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1949/04/12 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第6号
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1949/04/12 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第6号

#1
第005回国会 厚生委員会 第6号
昭和二十四年四月十二日(火曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○人口対策及び産兒調節に関する調査
 の件
  ―――――――――――――
   午前十時三十四分開会
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。
 本日は、前回政府より説明を聽きましたことに関連して、その他いろいろ配付せられました資料等につきまして質疑を行いたいと思います。問題は、人口対策及び産兒調節に関する調査の件であります。
#3
○谷口弥三郎君 先ず人口対策に関する調査、人口対策についてからお伺いしたいと思います。実は大臣がお見えになりますというと、大臣に対して人口政策の確立に対するお考を伺いたいと思いますけれども、他の方がお見えになつておりますからして、それに対する点についてお話を伺いたいと思います。その前に尚種々調査の條項をお伺いしたいのですが、これも丁度人口問題の関係の方もお見えになつておられるのですけれども、どなたからそれに対するお話を願いたいと思います。先ず、第一赤に質問をいたしたいと思いますことは、日本の現在の耕地面積からいたしまして、どのくらいの人口が日本には適当であるかというようなことに対しまして御研究になつておりますならば、その日本の定住し得るべき、殊に文化施設その他が完全に行われ得るかという程度の人口は一体どのくらいになる予定であるか、それを先ず第一番に一つお伺いしたいと思います。
#4
○説明員(葛西嘉資君) 今日本でどれくらいの人口を收容することが一番適当か、どれくらい收容し得るかというような意味のお尋ねかと思うのでありますが、非常にむずかしい問題でありまして、農地の改良とかいろいろなそういう面からも改良して行きますれば、相当な人口を收容し得るということも、ジヤワ等の非常な人口稠密なところにはあり得るわけでありまして、そんな立場から言いまして、現在日本の國土でどれくらい人口が最大限收容し得るかというようなことについては、只今のところでは日本ではこれくらいの技術ができて、これくらいが最大限だというようなしつかりした数字というものは、只今のところ私共の方では実はまだ持合わせておらないようなわけであります。
#5
○谷口弥三郎君 第二にお飼いいたして置きたいことは、日本の人口が出生率が非常に多いために、自然増加が或いは百七十万とか百六十万とか言われておる現状であることは承知いたしておりますが、無論又一方講和が成立しておらん現在におきまして、移民を懇請するというわけにも今は参らんと思つておるのでございますが、將來におきまして移民を懇請すればどのくらい一ケ年間に移民を移住し得られるか、そういうような見当が付くならば、その移民の数並びにこれまでにおける明治以降、日本が海外に移民いたしました際における一ケ年間の移民数、それの最も多かつたときは何人ぐらいになつておりますか、それを先ず第二にお伺いして置きたいと思います。
#6
○説明員(葛西嘉資君) 大変むずかしい御質問でありまして、どれくらい移民が可能であろうかというふうな問題については、只今のところ私共としましてはいろいろな國際情勢等の関係もありますことからいたしまして、そういうふうな移民可能の見当という基礎的なものも実は付けておりません。併し見当によりますというと、特にトムソンなんか、或る地域、ニューギニアのごときものを開放いたしますならば、今はつきりした資料を持合せないのでありますが、一億二千五百万人ぐらいのものを、ニューギニアを開放すれ人口を收容し得るのじやないかということを、アメリカの学者が一九三〇年だと思いますが、書いたものが日本タイムスか何かに出ておつたように記憶しております。そんなような点がありますだけでありまして、只今のところどれくらい日本から果して移民ができるかということは、これ又申訳ありませんが、確乎たる資料を持つておらんようなわけであります。それから第二の御質問でありました從來移民がどれくらい出ておつたか、一番出た年はどれくらいであつたかという点につきましては、数字が間違つておるといけませんから、後刻取調べましてお答えいたしたいと思います。
#7
○谷口弥三郎君 第三に先ずお伺いして置きたいと思いますことは、一昨年でありましたか、ありましたところの人口問題に対する審議会におきまして、いろいろと檢討されました結果、我が國におきましても受胎調節は國民の自由意思によつていいということに、あのときの結論は出ておるのでございますが、この受胎調節を國民の意思によるということは無論必要であると思いますが、ただ國民の自由意思に任せて置くというと、或る階級のもののみがそれを実行して、そうして実は我々が是非やつて貰いたいというような階級のものはこれが行われませんのでありますからして、是非とも、積極的に或る階級のものに対して受胎調節を指導し、並びに器具なども必要品は渡すということが、現在の人口政策としては最も必要であろうと思つておるのでありますが、厚生省の御意見としてはそれに対して何か決まつた御意見がございますか。
#8
