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1949/05/12 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第22号
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1949/05/12 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 厚生委員会 第22号

#1
第005回国会 厚生委員会 第22号
昭和二十四年五月十二日(木曜日)
   午後一時二十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○國立身体障害者厚生指導所設置法案
 (内閣提出)
○船員保險法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出・衆議院送付)
○連合委員会開会の件
○兒童福祉法の一部を改正する法律案
 (内閣提出・衆議院送付)
○優生保護法の一部を改正する法律案
 (谷口弥三郎君外三名発議)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) これより委員会を開会いたします。國立身体障害者更生指導所設置法案の審議を続行いたします……。國立身体障害者更生指導所設置法に対する質疑は次回にこれを留保いたします。
   ―――――・―――――
#3
○委員長(塚本重藏君) この際船員保險法等の一部を改正する法律案を議題にすることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。船員保險法等の一部を改正する法律案を議題に供します。先ず提案の説明をお伺いいたします。
#5
○政府委員(淺岡信夫君) 只今議題となりました船員保險法等の一部を改正する法律案を御審議せられるに当りまして、本法案の提案理由を御説明申上げます。
 今回の改正の主眼とする所は、漁船乘組員に対する養老年金の受給資格期間を短縮すること、漁船乘組員に対し失業保險任意脱退の途を開くこと陸上の失業保險法に対應して失業保險金の面に若干の改正を加えたこと、最近の傷病給付の状況にかんがみ幾分保險料の引上をしたこと等であります。その他健康保險法、厚生年金保險法の改正に伴い共通の事項について改正をいたそうとするのであります。これを要するに再建途上における我が國の重要産業たる海運、水産の業務に從事する海上労務者に対し船員保險をして現下の実情に即應した有効適切なる施策たらしむることを期する次第であります。
 これが、この改正法律案を本國会に提出した理由でありますが、その概要を御説明申上げます。
 第一に、標準報酬でありますが、現行におきましては、最低五百円を第一級とし、最高八千円を第三十級となつているのでありますが、最近の船員給與の実状にかんがみ、これを最低月額二千円を第一級とし、最高月額二万四千円を第十九級として、これを区分し、保險給付の適正を期するとともに、保險経済の安定を図らんといたしたのであります。
 第二に、保險給付の内容の改善につきましては、先ず漁船船員に対する養老年金制度の適正化を図つたことでありますが、これは、他の商船の船員とその労働形態を異にし、水産業が一定期間限られた産業であり、且つその労働が極めて過激のため労働力の減退が激しいこと、又これらの労働者は農漁村定住者であつて、近代化されていない実状もありますので、現行法の被保險者であつた期間十五年を資格條件とする養老年金を受けるには、著しく不利益になりますので、これを是正するため、一般船員に相当する漁船を除きまして、十年以上十五年未満の者にも養老年金を支給することといたしたのであります。その支給する年金額は、保險数理等を考え報酬の二月分に相当する額といたしたのであります。
 次に失業保險金の支給日額を陸上の失業保險と同樣にいたしました。即ち現行法においては、百分の六十の率を基準として、報酬の低いものにつきましては最高百分の八十まで逓増した率で支給し、報酬の高いものにつきましては、最低百分の四十まで逓減した率によつて支給することになつているのでありますが、実際の支給状況におきましては、平均百分の五十四・五程度にすぎないのでありますので、今回これを一律に百分の六十の率に改めて、失業保險金の実質的増額を図ることと致しますと共に、漁船乘組員の実態が、その業務が一定期間であり、且つ漁船に乘組む以外の場合は殆んど、農業に從事するとか、みずから小釣の漁業を営むのでありまして、近代労働者としての性格を具有するものが稀であり失業という実態が非常に少い実体をもつていますので、これらのものにつきましては、労働者の四分の三以上の同意を得ることによつて、失業保險から除外することと致しました。
 第三に、保險料率の改正でありますが、最近の経済情勢下におきましては、医療費及び受給率の増加等によつて、傷病給付に対する費用が著しく増高いたしましたのと、船員保險におきましては、船員の災害補償を完全に実施する関係もありまして、適正に迅速な給付をするために傷病給付の保險料率を若干引き上げたのであります。即ち、全部適用を受ける者一三・二%、失業保險金を受けない者一一・〇%、その他延滯金の額及びその計算方法につきまして、他の社会保險と同樣に國税徴收法にならつてこれを改めました。尚その外他の法令の改廃に伴いまして、法律上の事務的整備を行うこととした次第であります。
 以上船員保險法等の一部改正法律案の大要を御説明申上げたのでありますが、以とぞ速かに御審議の上可決あらんことをお願い申上げる次第であります。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(塚本重藏君) この際お諮りいたしますが、本案の審議の愼重を期しますために、運輸委員会との連合委員会を開きたいと思いますが、運輸委員会に対しまする連合委員会開催を申入れることに御異議ございませんか。
