くにさくロゴ
1949/04/08 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第12号
姉妹サイト
 
1949/04/08 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第12号

#1
第005回国会 本会議 第12号
昭和二十四年四月八日(金曜日)
   午前十時十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第十一号
  昭和二十四年四月八日
   午前十時開議
 第一 國務大臣の演説に関する件(第五日)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、國務大臣の演説に関する件(第五日)、昨日に引続き順次質疑を許します。柏木庫治君。
   〔柏木庫治君登壇、拍手〕
#4
○柏木庫治君 私は政府の遵法精神について、首相にお尋ねいたします。言わんとするところを分り易くするために卑近な例を挙げますが、片山内閣のときと思います。料飲店の営業は法規を以て禁止されました。法規が出た以上、嚴に禁止されておる筈であります。然るに禁止した料飲店に、営業から生れる所得に対し税金が課せられておると承わるのであります。大阪において、政府から税金を課せられるのは営業を許されたのだと解して、公然と営業開始の看板をあげ、取締当局との間に云々があつたと新聞は報じました。一方禁止しつつ、他方裏口営業をした收益を得ておるとの認定の下に、税金が課せられておるのではないでしようか。万一さようであるとするならば、不正の金であることを知りつつ政府が分け前に割込むという(笑声)誠に唾棄すべきことで、如何に貧すればとて、不正の分け前に割込むような日本政府であつてはならないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)禁止するならば禁止した法を絶対に守つて、その営業に課税すべきでない。政府みずから法を破るならば下これに做う、恐るべき風潮を國民精神の上にかもすことを私は虞れるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)例を料飲店の課税に取つただけでありまして、私の質問は、政府の遵法精神のあり方如何をお尋ねいたすのであります。精神においてはこれと同様でありますが、私は曾て冬の眞夜中、福島縣の郡山で、旅の疲れの仮寢の夢を破られて、二千人と思える程の同乘の方々と共に一應下車を命ぜられました。主食持出しの通締檢査であります。一應下車、そうして再乘中、言葉は至極簡單でありますが、実は名状すべからざるその混乱振りは驚くべきものがありました。哀れを止めたのは老人や病人たちであります。(「小さいぞ」と呼ぶ者あり)座席は風采の惡い若者に占領されて、お氣の毒くらいの言葉では言い現わせない哀れさでありました。リユツクを担いだ若者や風呂敷包を提げた女の方々が三十人程連行された模様であります。(「弱い者いじめが吉田内閣だ」と呼ぶ者あり)二千人と言えば四五百戸を有する相当大きな村落に匹敵する人口であります。主食持出しの疑いあるからといつて、寢靜まつた村落を襲つて全村民を一應戸外に連出すと同様の暴挙であります。今の旅館に悠々と高い金を拂つて泊るよき身分の者は少数であります。一夜の夢を車中に結び、又明日の生活戰線に努力を棒げるのが大衆であります。九八%の善良の者が寢込みを襲われる。非惨そのものであります。甲府で一度、和歌山縣で一度、私は下車を経驗させられました。全國では相当数の人々がこの憂き目に遭わされているのではないでしようか。憲法の第十一條に「國民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が國民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び將來の國民に與へられる。」(原稿を捨てろ」と呼ぶ者あり)第十三條に、「すべて國民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する國民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の國政の上で、最大の尊重を必要とする。」とあります。何らの罪も疑いもない者の夢を破つて車外に追出すことは、尊重さるべき基本的人権の蹂躪であり、憲法違反であると信じるものであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)この信念の下に、ここに人あり、下車することを拒否したならば、引きずりおろすか、そのまま巡査の方が罷り下るか、政府は如何に処置させるか、法的根拠のお示しを願いたいと思うのであります。(「そこが白足袋政治の妙があるところだ」と呼ぶ者あり)私は主食取締について云々するもので決してありません。取締は法の命ずるところに從つて嚴然たるべきであります。だが、そのやり方が、九八%の善良なる周囲の方々の基本的人権を政府みずからが侵すことは、遵法精神の欠如であると反省を促すものであります。みずからの権利を主張する前に他人の権利を絶対に尊重するところに、民主主義の美しき実は結ばれるのであります。その第一歩が、政府はもとより八千万國民に一人の落伍者なきよう、法規の嚴守にあると信ずるものであります。國際情勢はますます複雑であり、而も我が國にとつて憂うべき一面も窺われる。一面、國内は経済的に殆んど危機に瀕するまでに見え、青年男女の一部には精神的に荒み果てんとする者を生じた今日、國家の前途如何と心を痛める者は、みずから頼もしき指導者を求めました。曾ての日、戰爭なすべからずと戰爭遂行に反対し、戰いのさ中において早期終結を主張して時の政府の圧迫を受け、軟禁されても、國のため、民族のためと所信を枉げず、靜かに而も勇敢に、断乎として歩みを進め、少しもひるまざる人であつたと噂されたその人、吉田さんなら何とかやり遂げるだろうと、正直とあの頼み甲斐のある強さに、國民は絶対多数党を欣然として與えたのであります。國民の信頼に対し、又みずからの所信に訴えて、如何なる不便を忍んでも國法は嚴として守り、政府の過ちに氣付いたならば直ちに改める勇氣ありや否やを首相から率直に承わりたいのであります。遵法精神の衰えが國家民族の衰乏だと憂えている上からのお尋ねであります。
 文部大臣にお尋ねいたします。敗戰後うらぶれた我が國の資源は、八千万國民の働きが第一であると存じます。幸いにも我が國は、生涯の努力を科学に捧げ盡し、人類のために生ける彼は人類のために死せりと、全世界人の尊敬と憧れと親しみを持つ野口英世博士を生みました。博士が若し日本におつたならば或いは一町医者で終つたかと思うのでありますが、アメリカのロツクフエラーの研究所であの大をなしたことは明らかな事実であります。私は野口英世博士は一人でなく、沢山日本に存在するのだ、これを育てて参ります科学の研究殿堂が不備であると存じますので、現在の日本においては國立大学を科学殿堂とし、基礎科学の研究はもとより、実情に向いた研究を進めまして、世界の文運に寄與いたして、その寄與から世界の信頼を受けて、平和國家の建設に邁進すべきであると信ずるものであります。承わるところによりますと、大学校案の中に、この基礎科学の研究を妨げるかに見える、基礎科学の研究が不可能かに見える案が幾つもあるのでありますが、文相はこの点に心をいたし、日本の進むベき道を科学の研究に重きを置かれるか否かという心構えを承わりたいのであります。時間が参りましたので私の質問を終ります。(拍手)
   〔國務大台吉田茂君登壇、拍手〕
#5
○国務大臣(吉田茂君) 柏木君にお答をいたします。尊法精神の大切なことについては御同感であります。そして今お示しになつた、列挙せられた事実と法との関係がどうであるかということは、今ちよつと私にお答するだけの自信がございませんから、取調べますが、仮にそれが法に準拠いたしておつても、その法は甚だ不便な法と考えられますから、然るべき善後策を講じたいと思います。一應のお答をいたします。(拍手)
   〔國務大臣殖田俊吉君登壇、拍手〕
#6
○國務大臣(殖田俊吉君) 福島等におきまして、乘客を汽車から強制的に降ろしましたという事柄につきましてお答を申上げますが、(「福島だけじやないぞ」と呼ぶ者あり)さようであります。福島だけではありませんが、右のような主要食糧搬出禁止の違反捜査のために、警察、主として福島、平などの自治警察でありますが、自治警察が主体となりまして、これに鉄道側が協力いたしまして、実施をいたしておるのであります。これは主食の取締が國際的にも強く要望されておりまする関係上、必要止むを得ずして行なつておるものではありますが、その方法が不穏当でありますので、法務廳といたしましては、國家警察及び鉄道当局に対しまして、すでに注意をなしておるのであります。尚その方法及び法的根拠につきまして、至急に是正をいたすように折角努力いたしておるところであります。(「料理屋はどうだ、到る所で料理屋はやつておるぞ」と呼ぶ者あり)
   〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
#7
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 柏木君の御質問にお答いたします。我が國学術の振興発展と関連いたしまして、大学校についての御質問がありましたが、大学校反対の運動は盛に現在行われておるのでありますが、その反対の重要な根拠の一つとして挙げられております点は、只今柏木さん御指摘のように、大学校によりまして基礎科学の研究が大学でできなくなるというようなところにあるようであります。併し反対の対象と考えられておりますところの、いわゆる大学校試案なるものは、大学校案研究の中途における全く一つの試案に過ぎないのでありまして、実際に大学校案原案とも言うべきものはまだでき上つておらないのであります。又そのいわゆる大学校試案と呼ばれておりますものの中に、大学は專ら職業的教育を目的とするように誤解され易い文句が使われておりますところから、そのような誤解を生じたものと考えます。勿論大学は学術研究の最高の学府でありますから、基礎科学の研究は大いに奬励されるべきものでありますし、それが大学の重要な使命の一つであることは当然のことであります。從つて大学校立案に当りましては、この点を無視するようなことは決してしないつもりであります。又我が國が文化國家として將來発展をいたしますためにも、これが極めて重要なことは当然のことであると思います。