○説明員(葛西嘉資君) お話のように、私共といたしましては只今のところでは、大臣も先般帆足さんの御質問に対してお答を申上げましたように、主として保健上の立場、或いは医藥上の立場から、希望をいたす國民については親切に受胎調節について実行の方法を申しますか、或いは有害でない器具、藥等の使用の斡旋をいたすようにしたい。保健所その他の機関も活用したいということをお答えしておるのであります。そうなりますと、今御指摘になりましたように逆淘汰と申しますか、これを狙つておる人がこういうふうなことをしないで、むしろそうでない人の方の人口が減つて來るというような現象を起すことは御指摘の通りだとい思ますが、さればと言つて今この際指導と申しますか、もつと極端に言えば行政的と申しますか、どのくらいの階級については妊娠調節をする自由意思に或る程度干渉を加えて行くというふうなことをするということもどうだろうかというふうな感じでございます。実にこの人口問題というふうな問題になりますると、御承知のように國民の中にも実は相当反対の意見もあるわけでございます。從いまして私共といたしましてはやはり只今御指摘になりましたように、受胎調節は國民の自由意思によつてやつて貰う、そういうふうなことをしたいというものについては医藥上差支えない、保健上差支えない指導をし、又器具、藥等も、そういう人々に分けてやるというふうなことをして参りたい。換言すれば、やはり若干逆淘汰の現象等もあるかも知れませんが、さればと言つて、そういう人に國家として干渉する。或いは國家として甚しきに至りますれば強制するというようなことはどうだろうというように躊躇しておるような考え方でございます。
#9
○谷口弥三郎君 次に、只今の御意見はあとで申上げることにいたしまして、先ず質問だけ先きにして置きたいと思います。これも実は統計が欲しいのでございますが、調査資料をあとでお願いすることとして、若しありますならば、今早速願いたいのですが、できなければあとで結構です。只今のように受胎調節をするときに或る方面のものに積極的に政府がやろうと思う場合に、生活保護法を適用される人の中に、いわゆる妊娠可能期の婦人がどのくらいになつておりますか。そういうようなものの統計はまだできておりませんですか。
#10
○説明員(葛西嘉資君) 生活保護法適用の中の婦人で、娠妊可能なるものを年齢的に調べた資料は只今のところございません。ただ生活保護法施行のもののうちで、未亡人家庭がどのくらいあるかというような大ざつぱなものはあつたと思います。正確に生活保護法適用者のうち、妊娠可能の女子の数というものは持つておりません。
#11
○谷口弥三郎君 それはあとで結構でございます。その次にもう一つ同じ調査資料ですが、妊娠可能期の婦人の最近における妊孕率、年齢別における妊娠の率を調べたものがありますならば、それも一つあとで調査して頂きたいと思います。そこで取纏めてお伺いしたいことは、人口政策を立てる上におきまして、いろいろの点で研究しなければならん項目が非常に多いと思います。無論一國の人口政策を立てるということになりますと、余程愼重な態度でやらなければならんからして、そう簡單には参りませんが、現下の國情といたしまして、この時期を外しまして、段々一年、二年と経過いたしますというと、ますます人口は過剰、飽和状態になつてしまいますので、是非とも一日も早く人口政策を確立しなければならんと存じます関係上、厚生省といたしまして、名称は何と申しますか、人口政策対策委員会と申しますか、人口問題審議会と申しますか、何かそういうふうな委員会なり審議会を作つて、この際、急速に人口政策を確立しようというふうな御意思はありませんですか、その点をお伺いします。
#12
○説明員(葛西嘉資君) 今谷口委員の御指摘のように、人口問題は非常に國家の將來を考えますと大事な問題でございます。ただこれが取上げ方の時期とか、或いは又取上げ方のやり方というようなものが、極めて御承知のようにデリケートな事情にあるのでありまして、只今のところ政府の内部で大きな人口問題審議会というような基本的な方策の樹立の線に向つての、御指摘のような人口問題審議会というふうなものを作るという具体的なものは、実は只今のところ持つておらんわけでございます。ただこの御指順のように非常に厚生省の部面から見ましても、人口問題研究所もありますし、或いは又優生法の施行というような点もありますし、又医藥品等の器具というような問題もありますので、相当厚生省の内部の各局間にも関連もある事でありまするので、関係の役人だけでございますが、それらの者が集まりまして、人口問題に関する省内の打合会というようなものはやりたいというふうに思つております。例えば今現に問題になつておりまするこの妊娠調節のための医藥品、或いは器具等の発賣というような問題になりますと、相当いろいろの関係で廣いのでございますから、そういうふうな連絡協議というような意味の会合になると思います。これは厚生省の打合せなんかの連絡協議というようなものでありまして、只今のところ内閣の或いは大きな人口問題審議会というふうな具体的なものの持合せはございません。
#13
○谷口弥三郎君 次にお伺いして置きたいのは、この受胎調節に要する器具でございますが、最近藥事法によりまして、避妊の藥品は有害でないならば、無害であるものならば、そうして有効無害と申しますか、そういうものならば許可される方針ということでありますが、從來の、今までにおきまして、そういうようなふうの避妊藥等を発賣したり、或いはいろいろ出しておりまする中で不良藥品が可なりあつた。或いは不良な器具が可なりあつたと思いますが、そういうものにおいても統計か何かできておりませんでしようか、できておりますならば、そういう細かいお話を先ず伺いたいと思います。
#14
○政府委員(慶松一郎君) 実は統計と申しますと、そういうものはちよつとまだ今日お示しすることができませんことは申訳けありませんが、大体の状況を御説明いたしまして御了解を頂きたいのであります。先ず避妊器具でございますが、大体避妊器具はいわゆる藥事法におきます用具の一種となつております。これを作りますには厚生大臣の製造許可を要するのでございます。その意味で現在藥事法で許可されておりますものは「コンドーム」と「ペツサリー」だけでございます。そうして現在いろいろ許可申請で出ておりますものはいろいろございますが、殊にその中で避妊リングとか、或いは避妊ピンというものがございますが、但し從來藥事法が出ます前は、これは有害避妊器具取締規則、昭和五年の内務省令によるものでございますが、それによりまして避妊ピン、避妊リング又はこれに類する器具は販賣を禁止されておつたのでございます。そういうものにつきましても目下申請がございますが、ただその製造許可には愼重を要する問題でございます。