているのでありまして、いずれを強調するかによつてどつちにもなるわけであります。そうで問題は、今のような未亡人の問題も社会的に大きな一つの問題であります。他方においては最近人口問題に伴いまして、母性福祉の面から、いわゆる多産家庭の問題を研究しなければならんという面から、最近大きな社会問題になつておる。これらの問題は一つ兒童福祉という観点からでなく、母性の福祉の面からそういうような未亡人の問題とか、結婚の問題であるとか、或いは又多産の関係とか、そういう問題を取上げ、一つの方向に研究すべきものではないかということで今研究を重ねておるわけであります。この問題は、今社会局からもお話がありましたように、未亡人問題において非常な大きな問題でありまして、終戰直後における一つの各方面の強い線、即ち從來生活保護法とか、母子保護法とか、軍事扶助法とかいろいろの関係の法律が、こういうまちまちの線においてまちまちの原因において生じたことが、一つの新らしい生活保護法ということで無差別平等の原則を徹底的に期し、又強い線から特に未亡人なるが故にということを取上げて、殊に戰爭未亡人なるが故にということを取上げるというのは、殆んど不可能になつて來ておるということが、未亡人問題が非常に重要だと言われながら、今日まで解決されない一つの大きな原因がそこにあつたわけで終戰後三年、四年を経た今日における問題において、今のような生活保護法から更に一歩進めた、今の兒童福祉法が考えられたような意味において、一歩出た意味における未亡人の福祉という問題を取上ぐべき方向に進んでいるのではないか、こういう点も今後研究さるべき問題であると考えております。この問題は非常に関係方面が廣い問題でありますから、十分連絡いたしまして、考究したいと思つております。
#50
○岡元義人君 今の政府の御答弁を聽いていると、非常に合点の行かぬ点が沢山あるのですが、政府の答弁は求めないことにいたしまして、この問題をお考え頂くのに、問題は大体援護対策というのもこれは当然でありますが、もう少し精神的な面において、要するに今までの不公平なところをば公平に是正する等によつて先ず國家が、國が一つの犠牲を強要した点に対する弔慰、こういうふうなものを先ず第一段階として考えるべきじやないか。それからそれと切り離して援護対策、こういうものを考えなければならないのじやないかということを、私はこの委員会の努むべきことじやないかと思うのです。それから又先程來説明を聽いておりますと、非常にいろいろここに疑義を持たざるを得ない点が沢山あるのでありますが、例えばいろいろ生活保護法等によつて、今後一部分でも生活保護法の中でできる点は運用して行く、その外に別途にいろいろな免許制度その外も考えなければならんというようなお話もありましたのですが、併しこの問題は委員会としましては、当然生活保護法制定に至る経緯の例の覚書指令というものも十分もう一遍再檢討する必要がある。こういうことを考えられるのでありまして、果して政府当局が説明いたしておりましたようなことが、事実具体化するところの可能性があるかというようなことは十分檢討する必要があると思うのです。それを檢討しながら、できる限りの方法によつて援護対策を考えて行かなければならん。場合によつては厚生省自体においても生活保護自体を、先程私が述べましたように再檢討を加える、徹底的に再檢討を加える、そういう方法も取らなければならないのではないかということが考えられるのです。これは私一人の私見でございますが、一應意見だけ申上げて置きたいと思います。
#51
○姫井伊介君 先程保護課長から、この未亡人福祉の問題につきまして三つの点を述べられて、その中の育英に関する点なんでありまするが、これが生活保護法による家庭の子供の新制高等学校以上の学資については、生活保護法では取扱われない。從つて日本育英会などで処理する外なかろうという、これは局長のお話もあつたのでありますが、この点が実際問題として非常に困る点でありまして、そこで私考えますのに、育英という名の示すごとく、今までに主に取扱われたのは、いわゆるその観念に左右される点もあるので、これが一般化、社会化した取扱をするとは言いながら、まだ不十分な点があるのであります。支も一方この育英会の経費は十分に使われていない、消化されていないという点もある。從いまして私は社会の現実面からいたしまして、生活保護法による家庭で、而も一方高等專門の教育を受けさせるべき素質を持つておる者に対しましては、この育英資金の中に一つの枠を持たせる。ただ一般的に取扱うといつたようなふうにしないで、この方面に対して或いは七〇%、少くとも最小限度五〇%はこの生活保護法関係の子供の教育費に廻すといつたような方法を厚生省の方から取つて頂く。そうなればこの問題も或る程度までには解決されるのでありまして、この点厚生省側としてどうお考えになりますか、それが第一点であります。次は、山下委員からもお尋ねがありましたが、未亡人が持つ子供の保育に関することなんであります。現在まだこの保育事業に対するところの委託費の問題が地方末端まで徹底しておりませんので、やはり各保育所におきましては保育園兒の募集などをやつております。これは当然兒童福祉法の関係から言いまして、労働又は病氣等のために子供を預けさせなければなんと認める者は保育所に入れる。その建前からいたしますならば、市町村が進んで調査をして、これを適当な地方の保育所に入園させ、保育させなければならん。これが十分に行つていない。これを徹底せしむると同時に、そうなりますと相当の委託費が要りますが、その場合に委託費の予算において十分それが見ておられますかどうか。どのくらいの基準によつてこの委託費を決定されましたか。それはさつき予算の何もあつたようでありますが、いずれその説明も聽く折がありましようが、この席でその点だけを伺つて置きます。もう一つは、新らしく保育施設を設けることが財政士非常に困難である。從つて既存のものを活用する、或いは寺やお宮、そういうものも使つています。これは結構なんでありますが、その場合における最低基準です。この最底基準との関係はどうか。それをやはり相当多う目に見て貰わなければ、これはできないことなんです。その点の関係を一應お尋ねしたい。以上。