 尚、國宝の問題につきまして総理大臣へ御質問がありましたが、文部省にも関係がありますから一言お答をいたしますと、国宝保護の問題につきましては十分の方策を講じなければならないと考えて、目下各方面の意向を徴しまして、國宝保存法の改正等も考慮しておる次第であります。併しこの問題は、一面におきましては、國民の國宝の文化價価に対する認識の問題でもありますから、これを高める必要を考えまして、適切なる方策を講じたいと思つております。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(松平恒雄君) 深川タマヱ君。
   〔深川タマヱ君登壇、拍手〕
#9
○深川タマヱ君 民主党を代表いたしまして、第三次吉田内閣の施政方針に対し御質問申上げます。
 先ず第一番に、昭和年代に生を享けし者の連帶責任といたしまして、片時も忘れてならないことは、日本の國の完全自主権の回復であろうと存じます。そのための講和会議の受入態勢といたしまして、経済安定に備えまして、今回九原則が示されておりますが、この道は極めて細く險しい苦難に鎖された道ではございますが、最後にただ一つ日本の國民に残された助け船でもございますので、國民は一致結束いたしまして、どうしてもこれに成功いたさなければなりませんし、世界の只今の現段階から考えまして、どうしても至急にこれに成功いたして置くことが必要だと存じますが、この問題に限りまして、絶対に國民の協力がなくては成功いたしませんので、政府はこの際あらゆる階層に向つて、あらゆる手段を用いて、國民に協力を求める國民運動を展開する必要があると存じますが、これに対して総理は如何思召しになるかお尋ねを申上げたいと思います。
 第二番目は、最近の民主自由党の政治技術が、日本の國の民主政治並びに政党政治の円満なる発達を阻害しつつあると存じますが、これに対しての総理の御心境を伺いたいと存じます。(拍手)民主自由党は去る一二月解散以前、すでに第二次吉田内閣を組織していた政党であります。而してその間、追加予算の編成に当りまして、しばしば多年の公約を盛り込むために関係方面と折衝されましたが、遂に最後までその承認を得ることができなかつたやに聞いております。その御経驗もある上に、更に九原則が示されたのでありますから、総選挙直前でもございますので、どうしても民主自由党といたしましては、天下に向つて多年の公約を大幅に修正することを声明しなければならなかつた段階であるにも拘わらず、何故に民主自由党はその方法をおとりにならないか。若しも九原則の下において公約実現の可能性ありという解釈をおとりになつたとするならば、政府の公約と九原則との理論的関係について御説明が願いたいと思うのであります。(「分つたか」「しつかりやれ」と呼ぶ者あり)尚この頃になりまして、保障占領下においては公約破棄も亦止むを得ないと、関係方面では言つて居られる樣ではありますが、関係方面がそのことを言われることは至極当然であると存じますが、日本の政党がさような無責任なことを、まさか國民の前で言えた義理ではないと存じます。(「そうだ」と呼ぶ者あり)これでは將來一体國民は何を目当に、何を標準に選挙するか、選挙そのものを御破算にしなければならない結果になると存じます。(拍手)保障占領下なればこそ、ますます万一のときのことを慮つて、公約を発表する前に関係方面に向つて、若しも組閣後において実現の可能性があるかないかということについて折衝を遂げて後に発表するくらいの愼重さは、國民のためにしなければならない筈だと思います。(拍手)尚、最近民主自由党ではさようなことを言われますが。若しも將來各政党が公約の実現ができなくても、かような便利な言葉の蔭に隠れて、実現性のない公約でも、國民が好みそうなことを單に掲げて、如何に巧妙に國民を欺くかによつて当落が決定するという風潮を生じたならば、一体日本の民主政治の將來はどうなることでありましようか。ここに私は若干の例を引かなければならない責任がございます。今回の総選挙に当りまして、社会党は二合七勺配給すると称し、民主党は三合、驚くことに民主自由党は三合六勺、而もそれを米と麦のみによつて配給すると明言しております。その上「さつま」芋の統制を即時撤廃すると附け足しております。私はこれを見まして、総選挙前に全國の女子がどの政党を支持しようかと、公約表と首引きしておるときに、この三合六勺が目についた場合、他の如何なる事情もさておいて、三合六勺を配給して呉れるという民主自由党に飛び付いただろうと思うのであります。(「うまいよ」と呼ぶ者あり、拍手)從つて民主自由党の票の中には、全國の婦人の票が相当沢山集まつておると思います。ところが滑稽なことには、選挙の結果、一番沢山配給すると掲げておる順に議員の数が沢山当選して來ておる事実であります。一番少く配給すると掲げた社会党は議員も一番少ししか当選しておりません。(拍手)その次は民主党。三合六勺も沢山配給すると掲げた民主自由党は御承知の通り二百七十名も当選しております。尤もその中には、民主自由党の政策の中に、國民が喉から手が出る程欲しいような多くの政策を掲げたことも原因をいたしておるのでございましようし、その他にもいろいろ事情はあつたと存じますが、そこで私は將來のこともございますので、全國の婦人と共に、民主自由党に対しまして、即時米麦のみの三合六勺の配給を強く要求いたしたいのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり、拍手)それと共に農林大臣に対しまして、如何なる根拠でかような計算になつたか、数字を以て御説明願いたいのであります。
 尚最近民主自由党では、公約は棚上げしないが、一、二年先を見ていて呉れと申されております。それから民主自由党の公約すべては、日本の経済安定が成つて更に復興の曉においては実現の可能性があるものであると言われております。併しながら一、二年先よりも一、二年以内が大切であります。政治は永遠の哲学よりは目前の切り盛りが大切であります。今は実現の可能性がないが、一、二年待つて呉れと言われておりますが、できるかできないか分らないような政策を掲げて國民に公約するということは、ますます民主政治を阻害するものであります。
 更に最近総理の御答弁の中におきまして、民主自由党の公約は緩急そのよろしきを得て、漸を追うて実現すると言われておりますが、一体二十四年度の予算案は向う一年間の計画であります。一年の間のその政策に盛り込む必要がない程緩慢な政策を公約の中に掲げておられたとすれば、要は緩急そのよろしきを得るのでもなければ漸を追うものでもなく、結局は民主自由党の公約そのものが今日の時局にふさわしくないが故に、関係方面が許可を與えないという一語に盡きるのであろうと思います。(「その通り」と呼ぶ者あり)若しそれならば、もつと率直に國民に実情を示すことがむしろ御親切であると存じます。今は國民に対しまして苦難の通を歩んで貰わなければならないのでありますから、政府に立たれる者は飽くまで陰性を排して、明朗闊達に、そうして一切の詭弁を弄さず、謙虚な態度で、國民をもつと尊敬して、正直を以て附き合うような態度でありたいと存じます。極めて失礼でありますが総理の御心境を伺いたいと思います。(「失礼じやない」と呼ぶ者あり)
 第三番目には、金融逼迫が予想されておりますときでございますが、ドツジ財政顧問がドイツからおいでになりまして、日本の國民の中には、若しも日本の國に通貨改革がドイツのように行われるのではないかという懸念の下に、只今盛んに換物運動が起つておりまして、ますます金融逼迫が現われて参ります。そこで民主自由党は、在任中に通貨改革をなさらないという意思表示ができるかどうかをお尋ね申上げます。
 最後に教育問題であります。日本の國は明治維新以來、國家思想が第一位を占めておりまして、生活を裏付ける思想であるとか、人間存立の基礎という問題については比較的軽く取扱われて参りました。ところが國家思想が御破算になりました今日、今日の青年は拠りどころを失いまして、有り合せの思想に取りすがろうとしております。尚、國民学校におきましても中等学校におきましても、一樣に修身も歴史の学科もなく、又朝礼式も一週一、二回になつております。極めて青少年に與えられておるところの徳育の時間が少くなつております。最近青少年不良化が問題になつておりますが、ここらにも少々の原因があるのではないかと思われるのであります。今日敗戰以後の日本の教育の基調は眞理の探究と平和日本の建設でありますが、眞理の探究ということは知育の理想でございます。平和という問題のみによつて日常の徳目を説明するにはやや困難な点があると存じますので、この際一つ文部大臣は日本の道徳の基準を至急にお定めになりまして、それによつて青少年の徳育の訓練を大いにする必要があるのではないかと存じます。それにつきまして至急に審議会でも組織なさつて具体案を御研究なさることがよいのではないかと思います。明治二十一年頃、外來思想のために一時日本の國内の思想が混乱に陷りまして、國民が帰趨に迷つておつたときに教育勅語が発表になりました。あの中で克く忠にとか、以つて天壤無窮の皇運扶翼とかいうことは今日適用することは出來ませんが、その外の徳日は未だに古今東西に通用性が残つておると存じます。それに加えて、民主主義とか、平和思想とか、或いは眞理の探究もよいでありましようが、それらのものを附加えて一つ適当に至急に発表する必要があろうかと存じますが、文部大臣は如何お考え遊ばされますか。以上数項目につきまして関係大臣の御答弁を頂ければ仕合せと存じます。御清聽有難うございました。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂登壇、拍手〕
#10