殊に避妊リングにつきましては、御存じでもございましようが、こういうものでございますが、これにつきましてはすでに國会に対しまして、これを許可して欲しいという請願も出ておる次第でございます。併しながら相当愼重を要しますので、厚生省にございます藥事委員会におきまして目下審議をして頂いておる次第でございます、專門家によりまして……それからここのございますが、これが避妊ピンというものでございます。これは子宮の入口に差込むのでございますが、これはよく外れましたりして、外れますことによつて、他をつついたりして危いというので、從來禁止されておりますが、これも作りたいというところが相当ございます。併し目下檢討中というところでございます。それから今許されておりますものは別のペツサリーと、それから普通ございますコンドームでございます。これは御存じでありましようが、コンドームで失敗があるというのはピンホールと言いますか、穴が沢山ございます。ただ見ただけでは比較的いいのでございますが、取出して煙を入れますと煙の出るのが往々ございまして、そういう煙を入れて試驗をするように目下指導いたしております。それは出ないようでありますが、今のペツサリーは一緒に藥が附いております。その藥のことにつきましては只今申上げます。今のこれは子宮帽というのでございまして、子宮の口のキヤップでございますね、これは取れ易いというので、これもよくないようでありますが、このペツサリーには大中小あるようでございます。
#15
○小杉イ子君 これはどうして使いますか。
#16
○政府委員(慶松一郎君) これは今のペツサリーに塗るのです。
#17
○小杉イ子君 塗つて嵌るのですか。
#18
○政府委員(慶松一郎君) さようです。子宮の口を蔽うわけであります。そうしますと絶対に入らないのです。
#19
○委員長(塚本重藏君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#20
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。
#21
○政府委員(慶松一郎君) 今日では新藥事法によりまして、避妊関係につきましてはこれを許可してもよいと、こういうことになりましたので、そこで避妊藥を目下盛んに賣りたいということで申請が出ておる次第であります。大体今日まで避妊藥として申請が出ておりますのは二十数件ございます。この避妊藥につきましは、大体世界中どこの國でもこれを禁じておる所はないようでございます。これには大体におきまして二種類、形の上におきまして大きく分けますと二種類ございまして、一つはゼリーとか、こういうゼリーでございます。ゼリーとか、それから坐薬になつております。ここにございますが、坐藥でございます。これはいずれも油で、中で溶けるものでございますが、今一つございますのは錠剤であります。錠剤は膣部に入れますと中で非常に泡が出まして、泡によつて薬が均等になるというものでございますが、併しアメリカにおきまして認めておりますのは、只今そちらに廻りました座藥と、それからゼリー、この二種類だけでございます。この坐藥はいろいろなものがございますが、一番主なるものはフェニール醋酸水銀というもの、これが一置安全でございます。その外オキシシアシ水銀というものもございますが、これは大体花柳病予防のために作つておるものでありまして、避妊の目的のごとく、しばしば用いますものとしては人体に弊害があると、こう考えておりますので、これにつきましては愼重を要すると存じます。
#22
○小杉イ子君 只今一番安全とおつしやつたのはどれでございますか。
#23
○政府委員(慶松一郎君) それはフェニール醋酸水銀と申します。学問的には……これは一番安全であるようであります。それで実は正直に申しますと、こういうものは市場に出ておるのでありますが、これが出ておりますわけは、殆んど花柳病の予防という意味で市販されておるのであります。併し花柳病のいわゆる淋菌その他を殺します藥も亦精虫を殺しますので、その意味で應用されているということでありますが、從つて今日におきましては、まだ避妊ということを標榜した藥は出してはならんということになつておるのでございます。大体そういうところでございますが、ただ一般に申しますと、淋菌その他を殺すよりは、精虫を殺す方が弱い藥ゐ間に合うということが建前のようでございますが、但し精虫によりましても、いろいろ強いもの或いは弱いのもあるそうでございます。專門家に伺いますと、そういう意味で一〇〇%ということまでは行かないにしても、九〇何%までは行くということであります。但しこれにつきましても、勿論尚有効で且つ害が少いものを賣ることが必要でございますので、その意味におきましては、はやり若しも許可されましたならば、十分な國家的な監督、或いは檢査することが必要だろうと私共は考えておる次第でございます。大体以上であります。
#24
○谷口弥三郎君 いろいろと受胎調節に要する藥品、器具についてのお話を聽きまして、尚これを発賣した後には今後よく取締をやつて時々檢査をして実際に有効であるかどうか、うまくその藥ができておるかどうかというようなことを調べるというお話でありますが、それは是非そういうようなことにして頂かんければ、折角いよいよ避妊の薬として許可されるものを、本当にそれがうまく或いは藥品の分量が入つておるか、又藥品がうまく混合されておるかというような点において余程注意して置かんとよくないと思いますから、是非その際にはおやりを願いたいと思うのであります。それからこの受胎調節に要する藥品、器具を、これを檢査するということは可なりむずかしいことでありまして、実は私共もいろいろとどのくらい効くかということを調べて見るというと、その人々のものによつて非常に力が違いますので、個人差が可なり激しいからして、実際にあれば三十分で精子が動かんようになる場合もあり、或いは十五分で動かんようになる場合もあり、一時間でもその上も元氣にしておるのがあるのでありますから、余程檢査をするときに御注意を願いたいと思うのであります。最後に、私の意見を申上げて置きます。