#52
○政府委員(小島徳雄君) 保育所の関係につきまして私から……仰せの通り最低基準が昨年でき上りまして、各府縣にまでその最低基準の運用について非常に不徹底な点があるという点と、もう一つは今度の改正案に特にお願いしたいと思つておりますが、兒童福祉法がどうも府縣中心主義になりまして、市町村というものに規定が非常に少い。從つて市町村というものと、殊に指導員が福祉の運動について現行の規定の下においては十分な活動ができないような規定になつておる。こういう点で保育所は先ず市町村がそこに入れなければならん子供を調査して積極的にそれを自分の方で措置しなければならん、こういうのが、現状においてはそこまで行つていない。今仰せのように却つて募集するというようなことになつて、我々の期待に副わんようなことがまだ行われておることは非常に遺憾に存ずるのであります。これは我我としてもできる限り市町村にそういうことを徹底して、施設にもその趣旨をよく徹底するように注意いたしたいと考えております。この点は我々も府縣からそういう情報を得ておりまして、この点が非常に最近……殊に外のの施設においては從來も措置をいたしておるものが大分多かつた。保育所については全然新らしい型が今回兒童福祉法によつて取られた関係上、その点において福祉施設においても、保育所の施設においても、又市町村においても、指導員においても、その点の認識が非常に欠けておる。從つてその運営が今のように、折角國が措置をして出す場合の費用についても、その費用について十分の研究ができていないということになつて、折角の予算が組まれてもその費用が向うに行かないという事情、こういう点については我々としては指導に徹底を期したいと考えております。費用の問題につきましては、非常に今保育所の設備としては、措置した兒童に対する限りにおいては、施設の人数の種類によつて單價が違うのでありますが、大体三百円乃至三百円以上が月に参るわけでありまして、そうしますと、現在保育所で各府縣で取つておる保育費というものは非常に低いもので、百円以下が普通でございます。今度三百円になると、一般の人からはそれが取り得るかということについて非常に心配しておる。措置については我々の基準は三百円ぐらいになつておる。從つて三百円取れる人は例えば百人の中で非常に少い。そういう人は十分やつて貰う。併し一部負担ができる人ならば、今まで三百円で百円はできる、二百円はできないというのならば、國が措置費の二百円は後で補助することができることになつておりますから、そういうことになりますれば保姆の待遇も上りますし、又同時に施設の内容も改善されて來る。その点が一部市町村の負担もあるという関係もありますが、同時にその保育所の最低基準が市町村にまだ徹底していないという機運があります。殊に今日兒童福祉法の規定は市町村というものが中心になつていないという点がございまして、その点が非常に欠くる点がありますから、この点は我々も非常に心配いたしておりまして、この点は徹底的に児童福祉法の趣旨に副つてできるだけ改善したい、かように考えております。従いまして費用の問題につきましては、或る程度というものは、相当これは考えておるわけであります。それからもう一つの問題でありますが、今の宗教團体というような問題でございますけれども、この問題は、保育所の最低基準という問題は一應人数によつて最低基準というものは設けております。三十人以上についてはどう、十五人以下についてはどうというように非常に低い人数でも、收容する場合におきましては極めて簡單な最低基準になつておりますが、大体におきましてそういうものを活用する場合におきましても、相当人数が少い関係もございますが、或る程度その目的が最低基準に違反しないでできるのじやないか。かように考えております。
#53
○山下義信君 本日のこの遺族救済に関する陳情の案件は、御審議をこの程度に止めて置いて頂きまして、関連しまして本日お取上げになつた未亡人救済の問題、その他前回の懇談会でお話合のありまする他の問題の調査に関する要求の御決議を願いたいと思うのであります。若しその調査要求の承認が頂けましたならば、未亡人に関しまする問題につきましては、我々に配付下さいました委員会の運営上の日割によりまして、九日になつているのでありますが、九日の未亡人関係の委員会におきましては厚生大臣、労働大臣等の出席を是非要求したいと思います。又未亡人関係の団体があると思います。適当な團体の代表者並びに未亡人の方方で適当な方々を三人乃至五人の程度で証人として、いろいろな御意見や実情を承わりたいと思いますので、証人の喚問を同日できるようにお輸び願いたいと思います。それらの團体の代表者、或いは個人の証人の喚問につきましては、如何なる人を呼ぶかということにつきましては、委員長並びに理事に御一任いたしたいと思います。以上の動議を提出いたします。
