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1949/04/18 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第10号
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1949/04/18 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第10号

#1
第005回国会 厚生委員会 第10号
昭和二十四年四月十八日(月曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会事業團体及び施設の振興、整備
 に関する施策の調整の件
 (右件に関し証人の証言あり)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。先ず皆さんにお諮りいたします。本日は社会事業團体及び施設の振興並びに整備に関する旋策の調査を議題として、予定の通り各関係中央團体の代表者より、その團体の事業概況についての説明を聽取いたしたいと思います。各團体代表の方々から御説明を願うことにいたしまして、説明員として武井群司君外六人の発言を許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。では手許にありまする名簿の順序に從いまして、順次説明の発言を許します。先ず最初に恩賜財團済生会の理事長武井群司君にお願いいたします。
#4
○説明員(武井群司君) 時間の関係もございますので、簡單に御説明申上げます。お手許に資料を差上げてあると存じますが、済生会は明治四十四年の創立でありまして、爾來終戰のときまで医療の資に悩むもののためにみずから医療券を発行して、自分の施設でこれが診療に当り、或いはその他の医療機関に対して診療を依頼し、これに要する費用は政府より補助を受けておつたのであります。又事の重要性に鑑みて、特に勅令の定めがありまして、この仕事は行政官廳に依託して行うという建前を取つておつたのでありますが、終戰後團庫の補助と今申上げました勅令は廃止になりまして、純然たる民間の医療社会事業團体と相成つたわけであります。今日は生活保護法による生活困窮者のうち、医療の資に悩む者に対して公共團体において発行する医療券を持参した者を診療するのが建前でありまして、これに余力のある場合におきましては健康保險法による被保險者の患者、更に余力がありました場合においては一般の診療にも從事しております。その場合におきましても、少額所得者を先にいたしているような状態であります。
 現在の施設の状況はお手許に診療機関一覽社として差上げてございますが、合計いたしまして病院産院を含めて四十五ケ所、診療所が六十四ケ所、合計百九ケ所を全國の各府縣等に設けまして、それぞれ医療保護の仕事に当つているわけであります。詳しいことはこの一覽表によつて御覽願います。資料の第二といたしまして、昭和二十二年度における業績に一覽表を作つておきました。各病院診療所において取扱いました外來出面の数及び入院者の延数等を表にしておりますので、詳しくはこれによつて御覽を願います。それから資料の第三は歳入歳出の予算であります。済生会の歳入歳出予算として本部及び直営病院の分は二十四年度の予算をここに概略書きましたのでありまして、歳入歳出ともおのおの五千五百万円余りであります。それから支部の病院診療所につきましては、まだ二十四年度の集計ができかねましたので、取敢ず二十三年度における歳入歳出の予算を集計いたしましたものを印刷をしたのでありまして、合計一億九千四百万円、これは旧ベース時代のことでありますので、本部のと比べまして、金額が集計したにも拘わらず少くなつておることを承知おき願いたいと存んじます。大体済生会の現状として申上げるのはこの程度でございます。
 更にお尋ね等によりましたお答えすることにいたしたいと思います。
#5
○委員長(塚本重藏君) 次に恩賜財團愛育会理事長でございます新居善太郎君にお願いたします。
#6
○説明員(新居善太郎君) 私は愛育会の新居でございます。母子愛育会とは皇太子殿下がお生れになりましたときに特に紀念のために御下賜金を賜わりまして、そのときの御沙汰書に、本邦の兒童及び母性に対する教化並びに養護に関する諸施設に資するようにという御沙汰書がありまして、母親及び子供を対象として心身共によく育てるようにというその御趣旨に基きまして、当時関係省幹部が相談いたしまして、恩賜財團母子愛育会を拵えたのであります。
 それで事業の要目といたしまして、お手許に愛育会概要という簡單なこういうパンフレツトを差上げてある筈でございますが、その事業要目といたしましては、「母子に対する教化、母子愛育思想の普及、母子保健の指導、母子愛育に関する研究及調査、母子愛育施設の普及、母子愛育指導者の養成並に指導、流早死産及乳幼兒死亡の防止、勤労母性及多子家庭の養護、母子愛育事業の連絡、調査母子愛育必需物資の確保、その他兒童及母性の福祉を増進すべき諸施設」とこういうのでありまして、先般の兒童福祉法の趣旨とほぼ一致しておるように思うのであります。こういうふうに発足いたしました財團といたしまして先ず着手いたしましたものが、その四項に愛育村というところがございますが、何といたしましても、本当に子供をよく育て、姙産婦を正常の方法で指導するという上におきまして、その原因が直接の原因から間接の原因に亘つて鑑みますと、いろいろの病的のこともありますし、社会の因襲もありますし、或いはいろいろ間違つた傳統もありますし、迷信もあるというので、結局生活全体に即して指導するということが必要じやないかという趣旨を以ちまして、当時農山漁村における乳幼兒の死亡率が非常に高い、又母子の状況が非常に憐れむべき状態になつておるということに鑑みまして、その哺育の正しい知識を普及させ、又その哺育の技能をよく徹底させる、そうしてこの憂うべき死亡率の減少に努めると同時に、一村が打つて一丸となつて、その村の婦人が本当に自分のことであるというふうに、自主的に積極的に活動するというところを狙いとしまして、愛育班というものをその婦人を以て組織いたしまして、それでこの愛育事業、即ち母親と子供を対象とした諸施設を総合的にやつて行くというのが、この愛育村の狙いでありまして、その精神とするところは、本当に協同愛、祖國愛に基いて隣保相扶の精神を以てし、又その実践におきましては、本当に日常生活の全般に即する具体的方法を以てするということが狙いであつたのであります。それで当時初め七ケ村か或いは十一ケ村ばかり指定いたしまして、そういう活動をやり始めたのでありますが、こういうことをやつて見ますと、結局中央にこの根拠ともなるべき科学的研究機関が必要だということになりまして、それで愛育研究所を本会といたして作ることにいたしたのであります。
 それはその二頁にございますが、その愛育研究所の内部といたしましては、小兒保健部及び母制保健部、教養部、この三つになつております。それで小兒保健部は專ら小兒科のお医者、母性保健部は産婦人科のお医者、教養部は心理学者、これを中心といたしまして、その下に保健婦、看護婦或いは保姆、助手というもので、結局心身両方面から総合的に研究するという建前になつておるのであります。そういたしまして、それを又実際と連絡する、單に研究を研究として終らしめるのでなくして、実践面と密接な連絡をとるという趣旨からいたしまして、愛育医院を同時に設けまして、そこにそういう小兒科のお医者、産婦人科のお医者、これは外來診療もできますし、又入院することもできる、これを研究と実際の連絡にする。それから病人でなくても、そこで小兒健康保險の健康の相談所を設けまして、いろいろ育て方やその他について相談に應ずる。現在におきましてむしろ病氣になつた患者よりも、この相談に來る方が多いのでありまして、約六〇%ぐらいは相談の方が多いのであります。同じく母性の健康相談所を設けまして、婦人及び妊産婦、この相談に應じております。近頃におきましては、又バース・コントロールなどの相談に來る人も相当多いのであります。同時に又兒童の教養方面におきまして教養相談所を設けまして、学齢前のいろいろ就学の相談或いは知能檢査、或いはいろいろ異状兒の檢査相談というふうなことにも資しておるのであります。又あそこに幼稚園を設けまして、相当の幼稚園の行くべき姿というものはどういう方法を以てしたらいいかということを研究するために、医者、心理学者、母姆及び保健婦というものが総合的に幼稚園の経営に当つて、如何にしたなら理想的に行くかということをやつております。又保育所におきましても、今品川区になつておりますが、戸越に保育所を設けまして、それで保育の行き方というものを如何にしたらいいか、あすこが勤労地区の環境地帶でありますので、その方面における幼兒の性格とか特徴の研究とか、或いはその臨体的な指導方法とか、或いは保育所における幼兒の管理方法は如何にしたらいいかというふうなことを実践しながら研究するという方法を取つております。又乳兒哺育施設を研究所に設けまして、一歳未滿の乳兒を預りまして、これのやり方を研究し、又それを実際に施す、すべて中央にはこういうものがありますが、地方に研究分室がありまして、東北大学、名古屋の大学、金澤、岡山、福岡、長崎各医科大学に連絡をいたしまして、そこへ地方分室を設けまして、その地方の特有の病氣とか、或いはそのときどきの重要事項について研究を連絡するということにしておりますが、これは現在経費の関係で昨年度から一時中止しておりますが、これは財政が許せば又復活したいというふうに思つております。こういうふうにいたしまして、結局中央では科学的の研究、又地方のそういう研究分室と連絡を取り、その研究の結果を実際に社会を施す、各府縣に支部がありますから、支部を通じ、或いは通せず本部から直接に愛育村にそれを流すというような方法をやつております。それでこの愛育村が現在では千二百ばかり全國で指定しております。その愛育村のやり方は、結局その村において先程申しましたように、全体としてこの仕事に理解があり、又熱意がある、而もその町村が非常に死亡率が高い、一方においては又指導の便宜もあるというようなところを選んで指定したのでありますが、なかんずくその中で特に模範的にさせるというので特別愛育村というものを二つ指定しております。それは一つは山梨縣の中巨摩郡の源村でありますし、一つは神奈川縣の高部屋村というのであります。
 それでちよつと時間を取つて恐れ入りますが、愛育村のことは割合に皆さんに知つて頂きにくいのでありまして、実際に御視察を頂くといいのでありますが、ここに二十二年度の事業報告がありますので、大体こういうことをやつておるということを御承知願いたいと思うのであります。一つは年々予定を作りまして、ほぼその予定の通り月々にこういう仕事をやつて行つて、必ず結果を報告する。それによつて又いろいろの行政方面なり研究方面なりに裨益するという狙いであります。乳幼兒の健康相談を毎月やつております。これが二十二年度においては延数において千人近くを取扱つております。それから妊産婦の健康相談、これも毎月やつておりまして、三百七、八十人内外を取扱つております。それから妊産婦の血液檢査もほぼ毎月やつております。それから農繁期の保育所、これは方々でやつておりますが、これも模範的にやろうということにして、特に小学校の女の子供が世話役として協力しているということは、この思想の普及において相当裨益しているようであります。又母親学校を経営しておりまして、これもほぼ毎月のようにしてやつております。それで取扱の教材というものも、婦人として心得なければならん各方面のことをやつております。それから愛育講座、これは先程愛育村の中の機構について申遅れましたが、結局愛育班というものが中心になりまして、その愛育班は、婦人会或いは女子青年のうちの指導的立場に実質上立つ方々を選挙いたしまして、それで愛育班を組織し、それを又分班に分けまして、大概各部落に分つておりますが、そこに分班長と二、三名の班員がおりまして、所によつて、その班の中の受持の家庭を持つのであります。多い所は三十戸ぐらいでありますし、少く行く主義を採つている所は十戸ぐらいでありますが、それでその班員が中心となりまして、受持の家庭のおいて妊婦ができれば、正常のお産の仕方を指導する。又子供があればその育て方、病氣があればその癒し方というものを指導する。その上に保健婦がおりますから、保健婦と連絡をとる、又その上に医者がおりますから、医者と連絡をとるというふうに、本当に民主的に自分のこととしてやるのであります。そういうふうにやつて正しい仕方を指導すると同時に、又そのときの必要な器具は貸してやるとか或いは藥は與えてやるというふうに経済的にも便宜を図り、やり方においても本当のことをやらせるというふうなことをしているのでありますが、それをやるうちに又愛育班員みずからが正しい方法を勉強もし、実習もするということになつておりまして、今の愛育講座なども、その各班に分つてずつと或いはお寺とか或いは公会堂とかいうものを中心にやつております。又今申しました愛育班員の講習会これも数回やつているのであります。それから乳兒の歯の檢査、或いは就学兒童の教養の相談、それで知能を計る。それからあと傳染病の予防、百日咳或いは腸チフスの定期注射などもやつております。結核の予防も予防檢診からツベルクリン反能注射、或いはB・C・Gの接種ということもやつております。それから寄生虫の予防を学童を中心にしてやつております。又血液檢査もやつております。それから文化の施設面としましては、愛育婦人の常会をやつて婦人としての切磋琢磨をやつており、又講習会とか講和会というものを随分再々やつております。それから調査研究といたしましては、山羊の飼育というふうなこと、又それからできる山羊の製品というふうなことについても、随分研究してやつております。こういうふうに各班の方面から協同一致いたしまして、中央においての研究とも連絡してやつているというのが愛育村の姿でありまして、愛育会といたしましては、できるだけこういう方法を本当の姿で行き、又数を殖やしたいというふうに考えているのであります。
 それで主に戰前から、農村においてはこういうことが一固まりになり易いものでありますからやり易いのでありますが、都会地においてこういうことがなかなかできませんで、如何にして都会地においてこういうことをやるかということを苦慮しておつたのでありまするが、現在におきましては、阿佐ケ谷に愛育相談所を設けまして、本部からは一週に一遍ずつ行つて保健及び教養の相談に與り、又母親の組合を作りまして、その組合でいろいろ講座を設けまして、お互いにこういう方面の知識なり技能を涵養すると同時に、そういう施設を將來はその組合でやるというふうに段々する、その形態を今研究実施中であります。こういうふうにやつておりますが、あと養護とか保健とかいう方におきましては、愛育会に今申しました研究所の外に部会というものがありまして、その部会は母性保健部会と小兒保健部会と二つあります。母性保健部会は産婦人科のお医者さんを以て組織しております。小兒保健部会は小児科のお医者さんを以て組織しております。ここにおられる谷口先生もその有力なメンバーとして指導的に御協力願つておるのでありますが、そういう所におきましては、又ここにあります各地方の病氣やら或いは健康状態などを調査研究して頂きまして、これも亦実践に移すというようにやつております。又教化方面では、母親学校の指導というようなことを特に唱道いたしまして、現在大分普及しておるようでございますが、それに対しまして又教材が必要だというふうなことを考えまして、母親学校の教材といたしまして、中央で各権威者を集めて貰いまして、委員会を開きまして、こういうふうなものを作りまして又その方に利用せしむるという、研究と実際面との関連をやつておるのであります。
 その外いろいろ学究的の研究を研究所でやつておりますが、それは省略いたしまして、そういう方の連絡面といたしまして、定期にお手許に差上げてあると思いますが、「愛育」という雜誌を刊行しております。その外いろいろのパンフレツト、リーフレツトを作り又映画も先般「母子手帳」という映画を作りまして、本当に子供を正しく生むという点に資するようにし、又從來も展覧会を再々やつておりましたが、最近におきましては、結婚と育兒の展覧会というものを、お医者さん及び心理学者両面から研究して頂きまして、百五十枚ばかりの場面を作りまして、去年東京の東横デパートでやりまして、発足いたしまして、続いて一月に大阪でやり、二月に廣島でやり、それから現在は四國の高松で、私の方の支部が主催でやつております。後五月には兵廳縣支部の主催で神戸でやる予定になつております。後福岡、長崎、熊本方面からも希望がありますので、こういうふうに実際の指導をして行きたいと思うのであります。それから支部の方の行き方といたしまして、廣島があれだけの原爆を受けた中に立直りまして、私共の方の支部として愛育村の行き方の心持をあの市街地に移し植えまして、今学教区を單位しといたしまして、婦人が自分のこととして自主的、積極的にやつておるというふうなことが著しい現象であります。そういうふうにいたしまして、我々の会といたしましては本当に研究と実際とを連絡し、又研究も本当に保健面、教養面、或いは社会事業面、そういう面に総合的にやつて行くというのが狙いであります。甚だ雜駁でありますが、大体こういうことでやつております。
#7
○委員長(塚本重藏君) 次に財團法人全國司法保護事業連盟事務長であります。牛込治郎吉さんにお願いいたします。
#8
○説明員(牛込治郎吉君) 全國司法保護事業連盟となつておりますが、全日本司法保護事業連盟という名前が司法保護事業法施行規則の第二十三條の第三号に挙つているのでありまするが、その全日本司法保護事業連盟の代行機関が、財團法人司法保護協会でありまして、同じようなものでありまするが、私は、その財團法人司法保護協会の事務長をいたしておるのであります。司法保護協会は財團法人輔成会、財團法人昭徳会、財團法人日本少年保護協会の三財團が併合しまして、昭和十四年の十二月四日にできましたのがこの会であります。本会の目的とするところは、その寄附行爲の第三條に「本会は、廣く関係方面と協力して、司法保護事業の改良発達を図り、社会の福祉に貢献することを目的とする。」と挙げてあり、第四條に「本会は、前條の目的を達するために、司法保護事業及びこれに関係のある各種施設の連絡並びに司法保護事業の指導及び助成をなし、併せて左に掲げる事業を行う。」として、八項目程挙げてありまするが、現在行われつつあり、更に行おうとする事業の項目だけを申上げまして、状況報告に代えたいと存じます。
