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1949/05/16 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第28号
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1949/05/16 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第28号

#1
第005回国会 本会議 第28号
昭和二十四年五月十六日(月曜日)
   午前十時四十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第二十七号
  昭和二十四年五月十六日
   午前十時開議
 第一 会期延長の件
 第二 水力電源開発に関する決議案(小畑哲夫君外六名発議)
 第三 簡易生命保險法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 郵便年金法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 日本國有鉄道法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 所得税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 國家公務員のための國設宿舎に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 臨時宅地賃貸價格修正法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 興業債券の発行限度の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 價格調整公團法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一三 過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一四 都道府縣の所有に属する警察用財産等の処理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一五 鉱山保安法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一六 建設業法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一七 屋外廣告物法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一八 公共企業体労働関係法の施行に関する法律案(内閣提出、衆議送付)(委員長報告)
 第一九 水産業團体整理特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二〇 文部省著作教科書の出版権等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二一 福島縣熱海町を郡山税務署管内に移管の請願(委員長報告)
 第二二 福島縣石川町に税務署設置の請願(委員長報告)
 第二三 絹人絹織物消費税の引下げに関する請願(委員長報告)
 第二四 銀メツキ洋食器の物品税減免に関する請願(委員長報告)
 第二五 きせるの物品税免税点引上げに関する請願(委員長報告)
 第二六 製茶の物品税廃止に関する請願(二件)(委員長報告)
 第二七 炭鉱向け資材の支拂に関しひも付融資方法活用の請願(委員長報告)
 第二八 高等学校教育用ラジオ受信機購入の際の物品税免除に関する請願(二件)(委員長報告)
 第二九 美容取引高税廃止に関する請願(委員長報告)
 第三〇 水あめの物品税減額に関する請願(委員長報告)
 第三一 人工甘味料の物品税引下げに関する請願(委員長報告)
 第三二 兒童乘物の物品税引下げに関する請願(委員長報告)
 第三三 國鉄退職者に対する共済年金増額の請願(委員長報告)
 第三四 國民金融公社設置に関する請願(委員長報告)
 第三五 絹人絹力織機復元資金融資に関する請願(委員長報告)
 第三六 絹人絹織物の消費税低減に関する請願(二件)(委員長報告)
 第三七 高崎地方專賣局高田出張所復活に関する請願(委員長報告)
 第三八 久留米市に大藏省專賣局煙草製造工場設置の請願(委員長報告)
 第三九 松山港を開港場に指定の請願(委員長報告)
 第四〇 雪害地方の税負担軽減に関する請願(委員長報告)
 第四一 どぶろく密造防止に関する請願(委員長報告)
 第四二 重要農業生産資材の取引高税除外に関する請願(委員長報告)
 第四三 麻織物消費税引下げに関する請願(委員長報告)
 第四四 電氣アイロンの物品税引下げに関する請願(委員長報告)
 第四五 兒童厚生施設に対する國庫補助制度設定の請願(委員長報告)
 第四六 性病撲滅普及映画作成に関する請願(委員長報告)
 第四七 國立富士病院拡充に関する請願(委員長報告)
 第四八 保健婦檢定試驗に臨時特例設定の請願(五件)(委員長報告)
 第四九 らい特効藥プロミンのらい患者施療に関する請願(委員長報告)
 第五〇 おむつ資材配給等に関する請願(委員長報告)
 第五一 國立都城病院の拡充整備に関する請願(委員長報告)
 第五二 引揚者を行政整理より除外するの請願(三件)(委員長報告)
 第五三 引揚者新規着漁業者に漁業資材継続優先配給の請願(四件)(委員長報告)
 第五四 引揚者に対する物資配給の請願(委員長報告)
 第五五 引揚者住宅対策に関する請願(三件)(委員長報告)
 第五六 引揚者事業体に住宅建設資材優先発註の請願(三件)(委員長報告)
 第五七 公館借上金及び難民救済金の返還に関する請願(委員長報告)
 第五八 中共地区の一般未帰還者に対する給與の請願(三件)(委員長報告)
 第五九 未復員者、特別未帰還者両給與法改正等に関する請願(委員長報告)
 第六〇 引揚者の開拓及び帰還に関する請願(委員長報告)
 第六一 農漁村における引揚者住宅建設助成の請願(委員長報告)
 第六二 上椎葉水力発電所建設に引揚者優先起用の請願(二件)(委員長報告)
 第六三 引揚者の中小企業に対し融資の請願(委員長報告)
 第六四 北朝鮮残留者の帰國促進に関する請願(委員長報告)
 第六五 無縁故引揚兒童教育施設費全額國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第六六 在外同胞引揚促進に関する請願(委員長報告)
 第六七 引揚者の更生事業金融に関する請願(委員長報告)
 第六八 引揚者の住宅建設促進に関する請願(委員長報告)
 第六九 生業資金貸付に関する請願(委員長報告)
 第七〇 福島縣赤井村の地域給を乙地に指定の請願(委員長報告)
 第七一 新庄市官公吏に地域給支給の請願(委員長報告)
 第七二 佐賀縣山代地区官公吏勤務地手当引上げに関する請願(委員長報告)
 第七三 北海道暖ちゆう房用石炭價格引下げ等に関する請願(委員長報告)
 第七四 絹人絹織物統制撤廃に関する請願(二件)(委員長報告)
 第七五 絹人絹織物の統制改革に関する請願(委員長報告)
 第七六 砂利、砂、碎石等の統制廃止に関する請願(二件)(委員長報告)
 第七七 國内用蚕糸類の統制撤廃に関する請願(委員長報告)
 第七八 延岡國道改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第七九 福島縣内四号國道改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八〇 廣島縣縣道改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八一 府縣道大崎、鹿兒島線改良工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八二 北海道の地方費道中金山峠トンネル工事施行に関する請願(委員長報告)
 第八三 國道第二十号線中姫路、若櫻間改良工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八四 國道第二十三号線中西新開、江尻間改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八五 準地方費道入舸岩内線中赤石、神崎両村間開さくに関する請願(委員長報告)
 第八六 房総國道改良工事促進等に関する請願(委員長報告)
 第八七 縣道秋月大隅線改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第八八 國道第二号線中千歳橋架替に関する請願(委員長報告)
 第八九 早津江川架橋に関する請願(委員長報告)
 第九〇 門司市櫻トンネル開通促進に関する請願(委員長報告)
 第九一 國道第二号線中新川、関の江橋間改良工事促進に関する請願(委員長報告)
 第九二 大阪市六間屋川外二河川の橋りよう修築に関する請願(委員長報告)
 第九三 住宅難緩和対策に関する請願(委員長報告)
 第九四 住宅金融機関設置に関する請願(委員長報告)
 第九五 庶民住宅建設の強化促進等に関する請願(委員長報告)
 第九六 岩手縣の水害復旧工事促進のため公共事業費増額に関する請願(委員長報告)
 第九七 北上川白山村地区右岸堤防築設に関する請願(委員長報告)
 第九八 岩手縣の災害復旧費國庫補助等に関する請願(委員長報告)
 第九九 川口川砂防工事に関する請願(委員長報告)
 第一〇〇 鮎喰川改修工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一〇一 吉野川支流砂防工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一〇二 吉野川改修工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一〇三 勝浦川改修工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一〇四 園瀬川改修工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一〇五 準地方費道ウトロ斜里停車場線改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一〇六 鹿兒島加世田線道路改良工事に関する請願(委員長報告)
 第一〇七 伊豆半島縣道を國道に編入の請願(委員長報告)
 第一〇八 熱海、三島両市間の道路改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一〇九 熱海海岸道路改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一一〇 小田原、熱海両市間の道路改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一一一 伊東市、下田町間の道路改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一一二 國道第二号線中関門トンネル開さく工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一一三 渡良瀬川改修工事費國庫補助増額に関する請願(委員長報告)
 第一一四 名取川外四河川災害復旧工事及び改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一一五 江東三区地域内諸河川治水工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一一六 谷之川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一一七 櫻谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一一八 葛野川砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一一九 福田谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二〇 楠本川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二一 育波、瀬智両河川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二二 佐津川支流ブチン谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二三 市川支流七種川砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一二四 兵庫縣野島村折ケ谷砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一二五 洲本川支流千草川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二六 尼子谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二七 松崎谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二八 柿ノ木谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一二九 松ケ谷川砂防工事等施行に関する請願(委員長報告)
 第一三〇 兵庫縣港村畑上地内砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一三一 矢田川支流ハブ川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一三二 照來川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一三三 矢坂川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一三四 竹野川支流宮ノ谷川砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一三五 茨城縣の災害復旧土木事業費追加補助等に関する請願(委員長報告)
 第一三六 利根川治水事業費國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一三七 網走川治水工事促進等に関する請願(委員長報告)
 第一三八 群馬縣下各河川等砂防工事に関する請願(委員長報告)
 第一三九 神戸市獺谷砂防、水路開さく両工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一四〇 布施市の浸水災害防除に関する請願(委員長報告)
 第一四一 菅生沼沿岸堤防築設工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一四二 兵庫縣城崎町横谷砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一四三 磐井川上流砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一四四 斐伊川治水工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一四五 富士橋架設工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一四六 國道第六号線中荒川放水路に架橋の請願(委員長報告)
 第一四七 水害地住宅建設費國庫補助等に関する請願(委員長報告)
 第一四八 住宅金庫に関する請願(委員長報告)
 第一四九 戰災都市復興事業費國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一五〇 税制改正に関する陳情(委員長報告)
 第一五一 炭鉱向け資材の支拂に関しひも付融資方法活用の陳情(委員長報告)
 第一五二 税査定に関する紛爭処理機関設置等の陳情(委員長報告)
 第一五三 絹人絹織物業に対する融資の陳情(委員長報告)
 第一五四 國税徴收関係法令の改正に関する陳情(委員長報告)
 第一五五 轉廃機業者復元に伴う融資の陳情(委員長報告)
 第一五六 酒造技術指導及び研究機関の強化拡充に関する陳情(委員長報告)
 第一五七 母子保護施設拡充に関する陳情(委員長報告)
