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1949/04/07 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第6号
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1949/04/07 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第6号

#1
第005回国会 予算委員会 第6号
昭和二十四年四月七日(木曜日)
   午後一時二十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
○分科会設置の件
○担当分科委員の選任の件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒川武雄君) 只今より委員会を開会いたします。先ず大藏大臣に本予算についての提案理由の説明を求めます。大藏大臣。
#3
○國務大臣(池田勇人君) 提案理由の御説明をいたします。昨日御説明いたしましたのと内容は同樣でございまするから、昨日ので御了承願いたいと思います。
#4
○委員長(黒川武雄君) 只今より質問を始めます。
#5
○田村文吉君 大藏大臣にお尋ねいたしたいのでございますが、簡單な問題からお尋ねいたしたいと思います。
 今度の行政整理をなされることについて、この予算にはどういう関係になつておりますか。行政整理の結果どれだけの人が減る、それに対する退職金はどうなのか、こういうことはみんなこの中に含めてお作りになつておりますかどうか……。
#6
○國務大臣(池田勇人君) 只今政府で計画いたしておりまする行政整理、即ち現業は原則として二割、非現業は原則として三割、これがこの予算案に入つております。
#7
○田村文吉君 從いまして退職金その他のものもみな入つておりますか。
#8
○國務大臣(池田勇人君) さようでございます。
#9
○田村文吉君 二番目にお伺いいたしたいのは、今度政府で初めお作りになつたと傳えられている予算が、公共事業費とか、或いは地方交付金とかいうような方面で非常に減額になりましたことが、何かしら予算をちよつと拜見いたしましてその方面だけが特別に減つたために、全般的の各支出間の均衡がいくらは取れていないような感じがするのであります。例えばまだ御折衝中になつておると承つております六・三制に伴う公共事業費或いは土木、治山治水の費用等が、初め私どもの予期いたしましたものよりは大分減つておりますように伺います。又或いは殆んど認められないものもある、こういうふうに考えられておりますが、一方これは私ども議員の関係のあることでありまするけれども、ちよつと予算を拜見いたしますと、議員宿舍及び議員集会所でありまするか、衆議院と参議院と合せて二億七千万の経費が計上してあります。これは誠にあれば便利のいいことでありますし、是非欲しいことではありますが、一方に建てるべき学校も建てられない、或いは又土木事業費も非常に緊縮して治山治水のために憂うべき状況下にあるというような場合に、かようなものは場合によれば遠慮すべき性質のものであると思うのであります。又昨年始まりました地方経済調査廳でありまするが、これに約十二億の費用が計算されております。一方で均衡の取れた意味で学校の教育或いは又治山治水についての十分な施設ができるならば結構でありますが、かような地方経済の調査に十二億も拂う、而もその効果というものは何だか我々から見ると甚だ期待が薄いのであります。こういうような点から言つて或いは途中で政府のお考えになつておりました大事の費用が削られたために、かような不均衡を是正なさるお暇がなかつたというのではないかとちよつと考えられるのでありますが、この辺をお伺いしたい。
#10
○國務大臣(池田勇人君) 嚴格な意味の均衡予算を作ります関係上、前に私の考えておつた数字よりも非常に減つたのが多いのであります。その最たるものは公共事業費でございます。併し公共事業費の中におきましても、できるだけ災害復旧等につきましては、相当重点的なものに留意いたしまして、昨年よりも非常に殖えたものもございます。お話の治山治水に対しましては、大体昨年の支出額よりも六割程度増加していると考えております。尚経済調査廳の予算なんか殖えましたのは、やはり経済再建に是非共こういう方面の費用が要りますので、実は見込んだ次第でございまして、不均衡という程にも考えていないのでございますが、ただ今まで非常に出ておつた公共事業費なんかが特に切られた関係上、外のものが目立つのではないかと思つております。
#11
○田村文吉君 私の申上げたいと思いましたことは、余り急激に、狙つておられました重要費目が削られたので、これを削るくらいならもつと外で削つていいものがあつたのだが、そこまでのお手が実は廻らなかつたのではないか、こういう工合に心配しているのであります。その点についてお伺いしたのでありますが、大体その問題はそれくらいにいたしておきまして、三番目にお尋ねいたしたいと思いますることは、預金の利子の問題なんであります。預金利子は御承知のように戰前の利子と今日の利子というものは、余り相違がないくらいで、僅かにしか上つておらないのであります。然るに貸付日歩になりまするというと、非常に上つております。例えば戰前一銭二厘程度でありました日歩が、今日は二銭九厘或いは三銭、闇は別でありますが、闇でない日歩にいたしましてもさようなふうになつておりますので、銀行の経営の手許から言えば、預金日歩が安くて貸出日歩が高いということは経営上甚だ樂なことでありまするし、又過去において相当に手傷もあつたことでありまするから、或る程度の鞘が多いということは銀行経営には樂である。又人件費も非常に高くなつておりますから、そういう点も考えて、若干の鞘が多くあるということも認め得るかと考えるのでありますが、それにいたしましては、余りに今日の預金日歩というものと貸出の日歩というものが差が多い。この間さる座談会で大臣から預金日歩は上げる考えがないかのように承わつたのでありますが、これについてはどうお考えになりますか。私は今日できるだけ死藏された金と、みんなの貯蓄を奬励する意味において、もう少し銀行の預金日歩、例えば定期でありましても六分二厘ぐらいになつておりますが、もつと上げてやるのが正当ではないか。余りに金融業者を保護し過ぎるために、折角の市中に飛んでいる金を集めることができ得ないのじやないか、こういうような考えを持つておりまするが、これについての御所見を承わりたい。
#12
○國務大臣(池田勇人君) 先般銀行業者の集まりのところで、金利を上げる意思はないかという質問がありました。上げる意思はないと答えたことは事実であります。それは私としては貸付金利を主にいたしておりまして、貯蓄奬励その他の点から申しますると、預金につきましては或る程度考えなければならんとも思いますが、貸付金利につきましては今を最高にいたしまして、どちらかと言えば抑えて行きたいと思つております。何と申しましても、この頃銀行経営の費用は相当嵩んで参つておりまして、今のような異例な状況を起しているのでございます。余談でございますが、預金部なんかにおきましても、千億円の預金を運用いたしまして、繰入金を三十数億円も出さなければならんような状態でありますので、銀行も今のところ余程経営を合理化にせざる限り貸付金利が下らないのではないかと思つております。方針としては、努めて貸付の金利を下げて世界の金利水準に引きつけて行きたいという氣持を持つております。
#13
○田村文吉君 貸付日歩をお下げ下さることは結構だと思いますが、併し今の世の中には非常に矛盾した考え方があります。非常に金に詰まつて金を大切にしている部面があるかと思うと、非常に金を粗末にする考え方が一方にあるのであります。その現われで私は預金日歩というものを非常に安くしておいて、銀行が引合わないからと言つて或る程度貸付日歩を高くするということが、非常に銀行の合理化の点から言いましても不合理であり、余り金融機関というものを保護し過ぎる、こういうふうの考え方が私に浮いて來るのであります。この点につきまして貸付金利を引下げ下さることも結構でありますが、貸付金の日歩は今日のままであつてもいいが、預金日歩をもつと上げて、昔の戰前における貸付金と預金日歩との差の程度に、その割合に止むべきものである。無論経費が殖えておりまするけれども、從つて扱い金高も殖えている、こういうわけでありますから、今日の銀行の経営方法について、私は甚だ不健全な点があるのじやないか、この点について特に大藏大臣の御所見を伺つた次第であります。
