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1949/04/08 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第7号
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1949/04/08 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第7号

#1
第005回国会 予算委員会 第7号
昭和二十四年四月八日(木曜日)
   午後二時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒川武雄君) 只今より委員会を開会いたします。
 先般履歴書を皆様にお目に掛けまして御承認を頂きました専門員の華山親義氏が、手続を終了いたしまして本日から専門員として出席されております、皆様に御紹介いたします。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(黒川武雄君) 厚生大臣がお見えになりましたから、厚生大臣に対する質問を始めます、小川委員。
#4
○小川友三君 副総理大臣であり厚生大臣でありまする林閣下にお伺いを申上げます。今度の行政整理の中で、厚生省で所管をしておりまするが、強力な吉田内閣の貿易を中心に大いに國を興して行くという重点的な政治の中で、厚生省所管では貿易に携つております局は藥務局だけであります。古い話ですが、非常に國が困つた時、徳川時代に滋賀縣、富山縣、奈良縣等の大名は、縣民を督励いたしまして、藩の力で他の國に薬品を大いに賣出しまして、國の人を大いに樂にしたという実績があるのであります。今回の行政整理に当りましては、強力な吉田内閣の副総理大臣でいらつしやいます林閣下が厚生大臣の職を兼ねていらつしやいますが、日本の貿易の振興の中に最も重要な要素と將來性の実に大きな薬品貿易というものがあります。又藥化学の発達は、東洋においては正に我が國が第一等の國なのでありまして、曾てスイツツルのバーゼル会社等がスイツツルの貿易の大宗をなした薬品の輸出を全世界にして、今でもやつておるのでありましよう。又ドイツのバイエル会社等も大きな薬品貿易をやつておるのであります。我が國におきましても製薬化学の発達と貿易の振興という重点的な観点から見まして、大臣がどうか藥務局を残して頂きまして、そうして日本の製薬行政によるところの國富の増大に貢献をひたすらにお願いしたいと、かように思いますので、大臣の薬務局をお残しになるかどうかという御所見につきまして拝聴いたしたいと思います。
#5
○國務大臣(林讓治君) 小川委員にお答えいたします。先に私共このたびの行政整理の問題につきまして一應私共の考えといたしまして、一番厚生行政を多く変革を與えずしてやつて行かれる方法は、どういうような方法を以てしたらばよかろうかというような点につきまして考慮いたしまして、私共は部局を減少することなくして、人員の整理によつてその目的を達したいと考えておつたわけであります。更に私共の立場といたしまして、厚生省が一つの局についての整理もなさずに出すことはどうであろう。実質的に考えまして、藥務局というものを部にいたすということによつて各藥務関係の方々がお働き下さるということであれば、実質的に同じではなかろうかというような案を一應立てたこともあつたのであります。それが巷間傳りまして、頻りに小川委員のお説のようなことも伺いまするし、尚行政機構の審査委員と申しましようか、内閣において開かれておりました方々の諸案も参考にいたしまして、只今私共の所からとしては、まだ完全に本多國務大臣の所に出ておりませんからこれがこうなつたのだということの御発表もでき兼ねるわけではありますけれども、私共も諸般の事情を考慮いたしました結果、藥務局といたしましては、ぜひとも局として残したいということに進んで行きたいと考えておるわけであります。
 尚これは確定をいたしたという問題ではございませんが、私共といたしましては、最初巷間に傳りましたものとは異りまして、藥務局は依然残つて、医務局三局を二局にする、その代り外にまだ部を設置するというような案を以ちまして、本多國務大臣との話合わせは目下のところ付いております。尚いろいろの関係もありまして、そう確定いたしたということは申上げ兼ねることだけは御了承願いまして、私共はその心組で進んでおるわけであります。
#6
○小川友三君 只今大臣から極めて懇切に事情をお話し賜りまして、本員は満足する者であります。これ以上、お伺いするところはありません。
#7
○委員長(黒川武雄君) 総理大臣に対する質問は來週にいたしまして、折角副総理がおいでになつておりますから、御質問のおありの方は、これは総理に対する質問以外の質問といたしまして、話して頂きたいと思います。
#8
○西郷吉之助君 私は申出てありませんけれども、丁度厚生大臣お見えになつておりますから、ちよつと御質問いたします。
 終戰以来、御承知の通り我が國の人口は非常に増加しつつある現状でありますが、今日それに伴いまして、生れて來るところの赤ん坊のおむつが非常に問題になつておると思うのであります。御承知の通り戰災によりまして國民の多くの者が被服を燒失しておる今日、生れて來るところの赤ん坊、並びに場合によつては四歳ぐらいまで、やはりおむつを必要といたしておるのでありまするが、そういうふうな物が國家から配給されませんのみならず、そういうふうな物は特殊な物でありまして、普通ならば著物を買つて、そうしてその生地でやればいいのでありますが、そういうふうな種類の物は非常に高價でありまして、終戰前まではそういうおむつを販賣されておるというふうなものはなかつたと思いますが、今日は東京なんかにおきましては、古着でおむつを作つて賣つておるけれども、それが非常な高値である。併し子供のある者は、どうしてもそれが必要でありまするから買わなければならん。そうして都会のみならず全國においておむつの問題に非常に困つておる現状であります。
 この際厚生省としては、それに対しまして何か対策を持つておられるかどうか、又それに対する現状はどういうふうになつておるのか、お伺いいたします。
#9
○國務大臣(林讓治君) 西郷委員にお答えいたします。おむつ問題につきましては仰しやる通りでありまして、誠に御同情に堪えないと考えておるわけであります。この問題につきまして、詳細事務的のことについては、私遺憾ながらよく存じておりませんが、民間側の方でもこれに対する計画を立てられておる点もありますのと、それから政府といたしましても、児童局においては、成るべくこれらの問題を解決いたすように、せいぜい政府といたしましても、民間の方の方々ばかりでなくこれを獲得いたしまして、何か便利な方法で安くお手に入るようにいたしたいとこういうつもりでおりますが、事務的に目下どういうふうなということは詳しく申上げるだけの材料がありませんから他日又お答えさせて頂きたいと思います。