受胎調節をやりますのには、先刻葛西次官のお話によるというと、國家としては無論國民の自由意思に任すので、或る者に対して強制的に何とかいうことはなかなか反対の人も対いから、これは困難であるというお話でございましたけれども、実際におきまして、この國民の自由意思に任すということは無論必要なことで、全部自由意思には任しますけれども、自由意思を実際に行う率というのは本当の或る階級、そういう方面に特別関心を持つておる人々、或いは頭のいい方々は子供の教育などに非常に関心を持つておられる方々のみでありまして、そうでない方面、子供の教育などに無関心に方は絶対にこれをやろうともいたしませんし、又殊に生活保護法などによるような金のない星級は、折角やろうといたしましてもサラリーマンではダッチペツサリーを買おうといたしましても、サンシンペツサリーを買おうといたしましても可なり金が要るものですから、使い切らずにおるのが今の現状でありますからして、是非國家は或る種類の者に対してこういうのを指導させる者を養育しまして、そうしてこれはとても病院に來いとか、保健所に來いとか言つて來る列であつたら自分でやりますけれども、実際に希望するのは、そういうものに來んような列で、こちらから行つて勧告して、初めてああそうかと言つてやるような列に是非実行せねばならんと思います。そうせねば國民素質の低下は絶対に防がれんのでありますからして、人口の急速な膨脹を防ぐと共に、國民素質の低下を起さんようにするには、是非職場にとか、家庭にとか進んで行つて、それを世話する人間を、いわゆる指導婦を置かんければ目的は絶対に達せんと思いますので、是非そういう方面にも頭をもう少し向け変えて、と言つては失礼でありますけれども、少し回轉して頂いて、そこまで是非持つて行くように、厚生省は本氣になつて人口対策に進むというようにならなければ到底駄目だと思いますが、如何なものでしようか。
#25
○説明員(葛西嘉資君) 谷口さんのお説でありますが、実は先般極く一部でありますが、調査をいたしたところによりまするというと、都市方面では割合に自覚を持つて妊娠調節をやりたいという努力をしておる。それが二割六分くらいあつた。それが段々田舎に行くにつれて数が減りまして、東京でありますが、三多摩地方の奧の方に参りますと約二割ぐらいになつておる。だから全体で東京都あたりでは二割強の者が妊娠調節をやりたい、現在やりたいということで、いろいろな方法を取つておる。その取つた方法なども大体分類して表に書いてありますが、そういう資料を実は持つております。從いまして御指摘のように確かに自由意思に任せるということになりますというと、逆淘汰の傾向を生ずるということはまあ或る程度否めないことかと、こう思うわけでございますが、もう一つ人口問題の上から申しますと、国が工業化して参りまするとどうしても自然に人口は減る。工業化された國民は、自然に人口が殖えるということは自分らの個人の生活を快適にするゆえんでありませんものですから、自然にそういうふうな傾向を持つて來るというのは、世界各國の例であります。これに反して、農村においては人口が殖えるということが自分らの経済生活、社会生活に非常な貢献をいたしますものですから、自然と人口が増して來るというふうな原則があるように存じます。これは人口学者の方で言つておることのようでありますが、そういうふうな自然の制約もありまするし、やはりこれをこつちの方から政府として、こういうふうにしろというふうにして、或る程度の指導を加えるということは、只今のところ私共としてはどうだろうかというような感じを持つておるわけであります。
#26
○谷口弥三郎君 只今のお話のように、國家の文化程度が高まりますとか、或いは工業化いたしますと、出生率が減ることは、これは殆んど既定の事実と言うていいことでありますし、農村において比較的出生率が多くて都市に少いということも、これももう今までよく言われたことであつて、実際の統計がはつきりとそれを示しておるのでございますから問題はありませんが、我が國の現状といたしまして、そういう時期がいつ來るかということを考えますと、少くともまだ十年や十五年ぐらい、この人口構成の弱年層が多い我が國といたしましては、十年や十五年は絶対にそういうところまでは心配なしにずんずん殖えると思いますので、そういうことは起らんと思います。又我々が最も心配しておるのはこの十年乃至十五年の間であつて、その後になると或いは今の人口政策も又変えて、もつと待てとか、もう少し國民の人口を減しちやいかんから今の状態に置けとかいうような、丁度外國のイギリス程度、フランスまで行かん程度のイギリスぐらいのところで、大いに反対を持つて行かんければならん時期が來ると思いますが、現在のところではそこまでの心配はなしに、やはり思い切つてやることが必要と存じます。無論これは政府が本氣になつて人口政策をはつきりと示すならば、各郡部或いは田舎にも可なり徹底いたすでありましようし、又各田舎の方面にも公聽会とか或いはいろいろの講演会とか開いて、人口問題はこういう状況になつておる。我が國の現在のままで行きおつたら、共食いで倒れんければならん状況であるとかいうようなことをはつきりしましたならば、尚一層目的を早く達し得ると思いますので、ここはどうしても政府のお考がもう少し徹底的にならんと、なかなかむずかしいのじやないかと存ずるのでございますが、次官はその程度以上に進まんということならばいたし方ありませんけれども、外の方に又持つて行かなければならんのですが……。
#27
○委員長(塚本重藏君) 速記中止。
   〔速記中止〕
#28
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。
#29