 御承知の通り司法保護事業に関する法規が、この少年法の改正、少年院法の改正、及び今期國会に提案されんとする犯罪者予防更生法等の実施に伴いまして、全面的に又改正されんとしておりまするので、本会の性格もそれに應じて変らなければならない状況にあるのでありまするが、大体本会は、民間における全國司法保護事業の指導連絡を主としております。先ずその助成面から申上げると、司法保護團体、地方の司法保護協会、司法保護委員会、或いは少年保護司会というような民間的團体を、強力に物資面或いは精神面から助成して、そして各機能の十分なる発達をさせたいという考えでやつておるのであります。この最近の具体例を申しますと、東京都下におきましては、昨年來試驗的に各地区の各種團体が今までばらばらになつておりましたのを、ロスアンゼルスの合同会議の例に倣いまして、犯罪防止対策協議会というものを作りまして、その地区の淨化を図ろうということで、毎月必ず一回ずつ開催して、その地区内をどうしたならばよい環境に推し進めることができるかということに対して研究協議し、それを実行に移せるものは実行に移す。警察方面、或いは政府方面、或いは國会方面等にこれを参考として提言したいというようなことについては、又それに移そうということをやつているのでありまして、今日あたりも三、四ケ所で開催しているのであります。その各地区では更に少年保護司の会合もやはり並行的に月一回ずつ行いまして、その保護司会が保護観察の研究会を、これはカードによつて実際に研究する。その結果、対象者の職業斡旋、或いは更生資金の貸給與、家庭の援護、或いは環境調整、その一方法として合同会議をやつているのでありますが、それらの費用の一部として助成しているのでありまするが、資金関係上思う通りに行かないことを遺憾としているのであります。この地区の淨化が図り得た上に、司法保護委員なり或いは少年保護司がその家庭に、或いは職場に帰つておりまする者を、手を取つて保護指導しましたならば、その対象者は必ずや再犯に陷ることなくして眞人間に立ち帰ることができるのであろうというところから、地区の淨化を図り、そうしてその淨化された所へ刑務所から出て來た人達、或いは少年院から出て來た人達、或いは家庭裁判所から直ちに少年審判所へ送られて來まして、家庭に帰されまして保護観察される子供達、執行猶予の者、或いは起訴猶予の者というような者達が再び犯行に陷ることのないようにこれを徹底さしたい。これに全力を注いだならば、我が國のこの夥しき犯罪者を救い得るのであろう、こういう確信を以て推し進めているのであります。これは國家の経費を以てやるのが当然でありまするけれども、現在司法保護委員に対する手当、嘱託少年保護司に対する手当は僅かに年額三百円であります。我我が如何に保護の熱愛を持つておりましても、家庭を訪問しますのに、近頃交通費でも五、六十円かかるのであります。況んやポケツトに「みかん」や或いはキヤラメルの一箱ぐらいは持つて行かなくて家庭へ行つて幾ら説法して見たつて、向うは顧るものじやない。やはり精神的指導の裏付として物資の援護が必要なのでありまして、ここにどうしても司法保護協会なり或いはその他の援護施設によつてこの法律の目的とするところを徹底させたいという考えでおるのであります。
 その次には本当にこの司法保護事業に從事しておる人達は誠に血の滲むような働きをし、而も何ら顧られないのでありまするから、これを司法保護協会においてその功績者に対しては、本当の慰めになるかならないか誠に微々たるやり方でありまするけれども、或いは年金を與えるとか、或いは表彰状を與えるとかいうようなことをして、その功に報いておるのであります。
 その次には啓発宣傳というようなことを目的として、中央に全國の保護事業家を代表する人達を集まつて頂いて、そうしていろいろ協議会を開く、或いは地方でブロツク的に協議会を開いて、そうして一は事業の研究をすると共に、宣傳に資するというようなことをやつておるのであります。その次に調査研究はやはりこの対象者がどうしてそういうふうな境地に陷るか、或いはそれに対して如何にしたら救い得るかというようなことについて、常時これを科学的に研究しなければなりませんので、学者或いは経驗者に対しましていろいろお願いを申上げて研究をして頂き、その結果を保護資料として出版を常にやつておるのであります。更に保護事業に從事するものが、やはり勘や経驗だけではその目的を達し得ないのでありまするから、これに対してやはり長期若しくは短期の講習会を開きまして、続々実務家を地方へ流しておるのであります。更にこの司法保護團体、刑余者の收容所、或いは保護少年の收容所等におきまして、一番困りますのは、裸で刑務所を出、裸で少年院を出て來るのであります。身に纒うところの一物もなく、又買うべき金もないのでありまするから、こういう対象者に鉄して、或いは被収を給與するとか、或いはその他薄金を給與するとか、とにかく身の廻り品或いは日常必要とするところの品物を貸給與しまして、そうして收容所へ行き安んじて生活ができるということにすると共に、收容所を開いております民間の篤志家は、僅か一日五十円か六十円の費用でその收容所の一切の経費を賄わなければならないというような状態でありまするので、司法保護協会といたしましては、この方面の建築資材或いは作業資材等まで斡旋の労をとりまして、なおこれをマル公の範囲若しくはそれ以下において斡旋をいたしまして、民間司法保護事業家の安んじて事業に専念し得るような方法を講じつつあるのであります。
 併しながらこういう事業に対する世の同情は誠に、これは当然でありまするが、薄いのでありまして、資産状態を申上げますると、誠にお恥しい次第で、大要を申上げますると、預金、現金、信託預金を合せまして僅かに現在六百二十万円、その他株券、国債六十万円、不動産が時價千二百万円というような状態でありまして、年々國庫から現物助成と申しまして、前に申しましたマル公の範囲で斡旋して頂きました現物を換算しますと、大体四百万円内外の助成をして頂く外、民間から幾分の御寄付を頂きまして経営しておる状況でございます。以上甚だ簡單でありますけれども、状況を御報告申上げます。
#9
○委員長(塚本重藏君) 次に恩賜財團同胞援護会の理事長でありまする櫻井安右衛門君にお願いましす。
#10
○説明員(櫻井安右衛門君) 時間の関係もあると存じますので、極めて簡單に概要を申上げます。お手許に恩賜財團同胞援護会概要というものをお廻ししてあると思いますが、それについて御説明を申上げます。
 恩賜財團同胞援護会は発足以來比較的日が浅いのでありまして、同胞援護会となりましたのは昭和二十一年の三月でございます。尤もそれ以前におきまして、戰時中に恩賜財團戰災援護会という團体がございました。その團体が戰爭後名称を変えて官賜財團同胞援護会と相成り、且つ又戰時中、日華事変の起りましたときにできました軍事援護会、主として戰爭犠牲者であるところの遺族等を援護しておりましたそういう軍事援護会の事業をも継承いたして、発足いたしましたのがこの同胞援護会でございます。本部は東京に置きまして、全國各都道府縣に支部を持つておりまして、各都道府縣の支部は皆独立の法人でございます。本部はそれらの法人であるところの支部の連合会という組織になつておりまして、ここで特に申上げて置きたいと存じますのは、恩賜財團同胞援護会は発足当時から純民間團体であつたのでございますけれども、地方各府縣及び各府縣以下の市町村の末端に至る組織というものは、必ずしも純民間團体ではございませんので、つい先頃まで市町村の末端等におきましては半官半民のような形であつたのでございます。それが各縣にありまする支部はすでに昨年の初頭におきまして純民間團体の形を取りまして、支部以下の下部機構は本年二月を期しまして完全に市町村から関係を絶ちまして、純然たる民間團体と相成つておりまして、役職員のうちには官公吏は関係しておりませんでございます恐らく今日のお集まりの各種の社会事業団体のうちにおきましては、本部から各市町村の末端に至るまで純然たる民間團体の形を構成いたしておりまするのは、私の方の團体だけではなかろうかと、かように考えております。
 さてこの恩賜財團同胞援護会はその名前の示すところによりますと、同胞という字がありますがために、とかく世人は引揚同胞だけのお世話をしておるかのように考えておりますが、そうではございませんで、この同胞という意味は、大凡そ生活に困るところの困窮同胞をば、廣くお互いに同胞愛を以て助け合うところの仕事をやつて行く、という意味合いにおけるところの同胞援護会というのでございまして、勿論困窮同胞につきましては、政府はその生活の最低限を法令の規定及び予算を以て救済いたしておりますが、それでは十分でございませんので、その間におけるところの間隙と申しまするか、政府の手では及ばんところを民間團体の力を以ちまして補完して参るという使命を帶びているのでございます。さような使命の下に、私の方の團体といたしましては、できるだけ具体的な事業を経営して参りたい。かような観点からいたしまして、本部事業の中に書いてございますように、主として引揚同胞或いは戰災者というものを目標にして今まで活動をいたしておりましたのでございますが、今後は未亡人母子の問題、これは從来からも相当力を注いでおりましたが、未亡人母子の問題、及び傷痍者、肢体不自由者の自立の問題というようなものを取上げて参りたいと存じまするし、又兒童福祉という問題につきましても、十分な力を注いで参りたい、かように考えているのでございます。
 現在、それではどういうふうな事業を主として現に実行しているかと申しますと、先ず最初に挙げておりまするところの孤兒援護対策でありますが、昭和二十一年の孤兒援護対策要綱というものを定めまして、いわゆる終戰後唱えられているところの孤兒というものは果して本当に天涯孤独の孤兒かどうかということを考えますと、そうではないのでありまして、あの混乱時に親とはぐれている、更に親縁者とはぐれているという、いわゆる孤兒が相当あるのであります。孤兒援護対策の理想と申しまするものは、私から申上げるまでもなく、孤兒施設に收容することを以て事終れりとするのではなくて、できるだけそういう温い世話のできる親縁者を捜索することが先ず第一番でなければならないということであります。親縁者捜索運動ということを主眼とし家庭養育の斡旋をする、收容所の連絡斡旋をする。これは私の方の團体が全國的な基盤を持つております團体といたしまして、全國的にその孤兒の名薄なり、孤兒の写眞のアルバムを作りまして、これを全國的に展示いたしたのであります。それによりまして、或いは親縁者が捜索される、或いは又、家庭養育の申込を受付けたという例は非常に多いのでございます。來る五月を期しまして、全国的に又子供の日の運動が展開されるのでございまして、私共は厚生省とも連絡いたしまして、その子供の日の運動の中に第二回の孤兒写眞展示会というものを全國的に展開いたしまして、その後におけるところの孤兒に対しまして、前回行つたものを更に補足いたしまして孤兒援護の対策を徹底して参りたい。かようなことを考えます。
 それからその次に生活相談の事業でございますが、最近は各方面で生活相談所というような看板が掲げられて盛んに行われておりますが、私の方の團体は戰時中から、つとにこの生活相談事業というものを取上げてやつておりまして、民生委員の皆さんとも十分に御連絡いたしまして、その相談事業というものを爾來やつて來ているのでございます。尚本部及び牛込に隣保園というものを設けまして、それを一つのセツツルメントとして相当の活動をいたしております。機会があれば是非御案内申上げて、ここでやつております事業の御批判を仰ぎたいと思つております。
 次は災害援護でございます。災害の問題につきましては、災害救助法が施行いたされまして、日本赤十字社が中心になつていろいろ御活動を頂いておりますが、同胞援護会は戰時中におきまして、いわゆる戰災援護会としてあの爆彈、燒夷彈の中を、そういう災害時におけるところの活動を行なつた経驗がございますので、非常突発の災害事件に対しまして、從來の経驗を活かして今後の仕事を強力に進めて参りたい。その災害援護に対しまして社会事業團体が如何なる態度を取るかというので、授護対策事業といたしまして、援護対策要網というものを決定いたしまして、これを本省なり或いは赤十字社の方にも御相談申上げまして、社会事業團体として災害時における活動というものを今後官廳並びに日本赤十字社と御連絡を取りつつ、この仕事を進めて参りたいとかように考えております。
 次は母子保護でございますが、從來からも非常に積極的にやつて参つたのでございますが、今後は未亡人母子の問題に主力を注いで、尚強力にこの問題を採上げて参りたい。母子寮は、後で申上げまするが、全國的に非常に沢山経営いたしておりまするし、又そういう母子保護事業の関係者の團体であるところの全國母子保護連盟というものを私共の団体でお世話を申上げまして、この問題を更に積極的に採上げて参りたいという考えを持つております。
 次はいわゆる社会事業におけるところの経済保護事業、即ち授産、授職の問題というものにつきましても、全國的に授産所を設けておりまするし、又その経営者の全國授産事業連盟というものの育成を図つて参りたいと、かように考えて、すでに東京におきましてもこの授産事業の展示会を松坂屋において先般行なつたような状況でございます。これは厚生省とも十分に御連絡申上げ、その御援助の下にやつたのでございますが、更に近く京都におきましてこの展示会を行うことになつております。
 その次は啓発宣傳事業でございまして、兒童福祉週間の運動、引揚援護愛の運動ということを從來やつておるのであります。
 次には住宅の管理、直営住宅、戰災者、引揚者等を目標にしたところの住宅の管理というようなもの、及び以上申上げました問題に附属しての基本調益等の資料の蒐集をやつておるのであります。
 本部は連合体でありまして、全國的にさような仕事をやつております。地方支部は、実は事業の具体的実践團体として事業を経営しておりまして、その全國支部において経営いたしておりますところの施設の種類等につきましては、一番終に一覽表がございまするが、それにお目通しを願いたいと存じますが、全国的に見まして六百八十二ばかり施設がございます。これは住宅を供給しておりまする事業は除きまして六百八十二ばかりございます。授産所であるとか、職業補導所、物資頒布所、母子寮、兒童養護施設、住宅供給、宿舎の問題、生活相談所医療、療養の施設、それから浴場等をやつておるのでございまして、具体的にさような施設の運営を図るということが私共の團体の大きな特色をなしておるのであります。そうしてこの施設運営の方法といたしまして、最近私共が指導しておりまする施設というものが、施設の枠の中に入つておつたのではその地区にちよつと特殊の集團ができた恰好をなしまして、それは必ずしもよい傾向でないのでございます。そこでその施設を中心とするところの社会一般に呼掛けて、その施設があるためにその地区が非常によくなつたんだというような工合に運営して参りたい、かような考え方を持つておるのでございます。何と申しまするが、施設の外延活動、コンミユニテイー・ワークというような仕事を施設をしてやらせるようにいたしたい、ただ何にも中心なしに社会改良なり社会困窮者を救うという仕事はやりにくいのだ。幸い施設はございまするので、例えば母子寮というものがありまするならば、その母子寮を中心として授産、授職の問題であるとか、或いは子女の教養の問題とかいうものを採上げて、子供の不良化を防いで行く、学習補導をしてやるというような工合にいたすとか、母子寮だけの困窮しておるもののお世話を保育所でするばかりでなく、その附近の方々もそこに入つて頂くような施設をするとかというような工合に、その施設を中心として外部に呼びかけるというようになりますと、その施設であるとかその地区に非常に幸いしている社会事業というものは、ただ特殊の困窮同胞だけでなく、迫害されるような連中をそこに集めて指導することを最近の傾向としていたしつつあるのでございます。
 次には施設を伴わない事業の組織的活動、これは最近の新らしい傾向といたしまして、今後資材が非常に窮屈である、又建築費も非常に嵩んでおるときに、施設を作るということは非常に金がかかるのでございます。そこで施設を伴わない社会活動の例といたしまして、高知縣あたりにおきましては、施設なき母子寮運動というのを唱道して、相当の成果を收めつつあるのでございます。と申しまするのは、縣の支部の方にケース・ツーカーをおきまして、その人が町村へ出て來まして、困つている未亡人、母子等を集めまして、団体を作らして、それに私の方の職員が出向きまして、或いは今問題になつておりまするところの再婚などの相談相手になる、或いは授産について家庭内職の斡旋をする、子女の將來のことについての相予に應ずるというような仕事をやるというようなことをやつております。或いは又大阪の授護会におきましては、ヘレン・ケラーが來ましたときの紀念事業といたしまして、今盲人の集團檢診を行いまして、盲人といいましても、ちよつとした或る種の手術をすると或る程度視力が回復できるというような実例があるのでございまして、これは國立病院なり、済生会というような團体と提携いたしまして集團檢診を行う。檢診を行なつた結果は生活保護法なり医療保護法というような法律のお蔭をもちまして、簡單な手術をいたしまして視力を回復したというような実例もあるのでございます。さような施設を伴わないところの事業を組織的に一つ運営して参るというところに重点をおいておるのであります。その他一般的な宣傳啓発の運動といたしましては、最後に揚げてありまする通り、引揚援護運動、越冬同胞援護運動、孤兒援護運動というようなものを実行いたしておるのでございます。
 そこでさような仕事をやつて参るにつきまして、私共の現に当面しております相当困難を伴つておる問題が二つございますが、それを附加えさして頂きたいと存ずるのであります。その一つは資金であります。これだけ多くの仕事をやつて参る上におきましては、相当の資金を要するのでございまして、民間社会事業といたしましては、その資金の源は皆様方に非常にお骨折を頂いておりますところの民間社会事業共同募金の方に頼らざるを得ないのであります。そこで相当の共同募金がすでに回を重ねまして成果を收めつつあるのでございますけれども、共同募金の配分というものが、それぞれの團体が具体的に事業をやつて参るにつきましては、必ずしも私共が考えておりまするところの目標に達しない。尚そうして今後集まるであろうと想像されるところの共同募金の額というものは、そう多くは期待できない。而も社会事業施設というものは段々と数が多くなつて参るということになりますと、それぞれの施設が貰いますところの額というものは、極めて限られた額になつて、到底その予算を賄い得ないというようなことになるのではないかということが予測されるのであります。然らば共同募金で賄い得ないところの資金を何によつて民間団体が賄つて行くかということが、非常に大きな問題になりますので、それを如何に解決すべきかということについて、一つお考えを願いたいと思うのであります。