#10
○西郷吉之助君 只今厚生大臣から御答弁を頂きましたが、非常に特殊な面でありますから、ここで即時に大臣から御答弁を願うのは難しいかと存じますが、是非この際大臣におかれましては、おむつのようなものは必要なのでございますから、今後できるだけ速かに配給いたされるように一つ御高配願いたいということを特にお願いいたしておきます。
#11
○木村禧八郎君 厚生大臣にお伺いいたしたいのですが、國立病院及び療養所、これはいつから特別会計にするつもりですか。
#12
○國務大臣(林讓治君) この度、そういう案を出すことにはいたしておりますが、案が通りましたあとは四月五月頃からになるのではなかろうかというふうに考えておりますが、まだいつから開始するということは事務的に伺つておりませんから後刻、事務官の連中が参りましてから……。
#13
○木村禧八郎君 今度の國会にお出しになるのですか。
#14
○政府委員(阪田泰二君) 國立病院が特別会計として発足する時期につきましては、只今厚生大臣が御答弁になりましたように、これからその辺のところの法律案が提出されるわけでありますが、一應只今提出いたしました予算といたしましては、一般会計で経理されますのが六月まででありまして、七月から特別会計に移ると、こういうふうに予定しております。
#15
○木村禧八郎君 そうしますと一般会計の予算書に書いてありますのは、厚生省予算で、國立病院及び療養所修繕費とかいうのは六月までの予算でありますか。
#16
○政府委員(阪田泰二君) 國立病院につきましては、仰せの通り六月までの予算であります。療養所は特別会計に入りませんので年間分が計上されてありますので、特別会計になりましても、國立病院の会計は当初は自主自弁というわけに参りませんので一般会計から繰入れます分がございます。それも一般会計に載つておるわけであります。
#17
○木村禧八郎君 大体國立病院を特別会計に移す方針であるということは今のお話で分りましたが、何故に國立病院を特別会計にしなければならないか、その理由について厚生大臣に……。
#18
○國務大臣(林讓治君) 従来の病院などは兵舎など使いまして、自然極めて粗雑なものであつたのでありますが、逐次改善されておりますると共に、一般の患者の取扱いをいたしますることは非常に多くなるのでありまして、そうして、これらの成績を挙げて参りますのにも、やはり特別会計によつて或る程度までのは賄つて行くというようなことが至極結構であろうとこういうふうに感じまして、國立病院を特別会計に移すように大体進めて参つておるような次第であります。
#19
○木村禧八郎君 特別会計にいたした場合ですね。その施療賣とか、入院料とか、そういうものは、一般患者も扱うようになるというお話でありますので、恐らく非常に上つて來る。大体独立採算をそこまで可能ならしめるような経営に持つて行こうというので、特別会計に変更替する、そういうことであるとするならば、入院費とか、そういうものは相当上つて來て、こういうところの施設によつて、これまでいろいろ便宜を得て來た人は多く貧困者であるとか、又或いは傷痍軍人とか、戰爭の犠牲者、そういう人だと思うのです。特別会計にして、独立採算にした結果、そういう人たちの負担が相当殖えるということは、相当の問題ではないかと思うのであります。この点についてお考になつたことがおありになるのでありましようか。
#20
○國務大臣(林讓治君) 國立病院に入つております者は主として生活保護法だとか、その他保険などによつて賄われておると思います。これが若し足りなかつたという場合においては、一般の方からの患者などにつきましては、診察料とか、その他を取ることにいたしまして、そういう極めて貧困な方々とかいうものに対しては、病院が費用に対して不足をいたします場合においては、一般会計の方から繰入れることにいたしまして、その貧困なる方々に対しての負担は負わしめないような方向に進んで行きたいと思います。ですからその弊害はないと思います。 
#21
○木村禧八郎君 併し実際問題として、特別会計にしますと、必要なもう少し國立病院の施設を拡張したり、そうして貧困者にもつと便宜を與えた方がいいというような場合に、そういう拡張をしなかつたり、或いはむしろ規模を縮小したり、そういうふうに利用者が締め出されて來る、そういう懸念はないでございましようか。
#22
○國務大臣(林讓治君) 只今の御懸念は決してないようにお取計いをいたしたいと思います。
#23
○木村禧八郎君 厚生大臣は非常に簡単に御答弁されておるようでありますが、実は全日本國立医療労働組合から、我々の党に陳情が来て参つております。これによりますと、特別会計に移すことによつて、非常な施療者、或いは貧困者、そういうものに対して悪い影響が起るということを詳細に述べてあるのでありますが、厚生大臣はこれから社会保障制度を作るとか、又そういう時期に来ておりますし、又九原則に当つて日本経済の再建、或いは安定をして行く場合に、マツカーサー元帥の書簡にもありましたように、犠牲負担を平等にこれを負担して行かなければいけない、そういうことも言われておる際でありますから、政府としては、もつと積極的にこの社会政策的な政策を推進しなければならない。然るに拘わらずこの國立病院を特別会計にしますと、それと逆な結果を生むということになるのですが、もう少し厚生大臣はこの問題について愼重にお考えになる必要があるじやないかと思う。よくお分りにならなければ、もう少しその影響について調査検討した後において誠意ある御答弁を伺いたいのであります。
#24
○國務大臣(林讓治君) それでは後に許しく調べまして又お答えいたします。
#25
○尾形六郎兵衞君 厚生大臣に人口問題についてお伺いしたいのであります。太平洋戰争は実は日本は非常に人口が殖える。そのはけ場を求めるために、起きたものだ、こういうよろな見解をなす人がありますが、現在の日本の人口過剰は日本のために非常に最も大きい問題じやないかと思います。昨日確か帆足議員の質問に対しまして厚生大臣は、國民の自由意思に委せるというようなお話であつたと拝聴しましたのですが、國民の自由意思に委せる程度の問題でいいかどうか、或いは今一つ、制限をしておる人が二〇何%あるのだというような話も言つておられますが、放任しますとどうしましても知識階級の人が、最も教育をなし得る階級の人が制限をしまして、非常に混合つておる工場とか鉱山とか、労働者階級の人が、教養を與え得ない人がどんどん子供を生む、こういう結果を來たしはしないか、こういう懸念があります。私は現内閣が絶対多数を取られまして、思い切つた政策を断行し得る内閣だと思うのですが、この辺で現内閣としましては人口問題の解決のために思い切つた政策を採られる意思がないかどうかということ、この点を一つ厚生大臣にお伺いしたい。殊に今後いつまでもアメリカから食糧を、米に換算しまして一千二百万石以上のものを貰い得るかどうかということも分らないし、又仮に日本が工業が盛になつて輸出によつて外國から食糧を買い得る状態になりましても、若し世界の平和が乱れまして、ここに海上の交通が途絶したとしますれば、どうしましても國内の食糧では足りない。日本の適当な人口はこの領土にしますと六千万人ぐらいじやなかろうかと思いますので、どうしても千五百万人以上は過剰になるとこう思いますのですが、今直ぐ始めてもこの制限は直ぐ効果があるものじやないのです。國家百年の計を樹てる意味におきまして、最も根本的政策を樹てる御意思がないかどうか、その点をお伺いいたします。 