 第一五八 引揚者に対する特別融資復活の陳情(委員長報告)
 第一五九 宮崎縣富島地区官公吏勤務地手当引上げに関する陳情(委員長報告)
 第一六〇 電力料金の地域差増額に関する陳情(委員長報告)
 第一六一 石砂類の價格統制撤廃に関する陳情(委員長報告)
 第一六二 鶏卵の公定價格統制撤廃に関する陳情(委員長報告)
 第一六三 住宅困窮者の住宅難打開に関する陳情(委員長報告)
 第一六四 道路改良維持工業促進に関する陳情(委員長報告)
 第一六五 住宅金融金庫の設置及び敷地対策に関する陳情(委員長報告)
 第一六六 道路の改良、補修工事費國庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
 第一六七 公共建築物の防災補強補修工事施行に関する陳情(委員長報告)
 第一六八 公共建築物不燃化対策に関する陳情(委員長報告)
 第一六九 住宅建設促進に関する陳情(委員長報告)
 第一七〇 徳島労働基準局廳舎新築に関する陳情(委員長報告)
 第一七一 住宅金庫設置に関する陳情(委員長報告)
 第一七二 渚滑川口導水堤築設等に関する陳情(委員長報告)
 第一七三 渚滑川治水工事促進に関する陳情(委員長報告)
 第一七四 大分縣下各河川の砂防工事施行に関する陳情(委員長報告)
 第一七五 山梨縣の災害復旧土木費國庫補助に関する陳情(委員長報告)
 第一七六 大谷川砂防工事継続に関する陳情(委員長報告)
 第一七七 災害復旧工事費國庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
 第一七八 北上川改修工事促進に関する陳情(委員長報告)
 第一七九 八代、人吉両市間球磨川沿岸道路開通促進に関する陳情(委員長報告)
 第一八〇 住宅復興に関する陳情(委員長報告)
 第一八一 住宅建築用資材確保に関する陳情(委員長報告)
 第一八二 庶民向住宅建設促進に関する陳情(委員長報告)
 第一八三 國営工事分担金に関する陳情(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程第一、会期延長の件についてお諮りいたします。議長は衆議院議長と協議の結果、國会の会期を五月二十三日まで七日間延長することに協定いたしました。議長が協定いたしました通り決定することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#4
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて会期は五月二十三日まで七日間延長することに決定いたしました。(拍手)
     ―――――・―――――
#5
○議長(松平恒雄君) 日程第二、水力電源開発に関する決議案(小畑哲夫君外六名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題といたします。本件は発議者小畑哲夫君外六名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者から要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審議に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。小畑哲夫君。
    ―――――――――――――
   〔小畑哲夫君登壇、拍手〕
#7
○小畑哲夫君 只今議題となりました水力電源開発に関する決議案につきまして、提案者の一人として提案趣旨の御説明を申上げます。
 先ず決議案を朗読いたします。
  経済九原則の示す如く我が國経済の再建は、貿易の振興が成るか否かにかかつている。このためには、國をあげて産業の興隆即ち、生産を一段と増強しなければならない。特にエネルギー源として、海外からの援助を期待し得ない所の電力こそすべてに優先して増強すべきである。
  現下の電力事情は、戰後國内生産の最高水準を誇つているにも拘らず、尚かつ甚だしい不足を告げ、産業の再建に重大なる支障を與えている。
  幸いに我が國は豊かな水力に惠まれている。要は國の生産計画に即應して開発するかしないかにあるのであつて、今日までその具体的施策の展開を見なかつたことは、まことに遺憾と言わなければならない。水力電源の開発は、一朝にして成るものではない。
  電力事業の健全なる経営を図るとともに豊富なる資金、資材の優先的割当と長い工事期間とを要するのである。政府は、電源の開発及び電力事業の発達のために、左の各項に対して、早急に必要なる施策を講じ、その結果を本院に報告することを要求する。
  一、総合エネルギー源の中核として、既設電力設備の改良と新水力電源の開発とを強力に推進するために開発計画の具体化、資金、資材の手当等を緊急に措置すること。
  一、電氣事業の経済的基礎を確立して、自立再生産力を保持せしめるために、電力料金の合理的決定、企業の能率的運営、並びに労働意慾の昂揚に対して必要なる措置を講ずること。
  一、電力事業の主体性を確立してその発展を図るため経営責任の内在を明確にすることとし、必要なる措置を講ずること。
  一、電力の効率的利用及び電力配分の適正化について有効なる措置を講ずること。
  一、電力行政運営につき諮問機関として民主的審議機関を設置すること。
  右決議する。
 決議の趣旨とするところは、この案文によつて明白とは存じますが、多少敷衍いたしまして提案理由を御説明申上げます。
 我が國は電力の普及におきましては世界屈指の國でありまして、家庭においても工場においても電氣なしには一日も生活が成り立たないのであります。かくも電氣に依存することの深い我が國民の生活が渇水期ごとに受けます影響の甚大なることは、皆様方が幾度か御経驗になつた通りであります。かような実情を反映いたしまして、全國各地域の國民各層より電源開発を要望する声は頗る強いものがございます。飜つて我が國の置かれました現状を見まするに、経済九原則の指令により、輸出の増大と生産増強とは我が國民に対する至上命令となつております。而して生産の一要素たる原材料は、連合軍の好意による輸入の途も比較的短時日に充足される可能性もありますが、これを処理加工するに要する電力は開発に相当の年月を要し、両者の時期的の喰い違いが思わぬ電力不足の原因となるのであります。かような特殊事情がありますので、事業者的感覚により数年先の需要を見越し、開発工事を続け、需要供給のバランスを図るのが常道であります。これを過去の実績について見ますに、昭和五年より十五年までの十ケ年において年平均約二十二万キロワツト、最も多かつた昭和十五年においては四十四万キロワツトの水力発電所を電氣事業用のみに完成したのであります。然るに最近はどうかと申しますと、終戰以來現在までの約四ケ年の間に僅かに十七万キロワツト、即ち年平均四万キロワツトを完成しておるに過ぎないのでありまして、その間における新規着手工事がありませんので、今後完成すべきものは更に激減する次第であります。他方電力需要の面を見ますると、終戰直後の混乱期と別といたしましても、その後急速に需要が増加し、嚴重な割当制を実施しておるにも拘わらず、最近は月によつて過去の最高記録を上廻つておるのであります。電力供給力は発電設備と密接不可分でありまして、新たに完成すべき発電所を持たずにかような需要に應ずることは、最近のような絶好の降雨状態の時においてのみ可能なことでありまして、一度異常渇水に遭遇しますなら混乱に陷ることは、必至であります。まして電源開発の措置を講じないで、電力消費水準の上昇を必然的に伴う生産増強や輸出増加を考えるならば、無謀も亦甚だしと言わなければならないのであります。
 飜つて我が國における燃料、動力資源の状態を見まするに、石炭においては、下級炭は需要を充足し得るに至るといたしましても、上級炭は需要を充たすことができず、又埋藏量より見ましても將來樂観を許さないのであります。石油は周知のごとく大部分を輸入に俟ち、薪炭においては、用材をも含めまして、すでに適正採量を遥かに超過しており、最近数年における水害の増大な山森濫伐の結果なりと考える人もあります。然るに我が國における未開発水力は調査済のもののみでも千三百万キロワツト以上でありまして、尚今後の調査により更に増加が期待されています。又開発方式が適当である場合には、出水の一部を貯水することにより水害の軽減にも役立つのでありまして、更に我が國動力給源の中心を限りある石炭より永久に盡きることなき水力に移行せしめることは、我が國の動力問題を根本的に解決する途でもあります。水力電源開発の進展に伴い、薪炭を電熱に置き換えて行く可能性もありますので、山林保全に役立ち、これは更に水源涵養により水力発電の安定に資するのであります。
 かような次第で、差当り生産確保のために必要とする電源開発は、その推進方法の如何によつては、我が國動力問題の根本的解決と國土の保全とが期待されるのであります。從つて水力電源の開発については、何人も異論のないところでありますが、要は一日も早くこれを実行に移すことであります。問題の重要制を認識しますなら、所要の資金資材を優先的に確保し、早急に計画の具体化等を措置する必ずかあるのでありまして、これが本決議案の眼目であります。
 水力電源開発の重要性は以上のごとくでありますが、これが実施の主体となるべき電氣事業の現状はどうでありましようか。拡大生産をも要する現状において、事業者は現有設備補修用資金に調達にすら困難をしているのであります。久しきに亘るインフレの重圧下において、政府の定める犠牲的料金により、経済的基礎は薄弱化し、経営者も労働者も意氣沈滯し、電氣事業再建に憂うべき状態となつています。もとより経営の安定化には、事業者みずからの努力改善を要することは当然でありますが、経営の合理化と、政府の料金設定との両者を勘案しまして、拡大再生産の基礎を確保しなければならないのであります。かくして初めて、開発と既設設備の保全と相俟つて、我が國の動力の安定化が成るのであります。
 電源開発には莫大なる資金を要し、これは差当り自己資金にて賄うことは不可能でありますから、援助資金なり外資の導入なりを要するのであります。これを順次自己資金に切換えるためにも、経理の安定を要するのであります。而して企業の基礎確立のためには、政府の事業監督の程度、事業者相互の関係等につき改善すべき点が多いのであります。これらも勘案しまして、政府の独善に墮さず、國民の意向をも反映せしめるように民主的審議機関を要するのであります。水力電源開発及び電氣事業運営に対する政府の從來の施策を見ますのに、終戰後の電力需要の一時的減退に驚いて電熱利用を勧奬し、需要の急速恢復に対しては使用制限に終始し、水力電源開発計画樹立以來二ケ年に及ぶ今日において、尚その実施に至らぬがごときは、國民の甚だしく不満とするところであります。差当りは生産増強及び國民生活確保の裏付けとして緊急着手を要する水力電源開発も、今後の展開如何によつては平和日本再建の重要礎石となるべきことを深く認識し、内閣の総力を挙げ、本決議の趣旨実現に努力されんことを切望いたします。
 以上が本決議案提案の趣旨の大要でございます。何とぞ皆樣方の御賛成を切にお願いいたします。(拍手)
#8
○議長(松平恒雄君) 本決議案に対し討論の通告がございます。発言を許します。栗山良夫君。
   〔栗山良夫君登壇、拍手〕
#9
○栗山良夫君 私は本決議案に心から賛成をいたします。私は昨年十二月未曾有の電力飢饉に際会して行われました危機突破に関する本院決議に当りまして、本議場を通じて賛成の意を表明いたしましたが、あのときと異なつた心境を以て、より眞劍に、より強力に、本決議案に全面的に賛成いたすものであります。特に賛成の要点二三を挙げたいと思います。
 決議案の主文にありまするように、生産の増強には先ず以て豊富なる電力の確保が絶対要件であります。どれ程豊かな資金と資材とが用意せられましようとも、近代工業におきましては、瞬時と雖も電力の送電なくしては操業を続け得ないのであります。産業の合理化は生産性の高揚が基本でありまして、飛躍的な操業度の増進を図らなければなりません。然るに一週間に数日に及ぶところの休電日を以て甚だしく操業を圧迫するような状況におきましては、生産の増強を叫ぶがごときは全くナンセンスと言わなければなりません。政府は産業五ケ年計画を立て、水力電源百二十五万キロの開発を決定しておりまするが、未だに実行に移る見通しもなく、國民の切なる要望と相距ること遠いものがあります。我が國電力行政は正に電力供給制限行政であると申しても過言ではない実情にあります。今冬の異常出水により、電力問題は一應解消したかのごとき感を一部に與えておりまするけれども、問題の眞相は、より深刻になりつつあるのであります。然るに目を欧洲に轉じますると、東欧洲の状況は審らかでありませんが、今やフランスを中心とする西欧洲においては、「欧洲の復興は電力から」というモツトーの下で着々破壞された発電所等の復興及び拡張へと乘り出しています。本年初頭のコンマース・ウイークリー紙によりますると、昨年度の電力生産は前年度の一〇%増であり、いわゆるERP國即ち欧洲復興加盟國では更に増加の一途を辿つていると言われております。又アメリカの欧洲経済協力局では、特に電力の増強に意を用い、目下の計画が実現いたしまするならば、一九五一年即ち三年後には、全欧洲で二百三十七万キロワツトの増加が見込まれております。又電氣新聞によりますと、この協力局の計画では、石炭節約のために水力発電の増加に努力しつつあり、各所に発電所の建設が行われ、特にベルギー、イタリー、英國、ルクセンブルグ、オーストリア、西ドイツでは着々工事が進められています。アメリカからは、これらの諸國に二百十四万キロワツトに及ぶ諸設備が供給されることになり、更に二ケ國以上に通ずるところの水源に基く発電設備には二百三十万キロワツトの設備が予定せられていると報じております。これらの必要性は当然我が國においても優るとも劣るものではないと信ずるのでありまして、政府は積極的に直ちにあらゆる措置を講ずべきであり、これが賛成の第一点であります。
 次に私は、今次國会において商工委員会において或いは予算委員会におきまして詳しく数字を挙げて力説いたしておりまするが、電力事業の経済的措置の確立であります。只今電氣事業の経済の混乱動搖しておりまする理由の第一は、設備資金の調達が不能に陷つておることであります。電氣事業は終戰後経済再建のために完全なる犠牲産業としての地位に置かれ、自立経営の枠外において復興金融金庫の特別融資により経営を続けて來たのでありますが、本年四月経済九原則の実施によりまして、これら國からの経済的裏付けを断ち切られたため、必然的に資金難に陷つたのであります。電源開発五ケ年計画の初年度たる本二十四年度には約四百億円を要すると言われ、政府はこれに対して見返り資金から二百三十九億円の引当てを内定したと発表しております。私は速急に正式決定せられんことを要望してやみません。併し電氣事業は差当り第一・四半期の繋ぎ資金の行詰りによつて、積極的な運営がストツプの状態にあります。全國九配電会社は、進駐軍関係の工事を除きまして一切の工事が中止の状態にあります。又資材の発注の取消し、代金の未拂い続出の状況であります。日本発送電におきましては、第四・四半期割当中、鉄鋼六千九百トンの二五%、電線千百三十トンの五七%、その他の資材も同樣に割当返上の運命にあります。又石炭代の未拂いは四十余億円、東京芝浦、日立、三菱の三大電氣機械メーカーのみでも、三社の総未拂金の一〇%に相当する額を日本発送電が受持つていると言われております。このような資金難の直接原因は犠牲産業扱いにせられている電氣事業の当然の姿でありましようが、國民がひとしく認めているところの不合理極まる電氣料金政策が、電氣事業の收支のバランスを根本から崩し、混乱せしめているからであります。経済的信用失墜の結果、営利的金融機関の投資の対象から外され、自力で金融措置を講じ得るような状態にないからであります。勿論公益事業でありまするから、電氣料金の更改など軽々に行うべきでなく、最優先的に企業内部の合理化を断行せしめなければなりません。併し合理化の断行によつて生ずる余力は僅々三十億円、年收入の一〇%を出でない状態でありまして、これを差引きまして、年收三百七十五億円の三二%、百二十億円の赤字を更に有するのであります。到底企業の合理化でカヴアーし得る程度のものではないのであります。これは昨年六月の電力料金決定時の電力原價計算の内容が、石炭割当の増大、賃金ベースの変更、政府補給金の打切り等で大幅に変化したからであります。この再生産費を償い得ない不合理な電力料金は、他物價との釣合い、電力事業の收支のバランスの両面から勘案いたしまして合理化を急がなければならないのであります。電力料金の基礎生産財中に占める割合は、戰時中に比較して、硝安の八・五分の一を最高に、平均三分の一に低下しております。又物價指数中、石炭三〇〇%、二十三年度小賣物價の総平均一五〇%に対しまして、電力三〇%と、指数の最下位にありまする事実、又電力料一キロワツトアワーにつきまして、一般家庭用電燈電熱料金の二円七十銭、小口動力一円、大口動力平均六十八銭、特殊電力はこれらの六五%引によりまして、不当に低廉な動力料金の尻を一般大衆が負担しておりまする事業、この不合理な数々の点を愼重に檢討して、國民輿論の中におきまして適正な電氣料金を設定し、以て貴重なる基礎基源であるとの深い認識を喚起する必要があるのであります。このようにして電氣事業の経済的基礎を確立し、電氣事業に生氣を與えて、豊富なる電力の生産に挺身せしむべきであると考えます。これが賛成の第二点であります。
