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1949/04/09 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第8号
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1949/04/09 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第8号

#1
第005回国会 予算委員会 第8号
昭和二十四年四月九日(土曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
   午前十時四十二分開会
#2
○理事(飯田精太郎君) 只今から開会いたします。
#3
○波多野鼎君 それでは、大藏大臣に若干の質問をいたします。
 先ず第一に、最初にお伺いしたいことは、大藏大臣は今度の予算はデフレーション政策に立脚する予算じやなくて、いわばディスインフレーションになるような予算なのだというようなことを、いろいろな機会に言つておられますが、そう主張される根拠を一つお伺いいたしたいのです。
#4
○國務大臣(池田勇人君) 今回の予算は、一般会計、特別会計並びに政府諸機関を通じまして、完全な意味の均衡予算を作成いたしました。そうしてこれが遂行には租税の徴收に俟つことが大でございます。從いまして、この意味から申しますと、一應デフレーションの恰好になつて來るのでありまするが、他面歳出の方では、千七百五十億円を要しますところの、対日援助見返資金特別会計の金を相当使います。又今まで一般市中銀行等に引受けさせておつた復金債券等につきましても、三百億円を償還する等の関係から、その調整によりましてデフレーションが緩和されまして、ディスインフレの恰好になつて來ると考えております。
#5
○波多野鼎君 見返資金の問題が出ましたが、千七百五十億円の対日援助物資を、これは賣却しなければ、これだけの資金が出て來ないと思うのですが、賣却する過程において、すでに民間からの資金を吸收するのじやないか、それから又千七百五十億円の資金ができて、これが民間に散布される時期は相当遅い。恐らく第三四半期くらいになるのじやないかと私共は予想しておりますが、租税の徴收はもつと早くやつて行くということを考えますと、どうしてもこのデフレーションの傾向が非常に強くなるというふうに理解せざるを得ないのですが、その点についての御意見を伺いたい。
#6
○國務大臣(池田勇人君) 対日援助見返資金は、もう四月に賣拂つたものからどんどん入つて來ることに相成つております。從つてアメリカの、一九四九年から五〇年度で認められる対日援助資金は、これは言わば九月或いは十月にこの会計に入つて來るのでありますが、四八年、四九年に見込まれておりますところの四億数千万ドルというのは、もうずつと入つて来ておるわけでありまして、時間的ずれはないわけであります。尚租税の徴收につきましても、これは所得税等においてはどうしても先になつて参りますると、五千百億円の租税收入のうち賦課課税をいたします分は千九百億円でございまして、その他の税金は概ね月税になつております関係上、大体辻褄が合つて行くんじやないかと考えております。
#7
○波多野鼎君 四十八、四十九年度の援助物資賣却高が大体四億数千万ドル、これがもうこの会計の中に入るというお話ですが、その他に四九、五〇年度に五億数千万ドルということが言われておりますが、合せると九億幾らになるということになりますと、千七百五十億というのは少し少な過ぎはせんか。
#8
○國務大臣(池田勇人君) 四八年から四九年の分はすでに相当入つて來ている。その残りの分が四月から入つていますので、四九年から五〇年の分は、これは來年度の方のあれになるわけでございます。大体五億ドル程度のものが一年間に入つて來るのではないかと考えております。
#9
○波多野鼎君 それから租税の問題ですが、租税の見積りが相当過大ではないかと思うのは、あの予算の説明書を見ておりましても、例えば雇用量の増大があるというようなことまでも理由に挙げておりますが、百四十万とか百八十万とかいう失業者が出るといいながら雇用量の増大があるというようなことを根拠にして、所得が殖える、だから所得税をこれだけ取つたつていいというような考え方のようですけれども、この点については、最初政府の方で司令部と折衝される場合の政府の原案と申しますか、そういうものを見ておりましても相当過大じやないかと思つていたのに、この予算案に出て來たものを見ますと、更にそれより上廻つておるということから今日の二十三年度の租税でさえも、相当負担が重かつて、吉田首相でさえ苛斂誅求だと言つておる。そういうときにこれだけの租税を課するということが、國民生活の破滅を來すような虞れさえあると思うのですが、單なるデフレーションといつたような、そんな軽いものではなくて、もつと大きな重大な意義を持つていると思いますが、その点についての大藏大臣の所見を伺いたいと思います。
#10
○國務大臣(池田勇人君) お話の通りに租税收入は相当増加いたしまして、國民の負担も可なりきつくなつております。私といたしましては、できるだけ早い機会に所得税を中心とした減税を実行いたしたいと考えておるのでございます。併し尚その見積りにつきましては、前私の考えておりました所得税は二千二百八十億円、その後計算の根拠を変えまして、即ち昨年の十一月を基準にいたしておりましたが、一月を基準にいたしますと二千四百億円程度を見ておつたのであります。併しその見積りに対しましては相当基礎控除引上げ、扶養家族の控除引上げを行い、税率の引下げをやつて五百億余り減税を見込んだときの案でございまして、今予想し得る昭和二十四年度の状況から申しますると、殊に所得税におきましてはこの程度のものが收入し得る見込でございます。ただ繰返して申上げるように、國民負担の重い状況から考えまして、五月にはショープ使節が参りますので、そういうものと相談の上、できるだけ早い機会に所得税を中心とした減税をいたしたいと考えております。
#11
○波多野鼎君 ショープ・ミッションの話が出ましたが、ショープ・ミッションが來まして、日本の税制について根本的な改革の意見を述べるという話ですが、このミッションが來て、税制改革の草案ができ、これを実行に移されるには相当時間がかかると思います。五月に來たから直ぐできるというわけのものではないと思いますし、尚ショープ・ミッションが來まして、そこで日本の國民経済の歴史的ないろいろの諸事情は、アメリカの國民経済とは根本的に違つておる諸事情があるのですが、そういう諸事情を本当に理解して、その上に立つて税制改革の意見を述べるかどうかということについても甚だ疑問があると思います。で大藏大臣はショープ・ミッションが來れば必ず減税になるようなことばかり言つておられますけれども、そういうことは予想できないのじやないかと思います。尚その上に、そういう未知数なことを前提にしてそうしてこの予算を通そうということは甚だよろしくないと思うのですが、どうでする。(「同感」と呼ぶ者あり)
#12
○國務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。私はショープ・ミッションと話合いの上に減税し得る確信を持つております。これは本予算を作成いたします間におきましても、関係方面で是非とも減税の要ありという意見の方も相当ありますし、私としてはできればこの予算を組みます前にそれをいたしたかつたのでありますが、外資導入その他全般の問題に関係いたしますので、減税のことはもう暫く待とうということになつておるのであります。折衝の衝に当りました私としては、ここではつきり減税し得るということを申上げて差支ないと思います。
#13
○波多野鼎君 減税できれば非常に結構ですから、我々もそれを大いに期待しながら待つております。尚見返資金の運用方法についてはまだ二百七十億見当の運用が決まつただけで、その後のものは決まつておりませんか。
#14
○國務大臣(池田勇人君) 只今機構その他については檢討しております。そうして本議会でいろいろな手続につい手御審議願うことになると思いますが、今お話の通り、特別会計の二百七十億円の引受けが決まつておるだけであります。あの使い方にはいろいろな方法があると思います。イギリスにおきましては、これを國債の償還に当てたり、フランスにおきましては長期建設資金に当てております。即ち発電とか或いは浩船施設というふうにいたしております。又イタリーにおきましては、住宅難等の関係で住宅建設資金に当てておるような状況でございまして、私はこの千七百五十億円の運用につきましては、十分愼重に決めて、國全体のために、國民の幸福のために、経済自立のために使つて行きたい。で場合によりましては、個々の会社に貸付けるというようなこともありましようし、いろいろなことが考えられるのであります。大体三ケ月ごとに計画を決めまして、そうして適切にやつて行きたいと考えております。
#15
○波多野鼎君 デフレーションになるか、ディス・インフレーションになるかという問題についていろいろまだお聽きしたい点もありますが、これは別の機会に讓りまして、こういう問題をめぐりまして、國民経済全体としての二十四年度資金計画、今の見返資金の計画については一部しか決まつてないという話であります。見返資金を千七百五十億として、恐らく全体の資金計画というものは生産計画と睨み合せてどんなふうになつておるか、どんなふうにしようとしておるのかということについての問題は非常に複雜ですから、予め資料を出した貰つて、その資料に基いて質問しようと思つておりますが、なかなか資料が出て來ない、安定本部にも要求しました、大藏省にも要求しておりますが、なかなか出して貰えない、これは非常に困ると思います。早く出して頂いて、その上で質問をしたいと思います。というのは今年度の予算というものは終戰後の日本政府のやつて來た経済政策に百八十度の轉換を與えたものでありまして、影響するところ非常に大きいと思う。國民経済はこのため非常に大きなシヨツクを受けることになるかも知れない、そういう懸念が非常に強いと思う。而もそのショツクを受けるのが資金面から來るに決まつておる、でありますから、この予算を執行するという場合に、どうしても國民経済全体としての資金計画というものはこういうふうにあるのだ、こういう見透しの上に予算を執行するのだということがはつきりいたしませんと、我々審議を進める上において非常に困る、是非出して頂きたいということをここで重ねて要求をいたして置きます。と同時に、今日できるならば資金計画の大変だけでもここでお話願いたい。
#16
○國務大臣(池田勇人君) 二十四年度の資金計画につきましては、只今檢討いたしております。何と申しましても非常に大きなファクターの千七百五十億円の使途につきまして、今度折衝も重ね、又向うにも考慮願わなければならん関係上、今までのように予算を出しますときには一應資金計画を出すのが常則でございますが、今回はそのところまで行つてないことをお詑びいたさなければなりません。私といたしましては、できるだけ大体のところでも早く御覧に入れるように今折角策定中でございます。
#17
○波多野鼎君 大体生産の部面において、二十四年度は二十三年度の三〇%増ということを見込んでおるということを言つておるし、そのためには又資金が相当要るだろうと思う。それから産業の合理化ということも言つております。産業の合理化ということは、昨日商工大臣から聞きますと、決して労働強化という方法を取るべきじやなくして、労働生産性の向上という線によつて行くべきだという点については同感だと言つておりました。労働生産性の向上という面、そういう面から合理化を遂行するためには設備資金の相当莫大なものが要ると思う。生産という面を抜けまして、その点からでも資金は相当需要が大きいと思う。そういう資金の需要に果して應じ得るような計画が立つておるかどうか、大体のところでも分りませんか。今の千七百五十億円は、これは除けて置いて、これだけをオミットして考えて、まあオミットして考えるというのは間違えましたが、オミットじやなくて、これをこうできればこういうふうになるというものを、大体のところだけ分りませんか。
#18
○國務大臣(池田勇人君) この千七百五十億円が実は中心でございまして、而もこれをどういう方面に使うかということは、関係方面が主としてお考えになるあれでございまして、只今のところ協議中でございます。尚千七百五十億円については一切計画を立てるなということになつて來ますと、今申上げましたが、資金計画もなかなかむずかしいのじやないかと思つております。ただこの千七百五十億がどこへ行くか分らないのでございますが、國内資金でどうなるかということぐらいはできると思うのでありまするが、只今安本と両者相俟つて策定中でございまするから、暫く御猶予を願いたいと思います。
#19
○波多野鼎君 最初から私重大問題として取上げておつた問題でありますが、予算審議も政府が予定しておる時日は非常に少いので、我々はその時日に拘束される必要はないと思いますけれども、できるだけ早くこの資金計画は確定して、我々の方に提出して頂きたい。そうでないと審議が進まないと私は思います。大体いつ頃までにできるか、確約をして置いて貰いたい。
#20
○國務大臣(池田勇人君) できるだけ早い機会に提出いたしたいと思います。
#21
○波多野鼎君 できるだけ早い機会と言われても困るのですよ。大体十五日がぎりぎりになつておるようですから、我々十五日に拘束される必要はないと思いますが、國の政治の運用上いろいろ都合があろうと思う。その前にはどうしたつて出して頂かなければならん。少くとも十二、三日頃までには出して頂かなければ審議が延びてしまう。十五日以前には出るでしようね。
#22
○國務大臣(池田勇人君) 勿論そういうふうにはいたしたいと思います。尚この資金計画の点は安本長官その他とも協議しなければならん問題でありますし、私一存で何日ということは申上げかねるのであります。
#23
○波多野鼎君 もう一、二点……。今年度二十四年度に復金債の償還を大規模にやる、相当大量に償還するというようなことから信用統制ということが持上つておりまして、大藏大臣も信用統制をするとか、或いは金融機関の公共性を高調するというようなことを言つておられますが、具体的にどういうようなことをお考えになつておるか、その点を一つ。
#24
○國務大臣(池田勇人君) 先ず日銀の制度につきまして改正案を考えております。今議会に提案する予定にいたしております。尚又千七百五十億円のこの見返資金の運用につきましても万全を期しまして、こういう際でありますので、できるだけ蓄積資金を有効に使うような方途を講じたいと思います。立法事項は勿論、その他行政面におきましても、適当な方法をその都度考えて行きたいと考えております。
#25
○波多野鼎君 例えば復金債の償還したもの、これが市中銀行の手に入つたものはいわゆるひも付融資のような方法を採るとか、或いは又更に進んでは、独占的な大銀行に対しまして、國家管理を強化するとかいつたようなことをお考えになつておるのですか。
#26
○國務大臣(池田勇人君) 見返資金特別会計のこの千七百五十億円は、或いは復金債の償還に充てる場合もありましようし、又國債の償還に充てることも予期されるのであります。又別に予算に除けておりますところの三百億円の復金債の償還もございます。その償還のときとか、或いは市中銀行の復金債の償還、或いは日銀引受のものを償還するとか、いろいろな点があると思いますが、こういうような点につきましては、いわゆるひも付と申しますか、できるだけ全体を考えて金融が円滑に行くようにやつて行きたいと思います。その点大銀行の國家管理……、こういう國家管理の意味がはつきりいたしませんが、日銀の新らしい組案を通じまして、適当ないわゆる信用統制をやつて行きたい、こう思つております。
#27
○波多野鼎君 もう一点だけ。大蔵大臣は頻りに補正予算を出す、統制の改革の問題にからまつて補正予算を出すということを言つております。その場合に一つ問題としておられる点は、價格調整費をできるだけ少額に喰い止めて行く、これは補正予算の問題とかかわりなしにやるということも言つておられます。この價格調整費をどんどん切り下げて行くという見透しが立つておりますが、この点を一つ伺つて置きたい。
#28
○國務大臣(池田勇人君) 私としましては、今價格調整費を出しております安定帶物資の会社の経理、その他を十十檢討いたしまして、できるだけこの金額を減らして行きたいと考えております。尚又八百三十三億円の輸入物資に対しまする措置につきましても、成るべく減らして行こうという趣旨で実行して行きたいと考えております。
#29
○波多野鼎君 この資金計画の問題は、一番私自身にとつては重大な点なんですが、私はこれが出たあとで質問することにして、今日はこの程度で打切つて置きます。
#30
○油井賢太郎君 先ず大藏大臣にお尋ねしたいのは、昨日でしたか、衆議院において與党である民自党の方から、何か大藏大臣に対する職務上の問題があつたようですが、ああいうふうな問題が出ますと、何か大藏大臣が國民から見て党と遊離した存在のように見られる。我々予算の審議に当りましても、大臣の答弁そのものが果して民自党内閣を代表しておる答弁がどうかということが疑われるような点も出ないとも限らないのであります。これに関しまして、この後党と大臣の間のいわゆる了解がついたかどうか、先ずお尋ねいたします。
#31
○國務大臣(池田勇人君) 私は民主自由党に地盤を持ちます吉田内閣の大藏大臣でございます。民主自由党と何ら遊離した点はございません。
#32
○油井賢太郎君 吉田内閣の大藏大臣として責任をお持ちになつておる大臣に対しまして、以下数項目に亘つて御質問を申上げます。
 先ず第一番に國民所得の算定ですが、先程のお話では、安本で以て決定した國民所得は大臣の構想に成るところの國民所得と喰い違いが多少あるようにも見受けられますが、この予算編成に当りましては、いずれを基準にされたのでありますか。それともこの説明書にあるように、安定本部で以て算定した所得の基礎が大藏大臣の意図と一致しておるのですか。
#33
○國務大臣(池田勇人君) 國民所得の算定につきましては、大体安本で調製いたしましたものによつておるのであります。ただ問題は課税の見積り方につきまして、いつのときの安本の調査によるのかということが問題ですが、課税見込みの調査につきましては、又技術的に主税局が今までの課税の状況と國民所得とを見合つておるのでありまして、私は結論的に安本の國民所得の計算によつておるのであります。
#34
○油井賢太郎君 課税は今のお話によると、標準をどこに置くかということによつて、自由自在に大藏省では國民に対して所得税の算定ができるようにも伺えるのですが、事実そうなのですか。根本の方針は決まつておらないのですか。