 次にお伺いいたしたいのでありまするが、終戰後の非常なインフレーシヨンによりまして工場建設或いは増設にいたしましても多額の費用を要するのでありますが、これに対しての償却でありまするが、これはこのインフレーシヨン下における状態が永続するものとは考えられないのでありますので、今非常に高くかかつていると認めるものはこれを早く償却するということが、私は必要だと考えております。從いましていろいろこれについての対策はあるようでありまするが、一番早く行い易いことは、建設價額を短期間に償却することを戰時中に一度行われたことがございますが、さような方法をお認め頂くわけには行かないものか、これについてのお考えお一つ伺いたい。
#14
○國務大臣(池田勇人君) 最近設備いたした資産の償却は、大体今の程度の償却でいいのではないかと考えております。すでにずつと以前に取得せられた資産につきましては、今の状態と可なりかけ離れますので、資産再評價の問題を檢討いたしているのでありますが、最近のものにつきまして、特に戰時中特例を設けられましたようなことは、只今のところ考えておりません。
#15
○田村文吉君 それから或る事業会社で最近において随分当惑した事例が多いのでありまするが、それが最近になりまして漸く昭和二十二年度の下期ぐらいの帳簿の檢査に税務官吏がおいでになるのであります。それでその結果、二十二年度時代における所得の計算方法が、この点は認むべし、この点は認むべからずということに相成りました場合に、本税の二割五分と決定さるべきであつた時から今日までの加算税が日歩十銭でございますが、かようなものを追徴されているのであります。それで業者といたしますと、決算が済んだならば早く一應お調べに來られて、今日問題の爭点となるものは、これは修繕費であるか、或いは新勘定であるか、建設費であるかということの爭いが多いのであります。そこで事業を守る人から申しますると、でき得るだけ補給或いは修繕に費しましたような費用は、修繕費として計上するのでありますが、この金額が昔に比べると非常に多いのであります。例えば一つの齒車にいたしましても、昔は三十円、五十円でできたものが、今日では一万円も掛つておる。こういうような場合に、税務署の見解とすると、それは新たなものとして経費に計上することは困る。こういうような見解から起る爭いが多いのであります。それが二年を経ちましてから調べに來て、これはどうしても認め難い、こうなつた曉に、本税の二五%及び加算税が日歩十銭とこういうような追徴をされますので、事業会社としては非常に当惑をしておるわけでありまするが、こういう点は甚だ無理があるかと思うのでありまするが、大臣はどういうようにお考えになつておられますか。
#16
○國務大臣(池田勇人君) 法人税につきましては、一昨年來、申告納税制度を採りました関係上、加算税の制度を置いた次第でございます。前は率が五銭であり、十銭になり、最近では二十銭にもなるような状況でございまして、今のお話のような点で爭いが起りますと、非常に両者とも困惑をする場合があるのでございます。問題の修繕費なりや、資産の増加なりやという点につきましては、余ほど議論があるのでありますが、これは個々の問題についてでないと、ちよつとお答えできないと思います。ただ本当に齒車の取換であつて、別に資産の非常に増加を來すようなものでなければ、私は修繕費として見てもいいのではないか。ただ私の聞いておるところでは、燒跡の建物を立派にして、これを修繕費だというようなことで問題が起つたことを聞きますが、これは個々の場合でないとはつきり申し上げ兼ねる次第でございます。
#17
○田村文吉君 御尤もなことでありますが、決算が済んで届けをしたならば、直ぐ來てお調べを頂いたものなら、これはもう議論の問題でございますからいいのですが、これが最近に二十二年度の下期のものを調べる、或いは二十三年の上を調べる、こういうことでありますので、御否認なさるならばそれで宜しいが、一年も二年も経つてから御否認だということになると、加算税が大変莫大なものになる。こういうことは現在の税務署の在り方ではなかなかお手が廻らない。然るに拘わらず日歩二十銭も取られますと、丁度加算税、追徴税の二割五分を加えますと、倍額取られるという、こういう実例が沢山あるのでありますので、これは御承知かと存じますが、こういう点については他に救済する方法をお考え頂かないと、困るのであります。これについて大臣のお考を伺いたい。
#18
○國務大臣(池田勇人君) 御尤もな点が多々あるのでございます。で、これが故意に資産として評價すべきものを落した、こういうことならば、これは追徴も加算税も取らなければなりませんが、非常なそこに疑問があつて、そう考える考え方もできるというふうな場合につきましては、加算税、日歩の問題について私は考慮し得ると思います。
#19
○田村文吉君 次にお尋ねいたしたいのは、今度の六・三制の実施につきまして、これが幸に國庫から相当の費用をお出しを願えてやれれば結構なのでありますが、実質的には随分困難な立場に大藏当局としてもおられると考えております。そこで実際今日の実情はどうかと申しますと、皆地方々々で高税に悩んでおりながらも、寄附金を皆言い附かる。子供が可愛いものでありますから、父兄といたしては何皆とか工面しても寄附に應じて、或いは学校の校舍を建てるとか、或いは又從つて教員の住宅をお手傳いするとかいうようなことをやつておるのでありますので、今日の状況からいえば、或る程度までこれも止むを得ない。併しこれは殆んど、寄附金と申しますけれども税金のようなものなんで、やらざるを得ないような状況下にあるのでありまするので、これは私は皆が喜んで税金を出すような氣分を勧奬する意味において、一つこの寄附金に免税してやつたらどうか。寄附をした額だけは所得の計算から控除してお考え下さることができないであろうか。即ち今日は殆んど二重課税になつておるのでありますが、そういう点の緩和について大臣のお考はありませんかどうか、お伺いいたします。
#20
○國務大臣(池田勇人君) 寄附金の免税問題につきましては、古くから議論されておるところでございます。御承知の法人のなします寄附金については、資本の一定限度、所得の一定限度内はこれを損金として取扱うことにいたしておるのでございます。今個人の寄附について全面的にこれを損金にするかということは、財政收入確保の上から余程困難な問題ではないかと思つております。議論といたしましては、所得の一定額を認めるのもいいじやないかということがございますが、かなり税收に影響いたしますので、只今のところ直ちにこれを実行するということは余程困難だと思います。
#21
○田村文吉君 ただ実質的には個人が二重課税を受けておると同じことになつておるということを御認識の上に、何かこれに対して方法をお考え頂いてもいいのでないか、こういう考え方を申し上げて、この質問はそれだけにいたしまして、次に一つお伺いいたしたい……。
#22
○委員長(黒川武雄君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#23
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて……。只今主税局長が見えておりますから、予算についての詳細な説明を伺うことに……。
#24
○波多野鼎君 議事進行についてでありますが、主税局長から細かい数字の説明を聽いてみても、大した私個人としては意味はないと思う。
#25
○委員長(黒川武雄君) ちよつと速記をとめて……。
   〔速記中止〕
#26
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて下さい。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(黒川武雄君) それでは分科会のことを皆さんにお諮りいたします。先ず分科の数及び所管につきましてお諮りいたしたいと思います。先だつての理事会で決定いたしました通り、分科の数を四分科といたしまして、その所管は、第一分科は國会、裁判所、会計檢査院、人事院、総理廳、法務廳、大藏省、及び他分科所管外事項、第二分科は外務省、文部省、厚生省、第三分科は農林省、商工省及び建設省、第四分科は運輸省、逓信省及び労働省と決定いたしまして、御異議ございませんでしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(黒川武雄君) 御異議ないものと認めます。
  ―――――――――――――
#29
○委員長(黒川武雄君) 次に分科担当委員につきましてお諮りいたしますが、これは委員各位の御希望を参酌いたしまして、委員長において選定いたしますことに御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(黒川武雄君) 御異議ないと認めます。それでは委員長の方で選定いたします。各分科の担当委員の氏名を朗読いたさせます。
   〔事務局員朗読〕
 第一分科
   波多野 鼎君  森下 政一君