 又電力は申すまでもなく貯藏のできない、生産即消費の特殊性格を有する生産品であります。從つて生産から消費に至る過程におきまして、科学的に且つ周到な注意の下で特殊技術が遺憾なく発揮されるのでなければ、決して能率的な経営は期待できないのであります。これこそ從事員の盛んな勤労意欲が発揮されるか否かに懸けられております。一般産業工場における集團労働と異なつて、労働者個々の勤労意欲に左右されることでありまして、資金資材と相並んで電産労働者こそ電氣生産の鍵を握つておるわけであります。從つて電氣生産の要の一つは電氣労働者の生活安定でなければなりません。然るに本年三月決定の新賃金は公務員水準を下廻る賃金水準となり、その結果、不満は各所に爆発して、職場規律は紊れ、勤労意欲は著しく低下しつつあるのは誠に遺憾と言わなければなりません。世上ややもいたしますると、一部の人々から電産労働者の過去の活動に対して誤解を招いているもののようでございまするけれども、この誤解を生むような活動をとらしめた最大の理由は、一昨年十二月の爭議解決の條件を誠意を以て履行すべく政府が指導しなかつたことにあるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)若しこの協定が完全に履行せられておりましたならば、電産の労働平和は期せずして確立し、誤解を招くような行動は必要がなかつた筈であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)最近におきましても、約束の不履行に重ねるに一方的な労働協約の破棄、退職金の一方的な切下げなど、生活の根本を奪うような諸政策が強行せられておるのでありまして、正に勤労意欲の抑圧策の強行なりと断ぜざるを得ないのであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は政府が誠意を以て勤労意欲の高揚に対する具体的措置を講ぜられんことを希望して止まないのであります。これが賛成の第三点であります。
 以上三点を特に力説いたしまして、本決議案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
#10
○議長(松平恒雄君) これにて討論通告者の発言は終承いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#11
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)
 只今の決議に対し政府より発言を求められました。稻垣商工大臣。
   〔國務大臣稻垣平太郎君登壇〕
#12
○國務大臣(稻垣平太郎君) (「しつかりやつて呉れ」と呼ぶ者あり)只今本院において御決議に相成りました水力電源開発に関する決議案に対しまして、政府の所見を申述べます。
 水力電源の開発が最も重要であり、殊に資源の乏しい日本におきまして、これが開発は緊急事であり、最も重点を置かなければならないものであるという点につきましては、全く政府といたしましても同樣に考えておるのでありまして、我々といたしましても、この点については十分なる考慮を拂い、これが対策について考究いたしておる次第であります。御決議に相成りました五項目につきましても、例えば資金の問題、或いは電氣料の問題、或いは電力の合理的な利用の問題、配分の問題、そういつた問題につきましてはそれぞれ対策を檢討いたしておるのでありまして、殊に最も問題に相成つておりますところの電力料金の問題なり、或いは又資金の問題につきましては、一日も引くこれが実現を期したいと存じておる次第であります。尚この審議会の問題につきましては、この点につきましては、近く電力の集排法の問題に関連いたしまして、電氣機構の再編成の問題も起ると思うのでありまして、その機会におきまして、これらの審議会についての構成を十分考慮いたしたいと、かように存じておる次第であります。(拍手)
     ―――――・―――――
#13
○議長(松平恒雄君) この際、日程第三、簡易生命保險法案、日程第四、郵便年金法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。逓信委員長大島定吉君。
    ―――――――――――――
   〔大島定吉君登壇、拍手〕
#15
○大島定吉君 只今議題となりました簡易生命保險法案並びに郵便年金法案の逓信委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 先ず両法案の提案理由といたしましては、法の民主化を図るため、從來の法体系を改めて、保險及び年金契約に関する法本的事項はすべて法律を以て規定し、その他の事項はそれぞれの約款に讓り、併せて最近における経済事情の推移並びに民法の改正に伴い必要な規定を設ける等のため、從來の簡易生命保險法及び郵便年金法を廃止し、新たに簡易生命保險法及び郵便年金法を制定しようとするものであります。
 以下両法案の内容の現行法と異なる主な点について申上げます。第一に、両法案につきましては、新たに法律の目的並びにこの事業の管理経営主体を明定したことであります。第二に、保險及び年金契約に関する基本的事項はすべて法律を以て規定し、その他の事項は簡易生命保險約款及び郵便年金約款に讓るものとし、而してこの場合これらの約款の制定又は改正には、学識経驗者、加入者代表より成る簡易生命保險郵便年金事業審議会の議を経ることを要するものとしたことであります。第三は、保險金最高制限額二万五千円を五万円に、又年金最高制限額二万四千円を十二万円に引上げると共に、その最低保險金額千円を五千円に、最低年金額二百四十円を六千円に引上げたいというのであります。第四は、保險契約の乘換ということであります。保險金は過去数回に亘り小刻みに引上げられました結果、小額の契約が多数あるのでありますが、経済事情の推移に伴いまして、かような契約を持つていることは加入者として少からざる不便を感じ、又政府も事業経営者として多額の事業費支弁に悩まされておりますので、ここに新たに契約に責任準備金を引当といたしまして、より高額の契約に乘換える途を開くことにいたしたことであります。第五は、新たに保險金額の倍額支拂ということを定めたことであります。即ち、被保險者が保險契約の効力発生後二年を経過した後において、不慮の事故その他の不可抗力又は第三者の加害行爲によつて身体の外部に生じた障害を直接の原因として、被害の日から二ケ月以内に死亡したときは、保險金支拂の際、保險金の倍額支拂をすることとしたこと、尚、身体の外部に生じた障害によらない場合であつても、不慮の事故その他不可抗力又は第三者の加害行爲によることを保險契約者又は保險金受取人が証明したときも、同樣に保險金の倍額支拂をすることにいたしたのであります。以上は両法案の大要であります。
 本委員会におきましては、付託されまして以來、愼重審議いたし、各委員より熱心な御質疑がありましたが、その主なるものを申上げますと、先ず保險金及び郵便年金の最高制限額及び最低制限額決定の根拠如何、いま少し保險金額を高額に決定すべきではなかつたかとの質問に対しましては、経営上から言つても、又物價との関係から言つても、いま少し高額なることを理想とするのであるが、急激な最高額の引上げは、他面、民間保險事業を圧迫する結果となるので、簡易保險の本質上からして五万円に決定したこと、最低制限額は一件の一年間の契約維持費約百円を基礎とし、最低額を千円としたのであるとの答弁がありました。次に、保險契約の乘換については、乘換と、旧契約を解消して新規に契約するのと、契約者にとつてどの程度の差異があるかとの質問に対しましては、解約の場合は還付金として積立金の八〇%から九八%しか返さないが、乘換の場合は積立てた金額を新契約に振替えられる利益があるとの答弁がありました。次に、第三十一條の保險金の倍額支拂は事業経営上差支えないかとの質問に対しましては、この條項によつて倍額支拂を行うのは二年経過後であつて、二年先には事業の経営状態は改善され、相当の剩余金が生ずる予定であり、又これによつて支拂われる金額は一年間約一億二千万円程度と予想されるので、この程度の額は事業経営上別に差支えないとの答弁がありました。次に、両積立金の運用は、その本質上事業経営主体たる郵政省においてなすべきものであると思うが、これに対する逓信大臣の所見如何との質問に対しましては、運用は経営主体たる郵政省がなすべきものと考えておるが、現在は特殊事情のためにそれが行われておらない、これを本來の姿に帰すべく最善の努力を傾注する考えであるとの答弁がありました。
 以上にて質疑を終り、討論を省略いたしまして、採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました。簡單でございますが、逓信委員会における審議の経過及び結果の御報告を終ります。(拍手)
#16
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#17
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#18
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更し、日程第五を後に廻し、日程第六、船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。運輸委員長板谷順助君。
    ―――――――――――――
   〔板谷順助君登壇、拍手〕
#20
○板谷順助君 只今議題となりましたる船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案につきまして、運輸委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 從來の船舶國家使用制度は本年四月一日より定期よう船制度に切替えられたのでありまするが、これに伴いまして、船舶運営会を退職し直ちに船主に雇傭される船員に対しましては、一々退職手当を支給しないで、その帰属する船主に退職手当に相当する金額を交付して置きまして、他日両者の雇傭関係が消滅いたしましたときに船主よりその船員に支拂わしめることとし、一面、交付金の管理につきまして船主に対し一定の拘束を加えることにいたしたのが、本案の主なる内容であります。これに対しまして小泉委員より、交付金の管理につきまして船主が船員の利益を害しないため、政府は如何なる監督をするかという質問があり、これに対し政府委員より、恐らくは海員組合と船主との間の円満なる協調によつて、かような心配のないように期待をしているが、問題が生じたる場合においては、政府が両者の間を調停することにしたいという答弁があつたのであります。而して討論採決の結果、本法律案は全会一致を以て可決すべきものと決定した次第であります。以上御報告申上げます。(拍手)
#21
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#22
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(松平恒雄君) この際、日程第八を後に廻し、日程第七、所得税法等の一部を改正する法律案、日程第九、臨時宅地賃貸價格修正法案、日程第十、國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案、日程第十一、興業債券の発行限度の特例に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上四案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員長櫻内辰郎君。
    ―――――――――――――
   〔櫻内辰郎君登壇、拍手〕
#25
○櫻内辰郎君 只今議題となりました所得税法案等の一部を改正する法律案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず本案の提案理由及び内容について申上げます。所得税法、法人税法、有價証券移轉税法、相続税法、通行税法、及び取引高税法に規定されている加算税の計算を簡易化するため、加算税額の計算の基礎となる税額の現行限度百円を千円に、加算税額の現行限度十円を百円に改めると共に、所得税法等に規定されている追徴税の計算方法についても、同樣簡易化を図る見地より、所要の改正を行わんとするものであります。さて本案は五月十一日より十二日まで愼重に審議いたし、各委員より熱心なる質疑があり、政府亦これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録に讓りたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十二日討論に入り、採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。
 次に只今議題となりました臨時宅地賃貸價格修正法案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず本案の提案理由並びに内容について申上げます。現七の土地の賃貸價格は昭和十三年に一般的に改定せられたものでありますが、その後の経済事情の変動により、各地目について或る程度の不均衡が生じておるのであります。なかんずく宅地の賃貸價格については、戰災その他の原因により著しく不均衡になつているのであります。この不均衡を是正するため土地賃貸價格の一般的改定の調査に今直ちに着手することは、税務行政の事情等から見て困難であり、又今回の地方税法の一部を改正する法律案により、地租の賦課率は土地の賃貸價格の百分の五百に引上げられることになつておるのであります。從つて比較的変動の少い農地等の賃貸價格については差し措くことといたし、差当り宅地の賃貸價格のみにつき、土地の賃貸價格の一般的改定と切り離し、修正を加え、租税負担の適正を図ろうというのであります。
 今回の宅地の賃貸價格の修正は、本年四月一日現在、土地台帳に登録されている宅地の賃貸價格で、土地の現況に照し著しく不均衡となつているものにつき、本年十月一日においてこれを行うこととしたのであります。宅地の賃貸價格の修正に当り、戰災その他の災害を受けていないこと、及びインフレーシヨンによる一般的影響を除き、戰爭に基く経済変動の影響を受けていないこと等により、賃貸價格の修正を要しないと認められる市区町村の内から、原則として都道府縣に一ヶ所程度の基準地区を選定し、基準地区の宅地の賃貸價格は現行のまま据置くこととし、これと比較して、基準地区以外の区域内の宅地の賃貸價格を修正するのであります。基準地区以外の区域内の宅地については、原則として区域主義を採り、本年四月一日現在において、現行の賃貸價格の定められた昭和十三年以降における経済事情の変動等による影響の程度が同樣であると認められる区域は、これを一区域といたし、その区域内の標準となるべき宅地を選定し、その賃貸價格に対する右の標準となるべき宅地と土地の状況が類似する基準地区内の宅地の賃貸價格の割合を求め、その割合を右の区域内の宅地の賃貸價格に一律に乘じて、賃貸價格を修正するのであります。尚、基準地区内に標準となるべき宅地と状況類似する宅地が見出し難い場合においては、基準地区内の比較的状況類似する宅地等に比準する方法を採ることになつております。併し戰災その他の影響により各筆相互間の不均衡が甚だしい区域については、右の一定の割合を一律に乘じて修正賃貸價格を算出することが不適当であると認められますので、宅地各筆ごとに賃貸價格を修正いたすことにしたのであります。宅地の賃貸價格の修正に当り、大藏省に基準地区調査会を、財務局に原則として都道府縣ごとの地方宅地賃貸價格調査会を、必要な税務署に宅地賃貸價格調査会を設置し、それぞれ地方公共團体の職員及び学識経驗者のうちから委員を選び、これらの調査会に重要な事項を諮問いたすこととしたのであります。
 さて本案は去る五月十一日より五月十二日まで愼重に審議をいたし、各委員より熱心なる質疑があり、政府又これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願いたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十二日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。
 次に只今議題となりました国の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず本案の提案理由並びに内容について申上げます。國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関しては從來も当該物品の引渡しの時までに納付させることになつておりますが、この原則規定を法律以て定めますと共に、從來特に制限を設けていなかつた賣拂代金の延納に関し制限規定を設け、必要止むを得ない場合に限り、担保の提供その他一定の條件の下にこれを認むる等、諸規定の整備をなさんとするものであります。さて本案は去る五月九日より五月十二日まで愼重に審議をいたし、各委員より熱心なる質疑があり、政府又これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録により御承知を願います。かくて質疑を終局し、五月十二日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。
 次に只今議題となりました興業債券の発行限度の特例に関する法律案の大藏委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず本案の提案理由並びに内容について申上げます。経済九原則の実施により本年度予算においては復興金融金庫は著しくその機能を縮小し、これに伴い長期産業資金の供給は著しく窮屈となつておりますが、他面において経済復興のための長期産業資金の円滑なる供給が期待されているのであります。このような金融状況に鑑み、今回、日本興業銀行法の興業債券の発行限度たる拂込資本金額の十倍を二十倍に、即ち百億円に引上げ、その範囲内で債券を発行し、長期産業資金の需要に應じようというのであります。尚、債券発行銀行の恒久的な制限としての研究は、全般的な金融制度の改革の際に研究することとし、取敢えずの措置としまして、暫定的に昭和二十五年三月までの期間を限つて、日本興業銀行の債券発行限度を二十倍とする内容の單行法を制定しようというのであります。さて本案は五月九日より五月十二日まで愼重に審議いたし、各委員より熱心なる質疑があり、政府又これに対し懇切なる答弁がありましたが、その詳細は速記録に讓りたいと存じます。かくて質疑を終局し、五月十二日討論に入り、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
#26
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなけれど、これより四案の採決をいたします。四案全部を問題に供します。四案に賛成の方の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#27
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて四案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(松平恒雄君) この際、日程第十二、價格調整公團法の一部を改正する法律案、日程第十三、過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員長佐々木良作君。
    ―――――――――――――
   〔佐々木良作君登壇、拍手〕
#30
○佐々木良作君 只今議題となりました價格調整公團法の一部を改正する法律案及び過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案につきまして、経済安定委員会の審議の経過並びに結果を簡單に御説明申上げます。
 價格調整公團法の一部を改正する法律案は、政府の提出説明によりますと、價格調整公團設立以來二ケ年間の経驗に鑑みて、同公團が業務を一層円滑確実に行うと共に、これを簡素強力に遂行できるようにするため、次の二点に改正しようとするものであります。即ち第一に、現行法におきまして、同公團が價格などの調整をするため、(一)資金の受入れ又は交付(二)物資の買取及び賣戻しを行い得るよう定められてあり、從來この二つのうち、主として買取賣戻しの方法を用いていたのでありますが、今後漸次資金の受入及び交付の方法に轉換することを必要としますので、物價廰長官に、この受入、交付を命ずる権限を與えて確実に行い得るようにするというものであります。第二に、價格調整公團の役員若しくは職員に、物資の買取賣戻しの際に帳簿上の操作以外に実地に臨檢、檢査を爲す権限を與えることによつて、公團の業務を正確且つ能率的に行わしめようとするものであります。
 本改正案につき藤井委員初め各委員より、本改正案の内容、影響等につき、種々の質疑が行われ、政府からそれぞれ答弁がありましたが、その内容は会議録に讓ります。次いで討論に入りましたところ、鎌田、藤井両委員より、それぞれ價格調整公團の運用につき実情に即して漸次改善して行くよう希望を附して原案に賛成する旨の発言があり、採決を行いましたところ、全会一致を以て本改正案を可決すべきものと決定いたした次第であります。
 次に過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案について御説明申上げます。
 本法案は、過度経済力集中排除法第二十六條の規定により、過度経済力の集中排除に関する持株会社整理委員会の職権及び記録並びにこれに必要な職員を公正取引委員会に移管するための法律を、昭和二十四年六月三十日までに制定しなければならないので、その移管についての所要の規定を設けようとするものであります。本法案においては、これらの移管の日については、集中排除法の実施状況と睨み合せて、この法律施行後六ケ月以内に公布される政令で定めることとなつておりますが、これは提案説明によりますと、現在尚はつきり見通されない事情もありますので、止むを得ないものとのことでありました。尚、各委員よりの種々の質疑に対しまして政府からそれぞれ答弁がありましたが、内容は会議録に讓りたいと思います。討論に入りましたところ、各委員から、当然のことであること、或いは移管の日を政令で定めることにつきましても止むを得ない措置であることの点が述べられて、賛成する旨の発言がありました。次いで採決に入りましたところ、全会一致を以て可決すべきものと決定した次第であります。
 以上両法案の委員会経過並びに結果を御報告を終ります。(拍手)
#31
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。先ず價格調整公團法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#32
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#33
○議長(松平恒雄君) 次に過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#34
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#35
○議長(松平恒雄君) 日程第十四、都道府縣の所有に属する警察用財産等の処分に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。地方行政委員長岡本愛祐君。
    ―――――――――――――
   〔岡本愛祐君登壇、拍手〕
#36
○岡本愛祐君 只今議題となりました都道府縣の所有に属する警察用財産の処理に関する法律案に関する地方行政委員会の審議の経過並びに結果について御報告いたします。(「國務大臣どこに行つた」「國務大臣も政府委員もいないじやないか」と呼ぶ者あり)
 本法案の提案理由及び内容は、昨年三月我が國の警察が國家地方警察と自治体警察の二本建の制度に切替えられた際、警察法附則第九條によつて、國又は都道府縣の所有する財産又は物品で、國家地方警察に不必要であつて市町村警察に必要なものは、その市町村に無償で讓渡することとしたのでありますが、國家地方警察に必要なものの処理については何ら規定するところがないために、新制度運営上種々支障があつたので、今回これを明確にしたのであります。
 第一條では、警察法施行の際、警察の用に供せられていた都道府縣所有の財産及び物品で國家地方警察に必要なもの及び同法施行後昭和二十三年六月三十日までに國家地方警察の用に供するために都道府縣が取得した財産及び物品は、無償で國に讓渡することとし、又國家地方警察に必要な土地及び國家地方警察が都道府縣と共用している建物で都道府縣の所有に属するものは、國が無償でこれを使用すること等を定めました。
   〔議長退席、副議長著席〕
 第二條では、國が取得する財産について負債が伴つておる場合には、國がこれを承継する旨を定めました、第三條では、警察用有線電氣通信施設中、國家地方警察に移管されるものの範囲を明らかにし、それ以外の逓信省に移管されるものについては別に法律でこれを定めることにし、第四條では、この法律を適用する場合に具体的には当事者間に見解が分れることもあり得ることと予想して、その場合の決定を内閣総理大臣に委ねることといたしてあります。
 委員会における審議中、特に問題となつた点は、本法案によつて國に讓渡される建物、通信施設及び物品の見積り額は三十億三千余万円でありますが、委員側から、本法案を通じて、國本位の極めて一方的な考え方に基いて、成るべく國の方に召上げるという精神が強く滲み出ているように思われる、これは地方自治を伸張することと全く逆行するものであつて、さらでだに財政権に喘いでいる地方自治体の実情を無視したやり方である。よろしくこの法案の第一條の規定と反対に、原則として財産は都道府縣や市町村に帰属せしめて、止むを得ない必要な場合と必要な範囲に限つて國がこれを無償使用することができるように規定するか、又は少くとも國が有償で買上げるという行き方をすべきものと思うとの質問に対し、政府側から、從來都道府縣の警察経費に対し國から多額の補助費を交付していたのであるから、今まで一本であつた警察の機構が國家地方警察と自治体警察の両者に分れるに際し、それぞれ國と市町村とに無償で移管するという原則を立てたのであつて、決して一方的に國だけの都合を考えたのではないという答弁がありました。五月十三日の委員会において討論に入りましたが、各委員より別に発言もなく、採決の結果、全会一致を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告を申上げました。(拍手)
#37
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#38
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#39
○副議長(松嶋喜作君) 日程第十五、鉱山保安法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。商工委員会理事玉置吉之丞君。
   〔玉置吉之丞君登壇、拍手〕
#40
○玉置吉之丞君 只今議題と相成りました鉱山保安法案に関する商工委員会の審査の経過並びに結果について御報告申上げます。
 鉱業の保安に関する法制の歴史は極めて古く、保安が生産の基礎となる鉱業の特殊事情に即應して、明治二十三年の鉱業條例制定以來、施設の保護、鉱害の防止等について、これを法的に規制し、商工省において総合的、一元的に監督して來たことは、すでに御承知のところであります。然るに終戰以來は、主として戰時中の濫掘による鉱業施設等の荒廃のため、鉱山の保安状況は著しく惡化して参つたのであります。その最も極端な例と石炭鉱業について見ますと、炭鉱が通常な操作状態にあつた昭和五年―九年の五ケ年の平均災害率と今日とを比較すると、災害回数において五ケ年平均が七万回であつたのに対し、昭和二十三年度は九万三千回、昭和二十三年度は十万回であります。死傷者において五ケ年平均が七万人であつたのに対し、昭和二十二年度は九万三千人、昭和二十三年度は十万人を突破しておるのであります。このような状態を放置するならば、鉱業生産の飛躍的増産は期待すべくもなく、鉱業生産の確保向上のためには何としても保安條件の整備が焦眉の急とされまして、これを規制する鉱山保安法案の改正強化が必須條件とされるのであります。以上が本法案提案の理由であります。
 次に法案の内容について骨子となつておる点を申上げます。
 先ず法案の目的でありますが、第一條に明文を設け、鉱山労働者の保護を図ると共に、鉱物資源の合理的開発を期するという二つの目的を併せ持つものであることを明確にしております。この目的達成のため、本法案において次の三点に法制上の重点を置いているのであります。
 即ち第一の点は、鉱業の保安に関する鉱業権者、及び保安技術職員、その他鉱山労働者の責任を明確にするということであります。第四條以下第二章保安の項に含まれておる條文が即ちそれであります。第二点は、鉱業の保安が特殊の技術的事項であるに鑑み、鉱山の現場機構を整備強化せんとしておることであります。即ち保安管理者、保安監督員等の保安技術職員の制度を整備し、且つその資質の向上を図る外、各鉱山に保安委員会の設置、実情に即する保安規程の作成を義務づけ、現場保安事務の円滑なる運営を期する点等であります。第三の点は、鉱業の保安に関する監督機関の整備と、その極めて民主的な運営を図つておるということであります。即ちこの法案実施のため中央に鉱山保安局を設け、地方に鉱山保安監督部、炭鉱保安監督部を置いて、それぞれ商工局、石炭局に附置し、これらに監督官を配して保安監督の強化を図ろうといたしておるのであります。これと共に、その民主的な運営を確保するため、中央地方にそれぞれ労資、学識経驗者よりなる保安協議会を設け、重要事項について審議することにいたしております。尚、本法案に基き監督機関が操業に影響を及ぼすような命令を発しまする際には、最も民主的な公開による聽聞を行い、事前に直接関係者の意見を聽く制度を創設しているのであります。
 次に質疑應答について簡單に申上げます。詳細は速記録に讓りますが、質疑といたしましては、第一に労働省と商工省の所管問題であります。第二に鉱山の附属施設も本法の適用対象となつている理由、第三に保安技術職員の國家試驗と一定の資格に関する省令の方針、第四点としては保安委員会の構成に関する件、第五点としては法案とストライキとの関係等を中心として、政府との間に活溌な論議が展開せられまして、政府からもそれぞれ適当な答弁がございました。
 かくて本法については愼重なる審議の末、討論に移りましたところ、島委員、栗山委員、細川委員より、おのおの本法により労働ボスの跳梁を防止することは困難であり、商工省一本の所管では生産のために保安をなおざりにする公算が大であつて、結局において労働者の犠牲により生産を強行する可能性が濃いとの反対意見の開陳がありました。山田委員より、本法は鉱業権者の最終責任と保安行政機構の一元的統一により、保安の確保、生産の向上に資するところが、大であるとの賛成意見の開陳がありましたが、採決の結果、多数を以て本法案は可決されたのであります。この点御報告申上げます。(拍手)
#41
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#42
○副議長(松嶋喜作君) 過半数を認めます。よつて本案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
#43
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程第十六、建設業法案、日程第十七、屋外廣告物法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。
    ―――――――――――――
   〔石坂豊一君登壇、拍手〕
#45
○石坂豊一君 只今議題となりました建設業法案及び屋外廣告物法案について、建設委員会における審議の経過及び結果を簡單に御報告いたします。
 委員会は二法案について提案理由の説明を聽き取り、当局との間に熱心なる質疑應答を交換いたしました、殊に建設業法案については、その重要性に鑑みまして、建設工事の注文者、建設業者及びその從業者、能率等の学識経驗者の代表九人の出頭を求めまして、審議の参考に資したのであります。愼重審議の結果、採決をいたしまして、原案通り可決いたした次第であります。
 先ず日程第十六の建設業法案について申しますと、土木建築事業は、國土の保全、開発等國民経済再建上大いなる重要性と公共性を有しております。又一方その現状に鑑みまして、建設工事の適正なる施行を確保すると共に、建設業の健全なる発達を図ることは緊急止むを得ない事柄であります。本法の制定はそのため第一歩を踏み出したものであります。本法案の内容の主なるものは、第一、本法適用の範囲、第二、登録、第三、建設工事の請負契約、第四、技術者の設置、第五、監督、第六、建設業審議会、第七、罰則等であります。
 現在建設業者は、総合、職別、元請、下請等の別があり、大小その数は甚だ多数に上りますので、これら業者をすべて網羅して規制することは困難なばかりでなく不適当であります。本法案は適用の範囲から、一、政令で定める軽微な工事を請負う者、二、板金工事、とび工事、ガラス工事等各種の副次的工事の完成のみを請負う者を除外しております。軽微な工事は一定の金額を以て定められる見込でありますが、その限界は実情に即することを期するものであります。
 業界の向上発達を図ることは法案の眼目でありますが、これについては登録制をとつております。登録を受ける業者は一定の技術者を有することを要件といたしております。登録については業者の営業の内容を明らかにする書類を添付せしめ、これらを閲覽することによつて公開する途を講じております。登録は建設大臣又は都道府縣知事がするのでありますが、その違いは営業が二以上の都道府縣に亘るか然らざるかの区別に過ぎません。尚、登録については、一定の條件による拒否、抹消及び取消がありまして、登録の効果を收めるための方法としております。從來、建設業者と注文書との立場は、当事者の如何により甚だしく異なり、請負契約の條項も頗る区々でありますが、本法は、両者の立場を対等ならしめて公正なる契約を締結せしめ、信義と誠実を以て履行せしむることを根本的な建前といたしております。本法案は契約條項の重要なるものを列挙して、これを書面により明らかにすることを要求しております。これらの事項の中には、從來明確なる約定を欠くため紛爭を生じ、又はその危險を見越して工費の増嵩を來すなどの結果を生じておりますので、法案は更の中央建設業審議会に、標準契約約款を作成し、その実施を勧告せしむることといたしております。
 法案は工事見積りをするために一定期間を置くこと、一括下請に付することの禁止、契約保証人、不適当な下請人の変更等に関しても規定を設けております。かくて請負契約に関し紛爭を生じた場合は、当事者は建設業審議会に解決の斡旋を申請することができるのであります。工事の技術的向上を図るために建設業者は現場に主任技術者を置き、公共性のある重要な工作物の工事については、專任の主任技術者の設置を要求しております。工事の公正なる施行と、業界の向上発達を図るため、監督の方法として、建設大臣又は知事は、法律に列挙する場合においては、業者に対して必要なる指示をなし又は適当なる措置をとるべきことを勧告することができることといたしております。これに関連して、建設大臣又は知事は六ケ月以内の営業停止、更には登録取消の途も開かれております。又利害関係人は、これらの事実があるときは建設大臣又は知事に事実を申告して適当なる措置を求めることができるのであります。最後に、業者に対する処分に参加し、又諮問、建議に関するものの外、建設事業の改善育成に関する重要事項の調査審議に当らしめるため、建設業審議会を設置することといたしております。尚、法案においては必要なる罰則及び附則を設けております。
 本案の審議に当りましては、各委員と政府当局との間に熱心活溌なる質疑應答を重ねたのでありますが、かくて質疑を終えて討論に入りましたところ、原口、岩崎、北條各委員より
 一、登録はすべて都道府縣知事がこれをなすこととして業者の間に差別を設けないこと。
 二、請負代金の支拂及び遅延利息については、官公署が当事者である場合もこれを実施することにつき善処すること。
 災害復旧事業は特殊の事情があり、その代金未拂に起因して、本法実施に支障を來たさざるよう善処すること。
 三、建設業審議会はこれを十分に活用して建設業の改善発達及び育成を図るとともに、これを責任轉嫁の具に供しないこと。
 審議会の濫設を戒め、眞に強力なものたらしめること。
 又委員中に建設業從業者の代表を加えること。
 四、本法の実施に当つては、地方の條例等改正の必要なものがあり、これについては合理的に処理すること。
 以上の諸点について、政府に対しては強くこれを要望し、將來の改正を期待する旨の発言と賛成討論がありました。かくて討論を終結し、採決の結果、全会一致原案通り決定いたした次第であります。
 次に日程第十七、屋外廣告物法案につきましては、御承知の通り現行廣告物取締法はその内容が相当廣汎な委任立法であること、取締を國の行政事務官廳の権限としておること、取締の実際は地方廳の廳府縣令によるため地方によつて方針が異なる実情であります。このことは、新憲法下においては廣告主又は廣告業者の権利を規制することについて適当と認め難いのでありますし、廣告の規制を都道府縣の固有事務とすることは自治の本旨に適うことでもありますから、都道府縣がこれに関する條例を制定する基準を定めること、尚、現行法においては安寧秩序を害し、風俗をみだる虞れある場合も必要なる処分をなすことができたのでありますが、本法案は專ら美観風致の維持と公衆に対する危害防止に止めることといたしたのでありまして、これが現行法を廃して本法を制定せんとする理由であります。
 法案の主なる内容は、市及び人口五千以上の市街的町村の区域について廣告を規制することができることといたしております。尚その他法律の列挙する地域又は場所につきまして、同じく法律の列挙する物件について規制することができるとしております。その他廣告の手段方法につき、形状、面積、色彩、意匠その他表示方法の規制、又公衆に対する危害防止のための規定も設けてあります。又道都府縣知事は以上の規則を定めた條例に違反する廣告について、その設置者又は管理者に必要なる措置を命ずることもできるようになつております。
 委員会におきましては各委員より熱心なる質疑があり、当局も又これに対してそれぞれ答弁がありまして、かくて質疑應答を終り、討論に入りましたところ、久松、北條両委員より
 一、ネオンサインその他光彩を利用する新らしく発達した廣告を屋外廣告物中に明記すること
 二、第七條において條例違反の廣告につき必要なる処置を命ずる場合、廣告の設置者又は管理者に対してその理由を文書を以て通知し、本人又は代理人が公開の聽問において弁明する機会を與えなければならぬ。但し緊急を要する場合にはこの限りでないとすること
 かように要求を入れられまして、本法案は不備であるが、諸般の事情からこれに賛成するも、右二点については政府に対して強くこれを要望し、個人の権利擁護に万全を期せられたい。尚、將來改正を期待する旨の賛成討論があり、討論を終結して採決の結果、全会一致原案通り決定いたした次第であります。右御報告いたします。(拍手)
#46
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#47
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて両案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#48
○副議長(松嶋喜作君) 日程第十八、公共企業体労働関係法の施行に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。労働委員長山田節男君。
    ―――――――――――――
   〔山田節男君登壇、拍手〕
#49
○山田節男君 只今議題となりました公共企業体労働関係法の施行に関する法律案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 この法律案は本年六月一日から施行されることになつておりまする公共企業体労働関係法を施行いたします上に必要な経過措置でございます。その内容の主な点を申上げますと、第一は、公共企業体の職員が組織する團体が引続き存続するに必要な経過規定及びその團体と公共企業体との間で行う團体交渉の経過措置でございます。第二は、公共企業体仲裁委員会並びに各調停委員会の委員に対する國家公務員法の適用の範囲についてであります。第三は、労働大臣の権限の一部を都道府縣知事に委任しようという点でございます。
 委員会におきましては五月十日より愼重に審議をいたし、熱心に質疑應答が交されました。今その一斑を申上げますると、田村委員より、調停委員会並びに仲裁委員会の委員は兼職を禁止されていないから、委員が公務員法の適用を受ける職務を兼ねている場合には、或る場合は一般職になり、或る場合は特別職になるようで、よく了解できない、こういうようなときには規程の運用の面で支障はないかとの質疑に対しまして、政府委員より、或る場合一般職になり、或る場合特別職になるというのでなく、一應公務員法の適用を受けるものでありますが、そうすると不適当でありますので例外を規定したわけであります、一般職でありながら公務員法の適用が制限された形になるのであり、運用の面につきましては人事院規則にはつきりいたしておりませんが、人事院とよく打合せてありますから支障はないものと考える旨の答弁がありました。尚、詳細は速記録によつて御承知を願いたいのであります。
 かくて質疑を終局して討論に入りましたところ、中野委員より、共産党は公共企業体労働関係法そのものに反対したのであるから、その施行に関する法律案にも反対するとの意見が述べられました。かくて討論を終局し、採決の結果、多数を以て原案通り可決すべきものと決定いたしました。以上御報告いたします。
#50
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#51
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#52
○副議長(松嶋喜作君) 日程第十九、水産業團体整理特別措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。水産委員長木下辰雄君。
    ―――――――――――――
   〔木下辰雄君登壇、拍手〕
#53
○木下辰雄君 只今議題となりました水産業團体整理特別措置法案につきまして、水産委員会におきまする審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。
 先ずこの法案の内容について簡單に御説明申上げます。第三國会において成立いたしました水産業協同組合法及び水産業協同組合の制定に伴う水産業團体の整理等に関する法律は、本年二月十五日から実施されておりまして、現在全國各地において水産業團体の解散準備と水産業連同組合の設立の段階にあるのであります。從つてその解散される水産業團体が持つているところの財産の処分、特に水産業團体から新しく設立される協同組合への財産の移轉がこれから始まるのであります。この財産の移轉につきましては水産業團体の整理に関する法律の中にその方途に関して規定してありますが、尚その外に二つの問題に関する規定が必要であります。その第一は、水産業團体から協同組合に債務を承継させるにつきまして、債権者保護の手続を講ずることであります。第二は、水産業團体から協同組合へ財産を移轉する際の財産の評價の基準であります。この法律案は、この二つの問題に関する規定をその内容とするものでありまして、極めて簡單な法律であります。
 以下その内容を簡單に申上げますと、先ず第一に債権者の保護手続につきましては、水産業團体は、先ず水産業協同組合がその債務を承継するについて、債権者に公告又は催告をなし、異議の有無を問い、異議ある場合には債権者に債務を弁済し又は信託等の処置を講ずるのであります。この弁済又は信託の処置をとるために必要なときには水産業團体の資産を処分するのでありますが、その讓受けにつきましては協同組合に最大限の優先権を認めております。この債権者保護の手続を完了しなければ、水産業團体は水産業協同組合への財産移轉の認可申請ができないことになつております。第二に、水産業團体から水産業協同組合に財産を移轉する場合、その財産の評價については、帳簿價格と時價の範囲内において水産業團体の資産処理委員会の定める價格によつて財産の引継ぎをなすことに相成つております。委員会におきましては、予備審査とも三回委員会を開きまして、質疑應答の後、討論に入りましたが、別に意見もなく、採決の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定いたした次第であります。以上御報告いたします。(拍手)
#54
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#55
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
 議事の都合により午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四十五分開議
#56
○副議長(松嶋喜作君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。栗栖赳夫君より内閣委員を、深川榮左エ門君より地方行政委員を、それぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として内閣委員に深川榮左エ門君を、地方行政委員に栗栖赳夫君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#58
○副議長(松嶋喜作君) 日程第二十、文部省著作教科書の出版権等に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。文部委員会理事松野喜内君。
    ―――――――――――――
   〔松野喜内君登壇、拍手〕
#59
○松野喜内君 文部省著作教科書の出版権等に関する法律案、これが只今議題となりました次第ですが、これにつきまして文部委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 先ずその提案理由につきましてでありますが、文部省著作名義の教科書につきましては、從來数個の出版会社がその飜刻発行を多年独占的に許可されて参つた次第であります。これは教科書の円滑な供給のため或いは技術的に必要であつたところとは思われますが、近來各方面から批判されるに至りましたことは各位の御承知の通りでございます。今般文部省はその後の社会情勢の変化を考慮いたしまして、今後は自由競爭に方法によりまして出版権を設定することといたしましたために、その方法等につきまして規定を整備いたす必要が生じましたので、この法律案を提出した次第であります。次に法案の内容につきましてその大網を申上げますと、先ず出版権を取得しようとする者につきましては、教科書出版資格審査会なるものに諮問いたし、資格審査を行い、この資格審査の合格者に競爭入札を行わせます。次に出版権を取得いたした者には出版料を國庫に納付いたさせまして、又出版権を設定いたした後でありましても、出版権者に不適当と認めらるるような事柄が生じたときには出版権を消滅させることができるようになつているのであります。又出版権の讓渡には文部大臣の認可を必要とすることも規定いたしているのであります。本案につきまして委員会は愼重に審議をいたし、各委員から熱心に質疑がございましたが、これによりまして、入札は全國を一單位とすることや、又教科書一冊毎に入札が行われることなどの諸点が明らかになりましたが、尚その詳細は速記録を御参照願いたいのであります。かくて討論に入りましたが、格別の発言もなく、採決に移り、全会一致原案通り可決いたしました次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
#60
○副議長(松嶋喜作君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#61
○副議長(松嶋喜作君) 総員起立と認めます。よつて本案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#62
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議案(山下義信君外三十三名発議)(委員会審査省略要求事件)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#63
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないものと認めます。本件は発議者山下義信君外三十二名より委員会審査省略の要求書が提出されております。発議者要求の通り委員会の審査を省略し、直ちに本案の審査に入ることに御異議ございませんか
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#64
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないものと認めます。よつてこれより発議者に対し趣旨説明の発言を許します。草葉隆圓君。
    ―――――――――――――
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#65
○草葉隆圓君 只今議題となりました決議案につきまして、発議者を代表いたしましてその趣旨の説明を申上げたいと存じます。
 先ず決議文を朗読いたします。
   未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議
  夫を失つた婦人は所謂未亡人と呼ばれ、封建的因襲のままに社会的冷遇をうけ、か弱き女手にいたいけな子供や老人を背負い、社会混乱の渦中に漂流し、或いはいばらの道に難行し、その生活苦を原因とする悲惨事件は、近時一層の深刻さを加えているが、これが福祉に関する施策は皆無に等しい。
  又一家の主柱を失い、人生の光明を失つた所謂戰歿者遺族の多くは、精神的にも物質的にも、その窮状は看るに忍びざる状況にあることは、まことに重大なる社会問題である。
  戰歿者の多くは、志願して戰爭に出たものではなく、軍國主義時代の徴兵制度により、総動員されてその犠牲となつたものである。
  しかして最も平和を愛し最も戰爭を呪うものがこの遺族であるのに、民主的平和國家の現実は、これを差別的に冷遇し、或いは社会的虐遇のままに放置している実状にあることは、國政上遺憾である。
  よつて政府は改めてここに右の二大問題の事実を深く認識すると共に速かに左の各項に関する施策を樹立しその結果を次期國会において本院に報告すべきである。
    記
 一、社会保障制度の確立を促進すると共に社会福祉施策の強化特に公共扶助の制度を拡充して生活保護の基準を引上げ、これが活用を計り、その適切、公平なる遂行をなすこと。
 二、未亡人の擁する子女の育英に関しては現行制度を拡充して特別の施策をなすこと。
 三、遺族年金又は弔慰金を支給すること。
 四、生業扶助制度及び生業資金制度を拡充し、その適切な活用を図ること。
 五、母子福祉事業特に授産事業、母子福祉施設等の拡充強化を図ること。
 六、戰歿者に対する葬儀その他の慰霊行事については一般文民同樣の取扱とすること。
 七、課税の減免、農地の開放、作物供出、職業の安定等の問題に関して、未亡人家庭の特殊事情を充分参酌して、適切なる施策を行うこと。
  右決議する。
以上であります。
 今次の戰爭におきまして軍人として動員されました総数は六百八十七万四千六十二人と推定され、そのうち戰歿いたしました者は実に百九十五万二百八十八人に及ぶ多数と推定されるのでありまして、これらの人々は、或いは一家の主柱として、妻子を擁し、或いは老父母を養えべきかけがえのない人々が多数でありまして、從つてその遺族は精神的にも物質的にも困窮の極にあるに拘わらず、今日まで殆んど何らの方途が講じられておらないばかりでなく、却つて差別的に冷遇され、社会的虐遇のままに終戰後すでに四年を経ましたことは、誠に遺憾に堪えない次第であります。第一に、未亡人の問題が最近重大な社会問題となつて参りましたことは、戰爭によりまして多数の未亡人が一時に発生いたしましたことに起因するものでありまして、現在判明いたしておりまする未亡人の総数百八十八万三千八百九十名の中、困窮せる者の過半数は戰爭による未亡人と思われるのであります。從つて未亡人の問題は平常時におきましても絶えないところではありまするが、現在の未亡人問題はいわゆる大戰爭の結果によりまする特殊的現象でありまして、ここ数年間がその頂点であり、子女が成長いたしまするまでの最も緊急を要する差迫つた問題と存ずるのであります。これらの未亡人は幾人かの子供を抱え、自分の力によりまして辛うじて生活を続けて参つたのでありまするが、すでに賣り食いし得るものは賣り盡しまして、遂に社会の経済的、精神的圧力に堪えかねて超る悲惨な事件が次々と釀されておる次第でありまして、最後には肉をひさぎながら子供を育てて参らなければならないというような様相が次第に顯著になりつつありますることは、一日もゆるがせにすることのできない重大問題であると存じます。
 生活保護法によりまして現在生活扶助を受けております五十八万世帶の中で、その六割、即ち三分の二に当りまする三十八万世帶は婦人世帶でありまして、その大部分は戰爭未亡人の世帶であります。現在の生活保護法は新憲法以前のいわゆる救貧制度の残滓でありまして、從つて公共扶助の制度を確立し、社会保障制度を促進いたしますると共に、差当つてその実効を挙げまするために、未亡人の生活保護法によりまする扶助額は現在男子の約半額にしか達しておらない基準を改めまして、多数の子供を持つておりまする未亡人には、扶助費だけで十分生活でき得るようにいたさねばならないと存じます。又一人二人の子供を持つておりまする未亡人のために授産所、保育所を増設し、相当の收入を挙げ得まするよう、現在の授産所の内容及び制度を根本的に改革し、而も働いて挙げました收入を生活扶助費から差引くような現状を改めねばならないと存ずるのであります。
 未亡人の問題は、子を持つ母の姿そのままの形におきまして解決すべきものでありまして、從つて母と子と両方の福祉を來すようにいたさねばならないのであります。この意味におきまして、育英及び医療は未亡人にとりましては切り離すことのできない重大な問題であります。然るに現在では、中学までの義務教育にする多額の経費を要し、それ以上の高等教育に至りましては全く望み得ない状態でありまするから、いわゆる義務教育には費用の掛らないようにいたし、それ以上の教育に対しましては育英会等によりまする貸費の方法を拡大いたし、未亡人の子女が安らかに、平等に、而も自由に教育を受け得るように適切なる方策を樹立すべきであります。未亡人の多くは殆んど何らの貯えを有しておりませんから、一朝病氣に見舞われました際は非常に悲惨であります。從いまして未亡人に対しましては、全体として生活保護法による医療扶助を受けられるようにいたすべきであります。又生業扶助費を増額し、生業資金や國民金融公庫の貸出に対しましては、未亡人のために一定の枠を設け、簡易に迅速に貸出のできますようにいたし、(拍手)或いは母子寮を増設し、庶民住宅の建設に当りましては、未亡人に一定の割当をなし、課税についても、夫ある妻に対しましては控除の方法がありますが、夫が亡くなつた未亡人に対しましては、むしろ課税が増加せられておりますという現状を改めまして、且つ農地の問題なり又農作物の供出に当りましても、子供を持つて営々と働いております未亡人と夫婦共稼ぎでやつております男子と同様の供出をいたすような現在の不均衡を改めまして、又未亡人に対しまする職業の安定を図りますために、就職を容易ならしむると共に、今後の整理等の場合におきましても、未亡人の特殊事情を十分参酌いたしまして、解雇等のなされます場合、政府は適切なる方策を講ぜられたいのであります。
 これを要しまするに、未亡人の問題に対しましては政府に統一した一つの機関がないことが本問題の解決を遅らせておる一つの重大なる原因でありますから、政府は未亡人対策の中心機関を設けられまして、速かにこれが解決を図られますと同時に、未亡人團体の正しく且つ十分なる組織とその発達を図りますため、これが指導に万全を期せられたいのであります。
 第二は戰歿者の遺族についてであります。終戰以來戰歿者の遺族に対しまする一時金も、或いは扶助料も、その他万般の処遇は
   〔副議長退席、議長着席〕
殆んど全部が廃止されましたばかりでなく、むしろ冷淡に放置することが当然であるかのごとく感をすら呈する状態でありまして、國政上誠に遺憾に堪えないところであります。我々は尚外地に四十余万の同胞が残つており、その帰還の一日も速かならんことを念願し、國民挙げて、引揚再開を熱望し、引揚埠頭におきまして、或いは車中におきまして、或いは郷里におきまして、万般の準備がなされておりますことは当然であり、我々もその十分なることを望んでおりますが、一方、一人遺骨となつて帰られました場合は、殆んど出迎える人もなく、遺骨傳達に当りましては、遺族の希望いたしまする宗教行事すら許されず、会葬する者もなく、慰霊行事につきましても一般文民とさ甚だしく差別され、むしろ冷遇されておりますることは、我々の了解に苦しむところでありまして、政府は速かにこれらの不合理を是正すべきであると信じます。遺族に対しましては現在遺骨引取りのための旅費及び埋葬費おのおの僅か千五百円支給されるに止まりまして、その他には何らの処遇もなされていないのであります。労働基準法によりまする遺族補償の場合ですら、御承知のように十数万円の補償金が支給されておるのと比較いたしまして、余りにも甚だしい不平等であると言わねばなりません。よつて政府はこれらの遺族に対する当然の義務といたしまして遺族補償の方途を講じ、たとえ他の経費を節約いたされましても、遺族年金なり遺族弔慰金を支給し、以て全國民の要望いたしておりまするところに應え、速かにこれらの不均衡を是正せられんことを熱望して止まない次第であります。
 戰歿者の多くは、いわゆる軍國主義時代の徴兵制度の結果によりまして総動員されたものでありまして、その一部志願いたしました者と雖も、殆んどそれは割当による志願でありまして、強制動員された者であります。これらの人々は平和建設の礎としての聖戰と信じ、日本最高の道徳と信じて参加いたしたのでありまして、この精神たるや勝敗の如何によつて左右せらるべきものではないと信じます。この精神こそ新日本建設の礎であり、平和日本の礎石であると信ずるのであります。この精神を踏みにじるようでは、平和日本、民主主義日本、道義日本の建設は成就し得ないと存じます。我々はこれらの戰歿者に対しまして心からその御冥福をお祈り申上げますると同時に、國民挙つて黙祷を捧ぐべきであると存じます。その遺族に至りましては、何人にも劣らず平和を愛し、戰爭を呪うものであります。政府はこの未亡人並びに戰歿者遺族、この二大問題を深く認識されまして、以上申述べました諸点について十分なる施策を樹立され、次期國会において本院を報告されることを要求するものであります。
 何とぞ全員の御賛同を衷心より希いまして、私の提案理由の説明を終ります。(拍手)
#66
○議長(松平恒雄君) 本案に対し討論の通告がございます。順次発言を許します。中平常太郎君。
   〔中平常太郎君登壇、拍手〕
#67
○中平常太郎君 私は本決議案に対しまして日本社会党を代表いたしまして賛成の意思を表示するものでございます。内容につきまして申上げますと時間を取りますので、差控えますが、結論の要点だけを私は申上げて賛成の意を表したいと思います。
 凡そ人間は他人に対しましては同情の空手形を平氣で発行するのが多いようであるということであります。救済しなければならないと叫んでいながら、滔々として路傍の草のごとく弱者を見過している。これであります。政府が又厚生問題となると第一番に削減の対象としておる。未亡人、遺家族等の救済厚生のために、授産所施設とか、保育所とか、母子寮とかの新設には、本年度予算は一文も割当ててはありません。而も我々がこれを追求すると、政府の方は同情に堪えないからできる限り万全の策をとりましようと言うのであります。予算なくして何ができましようか。即ち同情の空手形であるというべきであります。もとより敗戰日本の復興は茨の道である。國民の空前の苦脳であることは申上げるまでもありません。さればと言つて健康な者が弱い者を雜草のごとく踏みつけ踏みつけ通るような。そんな茨の道であつてはいけますまい。昔の彼の宇治川の先陣を爭つた戰の場合に、ある猪武者でさえ「弱き馬をば下手に立てて、強きに水を防がせよ、溺れん武者には弓筈をとらせ一騎も残らず彼方の岸へ」云々と、こう言つたとあります。誠に先陣を爭う場合にさえも弱き隣人を顧み助けて共々に目的に向つて進んでいる。誠にかくあるべきだと私は存じます。人生にはゆとりがあれば生を樂しむものでございます。希望も生れ、生甲斐を感じて來るものでございます。この決議案に盛られておるような不幸な人々は恐らく生甲斐を感じていないだろうと思います。これが未亡人で約二百万、遺家族で約一千万以上、無論そのうちには相当な数は生活もできておるのでありましようが、約二〇%は誠に悲惨であります。これらの人々は、修理さえしたことのないところの陋屋に、或いは又借間に、將來の希望もなく焦り拔いて、憲法の第二十五條の当然の権利も知らず、声さえ立て得ず、その日の食に悶え苦しんでおります。この悲惨な出來事は日々の新聞が報じている。去る十二日にも、秋田縣では一家に火を付けて六人の親子が生活苦のために心中いたしております。一方には料理屋は閉業となつて、公然と飲めや唄えで一晩数万円、湯水のごとく酒地肉林の巷を現わして、敗戰糞喰らへで我が世の春を謳つております。同じ日本人の同胞で、この上、強者に踏みつけられて頭の上を土足で通られては、腹も立とう、世間を呪うところの惡人に轉落し、又一面深刻な社会相を現出するのは当然であるかと存じます。二十三年度の犯罪が約二十五万件、そのうち十八歳以下の犯罪が十万件ございます。生活苦のために兒童の身賣が現われたものだけで六千五百件、現われないところの兒童の身賣は約十倍と申されております。一家心中などは、これは日々多数に新聞にいつも報ぜられております。凡そ一家の中に一人の病人があつた場合には我々は放つて置くでありましようか。あらゆる手段を盡してその病人を直すために努力するではありませんか。政府は財源がないと逃げられるが、見返資金の一千七百五十億はどうなさいますか。この中から振当てることはできないか。又この度、賠償物資取立中止という米國の好意による声明が発表されました。この維持管理費が二十六億、これは他へ流用することができるということを山口國務相が新聞で発表せられております。これも現在の弱者の救済のために必要な母子寮、或いは保育所、或いは授産所等に振向けられる親切と意図がありや如何、お伺いする。本決議案が通過すれば、政府はお座なりに放置せず、直ちに予算を振当て緊急対策を実現せられたい。
 右要望いたします。これを以て私の賛成意見といたします。終り。(拍手)
#68
○議長(松平恒雄君) 木内キヤウ君。
   〔木内キヤウ君登壇、拍手〕
#69
○木内キヤウ君 民主党を代表して賛成の意思を表します。
 未亡人、戰歿された遺族の方々、忘れらていたのではなかつたでしようけれども、今までこの力強い決議が出なかつたことを心淋しく思つていた者がどんなに多かつたでありましよう。今日ここに力強い決議が出て、七ケ條の項目に亘つてそれぞれの人が再び希望を持つて來きることができる案がここに上程されました。申訳ないことだと思いますが、男子の方は、やはり女の人の氣持を知りません。(「知つてるぞ」と呼ぶ者あり)未亡人、夫を亡くした人の心持ちは、女であつても夫を持つてる人は分らないのです。(「そうだ」と呼ぶ者あり)戰爭のために、又いろいろのものから起つた不仕合せのために、子供を抱えて力強い頼るべき人が亡くなつた女性、未亡人は、どんな心持であるか。而も女性は法律に又政治に今までの教育の結果明るくありませんでした。どこに愬え、どこにその悶えを知らせたらいいかという方法も分らないのみならず、憲法が同等に取扱れるようになつても、まだ世の中の通念が女性に対していろいろの不利がございました、精神的に、肉体的に、而も経済的に、生きる途が狹められておつたのが未亡人でございました。尚、採り上げられました戰歿者遺族にも、発案者がおつしやつたように、本当に杖、柱とも頼む大事な父、息子が亡くなつて、そうして世の中から戰爭犯罪者の一末路であるというような冷めたい氣持がその家庭にかかつておつたのです。而も祭らなければならない、又冥福を祈らなければならないという、それさえも世間に阻まれておる状態であつたのです。ここに決議がこの國家に提出され、そうして皆樣方の御賛同を得て、そうして政府がこのことに力強い協力をして頂いたならばということを希うと一緒に、民主党は、どうぞそういうふうにやつて頂きたいと考えて、ここに賛意を表する次第でございます。(拍手)
#70
○議長(松平恒雄君) 宮城タマヨ君。
   〔宮城タマヨ君登壇、拍手〕
#71
○宮城タマヨ君 只今議題となりました決議案に対しまして、私は緑風会を代表いたしまして全面的に賛成いたすものでございます。
 ただ私がここで申上げますのは、ほんの一点、一面からだけ申させて頂きたいと思いますが、それは或いは第五國会に出るのではないかと私共が考えておりました賣春等処罰法案につきまして、私ども法務委員は昨年の夏頃から手分けをいたしまして、この賣笑地でございます、つまり淫賣窟を調査して歩きました。大体大きい都市はその実態調査を直接いたしたのでございますが、それによつて実に驚きましたことは、以前とは違いまして、その賣笑婦の内容が未亡人であり、特に子供を連れております母親の多いということに実に驚いたのでございます。東京にございます、いわゆる吉原では、五百人近くの婦人がおりますが、その中の三分の二は母だと申しております。名古屋、京都あたりも半分は母であるということが分りましたときに、この人たちを國家としてどういうふうにしなければならないかということに心を寒くしたのでございますが、或る一人の婦人に聞きましたときに、その人は満州から子供を三人と盲の母親を連れて帰つて参りまして、自分の故郷でございます所に帰りましたが、住む所もなし、漸くに人の軒下を借りまして家族五人の者が生活をいたしました。幸いにしてその婦人は、婦人としましては最高の学府を出ておりましたために、或る事務所に入りまして、相当の月給を貰つておりましたのでございますが、丁度引揚げて参りましたときが六月だつたので、軒下で戸や障子もございません所でも、そうして皆着物一枚、上張り一枚、布團なしの生活でも住んでおりましたけれども、これが十月になりましたときに、どうしても戸が欲しい、疊の上に寢たくなる、布團も欲しい、着物も重ね着がしたい、というときに、ここで、その母親の收入をどうして増しましようかということを考えましたときに、何ら打つ手がない。仕方なしに、ここに堕ちて來ましたんですという涙ながらの話を賣笑窟で聞きましたときに、その一婦人だけでなくて、五十歩百歩の話、つまり子供を連れました母親が死を選ぶか生を選でか、若し生を選びますならば、ここに堕ちて來る以外に道がないという悲しい実情でございます。併しながら子供を預けまして、そうしてこの賣笑窟に入りましたところの者が、二月、三月は鏡を見るのさえも恐ろしい、自分の子供たちに対して恥かしいことだというので、非常にその生活を苦しんで苦痛に思つておりましたのですけれども、二月、三月、四月と経ちますというと、沢山金が入ります。子供たちにも十分仕送りができるということで、この道が一番安易だということに安心してしまう。ここが非常に問題だろうと思うのでございますが、何も資本もなく、女の堕ちて行く道は、最も女性として恥かしい事実、良心的に苦しい生活ではございますけれども、一旦ここに堕ちて参りますというと、なかなか足を洗うという意思がなくなります、そうして今賣笑窟におります者と、いわゆるパンパンと申しております者とが、全國に二十万人おるだろうということを言われておりますが、この人たちの外に、生活苦から段々日々堕ちて行く者も随分沢山あると思つております。それなればこそ、どうしても早く賣春等処罰法案を出して頂いて、これを法律にして何とかしなければ大変だと思いますけれども、併し一方で、その苦しい追い詰められた生活を婦人にさせて置いて、その法律を法律として出しましたときは、二十万以上の者が、縛られなければならないという強い法律の下に、監獄に行かなければならないということになりましたときは、これは大変な問題だろうと思つております。母親が腐りますということは、結局は子供が腐るということで、そこから不出來な子供が沢山出て参りますが、子供一人を收容し、保護をいたしますというと、つまり監獄や少年院に入れて保護いたしますと、一人当り一ケ年七百万円要ると申しております。今收容保護されております者が殆んど一万人近くおりますので、随分多額の費用を出しておりますのでございますから、どうしても、この点から見ましても格段の処置をとつて頂きまして、一人もここに堕ちて行く者のないような処置をしたい。今日決議案として出されました全面的のことを、どうか予算面において実行して頂きたい。願くは、只今の予算面でどうにもできませんならば、追加予算のときには是非これを実行面に現われるような方法をとつて頂きたいということを申上げまして、私の拙ない賛成演説といたします。(拍手)
#72
○議長(松平恒雄君) これにて討論通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。本決議案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#73
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。(拍手)によつて本決議案は全会一致を以て可決せられました。
 只今の決議に対し、厚生大臣より発言を求められました。林厚生大臣。
   〔國務大臣林讓治君登壇、拍手〕
#74
○國務大臣(林讓治君) (「眞劍に」「はつきりやつて下さい」と呼ぶ者あり)只今上程になりました未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議に対し、政府の考えを申述べさして頂きたいと考えます。
 決議中にも強調せられてありますように、未亡人並びに戰歿者の遺族の中には、現下の社会情勢下、精神的苦悩に加えるに物質的困窮、誠に同情すべき状況に置かれておられる方々が非常に多いのであります。政府といたしましても、その援護に最善の努力を拂うべく各般の措置をとつて参つたのでありますけれども、諸種の事情によりまして、遺憾ながら意に任せざることを甚だ心苦しく思つておる次第であります。本日の御決議になりました事項の中には、政府のみでは処理いたしかねますような事項も多いとは思いますが、このような、もうお氣の毒な方々の援護は一日もゆるがせにすべきものではないと考えておりますので、今回の御決議の御趣旨を十二分に体得いたしまして、その速かなる実現に今後一層努力をいたしたいと考えるわけであります。(拍手)
     ―――――・―――――
#75
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第二十一より第四十四までの請願及び日程第百五十より第百五十六までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。大藏委員会理事九鬼紋十郎君。
    ―――――――――――――
   〔九鬼紋十郎君登壇、拍手〕
#77
○九鬼紋十郎君 只今議題となりました大藏委員会における請願陳情三十二件について御報告申上げます。
 請願六十二号、福島縣熱海町を郡山税務署内に移管の請願、請願八十二号、福島縣石川町に税務署設置の請願、請願百五十七号、高崎地方專賣局高田出張所復活に関する請願、請願第二百六十六号、久留米市に大藏省專賣局煙草製造工事設置の請願、この四件は、税務署玉は專賣局出張所、工場の新設或いは復活に関する趣旨でありまして、その配置は税收上有利なものであり、大藏省も考慮しておりますので、これを設置することに賛成いたしまして採択に決しました。
 請願第百六号、請願第四百七号、絹人絹織物の消費税引下げに関する請願、請願第百四十二号、銀メツキ洋食器物品税減免に関する請願、請願第百四十三号、きせるの物品税免税点引上げに関する請願、請願第百四十四号、請願第百七十九号、製茶の物品税廃止に関する請願、請願第二百六号、請願第三百八十号、高等学校教育用ラジオ受信機購入の際の物品税免除の請願、請願第二百六十二号、水飴の物品税減額に関する請願、請願第三百三十二号、人工甘味料の物品税引下げに関する請願、請願第三百三十三号、兒童乘物の物品税引下げに関する請願、請願第七百七十六号、麻織物消費税引下げに関する請願、請願第八百八十五号、電氣アイロンの物品税引下げに関する請願、以上十三件はいずれも物品税消費税に関するものでありまして、経済情勢の変化に鑑みまして現行税率の改正を必要と認めまして採択いたしました。
 請願第二百二十一号、美容取引高税廃止に関する請願でありますが、これも適当として採択したのでありますが、その後におきましてすでに先般立法的措置が講ぜられ、廃止されることになつておりますので、以上審議の経過を御報告申上げます。
 請願第二百二号、陳情第三十号、炭鉱向け資材の支出に関し紐付融資方法活用の請願並びに陳情でありますが、基礎産業である石炭業の振興を図るため、その関連産業に対して紐付融資方法を活用することは必要であると考えまして採択したのであります。請願第三百五十六号、國鉄退職者に対する共済年金増額の請願でありますが、國鉄退職者は共済年金が恩給年金等に比し低額のため、老後の生活維持に苦しんでおる現状であるので、適当として採択いたしました。請願第三百六十号、國民金融公社設置に関する請願、國民大衆の更生を図るためには國民金融公社を作つて金融面から援助する必要があると認めまして採択したのであります。請願第四百六号、絹人絹力織機復元資金融資に関する請願、陳情第八十五号、絹人絹織物業に対する融資の陳情、陳情第百七十号、轉廃業者復元に伴う融資の陳情、右三件は重要輸出産業たる絹、人絹業の振興のために復元融資は緊要なものとして採択したのであります。陳情第二十九号、税制改正に関する陳情、現在の税制では過重であり且つ不均衡でもあるので、税率を引上げ、且つ公平なる税制によつて税收を挙げられたいというので採択したのであります。陳情第七十三号、税査定に関する紛爭処理機関設置等の陳情、陳情第九十八号、國税徴收関係法令の改正に関する陳情、この二件は、現在徴税査定等に関し惹起してる紛爭をなくし、民主的なものとさせるため採択しました。請願第三百十二号、松山港を開港場に指定の請願、松山港は戰前主として東亞に対する貿易が盛んでありましたが、今度、米國石油会社などもでき、國際貿易に大きな役割を果すことが期待されますし、その上数回の改築によりまして港の設備も整つている現状でありますので採決いたしました。請願第四百九十九号、雪害地方の税負担軽減に関する請願、雪害地方は冬期收入がない上に経費も多くかかるので税負担を軽減せられたいとの趣旨でありまして、政府当局に注意を促す意味で採択しました。請願第四百五十八号、どぶろく密造防止に関する請願、どぶろくは主食たる米を多量に使つておりますので、その対策として適正な價格決定、委託釀造等の処置を採ることを必要と認めまして採択しました。請願第五百八十七号、重要農業生産資材の取引高税除外に関する請願、現在農民は生産資材の高騰に悩んでありますので、その價格を若干とも低減することが農民の生産意欲の向上に役立つと考えまして、取引高税の除外を適当と認めまして採択しました。
 陳情第三百六十三号酒造技術指導及び研究機関の強化拡充に関する陳情、酒の品質の向上を図り税收を上げるために研究指導機関を強化拡充する必要あるものと認めまして採択しました。
 以上三十三件は、いずれも内閣に送付する必要あるものと認めました。御報告を終ります。
#78
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#79
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#80
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第四十五より第五十一までの請願及び日程第百五十七の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。厚生委員長塚本重藏君。
    ―――――――――――――
   〔塚本重藏君登壇、拍手〕
#82
○塚本重藏君 只今上程になりました請願並びに陳情に関する厚生委員会における審議の経過並びにその結果について御報告申上げます。
 日程の第四十五、請願文書表第三十一号、兒童厚生施設に対する國庫補助制度設定の請願、日程の第百五十七、請願文書表第五十六号、母子保護施設拡充に関する陳情は、いずれも母子福祉に関する施設の拡充強化を要望しておるものであります。日程の第四十六、請願文書表第七十三号は、性病撲減普及映画作成に関するものでありまして、終戰後性病は増加の一途を辿つておる、この打開策の一つの方法として、映画「肉体と惡魔」は衞生教育の普及徹底に効果的であるが、併しその使用料が一日三千円である。それでは現在の町村財政状況からいたしましても観覧することができ難い。この種の映画を國費を以て作成せられたいというのであります。
 日程の第四十八は請願文書表第八十八号國立富士病院拡充に関する請願でありますが、この病院は、この地方の唯一の保健衞生機関として、外來患者、入院患者共に最近非常に激増いたしているのでありますが、その内容が甚だ不十分であるので、これを強化して貰いたいとの請願であります。日程の第四十八は、請願文書表第百十四号並びに同第百二十八号、同第百四十七号、同じく第百九十二号、同じく第四百八号、以上五件でありまして、いずれも保健婦の檢定試驗に臨時特例を設けて貰いたいというのであります。即ち昭和二十四年一月厚生省令第四号で保健婦規則の一部改正が公布せられたが、それによりますると、保健婦試驗は、都道府縣知事の行う五ケ月以上の講習を終了した者でなければ受けることができないことになつている。この際、保健婦の不足している現状において、これは甚だ不合理である。現在各保健婦養成所の生徒数は非常に少い。これではその要望に應えることができないから、次回の試驗を從前通りの試驗制度として貰いたいという請願であります。
 日程の第四十九は、請願文書表第百二十六号の癩特効藥プロミンの癩患者施療に関するものでありまして、癩病の治療藥であります。プロミンは、試驗的に用いられました結果、良好であることが立証せられたのであります。そこで、どうかして全國の癩病患者がプロミン治療を受けられるように善処して貰いたいとの請願であります。厚生委員会におきましては、この特効藥プロミンは幸いにいたしまして内地におきましても良質で而も安いものが製造せられているようでありますから、政府におきましても、この適應患者全部に、これが施されるようなふうにすべきであるという強い要望がありまして、厚生省もこれに應えて善処するとの答弁がありました。
 日程第五十、請願文書表の第百二十九号は、おむつ資材配給等に関する請願であります。この請願は育兒に絶対必要でありまするおむつが現今非常に不足しておるので、この深刻なおむつの不足を一日も早く解決せられたいとの請願であります。日程第五十一は請願文書表の第四百二号であります。これは國立都城病院の拡充整備に関する請願であります。この請願の要旨は、宮崎縣國立都城病院は土地建物等も現在借り受けによつて経営しておるのであるが、どうしてもこの内容の整備をすることが必要である関係から、是非病院を國で買上げて、そうして内容の充実を図つて貰いたいとの請願であります。
 以上の請願十一件、陳情一件は、それぞれ紹介議員又は專門員より詳細な説明があつて、必要な事項につきましては政府の意見をも聽取いたしまして質疑應答を重ね、数日に亘り愼重審議をいたしました結果、いずれも妥当なものといたしまして、議院の会議に付して内閣に送付することに決定いたした次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
#83
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#84
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#85
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第七十三より第七十七までの請願及び日程第百六十より第百六十二までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。経済安定委員会理事西川昌夫君。
    ―――――――――――――
   〔西川昌夫君登壇、拍手〕
#87
○西川昌夫君 只今議題となりました請願七件及び陳情三件につきまして、委員会の審査の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず請願第四百五号は、半歳に亘る極寒の北海道民の生活にとつて食糧にも優る絶対必需物資である石炭の價格の引下げと、配炭の円滑、及び良質炭の配給をせられたいとの請願であつて、道民の経済上に重大なる影響を與え、又現在の石炭事情からして、本請願に述べられている諸点は十分に檢討考慮して善処する必要があると認められました。
 次に請願第四百十一号、第五百四十号、第六百八十八号及び第八百十七号は、いずれも絹、人絹、蚕糸の各業者より提出されたもので、この種の生産、配給等は各種の統制法令によつて種々の制約を受けているが、製品の増産と円滑適正な配給のため全面的に統制の解除或いは改革を速かに実施せられたいとの請願でありまして、政府当局の答弁によりますと、この種の配給價格統制は廃止又は簡素化の方針で目下研究中であるとの見解でありますので、実情に即して漸進的に実施すべきものと結論されました。
 次に請願第六百四十六号、第八百九十一号及び陳情第二百九号は、いずれも砂利、砂、碎石等の統制は、緊急建設事業や地方交通事業の運営等の遂行上多大の不便を來し、而も價格を徒らに高騰させている実情であるから、速かに利砂、砂、碎石等の價格統制を廃止して欲しいとの趣旨であつて、最近漸く或る程度のゆとりを生ずる傾向になつて來たから、生産を阻害しないように移行措置を十分考慮して統制撤廃の方向に行くことが妥当であると認めました。
 次に陳情第二百八号は電源地帶である富山縣より提出されたもので、縣民の過重負担を除き、大小企業の育成のために電力料金の地域差を大幅に増額されたいとの陳情であつて、現行の電力料金自体が不適正であり、又現行地域差についても当局で檢討中であるから、この点を考慮して善処すべきものと認められました。
 最後に陳情第二百七十一号は、鷄卵の公定價格は全く実情に副わず、生産者の意欲を徒らに低調にし、一部の業者のみの利するところとなつている現在、この價格統制を撤廃して貰いたいとの陳情で、最近の飼料事情の好轉に伴い生産も逐次増大し、市場價格と統制價格は殆んど同額であるので、統制價格を撤廃すべきものと結論いたしました。
 以上のごとき次第でありまして、本委員会といたしましては十分審議した結果、議院の会議に付し、然るべき意見書を付し内閣に送付することを適当と認めました。以上御報告いたします。(拍手)
#88
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#89
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#90
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第七十より第七十二までの請願及び日程第百五十九の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。人事委員長中井光次君。
    ―――――――――――――
   〔中井光次君登壇、拍手〕
#92
○中井光次君 只今議題となりました請願第百十九号外二件及び陳情第二百六十一号について、人事委員会における審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 請願第百十九号、福島縣赤井村の地域給を乙地に指定の請願、請願第七百七十五号、新庄市官公吏に地域給支給の請願、請願第九百十二号、佐賀縣山代地区官公吏勤務地手当引上げに関する請願、及び陳情第二百六十一号、宮崎縣富島地区官公吏勤務地手当引上げに関する陳情、以上申上げました各市町村は現在勤務地方当の支給を受けない地域となつているのを、それぞれの実情よりして、生計費の高い特定の地域として指定し、所在官公廳公務員の勤務地手当を支給して頂きたいとの趣旨であり、それぞれの理由を附し、或いは詳細な資料を添えて提出されたものであります。この問題について関係政府委員の説明を求めましたところ、公務員の地域給に関しては、政府職員の新給與実施に関する法律に基き、人事院において全國一齊に生計費の科学的研究調査を行い、早急に國会及び内閣に勧告を行うように努力を続けており、現在勤務地手当の割合及び地域の区分は、尚從前の例による旨の答弁がありました。本委員会としてもこれらの請願及び陳情の内容について調査審議を行いました結果、その願意も妥当であり、且つ人事院の研究調査を促進する意味においても、いずれもこれを採択して議院の会議に付し、内閣に送付すべきものであると決定いたしました。以上を以て簡單ながら御報告申上げます。(拍手)
#93
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#94
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#95
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第七十八より第百四十九までの請願及び日程第百六十三より第百八十三までの陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。建設委員長石坂豊一君。
    ―――――――――――――
   〔石坂豊一君登壇、拍手〕
#97
○石坂豊一君 只今議題と相成りました日程第七十八号外請願七十一件、日程第百六十三号外陳情二十件につきまして、建設委員会の審査の結果を報告いたします。
 これらは河川並びに道路、災害復旧、砂防等に属するものでありまして、先ず河川に関するもの十六件でありますが、なかんずく改修工事の促進又は着工の請願、陳情をいたしておりまするのは、北上川、渡良瀬川の外、徳島縣下の吉野川、勝浦川、園瀬川、鮎食川、島根縣の斐伊川、仙台市を貫流する名取川外四河川、東京都江東三区の地区内諸河川、北海道の網走川、渚骨川諸河川の改修工事と、茨城縣菅生沼の築堤工事及び北上川の改修工事と並行して岩手縣膽澤川、猿ケ石川、雫石川の改修工事を請願するものでありまして、各河川の近年の出水、被害状況より見て、いずれもその必要を認めた次第であります。
 次に災害復旧工事の促進、國庫補助の増額に関するものには、利根川治水事業に対するものと、岩手縣、茨城縣、山梨縣の各縣より國庫補助の増額、資材配給を要請しております。この外に全國的な問題として、災害復旧に対する補助の増額を要請しておりますが、近年各地方とも災害の累増によりまして地方財政の窮迫を物語つておるのであります。
 道路に関するものは十四件でありますが、戰時中補修を止めておりましたから專らその点を訴えております。即ち國道二号線中、宮城縣延岡市附近、國道四号線福島縣内の一部、國道二十号線姫路市と鳥取縣若櫻町間、國道二号線別府市内の一部、國道二十三号線中、香川縣坂出市内、房総國道の一部、熊本縣八代―人吉間、縣道では福岡縣下の秋月―大隅線、鹿兒島縣下の鹿兒島―大崎線、鹿兒島―加世田線、廣島縣内諸線、北海道準地方費道としては、江差―岩内線、入舸―岩内線、斜里郡ウトロ―斜里線の一部改修工事等も含まれております。小田原―熱海線から伊豆半島の諸線改修工事を訴えて來ておりまするが、それのみならず、これを一方國道に編入する請願も併せて來ております。この改修の続行は一番必要でありますから、これは採用いたしまして、國道に編入する件は道路法改正後まで留保いたして置きました。トンネル工事としては、北海道石狩膽振國境にある金山峠トンネルと門司市櫻トンネルの開鑿であります。
 橋梁に関するものは靜岡縣下の富士橋、福岡縣下の旧筑後川千歳橋及び早津江橋の架橋、東京都荒川放水路の架橋と、西大阪の六間屋川二河川の橋梁について、舟航の支障を除くため修築工事を請願するものであります。この外、道路の改正、道路財源の確立、工事の機械化による道路の改良維持の促進と、これに対する國庫補助の増額の陳情があります。以上いずれも各地方の産業の開発、交通の利便を増進するためにその必要が認められるのであります。
 関門國道トンネルは現在工事中途において、維持に投ずる費用だけで巨額を要する状況でありまして、今後の完成見通しは誠に重大問題であります。一方、民間経営による完成の方法如何は愼重なる調査を必要とし、関係地方としては痛切な工事の促進を要望しておるのは誠に至当と存じます。
 砂防に関するものは二十六件でありますが、そのうち岩手縣盤井川上流地方の砂防工事は、昨年一ノ関市の蒙むりたる水害に関連するものでありまして、これの根本的方策として、早く施設をするように強く要望して参つておるのであります。又群馬縣各河川の砂防は、近年同縣下の水害のため、各地に山崩れを生じ、土砂を流出しておる状況に対するものでありますが、徳島縣下の吉野川支流、東京都川口川、別府市附近各河川、神戸市瀬ケ谷の砂防工事は、いずれも同樣の状況にあるものであります。兵庫縣下の諸河川については大谷川、福田谷川の他十九河川の砂防工事の請願がありまして、地元の砂防に関する関心が如何に大なるかを示しております。これらの中には現在工事中のものの促進継続を要望するものもありますが、その他の河川の調査も完了しておりますので、今後予算の増額を待ち逐次着工すべきものと認めて採択することにした次第であります。
 次に戰災復興につきましては、その促進を図るため國庫補助の増額に強い要望があります。又大阪府布施市の浸水被害の防除に関する請願は、同市の地勢地理の然らしむるところによるもので、極めて至当の請願と存じます。
 建築住宅に関する請願十五件でありますが、住宅金融金庫の設置に関するものは、低利長期の資金融通に対する強い要望が見られるのであります。公共用建築物の不燃化は、今後の建築には木材を排して不燃性の耐久的なものとすると共に、既設の木造に対しましてもその改修の途を講ぜられたいことを要望しておるのであります。住宅建築の促進に関するものは、重大深刻なる社会問題であつて、住宅難緩和が遅々として進まない状況に対し國民の不満が現われております。同時に敷地問題解決のために法的措置を要請して來ておるのであります。その他建築資材の確保、岩手縣水害地方の住宅対策、大阪、兵庫両縣下の住宅不足数と終戰後の建築戸数とを対比して建築促進策を要望して來ておるのであります。
 最後に國営工事の分担金に関して政府と地方との間の連絡に欠けるところがあるとして、それらの改善を陳情いたして來ております。
 以上いずれも建設委員会におきましては愼重審議の結果、これらはいずれも國民の眞劍なる要望と認めまして、これを院議に付して内閣に送付すべきものと決定した次第であります。右御報告申上げます。(拍手)
#98
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#99
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
     ―――――・―――――
#100
○議長(松平恒雄君) この際、日程第五十二より第六十九までの請願及び日程第百五十八の陳情を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。在外同胞引揚問題に関する特別委員会理事草葉隆圓君。
    ―――――――――――――
   〔草葉隆圓君登壇、拍手〕
#102
○草葉隆圓君 只今議題となりました請願並びに陳情の在外同胞引揚問題に関しまする特別委員会におきまする審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
 詳細は報告書に讓りまして、先ず請願第百八十六号、第三百六十一号、第五百五十七号は、今日実施されんといたしておりまする行政整理に当つて、引揚者は年限が短かいから、今日の整理より除外されたいという願意であります。次に請願第百八十七号、第二百七十九号、第三百五十八号及び第四百九十一号は、第二國会におきまして議決され採り上げられました引揚同胞対策の決議の具体化として、昭和二十三年度第二、第三・四半期におきまして、漁業希望者に資材が配給されましたが、尚一層の資材を從來通り引続いてお願いを申上げたいという願意であります。次に請願第三百四十九号は引揚者に対しまして纖維製品の特配を特にお願いいたしたいという願意であります。次に請願第百八十九号、第三百五十号、第五百五十八号は、現下の住宅難に最も悩んでおる國民の総数の中その五、六割を占めておるのが引揚者であるから、これらに対して住宅の供給に十分なる方策を講ぜられたいという願意であります。次に第百八十八号、第三百五十九号及び第四百号は、この切実なる住宅難に当つて更に疊、瓦等の資材を引揚者に対して優先的に配給されたいという願意であります。次に賛願第三百七十三号は、引揚者が公館借上金及び難民救済金の返還を強く要望いたしておりまするから、二十四年度予算に計上されて、速かにこれが方法を具体的にお進めを願いたいという願意であります。次に請願第百九十号、第二百七十八号及び第五百五十四号は、特別未帰還者給與法を中國共産党地区に拡大をされたいという願意であります。次に請願第三百四十六号は、未復員者給與法の改正、特別未帰還者給與法の改正、生活保護法の改正、失業保險法の改正等、引揚者に対する緊急なこれらの法制を引揚者に十分なるように改正をされたいという願意であります。次に請願第三百七十二号は、引揚者の開拓並びに帰農に際しまして、(一)専業帰還農家に対し二十四年度において入植し得るよう予算を計上されたいこと、(二)入植希望者を想定して予算措置を十分にされたいこと、(三)引揚者地主であつて農地調整法により所有地を買收せられ、農耕以外に生計の途のない者に、農耕によつて立ち得るようにいたされたいという願意であります。次に請願第三百五十三号は、現下引揚者に関しまする諸問題の解決は、先ず住宅問題の解決であるから、速かに住宅問題の解決に資する方策を講ぜられたいという願意であります。尚、次に請願第二百十七号及び第三百六十二号は、宮崎縣上椎葉発電所の建設工事に当り、引揚者を優先的に採用されたいという願意であります。次に請願第三百五十一号は、引揚者の中小企業に対して融資方法を十分にいたされたいという願意であります。次に請願四百二十五号は、現在北鮮に残留いたしておりまする者は、元朝鮮総督府の官吏及び日本人有力者でありまして、惡質前職の罪名を以て拘留されておる者でありまするが、これらに対しましては引揚の可能なる方法を速かに講ぜられたいという願意であります。次に請願第四百四十三号でありますが、これは樺太無縁故者の中、兒童の教育施設については殆んど何ら方策を講ぜられておらないから、これが方法を講ぜられたいという願意であります。次に請願第四百六十七号は、終戰後すでに四年、未帰還者が尚相当多数ありますから、速かに引揚促進のでき得るようにいたされたいという願意であります。次に請願第四百九十号は、現下引揚者の更生の最大の阻害をいたしておりまする資金について、特別融資生業資金等の枠を十分に設けられたいという願意であります。次に請願第四百九十二号は、引揚者の最も困難をいたしておるまする住宅資金貸出の途を講ぜられたいという願意であります。最後に請願第五百五十五号は、生業資金の貸出に当りまして、引揚者に対して十分なる保護方法を講ぜられたいという願意であります。
 以上の請願及び陳情に対しましては、委員会は数回に亘り愼重に審議をいたしました結果、いずれもその願意は妥当であるものと認めまして、内閣に送付すべきものであると決定いたした次第であります。右御報告を申上げます。(拍手)
#103
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。これらの請願及び陳情は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#104
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつてこれらの請願及び陳情は全会一致を以て採択し、内閣に送付することに決定いたしました。
 議事の都合により本日はこれにて延会いたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#105
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会の議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十四分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、日程第一 会期延長の件
 一、日程第二 水力電源開発に関する決議案
 一、日程第三 簡易生命保險法案
 一、日程第四 郵便年金法案
 一、日程第六 船舶運営会の船員の退職手当に関する交付金を船舶所有者に交付する法律案
 一、日程第七 所得税法等の一部を改正する法律案
 一、日程第九 臨時宅地賃貸價格修正法案
 一、日程第十 國の所有に属する物品の賣拂代金の納付に関する法律案
 一、日程第十一 興業債券の発行限度の特例に関する法律案
 一、日程第十二 價格調整公團法の一部を改正する法律案
 一、日程第十三 過度経済力集中排除法第二十六條の規定による持株会社整理委員会の職権等の公正取引委員会への移管に関する法律案
 一、日程第十四 都道府縣の所有に属する警察用財産等の処分に関する法律案
 一、日程第十五 鉱山保安法案
 一、日程第十六 建設業法案
 一、日程第十七 屋外廣告物法案
 一、日程第十八 公共企業体労働関係法の施行に関する法律案
 一、日程第十九 水産業團体整理特別措置法案
 一、常任委員辞任及び補欠の件
 一、日程第二十 文部省著作教科書の出版権等に関する法律案
 一、未亡人並びに戰歿者遺族の福祉に関する決議案
 一、日程第二十一乃至日程第四十四の請願及び日程第百五十乃至日程第百五十六の陳情
 一、日程第四十五乃至日程第五十一の請願及び日程第百五十七の陳情
 一、日程第七十三乃至日程第七十七の請願及び日程第百六十乃至日程第百六十二の陳情
 一、日程第七十乃至日程第七十二の請願及び日程第百五十九の陳情
 一、日程第七十八乃至日程第百四十九の請願及び日程第百六十三乃至日程第百八十三の陳情
 一、日程第五十二乃至日程第六十九の請願及び日程第百五十八の陳情
ソース: 国立国会図書館
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