#35
○國務大臣(池田勇人君) 安本の計算によつておるのでありますが、併しいつの安本の計算によるかということは問題であります。これは衆議院の方でちよつと問題になつておるようでありますが、主税局長が安本の計算と合つておるということでございました。
#36
○油井賢太郎君 吉田総理大臣も、亦大藏大臣御自身もちよいちよい苛斂誅求であるというお話があつて、ショープ使節團が來たときに税制の改革をするというようなお話がありましたが、大体二ケ月後くらいに使節團が來て、それから檢討をして、それから又國会にかけてということになりますと、相当の期間があるわけです。その間において至急に税制の改正を施す必要のあるものを直す御意思がおありかどうか、それをお伺いします。
#37
○國務大臣(池田勇人君) ショープ使節團は七人來られます。二人の方は四月の二日に向うを立ちまして、もう着いておりましよう。ショープ博士も五月の上旬にはこちらに着くことになつております。我々としましては、一月以來、大藏省は税制審議会で檢討いたし、或いは檢討を纒めまして、新たに内閣に大規標の税制審議会を設ける準備に着手いたしております。従つてもう人選も進めておりまして、どんどん受入態勢を整備いたしておりまするから、成るだけ早い機会に管論を得たいと……。
#38
○油井賢太郎君 何月頃ですか。
#39
○國務大臣(池田勇人君) 結論を得ましてから、適当の措置を取りたいと思います。何月になるかと申しましても、これは向うと相談しますから、我々のみでやるならば予定がつきますけれども、只今のところ予定はついておりません。併しこちらとしての意見も大体纏まつておりますから、そう遅れるようなことはないと思います。
#40
○油井賢太郎君 この予算は説明書によると、行政整理を見込んで、すでに二割或いは三割の人員整理を基礎として予算に挙げておるというのですが、なかなか行政整理も捗らないようでありますが、この予算で、若し行政整理の進行が遅れたような場合に、どんなような措置をとられるつもりですか。
#41
○國務大臣(池田勇人君) 行政整理につきましても、着々進んでおりまして、私は近いうちに結論が出ると考えております。
#42
○油井賢太郎君 そうしますと、この所得の算定と関連するのですが、先程波田野委員からもお話がありましたが、説明書によると、何か雇用の分量が殖えるので、國民所得も増して算定してもよいと一方には言いながら、片一方に行政整理で当然失業者も相当出ると思いますが、その関連が國民の間に府に落ちないと思いますが、これを一つもつと明確にして置いて頂きたいと思います。
 それからもう一つは失業対策の予算額というものが余りに貧弱であつて、これでは行政整理或いは企業整備等によつて失業者が出た場合に、本当の救済の途がつくかつかないかということが國民の間に非常に不安がられておりますが、これに対する御意見を伺いたいと思います。
#43
○國務大臣(池田勇人君) 所得税の見込み方につきまして、主税局長がどう説明いたしましたか、大体私といたしましては、勤勞所得に対する千二百億円近くの税金は、現在の状況から言つて確実に取れると考えております。
 尚次に失業対策費が非常に削減されて少い、こういうお話でございますが、均衡予算を作ります必要上、実はこういうふうになつたのでありまして、失業保險等につきましては拡大強化いたしまして、相当の失業保險としての金額は取れるつもりであります。ただ今後起るべき失業者に対して、前以てお金を積んで失業対策を考えることがいいか、或いは失業者が出たときに、その場その場で適当な措置を取つたがいいか、議論のあるところだと思います。関係方面の意見といたしましては、失業者がこれだけ出るだろうというので先きにお金を積むということは賛成しないような考え方で、失業者が出たならば、出たときにどんどんその対策を講ずる、こういう考え方のようでございました。
#44
○油井賢太郎君 そういう場合に、大藏大臣として、財源の確信はおありですか。
#45
○國務大臣(池田勇人君) そういう場合には、財源は確信がございます。
#46
○油井賢太郎君 具体的にそれをどういう財源によつて補給をするか。若しそういうふうな余力のある予算が組めるのならば、今のうちから公共事業費とか、そういつた方面にも出せると思うのですが、どういうわけですか。
#47
○國務大臣(池田勇人君) 失業者が続出いたしまして、そうして社会不安を惹き起すというようなことがあるならば、これは建設事業その他を起さなければならませんが、その財源は十分あるのであります。
#48
○油井賢太郎君 どうも今のは大変明白を欠くのですが、いずれ他の委員からも御質問が出ると思うのですが、できるだけ明白に一つ具体的にお示しを願つて置けば却つて都合がいいんじやないかと思います。
 今の問題は一時保留にして置きまして、御檢討を願つて置くとして、次に、インフレ抑圧を大分大内閣では大きく取扱われて、実行面に移されておるようでありますが、その抑圧の方法が、單なる金融面のみの收縮によつて抑えようとしておるように見受けられます。それでその結果第一に影響を受けるのは中小企業であつて、中小企業が若し立たなくなつたような場合には、日本の財界は根底から將棋倒しになり、恐慌まで惹き起しやしないかと懸念されるのですが、これに対して大臣はどういうふうにお考えになつておられますか。
#49
○國務大臣(池田勇人君) 先程のお答えが簡單で、お分りにならなかつたと思うのでありますが、これは失業対策として予算に出すか、或いは百億円とか百五十億円出して行くか、私はそれ以外に若しそういう方法を取らずに、失業者が出たときに相当の使い得る金がある。例えば水力発電所の開発であるとか、或いは鉱山の開発であるとか、いろいろな工場設備に使い得る金は千七百五十億円から出るわけであります。それで私はそういう場合には、そういうふうな金の使い方によつてやれる、こういうつもりであります。
 尚只今の御質問は、金融を非常に引き締めて、生産その他が困りはせんかという御質問だと思いますが、それはできるだけ貯蓄の増強を図り、又一方ではそういう金資金を使い、或いは千七百五十億円によつて賄うことで行きたい。こう考えております。
#50
○油井賢太郎君 金融の面についてですが、最後には千七百五十億円と枠の中で又処理するというお話もあるんですけれども、今の政府の根本方針の御説明の中には、國民の資本の蓄績とか、或いは健全なる金融によつて経済の正常化を來たすというようなことを総理からも言われておるのであります。而も現在のような高率課税によるような状態では、國民が本当に蓄績ができる状態にあるかどうか、或いはいわゆる民自党内閣が主張するところの耐乏生活というものによつて、その蓄績を図るということなら、その耐乏生活というのはどの程度の生活を基礎とするのであるか、戰後何年間くらいの生活に逆戻りするのですか、そういうことも併せて所信を御被瀝願いたいと思います。
#51
○國務大臣(池田勇人君) 非常にこの金融の引締りが起り、恐慌が來るのじやないかという御質問でありまするが、私は今回は財政面から來るこの金融の圧迫というものがなくなつて参りまして、從いまして金融につきましては、そう心配はいらんと考えております。
 尚只今のお話は、税を非常に徴收するから相当の耐乏生活になるだろう、でいつ頃の生活状況かこういう御質問でございますが、私はいつ頃の生活状況とは申上げかねます。とにかくできるだけ耐乏して頂きたい、こういうことであります。(「曾てない耐乏だ」と呼ぶ者あり)
#52
○油井賢太郎君 民自党が常に公約せられておつた中に、國民生活の基礎を壞すような税金、或いは政府の事業の値上というようなことは行わないと、これは何遍も言われておるのですが、今回この予算を見ますと、運賃、通信料などもやはり値上げするということを謳つておるのですが、これは一体今までの公約と全然違うのですが、その根本方針が変つたのですか、選挙前と今日においては、全然根本方針が施策において変つて、選挙前の公約したことは御破算になつたのか、それをお聞かせ願いたいと思います。
#53
○國務大臣(池田勇人君) 民主自由党の政策の根本をなすものは経済の復興、國民生活の安定でございます。それの第一着手といたしましては、バランスド・バジット均衡予算ということでございます。而して特別会計におきましては、御承知の通り、昨年度は鉄道に三百億、通信に六十九億の一般会計からの補給金を出しております。それを止めて独立採算制にしたのでございます、何ら我が民主自由党の政策が今度の予算で変つたということは言えないと思います。
#54
○油井賢太郎君 具体的にすべて変つておるわけです。この前の昭和二十三年度の予算のときにおきまして、運賃或いは通信料の値上について、率の引下を主張せられたのは民主自由党であつた。若し赤字が出るのならば、それは又一般会計から廻すのも仕方ないというふうなことを主張されておつた。然るにも拘わりませず今度は運賃、通信料も大つぴらに又値上をする、この間においては非常な相違が出ておるのです。而も十二月の選挙前と今日では僅か三ケ月です。かように相成つたのは恐らく民主自由党の意思ばかりでなしに、いろいろの事情もあつたものでしようが、大藏大臣としてはこの点については公約を棚上せられたということについて、國民の輿与の前に如何にお考えになつておられますか。
#55
○國務大臣(池田勇人君) 公約を棚上げしたとは考えておりません。(笑声)基本の安定の問題が経済安定でありまして、それで公約につきましては除々に実行して行こうと思うのであります。
#56
○油井賢太郎君 政府は、今政府支拂いの延滯ということをどう考えておられるか、一般民間においては非常に困つておるのですが、取る方はどんどん取つて、拂う方は相変らず遅延を続けておる、こういう状態であつて日本の健全な経済界の再建ができるかどうか、これに対して大臣はどういうふうに御処置をなさつておりますか。
#57
○國務大臣(池田勇人君) 最近の金詰りは租税の徴收がその一大原因をなしておるのであります。御承知の通り、一、二、三の三ケ月間で千五百億の租税を徴收いたしております。金詰りの原因のもう一つは、只今政府の会計におきまして見越注文をいたしております。その結果年度末、年度変りのときに支拂いができんというのが一つでございます。これにつきましては財政法を改正いたしまして、会計法を改正いたしまして、もう予算のない見越契約はできないように、契約のときから統制して行く制度に改めました。もう一つは終戰処理費等におきまして、向うのレシートの遅れる場合がありますので、例えば土建業者の工事につきましては、法令によりまして再審査して金を拂うという制度を一昨年以來置いておりましたが、これは競爭入札の場合につきましては、再審査を要しないというような制度に改めまして促進を図つております。尚それにしても足りませんので、実は日本銀行の貸出しを緩和いたしております。御承知の通りに、常時は三、四百億円程度のものを三月末には八百七十億円まで貸出しを増加いたしましたり、又日本銀、或いは政府の余裕金を金融機関に指定預金をいたしまして、金融の緩和に努める等やつております。尚閣議におきましても、次官会議におきましても、各省関係官に政府の支拂いを促進するよう数回に亘つて注意を喚起しておる状況であります。尚又問題になります石炭鉱業を中心とする機関の金融の不円滑につきましては、できるだけ早い機会に疏通の途を付けるよす、措置を今協議中でございます。
#58
○油井賢太郎君 政府支拂の延滯を行わないように切望いたして置きます。
 次に貿易問題でありますが、貿易資金の面から見まして、今國際貿易上どうも日本の商品が賣行きが芳ばしくないということで非常な滯貨が生じております。殊にその貿易でも問題になりますのは、日本の國内にできますところの原料で気られる生糸の滯貨が非常に厖大になつております。而もその生糸の滯貨が一掃されない限りは、この春から起はますところの繭の生産に対しての購入資金を融資しないのではないかというふうな懸念が持たれておるのであります。いわゆる繭の購入資金については大臣はどういう御処理をなさるお積りですか。
#59
○國務大臣(池田勇人君) 貿易資金特別会計におきまする滯貨の状況はお話の通りであります。先般も御承認を得まして、五十億殖やしたのでありますが。借入金が三百億円ばかり、そうして又その滯貨の中でも輸出不適格品もありまして、こういう物については早く國内商品に向ける等、いろいろな施策を購じたいと思うのでありますが、どうもそこまで行つていない憾みがあります。できるだけ早い使会に貿易会計の滯貨品を処分したい。
 第二の繭の問題でありますが、これは爲替レートの決定等いろいろな問題がございまして、関係省と協議をいたしておりますので、今はつきり申上げられません、暫く御猶予を願いたいと思います。
#60
○油井賢太郎君 今の問題ですが、繭の購入資金をはつきりお決めにならないということは農家に対して非常な、殊に養蚕家に対しては非常なセンセーションを起すことと思いますが、その点については不安のないよう切に御処置を願いたいと思います。
#61
○中西功君 僕はちよつと大藏大臣に一分だけ聽きたいのですが、これは非常に現実的な問題です。銀座あたりの取引高税の通り方、この問題なんです。先日社会党の森下委員の質問に対しても、大藏大臣はまあ非常に愼重によく納得の行くように、下に通達を出したい、或いはそういうことをしておるという話ですが、実際こういう場合には大藏大臣はどういうふうに処理なさるおつもりか、聽いて置きたいのです。即ち法人税では会社の帳簿を一應信用し、そうして一定の額を決められておる。ところが間接税の取引高税の場合は、そういう法人税の決定は全然無視して、全くかけ離れた甚しい決定をしておるわけです。同じ税務署が直税の方とそれから間税の方とは全く別の收入の把握をしておるわけです。すでに直税の法人税の方はちやんと令書も來ておる、それから間接税の方は非常な甚しい税金が來て困つておる。同じ税務署がこういうことをやつておる。それでこれは銀座の一商店ですが、非常にまじめなんです。こういうふうにされて、幾ら話しても話が分らん。こうなればもうこの次からは嘘の帳面をつけなければならない、一体どうして呉れるのか、ということを言つておつた。これは簡單なことですが、こうふうな不合理なことが沢山あると思うのですが、大藏大臣にちよつと意見を聽いて置きたいし、又税務官が非常に惡いいろいろなことを公言してやつておる実例は沢山あると言われておりますが、そういうことに対して若しそれが事実であれば、直税と関税の間で不合理なことをなされておる場合、どういう処理をなさるのかということを一つ聞いて置きたい。
#62
○國務大臣(池田勇人君) 賣上金額に二通りはないと思うのであります。一致すべきことが当然だと思います。
#63
○中西功君 その法人税の方はそう了承しておる。だから当然所得税の方に包括すべき筈だと思います。そう思いませんか。
#64
○國務大臣(池田勇人君) 法人税の方で認定した賣上金額が正確ならば、それに合せなければなりませんし、又取引高税の方で認定した賣上金高が正確ならば、法人税にやり替えてやるのが当然でございます。
#65
○中西功君 それでは取引高税には根拠がないんですね。
#66
○理事(飯田精太郎君) それでは安本長官に対する質問に入りたいと思います。
#67
○波多野鼎君 これは書類が出て來ないと質問にならんのだが、安本長官にお尋ねしたいのですけれども、二十四年度の生産計画並びに資金計画の大要を至急書類にして出して頂きたい。何度請求しても出さないものだから、予算の審議がそのために遅れる危險があると思う。今年度の予算は御承知のように終戰以來の非常な画期的な予算なので、そのために國民生活並びに経済界に及ぼす影響は非常に大きなものがあると思う。そういうものの見通しなどをどう考えておるかという点が特に重要なので、この生産計画並びに資金計画、これはどうしても予算の審議の根柢にならなければならない。ここで御説明頂ければ結構ですが、尚いいんですけれども、説明ができなければ至急に書類を出して頂いた上で質問いたします。私はその要求だけで今日は質問いたしません。書類が出ていないので留保して置きます。
#68
○國務大臣(青木孝義君) 只今波多野さんの御希望なり御質問、それは私共もよく御希望なり、御趣旨のところは了解をいたすことができるのでございます。又これが出ませんと、いろいろな点でこの予算一般の関しても了解がしにくい、これはお説の通りで、私共もよく存じておりますので、できるだけ早くその球面の計画を決定いたしまして申上げたいと存じておる次第であります。今日のところはその辺のところで御了承願いたいと思います。
#69
○波多野鼎君 それでは安本長官に対する質問はこの生産計画並びに資金計画の出た後にすることにいたしたいと思うので留保して置きます。
#70
○油井賢太郎君 安定本部から発行されましたこの資料の中に、國民所得の問題がありますが、國民所得の基礎となるべきものの数字をいろいろ拜見しますと、昨年の昭和二十三年度に安定本部から発行されました資料と同じような方式でやはり計算されたように見受けられます。これに関しまして、長官は昨年は民主自由党の政務調査会長として非常にこの方式については批判的立場におありになつたようですが、今回その方式をそのまま踏襲されたのはどういうわけなのか。
#71
○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。私共もこの國民所得の算定の根拠については多少考えで参つたのでありまするが、尚現在のところでは安定本部が発表しておりまするその國民所得算定の根拠を一應認めておる次第でありまして、今後共尚この点についとは研究いたしたいと存じております。
#72
○油井賢太郎君 これは重大な問題でありまして、今回の選挙に当りましても、民主自由党が非常に人氣があつたというのは、いわゆる青木政務調査会長の御発表による國民所得の算定が今までは非常に過大に見積つてある。これを相当引下げるというようなことも公約の中に入つていた筈です。こういう点について今のお話によると、禍ちを正すのでなくて、今まで使つていたそのままを踏襲するということは非常に國民としては迷惑な感じ、いわゆる欺瞞に陷らされたということになつて参るのであります。なぜこれを過ちを過ちとしてお改めにならないのか。
#73
○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。私はこの國民所得の算定について、いろいろこれは学界においても議論のあるところであり、これらの点を改めるということについてはそう直ちにやるというようなことは軽卒の謗りを免かれませんし、又今後共研究をいたしまして、その結果そういう確信がつきましてときにこれを改めることにいたします。
