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1967/12/19 第57回国会 参議院 参議院会議録情報 第057回国会 法務委員会 第2号
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1967/12/19 第57回国会 参議院

参議院会議録情報 第057回国会 法務委員会 第2号

#1
第057回国会 法務委員会 第2号
昭和四十二年十二月十九日(火曜日)
   午前十一時二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十二月十九日
    辞任         補欠選任
     山田 徹一君     田代富士男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         北條 雋八君
    理 事
                後藤 義隆君
                田村 賢作君
                久保  等君
    委 員
                木島 義夫君
                鈴木 万平君
                松平 勇雄君
                大森 創造君
                亀田 得治君
                田代富士男君
                野坂 参三君
                山高しげり君
   国務大臣
       法 務 大 臣  赤間 文三君
   政府委員
       法務政務次官   進藤 一馬君
       法務省刑事局長  川井 英良君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        増本 甲吉君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 (タクシー汚職事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(北條雋八君) これより法務委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 本日、山田徹一君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(北條雋八君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
 さきの閉会中当委員会が行ないました青少年非行及び出入国管理等の諸問題の実情調査のため委員派遣について、それぞれ派遣委員から御報告を願います。
 まず、第一班鳥取・島根班の御報告を願います。後藤君
#4
○後藤義隆君 派遣委員を代表し、第一班の調査について御報告いたします。
 去る九月十九日から二十三日までの五日間、西村関一委員、山高しげり委員と私の三名が、鳥取、島根両県における青少年非行、出入国管理及び営繕に関する状況を調査してまいりました。
 まず、九月二十日、鳥取地方裁判所において調査事項に関する各当局の説明を聞き、次いで鳥取少年鑑別所を視察し、二十一日には美保少年院の状況を視察した後、鳥取地方裁判所米子支部、鳥取地方検察庁米子支部を視察いたしました。翌二十二日には松江地方裁判所において各当局の説明を聞いた後、帰院いたしました。
 なお、今回の調査にあたり、現地の各当局から終始懇初なる御協力をいただき、また最高裁判所から大西総務局第一課長、今江事務官、法務省から佐藤経理部管理課長、佐藤事務官が同行し御協力くださいましたことを御報告申し上げ、厚く御礼申し上げます。
 以下、調査項目に従い、鳥取、島根の両県の実情を一括して御報告申し上げます。
 まず、第一の調査項目青少年非行の傾向について申し上げますと、当管内における最近の青少年非行事件の状況は、全般的に漸増の傾向にありますが、特に自動車による過失傷害事件、道路交通法違反事件等がかなり増加しており、事件数の割合から申し上げますと、道路交通法違反事件が六〇%以上を占め、次いで刑法犯事件が比較的多いのが認められます。刑法犯事件の中で占める割合の最も多いのは窃盗事件であって、全体の過半数を占めており、次いで業務上過失、暴行傷害、恐喝の順となっておりますが、右のうち業務上過失事件の急増が著しい特徴を示しております。青年層の非行事件は一般的に言って横ばい状態でありますが、殺人、強盗、強姦等の凶悪犯は漸増の傾向にあり、その他業務上失過致死傷事件の多いのが注目されます。少年層におきましては最近事件の数が漸増しておる状況にありますが、窃盗事件が若干増加しておりますのに対し、業務上過失致死傷、凶悪、粗暴の各事件の増加が目立っております。少年非行事件を年齢別で申しますと、十八歳から十九歳までの高年齢層が最も多く、次いで中間少年、年少少年の順で少なくなっております。学業別で見ますと、中学生の非行が減少の傾向にあるにかかわらず、高校生の非行は逐年増加しておりますが、これは、進学の増加と、自動二輪車等による業務上過失致死傷事件の増加、集団万引き、暴力行為等の増加がおもな原因でないかと推察されます。家庭環境の別で見ますと、両親のあるものが多くを占めておりますが、これらの家庭の中には中流家庭で監護も普通になされておるものが過半数であり、これらの家庭より少年非行が増加しておることは注目されるところであります。
 次に、少年院、少年鑑別所、保護観察所を通じて見られる少年非行の傾向について申し上げますと、まず少年院において見られる傾向は、単独犯が少なく共犯事件が多いこと、家庭の経済状況は中流家庭が約六〇%を占めておること、中卒者といえども学力がきわめて低いこと、中卒後集団就職をした少年の失敗者が目立ち、また家出の経験者が多いことがその特徴であります。
 次に、少年鑑別所で取り扱った非行少年についての鑑別状況を申し上げますと、精神状況の正常な者(これは知能が普通以上で精神上性格異常を認めないもの)は一〇%、準正常者(知能限界のものの及び性格異常のものを含む)が約七〇%、精神薄弱及び精神病質者はおのおの約六%前後を占めており、知能指数から見ますと、収容者の約七〇%が準正常以上を示しております。
 保護観察所が取り扱う保護観察事件の約半数近くが窃盗事件で占め、その他粗暴事件、道路交通法違反事件等が多くなっておりますが、成人に比し少年事件が増加しております。
 次に、少年法、少年院法並びに少年保護制度の運用に関し改善すべき点について現地当局の意見を申し上げたいと存じます。
 まず、鳥取家庭裁判所においては、裁判官が地方裁判所の裁判官と兼務しており、わずか二人で処理しておる状態であるから、今後少年事件の増加に対処し事務処理の迅速適正を期するため家庭裁判所に専任の裁判官を配置されるよう希望しており、松江家庭裁判所からは少年保護処分の多様化を望んでおられました。
 松江地方検察庁からは、少年犯罪防止対策を実効あらしめるため関係機関の有機的な共同作業と国民をあげての協力が必要であるため検察官が各種団体等の会合に出席し広報活動を積極的に推進すべきであること、検察官が一そう適切かつ権威ある処遇意見を家庭裁判所に反映させるため少年係の陣営を強化し少年調査室を設置すること、同様の目的のため少年追跡調査をなし少年に対し真に適正な処遇を発見するため少年のケース研究会を設置すること等の意見がありました。
 鳥取県警察本部からは、現行法では非行少年の非行深度のきわめて浅い事件であっても全件送致となっておりますが、非行深度の浅い特定の罪種については成人犯罪と同様警察限りの微罪処分の処置を考慮する必要があるということ、年長少年の保護優先主義を制限し責任主義を加味した処遇を考えるべきこと、保護処分の多様化等の意見があり、島根県警察本部の意見もほぼ右鳥取県警察本部の意見と同様でありますが、これに追加して、十六才未満の刑事事件を家庭裁判所へ直送すべきであること、検察官、警察官が家庭裁判所の審判に関与すること等を希望しておりました。
 鳥取保護観察所からの意見として、青少年の保護観察においては保護者、関係人が特に重要な立場と役割りを果たす関係にありながら、その無理解、非協力的な事例が多いので必要に応じ保護観察所長がこれらの人を呼び出し得るよう関係法令の改正を望んでおりました。
 鳥取県弁護士会では、凶悪犯、粗暴犯等の少年事件につき国選付添人制度を設けるべきであるとの意見がありました。
 次に、第二の調査項目出入国管理につき申し上げます。
 広島入国管理事務所松江出張所は、昭和二十五年十月に外務省の外局出入国管理庁松江出張所として発足し、昭和二十七年七月法務省移管となり入国管理庁松江入国管理事務所と改称され、当初は朝鮮からの、密入国者が管内沿岸に多かったのでこれに対する事件処理が重要な仕事でありましたが、その後、密入国者が激減し、入管業務面も正規ルートによる出入国者の急増及び外国人の在留管理への重点移行等の情勢の変化に伴い、昭和三十二年七月同事務所は出張所として改組され現在に及び、職員三名で事務を処理しております。松江出張所の業務は港審査及び在留資格審査事務が主体をなしておりますが、同所は、境港並びに浜田港における一般港業務のほか、主任審査官が置かれ、管内における違反事件の調査、審理等一連の退去強制手続を実施しております。管内の在留外国人は昭和四十一年十二月現在で三千五百十四人でありますが、うち朝鮮人が圧倒的に多く約九〇%以上を占め、その他の外国人は中国人、米国人等の順となっております。
 最後に、第三の調査項目営繕関係につき現地当局の要望について申し上げます。
 鳥取地方検察庁からは、事務量の増加のため庁舎が狭隘となったので増築及び模様がえを望んでおり、松江地方検察庁よりは、庁舎の不同沈下による各部の不良化、白アリの被害、事務量の増加による狭隘のため、法務省関係庁との合同庁舎新営を希望しておりました。
 次に、美保少年院からの要望として、同施設は昭和二十二年五月美保第一海軍航空隊兵舎を引き継いだもので、建築年数も経過して老朽化し、また白アリの被害を受けているので、改築を望んでおりました。
 広島入国管理事務所からは、島根県境港が裏日本の貿易港として着々港湾整備が進められ、最近入港船舶も増加しているので、境港出張所の開設を要望しておりました。
 鳥取県弁護士会よりは、夏期におるけ裁判の能率化をはかるため裁判所の法廷に冷房装置の設置を希望しておりました。
 以上調査の概要を申し述べましたが、詳細についてに調査室保管の資料により御承知願いたいと存じます。
 これをもって報告を終わります。
#5
○委員長(北條雋八君) 次に、第二班の御報告をお願いいたします。大森君。
#6
○大森創造君 このたび派遣されました委員を代表して、第二班の調査の結果を報告いたします。
 去る九月三十日から五日間、中山委員と私が、香川、愛媛両県において青少年非行及び出入国管理に関する問題等について現地調査を行なってまいりました。
 香川県においては、まず十月一日丸亀少女の家及び四国少年院を視察し、十月二日は午前中高松高等裁判所に関係当局の御参集を得て青少年非行問題の調査懇談を行ない、午後は高松入国管理事務所において出入国管理問題の調査を行ないました。愛媛県では、十月三日午前中松山地方裁判所に関係当局の御参集をわずらわしまして青少年非行問題の調査懇談を行ない、午後は松山少年院と高松入国管理事務所松山港出張所を視察して調査を終わりました。
 調査にあたり現地の各関係機関から終始懇切な御協力をいただいたこと並びに最高裁判所の林課長、今江課長補佐、法務省の佐藤課長、栗原事務官が終始同行され種々御便宜をお取り計らいくずされたことを特に報告して、厚く感謝申し上げます。
 以下、調査項目に従って申し上げます。
 第一は、青少年非行問題であります。
 ここ数年間全国的に少年犯罪増加の趨勢がやや停滞しており、昭和四十一年度の全刑法犯検挙人員中に占める少年の割合は、全国平均では二六・一%に低下しているのに、香川、愛媛両県では三五%以上で、やや漸増の状況であります。すなわち、窃盗、粗暴犯、凶悪犯が漸増の傾向にあるということであり、わけても性犯罪の増加は飛躍的で、業務上過失犯、虞犯事件の増加などとともに、ここにも地域の都市化傾向がうかがえるのであります。道路交通法違反事件も逐年増加し、その他の特別法犯も同様で、たとえば丸亀少女の家の調査では、十七才以上で入院する者は十人のうち七人までが売春の経験者であるとされています。非行少年を年齢的に見れば、昭和三十九年まで逐年非行の低年齢化現象が見られたものが、昭和四十年からは高年齢化の傾向に向かっており、また愛媛においては、扇情的映画の刺激による少年非行の実例として十八才の高校生の強姦致死事件などが紹介され、問題の複雑さを痛感しました。また同地の地域的特徴として、一般に精神障害者の発生率が高く、これは非行少年の処遇面でもあらわれており、強力な行政的措置の必要性が問題となりました。そのほか一般にいわれている犯罪前歴者の再犯、中流家庭少年非行の増加や非行の集団化などの傾向は現地でも強調されました。
 事件処理の現状に関係して検察庁から、少年事件について検察官の処遇意見と裁判所の審判ないし判決結果に著しい差異のあるのは問題で、再犯の発生にも関連するものだと強調され、矯正関係からは交通違反少年の資質鑑別に効果をあげていること、少年院における特殊化計画推進の実際や将来の構想などが明らかにされましたが、同時に矯正目的達成のためにも少年院における職業補導賞与金の増額の緊急性が感じられたのであります。