#54
○姫井伊介君 その前に小山保護課長にちよつと御答弁を願います。
#55
○説明員(小山進次郎君) 先程お話になりました御意見、未亡人対策としては非常に結構なお考えだと思います。恐らく文部当局には文部当局としての一つの考えがあろうかと思いますので、この問題に暫く預らして頂きまして、事務当局の間でもう少し問題をこなしまして、彼我の意見の相違がありますならば、意見の相違をはつきりした上で後程答弁さして頂きたいと思います。
#56
○中平常太郎君 山下委員の動議に賛成いたします。
#57
○草葉隆圓君 今、中山委員が止むを得ず出られないということで、人口問題について是非自分は発言して、これも一つお取上げを頂きたいと思うということを特に希望する旨を言つて行かれましたので、この点御了承を願つて置きたいと思います。
#58
○委員長(塚本重藏君) それではお諮りいたします。只今議題にしておりまする請願に関しましては、尚、他の関係方面の意見を聽取する必要がありますから、本日はこの程度に止めて置きたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。
  ―――――――――――――
#60
○委員長(塚本重藏君) 次に、先の山下委員から動議が提出せられました九日の委員会に関しまする会議の事柄、つまり厚生大臣、労働大臣、未亡人團体の代表者並びにその個人数名を証人に喚問する動議が出ておりますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○草葉隆圓君 これは併し政府の方の話と、一般の未亡人の意見を聽くのは、私はむしろ日を別にした方ががいいと思います。そうして九日でございますから直ぐですから、一般の人を呼ぶのには何か少し余裕を持つて、政府関係は政府関係でうんとお互いに研究し合つて突込む方がいいのじやないかと思うのでありますが、山下委員どうですか。
#62
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#63
○委員長(塚本重藏君) それでは速記を始めて下さい。山下委員提出の動議につきましては、九日は関係当局方面の出席を求めることにし、民間団体代表者の証人喚問につきましては、次回にこれを讓ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。
  ―――――――――――――
#65
○委員長(塚本重藏君) 尚、皆樣にお諮りいたしますが、昨日懇談会でいろいろ意見を交換いたしました結果、次に申上げまする三つの点につきまして調査承認を求める事柄が大体一致した意見となつております。この機会にお諮りいたします。一つは兒童及び未亡人福祉に関する調査承認要求の件であります。内容は昨日皆樣とお打合せられました事柄でありますから省略いたしますが、これは要求書を提出することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。尚次に、社会事業團体及び施設の振興整備に関する調査承認の要求書を出したいと思います。もう一件は、先に草葉委員から、中山委員の御意向によつて傳えて呉れということを発言になりましたが、その人口対策並びに産兒調節に関する調査承認の要求書を出すことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。この三件とも案文その他につきましては委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#68
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。以上三件につきましての調査承認要求書を提出することに決定いたしました。
  ―――――――――――――
#69
○山下義信君 ちよつとこの機会に私はお願いしたいのですが、もう何回も何回もこの委員会の開会のときに、政府当局、大臣、若しくは政務次官の出席を言つておつて、今日も出席なく、大臣はとにかく、政務次官が出て來なければならんという一つの慣例を是非励行願いたいと思います。どうか次回から御励行、督促をお願いしたいと思います。
#70
○委員長(塚本重藏君) 本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時三十一分散会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           紅露 みつ君
           岡元 義人君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
  政府委員
   厚生事務官
   (社会局長)  木村忠二郎君
   厚生事務官
   (兒童局長)  小島 徳雄君
  説明員
   厚生事務官
   (社会局保護課
   長)      小山進次郎君
   労働事務官
   (婦人課長)  新妻 イト君
ソース: 国立国会図書館
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