#74
○中西功君 研究なしで嘘を言つたことになる。
#75
○油井賢太郎君 今のお話では非常に失望を感ずるのでありますが、國民の要望するような、いわゆる民主自由党の公約実現を、一日も速やかに実現されることを希望いたします。
 次に長官にお伺いいたしたいのであります。生産増強を第一主義としておつた民主自由党におきまして、今度の内閣が成立しまするや、忽ちにして生産の増加を第一としないで、いわゆる安定ということに切替えられました。これにつきまして、今後生産増加はどの程度にお考えになられるのであるか、消費資材、或いは建設資材というようなものについて区分けをして御意見を発表願いたいと思います。
#76
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通りに我々は生産増強ということを言つて参りました。今日も尚その考え方を捨てたわけではございません。從つて経済安定本部といたしましては、一應生産計画を立てております。例えば石炭が今年度四千二百万トン、昨年に比べまして約一五%の増産をいたす、或いはその他從來とも生産増強を考えて参りましたが、今日も尚その点においては変りがございません。ただ問題は、この安定ということであります。御承知の通りインフレが進行中でありますと、その生産も予定通りにはなかなか捗りません。從つて我々としては先ず、この安定と生産増強ということをできることなら一致させたいのでありますが、併しその場合における前後の関係というものも、この時間的な関係を考えれば多少ずれて行くことも考えなければならんと存じます。ともかくも我々は先ず安定ということにこの際は中心を置きまして、それに伴つた増産を考えている次第でございます。
#77
○油井賢太郎君 今のお話に関連するのでありますが、企業の合理化を大分安定本部で御計画なさつているようですが、企業の合理化によりますれば、勢い集中生産にならざるを得ない。結局中小企業に非常に大きな影響を來たして倒れてしまうものも出ることを國民は相当懸念しておりますが、これに関しまして、中小企業に対する企業合理化との関連をお示し願いたいと思います。
#78
○國務大臣(青木孝義君) 企業の合理化ということを強く申しますのは、御承知の通り日本経済そのものが竹馬経済であつたと言われておりますが、これを拂拭するということのためには、やはり当然今まで比較的ルーズにされたと思われるような経営並びにそれについての改善を図るということは、けだし当然なことだと考えます。從つてそれに伴つた多少の犠牲の伴うことは止むを得ません。併しながらそれをできるだけ軽微なものにして行きたいという配慮は私共といたしましても当然考えている次第でありますが、併しながら今日の日本経済の状況から考えまして、インフレが一應ここで緩慢化し、或いは終熄に近付いて來たということになれば、それによつてでもおのずから弱体なものが生産されて行くことも、多少はこれは認めなければならんということになるのであります。そこで我々は、この集中生産の問題でありますが、合理化を強く主張し、経済性を貫徹するということになれば、そこにやはりこの集中生産といつたことが伴つて來るだろう、殊に貿易振興というような観点から考えますれば、この輸出貿易関係の生産に関しまして、或いは生産、製造関係におきましても、相当にこの中小企業関係に影響をすることをも考えておるのであります。併しながらこの影響を少い程度で防いで行きたいということのために、やはりこの産業資金、そういう面でできるだけ緩和を図つて行くというようなことをも考えておる次第でございます。
#79
○油井賢太郎君 もう一つ、前の安定本部で作つたいわゆる経済五ケ年計画というものは、今度は具体的にいうとどの点をどういうふうに改めて行くかどうかということと、もう一つは、國際物價に日本の物價を鞘寄せしなくてはならないということでありますが、これは簡單に、レートだけを一本化しただけで解決できるものではないと思うのですが、これに対していわゆる生産に対する効率的労働の量であるとか、或いは技術の面とか、そういつたような関連が出て参るのでありますが、この二点について根本的の対策をお示し願いたい。
#80
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通り経済安定本部はこの二十四年度から復興五ケ年計画の初年度として計画化されておるのであります。それでこれを実行して参りまするには、今回の予算なり、或いは安定方策というものから見ますと、多少その計画がずれるのではないかという我々は懸念を持つております。併しながらこの場合我々は輸出を振興するというようなことに関連をいたしまして、國内の合理化に伴う技術の改善、それからその合理化に伴つた又生産面の増強という点でありますが、これには当然質を伴わなければならんということになると思いますので、それにはできるだけ競爭の面といいますか、できるだけ製品の質のよい、而もできるだけ生産の増加を図るということを狙つて、そうしてその面に対して資金、資材という面を考慮して行くということを一点考える、且つ又復興五ケ年計画に伴います産業資金の中で、御承知の通り援助見返資金千七百五十億のうち、できることならば比較的多額の資金をその方面にも廻して頂いて、そうしてその力によつてでも五ケ年計画の第一歩を踏み出し、而もその予定に余りずれの生じないような結果を來たしたいというふうに考えておる次第でございます。尚先程も波多野さんから御質問がございましたように、その資金計画の中で千七百五十億に対する使い方については一日も早くこれが決定ができ、その計画が成り立ちますれば、そこでそれらの点も明瞭になつて行くのではないかと考えておる次第でございます。尚その外に外國の國際物價との鞘寄せ、こういう点でありますが、これは勿論おつしやる通り爲替が幾らに決まつたから、一本爲替レートが決まつたから、それで鞘寄せができるものとは考えておりません。從つてこれが決定せられますに應じた一つの対策も考えて参りたいと思つております。從つてその間における暫定的措置というようなことも考えられるのでありますが、私共の考え方としては、割合早期にこの一本爲替レートが決定されるのではないかというふうにも考えておりますので、このことを期待しながら一つ今後國際物價に鞘寄せができて行くという途と、もう一つは日本の輸出製品が世界の市場でともかくも外國の製品と競爭ができというふうに考つて行くことを目指して、今後とも大いに力をいたして行きたいと考えております。
#81
○油井賢太郎君 いずれ……。資料を要求しているのがやはり私のところにも全然來ておりませんが、それが参り次第具体的に御質問申上げることにしてこれで終ります。
#82
○理事(飯田精太郎君) 商工大臣が見えておりますから、序でに済まして頂きたいと思いますが。
#83
○油井賢太郎君 それも……。
#84
○中西功君 それじや時間もないしするから、私は安本長官の大部分の質問は保留して置きますが、一つだけ今日お聞きしたいと思います。と申しますのは、今度の内閣の施政方針、或いは財政経済演説を聞いておりまして、よくもこれ程さかしまなことが言えるものだと思つて感心するのです。自立経済ということを言います。自立経済というのは、これは極度の隸属経済であります。輸入の黒字だ、これは物凄い赤字です。とにかく赤字が黒字になり、隸属経済は自立経済になる。とにかく公約の無視とか何とかいうこともありますが、白を黒と言い、赤を黒と言うふうなことが公然とこの内閣において行われておる。非常に我々は迷惑する。そこで私は先ず援助ということを聞きたい。アメリカから援助を受けている。そうして今度の大藏大臣の財政演説においても、今後援助がなくなるかも知れない。併しそうなつた場合には自立できるようなことをやるのだ、それが今の経済政策の根本であるかのように言われておる。一体政府は援助ということを何と考えているのか。即ち援助がなくなるというふうなことを言つております。又そのために自立経済をやるのだというふうなことを言つております。さつきも安本長官の話では竹馬経済、即ち対日援助と價格調整金の上に乘つかつた経済というようなことを言つております。そのときに、援助ということを私達はもつと根本的に考えなければならん。これについてはいろいろ具体的なことも聞きますが、先ずいわゆる対日援助とは何を考えているのか、私はそれをはつきり聽きたい。
#85
○國務大臣(青木孝義君) お答えいたします。我々は対日援助ということは、勿論我々は只今のところ被占領下に置かれているということを前提として考えているわけであります。その場合、我が日本経済がアメリカの援助資金によつて相当大きな部分を賄われている、こういうことを前提として考えているのでありまして、今おつしやつた自立というのは隸属であるということについて、私としてはもう少し御説明を願いたいと思います。
#86
○中西功君 さつきのお話で、対日援助資金を仰いでいると、こういう話ですね。私も仰いでいないとは言わない。問題は、それじや具体的に言えば、來年度の輸出入計画では、輸入を十九億五千万ドル、輸出を五億三千万ドル、そういうふうに見込んでいる。このようにいよいよ輸入が増大している。現実の事実としてです。それは二十三年度よりも正に倍増に近い増大をしている。これを政府は計画の基礎にしている。私の言うのは今後アメリカからの援助を成るたけ少くするように、こんなような苦しい耐乏を國民に要望するのだと言つて置きながら、輸入計画において見ると、明らかに倍増なんです。これを一体どう考えているのか。問題はこのような輸入をすること、更にその輸入の條件が今日変つて來ていること、ここに大きな問題がある。で、今までガリオア・ファンドとして來ておつた。これは一つの占領救済費だ。そのガリオア・ファンドは今までの場合においては確に安いレートで、即ち日本の公定價格で以てこれは賣却されておつた。今度はそのガリオア、イロアを皆合せまして單一レートにすることによつて普通の商賣行爲になるのですけれども、我々は今までは多少の救済的性質を持つておつたということを認めます。が今後は明らかにこれにいわゆる單なる救済行爲でなく、普通の輸入レートでこれは入つて來るのです。即ちそういうふうになるところに今日のいろいろな新らしい特徴がある。外國の援助が今後なくなる、なくならないというふうな問題じやなくて、今ますます多くの輸入を政府は見込んでいるということ、その輸入の條件が普通の商賣行爲になるということ、ここに新らしい問題がある。これをあなた達援助を考えているのだつたら、それは考えることは自由だ。ですが、一体こういうような厖大な輸入を見込んで置いて、そうして而もそこからすべての問題が起つて來ると私は思つているのです、日本経済に今起つて來る問題は……。ですから私が言つているのはそれなんです。全く商賣行爲になる、これを私ははつきり言うべきだと思う。その点についてお聞きしたいと思う。
#87
○國務大臣(青木孝義君) おつしやることが分りました。確にこれから商賣行爲になつて行く。併し商賣行爲にはなつて参りましようけれども、商賣行爲だからといつてそれがただ單に利害関係というだけで行く場合と、現在の我々が商賣行爲に移つて行くというそのプロセスにおいてどういうふうに考えて行かなければならんかというその問題がここにあるのであつて、一遍に直ちに商賣行爲に切替えて行けるということが日本の経済の現状として準備ができているかどうか、この準備を捗らせるという今はプロセスにあるのだ。そこに重点が置かれて政府としてもその点から御説明申上げておるのだと自分は信じておるのであります。
#88
○中西功君 で、私は商賣行爲になるのがいい惡いを言つているのではない。そういう事実、そういう事実を、事実なら事実としてはつきりそれらしい言葉で使うべきだと思うのです。これはただ言葉の問題をちよつと言つただけのことなんです。そこで先の安本長官の油井委員の質問に対する説明の中に輸出増進ということが非常に言われておつた。輸入増進ということは一向言われない。この輸入の問題について私は実は沢山の問題がありますが、それは省略いたしまして、一つ簡單なことを聞きますが、最初政府は輸出補給金を計画したのです。ところが急に入れ変りましてこれが輸入補給金になつた。この変つたいきさつといいますか、何もややこしいいきさつはいらない。大体の、なぜ変える必要があつたかという意味であります。更に又これが單に名前が変つたのであるか、それともそれは具体的にこのような別個の意義と影響力を持つているとすれば、それを聽かして頂きたい。
#89
○國務大臣(青木孝義君) 御承知の通りに輸入補給金は出すが、輸出補給金はやめた、この点でありますが、これは我々が考えて見ましても、又御了解が頂けると思うのは、若し輸入に補助をしなかつたならば國内の物價に関係を及ぼしますので、その物價のことを勘案いたしまして、それには一定の補償を與える。輸出についてはこれから國際市場へ乘り出して行こうというのでもあるし、苦しいであろうけれども、大いに合理化をやつて頂いて、そしてその経済性の貫徹によつて日本経済がいわゆる自立性を獲得するというように持つて行く関係から、さように相成つている次第でございます。
#90
○中西功君 それではあの輸出補給金を考えておつたとき、一体爲替レート設定の問題も絡んでおつたと思いますが、政府はその輸出補給金を組むだけでやれると思つておつたわけで、そしてそれは國内の價格関係とも関連があると思いますが、一体どういうような諸関係に置けば、その輸出補給金は、これも大きなものだつたと思いますが、組むことでやれると考えておつたのですが、それは以前の計画です。今後その物價を上げないとか、或いは何とかするというような新らしい事情が起つたので、こうなつたとか、もう少しその間の事情を詳しく説明して貰いたいと思います。
#91
○國務大臣(青木孝義君) お答え申上げます。日本は終戰以來今日まで米國からの援助は約十億ドル程度であつたと存じますが、併しこの援助に相当する円資金は何に使われたかということになりますと、どうも明瞭でない、わけの分らない状態において消費せられたのでありまして、そこで貿易資金の会計では三百億円程の借金を残しているのであります。そして今後はこの米國の援助を円資金で浮かせまして、その金を産業復興なり或いはインフレの是正なりにはつきり使おうとするのでありまして、この米國の援助は援助であることに変りはございませんので、その援助資金を明瞭に使つて行くと、こういうことになりますと、矢張り予算関係における今申上げましたように、價格を維持して行という一面のためにも、又我が國の復興再建に資するためには、これをはつきりどこへ使うというふうなことを明瞭にして使つて行きたいということ、もう一つ輸出につきまして、実は現在御承知の通り生糸のような、そういうものがございますので、これらも今いろいろと問題にいたしております。けれども先ずともかく現在のところでは、輸出については一つ相当な犠牲になろうけれども、一つ補助金というものはなくして、そうして参りたいというところに相当我我も心配いたしている点があるのでございます。尚それについてはいろいろ御意見もあろうかと存じますが、只今のところそういうふうな考え方で進んで行くつもりであります。
#92
○中西功君 この問題はもつと細かい問題を問題にするときにもう一遍言いますけれども、要するに政府の新らしい考え方、やり方の結論は、輸入は國民の税金で補給する。輸出は輸出業者が勝手に労働者を首切るなり、生活を下げるなりしてやれ。輸出増進ということは沢山言われますが、政府の政策は遥かに輸入増進にすべてがかかつていると思う。こういうふうな輸入増進では私は困る。このことは又大藏大臣なんかが言つた今後海外援助を受けないので自立する、それでこういう予算を組んだのだというのと全く反していると思う。これは全く輸入増進です。この輸入増進が具体的に日本にどんなことをもたらすか、私は詳しく言いません。やめておきます。もつと外に関連がありますので、そのときに言います。
 次に價格調整金の全般的な数字が問題なのであります。我々に渡された説明書では、これは十分な説明をしていないけれども、いないどころか若し惡く解釈すれば政府は多少数字をごま化しているということを感じます。私の調べた結論を言いますと、この説明書の十四頁に、政府は昨年においては價格調整的支出の総額は予算関係、そうしたものを除けば一千六十億である。とこう言つているのです。今年はそれが千三百億である、こう言つております。この数字は両方の数字が問題なんですが、私はそうじやないと思う。昨年はこれは借入金において使つたもの、或いは復金の赤字融資として使つたもの、事実貿易会計の特殊な赤字分として使つたもの、そうしたものを入れれば、更にそれに價格上の変動の計数を多少按配すれば、この千六十億でなく、非常に大きなものになる。今度の予算では昨年の復金の赤字融資、或いは日銀の借入金として使われたものは予算に、一設会計に載つておるのです。だから表面上の額は殖えておる。昨年においては隱されておつた、さうしたものを全部合せて考えて見れば、これは昨年においてももつと多いのです。非常に多いのです。で今度私達はこれは全体を統合して見ましたときに、如何に日本の價格調整費なるものが、貿易関係のため輸出入貿易を促進するもの、それに関連した産業、そういうもののために使われるか、二千億の恐らく八割はそういうふうに使われておる。價格安定とか何んとかじやない。その点は價格安定とか何んとかのために、價格調整のために使われておるのじやないのです。これは專ら先きに言つたような輸入或いは輸出、それに関連した産業、こういう穴埋として、これが使われておると我々は思う。これは数字的によく計算して、昨年のものと今日のものと比べて、そのパーセンテージをとつて見れば顯著に出る。從つて私がお願して置きたいのは、そういう数字をはつきり出して貰いたい。この点は鉄鋼や或いはその他の價格調整金を見ても非常に同じような問題が現れておる。私はその数字は後で具体的にうんと要求いたしますが、要するに價格調整費という言葉ですね、この言葉自身が私はおかしいと思う。決して價格調整をしておらない。これは明らかに今の貿易関係を或いは將來、今年の計画されておる十億の輸入を、或いは五億の輸出をするということに基いてこれがやられておる。そういう性質のものだと我々は考えるのであります。安本長官の御意見をお聽きしたい。
#93
○國務大臣(青木孝義君) 先程の、輸入に重点が置かれておると言われましたことについては、私ちよつと申上げて置きたいと思います。これは御承知の通りに輸入というものは主として我が國の生産における基礎物資、原材料、そういうものの輸入と、食糧、こういうものにかかつておりまするために、そういうことのようにおつしやつたのではないかと存じますが、ひとり輸入だけを考えて輸出を考えないという考え方ではないのであります。
#94
○中西功君 そういう意味じやないのです。
#95
○國務大臣(青木孝義君) それは現在の日本の経済事情というものから見ておつしやるので、日本に豊富な資源を持つておる場合においてはその点は考えられないと思いますが、我が國が國の全体の態勢といたしまして、輸出貿易を振興するということの方向に向つて行かなければ、我が國の経済を將來安定せしめ、更に自立せしめるというような目的に副わないのじやないかということの観点から推し進められておるのでありまして、その点には私は矛盾がないと考えておるのであります。尚輸入物資の補助金は今年度は八百三十億円でありますが、從來の補助金についての解釈は、これはいわば解釈の自由ということにもなるのではないかと考える次第であります。
#96
○中西功君 それからちよつと序でに安本当局に資料を要求して置きます。それは先に申しました昨年の復金の赤字融資、或いは借入金、或いはその他の形でなされた價格調整金と同じ性質を持つものが昨年においてどれだけあつたか、而もその中で輸出入の関係に使われた部分が大体何パーセントであるか、更に今年度において輸出入関係或いは関連産業、そうしたものに向けられたものが何パーセントか、その比率です。それから安定帶物資、重要物資と言われておるところの鉄鋼や石炭、その他の物資の中で個々の問題について、直接輸出する例えば鉄鋼は百八十万トン作つて七十万トン輸出する。すると百八十分の七十が直接輸出である。同時にもう一つは輸出関係、輸出産業といいますか、そういうものに向けられる鉄鋼がある。更に同時に進駐車処理費の方に向けられるものがある。そうして最後に一應これは國内向け生産だと言われるようなものに向けられる鉄鋼があると思います。そういうふうなものの大体の消費比率を三つか四つに分け得ると思います。だからそういうふうに分けてその鉄鋼を、例えば五百九十億の價格補給金が一体如何に使われておるか、私のはつきり申したいのは國内向けに実務にその補給金だ何パーセント使われておるかということを知りたいわけです。それから鉄鋼やその他の問題についても一つ資料を出して貰いたい。要するに私はこういうことで何を知りたいかというと、現在日本の経済はこういうような貿易を中心としたもので、而もこの貿易は殆んど一〇〇%と言つていい程アメリカ経済に結付いた貿易である。この貿易を中心とした一つの回轉の中で日本経済が徹底的に再編成されておる。あなた方はこれを自立と言います。我々はこれを隸属という言葉以外にちよつと言葉を見出し得ない。このような関係において予算全体がこの経済のために組まれておるかということがはつきりすると思うのです。從つて私は今度の價格調整費の内容について我々は眞劍に質問いたしますが、一まずこういうような資料を要求して置きたいと思います。
#97
○政府委員(内田常雄君) 只今中西委員の御要求の資料は大変むづかしいものであります。例えば復金の赤字融資が輸出品の関係に幾くら振り向けられ、國内に幾ら振り向けられ……。
#98
○中西功君 それは違うよ、大雜把の数字でいい、鉄鋼に四百九十億の補給金が見込んであります。又石炭に何ぼと見込んであります。そういう補給金を個々の問題について、鉄鋼部門ではこう。鉄鋼部門の中でも、百八十万トン生産する計画で、直接輸出に七十万トン、或いは紡績などの貿易産業並びに関連産業に大体どの程度の割当をするか、もう一つは進駐軍関係にどれだけ、更に最後に純國内向に幾ら、例えば土木とか或いは公共事業に使われるそういうような國内向に大体何パーセント使われるかということは、これは安本で分つておると思います。
#99
○政府委員(内田常雄君) 價格調整費に関するものは分つております。
#100
○中西功君 今度のでなく、前のでいいのです。復金の赤字融資が百四十億と抑えて、そういうものを出して貰えば、これはこちらで判断ができます。
#101
○政府委員(内田常雄君) 甚だ恐縮ですが、できますれば、樣式を示して頂けば私共の方でもやり易いのであります。尚本年度の價格調整費が輸出産業に何んぼ向けられ、輸入品については何ぼ向けられるかということは、大藏省から予算の参考資料として配られておる資料の後の第七表の備考にも分る限りのものは一應載せてあります。例えば鋼材のうちで、輸出に向けられる分に対する補給金の関係、或いは銑鉄のうちでですね、輸入品に関する補給金の関係というようなものが、備考に或る程度載せてございますから、それにつきましても一つ御覽を願いたいと思います。
#102
○理事(飯田精太郎君) 午前中はこの程度で休憩いたしまして、一時半から再開したいと思います。御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#103
○理事(飯田精太郎君) それでは休憩いたします。
   午後零時二十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時二十二分開会
#104
○理事(飯田精太郎君) 午前中に引続き再開いたします。油井委員。
#105
○油井賢太郎君 商工大臣にお伺いいたします。先ず日本の経済の再建に最も原動力となつて必要なものは、電力問題かと思うでありますが、今回の予算編成を見ましても、電力の開発というようなことについては、余り力が入つていないように見受けられるのですが、これに対して商工大臣は、この予算と電力開発、或いは電力の強化問題についてはどのようにお考えになつておりますか。
#106
○國務大臣(稻垣平太郎君) 御説のように電氣が最も重要なる基礎産業であるという点については御同感でありまして、殊に石炭の埋藏量その他を考えまする場合に、できるだけ早く水力電氣の開発を行いたいと我々の方では考えておるのであります。大体本年度におきましても計画されておりまする点は、水力地点十一ケ所の開発に着手しようと、こうことに相成つておりまして、大体その外に火力の補修その他を入れまして三十九万五千キロワットを予定いたしておるのであります。これらに対するところの鉄鋼材八万トン、それからセメント三十四万トンにつきましては、E・S・Bの需給計画の中に織込んでおるのであります。ただこれに対する資金が大体百二十九億円必要なのでありますが、これにつきましては、見返り特別会計の資金を利用いたしたい。この資金の上におきましては、長期のこういつた電源開発とか或いは新炭鉱の開発、こういつたものについての産業長期資金というものについては了承を得たいし、又得なければならないと、かように考えておるのであります。尚これに伴つて送電線、配電その他の経費、費用を入れますと、大体二百九十億円くらい要るのではないか、かように推定いたしております。序でにこの復興五ケ年計画の中に織込まれております計画はまだ了承を得ておりませんので、ここに発表をいたすことを差控えたいと存ずるのでありますが、二十四年度については大体了承を得ておりますので、先刻御報告申上げたようなわけであります。我々の拵えておりまする復興五ケ年計画におきましては、大体百二十万キロワツトの発電力開発といつたようなことを考えておりますが、これは一應の予定でありますので、確定的には申上げにくいのであります。
#107
○油井賢太郎君 電力開発については、大臣は非常に熱意をお持ちのようですが、日本に取残された一番の開発資源のある所は、福島縣の只見川沿線であると思うのであります。これについて全部開発をすれば二百六十万キロの発電ができるというふうになつておりますが、大臣のお考えとしてこの開発にはどの程度の御計画をお持ちになつておられますか。
#108
○國務大臣(稻垣平太郎君) まあ、油井さんは福島縣の出身でいらつしやるために、この只見川の電力開発については御興味を持つておられるのだろうと思つておりまするが、私もこの只見川の水力を利用するということについては、電力局の人達にも問い質したのであります。この地点の開発は非常に必要であろうと存ずるのでありまして、機会を得れば実は明日にも現地に私参つてその情勢を調査もいたしたいというくらいに考えておるのでありまして、十分この開発については考慮いたしたいと存じておるわけであります。ただ遺憾ながら、具体的に申上げるわけにも……又数字もここに持つておりませんし、又それ程詳しく調査もいたしてもおりませんので、この程度に……。
#109
○油井賢太郎君 次に最近の貿易の状況でありますが、最近アメリカ或いはその他との取引におきまして、L・Cが來ないために積出しができずに徒らに滯貨されておる品物が相当ある。しかのみならず、折角契約したものがキャンセルされてしまつた形になつておるのがあるということを風聞に聞いておるのであります。かくては折角我が國の貿易品の生産者が努力したその結果が無駄になつてしまうということになつておりますが、現在の貿易事情から見て、自主的の貿易ではなく、一方的に勝手なことをされるということも考えられないではないのであります。併しそれでは我が國の再建というものは非常に阻害されると思うのでありますが、こういう問題に対して商工省或いは貿易廳の主管をなされておる大臣として如何なる対策を以てお臨みになりますか。
#110
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今御指摘のような点は私も耳にいたしておるのであります。何しろ貿易が或る意味において片貿易、或いはいわゆる管理貿易の形に相成つておりまする関係上、それらの点について甚だ自由貿易のときから比べますると、余程不便になり、いろいろな障害もあるのであります。殊に海外の市場について、我々が実際にこれを調査する機会を得ませんために、或いは品物についての規格の相違、或いは品質の点というような点で、いろいろ向うからクレイムを出されるというような場合もあるのであります。又價格の点につきましてもバイヤーに利用されておるのではないかというような点もないことはないと私も存ずるのであります。そういう意味で、できるだけ海外の市場を調査さすというようなことで、極く最近にも御承知の通りに司令部の人の随員という形で南米へ專門家を数名派遣いたしたのであります。又パキスタンにも人を随員の形で送り、又インドにも人を送りいたしておるのであります。ただ併し実際に調査員を送るというだけは効果がないので、向うで商務官という形で駐存さすなり、或いは実際にこちらの日本のメーカーなり、商社なりの出張所なり、支店なりを設ける、或いは駐在員を置くというようなことをいたさなければ、本当に海外市場を開拓するというような市場の調査するできないのではないか、かように考えておりますので、この点についてできるだけ関係筋と交渉いたしまして、一日も早くそういう機会を得るようにいたしたいと存じておる次第であります。
#111
○油井賢太郎君 海外貿易の取引の件でありますが、とかくバイヤーとの折衝をいたしまする場合に、現金があつて競爭的の入札でも行えば、我が國の貿易界としても有利に解決がつく場合が多いのでありますが、併しながら一面において資金の関係上、どうしても先物の賣買を取急いでやらなくてはならないというような結果からして、多少無理をしても先物を賣約するというような風潮も見受けられるのであります。これについて資金が十分に政府方面からも補償ができるとかいうふうなことになりますれば、相当値段の点においても強く主張できることとなると思うのでありますが、こういう点については政府として何か強力にお考えをお持ちになつておられますか。
#112
○國務大臣(稻垣平太郎君) 輸出製造工業に対しまするところの資金につきましては、他のものよりも優先してこれをなすという建前を取つております。ただ昨今非常に金融逼迫、この金融逼迫は、或いは政府支拂の遅れたものもあると思います。又補給金の支出が遅れておつたものもあります。又先般本院で御協賛を得ました、例の貿易特別会計の五十億の繰入、これが遅れておつたといつたような点もありまして、資金難の点もあつて輸出製造業者に非常に迷惑をかけておるのであります。併しながらとにかく政府といたしましては、できるだけ輸出産業には資金の面におきましても、資金面というよりは運轉資金の面におきましても、設備資金の面におきましても、できるだけの援助をして行きたい。お説のようにいわゆるバイヤーに対して先註文よりも、現品を揃えますことが有利であるのも御承知の通りであります。これは資金面と睨み合せまして、できるだけ当方に有利にいたすようにやつて行きたい、かように存じております。
#113
○油井賢太郎君 只今大臣のお言葉中貿易関係資金は優先的に解決をするというお話ですが、商工省或いは貿易廳では、そういうお考えは持つておられても、実際金融の面にタッチしているところの金融金方面、或いは官廳方面等においてとかく相対の現象が起りつつあるのであります。一例を申して見ますと、日本銀行で四月から実施せんとするところの高率適用問題などもその例でありますが、貿手などを優先的に取扱うというその精神を一般金融機関が無視いたしまして、いつでも金になるところの貿手は却つてあとから金融をつけてやるというふうな形で自分に有利な一般の手形の方を先に高利で以て割引をするというようなことも行われている現状であります。この点については商工大臣より強力に貿手優先の方針をお進め願いたいと思いますが、現在どのように具体的に方策を立てておられますか。
#114
○國務大臣(稻垣平太郎君) 貿手の決済その他につきまして、お説のようなことを耳に私もいたすのであります。ただこれは貿易特別会計の資金が不足いたしましたために、実は期日が來ても決済できなかつたところの手形が相当多額に上つたのであります。そういうようなことから銀行でも警戒をいたしたというような事実もあるのでありまして、これは先般御協賛を得ました五十億の貿易特別会計の繰入によつて、もう大体いわゆる期日が來た手形についての決済は済ました形であります。そう相成りますというと、銀行でも貿手については從來の程度に立返えると思いまするし、又そのように促進いたしたいと考えております。
#115
○油井賢太郎君 今回御発表になつた、貿易の輸出額を見ると約五億三千万ドルというふうになつておりまするが、現在日本では輸出の大宗を占めておるところの繊維製品が如何なる理由か、輸出されずストックしておるのが相当あります。このために今後の貿易面の輸出の部において、繊維製品の輸出が思うようにならなかつた場合に、果してこれだけの輸出が他の商品でできるかということが非常に懸念されるのでありますが、繊維製品の海外市場が思わしくないために予定よりも少くしか輸出それない場合に、この予定の五億三千万ドルをどの産業で以て將來お埋めになるお考えでありますか。
#116
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の御質問は非常に仮定が入つておるように思うのでありますが、我々としてはやはり繊維品は我々の輸出の大宗でありますから、これについてどうしても力を入れなければならないと思うのであります。それからして最近いろいろ各方面からあらゆる業種の物の引合が参つております。且つ相当多額の引合も参つておるのでありますが、これにつきましてもできるだけそういつたものを促進したい。例えばインド方面からは六億ドルぐらいのケーブルの引合が参つております。或いは十一億ドルのアルミニューケ送電線の引合も参つておるようなわけであります。電氣機械なんかも相当多額の引合がパキスタン辺りから参つておるような情勢でありまして、繊維に次ぎましては機械方面の輸出が相当期待されるのではないか、かように考えておるわけであります。
#117
○油井賢太郎君 次に資産再評價問題でありますが、多くの会社では堅実な会社程戰前から堅実な歩みを続けておつて、而も積立金というようなものも余り殖えておらないという場合に、その所有するところの不動産を再評價して、資本金の面を拡充させるとか、積立金に廻すとかして次の運輸資金として税金に取られる面をも相当緩和するという必要もありはしないかと思いますが、これに関しましては商工大臣としてどういうふうな方策を立てておられるのでありますか。この予算の面には今回資産再評價の問題というものは全然出ておらないのであります。
#118
○國務大臣(稻垣平太郎君) 資産再評價の問題はいろいろの面で檢討されなければならんと思うのであります。仰せの通りに日本のいい業者の会社簿價が非常に低くなつておることはお説の通りでありまして、從つていわゆる資産償却基準から参りましても甚だ不利な立場に立つておるということも考えられます。又非常に表面の簿價が少いために、この借入金をする場合にも非常に不便な立場に立つておるということも考えられるのであります。更に進んで民間の外資を導入するといつたような立場に立ちました場合に、受入態勢といたしまして簿價が低いということは、外資を導入しようという相手方にとつて甚だ不利な立場に立つと思うのであります。そういう意味合におきまして、資産の再評價は必要であろうと思うのでありますが、然らば再評價されたところの差額をどうするかといつたような問題、いろいろなここに技術的の問題もありますので、この点については大藏当局との間にいろいろ話合いをいたしておるようなわけでありまして、今回まだこの資産評價に対して御審議を願うというまでには至つておらんことを遺憾と存じます。
#119
○油井賢太郎君 もう一つ、商工省管内で今度の行政整理について地方商工局の出張所は廃止するというような噂さがありますが、これに対して各地で以て賛否両論いずれも相当あるのでありますが、御当局の方針としてはいずれにせられるつもりでありますか。
#120
○國務大臣(稻垣平太郎君) 出張所廃止問題につきましては、これはいろいろな考え方がありますので、一應自治体にこれを委讓したらどうかという御議論もあります。ただ問題といたしましては、物資調整法の仕事をやつておりまするところの商工省の出張所を地方團体に委讓して、果してそれがやつて行けるかどうかというところに大きな点があるのでありまして、商工当局といたしましては、物資調整法を履行して行く上にはどうしても支局なり或いは出張出なりがあることが最も適当であろうと考えておるのであります。ただ全体の行政整理という枠から考えまして、その行政整理で得るところの利益と、出張所を廃して今言つたような形の物調法の関係から來るところの点を、彼此相比較研究いたしまして決めて行きたい、かように考えておりますので、まだ最後的の決定に至つておりません。
#121
○油井賢太郎君 最後に最近税金がいろいろの面において非常に高い、例えば物品税であるとか、消費税というようなものについて非常に高いために、まともな事業者、経営者というものが成り立たなくて、闇商人だけの跳梁跋扈に任せるという例が沢山あるのです。例えば一例を挙げますれば、ズルチンとかサッカリンとかいうようなものも、一キログラム当り現在六千円の物品税を取つておりまして、このために販賣價格が約一万二千円から一万二千五百円見当になります。それが闇の方では、相当儲けて七千円くらいに賣つても引合うというようなことになつておりますために、いわゆる物品税だけはそつくり懷ろに入るというようなことになり、衞生上から言つても有害でもあり、又闇の温床になるということから見ても國家的に面白くないと思う。こういうふうなものは成るべく早くこういう不合理な税のありかたを変えるのが当然ではないかと思うのでありますが、その外の例といたしましても、例えば絹織物の場合をとりましても、織物消費税が四割はかかつておりますために闇に流れて行く。いわゆる四割の税金のかからないものが二割なり三割安く賣られているというふうなことによつて正当な業者が困つておるという例が沢山ある。これに対しまして商工省といたしまして、相当強力に是正なさつた方がよろしくはないか、又先程のスルチン、サッカリンの例で見ましても、物品税を下げた方が生産が非常に殖えて、却つて租税の面において殖えて行くということにもなる例があるのであります。例えばズルチン、サッカリンの税金が今のところで年産三十トンのために一億八千万円、併しこれを若し三分の一の二千円の物品税にいたしますれば、約百四十四トンと生産が可能となつて二億八千八百万円に課税が上る。差引一億八百万円國家の收入が殖える、而も闇商人の跋扈はこれによつて防ぐことができ、有害な品物が國民に渡るということもなくなるという点が挙げられるのでありますが、これに対して大臣として今後如何なる方策をお立てになるか、これは強力に一つ御推進願いたいと思います。
#122
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今のお話は至極同感であります。商工省といたしましても、例えば例に引かれましたズルチン等につきましては、或いは税率を上げた方が税收が多くなるのではないかという考え方を持つております。これにつきましては我々の方のこのズルチンに限りません、いろいろな物の物品税について今尚大藏省との間に折衝中であることは附加えて置きます。
#123
○油井賢太郎君 私は終りました。
#124
○尾形六郎兵衞君 商工大臣に石炭の増産計画についてお聞きいたしますが、本年度は四千三百万トンの増産を達成するものとこう聞いておりますが、現在の單價で炭鉱業者は引合つておるかどうか、司令部方面ではこれで引合う價格であると言つておるそうでありますが、業者は赤字になつておる、こう言つておりますが、商工大臣はどういうふうにお考えでありますか。
#125
○國務大臣(稻垣平太郎君) 業者に言わせれば赤字が出るという返事をするのでありますが、私の承知いたしております限りにおきましては、大きなメーカーは現に百四十一円のいわゆる補助金を出しておるのであります。百四十一円五十五銭かの補助金を出してそして他のメーカーにこれを分けておるのであります。この補助金がなければそれだけは大メーカーは黒が出るのでありまして、而もその大メーカーの占めるパーセンテージは大体八〇%を占めておるのであります。で、小メーカーも百四十一円を取去られてしまつて、果して持つて行くか行かんかという問題であります。これはいわゆる企業に或る時期を藉すことが必要であると存じます。或る時期を藉して、まあ大体我々は三ケ月くらい予定しておりますが、これをとつた場合に持つて行くか行かんかという問題がありますが、私はこの企業の合理化によつて、企業の合理化ということは主として炭鉱業におきましては、坑内外夫の入れ替えでございます。坑内の逆に四〇%のところを六〇%に持つて行き、坑外を四〇%に持つて行きさえしますれば採算が十分に引合うものだと、かように私は考えておるのであります。
#126
○尾形六郎兵衞君 炭鉱業に対する融資につきましては、今まで殆んど復興金融がやつておりましたが、この金融というものが今度止まるということを聞いておりますが、そうなりますと儲かるか儲からないか分らないところのこの産業に向つて、果して普通の銀行が貸出し得るかどうか、この金融の措置につきましては、商工大臣はどういたすお考えでありますか。
#127
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の御質問でありまするが、御承知のように企業三原則によりまして、赤字融資はいたさない建行になつております。併しながら炭鉱業のごときものは長期の設備、いわゆる坑内設備、新らしい切羽を設ける、或いは新らしい炭鉱を開発する、こういつた面におきましては、どうしても融資を受けなければやつて行けないことは、これはもとよりであります。そこでそういう面におきましては、政府といたしましては特別な措置を講ずることが必要になるだろうと思うのであります。それについて例の援助見返り勘定の流用、これも一つの方法でありまするし、或いは又特別に日銀補償、その他の方法で何らかの形で融資をするということは必要であろうと思うのであります。ただランニングの金融、短期の金融、運轉資金の金融ということはできるだけ避けたいと思つておるのであります。
#128
○尾形六郎兵衞君 次に輸入物資の補給金についてお伺いしたいのでありますが、八百三十三億円の予算を計上しております。仮に今水産物の魚獲につきましてガリオア・ファンドで現在受けております資材中、マニラ麻のごときは八十四円の安いレートで換算して、これを業者が受けておるのでありますが、今度決まりますと思われます三百三十円になりますると、非常に資材が高くなります。從つて現在受けております資材を三百三十円のレートに換算しますると、日本の水産業だけで約百億円の値上りを生ずることになるのであります。こういうことになりますると、非常に業者が困るのでありまするが、これにつきましては、まあ安本等の関係もありますことですが、商工省としましてはどういう対策を講ぜられますか。
#129
○國務大臣(稻垣平太郎君) 輸入物資の補給金につきましては、とにかくその生活に必要な物資或いは基礎物資そういつた物については、できるだけ補給金によつてカバーして行こう、こういう考え方を持つておるのでありますが、その他の物資につきましては、原則としてはもう補給金を出さない、こういう形で持つて行きたいと思つておるのであります。そういたしませんと、これはあらゆる業種に亘つて問題が起きると思うのでありまして、基礎物資なり或いは生活の必需物資に関する限りにやきましては、補給金によつてこの激減を避ける、併しながらその他の物資はできるだけ單一爲替レートが決りました場合は、そのレートでやつて行くと、こういう形を取りたいと思つております。
#130
○尾形六郎兵衞君 もう一つお伺いしたいのですが、この年度の予算の雜收入にも、殊に電力の超過料金というものが十三億五千六百万円あります、こういう超過料金等を取つて國家の收入にするということは余り感心した話でありませんので、これに対して商工大臣はこれでいいと思つておられるかどうか、或いはこういうものをなくするにはどういう措置を講ずればいいのか、一つお願いしたいと思います。
#131
○國務大臣(稻垣平太郎君) 非常に御質問がむずかしいので、まあ超過料金を取らないで行けることの方が結構なんだと思うのでありますが、併しながら体大の前年度の経驗といいますか、前年度の実績によつて予定した数字を揚げたのであります。
#132
○尾形六郎兵衞君 今のお話だけで私満足しないので、結局これは電力料金が安いために罰金を拂つても得だ、こういうような需要感があるためにこういう十三億なんという非常に大きい額の超過料金を取られることになると思うのでありますが、こういうことを何とか國家としてもこういう收入を計上しないようにするということにしたいと思いまするし、又こういうことなしに料金が妥当になるように一つ商工省から御査定をお願いしたい、こう思ふのです。
#133
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の尾形さんの御発言は、或いはそれであるから電氣料金を改訂したらいいではないかというようにも受け取れるのでありますが、電氣料金の改訂につきましては、現在の電氣料金が普通のランニング・エキスペンスは呈しておるけれども、補修費であるとか、或いは償却であるというものをどの程度カバーしておるかということについては私は疑問を持つておるのであります。できればやはり將來のこの建設にも幾分の積立をして行くというまでは、電氣料金を上げるということは非常に必要だと思うのであります。でこれは他の物價の割合から比べますと、電氣料金の上昇率は非常に少いのでございますから、これは認められることだと思いますが、一面又、生活の必需の面から見まして、民生の上から申しまして、これを又上げることが甚だ困難である、又電氣料金の改訂ということについては余程愼重に取扱わなければいけないのであります。ただ補修をカバーする程度のものは、商工省としては値上げをして欲しいという考え方を持つておりますが、只今のところ料金を改訂するところの機運には相成つておりません。
#134
○田村文吉君 商工大臣に三、四の問題についてお尋ねいたしたいのでありますが、或いは前に御発表になつておりましたかどうか知りませんが、今年度の輸出、輸入の予定額は凡そどのくらいにお考えになつておりますか、現在外國の援助を頂いておるのでありますが、できるだけ輸出入の貿易のバランスの取れるということが、今日貿易外收入というものは援助金以外にはないのであります。でありますから、それが非常に必要だと思います。それが日本の自立をして行く肝腎な問題だと考えております。数字を前に御発表になつておりますかどうか、大体でよろしうございますが、若しお分りでございましたならば……。
#135
○國務大臣(稻垣平太郎君) これはこの前ちよつと申上げたのでありますが、今商工省が計画を立てておるのは、輸出が五億ドルで輸入が九億五千万ドル、九億五千万ドルの中にはガリオア・ファンドによる五億三千万ドルを含んでおる数字であります。
#136
○田村文吉君 私はかような数字が、一日も早くガリオア・ファンド等の援助を得なくてもバランスの取れるようなことになることを期待するのでありますが、大体の計画に承つたのでありますが、そこで日本の輸出の大宗をなすものは、何と申しましても、纎維工業であります。纎維品でありますが、昨年の鉱工業生産指数を見ますと、これは安本で御発表になりまして今度の表でございますが、大体六〇%くらいに、戰前の基準に対して復興しておる。その中で一般工業は九六%復興しておつて、纎維工業は二四%しか復興してない。こういう数字が表発に相成つておるのでありまして、実は非常に意外に考えたのであります。そこで纎維工業の戰前に対する復興というものは、外の工業に比べて非常に遅れておることは、設備がないのでありまするか、或いは外國からの原料の輸入が不十分のためにこういうことになつておるのでありまするか、この辺が若し纎維品の復活をもつと主力を挙げてやることができ得ましたならば、今の輸出入のバランスというものも相当に取る方法があるのではないかと考えます。この点についての御答弁を……、
#137
○國務大臣(稻垣平太郎君) 田村さんの御指摘の通り、日本の生産の回復の状況が他のものは殆んど百%近くまで行つているのに、纎維工業だけが遅れておることもその通りであります。これについては、原料の棉花、その他の原料の問題も一つの理由でありまするし、それから又一面におきましては、御承知のように、或る程度日本の紡績の中心の紡機の数が制限されておる、こういつた面もあるわけであります。又同時に輸出に関しましては、海外の競爭者から掣肘されておるところの面もあるのでありまして、いわゆる紡機数を殖やすということ、現在無論予定の四百万には達しておりませんが、併しながら頭がつかえておることは、生産意欲を鈍くするゆえんでもありますし、又棉花の輸入がとかくマッチしないということは、生産意欲が非常に遅らすゆえんにもなると思うのであります。これについてはできるだけ手順よく原棉が入つて來るように、又その他につきましても、これが増設について関係筋の了解を得たいものと、かように考えておるのであります。海外市場につきましては、これはなかなか面倒な関係にあるように存ずるのでありますが、これも極力一つ打開して行くようにいたしたい、かように考えております。
#138
○田村文吉君 御努力に相成つておることと考えるのでありまするが、これは一例でありまするが、現在日本における人絹パルプの能率はどうかと申しますると、今日人絹を作つておいでになりまする能力の三倍近くの能率があるのでありまして、明日が日でもスタートができるのであります。尚又木材はこれに対して國内では窮屈ではありますけれども、このものを廻す用意ができておるのであります。然るところ日本の木材の保存のためにということで、日本で設備があり、いつでもスタートができるようになつておるに拘らず、この生産をチエックされまして、外國からわざわざ日本でできます人絹パルプの二倍半にも該当する價格のものを入れておるのであります。誠に今日の輸出入のバランスを取る上から考えますならば、これは一例でありますが、他に沢山の例があるのではないかと考えております。その辺は十分御檢討になつておることとは考えまするが、特に商工大臣の御注意を喚起したいと考えるのでございます。尚若しお分りでございましたならば、現在の紡績及びスフ、人絹等におきまして、いつでも原料があれば、又市場さえあればスタートのできるという設備は今の二四%に対しまして、凡そどのくらいになつておりますか。例えば戰前の六〇%、或は七〇%というような数字が大体お分りになると思いますが、若し数字がお持合せございませんなら、他日の機会にお知らせを頂きたいと存じます。
#139
○國務大臣(稻垣平太郎君) 先ず始めにお述べになりました人絹パルプの問題でありますが、これは私もその点については聞き及びましたので、事情を調査いたしたのでありますが、昨年においては、品質の問題その他から海外から入れた方がいいということで入れたようであります。そこで本年の計画におきまして、これを引続き同じような態度に出るということはどうか。殊に日本の人絹パルプの製造余力といいますか、それが十分これをカバーし得る、又紙パルプとの関連も差支えないというような情勢のように存じますので、この点については、今できるだけお説のような方向に行きたいと存じておるのであります。これは一例だとお話になりましたが、そういつたような事例が相当沢山あるのでありますが、この点は又場合によりましては、日本が品物を輸出するために、バーター・システムによつて向うから物を持つて來なければならない。こういう面におきまして入つて來ておるものもあることを一つ御了承頂きたいと思います。それから又只今御質問になつた数字につきましては、後刻申上げたいと思います。
#140
○田村文吉君 先刻どなたからお話がございましたが、今日納税問題で一番悩みを感じておられまするのは中小企業者であると思います。中小企業者の事業所得の問題であると思います。これが若干の利益があるがままに今日の耐乏生活におきましては、そういう費用にもつと使われなければならないということでそれに使つてしまい、或いは又事業上においても若干の固定を生じておる。こういうようなことでありますのに、年度末におきまして纏めて取られるというようなことから非常な苦しみを生じまして、或いは営業を廃めるとか、事業を中止するとかいうような不祥のことも実は起つておりますし、社会人心に與える影響も絶大なるものがあることは御説明申上げるまでもないのでありますが、これは大藏省その他の問題でありませんで、中小企業廳を特にお作りになりまして、中小企業を保護する場合において一番先に中小企業者の苦痛としていることは何かという点を商工大臣としてはよく御認識になりまして、これに対しては十分大藏当局の予算をお作りになる方に対してもお話になりまして、この納税時期をどうするというようなこと、又苛斂誅求にわたらざることについて商工省からいわゆる中小企業者の味方としてお働きを頂かなければならんと考えるのでありまするが、これにつきまして、商工大臣はどうお考えになりましようか。
#141
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今田村議員のお話のことは、我々も十分同感であるのでありまして、これが中小企業廳の最も只今では大きな仕事だと私は存じておるのであります。ただ中小工業者は実は帳簿を持つていない、或いは全然殆んどデーターのようなものも持つていないというようなことのために、往々にしていわゆる査定、それも誤つた査定をされる、こういつたような点がありますので、そういう点についてもできるだけ中小企業廳の人達がこれは助長して行くという面も十分発揮したいと思うのであります。又或いは納税組合といつたようなものを設けさして、そうしてそこで適当に交渉をするといつたようなことも必要だと思うのであります。又今度近日御審議を仰ぐことになつておりまする中小企業協同組合法の中で、業を企てる組合企業組合というのを設けておりまするが、これは或る意味においていわゆる勤労者と企業者の合作、いわゆる合作社の思想を採り入れましたのでありまして、これによりますと、結税額はいわゆる法人税でなくて勤労所得税の額で取られる、こうなりますと、非常にその点は樂になるのじやないかと、こんなようなことも一つの工夫としてやつておるようなわけであります。十分この点では我々としてはできるだけ中小企業者の味方としてやつて行くつもりであります。
#142
○田村文吉君 中小企業者の味方としてお働き頂くということでありまするが、今のいろいろの帳簿をもつと新らしい帳簿の作り方にするとか、いろいろ仕組、機構はあるのでありまするが、実際過去二ケ年間中小企業者のこの納税に対する苦みというものは実に莫大なものがあるのであります。これは農業にいたしましても同樣でありまするが、これは商工大臣でいらつしやいますから、私は商工大臣に申上げるのでありまするが、この多数の中小企業者が実際大藏当局の今日の作られた納税規定によつて、而も見積りで大体徴收をされておる。こういうことは商工行政をなさる際においてはもつと一つ強硬に強くこの点を御主張頂きまして、中小企業者が滅亡しないように一つお図りになるべきだ。強く申上げれば大臣の位置をかけてもこの問題については御努力を頂きたいと、こう我々は考えておるのでありまするが、無論これに対しましては我々も今の予算の作り方、納税方法等につきましては議論も申上げまするが、この中小企業をお扱いになつておることが商工省としては実は大きなお仕事で、主要なお仕事になつておるのであります。この点について更に商工大臣の熱意のある推進力を待望して止まないのでありまするから、尚重ねて御所懷の一端をお伺いしたいと思うのであります。
#143
○國務大臣(稻垣平太郎君) 実程お答え申上げましたように、実はこれは問題は非常に中小企業廳ということにつきましても、今度の通産省の機構の上におきまして、機構の観点からこれを在いは内局にするというような問題もありますので、中小企業廳に重点を置いてやつて行かなければならん、こういう意味で是非残したい、こういう考えでありますが、我々としてはその問題については十分熱意を傾けてやりたいと思つております。大体日本の産業構造から言いますと、六〇%以上を占めておりますし、輸出の面から言いましても大体中小工業が六〇%以上の率を占めておるのであります。これが破壞いたしましたとすると、日本の経済機構に大きな影響を與えることはよく存じておりますようなわけで、この点は十分努力してやつて行くつもりであります。
#144
○田村文吉君 次に石炭の問題についてお尋ねいたしたいのですが、先刻御質問に対して大体お答え頂きましたのでよろしいのでありまするが、ただ終戰後の石炭の殖え方はどういう時期に殖えておるか、どういうふうで殖えつつあるかということを顧みて見ますると、いろいろの行政処置も無論効果がなかつたとは申しませんが、價格の問題で引合わないという場合には引合うようにしてやる、そこで石炭がどんどん出る。こういうような傾向にあつたのであります。それだからと申しまして、私は石炭の値段が安いから上げたらいいということを申上げるのではありません。それは現在基準年度に対する石炭の消費價格は三百十八倍になつております。農産品が凡そ六十五倍程度に止つております今日、石炭が三百十八倍の値上りになつておるということは、決して安い値段になつておるとは考えないのであります。ただ併し今の九原則の上から値段は上げないで、合理的にやれということは是非私共も遵守して参らなければならない問題でありまするが、余りに値段の点で、先刻も御説明のありましたように、引合わないものは止めても仕方がない、赤字の融資はできんということで、ただ出炭をしろと言う。合理的な組織に変えて出炭しろと言つても、或いは明年度四千二百万トンの出炭が覚束ないのではないかという心配をいたすのであります。そこで今直ぐでなくても……と申上げてもよろしいのでありますが、若干の値上りというものは、今まで來たことが惡かつたにせよ、若干値段でも直してやつて、そうして是非四千二百万トンは遂行させるということが必要であるのではないかと私は考えるのでありますが、併し大臣は四千二百万トンは合理化によつて絶対大丈夫だという、こういう御自信がありますならば、私は今日すでに高い石炭でありますから、値上げをなさらんで押し通して頂いても結構でありますが、大臣が果して四千二百万トン來年は遂行なさる御自信がおありになるだろうかどうか。炭價を変えないで御遂行なさる御自信があるかどうか。これを第一にお伺いいたします。
#145
○國務大臣(稻垣平太郎君) 田村さん私に四千二百万トンの自信ありやというお尋ねでありますが、一体石炭鉱業は終戰後基礎産業ということで、一方から考えますると、或る程度ルーズであると申しますか、甘やかされて來た面もあると私は思うのであります。それでこの非常な生産増進の要請からいたしまして、まあ配置なんかについても殆んど闇雲にして人を入れて來た。こういつた面がありますので、合理化の余地が他の産業よりも多くあると私は見ておるのであります。そういつた意味で無論今田村さんの御指摘のように、幾分か値段を改訂するということが、余計出すということについて一つの奬励になるので結構なことでありますけれども、まあ企業三原則の建前を強く取つて参りました場合には、現在の價格で、そうしてまあ今までの最近の傾向から見まして、採炭夫の方を殖やして行くことによつて十分この目的は達せられるのではないか、かように考えておるようなわけであります。
#146
○田村文吉君 最近、これは新聞で見たことでありまするから商工省の御意見であるかないか分りませんが、私は年來の持論といたしまして、九州で二千三百円でお買付になる石炭は九州においては二千四百円、二千五百円でお賣りになつてよろしい。併し東京方面へ持つて來るならば運賃が千円かかるならば千円を加えた現在の消費價格の三千三百円でもよろしい、こういうふうに、これは石炭と電力に対してそういう持論を持つておるものでありまして、これは必ず又そうされねばならんものと実は考えておるのでありまするが、そういうようなことがちらつと新聞に見えておつたのでありまして、大いに我が意を得たりと、意を強うしたわけでありましたが、現在の石炭の値上げという問題になると相当問題になりますが、現在の消費價格でそのまま出炭地方においてはこれを据置いて、それからかかる運賃だけは消費者が負担する、こういうような方法が石炭にも、電力にもできないものだろうか。たまたまさようなことがちよつと新聞に見えましたので、單なる業者の希望でありまするか、或いは商工省等では若干そういう点についてのお考えがあるのかないのか。それを一つお伺いいたします。
#147
○國務大臣(稻垣平太郎君) 田村さんの今御質問の、新聞にそういうような記事が現われておることは私も承知いたしておりますが、これは現在配炭公團が取扱つておりますところの消費者渡し、これを揚地渡しにするか、山元渡しにするか、そういつたような問題を論議しました場合に、仮りに山元渡しにしてしまう、或いは直接賣りにする、こういうようなことを我々は今研究いたしておるのであります。そこで直接賣りにするという場合に一体賃金プールをどうするか。價格プールをどうするか、こういうような問題が起つて参りますので、場合によつてはいわゆる運賃プールというものをこの際止めて見たらどういう結果が來るだろうかというようなことを檢討いたしておつたのが新聞に誤り傳えられたのだろうと存ずるのであります。ただこれは田村さんのお話のように、いわゆる電力料金にいたしても、或いは石炭の價格にいたしましても、いわゆる運賃のプールというものをなくするということは、その所在地、電源の所在地、或いは石炭の生産地の工業、或いは消費者に取つては非常に有利でありまするが、そうでない場合には非常に差額を生ずる。今日一般的にまだ基礎物資その他の統制をやつておりまするときに、それが許されるかどうかということが大きな問題だと思うのであります。根本的の考え方としては、私は田村さんに同意見なんでありますが、ただ今日の、現在の経済の段階においてはそれはまだ止むを得ないのではないか、かように考えておるのでありますが、尚檢討いたして見たいと存じておるのであります。
#148
○田村文吉君 今の問題は私は経済安定本部長官に親しく又所見を伺いたいと考えておるのでありますが、ただ事石炭、電力に関する限りにおいては、商工大臣から是非お考えを伺わなければならん問題じやないか。こう考えますので申上げたのでありまするが、すべての價格が今日の統制下においては止むを得ないものではないかというクエツションマークのつけた御意見であつたのでありまするが、現在地域差のすべて同一價格になつておりますものは主食糧とソーダ関係、セメント関係等いわゆる安定帶物資と称する物を主としたものでありまするが、その他凡百のものはすべて生産地價格において取引されているものが多いのであります。大部分そうなのであります。さような意味もお考え下されて、私は甚だ巧妙な考え方として申上げるのも如何かと考えまするが、石炭の消費價格はお上げにならないで、運賃のかかるものは上げる、こういうような御方法でおいでになることが大変便法でないか、こう考えまするので、敢て御所見をお伺いいたしたいのでありまするが、これは若し何でしたら参考にして頂いて結構でございます。ただ最後に私は商工大臣にお伺いしたいのでありまするが、最も多くの商品を御管轄になつております商工大臣として、御承知かどうかと考えるのでありますが、現在の物價の公定價格の決め方というものが、果して公正に現められているかどうか、この点について私共は多大の疑いを持ちますし、又恐らくは実業家御出席である稻垣商工大臣も十分御承知だろうと考えておるのでありまして、我々は三原則、九原則を尊重して行かなければならんことは勿論であります。又その精神において我々は何ら論議すべき点がない、全面的にこれを賛成申上げなければならないのでありまするが、現在決められておる公定價格というものは非常に不公正なもので、でこぼこが多いのであります。先刻一例をお挙げになりました電力料力、今度承るところによりますというと、三十五万五千キロを百二十九億円でする、或いは二百九十億円ぐらいからかろうかというお話でありますが、一キロ三万円、或いは五万円、今日は七万円かかると言つておるのでありますが、五万円かかる新らしい電氣を御開発になりまして今までの料金でやれるのかどうか、こういうことを考えれば、これは三ツ兒でも分るのでありまして、電氣の料金というものは今日は遥かに上位に改正しなければ、この電源の開発の基礎的の数字というものは成立つて來ない、かようなことは一例でありまするが、その他にも鉄道の貨物料金であります。これは水運がすでに三百倍以上になつておりますのに、貨物運賃は恐らくは百倍にもなつておるかいないかという数字ではないかと思います。私は細かいここに各商品の値上りというものを調べたものを持つておりますが、一々ここで申上げるということもどうかと思うのであります。或いは五、六十倍ぐらいに止つておるものもあるかと思いますと、石炭のごとき三百十八倍、船運賃のごときも三百何八倍になつておる。安定帶物資と称する國庫から杯補助金を貰つておる物程、生産者價格が上つておる、非常な矛盾があると思うのでありますが、商工大臣はこれに対してそうお考えになつておりますか、若しお考えになつているとするならば、これを暫くの間、尚半年、一年というものの値段は直さないでそのまま行き得るのだというところに私は非常に無理があると考えますので、その点について私は非常に心配しているのであります。或る程度まで價格政策によつて物價を上げるものは上げ、高いものは下げ、そうしてこの均衡を得て行くことが、いわゆる一本爲替になつたときに我々が打撃を最も少くする方法であり、眞に日本の國民の力というものを発揮して、実力をよく認識して、そうしてこの貿易というものが行われて行くことになるのではないか、こう考えておるのでありますので、商工大臣に現在の公定價格というものは果して正当に決めてあるかないか、これを先ずお伺いし、これをこのままにして置くということが今後の一本爲替レートに対して非常な障碍になるものであるということについてのお考えもお尋ねいたしたいと思うのであります。
#149
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今の價格が一体公正に決められておるかどうかという御質問でありますが、これは價格を裁定するときに出ておりまするところの各種データーが、おのおの出しました業者のいわゆる見込といいますか、そういつたものの或るプラス・エックス、そういつたものの違い。或いはデーターの中に含みとして出したものの價格、そういつたもの、その他で必ずしも私としても公正に行つておるとは存じません。私は実際の自分の実務の上から申しましても、多少のでこぼこがあると考えておるのであります。このでこぼこは補正すべきものであると思うのでありますが、同時にこのでこぼこの補正というものが、今日現在の價格体系で成り立つておりますところの一般のいわゆる物價基準というようなものを打ち壞す因にもなりますので、この價格体系の補正というものは余程愼重にやりませんと影響するところが多いのではないかと、かように考えておるのであります。これは十分安本当局とも相談いたしまして、できるだけ補正する途をとつて行つた方が然るべきだと考えておるのであります。
#150
○田村文吉君 現在の物價体系の上から言つて、簡單にこれを直すということは困難だというお話でありますが、私は安本長官、特に商工大臣にお伺いいたすわけであります。商工大臣管下の商品等についても非常にでこぼこが多い。これではただ金融の面におけるインフレを抑えるという施策だけで果して根本的にインフレが直るか、こういうことを考えますると、必ず一面において品物が幾らか潤沢になりまして、生活の実際上の安定が得るということで、眞の経済上の安定が來るのではないかと考えるのであります。單に金融操作だけで経済界の安定ということは到底望み得ないのであります。然るところ今の商工省関係のもので申しましても、或いは鉄鋼石は百十五倍だ、ところが銅地金になると二百二十倍である、或いは鉛の地金になると三百十八倍だというようなことで、或いは百倍程度にあるかと思うと、三百倍ぐらいになつておる。大凡昭和九年から十一年の間は日本の生産というものが自由にされて、世界的の物價水準に伴つて物價は決まつておつたのであります。でありますから大体その比率によるということは今後單一爲替になりました場合に最も適合した價格になるべきである。無論その中にも一、二の例外はありましよう。ありましようが、大体においてさようなことに考えられる。各方担任の各商品におきまして著しいでこぼこがあつて、これは業者が非常によく懇請をする、或いはいろいろの手段と方法によりましてよく自分達の主張を通して貰つた産業と、然らずして穏かにやつておつて、而もその價格が、その考え方がそうでないというような反対の考えを持たれような場合等においても、公定價格が安く決まるというようなわけで、價格の問題については非常にでこぼこが多いのであります。而も過去においては公正な價格を決めるということは表面的に立派に決められるのでありますが、一度実際の取決めになりますと、そう申しては何ですが、安本の長官でも、商工大臣でも農林大臣でも余りに細かい点についての御関心が薄かつたのではないかと私は考えております。物の生産を増進させるために價格の一番大切であるということは十分御承知の通りでありますので、この点につきましてどうしてもしなければならないものは、一つ價格を改正して貰うということで行きませんと、折角の九原則の本当の精神がむしろ失われるのではないかということを心配いたすのであります。さようなことにつきまして、尚私は大臣の御見解を承りたいのであります。
#151
○國務大臣(稻垣平太郎君) 田村さんのお説拜承いたしましたのでありますが、商工省といたしましても價格のいわゆるでこぼこ、或いは價格の不公正というものについて、これをできるだけ規信したい、これについては強く主張してやつておるのであります。全然無爲にして從來のままに放つておるということではないことだけを申添えて置きたいと存ずるのであります。
#152
○田村文吉君 以上を以て私の質問を終ります。
#153
○木村禧八郎君 價格調査費と政府出資金につきまして、商工大臣の立場からの御見解を伺いたいのです。二十四年度の歳出予算の二十三年度に対する増加二千三百十五億のうち、その大部分は價格調整費と政府出資金であると思うのであります。この二つの項目については、我々としては相当節約の余地があるのではないかという立場から御質問申上げたのですが、商工大臣は價格調査注のうち安定帶物資の方に向けられるものは千二十億、これは適当であるとお考えなんでしようか、或いはこれは少し多過ぎるのではないか、節約に余地が相当にあるのではないかということを商工大臣はお考えではないでしようか。その点先ずお伺いしたいと思います。
#154
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私はこの價格の体系といたしましては、こういつた調整費については全然出さない方がいいと思つておるのであります。そうしてこれを價格の中に織込めば、これが最もよろしいと私は考えておるのでありますけれども、今日までの段階におきましては、全体の日本の、いわゆる國民生活の上に及ぼしますところの影響が非常に多いので、この程度の價格差補給金は出さなければやつて行けないのではないかと、この点については我々安本の当局の意見に同意を表しておる次第であります。但し或る意味におきまして、我々は予想しておりました額よりも実は減つておるのであります。この減つておるということは我々といたしましては、大体價格差補給金を千二百億円程度出して貰いたい、こういつたような考え方を持つておつたのでありますが、ということは價格の面を全然動かさないという建前でありますが、併しながら、資材の観点からこの程度に價格差補給金が決まつた、こういうことであります。
#155
○木村禧八郎君 この價格調整費、特に安定帶物資に関する價格調整費ですが、この我々に配付されました予算説明書を見ましても、安定帶物資について相当の増産を見込まれておるようであります。これまで我々安定本部で調査した資料を見ましても、操業度の上昇によつて生産コストは非常に下つておる筈です。それで賃金が上つても操業度が上ると、それに比例しまして、生産單位当りの賃金というものは相当下つておる。それで採算性というものは非常に有利になつておるわけです。例えば安本で調査した資料によりますと、これは昭和二十三年七月乃至八月の平均でありますが、工業の從業員一人当りの賃金が昭和二十二年一月に比較して、大体五倍上つておる、賃金は五倍上つて、そうして生産操業度が上つたために生産物單位当り賃金は七割の上りになつておる、上昇になつておる。その間に公定價格が五販判上つておる。こういう状況になつておつて、企業の採算性は非常に高つて來ておりまして、昭和二十二年一月乃至三月平均を百といたしますと。昭和二十三年七八月は一八五、これは採算性の向上を示しております。八割五分も向上を示しておつて、非常に收益性が高まつて、企業は樂になつておる筈なんであります。從つてこれまで價格調整費を大分出して参りましたが、私はこの前の國会でも質問したのですが、企業操業度が非常に高まつて、單位当りの賃金が相保的に下り、企業の採算制が非常によくなるのに、どうして價格調整費が殖えて來るか。むしろこれは減らすべきではないか。そういうふうに我々は考えるのではが、特に今度の價格調整費は昨年度に比較しまして、著しく多いわけです。而も生産の方は、石炭に例をとれば、四千二百万トン計画しておる。それにも拘らず、價格調整費がそんなに多くなるということは、どうしても私は企業の採算性という点から行きまして、納得がいかないのですが、その点は商工大臣はどういうようにお考えになりますか。
#156
○國務大臣(稻垣平太郎君) 木村委員の仰せの通り、操業度が高まれば、非常にコストが安くなる。これは勿論であります。殊に最近におきまして、多小機械の入れ替その他をしたところの工場におきましては、尚更に操業度が上つておるのであります。從つてコストが安くなつておることも御同様であります。併しながら、例えば鉄鋼にいたしまするというと、昨年の八十万トン計画に対して、今百八十万トン、数量的にすべて殖えておりまする、その割合で出ておりまするから、價格が多くなつておりまするが、調整費の單價といたしまして田、昨年より減つておる。私はかように考えております。
#157
○木村禧八郎君 この前大藏大臣は、新聞等にも傳えられておりましたが、民自党の政府では、今後例えば、所得税などはもつと軽減したい。そういう場合に一体財源をどこから求めるかと言えば、大体價格調整費に相当節約する余地があるから、この面において相当檢討して浮かす、更に政府出資において貿易資金特別会計の四百億というものについても節約の余地があるかも知れないから、そういう方面から財源を捻出して、所得税その他の軽減に充てたいということが新聞にも報道されておつたのでありますか、これ亦他の観点から、大藏大臣、或いは安本長官にも御質問申上げなければならないのですが、商工大臣としては、若しそういう点に、二十四年度予算の一番大きく殖えておる点において、相当節約の余地があるとすれば、これはもつて細かく具体的にお調べになつて、そうしてこの方面に努力されて然るべきではないかと思うのです。そこで私は資料として安定帶物資について、例えば生重が一割操業度が高まつたら、どの程度にコストが安くなるか、二割高まつたらどの程度に安くなるか、そういう資料をこの際一つ作成して提出して頂きたいことをお願いうるわけでありますが、それと同時に先程の一番この予算を見て、我々から見れば不当に支出されておるのではないかと思われるこの價格調整費について、さつき商工大臣は非常に簡單にお答えになりましたが、まだまだこれは相当削減の余地があると思われるのですが、もう一度その点についての御見解を飼いたいと思います。
#158
○國務大臣(稻垣平太郎君) 先程の御要求の資料は私から安本の方に申し傳えて置きいと思います。
 それから價格調整費は実際にこれを適用いたしまして、本当に操業度が高くなり、コストが安くなつているところへ、必ずおしまいまで計上されているからといつて出さなければならんという性質のものではないと存じます。これは十分或る時期々々を区切つて檢討いたしておるべきであろうと思うのであります。例えば昨年度余計に鉄鉱が増産された、増産されたにも拘らず、同じケースで支給するということになつている。私はこういうことは間違つていると思う。余計に増産されればコストが安くなつているのだから補給金の單價も安くなつているべきだという意見を以て主張しているのでありますから、その点については十分配慮しております。
#159
○木村禧八郎君 次にこの貿易資金特別会計に対して政府が四百億出資することになつておりますが、これは貿易方面を担当している商工省の方の立場から、これはどういう方面に用いるのでこんなに多くの政府出資が必要なのか、この点の御見解をお伺いしたいと思います。
#160
○國務大臣(稻垣平太郎君) 御承知のように今貿易資金の特別会計は、二百五十億の借入れ限度を持つております。先般何を得まして五十億、三百億の借入金を以て運轉いたしております。これはこの四百億を政府出資されますと、これは返還する予定になつております。今までの借入金を返すことになつております。そういうようなわけでありまして、尚貿易の額が殖えるというようなことと見合いまして、これだけの或る意味で何といいますか、運轉資金を持つている、そういうことになります。
#161
○中西功君 そうすると三百億返すと、あと百億ですね。
#162
○國務大臣(稻垣平太郎君) 二百五十億返すのですが、五十億の分はあとから何しましたので、前の二百五十億を取敢ず返すことになります。
#163
○木村禧八郎君 もう一つお尋ねしたいのですが、それは今度米國の対日援助見返特別会計予算というのができるようであります。この千七百五十億の中からいろいろ経済再建の方面に投資されることになつておりますが、我我聞くところによりますと、この特別会計からのいわゆる投資は特に嚴重にいろいろ査定されて、その使途その他について、例えばマーシャル・プランによつて西ヨーロッパ十六ケ國がこのアメリカの援助資金を使う場合に双務協定というのを結んで、それによつてその使途その他について、いろいろその協定の中にはつきりとそういうものが謳われる。そうして恐らく日本の場合においてもアメリカの援助資金を使う場合にはこのマーシャル・プランによる双務協定のような形でそういう資金が使われて行くのじやないかと言われておるのですが、こういう点に対して、見返勘定からの産業に対する投資、そういうものについて、どういうような形でこれが指示を受けたり、或いは指導されて行くか、これは相当自由に使えるものか、或いは又双務務定みたいなものが、そういうはつきりした形ではなくても何かあるかどうか、そういう点についてお伺いしたいと思います。
#164
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは大藏大臣がお答すべきことであろうと思うのでありますが、私の承知している限りにおきましては、今までこれの使途として分つております点は、二百七十億の鉄道並びに逓信の建設公債に当てるという点だけを承知いたしておりまするので、それ以外のものについてはまだ私ははつきり承知いたしておりません。ただこれを産業資金の面にも、或いは又日本の國債償還の面にも振向けることに相成るだろうと推定されております。又これが使途その他については、いずれこれが援助資金を呉れた側の人達と相談して行うことになるのであろうと私は想像いたしております。
#165
○木村禧八郎君 最後に一つお伺いしたいのですが、民間外資の導入の問題ですが、最近我々は噂として具体的にいろいろなケースを聞くのでありますが、若しかお差支えなければ最近民間外資の導入についてどういう会社についてどんな話があつて、その契約の形ですね、我々聞くところによりますと、或る一つの例は非常に短期の契約のような話が進められている。いろいろ我々としては了解に苦しむ点もあるのですが、その民外外資に関する最近の実情ですが、お分りでしたら具体的に一つお話願いたいと思います。
#166
○國務大臣(稻垣平太郎君) 民間外資につきましては、いろいろ噂はあります。そうして又実際に話合がされているのも非常に沢山承知いたしております。いずれ後で例示いたしますが、併しながら実際に本当に取引ができたというのは極く僅かでありまして、いろいろな支障のためにまだできていないというのが実情であります。その支障の主なる点はやはりレートが設定されていないということも一つであります。又日本の例の独禁法或いはその他の統制法規等によりまして、なかなか投資した後の氣勢を心配している。それからして法人税が高いというような問題、それから日本側の受入側から申しますと、先程ここで問題になりましたいわゆる資産の再評價の問題、これが日本側にとつて簿價が非常に安いという点が問題になると思うであります。又労働不安、こういつたようなことも一つの原因になつておりまして、実際上に行われたものは本当に少いのであります。殊に今木村さんが御指摘のようにただ單にエーゼント式の短期のものしかできておりませんが、長期のものとしまして、最近締結されましたのは例の日石と東亞燃料の契約であります。これは御承知のように日本の石油の生産が日本の全原油の約一〇%にしか当つていないのでありますから、どうしても原油を輸入して精製するという仕事をやらなければならないわけであります。この精製が許されていなくたつて何も日本が精製しないでも精製したものを持つて來るということであればいいじやないかということであつたのでありますが、今回今まで寢ておつた東亞燃料の工場、或いは日石の工場というものを活かす意味において原油を入れるということを條件としてスタンダードオイルあたりでここに契約を締結し、その何の株、東亞燃料なら東亞燃料の株の半分を取得したい。そうして原油を入れる。そうして持つておりますところのタンクを利用さして貰う。タンクを利用するということは精製のための原油を入れるということと、尚同時にガソリンその他を入れるための埠頭におけるタンク場を利用するという一つの便宜がありますために契約が成立したわけであります。だからいわゆる導入側から言えば、タンクを利用させて貰つて日本にいわゆる石油を商賣するという利点も得る。それからして受入側から言えば、原油が貰えるので今まで寢ておつたところのいわゆる精製事業をやつて行くことができる。こういうことのために、今まで両工場とも実際は何もしていなかつた、死んでおつた、これが活きるということでありまするために、額面は五十円のパーで取引されたと承知いたしております。これはいわゆる簿價の関係から言えば大いに議論があるところであろうと思いますけれども、併しながら簿價もこれが全然精製ができないで、動かせないことになれば死んでおると同じ意味になりますから、その意味から言えば五十円にしていつたということは、或いはよかつたということも言えるのじやないか、こう思つております。それからしていろいろ例を引いてお話申上げますと、先ず第一には原料を入れて、そうしてこれを加工して加工品として出すという形の外資導入、この話ができかかりまして、まだできずにおりますのが日軽であります。日本軽金属であります。これはアメリカのレーノルドの会社と殆んど話ができかかつておりましたのでありますが、これはボーキサイトを入れて、これをアルミナとして向うに持つて行く。そのまま内地向けにするのではありませんでいわゆる或る意味において労働輸出であります。あそこを日本の加工品工場として利用しよう、あの工場は余裕が多いからということであつたのでありますが、そのうちに南からビリトンのボーキサイトが入つて來るようになつたものですから、日軽としても、そう急がない、原料もあるのだ、それに日本内地の需要を充たすのに忙しいために交渉が停頓しておるということであります。それと、交渉の停頓のもう一つの理由は、爲替レートの関係があります。それからして第二の例といたしますというと、いわゆる技術機械を導入する、それに伴なつていわゆる或いはその会社の株を持つ、こういうことであります。例えば松尾鉱山などその例でありますが、これは御承知の通り硫化鉱が日本では非常に少ない、肥料の原料としての硫化鉱が欲しいというのでありますが、今の松尾鉱山の採掘方式ではなかなか俄かに殖やすわけに行かん。それでいわゆる段々掘式に掘つて行つて段々に横へ坑道をつけて行くという方式があるのだそうですが、そういつたような機械技術を松尾鉱山に導入して、そうしてやつて行こう。その代り硫黄のあれは御承知のように硫化鉱と共に硫黄が出る。硫黄の外國の一手販賣権を貰いたい。この條件でこれができ上らなかつたのであります。この條件ででき上らなかつたということは時の日本政府……今日ではありません、時の日本政府がこれを拒絶した。なぜならば、硫黄は内地の需要が充たされないのであるから、硫黄を輸出されるということは困るということでありまして、私はこれは原料はやるが、今は日本は内地で充たないのだから暫く保留ということで、この契約ができた方が日本のためによかつたろうと思います。これが第二外資導入の一つの型であります。
 第三の型は、いわゆる普通に外資を導入するという型でありますが、この方の話はまだ起つておるのを聞いておりません。大体そういうことでございます。
#167
○中西功君 僕も主として資料を要求するようなことを簡單に聞きたいと思うのですが、若し運賃を差引いたならば、日本の今言われておるドル勘定におけるいわゆる勘定尻というのがどうなるか、私達が大体見当ずけたところでは、若し運賃というものを一應除外してみると、却つて言われている入超は出超になる、ここで私は運賃という問題が非常に大きな問題になるということが言えると思うのですが、商工省でそういう計算というようなものが出されておつたら、少し正確に言つて貰いたいと思います。
#168
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私はそういう資料があるかないか、実は承知いたしておりませんが、よく取調べまして、ございましたら差出すことにいたします。但し運賃というものの占める率というものが三十%くらいじやないかと大体私は考えておるのでありますが、よく一つ数字を取調べまして、その資料がありましたら提出することにいたします。
#169
○中西功君 それからさつき木村委員への答弁で、價格調整費は商工省としては物價を上げないとすれば一千二百億だつたか要求しておつた。ところがそれが実は削られておるのだというふうなお話でしたが、そこでその一千二百億か一千四百億の原案の数字と、今度の新らしい我々に配られた数字との対照をしたいと思うのですが、成るたけそういう数字を詳しく出して頂きたいと思うのですが。
#170
○國務大臣(稻垣平太郎君) 承知いたしました。ただ数量的に違う点もありますし、数量的というのは計画数量ですね、そういう点がありますので、今金額上にも違いが出ていると思うのであります。その表はお眼にかけます。
#171
○中西功君 それから実は見返り会計の問題でありますが、この場合ガリオアとイロアの二つが一應計算されておる、或る一定のレートで計算されておるというふうに聞いておるわけですけれども、その他日本とアメリカとの間には回轉基金、主として棉花が入つてきている回轉基金もありますし、もう一つは対日棉花借款というふうなものの基金もありまして、それからいろいろな物を造るフアンドがあると思うのです。それは恐らく入つていないと思うのですが、どういう理由でガリオアとイロアだけこれに入れるか、その他は一應除いている、これはどういう理由に基いているのか、これをちよつとお聞きしたいと思います。
#172
○國務大臣(稻垣平太郎君) ガリオアはいわゆる救済資金であり、或いは援助資金でありますが、他方は回轉資金でありますから、これはおのずから性質が違うと存ずるのであります。
#173
○中西功君 この場合ガリオアの救済資金という性質は曾てよく通つておつたのですが、イロア資金についてはそれならばこれはこういう資金であるというはつきりした政府或いは又相手國の見解と言いますか、そういう規定付けというものはあるのですか。それともこれは非常にぼーとしておつて、何か分らん、これによつて月料を貰つているというふうなものですか、その点若しイロア資金とはこういうものであつて、將來こういう性質を持つ、或いは將來においてこういうふうに解決されるものだ、そうして日本にはこういう義務があり、アメリカに対してはこういう義務があるというふうなそういうはつきりしたものがあるとすれば、それを説明願いたいと思います。
#174
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私は宴聞にしてまだはつきりしたことは存じないのでありますが、併しながらとにかくこのイロアの復興資金、ガリオアは救済資金、これは借金しておる、こう考えるのが正しいと考えております。そしてまあ後でどういうような結末になりますかは、いずれ平和條約が締結されたときに決定されるだろうと、かように考えております。
#175
○中西功君 そういうふうに、私は非常に残念に思うのは、マーシャル、プラン或いはマーシャル資金と言われるものは少くとも公開されて、この資金に関しては両國のいろいろの公式の取決めもあると思う。ところが日本の場合には商工大臣自身が十分まだこの性質がはつきりとは分らんで、まあ借金と考えるべきであるというふうな状態なんであります。非常にまああやふやなものがここにあるわけなんです。さつき木村さんも言われましたが、マーシャル・プランの場合には双務協定としてでき上つておる。ところが日本の場合はそういう点も従つてはつきりしないわけであります。ただ私が今お聽きしようとするのは見返資金として、千七百五十億を見積られておるわけでありますが、若し今年度の貿易関係において輸入と輸出の関係が、例えばドル勘定において輸出の方が若し好轉した、或いは又逆に輸入の方が非常に少くなつた、こういうふうなことを仮定いたしますと、この見返資金の見積られた千七百五十億というものは、実際はドル勘定におけるものがその收支の間に大分隔りが來る。今数字で非常に都合のいいことはガリオア・フアンド、イロア、フアンドを合わせたものが大体五億三百万ドル、これは大体今の入超額に近い数字なんです。もつと計画では少いのですが、少いけれど、まあ輸入がこれだけできるかできないか分りませんが、よく似ておる。從つて一應このドル勘定における赤字がです。この見返勘定における日本への黒字となつて出て來る、こういうふうに現れて來ますが、若しこれがそれ程両者を一致していないときは、この間に差が出て來る。私は思いますのに、この若し見返勘定とか何んとかという恰好で、日本のような場合若し作るとすれば、これはむしろドル勘定における赤字分が日本のこういう勘定における黒字分として出て來る。これは非常に見合い勘定になると思う。そうしないとドル勘定と円勘定との間の関係というものは成り立たんと思います。ただこれはこういうイロア勘定、ガリオア勘定で來ているから、これだけについては特別の処置をするということになると、他方にドル勘定のない日本が若し輸出がうまく行つたときなんかは、その行つた余分のドルを何んと申しますか、私は具体的によく分らない点もありますが、そこで見合わないと、その間に不都合が來ると思う。だからむしろ私はこう考えているわけなんです。実際日本に即してこういうものを立てるならば、輸出と輸入の大体のドル勘定における赤字をこちらの勘定に出すのが当り前じやないか。もつと突き詰めて言うならば、若し救済物資ということで援助というつもりなら、ガリオアの部分だけを出すのが当り前じやないか。性質から見たらそれだけ出すのが当り前じやないか。今のような性質のもので勘定するならガリオアだけにするのが当り前じやないか、そういうふうに私は考えているわけです。だから二点なんです。ドル勘定における赤字で円勘定の黒字にするということと、若し援助物資とか特別の会計とすれば、イロアを除いてガリオアにする。そういう考えを持つているのですが、それに対する御見解をお聞きしたいと思います。
#176
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは関係筋との交渉におきましては、ガリオアと同じようにイロアも同じ資金勘定に入れるということでありますので、或る意味においてイロアというものの資金がガリオアと同じような性質を持つのだと我々は想像いたしております。
#177
○中西功君 それじや商米大臣としては先方の方からガリオアとイロアとを特別の見返会計にしろとこう言われましたから、我々は二つが同じような性質のものであると一應理解するのですが、そういうふうな御見解のようですが、私はそういうふうな指令が來ているのか何かよく知りませんが、ガリオアとイロアとの間に若し性質上の区別があるとすれば、商工大臣はどうお考えになつているか、もう一度それを聞きたいと思います。
#178
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは名前がガリオとイロアでありまして、片方は救済資金で、主として食糧その他のもののために設けられたものであります。片方はいわゆる復興資金といたしまして、原材料などで、名前は違つておりますし、復興と救済との違いはありますけれども、これは要するに日本のいわゆる片方は必需物資、片方は原材料、こういう形になつておりますので、この間いわゆる入つて來る性質においては私は違いはないと考えております。
#179
○中西功君 全然二つは同じ性質ですね。
#180
○國務大臣(稻垣平太郎君) と私は考えております。
#181
○中西功君 これはそうでしよう。そういう見解が成り立つかも知れません。これはアメリカ陸軍省の軍事費に載るのですが、そういう点でこれは將來どうなるかという問題は、これは軍事費に載つているという点から見て、性質を割合に示していると思うのですけれども、実際國民はこの性質が一体どんな性質の資金なのかという点で、これは非常に迷つていると思います。今までこれが相当救済的な性質を持つておつたとしても、今後例えばこういうふうに見返資金勘定という勘定で特別に仕切られて來る。これは今まではドルの方の勘定は國民は余り知らなかつた。政府は知つておられるかどうか知りませんが、とにかく國民は余り知らなかつた。ドルで赤字であつたけれども、直接日本の円の方には関係がなかつたために、それを非常に樂に考えて來ておつた。今度見返勘定としてその赤字が直接ここに千七百五十億として、こうやつて含まれるわけであります。そうして而もその千七百五十億が使われて行きます場合、これが日本の本当の再建のために、國民、労働者、農民の生活がよくなるような意味の再建のために使われるならば、これは確かにいいでしよう。だけれどもこれが若しそうでなくて、全く別個の目的のために、例えば大して得にもならん輸出産業や、或いは輸入産業や、そうしたものの増進、或いは一部の人々の利益のためにこれが使われて行くという性質が、これは商工大臣が認めなくてもいいんです。認めなくてもいいんですが、そういうふうなものに使われて行くということがはつきりして來るならば、若しそれを仮定するならば、もうすでにこれは一体援定とか何とかという、そういう性質のものではなくなるということがはつきり言えるのじやないかと思うのです。その点如何でしようか。
#182
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私はその点では遺憾ながら中西君と意見を異にいたしております。
#183
○中西功君 その意見を異にいたしておりますというのは、それは私の言うことが分らんという意味なんですか。それとも積極的にそれならば、私の言つておるのは、何も現実にこの千七百五十億円が吉田内閣においてどういうふうに使われるかということを言つておるわけじやないんです。二つを仮定したわけです。ただ本当に國民のために使われて行くならば、千七百五十億円がそういうふうに使われて行くならば、これは一應今日において……將來は別としても、これは返す返さんという問題は起らん、今においては一應それは援助である。だけれども若しこれが全然國民のためにならん貿易振興や、そうしたものに、それだけに使われて行くとすれば、この千七百五十億円というものは援助ということは言えなくなるが、それは一体どうかということを言つておるわけです。
#184
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私の意見を異にすると申しましたのは、例えば今國民の利益にならない貿易振興のために使われる云々というお言葉が先程もありましたので、私は意見を異にしております。例えば貿易だけのものに使うわけではありませんが、例えば貿易資金にこれが使われるということがどうも私は國民の利益に反するとは一向考えないのであります。又貿易のために、輸出のためにこれが使われて、そうして外貨獲得になることがありますれば、私は非常に結構なことだと存じておりますので、そういう意味において意見が違うと申上げたわけであります。併しながらいずれにしても、この資金がどういう性質のものであるかということの議論をここでいたしましても、どうも埓があかないのじやないかと、かように考えております。
#185
○中西功君 それでは少し方向を変えまして、今商工大臣は、現在の貿易振興政策、そうしたものが外貨獲得になつて、どんな形にしろ貿易が殖えるならば、これは國民の得だ、こういうふうな見解を披瀝されたと思いますが、それならば、私は具体的に今度九億五千万ドルを計画されておるところの輸入が、一体日本の経済に対してどのような影響を與えるかということを一つ私は細かく聞いて見たいと思います。四月一日の時事通信の経済版においても、銑鉄の十万トンの輸入は、これは資本家的採算から考えても、鉄鉱石や石炭として入れて貰つた方が随分得である。そうして又補給金の方もそのために減るのだというふうな数字を詳しく出しておつたと思いますが、これは何故わざわざそういう日本の採算を無視して銑鉄を入れるようにしておるのか、この点について第一にお聽きしたいのです。
#186
○國務大臣(稻垣平太郎君) これはいろいろな情勢がありまして、銑鉄にもいろいろな種類もございまするし、原料としてそれだけの銑鉄を確保したいという問題の面もあるのであります。これはどうも大分御質問が、私は安本の方でそういう調査をいたしておると思いますから、安本へお尋ねがよろしいかと思うのでありますけれども、私がお答えいたしますることから申しますと、恐らく鉄鉱石で入れ、或いは粘結炭を入れるということは最もよろしいと思いますが、併しながら同時にこちらから輸出する製品とのバーター関係から、銑鉄を入れるといういわゆるバーター……こちらが輸出したいためにこちらに必要のもの、或いは鉄鉱石を入れた方が利益があるかも知れないが、バーターで入れるという意味もありますし、又銑鉄の種類が特に日本に必要な種類、こういつた場合もありますので、一概にここでただ計算の上からこれを論ずることは私はできないだろうと存ずるのであります。
#187
○中西功君 それでは硝安の輸入についてお聽きしますが、硝安の輸入は昭和二十四年度では三十万トン計画されておるのであります。これは二十二年度の二十四万トンから見れば相当殖えておるわけであります。こういうふうな硝安系統の肥料は、一般のこれを使つておる人々の意見では、必ずしもよくはないというわけであります。硫安の方がいいが、これはいろいろ施肥基準量の細かい数字がありますけれども略しますが、そういうふうな状態で、むしろ硫安を増産して貰つた方がいい、ところが硫安の増産は電力の関係、或いはいろいろの関係で政府は今やろうとしていない。現在硫安の生産能力は百四十万トンあるわけであります。これに電力や或いはそうしたものを供給すればできるわけであります。これなんかもやはりさつき言われたのでありますが、バーター協定とか、或いは何とかということから來る必然のものかどうか、それをお聞きしたいと思います。
#188
○國務大臣(稻垣平太郎君) 中西さんの御質問は大体皆経済安定本部にお聽きになることだと存じますが、私代つてお答えいたします。今の硝安の輸入の問題でありますが、硫安の日本の生産が足りない。それを補うがためにこれは輸入いたしておるのであります。それでは硫安を余計出すようにしたらいいじやないか、百四十万トンという硫安は日本のキャバスティーであるから、それまで出したらいいじやないかというお話であろうと思うのであります。大体昨年度百万トンをちよつと上廻つた程度になつておつたのでありますが、今年は百二十万トンを想定いたしております。これには結局不足しておりますのは、一番の隘路は硫化鉱であります。硫化鉱は先程もちよつと木村君のときにお答えいたしましたように、これは松尾鉱山、或いは岡山縣の柵原鉱山、こういつたところが硫化鉱を主に供給いたしておるところであります。或いは又秋田縣の花岡鉱山、或いは小坂鉱山というような、日本の硫化鉱の供給は到底百四十万トンの計画を達するに足りないのであります。併し硫化鉱の價格を上げるという問題も、これも考えなければならんのであります。只今日本の百二十万トンの生産をするにも、硫化鉱自体を輸入しなければならん、こういう状態になつております。硫化鉱を輸入するがいいか、硝安を輸入するがいいかと、こういう問題になつておるのでありまして、これは一々のケースケースについてお尋ねになりませんと、簡單には私お考えになつては困ると思うのであります。
#189
○中西功君 今私の質問は安本にやらなければならんというお話ですが、私もその部局のそうしたことはよく分りませんが、若しも貿易というもの、又貿易会計や、そうしたものが商工大臣の管轄下にあるならば、私は少なくともどういうものを入れるかということ、或いは又どういうものを國内で生産するかというようなことは、これは商工大臣としても篤と考えて置いて貰わなければいけない。更に硫安の生産計画でありますが、私達に渡された資料によりますと百万トンと書いてある。それで百二十万トンとは書いてないのです。それから私も專門家でないから何もはつきりしたことは言えないと思いますが、硫化鉱をこれも輸入しなくても日本で採れるということが言われておるのです。そういうふうな状態で、私が思うのにはただこれは一例を言つただけで、こういう例はこれは或る特殊な例というふうなものでなく、こういうように沢山ある。或いはこれはある意味で、一般的に日本の現在の輸入の性質であると言えないこともないと思うのです。大きく分ければこういうような性質のものと、それから素通りして行くような回轉基金的な一つの輸入並びに輸出、大体こういうふうに大きく分けてもいいじやないかとさえ私も考えられるのです。そこでこういうふうに二つ分ければ、一つは日本の國内産業と頡頑して行く意味において対立する輸入です。もう一つは棉花でありますが、そういうようなふうに、或いはこれは銑でもそうです。こういうふうなものがもう一辺再輸出のための貿易乃至輸入です。これが非常に多いと思うのです。私が言つておるのはこのような加工貿易的な輸入貿易、更に又入れれば日本の國内産業を圧迫するようなもの、こうしたものをやつて行つては決して日本の自立経済は何もできない、日本のためには一つもならない。私は若しも商工大臣がこのような貿易は日本のためにならないのだということを考えないのだつたら、私は極めておかしいと思うのです。このことによつてもつとこれは沢山の問題がありましようが、考えずに若し今後やつて行かれるとすれば、私は非常な大きな問題が起るだろうと思います。そこで私は最後に貿易問題について結論的に聽きますが、私は貿易には二つのやり方があると思うのです。一つのやり方はこのように日本の國内のものを圧迫するとか、或いは加工貿易的に素通りして行く、こういうふうな貿易を中心にして考えるか、本当に日本の生産計画を立てて、そうしてその生産計画で必要なものを何とかして補おう。要するに貿易が日本の生産に從属するわけであります。現在の日本の政府のやり方は日本の國内の生産がすべて貿易に從属しておるのです。この二つは大きな差があるのです。だからこの二つのやり方のどちらかを採るかによつては、全くやり方が違つて來るのであります。今の特殊な情勢の下でこれ以外にありませんというふうな、そういう無氣力のやり方で、不見識なやり方で行つたならば、私は飛んでもないことになる。貿易問題について特に商工大臣として考えるべき点は、ここに中心問題があると思うのです。それは又いろいろな点で矛盾となつて個々の問題に現れて來ておる。私は最後に、貿易問題についてはこの点の二つのやり方があるのであつて、商工大臣として一体どれを採るつもりであるか、それをはつきりして頂きたいと思います。
#190
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは二つとも採らなければならんと思います。私は度々いろいろの人に聞かれても常に言つておるのでありますが、一体日本を一大加工工業國にするという意味は、今先程中西君の御指摘のような原料を入れ、そうしてこれを加工して労働の加つたものを輸出して行く。こういうことは最も正常な形で一番いいと思います。殊に資源の少ない日本としてはこれが一番いいと、かように考えております。併しながら又一面において日本の生産計画を立てる上におきまして、いわゆる國内の産業で補充できないものの輸入という場合は止むを得ないことだと私は思うのです。ここにそこのバランスをどうするか、ウエートをどちらに置くか、これは考えなければならん。先程も御答弁いたしましたところの硫安の問題につきましても、これは肥料として外國から輸入するよりも、日本で製造する方がいいのであります。又製造する場合に硫化鉱が足りない。硫化鉱は出るとおつしやいましたが、これは甚だ矢礼でありますが、私は長年鉱山で事務をやつておつてよく知つておるのでありますが、硫化鉱は今の現状では出ません。それがために私は松尾鉱山に外資を入れることを一生懸命心配しております。そういう意味で硫化鉱を輸入しなければならん現状になつておりますから、硫化鉱を輸入するよりも肥料の硝安を入れよう。こういうことなのであります。こういつたことで、決して日本の産業を圧迫するために輸入するといつた、そんな馬鹿なことを商工省は考えておりません。日本の必要な原料或いは補助原料を輸入するという建前であります。
#191
○中西功君 そこが問題だ。両方ともやる。そんなことをまだ考えておられるのがおかしいと思う。何も自給自足経済をやれということを言つておりません。貿易の繁栄を欲しておる。問題は今みたいなやり方でやつておるならば、貿易は段々殖えておるようで実は段々細つて行く。これは恐らく今年はつきりすると思う。アメリカの経済に全く頼つておつては自立どころじやなく、完全に隸属である。即ちアメリカの輸入に隸属して、そして沢山棉花を入れ、加工貿易をやつたところが、こういうやり方であつては中國や南洋に賣れないことは明白です。これは政治的の問題も絡みますし、経済的にも問題がある。だから賣れない。ますます日本の貿易は破綻して來る。これはもうはつきりしておる。だからこういう貿易を止めて、このことはどこに根本があるかというと、日本のものを作るとか、或いは足りないものを入れるとかいう技術的の問題でなく、要するに今の態勢からいえば、何とかして儲けようという儲け主義から、これは出ておるのでありまして、外國の物を原料に入れて、それを日本人には一つも着せないで、外國に賣込むような、そういうような仕事のために労働力を注ぎ込んでおる。こういう労働力があれば、これを本当に國内再建のために使えばいい、だから今のような政府が取つておるやり方では、これは完全に近く崩壞する。貿易自体が崩壞する。我我が考えておりますのは、先ず日本の農業を開発し、そして日本の工業を開発し、農業と工業と結合して行く点に重点を置いて、足りないものがあればそれを補う。例えば今度の鉄鋼もそうです。百八十万トン生産されるうち、わざわざ七十万トン輸出する。この輸出ということはいろいろの仕事のためでしようが、さつき木村さんが指摘されましたように、生産性は上つても、價格調整費が大きくなる。これはもつて詳しい資料でいつか質問したいと思いますが、生産性は上つても、このような輸出計画を立てておるからこそ補給金はますます殖えるのです。殖やさなければやつていけない。こういうように同じ鉄鋼を殖やすにしても、國内産業には百何十万トン生産されても殆んど使われていないのです。皆貿易関連産業や或いは輸出のため、或いはその他の特殊の用途のために使われておる。日本の國内産業に必要な鉄は段々少くなつておる。こんな貿易をやつて行けばやつて行く程、日本の生産は廃れて行くだけじやないか、貿易自体も布は破綻するとこう思うのです。これは見解の相違ということにもなりましようが、若しこういうふうな方法でやつて行かれるならば、崩壞すると思いますが、そこに根本があるのです。何も日本で生産した方がいいとかどうとかというふうなことでないのです。私は日本のために、特に日本の働いている人々のために、衣料や食糧やそうしたものを生産するという点に全中心を置くこと、そのことが逆に貿易の繁栄になるのだ、どんどんこれから貿易が繁栄いたします。そういうことを私は考えているのでありますが、まあこれはこれで打切つて置きます。
#192
○西郷吉之助君 本日はこのくらいにして次回に讓られることを希望いたします。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#193
○理事(飯田精太郎君) 本日はこれにて散会いたします。明後日は十時から公聽会を開きますから、御出席願います。
   午後四時三十一分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           内村 清次君
           油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           田村 文吉君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員
           岩崎正三郎君
           波多野 鼎君
           山下 義信君
           岡田喜久治君
           小串 清一君
           西川 昌夫君
           西川甚五郎君
           一松 政二君
           深水 六郎君
          尾形六郎兵衞君
           鬼丸 義齊君
           櫻内 辰郎君
           高橋  啓君
           西郷吉之助君
           新谷寅三郎君
           高橋龍太郎君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           松村眞一郎君
           池田 恒雄君
           小川 友三君
  國務大臣
   大 藏 大 臣 池田 勇人君
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
   建 設 大 臣 益谷 秀次君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   総理廳事務官
   (経済安定財政
   金融局長)   内田 常雄君
   大藏政務次官  田口政五郎君
   大藏事務官
   (大藏大臣官房
   次長)     河野 通一君
   大藏事務官
   (主計局次長) 阪田 泰二君
   農林政務次官 池田宇右衞門君
   建設政務次官  赤木 正雄君
ソース: 国立国会図書館
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