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1947/10/15 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第12号
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1947/10/15 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 予算委員会 第12号

#1
第001回国会 予算委員会 第12号
  付託事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第四号)(内閣送付)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第一号)(内閣送付)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月十五日(水曜日)
   午後二時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十二年度一般会計予算補正
 (第四号)
○昭和二十二年度特別会計予算補正
 (特第一号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(櫻内辰郎君) これより開会いたします。前回に引続き御質疑を願いたいと存じます。尚この機会に申上げたいと思います。本日は只今労働大臣がお見えになつておりまするので、先ず労働大臣に対する質疑をして頂きたいと存じます。池田恒雄君、労働大臣じやありませんか。
#3
○池田恒雄君 労働大臣にもお伺いしたいことがあるのですが……。
#4
○委員長(櫻内辰郎君) それじやその点だけを先に一つ……。
#5
○池田恒雄君 この予算は、千八百円と千六百円ベースの差額二百円でございますね、それをまあくれるという予算になつておりますが、これについて労働組合の方から何か反対の意見があるようなんでございますが、それでこれは労働組合の方から私たちの力に陳情が來ております。こういう支給に対して反対だ、こういうわけなんでございますが、この間の事情を一つ教えて頂きたい。
#6
○國務大臣(米窪滿亮君) お答えします。七月に遡つて千六百円と千八百円の差額を纒めて支拂う補正予算の法律案が出ておるのでございまするが、これをそのまま支拂うというときに、從前から問題になつておつた物價高との問題で、地域に差が生じておる。御承知のごとく、政府は物價高、或いは東北六縣の寒冷手当というような、地域で特殊な手当を拂うべきものに対しては、從來官公廳の労働組合に待遇特別委員会というものがありまして、これと政府は折衝を重ねて來たのでございます。それでこの地域差と称するものですが、つまり家族手当その他を入れた地域支給については、特地に対しては、その特地の中を二つに分けまして、阪神間の特地は東京方面の特地に比べて物價が非常に高いというので十二割、その他の特地は十割、それから甲地は六割、乙地は三割、丙地は二割というふうな工合に段が付いて、これに対しては政府の一部においても、余り段が付き過ぎるという意見もあつたのでございまするが、大藏当局の説明によりますれば、この段の付け方、並びに特地、甲地、乙地、丙地の指定については、官待即ち官公廳待隅改善委員と政府との交渉においても、なかなかいろいろの意見があつて纒らない。その纒らない主なる理由は、官公廳の労働組合内部において、中央の人たちと地方の人たちとの間に対立する意見があつて、労働組合自体がなかなか決まらないということで、この待遇改善委員会においては政府とたびたび折衝したのであるが、遂に政府の責任においてこの割合を決めてくれ、こういうことで、大藏当局の責任で以て段階を付けることに、労働側では異議はない。つまり労働側では別にこれに対して労働側自身の意見がないということで、それで早くいえば大藏省に委せられた形になつたので、大藏当局はそういう段階を付けた。こういう説明であつて、閣議においてもこれを了承して、そういう工合に段階を付けることにして、そうして議会へ提出したのでございます。
#7
○池田恒雄君 大体労働組合の方々の申出でを聞きますと、そういう凸凹の問題が一つ問題になつておつたわけであります。それが只今伺つたわけですが、更に千八百円の問題でございますが、千八百円という給與を、今政府職員の方々はよろしいという工合になつておるのですか。今爭つておる工合になつておるわけじやありませんか。つまり官公労関係の労働組合の方々と政府との間で千八百円の問題について爭いはないのですか。千八百円でよろしいというふうに官公労の方々は申されておるわけですか。
#8
○國務大臣(米窪滿亮君) お答えします。これは先程お尋ねあつた問題とは又違うので、千八百円ベースでは最低生活費もカバーできないということは、終始一貫して全官公廳の組合の諸君がいつておるので、從つて政府にその増額を要求して参りましたが、政府は、この名目賃金を上げても、國民生活の安定を前提とするインフレーシヨンの抑制、闇の撲滅が徹底化しない限り、名目賃金の引上げは徒らに物價の引上げになり、物價の引上げは第二、第三の賃金の引上げになる。こういう循環はいつまで経つてもこれが決まらなければ解決ができないから、この際千八百円ベースで我慢して貰つて、そうして最低生活費とのいわゆるギヤツプは物の配給部面を改善をしてそうして、実質賃金を上げよう。こういう意見を政府は述べたのに対して、官公廳の労働組合諸君はこれに満足せずして、そこで交渉が決裂しまして、目下中央労働委員会に労働側から提訴しておるという現状であります。
#9
○池田恒雄君 そうすると、まだ千八百円については政府と労働者側では妥結がついておらないわけですね。
#10
○國務大臣(米窪滿亮君) 先程申上げた通り決裂しまして、中央労働委員会へ提訴しております。
#11
○池田恒雄君 そうすると、それにも拘わらば、政府は千八百円の給與というものを今実行するわけですか。
#12
○國務大臣(米窪滿亮君) この問題は、千八百円を殖やせという要求とは又違うのでして、労働組合側にいわせると、既特権である、即ち政府は七月五日の給與審議会において、政府の責任で千八百円ベースというものを決めたのでございますから、勢い千六百円という現行の給與に対しては、その差額二百円というものを支給すべきが当然である、これは既特権である、その二百円を貰うということについては、労働組合側の意見は反対ではございません。当然自分は貰うべきものだ、こう考えているのであります。
#13
○川上嘉君 この法案そのもので見ますと、一時手当という形になつておりまするが、その應急手続について、説明書を見ますると、七月以降千八百円水準に引上げることとして、そうしてその差額月二百円の分三ケ月で六百円を支給する。こういう形になつておりますが、これは飽くまでもこの案の通り、説明書抜きにして一時手当であるという考え方で行きますというと、恰かも千八百円で押付けられるように解釈されるのであります。急を凌ぐために僅かこればかりの金を一時手当として支給し、而も説明書によりますというと、どうも官僚の得意の数字のマジツクによりまして、全官公労の血の出るようなささやかなる要求を眞向から退けて、千八百円ベースを無理矢理に押付けるように解釈されるのであります。現在のままの待遇としては、人間として幾ら努力を盡くしましても、全力を盡くしても、結果から見た場合、官公吏の仕事はいい加減なごまかし的な仕事しかできない、これでは新憲法の下におきまして、公僕になつたといいましても、実質は公僕として懇切に公平に仕事はできない、今申上げました千八百円案も極めていい加減なものでありまするが、これから見ましても十一月には赤字が出るということを認められている。実際は非常に赤字が出ているわけでありますが、この赤字をどうして補填したらいいかというようなことについて答弁して貰いたいというのが一点。
 更に尚御承知のない方もおられると思いますから、参考までに、現在大きな社会問題を捲き起しつつあるところの、全官公労の経済的要求項目だけでいいですから、その要求項目を簡單に説明して貰いたい。
 次に綱紀肅正、吏道の刷新を政府は頻りに叫んでおりますが、我々としても亦これは日本再建の重大要素と考えておりまするが、綱紀の肅正、吏道を刷新するためには、官公吏自身の自肅に俟つのは固よりでありまするが、官公吏の待遇を改善され最低生活の保障がなされるということが根本問題だと思います。これに対して政府の御意見をお伺いしたいと思います。
#14
○國務大臣(米窪滿亮君) 只今委員会で審議されているこの予算案の補正案の表現については、これはいずれ大藏当局からお答えがあると思います。お言葉のように、決してこれでごまかすという意味では毛頭ないのであります。政府でははつきりと分けて考えております。千八百円ベースに対する増給の要求に対しては、緊急経済対策、即ち物價と賃金との惡循環を同時的に断ち切ろうという政府の対策から見ると、その基礎を搖がすことになる。又もう一つは、目下の國の財政からいつても、到底それは千八百円ベースを労働者側のいうように、二千六百円或いは三千円というような工合に上げることはできない。こういうことではつきりと断つているのでございまして、この点は妥結が付かずに決裂をしまして、中央労働委員会の裁定を求めている。政府が求めたのじやございません。官公廳の方から提訴して求めているというのが現状であります。政府が政府の責任を以て千八百円という標準賃金を決めた以上は、現行の千六百円との差、三ケ月分六百円というものは、勿論これを以て官公廳の從業員組合の方は満足をしないだろうけれども、政府の責任を以て千八百円ベースを決めた以上は、現行の千六百円との差額は当然これは政府が法律案を出して支給すべきが本当である。こういうことで今皆さんの御審議をお願いしている状態であります。從つてこれは問題を二つに分けてお考えを願いたいのであります。政府と雖も、二百円の差額を出したから労働者側の最初の要求である千八百円を引上げるとか、或いは経済危機突破資金を出すとか、こういう要求とすり替えようという考えは毛頭ないのでございますから、その点は御了承願いたいと思います。
 それから目下官公廳の労働組合が、中央労働委員会に提訴しておる要求についてその内容を申上げます。書類を持つて來たと思つたところが、甚だ相済みませんが、書類がありませんから、數字的に果してはつきり……私の記憶で申上げますから、或いは間違いがございましたら次の機会に正確な点を訂正したいと思います。大体において、適正物價を基礎としたところの最低給料を定めよというのが第一項目、それから目下の生活危機を突破する意味において、世帶主は二千円、それから家族一人に対して千円という突破資金を出せ、大体政府の方でこれを総計しますと、総計百何億円に達するのでございます。その他、東京の役所に勤めている遠方から通う者に対しては、通勤手当を出せ、それから結婚する場合には結婚手当を出せといつた要求でございます。勿論これは全官公廳の中、それ以外の細目の点は組合の所属によつて違つ來ます。例えば逓信関係の組合は鉄道関係の組合は、多少その要求の細目の点は違いまするが、今申上げたのは、全官公廳の共通の要求でございます。大体そういうことに御了承願いたいと思います。
#15
○川上嘉君 赤字補填の方の要求は……今までの官公吏の赤字補填の方の要求が出ておりませんか。
#16
○國務大臣(米窪滿亮君) 落しました。その通りでございまして、つまり欠配が続いている、その欠配に対しては政府に責任があるから、その欠配に対する損害といいますか、それに手当を出せ、こういうことをいつております。
#17
○川上嘉君 この問題と直接関聯がなくても、次の追加予算と非常に密接な関聯がありますので、ここで一言申上げますが、現在の経済の実相から見まして、現在の官公吏の給料だけで、その最低は生活が保障されるかどうか、これを一つ考えて頂きたいと思います。
 更に現在は、お話を聞きますと、物價と賃金との健全な体制は守らなければならないということですが、それは現在守られておるかどうか。
 更に財源の問題でありますが、財源はまだまだあると私は考えられます。ここで実例を申上げますと、私税務署におりました関係で、税務署の実例を申上げますが、千葉縣の成田税務署で中学卒業後満十二年間税務署に勤続していて、家族は妻と子供三人の五人家族ですが、現在九号俸で月の総收入が一千八百円、勿論家族手当を含めてであります。そうしてこの人は大体百人ぐらいおる成田税務署の中で、署長を含めて席順は上から五人目であります。千八百円ベースといえば、大体家族一人当りのことですが、これは五人で千八百円。もう一つ実例を申上げます。これは東京の王子税務署の実例ですが、ここには現在百六人の職員がおります。署長を含めて職員一同の月総收入の平均が、勿論家族手当を含めてですが、一千四百円であります。こんな実情で実際現在の経済の実相下において生活していけるかどうか。眞面目な仕事ができるかどうか。仕事に対する熱意も、興味も恐らく湧いて來ないと思う。然らばこうした生活の赤字をどうすればよいのか。一般の場合にはこの赤字を補填する意味において、いろいろな事業をやるということも考へられるが、官吏には副業、内職は許されない。若しこの赤字を補填する意味において内職が許されるなら別問題でありますが、これを補填するためには適当にやらざるを得ない。生きて行くためには職権を濫用してでもやるという結果にならざるを得ない。こうした結果から見ると、結局は官民が離反し、恐らく國家行政は近い將來において崩壞するのではないか、こういうことを虞れるのであります。ただ金さえ貰えばよいというような意味ではなくて、何とかして國民の公僕として行くためには、是非とも最低の生活を保障されなければならない。最低の生活を保障しなければ、窮鼠猫を噛むの譬いの通り、人間が生きて行くためには適当な方法を考えざるを得ない。こういう場合に政府は綱紀の肅正、吏道刷新ということに対して然らばどういう対策を持つておるかということをお伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(今井一男君) 申上げます。お言葉の通り現在官公吏の給與が十分であるかどうかということについては勿論問題もあろうかと思いますが、これが一人々々の賃金という問題であり、或いは一組合の賃上げという問題ならば、事は一方の角度から極めて簡單に解決できると思いますが、現在これを國民経済全体の面から考えなければならん意味におきまして、又去る七月新物價体系の作られた関係から、千八百円という水準が現在の日本のインフレを抑えるための最後に残された手段であるという見地から、この名目賃金を上げて行くこと自身が、それだけ勤労者の生活の向上にならんことは明瞭であります。そこで現在政府の考えておる方法は、極力実質賃金の増加によつて、マル公配給の面を極立殖やして、それによつて生活内容の充実を図る。名目賃金と物價との「いたち」ごつこはすでに過去二年の経驗によつてもう結論は見えており、そういつたラインによつて事を解決するということはその時期に非ず、かように考えて、只今この実質賃金の増加の方向に極力努力しておる次第でございます。御了承を願います。
#19
○川上嘉君 努力するとか、考慮するとかいうことは何回聞かされておるか分らんほどです。実際この実質賃金が樹立されるのはいつ頃であるか、いつ頃までに実際実行できるか、それを答えて頂きたい、考慮する、善処するということは本当に聞き飽きておる。
#20
○政府委員(今井一男君) 申上げます。主食の方は聯合軍の好意により完配の状態が継続されましたが、副食物については遺憾ながら当初の計画通りには至つておりませんけれども、それにしても関西方面におきましては生鮮副食品等は大体昨年の実績の倍額近くまで効果を挙げておるということを聞いております。ただ東京はあいにく水害にぶつつかりまして、予定通りの結果が挙がつておりませんが、これも決してそういつまでも川上委員のおつしやるように努力する、努力するで参ろうというわけではないものと考えます。私責任当局でございませんので、その点ははつきり申上げられませんが、とにかく政府におきましてもその実質賃金確保こそが、今度の緊急対策から申しましても又インフレを防ぐ意味におきましても最後の線ということで努力しておりますので、必ずや東京方面におきましても関西に劣らないような数字が近い中に生れるのじやないか、かように存じます。
#21
○石坂豊一君 只今川上委員の御質問に対して政府委員から答弁がありました。併しこれはなかなか大藏当局で引受けて御答弁になり得る問題ではなかろうと思う。政府委員はその所管々々の答弁はいたします。かような御質問に対してはどうしても政府を代表する國務大臣が内閣を代表して答弁せられることでなければいつまでも解決せられんと思います。見渡すところ私の存じております國務大臣はおられません。こういう予算の重大なる局面に対しましては、大臣方に万障繰合せて出席して頂いて、我々の満足する答弁を願いたい。私は決して大藏省を侮蔑するのでもなく、却つてその労を察するに余りあると思うのでありまして、追い駈け追い馳け疊かける経済危機、國民の食糧難を突破する問題に対しては、別にそういう人があるのだから、どうか委員長より然るべくお取計らいお願いたいと思うことを要求いたします。
#22
○波多野鼎君 関聯質問ですが、この前の委員会におきまして、最後に私そのことを要求して置いたわけなんですが、前々からこの委員会の質疑應答の樣子を見ておりますと、結局「のれん」に腕押しというのか又「こんにやく」問答というか、何のことやらわけの分らんことになつてしまうので、今日は責任ある関係大臣に全部顔を揃えて來て頂いて、そうして明確な答弁をされることが必要だということを委員長を通じて申込んで置いて頂いた筈なんですが、都合が惡いのですか。
#23
○委員長(櫻内辰郎君) 安本長官、大藏大臣に出て頂くように言うて置きましたが、大藏大臣と安本長官は只今司令部の方へ行つておられるさうですから……。
#24
○波多野鼎君 それではこの委員会は閉じた方がよいと思います。こんな妙なことばかりやつていたんじや仕樣がない、時間の浪費になりますから……。
#25
○中西功君 その前に補正第三号の実施並びに皇室経済会議の結果の一時金のことについて、一應報告を願つたらよいじやないかと思います。
#26
○委員長(櫻内辰郎君) それでは今中西委員からお話のありました皇室経済会議で過般決議しましたことについて御報告を願いたいと思います。
#27
○政府委員(加藤進君) 皇室会議及び皇室経済会議におきまして、皇籍を離脱せられた皇族に関する一時金について御報告を申上げます。皇族の皇籍離脱に伴なう一時金の予算は、四千七百四十七万余円でございましたが……。
#28
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を止めて。
   午後三時十三分速記中止
  ―――――――――――――
   午後三時三十四分速記開始
#29
○委員長(櫻内辰郎君) 速記を始めて。
#30
○岡本愛祐君 私はこの前の委員会におきまして、特第一号の國有林野事業につきまして、歳出予定額の補出について質問をいたしたのでありまするが、そのときに大藏当局だけしかおられないので、満足の行く答弁を得られなかつたのであります。今日農林省の政府委員の出席を求めまして、國務大臣は見えませんが、係りの方は見えておりますから、繰返す部分もありますが、これについて伺いたいと思います。
 第一に、國有鉄道事業とか通信事業、そういう特別会計におきまして、この度の給與の増額をいたしますのには、鉄道運賃とか郵便の値上げとか、そういうものの増額、收入増等によつて、これを給與の方に廻しておるのであります。ところが、この國有林野特別事業会計におきましては、予備費を使つておる。これはどういうことであろうかということを質問したのであります。ところが、大藏当局から、只今は大いに造林をやらなければならんという御説明があり、それはお取消しになりまして、今度は林道の改修費にかかるからというような御答弁がありまして、これではどうも満足が行き兼ねるのであります。農林当局からその御説明を伺いたい。
 それから二十二年度におきまする國有林野事業特別会計のバランスはどうなる見込みであるかということを伺いたい。これは申すまでもなく二十二年度から初めて國有林野事業特別会計というものができたのであります。当初の予定では、確か五億何千万円という黒字が出まして、これを一般会計へ廻す予定だつたのであります。これがどういう見込みになりましたか。一時は木材の公定價格が低くて、なかなか採算が取れないようなことに聞いておりましたが、木材價格というものはうんと上つて参りましたから、定めし黒字が出るだろうと思います。その点を伺います。
 尚第三点としまして、國有林から出ます材木の賣拂いは、勿論公定價格でやつておるんだろうと思います。即ち最高價格でやつておるんだろうと思いますが、聞くところによりますと、一般材の木材價格というのは、この公定價を下廻つておるということを聞いております。これはどういう関係になりますのか。その賣拂價格と市場價格の関係を聞きたい。
 尚第四点としまして、この國有林におきまして、官行事業ということが段段建前になつて來て、これが治山治水の上におきましても、又將來の木材蓄積の上におきましても非常に大切なことなんであります。つまり官行事業ということが段々多くなつて行つておつたのですが、戰爭以來、いろいろの経済界の事情によりまして、官行事業というものは段々できなくなつて、それで本年度においては立木賣りに変つて行つた。その間に、この間石坂委員からも御質問がありましたように、いろいろ忌わしいこともできつつあるということを聞いております。それで一体國有林の官行事業を立木賣りに廻されたのはどのくらいの額になるのか。又官行で素材を処分した賣額と立木賣りにしたのとどちらが得が行くのか、損が行くのか、それについてお伺いいたしたい。
 先ずこの四点についてお伺いしたい。
#31
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつとお諮りいたします。只今御出席の林野局の三浦辰雄さんは國有林野部長でありますが、政府委員にまだなつておられません。併し政府委員になつておられませんけれども、三浦さんの説明を伺うということにして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(櫻内辰郎君) それでは三浦さんどうぞ……。
#33
○説明員(三浦辰雄君) 第一点の逓信、鉄道等が赤字になるが、國有の関関はどうか、予備費等をどういうふうに考えておるか、こういうようなお話でありました。予備費は、予備收入に一面において立てて、つまり予算を組みます場合に、諸物價がまだ或る程度上るのではないか、こういうような考えで以て経費の方を見ますと同時に、それを使いまする場合においては、いわゆる收入の方が上るという考え方で組立てたのでございまして、それを使いますれば一應賄つて行けると初めは考えておつたのであります。これを今活用しております。
 この問題と第二の二十二年度のバランスはどういうように推定されるかという、こういう問題と非常に関聯があるのでございますから、これから第二の方に移つて併せてお答えしたいと思つております。本年度から始まりました國有林野事業の特別会計は四十六億、その間四億ばかりの一般会計の繰入れも予算面に出ておつたのであります。ところがいよいよ実施して見ますというと、なかなか山の方におきます仕事、人夫賃等も昂騰して参ります。生産に用いまする諸物資等も上つて参る、こういうことで当初の予定のごとく参らず、近くこれは御審議を願うことになろうかと存じますが、追加予算を実は大藏省の方と折衝しておるのでございます。そこでバランスの問題でありますが、結局端的に申上げますと、本年はこういう特別事情だからというので、一般会計への繰入れというものは御猶予を願つてお許しを頂き、又前年度から本年度へ半製品として越しましたものは、約五百五十万石ばかりございましたが、本年度から來年度へ半製品として越しますものは二百二十五万程度にするように、いささかその点はどうかと思われるのでございますが、一面におきまして木材というものが消費規正が相当多いて雖も、まだなかなか需要が多い、そういうことからそういうふうな調整もいたしまして、一應本年はバランスを取ります。
 尚申遅れましたが、本年のマル公の改訂、三月三十一日、それに引続きまして、先般の九月十日、あの二回に亘る改訂があつて、昨年の持越しに対しては、今の値上り等が含まれて、本年としてはバランスを取つて行ける見込みであります。
 それから第三の、國有林からの木材の賣却はマル公かと思うが、一般の木材の價格はマル公より下廻つておるんじやないかという御質問でございました。御思像頂きましたように、國有林からの木材の賣拂いはマル公でございます。林材等も今日は丸太におきましてはマル公で、原則としてといいますか、多く殆んどはマル公でございます。これについては御説明申上げれば少し長くなるのでありますが、少くとも國有林の方は、品質、規格等において極めて嚴正に附けておる。つまり買う人から見て間違いなくその内容を明らかにすることができるという点がありまして、改正になりましたマル公を民間材としては割りました時代でも、喜んで國有林の材に引当てて貰いたい、需要切符は國有林の材に結び附けて貰いたいというような現象でございました。
 それから第四番の官行斫伐が、跡地の治山、治水等の関係でよろしいのだが、先へ立木処分の方に多くして、いわゆる官行斫伐というものを少し減らして來たように見えるがどうかという御質問でございました。実は來年は一部北海道方面におきまして、本年度の滯貨と睨み合せまして考えておる線がございますが、今年度といたしましては、御所見のごとく官行斫伐というものは何といつても、跡地の残つた木の保護或は又林地を斫伐のために荒さないといつた考え方から減らす関係もございます。ただ一部岐阜方面で、いろいろの事情から、割に大まかな下請けをさしておる、やや幅の廣い下請けをさして、それを試みにやつておるということは一部ございます。併し官行斫伐というものを、そういう本質を離れたような幅の廣いものにするということは、今後とも成るべく避けて参りたい、かように考えております。
#34
○岡本愛祐君 どうもよく御答弁の意味が分りませんでしたが、つまりこういうふうに承知していいのですか。國有鉄道事業、通信事業において、運賃値上げ等による收入増、そういうものをこの度の給與増に廻すことができたが、國有林事業については、そういう余裕がない、それでプラスが出ない、だから予備費から使つた、こういう意味に承知していいですか。
#35
○説明員(三浦辰雄君) これは先程御説明申上げましたように、予備費に関する限り、或る程度の値上り等を考えて、そういうことにお考えを頂いてよろしいのございますが、本年度の追加としていずれ御審議を頂きます分と合せて考えないと、この点は実はここで申上げるのはどうかと思いますが、四十六億の予算に対して二十三億程度の追加ということで、実は大藏省の方といろいろと折衝しておる今最中でございます。それと合せて、この予備費等も使いまして、まあそれは本年度としては先程申上げたような操作等も入りますが、バランスは取れる、こういうわけであります。
#36
○岡本愛祐君 國有林事業の経営につきましては、又農林大臣が御出席になりましたときに質問をいたしたいと思います。要するにこの四月一日から御料林並に北海道廳のやつておりました國有林、それも合せまして、一手に農林省の林野局というものが経営されることになり、又それがために特別会計というものができた。これは三者が鼎立して切磋琢磨をやつておつた時代、これは事業を比較すればどこがよくて、どこが経済的にやつておるということは一目瞭然でありますから、そこにお互いに競い合いまして、割合利益も上がつたろうと思います。ところがこういう経済界でありますから、なかなか事業経営はむずかしいと思いますが、とにかくそれが一つになつてしまつた。これは林政当局の統一上の理想からいえば非常にいいことでありますが、併しこれは経済の原則からいつて油断ができる。一つになつて切磋琢磨の競爭がなくなつて油断になり勝ちになるということがあると思う。これは農林当局として大いに反省されて、贅沢なことをしないで、民間事業は山林経営だつてまさか赤字じやない所が多いだろうと思う。國有林は大きな赤字を出す。昨年から本年越しの木材は國有林で五百五十万石、本年から來年越しは二百二十万石、その差額三百三十万石は赤字埋めに使つて、それでも尚赤字が出るということになつておるのじやなかろうか。大変不経済な事業をやつておるということになるのであります。私は決してそれだから國有林の経営を國家でやるのはむずかしい、山の経営を民間に任せという議論は勿論いたしません。又そういうことは思いませんが、併し國有林経営こそは、今國管とか重要産業國有國営とかいう時代に、本当に鉄道の事業などと並んでおやりにならんと、折角國有國営という看板がさびれて、それで國民の最大多数の幸福を図ろうといたしましても、こういうことになると大いに皆が不満を持つ。そこで、これは折角多年の懸案である、林政当局もでき、大林野局になられて経営せられるのですから、どうか模範的にふん張つて一つ経営して頂きたいということを申添えて置きます。
#37
○石坂豊一君 実は先回の予算委員会におきまして、只今御質問になりました官行造林のことについて、御質問申上げ、又薪炭つまり木炭の生産價格と消費者の價格と非常な幅のある問題、それから畜類の拂下げが非常に安いという問題について、大藏当局ではそれぞれ政府当局に交渉されて答弁するということでございましたが、只今農林省から御出席になつておるようでありますから、敢て私は大臣の御答弁でなくとも、事務上の取扱いを明瞭にして置きたいと思いますから、御答弁を願いたい。若し十分にお聞取りでないならば重複して御質疑してもよろしいのですが、大藏政府委員からお聞込みでありますならば、この席において御答弁を願いたいのです。要するに今お話になりましたが、林野局は官行造林に対しても経費が償わん。食糧その他の配給等においても非常に困る。全部公定價格及び公けの範囲においてやることになるので、造林人夫も集めるわけには行かん。これを民間に引渡すことになつた。それで民間の或る人が資金を八千万円ばかり用意して、これに大計画で從事することになつた。そうすると一般の木材業者はそういう所から小分けにして木材を買うと、今まで林野局から拂下げて貰つたようにいかんから、自分たちも別々に組合の力を借りてやろうという氣分が醸成しておるように、私は相当の人から聞いた。さすれば現政府は炭鉱については國家管理をするが、造林等についてはむしろこれを民営に移すという二本建てになつておるように考えられる。在來國家の造林であつたものを、現政府の方針としてむしろ強化せられるのが当然であるけれども、これを民営に移されるということは、若鉱國家管理とあべこべの進路に行つておるように思いましたから、この席で伺つた。私は別に良いの惡いのという批評の言葉は用いませんが、その内実は果してそれでいいのか、又それはどういう原因でそうなつたのか、そのことを伺つたのであります。明瞭なる農林当局から弁明を願いたい。
#38
○説明員(三浦辰雄君) お答え申上げます。第一点の官行斫伐をやる。つまり國の経費を以て木材を生産するという仕事をやると、生産資材の入手難から、これを民営に一括してさせて行くということは官行斫伐の從來の趣旨に反するじやないか、そういうふうな点はどうか、こういう御質問でございますが、先程岡本委員に対するお答えの中にちよつと申上げたのでありますが、実は岐阜縣営林局で申上げますと、名古屋営林局でありますが、岐阜縣にそういうものがございます。岐阜縣は御料林としてありました。この四月一日に入りました新國有林は、從來の農林省所管の國有林と合せて、縣といたしましては非常に多い縣であります。全國の三割五分ぐらいあると思います。そこで濶葉樹が割合多い。又針葉林もございますが、濶葉林が相当多いのであります。それで從來の関係から立木処分をして、立木で賣つて、買つた人が自分の計算においてそれを丸太にし、或いは炭に燒いて出して、民営生産として行われて來た。石数は全國で國有林を材料といたしまする分といたしましては有数な一二の縣でございます。そこで一つの山をやる場合に、その近接をやつておる者はその仕事に携さわつた方がいわゆる算盤といいますか、経営上からいうと便利だというような場合がございます。今日一つの試みとして、跡地更新には、跡地に残ります木の傷め方、或いは出し道を下手に作ることによつて水害等の関係が起るかどうかということをいろいろ考えまして、一部便利だと思われるような場所を大幅に序でにやつて貰うということを一部考えておる。あそこの縣からは凡そ四十五万石くらいの、國の直接生産しますいわゆ官行斫伐というものがございます。そのうち約十万石程度を多少事情によつて違いますが、從來の伐り賃を幾ら、それを集め落し賃を幾らとかいうふうに、その一つ一つの過程過程毎に拂つて行くやり方を廃めて、もう少し大幅にやらす、請負單價としてやらす方法を一部試みとしてやつております。かような実情でございます。
 次の問題でありますが、或る某が相当額の金を借り受けて仕事をしているために、從つてその系統の者を通じてでなければ國有林の拂下げができない、材の利用が一般の國民にできないじやないかということでありますが、前の説明とこれは関聯がありますが、立木で民間に拂下げまして、その拂下げた木を材料として丸太なり炭なりにして出すという仕事をやる組合の連合会がございます。その連合会は單位組合七つでありましたか、それから個々の地方行政ではなかなかこの金融の應援が得られないということで連合会を動員して、逐次その連合会が主として中央或いは名古希の日銀支店等に働きかけましてシンヂケートを作る。地方銀行として岐阜縣に本支店を持つております十六銀行等で八千万円のシンヂケートを作ることに成功したようであります。これは主たる目的は立木で買つて、そうしておのおのの金融等においてやります普通の仕事を、組合でやらなければ金融がつかないということでやつておる仕事が八割、九割まであります。一部それに先程申しました大幅にその近辺でやつて貰つて、あとの仕事の上に差支えない、而もそのできた丸太は金融がつかない、いわゆる官行斫伐の性質に合う、本質に背かないということが一部ございますが、これは本当にその一部であります。
#39
○石坂豊一君 只今事実を御説明願つたが、その事実を知るのが目的であつたのであります。而して今の取扱いは森林のすべての林産物の拂下げの法規に合致しているのでありましようか。私その法規についてはまだ調べておりませんが、当局のそういう裁量処分で自由にできることになつておるのでありましようか。それを一應附け加えて置きたい。
 いま一つ林野局の方ではこれはできますまいが、書類の拂下價格及び木炭の生産地と消費地の價格の点について一應説明願いたい。
#40
○委員長(櫻内辰郎君) ちよつと今石坂さんの……、政府委員から只今の点は管轄外だから次の機会にして頂きたいということです。
#41
○木下源吾君 林野局の方針を一つ伺いますが、林野局の立木の拂下げはどういう方針でやつておられるのか。実は北海道あたりで拂下げを受ける特権を持つた者が実際仕事をやらないで、そうして権利だけを持つておつて、その名義を貸して、一口にいえば名義を貸して金を儲けておるというような者があるのでありますが、この拂下げについては入札の方法とか、或いはその他に、実際欲しい者が工場を持つておつて製材をしたいというような者でも、拂下げを受けられない者があるのだが、そういう者に拂下げを受けられる途を開くという考えがないのかどうか。
#42
○説明員(三浦辰雄君) 石坂委員にちよつと申し上げます。法規上どうかということでありますが、これは現在の規定で法規上は勿論差支えない。ただ更に法規が許すばかりでなく、本当にそれが正しく生産され、正しく配給になるという点が確保されれば法規上は勿論差支えないのであります。
 それから今の木下委員の御質問にお答え申上げます。拂下げの方針でありますが、北海道の方につきましては、この四月、五月からでありまして、直接私金額は深くは存じませんが、方針といたしましては製品のマル公がございます。そうして立木はその述算で、おのずからその事業の運営上の技倆工費ということによつての多少の差はありましても、極く大幅に決まつたものであります。そこで國有林としては從來からの経驗等から確実に配給生産され、間違いなく正しいルートに乗るように極力探してといいますか、選定して拂下げをしているというのが事実でございます。いずれこの資格が持つた者に対して、非常に多いというような場合には指名的に見積りを以て請負わせる時代にもうなつたということは内部として考えております。
#43
○木下源吾君 その拂下げの探す方法、一体どういう方法で現在まで探しておるか。
#44
○説明員(三浦辰雄君) 立木処分は以前昭和十年頃ですか、ああいう低物價政策の頃の前まで、凡そ山の立木も又官行斫伐でできた丸太も競賣でやつておりました。又は競賣に準ずる或る資格を持つた人の指名競爭入札でやつて参りました。その後低物価政策或いは今のマル公、こういうようなことから確実な人、いろいろな方面から調べてみて信用確実である、本当に仕事がやれる、間違なし、こういう人を選んで直賣という制度でやつておりますが、その人には年期直賣ではありません。拂下げの都度、そういうたただの要求に対するものという意味から選定をしてやつておるわけでございます。