○國務大臣(吉田茂君) お答をいたします。時局の下において九原則実施のために國民運動の必要ありと思うがというお話でありますが、更に九原則の実施のみならず、この日本の再建復興のために、國民の後援を得るために、國民運動その他の方法で以て國民の援助を得たいと考えております。この点については同感であります。又九原則と公約云々の話は、しばしば繰返して申上げますが、私はここに率直に申すが、九原則は緩急よろしきを得て漸を追つてこれを実施する考えであります。
   〔國務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕
#11
○國務大臣(森幸太郎君) お答いたします。民主自由党は結成当時十六項目の政策を掲げました。選挙に当つて三合六勺を配給するとかいうようなスローガンを掲げたことを私は承知いたしません。(「冗談いうな」「その通り」と呼ぶ者あり)新聞にそういうことは載つたかも知れません。それは党の責任ではありません。御承知の通り戰爭前におきましても、日本の國民食糧は、酒も或いは菓子類、「うどん」類、自由に食べられました当時において一石一斗内外の平均であつたのであります。三合といたしましても一年に平均約一石一斗になるのであります。常識から考えましても、米と麦とによつて三合六勺配給するという必要はないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)決してさようなことを申上げたことのないことを御承知願いたいと思います。(「そうだそうだ」と呼ぶ者あり、拍手)
   〔政府委員田口政五郎君登壇〕
#12
○政府委員(田口政五郎君) 大藏大臣に代りまして私より答弁いたしますることをお許し願いたいのであります。
 只今、深川議員の大藏に関しまする御質問の点は、先頃ドツジ博士が日本にお越しになりまして、たまたま同博士が曾て西ドイツにおきまして通貨対策に関與せられました経驗者であります点から、ドツジ博士が來られれば、やがては我が國におきましても通貨に対する何らかの措置が講ぜられるのではないかというような流説が巷間に流布されましたことはお説の通りであります。私は実に思わざるも甚だしき流説であると確信をいたしておるのであります。御承知の通り通貨に対する何らかの措置が講ぜられるのではないかということは、それは我が從前の政府におきましても、何ら確乎たるインフレの抑止策を講ずることなく、又國民におきましても、インフレの波に乘りまして何ら経済安定策を図ることに協力せずして、ただ徒らに他國の援助を頼みましてその日を糊塗しておりましたような、こういう今日までの政府並びに國民全体の責任において、私はそういう通貨の不安を來したのであると信じております。たまたまドツジ博士が來られましたので、自分の今日までのことは棚に上げて置いて、或いは何らかの措置を講ぜられるのではないかというような、そういう流説を流布するということは、これは実に遺憾に堪えないのであります。今日におきましては我が内閣も、いわゆる経済の九原則をドツジ氏の声明の線に副いまして、断乎といたしましてこのインフレ抑制の方針に向つて邁進せんことを天下に声明いたしておるのであります。(「せざるを得なかつたんだろ」「間違いないか」と呼ぶ者あり)間違いは絶対にありません。(「田口大藏大臣」と呼ぶ者あり)今日一政務次官がそういうことを申しまするから、只今のような御批判が出ると思いまするが、(「その通り」と呼ぶ者あり)これは私は(「簡單に」と呼ぶ者あり)確信を以てかくのごとき通貨に対する何らかの措置は講ずる必要はない。現内閣がこの方針を堅持いたしまして、その実行に勇往邁進いたしまする以上、國民が強力にこれを支持されるならば、かくのごときことは思わざるも甚だしきことでありまして、國民は安心して今後箪笥預金を金融機関の預金に廻しまして、そうして経済の眞の安定を図ることに協力されんことを望む次第であります。(拍手)責任を以て私は通貨に対する何らかの措置を講ずる必要のない時代が來ることをここに言明いたします。
   〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
#13
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 深川さんの御質問にお答いたします。
 現在我が國に民主的な國民道義の新たな基準がまだ確立されるに至つていないということは甚だ遺憾な次第であります。併しその確立と実践は民主社会の健全な発展に取りまして欠くべからざるものでありますので、それにつきましては御意見のような方針で今後十分に研究を進めて行きたいと考えております。(拍手)
#14
○深川タマヱ君 再質問をお願いいたします。
#15
○議長(松平恒雄君) 時間がまだ残つておりますから再質問を許します。
   〔深川タマヱ君登壇、拍手〕
#16
○深川タマヱ君 先程農林大臣の御答弁によりますと、今回民主自由党は総選挙に当りまして、米麦のみによる三合六勺配給という公約をしていないとの仰せでございます。併しながら選挙前に、確か朝日新聞であつたと存じますが、四分の一頁を割きまして、全部の政党の公約の一覧表が載つておるのであります。まさか一流新聞がこれ程重大な問題を誤まつて印刷するようなことはないとは信じますが、万一のときを慮かりまして、後程証拠物件を示しまして、この問題の疑義を解きたいと存じます。
#17
○議長(松平恒雄君) 森農林大臣。(「弁明しろ」と呼ぶ者あり)答弁がないそうであります。木下源吾君。(「違うよ」「議長、議事進行」と呼ぶ者あり)木下源吾君を呼びましたが、安本長官より発言を求められましたので、先ずこれを許します。安本長官。
   〔國務大臣青木孝義君登壇〕
#18
○國務大臣(青木孝義君) 只今の深川さんの御質問の農林大臣に対する点でありまするが、当時私が民主自由党の政務調査会長をいたしております。そのために、ちよつとここではつきりとその点をお答をいたします。
 これは昨年の末に、朝日新聞社があの表を作りまして、私共の政務調査会へ來られたのだそうであります。その表へ私共の方で書いておるそれぞれの表の中の、その点についてであろうと存じまするが、書取つて行かれたのであるが、そのときの活字か、或いは書いたもののお間違いで、三合六勺というようなことは我々の思いもよらんことでありまして、それは、はつきりと■朝日新聞社にお問合せ下されば分ると思いますが、決して我々はそういうことを申したこともないし、そういうことを書いたこともございません。(「違う」と呼ぶ者あり)どうかはつきり御承知を願いたいと思います。御答弁申上げて置きます。
    ―――――――――――――
#19
○議長(松平恒雄君) 木下源吾君。
   〔木下源吾君登壇、拍手〕
#20
○木下源吾君 段々同僚各位からの質問が出まして、大体政府の所信も明らかになりつつあるのでありますが、併しやはりこのいろいろなお話の多くは、國民の大多数の働く者の側から見れば、何かこう二階で話をしているような氣がいたすのでありますので、私は我が党の立場、即ち勤労階級の立場から、二、三総理大臣にお伺いして置きたい。これは私一人聞くのではなく、我が國の人口の最大多数を占むるところの勤労階級が聞いておるんだというお考えで、どうか共に人類の幸福のために、又この國の平和安泰のために、所信を吐露して、首相のお答を願いたいと思うのであります。今までのいろいろのお答のように、木を噛んで捨てるような、そういうなんではなく、本当にまじめに一つお願いをしたい、こう御注文申上げて置きます。(「同感々々」と呼ぶ者あり)
 私は第一に政治の責任であります。近代政治は申すまでもなく責任政治でありまして、そうしてこの政党がその政治を行う上において最も大切なことは、自分のやるということを國民に訴えて、國民が又自分の出しておる税金やら負担をこの人に任せて置けば、ああいつたように使つて呉れるのだからという安心をして任せたわけであります。任せるわけであります。そこで近代政治は國民に対して責任を負うところの政治、そういう政府でなければならないし、ポツダム宣言にもございますように、我が國に、國民に責任を負えるような政府が確立したときには、占領軍が徹退せらるべし、かようなことが書いてあるのであります。でありますから、その政府が政治を行う上において、國民に責任を負えるかどうか、負つておるかどうかということが、先ず我が國の当面せる重大な問題だと考えるのであります。さればこそ民主自由党は、先の総選挙において、政策であります。綱領ではありません、先々の綱領ではありません。政策というのは、当面行うところの具体的にやり得るところのものを示すのでありまして、この政策を示したことが思うように行われなかつた。これは決して私は民自党又は首相を責めるのではありませんが、そのことの事実は如何に蔽うべくしても全國民が認めておる以上、率直にこれはやはり認めらるるが正しいと私は考えるのであります。このように民自党が與えた公約が行われないという理由は、率直にやはり國民の前に述べられなければならない。(「國民はよく知つている」と呼ぶ者あり)私はこれをただ一言で総理大臣にお尋ねするのでありますが、今回の予算を通じての政策が政府の責任におい編成せられたと申しておりまするが、これが実行はです、連合國に負うのであるか、國民に負うのであるかというこの責任の所在であります。私は我が國の政治は、從來しばしば占領下にある故にという、このことで非常に不明瞭になつておりましたので、どういう点は連合國に責任を負うものである、どういう部分が國民に対して政府が責任を負うかということを、この機会にお願いできれば明確にして頂きたいと、かように考えるのであります。現に行政整理の問題等につきましても、これが対象となるところの多数の公務員諸君には、一面からこれは司令部の何かサゼツシヨンか方針だかのごときように傳えられておる向きもあるように聞いております。自由党は選挙において、我が國の官僚のふしだら、官僚の腐敗、官僚の不親切、こういうような結果からして國民が官僚を非常に嫌つておる。この心理状態に乘じて行政整理をやる。首切りをやる。かように発表せられたことが非常に國民の共感を得たように考えておりますが、これらの問題も、是非とも政府の責任においてこれを行うのであるか、將又只今申上げたように、その筋の指図によつて、意図によつてこれを行うのであるか。都合の惡いことは向うさんにおつ被せ、都合のいいことは自分がやるのだというような態度ではなく、やはりこれらの点も明瞭にして置かれるがよろしい、かように考えるのであります。さて國民に対して責任を負われるということであるならば、今や再び又政府は手形を発行しております。こういうようなことを次々と重ねるのではなく、私は率直に、今やろうとすることを、この予算に盛られておる一切の政策に対して、再び総選挙、いわゆる解散をすることが一番私は賢明なことであり、國民の仕合せになることと考えますが、そういうようなことはお考えになつておられるかどうか。いろいろの手続の煩瑣、或は時間的において困難であるというようなことであるならば、やはりそのことが正しいのだけれども、こうこういう事情で行われない、こういうことをやはりお答えをおつしやつて頂きたいのであります。そうでないと、今吉田さんが國民に協力を強く望んでおりますけれどもが、國民が協力しなければ到底この難関を切抜けることはできませんし、あの予算を完全に九原則の精神に副つて遂行することはできない、私はかように考えます。