 それからもう一つは、私の方の團体が純粋な民間團体となりましたにつきましての結果でございます。從來官廳から補助金を頂き、又官のお世話というものに多分に依存しておつたのでございますが、各種社会事業團体の中におきましても、中央から末端の市町村の末に至るまで完全に民間団体となりました今日におきましては、中央の監督官廳である厚生省の方といたしましては、各種團体の中の本会の立場を十分に御理解頂いておるのでございますが、地方の末端の官廳におきまするというと、何となしに同胞援護会は俺の方を離れたのだということで、特別な私共は護保を受けようとは思いませんが、併しながら他の団体と同じような意味における指導なり監督なり育成というものは、受けるべき権利があると言つては甚だあれでございますが、民間社会事業團体に対しまするところの同一の待遇というものは私共は期待して止まないのであります。ところが完全に末端まで離れてしまつた。同胞援護会はもう利用價値がないのだというような意味におきまして差別待遇を受けるということは、私共としてはどうも受取れない。さような傾向がなきにしもあらずということを私共は感じておる次第でございます。その二つの問題があるということを附加えまして、私の報告を終りたいと思います。
#11
○委員長(塚本重藏君) 続いて、社團法人日本赤十字社の副社長でありまする伊藤謹二君にお願いいたします。
#12
○説明員(伊藤謹二君) 時間がございませんので、お手許に袋に入れた資料を差上げてあるのでありますが、これも全部やつておりますと大変時間を取りますので、よくお読みを頂きたいと思うのであります。併し簡單に資料そのものについて、この問題について申述べさして頂きたいと思うのであります。
 大体順序に組んだ筈でございますが、最初に赤十字指導原理十三ケ條というものを入れておきました。それから第十七回赤十字國際会議概要報告というものを入れておいたのでございますが、各国の赤十字社は、いずれも赤十字指導原理十三ケ條に基いておるわけでありますが、これは終戰の翌年一九四六年七月に赤十字社連盟の理事会で採択されたものであります。終戰後の各國の赤十字社の今後の歩み方といつたようなものについて、連盟で決議せられたものでございます。簡單に申上げますと、從來通り、戰時における赤十字の救護活動というものはこれを止めませんけれども、何といつても今後世界に平和を建設するのが赤十字の大きな使命である、平和建設に向つて赤十字が各國手を握つて邁進しようじやないか、こういう点が終戰後の赤十字の新らしい動き方であります。この十三ケ條のうち第五に「各國赤十字社は、戰爭が人類にとつて最も恐るべき災禍であることを考え、平和の維持に必要な條件を創造するような活動の先頭にたつ」、こういうことを宣言いたしておるようなわけでございます。從つて赤十字の平素における事業も從來とは相当趣きを異にいたしまして、平素からいろいろな災害救護或いはその他のいろいろな人類苦痛の軽減に関する各種の活動を行なつて、言葉や筆先だけでなく、赤十字の実際の活動によつて、人類愛といいますか、國際親善の観念を各國民に植えつけて行こう、これが赤十字の企図するところである、こういうことに相成つておるわけでございます。
 第十七回赤十字國際会議概要報告は大部分が厚生事業に関係いたしておりまするので、皆さんの御参考になるのじやないかと思いますので、入れておいたわけでございますが、その三十八ページにも赤十字と平和、こういつたような決議がございまして、相当文章もよくできておるものであると思うのであります。あとで御覽を願いたいと思います。
 その次にこれはまあ大したことではございませんが、俘虜救恤に関する事業も赤十字の事業の一つとして、外地において戰犯者若しくは容疑者として抑留されておる人々に新聞、書籍雜誌そういつたものを送つておりますが、昨年度の実績及び今年度の事業計画、こういつたものを載せて置いたわけでございます。
 その次に昭和二十四年度一般会計の歳入、予算明細書、歳入歳出の予算書をつけて置きました。一般会計が約純計で五億九千四百万円、病院の方が特別会計で経営いたしておりますが、約十三億数千万円でございます。併せまして赤十字の昭和二十四年度の予算は一般特別会計を合せて約二十億、こういつたようなことで経営いたしております。
 その次に日本赤十字社のしていること、こういつたような小さいペンフレツトを入れて置きました。この中に赤十字のやつておることのあらましが書いてあります。これに御覽願いたいと思います。
 次に災害救助の計画、こういつたものを入れて置きました。これは赤十字が災害地に対する医療救護班について三百二十三班の準備を備えておることを第一表に示しております。一枚めくりまして昭和二十三年度中の災害救助の概況というものを入れて置きました。北陸震災、アイオン台風或いは北九州の水害、能代、明石、廣島の火事その他のいろいろな各地の災害において救護班の運動状況を数字に現して置いたわけでございます。
 その次引揚者の援護概況、函館、舞鶴における救護班の派遣の状況、及び病院船上における救護状況、こういつたものを簡單に述べております。
 それからその次に災害救護用の物資配分表というものをガリ版にして入れて置きました。最初の長い方はアイオン台風その他各地の火災に対して赤十字社が子供服、毛糸襟巻、乳兒用セツト、こういつたものを送つた表でございます。その他に北陸震災における、これは一番大きい救援物資の表でございますが、これの数字を入れて置いたようなわけでございます。これはちよつと御説明申上げて置きますが、こういつた大きな災害時には、赤十字が中心になりまして全國民から寄附金なり或いは救恤品を集めまして、震災地なりその他に送りましたが、それらの物資については全然これらの表に載つておりません。これに計上いたしておりますものは、赤十字社本來の持つておりますものの物資であります。金額にいたしましても相当のものになります。ただちよつと申上げて置きますが、これらの物資の大部分はアメリカ赤十字社の本社に対する寄贈物品から送つたものが大部分であります。残念ながら日本赤十字社は今日の財政状況、或いはいろいろ纖維製品その他の統制を受けまして、こういつたものを罹災民に送るだけの十分の能力を持ちませんので、これらの大部分がアメリカ赤十字からの好意ある寄贈品に基いておることを申上げて置きます。私共といたしましては、こういつたような災害地における救助物品の罹災民に対する救護は日本赤十字独力で以て今後行いたい、そこまで赤十字を持つて行かなくちやならん、こういうつもりで赤十字の強化に努めておるような次第でございます。若し時間がございましたら、後程皆さんにこのことについて一言お願いを申上げたいと思つております。
 その次に医療衞生事業概況というのを入れて置きました。これは赤十字の経営いたしております病院、診療所の数、及びその取扱患者、こういつたようなものを表にして、又説明を加えたものでございます。あとで御覽を願いたいと思います。
 次に又看護婦養成事業の概況というものを入れてございます。赤十字の看護婦養成事業は一つの大きな事業でございますが、これだけの看護婦学院を以て約千名の看護婦養成をいたしておるのを表にいたしましたものでございます。一枚めくりまして赤十字家庭看護法の概略というものがございます。これは先年來赤十字が新たに始めました事業であります。赤十字家庭看護法として家庭看護の普及を図つておるのでございますが、現在各地の支部に二名乃至三名の家庭看護法に関する教師の養成を終りまして、都会地、農村において家庭看護法の普及をいたしておるのでありますが、現在まで講習を終了した者は一万九百五十一名、これは非常な歓迎を受けております。手を取つて家庭看護法に関する知識、技能の講習を行つておるのでありますが、講習を受けた人々から非常な感激を以て感謝されておることを御報告申上げて置きます。
 次に日本赤十字社溺者救助法、水上救助法であります。それから日本赤十字社救急法、第一救護法、こういつたものをいたしております。まあ我が國で年々一万五千人ばかり溺死者が出ておりますのですが、これらの救助法及び工事その他各地で不慮の災害が起つた場合の應急手当、第一救護法、こういつたものの講習を赤十字社は行なつておるのでありますが、こういう方面に対するアメリカ赤十字の研究というものは非常に進歩をいたしておりまして、日本でも相当研究されておつたのでありまするけれども、米赤のこういう方面に対する研究というものは非常に目覚しいものがあります。それを採入れましてこれらの講習をいたしておるのでありますが、これ亦学校、警察官、工場その他から非常な歓迎を受けております。今日講師が天手古舞をいたしておるようなわけでありまして、一日も早く各地に指導員を養成いたしまして、これら指導員の手によつて國民にあまねく普及されるようになりたいものと希望いたしておるような次第でございます。
 次に安全教育の実施案、これは私のところの衞生課長が書いたものでございますが、工場安全、交通安全等につきましては、それぞれの團体がございまして相当活動いたしておりますが、学校安全、或いは家庭安全、アクシデント・プリヴエンシヨンでありますが、そういう方面は扱つておる團体がございませんので、比較的疎かにされておりまして、これを專門にしておる、或いは交通安全協会、消防協会というものがありませんので、赤十字法でこういつた方面の安全運動をやつております。
 次に奉仕團の手引、子供達に愛の奉仕を、或いは赤十字だより、それから奉仕團活動状況、こういつたガリ版刷りのものを添えてございますが、私共はこの戰後における何といいますか、道義の頽廃に起源を発した道義國家建設運動の一つとして、この奉仕團の編成というものを各地に起しておるのでございます。我々は道義國家建設実践運動の先駆者としての誇と自覚を持つてこういつた運動を起しておるのでございますが、幸いにしてこの時節でも奉仕活動に非常な熱意を示してくれる方々が相当多数にございます。この表の中にもございますように本年の四月五日現在ですでに百三十八万人の奉仕團員を獲得しておるような状況であります。今後ますますこういつた運動を普及いたしたいと思います。奉仕團の活動状況はこの表によつて御覧を願いたいと思います。
 次に青少年赤十字の手引とか、青少年赤十字というものに関する見本として雜誌、或いはその他のパンフレツトを入れて置きました。我々はこの青少年赤十字というものに非常に大きな期待を持つておりまして、先程冒頭に述べました國際赤十字連盟においても、世界平和建設の実際の運動の最も有力なる分子として青少年赤十字の振興を図つて行きたい、こういうような熱意を示しておりますので、日本でもこれを力強く呼びかけて行きたい、こういうふうに考えております。現在全國で約二十万人の團員がございますが、漸次増加しつつございます。アメリカにおいては殆んど学校の生徒が赤十字少年團に入つていない者はない。大体八割くらい入つておるが、日本でも速かにそういうような状況に持つて行きたい、かように考えております。
 その次に厚生福祉事業の概況といたしまして、乳兒院とか農村保育所における活動、外地引揚に対する奉仕、或いは駅頭における奉仕作業、こういつたものを簡單に纒めておきましたのでございます。あとで御覧を願いたいと思うのでございますが、資料についての説明はまあこの程度にさせて頂きまして、委員長如何でございましようか、時間がよければ一つ二つお願いを申したいことがあるのですが、あとで済んでからでもよいのでございます。
#13
○委員長(塚本重藏君) それではそうさせて頂きましよう。では次に財團法人全日本民生委員連盟の会長原泰一君にお願いいたします。
#14
○説明員(原泰一君) 私、原でございますが、私から民生委員連盟のことを概略お話申上げたい。丁度今近く代議員会を開催いたすことになつておりますので、從いまして、正確なる二十三年度の事業報告、二十四年度事業計画、或いは又これの中心をなしております二十四年度の予算というものをまだお目にかけることに参つておりませんので、これはできましたら早速お目にかけて御檢討頂くことにお願いいたしたいと思つておるのであります。手許にあります程度の事業報告書と計画書並びに二十三年度予算その他印刷いたしましたものをお目にかけたような次第でございます。関係もあることでございますので、先ず民生委員制度そのもののことを申上げて、会の事業のことを説明をいたしたいと思います。
 御承知頂いておりますように、民生委員制度ができました最初の発端は、第一次世界大戰後のインフレ景氣の甚だしいときでございまして、貧富の懸隔が非常にひどく、労資の闘爭が起つて來たという大正六、七年頃に岡山で起き、又大阪で起きたということがその発祥をなしておることは御承知頂いておる通りであります。その後約十年間に全國各府縣に、補導員、奉仕員、福祉員或いは又社会委員、そういうふうな名前を以ちまして殆ど各府縣、道府縣にでき上つたのでございます。そうこうしておりまする間に、昭和初年頃のデフレの激しい状況に見舞われまして、第一線におきまして救済援護のことに当つております当時の方面委員といたしましては、非常に困惑をいたしたのでございます。当時國家の法制といたしましては、太政官達というような古くさい法令でやられておりました救済事業があるというような程度でございまして、組織的な救護法律というものはなかつた。從いまして民生委員は手弁当で一生懸命援護をいたしましても、なかなか追つつかない、その当時デフレが生み出しております失業者、或いは又浮浪者というものはどうにもならない。こういうような状況にありましたので、当時の方面委員といたしましては、どうか國家で救護法を作つて貰いたいということを申出でまして、それが昭和三年のことであつたのであります。幸いに昭和四年の議会におきまして救護法という法律ができましたのでございます。法律はできたのでございますが、当時財政の状況からいたしまして、これがその実施を遅らしておるというような有樣であつたのでございますが、当時の方面委員としては、法律だけできても予算がなければこれは絵に描いたぼた餅じやないか、これはどうしても実質を伴わなければならないというので、それから前後三年の間熱心に議会にも運動をいたし、又当局にもお願をいたしまして、やつと昭和六年の春の議会に通過をいたしまして、昭和七年の一月からこれが実施をされるということに相成つたのでございます。
 そこで早速昭和六年の三月二十五日に通過をしたんでありますが、その後頼みつ放しであるべきじやないというので、代表者が五月東京に会合しまして、各方面にお礼廻りをしておるのでありますが、その時決議としまして、今までは二義的援護を行なつておりますので、少々手落があつてもいいということはないが、手落があるということは止むを得なかつたかも知れないが、今度は法律でできておるように、方面委員は二義的救護をすると同時に法的救護法の委員として、その法による援護をするということの建前に相成つておつたのでありまして、國民の出した税金で営まれておる、その法による援護がどうも濫救があつたり漏救があつたりしてはならない。お互いに全責任を持つてやつて頂かなければならんというようなことからして、みんなで寄つて是非お互い互戒共励という言葉を使つて、互いに戒め、互いに励ましてしつかりやつて行こうじやないかということで、又切瑳琢磨という言葉も使つておりましたが、お互いに切瑳琢磨をして、そうして十分効果を上げて行きたいものだという意味からして、その当時四万の方面委員と言つておりましたが、当時四万の方面委員の連合体をつくりまして、そこでそのような互戒共励、切瑳琢磨をして行こうという申合せをしました。これも数百人の代表者で決定したのではいけないので、一應みんながそれぞれの村に持つて帰つて、府縣の協議の纒つたものを持寄つて更に会合をして、その発会というところへ持つて行こうということで決議をされましたが、丁度一年かかりまして四万人の話を纒めまして、その翌年の昭和七年の春、五月飛鳥山の澁澤の子爵のあの別莊で結成式をしまして、全日本方面連盟委員というものが作り上げられました。從いまして連盟でしておる仕事としましては、方面委員から民生委員にかけてのお互いが切瑳琢磨をして、それからお互いが戒め合つて共に励まし合つて効果を上げて行くようにという意味のことを主眼として仕事をして参つたのであります。
 そこで丁度隣組、町内会というものができまして、あの当時言葉を批判的に言えば、迫害を受けて民生委員等は要らなということもありましたが、その間とにかくできるだけのことをして参りまして、終戰後新憲法の制定に伴いまして、あの二十五條の裏付としまして、議会で生活保護法が制定せられたのであつたのでありますが、これに関連しまして、方面委員から民生委員と衣替えをしました。というのは方面委員というと貧乏臭いので、今度は生活保護法で國民が最低生活をやつて行く。その裏付けとしてやつて行かれる生活保護法の委員を兼ねてやつて行くのであるから、貧乏臭い衣は取つて貰いたいということになりまして、貧乏臭い名前の付いております方面委員というものを取れ去りまして、そうして新らしい民生という文字に換えまして、出発をいたしたのでございます。從つてその前に、全日本方面委員連盟を全日本民生委員連盟と改称いたしまして、その機会にはつきり又重ねて民主的な組織を、もう一度裏付けるという意味におきまして、民生委員千人について一人ずつの代議員を出して、本部の役員の機構にして行こう。こういうことに相成りましたのでございます。そうしてちよつと只今の数にして参りますれば、十二万三千人あるのでございます。約十三万人の民生委員に対しまして、百三十人の代議員で出ているということに相成つておるのでございます。その外に関係者が四十六人出ておりまして、全体で約二百人足らずの代議員が審議機関としまして、連盟の仕事の計画から、又予算の執行のこと等につきまして相談して、その中から選ばれました理事が、ブロツク別に二人ずつということに相成つてあるのであります。それは東北ブロツク、関東ブロツク、中部ブロツク、近畿ブロツク、中國ブロツク、九州ブロツクから二人ずつ、その外東京、北海道、四國から一人ずつということになつておりまして、十五人の民生委員が理事といたしまして、連盟の執行機関に当つておりますのでございます。その外に役所の関係といたしまして、役所から五人、そうして又赤十字、社会事業協会、同胞援護協会という三團体から一人ずつで三人、学識経驗者から三人、合せまして二十六人の執行機関によつて、この事業が経営されているということに相成つておるのでございます。