   黒川 武雄君  西川甚五郎君
   鬼丸 義齊君  櫻内 辰郎君
   深川タマヱ君  島村 軍次君
   高橋龍太郎君  帆足  計君
   松村眞一郎君  中西  功君
   木村禧八郎君  小川 友三君
 第二分科
   岡田 宗司君  山下 義信君
   西川 昌夫君  深水 六郎君
  尾形六郎兵衞君  油井賢太郎君
   井上なつゑ君  伊達源一郎君
   西郷吉之助君  堀越 儀郎君
 第三分科
   岩崎正三郎君  木下 源吾君
   小串 清一君  平岡 市三君
   一松 政二君  岩木 哲夫君
   高橋  啓君  東浦 庄治君
   玉置吉之丞君  久松 定武君
   池田 恒雄君  岩男 仁藏君
 第四分科
   内村 清次君  岡田喜久治君
  橋本萬右衞門君  小杉 繁安君
   藤森 眞治君  飯田精太郎君
   田村 文吉君  新谷寅三郎君
   栗山 良夫君
#31
○委員長(黒川武雄君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#32
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて……。
#33
○山下義信君 只今分科会の組織と並びに分科に属しまする委員の氏名の御決定があつたのでございますが、いわゆる予算総会、つまりこの委員会の進行の或る時期が参りましたら、本予算案の審議は分科会に移しますことに御決定相成つたものと承知してよろしうございますか。
#34
○委員長(黒川武雄君) その通りでございます。
#35
○山下義信君 了承しました。
  ―――――――――――――
#36
○委員長(黒川武雄君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#37
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて下さい。主税局長より詳細なる御説明を伺いたいと思います。
#38
○政府委員(平田敬一郎君) 昭和二十四年度の租税及び印紙收入の算定の根拠等につきまして御説明申上げたいと存じます。
 二十四年度の租税及び印紙收入は総額で五千百四十六億六千万円となつておりまして、前年度の予算額は三千百六十余億円でございますので、千九百八十五億円、即ち六三%租税收入で増加に相成つております。この租税收入の見積りの方法等につきまして御説明申上げて御参考にいたしたいと思います。
 税制につきましては今回すでに御承知のような事情によりまして、直接税の方は原則として現行税法で行くということにいたしたのでございます。ただ若干軽微な改正もございますが、原則としましては現行税法で参る。(「配付税は軽微ではないぞ」と呼ぶ者あり)ただ間接税につきましては、酒類につきまして從來の家庭配給を原則として止めるというような措置を参りますために、それにつきましては相当変更がございます。それから取引高税につきましては御承知のように印紙の納税方法を現金納税に変更いたしたのでございます。
 それと新たにガソリンに対しまして小賣價格の一〇〇%程度、小賣價格と同額程度の課税をするということにいたしたのでございます。その他物品税等におきましても若干の改正をいたしておりまするが、各税につきまして根本的な檢討は將來に委ねることにいたしまして、原則としまして現行税法により歳入、租税收入を期待する、かようなことに相成つておるのでありまして、まあこの見積りにつきましては各般の資料を本にしまして、でき得る限り最近の実情に即しまして適正を期した次第でございます。以下順次各税につきまして重要な点を御説明申上げたいと存じます。
 先ず所得税でございますが、所得税につきましては、御承知の通り源泉所得税と申告所得税に分けて見ますると、前年度の源泉所得税は六百十二億が、本年度は千二百二億になつております。それから申告所得税の方は前年千二百二十余億が、今年は千九百億円に相成つております。それぞれ源泉所得税は前年度予算に対しまして九六%、申告所得税は五五%、全体として六九%の増に相成つておるのでありますが、それの内容を大体におきまして先ず御説明申上げたいと思います。ただ先程ちよつと税制は原則として変えないと申上げましたが、基礎控除と家族控除につきましては、税制は変えませんでも、これは控際額は今年は当然に或る程度変更になります。即ち昨年は基礎控除で一万三百二十五円の控除額でございますが、本年はそれが一万五千円に上ることになりました。それから扶養控除は千百九十五円ですが、本年度は千八百円に引上げることに相成りました。從いましてこの事業所得等につきましては完全にこれが適用になるわけでございます。ただ勤労所得につきましては、御承知の通り源泉式にやつておりまして、毎月すでに先程申上げました本年度の額を本にした月額を差引いておりまするので、勤労所得につきましては、今までと控除は実際上は変りはない。これは年間を平均いたしますと、やはり勤労所得につきましても昨年度と今年の控除額は事業所得と違つていないのであります。さような点は計算に入れまして所得税を算定いたしたのでございますが、やはり給與所得につきましては、昭和二十三年度の課税人員と所得金額、それを本にいたしまして、それに対しまして大体所得において五割五分程度の増加を見ております。そういたしましてそれぞれ課税所得を計算いたしまして、それに対して所定の税率を適用しまして税額に算定いたしたのでございます。課税所得はさようなことに相成つております。内容は後程申上げます。
 それから申告所得税につきましては、これもやはり最近の諸情勢を考えまして、昭和二十三年度の決定見込人員及び所得に対しまして、それぞれ農業は二十七%、営業は三一%、合せまして二九%程度課税所得の増加を見込みまして、來年度の課税見根所得を計算いたしまして、それに対してそれぞれ税額を基にいたしまして算定いたしたのでございます。ただ毎年のことでございますが、今の課税所得を基にしまして税額を算定いたしますると、実は千九百億円よりも若干上廻つた数字が出て來るのであります。ただ昨年度におきましても申上げましたと同じように、全部が二十四年度に入つて來るというふうに見込みますのは、やや現在の情勢におきましては少し行き過ぎでございますので、昨年度は大体七一%程度年度内に入るという計算をいたしましたのですが、今年度七六%、つまり五%程度違つて來るということを前提にいたしまして算定いたしております。それに昨年度からの繰越の分を約二百億円と見込みまして申告所得税額をそれぞれ算定いたしたのでございます。大体この結果の表は、確かお手許に差上げました二十四年度予算の説明のところを御覽を頂きますとわかりますが、十八頁のところを御覽願いたいのであります。大体それによりまして出て來ました結果が勤働所得税におきましては納税人員が一千百四十三万二千人になる見込みでございます。総所得し一兆二百九十億、一人当り金額は年額九万円程度になりまして、それによりまして算定すると千百六十三億でありますが、その外に源泉課税といたしましては、配当利子なり、退職所得に対するものがございます。それの三十八億円を合計しまして千二百何十億かになつておる次第であります。それから申告所得税の方も十八頁に概要を記しておきましたが、農業の納税人員が三百五十四万人程度になります。課税所得が三千六十八億余万円になりまして、一人当りの平均が八万六千円、税額は四百九十七億円程度と見込んでおります。それから営業の場合におきましては、納税人員が二百二十八万人、平均所得は十七広三千円くらいでありますが、課税所得が三千九百五十三億、税額は千三百七十五億、その他を合計しまして総税額が千九百億ということになつておる次第であります。大体こういうようなことになつておるわけでございまして、計算といたしましては、私共この計算はそう無理な計算ではないと考えております。源泉所得税は最近の実税からいたしましても大体百億に近い收入が毎月ございますが、この額は大したものではなかろうかと考えております。問題は千九百億の申告所得税が果してできるかできないかという問題でございまして、これはなかなか簡單なことではないと考えておりまするが、併し一方におきましては申告の指導を更に適正に行うと同時に、実額の調査を徹底して行うことにいたしまして極力適正な課税に努めたい。尚納税につきましては、納税準備預金の制度を新たに設けまして、農家の方々も少し早くから税金の支拂いのための預金をして頂くように今年は相当宣傳して運んで参りたいと思つております。この準備ができますれば納期に、或いは來年度の一月になりまして納税を果される上において、現在よりも相当容易になりはしないかと思います。なかなかむずかしい問題はあろうかと思いますが、でき得る限り円滑適正な方法に努力いたしまして財源を確保いたしたい、かように考えておる次第でございます。それから所得税はさような状態でございますが、法人税も同様に二十三年度の予算額が百八十億ですが、本年度は二百七十億見込んでおります。これは約五一%の増でございます。見積りにつきまして田、先程所得税において申上げましたと同じような所得の増加率をそれぞれ各年毎に計算いたしまして算定いたしましたのでございます。法人税につきましては会社のプレミアムに対する課税を免除することにいたしましたので、その関係で平年度約十一億、昭和二十四年度におきましては七億三千四百万ほどの減が出るものと計算して、これは差引して算定しておるのでございます。