 総理大臣は外交上の問題につきまして、日本の平和は民主主義の徹底にある。こういう意味のことを御答弁になつておるのでありますが、私は現在即ち現段階における日本の事情、そういうものを絡み合せて、民主主義の徹底というものは勤労大衆を主体にする民主主義でなければならないと、かように考えております。そこで平和の問題でありますが、眞に今平和を望んでおる、平和を愛好しておる者は、言うまでもなく戰爭で大きな痛手、深刻な犠牲を蒙むつた者が、心の中から平和を望んでおるのであります。この人々が民主主義に徹底することなくして、私は平和は獲得できないと、かように考えておるのであります。
   〔議長退席、副議長著席〕
 資本家の自由のための民主主義というものは、却つて戰爭を誘発するものである。これは説明を要しない。近藤外務政務次官が平和を希求する余りかどうかは知りませんが、大西洋條約になぞらえて、そのような條約を、太平洋條約を結び、そうして占領下においても我が國はこの條約に参加することはできると放言をいたしております。又増田官房長官は一外字新聞にこれに似たような意見を発表しております。又総理大臣はこの壇上から、永世平和に対しては疑問を持つておる、かように申されておる。これら一連の民自党並びに政府の思想は、私は遺憾ながら、資本主義の自由、資本家の自由のための民主主義を体得して政治を行なつておるものと断ぜざるを得ない。(「詭弁だ、詭弁だ」と呼ぶ者あり)併しながらそれらの指導によつて我が國の平和が確立せられ、眞に世界の平和に貢献することができ得るならば、私は敢て咎めませんけれども、決してそういうことはその段階には止まるものではなく、いわゆる第三階級の自由解放の、その結果においてのみ平和が確保されるのである。終戰後我が國の婦人の解放、農民の解放、労働者の解放、これら一連の政策を連合國から示された点においても明瞭である。首相は、永世平和に対する疑問というのは、又しても第三次世界大戰の戰いをすることなくして平和は確立できない、確保できない、かようなお考えを持つておるかどうか。そうしてそういう信念の下に、確信の下に我が國の國民を指導して行く、今後そういうような考えで國政に携わつて行かれるのかどうかということを、この機会にお伺いいたします。
 次に私は政治道徳の問題でありますが、これはこの場合お尋ねして置くことが適当と考えます。それは吉田さんはどうも他党に対する態度が嚴し過ぎる。我が社会党に対して曾七四党協定の問題のときに、左の者は容共であるから切らなければいけんというようなことを申され、そのためにこそ社会党には左右両派というものを植付けられたのであります。今日吉田さんが育成しようと言われておる社会党は、現在のように非常なる動搖を起しておる。それは外でもない。吉田さんのあの左派切るべし‥‥(「冗談言うな」と呼ぶ者あり)私共は二大政党の一に社会党を選ばれる吉田さんに対して、‥‥そのような左派が本当に共産党へでも行つておるのでありましようか。又このたびにおいても民主党に対してどういうことを具体的に言われたかは知りませんけれども、結果においては分裂を來たしておる。自分の好きなものでなければ、自分に氣を食わなければ、そういうようなことを、まあ陰謀ではありますまいけれども、そういう結果を及ぼすようなことをなされることは、果して政治の道徳に適つておるかどうか。私はこういうことをこの際お尋ねして置きたいのであります。
 時間もありませんから、あと関係各大臣にお伺いします。安本長官におねしますが、この輸入補助金停止のために値上りするものができて來ます。例えば木綿の衣料等のごときもの、こういうものが第二次、第三次で吸收すると言われておるのですが、第二次、第三次で吸收するということは、私は言うまでもなく労働強化と思う。長時間労働か、或いは賃金低下でなければそれは行われないと思うのですが、この点に対してどういうようにお考えになつておるか。今又主食も値上げになります。旅客運賃も上る。こういうようなことは一切又大衆の負担になるのでありますが、そういうことは安定のために余儀ないことと考えておるのであるか。こういう大衆負担において日本のインフレを克服するという方向以外に途はないのか。尚、流通秩序の問題を言われておりますが、流通秩序はただ單にあなた方のおつしやる統制の一部を強化することでは達せられない。町内会、部落会がなくなつた代りに、やはり生活協同組合というものがもりもりと自主的に起きなければならないと我々は考えておりますが、ただ生活協同組合法ができておりますけれども、つまり金融等に対しては、ちつとも顧みられておらない。流通秩序確立のために、これらの改正法案を提出する意向があるかどうか。
 次には信用制度の問題でありまするが、援助見返り資金の長期産業資金運用計画を國会に提出するお考えがあるかどうか。今度はなかなかごまかされますまい。そこで何とかしてごまかす方法を一生懸命考えれば考えられぬこともありませんが、千七百五十億円の、この從來は闇から闇に行つた大金が、公然と表に出される以上は、これはやはり公然とその使途について、又それを使うところの産業に対しては、國民がこれに十分な関心を持たなければならないのであります。中小企業の対策についてでありますが、自由に放任して置く、そうしてこれが再編成、或いは再整理、そういうことを持たれておるのか。今のお考えでは企業整備をやる。資金はやらない資材もやらない。まじめな者は倒れてします。統制の名に籍りて一部の者は保護される。こういう結果になるのでありますが、そうなつたのでは堪らない、死ぬも倒れるも、くたばるも自由だ。こういう自由主義は我々は恐れるのであります。そこで、これらの中小企業の人々に、適当なみずからの力によつて再編成ができるように、いわゆる協同組合法というようなものを、計画生産のものは政府が責任を以て資金と資材を供給し、それらの人々のみずからの意欲によつて産業を発展する、貢献するというような組織を作るという考えを持つておらんかどうか。大藏大臣が見えておりませんが、あとでもよろしいですが、安定帶物資に対する補給金が我々國民の膏血から一千五百億円ばかり行くのでありますが、これに対してやはり國民の使途に対する監視の機関が私は必要だと思う。これには労働者、農民、小市民等の代表を加えて、嚴に我々の膏血を使う場合における監視の機関を設ける意思があるかどうか。次に資本の蓄積を言われておりまするが、一部階級が儲けたものを自由に蓄積することを許すのであるか。私は今立たないところの事業に対しては、國民の膏血でやるのでありますから、資本が蓄積された場合においても、この蓄積さるるところの資本は社会的に管理されなければならない。かように考えますが、この資本蓄積に対しては、やはり資本家の自由に委して置くつもりかどうか。
 國有財産拂下でありますが、今や民自党内閣ができてから、地方では相当な有力な連中は、何々を拂下げる。そのために拂下げたときにはお互いに株式会社に取ろうというので、運動資金を集めて盛んに運動をやつております。この國有財産は我々國民全体のものである。少くも一部の者にこの拂下によつて利益を與えるようなことは断じてあつてはならん。私はかように考えます。そこでこれらのものの拂下に対しては、地方であるならば公共團体、若しくは公共團体の意見を尊重してやるというような機関、そういう方式を採らなければならんと思うのであります。とにもかくにも國有財産を拂下げるためには十分な警戒を要する。
 次に賃金ベースは引上げられなければならない。当時のベースから見ると、主食も上るし、物價も二、三割上つておる。当然引上げなければならんが、そういう用意があるか、大藏大臣。
 農林大臣に対しては、第三次土地改革はやらなければいかんし、小作料は値上すべきものでない。それは今保有を許しておるのは、決して地主がそれによつて生活をするとか、その收益によつてどうこうするために許しておるのではない、精神は徹底的にこれは解放すべきものである。それは封建的のそういうものをなくするためにであります。持たれなくなれば、みずから國に返上すればよろしいのである。何か地主を温存して、古い封建勢力を温存するようなことを考えておるというような誤解を受けたのでは、司令部の折角農民解放の精神に反すると思うが、この点についていろいろ申されておるが、大体政府が生産命令を出して置いて、そうして例えば木材のごとき、坑木でも或いは枕木でも、薪炭でも、生産命令を出して置いて、そうして金を拂わないのはどういうわけか。これは命令というものは一方的に出し放しでいいものか。
 本多國務相に対してでありますが、首切りの内容と基準を示して貰いたい。政治的に氣に入つた奴は残して置くし、氣に食わない奴はばつばつやるというような、そういう氣まぐれでなく、首切りの基準内容を科学的に檢討せられておるならば、それをはつきり出して貰いたい。そうしてこの首切りによつて生じた者は、一年間ぐらい先になれば産業が旺盛になつて吸收されるということを言つておるが、少くとも一年間、これらの生活保証をするという意味に解してよろしいかどうか。