#7
○山下義信君 運輸関係者の意見を聽取しますことも相当重要だと思いますが、成るべく会期も切迫しておりますので、連合委員会の運営につきましては、簡單に一つお運びを願うように願いたいと思います。
#8
○委員長(塚本重藏君) 山下委員の御発言御尤もだと思いますが、連合委員会開催を今日直ちに開きますか。一應調査を進めてみましよう。
#9
○中平常太郎君 その点ですが、我々は今日初めてこれを見たのでありますが、相当長文で一部というけれども大分改正されているようでありますので、今このままで全く研究もしないのに、運輸委員会の方と合同審査をやつたところでどうかと思うのですが、こちらはこちらとして一應質疑を重ねて、質疑が要点に相当触れたところで、合同審査ということをやつてはどうかと思うのですがどうでしよう。初めから直ぐにこのままで運輸委員会と合同審査をするのですか。
#10
○山下義信君 中平委員の御質問御尤もと思うのであります。本員は先に連合委員会の運営について希望申上げましたのは、一應連合委員会を開いて、運輸委員側において意見のあるところを聽取して、戻つて來ていま中平委員の言うごとく、その運輸委員の意見を参考にしつつ、本格的な審議をこちらでしたらという希望を申上げたわけであります。
#11
○中平常太郎君 それなら結構です。
#12
○委員長(塚本重藏君) それでは連合委員会を開くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めて、この旨運輸委員会に申送ります。つきましては本案に対しまする審議を次回に留保いたします。
   ―――――・―――――
#14
○委員長(塚本重藏君) 次に兒童福祉法の一部を改正する法律案を議題にしてその審議を続けます。前回に引続き質疑を行います。
#15
○山下義信君 前回の残りの質疑を簡單にいたしたいと思います。前回質疑をいたしました点の残りでありますが、兒童福祉関係の運営に関しまするいろいろの系統の問題であります。大体兒童局長の御答弁では、兒童福祉司、ケース・ワーカーというものは非常に重要であるので、そこに大体重点を置きたい、こういう意向であります。この兒童福祉司の素質に関しまする資料を提供して貰いたいということも申入れておいたのでございますが、この兒童福祉司の権限が今回どのように改正せられてありますか。その点につきまして簡單に説明して頂きたいと思います。
#16
○政府委員(小島徳雄君) 法律上の権限と申す方がよろしうございますか、そういう言葉で現わすのが適当かどうかということにつきましては問題がありますけれども、今回の改正案におきましては、兒童福祉司と市町村との関係につきまして或る程度の明確なる規定を置いたらどうかという意味でその規定を設けたのであります。福祉司の任務といたすものにつきましては、從來の兒童福祉法に規定されたその線によるのでありますが、今の市町村長に関する関係につきまして、市町村長の側からと兒童福祉司の側から規定した條文を二ケ條ばかり掲げているのであります。それは主として資料の提出に関係する規定、或いは協力をしなければならん、こういうような面から市町村長の側からと兒童福祉司の側からと、両面から規定してあるのでございます。規定の條文はそこに書いてある通りであります。
#17
○山下義信君 それで市町村長と福祉司の関係でありますが、協力を市町村長に求める、それから市町村長の側では、兒童福祉司に必要な援助を求める、こういうだけのことでは、福祉司の仕事が十分にできんと思う。又市町村長としても今度は兒童福祉の問題について相当責任を負わされている。重要な兒童福祉司というものの関係が、ただこの程度のことでは不満足と思う。兒童委員に対しましては市町村長は指示をすることができるように改正案ではなつている。兒童福祉司に対して必要な援助を求めるというよりは、兒童委員と同じように福祉司に対しても必要な指示ができるように、市町村長にそれだけの指示権と申しますか、指示ができるようにした方が、市町村長としても仕事が一層できよいのではないかと考えるのでありますが、この点当局はどう考えますか。この程度の改正で福祉司の仕事は十分にでき、且つ又市町村長としても福祉司を活用といいますか、相当の指示ができるとお考えになりますか、どうですか。
#18
○政府委員(小島徳雄君) 福祉司の任務につきまする具体的な活動要領というような問題につきましては、これは法律と別個に、我々といたしましても府縣方面に指示いたしておるのであります。ただ法律的の規定といたしましては、簡單な條文で極めて簡素化されておるのでありますが、実際にこの規定に基きまする活動の要領とか運営の問題につきましては、別個に根本的の問題として府縣に対しましても指示しておるのであります。今お話しの市町村長が兒童福祉司に対して指示ができるというような規定にしたらどうかというお話しでございましたけれども、この点は現在の下におきましては、必ずしも適当というふうには我々考えていないのであります。福祉司というものが一應形式的に府縣の吏員でありますし、又活動の実際の人数からいたしましても、先般申上げましたように一郡とか一市というような相当な廣範囲を担当する関係もございますし、從つて市町村長が兒童福祉司に対して指示するというふうな行き方ではなくて、援助を求めて実際的の問題につきまして、困つた問題につきまして兒童福祉司に対して協力を求めるというふうな行き方の方が、市町村長の側といたしましても、兒童福祉司の側からいたしましても、円滑なる運営が却つてできるのじやないか、こういうふうに我々は考えておるのであります。
#19