 次は酒税は大きな額になつておりますが、これにつきましては、前年度の予算額は四百五十七億、本年度は六百五十億程度見込んでおります、つまり四割二分の増であります。酒税につきましては、先程申上げました配給は労務特配と農村方面に対する特配に垂めて、その他の配給は原則として取止める見込でございます。そういたしまして大体今までの特價酒の自由販賣酒の値段を、從來の配給酒の價格と從來の特價酒の價格との中間程度のところに持つて行くということで、法律案の定めて御審議を煩わすことになつておるのでありますが、ただ高級の酒類については、比較的高く決め、燒酎等については比較的低目に決めるという方針で定めて、その課税見込潔率で算定しました。で、酒類の生産数量につきましては、大体前年度と同程度の原料が酒類に割当になるものとして計算しております。で私共はこれはもう非常に減つておりますので、食糧事情の許す限りにおいて本年度においては増加をお願いしたいと思つておりますが、今の段階においてはまだ決定を見るに至りませんので、差当り前年度と同じ原料を使うものとして計算しております。即ち米は四十三万石、麦が二十万石、甘藷が五千万貫程度と計算して、結局昭和二十四年度の課税見込の石数は総体で百八十九万石程度見込んでおります。前年度の課税見込は百六十七万石程度でありますので、若干殖えます。と申しますのは昨年度と一昨年度と比べて啓料の増加の割当がありまして、その酒を実は本年度供給するということになりますので、昨年度における増加石数が本年度の現実の供給面としては本年度の供給量になつて参るわけであります。その数量を基にしてそれぞれ計算をいたしておるのであります。本年度としては大体本八十九万石の中、配給酒の方に約五十四万石程度、自由販賣の方に百三十五万石程度振り分けまして供給する考えであります。
 尚若干申上げたいことは、清酒が約六十九万三千石、合成酒が三十二万石、燒酎が二十万石、ビールが五十八万石、その他八万石程度の本年度の供給を見込んでおる次第であります。それを基にして大体先程申上げました改正案は五月一日から実施になるものとして四月は現行税法……現行の價格で行くということで計算して算定しましたのが六百五十億ということになるわけであります。
 次は取引高税でありますが、これにつきましては前年度の予算の二百十四億に比較して、本年度は四百五十一億というふうに増加いたしております。これは昨年の御承知のように九月から実施いたしたので本ケ月分であつたのを本年度は十二ケ月分になるということと、それから若干生産物價等で増加を見て、それによつて殖えるのが大部分でありますが、他方、印紙納税を申告納税に変えた結果、実は一月分が翌年度の歳入になるということでありまして、その減が約五十三億円になりますが、それを差引いて計算いたしました。
 それからその減は翌年度に繰越し分は……、失礼しました。四十四億の減でございますが、その外に課税最低限を三万円を設けるというのと、それから若干の非課税の拡張をいたしたので、その関係からした約九億一千万円程度減じまして、それを昨年度の改正なかりし場合の收入見込額から差引きまして出しましたものが、四百五十一億という数字でございます。それからその他の租税につきましては、それぞれ最近の課税実績を基にいたしまして、若干の増減を考慮いたしまして、なるベく適正な見積りを図るように計算いたしたのでございます。その結果全体の税收で相当増加いたしまして、一人当りの税額は、租税と專賣益金を入れますと、七千九百二十四円、それに地方税が総額で約一千五百億程度と見ておりますので、それを加えて計算いたしますと九千七百四十円くらいの負担になります。前年度は大体六千百八十円くらいの負担かと考えますが、全体といたしましては、相当の負担の増加に相成るわけでございます。この徴收は先程所得税、なんかずく申告所得税について申上げましたように、なかなか簡單なものではないと存じますが、私共といたしましてはできる限り円滑に、且つ適正な方法で徴税を進めて行くように努力いたしております。甚だ簡單でありますが、一應御説明いたしました。
#39
○委員長(黒川武雄君) 何か御質問ございませんか。
#40
○森下政一君 主税局長にお伺いしたいのですが、あの申告納税に分につきまして御説明がありまして、相当政府としても徴税の困難は予想されておるようでありますが、円滑なる徴税をやるというために実態調査をやつて適正な課税をしたいという御言葉がありました。局長が國会側に御説明になりますときは、誠にその御言葉通りのことが末端で行われるということならば至極結構なんでありますが、昨年度の実際に徴して見ましても、末端に参りますと、なかなかそうは参つていないように思います。先般來参議院の大藏委員会がそれぞれ班を分けまして、全國的に税務署を親しく実態を調査したことがありますが、その際におきましても、屡屡局長との間に曾て委員会で問答したことがありますが、大藏省の方から各財務局に対して一つの目標として割当てておいでになり、財務局は目標額をその管下の各税務署に割当てるということになつておる。局長とのお話を聽いておると、これは單なる努力目標で、その目標を達成しなければならんというわけのものではない。何処までも業者個々の実態を正確に把握して、それに應じた適正なる課税をするということにしなければならない、又その方針で進んでおる、こう言われておるのでありますけれども、末端の目標額を與えられておる税務署というものは、どうしてもその目標に達するだけの徴收をしないことに自分達の成績に関する。成績が惡いように考えられるのじやないかというようなことに第一義的に思いを走らして、そうして実は業者の事業所得の実態把握ということよりは殆んど見込みによるところの割当てをやつて、申告というものを軽視してしまつておるという嫌いがあつて、業者側の非常な不満が一般的にあるように思うのであります。目標額通りの徴收をしないことには、予算に掲げられておる通りの收入を上げないことには、國家の財政の維持が困難である。財政第一主義であるというような考え方で、末端の税務官吏というものは、個々の事情はあるだろうけれども、これだけのものを納めて貰わんことには國が持たんというふうなことで、とかく業者に面接しまして、相当実態を離れて、即ち業者の非常な不満を強引に押えて徴税をやつておるというふうな傾きがあると思うのであります。殊に刻下の事情から考えて見まして相当の税收を上げなければならんということは分るが、税收を期待することも多けれど多い程國民の負担が相当過重になつて來るわけでありまするから、こういう際においては殊に税務行政に当つておる末端の人々が十分國民に納得せしめるというだけの能力を持つて、そうして円滑にそれこそ喜んで國民が納税するというふうな仕組にやらんければならんと思うのでありますが、残念ながらいろいろ大藏当局においても税務吏員の義成というふうなことで努力はしておられるようですけれども、どこの税務署へ行つて質して見ましても、勤続年数一年未満というのが殆んど半ばに近いというふうな状態でありまして、甚だ税務行政に日の浅い人達が、ただ與えられた目標を達成するということに努力をしようという考えで、業者の申出て來る申告等は無視する、或いはその実態というものを一向顧みようとしないというふうな嫌いがあつて、尠なからず國民の間に怨嗟の声が盛んなように思うのであります。そういう点についていろいろもう既に私から申すまでもなく、局長自身の耳にもいろいろな声が入つておると思いますが、今ここで抑しやつたように、本当に実態を把握して適正な課税をする、その方針を末端まで一つ徹底するようにやつて行く、何かそれについてお考えがあるのでしようか、伺つておきたいと思います。
#41
○政府委員(平田敬一郎君) 誠に御尤もと考えられる節が多いお尋ねかと存じますが、まあ御指摘のごとく確かに收入努力目標というものを税務署に示しております。これを示しまして極力勉強するようにということはいたしておりますが、ただ私共はまだ実際力で足らんかと思いますが、納税者に対しては飽くまでも税法が唯一の根拠であつて、努力目標の点は納税者に対しては何ら根拠にならないものである、その一点は常に明らかにして判断して貰いたい、納税者に対しましては飽くまでも税法によつて納税せしめる、努力目標はいわば税法を適正に実施するならばこれくらいの收入はある筈だから、納税者に対しましては税法を適正に実施して、その結果これくらいの税收が上がるようにということで、こういう意味合のものとして実は私共は考えておるのでございます。從いまして物資の総体を決めてそれを割当てて行くようなものとは本質的に異なることはよく申しておりますが、その辺がお話のごとく実際の所得の調査等に当りまして十分根拠のある説明ができないような場合には、つい止むを得ず目標額が來ているとか、中央から言つて來ているとか、非常に逃げ口上を言つている節がありまして、これは私はたびたびそういう逃げ口上は卑怯であると強調して言つておりますが、さような点を私共はよく聞きますので、尚そういう点については更に一段と徹底を図りたいと考えておるのであります。
 問題は然らば適正な調査ができるかというところが一番これは問題だと思います。その点に関する限りは、御指摘のごとく、これはなかなか私共も一遍に完全にそういうふうに行くとはこれはなかなか申上げ難い。ただ例えば昨年におきましては経驗二年の税務官吏でありますと、本年になりますと三年目になります。三年目の者は四年目になる。それから一年しか去年経驗のなかつた者も今年は二年の経驗になるということになりますると、調査の技術等は最近いろいろ問題がありまして苦労しているだけに、私は或る程度の全体的な能力の改善と申しますか、向上が期待し得るのじやないかというふうに考えております。で職員の指導訓練ということには特に力を割きまして、本年度の行政費の中にも確か一億数千万円のそのための費用を計上いたしまして御承認を得たいという趣旨で考えておるのでございますが、とにかくそういう中堅的な職員をできる限り早く養成いたしまして、その目的に副いたい。それから今一つ考え方といたしましては、大きな納税者につきましては各税務署單位に分散しないで、財務局に少し纒めて配置いたしまして、財務局で相当專門的な知識をお互いに勉強しつつ課税の適正を期するようにしたらどうであろうか、個人の場合におきましても例えば、百万以上の納税者とか、そういう方面には極力そういうことを避けたい。それから全体の納税者につきまして全部実額調査するということは、何れにしても參りませんので、やはりある程度標準的なものにつきまして実額調査をやりまして、あとはそれを基にして、いわゆる権衡調査と称しておりますが、比較権衡をやりまして、それによつて所得を算定する。こういう方法をやつておりますが、基準となるべき人間の実額調査、これにつきましても税務署に委せないで、むしろ財務局にスタツフを揃えて、みずからやつて、それを基にして権衡を図つて行く、かような方法をとつて行きますれば、余程改善を期し得るのじやないかというふうに考えているのでございます。勿論非常にむずかしい問題でございまして、一ぺんに行うとまでは申し兼ねますが、昨年よりも本年は相当よくなるということで、あらゆる努力を傾けて行きたいと考えているのであります。
 今一つは申告の問題ですが、農業の方については、これも昨年度は実は標準率を國会方面におきましても非常にいろいろ御要望がございまして、全國的に公開してしまえというので、反当り所得を税務署では大体どのくらい見ておるということを全國的に公開いたしたのであります。その結果地方によつては却つてトラブルを起しまして、うまくいつていないところもございますが、全体的に見ますと非常にいい結果を生じたように私共見受けられております。例えば北海道のごときは殆んどそれに基きまして、或いはそういうものを参考にいたしまして、みずから適当な團体等が指導されまして、それに出て來た申告はもう殆んど更正決定をしなくてもいいというところまで行きまして、確か更正決定をしたのは、北海道の農業所得におきましては一割未滿の数字に行つているようであります。その他東北、信越方面におきましても、さようにうまく行つているところが大分あるようでございます。この方法を來年は更に、標準の作り方に更に檢討を加えまして、適正なる標準を作ると同時に、それを成るべく早く納税者に公開いたしまして、眞面目な團体の御協力等を得まして、極力申告によつて納められるように持つて行きたい、かように考えております。これは全体として申しますと、私は農業所得は今年は昨年に比べまして大分納税者の理解が得られて來つつあるのじやないかと見ております。ただ地方によりましては、関東地方におきましても、例えば茨城縣のごときは、なかなかトラブルが多くて先般も財務局にも更にそのことを注意をしておいたのでありますが、全國一齊に理想通りに行くとは考えないわけでありまして、併し努力の方法によりましては、余程改善を加え得るのじやないかということが考えられますので、極力さような方法等をとりましてやつて行きたいと考えております。
 それから納税資金については納税準備預金制といつたものを普及宣傳いたしまして、全部一遍に税金を納める際に、苦痛がなくて納められるように努めたいと思います。そういうようなことをやりますれば、相当重い負担でございますので、私共もなかなかこれはトラブルが根絶するとは言いにくいと思いますが、併し一方予算の全体の要請がございますので、そういうようなことにつきましては極力努力を重ねまして徴税の確保を図りたいというように考えている次第であります。
#42
○島村軍次君 主税局長がおりますかに二、三伺つて見たいと思います。昨日参議院の本会議が或る議員の質問に対して大藏大臣は、基礎控除の中に妻その他労働者云々というような御答弁があつたようでありますが、そういうことをお考えになつておりますか。具体的にどういう方法をお取りになりますか。局長のお考えを伺います。
#43
○政府委員(平田敬一郎君) 農業者の農業所得の中、本人及び妻以外の專從者につきまして適当な控除をやるということにつきましては、実は私共本年の税制改正の一つの予定としていろいろ案を作りまして、一應の案はできておつたのでありますが、先程大臣からお話になりましたように、とにかく税制改正は暫く見送るということになりましたので、この問題も今後の改正に委ねるということに相成つたのであります。考え方といたしましては、少くとも家族並みの控除をいたしたいと考えております。さような案も作成いたしたことがございます。
#44
○島村軍次君 超過供出の源泉課税の問題が相当論議されておりますが、それに対しては二十四年度においてはこれに対して何かお考えになつておりますか。これが一点と、それから元來農業所得は主税局長よく御承知と思いますが、つまり所得の算定基礎が收穫年度によるか、或いはその年の收入年度によるかということで、保有量の関係が、農村では保有量については從前の價格によるべきだという主張が非常に強いのでありますが、それらに対して改正の御意見があるかどうか。
 それから農業所得のうち、國税には直接関係のないような問題でありますが、賃貸價格の問題及び取引高税等が考えられておりますが、國税の配付等の関係で、その取扱について主税局としてのお考えを承りたい。
#45
○政府委員(平田敬一郎君) 超過供出の問題につきましては実は昨年いろいろな案を農林省及び大藏省において作成いたしまして、実は関係方面ともいろいろ相談して見たのでありますが、結局得ました結論は、苟くも適正に所得が計算されるならば、やはり課税すべきだということに相成りまして、すでに御存じのように超過供出をするために生産費その費用を要する場合におきましては、この費用を十分に考慮して所得を計算するということで参りまして、それ以上の措置を講ずるという程までには参らないのでございます。最近になりまして更に超過供出を強制するという問題に関連して、源泉課税にしたらどうかという意見もありますので、目下研究はいたしておるわけでありますが、ただ源泉課税にすると本当負担が一律になります。本來ならば非常に低い負担で済むのが平均の負担までかけなければならない。それから相当な富農で、もう少し余計に負担して貰つてよう農家の方々の場合におきましても平均の負担まで下るということもございますので、なかなかこれも理論的に妥当な説明を求め難いような点がありますので、この問題は相当研究しなければならないと存じますが、いずれにしましても、昨年度相当この問題はいろいろ交渉を経まして先程申上げましたふうに決つておりますので、これをこの際大きく動かすということにつきましては、なかなか難点があろうかと考えております。
 その次は農業所得の計算上、例えば自家用米等は現実に消費した年の所得に見るのが適当ではないか、こういう御議論がありましたことは御指摘の通りでありますが、所得税法実施以來、農業所得につきましては、現実に農産物を收穫した年において收入があつたと認めるということになつております。これをかけるかかけないかということは、率直に申しまして、理論的には確かにそういう理屈も一つの理屈としてあるのではなかろうかと思いまするが、併しやはりこの收穫によりますにも十分な理論がございまするし、それから大体におきまして多年そういうことでやつておりまするので、ここで或る年にその取扱を限りますが、その年に限りましても相当負担もでこぼこを生ずる虞れもございます。從いまして、この点につきましては相当私共としましても研究いたしておりますが、未だ現在の課税方法を変更した方がいいという結論に到達いたしていないということをお答えいたしたいと思います。
 それから賃貸價格につきましては本年度宅地につきまして改訂を加える見込みでございます。これは都市の戰災地等が相当状況が変つております。以前の一等地と十等地ぐらいの順序が大分同じ地域の中で狂いを生じておりますので、これにつきましては、少くとも地租の負担を相当過徴される際でございますから、この際改訂を必要とするのではないかというので、暫定的に宅地について改訂すべく関係法案を目下作成して近く提案する積りであります。ただ、この際この全部につきまして、賃貸價格の改訂を行うということも一つの方法でありまして、そういうことについても研究したのでありますが、何しろ現在の税務署は非常に事務繁忙でございまして、全部の改訂をやりますためには所得税に從事しておる人員を割かなければならない。それを今やりますと、その方に困難を來しまして、なかなか全体としてうまく行かないということと、それからこの土地の状況は尚最近相当変動を來しつつありまして、まだ今の物價の変動に應じ切れない樣相が相当ありはしないか。從いまして余り急いでやらないで若干時を待つてできるだけ落付いたところで全面的改正をやりまして、修正をやつたらいいという趣旨を以ちまして、全般改正を差当り延ばしておるのでございます。暫定的に宅地の賃貸價格につきまして、この際でこぼこを是正いたしまして、地租の負担の公平化を図りたい、かように考えております。
#46
○島村軍次君 もう一つ最後に伺つておきたいと思います。要するにこの所得税の問題については、担税力から見てなかなか困難だということが問題でありますが、一番大きな問題は負担の均衡という問題であると思うのです。そこで税務署の署長さんなり事務を扱つておる人に承つて見るというと、やはり從前あつた所得調査委員のごときものが何かの機会として認めて貰うということが末端では要求もされておるし、そういうことが切実な希望であるようであります。そこで申告制度をお採りになつたその半面には、本当に出す者は殆んどないというような現段階においては、この制度を作つて運用宜しきを得れば、負担の不均衡という問題が相当解決されるのではないかと思うのです。これは積極的に何かの方法を講ぜられる必要を認めるのでありますが、これに対する主税局長の御見解を承りたいと思います。
#47
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税の査定につきまして調査委員を設けて、そこで議決した上でやつたらどうかという問題につきましては、各方面から大分御意見もございますし、実際の申告納税制度の状況に鑑みまして、目下いろいろ檢討いたしております。ただこの申告納税制度は実はインフレ時代における予算課税と申しますか、その年の所得を見積つて第一期から所得税を納めて行くというところに特徴があるわけでございまして、この制度を生かすためには委員会の制度をまともに設置するということが、どうもなかなかうまい案ができないように考えられるのでございます。そこで翌年の一月に確定申告を過ぎた後に更正決定をやる際に委員会にかけたらどうかということも、一つの案として考えられるわけでございますが、実際決定をどうしても二月末頃までにいたしませんと、これはなかなかその年次の收入にならない。先程も御説明いたしましたように、確定申告に対する更正決定は二月末頃いたしまして、申告所得税の七六%を予算に計上いたしている訳でございます。これが遅れますと、結局又非常に歳入が遅れて当面の收入にならない。調査委員会にかけると、その辺の調節をどうするかという問題があるのでございます。そこで少くとも審査の異議が出た場合におきまして、その審査の処理の機関として考えたらどうかというので、目下そういう方向におきまして具体案を作成いたしまして、関係筋といろいろ協議いたしておる次第でございます。ただこの申告納税制度の本來の性質と理論的に大分かけ離れた点がございますので、なかなか今の段階におきましたはまだ結論を得ておりません。この問題も更に今後檢討を加えまして、妥当の結論を得たいと考えておる次第でございます。
#48
○波多野鼎君 主計局長の説明の中で二、三質問いたしたいと思います。一つは所得の算定方法についてですが、雇傭の増加、給與の上昇等を勘案して源泉徴收分五五%増、昨年に比べて五五%増ということに推計したというのですが、一方においては百四十万、百五十万の失業者が出るということを政府ははつきり言つている。そう言いながら雇傭の増加というのは一体どういう考え方で出ているのか。それから給與の上昇というが、これは二十三年度の年間平均給與に比較して二十四年度分の平均給與が多少上るという、ただそれだけの意味なのか。或いは現在の六千三百円ベースがもう一段上るという意味なのか。その点一つお伺いいたします。
#49
○政府委員(平田敬一郎君) 最初の雇傭の増につきましては、行政整理、企業整備等がない場合においては、これは四%ぐらい殖えるだろう。併し、そういうことがございますので、その決め方を少し少く見ております。それよりも……。そういう方法で計算いたしております。
#50
○波多野鼎君 そうすると増加にならないでしよう。
#51
○政府委員(平田敬一郎君) 若干の増加になります。人口増加でそのまま継続するなら雇傭の増があるわけでありまして、それを当然見て、その外に行政整理なり企業の合理化等によりまして、或る程度減るものといたしまして、計算いたしているわけでございます。大体これは細かく端数になりますが、〇・六%位減るという計算が出ております。それから賃銀につきましては御指摘の通りで、最近の水準は昨年一ケ年の水準に対して殖えている程度見込んでおります。今後上ると予定いたしておりません。大体結果を申しますと、若干の免税点以下の所得者もございますが、納税者の分でございます。官公吏は若干超過勤務もございますから平均六千八百七十八円になります。民間は七千五百円程度になつております。これは失格者を除いた平均所得でございますから、この程度でございますし、過大だろうと考えないでもいいのじやないかと、かように考えております。
#52
○波多野鼎君 五五%増加というのはどういうところから出ておりますか。
#53
○政府委員(平田敬一郎君) 前一ケ年の給與所得に対しまして、最近水準で見積つた來年度の給與所得の高さが五五%になるということでございます。昨年は官公吏で申しましても三千七百円ベースで行つた場合も相当ございます。それから民間の給與におきましても、昨年の五、六月頃相当増加して現在に至つておりますので、昨年の給與水準の総平均に比較して今年の給與の所得の高さと、かように御了承願います。
#54
○波多野鼎君 雇傭の増加ということは書かない方がいいですね。〇、六増加というのは除いた方がよいですよ。
 それから次に申告納税分ですが、ここにも物價の上昇割合等を勘案し云々とある。これも先程の給與の場合と同じように、年平均の二十二年度、二十三年度を比較してのお話ですか。
#55
○政府委員(平田敬一郎君) たしかに書き方が、或いは正確さを欠いておる憾みもあるかと思いますが、最近の賃金の高さが去年の年間の平均の高さに比較して、どういう工合になつておるかということに対して、今後高くなると想像いたしております。
#56
○波多野鼎君 農業所得二七・五%の増、営業は三一、五%増、こう出ておりますが、他方経済安定本部から出しておる何と言いますか、経済現況の分析、これを読んでおりますと、最近非常に特異の現象が現われて來ておることを指摘しておる。即ち市場の狹隘化ということなんです。マーケツトの問題が非常に重大になつておるということを指摘しておるのです。つまり生産物の販路が梗塞してしまつて、ストツクがどんどん殖えて行きつつある。資本主義の社会においては珍しくない法則的な現象であるが、それが即にはつきり現われて來ておる。足りないじやなくて余つて來ておる。購買力の不足によつて、ストツクが殖えつつあるということから、営業所得などということはどうせ落ちるということが予想されるのですよ。それなのに、ここでは三一%も増加するということを言つておるのは、どういうわけなんですか。
#57
○政府委員(平田敬一郎君) 來年は安本の計画によりましても、生産が大体一四%ぐらい殖えるということになつておるのでございます。
 それから先程申上げましたように、武在の物價の高さは、去年一ケ年に較べますと相当高くなつておりますので、この程度所得が殖えると見込みますのは現状に照らしましてそう無理じやなかろうと考えております。ただ將來の予測につきまして、如何なる予測を加えるかという問題はなかなか困難な問題でございまして、現状よりも著しく惡くならないということで計算しております。