#26
○國務大臣(林讓治君) 只今の人口の問題はお説の通り非常にむずかしい、又重大な問題であると考えておるわけでありますが、この制限などの問題につきましては、昨日帆足議員からか御質問がございましたときにお答えをいたしたわけでありまするが、これを國家の方でたつた一つの法律と申しましようか、政策と申しましようか、立ててやるということにつきましては、今日の場合私共は如何であるかと考えまして、宗教上或いは道徳的の問題なども非常に関係の多いこともありますし、從つて今日の場合においては先ず妊娠をするということの必要を認めないような方々の自由の意思にお委せをするということぐらいで、解決を付けなければならんのではなかろうかと考えておるわけであります。
 尚人口の非常に増加のようにも考えられまするが、確か昨年度かと考えますが、私共統計的の表を見ましたときに、一時非常に増加をいたしましたけれども、その後におきましては少し増加の程度が落ちておるのではないかというようなお話を伺つたことすらあるのでございまして、今日の人口問題につきまして如何にするか。今対外関係などにおきまして、ブラジル方面に移民いたすというようなことも今日考えられる問題でもありませんが、厚生省といたしましては私共、制限の問題につきましては昨日帆足議員の質疑にお答えいたしましたくらいで、今のところは妊娠を必要とせざる人の御意思によつて、これは何とか進むより外、途はないと思います。別にこれに対して対策を私共としては考えておらんわけであります。
#27
○尾形六郎兵衞君 実は昨年優生保護法というものを施行したのですが、私共あたり近所を聞いたのですが、そういうものを利用したという話を聞いたことがありません。あれは法律はできましたのですが、相当程度にあの優生保護法というものは実行されておるかどうかということを伺います。
 もう一つは、今の厚生大臣のお話によりますと、大体人口問題は先ず自由放任と解して宜しいかと思います。私共の希望としましては、妊娠した場合、医者が流産させることによつて非常に重い罪が現在まで法律的に残つておるのです。そういうものをもつと緩和する意思がないかどうかということを伺います。
#28
○國務大臣(林讓治君) 只今お話の優生保護法の問題については数字ははつきり分りませんが、昨日も統計において死産についてその四割強が中絶によつての死産であるというようなことを申上げたと同じように、優生の問題につきましては数字的に私申上げかねますが、相当利用がでぎておるもののように私共は考えておるわけであります。
 それから産児制限などについて自由放任かどうかというお話でありますが、いろいろ健康であるとか、その他の問題を考慮しまして自由放任という程ではございませんが、それぞれの健康上に十分注意いたしまして、今日産児制限と申しましようか、そういうことで進んで行きたいと考えておるわけであります。
#29
○山下義信君 厚生省関係の予算につきましては、分科会で詳細伺いたいと思つておるのでありますが、只今國立病院の特別会計につきまして御答弁がございましたので関連して、この機会に伺いたいと思います。一般会計からの繰入れを二五%にいたしましたその理由はどういうわけでございますか、これが第一、それから二五%の一般会計の繰入れといたしまして約五億八千万円でありましたか、これが繰入れられてあるのでありますが、その一般会計から繰入れまして特別会計の歳入に受入れます一般会計からの繰入れの時期はいつ頃になりますか、それを伺いたいのであります。と申しますのは國立病院の患者は只今厚生大臣の御答弁がありましたように、生活保護法関係或いは保険関係の患者が非常に多いのであります。従いましてこれらの医療費というものがやはり法の上で負担されて支拂われます。それらの支拂の支拂時期に相当時間的にずれがあります。この間、國立病院の運轉資金関係はどういうような見透しを持つておいでになりますか、私共はこれは相当困るんじやないかということを思うのでありますが、その点をどういうふうに考えておりますか。尚この独立採算制を施行して行きます上におきましては、今後の國立病院の経営上に非常に変化があるだろうと思いますが、それらに関しまして適切な國立病院の運営関係の何か立法上の用意がありますかどうか。この点を伺いたいと思います。以上。
#30
○國務大臣(林讓治君) 只今一般会計の繰入の問題が二十五%でありますが、大体こんなところでいいんではなかろうかという見立割と申しますか、今の見当で進んでいるもののようでございます。それからちよつと大蔵省の方から詳しいことを申上げます。
#31
○政府委員(阪田泰二君) 一般会計からの繰入を二十五%といたしました理由でございますが、これは大体昨年度におきまして殊に最近の実績からいたしまして、もう二十四年度における病院の收入及び支出の関係を計算いたしましてその結果二十五%程の不足が出るというふうに計算いたしました訳であります。二十五%と申しますのは昨年の実績は大体四五割程度の不足になつておりましたので、それよりも少く見てあるわけでありますが、併し昨年は年度の中途から給與の関係等によりまして支出が増加いたしまして、それ以前の状態におきましては只今申上げましたように大体二十五%近い程度の不足で済んでおりましたわけであります。大体その辺のところで適当な見積りであろうと考えておりました。
 それから病院会計におきまする支拂上、現金が不足するようなことがないかというお話でありますが、これにつきましては一般会計からの繰入金の時期を、特別会計の経理に支障のないように調査するということも勿論でありますが、その外に特別会計法をここに提案するのでありますが、その後におきまして特別会計に不足を來たした場合においては一時借入金をする。更に借入をする迄もなく、國庫の余裕金を繰替えて使つて行くことができる。まあ國といたしましては余裕金は各特別会計それぞれにございますが、共通の一本の日本銀行の預金になつておるわけでありますから、取敢ずそれを繰替えて使つて行くという便法も考えております。お話の点は支障なく行くことと考えております。
#32
○山下義信君 次長の説明でよく解りましたが、昨年の四・五割の赤字になつておるというのはこれは経常費関係だけですが、例えば國立病院の施設の拡張というような経費関係もやはり二十五%の繰入で十分という考でしようかどうでしようか。
#33
○政府委員(阪田泰二君) 先程申しましたのは病院の経常的の支出であります。病院関係の収入と、病院関係の職員の給與、その外諸種の物件費というものの割合を申上げたのであります。
#34
○山下義信君 そうしますと、國立病院が今後病床の拡張をする、或いは施設の拡張をするといつたような経費に対しましては、この特別会計の予算の中には考えられていない、かように見えるのでありますが、その点如何ですか。
#35
○政府委員(阪田泰二君) 只今申上げましたのは施設の拡充等の問題でありますが、病院を創設いたしますとか、そういつたような問題になりますと、これは別途一般会計でやりますとかそういうふうな処置を採らざるを得ないのであります。これは現在経常的に収支がすでに不足であるという状態でありますから、その中から積極的にさような拡充費用を負担するということは不可能であると思います。ただ病院の収入を見ます上におきまして、これは経常費といいましても、ある程度の施設の整備をいたして行く必要はありますので、その点はやはり似ておるわけでございます。
#36
○木村禧八郎君 政府委員にちよつと伺いますが、先程の國立病院及び療養所の修繕費一億九千七百余万円のうち、國立病院の修繕費はどのくらいかということ、療養所の方は特別会計に移らないというお話ですが、六月までの國立病院の修繕費はどのくらい見込んであるか。それからもう一点お伺いしたいのですが、國立病院の施設の修理とか、それから診療資材の補給ですな。そういうものは特別会計になりますと、この今計上されておる修繕費予算がなくなれば、後はもう補給しない。その病院の收入の範囲内で賄う、そういうことになるわけですか。
#37
○政府委員(阪田泰二君) 一般会計、或いは特別会計の歳出予算で認められておる範囲以外には、修繕費その他の支出ができないということは当然でございます。ただ大体年間の妥当な程度な額は計上されておりますわけでありますから、ある程度、ごくわずかな金額が不足するというような場合は、これは流用等の処置で解決する余地もあると思います。原則としては予算に認められている範囲以外にはできないのであります。
#38
○油井賢太郎君 厚生大臣にちよつと先程尾形委員から質問した点に関連してお聞きしたいのですが、人口問題は大変厚生大臣のお話ですと、今の政府は余り関心を持たれていないかのように聞えたのでありますが、いま新聞紙上等の発表においても、政府においては、昭和二十九年度においては、九千万人に人口が増加する。如何にも國力の増進のようにも考えているように御発表になつているというふうな状態でありますが、厚生省の予算の中に人口問題研究所というのがあつて、金額はあまり大したことはありませんが、五百八十五万円というものを取つております。これは継続的にやつておられると思いますが、もう少し明細に政府の今後の人口対策に対する信念を御披瀝願いたいと思います。
#39
○國務大臣(林讓治君) 今の人口問題研究所などにつきましては、いろいろ厚生省で人口問題を研究いたします上におきましてのことを継続してやつておるわけでありまして、尚私といたしましては、目下の人口問題についての政策と申しましようか、それは先程来申上げました点が私共としての政策で、外には考えておりません。尚今後そういう研究所を活躍させまして、それ等の問題を解決したいと思います。
#40
○油井賢太郎君 どうも甚だそのお答えは我々國民としては遺憾に存ずるのでありますが、十分御研究あらんことを切にお願いいたします。
 次に今の食糧問題でありますが、食糧は相当年々輸入を以て賄つておりますが、現在の食糧で以て日本人の体格の向上ということについて、栄養が十分に行き届いているかどうか、こういう点については將来如何なる対策をお持ちになつておりますか。
#41
○國務大臣(林讓治君) 只今の食糧によりましては勿論十分なるものだとは考えておりません。併しながら今後におきましては、國内の増産と申しましようか、或いはアメリカからの援助と申しましようか、成るべく多くカロリーと言つていいでしようか、それを取るような方法にやつて行かなければならんと思いますが、今私共といたしましては、今日のところ余儀ないものといたしまして、今後農林省と提携いたしまして、そうして食糧の増産をし、又一般の栄養を増すように努力いたしたいと考えているようなわけであります。
#42
○油井賢太郎君 食糧輸入の面について砂糖が昨年度も相当の輸入があつたのでありますが、今年度もやはり主食代替、或いは主食の枠外として相当輸入を試みられるおつもりですか、その点。
#43
○國務大臣(林讓治君) 只今のところ厚生大臣といたしましてはその点よく存じておりませんが、又後刻でも申上げたいと思います。
#44
○油井賢太郎君 厚生大臣にもう一つ。砂糖の栄養價値は相当あると言われておりますが、國民全体に行き渡つている砂糖の数量というものは大したものではない。でその栄養價値も極めて微少なものだと我々は思うのであります。耐乏生活を要望される現政府においては、輸入砂糖というようなものでなしに、國内で生産されるズルチン、サツカリン等によつて多少砂糖の補いをつけて行くという方策などはお取りになるかどうか、その点お聞かせ願います。
#45
○國務大臣(林讓治君) その点についても存じておりません。
#46
○中西功君 今度の予算で厚生省の費目は全滅だと思う。この費目が殆んど全滅だということは、厚生行政が全くここに崩潰するその時期に達していると思う。で厚生省としては当初の要求は五百二億要求をいたしたと僕は聞いておりますが、復活要求として三百二十六億、ところが最後の査定は結局二百九十九億というふうに聞いております。それでこういうふうな過程を取つた厚生省予算はちよつと一、二例を挙げて見れば、上下水道の施設は三十億円ぐらいから一億円に減つていると思うのです。又清掃施設設置などというような費用は零になつていると思うのです。これは一つの例に過ぎないのであつて、さつき木村委員の方からお話しになつた國立療養所の特別会計の問題、これは実に深刻な社会問題だと思うのです。若し政府がこのままの方法でこれを強行したならば、恐らく病院からは重病人が金がないということのために追出されて行くと思う。そればかりでなくして、医藥の方面その他到るところ、これはちよつと見ても滅茶苦茶だと思う。で私は厚生大臣として、厚生という名前なんか止めた方がいいと思う。(笑声)何とか、もつと殺人というような言葉でもいいだろうと思う。(笑声)実際よく見て御覧なさい。滅茶苦茶です。殊に厚生省においてはそれが甚しいです。そこでですね、ここで厚生大臣がそんな、よく分りませんだとかそれでもいいと思いますというふうなふざけた答弁じやなくて、本当ですよ、これは六千万というか、八千万というか知りませんけれども、健康問題から何からこれは滅茶苦茶なんです。ですから私は一應厚生省が当初要求した五百億、それが今削られて三百億以下になつていますが、一体そういう過程で厚生大臣としてはこれに対してどういうような努力をしたということを或る程度示す意味において、こういう経費は削られると非常に困るので、こういうふうにして頑張つたとか、そういう詳しい説明を私はして頂きたいと思うのです。
#47
○國務大臣(林讓治君) 当初の要求額よりも甚だ削られましたことを残念に思いますが、從來の関係から申しまするならば、前年よりはいくらか……。今度は相当に成績を挙げたのではなかろうか、尚(中西功君「冗談じやないよ」と呼ぶ)主計次長がおりますから、その点主計次長の方から御説明を願うことにいたします。さようにひとつ御了承をお願いします。
#48
○中西功君 どうにもならない。
   〔波多野鼎君「質問はそうじやないでしよう」と呼ぶ〕
#49
○中西功君 もつと政治的な折衝があつた筈なんで、これは政治問題を言つているのです。
   〔波多野鼎君「それは次長じや答弁にならない。」と呼ぶ〕
#50
○政府委員(阪田泰二君) 一應お答え申上げて置きます。厚生省の予算は、昨年度におきましては二百二十九億でありましたが、本年度は二百七十四億になつております。それで特別の大きな事項の増減といたしましては、國立病院が七月以降特別会計の方に廻つておるというようなことがございますので、全般として見ますと、他の各省におきましても、年度予算に対しまして新規の事項は殆んど認められておりませんし、大体昨年の施設をそのまま、或いは或る程度厚生省におきましては拡充して認められたものもあるような状況でありまして、お話のような厚生省の関係の施策が全滅だというようなことは、予算的にはさようなことにはなつていないように考えます。
#51
○中西功君 詳しく言つて御覧なさい。
#52
○波多野鼎君 分科会でやろう、詳しいことは……。
#53
○國務大臣(林讓治君) 細かいことは尚分科会において……。
#54
○委員長(黒川武雄君) それでは次に商工大臣に対する質問の通告は波多野委員だけでございますが、先ず波多野委員から……。
#55
○波多野鼎君 商工大臣に五、六点質問したい点があるのでありますが、第一にこの予算の説明に当りまして、商工省の方の生産計画というものがはつきり出ておらないために、我々審議する場合に非常に困るのです。それで是非早く生産計画を出して頂きたいと思うのです。まだ出ていませんから大まかな点だけを質問いたしますが、二十四年度におきましては、鉱工業生産の大体三〇%の増産を図るというようなことが傳えられておりますが、これは確かなのですか、どうですか。
#56
○國務大臣(稻垣平太郎君) そういう予定でやつておりますが、尚数字的に我々の考え方……、まだ安本との折衝も残しております関係もございますので、はつきり申上げられませんが、尚御必要なる数字は後の機会に申上げることにいたしたいと存じます。
#57
○波多野鼎君 鉱工業生産で大体三〇%の増加を図ると申しますと、相当多額の資金の必要があると思うのでありますが、設備資金、運轉資金に分けて総額どれくらいのものを必要とされるか、その点を一つはつきりして頂きたいと思います。
#58
○國務大臣(稻垣平太郎君) 大体設備資金並びに運轉資金の割合におきまして、商工省といたしまして組んでおりますのは一千四百二十八億円と記憶いたしております。千四百二十八億円を組んでいるのであります。そのうち大体自己資金で賄えるものをのけますと、どうしてもここで考慮しなければならんものが六百八十億乃至七百億、かように考えているのであります。これの調達につきましては、大藏当局その他といろいろ折衝中でありますが、大体そのように考えているわけであります。そこでこれが設備資金と運轉資金との区分でありますが、各事業別に細かく申上げることが必要でありまするならば、大体のものはここに持つているのでありますが、総括的に申上げまして、運轉資金と設備資金の割合は、六と四ぐらいの割合に相成つているということを申上げて置きます。
#59
○波多野鼎君 これも安本の方から資金計画の全貌がはつきり出されておりませんために、我々突き進んだ質疑應答をすることができないのでありますが、國務大臣としての商工大臣に是非お願いして置きたいのは、できるだけ早くその資金計画を出すように、大藏大臣にも頼んで置きましたけれども、まだ出て來ない。資金計画が定まらないと、この予算の問題を我々は審議する基礎的な條件を失うと思うのであります。どうか商工大臣の方からも、是非早く出すようにということを一つお督促をお願いして置きます。
 次にお聞きしたいのは貿易の問題でありますが、二十四年度においては輸出は大体四億ドル乃至五億ドルの計画を立てているという話でありますが、これは事実なんでありますか。
#60
○國務大臣(稻垣平太郎君) お答えいたします。大体輸出計画は五億三千万ドルという予定を立てております。輸入はこれに対して九億五千万ドル、そのうち例の救済資金によりますものがやはりこれも五億三千万ドルで、あとの四億二千万ドルがそれ以外の輸入ということに考えております。
#61
○波多野鼎君 まあ貿易計画がそういうふうのものを立てられた根拠を承わりたいのですが、大体今年度は二十三年度の輸出の倍額の計画のようであります。ところで我が國の輸出貿易の相手方は大体東亜、南洋という方面であろうと思いますが、このポンド地域との貿易協定、まあ若干のものができているようでありますが、この見透しは一体どうなんでありますか。こういう計画を立ててもこれが本当に遂行できるような見透しであるかどうか。特に中華民國あたりとの貿易計画、そういうものの見透しを一つ承つて置きたいのですが……。
#62
○國務大臣(稻垣平太郎君) 大体バーター・システムを中心といたしました輸出計画、いわゆる貿易協定による輸出計画は総額二億ドル近くになつております。これは從來の貿易協定による実績、尚今交渉中のもの等考慮に入れまして大体五億三千万ドルという数字を出しましたわけであります。それから今中國との貿易という御質問があつたように思うのでありますが、御承知のように中共との関係、そういつた問題がありますので、なかなかこれはデリケートな問題なんであります。それで中共政府との貿易という関係は國際的の関連もありまして、これが正式にこの間に取引が行われるということは、今日においてはできないと存ずるのでありますが、ただ現在におきましても中共地区との取引は必ずしも絶無ではないのでありまして、香港なり或いはマカオ、或いは南鮮の商人を通じて引合いなんかが大分参つているわけでありまして、実際的の取引は行われるのではないか、かように考えているのであります。何しろ工業塩にいたしましても、ソーダ工業の原料の工業塩にいたしましても、或いは鉄鉱石といつたような問題は、近い地域の中國から取ることが最も望ましいことでありまして、こういう点につきましても何らかの方法によつて実現いたしたいと考えております。但しこの機会に序でに申上げますが、この工業塩につきましてはアフリカから今取つておりまして、昨年度確か百二十一万トンであつたと思うのでありますが、私実は数字をここに持つおりませんので、或いは数字を後で訂正することになるかも知れませんが、百二十一万トンであつたと思うのであります。今年は百四十万トンを予定いたしているのでありますが、これはフレイトの点もありますけれども、案外品質が非常によろしい関係で、採算上はむしろアフリカの工業塩の方がいいということに相成つております。
#63
○波多野鼎君 相手のことは、相手方の情勢によつていろいろ変わることもあると思いますが、特にこちら側の事情といたしまして、貿易資金特別会計の審議に当つて見ましたところでは、輸出品として造つた物のストツクが相当多い。この事実の説明を求めましたときに、政府委員の説明は非常に曖昧でありまして、その中にランニング・ストツクに類する物があると言うかと思えば、輸出不適品もある。どういう比率であるかということを聞きましても、はつきりしたことは申さなかつたのでありますが、そういう事実から我我が推測するところは、貿易品として生産された物の中に、相当多額の輸出不適格品があるということが推測されるので、從つてこういう厖大な輸出計画を遂行する上においては、國内の輸出産業についての対策がなくちやならんと思います。そういう点についてはどういうお考えでありますか。
#64
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今貿易品の目的のためのストックといたしましては、大体金額にいたしまして三百四十二億円あつたかと記憶いたしております。ちよつと私手許に数字を持つおりませんので、私の記憶でありますが間違いないと思います。三百四十二億円であつたと思います。その中で一番主なものは、繊維が二百九十何億……。二百九十四億円を占めておつたと思うのであります。これは大体いわゆる計画註文と申しますか、予約註文と申しますか、いわゆる計画的に註文したので、向うからオーダーが来て注文したものではないのでありまして、それが尚滞貨になつている事情は、大体これだけの注文があるだろうこいう計画が狂つたということも一つであろうと思います。それから事実上例えば溜まつております自轉車のタイヤのごときは、規格が全然違つておつたという点もあると存じます。それから又中には品質が粗悪であつた、こういつた種類の物もあるようであります。大体三百四十二億円何がしの中の八十億円は、どうしてもこれは海外向にできませんので、國内に放出することにいたしまして、大体今回三十億円をその中から放出することにいたしているのであります。他の物につきましては、できるだけこれを海外のオーダーに振向けたい、こういう考えで努力いたしているのでありますが、中にはいわゆる計画の見込違いといいますか、或いは規格違い、そういつた物については多少値下げしなければ賣れないという性質のものもあります。併し大体今の見込では、この三百四十二億円というものの金額が損失をしないで費れる、或いは或る程度黒字が出るということを我々は予想いたしております。それはこれを註文しました時期が古い時期のものでありまして、價格の安い物もありまする関係上、大体黒字が出るのではないか、かように予想いたしているわけであります。
#65
○波多野鼎君 もう一つ、國内側の事情として考えなければならない点は、貿易産業の金融の問題なんであります。貿易手形の割引について優遇的な措置を講じておるということは知つておりますが、今日のような闇金融が非常に横行しておりまして、そうして巨大な銀行さえもその闇金融の中に捲込まれておるという現状の下において、貿易手形の割引率を低くして置くことが優遇の道になるという考え方は、相考当慮を要する考え方であろうと思う。がとにかく貿易手形の割引について業者側では非常な困難を感じておる。これが一点。もう一つは輸出品の原材料の買入資金の調達について非常な困難を感じておる。輸出品の原材料の買入資金の金融の面、この面について非常な困難を感じておる。この点が第二点で、この二つの金融面の隘路を打開する方策を講じない限り、貿易計画は遂行されないと思う。特に今年度は大体一千億円を超す輸出品を見込んでおるようでありますが、この一千億円を超す輸出品の材料というものは相当莫大なものだろうと思つておる。この原材料を買入れる資金について何らかの手を講じておられると思いますが、その点についての大臣の抱負なり計画をお聞きしたいと思います。
#66
○國務大臣(稻垣平太郎君) 第一の御質問の点は御尤もと考える面もあるのでありますが、この点につきいわゆる金利の問題につきましては、尚研究いたすことといたしまして、一時貿手が決済されなかつたということで問題になつておつたようですが、これは御承知の先月の三十一日ですか、一日ですか、こちらで両院を通過いたしましたあの貿易資金の五十億円の増額、あれが御承認を得ましたので、この貿手の決済の遅延という問題は至急解決すると思つております。尚この貿易資金について貿手の問題もありますし、且つ又今の御指摘の原材料の問題もあるのであります。この原材料は年間を通じて相当の金額に上ることはもう御説の通りでありまして、これに対するところの手当をしなければならんと思うのであります。殊に今回の建前が輸出に重点を置く、こういう考え方になつておりまする関係上、どうしても輸出の原材料については金融措置をできるだけしなければならん。これについては特に例の見返り資金との関連もなくもないんでございまして、その点について大藏関係とも打合せをいたしておるような次第であります。
#67
○波多野鼎君 そうしますと、貿易金融の問題はいわゆる見返り資金の方に頼つておるというようなことになるようですが、この点は後で大藏大臣に尋ねることにいたしまして、次にこのレートの問題でありますが、爲替の一本レートが最近決るという話でありますが、どれだけに決るか我々は知りませんが、例えば三百三十円というふうに決つた場合において、これは國内産業に及ぼす影響は相当重大なものと思いますが、これは別としまして、この決めたレートを維持する点について、何らかの成案を持つておられるかどうか。一旦レートを決めた後で更にこれを変更するというようなことがあつては大変なのだから、レートを決めるときにはその点を十分考慮してレートを決める必要があると思う。恐らくこれを決めるとするならばこれを維持するだけの確信があつてこれをお決めになるだろうと思いますが、その場合例えば國際通貨安定基金の中に入つて行くとか、そこへ入れて貰うというようなことでも考えておられるのか、その他どういう方策を、維持する点についてどういう方策を考えておられるのか、これを一つ承わりたい。  
#68
○國務大臣(稻垣平太郎君) お答え申上げます。御説の通りに一本爲替レートを設定いたしまして、これをたびたび変更するということでは、これはもう目的を達しないので、どうしても相当の期間維持されるということが必要であることはもとよりであります。それがためには或る程度インフレが足踏みをするという状態があることも私は必要だと考えておるのであります。又これを將來再び変更するというようなことがない條件が作り出されることを必要といたしておることは勿論であります。ただその半面に、いろいろ関係筋との関連におきまして、早くレートを設定するという必要の面もありますので、いつレートが如何なるレートで決まるかということはちよつとここで申上げかねますが、御指摘のような点については十分考慮してやつて行きたい、かように考えておるのであります。又安定基金の問題につきましては今安本におきまして関係筋との間に交渉しておる関連もありますので、私からちよつとお答え申上げかねます。
#69
○波多野鼎君 この一本レートの設定を急ぐ理由というのは、どんな理由なんですか、これを一つ承わりたいのであります。若し都合が悪ければ秘密会にして、なせそんなに急ぐかということを一つ……。
#70
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは先方の、つまりなんと言いますか、固つた意見ということではないのでありまして、從つて私は向うが全部が明日にもやりたい、こういうように急いでおると申上げるわけではないのであります。ただ一、二の人を通じて我々が聞く限りにおきましては、日本の自立経済を促進する意味においてはできるだけ早く一本レートを決めることが必要なんだということ、それから又日本に民間の外資が導入される場合に、一本レートが決つていなければ日本へ投資しないというような事情、そういつたような点を挙げておられるのを耳にいたしております。
#71
○波多野鼎君 次の民間外資導入の問題ですが、商工大臣は外資はどんどん入つて来た方がよい、多々益々弁ずというような御意見を本会議でも言つておられますが、これは相当警戒を要する御意見ではないかと私共は思う。外國の民間資本が入りたいと考えておる日本の産業と、日本の國の自立経済の上から見てこういう産業に外國資本が入つてくれた方がよいとこちらが希望する産業との間には、相当の大きな喰い違いがあるのではないかと思う。向うが入りたいと考える産業にどんどん無條件に入れてしまうというようなことをやつて、そういう方針でやつて行きますということは、日本経済の自立という点において相当大きな問題を残すことになる。この点についての商工大臣の考えをはつきり一つ聞いて置きたいと思います。
#72
○國務大臣(稻垣平太郎君) お答えを申上げます。これも本会議でも御質問がありましたもので、確か参議院の本会議のときに御返答したかと思うのでありますが、まあ外資が入つて來まする場合を想定しますると、原料でこちらへ寄越して、日本の工場を加工工場として利用して、そうして加工してこれを持つて行くという形のものもあると思います。これについては無論問題はないのであります。例えば二、三そういうようなお話が進行中のものもございます。それからしてその次には御承知のように日本の技術は大部分私に言わせますと、もう本当に大部分が或る程度十年位足踏みをしたと思うのであります。のみならず、使つておりまするところの機械設備というものは非常に非能率的なものであつて、まあ一口に言つてしまつて、スクラツプを半分位廻わしておるのだ、こういう現状にあろうと思うのであります。ところが度々耳にいたしまする例からいいましても、それこそ一つの機械が日本では十五人の人を使わなければならんのに、一人で済むといつだように進んでおりますので、その懸隔が非常に強いのであります。で、この際第二の点としては、そういつたような機械技術を入れて呉れる。そうしてそれに対して、或る一定のローヤルテイーを拂い、或いはそれに対する一定の株券を渡すといつたような場合もあると思うのであります。
 それからして、第三には單にいわゆる投資する、こういう考え方になると思うのでありますが、私はこの経営権が、例えば沢山株を外人に持たれると、経営権が取られるといつたような問題が往々提起されるのでありますが、実際の例に徹しまして、例えば戰前の芝浦とG・Eの関係のごとき、あの五〇%以上株を持つておつたのであります。併しながら経営権は依然として日本人側にあつたことは御承知の通りであります。それから又実際の仕事をするところの工員さんは日本人であり、又実際の経営に当るところの者は、やはり日本人でありますので、私はこれは経営権が取られてしまうというような問題はないのじやないかと思う。又実際に実力において、これを殆んど日本人は今までこれを回復しているのであります。一時これを利用したが、後にはすべてこれは肩替りしているのであります。俗にダンロツプと言いますゴムのタイヤの会社でも、あれは九十何%というものがダンロツプの所有でありましたけれども、経営は全部日本人がやつておつたような次第であります。そこで私は必ずしもこれがために、日本が産業上不利益を蒙るということはないと思います。無論例外はあると存じます。それからして、ただ受入側において困難に感ずる問題は、例えば今現在日本におきましては物價は非常に低い、然るに向うのドルを持つて來ると、その間にアンバランスがある。この問題をどうするか、これは大きな問題と思うのであります。いわゆるこれは受入れ側と導入側との話合いで決まることでありまして、民間外資は必ずしも強制的のものでもなければ、又恩惠的のものでもないので、両方の合意の上で成立するものでありますから、私はその点も適当に両当事者が処置して行くべきものと、かように考えているわけであります。
#73
○波多野鼎君 それは勿論民間外資の導入の問題については、日本側の資本家と、向う側の資本家との間の話合いで決まるでしよう。決まりますが、そういう話合いに放任して置いていいかということが一つの問題になると思うのです。我々日本民族の自立を目指して進む者が、そういう方向に進みたいと考えている者から見ると、そういう者の話合いに任して置いては危険があるということを虞れるのであります。それでその点について商工大臣は自由放任のお考えのようですから、これ以上は質問しても見解の相違になると思いますから、やめて置きますが、それは十分警戒しなければならん点があるということだけは御承知を願いたいと思います。
#74
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今私言い落しましたが、民間外資導入におきましても、外資委員会で一應これが許否を決することに相成つております点だけを附加えて置きます。 
#75
○波多野鼎君 それから次の問題は、もう一つ経済九原則の中に、國内資源の開発を極度に進めて行こうという三原則があるのです。ところがこの國内資源の開発を進めて行くためには、或る程度外國の安い商品の入つて來るのを防止する必要がある。それがなかつたならば國内資源の開発というのはできやしない。ところが現在まあ話になつている石油の問題等にしましても、向うの余つている石油がどんどん入つて来るようでは、日本の石油資源の開発ということば到底できつこないと思うので、そこで経済九原則の実行ということと、今の安い商品のダンピングを受けるということ、これとの間の調節をどうするお考えであるかそれを一つお伺いしたい。
#76
○國務大臣(稻垣平太郎君) 御質問の点でありますが、これは非常にむずかしい問題でありまして、今例に石油をお採りになつたのでありますが、いわゆるアメリカの資源部の調査によりますと、北海道に非常にいい石油のあれがある。こういうのを検討すると、それが今日直ちに市場に出て來るという性質のものではありませんので、資源の探査をする。こういうお考えだろうと思うのであります。そこでいわゆる日本の資源を極度に利用するという意味は、言い換えれば石炭であるとか銅であるとか、つまり現在やつておられるものをもう少し余計に出すことにする、金をかけて出して行くということにすると、こういうことであると私は理解いたしておるのであります。その限りにおいて日本の、例えば石炭においては昨年の三千六百万トンが四千二百万トンという予定を以て進んでおります。或いは銅におきましても、大体從來よりも三〇%増くらいの予定が立てられておるということであります。但し銅とか、鉛とかいうものにつきましては、滞貨が現在ありまするようなことも附加えて置きます。
#77
○波多野鼎君 もう一つ最後に産業合理化の問題ですが、爲替レートの問題に関連して合理化ということをしきりに言つておられます。これはまあ必要な点もありますが、合理化をする上におきまして問題となるのは、本当に進歩的な意味において合理化をやるかどうかということだと思うのです。進歩的な意味における合理化というのは、いうまでもなく労働生産性の向上を図るということなんです。労働生産性の向上を図ろうと思えば、どうしたつて機械化を促進して行くということが前提にならなければならない。それを促進するためには相当多額の設備資金が要るということになる。で先程お聞きしたあの三〇%増産の資金を、この産業合理化のための資金というものを併せてどのくらいになるかということは、勿論安本の方で聞くことにいたしますが、商工大臣としては單に労働強化という形で蚕業の合理化をやること是非避けて頂きたい。そうして是非共労働生産性の向上という面で合理化をやることに努力して頂きたいと思いますが、いかがでしようか。
#78
○國務大臣(稻垣平太郎君) いわゆる企業合理化の方向といたしましては、いろいろな面があると存ずるのであります。要はできるだけ製品を安いコストで造る、同時にいい製品を造ることが目標でなければならんと思います。それがためには必ずしも御指摘の労働強化ということはちつとも役に立たないと私は考えております。労働者との間の納得ずくでのいわゆる企業の合理化、生産性を高揚する、こういうことでなければならんと私は承知いたしております。実際併しながらいわゆるコストを安くする、或いは又いわゆる優秀なる製品を造るということになりますと、ただ問題はいわゆる能率のあるところの工場に生産が集中するという形に相成ると思うのであります。これは避け難いことであろうと思います。それから落伍したところの会社の間に失業者が出るということは止むを得ないことではないかと思います。この失業対策は別に考えるといたしまして、いわゆる企業合理化の方式は能率の上げられるところに集中する。それは言い換えれば労働生産性が最も発揮されるところに集中する、こういうことであろうと存じます。
#79
○波多野鼎君 私の質問はこれで終ります。
#80
○委員長(黒川武雄君) それでは商工大臣に対する質問は後日に讓りまして、皆さんにお諮りいたしますが、大藏大臣、安本長官はたびたび迎えに行つておりますが今日はちよつと困難のようでございます。この辺で散会いたしましていかがでしようか。
#81
○油井賢太郎君 次長で結構なんですか、一般会計予算の数字ですが、例えば國会議員の歳費とかいうものはきつぱりした数字をあげておられるのですか。それとも割増を付けて計算されておるのですか。その外あらゆる人件費というものは割増を付けてこの予算にあげておられるのですか。
#82
○政府委員(阪田泰二君) 議員の歳費は議員の定員に対しまして、定額の歳費を掛けたものが計上してございます。從いまして実際に辞職その外のことによりまして欠員等がございますと、予算に余裕が生じるということになりますが、やはり予算といたしましては定員に対する決まつた額を載せざるを得ないと思います。職員の給與についても同様でありまして、定められた人員に対してそれに対する給與が載せられておるわけであります。
#83
○油井賢太郎君 これは全然違うのです。これは算盤を置きますと〇・二一%余計な金額が上つておりますが、これはどういうわけですか。
#84
○政府委員(阪田泰二君) 〇・二%という点は、詳細御計算を伺いまして檢討いたしたいと思います。
#85
○油井賢太郎君 それではそれはあとに讓ることにいたします。
#86
○委員長(黒川武雄君) それではこれで以て散会いたします。明日は正午前十時から開会いたします。
   午後三時五十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事
           内村 清次君
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           島村 軍次君
           東浦 庄治君
           中西  功君
           木村禧八郎君
   委員
           岩崎正三郎君
           波多野 鼎君
           山下 義信君
           西川 昌夫君
           西川甚五郎君
           深水 六郎君
           岩木 哲夫君
          尾形六郎兵衞君
           鬼丸 義齊君
           櫻内 辰郎君
           西郷吉之助君
           高橋龍太郎君
           伊達源一郎君
           松村眞一郎君
           栗山 良夫君
           小川 友三君
  國務大臣
   厚 生 大 臣 林  讓治君
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
  政府委員
   総理廳事務官
   (経済安定本部
  財政金融局長)  内田 常雄君
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (大藏大臣官房
   次長)     河野 通一君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   商工事務官
   (官房会計課
   長)      渡邊 一俊君
ソース: 国立国会図書館
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