 それでやつております仕事の内容につきましては、時間もありませんので申上げる暇はないのでございますが、要は先程申上げましたように、お互いが戒め、励まし合つて行く、そうして切瑳琢磨して行くということが、要点であるのでございまして、この十三万人の人がフルの能率を上げて行くような仕事をして行きたいということを願つておるのでございます。でその第一は、社会奉仕の精神を飽くまで自覚認識をして貰う。社会奉仕でやつて行くということを知つて貰うということが、その根本なのでございます。御承知頂いておりますように、五百四十円、先程も司法保護委員さんのお話に出ておりましたが、民生委員として年に五百四十円の、生活保護法なり、兒童福祉法なり、その他の実費弁償を頂いておるのでございます。このことは先程も林厚生大臣が厚生大臣になられました時に、簡單にお話いたしまして、それで林さんが、民生委員さんにそんなにいろいろなことを頼んでおいて、國の方で幾らかお礼を出しているのだろうが、ということであつたので、五百四十円頂いておりますと言つたところが、それは大臣は無論月にですね、いいえ年に五百四十円ですと言つたら、頭をかいておられたようなわけでありまして、五百四十円で少いというわけでもないのでございますが、大体この間中いろいろ調べてみますと、一人が月に千円くらいは常に自分で出しているというような状況であるのでございます。そういう社会奉仕をしておる人でございますから、この人が動くのと、動かないのとは結果において非常な相違を來すねでございますから、社会奉仕で活動するのだということを十分に認識して貰つて、動いて貰えるようにして行きたいということを狙つて、いろいろな仕事もその線に沿うていたしておるのでございます。そうかと申して、社会奉仕でやつているからといつて、ただ働きである、手弁当だからといつて、これが昔流の仕事のやり方をいたしておつたのでは、その効果を上げることはできません。どうしても科学的にやつて行く、科学的に措置をして行くということを、眼目といたしてやつて参らなければならんというので、そういう意味においていわゆる社会調査、或いはケース・ワーク、グループ・ワークというような技術的な研究をして貰いますことを主眼といたして、仕事を進めて行きますのであります。從いまして御覧頂きました事業報告なり計画書にもございますように、それを主眼として全國大会のごときも本当に社会奉仕でやつて行く、お互いはそういう奉仕者だという氣持を高揚して、その認識を深めて行くという意味におきまして全國大会もいたしておりまするし、各都道府縣におきまする大会のごときも、この社会奉仕の精神を高揚して行くという意味において、営んで行くということにいたしておるのでございます。從いましてその他の研究会とか協議会とか講習会とかいうような事柄も、社会奉仕の氣持を十分に起して行つて頂きますと同時に、科学的な研究を民生委員さんにやつて貰うということを、願つていたしておるのでございます。民生委員さんの古い人達の間にこういう話があるのでございます。民生委員はただ働きであるから、程よく働いて貰うように仕向けなければ働きません。こういう内輪話がございます。それでこんな狂歌を人達が寄つて作りました。それは「目で見せて耳で聞かして、して見せて誉めてやらずば誰もせんぞや」こういうふうな狂歌を民生委員の、方面委員時代からの人は言つております。たまたま私共の連盟のやつております仕事の要領もそこにございます。先ず目で見せるという意味におきまして、お目におけてございますようなケース・ワークの話、又時報は毎月出しておりますが、ケース・ワークのような話は、目で民生委員さんが見て研究して頂く。それから耳で聞かせる大会、研究会、協議会、講習会とかいうものを、全國のずつと末端までやつて行こうということで計画をいたし、十三万人には必ず誰かがその中にあつて、そして話をしておる、耳に聞いて貰うというようなことをやつておりますのであります。それから「して見せて」ということに当るわけでございますが、民生委員の模範地区というものを作りまして、民生委員さんがどういうふうに働いて、よい効果を挙げておるかという模範地区を、全國で幾つか作つておるのでございますが、模範地区へ現地研究会というもので各地から皆に集まつて貰いまして、実際に民生委員さんがケース・ワークなり、グループ・ワークなりしておるところをお互いが見る。「して見せて」ということを実現いたしておるのでございます。その他今の「誉めてやらずば」ということになるのでございますが、いろいろな表彰を全國大会でも、地方大会でも機会あるごとに、よくやつておつて呉れる人達に対しては表彰をいたし、よくやつておる民生委員地区に対しては表彰及び選奬ということをいたしておるのでございます。そうして又民生委員さんが氣持よく働いて行つて呉れるようにという意味で、民生委員さんのいろいろな福祉を図る、民生委員さんに奉仕する、民生委員さんは隣人のために奉仕されるのでございますが、その民生委員さんに奉仕する仕事を、本部といたしましては余計やつて民生委員が喜び勇んでその仕事を精進をしてくれるようにということを、この中心にいたしまして、仕事をいたしておるのでございます。
 これは民生委員さんを主とした問題でございまするが、その外に、もう一つ、二つ重要な点があるのでございます。それは民生委員の十三万人が一生懸命仕事をいたしましても、世間の人が民生委員というものを御存じなかつたり、民生委員というものに理解がなかつたり、或いは逆に民生委員というものに好意を持たれないというようなことがありますと、折角のこの民生委員の働きというものはその効果を上げることができないのでございます。從いまして連盟といたしましては、あらゆる機会に民生委員の活動はどういうことをしておる、どういう働きをしておる、どんな事業をやつておるかということを世間の人に聞いて頂いておるのでございます。それの理解を進める仕事をいたしておるのでございます。昔から方面委員時代から民生委員が苦労をいたしました大きなことは、外國と異なりまして、なかなか困つておつても、私は困つておるから助けてくれいと言つて申出て來る人はその割合に少いのでございます。殊に元相当にやつておつた方が貧乏になつたときには助けてくれいと言つて民生委員さんのところへ話に行けないというような、そのことがあるのでございますから、そこでついに最近にも親子心中のあつたことが出ておるようで、生活に困つて親子心中をしたという例が出ておるのでございますが、余り外國ではその例を見ない親子心中、母子心中というものがあるのでございます。大体その焦げついた要援護者には親子心中をする人は少いのでございますが、相当な生活をしておつた人が貧乏に落込んだ人、生計困難に対して抵抗力の少い人というのが、ついやはりそういうような悲惨事を起したということになつておりますので、從いまして世間の人が民生委員活動というものを了解しておつて下されば、そういう所へ相談に行こうという氣も起きましようし、又困つておる人があればあそこは困つておるんだといつて民生委員に耳打をして下さる人もあるということにもなろうかと存じますので、そういう意味合におきまして、社会の理解を進めて頂くような機会を作つておるようなわけでございます。なかなかこの点はうまく行かないのでございまして、結局は社会保障法でも作つて貰わなければ、この日本の状況では駄目ではないだろうかということを今皆んなで申合つておるようなわけでございます。
 それからもう一つの点は、何かと申しますと、折角民生委員が援護をしようとして勢い込んで、例えば今の要援護のおじいさん、おばあさんを養老院に入れようと思つても養老院がない。それから子供を育兒院に入れようと思つても育兒院が満員で入れないというような状況でありましたり、それから先程授産場のお話が出ておりましたが、ただ金をやるが能じやないから働かして、その收入を得させようといたしましても、その授産場がない、或いは又授産場が思うように動いていないというような状況にあるのが今日の有樣でございますので、民生委員といたしましてはそういう社会事業施設を促進して、十分に社会事業施設が動いて行くように、又足りない社会事業施設ができて行くように、民生委員といたしましては全力を盡して行くということが建前でございますので、連盟といたしましてもその点に副うて各方面にそのことをお願いをする。又必要な社会事業施設の新設拡充ということにできるだけの手を貸して行くというようなことを建前といたしてやつておりますのでございます。只今使つておりまする二十三年度に使いました金が、約二千六百万円でございます。來年度の予算はお目にかけてございませんが、約四千四百万円に上るかと存じておりますのでございます。それらの事柄は今申上げました各事業に使つて行くということを建前にいたしておるような次第でございます。
#15
○委員長(塚本重藏君) 次に財團法人日本社会事業協会理事長並びに財團法人共同募金中央委員会の理事長を勤めておられまする青木秀夫君から続いて御説明を伺います。
#16
○説明員(青木秀夫君) 社会事業協会の概要と共同募金の概要について御説明を申上げたいと存じます。社会事業協会の概要につきましては、お手許に小さいパンフレツトを差上げてございますので、大体これについて御説明を申上げたいと思います。社会事業協会は明治四十一年の十月に創立されたのでございまして、從來中央社会事業協会というふうに称せられておつたのでございますが、終戰後日本社会事業連盟と申しまする私設團体の連合体があつたのでございますが、その日本社会事業連盟と合体いたしまして、二十二年の四月に日本社会事業協会というふうに改組いたしたわけでございます。財團法人ではございまするが、各都道府縣にありまする社会事業團体を正会員といたし、その他特別会員或いは名誉会員、賛助会員というような会員制度を設けまして、廣く各方面の方々の参加をお願いするという組織になつておるのでございます。各都道府縣に支部を設けるということになつておるわけでございます。行なつておりまする仕事につきましては、五頁に大体その項目を掲げて置きました。そこにも書いてありまするように、社会事業が健全な発達を遂げまするために、社会事業の團体或いは施設が必要になつて來まするので、相談、指導、連絡を行うというのが主なる目的でございまして、調査研究啓発宣傳というようなことが行われるわけでございます。大きな事業といたしましては毎年社会事業大会というのを開催いたしまして、全國の社会事業界の輿論をここに結集いたしまして、社会事業の進展に寄與するということをやつておるのでございます。昨年は十月に行なつておりまするが、このときは、社会事業の根本法を制定して頂きたいということで、それに対しまする概案を作つたのでございます。尚社会保障法の制定を促進して貰いたいということ、大体兒童福祉事業の振興について更に檢討を加えようというので、大会においてその大綱を決議し、その後継続委員会を設けまして、社会事業根本法につきましては、社会事業基本法という名称の下にその大綱を作りまして、議会の方面にも陳情を申上げて、これによつて社会事業の振興をお願いたしたいということを願い出ておるような次第でございます。兒童福祉事業の振興につきましては、兒童福祉法の施行と共に非常な進展を見たのでありまするが、更に再檢討を加える必要があろうということでございまするので、最近関東、関西並びに東北地方におきまして、関係者のお集りを願いまして、兒童福祉法を更に改正をお願いしなければならんのではないかというので、その意見を纏めてこれ亦陳情を申上げておるというような状況でございます。かように社会事業界の輿論を集めまして、或いは制度、或いは立法等につきましてのお願いを申上げるというようなことをいたしておるのでございます。更に四番目に社会事業に関する講習会、講演会というようなことを掲げたのでありますが、社会事業の講習会は各地において開かれておるのでございまするが、それに講師の派遣或いは指導というようなことを行なつておりまするが、更に中央におきましても、從事者の養成のための講習を行うのでありますが、最近におきましては、これを項目別に行うというようなことにいたしておりまして、例えば保姆の講習会というようなことを行いましたり、或いは医療、社会事業の講習会というようなことを行うということにいたしておるのでございます。又全國的の團体といたしまして、社会事業の功労者の表彰を行なつておるのでございます。
 先程も申上げました社会事業大会の席上、この功労者、非常に献身的にお働きになつております功労者の表彰を行うというようなことをいたしておるのでございます。又社会事業界においての要望事項、どういう問題が問題になつているかというようなことを常に検討をいたしまして、この実現を図ることに努力いたしておるのでございまするが、只今まで大きな問題といたしましては、社会事業の資金をどういうふうにして獲得するかというようなことで共同募金の問題を取り上げたのでございまするが、これは御承知のごとく今日全國的の大運動として展開されておるのでございます。更に残された問題といたしましては、社会事業の金庫を設けて貰いたいというような意向があり、更に社会事業從事者の福祉設というものが閑却されておるのでございます。こういうようなものの研究並びに実現に努力をいたしたいということを考えておるのでございます。從來社会事業從事者のために共済組合を社会事業協会において経営いたしておつたのでございまするが、戰時中資金の関係或いは納付金の関係などで経営ができなくなりまして、解散をいたしたのでございまするが、これらの共済組合の制度、或いは社会事業に從事しておられる方の老後の生活を如何にすべきかということが今日問題となつておるわけなのでございます。尚社会事業金庫につきましては、共同募金において経営的の経費を支弁して頂くと共に、臨時費、或いは一時必要とする金を融通して頂くというような制度が社会事業界において必要なのでございまするが、それらのことがまだ実現されておりませんので、それらの問題に対する研究を今やつておるような状況でございます。
 その次に社会事業專門学校の経営のことを掲げておいたのでありますが、社会事業学校のことは後ろの方の十頁のところにも書いておりまするが、社会事業の振興のためにはこれに從事する人の養成が一番の問題であります。從來中央社会事業協会時代におきましても、研究生と称しまして、沢山の人を養成いたしまして、今日の社会事業界の中堅人物になつておられる方が多いのでございますが、更にこれを学校といたしまして、これは厚生省の委託事業として行われておるのでございます。すでに三回程卒業生を出しているのであります。百人程でございますが、社会事業の行政面、施設面、各方面に進出いたしまして、貢献をいたしておるのでございます。その社会事業專門学校の経営をいたしておる状況でございます。
 尚この外社会事業の普及宣傳と申しまするか、各種の法令の解説等の書籍を出版いたしまして、社会事業の、例えば生活保護法なり、兒童福祉法なり、消費生活協同組合の法令というようなものについての解説書を可なり沢山出しておるのでございます。又兒童福祉施設の最低基準というようなものを研究いたしまして、これは厚生省にも建議をいたしまして、これを基礎といたされまして、今日の児童福祉施設の最低基準というものが実現されておるのでございます。只今社会事業施設の最低基準におきましても研究を進めて、二回程案を纒めたものを作つて或いは厚生省にも御報告申上げておるというような状況でございます。財政の関係なども考慮しなければなりませんが、常にこういうようなことを研究いたしておるのでございます。尚施設といたしまして、只今一番問題になつておりまするのは、施設の経営費に関しまして、どれだけの金がかかるか、又その経費の支弁につきましての財源がどういう点を考えなければならないのかというようなことが問題になつておるのでございまして、施設の経営に関する研究を社会事業施設の各方面の方にお集まりを願つて研究をいたしておるのであります。これは施設の合理的な経営をいたしますると共に、政府の委託費等につきましても合理的な支弁をして頂くことが必要であろうかと思うのでございます。先程同胞援護会の櫻井さんからも話があつたと思うのでありますが、社会事業の施設の運営につきましては、共同募金の財源は今日非常に沢山のように考えられるのでございまするが、実はこれを分析いたして見ますと、経営費の中から見ればこれは極く僅かな部分でございまして、全部を共同募金に頼るということはできないのでございます。今日の厚生の面から見まして、國の責任に属するものはやはり國の経費といたしまして、合理的な支出は國として考えなければならんのでございまするが、その合理的な経費というものは一体どの程度のものであるか、又どういう項目を考えるべきかというような点について研究をいたしたものがございます。又これを時勢の変化と共にいつも研究を続けてやつてやるのでございます。
 それから協会は事業部と兒童部との外に総務部というものを設けて三つの部があるのでありますが、その兒童部の仕事は兒童福祉の重要性に鑑みまして、今日非常に活発な働きをいたしておるのでございまするが、社会事業協会ができました頃から、児童問題というものが非常に重要な部分を占めておつたことは勿論でございますが、今日「子供の日」というものが議会において祝祭日の中に取り入れられましたのでございますが、この「子供の日」の墓をなしまするものが兒童愛護週間なり、或いは兒童福祉週間なりというようなものが元となつていると思うのでございまするが、その兒童愛護の運動というようなことを古くから展開をいたして來たのでございまするが、この五月を機といたしまして、「子供の日」の運動が各方面に亘つて展開されるのでございまするが、この機会に社会事業協会におきましても全面的にこれに協力をいたしまして、兒童福祉のために貢献をいたしたいということを考えておるのでございます。殊に児童福祉の、兒童文化財の蒐集、配付というようなことを考えておるのでございまして、兒童福祉施設に対しまして、図書その他の文化財を各方面から集めまして、御配付を申上げたいというようなことを考えておるのでございます。
