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1949/04/14 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第12号
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1949/04/14 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 予算委員会 第12号

#1
第005回国会 予算委員会 第12号
昭和二十四年四月十四日(木曜日)
   午後二時四十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○昭和二十四年度一般会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度特別会計予算(内閣
 送付)
○昭和二十四年度政府関係機関予算
 (内閣送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(黒川武雄君) 開会いたします。商工大臣に対する質問を始めます。
#3
○飯田精太郎君 商工大臣に、電力の問題に関して二、三お伺いしたいと思います。先だつてこの委員会で、油井委員から電源の開発について御質問がありました。大臣から御答弁があつたので、内容は承知したのでありますが、それに補足しまして、もう少し伺つて置きたい、この電源開発に関しましては、幣原内閣、片山内閣等で、非常に大きく取上げておられたのでありますが、その後どうも掛声ばかりで、一向実現されずに今日に至つておるのであります。先日のお話では、今年は三十五万五千キロばかり開発するというようなお話であつたのでありますが、恐らくこれは私の想像しますところでは、前年度以來継続しておるものが順次でき上るのと、それから補修工事によつて殖える電力、それらをかき集めて、この数量になるのだと思うのであります。私が心配いたしますのは、明年度以後の電力の需給であります。今年は幸い冬が非常に暖かつたために、電力の方の順調に切拔けられたようであります。例年でありますと、この二月頃の渇水期には、非常な電力飢饉に見舞われるであろうというふうに心配しておつたのであります。幸い今年はそういうことがなくて済んだということは幸いなことだつたと思います。ただ明年以後、それがどうなるか、電力の補修工事とか、或いは今まで中止しておつたものを継続してやつて來たなら、大体今年度で一應片が付くのじやないか、そうすると明年度完成するものは殆んどないのじやないかと思われます。御承知のように、電源開発は、幾ら開発しても、二年や三年は掛かるのであります。今年相当数新らしい地点の開発に着手して置きませんと、二年、三年後は、非常な電力飢饉で困るのではないかと思うのであります。明年以後の計画についてお伺いしたいと思います。
#4
○國務大臣(稻垣平太郎君) 御質問の点は、今電力局長が参つておりますから、数字的なことを……
#5
○政府委員(玉置敬三君) 御質問の点でございますが、御承知のように、現在安定本部におきまして、五ケ年計画を立てております。丁度最初は、二十三年から出発すべく構想を持つておつたのでありますが、いろいろな情勢上、電力に関しましては、一年ずれたというようなことに結果的になつたわけであります。その間の計画の概要を申上げますと、今後の開発は主として水力の開発に重点を置く、特にダム式等に重点を置いて進めたいと思つております。五ケ年後の大体二十八年度におきましては、現在私共が一應の案として持つておりますところでは、やはり水力におきまして百十五万キロワツト、火力におきまして、これは拡充の分と補修の分、その他を入れまして、大体四十六万ぐらいの増強を計画しております。これが大体二十八年度におきます目標数字なんであります。これによりましても、大体需要面を考えますと、現在のような需給調整は徐々に緩和されて行くものと考えまするが、やつと二十八年度におきまして、大体三百九十五億キロワツト・アワーの需要を賄い得ると、こういうことで、まあその当時の予定しました情勢でありますと、過不足が余りないというような状況に相成るのでありまして、その間におきましては、やはり或程度の供給不足、キロワツト・アワーに対しまして供給不足が出るわけであります。又渇水期におきまする尖頭、いわゆるピークにおきましても、二十八年度におきましては、やはりピークとしますと、四十万キロワツトぐらいの不足を來たすと、こういう状況に計算上相成るのであります。これらの策定に当りましては、あらゆる日本の産業構造、國際收支の見通しというような状況から、又一面におきましては日本の工事能力、その他の点も勘案いたしまして、この程度になるのであります。いろいろ産業の進み方としますれば、いわゆる石炭につきましても、第一の取扱をしなければならんと同樣に、電力につきましても、資材、資金というものは、これは重点的に考えて行きたいと、特に現在は御承知のように、非常に設備資金に対しまして、この資金の状況というものは、非常にきつく相成りました。この間におきましても、電力に対しては、我々としますれば、でき得る限り優先的な取扱をして行くように、あらゆる方面とも交渉を進めております。
#6
○飯田精太郎君 本年度の三百五十二億五千キロというのは、先程私が申しましたような内容でありますか、新規開発に今年着手されるのはどのくらいですか。
#7
○政府委員(玉置敬三君) その点はちよつと、百三十万というものは、恐らく火力を含めてのお話だろうと思います。私共只今申上げました計画におきましては、火力におきましては大体今年度は昨年度に比較いたしまして、約火力が二十万キロぐらい、二十四年度で増強を図るということを考えております。水力につきましては、多少只今の数字とはちよつと違うように考えますが、大体水、火力合せまして、拡充、補修、その他を合せましてのお話かと存じますが。
#8
○飯田精太郎君 それで二十八年度のお話を今伺つたのでありますが、私が心配いたしましたのは、明年度、明後年度の需給関係です。
#9
○政府委員(玉置敬三君) 明年度私共は、大体昭和二十五年度におきましては、三百四十八億キロワツト・アワーの需要を大体想定しております。勿論この需要は野放し需要と違いまして、或る程度の消費規正をするというのが前提でございまして、これに対しまして、只今申上げました計画が順調に進みますれば、大体三百三十八億キロワツト・アワーの供給が可能であるということで、需要に対しまして、供給の差額を考えますと、約九億四千万キロワツト・アワーくらいの不足を生ずるというような、一應の計算になつておるわけでありますが、これらの点につきましては、やはり需給調整というものを、今後も或る程度続けて行くという前提にならざるを得ないと思います。
#10
○飯田精太郎君 電力と電力量とごちやごちやになつているようでありますが、今年新規に何か着手するのがどのくらい、明年、明後年に完成するのがどのくらいあるのかということを出力で伺いたい。
#11
○政府委員(豐島嘉造君) それでは初めに水力発電所について申上げます。本年着手いたしますために目下司令部に申請中のものが三十一ケ地点、これが五十二万五千キロワツト・アワーその外に若し資金的に許されるならば、もう十二ケ地点ばかり着手いたしまして、それが十二万キロばかりでありますが、それを着手いたしたいと、そういうふうに考えております。それを若しその計画が進みますならば、二十四年度は事業用といたしまして水力発電所が三万三千キロ……
#12
○國務大臣(稻垣平太郎君) 数字は後程資料として差上げます。
#13
○飯田精太郎君 細かい数字は資料としてお出し願いたいと思います。これまで各内閣で電力電源の開発に対して非常に大きな構想を持つておられたようでありますが、例えば只見川の総合開発というようなことの非常に大きな電力の開発を計画しておられたでありますが、只今のところはそういう計画について、何か御着手になるお考えがあるのでございますか。
#14
○政府委員(玉置敬三君) 勿論計画としてはいろいろ持つておるのでありまするが、現在の資金状況から考えますと、でき得る限り短期完成のもの、或いは現在工事進行中のものというようなものに優先的に工事の資金の割当て、その他がなつて來るということに考えられまするので、我々としますると、只今御指摘の只見川その他の総合開発、大きな開発等は考えておりまするが、完成その他の時期につきましては、資金、資材、その他の見通しから見て、順位から見ると多少遅れるということになると思います。
#15
○飯田精太郎君 今後の電源の開発に対してどこにやらせるかというようなことが大分問題になつておるようでありますが、勿論これは電氣事業再編成の問題と絡まつていることと思うのであります。日本発送電に全部をおやらせになるのか、或いは外の方にも開発させるおつもりであるか、その辺のことを一つ……
#16
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の問題でありますが、これは無論この電氣事業全般の機構改革にも影響があることでありまするが、大体現在において、日発にもやらせますが、同時に自家発電についてもこれを考えていいと私は考えておるのであります。或いは又全然この電氣事業者ができないで、國がこれを先ず拵えて、そうしてあとでその電氣事業者に渡すということも考えていいのではないかと、かように考えております。
#17
○飯田精太郎君 次にお伺いしたいのは、電氣事業の再編成の問題であります。先に政府は商工省内に電氣事業民主化委員会というものを設けられて、その委員会で答申が出ておると思います。その答申によつて近く法案化して國会に出そうというお話であつたのでありますが、その後どういうことになつておりますか、この國会にお出しになるのかならんのか、この再編成問題は早く解決しませんと、いろいろ電氣事業の進展上支障が多いことと思います。どういう経過をとつておりますか、今後どうなさるつもりであるか、その点をお伺いしたい。
#18
○國務大臣(稻垣平太郎君) 御指摘のように、電氣事業民主化委員会におきまする一應の答申は出ております。これに基いて我々の方も考えて行かなければならんのでありますが、又これと同時に一面御承知のいわゆる電氣会社が、旧來の電氣会社が持つておりました外債に絡んだ問題もありまするし、同時に又電氣事業に対する民間外資の導入という問題も実は私は考慮いたしたいというようなことを考えておりまするので、もう少し檢討をいたして見たいと存じておるのであります。從つて今議会にこれに対する法案を提出することはできないだろうと考えております。
#19
○飯田精太郎君 何か民主化委員に代るような委員会でも又お作りになつて研究でもなさるおつもりなんですか、或いはただ商工省だけでお纒めになるおつもりでしようか。
#20
○國務大臣(稻垣平太郎君) 只今のところ別にこれに代る委員会を作ろうということを考えてはおりません。併しながら先程申上げましたように、從來の外資と、或いは新らしく外資を入れると、そういつたようなことと関連して、必要がある場合には御指摘のような委員会を作ることも、或いは必要かと存ずるのでありますが、只今においては、さようなことは考えておりません。
#21
○飯田精太郎君 もう一つお伺いしたいのですが、電力料金の値上げの問題であります。電力料金の値上げは今回はやらないというようなふうに伺つたのでありますが、ところが、関係の会社も大部赤字で苦しんでおるような状態である、これに対して政府は何か補給でもなさるおつもりなのか。
#22
○國務大臣(稻垣平太郎君) 電力料金の問題でありますが、一應電力料金の値上げはやらんというように伝えられておるようでありますが、実は商工省といたしましては補修その他の費用を是非とも見込みたいというような考えで今尚実は折衝を継続しておるというだけ申上げさして頂きたいと思います。
#23
○小川友三君 緊急動議……。質疑が一人で十五分ぐらいにしましてどんどんやりたいと思いますが、すでに予算は衆議院の質疑を終つたそうですから一人で長くても十五分で如何でしよう。皆さんにお諮りいたしまして……皆さん質問が沢山あるのでありますから。
#24
○委員長(黒川武雄君) 小川委員に申上げます。その件は委員長に御一任願いたいと思います。
#25
○栗山良夫君 今日安定本部の長官はお見えになりますか。
#26
○委員長(黒川武雄君) 後ち程見えられます。
#27
○栗山良夫君 両方関係がありますので、安定本部の長官がお見えになつてから申上げたいのですが、これと関係のない点をお願いいたします。
 先程飯田委員からも電力の料金のお話がありましたが、御承知のように電力料金は國の決定であり、而もその原價計算は極めてシヴイヤーな形において行われておりまして、余り余裕のない状態にあるように私共は承知いたしておりますが最近伝えられるところによりますと、一昨年電氣の使用税に対していろいろ國会でも取上げて問題になつたことがございますが、一部の府縣で実施したために全國的に地方税として附設をせられた例があります。併し地方の財源が枯渇して参りますので最近又々違つた形で地方税の転嫁が行われて來ております。例えば例を申上げますと、北海道の上川村の特殊法人施設税というものがありまして、これは発電電力量一万キロワツト・アワーについて百二十円、年間約二百万円の地方税を課するというのであります。又富山縣の発送電事業では発電電力量一キロワツト・アワー一銭、年間約三千四百万円の税を取りたいというような予定のようです。又更に驚くべきことは中央で計画されております地方税法の改正の中で、販賣電力料金の百分の三年間約八億一千万円の税金を課したいというような御計画があるように承つておる。電力料金が先程商工大臣がおつしやいましたようになかなか合理的な決定ができない。種々の情勢で困難を極めておると、こういう工合におつしやつた半面におきまして、電力料金の裾を拂うようなこういう地方公課の問題、その他がどしどしと引上げられつつある情勢なのでありまして、若し一ケ所でこれが実現を見ますならば電氣消費税の例もございます通りに全國的に必ずや私は直ちに蔓延して行くと思うのであります。この前の電氣消費税の問題がありました時に、当時の商工当局は大藏省並びに内務省が主管してやつておられまして、殆んど御存知なかつたように私は承つております。從つて今度こういうような考え方のあることについて商工省として十分御承知になつておるのかどうか、又御承知になつておるとするならば、大藏省或いはその他に対してどういうような動きをされようとしておるのか、その点を承りたいと思います。
#28
○政府委員(玉置敬三君) お話の通り電氣事業に対する地方税につきましていろいろ地方によつてまちまちな動きもあるようであります。それで今回もいろいろ地方税の改正についてあるのでありますが、電氣事業が極めて收支内容が苦しい状況にありますので、私関係部局との協議その他におきましては、若し税金その他を課する場合において、現在地方税として考えられておる案の内容に対しましては、電氣料金が改訂されて、それを負担し得るというふうに電氣料金が改訂されるという時に、地方税としてそれが動き出す、こういうふうに考慮いたしまして、現在のままで地方税がどしどしと掛けられるいうことは、電氣事業の負担に堪え得ない面が多々ありまするので、料金改訂の一環のものとしてそれを考えた上地方税を掛ける、こういう申合せになつておる次第でございます。
#29
○栗山良夫君 そうしますと、こういう工合に解してよろしうございますか、今度の次の料金更改の時期に若しこういうような地方税を徴收するとすれば、その額を織込んで、そうしてそれができ上つてからでなければ商工省として承知をしない、こういう意味に解してよろしうございますか。
#30
○政府委員(玉置敬三君) 商工省といたしましてはそういうふうに了解しております。
#31
○栗山良夫君 それから同じような問題でありますが、今普通國民から電氣使用者が非常に非難を浴びております。電氣使用の超過料金でありますが、これは今度の予算にも十何億載つておると思いますが、こういうものは廃止して然るべきである。そうして若しこういうものを取るならば、その金で電氣の料金を合理化すべきであるというような声が非常に強いのでありますが、この点に使用超過料金に対する存廃の氣持、或いはその他お考えがありましたらば伺いたいと思います。
#32
○政府委員(玉置敬三君) 超過料金の問題でございますが、これは電力需給調整に伴いまして需給の規律を維持するというために止むを得ずとつておる処置でありまして、超過料金が一刻も早くやらないでもいいという状況に持つて行くのが本來の姿であろうと考えております。併し現在の需給の状況が遺憾ながらまだこれを撤廃するという時期になつておりませんので、超過料金の問題につきまして存続をすることも止むを得ないと考えております。但し現実の状況を見ますると、いろいろ需給の割当その他につきましてはまだ我々としましても改善の余地も相当あろうかと思います。又現に我々がそう認めたものにつきましてはどしどし改善を行なつておる考えでございまして、これらの問題を改善すると同時に超過料金につきましては現状を続けて行くのも甚だ本意ではないのでありますが、止むを得ざる全般の規律を維持するという観点からやつております。
#33
○栗山良夫君 大体了承いたしましたが、特に希望を申上げて置きますのは、先程の電氣地方税の問題でありますが、手遅れになりませんように電氣行政を最も高度に主管されておる商工省電力局として関係各省に早速御連絡をされまして、この前と同じようなミスが再び行われないように御努力を願いたいと思います。
 それから商工大臣に次の問題で伺いたいと思います。実は十二月の下旬から三月の初めに掛けまして静岡縣、愛知縣の貿易産業の視察に商工委員会の委員として参つたのであります。その視察の場合に両縣の貿易関係の業者、或いは工場の一致しました意見は、海外の事情が極めて不案内であつて、今後の貿易発展のために少からざる不安を覚えておる、こういうことが力説せられたのであります。そうしてでき得べくんば政府の努力によりまして業界の代表なり或いは政府の代表なり海外へ一刻も早く派遣せられまして、そうして眞の貿易振興の実を上げるように努力して呉れ、こういう話が痛切にあつたのであります。私その後帰りましていろいろと資料を整えてあるのであります。まだ不完備でございますけれども一部の例を挙げますと、例えば陶器製品など見ますとFOB價格で二十四ドルのものが小賣價格九十五ドル、約四倍で賣られております。又貿易廳の調査になるものでありますが、写眞機でも最高はルピツクスのものが五・二五ドルのものがアメリカ價格では三十九ドル五十、七・五二倍になつております。一番安い写眞機でもマミヤシェツクスというので倍率二・七二倍、それから機械類でもミシンにしますと四・四五倍、双眼鏡にしましても十六ドルのものが六十ドル、三・七五倍、ラジオはいろいろと種類があるようでありますが、四球の受信機でバンコツク、カルカツタ方面へ行つておりますものでも約三・九倍から四・三五倍、こういうような状態になつております。又電話器にいたしましても、一包六十セットになつておりますが、そういうものでもいろいろ内容がありますが、二・六二倍から最高三・三〇倍、こういうような状態になつておるように承知するものでありますが、まあ種々な輸送船賃或いは保險料その他いろいろ手數料がありまして、相当不利益な貿易に甘んじなければならないことは止むを得ないとしましても、少くとも國として一定の標準というようなものが海外市場と睨み合せて出ませんと、貿易の眞の振興にはならない、こういう工合に私は考えるのでありますが、この点について貿易産業者に直接利害関係を持ちますると同時に、延いては國民全体にも影響のあることでありますが、商工大臣としてどういうお考えをお持ちになつておるのが、この点を承わりたい。
#34
○國務大臣(稻垣平太郎君) 栗山さんの御意見に全く同感であります。実際問題といたしましてバイヤーを通じての取引の間に我々に非常な不利益な立場に置かれておる、こういうような問題があることは十分承知いたしております。今例を挙げられましたものにつきましても、そのうちの或るものにつきましては私共も直接聽いておることもあります。これは一つには先程御指摘に相成りましたように海外市場というものが全然我々に分らない、暗いのだ、こういうことであろうと思うのであります。この海外の市場が分らないということの面は、賣價の問題のみでなくして、又向うの嗜好の問題につきましても、又規格の問題につきましても我々は迷惑を蒙ることが多いのであります。そういう意味におきましてできるだけ、一つ海外に人を出して、そうして情勢をはつきり掴みたい、こういつた意味で先程もちよつと申しました、専門調査員を南米なんかに派遣いたしておるのもそういうようなわけ合でございまして、先般もパキスタンの方に人を派遣した、インドに派遣したということでありますが、今後にもできるだけ一つ專門調査員を派遣いたしたい。今日の情勢でありまするから、いわゆる通商の関係者を向うへ常住さすとか、或いは日本の商社の支店を向うへ設ける、或いは日本の商社の出張員を向うへ置くということはまだできる段階にはないと思うのでありますが、せめて專門調査員を向うへ送つて、本当の先方の嗜好、規格について十分な研究をすることは必要であろうと存じております。又同時に向うで展示会というようなものを開かしたいというように考えておりまして、そういうことについては機会ある毎に向うとの間に折衝を重ねておる次第であります。今後とも一つ突き進んでこういう点については努力いたしたいと存じております。
#35
○栗山良夫君 今ので大体了承いたしましたが、非常に困難な問題でありますので、今、日にちを切つていつからというわけには参らんでありますけれども、もう一つはただ日本人が海外へ出まして、海外の事情を調査するというだけではなかなか実効が挙らないのでありまして、只今國内に來ておられますバイヤーの人々が相当独占的な形のものがあるのではないかと私は想像するのでありますが、もう少し廣い分野で、例えばインドで申しまするならばインドから大勢のバイヤーの方が來てそうして方々の工場でいろいろな物を買付けて頂く、そういうようなことになりませんとなかなかうまく行かないのではないかと思いますが、そういう方面の見通しについて関係筋との御交渉の結果はどういう工合に相成つておりますか。
#36
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私が先程どなたの御質問であつたか、お答えしたときにちよつと申上げましたが、今のレートを机上で計算するというと五三%が輸出可能であるが残額はできない、併し実際問題としてはできる部面もあるということを私が申上げましたのは、実はその間の消息が多少入つておるのでありまして、できるだけいわゆるバイヤーを競爭さすということはおかしな話でありますが、そういう政策を是非とつて行きたい、そういたしますというと実は私は値上げができるのじやないかということを考えるのであります。現に或る一部の例におきましては、実はそういうバイヤーを競爭さすという関係から二ドル、三ドル値上げした部面の物があります。私はそういうことが十分できると思いますので、栗山さんの今の御注意は誠に結構な御注意がありまして、そういう方面にも努力いたしたいと思つております。
#37
○池田恒雄君 一つ商工大臣に、先刻の企業整備に関する方針と申しますか、そういつたことをちよつと御説明願いたいと思います。
#38
○國務大臣(稻垣平太郎君) 企業整備というような考え方でなくて、いわゆるできるだけ集中生産方式を採つて行く、これは繊維ばかりではありません、その他の品物につきましても、輸出の面から考えまして、コストが安くてそうしていい品物が出るように集中生産方式を採つて行きたいと考えておるのであります。これはその品種、業種によつていろいろ方式を変えておるのでありますが、予約注文の制度を採る関係もあります。或いは環流クーポンによつて需要者をして注文主をしていわゆるみずから欲するものを決めさす。こういつたような方式も考えております。いわゆる政府の方からこれをお前とお前はやめろ、そういつたようないわゆる戰爭中にあつたような方式は採りたいないと考えておるのであります。大体において環流クーポン式によつて注文者をして選択せしめる、こういつたような形を採りたいと思つております。
#39
○池田恒雄君 まあ戰爭中における企業整備というような形で、誰はやめさす、誰はやめさせんというふうにやらなくとも、経営の集中方式を採りますと、自然に相当参つて來る業者もあると思うのでありますが、そうするとああいうものというのは何か大きいみたいな小さいみたいな商賣ですが、これは相当いろいろ問題を含むのじやないかと思うのです。それに対して何らかの対策を必要とするのじやないかと思います。これはどうなりますか。
#40
○國務大臣(稻垣平太郎君) これは集中生産方式をとるということは、これはコストを安くするという上において、当然必要なことでありまして、この方式をとることが、日本の経済界のためにも、私は結構なことだと思うのであります。ただこれがために、それではそれによりを掛ける人が出る、これをどうするか、こういう問題であると存ずるのでありますが、併しながらこれは一度にこれがよすわけではありませんで、この人たちも、或いは小さいところの人たちが集つて、今度いずれ近いうちに法案を出すことになつておりますけれども、中小企業協同組合法案が出ることになつているのです。いずれ一両日に御審議願えることになろうと思いますが、そういつたことによつて、基礎を強固にされる、そうして資材の面でも、或いは融資の面でも強固な基礎をもつて行かれる、そうして製品のコストを安くさせる、こういつた形で十分成立つて行くのじやないか、又そういうふうに中小企業廳といたしましても指導して行きたい、かように考えているのであります。
#41
○池田恒雄君 集中方式をとつて見ると、能率が高まるということは、法則としてうなずかれるわけでありますが、だからまあ結構なわけですが、もう一つここで問題になるのは、そういう一つの能率的な方言に対立して、進行する一つの力というものが働いているのじやないかと思います。と言うのはどういうことかというと、つまり失業者とか何とかいうものが沢山出ますと、これは必要にそういうものが能率の低い生産を以て、むしろ能率の高い生産に対抗して行くのじやないかと思うのです。だからそうやすやすと能率の高いやり方がうまく行くかどうか、これは非常に疑問だと思うのです。
#42
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私ちよつと御意見が分りかねるのですが、とにかく現在の資材の関連から見まして、又或る工場が百のものが、実際は五十しか働いていない、四十しか働いていない、集中生産方式で六十働く、或いは七十働くというために、コストが安くなることは当然考えられることだと思うのであります。これが能率の惡いものと対立されるというお話でありますが、能率の惡い工場は、結局仮に注文者の選定に任すということになりますれば、注文者は安くてそうして品物のいいところへ、どうしても注文するということになりまして、これはもう経済的の考えから行きますれば、自然そこへ結着して行くのではないかと、私は考えているのであります。ただ社会問題としての面では別でありますけれども、商工省の立場として、これは経済的に考えれば、やつぱりそこへ、能率のいいところへ、注文が集つて行くと、私は考えております。
#43
○池田恒雄君 一應能率のいいところへ、仕事が集つて行くと申しますと、從つて能率の惡いところは仕事がなくなるわけですね、併し能率の惡くて、仕事がなくなつたために、ただ遊んでおるわけにいかん、何かしなければならん、こういうことが、私は問題になるのじやないかと思います。
#44
○國務大臣(稻垣平太郎君) そういう意味で、そういうようなところでは、先程申しましたように、中小企業協同組合法案なんかが出ますが、要するに組合でも作つて、そうして能率を上げて行く、そういう方式をとるように、又我々の方も指導して行きたい、かように存じております。
#45
○池田恒雄君 その協同組合というものは流行でございまするが、一体商業部門で協同組合という可能性があるのですか、これはちよつと疑問だと思いますが、協同組合の目的というものは、少くともその部門において、相当活溌に動くためにやつて行くものですが、これは農業なんかじや相当の可能性を持つてやつている、ところが商工業の協同組合の場合は、これは協同組合というより、同業組合という性格が強くなつて行くのじやないかと思います。今までの例はそうであつて活溌に、動かして行くというよりか、抑制的な方がそういう團体に働かれるのじやないかと思う、だからそれによつて潰れる小さいやつを助けて行くという形には、ならないのじやないかと思います。とにかく潰れて行く人たちが、遊んでおれないというところにいろいろなここに社会問題というだけでなく、その企業そのものに問題があるのじやないかと思うのでありますが……
#46
○國務大臣(稻垣平太郎君) 社会問題を別にいたしまして、結局そういう人たちは、これはまあ成る程度、或いは或る期間の間存続して行くかも知れませんけれども、実際に注文も集つて來ないであろうと思いますし、初めの中はダンピングで、安い原價で損をしてやつては、長くは続いて行かんということになるのでありますから、経済的に申しますならば、それではこれは存続して行かないのじやないか、それから今協同組合と申しましたが、工業の協同組合、例えば一台の機械で何かやつておられるのが、これを二台集める、或いは三台一緒に集める、こういつた協同組合組織にして、能率が上がるということは、私はでき得ると思うのであります。從つて協同組合的な方式が、その人たちの役に立たない、これが抑制する形になるのだという考え方は、必ずしも御同意できないと思うのであります。
#47
○池田恒雄君 尚これは、この辺でいいとしまして、分科会で後でお聽きしたいと思うのですが、これは繊維だけでなく、他の問題についても知りたいのですが、余り細かくなりますから、特に繊維についてお述べするのですが、これについての業界の資料を出して頂きたいと思う、細かく出して頂きたい。
#48
○國務大臣(稻垣平太郎君) 業界ということは、どういう意味ですか。
#49
○池田恒雄君 繊維業界の経営の状態とか、そういうものです。
#50
○國務大臣(稻垣平太郎君) どういう企業だという、ことですか。
#51
○池田恒雄君 企業の現在の有様……
#52
○國務大臣(稻垣平太郎君) 何人の工員を使つて、どういうことをしておるという……
#53
○池田恒雄君 それを分科会で細かくやりたいと思います。それからもう一つ、アルコール專賣事業についてちよつと伺つておきたい。アルコール專賣事業は、昨年より一層大きくなつておりません、ところでこれは私は昨年アルコール專賣事業について、分科会で比較的詳しく話を伺つておつたのですが、予定通りの收入がなかつたという話でした。その理由は原料の甘藷の買入れが能率的でなかつた、それから石炭の配給が十分でなかつた、こんなわけでアルコール專賣事業は予算通り行かなかつた、こういう話をお伺いしたのでありますが、私は石炭の方のことはどういうことになりますか分りませんが、このことは今年度の事業について一つの見通しをお伺いしたい、もう一つ原料の問題ですが、私は原料は大臣を恐らく御存じと思うが、昨年度は腐つて困つた、私はあれは何とかしなければならん、食糧として余るならばこれはアルコール原料として買取るとか、何とかしなければならん、これは政府が作らしておる甘藷ですから、政府が当然買取つて何とかしなければならんと思います。もう一つ、昨年度最も邪魔にされた甘藷があるのですが、それは茨城一号が一番、その次に沖繩百号、その次にチヤボという品種です。戰爭中の花形品種が、昨年非常に邪魔された、ところが、これらの甘藷というものは、專ら戰爭中食糧として品種が改良され、食糧として生産されておつたのではない、悉くこれはアルコール原料、無水アルコールの原料として生産が奬励されたので、決して食糧にはなつていなかつた、でありますから、昨年あたり少し食糧が充足して來ると、虐待されるのは当然のことです。こういうものはもともとアルコール原料として農村で栽培されておつたのですから、それを救済する途はやはりアルコールならアルコール、食糧で要らなかつたらアルコール、そうして買取るべきものではないかと思います。そういう観点に立つならば、原料が少ないから、アルコール專賣事業がうまく行かなかつたというような理窟にはならないのです。問題は原料は沢山ある、腐つておる、ただその集買方法がまずいからということになるのじやないか、むしろこれは商工省側の集買の仕方に問題があつて、そうして折角の藷を腐らして、而もアルコール專賣事業は予算通り行かなかつた、五十億か、或いは百億くらい儲かるかも知らんものを、それが三十億くらいしか入らないというような結果になつているのであります。この点について私は先程農林大臣も見えておりましたから、農林大臣と商工大臣で共同責任で何とか考えるべきものだとこう考えておつたので、実は今日質問する氣になつたのであります。これに対して私は商工大臣としましてどう考えておるか、どういう対策を持たれるかということをお伺いしたいと思うのです。
#54
○國務大臣(稻垣平太郎君) アルコール事業のことのそういつた原料関係、その他については私ちよつと只今承知いたしておりませんので、十分取調べましてお答えいたします。
#55
○小川友三君 この機会に商工行政に関する範囲で商工大臣にお伺いいたします。中小企業に対しまして、中小企業廳ができまして、大体昨年この企業廳を設置するときに、七十億程度貸したいという予定でございましたが、貸付状況を企業廳へ行つて調べて見ますと、十億前後しかまだ貸付けしておりません。それで貸付申込は相当にありますが、なかなかスローモーシヨンで以て能率的でないという状況で貸付が行われる量が非常に貧弱でありまして、中小企業者が非常に困つておりますので、特に実業界出身の商工大臣でいらつしやいますから、実業家が資金がずれた場合に非常に窮地に陷つて、高率の利息を拂つて経営するという窮状にありますので、この点に対して商工大臣が早く貸付けてやる。早く調査してやるということを中小企業者救済のために御盡力を願いたいと思いますが、商工大臣の御高見を拜聽いたしたいと思つております。それが一つ。
 もう一つ貿易という問題ですが、貿易基金の問題は、これが五十億増資しましたが、大きな貿易をしますのに、五十億くらいの金を増資したところで、これは大した貿易資金にならない、かように思いますので、貿易事業の振興が吉田内閣の第一生命でもありますので、もう少し積極的な御政策を商工大臣がお立て下さいまして、大いに貿易に努力して貰いたい、かように思いますが、商工大臣はどういつた御立案を、腹案をお持ちでございますか、この点につきましてお伺いいたします。
#56
○國務大臣(稻垣平太郎君) 中小企業の金融の問題でありますが、これは中小企業廳がいろいろお世話をいたしておることは今小川さんの御指摘の通りであります。いろいろお世話しておりますが、ただ中小企業者はこの帳簿、経理面がはつきりいたしておらない、こういつた点であるとか、或いは又適当な担保がない、或いは担保にしてもはつきりそれが経理面の上に現われていない、帳簿の上に現われていない、こういつたようなことで銀行に貸付を、融資を依頼して、銀行も貸してやる、こういつたことになつて來て、さて一体保証には何を出す、担保には何を出す、こうなると実際帳簿の上においてはつきりしていない、帳簿の数字と実際の担保に開きがある、こういつたようなことが非常に障害をして、実は融資の時期が遅れるというようなことがある、そういうようなことのないように中小企業廳の指導局でも一つできるだけ中小企業者には帳面のつけ方はこうありたいとか、或いはこういつたようなことで銀行融資を頼むときには担保物件についてはこうしたらいいというようなことの指導まで合せて実は行つていることを一つ御了承を願いたいと思うのであります。それから今の貿易資金のことでありますが、今度政府出資を四百億頂くことになつておりますので、これによつてその御指導もできるとかように考えております。
#57
○木村禧八郎君 價格調整費についてお尋ねしたいのですが、この前、商工大臣に價格調整費が多過ぎやしないか、節約の余地がないかということをお伺いいたしましたときに、最初は商工省として千三百億要求したが、今度の予算では安定帶物資に千二十二億やつておる、その程度は必要ではないか、こういう御答弁でしたが、昨日大藏大臣にこの点についてお伺いしたところが、大藏大臣は相当節約の余地があるんじやないか、そういう御答弁でありましたが、商工大臣はこれについてどういうふうに思いますか。
#58
○國務大臣(稻垣平太郎君) これはまあ立場々々でいろいろ違うと思うのです。例えば今度私共の方で千三百億要るのに千億しかなかつた、その中で例えば仮に一、二の例を申上げますというと、ボーキサイトの輸入については全然補給金を外されてしまつた、こういう実情なんです。そうすると恐らく日本でアルミニユーム工業は起きないと私は思います。價格を上げん以上は……ところが價格を上げることもできん、こういうことで今苦心をいたしております。そういつたような意味でこの價格差補給金の問題について、又輸入の補給金につきましてもなかなか一律に一つ一つの品種に当つて見ますと問題が起るのです。今のアルミニユームの例なんかボーキサイトの輸入の補給金を外される、それから價格差の補給金も外す。又コストもそのままにすると、こういう形で行こうというのでありますが、ところが今度それで行きまするというと、恐らく從來の消費者價格よりも大体三割、或いは三割以上上げなければ合つて行かないと、こういうことになるのであります。そういつたようなものを外そうと、こういう話になつてあれは外されて來ておるのであります。それでどうしても價格を上げて貰わなければならんと、こういうことを今話しておるようなわけであります。私は價格差補給金なり、輸入補給金なりというものは、これは外す方がいい、原則論としては外すことを賛成であります。併しそれにはやはり價格を今日の現状においてコストとペイするだけの、コストばかりじやありません、償却も考えて行かなければならん、補修費も考えなければならん、それから資本の蓄積をする利潤も考えなければならん、それをカヴアするだけの價格を上げて貰えるならば、價格差補給金全廃すべしと、これは私の持論であります。ところがそれが行かないので、ああいつたようなところに落着いていると、こういうこととお考えを願いたいと思うのであります。
#59
○木村禧八郎君 その点は商工大臣の御答弁では、ちよつと対象が違つていると思うのですが、商工大臣の御意見では、若しか石炭とか、銑鉄その他現在今度の予算で補給金を出すことになつた安定帶物資においてもつと節約の余地があるのじやないかと、こういう質問に対して節約の余地があるように思うという答弁なんですか、若しかそれが節約された場合、商工大臣としてはそれが節約されれば、今度補助金を打切られたものに対して價格を上げなければならん、そつちの方へその補助金を向けるべきであるから節約の余地がないのだと、そういう答弁なんですか。
#60
○國務大臣(稻垣平太郎君) 現在の、つまり補助金を支給しているものについても尚或いは打切るべきじやないかと、こういうお話だつたと思うのでありますが、これは実際の我々の考えから言えば、実を言うと、もう少し補給金を出して貰いたいと思つても、この程度に縮められたということでありますので、まずその余地はないだろう、ただ例えば今仮に鉄鋼百八十万トンを予定いたしておる、これが二百万トンできますと、同じような價格差補給金を出すことが、これがいいか、惡いかは、これは別問題でありますが、これらには即ちそれだけ或る意味においてコストを下げて行かなければならん筈でありますから、これを出すがいいか、或いは勉強してそれだけ余計出したのであるから、それだけの蓄積を向うに與えるが善いか惡いかはこれは別問題ですが、とにかくそれだけのものが補給金を例えば善いか惡いかという議論は別だと思うのでありますが、やはり余計増産になつた場合、そういう場合があり得ると思いますけれども、現状のあの安本の策定したあの数字の範囲においては、私はなかなか、補給金をもう少し出すべきであると主張した立場といたしても又実際にそう考えておりますので、私は余地はない、こういうふうに思います。
#61
○木村禧八郎君 その点併し大藏大臣と非常に御見解が違うので、同じ内閣において考え方が違うのはおかしいと思う、最初政府が五千七百八十億の政府の独自の予算を作つたとき石炭はトン当り四百円ぐらい引上げる、又貨物運賃を相当上げる、そうしてその物價の値上りは第二次生産、第三次生産において吸收する、し得る、そういうことが言われて來たのですが、今度は石炭の値段を上げない場合に第二次生産、第三次生産では石炭の値段を上げた場合にその値上りは吸收し得るそういうふうに言われたのですから、それに補給金を出せば相当余裕ができることは明らかでございます。今度は石炭の價格は上げないで、前の石炭の價格を上げてもその値上り分は第二次生産、第三次生産で吸收できる、第二次生産部門、第三次生産部門で生産増加になり、操業度が高まつて、そうしていわゆるコストが低くなつて値上り分は吸收できる、そういう考えでいたように聞いておるのですが、にも拘わらず今度は石炭の値段を上げないのですから、必然そこに余裕ができるに違いない、それに補給金を又相当十分にやるのですから、これはもう少しやり過ぎると思う、從つて操業度が高まると、これによつてこれまででも非常に採算制が高まつて來ておるのですから、今度は賃金も上げませんし、それから雇傭指数も大体同じとすれば、非常に採算制がよくなる筈です。ですからこんなに沢山の補給金を出す必要はない、相当の額が私は節約ができるのじやないかと思うのですが、商工大臣の言われるようにそこで節約できたものを今度補助金を與えない分に廻すべきだ、こういう御意見だと別問題になるのですが、今補助金を與えることになつて、安定帶作業については、補給金をやる額が多過ぎる、從つて節約の余地が相当にある、これに対して大藏大臣は相当の余地があると思う、そういう御回答なんですが、商工大臣はそういう余地がない、そういう御意見で以て食い違つておるのですが、その点もう一度商工大臣にお伺いしたい。
#62
○國務大臣(稻垣平太郎君) 我々の立場とするとこれはまだ全然余地がないばかりでなく足りない、こういうことを申上げたい、大藏省の立場とすると今お話になつた通りでありますが、結局意見の折合つたところがそういうところであの数字となつて現われておりますので、閣内の意見の食い違いではないと私は存じております。それから今の仮に四百円石炭を上げた、これは第二次生産、第三次生産で吸收できるのだ、それはその通りと考えておつたのでございます。併しながらその第二次、第三次で吸收されるという数字はすでに補給金を出すときに織り込んであるのでありまして、別にそれが今そのために余裕が出るか出ないかという問題ではないと思います。
#63
○木村禧八郎君 今の御答弁は少しおかしいと思いますが、昨日出された予算案について大藏大臣は千二十二億の安定帶物資の補給金について節約の余地がある、こういう御答弁でありました。ですからそれは商工省と大藏省の折衝によつて落着いた額が千二十二億というものであるということではないと思うのです。今出された千二十二億について節約の余地が相当ある、大藏大臣はこういう御答弁なんです。それで実は聞くところによると政府は、もう政府ばかりでなくこの予算を支持された有力方面においてはもう少し節約の余地があるのではないかと考えていたところで他の意見が出い、それとその意見と相当妥協したために補給金が多くなつたのであつて、政府はこの点について相当削減することに努力したらよいだろう、こういう意見もあつたということを聞いておるのですが、私は十分過ぎる程これは計上してあると思う、そういう意味ですから妥協がついたところでこの予算を出して、そうして商工大臣の御意見と昨日大藏大臣が答弁された内容とやはり食い違つておると思うのですが、重ねて……
#64
○國務大臣(稻垣平太郎君) 私直接大藏大臣に聞きませんから何とも申上げかねますが、私はとにかく私のお答えした通りでいいんだと存じております。
#65
○木村禧八郎君 それでは又大藏大臣にお伺いすることにいたしますが、もう一つお伺いしたいのですが、政府は石炭の生産者價格を引上げる御意向があるのですか、生産者價格です。
#66
○國務大臣(稻垣平太郎君) 生産者價格ですね、生産者價格については今尚まだ実は檢討いたしております。或いは多少若干或いは上げるようにして貰いたいということを今考えておりますがまだ結論に達しておりません。
#67
○木村禧八郎君 若しか生産者價格を引上げた場合消費者價格との差ですね、差はどういうことになるのですか、配給公團とか、そういうところの負担になつて、そういうところの節約、それでカヴアーするということになるのですか、その点はどういう関係になるのですか、生産者價格を引上げた場合。
#68
○政府委員(山地八郎君) 生産者價格と消費者價格について概要を申上げますと、御承知のように、配炭公團が間に入りまして、生産者價格と、消費者價格と二つに分けておるわけであります。それで生産者價格の方は生産コスト、製品の品位と炭質とに見合いまして一定の價格を決めておるわけであります。それから販賣價格の中には品物の炭質というようなものを主として見まして、規格に副うて定める、そういつた関係でここにプール計算をいたします。その場合從つて生産者價格につして申しますというと、多少上品位炭の負担におきまして低品位炭をカヴアーする、こういつた形になる点があります。この点を現在においては事情から考えますというと、品質の、炭質を上げて、高品位炭坑を優遇して能率を上げしめるといつたような考え方から申しますというと若干修正する余地があるかと考えておるわけであります。尚公團のプール併行勘定におきましては、そういつた生産者價格と販賣價格の差の外に、実は公團は運賃プールをいたしておりますので、大体年度の初まりに一定の運賃を予想いたしまして、運賃関係のプール財源を持つておるわけでありますが、これが場合によるというと昨年のような場合にはわり方割安だつたというようなことで余裕を生ずる場合もございます。彼れこれそういうことを見込みまして、公團としては八定の平衡資金の勘定を持つているわけでありまして、本來から申しますならば、これは今までの計画通りに参りますならば、何ら損も得も生じない計算ではございますが、これは計算技術もありますが、計算を上手に仕直しますれば、公團には少しの余裕も残さず、又損もしない範囲内で生産者に還元することができると考えております。かような点を考慮いたしまして、生産者價格を消費者價格の水準を動かさない範囲内で適当に修正することにいたしたいと考えてまして、研究いたしておるような状見でございます。
#69
○木村禧八郎君 そういたしますと配炭公團の、そういう経理の遣り繰りによつて操作できるその範囲で生産者價格を引上げる、そういう意味ですか。
#70
○政府委員(山地八郎君) 大体そういうような意味でございます。
#71
○中西功君 先つき商工大臣は木村委員の質問に対して、價格調整費は、ここに出された二千億のものを節約する見込は自分としては考えていないというふうな答弁なんですが、一昨日鋼鉄関係の生産者價格を引上げられたわけです。引下げられた結果として、この價格調整費の節約は相当程度可能になつていると思うのです。我々に渡されたこの表は、從前の生産者價格で組んであるのです。今日新らしい生産者價格ができているのです。それが物産廳の見解としても、少くとも鉄鋼関係において八十億の節約は可能であるとはつきり言つておるのであります。だのに商工大臣が、今のここに計上された額は必要であると、頑張られるのは非常におかしいと思うのであります。或いはもつと他の事情があるかも知れませんが、少くとも鋼鉄関係の生産者價格を引上げたという事実からはそういうことが現に新らしく起つておる、その点について私は何も今日沢山詳しく説明して貰わなくてもいいですから、尚これは安本当局からもはつきり聞きたいが、その点御答弁願いたいと思います。
#72
○國務大臣(稻垣平太郎君) 今の御指摘の問題をすでに考慮に入れて補給金は組んであると私は考えておるので、さようにお答えいたしたわけであります。
 それから木村さんにお答えいたしましたのは、私の概括論であつて、個々の問題でなくて概括論として補給金が多いか少ないかという問題に対して、商工省としてはこういう額を希望しておつたのだ、だから私は余地がないと、こういう御返事を申上げたわけであります。
#73
○中西功君 その点はつきりお伺いして置きますが、商工大臣は、我々に渡された二十四年度予算の説明書に末に附けてあるこの價格調整費の内訳表、これはそういう引下げを十分織り込んで表だと、そういうふうに御理解なんですか。
#74
○國務大臣(稻垣平太郎君) さようでございます。
#75
○中西功君 私はそれを今日安本長官に聞こうと思つておりましたが、物價廳の見た数字とこれとは違つております。併し私はこれについてはあと質問を保留して置きます。
#76
○栗山良夫君 先程の飯田委員の電力料金の更改に対する御質問に対して、商工省は今交渉中であるとおつしやつたが、その意味をもう少しく詳しく聞きたい。
#77
○國務大臣(稻垣平太郎君) 値上の問題について関係筋と今交渉を続けておる、こういうことに御了解を頂きたいと思います。
#78
○栗山良夫君 実は私は安本長官にこれを中心的にお聞きしようと思つて今日の用意をしておつたのでありますが同じ吉田内閣の中で安本長官ははつきりと、石炭、電力の値上はしないと、こういうふうに断言をいたしたのであります。今のあなたのお考えは少くとも関係筋と交渉中であるということは、値上をするように努力をしておるということであろうと思いますが、どうしてそういうような食い違いが起きておるのでありますか。
#79
○商工大臣(稻垣平太郎君) ちよつと速記を……
#80
○委員長(黒川武雄君) 速記を止めて……
   〔速記中止〕
#81
○委員長(黒川武雄君) 速記を始めて……。それでは日本はこれを以て散会いたします。
   午後三時四十六分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     黒川 武雄君
   理事      油井賢太郎君
           飯田精太郎君
           島村 軍次君
           田村 文吉君
           中西  功君
           木村禧八郎君
           岩男 仁藏君
   委員      岩崎正三郎君
           波多野 鼎君
           西川 昌夫君
           西川甚五郎君
           一松 政二君
           深水 六郎君
           高橋  啓君
           深川タマヱ君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           西郷吉之助君
           新谷寅三郎君
           高橋龍太郎君
           伊達源一郎君
           帆足  計君
           堀越 儀郎君
           松村眞一郎君
           池田 恒雄君
           栗山 良夫君
           小川 友三君
  國務大臣
   農 林 大 臣 森 幸太郎君
   商 工 大 臣 稻垣平太郎君
   國 務 大 臣 青木 孝義君
  政府委員
   経済安定政務次
   官       中川 以良君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   財政金融局長) 内田 常雄君
   経済安定本部生
   産局長     菅谷 重平君
   経済安定本部物
   價局長     谷口  孟君
   総理廳事務官
   (物價廳第三部
   長)      中村辰五郎君
   総理廳事務官
   (経済安定本部
   物價局次長)  北島 武雄君
   大藏事務官
   (主計壁第一部
   長)      東條 猛猪君
   林野局長官   三浦 辰男君
   商工事務官
   (電力局長)  玉置 敬三君
   商工事務官
   (石炭廳管理局
   長)      山地 八郎君
   商 工 技 官
   (電力局副長) 豐島 嘉造君
ソース: 国立国会図書館
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