○小杉イ子君 私三つお伺いしたいことがございます。睾丸炎を患つた人、子宮内膜炎疾患中の人は確かに妊娠しませんか、しますかということ。それから二は、殊に切賣りで頻繁に接容しておつた昔の例えば娼妓でございます。これらが比較的受胎しませんが、それから廃めてからも余りしておりませんが、こういう理由はどういう理由でございましようか。それから第三番目には品行の良い人が惡い人より子供が沢山できるようでございますが、これはどういうわけがあるのでございましようか。どうでございましようか。それから私はどう考えても、どの藥品も、どの器具も確信できません。むしろ否定いたしたいのでございます。それからこれを試驗するとか、紹介するとか、確かなことをおつしやいますけれども、それができるかどうか。例えばモルモットとか、兎にでも試驗する場合はよろしうございますけれども、一人の犠牲者を立てて試驗して見たところで、一人では分りません。こういうことはお考えになつておりますかどうか。それから專門家によりますと、何でも水田ばかりによらないで畑を拡張すると人口は養い得る、こういうことでございます。それから愛兒園でございます。これは外交問題になるかも知れませんが、私から申しますと、全くこれが危險を感ずる。これが日本人となるのかということを思うときに非常に痛感するところの子供を生む者がございます。これには強制的に何かの方法をお考えになつておつたでしようか。それからもう一つ藥のことを申上げますが、これが食慾ということでございましたならば、十二時に食べる、五時にしようということがございすけれども、これだけは絶対絶命励行できないことである。それに対して例えば婦人に酸性の藥を腔内に長く用意さして待たして置くことがございますが、身体にさわらないものでございましようか。それから経費の点を考えなければなりません。それからこれが腔内の挿入してその藥品が子宮内に入つて行き、卵と精虫と合体するところまで來るかどうか。例えば寢ていれば子宮に上がるかも知れないが、これは上に上らない。大抵は立つておりますから、それが下に流れて上に上らん、こういうことを考えておりますが、その辺はどうでございましようか。
#30
○説明員(葛西嘉資君) 專門的なお話は丁度三木局長がおりますから、三木さんの方からお答え申上げることにいたしまして、今の藥と器具は絶対大丈夫かどうかというお話でございますが、これは実驗と申しますか、適当なよいものができますれば、一〇〇%効果を挙げておるというように聽いております。さつき藥務局長からお話がありましたように、今そういうふうないい器具というものについて実は愼重にやつております。それから谷口委員から御指摘になりましたように、一遍規格を決めて賣出しましても、惡いものが出たりなんかするというようなことはこれは困りますので、そういうふうな監督というような点については十分やつて参るつもりでございます。それから第二のお尋ねでありました將來日本人になるだろうかというようなあいの子なんかの生れることについてのいろいろな措置でございますが、これも只今のところでは御承知のように厚生上どうこうというふうなこともありませんし、今のところどうするというふうな確乎たる実は案は持合せておらんわけであります。
#31
○政府委員(三木行治君) 睾丸炎、子宮内膜炎の者には妊娠せんかどうかというお尋ねでありますが、これはこういう性病の場合におきまして、その程度によると存じますが、非常に軽微な者を除きましては受胎しない、妊娠しないということが普通である、医学常識では考えられるものであります。尚そういう政府の統計等も完全なものはございません次第でございます。それから娼婦は受胎せんのは何故かという御質問でありますが、娼婦の中でも必ず受胎しないというわけではないのでございまして、受胎する場合もあることは御存じの通りであります。ただその率が一般の者に比べて低いことは間違いのないところだと思います。その原因はやはり性病等に罹患をするという危險が非常に多いということもその原因になつておると考えられるのでありますし、又性病に罹患いたしておりませんでも、性病予防藥を使用いたしますから、その予防薬は必然的に精虫に対しても殺減的に働いておりますので、受胎の機会が非常に少い、かように考えております。それから品行のよい人が子沢山であるのは何故かというお尋ねでございますが、品行のよしあしということに基く統計も別にございませんが、性病に罹つておる者は子供が少いという統計から、御意見のような結論が出ると思つておりますが、私共といたしましては、やはり性病等に罹患いたしますために、性殖器の障害が起きておる場合が多いからその方が少い。從つて品行のいい者は多いというようなことになるのではないかと思つております。
#32
○山下義信君 そこのいろいろ御説明下さつた避妊器具とか、避妊藥という問題ですが、それは品物によりましていろいろ差異がございましようが、大体器具でどのくらいの價格でございましようか、又藥品類のようなものでどのくらいの價格のものでございましようか、只今販賣許可をしておいでになりまする種類のもの……。
#33
○政府委員(慶松一郎君) それは誠に申訳ございませんが、私只今失念いたしておりまするので、後程調べまして……。
#34
○山下義信君 凡そ大体分りませんか。
#35
○政府委員(慶松一郎君) 大体三百円くらいだと思いますが、ペツサリーが……ちよつとはつきりしたところ覚えておりません。
#36
○山下義信君 ではそれは詳しいところは次回に何か表見たいなものでお知らせ願いたいと思います。それでその避妊藥、避妊器具というものを販賣いたしますのは、つまり藥店でございますれば、どこでも販賣できるのでございましようか、どういうふうになつておるのでしよう。
#37
○政府委員(慶松一郎君) 藥店で、勿論作ります人々は許可を要します。又販賣業者も、販賣は一々一品目ずつではございませんが許可が要るわけです。いずれにしましてもこれは藥店で賣らせることになつておる次第であります。但し私共が只今考えておりますのは、この使用につきましては、是非医者なり或いは相談所において十分に指導を受けて使用するようにということにいたしたいと存じております。と申しますのは、これはたびたび医者に行く必要はありませんで、一遍医者の指導を受けますれば十分な次第でございますので、そういうふうにいたしたいと、こう存じておる次第でございます。
#38
○山下義信君 只今業務局長の御答弁は大変重大に思うのでありますが、大変又結構な御注意でもあろうと思うのですが、関連してですが、この避妊藥、避妊器具の販賣をしますのにはどのような廣告をいたしましてもよいのでありましようか、もとより誇大廣告は或る程度の制限もありましようが、いろいろこの需要者の方が廣告などによつて相当動かされる点もあると思う。それらのものの宣傳、廣告という面につきまして何らかの御指導がおありになるというお考えでありましようか、又單に藥店だけでなくいたしまして、相当この方面に関して社会的に寄與しようというような、いろいろな何と申しますか、公益團体と申しますか、そういうものがこれらの藥品、器具の頒布とか、取扱いとかいうようことをやるとか、やろうとかいうような團体などが只今でもございましようか。つまり信用のできまする團体などがこれを取扱うというよなことも、ただ單に商人として藥店などが相当な廣告などの下にやるというよりは、いろいろ弊害もなくてよいのではないかと、こう思う点もあるのでありますが、その辺につきまして藥務局のお考えはどういうお考えでありますか。