 それから協会の仕事といたしまして、これからやらなければならん、或いはすでに……と申してもいいのでありまするが、大きな事業といたしましては、海外の社会事業との連絡なのでございます。これは社会事業も國際的な社会事業として発展して行かなければならないのでございまするが、我が國の社会事業を海外に紹介いたしますると共に、海外の社会事業施設をよく理解いたしまして、これに劣らないように進めて行くというような研究をいたしておるのでございます。非常に材料がありませんので、貧弱なものではございますが、ソシヤル・イン・ジャパンというようなものを作りまして海外への紹介をもいたしておるのでございまするが、今日文献の交換を始めまして、アメリカ、主としてアメリカでありまするが、必要な資料が何なり入つて來るようになりましたので、これらのものを紹介をいたすということと、國際間に日本が復帰いたすときを予想いたしまして、國際会議というようなものの準備を取進めて行きたいということを考えておるのでございます。いろいろまだ申上げたいことがありまするが、社会事業の健全な発達を目的といたしまして、人の養成ということと、資金の造成というところに重点を置いて活動をいたして参つたのでありまするが、今後更に社会事業を各方面によく理解されるように活動を展開いたして参りたいと考えておるのでございます。
 それから共同募金でございまするが、共同募金はお手許に資料を差上げておるのでございまするが、非常に分りにくいかと思いますが、この共同募金は昭和二十二年に展開されたのが始めてでございます。戰後社会事業が非常に必要であるのにも拘りませす資金がない、殊に政府の補助金が打切られるというようなことになりましたので、社会事業が危急存亡のときになつたわけなんでございますので、この危機を打開するためにはどうしたらよいかというようなことで、これは政府を始め、民間の各方面から非常に苦心をいたしておつたのでありまするが、フラナガン神父がお出でになりまして、いろいろ示唆を與えて、又総司令部の方のお勧めもありまして、共同募金運動を展開したらどうかということでございまして、國民助け合い社会事業共同募金運動というものを各方面の御協力を頂きまして展開することにいたしたのでございます。從來社会事業團体は個々ばらばらにお金を集めておつたのでありまするが、これは國民の側から見ましても迷惑であるというようなことがあり、これを一緒にやつたならばどうかということで、私共その手傳をいたしたわけでございます。二十二年は準備の期間も僅かであつたのでありまするが、十月から十一月にかけて展開いたしたのであります。目標額が六億7千万円程であつたのでありまするが、大体八七%程度までこれを達成することができたのでございます。募金の方法はいろいろ各手段を講じたのであります。街頭募金、或いは大口募金、或いは免税興行、或いは戸別募金というようないろいろの方法を用いてやつたのでございます。初めての年といたしましては、八七%というのは非常な好成績で、これによつて社会事業が一息ついたというのが実情でございます。配分等につきましても公正にこれを行うということでやつたのでございます。二十三年度はこれは日本赤十字社の事業資金の募金と一緒にやつたらどうかというお話がございまして、これを一緒に展開することにいたしまして、昨年の十月に展開いたしたのでございます。共同募金の方は八億五千九百万円というものを目標といたしました。日本赤十字社は二億七千七百万円というような目標でございました。合計いたしまして、十一億四千万円程度のものでございます。又只今までの報告を集計いたしますと、大体九三・九%という成績でございます。非常に好成績でございまして、社会事業に対する国民の同情が非常に厚いということに対しまして、深く感謝をいたしておるのでございます。國民の貴重なお金を寄託されたわけでございまするので、この使途につきましては嚴正に配分をいたし、使い方に十分氣を付けるようにというふうに注意をいたしておる次第でございます。共同募金運動につきましても、これは更に組織化し、更に根低ある國民の中に根を下したものにするためには、これを法律に基いて法制化いたしまして、はつきりとしたものにし、又これに伴う恩典等をも與えて頂きたい。例えば免税というようなことをもお願いいたしたいというようなことで、共同募金の法制化につきましては、先程も申上げました社会事業基本法のときにこれと一緒に織込んだ案を作りまして、陳情請願をいたしておるような次第でございます。共同募金運動につきましては、國民の信頼を裏切らないようにいたしたいということせ考えておるのでございます。非常に簡単ではございますが、以上概要を申上げます。
#17
○委員長(塚本重藏君) 一應御説明をお願いいたしまして終了したわけでありますが、先に日赤の方からもう少し希望を述べさして呉れという御希望のようでありました。実は今日午後一時から更に同一問題についての個人証人を喚問いたしておりまして、一時から引続いて委員会を開きたいと予定いたしております。そんな関係でありまして、いろいろ私共の方からお伺いいたしたいこともありまするし、皆樣の方におかれましても、今までの御説明だけでは尚不十分であると心のうちにそう感じておられる方もあろうかと存ずるのでありますが、非常に時間を短くいたしまして、皆さんに御満足が得られなかつた点は甚だ申訳ないと存じますが、私共にいたしましても、時間がありますならばいろいろのことを承わつてみたいのであります。第一番に社会事業施設の全國的な企画の分布であるとか、或いは、中央、地方の組織的な連絡機関の問題、中央機関が果して必要であるのか、ないのか、それがどういうふうにすれば適当なものになるか、又民生委員、兒童委員、或いは少年保護司、兒童福祉司、こういつたようなものの全般的な分類如何、その活動如何というような問題、更には今の社会福祉の行政活動が果して適切に行われておるかどうかというような事柄についても、亦社会福祉の國民運動が恒久的に、組織的に盛上つてくるようにしたいと考えるが、それはどういう方法を以て如何ように進むべきであるが、或いは社会事業從事者の養成、訓練、指導、並びに從事者の処遇の問題、最後に社会事業の資金の問題と関連いたしまして、共同募金の問題の今日の現状並びに將來というような各般の問題があるわけであります、時間の関係で十分にこれらの問題について突き進んで聽く時間がないのは残念でありますが、何らの機会において、皆樣方からこういう問題について、我々の委員会に書類を以てか、或いは又機会を得て懇談の形においてか、お教え願えれば非常に幸いだと存ずるのであります。先に申しますように、一時から次の委員会を開きます関係がありますが、できることならば証人に三人でありますから、これを短時間に終りまして、その後で又もう一度懇談にしたらどうかと考えるのですが、如何でございましようか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。
   〔速記中止〕
#19
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて。それでは懇談の形においてやりたいと思いますから、一應委員会はこれを以て休憩いたします。
   午後零時五十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時五十二分開会
#20
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を再開します。午前の委員会に問題といたしました社会事業團体及び施設の振興並びに調整に関する案件につきまして、松島正儀君、林文雄君、磯村英一君三君を証人として御出席を願いました。証人の方に申上げますが、本日は当委員会におきまして、社会事業團体及び施設の振興並びに調整に関する案件を調査する必要がありますので、三人の方の御出頭を願つた次第であります。各位が喚問に應じて下さいましたことに対しまして、敬意を表します。只今御出席になりました松島正儀君、磯村英一君から証人を願うことにいたします。先ず証言をお願いいたします前に嘘僞りは言わないという宣誓をお願いいたします。尚証人の方に念のために申上げて置きますが、知つておることを言わなかつたり、嘘僞りがあつては僞証で処罰されることがありますから、注意して頂きたいと思います。では宣誓をお願いいたします。総員の起立を願います。
   〔総員起立、証人は次のように宣誓を行なつた〕
   宣誓書
  良心に從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        証人 松島 正儀
   宣誓書
  良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
        証人 磯村 英一
#21
○委員長(塚本重藏君) 出頭をお願いいたしましたる書面の中にも予め明かにして置いたのでありますが、社会事業團体及び施設の振興並びに調整に関する問題につきまして、先ず松島正儀証人から御発言を願いたいと思います。
#22
○證人(松島正儀君) 全般の問題でございますか。
#23
○委員長(塚本重藏君) 全般の問題ですが、それでは二、三の問題を出して見ましよう。先ず社会事業施設の設定分布は、地方におきましては自発的自然発生的に放任せられて來ておるのでありますが、社会問題の傾向を誘致いたしまして、これを企画的にする必要があると思うのでありますが、先ずこの点について証人の御意見を伺います。
#24
○證人(松島正儀君) 只今委員長からお尋ねになられました件は、企画的ならしめる必要があるという点については私もその通りに思います。ただ社会事業施設が何故起つて來たかというふうな問題を考えて見ますと、歴史を尋ねて見ますと一番はつきりするのでございますけれども、多く天変地変、又戰時事変そういつた何か特定の大きな事件の発生を契機として起きている場合が非常に多いのでございまして、企画的ならしめる必要のあるという点に私は全面的に賛成でございますけれども、企画を完全に進めて参ります場合には、そうした事件ごとに活動が自由にいわゆる伸張性が保存せられるという点に特に留意されることが社会事業の特徴のように考える。そういう点が無視せられますと、いわゆる官公営の社会事業は、大体問題の発生前になされるというふうな形態が比較的旧來少かつたのでございまして、多く事件の発生と同時に主として民間的な活動が自由になされてあつたのでございますけれども、ただそれらの姿が必らずしも今後の日本にいい姿とのみとは考えないので、かかる点において予め今後の日本においては、人口問題等をも考慮の上で企画性が準備されなければならないという考え方を持つております。
#25
○委員長(塚本重藏君) この点につきまして磯村証人の御意見を伺いたいと思います。
#26
○證人(磯村英一君) 社会事業は私の考によりますると、相当長期に亘つて平素から考えて置かなければならない施設と、そのときの社会情勢によつて生ずる施設と大体二つに分けられると思うのです。その場合におきまして、公共的な設備例えば病院でございますとか、或いは兒童の中でも特別な兒童の施設といつたようなものは、社会情勢の如何に拘らずこれは必要な施設と思いますので、こういつたようなものは、相当計画性を持ちまして、專ら國並びに公の責任を以て施設すべきものと私は考えます。而してこれらの状態に準じまして、社会情勢の変遷に伴なつた、例えば近き一、二年間において非常に失業問題が多くなつて來る。そういう場合において質屋の施設でありますとか、或いは食堂の対策であるとか、或いは浴場の問題であるとか、それから授産の施設、こういつたようなものはこのときの特殊なる社会情勢によつて処理すべく、又考えなければならん問題でありますが、こういつたような問題は、その事業に從つて公私その所を得てやるのが適当ではないかと思いまして、この問題については、何か適当なこういつたような特殊な場合においては、そういつたような社会事業、社会政策が必要であるということを勧告できるような権威のある何らかの組織があつて、社会情勢の見通しを予め持ちました上で、こういつたような施設が必要であるかどうか、それは公がやるべきか、或いは民間でやつて貰つた方がいいかということを勧告し得る権威ある組織があることが望ましいのではないかと、こういうふうに考えております。
#27
○委員長(塚本重藏君) 以上の御意見につきまして、委員の方から附け加えてお尋ねを頂きませんか。この問題につきまして。
#28
○姫井伊介君 松島さんにお尋ねいたしますが、これは磯村さんとの御意見とも関連いたすんですが、社会の変遷若しくはこの歴史的原因によつて起るものと、それから恒常的のもの、それから更に將來の國民生活、殊に國際的に繁つて行く我々の文化生活の上から考えて、思想方面、殊に経済上におけるその考え方、並びに社会哲学の上から考えまして、將來はかくあるべし、かくなけらねばならんという日本の立場から全体的に眺めて、一つの企画性を持つた、從つて施設の全國的分布といつたものも考えて行く必要はないかということなんであります。この点について……。
#29
○證人(松島正儀君) 今の日本の現在は、思想的にも経済的にも只今お話のございました哲学的にも、私共が敗戰の混乱の後、今そういう問題にしつかり考え直しまして、そうした企画というものをはつきり進める常設的な、いわばそういう意見を國及び國民に向つて投げ得るところの総合的な組織、そういうものを私も必要だと思います。先程は磯村さんのおつしやいました御意見の中に、社会事業に何して二つの性格を考える委員会というような組織の問題がございましたけれども、その点私も全く同感でございまして、只今も姫井先生のお尋ねのように、旧來の社会事業の運営の面に私共が必要としておりましたそのものの考え方、見方、そういうものだけでは今後の國際的に繋る日本の場合には必ずしも適当ではございませんので、もう少し見方、考え方を拡め得る而も大きい考え方を纒め得る、そうした研究的な性格を持つ新らしい機関の存在が必要のように考えております。
#30
○委員長(塚本重藏君) できるだけ簡單に質問をお願いいたします。
#31
○中平常太郎君 お二人にお質問申上げます。先程磯村さんが社会事業のあり方について、國がなすべきものと、突発せる問題等について、他の面にその企画性を持たしめる機関についての御発言は誠に同感と思いますが、ただここに我々が考えることは、平時ならばその通りでよろしいと思うのでありますが、現在の日本の情勢といたしましては、國のなすべきことをなし得ない点がある今日におきまして、これは國のなすべきものだと言つて、社会事業として取上げておられない窮迫した情勢に今あると思います。例えて申せば孤兒院のごときものでも、その他養老院のごときものでも皆國がなすべきものであるが、國が企画性を以てこれ程の人口があるからこれ程の託兒所が要るということを実際によつて比率から行つたところの企画性ある託兒所、現在といたましては、そういう方面にも働きかけて行く必要があると思うのでありますが、そういうふうなことに対しまして、國が……というふうに安心して置けない点がありますが、そういう方面について何か御意見が……。
#32
○證人(磯村英一君) 簡單にお答が申上げますが、現在のような日本の國情に対しまして、社会問題の発生に対して國の責任が十分でないということになりますると、その責任を全部私の團体に委ねることは、私の非常に危險なことを予期しなければならんではないかというふうに考えます。それでこの間において私が考えまする唯一の何は、特に民間の社会事業について考えられますことは、宗教的な関連を持つた方面において何らかもう少し積極的に社会事業を起こす意思になり得ないものであるかということをいつでも考えております。それは結局國も経費が足りない、民間にいたしましても経費が足りない、この経費を何とかして最後までやり遂げる場合におきましては、最後は宗教的な信念をお持ちになつた方の施設で、まあ大変足りないようでも、今日においては相当な業績を挙げて頂いておると思います。從いまして、そういう方面にもつと活溌な、そうして透徹した一つ御協力を願うことが、私として考え得る唯一の途ではないかとこう思います。
#33
○小杉イ子君 社会事業の根拠は今までなら戰争などが大きな理由でございましたが、今後は千種万様の天災によつてが一つと、又経済問題との二つであると私は思つておりますが、天災は不可抗力でありますが、そこに不可抗力でなく、大きい経済問題が根源をなしておると思いますが、それは今日、そういう因子によつて妻子が困るとか、予定以外の不景氣のために家庭が困つておるところが多いのでございますが、この点は現在問題に入つておるのでございましようか。入つていないのでございましようか。お伺いいたします。
#34
○證人(磯村英一君) 要点をもうちよつと……二人とも御趣旨がよく取れませんでしたので……。
#35
○委員長(塚本重藏君) それから小杉委員その他の委員にもちよつと申上げますが、大体私から七八点問題を一應出しますから、勿論それで盡されておるわけではありません。從いましてその他のことにつきましても証人からお伺いして、その後に問題とならなかつた点で尚残されておる皆さんのお氣付の問題を逐次お出しになつてお聽き願うように進行したいと思いますから、予め御承知頂きたいと思います。從つて今の小杉さんのも後に……。
 次に社会事業の遂行のために中央地方を組織的に連絡し、各施設の機能を完全に発揮させるための関係機関が必要だと思うのでありますが、その点に関して從來の中央機関はこの目的せ達成するために必要であるとお考えになつておられますか。又どうすれば適切な遂行が期せられるか。今の機関で不十分な点があれば、その点はどういうふうに改めて行くべきであるか。この点につきましてお話が願いたいと思います。先ず松島証人。
#36
○證人(松島正儀君) 從來の中央機関はこの社会事業の遂行のために必要であると、その必要性を以ておのおの生まれて來たものでございますけれども、現在では必ずしも全部必要じやないのじやないか、こういうふうな考え方もあると思います。例えば日本社会事業協会、又恩賜財團同胞援護会とか、或いは慶福会、又全民連、社会事業会館とか、又それぞれもう少し種別的に小さい連絡機関がございますけれども、そういうものが必ずしも今全部必要だとは考えないでおります。完全に中央地方にその機能を発揮するためには、まあはつきり言えば名前があつても余り力を持つていないようなものは、この際全部集めるものは集める、先程も第一にございましたような企画性の問題にも関連をしまして進めることの方が日本のためのように考えます。只今私は具体的に今申しましたような名称を持つておる各種の團体を全部どれに集めるか、或いは又全部解散して新らしい一つのものを求めたことの方がいいかどうか。そういうふうな点は突然でございまして、はつきり申上げかねますけれども、從來の中央機関というものが全部そのまま必要であるとは考えておりませんです。
#37