 次に、改善すべき意見、要望として、裁判所から不処分決定の際裁判所のとるべき保護措置の明文化や交通犯罪対策の強化が主張され、愛媛では独立家庭裁判所の実現が要望されました。検察庁から少年保護の条例違反者の厳罰や執行猶予が歓迎される風潮是正のためにも裁判所の厳重な刑事処分が望まれ、少年院の充実こそ必要だとする弁護士会の意見にもうなずくことができました。精神障害者の治療処遇少年院の設置、交通違反少年の鑑別処遇の強化、さらに保護観察官の増員こそ急務であるなど、関係庁から熱心な意見、要望が出され、また警察から軽微な事犯は成年者と同様に警察限りの処置もできるよう考慮すべきだとの意見が出て注目されました。
 第二、出入国管理問題について申し上げます。
 四国四県の出入国管理業務は、高校入国管理事務所のもとに、新居浜、松山、坂出、小松島の各港出張所と高知港入国審査官室を置き、八指定出入国港その他の港について各業務担当区域を定め、事務所長以下三十名の職員により毎年増加する外航船舶の入港に伴う上陸審査や資格審査、警備、登録の業務が行なわれているのであります。
 近年増加する在留資格審査業務や退去強制面の業務遂行のため審査、警備関係の人員は著しく不足の模様でありまして、各出張所とも増員を切実に要望していました。
 そのほか、電話料など通信費の増額や臨船用ボートの配備、また高知港入国審査官室の出張所への昇格などを強く要望していました。
 第三、営繕に関する事項について申し上げます。
 早急の措置を必要と思われたものに四国少年院の医務病棟、丸亀少女の家の体育館や家庭寮などがあり、その他各庁からも施設の充実について種々要望がありました。さらに、松山地方法務局管轄庁舎の全般的老朽化の実情と対策の急務を説いた資料も提出されました。
 以上をもって報告を終わりますが、詳細は調査室の資料に譲りたいと存じます。
#7
○委員長(北條雋八君) ただいまの御報告に対し御質疑はございませんか。――別に御発言もなければ、派遣委員の報告はこれをもって終了いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(北條雋八君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(北條雋八君) 速記を始めて。
 この際、赤間法務大臣並びに進藤法務政務次官から発言を求められております。これを許します。
#10
○国務大臣(赤間文三君) ただいま御紹介にあずかりました赤間文三でございます。このたびはからずも法務大臣の重責をになうことになりました。法務省の仕事につきましては未経験でございます。法務委員会の皆さま方の格段の御協力、御指導を衷心からこらこの機会にお願いを申し上げます。
 なお、この機会に、私の法務大臣としての心がまえにつきまして申し上げて、皆さまの御理解を得たいと存ずる次第でございます。
 まず、法務行政は、検察に関する事務、民事行政に関する事務など、社会正義の実現と国民の権利の擁護にかかる重要な事項を所管しておりますことは、御承知のとおりでございます。法秩序を維持して平和な国民生活を確保していくために、このように重要な法務行政の最高責任者として今後全力を尽くしていきたいという所存でございます。
 次に、検察権の運用についてでございます。私は、わが検察の伝統を尊重して、あくまでも不偏不党、厳正公平な態度で事に当たっていく、さらに検察が国民から受けてまいりました信頼を一そう深めていくということに力を注いでいきたいと考えます。
 なお、この際、綱紀の粛正についてもひとつ申し上げます。国政に携わる者の綱紀の弛緩は、国民の国政に関する信頼を失なわせ、民主主義の基盤を危うくするものと考えております。したがいまして、私はこの際、国政に携わる者の綱紀の粛正ということについては厳正な態度をもって臨んでいきたいと、かように考えておる次第でございます。
 最後に、法務省は、刑法の一部を改正する法律案を国会に提出をして、御審議をわずらわしております。その他にも民法、商法、刑法など所管の法律について改正の要否を鋭意検討いたしております。これらにつきましても、成案を得次第に御審議をわずらわしたいと存ずる次第でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 以上は、なはだ簡単でございまするが、皆さま方に格段の御支援、御協力を衷心からお願いを申し上げまして、就任のあいさつにかえさしていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#11
○政府委員(進藤一馬君) このたび赤間法務大臣のもとに法務政務次官を拝任いたしました進藤一馬でございます。ただいま大臣が所信を述べられましたが、その所信の趣旨を体しまして全力をあげて努力していきたいと念願いたしております。私、浅学非才で、まことに未熟でございますが、皆さまの御鞭撻、御指導によりまして職責を果たしたい所存でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#12
○委員長(北條雋八君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 タクシー汚職事件に関する件について調査を進めます。
 まず、本件の経過について法務大臣から御説明を願います。
#13
○国務大臣(赤間文三君) 大阪タクシー事件の概要につきまして、今日までの経過の御説明をこの機会に申し上げたいと存じます。大阪地検におきまして、大阪陸運局職員に汚職の疑いがあるとの情報を入手しましたので、慎重な内偵を行なった結果、同局職員がタクシー業者から職務に関して供応接待を受けたとの容疑が濃くなったので、捜査を始めることになりました。そこで、大阪地検におきましては、前記供応接待の容疑をもちまして、八月の十二日に大阪タクシー協会事務所ほか二カ所、八月十六日に大阪相互タクシー株式会社ほか四カ所、八月十七日に大阪相互タクシー専務宅ほか三カ 、八月二十一日に神戸相互タクシー株式会社ほか一カ所の合計十四カ所の押収捜索を行ないまして、多数の証拠書類を押収いたしました。その後、押収いたしましたきわめて多量な証拠資料を、伝票と帳簿とを一々照らし合わせて点検する等の綿密たんねんな調査を続けました。かつ、その間多数の関係者を取り調べました。いわゆる不明金の特定につとめました。ところが、その調査の過程において、大阪陸運局職員にかかる汚職容疑のほかに、大阪タクシー協会幹部が昭和四十年二月国会に提出されました石油ガス税法案の審議に関して国会議員に相当額の金品提供の申し込みをしたとの容疑が生ずるに至りました。そこで、本年の十一月の二十四日に、右の容疑をもちまして、大阪タクシー協会長、またはその理事である大阪タクシー会社社長、国際興業株式会社副社長、阪急タクシー株式会社社長、日本交通株式会社社長の五名を逮捕することといたしまするとともに、四カ所の押収捜索を行ないまして、同月二十六日、右五名について勾留請求の上、引き続き取り調べを行ないました。その結果、前国会議員一名について容疑が濃くなったので、同人を十二月六日逮捕し、同月八日勾留請求の上取り調べを行なうとともに、同人関係について五カ所の押収捜索を行ないました。また、これと並行して相当多数の参考人の任意取り調べを行なっておるのであります。十二月十五日、さきに逮捕した贈賄容疑者五名については、勾留期限が来たために、処分保留のままこれを釈放いたしました。なお、本月十六日に、国会議員一名の自宅、会館内の事務室など数カ所の押収捜索を実施し、証拠資料を押収いたしました。現在、勾留中の前議員一名について同日大阪地裁に十日間の勾留期間の延長請求を行ない、検察当局においては引き続き多数の関係者の取り調べを行ないまして事案の真相究明に努力をいたしておる。
 以上がいままでの経過の概要でございます。
#14
○委員長(北條雋八君) 本件について御質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○田代富士男君 ただいま経過報告をされました陸運汚職事件の問題でございますが、私はこの問題につきましては去る七月の冷房料金のときより取っ組んでまいったわけなんですが、冷房料金のときにも委員会で私は多額の政治献金がなされている実態を申し上げたときに、運輸委員会におきまして七月十八日に行なったときに、その審議の途中において中断されるというような事が起きまして、そのまま私は疑惑を持ちながら調査を進めてまいりました。去る十二月の一日同じく運輸委員会におきましてこの問題を新たに調査をした結果等につきまして審議をし、そうして今日、毎日の新聞等に報道されるような、このような国民に疑惑をもたらすような大きな汚職事件に発展してきたわけでございます。で、私はきょう、新しく法務大臣になられました赤間法務大臣に対しまして就任のごあいさつを申し上げるとともに、ともに大阪から選出されてきた議員でございます。いまも法務大臣が席を立っていらっしゃるときに、この隣にいらっしゃった社会党の亀田議員、自民党の赤間法務大臣、公明党の私と、期せずして大阪から出た三人がそろったと、そうして大阪の事件であるところのタクシー汚職事件を解決しなくちゃならない。この三人は、国民の代表、別して言うならば大阪府民の代表として、特に法務大臣は毎回の選挙じょうずと言われるとおりに、七十万の代表としてこの国会においでになっていらっしゃるわけなんです。私も五十万の人の代表として参っております。社会党の亀田先生も四十数万の人の代表としてここに参っていらっしゃるわけなんです。私は思います。大阪府民当時から赤間法務大臣は大阪府知事としてその業績というものはかくかくたるものがありました。その尊敬している赤間元大阪府知事が今度法務大臣になられて、大阪に起きているこの陸運汚職問題について対処されるということにつきまして、私は最高の声援もやりたいと思いますし、まあそのつもりで法務大臣として……、大阪の人がこの委員会を見ております。私は、いまこの委員会にいることも、大阪府民を代表して、広くは国民を代表して、いまから法務大臣に対してお尋ねしたいと思うわけなんです。そうして私はきょうここで――選挙のときは立ち会い演説会で三人がいろいろ言っておりましたが、国会においての法務大臣はこうであったということを私は時局講演会等においてありのままを大阪府民の皆さんに申し上げたいと思うわけなんです。そういうことを含めてありのままを、法務大臣として、また大阪府民の代表として、国会議員として来ていらっしゃいますから、お尋ねしていきたいと思いますが、かかる陸運汚職が大阪を中心として起きてきた。いままでの委員会のたびごとに聞いてまいりますと、現在捜査の段階中でありますからと、いろいろな答弁をなされておりますが、きょうは同じ選挙区から出てきた代表同士です。ひとつ誠心誠意この問題に対しまして、ただいまも、厳正公正、国民の信頼を高めていくような法務大臣としての仕事をしていきたいと、そういうことをお述べになりましたけれども、再度、特に大阪府の代表として大阪の皆さんにも伝えたいと思いますから、法務大臣としての今回の陸運汚職に対する決意をまず最初にお聞かせ願いたいと思うのでございます。
#16
○国務大臣(赤間文三君) 今度の大阪のタクシー事件は、まことに遺憾なことに考えておる次第でございます。で、この事件につきましては、私は検察当局を信頼をいたしておりますので、検察当局と十分連絡をとりながら、公正な検察が行なわれるものと確信をいたしておる次第でございます。外部からの力その他は、もちろんそういうものに関係なく、悪いものについては適切な措置が講ぜられると存ずる次第でございます。
 なお、私は今度の事件についても特に感じましたことは、こういう事件はやはりいろいろと国民に信用を失うというものでございまするので、将来こういう事件がまたと起こらないようなことについてもひとつ今後全力を尽くしていかなければならぬ、かように考えておる次第でございます。私は、検察当局は今日まで非常に国民の信頼を得て仕事をやってきておる、これは十分知っておりまするので、いま言いましたように、検察当局を信頼をして、われわれと密接な連絡をとって、適切な措置が十二分に行なわれる、こういう確信を持っておりまするので、お答えを申し上げます。
#17
○田代富士男君 ただいまは、大阪府民の代表として、今回の事件に対しては遺憾である、また再びこういう事件が起きないように全力をあげて尽くすと、また検察当局と連絡をとり、信頼をしてやってくれているから、そういう圧力等には屈しないつもりであるという、そのような決意であるならば、いまの決意を実行していただきたいと思います。言うことはどういうことでも言えますけれども、実行が伴わなかったならば何にもならないと思うわけなんです。そこで、いま法務大臣がこのような決意をお述べになりましたが、はたしてじゃあいままでそのような決意を実行し実践してきたかどうかという問題です。まあいまあらためてそのようなことを言ったわけじゃありません、今日まで一貫してそのように検察陣をはじめ法曹界においては当然やられてきたことと思いますが、けさの朝刊を見ますと、今回の事件に対して一段と疑惑を生ずるようなことが載っております。これはけさの朝刊でございます。この朝刊は法務大臣もお読みになったことだと思いますけれども、ここで見出しは、「政治寄金のやり方〃警察と相談ずみ〃大阪の協会、地検に反論」――タクシー汚職事件。内容を見ずしてこれだけの記事を見ますと、国民大衆はどのような怒りを持つでありましょうか。まあこの内容について触れてみますと、ここに「政治寄金は三十九年十一月三十日の大タク協理事会できめたが、その数日前に法律に、ふれず安心して寄金のできる方法について警察から指導を受けることにした。」、政治寄金に対して法律に触れず安心してできる指導を受けた。それに対して、「十一月三十日午前、市田理事と井上専務理事が当時の太田寿郎大阪府警捜査二課長をたずね、指導を受けたいと頼んだ。その際、当時業界の三大問題であったLPガス課税、免許制撤廃、自動車取得税に対する業界の能度や運動方法を述べ、予定している寄金は東京で一億五千万円程度、京阪神では一億円程度であり、相手は自民党が主体になることを明らかにし、反対運動と政治資金規正法による政治寄金が取締りの上でどのような関係になるのかとたずねた。これに対し太田二課長は「寄金は、政治資金規正法にもとづいてするのなら問題はないと思うが、業界の反対運動の際でもあるので、政治家個人に直接寄金することは避けて欲しい。寄金額の主体が自民党など政治団体であれば全く問題はないが、個々にする場合は政治資金規正法の届け出をした後援会にし、必ず領収書を受けとるよう注意されたい」と答えた。この際同二課長は「これは個人の見解である」とつけ加えたが、同日午後井上専務に「関係者とも協議した結果、先ほどの回答でよい」と連絡があった。さらに同年十二月二十四日午前市田理事がふたたび府警をたずね、当時の事口捜査二課次長に会い「大タク協が大阪府選出の代議士や関係先の後援会にお歳暮をかねた寄金をしたい」と述べ、指導を受けたところ「あくまで後援会に寄金し必ず領収書をとれ」と注意をされた。ところが、同日午後事口次長から電話で呼出され「協会の政治寄金は法的にはこれまで述べた通りだが、別の協会の某業者から大タク協の寄金について異議が出ており、このまま実施するなら今後国会で問題にするとの話がある。相手の迷惑もあるので、歳暮寄金を見合わせ、時期を見て慎重にやってはどうか。具体的にといわれるなら次期選挙に寄金するのが最善策だと思う」といわれた。」、このようにして、政治寄金のやり方について警察と相談済みでやったんだということを、今回釈放されてきました五人を代表いたしまして、このような地検に対する反論が出ております。まあ、このようなことにつきまして、私は、大阪府警とこのような政治寄金のやり方についても相談ずくでやられたという、こういうところにも、なれ合いといいますか、そのような疑いを持たれてもしかたがないと思うんですが、まあ大阪出身の赤間法務大臣でありますし、七十万の人が見ております、七十万の人に対して一々お答えできないでしょうから、当委員会においてその人々を対象にして法務大臣としての見解を聞きたいと思うんです。
#18
○国務大臣(赤間文三君) いまお読み上げになりましたことにつきましては、私はさらにどういうふうな真相であったかということをひとつ十分調べてみたい、かように考えております。いかなることがありましても、わが信頼する検察当局は私は正しい捜査なり検察の実をあげてくれるであろうということに信頼をいたしておる次第でございます。新聞にけさ出まして、まだ一応目を通した程度のものでございまして、両者の言い分にも完釜に一勢をしていないところもあるようでございます。そのものについての真相というものは当然これは調べていかなければならない、かように考えておる次第でございます。
#19
○田代富士男君 私は大阪府民の一人として、いまの法務大臣の答弁を聞くならば、私は憤りを感じますね。なぜなれば、いまさきの私のお聞きしたときには、どういう決意で法務大臣として臨んでいきますかとお尋ねしたときに、検察当局を信頼し連絡を密にとりながら私はやってまいりますと、このように申していらっしゃいます。そうすると、この大阪の事件はいま起きた事件じゃありません、この問題につきましては。私は、去る十二月一日の運輸委員会におきましても、お隣におすわりになっていらっしゃる川井局長さんにお聞きになったらおわかりですけれども、このような大阪府警とのなれ合いがあったという大阪でもっぱらのうわさがあるけれどもどうなんだということを質疑をしております。これがけさの新聞を読み通しただけで、このことについて真相をきわめるのが当然ですけれども、まだわかりません。少なくとも、これが今日まで事件の経過からいいましても何カ月たっておりますか。それにまだ新聞読んだ程度だ。検察当局と連絡を密にしているならば、もう当然このようなこともわかっているはずなんです。これがいま初めて見たところでどういう真相であったか真相を確かめてみたい――いまさきは検察当局を信頼をし連絡を密にとっていると言った。まして、これはけさの新聞だけじゃありませんよ。きのうのテレビのニュースでもやっていますよ、この問題は。そのような大事なことが、じゃあうがって言うならば、逐次検察当局から法務大臣には報告されてないのか。どうかけさ初めて新聞を見て知ったようないまの答弁でありますけれども、それであったならば、最初の答弁は、検察当局と連絡をとっておりますと。いま二回法務大臣が答弁なされましたけれども、二回の答弁だけであっても、私はいま法務委員の一人として質疑をしておりますけれども、私の以下には国民大衆の皆さん、別して言うならば大阪の人がこの問題には注目しています。大阪も、けさ問い合わせしましたが、一面に出ております、この新聞には。さらに、まして大阪出身の法務大臣である。郷土の誇りにしております。その郷土の誇りにしている法務大臣が、ただいまから真相を究明してまいります、このようなことで、私はいまさきの連絡を密にしているということは取り消したらどうかと思うのです。この点どうです。
#20
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げますが、大阪のタクシー事件についての重要な問題は十分連絡を密にいたしております。私は、この検察と警察の関係をいまのお話は誤解になっておるのじゃないか。御質問をされたのは、検察と警察との関係が私の考えておるのと違うのじゃないかという考えです。私は検察陣と密接なる関係をとりまして、検察陣営のやることには万遺漏のない措置をとると、不偏不党、適正妥当な措置を十分とると、国民の納得のいく処置をとるものと信頼をして連絡をとっておる。警察のことまで私は一々……、あなたの考えておられるのと私が警察に対する関係というものは異なる。私は検察当局との連絡はとっておりますが、警察との連絡は朝晩とっていない。そういう点は誤解のないようにお願いをいたします。私は、日本の警察というものは国民から今日まで信頼を受けてきておる、この大阪タクシー問題も必ずや国民の信頼を裏切るようなことはない、十二分に検察としての目的を達するであろうという確信を持っておるのであります。その点ひとつ誤解のないように特に御了解を賜わりたいと考えます。警察のやったこと等につきましては、私は検察とは別でありまするが、新聞にも出ておりまするし、この点については十分ひとつまた、おれは警察のことは、それは自治大臣で警察庁のやることじゃなんということは言いません。あくまであわせてこれは調査をいたしますけれども、その点は慎重にひとつまた、他の所属にもなりまするが、関係がありまするので調べると、こういう意味で申し上げたので、テレビもよく拝見をいたしました。この事件についても私は私なりの意見を持っておりまするが、他の所属に属するものについて私が一々それを言うことは遠慮したほうがようないかという、そういう考えもあることをあわせてお考えを願いたい。
#21
○田代富士男君 いま法務大臣のおっしゃることは、わからないわけでもありません。が、私はですね、法務大臣としての所管が違うということもわかります、それは納得できますけれども、それであるならば、こう言ってはまことに失礼になるかわかりませんけれども、現在法務大臣であります。法務大臣でありますけれども、大阪府選出の一議員でもあるわけです。参議院議員でもあるわけであります。だから、この問題に対しまして、私も大阪の人間であります、大阪から選出された国民の代表として、議員として、赤間文三参議院議員個人の立場として、もしかこういうことが、見解の違いがあるということばが出ておりますけれども、こういうことがされてあった、警察と相談し疑惑を生ずるようなことがあったならば、これはけしからぬ。われわれは国会議員として、これを所管が違うとかそういうことを言わずして、疑惑を明らかにする責任が、大阪選出議員として責任があると思うのですけれども、その点はいかがですか。
#22
○国務大臣(赤間文三君) 私は現在法務大臣でございますので、法務大臣としてのお答えをして、個人の考え方とか個人のことはあまり言うことは適当でない、この職にある問は法務大臣としての所見を述べたい、かように考えております。その点もひとつ御了承を願いたいと思います。
#23
○田代富士男君 だから、それは最初断わっておりますけれども、大阪から出てきた私たちでこの問題は解決すべきことはすべきである、私はそう思うわけなんですが、個人としての意見は言えないとおっしゃるならば、それはしかたないと思うのですけれども、このようなことが警察と相談ずくにおいてなされていたということは、私はけしからぬと思うのです。だから、法務大臣としてそれは私は言えませんということであるならば、そのままでけっこうだと思うのです。そしたら、すべての毎日の行動が法務大臣としての行動である。毎日の私生活においてもそれだったならばたいへんなことになるんじゃないかと思うのです、法務大臣以外のことは言えないというならば。だから、そのようなかたいことを言わずに、個人的な考え方でどうだという、私はそうワクにはめて言っているんじゃないです。それを何か自分でワクをつくって、法務大臣として、日常生活も全部法務大臣になってしまう。日常生活全部、法務大臣のおっしゃる見解でいくならば。そこまで追及しませんけれども、同じ大阪選出の議員としてともに解決していこうという熱意も認めてくださいよ、ただ単に権力でやるんじゃなくて。
 それで話は先に進みますけれども、この前法務大臣が、今度は法務大臣としてですよ、予算委員会においてお述べになられたことがあります。それは公明党の浅井委員が質問をいたしました。「贈収賄容疑事件の特別公務員の犯罪成立要件及び職務権限について法務大臣の見解を詳しく教えてもらいたい」、このように質問をしております。御承知のとおりだと思うのです。赤間個人ではありません、法務大臣としての答弁でありますが、大臣は、「私は、一般にいろいろと問題視されるものは、いわゆるわいろと政治献金、これがいろいろと実際の場合においては論議せられる場合が大体多いと考えます。おおよそわいろというものは、これは職務に関する不法な報酬、こういうふうに法務大臣としては考えております。言いかえるならば、職務行為の対価としての不法の利益ということが、私はわいろの罪になるものと、かように考えておるのであります。政治献金というのは、御承知のように政治活動のための献金でございまして、私は、これは非常に必要なものではあると存じます。しかしまた、表面は政治献金というような形で、実態は職務行為との関係においていわゆる給付と反対給付との対価関係にあるというようなものも間にはあるかもしれぬとか、こういうものにつきましては、私は、名前は政治献金でありましても一種のわいろである、かような解釈をいたしておるような次第でございます。」、このあとにもずっとお述べになっていらっしゃいますけれども、ここにありますとおりに、実態は職務行為との関係においていわゆる給付と反対給付との対価関係にあるようなものは、名前は政治献金であっても一種のわいろである、このように解釈していると、かように発言なさっていらっしゃいますけれども、もっと具体的にもう一回御答弁願えたらお願いしたいと思いますけれども、この点お願いいたします。
#24
○国務大臣(赤間文三君) ただいまお読み上げになりましたとおりに予算委員会で答弁いたしました。職務行為の対価、給付と反対給付との関係でわいろ罪が成り立つか成り立たぬかということに私は法律の解釈をいたしておるのです。なおまた、政治献金も、法律によって認められたものであれば、正しいものが大部分と申しますか、法律に従った政治献金は正しいと思うのでありまするが、名は政治献金になっておってもその実はわいろの定義に当てはまるような政治献金というものは、これはわいろとして取り扱うべきことが適当じゃないかと、こういうふうな考え方を持っておるのであります。こういう点が、実際の問題におきましては、なかなか、個々のケース・バイ・ケースで、検察官が非常に努力をせられるところじゃないかというふうに私は考えております。名前が、形式が政治献金であってもわいろに当てはまるものはあくまでわいろである、わいろとしてこれは処断されるべきものである、かように私は考えていることを御了承いただきたい。
#25
○田代富士男君 ただいまあらためて法務大臣からお聞きしましたけれども、名前は政治献金といっても、このわいろに当てはまるべき、該当、抵触するなら、これはわいろであると。その給付と反対給付との対価関係についてのまあ簡単な説明であると思いますけれども、その点で言うならば、今回の汚職事件も検察当局がケース・バイ・ケースで努力をなさっていらっしゃる。この努力をされているところの基準ですね、ここが今回の職務権限の問題がからんでくる、今回の一番ポイントになっているところじゃないかと思うわけなんです。だから、これは見方によっていろいろ違うんじゃないかと思うんです、見方によって。だから、これをわいろでないという目で見ていけばわいろでないし、わいろである、こういう見方でいくならばわいろに見えてくるわけなんです。私はめがねをかけませんが、法務大臣めがねかけていらっしゃいます。赤いめがねをかけて見るなら、すべてのものは赤く見えるわけです。今度は青いめがねをかけて見るなら、どんなものでも青く見えてしまうわけなんです。こちらの主観によってその見方は違ってくると思うんです。さあそこで、検察官が憲法あるいは法令の条令の上から見ていく見方がもっともでしょう。しかし、政治というもの、あるいはすべてのそういう法規というものも、国民大衆の目というものを忘れては審議はできないと思うわけなんです。大衆はどのように見ているか。今回のこれだけ明らかにされた、特に先日の予算委員会におきまして、るる具体的に大タク協会の理事会の議事録等によって――きょうはもう述べませんけれども、ここにあります。この前の申された点は全部ここに収録してありますけれども、あらためてここで述べませんけれども、今回のLPガスの税制法案に対しましてこの政治献金がなされたということが、LPガスの税制法案がその政治献金によって圧力を加えられたということはもう明々白々たる事実です。それに対して法務大臣は、過去何回も捜査中でありますからと。私は、先日の運輸委員会におきましても、その問題を中曽根運輸大臣に聞きましたら、司法当局にまかしてあるからと、かように御答弁でございました。しかし、私は、ここに参考に図表を書いてあります、この図表から考えましても、いかに政治献金と法案審議というものが関係があるかということが一目りょう然とわかるわけなんです。
 まあここに書いてありますとおり、三十九年に大蔵省案一キロ当たり二十六円五十銭ときまっております、三十九年に――一番左のほうです。そうして四十年二月、国会提出法案によりますときに、もうここで四十年一月から一キロ当たり十七円五十銭課税をするという、あそこにもう黒いあれが下っております。そうして四十年二月、四十八国会におきまして、それが、赤字で書いてありますが、継続審議になっております。そして八月の四十九回国会におきましても継続審議、そして四十年十二月の第五十回国会におきまして審議未了となって廃案ということになっております。赤字で書いてあります、廃案。そうして十二月第五十一回国会で、自民、社会、民社三党の共同提案によりまして、四十一年十二月までは一キロ当たり五円、それから四十二年十二月までは十円、そして四十三年以降十七円五十銭というふうにきまっております。そしてまた四十二年の六月の第五十五回国会におきましては、一キロ当たり十七円五十銭にするのは四十四年三月以降に延長する。そのように次から次に、継続審議、継続審議、廃案、そして延長されてきております。それに対しまして、今度右側の表を見てみますと、三十九年から四十二年まで、下に国会の動きが書いてありますが、その国会の動きがこちらの左の表のようになるわけです。そしてこの上が政治献金。まあ政治献金は合法であるということをおっしゃいます。だから、自治省に届け出してあるところの政治献金の概算でございますけれども、この一覧表がここにあります。今回の陸運汚職に対してどれだけあったか、それを概略をグラフに書きますと、少なくともこの四十年の半ば、継続審議、継続審議、そのされるとき、それから四十一年の中間で法案が廃案になるかどうかというそのときから、政治献金はいきなり一億五千万円、二億と、このように急激に政治資金というものがふやされていっております。まあ概略の政治資金の総合計をまとめた資料の中で申し上げますと――これは自治省に届けてある分でございます、これでいきますと、自民党本部に対しまして一億四千万円――これは概算でございます、全金額じゃない、概数でございますが、こちらでつかみました五万円以下等の献金は切り捨てまして使いました。これをパーセントで言いますと、今回の約二億三千万円の政治献金がされたという金額の中で、自民党本部に対しては一億四千万円、すなわち六四%、社会党本部に対しては一千百万円、全体の五%、民社党本部に対しては四百万円、全体の二%、新生政治経済研究会一千四百六十二万円、全体の七%、二十日会、これが一千九百五十五万円、全体の九%、松山会百五十万円、一%、その他が二千七百六十六万円、一二%まあグラフに書きますとこのようなグラフであります。パーセントに直しますと、自民党本部に六四%である。全体の三分の二強です。これだけの政治献金がなされまして、その目的につきましては、何のために使われたか。先日釈放されました相互タクシーの多田社長は、あれは単なるお中元としての献金であったと、釈放後の記者会見におきまして、そういうようなことを多田さんは述べております。ほんとうにそのような大タク関係のものはお中元であったかお中元であるならば、毎月ただ単なる小さな百万円そこそこの金額であった、のがいきなり四十年から四十二年にかけてあれだけのお中元がふえたか。そのタクシー協会のお中元というものはそのくらいもうかるものであるか。それであるならば、政府の冷房料金値上げのときはどういう理由であったか。タクシーの経営者が経営不振のためにこれをやむを得ず認める、こういう答弁であった、しかし、これだけの政治献金をするくらいの内容であるならば、そんなことは認められるはずないわけなんです。ここで時間がありませんし、過去の予算委員会においても言われてまいりましたから、具体的には、何日の日にどうなったということは申しませんけれども、このような一貫したことから考えまして、給付と反対給付との対価関係につきまして法務大臣としてどのようにお考えであるか。捜査の段階である、そのように御答弁なさるかわかりませんけれども、大阪府民七十万が応援した赤間法務大臣です。七十万の人に対してでも、この問題はこうであるということを言うべき私は責任があると思うのです。大阪の皆さんに疑惑持たせた。そういう意味におきまして、この図表から考えても明らかに、このように何らかの形で圧力が加えられたということははっきりしていることは間違いないわけなんです。そういうことから考えますれば、この問題につきましても、ただ単なる捜査の段階中でございますとか、そういうことでは私は済まされないと思うのですけれども、まずこの問題に対してはいかがでございましょうか。
#26
○国務大臣(赤間文三君) 法律上の政治献金とわいろという問題でございます。私は、いわゆる政治献金というのは、一般には政治家とかあるいは政党等の団体がその政治活動のために他から寄付を受ける一切の資金をいうものと政治資金はされております。また一方、さきに言いましたように、刑法上のわいろというのは、職場に関する不法の利益というのがこれがわいろである。すなわち、たとえば正当な政治活動の支援を目的として提供される資金のように純然たる政治献金の場合は、わいろとはこれは明らかに区別がされなければならぬとも考えております。しかし、言いましたように、政治献金ということに何とか籍口をいたしまして、その形式とか手続は政治献金というようなものの形をとっておってもその実質が職務に関する不法な利益と認められるような場合はわいろである、こういう大体の私は解釈をいたしておる次第でございます。今度の大阪のタクシー事件につきましては、非常に複雑多岐にわたっている問題でありまして、検察当局が真剣にこれの捜査をいたしている問題でございます。捜査を真剣にやっている途中におきまして、これはわいろに近いとか、これはわいろじゃないとかいうようなことを申し上げるということは、私は適当でないのじゃないかと考える。あくまでやはりその道のわれわれが信頼をしている検察陣が十二分にこの事件を究明をしてくれるものと私は信頼をいたしている。法務大臣としては、常に密接な連絡をとって正しい究明というものが行なわれつつある、かように私は考えている。これに対して外部からいろいろと力を加えるというようなことは、私は好ましくないのじゃないか。あくまで密接な関係のもとに検察当局に十二分に努力をしてもらってこの事件が解明されることが望ましいのじゃないか、こういう考え方からいたしまして、たびたび申し上げましたように、捜査中の問題についてとやこう言うことは捜査の妨げになる節が起こってくるのじゃないか、かように私は考えておる。過去においても調べてみましたが、捜査の途中の事件については、法務大臣はその捜査の途中で捜査の内容を発表した例は、私が調べたところではありません。またこの捜査は将来どういう見通しになりますかという質問に対してもあまりその見通しを言うた例はないか、ように考えております。私はやはり、あくまで検察当局を信頼して十二分にいくと、外部から一切の力が加わらぬことの私は見張りをしておる。検察当局が勉強してくれることとあわせて、外部からいかなる力も一切加わらないように私は見張りをしておる。そういう事実は全然ありませんが、そういうことも注意をして、りっぱにこの事件が解明せられ、国民の信頼にこたえるであろう、こういう期待をいたしておるので、その辺御了承を願いたいと存ずる次第でございまして、たとえばこういう事実があったからどうであるか、こんなに精細なものを持ってきたからこれについての所見はどうかとお尋ねになりましても、責任ある法務大臣としては、どうである、こうであるということは一切申し上げることは好ましくない、そういうことに一々意見を言うようじゃ、かえって私は捜査の妨げになるようなことだ、こういう意味で実は申し上げにくいのであります。その問の事情をひとつ十分に御了察をお願いしたい。あくまでも正しく、不偏不党、外部の力を排撃して、真の目的を達成するように検察当局と密接な連携のもとに仕事を進めていくということに努力をいたしておることを御了承願いたいのでございます。
#27
○田代富士男君 じゃこれはもう、いまあらためてお聞きしましたけれども、予算委員会においても、たびたびの委員会においても、法務大臣としてはそれだけだと思うわけですが、検察当局を信頼していると、まあしかし信頼しているだけで、やはり法務大臣であったならば、ある程度のいろいろな密接な連絡を聞いていると思いますけれども、今回の場合、検察当局にまかしていると言いますけれども、検察当局の動きを見ていても、ちょっとふに落ちない点がある、検察当局の動きにおいて。まあこれはずっと今回の事件の経過を調べてみますと、去る七月から今日まで四カ月問続いております。これがいろいろないきさつがありまして、いま一番最初に法務大臣が報告をされましたとおりに、汚職事件にからみまして捜索されたところが五カ所というようなお話もありましたが、八月の十二日にまず大タク協会の多島会長宅をはじめ、三カ所家宅捜索をされていると思いますけれども、それからそのあと十六日、十七日と捜査が続きまして、九月の上旬でございますが、八月の下旬から九月の上旬にかけまして、第四回目の相互タクシーの神戸本社の捜索を受けております。九月上旬に捜査報告を最高検へ報告された。捜査全貌の報告を最高検へやられたけれども、上京したいという大阪地検の考えであったけれども、このときには何ら最高検の動きはなされていないと、これは今日新聞紙上からたぐってみましても、こういう動きになっております。そうして十月の半ばころに贈賄罪の容疑として大タク協会の多島会長、井上専務が任意出頭の形で取り調べを受けている。ほんとうに最高検がじかにこの問題に対して打ち合わせをやって臨んだというのは十一月の末という、まあ考えてみるならば、八月の半ばごろから十月の半ばまでの二カ月間というものは、この最高検の態度といいますか、大阪地検の動きと最高検の動きについて、われわれはちょっとふに落ちない点がある、こういう動きが起きているわけなんです。その点の捜査の段階においてまあ慎重を期するためと、いろいろなことは言えますけれども、最高検がじかに手を出したというのは十一月の末です。この事件が起きてから四カ月間、このようになっている。この点において信頼しているとおっしゃるのは――私は信頼していてもけっこうです。しかし世間のことばで、信頼の盲点というのがあるのです、御存じだと思うのです。信頼の盲点というのがあるわけなんです。その信頼している検察当局がやってくれていると思いながら、過去の動きからずっと考えたら、こういう経過をたどっているわけであります。こういう点につきまして最初に、局長さんも見えておりますから、局長さんから、どうしてこのような経過をたどったかという経過と、法務大臣の、私は警察とは関係がないけれども、検察とは綿密に連絡をとっているとおっしゃったのです、その関係ですね。お二人からそれぞれ意見を聞かしていただきたいと思うのです。
#28
○国務大臣(赤間文三君) 私は十一月の二十五日に法務大臣になりましたが、この問題が当時重要であるということで、よく事情を検察当局から聞いたのであります。どういうふうかということを詳しく聞きましたが、なかなか事件が複雑多岐なために相当の日子がかかったという報告を受けました。それからその間において、あるいは大阪地検と最高検との間に意見の相違があるとかないとかいうようなことはあまり聞かなかったのです。これだけ重大な問題でありますから議論なり、いろいろなことは私想像するにあったと思いまするが、終始一貫検察は一体となってこれについては全力を尽くしたと、こういうふうに私は承っているのであります。その間日にちがよけいかかったというので、なまけるとか、あるいは外部からの力が入ったとか、あるいは何か特別な理由があったということは、私が調査し聞いたところにおいては一言もございません。ただ問題が非常に複雑多岐にわたったために日にちがかかった。
 なおまた私は、ことしじゅうにこの問題を解決すべきかどうかということについて意見を聞かれましたが、こういう重要な問題を、日にちを切ってやることは、私は法務大臣としては賛成しない。調ぶべきものは徹底的にやはり十分に調べてもらわなければならない。日にちを切って、これを早くやるというだけが能でない。十分やるべきものはやる。ただ希望としては、こういう事件は好ましいものでないのだから、全力をあげて一日も早く終了してもらうということをこれは希望するものであるが、いつまでにこの事件を解決せいとか、急いでやれというような指示は絶対にしない。十分ひとつ納得のいくまで捜査をやっていただくことが、国民の信頼にこたえるゆえんじゃないかということを私は申し上げておるのであります。いまお話しになりましたような、地検と最高検との問のどうとか、何か意見の相違とかいうようなことは、私は一切聞いておりません。一体になって非常に勉強をしてくれたように承っております。
#29
○政府委員(川井英良君) 検察庁というのは少しほかの役所と機構上違ったところがございますので、最初にその違った点をちょっと申し上げてみたいと思うのですが、最高検察庁が一つございまして、その下に御承知のとおり八つの高等検察庁がございます。それから四十九の地方検察庁があるわけでございますが、高等検察庁に認証官の検事長を置きまして、具体的事件の処理につきましては、同時にまた検察官の人事につきましては検事長に責任を持たせまして、そしてほとんどの事件が検事長の指揮命令によってとり行なわれておるというのが実情でございます。よほど大きな事件であり、また技術上、法律上の大きな問題点がない限り、最高検察庁の指揮を受けないというふうなやり方になっております。実はこのやり方には大きな意味がございまして、戦前は法務大臣が憲兵をも指揮いたしまして、もちろん警察をも指揮いたしまして、昔は司法大臣と言っておりましたが、私ども司法大臣の時代から仕えておったわけですが、その司法大臣なる者は、巡査に至るまで具体的な事件について指揮ができたわけでございます。戦後になりまして、御承知のように警察と検察との関係を立ち初りまして、両者の関係は単なる協力関係ということになりましたので、法律に定められた特別な事情がない限りは検察官は警察官を指揮できません。したがいまして、今度のような事件につきまして、全く大阪地方検察庁特捜部は警察と関係なしに、独自の立場で捜査をいたしておりますので、当初問題になりましたように、検察ではなくて警察当局に献金にあたって意見を求めにいったというようなことは、本日の新聞に報道されておりますけれども、これを見て一番びっくりしたのは、大阪の地方検察庁の特捜部の検察官だろうと、私はけさそう思ったわけでございます。
 そのような事情に相なっておりまして、戦後におきましては、法務大臣は具体的な事件につきましては、警察官を指揮することができません。ただ検事総長のみを指揮することができるというふうに、検察庁法第十四条に規定があるわけでございます。したがいまして、具体的な事件につきまして、検事総長を長とする最高検察庁は、早くから一々の事件について行動を開始するということは、外目には法務大臣の政治的な考え方が、ある場合には、具体的な事件に反映するという誤解を招くおそれもあると思うのでございます。さような観点から検察庁法十四条ができた後におきまして、検察庁の運営におきましては、でき得る限り国民に独立した検察庁の立場で、独立した刑事司法に奉仕するという検察庁の独立性を認めるために、先ほど申し上げましたとおり、高等検察庁の検事長にかなりの権限をまかせて実際の事件を運営してまいっていく、事件を処理してまいっていくと、こういうのが実情であるわけでございます。
 したがいまして、本件におきましても、大阪地方検察庁は大阪高等検察庁の指揮を受けまして捜査にタッチしたわけでございますけれども、事件の内容、大きさは、本日この国会においても慎重に議論がなされておりますように、重大な影響を持った事件でございますので、これはかなり早い機会から最高検察庁の指揮を受けて捜査をしているということを申し上げておきたいと思うわけでございます。そこで、新聞等におきましては、十一月の何日かに最高検察庁において、高等検察庁並びに地方検察庁の係官が上京いたしまして、今後の事件の処理というようなことについて打ち合わせをしたことに相なっておりますけれども、それが最初ではございません。実は前にもすでに二、三回、同じような打ち合わせが開かれているわけでございまして、それは外部にはそういう会があったということは出ていないわけでございまして、最高検察庁はいついかなる場合においても、いかなる事件につきましても、全検察官を指揮監督する権限を法律上認められておりますので、下のほうから指示を求めてまいりませんでも、上のほうから見ておりまして、適当でない、あるいは少しもたもたしているというふうな場合には、職権をもっていち早くその担当者に適当な指示、注意を与える、こういうようなことは、具体的な事件におきましては常時これをいたしておるわけであります。以上は形の上から見た検察の機構の特殊性を御理解いただくために、よけいなことではありますが、ちょっと触れたのでございます。
 それから、この事件をごらんいただきまして、かなり時間がかかっておるではないか、どうもふに落ちない点がある、こういう仰せでございますが、この点につきましては、冒頭に大臣からも御説明がありましたように、こういうような事件が起きますと、世上、一億何千万使途不明金があるとか、二億何千万の使途不明金があるとかいうふうなことがたやすく人の口にのぼりますけれども、こういうふうなものは、会社の会計帳簿を持ってきましても、ちゃんと帳尻が合っておりまして、一見いたしましたところ、さような使途不明金が出る余地はないわけでございます。そこで検察権という非常に大きく人権に影響のある権力を発動いたしまして、人を司直の手によってあるいは逮捕し、あるいはその自宅に踏み込んで、プライバシーを侵すというような大きな権限を行使するにあたりましては、世上言われておりますような、常識的な使途不明金をもってしては、権力を発動できるわけはないのでございます。そこで、まず当初に情報によりまして内定の結果、非常に疑いが濃いという、こういう段階になりまして、八月十二日から集中的に、四回にわたりまして、先ほど申し上げましたように、非常に大きな家宅捜索を実施いたしまして、多くの会計書類、その他関係書類を押収いたしまして、何十人の検察官あるいは検察事務官がこれにかかりきりにかかりまして、そして一々伝票と帳簿を照らし合わせまして、いわゆる使途不明金の確定に努力したわけであります。検察庁は検察事務官の中に、今日数十名、税務大学校を卒業いたしましたこの関係のベテランを養成いたしまして、東京地検及び大阪地検の特捜部にこれを配属しておりまして、かようなエキスパートを使いまして、約二カ月間にわたりまして会計帳簿を全部洗いまして、その結果相当金額の疑いの濃い使途不明金が出ておるということを、ようやく突きとめましたのは十月の終わりないしは十一月の初めごろに相なるわけであります。
 この間の捜査を一々御説明するわけにはまいりませんけれども、これを何とか早く短くならぬかという仰せでございますが、私どももう少し人手と、またこの道に関する専門家の養成ということを心がけまして、さらにこの次、あるいはそういう事件が起こらないことを希望するわけでございますけれども、何とか早くやることに、今後におきましては法務行政の上にさらに一そう注意はいたしたいと思いますけれども、弁解になりますけれども、この種の事件につきましては、使途不明金の確定には非常に何と言いますか、時間がかかるということを何とぞひとつ御了承を賜わりたいと思います。
 さきの共和グループのときにおきましても、東京地検は大阪地検の約五倍ぐらいの世帯を持っております。ちょうどこれも二カ月、使途不明金の発見にかかったわけで、今度のときは前の事件に比べてその分量、複雑性は倍加されており、私の専門的な立場を言わせていただくならば、大阪地検というような、東京を離れたそう大きな世帯ではございませんけれども、たった十一人の特捜検事でございますが、その特捜検事でよくぞ事件に手をつけた、よくぞここまでこの事件をやってくたたというふうに、私どもの立場からは非常によくやってくれている、内輪で内輪をほめてはまことに申しわけない話でございますが、そういうふうな気持ちでおるわけでございます。全然手をつけないならばおしかりを受け、叱咤激励を受けても、まことにこれを甘んじて受けますけれども非常な困難と非常な隘路を克服しながら、今日全力をあげて、日曜も一日も休んでおりません。一生懸命にこの努力しておる検察庁のために、いま大臣が申しておりますように、中身についてとやかくここでもって法務当局から先を明らかにしてしまうということは、せっかく努力しておるこの事件が有終の美を飾ることができなくなるというおそれが多分にありますので、いろいろな重要なところをことばを濁すようなことが間々ありますけれども、それはどうか検察当局が一生懸命事件をやっておる、そうしてこれをものにしたいと、こういう努力のために、法務当局としてそこに触れることができないのを、同じことを重ねて申し上げるわけでございますけれども、何とぞ御了承を賜わりたいと思います。
 長くなって失礼でございますが、もう一点、この職務に対する対価として使用されるものはわいろであると、私も法務大臣も予算委員会で申し上げましたけれども、これは素朴な純法律的なわいろの概念でございまして、公務員の職務に関する対価としての不法な利益ということに相なっておりますので、先ほど図面で御説明いただきましたように、何億というような金が流れておるというようなこと、私どもも報告を受けて承知いたしておりますけれども、その何億という金は、公務員でない政党に対して献金されたものか、あるいは国会議員ないしは委員会の委員としての特別公務員としての職務権限に関して献金されたものかどうかということによって、これは犯罪になるかならないかということがおのずから分かれてくるわけでございます。常識的、通俗的には対価関係を目当てにして多額な金銭を政党に献金されたということの当否は、私は国民が判断することだろうと思います。私ども検察官というような役人が判断するのは、個々のやりとりされました金額が、個々のその特別公務員の職務権限に関係して、具体的に対価関係になっているかどうかという点がわいろになるかならないかという境目でございますので、非常にたくさんある金銭のやりとりの中から、最もわいろ性の濃いものに限定いたしまして、一、二の線を一生懸命に証拠づけをしておる、こういうのが今日の現状でございますので、たいへん長くなりまして申しわけございませんけれども、やや実情に関しまして御説明を申し上げたわけでございます。
#30
○田代富士男君 いま説明いろいろ聞き出しましたけれども、いまとやかくこの問題に対して法務大臣も言うべきではないと思う、また過去のことも、将来のことも私は一切言わない。また局長さんも、これは差し控えたい、そしていま特捜部において行なわれておるそういう人々の労をねぎらう意味において、有終の美を飾ることができないと、いまとやかく言えば。言わなかったら有終の美を飾ることができるということは、そんなら有終の美というのはどういうふうに解釈していいか。ことばは有終の美というものは栄光であるかのようなふうにも解釈できますし、いまここでとやかく言えば有終の美を飾れない言わなかったら有終の美を飾ることができるという、要するに結論じゃないかと思うのですけれども、それがどういう有終の美であるか、そのことも発言できないのですか。ただ、ことばは有終の美であると言う。そしていま申されたように、対価即わいろという関係につきましてのいまの局長のお話でございますが、何億円という金がそういうふうに直接判断されてはどうかと思うと、個々の問題であるということでございますが、常識的なものは国民が判断する。そして役人のやることは、個々の判断が成立するかどうかという問題であるということでございますが、それは当然じゃないかと思う。私たち国会議員というものは、国民の代表としてこの国会に来ております。これだけ国民に疑惑を持たれている今日の汚職事件です。また、そしていま聞けば、複雑多岐にわたる今回の陸運汚職事件であるということを、いままでちょっと数えなかったのですけれども、もう十何回かお聞きしたんじゃないかと思うのです、ちょっといまさっきから数えてみたのですけれども。共和製糖のあれだけの問題でも会計関係の調査が二カ月かかった。今回の陸運汚職のこれも二カ月以上かかった。そのように複雑多岐に、慎重にやっておる。捜索するにもよほどの容疑がなかったら捜索していないといういまのおことばで、七月から八月の初めにかけましても、四次にわたる捜査が行なわれております。容疑がなかったら、そのように捜索しない。慎重にやっておるから、こういうふうに期限も延びてさたという御説明でございました。
 あえて言うならば、御承知のように、先日關谷勝利代議士の家宅捜査、あるいはその関係の家宅捜査が行なわれました。国会の議員会館におきましても家宅捜査が法的な手続を経て行なわれたと思います。そうすれば、いまの局長の話であるとするならば、そのような捜索をするという場合には、容疑が濃い場合にそういうことをやるというならば、關谷代議士に対する容疑が濃くなってきたという見方をされても、これは当然じゃないかと思うのです。いまのは私のこじつけの話じゃないのですよ。そういう慎重にやっているから期限が延びたというときに、捜索をするにも濃い容疑、決定じゃないけれども、そのときに初めてやるというならば、關谷代議士に対する容疑も濃いということを、今回の家宅捜索におきまして証明されたと見て間違いないと思うのであります。そうしたならば、先のことは法務大臣は一言も言えませんと大みえをお切りになりましたけれども、まあわれわれが常識的に考えるならば、いまから先の問題としまして、この問題につきましては關谷代議士の逮捕許諾請求か、あるいは国会会期あけの逮捕か、あるいは任意取り調べのままの起訴になるか、このような三つのケースが予想されるわけです。これに対してもどうなんですかと私御質問しても、捜査の段階であって、いま言えば有終の美を飾ることができないと、だから言えませんとおっしゃるにきまりきっていると思うのですけれども、常識的に判断するのは国民が判断する、私はこれが大事じゃないかと思うわけなんです。だから、いまさっきから言っておりますけれども、大阪の事件、また大阪から飛び火をしまして、東京の陸運関係に移っております。こうした場合に、ただ単にその法をたてまえにしただけで論じてしかるべきではありますけれども、国民の疑いをこれを晴らさなかったならば、どうにもしかたがないわけなんです。だから佐藤総理をはじめといたしまして、国会の答弁の中におきまして、検察庁独自の立場で、国民の納得のいくようにケリをつける。いまの局長のお話では、常識的判断は国民がするという、国民が納得いくようなケリをつけるということがはたして、有終の美を飾るといういまのことばがありましたけれども、どのような有終の美になるか、その点ですね。それは先のことは言えませんという、有終の美にかわるべきことばで、有終の美はわかりました。一般的に言うならば、有終の美ということは栄光をさすのじゃないかと思うのです、りっぱであったと。どういう有終の美であるか、この点につきまして御答弁を願いたいと思います。
#31
○政府委員(川井英良君) 真剣な御質問ですので、私もいささかことば使いが適当でなかった面があるかと思いますが、有終の美というのは、要するに妥当な結論、国民の目から見まして公正妥当な結論を出すということが、検察の有終の美だろうと思います。したがいまして、必ずしも起訴するとか不起訴にするとかいうふうなことを意味しませんで、その捜査の過程と捜査の結論を、国民の納得いくような公正妥当な結論を出す。とにかく、今日世の中に大きな疑惑が投げ込まれて、その疑惑については、犯罪の捜査権を持っておるものは、犯罪の捜査をすることが適当だ、こう決心した場合に捜査に取りかかる。その結果、その疑惑はかくかくの理由によってかくかくの捜査をした結果かような結論になった、これがこの疑惑を解くゆえんだというようなことをなし遂げることが、およそ検察官の職務の基本であろう。私はこう思いますので、有終の美といいまするのは、起訴、不起訴を意味するのではございません。国民の納得するような公正妥当な結論を出すことが有終の美だ、こういうふうに説明をさせていただきます。それから、常識とか何とかと申し上げましたのは、ちょっとことばが足りませんでしたけれども、犯罪にはならないけれども、国民が考えてみても、どうしても納得できない、適当でないじゃないかと、こういうことが世の中にたくさんございます。犯罪とされているものは案外少ないわけでございまして、今日国民の目から見てどうしても納得できない、こんなことがどうして許されるのだということがたくさんあるわけでございます。そういうふうなことは、検察官の職務の範囲ではございませんので、そこまで検事が乗り出してきますと、昔のいわゆる検察ファッショというような非難も受けることになると思うのであります。検察官はやっぱり犯罪になるものだけに職務行為を限定いたしまして活動するということが、これが現在の民主主義国家における検察官のあり方として忘れてはならない点だろう、こう思うわけでございます。
 そこで、先ほどからの御説明、また御質問の中に詳しくいろいろお話がございまして、その中をいろいろ点検してきますというと、私の目からはその前のほうの、国民の目から見て非常にけしからぬというふうなやりとりと、それから検事の目から見て犯罪の疑いのあるやりとりというふうなものの、おのずから区別があるような気がするわけでございます。そこで検事は、たくさんの中から自分が取り扱うべきものだけを取り上げていま一生懸命に犯罪の捜査をしておりますと、こういうことを申し上げたかったわけでございまして、検事の権限に乗ってこないような、世の中から見てたいへんおもしろくない、納得できない、許されないことだと思うというようなことは、これは検事としては何ともできませんので、これは民主主義国家でありますから、要するに国民がこれを判断して、そうしてそれを直していく、こういうことがものの筋ではないかと、こう思いましたので、たいへんなまいきな言い方でございますけれども、そういう意味で国民の常識というふうなことばを使いましたので、御了承をお願いいたしたいと思います。
 それから關谷代議士の件につきましてお話がございましたけれども、この強制捜索、押収捜索ないしは差し押えといっておりますけれども、これを行なう場合には、これはすでに参考人ではないのでございます。参考人に対して刑事訴訟法上押収、差の押えを行なうというふうなことはないわけでございます。したがいまして關谷代議士の件につきまして、会館をはじめ自宅、その他数カ所にわたって強制捜査を行なわれたということは、刑事手続の面から見るならば、すでに参考人の域を脱して、もっと疑いの濃い立場にこのステータス−地位、身分が法律上確定されてきたということを当然意味しておるわけでございますので、仰せのとおり押収捜索が行なわれたということは、参考人の段階よりは疑いが濃くなってきたと、これは当然の結論だろうと思うわけでございまして、この辺のところは、私今日ここでお答えを申し上げて、何も捜査に差しつかえのあることではなかろうと、こう思うわけでございます。
#32
○田代富士男君 いまの有終の美を飾ることにつきまして、国民が納得できる公正なる結論、まあ妥当な結論ということばの表現が変わりましたけれども、これがこの当委員会においてこのように直接お互いに話をすれば理解できないこともありませんが、これがただ単に有終の美を飾ると、そういう結論となったならば、その文章だけを見たならばですね、どういうふうになるか。ますます疑惑を生ずる結果になるんじゃないかと思うわけなんです。いまの局長のお話でわかりましたけれどもね。しかしいま仰せのように、犯罪になる検察陣の範囲と国民大衆の判断する範囲とごっちゃにしちゃだめだと、縦分けしなくちゃだめだと、その意味もわかります。そのように検察陣は犯罪になることにつながる場合は職務権限を発揮してほしい、まあそこはもう当然じゃないかと思うんです。私も同感の至りです。だから政治献金というのは合法的でありますけれども、それ以外のそういう裏献金――ということはを使ってはどうかと思いますけれども、その場合にどうかという、そこにも検察陣の職務権限を発揮すべきじゃないかと思うわけなんです。
 そうすれば、先日の決算委員会におきましても検討された事実でございますが、今回のタクシーの汚職の事件に対しまして、全乗連あるいは東旅協、あるいは大タク協会等からこの法案阻止などのために集めた金額というものは、通称いわれる金額が三億七千万円ある。そのうちに、ただいまここで説明をしました政治献金という成規な手続として届けられている金が二億三千万円、そうすればその差額一億四千万円もの巨額の金がどうなったのか蒸発したんじゃないかと、蒸発論議がされたわけなんです。まあこの使途不明の金額ということが、その二カ月間にわたるところの会計関係の調査においても、まあ検察当局はどれだけつかんでいらっしゃるかわかりませんが、先日の決算委員会の中での論議の上から、このような結果が出ているわけなんです。この使途不明の一億四千万円が多数の国会議員に贈られたんじゃなかろうかという疑いが濃いということが追及されたわけなんですが、まあその金額等ちょっと追ってみますと、三億七千万円のうちの金額は、全乗連から八千万円、それから東京乗用旅客自動車協会からは一億四千万円、大タク協会から一億五千万円で三億七千万円。まあこれはいずれも三回にわたって臨時会費として集められております。どうして集められたかということは、議事録等のいきさつについては省きます。予算委員会においてもこれは言われております。そのうち自治省に政治献金として届けられた金というものは、全乗連あるいは東旅協関係が一億一千万円、大タク協会が一億二千万円、合計二億三千万円。そうすれば残りの金が蒸発――まあことははどうかと思いますが、代名詞を使うならば蒸発金額としましようか。ことばが不適当であれば、これは変えなければならない。蒸発した金、使途不明、これが全乗連、東旅協が一億一千万円、大タク協会がやはり三千万円、一億四千万円のこういうような疑いが濃いということがあるので、これも全国民が疑いを持つところのものです。
 政治献金というものは、成規の手続をするならば、ただいまも法務大臣が申されるとおりに、合法であると言われるかもしれません。しかし、このようにたくさんのトータル金額において差額が出たならば、このように疑いが濃い、私はこれに対しては、いま申されるとおりに、これに対して關谷代議士が「百万円は知らんぞよ」と愛媛のことばで言っておりましたけれども、それがいま疑いが濃ゆいとなった。最初は自分は潔白であったと言っていたはずです。何も潔白だと言っていたはずです。しかしやがて疑いが濃ゆいと断定された場合に、これはますます国民の疑惑というものが深まっていく。これは検察当局が職務権限において調査をしていかなければならない。そうして佐藤総理が申されるとおりに、国民の納得のいくようなケリをつけなければならんのです。それが有終の美、まあことばを変えられまして、納得のいく結論ということになってきておるわけなんです。これだけのものが使途不明の金額がある、疑いが濃いとされている。これに対して、これは捜査をきびしくやっていかなければならないと思うわけなんです。だから、私は何も知りません、いままでのことは知らない、いまさきのことは知らないというけれども、こういう事実も起きてきているわけです。まして關谷代議士のことがいま論議されましたけれども、その人のことにつきましては、ずっと以前にも陸運汚職に関係されたこともあります、その人。まあここに古い資料でめくってみたわけなんですが、昭和二十九年の四月ごろのこの陸運汚職にも関係しております、この人は。
#33
○国務大臣(赤間文三君) 造船……。
#34
○田代富士男君 二十九年四月の汚職事件にも関係しております。だから今度が初めてであるならば、だれしも潔白だということを認めることもできるでしょうけれども、またもややったかというような疑惑を持たれてもしかたがない。潔白であると言っていた、その潔白であったその人が、だんだんいまの局長の話では、参考人の域を脱してきた、そのような結果になった。だから私は、そうなるならば、いまさき申しました逮捕許諾請求か、国会会期あけの逮捕か、任意取り調べの起訴かという三つの方法以外にないじゃないか。しかし、これは關谷個人でありますけれども、大きく考えていけば、これだけのいまさきの献金にゆきましても、全献金のうちの六四%が自民党本部に対してなされている。そして事実の面におきまして、LPガス法案のこのようなことになった。これは局長はまた別の問題だとおっしゃるかわかりませんけれども、事実においては、いまLPガスの法案が継続審議、継続審議、廃案、そうして延長と、このように次から次やってきているのです。
 そのことばを裏づけるかのように、ここにもありますけれども、これは昭和四十年の三月二十三日の「朝食会 赤坂プリンスホテルで。LPG課税反対陳情、寿原、關谷、田辺、川野代議士他。東旅協旬報第2巻4号を発行、3月3日の理事会で川鍋会長から「我々業界は国会の諸先生方の指導に基いて、われわれに不利益を与える悪法については体当たりでぶつかりたい」とあいさつがあった旨報告している。東旅協第2回理事会。川鍋会長が「政党献金については、お付き合いていどの献金をしたい」と協力を要請。東旅協LPG課税反対特別委で「最終段階の強力な陳情を行なう」ことを決定。」。
 またその次の六月には、参議院大蔵委員会会でこの法案の審査の結果、そしてそのような打ち合わせがあったあとに、国会で六月一日継続審議となっております。その継続審議になった六月一日のあくる六月二十八日、「大タク協理事会で多島会長は「1億円余の献金は6月10日に多田、坪井、沢の各理事と山口旅協会長ら三氏により東京に持参し、自民党に届けた」と報告。關谷代議士は課税は来年まで延期されたが、次回の国会で議案が通過するようであれば、過日審議未了にした意味がなくなるので寿原氏ともども手を打っていきたい」 また寿原氏は「結束による協力があれば阻止できると強調。」。
 こういう、あえて私は多くは述べません。予算委員会でも言っております。このようにして、前回も言いましたけれども、言うならば、国会ぐるみの買収と言えばことばが適当でないかもわかりません。このような法案の審議がなされ、二億、三億の政治献金によりましてあげられた利益というものがどれだけの利益があげられているのか。二百億円、それ以上の利益があがっている。ガソリンの一日の使用料が二千円とするならば、LPガスの車を使えば千二百円で済むのです。車一台につき八百円の利益があがるのです。十台で何ぼです、八千円。百台で八万円、千台で一日だけで八十万円ガソリン車より安くなる。それを全国総合計するならたいへんな金額になる。法案審議は、この図表の経過のとおりに、継続審議、継続審議、延長となってきている。されば、個々のわいろの事件、そういう対価関係のあることを調べるということが適当でしょう。常識的判断、国民的判断で言うならば、国会ぐるみ買収された、大阪ではこういう評判がもうもうと起きている。これは、赤間さんは大阪から出ばった法務大臣やから、ひとつがんばってもらわぬとあかぬなと、そういううわさも出ているのです。その法務大臣が、おれは法務大臣だからいまとやかくのことを言うことはできない。それは、大阪府民の皆さんわかっているでしょう、法務大臣になっただけでも喜んでいるのですから。その赤間さんが、ここで疑惑を晴らすようなことはまだ言われておりませんよ、国民大衆に。特に大阪の人に。私はこのように考えていくならば、献金の六四%を受け取った、政治献金として合法的だと言いますけれども、合法でない献金も、これもいままだ調査中だと思いますけれども、そういうことは国民的常識の上からいきまして、私はこれは問題にせずにおかない。そういうところで、私は刑法百九十七条ノ二に、政党献金は第三者供賄になるという一項目があります。これに当てはまるか当てはまらないか。いま申されました造船疑獄――法務大臣が、關谷さんの昭和二十九年の話をしましたら、それは造船疑獄ですよ、それにからんだ問題じゃないですかとおっしゃった。造船疑獄のときも、御承知のとおりに、あのような結果になったけれども、造船疑獄のときに担当した検事が前馬場検事総長です。その人が、当時の決算委員会におきましても、指揮権発動のもとにあのような結果になったと思います、しかしそのときにも、刑法百九十七条ノ二にこれは抵触する可能性が強いということも言っているわけです。しかし結果は、指揮権発動のもとに何も有終の美――いまのことばで言うならば有終の美を飾ることができずして終わることになっております。今度考えるならば、私は造船疑獄の場合と似通った感じがするのです。その証拠に、複雑怪奇で、共和製糖のような、あのような膨大な事件でさえも、二カ月間会計関係の調査に当たった。それ以上に複雑怪奇なんです。私は昭和二十九年のことを言うわけじゃありませんけれども、引き出すわけじゃありませんけれども、この関係について、もしも、合っているのか、その時の場合と違うのか、その辺の見解を法務大臣からお聞きしたいと思います。
#35
○国務大臣(赤間文三君) お答えを申し上げますが、私は造船疑獄のことはよく存じません。今度の事件につきましては、有終の美というのは、私は意味がわからない。私の考えは、有終の美でなくて、悪い者は悪いように、正しき法の制裁というものが行なわれるだろう、真実に徹した捜査が行なわれる、こういうことを非常に期待をしておる。造船疑獄のときに知りませんが、今度は他からの圧力とかいうようなことはもう全然排除いたしまして、一切の干渉はやらなくて、そうして正しい検察の働きをわれわれはこいねがっておるというので、内容はよく知りませんが、全然違うのじゃないかと私は想像をいたします。外部からとやこう言うて、悪い者が制裁を受けないというようなことがあってはならない。あくまで検察は、悪い者は悪い者だ、道々に取りさばくのである、それがわれわれの非常な期待であります。
#36
○田代富士男君 いまの説明はちょっとわかったようなわからないようなもう一度ですよ、刑法百九十七条ノ二に、政党献金は第三者供賄になるという、こういう一項目があるのです。それに対して、今回抵触するかしないかということを――造船疑獄のときは知らないとおっしゃる。それはそうかわかりません、前のことですから、詳しくは。しかし、この問題に対して、どうなんです、今回の汚職事件は。もうちょっと詳しく法務大臣からお願いしたいと思います。
#37
○国務大臣(赤間文三君) 刑事局長から先に。
#38
○田代富士男君 法務大臣からいま私は聞きたいのです。私はきょうは、法務大臣にお聞きして、ありのままのことを私も大阪の皆さんに伝えるのです。私はすぐに大阪へ帰りまして、実は皆さんの手で出られた法務大臣がきょうこのようにおっしゃったのだ。それで大阪の疑惑も晴らそうと思うのです。肝心かなめな私は問題だと思うのです。だから、それに対して法務大臣としてお願いしたいと思うのです。
#39
○国務大臣(赤間文三君) たびたびお答えしましたように、私はこの大阪のタクシー事件は、検察当局を信頼して、十二分にこの真相というものが解明せられるであろうということを期待しておるのであります。それで、その捜査の途中に、これをいまいろいろなことを申し上げるということは、捜査の妨げになる事例が多いと私は考えておる。適当なときに私はこのことが申し上げられると思う。捜査のまつ最中に、その捜査の妨げになるようなおそれのあることについては申し上げるわけにはまいらない、かように考えております。なおまた今度の事件につきましては、たびたび言いましたように、検察当局を十分信頼して、十二分にひとつこの事件を解明してもらう、他から一初の力が加わることがないということにいきたい、これが私の非常に希望しておる。またそうあるようにしたい、これが私の今度の事件に対する考え方。しかも、連絡は十分、法務当局としては検察当局にも連絡をとっていく。特別に、要するに、俗に言う指揮権発動めいたようなことは一初やらない、存分にひとつ検察当局が黒は黒、白は白としての効果をあげてもらうということを期待しておると、こういう趣旨でございます。
 条文その他のことについては、専門の局長から十二分に説明をさせますから、お聞き取りを願いたいと思います。
#40
○田代富士男君 いまの大臣のことば、あとで専門的には局長からということでありますが、いまたびたび、捜査の段階中であるから影響があるから言うわけにはいかないけれども、適当な時期に申し上げられると。まあ、その適当な時期の判断ですけれどもね、いまさっき、またいろいろ判断もあると思うのですけれども、適当な時期に申し上げることができるというそのニュアンスの問題だと思うのですけれども、概略してどういうような時期です、適当な時期とおっしゃるのは。そのときには申し上げることができる適当な時期。だから、一面では、私はいまさっきは、いままでの過去のこと、いまから将来のことも私は個人的な意見は言えませんよ。法務大臣のあれだけですよ。私が一番最初に聞いたときでもそうおっしゃった。私生活でもそんな窮屈なことは言わずにと言った。あと一切言わない。じゃ適当な時期には申し上げることができる。いま申されましたその絶対話を、過去のことも将来のこともしないという一面、適当な時期には申し上げることができるというその関係についてお願いいたします。いつであるか期待しております。
#41
○国務大臣(赤間文三君) 私は大体考えておりますのは、第一は、捜査が最も適切に行なわれる、予期の捜査の結果が出るということを衷心からこいねがっておる。妨げをして捜査に悪影響を及ぼしたり、いろんな妨げとなるようなことは、法務大臣として最も好まない。捜査の支障にならない、十二分にこの捜査の目的が達せられると、これを見守るのが法務大臣の一番大きな職責である。
 それからもう一つは、今日は人権を重じなければならない。例を言うならば、捜査線上に浮かんだという人は、私がよく了知しておる場合もありますから、黒か白かはっきりしないのに、まあ例を言うならばこういう人が捜査線上に浮かんだというようなことを言うならば、やがて調べた後、最後になったところが何も関係がなかったというようなこと。法務大臣としてはそういうことがあったならば申しわけがない。政治家は、たとえ罪にならなくてもやはり疑惑を受けるということは一生を葬られる、そういうふうな一種の人権を擁護するということも十二分に手伝わなければならん、こういう二つのことを念頭に置いて、捜査の妨げにもならない、それから、もう言うても何ももうはっきり黒は黒になる、そこに人権を阻害するようおそれもない、そういう時期には私は進んでこれを発表したい。なお、欲を言うならば、発表と同時に、将来好ましからざることが再び起こらないような方策というものをわれわれは十分考えて、われわれは好ましくない事件が将来たびたび起こることのないように全力を尽くしていくということがまた私らに課せられたつとめだと、かように考えております。したがって、そういうことがないようになる、その時期はおまかせを願わないと、これは法務大臣が判定をする。まあ大体この辺でよかろうと、いくら外部からいまが適切とおっしゃっても、それはなかなかその時期は法務大臣が大体これはもう間違いがないだろう、そういうのでありますから、その点ひとつ御了承を願います。
#42
○田代富士男君 で、それはこちらの聞きたいことは、最後の、法務大臣がその時期を判定すると、判定の基準において二点おあげになりましたけれども、まあ、その発表と同時に将来再び起きないような方策を考える、こういう力強いおことばでありますけれども、具体的にいまその方策をちょっとお聞かせ願えますか。再びこういう事件が起きないようにするためには、私はこれはたいしたことだと思うんです。将来再び起きないような方策を、これはもう歴代の法務大臣の中で初めての方策になるような方策にしてもらいたいわけなんですけれども、少しいまこまかいことは抜きにして、まあ大まか、大綱でもお願いいたします。
#43
○国務大臣(赤間文三君) 私は、いわゆる公務員というものは、いわゆるわいろとかいうようなことが一番好ましくない。公職にある者が、公務員のようなものがわいろを取るというようなことは、国に対する信頼というものを私はゆるがす。これはやっぱりまず公務員等が綱紀の粛正をひとつはかる。ここに起こった事柄を、これは道々に、悪い者のは悪い、いい者のはいい、道々に責任を持ってさばかねばならぬ。やった行為については責任を負うてもらうようなことに、中途はんぱなことではいかぬ。しかしながら、起こったことは、考え方によると、しかたがない。将来そういうことが二度と起こらぬような方策を講ずるということが、そのためには私は国、地方を通じてやはり網紀の粛正というものをあらゆる機会をとらまえて徹底をさせる方策を講じなければならぬ。どんなことをやるかというのは、 これは一言、二言では徹底しないから、それでまた、私が幾ら力んでみたってしょうがないと思う。とにかく公務員から汚職その他の犯罪事実を、これはもう警察も力を入れ、それからまた検察当局も力を入れて、また一般のそういうことに関係のない人も、全部の人がこれはやっぱり力を入れて汚職その他のことをなくす方策を考えなければならぬ、かように私は考えております。なかなか非常な各方面に徹底をさせないとなかなか効果はあがらぬと思いますが、いわゆるあらゆる機会をつかまえ、あらゆる機関を通じて網紀の粛正をはかることが私は必要である。それから、まあ話を露骨に言うなら、上の地位にある者ほどやっぱり身を慎んで模範になるようにやっていくというような心がけも必要じゃないかと私は考えて、人に言う前に、やっぱり上にある者が身を慎んで間違いのないようにやっていくということも、そういうように私は考えておる。また、あなたなどはいろいろな経験もありますし、網紀粛正に知恵があったらおかりをして、みんなでこれは成果があがるようにやっていきたい、かように私は考えております。
#44
○久保等君 ちょっと関連質問。いろいろ長々と大臣から答弁があるのですが、いまの問題だけに限って、私はやっぱりもう少し明快に御答弁を願いたいし、単に答弁だけじゃなくて、明快な態度をひとつここで法務大臣に鮮明にしてもらいたいと思います。ということは、いま、今後この種の汚職問題の絶滅を期する一体方策いかんという質問に対して、綱紀の粛正をやらなければいかぬ、これは広く一般の協力も得、それぞれの当事者がそれぞれひとつ自粛自戒しながら効果をあげていかなければならぬという答弁なんですが、それもそうだと思うのです。しかし私は、いまここでこの汚職の問題に対して法務大臣に課せられている一体責任は何かということになってきますと、単にばく然と綱紀粛正をはかってまいることがこの種の問題の絶滅をはかる最大の一つの方法だと言われる答弁では、どうもピンとこないのです。ということは、まずやっぱり現在進行しつつある捜査案件に対して、私はやっぱり法務大臣がき然たる態度でもってこの問題に対して処置をしていくということだと思うのです。いわば一罰百戒ということばがありますが、この種の問題に対して、やはり私は厳正にこの問題を扱ってまいるその立場から言えば、法務大臣の先ほど来の御答弁を聞いておりますと、検察陣営を信頼をし、その措置に期待をしておる。これでは法務大臣の私は責任を果たしているとは言えないと思うのです、そんなことは。国民全体がむしろ大きな関心を持ち大いにひとつ適正な結果が出ることを期待しておると思うのです。法務大臣はその国民の信頼にこたえるためには、むしろ検察陣営を大いに督励をする。しかも早期解決、しかも厳正なる解決を見るような努力を法務大臣みずから私はやるべきだと思うのです。そのことが法務大臣としての最小限度のこれは責任だと思うのです。だから、そういったあたりについてのやはり大臣の決意を私は表明してもらわなければならぬ。それから、一番野頭に大臣の就任のごあいさつがあったときに、今後の問題についてはひとつ厳正公平に処置をしてまいりたいということ、これはりっぱです。ところが、この案件に対しての処置はどうするのだという質問に対しては、担当者を心から信頼し、これに対して適切なひとつ措置がとられることを期待する。これはだいぶやはり私は格調が下がっておると思うのですよ。別にことばの端をとってどうこう質問するわけじゃないのですが、こういうこの種の具体的な問題に対してやはり厳正に処置をするのだ、しかも、早急に解決をするように最善の努力をしたい。このことは法務大臣としてはっきり言明をする責任があるし、また、そのことを実践させていかなければならぬと私は思うのです。もちろん検察陣営が、特に検事諸君が一生懸命に一線でもって苦労している。これに対して法務大臣として労をねぎらうことも必要だし、また、それを妨害するがごときはもってのほかです。したがって、そういったことについては、まずその士気を高揚させながら捜査効果があがっていくようなことを大臣として配慮することは当然ですけれども、さらにそれに対して督励をして、私は早期解決をすることによって国民の信頼にこたえるような積極性というものがなければならぬと思うのです。だから、そこらの積極性については、残念ながら先ほど来の質問のやりとりの中から聞いておっても、どうも大臣はきわめて大所高所から静観をしておるという程度の気持ちにしか私どもには聞き取れない。だから私は、ぜひこの問題については厳正に、しかも早期に解決するように最善の努力を法務大臣としてはもちろんやってもらいたい。この程度のことは簡単に明快に答弁せられなければならぬと思うのです。ぜひひとつその点についての大臣の所信と決意の表明をお伺いしたいと思うのです。
#45
○国務大臣(赤間文三君) ただいまの御意見全く同感でありまして、その点はもう私と同じお考えだと思います。ただ私が言うのは、正しき指揮ならいいが、不当に干渉したり、圧力を加えるようなことを厳に戒める、こういうふうな意味のことが相当入って何かお聞きづらい点があったかもしれません。あくまでやはり検察当局は厳正に、その結果というものをできるだけ早く処置をつけてもらいたいということは督励はいたしております。ただ、督励はいたしておりまするが、またあまり早く日にち、時間を限ったりなんだりすると、そのためにずさんなことをやったり、あるいは好ましくない人間をのがしたりするようなことがあっては好ましくない。とにかく、全くお話しのように、十分ひとつ督励もするし、相励ましもするし、十分その捜査の目的を達成をするように努力をしていきたい、かように考えておりますから、御了承願います。
#46
○久保等君 私は、今日、政治に対する不信、あるいはまた法務当局がいろいろ、特に出先の一線の検事諸君あるいは捜査に加わっておる人たちが非常な努力をしておるが、まあそれこそ百日の説法何とやらで、最後のところで雲散霧消してしまうというようなことが、今日まで汚職あるいは不正問題を扱った場合の事例としてこれまで幾たびかあったと思うのです。そのことが非常に今日政治に対する不信感を招いておる私は最大の原因だと思う。端的な例が、例の造船疑獄における指揮権発動の問題であったと思うのです。したがって、そういう今日までの実績から国民が非常に疑惑を持っておるのだから、今回のタクシー事件のごときは、去年の、まだ国民の目に消えやらない共和製糖事件に続いて、タクシー問題という形で第二の霧の問題として非常に騒がれておる問題です。私はそれだけに、そういう経過とまた今日の国民の一般の気持ちを考えたときに、法務大臣の職責というものは常日ごろの法務大臣と違った重大な責任があると思うのです。それだけに私は、この問題についてはそれこそ厳正に徹底的に事態の究明をはかってもらうと同時に、私は何も人権を侵してまでとやかくせよということをさらさら申しているわけじゃありません。当然、法務大臣としてそういったことについての配慮は加えられなければなりませんけれども、しかし、さればといって、だんだん具体的な問題になってくると、まんざら赤の他人でもないような人たちが容疑に上がってくると、政党政派の関係からいっても、そうなってくると、最後には何か政治的な圧力が加えられる。これは政治的な圧力というのは、いい意味の政治的な圧力じゃなくて、悪い意味の政治的な圧力が加わって、だんだん問題が上に行くに従って消えていってしまう。第一線の諸君は非常にたいへんな苦労をして、不眠不休で捜査をしてどうやら問題が明確になってきたところで、政治的な変な圧力が加わって雲散霧消してしまうというようなことが今日までよくあるわけです。これは、今回のこの問題に関する限りはそうじゃなくて、上に行けば行くほど問題がさらに明確になっていくという形に私は解決してもらいたい。これは国民全体が心から念願するところだと思うのです、そういう立場でやってもらいたいし、しかし、大臣の言われる何月何日までに片づけてしまうというような、その片づけるために片づけるというようなことじゃなくて、ほんとうに真相の究明を徹底的にやってもらう。そのために期間を切るわけにもまいらないと思いますが、しかし、さればといって、ゆっくりやるということがあっちゃならんと思うのです。そこのところは一々申し上げなくてもわかることですから、いずれにしても、結論として、国民の抱いている大きな不信を、しかも第二弾として、第二の霧問題といわれるタクシー問題について、徹底的に真相の究明をはかり、できるだけひとつ厳正に徹底的に処置してもらいたい。このことを簡単に申し上げて、再度ひとつ、従来の経過もあることですから、長い間の汚職問題に対するひとっここらで政治の姿勢を正す、また検察陣営は、ほんとうに最後にはよくやったといわれるような結論が出るように結論づけてもらいたいと思う。再度ひとつ大臣の決意を伺っておきたいと思うのです。
#47
○国務大臣(赤間文三君) お答え申し上げます。
 私は、真剣に検察がこの捜査の目的を達成するように、私としても全力を尽くしたいと考えております。まして私は、外から力を入れて検察がやっている仕事の妨げをするというようなことは、全然これを排除するのはもちろんのこと、適当にひとつこの事件が、ごくろうであるが、できるだけ早く解決をして、国民の疑惑を解いてもらいたい、こういうことに今後十分力を尽くしていきたいと考えております。御了承願います。
#48
○田代富士男君 午後の大臣の御予定もあると思いますから、もうあと一、二の問題で終わりたいと思います。まだまだこの問題は、これで終わりじゃありません。連続してまいりますが、きょうの委員会のところ、あと一、二問で終わりたいと思いますが、いま久保委員からお話がありましたとおりに、この問題は大事な問題じゃないかと思いますから、法務大臣として、私も言っておきましたが、はっきりした態度で臨んでいただきたいと思うのです。
 それで、何かいい方策をあなたお持ちでありましたらお教え願いたいということでありますから、ひとつ申し上げますけれども、綱紀粛正とかそういうことを申されますけれども、これは出先のそういう公務員の人々に綱紀粛正を言う前に、大もとです。いま久保先生のおっしゃるとおりに、大もとを改めなくちゃならない。そもそも政治献金そのものを改正していかなかったならば、綱紀粛正でこの問題が解決できますか。枝葉の問題の解決よりも、根っこの問題です。その根本の政治献金そのもの自身にこういう汚職がつきまとってきているのです。
 私は、きょう時間があればやろうと思いましたが、全部調べておりますが、来年は明治百年と騒がれておりますが、明治百年間の汚職事件を全部勉強いたしました、私。ここにその大綱だけ持ってきております。戦後どういう汚職事件があったか、戦前どういう事件があったか。明治百年といわれますが、明治百年間の汚職事件をここでやってきたのでございますが、時間がありませんから省略しますけれども、綱紀粛正とかそういう枝葉では解決できません。いま、いい方策があれば言ってくれとおっしゃるから私は言うのです。大臣からの求めに応じて言っているのです。だから、大臣が真にその姿勢を正そうとするならば、政治資金に対する問題と取り組んでもらいたいと思うのです。
 御承知のとおりに、政治資金の問題につきましては、いろいろな問題点が今日までなされてきております。まあそういうことから考えていけば、私はここで論ずるまでもないと思いますけれども、共和製糖の問題にしましても、造船疑獄の問題にしましても、いろいろ問題になってきている根本をたどっていきますと、全部政治資金の問題が持ち上がってきております。そうしてこのデータを調べていきましてもわかりますけれども、全部最後はうやむやのうちに押されてしまっている。今回のLPG法案の審議に際しましても、これは納得できますか。そのように審議されましたか。このLPGが、ガス税の修正法案が成立した当時の衆、参両院の大蔵委員会の速記録を読んだ場合に、審議された経過は一つもございまん。だから、衆議院の大蔵委員会におきまして、本法案は三国会の長きにわたりましたけれども、この本文の審議その他はほとんど行なわれておりません。何も審議を行なわれずにやられている。そういうことからいうならば、政治資金そのものを改めていかなかったならばこの問題は解決できないと思うのです。ところが、その政治資金の問題に対しまして去る十二日の参議院公選法特別委員会におきまして自治大臣は、政治資金規正のあり方については、派閥、個人に対する献金が禁止に至る程度までに規正すべきだと思うが、政党に対する献金は政党が議会政治の支柱である以上規正することは必要であるという私の考えは変わらないのである、このように政党への無制限な今日までの政界と業界との暗い金のつながりが疑惑を生じてきております。だから、綱紀粛正よりも政治資金規正法に対する改革をやるべきである。それとこのような、いろいろいま申されました刑法百九十七条の解釈の問題にいたしましても、刑法上の問題も検討すべき余地があると思うのです。刑法の問題も検討すべき、改正すべき余地があるならば改正をしていく、このように私は申し上げたいのですが、これに対して大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
#49
○国務大臣(赤間文三君) 政治資金規正法は、通常国会に提出をせられて審議が始まるものと考えております。私はいい政治資金規正法ができることを心から期待をいたしております。しかし、あなたの御意見も大いに傾聴に値しますが、私は、法律ができたからとかいっても、人間の心の持ち方が正しくなからねば疑惑というものはなかなかなくならぬ場合が多い。政治資金規正法がうまくできれば、綱紀粛正のことは言わぬでも大体うまくいきはせぬかというあなたのお考えには私は反対です。私は、心の持ち方が大事であって、法律のいいのができたからといって、犯罪は少なくなるけれども、それが解決にどれだけ役に立つかというのは、私は相当いろいろな問題がそれはそれなりに起こってまいる。しかし、その必要は認めまして通常国会に政治資金規正法というものはおそらく提出せられて成立するという考えです。綱紀粛正というものはそれはもう一番大事に考えている。すべての人間に綱紀粛正ということは大いにやる値打ちのある問題だと思います。その点はあなたと違うことを申し上げておきます。
#50
○田代富士男君 それじゃこれで終わりますけれども、そういうことをおっしゃれば、もう時間がないからやめておこうと思いましたけれども、また言わざるを得なくなってくる、余分なことを言うから。いま言うとおりに政治資金の法律をつくっても解決できない、人間の心が大事だと。われわれはそれは前から言っているのです。よほど法務大臣は公明党の政策をお読みになっていらっしゃらないかと思うのです。われわれは人間革命ということを言っているんですよ。それが根本だということを言っているんですよ。それをこちらがまる反対のようなことを言っている。大臣がおっしゃることは、こちらが提唱していることなんです。だから、どのような機構、制度が変わっても、それを運営していくのは人です。制度や法律ができれば変わるか。そうじゃないのです。運営していくところの人間が変わらなくちゃだめだということを言っているのです。法律だけつくればいいと言っているんじゃないのですよ。いまの政治にはそれが欠けているということをわれわれは言っているのです。そういうことをおっしゃれば、また一時間あっても二時間あってもなにですけれども、いずれにしても、一番最初申しましたとおりに、ともに全国民の代表ですけれども、別して大阪からわれわれは国会議員として選出されております。まして大阪の事件でありますが、大臣が法務大臣以外のことは言えぬと、それはわからぬわけじゃありませんけれども、大臣も責任を持って、いま久保先生もおっしゃったけれども、その厳然たる姿で対処していってください。欠けている面をあなたに申し上げますと、それに対して申されましたことに対して、あなたの考え違いだということを申し上げまして、私は質疑を終わりたいと思います。
#51
○委員長(北條雋八君) 本日はこの程度で質疑を打ち切ります。
 これにて散会いたします。
   午後一時三十六分散会
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ソース: 国立国会図書館
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