 文部大臣に大学校についてでありますが、この國会に出すのかどうか。そこで文部大臣に重ねてもう一つお伺いして置きますが、我が國の教育というものは、このような経済的に非常に荒れ果てている中に、ひとり精神的安泰を持つておるのは教育ということであるのである。労働者の子供でも自分が質に置いても大学、こういうように考えておる、この信仰、こういう一つの明るい窓、これを塞いでしまうということが眞に日本の再建に、物資的再建にも役立つことであるかどうか。何か言えば予算がない。もうあれもない、これもない、努力しますというだけでは文部大臣は要らない。政府全体にこのくらいの氣魄を持つて、日本の再建、自立も安定もこれだ、この氣魄を持つて政府内部で闘わなければならない。
 最後に、私は総理大臣によく要望して置きますが、我が國の現状はおつしやる通り非常に由々しい時期であります。この事態においてただ指導者の考えるべきことは、私は一にして止まらぬ。沢山あろうと思いますが、何と言つても労働者、勤労者、農民が、この人々の心からの生産意欲が上らなければならない。そのためには官吏は先ず粛正されなければならない。そのためには官吏の上にある政治家が先ずみずからを清く正しくしなければならない。私は國民に協力を求め、生産意欲を高めようとすることは、決して白足袋や葉巻の煙の中からは断じてこれらの生産意欲は上らんということを申上げまして、私の質問を終ります。(拍手)
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#21
○國務大臣(吉田茂君) お答をいたします。今、日本は占領下にあるのでありまするから、連合軍の監督指導を受くるのでありまするが、併しながら行政の國民に対する責任は飽くまでも政府が負うべきものである。殊に現内閣といたしては、止むを得ずとか、客観情勢というようなことは一言も申しておらないのであります。又行政整理についてもその通りでありまして、敢えて指図を受けたわけではないのであつて、今日の財政緊縮の必要上、止むを得ずこの整理を断行しなければならない事情にあるので、その事情の下に行政整理を断行いたすわけであります。
 又公約を実行することができないから、解散をする意思がないかというお話でありますが、私はしばしば申す通り、公約は全力を以て実行する、実行しないと申しておるのではないのであります。從つて解散する意思はないのみならず、政府といたしましては國家再建のためにますます進んで努力いたす考えであります。(拍手)
 又永世中立という問題についてお話がありましたが、私が昨日申したことは、ベルギーのごとき永世中立のステータスを持つた國でも外國から侵入をされて、遂に戰爭に巻き込まれたのであるから、そういう組織は、そういうステータスは、果して國を守るか守らないかということについて疑問があると申したのであつて、敢て資本主義の観点からしてこの問題を私は拒否したわけではないのであります。又政治道徳について話がありましたが、私が左派を切るべしということを言つたがために云々というお話がありましたが、この左派切るべしという表現をいたしたかどうかということはとにかくといたして、連立内閣、連立に入つて呉れないかという社会党の片山委員長からの話があつたときに、私は左派のイデオロギーは何かと言つて聽いたところが、これは容共主義であると承知しろ、こういう話でありました。私は民主自由党としては反共を考えておるので、容共に反共とは政策においても思想においても違うから、連立に入ることができない。こう申して断わつたのであります。これが事実であります。以上を以てお答といたします。(拍手)
   〔國務大臣青木孝義君登壇〕
#22
○國務大臣(青木孝義君) 只今木下議員からの御質問の私に関する部分をお答え申上げます。
 御承知の通り二十四年度におきましては、重要基礎物資の生産は著しく増大する等のために、第二次、第三次等の高次生産におきましても、相当の増加を見込んでおるのであります。從つてこの面から考えまして、特にこの重要基礎物資の價格については、原料としての價格の引上を行わない方針でありますから、輸入物資の値上りとか、その他の原因によりまして、若干の價格引上を予想されるものがあるといたしましても、その影響はおのおのの生産階段における操業度の向上というような方面で相当吸收することができるものと考えられるのであります。このために高次製品の價格は基礎物資の價格に比して著しく窮屈となり、主として高次製品に関連する中小業者の負担を加重したり、或いは又これがためにそれに從事する労働者の賃金を切下げることによつて労働者の負担を加重することにはならぬものと信ずるものであります。
 尚、第二点につきましては、安定帶物資に対する補給金が基礎事業に支出されるかその運営については民間有識者を集めて、審議する機関を作る意思があるか、こういう御質問と思いますが、補給金を支給いたしまする基礎物資の生産者價格や消費者價格の決定に際しましては、民間有識者の意見も十分に尊重し、これを反映せしめておりますので、その支出に当りましても、常に補助金支出産業の実績を檢討いたしまして、適正を期する所在でありまするので、この上更に一定の審議機関を格別に作る必要はないと考えておる次第でございます。
   〔國務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕
#23
○國務大臣(森幸太郎君) 大下さんにお答いたします。第三次農地解放を是非やれと、こういう御質問でございましたが、政府におきましては、第三次農地改革をやる意思はありません。農地改革法が、第二次に行われましたのは、御承知の通り、封建的思想であるところの地主階級を整理して、自作農創定ということが目的であつたのであります。自作農を創定するという目的は、耕作農民が心から土地を愛し、土地の生産力を十二分に発揮せしむるということが、第二次農地改革の目的であつたのであります。遡りまして第一次農地改革におきましては、戰爭のために労力が欠乏いたしまして土地が荒廃に帰している。これでは戰時におけるところの銃後の務めができ得ない。どうしてもこの耕地を守つて行かなければならんというので、第一次農地改革ができたのでありまするが、戰後その方針が改まりましたことは、封建制度の大地主を整理して、本当の耕作者が自分の土地であるという氣持によつて、精神を耕地に打込む、そこに日本の生産力が上つて來る、こういうことが農地改革第二次の目的であつたのであります。第一次農地改革のときには、大下さんのお氣持を現在持つておられる方々は、土地國有論であつたのであります。我々はこの土地國有論に反対いたしましたことは、國家が土地を自由にしてしまつて、國民はすべて小作者である、いわゆる自分の土地という愛護の氣持がない、それでは日本の生産力を減退させるのであるから、我々は当時の土地國有論に対しましては反対をいたしたのでありまするが、現在更に第三次農地改革をやれという御意見でありまするが、今日の耕作農民が許されたる範囲内で土地を持つております。日本の農業は御承知の通り家族労力であります。家族の労力によつて農業を経営いたして行くのでありますが、家族労力というものは常に変轉いたすのであります。家族の労力が減りますると、自分の許されたるところの自作地をどうしてもこれを離さなければならない。その場合に、これを暫らくの間でも他人に依頼するということが、ここに小作地を認めている点であります。この期間をすつきり耕地から離れてしまつて、これを國家の所有にしてしまう場合においては、若し労力の殖えた場合において、その労力を耕地に注ぐことができ得ない。いわゆる家族労力の経営による日本の農業状態におきましては、やはり許されたる範囲、僅かな許されたる範囲において、この小作地たらしめるところの制度を設けることが、私は妥当と考えております。從つて今日の農地改革を更に進めまして、第三次農地改革をなして、そうして小作地というものは全然これを否定いたして、これを國家に返してしまうというようなことは、我が日本の生産力を増進するゆえんでないと、かように信じております。
 次に生産命令を出して置いて支拂を遅らしては大変いけないという御意見であります。これは誠に御尤もであります。生産命令を計画によつて出しました以上は、その出しました切符が需要者に廻りまして、需要者がそれを手に入れて支拂をすることになつておるのであります。薪炭のごときは政府が管理いたしておりまするので、生産命令をいたしたものは特別会計によつて支拂をいたして、地方において整理してこれを支拂つております。坑木のごときは、これを炭鉱業者に切符を渡すのでありまするから、炭鉱業者がこれを引取るということによつて、今お話のような支払が遅れておるというような遺憾な点がある場合もないと私は申上げられませんが、我々はできるだけ生産命令を出しました以上は、政府の責任である以上は、決してこれを澁滯せずして早く支拂するように努力いたして行きたいと、かように考えておる次第であります。(拍手)
   〔國務大臣本多市郎君登壇、拍手〕
#24
○國務大臣(本多市郎君) お答をいたします。人員整理の基準につきましては、行政事務の能率化という趣旨と、離職した人たちが社会に融け込む難易等を考えまして定めらるべきものであると思いますけれども、目下政府では檢討中でありまして、かくのごとき基準を定むるか否か、定むるとするならば如何なる基準を定むるかということについて調査中であります。
 更に退職手当の問題でありますが、これにつきましても、財政難の折でありますけれども、でき得る限り從來の例による金額を下らぬようにという方針を以て檢討中であります。(拍手)
   〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
#25
○國務大臣(高瀬荘太郎君) お答いたします。教育予算が財政的困難のために非常に不満足の状態にあるということは、甚だ遺憾な次第であります。併しこの與えられた予算の範囲におきまして、教育施策の遂行に最善の努力をいたしておる次第でありまして、我が國の経済が安定向上をいたすに從いまして、今後教育施策の拡充発展につきましては、勿論十分の実現をして行きたいと考えております。(拍手)
 もう一つ、大学校のことについて御質問があつたと考えておりますが、大学校につきましては、先程申しましたように、まだ準備が十分でき上つておりません。各方面の意見を聞いて準備を進めておりますから、果して今國会に提出できますかどうか不明の状態であります。
#26