○證人(磯村英一君) 中央機関が戰爭中のような性格であることは私は贊成はいたしませんですけれども、大体中央機関というのは公私と申しますか、地方のいろいろな種類の社会事業の連絡機関、そういう中央的な統制と申しますか、組織を持つのがいいでございまして、從つて中央の組織になつたものが逆に強い力で以て地方を統制するというような考えを持つ中央機関は私はこれは適当ではないとこういうふうに考えます。併しそれと申しましても余り沢山の中央機関ができますることは、これは非常に社会事業の発展自身に適当じやございません。例えば現に五月五日から始まります兒童福祉週間に対しまして、厚生省でもそうだろうと思うのでありますが、この問題については兒童福祉協会と、それから子供のための協議会、それから母のための協議会というような三者が一緒にならなければ一つの運動ができないというようなことになつております。こういつたようなことは、そういつたような協議会ができることは結構でございますけれども、もう少し子供のためになる一つになつてやるような組織になつて頂くことも適当であるかとこういうふうに考えております。從つて若干のいわゆる協会的な中央組織ができまして、その組織というものが一年に一回日本の社会事業会議というようなものを持ちましてやることが適当ではないかと思います。その意味におきまして、現在の日本の社会事業協会なり、或いは各都道府縣にありまする社会事業協会というようなものが、その中でどういう役割をするかということはこれは別に考えて行くのが適当ではないかと思います。單に社会事業協会だけに統制することがいいかどうかということにつきましては、私は疑問を持つております。
#38
○委員長(塚本重藏君) 委員の方からこの問題について関連して……。
#39
○姫井伊介君 一つ一つ先にあなたの方からお問いになつて、あとから……、先に証人の方の御意見を全部聽いて見る、その方がいいと思います。
#40
○委員長(塚本重藏君) 尚あとに繰返して足らない点があつたらもう一辺飜つてお尋ね願うことにいたします。続いて、次に社会事業は國民の社会福祉の増進のために公私が協力して奉仕する事業と思うのでありますが、この專門部内の一環として例えばこの民生委員、兒童委員、少年保護司、兒童福祉司、こういつたような專門のそれぞれ委員なり仕事をなさる方があるわけでありますが、こうした專門的な分類並びにその活動というものが適切に行われておるとお考えになつておられますか、もう少し外に何か考えらるべき余地はなかろうか、こういうことも私共は考えるわけでございますが、その点に関しまする御意見を承わりたいと思います。
#41
○證人(松島正儀君) 主として委員制度の問題のように伺いますけれども、委員制度をみんな集めて一本にした方がいいという考え方も一時ございましたけれども、やはりその種別に從つて、つまりその相手とする問題に從つて分けられることの方が結局幸福を増進するという点に徹底すると、そういう意味から分けられて発達をしかけておるこの委員制度というものを私は贊成をいたします。民生委員の制度は現在贊成でございます。日本の現状といたしましてはいろいろ問題はございましても、とにかく非常に力強い制度だと考えております。兒童委員がこれに併せられておるのでございますけれども、日本の現状からは他に人口問題等がありまして、子供の出生その他にいろいろ研究をし実践せらるべき問題はありましても、とにかく生まれて参つておりますそれらの子供達を中心にして考えられる問題は、殊に日本の再建というような問題とも結び付き、特に日本が今後考えなければならない大きな問題の焦点でございますので、そういう意味で兒童委員の存在は必要だと考えます。ただ兒童委員が今民生委員に併されておりまして、兒童委員本來の機能を一向発揮しない、あつてもないようなもので力を出していない、こういう点に私共は聊か不滿を持つております。これは子供達のためにどうしてもより近い子供のことを常に考えて、專門に從事し得る委員制度がもう少し日本に今この際取り上げられていいと思うのでございまして、これは民生委員も兼ねない兒童委員というものを急速に、又余り國民の税金を使わないでやる方法は幾らでもあると思いますので、そういう点に考慮が必要だと考えております。少年保護司は、これは余りにも現在力がない、これは先の兒童委員の問題と関連をいたしまして、少年の犯罪は國家的な事情に基いて増大の一途を辿つておりまして、これに対する專門の職としましての保護司はあるけれども、この保護司の数が如何にも少くて、又少年保護司本來の立場を與えていない、そのことのために少年保護司という名前を知つている人が極めて少いし、少年保護司を置くに至つておる本來の機能はちつとも発揮されていない現状では、やはり少年の犯罪若しくは防犯というような問題を特に取り上げて行くために、こういうものが必要じやないかと思います。兒童福祉司の点でございますけれども、兒童福祉司は子供の問題についての專門的のケース・ワーカーということで踏み出したわけでございますけれども、これは行政的にいろいろの問題があるということで、細かいことを申上げることはできませんけれども、各都道府縣の民生部というものが兒童福祉司を活用していないという嫌いがあるように考えられます。もう少しこれを活用しますれば、非常に少い人間ですけれども、兒童福祉の増進には可なり役に立つ制度だと考えます。この程度に分けられておることは現状では、終戰後の諸事情を含む日本の現状では私は止むを得ない、又必要だという考えを持つております。
#42
○委員長(塚本重藏君) 磯村さん、どうぞ。
#43
○證人(磯村英一君) 私はこの今の問題の民生委員制度は遺憾ながら少し考え直しを願うので適当じやないかと考えております。それは現在の民生委員は形の上では名誉職でございまして、市町村長の補助者ということになつておりますけれども、実質的には非常に過重な仕事をいたしております。從いましてこのままでありましたならば、仕事の運営が不十分であるばかりでなく、又こういつたような過重な仕事に最も適当である社会事業に適当な方々がこの仕事に携わることが段々に少くなつて行くのじやないかという氣もいたします。從いまして民生委員、或いは兒童委員もそうなんでございまするが、こういう名のつく方は、本当の意見を言われる程度のものにいたしまして、数も必ずしもそう多くなくてもよろしいと思います。そうしてこの民生委員を補助いたしますいわゆるケース・ワーカーと申しますが、專門の生活保護法を実施したり、或いは兒童福祉法を実施する、そういつたような專門の人々を養成されまして、或いは市町村の職員の中でもそういうものは特に社会事業の專門家として民生委員の本当の仕事を担当する、そういう專門家を置くように一つ現在の法律を御改正願う方が、今後のいろいろな社会情勢が変化して参ります場合に対処する最も必要なことではないかと、こういうふうに考えております。一言附加えますると、現状においては社会情勢の変動に伴いまして、政治的ないろいろの関係が現在の民生委員制度或いは兒童委員制度の動き等について生ずることを、社会事業の公平な立場における発展というものについていろいろ危惧をしますので、私はそういうように考えます。
#44
○委員長(塚本重藏君) 次に、この社会福祉行政の活動が中央、地方公共團体共に適切に行われておるとお認めなさつておられますか。そういうふうに行政活動というものは不十分であるとか、尚こういうふうにしなければならないというような行政活動面に対する見方なり御意見なりを承わりたいと思うのでありますが、この問題を一つ磯村さんから先にお願いいたしたいと思います。
#45
○證人(磯村英一君) 只今の御質問に対しましては、前に申上げましたことと関連をするのでありますが、一つの委員制度と申しますのは、現在の社会福祉行政の中核をなしておるのでありますが、この委員制度を都市と農村とを同一にした法律の下に置くということなどは、現在の社会行政において最も私は不適当な例ではないかと思うのであります。民生委員を現在のような状態に置きますることは、農村においては專門家が必ずしもそう沢山なくとも結構なんでございますが、都会のように要保護関係の事務が非常に繁雜であり、多数であり、且つ又頻多である場合におきましては、民生委員の制度それ自体が專門的にならなければならない。こういつたようなことを考えますると、社会福祉行政と申しまするか、そういつたものが都会と農村というものを同一の尺度においてこれをするということは、今日の行政面において最も不適当な現われだと考えております。それ以外に社会福祉行政がいろいろ中央なり或いは地方からの連絡調整活あるのでありますけれども、私が最初に申上げましたように、中央は飽くまでも社会事業のいつも発生し得るような状態に対しての対策をお考え願うのが適当であつて、その他の問題についてはなるべく地方なり或いは私の團体にお任せを願うというふうに持つて頂くことが適当ではないか、こういうふうに考えるのであります。
#46
○證人(松島正儀君) 福祉行政の活動が終戰後本当に民主化しておるかどうかという点で私疑問がございまして、私共が見まする範囲では、中央部においては、大体そういうような点を認められる、併し地方においては民主化の傾向というものはあつても、民主化というものがまだ徹底を欠いている嫌いが非常に多い、戰前の残滓が非常に残つている。それは一面人の問題にもかかつて來るかと思います。いわゆるこの行政の部所にある人々が社会福祉の本來の意義を掴んでいる人が少い、社会福祉の專門家が配置されておらない、國もこういう点に怠慢である、人間の義成を未だ本腰を入れてやつていられないように認められる。そのことのために社会福祉というのは只今も御意見がございましたように、いずれの部面から見ても優秀な專門家が配置せられて、初めてその能率を発揮し得るものであるにも拘らず、そういう点が現在は極めて不備である。地方においては殊にその感を深くせられる。いわゆる民主化の不徹底という点に絡んでこの点が多い。そのことのために憲法に保障するような問題が、國民の側に憲法と同じような考え方に受けられる場合が極めて少い。これは行政活動が社会福祉に関しては極めて改善されなければならん点を沢山含んでいるので、こういう点に私共は研究すると同時に、実施を期待しております。
#47
○委員長(塚本重藏君) 次に社会福祉事業は、國又は共同体の國民、市民が一体となつての共同福祉増進の活動に俟つところが多いと思うのでありますが、そのためにこの社会福祉國民運動とかいうものが組織的に盛上つて來、且つそれを恒久的に発展せしめることが必要だと考えるのですが、そういう組織と運動とを盛んにするための特別な御意見が承りたいのであります。
#48
○證人(松島正儀君) これは社会事業に関する基本的な根拠を持つ一つの考え方をやはり國がお纒めを頂きまして、その考え方を國民に徹底を一面する問題を進めて行くことが必要であろうと思うのです。從つて第二番でございましたか、その考え方を進めて参りますには、この中央、地方にその機能を持つた組織として進められる協会等がこういう問題につきまして、常時國民の関心を高めつつ、而もそういうふうな組織の結成、助長を促して行く。こういうふうな点にまで力を持ち得るようになればいいのではないか。自発的に、起きようとする問題の前に、やはり國民がその考え方を承認するように仕向けられておらなければいけないと思うのでございますけれども、そういう意味においては、社会事業の委員会、そういうものが組織立てられて、その組織を通じて只今申上げますような問題が國民の前に常に用意されて行く方向が取上げられなければいけない、こえいうふうに思います。
#49
○證人(磯村英一君) 私は端的に申上げますが、この問題に直接関連いたしますかどうか分りませんでございますけれども、例えば現在中央、地方でやつておりまする社会事業協会、共同募金委員会、それから民生委員の連盟、この三つの機能を取つて見ましても、果してこういつたようなものが別々になつていていいかどうかということについては相当考える余地がある。現に共同募金委員会のごときは昨年発足したのでございますが、東京におきましても相当の組織を持ち、その経費等も決して軽視できない私は問題だと思うのであります。こういつたようなことが、若し社会事業協会というものが本当に公私、と申しますが、そういつたような社会事業の本当の共同体であるならば、その一つの部門として協力し募金をいたし、その配分に対して社会事業協会が十分な調査、発言を持つということが、これは社会事業協会の一つの本來の使命である。この共同募金の仕事を外に置いておる現状というものは私は異例の形だと思います。と同時に民生委員の方々はこの募金に対して非常な協力をしておられます。こういつたような面からいたしましても、こういつた三者の機能というものが一つ一体になつてやられるようなことになりましたならば、私は日本の社会事業はもつと強く世の中に力をいたすことができるんじやないか、こういうふうに考えております。
#50
○委員長(塚本重藏君) この問題について松島証人にもう一度お伺いいたしますが、この社会事業委員会というようなものがあつて、そこで一つの具体的な方策を考え、それを國民に承認せしめ、且つ徹底せしめるようなふうに進めて行くことが必要だというような御意見も拜聽したのでありますが、そのことのために何と言いますか、そういう國民運動を活発ならしむるための一つの方策というようなものを作り上げ、且つそれが推進團体となるものとして、今ありまする社会事業協会であるとか、民生委員連盟であるとかいつたようなものに、そういう仕事を既存のそういう團体に併せやらせるべきであるとお考えになりますか、別個にそういう強力な何かここに更にまあ國会の力なども加えた強力な委員会を持つ必要があるとお考えになりましようか、お伺いいたします。
#51
○證人(松島正儀君) 社会事業委員会とその運動の進推をいたして参りまする組織体とは私別に考えておりまして、その組織体が現存する日社及び全民連でそのまま用が足れりとのみは言い切れないと思います。從つて先程來出ておりまする各種の問題、なかんずく委員制度の問題等を勘案いたしまして、今後に考えられるその組織体は過去のものをそのまま採入れるという意味でございませんのです。
#52
○委員長(塚本重藏君) 次にこの社会福祉事業の從事者ですが、この從事者の養成、それから訓練、指導、そういつたような面について御意見を承りたいと思います。
#53
○證人(松島正儀君) 民主化せられたる社会事業に從事する人々というものは、過去の社会事業の從事者とは、かかる意味においては全く違つた観点に立つた働きを持たるべきだと考えます。そういう意味では社会事業に現に從事しておる人々に再教育、訓練等の必要のあるのは申上げるまでもないと思いますけれども、新らしい従事者の養成の問題では、例えば兒童福祉法ができまして、子供の関係につきましては、或る程度人の問題がはつきり資格と共に養成の処置が一部でございますけれども講じられております。併しこれは事業全体から見ますというと、ほんの一部でございますので、経営の責任者或いは主任者、又指導員と言いますか、そういうふうな向き向きに從つてもつと大量の養成機関の整備が必要だと考えます。ただここで現在日本に社会事業学校というものができておりますけれども、從事者養成の基本的な問題といたしまして、全部そこで專門的に長い期間築き上るか、それとも各大学の課程を終つた人々に、つまり一般教養も同時に持つておる人々の上に社会福祉の基本観念を新たに学んで頂いて、專門家として配置するようにした方がいいか、私にも未だ決しかねますけれども、僅かの間の、最近の経驗その他を総合いたして申上げますならば、社会事業協会等において経営する学校の類は、より圧縮された專門家の養成という方向が堅持せられていいのだと思います。金のないのにいわゆる新らしい意味での六・三制の教育を終つた上に大学課程のようなものを考えて、届かない費用や手で無理に仕上げて行きますと、一般の大学課程で終つた人間より中味が貧弱のようになる憂いがございますので、かかる危險を冐さないことの方が賢明のように考えております。これは新らしい從事者の養成についての問題でございます。
#54
○證人(磯村英一君) 私は自分の仕事に関連いたしまして、特に公の社会事業に從事する方々は、必ず若干の再教育の期間を持つてその仕事に携わるのが適当だと考えております。その意味で実は今度都立の総合大学ができるのでありますが、その一部に社会事業方面の講座を置いて貰いまして、若干の期間、関係の職員の再教育を考えましたのでありますが、先般厚生省の方から日本社会事業專門学校の方に講習料というものを置いて、関係の府縣の者の再教育をしたいということでございましたので、まあそちらでできますのでございましたらば、そういう方面でお役に立てば結構だと思いますので、取敢ずその講習料というような方面に現在関係しております職員の若干を送りまして、再教育をいたす考えでおりますが、そういつたようなことはすべての公の考えにおいても、やはり公の社会事業に通じて行わるべきだろうというふうに考えておりますので、こういつたような制度が全國的に何らかの形で、地方の大学なり、或いは專門学校を利用して資格を得るようにいたしますことが、社会事業のために適切なことであるとこういうふうに思います。
#55
○委員長(塚本重藏君) 次にこの社会事業の從事者の処遇の問題でありますが、民生委員なり兒童委員なり、或いは少年保護司、兒童福祉司、そういつた人達の処遇問題等につきまして、いろいろな意見があるわけであります。この人々の処遇に関しまする証人の意見をお聽きしたいと思います。
#56
○證人(松島正儀君) 今委員長のおつしやいました委員制度に対する委員諸君の処遇につきましては、どの程度のことが本当か私はここでよく申上げかねます。ただ委員制度とは別個に、別の專門家の配置が欲しいという先程の磯村証人の意見には私も全く同感でありまして、その問題と別に一般ののこ民間の社会事業從事者の処遇、これは最近各種の法規が整備されまして、法規に基いて委託の形式で進められている事業の数が非常に多くなつておりまして、社会事業の現状におきましての対象の数も、又現場自体の数も、数の上から観察いたしましたならば絶対に民間が多数を占めております。從つて從事者の問題というものは、單に一部の專門家の待遇、処遇という点だけでなしに、かかる民間の各業種別に從事せられる從事者諸君の問題も含めて考えることが適当と考えます。その從事者諸君の処遇は、現在までは勿論お話にならないくらい非常に惡いのでございますけれども、今後ただ考え方が、私は國民と共に訂正せられるべき問題があると思うのです。その考え方が訂正せられない限りは從事者の処遇の問題は依然として解決しないと、こう考えております。その考え方と申しますのは、優秀なる從事者を現場には配置が必要である。その優秀なる職員諸君には、先ず基本といたしまして最小限度の生活を維持するに足るだけのものが一應準備せられて事業が進められなければいけない、こういうふうな形を含めて事業を進めますと、新聞にたびたび出て参りますような悲しむべき結果が國民の前に晒け出される。これは國民と共に嘆かなければならない実情でございますけれども、これらの問題をよく考えて見ますと、從事者に対する処遇という点についていずれも不徹底である。どちらの場合でも不徹底である。そういう点を非常に遺憾に考えておる一人でございますので、從事者の処遇という点は、そういう意味では養成機関の整備と共に、養成せられたる優秀なる人を現場で能率を挙げさせ得るところの対策が併せて取られなければ、全体としての機能を果し得ない。從つて只でサービスをする人が社会事業從事者であるというふうな考え方をのみ堅持するような風潮がございますことは、この際訂正をいたしまして、立派な專門の職業としての面をも國民が寛大にこれを受入れることが必要である。そういう点が不備だと考えております。