○山下義信君 今の福祉司の運営は別途にやつておるということでありますが、よく私も存じております。その運営のつまり施行規則の一部分を今回この法律の中へ入れておる、運営の方でできるならば何も法律に入れる必要はない。現に第十三條の第二項はそのあなたの方の省令で作つておる施行規則第六條をそのまま持つて來ておるものであるということでありますから、重大だと思つて法律事項にこれをするのでありましよう。まあその協力を求めるとか資料を提供するとかというようなことは互いに助け合うというようなことで、意味はよく分るのでありますけれども、実際におきましてこの一つの制度としましては極めて曖昧であり、これは意見の相違になつて参りますが、私はこの兒童福祉司というものが、そのケース・ワーカーとして重要ならばそのケース・ワーカーを十分市町村長が活用する途を開いてやらなければならん。市町村長がこの兒童福祉法の完全な末端の事項の今回の改正のごとき相当の任務を負わせようとするならば、非常に不側であるといわなければならんと思うのであります。一体この現在の兒童福祉司の状況で、これは方の手では兒童委員というものとの連繋を持つて行かなければならん、左の手では市長村長とも連絡を持つて行かなければならない。重大であればこそ左右八方にそれだけの連絡を持たせるように今回の改正案になつておるわけであります。それだけに極めて曖昧でありますが、今日ではどれだけの兒童委員を一人の福祉司で連絡しなければならんというような状況になつておりますか。兒童委員の数が大体十二万程でしよう。そうすると兒童福祉司の数が現在としては三百七十三でありますが、数人の兒童委員を一人の福祉司が連絡をするのですか。それから兒童委員の協議会が、これはもう各市町村にある、これが一体全部で何ぼの兒童委員の協議会がありますか。これはあなたの方の運営の規則によりますと月に一回は少くとも開くという省令がある。成るべく兒童委員の協議会には是非兒童福祉司は出席するようにということで、兒童福祉司の運営をここに又指示なさつておる。一体毎月一回兒童委員の協議会に福祉司は出席ができますか。兒童委員との一体その連絡の一人当りの数、それから連議会の全國の数、そういうものと関連いたしまして、兒童委員、兒童福祉司の活動ができるお考えになつておられますが、その点どうお考えでありますか。
#20
○政府委員(小島徳雄君) 今お話の通り兒童福祉司の数は数百名ございますし、兒童委員は全國十何万名ございます。從いまして福祉司が活動する場合におきまして、兒童委員の眞の協力を得なければなかなかその目的が達せられないことはお話の通りであります。從いまして我々の氣持といたしましては、お話のように兒童福祉司は成るべくその兒童委員協議会というものに機会あれば出るように指導いたしておりますが、現在の数によりまして、すべての兒童委員協議会に出得るかということになりますれば、相当困難があることは御承知の通りであります。これは必ず常に出なければならんという意味ではございませんで、折角今兒童福祉司というものは、機会があればそういう意味におきまして兒童委員協議会に出て、そうして本來ならば各家庭を訪問してケース・ワークをしなければならない兒童福祉司が、兒童委員の力によつて小さい問題と申しまするか、兒童福祉司の力を借りなくても、解決できる問題は解決を願つて、むずかしい問題とかそういう問題につきまして兒童福祉司というものができるだけ兒童委員に協力してやる、こういう考え方であります。
#21
○山下義信君 兒童福祉司の数が非常に少いことと、それからこの職務権限といいますか、その性格が極めて曖昧でありますということと、今資料の提供を俟たなければならませんが、私共多少関係したところによりますと、素質が余りよくないということと関連いたしまして、いろいろ曖昧の点がありまして、これは十分檢討する必要があるということを申上げまして、私の兒童福祉司の質疑はこれで終りますが、尚兒童相談所と兒童福祉司の関係はどうなつておりますか。又今回の改正につきましては、その点はどう心が用いられてありますか。簡單に御答弁をして置いて頂きたいと思います。
#22
○政府委員(小島徳雄君) 兒童相談所と兒童福祉司の関係につきましては、法律的には今回の改正には規定はございません。ただ我々といたしまして、根本の方針につきましてはすでに府縣に対しまして、相談所と兒童福祉司とのやり方に関する問題につきましては、指示をいたしております。又問題のあるごとに、今度國会の提案になつておりますような、例えば他人の家に養育されておる兒童について問題がある場合にはどういうふうに図るべきか、その具体的な特に細かい問題につきましてそれぞれ指示いたしておるのであります。
#23
○山下義信君 私はこの点も極めて曖昧であるので、実際は兒童福祉司というものは殆んど兒童相談所の附属機関といつてよろしいが、兒童相談所は職員といつてよいが、そういうふうにそれは密接に連絡を保たなければなりませんが、やつておる。これは將來はつきりする必要が私はあると思う。まあ大体のことを質疑いたして置きまして、詳細のことは又各委員の御質疑があれば私は伺いたいと思うのでありますが、今度の重大な改正点の一つとして、市町村長が母子の適切な保護をいたさなければならんということが義務的になつておるのであります。これはどれだけの用意を市町村長はいたさなければならんか。又例えば母子寮や保育所がないときには他の適当な保護を加えなければならんということになつておりますが、それはどういうようなことが市町村の現状においてできるというお見込でありますか、その法の施行についての見通しについてあなたのお考えを聞いて置きたいと思います。
#24
○政府委員(小島徳雄君) 兒童福祉法の制定当時に、母子寮或いは保育所がなければこの限でない、こういうふうな規定の仕方でございます。從いまして法律の規定の形式からいうと、母子寮、保育所が市町村においては、特に法令的な措置といたしましては、何らなされなくてもいいような誤解を生じまして、いろいろその点につきましてその兒童福祉の方面から困難な問題が生じたのが相当あります。從いまして、我々といたしましては無論今日の事情におきまして、母子寮、保育所というものが十分でございません関係もございまして、從いまして母子寮、保育所がなければ、市町村といたしましては、適当な措置をしなければならんという意味におきまして、今のような規定を設けたのであります。具体的な問題として、然らばどういうことを市町村長はしたらいいかというような問題になりますと、各市町村によりまして多少事情が違うと思うのでありまするが、或いは母子寮に代るべき他の施設がある、或いは又適当な民家を以ちまして、これら母子の適当な施設をやることができますれば、その措置を講ずるというようなことをいたしまして、少くとも市町村長といたしましては、母子寮、保育所がなければ困つておる家庭があつてもそれは放任するというような、法の形式というものは改めなければならん。実際問題となりますれば相当市町村の場合におきましても、困難な場合があると思いますが、そういう規定の形式によりまして、市町村長がそれぞれその市町村内の事情に即しまして適当な保護を加える。こういうふうにした方が適当である、かような意味で改正したのであります。
#25
○山下義信君 法律の体裁は今のような義務制にちやんと直したということは、本員は大賛成である。前のような但しこの限りでないということは意味をなさない。法の体裁はそれでできたのである。実際問題として母子寮、保育所というものが殆んど不完全で、あつてないということは言うまでもございません。そういう場合に、どういう処置をするのでしようか、どういう処置を市町村は取るのでしようか。その辺の見通しをどうつけておられるかという点を聞いておるのでありますが、その点を一つ説明して頂きたいと思います。
#26
○政府委員(小島徳雄君) 例えて申しますれば、いろいろこの問題が具体的になるのでありますけれども、市町村によりましては、不用と申しますか、不用ではございませんけれども、他に活用のできるというような施設を、例えば寺院にいたしましてもその他の施設にいたしましても、かような余裕施設につきまして市町村長が努力すれば或る程度可能な方法というものが、相当市町村によつては、地元にあるというような報告を、我々は伺つておるのであります。從いましてそういうような場合におきまして、市町村長としては、それぞれその市町村の実情をよく調査いたしまして、適当なる保護を加える。こういうことは一律的な、全國的な標準ではなくて、それぞれ地方によつて実情が違いましようから、違つた実情に應しまして、適当なる保護を加えて行きたい、こういうふうなことに考えております。
#27
○山下義信君 ですからこれは意見の相違でありますから質疑はいたしませんが、ちよつと御参考までに愚案を申上げます。この母子寮、或いは保育所というものの扱い方を考慮しなくちやならんということを申上げます。寺でも何でも利用ができるから苦労は一つも要らん。そういう施設にしようとしても、実際ない場合には收容保護を加えるということができませんから、そういう場合には個人の宅でも或いは保護を加えなければならん。数家族の母子にそういうところで協同生活を奬励する。それらのそこにおるままを準母子寮或いは準保育所の扱いにしてやる。そういう融通無碍の考え方が必要である、かように思うのでありますが当局も御一考を願いたい。そういう意見を申上げておると切りがありませんが、これは大きな問題で市町村長が、これから励んでやらなければならんことになると思うのでありますが、それを要求するのです。それをやらしてこそ本当に生きるのでありますから、これは万難を排してやらなければなりませんが、そこまで市町村に仕事をさせるということになると、いろいろ市町村長の立場というものを、法においてはつきりしておいてやりませんと、相当の仕事は負わせるようにし、而して市町村長が兒童福祉法の中においてなし得る点は極めて曖昧であるということはいけないと思う。
 例えば修正案の第三十四條の二項であります。これはいろいろな施設を設置しようとする場合には、届出の義務が負わされて、知事に対して届出でなければならん。又廃止する場合も同樣である。何故こういうときに市町村長を経て届出をさせないか。保護を加えなければならん仕事は市町村長に負わせておいて、今度いろいろ施設を作つたりするような場合においては、市町村長をおつぱなして、直接知事に届出をするということは面白くない。必ずこれは市町村長を経て届出をさすということを、設置の場合にも廃止の場合にもさすのが、至当ではないかと思う。この点どう考えますか。
#28
○政府委員(小島徳雄君) これはお説の通りでございまして、法律には、命令の定めるところにより、その府縣に届出でなければならんと規定いたしてありまして、命令によりまして市町村長を経て届出るように、或いは届出の樣式はこういうふうにするということを命令で定める……
#29
○山下義信君 それならば了承いたします。続いて第四項ですが、施設の運営について不備なところがあつたときは、縣の吏員が行つて、兒童の福祉に欠けるところがあると認めるときは、その施設の設置者に対し、必要な改善を命ずることができるということになつておる。これは重大な規定です。いつもこういう場合においては、臨檢檢査と同じようにいろいろ改善を加えることになると思う。末端の事務吏員などが行過ぎということのないようにといい非常な注意を立法のときに加えるのですが、こういう場合でも一体この所在地の市町村との関係は、施設のある市町村との関係は、何もしないでいきなり縣の吏員が、その施設に改善を命じたりいたしますが、これは市町村内にあります施設と、市町村というものは常に密接な関係を持たなければ、今後こういう改正案の運営はできないのですが、こういつたような重大な施設に対して容喙をしよう、監督をしようという場合の、市町村との関係はどうやるつもりでありますか。こういう場合には丁度施設の廃止を命ずるというようなときに、都道府縣の兒童福祉審議会の意見を聽かなければならんということが、福祉法の中に規定してある。これはなかなかいい規定であると考えております。今回市町村に兒童福祉審議会を置くことができるとありまして、置くことになるとすれば市町村の所々の施設に、改善を命ずるというような場合には、その市町村の少くとも兒童福祉審議会があれば、その意見を聽かなければならんのが、民主的であり至当であると思うのです。こういう第四項を実際に運用して行きます上におきまして、兒童局長はどれだけの用意を考えておるのでありますか、伺いたいと思います。
#30
○政府委員(小島徳雄君) お説非常に御尤もでありまして、兒童福祉法の第四十六條におきましても、改善を命じたるときは、兒童福祉審議会の意見を聽くということになつております。今のは届出の場合の改善の規定でございますが、いわゆる兒童福祉でない場合でありますが、そういう問題につきまして吏員が行つて勝手に直ぐ改善を命ずるというようなことにつきましては、必ず穏当を欠く場合があることを、我々は十分承知いたしております。從いまして、実際問題といたしましては、内容によりまして、重大な問題につきましては、今のような兒童福祉審議会が、ただ市町村の福祉審議会というものが、本法案におきましては義務的に必ず置かなければならん規定になつていない関係上、必ず意見を聽いてやるということにつきましては、法の形式上不可能でございますが、或る場合におきまして、意見を聽いて重大な変更を命ずる、その精神につきましては、我々といたしまして同感でございます。これは命令で書くか、或いは運用の種々の通諜によつて書きますか、こういうような方法によつて、できる限りそういうような民主的な方法でやつて行きたいと、かように考えております。
#31
○山下義信君 最後に、私はこれでまま一應総体質問を終りますが、最後に今回の改正の中のこの重大な点の届出はですね、里親の届出制度が規定されております。非常に行届いた條文が書かれてありますが、大体において異議ございませんがね、これを見ますと三箇月を超えて同居させる意思がある者、それから二箇月以上同居させて行こうという考えのある者、そういう者は同居を始めて日から三箇月以内に届出をするように、ここでは市町村長を経て都道府縣知事に届出をするというようにする。私はこの点は満足しますけれども、さつきの施設の設立のときもやはり市町村長を経てという意見を出したわけでありますが、こういうことでありまして但し届出の期間内に同居をやめたときは届出をしなくてもよろしい、こういうことに第三十條はなつております。逐條的なことは又他の機会に譲りますが、そういたしますと三箇月間同居させた場合は届出をしないでもいいことに結果はなる。それでは私は届出のこの趣旨に反すると思う。でもつと届出の期間を同居を始めた日からもう少し早く届出をするようにしなければですね、三箇月以上同居させるという考えのある者が、その同居を始めた日から三箇月以内にする届出を、それまでに若し同居をやめたら届出をせんでもいいということをするならば、三箇月以上の同居の意思のある者でも、一時三箇月でやめて、そして三箇月でやめた者は皆届出をしくてもいいというこてになる。三箇月の同居は無届でもよいという條文の趣旨になつて來る。実際は世間では短期間に兒童を酷使するというような方面は大変ある。夏時分の海水浴とか或いは田植時では、三箇月間もいわゆる兒童を酷使するというような意味において同居させる事例が沢山ありますので、もつと届出期間を短縮する必要があるのではないかと私は考えるが、その点はどう考えるか。
 今一つはその次の項のこれは実に重大である。法律は漠として書いてあるのでありますが実に重大であります。「保護者は、経済的理由により、兒童をそのもとにおいて養育しがたいときは、兒童相談所、兒童福祉司又は兒童委員に相談しなければならない。」と、相談せよと法が命じており、生活困難な者に若しこの相談を受けたら、これはそれをどういうふうに受け入れるのであるか、その相談に應ずるところ用意、どういうふうにそれに対して回答して行くか、取扱うて行くか、それらに対して何といいますか、覚悟があるというか確信があるというか、どうやつて行こうというのでありますか。この二点を答弁して頂きたいと思います。
#32
○政府委員(小島徳雄君) 三箇月以内の問題でもう少し期間を短縮するというような御意見でございますが、もうこの法で大体考えておりますのは、御承知の通り相当子供というものを長期間に亘つた養育しよう或いは又雇用しよう、こういう考え方でやる場合におきましては、往々にして指導を講じなければならんという問題がありますから、法の規定といたしましては三箇月程度ということにいたしたのでありますが、この程度によりまして大部分の長期に亘つて養育又は雇用しようという現在の問題というものは、大体においてこの規定の中に入るのではないか。ただ夏の間とか夏休の期間内におきまして預かるという者につきましては、この規定に入りませんけれども、これは法令におきまして罰則を設けて、届出の義務を課してやるのが適当がどうかということにつきましては問題があるというふうに考えておりまして、これは或る程度実際問題といたしましては指導でやつていつた方がいいじやないか。こういうふうな考え方で一應いたしたのであります。
 それから第二の相談に應じなければならんという問題につきましての、そういう体制ができているかという問題であります。これは今般のいわゆる栃木縣、福島縣等に起りましたいわゆる人身賣買事件の問題につきまして、問題は受け入れる側に対しまする指導監督、同時に子供を出す方面につきまして、果してその子供を仮の家に養育しなければならんような事情に本当にあるのか。こういう問題につきまして、或いは親の方で非常な從來の慣習に捉われて、子供というものを恰も自分の所有物であるかのごどく考えて、子供を手離すことを案外簡單に考えて間違いが起るような場同もなきにしもあらず。そういう問題につきましては、從いまして受入れる側の指導監督ということも重要でありますが、果して出さなければならんかという事情につきましてもう少し兒童委員というものが眞劍に考えて頂く、こういう意味で必ず相談しなければならない。こういうことによりまして若し出す人がありますれば、現在のように過ちに陷り易いブローカーの手を通ずることなき、その兒童委員の手を通じたり或いは又他府縣との連絡におきまして、そういう公的な機関を通じて適当な養育斡旋をいたすとか職業の斡旋をする。こういうふうに正式のルートの乗せるためには一應兒童委員というものに相談をするということが一番適切じやない。こういう場合におきまして、兒童委員といたしましてはたまたま民生委員も兼ねております関係もございますから、或いはその生活方法の適用が妥当であるかどうかという問題につきまして更に考えて、どうしてもやはり出す人があるとすればそういうふうな適当な方法によつて、適当な機関を通じて合法的に子供の將來のことを計つてやるということが最もこの問題の解決に重要なポイントじやないか。こういうような意味でこの法律に特にこの規定を置いたのであります。
#33
○山下義信君 大体は今の局長の御答弁で一應の理由は立つのでありますが、第三十條の規定は、善良な養育の目的を持つて家庭の届出の規定だけではなくて、他の條項にありまするような、この兒童の心身に惡影響を及ぼすような行爲をさせる目的を以て、不当な支配下に置いた者を取締ることもこの三十條の應用ででき得るのであります。でありますから善良な意思で長く自分方に置いて育ててやろうというものは、いわゆる俗にいうよい意味の里親の届出は六箇月遅れようとも、一年遅れようとも弊害はない。この届出をさせる意思は不良な里親と称する者、言い換えますと極端な不当な支配下に置いて兒童の福祉に害のあるものを取締ろうとしたのが、届出の條文を入れた趣旨であるのでありますから、これを離れて届出をさせて早く良否を発見するのでなければ、届出の期間を長く置けば置く程発見する機会が遅れて來るのでありまして、その意味で三箇月間も後に届出をさせるということは短期間の酷使者を見逃すことにもなるし、私は、これは届出期間が長過ぎる、こういう意見を申したのでありまして、これは意見の相違になるかも知れませんから、今の三項の保護者の経済的理由等により兒童を養育しがたいときは相談せいということは、これは里親の相談といえば今の局長の答弁で済むのでありますが、この法律は里親にやりたいと思うときは相談せよということは書いてない。経済的理由によつて子供を養いがたきときは相談に來い、こういうのです。そうしたらその相談に対しての回答は、里親にやつた方がよい、里親を世話しよう、こういうだけでは回答にならん。そうして相談に以た者を里親以外の方法でもあの手この手で援けてやるということも、いろいろ相談所なり福祉司なり兒童委員なりがやるのでなければならない。あなたの答弁によりますと、里親制度だけに限つての第二項の御答弁をしておるけれども、法律は廣く生活に困つて子供を養いがたい者は相談に來いと法律も認めます以上は、相当それに対して保護を加えてやる。いろいろな方面の努力というものが計画されてなければこの法律に合致しない。廣い意味にこの項がなつておるから、質問いたしたのでありますが、これは廣い意味に解釈しないで、そういうような経済的な理由によつて里親にやりたいと思う者だけが相談に來い、こういう趣旨の立法と、かようにお考えになつておるのでありますか。
#34
○政府委員(小島徳雄君) 今の規定は経済的理由等により兒童をその許において養育し難いときは相談しなければならん、こういう規定であります。從いましてこれは里親に出すばかりでなく、無論ここで主として考えなければならん問題は、子供を雇用に出すという場合が非常に多いと思います。栃木縣の例を見ましても、五千人以上の例があるわけでありまして、自分の許においてやらないで他人の下に雇用されたり働いて貰わなければならぬ、そういう場合におきましてすべて相談に應じなければならん。こういうわけでありますから、我々といたしましては無論里親に出す場合もあるし、子供を働かせなければならぬ、いろいろな場合も全部含めてこの制度を解釈しておるのであります。この場合におきましてすべて兒童委員に相談して兒童委員がやはり福祉の面からその子供を働きに出したらいいかどうか。或いは親の許に置いて養育しがたい場合であつたらもつとその他の適当な方法があるかどうかについては、兒童委員が活動しなければならんという問題につきましては、それは兒童委員の制度として考えなければならぬ当然のことであると考えます。
#35
○山下義信君 一應こうして置きます。細目は又委員の御質問の後で逐條的に伺いたい。この点は保留して置きます。
#36
○委員長(塚本重藏君) ほかに御質疑の方はありますか。本案に対しまする質疑を次会に留保して……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(塚本重藏君) これを次会に留保いたして置きます。
   ―――――・―――――
#38
○委員長(塚本重藏君) この際國立身体障害者更生指導所設置法案を議題に供します。
#39
○谷口弥三郎君 前回國立身体障害者更生指導所の設置につきまして厚生大臣に属するような部分もありましたりしますので、厚生、労働大臣と協議の上にその更生指導所をして職業補導を委託させるというようなことが必要であるという話もあつたので、それに対しまして修正案を出したいと思うのですが、如何でございませうか。
