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1949/05/22 第5回国会 参議院 参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第31号
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1949/05/22 第5回国会 参議院

参議院会議録情報 第005回国会 本会議 第31号

#1
第005回国会 本会議 第31号
昭和二十四年五月二十二日(日曜日)
   午前十時三十八分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第三十号
  昭和二十四年五月二十二日
   午前十時開議
 第一 参議院事務局並びに参議院法制局の職員の定員規程の一部改正に関する件
 第二 文化財保護法案(田中耕太郎君外十六名発議)(委員長報告)
 第三 教育職員免許法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第四 教育職員免許法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第五 労働組合法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第六 労働関係調整法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第七 通商産業省設置法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第八 刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第九 裁判所法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一〇 司法試驗法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一一 犯罪者予防更生法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一二 犯罪者予防更生法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一三 法務局及び地方法務局設置に伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)(委員長報告)
 第一四 裁判所職員の定員に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一五 農地調整法の一部を改正する等の法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一六 土地改良法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一七 土地改良法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一八 中小企業等協同組合法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第一九 中小企業等協同組合法施行法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二〇 臨時鉄くず資源回收法案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二一 配炭公團法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
 第二二 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、通商事務所の設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)
 第二三 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、纎維製品檢査所の支所設置に関し承認を求めるの件(委員長報告)
 第二四 昭和二十二年度國有財産増減及び現在額総計算書(委員長報告)
 第二五 昭和二十二年度國有財産無償貸付状況総計算書(委員長報告)
 第二六 昭和二十二年度予備費使用総調書(承諾を求める件)(委員長報告)
 第二七 昭和二十二年度特別会計予備費使用総調書(承諾を求める件)(委員長報告)
 第二八 昭和二十三年度一般会計予備費使用総調書(その1)(承諾を求める件)(委員長報告)
 第二九 昭和二十三年度特別会計予備費使用総調書(その1)(承諾を求める件)(委員長報告)
 第三〇 教育映画の暗幕配給に関する請願(委員長報告)
 第三一 坑木危機打開に関する請願(委員長報告)
 第三二 北海道内化学肥料製造用の電力対策等に関する請願(委員長報告)
 第三三 日和田、平両変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
 第三四 築上火力発電所建設再開に関する請願(委員長報告)
 第三五 猪苗代、十和田間に送電幹線新設の請願(委員長報告)
 第三六 岩手縣に電氣計器調整所及び電氣試驗所設置の請願(委員長報告)
 第三七 坑木生産供出あい路打開に関する請願(委員長報告)
 第三八 小清水村に水力発電所築設の請願(委員長報告)
 第三九 中小企業廳の拡充強化に関する請願(委員長報告)
 第四〇 水害地衣料切符加配点数の現物化等に関する請願(委員長報告)
 第四一 労需用繊維品配給に関する請願(委員長報告)
 第四二 中國地方電力増強五箇年計画案実施に関する請願(委員長報告)
 第四三 鶴岡纎維製品檢査所川俣支所の本所昇格及び小高支所設置の請願(委員長報告)
 第四四 岡山縣の電力増強対策に関する請願(委員長報告)
 第四五 猪苗代、八戸及び日和田、平の各変電所間に送電線新設の請願(委員長報告)
 第四六 北海道の石灰ちつ素工業用電力対策に関する請願(委員長報告)
 第四七 衣料品卸賣業者登録申請に関する請願(委員長報告)
 第四八 商工省工業技術廳の拡充整備に関する請願(委員長報告)
 第四九 理容師にクロース、タオル及び手術衣増配に関する請願(委員長報告)
 第五〇 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する請願(委員長報告)
 第五一 中小企業の振興対策に関する請願(委員長報告)
 第五二 石けん資材割当方式に還流切符制度採用の請願(二件)(委員長報告)
 第五三 中小企業の保護育成に関する請願(委員長報告)
 第五四 常磐茨城地区炭鉱復興に関する請願(委員長報告)
 第五五 乳兒用衣類の輸入に関する請願(委員長報告)
 第五六 中小織布業の保護育成に関する請願(委員長報告)
 第五七 輸出業法制定に関する請願(委員長報告)
 第五八 水産業協同組合法等改正に関する請願(委員長報告)
 第五九 水産業協同組合全國連合会結成等に関する請願(委員長報告)
 第六〇 水産業協同組合法中一部改正に関する請願(委員長報告)
 第六一 北海道尾札部村木直に船入ま築設の請願(委員長報告)
 第六二 阿仁合、角館両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第六三 美幌、斜里両町間に國営バス運輸開始の請願(二件)(委員長報告)
 第六四 御影、辺富内両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第六五 三重町、日向長井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第六六 直江津、六日町両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第六七 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第六八 羽幌、朱鞠内間及び羽幌、遠別間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
 第六九 根北線全通促進に関する請願(委員長報告)
 第七〇 奧津、櫻井両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第七一 磐城西郷信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
 第七二 中村、新地両駅間に駒嶺駅設置の請願(委員長報告)
 第七三 貝田信号所を駅に昇格の請願(委員長報告)
 第七四 堂島停留所に客車停車数増加の請願(委員長報告)
 第七五 大越駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第七六 会津若松、山都両駅間の鉄道敷設変更反対に関する請願(委員長報告)
 第七七 舞木駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第七八 仙台鉄道局福島管理部移轉に関する請願(委員長報告)
 第七九 湊町、東京両駅間に直通列車運輸開始の請願(委員長報告)
 第八〇 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する請願(二件)(委員長報告)
 第八一 道路運送管理事務所の地方移讓反対に関する請願(六十六件)(委員長報告)
 第八二 小野田港、小野田両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第八三 肥薩線人吉、渡両駅間に西人吉駅設置の請願(委員長報告)
 第八四 出石鉄道復活に関する請願(委員長報告)
 第八五 秋葉原駅名の呼称訂正に関する請願(委員長報告)
 第八六 荒海、滝の原間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第八七 岐阜、名古屋両市を中心とする省線の電化に関する請願(委員長報告)
 第八八 常磐線電化促進に関する請願(委員長報告)
 第八九 浜松、米原両駅間鉄道電化促進に関する請願(委員長報告)
 第九〇 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第九一 長鳥信号場を旅客駅に昇格の請願(委員長報告)
 第九二 三陸沿岸鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
 第九三 廣島鉄道局廣島工機部廣分工場存置に関する請願(委員長報告)
 第九四 門司鉄道局小倉工機部熊本分工場存置に関する請願(委員長報告)
 第九五 秋田、上野両駅間に直通急行列車増発の請願(委員長報告)
 第九六 様似、廣尾両駅間に鉄道敷設の請願(委員長報告)
 第九七 郡山市に測候所設置の請願(委員長報告)
 第九八 塩釜港修築に関する請願(委員長報告)
 第九九 汽船龍頭山丸移動促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇〇 機帆船用玄海航路標識拡充に関する請願(委員長報告)
 第一〇一 羽幌港船入ま修築等に関する請願(委員長報告)
 第一〇二 伊萬里港修築に関する請願(委員長報告)
 第一〇三 台ケ鼻燈台設置に関する請願(委員長報告)
 第一〇四 函館港ふ頭修築工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一〇五 運輸省の枕木購入方法に関する請願(委員長報告)
 第一〇六 機帆船海運政策に関する請願(委員長報告)
 第一〇七 長崎縣壱岐郡田河町名嶋に避難港設置の請願(委員長報告)
 第一〇八 長崎縣壱岐郡田河町滝ノ上に燈台設置の請願(委員長報告)
 第一〇九 高知縣の海上輸送に燃料増配の請願(委員長報告)
 第一一〇 山形測候所存置に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一一一 二俣、佐久間両駅間に鉄道敷設促進の請願(委員長報告)
 第一一二 掛川町、御前崎間に國営自動車運輸開始促進の請願(委員長報告)
 第一一三 地方税財政制度の拡充強化に関する請願(委員長報告)
 第一一四 地方税財政制度改正に関する請願(委員長報告)
 第一一五 地方財政確立に関する請願(委員長報告)
 第一一六 横浜市債認可に関する請願(委員長報告)
 第一一七 地方財政の義務負担に関する請願(委員長報告)
 第一一八 地方配付税増額に関する請願(委員長報告)
 第一一九 都市計画土地区画整理による公共既使用地の地租減免の請願(委員長報告)
 第一二〇 地方税財政制度改善に関する請願(委員長報告)
 第一二一 自治体警察処理手数料の交付に関する請願(委員長報告)
 第一二二 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一二三 戸籍、寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部改正の請願(委員長報告)
 第一二四 戸籍事務費全額國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一二五 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の請願(七件)(委員長報告)
 第一二六 地方財政確立に関する請願(三件)(委員長報告)
 第一二七 未成年者飲酒禁止法励行に関する請願(委員長報告)
 第一二八 船員の選挙権に関する請願(委員長報告)
 第一二九 健康保險組合に対する國庫補助増額の請願(二件)(委員長報告)
 第一三〇 労務者住宅建設に厚生年金保險積立金運用の請願(委員長報告)
 第一三一 厚生年金積立金運用再開に関する請願(委員長報告)
 第一三二 山形市に國立結核療養所設置の請願(委員長報告)
 第一三三 山形縣赤湯町の厚生施設設置費國庫補助に関する請願(委員長報告)
 第一三四 國営医療機関勤務看護婦の勤務改善に関する請願(委員長報告)
 第一三五 戰爭犠牲者に対する災害補償の請願(委員長報告)
 第一三六 戰爭犠牲者遣族保護対策強化に関する請願(五件)(委員長報告)
 第一三七 保育施設増設等に関する請願(委員長報告)
 第一三八 乳兒院、託兒所増設等に関する請願(委員長報告)
 第一三九 民生委員法改正等に関する請願(委員長報告)
 第一四〇 象等の輸入に関する請願(委員長報告)
 第一四一 傷い者福祉法制定に関する請願(委員長報告)
 第一四二 社会事業基本法制定に関する請願(委員長報告)
 第一四三 箇易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する請願(十三件)(委員長報告)
 第一四四 福島縣耶摩郡檜原村字劍ケ峯に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一四五 福島縣瀧根町菅谷に無集配特設郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一四六 佐賀電話局の電話交換方式変更及び局舎建設に関する請願(委員長報告)
 第一四七 奈良縣天川村川合無集配特定郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
 第一四八 福島縣関柴村に特定郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一四九 鹿兒島縣日当山村日当山郵便局を集配局とするの請願(委員長報告)
 第一五〇 岩手縣田原村に郵便局設置の請願(委員長報告)
 第一五一 練馬郵便局舎新築及び電話交接方式変更に関する請願(委員長報告)
 第一五二 板橋区内一部の電話加入区域変更に関する請願(委員長報告)
 第一五三 北上川改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一五四 安倍川砂防工事に関する請願(委員長報告)
 第一五五 表生駒山系砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一五六 肱川治水工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一五七 神奈川縣下の砂防工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一五八 天龍川西岸堤防改修工事促進に関する請願(委員長報告)
 第一五九 番匠川改修工事に関する請願(委員長報告)
 第一六〇 大分川直轄改修工事継続施行に関する請願(委員長報告)
 第一六一 信濃川水系砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一六二 長野縣共和村地内茶臼山砂防工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一六三 縣道中津名古屋線中一部路線変更等に関する請願(委員長報告)
 第一六四 道路整備改善に関する請願(委員長報告)
 第一六五 延岡、熊本両市間縣道中高千穗峽に架橋の請願(委員長報告)
 第一六六 長野縣豊井村上今井に架橋の請願(委員長報告)
 第一六七 川内市復興事業促進に関する請願(委員長報告)
 第一六八 重信川水系砂防工事施行等に関する請願(委員長報告)
 第一六九 縣道下諏訪伊那線中長地村、岡谷市間改良工事等に関する請願(委員長報告)
 第一七〇 國道第八号線中長野縣落合村、今井間改良工事施行に関する請願(委員長報告)
 第一七一 國道第八号線中塩尻峠トンネル開さくに関する請願(委員長報告)
 第一七二 國道第十四号線改良工事及び和田峠トンネル開さくに関する請願(委員長報告)
 第一七三 千葉縣滑河町、茨城縣金江津村間に架橋の請願(委員長報告)
 第一七四 紙の統制方式及び公定價格の改廃に関する請願(委員長報告)
 第一七五 医藥品等の取引高税免除に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一七六 医藥品類の取引高税撤廃に関する請願(委員長報告)
 第一七七 中小企業金融改善に関する請願(委員長報告)
 第一七八 絹人絹力織機復元資金融資に関する請願(委員長報告)
 第一七九 旧軍港地國有財産拂下げに関する請願(四件)(委員長報告)
 第一八〇 山梨縣野之瀬村火災災害復興に対する融資の請願(委員長報告)
 第一八一 埼玉縣飯能町に税務署設置の請願(委員長報告)
 第一八二 熊本市大江町元騎兵隊跡拂下げに関する請願(委員長報告)
 第一八三 炭鉱設備資金の融資等に関する請願(委員長報告)
 第一八四 引揚者に連合軍放出衣料品優先拂下げの請願(二件)(委員長報告)
 第一八五 厚生連盟消費組合に連合軍放出衣料品拂下げの請願(委員長報告)
 第一八六 引揚者事業体に住宅建設資材優先発註の請願(二件)(委員長報告)
 第一八七 引揚者を行政整理より除外するの請願(委員長報告)
 第一八八 引揚者住宅対策に関する請願(二件)(委員長報告)
 第一八九 中共地区の一般未帰還者に対する給與の請願(委員長報告)
 第一九〇 上椎葉水力発電所建設に引揚者優先起用の請願(委員長報告)
 第一九一 戰爭犠牲者に佐世保引揚援護局所管の自動車等優先拂下げの請願(委員長報告)
 第一九二 帰還者課税特例法制定等に関する請願(委員長報告)
 第一九三 引揚者新規着漁業者に漁業資材継続優先配給の請願(委員長報告)
 第一九四 引揚者の消費生活協同組合に対する融資等の請願(委員長報告)
 第一九五 在外同胞引揚促進等に関する請願(委員長報告)
 第一九六 難民救済借入資金の償還に関する請願(委員長報告)
 第一九七 特別未帰還者給與法第一條改正に関する請願(委員長報告)
 第一九八 中小企業廳機構拡充強化に関する陳情(委員長報告)
 第一九九 北海道の電力供給源開発等に関する陳情(委員長報告)
 第二〇〇 電力行政機構強化に関する陳情(委員長報告)
 第二〇一 関西配電会社淡路送電第三号線架設に関する陳情(委員長報告)
 第二〇二 中小企業振興対策に関する陳情(委員長報告)
 第二〇三 タイヤ補修用生ゴム輸入増加に関する陳情(委員長報告)
 第二〇四 タイヤのリンク制廃止に関する陳情(委員長報告)
 第二〇五 ろう石外七鉱物を鉱業法中に追加の陳情(委員長報告)
 第二〇六 神戸港をてぐす原料荷揚港に復活の陳情(委員長報告)
 第二〇七 家庭燃料用加工炭増産等に関する陳情(委員長報告)
 第二〇八 炭鉱労務者向物資配給計画に関する陳情(委員長報告)
 第二〇九 山川、枕崎両駅間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二一〇 郡山、白石両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
 第二一一 吉松、人吉両駅間電化促進及び路線変更に関する陳情(委員長報告)
 第二一二 道路運送監理事務所の地方移讓反対に関する陳情(六件)(委員長報告)
 第二一三 長崎、東京両駅間準急列車を急行列車に切替の陳情(委員長報告)
 第二一四 東海道線完全電化に関する陳情(委員長報告)
 第二一五 日田市、守実間に鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二一六 甲府、塩尻両駅間及び塩尻、長崎両駅間鉄道電化促進に関する陳情(委員長報告)
 第二一七 中土、小滝両駅間鉄道敷設促進に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二一八 富山駅拡張改築に関する陳情(委員長報告)
 第二一九 川東、谷田川両駅間に停車場設置の陳情(委員長報告)
 第二二〇 八幡浜駅、八幡浜港間に臨港鉄道敷設の陳情(委員長報告)
 第二二一 敦賀測候所存置に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二二二 八幡浜港修築工事継続施行に関する陳情(委員長報告)
 第二二三 小松島湾接続地帶の補強工事等促進に関する陳情(委員長報告)
 第二二四 地方税財政制度改正に関する陳情(委員長報告)
 第二二五 地方税財政制度の根本的改革に関する陳情(委員長報告)
 第二二六 國税徴收に関し町村負担事務経費全額國庫補助の陳情(委員長報告)
 第二二七 國庫負担金、補助金の交付に関する陳情(委員長報告)
 第二二八 地方配付税額減額及び地方起債停止反対に関する陳情(三件)(委員長報告)
 第二二九 中央出先機関の地方移讓に伴う地方財政の健全化の陳情(委員長報告)
 第二三〇 保健所経費國庫補助増額に関する陳情(委員長報告)
 第二三一 地方配付税増額に関する陳情(委員長報告)
 第二三二 戸籍事務費全額國庫補助に関する陳情(九件)(委員長報告)
 第二三三 五大都市に当せん金附証票発賣権附與の陳情(委員長報告)
 第二三四 府縣に対する國庫支出金等の算定適正に関する陳情(委員長報告)
 第二三五 地方財政法等改正に関する陳情(委員長報告)
 第二三六 町村吏員恩給組合に対する國庫補助増額の陳情(八件)(委員長報告)
 第二三七 船員の選挙権に関する陳情(二件)(委員長報告)
 第二三八 料理飲食営業の再開に関する陳情(委員長報告)
 第二三九 戸籍、寄留事務に関し地方財政法第十一條第二項中一部改正の陳情(委員長報告)
 第二四〇 市町村消防費國庫補助に関する陳情(委員長報告)
 第二四一 地方自治法中一部改正に関する陳情(委員長報告)
 第二四二 地方債のわく拡大に関する陳情(委員長報告)
 第二四三 都市計画税賦課率引上げに関する陳情(委員長報告)
 第二四四 遺族救済諸対策に関する陳情(委員長報告)
 第二四五 消費生活協同組合の住宅事業経営に関する陳情(委員長報告)
 第二四六 簡易生命保險及び郵便年金積立金運用再開に関する陳情(五件)(委員長報告)
 第二四七 枕崎郵便局無線分室敷地等拂下げに関する陳情(委員長報告)
 第二四八 十津川の河水統制事業に関する陳情(委員長報告)
 第二四九 京都府阪鶴道路線中肥後、桝谷両橋架設に関する陳情(委員長報告)
 第二五〇 住宅建設促進に関する陳情(委員長報告)
 第二五一 都市の不燃化に関する陳情(委員長報告)
 第二五二 奧会津開発促進に関する陳情(委員長報告)
 第二五三 名古屋、新潟両市間道路を國道に編入するの陳情(委員長報告)
 第二五四 鹿兒島縣末吉町内大淀川上流地区を直轄河川に編入の陳情(委員長報告)
 第二五五 電氣料金の適正化に関する陳情(委員長報告)
 第二五六 ゴム工業の炭鉱向賣掛金処理に関する陳情(委員長報告)
 第二五七 取引高税廃止に関する陳情(委員長報告)
 第二五八 取引高税撤廃等に関する陳情(委員長報告)
 第二五九 瀬戸内海の水雷保險復活等に関する陳情(委員長報告)
 第二六〇 産業金融政策に関する陳情(委員長報告)
 第二六一 在外同胞引揚促進に関する陳情(委員長報告)
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松平恒雄君) 諸般の報告は朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。
 この際お諮りいたします。荒井八郎君より内閣委員を、森田豊壽君より地方行政委員を、一松政二君及び岡田喜久治君より労働委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として内閣委員に一松政二君を、地方行政委員に岡田喜久治君を、労働委員に荒井八郎君及び森田豊壽君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#5
○議長(松平恒雄君) 日程第一、参議院事務局並びに参議院法制局の職員の定員規程の一部改正に関する件を議題といたします。
 議長は参議院事務局職員定員規程改正案及び参議院法制局職員定員規程改正案を起草いたしまして、予め議院運営委員会に付議いたしましたところ、異議なき旨の決定がございました。これより参事をして改正案を朗読いたさせます。
   〔宮坂参事朗読〕
  参議院事務局定員規程の一部を次のように改正する。
  第一條第一号「参事專任六十三人」を「参事專任八十九人」に、同條第二号「主事專任三百五十一人」を「主事專任三百七十七人」に改める。
  第二條中「主事專任八人」を「主事專任四人」に改める。
    附 則
  この規程は、昭和二十四年七月一日から、これを施行する。
    …………………………………
  参議院法制局職員定員規程の一部を次のように改正する。
  「一五名」を「一八名」に、「一〇名」を「一二名」に改める。
    附 則
  この規程は、昭和二十四年六月一日から施行する。
    ━━━━━━━━━━━━━
#6
○議長(松平恒雄君) 只今朗読いたしました参議院事務局職員定員規程改正案及び参議院法制局職員定員規程改正案の両案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔総員起立〕
#7
○議長(松平恒雄君) 総員起立と認めます。よつて両案は全会一致を以て可決せられました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(松平恒雄君) 日程第二、文化財保護法案(田中耕太郎君外十六名発議)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長田中耕太郎君。
    ―――――――――――――
   〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
#9
○田中耕太郎君 議題となりました文化財保護法案は、文部委員の殆んど全員の共同の発議になるものでございまして、從つて委員会の審議の経過よりも、むしろ法案提出の趣旨、法案の目的及び起草の際に特に問題になりました重要な数個の点を御報告するのが適当かと存じます。
 先ず発議者の本法案提出の意図に横たわつております本法の精神を考えて見まするのに、そもそも我が國が平和國家、文化國家として発足することを決意いたしました以上、敗けたから止むを得ず文化で立つ以外に途はないというような消極的な受身の態度ではなく、文化こそ眞に祖國を救い、人類に貢献するのだという固い信念に立脚しなければなりません。文化こそ平和の母であり、又平和こそ文化をもたらすものでございます。ところで我が國の文化的向上のためには、世界人類の優れた文化を攝取することの要あるは勿論でございますが、同所に國民が我が民族の千数百年來の文化的遺産の價値を十分自覚認識いたしまして、それを精神的の糧として消化すると共に、その保存及び管理に万全を期しますることは、ユネスコの精神に合致し、又外國の観光客に日本の眞價を認識せしめる基礎的條件の一つでありますのみならず、我々の後継者、ネクスト・ゼネレーシヨンに対しまして、又世界全人類に対しまして、我が國民の課せられた崇高なる義務であると言わなければなりません。然るに我が國におきまする文化財の保存の現状はどうであるかと申しますると、極めて遺憾な点が多かつたのであります。現行國宝保存法は制定以來すでに二十年を経過いたして、種々な点において不備であり、改正の必要があることは一般に認められております。又國宝関係の行政機構が極めて多元的複雜になつておりまして、文部省とか、博物館とか、國宝保存委員会等の諸機関に分れておりまして、責任の所在が明瞭でないので、こま單純化する必要があるのであります。次に國宝関係の行政は從來官僚的になつておりまして、その結果、これを民主的、自主的に運営いたす必要が大いにあるのでございます。尚、現在の國宝の荒廃状態は一日も放置することを許さないものがございます。御承知のように、去る一月二十六日、法隆寺金堂の火災は、從來のかような欠陷を暴露しておるものと言わなければなりません。その他、國宝類の海外流出の虞れも、今後の経済事情の変遷と共に絶無とは申されないのでございます。かかる理由で本案は提出されたのでございます。
 法案全体の建前を申上げますると、第一に國民の持つている文化的遺産を保存すると共に、それを公開することによつて、その民族的遺産と民衆との接触を図ることに努力いたしましたことが一つの点であります。第二に特に顧慮いたしましたのは、所有者の財産権の尊重と國家全体の利益、即ち公共の福祉との調和を図るに努めたことでございます。このことは第四條第二項が闡明しておるのでございます。本法の適用の範囲といたしましては、建造物、絵画、彫刻等、有形の文化財以外に、演劇、音樂、工藝技術その他の無形の文化財、その中には例えて申しますれば、雅樂とか、文樂というようなものも入るのでございます。かような無形の文化財も保存又は公開の対象となつておるのでございます。
 次に法案の全貌を極く簡單に御紹介申上げますると、保存及び管理、利用等の主体はどこにあるかと申しますると、文化財保護委員会という委員会を設置いたしました。これは文部大臣の管轄に属しまするが、併しながら自主的独立の運営をいたすことになつております。委員会は五人の委員で構成することになつております。この委員は廣い文化財識見を有する者で、両院の同意を得て文部大臣が任命することになつております。併しながら文部大臣は一方的にこれを任命するのでなくして、廣く各界の方面等の意見を徴して任命する仕組になつております。次にこの委員会の管轄といたしましては、國立博物館や研究所等が所属するのでございます。尚、事務局が設置せられることは勿論でございます。尚、委員会の諮問機関といたしまして、廣汎なる範囲の人材を網羅するところの專門審議会が設置せられておりまして、委員会の運営はこれらの專門審議会によつて十分万全を期することになるのでございます。
 保護せられますところの文化財は、先程申上げましたように、有形の文化財、つまり從來の國宝に該当するものは勿論、無形のものに及ぶのでございますが、併し從來の建前と違いまして、有形の文化財中、特に重要なるものを重要文化財といたしまして、そのうち特に世界文化的に價値の高いもので、類いない國民の宝として、國家が特に保護する必要があるものを國宝といたしたわけであります。從つて從來の國宝の概念は変更を見たような次第であります。もつと高級なものになるわけでございます。
 次に保護や公開の規定といたしましては、所有者が法人の場合においては管理責任者を置くとか、所有者の変更の場合の規定を設けたとか、輸出の制限、現状変更の場合の條件等を定めたこと、期間を限つてなされる出陳、或いは公開の勧告、及び出陳又は公開の場合において一定の給與金を支給するというようなことについての規定が定められております。又賣却の場合においては國に対する賣渡しの申出でを先ずなさなければならないということも規定せられております。管理又は修理に関する命令又は勧告を委員会がなし得るということも規定されております。特にこの際重要なのは環境保全でございます。例えば桂離宮のような、あのような立派な庭園の傍に俗惡な建物ができましたら、すつかりぶち壊しになるのでありまして、さような意味におきまして、周囲に建物を建てるということについても多少の制限をしなければならない場合もあります。又市街地の眞中に重要なる建造物があります場合においても、その環境を防火的な意味で以て整理する必要もあるのでございます。尚かような場合におきまして國民の受ける損害を國家が補償することは、勿論前提として考えられておるのでございます。
 起草の経過といたしましては、文部小委員会、衆議院との打合会、その他を含めまして会合十七回、案を改めること六回に及びました。その間、文部委員諸君は三月から四月に至るまで約十日間、四班に分れまして國宝保存の実情を調査いたしまして、現地の專門家の意見をつぶさに聽取し、又四回に亘つて学識経驗者、國宝所有者や、演劇その他各方面の関係者の法案につきましての批判を求めまして、立案について遺憾なきを期したのでございます。この際、各方面の深甚なる協力と、文化は政治の上にあるということを現実に証拠立てられました各委員の超党派的一致の努力を、感謝の意味をこめて御披露申上げることは、私の義務であると存ずる次第でございます。
 最後に、委員会におきましては各委員からこもごも提案理由について熱心な発言があり、質疑及び討論を省略し、直ちに採決に入りまして、全会一致を以て可決すべきものと決定いたしました次第でございます。以上を以ちまして文化財保護法案審議の御報告を終ります。(拍手)
#10
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより本案の採決をいたします。本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#11
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(松平恒雄君) この際、日程の順序を変更して、日程第三及び第四を後に廻し、日程第五、労働組合法案、日程第六、労働関係調整法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます、労働委員長山田節男君。
    ―――――――――――――
   〔山田節男君登壇、拍手〕
#14
○山田節男君 只今議題となりました労働組合法案につきまして、委員会におきまする審議の経過並びに結果を御報告申上げます。
 委員会におきましては去る五月十二日公聽会を開き、桂皋氏以下十二名の公述人より意見を聽取いたしました。次いで五月十四日より五月二十一日まで愼重に審議をいたしまして、質疑應答の後、討論に入りまして、採決の結果、多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。
 先ず本案の提案理由及び内容について申上げます。現行の労働組合法は、施行以來三年余を経過いたします間に、立案当時予想せられなかつた不備の点が現われて参りましたので、これが修正を必要とする事態に立ち至りましたことが理由の第一点でございます。
 次に過去三年間に急激に発達いたしました我が國の労働組合が、今日三万六千の労働組合と、約七百万の労働組合員を擁し、近く國際労働運動場裡にも参加を許されんとする機運に立ち至りました今日に当りましては、労働組合が眞に民主的、自主的であり、且つ経済再建に対し、その責任をみずから担うところの独立にして建設的なものとなり、更に日本経済安定九原則実行の最大の担い手として、労働組合大衆の盛り上る総意を以て再建に協力する態勢確立のために、立法上の措置を講ずる必要に立ち至つたことが理由の第二点でございます。次に旧憲法下におきまして制定せられました現行の労働組合法と、新憲法及びその成立後に行われました諸立法との調整を図る必要が生じましたことが、この理由の第三点でございます。
 次にこの内容の主な点を掻い摘んで申し上げますと、第一は、労働者の團結権、團体交渉権の保障を、より具体的且つ明確にしようとするものであります。第二は、労働組合に加入し得る者の範囲を明確にし、且つ使用者の財政的援助を禁止することにより、組合の自主性を確保せんとするものであります。第三は、無記名投票制度等を採用して、組合員の平等と組合運営の公正とを期し、これを組合規約の必要記載事項とすることによりまして、組合の民主性、責任性の保障を図つたこと、又労働組合の資格を備えないものには、本法及び労働関係調整法の保護を與えないことにしようとするものでございます。第四は、使用者の不当労働行爲を明瞭に規定し、組合に対する一切の干渉を排除して、團結権、團体交渉権の保障を図ろうとするものでございます。第五は、労働協約の不合理な延長を排除し、合理的な労使関係の保障を図ろうとするものでございます。第六は、労働委員会の職責、権限、組織を法律を以て明確にすると同時に、委員会の使命、職責を考え、その権限を強化し、更に準司法的機能については公益委員のみを以てこれを行うことにしようとするものでございます。第七は、不当労働行爲を直接に罰する方針を改め、労働委員会及び裁判所の命令違反に対し有効且つ強化された罰則を科する方針に改め、正常な労使関係の確保を図ろうとするものであります。
 次に衆議院におきましては、政府提出の原案に対しまして、三つの面からこれの修正をいたしておるのであります。第一は、立法技術上不適当な表現及び不備な点を修正いたしたのであります。第二は、政策上不適当な点を修正いたしたのであります。即ち東京都労働委員会は特に取扱件数が多いために、委員を公益、労働者、使用者代表共それぞれ五名を七名に改めたことでございます。第三は、本法案のために労働省設置法その他の法律を改正しなければならない点がありますので、それをこの法案において改正いたしたのでございます。
 委員会におきまする質疑應答は、極めて活溌且つ熱心に行われましたが、その主なるものを申上げます。
 現行法第一條には、労働組合の目的に関して團結権、團体交渉権を明確に規定しておるに反して、本改正法案第一條は、憲法第二十八條に規定されておる基本原則をより具体的に規定し、これを保障するものであると称しながら、その実、表現は極めて曖昧であり、且つその意味が捕捉し難く、却つて憲法の規定する團結権、團体交渉権、団体行動権の保障の範囲が狹められたのではないかとさえ考えられるから、むしろ現行法の規定を存置する方がよいのではないか。又同條第二項但書「いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行爲と解釈されてはならない。」これは現場において何が暴力行爲であるかの認定を官憲の一方的判断に委ね、從つて官憲による爭議行爲の不当彈圧を誘致することを憂えるが如何という質問に対しまして、政府委員より、本條の内容は、趣旨において現行法と全く同一であつて、具体的且つ詳細に規定し直したものに過ぎない。第二項但書の点につきましては、かかる虞れのないように十分指導監督を與える所存であり、労働省におきましては、全國六ヶ所のブロツクごとに、都道府縣知事、労働部長並びに労働委員その他労働関係の人々を集め、本條の運用についての趣旨の徹底を図るつもりであり、又法務当局におきましても、近く全國の檢察事務当局の労働係檢事等の会同を催し、同樣趣旨の徹底を図り、その運用に万一の誤まりなきを期する旨の答弁がございました。
 第二條第二号の、使用者による経済的援助の禁止につきましては、組合專從者の減少を來し、健全な労使関係の調整に惡影響をもたらす虞れはないかという質疑に対しまして、政府委員より、現在の実情に鑑み、使用者の援助を禁止して組合の自主性を確立すべき時期であると思うとの答弁があり、第五條第二項第四号中、憲法、労働基準法等においては、同種の規定の中には、すべて「信條」が挿入されているにも拘わらず、本法案にあつては、これが削除されている理由如何。又第七号の、職業的に資格を有する会計監査人による組合の会計監査制度の採用は、今日組合財政の実情から見て困難ではないかという質疑に対しまして、政府委員より、前段の点は組合の自主性に委ねるのを適当と考える旨、又後段の点は、これは極東委員会の「労働組合に関する十六原則」に明記されているものであつて、費用の支出を困難とするような小さい組合については上部團体による世話を期待する旨の答弁がございました、又公益委員のみの権限強化は不適当ではないか。各代表者が評議に参加して十分論議を盡し得るようにしなければ、関係者を納得させ、決定を浸透させることは困難である。労働委員会の特質を考えず、司法裁判的な形式に因われることは妥当でないと考えるとの質疑に対しまして、政府委員より、三年間の経驗に徴しましても、又國際的通念から言つても、現状より見て、労使の代表をこの種事件の評議決定から除くことが妥当であると考えられる。併し決定に至るまでの間に各労使委員の論議はこれを十分盡させるよう期待している旨の答弁がございました。
 政治スト、同情スト、生産管理等について如何に考えるかとの質問に対しまして、政府委員より、本法上の爭議とは、労使間においての経済上の主張、要求を貫徹するための行動と解釈しておるから、政治スト、同情ストは、違法ではないが不当なものと考えておる。從つて、本法に規定されておる保護を受けることができない。又生産管理は、使用者の指導監督を排除して、労働者が使用者の管理に属すべきものを運営する爭議行爲と解しておる。具体的事例によつて種々の相違があり、一律には言い難いが、生産管理そのものとして違法性があるものとは必ずしも言えぬが、犯罪構成の要件がこれに加わつて違法性の出て來る場合が多い旨の答弁がございました。第三十二條の命令不履行の場合、一日につき十万円の過料は、中小事業主にとり苛酷に過ぎはしないかとの質疑に対しまして、政府委員より、本規定は英米法の流れを汲む本邦最初の間接強制の規定であつて、その迅速的確な効果を期待しておる。尚、過料については、それ以下において裁判官の健全な常識による運用を期待しておる旨の答弁がございました。
 かくて質疑を終了し、続いて討論に入りました。田村委員、平野委員、一松委員より、それぞれ緑風会、民主党、民主自由党を代表して賛成意見の開陳がありました。そのうち田村委員の御意見を御紹介いたしますと、本改正法案は、労働組合の民主性並びに自主性の確立、使用者側の不当労働行爲の取締、及び労働委員会、特に公益委員の権限拡大等、現行法に比較して若干ではあるが整備改善を示したものとして賛意を表すると共に、一面取締法的色彩を帶び、從らに欧米法の模倣に堕せんとする傾きを示しておるのは遺憾であるが、客観情勢の機運未だ熟せざる現状を省察するとき、止めを得ざるものとして、今回の改正の程度を以て一應了承するものである旨の賛成意見でありました。
 玉村尾委員、中野委員、千葉委員より、それぞれ日本社会党、日本共産党、無所属懇談会を代表して反対意見が開陳されました。先ず村尾委員よりは、本改正法案提出に至るまでの手続乃至経過が非民主的、官僚独善的であり、且つ又秘密主義であつたことには賛成し難い。更に内容については次の諸点において反対であるから、社会党として修正案を提出せんとしたのであるが、諸般の情勢に鑑み、今回その要旨を述べるにとどめる。即ち、第一條「組合の目的」については、現行法のままこれを口語体に改め、第二項但書「暴力の行使」の項を削除し、第五條「労働組合の認可制」は、現行法通り届出制とし、第二項第四号中「宗教」を「信條」と改め、第七号中「職業的に資格のある会計監査人」を「公正な会計監査人」に改め、更に附則において、現行労働協約はその有効期間内にあつては当然その効力を認めらるべき旨の一項を挿入せんとするものである等の修正意見を体して反対されました。中野委員、千葉委員よりは、それぞれ本法案は、組合の自主性、民主性確立の美名に隠れて、実は組合の分裂を策し弱体化を企図せんとするものであり、憲法の明らかに保障する團結権以下の労働者の基本的権利を蹂躪せんとする天下り的改惡案である。特に「暴力」に関する規定の創設のごとき、組合活動彈圧の意図歴然たるものがあり、本法案に反対する労働者の悲痛なる叫びは今や全國に澎湃たるものがある旨の反対意見が開陳されました。尚、詳細につきましては、速記録により御承知願いたいと存じます。
 かくて討論終局の後、採決に入りましたところ多数を以て衆議院送付案通り可決すべきものと決定いたしました。右御報告申上げます。
 次に議題となりました労働関係調整法の一部を改正する法律案に関しまして、労働委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 先ず改正の要点を申上げますと、第一点は、公益事業の追加指定手続を変更して、從來は中央労働委員会の決議により主務大臣がこれを行なつていましたのを、今回は國会の承認を経て内閣総理大臣が指定をなすことにいたしているのであります。第二点は、関係当事者の双方によつて受諾された調停案につきまして、その解釈又は履行に関して意見が一致せず、爭議行爲をなすには、先ず当該調停委員会の見解を聞かなければならないといたした点であります。第三点は、公益事業に関し受諾せる調停案中、或る事項について尚交渉すべき旨の継続規定の存する場合、その事項について爭議行爲をなすには、更に冷却期間の経過を要するといたした点であります。第四点は、労働委員会の委員は斡施員候補者となることができないといたした点でございます。以上の外、労働組合法の改正に伴い、これと符節を合せるに必要な当然の事項等につき改正がなされているのでありますが、ここで申上げて置きたいことは、予備審査のため送付せられました政府原案中、特に重要な改正点でありました公益事業に関する爭議行爲期間の制限規定は、衆議院において修正削除せられることとなりまして、本案中には挿入されていないことであります。
 次に委員会における審議の経過について簡單に申上げます。
 議題の法律案に関しましては、五月七日より二十日に至るまで吉田総理大臣、鈴木労働大臣初め多数の政府委員と各労働委員の御出席の下に、終始熱心なる論議が交され、愼重に審議が行われたのであります。殊に本案が労働運動並びに公共の福祉に及ぼす影響の重要なる点に鑑みまして、五月十二日公聽会を開催し、学識経驗者、労働組合代表、使用者團体代表より成る多数の公述人の意見を聽取しまして、審議上貴重なる資料を得ることができたのでありますが、詳細は速記録で御覧願いたいと存じます。
 次に質疑について、二三の点を申し述べますると、國会の閉会中に公益事業の追加指定をなす必要が生じた場合の措置に関する質問に対し、政府委員より、その場合は國家が緊急状態に置かれるのであるから、臨時國会を召集し、改正案に認められた手続によつて追加指定すべきであり、又事務的五面から言えば、かかる愼重な手続を必要とすることによつて爭議の解決に万全の努力を盡すという結果になる旨の答弁がありました。又現行法第四十條の、「使用者は労働爭議の調整をなすに当り労働者がなした発言又は爭議行爲を理由として不利益な取扱をしてはならない。」という規定の中、爭議行爲の部分を削除したのは如何なる理由に基くかとの質問に対しまして、この点は労働組合法案第七條の不当労働行爲の観念に包攝されることとなつたため、本法に規定することは不必要になつた旨、及び「発言」についてのみ規定したのは、労働爭議の調整中、労働者のなした発言を理由に不利益な取扱をすることは公平妥当な調整を妨げるものであるから、不当労働行爲の場合と異なり、かかる行爲そのものを処罰の対象としている旨の答弁がありました。又労働委員会の委員はなぜ斡旋員候補者たり得ないかとの質問に対し、委員と斜旋員とを兼任することによつて、委員が調停仲裁等の仕事に專念できないことを防止するためである旨の答弁がありました。
 かくて五月二十日質疑を終了し、二十一日討論に入つたのでありますが、田村委員、一松委員、平野委員よりそれぞれ賛成討論があり、村尾委員、中野委員、千葉委員よりは反対意見が表明せられたのであります。討論の要旨は、さきに議題となりました労働組合法案の報告に述べたと同様でありまするので、詳細は速記録に讓りたいと存じます。次いで採決に入りましたところ、多数を以て衆議院送付案の通り可決すべきものと決定いたした次第であります。以上を以て御報告といたします。(拍手、「休憩々々」と呼ぶ者あり)
   〔佐々木良作君発言の許可を求む〕
#15
○議長(松平恒雄君) 佐々木良作君。
#16
○佐々木良作君 議事進行に関してちよつと申上げます。今上程されておる労働組合法と、それから労働関係調整法の一部を改正する法律案、特にあとの労働関係調整法の一部を改正する法律案につきまして、純法律上の疑義が生じたので、質問しようと思つたところが、何か衆議院の方の修正か何か、直つたような報告で、今説明を聞いておるわけですが、さつぱり訳が分らんのであります。五分間程度休憩をして、その問題をすつきりさして進行して頂きたいと思うのであります。
   〔「異議なし」「休憩反対」「進行」「後に廻せ」「法律的疑義があるぞ」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(松平恒雄君) 休憩をすることに同意の諸君の起立を請います。
   〔起立者少数〕
#18
○議長(松平恒雄君) 少数と認めます。(拍手、「多数横暴」と呼ぶ者あり)両案に対し討論の通告がございます。(「進行々々」と呼ぶ者あり)採決いたしました。靜粛に願います。順次発言を許します。中野重治君。
   〔「佐々木君のさつきの質問はどうした」「小委員会で決めたぞ」「佐々木君の質問を許したじやないか」「議事進行」「休憩の動議は小委員会が何も論議を許していないじやないか」「沢山集まらなくていいよ」「席へ帰れ」「これは自由なんだ」「交渉係が行つて交渉するのはいいのだ」「佐々木君は小委員会の規約を守らんじやないか」「席へ帰れ」「屁理窟を言うな」と呼ぶ者あり〕
   〔矢野酉雄君発言の許可を求む〕
#19
○議長(松平恒雄君) 矢野酉雄君。
#20
○矢野酉雄君 只今小委員会におきまして、佐々木君から今上程せられているところの問題について緊急の質問をするということについて小委員会は了承した。然るにその質問権を放棄しながら休憩の動議を提出することに対しては、小委員会として了承していない。故に議長は正々堂々と宣言したことを実行すべしということを私は要望します。(拍手、「その通り」「進行々々」「議長よく考えて落ち著いてやりなさい」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
#21
○議長(松平恒雄君) 討論に入る旨の宣告をいたしましたが、これを取消し、佐々木君に質疑を許します。
   〔佐々木良作君登壇、拍手〕
   〔「ゆつくりやれ、ゆつくり」と呼ぶ者あり〕
#22
○佐々木良作君 貴重な時間をとりまして恐れ入りますが、簡單に問題を提示いたします。今上程されております労働関係調整法の一部を改正する法律案の最初に、第八條第二項中「主務大臣」を「内閣総理大臣」に、「中央労働委員会の決議によつて、」を「國会の承認を経て、」に、以下省略しますが、こういう修正が出まして、労働組合の公益事業の指定は、從來の主務大臣の権限、つまり労働大臣の権限にあつたのが、内閣総理大臣の権限に、この調整法によりますと修正されております。今、内閣委員会で審議されております労働省設置法案によりますと、それの第四條におきまして「労働省は、この法律に規定する所掌事務を遂行するために、左に掲げる権限を有する。」といたしまして、ずつと列挙した中の十八に、「労働関係調整法に定める公益事業を追加指定すること。」こういうふうになつているわけであります。從いましてこの設置法をそのまま読みますと、從來の公益事業の指定の権限がそのまま、まだ労働大臣に残つていることになるし、調整法の改正法をずつとそのまま読みますと、明らかに内閣総理大臣に移つたということになります。そこで、はつきりと問題が分らないために、こういう緊急な質問を申上げたわけですが、今ごたごたいたしましたのは、ちよつと補足いたしますが、衆議院でこれらの何か似たような修正がされたという話でありますが、聞くところによりますと、はつきりしませんが、労働省設置法に掲げる権限を、何か労働組合法の修正で、附則か何かで修正したらしいような話も聞くわけで、その関係がちつともはつきりしないわけです。要するに権限の問題が、はつきりと、両法案で明らかにおかしくなつておつて、その関係がぴたつとせぬところに問題があるわけでありますから、この権限がどの法律の手続によつて明らかに総理大臣に移つたのか、それともまだ労働大臣に残つておるのか、このことを明らかにした上で議決なり決定さるベきものだと思つて、それの答弁を政府に要求するわけであります。(拍手、「始めからその通りやればいいんだ」「始めからとは何だ」と呼ぶ者あり、議場騒然)
#23
○議長(松平恒雄君) 靜粛に願います。
   〔國務大臣鈴木正文君登壇〕
#24
○國務大臣(鈴木正文君) 只今の御質問にお答えいたします。設置法の方は、幸いにしてこれが通過いたしますれば、六月一日から施行されることになり、又労調法等は、これが通過いたしましても、その施行はそれ以後になる。從つてこの間におきましては、現行法が労調法、労組法等で行われておるわけでありまして、その間は、組合法その他労調法によつて労働大臣から総理大臣に移つた権限が、現行法が行われておる限りまだ移らないのであります。それらの点を調査するために、衆議院の修正といたしまして、労働組合法に対する修正の中に、「第四條中第十四号及び第十六号から第十八号までを削り、第十五号を第十四号とし、第十九号を第十五号とし、以下各号を順次四号ずつ繰り上げ、第十五号、第十六号を次のように改め、第三十七号中「労働組合法」の次に「(昭和二十四年法律第  号)」を加える。」、こう修正したのでありまして、これによつて、すべての法案が通過いたしました曉においては、自動的に労働大臣に属しておつたところの権限は削除されて総理大臣に移つて行くという経過的の規定が付いておるのであります。
   〔佐々木良作君発言の許可を求む〕
   〔「答えになつていないぞ」「進行進行」と呼ぶ者あり〕
   〔佐々木良作君「衆議院の修正によつて、この両法案の権限が……」と述ぶ〕
#25
○議長(松平恒雄君) それでは簡單に質問を許します。佐々木良作君。
   〔佐々木良作君登壇、拍手〕
#26
○佐々木良作君 簡單に御質問申上げます。今の御答弁によりますと、衆議院の修正によつて両権限が合い、話の通る筋道になつたというお話でありますが、それならば政府提出のときには、両法案の権限は明らかに相矛盾する法律案として提出されたものであるかどうか。(拍手)その点を明らかにして頂きたいと思います。それからもう一点は、労働組合法の修正によつて、労働省設置法案の権限が云々できるかどうか。この点を明らかにして頂きたいと、こう考えます。
   〔「そうだそうだ」「設置法案は後だぞ、よく覚えて置け」「答弁できないだろう」と呼ぶ者あり〕
   〔國務大臣鈴木正典君登壇、拍手〕
#27
○國務大臣(鈴木正文君) お答えいたします。設置法の案が決定する当時におきましては、まだ労調法の案が決定せず、推敲中でありましたので、そういうような関係ができたのであります。
#28
○議長(松平恒雄君) これより討論通告者に順次発言を許します。中野重治君。
   〔「答弁しておらんぞ」「議長、答弁がないぞ」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(松平恒雄君) 労働大臣より発言を求められましたから、これを許します。鈴木労働大臣。
   〔國務大臣鈴木正文君登壇、拍手〕
#30
○國務大臣(鈴木正文君) 只今の第二の御質問の点は、労働組合法の附則で以てこれを修正することができるか云云。これは法律を以て法律を修正するので、対処するのでございますから、原則としてできると存じます。
#31
○議長(松平恒雄君) 中野重治君、登壇願います。
   〔「登壇しろ」「議事進行」「議長の名誉に拘わるぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#32
○木下源吾君 暫時休憩することの動議を提出いたします。
   〔「動議に賛成いたします」「議事進行が先だ」と呼ぶ者あり〕
#33
○議長(松平恒雄君) 只今の休憩の動議に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者少数〕
#34
○議長(松平恒雄君) 少数と認めます。中野重治君。
   〔中野重治君登壇、拍手〕
#35
○中野重治君 日本共産党はこの二つの法案に反対であります。
 我々はこれが惡いから反対する。それもただ惡いのではなくて、組合を彈圧しよう、暴力的に彈圧しようという目的を欺瞞的な扮裝でカバーをかけておるから尚惡い。これだから一層反対しなければならない。それだから全労働者がこれに反対している。農民、都市民もこれに反対している。資本家の中でもまじめな人々が同じく反対している。世間には、これが非常に惡いけれども、たぞ一ついいところがある。それは片仮名、文語体で書かれてあつたのが、平仮名、口語体になつた点がいいと、こういうことを言う人があるけれども、(笑声)それも誤まつている。これは仮に白足袋、草履ばきで苦しめられていたものを、今度はズボンを穿いて、靴を穿いて苦しめる場合、被害者の被害は大きくなるのであつて、こういう形の点から、それだけを美点とすることは、どうしてもできない。このことがこの労働組合法改惡案の第一條に象徴的に現われている。これは現行法では、「本法ハ團結権ノ保障及團体交渉権ノ保護助成ニ依リ労働者ノ地位ノ向上ヲ図リ経済ノ興隆ニ寄與スルコトヲ以テ目的トス。」文語であつても明瞭に書かれている。
 ところが改正案では、こういうふうな訳の分らんことになつている。「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働條件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の團体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、團結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための團体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。」日本語として非常に曖昧である。(「その通り」と呼ぶ者あり)こういうことは、その目的を現わすのに、さつぱりした氣持で問題を出せない人間に限つてやることである。こういうことは今度の改正法全部を貫いている。それだから我々はこれを改惡と言つている。(「ひねくれるな」と呼ぶ者あり)そのことは、ひねくれるまでもなく、專從者の賃金の問題に現われている。專從者の賃金の問題は、これは日本の労働組合がその闘いを通して闘い取つたものである。何がこれが使用者側の援助であるか。軍國主義的な日本が民主主義的なアメリカに打ち敗られた。賠償をこつちが出さなければならん。この賠償は貧しい日本が富めるアメリカに対して財政的援助をすることか。こういう馬鹿なことは成り立たない。こういう精神で一貫して組合の分裂策を策している。それだから、守衞は労働者でないかのごとく上から天下りにレツテルを貼つて、守衞はこれは会社側の利益代表者だ、タイピストは利益代表者だ、だから労働組合員でない。こういうことをして労働組合を分裂させようとしている。このことは中労委を役人にすることにし、地方労働委員会を縣知事の役人にしようとするこの試みに、明らかに現われている。そうして、この中労委を労働大臣が上から握り、地方労働委員会を都道府縣知事が上から握つて、この労働委員会を動かして組合に許可制を布き、組合を何かの営業扱いして、許可をして、適格であるとか何とか、こういうふうに言おうとしている。これは許すべからざることであります。このことは労働者に保障されている團結権、罷業権の否認の上に立つている。このことは前の本会議においても、労働委員会においても、労働大臣みずから言つている。吉田総理大臣は、労働大臣の見解は労働政策に関する吉田内閣の方針であると言明している。それですから、労働大臣の特に政治的ストライキ、同情罷業等々に対する発言は、明瞭に公聽会に現われた資本家代表の中の最も惡質な者と瓜二つになつている。私は誰が資本家の中の最も惡質なものであるかを、ここで名前を出しませんが、それはあなた方があの記録を御覧になればよく分る。それで我々は、労働大臣或いは日本の今の政府が、こういう惡い大々資本家からの経済的援助その他によつて、こういう発言をしたとは考えない。併し我々は簡單な事例を考えて見ればいい。魚の骨を目の前に出すと、犬は尾を振る。尾は、余は独立に振るのであると言うかも知れない。併し人は犬が尾を振ると、こう言うのである。すべての公聽会に現われた労働組合側、学者側の意見は、この法案のどこにも盛られていない。資本家側の意見は盛られている。むしろ、そこから出発していないとは誰も言えない。殊にこの問題は、法案に暴力規定を入れようとしておることに現われております。我々が労働委員会によつてよく調べたところによれば、國の檢務長官も、それから労働省の役人も、労働組合の代表も、又資本家の中から労働委員会に出ておられる人たちの言によつても、暴力問題は次第に減つておるということを認めておる。次第に減つていて、なくなりつつあるから、この問題を法案の中へ新らしく織り込んで、そうしてこの面で取締ろうとして、他方では門地とか、身分とかいうものを表に出して、政治的信條というものを外しておる。政治的信條ということが問題なんであつて、門地とか、性別とかいうものを労働者は誰も差別をしていない。門地というのは何かということを聞くと、これは何だか分らない。併し旧華族とか、旧皇族であるという答えであります。日本の労働者は、この労働者が元は皇族であるか、元は華族であるかということによつて決して軽蔑しない。我が参議院にはそういう方が沢山おられるでしよう。併し我々は我々の同僚の参議院議員が元大名華族であつたからということで、我我は決して軽蔑しない。勿論その故を以て尊敬はしない。(笑声)併し政治的信條の問題は現実の問題で、現に横須賀のサイン事件がこれを証拠立てている。だから政府の改正案は、現実になくなりつつあるものを、もう一遍持ち出そうとしている。現実に問題であるものはこれを隠しておる。そうして、すべてを暴力の問題で片付けようとしておる。それは何故こういう暴力規定を入れるかと言えば、それは政府みずから暴力に出ておるからである。これは天下り強制下車、或いは税金取立にトラツクを持つて來て財産を持つて行く、或いは平和な労働組合の交渉に武装警官を出して來る、或いは農民からの供出に暴力を出して來る。こういうことをやつておるから、みずからの暴力に恐れるのである。こういうことでありますから、自分の暴力政策に対して人民が結束して起ち上つて來ることを恐れるのである。かかる恐れから何らかの対抗策を講じようとしても、更にそれ以上の暴力を持つ出す以外には講じようがないのである。これは、「神経質なる者が、実際は恐怖すべきことにあらざるに理由なく恐怖したるときは、原状回復をなし得ざるべし。」と、「プロータ」以來決まつておることである。我々は、如何なる場合にも、暴力の現われについて、その歴史的性格をよく認識しなければならないのであつて、そのことについては委員会で詳しく述べました。こういう方式は、現在の政府の政策によつて六・三制が破壊されつつある。又公共事業費が削られたために、地震とか、洪水とか、戰災の跡始末がほつたらかしてある。(「時間だ」と呼ぶ者あり)或いは首切りが進み、民間企業が潰されておる。それに対して政府は六・三制が破壊から復興して行くことを恐れている。或いは痛ましいまでに荒された土地が復興して行くことを恐れておる。こう言わざるを得ない。
 ここからして、外の失業対策法等との関係において、労働関係法規の改惡も出て來ておるということをすべての人が知つておるのである。それだからして、これが日本産業の復興の破壊を目的としておるということは明らかであつて、それ故に、あらゆる労働組合がその色合如何を問わず大きく結束して、これに反対するわけであります。高のことは何人も否定することができない。(「その通り」と呼ぶ者あり)いろいろな取締的な面があることはすでに指摘された通りでありますが、政府は、そういうことがないようにいたします。そういう末端の官吏が彈圧的な方策に出ないように、これこれの注意をするということを約束しておりますけれども、民自党と約束との関係は、これはよく世間に知られておる。(笑声)若し約束が守られれば、民自党でなくなつてしまう。それだから、こういう惡法を今日労働者階級が結束して倒そうとしておることは、日本の産業の人民的な復興のためには欠くべからざることであります。これは今のより惡い。今のが一番よいわけではないけれども、この改惡されようとするものに比べれば、今のはよいのでありますから、我々は少しでもよいものを守つて、日本の復興に寄與しなければならぬ、この点において、我々はこれに反対しておるすべての勢力と共に、この法規を葬るべきものだと考える。こういう惡法は國を破壊するものであるから、これは政府に下げ戻すべきものである。(拍手)
#36
○議長(松平恒雄君) 平野善治郎君。
   〔平野善治郎君登壇、拍手〕
#37
○平野善治郎君 私は民主党を代表して両法案に賛成(「どつちだ」と呼ぶ者あり)するものであります。(拍手)両法案は、労働権の保障と労働組合の発達に対し重大なる関係を有することは今更申述べるまでもありません。從つて我我は両法案の改正につきまして最も深き考慮と檢討を加え來つたのであります。先に政府において作成せる試案のごときは、幾多の欠陷のあることを指摘いたしました。更に今國会提出の原案に対しましても、よりよき立法にせんとして、我々は衆議院において同僚諸君が幾多の修正をなしたのであります。それにも拘わらず、両法案は未だその法文の表現におきまして不十分なる点がないとは言えません。ややもすれば、これが取締法的感を與うることは、極めて遺憾とするところであります。即ち第一條の目的において、第二項但書に新たに記入したる暴力の行使の項のごとく、或いは第五條の許可制のごとき條件具備の各條項、又は爭議開始の時期決定方法のごとき、その解釈或いは取扱方によつては組合運動を阻害し、彈圧するがごとき誤解を生ずる点を指摘いたすものであります。敗戰後、急速に組織せられました労働組合及びその組合員六百七十万の中には、極く稀に、如何なる行動を行うとも組合運動においては正当なりと曲解した者、又は独裁的指導によつて殊更過激なる行動に走り、ために産業に対し破壊的結果を招來したことは明らかな事実であります。併しながら本法は、これら一部の極く少数の人の行動によつて左右せられてはならないのでありまして、逐次自覚の度を増加して参りました我が國労働者諸君のために善意を以て制定せられ、運用せらるべきものであります。(「その通りだよ」と呼ぶ者あり)この点に対し委員会において、我々はしばしば各條項に対しまして政府に質問せるに、政府は根本方針は、独裁的な、他動性を排しまして、民主的にして自主的、且つ責任的なる組合の発展のために今回の改正をなしたときの趣旨は、我々の考えと同樣でありまして、この点を以て本法案を一應諒とするものであります。(拍手)
 併しながら両法案の実施に当りましては、立法の趣旨を労働者、使用者に徹底をせしむることは勿論でありますが、否それよりも労働者の官吏、或いは全國警察官のその末端の人々の指導教育を行うことを最も緊要に考えるものであります。尚その他労働委員会、裁判所等に対しまして、この立法の趣旨を十分に打合せ、連絡を行い、そうしてこれが施行に際しまして、正常なる労働組合運動を萎縮せしめ、或いは又その立法の趣旨でありまするところの民主的、自主的組合の発展を阻害するがごときことは絶対になきように、深き戒心と注意を強く希望いたしまして、本案に賛成するものであります。(拍手)
#38
○議長(松平恒雄君) 千葉信君。
   〔千葉信君登壇、拍手〕
#39
○千葉信君 私は只今上程になりました労働組合法案並びに労働関係調整法の一部を改正する法律案に対し、無所属懇談会を代表いたしまして反対の意見を表明するものでございます。
 政府は本法施行三年有半の経驗に鑑みて本改正案を提案するものであると言うが、その経驗とは何か、飽くまでも日経連等の一部の資本家の買弁的立場に立つての経驗であり、本改正案は、政府の発表以來数次に亘つて修正を余儀なくされた事実、及び公聽会等における決定的惡評に鑑みても、輿論が背を向けていることは今や明白である。日本民主化にとつて頗る重大な影響を有するかくのごとき法律の改正に当つては、よろしく愼重に輿論の動向を省察して、可能な限り國民の総意と良識に委ねるべきであるに拘わらず、單に形式的には公聽会等の民主的な擬勢を構えながら、事実は独善潜行的に強行した態度は誠に承服し難いものがあるのでございます。(拍手)況んや本改正案が幾多憲法違反の疑義が、あるにおいておやでございます。本改正案が特に憲法違反と思料せられるところは次の諸点でございます。
 先ず第一に指摘したいのは、本法第一條が、憲法第二十八條に「勤労者の團結する権利及び團体交渉その他の團体行動をする権利は、これを保障する。」とあるに拘わらず、「擁護する」とこれを置き換えて、積極的に主張し得る権利に対して、擁護されるという恩惠的な意味を附加したことは、労働権そのものを極めて狹義なものと変貌せしめておるのであります。更に第五條第二項第四号において「何人も、いかなる場合においても、人種、宗教、性別、門地又は身分によつて組合員たる資格を奪われないこと。」として、憲法第十四條の「信條」を「宗教」と書き改めているのは如何なるわけでありましようか。これは実に基本的人権に関する問題でございます。頑迷固陋を以て鳴る吉田首相や或いは労働大臣の頭では、信條という言葉と宗教という言葉と同じ意味だと考えたのでございましようか。法の下では平等であつても頭の中は随分違うものでございます。(拍手)
 又本改正案が特に改惡と考えられるものに次の諸点がございます。第二條においては但書第一号によつて、組合員を職階的に分裂せしめようとする意図が看取されますし、このことによつて幹部組合の発生と團結の弱体化を狙い、同じく第二号「主タル経費」を「経費の支出」と改めたのは、殊更に現在の組合の経理状況に目をつぶつて、経済的な原因からの組合活動の抑制を企てたものでございます。專從者給料のごときも我々の知る限りでは、過去の苦しい闘いを通じて労働者が獲得したものであり、断じて恩惠的のものではない。從つて又この給與があることによつて組合が自主性をそこなうなどは牽強附会も甚だしい意見でございます。第五條の規定に至つては、本法が組合の自主的発展を企図するものであるという趣旨に背馳すること甚だしいものがある。例えば会計監査人の委嘱のごとき、直接無記名投票のごとき、これこそ実行困難な事情を知りながらこれを強いて自主性を蹂躪した干渉規定であつて、第二條の規定と相俟つて、官憲の不必要な介入と干渉と法的制約を以てがんじがらめにしようとするものでございます。又第十五條第二項「労働協約は、……その当事者のいずれか一方の表示した意思に反して、なお有効に存続することができない」旨の規定は、無條約期間を招來するものであるばかりでなく、延いては爭議を激発し、或いは又組合に対する使用者の懷柔の可能性を増大する以外の何ものでもないのであります。その他労働委員会が行政機関化する傾向、或いは又公益委員の権限が余りにも拡張され、第五條資格審査、第七條不当労働行爲、第十一條法人格取得の條件、第二十七條不当労働行爲の確定及び労調法第四十二條の規定による事件に関する処分には公益委員のみが参與するなどは、労使の会議制を無視したものとして我我の承服し得ないところでございます。以上申述べた通り、今次改正案が憲法第十四條、第二十八條に基くところの基本的人権並びに勤労者の労働権を保障することを目的とせず、むしろこれを抑圧し、彈圧のための取締法たらしめんとする方針をとつておることは、断じて我々の承服し得ないところである。由來、労働関係諸法立法の根本というものは、社会立法として單に勤労者の諸権利を守らんとしたものであるに止まらず、日本におけるあらゆる保守的、反対的、独裁的諸傾向を粉碎して、眞に民主的な平和國家を再建するために、そうして又戰爭挑発者としての軍閥、財閥及びこれと結託した官僚や政治家共を國民輿論の立場からこれを排撃するために、その民主勢力の中核体としての労働者の経済的、社会的、政治的地位の向上が要請されたものである。我が國はこれら労働階級を中心とする民主勢力の擡頭によつて、あわや國内民主化が徹底するかに見えました。然るに今日ひとり日本のみが世界の歴史的必然性に抗して、反動的傾向が、独裁的諸事実が顯著に現われて参つておる。吉田内閣の出現然り、かかる労働法改惡の態度然り、或いは又定員法においてもその状況が顯著なのでございます。以上を以ちまして私の反対討論を終ります。(拍手)
#40
○議長(松平恒雄君) 田村文吉君。
   〔田村文吉君登壇、拍手〕
#41
○田村文吉君 私は緑風会を代表して簡單に本案に賛成の理由を述べんとするものであります。
 ここに提案されました労働組合法及び労働関係調整法の改正案は、労働組合の民主性並びに自主性に対する規正と、使用者側の不正労働行爲の取締及び労働委員会特に在來の中立委員の権限の擴大等、これを終戰直後でき上つた旧法に比べて若干でも整頓改善を示したものとして賛意を表する次第でありまするが、ただこの改正が労資間の権利義務を明らかにせんとする、いわゆる取締及び規正の末梢に流れて、ややもすると欧米組合法の模倣を整備するに過ぎなかつた点において、聊か失望を感ぜざるを得なかつたのであります。なぜかならば、日本には日本特殊の憲法にふさわしい、又窮迫した日本の現状に適合した労組法なり、労調法なり、將又労働基準法でなければならぬ筈であります。日本は昭和二十二年五月三日を以て新憲法において「日本國民は、正義と秩序と基調とする國際平和を誠實に希求し、國權の發動たる戰爭と、武力による威嚇又は武力の行使は、國際紛爭を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」旨を世界に宣言し、実行に移つたのであります。思うに、眞に万邦の平和を冀う眞の平和國家は、眞に平和を愛好する國民の一人一人によつて構成せらるるものでなければなりません。つらつら終戰後の國内の状況を見まするに、民主主義と階級闘爭とを混同し、組織労働者を駆つて陰に陽に連繋せしめて階級闘爭を発展し、(拍手)これを政治的闘爭に利用して大衆の幸福と社会の平和を蹂躪する(拍手)がごときは、かの昔清盛入道が下に鎧を着て上に赤い法衣を纏う者と何の異なるところがありましようか。(「それは吉田内閣じやないか」「フアツシヨだ、フアツシヨだ」と呼ぶ者あり)
 ストライキその他の爭議行爲は戰であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)闘爭であります。━━━━━爭議を必ず平和裡に解決することによつて初めて平和國家としての名実を備えることに相成るものと信ずるのであります。況んや日本は未だ窮乏のどん底にあり、恥かしながら未だ外國の援助を受けておるのであります。かかる実情においては、仮に今説明したようなことがなくても、紛議の平和的解決に徹し、産業平和を守り、経済の興隆に寄與すべきであると信ずるものであります。以上の点において、日本は、富み且つ豊かな而も武裝を捨て切れない欧米各國と、根本的にその國情を異にするものであります。
 新憲法実施後最初の労働根本法の改正に当つては、この点に十分の認識を持ち、飛躍的に、独創的に、愛と正義を基調とする人類普遍の原理に則つた、而も世界の労働問題に画期的光明を與えるような誇りと抱負を持つて出発して貰いたかつたのであります。過去三年の間、いわゆる爭議行爲のため、労働者、経営者ともどれだけ多数の人が無益に精力と富を消耗したことか、又どんなに生産復興を阻害したことか計り知ることができないのであります。(拍手)將又少数の英雄ができ上つた半面、如何に多数の有爲の青年がその前途を誤まつたことであろうか。(「爭議は憲法で認められているぞ」「その通り」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し、拍手)すでに今日まで爭議行爲に関し、刑法上の起訴を受けた者だけでも三百人になんなんとしているのでありまして、眞に戰慄と同情を禁ずる能わざる次第であります。(「その通り」と呼ぶ者あり)私は民主的な健全な労働組合の発達を冀います。又対等にして秩序的な團体交渉の運行を衷心より冀うものであります。併しその如何なる場合でも、武器をとり、闘いを開かしむることを避けなければならないのであります。(「そんなことがあるか」と呼ぶ者あり)公正にして労資の心服を得る公益委員の選任及びその位置の安定を図り、労資間で紛爭の纏まらないものは、最後に仲裁によつて必ず終結するようになれば、━━━この間、生産を停止したり業務を休止したりする必要もなくなるのであります。(「何を言つてるのだ」と呼ぶ者あり)
 折角今度の労組法、労調法の改正に当りまして、これらの点が採り上げられなかつたことは、労資双方のため又國民のため遺憾に存ずるところでありまするが、時代は労資未だその自覚の域に達せず、客観情勢未だ熟成せざるものと諦めまして、取敢えず今回の改正はこの程度を以て一應了承し、賛意を表する次第であります。(「何か分らん」と呼ぶ者あり、拍手)
   〔栗山良夫君発言の許可を求む〕
#42
○議長(松平恒雄君) 栗山君、何ですか。
#43
○栗山良夫君 議事進行について……動議を……
   〔「動議に賛成します」「栗山君に発言を許しちや駄目だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#44
○議長(松平恒雄君) 発言を許します。栗山良夫君。
   〔「名議長」「議長公平」と呼ぶ者あり〕
   〔栗山良夫君登壇、拍手〕
#45
○栗山良夫君 (「妨害しちやいかん」「冷靜にやれ」と呼ぶ者あり)日本の労働組合は、終戰後日本の封建的な殻を打破るべく、民主主義の確立のために誠心誠意今日までやつて來たのである。(「そうだ」「その通りだ」と呼ぶ者あり)そうして、而もこの民主主義勢力を根柢から覆えすために(「発言を許すとは怪しからん」と呼ぶ者あり)この労組合の改惡を今行おうとしておる。その賛成演説において田村文吉君は、終戰後の(「はつきりしない」と呼ぶ者あり)この重大なる労働組合の運動に対して、武力の行使であると、この壇上で叫んだ。(「何を言つてるんだ」と呼ぶ者あり)田村文吉君のこの暴言こそ正に取消すべきである。私はいろいろ理由を述べる前に、簡單に、田村文吉君が率直に、終戰後の労働組合運動に対して一大侮辱の言葉を弄したところの、武力の行使であるというこの言葉を率直に取消されたい。それをここに申述べます。(拍手)
   〔「無用」「取消せ」「必要ない」「飛んでもない野郎だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し〕
#46
○議長(松平恒雄君) 只今の栗山君の動議に賛成(「動議じやない、動議じやない」と呼ぶ者あり)の諸君の起立を請います。
   〔起立者少数〕
#47
○議長(松平恒雄君) 起立者少数と認めます。村尾重雄君。
   〔村尾重雄君登壇、拍手〕
#48
○村尾重雄君 (「取消せ」「発言ちよつと待て」「待て待て」「発言放棄か」「議事進行」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)整理が付かなくちや言えんじやないか。(「下りろ」と呼ぶ者あり)下ろして見ろ。(「下りろ」と呼ぶ者あり)只今議題になつております労働組合法並びに労働関係調整法、両改正法案に対しまして、日本社会党は、眞向から反対の意思を表明いたすものであります。
 反対意見を申述べるに先立ちまして、率直に私達の立場からの意見を申しますと、労組法施行されて三ケ年、労調法が施行されて二ケ年半の経驗と運営を顧みまして、又私自体の体驗も通じて、改正に必ずしも反対いたすものではないのであります。併しながら、飽くまで労働法規の改正の採り上げ方は、組織労働者みずからの自主的、民主的方法によつてでなければならぬのであります。又憲法二十八條に保障されました労働者の團結権、爭議権並びに罷業権を阻害する嫌いがあつてはならないのであります。又極東委員会十六原則に示された方向に反する疑いがあつてはならないのであります。飽くまで組合それ自体の発展を願い、健全なる労働組合運動の助成と保護の立場から改正は採り上げられなければならぬのであります。然るにこの度政府が関係当局からの指示によりまして労働法規の改正に着手されたのを聞き、又二月十四日労組法の試案が提出されましたとき、全國の労働組合からは、このような重要な労働法規の改正は、労働法規審議会なるものを持つこと、又労働者主催の全國に開かれた公聽会においても、多数の人たちの意見によつて、労働法規審議会なるものを持つて、労働者、使用者、学識経驗者のそれぞれの立場よりの意見と協力によつて、その答申を待つて國会に提出すべきことをば要望したのであります。又日本の労働組合それ自体からは、それ自身の自主的な手によつて成案され、國会に提案されるべきことを、これ亦要望したのであります。ところが政府はこれらの要望に耳を貸さず、而も秘密主義により、政府の一方的の官僚独善の立場からこの法案を成案いたしたのであります。我々は先ず劈頭、この重要なる法案に対し政府のとり來つたその独断的な措置に対して、眞向から反対の意思を表明いたすものであります。本改正案が二月十四日発表された試案よりか一歩進んだものであることは認めるのであります。試案より可なり條項が緩和されたものであり、その範囲も縮小されて、幹部組合や團体交渉の單位の指定、不穏な團体交渉の拒否、爭議予告期間の規定等、最も当初非難された多くの点が削除されているのは、それはこの改正案の非常にいいところであります。ところが、この底を流れる政府並びに民自党の意図たるや、組合の分裂、組合の弱体化を狙う意図が歴然たるものがあるのであります。すでに問題となつておる憲法違反の疑いある労働次官通牒の指導要領、二月十四日の労働省試案、四月十日前後数日間において、政府並びに民自党を代表して鈴木労相、倉石衆議院労働委員長は、ヘプラー労働課長としばしば会見、政府の最後案として、團体協約に平和條項(苦情処理機関など)を入れること、喧噪に亘る團体交渉の禁止、正当なる爭議行爲の範囲を明確にすること、スト予告制を採用すること、産業を危殆に陷れるゼネストの禁止等の五つの條項、即ち日本経営者側の要望を、当時私たちが戰慄さえ覚える程の執拗さを以て、これが貫徹に努められたのであります。関係当局よりこれが全面的に拒否された結果、暫定的にこれらの初期の目的の実現を図る方針に替えられたのであつて、最初から意図する條項の加味されない本案に何らの熱意がなく、政府自身満足しておらないのであります。時機を捉えて再び改正しようとしておることは明白に委員会の論議によつても看取されます。從つて本案は当然撤回されるべきなんであります。私はただ今日の時機に即さない反動的法案といたしまして、ここに社会党は返上申上げる次第なのであります。併しながらこの改正案に対する社会党の態度は、最初から無批判に徒らに改惡だと謳つて反対闘爭を行なつて來たのではありません。過去の経驗と新らしい情勢を判断し、飽くまで明瞭に是々非々的の立場から、賛成すべき点には明確に積極的に賛成をいたし、反対すべき点においては我々修正を持ち、又これらの改訂案を持つて臨んで参つたのであります。私は時間の許す範囲内において社会党の最低の修正の要点を申上げたいと思います。只今三分前の予告がありましたので、社会党の我々の修正要点は委員長の報告その他のことに讓りまして、我々の修正の要点の一部が最低の修正であつたことを御承知願いたい。而もそれらの最低の修正案が即ち容れられない以上は、原案よりも現行法によるべきだと思う。現行の労働委員会の運用によつて……改正を採り上げる必要は全然ないと、私はこう思うのであります。
 凡そ労働組合の目的は三つあると思うのであります。いや労働組合法の目的は三つあると思うのであります。その一つは組合の自主性の確立であります。二つは保護、助成の徹底であります。三つは産業平和の樹立であります。政府は口に組合の自主性を叫んでおられるが、その半面、組合の從來の届出制を廃して実質上の認可主義をとり、只今営業の認可のようにいろいろな規約を決めたと、前の弁士の論旨にありましたごとく、こと細かに組合の記載事項を決め、而も会計等については内部関係にまで干渉を行おうとしておるのであります。又第二の保護助成に向つては、從來の労働運動を迫害し圧迫して参りました取締法から労働組合を解放し、それらの取締法的措置に対してこれを守るべきが、この法案の趣旨であるに拘わらず、而も政府は強力なる取締法をば規定しようとしておるのであります。又暴力に対して全取締警官に一つの指標を與えておるのであります。次の産業平和樹立の問題については、この産業平和の樹立ということは、飽くまで労資の立場を明確にすると共に、明確に対等の立場から労資がより多く協議する時間を持つてこそ産業平和が樹立されるのであります。然るに本法律案第二條第二号において、專從者の問題について、これら專從者を除外し、又労働時間中における協議事項をも今日剥奪しておるのであります。凡そ政府の改正は労働組合法の眞の目的と相矛盾した改正を行おうとしておるのが今日のこの改正案なのであります。元來、今日の日本の経済事情及び労働不安の現状というものは、もはや各方面とも行き詰つておるのであります。尚その上に経済九原則を背負わされましたところの日本の経界界、労働運動の前途というものは、尚この上に一層の困難が横わつておることは明らかなことであります。この困難を乘切るためには、前途に横わるところのあらゆる経済事情の不安、労働事情の不安を乘切るためには、私は今後とも労働階級、働く人々の協力を得なければならないのであります。労働者を不逞の輩呼ばわりいたしました吉田総理でさえも、最近しばしば労働者の協力をば要望されておるのであります。今日の事態はその協力を通り越して、働く人々の犠牲の負担なくして、日本の再建はなし得ないのであります。(拍手)働く者の犠牲なくして日本の今後來るべき経済不安、労働不安をば乘切ることができないのであります。この重要な時機に臨んで何を好んで政府は労働組合を弱体化し、労働組合を分裂化するような、こうした改正法案を出されたかということに対して、私はその心情を解するに困るものであります。御承知のように、政府はしばしばその改正の度々の政府の立場の意見として、労働組合の過去の行き過ぎを指摘される。併し労働組合の過去の行き過ぎが若しあつたとしても、そのために犠牲を受けたのは一体誰だ。労働組合自身だ。(「時間だ」と呼ぶ者あり)労働組合の犠牲によつて、労働組合みずから批判をして、今日では強力に民主化しようとしておるのであります。この時期に臨んで(「議長、時間だ」と呼ぶ者あり)この一点を掴まえて、こうした労働法案の改正案を出そうということは、却つて牛の角を矯めて牛自体を殺す結果になるのであります。(「時間だ」と呼ぶ者あり)私はこういう愚な労働改正法案に対しては、そうした以上の立場から、眞向から反対いたすものなんであります。(拍手)
#49
○議長(松平恒雄君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより両案の採決をいたします。両案全部を問題に供します。両案の表決は記名投票を以て行います。両案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#50
○議長(松平恒雄君) 投票漏れはございませんか……投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#51
○議長(松平恒雄君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百七十二票、白色票即ち両案を可とするもの百二十二票、(拍手)青色票即ち両案を否とするもの五十票、(拍手)よつて両案は可決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     百二十二名
      阿竹齋次郎君    井上なつゑ君
      岩本 月洲君    宇都宮 登君
      梅原 眞隆君    江熊 哲翁君
      小野  哲君    柏木 庫治君
      鎌田 逸郎君    河井 彌八君
      來馬 琢道君    高良 とみ君
      小杉 イ子君    小宮山常吉君
      小林米三郎君    西郷吉之助君
      佐伯卯四郎君    新谷寅三郎君
      鈴木  直人君    竹下 豐次君
      高瀬荘太郎君    高田  寛君
      高橋龍太郎君    伊達源一郎君
      田中耕太郎君    中川 以良君
      波多野林一君    早川 愼一君
      久松 定武君    藤井 丙午君
      堀越 儀郎君    町村 敬貴君
      村上 義一君    矢野 酉雄君
      赤本 正雄君    飯田精太郎君
      大山  安君    岡部  常君
      岡元 義人君    木下 辰雄君
      九鬼紋十郎君    大屋 晋三君
      山田 佐一君    中山 壽彦君
      島津 忠彦君    島村 軍次君
      下條 康麿君    宿谷 榮一君
      大野木秀次郎君    遠山 丙市君
      小林 英三君     田村 文吉君
      玉置吉之丞君    寺尾  博君
      玉屋 喜章君    松嶋 喜作君
      徳川 頼貞君    一松 政二君
      藤野 繁雄君    穗積眞六郎君
      田口政五郎君    岡田喜久治君
      團  伊能君    山内 卓郎君
      結城 安次君    北村 一男君
      川村 松助君    淺岡 信夫君
      池田宇右衞門君    堀末  治君
      荒井 八郎君    西川甚五郎君
      大島 定吉君    黒田 英雄君
      寺尾  豊君    石坂 豊一君
      柴田 政次君    小杉 繁安君
      板谷 順助君    松野 喜内君
      黒川 武雄君    石川 準吉君
      木内キヤウ君    大隅 憲二君
      深水 六郎君    平岡 市三君
      城  義臣君    藤森 眞治君
      石川 一衞君    中川 幸平君
      西山 龜七君    伊東 隆治君
      佐々木鹿藏君   左藤 義詮君
      小串 清一君    水久保甚作君
      平沼彌太郎君    尾形六郎兵衞君
      木檜三四郎君    木内 四郎君
      鬼丸 義齊君    田中 信儀君
      谷口弥三郎君    小畑 哲夫君
      竹中 七郎君    入交 太藏君
      小林 勝馬君    大隈 信幸君
      門屋 盛一君    平野善治郎君
      鈴木 順一君    奧 主一郎君
      池田七郎兵衛君    岩木 哲夫君
      林屋亀次郎君    中井 光次君
      稻垣平太郎君    米倉 龍也君
      駒井 藤平君    岩男 仁藏君
      岡村文四郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     五十名
      小川 友三君    安部  定君
      北條 秀一君    内村 清次君
      梅津 錦一君    齋武  雄君
      村尾 重雄君    門田 定藏君
      塚本 重藏君    河野 正夫君
      山田 節男君    カニエ邦彦君
      和田 博雄君    森下 政一君
      青山 正一君    中平常太郎君
      若木 勝藏君    吉川末次郎君
      天田 勝正君    板野 勝次君
      細川 嘉六君    中野 重治君
      中西  功君    岩間 正男君
      兼岩 傳一君    鈴木 清一君
      千葉  信君    木村禧八郎君
      堀  眞琴君    原口忠次郎君
      池田 恒雄君    星野 芳樹君
      太田 敏兄君    金子 洋文君
      大野 幸一君    千田  正君
      國井 淳一君    藤田 芳雄君
      羽仁 五郎君    大畠農夫雄君
      栗山 良夫君    川上  嘉君
      丹羽 五郎君    原  虎一君
      島   清君    佐々木良作君
      波多野 鼎君    三木 治朗君
      木下 源吾君    山下 義信君
     ―――――・―――――
#52
○議長(松平恒雄君) これにて午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時二十一分開議
#53
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 午前の会議におきまして、労働組合法案及び労働関係調整法の一部を改正する法律案の討論に当り、田村文吉君の発言中、「武力の行使」云々の言辞は誤まりであり、これを取消し、尚、速記録から削除されたい旨、只今田村君から申出がありました。田村君の申出を容れることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、議長において適当に処理いたします。
     ―――――・―――――
#55
○議長(松平恒雄君) この際、日程に追加して、日本國有鉄道監理委員会の委員の指名に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。本月十九日、内閣総理大臣から、阿部藤造君、佐々木義彦君、佐藤喜一郎君、栃木嘉郎君及び鈴木清秀君を日本國有鉄道監理委員会の委員に指名することについて本院の同意を求めて参りました。本件に関し同意を與えることに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#57
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本院は日本國有鉄道監理委員会の委員の指名に同意を與えることに決しました。
     ―――――・―――――
#58
○議長(松平恒雄君) この際、日程第三、教育職員免許法案、日程第四、教育職員免許法施行法案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#59
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。文部委員長田中耕太郎君。
    ―――――――――――――
   〔田中耕太郎君登壇、拍手〕
#60
○田中耕太郎君 議題となりました教育職員免許法案、同法施行法案の両案は、大学を除く新教育制度の下におきまする諸学校の校長、教員、教育委員会の教育長及び指導主事等につきまして、それぞれよく新教育の精神及び方法を体得し、その職務とする重責を果すに足る資質と能力を確保するための一般公務員と異なつた免許状の制度につきまして規定したものでございます。詳細は速記録に讓りまするが、両法案審議の際に行われました極めて多岐に亘る質疑應答のうちで、特にこの際御報告申上げて置かなければなりませんのは、免許法第五條第一項第四号及び第六号並びに施行法第十條のうちの同樣の條項をめぐりまして、活溌な質疑が一部の委員によつて反復してなされました。
   〔議長退席、副議長著席〕
 それは「禁こ以上の刑に処せられた者」及び「日本國憲法又はその下の成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」の二種の條項を欠格事由として理由如何ということでございます。この点に関しまする政府側の見解は、他の公務員に関しても同樣の趣旨の規定があるから、教育職員の場合にも必要であるというのであります。又これらの欠格條項は酷に過ぎ、教育の自主性を妨げ、又暴力的政党云云は杞憂に過ぎず、却つて濫用の虞れがありはしないかという趣旨の質疑に対しましては、政府当局は、禁錮以上の刑に処せられた者は刑法第三十四條ノ二の規定の結果、十年以上、罰金以上の刑に処せられなければ、刑の言渡はその効力を失い、救済されるということでございました。又この程度の條件は、教育者の職責の特異性に鑑み止むを得ないということであり、又濫用の虞れもないということでございました。
 討論の段階におきまして、右の二点に関し、第一点は、禁錮以上の刑に制限を付して、或る程度に緩和し、第二点は、暴力云々は削除すべしとする修正案が梅津、岩間、若木、河野、藤田、鈴木の六委員から提出せられました。その内容は、教育職員免許法につきましては、第五條第一項第四号から第六号までを次のように改める、四号、「長期六年の禁こ以上の刑に処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者」、五号、「長期六年未満の懲役又は禁この刑の処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのないことに至らない者」、六号、「免許状取上げの処分を受け、当該処分の日から二年を経過しない者」というのでございます。尚、教育職員免許法施行法案に対する修正案も同じ内容を持つておるのであります。委員会におきましては修正案を採決いたしました結果、修正案は多数で否決になりまして、衆議院修正の原案を多数を以て可決すべきものと決定いたした次第でございます。以上を以ちまして教育職員免許法案及び教育職員免許法施行法案に関する御報告を終ることといたします。(拍手)
#61
○副議長(松嶋喜作君) 両案に対し討論の通告がございます。岩間正男君。
   〔岩間正男君登壇、拍手〕
#62
○岩間正男君 太平洋戰爭の期間中を通じまして、日本の教員大衆は甚だ卑屈であつたと言うことはできるのであります。基本的人権の抑圧によりまして政治的経済的自由を奪われ、その結果、彼らを視野の狹い、社会の陷沒地帶に追込み、飽くなき権力への絶対服從を強い、盲目的な戰爭協力に追込まれたというのがその実情であります。その結果は單に教員自身の不幸であつたばかりでなく、実は子供たちの不幸であつたのであります。純眞な柔かい子供たちの頭に天皇制権力への絶対服從を強い、その個性も眞理への目覚めも双葉のうちに摘み取つて、物量的な大量生活の詰め込み主義を強調した。このようにして特攻的な肉彈を多量に製造することが教育の目的でさえあつたかのようであります。いわば教室はこの肉彈の工場であり、教員は唯唯としてこのような戰爭遂行の役割を果して來たのであります。從つて敗戰後に教員が自主性を以て立ち上り、その團結と組織の力を以て人権の自由を獲得し、経済的、政治的、社会的視野を高め、過去の過まちを徹底的に改革せんとしたのであります。勤労人民大衆の要求を率直に採り上げ、又それとの結び付きによつて人民教育を確立することがその念願であつてのであります。その目的はまだ十分に果されていない。然るに政府は先に公務員法を改惡し、又教育公務員特例法のようなものを制定しまして、組合運動による既得権を剥奪し、更に職階制の強化による各種教員の繁雑な種類を規定して、この教育職員免許法案を制定したのである。教員を高等学校、中学校、小学校、幼稚園、盲学校、聾学校の各種類に分け、更にこれを臨時、仮、普通の三種類に区別し、而も普通免許状におきましては、これを一級、二級という区別を設けておる。このような分類は從來の教員の免許状の分類よりも遥かに複雑なものでありまして、徒らに教員の視野をセクシヨナルに追込み、組合組織を分断し無力化する手段に外ならないのであります。こうして一方においては校長権並びにそれと結び付いた上層の教育主事更に教育官僚、これらの権力を強化することになることは、これは明らかに、教員大衆の民主的自覚とその起ち上りによつて過去の支配権を脅かされつつあるところの保守反動政権と、その手先としての教育官僚の企らみの現われであるということを、我々は指摘せざるを得ないのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)この結果、教員は権力の前に卑屈になり、眞に人民大衆の要求を採り上げてこれを教育に実現せんとする、いわゆる人民教育が破壞されておることは御承知の通りであります。又再び教員を戰前の谷間の陷沒地帯に追込むような結果が、この法案によつて起ることは明らかであります。こうして人民教育の確立を通じまして切実に要求されつつありますところの平和と自由と独立への保証が危ぶまれつつあるのであります。こうした過去の愚を再び繰返すようなこの法案に対しましては、日本共産党は根本的に反対するものであります。(拍手)
 次に簡單にその主要点に触れて見ますと、その現われとしまして、第一に、第五條第一項の第四号「禁こ以上の刑に処せられた者」、これには免許状を與えないということになつておりますが、これは学校教育法の規定を遥かに強めたところの彈圧的の方法でありまして、(「その通りだ」と呼ぶ者あり)非常に苛酷に過ぎるばかりでなくして、更にこの結果は政治犯に対するところの大きな権限の剥奪となつて、そして彈圧的の意図が潜んでおることは明らかであります。又第二に、第五條第一項第六号に「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊するこしを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」、これにも免許状を與えないということが規定されておるのでありますが、これについては、我々は審議の過程に政府委員に向いまして、果してこのようなものが現存するのかどうかということを質問したのであります。これに対しまして政府委員は明らかに現存しないということを答弁しておるのである。然らばこの現存しないものを幻想を以て作り上げ、そうしてかような幻想によつて事実を捏造し、そしてこれを彈圧の具に供せんとしておることは非常に明らかであります。このような曖昧な法案につきましては我々は絶対賛成することができない。「暴力」「その他の團体」の解釈については非常にこの解釈が一万的であります。このようにしまして、この法案の意図するところは、先程私の申述べました点と照合しまして余りに明らかであるということができるのであります。次に第十一條の「教育職員たるにふさわしくない非行があつて、その情状が重いと認められたとき」には免許状が取上げられるが、これも全く一方的解釈に委ねらてれおるのであります。誰が一体その非行云々ということを認定するのであるか。それから非行云々というような問題は、戰爭前においても、こういうような條項を元にしまして、実は勝手にその時の権力者の判断によつて左右されるところの嫌いは十分にあつた。このような形におきまして不当な彈圧を受けて苦しんだところの教員の数も非常に多かつたのであります。こういうような過去の反省からしましても、このような曖昧な條項は絶対設けるべきものでないということを私は考えるのであります。
 以上述べました点はこの法案の主なる部面でありますが、この他におきましても多くのものを指摘することができるのである。このような教員の政治的自由更に基本的人権の剥奪を意図しておるような、いわゆる公務員法、更に教育公務員特例法を具体化したようなこのような法案に対しましては、我々は日本の教育の民主化のため、更にその民主化運動が世界平和への保障、更に日本民族の独立、自由、これをはつきり守り通すために、実に重要なるところの基本的課題の一つであると深く信ずるが故に、こういうようなものに反対するところのこのような法案に対しましては、日本共産党は全面的に反対の意を表明するのであります。(拍手)
#63
○副議長(松嶋喜作君) 両法案に対しましては、梅津錦一君外二名より成規の賛成を得て修正案が提出されております。先ずその趣旨説明を求めます。梅津錦一君。
    ―――――――――――――
   〔梅津錦一君登壇、拍手〕
#64
○梅津錦一君 只今議題となりました教育職員免許法案並びに同施行法案について、発議者若木勝藏君、羽仁五郎君外賛成者二十二名を代表して、修正の説明並びに提案の理由を申上げます。
 お手許に配付いたしましたところの教育職員免許法に対する修正案を読み上げます。
  教育職員免許法案に対する修正案
  教育職員免許法案の一部を次のように修正する。
  第五條第一項第四号から第六号までを次のように改める。
 四、長期六年の禁こ以上の刑に処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者
 五、長期六年未満の懲役又は禁この刑に処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのないことに至らない者
 六、免許状取上げの処分を受け、当該処分の日から二日を経過しない者
  教育職員免許法施行法案に対する修正案
  教育職員免許施行法案の一部を次のように修正する。
  第十條中第九條の改正規定第一号から第四号までを次のように改める。
 二、長期六年の禁こ以上の刑に処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのなくなつた後、二年を経過していない者
 三、長期六年未満の懲役又は禁この刑に処せられ、刑の執行を終り、又は刑の執行を受けることのないことに至らない者
 四、免許状取上げの処分を受け、当該処分の日から二日を経過しない者
 以上の通り修正案は原案第五條第一項第四号、第五号、禁錮以上の刑に処せられた者に対する緩和措置並びに第六号にあるところの「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壞することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」を削除することを骨子として修正するものであります。原案第一項第四号の緩和措置について申上げます。教職員の体刑、禁錮の刑に処せられた者の復職は、当人の良識と社会の批判に俟つべきで、法律によつてきつく定めることは余りにも教職員の社会的地位や教職員全体の良識を疑うものであると思うのであります。本法はその点非常に苛酷であるため、第五條第一項第四号、第五号を改めるものであります。次に、第六号を削除する理由は、政府が見えざる幻影であるところの非合法的團体に怯えているのではないかと思うのであります。現下民主主義遵奉の熱情に燃え、これが実践に日夜努力しつつある日本國民に、こうした團体若しくはかかる團体を肯定する者のあると予想される事実は、余りにも悲劇と考えなければならないと思うのであります。この法律を俟つまでもなく、憲法上又はポツダム勅令によつて禁止されておりますので、ここに改めて規定する必要のないことは論理の当然であると思うのであります。尚、現実には文部次官通牒によつて、教員、学生の政治活動に制限並びに彈圧が加えられつつあるとき、不必要に人心を刺戟し、地方にあつては権力者がこの法案を故意に歪曲して惡用しないとも限らないのであります。この故に今朝新聞紙の報道するごとく、すでに百十一校の学生がストライキに入つておるのであります。純眞の青年諸君を無意の途上に追込むのも、かかる法案の然らしむるものと思わざるを得ないのであります。
 先にも申上げましたように、憲法第二十一條は、集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由はこれを保障しておるのであります。新憲法においてかく保障されておるにも拘わらず、本法案の根拠が明治三十三年勅令第百三十四号第五條によつて、
左ノ各號ノ一二該當スル者ハ教員檢定ヲ受クルコトヲ得ス
 一、禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者
 二、破産若ハ家資分散ノ宣告ヲ受ケ復權セサル者又ハ身代限リノ處分ヲ受ケ債務ノ辨償ヲ終ヘサル者
 又は國民学校令施行規則(昭和十六年文部省令第四号)の第九十四條に、
 左ノ各號ノ一二該當スル者ハ國民學校教員又ハ國民學校養護教員ノ檢定ヲ受クルコトヲ得ズ
 一、禁錮以上ノ刑ニ處セラレタル者
 二、破産者ニシテ復權ヲ得ザル者
 三、國民學校教員免許状又ハ國民學校養護教員免許状ノ褫奪ノ處分ヲ受ケ三年ヲ経過セザル者
等、旧憲法の方式を採つていることは、新憲法の精神と甚だしく相反すると思うのであります。即ち一は基本人権侵害であり、一は死屍に鞭つの感があり、余りに苛酷であるため、これを是正しなければならないと思うのであります。
 群馬縣におきましては、すでに教育委員会が四教官の不当馘首をやつております。これらは現われたるところの一つの状態でございまして、若しこの法案が通過いたしまするならば、この原案通りの法案が通過いたしまするならば、かかる不祥事が各所に続出しないとも限らないのであります。この故を以ちまして私は本案を修正するものでございまして、良識ある諸賢の明快なる御判断あらんことを切望して止みません。以上を以て提案の理由といたします。(拍手)
#65
○副議長(松嶋喜作君) 只今の修正案に対して討論の通告がございます。藤田芳雄君。
   〔藤田芳雄君登壇、拍手〕
#66
○藤田芳雄君 只今提出されました修正案に賛成するものであります。前段の禁錮以上の刑に処せられた者、このことにつきましては、委員会でいろいろ質問いたしましたのですが、それに対しまして、先程委員長の説明にもございましたように、刑法の第三十四條の二項によつて、当然十年経つとその刑の消滅を來すから、このまま置いても、その者が絶対に復職されないとか或いは免許状を授與されないということはないという説明なのであります。ところが、この法文をそのまま読みますと、禁錮以上の刑に処せられた者とありますから、見ようによりましては、禁錮になりさえすれば直ぐにその欠格條項となるというふうにも解釈できるのであります。こうした不備な形に置きますというと、而も立案者である文部省の手を離れて、実際におきましては地方の教育委員会がその決定権を持つのでありまして、その解釈を間違われて行きますと、随分大きな被害を蒙むるようなことが出て來ると思われるのであります。で、罰を憎んで人を憎まず、刑を終えてすでに悔い改めたならば、やはりできるだけ早く立派な人として待遇し、又そうした人こそ、本当に悔い改めた人こそ、本当の教育の任に当り得る人とも考えられるのであります。そういう意味から、只今の修正案で、一定の基準を附してこの條件を與えるということに賛意を表するのであります。
 第二の修正点につきましては、「日本國憲法施行の日以後において、日本國憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の團体を結成し、又はこれに加入した者」と、こういうのでありますので、今現在ある政党及び團体で、これに該当するものがあるかということをお聞きしたのであります。そのときに当局の御答弁といたしましては、あるかないか分らない、あるかも知れないのだ、(「当然だ」と呼ぶ者あり)こういうのであります。そういたしますというと、今現在ある政党であるかも知れないということならば、これから起り得るかも知れないということと同じなのでありまして、予想の上に立つておるのであります。ところが又然らば今現在この資格を與えようとするときに、現在の政党に対して、及び團体に対してはどうかというと、現在そのままでは当て嵌らない、こういう答弁なのであります。そういたしますというと、一つの見方からしますと、予想の上に立つてこういうことがあり得るかも知れないので、そうした場合の欠格事項を挙げることになります。若しそうだといたしますと、私たちがこれから予想するものの中にはまだまだ外に幾らも予想される事柄があるのであります。ただこれだけではありません。こうあつてはいけない、こんなことはむしろできないと思うけれども、できるかも知れないと思うのが、まだまだ沢山ある。そうしたことを全部この法案に載せなければ意味を成さないと思うのであります。そうした予想の上に立つことがすでに誤まりである。ところが現実におきましては、先程提案者の説明にもありましたように、現に今の政党に入つておるという理由の下に免許状の授與を一時差止められた現実の事実があるのであります。それはその政党は名前を今ここで申しません。(「はつきり言つてしまえ」と呼ぶ者あり)そういうような事柄がありますと、或いはこの時の政府が民自党であるならば、その反対の政党へ入つておる者をそういう意味において免許状をやらない、社会党の時に民自党にやらないというようなことも起らないとも限らない。それは而もそういうことが起りつつあるのに対して文部省ではどうして放つて置くのかとお聞きしたところが、地方の教育委員会に対しては文部省は何らそこに口を入れる権利はないと思う、干渉することはできないのであるという御答弁なんであります。そうした地方の解釈を持つて來られますというと非常な危險なことになるのであります。そうして、これらはむしろ書いて置くからそういうことになるのでありますから、この條文を抜くことが最も妥当な運営をなし得るものと思いまして、私は修正案に賛成するものであります。(拍手)
#67
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。先ず梅津錦一君外二名提出の教育職員免許法案の修正案を問題に供します。本修正案の採決は記名投票を以て行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、間違いのないように、本修正案に賛成の諸君は白票を、反対の諸君は青色票を、登壇の上御投票願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#68
○副議長(松嶋喜作君) 投票漏れはございませんか。投票漏れはないと認めます。これより開票いたします。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#69
○副議長(松嶋喜作君) 投票の結果を御報告いたします。投票総数百三十七票、白色票即ち本修正案を可とするもの四十票、青色票即ち本修正案を否とするもの九十七票、(拍手)よつて本修正案は否決せられました。
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     四十名
      内村 清次君    梅津 錦一君
      齋武  雄君    村尾 重雄君
      塚本 重藏君    河野 正夫君
      山田 節男君    森下 政一君
      青山 正一君    中平常太郎君
      若木 勝藏君    天田 勝正君
      中野 重治君    中西  功君
      岩間 正男君    鈴木 清一君
      千葉  信君    木村禧八郎君
      原口忠次郎君    星野 芳樹君
      太田 敏兄君    金子 洋文君
      小泉 秀吉君    大野 幸一君
      千田  正君    藤田 芳雄君
      羽仁 五郎君    栗山 良夫君
      川上  嘉君    丹羽 五郎君
      原  虎一君    島   清君
      米倉 龍也君    佐々木良作君
      波多野 鼎君    三木 治朗君
      山下 義信君    駒井 藤平君
      岩男 仁藏君    鈴木 憲一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     九十七名
      小川 友三君    阿竹齋次郎君
      宇都宮 登君    梅原 眞隆君
      江熊 哲翁君    小野  哲君
      柏木 庫治君    鎌田 逸郎君
      來馬 琢道君    高良 とみ君
      小杉 イ子君    小宮山常吉君
      佐伯卯四郎君    竹下 豐次君
      高瀬荘太郎君    高田  寛君
      田中耕太郎君    波多野林一君
      早川 愼一君    久松 定武君
      藤井 丙午君    堀越 儀郎君
      町村 敬貴君    松井 道夫君
      松村眞一郎君    村上 義一君
      矢野 酉雄君    赤木 正雄君
      赤澤 與仁君    安部  定君
      飯田精太郎君    大山  安君
      奥 むめお君    岡部  常君
      岡本 愛祐君    木下 辰雄君
      九鬼紋十郎君    山田 佐一君
      中山 壽彦君    島津 忠彦君
      宿谷 榮一君    大野木秀次郎君
      小林 英三君    田村 文吉君
      玉置吉之丞君    寺尾  博君
      徳川 宗敬君    玉屋 喜章君
      徳川 頼貞君    穗積眞六郎君
      田口政五郎君    岡田喜久治君
      團  伊能君    山内 卓郎君
      山本 勇造君    結城 安次君
      西田 天香君    植竹 春彦君
      藤井 新一君    川村 松助君
      淺岡 信夫君    堀末  治君
      荒井 八郎君    西川甚五郎君
      大島 定吉君    黒田 英雄君
      寺尾  豊君    石坂 豊一君
      板谷 順助君    黒川 武雄君
      木内キヤウ君    大隅 憲二君
      深水 六郎君    平岡 市三君
      石川 一衞君    重宗 雄三君
      西山 龜七君    境野 清雄君
      左藤 義詮君    小串 清一君
      水久保甚作君    尾形六郎兵衞君
      木檜三四郎君    鬼丸 義齊君
      田中 信儀君    小畑 哲夫君
      竹中 七郎君    入交 太藏君
      小林 勝馬君    大隈 信幸君
      門屋 盛一君    鈴木 順一君
      奧 主一郎君    池田七郎兵衛君
      岩木 哲夫君    林屋亀次郎君
      中井 光次君    稻垣平太郎君
     ―――――・―――――
#70
○副議長(松嶋喜作君) 教育職員免許法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#71
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#72
○副議長(松嶋喜作君) 次に梅津錦一君外二名提出の教育職員免許法施行法案の修正案を問題に供します。本修正案の表決は記名投票を以て行います。本修正案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上御投票を願います。氏名点呼を行います。議場の閉鎖を命じます。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#73
○副議長(松嶋喜作君) 投票漏れはございませんか。投票漏れないと認めます。投票を計算いたさせます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#74
○副議長(松嶋喜作君) 投票の結果を報告いたします。投票総数百三十七票、白色票即ち本修正案を可とするもの四十一票、青色票即ち本修正案を否とするもの九十六票、よつて本修正案は否決せられました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名     四十一名
      内村 清次君    梅津 錦一君
      齋武  雄君    村尾 重雄君
      塚本 重藏君    河野 正夫君
      山田 節男君    森下 政一君
      青山 正一君    中平常太郎君
      若木 勝藏君    天田 勝正君
      中野 重治君    中西  功君
      岩間 正男君    鈴木 清一君
      千葉  信君    木村禧八郎君
      原口忠次郎君    星野 芳樹君
      太田 敏兄君    金子 洋文君
      小泉 秀吉君    大野 幸一君
      千田  正君    藤田 芳雄君
      羽仁 五郎君    栗山 良夫君
      川上  嘉君    丹羽 五郎君
      原  虎一君    島   清君
      米倉 龍也君    佐々木良作君
      波多野 鼎君    三木 治朗君
      木下 源吾君    山下 義信君
      駒井 藤平君    岩男 仁藏君
      鈴木 憲一君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名     九十六名
      小川 友三君    阿竹齋次郎君
      宇都宮 登君    梅原 眞隆君
      江熊 哲翁君    小野  哲君
      柏木 庫治君    鎌田 逸郎君
      來馬 琢道君    高良 とみ君
      小杉 イ子君    小宮山常吉君
      小林米三郎君    佐伯卯四郎君
      竹下 豐次君    高瀬荘太郎君
      高田  寛君    田中耕太郎君
      波多野林一君    早川 愼一君
      久松 定武君    藤井 丙午君
      堀越 儀郎君    町村 敬貴君
      松井 道夫君    松村眞一郎君
      村上 義一君    矢野 酉雄君
      赤木 正雄君    安部  定君
      飯田精太郎君    大山  安君
      奥 むめお君    岡部  常君
      岡本 愛祐君    木下 辰雄君
      九鬼紋十郎君    山田 佐一君
      中山 壽彦君    島津 忠彦君
      宿谷 榮一君    大野木秀次郎君
      小林 英三君    田村 文吉君
      玉置吉之丞君    寺尾  博君
      玉屋 喜章君    徳川 頼貞君
      穗積眞六郎君    田口政五郎君
      岡田喜久治君    團  伊能君
      山内 卓郎君    山本 勇造君
      結城 安次君    西田 天香君
      植竹 春彦君    藤井 新一君
      川村 松助君    淺岡 信夫君
      堀末  治君    荒井 八郎君
      西川甚五郎君    大島 定吉君
      黒田 英雄君    寺尾  豊君
      石坂 豊一君    板谷 順助君
      黒川 武雄君    木内キヤウ君
      大隅 憲二君    深水 六郎君
      平岡 市三君    石川 一衞君
      重宗 雄三君    西山 龜七君
      境野 清雄君    左藤 義詮君
      小串 清一君    水久保甚作君
      木檜三四郎君    鬼丸 義齊君
      田中 信儀君    小畑 哲夫君
      竹中 七郎君    入交 太藏君
      小林 勝馬君    大隈 信幸君
      門屋 盛一君    鈴木 順一君
      奧 主一郎君    池田七郎兵衛君
      岩木 哲夫君    林屋亀次郎君
      中井 光次君    稻垣平太郎君
     ―――――・―――――○副議長(松嶋喜作君) 教育職員免許法施行法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#75
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#76
○副議長(松嶋喜作君) 日程第七、通商産業省設置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
    ―――――――――――――
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
#77
○河井彌八君 議題となりました通商産業省設置法案の委員会における審査の経過及び結果を報告いたします。
 本案の委員会の報告に先立ちまして、本案を議決いたしました前提となりますることで、内閣委員において取扱つた内容について説明を申上げたいと思うのであります。行政整理といたしまして、内閣委員に付託せられておりまする法律案が三十三件あります。その中で國家行政組織法、即ち基本的の行政組織の法則を決めておる法律と、各省等の官廳の設置法律、この二つのものがありまする外に、各省の定員法があるのであります。それが合せて三十三件であります。この三十三件の審査のために内閣委員会は本日までに二十九回開会いたしておるのであります。そうしてその間には証人を喚問すること二回、他の委員会と連合委員会を開くこと十二回、連日熱心なる審査を強行いたしておるのであります。各委員諸君には非常な努力を以て、國家のためにどうすれば一番よろしい案ができるであろうかということについて、專心研究をしておられるのであります。この関係におきましては、党派会派などの考えは少しもないのであります。一に國家のために最もよき案を作り上げようという熱意から、長い間勉強を続けておられるのであります。從いまして多数の委員が交代するというような事実もありまして、委員長といたしましては、これらの諸君に対しまして眞に敬意を表しておる次第であります。
 そこで、委員会におきまして全体に亘つてどうういうふうな点を審査しておりますかと申上げますれば、先ずその組織及び人員をどうするかという点、これにつきましては大体政府の三十三案と通しての見解は、事務系統において三割を減じ、現業系統において二割を減ずるという組織の改廃を行うということ、又これに從事しておるところの公務員の数も大体そういう原則で整理をしようということ、ただ特殊の機関、又特殊の公務員に対しましてはそれぞれ例外があります。尚、出先機関のごときは原則として、府縣單位のものは府縣に譲るというような原則を持つておるのであります。そうしてその目標が行われまする結果どうなるかと申しますれば、官應において約七一%の規模に縮小せられるということ、それから人員におきまして、最近計算いたしましたところでは、実際に職を離れる人が十三万八千人程ということを聞いております。更にその行政整理の結果、経費の節減がどう出るかと申しますれば、二十四年度におきましては凡そ七十一億円、二十五年度以降において年々二百億円というような説明であるのであります。
 そこで、委員会がこれを採り上げて原則的にいろいろ調査しました結果を申述べますると、この整理の方式と申しまするか、第一に官聽及び人員共に一定の率に当てはめた整理をするということ、それから事務の性質を明らかにして、その性質に從つて系統的に分科をして統合をする、即ち科学的の基礎に基いて整理をするということが、どうも欠けているように見られるのであります。尚この整理をしなければならぬ主な理由の一つといたしましては、いわゆる統制であります。統制が複雜である。多岐であるということから、どうしても整理をしなければならぬということでありまするけれども、併しこれはなかなか各種の物資が不足しておる今日に、容易に統制は外されるものではないのでありまするが、とにかくそういう方向に向つておるということは事実であるのであります。そこで、各省各應の縮小或いは人員の減少ということを見ましても、結局その機構をば圧縮する、機構を削るということ、人員においても又然り、そういうふうな感があるのでありまして、科学的に系統を立てた整理ということは甚だ認めることがむずかしいのであります。そこで委員会は各案を審査いたしまして、どうしても更にこれを一歩進めて根本的の改革を遂げる必要があると考えまして、そのことに対しまして政府の所信を質しましたところが、政府は、行政整理はこれだけでは打切ることができない、尚、行政整理審議会を設けまして、一層調査を進めまして、一年を期して完備せる機構を作ろうということも申したのであります。本委員会では、この政府の所信を認めまして、そうして各省の設置法につきましては一應これを認めるという方針を大体において採りました。併し國家行政組織法の規定しているところの根本原則、この原則に反する内部機構につきましては、組織法の一部改正案、今日出ておりまするところの改正案の附則において、それらに反する内部機構については、(「定足数を欠いているぞ」と呼ぶ者あり)一年間これが存続を認めようという趣旨の修正案を出そうかということに大体意見をまとめているのであります。ただ國家行政組織法の三部改正の法案の審議は、他の法案との関係上、只今これを本会議に報告することができないのは遺憾でありまするが、併しそういう構想の下におきまして各省設置案等を審議いたしまして、今その審議中であります。そうして大体においてそれぞれの結論を得つつあるのであります。こういうことを議員諸君に申上げまして、その御了解を得まして、そうして各省の設置案をこれから議するということになろうというのであります。
 そこで、本日、只今上程せられました通商産業省設置法案につきまして申上げます。
 この法律案は、いわゆる経済九原則の指令に基きまして、輸出の振興と生産の増強とを目的として、これまでの商工省の(「定足数がありませんよ」「社会党はどうした」と呼ぶ者あり)從來(「定足数がありません」と呼ぶ者あり)從來の商工省の組織を改編いたしまして、新らたに通商産業省を設置しようとするものであります。そうしてこの内容につきましては詳しくここに申述べることを差控えますが、すでに諸君のお手許に配付されております(「定足数がありませんよ」と呼ぶ者あり)議案によつて御承知願いたいと考えるのであります。そこで今度できますのは、内局といたしまして通商局、通商振興局、通商企業局等、通商関係の各部局と、それから通商繊維局、通商雜貨局、通商機械局、通商化学局、通商鉄鋼局等の輸出生産を目的とする各局があります。そして、これまでは石灰を巻とする重要な資源を取扱つておりました各局をば外局に移しまいて、そうしてこれを資源聽に移し、電力等もこれに加えるのであります。そうして更に特許局に当るところの特許聽を設け、工業技術聽、中小企業聽を外局とするものであるのであります。そうして原案によりますれば、今月の二十日よりこれを実施せんとする計画であつたのであります。
 そこで本案につきまして衆議院から若干の修正を加えまして本院に送付し、本委員会にやいてこれを檢討したのでありまするが、衆議院において修正を加えました点は、外局であるところの資源聽の電力局に電力開発部を設けようという修正であつたのであります。本委員会におきましては、先に申上げました通り、行政機構のこの根本的の原則に照しまして、そうしてこの点について愼重に審議を重ねた次第であります。そこで結局大体において、いろいろ議論がありましたけれども、この衆議院から送付せられた原案をば認めまして、そうしてただ二つの修正点をここに加えたのであります。
 それは第三十二條第一項の中に「國家行政組織法第七條第二項の規定にかかわらず」という文字が入つておるのでありまするが、これは必要のないものと認めまして、これを削つたのであります。それから附則の第一項中、施行期日であります「五月二十日」を「五月二十五日」に修正いたしたのであります。五月二十日を五月二十五日に改めますることは、政府において、すでに五月二十日に発足をいたすという目標の下にかように決めておられたのでありまするけれども、議事の都合によりまして、どうしても本会議にその前に上程することができませんでした。委員会の決定を見ましたときには、すでに本会議が散会しておられましたので、どうしても施行期日を二十日にすることはできなかつたのでありますから、これを二十日に施行するということを二十五日から施行するということに修正いたしたのであります。
 かような次第でありまして、これは内閣委員の全会一致の意見であります。このことを御報告いたします。(拍手)
#78
○副議長(松嶋喜作君) 本案に対し討論の通告がございます。中西功君。……今のは変更いたしまして、カニエ君を先にいたします。カニエ君。
   〔カニエ邦彦君登壇、拍手〕
#79
○カニエ邦彦君 私は只今上程いたされましたところの通商産業省設置法案に対しまして、日本社会党を代表し、眞つ向から反対するものでございます。その反対理由を簡單に申述べますと、
 先ず第一に、この法案は飢餓輸出体制の確立を狙うものであるというのであります。(「そうだ、全くその通り」と呼ぶ者あり)このことは、一つには、貿易廳が商工省を乘取つた形におきまして、機械とか、陶磁器、雜貨等すべての生産の原則が、物の輸出、生産、流通及び消費の増進、改善、調整をすることとなつており、從つて輸出が眞先に取上げられているということであります。ここで消費と申しますのは、即ち運出品生産のための原材料の消費という意味であります。二つには、通商局が物資生産原局の最右翼にあつて、通商に関連して、物資生産について各物資生産の原局を指導し、通商産業省全体の原材料、資材の割当計画をなすことになつていることであります。三つには、飢餓輸出を完成するために、これらの各局の上に通商監を置くことになつていることであります。即ち何でもかんでも輸出しようということで、國内の民生安定基礎資材生産ということは全然念頭に置いていないという点であります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)飢餓輸出を信條とする通商局が國民経済の指導権を握ろうとするような体制には、断じて賛成することができないのであります。
 第二点といたしましては、通商産業省は、飢餓輸出のみを重視し、肝腎の基礎資材の生産の面を全然閑却していることがあります。その一つには、石炭國家管理制度の下において、本年度4千二百万トン石炭を堀らなければならないが、現在の石炭廳は、管理局、生産局、開発局、資材局、配炭局、亜炭局の六局を持つておるのでありますが、今度の資源廳にありましては、石炭管理局、石炭生産局の一つの局と、開発部という一つの部しかないのでございます。これは驚くべき縮小でございます。機構が小さくなれば、從來とも冷遇されて來たところの中小炭鉱は更に悲惨な目に遭うことは明瞭であります。又開発部についてでありますが、現在の國家管理の下においてでも資本家の生産サボがあつて、優良な炭田は後日の統制撤廃の日に備えて温存して置こうとの反人民的氣配が強いときに当りまして、又一方には経済再建のためにこの優良炭が今日強く要求されておるとき、かかる炭鉱開発の重要な責任者は、政治的にも亦大物を据えることを必要とする次第でございます。一事務官たるところの部の部長にその全責任の処理を任せるということは絶対に反対であります。二つには電力についてでありますが、電力飢饉で中小企業のみならず大企業も十分に稼働できない。現状において、あらゆる産業を石炭ベースから電力ベースへの切換えを行い、鉄道の電化、治山、治水、木材資源の開発等のため、水力電氣を大いに開発すべきことは、今や全國民の常識となつておるところであります。而も米國のT・V・Aの例もある通り、今後電力の供給確保は民間資本家のこのふしだらに任すべきでは断じてないのでございます。國家みずからがこれを採り上げまして総合的電源開発を実施すべきでありまして、かような重要性に鑑みまして、電力局は石炭や鉱山等の全然この性質の異なるものから切離しまして、資源廳の一局に押込めて置くのではなく、むしろ電力廳にでもすべきであると思うのでございます。原案は飢餓輸出に專念して、働く者の眞の復興を希望していない政策の端的な現われであつて、私は強くこの点には反対するものであります。
 第三点といたしましては、通商産業省は、独占資本家のためのものであり、中小企業を倒すことを目的としておるからであります。第一に、中小企業者の窓口である通商産業局出張所を廃止しようとしておるからであります。現在この出張所は、石炭、鉄鋼、その他重要資材を中小企業に割当て、電力を供給し、輸送証明を出しておる等、積極的に中小企業者の指導育成をやつており、中小企業者の面倒を見ておる役所でありますが、これを廃止して、若干の都道府縣に通産局の分室を置こうとしていますが、出張所廃止の曉には、零細なる中小企業経営者はみずから仕事を放棄して、幾百里を遠しとせず、はるばる本省に又は通商産業局に足を運ばねばならないのであります。集中生産や独占資本の結託で、中小企業者は人に非ずと思つている本省や局で、彼ら中小企業者は、ただ冷たい眼で見られるのに過ぎないのであります。又一方では、零細な中小企業者の唯一の頼みとする中小企業廳は、外局でありながら僅か百三十名しかないのでありましたが、今回のこの機構改革では、ただの九十四名の外局になつておるのでございます。これで一体何ができるのでございましようか。これでは「中小企業者よ、世の中の運はお前らに向いていないのだ、沒落せよ、首吊つて死んでしまえ」というにひとしいのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)私は全國の企業者の八〇%までが中小企業者によつて成つておるところの我が國の現状におきましては、通商産業局出張所は存置すべきであり、否、支局に昇格せしめて大幅に権限をこれに持たせよと叫びたいのでございます。
 以上申上げました理由において、政府原案は飢餓輸出と中小企業の沒落を意図する改惡法案であつて、私は全人民の名において絶対に反対するものであります。(笑声、拍手)
#80
○副議長(松嶋喜作君) 堀眞琴君。
   〔堀眞琴君登壇、拍手〕
#81
○堀眞琴君 只今上程されました通商産業省設置法案に対しまして、私は無所属懇談会を代表いたしまして反対を表明するものであります。
 先ず先程委員長から内閣委員会における國家行政機構に関する御報告があつたのでありまするが、その際に委員長も述べられましたように、今日行政機構を簡素化するということは極めて必要である。併しながらその政行機構の簡素化に関して一定の合理的な基礎がなければならぬのであります。然るに政府の説明によりますというと、今度の行政機構の改革につきましては何ら合理的な基礎がないのであります。從つて又それに伴う行政整理につきましても、三割乃至二割という根拠につきましては確たる基準がないのであります。ただ僅かに三割乃至二割の整理をしても支障なく行政事務の運営ができるだろうという極めて漠然たる予想の下に行われているのであります。ところで行政機構でありまするが、何ら合理的な基礎がなく、二局を一局に統合するとか或いは三課を二課に統合するとかというような機械的な合併を行なつておるだけでありまして、そこに行政事務の内容について科学的な檢討を行なつて、これを再編成したというのではないのでありまして、全く私共の予想に反した無謀極まる行政機構の簡素化だと申上げなければならぬ。(拍手)むしろ簡素化ではなくて、その逆を行くものだと、こう申上げても過言ではないと思うのであります。ところで通商産業省でありまするが、この内部部局を見ますというと、先程カニエ君も指摘しましたように通商監という職名が置かれておるのであります。これは内部部局を、各局長を統轄して、次官の下に立つておるのでありまして、官吏機構のヒユーラルキーの上から申しまして、一つだけ段階が多くなつているのであります。つまり、それだけ屋上屋を重ねるという結果になつておるのであります。從いまして、この制度によりますときは、むしろ行政機構は簡素化されるどころか、複雜化しているのでありまして、而も通商監と次官との関係につきましては、上下の関係が一應はとられておるのでありまするが、その間の権限の関係その他について極めて不明瞭なるものを持つていることを指摘せざるを得ないのであります。それから官房に調査統計部が置かれておるのであります。日本の政策樹立に当りまして、統計調査というものが如何に重要なものであるかということは私からくだくだしく申上げるまでもないのであります。一切の政策は科学的な統計調査に基いてこそ初めて合理的なる政策となることができるのであります。從來の日本の政策がややもすれば杜撰な政策となつたのは、こういう科学的な根拠に基かなかつたということが一番大きな原因だと申上げなければならぬのであります。商工行政を取扱う通商産業省におきましては、日本の商業、工業、殊に外國との通商関係について、最も合理的なる科学的な基礎となるところの調査統計がなければならぬのでありまするが、この調査統計に関する仕事は、從來、局において行なつておつたのでありまするが、今度は官房の部に引下げられてしまつているのであります。この点につきまして、私は日本の商工通商政策樹立の観点から申しまして、調査統計局を復活すべきであるという意見を持つているのでありまするが、内閣委員会におきましては不幸にしてこれが容れられないのであります。この点につきまして私は反対を表明するものであります。
 それから内部部局の附属機関として第二十二條に幾つかの機関が列挙してあるのであります。その中に顧問会議、参與会議というのがあるのであります。顧問会議というのは「通商産業に関する重要事項を調査審議する」、こういうことになつているのであります。参與会議も同じように「通商産業に関する專門的事項を調査審議する」、一方は重要事項であり、他方は專門的事項、こういう区別をしてあるのでありまするが、併しその内容に至りましては、恐らくこれを区別することは困難ではないか。僅かに程度の差によつてこれを区別するだけではないか。そうであつたならば、こういうような会議を二つも持つことは、行政簡素化を主張されておるところの現内閣の方針から申しまして、やはりこれは無駄な機関ではないかという工合に私共は考えるのであります。むしろ一本にこれを直すべきである、こういう工合に考えるのであります。
 それから外局につきまして、先程カニエ君からも御発言がありました資源廳でありますが、ここには石炭、鉱山、電力というような自然資源に関する諸事務が統轄されておるのであります。カニエ君の言われるように石炭に関する事務が今日國家管理において行われておる意味から申しまして、非常に重要な仕事であり、而も石炭そのものが日本の産業において果すところの役割から申しましても、これを資源廳の二局として取扱うということは到底不可能なのであります。そこへ持つて來て鉱山に関する仕事、電力に関する仕事を押し込んで、そうして外局として資源廳を設けておるのであります。その他の内部部局と比較しまして、この資源廳の仕事はそれだけでも内部部局全体に相当するくらいの大きな仕事を持つておるのでありまして、本來から申しますならば、これは通商産業省から別個の機関として設くべきものではないかという工合に考えるのであります。これが私の反対する第三の理由であります。
 それから資源廳の地方出先機関でありますが、「資源廳に、地方支分部局として石炭局を置く」。第二項として、「通商産業局に鉱山保安監督部を、石炭局に炭鉱保安監督部を附置する。」と書いてあります。而してその鉱山保安監督部と炭鉱保安監督部との事務の内容につきましては、それぞれ第四十五條以下に規定しておるのでありますが、一方は通商産業局に、他方は石炭局にという工合に、本來の鉱山並びに炭鉱に関する事務は資源廳にありながら、その支分部局は一部は通商産業局に設けられるということになつております。これは行政事務の統合という観点から申しまして、やはり非常に無理な、むしろ行政能率の上から申しまして、政府当局の意図するところとは全くあべこべの方向に向いておるものだということを申上げなければならぬのであります。
 私は以上のような理由によりまして、この通商産業省設置法案に反対を表明するものであります。(拍手)
#82
○副議長(松嶋喜作君) 三好始君。
   〔三好始君登壇、拍手〕
#83
○三好始君 私は通商産業省設置法案が上程されるに当りまして、國会議員としての責任と良心に基いて簡單に反対の趣旨を申上げたいと思います。
 今回政府が企図いたしております行政機構改革に対する内閣委員会の意見につきましては、先程委員長報告においてその要旨が述べられたのでありますが、一言にして申しますと、行政機構改革と銘打つには余りにも杜撰でありまして、合理的な根拠を持たず、行政事務の能率的な運営に役立つところ少き機構の改変に過ぎないと認められるのであります。行政事務そのものの檢討、合理化を後廻しにいたしまして、機械的に機構の圧縮を図らんとしたため、國家行政組織法の原則を破壊する結果を來しておる点が随所に見受けられるのであります。これは各省設置法全般を通ずる特徴と言えるのでありますが、只今議題となつております通商産業省設置法案もその顯著なものの一つであります。これが本案に反対する第一理由であります。第二の理由は、今回の行政機構改革が、極めて廣汎に亘る政府機関を一時に改変する厖大な案件であるに拘わらず、極めて短時日の中に審議を進め、結論を急がざるを得なかつたことに対し、私は良心的に抗議せざるを得ないからであります。今回提出されております各省設置法案は、内閣委員会を開いても、漸く政府の提案理由の説明を聽いて後大部分は一回の質疑を行い得ただけであります。而も他の委員会と連合委員会を開いた場合には他の委員会の委員に発言の機会を多く與えるという申合せによりまして、内閣委員の質疑が後廻しになつて殆んど行われておらないものもある実情であるのであります。このようなものについても早急に討論採決を急ぐ状況に置かれておるのであります。愼重な審議ということは、内閣委員会においては、如何に委員が超人的な努力をいたしましても時間的に不可能な状態にあつたのであります。我々が國会議員として立法に対して絶対の責任を持つべきものであるといたしますれば、このような努力をしても尚且つ一回、多くて二回の委員会の質疑を経て直ちに討論採決を急がねばならないような実情に対し、深刻な反省をしなければならないと思うのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり)只今上程されております通商産業省設置法案は、特に内容の厖大なものでありますが、去る五月七日、政府より提案理由の説明を聽いて概括的な質疑を行なつたままになつておりましたのを、一昨日の二十日夕刻、短時間の審議で多数を以て仮議決され、昨夜正式にこれを確認して委員会を通過いたしたものであります。私はいろいろな問題を含んでおります厖大な本法案がこのような審議状態を経て俄かに成立せしめざるを得ないことには、良心的な立場から反対であります。
 私の反対の第三の理由は、本來各省設置法は國家行政組織法を基準法といたしまして成立施行さるべきものであるに拘わらず、未だ國家行政組織法が施行されずに、その改正法案が提出されそれに対する修正が内閣委員会で問題になつておる段階において、通商産業省設置法だけが國家行政組織法の施行に先行して施行されることが不当であると思われるからであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)これには我我を納得せしめるに足る十分な根拠が認められないだけでなく、國家行政組織法の一部改正法案が未だ審議の過程にある際、それとの関連において立法上の混乱を招くことが少くないのであります。
 法案の内容に対する具体的な批判につきましては、その重要な点についてすでに他の委員によつて指摘されましたので省略いたしまして、以上の三点を指摘して、簡單でありますが私の反対の討論を終ります。(拍手)
#84
○副議長(松嶋喜作君) 中西功君。
   〔中西功君登壇、拍手〕
#85
○中西功君 日本共産党はこの通商産業省非常にむずかしい通商産業省設置法案に対して反対いたします。この舌を噛むような名前の法案に対して反対いたします。(「うまい」と呼ぶ者あり、拍手)この通商産業省設置法案については、すでに前討論者において微に入り細を穿つて、よくそのいけない点が論じ盡されております。私もいろいろ詳しい点については申したいところがありますが、第一に、私は我々がこの通商産業省設置法案に鉄して反対する根本的な建前について、即ち我々共産党としては、一体如何なる行政機構を望んでおるのかということを先ず申上げて、我々の反対の立場というものをはつきりさせたいと思うのであります。
 一体行政機構というものは如何に編成さるべきか、私たちは四つの、少くとも四つの條件が必要であると考えております。一つは、この行政機構そのものは國の最高機関に対して完全に從属しなければならぬ、これは分り切つたことであります。國会との関係において、そうあるべきであると思いますが、最近においては人事院を初めとして、いろいろの点において國会から半ば独立するような機構が非常に現われて來ておりますことは、明らかにこれは正しい行政機構のあり方に逆行するものだと我々は考えております。第二番目は、日本の國民特に勤労大衆との間において如何なる関係であるべきか。このためには行政機構は飽くまでも國民のためにサービスするところの機関でなければならぬ筈であります。といたしますならば、これは即ちここに勤めておる官吏は、國民から直接に選挙されたり或いは直接に罷免されたりするような條件がなければ、本当に勤労大衆或いは國民のための官吏となることはできないのであります。我我が要望するところの條件はそのような條件であります。第三には、その機構内部において上と下との関係の問題であります。これは、ここでは從來の官僚主義的なものがすべて全廃されなければならない、上の命令があるからと言つて何でも彼でも押し付けられるということがあつてはならないのであります。このことは最近公務員法或いはその他のいろいろの問題として我々が現に最近まで深刻に問題にして來た問題であります。第四番目は、これは例えば通商産業省と言うならば、本当に日本の再建のため、日本國民のための産業建設或いは商品の流通、疎通のために全的に奉仕しなければならぬし、その目的のために使われなければならない、組立てられなければならないと我々は考えます。
 私たちがほぼ必要な條件というのは以上のような條件でありますが、このような観点から、從來の機構に対しても我々といたしましてはいろいろの批判を持つておつたのでありますが、特にこの通商産業省につきましては、これは從來の機構よりも遥かに惡いのであります。即ち從來のものよりも、もつと惡化させようとするのであります。その点についてはすでに多くの人が述べられておるのであります。私はそういう問題を改めて沢山繰返しませんが、特に從來のものよりも逆行しておるという点については、この参議院にも非常に関連があるのであります。昨年でありますが、國家行政組織法が審議されておりますとき、参議院では、実にこれを慎重に審議しまして、そしてこれが官僚の、從來の官僚主義を少しでもなくすために、参議院としては最大の努力をしました。そして國会においても、私は当時非常に画期的なることだと思いますが、当時においても修正案が決定されました。参議院の意思というものが非常にはつきりと表明されたのであります。ところが先に三好議員がはつきり言われましたごとく、この國家行政組織法に対しても、この通商務業省は非常に逸脱してるのであります。このことは通商監の問題やいろいろの点に現われております。若し我々があれ程眞劍に論議し、そして又少しでも良かれかしと思つてやつたものがです。少くともそれに対しては十分責任を持つところのこの参議院が、今、そうしたこの枠を、國家行政組織法の枠を逸脱して平氣で作られておるところのこのような法案に対して、正しい批判をしなかつたとしたならば、一体何のために我々は曾てあれを議論したのか、訳が分らなくなるのであります。私はそういうふうな経緯を持つておるだけに、余程愼重にこういうものは審議され、又採決されなければならないと考えます。
 尚この点が、この通商産業省自体が、商工省という名前をわざわざ舌を噛むような名前に変えなければならないか。國内の商業工業を振興するというのではなくて、そこに重点があるのではなくて、逆に通商産業省というようなものを持つて來て、そして、それをおつかぶせて、その下敷きに國内の商工業がなるような、このようなものは、カニエ議員がはつきり指摘されておるごとく、決して好ましいものではないのであります。貿易を振興するならば貿易省を作つたらいいのであります。そうして國内の商工業に対しては本当にこれを眞劍に面倒を見る省を作るべきであります。決していわゆる貿易関係のため國内の国工業のその開発事業をおつかぶせてしまうようなことは、これはすべきではないのであります。而もこの説明書即ち提案理由書においては、機構を簡素化したのだと言われております。現に定員法と関連してこれを見ますれば、非常に多くの職員が首切られて來ます。これについては詳しく申しませんが、一方にこのように職員を首切つて置きながら、この設置法案には実に驚くなかれ二十九の審議会が設けられておるのであります。これは顧問会或いは参與会、輸出入協議会、いろいろあります。二十九あるんであります。このような、これは、簡素化ではないのです。ますます複雜多岐にする。このようなことで複雜多岐にして、このような審議会或いは顧問会議を二十九も設けて、一体誰が儲けるか、誰が得をするか、あれは決して日本の勤労大衆は得をしないのであります。日本のこの通商産業省は、日本の國民のための貿易を、又日本國民のための商工業を振興しないだけではない。審議会を二十九も設けて、ますます日本の腐敗を激成させて、ますます小菅刑務所を忙しくさせるような、繁忙を極めさせるようなことになるだろうと我々は思うのであります。そういう意味におきまして、我我はこの通商産業省設置法案に対して全面的に反対するのであります。(拍手)
#86
○副議長(松嶋喜作君) これにて討論の通告者は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。これより採決をいたします。本案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#87
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#88
○副議長(松嶋喜作君) この際、日程に追加して、統計法の一部を改正する法律案、内閣法の一部を改正する法律案、総理府設置法案、國立世論調査所設置法案、法務廳設置法等の一部を改正する法律案、経済調査廳法の一部を改正する法律案、通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案(いずれも内閣提出、衆議院送付)、以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり)
#89
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
    ―――――――――――――
   〔河井彌八君登壇、拍手〕
#90
○河井彌八君 只今議題となりました七案の中で、取敢えず統計法の一部を改正する法律案、内閣法の一部を改正する法律案、総理府設置法案及び國立世論調査所設置法案だけの報告に止めて置きたいと思います。
 統計法の一部を改正する法律案につきましては、政府の説明は必ずしも十分ではなかつたのでありますが、この中で特に問題となりましたのは、統計委員会という官廳を設けることでありまして、その統計委員会の組織は十五人の委員を以て組織してあります。そして、それについては各界の権威者を以てこれに任ずるということになつておるのであります。そして、これは國家行政組織法の公布に伴つて、総理府の外局であるところの廳としてこの統計委員会が設置せられるのであります。そうしてこの案におきましては、その組織及び権限を規定する統計法の一部を改正せんとするものであります。衆議院におきまして、本案について政府提出案に若干の修正を加えたのでありまするが、本委員会においては一ヶ所これに対して修正を加えたのであります。この修正を加えまして全会一致を以て可決すべきものと決定いたしたのであります。修正の点は、第六條の四の第四項に規定するところの、統計委員会の委員長の任命手続に関するものであります。原案は「委員長は、委員の中から互選された者について、内閣総理大臣が衆議院の同意を得て命ずる。」とあるのであります。この「衆議院の同意を得て命ずる。」という衆議院の代りに、「両議院の」、即ち衆議院及び参議院両議院の同意を得て命ずるということに修正するものであります。それで、これは統計委員会は内閣総理大臣を会長といたしまして、経済安定本部総務長官を副会長として、我が國の統計調査の総合調整に当る大切な事項を担当するものでありまして、いわゆる我が國の官府統計の総合的調整機関でありまするからして、新たにその委員会の長を任命するに当りましては、單に衆議院の同意を得るに止まるということであることは甚だ遺憾と考えるのでありまして、即ち当然参議院の同意をも得べきことであるという趣意を以てこの修正案が成立いたしたのであります。本修正案は全会一致を以て委員会で可決いたしました。そうしてその他の條文につきましても全会一致を以て可決した次第であります。(拍手)
 次に内閣法の一部を改正する法律案、これは國家行政組織法の施行に伴いまして、現在の内閣法の一部を改正する必要があるからであります。改正の主要なる点は、この國家行政組織法の施行によりまして効力を失いまするところの行政官廳法の規定の一部を内閣法の中に追加して規定した点であります。即ち行政官廳法に規定してありまするところの、内閣官房長官の規定をばこの法律に移しまして、且つ内閣官房長官は國務大臣を以て充てることができるということにしたのであります。從つて國務大臣でありまするために、秘書官を置くことができるということにしたのであります。
 第二には、國家行政組織法に定める基準に從いまして、この法律の中に必要な改正を加えまして、從來、政令で規定しておりましたところの内閣官房次長、國務大臣秘書官に関する規定をば本法の中に移しまして、内閣官房次長の名称をば内閣官房副長官と改めたのであります。大体かような趣意を以ちまして決定したものであります。尚、内閣官房副長官は二人を置くという規定になつております。それで本委員会におきましては審議の末に全会一致を以てこれを可決すべきものと決定いたしました。
 次に総理府の設置法案につきまして委員会の経過並びに結果を御報告申上げます。この法案は六月一日から施行せられまするところの國家行政組織法に規定されておりまするところの基準に基いて作つたものであります。この主要なる点を申上げますれば、先ず総理府の外局をば一括して列挙してあるのであります。そうしてそれぞれの根拠法を掲げてあるのであります。從來は総理廳における外局はそれぞれの根拠法令にのみ規定してあるのでありましたが、これを本法において一括して列挙しておるのでありまして、内閣総理大臣の所轄に属する國の行政機関はこの法案によつて一目瞭然となる次第であります。尚、総理廳という一番の高いところの官府といたしまして総理廳を設置するという構想の下に各種の行政機関を列記いたしてあるのであります。総理府の職員及び内部機構につきましては特に申上げますことを省きまするが、大臣官房において賞勳部を置く、それから賞勳部を置くという点につきましては、恩賞事項が最も大切であるということから、賞勳部であるということは遺憾であるという意見が非常に強く出ておつたものであります。
 それから尚この統計局の組織につきましては、國家の全体の統計をここに総括をいたして統一的な根本的な正確な統計を作るという関係からは、この統計局の制度については、もつと強化した充実した組織を作るべきであるという意見が強かつたのであります。尚、行政機構の改革に伴いまして各行政機関が改廃せられましたのでありまして、先ず新聞出版用紙割当事務廳と只今申しました賞勳局とは、いずれも現存は外局でありますが、この二つはいずれも本案においてこれを簡素化して内部部局といたしたのであります。殊に賞勳局は、賞勳部となつたのであります。それから俘虜情報局は、その事務の範囲が漸次減少いたしましたので、本案では総理府内の附属機関として残務事務を行わせることになつておるのであります。それから総理府の所轄でありましたものの中で、連絡調整事務局はこの総理府の所轄を外しまして外務省に入りました。尚、経済安定本部、これは國家行政組織法の規定に基きまして、独立の省に準ずるところの本部となつて独立いたしました。そうして物價廳、外資委員会などもこの総理府の所轄を離れたのであります。そうして尚、各行政機関の名称につきましても、國家行政組織法の定めるところの(「議事進行について」と呼ぶ者あり)基準に基きまして、それぞれ府、委員会、廳等の区別に從つて整理がいたしてあるのであります。尚、日本学術会議の重要性に鑑みまして、これを総理廳の附属機関とはいたしませずに、これを内閣総理大臣の所轄の下に置いて独立性を與えた機関といたした点が注目せられるのであります。大体かような趣意によつて本案の内容を申上げた次第であります。委員会におきましては審議の結果、全会一致を以て可決すべきものと決定をいたしました。
 更に國立世論調査所の設置法案、これの審議の内容を申上げます。これまで世論調査部というものが総理廳官房の審議室にあつたのでありまするが、これをば國家行政組織法の施行と共に総理府の附属機関として設置をいたし、その世論を調査した結果をば嚴正公平に政策の樹立に役立つようにして、行政の円滑なる運営に資せんとするものであります。この内閣委員会におきましては、全会一致を以て本案を可決すべきものと決めたのであります。ただ、この調査所の審議機関として本法案の第五條に定めてありまするところの世論調査審議会に七人の委員を置くという規定があります。この七人の委員は、從來七つの民間の学術團体から推薦しておるところの学識経驗者の中から、審議会の同意を得て内閣総理大臣が任命するということになつておるのでありまするが、学術團体と申しましてもこの七つの團体ばかりではない。特に日本学術会議のごときは学術部門のあらゆる方面を網羅した最も有力なる團体であるのでありますから、こういうものからも審議会の委員を出すということは勿論、その他の学術團体からも出すべきであるという意見が非常に強く主張せられまして、委員会は全員一致を以てこの意見を妥当なりと認めまして、かような意見を全会一致の意見として本案に賛成いたしたのであります。
#91
○副議長(松嶋喜作君) それでは委員長の御都合によりまして、先程七案を一括議題にいたしましたが、只今御説明の四案について採決いたします。
 先ず統計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長の報告通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#92
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
     ―――――・―――――
#93
○副議長(松嶋喜作君) 次に内閣法の一部を改正する法律案、総理府設置法案、國立世論調査所設置法案、以上三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#94
○副議長(松嶋喜作君) 過半数と認めます。よつて三案は可決せられました。
 只今議題に供しました経済調査廳法の一部を改正する法律案、法務廳設置法等の一部を改正する法律案及び通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案を後に廻すことにいたしたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○副議長(松嶋喜作君) 御異議ないと認めます。
     ─────・─────
#96
○副議長(松嶋喜作君) 去る二十日、在外同胞引揚問題に関する特別委員会から、在外同胞引揚問題に関する調査の中間報告として、通称吉村隊事件の調査報告書が提出せられました。本件に関しましてこの際委員長の報告を求めたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」「異議あり」と呼ぶ者あり〕
   〔中西功君「議事進行について発言を求めたいと思います」と述ぶ〕
#97
○副議長(松嶋喜作君) 中西功君の発言を許します。
#98
○中西功君 実はこの中間報告は、御存じのように、在外同胞引揚特別委員会におきましては、僅かに五人の委員の出席のところで報告され決定されたもんであります。これは、後、多数者署名という形になりまして、一應各委員の了解を得られておりますけれども、併し一應定足数を欠いた委員会において、それがなされたのであります、從つて私たちは、細川委員の方から、これはどうしても少数者意見を述べたいということを切に要求しておつたところでありましたが、いろいろの食い違いによりまして、先の小委員会ではこれが了解得られなかつたようであります。私はこれは誤解に基くのであります。即ち今朝の運営委員会の決定が小委員会において十分そのまま傳えられない向きがありまして、こうなつたのでありまして、(「嘘言うな」と呼ぶ者あり)議院運営の小委員会を開いて頂きまして、そうしてもう一度この問題を協議して貰いたい。それまで希くはこの議題を少し(「必要なし」と呼ぶ者あり)延期して頂く、こういうふうに思います。(「進行々々」「議事進行」と呼ぶ者あり)そういうふうな……
   〔「異議なし」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#99
○副議長(松嶋喜作君) お諮りいたします。
   〔「異議なし」「賛成」「動議成立せず」「賛成」「議場に諮れ」と呼ぶ者あり〕
#100
○副議長(松嶋喜作君) お諮りいたします。只今の中西君の動議、この件を延期して呉れという動議に対して賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者少数〕
#101
○副議長(松嶋喜作君) 少数と認めます。よつて提案の通り進行いたします。在外同胞引揚問題に関する特別委員長紅露みつ君。
    ―――――――――――――
   〔紅露みつ君登壇、拍手〕
#102
○紅露みつ君 只今議題となりました吉村隊事件調査の件につきまして、在外同胞引揚問題に関する特別委員会の審議の経過並びに結果の中間報告を申上げます。詳細は文書による報告に讓りまして、ここでは極めて簡單にその概要のみに止めたいと存じます。
 ソ連関係地域からの残留同胞の引揚につきましては、昨年二十一日ソ連大使館から約九万五千の人々を本年中に還送する旨の発言がなされたと聞いておりまするが、この発表は生存者の数等につきまして残留同胞の身の上を思う國民にひとしく大きな衝撃を與えたのであります。而してこの残留者の上を思う國民の心情が、本吉村隊事件、曉に祈る等の問題につきましても、世の耳目を集めしめることとなつたのであります。ここにおきまして本特別委員会は、なし得る限り詳細にその眞相を明らかにいたしまして、引揚の促進に資し、且つ留守家族の不安をも除去せんとの意図を以ちまして、四月十二、十三、十四日及び五月六日の四日に亘り、吉村隊長こと池田重善氏外十九名の証人を喚問いたしまして、愼重なる審議を進めたのであります。御承知のごとく吉村隊事件が社会の問題となりましたる端緒は、数種の刊行物、殊に本年三月以降の新聞の報道でありまして、新聞は、証人として喚問いたしましたる本問題の担当記者の証言の通り、一途に眞相を報道せんといたしたものでありまするが、報道は、その性質上、場合によりましては吉村隊長個人に中心が置かれることにもなり、必ずしも眞相把握のため完全とは申せぬ点が多々ありまするので、特別委員会は外蒙ウランバートル收容所をめぐる各種の客観的條件、殊に日本人俘虜管理の実情、次にいわゆる曉に祈るその他の処罰的行爲の正体及び收容所における死亡に対する責任の所在、この二点に重点を置いて、各委員それぞれの角度から綿密詳細なる調査がなされたのであります。
 以下その経過と結果について申述べます。
 第一、吉村隊をめぐる客観的條件。
 今回喚問いたしました証人の証言を総合いたしますれば、抑留中の俘虜生活の根本となりますものは、氣象、收容施設等の一般的環境の外に、特に作業量、食糧の供給状況及び俘虜管理法の三者であると考えられるのであります。これらの観点からいたしまして、吉村隊の收容所は全く特異の状況にありまして、これにつき一人の証人は、「とにかく特異な状況において、特異な心境にある人たちが、吉村という特異な性格と言つていい人の下に起つた事件で、これは現在の自分たちさえ想像も付かないような事柄だつたのであります」と証言しております。かような環境を作る一つの大切な要素である食糧供給の状況は、一証人の証言では、「昭和二十一年一月から二十一ケ月間の全收容期間中、最後の七ケ月のみは米三百グラム或いはパン四百グラム等の基準量が供給されたのでありますが、入蒙当初は基準量の約三〇%の高梁、その後逐次改善せられて八〇%程度という実情にあつたようでありますその結果、入蒙後約半年の間に三〇%以上の栄養失調患者を出した」と、吉村隊と隣接する收容所におつた証人が申しておる程であります。吉村隊事件の背景を成すこの慢性的飢餓状態の実情は、旧隊員の「轉んでいる煉瓦一つが蹴つて見なければ或いはパンではないかといつて過ぎ去ることのできない心境にあつた」という証言にも窺えると存ずるのであります。又一証人は「生きるためには仕方なく隊長初め下に至るまで盗みをいたしました」と申しておりますが、これらの状況は、後に申述べます吉村隊の処罰事件等に密接な関係のありますることは特に申上げるまでもないところであります。かような状態におきまして俘虜に課せられました作業の量は、建設作業、室内諸作業、原料採取作業とでは困難の程度に大きな差があつたようでありますが、吉村隊でも特に問題を起しましたのは、抑留の後半期、石切りという原料採取の作業であつたようでありまして、証言は一樣にこの際の作業が、作業指揮の拙劣もあつて、困難を極めたことを語つておるのであります。更に作業につきましては、他の收容所でも行われましたごとく、前述の食糧不足を補う手段として、規定の作業以外に、賃金又は賞金付の木材運搬等の作業を行なつたようでありますが、吉村隊では隊長の管理がよろしきを得ず、体力の消耗のみ徒らに多く、十分に増食という目的を達し得なかつたのみならず、却つて、それによつて得たる隊員の報酬をめぐつて外蒙側監督將校の汚職事件を惹起するなど、ここにも事件の原因の伏在が認められたのであります。かように抑留生活の基本をなす作業量と食糧とを調和せしめることの困難な際、最も重要な部隊管理にして適切を欠けば、必然的に事故の発生することは容易に推察し得るところでありまして、数人の証言もこれを明確にいたしております。而も吉村隊なるものが、その構成人員は軍人軍属の外多数の一般邦人を含み、その数は八百名に近く、且つ隊員の轉出轉入常なく、團結心、相互扶助の精神にも欠くるところがあつたようでありまして、患者も続出し、入院する者延何百人にも及びを収容所内死亡者も、作業場等における外傷によるもの十数名、内科的疾患によるもの二十数名となつておるのであります。この間、外蒙側の俘虜管理監督機関も、収容所監督、作業、給食、衞生等の諸機関からそれぞれ別の要求指令があり、又先にも申述べました通り、監督將校の汚職事件さえある有樣で、隊長としての責任を果すためには幾多の困難があつたことは明らかでありますが、外蒙側の管理法にやや改善の後の見える抑留第二年度に事件を起しておりますることは、特別委員会としても看過することのできなかつた事実であります。
 第二、曉に祈るその他の処罰の実態。
 前述のような環境の下に起りましたいわゆる曉に祈るその他の処罰的行爲の実態如何というのが重要なる問題であり、留守家族の大きな関心もここにかかつておるわけであります。吉村隊における処罰の種類は、作業場における殴打、減食、留置場入り及び屋外留置というようなものがあつたのでありますが、この夜間の屋外留置が曉に祈ると通称されていたところのものであります。この曉に祈るの罰を加えられましたものは、池田証人の言では数十人、他の証言では百名以上と言つでおるのでありますが、処罰の原因は逃亡、集團窃盗、作業量未完遂等で、この処罰によつて多数の人々がそのままの姿で凍死体となつたとして喧傳されたのであります。併しながら糾明の結果そのような事実はなく、証言は必ずしも明瞭ではありませんが、これが原因となつて死亡した者が二名程あるようであります。次に作業現場における殴打致死事件と認められるものが石切作業中に三件あつたと認定されるのであります。この種事件は食糧不足と作業とに喘ぐ残留者の間の事件として最も遺憾に堪えぬところでありまして、この責任の所在は重大なる事項として各委員から追究されたのであります。これに対する証言は、池田重善証人ただ一人処罰の全部が外蒙側の命令によるとし、他の全部の証言は、一部は外蒙側の命令、一部は隊長個人の発意による旨を述べております。集團窃盗事件及び作業量未完遂について外蒙側より罰目を付して隊長に処分を要求された状況に関する証言からいたしましても、確かに一部の処罰が外蒙側の命令によることは明らかでありますが、その全部を外蒙側に帰すべき事実は認め難いのでありまして、隊長のこの点についての責任は免れず、その根本は、隊長の統率、部隊管理に重大なる欠陥があつたことを委員会において認めたのであります。即ち食糧等についての惡條件下、一面、作業についての要望を満たしつつ、他面、隊員に体力を維持するという重大なる責任を果すため、外蒙側と部隊側との中間に立つて最も適切なる調節手段を講ずべきであるに拘わらず、早く帰國するためには作業成績を挙ぐるに如かずとの最初からの観念を固執し、ただ外蒙側の要求するところのみに從い、隊員に対する顧慮薄きに過ぎ、大なる苦痛を與え、その頽廃すら招き、個人の性格、指揮の幼稚、過去の経歴に対する危惧から、保身のため從らに外蒙則の勢威を借りて隊員に臨み、無理に無理を重ねた結果が、重大なる事件を惹起せしむるの根本を成したものであるとの認定に達したのであります。併しながらこれらの認定に対しては同意し難き旨を表明せられる委員があり、即ち一委員からは、本事件発生の原因について、客観的環境の重視、或いは不当なる採り上げ方をなす結果、結局、吉村隊長個人の責を他に轉嫁し、これを庇護したこととなる旨の発言があり、又他の一委員からは、吉村氏には道徳に重大なる欠陥があり、かようなる者の庇護は引揚を阻害する結果となるとの意見が述べられたのであります。
 以上三日間に亘る審議の経過と結果とを総合し得ましたところの結論を以下簡單に申上げます。
 一、ソ連地域残留同胞の現状。
 残留同胞の収容所は建設事業に結び付けられ、残留同胞は最の階級、年齢の別を問わず、体位の級別に應じた相当量の労働が課せられており、それによつて若干の金銭給與をも得ておるのであります。収容所は開設の当初には殆んど秩序もなく、建物、食糧、作業は劣惡の條件下に置かれてあつたのでありまするが、この無秩序状態も大体昭和二十一年初夏の頃から改善の緒につき、同胞の生存への努力を累積せられたことと相俟ち、収容所の秩序は改善され、被服のごときも当初各人の所持にかかるものであつたのが、若干ずつ支給を受けるようになつて参つたのであります。更に昭和二十二年以降改善も進められ、各収容所に於ける物的生活は一應の安定を見るに至つたようであります。併しながら残留同胞の精神状態について申上げますれば、何人も帰心矢のごとしと申しましようか、今日では極度の焦燥に駆られておりますことは事実であります。元々収容所生活では、生き長らえて帰國するということが最大の念願でありますることは申すまでもないところで、從いまして各人のこの焦燥感による不安定なる精神状態と、非民主的、軍隊的因習に基く集團生活、加うるに給養の粗惡、寒冷、不衞生のため、当初の死亡率は相当に高かつたのでありまするが、收容所の秩序改善に伴い、死亡率は低下し、現在は死についての憂慮は特にないと考えられるに至つておるのであります。死亡者はすべて解剖に付した上、埋葬せられていたようでありますが、遺髪等は習慣の違いから持ち帰りを一般に許されていない状況であります。
 二、吉村隊事件についての反省。
 吉村隊事件は外蒙ウランバートル地域の一收容所における指導者の專断と、これに屈從した数百の隊員間に惹起した弱者虐待事件と認められるのでありまするが、この種事件は、程度の差こそあれ、他にも発生いたしておりますることは否定し得ざるところであります。今その事件発生の原因につき反省すべき点を分析いたしましたる結果、第一に、生存と帰國とのため強き利己心に支配され、このために恰かも同胞相食むがごとき心理状態にあり、友愛と協力の精神が欠如に近いこと、(「それが軍國主義だ」と呼ぶ者あり)第二に、強い事大主義が支配的で、権力と威嚇に阿諛屈從し、且つ收容所生活の困難に伴う封建的、軍隊的観念が温存されておつたこと、第三に、各人が正義を守る勇氣を欠き、そのため人権はもとより、人格の尊重もないことが多く、この点特に注目に値することの三点を挙げ得るのであります。(「それが重大な点だ」と呼ぶ者あり)これら諸点は、平和文化日本建設のため、今日日本國民が強く且つ深く反省いたさなければならないことを指摘せざるを得ぬと信ずる次第であります。
 以上申述べましたるごとき事情よりいたしまして、現在残留いたしておりまする同胞の引揚につきましては、引揚の促進、管理の適正化及び情報入手の三点を要請するの必要ありとの結論に到達いたしたのであります。
 即ち先ず第一に、証言によりますれば、残留同胞は、一人残らず帰國の日を一日千秋の思いで待ち焦れ、残留を希望する者は皆無ということであります。今回のソ連側の発表によりますれば、約九万五千の残留者が本年中に引揚げることとなつているようでありまするが、この引揚は、残留者のこの心情からも速かに開始され、一刻も早く引揚が完了せられるよう要請しなければならぬと存ずるのであります。次に残留同胞の管理の適正化は、戰時國際法からも、人道上からも当然であり、その改善を強く要請せねばならないと信ずるのであります。而も残留者の労働は、その生活のための管理費を償つて十分に余りあることは明らかに指摘せられるところであります。第三点は残留者に関する情報の入手であります。今回のソ連大使館の発表による各種の数字につきましても、相当に國民の納得の行かぬ点があるのでありまして、(「その通り」と呼ぶ者あり)若しソ連側の全面的な公式発表が既往においてなされるか、或いは残留者全員の通信が許されるかいたしておりましたならば、事態は今日より遥かに明朗であつたろうことは疑いを容れぬところであります。(「その通り」と呼ぶ者あり)情報の入手よりも引揚完了を希望することは勿論でありますが、現在の残留者中、特に俘虜以外の一般邦人の残留者につきましても詳細なる報告の入手を懇請いたしたいのであります。本年の引揚につきましては前述のごとき発表があつたのでありますが、それによりますれば、例えば在ソ間の死歿者は一人もないというふうにも受取られるのでありまして、決して國民をして安堵せしめるものではないのでありますので、只今申しました諸点につきまして、國会、政府共に最善を盡し、引揚問題を完全に解決いたす日の一日も速かならんことを強く期待いたしまして、御報告を終りたいと存じます。(拍手)
   〔発言する者多く、議場騒然、聽取する能わず〕
#103
○副議長(松嶋喜作君) これにて六時三十分まで休憩いたします。
   午後五時五十三分休憩
     ─────・─────
   午後七時五十九分開議
#104
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 休憩前になされました在外同胞引揚問題に関する特別委員会の中間報告に対して、少数意見の報告書が提出されており、少数意見者からこの際報告することを求められました。細川嘉六君。
    ―――――――――――――
   〔細川嘉六君登壇、拍手〕
#105
○細川嘉六君 私は多数者報告について反対の意見を持つております。その理由は、第一に、吉村隊事件の調査は、外蒙にいた吉村隊を中心とする証人を呼んでの調査であります。それでありまするから、ソ連について、外蒙全体についての記述は当を得ておりません。それだけの材料はないのであります。然るにも拘わらず、それにこの調査報告が及んでおつて、重大なる断言をなしておるのであります。
 第二には、吉村隊事件の中心点は何か。これにつきましては、報告者は、作業がどうとか、給養がどうとか、処罰がどうとか、そういうような外的條件に相当の、吉村隊長のなした行動の責任と関連して、それらの事情に責任の一半を負わせております。併しながら吉村隊長のやつたその目的というもの、その手段というものについては、これは十分な檢討を要するものであります。これについては証言は十分なものを與えております。というのは、吉村隊長は満州から外蒙に生活しておる間、彼に常に付き纏つた考えは、彼は旧憲兵であつたということであります。憲兵であつたということが発覚したらばどういうことになるか、銃殺されるか、重労働になるか、モスクワへ送られるか、そういうことの不安が彼を深刻に動かしておつたものであります。これは、彼が早く帰還するためには外蒙の信用を得て十分に働かなければならぬ、何とかかんとかいう理由を付けておりますが、それは表面のことであつて、他の証人の証言によりますと、嘘を吐くことは極めて巧みな男である、そういうことを証言しております。本当の目的は憲兵であつたことを隠すということであります。これについては、初めは歩兵曹長であるとか、或いは歩兵伍長であるとかいろいろなことを言つて隠して來ました。最後にこれは、ばれてしまつておる。そうしてピストルを前に置かれて、これはどうだ、本当のことを白状しろというところまで追い詰められております。この不安というものは彼をしてどういうことをさせたかというと、一言にして申しますると、警察的、憲兵的のスパイ制度であります。これは極めて巧みなものであります。指揮の幼稚であつたとか何とかということは、これは好い加減のことです。幼稚どころではありません。これを作つたところの巧妙さに至りましては、誠に至れり盡せりであります。というのは、收容所の関係の工場におきまして、それぞれの工場において、目ぼしい者をちやんと掴んでおる。腹心の者を掴んでおる。そうして腹心の者の横の関係は認めておらぬ。腹心の者は吉村隊長彼自身に直結しておりますものでありまするから、隊員というものは、一言でも隊長の耳に不利なことが入るというと、もう直ぐに命が危い。そこへ來ております。そういうような、今日想像もできないものであります。如何に吉村隊長に反抗しようと思つたが、如何に考えても、どうともならなかつたということは、証人の証言がこれをよく示しておりますけれども、今日、あの当時、命を捧げてそれをなぜ止めなかつたかということを側近者の原田通訳が証言しております。それ程に、この押しに押されて、そうして自分らの考えというものを少しも述べることができなかつたというような状態であります。如何にこのスパイ制度が巧みであつたか、そうして如何なる人もこれを拔け切ることができなかつたかということは、証人の証言によつて明らかであります。そうして彼のなしたことは、この組織を以て、そうして隊員全体を酷使したことであります。作業のノルマとかいうものは、外蒙において濫りにこれを超過させることを許しておるものではありません。食糧というものは、生きるだけは與えられておる。吉村隊長が罰則として絶食さすということなんかは他の部隊において見られなかつたことであります。これが許されておる。行われておる。このことは蒙古側は何も命令しておるのではありません。蒙古側は集團窃盗或いは逃亡について処罰を要求したことがある。その場合は四十一名である。それらの者の処罰は、何も外蒙側は極端にこれを嚴罰することを主張したものではありません。この点についても私はここに沢山言うことができません。
#106
○議長(松平恒雄君) 細川君、制限の時間が参りましたから御注意いたします。
#107
○細川嘉六君(続) もうちよつと‥‥。報告書は、隊員に友愛心がなかつたとか團結心がなかつたとかいろいろなことを申しておりますけれども、(「その通り」と呼ぶ者あり)これらのものを発動する一つの隙間も與えられなかつた。ここに、この彈圧制度の如何に強かつたかということを物語るものであります。個人の弱さでありません。この力を発揮する余地が與えられなかつた、その他の強い者の下におつたということであります。他の外蒙の部隊の証人として呼ばれた小林隊長、これは千人からの隊員を擁して外蒙で捕虜生活をなした人で、これが隊員から拂樣と言われたわけであります。こういうのが他にあります。(「時間だ時間だ」「降壇々々」と呼ぶ者あり)從つて外蒙においての吉村隊長というものは、特殊な、全く特殊な事件であります。
#108
○議長(松平恒雄君) 細川君、重ねて御注意いたします。
#109
○細川嘉六君(続) 私は時間がないために私の所論を十分ここに言い得ないが、言葉がここで言い切れなくても、この問題の核心は、軍國主義の残滓が残つておる、これが報告書において認められておる、擁護されておる、ここに私は大問題がある。日本の國に対しての大問題があると主張するものであります。(拍手)
   〔「何を言つておるか分らん、どうかしているぞ」と呼ぶ者あり〕
#110
○議長(松平恒雄君) 星野芳樹君。
   〔星野芳樹君登壇、拍手〕
#111
○星野芳樹君 私はこのたび紅露委員長から報告された吉村隊に関する報告書に対して、敢えて少数意見をここで述ベるゆえんは、この紅露委員長から報告された多数意見なるものは、多数とは雖も、少数より多数であるという少数意見に過ぎず、これに対しては北條委員から、かかる重大な問題であるから努めて満場一致で纏めようとしたにも拘わらず、一部の何と言いますか、一部の人々が強引に、この少数よりちよつと多数の少数意見を纏めたものであるから、敢えて一言するものであります。而もその結果たるや、在外同胞、更に留守家族数十万の運命に関するものであるから一言するのであります。
 この報告書において吉村隊事件の原因を二つに分けて、つまり環境、蒙古における給養状態、それから吉村隊長の統制、これを一部は一部はと、(「そんなことで発言を求めるのは怪しからん」と呼ぶ者あり)默つて聽け。と言つておりますけれども、これは決して公平でない。何故かというと、蒙古における給養状態は、証人の証言においても、第一年には非常に不足な点もあつたのであります。第二年目においては、やや改善され、第三年目において殆んど改善されたという報告が妥当なものであります。然るにこれに一言も触れてないで、一番惡かつたときのみを挙げておる。而も吉村隊事件は第二年に起つておることであります。而も吉村隊の原因は、(「默れ」と呼ぶ者あり)決して吉村隊の事件は、單なる統制が間違つたというのではなく、その根拠には重大なる道徳的錯誤があり、而もその原因を成するものは軍國主義的制度であり、(「そこだ」と呼ぶ者あり)その影響であつたということをを剔抉することを避けておる。(「何を言うか」と呼ぶ者あり)この点においてこの報告書は間違つておるのであります。而もこれだけの理由でなぜ私が少数意見を述べるかというと、これが在外同胞の引揚促進に対して重大なる関連を持つからであります。何故かと申しますと、引揚問題について、私は曾て一部の者のように、船がないからだとか、收容所がないから帰らないと言つたことは一回もない。日本の受入手続は不十分である。(「何だ」と呼ぶ者あり)更に施設は不十分である。而もそれでも帰して下さいとソヴイエト当局に懇請をし続けて來た。併しながら、これは我々平和國民がする初めての外交手段である。それが故に外交的に、ものを考えなければいかん。ソヴイエト当局はどう考えておるかということを考えなければならぬ。そのときに常に念頭にあることは國際政局である。そうして、それに対する日本の動向はどうであるか。日本が本当の平和國家になつたかどうかということが最も肝腎なところである。然るにこの報告書全体に流れておるところは敵本主義で、ソヴイエトの責任を追究せんとする意図である。(「そうじやない」と呼ぶ者あり)これでは引揚促進に対して重大なる阻害になると確信するが故に、(「そうだ」と呼ぶ者あり)かかる報告書を出すことに対しては絶対に反対し続けて來たのであつて、実際こうした敵本主義的な引揚促進を考える者は実に留守家族大衆の敵であると断言しても間違いないので、(拍手)それを、もつと具体的に、本員は如何なることをすべきかということを委員会で申上げましたが、懲罰動議が出ておりますから繰返しませんが、実際そこまで行かなければ、本当に引揚の実現ができないとまで考えるのであります。(「そうだ」と呼ぶ者あり、拍手)ソヴイエト当局がかかる反動分子の策謀に拘わらず今年は帰すという言明をされた。(「まだ帰らないじやないか」と呼ぶ者あり)実に感謝すべきであります。まだ帰らないのに、こういう反動分子が跳梁すると、実際その実現を我々は疑うのであります。この意味において、我々は平和國民としての冷靜なる態度を以て、こうした吉村隊事件なるものの調査に当りたいということを私は切望するものであります。この意味において少数意見を申述べた次第であります。(「なつておらんじやないか」と呼ぶ者あり。拍手)
     ―――――・―――――
   〔伊東隆治君発言の許可を求む〕
#112
○議長(松平恒雄君) 伊東隆治君。
#113
○伊東隆治君 本員はこの際ソ連当局の残留者総数の発表に関しまして緊急質問をいたしたいと思います。緊急質問の動議を提出いたします。
#114
○穗積眞六郎君 伊東君の緊急質問の動議に賛成いたします。
#115
○議長(松平恒雄君) 伊東君の緊急質問の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。伊東隆治君。
   〔「伊東隆治君登壇、拍手〕
#117
○伊東隆治君 私は最も嚴粛なる氣持を以て、國民の最も重大なる関心を持つておりまする在留同胞の数につきまして政府当局に緊急質問をいたしたいと存ずるのであります。
 例年の引揚再開に比べまして、本年におきましては、五月に入りましても何らの通知がありませんので、父や夫を待ち佗びております。留守家族は勿論、國民はひとしく不安に駆られておりました折柄、突如として一昨二十日に、ソ連当局は残留日本人捕虜全部を本年中に帰還せしめるという誠に喜ぶべき報道があつたのであります。通知があつたのであります。この新聞号外を手にしました市民の実にその顔は明るく輝いて、手に手にその号外を持ち渡して喜び合つたその光景は私はまざまざと見ました一人であります。然るにその残留捕虜の総数に関しまして、誠に我々の國民の承知いたしておりまする総数と著しく相違いたしておりますることを承知しますると同時に、又我々の胸は再び曇らざるを得なかつた。この残留同胞の数の著しき相違に関しましては、いろいろの見方もありましようが、私はこの点に対してどうしても了解できなかつたので、次の二点に関しまして政府の詳細なる御答弁をお願いする次第であります。
 質問の第一点は、この度ソ連当局が発表いたしましたる日本人捕虜の総数五十九万四千名というこの数字は如何なる数字であるか、この点に関してであります。ソ連当局は昭和二十年九月十二日に、日本人捕虜の総数を発表いたしました。その捕虜の総数は丁度この度発表せられましたる五十九万四千名であります。即ち終戰直前八月九日ソ連が対日戰爭に参加しましたその日より満一ケ月、九月九日までの間におきまする日本人捕虜の総数を五十九万四千名と発表いたしたのであります。而してこの五十九万四千名の中には、將官以上百四十八名、戰傷者二万人を含むという註をも加えております。終戰の直後に、僅か一ケ月に至る間に、捕虜にいたしましたる日本人の数が五十九万四千名でありまするが、その後二三年の間には尚これに幾ばくかの数を加算すべきことは常識でも分ります。(「その通り」と呼ぶ者あり)然るにこの度ソ連当局の在留日本人総数は五十九万四千名であつたという発表は、誠に了解に苦しむ点でありまして、この点に関しまする政府当局の所見をお伺いいたしたいと思うのであります。(「政務次官來ておるか」と呼ぶ者あり)
 質問の第二点は、この日本人捕虜というものの中に一般邦人はこれを含めてないものと私共は解釈いたしておるのでありますが、そういうふうに解釈してよろしいかどうか、この点に関して政府当局の明確なる御答弁をお願いいたします。(「政務次官どうした」と呼ぶ者あり)
 今や在留の留守家族は、ひとしくこの問題につきまして不安の念に駆られておるのであります。政府は何とぞこの二点に関しまして國民が納得の行くように詳細に御答弁あらんことを切にお願いする次第であります。(拍手)
   〔國務大臣林讓治君登壇、拍手〕
#118
○國務大臣(林讓治君) 伊東議員の御質問に対してお答えいたします。
 只今仰せの引揚の問題でございますが、この数の問題につきましては、政府といたしましてはまだ正式の通告に接していないのでありまして、今日正式の意見を発表すべき時期ではないと考えますので、恐らく私共から考えますると、その数は、やはり五十九万四千であるということを指したものと考えております。(「政府の発表の根拠を示せ」と呼ぶ者あり)尚、今回ソ連側の発表の俘虜の五十九広四千、そのうちにはソ連抑留者の一般邦人が含まれていないかということの御質問でありますが、もとより私共から考えましては含んでおらぬものと考えておるわけであります。さよう御了承をお願いしたいと思います。
   〔「政府の御自慢の発表の根拠を示したらいいじやないか」と呼ぶ者あり〕
#119
○議長(松平恒雄君) 議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。
   午後八時二十一分休憩
     ―――――・―――――
   午後十時十四分開議
#120
○議長(松平恒雄君) 休憩前に引続き、これより会議を開きます。
 この際お諮りいたします。鈴木安孝君より法務委員を、團伊能君より外務委員を、平岡市三君、山下議信君及び岩男仁藏君より予算委員を、中川幸平君、城義臣君、石坂豊一君、寺尾豊君、平野善治郎君、中村正雄君及び小川久義君より議院運営委員を、小林勝馬君より図書館運営委員をそれぞれ辞任いたしたい旨の申出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。つきましては、その補欠として法務委員に團伊能君を、外務委員に鈴木安孝君を、予算委員に中川幸平君、中村正雄君及び小川久義君を、議院運営委員に山田佐一君、平岡市三君、小林英三君、重宗雄三君、小林勝馬君、山下義信君及び岩男仁藏君を、図書館運営委員に平野善治郎君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#122
○議長(松平恒雄君) 先程、後刻上程することに決しました経済調査廳法の一部を改正する法律案、法務廳設置法等の一部を改正する法律案及び通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、以上三案をこの際一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。先ず委員長の報告を求めます。内閣委員長河井彌八君。
    ―――――――――――――
   〔河井彌八君登壇、拍手)
#124
○河井彌八君 只今上程せられました三案につきまして、簡單に委員会の審査の経過並びに結果を御報告申上げます。
 経済調査廳法の一部を改正する法律案、これは予備審査及び本審査を経て可決すべきものと決定いたしたのであります。経済調査廳は從來総理廳の外局であつたものでありますが、このたび経済安定本部の外局として、経済安定本部の総務長官たる國務大臣が中央経済調査廳長官としてこの事務を統轄するのであります。その事務の範囲は若干從來のものを廣汎にいたしまして、中央経済調査廳長官、管区経済調査廳長及び地方経済調査廳長が、それぞれの所管事項を行うために関係行政機関から報告を求めることができることとしたのであります。委員会におきましては審議を遂げました結果、何らの修正なく、これを可決すべきものと決定いたしました。
 次に法務廳設置法等の一部を改正する法律案、この法案の改正点を申上げるのでありますが、法務廳には現在法務総裁の下に檢務長官、法制長官、法務調査意見長官、訟務長官及び法務行政長官の五人の長官と法務総裁官房長とが置かれておりまして、その下部機構といたしまして合計十六局と官房とがあつたのであります。これをば本改正におきまして、行政機構簡素化の方針に基きまして、現在の五長官十六局制をば三長官十一局制に縮小いたしまして、且つ國家行政組織法の施行に伴いまして法務廳の名称をば法務府と改めました外、各種の廳外の機関等につきまして所要の規定を設けたのであります。
 更にその要点を申しますと、先ず本法案におきましては、法務総裁の下に法制意見長官、刑政長官及び民事法務長官の三長官と、法務総裁官房長を置いたのであります。そうして法制意見長官の指揮監督の下に、法制意見第一局から第四局までを置き、大体現在の法制長官と法務調査意見長官所属の各局を統合することになりました。又刑政長官の指揮監督の下に檢務局、矯正保護局及び特別審査局の三局を配置いたしまして、主として從來の檢察及び行刑関係の事務を刑政長官の下に統合いたしました。又民事法務長官の指揮監督の下に民事訟務局、行政訟務局、民事局及び人権擁護局の四局を置くことになつたのであります。尚、犯罪者予防更生法案が制定せられまして、その施行になりまするまでの間は、臨時保護局に置きまして、司法保護に関する各種の事務を処置させることになつておるのであります。又、官房におきましては全國の檢察廳、刑務所、少年院、法務局及び地方法務局等の厖大な官房事務をば專ら取扱わしめるために、特に経理部を設けることになつておるのであります。
 以上申しましたのは本府の改正機構の概要でありますが廳外機関につきましては、現在の司法事務局並びに訟務関係の駐在官制度並びに人権擁護関係の駐在官制度をいずれも廃止いたしまして、これを法務局及び地方法務局に改組いたしておるのであります。その他は大体において國家行政組織法の施行に伴う関係法令の整備を主眼とした改正であるのであります。
 これが本案の主な改正でありまして、本委員会は審議の結果、全会一致を以てこれを可決すべきものと議決いたした次第であります。
 次に通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案、これは通商産業省の設置の法律が通過いたしましたので、それに伴うところの必要な事項その他の法律に存するところの各種の事項と牴触するものをば改めたものであります。商工大臣とか或は商工次官とか商工局長とか、そういう商工省にあつた官名をば、この新たなる法律に從つて改めるということが主なものであります。その他、多数のそういう似寄つたる改正があるのであります。そして最後に申上げたいのは、この法律の施行期日のことであります。施行期日は通商産業省設置法にありますごとく、本年五月二十日から施行するという規定を、やはり、この関係法令の整理に関する法律案においても規定しようとしておつたのでありますが、先に申しました理由によりまして、五月二十日前にこれを成立することができなかつたのでありますから、これを五月二十五日と改めたのであります。即ち通商産業省設置法の修正と同じく同日に施行するということに改めたのであります。甚だ簡單でありまするが、時間が制限せられておりますので、これを以て報告を終ります。
#125
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 先ず経済調査廳法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#126
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#127
○議長(松平恒雄君) 次に法務廳設置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#128
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#129
○議長(松平恒雄君) 次に通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案全部を問題に供します。委員長の報告は修正議決報告でございます。委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
   〔起立者多数〕
#130
○議長(松平恒雄君) 過半数と認めます。よつて本案は委員会修正通り議決せられました。
 議事の都合によりこれにて延会いたしたいと存じますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○議長(松平恒雄君) 御異議ないと認めます。次会は明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報を以て御通知いたします。本日はこれにて散会いたします。
   午後十時二十六分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した事件
 一、常任委員辞任及び補欠の件
 一、日程第一、参議院事務局並びに参議院法制局の職員の定員規程の一部改正に関する件
 一、日程第二 文化財保護法案
 一、日程第五 労働組合法案
 一、日程第六 労働関係調整法の一部を改正する法律案
 一、日本國有鉄道監理委員会の委員の指名に関する件
 一、日程第三 教育職員免許法案
 一、日程第四 教育職員免許法施行法案
 一、日程第七 通商産業省設置法案
 一、統計法の一部を改正する法律案
 一、内閣法の一部を改正する法律案
 一、総理府設置法案
 一、國立世論調査所設置法案
 一、在外同胞引揚問題に関する調査の中間報告の件
 一、ソ連当局の残留者総数の発表に関する緊急質問
 一、常任委員辞任及び補欠の件
 一、経済調査廳法の一部を改正する法律案
 一、法務廳設置法等の一部を改正する法律案
 一、通商産業省設置法の施行に伴う関係法令の整理等に関する法律案
ソース: 国立国会図書館
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