#57
○證人(磯村英一君) 私はこの社会事業從事者の処遇は二つに分れておると思います。一つは、民生委員或いはそういつたような名誉職にあられる方と、それから專門の方と二つになると思います。この名誉職にあられる方は、私は実際奉仕というような氣持でなさつておられる立場も多いだろうと思いますので、この面に対する社会的な、もう少し特別なこの方々に対する処遇というものが何らかの形において具体化される必要があるのではないか、その意味においては或いは一般の文化のごときものにおいては文化賞というようなことが考えられておるのでございますが、國会なり、或いは政府において社会事業に何した功労賞的な名称を適当にお考え願いまして、そういうものを毎年若干の方に贈るような方法を講じて、その具体的なる案としては、例えば一年なり若干の期間は鉄道を無料にでもして上げるというようなことも考えまして、この社会的な地位というものを具体的なことによつて少し表彰して頂くことが適当ではないか、こういうふうに思います。それから一般の從事者の問題につきましては、これは必ずしも特殊な何がございませんが、併し社会事業の中でも或いは保姆であられるとか、そういつたような非常に過激な勤務をすめために体を害う、こういつた向きが多いのでございまするので、できますれば、適当な地方にそういつたような社会事業從事者專門の病院であるとか、或いは保養所といつたようなものを特殊な形において御研究を願うということも必要ではないかと、こういうふうに考えております。その他の処遇は公の職員に関しましては、公務員の一般に準じ、民間の施設の從事者についてはやはり公の從事員以上の待遇を考えるべきだ、こういうふうに考えております。
#58
○委員長(塚本重藏君) 次に社会事業遂行のために法律、その他による公共の費用以外いろいろ沢山な資金を必要とするのでありますが、その資金をどういう資金によるべきであるか、今では共同募金というものが一昨年から行われておるわけでありますが、これを強力に一本に進めて行くのがいいのか、他に何らかの方途を講ずべきであるか、それから併せて今日日赤の代表者の方から憲法八十九條でありましたか、あれを是正すべきである。少なくともあれの適用解釈を是正すべきであるというような意見も出ておるのでありますが、この社会福祉事業遂行のための資金に関する点についての御意見をお伺いしたいと思います。
#59
○證人(松島正儀君) 共同募金は、社会事業の資金の問題としましては、私は非常に自力な一つの運命で、今後も進めるべきだと思います。ただ現在まで行われた共同募金は必ずしも正しくはないと考えております。と申しますのは、憲法によつて國が最低生活を保障する問題のうち、社会福祉事業の対象となつたそれらの人々に関する最低生活の保障という問題は、一般の中から特に取上げられたる最後の一人の生存権をも考えるまでに差し迫つた問題でありまして、それらの問題について國が十分なる保障をしないということは遺憾であると思います。例えば子供が育つて参りまするのに、町から子供を連れて來て見て参ります場合に、子供について八十円かかるのに七十円、ひどいときにも五十円しか拂わない、そういうふうなことがございますことによつて、共同募金を必要とするかのこどく考える考え方は間違いだと思います。そういう意味では國が福祉事業の対象に対しまして、憲法の條章通りに最低生活の実費を保障いたしまして、共同募金等はその上に、つまり國が準備するものとしては、飯を食わせて、着物を漸く一枚着せて、辛うじて疊の上に、雨の漏らない所に寢せるというようなことで、共同募金はそれにプラスの活動をいたしまして、これに襖を入れ、机を置いて、カバンを担がせて学校にやる、こういうような形に本來の働きが持たるべきであろうと考えます。そういう意味から募金を民間で進めることによつて、憲法に言う最低生活の保障を國が責任を常に逃がれるというふうな形がないようにせらるべきであろうと思います。從つてそういう意味で、共同募金は常に社会福祉事業の対象者にプラスになる運動をして行くという、そういう意味で考えられる運動が必要だと考えます。ただ共同募金が日本の現状では、例えば対象が殖えて増築する、或いは場所を変えて新築をする、こういう場合の臨時的なる諸費用をもこれによつて充し得るかどうかは非常に疑問がございます。辛うじて経常費の部分を賄つて行くという程度にしか日本の現状では事情が許されないように思われますので、かかる意味においては経常的な募金は共同募金で一應考え、臨時的なる諸費用につきましては、社会事業と考えられつつある社会事業基本法の中に含まれておるような、例えばああいつた金庫のごとき方法が取られまして、臨時的なる諸活動に要する費用は、一應かかる点から融資若しくは支出せられるという形が考えられなければ嘘だと思います。大体以上でございます。
#60
○證人(磯村英一君) 社会事業金庫のお話が出ましたが、この問題には触れませんですが、社会事業に対する國民の関心を一層明確にするために、特定な税收入をやはり社会事業に使うものでというふうに何らかの形で御指定願うことが適当でないかと思うのです。今回料理飲食店が在いは再開されるのではないかと思うのでありますが、こういつたような財源のうちの或る何割かは、これは社会事業のために使うのだということが明確になりますれば、そこにおのずと遊興をされる方面におきましても若干の社会事業に対する関心が湧いて來ますし、又これが支出する面においても、そこに思いをいたして何らかの関心を持つて來ると思いますので、從いまして特定な財源というものを社会事業に一つ御指定願うことが私のこの問題に関しての一つの考え方です。それから憲法による補助金云々の問題もございますが、これは相当大きな問題だと思うのでございますが、現在のようなこの問題は必ずしも日本の國内事情だけの問題ではないと考えておりまして、これは最近厚生省から公の施設は公がこれを経営する、民間に委託することは不適当だというような御意見が出るやに承知いたしております。こうなつて参りますると、この資金の面におけるばかりではなくて、経営の面においても公私の可なりそのところをはつきりして來ると思いますので、こういう方面につきましては一つ委員会等におかれて十分御研究の上で特別なる関係方面とも御了解を得て頂いたらばと考えております。
#61
○委員長(塚本重藏君) 以上の外にこの社会福祉の増進に関しまする尚重要なお考えがあろうかと思いますが、特定の問題に触れず証人がお考えになつておりまする御意見をお聞かせ願いたいと思います。磯村証人から……。
#62
○證人(磯村英一君) 大変突飛なことを申上げまして、甚だ恐縮なのでございますが、私が強く考えておりますので、この機会にお聽き取り願いたいと思うのでありますが、結局日本が敗戰という現実に直面いたしまして、極めて狹い土地に多数の國民が生活をするという現状は必ずや日本に大きな失業というような社会問題を招來するだろうと思いまして、これを何らかの形においてこの人口を、鬱結した人口を吐出さなければならないことにはどうしても解決できない問題でと思うのであります。如何に財源を考え、如何に制度を考えましても、これは私は不可能な問題と考えますので、これをできるかできないか分りませんけれども、突飛の考えとしてお聽き取り願いたいのでございまするが、アメリカのトルーマン大統領はその新らしい政策の一つとして、未開発資源の開発ということを新らしく揚げておるのであります。それは單に北米ばかりでなくて、両米大陸を合せまして、未開発資源の開発ということを新らしい綱領に揚げておるのでありますから、從いまして日本の移民ということが現在の情勢上不可能でございましたならば、日本の労力を若干の期間日本の國土以外において未開発資源の開発に利用できるような懇請を何らかして頂きまして、そうして適当な一年なり二年なり経ちましたならば、これが交代をするというような制度でも結構と思いますので、これは近く民間の外資導入なりその他の方法によりまして、アメリカからいろんな事業が入つて参ります。それに対する会社との契約でも事情によつては許されるのではないかと思いますので、そういう方面に一つ國会におかれまして御関心を向けて頂きまして、日本の労力を世界的な一つ面においてこれを利用する、現に御案内のごとく四十万に達しまする日本の同胞はシベリアの開発に從事しているのでありますから、これは捕虜という形かも知れませんけれども、そういう形ではなくして、別に契約という面において何からの打開の途があるのじやないかと思いますので、こういうことを一つ申上げて置きます。
 もう一つは非常にこれは小さいことでございますですが、現在未亡人の対策等につきまして、いろいろ我々も考えを持つておりますんですけれども、こういつたような問題に関連しまして、日本でいたしておりまする授産事業と申しまするこの仕事が、必ずしも特別なる関係筋の十分の了解が得られないような状態にございます。アメリカでは御存知のように内職禁止法といつたようなものもあるやに承知いたしておりまして、我々が内職をして、そうして何らか生計を保つというこの状態が先方への理解が非常に困難のように承知いたしております。從いまして当委員会等におかれまして、こういう方面の仕事が日本の生活保護にまで轉落しない状態にあるところの多数の國民というものは、この内職的な仕事によつて生活の補助をしておるということを皆樣方の國会を通じて特別な関係筋の了解を得られるように御盡力を頂きましたならば、我々として非常に幸いと思います。以上二点だけを特に申上げて置きます。
#63
○證人(松島正儀君) 只今磯村証人の御意見に関連いたしまして、大きい問題といたしましては、日本のこの狹い土地にうじようじよ住んであるというこの問題を私共はやはりどうしても考えなければならん。この問題のうち、只今國外に労働力を持つて行くというふうな点はよく分りませんけれども、現に私共の近くにおいて、家貧しくして子供が沢山いまして、正当に悩みを訴えることなく、悶々として悩みをあちらこちらにその話を傳えておる多産の貧しき人々、又いろいろの事情でこれ以上子供を必要といないというふうな考え方をはつきり固めておる人々、こういうふうな人々の問題は、やはり只今お話にございましたように、國家的に取られる人に政策というふうなものの裏に潜んでおる大きな問題だと考えております。これを社会福祉の事業で引受けることが一番、避妊制度なども日本では今普及しようといたしておりますし、いろいろな点から現段階としては止むを得ない一つの許せらるべき問題だと思います。この点を國の行政の各部署で引受けることが正しいか、それとも行政の部署では引受けられないのならば、せめて社会福祉の問題を取扱つておるその筋の認可によつてかかる問題が採上げられまして、差迫つた日本の現状においては止むを得ない一つの方法として産兒の調節、若しくは人口のいわゆる立体的な計画と申しますか、そういうふうな問題を私共が考えることが一番親切で、而も一番弊害が少なくて、而も対象を当面救済することのできる問題ではないかと思つて、私も最近頭を悩ましておる一人でございます。これは國会等におかれましても、御研究は当然あられることでございましようと思いますけれども、困つてしまつたというふうな結果だけを引受けておる立場から見ましても、如何にこの問題が最近切実なる一つの輿論の根低をなしておる問題であるかということをこの機会に申上げておきまして、御研究を願いたいと思います。これはやり方によつては、今直ぐにでもできると私は思つておるのです。参考までに附け添えますならば、例えば一つの組織体ができまして、その組織体がかかる責任と権利とを持ちまして、これを活用するに現在ございまする委員制度、主として民生委員制度が現状においては活用せられ、生活保護法がその費用的な面を受持つことが正しいかどうかは分りませんが、今直ぐやれというならば、これによつてその要求を充たして行くこともできるのではないかと思つております。もう一つ社会福祉事業が國民の前に段々大きな税金を使うということを申訳ないと思つております。何とか國民の税負担を軽くする問題、方法等に私共が考えを向け、持つていなければいけない。そういう点で税の負担を軽くする、これは先程磯村証人の御意見がございましたように、目的税といいますか、別個の社会事業税を取立てることが許されれば、その範囲においては十分できる問題でございますけれども、現状において申上げますれば、税負担の範囲というものを成るべく私共が大きくしないで而も能率を上げる方法はないかという問題ですが、そういうことをまあ思つております。そういう点で官公経営の社会事業の施設と、民間経営の社会事業の施設とが、國民の税金をどのように使つておるかという問題は、もう少し数支的に檢討される必要があると思う。これは國の責任において、國家的見地において大衆の幸福は守らるべきだという考え方は、これは國民が國家と共に承認するのでございますけれども、その実践的な面におきましては、必ずしもすべてこれ官公が最後まで考えると同時に身体を動かすことが日本の現段階においては國民のためにいいのか、惡いのか、つまり税負担を軽く取扱うという方法を考えることがいいか惡いか、許すべきではないのかどうかという問題と、いま一つは今後の社会事業は過去のものと違いまして、先程も申上げますように、考え方を切替えますならば、その施設も、そこにある人も、亦國民と共に十分その成果が期待されていい、そのことのためには私は能率を尊ぶ能率第一主義というものをこの際考えなければいけない。それは國民の前には税負担を軽くするという一つの問題にも繋がつて來ておると思うのですが、そういう意味では民間的活動を最大限にこの際は活用する方向に是非しなければならない、民間人を活用するという形をできるだけ範囲を拡大してやることが刻下の危急を救う一つの方法だと考えるのでございます。これは例えば子供達の問題や、戰爭のあとに起つております問題では、母子の問題で、國が憲法に基いて考え方を基本的に國民と共に承認をいたしまして、その施設経営をするということになりました場合に、施設経営の官公における限界が今日すでに來ておるのではないか、これ以上できない、併し、対象は殖えて行く、この問題について、私共は今後いろいろな、先程憲法の八十九條のお話がございましたけれども、何とか了解を得まして、民間人を活用し、民間的機能を最大限に活かすことを特にこの際取上げなければ、当面の問題は解決できない、そういうふうに考えております。又もう一つの問題は、日本では惻後いろいろ金儲けをした人があるのですけれども、どうも儲けられた金が人によつて使い方を知らないじやないかと思うのです。つまり儲けて自分だけのために、橋の下に、又寢るところもなくて、顔の裏表も分らないような状態の子供が渦巻いていても、自分だけは料理屋に行つて遊んだり、いろいろ樂しみを持つというふうな、そういうことを國民が又許しておるということは、これはどこに責任があつて、どこにそういう原因があるか、こういう問題をまじめに考えるのは、やはり私共のところでないかと思つておるのです。そういう点をもう少しよく考えまして、例えばアメリカ初め諸外國では貧しくて教育を受けられない人々に各種の立派な財團ができておつたり、社会事業のためにも、それが相当大きな力を持つておるという形が沢山ありまして、直ぐ國の力では動けない、又いろいろな事情でできないというふうな場合にも、当面の問題には困らない、こういうふうなことができているようでございますけれども、もう少しうまく金を國民のために活かすというような考え方を國民の現在上層部に徹底する方法はないか。これはその消費さるべき方向は何と言つても社会事業及び國民の福祉の増進の面に活かす、こういうことが一番いいと思つておりますけれども、一番不徹底のように日本では考えられておる、こういう点を非常に残念に感じておるのでございます。
#64
○證人(磯村英一君) 松島さんの御意見に反対するわけではございませんが、これは現実に経験しておりますので申上げます。民間の社会事業が盛んに御活動願うという点におきましては、松島証人と同樣でございます。併し最近税金の徴收に伴いまして、社会事業團体となりますると、税金がかからないのであります。從いまして財團法人、社團法人なりの名を借りまして、社会事業法、生活保護法、それから兒童福祉法の適用を申請して参ります向が恐らく日に数件ございます。殆んどこの大部分のものは私共の方で調べまして、御再考を願う向が多いのでございますが、そういつたような方面につきまして、私共のような役所関係だけで審査いたすということは必ずしも適当ではないと思いますが、或いは社会事業協会なり、その他の民間の團体の関係を何してやりたいとは考えておりますが、いずれにしても、社会事業という美しい名の下にすべてが現状におきましてよく行つておるということは必ずしもそう思われない例がすでに出ておりまして、私共といたしましては、誠に残念に思つておるのでございますが、こういう一面もございますということを一つこの機会におきましてお耳に入れさして頂きたい、こういうふうに思つております。
#65
○委員長(塚本重藏君) 大変有益な御証言を得まして、非常に嬉しう存じました。尚これらの問題に関して委員各位からのお尋ねがありましたら願いたいと思います。
#66
○中平常太郎君 時間も何ですから極めて簡單に、松島証人に二つだけちよつとお尋ねしたいと思いますが、社会事業從事業の処遇問題のときにお話になりました、優秀なる人を配置して最低生活の確保ということの必要があるというお話は、御尤もであると思いますが、現在におきましては不完全な者が各種の社会事業に從事しておる、その從事者の処遇問題が極めて遍迫いたしております。それが外の從事者と同じ程度の待遇が直ちに與えられなければならないのに拘らず、それが悉く人格的にではありますが、隠忍されておりますのと、それから相手の方からそれに対して積極的に処遇問題を改正して呉れるという團体がないからして、その儘でやつておられるのは誠に同情に堪えないのであります。先程証人のお話になりましたのは、優秀なる人を配置せしめて最低生活ということでありましたが、その現在の從事者の処遇問題に関してのお考えを聽きたい。もう一つは、あなたの從事されております社会事業学校が、大変立派にやつておられますが、ただ二つだけでは決して日本の民間社会事業或いはその方面の発達は期し得られないと思うのでありますが、この増設問題、例えてみれば九州にも四國にも北海道にもというふうに増設問題についてのお考えがあるかないか。それから程度は、今の專門部で講習、講座を別に開くというお話がありましたが、これは誠に結構でありますから、それはその通りでいいのですが、今の拡張問題ですね、現在の急に應じるための社会事業從事者の專門教育の学校の拡張問題、これに対するお考えをお伺いいたします。
#67
○證人(松島正儀君) 現在の社会事業從事者の現にそこにある人の待遇の問題、主としてこれは民間の立場の方でいらつしやいますが、兒童福祉法の関係はつまり助産から始まりまして、九つの種別施設、それらにつきましては福祉法によりまして、人件費を含む事務費が現在支拂われておりまする中に一應基準がございまして、その基準によつてなされておる。こういうことに形式的には考えられておるのです。けれども実際に各施設から数字を取つて見ますと、そうなつていませんで、極めて低いのであります。場所によつては殆どもう本人にはお金を渡すことがない、こんなふうになつておるところもあるようであります。けれどもこれはやはり本人が現に子供なり母子なり、その生活の中に入つて食べておる食事代……細かく申しますというとその食事代は当然支給されておるわけです。更にその上に税金、それから諸掛金、そういうものを現に負担することが必要なのでございますけれども、そういうふうなものの程度、つまり食費と諸掛金と、その上に團体によつて事情が違いましようけれども、千円乃至二千円なりの自分自身の小遣いに相当せらるべき金額、このくらいのものだけは私は今でもどうにかして支拂われるということが実際には必要だ、是非そうされなければならない。これは若し支拂つておらなければ法規の関係において認可を得ておるものは一面違法とも言えるのでございます。ですから旧來の禎会事業法その他の関係で、残つておる施設等はまだ強く考えることはできませんけれども、併しこの程度までにどうしてもして上げなければいけないものと私は信じます。
 第二番目の社会事業学校の増設についての問題でございますが、これはさつきもちよつと触れましたけれども、現在営んでおる社会事業学校の形をそのまま各地区に殖やそうと思うと、無理があるのじやないか。併し多少さつき申上げるような形に変えまして、もう少し一般教養学科を修めた者に專門科目を入れる、こういうふうな形の程度でございましたならば、おつしやるように各府縣の協会等が幾らか援助、協力をいたしましたならば、そう困難ではなくできるのじやないか。これも先生方の組合わせの問題もございますけれども、まあ先生方が暫くの間育てる氣持で幾分のサービスを持つて下されば、そう困難ではないのじやないか。從つて東京、大阪だけでとても駄目だ、おつしやるように少くとももうあと二三個所くらいの増設が必要だというお考え方は私は大賛成で、できればそういうふうにいたしたいというふうに感じております。ただその際に非常に氣をつけなければいけないことは、社会事業の專門職員としては、余高く考えておりますので、程度が下らないように、その問題の調整が中央においてなされることが必要だということを考えております。
#68
○井上なつゑ君 社会事業の能率を挙げるという方法につきましておつしやられましたけれども、現在の社会事業家の活動と申しますか、社会事業團体の相互の連絡と申しましようか、これを見ましたときに、いろいろな会合もやつておられるでございましようけれども、さて小さい個々の問題になりますと、連絡と申しますか、そういう点が欠けておるのじやないかと存ずるのでございますけれども、これはこれまでの社会事業團体の成長と言いましようか、そうしたこともございましようし、只今おつしやいましたように、國民に社会事業の観念がまだはつきりしないところもございましようと思いますけれども、能率を挙げますについてのそういつた本当の何と申しましようか、連絡を取つて行くにはどういうふうにしたらよろしいのでございましようか、御意見を伺いたいと思います。
#69
○證人(松島正儀君) これは現状から申上げますと、そういう專門機関として日本社会事業協会なるものがございますけれども、日本社会事業協会の形は極めて漢としておりまして、まだ只今のお話のように、例えば或る連れてきた一人の子供を、その肉体と精神とを向う一ケ月間に或る段階に戻す、こういうふうな具体的な問題で話を進めて参ります場合、つまり旧來半年ぐらいかかつた問題を一ケ月くらいで或る程度の能率を挙げる、こういう問題かと思いますけれども、それには本当は中共地方を通じてそういつた協会の活動がもつといわば業種別に、例えば子供の問題は子供の問題、子供のうちでも或いは養護施設とか乳兒院とか、保育所、そういうふうに更に業種別に分科的な連絡会が設けられて、その分科的に設けられる連絡会は同時に研究発表をも具体的になし得る力を各地方で持つておりまして、それが中央に繋つておる、中央でそれらの各分科別にあるものを全的に統一をして考える、こういうようなことになれば、理想的だと私共は考えております。ところが現状では半身不随でまだそこまで行つておりませんと思います。
#70
○井上なつゑ君 それから、それではもう一つお伺いいたしますが、婦人と社会事業の問題でございますが、外國では、英國あたりでは婦人の社会事業家が非常に尊ばれております。レディー・アルマナーズと申しまして、非常に尊ばれておりますのでございますが、社会事業の現場に働く人は、只今の日本の婦人の教育の程度では滿足でございませんか、滿足でございますか分りませんが、將來は日本の婦人もそうした方面に進出する可能性があるとお思いになりますか、お尋ねいたしたいと思います。
#71
○證人(松島正儀君) 東京都下におきまする具体的な実例を御参考に一つ申上げますと、例えば問題でございました子供達は只今約七十ケ所の收容施設に四千五百人收容されております。けれどもその手になつておるのは七〇%まで婦人でございます。そういう意味においては、婦人の從事者が、婦人並びに兒童の面、つまり母子を含む兒童に関する面におきましては、絶対に大多数でございましようと思います。現状においてはすでにはつきりそうなつております。まあ対象が殖えまして、一挙にそういうふうにやはり手も殖えて参りましたので、勿論專門家がまだ少いことは事実でございますけれども、併し東京都下におかれましては、実際にほぼ認定講習をもうすでに一回、二回を終られ、又ほぼ試驗を終られまして、專門家としての有資格者としてすでに配置に入つたのでございます。ですからもう少し時間を借せば可なり婦人の本当の意味の有資格者として、而も專門家である人々が出て來ると思います。
#72
○井上なつゑ君 もう一つお伺いいたしますが、今度は子供と社会事業のことをお伺いしたいんでございますが、日本の現状におきまして、社会事業が、もうどなたもみんななさいますのでございますけれども、その割に効果を挙げ得ないということは、これまでの日本國民の教育の欠陷ではないかと思いますのでございますが、それであちらの、アメリカの御婦人なんかの子供さんを連れて病院なんかへ來られますのを見ていますと、これは私共北海道を視察しら参りましたときでございますが、北海道の天主病院に三十何人かの孤兒が入つております。そこへアメリカの將校の奧さんが七つくらいの子供を連れて來て、そうしてその子供さんが持つて來ましたのは、赤ちやんのウエフアースと赤ちやん用の石鹸とか着物を二、三枚持つて來て、子供さんに見舞をさせております。自分達は親があつて豊かにしておるから、そうした親のない子供を見舞つて上げなさいというふうに、本当に本で習わせるのでなしに、実地の教育をしておられるのを見て、実際感じ入つたのでございますが、こうした社会事業なんかのことも、形式的に習つたのでは、恐らくこれは今日の日本のような形式的な社会事業になつてしまいますので、個人個人が本当の心の愛の現れと申しましようか、奉仕の現れを持つように子供のときから、子供に対して教育することが必要じやないかと思いますが、これはどういうふうにして行つたらよろしうございますが、御意見がおありでしたら伺いたいと思います。
#73
○證人(松島正儀君) 母親クラブといいますか、具体的にやはり全國各地域の事情に應じて、やはり人が寄らなければ具体的に徹底して行かないのじやないかと思います。そういう意味ではこれから許される範囲で、余りお金をかけないで具体的に進める一つの問題としましては、母親クラブのごときものを通じまして進めて行くことが具体的にいい方法じやないかと考えます。もう一つは社会事業協会等が各地域にこの組織ができました場合に、組織の責任者、主任者等に簡單な虎の巻を送るといいますか、こういうものは日本では不備だと思います。極く簡單なそれらの責任者が、つまり必ずしも專門家がそれは得られませんので、民衆の協力を図るという形が一番やはり全國的にはいいと思いますので、それらの民衆的な一つの動きの中心になる人及び補助者等に簡單にそれらの問題を進めて行くのも、虎の巻を、つまり問題のポイントを書いたものなどを協会等がうまく送り届けて上げる、そういうふうな問題が非常に欠けていたのではないか、そういうものがありましたらば、どのお母さんが代つて下さいましても要点だけは落さないで、而も農山漁村、どの地域にも問題が徹底しまして、お互いに相寄り相助けるというふうなことが自然に溶け込んで行くじやないか、そういうふうに考えております。
#74
○姫井伊介君 松島証人にお尋ねいたします。中央の機関ですが、現在の團体にこだわらないで理想的な中央團体を拵えるとするならば、その種目はどういうふうな大別すべきか、ただ一本で行くのか、或いはこの部面とこの部面とは二本にすべきものであるかということ、又その場合に、その團体には経済力を持たせるのがよいのか惡いのか、例えば社会事業基金というものはそういう團体に扱わすべきか、或いは全く別途にすべきものか、或いは共同募金はどうするか、更に施設の最低基準に合致するためのいろいろの所要物資、そういうふうな物資斡旋の力までもその團体に持たせるのがよいのか惡いのか、先ずこの点をお伺いいたします。
#75
○證人(松島正儀君) これはもう兒童福祉を、特に旧來の社会事業協会といつておるものの中から拔き出してやつたらいいというふうな考え方も一部にはございますけれども、やはり從來言つておる兒童、又その兒童に加えられるいい意味の兒童福祉事業も含めて私は一つの團体でできると思つております。ですから一般社会事業と、最近兒童福祉を中心にして考えられておる兒童の福祉に関する各種の事業とは、やはれ兼ねてできる、それは特に分けなければならないというふうには考えておりません。経済力の点は持つた方が私はいいと思います。これは共同募金とは別の意味でやはり持つことの方が活動が盛んにできる、そういう意味で現在ある少しばかり残つておる基金を持つておる團体等は全部その中に入れて、幾らか経済力を現在より充たすという考え方は承認されていいんじやないかと思います。
#76
○姫井伊介君 次にお尋ねしますのは、委員制度ですが、民生委員と兒童委員とはむしろ別にした方がいいじやないかという氣がしますが、兒童委員たるに適格者を持つて來る。そういう場合に、一方少年保護司との関係ですが、若し民生委員と分隣して殆んど專門的な兒童委員ができるとするならば、それと今度は少年保護司とが、防犯問題についての仕事をする委員とは兼ねてもいいのか、これはやはり別にした方がいいのかお伺いします。
#77
○證人(松島正儀君) その点、省が二つに跨がるといいますか、厚生省で、一つは内務省である。こういうふうな点が具体的に困難な問題であると思いますが、今お話のような專門の兒童委員というものができる場合には、私は含めてもいいのじやないかと思います。
#78
○姫井伊介君 その次は、最初の問題に触れるのですが、社会福祉施設を計画的にやる場合に、思想的な立場としては、それはブルジヨア・デモクラシーの考え方でやつて行くものと、それからソシアル・デモクラシーの立場で考えて行く場合と、氣持は無論違いますが、現段階においては形は殆んど似て來るのじやないか。將來の行き方としてはどつちへ行くべきものかということなんですが、これは私の考えですが、純社会事業家の立場として考えるのには、どつちの立場に立つた考える方が本当に國際的にも繋がる立派な社会事業というものが組織付けられるか、伺います。
#79
○證人(松島正儀君) 私はやはりソシアルの方を採りますけれども、まあ國際的な方面の繋がりということを最後に附加えられますと、大変話がむずかしいのでありますけれども、先のブルジヨア的なという考え方は、やはり今後の社会福祉事業には大衆性を持ち得ないのじやないかというふうに思います。
#80
○姫井伊介君 磯村証人にちよつとお尋ねいたしますが、社会福祉のための國民運動を恒久的な組織にして行き、又それの運動を活発にするというさつき委員長の質問がありましたが、それに即してでありますが、御承知の青少年の赤十字の組織と運動とがありますね。これにもつと、現在でも社会的の精神と奉仕観念は注ぎ込んでありましようが、よりよく我々の念願する社会福祉的の観念をそれに注ぎ込んで、そうして將來の國民運動の前衞体とする、從つてそれが又大きくなつて初めてそれが國民運動の本体となるのである。今出発点としてこれを盛り立てて行くということにつきましての御意見は如何でございましようか。
#81
○證人(磯村英一君) 青少年に社会事業を理解させまするために、赤十字の組織をお持ちになるということにつきましては、私は全面的に賛成をいたします。先程も申上げましたのですが、公の社会事業はさりながら、民間社会事業は何らかの形におきまして、宗教的な背景を持つているというのは適当じやないかと申上げましたのですが、若し宗教的な背景がない場合の社会事業を考えました場合においては、國際的な面からいたしまして、この赤十字というものはもつとそういう面で積極的にお働き願うことが最もよろしいのじやないか、赤十字という名前の前に、我々が不公正な社会事業を考えることは、恐らく誰でもできない。從いましてこういう面で、少年赤十字ばかりではなく、更にそれ以上の問題が、或いは少年少女、それから青年等もそういう方面の社会事業の、昔の戰爭時代の言葉で申しますと、挺身隊のような形で訓練をして將來関心を持つということは絶対私は賛成いたします。
#82
○姫井伊介君 もう一つお伺いしますことは、これは東京都で確か社会事業施設を整催拡充させるためとして、宝籤をおやりになつたと思いますが、それの結果はどうでありますか。又どういうふうにそれを御活用になつたかという点について……。
#83
○證人(磯村英一君) 宝籤を社会事業に利用いたしましたのは三回でございまして、第一回は浮浪兒、浮浪者の施設を拡充いたしますために、約四千万円程度募集しまして、但し四千万円程度募集いたしますると、実際施設に金が入つて参りますのはその半分以下であります。或いは政府の税金的な形で取られ、景品等になりますものですから、一千五、六百万円であります。これはそのまま賣れておりまして、成績はよろしゆうございます。第二回は、浴場の問題を中心にいたしておりまして、これもやはり四千万円程度にいたしまして、これも一〇〇%賣れてしまいまして、十数ケ所の浴場を建設をいたしております。近く第三回を、その間に学校の教室のために二回程いたしておりますが、第三回は近く五月から始めまして、これは六千万円程度賣りたいと考えておりますが、現実に金が入りますのは、やはり三千万円以下になるのであります。これは引揚援護と子供の施設に使いたいと考えておりまして、五月上旬から一ケ月間賣出したいと考えておりまして、現在までにこういつた社会教育施設方面の宝籤といたしましては、賣り残りというのはございませんで、成功いたしております。
#84
○姫井伊介君 その賣出しにつきまして、自由賣出しもありましようが、或いは各戸に割当的な方法をお採りになりましたかどうか。
#85
○證人(磯村英一君) 自由賣りでありまして、割当はいたしておりません。
#86
○委員長(塚本重藏君) 外にお尋ねは……。この機会に、午前中各種團体の代表が説明員としてお述べ下さいました代表の方々の中に尚残つておられる方がありますから、これらの方にお尋ねになることはありませんか……。この程度で打切ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(塚本重藏君) それではこれを以て委員会を閉ぢますが、本日は公私御多用のうちに、私共の委員会の喚問にお出で下さいまして、誠に有難うございます。尚午前の会議におきましても、御挨拶を失念いたしておりましたが、関係諸團体の方々におかれましても、御出席を得ましたことを私共非常な幸いとするところであります。どうか今取り上げておりまする、社会事業並びにその施設の振興並びに整備という問題の結論を得ますのに、非常に多くの示唆を與えて頂きましたことは、委員会といたしまして、私共といたしまして、本当に感謝に堪えません。この機会に厚くお礼を申上げます次第でありますが、尚どうぞ一層各位におかれましては、我が國社会事業の、厚生事業のますます隆盛ならしむることのために、一段と御奮励下さいますことを切にお願い申上げまして、厚く感謝して、この会を閉ぢたいと思います。有難うございました。
   午後四時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           小杉 イ子君
           井上なつゑ君
  証人
           磯村 英一君
           松島 正儀君
  説明員
   恩賜財團済生会 武井 群司君
   恩賜財團愛育会 新居善太郎君
   財團法人全國司
  法保護事業聯盟  牛込治郎吉君
   恩賜財團同胞援
   護会     櫻井安右衛門君
   社團法人日本赤
   十字社     伊藤 謹二君
   財團法人日本民
   生委員聯盟   原  泰一君
   財團法人日本社
   会事業協会   青木 秀夫君
ソース: 国立国会図書館
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