#40
○委員長(塚本重藏君) ちよつと、それではこれで質疑を打切ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは直ちに討論に入りたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#42
○委員長(塚本重藏君) それでは討論に入ります。
#43
○谷口弥三郎君 只今申しましたように、更生指導所に対しまして労働大臣の委嘱を受けまして職業補導を行わせることが極めて適切であると思いますので、ここに修正動議を出したいと思いますが、如何でございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○委員長(塚本重藏君) 御異議ございませんか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#45
○中平常太郎君 賛成ですが、どういう文案ですか。
#46
○谷口弥三郎君 第二條のうちの第一項の次に第二項を参考といたしまして、こういう一項を加えたいと思います。「前項に規定する業務の外厚生大臣は必要があると認めるときは、労働大臣と協議の上國立身体障害者更生指導所をして労働大臣の委託を受けて職業補導を行わせることができる」という一項でございます。
#47
○山下義信君 只今の谷口委員の動議に賛成いたします。
#48
○委員長(塚本重藏君) 御異議ございませんでせうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。これより採決に入りたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは原案に対しまして只今谷口委員から修正案が提出せられましたが、この点を修正することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(塚本重藏君) 修正案を可決いたしました。修正の分を除く他の部分につきましては、原案通りに可決することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。つきましては、本会議におきまする委員長の口頭報告書の内容は、本院規則第百四條によつて予め多数意見者の承認を求めることになつておりますが、本案の内容、本委員会における質疑等の要指、討論の要旨及び表決の結果を報告することにして御承認願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。それでは本院規則第七十二條によりまして、委員長が議院に提出する報告書について多数意見者の署名を附することになつておりますから本案を可とされる方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    谷口弥三郎  山下 義信
    中平常太郎  黒川 武雄
    今泉 政喜  中山 壽彦
    姫井 伊介
  ―――――――――――――
#54
○委員長(塚本重藏君) 署名漏れはないものと認めます。ちよつと速記を止めて……
   午後二時二十一分速記中止
   ―――――・―――――
   午後四時二十四分速記開始
#55
○委員長(塚本重藏君) それでは請願陳情に引続きまして、優生保護法の一部を改正する法律案、谷口君外議員提出にかかりまする法案の審議を続行いたします。質疑をお願いいたします……。別に発言もございませんければ質疑を終結したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。これより直ちに討論に移ります。
#57
○山下義信君 私はこの際本案に対しまする修正案の動議を提出いたしたいと存じます。修正案は次の通りでございます。
   優生保護法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
  第四條の改正規定を次のように改める。
  第四條中「前條の國意を得なくとも」を削り、「申請することができる。」を「申請しなければならない。」に改める。
  第十三條第一項の改正規定中第三号を次のように改める。
  三 妊娠の継続又は分娩によつて生活が著しく窮迫するもの
  同條第四項の改正規定中「本人が」の下に「心身喪失の状態にあるため」を加える。
  第十五條の二の規定を削る。
  別表の改正規定を次のように改める。
  別表を次のように改める。
 別 表
  一 遺傳性精神病
     精神分裂病
     そううつ病
     てんかん
  二 遺傳性精神薄弱
  三 顯著な遺傳性精神病質
     顯著な性慾異常
     顯著な犯罪傾向
  四 顯著な遺傳性身体疾患
     ハンチントン氏舞踏病
     遺傳性脊髄性運動失調症
     遺傳性小脳性運動失調症
     神経性進行性筋い縮症
     進行性筋性筋栄養障がい症
     筋緊張病
     先天性筋緊張消失症
     先天性軟骨発育障がい
     白 兒
     魚りんせん
     多発性軟性神経繊維しゆ
     結節性硬化症
     先天性表皮水ほう症
     先天性ポルフイリン尿症
     先天性手掌足しよ角化症
     遺傳性視神経い縮
     網膜色素変性
     全色盲
     先天性眼球震とう
     青色きよう膜
     遺傳性の難聽又はつんぼ
     血友病
  五 強度な遺傳性奇型
     裂手、裂足
     先天性骨欠損症
 以上の修正動議を提出いたします。理由はすでに質疑應答の際申上げました点で御了承を願いたいと存じます。
#58
○委員長(塚本重藏君) 外に御意見ございませんか。
#59
○中平常太郎君 只今の山下君の優生保護法の一部を改正する法律案に対する修正案の中の修正に対して賛成いたします。
#60
○委員長(塚本重藏君) これより採決に移つて御異議ございませんか。
#61
○姫井伊介君 委員ちよつと……
#62
○委員長(塚本重藏君) 姫井委員。
#63
○姫井伊介君 優生保護法の一部を改正する法律案に対する修正案に賛成をいたしますが、この際質疑中にもありました点につきまして、強く当局に要望いたして賛成の意を表したいと思います。
 その一つは第十三條第一項第三号でありまして、「妊娠の継続又は分娩によつて生活が著しく窮迫するもの」これに対して手術が行われます場合には、貧困者と認められるものに対しましてこはれに要する藥品、手術手当料といつたようなものを公の負担にして頂きたい。それは生活保護法によつて保護せられていないものでも、その必要であると認められるものにつきましては医療扶助の方法によつてその運営を図つて頂きたいというのが一つと、今一つは貧しい家庭でもその素質が優良であつて健康体である、いずれも生まれる子が非常に立派な子が生まれるといつたような系統の家庭に属するものに対しましては、民生委員でよく調査をいたしまして、そういうものに対しましては生活保護が、別の適当な方法によつて講ずることにしてでも優良な人は生産せしむる。言い換えますと、優質多量と申しましようか、優れた質が多量になることは民族の発展上におきましても、その家庭におきましても共に幸福がもたらされるものでありますから、この辺をよく注意して取扱つて貰いたいということを、施行法の中にでも特に加えて頂きたい。そうして指導上運営を過りのないようにして頂きたいということを要望いたしまして賛成いたします。
#64
○山下義信君 姫井議員より本案施行上につきまして強い希望條件をお述べになりました。私共も全く同感に堪えないのでありますが、この際右希望條件等に対しまして政府の所見の陳述を求めたいと思います。同時に政府の所見は委員長の本会議における報告の中に十分御表現願いたいと存ずるのであります。
#65
○政府委員(三木行治君) 只今本法案を施行するに当りまして、政府当局は特に優生保護法の目的に適うように、たとい貧困なものであつても素質優秀なものについてはできるだけ妊娠中絶をやらないように施行上の注意をやつて貰いたいということ、及び生活困窮者が妊娠中絶をやるという場合におきましては、適法にやることが決つた場合においては医療扶助等をも適切にやるようにという御注意があつたのでありまして、この両点につきましては私共十分努力いたしましてさようにいたしたいと思つておるのであります。ただ医療扶助の件につきましては本日担当の政府委員が参つておりませんのでありまするが、これらの点につきましては私からよく連絡をいたしまして十分御期待に副うように努力いたすことにいたしたいと思います。以上であります。
#66
○委員長(塚本重藏君) 他に御意見ございませんか……。別に御発言もなければ討論はこれを以て終結したものと認めて御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#67
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めまして直ちに採決に入ります。優生保護法の一部を改正する法律案に対して採決いたします。先ず討論のうちにありました山下義信君の修正案を議題に供します。山下君提出の修正案に賛成の方の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#68
○委員長(塚本重藏君) 全員起立であります。よつて全会一致を以ちまして山下君提出の修正案は可決されました。
 次に修正の分を除いた議員提出にかかる法律案全部を採決いたします。谷口弥三郎君外三名の提出にかかる原案について賛成の御起立を願います。
   〔総員起立〕
#69
○委員長(塚本重藏君) 全員起立であります。よつて全会一致を以て優生保護法の一部を改正する法律案は修正議決せられました。尚本院規則第百四條による本会議における委員長の口頭報告の内容は、委員長にお任せ願うことは御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。尚本院規則第七十二條によりまする報告書につきましては、例によつて賛成せられました方の御署名をお願いいたします。
 多数意見者署名
    山下 義信  中平常太郎
    竹中 七郎  今泉 政喜
    谷口弥三郎  姫井 伊介
    草葉 隆圓  中山 壽彦
#71
○委員長(塚本重藏君) 御署名漏れはございませんか……ないものと認めます。それでは本日はこれを以て散会いたします。明月は午前十時より委員会を開会いたします。日程は公報を以てお知らせいたします。
   午後四時四十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           姫井 伊介君
   委員
           中平常太郎君
           山下 義信君
           竹中 七郎君
           中山 壽彦君
           黒川 武雄君
           草葉 隆圓君
           井上なつゑ君
  政府委員
   厚生政務次官  淺岡 信夫君
   厚生事務官
   (保險局長)  宮崎 太一君
   厚生事務官
   (社会局長)  木村忠二郎君
   厚生事務官
   (兒童局長)  小島 徳雄君
   厚 生 技 官
   (公衆衞生局
   長)      三木 行治君
ソース: 国立国会図書館
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