#58
○波多野鼎君 そこが問題なのですよ。経済現況の分析の三十八頁を御覧になると、資本主義社会における最も弊害的な問題なんだが、最も基本的の矛盾なんだが、それが既に現われておる。購買力の不足ということでストツクがどんどん殖えておるということがここに書いてある。作つても賣れないという状態なんで、作つても賣れないということがはつきり出ておるというとを指摘しておる。そういうことを一方で指摘しておりながら、他方で営業所得なんか殖えておる。或いは農業所得も殖えるというようなことを言うところに政府の考え方の不統一さがあると思います。
 そういうことを聞きたかつたのですが、あなたの説明の中にもそういうことが出ておりますから、どう主税局長は考えておりますか。
#59
○政府委員(平田敬一郎君) 数字が比較的高いのが出て参りまして、御指摘のように將來こういうふうに殖えるというように申し上げました節は、一つ説明を修正いたしたいと思いますが、昨年の例えば最近のことと現在のことと較べますと、物價も上昇しておりまするし、昨年の今頃の生産の状況と較べますと、相当増加しております。それを年間を通じて見ました場合に、どういうことになるだろうかということが一番問題の点でございまして、そういう点から考えますと、この程度見込みますのはそう無理ではなかろうかと思います。ただ経済状勢に余程変動がありまして、更に物價等も下つて來るということを前提にいたしますと、又若干違つたことになろうかと考えられますけれども、本年度におきましては、一つは金融状勢は余程運用によつては改善されると思われますが、相当猛烈な通貨の減少、デフレーシヨンと迄は行かないが、或る程度迄そういう傾向にはなろうかと思いますが、現状よりも著るしく惡くなるということまで予想するのはどうかと思いまして、かような計算をしておる訳であります。
#60
○波多野鼎君 今生産が十何パーセント増加するということをあなたの方で見ておるということですが、先程指摘した資本主義の根本的な矛盾が既に現われておる時に、他方においては賃金は例えば釘付にしてしまう。金融の方は今の政府委員の説明では余り梗塞しないといいますけれども、これは賃金計画を聞いて見なければ分りませんが、我々の今迄知つておるのは、金融は相当梗塞すると思います。そうして金融を一方には梗塞させながら、生産を十何パーセント上げるということは、できる筈はない。又できたものが、賃金が釘付になつておる時にそう賣行きがいい筈はない。そういうことは予想はできやしないのです。ですから私はそういう点から考えて、今あなたが説明された範囲内でも、非常に大きな矛盾も含み、且つ見透しについて非常に誤りが多いと思う。総ての問題に関連して、政府の言つておることは、矛盾と見透しの誤りが根本に伏在しておるのです。まあ事務当局の方だから何とか彼とか言つても仕樣がありませんが、もう少しこういう点は正確に組んで下さらないと、例えば先程森下委員から言われたように、営業所得を三一・五%上げるというようにこの予算を組んでおりますが、そうすると、それだけは財務局、税務署は取らなければならんと思つて、つまり成績に関係するものだから、割当てられて行くものだから、無理矢理に取つて行きます。破れた疊まで引上げて行こう。乳母車まで取つて競賣に付するということまでやつて取つて行くのです。ですから最初の予算の立て方において、余程正確な見透しを作つて呉れないと國民が困る。そういう見透しが今のようにぐらついておつてはいけないというのです。あなたに言つても仕樣がないが……。
#61
○政府委員(平田敬一郎君) 結局同じことを繰返して申上げることに相成るかも知れませんが、昨年に比べまして余程今年は安定する。昨年は御承知の通り非常に七八月頃物價等も騰つて参つたのでありますが、今年度は恐らくさようなことはなかろうと考えますが、併し例えば賃金等も雇傭が或る程度自然に殖えるべきものが減るということがありましようが、レべルが下がるとまで予想するのは不自然なことだと思います。我々として少し行き過ぎではなかろうか。又一方物價の方におきましては、例えば農産物のパリテイ等も若干上昇いたしますし、闇物價は相当安定化の方向に向うと考えますけれども、これも全体といたしまして相当猛烈な下落が來るとまでは考えません。それからお話の通り、ストツクが非常に賣行が惡くて、賣れないとまで行くのは少し行き過ぎではなかろうかと考えられます。政府の政策の運用等にもよりますと思いますが、今のところ、そこまで予想して、私共はこの数字の見積りを立てておりません。將來若しそういうようになりますれば、勿論これは予算の修正をしなければならんと思います。
#62
○波多野鼎君 どうしても少し甘いですよ。
#63
○東浦庄治君 同じ問題に関連してですが、まあ……。
#64
○栗山良夫君 私より二三点ばかりお伺いしたいのですが、先ず最初に引取高税の問題ですけれども、主税局長のお考えとして、この取引高税というのは天下の惡税であるというふうに私共も申しましたし、又現在の政府党も申されておりますが、それはこういうような税法が宜しくないという考え方と、もう一つは、中小商工業者の人々が所得の全部を正直にやれば棚上げになるので、そういう点を恐れてのこともあつたと思いますが、どちらをこの惡税であるという刻印の重い方にお考えになつておるかどうか、その点を伺いたい。
#65
○政府委員(平田敬一郎君) 取引高税が好ましき税でないということは、これはもう外國でも始終そういう議論があります。そういう際に挙げられる理由といたしましては、その負担が直接税のごとく所得に対しまして、少くとも累進的な負担にならない、非常に平均的な、或いは場合によつては逆進的な負担になる恐れがあるといつたような点と、それからもう一つは、取引の段階が違う毎に課税されるので、段階が違つて來ると負担が違つて來る。そういう点が取引高税として面白くないのじやないか、こういうことをよく言われておるようであります。そう考えると、確かにそういう点が取引高税のよくない点じやないかと考えられるのでございますが、ただ一方におきましては、経済情勢が変動しますれば、変動するのに非常に應じ易い税だというので、それでインフレ時代には取引高税も止むを得ない。こういう議論も一方にございまして、取引高税の可否の議論はいろいろございまして、國内的にも大体議論し盡された税だと思いますので、從いまして私共としても、歳出の削減さえできますれば、取引高税をなるべく止めた方がよいのじやないかというふうに考えるわけでございますけれども、本年度のように、ともかく非常に、なんと申しますか、健全財政を貫いて、歳入をあくまで確保して、歳出は極力抑えるが、他方同時に予想されるあらゆる歳出は計上するというような編成方針で行きました場合におきましては、どうもなかなか廃止までに至らないということが率直な見解じやなかろうかと、かように考えておる次第であります。
#66
○栗山良夫君 今度の税の殖え方を見ますると、大体各税共前年度の五〇%を超えておるのであります。取引高税のみが、昨年度の九月以降のものを一ケ年に引延ばしまして、大体四百五十億見当になると思いますので、昨年度と同じような額に止められておるわけであります。あらゆる商行爲、或いは生産行爲をべースにして計算された税が、すべて五〇%或いはそれ以上を増加したように計算されておるにも拘らず、取引高税を五〇%以上に上げれば、恐らく七百億円を超過すると思いますが、これを四百五十億に止められた、その意味を伺いたい。
#67
○政府委員(平田敬一郎君) 取引高税の方は、御承知の通り、昨年の九月から実施しまして、予算額は非常に殖えておるわけでありますが、それより以上に殖えるのじやないかという御指摘でございますけれども、昨年の九月以降の実績に対しまして、來年度は、現在の高さで、大体生産と物價の増加の方を二五%程度見込んで計算することになつております。他方から申しますと、申告納税にいたしました結果、一月分が來年度にずれた結果、四十億減りますので、それを差引きまして、四百五十億ということになつておるわけであります。
#68
○栗山良夫君 私の御質問しましたのは、昨年度の当時の政府の説明の時には、二十三年度は九月から実施するので、二百四十億なにがしであるのだけれども、これを平年度に引延ばして、四百数十億になるというように伺つておつたわけであります。從つて昨年度でも、年度初めから行えば、四百五十億見当になるということは、当時言われておつたのであります。ですから、それをベースにして、今年度の予定額と差引計算をするのが妥当だと思います。これはちよつと考えて見ましても、大体前年度の五、六〇%増にすれば、七百五十億ぐらいになるのじやないか、四十億としても七百億見当までは当然行くべきでありますし、取引高税は、商行爲、生産高から出て來ておるから、税の方が五〇%か六〇%殖えておれば、それだけ当然それに比例して殖えて來なければならないわけでありますが、それが殖えない理由はどこにあるかということを伺いたい。