○副議長(松嶋喜作君) 大藏大臣の答弁は後にせらるる趣きであります。御了承願います。北條秀一君。
   〔北條秀一君登壇、拍手〕
#27
○北條秀一君 私は緑風会の質問の一環として、又私が引揚者の代表でありますために、戰爭の犠牲負担の公平化を期することが敗戰日本の民主新日本を建設する條件であるという立場から質問いたします。
 この三日間に閣僚諸氏の答弁は段々要領を得て参りました。先程木下議員が言われましたように、答弁に如何に要領を得ましても、ただ要領を得る答弁だけでは今日のような緊迫した時代におきましては意味をなさないのでありまして、答弁したもの必ずそれは責任を持つて実行する底のものでなくちやならんのであります。(拍手)私は、質問に対して関係所管大臣諸氏がお答になる際には、要領答弁でなしに、やるかやらんか、賛成か反対か、それをはつきりして頂きまして、是なるものは必ずこれを実行するということにして頂きたいのであります。
 第一、政治力の強化と内閣の人事行政について、世の中のことは、組織そのものよりは組織する人によつて大半が決定することは古今東西を問わず事実であります。行政機構においても人事が最大のウエートを持つことは各位御承知の通りであります。ところがこの重要なところの人事行政を人事院が掌握しておる。そのために内閣の政治力を弱め、その行政機能を低下させておるのは当然のことであります。人事院が現在のごとき高度の独立性を持つことは、政府の現状からして適当ではありません。これは人事行政の甚だしい変則であります。変則を許すから今の人事院ビルデイングのようなものになるのであります。庇を貸して母屋を取られる、安本と建設省が店子となつて、あのビルデイングを人事院ビルと改称したなどは誠に子供騙しであつて、噴飯ものであります。変則は常則ではありません。だから現在の人事院はこれを止めて、人事行政の科学的管理をするための調査、研究、立案機関として、内閣総理大臣に所属せしむべきであります。そうして初めて憲法上からも又経驗上からも危つ氣のない人事行政を行い、昨日吉田総理が言われましたように内閣を強力にすることになるのであります。
 家族給の廃止について、これは小さい問題のようでありますけれども、実は日本の賃金と雇傭問題の大きな癌でありまして、人間の身体について申しますならば、丁度面疔のようなものであります。だから、こういうものは速かにこれを切開する必要があると私は考えます。(拍手)世界のいずれの國にも家族給を行なつておるところはないと考えます。家族給は單身者の負担におきまして支給されるものでありまして、若し家族給が支給されるならば、当然に独身者は結婚資金を要求することは当然であり、又これに支給しなくちやならんのであります。家族給があるために、引揚者等はその就職に際しまして甚だしい不利を蒙むつておる現状であります。家族給の廃止を私は主張しますと、必ずこれは御賛成になると思いますが、私の言うのは、現情勢に應じて家族給というものを即時にこれを廃止して、同時に賃金を合理化し、その安定を図るべきだと言うのであります。以上の二つについて人事行政の権威である淺井人事院総裁の賛否を問いたいのであります。人事院の存廃については、七十二年の人生経驗を持たれる老総裁、老吉田総理の所信を伺いたいのであります。
 更に行政整理について、昨日吉田総理は記者團との会見において、天引整理反対なる旨を言明されておると私は聞いております。その態度は誠に正しいと考えます。ところが今回提出されたところの予算には、ちやんとこの天引方針が織り込まれておるのであります。何とかは芋の煮えたも御存じないという諺がありますが、吉田総理は正にこの喜劇であると私は考えます。そこで私は本多國務大臣にその芋のたき方について、即ち人員整理の方針について質問したいのでありますが、先程木下議員の質問に対してお答がありましたので、私は次の点だけを質問して置きます。それは勤続年限の短かい者から整理するのがアメリカ式のやり方であるという研究資料を人事院から貰つて來たのであります。そのために引揚者の官吏諸君は猛然として抗議をいたしました。ところが最近になると、今度は上野人事官が古い者から首を切る、こういうことを語られたのであります。これは家族給の関係が非常に大きいのでありますが、どつちも合理的ではありません。ただここに私の言いたいのは、特に引揚者諸君は勤続年限が浅いことは当然でありまして、今回の行政整理に対しては、この点については特別なる措置を講ずる必要がある。この点について私は本多國務大臣の所信を伺いたいのであります。
 第二は戰災都市と住宅であります。復興計画施行都市百十二、第一次施行計画事業費三百四十六億円、うち國庫補助額二百七十六億円、昭和二十三年九月末までの國庫補助支出総額は十一億六千万円、これだけのことを言いますと國民は唖然とすると考えます。この國庫補助率で今後やつて行くとしましたならば、全國の戰災都市が復興するまでには尚八十五年を要するのであります。世界的関心を集めておりますところの廣島の復興状況は更にひどいものがあります。既往三年半の廣島ののろのろ工事を続けて行きますと、ノー・モア・ヒロシマの平和都市ができ上るまでは今後五百九十七年の日子を要するという計算なんであります。どうするんだ、こういうことで……三月、建設常任委員が四國と九州と中國の三十の都市を調査した結果、今が都市復興計画存廃の分岐点であるとの結論に達したのであります。然るに政府は今回提出したところの二十四年度の都市復興予算は僅かに八億二千万円を計上して、その上に地方起債を極度に圧縮しているのであります。これでは戰災都市復興計画を止めろということであります。漸を追うてやれることと、今やらなければ完全にできなくなつてしまうことは区別してやらなければなりません。吉田総理はこの三日間を通じて、公約は必ず漸を追うてやると言い張つておられますけれども、都市復興計画については漸を追う暇がないのであります。そこで私は民自党内閣に伺いたい。戰災都市復興計画を民自党内閣は放棄されるものだと、こういうふうに私は了解していいかどうか。
 次は住宅対策について、政府は実情を認識していないと思います。即ち今年度の予算案において、又昨日中川安本政務次官が生産増強のために價格調整費は必要であつて、勤労者の住宅のためにこれを振り向けることはできないと言われたのでありますが、これは正に資本家偏重であると私は考えるのであります。第二回國会におきますところの引揚同胞のための二十万戸の建設をせよという決議に対して、又四十八時間勤務制によるところの遠距離通勤者の住宅問題は、今回の鉄道運賃六割値上げという問題と絡みまして、いよいよ深刻化しておる現状であります。この二つの問題につきまして政府は責任ある処置を採るべきであります。先に益谷建設大臣は百億円の住宅復興金庫設置案を発表されたのでありまするが、更に昨年の六月、政府は住宅組合施行規則を改正いたしました。この大小二つの事実は、全國の引揚者、戰災者、一般勤労者をして住宅組合運動に拍車を掛けさせたのであります。然るに今や住宅金融対策は行方不明であります。棄子にされた住宅組合を一体どうするつもりなのか、預金部資金を放出するのか、或いは價格調整費をこれに振向けるのか、何らかの処置を講じなければ、全國の住宅組合はどうなるか分らないのであります。「経済現況の分析」では住宅経済の食いつぶしを安本長官は警告しておるが、正にその通りであります。家賃の釘付けは既得権者には有利でありますけれども、引揚者であるとか戰災者は住宅から完全に閉め出しを食らつておるのであります。こういう不合理を即座に直す必要があります。そこで民間住宅資本を優遇し、新規借家建設に協力されるために、地代家賃統制令を改正すべきである。金があれば家は建つ。ところが家を載せる土地がないのであります、東京都の宅地調査によりますと、千坪以上の遊休宅地が八十八ヶ所あつて五十二万六千坪もあります。又宅地保留区域は千五百十四万坪あつて、まる三年半の間欠伸をして來たのであります。同様のことが全國にあるのであります。政府は昨年八月住宅調査を実施したのであります。その結果に基きこの際宅地の造成に努め、更にその宅地の再分配をする努力を拂うべきであると考えるのであります。
 第三に引揚げ満州開拓民の入植について。十四万三千戸、二十二万五千人の満洲開拓民は、死亡並びに生死不明者九万五千人の犠牲者を出し僅かに六万三千戸、十三万人が引揚げて來たのであります。移民の折には國内農村の犠牲となり、引揚に際しては戰爭の犠牲になつた彼らでありますけれども、而も默々として愛國の至情に燃えて開墾を続けておるのであります。昨日森農林大臣は、この満州引揚開拓民の賃價を認められましたので、私は簡單に質問の三点を申します。現在待機中の引揚満州開拓民一万二千五百戸を入植させるかどうか。又本年の入植は引揚満州開拓民だけに限定すべきである。更に本年シべリアの引揚農民五千人の入植の措置を考えておるかどうか。
 恐縮でありますが時間を急ぎまして、第四は大学についてであります。日本の文化は明治以來東京中心で、極端に中央集権的発達を促されて來たのであります。
#28
○副議長(松嶋喜作君) 時間が経過いたしました。
#29
○北條秀一君(続) 從つて頭でつかちの福助文化となり、トツプ・ヘビーとなつた。だから昭和二十年八月十五日に到頭ひつくり返つたのであります。今や我々は憲法の精神に從い國内に平衡の取れた文化の発達を図らなければならない。これがため特に大学の建設について質問する、今回決定された六十四の新制大学は果して実行し得る確信があるかどうか。私はこれらを再整理して、四國、山陰、中國、北陸の各地に総合大学を建設するよう努力すべきである。
#30
○副議長(松嶋喜作君) 時間が経過しました。(「大事なところは遠慮なくやれ」と呼ぶ者あり)
#31
○北條秀一君(続) 皆樣のお許しを得まして……私学の振興について平岡議員の質問に対し、高瀬文部大臣は善処すると答えられましたが、方向を決めずに善処することはできない。官立大学が東京偏重であることは昭和二十二年の決算で明らかにされましたが、これら東京の官立大学を地方に委讓し、その予算を私学振興に向けることに努力すべきであると考えます。
#32
○副議長(松嶋喜作君) 降壇を命じます。
   〔國務大臣吉田茂君登壇、拍手〕
#33