#45
○木下源吾君 その選定する方法をお伺いしておるのです。
#46
○説明員(三浦辰雄君) 選定する方法といえば、甚だ具体的に、これは或いはどこの営林局はどこの山ということになり、おのずから條件が挾まれないと非常にむずかしい問題と思いますが、概括的にはいわゆる資産、その生産の各條件の資材、経驗、こういうものを豊富に持つておる人から選んでおるはずでございます。
#47
○木下源吾君 何か、木材業のそういう組合で選考してやるとか、或いはいろいろな諮問機関でも置いてやるとかということをなさつておるのではないか。実はこういうことをお尋ねするのは、官行斫伐をやるにいたしましても、直接請負う者はそうでもありませんけれども、下請けをする者は、これに損をしても無理にでもさせられて困難しておる者は沢山あるのです。それは止めればもう次から事業ができないのだということで、実際に働いて仕事をやつて、造材をやる者が苦しんでおつて、名義だけを持つておる者が確実な利益を得て行つておるのであります。これはそういう方針で一体やらせておるのかどうか。そういうものは選定する場合において、何か諮問機関でも、組合等の機関でも経てやつておるのかどうか。段々進んで参りますというと、何も仕事を一つもやらん、工場も持たん者が名義だけを持つて、現地の北海道にもおらないで、そうして頭を刎ねて利益を取つておる者があるのです。これは皆あなたは現地で御承知なのだから、こういう者のあることは善い惡いということよりも、何とか是正をするというお考えがあるのかどうか。実際に働いて、造材をやつておる事業家が困つておる一方には、そういう者がある。それが政府のあなたの言われる信用のある者であり、これならば仕事ができて立派に完成する者だと考えておられるということは、非常に内容において矛盾があるから、そのことをお尋ねしておるのであります。
#48
○説明員(三浦辰雄君) 説明が足らなくて……先程のような氣持からいたしますと、今お尋ねのような、ただ名義だけで、或る程度までその人が頭を刎ねて、あとは下請けをしておる者に全部任しておる。そういう下請をしておる者はうまくやつて呉れればよいし、若し惡くても、そうそう名義人というものは替え得るものじやない、先程一般論として私が申上げました範囲の人でないかと私は思います。從いましてそういう者がありますれば、実際問題についてありますれば、そういう者を排除して、正しい道で以て、本当に信頼し得る本当に力のある者を選ぶ。又この選ぶにおきましても、或る地方においては地区の林産組合等とも相談いたしましてやつておる例もございます。一種の利権を與えるような立場にも考えられる営業署長といたしましては、十分この点を考えながらやるべきであり、又やつておるつもりであると思いますが、若しそういう点があれば、更に現在実際について尚檢討をしなければならん、かように考えます。
#49
○木下源吾君 立木調査の費用はこれはいわゆる政府で持つものか、業者に持たせるものか。
#50
○説明員(三浦辰雄君) 数字はちよつと今手許にございません。たずねればありますが、勿論立木調査の経費及び人夫或いは周囲の費用等も含めた全部、これは政府の持つべきものでありまして、当然予算にも載つておるのであります。
#51
○木下源吾君 そういう建前でやるべきであるが、実情は全くそれと反して、立木の調査の大部分の費用を業者が持つて、業者が出しておる。從つて自分たちの都合のよいような調査が北海道あたりで雪中において行われておる。こういうことについて御調査になつたことがあるかどうか。
#52
○説明員(三浦辰雄君) 私先程申上げましたように、又北海道の國有林、いわゆる國有林野の統一を経て、農林省一本になつておるというのは、本年の、詳しくいえば五月からであります。まだ北海道においてはそういう事態があるかも知れませんが、從來内地の國有林においても、昔はそういうようなこともあつたのでありますが、逐次是正され、今はそういうことは全然ございません。積雪の上で自分の都合を図つて参るというような点は、いろいろ誤解もあり、正しい数字が出るか出ないか、技術的にも研究しなければならん点があると思います。十分注意して参ります。
#53
○木下源吾君 官行が赤字を出して、民間が黒字を出しておるものは、簡單にいえばこれはどういう原因であるか御研究になつたことがありますか。
#54
○説明員(三浦辰雄君) 民間は黒字が出るが、國有林は赤字が出るという、この問題については、なかなかむつかしい問題で、私共も特別会計を本年から始めました場合、その内容なり結果がいろんな点で收支バランスがむつかしい、益金を出すことがなかなか困難な事情でありますので、いろいろ尚調査しておりますが、北海道におきます場合におきましては、一應北海道が一千百万石程度の一ケ年の生産目標をやつております場合、その中四百万石程度がいわゆる國有林の官斫で、あとは國有林或いは道有林、昨年で申しますれば御料林、大学演習林、こういつた方面から殆んど全部というものが供給されて、その場合にその立木價は製品から逆算して計算されておるわけであります。國有林が長い経営を考えながら、林道その他の施設を敷設して参るに対しまして、或る場合のところは、立木の買受者は主として殆んど全部を雪の上で出す、こういうことの差もあろうかと思いますが、この点については私共の方自身も十分留意しなければならんと考えます。
#55
○木下源吾君 造材に対する林道というようなものは、少なからざる経費が掛かるということが今のお話でも想像できるのですが、これが開拓、拓植の関聯において計画されて、なされたことが今日まであつたかどうか。
#56
○説明員(三浦辰雄君) 今日までという問題になりますと、いわゆる北海道の綜合開拓ということで、北海道廳がみずから、いわゆる國有林のなんといいますか、経営委託を受けて、又一面においてはいわゆる拓植などをやつておるのだから、当然あつたと思います。
#57
○木下源吾君 官行斫伐に携つておる下請けというか、もうすでにこれは役所とも密接な関係を持つておるのですが、随分長い間、そういう関係を保つておつて、相当綱紀が弛緩しておるように考えられるばかりでなく、事実においてもあつたのであるが、この機会に再檢討をして、因縁情実に捉われることなく、断乎として公益のために造材に向つてやられるというお考えがあるかどうか。
#58
○説明員(三浦辰雄君) 若しそういうような官紀の肅正に触れるような点があるといたしますれば、勿論速かにそれは直して、誰が見ても國有林というものはみんなの國有林であるとこういうふうな形に持つて行かなければならん、こういうふうに考えております。
#59
○川上嘉市君 林道のことでちよつとお伺いしますが、國有林を開発するときに、林道を民間で以て作らせる場合があると思いますけれども、そういうときにその林道を作つた、例えば三百万円、四百万円掛ける、こういうときに、その林道を作つたということに対する権利と申しますか、特権と申しますか、相当に尊重されるものでしようか、どうでしようか。それをお伺いしたいと思います。
#60
○説明員(三浦辰雄君) この三百万円、四百万円では今日の金では或いは少いかも知れませんが、それにしても相当の費用を林道というものに掛けなければ木は出て來ないということで、その立木を買つた人が当然その立木を伐つて出すためにお作りになります。その金は立木を賣ります場合、それだけ道に投資されなければ木は出て來ない。從いまして駅だとか、港湾の價格から逆算いたしまする場合、施設としてその金を見ます。ところが、年期特賣という場合でありますればそうなりますが、そうでない場合においては、その負担分というものを見て、買受者等に納得の下く線でやつておる。それに合わんような金では勿論木を買えません。それは買受者の方で見るのが原則になつております。從つてその後のものは、その用事が終りますれば、自分が作つたんだから、その所を通るときには自分の独占の道であるというようには一般としてはなつておりません。
#61
○川上嘉市君 立木の代の中に含ませるには、その林道を作る費用が余り高い。例えば二里、三里の山の奥から運びますのに、一年に一万石というものを運ぶということはなかなか容易でない。ところが、三里の道を作るには恐らく今日では三百万円も掛かる。そうしなければ木が出ないというときに、若し一年で打切られたならばその金を掛けるということは無意味になる。そんなときにいかがでしようか。
#62
○説明員(三浦辰雄君) そういうときには経済的にいつてもその木は賣れない、又買えない問題でございます。
#63
○岡本愛祐君 先程質問をいたしましたが、質問の答弁を得なかつた点があります。立木賣りと官行斫伐賣りとどちらが得が行くかという質問をしたのですが、今いつたような赤字の状態ならば、國有林も立木賣りばかりしておればこれは支出は大してないから、收入ばかりあるのですから、そう赤字を非常に出すようならば立木賣り專門ということにしたらよいのじやないかといえるのであります。併しそれでは山が惡くなる一方ですからそうは行かない。それならば官行斫伐賣りということはやらなければならん。ですからいかに経済的にして行くかということが大いに問題になると思います。これには今非常に人を沢山使い過ぎていやしないかということが一つ、それから山の人夫を働かせるには十二分の食糧を得なければならん。一升飯を食う山の重労働でありますから、これは國有林野事業であれば自分と同じ農林省の中に食糧管理局なんかもあるのでありますから、その方とよく連絡をお取りになつて、そうして加配米なり何かに、営林署長などに余り苦労をさせない、闇買いなんかさせて今檢察廳などで挙げられておるという者は相当あるのですから、そういうことをさせないでうまく行く工夫が私はあるだろうと思うのであります。こういうふうにして食糧管理局の方は來ておられないかも知れないが、そういう方とも十分協力なさることが必要であると思います。又商工省の方が來ておられますかどうですか。資材なんかもなかなか手に入らないために、これも闇買いしなければならん。そういうことも、これは國有林の事業でありますから、うまく行くんじやないか。
 それからもう一つ大藏当局にお尋ねして置くんですが、この特別会計ができたので見ておりますと、非常に困つておることがある。それは現金が年度初めにないことなんであります。それでこれは営林署長なんかは非常に苦労して、自分で金を借りた、或いは業者なんかから金を融通して貰つた、そういうことで惡因縁もできますが、そういうことがないように、深切に年度始めに現金を廻してやる、どうせそれは返つて來ますから、そういうふうな工夫をなさることも私は必要だろうと思います。又御料林の事業を考えて見ますと、非常に会計規則は面倒です。一つの営林署なら営林署で同じくらいの事業分量をやつておるところへ、会計事務に使つておる人は三倍の人を使つておる。これはいかに会計規則を綿密にし、複雜にして行つたところが、惡いことをする者は惡いことをするんですから、もつともつと簡單にして、この点においても大いに経済的に行く方法があるんじやないかと思います。そういうことに対して、大藏省なり林野局でどうお考えになつておられるか、最後にお伺いして置きます。
#64
○政府委員(福田赳夫君) 林野会計におきまして、金が年度初頭に出ないというお話につきましては、これは予算が年度開始前ぎりぎりに決まるというようなことがありますると、事務上なかなか間に合い兼ねるという点があるのであります。併しながら予算さへ多少の余裕がありますれば、四月一日から必ず小切手が切れるというようにいたしたいと思います。極力努力いたします。尚会計法規の手続の問題につきましては、これはいろいろ御数示等も受けまして、若し不当なところがありますれば改正いたしたい、かように考えております。
#65
○委員長(櫻内辰郎君) 石坂委員の質疑に対して、畜産局長の御答弁を願います。
#66
○政府委員(遠藤三郎君) 先頃のこの委員会で、貸付牛馬の拂下價格が非常に安いという点についての御質問があつたように伺つておるのでありますが、実はこの点につきましては、現在お話のように、確かに相当安い價格で拂下げをしております。牛馬五百円乃至六百円程度で拂下げをしておるのでありますが、これは実は昭和十九年及び二十年に各農家に貸付けたものでありまして、貸付けをいたしましたときに、農家との間に政府は約束をしておりまして、二年乃至四年の後に、政府は買上げの原價又は時價で以て拂下げをします、而もその原價と時價と比較して、若し買上原價の方が安い場合にはそれによつてやる、こういう趣旨の約束を明瞭にしたのでございます。その約束に從いまして拂下げを現在やつて参つたような次第でございます。頭数としましては、牛馬合せて十万頭やりました。現在すでに拂下げを済ましたものが約七万頭余でありまして、約二万頭余はまだ拂下未済のものが残つております。そこで非常に農家に特に條件のよい契約をしたという点についての御質問があつたことと思いますが、この点については特に御了承をお願いしたいのでありますけれども、昭和十九年二十年当時は戰爭も末期になりまして、御承知のように食糧の生産が急激に減退して参りました。この食糧の増産をし、食糧を確保するためには、どうしても農家に家畜を持たせなければ食糧の増産を確保することができないということになりまして、非常に無理ではあつたのでありますけれども、政府としましては十万頭の牛馬を政府が直接買上げまして、そうして仮りに將來牛馬の價格が上つても下つても農家には損をさせないという建前で約束をしたのでございます。農家としましてはその当時家畜を持つことは極めて困難でありまして、ただ食糧事情が逼迫して参りまして、從つて飼料も非常に困難であり、滔々として家畜が減少しておる状況であつたのでありますから、これを農家に持たせることについては可なり無理がございましたが、併し將來決して損はさせない、仮りに家畜が下つても損はさせないからということで十万頭を農家に持たせまして、そうして個々の農家はその仔牛仔馬を飼育して現在に及んで参つたのであります。二年乃至四年の期間が経過いたしましたので、逐次拂下げをやつて來たような次第であります。若し現在になりまして、この家畜の拂下價格を引上げることにいたしますならば、政府としましては農家に対する約束を破つたことになる。このことが政府としては非常につらいことでありますし、又実際その当時の事情を考えますならば、その当時の約束を履行することが当然であるというふうに考えまして、その建前を実行しつつあるような次第であります。尚檢査について見ますと、すでに八万頭の拂下げをやりましたので、残つておる二万頭について、特別の措置を講ずるといたしますと、八万頭の関係者と残りの二万頭の関係者との間に非常に不公平が出て來る。こういう問題もありましたので、從來約束しておつた通りの計画に從いまして拂下げを続けておる次第でございます。
#67
○石坂豊一君 実は私が地方において見ておるところによりますと、貸付家畜に対する檢査が余り行われていないのであります。実際は値が高くなつたときに賣り拂つてもう所持していないのであります。それを政府へ原價で納めれば非常な利益がある。発覚したときに元の値で納める。こういうようなことで遂に拂下げという公けの手続で、それを覆い隱してある。そういうことをたびたび私は伺うのであります。それで政府は貸付馬匹或いは畜牛等に対して相当檢査を行われておるでありましようかどうか。この点地方民が非常に疑つておるのであります。現に残つておるのは何万頭かあるようでありますが、これらに対しても十分の檢査ができることを私は望む。成るべくやはり有畜農業にせんければ、本当の肥料不足の場合等において、農家は増産ができない。今日農民は大抵土地を自分が持つことになつておりますから、生産意欲が向上しなければならんのですが、あべこべになつておる。土地を一遍に貰つたから、余計取ればむしろ供出を沢山課けられるというので、今年一ぱい樂をして見ようというようなことを、頻々と聞くのでありまして、誠に我々は心外に思つております。政府当局の仰せらるるようなことなら、これはもう農家との約束を破ることは勿論できんことでございましようが、貸付期限が來たために拂下げられたのであるか。或いは又もういい加減なところで拂下げて、後始末を付けた方がいいというので、途中からそういう手続でお間に合せになつたのか。あとの二万頭はまだ保有する期間があるから、この間に又それを……とにかく非常な値上りなんで極めて最劣等の馬でも一頭二万六千円ぐらい出さんと買うことができない。それを五百円や八百円で賣ることは地方の者が笑つておる。その点について畜産局長が幸いお見えになつておりますから、どういうお手続になつておりますか、いま一應御答弁願いたいと思います。
#68
○政府委員(遠藤三郎君) 貸付牛馬の監督の問題でありますが、実は十九年にこの牛馬の貸付制度を始めたのでありますが、十九年のときには戰爭がまだそれ程苛烈でもなかつたために、政府が直接これを買上げまして、そうして、農家に貸付けたのであります。ところが昭和二十年になりますと、もう空襲も非常に烈しくなつて参りまして、政府が直接やることは困難になつて参りました。從いましてそれからは縣に一切を一任しまして、縣が地元地元において適切なる処置を講じて呉れるようにということを縣に通牒いたしまして、一切縣にお委せしたわけであります。併し戰後になりましてからお話のような点が確かに問題になると思いまして、逐次これを整理しなければいかん。而も拂下げたものと然らざるものとの区別をはつきりし、何処にどれだけ政府のものがおり、而も拂下げせざるものの飼育状況等についても確かめて置かなければいかんということで、本年の三月を区切りまして、それ以前に拂下げたものについては、それはもうよろしい。併しその後については政府が又直接やりますから、縣から政府の方へ一切の状況を報告して來なさいということにしておりました。現に今細かな調査を命じておる次第でありまして、その調査も段々集まつて参つておりまして、貸付牛馬の現在の状況も段々はつきりして來つつあります。ただお話のようにそれを非常に安い價格で賣るとか、何とかいうことがあるとしますれば、それは非常にいかんのでありまして、我々の方で考えておりました趣旨と全く合わないのでありますから、御注意の点はこれから十分注意して参りまして、制度の本來の趣旨に合うように運用して参りたいと存じます。
#69
○委員長(櫻内辰郎君) それから前回の委員会で、生活物資の配給状況に対する質問があつたのでありますが、幸い関係当局がお見えになつておりますから、この機会に御答弁を願いますれば幸いであります。
#70
○政府委員(藤田巖君) 私農林省水産局長の藤田でございます。魚の六大都市における配給状況につきまして、最近の実情を御説明をいたしたいと考えております。この魚につきましては食糧緊急対策の一つといたしまして、六大都市に対しまして鮮魚介を三日について三十五匁、それから水産加工品を一日三匁、これを確保するところの方針を食糧緊急対策で立てまして、七月からこれを実施しておるのであります。これは各地について必ずしも一様ではございませんが、その結果大体東京都で例を取つて申上げますると、当初の七月中の入荷量というものは、これは大体約三百万貫でありまして、その中家庭配給に廻りました数量が百九十二万、大体一日一人平均十四匁であります。その当時は非常にお魚の配給もよかつたのであります。その他の地方につきましても、惡い所もございますが、大体計画の七割程度、これは確保し得たと私共は考えております。ところが八月のなりましてから一体に入荷量が非常に減つて参つております。大体八月で申上げますると、東京では一人一日大体七・三匁、それから横濱では七・四匁、名古屋では三・一匁、京都では三・九匁、大阪では三・四匁、神戸では三・八匁、大体一日に十二匁程度を確保すべき数量がこういうふうに減つて來て参つておるのであります。それから九月に相成りますと、東京では一人が六・七匁、横濱では十・三匁、名古屋は五匁、京都は二・四匁、大阪は六・四匁、神戸は二・五匁、かような数字になつて來ておるのであります。一日一人当り大体鮮魚で十二匁程度確保いたします計画も非常に下廻つておりますようなわけで、大体入荷量も計画をいたしておりますところの入荷量の半分程度、こういうふうに相成つておりますわけであります。
 これはどういうような事情でこういうふうになつたかと申しますと、大体この八月九月というのは、これは御承知の魚につきましては夏枯れの時期であります。この東京方面に入ります主な魚、例えば汽船底曳網漁業によつて取られます魚類、そういうふうなものは主な所が休んでおります。禁止期間に相成つておりました関係もあり、それから又一つは今年は非常に近海物が水温の関係で例年に比べて不漁でございました。それから遠いところの魚につきましては、氷が不足いたしましたし、或いは運搬するときの冷藏車が不足いたしまして、夏のことでありますので、そういうふうなものが不足いたしますと鮮度が非常に落ちますために出し澁る。又折角送つて参りました物もそういうふうな関係で非常に鮮度低下品になりまして、家庭配給の不向きになるところの品物が非常に沢山出て來る。從つて入荷いたします数量が減りました上に、入つて來ましたところの魚が鮮度低下で家庭不向き品ということになつて來ておるというふうな実例がありまして、八月九月は余り芳ばしくない成績になつて來ておるのであります。殊に最近は多少戻つて参つておりますが、東京について考えて見ますると、東北方面水害の関係からいたしまして、まだ貨車が完全に元のようには復旧をいたしておりません。そういうふうな関係で輸送力が非常に減退をいたしておりますような事情があるのであります。
 これが大体鮮魚についての実情でございますが、一つ指定水産物についての実情を申しますと、指定水産物と申しますと、例えば身欠鰊でございますとか、煮干鰯でございますとか、「するめ」でありますとか、或いは練製品、或いは魚粉、こういうふうな大体九品目のものでありますが、指定水産物の集荷につきましては、これは大体入つて來ております数量は、東京、大阪方面は相当良好であります。ただ横濱、名古屋、京都方面、これが計画には達しておらないようであります。平均して申しますと、七月の現実に配給のありました数量が東京で三匁見当、と申しますと、平均して東京で四匁、横濱で一・一匁、名古屋で一・八匁、京都で一・二匁、大阪一・五匁、神戸一・九匁、八月に参りますと、東京で一・八匁、横濱で二匁、名古屋で四・六匁、京都一・四匁、大阪は五・一匁、神戸一・三匁、こういうふうに相成つておるのであります。
 鮮魚及び加工品全体を通じましての配給につきましては、丁度そういうふうな時期の関係、その外いろいろの事故がございまして、必ずしも予定通りには入つておらないわけであります。この点につきましては段々と十月も過ぎて参りますれば、いわば盛漁期に入つて参りますわけであります。我々といたしましては、生産方面についても相当需要が増加して参ります次第でありますから、極力計画通りの六大都市方面への出荷を促進するようにやつて参りたい、かように考えております次第であります。
 尚又折角入りましたものが、末端において横流れをいたしまして、家庭配給にならないというふうな部面も相当現実にあると考えております。こういうふうな問題につきましては、我々といたしましては現在折角入つて参りましたところの品物が横流れをするようなことのないように機構の改善を行う、或いは又末端の配給の取締りその他の点を考えまして、確実に計画配給のできるように努力をいたして参りたい、かように考えております次第であります。
#71
○木下源吾君 今食糧のお話でちよつとお尋ねしたいのですが、「さけ」、「ます」の配給の統制がないようでありますが、どうなつておりますか。若しも配給統制がなかつたならば、いつその枠を一体外したのか、どういう理由が外したのか、これをちよつと承りたい。
#72
○政府委員(藤田巖君) お答えいたします。これは「さけ」、「ます」、いわゆる塩「さけ」、塩「ます」の問題でありますが、これはいわゆる指定水産物の品目を選びます際に問題になつたのであります。大体指定水産物を選びます方針といたしましては、大衆的に確保をしなければならん、尚且つこれが大衆的に計画配給をし得るような品物、そういうふうな見地からこの指定水産物というのを選びましたのでありまして、從つて例えば「いわし」、「にしん」、「たら」、「いか」、こういうものの製品はこれを指定水産物にいたしたのであります。塩「さけ」はこれは從來とも非常に各家庭で珍重がられ、重要な水産物ではあるのでありますが、御承知の通り、北洋を失いました現在におきまして塩「さけ」の数量というものは非常に少なつております。極く僅かであります。北海道、東北或いは新潟、そういう方面の河川に上つて來るところの「さけ」だけでございます。実用から申しまして、これを計画給配するのに非常に困難でもあり、なかなか適せないというふうに私共は考えました次第であります。これは從來ともなかなか統制のルートには乘つておりません。でありますからして、我々としては指定水産物を選びます際に、こういうふうなものについてはむしろ自由にいたしまして、放任をいたしました方が却つて出廻りが円滑になるのではなかろうか。殊に僅かばかりの数量のものでありますからして、さようにいたした方が適当であろうかというふうな見地からこれを除外をいたしました次第であります。
#73
○木下源吾君 價格の統制はいたしてございますか。
#74
○政府委員(藤田巖君) お答えをいたします。價格につきましては、これは統制をいたしております。
#75
○木下源吾君 然らば、生産者價格が、私の記憶では一貫目が八十幾円かと記憶しております。それが腹を割いて貴重な「すじこ」を取つて、少量の塩を入れて「あらまき」にすると、小賣末端配給の價格が、私の記憶では三百八十幾円かと思うのであります。一体このような開きがどういう見解から附けられたのか。又塩は、漁業会に対してと思いますが、「あらまき」用として特配をしておると考えます。そうすれば生では持つておられないので、塩を持つた者がこれを特権的に買い得るということになる。それで、この特権的に買い得る者が、いわゆる八十幾円と三百八十幾円との差額を取り得るということになる。このようなことは、政府として、少量であるからということで余り重要視しないで價格を決めたのかどうか。少量であるということを言われましたが、「さけ」、「ます」の收獲が、北海道、東北において一ケ年にどのくらいあるか、この確実なる統計をお取りになつたことがあるか。私は恐らく「さけ」、「ます」が闇から闇に流れておつて、そういう統計は、御答弁になりましても信じられない。併しながら、そう少量とばかり一笑に附すべき量ではないと考えるのであります。これを正しく捕捉するのには、只今のような價格統制は、塩は特配をし、そうして実際においての配給の枠を外しておるというところに大なる欠陷があるのではないか。こういう点についての政府の御所見を承りたい。
#76
○政府委員(藤田巖君) お答えをいたします。從來の水産物につきましては、これをすべて價格及び配給のルートまで統制をいたしまして、実施をいたしておつたのでありますけれども、実施の実情を考えて参りますると、なかなか地方的に取れます魚、而もこれが数量的においてもまあ全國的に大きくならないというふうなものにつきましての統制というのは、これは全体の水産加工物の性質がそうであろうかと考えますけれども、実際問題として、これを全部の物を統制をいたすと考えましても、事実不可能であつたのであります。從つてお話のように、統制を外しながら價格を附けておるというふうな点についての不徹底を指摘されたのでありますが、私共もその点は十分了承はいたすのでありますけれども、現実に統制しないところの沢山の物を、仮りに統制をするというふうな建前で参りましても、結局においてそれができないということになりますと、折角統制をしようという物についての統制までやれないことになつてしまう。それで我々といたしましては、そこにおのずから限界を設けまして、これらの品種の物については、これはむずかしいけれども、統制はやはり鮮魚との関係でやつて参る。それ以外の物については、これは統制を外そうというふうなことに大体の肚を決めまして、全体の沢山やつておりましたところの統制の中から、大体十品目ばかりの必要な物を指定水産物として残し、これを統制する。あとの物は、一應これを配給のルートについては自由にする。こういうふうな処置に出たのであります。完全に全部を統制することがやはりできず、而もこれを全面的に撤廃することもできない現状におきましては、その取締りその他の統制力の極限というものを考えまして、或る程度整理して行かざるを得ないのじやないか、さような見地でやりましたのであります。「さけ」、「ます」の生産数量は、私はつきりとは記憶いたしておりませんが、北洋が開かれておりました折の、恐らく億を以て数えるところの尾数から考えますれば、恐らくその何分の一、何パーセントであるかと考えます。それから又塩を特配しておるというふうなお話でございました。これは現在のところは、塩の問題につきましても、やはり出荷対策として、どうしても大消費都市へ出荷を促進しなければならんところのものについて重点的に我々としては施策をいたしております。從つてお話のように、例えば北海道におきまして、從來の、何と申しますか、関係からいたしまして、そういうふうな或いは特配というふうなものがまだ残つておるかも知れんと考えておりますが、我々といたしましは、この指定水産物に重点を置きまして、それの加工に必要な塩を先ず確保するというふうな方針で進んでおるわけであります。そういうふうな今度統制が撤廃されました後の処置というものについては、塩の問題についても、從來通りのそういうふうなやり方が、これはおのずから是正されて行くべきものと、かように考えておる次第であります。
 それから鮮魚と塩「さけ」の價格の開きが非常に大きいが、というお話でありますが、これは実は正直に申しますと、私技術屋でないのでそう正確には御説明できないのでありますが、大体從來の考え方といたしましては、鮮魚の値をまず決めて、それに対する製品の歩留りというものを考え、そうして加工賃というものを考えまして、それを適正に加えて参るというふうな計算で塩物の値が出ておるわけであります。從つて或いはお話のように、最近は塩物と称しましても、單に生のはらわたを割き、そうして塩をばらばらと振掛けたものを、いわゆる塩物としてその値で賣つておるというようなことが起つて参つておりますけれども、これは我々の方の考え方から申しますれば鮮魚と考えるべきものでありまして、値段の点につきましては、從來作つておりますところの正当な製品の歩留りで、製品として完全に作りましたところの値段を計算しておる、その値段が今お話のございましたような開きになつておる。從來のような製造方法であります場合については、これは物價廳その他といろいろ相談をいたしまして、その魚々について適当と認められるところの値段を決定いたしました次第でございまして、そう大した不均衡は起つておらない、かように考えております。
#77
○木下源吾君 私の質問の要点は、現に生産しておる者が、一貫目八十何円で取られていや應なしに賣らなければならん。そうして一方では政府から配給を受けた塩を持つておる者が独占的にこれを買入れることができて、そうして「あらまき」というのは申すまでもなくあま塩の「さけ」のことなんであります。あま塩の「さけ」にして、それが歩減りはどのくらいであるかということは何も専門家でなくても分ります。殊に「すじこ」のようなものは市場でも分るようにあのような高い値段のものを取つて、それも金になるのである、今配給の不円滑、いろいろな原因をいわれておりますけれども、政府の採られる方針が、そういうところに私は配給の不円滑の根本の原因があると思うから、六大都市重点主義で、地方はどうでもいいというようなやり方、又外の物の價格をいやが應でも釣上げて行くような、只今の「さけ」のようなやり方、こういうことに対してもう少し関心を以ておやりを願いたいというのが私の質問の要旨なんであります。
 そこでこの点については、私は資料を集めまして、こればかりではなく凡ゆる鮮魚、或は塩魚について改めてお尋ねをしたいと思うのですが、もう一つ、もう時間もございませんので、お尋ねをしてお願いしたいのは、政府の最近一ケ年間において、漁業家、漁業者といいますか、に対して金の融通をした額、その融通先、そうしてその融資の際に收獲の計画書が出ておる筈でありますが、融資をした結果、その收獲の実績はどういうようにやつておるか、この実績は、そこの定置漁場なら定置漁場、そういう所で獲れたからという報告ではなくて、実際に正規の配給ルートに乘つたその数重が、最初の計画とどういうような関係になつておるかということを、明細に表を以て一つ御提出を願いたいと思います。この点を一つお願いして置きます。
#78
○政府委員(藤田巖君) お答えをいたします。漁業者に対するところの融資状況についての資料を提出せよということでございますが、この漁業者に対するところの資金につきましても、いろいろございまして、例えば漁船を建造する場合の資金でございますとか、いわゆる設備資金に対する貸出しの場合と、それから運轉資金に対する貸出しの場合と、いろいろその用途が違うわけでありますから、大体この運轉資金に対する貸出しというものは、漁業者が從來それぞれの地方銀行から融資を仰いでおるということが実情でありまして、この問題については、資金調整に掛かります程度の金額でありますならば我々としても分つておりますけれども、資金調整に掛かります限度までの金でありますものは、実は我々の方にも分つておりません。これは個々の銀行同士との間に、適宜にこの事業資金、いわゆる仕込資金は融通を受け返還をしてやつておるのであります、從つてこれを包含しての資料というものは実は私共に通つておらないのであります。ただ我々として分りますのは、資金調整を受けに参りました折に、例えば建造資金で或る会社が復興金融金庫から幾ら借りが出ておる、或いは一般地方銀行からどのくらい借りたいという申請が出たか、こういう程度しか資料は作成できなかろうと考えております。若しもその程度の資料で御了承頂きますならば、我々として作成いたしまして出したいと思います。
#79
○木下源吾君 その程度で結構でございます。全國的に全部一つお願いいたしておきます。
#80
○中西功君 配給状況の質問は、確か川上さんがなさつたと思うのですが、本人が今ちよつとおられないのですが、この問題については、千八百円問題ともいろいろ関聯しまして、私たちもつと詳しく聞きたいと思う点があります。岡本さんの質問もあるようですけれども、これは時間も迫つておるので、もう一回後にしてやりたいと思います。
#81
○委員長(櫻内辰郎君) それではお諮りいたします。残余の質疑は次回に讓りまして、本日はこの程度で散会をして差支えございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(櫻内辰郎君) それでは散会をいたします。
   午後五時八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長
           櫻内 辰郎君
   理事
           木村禧八郎君
           西川 昌夫君
           西郷吉之助君
           村上 義一君
           中西  功君
   委員
           大野 幸一君
           カニエ邦彦君
           木下 源吾君
           波多野 鼎君
           原  虎一君
           石坂 豊一君
           小野 光洋君
           左藤 義詮君
           鈴木 安孝君
           深水 六郎君
           大島 定吉君
           木内 四郎君
           佐々木鹿藏君
           飯田精太郎君
           岡部  常君
           岡本 愛祐君
           川上 嘉市君
           河野 正夫君
           島津 忠彦君
           東浦 庄治君
           姫井 伊介君
           渡邊 甚吉君
           池田 恒雄君
           川上  嘉君
           藤田 芳雄君
  國務大臣
   労 働 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   宮内府次長   加藤  進君
   宮内府事務官
   (内藏頭)   塚越 虎男君
   大藏政務次官  小坂善太郎君
   大藏事務官
   (主計局長)  福田 赳夫君
   大藏事務官
   (給與局長)  今井 一男君
   農林事務官
   (水産局長)  藤田  巖君
   農林事務官
   (食品局長)  三堀 參郎君
   農林事務官
   (畜産局長)  遠藤 三郎君
   農林事務官
   (農林大臣官房
   会計課長)   清井  正君
   食糧管理局長官 片柳 眞吉君
   農林事務官
   (食糧管理局総
   務部長)    山根 東明君
   商工事務官
   (化学局長)  三木 秋義君
  説明員
   林野局國有林野
   部長      三浦 辰雄君
ソース: 国立国会図書館
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