#69
○政府委員(平田敬一郎君) 所得税は、御承知の通り累進税率でございますので、税額は所得が殖える以上に税が殖えるわけでございます。先程申しましたように、農業所得営業所得も二〇%から三〇%の所得の増でありますが、税負担から申しますと、四〇%乃至五〇%になる。それに反して取引高税は、フラツトが百分の一の税でありますので、所得が殖えるだけ税が殖えて來るということになりますので、昨年度から実施した実績に基きまして、大体二一%程度の増であります。取引の増加を見込んでおりまして、その分だけが從いまして基礎にして増になつて出ておる。只今申しましたように、申告納税に改めたことによつて、一月分だけがずれるということによつて、昨年度に比較して、税の若干の減收がある、それを差引きまして、四百五十億程度の收入になるということでありまして、所得税との間に大きな矛盾がないと考えております。
#70
○栗山良夫君 まだ数字的にもう少し伺わないと、納得し難いのでありますが、次にもう一つ伺いますのは、取引高税という本当の性格から言うならば今お説のあつた点で理解するのでありますが、そういうことを考えて見た場合に、今度三万円以下のものについては、これを課さないというような考え方が、取引高税において根本的にゆすぶつているのではないかということが一つ、もう一つは、二十三年度の、実際に取引高税の運用された町の声を私共伺つて見ましても、正直に取引高税の証紙を使用した店も、これをしなかつた店と同じような工合にして負担をして呉れというような、半ば強制的な税務署の行爲というものが相当鋭く批判されている。こういう点から考えますと、取引高税の本当に最初に考えられた性格というものが段々逸脱して、変な形になつてしまう。今年の、今度証紙を取止めました後におきましては、一般の営業税なり、所得税なりと同じような工合に、又相当思い切つた更正決定のような形で行われて來るということを心配するのでありますが、この辺のお考えを伺いたい。
#71
○政府委員(平田敬一郎君) 取引高税の印紙につきましては、皆さんが却つてよく御存じの通り、なかなかうまく励行されませんし、最近の状況から見ますと、取引高税を廃止するかしないかというような議論に関連して、実際上励行されないということになりましたものですから、今回は、私共はむしろ印紙の方を止めた方がよろしいということで廃止したのであります。そういう状況でございましたので、やはりそのまま放置しまいますと、これはやはり歳入も上りませんし、負担の公平を期する所以でもありませんから、取引高税につきましても、それぞれ調査をいたしまして、更正決定をやるということにいたしたのでございます。ただ、その額は、全体に対しまして、所得税よりも比較的少いということになつておりますが、それにしても、所によりましては、相当トラブルを起しておりまして、私共たびたびやかましく指導をしておりますが、慣れないせいもございまして、いろいろ問題を起している例も聞いております。今後におきましては、これは全く毎月の申告になりますので、印紙の場合より以上に、そういう問題が出て來るということも一應考えられますが、併し取引高税の納税者の納税額から申しますと、実は会社の分が全体の五割五分ぐらいになるものと見ております。個人の分が四割五分程度、その会社の方は、実は若干好い加減にする節も相当あるかと思いますが、なかなかそう取引額は大きくごま化すことはむつかしいのではないか。所得ですと、取引高の例えば仮に一割賣上げを小にしますと、所得はゼロになつてしまうんですが、取引額にしますと九割は申告になるといつたような関係もございますし、会社の方は印紙を止めたからといつて、どうこうということは先ずなかろうと思つております。勿論そういうふうに是非持つて行きたい。個人の場合において相当問題がございまするが、これは御承知の通り最近どうも印紙の状況がおもしろくございませんので、止めましてもこれ又そう惡くなることはあるまい。むしろ申告一本にしまして、それで極力納税の指導をやりまして、申告によつて納まるように努めて参りたい。そうしますと足らない部分はやはり所得税の調査などと関連して、取引全額を調査して更正決定で徴收して参りたい、かように考えておる次第であります。
#72
○東浦庄治君 さつきの波多野君の質問に関連するのでありますが、農業所得が二十四年度に二七・五%増加する、こういうことになつておるのでありますが、これは米や麦の値段をそれだけ上げるというお見込でおやりになつておるのかどうか、その点一つ。
#73
○政府委員(平田敬一郎君) 本年度の、例えば米に適用さるべきパリテイが幾らになるかということを今から正確に予定するということは、これはなかなか困難だろうと考えておりますので、これは先程も申上げましたように、昨年の一ケ年の農産物の実効價格が最近のレベルに対してどれくらいであつたかという率を求めまして所得を算定したのでございます。從いましてパリテイがどこまで参りまするか。なかんずく麦の方は只今相当予想数に遠くないと思いますが、米の方は今のところまだはつきりしたことは所得の見積りに関しまして適用し得るようなものを申上げるのは困難ではないかと、ように考えておる次第であります。
#74
○東浦庄治君 実は農産物の所得については本年の所得がもうすでにはつきり決つておつて、來年は米や麦の値段が上らなければこれは出て來ない所得なんです。公定價格のある以外の物の値段は大体青果物が中心でありますが、これは只今の状況からすると、來年は非常に値下りを見込むというのが、これが常識であります。その上に米の値段、麦の値段が上るということも、これも二七・五%上るということは、來年の経済の状態から二十四年度においては殆ど想像ができないことであります。そういう二つの事実から推して、こういう総所得を算定するということの基礎が果して正確かどうか、一應この点を伺つておきたい。
#75
○政府委員(平田敬一郎君) 農産物のパリテイは、現在毎月出しておるようでございますが、現在のところ百四十三ぐらいにまで行つておるらしいです。そうしますと、昨年度の麦は百二十でございますので、二割前後の引上げになるかと思います。それから米は百三十二でございますが、これが今後米價が決るまでに幾らになりますか、もう少し経たないと正確なことはちよつと申上げにくいのですが、他方におきまして、生産の増加を見込みますことを考えますと、この程度予想いたしましてもそう大きな無理ではないかと思つております。
#76
○岩木哲夫君 大臣が出席されないようでしたら散会して貰いたいと思います。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#77
○委員長(黒川武雄君) それでは本日はこれを以て散会いたします。
   午後三時四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事
           内村 清次君
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           島村 軍次君
           田村 文吉君
           東浦 庄治君
           中西  功君
           岩男 仁藏君
   委員
           波多野 鼎君
           森下 政一君
           山下 義信君
           岡田喜久治君
           小串 清一君
           西川甚五郎君
          橋本萬右衞門君
           一松 政二君
           平岡 市三君
           岩木 哲夫君
          尾形六郎兵衞君
           高橋龍太郎君
           伊達源一郎君
           久松 定武君
           松村眞一郎君
           池田 恒雄君
           栗山 良夫君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
  政府委員
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (主計局長)  河野 一之君
   大藏事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   專賣局長官   原田 富一君
ソース: 国立国会図書館
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