○國務大臣(吉田茂君) お答をいたします。從來我が國の官吏制度につきましては、大分いろいろ欠点があり、非難があつたために、これを近代的、民主的に直すという意味から、御承知の通り公務員法が制定され、又人事院が設けられたのであります、御承知の通りに行政の基は人事におるということは、私もその通りと考えまするが、併しながらこの人事院が設けられたのは極く最近でありまして、私といたしましては人事院が所期の役割を果すよう期待いたしておるのであります。実施後間もないことでありますから、もう暫らくその業績を見たいと考えます。從つて調査、立案機関にこれを改組するという考えは今日は持つておらないのであります。一應のお答といたします。
   〔國務大臣本多市郎君登壇、拍手〕
#34
○國務大臣(本多市郎君) 人員整理の基準につきましては最前御答弁申上げました通り檢討中であります。更に引揚就職公務員につきましても研究したいと存じます。(笑声、拍手)
   〔國務大臣益谷秀次君登壇、拍手〕
#35
○國務大臣(益谷秀次君) お答をいたします。第一は戰災都市復興の問題でありますが、これはお話のごとく非常に復興計画が遅れておりますことは、誠に遺憾に堪えないのでおります。さりながら政府は復興計画を放棄はいたしておりません。國家財政の許す範囲において、又私といたしまして與えられたる予算の範囲において、重点的に効果的にこれを使いまして、一日も速かに復興計画を完成いたしたいと願つておる次第であります。
 次に住宅金融公社の問題であります。これは御承知のように今日の住宅難を解決いたします緊要なる措置といたして計画いたしたのであります。併しながら國の財政の窮乏いたしておる現状におきまして、政府出費によるこれに対する金融の途を本年度においてはできなかつたのでありますが、どうしても住宅難を解決のために、何か他の面からこの金融の途を開いて参りたいというので、今日一生懸命努力いたしておる次第であります。
 次に地代家賃統制令の問題と存じますが、これは今日の物價の関係若しくは賃金等の関係から睨み合せて愼重に考慮いたしたいと存じております。更に土地の再調整の問題と存じまするが、これは御承知の通り土地再分配にまで発展いたして参りまするので、土地の需要統制或いは経済統制その他一般の経済の統制の上から、余程愼重に考えなければなりません。從つて政府におきましては、愼重に專門的に檢討をいたして見たいと存じている次第であります。以上簡單でありまするがお答え申上げます。(拍手)
   〔國務大臣森幸太郎君登壇、拍手〕
#36
○國務大臣(森幸太郎君) 北條さんにお答いたします。開拓地の入殖者につきましては、当時過去の閲歴を見ますると、経驗のない人を入殖いたしまして失敗をいたした例があるのであります。併しながら満州において長年その道に経驗された人、或いはサイペリア方面より引揚げられた困苦欠乏に堪えてその業をやつておられたいわゆる体驗者は、非常に入殖後の成績が好いのであります。現在二十三年度末までに入殖いたしましたのが二万五千世帶であります。現在におきまして入殖を待機しておられる世帶が一万二千世帶とお話になりましたが、或いは一万六千世帶というような推定もできるのであります。一日も早くこの体驗者を入殖さすと同時に、今後引揚を予定される人々も、その尊い過去の閲歴を活かす意味において、入殖者として取扱う計画を持つているのであります。御承知の通りの財政の状態でありますので、この希望を十分に採入れることを予算の上に見ることができなかつたことは残念でありまするが、本年度におきましては、取敢えず一万世帶を予算の上に計画いたしまして、この待機いたしている人々を入殖いたしまして、その残余の人に対しましては、二十五年度においては優先的にこれを取扱つて行きたい。この待機者全部を入殖する計画を立て得られなかつたことは誠に遺憾な次第でありまするが、予算の関係上どうしてもこれができ得なかつたことは残念でありまするが、今後引揚される方々に対しましても、この方面に入殖をして頂きたいと考えておりますので、この引揚農家に対しましては十分靜養と將來の入殖準備等をして貰いまして、そうして二十五年度の予算には、これらの人を優先的に取扱つて行きたいと考えているわけであります。
   〔國務大臣高瀬荘太郎君登壇、拍手〕
#37
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 北條さんにお答いたします。御質問の國立新制大学の計画につきましては、成るべく経費が膨脹しないように、そうして大学の基礎ができるだけ確立するように、こういう二つの目標で計画を進めておりまして、特別の地域、つまり北海道、東京、愛知、大阪、大都、福岡というような地域を除きまして、同じ地域にあります官立の諸学校は、これを合併整理いたしまして、一府縣一総合大学の実現を図る、こういう原則で立案されましたものであります。從つて今まで各地におりました二百六十七校に上ります旧制の官立大学、官立高等專門学校、師範学校などを統合いたしましたもので、その結果、今までありました旧制の大学、高等專門学校などは、官立のものは全部なくなるわけであります。官立の学校の数といたしましては約四分の一に減少することになります。從つて大学の数は増加いたしますけれども、その大部分は旧制の高等專門学校の統合されたものでありますから、これが余り少くなりますと、日本の教育の低下となりますし、新制高等学校卒業者の收容に困難を生ずることにもなるのであります。文部省といたしましては、これらの点を愼重に考えて、國立新制大学の計画を立てておるわけであります。
 次に御質問になりました東京の四官立大学と申しますのは、東京大学、東京商科大学、東京工業大学、東京文理科大学、この四つを指すものと考えますが、これらの大学は御承知のように、最も歴史の古い立派な傳統を持つた、我が國では最高の水準の大学であります。これを軽々に地方へ委讓するということは、日本の学術教育の発展のため決して取るべきものではないと私は考えております。(拍手)
#38
○副議長(松嶋喜作君) 人事院総裁は只今関係方面に参つておりますから、答弁は後にいたしたいとの趣きであります。市來乙彦君。
   〔市來乙彦君登壇、拍手〕
#39
○市來乙彦君 質問の第一の点は、輸出品の價格についてであります。輸出に関する補給金は全廃されることになつたのであります。これは國際関係の上から、並びに輸出品の性質上当然のことであります。併しながらこれがために輸出の全面的進展は多少妨害されるのであります。この妨害は救済いたしまして全面的進出を全くするためには、当然のこととして、輸出品の價格を補給に依存しない正常の廉價に導かなければなりません。政府にはさような政策があるのでありますか。
 質問の第二の点は、國民生活の安定に関してであります。政府の政策により並びに業者の立場によれば、物價騰貴が行われるのは必然の事実であります。一面においては課税が高過ぎるという國民の叫びがあります。それは税率が高いというのではありません。査定額が不当に高過ぎるというのであります。それは或る程度事実であります。何故なれば、査定額に対して減額がしばしば行われるのを見ても、直ちにそれが事実であることが明らかであります。(拍手)一面において物價高、一面において課税高、國民はこの二つの脅威を受けて生活が安定していないのであります。常に不安に脅かされております。物價高に関しては、政府として食糧の價格を成るべく低廉に導いて、あらゆる食糧を最大限に利用さして、せめて國民の食生活だけは安定せしめるのが、今日の当然急務である政策であります。最大限に利用させるということについては、さような実効を見ないものがあります。実例を挙げれば、水産加工品のごとき、果実のごとき、そうであります。殊に果実のごときは價格が余りに高いために、結局賣れ残りがありまして、これを捨ててしまうのであります。今日の物資の少い時代に、捨てるというような天物を暴殄する、これは一つの罪惡であります。特に政府の注意を要するのであります。物價高について政府にさような政策があるのでありますか。
 課税高につきましては、政府としては公正なる手段を以て徴税に関する紛糾の眞相を確かめねばなりません。これによつて課税の紛糾を排除し、公正なる断定を下さねばなりません。併しこの公正な判断を下すについての調査は、大藏省の手を以てすることは適当でありません。何故なれば、自分がした行爲について自分が調査をするということは、國民の信頼を得ることができないからであります。必ず他の公正なる手段を以てこれを調査して、その眞相を確かむべきであります。私は、総理が直接に手を下されることを相当と思います。総理の直轄の下に数名の公正な人々を置いて、これを調査、査定さるべきであると思うのであります。殊にこの問題は、税制の革新などを待つておるというような悠長な問題ではありません。事目前に迫つておる焦眉の急であります。今年度においての所得額が非常に多い、所得税がきついということは、必ず更に紛糾が重ねて起るべき場合が想像されるのであります。私は首相にお勧めするのであります。速かにこの問題を御調査になりまして、その眞相をつかまえて、これを是正すべきであるということであります。
 又國民が耐乏生活に甘んずべきことは申すまでもない当然のことであります。併しながら今日、料理店の裏口から又は今後表口から入りまして、高價なる飲食物をとる人々と、食糧の値段が高いために必要のものも手に入りにくいという人々との間には、甚だしき懸隔があります。これを放任して置きましたならば、一方はますます贅沢な生活に進むでありましよう。一方はますます悲惨な生活に陷るでありましよう、遂には怨嗟の声をも発するに至るでありましよう。これは今日においてこれを是正せねばならぬことも、これ亦必要なる政策であります。政府にはさような政策があるのでありますか。
 私はこの國民生活の安定について特に政府に希望したいことは、の政策を立てるには、政府としては、常に國民に対する深厚なる同情と豊富なる常識とを以て人心の機微を察し、政策に対して國民の考えが向うのであるか離れるのであるかということをよく考えて、苟くも机の上の理論に押されることなく、高邁なる識見を以て実際に即する政策を立てて、國民を納得せしむる手段をとつて、これを実行すべきであると考えるのであります。