#39
○政府委員(慶松一郎君) 大変御尤もなお話でございまして、廣告につきましては一般的に極く堅実な廣告のみを認めるように、目下一般的な藥につきましても指導いたしておるのでございますが、殊にこの避妊藥或いは避妊器具につきましては弊害の点も相当ございます点からいたしまして、まだ私共の考えでは藥事法によりまして許可を與えます範囲、即ち成分とか、効果等の範囲以外には余りけばけばしい、或いは挑発的な廣告等はさせないように指導いたす所存でございます。尚、只今のあとで仰せになりました藥店のみならず、そういう團体でございますが、團体で頒布させること等は、結局團体におきましても、やはりそういう販賣業の許可さえ取りますれば取扱うことができる次第でございまして、まじめな團体でございますれば、それに対しましてそういう資格を與えますことは一向差支ないと私は考えておる次第でございます
#40
○山下義信君 先刻來の御説明によりまして、この器具、藥品については有効、無効その他弊害の有無等、いろいろ適当であるかどうかについて委員会等で十分御審議に相成るということでございまして、その点安心いたしますのですが、厚生省が許可した、認可したというこの器具、藥品につきましては、恐らく國民は無條件に信用するだろうと思います。でありまして、これがいわゆる公に販賣を許可せられたということは、國民は相当安心してそれを相当使うことになりまするし、即ち産兒調節ということが、或る意味におきましては、奨励せられたというふうにもこれは解されるのであります。相当これを使うだろうと思います。でありまするので、それが一種類か二種類ならよろしいのですが、多種類になるということは、又需要者もいろいろとあれかこれかと迷つたり、樣々にその間に問題が起きたりいたしますので、これは余程器具、藥品の販賣につきましては、先程も谷口委員が指摘しておいでになつておるのでありますが、十分に御指導、御監督が必要であると私は思うのであります。これは私希望をいたして置きますが、相生活困窮者というような方面に、場合によつては厚價と言いますか、できるだけ安く或いは場合によつては無料で必要な者には保健所、或いは民生委員の手によつて、希望者にはこれを與えるというようなことも必要ではないかと思うのですが、そういう点につきまして、厚生省は何かお考えがございますか。
#41
○説明員(葛西嘉資君) 今前段に御指摘になりました十分注意をして製造の許可等を與える場合、或いは又それが市販に出る場合には間違いのないようにしなくちやならんという御注意につきましては、深くその通りに感じまして、十分注意をしてやつて参りたいとかように思つております。後段お尋ねになりました経費等の関係で欲しいけれども入手ができない者に対する措置でございますが、只今のところでは生活保護法におきましては、御承知のように最低生活に必要なものというふうになつておりますので、生活保護法の面からこういうものを支出する、只で出してやるというふうなことはちよつとまあ困難ではないかと思うのでございます。こういう点につきましては、或いはこういう趣旨に御賛成を頂きます民間の有志というふうなもので何とかして頂きますとか、生活保護法の該当者でそれを望んでおる人につきましては何とかしたいと思つておりますが、只今のところは御承知のようなものですから、はつきりとこういう対策を持つておりますという段階にまでは至つておりませんことを御了承願います。
#42
○山下義信君 先程も谷口委員から御意見が出たのでありますが、人口問題の対策の一つお考を是非政府でお立て願わなければならんということは、これはもう輿論であります。政府で御心配願うばかりでなく、國会もみずから進んで十分研究もし、勉強もせなければなりません。そういう場合には私は厚生省がやはりこれは中心だと思う。言うまでもなく安本などもこれは関連しまして、これが基礎でありますから、研究もしなければなりますまいが、研究、審議と併せてその対策の大部分は厚生省の所管であると思う。人口問題が必ずしも人口減少方策ではありますまい。いろいろ多方面に亘つておりますが、ともかくも厚生省が中心であろうと思う。これは人口政策というものの確立ができなければ諸般の問題なり、対策ができよう筈はございません。これは厚生省の方でも是非一つそういう構想でお考えを願つて、一つはつきりした國策を立てる必要があると思うのです。若しそういう面にこれから一つ御研究下さるというお考えがあるならば、我々は厚生省の御構想の進むことを信頼したいと思います。若しそういうお考えがなければ、國会がみずから決議として、人口問題審議会の設置などを國会の要望として或いはいたさなければならんかと思うのでございますが、人口問題の研究所は言うまでもなく、これは数字的の統計の研究でありますけれども、関連してこれは厚生省が主流を取つて取上げて行かなければならん問題であると思う。もう一度私は次官のこれに対するお考を承わつて置きたいと思います。
#43
○説明員(葛西嘉資君) 山下委員御指摘のように、日本の人口問題があらゆる國策の基本であることは御指摘の通りだと心得ております。只今のところでは先程も谷口委員にはお答え申上げましたように、具体的に今人口問題審議会というようなものを政府部内に作つて、そうしてやつて行くというふうな具体的な案は実際は持つておらんわけであります。これは問題が大き過ぎますので、私からお答えするよりは、むしろ大臣からでなければちよつと如何かと思います。只今のところではそういう具体的な案は持つておりません。厚生行政の範囲において具体的な打合せ、或いは討議というようなものを部内でやつておりますことは先程申上げました通りでございます。今の谷口委員のお尋ね、それから山下委員からの再度のお尋ねにつきましては、次回或いはその次に大臣が御出席のときに、大臣からお答え申上げますよう私からも連絡をいたします。
#44
○山下義信君 よく分りました。場合によりましては、我々は我々としての考えもいたさなければなりません。又政府の意向も、厚生大臣或いは場合によりましては、総理の意向も聞かなくちやならんと思いますが、事務当局としては御準備を願いたいと思います。厚生省としては相当これに対して力を入れての御準備を願いたいと思うのです。それだけは御準備下さいますか。
#45
○説明員(葛西嘉資君) それは人口問題研究所もありまするし、今までも私共打合会をいたしておりますのは、そういうふうな諸般の資料、殊に又先御指摘のありましたように、安本或いは関係省は実に廣うございます。建設省は住宅の問題とか、或いは農林の関係、殆んど各省に関係がある仕事でございますので、そういうふうなものにつきましては、人口問題或いは省内の方で十分準備をいたして置きたい、かように思つております。
#46
○山下義信君 了承しました。
#47
○井上なつゑ君 お伺いしたいのでございますが、産兒調節は誰か指導者が要るのではないかというお話が出ておりましたようですが、保健所では保健婦達がこの方面を指導しておるというお話を承わり、それから助産婦にこの方面の指導をさしたらいいじやないかというお話が出ましたが、助産婦はお産を助けるものではなくて、調節の仕事に変るんじやないかという心配をしている向もあるのでありますが、私共としてはこんな考を持つております。実は保健所の保健婦の非常に年が若い人がこうした方面の指導をして行くのは何だか不安のような氣持がするというような考を持つている人もあるように承わりましたのですが、こうした方面の指導をなさることの可否をどうお考えでしようか。それから若しおさせになるのでしたら、どういうふうな教育をしてこういう方面の指導をやつて行きますかどうか。その点も一つお聽かせ願いたいのであります。それからもう一つついでに承わつて置きたいのでありますが、先程もお話がございましたが、一般の人にはこの性病予防法のできたときは性教育を非常にやかましく言われましたのでございますが、そうでなしに普通の方に一般の常識としての性教育と申しましようか、人口教育と申しましようか、どういうようになさいますか。いろいろ田舍の方面の婦人会なんかへ参りましてこの方面の何かいい書物はないかと尋ねられるのですが、それでこの間のGHQの人が飜訳されております「我々は成長する」というような本がありますが、それを二册その方面に持つて行つた例もございますので、どういうようなお考を持つていらつしやいますか。このことを伺わして頂きたいと思います。
#48
○政府委員(三木行治君) 保健所等において保健婦がどういうふうに指導するのであるかというお尋ねでございますが、御承知のように優生結婚相談所というものが優生保護法によりましてできております。その優生結婚相談所はこれを保健所に附置するものと、その他のものとあるわけでございまするが、その優生結婚相談所におきましては惡質の子孫の出生を防止し、母性を保護し、且つ産兒調節の相談に應ずるということを旨といたしておりまして、必要なスタッフを揃えてをるわけでございます。從いましてこれらの優生結婚と限らず、産兒制限の知識につきましてはやはり医師の指導を必要といたしまするので、私共といたしましてはこの優生結婚相談所、或いは保健所、或いはその他の医師が指導するということを主力にしてやつて行きたい。保健婦、或いは民生委員、或いは産婆さんというような場合は、それらの思想普及と、及び適当な医師、或いは優生結婚相談所へ行くように、そうして具体的な指導を受けるようにというようなことを勧奬せしむることを役目といたしたいと、かように考えておるのであります。それから尚人口教育等についてはどういうふうにやるかというお尋ねでございまするが、具体的の家庭の主婦に取りましては、人口教育ということ程の大きい話題でなくても、やはり家庭の角度から見た産兒制限の問題ということが主要な話題になると存じまするので、性教育と併せて、それらの産兒制限教育というものを当然普及して保健所等がその指導に当る。その際には当然に保健婦、助産婦というような保健所の職員、或いは適当な所に勤めておりまする保健婦等におきましても指導されることになると思います。ただ併しその場合でもやはり独立した判断でやつて行くというよりも医者との緊密な連繋の下にやらせて行きたいと、かように考えておるのであります。
#49
○井上なつゑ君 これは余分なことを申上げるかも知れませんが、ついでにちよつと……一昨日新聞に出ておりましたが、今度の済生会病院の自殺事件の眞相が分りましたら、大体で結構でございますから、お知らせを願いたいと思います。
#50
○説明員(葛西嘉資君) 今或いは医務局の方に來ておるかも分りませんけれども、私まだ聽いておりませんので調べまして申上げます。
#51
○小杉イ子君 去年のことですが、加藤夫人もおられまして、基準法についての会合がございました。そのとき私或る産婆さんに伺いましたところが、その産婆さんがおつしやいますには、異性に接せんことですね、それが一番理想ですとおつしやつて、あいた口が塞がらなかつたことがございます。ところで私が先程申上げました通り、避妊方法、その藥品は殆んど絶望と見ておりますので、さような手段といたしましては、惡質遺傳病とか、余り見栄のよくないところの子供を生むものに対しては、因果を含めて去勢手術を断行すべきだと思つております。私は避妊方法を知つておりますけれども、それは相手のいることであつて、相手によることであつて、それは不可能でございますから、ちよつと申上げられませんけれども、又折があつたら申上げたいと思います。
#52
○姫井伊介君 避妊藥並びに器具の販賣についてお話がありましたが、これは一般の市販取扱にいたしますと、廣告の面もさつきお話がありましたが、成るべく多く利益を得たいといつた点からいたしまして、相当弊害を伴つて來るのではないか、取締りにおきましても、なかなか完全を期し得られないのではないか、そこで單に病氣のために、その病氣を直すための藥を求めるというのとは性質が違うのでありますから、これらの器具並びに藥品は販賣扱いとせず、むしろ頒布扱いとする。從いまして取扱います場所を保健所並びにそれの支所、又さつきお話にありました優生結婚相談所と、そういつた所で取扱わして行くといたしましたならば、指導と同時に更に統計など取るのにも非常に的確なものが挙げ得られると思いますが、やや場所が少いので多少求めるのに不便な点がありましようけれども、これは特別なものでありますから、私はむしろ今申しましたような所において、頒布組織を持たせることがよいのではないかと思いますが、これにつきましての当局の御所見を伺います。
#53
○説明員(葛西嘉資君) 姫井委員のお尋ね、そういうふうにも考えられるでございますけれども、又保健所の数にいたしまして、全國に千とはないわけでありますし、國民の利用、便宜というような点も考えなきやならんのじやないかと只今のところ思つております。まだ藥事委員会等からの答申も実は政府の方に出ておりません。御意見のような点は篤と考慮して見ました上で決定をいたしたい、かように考えております。
#54
○姫井伊介君 今の保健所の数は、保健所並びにその支所を含めた数であるかどうかということ、今一つは優生結婚相談所が全國にどのくらい数が作り得るかということですね。
#55
○説明員(葛西嘉資君) 千以下と申しましたのは、極く大ざつぱに申上げたのでありますが、保健所の支所等も含めまして、そう思つております。それと優生結婚相談所の方は、まだ保健所に附設しておるものも数が極めて稀でございまして、そういうような保健所の数、或いは優生結婚相談所の数等を見てやらないと、折角出しましても面倒で利用がないということになつては、又逆な結果にもなろうかと、そんなこともありますものでございますから、ただ御指摘のような点も十分考えなければならんと思いますから、これらを勘案いたしまして、適当に、賣出すときにはやりたいと思つております。
#56
○山下義信君 ちよつと私一つだけ聽いて置きたいのですが、惡質の医師はこれは別ですけれども、最近つまり妊娠中絶と專門的に言うのですか、堕胎というような事柄で相当医師が檢挙せられたり、法務廳関係から非常にやかましくやられておるようでありますが、これは厚生省あたりでは、そういう問題に対しまして何か法務廳との間でお話合はございませんか。一部におきましては、すでに堕胎に関する刑法の條文削除するのがいいのじやないかというような意見等も段々見えておるのでありますが、産兒調節に関連いたして医師等が手術いたしたとき、それを盡く刑法的な目で峻嚴に調べて行くとか、或いは又良からん者が恐喝的なことをしておるとかいうような事柄も相当あるようで、これは相当私は問題であると思う。すでにこれは一、二新聞雜誌等にもそういうことをテーマにした小説等も書いておるようなことがありまして、相当厚生省としても医師関係のそういう問題に対しましては、法務廳からお話合があるのではないかと思うのでありますが、その辺どうなつておりますか、お漏らしを願いたいと思います。
#57
○説明員(葛西嘉資君) この妊娠中絶につきましては、先般國会におきまして優生保護法の改正をして頂きましたので、それで違法性を阻却さして頂きまして、これは大分助かつておるわけであります。癩とか何とかにつきましては、從來とも優生手術を実際いたしておるようなわけであります。これが優生保護法で合理化されたというような点は有難いと思つております。実は今日出て参りますときにも、医師の行政処分の申請が出て参つておりまして、これが麻藥の密賣とか、或いはお話のような堕胎ということが相当ございます。只今のところでは法務廳なんかともいろいろ打合せ等はいたしておりますが、やはり堕胎を公認するということはどうかということで、やはり優生保護法に認められました條件に当る者については、これは申すまでもないことでございますが、そうでなくて、ひそかに或いは頼まれたり何かしてやつておる者については、やはり堕胎罪を以て断じて行く、医師等の行政処分もそれに從つて参る、相当数はございます。
#58
○山下義信君 私はこれは相当医師の間において問題であろうと思もますので、これらの取締に対しまする法務廳の見解も聽きたいと思います。次回法務廳の関係者の御出席を委員長から御要求願いたい。その他は谷口委員から多分要求せられると思います。
#59
○委員長(塚本重藏君) 承知いたしました。
#60
○谷口弥三郎君 本日は人口政策並びに産兒の調節につきましてもいろいろお話聽きましたけれども、次回におきまして、総理大臣の出席を求めて人口政策の、やはり審議会か政策委員会を是非一つこの際作るべきものと思いますが、それを大臣の御出席を求めて、いろいろ御意見をお伺いしたいと思います。それから尚時間が少いようですが、折角人口問題の葛西さんもお見えになつておりますが、時間がないから次回のときにやはり是非お出で頂いて、そうしてお話を聽きたいと思います。
#61
○委員長(塚本重藏君) 外に御意見ございませんか。
#62
○山下義信君 今の器具と藥品との性能或いは價格とか、それから生産量はどのくらいあるのか、又製造者は誰かといつたようなことの資料を頂載したいのですが。
#63
○委員長(塚本重藏君) 尚これは厚生省の方で認可を與えられましたものはあるのですか。若しあるとすればどれとどれと……。
#64
○政府委員(三木行治君) 別にございません。藥ではございません。
#65
○委員長(塚本重藏君) 本日はこれを以て終ります。次会は今山下委員なり、谷口委員の仰せの通り取計うことにいたします。散会いたします。
   午後零時一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           山下 義信君
           中山 壽彦君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           穗積眞六郎君
  政府委員
   厚生事務官
   (藥務局長)  慶松 一郎君
   厚 生 技 官
   (公衆衞生局
   長)      三木 行治君
  説明員
   厚 生 次 官 葛西 嘉資君
ソース: 国立国会図書館
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