 今挙げました國民の生活に関する問題は、國民の生活が安定するか破綻するか、國民の思想が安定するか、惡化するかという重大な焦点にある問題であります。私は政府が十分にこの点を愼重にお考えになることを切に希望するのであります。
 質問の第三の点は、所得税の徴收についてであります。本年度において所得税の徴收予定額は非常な多額に上つております。これを徴收しまするのに、全部目的を達し得るかということが問題であります。國民所得が相当に増加したために、所得税額が増加するのは当然であります。併しながら國民所得の増加が、納税者の全部に亘つて万遍なく普遍的に亘つておるものではありません。むしろその大部分は或る一方面に偏在いたしておるのであります。從つて國民所得の増加したことを目安として、例えば、國民所得が戰前の二倍になつたから一般の納税者の收入が二倍になつたということで、課税を二倍に上げるというようなことがあるならば、それは非常な不当な処置であります。私の考えを以てすれば、納税者としては正確な基礎計算に基いて正確なる申告をなし、政府も亦正確なる基礎計算によつて査定をなすべきであると考えるのであります。若しこの慣行が今日廃れておりまするならば、この慣行を馴致させるように政府は指導すべきであると考えます。この私の私見に対して、政府の意見を承知したいのであります。尚これに併せて、近頃所得税の徴收、査定、決定ということには、如何ような方法を採つておるかということを、政府の当局からいたして極めて率直に、極めて詳細にお話を伺いたいのであります。
 尚特に首相に今一点伺いたいと考えますることは、今申しまするように所得税の徴收予定の全額が、税法に基く正当なる方法によつては全部を徴收することが困難であろうとも想像されるのであります。同時に徴税の軌道を外れたような方法を以て徴收することは、これは徴税の紛糾を惹き起すことでありますために、これは避けねばなりません。若し所得税の予定徴收額を徴收することが不能でありましたならば如何にすべきか。私はこれに対しては、通貨の一部を封鎖いたしまして、これに対して課税する。これによつて所得税の不足分を補う。それが一番適当な方法であると考えます。元來不換紙幣は富を代表するものではありません。不換紙幣が年々増加するということは、國の貧困の程度が年々深刻になつて行くということを現わすものであります。これがためには、不換紙幣の増加することは種々の方法を以て抑えねばなりません。この点から考えましても、所得税の不納になつた部分を封鎖して課税をして徴收することは当然のことであります。又封鎖課税によりまして義務を果すべき人々は、先に申述べました貨幣の所得が偏在しておるその方面の人々であります。その人々が負担すべきことは当然のことであります。殊にそれはその方面の人々が、國の再建に対する最高の道義であり名誉であります。又この封鎖課税によつて所得税の徴收に関する頗る忌わしい紛雜を排除することもできるのであります。私は首相がそういう点について、十分にお考え下さることを希望するのであります。(拍手)この通貨の封鎖課税については前二代の内閣においては極めて反対でありました。それは通貨の信用を害するということであつたのであります。併しながら通貨が多数になりますれば、必要額を上昇することになれば、賭博の目的になり、又犯罪の目的となります。甚だしきは賄路、收賄の目的となりまして、通貨の信用を失つたことは勿論のこと、政府の信用までも失つたものであります。これを適当に封鎖課税するということは、今日の極めて機宜に適しておる処置であると考えるのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)私の質問はこれで終ります。(拍手)
#40
○副議長(松嶋喜作君) 内閣総理大臣は他日適当の機会に答弁する趣きであります。池田大藏大臣。
   〔國務大臣池田勇人君登壇〕
#41
○國務大臣(池田勇人君) お答え申上げます。御質問の第一点は、課税が高過ぎるため生活が安定しないという御質問であつたと承わつたのであります。御承知の通り嚴密なる意味の均衡財政を作りますためには、租税收入を五千百四十億円と見込まざるを得なかつたのであります。併し只今の状況を見ますと可なり重く相成つておりますので、今後最近の機会に所得税等の軽減を計画いたしております。すでに米國からも專門家が二人昨日参りまして、又シヨープ博士も來月早々お見えになるようになつておりますので、この方々と相談の上、できるだけ早い機会に所得税を中心とした軽減措置を考えたいと思つております。
 第二の課税の粉爭について大藏省以外のところに解決機関を設ける意思はないかという御質問でありますが、只今も申告納税制度を採用し、税務署がこれに対しまして更正決定をする場合に、納税者において異議があれば裁判所に出訴することに制度ができておるのであります。ただ日本の現状から申しまして、帳簿その他が不備のために、裁判になることは極く少うございます。而して今のような状態を続けておりますと、なかなか粉爭がその元を断ちませんので、税務執行の円滑を期するために、或る程度制度の改正を考慮中でございます。
 次に所得税が非常に増加しておる、これだけ取れるかという御質問であつたかと思いますが、只今の物價その他の状況から申しまして、今の現行税制の下におきまして大体取れると見込んでおります。又取れる確信がございます。而うして若しそれが取れなかつた場合に通貨を封鎖する措置はどうかという御質問でありまするが、私は税が取れないから通貨を封鎖するという、こういう考えは毛頭持つておりません、通貨措置は一切採らない方針でおります。
 尚この機会に木下さんからの御質問に対してお答え申上げます。御質問の第一点は、銀行の蓄積資本の運用は銀行の自由に委すのであるが、統制を強化する考えはないかというお話であります。この前の御質問に対しましてもお答いたしましたように、金融機関の公共性を自覚して貰いますと同時に、私は日銀その他の金融機関につきまして改正案を準備いたしております。としても対日援助資金特別会計から千七百億円余りの金が出ますので、相当、金融界は或る程度潤うと思います。而してこれを單に銀行ばかりに委して置くということも如何なものかと思いますので、信用統制の方に向つて行きたいと考えております。次に生活費が上つているが、賃金給與のベースを引上げる用意ありや。只今のところ賃金給與ベースの引上は考えておりません。非常に生活が苦しい点を緩和いたしますために、先程申上げますような所得税の軽減に向つて進みたいと考えております。
 御質問の第三点の國有財産賣却を促進するというが、これに関しいろいろ面白くない噂がすでに耳に入つておる。これに対する所見如何。國有財産の賣拂につきましては正当に評價いたしまして、誤まりなきを期しておるのでございます。今後とも十分御注意の点を頭に入れまして、誤まりのないよういたしたいと考えております。(拍手)
   〔國務大臣青木孝義君登壇〕
#42
○國務大臣(青木孝義君) 只今の市來さんの御質問にお答をいたします。單一レートを設定いたしまするに際しまして、輸出確保対策としてどういうふうに考えておるかということでありますが、單一爲替レートが設定された場合には、円安の輸出品につきましては輸出補助金を交付することは、対外的関係から見ましても財政的見地からいたしましても許されないところであります。併しこの場合可なり輸出が採算割れになる虞れがあり、輸出計画の達成上、相当深刻な影響があるということは懸念されるところでありますが、輸出振興を緊急の課題といたしておりまする我々といたしましては、この一時的にも輸出が停滯するというようなことは、やはり嚴に避けなければならぬということで、大体次のような方策を考えておる次第であります。この資材、資金、こういうものを輸出部門に最優先的に確保するということであります。資材の割当についても、亦資金調整、或いは輸送確保という点についても、輸出部門として最優先的に取扱う、その確保を期しておりますので、資材であるとか、或いは動力であるとか、そういうものの割当については、輸出品の製造工場に確実にされるように努力をいたしまするし、又経済九原則の実施策として、先に私共経済安定本部から安本訓令といたしまして、輸出品生産資材等確保要領、こういうものを発してその実行を図つておる次第でございます。尚金融につきましては融資準則の運用につきまして、貿易金融に必要な資金を確保いたしますために、貿易資金の特別の枠を設定するために只今のところ折角努力中でございます。
 それから第二番目に産業合理化を急速に促進する。こういうことであります。この点はなかなかむずかしいことではありますが、併し我が國の輸出品が國際市場における競爭に堪える、こういうことのためには、品質においては勿論、その技術において、それから量において、当然これを伴つてやらなければなりませんので、結局眞の実力に基いて競爭力を養なわなければならんということであります。このためには当然コストの引下であるとか、或いは企業の合理化ということを急速に促進しなければならないことは言うまでもございません。政府といたしましては、これらのことを輸出最優先の原則に基きまして、又輸出手続の簡素化等も十分これを考えまして、コストの引下にも資する方針であります。要するに業界の自主的に立場を強化するということに協力いたしまして、そうしてこの現行の輸出品の、特にこのドル價格比率の最高を二月には四百五十円としたのでありますが、今回更に四百二十五円と改めまして、そうしてその切下げによりまして價格の面において合理化への第一歩を踏み出すということであります。今後も更に單一爲替レートの設定に備えまして、適時價格比率の切下げ、或いは鞘寄せを図つて、速かに正常に價格水準の達成に努めて参る所在でございます。(拍手)
#43
○副議長(松嶋喜作君) これにて質疑の通告者は全部終了いたしました。國務大臣の演説に対する質疑は終了したものと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十一分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 國務大臣の演説に関する件(第五日)
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト